以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
なお、以下の説明では、外部同期ソースとしてGPSが用いられる場合を例に記載するが、本実施の形態は、GPSに限られず、ラジオ、テレビ、又はWiFi(登録商標)等を外部同期ソースに利用する場合にも適用することができる。また、GPSはGNSS(Global Navigation Satellite System)と同義である意味で使用する。
<概要>
図2に示すように、本実施の形態における無線通信システムは、GPS衛星1と、基地局eNBと、ユーザ装置UEa〜UEeとを有する。
基地局eNBは、ユーザ装置UEに向けて同期信号(SS:Synchronization Signal)を送信する。SSは、より具体的にはPSS(Primary Synchronization Signal)及びSSS(Secondary Synchronization Signal)である。
GPS衛星1はGPS信号を地上に向けて送信している。GPS信号にはUTC(Coordinated Universal Time)を特定する情報が含まれている。
ユーザ装置UEa〜UEeは、互いにD2D通信を行う機能を有している。なお、以下の説明において、ユーザ装置(UEa〜UEe)のうち任意のユーザ装置を「ユーザ装置UE」と呼ぶ。
ここで、従来のD2D通信について説明する。D2D通信では、ユーザ装置UEから基地局eNBへの上り信号送信のリソースとして既に規定されている上りリソースの一部が利用され、カバレッジ内では、基地局eNBが送信するSSに同期してD2D信号の送受信が行われる。
更に、カバレッジ外におけるD2D通信を実現するため、ユーザ装置UEは、所定の条件を満たす場合に同期信号(SLSS:SideLink Synchronization Signal)を送信(リレー)することが規定されている。SLSSは、より具体的にはPSSS(Primary Sidelink Synchronization Signal)及びSSSS(Secondary Sidelink Synchronization Signal)である。また、SLSSを送信するユーザ装置UEは、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Control Channel)と呼ばれる物理チャネルを用いて、カバレッジ外に存在するユーザ装置UEに無線フレーム番号(DFN:Direct Frame Number)、システム帯域幅等を通知することができる。
カバレッジ内に存在するユーザ装置UEは、基地局eNBの同期タイミングに基づいてSLSSを送信(リレー)することで、カバレッジ外に存在するユーザ装置UEも基地局eNBの同期タイミングに従ってD2D通信を行うことが可能になる。また、カバレッジ外で孤立しているユーザ装置UE(SS及びSLSSと同期していないユーザ装置UE)は、他のユーザ装置UEとの間で同期タイミングを揃えるためにユーザ装置UE自身に内蔵されている発振器で生成されるクロックに基づいてSLSSを送信する。
次に、D2Dで規定されているSLSS及びPSBCHについて説明する。図3Aは、D2Dにおける物理チャネル全体の構成を示している。図3Bは、SLSS(PSSS/SSSS)及びPSBCHの具体的な構成を示している。
図3Bに示すように、D2Dでは、周波数帯域の中心の6PBR(Physical Resource Block)において、1サブフレーム内の所定のSC−FDMAシンボルにPSSS及びSSSSがマッピングされ、PSSS、SSSS及びDM−RS(Demodulation-Reference Signal)を除くSC−FDMAシンボルにPSBCHがマッピングされる。また、図3Aに示すように、PSSS、SSSS及びPSBCHは40ms間隔で送信される。なお、図3AにおいてPSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)は「D2Dディスカバリ」に用いられる物理チャネルであり、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)は「D2Dコミュニケーション」におけるSCI等の制御情報を送信する物理チャネルであり、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)は「D2Dコミュニケーション」におけるデータを送信する物理チャネルである。
また、従来のD2Dでは、カバレッジ内及びカバレッジ周辺(Partial coverage)で送信されるSLSSとカバレッジ外で送信されるSLSSの2種類が規定されている。カバレッジ内及びカバレッジ周辺で送信されるPSSSはルートインデックスが「26」であるZadoff−Chu系列であり、PSSS及びSSSSで0〜167の範囲のSLID(Sidelink ID)が特定される。カバレッジ外で送信されるPSSSはルートインデックスが「37」であるZadoff−Chu系列であり、PSSS及びSSSSで168〜355の範囲のSLID(Sidelink ID)が特定される。SLIDは、SLSS IDとも呼ばれる。更に、PSBCHにはIn−coverage indicatorと呼ばれる識別子が格納されており、カバレッジ内では「1(TRUE)」に設定され、カバレッジ外(カバレッジ周辺を含む)では「0(FALSE)」に設定される。SLID及びIn−coverage indicatorの組み合わせにより、3種類の優先度グループ(Priority Group)が定義されている。具体的には、SLIDが0〜167でありIn−coverage indicatorが「1(TRUE)」である場合は優先度グループ1、SLIDが0〜167でありIn−coverage indicatorが「0(FALSE)」である場合は優先度グループ2、SLIDが168〜355でありIn−coverage indicatorが「0(FALSE)である場合は優先度グループ3に定義されている。
また、従来のD2Dでは、SS、カバレッジ内で送信されたSLSS、及びカバレッジ外で送信されたSLSSを受信した場合に、ユーザ装置UEはどの同期信号と同期すべきかを示す優先順位が規定されている。最も優先度が高いのはSSであり、次に優先度が高いのはカバレッジ内で送信されるSLSS(優先度グループ1)であり、優先度が低いのはカバレッジ外で送信されるSLSS(優先度グループ2又は3)であると規定されている。
図4は、従来のD2DにおけるSLSS送信トリガを説明するためのフローチャートである。ユーザ装置UEは、所定の条件を満たす場合に同期信号を送信(リレー)することが規定されているが、より具体的には、図4に示す条件を満たす場合にSLSS及びPSBCHを送信する。
ステップS11で、ユーザ装置UEは、上位レイヤ(RRC等)でSLSS送信が指示されているのかを確認する。指示されている場合はステップS12に進み、指示されていない場合はステップS13に進む。
ステップS12で、ユーザ装置UEはSLSS及びPSBCHを送信する。なお、ステップS12では、ユーザ装置UEは上位レイヤからの指示を受けられる状態(すなわちカバレッジ内)であるため、カバレッジ内で送信されるSLSS及び「1」が設定されたIn−coverage indicatorを含むPSBCHを送信する。
ステップS13で、ユーザ装置UEはカバレッジ内であるかを確認する。カバレッジ内である場合はステップS14に進み、カバレッジ外である場合はステップS16に進む。
ステップS14で、ユーザ装置UEは、D2D信号を送信中で、かつ、所定の閾値(カバレッジ内でSLSSの送信要否を判断するためのRSRP閾値)がSIB(System Information Block)又はRRC信号で設定(通知)されている場合に、基地局eNBからの参照信号等の受信電力(RSRP)が当該所定の閾値以下であるかを確認する。所定の閾値以下である場合はステップS15に進み、所定の閾値を超えている場合、D2D信号を送信中でない場合、又は所定の閾値がSIB若しくはRRC信号で設定されていない場合は処理を終了する。
ステップS15で、ユーザ装置UEは、カバレッジ内で送信されるSLSS及び「1」が設定されたIn−coverage indicatorを含むPSBCHを送信する。
ステップS16で、ユーザ装置UEは、所定の閾値(カバレッジ外でSLSSの送信要否を判断するためのS−RSRP(Sidelink-RSRP)閾値)がSIB又はRRC信号で設定されている場合、PSBCHに紐づくDM−RSの受信電力が当該所定の閾値以上であるかを確認する。所定の閾値が設定されてない場合又は所定の閾値以上である場合は処理を終了し、所定の閾値未満である場合(PSBCHに紐づくDM−RSが検出されない場合を含む)はステップS17に進む。
ステップS17で、ユーザ装置UEは、カバレッジ周辺又はカバレッジ外で送信されるSLSS及び「0」が設定されたIn−coverage indicatorを含むPSBCHを送信する。
図4において、ステップS14の処理手順は、ユーザ装置UEがセル端に近い位置(すなわち、カバレッジ外に近い位置)に存在するか否かを確認するために行われる。つまり、セル端に近い位置に存在するユーザ装置UEのみがSLSSを送信するようにして、セルの中心に近い位置に存在するユーザ装置UEはSLSSを送信しないように制御されることになる。また、ステップS16の処理手順は、PSBCHを送信している他のユーザ装置UEが近くに存在していないかを確認するために行われる。つまり、ステップS17の処理手順でユーザ装置UEがSLSSを送信するのは、ユーザ装置UEが孤立している状態、又は、PSBCHを送信する他のユーザ装置UEとの距離が離れている場合のいずれかである。
本実施の形態におけるユーザ装置UEは、SS及びSLSSに加えて、GPS信号を利用して同期を行うことを可能にする。例えば、図2に示すように、カバレッジ外に存在するユーザ装置UEc及びUEdは基地局eNBからのSSを受信出来ない代わりにGPS信号を受信可能であるため、GPS信号を利用して同期を行う。
また、本実施の形態では、複数の同期ソース(SS、GPS信号、SLSS)を検出したユーザ装置UEは、予め定められた優先順位に従っていずれか1つの同期ソースを用いて同期を行うようにする。例えば図2において、ユーザ装置UEaはGPS信号及びSSを同時に受信しているため、いずれか一方(例えばGPS信号)を用いて同期を行う。
また、本実施の形態では、GPS信号と同期されたSLSS(以下、便宜上「SLSS(GPS sync.)」と呼ぶ)と、SSと同期されたSLSS(以下、便宜上「SLSS(NW(Network) sync.)」と呼ぶ)と、SS及びGPS信号と同期されていないSLSS(以下、便宜上「SLSS(No sync.)」と呼ぶ)とをユーザ装置UEで識別可能にする。具体的な識別方法については後述する。
また、本実施の形態では、GPS信号と直接同期しているユーザ装置UEは、基本的にSLSSを送信しないようにする。
また、GPS又はSSと同期しているユーザ装置UEは、孤立している(SS及びSLSSと同期していない)ユーザ装置UEからSLSSを受信した場合、SLSS(GPS sync.)又はSLSS(NW sync.)を送信することで当該孤立しているユーザ装置UEの同期精度を向上させることを可能にする。例えば、図2において、GPS信号と同期しているユーザ装置UEdは、孤立しているユーザ装置UEeからSLSSを受信した場合、SLSS(GPS sync.)をユーザ装置UEeに向けて送信するようにする。これにより、ユーザ装置UEeの同期精度を向上させることができる。
なお、V2Xにおいてユーザ装置である自動車は高速移動し得るため、D2D通信による同期は、同期信号の受信状態の時間変動が大きく、同期の安定性を確保することが難しいという課題もある。本実施の形態によれば、ユーザ装置UEは高速に複数同期ソースの切替えを行うことができる。
なお、本実施の形態において、ユーザ装置UEは、V2Xで規定されている自動車、ドライバーのモバイル端末、及び、歩行者のモバイル端末を含む。また、V2Xで規定されるRSUは、特に断りがない限り、本実施の形態におけるユーザ装置UEであってもよいし、基地局eNBであってもよい。
<処理手順>
以下、本実施の形態における無線通信システムが行う具体的な処理手順について説明する。
(同期処理について)
図5は、実施の形態に係る同期処理の一例を示すフローチャートである。前述のようにユーザ装置UEは、SS及びSLSSに加えて、GPS信号等を利用して同期を行う。また、複数の異なる同期ソース(SS、GPS信号、SLSS)を検出したユーザ装置UEは、予め定められた優先順位に従っていずれか1つの同期ソースを用いて同期を行う。図5を用いて、ユーザ装置UEが行う同期処理について具体的に説明する。
ステップS21で、ユーザ装置UEは、1以上の同期ソースを検出したかを確認する。1以上の同期ソースを検出した場合、ステップS22に進む。
ステップS22で、ユーザ装置UEは、ステップS21において、ユーザ装置UE自身が現在同期している同期ソースよりも優先度の高い同期ソースを検出したか否かを確認する。ユーザ装置UE自身が現在同期している同期ソースよりも優先度の高い同期ソースを検出した場合はステップS23に進み、ユーザ装置UE自身が現在同期している同期ソースよりも優先度の高い同期ソースを検出していない場合は処理を終了する。また、ユーザ装置UEが非同期状態である場合(例えば起動直後である場合等)も、ステップS23に進む。
ここで、ユーザ装置UEは、同期に用いる同期ソースの優先度を示す優先度情報を用いてステップS22の処理手順を行う。
図6は優先度情報の一例を示す図である。図6に示す優先度情報には、GPS信号、SS、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、SLSS(No sync.)の順に優先度が規定されていることを示している。優先度情報は、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介して通知されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから通知されるようにしてもよい。また、SIM(Subscriber Identity Module)に予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して通知されるようにしてもよい。また、優先度自体が、ユーザ装置UEを動作させるためのプログラムに処理ロジックとして組み込まれていてもよい。図6に示す優先度はあくまで一例であり、他の順に優先度が規定されていてもよい。例えば、優先度情報には、SS、GPS信号、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、SLSS(No sync.)の順に優先度が規定されているようにしてもよい。
ステップS23で、ユーザ装置UEは、ステップS21で検出された1以上の同期ソースのうち、優先度情報に規定されている最も優先度の高い同期ソースを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行う。
ここで、GPS信号と同期を行う場合、例えばユーザ装置UEが備えるGPS受信モジュールから出力される高精度なPPS(Pulse Per Second)を利用することで時間間隔の同期を行うことができる。しかしながら、LTEでは、時間間隔の同期のみならず無線フレーム同期も行う必要がある。無線フレーム同期を行うためには、ユーザ装置UEは、少なくとも、無線フレームが開始される時刻(タイミング)、及び、当該無線フレームに割当てられる無線フレーム番号(SFN(System Frame Number)又はDFN)を把握している必要がある。そこで、本実施の形態では、UTCと無線フレームが開始される時刻と無線フレーム番号(SFN又はDFN)とを対応づける情報(以下、「同期情報」と呼ぶ)をユーザ装置UEに保持しておき、ユーザ装置UEは、GPS信号から取得したUTCと同期情報と比較することで無線フレーム同期を行う。同期情報のフォーマットについては特に限定されないが、例えば、SFN/DFN=「0」が開始されるタイミングに対応する「秒」が設定されていてもよいし、SFN/DFN=「0」に対応するUTCが具体的に設定されていてもよい。また、SFN/DFN=「0」に対応するUTCからのオフセット値が含まれていてもよい。同期情報は、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介して通知されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから通知されるようにしてもよい。基地局eNBから直接同期情報を送信せず、同期に利用可能な他のキャリアを介して通知されるようにしてもよいし、セルIDなどと併せて通知されてもよい。また、SIM(Subscriber Identity Module)に予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して通知されるようにしてもよい。
以上の処理手順において、同一優先度の同期ソースごとにステップS21〜S23を実施してもよいし、ユーザ装置UEが低優先度の同期ソースも並行してモニタすることで同期のための遅延を抑制してもよい。特に一度同期した後同期が外れた場合、バックグラウンドで他の同期ソースをモニタしておくことでステップS21で同期ソースのフルスキャンが不要になり、スムーズな同期ソース切り替えが可能になる。
なお、本実施の形態における無線通信システムでは、SSにおける無線フレームの同期タイミングと、GPS信号及び同期情報から決定される無線フレームの同期タイミングとが一致していることを前提としている。すなわち、基地局eNBもGPS信号と同期していることを前提としている。
(SLSSについて)
本実施の形態において、ユーザ装置UEは、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、及びSLSS(No sync.)を識別する必要がある。そこで、本実施の形態では、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、及びSLSS(No sync.)に、それぞれ異なる系列を割り当てることで、これらのSLSSを識別可能にしてもよい。例えば、SLSS(GPS sync.)におけるPSSSと、SLSS(NW sync.)におけるPSSSと、SLSS(No sync.)におけるPSSSとで、それぞれ異なるルートインデックスが用いられてもよい。特にSLSS(GPS sync.)及び/又はSLSS(NW sync.)に対して単一の系列を割り当てることで、GPS同期ソース間及び/又は基地局同期ソース間の受信レベル比較を省略することも可能である。
さらにPSBCHなどSLSSと共に送信されるチャネルのDM−RSの直交系列(Cyclic shift及び/又はOrthogonal sequence)にこれらをマッピングし,該当の系列に対してはグループホッピングを適用しないことで直交化させ、同期精度を高めてもよい。
また、SLSS(NW sync.)及びSLSS(No sync.)におけるPSSSには、それぞれ従来のカバレッジ内で送信されるSLSS及びカバレッジ外で送信されるSLSSと同一値のルートインデックスが用いられるようにして、SLSS(GPS sync.)におけるPSSSのみ、新たなルートインデックスが用いられるようにしてもよい。
また、SLSSと同時に送信されるPSBCHの中にSLSSの種別を示す識別子を含めることでSLSSを識別可能にしてもよい。一例として、SLSS(GPS sync.)の場合、当該識別子には「1」が設定され、SLSS(NW sync.)の場合、当該識別子には「2」が設定され、SLSS(No sync.)の場合、当該識別子には「3」が設定されるようにしてもよい。当該識別子は、PSBCHのリザーブ領域(Reserved bits)に格納されてもよい。また、SLSSと同時に送信されるPSBCHに含まれるDFN、TDD UL−DL config、Sidelink system bandwidth設定用の領域を用いて、これらの領域に設定される値によりSLSSの種別を識別可能にしてもよい。V2Xでは、これらの領域及び従来のLTEで規定されている設定値の全部又は一部が使用されないことが想定されるため、使用されない領域及び設定値を流用することが可能である。また、SLSSと同時に送信されるPSBCHに含まれるIn−coverage indicatorの設定値をカバレッジ内UEのSLSS送信以外のために用いて、SLSSの種別を識別可能にしてもよい。
PBSCHの中にSLSSの種別を示す識別子を含める場合、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、及びSLSS(No sync.)の系列は同一であってもよいし、それぞれ異なる系列であってもよい。なお、SLSSの種別を示す識別子は、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介して通知されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから通知されるようにしてもよい。また、SIM(Subscriber Identity Module)に予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して通知されるようにしてもよい。
以下の説明において、「SLSS(GPS sync.)を送信する」とは、上述のいずれかの方法又は上述のいずれかの方法の組み合わせによりSLSS(GPS sync.)を識別可能なようにSLSSを送信することを意味する。同様に、SLSS(NW sync.)を送信するとは、SLSS(NW sync.)を識別可能なようにSLSSを送信することを意味し、SLSS(No sync.)を送信するとは、SLSS(No sync.)を識別可能なようにSLSSを送信することを意味する。つまり、ユーザ装置UEが所定の種別のSLSS(SLSS(GPS sync.)など)を送信することには、SLSSの系列のみでSLSSの種別を識別可能にする場合おいて「所定の種別のSLSSに対応する系列のSLSSを送信する」こと、及び、SLSSとPSBCHに格納される情報とを組み合わせることでSLSSの種別を識別可能にする場合において「SLSS及びSLSSの種別に対応する情報を含むPSBCHの両方を送信すること」のいずれか又は両方を示す意味で用いる。また、ユーザ装置UEが受信したSLSSの種別を識別することには、SLSSの系列のみでSLSSの種別を識別可能にする場合おいて「受信したSLSSの系列を用いてSLSSの種別を識別する」こと、及び、SLSSとPSBCHに格納される情報とを組み合わせることでSLSSの種別を識別可能にする場合において「SLSS及びPSBCHの両方を受信し、受信したSLSSとPSBCHに含まれる情報とを用いてSLSSの種別を識別すること」のいずれか又は両方を示す意味で用いる。
(SLSS送信トリガについて)
続いて、ユーザ装置UEがSLSSを送信する際の送信トリガについて説明する。前述のように、ユーザ装置UEは、GPS信号と直接同期している場合は基本的にSLSSを送信しないようにする。また、図4で説明した従来のSLSS送信トリガに加え、SLSS(No sync.)を受信した場合であって、かつ、GPS信号又はSSと同期している場合、ユーザ装置UEは、SLSS(GPS sync.)又はSLSS(NW sync.)を送信する。
図7は、実施の形態に係るSLSS送信トリガの一例を示すフローチャートである。
ステップS31、ステップS33及びステップS34については、それぞれ図4のステップS11、ステップS13及びステップS14と同一であるため説明は省略する。
ステップS32で、ユーザ装置UEは、GPS信号と同期している場合はSLSS(GPS sync.)及びPBSCHを送信し、SSと同期している場合はSLSS(NW sync.)及びPBSCHを送信する。なお、In−coverage indicatorにはカバレッジ内を示す「1」が設定される。
ステップS35で、ユーザ装置UEは、GPS信号と直接同期しているかを確認する。GPS信号と直接同期している場合はステップS37に進み、GPS信号と直接同期していない場合は、ステップS36に進む。
ステップS36で、ユーザ装置UEはSLSS(NW sync.)及びPBSCHを送信する。なお、In−coverage indicatorにはカバレッジ内を示す「1」が設定される。
ステップS37で、ユーザ装置UEは、所定の閾値(カバレッジ外でSLSSの送信要否を判断するための閾値)がSIB又はRRC信号で設定されている場合、D2D信号の受信電力が当該所定の閾値以上であるかを確認する。所定の閾値が設定されてない場合又は所定の閾値以上である場合はステップSS40に進み、所定の閾値未満である場合(D2D信号が検出されない場合を含む)はステップS38に進む。
ステップS38で、ユーザ装置UEは、GPS信号と直接同期しているかを確認する。GPS信号と直接同期している場合は処理を終了し、GPS信号と直接同期していない場合は、ステップS39に進む。
ステップS39で、ユーザ装置UEは、他のユーザ装置UEが送信するSLSS(GPS sync.)と同期している場合はSLSS(GPS sync.)及びPBSCHを送信し、他のユーザ装置UEが送信するSLSS(NW sync.)と同期している場合はSLSS(NW sync.)及びPBSCHを送信し、他のユーザ装置UEが送信するSLSS(No sync.)と同期している場合はSLSS(No sync.)及びPBSCHを送信する。また、ユーザ装置UEは、孤立状態にある場合はSLSS(No sync.)及びPBSCHを送信する。なお、In−coverage indicatorにはカバレッジ外を示す「0」が設定される。
ステップS40で、ユーザ装置UEは、他のユーザ装置UEが送信しているSLSS(No sync.)を受信したか否かを確認する。SLSS(No sync.)を受信した場合はステップS41に進み、SLSS(No sync.)以外のSLSSを受信した場合は処理を終了する。
ステップS41で、ユーザ装置UEは、自身がGPS信号又はSLSS(GPS sync.)と同期しているかを確認する。GPS信号又はSLSS(GPS sync.)と同期している場合はステップS42に進み、GPS信号及びSLSS(GPS sync.)とは同期していない場合はステップS43に進む。
ステップS42で、ユーザ装置UEは、SLSS(GPS sync.)及びPBSCHを送信する。
ステップS43で、ユーザ装置UEは、自身がSS又はSLSS(NW sync.)と同期しているかを確認する。SS又はSLSS(NW sync.)と同期している場合はステップS44に進み、SS及びSLSS(NW sync.)とは同期していない場合は処理を終了する。
ステップS44で、ユーザ装置UEは、SLSS(NW sync.)及びPBSCHを送信する。
以上、SLSS送信トリガについて説明した。本実施の形態において、ユーザ装置UEは、GPS信号と直接同期している場合、基本的にはSLSSを送信しないようにした。V2Xの利用形態を考慮すると、各ユーザ装置UEはトンネル内等でない限りGPS信号を受信可能であると想定されるためである。これにより、ユーザ装置UEの処理負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態において、ユーザ装置UEは、SLSS(No sync.)を受信した場合であって、ユーザ装置UE自身がGPS信号若しくはSLSS(GPS sync.)又はSS若しくはSLSS(NW sync.)と同期している場合、SLSS(GPS sync.)又はSLSS(NW sync.)を送信するようにした。これにより、SLSS(No sync.)を送信しているユーザ装置UEは、SLSS(GPS sync.)又はSLSS(NW sync.)と同期することができ、同期精度を高めることができる。すなわち、無線通信システム内の各ユーザ装置UEに、高精度な同期状態がリレーされることになる。
(動作シーケンス例)
次に、以上図6及び図7で説明したフローチャートに従い、本実施の形態における無線通信システムで同期処理及び同期信号の送信(リレー)が行われる様子を説明する。
図8は、実施の形態に係る無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。図8において、ユーザ装置UEf及びUEgは、基地局eNBのカバレッジ内に存在し、GPS信号を受信可能である前提とする。また、ユーザ装置UEh及びUEiは、基地局eNBのカバレッジ外に存在し、GPS信号を受信することができない前提とする。また、優先度情報には、GPS信号、SS、SLSS(GPS sync.)、SLSS(NW sync.)、SLSS(No sync.)の順に優先度が規定されている前提とする。また、図7のステップS31の処理手順で、ユーザ装置UEは上位レイヤでSLSSの送信を指示されない前提とする。
ステップS101で、GPS衛星1はGPS信号を送信している。また、ステップS102で、基地局eNBは、SSを送信している。
ステップS103で、GPS信号及びSSを受信したユーザ装置UEfは、GPS信号を用いて同期処理を行う。なお、ユーザ装置UEfは、GPS信号と直接同期しているものの、他のユーザ装置UEから送信されるD2D信号を受信していない状態である。つまり、図7のステップS37の「No」ルート及びステップS38の「Yes」ルートに従い処理を終了する。
ステップS104で、GPS信号及びSSを受信したユーザ装置UEfは、GPS信号を用いて同期処理を行う。なお、ユーザ装置UEgは、GPS信号と同期しているものの、他のユーザ装置UEから送信されるD2D信号を受信していない状態である。つまり、図7のステップS37の「No」ルート及びステップS38の「Yes」ルートに従い処理を終了する。
ステップS105で、孤立状態にあるユーザ装置UEiは、例えば他のユーザ装置UEとD2D通信を行うため、図7のステップS39の処理手順に従ってSLSS(No sync.)及びPBSCHを送信する。
ステップS106で、ユーザ装置UEhは、ユーザ装置UEiから受信したSLSS(No sync.)を用いて同期処理を行う。なお、当該SLSSの受信電力はSIBで指示される所定の閾値未満であったと仮定する。従って、ユーザ装置UEは、図7のステップS39の処理手順に従い、SLSS(No sync.)を送信すべきと判断する。
ステップS107で、ユーザ装置UEhは、SLSS(No sync.)及びPBSCHを送信する。
ステップS108で、ユーザ装置UEgは、既に優先度の高いGPS信号と同期していることから、ステップS107で受信したSLSS(No sync.)とは同期しないようにする。また、ユーザ装置UEgは、図7のステップS42の処理手順に従い、SLSS(GPS sync.)を送信すべきと判断する。
ステップS109で、ユーザ装置UEgは、SLSS(GPS sync.)及びPBSCHを送信する。
ステップS110で、ユーザ装置UEhは、現在同期しているSLSS(No sync.)よりも優先度の高いSLSS(GPS sync.)を受信したと判断し、SLSS(GPS sync.)を用いて同期処理を行う。なお、ステップS109で受信したまたは予め測定しておいたD2D信号の受信電力は所定の閾値以上であったと仮定する。従って、図7のステップS40の「No」ルートに従い処理を終了する。
ステップS111で、孤立状態にあるユーザ装置UEiは、例えば他のユーザ装置UEとD2D通信を行うため、図7のステップS39の処理手順に従い、再度SLSS(No sync.)及びPBSCHを送信したとする。
ステップS112で、ユーザ装置UEhは、現在同期しているSLSS(GPS sync.)よりも優先度の低いSLSS(No sync.)を受信したと判断し、同期処理を行わない。また、ユーザ装置UEhは、図7のステップS42の処理手順に従い、SLSS(GPS sync.)を送信すべきと判断する。
ステップS113で、ユーザ装置UEhは、SLSS(GPS sync.)及びPBSCHを送信する。
以上、本実施の形態における無線通信システムで同期処理及び同期信号の送信(リレー)が行われる様子について説明した。
(UTCを用いた無線リソースの割当てについて)
次に、UTCを用いた無線リソースの割当て方法について説明する。本実施の形態ではGPS信号を用いた同期処理を実現するようにしたが、これに加えて、GPS信号を無線フレーム同期よりも大まかな同期に用いるようにしてもよい。例えば、ユーザ装置UEは、GPS信号により取得したUTCを用いて、D2D通信を行うことが可能な無線リソースを特定するようにしてもよい。
より具体的には、基地局eNBは、「RSUがD2D信号を送信可能な期間」と「RSU以外のユーザ装置UEがD2D信号を送信可能な期間」とを示す無線リソース割当情報を、報知情報を介してユーザ装置UEに通知しておく。ユーザ装置UEは、自身の種別と無線リソース割当情報とGPS信号により取得したUTCとに基づき、自身の種別がRSUの場合は、「RSUがD2D信号を送信可能な期間」でD2D信号を送信し、自身の種別がRSU以外のユーザ装置UEである場合は、「RSU以外のユーザ装置UEがD2D信号を送信可能な期間」でD2D信号を送信するようにしてもよい。
図9は、UTCを用いた無線リソース割当て方法の一例を示す図である。図9に示すように、例えば、RSUがD2D信号を送信可能な期間と、RSU以外のユーザ装置UEがD2D信号を送信可能な期間とが交互に設定されるようにしてもよい。端末時刻及び/又は端末内蔵クロックなどを利用して,同期ソースの種別(GPS・基地局eNB・端末内蔵クロック)によって、サブフレームレベル及び/又はフレームレベルなどで送信リソースをTDMしてもよい。
<処理手順(変形例)>
続いて、以上説明した処理手順における複数の変形例について説明する。
(SLSS(GPS sync.)の変形例について)
本実施の形態において、GPS信号を直接受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSS(GPS sync.)と、他のユーザ装置UEから送信されるSLSS(GPS sync.)を受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSS(GPS sync.)とを識別可能なようにしてもよい。例えば図10Aに示すように、GPS信号を直接受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSSをSLSS(GPS sync.Level0)と規定し、SLSS(GPS sync.)を受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSSをSLSS(GPS sync.Level1)と規定してもよい。
また、SLSSがリレーされた回数が判断可能なようにしてもよい。例えば図10Bに示すように、GPS信号を直接受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSSをSLSS(GPS sync.Level0)と規定し、SLSS(GPS sync.Level0)を受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSSをSLSS(GPS sync.Level1)と規定し、SLSS(GPS sync.Level1)を受信して同期を行っているユーザ装置UEにより送信されるSLSSをSLSS(GPS sync.Level2)と規定するようにしてもよい。これらのSLSSは、それぞれ異なる系列にすることで識別可能にしてもよいし、PSBCHの中に含まれるSLSSの種別を示す識別子により識別可能にしてもよい。
また、優先度情報にこれらのSLSSを含めるようにしてもよい。SLSS(GPS sync.)を受信した場合、ユーザ装置UEは、リレーされた回数が少ないSLSS(GPS sync.)を用いて同期を行うことが可能になる。
(RSUから送信される同期信号の優先度について)
本実施の形態では、RSUから送信されるSLSSを、RSU以外のユーザ装置UEから送信されるSLSSよりも優先度を高くするようにしてもよい。例えば、RSUから送信される各SLSSと、RSU以外のユーザ装置UEから送信される各SLSSとを識別可能なようにしておくと共に、優先度情報で、GPS信号と、SS信号と、RSUから送信される各SLSSと、RSU以外のユーザ装置UEから送信される各SLSSとの優先度を規定するようにしてもよい。図11は、RSUから送信される各SLSSが、RSU以外のユーザ装置UEから送信される各SLSSよりも優先度が高くなるように設定された場合の優先度情報の一例を示している。
なお、RSUから送信される各SLSSは、前述のように、RSU以外のユーザ装置UEから送信される各SLSSとは異なる系列にすることで識別可能にしてもよいし、PSBCHの中に含まれるSLSSの種別を示す識別子により識別可能にしてもよい。
RSUは、主に道路脇等に設置されることが想定されており殆ど移動しない前提であることから、移動を前提とするRSU以外のユーザ装置UEよりも同期信号の精度が高いと考えられる。従って、RSUが送信する同期信号が優先的に同期に用いられることで、無線通信システム全体で同期精度を高めることが可能になる。
(複数の周波数バンドごとのGPS同期可否について)
実施の形態における無線通信システム内に複数の周波数バンドが存在する場合、各周波数バンドにおいてGPS信号を用いた同期を許可するか否かを指定可能にしてもよい。例えば図12Aに示すように、無線通信システム内に周波数バンドA〜Cが存在する場合、周波数バンドA及びCの全セルではGPS信号を用いた同期を許可し、周波数バンドBの全セルではGPS信号を用いた同期を許可しないようにしてもよい。各周波数バンドのセルでGPS信号を用いた同期が許可されるのか否かについては、各セルを構成する基地局eNBの各々からの報知情報によりユーザ装置UEに通知されてもよいし、SIMに予め設定されていてもよい。
更に、各周波数バンドにおけるセル単位でGPS同期が許可されるのか否かを報知情報によりユーザ装置UEに通知するようにしてもよい。特定のセル(場所)においてGPS同期を許可(又は拒否)することが可能になる。また、国別、オペレータ別にGPS同期が許可されるのか否かを指定するようにしてもよい。具体的には、GPS同期を許可するMCC(Mobile Country Code)又はMNC(Mobile Network Code)のリストがSIM内に予め設定されているようにしてもよい。これにより、例えばGPSの利用が許可されていないような特定の地域において、ユーザ装置UEは、GPS信号による同期を行わないようにすることが可能になる。
また、実施の形態における無線通信システム内に複数の周波数バンドが存在する場合であって、かつ、V2X(D2D通信)のみに用いられる周波数バンドが設定されている場合、D2D通信のみに用いられる周波数バンド以外の周波数バンドにおけるセルで送信されるSSを用いた同期を許可するか否かを指定可能にしてもよい。
例えば、図12Bに示すように、周波数バンドA〜Cが存在し、周波数バンドAにおける各セルで送信されるSSはGPS信号と同期され、周波数バンドBにおける各セルで送信されるSSはGPS信号と同期されていないと仮定する。また、周波数バンドCはV2X(D2D)通信のみに用いられる周波数バンドでありSSが送信されていないと仮定する。なお、SSとGPS信号とが同期しているとは、SSにおける無線フレームの同期タイミングと、GPS信号及び同期情報から決定される無線フレームの同期タイミングとが一致していることを意味している。
このような状態において、仮に周波数バンドCでD2D通信を行おうとしているユーザ装置UEがGPS信号を受信出来ない場所に存在する場合、周波数バンドBにおける各セルで送信されるSSを用いて同期を行ってしまうと、GPS信号を受信可能な場所で同期した場合とは異なる同期タイミングで同期が行われてしまうことになり好ましくない。そこで、基地局eNBからの報知情報により、SSを用いた同期を許可する周波数バンドと許可しない周波数バンドとをユーザ装置UEに通知するようにしてもよい。
これにより、V2X通信のみを許容するようなセルが設けられた場合に、GPS信号と同期していない状態で運用されているセルのSSが誤って同期に用いられてしまう可能性を排除することができる。
(GPS信号を用いた同期とSSを用いた同期との区別について)
本実施の形態では、SLSS(GPS sync.)とSLSS(NW sync.)とを識別可能にしたが、SLSS(GPS sync.)とSLSS(NW sync.)とを共通化するようにしてもよい。これにより、同期処理を簡略化することができる。なお、「共通化」とは、ユーザ装置UEが、自身が同期している同期ソースの種別に関わらず同一種別のSLSSを送信するように動作すること(すなわち、送信観点での共通化)、及び、SLSSを受信したユーザ装置UEが同一優先度のSLSSであると認識するように動作する(すなわち、受信観点での共通化)ことのいずれか又は両方を含む。
(SLSSを送信するユーザ装置の種別について)
本実施の形態では、特定の種別のユーザ装置UEのみにSLSSの送信を許可するようにしてもよい。例えば、基地局eNBは、ユーザ装置UEの種別とSLSSの送信可否とを対応づける送信許可情報を報知情報に含めて送信しておき、ユーザ装置UEは、自身の種別と送信許可情報とを比較し、SLSSの送信が許可されていると判断した場合にSLSSを送信するようにしてもよい。一例として、基地局eNBは、RSUのみにSLSSの送信を許可する送信許可情報を送信するようにしてもよい。
RSUは、主に道路脇等に設置されることが想定されているため、殆ど移動しない前提であることから、移動を前提とするRSU以外のユーザ装置UEよりもSLSSの精度が高いと考えられる。RSUのみにSLSSの送信を許可することで、無線通信システム全体で同期精度を高めることが可能になる。
(無線フレーム同期と周波数同期について)
本実施の形態では、ユーザ装置UEは、無線フレーム同期に用いる同期信号(GPS信号、SS、各SLSS)と、周波数同期に用いる同期信号(GPS信号、SS、各SLSS)とで、それぞれ異なる優先度が適用されるようにしてもよい。例えば、ユーザ装置UEは、無線フレーム同期に用いる同期信号に対する優先度情報と、周波数同期に用いる同期信号に対する優先度情報とを取得するようにしておき、同期信号を受信した際に、それぞれの優先度情報に従って同期処理を行うようにしてもよい。また基地局eNBの報知で指定したV2Xキャリアの時間同期への利用可否・周波数同期への利用可否を通知してもよい。時間同期への利用可否は、GPS同期か否か、及び/又はGPSに対する時間オフセットを通知することで間接的に通知してもよい。これにより、例えば、GPS信号は無線フレーム同期のみに用いるというような運用を行うことが可能になる。
(同期の安定性について)
ユーザ装置UEが外部同期ソースからの信号(例えばGPS信号)を受信できないエリア又はカバレッジ外に移動した場合、他の同期ソースを用いた同期が行われるまでの間に一定時間以上を要し、同期の安定性が損なわれる可能性がある。
そこで、ユーザ装置UEは、他の同期ソースを用いた同期が行われるまでの間、自走状態により同期を維持できるようにしてもよい。また、自走状態により同期を維持可能な時間を予め設定しておき、当該時間を経過しても他の同期ソースを用いた同期を行うことが出来ない場合は、D2D通信を停止または同期ソースをユーザ装置UE自身に変更するようにしてもよい。また、当該時間は、ユーザ装置UEが備えるクロックの性能に応じて設定されるようにしてもよいし、当該時間を満たすクロックが搭載されるようにしてもよい。
また、ユーザ装置UEは、直前の同期に用いていた同期ソースよりも優先度の低い同期ソース(SLSS)を用いて同期処理を行うようにしてもよい。また、ユーザ装置UEは、いつでもSLSSを受信可能なように、SLSSをモニタリングし続けるようにしてもよい。また、SLSSのモニタリングは、ユーザ装置UE自身がSLSSを送信していない場合に行うようにしてもよい。また、ユーザ装置UEがSLSSをモニタリングするキャリアは、ユーザ装置UEがD2D通信に用いるキャリアと同一キャリアのみでもよいし、D2D通信に用いるキャリアに関連付けられたキャリアでもよい。また、ユーザ装置UEは、SLSSをリソースプールの先頭のサブフレームで送信することで、受信側のユーザ装置UEbがSLSSをモニタリングする際に発生し得る受信ミスが軽減されるようにしてもよい。また、リソースプール内に、他キャリアの同期ソースのモニタリングに用いるギャップ区間を設けることで、ユーザ装置UEが他キャリアの同期ソースをモニタリングしやすくなるようにしてもよい。
また、ユーザ装置UEは、SLSSの送信周期を短くするようにしてもよい。従来のD2Dでは、SLSSの送信周期は40msであったが、例えば10msにしてもよい。また、RSUが送信するSLSSのみ、送信周期を短くするようにしてもよい。また、SLSSの送信周期において、PSBCHを送信せずにSLSSのみを送信する周期を規定してもよい。また、PSBCHを送信せずにSLSSのみを送信するサブフレームでは、SCI及びデータをパンクチャして送信可能にしてもよい。また、高い優先度のSLSS例えばGPSソース用のSLSSの送信サブフレームをサブフレームオフセットなどで設定してもよいし、送信周期を短くしてもよい。
また、ユーザ装置UEは、常に周期的にSLSSを送信するようにしてもよい。例えばGPS同期しているユーザ装置UEは常にSLSSを送信してもよいし、ユーザ装置UEがSLSSを常に周期的に送信するのか否かについて、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介して指示されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから指示されるようにしてもよい。また、SIMに予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して指示されるようにしてもよい。また,カバレッジ内であってもユーザ装置UEはカバレッジ外と同様に動作してもよい(ただし一部の無線パラメータは基地局eNBから設定され、同期ソースとして基地局eNBの同期信号を利用してもよい)し、カバレッジ外でのSLSS送信条件としてD2D信号の受信レベルの閾値を用いない(例えばマイナス無限大の閾値を設定する)ことでMeasurementなしで常にSLSSを送信させてもよい。
また、SLSS及び/又はPSBCHの送信電力を他のチャネル・信号に対して高くする(ブーストする)ことで同期精度を高めても良い。
(基地局の指示による優先度判定及びカバレッジ外のユーザ装置への反映方法)
現在、3GPPでは、基地局eNBは、カバレッジ内のユーザ装置UEに対して、GPSを同期ソースとして優先的に用いるのか、SSを同期ソースとして優先的に用いるのかの優先度を指示可能にすることが提案されている。GPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示された場合、ユーザ装置UEは基本的にGPSを同期ソースに利用し、SSを同期ソースとして優先的に用いるように指示された場合、ユーザ装置UEは基本的にSSを同期ソースに利用するように動作する。また、これまでに説明した動作例に従うと、GPSを同期ソースとして利用するユーザ装置UEはSLSS(GPS sync.)を送信し、SSを同期ソースとして利用するユーザ装置UEはSLSS(NW sync.)をカバレッジ外に向けて送信することになる。
ここで、上述の基地局eNBの優先度の指示は、カバレッジ外のユーザ装置UEにも反映させるのが望ましいと考えられる。具体的には、GPS信号のエリア外かつカバレッジ外のユーザ装置UEがSLSS(GPS sync.)及びSLSS(NW sync.)の両方を受信した場合、当該ユーザ装置UEは、カバレッジ内で基地局eNBが指示している同期ソースに対応するSLSSと同期することが望ましいと考えられる。しかしながら、カバレッジ外のユーザ装置UEは、基地局eNBからの優先度の指示を直接受信することができないため、カバレッジ外のユーザ装置UEはどちらのSLSSと同期すべきかを判断することができない。
これまでに説明した処理手順では、ユーザ装置UEは、カバレッジ外で複数のSLSSを受信した場合、優先度情報に基づいてどのSLSSと同期すべきなのかを選択するようにしていた。つまり、基地局eNBからの優先度の指示を優先度情報にも反映させることで、これまでに説明した処理手順をそのまま用いて解決できるとも考えられる。しかしながら、基地局eNBからの優先度の指示が変更された場合、優先度情報との不一致が発生する可能性があり、カバレッジ外のユーザ装置UEに、基地局eNBからの優先度の指示を適切に反映させることができない可能性がある。
カバレッジ外のユーザ装置UEに対しても、基地局eNBからの優先度の指示を適切に反映させるために、本無線通信システムでは、以下に説明する処理手順を用いるようにしてもよい。
[概要]
本処理手順では、SLSSの種別ごとの優先度(優先順位)を予め規定しておき、カバレッジ内のユーザ装置UEは、基地局eNBからの優先度の指示と自身が同期している同期ソースとに基づいて、基地局eNBからの指示に応じた優先度の種別のSLSSを送信するようにする。また、カバレッジ内のユーザ装置UEは、基地局eNBからの優先度の指示が切り替わった場合、基地局eNBからの指示に応じた優先度の種別のSLSSを送信するように切替える。カバレッジ外で複数のSLSSを受信したユーザ装置UEは、予め規定されたSLSSの種別間の優先度に従って、どのSLSSと同期すべきなのかを判断する。これにより、カバレッジ外のユーザ装置UEに、基地局eNBからの優先度の指示が反映され、カバレッジ外のユーザ装置UEは、同期すべきSLSSを適切に判断することができる。
[SLSSの種別について]
本処理手順では、複数の種別のSLSSを用いるため、ユーザ装置UEは複数のSLSSの種別を識別できるようにする必要がある。そこで、本処理手順では、SLSSの種別ごとにそれぞれ異なる系列を割当てることで、SLSSの種別を識別可能にしてもよい。
また、SLSSと同時に送信されるPSBCHの中にSLSSの種別を示す識別子を含めることでSLSSを識別可能にしてもよい。当該識別子は、リザーブ領域(Reserved bits)に格納されてもよい。また、SLSSと同時に送信されるPSBCHに含まれるDFN、TDD UL−DL config、Sidelink system bandwidth設定用の領域を用いて、これらの領域に設定される値によりSLSSの種別を識別可能にしてもよい。V2Xでは、これらの領域及び従来のLTEで規定されている設定値の全部又は一部が使用されないことが想定されるため、使用されない領域及び設定値を流用することが可能である。
また、SLSSと同時に送信されるPSBCHに含まれるIn−coverage indicatorの設定値を用いて、SLSSの種別を識別可能にしてもよい。また、SLSSと同時に送信される、PSBCHとは異なる新たな物理チャネルを規定し、新たな物理チャネルに当該識別子を格納するようにしてもよい。
また、PSBCHなどSLSSと共に送信されるDM−RSの系列とSLSSの種別とを対応づけることで、SLSSの種別を識別可能にしてもよい。
本処理手順において、SLSSの種別として規定可能な数に制限はない。本処理手順の説明においては、ユーザ装置UEは、上述のいずれかの方法又は上述のいずれかの方法の組み合わせによりSLSSの種別を認識可能である前提で説明する。つまり、本処理手順の説明においても、前述したように、ユーザ装置UEが所定の種別のSLSSを送信することには、「所定の種別のSLSSに対応する系列のSLSSを送信する」こと、及び、「SLSS及びSLSSの種別に対応する情報を含むPSBCHの両方を送信すること」のいずれか又は両方を示す意味で用いる。また、ユーザ装置UEが受信したSLSSの種別を識別することには、「受信したSLSSの系列を用いてSLSSの種別を識別する」こと、及び、「SLSS及びPSBCHの両方を受信し、受信したSLSSとPSBCHに含まれる情報とを用いてSLSSの種別を識別すること」のいずれか又は両方を示す意味で用いる。
[優先度情報について]
本処理手順で用いる優先度情報には、SLSSの種別と優先度(優先順位)とが対応づけて格納される。例えば、SLSSの種別が5種類(SLSS_A〜E)である場合の優先度情報の一例を図13に示す。図13の例では、SLSS_Aの優先度が最も高く、SLSS_Eの優先度が最も低いことを示している。カバレッジ外で複数の種別のSLSSを受信したユーザ装置UEは、優先度情報を用いて、受信した各SLSSの各々の優先度を判断し、最も優先度が高いSLSSと同期を行うように動作する。
優先度情報は、図6又は図11に示す優先度情報と組み合わせてもよい。例えば、図6又は図11に示す優先度情報のうち、SLSSに関する部分を図13に示すようなSLSSの種別に置き換えてもよい。また、図6又は図11に示す優先度情報とは異なる別個の情報としてユーザ装置UEに設定され、又は図13に示すような優先度自体がユーザ装置UEを動作させるためのプログラムに処理ロジックとして組み込まれていてもよい。
[同期ソースと各SLSSの優先度との対応づけ、及び動作例]
続いて、同期ソースと各SLSSの優先度との対応づけ及び動作例について、図を用いて具体例を説明する。なお、受信側のユーザ装置UEがどのSLSSと同期するかを選択する動作については必要に応じて省略しつつ説明する。
図14A〜C、図15A〜D、図16A〜D、図17A〜E、及び図18において、「優先度1」〜「優先度5」は、各同期ソースの優先度を示すと共に、各同期ソースが、優先度情報に規定された優先度に対応する種別のSLSSに対応づけられることを示す。例えば、「優先度1」は、最も優先度の高い同期ソースであることを示すと共に、優先度1のSLSS(図13の例ではSLSS_A)に対応づけられることを示す。
「eNB(InC)」は、カバレッジ内(In Coverage)の基地局eNBから送信されるSSが同期ソースに用いられる場合を意味している。「GPS」は、GPS信号が同期ソースに用いられる場合を意味している。「isolated source」は、ユーザ装置UE内部のクロックが同期ソースに用いられる場合を意味している。
また、図14A〜C、図15A〜D、図16A〜D、図17A〜E、及び図18において、図の中に記載されていない同期ソースについては、当該同期ソースと同期しているユーザ装置UEは、SLSSを送信しないことを意図している。
図14Aの例では、「eNB(InC)」及び「GPS」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、「isolated source」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられている。
図14Aの例では、カバレッジ内(In coverage)の基地局eNBから送信されるSS又はGPS信号と同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。カバレッジ外で「優先度1」であるSLSSと「優先度2」であるSLSSの両方のSLSSを受信したユーザ装置UEは、「優先度1」に対応するSLSSと同期を行う。
図14Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。
図14Bの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。なお、図14Bの例では、図14Aとは異なり、同期ソースに「isolated source」が記載されていない。すなわち、図14Bの例では、「isolated source」と同期しているユーザ装置UEは、SLSSを送信しない。
図14Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。
図14Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内(In coverage)の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。なお、図14Cの例では、図14Bの例と異なり、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合が記載されていない。すなわち、図14Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、SSと同期しているユーザ装置UEは、SLSSを送信しない。
図15Aの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられている。
図15Aの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。カバレッジ外で「優先度1」であるSLSS、「優先度2」であるSLSS及び「優先度3」であるSLSSのうち複数のSLSSを受信したユーザ装置UEは、最も優先度が高いSLSSと同期を行う。
図15Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられている。
図15Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。
図15Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。
図15Cの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
図15Dの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられている。
図15Dの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。カバレッジ外で「優先度1」であるSLSS、「優先度2」であるSLSS及び「優先度3」であるSLSSのうち複数のSLSSを受信したユーザ装置UEは、最も優先度が高いSLSSと同期を行う。
以上、図14A〜C及び図15A〜Dを用いて、同期ソースとSLSSの種別との対応づけについて複数のバリエーションを用いて説明した。図14A〜C及び図15A〜Dの例は、同期ソースがSLSS以外である場合を例示したが、以下の例に示すように、同期ソースにSLSSを含めるようにしてもよい。
以下の説明において、「eNB(OoC)」は、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSSが同期ソースに用いられる場合を意味している。
図16Aの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」も「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。
図16Aの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図16Aの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
図16Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。
図16Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図16Bの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
図16Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられている。
図16Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図16Cの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。
図16Dの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。
図16Dの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図16Dの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
図17Aの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられている。
図17Aの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図17Aの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。
図17Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。
図17Bの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEは、「優先度1」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図17Aの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
図17Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられている。
図17Cの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図17Cの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。
図17Dの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられている。
図17Dの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図17Dの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。
図17Eの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられる。
図17Eの例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図17Eの例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。
以上、図16A〜D及び図17A〜Eを用いて、同期ソースとSLSSの種別との対応づけについて説明した。
なお、以下に示すように、GPSについても、SSと同様に、GPS信号のエリア内でGPSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSSが同期ソースに用いられる場合を規定してもよい。以下の説明において、「GPS(InC)」は、GPS信号が直接同期ソースに用いられる場合を意味しており、「GPS(OoC)」は、GPSのエリア内でGPS信号を同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSSが同期ソースに用いられる場合を意味している。
図18の例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「GPS(InC)」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられ、「GPS(OoC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「eNB(OoC)」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられる。また、「isolated source」は「優先度4」であると共に「優先度4」のSLSSの種別に対応づけられている。
図18の例では、カバレッジ内の基地局eNBから送信されるSSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、基地局eNBの指示に従って、「優先度1」又は「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。また、カバレッジ内でSSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図18の例では、「優先度1」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度4」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度2」に対応する種別のSLSSを送信する。また、GPSのエリア内でGPSを同期ソースに用いているユーザ装置UEから送信されたSLSS(図18の例では、「優先度2」である種別のSLSSと同一)と同期しているユーザ装置UEは、「優先度3」に対応する種別のSLSSを送信する。また、ユーザ装置UE内部のクロックと同期しているユーザ装置UEがSLSSを送信する場合、「優先度5」に対応する種別のSLSSを送信する。カバレッジ外で「優先度1」〜「優先度5」であるSLSSのうち複数のSLSSを受信したユーザ装置UEは、最も優先度が高いSLSSと同期を行う。
[SLSSの種別と優先度との対応関係について]
上述の説明では、図13に示すように1つの優先度に1つのSLSSの種別を対応づけるようにしたが、1つの優先度に複数のSLSSの種別を対応づけるようにしてもよい。
具体例として、「優先度1」のSLSSとして、SLSS_A及びSLSS_Bとを対応づけておき、更に、同期ソースと各SLSSの優先度との対応づけを行う際に、「eNB(InC)」を「優先度1」であるSLSSのうちSLSS_Aに対応づけて、「GPS」を「優先度1」であるSLSSのうちSLSS_Bに対応づけるようにしてもよい。同一優先度であるSLSS_A及びSLSS_Bの両方を受信したユーザ装置UEは、任意のSLSS若しくは受信品質が良好なSLSSと同期するようにしてもよい。
[基地局の指示による優先度判定をカバレッジ外のユーザ装置に反映させない方法]
図14A〜C、図15A〜D、図16A〜D、図17A〜E、及び図18の例では、基地局eNBから指示された優先度がSLSSの優先度に反映されるようにした。例えば、図15Cの例では、基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度1」であると共に「優先度1」のSLSSの種別に対応づけられ、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。つまり、GPSを同期ソースとして用いるユーザ装置UEが送信するSLSSよりも、SSを同期ソースとして用いるユーザ装置UEから送信されるSLSSの優先度が高くなる。逆に、基地局eNBがカバレッジ内でGPSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合、「eNB(InC)」は「優先度3」であると共に「優先度3」のSLSSの種別に対応づけられ、「GPS」は「優先度2」であると共に「優先度2」のSLSSの種別に対応づけられる。つまり、SSを同期ソースとして用いるユーザ装置UEが送信するSLSSよりも、GPSを同期ソースとして用いるユーザ装置UEから送信されるSLSSの優先度が高くなる。
しかしながら、カバレッジ内での同期ソースの優先度を、カバレッジ外に反映させる必要がない場合も想定される。
そこで、各同期ソースとSLSSの種類とを予め1対1に固定的に規定しておくと共に、ユーザ装置UEは、カバレッジ内で基地局eNBからの指示に従って同期ソース(SS及びGPS)の優先度を判定し、カバレッジ外では、例えば、図19Aに示す優先度情報に従って同期を行うようにしてもよい。なお、図19Aにおいて、「SLSS(GPS sync.relay)」は、SLSS(GPS sync.)を同期ソースに用いているユーザ装置UEが送信したSLSSを意図しており、「SLSS(NW sync.relay)」は、SLSS(NW sync.)を同期ソースに用いているユーザ装置UEが送信したSLSSを意図している。
これにより、仮に基地局eNBがカバレッジ内でSSを同期ソースとして優先的に用いるように指示している場合であっても、カバレッジ外のユーザ装置UEは、図19Aに従って、GPS信号又はGPSを同期ソースとして用いるユーザ装置UEから送信されるSLSS(GPS sync.又はGPS sync.relay)と同期することが可能になる。
図19Aの優先度情報は一例であり、ネットワークの運用に応じて、図19Bに示すように、簡略化された優先度情報が用いられてもよい。例えば、カバレッジ外ではSSとの同期を許容しないように運用されているキャリアでは、図19Bに示す簡略化された優先度情報が用いられるようにしてもよい。GPSが同期ソースであるSLSSとSSが同期ソースであるSLSSに同一の優先度を与えてもよい。なお、図19Bの例では、3種類の優先度グループのみが規定されている。従って、従来のLTEで規定されているSLSS系列およびPSBCH内の識別子を用いた3種類の優先度グループをそのまま流用することも可能であるし、それ以上の識別能力をもたせた場合であっても、不要な優先度を規定しないことでSLSS及び/又はPSBCHの受信レベル、及び/又は品質に応じた適切な同期ソース選択を確実にすることができる。
以上、基地局の指示による優先度判定及びカバレッジ外のユーザ装置への反映方法について説明した。
(SLSSが送信されるサブフレームについて)
ユーザ装置UEは、同期ソースが異なるSLSSを同一のサブフレームで送信するようにしてもよい。図20Aの例は、GPSを同期ソースとするSLSSと、SSを同期ソースとするSLSSとが同一のサブフレームで送信される場合を図示している。なお、同一サブフレームで複数のSLSSを受信したユーザ装置UEがそれぞれのSLSSを識別可能にするため、SLID(SLSSID)は異なる値である必要がある。SLIDの値は基地局eNBからユーザ装置UEに設定(configure)されるようにしてもよい。
また、ユーザ装置UEは、同期ソースが異なるSLSSを、同期ソースに応じて予め異なる値に設定されたオフセット値に従い、異なるサブフレームで送信するようにしてもよい。図20Bの例は、GPSを同期ソースとするSLSSと、SSを同期ソースとするSLSSとが異なるサブフレームで送信される場合を図示している。オフセット値は基地局eNBからユーザ装置UEに設定(configure)されるようにしてもよい。
(複数キャリア運用時のSLSS同期)
複数キャリアを用いてD2D通信が行なわれる場合、キャリア間の同期優先度を規定して、例えば特定のキャリアが優先的に同期ソースとして用いられるようにしてもよい。すなわち、優先度が高いキャリアに、上記のキャリア内での優先度(図13〜図18を用いて説明した処理手順)を適用して同期動作を行う。この同期リファレンスは同期信号が受信されたキャリア以外(例えば予め設定された同期キャリアリストに含まれるキャリア)にも適用される。このような動作により、全キャリアでの同期ソースのサーチが不要になり、かつキャリア間同期が実現される。
<機能構成>
以上説明した実施の形態の動作を実行するユーザ装置UEと基地局eNBとの機能構成例を説明する。
(ユーザ装置)
図21は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。図21に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部101と、信号受信部102と、外部同期ソース信号受信部103と、同期処理部104と、指示部105とを有する。なお、図21は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図21に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
信号送信部101は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。また、信号送信部101は、D2D信号の送信機能とセルラー通信の送信機能を有する。また、信号送信部101は、指示部105からの指示に基づき、他のユーザ装置UEに向けてSLSS及びPSBCHを送信する機能を有する。
また、信号送信部101は、無線リソース割当情報に基づき、ユーザ装置UE自身の種別がRSUである場合、RSUがD2D信号を送信可能な期間でD2D信号を送信し、ユーザ装置UE自身の種別がRSU以外のユーザ装置UEである場合は、RSU以外のユーザ装置UEがD2D信号を送信可能な期間でD2D信号を送信するようにしてもよい。
また、信号送信部101は、同期処理部104が同期している同期ソースに対応する優先度のSLSSを送信する機能を有する。例えば、信号送信部101は、同期処理部104が外部同期ソースの信号と同期している場合は、外部同期ソースに対応する優先度のSLSSを送信し、同期処理部104がSSと同期している場合は、SSに対応する優先度のSLSSを送信するようにしてもよい。
信号受信部102は、他のユーザ装置UE又は基地局eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。また、信号受信部102は、D2D信号の受信機能とセルラー通信の受信機能を有する。また、信号受信部102は、同期処理を行う際に用いる各種情報(優先度情報、同期情報、SLSSの種別を示す識別子、PSBCHに含める情報、無線リソース割当情報、送信許可情報等)を基地局eNBから受信する機能を含む。
外部同期ソース信号受信部103は、外部同期ソースの信号(GPS信号等)を受信する。また、外部同期ソース信号受信部103は、PPSを生成して出力する機能を有してもよい。
同期処理部104は、外部同期ソースの信号、SS又はSLSSを用いて無線フレーム及び周波数同期を行う。また、同期処理部104は、優先度情報に従い、外部同期ソースの信号、SS又はSLSSのうちいずれか1つを用いて同期を行うようにしてもよい。
また、同期処理部104は、複数のセルのうち、無線フレーム及び周波数の同期に用いることが許可されているセルで送信されるSSを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。また、同期処理部104は、外部同期ソースの信号を用いた無線フレーム及び周波数の同期を行うことが許可されている場合に外部同期ソースの信号を用いた無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。
また、同期処理部104は、基地局からの指示に基づいて、外部同期ソースの信号又はSSを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行う機能を有する。また、同期処理部104は、外部同期ソースを受信可能なエリア外及び基地局のカバレッジ外では、複数の種別のSLSSの優先順位を示す優先度情報に従い(又は、複数の種別のSLSSの優先度に従い)、信号受信部102で受信された複数の種別のSLSSのうち、優先度の高い種別のSLSSを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。また、同期処理部104は、信号受信部102で受信された複数の種別のSLSSのうち、受信品質(例えば、DM−RSの受信品質)が所定の閾値以上であるSLSSを選択し、選択したSLSSのうち、優先度の高い種別のSLSSを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。
指示部105は、所定の条件を満たす場合に、他のユーザ装置UEに向けてSLSSを送信するように信号送信部101に指示する機能を有する。なお、指示部105は、信号受信部102により受信された他のユーザ装置UEからのSLSSが、SLSS(No sync.)である場合であり、かつ、同期処理部104が外部同期ソースの信号又はSSのいずれか1つを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行っている場合、SLSS(外部同期ソースと同期)又はSLSS(NW sync.)を送信するように信号送信部101に指示するようにしてもよい。
また、指示部105は、ユーザ装置UEの種別とSLSSの送信可否とを対応づける送信許可情報と、ユーザ装置UE自身の種別とを比較し、SLSSの送信が許可されていると判断した場合にSLSSを送信するように信号送信部101に指示してもよい。例えば、指示部105は、ユーザ装置UE自身の種別がRSUである場合に限り、SLSSを送信するように信号送信部101に指示してもよい。
なお、指示部105は信号送信部101に含まれるようにしてもよいし、外部同期ソース信号受信部103は信号受信部102に含まれるようにしてもよい。
(基地局)
図22は、実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。図22に示すように、基地局eNBは、信号送信部201と、信号受信部202と、通知部203とを有する。なお、図22は、基地局eNBにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図22に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
信号送信部201は、基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、ユーザ装置UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。
通知部203は、ユーザ装置UEが同期処理を行う際に用いる各種情報(優先度情報、同期情報、SLSSの種別を示す識別子、PSBCHに含める情報、無線リソース割当情報、送信許可情報等)を、RRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介してユーザ装置UEに通知する。また、通知部203は、カバレッジ内のユーザ装置UEに対して、GPSを同期ソースとして優先的に用いるのか、SSを同期ソースとして優先的に用いるのかの優先度を指示する。
以上説明したユーザ装置UE及び基地局eNBの機能構成は、全体をハードウェア回路(例えば、1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
(ユーザ装置)
図23は、実施の形態に係るユーザ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図23は、図21よりも実装例に近い構成を示している。図21に示すように、ユーザ装置UEは、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール301と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール302と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール303と、SIMカードにアクセスするインタフェースであるSIMスロット304と、外部同期ソース信号を受信する外部同期ソース信号受信モジュール305とを有する。
REモジュール301は、BB処理モジュール302から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital-to-Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール302に渡す。REモジュール301は、例えば、図21の信号送信部101及び信号受信部102の一部を含む。
BB処理モジュール302は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)312は、BB処理モジュール302における信号処理を行うプロセッサである。メモリ322は、DSP312のワークエリアとして使用される。REモジュール301は、例えば、図21の信号送信部101の一部、信号受信部102の一部及び同期処理部104を含む。
装置制御モジュール303は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ313は、装置制御モジュール303が行う処理を行うプロセッサである。メモリ323は、プロセッサ313のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ313は、SIMスロット304を介してSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。装置制御モジュール303は、例えば、図21の指示部105を含む。
外部同期ソース信号受信モジュール305は、GPS信号を受信し、受信したGPS信号の復調等を行う。また、外部同期ソース信号受信モジュール305は、図21の外部同期ソース信号受信部103を含む。
(基地局)
図24は、実施の形態に係る基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。図24は、図22よりも実装例に近い構成を示している。図24に示すように、基地局eNBは、無線信号に関する処理を行うREモジュール401と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール402と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール403と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF404とを有する。
REモジュール401は、BB処理モジュール402から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール402に渡す。REモジュール401は、例えば、図22に示す信号送信部201及び信号受信部202の一部を含む。
BB処理モジュール402は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP412は、BB処理モジュール402における信号処理を行うプロセッサである。メモリ422は、DSP412のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール402は、例えば、図22に示す信号送信部201の一部、信号受信部202の一部及び通知部203の一部を含む。
装置制御モジュール403は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM(Operation and Maintenance)処理等を行う。プロセッサ413は、装置制御モジュール403が行う処理を行うプロセッサである。メモリ423は、プロセッサ413のワークエリアとして使用される。補助記憶装置433は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。装置制御モジュール403は、例えば、図22に示す通知部203の一部を含む。
<まとめ>
以上説明した実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、外部同期ソースの信号、基地局から送信された同期信号、又は他のユーザ装置から送信された同期信号を受信する受信部と、同期に用いる信号の優先順位を示す優先度情報に従い、前記受信部で受信された外部同期ソースの信号、前記基地局から送信された同期信号、又は前記他のユーザ装置から送信された同期信号のうちいずれか1つを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行う同期処理部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEにより、D2D通信において外部同期ソースを用いた同期処理を可能にする技術が提供される。
また、D2D信号を送信する送信部であって、前記受信部により受信された前記他のユーザ装置からの同期信号が外部同期ソースの信号又は前記基地局から送信された同期信号とは同期されていないことを示す同期信号であり、かつ、前記同期処理部が前記受信部で受信された外部同期ソースの信号又は前記基地局から送信された同期信号のいずれか1つを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行っている場合、外部同期ソースの信号又は前記基地局から送信された同期信号と同期されていることを示す同期信号を送信する送信部を有するユーザ装置UEを提供するようにしてもよい。これにより、SLSS(No sync.)を送信しているユーザ装置UEは、SLSS(外部同期ソースと同期)又はSLSS(NW sync.)と同期することができ、同期精度を高めることができる。すなわち、無線通信システム内の各ユーザ装置UEに、高精度な同期状態がリレーされることになる。
前記送信部は、当該ユーザ装置の種別がRSUである場合に同期信号を送信し、当該ユーザ装置の種別がRSU以外である場合は同期信号を送信しないようにしてもよい。これにより、精度の高い同期信号の送信が可能なRSUのみが同期信号を送信することになり、無線通信システム全体で同期精度を高めることが可能になる。
また、前記送信部は、外部同期ソースの信号に含まれる時刻と、D2D信号を送信可能な無線リソースのうちRSUがD2D信号を送信可能な第一の期間及びRSU以外のユーザ装置がD2D信号を送信可能な第二の期間とを対応づける無線リソース割当情報に基づき、当該ユーザ装置の種別がRSUである場合は前記第一の期間でD2D信号を送信し、当該ユーザ装置の種別がRSU以外である場合は前記第二の期間でD2D信号を送信するようにしてもよい。これにより、重要度が高い信号を送信する可能性があるRSUで用いられる無線リソースを分離することができ、重要度の高い信号が他の信号と干渉する可能性を軽減することができる。
また、前記受信部は、複数のセルごとに送信される複数の同期信号を受信し、前記同期処理部は、前記複数のセルのうち、無線フレーム及び周波数の同期に用いることが許可されているセルで送信される同期信号を用いて無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。これにより、例えば、V2X通信のみを許容するようなセルが設けられた場合に、外部同期ソースと同期していない状態で運用されているセルの同期信号が、誤って同期に用いられてしまう可能性を排除することができる。
また、前記同期処理部は、外部同期ソースの信号を用いた無線フレーム及び周波数の同期を行うことが許可されている場合に外部同期ソースの信号を用いた無線フレーム及び周波数の同期を行うようにしてもよい。これにより、例えばGPSの利用が許可されていないような特定の地域において、ユーザ装置UEは、外部同期ソースによる同期を行わないようにすることが可能になる。
また、以上説明した実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、外部同期ソースの信号、基地局から送信された同期信号、又は他のユーザ装置から送信された複数の種別の同期信号を受信する受信部と、前記基地局のカバレッジ内では、前記基地局からの指示に基づいて、前記受信部で受信された外部同期ソースの信号又は基地局から送信された同期信号を用いて無線フレーム及び周波数の同期を行い、前記外部同期ソースのエリア外及び前記基地局のカバレッジ外では、前記複数の種別の同期信号の優先順位を示す優先度情報に従い、前記受信部で受信された複数の種別の同期信号のうち、優先度の高い種別の同期信号を用いて無線フレーム及び周波数の同期を行う同期処理部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEにより、D2D通信において外部同期ソースを用いた同期処理を可能にする技術が提供される。
また、他のユーザ装置に向けて同期信号を送信する送信部を有し、前記送信部は、前記同期処理部が外部同期ソースの信号と同期している場合は、外部同期ソースに対応する優先順位の同期信号を送信し、前記同期処理部が基地局から送信された同期信号の信号と同期している場合は、基地局から送信された同期信号に対応する優先順位の同期信号を送信するようにしてもよい。これにより、カバレッジ内で基地局eNBが行った優先度の指示(SSと同期すべきなのか、又は、外部同期ソースと同期すべきなのかの指示)を、カバレッジ外のユーザ装置UEにも反映させることが可能になる。
また、以上説明した実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置が行う信号同期方法であって、外部同期ソースの信号、基地局から送信された同期信号、又は他のユーザ装置から送信された同期信号を受信する受信ステップと、同期に用いる信号の優先順位を示す優先度情報に従い、外部同期ソースの信号、前記基地局から送信された同期信号、又は前記他のユーザ装置から送信された同期信号のうちいずれか1つを用いて無線フレーム及び周波数の同期を行う同期ステップと、を有する信号同期方法が提供される。この信号同期方法により、D2D通信において外部同期ソースを用いた同期処理を可能にする技術が提供される。
<実施形態の補足>
なお、各SLSSの種別を系列で識別可能にする場合、ユーザ装置UEはPSBCHを送信しないようにしてもよい。
無線フレームの同期は、時間同期(Time Synchronization)と呼んでもよい。
以上実施の形態の説明で用いた物理チャネル名はあくまで一例であり、本実施の形態は他の物理チャネルにも適用可能である。
D2D信号、RRC信号及び制御信号は、それぞれD2Dメッセージ、RRCメッセージ及び制御メッセージであってもよい。
方法の請求項は、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、請求項の中で明記していない限り、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明の実施の形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、UWB(Ultra-Wideband)、Bluetooth(登録商標)および/または他の適切なシステムを利用するシステムに拡張され得る。
以上、本発明の実施の形態で説明する各装置(ユーザ装置UE/基地局eNB)の構成は、CPUとメモリを備える当該装置において、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置UE及び基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
なお、各実施の形態において、SLSS(No sync.)は「外部同期ソースの信号又は前記基地局から送信された同期信号とは同期されていないことを示す同期信号」の一例である。SLSS(GPS sync.)又はSLSS(NW sync.)は、「外部同期ソースの信号又は前記基地局から送信された同期信号と同期されていることを示す同期信号」の一例である。
本特許出願は2015年8月13日に出願した日本国特許出願第2015−159989号、及び、2015年11月5日に出願した日本国特許出願第2015−218010号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−159989号、及び、日本国特許出願第2015−218010号の全内容を本願に援用する。