JP6421814B2 - 遷移金属錯体、その製造方法およびメタセシス反応用触媒 - Google Patents

遷移金属錯体、その製造方法およびメタセシス反応用触媒 Download PDF

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Description

本発明は、遷移金属錯体、その製造方法およびメタセシス反応用触媒に関する。さらに詳しくは、本発明は、メタセシス反応用触媒の構成成分などとして有用で、且つ、ハンドリング性に優れる遷移金属錯体およびその製造方法、並びに、当該遷移金属錯体を用いたメタセシス反応用触媒に関する。
周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体は、例えば、メタセシス反応のための触媒を構成する成分などとして有用であることが知られており、広く用いられている。
近年、カルベン配位子を有する、周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体が、触媒活性が極めて高く、助触媒などと併用することを必要としないなどの利点を有することから、メタセシス反応用触媒として注目を集めている。しかしながら、遷移金属錯体にカルベン配位子を導入することが容易ではないために、カルベン配位子を有する遷移金属錯体は、高価になる傾向があるという問題があった。また、カルベン配位子を有する遷移金属錯体は、水や酸素などに対して極めて敏感であることから、取扱いが容易でない(ハンドリング性が悪い)という問題もあった。そのため、カルベン配位子を有する遷移金属錯体に比して、比較的に合成が容易であり、また、水や酸素などに対する安定性に相対的に優れる、カルベン配位子を有さない周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体のメタセシス反応用触媒への利用についても、引き続き、種々の検討が行われている。
例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に開示されているように、金属上の置換基や配位子を適切に選択した周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体は、環状オレフィンの開環メタセシス重合触媒の成分として用いうることが知られている。そして、開環メタセシス重合触媒の成分として使用する遷移金属錯体の置換基や配位子の違いに応じて、種々の立体特異性を持った環状オレフィン開環重合体が得られる。
特開2005−89744号公報 特開2006−52333号公報
"Macromolecules",2006年,第39巻,p.4663−4670
しかしながら、周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体は、カルベン配位子を有する遷移金属錯体に比べると水や酸素などに対する安定性に優れるものの、それでもなお、水や酸素などに対する安定性は十分ではなく、ハンドリング性が悪いという問題を有している。
そこで、本発明は、従来の周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体に比して水や酸素などに対して安定であるためにハンドリング性に優れ、かつ、従来の周期律表第5族または第6族の遷移金属原子を中心金属とする遷移金属錯体と同様にメタセシス反応用触媒などとして利用可能な遷移金属錯体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、従来のタングステン錯体などの遷移金属錯体と、オニウム塩とを溶媒中で混合すると、オニウム塩が遷移金属錯体構造に取り込まれて新たな錯体が形成されること、並びに、形成された錯体は、元の錯体よりも水や酸素などに対する安定性に優れるものとなり、しかも、メタセシス反応用触媒としての活性を維持することを見出した。本発明は、この知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより、完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、下記の一般式(1)で表される遷移金属錯体が提供される。
Figure 0006421814
ここで、上記一般式(1)中、Mは、周期律表第5族および第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子を表し、nは2〜6の整数であり、Lは、ハロゲン基、オキソ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してMと共に環構造を形成していてもよく、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子であり、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してAと共に環構造を形成していてもよい。
また、本発明によれば、上記の遷移金属錯体を製造する方法であって、下記の一般式(2)で表される遷移金属錯体と下記の一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合することを特徴とする遷移金属錯体の製造方法が提供される。
MLmL´p (2)
上記一般式(2)中、Mは、周期律表第5族および第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子を表し、Lは、ハロゲン基、オキソ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子を表し、これらの配位子が2個以上存在する場合には、これらの配位子は、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してMと共に環構造を形成していてもよく、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子であり、mは1〜5の整数であり、L´は中性配位子を表し、pは0または1である。
Figure 0006421814
上記一般式(3)中、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してAと共に環構造を形成していてもよく、X-は、ハロゲン化物イオン、置換基を有していてもよいアルコキシドアニオン、置換基を有していてもよいアリーロキシドアニオンおよび置換基を有していてもよいカルボキシレートアニオンから選択されるアニオンを表す。
さらに、本発明によれば、上記の遷移金属錯体、および当該遷移金属錯体以外の有機金属化合物からなる助触媒を含んでなるメタセシス反応用触媒が提供される。
本発明によれば、従来の遷移金属錯体に比して水や酸素などに対して安定であるためにハンドリング性に優れ、かつ、従来の遷移金属錯体と同様にメタセシス反応用触媒の成分などとして利用可能な新規な遷移金属錯体を提供することができる。
[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]のORTEP図である。 [テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]のORTEP図である。
本発明の遷移金属錯体は、下記の一般式(1)で表される遷移金属錯体である。
Figure 0006421814
一般式(1)中、Mは、周期律表第5族および第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子を表し、nは2〜6の整数であり、Lは、ハロゲン基、オキソ基、置換基を有していてもよい(換言すれば、置換もしくは非置換の)アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してMと共に環構造を形成していてもよく、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子であり、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してAと共に環構造を形成していてもよい。
ここで、上記一般式(1)において、Mは、錯体の中心金属であり、周期律表第5族および第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子である。本発明の遷移金属錯体の中心金属は、周期律表第5族および第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子であれば特に限定されないが、周期律表第6族の遷移金属原子から選択される遷移金属原子であることが好ましく、なかでも、モリブデン原子またはタングステン原子がより好ましく、タングステン原子が最も好ましい。
上記一般式(1)において、Lは、ハロゲン基、オキソ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子を表す。なお、Lで表される配位子は錯体中に2個以上存在するが(すなわち、一般式(1)のnは2以上であるが)、これらの配位子は、それぞれ、同一の配位子であっても、互いに異なる配位子であってもよく、また、少なくとも2つが互いに結合して、中心金属であるMと共に環構造を形成していても良い。また、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子である必要がある。Lで表される配位子の少なくとも1つが、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子であることにより、メタセシス反応用触媒の成分として利用した際に、メタセシス反応活性と立体選択性を得ることができる。具体的には、例えば重合反応に用いた場合には、Lで表される配位子がモノマーとの相互作用によってメタセシスの素反応に影響を与え、シス/トランス規則性とメソ/ラセモ規則性の異なる重合体を与えることができる。
一般式(1)において、Lで表される配位子としては、ハロゲン基、オキソ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基がより好ましく用いられ、そのなかでも、ハロゲン基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基および置換基を有していてもよいイミド基が特に好ましく用いられる。これらから選択される基のみをLで表される配位子として有する遷移金属錯体は、より水や酸素などに対する安定性に優れると共に、他の有機金属化合物からなる助触媒と組み合わせて用いることによって、より活性の高いメタセシス反応用触媒とすることができる。
一般式(1)において、Lで表される配位子の具体例としては、特に限定されることなく、以下の基が挙げられる。
ハロゲン基の具体例としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
また、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基が挙げられる。置換基を有するアルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシ基が挙げられる。
アリーロキシ基の具体例としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基が挙げられる。置換基を有するアリーロキシ基の具体例としては、ペンタフルオロフェノキシ基が挙げられる。
イミド基の具体例としては、フェニルイミド基、2,6−ジメチルフェニルイミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルイミド基、エチルイミド基、シクロヘキシルイミド基、アダマンチルイミド基が挙げられる。
アミド基の具体例としては、ジメチルアミド基、ジイソプロピルアミド基、ジフェニルアミド基が挙げられる。
アシルオキシ基の具体例としては、アセテート基、トリフェニルアセテート基が挙げられる。
また、Lで表される配位子2つが互いに結合して形成される配位子の例としては、2,2’−ビフェノキシ基や3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ基を挙げることができる。
一般式(1)において、nは、Lで表される配位子の個数を表す。nは、2〜6の整数であり、特に好ましくは6である。
一般式(1)において、Aは、窒素原子またはリン原子を表す。特に、Aは窒素原子であることが好ましい。一般式(1)で表される遷移金属錯体において、このAで表される原子は、正の電荷を有し、負の電荷を有する遷移金属原子M(錯体の中心金属)とイオン対を形成して、錯体の一部を形成する。
一般式(1)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。この炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、特に限定されることなく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、特に限定されることなく、フェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、メシチル基が挙げられる。なお、R1、R2、R3およびR4で表される基は、同一の基であっても、互いに異なる基であってもよく、また、R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも2つが互いに結合して、Aで表される窒素原子またはリン原子と共に環構造を形成していても良い。そして、R1、R2、R3およびR4で表される基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
一般式(1)で表される本発明の遷移金属錯体を、より具体的に例示すると、[テトラメチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]、[テトラメチルアンモニウム][フェニルイミドモリブデン(VI)ペンタクロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドモリブデン(VI)ペンタクロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][シクロヘキシルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]、[1,3−ジメチルイミダゾリウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]、[ピリジニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]、[テトラn−ブチルホスホニウム][フェニルイミドモリブデン(VI)ペンタクロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)テトラクロリドモノアセテート]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシモリブデン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}モノ(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニルイミドタングステン(VI)]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}モノ(2,6−ジメチルフェノキシ)オキシタングステン(VI)]、[テトラn−ブチルアンモニウム][テトラキス(2,6−ジメチルフェノキシ)オキシタングステン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][テトラキス(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][テトラキス(2,6−ジメチルフェノキシ)オキシモリブデン(VI)クロリド]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ペンタキス(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニルイミドタングステン(VI)]、[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)テトラクロリド(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシド)]、[テトラn−ブチルアンモニウム][ペンタキス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシド)フェニルイミドタングステン(VI)]を挙げることができる。
一般式(1)で表される本発明の遷移金属錯体を得る方法は、特に限定されないが、次に述べる本発明の遷移金属錯体の製造方法の一実施態様によれば、好適に本発明の遷移金属錯体を得ることができる。すなわち、本発明の遷移金属錯体の製造方法の一実施態様は、下記の一般式(2)で表される遷移金属錯体と下記の一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合することにより、上記一般式(1)で表される本発明の遷移金属錯体を製造するものである。
MLmL´p (2)
一般式(2)中、MおよびLが表すものは、それぞれ、一般式(1)中のMおよびLが表すものと同じである。なお、Lで表される配位子が錯体中に2個以上存在する場合(すなわち、一般式(2)のmが2以上の場合)には、これらの配位子は、それぞれ、同一の配位子であっても、互いに異なる配位子であってもよく、また、少なくとも2つが互いに結合して、中心金属であるMと共に環構造を形成していても良い。また、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリーロキシ基、置換基を有していてもよいイミド基、置換基を有していてもよいアミド基、および置換基を有していてもよいアシルオキシ基から選択される配位子である必要がある。また、mは、1〜5の整数であり、好ましくは5である。
また、一般式(2)中、L´は中性配位子を表し、pは0または1である。そして、一般式(2)中、L´で表される中性配位子を構成しうる化合物の例としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、1−メチルイミダゾールなどの3級アミン類、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明の遷移金属錯体の製造方法の一実施態様において、L´で表される中性配位子は、一般式(3)で表されるオニウム塩と反応させた際に中心金属であるMから解離する。
Figure 0006421814
一般式(3)中、A、R1、R2、R3およびR4が表すものは、それぞれ、一般式(1)中のA、R1、R2、R3およびR4が表すものと同じである。また、一般式(3)中のX-は、ハロゲン化物イオン、置換基を有していてもよいアルコキシドアニオン、置換基を有していてもよいアリーロキシドアニオンおよび置換基を有していてもよいカルボキシレートアニオンから選択されるアニオンを表す。なお、X-で表されるアニオンは、目的とする本発明の遷移金属錯体(一般式(1)で表される遷移金属錯体)において、中心金属に対する配位子(一般式(1)においてLで表される配位子)となるものである。X-の具体例としては、Lで表される配位子の例として挙げた基のうちのハロゲン基、アルコキシ基、アリーロキシ基およびアシルオキシ基の具体例に対応するアニオンを挙げることができる。一般式(3)で表されるオニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウム(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシド)、テトラn−ブチルアンモニウム(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシド)、テトラメチルアンモニウム(2,6−ジメチルフェノキシド)、テトラn−ブチルアンモニウム(2,6−ジメチルフェノキシド)、テトラn−ブチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムトリフェニルアセテート、イミダゾリウムクロリド、イミダゾリウム(2,6−ジメチルフェノキシド)、イミダゾリウム(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロポキシド)、ピロリジニウムクロリド、ピロリジニウム(2,6−ジメチルフェノキシド)、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラn−ブチルホスホニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の遷移金属錯体の製造方法の一実施態様では、上記の一般式(2)で表される、従来、メタセシス反応用触媒の成分として用いられてきた遷移金属錯体と、上記の一般式(3)で表されるオニウム塩(アンモニウム塩またはホスホニウム塩)とを溶媒中で混合することにより、目的物である本発明の遷移金属錯体(一般式(1)で表される遷移金属錯体)を得ることができる。
ここで、一般式(2)で表される従来の遷移金属錯体と、一般式(3)で表されるオニウム塩とを混合することにより本発明の遷移金属錯体を得ることができるメカニズムは、明らかではないが、以下の通りであると推察される。即ち、中心金属がルイス酸性の高い原子(例えば、タングステン原子など)である場合、オニウム塩のアニオンX-が中心金属に対して共有結合性の高いイオン結合を形成すると共に、アニオンX-のマイナスの電荷が分子全体に非局在化することにより、アート型のオニウム塩錯体を形成し、本発明の遷移金属錯体が得られると推察される。また、中心金属が上記以外の原子(例えばモリブデン原子など)の場合においても、中心金属のルイス酸性が低すぎず、また、オニウム塩が安定であることから、タングステン原子などの場合と同様にアート型のオニウム塩錯体を形成することができると推察される。なお、オニウム塩と中心金属とは協奏的な反応でなく、オニウム塩のアニオンと中心金属との反応である。そのためオニウム塩におけるR1、R2、R3およびR4の種類は、溶媒に対するオニウム塩の溶解性には影響するものの、従来の遷移金属錯体の中心金属との反応に対する影響はわずかであることが推察される。
本発明の遷移金属錯体を得るために用いる溶媒は、遷移金属錯体およびオニウム塩を溶解または分散させることが可能であって、反応に影響しないものであれば、特に限定されないが、溶媒としては有機溶媒が好ましく用いられる。用いられうる有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素などを挙げることができる。これらのなかでも、オニウム塩の溶解性の観点からは、ハロゲン化脂肪族炭化水素が好ましく用いられる。なお、それぞれの成分の有機溶媒中の濃度は、特に限定されず、その混合順序も任意である。
一般式(2)で表される遷移金属錯体と、一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合する際の、それぞれの成分の比率は特に限定されないが、一般式(3)で表されるオニウム塩の一般式(2)で表される遷移金属錯体に対する割合(一般式(3)で表されるオニウム塩/一般式(2)で表される遷移金属錯体)は、モル比で、1〜100倍が好ましく、1〜10倍がより好ましい。この割合が小さすぎると、一般式(1)で表される遷移金属錯体の生成効率が不十分となるおそれがあり、この割合が大きすぎると、目的の遷移金属錯体を一般式(3)で表されるオニウム塩(未反応のオニウム塩)から分離することが困難となるおそれがある。
一般式(2)で表される遷移金属錯体と、一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合する温度も特に限定されないが、通常−100℃〜150℃の範囲で選択され、好ましくは−80℃〜80℃の範囲で選択される。混合時間も、特に限定されないが、通常10秒間〜24時間の間で選択される。
一般式(2)で表される遷移金属錯体と、一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合することによって得られる一般式(1)で表される遷移金属錯体は、例えば、混合に用いた溶媒を留去することなどにより回収することができる。
例えば、以上のようにして得られる本発明の遷移金属錯体では、従来、メタセシス反応用触媒の成分として用いられてきた遷移金属錯体(一般式(2)で表される遷移金属錯体)に比して、水や酸素などに対する安定性が大幅に改良される。したがって、本発明の遷移金属錯体では、メタセシス反応用触媒の成分として用いられてきた従来の遷移金属錯体の弱点であったハンドリング性が改良されるといえる。
また、例えば以上のようにして得られる、本発明の遷移金属錯体は、この遷移金属錯体以外の有機金属化合物からなる助触媒と組み合わせて用いることにより、高い活性を備えるメタセシス反応用触媒として用いることができる。すなわち、本発明のメタセシス反応用触媒は、本発明の遷移金属錯体、およびその遷移金属錯体以外の有機金属化合物からなる助触媒を含んでなるものである。
本発明のメタセシス反応用触媒において、本発明の遷移金属錯体と組み合わせる助触媒として用いられる有機金属化合物は、本発明の遷移金属錯体と組み合わせて用いることによりメタセシス反応活性を示すものであれば特に限定されないが、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期律表第1、2、12、13または14族の有機金属化合物が好適に用いられる。なかでも、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機ケイ素化合物または有機スズ化合物が好ましく用いられ、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物または有機ケイ素化合物が特に好ましく用いられる。
助触媒として用いられうる有機リチウム化合物の例としては、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム、ネオペンチルリチウム、ネオフィルリチウムなどを挙げることができる。
有機マグネシウム化合物の例としては、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミド、ネオペンチルマグネシウムクロリド、ネオフィルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムクロリドなどを挙げることができる。
有機亜鉛化合物の例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などを挙げることができる。
有機アルミニウム化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムイソブトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウム、アルキルアルコキシアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハライドを挙げることができ、さらに、これらの有機アルミニウムと水との反応によって得られる従来公知のアルミノキサンを挙げることができる。
有機ケイ素化合物の例としては、トリエチルシランを挙げることができる。
有機スズ化合物の例としては、テトラメチルスズ、テトラ(n−ブチル)スズ、テトラフェニルスズなどを挙げることができる。
助触媒として用いる有機金属化合物の量は、用いる有機金属化合物の種類によって異なるが、一般式(1)で表される遷移金属錯体の中心金属の量に対して、0.1〜10,000モル倍であることが好ましく、0.2〜5,000モル倍であることがより好ましく、0.5〜2,000モル倍であることが特に好ましい。有機金属化合物の量が少なすぎると、得られるメタセシス反応用触媒の触媒活性が十分でないものとなるおそれがあり、有機金属化合物の量が多すぎると、メタセシス反応用触媒が副反応を引き起こし易いものとなるおそれがある。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の%は、特に断りのない限り、質量基準である。
各種の測定および評価については、以下の方法に従って行った。
(1)NMR測定
核磁気共鳴装置(JEOL社製「JNM−EX400WB spectrometer」)を用いて測定した。用いた溶媒は各例において示す。なお、1H−NMRは、399.65MHzの周波数で測定し、13C−NMRは、100.40MHzの周波数で測定した。
(2)X線構造解析
湾曲イメージングプレート単結晶自動X線構造解析装置「R−AXIS RAPID II」(リガク社製)により、Mo−Kα線を用いて、−180℃で測定を行った。なお、構造解析は「Crystal Structure」(リガク社製)により行った。
(3)錯体の安定性評価
試料となる錯体0.4gをクロロホルム10gに添加して、攪拌することにより、均一な溶液とした後、気温22℃、湿度50%に調整した恒温恒湿ボックス内で、その溶液を大気に曝露し、60分間溶液の色の変化を観察することにより、錯体の安定性を評価した。
(4)開環重合体の数平均分子量
クロロホルム−dを溶媒として、開環重合体の1H−NMR測定を行い、重合体鎖末端に存在する水素原子の数と重合体鎖末端以外に存在する水素原子の数との比を求めた。そして、その比に基づいて開環重合体の数平均分子量を算出した。
(5)開環重合体の水素化反応における水素化率
オルトジクロロベンゼン−d4を溶媒として、150℃で開環重合体水素化物の1H−NMR測定を行った。そして、その結果に基づいて水素化率を算出した。
(6)開環重合体水素化物の融点
示差走査熱量計を用いて、10℃/分の速度で昇温して測定した。
(7)開環重合体水素化物のメソ・ダイアッド/ラセモ・ダイアッドの比
オルトジクロロベンゼン−d4を溶媒として、150℃で開環重合体水素化物の13C−NMR測定を行った。そして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいてメソ・ダイアッド/ラセモ・ダイアッドの比を決定した。
〔実施例1〕
−[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]の合成と安定性評価−
攪拌機付きガラス反応器に、室温(25℃)下で、一般式(2)で表される遷移金属錯体であるフェニルイミドタングステン(VI)テトラクロリドジエチルエーテル錯体(W(=NPh)Cl4(Et2O))0.271gおよびジエチルエーテル10mLを添加し、攪拌して溶解させ溶液とした。そして、さらに一般式(3)で表されるオニウム塩であるテトラn−ブチルアンモニウムクロリド0.154g(1eq)をジクロロメタン10mLに溶解したものを添加した。テトラn−ブチルアンモニウムクロリドのジクロロメタン溶液の添加の後、暗緑色であった溶液は明緑色の溶液へと変化した。その後、25℃を保ちながら、反応器中の溶液を18時間にわたって撹拌したところ、明るい緑色の微結晶固体が析出した。得られた反応混合物から、微結晶固体を遠心分離により分別して取り出し、ヘキサンで2回洗浄した。その後、ヘキサンを留去することにより、緑色の固体が95%の収率で得られた。次いで、得られた固体を、ジクロロメタンに溶解し、得られた溶液を−30℃に冷却してから静置することにより再結晶させると、緑色柱状結晶の固体が得られた。得られた固体の収量は0.30g(収率70%)であった。得られた固体について、1H−NMRおよび13C−NMR(溶媒:クロロホルム−d)を測定し、さらに、X線構造解析を行ったところ、得られた固体は、一般式(1)で表される遷移金属錯体である[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]であると同定された。次いで、得られた固体について、錯体の安定性評価を行ったが、60分間で色の変化は認められず、錯体は比較的に安定なものであった。なお、得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]について、X線構造解析により得られたORTEP図を図1に示す。また、得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]のNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3) δ7.62(t,2H,Haryl),7.25(d,2H,Haryl),6.81(t,1H,Haryl),3.18(brs、8H、CH2),1.58(brs,8H,CH2),1.39(m,8H,CH2),0.93(t,12H,CH3);13C−NMR(CDCl3) δ146.7,133.1,126.8,59.0,24.2,19.8,13.8
〔実施例2〕
−ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)の合成−
攪拌機付きガラス反応器に、フェニルイミドタングステン(VI)テトラクロリドジエチルエーテル錯体(W(=NPh)Cl4(Et2O))2.90gおよびジエチルエーテル30mLを添加し、得られた混合物を−78℃に冷却した。そして、さらに3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシリチウム4.19gをジエチルエーテル30mLに溶解したものを添加した。この混合物を徐々に室温に戻し、反応器中の混合物を18時間にわたって撹拌した。18時間撹拌した後、反応混合物から溶媒を留去したのち、残留物をトルエン/ヘキサン(質量比=1/3)の混合溶媒に溶解し、溶解せずに残った白色沈殿物をセライトで濾別した。その後、溶液から溶媒を留去すると、赤色固体が96%の収率で得られた。得られた赤色固体をトルエン/ヘキサン(質量比=1/4)の混合溶媒に溶解して、−30℃に冷却し、静置して再結晶させることにより、赤色針状微結晶の固形物を得た。得られた固体の収量は4.63g(収率80%)であった。得られた固体について、1H−NMRおよび13C−NMR(溶媒:ベンゼン−d6)を測定し、さらに元素分析を行ったところ、得られた固体は、一般式(2)で表される遷移金属錯体であるビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)であると同定された。
−[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]の合成と安定性評価−
攪拌機付きガラス反応器に、室温下で、上記で得たビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)0.51gおよびジクロロメタン10mLを添加し、攪拌して溶解させ溶液とした。そして、さらに一般式(3)で表されるオニウム塩であるテトラn−ブチルアンモニウムクロリド0.143g(1eq)をジクロロメタン10mLに溶解したものを添加した。テトラn−ブチルアンモニウムクロリドのジクロロメタン溶液の添加の後、暗赤色であった溶液は明赤色の溶液へと変化した。その後、25℃を保ちながら、反応器中の溶液を18時間にわたって撹拌した。18時間撹拌した後、溶液から溶媒を留去すると、赤色の固体が95%の収率で得られた。次いで、得られた固体を、ジエチルエーテルに溶解し、その溶液を−30℃に冷却してから静置することにより、再結晶させると、赤色柱状結晶の固体が得られた。得られた固体の収量は0.40g(収率61%)であった。得られた固体について、1H−NMRおよび13C−NMR(溶媒:ベンゼン−d6)を測定し、さらに、X線構造解析を行ったところ、得られた固体は、一般式(1)で表される遷移金属錯体である[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]であると同定された。次いで、得られた固体について、錯体の安定性評価を行ったが、60分間で色の変化は認められず、錯体は比較的に安定なものであった。なお、得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]について、X線構造解析により得られたORTEP図を図2に示す。また、得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]のNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H−NMR(C66) δ7.17(s,2H,Haryl),7.14(s,2H,Haryl),7.10(t,2H,Haryl),6.48(t,1H,Haryl),5.63(d,2H,Haryl),2.60(t,4H,CH2),2.45(s,6H,CH3),2.29(t,4H,CH2),2.24(s,6H,CH3),1.88(s,18H,t−Bu),1.69(s,18H,t−Bu),1.67(s,6H,CH3),1.53(s,6H,CH3),1.07(m,8H,CH2),0.93(m,8H,CH2),0.83(t,12H,CH3);13C−NMR(C66) δ164.5,164.0,151.6,136.1,134.1,133.2,133.1,130.1,129.49,129.47,127.0,126.3,125.7,125.1,124.9,35.2,34.8,33.0,31.5,29.7,24.0,20.8,20.1,19.7,17.3,16.6,13.9
〔比較例1〕
一般式(2)で表される遷移金属錯体であるフェニルイミドタングステン(VI)テトラクロリドジエチルエーテル錯体について、安定性評価を行ったところ、緑色であった溶液が30分後に黒色に変色した。この変色は、錯体が大気中の水分により分解したことを示唆するものであり、錯体は比較的に不安定なものであったといえる。
〔比較例2〕
実施例2で合成した、一般式(2)で表される遷移金属錯体であるビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)について、安定性評価を行ったところ、赤色であった溶液が30分後に黒色に変色した。この変色は、錯体が大気中の水分により分解したことを示唆するものであり、錯体は比較的に不安定なものであったといえる。
〔実施例3〕
攪拌機付きガラス反応器に、実施例1で得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][フェニルイミドタングステン(VI)ペンタクロリド]0.0393gおよびクロロホルム4mLを添加して、溶液とした。次いで、この溶液を0℃に冷却した。そして、この溶液に、助触媒であるジエチルアルミニウムエトキシドの1.02モル%ヘキサン溶液0.162mLを加えた後、その溶液を室温(25℃)に戻した。次いで、得られた溶液に、ジシクロペンタジエン7.5g、シクロヘキサン27gおよび1−ヘキサン0.32gを添加し、50℃において重合反応を開始した。重合反応開始後、速やかに溶液の粘度が上昇した。2時間重合反応を継続させた後、重合反応溶液に大量のアセトンを注いで沈殿物を凝集させ、その沈殿物を濾別し、洗浄した。その後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られた開環重合体の収量は7.3gであり、数平均分子量は10,800であった。次に、攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体3.0gおよびシクロヘキサン47gを加えた。そして、シクロヘキサン10mLに水素添加触媒としてRuHCl(CO)(PPh3)20.00157gを分散させたものをさらに添加し、水素圧4.0MPa、160℃で8時間水素化反応を行った。この水素化反応液を多量のアセトンに注いで生成した開環重合体水素化物を完全に析出させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られた開環重合体水素化物の水素化率は99%以上であり、メソ・ダイアッド/ラセモ・ダイアッドの比は10/90であった。また、減圧乾燥した開環重合体水素化物をそのまま試料として用いて測定した開環重合体水素化物の融点は270℃であった。そして、減圧乾燥した開環重合体水素化物を300℃で10分間加熱して十分に溶融させた後に、溶融物を10℃/分の速度で降温して室温まで冷却させ、十分に結晶化させた。得られた結晶化物を試料として用いて測定した開環重合体水素化物の融点は270℃であった。
〔実施例4〕
攪拌機付きガラス反応器に、実施例2で得られた[テトラn−ブチルアンモニウム][ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}フェニルイミドタングステン(VI)クロリド]0.0714gおよびジエチルエーテル4mLを添加して、溶液とした。次いで、この溶液を−78℃に冷却した。そして、この溶液に、助触媒であるn−ブチルリチウム0.0726gをヘキサン1mLに溶解させた溶液を加えた後、その溶液を室温(25℃)に戻した。次いで、得られた溶液に、ジシクロペンタジエン7.5g、シクロヘキサン27gおよび1−ヘキサン0.32gを添加し、80℃において重合反応を開始した。重合反応開始後、速やかに白色の沈殿物が析出した。2時間重合反応を継続させた後、重合反応溶液に大量のアセトンを注いで沈殿物を凝集させ、その沈殿物を濾別し、洗浄した。その後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られた開環重合体の収量は7.4gであり、数平均分子量は20,700であった。次に、攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体3.0gおよびシクロヘキサン47gを加えた。そして、シクロヘキサン10mLに水素添加触媒としてRuHCl(CO)(PPh3)20.00157gを分散させたものをさらに添加し、水素圧4.0MPa、160℃で8時間水素化反応を行った。この水素化反応液を多量のアセトンに注いで生成した開環重合体水素化物を完全に析出させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られた開環重合体水素化物の水素化率は99%以上であり、メソ・ダイアッド/ラセモ・ダイアッドの比は95/5であった。また、減圧乾燥した開環重合体水素化物をそのまま試料として用いて測定した開環重合体水素化物の融点は290℃であった。そして、減圧乾燥した開環重合体水素化物を320℃で10分間加熱して十分に溶融させた後に、溶融物を10℃/分の速度で降温して室温まで冷却させ、十分に結晶化させた。得られた結晶化物を試料として用いて測定した開環重合体水素化物の融点は289℃であった。
実施例1および2の結果から、一般式(2)で表される遷移金属錯体と一般式(3)で表されるオニウム塩とを溶媒中で混合することにより、一般式(1)で表される遷移金属錯体が得られることが判る。また、実施例1および2と比較例1および2との錯体の安定性評価の結果を比較すると判るように、一般式(1)で表される遷移金属錯体は、一般式(2)で表される従来の遷移金属錯体に比して、水や酸素が存在する大気中で安定なものであるといえる。さらに、実施例3および4の結果から、一般式(1)で表される遷移金属錯体は、助触媒となる有機金属化合物と組み合わせることにより、ジシクロペンタジエンを開環重合可能なものであり、しかも、立体規則性を制御して開環重合を行うことができるものであることが判る。

Claims (1)

  1. 下記の一般式(1)で表される遷移金属錯体と、前記遷移金属錯体以外の有機金属化合物からなる助触媒とを含んでなるメタセシス反応用触媒。
    Figure 0006421814
    (一般式(1)中、Mは、タングステン原子を表し、nは2〜6の整数であり、Lは、ハロゲン基、アルキル基を有していてもよいアリーロキシ基、およびアリールイミド基から選択される配位子を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよく、さらに、互いに結合してMと共に環構造を形成していてもよく、Lで表される配位子のうち、少なくとも1つは、アリールイミド基であり、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表し、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよい。)
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