JP6457339B2 - 直流遮断器 - Google Patents

直流遮断器 Download PDF

Info

Publication number
JP6457339B2
JP6457339B2 JP2015110491A JP2015110491A JP6457339B2 JP 6457339 B2 JP6457339 B2 JP 6457339B2 JP 2015110491 A JP2015110491 A JP 2015110491A JP 2015110491 A JP2015110491 A JP 2015110491A JP 6457339 B2 JP6457339 B2 JP 6457339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit breaker
current
circuit
capacitor
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015110491A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016225141A (ja
Inventor
匠太 田代
匠太 田代
隆太 長谷川
隆太 長谷川
正将 安藤
正将 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015110491A priority Critical patent/JP6457339B2/ja
Publication of JP2016225141A publication Critical patent/JP2016225141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6457339B2 publication Critical patent/JP6457339B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Description

本発明の実施形態は、直流線路に流れる直流電流を遮断する直流遮断器に関する。
近年、交流送電に比べ、直流送電の方が高効率であること、長距離送電の場合には経済性が良いことなどから、直流送電に関心が集まっている。直流線路を流れる直流電流は、交流電流と異なり電流零点が存在しない。そのため、直流遮断器では、コンデンサとリアクトルを用いた転流回路を設け、共振性電流を重畳することで電流零点を形成し、その電流零点で直流電流の遮断が行われる。
直流送電の中でも、特に高電圧直流送電(HVDC:High-Voltage Direct Current)が注目されているが、高電圧直流送電を普及させるには、遮断時間を短くする必要がある。一般的には、高電圧直流送電においては、送電網で事故が発生してから5msec以内に事故経路と切り離すことが求められる。従来から、高電圧直流送電において、高電圧・大電流の直流電流を遮断可能な直流遮断器等の開発が進められている。
特開平9−17294号公報
ところで、機械式の遮断器では、遮断器に高電圧が印加されるほど遮断器の絶縁距離が必要となる。そのため、高電圧が印加されると絶縁距離が長くなる分、絶縁時間も長くなる問題があった。よって、高電圧が印加される高電圧直流送電においては、開閉速度が速い遮断器を用いる必要があった。開閉速度が速い遮断器としては、半導体素子を用いて構成された高速動作が可能な半導体遮断器が用いられている。ただし、開閉速度が速い遮断器を用いた場合、その分コストが高騰するという問題があった。そのため、従来の開閉速度の遅い機械式の遮断器を用いて低コスト化を図りたいという要望があり、遮断器の絶縁距離を短くすることが求められていた。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。その目的は、絶縁距離を短くすることで高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することである。
上記のような目的を達成するための実施形態の直流遮断器は、直流線路に流れる直流電流を遮断する直流遮断器であって、それぞれ複数のリアクトルと複数のコンデンサを含み、多段で構成される2つの直列回路が逆並列に接続されるブリッジ回路と、前記2つの直列回路の、前記リアクトルと前記コンデンサの各接続点間に接続される複数の第1の遮断器と、前記ブリッジ回路に直列に接続される第2の遮断器と、を有し、前記複数の第1の遮断器は、前記直流線路に定常電流が流れているときは閉状態であり、前記直流線路において事故が発生したときにおいて、前記リアクトルと前記コンデンサを流れる電流により電流零点が発生した場合に開状態とされ、前記第2の遮断器は、前記直流線路に定常電流が流れているときは閉状態であり、前記複数の第1の遮断器の遮断後に、前記電流零点が発生した場合に開状態とされること、を特徴とする。
第1の実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。 第1の実施形態の直流遮断器において、事故発生前の電流経路を示す経路図である。 第1の実施形態の直流遮断器において、事故発生後の電流経路を示す経路図である。 第1の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器を遮断した後の電流経路を示す経路図である。 第1の実施形態の直流遮断器において、事故発生後に電流経路および第1の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第1の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第1の実施形態の直流遮断器と、直列回路を1段構成とした直流遮断器において、印加される電圧を測定した結果を示すグラフである。 第2の実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。 第2の実施形態の直流遮断器において、負荷リアクトルのインダクタンス値を変更した場合に、第1の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第3の実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。 第3の実施形態の直流遮断器において、事故発生前後の電流経路を示す経路図であり、(a)は事故発生前の電流経路を、(b)は事故発生後の電流経路を、(c)は第1の遮断器を遮断した後の電流経路を示す。 第3の実施形態の直流遮断器において、事故発生後に電流経路および第1の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第3の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第3の実施形態の直流遮断器と、直列回路を1段構成とした直流遮断器において、印加される電圧を測定した結果を示すグラフである。 第4の実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。 第4の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第4の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第4の実施形態の直流遮断器と、直列回路を1段構成とした直流遮断器において、印加される電圧を測定した結果を示すグラフである。 第5の実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。 第5の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。 第5の実施形態の直流遮断器において、第1の遮断器の遮断後に第2の遮断器に流れる電流の波形を示すグラフである。
[第1の実施形態]
[1.構成]
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の直流遮断器の構成の一例を示す回路図である。本実施形態の直流遮断器は、直流線路
に流れる直流電流を遮断するものである。直流遮断器は、ブリッジ回路1を有する。ブリッジ回路1は、2つの直列回路1a、1bが逆並列に接続されて構成されている。2つの直列回路1a、1bは、それぞれ複数のリアクトル2と複数のコンデンサ3を含み、多段で構成される。
直列回路1aは、リアクトル2およびコンデンサ3を、それぞれ2素子ずつ有し、リアクトル2とコンデンサ3が交互に配置されて接続されている。図1の例では、電流が流れる側(図1では左側)から、コンデンサ3、リアクトル2の順で、交互に配置されて接続されている。同様に、直列回路1bは、リアクトル2およびコンデンサ3を、それぞれ2素子ずつ有する。ただし、直列回路1bでは、リアクトル2とコンデンサ3の配置が直列回路1aとは逆になる。図1の例では、電流が流れる側(図1では左側)から、リアクトル2、コンデンサ3の順で、交互に配置されて接続されている。
2つの直列回路1a、1bの、リアクトル2およびコンデンサ3の接続点間には、複数の第1の遮断器4が接続されている。図1に黒丸で示す通り、2つの直列回路1a、1bのそれぞれにおいて、リアクトル2およびコンデンサ3の接続点が3点存在する。2つの直列回路1a、1bにおいて、対向する3点の接続点間のそれぞれに、第1の遮断器4が設けられている。よって、本実施形態では、第1の遮断器4が3台設けられることとなる。
また、ブリッジ回路1には、第2の遮断器5が直列に接続されている。第1の遮断器4および第2の遮断器5としては、機械式の遮断器を用いることができる。機械式の遮断器としては、真空遮断器やガス遮断器がある。機械式の遮断器は、そのグレードによって開閉速度が異なるが、絶縁距離に応じ適切な遮断器を選択することができる。また、第2の遮断器5としては、第1の遮断器4よりも開閉速度が遅い遮断器を用いても良い。ただし、事故発生から第2の遮断器5までの遮断時間が5msec以内となるように、第1の遮断器4および第2の遮断器5の開閉速度を適宜設定する。
[2.動作]
次に、直流線路において事故が発生した場合の、本実施形態の直流遮断器の動作について、図2〜6を参照して説明する。図2〜4は、直流遮断器を流れる電流の経路を示す図である。図5および6は、事故発生後において、電流の経路AおよびB、第1の遮断器4、第2の遮断器5に流れる電流の波形を示すグラフであり、横軸を時間、縦軸を電流値として電流波形を示している。
(1)定常電流が流れている場合
図2は、事故発生前の定常電流が流れている直流線路における電流経路を示している。事故発生前の定常電流が流れている場合には、第1の遮断器4および第2の遮断器5は閉状態とされている。電流経路Aにおいては直流電流が流れているため、コンデンサ3には電流が流れない。従って、実線の太い矢印で示す電流経路Aにおいて定常電流が流れる。
(2)事故が発生した場合
図3は、例えば電流が流れる方向において第2の遮断器5の下流側に、地絡事故が発生した場合の電流経路を示している。地絡事故が発生することで、コンデンサ3にも電流が流れる。従って、電流経路Aに加えて、破線の太い矢印で示す電流経路Bにおいても電流が流れる。すなわち、第1の遮断器4を介して各リアクトル2を流れる電流経路Aと、第1の遮断器4を介して各コンデンサ3を流れる電流経路Bと、の2つの電流経路が生じる。
ここで、図5に示す通り、事故発生後、電流経路Aの電流は、時間の経過とともに徐々に大きくなる。また、電流経路Bの電流は、コンデンサ3のキャパシタンス値等により振動する。第1の遮断部4において、この2つの電流が互いに打ち消し合うため、図5に示す通り電流零点が複数発生する。よって、任意の電流零点において、第1の遮断部4を遮断することで、事故点が切り離される。なお、第1の遮断部4の遮断は、図示しない制御回路が第1の遮断部4に開制御信号を出力することにより行われる。
(3)第1の遮断器4が遮断された場合
図4は、第1の遮断器4が遮断された後の電流経路を示している。第1の遮断器4が遮断されると、残留電流が電流経路Cと電流経路Dを流れる。電流経路Cは直列回路1aに相当し、電流経路Dは直列回路1bに相当する。電流経路Cおよび電流経路Dを流れる残留電流が加算されたものが、第2の遮断器5に流れる。第2の遮断器5において、電流経路Cおよび電流経路Dを流れる2つの残留電流は互いに打ち消し合うため、図6に示す通り電流零点が発生する。なお、図では省略しているが、電流零点は複数発生する。よって、任意の電流零点において、第2の遮断器5を遮断することで、事故点の切り離しが完了する。なお、第2の遮断部5の遮断は、図示しない制御回路が第2の遮断部5に開制御信号を出力することにより行われる。
[3.作用効果]
以上のような本実施形態の作用効果について、図7を参照して説明する。図7は、直列回路1a、1bが多段で構成される本実施形態の直流遮断器と、2つの直列回路を1段で構成した直流遮断器と、において第1の遮断器4に印加される電圧を測定した結果を示すグラフである。図7からも明らかな通り、本実施形態の直流遮断器では、第1の遮断器4に印加される電圧が、1段構成と比べて抑えられている。
従って、第1の遮断器4および第2の遮断器5に高電圧が印加されることを防止でき、遮断器の絶縁距離を短くすることができる。従来、高電圧直流送電網で使用する遮断器としては、事故発生から5msec程度で切り離しが可能となる半導体遮断器等の開閉速度が速い遮断器が用いられていた。一方、本実施形態では、絶縁距離を短くすることが可能となったため、事故発生から5msec以内の遮断を可能とする機械式の遮断器について選択の幅を広げることができる。よって、高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することができる。
また、第2の遮断器5として、第1の遮断器4よりも開閉速度が遅い遮断器を用いることで、さらに低コスト化された直流遮断器を提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の直流遮断器の構成は、基本的には第1の実施形態と同じである。ただし、図8に示す通り、電流が流れる方向において第2の遮断器5の下流側に、負荷リアクトル6が接続されている。負荷リアクトル6は、インダクタンス値を変更可能に設けられている。
以上のような直流遮断器において、負荷リアクトル6のインダクタンス値を決定する方法を以下に説明する。まず、作業者は、負荷リアクトル6のインダクタンス値を複数の値に変更して電流波形を測定する。本実施形態では、負荷リアクトル6のインダクタンス値を、1mH、10mH、および100mHに変更した場合を例として説明する。図9は、負荷リアクトル6のインダクタンス値を変更した場合に、第1の遮断器4に流れる電流の波形を示すグラフである。
図9に示すように、インダクタンス値が低い程、電流周期は短くなる。そのため、電流零点が発生する時間が早くなる。ただし、インダクタンス値が低いと、第1の遮断器4に流れる電流値が高くなる。第1の遮断器4に流れる電流値が高い場合、遮断時に第1の遮断器4に大電流が流れ、アークが引く現象が起こるため遮断が困難になる。
従って、第1の遮断器4に流れる電流値を所定の値以下で最も大きい値とすることが好ましい。第1の遮断器4に流れる電流値を所定の値以下に設定するとは、第1の遮断器4の遮断時にアークが引く電流値未満の値とすることを意味する。アークが引く電流値は、直流遮断器の設計、使用する第1の遮断器の規格等を考慮の上、適宜設定すれば良い。
例えば、図9の例では、負荷リアクトル6のインダクタンス値が1mHの場合、電流振幅の周期が最も短い。しかし、第1の遮断器4に流れる電流が最も高い値となり、アークが引く可能性が高い。一方、負荷リアクトル6のインダクタンス値が100mHの場合、第1の遮断器4の電流値は低いものの、電流振幅の周期が最も長く、遮断までに時間を要する。従って、図9の例では遮断時にアークが引かない遮断時間の中で、最も遮断時間が早い負荷リアクトル6のインダクタンス値は10mHとなる。
以上のような本実施形態では、上記実施形態の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。負荷リアクトル6のインダクタンス値を可変とすることで、第1の遮断器4を流れる電流波形を適切な波形に設定することができる。特に、負荷リアクトル6のインダクタンス値を、第1の遮断器4を流れる電流が、所定の値以下で最も大きい値となるように設定することで、第1の遮断器4の遮断時間を速めるとともに、遮断時にアークが引くことを防止できる。従って、高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の直流遮断器の構成は、基本的には第1の実施形態と同じである。ただし、図10に示す通り、コンデンサ3と抵抗7が直列に接続されている。このような本実施形態において、直流遮断器を流れる電流経路について図11を参照して説明する。図11(a)に示す通り、事故発生前の定常電流が流れている場合の電流経路Aは、第1の実施形態と同じである。
同様に、図11(b)は、例えば電流が流れる方向において第2の遮断器5の下流側に、地絡事故が発生した場合の電流経路を示している。地絡事故が発生することで、コンデンサ3および抵抗7にも電流が流れる。従って、電流経路Aに加えて、破線の太い矢印で示す電流経路Bにおいても電流が流れる。ここで、図12に示す通り、事故発生後、電流経路Aの電流は、第1の実施形態と同様に、時間経過とともに徐々に大きくなる。
一方、図12に示す通り、電流経路Bの電流については、第1の実施形態と異なる現象が発生する。すなわち、電流経路Bにおいては、コンデンサ3に抵抗7が接続されている。そのため、コンデンサ3のみの場合と比較して、電流経路Bの電流値のピークが抑えられ、また電流の減衰量を大きくできる。これにより、第1の遮断器4に流れる電流のピークを抑えられる。同様に、図13に示す通り、第1の遮断器4を遮断した後に、第2の遮断器5を流れる電流のピークも抑えられる。
以上のような本実施形態では、図14に示す通り、第1の遮断器4に印加される電圧が、1段構成と比べて抑えられている。従って、第1の遮断器4に高電圧が印加されることを防止でき、遮断器の絶縁距離を短くすることができる。
また、第1の遮断器4および第2の遮断器5を流れる電流のピーク値を抑制するとともに、電流の減衰量を大きくできる。従って、遮断時間を速めるとともに、遮断器に開制御信号の命令を出してから、第1の遮断器4および第2の遮断器5に大電流が流れることが防止され、アークが引くことを防止できる。従って、高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の直流遮断器の構成は、基本的には第1の実施形態と同じである。ただし、図15に示す通り、コンデンサ3と転流リアクトル8が直列に接続されている。このような本実施形態において、直流遮断器を流れる電流経路は、事故発生前後において、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図16に示す通り、事故発生後、電流経路Aの電流は、第1の実施形態と同様に、時間経過とともに徐々に大きくなる。一方、電流経路Bの電流については、第1の実施形態と異なる現象が発生する。すなわち、電流経路Bにおいては、コンデンサ3に転流リアクトル8が接続されている。そのため、コンデンサ3のみの場合と比較して、電流経路Bの周波数が低くなる。これにより、第1の遮断器4に流れる電流周波数も低くなるとともに、電流値が抑えられる。同様に、図17に示す通り、第1の遮断器4を遮断した後に、第2の遮断器5を流れる電流の周波数も低くなる。
以上のような本実施形態では、図18に示す通り、第1の遮断器4に印加される電圧が、1段構成と比べて抑えられている。従って、第1の遮断器4に高電圧が印加されることを防止でき、遮断器の絶縁距離を短くすることができる。
また、第1の遮断器4および第2の遮断器5を流れる電流の周波数を低くすることができる。例えば、電流零点での遮断時に、遮断器に電流零点からの誤差が生じるとする。電流の周波数が低いと、遮断時の単位時間当たりの電流値も小さくなり、電流零点からの誤差が許容範囲で収まる可能性が高くなる。そのため、安全かつ信頼性の高い遮断を行うことができる。従って、高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の直流遮断器の構成は、基本的には第1の実施形態と同じである。ただし、図19に示す通り、コンデンサ3とスイッチ9が直列に接続されている。スイッチ9は、事故発生前は開状態に制御されている。事故発生後は、スイッチ9を閉状態とした後、第1の遮断器4を開状態に制御する。このような本実施形態において、直流遮断器を流れる電流経路は、事故発生前後において、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図20に示す通り、事故発生後、電流経路Aの電流は、第1の実施形態と同様に、時間経過とともに徐々に大きくなる。一方、電流経路Bの電流については、第1の実施形態と異なる現象が発生する。すなわち、電流経路Bにおいては、コンデンサ3にスイッチ9が接続されている。このスイッチ9を閉じることで、図20に示す通り、コンデンサ3およびスイッチ9に電流が流れるため、第1の遮断器4に電流零点を作ることができる。
従って、事故発生が、第1の遮断器4が開状態にできる最短時間を考慮し、第1の遮断器4に電流零点ができるようにスイッチ9を制御する。このようにスイッチ9を制御することで、第1の遮断器4は最初の零点電流で遮断されるため、短時間での遮断が可能と成る。また、コンデンサ3のみの場合と比べ、電流ピーク値が抑えられる。なお、図21に示す通り、上記実施形態と同様に、第2の遮断器5にも電流零点が発生するため、任意の零点での遮断が可能となる。
以上のような本実施形態でも、上記実施形態と同様に、第1の遮断器4に印加される電圧を抑えることが可能となる。従って、第1の遮断器4および第2の遮断器5に高電圧が印加されることを防止でき、遮断器の絶縁距離を短くすることができる。またスイッチ9により第1の遮断器4に電流零点を作ることにより、高速な事故点の切り離しを可能とし、低コスト化された直流遮断器を提供することができる。
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、リアクトル2およびコンデンサ3をそれぞれ2素子ずつ用いた2段構成の直流遮断器を例に説明した。ただし、リアクトル2およびコンデンサ3の素子数はこれに限定されない。直流遮断器は2段構成以上であれば良く、第1の遮断器4および第2の遮断器5に印加される電圧および絶縁距離を考慮し、必要な段数で構成することができる。
(2)上記実施形態では、第1の遮断器4および第2の遮断器5を機械式の遮断器として説明した。ただし、第1の遮断器4および第2の遮断器5として、例えば、IGBTやサイリスタ等の半導体素子を用いて構成された半導体遮断器を用いても良い。また、半導体素子と高速断路器とを組み合わせたハイブリッド直流遮断器等を用いても良い。例えば半導体遮断器を用いた場合であっても、遮断器に印加される電圧が遮断器の耐圧を超える場合などに、直流遮断器を多段構成とすることで遮断可能とすることができる。
(3)上記実施形態では、スイッチ9を用いて第1の遮断器4に電流零点を作る例を説明した。ただし、スイッチ9を放電ギャップに置き換えても同様の作用効果を得ることが出来る。また、ブリッジ回路に直列に接続されている第2の遮断器5に代えて、スイッチ9を遮断器にしても、同様の作用効果を期待できる。さらに、第1の遮断器4を半導体スイッチに置き換え、事故発生後にスイッチ9を閉じたと同時に半導体スイッチを開くように制御し、その後、第2の遮断器5に生じる電流零点で遮断器2を遮断する構成としても良い。
(5)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…ブリッジ回路
1a、1b…直列回路
2…リアクトル
3…コンデンサ
4…第1の遮断器
5…第2の遮断器
6…負荷リアクトル
7…抵抗
8…転流リアクトル
9…スイッチ

Claims (9)

  1. 直流線路に流れる直流電流を遮断する直流遮断器であって、
    それぞれ複数のリアクトルと複数のコンデンサを含み、多段で構成される2つの直列回路が逆並列に接続されるブリッジ回路と、
    前記2つの直列回路の、前記リアクトルと前記コンデンサの各接続点間に接続される複数の第1の遮断器と、
    前記ブリッジ回路に直列に接続される第2の遮断器と、を有し、
    前記複数の第1の遮断器は、
    前記直流線路に定常電流が流れているときは閉状態であり、
    前記直流線路において事故が発生したときにおいて、前記リアクトルと前記コンデンサを流れる電流により電流零点が発生した場合に開状態とされ、
    前記第2の遮断器は、
    前記直流線路に定常電流が流れているときは閉状態であり、
    前記複数の第1の遮断器の遮断後に、前記電流零点が発生した場合に開状態とされること、
    を特徴とする直流遮断器。
  2. 前記複数の第1の遮断器は、機械式の遮断器であることを特徴とする請求項1記載の直流遮断器。
  3. 前記第2の遮断器は、機械式の遮断器であることを特徴とする請求項1又は2記載の直流遮断器。
  4. 前記第2の遮断器は、前記複数の第1の遮断器よりも開閉速度が遅い遮断器であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の直流遮断器。
  5. 前記第2の遮断器には、負荷リアクトルが接続され、
    前記負荷リアクトルは、インダクタンス値が可変であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の直流遮断器。
  6. 前記負荷リアクトルのインダクタンス値が、前記第1の遮断器を流れる電流が、所定の値以下で最も大きい値となるように設定されていることを特徴とする請求項5記載の直流遮断器。
  7. 前記コンデンサに、抵抗が直列に接続されたことを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載の直流遮断器。
  8. 前記コンデンサに、転流リアクトルが直列に接続されたことを特徴とする請求項1〜7いずれか一項記載の直流遮断器。
  9. 前記コンデンサに、スイッチが直列に接続され、
    前記スイッチが事故発生後に閉状態とされた後に、前記第1の遮断器が開状態とされること、を特徴とする請求項1〜8いずれか一項記載の直流遮断器。
JP2015110491A 2015-05-29 2015-05-29 直流遮断器 Active JP6457339B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110491A JP6457339B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 直流遮断器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110491A JP6457339B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 直流遮断器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016225141A JP2016225141A (ja) 2016-12-28
JP6457339B2 true JP6457339B2 (ja) 2019-01-23

Family

ID=57746197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015110491A Active JP6457339B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 直流遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6457339B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59128716A (ja) * 1983-01-14 1984-07-24 株式会社日立製作所 直流遮断器
JP5965655B2 (ja) * 2012-02-03 2016-08-10 一般財団法人電力中央研究所 電流遮断回路、送電システム及び電流遮断回路制御方法
JP5265063B1 (ja) * 2012-09-05 2013-08-14 三菱電機株式会社 直流遮断器
JP6182048B2 (ja) * 2013-10-18 2017-08-16 株式会社東芝 直流遮断器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016225141A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2860171C (en) Hybrid dc circuit breaking device
EP2888749B1 (en) Apparatus arranged to break an electrical current
EP2750257B1 (en) Circuit breakers
JP5214066B1 (ja) 直流遮断器
JP6042041B1 (ja) 直流遮断器
US9478974B2 (en) DC voltage circuit breaker
CN103972875B (zh) 限制线路电流或使电流分断的装置及其控制方法
EP3091627A1 (en) High-voltage dc circuit breaker
EP3242309B1 (en) High voltage dc circuit breaker
JP5265063B1 (ja) 直流遮断器
KR101652937B1 (ko) Dc 차단기
JP6706834B2 (ja) 回路遮断装置
JP2016213192A (ja) 直流遮断器
KR20160122325A (ko) 갭 스위치를 이용한 고압 직류 차단 장치 및 방법
CN107134762A (zh) 一种基于超导限流的无弧直流断路器及开断方法
JP6456575B1 (ja) 直流遮断器
JP2005222705A (ja) 直流遮断器
JP6457339B2 (ja) 直流遮断器
KR101996510B1 (ko) Dc 그리드용 고장 전류 제한기 및 그 제어방법
KR101802509B1 (ko) 캐스케이드 하프 브리지 sscb
KR20200011186A (ko) 전류 제한 장치 및 이를 포함하는 직류 차단 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6457339

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150