JP6444919B2 - 実験済み廃棄物の乾燥処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療等実験済みの小動物などを実験済み廃棄物として廃棄処理する装置に係り、特に悪臭の発生を防止するようにした実験済み廃棄物の乾燥処理装置に関する。
各大学の医学部及び製薬会社の研究機関において、新薬等の開発で使用されたRI標識された実験用小動物を廃棄物(以下、実験済み廃棄物という。)として処理するためには、実験済み廃棄物の乾燥による重量減少が日本アイソトープ協会規則にて義務付けられているが、乾燥中に生じる実験済み廃棄物の内臓及び汚物等の悪臭が問題となっていた。
そこで、例えば、実験済み廃棄物を廃棄物収容通気性容器に収容し、蓋部を閉めて、廃棄物収容通気性容器をオーブン本体の真空引き乾燥室に設置しマイクロ波で加熱乾燥する装置が提案されている(特許文献1参照。)。
特許文献1に開示のマイクロ波方式の装置は、マイクロ波加熱オーブン内における真空引き乾燥室内での真空引き下でマイクロ波加熱乾燥を行い、マイクロ波加熱乾燥の終了後に、真空引きされた状態にある該真空引き乾燥室内にオゾンを供給して悪臭を消臭する技術思想である。
また、実験済み廃棄物を減圧乾燥炉に収容し、水用エゼクタにより減圧した状態で遠赤外線ヒータにより加熱する減圧・遠赤外線乾燥方式の実験済み廃棄物の乾燥処理装置も提案されている(特許文献2参照。)。
特許文献2に開示の減圧・遠赤外線乾燥方式によれば、減圧乾燥炉(密閉乾燥炉)で乾燥処理されることから、悪臭が室外に放出されたりすることがなく、水用エゼクタで減圧しているため吸引された放射性有機物を含有した水分や排ガス、悪臭成分等は凝縮捕集槽の水に吸収される。
特開平06−331268号公報 特許第3483811号公報
特許文献1に開示のマイクロ波方式の場合、実験済み廃棄物の状態により発煙等の異常停止が起こりがちで、実験済み廃棄物に固形肥料、糞等が混入した状態で加熱乾燥すると乾燥度の相違により発火することがあった。また血液、ペースト状の排泄物等を容器に入れて乾燥、固化しようとすると表面のみが乾燥固化して内部まで乾燥できなかった。さらにこれに加え、実験済み廃棄物を乾燥させている動作中の悪臭に対して、真空引き乾燥室内にオゾンを供給しても消臭は完全ではなかった。
また、特許文献2に開示の減圧・遠赤外線乾燥方式においては、重量パーセント約50%程度で約20時間の処理時間が必要であること、さらにこれに加えて、水処理が行われて悪臭が外部に放散されることが少なくなったものの、やはり悪臭発生の問題があった。
いずれの方式にあっても、収容密閉容器の蓋部を外して内部の実験済み廃棄物を取り出したときに、これら廃棄物からの悪臭や収容密閉容器に漂っていた残りの悪臭が外部に放散するため、その対策、改善が研究者から求められていた。さらに、実験のため放射線で汚染された実験済み廃棄物や雑菌を帯びた実験済み廃棄物を乾燥処理する場合であっても安全に作業できるという要請もあった。
本発明は、従来技術の有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実験済み廃棄物を短時間で重量減少でき、乾燥処理する際の悪臭の防止のみだけでなく、放射線や雑菌に汚染された実験廃棄物であっても安全に作業できる実験済み廃棄物の乾燥処理装置を提供することである。
前記課題を達成するために本発明がなした第一の技術的手段は、実験済み小動物の廃棄物を乾燥処理する実験済み廃棄物の乾燥処理装置であって、密閉された加熱処理室と、前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、中空筒状に構成されて前記加熱処理室内で回転可能に備えられ、前記実験済み廃棄物を収納可能に構成された回転体と、を備え、前記回転体は、前記加熱処理室内と連通可能に構成されて前記加熱処理室内と同じ加熱処理雰囲気とされ、前記加熱媒体は、前記実験済み廃棄物を加熱して脂質を溶出させる所定の低温度高水量帯と、低温度帯を超えて、前記実験済み廃棄物の乾燥を行う所定の高温度低水量帯とに調整可能であることを特徴とする。
本発明の前記加熱処理室には、前記加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構を備えており、前記加熱媒体循環機構は、前記回転体の配設されている処理領域と仕切り板を介して区分けした吸い込み領域に備えられ、前記仕切り板に備えた吸い込み孔と対向させて吸い込み領域に配設され、前記処理領域内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域へと吸い込む吸い込みファンと、前記吸い込み領域にて、前記吸い込みファンを挟み所定間隔をあけて対向して備えられる少なくとも一対の第一気流調整板と、前記吸い込み領域にて、前記一対の第一気流調整板間の出口領域に配設される再加熱部とで構成され、前記第一気流調整板は、前記吸い込みファンによって吸い込まれた加熱媒体が、前記出口領域方向へと流動するように案内可能な断面視略V字形状を有する板状に形成され、前記再加熱部は、前記出口領域に流動されてきた加熱媒体を所定温度まで再加熱して再び処理領域へと流動案内せしめるものであって、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する前記室内加熱部が兼ねていることを特徴とする。
本発明の前記一対の第一気流調整板は、前記吸い込みファンを挟んで上下方向で一対配設されており、上方に配設される第一気流調整板には、少なくとも一部に、吸い込みファン側と、前記吸い込みファン側と第一気流調整板を挟んで反対側に存する第一気流調整板内側の断面視略V字形状の滞留領域とにわたって貫通する貫通孔を設け、前記滞留領域には、加熱処理室内の温度を計測可能な温度センサーを備えていることを特徴とする。
前記課題を達成するために本発明がなした第二の技術的手段は、実験済み小動物の廃棄物を乾燥処理する実験済み廃棄物の乾燥処理装置であって、密閉された加熱処理室と、前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、中空筒状に構成されて前記加熱処理室内で回転可能に備えられ、前記実験済み廃棄物を収納可能に構成された回転体と、を備え、前記回転体は、前記加熱処理室内と連通可能に構成されて前記加熱処理室内と同じ加熱処理雰囲気とされ、前記加熱処理室には、前記加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構を備えており、前記加熱媒体循環機構は、前記回転体の配設されている処理領域と仕切り板を介して区分けした吸い込み領域に備えられ、前記仕切り板に備えた吸い込み孔と対向させて吸い込み領域に配設され、前記処理領域内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域へと吸い込む吸い込みファンと、前記吸い込み領域にて、前記吸い込みファンを挟み所定間隔をあけて対向して備えられる少なくとも一対の第一気流調整板と、前記吸い込み領域にて、前記一対の第一気流調整板間の出口領域に配設される再加熱部とで構成され、前記第一気流調整板は、前記吸い込みファンによって吸い込まれた加熱媒体が、前記出口領域方向へと流動するように案内可能な断面視略V字形状を有する板状に形成され、前記再加熱部は、前記出口領域に流動されてきた加熱媒体を所定温度まで再加熱して再び処理領域へと流動案内せしめるものであって、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する前記室内加熱部が兼ね、前記一対の第一気流調整板は、前記吸い込みファンを挟んで上下方向で一対配設されており、上方に配設される第一気流調整板には、少なくとも一部に、吸い込みファン側と、前記吸い込みファン側と第一気流調整板を挟んで反対側に存する第一気流調整板内側の断面視略V字形状の滞留領域とにわたって貫通する貫通孔を設け、前記滞留領域には、加熱処理室内の温度を計測可能な温度センサーを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、実験済み廃棄物を短時間で重量減少でき、乾燥処理する際の悪臭の防止のみだけでなく、放射線や雑菌に汚染された実験廃棄物であっても安全に作業できる実験済み廃棄物の乾燥処理装置を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る実験済み廃棄物の乾燥処理装置の概側正面図である。 図1に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略して、加熱処理室内に回転体が配されている状態を表している概略側面図である。 図1に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置を示し、加熱処理室内に回転体が配されている状態を表している概略平面図である。 仕切り板を加熱処理室側から見た状態の斜視図である。 図1に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置の回転体(ドラムミキサー)の概略図で、(a)は実験済み廃棄物の収納口が閉じた状態を示す概略斜視図、(b)は実験済み廃棄物の収納口を開いた状態を示す概略斜視図を示す。 図1に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置の回転体(ドラムミキサー)の概略図で、(a)は実験済み廃棄物の取出し口が閉じた状態を示す概略斜視図、(b)は実験済み廃棄物の取出し口を開いた状態を示す概略斜視図を示す。 本発明の第二実施形態に係る実験済み廃棄物の乾燥処理装置の概略正面図である。 図7に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置の一部を切り欠いて示す概略平面図である。 図7に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略して、加熱処理室内に回転体が配されている状態を表している概略側面図である。 図7に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略すると共に、回転体を加熱処理室から取り出している状態を示している概略側面図である。 電磁定量ポンプから加熱処理室内の室内加熱部、噴射ノズルへの配管状態を示す概略図である。 (a)は、込仕切り板を裏面から見た状態の斜視図、(b)は、羽根車(ファン)動作時の気流の状態を、天井壁を省略して示す加熱処理室の概略平面図である。 図7に示された実験済み廃棄物の乾燥処理装置の回転体(ドラムミキサー)の概略図で、(a)は一部切り欠いて内部に実験済み廃棄物が配されている状態を示す平面図、(b)は、正面図を示す。 実験済み廃棄物の乾燥処理装置の回転体の他の形態として保持される回転体(スクロールミキサー)の概略図で、(a)は一部切り欠いて内部に実験済み廃棄物が配されている状態を示す平面図、(b)は、正面図を示す。 本実施形態に係る実験済み廃棄物の乾燥処理装置による実験済み廃棄物の乾燥処理前と乾燥処理後の状態を示す写真である。 本実施形態による実験済み廃棄物の実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実験済み廃棄物の乾燥処理装置における一実施形態を図に基づいて説明する。なお、図示例は本発明の一実施形態であって、何等これに限定されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
[第一実施形態]
図1乃至3において、符号1は第一実施形態の乾燥処理装置を示している。なお、第一実施形態においては、実験済み廃棄物aは図示しないで説明を行う。
乾燥処理装置1は、架台10の上方領域に、密閉された加熱処理室2と、加熱処理室2内を所定温度に加熱する室内加熱部3と、加熱処理室2内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、加熱処理室2内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズル4と、中空筒状に構成されて加熱処理室2内で回転可能に備えられ、実験済み廃棄物aを収納可能に構成された回転体5とを備え、回転体5は、加熱処理室2内と連通可能に構成されて加熱処理室2内と同じ加熱処理雰囲気とされているように構成されている。加熱処理室2内には、加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構Uがさらに構成されている。
また、これらの室内加熱部3と、回転体5と、噴射ノズル4などを電気的に機能制御するコントロールパネル9が備えられている。
加熱処理室2は、図1乃至3に示すように所定の架台10の上に配設されており、所定長さの略矩形状に形成される処理室本体21と、処理室本体21の一端に設けた開口部D1を遮断して内部を密閉するための開閉可能な略矩形の上段扉2aとを備えている。当該上段扉2aは、作業従事者が取っ手2a1を持って、右側から左側へと片側手前(図3の矢印符号S方向)に開く構造としている。本実施形態では、右側手前に約90度開いた状態を図3にて示している。この上段扉2aの開け閉めにより、処理室本体21内に処理対象の実験済み廃棄物をその都度出し入れすることができる。
また、開口部D1と上段扉2aとの間の隙間を埋めて密閉状態を完全にするためのパッキングを備え、上段扉2aの所定位置に略矩形の耐熱ガラスののぞき窓2e(図3参照。)を備えている。
また、加熱処理室2は、後述するように室内空間を所定温度以上に加熱制御するため、処理室本体21及び上段扉2aは断熱構造としている。
なお、本実施形態では、実験済み廃棄物aが放射性汚染されていることもあるため、加熱処理室2を耐食性、溶接性、機械的性質が良好な耐熱鋼として最も広く普及している鋼種のステンレス鋼材製としているが、加熱処理室2の全体長さ・全体形状などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、本実施形態では、処理室本体21内で乾燥処理を終えた実験済み廃棄物aが入った収納トレイ2fを取り出すことが可能な開口部D2を開閉可能な略矩形の下段扉2gを備えている。当該下段扉2aは、上側から下側へと手前(図1の符号T3方向)に開く構造としている。また、下段扉2gと処理室本体21には、開口部D2の密閉状態を完全にするためのパッキングを備えている。
収納トレイ2fは、回転体5の長さ及び幅と概ね同じ大きさで、下段扉2aの開口部D2よりも小さい箱状に形成されている。また、収納トレイ2fの箱底面を網目にして廃液が溜まらない構造となっている。
図1には、処理室本体21内で収納トレイ2fが収まった状態と、下段扉2gを開いて収納トレイ2fを水平方向に取り出している状態を示している(図1において、実線で収納トレイ2fが収まった状態を、2点鎖線で収納トレイ2fが符号T4で示す方向に引き出している状態を示す)。なお、収納トレイ2fを取り出す場合、開いた下段扉2gは、直角90度の位置で止まり、収納トレイ2fを下方から支持する構造にしている。
また、処理室本体21内の底面と下段扉2gとは、段差が無い構成となっている。このように構成することによって、引き出しが滑らかにでき、また、収納トレイ2fを引き出し後も安定して保持できる。なお、収納トレイ2fの形状は、本実施形態では箱形状としているが、皿形状でもあっても良く、特に限定解釈されることなく任意に設計変更可能である。
なお、本実施形態では、下段扉2gを開いて収納トレイ2fを水平方向に取り出している状態を示したが、斜め上方の傾斜角度で収納トレイ2fを引き出し、下段扉2をその傾斜角度の位置で止めて、収納トレイ2fを下方から支持する構造にすることも可能である。このように、収納トレイ2fに勾配を持たせることによって、処理室本体21内に廃液を残すがことができ、作業従事者が廃液で汚されることを防ぐことができる。
図1乃至3に示すように、上段扉2aと下段扉2gと分離させ、上段扉2aを左右に開閉させ、下段扉2gを上下に開閉可能としたのは次の理由からである。
上段扉2aは、処理室本体21内の回転体5内に処理対象の実験済み廃棄物aをその都度出し入れする必要があり、その度に上段扉2aを開放する必要があるが、上段扉2aを開放したまま処理対象の実験済み廃棄物aを回収する作業をしたのでは、高温の加熱媒体が大気中に漏れ出して作業従事者への火傷等で人体を害する虞もあるからである。また、実験済み廃棄物aの容積が乾燥処理によって小さくなっているため、上段扉2aよりも開口部D2が小さい下段扉2gを別に設けるができ、これにより作業従事者は安全に回収作業を行うことができる。また、下段扉2gの開口部D2が小さいため漏れる臭気も少なくすることができる。
室内加熱部3は、本実施形態では、図2及び図4に示すように(配管路は図示していない)、U字状に形成された一対のヒータを想定しており、仕切り板50eの吸い込み孔62の両端の側壁面で、かつ、第一気流調整板61aと61bの両端の間にあって、同程度の長さ一対のヒータがそれぞれ対向して配設している。これにより、第一気流調整板61aと61bに沿って出口領域D側に流れる加熱媒体を所定の温度に加熱することができ、その結果、加熱処理室2の室内を熱することができる(図4参照。)。
このように、仕切り板50eの吸い込み孔62の両端の側壁面に位置して循環する加熱媒体を効率的に加熱できる。これにより、室内加熱部3を小型化でき、また合理的となって装置電源の容量も少なくすることができる。
また、本実施形態では、室内加熱部3が加熱処理室2内を所定温度に再加熱する再加熱部3を兼ねているが、これを兼ねないで、加熱処理室2に別個の室内加熱部3を設ける構成も可能で、本実施形態の範囲内である。また、この室内加熱部3は、所定の温度に加熱する構成を有するものであれば、本実施形態のようなヒータに限らず、パネルヒーターやコイルヒータなどを採用することも可能である。
また、室内加熱部3の温度制御は、第一気流調整板61aの中央の貫通孔63の近傍に設けられた温度センサー64の検知によって行われている。本実施形態では、吸い込みファン2cを挟んで上下方向で一対の第一気流調整板61aと61bが配設されている内、上方に配設される第一の気流調整板61aと61bの少なくとも一部に、吸い込みファン側2cと、吸い込みファン2c側と一対の第一気流調整板61a、61bを挟んで反対側に存する第一気流調整板61a内側の断面視略V字形状の滞留領域Hとにわたって貫通する貫通孔63を設け、その滞留領域Hには、加熱処理室2内の温度を計測可能な温度センサー64を備えている。
具体的には、図4に示すように、貫通孔63の近傍に温度センサー64のプローブが備えられ、その検知信号がコントロールパネル9での温度設定条件と対比され制御される。このような滞留領域Hに温度センサー64を備えたのは、加熱処理室2の上部であって、温度センサー64のプローブが、水滴等による悪影響を最も受け難く、適切な温度検知の場所に適しているからである。
すなわち、これは、駆動源となるモーター5aによる振動の影響を受けるような場所や、結露した水が溜まらない場所、気流による温度変化が起きる位置が好ましいとされているからである。よって、周囲からの熱伝達や熱伝導の影響を受けにくい場所であって、吸い込み領域Bの気流の通り道である第一気流調整板61aに温度検知が可能となる貫通孔63を設け、第一気流調整板61aの裏面の貫通孔63の近傍に温度センサー64のプローブを取り付けている。
回転体5は、中空筒状に構成されて加熱処理室2内で回転可能に備えられ、実験済み廃棄物aを収納可能に構成され、加熱処理室2内と連通可能に構成されて加熱処理室2内と同じ加熱処理雰囲気とされる。
具体的には、図5、図6に示されるように、回転可能な円筒形状を成すドラムミキサー5で、加熱処理室2内の略中央部で、左右両面わたって軸方向に架け渡されている回転軸5bによって保持されている。
回転軸5bは、加熱処理室2の外側の架台10の上側領域に配設されたモーター5aとベルト5cで、回転可能に連結されている。モーター5aの回転制御は、コントロールパネル9によって、所定の回転数が設定される。本実施形態では、2rpmから5rpmの範囲に回転制御されている。
また、回転体5は、円板状の左側面板510と右側面板520と、左側面板510と右側面板520との間にわたって配される中空の円筒部500とで構成されている。本実施形態では、左側面板510と右側面板520及び円筒部500の全てがパンチングメタルによって形成されている。
また、本実施形態では、開口率の高いパンチングメタルで形成し、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気が回転体5内に広く均一に満たされる構造としている。なお、図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)において、円筒部500にパンチングメタルを全て図示すると、構造面で明瞭に示すことができないため、特定の一部について、パンチングメタルの図示を省略している。これらパンチングメタルの貫通孔により、加熱処理室2内と連通可能に構成されて、加熱処理室2内と同じ加熱処理雰囲気にすることができる。
円筒部500には、乾燥処理前の実験済み廃棄物収容物a(図示しない)を回転体5に入れるために外周面に開口された入口部511と、乾燥処理後の実験済み廃棄物a(図示しない)を回転体5から落下させるために外周面に開口された出口部512を備えている(図5及び図6参照。)。本実施形態では、円筒部500の外周面の略1/4を開口した入口部511とし、これにより作業従事者が実験済み廃棄物aを入れ易くしている。
図5(a)は、円筒部500の外周面に開口された入口部511が回転可能な入口扉511aで閉じられている状態を示しており、図5(b)は、入口扉511aが手前側に入り口511が開口された状態をそれぞれ示している。円筒部500と入口扉511aには簡易な機構で容易に開放可能な図示しないロック機構が備わっており、入口扉511aを開閉可能としている。
なお、当該ロック機構としては、円筒部500と入口扉511aの両方、又はいずれかに磁石を付けた構造でも、或いは機械的な凹凸部によって開閉可能できるものでも構わない。また、円筒部500と入口扉511aの両端に入口扉511aを開閉可能とするためのヒンジ511bと、入口扉511aの中央部にコの字形状の取っ手部511cを有している。
回転体5は、コントロールパネル9からの指示により、所定の時間、モーター6aを駆動させて回転させ、所定の乾燥処理時間に達したら回転体5の回転を終え、円筒部500内の乾燥処理後の実験済み廃棄物aを開口された出口部512(図6参照。)から全て落下させる。また、回転体5の回転が止まる位置は、必ず出口部512の開口面が鉛直方向(図6にて符号Q方向)を向いて止まるように、コントロールパネル9から駆動制御されている。
なお、駆動制御において、回転体5を逆回転と正回転を数回繰り返して円筒部500を揺することも可能である。これにより、乾燥処理後の実験済み廃棄物aを完全に落下させることができる。
図6(a)は、円筒部500に開口された出口部512を出口扉512aで閉じている状態を示しており、図6(b)は、出口扉512aを開けて出口部512を開口している状態をそれぞれ示している。円筒部500の出口部512には、加熱処理室2の外部から操作ができるロック機構513が備わっていて、出口扉512aを加熱処理室2の外部から開閉可能としている。本実施形態では、出口扉512aがヒンジ512bを介して円筒部500に取り付けられて、出口部512を開閉可能に構成している。
ロック機構513は、例えば、ロック側(係合片)と被ロック側(被係合片)とを重ね合わせてロックし、ロック側(係合片)と被ロック側(被係合片)とを重ね合わせない方向へずらすことでロック解除するように構成されている。
当該ロック機構513の被ロック側は、円筒部500の内側軸方向に3個の被係合片513a、513b、513cが一体に形成されており、これらの被係合片513a、513b、513cは、ロック機構513のロック側を構成する被係合片514a、514b、514cに係合される(図6(a)参照。)。
当該ロック機構513のロック側は、出口扉512aの内側軸方向に配設されており、本実施形態では、出口扉512aの内側で軸方向にスライド可能に保持されている連結棒514と、該連結棒514の長さ方向に所定間隔をあけて一体に固定されている3個の係合片514a、514b、514cとで構成されている。
係合片514a、514b、514cは、連結棒514と共にスライドし、前記被係合片513a、513b、513cに係合してロック可能、係合を解除してロック解除可能と、機能する(図6参照。)。
また、本実施形態では、前記係合片514a、514b、514cが、前記被係合片513a、513b、513cに係合する位置にくるように、前記連結棒514を常時付勢するバネ516が配設されている。
本実施形態では、前記ロック側(係合片)と被ロック側(被係合片)と共に、図6に示す突き出し棒515が、ロック機構513を構成している。
突き出し棒515は、加熱処理室2の外方の所定箇所に取付固定されている保持部515aと、該保持部515aの挿通孔515bを摺動可能に挿通して備えられている棒本体515cとで構成されている。
棒本体515cは、加熱処理室2における処理室本体21の所定位置に設けられた図示しない貫通孔から、円筒部500を構成する右側面板520の出口部512に位置する領域の所定位置に設けたガイド孔520aを介して円筒部500内に挿入されている。
前記ガイド孔520aは、前記出口扉512aを閉じたときに、前記連結棒514と同軸上に位置するように設けられている。
そして、棒本体515cを、円筒部500の筒軸方向にスライド移動させて円筒部500内を移動させることにより、連結棒514を筒軸方向にスライド移動させる(図6にて左方向に移動させる。)。このように連結棒514を筒軸方向にスライド移動させる(図6にて左方向に移動させる。)ことにより、出口扉512aのロックが解除される(係合片514a、514b、514cの、被係合片513a、513b、513cへの係合状態が解除される。)。
具体的には、作業従事者が前記ロック機構のロックを解除するには、加熱処理室2に備えられた突き出し棒515を押すことにより(図6(a)の矢印T5方向)、前記係合片514a、514b、514cを備えた連結棒514が、棒本体515cの押圧動作によって、バネ516の付勢力に抗して、図6(b)で左方向に押圧されてスライド移動する(図6(a)の矢印T6方向)。
連結棒514がスライドすると、連結棒514に一体に固定されている係合片514a、514b、514cが図6(b)で左方向にスライドし、これらの重ね合わせていた係合による保持が解除される。その結果、出口扉512aは重力により鉛直方向(図6の矢印Q方向)に落ちて下がり(図1の矢印T2方向)、乾燥処理後の実験済み廃棄物aが全て落下して排出される。
噴射ノズル4は、加熱処理室2内にて、室内加熱部3の鉛直方向と略90度の位置に備えている(図1参照。)。そして、加熱処理室2内の回転体5に向けてそれぞれ噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーを回転体5の外周面と平行させている(図1及び2参照。)。これにより、回転体5へ直接近距離で、3個の噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーから回転体5に向けて(点線方向)に噴射することができる(図1参照。)。なお、本実施形態では、噴射ノズル4は、回転体5の軸方向の両端と中央部分の3箇所に配置されているが、特にその噴射ノズル4の数及び位置については限定されず、4箇所或いは5箇所で等間隔に配置されていても良い。
また、噴射ノズル4は、それぞれノズル内径を0.1mm〜10mm(好ましくは0.5mm〜5mm)とし、ノズル内圧を0.19MPa以上(好ましくは、0.19MPa〜0.41MPa)に制御されている。なお、噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーの形状・構造及び配設数量などについては後述するが、適宜設計変更可能であって、何等本実施形態に限定解釈されるものではない。さらに、ノズル内径、ノズル内圧などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
次に、噴射ノズル4に供給される構成について説明する。架台10の下方領域で室内加熱部3の下方に備えられた、水を蓄えた純粋水タンク11から電磁定量ポンプ8で室外加熱部6に吸い上げられ、室外加熱部6の加熱管路6aを流れる水は加熱され水蒸気になって、噴射ノズル4へと案内するように配管6bが配設されている。なお、電磁定量ポンプ8の汲み上げ水量は、コントロールパネル9によって、所定の水量に設定される。また、純粋水タンク11の水を、加熱時の加熱管路6a内でのスケールを防止するため軟化処理するための軟水装置12が備えられている。これにより、室外加熱部6の耐用年数を延ばすことができる。
加熱管路6aは、室外加熱部6の内部において、所定の内径・長さに形成され、内部に供給された水量は、0.7gr/sec以上、好ましくは0.7gr/sec〜25gr/secとするが、室外加熱部6の構成、加熱管路の管径及び長さは特に限定されず本発明の範囲内において適宜設計可能である。
また、実験済み廃棄物の乾燥処理装置1には、架台10の下方領域に、加熱処理室2から排出される水分等の凝縮液を貯留する貯液タンク7が備えられている(図2参照。)。
貯液タンク7は、加熱処理室2と連通させ、加熱処理室2より排出される凝縮水を貯蔵するタンクである。実験済み廃棄物aの乾燥に伴い、凝縮水液が発生して、貯液タンク7へと導かれる。
凝縮水液等を集める排水口71は、加熱処理室2の下側空間の底板に配設している。なお、排水口71の穴形状は任意であって、処理対象物の搬送方向にわたって長尺状に貫通してなるものであってもよく、また、その穴数も単数、複数限定されない。さらに、凝縮水液Fを集めやすくするため底面の内面を排水口71に向けて下り傾斜状に形成するものであってもよい。
また、貯液タンク7の上面下方には、貯液タンク7内の凝縮水量を測る液レベルのセンサー72を配設しており、所定のレベルに達したときにはコントロールパネル9に信号が伝わり作業従事者に報知される。
また、貯液タンク7の側面下方には、貯液タンク7からの排水管(図示しない)を設けて、排水管のドレン弁の開閉操作によって、凝縮水液が逐次溜まるような構造とし、所定のレベルに達したときは凝縮水液の放射能汚染を除去する(例えばネオナイト)設備に送出することができる。
[加熱処理雰囲気の生成メカニズム]
U字状に形成された一対のヒータの室内加熱部(再加熱部)3による加熱と、噴射ノズル4の噴射により、加熱処理室2内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に生成されるメカニズムについて説明をする。
先ず、加熱処理室2内全体を、室内加熱部3によって、常圧で、かつ、低温度帯或いは高温度帯に加熱制御することができ、また、噴射ノズル4は、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃〜135℃程度にコントロールパネル9によって制御されている。そこで、加熱管路6a内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで加熱管路6a内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、噴射ノズル4を介して気液混合体を加熱処理室2内に噴出させ、加熱処理室2内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整している。
これらの微細水滴は、最終的には加熱処理室2内で蒸発し水蒸気になるが、室内加熱部3を調整し、加熱処理室2内の温度と供給される水量のバランスを取ることにより、常時、過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気の状態を作り出すことができる。
[脂質溶出処理及び乾燥処理]
次に、第一の加熱設定の低温度帯で実験済み廃棄物aを加熱して脂質を溶出させる脂質溶出処理の高水量運転と、その後、第二の加熱設定の高温度帯で実験済み廃棄物の乾燥を行う乾燥処理の低水量運転を説明する。
先ず、第一の加熱設定の低温度高水量帯運転を行うにあたり、コントロールパネル9に、設定を低温度帯(温度100度℃以上、好ましくは100度C〜300度℃、より好ましくは100度C〜150度℃程度)で、高水量(供給量50g/min以上、好ましくは50〜500g/min、より好ましくは50〜300g/min)で、所定の時間(1〜2時間程度)を入力する。これにより実験済み廃棄物aを加熱して、実験済み廃棄物aからの水分蒸発を促進させる。
第一の加熱設定の低温度高水量帯運転から第二加熱設定の高温度低水量帯運転に移行するための条件として、コントロールパネル9に、低温度高水量帯の設定温度を超えた高温度帯(温度100度℃以上、好ましくは100度C〜300度℃、より好ましくは100度C〜200度℃程度)で、低水量(供給量10g/min以上、好ましくは10〜300g/min、より好ましくは10〜150g/min)で、所定の時間(5〜8時間程度)、回転数(2〜5rpm)を入力して乾燥を行う。
なお、実験済み廃棄物aの大きさや量等に合わせて、上記の設定温度、水量、時間及び回転数等を調整する必要があるが、経験値から最も適切な値が入力される。
第一加熱設定の低温度高水量帯運転の条件設定を行うと、電磁定量ポンプ8を介して、加熱管路6a内に50〜300g/minで水を供給し、約1〜2時間程度、所定温度100℃〜150℃で加熱させ、加熱管路6a内には水蒸気と熱水からなる気液混合体が生成される。
そして、噴射ノズル4から加熱処理室2内に気液混合体を噴出することにより、加熱処理室2内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整される。
なお、気液混合体は、実験済み廃棄物aの加熱処理中において、連続して噴射されるものとする。ここで、連続とは、僅かな間隔で断続的に噴射する形態も含む概念である。
次に、低温度高水量帯運転の運転が所定の時間で終わり、高温度低水量帯運転に移行すると、引き続き、約5〜8時間程度、室内加熱部3によって所定温度100℃〜200℃及び供水量10〜150g/minで加熱させ、気液混合体で実験済み廃棄物aを乾燥させる。
[加熱媒体循環機構Uの構成]
次に、加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構Uの構成を説明する。加熱媒体循環機構Uは、加熱処理室2内の回転体5が配設されている処理領域Aと仕切り板50eを介して区分けした吸い込み領域B側に備えられている(図4において、仕切り板50eを境にした矢印符号A側が処理領域を示す、仕切り板50eを境にした矢印符号B側が吸い込み領域を示す)。その吸い込み領域Bには、処理領域A内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域Bへと吸い込む吸い込みファン2cと、吸い込まれた加熱媒体の流れを出口領域Cに流動されるように調整する一対の第一気流調整板61a、61bと、流動されてきた加熱媒体を所定温度まで再加熱する再加熱部3とで構成されている(図4参照。)。
なお、本実施形態において、再加熱部3は、室内加熱部3が兼ねている。また、この処理領域Aは、処理室本体21の内部中空領域20と同じ領域を示している(図3参照。)。
仕切り板50eは、内部中空領域20を構成する内壁周面よりも小さく、かつ回転体5の直径と同程度で、矩形状に形成された所定厚みの平板状に形成され、図示しない支持部材によって処理室本体21の第二気流調整板65上に支持されている。従って、仕切り板50eの側周面と、処理室本体21の内壁周面との間には、側周面と上面にわたって連続した隙間22が形成されている(図3参照。)。
なお、仕切り板50eは、上端面と下端面を前記処理室本体21の上内壁面と下内壁面に一体に備え、左右側面と処理室本体21の左右内壁面との間にのみ隙間が形成されるように構成されるものであってもよく、隙間の位置、形状、広さなどは特に限定解釈されず本発明の範囲内で変更可能である。
また、図4に示すように、仕切り板50eの中央には羽根車2bの直径と同程度の円形からなる吸い込み孔62が設けられ、その吸い込み孔62には図示しない格子の隙間が形成されており(一例として図12(a)参照。)、この格子の隙間を介して加熱処理室2内の加熱処理雰囲気が吸込まれるようになっている。
吸い込みファン2cは、その吸い込み領域Bに、仕切り板50eに備えた吸い込み孔62と対向させて配設され、処理領域A内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域Bへと吸い込み、加熱媒体を再加熱して循環させる、加熱媒体循環機構Uを構成するように備えられている。これにより、処理領域A内の過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体の加熱処理雰囲気を均一とすることができる(図3参照。)。
本実施形態では、吸い込みファン2cは、加熱処理室2を構成している背面に備えられている羽根車2bを、回転せしめる駆動源としてのモーター5aにベルト5cを介して回転される(図1参照。)。なお、吸い込みファン2cの駆動源や羽根車2bは、本発明の範囲内で適宜設計変更可能で、その攪拌送風能力や配設個数なども仕様に応じて対応可能である。
一対の第一気流調整板61a、61bは、吸い込み領域Bに、吸い込みファン2cを挟み所定間隔をあけて対向して備えられ、吸い込みファン2cによって吸い込まれた加熱媒体が、出口領域C方向へと流動するように案内可能な断面視略V字形状を有する板状に形成されている(図1から図4参照。)。
本実施形態では、仕切り板50eの片側(羽根車2bと相対向する側、背面)に、吸い込みファン2c及び吸い込み孔62を上下から挟むようにして鉛直方向の上下に配設されている。なお、吸い込み孔62は、図2に示されている。
加熱処理室2の処理領域Aには、吸い込み領域Bから処理領域A内へと加熱媒体が円滑に流動するように、第二気流調整板65が配設されている。
第二気流調整板65は、処理室本体21の内部中空領域20を構成する内壁周面の一部を構成し、矩形状に形成された所定厚みの平板状に形成されている。また、回転体5を駆動させるモーター5aを設置する空間領域を確保するための仕切り板を兼ねており、第一気流調整板61bの底辺から加熱処理室2内の噴射ノズル4の近傍に向けた傾斜面(テーパ状)65dを形成している。本実施形態では、略40度の傾斜を有している。
なお、第二気流調整板65の傾斜面(テーパ状)65dは、上端面と下端面を処理室本体21の一部壁面と一体に備え、左右側面と処理室本体21の左右内壁面と一体に形成されるように構成されている。なお、第二気流調整板65の傾斜の程度、傾斜面の形状、広さなどは特に限定解釈されず本発明の範囲内で変更可能である。
具体的には、図4に示すように、吸い込みファン2c(羽根車2b)を回転させると、加熱処理室2内の処理領域Aから加熱媒体を吸い込み孔62から吸い込み(気流のU1方向)、このV字形状の第一気流調整板61a、61bに沿って上下左右方向へと加熱媒体が流れると共に隙間22を介して室内加熱部3の背面に廻り込み(気流の両U2方向)、内加熱部(再加熱部)3に接触して加熱媒体が再加熱されながら、噴射ノズル4の噴射時に生じる負圧によって、さらに第二気流調整板65に沿って吸い込み領域Bから処理領域Aの下方に流れて(気流のU3方向)、強制的に回転体5の下方向へと送られる。これにより、回転体5に存する実験済廃棄物aの方向に向けて加熱媒体に噴き付けることができる。
[実験済み廃棄物aの処理]
本実施形態における実験済み廃棄物aの処理の一連を次に説明する。
作業従事者は、上段扉2aを開けて、処理室本体21内に処理対象の実験済み廃棄物を出し入れを行う。先ず、円筒部500入口扉511aを開いて入口部511を開口し(図1の矢印T1方向、図5の矢印R方向)、乾燥処理前の実験済み廃棄物aを投入し、入口扉511aを閉じる。コントロールパネル9に、低温度高水量帯運転を行うにあたり設定温度を100℃〜150℃の低温と供水量50g/min〜300g/minの条件設定と、高温度低水量帯運転に移行するための設定温度を100℃〜200℃の高温で、供水量10g/min〜150g/minの条件設定を入力し、実験済み廃棄物aの処理を開始する。
処理が開始されると、室内加熱部(再加熱部)3による加熱と、噴射ノズル4の噴射により、加熱処理室2内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に生成される。
次に、実験済み廃棄物aを加熱して脂質を溶出させる所定の低温度帯で高水量運転と、その後、その低温度帯を超えて実験済み廃棄物aの乾燥を行う所定の高温度帯で低水量運転とに加熱媒体を調整する、加熱設定を二段階の手順を経て行う。この間、回転体5は、正転回転(図1の矢印T4方向)して実験済み廃棄物aを攪拌する。
脂質溶出処理では、実験済み廃棄物aへ熱を与える段階で、湿熱量の多い過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気を用いて中心部まで加熱を行い、内部温度を均一化し乾燥効率を上げると共に、多量の微細水滴により脂質を溶出させる。本実施形態では、温度を100℃〜150℃で、供水量50g/min〜300g/minの設定条件としている。
次の段階の乾燥処理は、媒体の湿熱量を調整して過熱水蒸気を生成して実験済み廃棄物aを乾燥させる。本実施形態では、設定温度を100℃〜200℃で、供水量10g/min〜150g/minの設定条件としている。
回転体5が矢印T4の方向に回転して実験済み廃棄物aを攪拌しつつ、気液混合体が回転体5内の実験済み廃棄物aを充満(衝突)して熱移動後凝縮され、また、回転体5に入った一部の気液混合体と、回転体5の表面に衝突して飛散した気液混合体が吸い込み孔62に吸い込まれ、吸い込み孔62の出口に設置された室内加熱部(再加熱部)3により再加熱され、一部は過熱水蒸気へ状態変化し、加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気が発生する。
次に、噴射ノズル4の噴射に伴う蒸気流による負圧で、加熱媒体が吸引加速され、吸引加速された加熱媒体は、処理領域Aと吸い込み領域Bの仕切り板50eに沿って形成されたテーパ形状の第一気流整流板61a、61bと、吸い込み孔62の下方に形成されたテーパ形状の第二気流整流板62とで気流整流され、加熱処理室2と回転体5を加熱処理雰囲気で満たし、上記の実験済み廃棄物aの脂質溶出処理と乾燥処理を行う過程をとる。
作業従事者は、所定の乾燥処理時間経過後、室内加熱部3内の噴射ノズル4などを電気的に機能制御するコントロールパネル9から作動を停止させるともに、回転体5の回転を終えさせる。回転体5の回転が止まる位置は、必ず出口部512の開口面が鉛直方向(矢印Q方向)を向いて止まるように、コントロールパネル9から駆動制御されている。
作業従事者は、加熱処理室2に備えられた突き出し棒515を押すことにより、出口扉512aのロックが解除されて、出口扉512aが開き、開口された出口部512から乾燥処理後の実験済み廃棄物aが全て収納トレイ2fに落下される。
作業従事者は、下段扉2gを開いて、開口部D2から収納トレイ2fを引き出して、一連の処理手順を終える。
なお、上記の乾燥処理とは別の手順として、最初から過熱水蒸気を使用して、実験済み廃棄物a表面に初期凝縮現象を発生させ、また、その初期凝縮現象の持続時間について過熱水蒸気生成温度を調整することにより変化させて、実験済み廃棄物aの内部温度の均一化及び脂質の溶出を行い、更に媒体の温度を調整して実験済み廃棄物aの乾燥を行うことも可能である。
本実施形態において、実験済み廃棄物aとして、実験用小動物の代わりに鶏モモ肉(骨付き)を用いて、検証した結果(図15に処理前と処理後の状況を示す写真図参照。)、加熱処理室2からの臭気の異臭はしなかったが、貯液タンク7からの放水では強い肉臭が感じられた。これは、従来技術のマイクロ波乾燥方式や遠赤外線乾燥方式とは異なり、過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気によって乾燥させていることで、悪臭成分が凝縮水に吸収されて貯液タンク7に溜まり、外部に放散されないからである。
また、放射性成分も同様に凝縮水に吸収されて貯液タンク7に溜まり、外部に放散されず、安全性が確保される。さらに、加熱処理雰囲気による効率的殺菌能力についても実証されている。
本実施形態での実験済み廃棄物aの重量減少について、従来技術の遠赤外線乾燥方式においては、処理時間が重量パーセント約50%程度で約20時間が必要であったものが、鶏モモ肉を用いた試験結果では、図16のとおり、第一の加熱設定(低温度)で1時間、第二の加熱設定(高温度)で5時間の合計6時間で処理を行った結果、重量比約50%減となり、十分な効果が検証されている。本乾燥処理装置1において、実験済み廃棄物aが小動物であれば、重量比約50%減とするのに、さらに短時間で乾燥できる可能性がある。
また、鶏モモ肉を用いた加熱処理雰囲気による処理の前後において、全脂質の脂肪酸組成に大きな以外は見られないが、加熱時間に応じて残存脂質量の減少と複合脂質量の増加が認められる。なお、機能性複合脂質量の量比に変化はない。
以上のことから、乾燥処理過程で、多価不飽和脂肪酸の酸化分解は起こらず、脂肪成分の酸化抑制による異臭除去効果が期待できる。すなわち、加熱処理室2から乾処理済みの実験済み廃棄物aを搬出するときに、外気による実験済み廃棄物aの多価不飽和脂肪酸の酸化分解が発生するが、本実施形態では、このような酸化分解が発生しないため異臭がしないという効果がある。
[第二実施形態]
以下、本発明の実験済み廃棄物の乾燥処理装置における第二実施形態を図に基づいて説明する。第二実施形態は、第一実施形態の加熱処理室および噴射ノズル等において相違点があるものの、発明内容がより理解されるように省略することなく詳細に説明する。
図7乃至9において、符号1は実施形態の乾燥処理装置を示し、実験済み廃棄物の乾燥処理装置1は、架台10の上に備えられて密閉された加熱処理室2と、加熱処理室2内を所定温度に加熱する室内加熱部3と加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズル4と、加熱処理室に備えられる回転体5と、回転体5に入れられ、水蒸気や気体を通過可能で、遮菌性を有する実験済み廃棄物を収容する実験済み廃棄物収納部Eと、架台10の下方領域に備えられ加熱処理室2から排出される水分等の凝縮液を貯留する貯液タンク7と、加熱処理室2の上方に備えられ、記貯液タンク7から排出される蒸気を回収する簡易蒸気回収器8とで構成している。
また、これらの室内加熱部3と、回転体5と、噴射ノズル4などを電気的に機能制御するコントロールパネル9が備えられている。
加熱処理室2は、図7及び8に示すように所定の架台10の上に配設されており、所定長さの略矩形状に形成される処理室本体21と、処理室本体21の一端に設けた開口部Dを遮断して内部を密閉するための開閉可能な略矩形の扉2aとを備えている。
また、加熱処理室2は、後述するように室内空間を所定温度以上に加熱制御するため、処理室本体21及び扉2aは断熱構造とし、扉2aの所定位置に耐熱ガラスののぞき窓2e(図7参照。)を備えている。
なお、本実施形態では、実験済み廃棄物aが放射性汚染されていることもあるため、加熱処理室2を耐食性、溶接性、機械的性質が良好な耐熱鋼として最も広く普及している鋼種のステンレス鋼材製としているが、加熱処理室2の全体長さ・全体形状などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態では、扉2aに対向するとともに所定の間隔をあけて一体に配設したスライドシャッターパネル50dを備えている。
スライドシャッターパネル50dは、扉2aと概ね同じ大きさの矩形板状に形成され、扉2aとスライドシャッターパネル50dは、それぞれの相対向する角部間にわたって円柱状の支柱51cを架け渡して一体となっている。このように構成することによって、扉2aとスライドシャッターパネル50d及び隣り合う4本の支柱50cによって所定長さの中空状の直方体に形成され、かつ隣り合う支柱50c間が開放されて内部中空領20と外部とを連通せしめている移動構成体50として扉2a以外の部分が処理室本体21内に位置している。
この移動構成体50は、後述する回転体5を内部中空領20にて回転可能に配設した状態で、内部中空領域20から引き出し及び収納自在に配設される。具体的には、例えば内部中空領域20の所定位置に備えた図示しないスライド支持部に4本の支柱50cが摺動可能に保持され、開放した扉2aとともに水平方向(図10において矢印Jで示す方向)にスライド移動可能に構成している。スライド移動可能な構成は、特に限定解釈されることなく任意に設計変更可能である。
このように、移動構成体50を、スライド移動可能な構成として処理室本体21内から引き出し或いは収納可能としたのは次の理由からである。
処理室本体21内に処理対象の実験済み廃棄物をその都度出し入れする必要があり、その度に扉2aを開放するが、開放したままで作業をしたのでは、加熱処理雰囲気に調整されている処理室本体21内から加熱媒体が外部へと流出してしまい、大きなエネルギーロスを招くこととなり、余計なコストが掛かってしまうばかりか、次の処理をするにあっては、処理室本体21内が十分な加熱処理雰囲気になっていないといった不都合が生じる虞もある。また、高温の加熱媒体が大気中に漏れ出すと、作業従事者への火傷等で人体を害する虞もある。
このような課題を解決するため、実験済み廃棄物を収納する回転体を移動構成体50に一体に備えるとともに、扉2aと概ね同じ形状に形成したスライドシャッターパネル50dを備え、移動構成体50を処理室本体21内から外方へとスライド移動した際に、スライドシャッターパネル50dが開口部Dを密閉して内部中空領域20を外部と遮断する構成とした。
なお、移動構成体50は、内部中空領域20内に収まる程度の大きさであれば特にその形状に限定されるものではなく、全体を概ね円筒状に構成する外観形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。すなわち、扉2aとスライドシャッターパネル50dは、開口部Dを塞ぐ形状を有しているものであれば良く、また全体外観形状は、扉2aとスライドシャッターパネル50dの形状に係らず、直方体状であっても円筒状であってもよい。
また、開口部Dと扉2a及びスライドシャッターパネル6dとの間の隙間を埋めるために、密閉状態を完全にするためのパッキングを備えている。
本実施形態では、図8及び9に示すように、処理室本体21における扉2aを備えた端面と相対向する端面の略中央に、加熱処理室2の内部中空領域(加熱空間)20内の加熱処理雰囲気を均一とする吸い込みファン2cを備えている(図9参照。)。
吸い込みファン2cは、内部中空領域20に位置する他端面の内面側にて回転可能に備えられる吸い込みファン2cの羽根車2bと、加熱処理室2外に位置する他端面の外面側に備えられ、羽根車2bを回転せしめる駆動源としてのモーター2dとで構成されている(図3参照。)。なお、吸い込みファン2cは本発明の範囲内で適宜設計変更可能で、その攪拌送風能力や配設個数なども仕様に応じて対応可能である。
また、図12(b)に示すように、羽根車2bの軸方向の前面側には、仕切り板50eを配設している。
仕切り板50eは、処理室本体21の内部中空領域20を構成する内壁周面よりも僅かに小さく、かつスライドシャッターパネル50dよりも大きく形成されている概ねスライドシャッターパネル50dと同じ矩形状に形成された所定厚みの平板状に形成され、図示しない支持部材によって処理室本体21の他端面に支持されている。従って、仕切り板50eの側周面と、処理室本体21の内壁周面との間には、側周面の全域にわたって連続した隙間22が形成されている。
なお、仕切り板50eは、上端面と下端面を処理室本体21の上内壁面と下内壁面に一体に備え、左右側面と処理室本体21の左右内壁面との間にのみ隙間が形成されるように構成されるものであってもよく、隙間の位置、形状、広さなどは特に限定解釈されず本発明の範囲内で変更可能である。
また、図12(a)に示すように、仕切り板50eの中央には羽根車2bの直径と同程度の円形からなる吸い込み孔62が設けられ、その吸い込み孔62には格子の隙間が形成されており、この格子の隙間を介して加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)が吸込まれるようになっている。
また、仕切り板50eの片側(羽根車2bと相対向する側、背面)には、吸い込み孔62を挟むようにして鉛直方向の上下に一対の気流調整板61a、61bが水平方向に突設して配設されている。
気流調整板61a、61bは、それぞれ相対向する面の略中央領域にて、それぞれ相対向する方向に折り曲げたV字形状に形成されている。
羽根車2bを回転させると、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気の一部を吸い込み孔62から吸い込み、(気流の矢印V1)、このV字形状の気流調整板61に沿って上下左右方向へと流れると共に、隙間22を介して室内加熱部3の背面に廻り込み(気流の矢印V2)、室内加熱部3に接触して再加熱されながら噴射ノズル4の噴射時に生じる負圧によって強制的に回転体5の方向へと送られる。
このように、羽根車2bを回転させることで、加熱処理室2内の加熱媒体が循環して、温度を均一に保つことができる。
回転体5は、回転可能な円筒形状を成すドラムミキサー(図13(a)、(b)参照。)で、扉2aとスライドシャッターパネル50dの略中央部にわたって軸方向に架け渡されている回転軸50bによって保持されている。
回転軸50bは、扉2aの外面側に配設されたモーター50aと回転可能に連結されている。モーター50aの回転制御は、コントロールパネル9によって、所定の回転数が設定される。本実施形態では、2rpmから5rpmの範囲に回転制御されている。
回転体5は、円板状の前面板510と後面板520と、前面板510と後面板520との間にわたって配される中空の円筒部500とで構成されている。本実施形態では、前面板510と後面板520及び円筒部500の全てがパンチングメタルによって形成されている(図13(a)、図14(a)参照。)。
また、本実施形態では、開口率の高いパンチングメタルで形成し、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)が回転体5内に広く均一に満たされる構造としている。
なお、円筒部500の所定位置に設けた図示してない取り入れ口から実験済み廃棄物収容物Aを出し入れする。
図8、9、10の各図面において、回転体5の内部に記載した網掛け状の部分は、回転体5内に収容される実験済み廃棄物aを収容する実験済み廃棄物収納部Eを示している。
本実施形態では、回転体5の形状を筒状としているドラムミキサー(図13参照。)としているが、スクロール形状のスクロールミキサー(図14参照。)でも構わない。ドラムミキサーは、スクロールミキサーより多くの実験済み廃棄物aを収容することができるため(6kg程度は収容可能)、廃棄処理時間が長い場合には効率的である。
回転体5の形状をスクロールミキサーとする場合には、スクロールミキサーの開口部に実験済み廃棄物収納部E(実験済み廃棄物a)を投入し、正転回転(図14(b)のX方向)に伴い、実験済み廃棄物収容部E(実験済み廃棄物a)をスクロールミキサーの内周へ向けて移動させ、スクロールミキサーに収容された実験済み廃棄物aが実験済み廃棄物収納部E内で効率良く撹拌される構造となっている。スクロールミキサーは、コントロールパネル9からの指示により、所定の時間、モーター50aを駆動させて回転している。
スクロールミキサーのミキシング最終の排出動作は、スクロールミキサーの逆回転(図14のY方向)に伴い、スクロールミキサーに収容された実験済み廃棄物収納部E(実験済み廃棄物a)はスクロール外周部へ移動され回転が進むにつれてスクロールミキサーの外へ移動排出される。
なお、排出動作のスクロールミキサーの逆回転は、加熱処理室2からスクロールミキサーを外部に移動(搬出)後に行われる。
実験済み廃棄物収納部Eは、一端側に開閉可能な構成を有する袋状に形成され、その全体は、多数の繊維が絡み合い、繊維同士が密着し合ってできており、水蒸気や空気を気体が通過する経路は、繊維の複雑な絡み合いによって、距離の長い迷路のような構造となっている。
そのため、実験済み廃棄物aを実験済み廃棄物収納部Eに入れることにより、気体は通過するにもかかわらず、液体や細菌などは通過することができず遮菌性が確保されることになり、実験済み廃棄物aに付着した雑菌を加熱処理室2内に蔓延することが防ぐことができる。また、溶出した脂質も通過することができず、加熱処理室2内を汚すこともない。
さらに、脱脂し乾燥した実験済み廃棄物aが回転する回転体5でほぐされても、加熱処理室2内が汚されることを防ぐことができ清掃が短時間ででき効率的となる。ただ、水蒸気や空気が通過しやすさを示す透気低高度(紙の空気の通過しやすを測定した値)が増大すると通気性が悪くなるので、透気低高度を適切に管理して、包装が裂けないようにすることが必要である。
また、実験に使用した実験済み廃棄物aである小動物を実験済み廃棄物収納部Eに入れることで、実験をした者や廃棄物処理をする作業従事者にとって、小動物が廃棄乾燥処理されるのを目の当たりにすることもなくなり、不快感を減少させることができる。
本実施形態では、医療器具の包装材料として使用される滅菌紙を用いたが、水蒸気や空気を通過させ、細菌や水を通過させない構造の包装材料であれば、特に限定されず本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
また、この実験済み廃棄物収納部Eの面に適度な凹凸があるため、本実施形態では、溶解した樹脂が繊維間に押し込まれることで接着可能とするヒートシールで袋綴じをしている。さらに、PP繊維を混抄したほうが、袋綴じ部分の接着強度がより強くすることができる。
室内加熱部3は、本実施形態では長尺平板状に形成されたヒータパネルを想定しており、加熱処理室2の出入口の扉2aに対して側壁面にあって、一対の室内加熱部3がそれぞれ長尺方向に対向して配設している(図9、10参照。)。この室内加熱部3は、加熱処理室2本体の内部中空領域を所定の温度に加熱する構成を有するものであればよく、本実施形態のようなパネル状に限らず、コイルヒータなどを採用することも可能である。
本実施形態では、室内加熱部3の内部に加熱管路33を通過させている。
例えば本実施形態では、図11に示すように、室内加熱部3の上端から内部に向けて鉛直方向に内装した第一管部3aと、第一管部31から水平方向に内装した第二管部3bとによって略L字状に加熱管路33を内装し、処理室本体21の内部中空領域20を所定の温度に加熱すると同時に、加熱管路33を加熱して、加熱管路33内を通過する水を所定温度・所定圧力で沸騰させることで加熱管路33内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成するものとしている。
室内加熱部3の上方には、水Gを蓄えた純粋水タンク11から電磁定量ポンプ8で加熱処理室2に吸い上げられ、室内加熱部3の方向へと案内するように配管32が配設されている。なお、電磁定量ポンプ8の汲み上げ水量は、コントロールパネル9によって、所定の水量に設定される。
なお、純粋水タンク11の水Gは、加熱時の加熱管路33内でのスケールを防止するため軟化処理がされている。これにより、室内加熱部3の耐用年数を延ばすことができる。
加熱管路33は、室内加熱部3の内部において、所定の内径・長さに形成され、内部に供給された水量は、0.7gr/sec以上、好ましくは0.7gr/sec〜25gr/secとするが、室内加熱部3の構成、加熱管路の管径及び長さは特に限定されず本発明の範囲内において適宜設計可能である。
噴射ノズル4は、加熱処理室2内にて、室内加熱部3の鉛直方向と90度の位置に備えている。そして、加熱処理室2内の回転体5に向けてそれぞれ噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーを鉛直方向と90度の位置(左右)に対向させている(図11参照。)。これにより、回転体5へ直接近距離で、噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーから矢印W方向に噴射することができる(図11参照。)。
本実施形態では、噴射ノズルヘッダーを等間隔で複数(片側8個)設けており、それぞれノズル内径を0.1mm〜10mm(好ましくは0.5mm〜5mm)とし、ノズル内圧を0.19MPa以上(好ましくは、0.19MPa〜0.41MPa)に制御されている。なお、噴射ノズル4の噴射ノズルヘッダーの形状・構造及び配設数量などについては後述するが、適宜設計変更可能であって、何等本実施形態に限定解釈されるものではない。さらに、ノズル内径、ノズル内圧などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態における噴射ノズル4の噴射により、加熱処理室内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に満たされるメカニズムは次のとおりである。
加熱処理室2内全体を、室内加熱部3によって、常圧で、かつ、低温度或いは高温度に加熱制御することができ、また、噴射ノズル4は、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃〜135℃程度にコントロールパネル9によって制御されている。そこで、加熱管路33内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで加熱管路33内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、噴射ノズル4を介して気液混合体を加熱処理室2内に噴出することにより、加熱処理室2内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整している。
これらの微細水滴は、最終的には加熱処理室2内で蒸発し水蒸気になるが、室内加熱部3を調整し、加熱処理室2内の温度と供給される水量のバランスを取ることにより、常時、過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気の状態を作り出すことができる。
このように、実験済み廃棄物aの処理は、実験済み廃棄物aへ熱を与える段階で、湿熱量の多い過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した状態の加熱媒体を用いて中心部まで加熱を行い、内部温度を均一化し乾燥効率を上げると共に、多量の微細水滴により脂質を溶出させた状態で、媒体の湿熱量を調整して過熱水蒸気を生成して小動物の乾燥を行う低温度高水量帯運転と高温度低水量帯運転の二段階の手順を経て行うことができる。
上記の乾燥処理とは別の手順として、最初から高温度低水量帯を使用して、実験済み廃棄物a表面に初期凝縮現象を発生させ、また、その初期凝縮現象の持続時間について温度及び水量を調整することにより変化させて、実験済み廃棄物aの内部温度の均一化及び脂質の溶出を行い、更に媒体の温度を調整して実験済み廃棄物aの乾燥を行うことも可能である。
実験済み廃棄物aを処理するにあたり、修納部Eに包まれた実験済み廃棄物aを、加熱処理室2内の回転体5内に入れて回転させ、低温度高水量帯運転にて、加熱処理室内に加熱された水を高速で噴射して微細水滴を含んだ加熱処理雰囲気を用いて実験済み廃棄物aの中心部まで加熱を行い、内部温度を均一化して乾燥効率を上げると共に多量の加熱処理雰囲気により脂質を溶出させた(脱脂)状態にし、次に低水量運転にて、実験済み廃棄物aの湿熱量を調整して加熱処理雰囲気を生成して、実験済み廃棄物aの乾燥を行う。
低温度高水量帯で実験済み廃棄物を加熱して脂質を溶出させる、脂質溶出工程の低温度高水量帯運転と、その後、高温度低水量帯で実験済み廃棄物の乾燥を行う、乾燥工程の低水量運転における設定条件について、詳細に説明する。
先ず、低温温度高水量帯運転を行うにあたり、コントロールパネル9に、設定を低温度帯(温度100度℃以上、好ましくは100度C〜300度℃、より好ましくは100度C〜150度℃程度)で、高水量(供給量50g/min以上、好ましくは50〜500g/min、より好ましくは50〜300g/min)で、所定の時間(1〜2時間程度)を入力する。これにより実験済み廃棄物aを加熱して、実験済み廃棄物aからの水分蒸発を促進させる。
低温度高水量帯運転から高温度低水量帯運転に移行するための設定を、コントロールパネル9に、低温度高水量帯の設定温度を超えた高温度帯(温度100度℃以上、好ましくは100度C〜300度℃、より好ましくは100度C〜200度℃程度)で、低水量(供給量10g/min以上、好ましくは10〜300g/min、より好ましくは10〜150g/min)で、所定の時間(5〜8時間程度)、回転数(2〜5rpm)を入力して乾燥を行う。
なお、実験済み廃棄物aの大きさや量等に合わせて、上記の設定温度、水量、時間及び回転数等を調整する必要があるが、経験値から最も適切な値が入力される。
低温度高水量帯運転の設定を行うと、電磁定量ポンプ4aを介して、加熱処理室2内の加熱管路33内に50〜300g/minで水を供給し、約1〜2時間程度、室内加熱部3によって所定温度100℃〜150℃で加熱させ、加熱管路33内には水蒸気と熱水からなる気液混合体が生成される。
そして、噴射ノズル4から加熱処理室2内に気液混合体を噴出することにより、加熱処理室2内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整される。
なお、気液混合体は、実験済み廃棄物aの加熱処理中において、連続して噴射されるものとする。ここで、連続とは、僅かな間隔で断続的に噴射する形態も含む概念である。
次に、低温度高水量帯運転の運転が所定の時間で終わり、高温度低水量帯運転に移行すると、引き続き、約5時間程度、室内加熱部3によって所定温度100℃〜200℃及び供水量10〜150g/minで加熱させ、気液混合体で実験済み廃棄物aを乾燥させる。
その他の実施形態として、加熱処理雰囲気による手順を経ないで、最初から過熱水蒸気を使用して、実験済み廃棄物aに初期凝縮減少を発生させ、また、その初期凝縮現象の持続時間について過熱水蒸気生成温度を調整することにより変化させ、実験済み廃棄物aの内部温度の均一化及び脂質の溶出を行い、更に実験済み廃棄物aの温度を昇温調節して実験済み廃棄物aの乾燥を行うことができる。
また、追加の実施形態として、回転体5に軽量計を配設することにより、実験済み廃棄物aの乾燥処理前の計量と、その後の軽量を行って所定目的の重量(%)まで乾燥させることができる。具体的には、実験済み廃棄物aの乾燥処理前の重量の50%まで乾燥させる場合、実験廃物物aの回転体5に投入した時点で回転体5と実験済み廃棄物aとの軽量を行い、その後、その軽量が半分になったことを検知した時点で回転体5の回転動作を終了させ、作業従事者に報知する。これら動作は、コントロールパネル9において、自動制御することにより乾燥処理を効率的に行い得る。
また、本実施形態においては、実験済み廃棄物aを水蒸気や空気を通過する廃棄物収納部Eに入れて説明してきたが、回転体5の円筒内に水蒸気や空気を通過する滅菌紙を加熱処理室2内に接着にて配設することで容積が大きい実験済み廃棄物収納部Eを形成することにより、多くの実験済み廃棄物aの乾燥処理を効率的に行うこともできる。
なお、本実施形態においては、回転体5に包装或いは袋詰めの収納による実験済み廃棄物収納部Eに実験済み廃棄物aを入れて乾燥処理をしているが、加熱処理室2内に回転体5を備えないで、加熱処理室2内にトレイを備えて、トレイ上に実験済み廃棄物aが入った水蒸気や空気を通過する実験済み廃棄物収納部Eを置いた実施形態であっても、実験済み廃棄物aを乾燥させることができて、悪臭を押さえることができることが検証されている。
貯液タンク7は、架台10の下側に取り付けられ、加熱処理室2と連通させ、加熱処理室2より排出される凝縮水Fを貯蔵する円筒形状のタンクである。実験済み廃棄物aの乾燥に伴い、凝縮水液Fが発生して、貯液タンク7へと導かれる。
凝縮水液F等を集める排水口7aは、加熱処理室2の下側空間の底板に配設している。なお、排水口7aの穴形状は任意であって、処理対象物の搬送方向にわたって長尺状に貫通してなるものであってもよく、また、その穴数も単数、複数限定されない。さらに、凝縮水液Fを集めやすくするため底面の内面を排水口7aに向けて下り傾斜状に形成するものであってもよい。
また、貯液タンク7の側面下方には、貯液タンク7からの排水管7bを設けて、排水管7bのドレン弁7cの開閉操作によって、凝縮水液Fが逐次溜まるような構造とし、所定のレベルに達したときは凝縮水液Fの放射能汚染を除去する(例えばネオナイト)設備に送出することができる。
また、図示してないが、貯液タンク7内の凝縮水量を測る液レベル計を配設して、所定のレベルに達したときにはコントロールパネル9に信号が伝わり作業従事者に報知される。
簡易蒸気回収器8は、貯液タンク7の上部近傍の側面に開口8bから貯液タンク7内の蒸気をするための大気開放管8aと連通している。このように構成したことにより、加熱処理室2内を常圧に保ち、放射性物質の汚染の飛散を防止でき、大気開放管8a先端部に冷却水を用いて排気蒸気と間接的に熱交換を行い、排気蒸気を凝縮させて連結管8cを介して貯液タンク7に回収することができる。
また、図示してないが、放射線測定器を簡易蒸気回収器8に備えることで、放射汚染された実験済み廃棄物aを乾燥処理後の加熱処理室2内及び貯液タンク7の放射線量を逐次、作業従事者が確認することができて、安全に蒸気することが可能である。
1 乾燥処理装置
2 加熱処理室
3 室内加熱部(再加熱部)
4 噴射ノズル
5 回転体(ドラムミキサー、スクロールミキサー)
6 加熱部
7 貯液タンク
8 簡易蒸気回収器
9 コントロールパネル
10 架台
11 純粋水タンク
a 実験済み廃棄物

Claims (4)

  1. 実験済み小動物の廃棄物を乾燥処理する実験済み廃棄物の乾燥処理装置であって、
    密閉された加熱処理室と、
    前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、
    前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、
    中空筒状に構成されて前記加熱処理室内で回転可能に備えられ、前記実験済み廃棄物を収納可能に構成された回転体と、を備え、
    前記回転体は、前記加熱処理室内と連通可能に構成されて前記加熱処理室内と同じ加熱処理雰囲気とされ
    前記加熱媒体は、
    前記実験済み廃棄物を加熱して脂質を溶出させる所定の低温度高水量帯と、
    低温度帯を超えて、前記実験済み廃棄物の乾燥を行う所定の高温度低水量帯とに調整可能であることを特徴とする実験済み廃棄物の乾燥処理装置。
  2. 前記加熱処理室には、前記加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構を備えており、
    前記加熱媒体循環機構は、前記回転体の配設されている処理領域と仕切り板を介して区分けした吸い込み領域に備えられ、
    前記仕切り板に備えた吸い込み孔と対向させて吸い込み領域に配設され、前記処理領域内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域へと吸い込む吸い込みファンと、
    前記吸い込み領域にて、前記吸い込みファンを挟み所定間隔をあけて対向して備えられる少なくとも一対の第一気流調整板と、
    前記吸い込み領域にて、前記一対の第一気流調整板間の出口領域に配設される再加熱部とで構成され、
    前記第一気流調整板は、前記吸い込みファンによって吸い込まれた加熱媒体が、前記出口領域方向へと流動するように案内可能な断面視略V字形状を有する板状に形成され、
    前記再加熱部は、前記出口領域に流動されてきた加熱媒体を所定温度まで再加熱して再び処理領域へと流動案内せしめるものであって、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する前記室内加熱部が兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の実験済み廃棄物の乾燥処理装置。
  3. 前記一対の第一気流調整板は、前記吸い込みファンを挟んで上下方向で一対配設されており、
    上方に配設される第一気流調整板には、少なくとも一部に、吸い込みファン側と、前記吸い込みファン側と第一気流調整板を挟んで反対側に存する第一気流調整板内側の断面視略V字形状の滞留領域とにわたって貫通する貫通孔を設け、
    前記滞留領域には、加熱処理室内の温度を計測可能な温度センサーを備えていることを特徴とする請求項2に記載の実験済み廃棄物の乾燥処理装置。
  4. 実験済み小動物の廃棄物を乾燥処理する実験済み廃棄物の乾燥処理装置であって、
    密閉された加熱処理室と、
    前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、
    前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、
    中空筒状に構成されて前記加熱処理室内で回転可能に備えられ、前記実験済み廃棄物を収納可能に構成された回転体と、を備え、
    前記回転体は、前記加熱処理室内と連通可能に構成されて前記加熱処理室内と同じ加熱処理雰囲気とされ、


    前記加熱処理室には、前記加熱媒体を再加熱して循環させる加熱媒体循環機構を備えており、
    前記加熱媒体循環機構は、前記回転体の配設されている処理領域と仕切り板を介して区分けした吸い込み領域に備えられ、
    前記仕切り板に備えた吸い込み孔と対向させて吸い込み領域に配設され、前記処理領域内の加熱媒体を強制的に吸い込み領域へと吸い込む吸い込みファンと、
    前記吸い込み領域にて、前記吸い込みファンを挟み所定間隔をあけて対向して備えられる少なくとも一対の第一気流調整板と、
    前記吸い込み領域にて、前記一対の第一気流調整板間の出口領域に配設される再加熱部とで構成され、
    前記第一気流調整板は、前記吸い込みファンによって吸い込まれた加熱媒体が、前記出口領域方向へと流動するように案内可能な断面視略V字形状を有する板状に形成され、
    前記再加熱部は、前記出口領域に流動されてきた加熱媒体を所定温度まで再加熱して再び処理領域へと流動案内せしめるものであって、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する前記室内加熱部が兼ね、
    前記一対の第一気流調整板は、前記吸い込みファンを挟んで上下方向で一対配設されており、
    上方に配設される第一気流調整板には、少なくとも一部に、吸い込みファン側と、前記吸い込みファン側と第一気流調整板を挟んで反対側に存する第一気流調整板内側の断面視略V字形状の滞留領域とにわたって貫通する貫通孔を設け、
    前記滞留領域には、加熱処理室内の温度を計測可能な温度センサーを備えていることを特徴とする実験済み廃棄物の乾燥処理装置。
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