JP6433455B2 - 超音波探傷方法、超音波探傷装置、超音波探傷プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

超音波探傷方法、超音波探傷装置、超音波探傷プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は超音波探傷方法、超音波探傷装置、超音波探傷プログラムおよび記録媒体に関し、超音波探傷データの検査対象物における位置を特定する場合に適用して有用なものである。
超音波探傷では、超音波探触子(以下、プローブと称す。)を検査対象物に当接させて発生させた超音波を前記検査対象物の内部に入射させ、前記検査対象物内で反射した超音波を受信して画像データとして処理する。かかる処理により検査対象物の内部の様子を可視化することで前記内部の、例えば傷や欠陥の存在等を検出する。超音波探傷には、通常Aスコープ、Bスコープ、Cスコープと呼称される画像データが用いられる。
Aスコープは、図8(a)に示すように、検査対象物100の所定の一点で内部に向けてプローブ1から超音波を照射することにより得る。したがって、このときのAスコープデータは、図8(b)に示すように、横軸に採った検査対象物100の深さ方向における反射波の振幅を表すものとなる。すなわち、裏面100aまたは途中の欠陥100bで反射された超音波が検出される。
Bスコープは、図9(a)に示すように、検査対象物100の表面で直線的にプローブ1を移動させつつプローブ1から検査対象物100の内部に向けて超音波を照射することにより得る。したがって、このときのBスコープデータは、図9(b)に示すように、横軸に採った検査対象物100の表面の特定の直線上の位置における検査対象物100の一断面内の様子を表すものとなる。すなわち、裏面100aまたは途中の欠陥100cで反射された超音波が検出される。
Cスコープは、図10(a)に示すように、検査対象物100の表面の全域で平面的にプローブ1を移動させつつプローブ1から検査対象物100の内部に向けて超音波を照射することにより得る。したがって、このときのCスコープデータは、図10(b)に示すように、検査対象物100の水平断面の様子(マッピング画像)を表すものとなる。すなわち、裏面100aまたは途中の欠陥100dで反射された超音波が検出される。
かかる超音波探傷装置においてBスコープデータおよびCスコープデータは、エンコーダ付きのスキャナを用いてプローブ1で検出した反射波の波形とプローブ1の位置とを紐付けしながら取得する。このようにスキャナは、プローブ1の位置情報を取得し、プローブ1の波形とプローブ1の位置を紐付けるものであり、通常はレールやアーム等のガイド機構がついており、プローブ1がデータ採取した際の座標を計測器側へ出力する。かくして、プローブ1からはAスコープデータが出力され、このAスコープデータの一つ一つにプローブ1の位置データを紐付けると、探傷範囲全体の画像化が可能となる。例えば、プローブ1を1次元で走査した場合はBスコープデータが得られ、プローブ1を2次元で走査した場合はCスコープデータが得られる。
なお、超音波探傷方法を開示する公知文献として、例えば特許文献1が存在する。これは、探傷データ中の形状エコーの出現パターンを数値化してプローブの取得データと比較することにより位置情報を検出するものである。ただ、特許文献1では検査対象物の形状信号が検出されないような平板形状の場合には適用が不可能である。
特開2014−149156号公報
ところが、上述のごとき従来技術においては、実際の探傷作業に際し、配管や管台等の検査対象物1にエンコーダ付きのスキャナを取付ける際の位置合わせや固定作業等に多くの手間がかかる等、探傷作業の準備に多大な時間を要するという課題がある。また、探傷場所によっては、これが狭隘部位である等の理由によりスキャナを取付けるスペースを確保できない場合もある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、所定の超音波探傷データの採取に際しはプローブの位置情報の採取を行うことなく前記位置情報と対応させた超音波探傷データを得ることを可能とした超音波探傷方法、超音波探傷装置、超音波探傷プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の超音波探傷方法の態様は次の通りである。
1) 所定の検査対象物を超音波探触子の位置情報と紐付けしつつ超音波探傷することにより、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを採取した後、
前記超音波探触子のみにより前記検査対象物に対して行なった超音波探傷により前記検査対象物の実測探傷データを採取するとともに、
前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと前記実測探傷データとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことにより、前記実測探傷データに前記位置情報を紐付けし、
さらに前記位置情報を紐付けした前記実測探傷データに基づき前記検査対象物における欠陥を、前記検査対象物における位置とともに特定する。
前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データは、所定の通常感度よりも高い感度で信号処理を行って生成するとともに、
前記実測探傷データは、前記高い感度で信号処理を行ったものと、前記通常感度で信号処理を行ったものとの2種類を生成する一方、
前記パターンマッチング処理は、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記高い感度で信号処理を行った前記実測探傷データとを比較することにより行なうとともに、
前記欠陥の探傷は前記通常感度で信号処理を行った前記実測探傷信号に基づき実施すること。
2) 上記1)において、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データは、別途作成しておいたデータベースから読み出すことにより得ること。
3) 上記1)または2)において、前記超音波探触子としてフェーズドアレイプローブを用いるとともに、前記パターンマッチング処理は、前記フェーズドアレイプローブにより得るSスコープデータに基づくこと。
本発明の超音波探傷装置の態様は次の通りである。
) 所定の検査対象物を、超音波探触子の位置情報を紐付けて超音波探傷することにより得られた前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを記憶するデータ記憶部と、
前記超音波探触子のみにより前記検査対象物に対して行なった超音波探傷により得られた前記検査対象物の実測探傷データを記憶する実測探傷データ記憶部と、
前記データ記憶部に記憶している前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記実測探傷データ記憶部に記憶している前記実測探傷データとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことにより前記実測探傷データに前記位置情報を紐付けるパターンマッチング処理部と、
前記パターンマッチング処理部の処理結果に基づき前記実測探傷データ中の欠陥を、前記位置情報に基づき前記検査対象物における位置を特定して検出する欠陥検出部とを有すること。
さらに、前記データ記憶部は、所定の通常感度よりも高い感度の信号処理を行って生成した前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを記憶するとともに、
前記実測探傷データ記憶部は、前記高い感度で信号処理を行った比較用の実測探傷データと、前記通常感度で信号処理を行った欠陥検出用の実測探傷との2種類をそれぞれ記憶し、
前記パターンマッチング処理部は、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記比較用の実測探傷データとを比較することにより両者のパターンマッチング処理を行って、欠陥検出用の前記実測探傷データに前記超音波探触子の位置情報を紐付けする処理を実施し、
前記欠陥検出部は、前記紐付けされた前記実測探傷データに基づき前記検査対象物における欠陥を、前記検査対象物における位置とともに特定するものであること。
) 上記)において、前記超音波探触子はフェーズドアレイプローブであり、前記パターンマッチング処理部における前記パターンマッチング処理は、前記フェーズドアレイプローブにより得られたSスコープデータに基づくこと。
本発明の記録媒体の態様は次の通りである。
9) 超音波探傷装置のコンピュータで読み取り可能な上記8)に記載する超音波探傷プログラムを記録したこと。
本発明によれば、超音波探触子の位置情報と紐付けられた超音波探傷データと、実測時の実測探傷データとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことで両者の相関に基づき実測探傷データにおける超音波探触子の位置を特定することができる。したがって、スキャナ等で超音波探触子の位置情報の採取を行うことなく位置情報と対応させた超音波探傷データを得ることができる。さらに、位置情報を紐付けした実測探傷データに基づき検査対象物における欠陥を、検査対象物における位置とともに特定する。この結果、スキャナ等の設置に要する作業を省略することで、当該超音波探傷作業の効率化を図り得るばかりでなく、スキャナ等を設置することができないか、または困難な狭隘な場所にある検査対象に対し、欠陥の位置を特定した所定の超音波探傷を実施し得る。
本発明の実施形態に係る超音波探傷方法を示すフローチャートである。 超音波探傷における検査対象物から採取したノイズの波形をAスコープ表示で示す波形図である。 探傷データをAスコープ表示で示す図で、(a)がデータベースに記憶しているノイズデータ示す波形図、(b)が実測時の探傷データを示す波形図である。 フェーズドアレイプローブによる探傷領域を示す模式図である。 感度が異なる探傷データを概念的に示す波形図である。 本発明の第4実施形態に係る超音波探傷装置を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る超音波探傷装置を示すブロック図である。 Aスコープ画像に関する図で、(a)が検査対象物の所定の一点で内部に向けてプローブから超音波を照射することにより得るAスコープ画像を示す模式図、(b)が検査対象物の欠陥の様子を示す模式図である。 Bスコープ画像に関する図で、(a)が検査対象物の所定の一点で内部に向けてプローブから超音波を照射することにより得るBスコープ画像を示す模式図、(b)が検査対象物の欠陥の様子を示す模式図である。 Cスコープ画像に関する図で、(a)が検査対象物の所定の一点で内部に向けてプローブから超音波を照射することにより得るCスコープ画像を示す模式図、(b)が検査対象物の欠陥の様子を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
<第1実施形態(超音波探傷方法)>
図1は本発明の実施形態に係る超音波探傷方法を示すフローチャートで、(a)はデータベースを作成する際の手順、(b)はパターンマッチング処理および探傷処理の手順を示している。
図1(a)に示すように、まず次のような手順で予めノイズデータに関するデータベースを作成する。
1) 所定の検査対象物を、プローブの位置情報と紐付けして超音波探傷することにより得る超音波探傷データを記憶してデータベースを作成する。具体的には、スキャナを利用して探傷データの位置情報を検出しつつ、検査対象物の表面でプローブを一方向およびこれに直交する方向(XY平面におけるX方向およびY方向)にジグザグに移動させてプローブの位置に紐付けされた検査対象物の3次元の超音波探傷データ(以下、探傷データと略称する)を採取する(ST1参照)。
かかる探傷データの採取に関しては、同一検査対象物であれば、据付け前の検査対象物に対して実施することができる。すなわち、後に実施する保守点検等で実測する検査対象物が設置されている場所とは別の、検査対象物の製造現場等、任意の場所で実施することができる。この結果、かかる探傷データの採取作業は、実測する検査対象物の設置状況とは関係なく、容易かつ迅速に行うことができる。
なお、本実施形態は、3次元の探傷データ(Cスコープデータ)に基づく欠陥の探傷を行なう場合であるので、ノイズデータも、プローブを、XY平面内を移動させて3次元のノイズデータを採取したが、これに限るものではない。2次元の探傷データ(Bスコープデータ)に基づく欠陥の探傷を行なう場合には、ノイズデータも、プローブを2次元の一方向に移動させて2次元のノイズデータを採取すれば良い。
2) 検査対象物の3次元の探傷データをデータベース化する(ST2参照)。具体的には、検査対象物の表面を細かく区切った各単位領域毎に固有の座標(位置)情報と紐付けして各単位領域毎の探傷データを表す探傷信号のレベルを記憶する。すなわち、この場合(初期状態)の検査対象物には欠陥が存在しないとすると、記憶される探傷データは、図2にその波形をAスコープ表示で示すように、ノイズレベルを示すものとなる。そこで、このようにプローブの位置情報と紐付けされた探傷データを、ノイズデータNと呼称する。かかるノイズデータNのパターンは、検査対象物が同一である限り同一である。そこで、同一の検査対象物から採取した探傷データが座標(位置)データを有していなくても、ノイズデータNの座標データを利用することで前記探傷データに座標データを紐付けすることができる。かかる紐付けは、後述する所定のパターンマッチグ処理により実現する。
なお、本実施形態で得るデータはプローブを2次元で操作して得るものであるため、Cスコープデータである。このようにCスコープデータを得ることは必須ではない。必要に応じ、Bスコープデータを得るようにしても良い。この場合にはプローブを特定の直線上を1次元走査する。
次に、図1(b)に示すような手順で所定のパターンマッチング処理および超音波探傷を実施する。
1) ノイズデータNを採取したプローブと同一のプローブを手動で操作して検査対象物に対し所定の3次元探傷を行なう。この際の探傷は、スキャナを使用することなく、すなわちプローブの位置情報を採取することなく実施する(ST3参照)。
2) 検査対象物上の探傷座標を設定する(ST4参照)。ここで、探傷座標とは超音波探傷を行なう部位のXY平面(検査対象物の表面)上の座標(位置)である。
3) ST4で設定した探傷座標である設定座標に対応したデータベースの探傷データであるノイズデータNを読み込む(ST5参照)。
4) データベースの探傷データであるノイズデータと、採取した探傷データのノイズパターンをマッチング処理により比較する(ST6参照)。ここで適用し得る画像マッチング手法としては、SSD(Sum of Squared Difference)、SAD(Sum of Absolute Difference)、正規化相互相関などが適用できる。さらに詳言すると、例えば二つの波形をそれぞれ関数fa(x)とfb(x)とした場合、相関関数は、G(x)=∫fa(x)fb(x)で表されるG(x)が最も大きくなるとき、faとfbは相関があり、同じ位置で取得したデータとなる。特に探傷波形の場合は感度(ゲイン)の差により相関係数に違いがでるため、探傷波形を正規化した正規化相互相関処理などが有効である。
5) ノイズデータNのノイズパターンが一致したか、否かを判定する(ST7参照)。当該判定処理結果がNOである場合には、ST6の処理に戻り、同様の処理を繰り返す。
6) ST7の判定処理結果がYESの場合、座標中の元の探傷データを一致した波形(探傷データ)に置き換える(ST8参照)。このことにより、特定の座標のノイズデータとパターンが一致する探傷データにその位置情報を表す特定の座標が紐付けられる。すなわち、パターンマッチングにより同一データであると認識された時のノイズデータNの座標を探傷データのプローブ座標とする。
7) 全ての設定座標に対し所定の処理が完了したか、否かを判定する(ST9参照)。
当該判定処理結果がNOである場合には、ST5に戻り、ST6、ST7、ST8の処理を全ての設定座標に対して完了するまで繰返す。全ての座標に紐付けが完了した時点で、ST9での判定処理結果がYESとなる。
以上の処理により、スキャナがない場合でも実測した探傷データにプローブの座標を紐付けすることができる。
8) プローブの座標が紐付けられた探傷データに基づき検査対象物中の欠陥を、その検査対象物中の位置を特定して検知する(ST10参照)。このことにより、スキャンで位置情報を採取しながら実施する超音波探傷と同様の探傷結果を得ることができる。この点を図3に基づきさらに詳細に説明しておく。
図3(a)はデータベースに記憶しているノイズデータNをAスコープ表示で示す波形図、図3(b)は実測時の探傷データSをAスコープ表示で示す波形図である。両図を比較した場合、図3(b)において検査対象物の欠陥に対応する閾値Thを越えた成分を含む所定の領域を除くノイズデータを表す成分は、図3(a)のノイズデータNと一致している。そこで、前記欠陥が存在する領域の境界位置(図中左端の位置および右端の位置)を特定することで、欠陥が存在する位置を特定し得る。
<第2実施形態(超音波探傷方法)>
上記第1実施形態における超音波探傷の際のプローブは検査対象物の表面に対し、直角な方向に超音波を照射するものであるが、超音波探傷に用いるプローブとしてフェーズドアレイプローブが知られている。本発明におけるプローブとして当該フェーズドアレイプローブを使用することもできる。フェーズドアレイプローブを使用した場合には、図4に示すように、超音波探傷の探傷領域Eをほぼ扇型に広げることができる(Sスコープ表示)。すなわち、フェーズドアレイプローブを使用した場合、一つの座標から2次元のデータを採取し得る。これにより第1実施形態の場合のパターンマッチングの際の比較データに対し格段に大量の比較データを使用することができる。すなわち、Aスコープデータ同士の比較ではなく、Sスコープデータ同士の比較となる。この結果、本実施形態によれば、検査対象物の結晶粒等に起因するノイズパターンの一致したことの判定が厳格に行なわれるようになり、パターンマッチング後に紐付けされる座標の精度を向上させることができる。
<第3実施形態(超音波探傷方法)>
上記第1実施形態におけるノイズデータNの収集および実測探傷データSの収集は、両方の収集において、プローブの感度を同じにしたが、これを変えても良い。すなわち、ノイズデータの収集は高感度で行い、実測探傷データの収集は、高感度と、通常感度の2種類で実施する。
かかる場合を第3実施形態として説明する。第3実施形態において、ノイズデータNは所定の通常感度よりも高い感度で信号処理を行って生成する。例えば、プローブ1の出力信号を増幅するアンプの感度(増幅度)を調整する。一方、実測探傷データは、前記高い感度で信号処理を行ったものと、通常感度で信号処理を行ったものとの2種類を同時に生成する。すなわち、図5に示すように、高感度で採取した大きい振幅の実測探傷データS1と通常の小さい振幅の実測探傷データS2を得る。
本実施形態におけるパターンマッチング処理は、高感度のノイズデータNと、高感度の実測探傷データS1とを比較することにより行なう。このように、高感度のノイズデータNと高感度の実測探傷データS1とを使用することで、ノイズが明瞭に検出できるレベルまでノイズデータNと実測探傷データS1の振幅を増大させる。この結果、ノイズデータNと実測探傷データS1との比較によるパターンマッチングを良好に行うことができる。
一方、検査対象物内の欠陥の超音波探傷は、通常感度で収集した実測探傷データS2に基づき実施しているので、欠陥部分で実測探傷データS2が飽和してしまう等の不都合を回避することができる。すなわち、本実施形態によれば、実測探傷データS2のレベルは良好に維持しつつ、ノイズ成分のレベルを上げて良好なパターンマッチング処理を実現し得る。
本形態において、探傷装置が1種類の探傷感度しか設定できない場合は、まず通常感度で探傷を行い、有意な指示、すなわち欠陥を示すと思われる信号が検出された位置で感度をあげて探傷するか、あるいは通常感度で採取したノイズデータNをノイズ採取感度までソフトウェアゲインを使って後処理により感度を上げた波形でパターンマッチング処理を行うようにしても同様の効果を得る。
<第4実施形態(超音波探傷装置)>
図6は本発明の第4実施形態に係る超音波探傷装置を示すブロック図である。本超音波探傷装置はコンピュータを備えて構成されている。図6に示すように、ノイズデータ記憶部1は、所定の検査対象物を、プローブ1の位置情報を紐付けて超音波探傷することにより得る超音波データを記憶する。この超音波データは、プローブ1の位置情報と紐付けされノイズデータNである。すなわち、所定の検査対象物を、プローブ1の位置情報と紐付けして超音波探傷することにより得る超音波探傷データを記憶するデータベースとして機能する。
探傷データ記憶部3は、プローブ1により検査対象物に対して行なった超音波探傷により得る検査対象物の実測探傷データを記憶している。パターンマッチング処理部4は、ノイズデータ記憶部2に記憶しているノイズデータNと、探傷データ記憶部3に記憶している実測データSとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことにより実測探傷データにプローブ1の位置情報を紐付ける。具体的には、前記ステップST6からST9の処理を行う。
欠陥検出部5は、パターンマッチング処理部4の処理結果に基づき実測探傷データS中の欠陥を、パターンマッチング処理部4の所定の処理により紐付けられたプローブ1の位置情報に基づき検査対象物における位置を特定して検出する。
本実施形態において、プローブ1としてフェーズドアレイプローブを用いることも可能である。したがって、パターンマッチング処理部4におけるパターンマッチング処理は、フェーズドアレイプローブにより得るSスコープデータに基づくものとなる。したがって、この場合には第2実施形態と同様の作用・効果を得る。
<第5実施形態(超音波探傷装置)>
図7は本発明の第5実施形態に係る超音波探傷装置を示すブロック図である。本超音波探傷装置はコンピュータを備えて構成されている。図7に示すように、ノイズデータ記憶部12には、感度調整部16を介して所定の通常感度よりも高い感度の信号処理を行って生成したノイズデータが記憶されている。一方、探傷データ記憶部13には、感度調整部17を介し、高い感度で信号処理を行ったノイズ比較用の実測探傷データと、通常感度となっている欠陥検出用の実測探傷データとの2種類をそれぞれ記憶している。
パターンマッチング処理部14では、ノイズデータNと、ノイズ比較用の実測探傷データS1とを比較することにより両者のパターンマッチング処理を行って、欠陥検出用の実測探傷データS2にプローブ1の位置情報を紐付けする処理を実施する。欠陥検出部15は、プローブ1の位置が紐付けされた実測探傷データS2に基づき検査対象物における欠陥を、検査対象物における位置とともに特定する。
本形態におけるパターンマッチング処理は、高感度のノイズデータNと、高感度の実測探傷データS1とを比較することにより行なう。このように、高感度のノイズデータNと高感度の探傷データとすることで、ノイズが明瞭に検出できるレベルまで振幅を増大させる。この結果、ノイズデータNと実測探傷データとの比較によるパターンマッチングを良好に行うことができる。
一方、検査対象物内の欠陥の超音波探傷は、通常感度で収集した実測探傷データS2に基づき実施しているので、欠陥部分で実測探傷データS2が飽和してしまう等の不都合を回避することができる。すなわち、本実施形態によれば、実測探傷データS2のレベルは良好に維持しつつ、ノイズ成分のレベルを上げて良好なパターンマッチング処理を実現し得る。
本実施形態においも、プローブ1としてフェーズドアレイプローブを用いることが可能である。したがって、この場合のパターンマッチング処理は、フェーズドアレイプローブにより得るSスコープデータに基づくものとなる。したがって、この場合も、第2実施形態と同様の作用・効果を得る。
<第6実施形態(探傷プログラム)>
本実施形態に係る探傷プログラムは、図1(b)に示すST3〜ST10の処理を図6に示す超音波探傷装置に実行させるものである。
<第7実施形態(記録媒体)>
本実施形態に係る記録媒体は、図6に示す超音波探傷装置で読み取り可能な探傷プログラム記録した記録媒体である。CD、メモリーカード、記録素子で好適に形成し得る。
1 プローブ
2 、12 ノイズデータ記憶部
3、13 探傷データ記憶部
4、14 パターンマッチング処理部
5、15 欠陥検出部
16、17 感度調整部

Claims (5)

  1. 所定の検査対象物を超音波探触子の位置情報と紐付けしつつ超音波探傷することにより、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを採取した後、
    前記超音波探触子のみにより前記検査対象物に対して行なった超音波探傷により前記検査対象物の実測探傷データを採取するとともに、
    前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと前記実測探傷データとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことにより、前記実測探傷データに前記位置情報を紐付けし、
    さらに前記位置情報を紐付けした前記実測探傷データに基づき前記検査対象物における欠陥を、前記検査対象物における位置とともに特定し、
    前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データは、所定の通常感度よりも高い感度で信号処理を行って生成するとともに、
    前記実測探傷データは、前記高い感度で信号処理を行ったものと、前記通常感度で信号処理を行ったものとの2種類を生成する一方、
    前記パターンマッチング処理は、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記高い感度で信号処理を行った前記実測探傷データとを比較することにより行なうとともに、
    前記欠陥の探傷は前記通常感度で信号処理を行った前記実測探傷データに基づき実施することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データは、別途作成しておいたデータベースから読み出すことにより得ることを特徴とする請求項1に記載する超音波探傷方法。
  3. 前記超音波探触子としてフェーズドアレイプローブを用いるとともに、前記パターンマッチング処理は、前記フェーズドアレイプローブにより得るSスコープデータに基づくことを特徴とする請求項1または請求項2に記載する超音波探傷方法
  4. 所定の検査対象物を、超音波探触子の位置情報を紐付けて超音波探傷することにより得られた前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを記憶するデータ記憶部と、
    前記超音波探触子のみにより前記検査対象物に対して行なった超音波探傷により得られた前記検査対象物の実測探傷データを記憶する実測探傷データ記憶部と、
    前記データ記憶部に記憶している前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記実測探傷データ記憶部に記憶している前記実測探傷データとを比較して両者のパターンマッチング処理を行うことにより前記実測探傷データに前記位置情報を紐付けるパターンマッチング処理部と、
    前記パターンマッチング処理部の処理結果に基づき前記実測探傷データ中の欠陥を、前記位置情報に基づき前記検査対象物における位置を特定して検出する欠陥検出部とを有し、
    前記データ記憶部は、所定の通常感度よりも高い感度の信号処理を行って生成した前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データを記憶するとともに、
    前記実測探傷データ記憶部は、前記高い感度で信号処理を行った比較用の実測探傷データと、前記通常感度で信号処理を行った欠陥検出用の実測探傷データとの2種類をそれぞれ記憶し、
    前記パターンマッチング処理部は、前記位置情報と紐付けされた超音波探傷データと、前記比較用の実測探傷データとを比較することにより両者のパターンマッチング処理を行って、欠陥検出用の前記実測探傷データに前記超音波探触子の位置情報を紐付けする処理を実施し、
    前記欠陥検出部は、前記紐付けされた前記実測探傷データに基づき前記検査対象物における欠陥を、前記検査対象物における位置とともに特定するものである
    ことを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 前記超音波探触子はフェーズドアレイプローブであり、前記パターンマッチング処理部における前記パターンマッチング処理は、前記フェーズドアレイプローブにより得られたSスコープデータに基づくことを特徴とする請求項に記載する超音波探傷装置
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