JP6424251B2 - パイル織物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、パイル織物及びその製造方法に係るものである。
パイル織物とは、表面に突出する輪奈(ループ)状のパイルを複数有するパイル層と、パイル層を保持するベースの生地であるグランド層により形成される織物であり、柔軟性や肌触り、通気性、吸水性等に優れている。
このため、パイル織物は、従来から様々な場面で使用されており、例えば、バスタオルやスポーツタオル、フェイスタオル等、サイズによって多種多様に使い分けられてきた。
また、パイル織物は、パイル層を形成するパイル経糸及びグランド層を形成する地経糸と、緯糸とで組織を作り、テリーモーションと呼ばれる表面にパイルを突出させるための特有の工程を経て製織される。
また、パイル織物の性質を決定づける主な要素として、pic数、緯糸と地経糸とによる組織点の数が挙げられる。
pic数とは、一つのパイルを形成するために用いられる緯糸の本数のことであり、pic数の大小により、単位面積当たりのパイルの密度が変化する。通常のパイル織物は、3pic組織で製織される。
組織点とは、緯糸と経糸とが交差する点のことであり、例えば、一本の経糸が、m本の緯糸の上を越えた後、n本の緯糸の下に潜る、といった浮沈状態を繰り返す場合、このような緯糸と経糸の組織関係をm/n組織と呼び、緯糸と地経糸との組織点の数の大小により織物の堅牢性が変化する。通常のパイル織物は、2/1組織で製織される。
ここで、3pic組織かつパイル経糸、地経糸共に2/1組織で製織された、従来のパイル織物の部分組織における(a)経拡大断面図及び(b)織組織図を参考図として図6に示す。経拡大断面図において、パイル経糸は実線、地経糸は点線で示している。図6(a)において、左側が表面、右側が裏面であり、従来のパイル織物は、表面にパイルを出すための表パイル経糸P1と、裏面にパイルを出すための裏パイル経糸P2と、表パイル経糸P1を保持するための地経糸G1と、裏パイル経糸P2を保持するための地経糸G2と、を備えている。織組織図とは、升目を用いて各緯糸と各経糸との上下関係を示した図のことで、各経糸が、緯糸に対してどのように織り込まれているのかを把握することができる。図6(b)において、左端の列から順番に、G1、P1、G2、P2の浮沈状態を示しており、経糸が、緯糸よりも上、即ち表面に表出している場合は升目に白丸が示され、緯糸よりも下、即ち裏面に表出している場合は空白の升目として示されている。
上記のような、pic数や組織点に関して、工夫を施したパイル織物が幾つか提案されている。
特許文献1には、経糸方向に、パイル経糸と地経糸とを交互に配列し、前記経糸内に裏起毛緯糸複数本とパイル緯糸複数本とを交互に配列して前記緯糸に交錯させた6pic織物であり、裏緯糸に起毛を施し、他面にパイル組織を織成した織物が記載されている。
特許文献2には、5pic組織であり、地経糸が緯糸に対して規則的に3/2組織で織り込まれている、パイル抜け防止を図ったパイル織物が記載されている。
特許文献3には、地経糸が緯糸に対して規則的に3/3組織または5/5組織で織り込まれている、カーテン生地や衣料生地に好適なパイル織物が記載されている。
特開1997−324341号公報 特許第2719587号公報 特開2015−203158号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、pic数が増大すると、単位面積当たりのパイルの密度が減少し、柔軟性や肌触り等の性質が低下する。また、一つのパイル当たりの緯糸の本数が増えることから、製造効率が悪化する。
また、特許文献3のように、地経糸と緯糸の全体的な組織関係(m/n組織)を、m≧3かつn≧3として製織し、所謂「浮き組織」を多く有する状態とすると、グランド層の、パイル層を保持する力が低下する。よって、パイルの形成が困難となり、織物全体として、摩擦等の外力に対する堅牢性が低下する。
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、堅牢性の低下を極力抑え、かつ柔軟性及び通気性を向上させたパイル織物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
パイル層とパイル層を保持するグランド層と、を備え、3本の緯糸を挿入する毎に表裏両面にパイル出しをする3pic組織のパイル織物であって、
経糸方向にパイル層の形成に用いられる複数のパイル経糸とグランド層の形成に用いられる複数の地経糸とが交互に配列され、
前記緯糸3n(nは1以上の整数)本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、により形成される第一組織と、
前記緯糸6本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、により形成される第二組織と、を備え
前記第一組織において、前記パイル経糸2本及び前記地経糸2本は、前記緯糸3n本に対しそれぞれ表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込まれることにより組織され、
前記第二組織において、前記パイル経糸2本は、前記緯糸6本に対し表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込まれることにより組織され、少なくとも1本の前記地経糸は、前記緯糸6本の内の連続する3本の緯糸に対して浮き組織を形成するように織り込まれ、浮き組織を形成しない前記地経糸は、2/1組織で織り込まれることにより組織され、
前記第一組織及び前記第二組織を経糸方向に所定の数交互に配置された組織が、緯糸方向に所定の数配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の地経糸を、緯糸に対し規則的に2/1組織で織り込みつつ、適宜3/3組織や3/1組織等、浮き組織を部分的に織り込むことが可能となる。これにより、グランド層の3/3組織や3/1組織で織り込まれた部分について、パイル保持力が低下する。即ち、本発明によれば、部分的にパイルの反発力が低下するため、パイル織物全体が2/1組織で製織されたものと比較して、柔軟性を向上させることが可能となる。
また、浮き組織は部分的に織り込まれるため、パイル織物全体の堅牢性の低下を極力抑えることが可能となる
さらに、地経糸と緯糸との組織点が少なくなることから、通気性が向上し、パイル織物全体が2/1組織で製織されたものと比較して、速乾性を向上させることが可能となる。
本発明の好ましい形態では、緯糸方向に隣接する前記第二組織が、緯糸3本以上の間隔を空けて配置されていることを特徴とする。
このような構成で製織することにより、第二組織により形成される浮き組織が特定の箇所に集中せず、分散して配置されるため、パイル織物全体の均質な乾燥を実現することが可能となる。
本発明は、パイル層とパイル層を保持するグランド層と、を備え、3本の緯糸を挿入する毎に表裏両面にパイル出しをする3pic組織のパイル織物の製造方法であって、
経糸方向にパイル層の形成に用いられる複数のパイル経糸とグランド層の形成に用いられる複数の地経糸とを交互に配列し、
前記緯糸3n(nは1以上の整数)本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、を用い、前記パイル経糸2本及び前記地経糸2本を、前記緯糸3n本に対しそれぞれ上下一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込むことにより第一組織を形成し、
前記緯糸6本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、を用い、前記パイル経糸2本を、前記緯糸6本に対し上下一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込み、少なくとも1本の前記地経糸を、前記緯糸6本の内の連続する3本の緯糸に対して浮き組織を形成するように織り込み、浮き組織を形成しない前記地経糸は、2/1組織で織り込むことにより第二組織を形成し、
前記第一組織及び前記第二組織を経糸方向に所定の数交互に配置した組織を、緯糸方向に所定の数配置することにより製織することを特徴とする。
本発明によれば、堅牢性の低下を極力抑え、かつ柔軟性及び通気性を向上させたパイル織物を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパイル織物の部分組織を示すものであって、(a)は経拡大断面図、(b)は織組織図である。 本発明の実施形態に係るパイル織物のテリーモーション直前の状態を示す経拡大断面図であって、(a)は図1における緯糸d1〜e3までの経拡大断面図、(b)は図1における緯糸a1〜b3までの経拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るパイル織物の一完全組織図である。 本発明の実施形態に係るパイル織物の部分組織を示すものであって、(a)は経拡大断面図、(b)は織組織図である。 試験1の結果を示すものであって、(a)は乾燥開始時から乾燥終了時までの重量の経時変化を示す図、(b)は(a)において乾燥開始150分から乾燥終了時までの重量の経時変化を拡大して示す図である。 従来のパイル織物の部分組織を示すものであって、(a)は経拡大断面図、(b)は織組織図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るパイル織物について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
図1(a)において、左側が表面、右側が裏面であり、本実施形態に係るパイル織物は、表面にパイルを出すための表パイル経糸P1と、裏面にパイルを出すための裏パイル経糸P2と、表パイル経糸P1を保持するための地経糸G1と、裏パイル経糸P2を保持するための地経糸G2と、を備えている。パイル経糸は実線で、地経糸は点線で示している。
また、本実施形態に係るパイル織物は、3pic織物で、3本ごとにまとめられた緯糸a〜eを備えており、全て白丸で示している。例えば緯糸aは、下方から順番に第一緯糸a1、第二緯糸a2、第三緯糸a3、というように区別される。
まず、表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2の浮沈状態について説明する。表パイル経糸P1は、第一緯糸a1と第二緯糸a2の間から第二緯糸a2の裏側へ沈み、この第二緯糸a2と第三緯糸a3の間から表側へ浮き出し、この第三緯糸a3と次の第一緯糸b1の間を飛ばして第一緯糸b1と第二緯糸b2の間から裏側へ沈み、これを繰り返すようにして緯糸a〜eに織り込まれている。裏パイル経糸P2は表パイル経糸P1と表裏一対となるように、表パイル経糸P1とは逆の浮沈状態で緯糸a〜eに織り込まれている。
次に、地経糸G1及び地経糸G2の浮沈状態について説明する。地経糸G1は、緯糸a〜cに対して、第一緯糸a1と第二緯糸a2の間を飛ばして第二緯糸a2と第三緯糸a3の間から裏側へ沈み、第三緯糸a3と次の第一緯糸b1と第二緯糸b2の間を飛ばして、第二緯糸b2と第三緯糸b3の間から表側へ浮き出し、第三緯糸b3と次の第一緯糸c1と第二緯糸c2の間を飛ばして、第二緯糸c2と第三緯糸c3の間から裏側へ沈み、第三緯糸c3と次の第一緯糸d1の間から表側へ浮き出すようにして織り込まれる。そして、緯糸dに対して、第一緯糸d1と第二緯糸d2の間を飛ばして第二緯糸d2と第三緯糸d3の間から裏側へ沈み、第三緯糸d3と次の第一緯糸e1の間から表側へ浮き出し、緯糸eに対しても同様の浮沈状態を繰り返すことにより織り込まれる。地経糸G2は地経糸G1と表裏一対となるように、地経糸G1とは逆の浮沈状態で緯糸a〜eに織り込まれている。
図1(b)は、図1(a)のように織り込まれた織物の織組織図である。緯糸c1〜e3までが、図6に示した従来のパイル織物と同様に組織された第一組織1であり、4本の経糸(P1、P2、G1、G2)が全て規則的に2/1組織で織り込まれている。また、緯糸a1〜b3までが第二組織2であり、地経糸G1及び地経糸G2それぞれ、緯糸a3〜b2において浮き組織Wが形成されている。
また、図1(b)では、第一組織1と第二組織2との組み合わせにより、緯糸b3〜c2においても浮き組織Wが形成されており、緯糸a3〜c2において3/3組織で織り込まれる形態となっている。
次に、図2を用いて、浮き組織が形成された部分のみパイル保持力が低下する理由について説明する。
図2(a)の状態から、緯糸d3を左側に移動させた場合、緯糸d3と緯糸e1の間に地経糸G1及び地経糸G2の交錯点が形成されていることから、緯糸e1及び緯糸e2は、地経糸G1及び地経糸G2により上下方向から圧迫され、かつ右側に移動する方向に力を受ける。次に、緯糸e3を左側に移動させることにより、緯糸e1及び緯糸e2と、緯糸e3とが互いに押し合う形となり、緯糸e1と緯糸e2、緯糸e2と緯糸e3、それぞれの間に挿入された表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2を強く挟み込む。この一連の動作により、表裏に1つずつ、地経糸G1及び地経糸G2に保持されたパイルが形成される。
一方、図2(b)の状態から、緯糸a3を左側に移動させた場合、緯糸a3と緯糸b1の間に地経糸G1及び地経糸G2の交錯点が形成されていないことから、緯糸b1及び緯糸b2は、右側に移動する方向に力を受けない。これにより、緯糸b3を左側に移動させたとしても、図2(a)の状態と比較して、緯糸b1及び緯糸b2と、緯糸b3とが互いに押し合う力が弱くなり、結果的に緯糸b1〜b3による表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2の保持力が低下する。また、緯糸a3の位置も固定されないことから、緯糸a2と緯糸a3の間に挿入された表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2の保持力も低下する。
図3(a)は、図1により説明した、第一組織1及び第二組織2を用いた一完全組織図である。一つの升目が、経糸4本×緯糸3本より形成される組織を表しており、斜線で塗りつぶされている、経糸方向に隣接した2つの升目が第二組織2である。また、一の空白の升目はn=1のときの第一組織1である。図3(b)に、図3(a)の各升目と織組織図との対応関係を示している。
経糸方向には、n=6の第一組織1と1つの第二組織2を一つの単位とした組織が繰り返し配置され、緯糸方向に、この組織が8つ並べて配置されている。また、緯糸方向に隣接する第二組織2は、経糸方向に、空白の升目一つ分の間隔を空けて配置されている。
このようにして組織された一完全組織を、経糸方向及び緯糸方向に、複数配置することで、バスタオルやスポーツタオル、フェイスタオル等様々なパイル織物が製織される。
図4は、図1に示した部分組織図とは異なる織り込み方により組織された部分組織図である。表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2の浮沈状態は、図1に示した部分組織図と同様で、地経糸G1及び地経糸G2の浮沈状態が異なっている。
地経糸G1は、緯糸a〜bに対して、第一緯糸a1と第二緯糸a2から裏側へ沈み、第二緯糸a2と第三緯糸a3と次の第一緯糸b1の間を飛ばして、第一緯糸b1と第二緯糸b2の間から表側へ浮き出し、第二緯糸b2と第三緯糸b3の間から裏側へ沈み、第三緯糸b3と次の第一緯糸c1の間から表側へ浮き出すようにして織り込まれる。そして、緯糸cに対して、第一緯糸c1と第二緯糸c2の間を飛ばして第二緯糸c2と第三緯糸c3の間から裏側へ沈み、第三緯糸c3と次の第一緯糸d1の間から表側へ浮き出し、緯糸d〜eに対しても同様の浮沈状態を繰り返すことにより織り込まれる。
地経糸G2は、緯糸aに対して、第一緯糸a1と第二緯糸a2の間を飛ばして、第二緯糸a2と第三緯糸a3の間から表側へ浮き出し、第三緯糸a3と次の第一緯糸b1の間から裏側へ沈み、緯糸b〜cに対しても同様の浮沈状態を繰り返すことにより織り込まれる。そして、緯糸d〜eに対して、第一緯糸d1と第二緯糸d2の間から表側へ浮き出し、第二緯糸d2と第三緯糸d3と次の第一緯糸e1の間を飛ばして、第一緯糸e1と第二緯糸e2の間から裏側へ沈み、第二緯糸e2と第三緯糸b3の間から表側へ浮き出し、第三緯糸e3と次の第一緯糸f1(図示せず)の間から裏側へ沈むようにして織り込まれる。
上記の様にして、4本の経糸(P1、P2、G1、G2)が織り込まれることで、図4(b)に示すように、緯糸a1〜b3で第二組織2、緯糸c1〜c3で第一組織1、緯糸d1〜e3で第二組織2が形成されている。
緯糸a1〜b3における第二組織2は、地経糸G1のみ、緯糸a2〜b2において浮き組織W(3/1組織)が形成されている。緯糸d1〜e3における第二組織2は、地経糸G2のみ、緯糸d2〜e2において浮き組織W(3/1組織)が形成されている。
次に、本発明を用いて製織したパイル織物と、従来の技術を用いて製織したパイル織物との通気性の違いを比較する、試験1及び試験2を行った。
具体的には、図3において示した本発明の一完全組織を用いて製織した、340×800mmのパイル織物であって、表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2に20番手単糸の綿糸を使用した「本発明1」及び16番手単糸の綿糸を使用した「本発明2」と、図6において示した従来のパイル織物の部分組織を用いて製織した、340×800mmのパイル織物であって、表パイル経糸P1及び裏パイル経糸P2に20番手単糸の綿糸を使用した「従来品1」及び16番手単糸の綿糸を使用した「従来品2」の、計4種のパイル織物を用いて試験を行った。
番手とは、糸の太さを表す単位であり、数字が小さいほど太い糸となる。
なお、4種のパイル織物全て、地経糸には30番手双糸の綿糸、緯糸には20番手単糸の綿糸を使用しており、緯密度(1インチ当たりの緯糸の本数)は52である。
<試験1>
上記した4種のパイル織物を、一度洗濯機に入れ、洗濯、脱水の工程を行った後、床面に互いが重ならないように並べ、上部から扇風機を当てて乾燥させていく。そして、30分毎に各パイル織物の重量を測定し、全てのパイル織物の重量が一定となるまで乾燥の工程を続ける。
上記試験の結果を表1及び表2に示す。表1は、各パイル織物の乾燥による重量の経時変化をグラム表示で示したものである。また、表2は、各パイル織物全体の重量に対する各パイル織物に含まれる水分量の割合を算出し、乾燥開始時(0分)の割合を100%として、補正した値を示したものである。各パイル織物に含まれる水分量は、表1の各値から、各パイル織物の、脱水の工程が完了した時点での重量を差し引くことで算出した。また、表2の結果をグラフにプロットし、図5を得た。
図5(a)より、全体的に、乾燥時間150分を境にしてグラフの傾きが減少していることから、乾燥時間150分で表面のパイル層が乾燥し、これ以降はグランド層が乾燥していったものと考えられる。
図5(b)より、組織以外同条件である「本発明1」と「従来品1」同士、「本発明2」と「従来品1」同士を比較すると、それぞれ重量が一定となるまでの傾きは同程度であるが、「本発明1」及び「本発明2」は乾燥時間210分で重量が一定となっており、「従来品1」及び「従来品2」は乾燥時間270分で重量が一定となっている。即ち、試験1において、本発明の一完全組織を用いて製織したパイル織物である「本発明1」及び「本発明2」は、従来のパイル織物である「従来品1」及び「従来品2」よりも約1時間早く乾燥が完了した、と考えられる。このことは、「本発明1」及び「本発明2」が、「従来品1」及び「従来品2」よりも高い通気性を有していることを示唆している。
<試験2>
上記した4種のパイル織物に対して、JIS L 1096 A法(フラジール形法)に基づく通気性評価の試験を行った。結果を表3に示す。
通気性は、(cm^3/(cm^2・s))で表される通気度により評価され、この単位は、「1秒あたり1平方センチメートルを通過する空気の体積」を表している。即ち、この通気度の値が大きいほど、通気性が高いことを示している。
表3において、「本発明1」と「従来品1」、それぞれの通気度の値は56.6と39.8であり、「本発明1」は「従来品1」と比較して、約4割通気性が向上していることが分かる。また、「本発明2」と「従来品2」、それぞれの通気度の値は63.0と48.4であり、「本発明2」は「従来品2」と比較して、約3割通気性が向上していることが分かる。
本実施形態によれば、地経糸G1及び地経糸G2を、緯糸に対し規則的に2/1組織で織り込みつつ、適宜3/3組織や3/1組織等、浮き組織Wを部分的に織り込むことにより、グランド層の3/3組織や3/1組織で織り込まれた部分について、パイル保持力が低下する。これにより、部分的にパイルの反発力が低下するため、パイル織物全体が2/1組織で製織されたものと比較して、柔軟性を向上させることが可能となる。
また、浮き組織Wは部分的に織り込まれるため、パイル織物全体の堅牢性の低下を極力抑えることが可能となる
さらに、地経糸G1及び地経糸G2と緯糸との組織点が少なくなることから、通気性が向上し、パイル織物全体が2/1組織で製織されたものと比較して、速乾性を向上させることが可能となる。
また、緯糸方向に隣接する第二組織2が、緯糸3本の間隔を空けて配置されていることから、第二組織2により形成される浮き組織Wが特定の箇所に集中せず、分散して配置されるため、パイル織物全体の均質な乾燥を実現することが可能となる。
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 第一組織
2 第二組織
P1 表パイル経糸
P2 裏パイル経糸
G1、G2 地経糸
W 浮き組織
a1、b1、c1、d1、e1 第一緯糸
a2、b2、c2、d2、e2 第二緯糸
a3、b3、c3、d3、e3 第三緯糸

Claims (3)

  1. パイル層とパイル層を保持するグランド層と、を備え、3本の緯糸を挿入する毎に表裏両面にパイル出しをする3pic組織のパイル織物であって、
    経糸方向にパイル層の形成に用いられる複数のパイル経糸とグランド層の形成に用いられる複数の地経糸とが交互に配列され、
    前記緯糸3n(nは1以上の整数)本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、により形成される第一組織と、
    前記緯糸6本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、により形成される第二組織と、を備え
    前記第一組織において、前記パイル経糸2本及び前記地経糸2本は、前記緯糸3n本に対しそれぞれ表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込まれることにより組織され、
    前記第二組織において、前記パイル経糸2本は、前記緯糸6本に対し表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込まれることにより組織され、少なくとも1本の前記地経糸は、前記緯糸6本の内の連続する3本の緯糸に対して浮き組織を形成するように織り込まれ、浮き組織を形成しない前記地経糸は、2/1組織で織り込まれることにより組織され、
    前記第一組織及び前記第二組織を経糸方向に所定の数交互に配置された組織が、緯糸方向に所定の数配置されていることを特徴とするパイル織物。
  2. 緯糸方向に隣接する前記第二組織が、緯糸3本以上の間隔を空けて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のパイル織物。
  3. パイル層とパイル層を保持するグランド層と、を備え、3本の緯糸を挿入する毎に表裏両面にパイル出しをする3pic組織のパイル織物の製造方法であって、
    経糸方向にパイル層の形成に用いられる複数のパイル経糸とグランド層の形成に用いられる複数の地経糸とを交互に配列し、
    前記緯糸3n(nは1以上の整数)本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、を用い、前記パイル経糸2本及び前記地経糸2本を、前記緯糸3n本に対しそれぞれ表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込むことにより第一組織を形成し、
    前記緯糸6本と、前記パイル経糸2本と、前記地経糸2本と、を用い、前記パイル経糸2本を、前記緯糸6本に対し表裏一対の浮沈状態で、かつ2/1組織で織り込み、少なくとも1本の前記地経糸を、前記緯糸6本の内の連続する3本の緯糸に対して浮き組織を形成するように織り込み、浮き組織を形成しない前記地経糸を、2/1組織で織り込むことにより第二組織を形成し、
    前記第一組織及び前記第二組織を経糸方向に所定の数交互に配置した組織を、緯糸方向に所定の数配置することにより製織することを特徴とするパイル織物の製造方法。
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