以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア5Iに丸型で赤色の画像が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなる。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する保留表示予告が実行されるようになっている。具体的には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を、所定のタイミングにおいて通常の表示態様と異なる特別態様で表示する保留表示予告が実行される。
始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位に加えて、変動中特図表示エリア5Iにおいても先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化されたことに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された保留記憶表示は、この変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特別態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エリア5Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア5Iにおける表示も特別態様とするようにしてもよい。このようにすることで、保留記憶数が少ない段階で先読み予告演出が実行された場合であっても、表示態様が特別態様に変化する機会を増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であるときに、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であるときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、本発明の有効始動入賞情報に相当する。
コマンドB300Hは、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)であるときに、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことを通知する第1オーバー入賞指定コマンドである。なお、第1特図保留記憶数が上限値であるため、第1始動条件は成立せず、当該始動入賞に対応する可変表示の保留も行われない。即ち、第1オーバー入賞指定コマンドは、第1始動入賞口への保留記憶数の所定の上限値を超えたオーバー入賞(無効入賞)があったことを通知するためのコマンドである。
コマンドB400Hは、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)であるときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことを通知する第2オーバー入賞指定コマンドである。なお、第2特図保留記憶数が上限値であるため、第2始動条件は成立せず、当該始動入賞に対応する可変表示の保留も行われない。即ち、第2オーバー入賞指定コマンドは、第2始動入賞口への保留記憶数の所定の上限値を超えたオーバー入賞(無効入賞)があったことを通知するためのコマンドである。
第1オーバー入賞指定コマンドや第2オーバー入賞指定コマンドを演出制御基板12に送信することで、演出制御基板12の側において、オーバー入賞に基づく演出(例えば入賞報報知演出等)を実行可能になる。なお、第1オーバー入賞指定コマンドや第2オーバー入賞指定コマンドは、本発明の無効始動入賞情報に相当する。これに対して、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶数の上限値以内での入賞(有効入賞)があったことを通知するためのコマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図14参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
コマンドD101Hは、普通図柄の表示結果がハズレになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普図変動開始(ハズレ)コマンドであり、コマンドD102Hは、普通図柄の表示結果が当りになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普図変動開始(当り)コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「250」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図5に示す各変動パターンは、予め定められた複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれていてもよい。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されてもよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分けてもよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果や、変動パターン種別決定用の乱数値MR3や、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルなどが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図10(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図10(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第1オーバー入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS217)。例えば、ステップS217では、ROM101における第1オーバー入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1オーバー入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された第1オーバー入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS217の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS205;Yes)、第2オーバー入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS218)。例えば、ステップS218では、ROM101における第2オーバー入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2オーバー入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された第2オーバー入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。その後、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図14は、入賞時乱数値判定処理として、図13のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図14に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図13のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405の処理に続いて、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS406)。変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「非リーチ共通」の変動カテゴリ)、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「スーパーリーチ共通」の変動カテゴリ)、それら以外の「ハズレ」の変動カテゴリ(「その他のハズレ」の変動カテゴリ)が設けられる。そして、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS408)。例えば、ステップS408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3における最大値であり、乱数値MR3は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS410の処理に続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS411)。
ステップS406、S408、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
なお、ステップS406、S408、S411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、変動パターン種別決定テーブルのいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図14に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図13に示す始動入賞判定処理や図14に示す入賞時乱数値判定処理では、図13におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図14に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図14におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図13におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっている(特図2優先消化ともいう)。そのため、特別図柄通常処理では、第1特図を用いた特図ゲームの実行条件、及び、第2特図を用いた特図ゲームの実行条件が成立している場合(第1特図保留記憶部151A及び第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されている場合)には、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件を優先的に成立させる制御が実行される。なお、これに対して、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図15は、図12のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図12に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」など)を、時短回数カウンタに設定する。なお、大当り種別が「突確」である場合には、短期開放大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かに応じて、時短制御を開始する設定を行うか否かを異ならせてもよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、時短回数カウント値の初期設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定してもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、CPU103が遊技制御用タイマ割込処理にて実行する普通図柄プロセス処理を説明する。図16は、普通図柄プロセス処理として、図11に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU103は、ゲートスイッチ21がオン状態となったこと、すなわち遊技球が通過ゲート41を通過したことを検出すると(ステップS451)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS452)を実行する。その後、ステップS453〜S457のいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS453):CPU103は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器20において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置6Bの開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS454)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS454):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS455)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS455):CPU103は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器20における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS456)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS456):CPU103は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS453)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)6Bを開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS457)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS457):CPU103は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置6Bを閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS453)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図17は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り決定テーブルの一例を示す説明図である。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数がとりうる範囲は1〜250であるが、普通図柄当り決定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値と比較され判定値が設定されている。
図17(A)には、低ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図17(A)に示すように、低ベース状態では、30/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)6Bが1秒間1回開放する。なお、低ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、5秒である。
図17(B)には、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図17(B)に示すように、高ベース状態では、249/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)6Bが所定のインターバル時間を挟んで1秒間3回開放する。このように、低ベース状態で当りとなった場合と高ベース状態で当りとなった場合とでは、可変入賞球装置6Bの開放態様が異なる。なお、高ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒である。図17に示すように、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、略100%であるが、100%でもよい。)で当りになる。
なお、図17に示す開放回数、開放期間および閉鎖期間(インターバル時間)は一例であって、低ベース状態及び/または高ベース状態における普通図柄の変動時間として複数種類の変動時間を用意し、CPU103は、使用する変動時間をそれらのうちから選択するようにしてもよい。また、低ベース状態及び/または高ベース状態における可変入賞球装置6Bの開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を複数種類用意し、CPU103は、開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を選択するようにしてもよい。また、普通図柄の変動表示結果がはずれとなる場合であっても、0.1秒間等のごく短時間1回だけ可変入賞球装置6Bが開放されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図17に示すように、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合と比較して、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率を高める(普図高確率)ことによって、高ベース状態である場合には可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなるようにして始動入賞しやすくするが、このような態様に限られない。例えば、高ベース状態であるときと低ベース状態であるときとで普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率は同じであるものの、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合と比較して、可変入賞球装置6Bが開状態となる時間(図17に示す普通電動役物開放時間)を長くすることによって、高ベース状態である場合には始動入賞しやすくなるように構成してもよい。
CPU103は、ステップS452のゲートスイッチ通過処理において、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し、ソフトウェア乱数である普図表示結果決定用乱数MR5の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域に格納する。また、普図保留表示器25Cの点灯個数を1増やす。
CPU103は、ステップS453の普通図柄通常処理において、普通図柄の変動を開始することができる状態であり、かつ、ゲート通過記憶数が0でなければ、保存領域に格納されている普図表示結果決定用乱数MR5の値と図17に示された普通図柄当り決定テーブルとを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。すなわち、普図表示結果決定用乱数MR5の値が普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値(当りに対応する判定値)のいずれかの一致する場合に、当りと判定する。当りと判定した場合には、普通図柄当りフラグをセットする。なお、CPU103は、遊技状態が低ベース状態であれば(時短フラグがセットされていなければ)、図17(A)に示されたテーブルを使用し、高ベース状態であれば(時短フラグがセットされていれば)、図17(B)に示されたテーブルを使用する。
CPU103は、ステップS454の普通図柄変動パターン設定処理において、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。具体的には、時短フラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する。低ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに5秒に相当する値を設定する。また、普通図柄通常処理で当りに決定されている場合(普通図柄当りフラグがセットされている場合)には、普通図柄の表示結果を当りにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う。普通図柄通常処理でハズレに決定されている場合には、普通図柄の表示結果をハズレにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(ハズレ)コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS455)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
なお、演出制御基板12に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU103は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、コマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。
CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理(ステップS455)に対応した値であるときに、普通図柄の可変表示(変動)を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS456)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。なお、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理に対応した値にする前に、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間(停止図柄を表示する時間)をセットする。
CPU103は、普通図柄停止時処理において、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU103は、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する。普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU103は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(1秒)に相当する値をセットする。また、CPU103は、可変入賞球装置(普通電動役物)6Bを開放状態にし、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS457)を示す値(具体的には「4」)に更新する。普通図柄当りフラグがセットされていないと判定したときは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS453)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
CPU103は、普通電動役物開放中処理において、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、可変入賞球装置(普通電動役物)6Bを閉鎖状態にする。そして、1回の開放が行われる場合すなわち低ベース状態の場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS453)を示す値(具体的には「0」)に更新する。3回の開放が行われる場合すなわち高ベース状態の場合には、3回の開放が完了しているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS453)を示す値に更新する。3回の開放が完了していないときには、CPU103は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(1秒)に相当する値をセットし、再び、可変入賞球装置6Bを開放状態にする。なお、CPU103は、可変入賞球装置6Bを直ちに開放状態にするのではなく、所定のインターバル時間が経過したときに開放状態にする。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図18のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図18に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図19は、演出制御プロセス処理として、図18のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、普通可変入賞球装置6Bが開放中(拡大開放状態)であることを報知する開放報知演出を実行するための開放報知演出設定処理を実行する(ステップS160)。そして、拡大開放状態となった普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞(進入)したことを報知する入賞報知演出を実行するための入賞報知演出設定処理を実行する(ステップS161)。
図20は、開放報知演出設定処理として、図19のステップS160にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す開放演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、開放報知演出待機フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS701)。開放報知演出待機フラグは、主基板11から普図変動開始(当り)コマンドを受信したことにより、開放報知演出の実行の待機状態であるときにセットされる。開放報知演出待機中フラグがセットされていない場合には(ステップS701;No)、開放報知演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS702)。開放報知演出実行中フラグは、開放報知演出の実行中であるときにセットされる。
開放報知実行中フラグがセットされていない場合には(ステップS702;No)、普図変動開始(当り)コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS703)。普図変動開始(当り)コマンドを受信していなければ(ステップS703;No)、開放報知演出設定処理を終了する。
普図変動開始(当り)コマンドを受信していれれば(ステップS703;Yes)、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS704)。なお、遊技状態は、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。高ベース状態である場合には(ステップS704;Yes)、開放報知演出設定処理を終了する。
このように、高ベース状態である場合には開放報知演出設定処理を終了することで、開放報知演出を実行しないようになっている。高ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる頻度が高いため、拡大開放状態であることを報知する意味も乏しく、演出が頻繁に行われて煩わしくなるおそれがある。そこで、この実施の形態では、高ベース状態である場合には、開放報知演出を実行しないようになっている。なお、高ベース状態である場合であっても、開放報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、開放報知演出の頻度を下げたり、演出態様を控えめにする等、開放報知演出の実行を制限してもよい。
高ベース状態でない場合には(ステップS704;No)、大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS705)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が6以上であるときに大当り遊技状態であると判定すればよい。大当り遊技状態である場合には(ステップS705;Yes)、開放報知演出設定処理を終了する。
このように、大当り遊技状態である場合には開放報知演出設定処理を終了することで、開放報知演出を実行しないようになっている。これにより、大当り遊技状態においては、大当り遊技状態における演出を優先的に実行することができる。そして、大当り遊技状態における演出に開放報知演出が割り込むことによる演出効果の低下を防止できる。なお、大当り遊技状態である場合であっても、開放報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、開放報知演出の頻度を下げたり、演出態様を控えめにする等、開放報知演出の実行を制限してもよい。
なお、他の演出(リーチ演出、予告演出、リアルタイムクロックを使用した演出等)の実行中等の所定の場合には、開放報知演出を実行しないようにしたり、実行を制限するようにしてもよい。
大当り遊技状態でもない場合には(ステップS705;No)、開放報知演出を開始するために、開放報知演出待機タイマに開放報知演出の待機時間に相当する初期値(例えば4秒相当の値)をセットし(ステップS706)、開放報知演出待機フラグをオン状態にセットする(ステップS707)。その後、開放報知演出設定処理を終了する。
このように、普図変動開始(当り)コマンドを受信して、その後普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる場合であって、高ベース状態でも大当り遊技状態でもなければ、開放報知演出を実行するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、低ベース状態における普通図柄変動時間は5秒になっている(図17参照)。従って、ステップS706にてセットされる待機時間は、この5秒未満であることが好ましい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる以前に、開放報知演出を開始して、遊技者に遊技球の打ち出しを促すことができる。また、この実施形態では、開放報知演出が、拡大開放状態となる1秒前に実行され、拡大開放状態の期間も1秒である。ここで、開放報知演出の実行開始に応じて遊技者が遊技球を発射しても、拡大開放状態の普通可変入賞球装置6Bに到達しないように設定されている。これにより、遊技者による拡大開放状態の普通可変入賞球装置6Bをへの入賞を意図的に狙う止め打ち等の攻略を防止できる。
ステップS701にて、開放報知演出待機フラグがセットされていると判定された場合(ステップS701;Yes)、開放報知演出待機タイマの値を1減算して(ステップS708)、開放報知演出待機タイマの値が0になったか否かを判定する(ステップS709)。開放報知演出待機タイマの値が0でなければ(ステップS709;No)、開放報知演出設定処理を終了する。
開放報知演出待機タイマの値が0になった場合(ステップS709;Yes)、開放報知演出の待機時間が経過したと判定して、開放報知演出を開始する(ステップS710)。ステップS710の処理では、例えば、ROM121に格納される開放報知演出に対応した演出制御パターンを選択し、当該演出制御パターンに基づく演出を開始すればよい。
そして、開放報知演出タイマに開放報知演出の実行時間に相当する初期値(例えば2秒相当の値)をセットし(ステップS711)、開放報知演出待機フラグをオフ状態にリセットするとともに(ステップS712)、開放報知演出実行中フラグをオン状態にセットする(ステップS713)。その後、開放報知演出設定処理を終了する。
また、ステップS702にて、開放報知演出実行中フラグがセットされていると判定された場合(ステップS702;Yes)、開放報知演出タイマの値を1減算して(ステップS714)、開放報知演出タイマの値が0になったか否かを判定する(ステップS715)。開放報知演出タイマの値が0でなければ(ステップS715;No)、開放報知演出設定処理を終了する。
開放報知演出タイマの値が0になった場合(ステップS715;Yes)、開放報知演出の実行時間が経過したと判定して、開放報知演出を終了する(ステップS716)。
そして、開放報知演出実行中フラグをオフ状態にリセットするとともに(ステップS717)、1回の普通図柄当り(一連の入賞報知演出の実行機会)おける普通可変入賞球装置6Bの開放期間において、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球の数をカウントするカウンタNをリセットする(ステップS718)。その後、開放報知演出設定処理を終了する。
図21は、入賞報知演出設定処理として、図19のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す入賞報知演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、開放報知演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS731)。開放報知演出実行中フラグは、開放報知演出の実行中であるときにセットされる。開放報知実行中フラグがセットされていない場合には(ステップS731;No)、入賞報知演出を実行しないため、入賞報知演出を終了する。
開放報知実行中フラグがセットされていれば(ステップS731;Yes)、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS732)。なお、遊技状態は、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。高ベース状態である場合には(ステップS732;Yes)、入賞報知演出設定処理を終了する。
このように、高ベース状態である場合には入賞報知演出設定処理を終了することで、入賞報知演出を実行しないようになっている。高ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる頻度が高いため、入賞報知演出を実行すると演出が頻繁に行われて煩わしくなるおそれがある。そこで、この実施の形態では、高ベース状態である場合には、入賞報知演出を実行しないようになっている。なお、高ベース状態である場合であっても、入賞報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、入賞報知演出の頻度を下げたり、演出態様を控えめにする等、開放報知演出を制限してもよい。
高ベース状態でない場合には(ステップS732;No)、大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS733)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が6以上であるときに大当り遊技状態であると判定すればよい。大当り遊技状態である場合には(ステップS733;Yes)、入賞報知演出設定処理を終了する。
このように、大当り遊技状態である場合には入賞報知演出設定処理を終了することで、入賞報知演出を実行しないようになっている。これにより、大当り遊技状態においては、大当り遊技状態における演出を優先的に実行することができる。そして、大当り遊技状態における演出に入賞報知演出が割り込むことによる演出効果の低下を防止できる。なお、大当り遊技状態である場合であっても、入賞報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、入賞報知演出の頻度を下げたり、演出態様を控えめにする等、入賞報知演出の実行を制限してもよい。
なお、他の演出(リーチ演出、予告演出、リアルタイムクロックを使用した演出等)の実行中等の所定の場合には、入賞報知演出を実行しないようにしたり、実行を制限するようにしてもよい。また、図21に示すステップS731,S732の処理と、図20に示すS703,704の処理との一方を省略してもよい。
大当り遊技状態でもない場合には(ステップS733;No)、入賞報知演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS734)。入賞報知演出実行中フラグは、入賞報知演出の実行中であるときにセットされる。入賞報知実行中フラグがセットされていない場合には(ステップS734;No)、新たな第2入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS735)。
ここで、第2入賞指定コマンドは、第2始動口入賞指定コマンドまたは第2オーバー入賞指定コマンドである。この実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への有効入賞のみならず無効入賞(保留の上限を超えた入賞)に基づいて、入賞があったことを報知する入賞報知演出を実行するようになっている。ステップS735では、その入賞報知演出の実行条件となる第2始動入賞口への入賞があったか否かを判定している。なお、この実施の形態では、第2入賞指定コマンドに基づいて第2始動入賞口への入賞があったことを報知する入賞報知演出を実行するようになっているが、第1始動口入賞指定コマンドまたは第1オーバー入賞指定コマンドに基づいて第1始動入賞口への入賞があったことを報知する入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
第2入賞指定コマンドを受信していなければ(ステップS735;No)、入賞報知演出設定処理を終了する。第2入賞指定コマンドを受信していれれば(ステップS735;Yes)、1回の普通図柄当り(一連の入賞報知演出の実行機会)における普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球の数をカウントするカウンタNを1加算する(ステップS736)。
この実施の形態では、1回の普通図柄当りが発生して、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となることで、入賞報知演出を実行する条件(報知条件)が成立し、所定期間経過して拡大開放状態が終了するときに、当該報知条件が終了する。この実施の形態では、1回の報知条件の成立期間において、普通可変入賞球装置6Bへの入賞数に応じた入賞報知演出が実行されるようになっている。
ステップS736の処理に続いて、カウンタNの値に応じた入賞報知演出Nの実行を開始する(ステップS737)。即ち、1回の報知条件の成立期間における普通可変入賞球装置6Bへの入賞数に応じた入賞報知演出を開始する。この実施の形態では、図22に示すように、カウンタN(入賞数)に応じて、「ワン(1)」、「ツー(2)」、「スリー(3)」、「フォー(4)」等といった数字の音声をスピーカ8L、8Rから出力する入賞報知演出が実行されるようになっている。ステップS737では、例えば、ROM121に格納される入賞報知演出Nに対応した演出制御パターンを選択し、当該演出制御パターン(音声制御データ)に基づく演出を開始すればよい。
このように、始動入賞が発生しづらい低ベース状態において、入賞報知演出を実行することで、普通可変入賞球装置6Bへの入賞数を強調して報知することができる。また、始動入賞が発生しづらい低ベース状態において、複数の遊技球が入賞したことを強調できるので、遊技者に対して特別感を与えることができる。また、1回の報知条件の成立期間における普通可変入賞球装置6Bへの入賞数をカウンタNにより演出制御基板12の側でカウントするので、主基板11では、入賞数を記憶する必要がない。従って、主基板11側の制御負担を抑えつつ入賞数に応じた入賞報知演出を実行することができる。
なお、図22に示す入賞報知演出の演出態様は一例であって、1回の報知条件の成立期間における普通可変入賞球装置6Bへの入賞を報知できる演出であれば、これに限定されない。また、入賞報知演出は音声を出力するものに限定されず、画像表示装置5における画像表示、遊技効果ランプ9の点灯、演出用の可動部材の動作、これらの任意の組み合せにより実行するようにしてもよい。音声を出力する入賞報知演出の場合、入賞数に応じて音量や音階を上げていくようなものであってもよい。また、入賞報知演出の対象となる入賞に基づいて保留表示予告となる先読み予告演出を実行する場合には、特別な入賞報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、普通可変入賞球装置6Bへの入賞があったことに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を特別態様で表示する場合には、図22に示す音声に代えて、カウンタN(入賞数)に応じて、「イチ(1)」、「ニー(2)」、「サン(3)」、「シー(4)」等といった数字(日本語)の音声(特別な音声)を出力する特別な入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
その後、入賞報知演出タイマに入賞報知演出の実行時間に相当する初期値(例えば0.2秒相当の値)をセットし(ステップS738)、入賞報知演出実行中フラグをオン状態にセットする(ステップS739)。その後、入賞報知演出設定処理を終了する。
また、ステップS734にて、入賞報知演出実行中フラグがセットされていると判定された場合(ステップS734;Yes)、入賞報知演出タイマの値を1減算して(ステップS740)、入賞報知演出タイマの値が0になったか否かを判定する(ステップS741)。入賞報知演出タイマの値が0でなければ(ステップS741;No)、入賞報知演出設定処理を終了する。
入賞報知演出タイマの値が0になった場合(ステップS741;Yes)、入賞報知演出の実行時間が経過したと判定して、入賞報知演出を終了する(ステップS742)。
そして、入賞報知演出実行中フラグをオフ状態にリセットして(ステップS743)、入賞報知演出設定処理を終了する。
続いて、開放報知演出及び入賞報知演出が実行される場合の具体例について説明する。図23は、開放報知演出及び入賞報知演出が実行される場合の主基板及び演出制御基板で実行される制御を示すタイミングチャートである。図23に示すように、普図当りとなる普通図柄の可変表示が開始されるときに、普図変動開始(当り)コマンドが、主基板11から演出制御基板12に送信される。なお、遊技状態は低ベース状態である。演出制御基板12では、普図変動開始(当り)コマンドを受信すると、開放報知演出の実行を待機する。そして、普通図柄の表示結果が普図当りとなる所定時間(例えば1秒)前に、第2始動入賞口が開放することを報知する開放報知演出が開始される。このように、普図当りとなって第2始動入賞口が開放する所定時間前に、開放報知演出を開始することで、遊技者は第2始動入賞口を狙って遊技球を発射することができる。なお、開放報知演出の実行開始タイミングはこれに限定されず、少なくとも第2始動入賞口が開放することまたは開放していることを報知できればよい。
そして、開放した第2始動入賞口に遊技球が入賞するたびに、第2入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンドまたは第2オーバー入賞指定コマンド)が主基板11から演出制御基板12に送信され、演出制御基板12では、当該コマンドに基づいて異なる音声を出力する入賞報知演出が実行される。なお、図23に示すように、一の入賞報知演出(「ツー」の音声出力)が終了する前に、新たな入賞が発生した場合には、当該一の入賞報知演出が終了してから、次の入賞報知演出(「スリー」の音声出力)が実行されるように制御される。これにより、音声が重なることがなく各入賞報知演出がわかりやすくなる。なお、音声を重ねて出力するようにしてもよく、その場合和音となるように各入賞演出の音声を設定してもよい。
なお、この実施の形態では、普図変動開始コマンドに基づいて開放報知演出を実行し、第2入賞指定コマンドに基づいて入賞報知演出を実行するようになっているが、他のコマンドに基づいて開放報知演出や入賞報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が開放状態であるか閉鎖状態であるかを示すコマンドを設けて、そのコマンドに基づいて第2始動入賞口が開放状態であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて開放報知演出や入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
演出制御プロセス処理において、開放報知演出設定処理や入賞報知演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図24は、可変表示開始設定処理として、図19のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、変動中予告演出の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを決定する(ステップS529)。一例として、ステップS529の処理では、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告決定テーブルを選択してセットする。変動中予告決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、変動中予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告決定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定すればよい。
ステップS529の処理では、例えば、可変表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせればよい。このようにすることで、変動中予告の実行の有無や、そのパターン(演出態様)に応じて、可変表示結果が「大当り」となることやリーチとなることを予告・示唆できるようになる。
ステップS529の処理を実行した後には、先読み予告演出を実行すると決定されている場合であって、実行の待機中である場合に保留記憶表示の表示態様を特別態様に変化させるなどの制御が含まれる先読み予告実行処理を実行する(ステップS530)。図25は、図24のステップS530にて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す先読み予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS751)。なお、遊技状態は、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。低ベース状態でない場合には(ステップS751;No)、先読み予告設定処理を終了する。即ち、この実施の形態では、低ベース状態であることが先読み予告演出を実行するための一つの条件となっている。
遊技状態が低ベース状態であれば(ステップS751;Yes)、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、今回の特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS752)。今回の特図表示結果が「大当り」でない場合には(ステップS752;No)、先読み予告設定処理を終了する。この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」となる変動時に先読み予告演出が実行される場合があるようになっている。
今回の特図表示結果が「大当り」である場合には(ステップS752;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを確認することなどにより、現在の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、あるいは合計保留記憶数)が4個であるか否かを判定する(ステップS753)。なお、この実施の形態では、低ベース状態においてのみステップS753の処理が実行される。従って、現在の特図保留記憶数は第1特図保留記憶数と等しくなることが原則である。例外的に、第2始動入賞口への入賞が発生して、第2特図保留記憶数が0でない場合には、現在の特図保留記憶数を合計保留記憶数としてもよい。また、第2特図保留記憶数が0でない場合であっても、現在の特図保留記憶数は第1特図保留記憶数としてもよい。
現在の特図保留記憶数が4個である場合には(ステップS753;Yes)、4個目の保留データに対して先読み予告演出(保留表示予告)を実行するか否かを判定する(ステップS754)。一例として、ステップS754の処理では、先読み予告演出の実行の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する決定結果や、先読み予告演出を実行する場合に対応する決定結果に、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無を決定すればよい。
ステップS754の処理では、例えば図26(A)に示すような決定割合で、先読み予告演出の実行の有無が決定されればよい。図26(A)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせている。図26(A)に示すように、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」や「小当り」である場合には、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合(「実行あり」に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、保留記憶表示の表示態様が特別態様となったことによって、予告対象の可変表示結果やスーパーリーチの有無を示唆することができる。
ステップS754において4個目の保留データに対して先読み予告演出を実行すると決定された場合(ステップS755;Yes)には、今回の変動の実行時に4個目の保留データに対して先読み予告演出(保留表示予告)を実行するための設定を実行して(ステップS756)、先読み予告設定処理を終了する。この実施の形態では、先読み予告演出(保留表示予告)は、大当りとなる変動において、画像表示装置5に大当り組合せを構成する飾り図柄が導出表示(或いは仮停止表示)されてから大当り遊技状態が開始する前までに実行されるようになっている。即ち、ステップS754においては、大当り組合せを構成する飾り図柄が導出表示(あるいは仮停止表示)されてから大当り遊技状態が開始する前において、4個目(変動開始後においては3個目)の保留データに対応する保留記憶表示が通常態様から特別態様に変化することに対応した予告演出制御データがセットされればよい。
現在の特図保留記憶数が4個でない場合には(ステップS753;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを確認することなどにより、現在の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、あるいは合計保留記憶数)が3個であるか否かを判定する(ステップS757)。現在の特図保留記憶数が3個でない場合には(ステップS757;No)、先読み予告設定処理を終了する。即ち、この実施の形態では、保留記憶数が2以下である場合には、大当り遊技状態が終了した後に、予告対象となる可変表示が実行されるまで、十分な期間が確保されないとして、先読み予告演出を実行しないようにしている。
ステップS754において4個目の保留データに対して先読み予告演出を実行しないと決定された場合や(ステップS754;No)、現在の特図保留記憶数が3個である場合には(ステップS757;Yes)、3個目の保留データに対して先読み予告演出(保留表示予告)を実行するか否かを判定する(ステップS758)。ステップS758の処理では、例えば図26(B)に示すような決定割合で、先読み予告演出の実行の有無が決定されればよい。図26(B)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせている。図26(B)に示す決定割合では、図26(A)に示す決定割合よりも、実行ありに決定される割合が高くなっている。このような設定により、先読み予告演出の実行頻度を確保することができる。なお、これとは逆に実行ありに決定される割合を図26(A)よりも低くして、3個目の保留データに対する先読み予告演出は補助的なものとしてもよい。
ステップS758において3個目の保留データに対して先読み予告演出を実行すると決定された場合(ステップS759;Yes)には、今回の変動の実行時に3個目の保留データに対して先読み予告演出(保留表示予告)を実行するための設定を実行して(ステップS760)、先読み予告設定処理を終了する。ステップS760においては、大当り組合せを構成する飾り図柄が導出表示(あるいは仮停止表示)されてから大当り遊技状態が開始する前において、3個目(変動開始後においては2個目)の保留データに対応する保留記憶表示が通常態様から特別態様に変化することに対応した予告演出制御データがセットされればよい。また、ステップS758において3個目の保留データに対して先読み予告演出を実行しないと決定された場合(ステップS759;No)にも、先読み予告設定処理を終了する。
以上のように、この実施の形態では、低ベース状態において、可変表示結果が「大当り」となるときに、その変動時において先読み予告演出(保留表示予告)が実行されるようになっている。そして、最後に記憶された保留記憶(始動条件の成立順序が最も遅い保留記憶)が先読み予告演出を実行するか否かの判定の対象となる。具体的には、保留記憶数が4個である場合には4個目の保留データに基づいて先読み予告演出を実行するか否かが決定され、保留記憶数が3個である場合には3個目の保留データに基づいて先読み予告演出を実行するか否かが決定される。
このように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となるときに、その変動時において、最後に記憶された保留記憶に対して先読み予告演出を実行するようにしているので、大当り遊技状態が終了した直後の変動が先読み予告演出の対象の変動となって、先読み予告演出を実行したことの意義が損なわれることがない。
また、大当り遊技状態の終了後は、高ベース状態に制御されるため、遊技者は第2始動入賞口に遊技球を入賞させることが容易となる。この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっているので、遊技者が遊技球を打ち込む場合には、第2特図を用いた特図ゲームが実行され(第2特図の保留データが消化され)、先読み予告演出の対象となった第1特図の保留データは維持されたままとなる。一方、遊技者が遊技球を打ち込まなければ、数変動後には先読み予告演出の対象となった第1特図の保留データが消化されることとなる。
このように、この実施の形態では、先読み予告演出の対象となった保留データを消化させるか否かを遊技者が選択できるという遊技性を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。例えば、大当り遊技状態が終了した後、確変状態となった場合には、先読み予告演出の対象となった保留データを消化させてさらに大当りとなった場合でも、大当り種別が「非確変」であった場合には、確変状態が即終了してしまうことになる。このような事態を避けるため、遊技者は遊技球を打ち込んで、第2特図を用いた特図ゲームを実行させるという遊技方法を選択することができる。また、直ちにさらなる大当り遊技状態に制御されることを望む場合には、遊技者は遊技球を打ち込まないことを選択することもできる。
なお、このような遊技者の選択制を担保するために、先読み予告演出によっては、大当りの有利度合い(大当り遊技状態における出玉、ラウンド数、開放する大入賞口の違い(例えば、入賞することにより確変状態に制御される入賞口の開放の有無)、あるいは、大当り遊技状態終了後の遊技状態の違い、大当り遊技状態終了後の遊技状態の報知の有無等)までは報知しないことが望ましい。例えば、先読み予告演出によって有利な大当り遊技状態であることが報知されると、その保留データを維持することに意味がなくなるからである。従って、この実施の形態では、大当り種別によらず、変動カテゴリが「大当り」であるか否かに基づいて先読み予告演出の実行の有無を決定している。なお、大当り種別に応じて、先読み予告演出の演出態様の決定割合を異ならせるなど、大当りの有利度合いをある程度示唆する(即ち、遊技者に判断材料を提示する)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が4個である場合には4個目の保留データに基づいて先読み予告演出を実行するか否かが決定され、当該保留データに基づいて先読み予告演出を実行しないと決定された場合、3個目の保留データに基づいて先読み予告演出を実行するか否かが決定される。これに対して、保留記憶数が4個である場合には4個目の保留データに基づいて先読み予告演出を実行しないと決定された場合には、3個目の保留データに対しても先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。即ち、最後に記憶された保留データのみについて先読み予告演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
また、保留記憶数が2個である場合には先読み予告演出は実行されない。変動開始前に保留記憶数が2個であるということは、2個目の保留データは、可変表示結果が「大当り」となる変動の次回の変動に対応した保留データとなる。このような保留データについては、先読み予告演出を実行しても遊技者に遊技の選択の余地がないため、この実施の形態では、先読み予告演出を実行しないようにしている。なお、このような保留データについても所定の割合で先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
また、ステップS754やS758においては、先読み予告演出の実行の有無のみが決定されていた。即ち、この実施の形態では、先読み予告演出(保留表示予告)の演出態様は1つのみとなっているが、演出態様が複数あってもよい。そして、演出態様に応じて、示唆する内容(例えば、リーチ示唆や大当り示唆)が異なっていてもよい。また、ステップS754やS758においては、変動カテゴリが「大当り」以外でも先読み予告演出が実行されることがあるようになっているが、変動カテゴリが「大当り」である場合にのみ先読み予告演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の選択により重みを持たせることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、この実施の形態では、以上のような先読み予告設定処理を図24に示す可変表示開始設定処理(即ち、大当りとなる変動の開始前)において実行するようになっていたが、可変表示の開始後の所定のタイミングにおいて実行するようにしてよい。例えば、図19に示す特図当り待ち処理(ステップS173)内において、当り開始指定コマンドを受信するまでの期間において、先読み予告設定処理を実行するようにしてもよい。特図当り待ち処理内で実行する場合には、変動開始後に入賞が発生した場合には、当該入賞についても先読み予告演出を実行することができ、より先読み予告演出の実行機会を増やすこともできる。
ステップS530の処理で以上のような先読み予告設定処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS531)。一例として、ステップS531の処理では、先読み予告演出や変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS532)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばキャラクタ予告を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS532の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS533)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS534)。このときには、例えばステップS532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図27は、可変表示中演出処理として、図19のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS542)。予告演出期間は、例えば、図24のステップS529で選択された変動中予告パターンごとに予め定められていればよい。ステップS542にて予告演出期間であるときには(ステップS542;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS543)。
一例として、ステップS543の処理では、各変動中予告パターンに対応する予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS542にて予告演出期間ではないときや(ステップS542;No)、ステップS543の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS544)。リーチ演出期間は、所定のリーチ演出に対応して選択されたリーチ演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS544にてリーチ演出期間であるときには(ステップS544;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS545)。
ステップS544にてリーチ演出期間ではないときや(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS546)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS547;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な演出動作について説明する。図28は、先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示している。図28(A)は、飾り図柄表示エリア(5L、5C、5R)において可変表示が実行されている様子を示している。ここで、スーパーリーチAのリーチ演出を実行した後、大当りとなる変動パターンである場合には、図28(B)に示すように、例えば「6」の数字の飾り図柄でリーチ状態となった後、図28(C)、(D)に示すように、キャラクタ同士が戦うスーパーリーチAのリーチ演出が実行される。その後、図28(E)に示すように、「6」の数字の飾り図柄がそろって仮停止表示する。
ここで、図25のステップS754において、4個目(変動開始時に1つ消化されるので変動開始後は3個目)の保留データについて先読み予告演出(保留表示予告)を実行することが決定されていた場合には、図28(E)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける3個目の保留記憶表示が通常態様から特別態様(例えば白色の表示から黒色)に変化する。
その後、当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことなどにより、図28(F)に示すように、飾り図柄が停止表示(完全停止表示、最終停止表示)し、図28(G)に示すように、大当り遊技状態が開始する。
図28に示した例では、大当り遊技状態の終了後、その後の入賞がなければ3回目の変動が「大当り」となる可能性が高いことを遊技者に報知することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後に当該「大当り」となる可能性が高い変動を消化させるか否かを遊技者が選択する時間を確保することができる。
また、図28に示した例では、リーチ演出が終了した後、飾り図柄の仮停止表示中に先読み予告演出が実行されていたが、「大当り」となる変動の開始後、大当り遊技状態が開始するまでの任意のタイミングで実行されるようにしてもよい。例えば、図29(D)〜(F)に示すように、リーチ演出の実行中に先読み予告演出が開始されるようにしてもよい。
また、図28、図29に示したように、この実施の形態では、先読み予告演出は大当りとなるときの演出(リーチ演出等)と併行して、目立たない態様で保留表示予告として実行される。このようにすることで、先読み予告演出が大当りとなるときの演出と干渉することを防止できる。また、保留記憶表示に注目していた遊技者には特典を与えることができる。
続いて、音声制御基板13の構成やパチンコ遊技機1において音声を出力する際の制御について説明する。図30に示すように、音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ131、音声データROM132、出力I/F(インタフェース)133等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。
デコーダ131は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データROM132から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ131は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。なお、この実施の形態では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。
音声データROM132は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。なお、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。
出力インタフェース133は、デコーダ131の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。
図31は、パチンコ遊技機1における演出等で使用する音声の種類の一例と、その音声の再生に使用するチャンネルと、の対応関係を示した図である。図31に示すBGMは、飾り図柄の可変表示中や大当り遊技状態中等に出力されるBGMである。図柄停止音は、飾り図柄が停止する際に出力される音声である。変動開始音は、飾り図柄の可変表示が開始される際に出力される音声である。予告演出(SU)は、変動中予告演出として演出内容が段階的に変化するステップアップ予告演出が実行されるときに出力される音声である。予告演出(セリフ)は、変動中予告演出として所定のセリフが出力されるセリフ予告演出が実行されるときに出力される音声(セリフ)である。
大当り確定報知音は、中の飾り図柄が停止してから大当りの表示結果が確定するときに出力される音声である。ファンファーレは、大当り遊技状態開始時に出力される大当り遊技状態が開始すること報知するためのファンファーレの音声である。
この実施の形態では、確変大当りとなった後に確変状態となってから通常大当りとならずに確変大当りが継続した回数(いわゆる連チャン回数)に対応した大当り確定報知音を出力するようになっている。具体的には、連チャン回数に応じた回数の特別音(例えば「ピキーン」という音声)を出力する。従って、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなる。ファンファーレは、大当りの表示結果が確定した後に出力されることになるが、大当り確定報知音の出力期間がファンファーレの出力タイミングに重複する可能性がある。そこで、この実施の形態では、図31に示すように、同じタイミングで出力され得る大当り確定報知音とファンファーレの再生チャンネルを異ならせている。
リーチ演出(BGM+セリフ)は、リーチ演出が実行されるときのBGMやリーチ演出におけるセリフの音声である。先読み予告演出は、先読み予告演出が実行されるときに出力される音声である。開放報知演出は、開放報知演出が実行されるときに出力される音声である。入賞報知演出は、入賞報知演出が実行されるときに出力される音声である。エラー音は、入賞エラー等の各種エラーが発生した場合に出力される音声である。
図31に示すように、BGMの再生には再生チャンネル0、1が使用され、図柄停止音の再生には再生チャンネル2、3が使用され、変動開始音の再生には再生チャンネル4、5が使用され、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、大当り確定報知音の再生には再生チャンネル10、11が使用され、ファンファーレの再生には再生チャンネル12、13が使用され、リーチ演出(BGM+セリフ)の音声の再生には再生チャンネル0、1が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用され、開放報知演出の音声の再生には再生チャンネル24、25が使用され、入賞報知演出の音声(入賞報知音)の再生には再生チャンネル26、27が使用され、エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用される。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、BGMの再生・出力中に、予告演出(SU)の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、BGMを再生・出力するための再生チャンネル(0、1)を固定することで、BGMの干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。
その一方で、遊技の状態(可変表示の進行状況や予告演出の有無)に応じて出力されるセリフの音声といった特定種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルは固定されておらず、遊技の状態(例えば第1状態であるか第2状態であるか)に応じて異なる再生チャンネルを使用して当該特定の音声が再生・出力される。このように、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)であるか第2状態(例えばリーチ演出中)であるかに応じて、特定の音声を再生・出力するための再生チャンネルを異ならせることで、音声の出力の自由度が向上する。
具体的には、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)である場合に、セリフ予告演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)のみから構成される音声データが再生チャンネル8、9において再生される。このセリフのみから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフを出力するための単一の音声データであってもよい。また、複数種類のセリフに対応した複数種類の音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数の音声データを再生して複数種類のセリフを出力するようにしてもよい。
そして、遊技の状態が第2状態(例えばリーチ演出中)である場合には、リーチ演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データが再生チャンネル0、1において再生される。即ち、リーチ演出中のように、複数の音声を出力する場合には、予めセリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データを用意して、その音声データを再生することで、複数の音声の出力タイミングや再生チャンネルの制御等をする必要がなくなり、制御が容易になる。このセリフとBGMとから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを出力するためのデータであってもよい。また、リーチ演出が分岐する場合など、複数種類のリーチ演出に対応した音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを再生・出力するようにしてもよい。
このように、遊技の状態が第1状態である場合と第2状態である場合とで特定種類の音声を再生する再生チャンネルを異ならせるとともに、第1状態では特定種類の音声から構成される音声データを再生し、第2状態では、特定種類の音声と特定種類の音声以外の音声から構成される音声データを再生する。このようにすることで、音声出力の自由度が向上するとともに、複数の再生チャンネルを出力する音声に応じて効果的に使用することができる。
なお、ここでは、第1状態が図柄可変表示中であり、第2状態がリーチ演出中である例について説明した。また、特定種類の音声がセリフの音声である例について説明した。これに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の状態(どのような演出の実行中であるかや遊技状態が特別遊技状態であるか等)のうち任意の状態を第1状態や第2状態としてもよい。そして、その第1状態と第2状態とにおいて出力される特定種類の音声を出力する際に使用する再生チャンネルが異なるように制御すればよい。このようにすることで、音声出力の自由度を向上させることができる。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出と、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異なっている。図31に示すように、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用される。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
また、開放報知演出は、低ベース状態であって普通可変入賞球装置6Bが開放中に実行される。そして、入賞報知演出は、低ベース状態であって普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞すると実行される。従って、開放報知演出と入賞報知演出とは同時に実行される。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異なっている。図31に示すように、開放報知演出の音声の再生には再生チャンネル24、25が使用され、入賞報知演出の音声の再生には再生チャンネル26、27が使用される。このように、再生チャンネルを異ならせることで、開放報知演出と入賞報知演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、開放報知演出と入賞報知演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
なお、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、リーチ演出(BGM+セリフ)のように、複数種類の音声を組み合わせた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
図32は、遊技の状態と各再生チャンネルから出力される音声の一例を示すタイムチャートである。なお、以下の制御は、演出制御用CPU120からの命令(コマンド)により、音声制御基板13において実行される。図32に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されると、再生チャンネル0、1において飾り図柄の可変表示中であることに対応したBGMの再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において変動開始音が再生される。
左、右、中の飾り図柄が停止するときには、再生チャンネル2、3において図柄停止音が再生される。例えば、左、右に同じ飾り図柄が停止したことに対応して、リーチ状態となった後には、再生チャンネル0、1においてスーパーリーチのリーチ演出の演出内容に対応した音声(BGMやセリフ等)が再生される。図32に示す例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されることを示している。
また、ステップアップ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から中の飾り図柄の停止までの任意のタイミングにおいて、予告演出(SU)の音声が再生チャンネル6、7において再生される。セリフ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から右の飾り図柄の停止まで(リーチとなるまで)の任意のタイミングにおいて、予告演出(セリフ)の音声が再生チャンネル8、9において再生される。
中の飾り図柄が停止して可変表示結果が大当りとなった場合には、再生チャンネル10、11において大当り確定報知音が再生される。表示結果が確定して大当り遊技状態を開始するときには、再生チャンネル12、13においてファンファーレ(大当り遊技状態が開始することを示す音声)が再生される。大当り遊技状態が開始するときには、ファンファーレと合わせて、大当り遊技状態が開始することを示すセリフが出力されるようにしてもよい。この場合、セリフの音声は、例えば再生チャンネル8、9等(ファンファーレの再生チャンネルとは異なる再生チャンネル)において再生されればよい。
また、大当り遊技状態においては、再生チャンネル0、1において大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(BGMやセリフ等)が再生される。
このように、この同じ種類の音声(セリフ)であっても、遊技の状態(例えばリーチ演出中であるか否か、ファンファーレ期間であるか否か等)に応じて異なる再生チャンネルが使用されるようになっている。これにより、音声出力の自由度を向上させることができる。
図33は、リーチ演出が実行された後に中の飾り図柄が停止するときの図柄停止音の詳細を示すタイムチャートである。例えば、所定のリーチ演出Aが実行されることに対応して、リーチ状態となってから中の飾り図柄が停止するまでの期間は、再生チャンネル0、1においてリーチ演出Aの演出内容に対応した音声が再生される。この例では、時系列に沿ってリーチ演出Aに対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出Aに対応したセリフが再生されている。中の飾り図柄が停止した後には、再生チャンネル2、3において、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて異なる図柄停止音が再生される。可変表示結果が「大当り」となるときには、再生チャンネル0、1においてリーチ演出Aの演出内容に対応した音声が再生に続いて、再生チャンネル2、3においてリーチ演出Aに対応した大当り時の図柄停止音が再生される。また、可変表示結果が「ハズレ」となるときには、再生チャンネル0、1においてリーチ演出Aの演出内容に対応した音声が再生に続いて、再生チャンネル2、3においてリーチ演出Aに対応したハズレ時の図柄停止音が再生される。このように、中の飾り図柄の停止までは同じ音声データに基づいてリーチ演出の演出音を出力でき、中の飾り図柄の停止後は、表示結果に応じて異なる音声データに基づいて演出音を出力できる。このようにすることで、音声データの削減や処理負担の軽減を図ることができる。
図34は、リーチ演出が実行された後の大当り確定報知音の詳細を示すタイムチャートである。例えば、所リーチ状態となってから中の飾り図柄が停止するまでの期間は、再生チャンネル0、1においてリーチ演出の演出内容に対応した音声が再生される。この例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されている。中の飾り図柄が停止した後には、再生チャンネル10、11において、大当り確定報知音が再生される。ここで、連チャン回数が1回である場合には、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音(特別音1回)の出力を完了することができる。一方、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなるため、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了することができなくなり、図34に示すように、ファンファーレの出力期間等に重複するようになる。そこで、他の音声の出力タイミングと重複し得る大当り確定報知音といった特別種類の音声を出力する再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。また、大当り確定報知音は、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなることで、ファンファーレの出力期間に重複することがあるようになっていたが、大当り確定報知音の出力期間を連チャン回数等に基づいて抽選で決定し、大当り確定報知音の出力期間として飾り図柄の仮停止表示期間を超えるが決定され得るようにしてもよい。このようにした場合でも、大当り確定報知音といった特別種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。
なお、ここでは、特別種類の音声が大当り確定報知音であり、大当り確定報知音が、飾り図柄の仮停止表示期間(第1状態)からファンファーレの出力期間(第2状態)といった遊技の状態が異なる複数種類の期間に亘って出力されることがある場合に、大当り確定報知音の再生に使用する再生チャンネルを固定する例について説明した。これに限定されず、遊技の状態が第1状態であるときから第2状態となるまでの期間に出力され得る特別種類の音声がある場合には、第1状態であるときと第2状態であるときとで共通の再生チャンネルを使用して当該特別種類の音声を再生するようにしてもよい。そして、その再生チャンネルは、第2状態において出力される音声の再生に使用する再生チャンネルとは別のものとすればよい。
図35は、開放報知演出及び入賞報知音の詳細を示すタイムチャートである。遊技状態が低ベース状態であって、特別図柄の可変表示中等において、遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20において普通図柄の可変表示が実行される。ここで、普通図柄の表示結果が普図当りとなると、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が開放状態となる。このとき、第2始動入賞口が開放状態となる所定時間(例えば1秒)前に、開放報知演出が実行される。具体的には、再生チャンネル25、26において、開放報知演出の音声が再生される。そして、解放状態となった第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、入賞報知演出が実行される。具体的には、再生チャンネル27、28において、入賞報知演出に対応した入賞報知音が再生される。この実施の形態では、図35に示すように、一の入賞報知演出が終了する前に、さらに入賞が発生した場合には、一の入賞報知演出が終了した後に次の入賞報知演出が実行される。なお、入賞報知音を出力するチャンネルを複数設けて、複数の入賞報知音を同時に出力できるようにしてもよい。
なお、図32〜図35に示したタイムチャートは一例であり、図示していない任意のタイミングで各チャンネルから所定の音声が出力されてもよい。
図36は、エラー音を出力する際に使用される音声制御データ(エラー時音声制御データ)を用いて、各再生チャンネルを制御する場合の模式図である。図31に示したように、エラー音声は再生チャンネル30、31を使用して出力され、この再生チャンネルは他の音声の再生には使用されない。エラー音声はいつでも出力する必要があり、他の音声の出力と重複する場合がある。そのため、エラー時音声制御データは、再生チャンネル30、31を使用してエラー音を再生するとともに、他の再生チャンネル0〜29において再生中の音声の出力(音量)を低下する制御を実行するためのデータとなっている。このようなデータを使用して、他の音声の出力を低下させつつエラー音を出力することで、エラー音を強調することができ、好適にエラーの報知を実行することができる。なお、エラー音の出力を停止するときの音声制御データには、再生チャンネル0〜29において再生中の音声の出力(音量)を元に戻すための制御データが含まれていればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、主基板11から送信される第2始動口入賞指定コマンドや第2オーバー入賞指定コマンドに基づいて、演出制御基板12の側で一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数をカウントしそのカウント値に応じた入賞報知演出を実行するようになっていた(図21のステップS736、S737)。これに限定されず、主基板11から一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数を特定可能なコマンドを演出制御基板12に送信し、演出制御基板12の側ではそのコマンドから特定される入賞数に応じた入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
図37は、主基板11から一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数を特定可能なコマンドを演出制御基板12に送信する変形例における始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この変形例における始動入賞判定処理では、第1オーバー入賞指定コマンド及び第2オーバー入賞指定コマンドを送信しないようになっている。そのため、図13のステップS217及びS218の処理は実行されない。この変形例における始動入賞判定処理では、ステップS204において、第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときに(ステップS204;Yes)、1回の普通図柄当り(一連の入賞報知演出の実行機会)おける普通可変入賞球装置6Bの開放期間において、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球の数をカウントする第2入賞数カウンタのカウント値を1加算する(ステップS219)。第2入賞数カウンタは、普通可変入賞球装置6Bの開放を開始するとき、例えば、図16の普通電動役物開放中処理(ステップS457)を開始するときにリセットされる。そして、第2入賞数カウンタのカウント値に応じて、一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数を特定可能なコマンド(第2入賞数通知コマンド)の送信設定が行われる(ステップS220)。その後、ステップS205に移行する。なお、始動入賞判定処理の他の部分については、図13に示した始動入賞判定処理と同様である。図38は、ステップS220において送信される第2入賞数通知コマンドB5XXHを示す図である。第2入賞数通知コマンドでは、図38に示すように、入賞数に対応したEXTデータが設定される。このように、この変形例では、第2始動入賞口への入賞数を特定可能は専用のコマンドを設けている。なお、所定期間における第1始動入賞口への入賞数を通知するコマンドを設けて、その入賞数に応じた演出を実行するようにしてもよい。
図39は、主基板11から一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数を特定可能なコマンドを演出制御基板12に送信する変形例における入賞報知演出設定処理として、図19のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この変形例における入賞報知演出設定処理では、図21のステップS735の処理に代えて、第2入賞数通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ744S)。第2入賞数通知コマンドを受信していなければ(ステップS744;No)、入賞報知演出設定処理を終了する。第2入賞数通知コマンドを受信していれれば(ステップS744;Yes)、第2入賞数通知コマンドのEXTデータに対応した入賞報知演出の実行を開始する(ステップS745)。ステップS745では、図40に示すように、第2入賞数通知コマンドのEXTデータに対応して、「ワン(1)」、「ツー(2)」、「スリー(3)」、「フォー(4)」等といった数字の音声をスピーカ8L、8Rから出力する入賞報知演出が実行される。入賞報知演出タイマの値が0になった場合(ステップS741;Yes)、入賞報知演出の実行時間が経過したと判定して、入賞報知演出を終了する(ステップS746)。なお、他の処理は図21に示した入賞報知演出設定処理と同様である。また、この変形例においても、入賞報知演出の対象となる入賞に基づいて保留表示予告となる先読み予告演出を実行する場合には、特別な入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
このように、この変形例では、一連の入賞報知演出の実行機会における第2始動入賞口への入賞数を特定可能なコマンド(第2入賞数通知コマンド)を主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12の側ではそのコマンドから特定される入賞数に対応した入賞報知演出を実行する。この変形例によれば、演出制御基板12の側で入賞数をカウントする必要がないので、演出制御基板12側の処理負担を抑えつつ、入賞数に応じた入賞報知演出を実行することができる。
上記実施の形態や変形例では、低ベース状態において普図当りとなると可変入賞球装置(普通電動役物)6Bが1秒間1回開放するようになっていた。そして、その1秒間の間に入賞した入賞数に応じた入賞報知演出が実行されるようになっていた。これに対して、普図当りとなると可変入賞球装置6Bが複数回開放する場合には、複数回の合計入賞数に応じた入賞報知演出を実行するようにしてもよい。これにより、1回の普図当りにおける入賞数を強調することができる。また、何回目の開放において入賞したかに応じて入賞報知演出の演出態様を異ならせてもよい。
また、低ベース状態において普図当りとなって、入賞報知演出を実行する報知条件が成立した後、所定期間内に再度普図当りとなった場合、前回の入賞数を引き継いだ入賞報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、1回普図当りとなって可変入賞球装置6Bが開放状態となり、開放開始後(あるいはその開放が終了した後)、所定期間(例えば10秒)以内に再度普図当りとなった場合(あるいはその普図当りに対応した開放中に遊技球が入賞した場合)には、前回の入賞数を引き継いだ入賞報知演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、より多くの入賞数を報知する機会が増え、低ベース状態における入賞数をより強調することができる。
上記実施の形態のパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態の終了後確変状態に制御された場合、次回大当りとなるまで、確変状態が継続するものであったが、大当り遊技状態の終了後必ず確変状態に制御されるが、所定回数変動が実行されたときに確変状態が終了する遊技機にも本発明を適用できる。このような遊技機に、本発明を適用した場合には、大当りとなる変動時に先読み予告演出が実行されて「大当り」となる保留データがあることがわかった場合には、大当り遊技状態の終了後、確変状態が終了する変動回数が近くなった場合に、遊技球の打ち込みを停止して、先読み予告演出が実行された保留データを消化させるといった遊技方法を選択することができ、遊技の興趣が向上する。
また、第1特図で大当りとなった場合と第2特図で大当りとなった場合とで、大当り後の遊技状態の有利度合い(確変制御や時短制御の割合や期間)が異なる遊技機に本発明を適用してもよい。例えば、大当り遊技状態の有利度合いは第1特図の方が有利となっているが、大当り後の遊技状態は第2特図の方が有利となっているような遊技機では、大当りとなる変動時に先読み予告演出が実行されて「大当り」となる第1特図の保留データがあることがわかった場合には、当該第1特図の保留データを消化させるか否かを、遊技者の好みに応じて選択可能となるといった遊技性が生まれ、遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となることを条件に先読み予告演出(保留表示予告)が実行されるようになっていたが、これ以外のタイミングでも先読み予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から変動カテゴリコマンドといった入賞時判定結果を通知するコマンドを受信したときに、その通知内容に基づいて先読み予告演出(入賞時先読み予告演出)を実行するようにしてもよい。この場合の入賞時先読み予告演出は、保留表示予告であってもよいし、他の予告演出でもよい。入賞時先読み予告演出として、保留表示予告を実行する場合には、上記実施の形態の先読み予告演出とは異なる態様とすることが望ましい。また、入賞時先読み予告演出として保留表示予告が実行されているときに、さらに上記実施の形態の先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、予告対象の保留記憶表示を2段階に変化させる等、特別な態様に変化するようにしてもよい。また、さらに上記実施の形態の先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、大当りとなることが確定するものであってもよい。また、入賞時先読み予告演出を実行するか否かを判定する場合において、判定の対象以前に記憶された保留データに大当りとなるものが含まれている場合には、入賞時先読み予告演出を実行しないまたは実行しにくくするようにしてもよい。このようにすることで、可変表示結果が「大当り」となることを条件に先読み予告演出する場合に、既に入賞時先読み予告演出が実行されているケースを減らすことができ、大当り時の先読み予告演出を効果的にすることができる。また、大当り時の先読み予告演出に注目している遊技者にのみ、有利な保留データがあることを報知できる。
また、第1特図の可変表示と第2特図の可変表示を同時の実行する遊技機において本発明を適用する場合には、低確状態においては第2特図の変動時間が極めて長く(例えば10分)、高確状態(特別遊技状態)においては第2の変動時間が短く(例えば5秒)なるようにしてもよい。なお、この場合、高確状態(特別遊技状態)においては第1特図の変動時間が極めて長く(例えば10分)することで、高確状態においては第2特図の可変表示を多く実行させることができる。
また、上記実施の形態では、第2特図保留記憶部151Bにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データを記憶するようになっていが、第2特図を用いた特図ゲームの保留データは記憶されないようにしてもよい。この場合には、第2特図の停止時間に第2始動入賞が発生した場合には、第1特図の保留データがある場合でも、第2特図の可変表示が実行されるようにしてよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施の形態では、先読み予告演出における保留記憶表示の特別態様は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかによらず同じであったが、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、表示態様(色や形状など)を異ならせてもよい。
また、図14に示すステップS403の処理では、ステップS402の処理にて選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。