JP6454692B2 - 冷却材喪失事故の反応炉冷却システム - Google Patents

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Description

関連特許出願の相互参照
本出願は、2013年5月28日に出願された米国仮特許出願第61/828,017号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、核反応炉に関し、より具体的には、冷却材喪失事故及び反応炉停止の事象において使用するための、受動的冷却システムに関する。
核反応炉のための格納施設は、核分裂を利用して加圧蒸気を生成する、プラントの核蒸気供給システム(NSSS)に対する環境的隔離を提供するエンクロージャとして定義される。商業的核反応炉は、施設に関して想定し得る最も深刻な事故から結果として生じる温度及び圧力に耐えることができる、圧力保持構造内に封入されることが必要とされる。反応炉及びその格納施設に関して想定し得る最も深刻なエネルギー放出事故は、概して2つの種類のものであり得る。
格納施設の完全性に対する潜在的リスクの、1つの熱的事象は、プラントの核蒸気供給システム(NSSS)からの全ての熱遮断経路が失われ、反応炉を「緊急停止」に追い込むようなシナリオである。全電源喪失が、そのような事象である。反応炉内で発生する崩壊熱は、反応炉を無制御の圧力上昇から保護するために除去されねばならない。
冷却喪失事故(LOCA)は、熱的事象状態の別の形式であり、ここでは、反応炉冷却材システム(RCS)の圧力格納境界における割れ目が、格納空間内への減圧沸騰する水の急速な放出につながる。突然減圧された反応炉冷却材(一次冷却材)は、激烈に減圧沸騰し、格納空間内の圧力及び温度の急速な上昇を結果としてもたらすことになる。格納施設内の空間は空気及び蒸気の混合状態になる。LOCA事象は通常、一次冷却水を格納するRCSシステムのパイプ中の破損によって発生すると想定される。LOCAの即時的帰結は、RCS内部の圧力及び格納施設内の圧力が平衡に達するまでの、RCSの急速な減圧と、大量の一次冷却水の溢流とである。原子力発電所は、RCSの減圧の直後に緊急停止するように設計されており、これが反応炉の臨界を抑制し、連鎖反応を停止する。しかしながら、RCSから格納施設内に溢流する一次冷却水の大きなエンタルピー、及び炉心における崩壊熱の進行中の発生は、格納施設の圧力の急騰を引き起こし得るエネルギー源であり、この圧力が充分に高かった場合、格納施設の圧力保持能力を脅かし得る。
より直近では、格納構造はまた、墜落する飛行機からの衝撃に耐えることも監督機関から求められている。格納構造は典型的には、LOCAからの内部圧力に耐えるように、大規模な鉄筋コンクリートのドームとして建造されている。格納構造の厚いコンクリート壁は飛行機の衝撃に耐えることが可能であるかもしれないが、残念ながら良好な断熱体でもあり、その不要な熱を外部環境に排除するためのポンプ式排熱システム(熱交換器及びポンプを採用する)を必要とする(圧力上昇を最小化するため、または崩壊熱を除去するため)。しかしながら、そのような放熱システムは、ポンプに電力を供給するための強力な電源(例えば、外部または構内のディーゼル発電機)に依存する。津波に引き続くFukushimaでの全電源喪失は、ポンプに依存することの愚かさを突きつける警告である。現状技術における上の弱点により、改善された核反応炉格納システムが希求される。
必要とされるのは、LOCA後の格納施設内の内部圧力を可能な限り短い時間内に通常の状態にするための、効率的なエネルギー排出システムである。そのようなシステムがその意図される機能を間違いなく履行することを確保するために、システムが重力運転される(すなわち、このシステムは任意のポンプまたはモータを駆動するための利用可能な動力源に依存しない)ことが更に望ましい。
前述の欠点を克服する、冷却材喪失事故(LOCA)及び完全な反応炉停止の事象において使用するための、受動的核反応炉冷却システムが提供される。本冷却システムは、利用可能な電力供給を必要とするポンプ及びモータへのいかなる依存及びそれらの欠点を伴わない、反応炉の崩壊熱を排除するための完全に受動的な手段を作り出すように構成される。一実施形態において、本冷却システムは、熱交換器を含む本システムを通る冷却水の流れを抽出及び誘発するために、もっぱら重力及び相違する流体密度に依存する。本冷却システムは、LOCA全電源喪失、もしくは一次冷却材配管中の破断したパイプによるもの等の、核燃料炉心のための通常の排熱経路が失われる別の想定される事故シナリオの事象、または他の事象において、反応炉から崩壊熱を受動的に抽出するように設計される。
一構成において、本受動的冷却システムは、反応炉格納容器の壁に取り付けられた熱交換器を介して、反応炉からの崩壊熱を抽出及び排除するためのビヒクルとして、反応炉ウェル内のリザーブ冷却水を活用する。冷却水は、反応炉ウェルと熱交換器との間の閉鎖流ループ内を重力を介して流れて、格納容器の壁を通じて外部ヒートシンクに排熱する。一実施形態において、ヒートシンクは、格納容器を包囲する冷却水で充填された環状リザーバであり得る。
更なる実施形態において、本明細書において更に説明されるように、反応炉ウェルに流体連結されて冷却水の補充源またはリザーブを提供する、格納施設内の冷却水の補助リザーバ(例えば、貯蔵タンク)が提供されてもよい。冷却システム閉鎖流ループは、反応炉ウェルと補助リザーバ熱交換器及び熱交換器との両方の間で冷却水を循環させてもよい。
一実施形態において、冷却材喪失事故後に使用可能な受動的反応炉冷却システムは、ヒートシンクと熱連通する格納容器と、格納容器内に配置される反応炉ウェルと、少なくとも部分的には反応炉ウェル内に配置される反応炉容器であって、反応炉容器内の一次冷却材を加熱する核燃料炉心を格納する反応炉容器と、格納容器内に配置され、反応炉ウェルと流体連通する貯水タンクであって、冷却水のインベントリを格納する、タンクと、格納容器内に配置される熱交換器であって、閉鎖流ループを介して反応炉ウェルと流体連通する、熱交換器とを含む。一次冷却材の喪失の後に、タンクは冷却水で反応炉ウェルを浸水させるように構成され、かつ運転可能であり、この冷却水は燃料炉心からの熱によって蒸気に変換され、閉鎖流ループを通って熱交換器に流れる。一実施形態において、蒸気は熱交換器内で凝縮して凝縮液を形成し、凝縮液は重力によって反応炉ウェルに流れ戻る。
熱交換器は、一実施形態において、格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備える。
別の実施形態において、冷却材喪失事故後に使用可能な受動的反応炉冷却システムは、ヒートシンクと熱連通する格納容器と、格納容器内に配置される反応炉ウェルと、少なくとも部分的には反応炉ウェル内に配置される反応炉容器であって、核燃料炉心及び燃料炉心によって加熱された一次冷却材を格納する、反応炉容器と、格納容器内に配置され、反応炉ウェルと流体連通する貯水タンクであって、冷却水のインベントリを格納する、タンクと、格納容器内に配置される熱交換器であって、大気圧閉鎖流ループを介して反応炉ウェルと流体連通する、熱交換器とを含む。一次冷却材の喪失の後に、タンクは冷却水で反応炉ウェルを浸水させるように構成され、かつ運転可能である。浸水された反応炉ウェル内の冷却水は燃料炉心によって加熱され、蒸気に変換され、蒸気は閉鎖流ループを通って熱交換器に流れ、凝縮して凝縮液を形成し、凝縮液は反応炉ウェルに流れ戻る。熱交換器は、一実施形態において、格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備える。
冷却材喪失事故後に核反応炉を受動的に冷却するための方法が提供される。本方法は、核燃料炉心及び一次冷却材を格納する反応炉容器を、格納容器内部に配置される反応炉ウェル内に配置することと、反応炉ウェルに流体連結する貯水タンクを、少なくとも部分的に冷却水で充填することと、反応炉ウェル内に貯水タンクから冷却水を放出することと、燃料炉心で冷却水を加熱することと、冷却水を少なくとも部分的に蒸気に変換することと、反応炉ウェル内に蒸気を蓄積することと、蒸気を熱交換器を通して流すことと、蒸気を凝縮させて、熱交換器内で凝縮液を形成することと、反応炉ウェルに凝縮液を戻すことと、を含み、冷却材蒸気及び凝縮液は、熱交換器と反応炉ウェルとの間の閉鎖流ループを通って循環する。一実施形態において、蒸気は、反応炉容器の外部表面上に配置される断熱ライナアセンブリ内で生成され、ライナアセンブリは、反応炉容器の底部及び頂部に配置される流通孔ノズルを介して反応炉ウェルに流体連結する。ライナアセンブリは、複数の離間されたライナを備えてもよい。凝縮ステップは、格納容器を包囲する水を保持する環状リザーバへの、熱交換器による、蒸気からの熱の排除を更に含んでもよい。熱交換器は、環状リザーバに隣接する格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備えてもよい。
本開示の他の態様によれば、本発明は、熱的事象によって格納施設内の環境に放出された熱を排除するための前述の配列の欠陥を克服する、核反応炉格納システムを更に提供する。格納システムは概して、鋼または別の延性材料で形成され得る内側格納容器と、外側格納エンクロージャ構造(CES)とを含み、それにより二重壁格納システムを形成する。一実施形態において、水充填環状部が、格納容器と格納エンクロージャ構造との間に提供され、環状冷却リザーバを提供し得る。格納容器は、容器から「フィン」の様式で(略)半径方向外向きに延在する、複数の縦方向伝熱フィンを含み得る。したがって格納容器は、反応炉のための一次構造格納施設としてだけではなく、ヒートシンクとして振る舞う環状水リザーバを伴う熱交換器として機能するように構成され、かつ運転可能である。したがって、本明細書において更に記載されるように、格納容器は有利なことに、熱を放散し反応炉を冷却するために、LOCAまたは反応炉緊急停止等の熱エネルギー放出事故の際に必要に応じて、受動的(すなわち、非ポンプ式)排熱システムを提供する。
本開示による一実施形態において、核反応炉格納システムは、核反応炉を収容するために構成された格納容器と、格納容器を包囲する格納エンクロージャ構造(CES)と、格納空間から熱エネルギーを抽出するために格納容器と格納エンクロージャ構造(CES)との間に形成される環状リザーバとを含む。格納容器内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器によって発生する熱は、格納容器を冷却するように運転する環状リザーバに伝えられる。一実施形態において、環状リザーバは、格納容器を冷却するための水を格納する。格納容器の一部は、環状リザーバ内に配置され、格納容器と格納エンクロージャ構造(CES)との間に延在して、水充填環状リザーバへの熱の放散を向上する略半径方向の伝熱フィンを含み得る。熱エネルギー放出事態が格納容器内部で起こる場合、環状部内の水の一部が蒸発し、格納エンクロージャ構造(CES)の環状リザーバを通って水蒸気の形態で大気に排出される。
本システムの実施形態は更に、環状リザーバ内に、格納容器周囲の円周方向に距離を空けて配置される複数の鉛直方向の吸気路を含む、補助空気冷却システムを含み得る。空気路は、環状リザーバと、格納エンクロージャ構造(CES)の外にある外部周囲空気と流体連通する。熱エネルギー放出事態が格納容器内部で起こり、環状リザーバ内の水が蒸発によって実質的に枯渇した場合、空気冷却システムが、リザーバ空間から外部環境への通風路を提供することにより運転可能となる。したがってこの換気システムは、永久的に格納施設を冷却し続けることができる二次システムと見なすことができる。
別の実施形態によれば、核反応炉格納システムは、核反応炉を収容するために構成された格納容器と、格納容器を包囲する格納エンクロージャ構造(CES)と、格納容器と格納エンクロージャ構造(CES)との間に形成される、格納容器を冷却するための水充填環状部と、格納容器から外向きに突出し環状部内に配置される複数の略半径方向のフィンとを含む。格納容器内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器によって発生する熱は、格納容器の外部表面、及び略半径方向であるそのフィンとの直接接触を通じて、環状部内の水充填リザーバに伝えられ、したがって格納容器を冷却する。一実施形態において、熱エネルギー放出事態が格納容器内部で起こり、環状部内の水が蒸発によって実質的に枯渇した場合、空気冷却システムが、空気路を通じて環状部内に外部周囲空気を引き込んで、格納施設内で発生する熱(時と共に指数関数的に減少する)を、自然対流により冷却するように運転可能である。格納容器を完全に包囲する環状部位内の水の存在が、格納容器内における一定の温度分布を維持して、熱エネルギー放出事態または事故の際の格納容器の歪みを防止することになる。
別の実施形態において、核反応炉格納システムは、核反応炉を収容するために構成された円筒シェルを含む格納容器と、格納容器を包囲する格納エンクロージャ構造(CES)と、格納容器のシェルと格納エンクロージャ構造(CES)との間に形成される、格納容器を冷却するための水を格納する環状リザーバと、格納容器から環状部内へ外向きに突出する、複数の外部(略)半径方向フィンと、環状リザーバ内において格納容器周囲の円周方向に距離を空けて配置される複数の鉛直方向の吸気路を含む空気冷却システムとを含む。空気路は、環状リザーバと、格納エンクロージャ構造(CES)の外にある外部周囲空気と流体連通する。格納容器内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器によって発生する熱は、格納容器を冷却するように運転する格納容器の内部及び外部フィンに沿って、(略)半径方向の格納壁を介して環状リザーバに伝えられる。
本開示に従う核反応炉格納システムの利点及び態様は、以下を含む。
上に記載されたような深刻なエネルギー放出事象を受動的に封じ込めることができるように(例えば、ポンプ、弁、熱交換器、及びモータ等の動的な構成要素への依存なしに)構成された格納構造及びシステム。
無期限で自律的に働き続ける(例えば、人の介入のための時間制限がない)格納構造及びシステム。
その一次機能(すなわち、圧力及び放射性核種(もしあれば)の保持及び排熱)を失わずに、墜落する飛行機等の投射物の衝撃に耐えるように構成される内部及び外部リブ(フィン)で補強される格納構造。
格納構造を通して主要機器の容易な取り外し(または設置)を可能にする設備を備える格納容器。
本発明の例証的実施形態の特色について、同様の要素には類似の標識が付される以下の図面を参照しながら説明する。
核反応炉の一部を形成する、本開示によるフィンを付けられた一次反応炉格納容器の側面立面図であり、いくつかのフィンの下部は、鉛直支柱及び円周方向リブを現すために部分的に取り払われている。 II−II線による、図1の横断面図である。 図2の細目IIIの詳細である。 図1の格納容器及び外側格納エンクロージャ構造(CES)を、容器とエンクロージャとの間に形成される水充填環状リザーバと共に示す、核反応炉格納システムの縦断面図である。 格納容器及び格納エンクロージャ構造(CES)を通る縦断面図である。 地表面上の視認できる外側格納エンクロージャ構造(CES)を伴って設置された、核反応炉格納システムの側面立面図である。 図6の上部平面図である。 核反応炉格納システムの地表面よりも上方の部分、及び下方の部分の両方を示す、図7のVIII−VIII線による、その縦断面図である。 格納容器に収容される機器、及び格納容器の追加的な詳細を明らかにするための様々な断面切断部を示す、一次反応炉格納容器の側面立面図である。 図9の上部平面図である。 図10のXI−XI線による、図9の縦断面図である。 図10のXII−XII線による、図9の縦断面図である。 図9のXIII−XIII線による、図9の横断面図である。 図9のXIV−XIV線による、図9の横断面図である。 図9のXV−XV線による、図9の横断面図である。 補助放熱システムを示す、核反応炉格納システムの部分的縦断面図である。 鉛直支柱及び円周方向リブを現すために、格納容器の(略)半径方向のフィンの下部が部分的に取り払われている、格納容器の等角図である。 格納容器のシェルに取り付けられた上部及び下部リングヘッダ、ならびに導管を示す、図16の放熱システムの一部分の縦断面図である。 核反応炉格納システムの概略断面と、熱エネルギー放出事象の際に熱を放散し格納容器を冷却するための水充填環状リザーバの運転との概略図である。 LOCAの事象の際に反応炉炉心を冷却するための、本開示による反応炉冷却システムの反応炉容器及び関連する部分を示す概略図である。 反応炉炉心を冷却するための、全体的な反応炉冷却システム及び格納構造を示す概略図である。 反応炉ウェル、ならびに断熱ライナシステム及び流通孔ノズルの配列を伴う反応炉容器の下部を示す、横断面図である。 流通孔ノズルを示す、図22からの詳細である。 流通孔ノズルを示す、図22からの詳細である。 反応炉容器及び蒸気発生器を通る、一次及び二次冷却材の流れを示す概略図である。
全ての図面は概略的であり、必ずしも一定の縮尺ではない。サブ部分(例えば図22A及び22B)を関連付ける単一の描画図(例えば図22)に対する参照は、特に指示のない限り、図及びサブ部分に対する参照として解釈することとする。
本発明の特色及び利点は、例証的実施形態への参照によって本明細書において例証及び説明される。例証的実施形態のこの説明は、添付の図面と併せて読み取られることを意図するものであり、これらの図面は書面の説明全体の一部と見なされるべきである。したがって、本開示は明示的に、単独で、または特色の他の組み合わせで存在し得る特色の、ある可能な非制限的組み合わせを例証するそのような例証的実施形態に制限されるべきではない。
本明細書に開示される実施形態の説明において、方向または配向に対する任意の言及は、単に説明の簡便性のために意図されるものであり、本発明の範囲を制限することをいかなる方法においても意図するものではない。「下部」、「上部」、「水平」、「鉛直」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「頂部」、及び「底部」等の相対的な用語、ならびにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」等)は、考察中の図面において説明されるような、または示されるような名目上の配向を指すように解釈されるべきである。これらの相対的用語は、単に説明の簡便性のためのものであり、装置が、用語によって示される厳密な特定の配向で構築または運転されることを必要とするわけではない。「取り付け」、「添着」、「接続」、「連結」、「相互接続」、及び類似のもの等の用語は、明示的に別途記載されない限り、構造が直接的、または介在構造を通して間接的に、互いに固定または取り付けられる関係性、ならびに移動可能または固定式の、取り付けまたは関係性の両方を指す。
図1〜15を参照すると、本開示に従う核反応炉格納システム100が示される。本システム100は概して、格納容器−エンクロージャアセンブリ200−300を集合的に画定する、格納容器200等の内側格納構造と、外側格納エンクロージャ構造(CES)300とを含む。格納容器200及び格納エンクロージャ構造(CES)300は、鉛直方向に細長く配向されており、鉛直軸VAを画定する。
一実施形態において、本格納容器−エンクロージャアセンブリ200−300は、地表面よりも下方の地盤に少なくとも部分的には埋められるように構成される(図6〜8も参照)。本格納容器−エンクロージャアセンブリ200−300は、底板302と、この板から立ち上がって上部基礎マット304を形成する、鉛直方向に延在する側壁303とから構成されるコンクリート基礎301によって支持されてもよい。側壁303は、示されるように格納容器200を円周方向に封入し得、格納容器の下部は側壁の内部に位置付けられ得る。一部の実施形態において、側壁303は、底板302(最初に流し込まれ、据え付けられ得る)上への格納容器200の配置後に流し込まれ、それにより基礎内に格納容器200の下部を完全に包埋してもよい。一部の実施形態において、基礎壁303は、本格納容器−エンクロージャアセンブリ200−300のための、投射物の衝撃(例えば、墜落する飛行機等)からの追加的な保護を提供するために、示されるように地表面より下で終結してもよい。基礎301は、限定されるものではないが、多角形(例えば、矩形、六角形、円形等)を含む、上部平面図における任意の好適な構成を有し得る。
一実施形態において、格納容器200の重量は格納容器が上に載る底板302によって主に支持され得、格納エンクロージャ構造(CES)300は、基礎301の側壁303の頂上に形成される基礎マット304によって支持され得る。他の好適な容器及び格納エンクロージャ構造(CES)支持配列が使用されてもよい。
図1〜15を引き続き参照すると、本格納構造容器200は、外径D1を画定する円形横断面を伴う中空の円筒シェル204と、頂部ヘッド206と、底部ヘッド208とを含む、細長い容器であり得る。一実施形態において、本格納容器200(すなわち、シェル及びヘッド)は、容易に溶接可能である好適に強固かつ延性の金属板及び棒材(例えば、低炭素鋼)から作製され得る。一実施形態において、低炭素鋼シェル204は、少なくとも1インチの厚さを有し得る。様々な合金を含む、他の好適な金属性材料が使用されてもよい。
頂部ヘッド206は、頂部ヘッドの下端または底部に配置される第1の環状フランジ212と、シェルの上端または頂部に配置される第2の嵌合環状フランジ214とから構成されるフランジ継手210を介して、シェル204に取り付けられ得る。フランジ継手210は、ボルト継手であってもよく、このボルト継手は、隣接するフランジ212と214との間で作製される、円周方向に延在する環状漏れ止め溶接で、組み立て後に任意に更に漏れ止め溶接されてもよい。
格納容器200の頂部ヘッド206は、構造強度(すなわち、内圧保持及び外部衝撃抵抗性)を付与するためのASME(米国機械学会)のドーム型フランジ皿型ヘッドであってもよいが、平坦頂部ヘッドを含む他の可能な構成が使用されてもよい。底部ヘッド208は、類似にドーム型皿型ヘッドであるか、あるいは他の可能な実施形態においては平坦であってもよい。格納容器の一構造において、底部ヘッド208は、シェルの直径に整合するヘッドの統合式直線フランジ(SF)部分を介して、シェル204の下部または下端に直接溶接されてもよい。一実施形態において、格納容器200の底部は、本明細書において更に説明されるように、基礎301の板302上の格納容器の安定化及びその水平支持の提供に役立つような、リブ付きの支持台208aまたは底部ヘッド208に取り付けられる類似の構造を含んでもよい。
一部の実施形態において、格納容器シェル204の頂部216は、格納容器内部の機器、燃料等を動かすためのポール起重機(図示せず)を支持及び収容するためのハウジングを形成する、シェルの直径方向に拡大された区分であってもよい。この頂部216は、格納容器の周囲の正に内部への起重機の接近を提供し、格納容器200の周囲に非常に近い機器の配置を可能にし、格納容器構造を小型にすることになる。それ故に、一構成において、格納容器200の地表面上の部分は、キノコ型の構造に似る場合がある。
可能な一実施形態において、格納容器200の拡大された頂部216は、隣接する格納容器シェル204の下部218の残部の外径D1よりも大きい外径D2を有し得る。非制限的な一実施例において、頂部216は、シェル204の下部218の直径D1よりもおよそ10フィート大きい直径D2を有し得る。シェル204の頂部216は、作業空間のためのゆとりを伴ってポール起重機を収容するために選択される好適な高さH2を有してもよく、この高さH2は、格納容器200の総高H1の50%未満であり得る。非制限的な一実施形態において、200フィートの格納容器の総高H1と比較して、格納容器200の頂部およそ10フィート(H2)は、拡大された直径の頂部216で形成され得る。格納容器200の頂部216は、格納容器の頂部ヘッド206へのフランジ接続におけるフランジ214での上端で終結し得る。
一実施形態において、格納容器200の直径方向に拡大された頂部216は、(略)半径方向の間隙または二次環状部330を提供するために、格納エンクロージャ構造(CES)の内径D3よりも小さい直径D2を有する(例えば、図4を参照)。これは、格納エンクロージャ構造(CES)への投射物の衝撃の到来の際に、格納エンクロージャ構造(CES)300と格納容器頂部216との間に空間のクッションまたは緩衝領域を提供する。更に、環状部330は、本明細書において更に説明されるように、格納エンクロージャ構造(CES)から蒸気及び/または空気を排出するために、一次環状部313(格納エンクロージャ構造(CES)300のシェルと格納容器200との間)と、格納エンクロージャ構造(CES)ドーム316と格納容器200の頂部ヘッド206との間のヘッド空間318との間に、流路を更に有意に作り出す。したがって、二次環状部330は、一次環状部313及びヘッド空間318と流体連通し、このヘッド空間318は一方で、ドーム316を貫通する通気孔317と流体連通する。一実施形態において、二次環状部330は、一次環状部313よりも小さい(略)半径方向の幅を有する。
図1〜4を参照すると、格納エンクロージャ構造(CES)300は、一部の実施形態において2つの(略)半径方向に距離を空けて配置され、かつ相互接続される同心シェル310(内側)及び311(外側)によって形成され、それらの間の環状空間内に設置された無筋コンクリートまたは鉄筋コンクリート312を伴う側壁320を有する二重壁構造であり得る。同心シェル310、311は、例えば、限定されるものではないが、容易に溶接可能である延性の金属板(例えば、低炭素鋼)等の任意の好適に強固な材料で作製され得る。様々な合金を含む、他の好適な金属性材料が使用されてもよい。一実施形態において、限定されるものではないが、二重壁格納エンクロージャ構造(CES)300は、旅客機からの衝撃等の高エネルギー投射物の衝撃に耐える適切な能力を確保する、6フィート以上の厚さのコンクリート312を有してもよい。
格納エンクロージャ構造(CES)300は、格納容器シェル204を取り囲み、シェル204から(略)半径方向に離間され、それにより一次環状部313を作り出す。環状部313は一実施形態において水で充填されて、格納容器内部での熱エネルギー放出事態の場合において格納容器200から熱を受け取り放散するためのヒートシンクを作り出す。この水充填環状リザーバは好ましくは、一実施形態において、コンクリート基礎301の上に置かれる格納容器シェル204の上部の周囲で完全に360度円周方向に延在する。図4は、外部(略)半径方向フィン221を明確さのためにこの図においては伴わない、水充填環状部313の断面を示す。一実施形態において、環状部313は、底端314の基礎マット304から、ほぼ格納エンクロージャ構造(CES)300の同心シェル310、311の頂端315まで水で充填されて、格納容器シェル204と格納エンクロージャ構造(CES)の内シェル310との間に環状冷却水リザーバを形成する。この環状リザーバは、一部の実施形態において、アルミニウム、ステンレス鋼、または腐食保護のための好適な保存剤等の、好適な耐食材料でコーティングされるか、または覆われる。代表的な一実施例において、限定されるものではないが、環状部313は幅約10フィート、かつ高さ約100フィートであってもよい。
一実施形態において、格納エンクロージャ構造(CES)300は、好適な厚さであり、墜落する飛行機及び他の入射する投射物に対して強化するように補強されている鋼製ドーム316を含む。ドーム316は、頑強なフランジ継手318によって、シェル310、311に取り外し可能に締結され得る。一実施形態において、格納エンクロージャ構造(CES)300は、全ての露出する地表面上の部分を、格納エンクロージャ構造(CES)300によって完全に包囲されており、この格納エンクロージャ構造(CES)300は、飛行機の災害または同等の投射物に対する格納容器のための保護を提供して、格納容器を包囲する環状部313内の水塊の構造的統合性を保存するために好ましくは充分に高い。一実施形態において、示されるように、格納エンクロージャ構造(CES)300は、基礎マット304の頂部までの距離の実質的な部分にわたって、地表面よりも鉛直方向下方に延在する。
格納エンクロージャ構造(CES)300は更に、水蒸気の大気への流出、漏出、排出を可能にするために、ドーム316の真下のヘッド空間318及び水充填環状部313と流体連通する、少なくとも1つの雨除け通気孔317を含んでもよい。一実施形態において、通気孔317は、ドーム316の中央に配置されてもよい。他の実施形態において、複数の通気孔が、ドーム316の周囲に(略)半径方向に距離を空けて提供されてもよい。一部の実施形態において、通気孔317は、格納エンクロージャ構造(CES)から蒸気を漏出させるが、水の進入を最小化する任意の好適な構成の雨除けによって覆われる、短い配管部分で形成されてもよい。
一部の可能な実施形態において、ドーム316と格納容器200の頂部ヘッド206との間のヘッド空間318は、墜落する(落下する)投射物(例えば、旅客機等)から格納エンクロージャ構造(CES)ドーム316にかかる衝撃荷重を最小化するためのエネルギー吸収材料または構造で充填されてもよい。一実施例において、複数の敷き詰められた波状または波型の変形可能なアルミニウム板が、ヘッド空間の一部または全てにおいて配置されて、クランプルゾーンを形成し、これがドーム316への衝撃力を吸収及び放散するのに役立つことになる。
主に図1〜5及び8〜17を参照すると、基礎マット304より下方のコンクリート基礎301内の格納容器200の埋められた部分は、外部の特色を伴わない簡素なシェル204を有してもよい。しかしながら、基礎マット304より上方の格納容器シェル204の部分は、本格納容器−エンクロージャアセンブリ200−300の鉛直軸VAに対して(略)平行な軸方向に延在する、複数の縦方向の外部(略)半径方向リブまたはフィン220を含み得る。外部縦方向フィン220は、格納容器シェル204の周囲に円周方向に距離を空けて配置され、格納容器から(略)半径方向外向きに延在する。
リブ220は、限定されるものではないが、(1)格納容器シェル204を硬化すること、(2)震動事象の発生の際に環状部313内の水リザーブの過剰な「液面揺動」を防止すること、ならびに(3)格納容器内での流体蒸気放出事象の状況下で、伝熱「フィン」として有意に振る舞って、シェル204を通じた環状部313の環境への伝導によって吸収された熱を放散することを含む、多数の有利な機能を提供する。
したがって、伝熱有効性を最大化するための一実施形態において、本明細書において更に説明されるように、縦方向フィン220は、格納容器200の有効伝熱表面(すなわち、コンクリート基礎中に埋められていない部分)を覆う水充填環状部313の略全高にわたって鉛直方向に延在して、格納容器200から水リザーバに熱を伝える。一実施形態において、外部縦方向フィン220は、格納容器200の大径頂部216の下側もしくは底部において、またはその近くで終結する上部水平端220aと、コンクリート基礎301の基礎マット304において、またはその近くで終結する下部水平端220bとを有する。一実施形態において、外部縦方向フィン220は、格納容器のシェルの総高の2分の1以上である高さH3を有してもよい。
一実施形態において、縦方向フィン220の上部水平端220aは、格納容器200または他の構造に永続的に取り付けられて(例えば、溶接されて)いない遊離端である。縦方向フィン220の下部水平端220bの少なくとも一部は、格納容器シェル204の外面に溶接される水平円周方向リブ222に当接して接触し、その上に載って、縦方向フィン220の重量を支持し、縦方向リブとシェルとの溶接への応力を最小化するのに役立ち得る。円周方向リブ222の形状は環状であり、格納容器シェル204の外周の周囲全体で完全に360度延在し得る。一実施形態において、円周方向リブ222は、縦方向フィン220の荷重を基礎に伝える、コンクリート基礎301の基礎マット304上に載るように配置される。縦方向フィン220は、円周方向リブ222の外周縁を越えて外向きに突出する横方向の範囲または幅を有し得る。したがって、この実施形態において、各リブ220の下部水平端220bの内側部分のみが、円周方向リブ222に接触する。他の可能な実施形態において、円周方向リブ222は、各縦方向リブ220の下部水平端220bの略全体が円周方向リブ222上に載るように、(略)半径方向外向きに充分に遠くまで延在し得る。一部の実施形態において、下部水平端220bは、縦方向フィン220を更に強化及び硬化するために円周方向リブ222に溶接されてもよい。
外部縦方向フィン220は、鋼(例えば、低炭素鋼)、または合金を含む他の好適な金属性材料で作製されてもよく、フィンはそれぞれ、縦方向に延在する側面のうちの1つで格納容器シェル204の外側に溶接される。各リブ220の反対側の縦方向に延在する側面は、格納エンクロージャ構造(CES)300の内シェル310の内側に近接して位置するが、放熱フィンとして振る舞うリブの伝熱表面を最大化するために、好ましくは内シェル310の内側に永続的に添着はされない。一実施形態において、外部縦方向フィン220は、示されるように、格納容器200の大径頂部216を越えて(略)半径方向外向きに延在する。代表的な一実施例において、限定されるものではないが、鋼リブ220は約1インチの厚さを有し得る。他の好適なリブの厚さが、適切に使用され得る。したがって、一部の実施形態において、リブ220は、リブの厚さの10倍を超える半径方向幅を有する。
一実施形態において、縦方向フィン220は、図2〜3及び5において最良に示されるように、格納容器シェル204に対して斜角A1で配向される。この配向は、格納容器200の円周周囲で360度延在するクランプルゾーンを形成して、外側格納エンクロージャ構造(CES)300と協働して機能することで投射物の衝撃に良好に抵抗する。したがって、格納エンクロージャ構造(CES)シェル210、211の内向きの変形を引き起こす衝撃は縦方向フィン220を屈曲させ、縦方向フィン220はその過程で、格納容器シェル204に対して90度に配向されるリブでは起こる可能性があった内部格納容器シェル204の破断、及び内部格納容器シェル204への直接的な伝導を好ましくは伴わずに、衝撃力を分散させる。他の可能な実施形態において、格納エンクロージャ構造(CES)300の構造及び他の因子に応じて、格納容器シェル204に対するリブ220の垂直な配列が、適切であり得る。
一実施形態において、図6〜8を参照すると、外部(略)半径方向のフィン220を有し、それにより投射物の衝撃から保護される格納容器シェル204の一部は、格納エンクロージャ構造(CES)300の地表面、または僅かに地表面より下方での投射物の打撃に対する保護を提供するために、地表面より下方に延在してもよい。したがって、フィン220がその下端で終結する、基礎301の鉛直方向に延在する側壁303の頂部に形成される基礎マット304は、核反応炉格納システムの衝撃抵抗性を向上させるために、地表面の数フィート下方に位置付けられてもよい。
一実施形態において、格納容器200は任意に、シェル204の内面に取り付けられる、複数の円周方向に離間された内部(略)半径方向フィン221を含んでもよい(図2及び3において破線で示される)。内部フィン221は、格納容器シェル204から(略)半径方向内向きに延在し、好適な高さの鉛直方向で縦方向に延在する。一実施形態において、内部(略)半径方向フィン221は、水充填環状部313の高さと略同延の高さを有してもよく、基礎マット304からほぼシェル204の頂部まで延在してもよい。一実施形態において、限定されるものではないが、内部フィン221は、格納容器シェル204に対して略直交して(すなわち、90度に)配向されてもよい。他の好適な角度及び斜めの配向が使用されてもよい。内部フィンは、利用可能な伝熱表面積の増加と、外部衝撃(例えば投射物)、または格納施設昇圧事象(例えば、LOCAもしくは反応炉緊急停止)の場合における格納容器200内での内部圧力増加に対する、格納容器シェルの構造的補強との両方を行うように機能する。一実施形態において、限定されるものではないが、内部フィン221は鋼で作製されてもよい。
図1〜15を参照すると、複数の鉛直構造支柱331は、シェル204を越えて(略)半径方向外向きに片側のみ固定して突出する周辺側面を有する、格納容器200の直径方向により大きい頂部216を支持するのに役立つように、格納容器シェル204の外面に取り付けられてもよい。支柱331は、格納容器シェル204の周囲で円周方向に距離を空けて配置される。一実施形態において、支柱331は、鋼の中空構造部材、例えば限定されるものではないが、断面がC字型の部材(すなわち構造用チャネル)で形成されてもよく、この中空構造部材は格納容器シェル204の外面に溶接される。チャネルの2つの平行な脚部は、連続溶接またはステッチ溶接等の断続溶接のいずれかを用いて、各支柱331の高さにわたって格納容器シェル204に鉛直方向に溶接されてもよい。
支柱331は、ポール起重機を収容する格納容器の大径頂部216の底部/下側から鉛直方向下向きに延在し、支柱の上端でそこに溶接されてもよい。支柱331の底端は、格納施設の埋められた部分付近でコンクリート基礎301の基礎マット304に係合する円周方向リブ222上に載置されるか、または溶接される。柱331は、静荷重、または起重機及び格納容器300の頂部216からの重量の一部を基礎に伝えるのに役立つ。一実施形態において、支柱内部の中空空間は、硬化、及び静荷重または重量の更なる支持に役立つように、コンクリート(鉄筋ありまたは鉄筋なし)で充填されてもよい。他の可能な実施形態において、充填されたまたは充填されていない箱型梁、I型梁、管形、山形等を含む他の構造用鋼の形状が使用されてもよい。縦方向フィン220は、リブ220としての伝熱の役割よりもむしろ構造的役割を果たす支柱331よりも、(略)半径方向で外向きに更に延在してもよい。ある特定の実施形態において、リブ220は、支柱の(略)半径方向幅の少なくとも2倍である(略)半径方向幅を有する。
図11〜15は、格納容器200の様々な断面(縦断面及び横断面の両方)を格納容器200内に示される機器と共に示す。一実施形態において、格納容器200は、Holtec InternationalのSMR−160等の小型モジュール式反応炉(SMR)システムの一部であってもよい。機器は概して、ウェットウェル504内に配置され、かつ核燃料炉心を内部に収容し一次冷却材を循環させる内側空間を画定する、核反応炉容器500と、反応炉に流体連結され、ランキン発電サイクルの一部を形成し得る二次冷却材を循環させる蒸気発生器502とを含み得る。そのようなシステムは、例えば2013年10月25日に出願されたPCT国際特許出願第PCT/US13/66777号において記載され、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。他の付属品及び機器が、完全な蒸気発生システムを作り出すために提供され得る。
蒸気発生器502については、2013年4月25日に出願された国際PCT出願第PCT/US13/38289号においてより完全に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載され、本出願の図11、12、及び23において示されるように、蒸気発生器502は、浸漬束状熱交換器620と同様に鉛直方向に配向され、軸方向に細長くてもよい。蒸気発生器502は、重力駆動受動的流手段によって反応炉の崩壊熱を一次冷却材から抽出するように構成される、鉛直に積み重ねて配列される管状熱交換器のセットから構成されてもよい。
タービン発電所(T−G)設備によって生成される利用可能な給電による反応炉及び発電所の通常運転中の、反応炉容器及び蒸気発生器を通る一次冷却材(液体水)ならびに二次冷却材(液体給水及び蒸気)の循環流ループを、本明細書の図23に示す。流体連結された蒸気発生器502と反応炉容器500との間の一次冷却材流は、本考察の目的に関する第1の閉鎖流ループを形成する。一実施形態において、一次冷却材流は、核燃料炉心501によって反応炉容器500内で加熱されるにつれて、冷却材の温度及び対応する密度の変化に応じて重力によって推進され、タービン発電機設備を駆動するランキンサイクルの二次冷却材ループに熱が伝えられるにつれて、蒸気発生器502内で冷却される。一次冷却材の変化する異なる密度(すなわち、熱い−低密度、及び冷たい−高密度)によって作り出される圧力ヘッドは、流れ方向矢印によって示されるように、反応炉容器−蒸気発生容器システムを通る流れまたは循環を誘発する。
概して、加圧閉鎖流ループに関して、一次冷却材は核燃料炉心501によって加熱され、立上がり柱224中を上向きに流れる。反応炉容器500からの一次冷却材は次いで、反応炉容器500と蒸気発生器502との間の一次冷却材流体連結部273を通って流れ、蒸気発生器に入る。一次冷却材は、中央に配置される立上がりパイプ337内を、蒸気発生器の頂部の加圧器380まで上向きに流れる。一次冷却材は方向を逆転し、蒸気発生器502の管側を通って下に流れ、流体連結部273を通って反応炉容器500に戻り、ここで一次冷却材は環状下降管222に入って一次冷却材流ループを完成させる。
蒸気発生器502は、3つの鉛直方向に積み重ねられた伝熱部分、下から上に向かって予熱器部分351、蒸気発生器部分352、及び過熱器部分350を含み得る(例えば、図11、12、及び23を参照)。二次冷却材は、蒸気発生器502容器のシェル側を流れる。ランキンサイクルのタービン発電機(T−G)設備からの液体給水形態である二次冷却材は、予熱器部分351の底部において蒸気発生器に入り、蒸気発生器部分352を通って上向きに流れ、蒸気に変換される。蒸気は過熱器部分350内まで上向きに流れ、過熱状態に達する。そこから過熱された蒸気は抽出され、T−G設備に流れて電力を生産する。
補助放熱システム
ここで主に図2〜3、16、及び18を参照すると、格納容器200は更に、放熱器導管341(HDD)の離散的なセットまたはアレイを備える補助放熱システム340を含んでもよい。一実施形態において、補助放熱システム340及び関連付けられる放熱器導管341は、下において更に詳細に記載され、図22及び23において示される受動的反応炉炉心冷却システムの一部を形成し得る。
放熱器導管341は、格納容器シェル204の円周の周囲で円周方向に距離を空けて配置される複数の内部縦方向導管(すなわち、流管路)を含む。導管341は、鉛直軸VAに対して平行に鉛直方向に延在し、一実施形態においてシェル204の内面に取り付けられる。導管341は、鋼等の金属で作製されてもよく、シェル204の内側に溶接される。可能な一構成において、限定されるものではないが、導管341は、チャネルまたはパイプ/管の平行な脚部がそれぞれ、その全高にわたってシェル204にシーム溶接されて、密封された鉛直方向の流管路を画定するように、鉛直方向に配向されたC字型の構造用チャネル(断面)、または配置されるパイプ/管の半断面で構成されてもよい。それ故に、この実施形態における放熱器導管内の流体(液相または蒸気相)は、反応炉格納容器200に直接接触して、容器を通り環状リザーバ(一次環状部313)内の水への伝熱を最大化し、これが反応炉格納容器200及び放熱器導管に関するヒートシンクを形成する。導管内で運ばれる流体が内側格納容器シェル204の少なくとも一部に接触して、水充填環状部313に熱を伝えるのであれば、他の好適な形状及び構成の放熱器導管341が、この形式の構造について提供されてもよい。
可能ではあるが、好ましさが低い許容可能な他の実施形態において、放熱器導管341は、内側格納容器シェル204に溶接される、完全に管状の壁に囲まれた流管路(例えば、円周方向管またはパイプの半断面ではなく全断面)から形成され得る。これらの形式の構造において、導管内で運ばれる流体は、まず導管の壁を通じて反応炉格納容器シェル204に、次いで水充填環状部313に間接的に熱を伝えることになる。
導管を通って流れる流体を冷却するために必要とされる伝熱表面積に応じて、任意の好適な数及び配列の導管341が提供されてもよい。導管341は格納容器シェル204の内側に均一に、または不均一に距離を空けて配置されてもよく、一部の実施形態においては、グループ化された導管の群が格納容器の周りに円周方向に分散されてもよい。導管341は、導管で運搬される流体の流量と伝熱の考慮事項とに応じて、任意の好適な断面寸法を有してもよい。
導管341の開口上端及び開口下端341a、341bはそれぞれ、共通の上部入口リングヘッダ343及び下部出口リングヘッダ344に流体接続される。一次環状部313内に外部縦方向フィン220を有する格納容器の部分により画定される動的伝熱ゾーンにおいて、導管341内部を鉛直方向に流れる流体と格納容器のシェル204との間での熱の伝達を最大化するために、環状形状のリングヘッダ343、344が、鉛直方向に距離を置いて配置され、格納容器200の内側に好適な高さで位置付けられる。一次水充填環状部313を伝熱に利用するために、上部リングヘッダ及び下部リングヘッダ343、344はそれぞれ、環状部の頂部及び底部に隣接して、かつその付近で格納容器シェル204の内側に配置されてもよい。
一実施形態において、リングヘッダ343、344はそれぞれ、示される様式で格納容器シェル204の内面に直接溶接される、示されるような弓状に湾曲した鋼パイプの半断面で形成されてもよい。他の実施形態において、リングヘッダ343、344は、シェル204の内側で支持され、かつこの内側に任意の好適な手段で取り付けられる弓状に湾曲した配管の全断面で形成されてもよい。
一実施形態において、放熱システム340は、放射性物質の崩壊熱を反応炉炉心から排除するために、格納容器200内部の水塊から発生し得る蒸気の源に流体接続される。導管341で封入された格納施設表面は、外部縦方向フィン220及び水充填環状部313を介して冷却するために導管内部の蒸気の潜熱を格納容器200のシェル204に伝導する伝熱表面としての役割を果たす。運転時には、蒸気は入口リングヘッダ343に入り、ヘッダを貫通する導管341の開口入口端に分配される。蒸気は導管341に入り、格納容器シェル204の内側の高さにわたって導管341内を下向きに流れ、蒸気から液体への相変化を経る。凝縮した蒸気は重力により導管内を流下し、下部リングヘッダ344により収集され、一実施形態においてこの蒸気は、好ましくは同じく重力により下部リングヘッダ344から蒸気の源に戻される。前述の工程においては、ポンプが関与しないか、または必要とされないことに留意されたい。
ある特定の実施形態において、放熱器導管341の2つ以上のセットまたはアレイが提供され、容器によって画定される格納空間内の内側格納容器200の内部表面上に配列され得ることが理解されるであろう。
補助空気冷却システム
本開示の別の態様によれば、一次環状部313内の水インベントリが、何らかの理由で、反応炉に関連する熱的事象(例えば、LOCAまたは反応炉緊急停止)中に枯渇した場合に、格納容器200の自然対流による空気冷却を開始するように、二次または予備受動的空気冷却システム400が提供される。図8を参照すると、空気冷却システム400は、一次環状部313内において格納容器200の周りに円周方向に距離を空けて配置される複数の鉛直方向の吸気路401で構成されてもよい。各空気路401は、格納エンクロージャ構造(CES)300の側壁320を貫通し、かつ周囲冷却空気を引き込むために外部の大気に開口した入口402を含む。入口402は好ましくは、格納エンクロージャ構造の側壁320の上端付近に位置付けられる。空気路401は、環状部313の内部を鉛直方向下向きに延在し、管路の開口した底端から空気が漏出できるように、基礎の基礎マット304よりも少し上方(例えば、およそ1フィート)で終結する。
空気路401を使用することにより、環状部313との協働で自然対流冷却空気流路が確立される。一次環状部313内の冷却水インベントリが熱的事象の際に蒸発によって枯渇した場合には、環状部内部の空気が格納容器200によって加熱され続けるため、自然対流によって空気冷却が自動的に開始する。加熱された空気は、一次環状部313内を上昇し、二次環状部330を通過してヘッド空間318に入り、通気孔317を通って格納エンクロージャ構造(CES)300のドーム316を出る(図8の流れ方向矢印を参照)。上昇する加熱された空気は、空気路401を通して外部環境を下向きに引き込むのに充分な一次環状部313底部に向かう気圧の低下を作り出し、それにより、加熱された格納容器200を冷却し続ける自然な空気循環パターンを作り出す。有利なことに、この受動的空気冷却システム及び循環は、無期限にわたって続いて、格納容器200を冷却し得る。
一次環状部313は、格納容器200の内部で発生する熱に対する最終ヒートシンクとして振る舞うことに留意されたい。この環状リザーバ内の水はまた、(先に説明した)全ての起重機鉛直支柱331の温度を本質的に同じ温度で維持するように振る舞い、したがって格納容器200のより大きな部分216に載置される起重機用レール(図示せず)の水平度を常に確保する。
ここで、熱交換器としての反応炉格納システム100の運転について最初に図19を参照しながら簡潔に説明する。この図は、本システムにより実施される動的な伝熱及び排除プロセスを説明する上での明確性のために、本明細書で説明した付属品及び構造の全てを伴わない反応炉格納システム100の簡略化された図表示である。
冷却材喪失事故(LOCA)の場合、高エネルギー流体または液体冷却材(典型的には水であり得る)は、格納容器200により形成された格納環境内に流入する。液体は瞬時に減圧沸騰して蒸気となり、蒸気は格納施設内部の空気と混合し、(格納施設のシェルが環状部313内の水により更に低温になるので)格納容器200の側壁またはシェル204の内面へ移動する。次いで蒸気は、格納構造の金属に対して潜熱を失うことにより、鉛直方向のシェル壁上で凝縮し、この格納構造の金属は一方で、縦方向フィン220と環状部内部のシェル204の露出した部分とを通して、環状部313内の水に熱を排除する。環状部313内の水は加熱され、最終的には蒸発して蒸気を形成するが、この蒸気は環状部内を上昇し、格納エンクロージャ構造(CES)300から出て、二次環状部330、ヘッド空間318、及び最後には通気孔317を通って大気へと至る。
環状部313内の水リザーバは格納容器環境の外部に位置するため、一部の実施形態においては、水の蒸発損失を補うために利用可能であれば、外部手段を用いて水インベントリを簡単に補充し得る。しかしながら、補充水が提供されないか、または利用可能でない場合、環状部313内の水柱の高さは低下し始める。環状部313内の水位が低下するにつれて、格納容器200は水位よりも上方の環状部内の空気も加熱し始め、それにより空気に一部の熱を排除し、この空気は上昇し、通気孔317を通じて格納エンクロージャ構造(CES)300から水蒸気と共に排出される。水位が充分に低下して、それにより空気路401の開口した底端が水位線よりも上方に露出するとき(例えば、図8を参照)、新鮮な外部の周囲空気が上に記載されるように空気路401から引き込まれ、格納容器200を冷却し続ける自然対流空気循環パターンを開始することになる。
一実施形態において、充分な放熱を保証するために必要なわけではないが、環状部313内への水補充のために、設備(例えば、入水口ライン)が格納エンクロージャ構造(CES)300を貫通して提供される。この環状リザーバ内の水インベントリの塊は、水インベントリが枯渇した時点で格納施設が空気冷却のみで全てのその熱を排除できるように、格納容器200内で生成される崩壊熱が充分に減少するような大きさとされる。本格納容器200は好ましくは、熱エネルギーを迅速に排除することによって、格納容器内部での蒸気混合物の圧力及び温度を(設計制限内に)制限するのに充分な排熱能力を有する。
全電源喪失の場合、反応炉炉心は強制的に「緊急停止」され、受動的炉心冷却システムが、本明細書で既に説明した放熱システム340の上部入口リングヘッダ343(例えば、図16及び18を参照)に蒸気が導かれる形態で炉心の崩壊熱を排除する。次いで、内部縦方向導管341網を通って下向きに流れる蒸気は、放熱導管内に封入された格納容器シェル204の内面に接触して、格納構造の金属に潜熱を排除することにより凝縮し、この格納構造の金属は一方で、縦方向フィン220により提供される伝熱補助を介して環状部内の水へ熱を排除する。環状リザーバ(一次環状部313)内の水は、加熱されて最終的には蒸発する。格納容器200は、顕熱加熱により、更に蒸発と空気冷却との組み合わせにより、更に最終的には本明細書に記載されるように自然対流空気冷却のみにより、環状部に熱を排除する。上述したように、反応炉格納システム100は、環状部313内の有効な水インベントリが完全に枯渇した時点で崩壊熱を排除するのに空気冷却のみで充分であるように設計及び構成される。
これらの前述のシナリオの両方において、プラントを稼働状態に戻すための代替手段が利用可能になるまで、排熱は無期限に続けることができる。システムが無期限に運転するのみならず、この運転は、いかなるポンプの使用または作業員による介入を伴わない完全に受動的なものである。
受動的反応炉冷却システム
本発明の別の態様によれば、その際は反応炉が停止(例えば「緊急停止」)される冷却材喪失事故(LOCA)後に反応炉の崩壊熱を排除するための受動的重力駆動核反応炉冷却システム600が提供される。本冷却システムは、利用可能な給電を必要とするポンプ及びモータに依存せず、それらの欠点を被らない。したがって、反応炉冷却システム600は有利なことに、発電所電源喪失状況の際に運転できる。
図20及び21を参照すると、一実施形態における受動的反応炉冷却システム600は、一実施形態において3つの主要な流体連結部分またはサブシステム、すなわち(i)反応炉ウェル620と、(ii)格納構造の内壁に一体的に接続される放熱器導管341(HDD)の離散的なセットまたはアレイ(上で詳細に説明した)と、(iii)冷却水のリザーブで充填される、格納施設内反応炉貯水タンク630と、から構成される、大気圧閉鎖ループ流システムである。反応炉冷却システム600は、本明細書で更に説明されるように、電力の利用可能な源の不在下で無期限に継続し得る反応炉停止及びLOCAの際に、貯蔵タンクから反応炉ウェル620内に浸水させられる冷却水を活用して、燃料炉心によって発生する熱エネルギーを抽出するように構成される。図20及び21は浸水した状態の反応炉ウェル620を示すが、反応炉ウェルはLOCA事象の前の反応炉の通常発電運転モードの際には乾いており空であることに留意されたい。
図20〜23を参照すると、核炉心501を格納する反応炉容器500は、大きなコンクリートモノリス621によって画定される反応炉ウェル620内に配置される。モノリス621は、内側格納容器200の内部に形成される(図21において最良に示される)。反応炉容器500は概して、鉛直方向に細長い円筒シェル(側壁)及び閉鎖底部ヘッド505によって形成される。したがって、反応炉容器500は、反応炉容器の高さまたは長さの大部分を、示されるように反応炉ウェルの内部に位置付けられて、垂直方向に配向される。反応炉ウェル620は、反応炉容器500を包囲する環状の空虚な空間であり、反応炉の通常発電運転の際には乾いており、未充填であり得る。反応炉容器500の底部ヘッド505は、反応炉ウェル620の底部の上方に離間される。反応炉ウェル620の頂部は、閉包構造によって部分的または完全に閉鎖され得る。一実施形態において、閉包構造は、反応炉容器500の周囲で円周方向に延在するリング型反応炉支持フランジ632によって、少なくとも部分的には形成され得る。環状支持フランジは、コンクリートモノリス621によって支持され得る。本明細書で更に説明されるように、補助放熱システム340に向けられる、反応炉ウェル内に存在する蒸気のより良好な捕獲のために反応炉ウェル630の頂部が完全に密封される場合、追加的な構造要素及び他の要素(例えば、金属、コンクリート、封/ガスケット等)が、支持フランジ632を補うため、ならびに反応炉ウェル630の頂部を密封するために提供され得る。
反応炉ウェル620の外壁は、層間に形成される小さな介在性空間または空隙を伴う、ステンレス鋼ライナ700の1つ以上の層によって断熱され得る(例えば図22、22A、22Bを参照)。反応炉ウェルの空間の追加的な冷却のために、一部の実施形態において、冷水をライナ間の空間内において循環させてもよい。ステンレス鋼ライナ700は、反応炉ウェルを形成するコンクリートモノリス621の大規模な加熱を阻止するような働きをする。
図20及び22(サブ部分A及びBを含む)を参照すると、反応炉容器500の外部表面もまた、通常反応炉運転中に反応炉炉心501によって発生する熱の流出を遅延させる働きをする、層間に小さな介在性空間または空隙を伴う、金属ライナ701の1つ以上の層から構成されるライナアセンブリによって断熱され得る。一部の非制限的な実施例において、ライナは好ましくはステンレス鋼またはアルミニウムであり得るが、反応炉ウェル環境のための他の好適な金属が使用されてもよい。好ましくは、一実施形態において、ライナ701は、反応炉ウェル620内に位置付けられる反応炉容器500の、反応炉容器の底部ヘッド505の下を含む、円周及び全高の周囲で完全に延在し得る。それ故に、反応炉ウェル内に置かれる反応炉容器500の全周囲は、複数のライナが反応炉容器500の外部表面と最も外側のライナ510との間に配置されるように、ライナ701を含み得る。
ライナ701から構成される断熱ライナアセンブリは、反応炉容器500及び反応炉ウェル620の上部側壁(シェル)領域中に配置される頂部流通孔ノズル702によって形成され得る1つ以上の流通孔のアレイを、好ましくは一実施形態において、反応炉容器へ貫通する第1のパイプより下方に含み得る。ノズル702は、断熱ライナアセンブリ中の空隙(介在性空間)、及び反応炉ウェル620内に形成される空間と流体連通する。それ故に、頂部流通孔ノズル702は、反応炉容器の側壁の外部表面上に配置されるが、反応炉容器500の内側及び反応炉容器500内の一次冷却材とは流体連通しない。一部の実施形態において、ノズル702は支持のために反応炉容器の外部表面に取り付けられ得るが、ノズルは代わりに、上述のように、反応炉容器の外部の側部ライナ701アセンブリ内に形成される空隙と流体連通するように構成される。一実施形態において、この構成は例えば、ライナ701間の空隙に隣接するノズル702において、複数の横方向の穴を提供することによって達成され得る。頂部流通孔ノズル702は、本明細書で更に説明されるように、ライナアセンブリ内を流れる蒸気を排気し、その蒸気を反応炉ウェルに排出するように構成され、かつ運転可能である。
頂部流通孔ノズル702は、反応炉容器の周囲で円周方向に距離を空けて配置される。非制限的な一実施形態において、4つの頂部流通孔ノズル702が、ほぼ同一の高さにおいて提供されてもよい。頂部流通孔ノズル702の他の配列及び数が提供されてもよい。
1つ以上の底部流通孔ノズル703もまた、反応炉容器500の底部ヘッド505に隣接する容器ライナ701に関して提供され得る。一実施形態において、弓状底部反応炉容器ヘッド505の最も低い点において、反応炉容器500の中心線CLと同心性に整合する単一のより大きいノズル703が提供されてもよい。ノズル703は、頂部流通孔ノズル702と類似の様式で、底部ライナ701間の空隙(介在性空間)、及び反応炉ウェル620との流体連通を形成するように、支持、構成、及び配列され得る。それ故に、ノズル703は、反応炉容器500によって支持されるが、反応炉容器500の内側及びその内部の一次冷却材とは流体連通しない頂部流通孔ノズル702と同様に構築され、かつ運転し得る。底部流通孔ノズル703は、本明細書で更に説明されるように、断熱ライナアセンブリの下部内に貯水タンク630からの反応炉ウェル内の冷却水を導くように構成され、かつ運転可能である。
頂部流通孔ノズル702は、反応炉容器500とライナ701との間の間隙が空気で充填される反応炉の通常運転中は閉鎖したままであるように設計される、閉包フラップ704等の設備を有し得る(例えば図22Aを参照)。フラップ及びノズルの組み合わせが、フラップ弁を形成する。フラップ704はそれぞれ枢動可能に移動可能であり、そのそれぞれのノズル702と、枢軸705によって頂端において接続される。限定されるものではないが、ピン継手または一体丁番等の任意の好適な形式の枢軸が提供されてもよく、フラップは、高温耐性ポリマー等の可撓性材料で作製される。フラップ704は、任意の好適な金属性または非金属性材料で作製され得る。フラップ704の鉛直方向の配向及び重量が、重力によってノズル702の遊離端に対してフラップ704を閉鎖位置に保持する。一実施形態において、弁体及びフラップを備える市販のフラップ弁が、頂部流通孔ノズル702の遊離端上に代わりに載置されて、同一の機能性を提供し得る。
底部流通孔ノズル703もまた、反応炉容器500とライナ701との間の間隙が空気で充填される反応炉の通常運転中は、フラップ706によって通常はそれぞれ閉鎖される(例えば図22Bを参照)。一実施形態において、フラップ706は、結合アーム708によってフラップの1つの端部に強固に接続される浮揚性のフロート709を含む、フロート装置を介して閉鎖されたままで保持され得る。フラップ706及び結合アーム708のアセンブリは、限定されるものではないが一実施形態においてピン継手等である枢軸707によって、底部ノズル703に枢動可能に連結される。フラップ706は好ましくは、ノズル703がその閉鎖位置にあるとき、ノズル703の遊離端に対するその形状及び密封を維持するために、強固な金属性または非金属性材料で作製される。
運転時には、反応炉の通常運転中反応炉ウェル620が空であるとき、重力はフロート709において下向きに作用する。これがフロート709及びフラップ706のアセンブリを反時計回り方向に回転させて、ノズル703の遊離端に対してフラップを押し付ける。本明細書で更に説明されるように、LOCA事象中に貯蔵タンク630からの水が反応炉ウェル620を浸水させるとき、上昇する水は今度はフロート709を時計回り方向で上向きに回転させることになる。これは同時にフラップを時計回りかつ下向きに回転させてノズル703を開放して、反応炉容器500の金属シェル壁とステンレス鋼ライナ701との間の空隙に水を導く。
受動的反応炉冷却システム600が活性化された後に、貯水タンク630からの冷却水Wがライナ701間の空隙に入り、反応炉容器500の金属壁と接触するとき、水は蒸発して蒸気を生成し、この蒸気が空隙内の圧力を上昇させる。この圧力の増大が、頂部流通孔ノズル702のフラップ704の開放、及び反応炉ウェル620内への蒸気の蓄積の放出を引き起こし、本明細書で更に説明されるように、この蒸気は補助放熱システム340の放熱導管341に続いて通される。したがって、冷却水Wは底部流通孔ノズル(複数可)703の開放フラップ(複数可)706を通ってライナ701に入り、頂部流通孔ノズル702を通ってライナアセンブリから蒸気の形態で排気される。
ここで図20及び21を参照すると、コンクリートモノリス621は、大きな格納施設内冷却貯水タンク630を更に画定する(すなわち、図1〜19においても様々に示された、内側格納容器200内に)。水タンク630は、冷却水Wのリザーブを保持し、LOCAの事象の際にその内容物を反応炉ウェル620内に放出するように流体連結及び位置付けされる。一実施形態において、貯水タンク630は、上部及び下部流管路633によって反応炉ウェル620に流体連結し、これらの流管路中に、放出弁631が流れを制御するために位置付けられる。放出弁634を伴う少なくとも1つの流管路633が提供され得るが、一部の実施形態において、放出弁を伴う3つ以上の流管路が提供され得る。放出弁は完全な開放モード及び閉鎖モードで運転され得るか、あるいは必要な場合部分的に開放するモードで絞られ得る。反応炉の通常の発電運転中、放出弁は、冷却水Wが流管路を通って反応炉ウェル620内に浸水することを防止するために、通常は閉鎖される。放出バルブ631は、電動弁または空気圧弁オペレータを介して自動的に運転され得る。一実施形態において、放出弁631は、弁への電力供給が失われるときに「故障時開」として運転して、自動的に反応炉ウェル620を冷却水Wで自動的に浸水させるように構成され得る。
一部の好ましい非制限的な実施形態において、冷却水タンク630は、反応炉ウェル620の容積と少なくとも同じ大きさの、またはそれより大きい容積を有して、反応炉炉心の冷却と、反応炉ウェルの頂部が意図的に完全に密閉されていない、かつ/もしくは堅く密封されていない、または損傷を受け得る設計の格納空間から蒸気として失われ得る、反応炉ウェル内の任意の冷却水Wの補充とを最適化する。
ここで、受動的反応炉冷却システム600の運転のための方法について、図20〜22を主に参照して説明する。本開示において先に述べたように、LOCAの場合、格納施設内の圧力及び温度は上昇することになる。格納施設の圧力(または温度)が事前設定された閾値に達するとき、貯水タンク630及び反応炉ウェル620を接続する放出弁631は開放され、冷却水Wの急速な伝達と反応炉ウェルの充填とを引き起こす。反応炉容器500上の断熱ライナ701は、急速な反応停止(及び高い温度応力)から反応炉容器500を保護する。反応炉ウェル620内の水がライナ701アセンブリ内の頂部流通孔ノズル702付近にまで達した後(それまでは、反応炉容器はライナから反応炉ウェルの水に対する伝熱を通じた制限的な冷却を経ていた)、低温の冷却水Wがライナと反応炉容器との間の介在性空間を充填し始めて、したがって反応炉炉心501及び反応炉容器からの崩壊熱の抽出が有意に加速される。
しばらく経つと、反応炉ウェル620内に溜まった水のプールの温度は、沸点温度に達し、沸騰し始める。したがって、上に説明され、図16、18、及び21において示されるように、生成された蒸気は浮力作用によって、入口配管603を通って、補助放熱システム340の放熱器導管341のバンクにまで上昇する。これらの導管341は反応炉ウェルのプール内で発生した蒸気を凝縮させ、凝縮液を出口配管603を介して反応炉ウェル620に戻し、蒸気の潜熱は、蒸気よりも低い温度を有して、格納容器200と熱連通するヒートシンクを形成する水を保持する外部環状リザーバに送達される。したがって、水/空気の混合物が上昇し、格納施設の内部表面(図3において示され、上に説明される大きな外部及び内部フィン220、221を備える)と接触して熱の抽出を促進するにつれ、効率性は低いものの、溢流した反応炉冷却システムの一次冷却水(例えば、一次冷却材配管の破損を介して)からの熱は格納施設によって除去される。
放熱器導管341と反応炉ウェル620との間の蒸気及び凝縮液の流れは有利なことに、ポンプ及び利用可能な電力供給の必要性なしに、蒸気及び凝縮液の変化する密度による重力によってもっぱら推進されることに留意されたい。それ故に、放熱器導管341は好ましくは、内側格納容器200の壁上の、反応炉ウェル630及び反応炉ウェルからの蒸気の抽出点よりも高い場所に位置付けられる。入口及び出口配管603を通る、放熱器導管341のアレイへの、ならびにそこからの蒸気及び凝縮液の流れは、好適な弁625(図20を参照)によって制御してもよく、この弁625はオン/オフモードで運転されてもよく、または絞られてもよい。弁625は、電動弁または空気圧弁オペレータを有し得る弁への電力供給が失われるときに「故障時開」として運転するように構成されてもよい。これは、放熱器導管341と反応炉ウェル620との間の反応炉冷却システム600の閉鎖流ループを自動的に開放し、作動させる。
放熱器導管341への入口蒸気配管603は、蓄積する蒸気を最適に捕獲するように、反応炉ウェル620の頂部に流体連結され得る。出口凝縮液回帰配管603は、蓄積する蒸気を最適に捕獲するように、貯水タンク630の頂部に流体連結され得る。それ故に、反応炉ウェル620と放熱器導管341との間の反応炉冷却システム600の大気閉鎖流ループは、貯水タンク630を通って流れ得る(図21を参照)。
LOCA事象の際、内側格納容器200と外側格納エンクロージャ構造300との間の環状リザーバ313内の水インベントリが蒸発しても、水インベントリは容易に補充し得る。しかしながら、補充が不可能である場合、リザーバ313内の減退する水は、上に説明された受動的空気冷却システム400を用いた換気作用による空気への排熱を作動させることになる。いったんリザーバ313内の全ての水が蒸発すると、格納構造は、空気冷却のみによって熱を排除し続けることになる。長期間の水冷却の後の空気冷却は、全ての崩壊熱を除去するのに理想的に充分である。変化する空気の密度によって推進されるこの受動的重力駆動熱排出プロセスもまた、反応炉を冷却する必要性のある限り、継続することができる。
本受動的反応炉冷却システム600を運転するための前述の方法の多数の変形が可能であることが理解されるであろう。
前述の説明及び図面はいくつかの例示的システムを表しているが、添付の特許請求の範囲の等価物の趣旨、ならびに範囲及び種類から逸脱することなく、本発明に様々な追加、修正、及び置換を行ってもよいことが理解されるであろう。特に、本発明の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の形態、構造、配列、比率、大きさで、他の要素、材料、及び構成要素を用いて本発明を具体化し得ることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書に記載される方法/プロセスにおける多数の変形を作成してもよい。当業者であれば更に、本発明の原理から逸脱することなく特定の環境及び運転要件に特に適合する、本発明の実施に際して使用される構造、配列、比率、大きさ、材料、及び構成要素、ならびにその他の多くの修正を伴って本発明が使用され得ることを認識するであろう。それ故に、現在開示されている実施形態は、あらゆる点において例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物により定義され、前述の記載または実施形態に制限されるものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本発明の他の変形形態及び実施形態を含むように広義に解釈されるべきであり、これらの形態は本発明の等価物の範囲及び種類から逸脱することなく当業者によって作成され得る。

Claims (22)

  1. 冷却材喪失事故後に使用可能な受動的反応炉冷却システムであって、
    外部ヒートシンクと熱連通する金属格納容器と、
    前記金属格納容器内に配置される反応炉ウェルと、
    少なくとも部分的には前記反応炉ウェル内に配置される反応炉容器であって、前記反応炉容器内の一次冷却材を加熱する核燃料炉心を格納する反応炉容器と、
    前記金属格納容器内に配置され、前記反応炉ウェルと流体連通する貯水タンクであって、前記反応炉ウェルに直接供給される冷却水のインベントリを格納する、タンクと、
    前記金属格納容器内に配置され、かつ前記金属格納容器を介して前記外部ヒートシンクに熱を伝達するように動作可能な熱交換器であって、流れが重力により推進される閉鎖流ループを介して前記反応炉ウェルと流体連通する、熱交換器と、を備え、
    一次冷却材の喪失の後に、前記タンクが前記冷却水を前記反応炉容器の外部に接触させて冷却するために前記反応炉ウェルを浸水させるように構成され、かつ運転可能であり、前記冷却水が前記燃料炉心からの熱によって蒸気に変換され、前記閉鎖流ループを通って前記熱交換器に流れ、
    前記閉鎖流ループは、前記一次冷却材の喪失の前の前記一次冷却材の循環流ループから流体的に分離され
    前記蒸気が前記熱交換器内で凝縮して凝縮液を形成し、前記凝縮液が重力によって前記反応炉ウェルに流れ戻り、
    前記閉鎖流ループが、
    前記反応炉ウェルの頂部と熱交換器とを流体連結する入口蒸気配管と、
    前記熱交換器と貯水タンクとを流体連結する出口凝縮液配管と、を含む、前記システム。
  2. 前記熱交換器が、前記金属格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備える、請求項1に記載の前記システム。
  3. 前記外部ヒートシンクが、前記金属格納容器を包囲する水を保持する環状リザーバを備える、請求項1に記載の前記システム。
  4. 前記環状リザーバ内の前記水が、前記蒸気の温度よりも低い温度を有して、前記蒸気を凝縮させる、請求項に記載の前記システム。
  5. 前記環状リザーバが、前記金属格納容器と外側格納エンクロージャ構造との間に形成される、請求項に記載の前記システム。
  6. 前記反応炉ウェル及び貯水タンクが、前記金属格納容器内に配置されるコンクリートモノリス中に形成される、請求項1に記載の前記システム。
  7. 前記貯水タンクが、その中に配置される放出弁を有する少なくとも1つの流管路によって前記反応炉ウェルに流体連結し、前記放出弁が閉鎖位置から開放位置に移動することによって前記反応炉ウェルへの冷却水の流れを制御するように構成される、請求項1に記載の前記システム。
  8. 前記反応炉容器の外部表面上に配置される断熱ライナアセンブリを更に備え、前記断熱ライナアセンブリが、複の金属ライナを備え、前記複数の金属ライナは、前記複数の金属ライナ間に形成される空隙によって離間される、請求項1に記載の前記システム。
  9. 前記反応炉容器の外部表面に配置される頂部流通孔ノズルを更に備え、この頂部流通孔ノズルが前記複数の金属ライナ間に形成される前記空隙と前記反応炉ウェルとに流体連通し、
    前記頂部流通孔ノズルが、前記断熱ライナアセンブリ内で生成される蒸気を排気し、前記蒸気を前記反応炉ウェルに排出するように構成され、かつ運転可能である、請求項に記載の前記システム。
  10. 前記頂部流通孔ノズルが、前記頂部流通孔ノズルを覆うように構成されるフラップを含み、前記フラップが開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能に移動可能である、請求項に記載の前記システム。
  11. 前記反応炉容器の底部ヘッドの前記外部表面に配置される底部流通孔ノズルを更に備え、この底部流通孔ノズルが前記複数の金属ライナ間に形成される前記空隙と前記反応炉ウェルとに流体連通し、
    前記底部流通孔ノズルが、前記断熱ライナアセンブリ内に前記反応炉ウェル内の冷却水を導くように構成され、かつ運転可能である、請求項に記載の前記システム。
  12. 前記底部流通孔ノズルが、前記底部流通孔ノズルを覆うように構成されるフラップを含み、前記フラップが開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能に移動可能である、請求項11に記載の前記システム。
  13. 冷却材喪失事故後に使用可能な受動的反応炉冷却システムであって、
    外部ヒートシンクと熱連通する金属格納容器と、
    前記金属格納容器内に配置される反応炉ウェルと、
    少なくとも部分的には前記反応炉ウェル内に配置される反応炉容器であって、核燃料炉心及び前記燃料炉心によって加熱された一次冷却材を格納する、反応炉容器と、
    前記金属格納容器内に配置され、前記反応炉ウェルと流体連通する貯水タンクであって、前記反応炉ウェルに直接供給される冷却水のインベントリを格納する、タンクと、
    前記金属格納容器内に配置され、かつ前記金属格納容器を介して前記外部ヒートシンクに熱を伝達するように動作可能な熱交換器であって、大気圧閉鎖流ループを介して前記反応炉ウェルと流体連通する、熱交換器と、を備え、
    一次冷却材の喪失の後に、前記タンクが前記反応炉容器の外部に接触して冷却する冷却水で前記反応炉ウェルを浸水させるように構成され、かつ運転可能であり、
    前記浸水された反応炉ウェル内の前記冷却水が前記燃料炉心によって加熱され、蒸気に変換され、前記蒸気が前記大気圧閉鎖流ループを通って前記熱交換器に流れ、凝縮して凝縮液を形成し、前記凝縮液が重力によって前記反応炉ウェルに流れ戻り、
    前記大気圧閉鎖流ループは、前記一時冷却材の喪失の前の前記一次冷却材の循環流ループから流体的に分離され
    前記蒸気が前記熱交換器内で凝縮して凝縮液を形成し、前記凝縮液が重力によって前記反応炉ウェルに流れ戻り、
    前記閉鎖流ループが、
    前記反応炉ウェルの頂部と熱交換器とを流体連結する入口蒸気配管と、
    前記熱交換器と貯水タンクとを流体連結する出口凝縮液配管と、を含み、
    前記熱交換器が、前記金属格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備える、前記システム。
  14. 前記外部ヒートシンクが、前記金属格納容器を包囲する水を保持する環状リザーバを備える、請求項13に記載の前記システム。
  15. 前記反応炉ウェル及び貯水タンクが、前記金属格納容器内に配置されるコンクリートモノリス中に形成される、請求項13に記載の前記システム。
  16. 前記貯水タンクが、その中に配置される放出弁を有する少なくとも1つの流管路によって前記反応炉ウェルに流体連結し、前記放出弁が閉鎖位置から開放位置に移動することによって前記反応炉ウェルへの冷却水の流れを制御するように構成される、請求項13に記載の前記システム。
  17. 前記反応炉容器の外部表面上に配置される断熱ライナアセンブリを更に備え、前記断熱ライナアセンブリが、複の金属ライナを備え、前記複数の金属ライナは、前記複数の金属ライナ間に形成される空隙によって離間される、請求項13に記載の前記システム。
  18. 前記複数の金属ライナ間に形成される前記空隙と前記反応炉ウェルとに流体連通する、前記反応炉容器の外部表面に配置される頂部流通孔ノズルであって、前記断熱ライナアセンブリ内で生成される蒸気を排気し、前記蒸気を前記反応炉ウェルに排出するように構成され、かつ運転可能である、頂部流通孔ノズルと、
    前記複数の金属ライナ間に形成される前記空隙と前記反応炉ウェルとに流体連通する、前記反応炉容器の底部ヘッドの前記外部表面に配置される底部流通孔ノズルであって、前記断熱ライナアセンブリ内に前記反応炉ウェル内の冷却水を導くように構成され、かつ運転可能である、底部流通孔ノズルと、を更に備え、
    前記冷却水が前記底部流通孔ノズルを通って前記断熱ライナアセンブリに入り、前記燃料炉心からの熱によって蒸気に変換され、前記蒸気が前記断熱ライナアセンブリを出て、前記頂部流通孔ノズルを通って前記反応炉ウェルに流れ入る、請求項17に記載の前記システム。
  19. 前記頂部及び底部流通孔ノズルがそれぞれ、前記ノズルを覆うように構成されるフラップを含み、前記フラップが開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能に移動可能である、請求項18に記載の前記システム。
  20. 冷却材喪失事故後に核反応炉を受動的に冷却するための方法であって、
    核燃料炉心及び一次冷却材を格納する反応炉容器を、外部ヒートシンクと熱連通する金属格納容器内部に配置される反応炉ウェル内に配置することと、
    前記反応炉ウェルに流体連結する貯水タンクを、少なくとも部分的に冷却水で充填することと、
    前記反応炉ウェル内に前記貯水タンクから冷却水を放出することと、
    前記反応炉ウェル内の前記冷却水を前記反応炉容器の外部に接触することと、
    前記燃料炉心で前記冷却水を加熱することと、
    前記冷却水を少なくとも部分的に蒸気に変換することと、
    前記反応炉ウェル内に前記蒸気を蓄積することと、
    前記蒸気を熱交換器を通して流すことと、
    前記蒸気を凝縮させて、前記熱交換器内で凝縮液を形成することと、
    前記反応炉ウェルに前記凝縮液を戻すことと、を含み、
    記蒸気及び凝縮液が、一次冷却材の喪失の前の前記一次冷却材の循環流ループから流体的に分離される前記熱交換器と反応炉ウェルとの間の閉鎖流ループを通って循環し、
    前記閉鎖流ループが、
    前記反応炉ウェルの頂部と前記熱交換器とを流体連結する入口蒸気配管と、
    前記熱交換器と貯水タンクとを流体連結する出口凝縮液配管と、を含み、
    前記熱交換器が、前記金属格納容器に一体的に取り付けられる放熱器導管のアレイを備える、前記方法。
  21. 前記蒸気が、前記反応炉容器の外部表面上に配置される断熱ライナアセンブリ内で生成され、前記断熱ライナアセンブリが、前記反応炉容器の底部及び頂部に配置される流通孔ノズルを介して前記反応炉ウェルに流体連結する、請求項20に記載の前記方法。
  22. 前記蒸気を凝縮するステップが、前記金属格納容器を包囲する水を保持する環状リザーバへの、前記熱交換器による、前記蒸気からの熱の排除を更に含む、請求項20に記載の前記システム。
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