以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の円形の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が通過したことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられているので、合算保留記憶表示部18cは、必ずしも設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、例えば、擬似連の演出や予告演出が実行されるときに動作する。また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択や効果音や音声の音量変更)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されたときには、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
また、演出制御基板80は、リアルタイムクロック108を搭載している。リアルタイムクロック108は、年/月/日/曜日や時/分/秒の情報を含む時刻情報を出力する機能を備える。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、遊技者による操作ボタン120の操作にしたがって、効果音や音声の音量が変更される。例えば、遊技者によって操作ボタン120を用いて音量を小さくする操作(ダイヤルの回転操作など)が行われると、ボリューム706で設定されている音量が変更される。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチの組み合わせ(例えば、「左」、「右」の各図柄表示エリアにおける停止図柄が一致していないこと)となる停止図柄が停止表示されたり、所定のリーチの組み合わせとなる停止図柄が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出、「小当り」の可変表示態様という。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2)ランダム2(MR2):大当りの種類(確変大当たり、突然確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(A),(B)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値および図8(B)に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値および図8(B)に記載されている各数値が設定されている。図8(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、大当り判定値と小当り判定値とを、「大当り判定値」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りもしくは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図8(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図8(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」になる場合には、「通常大当り」または「確変大当り」の場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
図9(C)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(C)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図10(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図10(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図10(C)には、遊技状態が時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、異なるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cが用いられるが、確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、図10(C)に示す例では、1つの時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、図10に示された例に限られない。例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。一例として、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、合算保留記憶数のそれぞれの値に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じて、複数のはずれ変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3未満)である場合には、図10(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる。図10に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)になる割合が小さい。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いる場合、すなわち、第1特別図柄の変動の開始時には、第1保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択し、第2特別図柄の変動の開始時には、第2保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択するにも、保留記憶数が多いほど、変動時間が短い変動パターンが選択されやすいように、はずれ変動パターン種別判定テーブルを構成する。
また、図10(A),(B)に示すように、保留記憶数に関わらずスーパーCA−7には同じ判定値が割り当てられているので、始動入賞が生じたときの判定でスーパーリーチになると判定されたにも関わらず、保留数の変化に起因して変動開始時にはスーパーリーチにならないと判定されることはなく、スーパーリーチに対する予告演出(例えば、連続予告演出)が実行されたにも関わらずスーパーリーチにならないという事態が生ずることはない。
この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおいて、合算保留記憶数に関わらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。よって、変動パターン種別を決定するときに(始動入賞時等)、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいて、スーパーリーチになるか否かを容易に判定することができる。すなわち、その始動入賞に対応した可変表示の開始条件が成立する以前に、特定の可変表示パターンになるか否か判定する場合に、変動パターン種別判定用乱数の値が共通の判定値の範囲に含まれるか否か判定するだけで、変動パターン種別を判定することができる。
なお、「特定の可変表示パターン」は、スーパーリーチを伴う変動パターンに限られず、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
また、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)において、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、いずれの遊技状態でも、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、確変状態、時短状態、通常状態に応じて、異なる大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Aが選択される。変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Bが選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
なお、図11(A)に示す当り変動パターン判定テーブル137Aでは、変動パターン種別が、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、図11(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137Bでは、変動パターン種別が、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。その場合には、例えば、特殊CA4−1が、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2が、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄可変表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、確変大当りとなったことにもとづき移行した15ラウンドの大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に移行したことを指定する演出制御コマンド(第1確変状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、突然確変大当りとなったことにもとづき移行した2ラウンドの大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に移行したことを指定する演出制御コマンド(第2確変状態指定コマンド)である。コマンドB100(H)は、確変状態を終了したことを指定する演出制御コマンド(確変終了指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行うのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行うのかを判定するために使用される。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図16(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図16(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図16(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2(図7参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびランダム2(図7参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、ステップS213〜218の処理とステップS223〜228の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図16(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(ステップS62)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(ステップS63)。そして、ステップS75に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(ステップS72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「3」または「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図9(A),(B)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132C(図9(C)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(本例では確変状態に移行するとき)にセットされ、時短状態を終了するとき(本例では確変状態を終了するとき)にリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。時短フラグがセットされている場合には(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS99に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、ステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図11参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム4(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム4(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」になるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチになるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
図20は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。確変大当りでも突然確変大当りでもないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
CPU56は、ステップS116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS143に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、この実施の形態では、小当りの場合と突然確変大当りの場合とで共通の小当り/突確開始指定コマンドを用いる場合を示したが、小当りの場合と突然確変大当りの場合とで別々の開始指定コマンドを用いるようにしてもよい。この場合、ステップS135において、小当りである場合には小当り開始指定コマンドを送信するように制御し、突然確変大当りである場合には突確開始指定コマンドを送信するように制御してもよい。
また、CPU56は、確変フラグをリセットし確変状態を終了することにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135A)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS143では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する。そして、小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突確終了指定コマンドを送信し、いずれでもない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、大当りの種別が確変大当りであったか否かを確認する(ステップS158A)。なお、大当りの種別が確変大当りであったか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「確変」を示すデータ「02」であるか否かを確認することによって判定できる。大当りの種別が確変大当りであれば(ステップS158AのY)、15ラウンドの大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に移行する場合であるので、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS158B)。そして、確変フラグおよび時短フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS161)、ステップS164に移行する。
大当りの種別が確変大当りでなければ(ステップS158AのN)、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであったか否かを確認する(ステップS158C)。なお、大当りの種別が突然確変大当りであったか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「突確」を示すデータ「03」であるか否かを確認することによって判定できる。大当りの種別が突然確変大当りであれば(ステップS158CのY)、2ラウンドの大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に移行する場合であるので、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS158D)。そして、確変フラグおよび時短フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS161)、ステップS164に移行する。
大当りの種別が突然確変大当りでもなければ(ステップS158CのN)、すなわち、通常大当りであった場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをセットすることなく(すなわち、遊技状態を確変状態に移行させることなく)、そのままステップS164に移行する。
ステップS164では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS164)。
図22,図23に示すように、この実施の形態では、確変フラグと時短フラグとが同時にセットされ、同時にリセットされるため、確変状態に制御されると同時に時短状態にも制御され、次の大当りが発生するまで継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、ステップS704〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。次いで、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図25〜図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
コマンド受信バッファとして、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信されコマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが第1確変状態指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、確変大当りとなったことにもとづく15ラウンド大当り終了後に確変状態に移行されていることを示す第1確変状態フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが第2確変状態指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、突然確変大当りとなったことにもとづく2ラウンド大当り終了後に確変状態に移行されていることを示す第2確変状態フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが確変終了指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、確変遊技状態を終了したと判断し、第1確変状態フラグまたは第2確変状態フラグをリセットする(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS655)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、履歴蓄積サービスに関する履歴蓄積処理をおこなう(ステップS8001)。
履歴蓄積サービスとは、遊技履歴を蓄積する遊技機と、遊技者が所持する通信端末と、外部のサーバとによって提供されるサービスである。具体的に、履歴蓄積サービスとは、遊技機が蓄積した遊技履歴に関する情報(例えば、二次元コード)を出力するとともに、遊技者が所持する通信端末(例えば、携帯電話)が該情報を取得して(読み取って)インターネット通信などによりサーバに接続することにより、遊技履歴の閲覧や特典の獲得が可能となるサービスである。なお、本実施の形態では、発生した演出内容にもとづくポイント(後述する付与画像におけるポイント)を遊技履歴とするがこれに限るものではなく、例えば、図柄の変動回数、大当り回数、小当り回数、大当り種別、小当り種別、リーチ回数、擬似連回数、遊技時間、総獲得出玉、ミッション達成回数など、遊技に関する情報を遊技履歴としてよい。
ここで、履歴蓄積を行う際の手順について説明する。まず、遊技者は、遊技開始以前にあらかじめサーバに通信端末を接続することにより、認証IDおよびパスワードを取得する。そして、遊技者は、任意のタイミングにて認証IDとパスワードとを遊技機に入力するとともに遊技を開始する。遊技機は、開始された遊技の遊技履歴を計測し、一時的に蓄積する。そして、遊技を終了する旨が遊技者によって遊技機に入力されることを契機に、通信端末をサーバに接続させるためのアドレス情報と遊技履歴の情報とが遊技機によって出力される。本実施の形態では、アドレス情報と遊技履歴の情報とは、二次元コードにて表示されることで遊技機から出力される。遊技者は、該二次元コードを通信端末のカメラ機能などを用いて取得し、取得したアドレス情報を用いて通信端末をサーバに接続させる。そして、サーバは、通信端末から取得した遊技履歴を蓄積し、特典の付与や遊技履歴の閲覧などのサービスの提供が可能となる。なお、本実施の形態において、遊技機が出力するアドレス情報および遊技履歴情報は二次元コードとして表示されることとするが、例えば、文字情報として表示されるものや音声情報として出力されるものであってもよいし、Eメールや赤外線通信などにより通信端末に送信されるようなものでもよい。
なお、本実施の形態では、履歴蓄積を行う際、遊技者があらかじめサーバから認証IDとパスワードとを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものとしたがこれに限るものではない。例えば、遊技者がパスワードのみを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものや、遊技者は認証IDおよびパスワードのいずれも取得せず、履歴蓄積を開始する旨を示す操作を行うことにより遊技履歴の蓄積を開始するようなものであってもよい。また、履歴蓄積において、サーバによって遊技履歴が蓄積されるものとするが、遊技機において遊技履歴を蓄積するもの(すなわち、サーバを用いずに遊技機のみで履歴蓄積が完結するもの)であってもよい。その場合、例えば、遊技機は、遊技者からの操作によって遊技履歴の蓄積を開始し、遊技者からの指示によって該遊技履歴を表示することにより、遊技者が閲覧可能となるものであってもよい。
ステップS8001の後、演出制御用CPU101は、遊技履歴の更新条件が成立したか否かを判定し(ステップS8002)、成立していない場合にはステップS8004へ移行する。ここでは、履歴蓄積サービスにおけるポイントを付与する付与画像へ変化するボックス予告演出が発生することを遊技履歴の更新条件とする。
ステップS8002において遊技履歴の更新条件が成立した場合には、演出制御用CPU101は、成立した遊技履歴を更新して記憶する(ステップS8003)。具体的には、記憶されていたポイントに対して付与画像が示すポイントを加算した値を記憶する。例えば、30ポイントが記憶されているときに5ポイントを示す付与画像が表示された場合には35ポイントを記憶することとなる。
その後、演出制御用CPU101は、最後に遊技がおこなわれてから所定時間が経過したか否か(すなわち、所定時間、遊技が行われなかったか否か)を判定する(ステップS8004)。所定時間が経過した場合には遊技履歴をクリアする(ステップS8005)。具体的には、蓄積されていたポイントを0ポイントとする。その後、演出モードおよび音量をクリアする(ステップS8005a)。本実施の形態では、演出内容の異なる複数の演出モードが設けられており、遊技者による操作にもとづいて、いずれの演出モードにて遊技をおこなうかを設定可能に構成されている。そのため、ステップS8005aにおいて演出制御用CPU101は予め定められている演出モードに設定することで初期化されることとなる。なお、複数の演出モードには、履歴蓄積中であることを示す履歴蓄積中演出モードが含まれており、履歴蓄積が開始されるとともに該履歴蓄積中演出モードを設定する構成となっているが、該設定後は遊技者による操作にもとづいて演出モードを変更可能なものである。また、ステップS8005aにおいて設定される演出モードは、履歴蓄積中演出モード以外の演出モードである。また、本実施の形態では、遊技者による操作にもとづいて、スピーカ27から出力される演出用音声の音量を設定可能に構成されている。そのため、ステップS8005aにおいて演出制御用CPU101は音量を所定の値に設定することで初期化されることとなる。これにより、所定時間遊技が行われなかった場合に、これまで遊技をおこなっていた遊技者による遊技が終了したものとみなし、遊技履歴、演出モードおよび音量を初期設定に戻すことができ、次に遊技をおこなう遊技者に対して初期設定での遊技をおこなわせることができる。なお、本実施の形態では、常に音量および演出モードを遊技者が選択可能な構成とするが、これに限るものではなく、履歴蓄積中である場合に限り音量および演出モードを遊技者が選択可能な構成としてもよい。また、履歴蓄積中である場合には、最後に遊技がおこなわれてから所定時間が経過した場合(すなわち、所定時間、遊技が行われなかった場合)であっても遊技履歴、演出モードおよび音量をクリアしないものであってもよい。
ステップS8004において最後に遊技がおこなわれてから所定時間が経過していない場合、またはステップS8005aの後に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図29および図30は、履歴蓄積処理(ステップS8001)を示すフローチャートである。履歴蓄積処理において、演出制御用CPU101は、履歴蓄積中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3301)、セットされていない場合、履歴蓄積の操作入力画像を表示する(ステップS3303)。操作入力画像は、遊技者が認証IDやパスワードを入力可能な画像である。その後、演出制御用CPU101は、入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS3304)。入力操作を受け付けた場合、ユーザ認証が成功したか否かを判定し(ステップS3305)、失敗した場合はそのまま履歴蓄積処理を終了する。成功した場合は履歴蓄積中画像を表示し(ステップS3306)、演出モードを履歴蓄積中であることを示す履歴蓄積中演出モードに設定するとともに音量を所定値に設定する(ステップS3307)。そして、演出制御用CPU101は、履歴蓄積中フラグをセットし(ステップS3308)、履歴蓄積処理を終了する。履歴蓄積中画像は、いわゆるメニュー画面であり、履歴蓄積を終了するための「履歴蓄積終了」が遊技者によって選択可能な画像となっている。なお、遊技履歴を閲覧するための「遊技履歴表示」を選択可能な画像となっていてもよい。入力操作を受け付けていない場合、そのまま履歴蓄積処理を終了する。なお、ステップS3306では、履歴蓄積中画像以外に、認証が成功した旨を示す画像や、遊技履歴の蓄積を開始する旨を示す画像を表示するものであってもよい。その場合、履歴蓄積中画像とともに表示するものであってもよいし、いずれか一の画像を表示するものであってもよい。
ステップS3301において、履歴蓄積中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、遊技終了中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3401)。遊技終了中フラグは、履歴蓄積終了画像を表示中であることを示すフラグである。履歴蓄積終了画像は、履歴蓄積を終了することを示す画像であり、後述する二次元コードを含む画像である。遊技終了中フラグがセットされていない場合、すなわち、履歴蓄積中である場合、履歴蓄積終了指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する(ステップS3406)。具体的には、メニュー画面の「履歴蓄積終了」という項目を選択して決定されたか否かを判定することにより、履歴蓄積終了指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する。履歴蓄積終了指示を受け付けていない場合、そのまま履歴蓄積処理を終了する。履歴蓄積終了指示を受け付けた場合、演出制御用CPU101は、遊技履歴を読み出し(ステップS3407)、読み出した遊技履歴の情報を元に二次元コード画像を生成する(ステップS3408)。ここで、二次元コードの画像の具体的な生成方法の一例について説明する。演出制御用CPU101は、読み出した遊技履歴を共通鍵で暗号化する。そして、演出制御用CPU101は、暗号化した文字列をパラメータとしてあらかじめ定められたサーバのURLに付加し、二次元コードに変換する。
なお、二次元コードに含む情報は、この実施の形態で示したものにかぎらず、現在の日時(西暦/年/月/日/時/分/秒/曜日)、その他の遊技履歴(変動回数/通常大当りの回数/確変大当りの回数/小当りの回数/大当りと大当りとの間に行われた飾り図柄の可変表示回数/賞球数)、現在の遊技状態(確変状態や時短状態、大当り遊技状態)、現在の演出モード、遊技店ID、台ID、遊技機の機種ID、パチンコ遊技機を製造した遊技機メーカを特定可能なメーカIDを含む二次元コードを生成してもよい。
ステップS3408の後、演出制御用CPU101は、生成した二次元コードを含む履歴蓄積終了画像の表示を開始する(ステップS3408a)。その後、遊技履歴のデータをクリアするとともに(ステップS3408b)、演出モードおよび音量の設定をクリアする(ステップS3409)。このように、履歴蓄積を終了させた旨を示す演出画面を表示するとともに、作成した二次元コードの画像を演出表示装置9に表示させた後に、遊技履歴をクリアするよう構成している。その後、演出制御用CPU101は、遊技終了中フラグをセットし(ステップS3410)、タイマに所定の値(例えば20秒)をセットする(ステップS3411)。
ステップS3401において、遊技終了中フラグがセットされている場合、すなわち、履歴蓄積終了画像の表示中である場合、タイマ減算処理をおこない(ステップS3412)、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS3413)。タイマがタイムアウトしていない場合、そのまま履歴蓄積処理を終了する。タイムアウトした場合、二次元コードを含む履歴蓄積終了画像の表示を終了し(ステップS3414)、遊技終了中フラグと履歴蓄積中フラグをリセットし(ステップS3415、S3416)、そのまま履歴蓄積処理を終了する。なお、本実施の形態では、いずれのタイミングであっても履歴蓄積の開始/終了を実行可能であるとしたが、所定期間については履歴蓄積の開始/終了を実行しないものとしてもよい。例えば、変動中(または変動中の1期間(例えばリーチ中))は遊技者からの操作を受け付けても履歴蓄積の開始/終了を実行しないものとしてもよい。
図31は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図32は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS501)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS501で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS502)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ、または特別図柄が含まれる図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
ステップS502では、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(非確変図柄の大当り図柄)を決定する。また、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(確変図柄の大当り図柄)を決定する。
また、演出制御用CPU101は、例えば、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせ(リーチ図柄)を決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや、小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
なお、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドではなく、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りや、はずれ、突然確変大当り、小当りであることを特定して、演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU101は、大当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には、左右中が同じ図柄で揃った大当り図柄を決定し、突然確変大当り/小当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には「135」などの停止図柄を決定し、はずれ用の変動パターンコマンドを受信した場合には、これら以外のはずれ図柄を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり、予告演出の演出態様を決定したりする予告演出設定処理を実行する(ステップS503)。この実施の形態では、ステップS503において、予告演出として、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)、第2予告演出(ステップアップ予告演出)、第3予告演出(ボックス予告演出)および第4予告演出(隠蔽予告演出)を設定する場合を説明する。
なお、演出図柄の変動表示中に実行する予告演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な予告演出を実行可能である。例えば、演出制御用CPU101は、ステップS503において、群予告演出や、メッセージ予告演出の設定を行ったり、可動部材78や演出羽根役物79a,79bを用いた役物予告演出の設定を行うようにしてもよい。群予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、演出表示装置9において所定の動物の群れが表示されることで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、表示される動物の種類や群れの態様によって、期待度が異なるように実行される。また、メッセージ予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、演出表示装置9においてメッセージが表示されることで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、表示されるメッセージの内容によって、期待度が異なるように実行される。また、役物予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、可動部材78や演出羽根役物79a,79bが特定の動作を行うように制御することで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、動作の態様などによって、期待度が異なるように実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS504)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS505)。
図33は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78および演出羽根役物79a,79bを制御する。
図33に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS503の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS507)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS508)。
図34は、ステップS503の予告演出設定処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に予告演出として、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)、第2予告演出(ステップアップ予告演出)、第3予告演出(ボックス予告演出)および第4予告演出(隠蔽予告演出)が実行され得る。予告演出設定処理では、いずれの予告演出を実行するかと、実行する予告演出の演出態様とが決定される。
図34に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図35(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルを用いて、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5001)。
第1予告演出(ミニキャラ予告演出)は、演出表示装置9に特定のミニキャラが表示される演出であって、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆するために実行される。また、この実施の形態では、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)は、複数種類の演出パターンがあり、いずれの演出パターンで実行されるかによって、スーパーリーチとなることや、大当りとなる期待度が異なるように実行される。
図35(A)は、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第1予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」)に対応する判定値が割り当てられているが、図35(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、予告演出実行判定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。したがって、図35(A)に示す例では、各変動パターンにおける決定事項(第1予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」)に対応する数値は、決定事項として「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施の形態では、図35(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルの他に、図35(B)〜(D)に示す各予告演出実行判定テーブル、図36(A)に示す予告演出上限数決定テーブル、図36(B)に示す優先規則決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するステップS5002〜5004、S5005、S5005、S5008においても、ステップS5001と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、予告演出上限数、優先規則、または演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
図35(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第3パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第1パターン」または「なし」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1予告演出が実行されないときよりも、第1予告演出が実行されたとき、また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、第1予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターンである方が期待度を高くすることができ、第1予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図35(A)に示す例では、スーパーリーチはずれであるときよりも、ノーマルリーチ大当りであるときの方が、期待度が高い実行態様に判定される割合が高くなっているが、逆になるように判定値を設定してもよい。つまり、表示結果(はずれまたは大当り)に関わらず、スーパーリーチが実行される場合には、ノーマルリーチが実行される場合よりも、期待度が高い実行態様に判定される割合が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、スーパーリーチが実行されるときの遊技興趣を高めることができる。また、図35(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)に限らず、他の予告演出の実行判定や、図36(A)に示す予告演出上限数決定テーブルや、図36(B)に示す優先規則決定テーブルでも同様に、スーパーリーチが実行される場合には、ノーマルリーチが実行される場合よりも、期待度が高い実行態様(決定事項)に判定される割合が高くなるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図35(B)に示す第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルを用いて、第2予告演出(ステップアップ予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5002)。
第2予告演出(ステップアップ予告演出)は、演出表示装置9に特定のキャラクタが表示される演出が複数段階に分けて実行される演出であって、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆するために実行される。また、この実施の形態では、第2予告演出(ステップアップ予告演出)は、第1ステップから第4ステップまで発展可能であって、いずれのステップまで発展するかによって、スーパーリーチとなることや、大当りとなる期待度が異なるように実行される。
図35(B)は、第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第2予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」、「第3パターン」または「第4パターン」)に対応する判定値が割り当てられている。
図35(B)に示す第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第4パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第1パターン」または「なし」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2予告演出が実行されないときよりも、第2予告演出が実行されたとき、また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターン、第3パターンよりも第4パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、第2予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターン、第3パターンよりも第4パターンである方が、期待度を高くすることができ、第2予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図35(C)に示す第3予告演出(ボックス予告演出)実行判定テーブルを用いて、第3予告演出(ボックス予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5003)。
第3予告演出(ボックス予告演出)は、演出表示装置9に、ボックス画像(例えば、図40(1)に示すボックス画像4101)が表示され、所定のタイミングに至ると、ボックス画像が所定の画像に変化して表示される演出である。また、この実施の形態では、第3予告演出(ボックス予告演出)は、複数種類の所定の画像に変化可能であって、いずれに変化して表示されるかを遊技者に楽しませる演出となっている。例えば、所定の価値(履歴蓄積サービスにおけるポイント)を付与する付与画像、または大当りに対する期待度を示す期待度画像に変化可能である。
図35(C)は、第3予告演出(ボックス予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第3予告演出(ボックス予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第3予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」、「第3パターン」または「第4パターン」)に対応する判定値が割り当てられている。
なお、ボックス予告演出の実行態様としての第1パターンとは、5ポイント付与することを示す「5ポイント付与画像」に変化するパターン(5ポイント付与態様)であり、第2パターンとは、10ポイント付与することを示す「10ポイント付与画像」に変化するパターン(10ポイント付与態様)である。いずれかの付与画像に変化した場合には、遊技履歴の更新条件が成立したものとして遊技履歴が更新して記憶される(ステップS8002,S8003参照)。具体的には、第1パターンであれば記憶されているポイント値に5ポイントが加算された値が新たなポイント値として記憶され、第2パターンであれば記憶されているポイント値に10ポイントが加算された値が新たなポイント値として記憶される。
また、ボックス予告演出の実行態様としての第3パターンおよび第4パターンとは、大当りに対する期待度が高いことを示す期待度画像(例えば、「アツい!!」といった文字を含む画像)に変化するパターンである。そのうち、第3パターンは期待度画像を狭範囲に表示する(「期待度狭範囲画像」を表示する)パターン(期待度狭範囲態様)であり、第4パターンは期待度画像を第3パターンよりも広範囲に表示する(「期待度広範囲画像」を表示する)パターン(期待度広範囲態様)である。
図35(C)に示す第3予告演出(ボックス予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第4パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第3パターン」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、実行態様が第3パターンよりも第4パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、実行態様が第3パターンよりも第4パターンである方が期待度を高くすることができ、第3予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
また、図35(C)に示す第3予告演出(ボックス予告演出)実行判定テーブルにおいて、実行態様「第1パターン」または「第2パターン」と判定される割合はいずれの変動パターンにおいても同一であるため、本実施の形態では「第1パターン」および「第2パターン」は大当りに対する期待度を示さない演出であり、付与する価値は履歴蓄積サービスにのみ関与するパターンとなっている。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図35(D)に示す第4予告演出(隠蔽予告演出)実行判定テーブルを用いて、第4予告演出(隠蔽予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5004)。
第4予告演出(隠蔽予告演出)は、演出表示装置9における所定の画像が隠蔽される演出である。具体的には、演出表示装置9がブラックアウトすることにより、所定の画像が隠蔽される。
図35(D)は、第4予告演出(隠蔽予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第4予告演出(隠蔽予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第4予告演出の実行態様:「なし」、「あり」)に対応する判定値が割り当てられている。
図35(D)に示す第4予告演出(隠蔽予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、実行態様「なし」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、実行態様「あり」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第4予告演出が実行されないときよりも、第4予告演出が実行されたときの方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第4予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS5001〜S5004の処理において、実行すると判定した予告演出があるか否かを確認し(ステップS5004A)、あればステップS5005に移行し、なければ処理を終了する。
ステップS5005では、演出制御用CPU101は、予告演出上限数決定用の乱数にもとづいて、図36(A)に示す予告演出上限数決定テーブルを用いて、実行する予告演出の上限数を決定する。この実施の形態では、ステップS5001〜S5004で各予告演出の実行判定処理を行うが、それらの処理によって実行すると判定された予告演出を全て実行するのではなく、実行される予告演出の数が所定の上限数以下となるように制限する。ステップS5005では、その上限数が決定される。
図36(A)は、予告演出上限数決定テーブルを示す説明図である。予告演出上限数決定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(上限数:「1」、「2」、「3」または「4」)に対応する判定値が割り当てられている。
図36(A)に示す予告演出上限数決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、上限数「4」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、上限数「1」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、予告演出が実行される数が多い方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、実行される予告演出の数に対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、予告演出の実行数を一律に制限するのではなく、期待度(変動パターンや表示結果)に応じて異なる制限を設けるようにすることができ、予告演出に関する柔軟な設計を可能とすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、優先規則決定用の乱数にもとづいて、図36(B)に示す優先規則決定テーブルを用いて、優先規則を決定する。優先規則は、予告演出の優先順位が定められている。この実施の形態では、図36(C)に示すように、複数種類の優先規則が設けられており、決定したいずれかの優先規則にしたがって、実行される予告演出の数がステップS5005で決定した上限数以下となるように制限される。
図36(C)に示す優先規則テーブルにおいて特徴的なことは、いずれのパターンであっても、第4予告演出(隠蔽予告演出)の優先順位が他の予告演出と比較して低いことである。このような特徴を備えていることによって、隠蔽予告演出以外の予告演出(ミニキャラ予告演出やステップアップ予告演出のように、隠蔽予告演出よりも大当りに対する期待度の高い予告演出)が優先的に実行されることになる。これにより、興趣を向上させることができる構成となっている。なお、隠蔽予告演出の実行期間(画像を隠蔽する期間)は、ボックス予告演出における変化後の画像(付与画像、期待度画像)の表示中を含む期間となっている。
また、図36(B)に示す優先規則決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、優先規則「第2パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、優先規則「第1パターン」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、これに関連して、図36(C)に示す優先規則テーブルにおいて特徴的なことは、優先規則「第2パターン」においては、第3予告演出>第2予告演出>第1予告演出の順に優先順位が高く、優先規則「第1パターン」においては、第1予告演出>第2予告演出>第3予告演出の順に優先順位が高く設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、優先規則「第1パターン」よりも、優先規則「第2パターン」である方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。つまり、優先規則「第2パターン」の優先順位、第3予告演出>第2予告演出>第1予告演出の順に予告演出の期待度を高くすることができる。したがって、期待度(変動パターンや表示結果)に応じて優先規則を異ならせることで、同時に期待度(変動パターンや表示結果)に応じて各予告演出の優先順位を異ならせることができ、予告演出に関する柔軟な設計をすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、上限数と優先規則とにもとづいて、実行する予告演出を決定し(ステップS5007)、決定した予告演出の演出態様を決定する予告演出態様決定処理をおこなう(ステップS5008)。ステップS5007では、ステップS5001〜S5004で実行すると判定された予告演出の中から、実行する予告演出の数がステップS5005で決定した上限数以下となるように、ステップS5006で決定した優先規則にしたがって、予告演出を最終決定する。
例えば、ステップS5001〜S5004で全ての予告演出を実行すると判定し、ステップS5005で決定した上限数が2であり、ステップS5006で決定した優先規則が「第2パターン」である場合には、優先規則「第2パターン」において優先順位が高い第3予告演出と、第2予告演出を実行すると最終決定し、第1予告演出および第4予告演出の実行を制限する。
以上のようにして決定された予告演出の有無および演出態様は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMの所定格納領域(予告演出格納領域)に格納(設定)される。
図34に示す予告演出設定処理によれば、先にステップS5001〜S5004において、複数の予告演出の中で実行すると決定された予告演出のうち、優先規則にしたがい上限数を超える予告演出の実行を制限することで、上限数以下の予告演出を実行することになる。このような流れで処理を行うことで、処理ルーチンを共通化することができ、煩雑な仕組みとなってしまうことを防止することができる。例えば、上限数や優先規則を先に決定した後に、優先規則にしたがって、優先順位の高い予告演出から順に実行するか否かを判定する流れであれば、先に決定した上限数や優先規則によって、後の処理の流れが変わるため、処理ルーチンを共通化することができず、煩雑な仕組みとなる。
なお、図34に示す予告演出設定処理によれば、実行する予告演出の上限数と優先規則とは、それぞれ乱数を用いて決定されているが、これに限らず、例えば、変動パターンや表示結果(はずれまたは大当り)、大当り種別などに応じて予め対応付けて定められていてもよい。
例えば、上限数は、非リーチはずれの場合には1、ノーマルリーチはずれの場合には2、スーパーリーチはずれの場合には3、ノーマルリーチ大当りの場合には3、スーパーリーチ大当りの場合には4と、あらかじめ対応付けて定められていてもよい。
また、優先規則は、非リーチはずれの場合には第1パターン、ノーマルリーチはずれ(擬似連なし)の場合には第1パターン、スーパーリーチはずれ(擬似連なし)の場合には第1パターン、ノーマルリーチ大当り(擬似連なし)の場合には第2パターン、スーパーリーチ大当り(擬似連なし)の場合には第2パターン、ノーマルリーチはずれ(擬似連あり)の場合には第3パターン、スーパーリーチはずれ(擬似連あり)の場合には第3パターン、ノーマルリーチ大当り(擬似連あり)の場合には第4パターン、スーパーリーチ大当り(擬似連あり)の場合には第4パターンと、あらかじめ対応付けて定められていてもよい。
図37は、予告演出態様決定処理を示すフローチャートである。予告演出態様決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、隠蔽予告演出を実行することが決定されているか否かを判定し(ステップS3701)、実行しない場合にはそのまま処理を終了する。演出制御用CPU101は、隠蔽予告演出を実行することが決定されている場合には、ボックス予告演出の実行が決定されているか否かを判定し(ステップS3702)、ボックス予告演出を実行しない場合にはそのまま処理を終了する。なお、ここでステップS3703〜S3706の処理をおこなわないことにより、隠蔽予告演出の制限をおこなわない構成とするものであるが、ボックス予告演出を実行しない場合であっても隠蔽予告演出の制限をおこなうものであってもよい。例えば、ボックス予告演出を実行しない場合であっても他の予告演出(例えば、ミニキャラ予告演出やステップアップ予告演出)を実行する場合には、該他の予告演出を遊技者に容易に視認させるために隠蔽予告演出の制限をおこなうものであってもよい。
ボックス予告演出を実行することが決定されている場合、演出制御用CPU101は、実行するボックス予告演出が5ポイント付与態様(第1パターン)であるか否かを判定し(ステップS3703)、5ポイント付与態様(第1パターン)である場合はそのまま予告演出態様決定処理を終了する。また、実行するボックス予告演出が5ポイント付与態様(第1パターン)でない場合、期待度広範囲態様(第4パターン)であるか否かを判定し(ステップS3704)、期待度広範囲態様(第4パターン)である場合には第1制限フラグをセットし(ステップS3705)、期待度広範囲態様(第4パターン)でない場合(すなわち、10ポイント付与態様(第2パターン)または期待度狭範囲態様(第3パターン)である場合)には第2制限フラグをセットする(ステップS3706)。第1制限フラグは、隠蔽予告演出の実行を第1制限態様にて制限することを示すフラグであり、第2制限フラグは、隠蔽予告演出の実行を第2制限態様にて制限することを示すフラグである。第1制限態様とは、隠蔽予告演出の実行を禁止する(すなわち、隠蔽予告演出を実行しない)制限態様であり、第2制限態様とは、隠蔽範囲を制限する制限態様である。具体的に、第2制限態様では、ボックス予告演出における変化後の画像(付与画像、期待度画像)の表示範囲を非隠蔽範囲として隠蔽予告演出を実行する(すなわち、変化後の画像の表示範囲を除外した範囲を隠蔽する隠蔽予告演出を実行する)こととなる。なお、本実施の形態では、制限態様として第1制限態様と第2制限態様とを設けることとしたが、いずれか一方の制限態様のみを設けることとしてもよい。その場合にはボックス予告演出におけるパターンにもとづいて隠蔽予告演出を制限するか否かを決定し、制限する場合には隠蔽予告演出の実行を制限することを示す制限フラグをセットするとともに、隠蔽予告演出の実行タイミングにおいて該制限フラグがセットされている場合には隠蔽予告演出の実行を制限することとすればよい。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS842)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。なお、ボックス画像予告演出におけるボックス画像の表示およびステップアップ予告演出における第1ステップの画像の表示は、ステップS844においておこなわれるものである。
次に、演出制御用CPU101は、ステップS844において、プロセスデータ(表示制御実行データ等)の内容に従ってステップアップ予告演出が実行されているかどうかを確認する(ステップS846)。ステップアップ予告演出が実行されている場合は(ステップS846のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にもとづいてステップアップ予告演出の切替タイミングであるか否か判定する(ステップS847)。ステップアップ予告演出の切替タイミングであれば(ステップS847のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(特に、予告演出を含む表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データ)の内容に従って、ステップアップ予告演出の切替(変化、発展)を実行する(ステップS850)。
次に、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(表示制御実行データ等)の内容に従ってボックス予告演出が実行されているかどうかを確認する(ステップS851a)。ボックス予告演出が実行されている場合は(ステップS851aのY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にもとづいてボックス予告演出の切替タイミング(ボックス画像から付与画像または期待度画像に変化させるためのタイミング)となっているか否かを確認する(ステップS851b)。ボックス予告演出の切替タイミングであれば(ステップS851bのY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(特に、予告演出を含む表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データ)の内容に従って、ボックス予告演出の切替(付与画像または期待度画像に変化)を実行する(ステップS851c)。なお、ボックス予告演出およびステップアップ予告演出の両方を実行することが決定された場合には、表示領域を調整して両予告演出を同時に実行することで、いずれの予告演出も遊技者から視認可能とするものである。
次に、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(表示制御実行データ等)の内容に従って隠蔽予告演出の実行を開始するための実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS852)。隠蔽予告演出の実行タイミングである場合、演出制御用CPU101は、第1制限フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS853)、セットされている場合には第1制限フラグをリセットして(ステップS854)、ステップS857へ移行する。第1制限フラグがセットされていない場合には第2制限フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS855a)、セットされている場合には第2制限フラグをリセットして(ステップS855b)、隠蔽範囲を制限して隠蔽予告演出を実行し(ステップS855c)、ステップS857へ移行する。具体的には、付与画像または期待度画像の表示範囲以外の範囲をブラックアウトさせる画像を表示することにより、ステップS855cを実現する。第2制限フラグがセットされていない場合には全表示領域において隠蔽予告演出を実行する(ステップS856)。具体的には、演出表示装置9の全表示範囲をブラックアウトさせる画像を表示することにより、ステップS855cを実現する。これにより、第1制限フラグがセットされていた場合には隠蔽予告演出を実質的には実行しないことととなり、第1制限態様による隠蔽予告演出の制限を実現するものである。また、第2制限フラグがセットされていた場合には隠蔽範囲を制限して隠蔽予告演出を実行することとなり、第2制限態様による隠蔽予告演出の制限を実現するものである。なお、ステップS856においては全表示領域にて隠蔽予告演出を実行することとしたが、制限せずに隠蔽予告演出を実行するものであれば隠蔽範囲についてはこれに限るものではない。また、ステップS855c,S856において開始された隠蔽予告演出は、所定時間経過後に終了するものである。なお、一の変動中の複数のタイミングにて隠蔽予告演出を所定回(1回または複数回)実行可能な構成としてもよく、その場合はステップS854,S855bにおける制限フラグのリセット処理をおこなわずに制限フラグを保持することにより、いずれのタイミングの隠蔽予告演出においても実行の制限を可能とすることとしてもよい。その場合、変動が終了するタイミングにて制限フラグをリセットすることとしてもよいし、または、一の変動中における全ての隠蔽予告演出の実行を終えたタイミングにて制限フラグをリセットすることとしてもよい。例えば、一の変動中の複数のタイミングのうちいずれか一のタイミングにおいて隠蔽予告演出を1回だけ実行可能な構成とした場合には、該一のタイミングにおける隠蔽予告演出の終了タイミングを監視し、該終了タイミングにて制限フラグをリセットすることとしてもよい。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS857)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS859)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS858)、ステップS859に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS879)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS882)。
次に、図40〜42を用いて本実施の形態における表示例について説明する。図40〜図42は、ボックス予告演出および隠蔽予告演出を実行することが決定された場合の各タイミングにおける演出表示装置9の表示例を示す説明図である。まず、図40に示す表示例を用いて、付与画像に変化する場合および期待度画像に変化する場合における隠蔽予告演出の制限態様について比較する。図40(1)に示すように、変動中の所定のタイミングにて、演出表示装置9にボックス画像4101が表示されることによりボックス予告演出が開始される。変化後の画像が付与画像(この場合は5ポイント付与画像が表示される第1パターン)である場合、図40(2)に示すように付与画像4102が表示されるとともに、制限フラグがセットされていないことから演出表示装置9の全表示領域において隠蔽予告演出が実行(図40(2)の斜線部分)される。これにより、付与画像4102が視認困難となる。これに対し、変化後の画像が期待度画像(この場合は期待度広範囲画像が表示される第4パターン)である場合は、図40(3)に示すように期待度画像4103が表示されるとともに、第1制限フラグがセットされていることから隠蔽予告演出の実行が禁止される(すなわち、隠蔽予告演出が実行されない)。これにより、期待度画像4103が視認容易となる。
次に、図41に示す表示例を用いて、期待度広範囲画像に変化する場合および期待度狭範囲画像に変化する場合における隠蔽予告演出の制限態様について比較する。図41(1)に示すように、変動中の所定のタイミングにて、演出表示装置9にボックス画像4201が表示されることによりボックス予告演出が開始される。変化後の画像が期待度広範囲画像(第4パターン)である場合、図41(2)に示すように期待度広範囲画像4202が表示されるとともに、第1制限フラグがセットされていることから隠蔽予告演出の実行が禁止される(すなわち、隠蔽予告演出が実行されない)。これにより、期待度広範囲画像4202が視認困難となる。これに対し、変化後の画像が期待度狭範囲画像(第3パターン)である場合は、図41(3)に示すように期待度狭範囲画像4203が表示されるとともに、第2制限フラグがセットされていることから期待度狭範囲画像4203の表示範囲を非隠蔽範囲として隠蔽予告演出が実行される。これにより、期待度狭範囲画像4203を視認容易としつつ隠蔽予告演出を実行することができ、ボックス予告演出による興趣を妨げることなく隠蔽予告演出によって興趣を向上させることができる。
そして、図42に示す表示例において、10ポイント付与画像に変化する場合および5ポイント付与画像に変化する場合における隠蔽予告演出の制限態様について比較する。図42(1)に示すように、変動中の所定のタイミングにて、演出表示装置9にボックス画像4301が表示されることによりボックス予告演出が開始される。変化後の画像が10ポイント付与画像である場合、図42(2)に示すように10ポイント付与画像4302が表示されるとともに、第2制限フラグがセットされていることから10ポイント付与画像4302の表示範囲を非隠蔽範囲として隠蔽予告演出が実行される。これにより、10ポイント付与画像4302を視認容易としつつ隠蔽予告演出を実行することができる。これに対し、変化後の画像が5ポイント付与画像である場合は、図42(3)に示すように5ポイント付与画像4303が表示されるとともに、制限フラグがセットされていないことから演出表示装置9の全表示領域において隠蔽予告演出が実行(図42(3)の斜線部分)される。これにより、5ポイント付与画像4303が視認困難となる。
以上に説明したように、所定条件の成立にもとづいて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、所定の価値(本例では、履歴蓄積サービスにおけるポイント)を付与することを示す付与画像および予告画像(本例では、期待度画像)のうちいずれかの画像へ変化可能な特定画像(本例では、ボックス画像)を表示し、画像を隠蔽する隠蔽演出(本例では、隠蔽予告演出)を実行するとともに、表示される特定画像が予告画像へ変化する場合(本例では、第3パターンまたは第4パターンのボックス予告演出を実行する場合)に隠蔽演出の実行を制限することとした。これにより、予告画像が遊技者から視認困難となることを防ぎつつ隠蔽演出をおこなうことができる。従って、隠蔽演出に関する興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、特定画像としてボックス画像を設けることとしたが、付与画像または予告画像に変化可能な画像であれば、所定のキャラクタ、アイテム、および記号などいずれの画像であってもよい。
なお、本実施の形態では、付与画像および期待度画像としてそれぞれ2種類の画像が設けられていることとしたが、それぞれ1種類ずつの画像が設けられていてもよいし、3種類以上の画像が設けられていることとしてもよい。また、付与画像と期待度画像とで異なる数の種類の画像が設けられているものであってもよい。この場合、期待度画像の表示内容(例えば、大当りに対する信頼度)にもとづいて、隠蔽演出の実行および実行制限をおこなうこととしてもよい。具体的には、「・・・」、「?」、「チャンス」、「アツい!」、「激熱」などの期待度画像(大当りに対する信頼度が低いものから順に例示)が設けられており、表示する期待度画像が有する大当りに対する信頼度が高い程、隠蔽演出の実行を制限しやすいような構成としてもよい。
また、本実施の形態では、演出表示装置9の表示画面をブラックアウトさせる隠蔽予告演出を隠蔽演出として実行することとしたが、所定の画像を隠蔽する演出であればこれに限るものではない。例えば、隠蔽演出の非実行中であるときよりも隠蔽演出の実行中であるときの方が所定の画像を遊技者が視認困難になるものであれば、該所定の画像を視認不可能な程度に隠蔽するものであってもよいし、該所定の画像を視認可能な程度に隠蔽するものであってもよい。例えば、図49(2)では付与画像を視認可能な程度に隠蔽する隠蔽演出をおこなうものである。また、隠蔽演出は、演出表示装置9のような画像表示装置を用いた演出でなくてもよく、例えば、所定の役物が演出表示装置9を遮蔽することにより所定の画像を隠蔽する演出を隠蔽演出としてもよい。
また、本実施の形態では、隠蔽演出における制限態様として、隠蔽演出の実行を禁止することにより制限する第1制限態様と、隠蔽範囲を制限する第2制限態様とを設けることとしたが、これに限るものではない。例えば、隠蔽度合を制限する制限態様(例えば、透過性を有する画像を隠蔽対象の画像に被覆するよう表示することにより、隠蔽対象の画像を認識可能な程度に視認困難とする制限態様)などを設けることとしてもよい。この他に、隠蔽演出の発生確率を低下させることにより隠蔽演出の制限を実現することとしてもよい。
また、本実施の形態では、隠蔽演出の制限態様として、隠蔽演出の実行を禁止することにより制限する第1制限態様と、隠蔽範囲を制限する第2制限態様とのうち一の制限態様を選択することとした。また、予告画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶ場合(本例では、ボックス予告演出の演出態様として期待度広範囲態様(第4パターン)が選択された場合)には第1制限態様を選択(本例では、第1制限フラグをセット)する一方、表示範囲が所定の範囲に及ばない場合(本例では、ボックス予告演出の演出態様として期待度狭範囲態様(第3パターン)が選択された場合)には第2制限態様を選択(本例では、第2制限フラグをセット)し、選択された制限態様にて隠蔽演出の実行を制限し、第2制限態様が選択された場合には表示範囲(本例では、変化後の画像の表示範囲)を非隠蔽範囲とする(本例では、変化後の画像の表示範囲を除外した表示範囲を隠蔽する隠蔽予告演出を実行する)こととした。そのような構成によれば、予告画像の表示態様に応じた制限態様にて隠蔽演出を行うことができる。
なお、本実施の形態では、ボックス予告演出の演出態様が期待度広範囲態様であるか期待度狭範囲態様であるかを判定することにより、予告画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶか否かを判定することとしたが、これに限るものではない。例えば、演出態様毎に表示範囲が予め対応付けられており、決定された演出態様に対応付けられている表示範囲が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、予告画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶか否かを判定することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、予告画像が固定の表示範囲を有するものとしたが、これに限るものではない。例えば、表示範囲が変化する予告画像を表示する場合には、隠蔽演出を実行するときに表示されている予告画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶか否かを判定し、判定結果に応じて第1制限態様または第2制限態様を選択することとしてもよい。
また、本実施の形態では、予告画像の表示範囲にもとづいて制限態様を選択することとしたが、特定画像や付与画像の表示範囲にもとづいて制限態様を選択することとしてもよい。例えば、予告画像の表示範囲にもとづいて制限態様を選択した場合と同様に、特定画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶ場合には第1制限態様を選択する一方、特定画像の表示範囲が所定の範囲に及ばない場合には第2制限態様を選択することとしてもよい。また、付与画像の表示範囲が所定の範囲に及ぶ場合には第1制限態様を選択する一方、付与画像の表示範囲が所定の範囲に及ばない場合には第2制限態様を選択することとしてもよい。
また、本実施の形態では、表示される特定画像が、所定の価値(本例では、5ポイント)より高い価値を付与することを示す付与画像(本例では、10ポイント付与画像)に変化する場合(本例では、第2パターン(10ポイント付与態様)のボックス予告演出を実行する場合)に、隠蔽演出の実行を制限することとした。これにより、付与画像に注視させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、ボックス予告演出の演出態様が10ポイント付与態様であるか5ポイント付与態様であるかを判定することにより、変化後の画像が所定の価値より高い価値を付与することを示す付与画像であるか否かを判定することとしたが、これに限るものではない。例えば、演出態様毎に付与する価値が予め対応付けられており、決定された演出態様に対応付けられている価値が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、変化後の画像が所定の価値より高い価値を付与することを示す付与画像であるか否かを判定することとしてもよい。
また、本実施の形態では、ボックス予告演出の演出態様として付与画像に変化する二つの演出態様が設けられており、そのうち一方の演出態様では隠蔽演出の実行を制限するとともに、他方の演出態様では隠蔽演出の実行を制限しないこととしたが、これに限るものではない。例えば、全ての演出態様が所定の価値より高い価値を付与することを示す付与画像に変化する演出態様であれば、全ての演出態様において隠蔽演出の実行を制限することとすればよいし、逆に全ての演出態様が所定の価値未満の価値を付与することを示す付与画像に変化する演出態様であれば、全ての演出態様において隠蔽演出の実行を制限しないこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、所定の価値より高い価値を付与することを示す付与画像(10ポイント付与画像)に変化する場合(第2パターン(10ポイント付与態様)のボックス予告演出を実行する場合)、第2制限態様にて隠蔽演出の実行を制限することとしたが、所定の価値より高い価値を付与することを示す付与画像に変化する場合に隠蔽演出の実行を制限するものであれば、第1制限態様にて隠蔽演出の実行を制限することとしてもよい。具体的には、図42(2)において第1制限態様にて隠蔽演出の実行を制限することとしてもよい。
また、本実施の形態では、表示される特定画像が、所定の価値よりも高い価値を付与することを示す付与画像(本例では、10ポイント付与画像)に変化する場合(本例では、第2パターンのボックス予告演出を実行する場合)に、付与画像の表示範囲を非隠蔽範囲とする制限態様(本例では、第2制限態様)にて隠蔽演出の実行を制限することとしてもよい。これにより、隠蔽演出に関する興趣の低下を抑制することができる。なお、その際、表示される特定画像が予告画像へ変化する場合(本例では、第3パターンまたは第4パターンのボックス予告演出を実行する場合)における隠蔽演出の制限態様はいずれのものであってもよい。例えば、本実施の形態のように予告画像の表示範囲にもとづいて異なることとしてもよいし、表示される特定画像が予告画像へ変化する場合には第1制限態様、第2制限態様または他の制限態様にて隠蔽演出の実行を制限することが決定されているものであってもよい。
また、本実施の形態では、隠蔽演出を含む複数の予告演出(本例では、第1予告演出〜第4予告演出)のうち実行する予告演出を決定し、実行すると決定された予告演出を実行する。また、遊技に関する所定の期待度(本例では、変動パターン(リーチ期待度)や大当り期待度)に応じて、予告演出の優先順位が定められた優先規則にしたがって実行される予告演出の数が所定数未満となるように予告演出を決定することとした。これにより、遊技に関する期待度に応じて、予告演出の優先順位を異ならせて、実行される予告演出の数が所定数未満となるように予告演出を決定するため、予告演出に関する設計を柔軟にすることができるとともに、期待度の高い予告演出を優先させることにより興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、ボックス予告演出において特定画像(ボックス画像)から付与画像または予告画像(期待度画像)に変化する条件を所定のタイミングに達することとしたが、これに限るものではない。例えば、所定の有効期間中における遊技者による所定の動作の検出(例えば、操作部材(例えば、操作ボタン120)への操作の検出、赤外線センサ等の非接触式センサによる動作の検出)を条件として、ボックス画像から他の画像に変化することとしてもよい。また、ボックス画像から他の画像に変化することなく変動を終了するパターンを設けることとしてもよい。
また、遊技者による所定の動作の検出した場合に態様が変化する複数の動作演出が設けられていることとしてもよい。例えば、遊技者に対して所定の動作を促す動作指示報知をおこなった上で第1有効期間中に遊技者からの所定の動作を検出した場合に実行(変化)可能な第1動作演出と、動作指示報知をおこなわずに第2有効期間中に第1動作演出と同様の動作を検出した場合に実行(変化)可能な第2動作演出とをそれぞれ独立して実行可能なものとし、第1有効期間と第2有効期間とが重複する期間中に遊技者からの動作を検出した場合に第2動作演出を第1動作演出よりも優先して実行(変化)することとし、第1動作演出または第2動作演出として特定画像から付与画像または予告画像に変化する演出(本実施の形態におけるボックス予告演出)を用いることとしてもよい。そのような構成により、所定の動作が必要であることが認識され難い第2動作演出を第1動作演出よりも優先して実行することができるため、いずれの動作演出も実行(変化)され易くすることができる。
また、例えば、遊技者に対して所定の動作を促す動作指示報知をおこなった上で第1有効期間中に遊技者からの所定の動作を検出した場合に実行(変化)可能な第1動作演出と、動作指示報知をおこなわずに第2有効期間中に第1動作演出と同様の動作を検出した場合に実行(変化)可能な第2動作演出とをそれぞれ独立して実行可能なものとし、第1有効期間と第2有効期間とが重複する期間中に遊技者からの動作を検出した場合に、第1動作演出および第2動作演出のうち、残余有効期間が短い動作演出を優先して実行(変化)することとし、第1動作演出または第2動作演出として特定画像から付与画像または予告画像に変化する演出(本実施の形態におけるボックス予告演出)を用いることとしてもよい。そのような構成により、先に有効期間が終了する動作演出を優先して実行(変化)することができるため、いずれの動作演出も実行(変化)され易くすることができる。
また、遊技者による所定の動作を検出した場合(例えば、操作部材への操作の検出、赤外線センサ等の非接触式センサによる動作の検出)には隠蔽演出を制限する一方、遊技者による所定の動作を検出しなかった場合には制限することなく隠蔽演出を実行するようなこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、第1制限態様にて隠蔽演出の実行を制限する場合(期待度広範囲態様のボックス予告演出を実行する場合)、第1制限フラグをセットするとともに(ステップS3705参照)、ステップS856の処理を実行しないことにより隠蔽演出の実行を禁止することとしたが、これに限るものではない。例えば、第1制限態様にて隠蔽演出の実行を制限する場合(期待度広範囲態様のボックス予告演出を実行する場合)、ステップS3705にて隠蔽演出を実行しないことを決定することとしてもよい。具体的には、隠蔽演出を実行することを示す隠蔽予定フラグがセットされている場合に、期待度広範囲態様のボックス予告演出を実行する場合に、ステップS3705にて隠蔽予定フラグをリセットすることにより、隠蔽演出の実行を禁止する第1制限態様を実現することとしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態に関わらず、同じ実行条件(例えば、上限数や優先規則、演出態様)で予告演出が実行されるように構成されているが、例えば、通常状態(低確率低ベース)と、確変状態(高確率高ベース)や時短状態(低確率高ベース)とで実行条件を異ならせるようにしてもよい。
また、複数の予告演出の中で実行すると決定された予告演出のうち(本例では、ステップS5001〜S5004)、優先規則にしたがい所定数未満の予告演出を実行する。すなわち、先に各予告演出の実行判定を行い、後から優先規則にしたがって所定数未満となるように制限する。そのため、処理ルーチンを共通化することができる。
なお、この実施の形態では、複数の予告演出の中で実行すると決定された予告演出のうち(本例では、ステップS5001〜S5004)、優先規則にしたがい所定数未満の予告演出を実行するように構成されているが、これに限らず、例えば、先に実行する予告演出の上限数と優先規則とを決定し、決定した優先規則にしたがって(すなわち優先順位の高い順に)、上限数に達するまで予告演出を実行するか否かを判定するように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態では、可変表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態で示した予告演出に関する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の実施の形態で示した予告演出に関する構成をスロット機に適用するようにしてもよい。
スロット機では、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ラインにあらかじめ定められた入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。また、このようなスロット機では、前面扉に液晶表示器等の演出表示装置が配置されたものがあり、入賞が発生する可能性を予告したり、停止ボタンの操作順などを示唆するような演出を行うように構成されたものがある。そのようなスロット機において、例えば、ボーナスやATとなる可能性を示唆するために、遊技に関する所定の期待度に応じて、複数の識別情報列を液晶表示器に表示させて上記の実施の形態の特定演出や隠蔽演出を行うこととしてもよい。また、異なる優先規則にしたがって実行される予告演出の数が上限数以下となるように予告演出を決定するように構成してもよい。また、遊技に関する所定の期待度に応じて、上限数を異ならせるように構成してもよい。また、予告演出を共通のモチーフ態様で実行するように構成してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態で示した確変示唆演出を行う構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施の形態の構成を適用し、封入循環式のパチンコ機の演出表示装置で大当りとなる可能性を示唆するために予告演出においてモチーフ態様を出現させるように構成してもよい。そして、大当りとならない場合には、出現するモチーフ態様の数を所定数未満に制限するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。