<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図58を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63a、63b、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22(図11(a))と選択スイッチ600(図11(b)参照)が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される保留図柄表示(Ds1〜Ds8)の並び替えを行う場合などに、遊技者により操作される。
選択スイッチ600は、図11(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ(a)、左方向の選択を指示するための左スイッチ600b、上方向の選択を指示するための上スイッチ600c、右方向の選択を指示するための右スイッチ600d下方向の選択を指示するための下スイッチ600eで構成されている。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口63a、第2始動口63b、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。左第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の右側には、第1普通図柄始動口67aとその第1普通図柄始動口67bの下方に第2普通図柄始動口67bとが設けられている。第1普通図柄始動口67aと第2普通図柄始動口67bとは、同一の形状で構成されており、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bへ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示部88において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示部88において変動表示が行われている間に第1普通図柄始動口67または第2普通図柄始動口67bに球が通過すると、その通過回数は、第1普通図柄始動口67aと第2普通図柄始動口67bとで合わせて最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物632が作動する。普通電動役物632は、左誘導部材632aと右誘導部材632bとを有しており、その左誘導部材632aと右誘導部材632bとを左右に遊技球1球が通過可能な間隔を空けて通常時は上方に起立した状態で維持されている。左誘導部材632aと右誘導部材632bとが略垂直に起立した状態から反時計回りに所定角度(本実施形態では40度)回動し、遊技球を左誘導部材632aと右誘導部材とが第2始動口640へ誘導することにより、第2始動口640内に遊技球が入球し易い状態(特別状態)になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。このときには、普通電動役物632は作動されず、次の普通図柄(第2図柄)の変動が実行される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、左第1始動口630、右始動口631、第2始動口640、第1普通図柄始動口(スルーゲート)67a、第2普通図柄始動口(スルーゲート)67bに入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、左第1始動口630または右第2始動口631への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。
右側の7セグメントLEDには、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が(動的表示)される。具体的には、第2始動口640への入賞に基づいて決定された変動時間が経過するまで表示されるものであり、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、各変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
また、後述するが、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、左第1始動口63、右第2始動口631、第2始動口640への入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、大当たりA(15R大当たり確変大当たり)、大当たりB(15R通常大当たり)、大当たりE(15R通常大当たり(電サポ有り))の3種類が設定されている(図16(a)〜(c)参照)。ここで、大当たりEの電サポ有りとは、普通電動役物632が特別状態に設定され易く設定される当たりであることを示している。大当たりEでは、15ラウンドの大当たり遊技後、第1抽選遊技と第2抽選遊技の回数が合わせて100回となるまで電サポ状態が設定される。
第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、大当たりC(15R確変大当たり(電サポ有り))、大当たりD(15R確変大当たり(電サポ無し))の2種類が設定されている(図16(a)〜(c)参照)。
ここで、本実施形態の構成では、大当たり遊技中に開放状態に作動される入賞装置として第1可変入賞装置65がそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、大当たりA〜Eについて、第1特定入賞口65aが15回所定期間または所定数(本実施形態では10球)の遊技球が入球するまで開放されるように作動される。
図4〜図6を参照して、この第1可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この第1可変入賞装置65の分解斜視図である。第1可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、第1可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カーバ体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、第1可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、第1可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサー65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、右第1入賞口631側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入賞口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサー65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1可変入賞口65に入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりA、大当たりC、大当たりDに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりB、大当たりEに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図6(b)を参照して、通常排出口65e2に遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、13ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で13ラウンド目に入賞して、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサー65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、本実施形態における各種遊技状態について説明する。図7は、各種遊技状態が設定される流れを示した図である。パチンコ機10が初期化された状態(RAMクリアスイッチが押下されて電源が投入された状態)では、通常遊技状態が設定されている。この場合には、第2特別図柄(特図2)の変動時間が長く設定される。具体的には、図17に示すように、当否判定結果が当たり、外れである場合共に、特図2の変動時間は、64800000ms(18時間)が選択されるように構成されている。主に遊技店の営業時間は、朝9時から夜11までの15時間程度であるので、それよりも長い時間で設定されている。よって、通常遊技状態において、可変表示ユニット80の右側を通過させて遊技(右打ち遊技)を行っても、特図2の変動が営業時間内に終了しない。また、通常遊技状態は、電動役物632も特別状態に設定され難く構成されているので、通常遊技状態では、右打ち遊技を行うことは遊技者にとって、遊技球を可変表示ユニット80の左側を通過させて遊技(左打ち遊技)を行うことよりも不利となるように設定されている。
通常遊技状態で左打ち遊技を行うと、第1特別図柄(特図1)の第1抽選遊技で大当たりとなると、大当たりA(15R確変大当たり)と大当たりB(15R通常大当たり)とのどちらかが選択される。ここで、大当たりBである場合には、大当たりBの大当たり遊技が実行された後には、通常遊技状態が設定される。一方、大当たり遊技Aである場合には、確変電サポ無し遊技状態(潜伏確変)が設定される。この確変電サポ無し遊技状態では、大当たり確率が通常遊技状態の10倍高く設定され、第2特別図柄の変動時間が500ms(0.5s)に設定される。よって、遊技者は、右打ち遊技しても、第2特別図柄で抽選を行う第2抽選遊技を効率よく行うことができる。
ここで、第1特別図柄では、遊技状態に関わらず、大当たりとなった場合に34%の割合で確変大当たり(大当たりA)が選択されるように構成されているが、第2特別図柄では、100%の割合で確変大当たり(大当たりCまたは大当たりD)が選択されるように構成されている。よって、第2特別図柄で抽選された方が遊技者には有利になるように構成されている。
確変電サポ無し遊技状態では、第1特別図柄の変動時間が外れの場合には、1800000ms(30分)に設定されている(図18(a)参照)。一方、第2特別図柄の変動時間は、当否判定結果に関わらず500msに設定されている。よって、第1特別図柄の外れ変動が1回行われる間に、第2特別図柄では、最大3600回の抽選を実行することが可能となる。確変中の大当たり確率は、1/40であるので、通常の遊技であれば外れの第1特別図柄が1回変動終了するまでに、第2特別図柄で大当たりとすることができるように構成されている。
確変電サポ無し遊技状態において、第2特別図柄で大当たりとなると大当たりD(15R確変大当たり)が選択される。大当たりDの実行後には、確変電サポ有り遊技状態が設定される。この確変電サポ有り遊技状態では、特別図柄の抽選確率が10倍高く設定され、さらに、普通図柄の抽選確率も40倍高く設定され、変動時間も短い変動時間が選択され易く設定される(図19参照)。また、電動役物632が特別状態に維持される時間(開放時間)も通常遊技状態、潜伏確変遊技状態よりも長く設定される。よって、右打ちした場合に、右第1始動口631に入賞し易く構成できる。本実施形態では、右打ちした遊技球の95%が右第1始動口631に入賞するように構成している。よって、残りの5%の遊技球のうちの85%が第2入球口に入賞し、その残りの5%がアウト球となり消費される。よって、確変遊技状態では、右打ちされた遊技球のうち約99%が右第1始動口631または第2始動口640へ入賞することとなり、右打ちした遊技球の99%が賞球として遊技者に払い出される。よって、遊技者の持ち球の減少を抑制して遊技を行うことができる。
確変遊技状態では、第2特別図柄の変動時間は長く設定され、第1特別図柄の変動時間が短く設定されている(図18(b)参照)。よって、第1特別図柄で抽選が効率良く実行される。確変遊技状態で第1特別図柄の大当たりとなると、34%の割合で大当たりAが選択される。よって、34%の確率で潜伏確変遊技状態が選択されることとなり、再び最低2回の大当たりに当選するまでは、高確率で遊技を行うことが可能となる。一方、66%の確率で大当たりBが選択されると、大当たり遊技後に通常遊技状態が設定されることなる。
本実施形態では、潜伏確変遊技状態が設定されると、持ち球の消費が抑制された状態で大当たりが2回実行されるまでは、遊技者に有利な高確率で第1抽選遊技または第2抽選遊技を実行することができる。よって、遊技者としては、潜伏確変遊技状態が設定されると最低2回の大当たりが補償されていると感じさせることができる。
ここで、本実施形態では、通常遊技状態で大当たりAとなった場合に、記憶されていた第1特別図柄の保留球により第1特別図柄の大当たりBとなってしまうと、2回の大当たりを得るまえに通常遊技状態が設定されることとなる。しかしながら、潜伏確変遊技状態では、第1特別図柄の変動時間は、外れである場合には30分が選択されるように構成されているので、潜伏確変遊技状態が設定された1回目の第2抽選遊技で大当たりとなる場合(1/40の確率)であるので、頻繁に遊技者に不利となる状態が起こらないように設定されている。
さらに、通常遊技状態で大当たりAとなった場合には、第1特別図柄の保留球の抽選結果を先に判別して、抽選結果が大当たりEとなると判定された場合には、大当たりEの遊技終了後に100回の時短遊技が付与されるので、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態が付与されるように構成されている。よって、遊技者が落胆して遊技への意欲が著しく低下する不具合を抑制できる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、左第1始動口63、右第1始動口631、第2始動口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、図4(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。なお、第1表示領域(Dm)に表示される第3図柄の種別(特図1であるか、特図2であるか)は、遊技状態によって決定されて表示される。
本実施形態では、通常遊技状態(低確率遊技状態)と確変電サポ有り遊技状態(確変遊技状態)である場合には、第1特別図柄が第1表示領域Dmに表示され、確変電サポ無し遊技状態(潜伏確変遊技状態)である場合には、第2特別図柄が第1表示領域Dmに表示されるように設定される。
なお、本実施形態では、上記したように第1表示領域Dmに表示される特別図柄の種別が切り替えられるように設定したが、それに限らず、常に同じ特別図柄を表示するように構成してもよい。
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。
なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、第1表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
また、第1表示領域Dmの右上には、第2表示領域Dnが形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す図柄列が表示される。なお、この第2表示領域Dnには、確変遊技状態以外の遊技状態では、図4(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄または第2特別図柄が当たりであったことを遊技者に報知するように構成されている。一方、詳細については後述するが、確変遊技状態である場合には、図9(a)〜(b)に示すように、第2特別図柄を示す第3図柄として、宝箱の図柄が第2表示領域Dnに表示される。そして第2特別図柄の変動が開始されると、図9(a)の状態と図9(b)の状態とを交互に短い周期(例えば1秒)で繰り替えし表示する点滅表示が実行される。そして、この確変遊技状態である場合には、
第2特別図柄の抽選結果が外れである場合には、図9(a)で示す状態で変動時間が経過すると停止表示される。一方、抽選結果が当たりである場合には、図9(b)で示す状態で変動時間が経過すると停止表示されるように構成されている。
さらに、詳細については後述するが、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動を同時に実行することが可能に構成されている。第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動している場合に、一方が大当たりを示す態様で停止表示されると、変動中の他方の特別図柄の変動も強制的に外れを示す態様で停止表示されるように構成されている。確変遊技中には、第1特別図柄の抽選で、大当たりA、大当たりB、大当たりEの抽選以外にも、大当たり以外の抽選として小当たりの抽選も実行される。小当たりとは、大当たりが15ラウンドの大当たりが実行されるのに対して、2ラウンドの小当たり遊技が実行される。また、大当たり遊技の1ラウンドは、30秒が経過するか、10球の遊技球が第1可変入賞装置65に入賞するまで実行されるが、小当たり遊技の1ラウンドは、0.5秒が経過するか、10球の遊技球が第1可変入賞装置65に入賞するまでに設定されている。よって、小当たり遊技では、ほとんど第1可変入賞装置65に遊技球を入球させることができず、賞球を得ることが困難に構成されている。
ここで、第1特別図柄で小当たりを示す抽選結果で停止表示された場合にも、変動中の第2特別図柄は強制的に外れを示す図柄(図9(a)参照)で停止表示される。この場合に、次に第2特別図柄が変動開始される場合には、図10(a)〜(b)に示すように、第2表示領域Dnの大きさが拡張され、第1表示領域Dmの大きさが縮小されて表示される。そして、宝箱が開く表示態様が実行され、当否判定結果が外れである場合には図10(a)に示すように「残念」の文字が宝箱の中より表示されて、遊技者に抽選結果が外れであったことが表示される。一方、当否判定結果が当たりである場合には、図10(b)に示すように「おめでとう」の文字が宝箱の中より表示されて、遊技者に抽選結果が当たりであったことが表示される。
詳細は後述するが、本実施形態では、確変遊技状態では、第2特別図柄の変動時間が長く設定されるように構成されており、通常の遊技方法では、主に第1特別図柄での抽選が実行される。しかしながら、本実施形態では、第2特別図柄での第2抽選遊技で大当たりとなった場合には、大当たりD(15R確変大当たり)が必ず選択されるように構成されており遊技者に有利な抽選となっている。ここで、第1特別図柄が小当たりに当選すると、第2特別図柄の変動は強制的に停止表示され、新たな第2特別図柄の変動が開始されるので、第2抽選遊技が実行される機会を増やすことができる。さらに、その場合には、図10(a)〜図10(b)に示すように第2表示領域Dnが拡張して表示されるので、遊技者に第2特別図柄での大当たりを期待させることができる。
なお、本実施形態では、遊技状態が、時短遊技状態(大当たりE終了後に付与される)である場合には、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示される。第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄が表示される。
また、大当たり遊技状態では、大当たり遊技が開始される前に表示されていた状態で第1特別図柄、第2特別図柄が表示されて、大当たり遊技後に遊技状態が切り替えられるのに基づいて、表示領域が切り替えられる。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図8(a)に示すように、第1表示領域の下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図8(b)に示すように、第1特別図柄または第2特別図柄に対応した保留図柄「●」が表示される。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球数はそれぞれ4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄「●」が最大8個表示される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄は同一としたが、第1特別図柄の保留図柄を「●」、第2特別図柄の保留図柄を「▲」で区別して表示するように構成してもよい。さらに、副表示領域Dsを第1特別図柄の保留図柄を表示する表示領域と第2特別図柄の保留図柄を表示する表示領域とで分けて設定(例えば、左側領域と右側領域)するようにしてもよい。また、変動開始の順序に保留図柄を並び変えて表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明したが、それに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果の変動表示を可能に構成するようにしても当然良い。
左第1始動口63、右第1始動口631、第2始動口640へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。なお、左第1始動口63と右第1始動口631とは入球した遊技球が第1始動口スイッチへと誘導される共通の誘導路が遊技盤13の背面側に形成されている。第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、左第1始動口63、右第2始動口631、第2始動口640は、球が入賞すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄が変動表示中であれば、強制的に変動が終了される。なお、本実施形態では、一方の特別図柄で当否判定結果が大当たりとなる変動が開始去れている場合には、他方の後から変動開始される特別図柄は、強制的に外れの抽選結果として変動が開始されるように構成されている。これにより、大当たり遊技が連続して開始されたり、同時に大当たり遊技が開始される不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄で当たりの抽選遊技が実行されている場合には、他方では外れの抽選遊技が強制的に実行されるように構成したが、それに限らず、他方でも抽選結果通りの抽選遊技を実行して、連続して大当たり遊技が開始されることが可能に構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、変動時間の計測を中断して、大当たり後に残りの変動表示を継続する構成としてもよい。この場合、中断中については、所定周期で、第1特別図柄または第2特別図柄について、所定の表示態様「例えば、アルファベットのh」で停止表示させた状態で点滅表示させたりしてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止中(中断中)であることを遊技者に報知することができる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<構成について>
図2を参照して、さらに本実施形態の特徴的な構成について詳細を説明する。本実施形態では、可変表示ユニット80の左側を遊技球が流下する左側流路と、可変表示ユニット80の右側を流下する右側流路とが形成されている。可変表示ユニット80の中央下方には、左第1始動口63が配置されており、主に、左側流路を流下した遊技球が右側流路を流下した遊技球よりも入球し易く構成されている。
右側流路には、第1普通図柄始動口67aが配置されており、その下方に第1可変入賞装置65が配置され、その下方に右側第1始動口631が配置され、その右側に第2普通図柄始動口67bが配置されている。右第1始動口631の下方には、第2始動口640が配置されている。遊技盤13には遊技球の転動方向を可変させるための複数の釘Tが配置されている。
右側流路に発射された遊技球は、釘T4により電動役物632が通常状態(左誘導部材632aと右誘導部材632bとが起立した状態)では、右第1始動口631に遊技球が入球しないように構成されている。電動役物632が通常状態である場合には、右側流路を流下する遊技球の85%が右側第1始動口631の左側を流下するように構成されている。なお、右第1始動口631の左側と右側とを流下する遊技球の割合は、釘T1の角度を調整することで変更が可能に構成されている。釘T1の角度を第1可変入賞装置65側に傾斜させることで、遊技球が通過可能な幅が広くなり、右第1始動口631の右側を遊技球が流下する割合が増す。一方、釘T1を右第1始動口631側に傾斜させることで、遊技球が通過可能な幅が狭くなり、右第1始動口631の左側を流下する遊技球の割合を増やすことができる。
右第1始動口631の左側を流下した遊技球は、釘群T3(5本の釘により構成)により第2始動口640へと誘導されるように構成されている。なお、釘群T3は、それぞれの釘の幅が遊技球1球分よりも狭く配置されており、遊技球が通過不可能に構成されている。釘群T3に誘導された遊技球は、釘群T2(3本の釘で構成)により第2始動口640の下方へ流下することが妨げられ、すべて第2始動口640に入球するように構成されている。
ここで、本実施形態では、第2始動口640に遊技球が入球すると遊技者に対して、1球の賞球が払い出されるように設定されている。右側流路に発射された遊技球の85%は、第2始動口640に入賞するように構成されている(電動役物632が通常状態である場合)ので、遊技者が発射した遊技球のうち、85%は賞球として払い戻されるように構成されている。よって、遊技者は、右側流路に遊技球を発射することで、左側流路に遊技球を発射するよりも持ち球としての遊技球の消費(減少)を抑制することができる。なお、本実施形態では、右第1始動口631の右側を流下した遊技球は、釘群T2により第2始動口640には入賞しない構成となっている。
次に、電動役物632が特別状態(左誘導部材632aと右誘導部材632bとが略水平となるまで回動した状態)では、左誘導部材632aにより左第1始動口631の左側を流下する流路が閉鎖されるように構成されている。これにより、電動役物632が特別状態である場合には、右側流路を流下した遊技球が第2入球口640に入賞することが抑制されるように構成されている。よって、時短遊技状態や確変遊技状態である時には、右第1始動口631への入賞が増し、第2始動口640への入賞が減少して第1特別図柄での第1抽選遊技の実行回数(実行頻度)が多くなるように構成されている。さらに、時短遊技状態と確変遊技状態では、第2特別図柄の変動時間が長く設定されるので、より第2抽選遊技の実行回数(実行頻度)を少なく(低く)することができる。
さらに、本実施形態では、潜伏確変遊技状態では、遊技者に有利となる第2特別図柄の変動時間が短く設定されるので、右側流路に遊技球を発射するように遊技が行われるが、既に述べたように、第2始動口640へ入賞する遊技球の割合は、右側流路を流下する遊技球の85%に設定されているので、遊技者の持ち球は減少していく。しかしながら、本実施形態では、潜伏確変遊技状態となると、第2特別図柄で小当たりに当選する確率が高く設定される。さらに、潜伏確変遊技状態中に実行される小当たり遊技は、第1可変入賞装置65の1ラウンドの開放時間が3秒または10球入賞するまでに設定され、1ラウンド当たりの開放時間が他の遊技状態よりも延長されるので、小当たりにより賞球を得ることができる。本実施形態では、潜伏確変中の小当たりの確率が、右側流路を流下して消費される15%分となるように設定されており、遊技者の持ち球の減少を補填するように構成されている。よって、潜伏確変遊技状態にも遊技者は、持ち球が減少するのを抑制して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、通常遊技状態では、右打ち遊技(右側流路に遊技球を発射して遊技)で遊技を行うことが禁止されており、通常遊技状態時に第2始動口640に遊技球が入賞すると異常処理が実行されて、第3図柄表示装置81に警報表示「左打ちで遊技してください」という文字を表示するとともに、音声でも同様の警告が報知される。また、通常遊技状態で、第2始動口640に遊技球が入賞した場合には、大当たりが無効となるように制御してもよいし、ホールコンピュータ等に異常信号を出力するように構成してもよい。
<第1実施形態における電気的構成>
次に、図12を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図13参照)が設けられている。
ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示部88の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示部88)の抽選には、第1当たり乱数カウンタC4が用いられ、第1当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1600)(図45参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、左第1始動口63と右第1始動口631に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2始動口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、左第1始動口63と右第1始動口631とで合わせて保留球が最大4個、第2始動口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、左第1始動口63または右第1始動口631に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2始動口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が左第1始動口63または右第1始動口631、第2始動口640に入賞した場合には、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球1個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、左第1始動口63と右第1始動口631で合わせて4個、第2始動口640とに対して4個としたが、それに限らず、それぞれ4個でもよいし、上限値をもうけないようにしてもよい。
図9に示す各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、この第1当たり乱数カウンタC1は、左第1始動口63または右第1始動口631、第2始動口640への入球に対してそれぞれ共通に取得される。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1600)(図45参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が左第1始動口63、右第1始動口631、第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図14参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、低確率時には、「7」、高確率時には、「0〜9」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は低確率時には1で、その値「7」が、高確率時には10で、その値「0〜9」が、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が左第1始動口63、右第1始動口631、第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、入賞した始動口に対応するRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値が取得されるタイミングは、実際には、第1始動口スイッチ(図示せず)または第2始動口スイッチ(図示せず)に遊技球が検出されたタイミングのことである。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別選択テーブル202d(図16参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。
大当たり種別としては、上述したように、第1特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりAと大当たりBと大当たりEとが設定され、第2特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりC、大当たりEが設定されている。大当たりA〜大当たりEは、それぞれ15ラウンドの大当たり遊技で構成されている。さらに、大当たりA、大当たりC、大当たりDでは、13ラウンド目の開始時に第1可変入賞装置65の切替部材65hが5秒間回動され、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な状態となる。確変スイッチ65e3に遊技球が検出されることにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態である確変遊技状態または潜伏確変遊技状態に設定される。
一方、大当たりB、大当たりEである場合には、13ラウンド目の開始時に切替部材65hが0.5秒間のみ回動される。第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3に到達するまでには、0.5秒以上必要であることより、大当たりB、大当たりEである場合には、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することが不可能に構成されており、大当たり後の遊技状態が高確率の遊技状態に設定されないように構成されている。
よって、大当たり遊技が開始されても、遊技者にとっては、その後の大当たり遊技中に確変が付与されるか否かが決定されるので、確変への期待を長く継続して持たせることができる。さらに、第1特別図柄と第2特別図柄とで確変が付与される割合が異なるので、遊技者は、特別図柄の違いによって確変が付与される期待度を変えて遊技を行うことができる。
図16(a)〜(c)に示すように大当たり種別選択テーブル202dは、大当たり種別選択テーブルA〜Cまでの3種類のテーブルで構成されている。図16(a)は大当たり種別選択テーブルAの内容を模式的に示した模式図である。この大当たり種別選択テーブルAは、通常遊技状態(時短遊技状態含む)である場合に、大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定するための選択テーブルである。図16(a)に示すように、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、大当たりA(15R確変大当たり)と大当たりB(15R通常大当たり)とが設定されている。大当たりAは、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜33」の値が判定値として設定されており、大当たりBは、「34〜99」の第1当たり種別カウンタC2の値が判定値として設定されている。第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、大当たりCの1種類が設定されており、「0〜99」の第1当たり種別カウンタC2の値が判定値として設定されている。即ち、通常遊技状態では、特図1で大当たりとなると34%の確率で大当たりAが選択され、66%の確率で大当たりBが選択されるように構成されている。一方、特図2で大当たりとなると100%の確率で大当たりCが選択されるように構成されている。
なお、図16(a)に示すように、大当たりAは、普通図柄の当たり確率を高くし、普通図柄の変動時間が短くされて、電動役物632の作動時間も長く設定される状態(電サポ状態)が付与されず、第1可変入賞装置65の確変スイッチ65e3に遊技球が入賞可能な開放パターンが付与されるV入賞開放パターンが設定される大当たりである。一方、大当たりBは、電サポ状態が付与されず、V入賞開放パターンも設定されない大当たりである。大当たりCは、電サポ状態が付与されV入賞開放パターンが設定される大当たりに設定されている。
このように、通常遊技状態では、通常では遊技(変動)されないはずの第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりCのみとすることで、不正等により例え第2特別図柄で大当たりが発生したとしても、潜伏確変遊技状態を付与せず、最低2回の大当たりが不正に高確率状態で付与されてしまう不具合を抑制できるように構成されている。
次に、図16(b)は、大当たり種別選択テーブルBの内容を模式的に示した模式図である。この大当たり種別選択テーブルBは、潜伏確変遊技状態で大当たりが成立した場合に、その大当たり種別を決定するためのテーブルである。この大当たり種別選択テーブルBでは、特図1の大当たり種別として、大当たりAと大当たりEとが設定されており、特図2の大当たり種別として、大当たりCと大当たりDがそれぞれ設定されている。
大当たりEは、15ラウンド時短大当たりであり、大当たり遊技終了後に第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動開始するまでの間、電サポ状態が付与される。なお、この場合の大当たり確率は低確率状態に設定される。なお、潜伏確変遊技状態に移行すると、特図1の変動時間は長く設定されるので、大当たりとなるのは、潜伏確変遊技状態に移行した1回目の第1特別図柄の変動であることが概ね考えられる。その場合には、遊技者を救済する意図もあり、通常遊技状態では選択されない大当たりEが大当たりBの代わりに選択されるように設定されている。よって、遊技者の落胆を抑制でき、遊技への意欲が著しく低下してしまう不具合を抑制できる。
特図2で大当たりした場合には、大当たりCと大当たりDとがそれぞれ設定されている。大当たりDは、15ラウンドの潜伏確変が設定される大当たりで構成されている。ここで、本実施形態では、潜伏確変遊技状態が設定されると、最低2回の大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の抽選確率が高確率状態に設定される可能性が高く設定されている。よって、遊技者にとっては、確変遊技状態が設定される大当たりCよりも大当たりDの方が有利な大当たり種別に設定されている。
なお、大当たり種別選択テーブルBでは、大当たりCは、判定値として「0〜65」が設定されており、大当たりDは、判定値として「66〜99」が設定されている。よって、大当たりCは第2特別図柄が当たりとなると66%の確率で選択され、大当たりDは、34%の確率で選択されるように設定されている。よって、遊技者は、潜伏確変遊技状態中に第2特別図柄で大当たりすると大当たりDが選択されていることを期待して遊技を行う。
図16(c)は、大当たり種別選択テーブルCの内容を模式的に示した模式図である。大当たり種別選択テーブルCは、遊技状態が確変遊技状態である場合に大当たり種別を決定する為に使用する選択テーブルである。大当たり種別選択テーブルCでは、第1特別図柄の大当たり種別として大当たりAと大当たりBが設定されており、第2特別図柄の大当たり種別としては、大当たりDのみが選択されるように構成されている。なお、大当たりAが選択される割合は34%に設定されており(判定値「0〜33」)、大当たりBが選択される割合は66%に設定されている(判定値「34〜99」)。
このように、確変遊技状態が設定されている場合には、第2特別図柄で大当たりとなると必ず大当たりDが選択されることで、潜伏確変遊技状態が設定され、さらに遊技者に最低2回大当たりが実行されるまで高確率状態が継続して設定され易く構成している。ここで、本実施形態では、確変遊技状態中では、第2特別図柄の変動時間が長く設定されており、さらに、電動役物632が特別状態となり易く設定される(電サポ)となることで、第2始動口640への入球数が抑制されるように構成されている。後述するが確変遊技状態となると、普通図柄の変動時間が191/199の割合で3000msが選択され、8/199の割合で30000msが抽選により選択される(図19参照)。よって、低い確率で、変動時間の長い30000msの変動時間が選択されるように構成されている。
この30000msの変動時間が経過するまでの間は、電動役物632は特別状態に作動されないこととなるので、その間、第2始動口640に遊技球が入賞し易く(右打ちした遊技球の85%が入球)なるので、第2特別図柄の保留球を増大させることができる。一方、確変遊技状態中には、図18(b)に示すように外れの場合には、1800000msの変動時間が第2特別図柄の変動時間として設定されているので、通常では第2特別図柄の保留球が記憶されている状態でも効率良く新たな抽選が実行されないように構成されている。しかしながら、確変遊技状態中には、第1特別図柄の小当たり確率が1/80に設定されている(図15(b参照))ので、第1特別図柄で小当たりに当選する毎に、第2特別図柄で実行されている変動は、強制的に停止表示され、次に記憶されている保留球の変動が開始されることとなる。即ち、第1特別図柄で小当たりに当選することで、第2特別図柄での抽選機会が増えることとなり、遊技者に有利な抽選が実行され易いように設定されている。よって、遊技者は、第1特別図柄で小当たりに当選することを期待して遊技を行うことができ、大当たり以外にも遊技者の期待を増大させることができる。なお、小当たりの抽選確率は、適宜適当な値で設定してもよい。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば、0〜198の範囲内で1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後、0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が左第1始動口63、右第1始動口631または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、本実施形態では、始動入賞したタイミングで変動種別カウンタCS1の値を取得するように構成したが、それに限らず、変動開始となるタイミングで取得するように構成してもよい。第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2についても変動開始時に選択するように構成しても当然よい。
図17、図18(a)〜(b)に示すように、変動パターン選択テーブル202eは、低確率遊技状態で変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルA(図17参照)、潜伏確変遊技状態で変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルB(図18(a)参照)、確変遊技状態または時短遊技状態で変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルC(図18(b)参照)がそれぞれ設定されている。
各変動パターン選択テーブルは、変動開始する場合の保留球の数と変動種別選択カウンタCS1の値、当否判定結果に対応してそれぞれ変動パターンの種別が設定されている。なお、主制御装置110が決定する変動パターンの種別は、変動パターンの大まかな内容であり、主に、変動時間、大まかな変動種別(非リーチ、リーチ各種)が決定される。そして、音声ランプ制御装置114によりさらに詳細な変動パターンの内容が決定されるように構成されている。このように構成することで、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
図17に示したように、通常遊技状態では、第2特別図柄の変動時間が当否判定結果が外れ、当たりに関わらず極端に長い変動時間(動的表示時間)が決定されるように構成されている。具体的には、64800000msが選択され、18時間が設定される。遊技店の営業時間は、通常朝9時から夜11時までが長くても一般的であるので、15時間の営業時間となっておりそれよりも長い変動時間で構成されている。よって、通常遊技状態において第2特別図柄で遊技して大当たりさせることを防止できる。なお、本実施形態では、大当たりの場合も長い変動時間とした。この場合に、第2特別図柄で遊技されていることをホールコンピュータ等に出力することで、不正な遊技の監視や、正しい遊技方法での指導を遊技店側が行うことができる。
なお、本実施形態では、当たりの場合も第2特別図柄では長い変動時間としたが、当たりの場合には500ms等の短い変動時間で構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄で極端に長い当たり変動が実行されることで、その間第1特別図柄で当たり変動が実行されない不具合を抑制できる。
図18(a)に示すように、潜伏確変遊技状態では、外れである場合の第1特別図柄の変動時間が180000msで構成されており、極端に長く設定されている。一方当たりとなる第1特別図柄の変動時間は、500msで構成されており短く設定されている。このように構成することで、潜伏確変遊技状態に移行して1変動目の第1特別図柄が大当たりEとなった場合にも、潜伏確変遊技状態に移行したことを分かり難くすることができる。さらには、大当たり遊技を連続して実行でき、遊技の興趣を向上できる。
図18(b)に示すように、確変遊技状態では、第2特別図柄の外れの変動時間が180000msで構成されており、極端に長く設定されている。一方、当たりの変動時間は5000msで構成されており、後述する宝箱の演出が実行される期間に合わせて設定されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなる変動表示が同時に変動しないように構成したが、それに限らず、同時に大当たりとなる変動表示がされることが可能に構成した場合には、第2特別図柄の大当たりとなる変動表示時間は第1特別図柄よりも短い(例えば、5秒間)または極端に短い変動時間(例えば、0.5秒)として、第1特別図柄の大当たりとなる変動時間は第2特別図柄よりも長い変動時間(例えば、60秒間)または極端に長い変動時間(例えば、5分間)が選択されるように構成してもよい。このように、構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりBが決定される可能性がある第2特別図柄で大当たりすることを先延ばしにすることができ、その間に第2特別図柄で大当たりさせて、大当たりCを遊技者に付与することができる。なお、この場合には、一方の特別図柄で大当たりが開始された場合には、他方の特別図柄で変動中の抽選遊技は無効にするように構成する構成が考えられる。このように構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりCが付与されて確変遊技状態が設定された後にすぐに決定されて、短期間で確変遊技状態が終了してしまう不具合を抑制することができる。
また、上記した、第1特別図柄と第2特別図柄とで当否判定結果が大当たりである変動表示を同時に変動表示することを可能にした構成では、第1特別図柄における当否判定結果が外れの変動表示時間を長く(例えば、100秒間)設定して、第2特別図柄における当否判定結果が当たりの変動時間を短く(例えば、1秒間)に設定することで、時短遊技中に第1特別図柄で抽選結果が表示される回数を減らす(第1特別図柄が変動表示される回数を減らす)ことができ、遊技者に有利な第2特別図柄での抽選回数を増やすことができる。なお、時短回数が第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動表示するまでとされていた場合には、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄が外れ変動で連続して100回変動表示した場合の時間よりも長い時間で構成することにより第2特別図柄が時短遊技中に変動表示する回数を効果的に減らすことができる。
図13に戻って、各種カウンタの説明を続ける。第1当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、第1当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第1当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第1当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図22参照)毎に更新され、球が第1普通図柄始動口67a(スルーゲート)または第2普通図柄始動口67b(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は、通常遊技状態では、5であり、その範囲は「5〜9」となっている。また、高確率遊技状態では、200であり、その範囲は「5〜204」となっている。即ち、通常遊技状態では、取得された第1当たり乱数カウンタC4の値が「5〜9」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率遊技状態では、取得された第1当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示部88に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物632の左誘導部材632a、右誘導部材632bが、通常遊技状態では、所定時間(本実施形態では1.2s)の開放動作が1回行われ、高確率遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)の開放動作が2回行われる。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第1当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1600)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203cに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に第1当たり乱数カウンタC4から乱数値が取得されて、普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、第1当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄フラグ(図示せず)がオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1抽選遊技(第1特別図柄)と第2抽選遊技(第2特別図柄)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1抽選遊技と第2抽選遊技との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
図12に戻り、説明を続ける。RAM203は、図13に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1600)(図45参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図44参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図43参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、報知カウンタ203m、残球タイマフラグ203n、残球タイマ203o、確変有効フラグ203p、排出個数カウンタ203s、時短中カウンタ203t、大当たりフラグ203u、特図1変動停止フラグ203v、特図2変動停止フラグ203w、先読み保留球格納エリア203x、小当たりフラグ203y、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口64に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口640に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)と同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が左第1始動口63または右第1始動口631へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口640へ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第1当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄フラグ(図示せず)をオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ(図示せず))が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bへ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部88または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第1当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される第1始動口64または第2始動口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図44、S1514)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、左第1始動口63または右第1始動口631に遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2始動口640に遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納されるた場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図23、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部88、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図44、S1514)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図41、S1205参照)。
普通図柄フラグ(図示せず)は、第1当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア(図示せず)または普通図柄保留球格納エリア203cに第1当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、普通当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ(図示せず)はオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ(図示せず)はオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ(図示せず)はオフに設定される。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に確変フラグ203gがオンに設定される(図50のS11682参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図50のS1682)。一方、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりAでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203sとの合計により第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図50のS1681)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図51のS1711)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図50のS1673)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203sと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりBでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203kには、大当たりAでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりBでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図47のS1642)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図50、S1632)のS1679の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203kを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
報知カウンタ203mは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本実施形態では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本実施形態では12ラウンド目の終了タイミング(第1可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203mが設定される。この報知カウンタ203mは、主制御装置110の報知処理(図49、S1631)のS1664の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203mが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される14ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。ここで、大当たり遊技の13ラウンド目は、第3図柄表示装置81では、女の子のキャラクタが表示されて、第3図柄表示装置81を遊技者に見るように促す報知である「注目」の文字が表示されている。14ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図6(a)参照)の動きを遊技者が見えがたくするような報知演出が実行されている。しかしながら、13ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、14ラウンド開始前に、第1可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、13ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本実施形態では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(14ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりA、大当たりC、大当たりDであるか大当たりB、大当たりEであるかが判別される不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203oが1ずつ加算されて更新される(図50のS1632参照)。残球タイマ203oは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203oは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203oの上限値として設定されている。この残球タイマ203oの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図51のS1707)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、14ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりB、大当たりEであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203pは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203pがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203rは、上述した確変有効フラグ203pがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203rにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203rの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65hに遊技球を通過させたり、確変スイッチ65hの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203sは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203sは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図51のS1711)。
時短中カウンタ203tは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203tは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
大当たりフラグ203uは、左第1始動口63、右第1始動口631または第2始動口640に入賞したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの図柄に対応した大当たりであるかを識別可能なフラグで構成されている。具体的には、2ビットで構成されて、「10」で第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオン、「01」で、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンとして設定され、「00」で大当たりフラグ203uがオフとして設定される。
ここで、大当たりフラグ203uは、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に使用されるので、変動開始時に、第1特別図柄と第2特別図柄とで先にどちらか一方がオンに設定されている場合には、他方の抽選結果が大当たりであっても、大当たりフラグ203uは上書きされたりせず、他方の抽選結果は、外れと同等に処理される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動表示が実行されることがないように処理できる。
即ち、どちらか一方の特別図柄で大当たりとなる変動表示が開始されると、他方では、大当たりとなる変動表示が開始されず、外れの変動態様のみが表示されるように構成される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通した大当たりフラグ203uで構成したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ独立した大当たりフラグを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動表示が実行されるように構成してもよい。このような構成とすることで、確変遊技状態中に第1特別図柄で、大当たりB、大当たりEとなる変動表示が開始されたとしても、その変動時間を長く設定しておき、第2特別図柄で短い変動時間で抽選され易く構成することで、大当たりBが開始されるまでの間に、第2特別図柄で大当たりし易く構成することができる。よって、遊技者に大当たりBが開始されるまでの時間(即ち、確変遊技状態が終了するまでの期間)を報知する演出を実行して、遊技者に急いで、第2特別図柄で大当たりを当選させようとして遊技を行わせる演出を実行できる。従って、遊技者に新鮮な演出を提供することができる。その結果、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
特図1変動停止フラグ203vは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たり遊技が実行開始されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)のS1004において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)のS611の処理において、オフに設定される。
特図2変動停止フラグ203wは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)のS605において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)のS1011の処理において、オフに設定される。
先読み保留記憶エリア203xは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2特別図柄保留球格納エリア203bとに記憶されている保留球に対する当否判定結果、大当たり種別、変動種別等の判別情報が記憶される記憶エリアである。
小当たりフラグ203yは、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が小当たりであることを示すフラグである。この小当たりフラグは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらが小当たりであるかを識別可能に構成されている。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図12に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部88、特定入賞口65aを開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ(図示せず)は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図21(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aが少なくとも設定されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンの詳細な内容を決定するための選択テーブルである。この変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドが示す、変動時間、大まかな変動パターン(リーチ、非リーチ等)に対応して、複数種類の変動内容(例えば、変動時間は同一、判定結果も同一で構成されたリーチAからDの異なる表示内容のリーチ変動パターん)から一つの変動内容を決定する。
次に、図21(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図21(b)は、RAM223の内容を模式的に示した模式図である。RAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、第1特別図柄保留球数カウンタ223c、第2特別図柄保留球数カウンタ223d、特図2変動開始フラグ223e、特図2変動開始フラグ223f、特図1停止種別選択フラグ223g、特図2停止種別選択フラグ223i、演出カウンタ223j、従状態設定エリア223k、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを第1特別図柄と第2特別図柄に対してそれぞれ有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、左第1入賞口63または右第1始動口630への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ223dは、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
特図1変動開始フラグ223eは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する特図1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2変動開始フラグ223fは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する特図2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図1停止種別選択フラグ223gは、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2停止種別選択フラグ223iは、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
演出カウンタ223jは、変動パターンの選択や、各種演出の選択、加算時間選択テーブル222bからの加算時間の選択等に使用されるカウンタである。0から198の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
従状態設定エリア223kは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223hに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、図9を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図9は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
本パチンコ機10では、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示がそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。具体的には、第1図柄表示装置37では、7セグメント表示器37bの2つの7セグメントLEDの内、左側の7セグメントLEDでは、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側の7セグメントLEDでは、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図22から図51のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、左第1始動口63、右第1始動口631、第2始動口640の入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図38を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bにおける球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図41および図42を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図23は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図23、S104)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるたの制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図23、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図23、S104)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)については、詳しく後述するが、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第2特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)については、詳しく後述するが、第1特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
第1特別図柄変動開始処理(S203)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動表示停止され、第1抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第2特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。この第2特別図柄変動開始処理(図31、S206)は、詳しく後述するが、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)と同様に、第2特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。その後、この処理を終了する。
次に、図24を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図24は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得する(S301)。第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別される(S302)。特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算する(S303)。第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S304)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S305)。第1特別図柄大当たり判定処理(図24、S305)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S306)。第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
次に、図25を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図23、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S305)について説明する。図25は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S305)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。遊技状態が確変遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S402)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ(図示せず)がオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、高確率時用の特別図柄第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S403)。一方、確変フラグがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、低確率時用の特別図柄第1当たり乱数テーブル202a(図10(b)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S404)。
大当たりフラグ203uがオンであるか判別する(S405)。ここで、大当たりフラグ203uがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203uを第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たりが連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。
S405において、大当たりフラグ203uがオフであると判別された場合、即ち、第2特別図柄で大当たりとなる変動が開始されていないと判別した場合には(S405:No)、S403またはS404の処理で実行された抽選結果が大当たりであるか判別する(S406)。抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S406:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uをオンに設定する(S407)。その後、第1特別図柄の抽選結果(特図1抽選結果)を大当たりに設定して(S408)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄を大当たり種別に基づいて設定する(S409)。その後、この処理を終了する。
一方、S405の処理において、第2特別図柄に対する大当たりフラグ203uがオンであると判別された場合(S405:Yes)、またはS406の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、特図1外れ変動処理を実行する(S410)。なお、この特図1外れ変動処理(S410)については、図26を参照して説明するが、第1特別図柄の抽選結果が外れである場合の外れ図柄の設定等が実行される。
このように、実際に取得している第1当たり乱数C1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203uが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れの設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たりとなる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動が実行されない構成としたが、それに限らず、同時に実行されるように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の大当たりフラグを設定すればよい。この場合には、他方の特別図柄で大当たり遊技が実行された場合には、一方の特別図柄の変動では、変動時間の計測を一時的に仮停止して、特別図柄を擬似的に変動したり、仮停止するように構成することが考えられる。
次に、図26を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)の一処理である特図1外れ変動処理(S410)について説明する。図26は、この特図1外れ変動処理(S410)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ変動処理(図26、S410)では、まず、第2特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオンであるか判別する(S412)。小当たりフラグ203yがオンであると判別した場合には(S412:Yes)、第1特別図柄表示装置37に第1特別図柄の外れ図柄を設定する(S416)。その後、この処理を終了する。このように、第2特別図柄に小当たりが設定されている場合には、第1特別図柄には強制的に外れ図柄が設定される。よって、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に小当たりとなる変動が実行される不具合を防止できる。
一方、S411の処理において、第2特別図柄に対して、小当たりフラグ203yがオフであると判別した場合には(S411:No)、抽選結果が小当たりであるかを小当たり乱数テーブル202bに基づいて判定する(S412)。小当たりでないと判別した場合には(S412:No)、S416の処理を実行して、この処理を終了する。
一方、S412の処理において、小当たりであると判別した場合には(S412:Yes)、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yをオンに設定する(S413)。第1特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S414)。第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の小当たり図柄を設定する(S415)。その後、この処理を終了する。
次に、図27を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)について説明する。図27はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図27、S306)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)において、第1特別図柄の大当たりが設定されているか判別する(S501)。大当たりであるか否かの判定は、S407の処理で第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンに設定されているかにより判別される。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、現在の遊技状態(通常遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態のいずれか)に応じた変動パターン選択テーブル202eを設定する(S502)。設定されている遊技状態に対応する大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)〜(c)参照)より取得している第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定する(S503)。S502の処理で設定した変動パターン選択テーブル203eより変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択する(S504)。選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを生成する(S505)。その後、S507の処理を実行する。
一方、S501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203uがオフである)と判別した場合には(S501:No)、特図1外れ変動パターン選択処理を実行する(S506)。
ここで、図28を参照して、この特図1外れ変動パターン選択処理(S506)について説明する。図28は、特図1外れ変動パターン選択処理(S506)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ変動パターン選択処理(図28、S506)では、まず、第1特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S511)。ここでは、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオンに設定されているか判別する(S511)。小当たりフラグ203yがオンであると判別した場合には(S511:Yes)、小当たりの変動パターンを設定する(S512)。なお、小当たりである場合には、1種類の変動パターンが主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている。ここでは、変動時間3000msの変動パターンが設定されている。小当たりを示す特図1変動パターンコマンドを設定する(S513)。その後、この処理を終了する。
一方、S511の処理において、第1特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S511:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図16(a)〜(c)参照)を設定する(S514)。設定した変動パターン選択テーブルより変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択する(S515)。選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S516)。その後、この処理を終了する。
図27に戻って説明を続ける。特図1外れ変動パターン選択処理(図28、S506)を実行した後には、S507の処理を実行する。S507の処理では、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定する(S507)。その後、この処理を終了する。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図29はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)では、まず、特図1変動停止フラグ203vがオンに設定されているか判別される(S601)。ここで、特図1変動停止フラグ203vがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりまたは小当たりの抽選結果で停止表示されることを示しており、第1特別図柄の変動時間の経過前でも、強制的に変動停止させるタイミングであることを示している。
特図1変動停止フラグ203vがオフに設定されていると判別された場合には(S601:No)、設定されている変動中の第1特別図柄の変動時間が終了タイミングであるか判別する(S602)。第1特別図柄の変動終了タイミングでないと判別した場合には(S602:No)、この処理を終了する。一方、変動時間の終了タイミングであると判別した場合には(S602:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203uがオンに設定されているか判別する(S603)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンに設定されていると判別した場合には(S603:Yes)、特図2変動停止フラグ203203wをオンに設定する(S604)。図示は省略したが、S604の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203wがオンであることを示す特図2変動停止コマンドを設定する。
設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(S605)。選択されている大当たり種別に基づいた大当たり遊技の開始が設定される(S606)。その後、時短中カウンタ203tを初期値である0にリセットする(S607)。その後、S609の処理を実行する。S609の処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(S609)。第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行する(S610)。
一方、S603の処理において、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203uがオフであると判別した場合には(S603:No)、特図1外れ停止処理を実行する(S608)。
ここで、図30を参照して、この特図1外れ停止処理(S608)について説明する。図30は、この特図1外れ停止処理(S608)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ停止処理(S608)では、まず、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオンに設定されているか判別する(S621)。特図2変動停止フラグ203wをオンに設定する(S622)。オンを示す(特図2を強制的変動停止することを示す)特別2変動停止コマンドを設定する(S623)。小当たり遊技の開始を設定する(S624)。その後、S627の処理を実行する。
一方、S621の処理において、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオフであると判別した場合には(S621:No)、時短中カウンタ203tが0より大きい値であるか、即ち、時短遊技状態中であるかを判別する(S625)。時短中であると判別した場合には(S625:Yes)、時短中カウンタを1減算して更新する(S626)。その後、S627の処理を実行する。
S627の処理では、特図1確定コマンドを設定する(S627)。第1特別図柄表示装置37に変動表示(動的表示)している第1特別図柄を変動停止する処理を実行する。その後、この処理を実行する。ここで、図29に戻って、特図1外れ停止処理(S608)を実行した後には、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示する為に、第1特別図柄で大当たりまたは小当たりの抽選結果で変動停止させる場合には、第2特別図柄を強制的に変動停止させる処理を実行するように、特図2変動停止フラグ203wをオンに設定する。一方、後述するが、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりの抽選結果で変動停止させる場合には、特図1変動停止フラグ203vがオンに設定されることで、第1特別図柄の変動停止が強制的に実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄との同時変動を効率良く実行できる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で、大当たりまたは小当たりとなる変動が既に開始されている場合には、他方の特別図柄では、強制的に外れの当否判定結果として変動表示が開始される。よって、大当たりや小当たりが連続して強制的に実行されることが抑制でき、射幸性が高くなり過ぎる不具合を抑制できる。
次に、図31を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図31はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図31、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)に対して、S301〜S306までの各処理の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理(S305)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)がS701〜S706までの各処理では、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第2特別図柄大当たり判定処理(S705)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)に、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図32を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S705)について説明する。図32はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S705)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図32、S705)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)に対して、S401の処理に対して、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)がS801の処理では、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に、S408の処理に対して、特図1(第1特別図柄)がS808の処理では、特図2(第2特別図柄)に、S409およびS410の処理に対して、第1特別図柄がS809およびS810の処理では、第2特別図柄にそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図34を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)について説明する。図34はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図34、S706)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図27、S306)の、S501の処理に対して、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)がS901の処理では、特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に、S506〜S507までの各処理に対して、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)がS906〜S907の各処理に対して特図2変動パターンコマンドに変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図36を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図36はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)に対して、S601,S611の各処理の、特図1変動停止フラグ203vがS1001,S1011の各処理では、特図2変動停止フラグ203wに変更され、S602の処理では、第1特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかを判別しているがS1002の処理では、第2特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかを判別しており、S603〜S610,S611〜S612までの各処理に対して、特図1(第1特別図柄)、特図2変動停止フラグ203w、特図2変動停止コマンド、第1特別図柄の大当たりの開始、特図1確定コマンドがS1003〜S1010,S1011〜S1012では、特図2(第2特別図柄)、特図1変動停止フラグ203v、特図1変動停止コマンド、第2特別図柄の大当たりの開始、特図2確定コマンドにそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図22)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図38は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図38、S105)は、左第1始動口63、右第1始動口630、第2始動口640のいずれかに遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(左第1始動口63と右第1始動口630、第2始動口640にそれぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図38、S105)について説明する。
始動入賞処理(図38、S105)では、まず、球が第1始動口である左第1始動口63または右第1始動口630に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1101)。ここでは、左第1始動口63または右第1始動口630への入賞を検出する。球が左第1始動口63または右第1始動口630に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1101:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が取得される(S1102)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1103)。これは、左第1始動口63と右第1始動口630とに対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(S1103:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)に1加算される(1104)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1105)。各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1106)。
次に、第1先読み処理が実行される(S1107)。第1先読み処理(S1107)については、詳しく図39を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。
次に、S1108〜S1114までの各処理については、S1101〜S1107までの各処理で実行された第1始動口(左第1始動口63と右第1始動口630)への遊技球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2始動口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
次に、図39を参照して、始動入賞処理(図38、S105)の一処理である第1先読み処理(S1107)について説明する。図39は、この第1先読み処理(S1107)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図39、S1107)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値が読み出される(S1121)。読み出したデータを先読み保留記憶エリア203xの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶される(S1122)。
読み出した先読み保留記憶エリア203xに記憶されたデータに基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここで判定される当否判定結果は、通常遊技状態で当たりとなる場合で判定される。変動時間は、保留個数によって可変されて設定されるので、変動開始するタイミングが第1特別図柄と第2特別図柄とで判別できないので、正確な変動開始時の遊技状態を判別することができない。よって、正確に当否判定結果が判別できるのは、高確率遊技状態でも低確率遊技状態でも大当たり判定値が共通している第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」である場合だけである。従って、S1123の処理では、通常遊技状態中に当たりとして判定されるかが判別される。
S1123の処理において、当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S1123:Yes)、第1特別図柄が大当たりであり、その大当たり種別も示した第1入賞コマンドが設定される。その後、この処理を終了する。一方、S1123の処理で当否判定結果が外れであると判別した場合には(S1123:No)、第1特別図柄の先読み抽選結果が外れであることを示す第1入賞コマンドを設定する(S1125)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口(左第1始動口63または右第1始動口630)に遊技球が入賞して、新たに保留記憶されると、その保留記憶された情報に基づいて、当否判定結果が変動開始前に判別されて音声ランプ制御装置113に対して通知される。これにより、保留記憶されている当否判定結果に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆する演出を実行できる。
なお、本実施形態では、先読みの場合に、当否判定を通常遊技状態として判別したが、それに限らず、変動開始時の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を本実施形態のように、保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
次に、図40を参照して、始動入賞処理(図38、S105)の一処理である第2先読み処理(S1114)について説明する。図40は、この第2先読み処理(S1114)を示すフローチャートである。
第2先読み処理(図40、S1114)は、上記した、第1先読み処理(図39、S1107)が第1始動口(左第1始動口63または右第1始動口630)に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、各種判定を行う処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、各種判定を行う処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図41は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、電動役物632の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図41、S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1201)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示部88において当たりを示す表示がなされてから電動役物632の開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1201:No)、第2図柄表示部88の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1202)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1202:Yes)、第2図柄表示部88において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1222)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1220の処理、S1221の処理によって予め設定された時間である。
S1222の処理において、変動時間が経過していなければ(S1222:No)、本処理を終了する。一方、S1222の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1222:Yes)、第2図柄表示部88の停止表示を設定する(S1223)。S1223の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1213の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部88には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1218の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部88には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1223の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示部88における変動表示が終了し、S1213の処理、S1218の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示部88に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1224)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1224:Yes)、電動役物632の開閉制御開始が設定される(S1225)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1224:No)、本処理を終了する。
一方、S1202の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1202:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1203)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S1204)。普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S1204:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でないと判別された場合には(S1204:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1205)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1206)。S1206の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第1当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1207)。
次に、時短カウンタ203tの値が1以上である(即ち、0でないか)判別される(S1208)。時短カウンタ203tの値が0である(即ち、時短中でない)と判別された場合には(S1208:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1211)。一方、時短カウンタ203tの値が0でない(即ち、時短中である)と判別された場合には(S1208:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1209)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1209:Yes)、S1211の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1209:No)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1210)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S1212)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S1212:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S1218)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別された場合には(S1212:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S1213)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)である)か判別される(S1214)。時短遊技中でないと判別された場合には(S1214:No)、S1217の処理を実行する。時短遊技中であると判別された場合には(S1214:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1215)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には、S1216の処理を実行する。
S1216の処理では、電動役物632の誘導部材(左誘導部材632aと右誘導部材632b)の開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S1216)。一方、S1215の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中である(即ち、低確率遊技状態である)と判別された場合には(S1215:Yes)、電動役物632の羽根の開放時間が0.2s、開放回数が1回に設定される(S1217)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)であるか判別される(S1219)。時短中であると判別された場合には(S1219:Yes)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が普図変動種別カウンタCS2の値を取得して、普図変動パターン選択テーブル202f(図19参照)より変動時間が決定される(S1220)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、普図変動パターン選択テーブル202f(図19参照)より普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて普図の変動パターン(変動時間)が決定される。図19に示すように、普図変動パターン選択テーブル202fでは、各遊技状態に対応して、普通図柄の変動パターンが設定されている。確変遊技状態(確変:電サポ有り)以外では、変動パターンは1種類であり、選択した普図変動種別カウンタCS2の値に関わらず常に同じ変動時間が決定される。一方、確変遊技状態である場合には、判定値「0〜190」で3000msの変動時間が決定され、判定値「191〜198」で30000msの変動時間が決定される。
これにより、確変遊技状態では、8/199の確率で、他の場合よりも長い変動時間が選択されることとなる。この長い変動時間が選択されると、その変動時間が経過するまでは、電動役物632が作動されることはない。本実施形態では、図2に示すように、電動役物632の下方に第2始動口640が配置され、電動役物632が作動すると、左誘導部材632aにより第2始動口640へ入賞可能な流路が塞がれる。よって、その間には、第2始動口640への遊技球の入賞が規制されるように構成されている。
ここで、上述したように、普通図柄の変動パターンとして変動時間の長い変動時間(30000ms)が選択されると、その間、電動役物632が作動しないこととなるので、その間に右打ちされた遊技球の約85%が第2始動口640へ入賞することとなる。よって、確変遊技状態で普通図柄の変動時間として長い変動時間が選択されることで、第2始動口640への入賞数を増加させることができる。
なお、図16(c)に示すように、確変遊技状態中には、第2特別図柄で当たりとなると必ず大当たりDが選択されることとなり、第1特別図柄で大当たりするよりも有利な大当たりが選択される。よって、確変遊技状態中では、第2特別図柄で抽選される方が、第1特別図柄で抽選されるよりも、大当たりとなった場合に、遊技者に有利とすることができる。よって、確変遊技状態中に第2始動口640への入賞を増加させることで、遊技者に有利となる期間を与えることができる。
次に、図42のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図42は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、第1当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図42、S107)では、まず、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したか否かを判定する(S1301)。ここでは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したと判定されると(S1301:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得する(S1302)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1303)。
球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過していないか(S1301:No)、或いは、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1303:No)、この処理を終了する。一方、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過し(S1301:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1303:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1304)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した第1当たり乱数カウンタC4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203fの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S1305)。尚、S1305の処理では、普通図柄保留球カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図43は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1401)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図44を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図44は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図44)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1502)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1503)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1504)、オンされていれば(S1504:Yes)、処理をS1512へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1504:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1505)、記憶されていなければ(S1505:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1512へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1505:Yes)、RAM判定値を算出し(S1506)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1507:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1512へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1512の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1512)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。RAMの初期化処理(S1513、S1514)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1513)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1514)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1510の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1504:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1505:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1507:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1508)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1509)、S1510の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1510)。その後、割込みを許可する(S1511)。そして、後述するメイン処理(S1600)に移行する。
次に、図45を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1600)について説明する。図45は、このメイン処理(S1600)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1600)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図45、S1600)においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1601)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1602)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1603)を実行する。S1253の処理が実行された後には、確変設定処理が実行される(S1254)。この確変設定処理(S1254)については、図42を参照して、後述するが、大当たりAまたは大当たりCが実行されている場合に第2特定入球口(図示せず)に遊技球が入球したかを判別して、入球した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を確変遊技状態に設定することを示すデータを大当たり後状態設定エリアに設定する処理が実行される。
確変設定処理(S1254)が実行されると、大当たり制御処理が実行される(S1255)。この大当たり制御処理(S1255)については、図43を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(S1255)が実行された後には、電動役物開閉処理が実行される(S1256)。この電動役物開閉処理(S1256)では、電動役物632の開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1257)。
次に、第2図柄表示部88による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1258)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部88にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第1当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、電動役物632が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1259)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1259:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1260)、既に所定時間が経過していれば(S1260:Yes)、処理をS1251へ移行し、上述したS1251以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1260:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1261,S1262)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1261)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1252の処理と同一の方法によって実行する(S1262)。
ここで、S1251〜S1258の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第1当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1256の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1259:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図40のNMI割込処理が実行されたということなので、S1263以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1263)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1264)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1265)、RAM203のアクセスを禁止して(S1266)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1259の処理は、S1251〜S1258で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1261とS1262の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1251の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1251の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1251の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図45を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図45は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図45、S1600)においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1601)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図23参照)や始動入賞処理(図38参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図46参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1602)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1603)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1604)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1604)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、右第1入賞口630に付随する電動役物632の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1605)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図41参照)のS1225の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1216の処理、S1217の処理、S1220の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1606)。第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図31、S206)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図24参照)または第2特別図柄変動開始処理(図31)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図65参照)のS306,S310の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1607)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図41参照)のS1220の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図41参照)のS1223の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図41参照)のS1212の処理またはS1223の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1608)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1608:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1609)、既に所定時間が経過していれば(S1609:Yes)、処理をS1601へ移行し、上述したS1601以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1609:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1610,S1611)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1610)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1602の処理と同一の方法によって実行する(S1611)。
ここで、S1601〜S1607の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1608の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1608:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図43のNMI割込処理が実行されたということなので、S1612以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1612)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1613)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1614)、RAM203のアクセスを禁止して(S1615)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1608の処理は、S1601〜S1607で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1610とS1611の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1601の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1601の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1501)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1601の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図46のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1604)を説明する。図46は、この大当たり制御処理(S1604)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1604)は、メイン割込処理(図45参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されるかを判定する(S1621)。具体的には、第1特別図柄変動停止処理(図29参照)のS606または第2特別図柄変動停止処理(図36参照)のS1006の処理または特図1外れ停止処理(図30参照)のS624の処理、特図2外れ停止処理(図37参照)のS1024の処理が実行され、特別図柄の大当たりまたは小当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されると判定する。S1621の処理において、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始される場合には(S1621:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1622)、本処理を終了する。
一方、S1621の処理において、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されない場合には(S1621:No)、特別図柄の大当たり中または小当たり中であるかを判定する(S1623)。特別図柄の大当たり中または小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1623の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1623:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄の大当たり中または小当たり中であれば、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1624)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1624:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1625)。この大当たり動作設定処理(S1625)については、図47を参照して詳細を説明するが、大当たり種別に対応した、各ラウンドにおける第1可変入賞装置65と確変ソレノイドへの開放設定が実行される。
図47を参照して、大当たり制御処理(図46、S1604)内の一処理である大当たり動作設定処理(S1625)について説明する。図47は、この大当たり動作設定処理(S1625)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図47、S1625)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(S1641)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65k(図4参照)の開放動作をS1641で読み込んだデータに基づいて設定する(S1642)。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1(図4参照)の開放動作をS1641の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技の場合には、確変ソレノイド65kの動作は設定されず、開閉扉65f1の開放動作のみが設定される。小当たりでは、2ラウンドで構成され、各ラウンドで、1秒間、開閉扉65f1が開放動作される。
図46に戻って説明を続ける。S1624の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1624:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1626)。動作タイミングであると判別した場合には(S1626:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1627)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(S1628)。その後、この処理を終了する。
一方、S1626の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1626:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1629)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1629:Yes)、エンディング処理を実行する(S1630)。その後、この処理を終了する。
ここで、図48を参照して、このエンディング処理(S1630)の詳細について説明する。図48は、このエンディング処理(図48、S1630)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図48、S1630)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(S1651)。確変設定フラグ203hはオンであるか判別する(S1652)。確変フラグ203gをオンに設定する(S1653)。図示は省略したが、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、確変設定フラグ203hはオフに設定されるように構成されている。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか判別されて、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過しているかを判別して確変を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65e3に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、確変遊技状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも確変スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
図46に戻って説明を続ける。S1629の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1629:No)、報知処理を実行する(S1631)。ここで、図49を参照して、報知処理(S1631)の詳細について説明する。図49は、この報知処理(S1631)の内容を示したフローチャートである。
報知処理(S1631)では、まず、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であるか判別する(S1631)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1631:No)、13ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1632)。13ラウンド目の終了タイミングの判別は、13ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。13ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1632:Yes)、報知カウンタ203mに2秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。一方、S1632の処理において、13ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1632:No)、この処理を終了する。ここで、S1633で2秒のカウンタが設定されることで、13ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203mが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、14ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は13ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、第1可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、報知カウンタ203mを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より14ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、13ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、S1221の処理において、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1661:Yes)、報知カウンタ203mの値を−1して更新する(S1664)。更新後の報知カウンタ203mの値が0であるか判別する(S1665)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1665:Yes)、報知コマンドを設定する(S1666)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
図46に戻って説明を続ける。報知処理(図49、S1631)が実行されると、入賞処理を実行する(S1632)。ここで、図50を参照して、この入賞処理(S1632)について詳細に説明する。図50は、この入賞処理(S1632)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図50、S1632)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1671)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1671:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1671:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S1672:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新する(S1673)。その後、S1674の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S1672:No)、S1674の処理を実行する。
S1674の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1674)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1674:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1676)。その後、残球タイマフラグ203nをオンに設定する(S1677)。その後、S1678の処理を実行する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1674の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1675)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1675:Yes)、S1676の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1675:No)、S1678の処理を実行する。
S1678の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか判別する(S1678)。動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1678:Yes)、動作カウンタ203kの値を−1して更新する(S1679)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S1680)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S1680:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1加算して更新する(S1681)。確変設定フラグ203hをオンに設定する(S1682)。その後、S1683の処理を実行する。一方、S1680の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1680:No)、S1683の処理を実行する。S1683の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別する(S1683)。動作カウンタ203kが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S1684)。確変有効フラグ203pをオンに設定する(S1685)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203pがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、S1678の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合には(S1678:No)、確変有効フラグ203pがオンであるか判別する(S1686)。確変有効フラグ203pがオフである場合には(S1686:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203pがオンであると判別した場合には(S1686:Yes)、確変有効タイマ203rに1加算して更新する(S1687)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S1688)。確変有効タイマ203rが上限値であると判別した場合には(S1688:Yes)、確変有効フラグ203pをオフに設定する(S1689)。確変有効タイマ203rを初期値である0にリセットする(S1690)。その後、この処理を終了する。一方、S1688の処理において、確変有効タイマ203rが上限値でないと判別した場合には(S1688:No)、S1680の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203rが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
図46に戻って説明を続ける。入賞処理(図50、S1632)が実行されると、異常処理を実行する(S1633)。その後、この処理を終了する。ここで、この異常処理(S1633)について、図51を参照して、詳細を説明する。図51は、この異常処理(S1633)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1633)では、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理(図51、S1633)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1701)。ラウンド有効期間外である場合には(S1701:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1701:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S1702)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1702:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(S1703)。その後、S1704の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1702:No)、S1704の処理を実行する。
S1704の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(S1704)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合には(S1704:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであると判別した場合には(S1704:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203oを1加算して更新する(S1705)。残球タイマ203oは上限値(本実施形態では、3秒)が経過したか判別する(S1706)。上限値でないと判別した場合には(S1706:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1706:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203sとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか判別する(S1707)。
一致すると判別した場合には(S1707:Yes)、S1709の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1707:No)、エラーコマンドを設定する(S1708)。その後、S1709の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1709の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1709)、残球タイマ203oを初期値である0にリセットする(S1710)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203s、確変通過カウンタ203iが初期値にそれぞれリセットされ(S1711)、その後、この処理を終了する。
<音声ランプ制御装置114により実行される制御処理について>
次に、図52から図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図52は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2116の電源断処理(図53参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図53を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図53、S2113参照)、S2116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2116の電源断処理の実行時にオンされる(図53、S2115参照)。つまり、電源断フラグは、S2116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2010)。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S2101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2110の処理を行わずにS2111の処理へ移行する。S2101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2111のコマンド判定処理やS2112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。この後、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
その後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S2111)が実行され、S2112の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S2111)の詳細については、図54を参照して後述する。
S2112の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図59を参照して後述する。
S2112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2115)、電源断処理を実行する(S2116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2114)、RAM223が破壊されていなければ(S2114:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図54を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2111)について説明する。図54は、このコマンド判定処理(S2111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S2111)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図54、S2111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2201:Yes)、特図1変動開始処理を実行する(S2202)。この特図1変動開始処理(S2202)については、図55を参照して詳細について説明するが、第1特別図柄に対応する特別図柄を第3図柄表示装置83に変動表示するのに必要な設定が実行される。
ここで、図55を参照して、この特図1変動開始処理(S2202)について説明する。図55は、この特図1変動開始処理(S2202)の内容を示したフローチャートである。特図1変動開始処理(図55、S2202)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223eがオンに設定され(S2241)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2242)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図61、S2112)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2242の処理が実行されると、現在の遊技状態は、潜伏確変遊技状態(確変電サポ無し遊技状態)であるか判別する(S2243)。潜伏確変遊技状態以外の遊技状態であると判別した場合には(S2243:No)、この処理を終了する。潜伏確変遊技状態であると判別した場合には(S2243:Yes)、変動開始する第1特別図柄の変動の抽選結果は、大当たりE(15R通常大当たり:電サポ100回)となる変動であるか判別する(S2244)。大当たりEとなる変動でないと判別した場合には(S2244:No)、この処理を終了する。一方、大当たりEとなる変動であると判別した場合には(S2244:Yes)、チャンスゾーンを示す文字(図63(a)〜(b)参照)を第3図柄表示装置81に表示する(S2245)。その後、この処理を終了する。
本実施形態では、潜伏確変遊技状態となると、通常遊技状態では、変動時間が長く設定されていて遊技者に不利となっていた第2特別図柄の変動時間が短く設定される。一方、通常遊技状態では、主に遊技を実行していた第1特別図柄の変動時間が長く設定される。これにより、遊技者は、潜伏確変遊技状態へ移行すると右打ちして第2特別図柄に遊技球が入賞するように遊技を行うようになる。しかしながら、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動開始される構成である。ここで、潜伏確変遊技状態では、第2特別図柄では、大当たりとなると必ず高確率遊技(確変)が付与されるが、第1特別図柄では、大当たりとなると、通常確率遊技(低確率遊技)が抽選により付与される可能性があるように構成されている。よって、通常遊技状態で、第1特別図柄で大当たりとなり大当たりA(15R確変大当たり:電サポ無し)が付与されても、その大当たり遊技後に第1特別図柄で開始される変動が大当たりEであると、直ぐに通常遊技状態に移行してしまうこととなる。
上記したように、通常では、第2特別図柄で主に遊技を行う潜伏確変遊技状態に移行後に、第1特別図柄で大当たりEとなる変動が開始されるのに基づいて、第3図柄表示装置81にチャンスゾーン(時短遊技状態または確変遊技状態を示す報知態様)が表示される。遊技者は、図62(b)に示すように天国ゾーン(潜伏確変遊技状態であることを示す報知態様)が第3図柄表示装置81に表示されることで、この後、2回大当たり遊技が実行されるまでは、高確率状態(確変)が維持される(可能性が高い)ことを認識する。しかしながらチャンスゾーンでは、遊技者は確変遊技状態が次の大当たり後にも付与されるかに確信(大きな期待)が持てず、時短遊技状態中(低確率状態)である可能性もあることを認識しながら遊技を行うこととなる。
よって、例えば、潜伏確変遊技状態に移行して、第1特別図柄の1変動目が大当たりEとなる変動であると、通常であれば天国ゾーンが表示されるものが、チャンスゾーンが表示されることとなる。これにより、遊技者が短時間の間で落胆してしまう不具合を抑制できる。
図54に戻って説明を続ける。特図1変動開始処理(図55、S2202)の処理が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2201の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2201:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2203)。ここで、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2203:Yes)、特図2変動開始処理(S2204)を実行する。この特図2変動開始処理(S2204)の詳細については、図56を参照して説明する。
ここで、図56を参照して、この特図2変動開始処理(S2204)の詳細について説明する。図56は、この特図2変動開始処理(S2204)の内容を示したフローチャートである。特図2変動開始処理(S2204)では、まず、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223fがオンに設定され(S2301)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2302)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図61、S2112)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2302の処理が実行されると、現在の遊技状態は、確変遊技状態(確変電サポ有りの遊技状態)であるか判別する(S2203)。確変遊技状態以外の遊技状態である場合には(S2303:No)、この処理を終了する。一方、遊技状態が確変遊技状態である場合には(S2303:Yes)、変動開始する第2特別図柄の当否判定結果は大当たりであるか判別する(S2304)。ここでは、受信した特図2変動パターンコマンドより大当たりの変動パターンであるか判別することにより判別を実行する。
S2304の処理において、変動開始する第2特別図柄の当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S2304:Yes)、宝箱当たり予告演出コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2305)。一方、当否判定結果が外れである場合には、宝箱外れ予告演出コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2306)。
ここで、宝箱当たり予告演出コマンドは、図10(a)に示す表示態様を第3図柄表示装置81に表示させることを指示するコマンドである。本実施形態では、確変遊技状態に移行すると、図9(a)〜(b)に示すように、第1表示領域Dmには、第1特別図柄に対応する第3図柄が表示され、第2表示領域Dnには、第2特別図柄に対応する第3図柄が表示される。ここで、第2表示領域Dnに表示される第2特別図柄に対応する第3図柄は、宝箱の図柄となり、図9(a)に示した表示態様と図9(b)に示した表示態様とが短時間周期(例えば、0.5秒毎)に繰り返し表示されることで、点滅表示されているように表示することができる。
ここで、確変遊技状態が設定されている場合には、第2特別図柄の当否判定結果が外れではロング外れ変動パターンC(1800000ms)が選択される。よって、第2特別図柄の変動開始される頻度は極端に少なくなる。しかしながら、第1特別図柄で小当たりに当選した場合には、その変動の停止に基づいて、変動中の第2特別図柄の変動も強制的に停止表示され、小当たり遊技後に、新たに記憶されている第2特別図柄の保留球に対する変動が開始される。この場合には、遊技者は、第1特別図柄よりも有利な大当たりが選択され易い第2特別図柄で大当たりとなる変動が開始されることを期待する。
第2特別図柄が変動開始となる場合には、図10(a)〜(b)に示すように、第1表示領域Dmが縮小表示されて、その空いた表示領域に宝箱が拡大して大きく表示される。その後、宝箱が約2秒程度振動した表示態様で表示された後に、宝箱が開き、当否判定結果が大当たりである場合には、図10(b)に示すように、宝箱の中から「おめでとう」の文字が表示され、第2特別図柄で大当たりとなったことが報知される。そして、「天国ゾーン突入決定!」という潜伏確変遊技状態へ移行することを示す報知態様が表示される。また、「発射を止めてね!」という遊技球の発射を停止するように指示する報知態様も表示される。
ここで、発射の停止を指示するのは、確変遊技状態では、第1特別図柄で主に遊技を実行しているが、潜伏確変遊技状態では、第2特別図柄で主に遊技を実行するように設定されるので、右第1始動口630に遊技球が入球して、第1特別図柄の保留球が記憶されることは、遊技者にとって不利な抽選が実行されるきっかけとなるので、発射の停止を指示することで、その不具合を抑制できる。
一方、当否判定結果が外れである場合には、図10(a)に示すように、当否判定結果が大当たりである場合と同様に宝箱が開く表示が実行されて、その後、宝箱の中より当否判定結果が外れであることを示す「残念」の文字が表示される。その後、変動開始後、5秒間が経過すると、図9(a)〜(b)に示す表示態様に切り替えられて、第2特別図柄で設定されている変動時間が経過するまで、点滅表示が実行される。
これにより、遊技者は、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動される構成であっても、第2特別図柄の変動開始時の一定期間のみ第2特別図柄に注目して、その後は、第1特別図柄の変動に注目することができる。よって、遊技が分かり易くなり、遊技者が気分よく遊技を行うことができる。
図54に戻って説明を続ける。特図2変動開始処理(S2204)を実行した後には、この処理を終了する。特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2203:No)、主制御装置110より特図1または特図2停止種別コマンドを受信したか判別される(S2205)。特図1または特図2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S2205:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行する(S2206)。この停止種別コマンド受信処理(S2206)については、図57を参照して説明する。
図57は、この停止種別コマンド受信処理(S2206)の内容を示したフローチャートである。停止種別コマンド受信処理(S2206)では、まず、受信したコマンドに応じて、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223gがオンに設定される。特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定される。(S2311)。受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりE、外れ、リーチ外れ等)が抽出される(S2312)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
現在の遊技状態が通常遊技状態であるか判別する(S2313)。遊技状態が通常遊技状態以外の遊技状態である場合には、この処理を終了する。一方、遊技状態が通常遊技状態であると判別した場合には(S2313:Yes)、停止種別は大当たりA(15R確変大当たり:電サポ無し)であるか判別する(S2314)。停止種別が大当たりA以外であると判別した場合には(S2314:No)、この処理を終了する。一方、停止種別が大当たりAであると判別した場合には(S2314:Yes)、第1特別図柄(特図1)の保留1(第1特別図柄保留球格納エリア203aの最も消化順序の早いエリア)に記憶されている保留球の当否判定結果は、大当たりE(15ラウンド通常大当たり:電サポ100回)であるか判別する(S2315)。ここでは、入賞コマンドで通知されている対応する保留球の大当たり乱数値を入賞情報格納エリア223bより読み出して判別する。なお、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のROM222には、主制御装置110のROM202に記憶されている第1当たり乱数テーブル202a(図15(a))と大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)〜(c))が記憶されており、主制御装置110から出力される入賞コマンドに付与される第1乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、確変状態における当否判定結果を音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
S2315の処理において、第1特別図柄の保留1が大当たりE以外の判定結果であると判別した場合には(S2315:No)、この処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留1が大当たりEであると判別した場合には(S2315:Yes)、大当たり遊技のエンディング時に「チャンスゾーン突入」の文字を第3図柄表示装置81に表示することを指示する表示用コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2316)。一方、第1特別図柄の保留1が大当たりEでないと判別した場合には(S2315:No)、図62(a)に示すように、大当たり遊技のエンディング時に天国ゾーン(潜伏確変遊技状態)に移行することを示す「天国ゾーン突入!!」の文字を第3図柄表示装置81に表示させるための表示用コマンドを表示制御装置114に対して出力する(S2317)。その後、この処理を終了する。
ここで、本実施形態では、潜伏確変遊技状態に移行した場合には、大当たり遊技が最低2回実行されるまでは、確変遊技が継続して設定され易くなる。よって、遊技者は、天国ゾーンの文字が表示されると最低2回の大当たりが確約されたと認識できる。また、大当たり遊技の最後であるエンディング時に表示するように構成したので、遊技者は大当たり遊技の最後まで、潜伏確変遊技状態への移行を期待して遊技することができ、遊技の興趣を向上できる。
また、通常遊技状態で大当たりAに当選したとしても、第1特別図柄の保留1に大当たりEが潜伏確変遊技状態で当選すると判別されると、大当たりAのエンディングでは、時短遊技状態または確変遊技状態であることを示す「チャンスゾーン突入!!」の文字が表示されるので、遊技者は、大当たり遊技が最低2回発生することが確定されたとは認識せず、時短遊技状態か確変遊技状態であると認識して遊技を行うことができる。よって、潜伏確変遊技状態に移行したことを遊技者は認識し難くでき、短時間で時短遊技状態へ移行してしまうことへの落胆を抑制できる。
図54に戻って説明を続ける。停止種別コマンド受信処理(図57、S2206)が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2205の処理において、特図1または特図2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S2305:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S2207)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S2207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタeの値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示演出の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納され、第2特別図柄の保留球数は、第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納される(S2208)。
ここで、保留球数コマンドは、球が左第1始動口63、右第1始動口630または第2始動口640に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2207の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cと第2特別図柄保留球カウンタ223dとの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと第2特別図柄保留球カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cまたは第2特別図柄保留球カウンタ223dの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2207:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S2209)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S2209:Yes)、入賞コマンド処理を実行する(S2210)。この入賞コマンド処理(S2210)の詳細については、図58を参照して説明する。
図56は、この入賞コマンド処理(S2210)を示したフローチャートである。入賞コマンド処理(S2210)では、まず、受信した入賞コマンドの情報を、対応する入賞情報記憶エリア223bに設定する(S2401)。ここで、入賞情報コマンドは、第1特別図柄と第2特別図柄とを識別可能に構成されており、その保留順序(保留球数)と通常遊技状態における当否判定結果が判別可能に構成されている。さらに、始動入賞時に取得された各種カウンタの値も判別可能なコマンドで構成されている。
次に、遊技状態が低確率遊技状態であるか否かを判別する(S2402)。S2402の処理において、遊技状態が低確率遊技状態でないと判別された場合は(S2402:No)、S2405の処理に移行する。一方、遊技状態が低確率遊技状態である(即ち、確変中でない)と判別された場合には(S2402:Yes)、RAM223に設けられた入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報があるか否かを判別する(S2403)。S2403の処理において、入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報がないと判別された場合には(S2403:No)、S2403とS2404の処理を実行せず、そのままS2405の処理へ移行する。反対に、入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報があると判別された場合には(S2403:Yes)、報知抽選処理(S2404)を実行し、S2405の処理へ移行する。S2404の報知抽選処理については、図59を参照して、説明する。S2405の処理では、その他の処理を実行し(S2405)、入賞コマンド処理を終了する。
次に、図59を参照して、この報知抽選処理(S2404)について説明する。図59は、この報知抽選処理(S2404)を示したフローチャートである。報知抽選処理(S2405)では、まず、RAM223に設けられた演出カウンタ223jの値を取得する(S2501)。次に、演出カウンタ223jの値は判定値であるか否かを判別する(S2502)。S2502の処理において、演出カウンタ223jの値が判定値でないと判別された場合には(S2502:No)、そのままこの処理を終了する。一方、演出カウンタ223j(0〜198の範囲のカウンタ)の値が判定値(本実施形態では「0〜50」のいずれか)であると判別された場合には(S2502:Yes)、第3図図柄表示装置81に遊技球の発射を停止するように報知する「発射を止めてね!!」という文字を表示させる打ち止め表示態様コマンドを表示制御装置114に対して設定し(S2503)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、通常遊技状態で、確変大当たり、即ち、大当たりAとなる入賞情報を受信すると、遊技者に発射を停止する報知をするか否かの抽選が実行される。ここで、通常遊技状態から潜伏確変遊技状態に移行すると、第2特別図柄の変動時間が短く設定され、第2特別図柄での遊技が主な遊技方法となる。しかしながら、通常遊技状態で大当たりAに当選した場合に、第1特別図柄に対する保留球が記憶されていると、遊技者にとって不利な抽選が潜伏確変遊技状態中にも第1特別図柄で実行されることとなる。よって、本実施形態のように、通常遊技状態で大当たりAに当選する保留が記憶されると、遊技球の発射を停止させる報知が抽選により実行されるので、遊技者は早いタイミングで遊技球の発射を停止させることができ、左第1始動口63への入賞を抑制することができる。また、遊技者は、発射の停止を示唆する報知がされることで、大当たりAとなることを早期に認識でき、遊技の演出を多様にできる。
なお、本実施形態では、遊技球の発射停止報知は、抽選により実行したが、大当たりAの保留球が記憶された場合に、必ず報知するように構成してもよい。
図54に戻って説明を続ける。入賞コマンド処理(図58、S2210)を実行した後には、この処理を終了する。一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S2209:No)、状態コマンドを受信したか判別される(S2211)。状態コマンドを受信していると判別された場合には(S2211:Yes)、状態コマンド受信処理(S2212)を実行する。この状態コマンド受信処理(S2212)の詳細については、図60を参照して説明する。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S2212)について説明する。図60は、状態コマンド受信処理(S2212)を示したフローチャートである。
状態コマンド受信処理(S2212)ではまず、主制御装置110より受信した状態コマンドに基づいて遊技状態に変更があるか否かを判別する(S2601)。遊技状態が変更されたかの判別は、従状態設定エリア223kに設定されている遊技状態の情報と、受信した遊技状態とを比較して実行する。遊技状態に変更があると判別された場合には(S2601:Yes)、S2602の処理へ移行する。S2602の処理では、遊技状態を通常遊技状態(即ち時短遊技状態)に変更するか否かを判別する(S2602)。遊技状態を通常遊技状態(即ち時短遊技状態)に変更すると判別された場合には(S2602:Yes)、通常遊技状態に対応した主表示領域設定コマンドを設定する(S2603)。ここでは、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄(本実施形態では「○×」)が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。第3図柄表示装置81に通常遊技状態であることを示す「下界ゾーン」の文字を表示させる表示用コマンドが表示制御装置114に対して設定される(S2604)。その後、S2612の処理を実行する。
一方、S602の処理において、遊技状態が通常遊技状態以外に変更されたと判別した場合には(S2602:No)、遊技状態が潜伏確変遊技状態(確変電サポ無しの遊技状態)に変更されたを判別する(S2605)。S2605の処理において、遊技状態が潜伏確変遊技状態に場合には(S2605:Yes)、潜伏確変遊技状態に対応した主表示領域設定コマンドを設定する(S2606)。ここでは、第1表示領域Dmに第2特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第1特別図柄に対応した第3図柄(本実施形態では「○×」)が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。第1特別図柄の保留1は大当たりEが確定する保留情報が記憶されているかを入賞情報格納エリア223bより判別する(S2607)。特図1の保留1が大当たりE以外となる保留情報が記憶されている場合には(S2607:No)、天国ゾーンを示す文字(図62(b)参照)を第3図柄表示装置81に表示させる表示用コマンドを設定する(S2608)。その後、S2612の処理を実行する。一方、第1特別図柄の保留1は大当たりEであると判別した場合には(S2607:Yes)、チャンスゾーンを示す文字を第3図柄表示装置81に表示させる表示用コマンドを設定する(S2609)。その後、S2612の処理を実行する。
一方、S2605の処理で、潜伏確変遊技状態以外の遊技状態(即ち、確変遊技状態)に移行されたと判別した場合には(S2605:No)、確変遊技状態(確変電サポ有りの遊技状態)に対応した主表示領域設定コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2610)。ここでは、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄(本実施形態では宝箱の図柄(図9(a)〜(b)参照))が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。
チャンスゾーンの文字を第3図柄表示装置81に表示する表示用コマンドが設定される(S2611)。その後、S2612の処理を実行する。S2612の処理では、受信した状態コマンドが示す遊技状態の状態を従状態設定エリア223kに設定する(S2612)。その後、この処理を終了する。
一方、図54に戻って説明を続ける。状態コマンド受信処理(S2212)を実行した後には、この処理を終了する。一方、状態コマンドを受信していないと判別された場合には(S2211:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S2219)。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2112)について説明する。図61は、この変動表示設定処理(S2112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図61、S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図61、S2112)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりE)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図59、S2112)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別される(S2701)。そして、特図1変動開始フラグ223eがオフであると判別された場合には(S2701:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2705の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223eがオンであると判別された場合には(S2701:Yes)、特図1変動開始フラグ223eをオフに設定する(S2702)。
次に、S2703の処理では、コマンド判定処理(図54、S2111)のS2203の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2703)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S2703の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を1減らす(S2704)。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223fがオンに設定されているか判別される(S2705)。そして、特図2変動開始フラグ223fがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2705:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2709の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223fがオンであると判別された場合には(S2705:Yes)、特図2変動開始フラグ223fをオフに設定する(S2706)。特図2変動開始処理(図55、S2205)のS2302の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2707)。
S2707の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第2特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を1減らす(S2708)。
次に、特図1停止種別選択フラグ223gまたは特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定されているか判別される(S2709)。特図1停止種別選択フラグ223g及び特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2709:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223gまたは特図2停止種別選択フラグ223iがオンであると判別された場合には(S2709:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223gがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223gがオフに設定され、特図2停止種別選択フラグ223iがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223iがオフに設定される(S2710)。
コマンド判定処理(図54、S2111)のS2206の処理において、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S2711)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用特図1停止種別コマンドが生成される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用特図2停止種別コマンドが生成される(S2712)。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応した第3図柄の両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
このように、本実施形態では、遊技状態の移行に基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄との変動時間で長時間の変動時間を設定する特別図柄を切り替えることで、遊技者が遊技可能となる特別図柄を制御するように構成した。そして、潜伏確変状態では、確変遊技状態となる大当たりのみが大当たり時に付与される第2特別図柄で抽選されるように設定されているので、大当たりが実行された後にも、再び確変遊技状態が設定される。よって、遊技者にとっては、潜伏確変遊技状態に移行すると通常、最低2回大当たりが実行されるまで、確変状態が設定されるように設定できる。従って、遊技者には、潜伏確変遊技状態になれば、大当たり2回が保証されていると認識できる。
さらに、本実施形態では、電動役物632が作動しない状態では、右打ちした遊技球の85%が第2始動口640に入賞するように構成されている。さらに、潜伏確変遊技状態では、第2特別図柄で小当たりに当選するように設定されており、その抽選確率が、右打ちした遊技球の約14%が遊技者に賞球として小当たり遊技で払い出されるような確率で設定されている。よって、電動役物632の作動頻度が低く設定される(非電サポ状態)、潜伏確変遊技であっても、右打ち遊技した場合に遊技者の持ち球の減少を抑制した状態で遊技が行うことができる。
さらに、潜伏確変遊技状態から第2特別図柄で大当たりすると必ず確変遊技状態へ移行するように設定した。ここで、確変遊技状態では、第2特別図柄の変動時間が長くなり第1特別図柄の変動時間が短くなるように設定される。そして、第1特別図柄で大当たりすると、潜伏確変遊技状態か、通常遊技状態かのどちらかへ移行する大当たりが抽選により付与されるので、遊技者は、再度2回の大当たりを得ることができるかを期待して遊技を行うことができる。また、通常遊技状態へ移行させることで、射幸性が高くなりすぎてしまうことも抑制することができる。
さらには、通常遊技状態では、主に遊技を行う第1特別図柄で大当たりした場合に、潜伏確変遊技状態が付与される大当たりAの抽選割合が大当たりBの抽選割合よりも低く設定したので、潜伏確変遊技状態へ移行する難易度を上げて射幸性が高くなるのを抑制できる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技が実行された場合に、遊技状態が切り替えられるように構成したが、それに限らず、小当たり遊技に当選した場合にも小当たり種別により遊技状態が切り替えられるように構成してもよい。このように構成することで、小当たりを大当たりよりも抽選され易く構成することで、遊技状態が切り替えられる頻度を高くすることができる。よって、遊技者に不利な遊技状態に設定されている場合にも小当たりの当選により有利な遊技状態へと切り替えることが可能となり、遊技者に小当たりへの当選を期待させることができる。また、有利な遊技状態が設定されている場合にも、小当たりすることにより遊技者に不利な遊技状態に切り替える事が可能となり、射幸性を抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(2回ループ構成)
遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とを少なくとも設定可能な状態設定手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを少なくとも実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記状態設定手段は、前記第1有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも前記第1有利状態を設定し、前記第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に前記第2有利状態を設定するものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に前記第1有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とが状態設定手段により少なくとも設定される。所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とが特典遊技実行手段により少なくとも実行される。第1有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも第1有利状態が状態設定手段により設定され、第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に第2有利状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に第1有利状態が状態設定手段により設定される。これにより、第1有利状態で第1特典遊技が実行された後にも、第2有利状態が設定されるので、遊技者に有利な状態を継続して設定することができる。よって、有利状態を複数の特典遊技が実行されるまで継続させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1において、前記特典遊技実行手段は、前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは異なる第3特典遊技を実行可能なものであり、前記状態設定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とよりも遊技者に不利となる特定状態を設定可能なものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に前記特定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1特典遊技と第2特典遊技とは異なる第3特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。第1有利状態と第2有利状態とよりも遊技者に不利となる特定状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に特定状態が状態設定手段により設定される。これにより、第2有利状態では、第3遊技状態が実行されると遊技者に不利となる特定遊技状態が設定されるので、有利状態の継続状態を抑制できる。よって、遊技の射幸性が高くなりすぎる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記第1有利状態は、前記第2有利状態よりも遊技者に有利な遊技状態であることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、第1有利状態は、第2有利状態よりも遊技者に有利な遊技状態であるので、遊技者に付与される有利が過度になることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1有利状態または前記第2有利状態が前記状態設定手段により設定されている場合には、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され易くする向上手段を有しているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3の奏する効果に加え、第1有利状態または第2有利状態が状態設定手段により設定されている場合には、特典遊技実行手段により特典遊技が向上手段により実行され易くなるので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機A1またはA4のいずれかにおいて、第1始動条件とその第1始動条件とは異なる第2始動条件との成立をそれぞれ判別することが可能な始動条件判別手段と、その始動条件判別手段により、前記第1始動条件または前記第2始動条件が成立したと判別されたことに基づいて、抽選を実行する抽選手段と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記抽選手段により特定の抽選結果が成立したと判別されたことに基づいて、前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1またはA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1始動条件とその第1始動条件とは異なる第2始動条件との成立がそれぞれ始動条件判別手段により判別される。その始動条件判別手段により、第1始動条件または第2始動条件が成立したと判別されたことに基づいて、抽選が抽選手段により実行される。抽選手段により特定の抽選結果が成立したと判別されたことに基づいて、特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1始動条件と第2始動条件との成立を遊技者に期待させることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A3またはA4において、前記設定手段により前記有利状態が設定されていない場合には、前記第2始動条件の成立を規制する規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3またはA4の奏する効果に加え、設定手段により有利状態が設定されていない場合には、第2始動条件の成立が規制手段により規制されるので、遊技者に不利な状態を容易に設定できるという効果がある。
遊技機A3からA5のいずれかにおいて、前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選手段の抽選結果を示す第1識別情報と前記第2始動条件の成立に基づく前記抽選手段の抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ表示手段に動的表示する動的表示手段を有し、その動的表示手段は、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを同時に動的表示することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1始動条件の成立に基づく抽選手段の抽選結果を示す第1識別情報と第2始動条件の成立に基づく抽選手段の抽選結果を示す第2識別情報とが動的表示手段によりそれぞれ表示手段に動的表示される。第1識別情報と第2識別情報とが同時に動的表示手段により動的表示される。これにより、第1識別情報と第2識別情報との動的表示を効率良く実行できる。よって、遊技の効率を向上できるという効果がある。
遊技機A5またはA6において、前記設定手段により前記特定の有利状態が設定されることに基づいて、前記規制手段による規制を解除する解除手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5またはA6の奏する効果に加え、設定手段により特定の有利状態が設定されることに基づいて、規制手段による規制が解除手段により解除されるので、遊技者に特定の有利状態が設定されることを期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され易い有利状態を設定する設定手段と、その設定手段により前記有利状態が設定されたことに基づいて、次に前記特典遊技が実行された場合にも、前記設定手段により前記有利状態が設定され易くする制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。その特典遊技実行手段により特典遊技が実行された場合に、特典遊技実行手段により特典遊技が実行され易い有利状態が設定手段により設定される。その設定手段により有利状態が設定されたことに基づいて、次に特典遊技が実行された場合にも、設定手段により有利状態が制御手段により設定され易くされるので、有利状態を複数の特典遊技に跨って継続させて設定することができる。よって、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴B群>(有利、不利の切替をし、不利側を阻止)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選遊技を実行し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2抽選遊技を実行する抽選遊技実行手段と、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技が遊技者に不利となる第1状態と、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技が有利となる第2状態とを所定契機に基づいて切り替える切替手段と、その切替手段により切り替えられた遊技者に不利となる抽選遊技が実行されることを抑制する抑制手段とを有することを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選遊技が抽選遊技実行手段により実行される。また、第1入球口とは異なる第2入球口に入球したことに基づいて第2抽選遊技が抽選遊技実行手段により実行される。第1抽選遊技よりも第2抽選遊技が遊技者に不利となる第1状態と、第1抽選遊技よりも第2抽選遊技が有利となる第2状態とが切替手段により所定契機に基づいて切り替えられる。その切替手段により切り替えられた遊技者に不利となる抽選遊技が実行されることが抑制手段により抑制される。これにより、不利側の抽選遊技が実行されることが抑制手段により抑制されるので、遊技者が有利な抽選遊技を実行させやすくすることができる。よって、遊技者に著しく不利を与えてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1抽選遊技の抽選結果を示す第1識別情報を表示手段に動的表示し、前記第2抽選遊技の抽選結果を示す第2識別情報を表示手段に動的表示する動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的期間決定手段は、前記切替手段により不利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間を有利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間を決定し易くするものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技の抽選結果を示す第1識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。また、第2抽選遊技の抽選結果を示す第2識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。その動的表示手段により動的表示される第1識別情報と第2識別情報との動的表示期間が動的表示期間決定手段によりそれぞれ決定される。切替手段により不利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間を有利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が動的表示決定手段により決定し易くされる。これにより、不利に切り替えられた遊技が実行されることを抑制できる。よって、遊技者が有利に設定されている遊技を判別することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調節する調節手段と、を有し、前記第1入球口と前記第2入球口とは、遊技者が前記調節手段に対して同一操作をした状態で前記発射手段より発射される遊技球が入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が遊技領域に発射手段により発射される。その発射手段により発射される遊技球の発射力が調節手段により遊技者の操作に基づいて調節される。第1入球口と第2入球口とは、遊技者が調節手段に対して同一操作をした状態で発射手段より発射される遊技球が入球可能な位置に配置されている。これにより、遊技者は、遊技の操作を変えなくても、遊技者に有利な抽選遊技を実行することができる。よって、遊技をより容易にすることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第1抽選遊技または前記第2抽選遊技の抽選結果が特定の抽選結果である場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技で前記特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利となる特典の付与割合が高く設定されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技または第2抽選遊技の抽選結果が特定の抽選結果である場合に、遊技者に特典が特典付与手段により付与される。第1抽選遊技よりも第2抽選遊技で特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利となる特典の付与割合が高く設定されている。これにより、第2抽選遊技での遊技が遊技者に有利に設定された場合に、遊技者により有利な状態を設定することができる。よって、遊技者の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機B4において、前記特典付与手段は、前記第1抽選遊技で前記特定の抽選結果となった場合に、前記特典として、第1特典とその第1特典よりも有利な第2特典のどちらか一方を付与するものであり、前記特典付与手段により前記第2特典が付与されたことに基づいて、前記切替手段は、前記第2状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技で特定の抽選結果となった場合に、特典として、第1特典とその第1特典よりも有利な第2特典のどちらか一方が特典付与手段により付与される。特典付与手段により第2特典が付与されたことに基づいて、切替手段により第2状態に切り替えられる。よって、遊技の興趣を変化させることができるという効果がある。
遊技機B4またはB5において、前記特典付与手段により前記第2抽選遊技に対して付与される前記特典には、特定条件が成立するまでの間、前記第1抽選遊技または前記第2抽選遊技が前記特定の抽選結果になり易くなるように設定される設定特典が付与される割合が前記第1抽選遊技に対する特典よりも高く設定されているものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4またはB5の奏する効果に加え、特典付与手段により第2抽選遊技に対して付与される特典には、特定条件が成立するまでの間、第1抽選遊技または第2抽選遊技が前記特定の抽選結果になり易くなるように設定される設定特典が付与される割合が第1抽選遊技に対する特典よりも高く設定されているので、第2抽選遊技が実行されることによる遊技者の期待を向上できるという効果がある。
遊技機B6において、前記特典付与手段により前記第2抽選遊技に対して付与される前記特典には、少なくとも前記設定特典が付与されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、特典付与手段により第2抽選遊技に対して付与される特典には、少なくとも設定特典が付与されるように構成されているものであるので、第2抽選遊技が実行される期待を高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1入球口は、前記第1流路と前記第2流路にそれぞれ配置され、前記第2入球口は、前記第2流路に配置されているものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、第1入球口は、第1流路と第2流路にそれぞれ配置され、第2入球口は、第2流路に配置されているので、第1抽選遊技のみを実行する状態を設定することができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記遊技者に不利な抽選遊技が実行された場合に、不利な抽選遊技が実行されていることを示す報知情報を報知するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかが奏する効果に加え、抑制手段では、遊技者に不利な抽選遊技が実行された場合に、不利な抽選遊技が実行されていることを示す報知情報が報知されるので、遊技者がより分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記抽選遊技実行手段は、前記第1抽選遊技と前記第2抽選遊技とを同時に実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、第1抽選遊技と第2抽選遊技とが抽選遊技実行手段により同時に実行されるので、効率良く遊技を行うことができるという効果がある。
<特徴C群>(電チュー構成)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選を実行する抽選手段と、前記第1入球口への入球を規制する第1状態とその第1状態よりも入球を容易にする第2状態とに可変可能な可変手段と、所定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段により特定の判定結果が判定された場合に、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態に可変させる可変制御手段と、所定条件の成立に基づいて、前記第2入球口への入球を規制または前記第2抽選が実行されることを規制する規制手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選が抽選手段により実行される。また、第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選が抽選手段により実行される。第1入球口への入球を規制する第1状態とその第1状態よりも入球を容易にする第2状態とに可変手段により可変される。所定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段により特定の判定結果が判定された場合に、可変手段が第1状態から第2状態に可変制御手段により可変される。所定条件の成立に基づいて、第2入球口への入球を規制または第2抽選が実行されることが規制手段により規制される。これにより、遊技者に有利な状態と不利な状態とを規制手段により設定することができる。よって、遊技者に興趣の変化を与えることができ、興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2入球口は、前記第1入球口の下方に配置され、前記可変手段が前記第2状態となることで、前記可変手段により前記第2入球口へ入球する流路を流下する遊技球の流下を妨げるように配置され、前記規制手段は、前記可変制御手段により前記可変手段が前記第2状態に可変され易く設定することで、前記第2入球口への入球を規制するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球口は、第1入球口の下方に配置される。可変手段が第2状態となることで、可変手段により第2入球口へ入球する流路を流下する遊技球の流下を妨げるように配置される。可変制御手段により可変手段が第2状態に可変され易く設定されることで、第2入球口への入球が規制手段により規制される。これにより、容易な構成で第2入球口への入球を規制できる。よって、遊技機の構成が複雑になることを抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を有し、前記第1入球口は、前記第1流路と前記第2流路とにそれぞれ配置され、前記可変手段は、前記第2流路に配置された前記第1入球口に配置されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、第1入球口が第1流路と前記第2流路とにそれぞれ配置される。第2流路に配置された第1入球口に可変手段が配置されるので、第2流路を流下した遊技球を第1入球口に入球させ易く構成できるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1抽選による抽選結果を示す第1識別情報と前記第2抽選により第2識別情報とを動的表示可能な動的表示手段と、その動的表示手段に動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報の動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を有し、前記規制手段は、前記第2識別情報に対する動的表示期間として長い動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易くすることで、前記第2抽選の実行を規制するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記第1抽選による抽選結果を示す第1識別情報と第2抽選により第2識別情報とが動的表示手段により動的表示される。その動的表示手段に動的表示される第1識別情報と第2識別情報の動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定される。第2識別情報に対する動的表示期間として長い動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易くすることで、第2抽選の実行が規制手段により規制される。よって、容易な構成で第2抽選に実行を規制することができるという効果がある。
<特徴D群>(継続アップ構成)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選を実行する抽選手段と、前記第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報を表示手段に動的表示し、前記第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報を表示手段にそれぞれ動的表示することが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示決定手段により前記第2識別情報の動的表示期間として前記第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とを設定することが可能な設定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を遊技者に付与する特典付与手段と、その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、前記第1抽選または前記第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかを決定する特典決定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報のどちらか一方が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を前記特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様で停止表示させる停止表示手段と、前記設定手段により前記長状態が設定されている場合に、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くする設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選が抽選手段により実行される。第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選が抽選手段により実行される。第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間が動的表示期間決定手段によりそれぞれ決定される。その動的表示期間決定手段により第2識別情報の動的表示期間として第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とが設定手段により設定される。第1識別情報または第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典が特典付与手段により遊技者に付与される。その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、第1抽選または第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかが特典決定手段により決定される。第1識別情報または第2識別情報のどちらか一方が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様が停止表示手段により停止表示される。設定手段により長状態が設定されている場合に、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により設定され易くされる。これにより、遊技者に特典が少ない第2特典の実行も期待させることができる。よって、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、複数の遊技状態から1の遊技状態を所定条件に基づいて設定する遊技状態設定手段を有し、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くするものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の遊技状態から1の遊技状態が所定条件に基づいて遊技状態設定手段により設定される。遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により決定され易くされる。よって、特定の遊技状態が設定された場合に遊技者に第2特典が決定されることをより期待させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特典付与手段により前記特典が付与された場合に、前記特典付与手段により前記特典が付与され易い有利状態を設定する設定手段と、その設定手段により前記有利状態が設定されたことに基づいて、次に前記特典が付与された場合にも、前記設定手段により前記有利状態が設定され易くする制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特典付与手段により特典が付与された場合に、特典付与手段により特典が付与され易い有利状態が設定手段により設定される。その設定手段により有利状態が設定されたことに基づいて、制御手段により次に特典が付与された場合にも、設定手段により有利状態が設定され易くされるので、複数の特典を跨いで有利状態が設定され易くでき、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知する特別図柄の動的表示が表示装置において実行される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、当たりと判定される確率が高くなる高確率遊技状態に移行させるか否かの抽選も始動口に遊技球が入球されたことに基づいて実行される。高確率遊技状態に設定されると、その高確率遊技状態で、当たりとなった場合に、通常確率遊技状態に移行させることが決定されていると、通常確率遊技へ移行される構成が提案されている(例えば、特許文献1:特開2005−319221号公報)。
ところで、上記した構成では、遊技にメリハリがなく、さらに遊技の興趣を向上が求められていた。
本技術的思想は、上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選を実行する抽選手段と、前記第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報を表示手段に動的表示し、前記第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報を表示手段にそれぞれ動的表示することが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示決定手段により前記第2識別情報の動的表示期間として前記第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とを設定することが可能な設定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を遊技者に付与する特典付与手段と、その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、前記第1抽選または前記第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかを決定する特典決定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報のどちらか一方が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を前記特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様で停止表示させる停止表示手段と、前記設定手段により前記長状態が設定されている場合に、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くする設定手段とを有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、複数の遊技状態から1の遊技状態を所定条件に基づいて設定する遊技状態設定手段を有し、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くするものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選が抽選手段により実行される。第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選が抽選手段により実行される。第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。
その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間が動的表示期間決定手段によりそれぞれ決定される。その動的表示期間決定手段により第2識別情報の動的表示期間として第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とが設定手段により設定される。第1識別情報または第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典が特典付与手段により遊技者に付与される。その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、第1抽選または第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかが特典決定手段により決定される。第1識別情報または第2識別情報のどちらか一方が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様が停止表示手段により停止表示される。設定手段により長状態が設定されている場合に、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により設定され易くされる。これにより、遊技者に特典が少ない第2特典の実行も期待させることができる。よって、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の遊技状態から1の遊技状態が所定条件に基づいて遊技状態設定手段により設定される。遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により決定され易くされる。よって、特定の遊技状態が設定された場合に遊技者に第2特典が決定されることをより期待させることができるという効果がある。