(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る運行監視システム5を説明するための図である。運行監視システム5は、バス1の運転手4に携帯される端末装置10、運行監視センタ2に設置される管理装置20を備える。端末装置10と管理装置20は、業務用無線の携帯型簡易無線機と、基地局無線機に接続されたPCとで構成できる。また端末装置10と管理装置20は、スマートフォン、フィーチャーフォン等の一般的な携帯端末装置と、IP網に接続されたPCとで構成されてもよい。端末装置10はGPS衛星3から電波を受信する機能を備える。
図2は、実施の形態1に係る端末装置10の構成を示す図である。端末装置10は制御部11、記憶部12、GPS受信部13、加速度検出部14及び通信部15を備える。制御部11はデータ取得部111、判定部112及び異常通知部113を含む。図2の制御部11の機能ブロックには、実施の形態1で注目する処理に関連する機能ブロックのみを描いている。制御部11の機能はハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
記憶部12は不揮発性半導体メモリ等の記憶媒体を備える。実施の形態1では記憶部12は参照データ保持部121を含む。図2の記憶部12の機能ブロックにも、実施の形態1で注目する処理に関連する機能ブロックのみを描いている。
GPS受信部13は、GPS衛星3からの電波を受信して位置情報を生成し、制御部11に出力する。具体的には複数のGPS衛星3からの電波を受信し、複数の電波に含まれる時刻情報をもとに緯度経度を算出し、位置情報として制御部11に出力する。なおGPS受信部13による端末装置10の測位は一例であり、GPSセンサ以外の測位センサを使用して端末装置10を測位してもよい。例えば、信号機などの路側機から電波が送出されるシステムが構築されている状況であれば、路側機から受信した電波をもとに測位できる。
またGPS受信部13は、端末装置10の本体から分離されたユニット部材で構成されてもよい。その場合、GPS受信部13を構成するユニット部材を運転手4が携帯していれば、端末装置10の本体は車両内の特定の位置に固定されていてもよい。その場合、GPS受信部13と端末装置10間は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で接続される。
加速度検出部14は、2軸または3軸の加速度センサを備える。端末装置10の姿勢が固定された状態で運転手4に携帯されている場合は2軸の加速度センサでもよいが、端末装置10の姿勢が変動する場合は3軸の加速度センサを使用する。3軸の加速度センサを使用すれば端末装置10の姿勢を推定できる。即ちZ軸の出力値に応じてX軸およびY軸の出力値を補正できる。加速度検出部14は、検出した加速度信号を加速度情報として制御部11に出力する。なお実施の形態1では加速度検出部14は必須要素ではなく省略可能である。実施の形態2では加速度検出部14は必須要素となる。
参照データ保持部121は、バス1がカーブするときの車両内の基準位置の移動軌跡データを記憶している。当該基準位置は例えば、運転席の位置に設定される。バス1がカーブするときの車両内の基準位置の移動軌跡データは、実験やシミュレーションに基づき予め生成されたデータであり、少なくとも前進右折又は前進左折時の移動軌跡データが準備される。なお右折および左折とも約90度の旋回を伴うカーブ時の移動軌跡データが準備される。また必要に応じて、後進右折および後進左折時の移動軌跡データが準備されてもよい。なお、上記実験は、バス1の運行ルートが予め分かっている場合は、その運行ルートにおいて行うことで、より有効な移動軌跡データを得られる。また、上記シミュレーションは、バス1の運行ルートの道幅や、バス1が右左折する交差点の状況(交差点の角の削られ具合等)を用いることで、より有効な移動軌跡データを得られる。
データ取得部111は、運転手4に付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。判定部112は、取得した位置情報に基づき運転手4がいる位置(以下適宜、運転手位置という)の移動軌跡データを生成する。特にバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データの生成は必須である。判定部112は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データと、参照データ保持部121に保持されたバス1がカーブするときの基準位置(実施の形態1では運転席位置)の移動軌跡データを比較する。この比較結果に応じて判定部112は、車両内における運転手位置を判定できる。具体的には車両内の基準位置の移動軌跡と運転手位置の移動軌跡の乖離度合いにより、運転手4が運転席に着席しているか否かを判定できる。両者の乖離度合いが設定値より大きい場合、運転手4が運転席に着席していないと判定できる。
なお、通常、バスが移動している時は運転手4は運転席に着席しているいるため、運転手4が運転席に着席していない場合は、車両内で異常が発生していると推定する。判定部112により運転手4が運転席に着席していないと判定された場合、異常通知部113は通信部15から異常発生信号をネットワークを介して運行監視センタ2の管理装置20に通知する。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図3は、バス1の左折時の移動軌跡の例を示す図である。ホイールベースが長いバス1では、交差点を右折または左折する際、大きな内輪差および外輪差が発生する。車体が歩道や路肩に侵入しないように、交差点の中央付近まで侵入してからハンドルが切られる。図3に示すように運転席位置の移動軌跡6aが描くカーブと後部座席の移動軌跡6bが描くカーブが大きく乖離している。従って車両がカーブする時に検出される移動軌跡データと、予め保持される移動軌跡データを比較することにより運転手4が運転席に着席しているか否か判定できる。
なお車両内の複数地点の移動軌跡データを参照データ保持部121に予め保持しておいてもよい。車両旋回時に検出される移動軌跡データと、予め保持される複数の移動軌跡データをそれぞれ比較することにより、車両内における運転手位置をより具体的に特定できる。
図4は、実施の形態1に係る端末装置10による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。データ取得部111は、GPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S10)。判定部112は、取得された位置情報を連続的にプロットして、GPS受信部13を携帯している運転手4がいる位置の移動軌跡データを生成する(S11)。判定部112は車両がカーブを開始したか否か判定する(S12)。例えば、位置情報に基づく車両の進行方向が、所定の移動距離内や所定の時間内に設定角度以上、変化したときカーブ開始と判定できる。また、右折か左折かも判定できる。なお加速度検出部14の出力値または図示しないジャイロセンサの出力値をもとにカーブ開始を判定してもよい。また、例えば、スクールバスの運行ルートの情報と運行ルートの道路地図情報とを予め記憶していれば、これらの情報と、運転手4に付随しているGPS受信部13から出力される位置情報とから、車両がカーブを開始したか否かの推定をすることも可能である。
カーブが開始されると(S12のY)、判定部112は運転手位置の移動軌跡データと、参照用の移動軌跡データを比較する(S13)。両者の乖離が設定値以上の場合(S13のY)、異常通知部113は運行監視センタ2の管理装置20に異常発生信号を通知する(S14)。移動軌跡データ間の乖離判定アルゴリズムは既存の一般的なものを使用すればよく特に限定されない。
以上説明したように実施の形態1によれば、GPS受信部13を携帯している運転手4のいる位置の移動軌跡データと、参照用の移動軌跡データを比較することにより、車両内における運転手4の位置を判定することができる。また両者の乖離が設定値以上の場合、自動的に異常発生信号が運行監視センタ2に通知されるため、運転手4の操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に通知できる。また監視カメラや既存の無線機器と異なり、GPS受信部13は目立ちにくいため、犯人に気付かれない可能性が高い。従って運行監視センタ2に異常が通知される確実性が高い。また運転席が犯人に乗っ取られ、外見上は通常運行している場合でも、運行監視センタ2に異常が通知されるため事件の発覚が早い。
(実施の形態2)
次に実施の形態2を説明する。実施の形態1では運転手4が携帯しているGPS受信部13から出力される位置情報をもとにした移動軌跡データを使用して運転手位置を判定する例を説明した。実施の形態2では運転手4が携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データを使用して運転手位置を判定する例を説明する。
実施の形態2に係る端末装置10の構成は、図2に示した実施の形態1に係る端末装置10の構成と基本的に同じである。なお実施の形態2ではGPS受信部13は必須要素ではなく省略可能である。加速度検出部14は、端末装置10の本体から分離されたユニット部材で構成されてもよい。その場合、加速度検出部14を含むユニット部材を運転手4が携帯していれば、端末装置10の本体は車両内の特定の位置に固定されていてもよい。その場合、加速度検出部14と端末装置10間は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で接続される。
なお加速度センサは生体センサモジュールに含まれて構成されることも多い。生体センサモジュール内には、心拍センサ、体温センサ等の生体情報を得るためのセンサに加えて、装着者の姿勢を検知するために加速度センサが搭載されることが多い。この生体センサモジュールを運転手4の体に装着する例では、運転手4の体の異常も検知して運行監視センタ2に通知できる。
実施の形態2では参照データ保持部121は、バス1がカーブするときの車両内の基準位置の加速度推移データを記憶している。当該基準位置は例えば、運転席の位置に設定される。バス1がカーブするときの車両内の基準位置の加速度推移データは、実験やシミュレーションに基づき予め生成されたデータであり、少なくとも前進右折および前進左折時の加速度推移データが準備される。なお右折および左折とも約90度の旋回を伴うカーブ時の加速度推移データが準備される。また必要に応じて、後進右折および後進左折時の加速度推移データが準備されてもよい。
データ取得部111は、運転手4に付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。判定部112は、取得した加速度情報に基づき運転手位置の加速度推移データを生成する。特にバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データの生成は必須である。判定部112は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データと、参照データ保持部121に保持されたバス1がカーブするときの基準位置の加速度推移データを比較する。この比較結果に応じて判定部112は、車両内における運転手位置を判定できる。具体的には車両内の基準位置の加速度推移と運転手位置の加速度推移の乖離度合いにより、運転手4が運転席に着席しているか否かを判定できる。両者の乖離度合いが設定値より大きい場合、運転手4が運転席に着席していないと判定できる。
判定部112により運転手4が運転席に着席していないと判定された場合、異常通知部113は通信部15から異常発生信号をネットワークを介して運行監視センタ2の管理装置20に通知する。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図5は、実施の形態2に係る端末装置10による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。データ取得部111は、加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する(S20)。判定部112は、取得された加速度情報を連続的にプロットして、加速度検出部14を携帯している運転手4がいる位置の加速度推移データを生成する(S21)。判定部112は車両がカーブを開始したか否か判定する(S22)。
カーブが開始されると(S22のY)、判定部112は運転手位置の加速度推移データと、参照用の加速度軌跡データを比較する(S23)。両者の乖離が設定値以上の場合(S23のY)、異常通知部113は運行監視センタ2の管理装置20に異常発生信号を通知する(S24)。加速度推移データ間の乖離判定アルゴリズムは既存の一般的なものを使用すればよく特に限定されない。
以上説明したように実施の形態2によれば、加速度検出部14を携帯している運転手4がいる位置の加速度推移データと、参照用の加速度推移データを比較することにより、車両内における運転手4の位置を判定することができる。また両者の乖離が設定値以上の場合、自動的に異常発生信号が運行監視センタ2に通知されるため、運転手4の操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に通知できる。また実施の形態1と比較してGPS衛星3からの電波を受信する必要がないため、地下やトンネルなど電波が届きにくい場所でも使用できる。
なお実施の形態1に係る移動軌跡データを使用した運転手4の位置判定処理と、実施の形態2に係る加速度の推移データを使用した運転手4の位置判定処理を併用してもよい。上述のようにGPS衛星3からの電波が届かない場所では、実施の形態2に係る加速度推移データを使用した運転手4の位置判定処理のみが実行される。また車両内の離れた2地点間におけるカーブ時の加速度推移データ間の乖離は、車両速度が遅いと小さくなり位置判定処理が困難となる場合がある。従って車両速度が設定値未満の場合、移動軌跡データを使用した運転手4の位置判定処理のみが実行されてもよい。車両速度はGPS受信部13から取得される位置情報の変化から推定できる。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に係る端末装置10及び管理装置20の構成を示す図である。実施の形態3では端末装置10の制御部11は、データ取得部111及びデータ通知部114を含む。実施の形態1及び2における、判定部112及び異常通知部113は設けられない。
管理装置20は制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24及び通信部25を備える。制御部21はデータ取得部211及び判定部212を含む。図6の制御部21の機能ブロックには、実施の形態3で注目する処理に関連する機能ブロックのみを描いている。制御部11の機能はハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。
記憶部22は、HDD、SSD等の記憶媒体を備える。実施の形態3では記憶部22は参照データ保持部221を含む。図6の記憶部22の機能ブロックにも、実施の形態3で注目する処理に関連する機能ブロックのみを描いている。管理装置20の参照データ保持部221には、実施の形態1に係る端末装置10の参照データ保持部121に保持されていた参照用の移動軌跡データと同じものが保持される。
端末装置10のデータ取得部111は、運転手4に付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。データ通知部114は、取得した位置情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。位置情報は通信部15から管理装置20に随時送信される。例えば1秒に数回の周期で、定期的に送信される。
管理装置20の通信部25は、端末装置10から送信された位置情報を受信する。データ取得部211は受信された位置情報を取得する。判定部212は、取得された位置情報に基づき運転手位置の移動軌跡データを生成する。判定部212は、生成した移動軌跡データを表示部23に出力して、バス1の移動軌跡を地図上にリアルタイムにオーバーラップ表示させることができる。
判定部212は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データと、参照データ保持部221に保持されたバス1がカーブするときの基準位置の移動軌跡データを比較する。この比較結果に応じて判定部212は、車両内における運転手位置を判定できる。
判定部212は、運転手4が運転席に着席していないと判定した場合、アラートメッセージを表示部23に表示させる。なお図示しないスピーカからアラート音を出力させてもよい。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図7は、実施の形態3に係る端末装置10及び管理装置20による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。端末装置10のデータ取得部111は、GPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S30)。データ通知部114は位置情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S31)。この位置情報の送信処理が位置送信機能がOFFされるまで(S32のY)、継続される(S32のN)。
管理装置20のデータ取得部211は、通信部25を介して端末装置10から送信された位置情報を受信する(S33)。判定部212は、受信された位置情報を連続的にプロットして、GPS受信部13を携帯している運転手4がいる位置の移動軌跡データを生成する(S34)。判定部212は車両がカーブを開始したか否か判定する(S35)。カーブが開始されると(S35のY)、判定部212は運転手位置の移動軌跡データと、参照用の移動軌跡データを比較する(S36)。両者の乖離が設定値以上の場合(S36のY)、アラートメッセージを表示部23に表示させる(S37)。
以上説明したように実施の形態3によれば、GPS受信部13を携帯している運転手4がいる位置の移動軌跡データと、参照用の移動軌跡データを比較することにより、車両内における運転手4の位置を判定することができる。また端末装置10から定期的に送信されてくる位置情報をもとに運行監視センタ2の管理装置20が異常を検出するため、運転手4の操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に把握させることができる。端末装置10側で移動軌跡データの生成処理、参照用の移動軌跡データとの比較処理を実行する必要がないため、実施の形態1と比較して演算量を低減できる。また位置情報を単純に運行監視センタ2の管理装置20に送信し続ける既存の端末装置10をそのまま転用できる。また映像データの送信ではなく位置情報の送信であるため、通信データ量は少なく通信負荷を抑えることができる。
またバス1がカーブする際、制御部21は参照用の移動軌跡を、表示部23に表示されている地図上にさらにオーバーラップ表示させてもよい。当該地図上には端末装置10から受信した位置情報に基づく移動軌跡もオーバーラップ表示されるため、受信した位置情報に基づく移動軌跡と、参照用の移動軌跡の乖離具合をオペレータが目視で確認できるようになる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4を説明する。実施の形態4では実施の形態2と同様に運転手4が携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データを使用して運転手位置を判定する例を説明する。
実施の形態4に係る端末装置10及び管理装置20の構成は、図6に示した実施の形態3に係る端末装置10及び管理装置20の構成と基本的に同じである。実施の形態4では管理装置20の参照データ保持部221には、実施の形態2に係る端末装置10の参照データ保持部121に保持されていた参照用の加速度推移データと同じものが保持される。
端末装置10のデータ取得部111は、運転手4に付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。データ通知部114は、取得した加速度情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。加速度情報は通信部15から管理装置20に随時送信される。例えば数秒に1回の周期で、定期的に送信される。
管理装置20の通信部25は、端末装置10から送信された加速度情報を受信する。データ取得部211は受信された加速度情報を取得する。判定部212は、取得された加速度情報に基づき運転手位置の加速度推移データを生成する。
判定部212は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データと、参照データ保持部221に保持されたバス1がカーブするときの基準位置の加速度推移データを比較する。この比較結果に応じて判定部212は、車両内における運転手位置を判定できる。
判定部212は、運転手4が運転席に着席していないと判定した場合、アラートメッセージを表示部23に表示させる。なお図示しないスピーカからアラート音を出力させてもよい。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図8は、実施の形態4に係る端末装置10及び管理装置20による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。端末装置10のデータ取得部111は、加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する(S40)。データ通知部114は加速度情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S41)。この加速度情報の送信処理が加速度送信機能がOFFされるまで(S42のY)、継続される(S42のN)。
管理装置20のデータ取得部211は、通信部25を介して端末装置10から送信された加速度情報を受信する(S43)。判定部212は、受信された加速度情報を連続的にプロットして、加速度検出部14を携帯している運転手4がいる位置の加速度推移データを生成する(S44)。判定部212は車両がカーブを開始したか否か判定する(S45)。カーブが開始されると(S45のY)、判定部212は運転手位置の加速度推移データと、参照用の加速度推移データを比較する(S46)。両者の乖離が設定値以上の場合(S46のY)、アラートメッセージを表示部23に表示させる(S47)。
以上説明したように実施の形態4によれば、加速度検出部14を携帯している運転手4がいる位置の加速度推移データと、参照用の加速度推移データを比較することにより、車両内における運転手4の位置を判定することができる。また端末装置10から定期的に送信されてくる加速度情報をもとに運行監視センタ2の管理装置20が異常を検出するため、運転手4の操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に把握させることができる。端末装置10側で加速度推移データの生成処理、参照用の加速度推移データとの比較処理を実行する必要がないため、実施の形態2と比較して演算量を低減できる。また映像データの送信ではなく加速度情報の送信であるため、通信データ量は少なく通信負荷を抑えることができる。
またバス1がカーブする際、制御部21は端末装置10から受信した加速度情報に基づく加速度推移と参照用の移動軌跡を、表示部23に表示されている地図上にオーバーラップ表示させてもよい。両者の乖離具合をオペレータが目視で確認できるようになる。
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5に係る運行監視システム5を説明するための図である。運行監視システム5は、バス1の運転手4aに携帯される第1端末装置10a、バス1の車掌4bに携帯される第2端末装置10bを備える。なお第2端末装置10bを携帯するのは車掌4bに限らず、教師、保護者、ガイド等の運転手4a及び車掌4b以外の運行監視システム5の協力者であってもよい。以下の説明では第1端末装置10aをマスタ機、第2端末装置10bをスレーブ機とするが、逆であってもよい。
図10は、実施の形態5に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bの構成を示す図である。第1端末装置10aの構成は、図2で説明した実施の形態1に係る端末装置10と基本的に同じである。ただし参照データ保持部121は不要である。第2端末装置10bの構成は、図6で説明した実施の形態3に係る端末装置10と基本的に同じである。ただし位置情報の送信先が運行監視センタ2の管理装置20ではなく、第1端末装置10aとなる。第1端末装置10aの通信部15と第2端末装置10bの通信部15間は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で接続される。
第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。データ通知部114は、取得した位置情報を通信部15から近距離無線通信を利用して第1端末装置10aに通知する。
第1端末装置10aの通信部15は、第2端末装置10bから送信された位置情報を受信する。第1端末装置10aのデータ取得部111は受信された位置情報を取得する。判定部112は、取得された2種類の位置情報に基づき運転手位置の移動軌跡データと車掌位置の移動軌跡データを生成する。特にバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データ及び車掌位置の移動軌跡データの生成は必須である。
判定部112は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データと、車掌位置の移動軌跡データを比較する。この比較結果に応じて判定部112は、車両内における運転手位置と車掌位置の相対的な位置関係を特定できる。例えば進行方向を基準に、運転手位置が車掌位置より後ろになる場合、運転手4aが運転席に着席しておらず、異常が発生していると判定できる。
判定部112により運転手4aが運転席に着席していないと判定された場合、異常通知部113は通信部15から異常発生信号をネットワークを介して運行監視センタ2の管理装置20に通知する。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図11は、バス1が左旋回しているときの移動軌跡を説明するための図である。図11においてバス1内の点線は、バス1が左旋回する際に描く円の中心からの距離が等しい位置を示している。バス1内の点線は、正確には円弧となるが便宜上ここでは直線で示している。なお、バス1内の実線矢印の向きに、円の中心からの距離が長くなる。左旋回する場合、車両内において進行方向の右前方に近づくほど回転半径が大きくなる。従って運転手4aの位置の方が、車掌4bの位置より回転半径が大きくなる。従って運転手位置の移動軌跡に基づく回転半径と、車掌位置の移動軌跡に基づく回転半径を比較することにより、両者の相対的な位置関係を特定できる。左旋回の場合、回転半径が大きい方が車両内において右前方にいることが分かる。右旋回の場合、回転半径が大きい方が車両内において左前方にいることが分かる。
上述の実施の形態1、3において、車両が最小回転半径で旋回する際の運転席における回転半径を参照データ保持部121、221に予め記憶しておいてもよい。最小回転半径はハンドルを最大に切ったときに車両が描く軌跡である。判定部112、212は、運転手位置の移動軌跡が、その回転半径よりも小さくなった際は、運転手4が運転席に着席していないと判定する。
図12は、実施の形態5に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bによる位置判定処理の流れを示すフローチャートである。第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに携帯されるGPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S50)。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに携帯されるGPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S51)。データ通知部114は位置情報を通信部15を介して第1端末装置10aに送信する(S52)。この位置情報の送信処理が位置送信機能がOFFされるまで(S53のY)、継続される(S53のN)。
第1端末装置10aのデータ取得部111は、通信部15を介して第2端末装置10bから送信された位置情報を受信する(S54)。判定部112は、2種類の位置情報をそれぞれ連続的にプロットして、運転手位置の移動軌跡データと車掌位置の移動軌跡データを生成する(S55)。判定部112は車両がカーブを開始したか否か判定する(S56)。カーブが開始されると(S56のY)、判定部112は運転手位置の移動軌跡データと、車掌位置の移動軌跡データを比較する(S57)。両者の位置関係が異常な場合(S57のY)、異常通知部113は運行監視センタ2の管理装置20に異常発生信号を通知する(S58)。
以上説明したように実施の形態5によれば、GPS受信部13を携帯している運転手4aがいる位置の移動軌跡データと、別のGPS受信部13を携帯している車掌4bの移動軌跡データを比較することにより、車両内における運転手4aの位置を判定することができる。また両者の位置関係が異常な場合、自動的に異常発生信号が運行監視センタ2に通知されるため、運転手4aや車掌4bの操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に通知できる。また参照データとの比較ではなく、同じ環境下で検出されるデータ同士を比較しているため、環境要因によるノイズが相殺され、より高精度な判定が可能である。
なお車掌4bは第2端末装置10bの代わりに、近距離無線通信機能を備えたGPSモジュールを携帯してもよい。また第2端末装置10bまたは近距離無線通信機能を備えたGPSモジュールは、必ずしも人に携帯されている必要はなく、車両内の所定の位置に固定されていてもよい。例えば運転席に設置されていてもよい。この場合、運転手4aがいる位置の移動軌跡に基づく回転半径の方が小さい場合、運転手4aが運転席に着席していないと判定できる。
(実施の形態6)
次に実施の形態6を説明する。実施の形態6では運転手4aが携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データと、車掌4bが携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データを使用して運転手位置と車掌位置の相対的な位置関係を判定する例を説明する。
実施の形態6に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bの構成は、図10に示した実施の形態5に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bの構成と基本的に同じである。第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。データ通知部114は、取得した加速度情報を通信部15から近距離無線通信を利用して第1端末装置10aに通知する。
第1端末装置10aの通信部15は、第2端末装置10bから送信された加速度情報を受信する。第1端末装置10aのデータ取得部111は受信された加速度情報を取得する。判定部112は、取得された2種類の加速度情報に基づき運転手位置の加速度推移データと車掌位置の加速度推移データを生成する。特にバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データ及び車掌位置の加速度推移データの生成は必須である。
判定部112は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データと、車掌位置の加速度推移データを比較する。この比較結果に応じて判定部112は、車両内における運転手位置と車掌位置の相対的な位置関係を特定できる。判定部112により運転手4aが運転席に着席していないと判定された場合、異常通知部113は通信部15から異常発生信号をネットワークを介して運行監視センタ2の管理装置20に通知する。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図13は、実施の形態6に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bによる位置判定処理の流れを示すフローチャートである。第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに携帯される加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する(S60)。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに携帯される加速度検出部14から出力される位置情報を取得する(S61)。データ通知部114は加速度情報を通信部15を介して第1端末装置10aに送信する(S62)。この加速度情報の送信処理が加速度送信機能がOFFされるまで(S63のY)、継続される(S63のN)。
第1端末装置10aのデータ取得部111は、通信部15を介して第2端末装置10bから送信された加速度情報を受信する(S64)。判定部112は、2種類の加速度情報をそれぞれ連続的にプロットして、運転手位置の加速度推移データと車掌位置の加速度推移データを生成する(S65)。判定部112は車両がカーブを開始したか否か判定する(S66)。カーブが開始されると(S66のY)、判定部112は運転手位置の加速度推移データと、車掌位置の加速度推移データを比較する(S67)。両者の加速度推移の関係が異常な場合(S67のY)、異常通知部113は運行監視センタ2の管理装置20に異常発生信号を通知する(S68)。
以上説明したように実施の形態6によれば、加速度検出部14を携帯している運転手4aがいる位置の加速度推移データと、別の加速度検出部14を携帯している車掌4bの加速度推移データを比較することにより、車両内における運転手4aの位置を判定することができる。また両者の加速度の関係が異常な場合、自動的に異常発生信号が運行監視センタ2に通知されるため、運転手4aや車掌4bの操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に通知できる。また参照データとの比較ではなく、同じ環境下で検出されるデータ同士を比較しているため、環境要因によるノイズが相殺され、より高精度な判定が可能である。
なお車掌4bは第2端末装置10bの代わりに、近距離無線通信機能を備えた加速度センサモジュールを携帯してもよい。また第2端末装置10bまたは近距離無線通信機能を備えた加速度センサモジュールは、必ずしも人に携帯されている必要はなく、車両内の所定の位置に固定されていてもよい。
(実施の形態7)
図14は、実施の形態7に係る第1端末装置10a、第2端末装置10b及び管理装置20の構成を示す図である。実施の形態7に係る第1端末装置10a及び第2端末装置10bの構成は、図6で説明した実施の形態3に係る端末装置10と基本的に同じである。実施の形態7に係る管理装置20の構成は、図6で説明した実施の形態3に係る管理装置20と基本的に同じである。ただし参照データ保持部221は不要である。
第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。データ通知部114は、取得した位置情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに付随しているGPS受信部13から出力される位置情報を取得する。データ通知部114は、取得した位置情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。
管理装置20の通信部25は、第1端末装置10aから送信された位置情報および第2端末装置10bから送信された位置情報をそれぞれ受信する。データ取得部211は受信された2つの位置の位置情報を取得する。判定部212は、第1端末装置10aからの位置情報に基づき運転手位置の移動軌跡データを生成し、第2端末装置10bからの位置情報に基づき車掌位置の移動軌跡データを生成する。
判定部212は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の移動軌跡データと、車掌位置の移動軌跡データを比較する。この比較結果に応じて判定部212は、車両内における運転手位置と車掌位置の相対的な位置関係を特定できる。
判定部212は、運転手4が運転席に着席していないと判定した場合、アラートメッセージを表示部23に表示させる。なお図示しないスピーカからアラート音を出力させてもよい。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図15は、実施の形態7に係る第1端末装置10a、第2端末装置10b及び管理装置20による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに携帯されるGPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S70)。データ通知部114は位置情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S71)。この位置情報の送信処理が位置送信機能がOFFされるまで(S72のY)、継続される(S72のN)。
第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに携帯されるGPS受信部13から出力される位置情報を取得する(S73)。データ通知部114は位置情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S74)。この位置情報の送信処理が位置送信機能がOFFされるまで(S74のY)、継続される(S74のN)。
管理装置20のデータ取得部211は、通信部25を介して第1端末装置10a及び第2端末装置10bから送信された位置情報をそれぞれ受信する(S76)。判定部212は、2種類の位置情報をそれぞれ連続的にプロットして、運転手位置の移動軌跡データと車掌位置の移動軌跡データを生成する(S77)。判定部212は車両がカーブを開始したか否か判定する(S78)。カーブが開始されると(S78のY)、判定部212は運転手位置の移動軌跡データと、車掌位置の移動軌跡データを比較する(S79)。両者の位置関係が異常な場合(S79のY)、判定部212はアラートメッセージを表示部23に表示させる(S799)。
以上説明したように実施の形態7によれば、GPS受信部13を携帯している運転手4aがいる位置の移動軌跡データと、別のGPS受信部13を携帯している車掌4bの移動軌跡データを比較することにより、車両内における運転手4aの位置を判定することができる。また端末装置10から定期的に送信されてくる運転手4aと車掌4bの位置情報をもとに運行監視センタ2の管理装置20が異常を検出するため、運転手4aや車掌4bの操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に把握させることができる。また参照データとの比較ではなく、同じ環境下で検出されるデータ同士を比較しているため、環境要因によるノイズが相殺され、より高精度な判定が可能である。また端末装置10側で移動軌跡データの生成処理、移動軌跡データ同士の比較処理を実行する必要がないため、実施の形態5と比較して演算量を低減できる。また映像データの送信ではなく位置情報の送信であるため、通信データ量は少なく通信負荷を抑えることができる。
(実施の形態8)
次に実施の形態8を説明する。実施の形態8では実施の形態6と同様に運転手4aが携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データと、車掌4bが携帯している加速度検出部14により検出される加速度の推移データを使用して運転手位置を判定する例を説明する。
実施の形態8に係る第1端末装置10a、第2端末装置10b及び管理装置20の構成は、図14に示した実施の形態7に係る第1端末装置10a、第2端末装置10b及び管理装置20の構成と基本的に同じである。
第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。データ通知部114は、取得した加速度情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに付随している加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する。データ通知部114は、取得した加速度情報を通信部15からネットワークを介して管理装置20に通知する。
管理装置20の通信部25は、第1端末装置10aから送信された加速度情報および第2端末装置10bから送信された加速度情報をそれぞれ受信する。データ取得部211は受信された2つの位置の加速度情報を取得する。判定部212は、第1端末装置10aからの加速度情報に基づき運転手位置の加速度推移データを生成し、第2端末装置10bからの加速度情報に基づき車掌位置の加速度推移データを生成する。
判定部212は、生成したバス1がカーブするときの運転手位置の加速度推移データと、車掌位置の加速度推移データを比較する。この比較結果に応じて判定部212は、車両内における運転手位置と車掌位置の相対的な位置関係を特定できる。
判定部212は、運転手4が運転席に着席していないと判定した場合、アラートメッセージを表示部23に表示させる。なお図示しないスピーカからアラート音を出力させてもよい。これにより運行監視センタ2のオペレータは、車両内で異常が発生していることを認識できる。
図16は、実施の形態8に係る第1端末装置10a、第2端末装置10b及び管理装置20による位置判定処理の流れを示すフローチャートである。第1端末装置10aのデータ取得部111は、運転手4aに携帯される加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する(S80)。データ通知部114は加速度情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S81)。この加速度情報の送信処理が加速度送信機能がOFFされるまで(S82のY)、継続される(S82のN)。
第2端末装置10bのデータ取得部111は、車掌4bに携帯される加速度検出部14から出力される加速度情報を取得する(S83)。データ通知部114は加速度情報を通信部15を介して管理装置20に送信する(S84)。この加速度情報の送信処理が加速度送信機能がOFFされるまで(S84のY)、継続される(S84のN)。
管理装置20のデータ取得部211は、通信部25を介して第1端末装置10a及び第2端末装置10bから送信された加速度情報をそれぞれ受信する(S86)。判定部212は、2種類の加速度情報をそれぞれ連続的にプロットして、運転手位置の加速度推移データと車掌位置の加速度推移データを生成する(S87)。判定部212は車両がカーブを開始したか否か判定する(S88)。カーブが開始されると(S88のY)、判定部212は運転手位置の加速度推移データと、車掌位置の加速度推移データを比較する(S89)。両者の位置関係が異常な場合(S89のY)、判定部212はアラートメッセージを表示部23に表示させる(S899)。
以上説明したように実施の形態8によれば、加速度検出部14を携帯している運転手4aがいる位置の加速度推移データと、別の加速度検出部14を携帯している車掌4bの加速度推移データを比較することにより、車両内における運転手4aの位置を判定することができる。また端末装置10から定期的に送信されてくる運転手4aと車掌4bの加速度情報をもとに運行監視センタ2の管理装置20が異常を検出するため、運転手4aや車掌4bの操作を要さずに車両内の異常を運行監視センタ2に把握させることができる。また参照データとの比較ではなく、同じ環境下で検出されるデータ同士を比較しているため、環境要因によるノイズが相殺され、より高精度な判定が可能である。また端末装置10側で加速度推移データの生成処理、加速度推移データ同士の比較処理を実行する必要がないため、実施の形態6と比較して演算量を低減できる。また映像データの送信ではなく加速度情報の送信であるため、通信データ量は少なく通信負荷を抑えることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施の形態では内輪差が大きな車両の例としてバス1を想定したが、リムジンカー、トラック等の車両長が長い車両の運転手の位置判定にも適用できる。また乗務員に限らず、決まった位置に座る児童や乗客の位置判定にも適用できる。