[1.パチンコ機の枠構成]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の枠構造(以下「パチンコ機」ともいう)を正面から見た場合の平面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させるとともに、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持しているとともに外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられるとともに扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされるとともに遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられるとともに扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導するとともに皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェース制御基板が収容されているインターフェース制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェース制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する案内レール1001を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられるとともに遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板を内部に収容した主制御基板ボックス1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ボックス1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられ遊技パネル1100を通して遊技者側から視認可能な液晶表示装置を有した裏ユニット(図示は省略)と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
パチンコ機1の扉枠3について、図10乃至図16を参照して説明する。図10はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図11は扉枠の背面図である。図12は扉枠を右前から見た斜視図であり、図13は扉枠を左前から見た斜視図であり、図14は扉枠を後ろから見た斜視図である。図15は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図16は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図15及び図16に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられているとともに扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が接触して操作可能な接触面を有するタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサと、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサと、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出するとともに皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図15及び図16等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイドと、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200について、図17乃至図33を参照して詳細に説明する。図17は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図18は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図19は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図20は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図21は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、図22は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図23は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図24は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図25は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図26は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図27は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図28はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図29は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図30はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図31は皿ユニットの平面図であり、図32は図31におけるAーA断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図33は図31におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図34(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図35は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、図36は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図37は、図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC−C断面図である。図38は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図39は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図40は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図41は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図42(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図43(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図44は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図46(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられるとともに左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられるとともに前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図19及び図20に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通しているとともに後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通しているとともに上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通しているとともに後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通しているとともに上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
皿ユニット200の上皿本体212は、図19及び図20に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212では、底面が全体的に右端を低くするように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができるとともに、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
皿ユニット200の下皿本体214は、図19及び図20に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができるとともに、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図21乃至図24に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができるとともに、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図23乃至図26に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられるとともに後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図33を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びているとともに上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図32を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース231の貫通口230a内に挿入されるとともに、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図27及び図28に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うとともに下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びているとともに、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通しているとともに一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図32を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができるとともに、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接するとともに、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図29及び図30に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされているとともに下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出するとともに、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
本実施形態の演出操作ユニット220は、図32に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図33に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図21等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させるとともに、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が、前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置しているとともに、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図17乃至図20に示すように、左右に延びているとともに、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図34乃至図42に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転するとともに発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板(図示は省略)との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図40及び図41に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクターベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できるとともに、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図42(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図42(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができるとともに、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動するとともに、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図19及び図20に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300全体が、後方が開放された容器状で透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されるとともに、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図43乃至図45に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されているとともに後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口しているとともにベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びているとともに後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図43(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図46等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を、開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持するとともに、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図19及び図20等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができるとともに、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図19及び図20等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるとともに、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができるとともに、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができるとともに、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができるとともに、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されているとともに、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置しているとともに、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
パチンコ機1によると、遊技領域5aの下側で前方へ膨出した皿ユニット200の皿ユニットカバー260の上面にタッチパネル246と上皿演出ボタン257を備えていることから、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じてタッチパネル246や上皿演出ボタン257を用いた演出(操作演出)を遊技者に提示して演出中に遊技者にタッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作させることで、能動的に遊技者を演出に参加させることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。そして、タッチパネル246を備えた皿ユニットカバー260における下皿開口部261(上皿下被覆部262)の上側の上下の厚さを、遊技者の手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているため、遊技者がタッチパネル246を操作する際に、遊技者がタッチパネル246と上皿下被覆部262の間を掴みながらタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を的確に操作することができる。
詳述すると、タッチパネル246の上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さを手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているので、例えば、親指を除いた指を上皿下被覆部262の下面に当接させた状態で、親指をタッチパネル246の上側へ位置させると、親指の移動範囲内にタッチパネル246が位置することとなり、親指でタッチパネル246を操作することが可能となる。この状態では、親指を除いた指が上皿下被覆部262の下面に当接しているため、親指を安定させることが可能となり、親指によってタッチパネル246の所望する位置に触れたり、タッチパネル246上で指を所望する方向へ移動させたりすることができ、タッチパネル246の操作性を良くしてタッチパネル246を的確に操作することができる。また、親指を上皿下被覆部262の下面に当接させた場合は、その他の指でタッチパネル246を操作することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。従って、タッチパネル246が操作し易くなることから、タッチパネル246を用いた演出の際に、的確にタッチパネル246を簡単に操作することができ、タッチパネル246の操作による演出により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246を、皿ユニットカバー260の前端から後方へ60mmまでの範囲内に備えており、タッチパネル246と上皿下被覆部262とを前端側から掴んでタッチパネル246を操作する際に、操作する指が届く範囲にタッチパネル246が配置されるため、指を安定させた状態でタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246の上面を、前方側から後方側へ向かうに従って高くなるように傾斜させているため、タッチパネル246の面が遊技者側を向いてタッチパネル246が見易くなり、遊技者によるタッチパネル246の操作性を良くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タッチパネル246の上面が後方側へ向かうに従って高くなることから、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間の厚さが後方側へ向かうに従って厚くなるため、後方側へ向かうに従って皿ユニット200の強度・剛性が高くなる。従って、タッチパネル246が上側から叩かれたり強く押圧されたりしても、タッチパネル246や皿ユニットカバー260等を壊れ難くすることができ、タッチパネル246等の破損によって遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを低減させることができる。
また、タッチパネル246を通して上側から視認可能とされた上皿液晶表示装置244を備えているため、遊技者に対してタッチパネル246を操作させる際に、上皿液晶表示装置244によってタッチパネル246の操作目的に応じた画像を表示させることで、遊技者がタッチパネル246の操作方法を知らなくても表示された画像の内容によってタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246の操作性を良くすることができる。
また、上皿液晶表示装置244を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を表示させることで、タッチパネル246の操作演出の他に、演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246を左右の中央に配置しているため、タッチパネル246が見易くなるとともに、遊技者の左右両手の何れの側からも同じ距離となり、遊技者の使い易い側の手でタッチパネル246を操作すれば良く、使い易い手でタッチパネル246を操作させることでタッチパネル246の操作性を良くすることができる。従って、タッチパネル246を用いた演出が行われる際に、タッチパネル246を即座に視認して操作することができ、操作演出に対して素早く対応できることで遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技者が操作可能な上皿演出ボタン257を備えており、遊技状態に応じて提示される操作演出において、タッチパネル246によるタッチ操作に加えて、上皿演出ボタン257による押圧操作を行わせることができるため、多様な操作演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246の後辺に沿って遊技球を貯留する上皿201(上皿本体212)の一部(誘導通路部212a)が上方へ開口しているため、例えば、上皿201の誘導通路部212aに、親指を除いた指を係止させ、親指でタッチパネル246を操作することで、誘導通路部212aに係止させた指によって親指を安定させることができ、タッチパネル246の操作性を良くして上述と同様の作用効果を奏することができるとともに、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間を掴んだり誘導通路部212aに指を係止したりすることで、タッチパネル246を操作する指を安定させて操作性を高めることができるため、遊技者の癖や好みに応じて指を安定させるための手の置き方を選択させることができ、より多様な遊技者に対応することが可能となり、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、主として遊技盤4の構成について、図47及び図48を参照しつつ説明する。図47は、上述した本体枠2に遊技盤4が装着された様子を示す正面図であり、図48は、図47に示した遊技盤4の構成例を示す正面図である。
遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有する。さらに遊技盤4は、枠状の前構成部材1110A及び板状の遊技パネル1200を備えている。前構成部材1110Aは、遊技者がハンドル装置500を操作することにより遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が発射される遊技領域1100の内周を区画形成する。一方、遊技パネル1200は、前構成部材1110Aの後側に取り付けられることにより遊技領域1100の後端として配置することにより遊技領域1100を形成する。
この遊技パネル1200は、図示しない透明なパネル板及び枠状のパネルホルダを備えている。パネル板は、前構成部材1110Aによって内周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110よりも外形が小さく形成されている。一方、パネルホルダは、パネル板を前側から脱着可能に保持するとともに前構成部材1110Aの後面に取付けられている。
遊技盤4における表ユニットは、遊技領域1100内の最下部でアウト口の直上から正面視右方向へ延びるように配置されたアタッカユニット2100と、遊技領域1100の左下領域内周に沿って設けられた表サイドユニットと、遊技領域1100内における正面視左端付近で上下方向の中央よりもやや上寄りの位置に配置されたゲートユニット2300と、遊技領域1100の略中央部分に配置された枠状のセンター役物2500と、このセンター役物2500の内側に設けられた可動装飾体3250と、遊技盤4の後述する各種装飾基板から入力された点灯信号、点滅信号や階調点灯信号などのの各種信号に基づいていわゆる7セグ表示を用いて後述する特別図柄の停止図柄を装飾的に模した装飾停止図柄を表示する7セグ表示装置1800と、遊技盤4の後述する各種装飾基板から入力された点灯信号、点滅信号や階調点灯信号などのの各種信号に基づいて特別図柄が変動表示されている間に亘って点灯と点滅とを繰り返す変動表示ランプ1701、1702、1703と、を備えている。
さらに遊技盤4における遊技盤側液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、後述する周辺制御基板を収容する周辺制御基板ボックスが備えられている。
さらに遊技盤4は、遊技パネル1200に取付けられたセンター役物2500によって遊技領域1100がおおよそ左右に分かれており、センター役物2500の右側の外周と遊技領域1100の外周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球の外径よりも若干大きい程度の幅の領域となっており、センター役物2500の左側の外周と遊技領域1100の外周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球が充分に流通可能な広い領域となっている。遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側の領域内では、パネル板の前面に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
遊技盤4は、遊技球がセンター役物2500の右側へ発射されると、この遊技球が前構成部材1110Aの衝止部の上流側からセンター役物2500の振分進入通路2545により振分空間2530側へ送られる。さらにこの遊技球は、振分ユニット2550の振分弁2551により振分空間2530内で左右のいずれかの方向へ振分けられた後に排出口から排出される。その後、この遊技球は、案内通路2540により案内されてアタッカユニット2100の大入賞口2103の上流側に開口した放出口から遊技領域1100内へ放出される。このように遊技球が、振分空間2530を通って、開放状態となっている大入賞口2103に高い確率で遊技球を受け入れられるようになっている。
この遊技盤4では、遊技球がセンター役物2500の左側へ発射されると、植設された複数の障害釘により、この遊技球がゲートユニット2300、表サイドユニットの方向へ誘導されたり、途中でワープ入口2504へ進入することでステージ2510を介して第一始動口2101の真上に放出されて、ゲート部2301、一般入賞口2104,2201、始動口2101,2102、大入賞口2103に入賞させることが可能となっており、遊技球の動きによる本来の遊技を楽しむことができるようになっている。
つまり、センター役物2500の左側のルートでは、遊技球を障害釘で跳ねさせることにより遊技者に遊技球の動きを楽しませることができる一方、センター役物2500の右側のルートでは、障害釘と接触する機会を極力減らして振分空間2530内での遊技球の振分けをしたり、遊技球を大入賞口2103に容易に受け入れさせることができる。
機能表示ユニット1180は、後述する表示部1181を備え、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態で遊技者側から視認することができる位置として、例えば、前構成部材1110の下部に設けられている。機能表示ユニット1180は、遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190がそれぞれ後述の機能表示基板の前面に取り付けられた構成となっている。この機能表示ユニット1180には、この機能表示基板と主制御基板4100とを接続するための接続端子が設けられている。
上述した表示部1181には、現在の遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183(遊技状態表示手段)と、遊技球が第一始動口2101に受け入れられたことに伴う保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一始動口2101への遊技球の受け入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果(第一特別抽選結果)を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDを含む第一特別図柄表示器1185と、第二始動口2102への遊技球の受け入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果(第二特別抽選結果)を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDを含む第二特別図柄表示器1186と、第二始動口2102への遊技球の受け入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。なお、第一始動口2101または第二始動口2102に遊技球が受け入れられたことに伴って実行される抽選は、一般的な大当たり抽選とは異なり、大当たり遊技を実行するための前提条件となる条件装置を作動させるか否か、及び、賞球量の期待値を決定する抽選である。従って、本実施形態では、このような抽選に当選したとしても条件装置が作動するだけであり、これをもって大当たり遊技態様が即座に開始される訳ではない。
さらに表示部1181は、遊技球がゲート部2301を通過したことに伴う保留数を表示するための4つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、遊技球がゲート部2301を通過したことに伴って抽選された普通抽選の結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当たり(条件装置が作動する当り)」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備える。
上述した遊技状態表示器1183は、例えば赤色、緑色、橙色のように発光色を変化させることが可能なカラーLEDを備え、発光する発光色と、点灯或いは点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当たり遊技状態、等)を表示する。
第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示する。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bがともに点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が4つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯、点滅パターンによって、保留数を表示する。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bがともに点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が4つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受け入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させる。
普通図柄表示器1189は、赤色、緑色、橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDを備え、発光する発光色と、点灯または点滅との組合せにより、ゲート部2301を遊技球が通過したことに伴って実行される普通抽選の結果を表示する。なお、普通図柄表示器1189は、特別図柄と同様に所定の変動時間に亘って普通図柄を変動表示させた後に、普通抽選の結果に対応した態様で普通図柄の停止図柄を表示する。
普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2301を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示する。この普通図柄記憶表示器1188は、LEDを有する4つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、保留数に応じて、普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることにより普通図柄の保留数を表示する。なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示が4つまで保留(記憶)されている。
ラウンド表示器1190は、2ラウンド表示ランプ1190a、6ラウンド表示ランプ(図示を省略)、12ラウンド表示ランプ(図示を省略)、及び16ラウンド表示ランプ1190bを備えており、ランプの点灯態様に応じて大当たり遊技におけるラウンド数を表示する。
[3.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図49〜図54を参照しつつ説明する。図49は、主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図50は、図49に示す払出制御基板4110及びそれに接続される基板など並びに電源基板851及びそれに接続される端子板などの構成例を示すブロック図である。図51は、主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図52は、図49に示す周辺制御基板4140及びそれに接続される基板などの構成例を示すブロック図である。図53は、周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図54は、液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1は、その制御に関係する構成として、図49に示すように、主として、主制御基板4100、払出制御基板4110及び周辺制御基板4140構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板について説明し、続いて払出制御基板、電源基板、そして周辺制御基板について説明する。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図49に示すように、遊技動作を制御する主制御プログラムなどの各種制御プログラム及び各種コマンドを記憶するROM並びに一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されているマイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路4100cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100dと、予め定めた電圧の停電又は瞬間的な停電状態(以下「瞬停」という)の兆候を監視する停電監視回路4100eと、を主として備えている。上述した主制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後に実行され、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御する。
主制御MPU4100aには、その内蔵されているRAM(上記「主制御内蔵RAM」に相当)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)の他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。上述した主制御内蔵RAMは、その記憶領域の一部として、後述する始動記憶情報記憶領域に記憶される始動記憶情報ごとの大当たり判定用乱数記憶領域、特別図柄用乱数記憶領域、リーチ判定用乱数記憶領域、変動パターン用乱数1,2記憶領域、及び変動タイプ用乱数記憶領域、並びに後述する始動記憶情報記憶領域及び送信情報記憶領域を有する。このうち始動記憶情報記憶領域は、第一特別図柄用の第一始動記憶情報記憶領域及び第二特別図柄用の第二始動記憶情報記憶領域を含んでいる。その他にも主制御内蔵RAMは、後述する大当りフラグの値を格納可能な大当りフラグ領域も含んでいる。大当りフラグは、後述するように、ハズレ(00H)であるか或いは大当り(01H)であるかのみならず、小当り(02H)であるかも表している。従って、主制御MPU4100aは、小当りフラグの値を格納可能な小当りフラグ領域にアクセスすることなく、大当りフラグ領域という1つの記憶領域にアクセスすれば、大当りであるか或いはハズレであるかだけでなく、小当りであるかについても同時に把握することができる。
また、主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができる。
主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路4100bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路4100cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路4100caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路4100caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路4100caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
第一始動口2101に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ3022、第二始動口2102に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ2109、及び一般入賞口2104に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020からの検出信号や停電監視回路4100eからの信号は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、振分検知センサ2580、ゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2301、一般入賞口2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020、大入賞口2103に遊技球が受け入れられたことを検知すると検出信号を出力するカウントスイッチ2100、及び磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、遊技盤4に取り付けられたパネル中継端子板4161、そして主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU4100aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路4100dからパネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド2105、アタッカソレノイド2108A、アタッカソレノイド2108B及び振分駆動モータ2558(図示せず)にそれぞれ駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、及びラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU4100aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから停電監視回路4100eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、ゲートスイッチ2301、及びカウントスイッチ2100には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020,3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2350を頻繁に通過するため、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2301による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2301には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2100による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2100にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104,2201には、一般入賞口スイッチ3020,3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチ3020,3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板4110は、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板4100に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路4100bで受信することにより、主制御入力回路4100bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板4140へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU4100aは、主制御CPUコア4100aaを中心として構成されており、上述した主制御内蔵RAMの他にも、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート4100ae等がバス4100ahを介して回路接続されている(図59を参照)。主周シリアル送信ポート4100aeは、周辺制御基板4140へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ4100aea、送信バッファレジスタ4100aeb、シリアル管理部4100aec等を主として構成されている(図59を参照)。主制御CPUコア4100aaは、コマンドを送信バッファレジスタ4100aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部4100aecに出力すると、このシリアル管理部4100aecが送信バッファレジスタ4100aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ4100aebから送信シフトレジスタ4100aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア4100aaは、送信バッファレジスタ4100aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部4100aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板4140に送信している。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図55を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶する。この主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されると、この操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板4110から出力され、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU4100aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板4110は、図50に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120と、各種機能を兼用する操作スイッチ860aと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ860aは、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[3−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120は、図50に示すように、遊技球の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されているマイクロプロセッサである払出制御MPU4120aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4120bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路4120cと、図5に示した賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路4120eと、を備えている。払出制御MPU4120aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)の他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。上述した払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後に実行され、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御する。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御I/Oポート4120bを介して払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート4120bを介して主制御基板4100の受信ポートに対して出力する。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ860aの操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号、特定枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉枠開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号、特定枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する(第1の特定枠開放コマンド送出手段)。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号、特定枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号、特定枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する(第1の特定枠閉鎖コマンド送出手段)。
払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路4120bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路4120cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路4120caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路4120cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
賞球装置740の供給通路内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及び賞球装置740の賞球通路内を流下する遊技球を検出する計数スイッチ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球ケース内基板754、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。賞球装置740の回転検出盤に形成された検出スリットを検出するための回転角スイッチ752からの検出信号は、まず賞球装置740の回転角スイッチ基板753、そして賞球ケース内基板754、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タンスイッチ550からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、電源基板851、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路4120bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)を払出制御入力回路4120bを介して主制御基板4100に対して出力する。払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから主制御基板4100に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU4120aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板4100は、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板4110に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ744を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号を払出モータ駆動回路4120dに出力し、払出モータ駆動回路4120dから駆動信号を賞球ケース内基板754を介して払出モータ744に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数スイッチ751からの検出信号に基づいて計数スイッチ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板4110は、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板4100や払出等を制御する払出制御基板4110に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
図2に示した貸球ユニット360の球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路4120eを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。また、残度数表示器365cに隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図55を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4120aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶する。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aが操作されると、その操作信号が払出制御入力回路4120bを介して、払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU4120aは、払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU4120aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)する。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に出力される。
[3−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部4120とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図51に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図51に示すように、CRユニット6と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続を中継する他に、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板4110との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板851からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、図2に示した、貸球ユニット360の貸球ボタン361と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸スイッチ365aが実装され、貸球ユニット360の返却ボタン362と対応する位置に押ボタンスイッチである返却スイッチ365bが実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である残度数表示器365cが実装されている。
球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bは、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸スイッチ365aは、貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365aのスイッチが入り(ONし)、球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却スイッチ365bは、返却ボタン362が押圧操作されると、返却スイッチ365bのスイッチが入り(ONし)、返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
残度数表示器365cは、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、残度数表示器365cは、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。残度数表示器365cは、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認する。
なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板851から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bが有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認する。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って残度数表示器365cに入力されている。
CRユニット6は、貸球ボタン361が押圧操作されて球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、貸球ボタン361が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン362が押圧操作されて返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、貸球ボタン361が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[3−3.電源基板]
次に、電源基板851について簡単に説明する。電源基板851は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ852と、各種電源を生成する電源制御部855と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド654による発射制御及び図1に示した球送ユニット580の球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部857と、を備えている。
[3−3−1.電源制御部]
電源制御部855は、電源スイッチ852が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路855aと、同期整流回路855aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路855bと、力率改善回路855bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路855cと、平滑化回路855cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路855dと、を備えている。
[3−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部857は、発射制御回路857aを主として構成されている。発射制御回路857aは、図7に示した回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するポテンショメータ512からの操作信号と、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチスイッチ516からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号と、がハンドル中継端子板192を介して、入力されている。また、発射制御回路857aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板4110を介して入力されている。
発射制御回路857aは、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド654に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材が図7に示した皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[3−4.周辺制御基板]
周辺制御基板4140は、図52に示すように、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う一方、タッチパネル246の接触状態の検知制御を行う周辺制御部4150と、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行うとともに、本体枠3に設けた図5に示したスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶及び音制御部4160と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部の回動操作により調節する音量調整ボリューム4140a(第1の音量操作手段)と、を備えている。なお、周辺制御部4150と液晶及び音制御部4160とは図示のように別体であっても良いし、一体であっても良い。この場合、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aが行っていた処理は、液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aが代行したり、その逆とすることもできる。
[3−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部4150は、図52に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM4150bと、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側液晶表示装置1900に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM4150cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM4150dと、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM4150dは、電源基板851に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持する。電源基板851にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤4をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU4150aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力するときには、周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板4100からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4150aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板4140とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[3−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU4150aについて説明する。周辺制御MPU4150aは、図53に示すように、周辺制御CPUコア4150aaを中心として、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ4150ac、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)4150ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMAコントローラ4150acに対して、内部バス4150ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150akに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御ROM4150bに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150dに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに内蔵される周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置に対して、内部バス4150ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び外部バス4150hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ4150adは、内部バス4150ah、周辺バス4150ai、及び外部バス4150hをコントロールして周辺制御MPUコア4150aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4150aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、及び操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4150afは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力する他に、周辺制御外部WDT4150eにクリア信号を出力したり、遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したり、扉枠5における上部装飾ユニット280の上部装飾基板に実装されたLEDの点灯信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ4150akは、音量調整ボリューム4140aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音の他に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整する。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。従って、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1900で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[3−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM4150bは、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、各種スケジュールデータ、及び予め定められた個体情報(以下「規定の個体情報」という)を予め記憶している(演出制御記憶部)。各種スケジュールデータには、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM4150bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM4150bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM4150bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側液晶表示装置1900の使用時間に応じて遊技盤側液晶表示装置1900の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1900の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[3−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cは、図53に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150caと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccと、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア4150cdと、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア4150ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccについては、パチンコ機1の電源によって電力の供給が開始された際(電源投入時)に主制御基板4100(電源投入コマンド出力手段)によって出力される電源投入コマンド(図69を参照)がRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図49に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く0は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150cbからバックアップ第2エリア4150ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP4160aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域4150cacは、主制御基板4100から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域4150cadは、RTC制御部4165(後述するRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域4150caeは、主制御基板4100(の主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域4150caeには、周辺制御ROM4150bから各種制御データコピーエリア4150ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM4150bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、操作ユニット情報取得記憶領域4150cai、及び履歴情報記憶領域4150caj等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域である。また、可動体情報取得記憶領域4150cahは、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、操作ユニット情報取得記憶領域4150caiは、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域である。一方、履歴情報記憶領域4150cajは、後述する表示履歴記憶領域の他にも、操作履歴記憶領域が形成されている。この操作履歴記憶領域には、タッチパネル246の操作面における規定の接触状態の一例として「規定の筆跡」に関する情報が予め記憶されている(演出制御記憶手段)。この規定の筆跡に関する情報としては、例えば、直線或いは曲線であって描画途中における筆圧の増減に伴う太さの変化及び描画速度の変化の少なくとも一方に関する情報を含んでいる。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccについて説明する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ4150acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[3−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150daと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM4150dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板4100からの電源投入コマンド(図69を参照)がRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図49に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM4150cのバックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM4150cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM4150cと周辺制御SRAM4150dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く0は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150dbからバックアップ第2エリア4150dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcについて説明する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[3−4−2.液晶及び音制御部]
遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の描画制御と本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160は、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)4160aと、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域(第1の表示領域)及び上皿側液晶表示装置244の表示領域(第2の表示領域)に表示される表示内容としての各種キャラクタデータ(やスプライト番号が付されたスプライトデータ)を記憶したり音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM4160b(演出制御記憶手段)と、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC4160cと、を備えている。
さらに、この液晶及び音制御ROM4160bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠3の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像740Cの表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM4160bは、上皿液晶表示装置470の表示領域に表された表示ボタンを操作すべき旨を促すための後述する示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データのみならず、タッチパネル246(接触型入力手段)の操作面を触れさせるよう促すために上皿液晶表示装置470に表示させる後述する接触催促表示物の表示に用いる接触催促表示物データが記憶されている(データ格納手段)。
さらに、この液晶及び音制御ROM4160bには、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域(第1の表示領域)及び上皿側液晶表示装置244の表示領域(第2の表示領域)に表示サイズを変更させて共通画像を各々表示させるのに用いられるサイズ変換画像データが予め記憶されている(演出制御記憶手段)。
周辺制御部4150では、周辺制御MPU4150aが、主制御基板4100からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。この周辺制御MPU4150aは、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
[3−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP4160aは、上述した内蔵音源の他に、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図54に示すように、液晶及び音制御ROM4160bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP4160aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側液晶表示装置1900に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1900に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力することで、遊技盤側液晶表示装置1900と上皿側液晶表示装置244との同期化を図っている。このように、周辺制御MPU4150aが遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力すると、音源内蔵VDP4160aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側液晶表示装置1900に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1900に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1900に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力する。本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP4160aは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて周辺制御MPU4150aから上述した音指令データが入力されると、図54に示すように、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値の他に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節する。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
ここで、演出音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
つまり、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、表示ボタンを操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるようになっている。
このように、演出音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[3−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM4160bは、図54に示すように、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、上皿側液晶表示装置244の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[3−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC4160cは、周辺制御基板4140から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[3−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図52に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aa(計時記憶部)が内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源(第2の電源)として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板4140(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板4140(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持する。なお、電池4165bは、電力(第1の電力)を供給する主電源(第1の電源)とは別に、後述する停電予告信号の受け取りを契機として電力(第2の電力)を供給する一方、主電源による電力の供給が開始されたことを契機として電力(第2の電力)の供給を停止する形態であっても良く、このような電源形態である場合、RTC4165aは、主電源又は電池4165bから電力が供給される。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイが登場する画面が遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたり、大晦日であれば新年を迎えるためのカウントダウンを実行する画面が遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaには、詳細は後述するが、周辺制御基板4140が停電監視回路4100eから停電予告として出力された停電検出信号を受け取った時点(第1の時点)から周辺制御基板4140が主制御基板4100から出力された電源投入コマンドを受け取った時点(第2の時点)までの時間、即ち、停電時間に関する情報が記憶される。
その一方、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報の他に、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報の他に、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFFの切り替え制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側液晶表示装置1900の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報の他に、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持する。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節する。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示される他に、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU4150aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1900の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU4150aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM4150bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[3−4−4.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム4140aは、上述したように、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節する。音量調整ボリューム4140aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ(音出力部)及び扉枠5に設けたスピーカ130(音出力部)から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音の他に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いことを告知したり等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して調整する。
このプログラム(後述する演出制御プログラムに相当)により調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、後述する図79〜図84に示すように消音から最大音量までを滑らかに変化させて設定できるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ(音出力部)及び扉枠5に設けたスピーカ130(音出力部)から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときにはつまみ部の回動操作に関係なく大音量(本実施形態では、例えばソフト的に設定された最大音量)に設定した報知音を流すことができる。従って、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、例えば、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節する。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示される他に、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりする。この調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1900に表示され、この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節する。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1900によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[3−4−5.タッチパネル及びこれに付随する構成]
周辺制御基板4140には、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿液晶表示装置470の他にも、後述するタッチパネル246が接続されている。周辺制御基板4140は、タッチパネル246の操作面の接触状態に応じた検知信号が入力され、検知信号を受け取ると、当該検知信号に基づく接触情報に応じてタッチパネル246の操作面の接触状態を把握することができる。
[4.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図55及び図56を参照して説明する。図55はパチンコ機の電源システムを示すブロック図であり、図56は図55のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板851のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[4−1.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。図3に示した電源スイッチ852を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図55に示すように、電源制御部855、発射制御部857を備えている。電源制御部855は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板4100や払出制御基板4110へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部857は、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド654や図1に示した球送ユニット580の球送ソレノイド585を駆動制御する回路である。
電源制御部855は、同期整流回路855a、力率改善回路855b、平滑化回路855c、電源作成回路855d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板851を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路855aに供給されている。この同期整流回路855aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路855bに供給している。この力率改善回路855bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路855cに供給している。この平滑化回路855cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部857の発射制御回路857a及び電源作成回路855dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部857の発射制御回路857aは、平滑化回路855cから供給される+37Vを駆動電源として、図7に示した回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド654に出力する制御を行う一方、球送ユニット580の球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材が図7に示した皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行う。
電源作成回路855dは、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板4110及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路855dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路4110aを介して払出制御MPU4120aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路855dで作成される+12Vは、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されている。この+5V作成回路4100gは、払出制御基板4110からの+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路4100hを介して主制御MPU4100aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5Vは、払出制御MPU4120aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電する。これにより、電源作成回路855dで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが主制御基板4100、そして払出制御基板4110から電源基板851に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電する。これにより、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[4−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板851の電源作成回路855dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図55に示すように、払出制御基板4110に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。また電源基板851の電源作成回路855dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図56(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板4140は、枠周辺中継端子板868から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路4140bを備えている。+3.3V作成回路4140bが作成する+3.3Vは、遊技盤側液晶表示装置1900の液晶モジュール1900a、上皿側液晶表示装置244の液晶モジュール470a及びタッチパネル246のタッチパネルモジュール480aにそれぞれ供給されている。また、周辺制御基板4140に供給される+12Vは、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライト電源1900b及び上皿側液晶表示装置244のバックライド電源470bにそれぞれ供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図56(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠5の各種装飾基板等に供給されている。
[4−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図55に示すように、払出制御MPU4120a等の他に、払出制御フィルタ回路4110a等を備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給される他に、例えば、払出制御部4120の払出制御MPU4120a等に供給されている。電源基板851からの+12Vは、例えば、払出制御部4120の払出制御入力回路4120b等に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板851からの+24は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されている。
[4−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図55に示すように、主制御MPU4100a等の他に、+5V作成回路4100g、主制御フィルタ回路4100h、停電監視回路4100e等を備えている。+5V作成回路4100gは、電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100において、+5V作成回路4100gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路4100hは、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給される他に、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100b等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100d等に供給されている。
停電監視回路4100eは、電源基板851からの+12V及び+24Vが払出制御基板4110を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU4100aに出力する。停電予告信号は、主制御基板4100、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板4140、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図56(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路4100eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[5.主制御基板の回路]
次に、図49に示した主制御基板4100の回路等について、図57〜図59を参照して説明する。図57は主制御基板の回路を示す回路図であり、図58は停電監視回路を示す回路図であり、図59は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図55に示した主制御フィルタ回路4100hについて説明し、続いて主制御基板4100で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板4100は、図49及び図55に示した、主制御MPU4100a、主制御入力回路4100b、主制御出力回路4100c、主制御ソレノイド駆動回路4100d、停電監視回路4100e、+5V作成回路4100g、及び主制御フィルタ回路4100hの他に、周辺回路として、図57に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[5−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路4100hは、図57に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
主制御MPU4100aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU4100aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU4100aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続される他に、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続される他に、抵抗MR0を介して、図55に示した電源基板851のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU4100aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図55に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[5−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図57に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定する。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU4100aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[5−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図57に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子の他に、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU4100aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[5−4.主制御入力回路]
主制御入力回路4100bは、図49に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2100、ゲートスイッチ2301からの検出信号の他に、図50に示した払出制御基板4110に備える操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[5−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板4100には、払出制御基板4110が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aからの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板4100には、操作スイッチ860aが操作されていないときには払出制御基板4110から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ860aが操作されているときには払出制御基板4110から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板4110から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110に備える操作スイッチ860aからの操作信号を伝える伝送ラインは、図57に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板4110における操作スイッチ860aからの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ860aからの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板4100は、操作スイッチ860aが操作されていないときには払出制御基板4110からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ860aが操作されているときには払出制御基板4110からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ860aからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ860aからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ860aからの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ860aからの操作信号が払出制御基板4110を介して入力されているためである。つまり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板4100に直接入力される、一般入賞口スイッチ3020、第一始動口スイッチ3022、及び第二始動口スイッチ2109からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図49に示したパネル中継端子板4161を介して入力される、磁気検出スイッチ3024、カウントスイッチ2100、一般入賞口スイッチ3020、及びゲートスイッチ2301からの検出信号は、主制御基板4100に直接入力されないため、操作スイッチ860aからの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[5−5.停電監視回路]
主制御基板4100は、図55に示したように、電源基板851から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板4110を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路4100eに入力されている。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU4100aの他に、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aや周辺制御基板4140に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[5−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路4100eは、図58に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[5−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図58に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[5−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図58に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[5−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU4100aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路4100caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU4100aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU4100aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU4100aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路4100bは、図58に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図58に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110と電気的に接続されると、払出制御基板4110における図50に示した払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図50に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図58に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されると、図52に示した周辺制御基板4140における周辺制御部4150の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図52に示した周辺制御MPU4150aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU4100aに停電予告信号として伝える主制御入力回路4100bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路4100cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20と主制御MPU4100aとが主制御基板4100に実装されているため、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間、及び主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100a、払出制御MPU4120a、及び周辺制御MPU4150aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[5−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU4100aへの各種入出力信号について、図57を参照して説明する。主制御MPU4100aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図49に示した払出制御基板4110からのシリアルデータが主制御入力回路4100bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU4100aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板4110に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図49に示した周辺制御基板4140に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU4100aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力される他に、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号が主制御入力回路4100bを介して入力されたり、図49に示した第一始動口スイッチ3022等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路4100bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、図49に示した、始動口ソレノイド2105に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dを介して始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したり、図49に示した第一特別図柄表示器1185等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり等する。
[5−7.主制御基板と周辺制御基板との間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について、図59を参照して説明する。主制御基板4100は、図55に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、+5V作成回路4100gは、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板4100は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板4140には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板4100のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板851から供給される+12Vが払出制御基板4110を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続される他に、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851からの電力が払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図57に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信する。
なお、本実施形態では、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ4100aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU4100aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板4140の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図57に示した主制御MPU4100aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板4140のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続される他に、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持するし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持する。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板4140は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。従って、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して、周辺制御基板4140へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して周辺制御基板4140へ送信完了することができるため、周辺制御基板4140は、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[6.払出制御基板の回路]
次に、図50に示した払出制御基板4110の回路等について、図60〜図65を参照して説明する。図60は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図61は払出制御入力回路を示す回路図であり、図62は図61の続きを示す回路図であり、図63は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図64はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図65は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[6−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路4110aは、図60に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図55に示した電源基板851からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板851からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
払出制御MPU4120aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU4120aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU4120aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続される他に、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続される他に、抵抗PR0を介して、図55に示した電源基板851のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU4120aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図55に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[6−2.払出制御部の回路]
払出制御部4120は、払出制御MPU4120a、払出制御入力回路4120b、払出制御出力回路4120c、払出モータ駆動回路4120d、CRユニット入出力回路4120eの他に、周辺回路として、図60に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[6−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図60に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定する。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU4120aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[6−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図60に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子の他に、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU4120aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU4120aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[6−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路4120bは、図50に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図55に示した主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号が入力される回路、図50に示したハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して満タンスイッチ550からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ860aからの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タンスイッチ550や、図50に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路について説明する。
[6−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠5が本体枠3から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
さらに、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図49に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図49に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠5が本体枠3から開放される際に、又は扉枠5が本体枠3に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
[6−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠3が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図49に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図49に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠3が外枠2から開放される際に、又は本体枠3が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態と、本体枠3が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板4100に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図49に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[6−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路4100eは、上述したように、電源基板851からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板4110に出力する。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路4100eからの停電予告による、払出制御MPU4120aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[6−2−3(d).満タンスイッチからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット540に備える満タンスイッチ550からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板192、そして図6に示した電源基板851を介して、払出制御基板4110に入力されている。この満タンスイッチ550の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板4110において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タンスイッチ550の検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タンスイッチ550からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タンスイッチ550は、上述したように、ファールカバーユニット540の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板4110に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板4110に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タンスイッチ550からの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図50に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タンスイッチ550は、扉枠5に取り付けられるファールカバーユニット540に設けられているため、本体枠3に取り付けられる賞球装置740に設けられる球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タンスイッチ550は、ファールカバーユニット540の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU4120aは、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU4120aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ744を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ744に負荷が異常にかかり、払出モータ744が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ744の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タンスイッチ550からの検出信号を、まず満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[6−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ860aの出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ860aの出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図57に示した、主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ860aが押圧操作される際に、操作スイッチ860aを構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ860aからの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ860aからの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図57に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図57に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[6−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図5に示した賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dについて説明する。払出モータ駆動回路4120dは、図63に示すように、電圧切替回路4120da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路4120daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路4120daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路4120daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替回路4120daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路4120daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ744の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路4120daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ744に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ744と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ744を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[6−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図51に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路4120eについて説明する。払出制御基板4110は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図51に示した電源基板851から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板4110から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図64に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続される他に、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続される他に、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図60に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続される他に、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されると、電源基板851において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板851に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子の他に、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子の他に、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[6−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU4120aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU4120aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図60に示すように、主制御基板4100からのシリアルデータが払出制御入力回路4120bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU4120aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板4100に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力される他に、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号が払出制御入力回路4120bを介して入力されたり、図50に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等からの検出信号が払出制御入力回路4120bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路4120cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路4120eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替信号を電圧切替回路4120daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路4120dを介して払出モータ744に出力したりする他に、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、図50に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
[6−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板4110と主制御基板4100との各種入出力信号と、払出制御基板4110から外部端子板784への各種出力信号について、図65を参照して説明する。
[6−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板4110は、主制御基板4100と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図65(a)に示すように、払出制御基板4110は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板4100に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板4110は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)の他に、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板4100から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板4110の払出制御部4120の払出制御入力回路4120bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[6−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板4110は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図65(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号の他に、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号、主制御基板4100から払出制御基板4110を介して、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号に加えて、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号等を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握する。従って、ホールコンピュータは、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法の他に、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[6−4.タッチパネルモジュール及びその周辺部]
図33は、図56に示すタッチパネルモジュール480aとその周辺部との信号のやり取りの一例を示している。
タッチパネルモジュール480a(制御手段)は、主制御基板4100に接続されている周辺制御基板4140に接続されており、タッチパネル246(接触型入力手段)を制御する。このタッチパネルモジュール480aは、タッチセンサ482を備えているとともに、次のようなコントロールレジスタ481aを有するタッチパネルコントローラ481を備えている。つまり、このコントロールレジスタ481aは、タッチパネル246の接触面が非接触状態にある場合に小おける静電容量の閾値として接触判定用閾値を記憶可能となっている(判定閾値記憶手段)。
このタッチセンサ482は、接触面のいずれかの位置における静電容量の変化を検知したことを契機として、当該変化前後の静電容量をそれぞれ計測する一方、当該位置の座標を表すとともに当該静電容量を表す信号として検知信号を出力する(接触検知手段)。タッチパネルコントローラ481は、この検知信号を受け取ると、当該位置或いはその範囲を表す座標値(以下「検知座標値」という)を取得する一方、この検知信号が示す静電容量(以下、「検知静電容量」という)が、コントロールレジスタ481aに記憶済の接触判定用閾値以上となっているか否かについて判定を実施する。このような比較の結果、タッチパネルコントローラ481は、この検知静電容量が接触判定用閾値未満であると判定した場合には接触面が非接触状態にあると判断する一方、この検知静電容量が接触判定用閾値以上であると判定した場合には接触面が接触状態にあると判断する(接触状態判定手段)。
タッチパネルコントローラ481は、接触面が接触状態にあると判断した場合、接触面における検知座標値を含めた接触検知情報を周辺制御基板4140に対して出力する。周辺制御基板4140では、この接触検知情報を受け取ると、周辺制御MPU4140aが、当該受け取った接触検知情報に含まれる検知座標値に基づいて、上述した接触面における接触位置を把握することができる。
ところで、パチンコ機に搭載されうる検知デバイスとしては、一般的に電源投入時に初期処理として感度の調整が実施され、その後当該感度で作動するものが多い(例えば特開2005−192783号公報、以下「参考文献」という)。このように初期処理において接触感度の調整が実施されたとしても、その後の遊技環境次第では、一見すると、徐々に感度が適切でなくなってしまうことも考えられる。ここで、例えば、静電容量タイプのタッチパネルでは、低硬膜タイプのタッチパネルに比べ、耐久性において優れるものの、静電容量の変化のピーク点をタッチポイントとして認識するため、製造工程における感度のバラツキや、環境の変化を受けて変化する接触感度を均一かつ一定に調整する必要がある。
そこで本実施形態では、タッチパネルモジュール480aが、その外部(例えば周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140a)から出力される閾値設定コマンド(感度調整コマンド)を受信すると、タッチパネル246の接触面における接触感度を調整する。つまり、タッチパネルモジュール480aでは、タッチパネルコントローラ481が、周辺制御MPU4140aから閾値設定コマンドを受け取ると、この閾値設定コマンドに基づいて、コントロールレジスタ481aに記憶されている接触判定用閾値を更新することにより、タッチパネル246による接触感度を調整する。具体的には、タッチパネルコントローラ481は、この閾値設定コマンドを受け取ったことを契機として、タッチパネルセンサ482が出力する検知信号に基づく静電容量を取得し、この静電容量を、タッチパネル246の接触面が非接触状態にある場合における新たな接触判定用閾値であるとみなすとともに、コントロールレジスタ481aに記憶済の接触判定用閾値を、当該新たな接触判定用閾値で更新する。
すると、それ以降、タッチパネルコントローラ481は、コントロールレジスタ481aにおいて更新された新たな接触判定用閾値と、上述したように接触状態が検知される度に取得される検知静電容量とを比較し、この検知静電容量が接触判定用閾値未満であると判定した場合には接触面が非接触状態にあると判断する一方、この検知静電容量が接触判定用閾値以上であると判定した場合には接触面が接触状態にあると判断する。
上記同様、タッチパネルコントローラ481は、接触面が接触状態にあると判断した場合、接触面における検知座標値が含められた接触検知情報を周辺制御基板4140に対して出力する。この周辺制御基板4140では、この接触検知情報を受け取ると、周辺制御MPU4140aが、当該受け取った接触検知情報に含まれる検知座標値に基づいて、上述した接触面における接触位置を把握することができる。
以上のようにすると、タッチパネルコントローラ481が、その外部から閾値設定コマンド(感度調整指令)を受け取ったことを契機とした所望のタイミングで、タッチパネル246の接触感度を定める接触判定用閾値が更新されるため、閾値設定コマンドの出力タイミングが適切に制御されれば、所望のタイミングでタッチパネル246(接触型入力手段)の接触感度が調整されるようになる(キャリブレーション)。このため、遊技者による遊技に影響を与えるおそれのある出力タイミングを外して閾値設定コマンドが到着するようにすれば、遊技に影響を与えることなく、常に、タッチパネル246における接触状態の検知を適切な作動態様とすることができる。
タッチパネルコントローラ481が閾値設定コマンドを受け取るべきタイミングとしては、例えば、特別図柄の変動表示が終了してから所定の時間(例えば1分間)が経過しており、遊技者が遊技を中止しているためタッチパネル246の操作面に接触している可能性が低いタイミングを例示することができる。即ち、このような接触感度の調整は、タッチパネル246を用いた演出を実行するかもしれない特別図柄の変動表示中には極力実行を控え、その変動表示が終了したことに伴って行うようにしている。
一方、既述のようにタッチパネル246は、静電容量型であるとともに、多数の遊技球を貯留可能であって静電気が発生しやすい上皿301に設けられているものの、電源投入後も必要に応じて所定のタイミングで感度調整が実施されるため、このような周辺環境の変化を原因とするものであり遊技者の操作によるものでない場合でも、静電容量に変化が生じたものと誤検知しにくくなる。
[7.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて、図68〜図71を参照して説明する。図68は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図69は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図70は図69の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図71は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[7−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図49に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、及びカウントスイッチ2100等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(賞球装置740)の払出モータ744を駆動して貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図68(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図68(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図68(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板4110がCRユニット6との接続状態を確認する。
[7−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4140に各種コマンドを送信する。各種コマンドは、図69及び図70に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、テスト関連、及びその他に区分されている。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図69及び図70に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するとともにコマンドの種類を示すステータス(STTS値)と、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するとともに演出のバリエーションを示すモード(MODE値)と、から構成されている。
これらステータス(STTS値)及びモード(MODE値)には、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に確保された複数の送信情報記憶領域(以下「RWM」ともいう)の値が使用される。つまり、各コマンド8ビットのうち、例えば上位3ビットは第一送信情報記憶領域(RWM1)の値を用いる一方、下位5ビットは第二送信情報記憶領域(RWM2)の値を用いるようにする。このようにすると、周辺制御基板4140では、周辺制御MPU4140aが、主制御基板4100から送信されるコマンドを受信すると、このコマンドをビット単位で分解してステータスやモードを把握できるようになる。
[7−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図49に示した第一始動口スイッチ3022からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図69に示すように、図49に示した機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するためのコマンドであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するためのコマンドである。特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するためのコマンドであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態の少なくとも一方への移行を指示するためのコマンドである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとしては、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理における周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS92)で送信される(コマンド送信手段)。
[7−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図49に示した第二始動口スイッチ2109からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図69に示すように、図49に示した機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図69に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(、アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(アタッカユニット2100の大入賞口2103のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個をカウントした旨(図49に示したカウントスイッチ2100によって検出された、大入賞口2103に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2100Aによって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時、及び大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2100によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2100によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図69に示すように、電源投入という名称の各種コマンドから構成されている。この電源投入コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入コマンドは、RAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図50に示した電源投入時に払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)。
電源投入コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入コマンドが送信される。
[7−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図49に示したゲートスイッチ2301からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図69に示すように、図49に示した機能表示基板1191の普通図柄表示器1189に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、始動口ソレノイド2105の駆動により開閉される一対の可動片2105に関するものであり、その区分には、図69に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片2105が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片2105が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図70に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、アタッカユニット2100Aの大入賞口2103に遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2100Aが検出した時、または、アタッカユニット2100Bの大入賞口2103Bに遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2100Bが検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものである。接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2100A、カウントスイッチ2100B等のいずれかとの電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図49に示した磁気検出スイッチ3024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉枠開放コマンドは、図50に示した、払出制御基板4110を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図50に示した、払出制御基板4110を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板4110へのコマンド送信時に払出制御基板4110からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2100等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出スイッチ3024の異常を検知した時に送信される。また、扉枠開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図70に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板4110から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図70に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図70に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、主制御基板4100から周辺制御基板4140に対して送信されるコマンドであって周辺制御基板4140の各種検査を指示するものである。このようなテストコマンドとしては、例えば、図52に示した、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うコマンドを挙げることができる。
この主制御基板4100では、ハードウェア側の都合によりテストコマンド用のポートをその都度逐一割り当てるためハードウェア側で管理しにくい態様の代わりに、ソフトウェア側で管理しやすくするために、テストコマンド用のポートとして、ソフトウェアのタイマで管理できるものについては複数のポートのうちの所定のポートに割り付ける一方、フラグで管理できるものについては特定のポートに割り付けるようにしている。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[7−2−10.その他]
その他の区分には、図70に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドが含まれている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて第一始動口2101に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて第二始動口2102に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態(後述する確率変動状態に相当)から低確率状態(後述する通常遊技状態などに相当)への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンド(特別図柄記憶コマンド)は、特別図柄1保留0〜4個(第一始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンド(特別図柄記憶コマンド)は、特別図柄2保留0〜4個(第二始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(ゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンド(先行判定指示コマンド)は、特別図柄1保留が機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1185による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンド(先行判定指示コマンド)は、特別図柄2保留が機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1186による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。なお、本実施形態では、これら特別図柄1記憶先読み演出コマンド及び特別図柄2記憶先読み演出コマンドを総称して「特別図柄記憶先読み演出コマンド」とも呼んでいる。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて第一始動口2101に遊技球が入球した時や、第二始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて第二始動口2102に遊技球が入球した時)に、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2350を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて第一始動口2101に遊技球が入球した時や、第二始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて第二始動口2102に遊技球が入球した時)に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図52に示した周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音声で報知する他に、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音声で報知しない仕様のものもある。
[7−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板4110からの各種コマンドの区分には、図71に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図50に示した計数スイッチ751の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[8.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図49に示した主制御基板4100が行う各種制御処理について、図72〜図74を参照して説明する。図72は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図73は図72の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図74は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[8−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、この大当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための大当り判定用初期値決定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図49に示した、第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186で導出表示される大当り図柄の決定に用いられる大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いられる大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。なお、上述した大当たり図柄用乱数は、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186で導出表示される小当り図柄の決定に用いられる小当り図柄用乱数としても利用される。一方、上述した大当り図柄用初期値決定用乱数は、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数としても利用される。またこれらの乱数に加えて、一対の可動片2105を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図49に示した普通図柄表示器1189で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、チップに内蔵されたハードウェアにより構成されており、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767)内で更新し、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、大当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値(値0)から大当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。大当り判定用初期値決定用乱数は、大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得られる。一方、上述した普通図柄当り判定用乱数及び普通図柄当り判定用初期値決定用乱数も、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一の方法により更新される。
なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲を、大当り判定用乱数を更新するカウンタがカウントアップされ終ると、上述したように、大当り判定用初期値決定用乱数は初期値抽選処理を実行することにより更新されるようになっているが、図50に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図49に示した主制御MPU4100aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、大当り判定用初期値決定用乱数は、図49に示した主制御MPU4100aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、大当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、大当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU4100aを製造したメーカによって主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを大当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤4を入手して分解し、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値と大当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤4’に備える主制御MPU4100a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤4’においては、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値と大当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤4のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤4を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤4’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球を入球させるという始動入賞を狙っても、大当り遊技状態を発生させることができない。
[8−2.初期値更新型のカウンタの動き]
初期値更新型のカウンタは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合(RAMクリア時)に主制御MPU4100aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる。初期値更新型のカウンタは、1サイクル目として、この固定値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から固定値に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、大当り判定用初期値決定用乱数として大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされる。初期値更新型のカウンタは、2サイクル目として、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から抽選で得た値に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、再び、初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされ、初期値更新型のカウンタは、3サイクル目として、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップすることとなる。本実施形態では、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出されるようになっている。大当り判定用乱数を更新するカウンタは、本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767までに亘る予め定めた固定数値範囲を更新するようになっている。換言すると、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)は、低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている。
ここで本実施形態では、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値10〜値209が設定され、高確率では値10〜値339が設定されている場合を例示する。つまり、低確率では、大当りとなる乱数値(大当り判定用乱数)の数が200個としており、高確率では、大当たりとなる乱数値(大当り判定用乱数)の数が330個としている。ここで、本実施形態では、カウントして更新する複数の乱数同士が同期しないようにするため、乱数値の取得時期が異なる場合を除いて、同時に取得する他の乱数値の数を当該200個以外、例えば素数個としている。即ち、本実施形態では、大当り判定用乱数とは乱数値の取得時期が異なれば(例えば、後述するゲート2575に遊技球が通過したことを契機に取得される大当り遊技態様決定用乱数の値)、大当たりとなる乱数値の数が素数でないようにすることができる。なお、本実施形態では、上述した小当りとなるのは、例えば、低確率での大当り図柄の個数(200個)を4で割った個数分(50個)の大当り判定用乱数としている。
そのような大当り判定値の範囲が設定されている場合について検討してみると、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最小値側に寄った範囲に設定されることとなる。このような場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値10となる時期までに亘る期間と、この値10の次の値11から最大値(値32767)までに亘る期間と、を比べると、前者の期間の方が後者の期間と比べて上述した初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて低い。換言すると、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最後の値(低確率では値209、高確率では値339)までに亘る範囲と、この最後の値の次の値(低確率では値210、高確率では値340)から最大値(値32767)となるまでに亘る範囲と、を比べると、前者の範囲の方が後者の範囲と比べて初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて低い。そうすると、例えば、何らかの方法によって初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングを不正に取得して第一始動口2101や第二始動口2102に向かって電波を照射することにより遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に入球したかのように装う不正行為が行われると、初期値更新型のカウンタの値が大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)うち、いずれかの値となる確率が高いと言える。
これに対して、本実施形態のように、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値となる手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)となる時期までに亘る期間と、最初の値(低確率では値32668、高確率では値31768)から最大値(値32767)までに亘る期間と、を比べると、前者の期間の方が後者の期間と比べて上述した初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて高い。換言すると、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値の手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)までに亘る範囲と、最初の値(低確率では値32668、高確率では値31768)から最大値(値32767)までに亘る範囲と、を比べると、前者の範囲の方が後者の範囲と比べて初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて高い。そうすると、初期値更新型のカウンタは、値0から大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値の手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)までに亘る範囲のうち、いずれかの値が初期値抽選処理により抽選された値となって上述した大当り判定用初期値決定用乱数にセットされることとなるため、この抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から抽選で得た値に向かってカウントアップすることとなる。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、再び、初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされ、初期値更新型のカウンタは、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップすることとなる。
つまり、本実施形態のように、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値となる手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)となる時期までに亘る期間が不規則となり、ランダム性に富んだものとなっている。これにより、例えば、何らかの方法によって初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングを不正に取得して第一始動口2101や第二始動口2102に向かって電波を照射することにより遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に入球したかのように装う不正行為が行われたとしても、初期値更新型のカウンタの値が大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)うち、いずれかの値となる確率が低いと言える。
なお、初期値更新型のカウンタは、最小値から最大値までの範囲を繰り返し更新される。初期値から大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)から2サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T0となる。時間T0から3サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T1となり、時間T0に比べて時間T1の方が短くなる。時間T1から4サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T2となり、時間T1に比べて時間T2の方が短くなる。このように、初期値更新型のカウンタでは、更新されるカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となる時間に対してゆらぎを持たせることによって(周期性を排除した状態にすることによって)遊技者に察知されないようになっている。
[8−3.主制御側電源投入時処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、上述した主制御プログラムが、主制御基板4100の主制御MPU4100aによる制御の下、図72及び図73に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、スタックポインタの設定を行う(ステップS10)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS10では、主制御プログラムが、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS10に続いて、主制御プログラムは、図58に示した停電監視回路4100eに停電クリア信号の出力を開始する(ステップS11)。この停電監視回路4100eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。ステップS11では、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
ステップS12に続いて、主制御プログラムは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS12)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS14)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4100eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4100eから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS12のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS14の判定でその停電予告信号が入力されているか否かの判定を行っている。この判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
ステップS14で電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、主制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する(ステップS15)。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS15に続いて、主制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、主制御プログラムは、まず、図50に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、主制御プログラムが、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU4100aに入力されているか否かにより行う。主制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS16において、主制御プログラムは、上記操作スイッチ860aが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、主制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ860aが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、主制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU4100aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、主制御プログラムは、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS22)。このウェイトタイマ処理2では、図52に示した、周辺制御基板4140の液晶及び音制御部4160による遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、主制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS24)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS24でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS26)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS26に続いて、主制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS28)。一致しているときには、この主制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS30)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS30でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、主制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS32)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットするほか、主制御MPU4100aに内蔵されたROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態の他に、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、高周波が照射されたことを検出してリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS32に続いて、主制御プログラムは、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS34)。この電源投入時コマンド作成処理では、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。
一方、ステップS24でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、或いはステップS28でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS30でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS36)。即ち、主制御プログラムは、上述した操作スイッチ860aの操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、主制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、主制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU4100aは、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU4100aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した大当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための大当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS36に続いて、主制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS38)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。
ステップS38に続いて、主制御プログラムは、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS40)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、主制御内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を報知するための図69に示した電源投入に区分される電源投入コマンドを作成するとともに、周辺制御基板4140の各種検査を行うための図70に示したテスト関連に区分されるテストコマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれ記憶する。
ステップS34又はステップS40に続いて、主制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。
ステップS42に続いて、主制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS44)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。なお、この際併せて、主制御プログラムは、大入賞口2102A,2102Bごとに設けられている入賞有りフラグを「0」に初期化するとともに、大入賞口2102A,2102Bごとに設けられている払い出し実行フラグを「1」に設定する。これら入賞有りフラグ及び払い出し実行フラグについては後述する。
ステップS44に続いて、主制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ860a(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、主制御プログラムは、操作スイッチ860aの操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ860a(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次に主制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS46)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS46に続いて、主制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS48)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路4100eから入力される。ステップS48の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS48で停電予告信号の入力がないときには、主制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS50)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS50に続いて、再びステップS46に戻り、主制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS48で停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS50で非当落乱数更新処理を行い、ステップS46〜ステップS50を繰り返し行う。なお、このステップS46〜ステップS50の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS48で停電予告信号の入力があったときには、主制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS52)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS52に続いて、主制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS53)。ここでは、ステップS11において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、主制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS53に続いて、主制御プログラムは、図49に示した、始動口ソレノイド2105、アタッカソレノイド2108A,2108B、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190等に出力している駆動信号を停止する(ステップS54)。
ステップS54に続いて、主制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS56)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS56に続いて、主制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS58)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS58に続いて、主制御プログラムは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS60)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS60に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、主制御MPU4100aにリセットがかかり、その後主制御MPU4100aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS52〜ステップS60の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU4100a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS28では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS30では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[8−4.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図72及び図73に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板4100では、主制御プログラムが、主制御MPU4100aの制御の下、図74に示すように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS70)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)のステップS46においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS70に続いて、主制御プログラムは、割り込みフラグのクリアを行う(ステップS72)。この割り込みフラグがクリアされることにより割り込み周期が初期化され、次の割り込み周期がその初期値から計時される。
ステップS72に続いて、主制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU4100aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、この主制御プログラムは、例えば、一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する図49に示した一般入賞口スイッチ3020,3020からの各々の検出信号、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2100Aからの検出信号、大入賞口2103Bに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2100Bからの検出信号、第一始動口2101に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ3022からの検出信号、第二始動口2102に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ2109からの検出信号、ゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2301からの検出信号、図49に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2101に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ3022からの検出信号、第二始動口2102に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ2109からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図70に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口スイッチ3022からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口スイッチ2109からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2100からの検出信号、第一始動口2101に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ3022からの検出信号、第二始動口2102に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ2109からの検出信号、及びゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2301からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御プログラムが、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2100、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2301からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避するため、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2100、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2301からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS74に続いて、主制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189が点灯する時間の他に、主制御基板4100(主制御MPU4100a)が送信した各種コマンドを払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS76に続いて、主制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図73に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS50の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。
例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767)内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。大当り判定用初期値決定用乱数から最大値(値32767)に向かってカウントアップし、続いて最小値(値0)から大当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲を、大当り判定用乱数を更新するカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。大当り判定用初期値決定用乱数は、大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
本実施形態では、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図73に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS50の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS78の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS50の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS50の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS78に続いて、主制御プログラムは賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、主制御プログラムが、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図68に示した賞球コマンドを作成したり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するための図68に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。この主制御プログラムは、作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板4110に送信する。
さらに賞球制御処理では、主制御プログラムが、そのプログラムコードの一部である賞球制御プログラムコードを実行し、例えば、大入賞口2103への遊技球の受け入れに伴ってカウントスイッチ2110から出力された検出信号に基づく検出情報が、大入賞口2103の数分に亘って1ビットずつ連続させて定義されている各々対応する定義ビット領域に書き込まれたことを契機として、例えば賞球として15球を払い出すべき旨の賞球指示として賞球コマンドを作成し、払出制御基板4110(払出制御手段)に送信する。
本実施形態では、大入賞口として大入賞口2103の2個が設けられているため、主制御プログラムは、上述した定義ビット領域として、主制御RAM内に予め用意された複数の定義ビット領域のうちから、大入賞口2103用の2個分の各定義ビットを使用する。以下、順に「第一ビット領域」および「第二ビット領域」という。なお、大入賞口の数が例えば1個である遊技盤の場合には、1つの定義ビット領域が使用されることになる。これら使用される定義ビット領域は、例えば1ビットであり、互いに隣り合う領域とされている。その後、主制御プログラムは、遊技球が受け入れられたことを識別した大入賞口に対応する定義ビット領域を、例えば「0」を書き込んで初期化し、次の遊技球の受け入れに備える。
この賞球制御処理では、主制御プログラムが、大入賞口2103に遊技球が1球受け入れられたことを示すカウントスイッチ2110からの検出信号に対応する検出情報が、この大入賞口2103に対応する上記定義ビット領域に書き込まれていることを契機として、例えば賞球として15球を払い出すべき旨の賞球指示として賞球コマンドを作成し、上述した送信情報記憶領域に書き込む。併せて、主制御プログラムは、上述した送信情報記憶領域に、所定の音を出力させる指令としての入賞音コマンドを書き込み、その後周辺制御基板4140に送信させて周辺制御MPU4140aの制御によってスピーカーに、例えば「ポコン」という音を出力させる。
一方、この主制御プログラムは、この賞球コマンドを払出制御基板4110が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されない場合、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成し、払出制御基板4110に送信する。
ステップS80に続いて、主制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS82)。払出制御基板4110では、払出制御プログラムが、図71に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ860aの検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。上述した枠コマンド受信処理では、主制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板4110に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドに基づいて2バイト(16ビット)のコマンドを作成し(図70の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS82に続いて、主制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS84)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。主制御プログラムは、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にもかかわらず大入賞口2103に遊技球が入球してカウントスイッチ2100からの検出信号が入力されているときには、異常状態として図70に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、主制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御プログラムが、上述した大当り判定用乱数をカウンタにより+1ずつ更新しており、第一始動口2101或いは第二始動口2102への遊技球の受け入れ、即ち、始動入賞を契機として(始動条件の成立)、この始動条件が成立した始動記憶情報ごとに、上述したカウンタの値を取り出して大当たり用乱数値とし、この大当たり用乱数値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(抽選手段)。以下、この判定処理を「特別抽選」とも表現する。主制御プログラムは、この抽選結果に基づいて大当り遊技状態を発生させるか否かを判断し、大当たり用乱数値がこの大当たり判定値と一致している(予め定められた当選条件が成立している)場合には通常遊技状態から大当たり遊技状態に移行させる。
上述した特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御プログラムは、大当たり用乱数値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定する。この主制御プログラムは、この抽選結果に基づいて確率変動状態に移行させるか否かを判断し、大当たり用乱数値がこの確変当り判定値に一致している(確変移行条件が成立している)場合にはその後確率変動状態に移行させる一方、大当たり用乱数値がこの確変当り判定値に一致していない(確変以降条件が成立していない)場合には当該確変以外の遊技状態に移行させる(当選確率制御手段)。ここで、「確率変動状態」とは、上述した特別抽選の当選確率が通常遊技状態(低確率状態)に比べて相対的に高く設定された状態(高確率状態)をいう。
さらに、この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御プログラムは、上述した抽選結果が第一始動口2101への遊技球の受け入れを契機としたものである場合には、図69に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口2102への遊技球の受け入れを契機としたものである場合には、図69に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成する。主制御プログラムは、このように作成したコマンドを送信情報として送信情報記憶領域に記憶させる。
併せて、主制御プログラムは、始動入賞を契機として取得された各種乱数値に基づいて保留先読みテーブル(図示せず)を参照して始動保留表示態様を決定し、この始動入賞後変動表示させていた特別図柄の停止図柄を開示する前に、特別抽選の抽選結果を事前に暗示させる処理(以下「先行判定処理」という)を実行させるために用いられるコマンド(以下、一例として「保留球数変化コマンド」を挙げる)を作成し、この先行判定処理を実行させるべき場合、送信情報として送信情報記憶領域に記憶させる。この際、主制御プログラムは、特別抽選の乱数値そのものの代わりに、後述するように大当たり遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報を、この保留球数変化コマンドに含めるようにしている。この先行判定処理の詳細については後述する。
次に主制御プログラムは、特別図柄の種別に応じて、始動入賞時に決定した変動表示パターンに従って、第一特別図柄表示器1185を点灯させるよう点灯信号の出力を設定したり、第二特別図柄表示器1186を点灯させるよう点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また主制御プログラムは、例えば大当り遊技状態に移行させる場合には、図69に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2103が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図11に示したラウンド表示器1190の2ラウンド表示ランプ1190aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1190aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときにはラウンド表示器1190の16ラウンド表示ランプ1190bを点灯させるよう16ラウンド表示ランプ1190bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動状態への移行の有無を所定の色で点灯させるよう遊技状態表示器1183への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
さらに、この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御プログラム(遊技制御手段)が、上述のように当選条件が成立している場合には通常遊技状態から大当たり遊技状態に移行させる一方、さらに移行条件の一例としての確変移行条件が成立している場合には特定遊技状態の一例としての確変遊技状態にも移行させる(遊技状態制御手段)。ここで、主制御プログラムは、実質的に大当たり遊技状態での遊技球の払い出しをほぼ行うことなく、特定遊技状態の一例としての確変遊技状態に移行させるようにしても良い。なお、この特定遊技状態としては、移行条件の他の一例としての時短作動条件が成立して時短機能が作動している状態であっても良いし、上述した確変遊技状態と併せて同時に両方の遊技状態であってもよい。この主制御プログラムは、ある遊技状態から他の遊技状態に移行するまでの期間における特別図柄の変動表示回数の残り回数を管理しており、当該管理している遊技状態を表す遊技状態情報を送信情報として送信情報記憶領域に書き込むことによって、その後同一のタイマー割り込み周期内において、後述するコマンド送信処理S92において送信させる(遊技状態通知手段)。
具体的には、この主制御プログラムが、上述した確変移行条件が成立している場合、遊技状態が確変遊技状態以外の遊技状態、例えば通常遊技状態に移行するまでに特別図柄が変動表示される残り回数に関する情報(以下「残り回数情報」という)を、始動条件が成立した後に開始条件が成立したことを契機として送信されるいずれかのコマンド、例えば変動パターンに対応する変動パターンコマンドに含めて送信情報として送信情報記憶領域に書き込むことによって、その後同一のタイマー割り込み周期内において、後述するコマンド送信処理S92において送信させている(残り変動回数通知手段)。なお、主制御プログラムは、上述した残り回数情報をその他のコマンドに含めたり、独立したコマンドとして周辺制御基板4140に送信させるようにしても良い。
ステップS86に続いて、主制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS88)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、主制御プログラムが、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、主制御プログラムが、入力情報からゲートスイッチ2301からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。主制御プログラムは、この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていた場合、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートスイッチ2301からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
このようなゲート入賞処理に続いて、主制御プログラムは、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。主制御プログラムは、この判定結果(普通抽選による抽選結果)に応じて一対の可動片2105を開閉動作させるか否かを決定する。主制御プログラムは、この決定により開閉動作をさせる場合、一対の可動片2105が開放状態となることで第二始動口2102へ遊技球が受け入れ可能となる遊技状態となって遊技者にとって有利な遊技状態に移行させる。さらに主制御プログラムは、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数の値に基づいて、上述した決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを決定し、図69に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上記送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上記出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御プログラムは、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図69に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、一対の可動片2105を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2105への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、主制御プログラムは、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図69に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS88に続いて、主制御プログラムはポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、この主制御プログラムが主制御MPU4100aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板4110からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2103の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108A,2108Bに駆動信号を出力したり、一対の可動片2106の開閉動作を行う始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したりする他に、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板4110に出力したりする。
ステップS90に続いて、主制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、この主制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域からコマンドやデータなどの送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信する(コマンド送信手段)。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図69に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2103に入球した遊技球を検出した際にカウントスイッチ2100からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図70に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態である枠状態1コマンドを、図70に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図70に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態である本体枠開放コマンドを、図70に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段、第2の特定枠コマンド送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図70に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から扉枠開放コマンド(第1の扉枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して扉枠開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段、第2の特定枠コマンド送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図70に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、主制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段、第2の特定枠コマンド送出手段)。この場合、主制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図71に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図70に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
ステップS92に続いて、主制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。ステップS94でウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS70においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS94に続いて、主制御プログラムは、レジスタの切替(復帰)を行い(ステップS96)、このルーチンを終了する。ここで、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU4100aは、ハード的に汎用レジスタの内容をスタックに積んで退避する。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS96では、スタックに積んで退避した内容を読み出し、もとのレジスタに書き込む。なお、主制御MPU4100aは、ステップS96による復帰の後に割り込み許可の設定を行う。
[9.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図50に示した払出制御基板4110が行う各種制御処理について、図75〜図91を参照して説明する。図75は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図76は図75の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図77は図76に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図78は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図79は回転角スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図80はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図81は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図82は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図83は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図84はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図85は払出球がみ動作判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図86は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図87は球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートであり、図88はリトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートであり、図89は不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートであり、図90はエラー解除操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図91は球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。
まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、払出設定処理、球がみ動作設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理について説明する。なお、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理は、後述する払出制御部電源投入時処理におけるステップS562の主要動作設定処理の一処理として行われ、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球がみ動作判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[9−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図75〜図77に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU4120aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御プログラムは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU4120aの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御プログラムは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、図49に示した主制御基板4100の停電監視回路4100eから停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板4100の停電監視回路4100eから停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板4100の停電監視回路4100eからの停電予告信号(払出停電予告信号)に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御プログラムは、操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS512で操作スイッチ860aが操作されているときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。即ち、払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(払出制御側電源投入時操作制御手段)。一方、ステップS512で操作スイッチ860aが操作されていないときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aの払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御プログラムは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御プログラムは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。一致しているときには、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、払出制御プログラムは、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされる他に、払出制御MPU4120aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態の他に、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS526でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。即ち、払出制御プログラムは、操作スイッチ860aの操作信号の検出を契機として払出制御側RAMクリア処理を実行する(払出制御側電源投入時操作制御手段)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御プログラムは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が主制御基板4100の停電監視回路4100eから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540で停電予告信号の入力がないときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないときには、ステップS540に戻り、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU4120aの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図68に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ744への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器860bに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、払出モータ744に駆動信号を出力したり、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として外部端子板784に出力したり(本実施形態では、払出モータ744が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板784に賞球数情報信号を出力している。)、エラーLED表示器860bに表示信号を出力したりする。
ステップS548に続いて、払出制御プログラムは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU4120aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、操作スイッチ860aの操作信号、回転角スイッチ752からの検出信号、計数スイッチ751からの検出信号、満タンスイッチ550からの検出信号、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板4100が正常に受信した旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御プログラムは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、払出回転体の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、図3に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切れスイッチ750からの検出信号により賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行う他に、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御プログラムは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニット6からの各種信号に基づいて、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、賞球装置740による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿301や下皿302に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU4120aは、CR通信処理において、CRユニット6と各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿301や下皿302に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニット6と各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号が変化しないようになっている。従って、パチンコ機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球がみ動作判定設定処理において、CRユニット6へのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニット6と通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力することができ、CRユニット6に賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニット6からの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板4110とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御プログラムは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ550からの検出信号により上述したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切れスイッチ750からの検出信号により上述した賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ550からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ550からの検出信号がONであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ550からの検出信号がOFFであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域に記憶する。
賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチ750からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチ750からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチ750からの検出信号がONであるときには、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチ750からの検出信号がOFFであるときには、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御プログラムは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図68に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御プログラムは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御プログラムは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御プログラムは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板4110のエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御プログラムは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図71に示した状態表示に区分される各種コマンド(扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板4100に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板4100に送信したりする。また、このコマンド送信処理においては、この払出制御プログラムは、例えば遊技球の払出動作に関するエラーが発生したなどの枠状態の変化があると、この払出動作に関して発生したエラーの発生部位に関する情報(以下「エラー発生位置情報」という)を含めた枠状態1コマンド(第1のエラー解除コマンド)を生成している(エラー発生コマンド生成手段)。一方、このコマンド送信処理では、払出制御プログラムが、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値1であると、即ち、操作スイッチ860aの操作に応じた操作信号が検出されていると、上述したエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を出力する(コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段、第1の特定枠コマンド送出手段)。一方、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠閉鎖検出信号が入力されると、本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠開放検出信号が入力されると、扉枠開放コマンド(第1の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段、第1の特定枠コマンド送出手段)。一方、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠閉鎖検出信号が入力されると、扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段、第1の特定枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、上述したコマンド送信処理(ステップS566)において、上述した状態情報記憶領域からエラー内容を含むエラー情報を読み出し、他のパチンコ機と自らを識別するための台番号情報及び当該エラー情報に基づくエラー情報信号を外部端子板784を経由してホールコンピュータに出力する。なお、ホールコンピュータは、このエラー情報信号を受け取ると、ホール店員が所持する無線装置に、上記台番号情報及びエラー情報を提供し、このホール店員が、この台番号情報に基づく台番号のパチンコ機において、エラー情報に含まれるエラー内容が発生していることを認識可能とすることができる。
ステップS566に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号(払出停電予告信号)の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板4100による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU4120aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU4120aは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板4100に出力している。これにより、払出制御MPU4120aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS60)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御プログラムは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU4120aにリセットがかかり、その後、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU4120a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[9−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図75〜図77に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板4110の払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図78に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御プログラムは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[9−3.回転角スイッチ履歴作成処理]
次に、回転角スイッチ履歴作成処理について説明する。この回転角スイッチ履歴作成処理では、図50に示した回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成する。
回転角スイッチ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図79に示すように、払出制御内蔵RAMから回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS610)。この回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTとして払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS610では、この回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS610に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS612)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS612では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の回転位置を把握する検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS612で検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS614)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS614に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS616)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS612で検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS618)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、払出制御プログラムは、ステップS614の回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS618に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS620)、このルーチンを終了する。
このように、この回転角スイッチ履歴作成処理が行われるごとに、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成することができる。
[9−4.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、払出回転体の定位置判定は、賞球装置740による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ744の回転軸の回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図80に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS630)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出回転体の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、払出回転体の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、払出回転体の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるとき(スキップしないとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行うときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS632)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS634)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS634の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図50に示した払出モータ744が4ステップ回転している。払出モータ744の回転は、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。これらの第1ギア、第2ギア、第3ギアには遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体の回転は、払出モータ744の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されているため、本実施形態では、払出回転体の定位置判定を行う場合には、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴、図79で示した回転角スイッチ履歴作成処理で回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生による回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ744が4ステップ回転しているため、バックラッシュによる払出回転体の回転より多く回転しており、バックラッシュによる払出回転体の回転を吸収することができる。従って、バックラッシュによる払出回転体の定位置の誤検出を防ぐことができるため、払出回転体の回転位置を払出モータ744の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は8ms(=2ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS636)。これにより、払出回転体の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU4120aは、ステップS636における払出回転体の回転位置を払出回転体の定位置に設定する。
ステップS636に続いて、払出制御プログラムは、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS638)、このルーチンを終了する。ここで、検出スリットは、払出回転体の凹部と同じ数の3個であり、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ744の回転は、上述したように、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、払出回転体の回転位置を払出モータ744のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ744の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ744の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ744の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で回転検出盤の各検出スリット間(120度)の回転位置、つまり払出回転体の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ744の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、スキップ判定時間が26ms(=2ms×13ステップ)となる。
ステップS638でスキップ判定時間が有効になることによって、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU4120aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行わないときには、又はステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS636でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留され、賞球装置740の供給通路に取り込まれ、賞球装置740に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球装置740はノイズの影響を受けやすり環境下にある。図3に示した賞球装置740の回転角スイッチ基板753には、回転角スイッチ752が設けられており、この回転角スイッチ752からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、払出制御基板4110と、図3に示した賞球装置740内の賞球ケース内基板754と、の基板間を接続する配線(ハーネス)も遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、払出回転体の定位置判定を行わないようにしている。これにより、払出回転体の定位置判定の精度を高めている。なお、払出回転体の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[9−5.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図81に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS640)。
ステップS640に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS642)。この判定は、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS642の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまり払出回転体が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットする(ステップS644)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS644に続いて、払出制御プログラムは、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS646)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
[9−6.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板4100からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が賞球装置740で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理を行うように設定されている。
[9−6−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図82に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS650)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS560のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS650では、払出制御プログラムが、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、払出制御プログラムは、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS652)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明を後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS652に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS654)。この賞球ストック数PBSは、賞球装置740で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、値0〜値32767個までの未払い出しの球数を記憶する。なお、賞球ストック数PBSは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS652では、この賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出している。
払出制御プログラムは、ステップS654で読み出した賞球ストック数PBSにステップS652で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS656)、このルーチンを終了する。なお、ステップS656で加算したあと、ステップS650で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
[9−6−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図83に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS660)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて行われる。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS660では、払出制御プログラムは、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS660で貸球要求信号がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS660で貸球要求信号があるときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS662)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS664)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS664で加算したあと、払出制御プログラムは、ステップS660で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)ため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。従って、本実施形態では、賞球ストック数PBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
[9−7.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図84に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS670)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS672)。注意的しきい値THは、固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、注意的しきい値THとして値50が設定されている。
ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値1をセットし(ステップS674)、このルーチンを終了する。この注意フラグCA−FLGは、遊技者がファールカバーユニット540の収容空間に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS676)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられる演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、図7に示した、下皿302から下皿球抜きボタン354を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、下皿302が遊技球で満タンとなり、そしてファールカバーユニット540の収容空間に遊技球が溜まり出す。ファールカバーユニット540の収容空間が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、注意演出として扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが点滅する。この点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に下皿302から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は下皿302(ファールカバーユニット540の収容空間)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値THは、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[9−8.払出球がみ動作判定設定処理]
次に、払出球がみ動作判定設定処理について説明する。この払出球がみ動作判定設定処理は、払出モータ744で遊技球を、図7に示した、上皿301や下皿302に払い出すか、球がみ動作を行うか、又はこのような払い出しや排出等を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球がみ動作判定設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図85に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS680)。
ステップS680に続いて、払出制御プログラムは、図50に示した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS682)。この判定は、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS682の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS682で、払出制御プログラムは、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS684)。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、後述するリトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、又は、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりリトライ動作が異常動作していないときには、払出制御プログラムは、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS686)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS686で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS688)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS690)。この判定では、払出モータ744による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かが判定されている。
ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出しの球数があるときには、払出制御プログラムは、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS692)。この判定では、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS556の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行われる。具体的には、満タン情報は上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS692では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出してファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないときには、払出制御プログラムが後述する払出設定処理を行い(ステップS694)、このルーチンを終了する。この払出設定処理では、上皿301や下皿302に遊技球を払い出す払出動作を行う。
一方、ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ機1では、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンになると、払出モータ744を強制停止する。この払出モータ744が強制停止中に賞球が発生すると、払出モータ744による未払い出しの球数が増え、図82に示した賞球用賞球ストック数加算処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出しの球数がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しを行わない。
一方、ステップS686で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、払出制御プログラムが、後述する球がみ動作設定処理を行い(ステップS700)、このルーチンを終了する。この球がみ動作設定処理では、賞球装置740の払出回転体による球がみ状態を解消する球がみ動作を行う。
一方、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS702)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS702に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定し(ステップS704)、このルーチンを終了する。ステップS704では、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
[9−8−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図86に示すように、払出制御内蔵RAMから駆動指令数DRVを読み出す(ステップS710)。この駆動指令数DRVは、払出モータ744で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。なお、駆動指令数DRVは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS710では、この賞球情報記憶領域から駆動指令数DRVを読み出している。
ステップS710に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定は、払出モータ744で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定される。
ステップS712で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS714)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて、上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS714に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS716)、実球計数PBを読み出す(ステップS718)。この実球計数PBは、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明を後述するが、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で図50に示した計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。なお、実球計数PBは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS718では、この賞球情報記憶領域から実球計数PBを読み出している。
ステップS718に続いて、払出制御プログラムは、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSからステップS718で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS720)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS722)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS722では、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS712で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力を設定する。(ステップS724)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS724に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVから値1だけ引き(デクリメントし、ステップS726)、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS728)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS728では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、払出制御プログラムが、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS730)、このルーチンを終了する。ステップS730で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。
一方、ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。このように、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、ステップS726で駆動指令数DRVをデクリメントする場合であって、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしない場合には、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に遊技球が受け止められていなかったために遊技球を1球が払い出すことができなかったと判断する。そこで、払出制御プログラムは、その払い出されるはずの1球をもう一度払い出すために、上述したステップS720で、賞球ストック数PBSから実球計数PBを引いた値を駆動指令数DRVにセットする。これにより、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしないときには、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSに含めることができ、換言すれば、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSにまるめ込むことができるため、その払い出されるはずの1球を再び払い出すリトライ動作を行うことができる。このリトライ動作を行うことによって、遊技者への遊技球の未払い出しが生ずるおそれを極めて小さくすることができ、遊技球の未払い出しによる遊技者の不利益を防止することができる。
[9−8−2.球がみ動作設定処理]
次に、球がみ動作設定処理について説明する。この球がみ動作設定処理では、賞球装置740の払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態を解消する設定を行う処理である。
球がみ動作設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図87に示すように、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS750)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行われる。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS750では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS750で球がみ判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS752)。
ステップS752に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS754)。この判定は、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かが判定される。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS754の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、球がみ動作を行うよう払出モータ744への駆動信号の出力を設定し(ステップS756)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ744に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
一方、ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS758)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS758に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS760)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS750で球がみ判定時間が経過したときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS762)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS762に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定する(ステップS764)。ここでは、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、上述したように、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
ステップS764に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS766)、このルーチンを終了する。
[9−9.リトライ動作監視処理]
次に、リトライ動作監視処理について説明する。このリトライ動作監視処理では、払い出されるはずの遊技球を再び払い出すリトライ動作が正常に行われているか否かを監視する処理である。
リトライ動作監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図88に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS770)。
ステップS770に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS772)。この判定は、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出制御内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS772の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS772において、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS774)。この不整合カウンタINCCは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、図86に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。なお、不整合カウンタINCCは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS774では、払出制御プログラムは、この賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCをインクリメントしている。
ステップS774に続いて、又はステップS772で、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS776)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は、上述したように、入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS776では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS776で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCから値1だけ引く(デクリメントし、ステップS778)。
ステップS778に続いて、又はステップS776で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かの判定する(ステップS780)。パチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られており、本実施形態では、不整合しきい値INCTHとして値5が設定されている。
図77の払出制御部電源投入時処理におけるステップS530に示した払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、復電時に、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに基づいてこのリトライ動作監視処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における不整合カウンタINCC等の値に復元する。これにより、ステップS780の判定では、瞬停又は停電する直前まで行っていた、賞球装置740による遊技球の払出動作(リトライ動作)の監視を、復電時から継続する。このため、例えば、瞬停又は停電する直前において、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、リトライ動作が正常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断することができる。一方、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断することができる。
ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、払出制御プログラムは、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。一方、「賞球ストック中」である旨を報知する場合には、払出制御プログラムは、エラーLED表示器860bに数字「9」を表示する賞球ストック中情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。
ステップS782に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットする(ステップS784)。ステップS784では、不整合カウンタINCCは、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。なお、不整合カウンタINCCは、電源投入時において操作スイッチ860aがRAMクリアするために操作されると、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。操作スイッチ860aが電源投入時に操作されると、上述したように、その操作に対応した操作信号がRAMクリア信号として図49に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aに入力される。上述した主制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、上述したように、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報をすべて消去し、RAMクリア報知コマンドを、図49に示した周辺制御基板4140に出力する。これにより、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130からRAMクリア報知音が流れるようになっている。
ステップS784に続いて、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし(ステップS786)、このルーチンを終了する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
なお、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、ステップS782で払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域にセット(記憶)したリトライエラー情報(或いは賞球ストック中情報)を、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理でリトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信し、同処理におけるステップS564のLED表示データ作成処理でエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として出力情報記憶領域に記憶し、同処理におけるステップS548のポート出力処理で出力情報記憶領域に記憶されたLED表示情報に基づいてエラーLED表示器860bに駆動信号を出力し、このエラーLED表示器860bに数字「5」を表示する。状態コマンドを受信した主制御基板4100では、主制御プログラムが、図74に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信する。この周辺制御基板4140は、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させる、点灯信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを図52に示した枠装飾駆動アンプ基板194に出力し、複数のLEDを所定の色で発光させる。この複数のLEDの発光に気付いたホールの店員等は、上述したように、本体枠3を外枠2に対して開放することで払出制御基板4110に実装されたエラーLED表示器860bに数字「5」が表示されることを目視することによって「リトライエラー」が発生していることを確認することができる。これにより、ホールの店員等は、その発生原因を調べるために、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等の確認作業を、複数のLEDの発光とエラーLED表示器860bの表示内容とが報知されない場合と比べると、極めて早く行うことができる。
また、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させて、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われたとしても、上述した不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHと一致しても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は不整合しきい値INCTHと同一となるため、つまり5球であるため、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とする行為によるホールの損害を極めて小さく抑えることができる。
さらに、不整合カウンタINCCは、上述したように、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となったという内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。これにより、不整合カウンタINCCは、例えば、エラー解除するために操作スイッチ860aを操作したという外的要因が発生したことを契機として初期化されないようになっている。従って、操作スイッチ860a等を不正に改造して、その操作信号が払出制御MPU4120aに入力されるようにしても、このような不正行為によって、不整合カウンタINCCが強制的に初期化されることがない。
[9−10.不整合カウンタリセット判定処理]
次に、不整合カウンタリセット処理について説明する。この不整合カウンタリセット処理では、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出する不整合カウンタINCCを、リセットするか否かを判定する処理である。
不整合カウンタリセット判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図89に示すように、不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS790)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された不整合カウンタリセット判定時間に基づいて行われる。具体的には、その不整合カウンタリセット判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS790では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過したときには、払出制御プログラムが不整合カウンタリセット判定時間の初期化を行う(ステップS792)。この初期化によって、不整合カウンタリセット判定時間に初期値である7000s(約2時間)がセットされる。
ステップS792に続いて、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットし(ステップS794)、このルーチンを終了する。不整合カウンタINCCは、上述したように、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、図86に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。本発明のパチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られている。
ここで、パチンコ機1は、上述したように、遊技盤4と、遊技盤4が装着される本体枠3等の枠体と、からなり、遊技盤4を交換(新台入替)することにより遊技仕様を変更できるように構成されているため、賞球装置740を制御する払出制御基板4110、賞球装置740の駆動電源や払出制御基板4110の制御電源を生成する電源基板851は、共通の機能として枠体側に装備されている。払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、上述したように、不整合カウンタINCCを監視することによって、リトライ動作を繰り返し行っているか否かの異常動作を判定することができるようになっており、図77に示した払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理では電源遮断時に遮断直前の不整合カウンタINCCを記憶する一方、図76に示した払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の処理(RAM作業領域の復電時設定)では電源投入時にその記憶した不整合カウンタINCCから再び処理を開始するようになっている。
そうすると、電源を遮断してパチンコ機1に装着されている遊技盤4から、この遊技盤4と異なる他の遊技仕様の遊技盤4’に交換して電源を投入する場合には、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、遊技盤4がパチンコ機1に装着されたときに記憶された不整合カウンタINCCから再び処理を開始することとなる。つまり、遊技盤4’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技すると、交換前の遊技盤4が装着されたパチンコ機1における不整合カウンタINCCをそのまま受け継ぐこととなる。このため、遊技盤4’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技して、たまたま数百万分の1という確率で、つじつまの合わない遊技球の球数が生じて不整合カウンタINCCが増加し、この不整合カウンタINCCが上述した不整合しき値INCTH以上となると、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間で、払出制御MPU4120aによって、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。つまり、遊技盤4から遊技盤4’に交換されてから間もない期間で、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、突然、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。
このように、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間でリトライ動作の異常動作として判定されると、交換された遊技盤4’は新しいにもかかわらず、故障しやすいという印象を遊技者に与えかねない。リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される数百万分の1という確率は、パチンコ機1をホールに設置して、1週間、ホールの営業時間中、連続稼働させた場合における、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率と同一であるため、図88に示したリトライ動作監視処理におけるステップS778の処理で不整合カウンタINCCから数百万分の1の確率で値1だけ引かれない状態となる。そうすると、1週間では不整合カウンタINCCに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値1となり、2週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値2となり、3週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値3となり、4週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値4となり、5週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値5となって上述した不整合しきい値INCTHと一致することとなる。つまり5週間が経過すると、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHと一致するために、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、図88に示したリトライ動作監視処理におけるステップS776の判定で、計数スイッチ751からの検出信号がないものとして判定することとなり、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていると判断して、図88に示したリトライ動作監視処理におけるステップS782の処理で、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することとなる。
そこで、払出制御MPU4120aは、この不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS790の判定で不整合カウンタリセット判定時間が経過したと判定したときには、つまり7000s(約2時間)ごとに、繰り返し、不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS794の処理で不整合カウンタINCCに値0を強制的にセット、つまり強制的にリセットすることによって、上述した数百万分の1という確率で発生する不整合カウンタINCCのインクリメントを無効化している。これにより、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することを防止することができる。
なお、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させ、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われても、計数スイッチ751を意図的に短時間繰り返し非作動状態とする場合では、上述したように、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。一方、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上とならないよう計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態する場合では、7000s(約2時間)ごとに、不整合カウンタINCCがリセットされるものの、この間に、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は、上述したように、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHまでであり、計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態としても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数を極めて少なくすることができる。
[9−11.エラー解除操作判定処理]
次に、エラー解除操作判定処理について説明する。このエラー解除操作判定処理では、図50に示した操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する。
エラー解除操作判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図90に示すように、操作スイッチ860aがエラー解除するために操作されているか否かを判定する(ステップS800)。この判定は、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で操作スイッチ860aからの操作信号に基づいて行われる。具体的には、その操作信号は入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS800では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS800で操作スイッチ860aが操作されていないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS800で操作スイッチ860aが操作されているときには、払出制御プログラムは、エラーフラグ状態確認処理を行う(ステップS802)。このエラーフラグ状態判定処理では、賞球装置740に関する各種エラー情報に対応するエラーフラグの状態を確認する。例えば、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの状態を確認する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、上述したように、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定されるため、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値0であるか、又は値1であるか、を確認している。
ステップS802に続いて、払出制御プログラムが状態情報設定処理を行う(ステップS804)。この状態情報設定処理では、ステップS802で確認したエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応する状態情報を、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する。これにより、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、上記状態情報記憶領域から各種情報(状態情報)を読み出し、この読み出した状態情報に基づいて状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)すると、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、リトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。
なお、リトライエラー情報を受信した主制御基板4100は、主制御プログラムが、図74に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信し、周辺制御基板4140では、サブ制御プログラムが、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライ動作エラー報知処理を行う。このリトライ動作エラー報知処理では、「賞球ユニットを確認してください。」、そして「払出制御基板のハーネスを確認してください。」のリトライ動作のエラー報知アナウンスを、所定回数(本実施形態では、2回。)繰り返し図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から流れることによって、ホールの店員等に報知するようになっている。このリトライ動作のエラー報知アナウンスを聞いたホールの店員等は、図50に示した計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等を、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130からリトライ動作のエラー報知アナウンスが流れない場合と比べると、極めて早く確認することができる。またリトライ動作エラー報知処理では、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させている。
ステップS804に続いて、払出制御プログラムが解除設定処理を行う(ステップS806)。この解除設定処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応するエラーがすでに払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bによって表示されている内容を強制的に停止したり、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、上述したPRDY信号の論理をHI、つまり立ち上げた状態を保持し、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力したりする。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、すでにエラーLED表示器860bによって表示されている「リトライエラー」である旨を報知する数字「5」を強制的に停止するために、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されているリトライエラー情報を、「正常」である旨を報知する図形「−」が表示される情報に強制的に上書きする。また、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
ステップS806に続いて、払出制御プログラムがエラーフラグ初期化処理を行い(ステップS808)、このルーチンを終了する。このエラーフラグ初期化処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグを初期化する。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値0をセットして初期化する。このとき、上述した、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、このPRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
このように、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図88に示したリトライ動作監視処理におけるステップS780の判定で、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として同処理のステップS786の処理でリトライエラーフラグRTERR−FLGに値1がセットされる一方、操作スイッチ860aが操作されると、これを契機として、つまりこの外的要因が発生したことを契機としてリトライエラーフラグRTERR−FLGに値0がセットされて初期化されるようになっている。なお、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、電源投入時において操作スイッチ860aがRAMクリアするために操作されると、これを契機として、つまり操作スイッチ860aがエラーを解除するためにRAMクリアするために操作スイッチ860aが操作された場合と同様に、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。
以上のようにパチンコ機1は、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ860a(操作スイッチ)を、電源投入時から主制御側メイン処理が実行されるまでの所定時間に亘って、その代わりに、主制御内蔵RAM(遊技記憶部)及び払出制御内蔵RAM(払出記憶部)の初期化を開始させるためのRAMクリア機能を発揮させるための操作部として機能させている。またこのパチンコ機1は、当該所定時間の経過後に、この操作スイッチ860aを、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させている。ここで、ホール店員が仮にパチンコ機の操作に慣れていない者であっても、遊技機の背面における操作スイッチ860aの位置さえ覚えていれば、この操作スイッチ860aを操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間を経過していれば、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除する機能を発揮させる一方、操作スイッチ860aを操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間内であれば、記憶部を初期化する機能を発揮させることができる。従って、ホール店員は、このような遊技機においてエラーが発生した場合でも、エラー対応時におけるスイッチ操作の効率化が図られてスイッチ操作に迷うことなく適切に対処することができるため、遊技が中断された遊技者が遊技意欲を損なう前に遊技を再開させることができる。
[9−12.CRユニットとの各種信号のやり取り]
次に、図77の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理についてタイミングチャートを用いて説明する。このCR通信処理では、図51に示した、払出制御基板4110とCRユニット6との各種信号のやり取りを行う。まず、球貸しによる払出動作時の信号処理について説明し、続けてCRユニット6からの入力信号確認処理について説明する。ここでは、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)を貸球数として、図7に示した、上皿301や下皿302に払い出す場合について説明する。なお、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号は、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの読み出した入力情報に記憶されているものであり、CR通信処理は、割り込みタイマ周期である2msごとに、入力情報からBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号の論理の状態を確認している。
[9−12−1.球貸しによる払出動作時の信号処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、貸球を払い出すための払出動作が可能状である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、図91(d)に示すように、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理をHIとして、つまり立ち上げて保持して払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH0)。この状態で、例えば遊技者によって図2に示した貸球ユニット360の貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365bのスイッチが入る(ONする)ようになっており、この球貸操作信号が図51に示したTDSとして度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。このTDSが入力されたCRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図91(a)に示すように、貸球要求信号であるBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH1)。このBRDYは、BRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
このBRDY信号が入力された払出制御MPU4120aは、払出制御プログラムが、図91(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HA(本実施形態では、20ミリ秒(ms)〜58msに設定されている。)が経過するまでに、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQが立ち上がるか否かを監視する。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、まず100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図91(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH2)。このBRQは、BRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
払出制御MPU4120aは、図91(c)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでにBRQ信号が立ち上がると、タイミングH2からBRQ要望了解ACK監視時間HB(本実施形態では、20ms±1msに設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を開始した旨を伝えるために、EXS信号の論理をHIとして、つまり立ち上げた状態を保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH3)。
このEXSが入力されたCRユニット6は、図91(b)に示すように、タイミングH3から貸出指示監視時間HC(本実施形態では、20ms〜58msに設定されている。)が経過するまでに、タイミングH2から立ち上げて保持したBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH4)。
払出制御MPU4120aは、図91(c)に示すように、タイミングH4から払出監視時間HD(本実施形態では、球払出時間に設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を行って所定の貸球数だけ、つまり100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出す。そして払出監視時間HDが経過すると、タイミングH3から立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH5)。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図91(b)に示すように、タイミングH5から次要求確認タイミングHE(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH6)。
払出制御MPU4120aは、上述した方法を用いて同様に、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すと、図91(c)に示すように、立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH7)。
CRユニット6は、タイミングH7からCRユニット貸出完了監視時間HF(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、図91(a)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH8)。
上述した、貸出要望監視時間HA、BRQ要望了解ACK監視時間HB、貸出指示監視時間HC、払出監視時間HD、次要求確認タイミングHE、CRユニット貸出完了監視時間HFは、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
なお、払出制御MPU4120aは、球切れ、球がみ、計数スイッチエラー、リトライエラー、満タン等が生じているとき場合には、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)には、図91(d)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH9)。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)には、図示しないが、EXS信号の論理の状態を維持し、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
このように、CRユニット6は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aと各種信号のやり取りを行い、払出制御MPU4120aが金額として200円分の遊技球の球数を、金額として100円分の25球の払出動作を2回行うことによって、貸球数が50球となる遊技球を上皿301や下皿302に払い出している。なお、CRユニット6の正面側に設けられている、図示しない設定部をホールの店員等が操作して、例えば、金額として100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を1回行い、金額として500円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を5回行い、金額として1000円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を10回行うこととなる。
[9−12−2.CRユニットからの入力信号確認処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、上述した貸出要望監視時間HAが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述した貸出指示監視時間HCが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合や、上述した次要求確認タイミングHEが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述したCRユニット貸出完了監視時間HFが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合には、上述した、PRDY及びEXSを用いて、BRQ及びBRDYが正常であるか否かの確認を行う。具体的には、払出制御MPU4120aは、図91(e),(f)に示すように、BRQ及びBRDYが正常でないと判断すると(タイミングJ0)、このタイミングJ0から所定期間JA(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、PRDY信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、EXS信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ1)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ1から所定期間JB(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ1から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ2)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ2から所定期間JC(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ2から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ3)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ3から所定期間JD(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ3から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ4)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ4から所定期間JE(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ4から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ5)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ5から所定期間JF(本実施形態では、10000ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ5から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ6)。
上述した、所定期間JA〜所定期間JFは、図77に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
[10.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図49に示した、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板4140の各種処理について、図92〜図96を参照して説明する。図92は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図93は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図94は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図95は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図96は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
周辺制御基板4140は、図52に示したように、周辺制御部4150と液晶及び音制御部4160とから構成されており、ここでは、周辺制御部4150の各種制御処理について説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
[10−1.周辺制御部の各種制御処理]
[10−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図92を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、図52に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図92に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU4150aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU4150a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU4150aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU4150aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU4150aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU4150aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板4100から出力される、図69及び図70に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図53に示した周辺制御RAM4150cついては、そのバックアップ第1エリア4150cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア4150ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図53に示した周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、周辺制御SRAM4150dについても、そのバックアップ第1エリア4150dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア4150dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには周辺制御SRAM4150d(図53参照)の通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM4150dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、周辺制御RAM4150c(図53参照)のバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU4150aは、この初期化設定処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150e(図52参照)と、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図52に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図53に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU4150aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、遊技盤側液晶表示装置1900の使用時間に応じて遊技盤側液晶表示装置1900の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU4150aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU4150aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムがランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図52に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図53に示した周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において、図7に示した操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる図53に示した周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに基づいて、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を監視し、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aが図54に示したチャンネルCH1,2から遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に出力する。これにより、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP4160aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP4160aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したり、音楽及び効果音の他に報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりする他に報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図53に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、主制御基板4100から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。即ち、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されたコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2103に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図70に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉枠開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板4100からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図53に示した周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域4150cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図69に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図70に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)などの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図70に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、既述の受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図70に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶及び音制御部4160を制御することにより、例えば、遊技盤側液晶表示装置1900(演出装置)、上皿液晶表示装置470(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、一対のサイドスピーカ130(演出装置)を用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板4110の操作スイッチ860aを操作することにより主制御基板4100にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板4100に対する不正行為が抑止されるようになる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはメイン賞球数情報取得処理を行い(ステップS1025)、次にRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図53に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図53に示した周辺制御RAM4150cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaにセットするとともに、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成して、図53に示した周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ところで、上述したようにパチンコ機に搭載されうる検知デバイスとしては、一般的に電源投入時に初期処理として感度の調整が実施され、その後当該感度で作動するものが多い(上記参考文献参照)。このように初期処理において接触感度の調整が実施されたとしても、その後の遊技環境次第では、一見すると、徐々に感度が適切でなくなってしまうことも考えられる。
そこで本実施形態では、この表示データ作成処理においてさらに、演出制御プログラムが周辺制御MPU4140aの制御によって、前記第2の表示手段に、前記接触型入力手段の操作面への接触を促す態様の表示動作を実行させる上記演出コマンド(演出実行指令)を出力する一方、タッチパネルモジュール480a(接触入力制御手段)に、タッチパネル246の接触面の接触感度を調整させる機能(接触感度調整手段)を有効にする閾値設定コマンド(感度調整指令)と、を出力する(指令出力手段)。即ち、演出制御プログラムは、演出コマンド(演出実行指令)として、上皿側液晶表示装置244(第2の表示手段)に、タッチパネル246(接触型入力手段)の操作面に指で触れることを催促する態様の画面(接触型入力手段の操作面への接触を促す態様)の表示動作を実行させるコマンドを送信情報記憶領域に書き込み、その後、液晶及び音制御部4160に出力する(接触催促指令手段)。次に、この液晶及び音制御部4160では、当該コマンドを受け取ると、演出制御プログラム(の制御によって表示制御プログラム)が当該コマンドに基づいて、タッチパネル246(接触型入力手段)の操作面に指で触れることを催促する態様の画面を、上皿側液晶表示装置244に表示させる。
次にステップS1030に続いて、演出制御プログラムは、タッチパネル処理を行う(ステップS1031)。このタッチパネル処理では、主として、演出制御プログラムが周辺制御MPU4140aの制御の下、タッチパネル246のタッチパネルモジュール480aから受け取った検知信号としての接触検知信号に基づいて、タッチパネル246の操作面における接触状態を検知する(接触状態検知手段)。つまり、この演出制御プログラムは、タッチパネル246の操作面における接触状態を検出するタッチパネルドライバ(接触状態検出手段)としての機能も有する。この演出制御プログラムは、上記接触状態に基づく接触部分の中心を示すタッチパネル246の操作面の座標値を取得し、この座標値で表される位置を検出ポイントとして特定し(検出ポイント取得手段)、この初期位置を含む操作情報を取得する。なお、この演出制御プログラムは、このような座標値を取得するのみならず操作面の範囲(以下、接触範囲という)を取得するようにしても良い。
このタッチパネル処理では、上述した懸念事項への対処として、さらに、演出制御プログラムが周辺制御MPU4140aの制御によって、上述した演出コマンド(演出実行指令)とは別途、その後、タッチパネルコントローラ481のコントロールレジスタ481aに記憶済の接触判定用閾値を更新させるための閾値設定コマンド(感度調整指令)を所定のタイミングで上記送信情報記憶領域に書き込み、その後、図33に示すタッチパネルモジュール480a(接触入力制御手段)に出力する(感度調整指令手段)。
具体的には、演出制御プログラムは、上述した所定のタイミングとして、主制御MPU4100aから、特別図柄1(第一特別図柄)の変動時間が経過した際に特図1同調演出終了コマンド(図69参照)を最後に受け取ってから所定時間(例えば1分間)が経過したことを契機として、または、特別図柄2(第二特別図柄)の変動時間が経過した際に特図2同調演出終了コマンド(図69参照)を最後に受け取ってから所定時間(例えば1分間)が経過したことを契機として、上述した閾値設定コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでタッチパネルモジュール480aのタッチパネルコントローラ481に対して送信する。
演出制御プログラムは、このタッチパネルモジュール480aを制御し、タッチパネルコントローラ481がその外部の一例としての周辺制御MPU4140aから出力された閾値設定コマンド(感度調整コマンド)を受信したことを契機として、タッチパネル246の接触面における接触感度を調整させる。つまり、この演出制御プログラムは、タッチパネルモジュール480aのタッチパネルコントローラ481に、周辺制御MPU4140aから閾値設定コマンドを受け取ったことを契機として、この閾値設定コマンドに基づいて、コントロールレジスタ481aに記憶されている接触判定用閾値を更新させることにより、タッチパネル246による接触感度を調整させる。具体的には、タッチパネルコントローラ481は、この閾値設定コマンドを受け取ったことを契機として、タッチパネルセンサ482が出力する検知信号に基づく静電容量を取得し、この静電容量を、タッチパネル246の接触面が非接触状態にある場合における新たな接触判定用閾値であるとみなすとともに、コントロールレジスタ481aに記憶済の接触判定用閾値を、当該新たな接触判定用閾値で更新する。
すると、それ以降、タッチパネルコントローラ481は、コントロールレジスタ481aにおいて更新された新たな接触判定用閾値と、上述したように接触状態が検知される度に取得される検知静電容量とを比較し、この検知静電容量が接触判定用閾値未満であると判定した場合には接触面が非接触状態にあると判断する一方、この検知静電容量が接触判定用閾値以上であると判定した場合には接触面が接触状態にあると判断する。
上記同様、タッチパネルコントローラ481は、接触面が接触状態にあると判断した場合、接触面における検知座標値が含められた接触検知情報を周辺制御基板4140に対して出力する。この周辺制御基板4140では、この接触検知情報を受け取ると、周辺制御MPU4140aが、当該受け取った接触検知情報に含まれる検知座標値に基づいて、上述した接触面における接触位置を把握することができる。
以上のようにすると、タッチパネルコントローラ481が、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aによって出力された閾値設定コマンド(感度調整指令)を受け取ったことを契機とした所望のタイミングで、タッチパネル246の接触感度を定める接触判定用閾値が更新されるため、周辺制御MPU4140aによる閾値設定コマンドの出力タイミングが適切に制御されれば、所望のタイミングでタッチパネル246(接触型入力手段)の接触感度が調整されるようになる(キャリブレーション)。このため、演出制御プログラムが、遊技者による遊技に影響を与えるおそれのある出力タイミングを外して閾値設定コマンドをタッチパネルコントローラ481に受け取らせることにより、遊技に影響を与えることなく、常に、タッチパネル246における接触状態の検知を適切な作動態様とさせることができる。
この演出制御プログラムが周辺制御MPU4140aの制御によってタッチパネルコントローラ481に閾値設定コマンドを出力すべきタイミングとしては、上述したように、例えば、特別図柄の変動表示が終了すると出力される特図1同調演出終了コマンドまたは特図2同調演出終了コマンドを受け取ってから所定の時間(例えば1分間)が経過しており、遊技者が遊技を中止しているためタッチパネル246の操作面に接触している可能性が低いタイミングを例示することができる。即ち、このような接触感度の調整は、タッチパネル246を用いた演出を実行するかもしれない特別図柄の変動表示中には極力実行を控え、その変動表示が終了したことに伴って行うようにしている。
また閾値設定コマンドを出力すべきタイミングとしては、その他にも、演出制御プログラムが主制御MPU4100aから、普通図柄変動時間が経過した時に送信される普図同調演出終了時コマンド(図69参照)を受け取ってから所定の時間(例えば1分間)が経過したタイミングであってもよい。
一方、既述のようにタッチパネル246は、静電容量型であるとともに、多数の遊技球を貯留可能であって静電気が発生しやすい上皿301に設けられているものの、電源投入後も必要に応じて所定のタイミングで感度調整が実施されるため、このような周辺環境の変化を原因とするものであり遊技者の操作によるものでない場合でも、静電容量に変化が生じたものと誤検知しにくくなる。
ステップS1031に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図53に示した周辺制御A/Dコンバータ4150akを起動し、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して調整する。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。従って、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図53に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図53に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM4150dについて、図53に示した、バックアップ対象ワークエリア4150daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図53に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[10−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図52に示した、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図93に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図92の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図92の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図92の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図92の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図92の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図92の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。従って、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[10−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図92の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図52に示した周辺制御部4150では、演出制御プログラムが周辺制御MPU4150aの制御の下、図94に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図92の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンターである。本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、演出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図92の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、演出制御プログラムはモータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、演出制御プログラムが、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、演出制御プログラムが枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、演出制御プログラムは、周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図7に示した操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図53に示した周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図53に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、遊技盤4に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図53に示した周辺制御RAM4150cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの可動体情報取得記憶領域4150cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域4150cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この操作ユニット情報取得処理では、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)を作成し、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットする。この操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報からダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、演出制御プログラムは、描画状態取得処理(S1110)及びメイン賞球数情報出力処理(S1112)を行い、続いてバックアップ処理を行い(ステップS1114)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図53に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図53に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図92の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。従って、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収する。
[10−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板4100からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図52に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU4150aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図95に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU4150aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部4150側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図53に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域4150cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域4150cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU4150aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[10−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図55に示した、主制御基板4100の停電監視回路4100eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板4100から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図52に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のバックライトの消灯、遊技盤4に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPU4150aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板4100が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU4150aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図53に示した、周辺制御MPU4150aに対して外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図53に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図53に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU4150aは、図53に示した周辺制御内蔵WDT4150afと、図52に示した周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU4150aは、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU4150aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU4150aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU4150aにリセットがかかると、図92に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU4150aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応する。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aは、少なくとも、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。この主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技内容に関する情報を記憶する。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aは、少なくとも、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。この払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶する。
本実施形態では、パチンコ機1が操作スイッチ860aを備えている。操作スイッチ860aは、電源投入時から主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技内容に関する情報を消去するためのRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100a出力するとともに、電源投入時から払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号としてRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図72の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、賞球装置740に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号としてRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ860aは、電源投入時から主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作された場合、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技内容に関する情報を消去するためのRAMクリア信号を主制御MPU4100aに出力する一方、電源投入時から払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作された場合、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号としてRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、賞球装置740に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号としてRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ860aによる操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ機1に設けることができる。従って、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
[11.主制御基板での制御処理]
図97は、図74に示す特別図柄及び特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。図98は、図98に示す第一・第二始動口入賞処理を示すフローチャートである。図99は、図97に示す変動開始処理を示すフローチャートである。図100は、図97に示す変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図101は、図97に示す変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図102は、図97に示す大当たり遊技準備処理の一例を示すフローチャートである。図103は、図97に示す大当たり遊技準備処理の一処理であって、大当たり遊技態様決定処理の一例を示すフローチャートである。図104は、大当たりフラグがONである場合における大当たり遊技態様決定処理に用いられるテーブルの一例である。なお、主制御プログラムは、例えば4ms毎にタイマ割込処理を実行されている。
[特別図柄及び特別電動役物制御処理]
特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御プログラムが、最初に第一・第二始動口入賞処理を実行する(ステップS6110)。この第一・第二始動口入賞処理では、主制御プログラムが、第一始動口スイッチ3022によって遊技球が検知されて第一始動口2101に遊技球が受け入れられたか否かを判断したり、或いは、第二始動口スイッチ2109によって遊技球が検知されて第二始動口2102に遊技球が受け入れられたか否かを判断する。
次に主制御プログラムは、まず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS6120)、この処理フラグが0である場合には変動開始処理を実行する(ステップS6130)。なお、処理フラグが0とは、例えば、既述の始動記憶情報記憶領域に記憶済のある始動記憶情報について開始条件が成立したことを示している。この変動開始処理では、主制御プログラムが、大当たりの当落にかかる抽選として所定の当選条件が成立しているか否かの結果などに基づいて特別図柄の変動表示を開始するための設定などを行い、その後、この処理フラグを1に更新する。
一方、上記ステップS6120において処理フラグが0でない場合、主制御プログラムが、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS6140)。この処理フラグが1である場合、主制御プログラムは、変動パターン設定処理を実行する(ステップS6150)。この変動パターン設定処理では、主制御プログラムが、始動条件が成立するごとに、第一特別図柄表示器1185を用いて第一特別図柄(特1図柄)を変動表示させる態様が規定された第一特別図柄の変動パターンを選択して設定し(変動パターン選択手段)、或いは、第二特別図柄表示器1186を用いて第二特別図柄(特2図柄)を変動表示させる態様が規定された第二特別図柄の変動パターンを選択して設定し(変動パターン選択手段)、その後、処理フラグを2に更新する。なお、この変動パターンは、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186のいずれかにおいて特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間などを表している。
一方、ステップS6140において処理フラグが1でない場合、主制御プログラムは、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS6170)。この処理フラグが2である場合、次のような変動中処理を実行する(ステップS6180)。この変動中処理では、主制御プログラムが、上記変動パターン設定処理(ステップS6150)にて設定済の変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことを契機として、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186を用いた特別図柄の変動表示を停止させる。
その後、主制御プログラムが、上述した変動開始処理(ステップS6130)において大当たり抽選において大当たり遊技の当選条件が成立しており当選していると判断した場合、処理フラグを3に更新する。主制御プログラムが、上述した変動開始処理(ステップS6130)において大当たり抽選において小当り遊技の当選条件が成立しており当選していると判断した場合、処理フラグを5に更新する。一方、主制御プログラムが、大当たり抽選においていずれの当選条件も成立しておらず当選していないと判断した場合、処理フラグを0に更新する。この場合、主制御プログラムは、次のタイマ割込処理において変動開始処理(ステップS6130)から再び実行する。
一方、ステップS6170において処理フラグが2でない場合、主制御プログラムが、処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS6190)。処理フラグが3である場合、主制御プログラムが大当たり遊技準備処理を実行する(ステップS6200)。この大当たり遊技準備処理では、主制御プログラムが、大当たり遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させて、大当たり遊技の態様を決定する処理を行うとともに、この決定された大当たり遊技の態様(例えばラウンド数)をセットし、役物連続作動装置を作動させて、処理フラグを4に更新する。
一方、ステップS6190において処理フラグが3でない場合、主制御プログラムが、処理フラグが4であるか否かを判断する(S6210)。処理フラグが4である場合、次のような大当たり遊技処理を実行する(ステップS6220)。この大当たり遊技処理では、主制御プログラムが、大当たり遊技態様決定処理(ステップS6607)においてセットされた大当たり遊技の態様としてのラウンド数、開放回数、開放時間及び遊技球の入賞制限個数に基づいて一方の開閉部材2106A或いは他方の開閉部材2106Bの開閉動作を制御し、その後、処理フラグを0に更新する。ここで、主制御プログラムは、セットした大当たり遊技として、少なくとも第一特別遊技及び第二特別遊技のいずれか一方の特別遊技を制御し、第一特別遊技においては一方の開閉部材2106Aの開閉動作を実行するとともに他方の開閉部材2106Bの開放動作を規制する一方、第二特別遊技においては他方の開閉部材2106Bの開閉動作を実行するとともに一方の開閉部材2106Aの開閉動作を規制している。
一方、ステップS6210において処理フラグが4でない場合、主制御プログラムが、処理フラグが5であるか否かを判断する(S6230)。処理フラグが5である場合、次のような小当たり成立時処理を実行する(S6240)。この小当たり成立時処理では、主制御プログラムが、小当たりの遊技態様として開閉部材2106の開閉動作を制御するために開放回数及び開放時間をセットする。その後、主制御プログラムは、当該セットされた開放回数及び開放時間に基づいて、小当たりの遊技態様として、例えばごく短時間のみ開閉部材2106を1回開放状態とした後に閉鎖状態とするように制御し、その後、処理フラグを0に更新する。この場合、次のタイマ割込処理では、変動開始処理(ステップS6130)から再びやり直すこととなる。この小当たり遊技とは、大当たり遊技のように条件装置の作動を伴う遊技ではないものの、例えば大当たり遊技の一種であって開閉部材2106を、ごく短時間のみ開放状態とする遊技(いわゆる短開放大当たり遊技)と極めて類似した態様の遊技をいう。
上述のように本実施形態では、主制御プログラムが、図97に示す特別図柄及び特別電動役物制御処理において処理フラグが5とされるか否かで小当たり成立時処理S6240を実行するか否かを選択しうるようになっている。即ち、主制御プログラムは、処理フラグを0〜5の範囲とすると、小当たり遊技を含めた遊技性とすることができる一方、処理フラグを0〜4の範囲とすると、小当たり遊技を含めない遊技性とすることができる。このように当該特別図柄及び特別電動役物制御処理には、小当たり成立時処理S6240のように処理フラグの値に応じて実行されうる小当たり遊技のためのプログラムコードが含められているため、未使用のプログラムコードではないものとされている。即ち、主制御プログラムは、小当たり成立時処理S6240を実行しない場合であっても、その代わりに、並列的に設けられた別の分岐処理を実行することになる。このようなプログラム構成とすると、小当たり遊技を含むか否かの遊技性が異なる機種間でも、プログラムコードを共通化することができ、例えば小当たり遊技を含むか否かに応じて、異なる機種間においてプログラムコードを各々開発する必要性がなくなる。
以上のように主制御プログラムは、既述の処理フラグの状態に応じて、ステップS6130、ステップS6150、ステップS6180、ステップS6200、ステップS6220、ステップS6240の処理のいずれかを選択的に実行し、その後、この特別図柄及び特別電動役物制御処理を終了する。
[第一・第二始動口入賞処理]
図98は、図97に示す第一・第二始動口入賞処理(ステップS6110)の一例を示すフローチャートである。第一・第二始動口入賞処理(ステップS6110)は、第一始動口2101或いは第二始動口2102に遊技球が受け入れられた否かについての判断にかかる処理、及び、当該受け入れがあった旨が判断されたことを条件に、該当する特別図柄(第一特別図柄若しくは第二特別図柄)の保留状態の更新にかかる処理を含んでいる。
[第二始動口への遊技球の入球]
まず主制御プログラムは、第二始動口スイッチ2109から検出信号が出力されたか否かを判断し(ステップS6201)、第二始動口スイッチ2109から検出信号が出力されたと判断した場合、第二始動口2102に遊技球が受け入れられた(以下、「始動入賞」ともいう)と判断し(第二特別図柄の始動条件が成立)、次のようなステップS6202を実行する。このステップS6202では、主制御プログラムが、この始動入賞を契機として、第二特別図柄抽選用の各種乱数値(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を取得する。
なお、この主制御プログラムは、始動入賞を契機として大当たり判定用乱数などとともに併せて、大当たり遊技態様決定用乱数値(例えばラウンド数決定用乱数値)を取得する代わりに、つまり、大入賞口2103の開放態様について決定しない状態のまま、特別図柄の変動パターン及び停止図柄を決定し、遊技を進行させている。詳細は後述するが、この主制御プログラムは、所定の変動時間後に特別図柄の停止図柄を表示させた後、遊技球がゲート2575(左ゲート2575L,右ゲート2575R)を通過したことが検出されたことを契機として大当たり遊技態様決定用乱数値を取得する。
併せて、主制御プログラムは、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。この結果、第二保留数カウンタが4未満であれば、主制御プログラムが、後述する第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を順次実行する。
まず、第二始動保留記憶処理では、主制御プログラムが、第二始動口2102に遊技球が受け入れられたことを契機として取得された始動記憶情報(大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)として、例えば主制御RAMの一部である第二始動記憶情報記憶領域に記憶させる(ステップS6203)。即ち、主制御プログラムは、第二特別図柄に関し、始動条件が成立しているものの未だ開始条件が成立していないことを示す少なくとも1つの始動記憶情報を、特別図柄の種類ごとに始動条件が成立した順序を特定しうる態様で所定数まで主制御RAMの第二始動記憶情報記憶領域(始動記憶情報記憶手段、第二始動記憶情報記憶手段)に記憶させている。従って、主制御プログラムは、新たに遊技球が第二始動口2102に受け入れられた際、即ち、始動条件が成立した際(始動入賞時)に第二始動記憶情報が1つも第二始動記憶情報記憶領域に記憶されていない場合、即座に開始条件が成立したものとし、当該第二特別図柄の変動表示を開始可能な状態とする。
この際併せて、主制御プログラムは、第二始動口2102に遊技球が受け入れられたことを示す始動口入賞コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットし、既述のコマンド送信処理において当該始動口入賞コマンドを周辺制御部4140に送信する。
さらに主制御プログラムは、上述した第二始動記憶情報記憶領域に新たな第二始動記憶情報が記憶されたこと(即ち、第二特別図柄の第二始動記憶情報の数が増加したこと)を契機として、次のような先行判定条件が成立したか否かを判定する(先行条件判定抽選手段)。この先行判定条件としては、上述した大当たり判定用乱数記憶領域、特別図柄用乱数記憶領域、リーチ判定用乱数記憶領域、変動パターン用乱数1記憶領域及び変動タイプ用乱数記憶領域いずれかまたはいずれかの組み合わせに格納済の乱数値を読み出し、当該読み出した乱数値が、既述の主制御ROMに記憶済の第二特別図柄用先読み判定値と一致していることを例示することができる(以下、「保留先読み抽選」という)。
主制御プログラムは、当該読み出した乱数値がこの第二特別図柄用先読み判定値と一致する場合には上記先行判定条件が成立したものと判定する一方、当該読み出した乱数値がこの第二特別図柄用先読み判定値と一致しない場合には上記先行判定条件が成立しないものと判定する。主制御プログラムは、この先行判定条件が成立していない場合には後述する保留先読み用コマンド送信処理を実行しない一方、この先行判定条件が成立した場合には次のような保留先読み用コマンド送信処理を実行する。
この保留先読み用コマンド送信処理では、主制御プログラムが、第二特別図柄について保留先読み演出を開始すべきことを指示する特別図柄2記憶先読み演出コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットし、既述のコマンド送信処理において当該特別図柄2記憶先読み演出コマンドを周辺制御基板4140に送信する(コマンド送信手段)。この際、主制御プログラムは、この特別図柄2記憶先読み演出コマンドに次のような先読み情報を含めている。
具体的には、この特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、例えば、特別図柄2種別先読みコマンド、特別図柄2変動パターン先読みコマンド、特別図柄2変動タイプ先読みコマンド、及び特別図柄2変動振り分けテーブル情報先読みコマンド、またはこれらいずれか、或いはそれらいずれかの組み合わせを総称するコマンドであり、後述する先読み情報を含んでいる。この先読み情報は、第二特別図柄の図柄種別、変動パターン番号、変動タイプ番号、及び変動振り分けテーブル情報を有する。
この特別図柄2種別先読みコマンドは、第二特別図柄の図柄種別に関する情報を含んでいる。ここでいう図柄種別とは、例えば、大当りであることを示す停止図柄としての大当り図柄、小当りであることを示す停止図柄としての小当り図柄、ハズレであることを示す停止図柄としてのハズレ図柄の何れかであるかを示す情報である。この特別図柄2変動パターン先読みコマンドは、第二特別図柄の変動パターン番号に関する情報を含んでいる。この特別図柄2変動タイプ先読みコマンドは、第二特別図柄の変動タイプ番号に関する情報を含んでいる。この特別図柄2変動振り分けテーブル情報先読みコマンドは、第二特別図柄の変動振り分けテーブル情報を含んでいる。
以上のようにすると、周辺制御基板4140では、上述した特別図柄2記憶先読み演出コマンドを受信した演出制御プログラムが、後述するように、この特別図柄2記憶先読み演出コマンドを利用して後述の保留先読み演出を実行することができる。
本実施形態では、主制御プログラムが、遊技状態を確率変動状態から他の遊技状態(例えば通常遊技状態)に移行させた後(当選確率制御手段)、この移行時点から所定の期間(以下「先行判定抑制範囲」という)に亘って、上述した先行判定条件が成立した旨の通知を抑制している(先行判定抑制手段)。つまり、主制御プログラムは、このように遊技状態が確率変動状態から通常遊技状態に移行させてから当該先行判定抑制範囲に亘って、主制御RAMの送信情報記憶領域に特別図柄2記憶先読み演出コマンド(先行判定指示コマンド)を書き込んでセットすることを抑制することにより、既述のコマンド送信処理(図74参照)において当該特別図柄2記憶先読み演出コマンドが送信されることを抑制している。なお、ここでいう「抑制」とは、頻度を低減することのみならず、規制することも示している。
一方、保留履歴更新処理では、主制御プログラムが、主制御RAMに設けられている第二保留数カウンタのカウンタ値に1を加算する(ステップS6204)。さらに、この保留履歴更新処理では、主制御プログラムが、第二特別図柄記憶表示器1187に、第一或いは第二始動記憶情報記憶領域に記憶された上記少なくとも1つの始動記憶情報に対応する開始条件が成立するまでの間に亘って上記少なくとも1つの第一或いは第二始動記憶情報を特定しうる態様で、第一特別図柄記憶表示器1184或いは第二特別図柄記憶表示器1187に保留表示態様(例えば点灯、点滅或いは消灯)を導出させ、その後、第一或いは第二始動記憶情報記憶手段によって記憶されている上記少なくとも1つの第一或いは第二始動記憶情報のうち優先すべき始動記憶情報に対応する開始条件が成立したことを契機として、当該優先すべき始動記憶情報に対応する保留表示態様の導出を停止するとともに第一或いは第二始動記憶情報記憶領域から当該優先すべき始動記憶情報を消去する(保留消化制御手段)。
[第一始動口への遊技球の入球]
一方、上記ステップS6201において第二始動口スイッチ2109から検出信号が出力されていない場合、または、上記ステップS202の処理において第二保留数カウンタの値が上限値となる4である場合、主制御プログラムは、第一始動口スイッチ3022から検出信号が出力されたか否かについて判定する(ステップS6205)。第一始動口スイッチ3022から検出信号が出力された場合、主制御プログラムが、第一始動口2101に遊技球が受け入れられた(以下、「始動入賞」ともいう)と判断し(第一特別図柄の始動条件が成立)、次のようなステップS6206を実行する。このステップS6206では、主制御プログラムが、この始動入賞を契機として、第一特別図柄抽選用の各種乱数値(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を取得し、上述した始動記憶情報記憶領域のうち第一始動記憶情報記憶領域に記憶済の第一始動記憶情報(上記各種乱数値に相当)の数(以下「第一保留数カウンタ」ともいう)の値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。この結果、この第一保留数カウンタが4未満である場合、主制御プログラムが、次のような第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を順次実行する。
この第一始動保留記憶処理では、主制御プログラムが、第一始動口2101に遊技球が受け入れられたことによって取得した始動記憶情報(大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)として、例えば主制御RAMの一部である第一始動記憶情報記憶領域に記憶する(ステップS6207)。即ち、主制御プログラムは、第一特別図柄に関し、始動条件が成立しているものの未だ開始条件が成立していないことを示す少なくとも1つの始動記憶情報を、特別図柄ごとに始動条件が成立した順序を特定しうる態様で所定数まで第一始動記憶情報記憶領域(始動記憶情報記憶手段、第一始動記憶情報記憶手段)に記憶させている。従って、主制御プログラムは、新たに遊技球が第一始動口2101に受け入れられた際、即ち、始動条件が成立した際(始動入賞時)に第一始動記憶情報が1つも第一始動記憶情報記憶領域に記憶されていない場合、即座に開始条件が成立したものとし、当該第一特別図柄の変動表示を開始させる。
この際併せて、主制御プログラムは、第一始動口2101に遊技球が受け入れられたことを示す始動口入賞コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットし、既述のコマンド送信処理において始動口入賞コマンドを周辺制御部4140に送信するようにしている。このようにすると、周辺制御基板4140では、始動口入賞コマンドを利用して後述する保留先読み演出を実行することができる。
さらに主制御プログラムは、上述した第一始動記憶情報記憶領域に新たな第一始動記憶情報が記憶されたこと(即ち、第一特別図柄の第一始動記憶情報の数が増加したこと)を契機として、次のような先行判定条件が成立したか否かを判定する。この先行判定条件としては、上述した大当たり判定用乱数記憶領域、特別図柄用乱数記憶領域、リーチ判定用乱数記憶領域、変動パターン用乱数1記憶領域及び変動タイプ用乱数記憶領域のいずれかまたはいずれかの組み合わせに記憶済の乱数値を読み出し、当該読み出した乱数値が、既述の主制御ROMに記憶済の第一特別図柄用先読み判定値と一致していることを例示することができる(以下、「保留先読み抽選」という)。
主制御プログラムは、当該読み出した乱数値がこの第一特別図柄用先読み判定値と一致する場合には上記先行判定条件が成立したものと判定する一方、当該読み出した乱数値がこの第一特別図柄用先読み判定値と一致しない場合には上記先行判定条件が成立しないものと判定する。この主制御プログラムは、この先行判定条件が成立していない場合には後述する保留先読み用コマンド送信処理を実行しない一方、この先行判定条件が成立した場合には次のような保留先読み用コマンド送信処理を実行する。
この保留先読み用コマンド送信処理では、主制御プログラムが、第一特別図柄について保留先読み演出を開始すべきことを指示する特別図柄1記憶先読み演出コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットし、既述のコマンド送信処理において当該特別図柄1記憶先読み演出コマンドを周辺制御基板4140に送信する(コマンド送信手段)。この際、主制御プログラムは、この特別図柄1記憶先読み演出コマンドに次のような先読み情報を含めている。
具体的には、この特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、例えば、特別図柄1種別先読みコマンド、特別図柄1変動パターン先読みコマンド、特別図柄1変動タイプ先読みコマンド、及び特別図柄1変動振り分けテーブル情報先読みコマンド、またはこれらいずれか、或いはそれらいずれかの組み合わせを総称するコマンドであり、後述する先読み情報を含んでいる。この先読み情報は、第一特別図柄の図柄種別、変動パターン番号、変動タイプ番号、及び変動振り分けテーブル情報を有する。
この特別図柄1種別先読みコマンドは、第一特別図柄の図柄種別に関する情報を含んでいる。ここでいう図柄種別とは、例えば、大当りであることを示す停止図柄としての大当り図柄、小当りであることを示す停止図柄としての小当り図柄、ハズレであることを示す停止図柄としてのハズレ図柄の何れかであるかを示す情報である。この特別図柄1変動パターン先読みコマンドは、第一特別図柄の変動パターン番号に関する情報を含んでいる。この特別図柄1変動タイプ先読みコマンドは、第一特別図柄の変動タイプ番号に関する情報を含んでいる。この特別図柄1変動振り分けテーブル情報先読みコマンドは、第一特別図柄の変動振り分けテーブル情報を含んでいる。
以上のようにすると、周辺制御基板4140では、上述した特別図柄1記憶先読み演出コマンドを受信した演出制御プログラムが、後述するように、この特別図柄1記憶先読み演出コマンドを利用して後述する保留先読み演出を実行することができる。
本実施形態では、主制御プログラムが、遊技状態を確率変動状態から他の遊技状態(例えば通常遊技状態)に移行させた後(当選確率制御手段)、この移行時点から所定の期間(以下「先行判定抑制範囲」という)に亘って、上述した先行判定条件が成立した旨の通知を抑制している(先行判定抑制手段)。つまり、主制御プログラムは、このように遊技状態が確率変動状態から通常遊技状態に移行させてから当該先行判定抑制範囲に亘って、主制御RAMの送信情報記憶領域に特別図柄1記憶先読み演出コマンド(先行判定指示コマンド)を書き込んでセットすることを抑制することにより、既述のコマンド送信処理(図74参照)において当該特別図柄2記憶先読み演出コマンドが送信されることを抑制している。なお、ここでいう「抑制」とは、頻度を低減することのみならず、規制することも示している。
一方、保留履歴更新処理では、主制御プログラムが、RAM(始動記憶情報記憶領域に相当)に設けられている第一保留数カウンタのカウンタ値に1を加算する(ステップS6208)。さらに、この保留履歴更新処理では、主制御プログラムが、第一特別図柄記憶表示器1184に、始動記憶情報記憶領域に記憶された上記少なくとも1つの始動記憶情報に対応する開始条件が成立するまでの間に亘って上記少なくとも1つの始動記憶情報を特定しうる態様で保留表示態様(例えば点灯、点滅或いは消灯)を導出させ、その後、始動記憶情報記憶領域によって記憶されている上記少なくとも1つの始動記憶情報のうち優先すべき始動記憶情報に対応する開始条件が成立したことを契機として、当該優先すべき始動記憶情報に対応する保留表示態様の導出を停止するとともに始動記憶情報記憶領域から当該優先すべき始動記憶情報を消去する(保留消化制御手段)。
一方、主制御プログラムは、上記ステップS6205において第一始動口2101へ遊技球が受け入れられていない場合、または、上記ステップS6206の処理において第一保留数カウンタのカウンタ値が上限値となる4に達している場合には、当該第一・第二始動口入賞処理を終了する。
[変動開始処理]
図99は、図97に示す変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
この変動開始処理(ステップS6130)では、主制御プログラムが、まず、第一特別図柄及び第二特別図柄の2つの保留数カウンタの値がいずれも0であるか否かを判断する(ステップS6301)。ここで、第一特別図柄の保留数カウンタの値は、上述した始動記憶情報記憶領域のうち第一始動記憶情報記憶領域に記憶されている第一始動記憶情報(乱数値)の数を示しており、第二特別図柄の保留数カウンタの値は、上述した始動記憶情報記憶領域のうち第二始動記憶情報記憶領域に記憶されている第二始動記憶情報(乱数値)の数を示している。上述したステップS301において主制御プログラムが、第一特別図柄及び第二特別図柄の保留数カウンタの値がいずれも0であると判定すると、第一特別図柄及び第二特別図柄の始動条件がいずれも成立していないと判断し、この変動開始処理を終了して上記特別図柄及び特別電動役物制御処理を終了した後、上述したように4msごとにタイマ割込処理を実行する。
一方、ステップS6301において主制御プログラムが、第一特別図柄及び第二特別図柄の保留数カウンタの値がいずれも0でないと判定すると、第一特別図柄及び第二特別図柄の少なくとも一方について始動条件が成立しているものの開始条件が成立していないものとし、いわゆる始動保留状態であると判断する。次に主制御プログラムは、第二特別図柄の保留数カウンタの値が0であるか否か、つまり、第二始動記憶情報の数が0個であるか否かを判定する(ステップS6302)。
ステップS6302において第二始動記憶情報の数が0個でないと判定すると、主制御プログラムは、第二始動記憶情報(第二特別図柄乱数値)を取得した後(ステップS6303)、上述した第二始動記憶情報記憶領域において記憶されている所定個数の第二始動記憶情報をそれぞれシフトさせて記憶する(ステップS6304)。具体的には、主制御プログラムが、当該第二始動記憶情報記憶領域を複数に分けたn番目(nは2以上の自然数)の記憶領域に記憶されている第二始動記憶情報(乱数値)をn−1番目の記憶領域にシフトして記憶させる。これにより、少なくとも記憶領域には空きが生じるようになり、当該空きが生じた記憶領域に第二特別図柄の新たな始動記憶情報を記憶可能となる。併せて、主制御プログラムは、特別図柄変動フラグに1をセットし(ステップS6305)、第二特別図柄の保留数カウンタの値、つまり、第二始動記憶情報の数を1減算する(ステップS6306)。併せて、主制御プログラムは、第二特別図柄記憶表示器1187の点灯態様を、当該減算後の第二始動記憶情報の数(第二特別図柄の保留数)を表すように駆動制御する。なお、こうして1にセットされた特別図柄変動フラグについては、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが0に更新されるときに併せてリセットされる。
一方、ステップS6302において第二始動記憶情報の数が0個であると判定すると、主制御プログラムは、第一始動記憶情報(第一特別図柄乱数値)を取得した後(ステップS6307)、上述した第一始動記憶情報記憶領域において記憶されている所定個数の第一始動記憶情報をそれぞれシフトさせて記憶する(ステップS6308)。具体的には、第一始動記憶情報記憶領域及び第二始動記憶情報記憶領域にはそれぞれ4つの記憶領域(第1区画〜第4区画)が設けられている。なお、これらの各記憶領域には、それぞれ、大当たり判定用乱数値が記憶される大当たり判定用乱数記憶領域、大当たり図柄用乱数値が記憶される大当たり図柄用乱数記憶領域、リーチ判定用乱数値が記憶されるリーチ判定用乱数記憶領域、並びに、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動表示パターン乱数値が各々記憶される変動パターン用乱数1,2記憶領域などが設けられている。
主制御プログラムが、当該第一始動記憶情報記憶領域を複数に分けたn番目(nは2以上の自然数)の記憶領域に記憶されている第二始動記憶情報(乱数値)をn−1番目の記憶領域にシフトして記憶させる。これにより、少なくとも記憶領域には空きが生じるようになり、当該空きが生じた記憶領域に第一特別図柄の新たな始動記憶情報を記憶可能となる。併せて、主制御プログラムは、特別図柄変動フラグに2をセットし(ステップS6309)、第一特別図柄の保留数カウンタの値、つまり、第二始動記憶情報の数を1減算する(ステップS6310)。併せて、主制御プログラムは、第一特別図柄記憶表示器1184の点灯態様を、当該減算後の第一始動記憶情報の数(第一特別図柄の保留数)を表すように駆動制御する。なお、こうして2にセットされた特別図柄変動フラグは、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが0に更新されるときにリセットされる。
次に主制御プログラムは、大当たりフラグの内容を確認し、確率変動機能が作動中であるか否か、つまり、遊技状態が確率変動状態であるか否かを判別する(ステップS6312)。遊技状態が確率変動状態でない場合、主制御プログラムは、大当たりとなる確率が低く設定された確率変動機能非作動時大当たり判定テーブルを選択する(ステップS6313)。一方、遊技状態が確率変動状態である場合、主制御プログラムは、大当たりとなる確率が高く設定された確率変動機能作動時判定テーブルを選択する(ステップS6314)。
次に主制御プログラムは、当該選択したテーブルに基づき、ステップS6303又はステップS6307において取得された第一特別図柄乱数値または第二特別図柄乱数値(以下「大当たり判定用乱数値」ともいう)が大当たり値(大当たりに相当する乱数値)に一致するか否かを判定する(ステップS6315)。即ち、主制御プログラムは、始動条件の成立後、予め定められた当選条件が成立しているか否かを判定している(抽選手段)。大当たり値に一致する場合、主制御プログラムは、大当たり判定用乱数値に基づいて大当りの種別、即ち、確率変動機能及び時短機能の少なくとも一方を作動させる種別(遊技状態に関する状態種別)の大当たりであるかについての判断を行う(ステップS6316)。次に主制御プログラムは、決定された大当たりの種別に応じた大当たりフラグをONと設定する(ステップS6317)。一方、ステップS6315において取得した大当たり判定用乱数値が大当たり値に一致しない場合、主制御プログラムは、後述するステップS6318を実行する。最後に主制御プログラムは、処理フラグを1に更新する(ステップS6318)。
[変動パターン設定処理]
図100は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、主制御プログラムは、いずれの大当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS6401)。いずれかの大当たりフラグがONであると判定された場合、主制御プログラムは、大当たり変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS6402)。この大当たり変動パターンテーブル設定処理では、大当たりとするための変動パターンテーブル(当選時変動パターンテーブルとしての大当たり変動パターンテーブル)を設定し、当選条件が成立している場合には大当たりとするための変動パターン(当選時変動パターン)を決定する(変動パターン設定手段)。
一方、ステップS6401において大当たりフラグがONでないと判定された場合、主制御プログラムは、リーチ抽選手段として機能し、主制御内蔵RAMの始動記憶情報記憶領域に記憶済であって始動条件が成立した始動記憶情報について、当選条件が成立しているかもしれない旨、即ち、特別抽選に当選しているかもしれない旨を暗示するリーチ演出を実行させるべき条件としてのリーチ条件またはこのリーチ条件のうち特定のリーチ条件が成立しているか否かを判定する(ステップS6403)。なお、ここでいうリーチ条件は、当選条件が成立している可能性が相対的に低く特別抽選に当選していることへの期待を遊技者に相対的に弱く抱かせ易い通常態様のリーチ演出の一例としてのノーマルリーチ、及び、当選条件が成立している可能性が相対的に高く特別抽選に当選していることへの期待を遊技者に相対的に強く抱かせ易い特定態様のリーチ演出の一例としてのスーパーリーチのいずれかが実行されるための条件である。一方、上述した特定のリーチ条件は、このスーパーリーチが実行されるための条件である。以下、このような判定を「リーチ抽選」ともいう。
ところで、主制御プログラムは、このようなリーチ抽選の当選確率、即ち、リーチ条件が成立する確率(以下、「リーチ抽選の当選確率」という)が、主制御内蔵RAMの始動記憶情報記憶領域に記憶済の始動記憶情報の数に応じて段階的に変更するように制御している。具体的には、主制御プログラムは、リーチ抽選の当選確率を記憶済の始動記憶情報の数(いわゆる保留数)に応じて、例えば0個である場合には1/15、1個である場合には1/14、2個である場合には1/13、3個である場合には1/10、4個である場合には1/10となるように制御している。
一方、上述のようなリーチ条件として、主制御プログラムは、上述した主制御内蔵RAMのリーチ判定用乱数記憶領域に取得済のリーチ判定用乱数値が、リーチ判定用乱数の取り得る範囲のうち次のような特定範囲に属しているか否かを判定する。このようなリーチ判定用乱数の取り得る範囲(例えば0〜199を例示する)として、主制御プログラムは、リーチ条件を必ず満たすリーチ範囲(0〜10)、このリーチ範囲のうち特定リーチ条件を必ず満たす特定リーチ範囲(0〜1)、このリーチ条件或いはこの特定リーチ条件を満たすことがあり得ない非リーチ範囲(15〜199)、及び、このリーチ条件或いはこの特定リーチ条件を満たす場合もあれば満たさない場合もあるリーチ/非リーチ範囲(10〜14)に分けて管理している(乱数範囲情報制御手段)。
さらに主制御プログラムは、このリーチ判定用乱数値が属する乱数範囲(リーチ範囲、特定リーチ範囲、非リーチ範囲、或いは、リーチ/非リーチ範囲)を示すリーチ乱数範囲コマンド(図70参照)を既述の主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に書き込み、既述のコマンド送信処理において送信させる(乱数範囲情報制御手段)。つまり、主制御プログラムは、周辺制御基板4140に対して、上述した判定用リーチ乱数値自体を送信する代わりに、主制御内蔵RAMの始動記憶情報記憶領域に記憶済の各始動記憶情報に対応させたリーチ判定用乱数値が属する乱数範囲に関する情報としてリーチ乱数範囲コマンドを送信する。なお、このリーチ乱数範囲コマンドは、第一特別図柄に関する始動記憶情報に対応するリーチ乱数値が属する乱数範囲を表す第一特別図柄リーチ乱数範囲コマンド、及び、第二特別図柄に関する始動記憶情報に対応するリーチ乱数値が属する乱数範囲を表す第二特別図柄リーチ乱数範囲コマンドを総称するコマンド名である(図70参照)。
上述したリーチ条件が成立していると判定した場合、即ち、リーチ演出を実行すると判定した場合、主制御プログラムは、リーチハズレ変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS6404)。このリーチハズレ変動パターンテーブル設定処理では、主制御プログラムが、リーチ演出を実行してハズレとするための変動パターンテーブル(リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する。
この際、主制御プログラムは、時短機能が作動しているか否かを判定する。主制御プログラムは、上述のように当選条件が成立しておらず、かつ、時短機能が作動していると判定した場合(時短時)、上述したリーチ演出を実行してハズレとするための変動パターン(時短非当選変動パターン)を含む変動パターンテーブル(時短非当選変動パターンテーブルとしての時短時リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する(変動パターン設定手段)。その一方、主制御プログラムは、上述したように当選条件が成立しておらず、かつ、時短機能が作動していないと判定した場合(非時短時)、上述したリーチ演出を実行してハズレとするための変動パターン(非時短非当選変動パターン)を含む変動パターンテーブル(非時短非当選変動パターンテーブルとしての非時短時リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する(変動パターン設定手段)。以下の説明では、時短時リーチハズレ変動パターンテーブル及び非時短時リーチハズレ変動パターンテーブルを総称して「リーチハズレ変動パターンテーブル」とも表現する。本実施形態では、主制御プログラムは、特別図柄の変動パターン上、抽選の抽選結果として「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」だけでなく、さらに、この「ハズレ」が、時短機能が作動していない状態での「ハズレ」としての「非時短時ハズレ」であるか、及び、時短機能が作動している状態での「時短時ハズレ」であるかも分けて制御することになる。
一方、ステップS6403においてリーチ条件が成立していないと判定した場合、即ち、リーチ演出を実行しないと判定した場合、主制御プログラムは、非リーチハズレ変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS6405)。この非リーチハズレ変動パターンテーブル設定処理では、主制御プログラムが、リーチ演出を実行せずにハズレとする変動パターンテーブル(非リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する。非リーチハズレ変動パターンテーブルは、複数の遊技状態に応じてそれぞれ対応付けて複数種類用意されており、例えば通常遊技状態においては、保留数が所定値以上であるときに短縮変動が行われ易いテーブルとなっている。
このようにリーチ条件が成立していないと判定された際も、同様に主制御プログラムは、時短機能が作動しているか否かを判定し、上記同様に、時短機能が作動しているか否かに応じて設定すべき変動パターンテーブルを変更するようにしても良い。つまり、主制御プログラムは、上述のように当選条件が成立しておらず、かつ、時短機能が作動していると判定した場合(時短時)、上述したリーチ演出を実行せずにハズレとするための変動パターン(時短非当選変動パターン)を含む変動パターンテーブル(時短非当選変動パターンテーブルとしての時短時非リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する(変動パターン設定手段)。その一方、主制御プログラムは、上述したように当選条件が成立しておらず、かつ、時短機能が作動していないと判定した場合(非時短時)、上述したリーチ演出を実行せずにハズレとするための変動パターン(非時短非当選変動パターン)を含む変動パターンテーブル(非時短非当選変動パターンテーブルとしての非時短時非リーチハズレ変動パターンテーブル)を設定する(変動パターン設定手段)。
主制御プログラム(変動パターン設定手段)は、上述のように設定されたテーブルに基づいて特別図柄の変動パターンを決定し(ステップS6410)、こうして決定された特別図柄の変動パターンのパターンコマンド及び当選情報コマンドを、上記送信情報記憶領域に書き込んでセットする(ステップS6411)。以下、これらパターンコマンド及び当選情報コマンドを総称して「変動パターンコマンド」ともいう。この変動パターンのパターンコマンドは、特別図柄の変動時間に関する情報を含んでおり、当選情報コマンドは、大当たりに関する当落結果を含んでいる。
またさらに主制御プログラムは、上述のように設定された変動パターンテーブルに基づいて決定された特別図柄の変動パターンに応じた変動時間の値をタイマにセットする(ステップS6412)。即ち、主制御プログラムは、上述のように設定された変動パターンテーブルが大当たり変動パターンテーブルである場合、この大当たり変動パターンテーブルに基づいて決定された特別図柄の変動パターンに応じて、大当たり用変動時間をタイマに設定する。一方、主制御プログラムは、上述のように設定された変動パターンテーブルが小当たり変動パターンテーブルである場合、この小当たり変動パターンテーブルに基づいて決定された特別図柄の変動パターンに応じて、小当たり用変動時間をタイマに設定する。
また、主制御プログラムは、上述のように設定された変動パターンテーブルが時短時リーチハズレ変動パターンテーブルである場合、この時短時リーチハズレ変動パターンテーブルに基づいて決定された特別図柄の変動パターンに応じて、時短時リーチ用変動時間をタイマに設定する。一方、主制御プログラムは、上述のように設定された変動パターンテーブルが非時短時リーチハズレ変動パターンテーブルである場合、この非時短時リーチハズレ変動パターンテーブルに基づいて決定された特別図柄の変動パターンに応じて、非時短時リーチ用変動時間をタイマに設定する。このように特別抽選の抽選結果が「ハズレ」である場合でも、時短機能が作動しているか否かに応じて特別図柄の変動時間が異なるようにしている。
ここで、主制御プログラムは、このような特別図柄の変動時間として、基本変動時間と加算変動時間とをそれぞれ2バイトのデータで管理しており、これらの時間の合計値である最大変動時間を262.144s(65536×4ms)×2=524.288sとし、それらの時間をそれぞれ1バイトで管理していた従前よりも2倍の長さの特別図柄の変動時間を実現させている。
上述のように決定された特別図柄の変動パターンに応じた変動時間の値をタイマにセットすると、次に、主制御プログラムは、特図LED作動フラグをONに設定する(ステップS6413)。この特図LED作動フラグがONにセットされると、主制御プログラムは、開始条件の成立を契機として、上述したステップS6305又はステップS6309において設定された特別図柄変動フラグの値に基づいて特定される第一特別図柄表示器1185(可変表示手段)及び第二特別図柄表示器1186(可変表示手段)の少なくとも一方に、決定された変動パターンに従って、複数のLEDの点灯パターンでなる変動表示を開始させる(図柄変動制御手段)。最後に主制御プログラムは、処理フラグを2に更新し(ステップS6414)、以上のような変動パターン設定処理を終了する。
このように変動パターン設定処理において設定されると、主制御プログラムは、4msごとに実行されるタイマ割り込み処理に含まれるコマンド送信処理において、送信情報記憶領域に書き込み済のパターンコマンド及び当選情報コマンドを読み出して周辺制御部4140に対して送信する。
[変動中処理]
図101は、図97に示す変動中処理の一例を示すフローチャートである。
まず最初に主制御プログラムは、既述のステップS6412(図100参照)においてタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS6501)、タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ変動中処理を終了する。
一方、タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば、主制御プログラムは、既述のステップS413においてONにセットした特図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS6502)。すると、主制御プログラムは、既述のステップS6305又はステップS6309において設定された特別図柄変動フラグに応じて、第一特別図柄表示器1185(可変表示手段)及び第二特別図柄表示器1186(可変表示手段)の少なくとも一方を用いて、7セグメントLEDの点灯、消灯或いは点滅態様の変動パターンでなる変動表示(特別図柄の変動)を停止させ、既述の成立した成立条件に応じて、当該停止態様でなる停止図柄を表示させる(図柄変動制御手段)。即ち、主制御プログラムは、始動条件の成立後開始条件が成立したことを契機として特別図柄の変動表示を開始させ、その後変動パターンに応じた変動時間が経過したことを契機として、当選条件の判定結果に応じた停止図柄を表示させる(図柄変動制御手段)。
次に主制御プログラムは、上述した送信情報記憶領域に確定停止コマンドを書き込んでセットする(ステップS6503)。この確定停止コマンドは、特別図柄の変動が終了し、所定の停止図柄が確定したことを表すコマンドである。主制御プログラムは、4msごとに実行されるタイマ割り込み処理に含まれるコマンド送信処理において送信情報記憶領域から当該確定停止コマンドを読み出して周辺制御部4140に送信する。これにより、周辺制御基板4140は、変動表示されていた特別図柄の停止図柄が確定したことを認識することができる。
次に主制御プログラムは、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS6504)。大当たりフラグがONであると判定された場合、主制御プログラムは、処理フラグを3に更新し(ステップS505)、当該変動中処理を終了する。
ところで、処理フラグが3であることは、大当たりに当選した態様で特別図柄の変動表示が停止された状態にあることを示している。なお、フローチャートに図示していないが、ステップS6505の処理フラグを3に更新する処理とともに、後述する大当たり遊技準備処理における遊技状態を識別するための状況識別フラグに初期値として0がセットされる。
主制御プログラムは、上述のように変動表示されていた特別図柄に応じた第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186を用いて、成立した当選条件に応じた停止図柄を表示させことになる(停止図柄制御手段)。
一方、ステップS6504において大当たりフラグがONでないと判定された場合、主制御プログラムは処理フラグを0に更新し(ステップS6508)、当該変動中処理を終了する。この場合、主制御プログラムは、遊技状態の移行を伴わないため、上記送信情報記憶領域への移行先コマンドの書き込みを規制する。なお、この処理フラグが0であることは、大当たりに当選していない態様で特別図柄が変動停止された状態にあることを示している。
[大当たり遊技準備処理]
図102は、図97に示す大当たり遊技準備処理の一例を示すフローチャートである。
まず最初に主制御プログラムは、状況識別フラグが0であるか否かを判定する(ステップS6621)。なお、状況識別フラグの値は、前述のように、処理フラグを3に更新するときに、状況識別フラグに0がセットされる。
上述のように、この状況識別フラグは、大当たり遊技準備処理における遊技状態を識別するためのフラグである。例えば、状況識別フラグが0であることは初期設定を意味しており、状況識別フラグが1であることは説明インターバル演出中であることを意味しており、状況識別フラグが2であることは遊技態様決定処理中であることを意味しており、状況識別フラグが3であることは大当たり開始インターバル演出中であることを意味している。
大当たり遊技準備処理を最初に実行する場合には状況識別フラグに0がセットされている結果、主制御プログラムは、説明インターバル演出コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットする(ステップS6622)。主制御プログラムは、このようにセットされた説明インターバル演出コマンドを既述のコマンド送信処理において4msごとの周囲で実行されるタイマ割り込み処理において周辺制御部4140に送信する。次に主制御プログラムは、説明インターバル演出タイマをセットした後(ステップS6623)、状況識別フラグに1をセットし(ステップS6624)、大当たり遊技準備処理を終了する。なお、説明インターバル演出タイマにセットされたタイマ値は、主制御プログラムが、4msごとに実行されるタイマ割り込み処理の一部であるタイマ減算処理において1ずつ減算している。
ここで、上述した説明インターバル演出とは、特別図柄の抽選の結果が大当たりである旨の表示演出が遊技盤側液晶表示装置1900に表示された後、かかる大当たりが特定種別の大当たりでないときに(すなわち通常種別の大当たりであるときに)、実際に大当たり遊技が開始されるまでの遊技手順を遊技盤側液晶表示装置1900にて説明する演出である。なお、大当たりが特定種別の大当たりであるとき、遊技盤側液晶表示装置1900には、大当たりである旨の表示演出に加えて、16ラウンドの大当たり遊技が実行される旨の表示演出も行われる。
ところで、大当たり遊技準備処理の次の処理周期は4ms後となる。処理フラグが3であり、状況識別フラグに1がセットされた結果、上述したステップS621において状況識別フラグが0でないと判定された場合、主制御プログラムは、状況識別フラグが1であるか否かを判定する(ステップS6625)。この場合、状況識別フラグに1がセットされているため、主制御プログラムは、説明インターバル演出がタイムアップしたか否かを判定する(ステップS6626)。説明インターバル演出がタイムアップしていなければ、主制御プログラムは、大当たり遊技準備処理を終了する。以下、説明インターバル演出がタイムアップするまでの間、主制御プログラムは、処理フラグの値3および状況識別フラグの値1に基づいて、ステップS6621をNOと判定し、ステップS6625をYESと判定し、ステップS6626をNOと判定する処理ルーチンを繰り返し実行する。
ステップS6626において説明インターバル演出のタイマがタイムアップすると、主制御プログラムは、説明インターバル演出が終了したものとして条件装置の作動を開始する(ステップS6627)。次に主制御プログラムは、時短機能が作動しているか否かを判定し(ステップS6628)、時短機能が作動している場合にはこの時短機能の作動を停止する(ステップS6629)。
一方、時短機能が作動していない場合には、主制御プログラムは、ゲート有効演出コマンドを送信情報記憶領域に書き込んでセットする(ステップS6636)。主制御プログラムは、4msごとに実行されるタイマ割り込み処理の一部であるコマンド送信処理において送信情報記憶領域からゲート有効演出コマンドを読み出し、周辺制御部4140に送信する。この周辺制御部4140は、このゲート有効演出コマンドの受け取りを契機として、後述するゲート有効演出の実行が許容されたことを認識することができる。さらに主制御プログラムは、状況識別フラグに2をセットし(ステップS6630)、以上のような大当たり遊技準備処理を終了する。
ここで、ゲート有効演出とは、上述した説明インターバル演出が終了した後に、振分ユニット2550の左ゲート2575L及び右ゲート2575Rが有効となったこと(振分検知センサ2580L及び振分検知センサ2580Rによる遊技球の検知が有効化されたこと)を遊技者に報知するための演出表示である。
本実施形態では、大当たり抽選において当選した場合、大当たり遊技の開始タイミングを遊技者の意思により自由に決定することができるようにしている。つまり、周辺制御部4140がゲート有効演出コマンドを受信すると、演出制御プログラムが、大当たり遊技をいずれのタイプで実行するかについて選択すべきことを遊技者に促す表示画面を遊技盤側液晶表示装置1900に表示させる。なお、併せて、当該表示画面を表示させるとともに、実際に大当たり遊技を開始する前に多少の休憩を取ることが可能である旨のメッセージを表示させるようにしても良い。
一方、上述した処理フラグが3であり、かつ、状況識別フラグに2がセットされると、次の周期における大当たり遊技準備処理では、主制御プログラムが、ステップS6621及びステップS6625においてNOと判定し、状況識別フラグが2であるか否かを判定する(ステップS6631)。この場合、状況識別フラグに2がセットされているため、主制御プログラムは、次のような大当たり遊技態様決定処理を行う(ステップS6632)。
[大当たり遊技態様決定処理]
図103は、図97に示す大当たり遊技態様決定処理の一例を示すフローチャートであり、図104は、この大当たり遊技態様決定処理にて用いられるテーブルの一例である。
大当たり遊技態様決定処理では、主制御プログラムが、振分検知センサ2580Lによって遊技球の左ゲート通過または振分検知センサ2580Rによって遊技球の右ゲート通過が検出されたことを契機として大当たり遊技態様決定用乱数値(ラウンド数決定用乱数値)を取得する。この主制御プログラムは、この取得した大当たり遊技態様決定用乱数値(ラウンド数決定用乱数値)と、フラグON状態にある種別の大当たりフラグ(特定種別の大当たりフラグまたは通常種別の大当たりフラグ)と、通過したゲートの左右の別とに基づいて、大当たり遊技の実行態様(ラウンド数)を決定する。
この大当たり遊技態様決定処理では、主制御プログラムが、まず、不規則遅延側検出センサによって遊技球の遅延が検出されたか否か、すなわち、上部不規則遅延作出手段2586の孔2586aを遊技球が通過したか否かを判定する(ステップS6071)。上部不規則遅延作出手段2586の孔2586aを遊技球が通過したと判定されると、主制御プログラムが、振分検知センサ2580Rによって右ゲート2575Rを遊技球が通過したか否かを判定する(ステップS6072)。
なお、ステップS6071において遊技球が遅延検出されたときには、主制御プログラムは、左ゲート2575Lを遊技球が通過したとしても振分検知センサ2580Lによる検出の有無を判断しない。即ち、ステップS6071において遊技球が遅延検出されたときには、主制御プログラムは、たとえ左ゲート2575Lを遊技球が通過したとしても振分検知センサ2580Lによる遊技球の検出を無効化する。
ステップS6072において、振分検知センサ2580Rによって遊技球が右ゲート2575Rを通過した旨が検出されない場合には、主制御プログラムは、大当たり遊技態様決定処理を終了するとともに大当たり遊技準備処理を終了してタイマ割込処理に戻って実行する。
以下、振分検知センサ2580Rにより遊技球が検出されるまで、主制御プログラムは、処理フラグが3であり、かつ、状況識別フラグが2であることに基づいて、ステップS6621及びステップS625においてNOと判定し、ステップS6631においてYESと判定し、大当たり遊技態様決定処理においてステップS6071においてYESと判定し、ステップS6072においてNOと判定する処理ルーチンを繰り返す。
一方、ステップS6072において振分検知センサ2580Rによって遊技球が右ゲート2575Rを通過したことを検出すると、主制御プログラムは、フラグON状態にある大当たりフラグ、すなわちステップS6317においてONされた大当たりフラグが特定種別の大当たりフラグであるか否かを判断する(ステップS6073)。ここで、ステップS6073において特定種別の大当たりフラグがONであれば、主制御プログラムは、図104に示すテーブルBの右ゲート2575Rを参照して大当たり遊技態様を決定する(ステップS6074)。
一方、ステップS6073において特定種別の大当たりフラグがONでない(すなわち通常種別の大当たりフラグがONである)と判断すると、主制御プログラムは、図104のテーブルAの右ゲート2575Rを参照して大当たり遊技態様を決定する(ステップS6075)。
ここで、図104のテーブルAを参照しても分かるように、右ゲート2575Rを遊技球が通過したとき(振分検知センサ2580Rにより遊技球が検出されたとき)と、左ゲート2575Lを遊技球が通過したとき(振分検知センサ2580Lにより遊技球が検出されたとき)とでは、実行される大当たり遊技の態様は異なるものの、大当たり遊技中に払い出される賞球量の期待値は同じである(完全一致である必要はなく、ゲーム性を損なわない範囲で同等であればよい)。
また、左ゲート2575Lを遊技球が通過したとき(振分検知センサ2580Lにより遊技球が検出されたとき)は、主制御プログラムは、6ラウンドの大当たり遊技と12ラウンドの大当たり遊技を、それぞれ50%の確率で決定する。一方、右ゲート2575Rを遊技球が通過したとき(振分検知センサ2580Rにより遊技球が検出されたとき)は、主制御プログラムは、2ラウンドの大当たり遊技と16ラウンドの大当たり遊技を、それぞれ50%の確率で決定する。
ステップS6071において遅延検出されていなければ、主制御プログラムは、振分検知センサ2580Lによって遊技球が左ゲート2575Lを通過したか否かを判定する(ステップS6076)。
ステップS6076において遊技球が左ゲート2575Lを通過したことが検出されない場合、即ち、振分検知センサ2580Lにより遊技球が検出されない場合、主制御プログラムは、ステップS6076をNOと判定し、大当たり遊技態様決定処理を抜けて大当たり遊技準備処理に戻って実行し、さらに大当たり遊技準備処理を終了し、4msごとにタイマ割込処理を実行する。
以下、振分検知センサ2580Lにより遊技球が検出されるまで、主制御プログラムは、処理フラグが3であり、かつ、状況識別フラグが2であることに基づいて、ステップS6621においてNOと判定し、ステップS6625においてNOと判定し、ステップS6631においてYESと判定し、大当たり遊技態様決定処理においては、ステップS6071においてNOと判定し、ステップS6076においてNOと判定する処理ルーチンを繰り返し実行する。
一方、ステップS6076において左ゲート2575Lを遊技球が通過した旨、即ち、振分検知センサ2580Lにより遊技球が検出されると、主制御プログラムは、フラグON状態にある大当たりフラグ、即ち、ステップS6317においてONされた大当たりフラグが特定種別の大当たりフラグであるか否かを判断する(ステップS6077)。ここで、特定種別の大当たりフラグがONであれば、主制御プログラムは、図104に示すテーブルBの左ゲート2575Lを参照して大当たり遊技態様を決定する(ステップS6078)。
一方、ステップS6077において特定種別の大当たりフラグがONでない(すなわち通常種別の大当たりフラグがONである)と判断されると、主制御プログラムは、テーブルAの左ゲート2575Lを参照して大当たり遊技の実行態様(本実施形態ではラウンド数)を決定する(ステップS6079)。
ステップS6074、ステップS6075、ステップS6078又はステップS6079において大当たり遊技の実行態様(本実施形態ではラウンド数)が決定されると、主制御プログラムは、役物連続作動装置の作動を開始する(ステップS6080)。次に主制御プログラムは、この役物連続作動装置が作動したことを契機として、確変機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS6081)。
ステップS6081において確変機能が作動中である旨が判断されると、主制御プログラムは、ステップS6082において確変機能を停止し、後述するステップS6083を実行する。一方、ステップS6081において確変機能が作動していない旨が判断されると、主制御プログラムは、ステップS6082をスキップして直接ステップS6083を実行する。
ステップS6083では、主制御プログラムは、ステップS6074、ステップS6075、ステップS6078及びステップS6079において決定された大当たり遊技態様に基づいて大入賞口2103の作動態様をセットする(ステップS6083)。
大入賞口2103の作動態様とは、例えば、大当たり遊技にて大入賞口2103が繰り返し開放されるラウンド遊技の最大ラウンド数のほか、各ラウンド遊技にて大入賞口2103に遊技球が入球可能とされる上限数(例えば9個)や、各ラウンド遊技における開閉部材2106A,2106Bの開閉動作制限時間など、大当たり遊技における大入賞口2103の開放態様をセットすることである。
次に主制御プログラムは、大当たり遊技を開始させることを示す大当たり開始コマンド、上記決定されたラウンド数が示されるラウンド情報コマンド、大当たり遊技が既に行われている状態にあることを示す上記大当たり遊技中フラグ、等々をセットする(ステップS6084)。
なお、詳細は後述するが、主制御プログラムが、こうしてセットされた大当り開始コマンド及びラウンド情報コマンドを、既述のコマンド送信処理(図570参照)によおいて周辺制御部4140にそれぞれ送信することにより、遊技盤側液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、上記大当たり遊技中における表示演出が上記決定されたラウンド数に対応付けされた演出として選択的に実行可能とされるようになる。
このように主制御プログラムは、説明インターバル演出タイマがタイムアップしている場合であっても、ゲート2575(左ゲート2575L,右ゲート2575R)への遊技球の通過を検出しない限り、大当たり遊技への進行を停止させ、大当たり遊技態様決定処理において次の処理を実行しない。即ち、ステップS6315の処理において大当たりである旨が判定されて条件装置が作動したとしても(ステップS6604)、主制御プログラムは、大当たり遊技をそのまま進行させる代わりに、ゲート2575(左ゲート2575L,右ゲート2575R)への遊技球の通過が検出されるまで(ステップS6072,S6076)、大当り遊技を停止させている。
先に述べたが、ここで、図75また図76の表示画面に接した遊技者が、遊技者の意思によって振分ユニット2550への遊技球の発射(右打ち)を行わないと、大当たり遊技が開始とならないため、遊技者が大当たり遊技の開始前に休憩を取ることが可能である旨のメッセージが表示していることを気が付きさせやすく、遊技者にメッセージの内容をより確実に認識させることができる。また、表示のタイミングとして、遊技者が遊技に熱中している時に、遊技者の意思で遊技を一時中断できてこの状態のまま休憩を取ったり、トイレに行くことができる。
その後、遊技者の意思により振分ユニット2550への遊技球を発射させると、主制御プログラムは、振分検知センサ2580L又は振分検知センサ2580Rによって遊技球を検知し、これに基づいて、大当たり遊技の進行停止を解除し、即ち、ステップS6072においてYESと判定するか、またはステップS6076においてYESと判定し、ステップS6074、ステップS6075、ステップS6078、ステップS6079のうちの何れかを実行することで、大当たり遊技の実行態様(ラウンド数)を決定し、決定された実行態様での大当たり遊技を開始させることができる。これにより、大当たり遊技の開始タイミングを遊技者の意思により自由に決定でき、大当たり遊技を開始する瞬間を見逃すことがないため、遊技に対する遊技者の興趣が損なわれることを抑止することができる。
次に主制御プログラムは、大当たり開始インターバル演出コマンドをセットし(ステップS6085)、大当たり開始インターバル演出タイマを、例えば、8秒にセットし(ステップS6086)、状況識別フラグに3をセットし(ステップS6087)、大当たり遊技態様決定処理を終了して大当たり遊技準備処理に戻って実行し、さらに大当たり遊技準備処理を終了し、4msごとにタイマ割込処理を実行する。この大当たり開始インターバル演出とは、役物連続作動装置が作動してから開閉装置2106の開閉が開始されるまでの間に遊技盤側液晶表示装置1900にて行われる表示演出であり、例えば、これから大当たり遊技が開始される旨を示す表示演出等である。
なお、この大当たり開始インターバル演出コマンドは、既述のコマンド送信処理(図570参照)において周辺制御部4140に送信される。これにより、遊技盤側液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、大当たり遊技が開始される旨を示す演出表示させるようになる。
ところで、ステップS6621〜S6629によれば、主制御プログラムは、大当たり遊技の実行にかかる一連の抽選処理のうち説明インターバル演出時間が経過するまでは、時短機能を継続して作動させている。すなわち、大当たりである旨を遊技盤側液晶表示装置1900に表示させているにもかかわらず、説明インターバル演出が行われている間は条件装置の作動開始を保留にすることで、時短機能が作動している場合には、説明インターバル演出の実行中は、第二始動口2102への遊技球の入球が容易化されることとなる。
上述した大当たり遊技態様決定処理が終了すると、処理フラグが3であり、状況識別フラグに3がセットされた結果、4msの次周期の大当たり遊技準備処理では、主制御プログラムが、ステップS6621においてNOと判定し、ステップS6625においてNOと判定し、ステップS6631においてNOと判定し、ステップS6633に移行し、ステップS6084でセットされた大当たり開始インターバル演出がタイムアップしたか否かを判定する(ステップS633)。
大当たり開始インターバル演出がタイムアップしていなければ、主制御プログラムは、ステップS6633においてNOと判定し、大当たり遊技準備処理を狩猟してタイマ割込処理ルーチンに戻って実行する。以下、大当たり開始インターバル演出がタイムアップするまでの間、主制御プログラムは、処理フラグの値3および状況識別フラグの値3に基づいて、ステップS6621においてNOと判定し、ステップS625においてYESと判定し、ステップS6626においてNOと判定する処理ルーチンを繰り返し実行する。
大当たり開始インターバル演出がタイムアップにより終了すると、主制御プログラムは、ステップS633においてYESと判定し、大当たり開始インターバル演出が終了したものとして、処理フラグを4に更新する(ステップS6634)。次に主制御プログラムは、状況識別フラグに0をセットして初期値に戻し(ステップS6635)、大当たり遊技準備処理を終了し、タイマ割込処理ルーチンに戻って実行する。
[大当たり遊技処理]
次に、処理フラグが4である場合に実行される大当たり遊技処理(ステップS6220)について説明する。図105は、大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
上述した大当り遊技処理では、主制御プログラムは、まず、大入賞口2103が開放中か否かを判断する(ステップS6801)。大入賞口2103が開放中である場合、主制御プログラムは、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が上記ステップS6803にて設定された開閉動作制限時間に達したか否かを判断する(ステップS6802)。この開閉動作制限時間が経過した旨判断された場合、主制御プログラムは、開閉部材2106A,2106Bを閉動作させることにより大入賞口2103を閉鎖する(ステップS6804)。
ただし、上記ステップS6802において上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過していない旨と判断された場合であっても、主制御プログラムは、大入賞口2103が開放された後に同大入賞口2103に入球した遊技球の個数が上記ステップS6803にて設定された上限数(例えば9個)以上になっている場合、上記ステップS6804の処理に移行して大入賞口2103を閉鎖状態とさせる。一方、ステップS6802において上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過しておらず、ステップS6803において大入賞口2103に受け入れられた遊技球の数も上限数に未だ達していない場合、主制御プログラムは、大入賞口2103を開放状態にて維持したままで、大当り遊技処理を終了する。
一方、上記ステップS6801において大入賞口2103が開放中でない旨判断された場合、主制御プログラムは、開閉部材2106A,2106Bによる大入賞口2103の開放回数(ラウンド遊技の回数)が上記ステップS6803(図103参照)にて設定された最大ラウンド数に到達しているか否かを判別する(ステップS805)。最大ラウンド数に到達していない場合、主制御プログラムは、上述したように成立した当選条件に応じて開閉部材2106を作動し、各々対応する大入賞口2103を開放し(ステップS6806)、大当り遊技処理を終了する。
このように開閉部材2106を作動して大入賞口2103を開放する場合、主制御プログラムは、第一特別遊技状態に移行されたことを契機として、予め定められた開閉パターンに従って、例えば開閉部材2106の開閉動作を開始することにより大入賞口2103への遊技球の受け入れを許容し、その後、第一特別遊技状態からその他の遊技状態に移行されたことを契機として開閉部材2106の開閉動作を終了することにより大入賞口2103への遊技球の受け入れを抑制する(可動片開閉制御手段)。ここで、「遊技球の受け入れを抑制する」と表現しているのは、本来大入賞口2103への遊技球の受け入れが規制されているにもかかわらず、例えば物理的な方法により、本来遊技球を受け入れ難い態様の閉鎖状態であるはずの開閉部材2106を強制的に開放状態とし、遊技球を受け入れうる形態にしうることを表しているためである。
一方、主制御プログラムは、上記ステップS6805においてラウンド遊技が既に最大ラウンド数分だけ行われたことが判定された場合、役物連続作動装置の作動を停止することによって、当選条件が成立したことを条件として実行される開閉部材2106の開閉動作(大当たり遊技)の実行を規制する状態に移行させる。即ち、この場合、主制御プログラムは、ステップS6807〜ステップS6812を実行することにより、例えばステップS6317(図99参照)にて大当たりフラグとは別に主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにて記憶されている当該大当り遊技の実行の契機とされた大当たりの当選種に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を設定してから当該大当たり遊技処理を終了させる。
上記ステップS6805においてラウンド遊技が既に最大ラウンド数分だけ行われた旨が判断されたときは、主制御プログラムは、まず、大当りフラグと大当り遊技中フラグとをそれぞれOFF状態に設定し(ステップS6807)、当該大当り遊技の実行契機とされた大当りの当選種を判別する(ステップS6808)。
ここで、ステップS6808では、主制御プログラムが、確率変動機能を作動させる当選種(大当たり図柄が例えば0、1、3、5、6、7、9)であるか否かを判断する。つまり、この主制御プログラムは、通常遊技状態よりも当選条件が成立する確率が相対的に高い遊技状態(確率変動状態)とすべきか否かを判定するための確変移行条件が成立しているか否かを判断する(当選確率制御手段)。主制御プログラムは、この確変移行条件が成立している場合には確率変動状態とするとともに、次に移行することが確定している遊技状態を表すコマンドとして移行先コマンドを上記送信情報記憶領域に書き込む。一方、主制御プログラムは、この確変移行条件が成立していない場合には確率変動状態以外の遊技状態に移行させるとともに(当選確率制御手段)、次に移行することが確定している遊技状態を表すコマンドとして移行先コマンドを上記送信情報記憶領域に書き込む。その後、主制御プログラムは、コマンド送信処理(S92)において上記送信情報記憶領域に書き込まれたコマンドを周辺制御基板4140に送信する。
即ち、主制御プログラムは、上記ステップS6808において確率変動機能を作動させる当選種ではないと判定した場合には確率変動機能及び時短機能のいずれも作動させることなく、条件装置の作動を停止させる(ステップS6811)。一方、主制御プログラムは、上記ステップS6808において確率変動機能を作動させる当選種であると判定したときには、主制御プログラムは、確率変動機能を作動させる(ステップS6809)。即ち、主制御プログラムは、通常遊技状態よりも上記当選条件が成立する確率が相対的に高い確率変動状態とすべきか否かを判定するための確変移行条件が成立しているか否かを判断し、上記確変移行条件が成立している場合には当選条件が成立する確率を通常遊技状態よりも相対的に高く設定した確率変動状態に移行させるとともに、特別図柄が所定の変動表示回数に亘って変動表示される間この確率変動状態を継続させる一方、上記確変移行条件が成立していない場合には確率変動状態以外の遊技状態に移行させている(当選確率制御手段)。
次に主制御プログラムは、時短機能を作動させた後(ステップS6810)、条件装置の作動を停止させる(ステップS6811)。時短機能を作動させると、主制御プログラムは、当該作動開始から予め定められた特別図柄の変動回数に至るまで、変動時間が短縮された変動パターン群を含む各時短時変動パターンテーブルを選択するとともに当該各時短時変動パターンテーブルの中から決定された変動パターンの長さに対応させて、特別図柄の変動時間の値を規定の変動時間の値よりも短くタイマにセットする(時短機能制御手段)。また、この主制御プログラムは、次に移行することが確定している遊技状態を表すコマンドとして移行先コマンドを上記送信情報記憶領域に書き込んだ後、コマンド送信処理(S92)において周辺制御基板4140に送信するようにしても良い。併せて、主制御プログラムは、当該予め定められた特別図柄の変動回数に至るまで、所定の開閉パターンに従って、第二始動口2102の近傍に配置されている一対の可動片2105の開閉動作を繰り返し、一対の可動片2105の近傍を流下する遊技球が第二始動口2102に受け入れられ易い状態とする。最後に主制御プログラムは、処理フラグを0にセットし(ステップS6812)、大当り遊技処理を終了する。
このようにすると、主制御プログラムは、ステップ805において予め定めたラウンド数に達するまでの間、大入賞口2103を、大当りの当選種に応じた開放態様によって繰り返し開閉させて、大入賞口2103が開放状態の際に大入賞口2103に受け入れられた遊技球の数に応じた賞球動作の指示を行う。
[12.演出制御]
上述した演出制御プログラムは、既述の受信コマンド解析処理において主制御基板4100から受け取って周辺制御部受信リングバッファに記憶済のコマンドを解析し(コマンド受信手段)、当該コマンドが既述の変動パターンコマンドである場合、この変動パターンコマンド(に含まれるパターンコマンド)に対応する変動パターンに沿って、音源内蔵VDP4160aを制御し、遊技盤側液晶表示装置1900に、特別図柄を模した左、中、右装飾図柄を変動時間に亘って変動表示させた後、特別図柄の停止図柄を模した3つの装飾停止図柄を表示させる。併せて、演出制御プログラムは、遊技盤4の後述する各種装飾基板を制御し、上述した左、中、右装飾図柄の変動表示に連動させてそれぞれ変動表示ランプ1701、1702、1703の点灯、点滅或いは階調状態を変動表示させ、その後その変動表示を各々順に停止させる。その後、演出制御プログラムは、音源内蔵VDP4160aに、この変動パターンコマンドに含まれる当選情報コマンドに基づく大当たりに関する当落情報に応じた装飾停止図柄を、遊技盤側液晶表示装置1900に表示させる。この際、演出制御プログラムは、遊技盤4の各種装飾基板を制御し、7セグ表示装置1800に、上述した変動表示ランプ1701、1702、1703を用いて変動表示を行っている間に亘り、いわゆる7セグ表示を用いて特別図柄を装飾的に模した数字でなる装飾図柄を併せて変動表示させた後、上述した変動表示ランプ1701、1702、1703特別図柄の停止図柄を装飾的に模した数字でなる装飾停止図柄を表示させる。
[12−1.周辺制御基板側の先行判定処理]
演出制御プログラムは、既述の受信コマンド解析処理において主制御基板4100から受け取って周辺制御部受信リングバッファに記憶済のコマンドを解析し(コマンド受信手段)、当該コマンドが特別図柄1記憶コマンドまたは特別図柄2記憶コマンドであると、このコマンドの受信を契機として、特別図柄1記憶コマンドまたは特別図柄2記憶コマンドに対応する新たな始動記憶情報について特別抽選の抽選結果を暗示する始動保留表示態様を遊技盤側液晶表示装置1900(表示手段)に導出させる(始動保留制御手段)。
即ち、この演出制御プログラムは、受信したコマンドが特別図柄記憶先読み演出コマンド(特別図柄1記憶先読み演出コマンドまたは特別図柄2記憶先読み演出コマンド)であると、当該特別図柄記憶先読み演出コマンドに含まれる先読み情報(例えば特別図柄の停止図柄に関する情報を例示する)に基づいて、例えば、大当たり遊技の種別を示唆する情報を取得し、当該情報に基づいて、当該特別図柄1記憶先読み演出コマンドまたは特別図柄2記憶先読み演出コマンドに対応する当該新たな始動記憶情報に対応する特別抽選の抽選結果を暗示する始動保留表示態様を遊技盤側液晶表示装置1900に導出させる(始動保留制御手段)。
具体的には、特別図柄1記憶先読み演出コマンドまたは特別図柄2記憶先読み演出コマンドを受け取った場合、演出制御プログラムは、上記始動保留表示態様(例えば大当たりへの期待を抱きにくい保留表示態様として「通常保留表示態様」を例示する)を最初から或いは途中から特別始動保留表示態様(例えば大当たりへの期待を遊技者に非常に抱かせ易い保留表示態様として「激アツ保留表示態様」を例示する)に差し替えて遊技盤側液晶表示装置1900に導出させる保留先読み制御を実行する(保留先読み制御手段)。以下、このような機能を「保留先読み制御機能」という。
[12−2.パネル共通画像表示]
ここで、一般的なパチンコ機としては、遊技盤にメイン液晶表示装置が設けられており、遊技球が始動口に受け入れられる度に特別図柄を変動表示させる一方、このメイン液晶表示装置に、当該変動表示する特別図柄を装飾的に表した装飾図柄を変動表示させるとともに当該遊技機のテーマに沿ったキャラクタを登場させて演出表示を実行するものが存在している(上記参考文献参照)。その一方、さらに近年のパチンコ機には、遊技盤にさらにサブ液晶表示装置が設けられているものも存在している。このような近年のパチンコ機では、上述したメイン液晶表示装置及びサブ液晶表示装置にほぼ同様な態様の画面を表示させる場合であっても、これらの画面サイズが異なるため、各画像データを不揮発性映像メモリ(以下「キャラクタROM」ともいう)に別々に用意しておく必要があった。このため、このような近年のパチンコ機では、メイン液晶表示装置のみを搭載する一般的な遊技機に比べると、一見すると、キャラクタROMに必要な記憶容量が大きくなり易く、相対的にその他の画像データを記憶させる記憶容量を圧迫するおそれがありそうにも思える。
しかしながら本実施形態では、周辺制御基板4140の液晶及び音制御部4160において音源内蔵VDP4160a(演出制御手段)が、この液晶及び音制御ROM4160bから読み出したサイズ変換画像データから、互いに表示サイズが異なる遊技盤側液晶表示装置1900(一方の表示手段)の表示領域及び上皿側液晶表示装置244(少なくとも1つ他方の表示手段のいずれか)の表示領域に合わせるように表示サイズをそれぞれ変更した1フレーム分の描画データを次々と生成する(サイズ調整手段)。この音源内蔵VDP4160aは、当該生成した1フレーム分の描画データを次々とタイマ割り込みごとに遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244にそれぞれ出力し、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に、互いに表示サイズの異なる共通画像をそれぞれ表示させる。
このようにすると、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244にそれぞれ、表示サイズの異なる共通画像をそれぞれ表示させようとした場合でも、液晶及び音制御ROM4160bには1つのサイズ変換画像データを用意しておけば良いことになるため、液晶及び音制御ROM4160bに必要な記憶容量を極力少なくすることができる。
上述した遊技盤側液晶表示装置1900(一方の表示手段に相当)及び上皿側液晶表示装置244(少なくとも1つの他方の表示手段に相当)に、互いに表示サイズの異なる共通画像をそれぞれ表示させるための具体的な構成としては、まず、音源内蔵VDP4160aが、周辺制御MPU4140aの制御の下、液晶及び音制御ROM4160b(演出制御記憶手段)に予め記憶されているサイズ変換画像データを用いて、図107(A)に示すように、遊技盤側液晶表示装置1900の第1の表示領域の横方向における第1の幅W1にほぼ一致するように縦横比を維持しつつ共通画像の表示サイズを変更させた第1の共通画像としてメインパネル画像を形成するための第1の描画データを生成する。これとともに音源内蔵VDP4160aは、遊技盤側液晶表示装置1900(第1の表示手段)の表示領域(第1の表示領域)の横方向における第1の幅W1が縦横比を維持しつつ、図107(B)に示すような上皿側液晶表示装置244(第2の表示手段)の表示領域(第2の表示領域)の横方向における第2の幅W2となるように共通画像の表示サイズを変更させた第2の共通画像としてタッチパネル画像を形成するための第2の描画データを生成する(サイズ調整手段)。
音源内蔵VDP4160aは、上述のように生成された第1の描画データを遊技盤側液晶表示装置1900に出力し、この遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域に、上記第1の共通画像を表示させる(第1の共通画像制御手段)。
ところで、音源内蔵VDP4160aは、遊技盤側液晶表示装置1900(第1の表示手段)の表示領域における縦方向の下部の一部である装飾保留表示領域(特定領域)内に、当該少なくとも1つの始動記憶情報を各々特定しうる態様で上記導出された保留表示態様に対応させて装飾保留表示態様を導出させる(装飾保留表示制御手段)。この装飾保留表示態様としては、例えば4個の始動記憶情報が始動記憶情報記憶領域に記憶済である場合には、図示のような保留球A,B,C,Dを例示することができる。
音源内蔵VDP4160aは、上皿側液晶表示装置244の表示領域(第2の表示領域)に第2の共通画像としてタッチパネル画像を表示させる際、タッチパネル画像のうち、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域内における装飾保留表示領域(特定領域)に対応する部分を除いて、上皿側液晶表示装置244の表示領域にタッチパネル画像の一部を表示させる(第2の共通画像制御手段)。
このようにすると、音源内蔵VDP4160aは、液晶及び音制御ROM4160bに予め記憶されている1つのサイズ変換画像データに基づいて、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域に、上記少なくとも1つの始動記憶情報を特定しうる態様で導出されうる装飾保留表示態様を視覚的に表すための装飾保留表示領域が含まれる画像であって既述の共通画像と相似形状のメインパネル画像(第1の共通画像)を表示させる一方、上皿側液晶表示装置244の表示領域に、メインパネル画像の下部に位置する装飾保留表示領域がメインパネル画像から除かれるとともに表示サイズが変更(例えば縮小)されたタッチパネル画像(第2の共通画像)を表示させることになる。これにより、上述したように、液晶及び音制御ROM4160bに必要な記憶容量を極力少なくすることができるばかりでなく、遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域にのみ装飾保留表示領域を表示させることで、遊技者に、過度に上皿側液晶表示装置244の表示領域を注視し過ぎないようにして本来の遊技性を十分に楽しませつつ、タッチパネル246の操作面を介して上皿側液晶表示装置244の表示領域の表示内容を楽しませることができる。
[12−3.遊技仕様閲覧機能]
ところで、一般的に遊技者は、日頃から見慣れた遊技機については事前に遊技機関連情報誌を通読しておくことができる一方、日頃見慣れない新たな遊技機に遭遇した場合には、当該遊技機の仕様を把握するための情報源として、遊技開始前に、遊技機製造企業から提供を受けて遊技場に準備されている小冊子を参照することができる。近年の遊技機は機種ごとに特徴付けられた遊技性となっており(既述の参考文献参照)、このような小冊子を参照すると、遊技者が容易に当該機種の遊技仕様の概要を把握することができる(以下、このような現状を「所定の背景」ともいう)。上述のような関連情報誌は、遊技者が逐一販売店舗において購入しに行かなければならないため、確実に入手可能な情報源とは言い難い。一方、小冊子は、遊技機製造企業から提供される部数に限りがあるため、希望する全ての遊技者が必ずしも入手することができる訳ではない。
そこで本実施形態では、まず、液晶及び音制御部4160において液晶及び音制御ROM4160b(演出制御記憶手段)の記憶領域の構成に、図66に示すように、演出コマンドに応じて機種固有の演出動作を制御するために用いる演出データが予め格納されている演出データ領域4160baとは別途独立させて、規定の開始アドレスから規定の終了アドレスまでの空間に固定的に確保された規定の記憶領域として機種情報データ領域4160bbを形成している。
この機種情報データ領域4160bbには、遊技内容に関する情報の一例として当該機種の機種情報(以下「小冊子情報」という)を複数のページに分けて表示するための複数のページ単位機種情報データが上記規定の記憶領域における規定の開始アドレスから順に予め格納されている。本実施形態では、これら全てのページ単位機種情報データを一体として「機種情報データ」とも呼んでいる。なお、ブランク領域4160bcは、演出データ領域4160baの記憶領域のうちデータを格納した際にこのデータが満たされなかった残りの空間を表している。
本実施形態では、このような機種情報データとしては、例えば、ある特定機種のパチンコ機に関する遊技方法及び遊技仕様の少なくとも一方の解説を含む小冊子情報を複数のページに分けて表示するためのデータを挙げることができる。ここでは、例えば、機種Aとして本実施形態の遊技盤4を備えるパチンコ機1を例示する一方、機種Bとして他の遊技盤を備えるパチンコ機を例示する。これらいずれの機種でも、各機種固有の機種情報データは、機種情報データ領域4160baの先頭アドレス(上述した「開始アドレス」に相当)から規定の終了アドレスにまで広がる空間に記憶されている。
周辺制御MPU4140aでは、例えば遊技が継続されていない状態において、演出制御プログラムが、タッチパネル246の接触面に規定の接触状態が検知されたことを契機として(接触状態検知手段)、液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aに、液晶及び音制御ROM4160bの記憶領域のうち上記規定の開始アドレス及び上記規定の終了アドレスを固定的に指定して機種情報データ領域4160bbから一律に規定の容量分のデータを読み出す(機種情報データ制御手段)。当該読み出されたデータは、上述した機種情報データとしての機種情報データを含んでいる。なお、このように規定の容量のデータを読み出しているのは、その他の機種でもプログラムコードを修正することなく同様に当該手法を適用することができるようにするためである。
演出制御プログラムは、音源内蔵VDP4160aに、上述のように読み出された機種情報データから複数のページのうちの特定のページに対応させた描画データとしての特定ページ描画データを生成させて、図示しないフレームメモリに格納させる。このフレームメモリに描画データが格納されると、さらに音源内蔵VDP4160aは、上皿側液晶表示装置244に出力するVブランク信号に同期させて、このフレームメモリの特定ページ描画データを上皿側液晶表示装置244に出力する。
すると、上皿側液晶表示装置244は、音源内蔵VDP4160aから受け取るVブランク信号に同期させて、入力された描画データに基づく描画処理を実行し、対応するフレームを表示領域に表示させる。このようにすると、音源内蔵VDP4160aは、遊技内容に関する情報としての小冊子情報のうち特定のページとして、例えば、図109に示すように「FIRE DYNAMITE KING」という機種テーマを代表する紹介ページを最初に表示させる(特定ページ描画制御手段)。
このようにすると、遊技者としては、遊技方法や遊技仕様の解説が掲載された小冊子などが全く設置されていなかったり或いは十分な相当数設置されていない遊技場において見知らぬ遊技機に遭遇した場合でも、当該見知らぬ遊技機について、小冊子を参照する代わりに、全体的な遊技フローの概要を説明するページを閲覧することができるため、遊技方法に迷うことなく正確に遊技仕様を把握した上で十分に遊技を楽しむことができる。
一方、遊技機開発企業としては、遊技機開発者が意図した遊技方法及び遊技仕様を正確に遊技者に理解させ易くなるため、遊技仕様が多少複雑であったり遊技方法が希なものであっても、当該意図した遊技方法に沿って遊技者を遊技仕様に応じた遊技性で楽しませ易くすることができる。
また、その一方、遊技場としては、日々遊技機の入れ替え頻度が高くなりがちな島設備において入れ替えた遊技機の機種ごとに、対応する小冊子などを新たに準備する必要がなくなるため、遊技場におけるメンテナンス作業を軽減することができるばかりでなく、その軽減された分遊技場店員がその他の作業に従事することができる。
ところで、上述した機種情報データは、図67(A)に示すように、複数のページにそれぞれ対応させたページ単位機種情報データ4610za〜4610zzの集合によって構成されているとともに、各ページ単位機種情報データ4610za〜4610zzは、ページごと用の規定の開始アドレスから配置されている規定のページ区切り情報4160zが先頭に設けられている。このページ区切り情報4160zは、図67(B)に示すように、各ページの開始アドレスから、例えば各2バイトずつの演出種別情報4160za、前ページ開始アドレス4160zb及び次ページ開始アドレス4160zcを含んでいる。この演出種別情報は、対応する各ページにおいて解説されている演出内容の種別に関する情報であり、例えば「リーチ演出」との情報を表している。前ページ開始アドレス4160zbは、複数のページのうち現在表示させているページの前ページが存在する場合、当該前ページの表示に用いるページ単位機種情報データが格納されている記憶領域の位置を表す規定の開始アドレスを表している。一方、次ページ開始アドレス4160zcは、複数のページのうち現在表示させているページの次ページが存在する場合、当該次ページの表示に用いるページ単位機種情報データが格納されている記憶領域の位置を表す規定の開始アドレスを表している。
このような構成において演出制御プログラムは、上述した規定の開始アドレスから規定の終了アドレスまでの規定の容量に亘って、各機種に対応した機種情報データ(及びそれを構成する複数のページ単位機種情報データ)を読み出す。即ち、演出制御プログラムは、機種が異なっても一律に規定の開始アドレスから始まる機種情報データ領域4160bbより、この機種情報データを読み出すようになっている。一方、演出制御プログラムは、上述した規定の開始アドレスから規定の終了アドレスまでの規定の容量に亘って、各機種に対応した各ページの各ページ単位機種情報データを読み出す。即ち、演出制御プログラムは、機種が異なっても一律に規定の開始アドレスから始まる機種情報データ領域4160bbより、この機種情報データを読み出すようになっている。
上述したように上皿側液晶表示装置244に紹介ページ(以下、現時点の「本ページ」という)が表示された状態において、演出制御プログラムが、図110に示すようにタッチパネル246の接触面において所定方向、例えば左下から右上に摺動する接触状態を検知したことを契機として、音源内蔵VDP4160aに、当該摺動する接触状態に沿って当該所定方向、例えば左から右にページを捲った場合における本ページのページ区切り情報4160に基づいて、これに含まれる次ページ開始アドレス4160zcから規定の単位容量の空間に亘ってページ単位機種情報データを読み出し、次に表示すべき1ページ分に亘るページ機種情報データからページ描画データ(以下、「次ページ描画データ」と呼称する)を生成し、この次ページ描画データを上述したフレームメモリに書き込んで、Vブランク信号に同期させて上皿側液晶表示装置244に出力する。すると、上皿側液晶表示装置244には、当該次ページ描画データに基づいて小冊子情報のうち、図111に示すように次のページとして、全体的な遊技フローの概要を説明するページが表示される。
一方、このように上皿側液晶表示装置244に全体的な遊技フローの概要を説明するページ(現時点における「本ページ」という)が表示された状態において、演出制御プログラムが、タッチパネル246の接触面において所定方向、例えば右から左に摺動する接触状態を検知したことを契機として、音源内蔵VDP4160aに、当該摺動する接触状態に沿って当該所定方向を捲った場合における本ページのページ区切り情報4160zに基づいて、これに含まれる前ページ開始アドレス4160zbから規定の単位容量の空間に亘ってページ単位機種情報データを読み出し、前に遡って表示すべき1ページ分に亘るページ機種情報データからページ描画データ(以下、「前ページ描画データ」と呼称する)を生成し、この前ページ描画データを上述したフレームメモリに書き込んで、Vブランク信号に同期させて上皿側液晶表示装置244に出力する。すると、上皿側液晶表示装置244には、前ページ描画データに基づいて小冊子情報のうち、前のページとして、機種テーマを代表するページに戻って表示される。
ところで、既述の所定の背景の下では、遊技者が、遊技球を発射させるために一方の手で発射ハンドルを操作している関係上、他方の手だけで小冊子のページを捲らざるを得ず、遊技の進行に対応する解説が記載された所望のページにまで至る前に次の遊技に進んでしまうことが多かった。
そのような不都合を解消するため、本実施形態では、周辺制御基板4140では、演出制御プログラムが周辺制御MPU4140aの制御の下、音源内蔵VDP4160aによって、上皿側液晶表示装置244の表示領域に、上述のように複数のページで構成される小冊子情報を表示させ、その後、この小冊子情報を構成する複数のページのうちから遊技の進行に対応する特定のページを自動的に表示させるようにしている。
このような機能を発揮するため、液晶及び音制御ROM4160bの機種情報データ領域4160bbに予め用意される機種情報データには、図67(B)に示すように、各ページごとのページ区切り情報4160zに、上記次ページ開始アドレス及び前ページ開始アドレスのみならず、上述したように当該本ページの解説内容に対応する演出種別情報が含められている。この演出種別情報としては、例えば、リーチ演出に関する解説内容を含むページの表示に用いるページ単位機種情報データに対して、その開始アドレスに位置するページ区切り情報4160zには「リーチ演出」であることを示す情報を挙げることができる。
具体的に例示すると、演出制御プログラムは、例えば、演出条件の一例として、上述したリーチ演出(特定の演出動作)を実行させるためのリーチ条件または当該リーチ条件のうち特定のリーチ条件(演出条件)が成立したことを契機として(演出抽選手段)、上述したように一律に読み出しされた機種情報データを構成する複数のページ単位機種情報データのページ区切り情報4160zの演出種別情報のうち「リーチ演出」に該当するページ単位機種情報データを検索する(機種情報データ制御手段)。即ち、演出制御プログラムは、上述した複数のページの表示に用いる機種情報データにおける複数のページ単位機種情報データのうち当該成立したリーチ条件に関連付けられたページ単位機種情報データを見つけ出す。
次に演出制御プログラムは、このページ単位機種情報データから描画データを生成して上皿側液晶表示装置244(第2の表示手段)に出力し、この上皿側液晶表示装置244に、複数ページのうち特定の演出動作の一例としてリーチ演出に関連する特定のページとして、例えば図112に示すようなリーチ演出に関する解説ページを自動的に表示させる(ページ自動表示制御手段)。なお、このように自動表示させる特定ページとしては、上述したようなリーチ演出に関するもののみならず、その他の演出動作或いはその他の情報に関するものであっても良い。
本実施形態では、遊技者は基本的に、装飾図柄の変動表示を実行する遊技盤側液晶表示装置1900の表示領域に注目し易くなるものの、遊技の進行に応じた演出動作の一例としてリーチ演出が実行される場合、上皿側液晶表示装置244(第2の表示手段)に、当該演出動作としてのリーチ演出に関する解説が表示されるようになる。従って、見慣れないパチンコ機1で遊技している遊技者であっても、装飾図柄の変動表示の視認性を害されることなく、不慣れな遊技の進行に対応した解説を適切なタイミングで確実に参照できるようになるため、本来の遊技性を正確に把握しつつ遊技を楽しむことができるようになる。併せて、この遊技者は、当該遊技機の開発者が意図した遊技仕様を遊技の進行に沿って逐一正確に理解した上で、遊技性を十分に楽しむことができるようになる。
[13.遊技動作]
本実施形態におけるパチンコ機1では、遊技者が、扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500を回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル1200の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと発射されて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技盤4の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されるとともに、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球が、センター役物2500の左側へ進入すると、複数の障害釘又は周壁部2503の傾斜した上面によってセンター役物2500の左側の領域へ誘導される。また、センター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の右側へ進入すると、振分進入通路2545を介して振分空間2530内へ送られた後に案内通路2540を介してゲート部2301やステージ2510よりも下流側に配置されたアタッカユニット2100における大入賞口2103の上流側の遊技領域1100内へ放出される。
そして、遊技領域1100内におけるセンター役物2500の左側の領域を流下した遊技球が、ゲートユニット2300のゲート部2301に進入通過してゲートスイッチ2301により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通乱数発生手段で普通抽選結果としての普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、後述する特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターン選択手段において普通図柄変動パターンを選択する普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
ところで、本実施形態では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートスイッチ2301で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートスイッチ2301からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を普通図柄記憶保留手段で一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器1188は、4つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本実施形態では、4つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が4つを越えた場合は、ゲートスイッチ2301の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打込まれセンター役物2500の左側を流下した遊技球は、表サイドユニットの棚部2202,2203によってセンター役物2500の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2500の下方に配置された一般入賞口2104,2201に遊技球が入賞して、一般入賞口スイッチ3020に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打込まれた遊技球が、一般入賞口2104,2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1232(1151)から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104,2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
ところで、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側側面に開口するワープ入口2504へ進入すると、センター役物2500のステージ2510へと供給されるようになっている。詳述すると、ワープ入口2504に進入した遊技球は、ワープ出口2505からステージ2510における第一ステージ2511の左端に供給され、第一ステージ2511を左右方向へ転動した後に主に最も低くなった部位から前方へ放出される。そして、第一ステージ2511から前方へ放出された遊技球は、第一ステージ2511の前側且つ下側に配置された第二ステージ2512に供給され、第二ステージ2512を左右方向へ転動した後に最も低くなった中央の部位から前方へ放出される。
第二ステージ2512から前方へ放出された遊技球は、第二ステージ2512の前側且つ下側に配置された第三ステージ2513に供給され、第三ステージ2513を左右方向へ転動した後に最も低くなった部位から後方へ放出される。そして、第三ステージ2513から放出された遊技球は、第三ステージ2513と第一ステージ2511との間で第二ステージ2512の左右両側の第三ステージ2513よりも下側に配置された第四ステージ2514に供給され、第四ステージ2514を左右方向へ転動した後に、落下孔2514aから下方へ放出される。さらに、第四ステージ2514の落下孔2514aから下方へ放出された遊技球は、第四ステージ2514の直下に配置された第五ステージ2515に供給され、第五ステージ2515を左右方向へ転動した後に、左右方向中央を挟んで左右両側の最も低くなった部位から前方へ放出されて遊技領域1100内に還流される。
このステージ2510を転動する遊技球が、第一ステージ2511の第一チャンス入口2516又は第二ステージ2512の第二チャンス入口2517へ進入すると、第一始動口2101の直上に開口したチャンス出口2518から遊技領域1100内へ放出され、高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口スイッチ3022に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、第一始動口2101及び第二始動口2102が上下方向に並んで配置されているので、ステージ2510から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっている。第二始動口2102が受け入れ可能な時に、遊技球がステージ2510から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102に対しても、遊技球の受け入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
一方、遊技球がセンター役物2500の右側を流下するように打込むと、振分空間2530内等を介してアタッカユニット2100における大入賞口2103の上流側へ遊技球が放出されるので、大入賞口2103が受け入れ可能な時には、高い確率で遊技球を大入賞口2103へ受入れさせることができるようになっている。従って、大入賞口2103が受け入れ可能となる遊技状態の時には、遊技球が振分空間2530内を流通するような遊技球の打込操作をさせることができる。換言すると、大入賞口2103が受け入れ可能な遊技状態の時には、遊技球を所定以上に強く打込むだけで、遊技球が振分空間2530を通って高い確率で大入賞口2103へ受入れさせることができる。
ところで、遊技球がゲート部材2400のゲート部2301を通過してゲートスイッチ2301により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口スイッチ2109に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が受け入れられて、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109に検出されると、主制御プログラムが、第一始動口2101に関し、所定の第一特別乱数の発生・抽出を行う一方、第二始動口2102に関し、所定の第二特別乱数の発生・抽出を行う。主制御プログラムは、抽出された特別乱数に基いて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄を特別抽選結果として停止表示させる。
これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当たり」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2106が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当たり遊技)が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。
ただし、「大当たり」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されたとしても、ただちに大当たり遊技が開始されるわけではなく、まずは、説明インターバル演出が行われ、この説明インターバル演出タイマがタイムアップしたことを契機に、大当たり遊技が実行される一条件となる条件装置が作動するのである。
なお、これら第一始動口2101、及び第二始動口2102においても、ゲート部材2400への遊技球の通過による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当たり遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、第一始動口2101或いは第二始動口2102に遊技球が入球して第一始動口スイッチ3022或いは第二始動口スイッチ2109で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を、第一始動記憶情報記憶領域(第一始動記憶情報記憶手段)や第二始動記憶情報記憶領域(第二始動記憶情報記憶手段)で記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示するようになっている。
これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本実施形態では、夫々4つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が4つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。また、優先保留消化手段によって、第二始動記憶情報記憶領域で記憶(保留)された第二特別乱数が、第一指導情報記憶領域で記憶された第一特別乱数よりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2102に係る抽選結果の保留が、第一始動口2101に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、主制御プログラムが、第一始動口スイッチ3022、第二始動口スイッチ2109の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を予め決められた所定の乱数判定テーブル(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」及び「大当たり」の何れであるかが判別されるとともに、特別図柄の停止図柄(ハズレ図柄)についても判別されるようになっている(第一特別図柄変動パターン選択手段、第二特別図柄変動パターン選択手段)において。また、乱数判定テーブルによって、「確変時短無し当り」「確変当り」、「時短当り」、「確変時短当り」等も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)、「大当たり」の場合、主制御プログラムは、上述したとおり、説明インターバル演出タイマがタイムアップしたことに基づいて、大当たり遊技を実行するための一条件となる条件装置を作動させる。
有利遊技状態発生手段は、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するものであり、アタッカユニット2100Aの開閉部材2106A或いはアタッカユニット2100Bの開閉部材2106Bを開放状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口2103A或いは大入賞口2103Bに入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106A或いは開閉部材2106Bを閉鎖状態とする開閉パターンのラウンド遊技(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、「2R大当たり」であれば2ラウンド、「6R大当たり」であれば6ラウンド、「12R大当たり」であれば12ラウンド、「16R大当たり」であれば16ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当たり」については、抽出された特別乱数に応じて変動パターンテーブル変更手段によって乱数判定テーブルを高確率時短テーブル等と交換するようになっている。なお、大当たり遊技は、所定量の賞球が払い出されるものであれば、その態様は、上述したラウンド遊技に限られない。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当たり」の場合、主制御基板4100では、条件装置が作動したことに基づいて振分検知センサ2580(2580L,2580R)からの遊技球の検知信号を受付可能な状態とし、何れの振分検知センサ2580L,2580Rから最初に検知信号が送られてくるのかで、「大当たり」遊技のラウンド数を決定するようにしている。
なお、振分検知センサ2580からの遊技球の検知信号が受付可能となる場合、予め遊技盤側液晶表示装置1900等に、遊技球が通過された通過先のゲート2575とラウンド数との関係が表示されるようになっている。すなわち、「左ゲート2575Lに遊技球を通過させたときは12ラウンドと6ラウンドとのうちいずれかに抽選により決定される」こと、「右ゲート2575Rに遊技球を通過させたときは16ラウンドと2ラウンドとのうちいずれかに抽選により決定される」ことといった、遊技球の通過先のゲートと該ゲートを通過したことに基づいて決定されるラウンド数との関係が、遊技盤側液晶表示装置1900等に表示されるようになっている。
これにより、遊技者に対して所望のゲート2575を遊技球が通過するように、振分ユニット2550の振分弁2551の動きを見ながら遊技球を打込ませることができ、遊技球の打込操作を楽しませることができるとともに、振分空間2530内での遊技球の振分けにハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制する。
本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、機能表示ユニット1180の第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186が変動表示される他に、遊技盤側液晶表示装置1900においても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技盤側液晶表示装置1900等において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器1185,1186の特別図柄よりも、遊技盤側液晶表示装置1900等に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は遊技盤側液晶表示装置1900等に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、遊技盤側液晶表示装置1900等には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当たり」遊技中に表示される「大当たり遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して、遊技盤側液晶表示装置1900等での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御部4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御部4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。
これにより、特に遊技者が注目する遊技盤側液晶表示装置1900等での図柄の変動表示を周辺制御部4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して遊技盤側液晶表示装置1900等における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当たり」遊技中等に表示される「大当たり遊技演出画像」等も周辺制御部4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いものとすることができる。
ところで、第一特別抽選の結果または第二特別抽選の結果が大当たりであると、上述したとおり、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当たり」である旨を示す態様で特別図柄が停止表示される。ただし、本実施形態のパチンコ機1において行われる第一特別抽選及び第二特別抽選は、従来のパチンコ機における特別図柄抽選とはその果たすべき役割が異なっている。
具体的には、本実施形態のパチンコ機1においては、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が大当たりであると、この「大当たり」といった一の結果に対して、ハラハラタイプとドキドキタイプといった大当たり形態が異なる2タイプが遊技者に付与される。本実施形態では、ハラハラタイプとドキドキタイプとでは、大当たり形態としての、実行される大当たり遊技の態様が決定されるまでの処理形態が異なっている。そして、ハラハラタイプとドキドキタイプといった大当たり形態が異なる2タイプが遊技者に付与されると、これらのうちいずれかが選択されるようになっている。本実施形態では、条件装置が作動しているもとで、遊技者が遊技球に向けて発射させた遊技球が、左ゲート2575Lを通過するとハラハラタイプが選択され、右ゲート2575Rを通過するとドキドキタイプが選択される。
ハラハラタイプとドキドキタイプとには、それぞれ、大当たり遊技の実行態様が異なる当たりが属しているといえる。詳しくは、図104を参照しても分かるように、通常種別の大当たりであるときは(テーブルA参照)、ハラハラタイプには(左ゲート2575L)、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりも若干少量の遊技球しか獲得できない6ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりと、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりも若干多量の遊技球を獲得できる12ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりとが属しているといえる。また、特定種別の大当たりであるときは(テーブルB参照)、ハラハラタイプには(左ゲート2575L)、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりも多量の遊技球を獲得できる16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりのみが属しているといえる。
同様に図104を参照してドキドキタイプについて見てみると、通常種別の大当たりであるときは(テーブルA参照)、ドキドキタイプには(右ゲート2575R)、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりもかなり少量の遊技球しか獲得できない2ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりと、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりもかなり多量の遊技球を獲得できる16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりとが属しているといえる。また、特定種別の大当たりであるときは(テーブルB参照)、ドキドキタイプには(右ゲート2575R参照)、遊技球獲得の期待値に相当する9ラウンドよりも多量の遊技球を獲得できる16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりのみが属しているといえる。
右ゲート2575Rを遊技球が通過したときには、この右ゲート2575Rを通過したときに特定種別の大当たりであるか否かを判断し、特定種別の大当たりであれば、図104のテーブルBを参照して100%の確率で16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりに決定し、特定種別の大当たりでなければ、図104のテーブルAを参照して2ラウンドの大当たり遊技が実行される当たり又は16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりに、抽選により決定する。
また、左ゲート2575Lを遊技球が通過したときには、この左ゲート2575Lを通過したときに特定種別の大当たりであるか否かを判断し、特定種別の大当たりであれば、図104のテーブルBを参照して100%の確率で16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりに決定し、特定種別の大当たりでなければ、図104のテーブルAを参照して6ラウンドの大当たり遊技が実行される当たり又は12ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりに、抽選により決定する。そうすると、結果的に、遊技者からすれば、特定種別の大当たりであるときには、遊技球の通過先が左ゲート2575Lであるか右ゲート2575Rであるかにかかわらず、16ラウンドの大当たり遊技が実行される当たりに決定されることとなる。
ところで、実行される大当たり遊技の態様は、遊技球がゲート2575L,2575Rを通過したときに決定されるものの、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が特定種別の大当たりであるか否かは、ステップS6316において判断されている。従って、特定種別の大当たりであるときには、遊技盤側液晶表示装置1900では、遊技球がゲート2575L,2575Rを通過するよりも前(例えば特別図柄表示器1185,1186に第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が表示されたとき)に、16ラウンドの大当たり遊技を実行する旨を示す表示演出が行われる。
このように、本実施形態によれば、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が通常種別の大当たりである限り、遊技球がゲート2575L,2575Rを通過したときに、この通過によっていずれかの大当たり形態(ハラハラタイプ又はドキドキタイプ)が選択される。そして、選択された大当たり形態に属する当たりのうちいずれかの当たりに決定され、この決定された当たりに対応する大当たり遊技の実行形態で、大当たり遊技が実行されることとなる。
言い換えると、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が大当たりであるときは、この大当たりの種別に応じて、ゲート2585L,2575Rが果たすべき機能が異なることとなる。
具体的には、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が大当たりであるとき、大当たり図柄0〜9のうち大当たり図柄が7であるときに限り特定種別大当たりであると判断され、大当たり図柄0〜9のうち7以外の大当たり図柄が取得されたときに通常種別大当たりであると判断される。このように、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が大当たりであるときは高確率で通常種別大当たりであると判断されるので、ゲート2575L,2575R(より詳しくは振分検知センサ2580L,2580R)は、常には、大当たり遊技の実行態様を決定する部材として機能する。すなわち、主制御MPU4100aにより実行されるステップS6075及びステップS6079は、それぞれ、右ゲート2575R(振分検知センサ2580R)及び左ゲート2575L(振分検知センサ2580L)を、常には、大当たり遊技の実行態様を決定する部材として機能付ける機能付け手段としての役割を果たすこととなる。
ただし、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が特定種別大当たりであるときは、遊技球がゲート2575L,2575Rを通過したときに図104のテーブルBを参照して大当たり遊技の実行態様を決定する抽選を行うものの、この抽選は、大当たりの実行態様が予め決まっている形式的な抽選にすぎない。つまり、実質的には、遊技球がゲート2575L,2575Rを通過したことに基づいて、予め決まっている16ラウンドの大当たり遊技が実行されることとなるので、ゲート2575L,2575R(より詳しくは振分検知センサ2580L,2580R)は、大当たり遊技の実行契機として機能する。
すなわち、ステップS6073及びステップS6077において常にはNOと判断されるので、ゲート2575L,2575R(より詳しくは振分検知センサ2580L,2580R)は、ステップS6075及びステップS6079によって、常には、大当たり遊技の実行態様を決定する部材として機能するものの、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が特定種別大当たりであるときに限り、ステップS6073及びステップS6077においてYESと判断されて、ゲート2575L,2575R(より詳しくは振分検知センサ2580L,2580R)は、大当たり遊技の実行態様を決定する部材として機能することとなる。
なお、本実施形態では、右ゲート2575R(振分検知センサ2580R)及び左ゲート2575L(振分検知センサ2580L)は、常には大当たり遊技の実行態様を決定する部材として機能し、第一特別抽選の結果又は第二特別抽選の結果が特定種別大当たりであるときに限り、大当たり遊技の実行契機を決定する部材として機能することによって果たすべき役割が変更されているが、ゲート2575としての機能を変更する態様はこれに限られない。
例えば、常には、遊技球が左ゲート2575Lを通過するとハラハラタイプが選択され、遊技球が右ゲート2575Rを通過するとドキドキタイプが選択されるようにし、特定条件成立時には、遊技球が右ゲート2575Rを通過するとハラハラタイプが選択され、遊技球が左ゲート2575Lを通過するとドキドキタイプが選択されるようにして、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい。
また、例えば、常には、遊技球が通過するゲート2575L,2575Rに応じてハラハラタイプとドキドキタイプとのうちいずれかを選択可能とし、特定条件成立時には、いずれのゲート2575を遊技球が通過したとしても選択される大当たり形態をドキドキタイプ(又はハラハラタイプ)とすることで、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい。さらに、常には、いずれのゲート2575に遊技球を通過させたとしてもハラハラタイプ(又はドキドキタイプ)しか選択されないものの、特定条件成立時には、遊技球が通過するゲート2575L,2575Rに応じてハラハラタイプ又はドキドキタイプが選択されるようにすることで、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい。
さらに、常には、いずれのゲート2575に遊技球を通過させたとしてもハラハラタイプ(又はドキドキタイプ)しか選択されないものの、特定条件成立時には、遊技球が通過するゲート2575L,2575Rに応じてハラハラタイプ又はドキドキタイプが選択されるようにすることで、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい。
また、例えば、常には、ドキドキタイプが選択されるゲート2575L,2575Rを遊技球が通過すると、第1態様の大当たり遊技が実行される当たりと第2態様の大当たり遊技が実行される当たりとのうちいずれかに決定されるようにし、特定条件成立時には、ドキドキタイプが選択されるゲート2575L,2575Rを遊技球が通過すると、第1態様及び第2態様とは異なる態様で大当たり遊技が実行される当たりを含む複数の当たりのうちいずれかに決定されるようにすることで、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい(すなわち、ドキドキタイプである点で同じであったとしても、ドキドキタイプに属する当たりを変更することで、ゲート2575の機能を変更するようにしてもよい)。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。