JP6436560B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関する。
立体像を表示する手法の1つとして、インテグラルフォトグラフィ(Integral Photography)方式がある。以下では、インテグラルフォトグラフィ方式をIP方式と称することがある。IP方式は、複数の微小要素レンズにより構成された要素レンズ群を、撮像と表示との双方に用いて、立体像を再現する方式である。以下では、IP方式において、個々の微小要素レンズを介して撮像される画像を要素画像と称する。近年、IP方式を採用したテレビの研究が進められている。複数の視聴者が存在する場合のテレビの視聴環境を考慮すると、視聴者は、それぞれ、横に並んで映像を視聴することが想定される。従って、映像を視聴可能な視域は、垂直方向に比して水平方向に広いことが望ましい。IP方式において、要素画像の形状を縦と横の比が異なる長方形とすることにより垂直方向と水平方向との視域の比率を変更する手法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2013−160808号公報 特開2013−205583号公報
しかしながら、従来の手法では、垂直方向と水平方向との視域の比率を変更した場合、表示素子を効率良く利用することができないという課題があった。例えば、特許文献1または特許文献2の記載に基づいて要素画像の形状を長方形とした場合、当該長方形の長手方向の解像度を低下させないために、デルタ配列の要素画像群を撮像し、表示させることが行われる。このように、デルタ配列の要素画像群を表示素子が表示するときに、表示素子の端において要素画像が表示されない領域が生じることがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、垂直方向と水平方向との視域の比率を変更した場合に、表示素子を効率良く利用することができる表示装置を提供する。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、インテグラルフォトグラフィ方式による複数の要素画像を配列してなる画像データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記画像データに含まれる前記要素画像の配列の端部が揃うように、前記要素画像の所定方向の並びをシフトさせる変換処理を行う変換部と、前記変換部による変換処理後の画像データを表示する表示部と、前記表示部によって表示される前記要素画像の各々に対応して設けられた複数の要素レンズからなる要素レンズ群と、を備えることを特徴とする表示装置である。
(2)また、本発明の一態様は、上記(1)に記載の表示装置において、前記要素レンズの透過光をマスクする制限部であって、前記取得部が取得した前記要素画像の位置と、前記変換部が前記要素画像の並びを前記所定方向にシフトさせる変換処理後の前記要素画像の位置とのずれ部分をマスクする制限部をさらに備えることを特徴とする。
(3)また、本発明の一態様は、上記(2)に記載の表示装置において、前記制限部は、前記制限部は、前記取得部が取得した前記要素画像の位置と、前記変換部が前記要素画像の並びを前記所定方向にシフトさせる変換処理後の前記要素画像の位置とのずれ部分が全てなくなるようにマスクする、ことを特徴とする。
(4)また、本発明の一態様は、上記(2)または(3)に記載の表示装置において、前記制限部によってマスクされない領域であって、各々の前記要素画像に対応する領域の縦と横の比が1対1である、ことを特徴とする。
本発明によれば、垂直方向と水平方向との視域の比率を変更した場合に、表示素子を効率良く利用することができる。
本発明の一実施形態に係る撮像装置の概略を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の概略を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の概略機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置が撮像する要素画像群の配列を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置と表示装置とが備える要素レンズの形状を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置が備える要素レンズ群の配列を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置が表示する要素画像群の配列を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置が備える要素レンズ群の配列を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る制限部を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る配列変換処理と制限部による光線の制限との関係について説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置による表示例を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置1の概略を説明するための模式図である。
撮像装置1は、IP方式により立体映像を撮像する装置であり、要素レンズ群11と、撮像素子12と、を備える。要素レンズ群11は、複数の要素レンズ111〜11nにより構成される。要素レンズ111〜11n各々は、焦点距離が同一の凸レンズである。また、要素レンズ111〜11nは、それぞれ、その主面が同一平面上に位置するように配置される。要素レンズ111〜11n各々は、被写体51からの光線を透過し、撮像素子12上に被写体51の像を結像する。以下では、これら要素レンズ111〜11n各々が結像する像521〜52n各々を要素画像と称する。また、以下では、これら複数の要素画像をまとめて要素画像群と称する。すなわち、要素画像群52は、要素画像521〜52nにより構成され、要素画像群52の画像データは、複数の要素画像521〜52nを配列してなる画像データである。
図2は、本実施形態に係る表示装置2の概略を説明するための模式図である。
表示装置2は、IP方式により立体映像を表示する装置であり、表示素子21と、要素レンズ群22と、不図示の変換部と、不図示の制限部と、を備える。変換部は、撮像装置1が撮像した要素画像群52の画像データを変換し、要素画像群53の画像データを取得する。要素画像群53の画像データは、複数の要素画像531〜53nを配列してなる画像データである。変換部は、取得した要素画像群53の画像データを表示素子21に出力する。変換部による処理の詳細については、後述する。表示素子21は、変換部から取得した画像データに基づいて要素画像群53を表示する。要素レンズ群22は、複数の要素レンズ221〜22nにより構成される。要素レンズ221〜22n各々は、焦点距離が同一の凸レンズである。また、要素レンズ221〜22nは、それぞれ、その主面が同一平面上に位置するように配置される。要素レンズ221〜22n各々は、表示素子21が表示する要素画像群53のうち、それぞれに対応する要素画像531〜53nからの光線を透過する。制限部は、要素レンズ221〜22n各々を介した光線の透過を制限する。そして、要素レンズ221〜22n各々を透過した光線は、視聴者6が立体像54として認識可能な像を結像する。
以下では、これら要素レンズ221〜22n各々が結像する像を立体画素と称し、表示素子21による要素画像531〜53n各々の表示における画素とは区別する。この立体画素各々の大きさは、立体像54の解像度を規定する。また、立体画素の形状は、要素レンズ221〜22nの形状と要素レンズ221〜22nの焦点距離とに基づいて決定される。従って、立体画素は、正方形や円形などの縦と横との比が1対1である領域を透過した光線により形成されることが望ましい。視聴者6は、要素レンズ221〜22n各々を介して、要素レンズ221〜22n各々に対応する要素画像531〜53nの一部を観察する。視聴者6の両眼には、同一の要素レンズ221〜22n各々を介して、要素画像531〜53n各々の異なる部分が観察されるため、視聴者6は、立体像54を認識することができる。
図3は、表示装置2の概略機能構成を示すブロック図である。
表示装置2は、取得部201と、記憶部202と、変換部203と、表示部204と、制限部205と、要素レンズ群22を備える。また、表示装置2は、不図示のCPUと記憶装置とを備える。
取得部201は、例えば、通信用インターフェイスを備え、撮像装置1と通信を行う。取得部201は、例えば、撮像装置1との通信を介して要素画像群52の画像データを取得する。取得部201は、取得した要素画像群52の画像データを記憶部202に記憶させる。
記憶部202は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などを備える。また、記憶部202は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)またはフラッシュメモリなどを備える。記憶部202は、ファームウェアやアプリケーションプログラムなど、表示装置2が備えるCPUが実行するための各種プログラムやCPUが実行した処理の結果などを記憶する。また、記憶部202は、要素画像群52の画像データを記憶する。変換部203は、例えば、表示装置2の備えるCPUが記憶部202に記憶されているプログラムを実行することによって機能する。
変換部203は、記憶部202が記憶する要素画像群52の画像データを変換する変換処理を行う。変換部203は、例えば、記憶部202が記憶する要素画像群52の画像データに対して、当該画像データに含まれる要素画像の配列の端部が揃うように、要素画像の所定方向の並びをシフトさせる配列変換処理を行う。また、変換部203は、例えば、記憶部202が記憶する要素画像群の画像データに対して、当該画像データに基づく立体像の表示における奥行きを補正するための画像処理を行う。例えば、撮像装置1により撮像された要素画像群52を、表示素子21にそのまま表示させた場合、視聴者には、被写体の奥行きが反転した立体像が観察される。この奥行きの反転現象を補正するための具体的手段には、公知の技術を適用できるため、説明を省略する。変換部203は、変換した画像データを表示部204に出力する。
表示部204は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどであり、表示素子21を備える。表示部204は、変換部203から出力された画像データが示す要素画像群を、長方形の表示素子21に表示させる。
要素レンズ群22は、例えば、要素画像531〜53nと同様の形状を備えた要素レンズ221〜22nを、それぞれ、要素画像531〜53nと対応するように配置したレンズ群である。
制限部205は、要素レンズ221〜22nの一部をマスクする。ここで、マスクするとは、遮光または減光することである。制限部205は、例えば、要素レンズ群22に接して、その前または後ろに設けられた遮光マスクである。遮光マスクは、光を完全に遮る部材または光の一部を遮る部材により構成される。遮光マスクは、例えば、マスクする領域を黒色とする薄板部材である。より具体的には、遮光マスクは、例えば、マスクする領域がつや消し黒色塗装され、マスクしない領域に孔を有する金属または樹脂板などである。また、遮光マスクは、例えば、マスクしない領域を透明とする樹脂板などである。また、遮光マスクは、要素レンズ221〜22nの内部に備えられるなど、要素レンズ群22と一体の部材であってもよい。
図4は、撮像装置1が撮像する要素画像群52の配列を示す模式図である。
この図に示すように、本実施形態における要素画像521〜52nは、水平方向を長手方向とする長方形の形状を有する。この長方形の長辺の長さは、wであり、短辺の長さは、hである。また、本実施形態において、一例として、長辺の長さは短辺の長さの2倍であり、(w=2×h)である。この模式図に例示されるように、水平方向に隣接する要素画像は、互いにその短辺を接し、水平方向に列をなしている。垂直方向に隣接する要素画像の列の位置は、水平方向に(w/2)ずれている。また、これら要素画像の列は、隔行で見た場合、水平方向に配置が揃っている。例えば、図4の模式図に例示されるように、要素画像群の奇数行の左端に位置する要素画像の左端部に対して、要素画像群の偶数行の左端に位置する要素画像の左端部は、水平方向右側に(w/2)ずれている。すなわち、撮像装置1が撮像する要素画像群は、いわゆるデルタ配列(俵積み配列)に要素画像を配置した画像である。また、本実施形態において、要素画像群52の各行は、同数の要素画像により構成される。
図5は、撮像装置1が備える要素レンズ111〜11nおよび表示装置2が備える要素レンズ221〜22nの形状を示す模式図である。
上述した形状の要素画像521〜52nを取得する方法として、複数の方法が提案されている。本実施形態では、一例として、取得する要素画像521〜52nと同様の形状を有する要素レンズ111〜11nを利用する。
図5(a)は、要素レンズの正面図を示す。図5(b)は、要素レンズの上面図を示す。図5(a)および図5(b)に示されるように、要素レンズ111〜11nおよび要素レンズ221〜22nは、それぞれ、レンズの光軸方向から見て、円形の凸レンズ3の中心311を基準として、長方形のレンズ31を切り出したものと同等の形状に形成されている。また、要素レンズ111〜11nおよび要素レンズ221〜22nは、それぞれ、レンズの光軸方向から見て、要素画像と同様に、長辺の長さがwであり、短辺の長さがhである。以下では、このような形状のレンズを長方形型レンズと称する。
図6は、撮像装置1が備える要素レンズ群11の配列を示す斜視図である。
この図に例示されるように、撮像装置1が備える要素レンズ群11は、長方形型レンズを稠密に配置した構成を備える。撮像装置1が備える要素レンズ群11において、各要素レンズ111〜11nはデルタ配列に配置されている。これにより、撮像装置1は、要素レンズ111〜11nと同形状の要素画像521〜52nがデルタ配列に配置された要素画像群52の画像データを取得する。
図7は、表示装置2が表示する要素画像群53の配列を示す模式図である。
この図の実線に示されるように、表示装置2は、要素画像群53の垂直方向および水平方向において、要素画像531〜53nの配列の端部を揃えた正方配列の要素画像群53を表示する。また、この図の一点鎖線は、配列変換処理を行う前の要素画像群53の配列を示す。なお、要素画像531〜53nは、要素画像521〜52nに対して奥行きの補正のための画像処理を行った後の画像である。なお、本実施形態において、正方配列とは、行方向の並びと列方向の並びとがなす角度が直角である配列のことをいう。そして、本実施形態における正方配列において、隣接する要素画像の中心同士を結ぶ線分を四辺とする四角形は、必ずしも正方形でなくてよい。例えば、本実施形態において、正方配列に配置された要素画像531〜53n各々の長辺の長さは短辺の長さの2倍であるため、隣接する要素画像531〜53n各々の中心同士を結ぶ線分を四辺とする四角形は、長辺の長さが短辺の長さの2倍の長方形である。
表示装置2は、図4に例示したデルタ配列の要素画像521〜52nの画像データを取得すると、取得した画像データにおいて偶数行に位置する要素画像の配置を水平方向左側に(w/2)にシフトさせる。すなわち、表示装置2は、奇数行に位置する要素画像の配置を水平方向右側に(w/2)にシフトする。換言すると、表示装置2は、要素画像521〜52nの配列の左端部および右端部が揃うように、水平方向の並びをシフトさせる。表示装置2は、例えば、この処理を画像処理により実現する。これにより、デルタ配列の要素画像521〜52nの端の隙間を埋めることができ、表示素子21が有する全ての画素に要素画像531〜53nを表示させることができる。
図8は、表示装置2が備える要素レンズの配列を示す斜視図である。
この図に例示されるように、表示装置2が備える要素レンズ群22は、長方形型レンズを稠密に配置した構成を備える。表示装置2が備える要素レンズ群22において、要素レンズ221〜22nは、それぞれ、正方配列に配置されている。これにより、表示装置2は、要素画像群53を構成する要素画像531〜53n各々を、要素画像531〜53nと同様の形状の要素レンズ221〜22n各々により表示する。そして、要素画像531〜53nからの光線は、それぞれ、要素レンズ221〜22nを介して立体画素を形成し、立体像を表示する。
図9は、遮光マスク23を説明するための模式図である。
図9(a)は、遮光マスク23と要素レンズ群22とを示す斜視図である。
図9(b)は、遮光マスク23を示す正面図である。
図9(c)は、遮光マスク23を示す側面図である。
図9(a)〜図9(c)に示されるように、この一例において、遮光マスク23は、要素レンズ群22を構成する要素レンズ221〜22n各々の左半分または右半分を格子状にマスクして光線の透過を制限する。これらの図に示す遮光マスク23において、ドットパターンにより示される領域は、光線の透過を制限する領域を示し、無地により示される領域は光線の透過を許可する領域を示す。
次に、図10を参照して、配列変換処理と遮光マスク23による光線の制限との関係について説明する。
図10(a)は、配列変換処理の前後における光の射出位置を説明するための模式図である。
図10(b)は、光の射出位置に応じた遮光マスク23による光の制限を説明するための図である。
これらの図は、図7を用いて説明した例に対応し、配列変換処理の前後における要素画像群53の配列を示す。また、図10(b)において、ドットパターンにより示される領域および無地により示される領域は、それぞれ、図9と同様に、遮光マスク23が光線の透過を制限する領域および光線の透過を許可する領域を示す。
上述した配列変換処理により要素画像の並びを所定方向にシフトさせ、正方配列の要素レンズ群22を用いて表示したことによって、光の射出位置が、撮影時の入射位置と異なってくる。具体的には、上述したように、本実施形態において、表示装置2は、デルタ配列の要素画像531〜53nを正方配列に揃えるために、偶数行に位置する要素画像を水平方向左側(w/2)にシフトする。これにより、撮影時と表示時において光の入射位置と射出位置が、偶数行において水平方向に(w/2)ずれる。すなわち、図10(a)に示すように、偶数行において本来破線の×印に示す位置より射出されるべき光が、水平方向左側に(w/2)シフトさせることにより、実線の×印に示す位置より射出されることになり、正しく再生されなくなる。遮光マスク23は、上述した光の入射位置と射出位置のずれが起こらないようにするために、要素画像に対応する要素レンズ各々について、奇数行については水平方向右側から、偶数行については水平方向左側から(w/2)の領域をマスクする。すなわち、図10(b)に示すように、要素画像531〜53nは正方配列となり、かつ光の射出位置は、奇数列と比べて偶数列では水平方向右側に(w/2)ずれた状態となり、撮影時の光の入射位置と一致させることができる。
また、上述したデルタ配列の要素画像521〜52nを正方配列に揃える配列変換処理は、奇数行に位置する要素画像を水平方向右側(w/2)にシフトすることに等しい。これにより、撮影時と表示時における光の入射位置と射出位置が(w/2)ずれる。遮光マスク23は、上述した光の入射位置と射出位置のずれが起こらないようにするために、要素画像に対応する要素レンズ各々について、奇数行については水平方向右側から、偶数行については水平方向左側から(w/2)の領域をマスクする。すなわち、遮光マスク23は、偶数行に位置する要素画像と奇数行に位置する要素画像とについて、それぞれ、取得部201が取得した要素画像の位置と、変換部203が要素画像の並びを水平方向にシフトさせる配列変換処理後の要素画像の位置とのずれ部分をマスクする。これにより、表示装置2は、撮像装置1により撮像された要素画像群52の配列を変更することにより生じる像の歪みを補正し、正しい像を表示させることができる。
また、本実施形態において、要素画像531〜53nおよび要素レンズ221〜22nの形状は、長辺と短辺の比が2対1の長方形である。そのため、遮光マスク23は、要素レンズ221〜22nの半分の領域を遮光することにより、その残り半分の正方形の領域において光線を透過させる。これにより、表示装置2は、縦と横の比が1対1である領域を透過した光線により形成される立体画素からなる立体像を表示する。従って、表示装置2は、立体画素の形状を目立たなくすることができ、視聴者に与える違和感を低減することができる。また、本実施形態において、要素レンズ221〜22nの形状が長辺と短辺の比が2対1の長方形であり、配列変換処理におけるシフトが当該長辺の長さの半分である。従って、要素レンズ221〜22nの半分をマスクする遮光マスク23は、配列変換処理により生じた要素画像のずれ部分が全てなくなるようにマスクすることと、光線の透過領域を正方形にすることとを同時に達成することができる。そのため、上述した実施形態は、水平方向の解像度と、立体画素の形状と、立体像の明るさとを最適化することができる。
図11は、表示装置2による表示例を説明するための図である。
図11(a)は、図11(b)〜図11(d)において説明するIP方式による表示のシミュレーションに用いられる画像を示す。
この図に示される画像には、中央の一点から放射状に線が延出する模様が描かれている。これらの線は、それぞれ、上下左右および斜めの各方向に延びており、それぞれの方向に延びた線の滑らかさを観察することにより、上下左右および斜め方向の解像度を確認することができる。
図11(b)は、図11(a)に例示した画像を表示するシミュレーションを行った場合の結果を示す図である。
この例において、撮像装置は、長方形型レンズが正方配列に配置された要素レンズ群を備え、長方形型の要素画像が正方配列に配置された要素画像群を撮像する。そして、表示装置は、撮像された正方配列の要素画像群を、長方形型レンズを正方配列に配置した要素レンズを介して表示する。図11(b)は、このような条件における表示装置の表示のシミュレーション結果を示す。図11(b)に示されるように、領域A1に示される横方向の線は滑らかであり、縦方向の解像度は高い。これに対して、この条件による表示において、領域A2に示される縦方向の線は歪んでおり、横方向の解像度は低い。これは、立体画素を形成する各要素レンズの中心間の距離が各方向のサンプリング間隔に影響するためである。
具体的には、この一例において、縦方向のサンプリング間隔は、要素レンズの長方形の短辺の長さであるのに対し、横方向のサンプリング間隔は、要素レンズの長方形の長辺の長さとなる。従って、図11(b)に示される例において、縦方向に比して横方向の解像度が粗くなっている。これに対して、長方形型レンズをデルタ配列に配置した要素レンズを介して要素画像群を撮像した場合、要素レンズは各行において横方向に(w/2)ずれているため、横方向のサンプリング間隔は、(w/2)となる。従って、デルタ配列に配置した要素レンズを介して要素画像群を撮像し、デルタ配列に配置した要素レンズを介して表示した場合、横方向の解像度は、改善する。なお、画像の中央付近には、モアレが生じている。
図11(c)は、図11(a)に例示した画像を表示するシミュレーションを行った結果を示す図である。
この例において、撮像装置は、本実施形態に係る撮像装置1であり、要素画像群53を撮像する。そして、表示装置は、要素画像群53の配列をデルタ配列から正方配列に変換し、長方形型レンズを正方配列に配置した要素レンズ群22を介して表示する。図11(c)は、このような条件における表示装置の表示のシミュレーション結果を示す。図11(c)に示されるように、要素画像群53は、撮像時の状態から配列が横方向に変化している。従って、領域A3に示される横方向の線に比して領域A4に示される縦方向の線の歪みが大きくなっている。
図11(d)は、図11(a)に例示した画像を表示するシミュレーションを行った結果を示す図である。
この例において、撮像装置は、本実施形態に係る撮像装置1であり、要素画像群52を撮像する。そして、表示装置は、本実施形態に係る表示装置2であり、要素画像群53を要素レンズ群22と遮光マスク23とを介して表示する。図11(d)は、このような条件における表示装置2の表示のシミュレーション結果を示す。図11(d)に示される例において、領域A5に示される横方向の線は滑らかであり、図11(b)に示される例と同様に、縦方向の解像度は高い。
また、遮光マスク23が配列変換処理によって生じた光の入射位置と射出位置のずれ部分をマスクするため、視聴者から見た場合、要素画像531〜53nから要素レンズ221〜22nを通って射出される光の位置は、配列変換処理前の要素画像521〜52nへ要素レンズ111〜11nを通って入射される光の位置と同じになる。そのため、この条件による表示において、領域A6に示される縦方向の線は滑らかであり、図11(b)および図11(c)では解像度が低かった横方向についても高い解像度が実現される。
なお、表示装置2の表示部204が表示する要素画像531〜53nは、撮像装置1とは異なる手段により取得された画像であってもよい。表示装置2は、例えば、コンピュータを用いて作成されたCG(Computer Graphics)を表示してもよい。この場合、当該CGは、変換部203による変換処理が行われた画像であってもよいし、変換部203による変換処理が行われていない画像であってもよい。表示装置2の取得部201が変換部203による変換処理が行われた後の画像を取得した場合、表示部204は、取得された画像をそのまま表示してよい。
なお、変換部203は、デルタ配列の要素画像群を完全に揃えなくてもよい。例えば、上述した例において、変換部203は、偶数行に位置する要素画像を左方向に(w/2)移動させた。このときの移動量は、例えば、(w/2)未満であってもよい。この場合、デルタ配列の要素画像群をそのままの配列で表示素子21に表示させた場合に比して、要素画像531〜53nを表示しない表示素子21の画素の数を削減することができる。
なお、変換部203は、画像処理以外の方法でデルタ配列の要素画像群を正方配列に変換してよい。例えば、変換部203は、光ファイバーを用いて、デルタ配列の要素画像群からの光線各々を正方配列の要素レンズに各々に出力することにより、要素画像群の配列を変換してよい。
なお、制限部205によるマスクは、完全でなくてもよい。制限部205は、例えば、マスク領域を透過する光量を50[%]〜100[%]程度に減光してよい。マスクにより、要素レンズ221〜22nを透過する光量が全体で減少し、表示装置2が表示する立体像が暗くなる。そのため、制限部205による遮光または減光の程度は、例えば、表示の明るさと、解像度とを鑑みて調節されてよい。また、制限部205の遮光または減光のための部材は、黒色でなくてもよい。
なお、制限部205による遮光の態様は、上述したものに限定されない。制限部205は、例えば、光線を透過させる要素レンズの領域を円形としてもよい。これにより、表示装置2は、円形の立体画素からなる立体像を表示させることができ、正方形の立体画素からなる立体像に比して、さらに違和感の少ない立体像を表示させることができる。また、制限部205は、例えば、長方形型レンズ221〜22n各々の長手方向の両側から透過光を制限してもよい。
なお、要素画像および要素レンズの形状は、上述したものに限定されない。例えば、要素画像531〜53nの形状は、それぞれ、長辺の短辺に対する比率が3:1の長方形であってもよい。この場合、制限部205は、例えば、正方配列への配列変換処理時に埋めた隙間の面積に基づいて、光線の制限を行ってよい。また、例えば、制限部205は、光線を透過させる領域をさらに狭めて、正方形の領域を透過させるように光線を制限してもよい。前者の場合、表示装置2は、視域を調節し、解像度を向上させつつ、明るい立体像を表示させることができる。後者の場合、表示装置2は、正方形の立体画素からなる立体像を表示させることができるため、視域を調節し、解像度を向上させつつ、違和感の少ない立体像を表示させることができる。また、要素レンズ111〜11nおよび要素レンズ221〜22nは、円形の要素レンズであってもよい。このような形状の要素レンズであっても、公知の技術により、視域を調節するために、縦と横の比が異なる要素画像を取得することができる。
なお、要素レンズ群11、要素レンズ群22、撮像素子12、および表示素子21は、平板状でなくてもよく、例えば、立体像の表示において最適な曲率を有する曲板状であってもよい。
なお、制限部205は、配列変換処理により要素画像531〜53nを所定方向にシフトさせたことによって、所定方向と交わる、例えば、斜め方向に生じた要素画像間のずれ部分の少なくとも一部をマスクしてもよい。
なお、上述した実施形態における表示装置2の一部、例えば、変換部203などをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、表示装置2に内蔵されたコンピュータシステムであって、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における表示装置2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。表示装置2の各機能部は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
1…撮像装置、11…要素レンズ群、111〜11n…要素レンズ、12…撮像素子、2…表示装置、21…表示素子、22…要素レンズ群、221〜22n…要素レンズ、23…遮光マスク、201…取得部、202…記憶部、203…変換部、204…表示部、205…制限部、3…円形の凸レンズ、31…長方形型レンズ、311…レンズ中心

Claims (3)

  1. インテグラルフォトグラフィ方式によるデルタ配列の複数の要素画像を配列してなる画像データを取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記画像データに含まれる前記要素画像の配列の端部が揃うように、前記要素画像の所定方向の並びをシフトさせる変換処理を行う変換部と、
    前記変換部による変換処理後の画像データを表示する表示部と、
    前記表示部によって表示される前記要素画像の各々に対応して設けられた複数の要素レンズからなる要素レンズ群と、
    前記要素レンズの透過光をマスクする制限部であって、前記取得部が取得した前記要素画像の位置と、前記変換部が前記要素画像の並びを前記所定方向にシフトさせる変換処理後の前記要素画像の位置とのずれ部分をマスクする制限部
    備えることを特徴とす表示装置。
  2. 前記制限部は、前記取得部が取得した前記要素画像の位置と、前記変換部が前記要素画像の並びを前記所定方向にシフトさせる変換処理後の前記要素画像の位置とのずれ部分が全てなくなるようにマスクする、
    ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  3. 前記制限部によってマスクされない領域であって、各々の前記要素画像に対応する領域の縦と横の比が1対1である、
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の表示装置。
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