JP6417708B2 - 光源装置及びこの光源装置を備えたプロジェクタ - Google Patents

光源装置及びこの光源装置を備えたプロジェクタ Download PDF

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Description

本発明は、光源装置及びこの光源装置を備えたプロジェクタに関する。
近年、時分割で複数の波長の光を取り出し、取り出された複数の波長の光を順次変調することで画像を形成して投影する時分割式のプロジェクタが普及している。このような時分割式のプロジェクタに用いる光源装置として、例えば、白色光を出力する光源と、複数のカラーフィルタが貼られた回転ホイールとを備えて、光源から出射された白色光を、一定速度で回転する回転ホイールに入射させて、時分割で複数の波長の光(例えば、青、緑、赤色光)を取り出すものが知られている。
また、レーザダイオードを始めとする単波長の光を出力する光源により、カラーフィルタの代わりに蛍光体層を有する回転ホイールを用いて、これにレーザダイオード等の光源から出射された単波長の光を入射させることで、時分割で複数の波長の光を取り出す光源装置も提案されている。このような光源装置の中には、特許文献1に示すように、光源として青色の波長帯域光を出射するレーザ光源を用い、回転ホイールと蛍光体層との間に、レーザ光源の光は透過させるが、他の波長帯域光を反射するダイクロイック層を形成したものがある。
このような構成により、レーザ光源から出射された青色の光は、回転ホイールへ入射してダイクロイック層を透過し、蛍光体層へ入射すると、蛍光体により波長変換された光が全方位に出射される。ここで、蛍光体層から出射された光の一部は、レーザ光源側へ戻る方向にも出射されるが、その光はダイクロイック層で反射されるため、蛍光体層から出射された光を効率良く利用することができる。
特開2011−100163号
青色レーザ光源と赤色の光を発生する蛍光体層とを用いて赤色波長領域の光を出射させる場合、蛍光体による波長変換光率が低いという課題がある。そこで、光源に赤色のレーザ光源を追加して赤色光の強さを補うことが考えられるが、赤色のレーザ光源から出射された赤色光は、回転ホイールへ入射した後、ダイクロイック層によって反射されてしまうため、光源装置から出射される赤色光を補うのが困難であった。
従って、本発明の目的は、異なる波長帯域の光を出射する複数の光源を用いて、特定波長帯域の光を効率よく出射するとともに、当該特定波長帯域の光の強さを補強することができる光源装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係る光源装置の1つの実施態様では、第1の波長帯域の光を出射する第1の光源と、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を出射する第2の光源とを含む複数の光源と、
前記第1の光源から出射された光を透過させるとともに、前記第2の光源から出射された光を入射角度に応じて透過させる光学部材と、
前記光学部材を透過した前記第1の光源から出射された光の波長帯域を、前記第2の光源から出射された光の波長帯域と同じ波長帯域の光に波長変換する蛍光体層と、を備え、
前記第2の光源から出射された光は、前記光学部材を透過する入射角度で入射する。
上述した構成により、第1の光源から出射された光は、光学部材を透過し、蛍光体層によって第2の光源から出射された光の波長帯域と同じ波長帯域を含む光に変換されて全方位に出射される。このとき、蛍光体層で反射され光学部材に戻った光は、光学部材によって反射されるため、光源側に戻ることなく光源装置の出射光として利用することができる。また、第2の光源から出射された光は、光学部材を透過する入射角度で入射するため、光学部材を透過してそのまま光源装置の出射光として利用することができる。
以上のように、本発明の光源装置は、異なる波長帯域の光を出射する複数の光源を用いて、特定波長帯域の光を効率よく出射するとともに、当該特定波長帯域の光の強さを補強することができる。
本発明の光源装置の1つの実施形態を示す模式図である。 同光源装置が備える回転板の構成を示す模式図である。 同光源装置の回転板が有する誘電体膜における各波長の入射角度に対する反射率の特性を示す特性図である。 同光源装置の回転板が有する誘電体膜および蛍光体層の形成に関する他の実施形態を示す模式図である。 同光源装置の回転板に対する光源の配置に関する他の実施形態を示す模式図である。 同光源装置の回転板が有する蛍光体層の種類に関する他の実施形態を示す模式図である。 本発明のプロジェクタの1つの実施形態を示す模式図である。
本発明の光源装置及びこの光源装置を備えたプロジェクタについて、以下に図面を用いながら詳細に説明する。まず、図1を参照して本発明に係る光源装置の一実施形態について説明する。この図に示すように、本実施形態の光源装置1は、大別すると光源10、集光レンズ20、回転板30、モータ40、および受光レンズ50によって構成されている。
光源10は、青色光を出射するレーザダイオード11B(第1の光源)と、赤色光を出射するレーザダイオード11R(第2の光源)とを含む複数の光源からなり、異なる複数の波長帯域の光を出射する。ここで、レーザダイオード11Bが出射する光の波長帯域は、第1の波長帯域であって、420〜500nmの青色光、レーザダイオード11Rが出射する光の波長帯域は、第2の波長帯域であって、575〜780nmの赤色光である。光源10は、レーザダイオード11Bおよび11Rを複数ずつ備えており、集光レンズ20の光軸OAを中心として、光軸OAに近い側に複数のレーザダイオード11Bを、遠い側に複数のレーザダイオード11Rが配置されるように、具体的には、複数のレーザダイオード11Rよりも波長が短い複数のレーザダイオード11Bを円筒状に配置し、さらにその周囲に複数のレーザダイオード11Rを同心円状に配置している。なお、本実施形態では、光源としてレーザダイオードを用いているが、代わりにLEDを用いてもよい。
また、各レーザダイオードから出射された光は、それぞれに対応するコリメートレンズ12を透過して光学レンズである集光レンズ20へ出射される。なお、各コリメートレンズ12は必要に応じて一部または全てを省略してもよい。集光レンズ20は、光源10から出射された光が、回転板30の表面上で所定のスポット径となるように集光する。なお、レーザダイオード11Rから出射された光は、集光レンズ20によって屈折した後、入射角度αで回転板30へ入射するように、レーザダイオード11Rの向きが調整されている。この入射角度αについては後に詳しく説明する。
回転ホイールまたはカラーホイールに相当する回転板30は、光を透過させる透明な円板状の部材であり、その中心はモータ40の駆動軸40aに固定されている。ここで、回転板30の素材は、光の透過率が高い素材であれば、ガラス、樹脂、サファイアなどを使用することができる。図2に回転板30の外観を示す。この図において(a)は光源10と対向する面(以下、「入射面」または「表面」ともいう。)を示し、(b)は、図1に示す矢印Aの方向から見た回転板30の面、すなわち受光レンズ50と対向する面(以下、「出射面」または「裏面」ともいう。)を示している。また、図2(a)における破線の円で示すスポットSPは、集光レンズ20によって集光された光源10からの入射光が当たる領域を示している。さらに、図2(b)における破線の円で示す蛍光領域FLは、光源10からの入射光よって後述する蛍光体層が発光する領域を示している。
図2に示すように、回転板30には、同心円状に複数の透過領域が形成されており、具体的には円周方向に三等分された3つの透過領域TR1,TR2,TR3が設けられている。すなわち、透過領域TR1,TR2,TR3は、各々、回転板30の中心を頂点とし、120゜の角度範囲を有する扇形の領域となっている。なお、図2(a)に示す回転板30において、内円Cinの内側を遮光領域とし、回転板30の外周縁から中心に向かって幅W1を有する円弧領域を透過領域としてもよい。図2(a)に示すように、回転板30の入射面における透過領域TR1には、回転板30の外周縁に沿って幅W1を有する光学部材31aとして誘電体膜が形成され、同様に、透過領域TR2およびTR3には光学部材31bとして誘電体膜が形成されている。
透過領域TR1に形成された誘電体膜31aは、図3に示すように、入射する光(以下、「入射光」ともいう。)の波長および入射角に応じて反射率が異なる性質を有している。換言すると、所定の入射角度範囲内で入射したときは透過し、所定の入射角度範囲外で入射したときは反射する性質を有している。例えば、約450ナノメートルの波長の入射光が0゜〜約40゜の入射角度で誘電体膜31aへ入射した場合は、誘電体膜31aの反射率が0〜5%であることから、ほとんど反射することなく誘電体膜31aを透過することになる。これに対して、約620ナノメートルの波長の入射光が0゜〜約45゜の入射角度で誘電体膜31aへ入射した場合は、誘電体膜31aの反射率が80〜100%であることから、ほとんどの光は反射して誘電体膜31aを透過することができない。ただし、この波長の入射光であっても、約45°以上の入射角度で入射した場合は反射率が約60%以下となるから、多くの入射光が誘電体膜31aを通過することができる。これにより、入射光の入射角度αが45°以上、具体例としては50°となるように、前述したレーザダイオード11Rの向きが調整されている。
これに対して、透過領域TR2およびTR3に形成された誘電体膜31bは、入射光の波長に応じて反射率が異なる性質を有してもよく、レーザダイオード11Bが出射する光の波長帯域については反射率が低く、レーザダイオード11Rが出射する光の波長帯域については反射率が高くなっている。換言すると、レーザダイオード11Bからの入射光は透過させるが、レーザダイオード11Rからの入射光は、誘電体膜31aと異なり、入射角度に関わらず透過させない性質を有してもよい。
図2に戻り、回転板30の出射面における透過領域TR1およびTR2には、図2(b)に示すように、回転板30の外周縁に沿って幅W2を有する蛍光体層32Rと32Gとが形成されている。これらの蛍光体層の幅W2は、前述した誘電体膜の幅W1よりも狭いことが望ましい。蛍光体層32Rは、誘電体膜31aを透過したレーザダイオード11Bからの光が照射されると、レーザダイオード11Rからの出射光と同じ波長帯域を含む波長帯域の蛍光を発する。換言すると、蛍光体層32Rは、レーザダイオード11Bから出射された光の波長帯域を、レーザダイオード11Rから出射された光の波長帯域に変換しているともいえる。蛍光体層32Rの具体的な材料の一例としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、CaAlSiN:Eu、SrAlSiN:Eu、KSiF:Mnを挙げることができる。
また、レーザダイオード11Rから出射された光は、誘電体膜31aへ入射角度αで入射するため、その一部が誘電体膜31aを透過して蛍光体層32Rに入射する。そして、蛍光体層32Rにより散乱・反射されるものの透過して受光レンズ50側へ出射される。ここで、レーザダイオード11Bの出射光によって発生した蛍光体層32Rの蛍光は、ランバーシアン特性を有しており、受光レンズ50側のみならず光源10側にも出射される。このうち、誘電体膜31aに対して入射角度αで入射した蛍光の一部は光源10側へ出射されてしまうが、それ以外の角度で入射した蛍光は誘電体膜31aで反射して受光レンズ側へ出射される。また、レーザダイオード11Rから出射し、蛍光体により反射・散乱した光も同様に光源10側にも出射されるが、このうち、誘電体膜31aに対して入射角度αで入射した蛍光の一部は光源10側へ出射されてしまうが、それ以外の角度で入射した蛍光は誘電体膜31aで反射して受光レンズ50側へ出射される。
次に、透過領域TR2に形成された蛍光体層32Gは、誘電体膜31bを透過したレーザダイオード11Bからの光が照射されると、波長帯域が約500〜560ナノメートルを含む緑色の蛍光を発生する。蛍光体層32Gの具体的な材料の一例としては、β-SiAlON:Eu、Lu3Al5O12等の酸化物系蛍光体を挙げることができる。蛍光体層32Gの蛍光は、蛍光体層32Rと同様に、その一部が光源10側にも出射されるが、誘電体膜31bで反射して受光レンズ50側へ出射される。透過領域TR3には、透過領域TR1およびTR2のような蛍光体層が形成されていないため、誘電体膜31bを透過したレーザダイオード11Bの光(青色光)が回転板30を透過して受光レンズ50側へ出射される。
なお、図2(b)に示す透過領域TR3において、光を拡散させる拡散面を形成し、レーザダイオード11Bから出射された青色光に、回転板30の回転中に上述した散乱面を透過させて、青色光を動的に拡散させることによってスペックルノイズを低減させてもよい。
図1に戻り、モータ40は、ブラシレス直流モータであり、駆動軸40aと集光レンズ20の光軸OAとが平行になるように配置されている。また、駆動軸40aに対して回転板30の面が垂直となるように固定され、再生する動画のフレームレート(1秒当たりのフレーム数。単位は[fps])に基づく回転速度で、図2の矢印Bに示す方向に回転させる。例えば、60[fps]の動画を再生可能とする場合、回転板30の回転速度は毎秒60回転の整数倍に定めるとよい。受光レンズ50は、コリメートレンズであり、蛍光体層32Rおよび32Gで発生した蛍光を平行光にして、光源装置1の出射光として出射する。
上述した構成の光源装置1においては、光源10から出射されたレーザダイオード11Bおよび11Rの光は集光レンズ20によって集光され、回転板30に照射される。このとき、レーザダイオード11Rの赤色光は、回転板30の表面に対して入射角度αで入射する。回転板30はモータ40によって図2の矢印Bの方向に回転しており、集光レンズ20によって集光されたスポットSPが、透過領域TR1上に位置しているときは、レーザダイオード11Bの青色光は誘電体膜31aおよび回転板30を透過して蛍光体層32Rに入射する。これにより、蛍光体層32Rにおいて赤色光が発生して、受光レンズ50へ出射される。このとき、発生した一部の赤色光は光源10側に向かって出射されるが、誘電体膜31aに対して入射角度αで入射したものを除いて誘電体膜31aで反射されるため、受光レンズ50側へと出射される。これにより、蛍光体層32Rで発生した赤色光を光源の光として効率良く利用することができる。
また、レーザダイオード11Rから出射された赤色光は、誘電体膜31aに入射角度αで入射するため、そのほとんどは誘電体膜31aを透過し、さらに蛍光体層32Rも透過して、蛍光体層32Rで発生した蛍光(赤色光)と共に受光レンズ50へ出射される。これにより、一般に視感度の低いとされる赤色光を、レーザダイオード11Rから出射される赤色光によって補強することができる。なお、回転板30の回転中において、スポットSPが透過領域TR1上に位置しているときに、レーザダイオード11Bの発光を停止(消灯)させて、レーザダイオード11Rのみによって赤色光を得ることも考えられる。しかしながらこの場合、青色光を励起光とする蛍光体層32Rの蛍光(赤色光)が得られないため、本実施形態に比べてレーザダイオード11Rの数をさらに増やす必要がある。
次に、スポットSPが透過領域TR2上に位置しているときは、誘電体膜31aにおいてレーザダイオード11Bの青色光は透過することができるが、レーザダイオード11Rからの赤色光は反射される。これにより、蛍光体層32Gにはレーザダイオード11Bの青色光だけが入射して緑色光が発生し、受光レンズ50側へ出射される。また、蛍光体層32Gで発生した緑色光の一部は光源10側にも出射されるが、誘電体膜31bで反射して受光レンズ50側へ出射される。さらに、スポットSPが透過領域TR3上に位置しているときは、誘電体膜31aによってレーザダイオード11Bの青色光のみが透過して、受光レンズ50側へ出射される。なお、回転板30の回転中において、スポットSPが透過領域TR2およびTR3上に位置しているときに、レーザダイオード11Rの発光を停止(消灯)するように制御してもよい。
以上のように、光源装置1は、回転板30の回転に応じて赤色、緑色、青色の光を順番に、かつ繰り返し出射する。ここで、例えば、いわゆる3チップ方式のDLP(Digital Light Processing)プロジェクタにおける赤色光の光源として光源装置1を用いるときは、回転板30を省略して誘電体膜31aおよび蛍光体層32Rによって赤色光を出射するようにしてもよい。この場合においても、レーザダイオード11Rの出射光が、入射角度αで誘電体膜31aに入射するように調整する必要があることはいうまでもない。
(誘電体膜および蛍光体層の形成に関する他の実施形態)
図1に示した実施形態では、回転板30の各透過領域において、入射面上に誘電体膜を形成する一方で、出射面上には蛍光体層を形成、つまり、蛍光体層は、回転ホイールの光学部材が配置された面とは反対側の面において、光学部材である誘電体膜に対応する位置に形成したが、誘電体膜および蛍光体層の形成については、これ以外の形態であってもよい。例えば、図4(a)に示す形態では、回転板30の出射面上に誘電体膜31aを形成し、さらにその上面に蛍光体層32Rを形成している。つまり、光学部材である誘電体膜が、回転ホイールの透過領域において、光源に対向する面とは反対側の面に配置され、蛍光体層が、誘電体膜の表面に形成している。また、図4(b)に示す形態では、回転板30の入射面上に誘電体膜31aを形成し、回転板30の厚さ方向において、蛍光体層32Rの表面が回転板30の出射面と一致するように形成している。
図4(c)に示す形態では、回転板30の厚さ方向において、誘電体膜31aの表面が回転板30の入射面と一致し、蛍光体層32Rの表面が回転板30の出射面と一致するように形成している。図4(d)に示す形態では、誘電体膜31aの表面が、回転板30の厚さ方向において回転板30の入射面と一致するように形成し、蛍光体層32Rを回転板30の出射面上に形成している。図4(e)に示す形態では、誘電体膜31aを回転板30内に埋め込み、回転板30の出射面上に蛍光体層32Rを形成している。さらに、図4(f)に示す形態では、誘電体膜31aおよび蛍光体層32Rを回転板30内に埋め込んでいる。
なお、誘電体膜および蛍光体層の形成については、各々、(i)入射面または出射面上に形成する、(ii)表面が入射面または出射面と一致するように形成する、または、(iii)回転板30内に埋め込む、という形態を適宜組み合わせることができる。ただし、いずれの場合であっても蛍光体層32Rよりも誘電体膜31aの方が、光源10により近い位置に形成する必要が有る。
(光源の配置に関する他の実施形態)
図1に示した実施形態では、集光レンズ20の屈折率を考慮して、レーザダイオード11Rの出射光が入射角度αで誘電体膜31aへ入射するように、レーザダイオード11Rの向きを調整していたが、レーザダイオード11Rからの光を誘電体膜31aへ入射させる方法はこれに限定されるものではない。例えば、図5(a)に示すように、集光レンズ21を介することなく、直接レーザダイオード11Rの出射光を、入射角度αで誘電体膜31aへ入射させるように、レーザダイオード11Rの向きを調整してもよい。
また、これとは別に図5(b)に示す形態では、レーザダイオード11Rからの出射光を、集光レンズ21を介さずミラー22で反射させることによって、誘電体膜31aに対して入射角度αで入射させている。図5(c)に示す形態も、図5(b)と同様にミラー22を用いて、レーザダイオード11Rからの出射光を入射角度αで誘電体膜31aへ入射させている。ただし、この形態ではレーザダイオード11Rの光が、レーザダイオード11Bの出射光とは逆方向に出射されている。このように、ミラーを用いた形態では、集光レンズを介する場合や、誘電体膜31aへ直接入射させる場合に比べて、レーザダイオード11Rから出射される光の向きについて、自由度を高くすることができる。
(蛍光体層の種類および数に関する他の実施形態)
図2に示した回転板30では、3つ透過領域TR1〜TR3を設けて、赤色、緑色、青色の光を出射するように構成していたが、透過領域の数をさらに追加することも可能である。例えば、回転板30の中心を頂点として、各々60゜の角度範囲を有する6つの扇形の透過領域に区分して、回転板30が一回転する間に、赤色光、緑色光、青色光を2回ずつ出射するように構成してもよい。
また、図6に示すように、回転板30の中心を頂点として、各々90゜の角度範囲を有する4つの扇形の透過領域に区分して、赤色光、緑色光、青色光を出射する透過領域TR1〜TR3に加え、白色光を出射する透過領域TR4を追加してもよい。例えば、透過領域TR4において、回転板30の入射面には、緑色光を発生する透過領域TR2に形成された誘電体膜31aと同じ誘電体膜を形成する。一方、回転板30の出射面には、レーザダイオード11Bからの光によって黄色の蛍光を発生する蛍光体層32Yを形成する。なお、蛍光体層32Yは、レーザダイオード11Bからの一部の光を、波長変換することなく透過させる特性を有している。これにより、スポットSPが透過領域TR4に位置しているときには、蛍光体層32Yで発生した黄色光と、レーザダイオード11Bからの青色光とが、加法混合されて白色光に見える。ここで黄色の蛍光を発生する蛍光体層32Yの具体的な材料の一例としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)およびルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG系蛍光体)を挙げることができる。
このように、回転板30が一回転する間に白色光を出射できるようにすることで、光源装置1を、例えば後述するプロジェクタの光源として用いた場合に、明るい画像を投影することができる。なお、上述した他の実施形態および図2に示した回転板では、各透過領域の角度範囲を均等にしていたが(例えば、図2においては各透過領域の角度範囲を120゜(三等分)、図4においては90゜(四等分))、角度範囲はこれに限定されるものではなく、任意に設定してもよい。
(光源装置1の応用例)
次に図7を参照して、図1に示した光源装置1を、いわゆる1チップ方式のDLPプロジェクタにおける光源装置として用いた場合の概略構成について説明する。なお、図7において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
図7に示すプロジェクタ100において、光源装置1から出射された光は、光変調手段であるDMD(Digital Micromirror Device)素子110で反射され、投射手段であるレンズ120によって集光されて、スクリーンSに投影される。DMD素子110は、スクリーンSに投影された画像の各画素に相当する微細なミラーをマトリックス状に配列したものであり、各ミラーの角度を変化させてスクリーンSへ出射する光を、マイクロ秒単位でオン/オフすることができる。ここで、ミラーの角度を、光源装置1から出射された光がレンズ120へ反射するようにした場合がオンの状態であり、レンズ120へ反射しないようにした場合がオフの状態である。
また、各ミラーをオンにしている時間とオフにしている時間の比率によって、レンズ120へ入射する光の階調を変化させることにより、投影する画像の画像データに基づいた階調表示が可能になる。これにより、光源装置1から順次出射される赤色光、緑色光、青色光の各々に対して、個々のミラーで階調制御を行うことにより、スクリーンSにカラー画像(動画も含む)を投影することができる。レンズ120は、主に投射レンズから構成され、DMD素子110によって形成された画像を、所定の大きさに拡大してスクリーンSに投射する。
なお、本実施形態では、光変調手段としてDMD素子を用いているが、これに限られるものではなく、用途に応じて、その他任意の光変調素子を用いることができる。また、本発明に係る光源装置およびこの光源装置を用いたプロジェクタは、上述した実施形態に限られるものではなく、その他の様々な実施形態が本発明に含まれる。
1 光源装置
10 光源
11B,11R レーザダイオード
12 コリメートレンズ
20,21 集光レンズ(光学レンズ)
30 回転板(回転ホイール)
31a,31b 誘電体膜(光学部材)
32R,32G,32Y 蛍光体層
40 モータ
40a 駆動軸
50 受光レンズ
100 プロジェクタ
110 DMD素子(光変調手段)
120 レンズ(投射手段)

Claims (10)

  1. 第1の波長帯域の光を出射する第1の光源と、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を出射する第2の光源とを含む複数の光源と、
    前記第1の光源から出射された光を透過させるとともに、前記第2の光源から出射された光を入射角度に応じて透過させる光学部材と、
    前記光学部材を透過した前記第1の光源から出射された光の波長帯域を、前記第2の光源から出射された光の波長帯域と同じ波長帯域を含む波長帯域の光に波長変換する蛍光体層と、を備え、
    前記第2の光源から出射された光は、前記光学部材を透過する入射角度で入射し、
    同心円状に複数の透過領域が形成され、前記複数の光源と対向する位置に回転板を備え
    前記複数の透過領域のうち、少なくとも1つの透過領域に対して前記蛍光体層および前記光学部材を設けた
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記光学部材は、前記第2の波長帯域の光が、所定の入射角度範囲内で入射したときは透過し、前記所定の入射角度範囲外で入射したときは反射し、
    前記第2の光源から出射された第2の波長帯域の光は、前記所定の入射角度範囲内で前記光学部材へ入射される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記複数の光源から出射された光を、前記蛍光体層に向けて集光する光学レンズを備え、
    前記光学レンズによって集光された前記第2の光源から出射された光が、前記所定の入射角度範囲内で入射するように、該第2の光源を配置する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 前記複数の光源が、コリメートレンズを有することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 前記第1の光源から出射される光の波長帯域は、前記第2の光源から出射される光の波長よりも短く、
    前記第1の光源を中心とする同心円状に、複数の前記第2の光源を配置した
    ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載された光源装置。
  6. 前記第1の光源は青色光を出射し、前記第2の光源は赤色光を出射する
    ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載された光源装置。
  7. 前記光学部材が、前記回転板の透過領域において、前記複数の光源に対向する面に配置され、
    前記蛍光体層が、前記回転板の前記光学部材が配置された面とは反対側の面において、前記光学部材に対応する位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の光源装置。
  8. 前記光学部材が、前記回転板の透過領域において、前記光源に対向する面とは反対側の面に配置され、
    前記蛍光体層が、前記光学部材の表面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載された光源装置。
  9. 前記第1の光源と前記第2の光源とは、同時に出射されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の光源装置。
  10. 前記請求項1からのうちいずれか1項に記載された光源装置と、
    画像データに基づいて、前記光源装置から出射された複数の波長帯域の光を順次変調して画像を形成する光変調手段と、
    前記画像を拡大して投射する投射手段と、
    を備えたプロジェクタ。
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