JP6454770B1 - 可撓導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の金属板を重ねた可撓導体の両側の端子部を平面を有する必要形状に形成でき、その端子部の各金属板を一体に固着して耐久性を向上させることができ、製造コストを下げること。【解決手段】本発明は、金属の溶融が可能な大電流を扱う電気装置としての溶接機における大電流が流れる上下動自在な上導体部に接続される可撓導体20を製造する方法である。この方法は、可撓性及び導電性を有する複数の金属板20aを束ねる第1ステップと、束ねられた金属板20aの両側の端部をハンダ槽に浸ける第2ステップと、ハンダ槽に浸けた端部における金属板20a間の隙間にハンダが浸透後、金属板20a間の隙間にハンダが浸透した端部を加圧して固める第3ステップとを実行する。【選択図】 図3

Description

本発明は、溶接機等の大電流を扱う電気装置において、大電流が流れる可動部に接続される可撓導体の製造方法に関する。
従来、金属の溶融が可能な大電流を扱う電気装置として例えばプロジェクション溶接機がある。この溶接機の溶接トランスと可動導体部(可動部)との間は、大電流が流れるため、オンス銅板と呼ばれる可撓導体で接続されている。この可撓導体は、撓んで伸縮自在な可撓性及び導電性を有する複数の薄い銅板を重ね、この重なった銅板の両側の端部を固着して形成されている。つまり、可撓導体の両端部以外は固着されておらず、薄い銅板が複数重なっているだけなので可撓性があり、曲げにより伸縮自在となっている。この可撓導体を、上記溶接トランスと可動導体部間に接続すれば、可動導体部を対向配置された固定導体部に自在に近づけ被溶接物を溶接できる。
この種の可撓導体として、例えば特許文献1に記載の接続導体や、特許文献2に記載の可撓導体がある。特許文献1の接続導体は、厚さが30μm〜50μmで長さが僅かに異なる帯板状の銅板を重ねて、両側の端子部(端部)にハンダを挟んで加熱しながら加圧し、接合した後に、ボルト穴を形成して構成されている。
特許文献2の可撓導体は、重ねた銅板の両側の端部を箱型の金属製の端子部で覆い、この端子部を電気的に熱的に機械的に接続して固定し、この固定後の端子部に貫通した穴を開けて構成されている。
特開2000−78715号公報 特開2010−167427号公報
しかし、上記特許文献1の接続導体(可撓導体)は、製造時に、重ねられた銅板の端部の各隙間に、固体のハンダを挟む作業が必要となるので、この作業に手間が掛かってしまう。また、隙間毎にハンダを入れるので端部が分厚くなり、端部を加熱してハンダを溶かす際に、端部の厚み方向真中のハンダまで溶融するためには、電気等のエネルギーを多く必要とする。つまり、製造コストが高くなるという問題がある。
しかし、上記のように端部の真中のハンダが完全に溶融するまで加熱すると、熱源に近い端部外側の銅板が融けたり劣化したりする。この逆に、端部外側の銅板が融けたり劣化したりしないように加熱すると、端部の真中付近のハンダ溶融が不十分で、端部の各銅板を適正に固着できなくなる。つまり、接続導体の端子部となる各銅板を適正に固着できなかったり、端子部として必要な平面を有する形状に形成できなかったりする問題がある。
上記特許文献2の可撓導体は、重ねた銅板の両側の端部を箱型の端子部で覆い、この端子部を電気的に熱的に機械的に接続して固定している。この固定方法では、各銅板の外周部分と端子部間は固着されるが、端子部内の銅板同士は完全に固着されない。このため、銅板間に微小な隙間ができ、この隙間が導通の抵抗となって発熱するので、可撓導体の耐久性が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の金属板を重ねた可撓導体の両側の端子部を平面を有する必要形状に形成でき、その端子部の各金属板を一体に固着して耐久性を向上させることができ、製造コストを下げることができる可撓導体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、電気装置の可動部に接続される可撓導体の製造方法において、可撓性及び導電性を有する複数の金属板を束ねる第1ステップと、前記束ねられた金属板の端部をハンダ槽に浸ける第2ステップと、前記ハンダ槽から抜き取られ、金属板間の隙間にハンダが浸透した前記端部を加圧して固める第3ステップとを実行することを特徴とする可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、複数の金属板を束ね、この両側の端部をハンダ槽に浸けると、端部における金属板間の隙間に毛細管現象によりハンダが浸透するので、端部に満遍なくハンダが付着する。この金属板間の隙間にハンダが付着した端部を加圧して固めるので、束ねられた金属板の厚みと略同じ厚みで、端部を一体にハンダで固着することができる。
このため、複数の金属板を束ねた両側の先端側を、平面を有する端子部等の必要形状に容易に形成することができる。また、先端側の金属板間の隙間にハンダが満遍なく付いた端部を加圧して固めるので、先端側の各金属板を隙間無く一体に固着することができる。このため、従来のような端子部の部分的な隙間による抵抗での発熱が無くなるので、端子部の耐久性を向上させることができる。更に、可撓導体を、複数の金属板を束ねるステップと、ハンダ槽に浸けるステップと、加圧して固めるステップとの簡単な工程で製造することができるので、製造コストを下げることができる。
請求項2に係る発明は、前記第1ステップで複数の金属板を束ねた後、前記束ねられた金属板の両側の端部を、先端側が予め定められた長さ突出る状態に治具で挟んで固定するステップを実行することを特徴とする請求項1に記載の可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、治具で挟んだ位置を根元として先端側の束ねられた金属板が反った状態となる。このため、金属板間に微小な隙間を容易に形成することができる。また、治具は、束ねられた金属板の先端側をハンダ槽に浸ける際の目印となるので、この目印までハンダを浸ければ、先端部を適正位置まで容易に浸けることができる。また、束ねられた金属板の端部が強固に挟まれているため、先端側の隙間に毛細管現象で侵入するハンダを治具の部分で止めることができる。このため、端子部とする部分のみにハンダを付けることができる。
請求項3に係る発明は、前記第2ステップで前記端部をハンダ槽に浸ける前に、当該端部に、ハンダが表面に付き易くするための調整液を付けるステップを実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、端部に調整液を付けることにより、第2ステップでハンダ槽に端部を浸けた際に、ハンダを端部の隙間に短時間で斑なく浸透させることができる。
請求項4に係る発明は、前記第3ステップで前記ハンダが浸透した端部を加圧して固めた後、前記加圧により固められた端部の表面に食み出たハンダ及び当該表面に付着したハンダを削り取るステップを実行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、端部のハンダを削り取るので、表面が平滑な端子部を形成することができる。この端子部は平滑面を有するので、電気装置の給電可動部としての例えば可動導体部とトランスとの接続面に、電流が流れ易くなる密接状態に接続することができる。
請求項5に係る発明は、前記第2ステップで、前記束ねられた金属板の一方の端部をハンダ槽に浸けた後、前記第3ステップで、前記ハンダ槽に浸けた一方の端部における金属板間の隙間にハンダが浸透後、この一方の端部を加圧して固める処理を実行し、前記加圧により固められた一方の端部と他方の未固定の端部との平面同士が交差する角度となるように、前記束ねられた金属板を曲げるステップを実行し、前記第2ステップに戻って、前記他方の未固定の端部をハンダ槽に浸けた後、前記第3ステップで、前記ハンダ槽に浸けた他方の未固定の端部における金属板間の隙間にハンダが浸透後、この他方の未固定の端部を加圧して固める処理を実行することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、可撓導体の両側の端子部が交差する角度となるように、当該可撓導体が曲がった状態とされる。ここで、請求項1に記載の電気装置が例えばプロジェクション溶接機であるとすると、電気装置の大電流が流れる給電可動部は、固定側の下導体部に対して上下に可動する上導体部と溶接トランスとを備えて構成される。この上導体部と溶接トランスとは、互いに水平方向及び上下方向にずれた位置関係に配置される構成が一般的である。この場合、上導体部と溶接トランスとを大電流に耐え得るように電気的に接続する際に、上記曲げ状態の可撓導体を用いれば、この両側の端子部が交差する角度にずれているので、容易に上導体部と溶接トランス間を可撓導体を介して接続することができる。
請求項6に係る発明は、前記第3ステップにおいて、上下動する上加圧部と固定側の下加圧部とで加圧するプレス機を用い、このプレス機の下加圧部の上に断熱材を介して前記ハンダが浸透した端部を載置し、上加圧部を下げて加圧するようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法である。
この方法によれば、断熱材によって端部の温度が下がり難くなるので、端部の隙間に浸透したハンダが固まり難くなる。このため、加圧により端部における金属板間の隙間に浸透した未だ固まっていないハンダが加圧されるので、金属板間のハンダが薄く伸び、この伸びたハンダで全ての金属板を一体に固着することができる。
本発明によれば、複数の金属板を重ねた可撓導体の両側の端子部を平面を有する必要形状に形成でき、その端子部の各金属板を一体に固着して耐久性を向上させることができ、製造コストを下げることができる可撓導体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る可撓導体が用いられたプロジェクション溶接機の構成を示す側面図である。 被溶接物を示し、(a)突起部が下方に突出た第1被溶接物と第2被溶接物とを示す断面図、(b)突起部が溶接した状態を示す断面図である。 本実施形態の可撓導体の構成を示す斜視図である。 可撓性及び導電性を有する複数枚の薄い金属板を重ねた状態を示す斜視図である。 重ね金属板の一端部を治具で挟んだ状態を示す斜視図である。 重ね金属板の治具より先端側をハンダ槽に付けた状態を示す断面図である。 ハンダが浸透した重ね金属板の先端側をプレス機で加圧する状態を示す側面図である。 加圧後の重ね金属板の先端側を示す斜視図である。 加圧後の重ね金属板の先端側を万力に挟んだ状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る可撓導体が用いられたプロジェクション溶接機の構成を示す側面図である。
図1に示すプロジェクション溶接機(溶接機ともいう)10は、溶接を行うために上下に対向配置された上導体部11と下導体部12とを備える。上導体部11は、上下に可動自在となっており、撓んで伸縮自在な可撓性及び導電を有する可撓導体20によって、溶接機10の内部に搭載された溶接トランス13と電気的に接続されている。上導体部11が上下すると可撓導体20が撓んで追従するようになっている。可撓導体20は、人が手で簡単に撓ませることが可能な柔軟性を有する。なお、溶接トランス13は、請求項記載の給電部を構成する。上導体部11は、請求項記載の可動部を構成する。
下導体部12は、溶接機10の本体に固定され、被溶接物15が載置される。被溶接物15は、図2(a)に示すように、溶接対象である第1被溶接物16と第2被溶接物17とを備え、第1被溶接物16は、第2被溶接物17の側に突出た突起部(プロジェクション)16aを有する。
溶接機10において、上導体部11を下方へ移動し、下導体部12に載置された第1被溶接物16に接触させると、溶接トランス13から可撓導体20を介して大電流が次のように流れる。即ち、可撓導体20を介した大電流が、上導体部11、第1被溶接物16の突起部16aを経由して第2被溶接物17及び下導体部12へ流れる。これによって、図2(b)に示すように、接触面積の少ない突起部16aに大電流が流れて加熱されることにより溶融し、第1被溶接物16と第2被溶接物17とが接合(溶接)16bされる。
本実施形態の特徴である可撓導体20は、図3に示すように、可撓性及び導電性を有する複数枚の薄い金属板20aを重ね(束ね)、この重ねられた(束ねられた)金属板20aを側面視で「への字形状」に曲げてある。この曲げられた両側の端部をハンダで固着し、この固着による端子部20bに貫通した穴20cを開けて形成されている。各金属板20aは、導電性を有する銅や合金等の金属を、可撓性を有する薄手の帯状に成形して形成されている。
金属板20aが銅板の場合この厚みは、例えば0.1mm〜0.25mmとされる。この際の可撓導体20の端子部20bは、例えば、0.1mmの銅板であればこれを140枚重ね、後述の製造方法で形成することにより14mm強の厚みとされる。
<可撓導体の製造方法>
次に、可撓導体20の製造方法を、図4〜図9を参照して説明する。
図4に示すように、まず、長さが少しづつ異なる金属板20aを大電流の安定供給が可能な枚数以上用い、直方体形状に重ねる(束ねる)工程を実施する。各金属板20aを重ねる際に、一方の端面を面一として行う。これによって他方の端面は、長さが異なる金属板20aが側面視で傾斜状に重なる状態となる。
次に、図5に示すように、その重ねられた金属板20aの一端部を治具30で挟んで固定する工程を実施する。なお、重ねられた金属板20aを、重ね金属板20aとも称す。
治具30は、挟み部30aと、ボルト30bと、ナット30c(図6参照)とを2組備えている。挟み部30aは、角棒状を成し、この両端部に貫通した穴(図示せず)が開口されている。治具30を用いる場合、重ね金属板20aの一端部を2本の挟み部30aで上下から挟み、これら挟み部30aの両端の穴にボルト30bを挿通した後、ボルト30bにナット30cを螺合し締め付けて重ね金属板20aの端部を固定する。
但し、重ね金属板20aの治具30による固定は、治具30から突き出た先端までの部分の長さが、端子部20b(図3)とするに適した寸法となる位置で行う。重ね金属板20aの治具30から突き出た部分を先端部20eと称す。先端部20eは、この根元が角棒状の挟み部30aで上下から挟まれて締め付けられている。このため、その締め付けよりも先端側の各金属板20aが上下に開く状態に反って、矢印Y1で示すように、金属板20a間に微小な隙間ができる。なお、先端部20eは、請求項記載の端部を構成する。
次に、先端部20eに、ハンダを表面に付き易くするための調整液として、ハンダペースト(図示せず)を塗る工程を実施する。このハンダペーストは、金属の表面の酸化膜(サビ)を溶かす性質のある化学物質が含まれると共に、ハンダをペースト状にするせっけん・ワックス・ワセリン等の物質が含まれるものである。
ハンダペーストを塗る場合、ハンダペーストを貯留した調整液槽(図示せず)に、先端部20eを浸けて行う。先端部20eは金属板20a間に隙間ができているので、先端部20eをハンダペーストに浸けるだけで、毛細管現象によって隙間にハンダペーストが斑なく浸透する。これにより先端部20eにハンダペーストが満遍なく付着する。なお、ハンダペーストを付けた刷毛で、先端部20eにハンダペーストを塗る等の方法を実施してもよい。
次に、図6に示すように、ハンダペーストを満遍なく付けた先端部20eを、ハンダ槽42の溶融ハンダ41に浸ける工程を実施する。
ハンダ槽42は、電気炉のように内部を加熱可能となっており、固体ハンダを熱で溶融し、これを溶融ハンダ41として貯留する。更に、ハンダ槽42は、この上部周縁部に、2つの板状の載置部42aが離間して配置されている。各載置部42aは、重ね金属板20aの端部に固定された治具30を載置するものである。各載置部42aの離間した間は、先端部20eを溶融ハンダ41内に挿入するための開口42bとなっている。この開口42bに先端部20eを挿入しながら治具30を載置部42aに載置すると、先端部20eが溶融ハンダ41に浸かる。先端部20eは金属板20a間に隙間Y1ができているので、先端部20eを溶融ハンダ41に短時間(例えば数秒間)浸けるだけで、毛細管現象によって隙間に溶融ハンダ41が満遍なく浸透する。
但し、金属板20aが銅板等の高熱で溶融し易い金属である場合、浸漬時間が長過ぎると熱で金属板20aが融けてしまう。そこで、金属板20aが融けず先端部20eの各隙間に満遍なく溶融ハンダ41が浸透する浸漬時間を、実験や経験値等により予め定めてある。
次に、浸漬時間経過後、先端部20eをハンダ槽42から抜き取る。なお、その抜取後、ハンダ槽42の溶融ハンダ41の表面の不純物が先端部20eに付くので、ウエスのようなもので拭き取る作業が行われる。
次に、上記抜取後のハンダ41aが付着した先端部20eを、図7に示すように、プレス機50で加圧する工程を実施する。プレス機50は、加圧ピストン50cで上下に移動自在な上加圧部50aと、この上加圧部50aの下方に対向配置された下加圧部50bとを備えて構成されている。下加圧部50bには、板状の断熱材51が載置されている。
先端部20eを加圧する場合、先端部20eに付着したハンダ41aが固まる前に、断熱材51の上に先端部20eを載置し、上加圧部50aを加圧ピストン50cで下げる。この下げられる上加圧部50aが、断熱材51を介した下加圧部50bとの間で、先端部20eを所定の圧力で加圧する。この際、断熱材51によって先端部20eの温度が下がり難くなっているので、先端部20eの隙間に浸透したハンダは未だ固まってはいない。
上記の加圧により、先端部20eの隙間の未だ固まっていないハンダが加圧されるので、矢印Y2で示すように、先端部20eの端面及び左右側の表面にハンダ41aが食み出す。同時に、上加圧部50aから先端部20eの熱が引かれて温度が低下するのでハンダが固化する。このため、先端部20eの各金属板20aがハンダで固着されて隙間無く一体に固まる。この固着後の先端部20eの厚みは、重ね金属板20aを隙間無く重ねた厚みと略同じとなる。なお、上記の加圧時に、先端部20eのハンダが急速に冷えて固化しないように適温で加熱保温してもよい。
次に、上記のように先端部20eが加圧された重ね金属板20aをプレス機50から取り出す。この取り出した重ね金属板20aは、図8に矢印Y3で示すように、先端部20eの先端及び左右の表面にハンダが食み出して固化している。
このため、先端部20eの表面に食み出したハンダY3や、表面に付着したハンダ41aを除去する工程を実施する。この除去は、図9に示すように、先端部20eを万力55で把持し、サンダーで研磨して行う。なお、ハンダの除去方法は、手でやすりを掛けて行う等、種々の方法がある。
その除去によって、重ね金属板20aの一方の先端部20eの表面が平滑面となる。この平滑な先端部20eに図3に示すように、穴20cを開ける工程を実施すれば、端子部20bが形成される。
次に、その端子部20bが形成された重ね金属板20aを、側面形状が「への字形状」の型(図示せず)の上に置き、重ね金属板20aの長手方向の途中を型に沿って曲げる工程を実施する。
この曲げ部分の内周側と外周側とでは、図3に示すように半径が異なっている。更にその曲げ状態においては、一方の端子部20bの平面と、他方の未固着の先端部の平面とが交差する角度となっている。
このように重ね金属板20aが曲がった状態で、端面が側面視で傾斜状に突出た未固着の先端部を治具30で緩めに固定し、先端部の端面を平面に叩きつける等して面一に揃える。この面一にすることによって、図4に示すように重ね金属板20aの長手方向の途中が、内周側と外周側とで半径が異なる状態に曲がる。その端面が面一に揃った状態で治具30を強固に締め付けて固定すると、重ね金属板20aの曲がった状態が保持される。
次に、曲がった重ね金属板20aの他方の先端部を、上記同様の製造工程を実施して端子部20b(図3)に仕上げる。これによって、図3に示す可撓導体20が形成される。但し、両側の端子部20bの穴20cを開ける工程は、一番最後に行ってもよい。
上記の製造方法で形成した可撓導体20においては、ハンダ固着された先端部20eの表面に付着したハンダをサンダ等で削り取って端子部20bを形成する。このため、端子部20bの表面に微細なハンダが残る。この残留したハンダを顕微鏡等で拡大して確認すれば、本実施形態の製造方法で形成された可撓導体20であるか否かを判断できる。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の可撓導体の製造方法は、金属の溶融が可能な大電流を扱う電気装置としての溶接機10において、大電流が流れる可動部としての上導体部11に接続する可撓導体20を、次のような特徴を有する方法で製造するようにした。
(1)可撓性及び導電性を有する複数の金属板20aを束ねる第1ステップと、束ねられた金属板20aの両側の端部(先端部20e)をハンダ槽42に浸ける第2ステップと、ハンダ槽42から抜き取られ、ハンダが隙間Y1に浸透した端部を加圧して固める第3ステップとを実行するようにした。
この方法によれば、複数の金属板20aを束ね、この両側の端部をハンダ槽42に浸けると、端部における金属板20a間の隙間Y1に毛細管現象によりハンダが浸透するので、端部に満遍なくハンダが付着する。この金属板20a間の隙間Y1にハンダが付着した端部を加圧して固めるので、束ねられた金属板20aの厚みと略同じ厚みで、端部を一体にハンダで固着することができる。
このため、複数の金属板20aを束ねた両側の先端部20eを、平面を有する端子部20b等の必要形状に容易に形成することができる。また、先端部20eの金属板20a間の隙間Y1にハンダが満遍なく付いた端部を加圧して固めるので、先端部20eの各金属板20aを隙間無く一体に固着することができる。このため、従来のような端子部の部分的な隙間による抵抗での発熱が無くなるので、端子部20bの耐久性を向上させることができる。更に、可撓導体を、複数の金属板20aを束ねるステップと、ハンダ槽42に浸けるステップと、加圧して固めるステップとの簡単な工程で製造することができるので、製造コストを下げることができる。
(2)第1ステップで複数の金属板20aを束ねた後、束ねられた金属板20aの両側の端部を、先端側が予め定められた長さ突出る状態に治具30で挟んで固定するステップを実行するようにした。
この方法によれば、治具30で挟んだ位置を根元として先端部20eの束ねられた各金属板20aが反った状態となる。このため、金属板20a間に微小な隙間Y1を容易に形成することができる。また、治具30は、束ねられた金属板20aの先端部20eをハンダ槽42に浸ける際の目印となるので、先端部20eを適正位置まで容易に浸けることができる。また、束ねられた金属板20aの端部が強固に挟まれているため、先端部20eの隙間に毛細管現象で侵入するハンダを治具30の部分で止めることができる。このため、端子部20bとする部分のみにハンダを付けることができる。
(3)第2ステップで端部をハンダ槽42に浸ける前に、当該端部に、ハンダが表面に付き易くするための調整液を付けるステップを実行するようにした。
この方法によれば、端部に調整液を付けることにより、第2ステップでハンダ槽42に端部を浸けた際に、ハンダを端部の隙間Y1に短時間で斑なく浸透させることができる。
(4)第3ステップでハンダが浸透した端部を加圧して固めた後、この固められた端部の表面に食み出たハンダ及び当該表面に付着したハンダを削り取るステップを実行するようにした。
この方法によれば、端部のハンダを削り取るので、表面が平滑な端子部20bを形成することができる。この端子部20bは平滑面を有するので、溶接機10の上導体部11と溶接トランス13との各接続面に端子部20bを接続する際に、電流が流れ易くなる密接状態に接続することができる。
(5)第2ステップで、束ねられた金属板20aの一方の端部をハンダ槽42に浸けた後、第3ステップで、ハンダ槽42に浸けた一方の端部における金属板20a間の隙間Y1にハンダが浸透後、この一方の端部を加圧して固める処理を実行する。この後、固められた一方の端部と他方の未固定の端部との平面同士が交差する角度となるように、束ねられた金属板20aを曲げるステップを実行する。更に、第2ステップに戻って、曲げられた金属板20aの他方の未固定の端部をハンダ槽42に浸けた後、第3ステップで、ハンダ槽42に浸けた他方の未固定の端部における金属板20a間の隙間にハンダが浸透後、この他方の未固定の端部を加圧して固める処理を実行するようにした。
この方法によれば、可撓導体20の両側の端子部20bが交差する角度となるように、当該可撓導体20が曲げた状態に構成される。溶接機10の上導体部11と溶接トランス13とは、互いに水平方向及び上下方向にずれた位置関係に配置される構成が一般的である。この場合、上導体部11と溶接トランス13とを大電流に耐え得るように電気的に接続する際に、上記曲げ状態の可撓導体20を用いれば、この両側の端子部20bが交差する角度にずれているので、容易に上導体部11と溶接トランス13間を可撓導体20を介して接続することができる。
(6)第3ステップにおいて、上下動する上加圧部50aと固定側の下加圧部50bとで加圧するプレス機50を用い、このプレス機50の下加圧部50bの上に断熱材51を介して上記のハンダが浸透した端部を載置し、上加圧部50aを下げて加圧するようにした。
この方法によれば、断熱材51によって端部の温度が下がり難くなるので、端部の隙間に浸透したハンダが固まり難くなる。このため、加圧により端部における金属板20a間の隙間に浸透した未だ固まっていないハンダが加圧されるので、金属板20a間のハンダが薄く伸び、この伸びたハンダで全ての金属板20aを一体に固着することができる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。可撓導体20は、図3に示したように、側面形状が「への字形状」の型を使って、側面視で「への字形状」に曲げられている旨を説明したが、U字形状や、ストレート形状など他の形状であってもよい。
10 プロジェクション溶接機
11 上導体部
12 下導体部
13 溶接トランス
15被溶接物
16 第1被溶接物
17 第2被溶接物
16a突起部
20 可撓導体
20a 金属板
20b 端子部
20c 貫通した穴
20e 端子部
30 治具
30a 挟み部
30b ボルト
30c ナット
41 溶融ハンダ
42 ハンダ槽
42a 載置部
42b 開口
50 プレス機
50a 上加圧部
50b 下加圧部
50c 加圧ピストン
51 断熱材
55 万力

Claims (6)

  1. 電気装置の可動部に接続される可撓導体の製造方法において、
    可撓性及び導電性を有する複数の金属板を束ねる第1ステップと、
    前記束ねられた金属板の端部をハンダ槽に浸ける第2ステップと、
    前記ハンダ槽から抜き取られ、金属板間の隙間にハンダが浸透した前記端部を加圧して固める第3ステップと
    を実行することを特徴とする可撓導体の製造方法。
  2. 前記第1ステップで複数の金属板を束ねた後、
    前記束ねられた金属板の両側の端部を、先端側が予め定められた長さ突出る状態に治具で挟んで固定するステップ
    を実行することを特徴とする請求項1に記載の可撓導体の製造方法。
  3. 前記第2ステップで前記端部をハンダ槽に浸ける前に、当該端部に、ハンダが表面に付き易くするための調整液を付けるステップ
    を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の可撓導体の製造方法。
  4. 前記第3ステップでハンダが浸透した端部を加圧して固めた後、
    前記加圧により固められた端部の表面に食み出たハンダ及び当該表面に付着したハンダを削り取るステップ
    を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法。
  5. 前記第2ステップで、前記束ねられた金属板の一方の端部をハンダ槽に浸けた後、
    前記第3ステップで、前記ハンダ槽に浸けた一方の端部における金属板間の隙間にハンダが浸透後、この一方の端部を加圧して固める処理を実行し、
    前記加圧により固められた一方の端部と他方の未固定の端部との平面同士が交差する角度となるように、前記束ねられた金属板を曲げるステップを実行し、
    前記第2ステップに戻って、前記他方の未固定の端部をハンダ槽に浸けた後、
    前記第3ステップで、前記ハンダ槽に浸けた他方の未固定の端部における金属板間の隙間にハンダが浸透後、この他方の未固定の端部を加圧して固める処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法。
  6. 前記第3ステップにおいて、上下動する上加圧部と固定側の下加圧部とで加圧するプレス機を用い、このプレス機の下加圧部の上に断熱材を介してハンダが浸透した端部を載置し、上加圧部を下げて加圧するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の可撓導体の製造方法。
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