JP6443821B2 - Sealing device - Google Patents
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Description
本発明は、密封装置に関し、特に、車両等において雨水や泥水等の異物の浸入を防止するために用いられる密封装置に関する。 The present invention relates to a sealing device, and more particularly, to a sealing device used for preventing entry of foreign matter such as rainwater and muddy water in a vehicle or the like.
車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置(以下、ハブベアリングともいう。)は、雨水や泥水等の異物に直接曝される環境にある。このため、従来から、車輪用軸受装置には、この車輪用軸受装置を外部から密封するために、密封装置が取り付けられている。この密封装置は、車輪用軸受装置の内部に雨水や泥水等の異物が進入することの防止を図っている。 2. Description of the Related Art In a vehicle, for example, an automobile, a wheel bearing device (hereinafter also referred to as a hub bearing) that rotatably supports wheels is in an environment where it is directly exposed to foreign matter such as rainwater and muddy water. For this reason, conventionally, a sealing device is attached to the wheel bearing device in order to seal the wheel bearing device from the outside. This sealing device is intended to prevent foreign matters such as rainwater and muddy water from entering the wheel bearing device.
図8は、従来の車輪用軸受装置に取り付けられた密封装置(以下、ハブシールともいう。)の概略構成を示すための部分断面図である。図8に示すように、従来のハブシールとしての密封装置100は、車輪用軸受装置200において、互いに同軸に相対回動する外輪201と内輪202との間の環状の空間203を密封するために、外輪201と内輪202との間に圧入されている。車輪用軸受装置200は、転がり軸受であり、図示しない転動体が外輪201と内輪202との間に配設されており、外輪201と内輪202とが相対回動可能になっている。密封装置100は、空間203内に異物が浸入することを抑制している。
FIG. 8 is a partial cross-sectional view illustrating a schematic configuration of a sealing device (hereinafter also referred to as a hub seal) attached to a conventional wheel bearing device. As shown in FIG. 8, a
密封装置100は、図8に示すように、外輪201に内嵌される環状の密封装置本体110と、内輪202に外嵌される環状のスリンガ120とを備える。密封装置本体110は、環状の補強環111と、この補強環111を覆うように一体に形成されたゴム材から成る弾性体部112とを備える。補強環111は、軸線に沿う断面の形状が、図8に示すように略L字形状であり、補強環111の外周側の円筒状の部分が外輪201の内周面に液密に嵌合されている。弾性体部112は、補強環111の内周側及び外側に形成されており、外周側の円筒状の円筒部113と、円筒部113の内側の端部から軸線に向かう方向(径方向)に延びる基体部114とを備える。基体部114は、軸線方向において外側に延びる2つのサイドリップ115と、径方向に延びるラジアルリップ116とを備える。
As shown in FIG. 8, the
スリンガは、金属製であり、軸線に沿う断面の形状が図8に示すように略L字形状であり、内周側の円筒状の部分である円筒部121と、円筒部121の外側の端部から径方向に外周側に延びる円盤状の円盤部122とを備える。スリンガ120は、円筒部121が内輪202の外周面に液密に嵌合されている。また、円盤部122の外側の面には、環状のエンコーダ123が円盤部122の全周に亘って取り付けられている。
The slinger is made of metal, and the cross-sectional shape along the axis is substantially L-shaped as shown in FIG. 8. The
図8に示すように、密封装置100において、密封装置本体110のサイドリップ115は、所定の締め代(接触幅)を持ってスリンガ120の円盤部122の内側面に当接し、シール部を形成している。また、密封装置本体110のラジアルリップ116は、所定の締め代を持ってスリンガ120の円筒部121の外周面に当接し、シール部を形成している。
As shown in FIG. 8, in the
さらに、密封装置本体110の弾性体部112の円筒部113の外側の端部には、図8に示すように、外側及び外周方向に斜めに延びる環状の面である外側テーパ面117が形成されている。また、エンコーダ123は、スリンガ120の円盤部122の外周側の端部を覆っており、エンコーダ123の外周側の端部124には、円筒部113の外側テーパ面117に対して平行に延びる内側テーパ面125が形成されている。そして、外側テーパ面117と内側テーパ面125とは、径方向において互いに対向して円環状の隙間101を形成している。この円環状の狭い隙間101は、ラビリンスシールを形成している(例えば、特許文献1参照)。
Further, as shown in FIG. 8, an outer
このように、従来の密封装置100においては、サイドリップ115及びラジアルリップ116に加えて、先ず、隙間101が形成するラビリンスシールによって、雨水や泥水等の異物が密封装置100の内部へ浸入することが抑制されている。そして、微小な異物が隙間101を通過したとしても、サイドリップ115及びラジアルリップ116が形成するシール部により、異物の車輪用軸受装置200内部への浸入が抑制されている。
As described above, in the
また、図9は、従来の車輪用軸受装置に取り付けられた他の密封装置の概略構成を示すための部分断面図である。図9に示すように、従来の密封装置130は、上記従来の密封装置100と同様に、車輪用軸受装置210において、互いに同軸に相対回動する外輪211と内輪212との間の環状の空間213に圧入されている。車輪用軸受装置210は、車輪用軸受装置200と同様に、転がり軸受である。密封装置130は、空間213内に異物が進入することを抑制している。
FIG. 9 is a partial cross-sectional view showing a schematic configuration of another sealing device attached to a conventional wheel bearing device. As shown in FIG. 9, the
密封装置130は、図9に示すように、外輪211に内嵌される環状の密封装置本体140と、内輪212に外嵌される環状のスリンガ150とを備える。密封装置本体140は、環状の補強環141と、この補強環141を覆うように一体に形成されたゴム材から成る弾性体部142とを備える。補強環141は、軸線に沿う断面の形状が、図9に示すように略L字形状であり、補強環141の外周側の円筒状の部分が外輪211の内周面に液密に嵌合されている。弾性体部142は、補強環141の内周側及び外側に形成されており、外周側の円筒状の円筒部143と、円筒部143の内周側に形成された基体部144とを備える。基体部144は、軸線方向において外側に延びるサイドリップ145と、径方向に延びて二股に分かれるラジアルリップ146とを備える。円筒部143の外側面には、内側に凹の環状の凹部147が形成されており、円筒部143において内周側に外側に凸の突条体148が形成されている。
As shown in FIG. 9, the
スリンガ150は、金属製であり、軸線に沿う断面の形状が図9に示すように略L字形状であり、内周側の円筒状の部分である円筒部151と、円筒部151の外側の端部から径方向に外周側に延びる円盤状の円盤部152とを備える。スリンガ150は、円筒部151が内輪212の外周面に液密に嵌合されている。また、円盤部152の外側の面には、上述の密封装置100と同様に、環状のエンコーダ153が円盤部152の全周に亘って取り付けられている。
The
エンコーダ153は、スリンガ150の円盤部152の外周側の端部を覆っており、エンコーダ153の外周側の端部154には、内側に凸の環状の突条体155が形成されている。突条体155は、弾性体部142の円筒部143の凹部147内に入り込んでおり、突条体155の内周面と突条体148の外周面との間に軸方向に延びる狭小な隙間131を形成している。また、突条体148の先端部と円盤部152の内側面との間にも、径方向に延びる狭小の隙間132が形成されている。これらの隙間131,132は、ラビリンスシールを形成している。
The
また、図9に示すように、密封装置130において、サイドリップ145はスリンガ150の円盤部152の内側面に、ラジアルリップ146はスリンガ150の円筒部151の外周面に、夫々所定の締め代を持って当接し、シール部を形成している(例えば、特許文献2参照)。
Further, as shown in FIG. 9, in the
このように、従来の密封装置130においては、上記従来の密封装置100と同様に、先ず、隙間131,132が形成する2つのラビリンスシールによって、雨水や泥水等の異物が密封装置130の内部へ浸入することが抑制されている。そして、微小な異物が隙間131,132を通過したとしても、サイドリップ145及びラジアルリップ146が形成するシール部により、異物の車輪用軸受装置200内部への浸入が抑制されている。
As described above, in the
上記従来の密封装置100,130においては、ラビリンスシールによって、異物が内部に浸入しないようにする異物の遮断性能を向上させることはできる。しかしながら、例えば極微小な異物等の浸入は、ラビリンスシールによっても完全に防止することはできていない。また、ラビリンスシールを形成する上記隙間101,131,132は、非常に幅が狭いため、異物がラビリンスシールを通過してその内部に浸入すると、この異物を密封装置100,130の外に排出することは難しく、異物が密封装置100,130の内部に蓄積されていく。そして、密封装置100,130の内部に蓄積された異物により、サイドリップ115、145及びラジアルリップ116,146の摺動部が損傷を受け、リップのシール性が低下することにより、密封装置の密封性能が低下するようになる。この場合、異物が車輪用軸受装置200,210の内部に浸入し、車輪用軸受装置200,210の内部に錆等の不具合が発生してしまう。このように、従来の密封装置においては、ラビリンスシールを通過して内部に浸入した異物を排出することが困難であるという問題があった。
In the
また、密封装置130においては、隙間131,132の幅が狭いので、密封装置本体140又はスリンガ150が僅かに偏心した場合でも、エンコーダ153の突条体155と弾性体部142の突条体148とが、また、突条体148とスリンガ150の円盤部152とが接触してしまう。このため、密封装置本体140とスリンガ150との間の摺動抵抗が増大し、密封装置130の回転トルクが増大してしまう。このため、密封装置130において、摩擦発熱やトルク損失等の不具合が発生してしまう。このように、従来の密封装置においては、ラビリンスシール部分における接触による回転トルクの増大が問題となっていた。
In the
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部に浸入した雨水や泥水等の異物の排出性能を向上させることができ、また、回転トルクの低減を図ることができる密封装置を提供することにある。 The present invention has been made in view of the above-described problems, and the object thereof is to improve the discharge performance of foreign matter such as rainwater and muddy water that has entered the inside, and to reduce the rotational torque. It is to provide a sealing device that can be used.
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸線について互いに相対回動可能な環状の外周側部材と該外周側部材に少なくとも部分的に包囲された環状の内周側部材とを備える機構において前記外周側部材と前記内周側部材との間を密封する密封装置であって、前記外周側部材に取り付けられる密封装置本体と、前記内周側部材に取り付けられるスリンガと、前記スリンガに取り付けられている弾性を有するフランジ部材とを備え、前記密封装置本体は、前記軸線を中心とする環状の補強環と、該補強環に取り付けられている、弾性体から形成されている前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、前記スリンガは、前記軸線を中心とする環状の金属製部材であり、前記弾性体部は、前記スリンガに当接する少なくとも1つのシールリップを備え、前記フランジ部材は、前記軸線を中心とする環状の部材であり、外周側の端部に前記軸線を中心とする環状の突条体を少なくとも1つ備え、該突条体は、前記弾性体部との間に前記軸線を中心とする環状の隙間を形成し、前記軸線方向の厚さが前記軸線から離れる方向に進むにつれて薄くなっており、前記隙間の断面積は、前記隙間の内部側が広く、前記隙間の外部側が狭いことを特徴とする。 In order to achieve the above object, a sealing device according to the present invention includes an annular outer peripheral member that is rotatable relative to each other about an axis, and an annular inner peripheral member that is at least partially surrounded by the outer peripheral member. A sealing device that seals between the outer peripheral side member and the inner peripheral side member in a mechanism comprising a sealing device main body attached to the outer peripheral side member, a slinger attached to the inner peripheral side member, and the slinger A flange member having elasticity attached to the sealing device body, and the sealing device body includes an annular reinforcing ring centered on the axis, and the axis formed from an elastic body attached to the reinforcing ring. The slinger is an annular metal member centered on the axis, and the elastic body portion is at least one in contact with the slinger. The flange member is an annular member centered on the axis, and has at least one annular projecting body centered on the axis at the outer peripheral end, the projecting body comprising: An annular gap centered on the axis is formed between the elastic body portion, and the axial thickness becomes thinner as the axis moves away from the axis, and the cross-sectional area of the gap is the gap The inner side of the gap is wide and the outer side of the gap is narrow.
本発明の一態様に係る密封装置において、前記突条体は、前記軸線方向において密封対象物側とは反対の側の部分において、前記軸線から離れる方向に最も突出している。 In the sealing device according to an aspect of the present invention, the protrusion protrudes most in a direction away from the axis in a portion on the side opposite to the object to be sealed in the axial direction.
本発明の一態様に係る密封装置において、前記弾性体部は、前記少なくとも1つの突条体に対応して少なくとも1つの段差部を備え、該段差部は、前記弾性体部に前記軸線を中心とする環状の1つの前記軸線方向の段差と該段差に密封対象物側とは反対の側において続く環状の面を形成しており、前記軸線から離れる方向に前記突条体から間隔を持って前記突条体に対向して配設されている。 In the sealing device according to one aspect of the present invention, the elastic body portion includes at least one step portion corresponding to the at least one protrusion, and the step portion is centered on the axis of the elastic body portion. An annular step and an annular surface continuing to the step on the side opposite to the object to be sealed are formed, and spaced from the projecting body in a direction away from the axis. It is arrange | positioned facing the said protrusion.
本発明の一態様に係る密封装置において、前記段差部が形成する前記面は、密封対象物側とは反対の側に向かうにつれて拡径するテーパ面である。 In the sealing device according to an aspect of the present invention, the surface formed by the stepped portion is a tapered surface that increases in diameter toward the side opposite to the object to be sealed.
本発明の一態様に係る密封装置において、前記突条体の少なくとも1つと前記段差部の少なくとも1つとは、前記軸線方向において同一の範囲に亘って広がっていて互いに正対している。 In the sealing device according to an aspect of the present invention, at least one of the protrusions and at least one of the stepped portions extend over the same range in the axial direction and face each other.
本発明の一態様に係る密封装置において、前記突条体の少なくとも1つは、前記軸線方向において密封対象物側にずれて前記段差部の少なくとも1つに対向している。 In the sealing device according to an aspect of the present invention, at least one of the protrusions is shifted toward the object to be sealed in the axial direction and faces at least one of the stepped portions.
本発明の一態様に係る密封装置は、前記突条体を複数備え、前記段差部を複数備え、前記突条体及び段差部は、軸線方向に夫々連接している。 The sealing device according to an aspect of the present invention includes a plurality of the protrusions, a plurality of the step portions, and the protrusions and the step portions are connected in the axial direction.
本発明に係る密封装置は、スリンガに取り付けられている環状のフランジ部材の突条体が、弾性体部との間に隙間を形成して、ラビリンスシールが形成されており、また、この隙間は、その断面積が、内部側において広く、外部側において狭い。このため、外側からは断面積が狭い隙間を介するため、雨水や泥水等の異物を外部から浸入し難くすることができる。また、内側からは断面積が広い隙間を介するため、内部に浸入した異物を密封装置の回転により発生する遠心力によって容易に外部に排出することができる。このように、本発明に係る密封装置によれば、内部に浸入した雨水や泥水等の異物の排出性能を向上させることができる。 In the sealing device according to the present invention, the protrusion of the annular flange member attached to the slinger forms a gap between the elastic body portion and a labyrinth seal is formed. The cross-sectional area is wide on the inner side and narrow on the outer side. For this reason, since a cross-sectional area is narrow from the outside, it is possible to make it difficult for foreign matter such as rainwater and muddy water to enter from the outside. Further, since the gap is wide from the inside through the gap, the foreign matter that has entered the inside can be easily discharged to the outside by the centrifugal force generated by the rotation of the sealing device. As described above, according to the sealing device of the present invention, it is possible to improve the discharge performance of foreign matters such as rainwater and muddy water that have entered the inside.
また、フランジ部材の突条体は、軸線方向の厚さが、軸線から離れる方向に進むにつれて薄くなっており、突条体は、外周側に向かって先細の形状となっている。このため、密封部材本体とスリンガとが偏心して、突条体が弾性体部に接触した場合でも、突条体の弾性体部への接触により発生する弾性体部における接触面圧を小さくすることができ、密封装置の回転トルクの低減を図ることができる。 In addition, the flange of the flange member has a thickness in the axial direction that becomes thinner in a direction away from the axis, and the protrusion has a tapered shape toward the outer peripheral side. For this reason, even when the sealing member main body and the slinger are eccentric and the ridge body contacts the elastic body portion, the contact surface pressure in the elastic body portion generated by the contact of the ridge body with the elastic body portion is reduced. The rotational torque of the sealing device can be reduced.
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す図であり、図1(a)は、密封装置の軸線に沿った断面における断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す密封装置の拡大断面図である。 FIG. 1 is a diagram illustrating a schematic configuration of a sealing device according to a first embodiment of the present invention, and FIG. 1A is a cross-sectional view taken along the axis of the sealing device, and FIG. b) is an enlarged sectional view of the sealing device shown in FIG.
図1(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1は、軸線xを中心とする環状の密封装置本体10と、軸線xを中心とする環状のスリンガ20とを備える。スリンガ20は、密封装置本体10に対向して、密封装置本体10の内周側に配設されている。密封装置1は、軸線xについて互いに相対回動可能な二部材間の環状の空間を密封するものである。
As shown in FIG. 1A, a sealing device 1 according to a first embodiment of the present invention includes an annular
密封装置本体10は、軸線xを中心とする環状の弾性体から成る弾性体部11と、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環12とを備える。弾性体部11は、補強環12に一体に的に取り付けられている。弾性体部11の弾性体としは、例えば、各種ゴム材があり、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。補強環12の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
The
弾性体部11は、図1(a),(b)に示すように、外周側において延びる、軸線xを中心とする円筒状の円筒部13と、円筒部13の内側の端部から内周方向に延びる基体部14とを備える。ここで、説明の便宜上、外側とは、軸線x方向において矢印a(図1(a)参照)方向とし、内側とは、軸線x方向において矢印b(図1(a)参照)方向とする。つまり、内側とは、使用状態において、密封対象物が存在する領域に面する方向(密封対象物側)であり、外側とは、後述するように異物が存在する領域に面する方向である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1(a)の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1(a)の矢印d方向)を内周側とする。
As shown in FIGS. 1 (a) and 1 (b), the
基体部14は、外側に向かって延びるサイドリップ15,16と、径方向内周側に延びるラジアルリップ17とを備える。サイドリップ15,16は、ラジアルリップ17よりも外周側に設けられており、サイドリップ15はサイドリップ16の外周側に設けられている。サイドリップ15,16は、図1(a)に示すように、軸線x方向に対して傾斜して延びており、例えば、軸線x方向から外周側に傾斜する方向に延びており、軸線x方向において外側に向かうにつれて拡径する円錐筒状の形状を呈している。ラジアルリップ17は、図1(a)に示すように、軸線x方向に対して傾斜して延びており、例えば、軸線x方向から内周側に傾斜する方向に延びており、軸線x方向において内側に向かうにつれて縮径する円錐筒状の形状を呈している。
The
補強環12は、軸線xに沿う断面(以下、単に「断面」ともいう。)の形状が、略L字形状であり、軸線xを中心とする円筒状の外周部12aと、外周部12aの内側端部から内周方向に延びる、軸線xを中心とする円盤状の円盤部12bとを備える。補強環12には、内周側及び外側から弾性体部11が取り付けられており、弾性体部11が補強されている。具体的には、補強環12の外周部12aには、弾性体部11の円筒部13が内周側から取り付けられており、図1(b)に示すように、外周部12aの外側の端部は、円筒部13に覆われて埋設されている。また、補強環12の円盤部12bには、弾性体部11の基体部14が外側から取り付けられており、図1(b)に示すように、円盤部12bの内周側の端部は、基体部14に覆われて埋設されている。
The reinforcing
補強環12は、例えばプレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部11は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環12は成形型の中に配置されており、弾性体部11が加硫接着により補強環12に接着され、弾性体部11が補強環12と一体的に成形される。
The reinforcing
スリンガ20は、金属製、例えばステンレス鋼製の部材であり、軸線xを中心とする板状の環状の部材である。スリンガ20は、内周側に、軸線xを中心とする円筒状の円筒部21と、円筒部21の外側の端部から外周側に延びる、軸線xを中心とする円盤状の円盤部22とを備える。
The
図1(b)に示すように、密封装置本体10の弾性体部11の基体部14は、スリンガ20に対向するように配置されている。具体的には、サイドリップ15,16は、先端部において所定の締め代(接触幅)を持ってスリンガ20の円盤部22の内側の面に当接し、シール部を形成している。また、ラジアルリップ17は、先端部において所定の締め代を持ってスリンガ20の円筒部21の外周側の面に当接し、シール部を形成している。
As shown in FIG. 1B, the
また、密封装置1は、フランジ部材30を備える。フランジ部材30は、軸線xを中心とする環状の部材であり、例えば、円盤状の部材である。具体的には、フランジ部材30は、図1(a),(b)に示すように、円盤状の部分である円盤部31と、フランジ部材30の外周側の端の部分である、円盤部31の外周側の端部に接続する外周端部分32とを備える。フランジ部材30は、スリンガ20の円盤部22を外側から覆うようにスリンガ20に取り付けられている。具体的には、フランジ部材30の円盤部31は、円盤部22の外側の面である外側面22aを覆い、フランジ部材30の外周端部分32は、円盤部22の外周側の端部である外周端部22bを覆っている。フランジ部材30において、円盤部31と外周端部分32とは同一の弾性材料から一体に形成されている。
Further, the sealing device 1 includes a
また、本実施の形態においては、円盤部31は、エンコーダを形成している。具体的には、円盤部31は、ゴム磁石やプラスチック磁石等の永久磁石から形成されており、周方向にN極及びS極が交互に等角度間隔で現れるように着磁されている。エンコーダとしての円盤部31は、図示しない磁気センサと共同して、回転速度測定装置を構成する。
In the present embodiment, the
そして、図1(b)に示すように、フランジ部材30の外周端部分32は、弾性体部11の円筒部13の外側の端の部分である外側端部分13aと径方向において対向しており、外周端部分32と、外側端部分13aとの間に隙間2を形成している。
And as shown in FIG.1 (b), the outer
図2は、フランジ部材30の外周端部分32、及び弾性体部11の円筒部13の外側端部分13aの近傍を拡大して示すための拡大図である。
FIG. 2 is an enlarged view for enlarging and showing the vicinity of the outer
図2に示すように、フランジ部材30において、外周端部分32は、その外周に、環状の複数の突条体を備える。外周端部分32は、本実施の形態においては、第1の突条体33と第2の突条体34と第3の突条体35との3つの突条体を有するものとする。第1,2,3の突条体33,34,35は、軸線x方向において内側から外側に向かって、第3の突条体35、第2の突条体34、第1の突条体33の順番で並んでいる。第1の突条体33、第2の突条体34、及び第3の突条体35は、フランジ部材30の外周端面を画定している。
As shown in FIG. 2, in the
第1の突条体33は、図2に示すように、外周方向に凸の環状の突条体であり、軸線xを中心とする中空円盤状の面である中空円盤状端面33aと、軸線xを中心とする円錐筒状のテーパ面33bとによって画成されている。テーパ面33bは、軸線x方向において外側に向かうにつれて拡径していく軸線xに向かう方向に凹の湾曲面であり、第1の突条体33の最下部の内側の端である内側下端33cから、第1の突条体33の先端である先端33dに亘って延びている。また、中空円盤状端面33aは、軸線xと直交する面である。このように、第1の突条体33は、軸線x方向において外側の部分において、軸線xから離れる方向に最も突出しており(先端33c)、尖端部を備えている。
As shown in FIG. 2, the
第2の突条体34は、第1の突条体33と同様の形状を有しており、その高さが第1の突条体33と異なり、第1の突条体33より低くなっている。つまり、第2の突条体34は、図2に示すように、中空円盤状端面33aと同様の中空円盤状端面34aと、テーパ面33bと同様のテーパ面34bとを備える。そして、テーパ面34bは、軸線方向において外側に向かうにつれて拡径していく軸線xに向かう方向に凹の湾曲面であり、第2の突条体34の最下部の内側の端である内側下端34cから、第2の突条体34の先端である先端34dに亘って延びている。また、中空円盤状端面34aは、軸線xと直交する面である。上述のように先端34dの軸線xからの距離は、先端33dの軸線xからの距離よりも短くなっている。
The
また、第3の突条体35は、第1,2の突条体33,34と同様の形状を有しており、その高さが第2の突条体34より低くなっている。つまり、第3の突条体35は、図2に示すように、中空円盤状端面33a,34aと同様の中空円盤状端面35aと、テーパ面33b,34bと同様のテーパ面35bとによって画成されている。テーパ面35bは、軸線方向において外側に向かうにつれて拡径していく軸線xに向かう方向に凹の湾曲面であり、第3の突条体35の最下部の内側の端である内側下端35cから、第3の突条体35の先端である先端35dに亘って延びている。上述のように先端35dの軸線xからの距離は、先端34dの軸線xからの距離よりも短くなっている。
The
このように、第1の突条体33、第2の突条体34、及び第3の突条体35は、先端部分が薄くなっており、弾性変形し易い形状となっている。
Thus, the
図2に示すように、第1の突条体33の中空円盤状端面33aは、フランジ部材30の外側の面の一部を形成している。そして、第1の突条体33の内側下端33cから第2の突条体34の中空円盤状端面34aが延びており、第2の突条体34の内側下端34cから第3の突条体35の中空円盤状端面35aが延びている。また、第3の突条体35の内側下端35cはフランジ部材30の外周端部分32の内側の端面に接続している。
As shown in FIG. 2, the hollow disc-shaped end surface 33 a of the
弾性体部11の円筒部13の外側端部分13aは、図2に示すように、その内周に環状の複数の段差部を備える。外側端部分13aは、本実施の形態においては、第1の段差部18と第2の段差部19との2つの段差部を有するものとする。第1,2の段差部18,19は、軸線x方向において内側から外側に向かって、第2の段差部19、第1の段差部18の順番で並んでいる。第1の段差部18及び第2の段差部19は、筒状部13の外側端部分13aの内周端面を画定している。
As shown in FIG. 2, the
第1の段差部18は、図2に示すように、軸線x方向において内側から外側に向かって、外周側に凹む1つの段差を外側端部分13aの全周に亘って形成する段差18aと、段差18aから続く、外側に向かって延びる環状の面である面18bとを形成している。面18bは、軸線x方向において外側に向かうにつれて拡径するテーパ面である。第1の段差部18は、内側の端である内側端18cから段差18aが始まり、外側の端である外側端18dにおいて面18bが終わっている。
As shown in FIG. 2, the
また、第2の段差部19は、図2に示すように、第1の段差部18と同様の形状をしている。つまり、第2の段差部19は、段差18aと同様の段差19aと、面18bと同様の面19bとを備える。段差19aは、内側の端である内側端19cから始まり、外周側に凹む1つの段差を外側端部分13aの全周に亘って形成している。面19bは、軸線x方向において外側に向かうにつれて拡径するテーパ面であり、外側の端である外側端19dにおいて終わっている。
The
図2に示すように、第1の段差部18の外側端18dは、外側端部分13aの外側端面に接続している。第2の段差部19は、外側端19dにおいて、第1の段差部18の内側端18cに接続している。また、第2の段差部19は、内側端19cにおいて、円筒部13の内周面13bに形成されたテーパ面13cに接続している。テーパ面13cは、軸線x方向において外側に向かうにつれて拡径する面である。
As shown in FIG. 2, the
第1の突条体33は、径方向において、第1の段差部18に間隔を持って対向している。具体的には、第1の突条体33と第1の段差部18とは、軸線x方向において同一の範囲に亘って広がっており互いに正対している。つまり、第1の突条体33の内側下端33cと、第1の段差部18の内側端18cとは、軸線xに直交する同一の直線上に位置する。また、第1の突条体33の先端33dと、第1の段差部18の外側端18dとは、軸線xに直交する同一の直線上に位置する。
The
また、上述の第1の突条体33と第1の段差部18との相対位置と同様に、第2の突条体34は、径方向において、第2の段差部19に間隔を持って対向しており、具体的には、第2の突条体34と第2の段差部19とは、軸線x方向において同一の範囲に亘って広がっており互いに正対している。
Similarly to the relative position between the
また、上述の第1の突条体33と第1の段差部18との相対位置と同様に、第3の突条体35は、径方向において、円筒部13の内周面13bのテーパ面13cに間隔を持って対向しており、具体的には、第3の突条体35とテーパ面13cとは、軸線x方向において同一の範囲に亘って広がっており互いに正対している。
Similarly to the relative position between the
このように、第1の突条体33及び第2の突条体34と、第1の段差部18及び第2の段差部19とは、互いに対向して、軸線x方向から外周側に傾いた上記隙間2を形成している。また、隙間2において、第1の突条体33と第1の段差部18とは、間に空間3を形成しており、第2の突条体34と第2の段差部19とは、間に空間4を形成している。
Thus, the
また、各空間3,4は、軸線xに直交する断面による断面積が、内部側において広くなっており、外部側において狭くなっている。隙間2も同様に、内部側に空間4の内部側が位置するので、断面積は、内部側が広くなっており、また、外部部側に空間3の外部側が位置するので、外部側が狭くなっている。
Further, each of the
上述のように、密封装置1においては、隙間2においてラビリンスシールによるシール部が形成されており、また、サイドリップ15,16、及びラジアルリップ17のスリンガ20への当接によってシール部が形成されている。異物の浸入経路において、上流から、隙間2(ラビリンスシール)、サイドリップ15、サイドリップ,16、及びラジアルリップ17の順でシール部が形成されている。
As described above, in the sealing device 1, a seal portion by a labyrinth seal is formed in the gap 2, and a seal portion is formed by abutting the
次いで、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の使用状態について説明する。図3は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の使用状態を示すための部分断面図である。本実施の形態において、密封装置1は、車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置に使用されるものとする。 Next, the usage state of the sealing device 1 according to the first embodiment of the present invention will be described. FIG. 3 is a partial cross-sectional view for illustrating a use state of the sealing device 1 according to the first embodiment of the present invention. In this Embodiment, the sealing device 1 shall be used for the wheel bearing apparatus which supports a wheel rotatably in vehicles, for example, a motor vehicle.
図3に示すように、密封装置1は、車輪用軸受装置40の内部に、外部から雨水や泥水等の異物が浸入しないように、車輪用軸受装置40に取り付けられている。車輪用軸受装置40は、後述する内輪42が回動可能であり、外輪41は回動不能となっている。
As shown in FIG. 3, the sealing device 1 is attached to the
車輪用軸受装置40は、従来公知の車輪軸受装置であり、軸線xについて互いに同軸的に相対回動可能な、環状の外周側部材としての外輪41と、環状の内周側部材としての内輪42とを備える。内輪42は、外輪41に環状の空間43を持って少なくとも部分的に包囲されている。また、外輪41と内輪42との間には、複数の転動体44が環状に配設されており、転動体44は、図示しない、保持器によって保持されている。車輪用軸受装置40は、環状に配設された転動体44を複数列有していてもよい。また、空間43内には、転動体44の潤滑用のグリースが充填されている。
The
密封装置1は、外側端部において、外輪41と内輪42との間に勘合されており、外部から空間43内を密封している。ここで外部とは、大気に覆われた部分であり、内部とは、密封装置1によって密封された空間43内の部分である。また、内側とは、図1と同様に、軸線x方向において、矢印a方向であり、外側とは、軸線xにおいて、矢印b方向である。
The sealing device 1 is fitted between the
具体的には、密封装置本体10は、弾性体部11の円筒部13と補強環12の外周部12aとが、外輪41に内嵌されて、外輪41に固定されている。円筒部13及び外周部12aの外周面は、外輪41の内周の面である内周面41aに液密に当接している。
Specifically, in the
また、スリンガ20は、円筒部21が内輪42に外嵌されて内輪42に固定されている。円筒部21の内周面は、内輪42の外周の面である外周面42aに液密に当接している。
Further, the
次いで、密封装置1の機能について説明する。図4は、密封装置1の機能について説明するために密封装置1の隙間2近傍を拡大して示すための拡大図である。 Next, the function of the sealing device 1 will be described. FIG. 4 is an enlarged view for enlarging and showing the vicinity of the gap 2 of the sealing device 1 in order to explain the function of the sealing device 1.
図4に示すように、密封装置1には、狭小な隙間2が形成されており、ラビリンスシールが形成されており、雨水や泥水等の異物の内部への浸入の防止が図られている。しかしながら、極微小な異物等は、隙間2内に浸入してしまう場合がある。実線の矢印線Iは、異物の浸入経路を示す線である。 As shown in FIG. 4, a narrow gap 2 is formed in the sealing device 1, and a labyrinth seal is formed to prevent intrusion of foreign matters such as rainwater and muddy water into the inside. However, a very small foreign substance or the like may enter the gap 2. A solid arrow line I is a line indicating a foreign substance intrusion route.
図4に示すように、密封装置1は、隙間2において、第1の突条体33と第1の段差部18とにより空間3が形成され、第2の突条体34と第2の段差部19とにより空間4が形成されており、各空間3,4は、内部側の断面積が広く、外部側の断面積が狭くなっている。このため、各空間3,4には、外側からは狭い隙間を介するため、雨水や泥水等の異物を外部から浸入し難くでき、また、内側からは広い隙間を介するため、内部に浸入した異物を密封装置1の回転による遠心力によって容易に外部に排出することができる。
As shown in FIG. 4, in the sealing device 1, in the gap 2, a
また、各空間3,4において、異物は、矢印線Iで示すように、段差部18,19の面18b,19bに沿って浸入し、段差18a,19aに衝突する。そして、異物は内周方向に進み、テーパ面33b,34b上に滞留する。
Moreover, in each
内輪41が回転して、スリンガ20及びフランジ部材30が回転すると、テーパ面33b、34b上に滞留する又は堆積している異物に径方向の遠心力が作用し、点線の矢印線Oで示すように、異物は、面18b,19b方向に移動し、面18b,19bに沿って外部に排出される。また、面18b,19bは、上述のように、外周方向に広がる傾斜面となっているので、遠心力によって面18b,19b方向に付勢された異物は、面18b,19bにより面18b,19bに沿って外部方向に付勢される。このため、滞留した異物は、遠心力により、外部に排出され易くなっている。
When the
また、隙間2は、2つの連続する空間3,4を有している。そのため、浸入する異物は、空間3,4において、滞留により、段階的に浸入の勢いが失われる。このため、異物が隙間2を通過することをより困難にすることができ、隙間2による異物の遮断性能をより向上させることができる。
The gap 2 has two
また、車輪用軸受装置40において、外輪41若しくは内輪42が偏心した場合、第1の突条体33と第1の段差部18とが、また、第2の突条体34と第2の段差部19とが夫々接触する。図5は、車輪用軸受装置40において、外輪41若しくは内輪42が偏心した状態を示すための図である。この偏心より、図5に示すように、第1の突条体33の先端33dが第1の段差部18の面18bに、第2の突条体34の先端34dが第2の段差部19の面19bに夫々接触する。また、第3の突条体35の先端35dがテーパ面13cに接触する。ここで、第1,2,3の突条体33,34,35は、先端部分が薄くなっており、弾性変形し易くなっている。このため、第1,2の突条体33,34が第1,2の段差部18,19に、また第3の突条体35がテーパ面13cに夫々接触しても、第1,2の段差部18,19及びテーパ面13cに加わる接触面圧は小さい。これにより、第1の突条体33と第1の段差部18とが、第2の突条体34と第2の段差部19とが、また、第3の突条体35とテーパ面13cとが夫々接触した場合でも、接触面に発生する摩擦抵抗を低減することができ、密封装置1の回転トルクを低減することができる。
In the
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、内部に浸入した雨水や泥水等の異物の排出性能を向上させることができ、また、偏心時の密封装置1の回転トルクの低減を図ることができる。このため、車輪用軸受装置の耐久性を向上させることができる。 As described above, according to the sealing device 1 according to the first embodiment of the present invention, it is possible to improve the discharge performance of foreign matters such as rainwater and muddy water that have entered the inside, and the sealing device at the time of eccentricity. 1 can be reduced. For this reason, durability of the wheel bearing device can be improved.
次いで、上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1における隙間2の態様の変形例について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1における隙間2の態様の変形例を示すための拡大断面図である。本変形例においては、図6に示すように、第1の突条体33と第1の段差部18との間の、また、第2の突条体34と第2の段差部19との間の、更に、第3の突条体35とテーパ面13cとの間の夫々の相対位置関係が上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1とは異なる。
Next, a modification of the aspect of the gap 2 in the sealing device 1 according to the first embodiment of the present invention will be described. FIG. 6 is an enlarged cross-sectional view for showing a modification of the mode of the gap 2 in the sealing device 1 according to the first embodiment of the present invention. In this modification, as shown in FIG. 6, between the
本変形例においては、図6に示すように、第1の突条体33は、軸線xに直交する線方向において、先端33dが、第1の段差部18の面18bの段差18aと外側端18dとの間の位置に対向するように、配設されている。また、同様に、第2の突条体34は、軸線xに直交する線方向において、先端34dが、第2の段差部19の面19bの段差19aと外側端19dとの間の位置に対向するように、配設されている。また、同様に、第3の突条体35は、軸線xに直交する線方向において、先端35dが、テーパ面13cの内側端部と外側端部(第2の段差部19の内側端19c)との間の位置に対向するように、配設されている。つまり、上記第1の実施の形態と比較して、第1,2の突条体33,34及び第3の突条体35が、第1,2の段差部18,19及びテーパ面13cに対して相対的に内側に移動されている。
In the present modification, as shown in FIG. 6, the
この構成により、図6に示すように、各段差部18,19において、段差18a,19aが各突条体33,34のテーパ面33b,34bに径方向において対向している。このため、各室3,4内に浸入して段差18a,19aに衝突した異物(矢印線I)は、テーパ面33b,34bの広い範囲において滞留する。従って、各室3,4内において、異物が滞留しやすくすることができる。
With this configuration, as shown in FIG. 6, in each stepped
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50の概略構成を示すための拡大断面図である。本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50は、上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、フランジ部材30の構成のみが異なる。以下、上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1と同一の又は類似する構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
Next, a sealing
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50は、上記密封装置1と同様に、スリンガ20に取り付けられたフランジ部材51を備える。フランジ部材51は、上記密封装置1のフランジ部材30とは異なり、円盤部31を備えず、外周端部分32のみから形成されている。つまり、本実施の形態に係る密封装置50はエンコーダの機能を備えていない。フランジ部材51は、上記フランジ部材30と同様に、第1の突条体33、第2の突条体34、及び第3の突条体35を備え、内周側において、スリンガ20の外周端部22bに固定されている。フランジ部材51は、各種ゴム材等の弾性材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムから形成されている。
As shown in FIG. 7, the sealing
上記構成を有する密封装置50においても、密封装置1と同様の上記効果を奏することができる。
Also in the
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。具体的には、弾性体部11、補強環12、及びスリンガ20等の形状等は上述の形状に限るものではない。
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments of the present invention, and includes all aspects included in the concept and claims of the present invention. In addition, the configurations may be appropriately combined as appropriate so as to achieve at least part of the problems and effects described above. For example, the shape, material, arrangement, size, and the like of each component in the above embodiment can be appropriately changed according to the specific usage mode of the present invention. Specifically, the shapes of the
また、第1,2,3の突条体33,34,35の形状は、上記形状に限るものではない。例えば、第1,2,3の突条体33,34,35は、テーパ面を有するものではなく、円筒面と、その外側に位置する外周方向に凸の環状の突条体から形成されていてもよい。また、この突条体は、尖端を有していてもよく、先端が平坦な円周面であってもよい。
Moreover, the shape of the 1st, 2nd,
また、第1,2の段差部18,19の形状は、上記形状に限るものではない。例えば、第1,2の段差部18,19は、軸線x方向に延びる円筒状の面18a,19aを有していてもよい。また、円筒部13の内周面13bのテーパ面13cに代えて、第1,2の段差部18,19と同様の段差部を備えるようにしてもよい。
Moreover, the shape of the 1st, 2nd level | step-
また、フランジ部材30,51は、突条体を1つのみ有しており、弾性体部11が段差部を1つのみ有しているものであってもよく、フランジ部材30,51が突条体を3つ以上の複数個有しており、弾性体部11が段差部を3つ以上の複数個有しているものであってもよい。
Further, the
また、本実施の形態に係る密封装置1は、フランジ部材30の円盤部31にエンコーダを備えるものとしたが、円盤部31に適用可能な機能はエンコーダに限るものではない。
Further, in the sealing device 1 according to the present embodiment, the
また、本実施の形態に係る密封装置1,50は、車輪用軸受装置に適用されるものとしたが、本発明に係る密封装置の適用対象はこれに限られるものではなく、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
In addition, the
1,50,100,130 密封装置
2,101,131,132 隙間
10,110,140 密封装置本体
11,112,142 弾性体部
12,111,141 補強環
12a 外周部
12b 円盤部
13,113,143 円筒部
13a 外側端部分
13b 内周面
13c テーパ面
14,114,144 基体部
15,16,115,145 サイドリップ
17,116,146 ラジアルリップ
18 第1の段差部
18a,19a 段差
18b,19b 面
18c,19c 内側端
18d,19d 外側端
19 第2の段差部
20,120,150 スリンガ
21,121,151 円筒部
22,122,152 円盤部
22a 外側面
22b 外周端部
30,51 フランジ部材
31 円盤部
32 外周端部分
33 第1の突条体
33a,34a,35a 中空円盤状端面
33b,34b,35b テーパ面
33c,34c,35c 内側下端
33d,34d,35d 先端
34 第2の突条体
35 第3の突条体
40,200,210 車輪用軸受装置
41,201,211 外輪
41a 内周面
42,202,212 内輪
42a 外周面
43,203,213 空間
44 転動体
117 外側テーパ面
123,153 エンコーダ
124,154 端部
125 内側テーパ面
147 凹部
148,155 突状体
x 軸線
1, 50, 100, 130 Sealing device 2, 101, 131, 132 Gap 10, 110, 140 Sealing device body 11, 112, 142 Elastic body portion 12, 111, 141 Reinforcement ring 12a Outer peripheral portion 12b Disk portion 13, 113, 143 Cylindrical portion 13a Outer end portion 13b Inner peripheral surface 13c Tapered surfaces 14, 114, 144 Base portions 15, 16, 115, 145 Side lips 17, 116, 146 Radial lip 18 First step portions 18a, 19a Step steps 18b, 19b Surface 18c, 19c Inner end 18d, 19d Outer end 19 Second stepped portion 20, 120, 150 Slinger 21, 121, 151 Cylindrical portion 22, 122, 152 Disc portion 22a Outer side surface 22b Outer end portion 30, 51 Flange member 31 Disc portion 32 Outer peripheral end portion 33 First protrusions 33a, 34a, 35a Hollow disc-like end 33b, 34b, 35b Tapered surfaces 33c, 34c, 35c Inner lower end 33d, 34d, 35d Tip 34 Second projecting body 35 Third projecting body 40, 200, 210 Wheel bearing device 41, 201, 211 Outer ring 41a Inner peripheral surface 42, 202, 212 Inner ring 42a Outer peripheral surface 43, 203, 213 Space 44 Rolling body 117 Outer tapered surface 123, 153 Encoder 124, 154 End 125 Inner tapered surface 147 Recessed portion 148, 155 Protruding body x axis
Claims (6)
前記外周側部材に取り付けられる密封装置本体と、
前記内周側部材に取り付けられるスリンガと、
前記スリンガに取り付けられている弾性を有するフランジ部材とを備え、
前記密封装置本体は、前記軸線を中心とする環状の補強環と、該補強環に取り付けられている、弾性体から形成されている前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、
前記スリンガは、前記軸線を中心とする環状の金属製部材であり、
前記弾性体部は、前記スリンガに当接する少なくとも1つのシールリップを備え、
前記フランジ部材は、前記軸線を中心とする環状の部材であり、外周側の端部に前記軸線を中心とする環状の突条体を少なくとも1つ備え、該突条体は、前記弾性体部との間に前記軸線を中心とする環状の隙間を形成し、前記軸線方向の厚さが前記軸線から離れる方向に進むにつれて薄くなっており、前記隙間の断面積は、前記隙間の内部側が広く、前記隙間の外部側が狭くなっており、
前記弾性体部は、前記少なくとも1つの突条体に対応して少なくとも1つの段差部を備え、該段差部は、前記弾性体部に前記軸線を中心とする環状の1つの前記軸線方向の段差と該段差に密封対象物側とは反対の側において続く環状の面を形成しており、前記軸線から離れる方向に前記突条体から間隔を持って前記突条体に対向して配設されていることを特徴とする密封装置。 Between the outer peripheral member and the inner peripheral member in a mechanism comprising an annular outer peripheral member rotatable relative to each other about the axis and an annular inner peripheral member at least partially surrounded by the outer peripheral member A sealing device for sealing,
A sealing device body attached to the outer peripheral member;
A slinger attached to the inner circumferential member;
A flange member having elasticity attached to the slinger,
The sealing device body includes an annular reinforcing ring centered on the axis, and an annular elastic body portion centered on the axis formed from an elastic body attached to the reinforcing ring,
The slinger is an annular metal member centered on the axis,
The elastic body portion includes at least one seal lip that contacts the slinger,
The flange member is an annular member centered on the axis, and includes at least one annular projecting body centering on the axis at an outer peripheral end, and the projecting body includes the elastic body portion. An annular gap centering on the axis is formed between the thickness of the gap and the thickness in the axial direction decreases as the distance from the axis increases. The gap has a wider cross-sectional area on the inner side of the gap. the external side of the gap has a narrow Kuna',
The elastic body portion includes at least one step portion corresponding to the at least one protrusion, and the step portion is an annular step in the axial direction centered on the axis line in the elastic body portion. And an annular surface that continues to the step on the side opposite to the object to be sealed, and is disposed opposite the ridge body with a space from the ridge body in a direction away from the axis. sealing device characterized in that is.
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