JP6457509B2 - 視覚標識装置を含むネットワークケーブル及びネットワークケーブルの末端の視覚標識装置 - Google Patents

Description

本発明は、ネットワークケーブルの両端の視覚識別を目的とした装置を含むネットワークケーブルに関する。

本明細書で用いられるように、用語「ネットワークケーブル」は、導電ワイヤを含んでいるケーブル又はリード線に関係し、信号を伝達することを目的とするものと、他にはＰＯＥ標準（パワーオーバーイーサネット（「イーサネット」は登録商標。以下同じ。））又は標準ＩＥＥＥ８０２．３ａｆに従って電力を伝達するものがある。そのようなケーブルは、コンピュータ若しくは電話ネットワークでの電気又はコンピュータのケーブル敷設のために使用される。コンピュータのケーブル敷設用途では、ケーブルは、ツイストペアの導電ワイヤから形成される。

本発明は、より具体的には、すべてのアフターサービス業務を容易にする、上記ケーブルの両端の迅速で明確な識別又は標識を目的とするネットワークケーブルの視覚識別装置に関する。この迅速な識別は、そのケーブルが、いわゆるネットワークキャビネット若しくはベイで横に並べて配置された及び／又は重ね合わされた設備の物品に接続されるケーブルのグループを形成し、そこではケーブルが一般的に混ざり合っているので、いっそう必須である。

本発明は、電気、コンピュータ、電話のネットワークのケーブル敷設に適用され、特にコンピュータリンク用のいわゆるネットワークキャビネットに適用される。

より具体的には、コンピュータリンクのネットワークキャビネットに関し、多数の差し込みケーブルがアクティブなコンピュータ機器と差し込みパネルの間を通され、多かれ少なかれ混ざり合ったケーブルの束を形成する。したがって、その一端から多端を見つけるために、それゆえに配線ケーブルの中の所定の番号のコネクターを、設備のアクティブな物品のポート番号と一致させることができるために、ケーブルをその全長に亘って辿るのは非常に困難である。

したがって、ケーブルの束が集められて接続される時に、再発する現実的問題、すなわち、ケーブルの一端の位置の認識から、束におけるすべてのケーブルの中から他端の位置を確実に識別することが生じる。この問題は、ワイヤがデータ信号を伝達するか電力を伝送するかを問わず、キャビネット（若しくはベイ）に収容されたコンピュータ差し込みケーブル／リード線だけでなく、電話のジャンパーケーブル又は電気ケーブルにおいても定期的に直面する。

視覚標識による識別は、設置及び保守作業を容易にする。

現時点でいくつかの解決方法が存在するが、それは残念ながら満足のいくものでない。

既知の解決方法の中で、ケーブル又はケーブルの端におけるコネクターの構造を改良しない解決方法について述べることができる。これらは、次のような技術である。
−触ることによって物理的及び視覚的にケーブルを辿ることであり、この技術は時間が掛かり得るという事実に加え、ケーブルが多いときに非常に困難であり、もしケーブルが織り合わされている又はしっかりと結合されているならば、ほぼ不可能であることが分かる。
−表示による両端でのケーブルの標識。残念ながら、この解決方法は、望みのものが見つかるまですべてのケーブルが検査されなければならないので、望みのケーブルの端の素早い識別を提供せず、時間の観点から費用が掛かり、必ずしも容易に行うことができるとは限らない。
−各ケーブルへの異なる色を用いた標識。しかし、この技術は、利用できる色の最大数は一般的に十分でなく、この数としては１０かその程度しかないので、量的に限られることが分かる。

他の解決方法は、ケーブル及び／又はコネクターに対する変更を必要とし、以下の書類で提案された解決方法を含む。
−特許文献１の１２頁９〜１５行に記載された改良では、光ファイバーによって視覚識別が得られる。その光ファイバーは、ケーブルに挿入され、上方に湾曲した一端を有する。この端は、光ファイバーに注入されてその中を伝達された光を放出するために使用される。光は、光ファイバーによって形成された曲げの表面の発光によって放出される。この文献は、光ファイバーがその他端においても上方に湾曲しているかどうかを特定しない。
−前述の方法に近い特許文献２に記載された方法によれば、光ファイバーは、ケーブル又は導管を視覚化するために使用される。この文献では、光は、光ファイバーに形成された曲げにおいて横方向に注入されることができる。この曲げ位置は、その全長に亘って光ファイバーの発光をもたらすこととなる光ファイバーの両端から離れている。
−特許文献３は、やはり光ファイバーによって得られる、ケーブル又はリード線を識別する視覚的方法を記載する。光ファイバーは、製造時にケーブル又はリード線に一体化される。その光ファイバーはその両端で湾曲しており、それぞれの端は、ケーブル又はリード線の対応する端に位置するコネクターに埋め込まれた曲げを形成する。この文献に記載の方法は、前述の例示におけるものと同じ不都合、すなわち、光ファイバーの一端に光を注入するための光源を必要とするという不都合を有する。加えて、ケーブルへの光ファイバーの組み込み又は結合は、光源モジュールのコストが追加されなければならないケーブルのコストを大きく増大させる。
−特許文献４もまた、ケーブル又は導管のための視覚識別装置を記載する。それによれば、ケーブル又は導管は、ケーブル又は導管の全長に沿って延びるエレクトロルミネセントワイヤを含む。そのエレクトロルミネセントワイヤは、ケーブル又は導管の経路の視覚化のために、一時的に電力を供給されるように設計される。その装置はまた、ケーブルの両端のそれぞれの近く、それゆえに末端のコネクターの近く、又は中間地点に配置されたエレクトロルミネセントワイヤの電力供給のための接続手段を含む。これらの接続手段は、末端のコネクターから独立している。エレクトロルミネセントワイヤは、ケーブルの製造時に一体化されるか、又は表面に配置される。エレクトロルミネセントワイヤに電力を供給するための接続手段は、上述のエレクトロルミネセントワイヤに結合されたコネクターの形態であり、ケーブルを取り囲む。これらの電力供給コネクターは、適用されるパワーインジェクターと協働するように設計される。この方法は、エレクトロルミネセントワイヤの電力供給のためにそのワイヤにコネクターの配置を必要とし、さらにケーブル又は導管が電気ケーブルであれば、伝達信号を乱す根源となり得る電力インジェクターを必要とする不都合を有する。
−特許文献５は、光ファイバーケーブルの両端を識別するための方法を記載する。この方法では、光ファイバーケーブルは、それぞれの端がコンピュータ又は電子装置への接続のためのコネクターを含んだ両端を備えており、電源コネクターは、光インジケーターと電源プラグとを含む。光ファイバーケーブルはまた、光ファイバーケーブルの両端に配置された光インジケーターの電圧のための２本の導電ワイヤを含む。その電圧は、電源接続プラグの１つに接続された電力供給装置によって印加される。光インジケーターは、発光ダイオード（ＬＥＤ）である。
−特許文献６は、特許文献５に記載のものと類似の方法／装置を記載し、ツイストペアケーブルに適用される。ケーブルの２本の導電ワイヤは、インジケーター（ＬＥＤ）の電力供給点に接続される外部の電力供給装置によって印加される電圧のために使用される。インジケーター及び電力供給点は、コンピュータ又は電子装置への接続を目的とするコネクターの近くにある末端の電源コネクターに位置する。この識別装置及び上述の装置の主な不都合は、それらは今日のネットワーク、すなわちＰＯＥ標準に従って少なくとも１００Ｍｂ／秒の通信速度を有するネットワーク、及びＰＯＥ＋標準に従って１０００Ｍｂ／秒の通信速度を有することが可能であるネットワークについて、これらの場合にはすべての導体は通信のために使用されるので、使用できないことである。両方の前述の解決方法において、２本の導電ワイヤは、識別装置を作動させる外部の電力供給専用である。その識別装置を機能させることは、もし通信速度を増大する必要性に対して、そのワイヤもまた通信信号を伝達するために使用されたならば、通信を乱すであろう。

上記の装置の別の不都合は、ケーブルの両端が通常のケーブルよりも大きな体積であるという事実にある。コンピュータ又は電子装置との接続を目的とするコネクターに近いケーブルの両端は、電源コネクターの存在により広くされている。しかし、機器側での接続のための空間は限られており、コンピュータ機器でのコネクター間の間隔は標準である。設置のために多数のケーブルが必要とされる場合、これらの解決方法を想定することは、どうしても可能でないことがある。加えて、これらの解決方法は、電源コネクターへの外部電源の接続を必要とする。

ＷＯ９４／０１９７０２号 米国特許第５４６３７０６号明細書 欧州特許第１２６１８８９号明細書 ＷＯ２００８／０７１８６７号 米国特許第５６６６４５３号明細書 米国特許第６５７７２４３号明細書

したがって、ケーブルの数及び配置に関係なくケーブルの端を識別することができ、１００Ｍｂ／秒〜１０００Ｍｂ／秒に達することが可能であり、好ましくは１００００Ｍｂ／秒（１０Ｇｂ／秒）に達することが可能である高速通信をすることができるネットワークケーブルにいかなる機能障害もなく適合される、視覚的なケーブル標識のための装置を提案することによって従来技術の欠点を克服することが、本発明の目的である。

加えて、提案される装置は、特許文献５、６に記載の装置での場合のように、ケーブルの両端によって占められる体積を増大させず、さらに特定の電源コネクターを必要としない。

この目的のために、ケーブルの両端を識別するための装置を含むケーブルが提案される。各端において、その装置はＬＥＤを含む電子回路を含む。その電子回路の少なくとも１つがスイッチを含む。そのスイッチは、ＬＥＤと一体化されても、一体化されなくてもよい。電子回路はケーブルに接続されて、そのケーブルによって伝送されたネットワーク電力供給によって、スイッチが他端の電子回路の電力供給をすることができるように配列される。

したがって、この目的のために、すなわち、識別装置に電力を供給するために、上記のケーブルの導体ワイヤを残しておく必要がない。識別装置に電力を供給するための専用の外部電源を設けることも、接続されたシステムの機能を停止することも必要ない。そのケーブルは、他端は先端のコネクターでネットワークを提供する電力供給設備に直接に接続されたままであるものの、一端で接続が外されることができる。したがって、本発明の識別装置は、ケーブルがネットワークの電力供給を受ける少なくともその一端で接続されたままである時に、そしてケーブルが信号伝達の乱れを引き起こさずにその両端でネットワーク設備に接続される時にも機能することができる。

本発明の目的は、より具体的にはネットワーク電力供給を伝送することを目的としたワイヤを含むネットワークケーブルであって、主にそのケーブルの両端を視覚的に識別するための装置を含むことを特徴とする。その装置は、少なくとも１つの発光ダイオードとスイッチとを含む第１の電子回路と、少なくとも１つの発光ダイオードを含む第２の電子回路とを含む。両方の電子回路は、導電性のリンクによって接続される。第１の電子回路は、ケーブルの一端においてネットワーク電力供給導体ワイヤの１つに接続され、第２の電子回路は、そのケーブルの反対端において別のネットワーク電力供給導体ワイヤに接続される。両方の電子回路は、スイッチの作動によってネットワークの電力供給が、少なくとも反対端の電子回路の発光ダイオードに電力を供給することを可能にするようにされる。

他の任意の特徴によれば、
−電子回路の少なくとも１つが、ケーブルによって伝送されることができるネットワークの電力供給を作動させる回路を含む。
−２つの電子回路は、両方のＬＥＤが直列で接続されて、スイッチの作動が電流の通過及び両方のＬＥＤの発光を可能にするようにして、導電性のリンクによって接続される。
−第１及び第２の電子回路はスイッチを含み、これらのスイッチはＬＥＤに接続され、これらのＬＥＤはいずれかのスイッチの作動によって電力供給される。電力供給は、作動されたスイッチを切ることで切断される。
−第１及び第２の電子回路はスイッチを含み、これらのスイッチは２路機能を可能にしてＬＥＤに接続され、ＬＥＤの電力供給は、いずれかのスイッチを作動させることによって得られ、電力供給はスイッチのいずれかを切ることによって切断される。
−電子回路は、ケーブルに、又は効果的にはケーブルのコネクターに組み込まれる。
−ネットワークの電力供給を作動させる回路は、ケーブルのコネクターに埋め込まれる。
−ケーブルは、ＲＪ４５コネクターを備えたツイストペアのケーブルである。ＲＪ４５コネクターの１つは、標準ＰＯＥに適合するスイッチタイプの電力供給装置に接続されることを目的とする。
−識別装置は、ケーブルの電力供給導体の４番及び／又は５番（ＤＣ−）並びに６番及び／又は７番（ＤＣ＋）に接続される。
−２つの電子回路を接続する導電性のリンクは、ケーブルに収容される。
−２つの電子回路を接続する導電性のリンクは、ケーブルに取り付けられたシース内に収容される。
−効果的には、導電性のリンクは２本又は３本の導体ワイヤを含む。
−ケーブルは、コンピュータ又は電話のネットワークケーブルである。
−そのケーブルは、コンピュータのプラグベイを目的とした差し込みケーブルである。

本発明の更なる目的は、ネットワーク電力供給を伝送することを目的とした導体ワイヤを含むネットワークケーブルの両端の視覚識別のための装置であり、主として、その装置は、少なくとも１つの発光ダイオードとスイッチとを含む少なくとも１つの第１の電子回路と、少なくとも１つの発光ダイオードを含む第２の電子回路とを含むことを特徴とする。両方の電子回路は、導電性のリンクによって接続される。第１の電子回路は、ケーブルの一端においてネットワーク電力供給導体ワイヤの１つに接続され、第２の電子回路は、そのケーブルの反対端において別の電力供給導体ワイヤに接続される。両方の電子回路は、スイッチの作動によってネットワークの電力供給が、少なくとも反対端の電子回路の発光ダイオードに電力を供給することを可能にするようにされる。

効果的には、電子回路の少なくとも１つが、ケーブルによって伝送されることができるネットワークの電力供給を作動させる回路を含む。

本発明の他の特定の態様及び効果は、次の添付の図面を参照して、例示の限定でない実施例として与えられる以下の記載を読むことで明らかになる。

本発明の視覚識別装置を含むケーブルの概略図である。 本発明の第１実施形態での識別装置の構造の概略図である。 本発明の第２実施形態での識別装置の構造の概略図である。 識別装置の取り付け例の概略図である。

本発明は、効果的にはイーサネットネットワークリンクに適用され、効果的にはＰＯＥ標準（パワーオーバーイーサネット）又はＩＥＥＥ８０２．３ａｆに従ってネットワーク設備の電力供給を可能にする電圧を使用する。

ＰＯＥ標準（パワーオーバーイーサネット）は、１００Ｍｂｉｔ／秒又は１Ｇｂｉｔ／秒の速度でのデータに加えて、４８Ｖの電圧（１２Ｗ〜１５．４Ｗ未満の電力）を通すことを可能にすることが改めて述べられる。ＰＯＥ標準は、１００Ｍｂｉｔ／秒の速度でデータを転送する能力があるいわゆるファストイーサネットネットワーク、並びに１０００Ｍｂｉｔ／秒（Ｇｂｉｔ／秒）の速度でデータを転送する能力があるいわゆるギガビットイーサネットネットワーク及び１０Ｇｂｉｔ／秒（１００００Ｍｂｉｔ／秒）の速度でデータを伝送する能力がある最新世代の標準ＰＯＥ＋である１０ギガビットイーサネットネットワークに関係する。

与えられる実施例において、用語「ケーブル」は、コンピュータ又は電話のネットワークで使用されることができるツイストペアを備えたケーブル、特にＰＯＥ標準用のＣａｔ−５、ＰＯＥ＋標準用のＣａｔ−５ｅ及び最新世代用のＣａｔ−６ａ又はＣａｔ−７ケーブルと呼ばれる、イーサネットネットワークにおいて使用されるツイストペアケーブルに適用される。ツイストペアを備えたケーブルは、ツイスト銅線の４つの対を形成する８本のワイヤで形成される。これらのケーブルは、ＲＪ４５型のプラグ又はコネクターを備える。ツイストペアの最大ケーブル長さは、従来は１００ｍである。

上記のケーブルは、各端にＲＪ４５型のネットワークコネクターを備える。第１のコネクターは、ＰＯＥ適合スイッチ又はハブなどの電源設備（ＰＳＥ）に接続されることを目的としている。

「発光ダイオード」又はＬＥＤは、少なくとも１つのＬＥＤと、任意である一体化されたスイッチとを含むＬＥＤ電子回路を意味する。以下において、ＬＥＤ回路又はＬＥＤの用語は、差異なく用いられる。

以下の記載は、図１が参照される。概略図において、ケーブル２０は、その両端にコネクター１、２を含む。これらのコネクターは、ＲＪ−４５コネクター又は同等品である。本発明によれば、ケーブルは、視覚識別装置１０を含む。この視覚識別装置１０は、一端に第１の電子回路１０１と、他端に第２の電子回路１０２とを含む。両方の電子回路１０１、１０２は、導電性のリンク１０３によって接続される。導電性のリンク１０３は、好ましくはケーブル内に収容される。または、ケーブルに取り付けられたシース内に収容されることもできる。電子回路１０１、１０２は、それぞれが少なくとも１つのＬＥＤ１１、２１を含み、少なくとも１つの電子回路がスイッチ１２を含む。好ましくは、電子回路１０２もスイッチ２２を含む。両方の電子回路にスイッチがあることは、必須ではない。しかし、図１に記載の実施例では、それぞれの電子回路１０１、１０２が、利点があるためにスイッチを含む。したがって、サービス又は保守担当者にとって、ケーブルの両端は視覚的に同一である。視覚識別装置１０は、したがってケーブルの両端のいずれかの端によって差異なく作動されることができる。

スイッチ１２又は２２は、対応するＬＥＤに一体化されていても、されていなくてもよい。効果的には、一体化されたスイッチを含むダイオード回路が使用される。

電子回路１０１、１０２は、操作者による意図的な作動（スイッチの閉鎖）の際に、これが少なくとも反対端に位置したＬＥＤの発光をもたらすようにされる。図２、３に記載の実施例では、２つの電子回路の配列は、両方のＬＥＤの発光を可能にする。したがって、電子回路が一端で作動された場合、この端でのＬＥＤが発光すると共に、他端でのＬＥＤも発光する。したがって、ケーブルの両端の識別が容易に得られる。

図２は、たとえケーブルがネットワークの電力供給を必要とする設備に接続されていなくても、スイッチを閉じた後にＬＥＤの電力供給を可能にする実施例を示す。この例では、視覚識別装置１０は、コネクター１に接続された端に対応する第１端において電子回路１０１を含み、コネクター２に接続された端に電子回路１０２を含む。電子回路１０１は、ＬＥＤ１１、スイッチ１２、及びケーブルを介してのネットワークの電力供給を動作させる回路１１０を含む。電子回路１０２は、スイッチ２２及びＬＥＤ２１を含む。電力供給トリガー回路１１０は、ケーブルを介してのネットワークの電力供給モードの作動を可能にし、したがってスイッチを押す操作者による意図的な動作によってＬＥＤの電力供給を可能にする。

効果的には、電子回路の１つだけが電力供給トリガー回路１１０を含み、この場合にはそれは電子回路１０１である。トリガー回路１１０は、ケーブルが接続される作動設備でイーサネットのネットワーク電力供給モード（ＰＯＥ）を作動させることができる集積回路、例えばテキサスインスツルメンツ社のＬＭ５０７１回路である。イーサネットのネットワーク電力供給モードの作動は、操作者によって閉じられたスイッチ１２と直列するＬＥＤ１１の電力供給をもたらし、この例では、直列する両方のＬＥＤ１１、１２の電力供給をもたらす。閉じられたスイッチと直列する１つ又は複数のＬＥＤは、それによって発光される。電子回路１０１又は１０２のスイッチの作動は、ケーブルの反対端の回路でのＬＥＤの電力供給、実際には両方のＬＥＤの電力供給をもたらす。反対に、作動したスイッチを切ることは、ＬＥＤへの電力供給を切断する。ＬＥＤはしたがって、電子回路１０１、１０２の１つのスイッチへの作用を経て発光し、そしてこの同じスイッチを切ることによって消える。

電力供給トリガー回路１１０は、効果的には、例えばＩＰ電話の場合のように、イーサネットリンクを介して電力供給を必要とする設備に一般的に備えられるＰＯＥ集積回路チップから形成される。ネットワークケーブルの他端に接続された設備の電力供給の必要性を検知するために電源設備によって使用される機能は、ケーブルのインピーダンスの測定である。識別装置１０における集積回路１１０（ＰＯＥチップ）の存在は、識別装置のスイッチが閉じられた際の、ネットワークの電力供給を必要とする設備の存在及び必要とされる電圧のシミュレーションを可能にする。スイッチが閉じられた時、ケーブルのインピーダンスは、トリガー回路１１０の存在によって変えられ、上記の標準に対応する値を有し、したがってケーブルを介してＰＯＥネットワーク電力供給をもたらす。この電力は、ケーブルが接続された電源設備（不図示）によって供給される。スイッチが開かれた時、インピーダンスは無限であり、電力は識別装置１０に供給されない。

電子回路１０１、１０２は、スイッチ１２、２２のうちの１つの作動を経て、ケーブルによって運ばれるネットワーク電力によって、電力が反対端の電子回路のＬＥＤに供給され、それによってそのＬＥＤが発光するようにして、リンク１０３を形成するワイヤＬ１、Ｌ２、Ｌ３によって接続される。スイッチ１２の端子Ａ１は、ワイヤＬ３を介してスイッチ２２の端子Ａ２に接続され、スイッチ１２の端子Ｂ１は、ワイヤＬ２を介してスイッチ２２の端子Ｂ２に接続される。端子Ｂ１は、ＬＥＤ１１の陽極と、ＬＥＤ２１の陽極に接続される端子Ｂ２とに接続される。ＬＥＤ１１、２２の陰極Ｋ１、Ｋ２は、ワイヤＬ１を介して、ネットワークの電力供給ケーブルのワイヤＤＣ−に接続される。集積回路ＰＯＥは、電力供給ワイヤＤＣ＋と、ＬＥＤ１１、２１を保護する抵抗１３とに接続される。

図３に記載の実施例では、トリガー回路１１０の接続は、上記実施例と比較して変わらない。２つの電子回路１０１、１０２の間のリンク１０３は、２つのワイヤＬ１、Ｌ２を含む。スイッチ１２、２２は、作動しない（休止位置）時に、反対位置にそれらの接点を有する。概略図では、スイッチ１１は作動されており、上げられた位置にあり、接点はワイヤＬ１でのＢ１である。スイッチ２２は作動されておらず、接点はワイヤＬ１でのＢ２である。ワイヤＬ２は、両スイッチの接点Ｃ１とＣ２を接続する。ＬＥＤ１１は、電力供給ワイヤとスイッチ１２との間に接続され、その陰極はスイッチ１２の接点の点Ａ１に接続される。ＬＥＤ２１は、スイッチ２２の後に接続され、その陽極はそのスイッチの接点の点Ａ２に接続され、その陰極は電力供給ワイヤに接続される。したがって、スイッチ２２の動作によって、位置Ｂ２から位置Ｃ２に変わると、ＬＥＤの電力供給が切断される。この実施例では、ＬＥＤの電力供給がスイッチの１つによって開始されることができ、いずれかのスイッチによって停止されることができる。電子回路１０１、１０２は、２路システムを形成する。トリガー回路１１０の作動機能は、前述の実施例と同じである。

これらの実施例では、ケーブル２０はＲＪ４５ケーブルであり、ＬＥＤに電力を供給するためにネットワークの電力供給を動作させる回路１１０は、ＬＥＤ回路の電力供給のために十分な電気強度を得るために、標準ＰＯＥ又はＰＯＥ＋に適合するケーブルの８本の導体ワイヤの中の２本の導体ワイヤに接続される。例としては、それらはケーブルの中の電力供給する導体ワイヤである５番（ＤＣ−）及び７番（ＤＣ＋）である。ケーブルに対する２つのスイッチのうちの１つの作動は、両方のＬＥＤの発光をもたらす。

すべての場合において、操作者が使用し得るスイッチの単なる作動によって、ケーブルの他端を視覚化できる。

好ましくは、トリガー回路１１０は、ケーブルの両端の一方のみがＰＯＥ又はＰＯＥ＋に適合する電源設備（ＰＳＥ）接続された時以降にＬＥＤの電力供給を可能にする。

効果的には、ＰＯＥ＋イーサネットのネットワーク電力供給の作動は、次のようにして得られる。
−起動シーケンスは、ＰＯＥ標準に適合する特定のスキームに従う。すなわち、
−電源設備ＰＳＥは、ケーブルのインピーダンス（シグネチャ）を測定することによって、電力を供給される装置ＰＤの接続を検知する。
−インピーダンスが２３．７５ｋΩ〜２６．２５ｋΩの間であれば、ＰＳＥは電力を供給される装置（ＰＤ）が存在するとみなし、ここでの場合、それは２つのスイッチのうちの１つが閉じた時の識別装置１０である。
−ＰＳＥ設備は、したがってＰＯＥ＋を作動して、電力供給トリガー回路１１０があることによって、検知された識別装置に直接の電流を供給する。

作動手順は次のとおりである。
−状態０：ケーブルに繋がった識別装置は起動されておらず、ＬＥＤは発光していない。
−状態１：操作者は、スイッチを押すことによって、両端のうちの一端で識別装置を作動させる。
−識別装置が両方のＬＥＤを作動させるように、ケーブルは、ＰＯＥ又はＰＯＥ＋に適合する電源設備、すなわちＰＯＥハブ又はＰＯＥスイッチに接続されなくてはならない。
−ケーブルがスイッチに接続されていない場合、識別装置は電力を供給されない。
−状態２：両方のＬＥＤが発光する。
−操作者は、発光したＬＥＤによってケーブルの他端を容易に識別することができる。この端は、コンピュータ装置（他のスイッチ、コンピュータ、プリンタなど）に接続されていても、接続されていなくてもよい。
−状態３：操作者は、スイッチを切る、すなわち開くことによってＬＥＤを消す。

図４の概略図は、電子回路１０１又は１０２がコネクター１、２に収容された一実施形態を示す。ネットワークの電力供給トリガー回路１１０は、効果的にはコネクターに埋め込まれることができる。

本発明で提案されるケーブルは、信頼性があり、伝送される信号を乱さない、ケーブル末端の識別装置を含む。加えて、その装置を機能させるためには、外部電源も追加のコネクターも必要としない。

１、２ コネクター
１０ 視覚識別装置
１１、２１ ＬＥＤ
１２、２２ スイッチ
１３ 抵抗
２０ ケーブル
１０１ 第１の電子回路
１０２ 第２の電子回路
１０３ 導電性のリンク
１１０ 電力供給トリガー回路
Ａ１、Ａ２、Ｂ１、Ｂ２ スイッチの端子
Ｋ１、Ｋ２ ＬＥＤの陰極
Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３ ワイヤ

Claims (14)

1. ネットワーク電力を伝送するためのワイヤを含むネットワークケーブル（２０）であって、該ケーブルは、そのケーブルの両端の視覚識別のための装置を含み、該装置は、少なくとも１つの発光ダイオード（１１）とスイッチ（１２）とを有する第１の電子回路（１０１）と、少なくとも１つの発光ダイオード（２１）を有する第２の電子回路（１０２）とを含み、両方の前記電子回路（１０１、１０２）は導電性のリンク（１０３）によって接続され、該導電性のリンクは、２本又は３本の導体ワイヤを含み、前記第１の電子回路は、前記ケーブルの一端においてネットワーク電力を伝送する前記ケーブルの第１の導体ワイヤに接続され、前記第２の電子回路は、前記ケーブルの反対端においてネットワーク電力を伝送する前記ケーブルの第２の導体ワイヤに接続され、両方の前記電子回路（１０１、１０２）は、前記スイッチの作動によってネットワークの電力供給が、反対端の前記第２の電子回路の前記発光ダイオードに電力を供給することを可能にするようにされ、前記電子回路の少なくとも１つが、前記ケーブルを介してネットワーク電力供給モードを作動させることができる電力供給トリガー回路（１１０）を含み、該電力供給トリガー回路は、ケーブルが接続される作動設備でネットワーク電力供給モードを作動させることができるＰＯＥ（パワーオーバーイーサネット）集積回路であり、ネットワーク電力を伝送する前記ケーブルの導体ワイヤは、ＰＯＥ標準又はＩＥＥＥ８０２．３ａｆ標準に従ってネットワーク設備へ電力を供給する、ネットワークケーブル。
2. 前記電子回路（１０１、１０２）は、両方の前記発光ダイオードが直列で接続されて、前記スイッチの作動が電流の通過及び両方の前記ＬＥＤの発光を可能にするようにして、前記導電性のリンク（１０３）によって接続されることを特徴とする、請求項１に記載のネットワークケーブル（２０）。
3. 前記第２の電子回路（１０２）がスイッチ（２２）を含み、前記スイッチ（１２、２２）は両方の前記発光ダイオードに接続され、前記スイッチの一方又は他方の作動によって、両方の前記ＬＥＤの電気供給が可能であり、作動された前記スイッチを切ることによって電力供給が切断されることを特徴とする、請求項１又は２に記載のネットワークケーブル。
4. 前記第２の電子回路（１０２）がスイッチ（２２）を含み、前記スイッチ（１２、２２）は両方の前記発光ダイオードに接続されて２路作動を可能にし、前記発光ダイオードの電力供給は、いずれかの前記スイッチの作動によって得られ、前記スイッチのいずれかを切ることによって電力供給が切断されることを特徴とする、請求項１又は２に記載のネットワークケーブル。
5. 前記電子回路（１０１、１０２）は、前記ケーブルに、又は効果的には前記ケーブルのコネクターに組み込まれることを特徴とする、請求項１〜４のいずれかに記載のネットワークケーブル。
6. 前記電力供給トリガー回路（１１０）は、前記ケーブルのコネクター（１、２）に埋め込まれることを特徴とする、請求項１〜５のいずれかに記載のネットワークケーブル。
7. 前記ケーブルは、複数のＲＪ４５コネクターを備えたツイストペアのケーブルであり、前記ＲＪ４５コネクターの１つは、ＰＯＥ標準に適合するスイッチタイプの電力供給装置に接続されることを目的とすることを特徴とする、請求項１〜６のいずれかに記載のネットワークケーブル。
8. 前記視覚識別のための装置は、前記ケーブルの電力供給導体ワイヤの４番及び／又は５番（ＤＣ−）並びに６番及び／又は７番（ＤＣ＋）に接続されることを特徴とする、請求項７に記載のネットワークケーブル。
9. 前記第１の電子回路と前記第２の電子回路を接続する前記導電性のリンク（１０３）は、前記ケーブルに収容されることを特徴とする、請求項１〜８のいずれかに記載のネットワークケーブル。
10. 前記第１の電子回路と前記第２の電子回路を接続する前記導電性のリンク（１０３）は、前記ケーブルに取り付けられたシース内に収容されることを特徴とする、請求項１〜９のいずれかに記載のネットワークケーブル。
11. 前記ケーブル（２０）は、コンピュータ又は電話のネットワークケーブルであることを特徴とする、請求項１〜１０のいずれかに記載のネットワークケーブル。
12. 前記ケーブルは、コンピュータのプラグベイを目的とした差し込みケーブルであることを特徴とする、請求項１〜１１のいずれかに記載のネットワークケーブル。
13. 請求項１〜１１のいずれかに記載されたケーブルの両端の視覚識別のための装置を含むネットワークケーブルによって形成されたコンピュータリンクを含むことを特徴とする差し込みキャビネット。
14. ネットワーク電力供給を伝送するためのワイヤを含むネットワークケーブルの両端の視覚識別のための装置であって、該装置は、
    少なくとも１つの発光ダイオードとスイッチとを含む少なくとも１つの第１の電子回路（１０１）と、
    少なくとも１つの発光ダイオードを含む第２の電子回路（１０２）と
    を含み、両方の前記電子回路は、導電性のリンクによって接続され、該導電性のリンクは、２本又は３本の導体ワイヤを含み、前記第１の電子回路は、前記ケーブルの一端においてネットワーク電力を伝送する前記ケーブルの第１の導体ワイヤに接続され、前記第２の電子回路は、前記ケーブルの反対端においてネットワーク電力を伝送する前記ケーブルの第２の導体ワイヤに接続され、両方の前記電子回路は、前記スイッチの作動によってネットワークの電力供給が、反対端の前記第２の前記電子回路の前記発光ダイオードに電力を供給することを可能にするようにされ、前記電子回路の少なくとも１つが、前記ケーブルを介してネットワーク電力供給モードを作動させることができる電力供給トリガー回路（１１０）を含み、該電力供給トリガー回路は、ケーブルが接続される作動設備でネットワーク電力供給モードを作動させることができるＰＯＥ（パワーオーバーイーサネット）集積回路であり、ネットワーク電力を伝送する前記ワイヤの導体ワイヤは、ＰＯＥ標準又はＩＥＥＥ８０２．３ａｆ標準に従ってネットワーク設備へ電力を供給する、ネットワークケーブルの両端の視覚識別のための装置。

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