JP6447366B2 - 球状酸化亜鉛粒子、その製造方法及びそれを用いたプラズモンセンサーチップ - Google Patents
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1.ドーパントを含有する球状酸化亜鉛粒子であって、前記ドーパントがガリウム、ユーロピウム、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ニオブ、イッテルビウム及びインジウムからなる群より選ばれるドーパントであり、前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部の前記ドーパントの平均含有率よりも高く、かつ前記表面部の前記ドーパントの平均含有率が、0.5〜15モル%の範囲内であることを特徴とする球状酸化亜鉛粒子。
本発明の実施形態に係る球状酸化亜鉛粒子は、ドーパントを含有する球状酸化亜鉛粒子であって、前記ドーパントがガリウム、ユーロピウム、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ニオブ、イッテルビウム及びインジウムからなる群より選ばれるドーパントであり、前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部の前記ドーパンのト平均含有率よりも高く、かつ前記表面部の前記ドーパントの平均含有率が、0.5〜15モル%の範囲内であることを特徴とする。この球状酸化亜鉛粒子は、プラズモン共鳴強度が高く、感度の高いプラズモンセンサーチップの実現に有用である。
図1(a)に示すとおり、本発明の実施形態に係る球状酸化亜鉛粒子は、最表面から深さ10nmまでの表面部2の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部3の前記ドーパントの平均含有率よりも高く、かつ前記表面部2の前記ドーパントの平均含有率が、0.5〜15モル%の範囲内である。
図2は本発明の実施形態に係る球状酸化亜鉛粒子中のドーパントの濃度を模式的に示すグラフである。横軸は球状酸化亜鉛粒子中の粒子中心から最表面までの距離を示しており、縦軸はドーパント濃度を示している。
球状酸化亜鉛粒子は、ガリウム(Ga)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ニオブ(Nb)、イッテルビウム(Yb)及びインジウム(In)からなる群より選ばれるドーパントを含有する球状酸化亜鉛粒子である。金属を用いたSPRセンサーとは異なり、バンドギャップが大きい半導体である酸化亜鉛にこの上記のようなドーパントをドープすることにより、キャリア数を制御することができ、可視から赤外領域にわたるプラズモン共鳴波長の制御を可能とすることができる。このような制御は、ドープする金属元素の種類及びその含有率などで行うことができる。
本実施形態の球状酸化亜鉛粒子は、平均粒子径が、50〜5000nmの範囲内であり、粒子径分布の変動係数が1.0〜10%の範囲内であることが好ましい。このような範囲とすることで、プラズモン共鳴周波数における吸収強度を高めることができる。
なお、上記粒子径、分布等の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
本実施形態の球状酸化亜鉛粒子の製造方法は、亜鉛水溶液と前記ドーパントの水溶液と尿素類水溶液とを混合して亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する工程と、当該亜鉛系化合物前駆体粒子を焼成する工程(焼成工程ともいう。)とを有しており、望ましくは、以下に説明するように、「原料液調製工程」、「亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する工程」、「固液分離工程」及び「亜鉛系化合物前駆体粒子を焼成する工程」の四つの工程からなる。「亜鉛系化合物前駆体粒子を焼成する工程」にはさらに「コア層形成工程」と「シェル層形成工程」を含むことが好ましい。
原料液調製工程は、原料である亜鉛水溶液とドーパントの水溶液と尿素類水溶液とを調製する工程である。
尿素類水溶液調製工程は、所定の濃度の尿素類水溶液を調製する工程である。
ドーパントの水溶液調製工程は、ガリウム(Ga)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ニオブ(Nb)、イッテルビウム(Yb)及びインジウム(In)からなる群より選ばれるドーパントを含有する水溶液である、ドーパントの水溶液を調製する工程である。
亜鉛水溶液調製工程は、亜鉛元素を含有する水溶液を調製する工程である。亜鉛元素を含有する水溶液を調製するために用いることができる亜鉛の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない球状酸化亜鉛粒子を製造することができる。
亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する工程では、前記ドーパントの水溶液と亜鉛水溶液と尿素類水溶液とを混合して、前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部の前記ドーパントの平均含有率よりも高い球状酸化亜鉛粒子の、亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する。本実施形態の球状酸化亜鉛粒子の製造方法は(i)コア層形成工程と(ii)シェル層形成工程を有することが好ましい。
コア層形成工程はでは、まず、亜鉛水溶液と、必要に応じガリウム、ユーロピウム、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ニオブ、イッテルビウム及びインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類のドーパントの水溶液に尿素類水溶液を添加して、塩基性炭酸塩を分散させた分散溶液を調製する。
シェル層の形成においては、液相において、コア層を形成後、シェル層形成工程において、前記ドーパントの水溶液を用いてコア層より前記ドーパントの平均含有率が高いシェル層を形成することが好ましい。このとき、コア層を形成後、一旦、後述する固液分離工程を経て形成した塩基性炭酸塩の粒子を、尿素類水溶液、亜鉛水溶液及びドーパントの水溶液を加えた反応液中で、図2(a)や図2(b)に示すような階段状にドーパント濃度が変化した球状酸化亜鉛粒子を形成することができる。
加熱・撹拌した後、生成した沈殿(球状酸化亜鉛粒子微粒子の前駆体)を溶液と分離する固液分離を行う。固液分離の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により球状酸化亜鉛粒子の前駆体を得ることができる。
焼成する工程(焼成工程ともいう。)は、固液分離工程により得られた球状酸化亜鉛粒子の前駆体を空気中又は酸化性雰囲気中で、200℃以上で焼成する。焼成された球状酸化亜鉛粒子の前駆体は、酸化物となり、ドーパントを含有する球状酸化亜鉛粒子となる。好ましくは、焼成温度は300〜600℃の範囲内である。
本実施形態のプラズモンセンサーチップは、上述した球状酸化亜鉛粒子を含有する検出部及び基板を有する。球状酸化亜鉛粒子は、プラズモンセンサーにおいて、プラズモン共鳴を生じるチップとして用いられる。
プラズモンセンサーチップに用いられる基材は、可視光から赤外領域に透明で高屈折率であることが好ましい。基材の屈折率は、1.3〜4.0の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1.4〜3.0である。例えば、ガラス、樹脂が好ましく用いられる。
球状酸化亜鉛粒子を含有する層を検出部として基材上に形成することができる。球状酸化亜鉛粒子を含有する層の形成方法は種々な方法をとりうる。例えば、スプレーコーティング、インクジェットコーティング、ディスペンサーコーティング、スリットコーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、ディップコーティングなどを用いることができる。
《球状酸化亜鉛粒子1の作製》
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(4) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(5) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(6) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(7) 0.006mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(6)と純水を加えて9Lとした。
(8) 上記(7)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(5)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(9) 上記(8)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(10) 上記(9)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(a)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子1を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(4) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(5) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(6) 1.13mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(7) 0.14mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(6)と純水を加えて9Lとした。
(8) 上記(7)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(5)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(9) 上記(8)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(10) 上記(9)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(a)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子2を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(4) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(5) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(6) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(7) 0.17mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(6)と純水を加えて9Lとした。
(8) 上記(7)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(5)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(9) 上記(8)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(10) 上記(9)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(a)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子3を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(4) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(5) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(6) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(7) 0.20mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(6)と純水を加えて9Lとした。
(8) 上記(7)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、(5)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(9) 上記(8)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(10) 上記(9)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(a)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子4を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 0.05mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(2)と純水を加えて9Lとした。
(4) 上記(3)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(5) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(6) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(7) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(8) 0.17mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(7)と純水を加えて9Lとした。
(9) 上記(8)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(6)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(10) 上記(9)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(11) 上記(10)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(b)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子5を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.00L用意した。
(2) 0.012mol/Lの硝酸ガリウム水溶液を500mL用意した。
(3) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに上記(2)と純水を加えて9Lとした。
(4) 上記(3)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(5) 上記(4)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(6) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(7) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(8) 0.17mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(7)と純水を加えて9Lとした。
(9) 上記(8)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(6)で調製した尿素と上記(5)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(10) 上記(9)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(11) 上記(10)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(b)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子6を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて8Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃まで加熱した。
(4) 上記(3)の分散溶液に、0.32mol/Lの硝酸亜鉛水溶液と0.25mol/Lの尿素水溶液をそれぞれ10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(5) 60分添加した後、0.05mol/Lの硝酸ガリウム水溶液と0.25mol/Lの尿素水溶液をそれぞれ10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら60分添加した。
(6) 上記(5)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 上記(6)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(e)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子7を得た。
球状酸化亜鉛粒子2の作製において、Gaを表1に記載のドーパントに変え、同濃度のドーパントの硝酸水溶液を用いてそれぞれ作製した。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.14mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて8Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃まで加熱した。
(4) 上記(3)の分散溶液に、0.15mol/Lの硝酸ガリウム水溶液と0.25mol/Lの尿素水溶液をそれぞれ10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら120分添加した。
(5) 上記(4)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(6) 上記(5)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して、図2(g)に示すタイプのプロファイルを持つ球状酸化亜鉛粒子17を得た。
(1) 2.10mol/Lの尿素水溶液を1.00L用意した。
(2) 0.15mol/Lの硝酸ガリウム水溶液を500mL用意した。
(3) 1.0mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて8.5Lとした。
(4) 上記(3)で調製した硝酸亜鉛水溶液を90℃まで加熱した。
(5) 上記(4)で加熱した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で用意した尿素水溶液と(2)で用意した硝酸ガリウム水溶液を添加し、1時間加熱・撹拌した。
(6) 上記(5)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 上記(6)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して球状酸化亜鉛粒子18を得た。
(1) 2.10mol/Lの尿素水溶液を1.00L用意した。
(2) 0.0045mol/Lの硝酸ガリウム水溶液を500mL用意した。
(3) 0.90mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて8.5Lとした。
(4) 上記(3)で調製した硝酸亜鉛水溶液を90℃まで加熱した。
(5) 上記(4)で加熱した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で用意した尿素水溶液と(2)
で用意した硝酸ガリウム水溶液を添加し、1時間加熱・撹拌した。
(6) 上記(5)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 上記(6)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して球状酸化亜鉛粒子19を得た。
(1) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2) 1.00mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに純水を加えて9Lとした。
(3) 上記(2)で調製した硝酸亜鉛水溶液に、上記(1)で調製した尿素を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(4) 上記(3)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子をメンブランフィルターで分離した。
(5) 2.52mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(6) 1.12mol/Lの硝酸亜鉛水溶液500mL用意した。
(7) 0.23mol/Lの硝酸ガリウム水溶液500mLに上記(6)と純水を加えて9Lとした。
(8) 上記(7)で調製した硝酸ガリウム水溶液に、上記(5)で調製した尿素と上記(4)で得られた粒子を添加し、90℃60分で加熱撹拌した。
(9) 上記(8)で加熱・撹拌した混合液中に析出した粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(10) 上記(9)で分離した粒子の前駆体を400℃で焼成して球状酸化亜鉛粒子20を得た。
球状酸化亜鉛粒子の評価として、ドーパントの平均含有率、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)アスペクト比及びプラズモン強度評価を行った。
粒子100個の走査型顕微鏡写真(SEM像)から平均粒子径及び粒子径分布の変動係数を求めた。100個の粒子について、撮影した粒子画像と等しい面積を有する円の直径を測長し、粒子の平均粒子径を求めた。粒子径分布変動係数は下記の式で求めた。
〈プラズモン強度評価〉
プラズモン強度評価は、赤外線センサーを作製し、プラズモン強度とプラズモン強度の入射光角度依存性を評価した。
各球状酸化亜鉛粒子をランダムに5個採取して、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出した。切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、5個の平均値からコア・シェル構造を有する球状酸化亜鉛粒子のコアとシェルのドーパント含有率を測定した。
各球状酸化亜鉛粒子について、走査型顕微鏡写真の撮影を行い、球状酸化亜鉛粒子100個を無作為に選択し、選択された各粒子の長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求めた。なお、各粒子について外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径とし、最長の長辺の長さを長径とした。
FT−IR装置(日本分光社製 FTIR−6000)を用いて水のプラズモン共鳴スペクトルを測定し、水分子のOH基の吸収である波長1500nmの吸収値を求めた。表の数値は1.00が最大で、大きい値であることがプラズモン共鳴強度が高いことを示している。
2 最表面から深さ10nmまでの表面部
3 最表面から10nmより内部
4 コア層
5 シェル層
6 濃度勾配を有する層
11 プラズモンセンサー
12 基板
13 球状酸化亜鉛粒子を含有する検出部
14 プラズモンセンサーチップ
15 光学プリズム
16 光源
17 偏光板
18 取付け部
19 被検物
20 受光部
θ1 入射角
θ2 反射角
Claims (9)
- ドーパントを含有する球状酸化亜鉛粒子であって、前記ドーパントがガリウム、ユーロピウム、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ニオブ、イッテルビウム及びインジウムからなる群より選ばれるドーパントであり、前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部の前記ドーパントの平均含有率よりも高く、かつ前記表面部の前記ドーパントの平均含有率が、0.5〜15モル%の範囲内であることを特徴とする球状酸化亜鉛粒子。
- 前記球状酸化亜鉛粒子がコア層及びシェル層からなるコア・シェル構造を有し、当該ドーパントのシェル層における平均含有率がコア層における平均含有率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の球状酸化亜鉛粒子。
- 前記球状酸化亜鉛粒子における前記ドーパントの濃度が、球状酸化亜鉛粒子の中心から表面に向かって高くなる濃度勾配を有する層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の球状酸化亜鉛粒子。
- 前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、11〜13モル%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の球状酸化亜鉛粒子。
- 前記コア層における前記ドーパントの平均含有率が、0〜5モル%の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の球状酸化亜鉛粒子。
- 平均粒子径が50〜5000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の球状酸化亜鉛粒子。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の球状酸化亜鉛粒子を製造する球状酸化亜鉛粒子の製造方法であって、
前記ドーパントの水溶液と亜鉛水溶液と尿素類水溶液とを混合して、前記球状酸化亜鉛粒子の最表面から深さ10nmまでの表面部の前記ドーパントの平均含有率が、前記最表面から10nmより内部の前記ドーパントの平均含有率よりも高い球状酸化亜鉛粒子の、亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する工程と
前記亜鉛系化合物前駆体粒子を焼成して球状酸化亜鉛粒子を得る工程と、を有することを特徴とする球状酸化亜鉛粒子の製造方法。 - 前記亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する工程において、ドーパントの水溶液を尿素類水溶液と、亜鉛水溶液又はドーパントの水溶液の少なくともいずれかが混合した液に連続添加し、球状酸化亜鉛粒子の中心から表面に向かって高くなる濃度勾配を有する層を形成することを特徴とする請求項7に記載の球状酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の球状酸化亜鉛粒子を含有する検出部及び基板を有することを特徴とするとするプラズモンセンサーチップ。
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