JP6415919B2 - 情報報知システム及び情報報知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報報知システム及び情報報知方法に係り、特に、建物内に居るユーザに対して情報を報知するために建物内で自律移動する装置を活用した情報報知システム及び情報報知方法に関する。
近年、HEMS(Home Energy Management System)のように建物内の状況に関する情報、特に、エネルギー使用状況に関する情報を建物の利用者(ユーザ)に報知する情報報知システムは既に知られている。例えば、特許文献1には、住宅やビル等の建物におけるエネルギー消費量を示すデータ(エネルギーデータ)をエネルギーデータ保管装置が管理すること、さらに、スピーカや映像を用いてエネルギーデータに関する情報を報知することが記載されている。
また、建物内に居るユーザに対して情報を報知するために、当該建物内で自律移動可能なロボットやクリーナ(例えば、掃除機)を利用することがある。一例を挙げて説明すると、特許文献2には、自律移動可能なホームロボットを用いて、宅内の異常(例えば、火災)をユーザに通知することが記載されている。
特開2013−77133号公報 特開2007−183032号公報
以上のように建物内の状況に関する情報を収集する装置と、建物内で情報を報知するために自律移動する装置とは、それぞれ公知である。そして、両者を組み合わせた情報報知システムを構築すると、ユーザは、情報を得るために建物内を移動しなくとも、自分が居る部屋に報知装置が移動してきて情報を報知するのを待てばよいことになる。
ところで、情報を報知するタイミングについては、ユーザの状態を考慮して適切に設定する必要がある。例えば、ユーザが睡眠中であれば情報の報知を控える必要がある。反対に、ユーザが起床した際には、1日の生活を開始する上で有益な情報を報知するのが望ましい。ただし、建物内の状況に関する情報を収集する装置と、建物内で情報を報知するために自律移動する装置と、を単に組み合わせただけでは、ユーザの状態を考慮した上で情報を適切なタイミングにて報知することが困難である。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの状態を考慮した上で適切なタイミングにて情報を報知することが可能な情報報知システム及び情報報知方法を提供することである。
前記課題は、本発明の情報報知システムによれば、(A)複数の部屋を有する建物の敷地内で使用される機器の使用状態を管理する管理装置と、(B)該管理装置と通信し、前記建物内に居るユーザに対して情報を報知するために前記建物内において自律移動する報知装置と、を備え、(C)前記管理装置は、(c1)前記機器であるエネルギー消費機器によるエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを、前記エネルギー消費機器別に取得するデータ取得部と、(c2)該データ取得部が前記エネルギー消費機器別に取得した前記エネルギー消費データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出する検出部と、(c3)該検出部が前記ユーザの状態の変化を検出したときに、前記複数の部屋の中から前記ユーザが在室している部屋の候補を、前記エネルギー消費機器別の前記エネルギー消費データに基づいて設定する候補設定部と、(c4)前記報知装置と通信し、前記候補設定部が設定した前記候補を前記報知装置に対して通知する候補通知部と、を有し、(D)前記報知装置は、(d1)前記候補通知部から前記候補を通知されたときに、前記ユーザに対して報知する情報を収集する情報収集部と、(d2)前記候補通知部が通知した前記候補として設定された部屋に向けて前記報知装置が移動するように、前記報知装置に設けられた自律移動機構を制御する制御部と、(d3)前記報知装置が前記候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定する判定部と、(d4)前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると前記判定部が判定したときに、前記情報収集部が収集した情報を報知する情報報知部と、を有することにより解決される。
本発明の情報報知システムでは、先ず、管理装置の機能によって、建物内のエネルギー消費機器のエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを取得し、そのエネルギー消費データに基づいてユーザの状態の変化を検出する。そして、ユーザの状態の変化を検出したときには、複数の部屋の中からユーザが在室している部屋の候補をエネルギー消費データに基づいて設定し、設定した候補を報知装置に対して通知する。一方、報知装置では、管理装置から候補を通知されたことをトリガーとして、当該候補として設定された部屋に向けて移動するように自律移動機構を制御する。そして、報知装置は、候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋にユーザが在室しているか否かを判定し、在室していると判定したときには情報を報知する。
上記の構成によれば、建物内におけるエネルギー消費状況の変化からユーザの状態の変化を検出し、これをトリガーとしてユーザへの情報の報知を行うこととしている。この結果、ユーザの状態を考慮した上で適切なタイミングにて情報を報知することが可能となる。
また、自律移動可能な報知装置を利用するので、ユーザは、情報を得るために建物内を移動しなくとも、自分が居る部屋に報知装置が到着して情報を報知するのを待てばよいことになる。すなわち、情報の報知が、ユーザにとっての利便性が高い態様にて行われるようになる。
さらに、報知装置は、候補として設定された部屋にユーザが居ることを確認した上で情報を報知するので、当該情報を確実にユーザに対して報知することが可能となる。
また、上記の情報報知システムにおいて、前記候補設定部は、前記候補を複数設定する場合、前記候補別に優先順位を設定し、前記候補通知部は、前記候補と共に前記候補別の優先順位を前記報知装置に対して報知し、前記制御部は、複数の前記候補のうち、より前記優先順位が高い前記候補として設定された部屋に向けて前記報知装置が移動するように前記自律移動機構を制御し、前記判定部は、前記報知装置が前記候補として設定された部屋に到着する度に、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定し、前記制御部による前記自律移動機構の制御、及び、前記判定部による判定は、前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると前記判定部が判定するまで、より前記優先順位が高い前記候補から順に繰り返されると好適である。
上記の構成では、候補を複数設定する場合には候補毎に優先順位を設定し、報知装置が、より高い優先順位の候補に向かうように移動する。そして、報知装置は、ユーザが在室している部屋に到達するまで、移動及びユーザが在室しているか否かの判定を繰り返す。これにより、ユーザが在室している部屋をより適切に探し出すことが可能となり、情報を確実にユーザに対して報知することが可能となる。
また、上記の情報報知システムにおいて、前記複数の部屋のうち、互いに異なる第一部屋及び第二部屋の双方に共通の前記エネルギー消費機器である共通機器が配置され、前記双方のうち前記第一部屋にのみ特定の前記エネルギー消費機器である特定機器が配置されている場合、前記データ取得部が、前記第一部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データ及び前記第二部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データの両方を取得し、かつ、前記特定機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データを取得したとき、前記候補設定部は、前記双方を前記候補として設定すると共に、前記第一部屋の前記優先順位を前記第二部屋の前記優先順位よりも高く設定し、前記データ取得部が、前記第一部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データ及び前記第二部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データの両方を取得し、かつ、前記特定機器が停止していることを示す前記エネルギー消費データを取得したとき、前記候補設定部は、前記双方を前記候補として設定すると共に、前記第二部屋の前記優先順位を前記第一部屋の前記優先順位よりも高く設定すると尚好適である。
上記の構成では、第一部屋及び第二部屋の双方で共通機器が作動していた場合、第一部屋で特定機器が作動していれば、第一部屋が第二部屋よりも高い優先順位の候補として取り扱われる。反対に、第一部屋で特定機器が停止していれば、第二部屋が第一部屋よりも高い優先順位の候補として取り扱われる。このような手順にて優先順位を設定すれば、より妥当な優先順位の設定結果を得ることが可能となる。
また、上記の情報報知システムにおいて、前記管理装置は、前記データ取得部が取得した前記エネルギー消費データを記憶しているデータ記憶部を更に有し、前記検出部は、前記データ記憶部が記憶している前記エネルギー消費データのうち、前記データ取得部が直近で取得した直近データ、及び、該直近データよりも前に前記データ取得部が取得した過去データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出し、前記候補設定部は、前記直近データ及び前記過去データに基づいて前記候補を設定すると更に好適である。
上記の構成では、データ記憶部が記憶しているエネルギー消費データのうち、直近で取得した直近データ、及び、直近データよりも前に取得した過去データに基づいてユーザの状態の変化を検出したり、ユーザが在室する部屋の候補を設定したりする。これにより、ユーザの状態の変化を的確に検出すると共に、設定した部屋の候補についての信頼性を高めることが可能となる。
また、上記の情報報知システムにおいて、前記検出部は、前記直近データ、前記過去データ、及び、前記データ取得部が前記直近データを取得した時刻に基づいて前記ユーザの状態の変化を検出すると尚一層好適である。
上記の構成では、データ記憶部が記憶しているエネルギー消費データのうち、直近で取得した直近データ、及び、直近データよりも前に取得した過去データ、並びに直近データを取得した時刻に基づいて、ユーザの状態の変化を検出する。このような構成によれば、現在時刻を加味してユーザの状態の変化をより的確に検出することが可能となる。
また、上記の情報報知システムにおいて、前記検出部は、前記直近データ、前記過去データ、及び、前記データ取得部が前記直近データを取得した時刻に基づいて、前記ユーザの状態が睡眠状態から覚醒状態に変化したことを検出すると益々好適である。
上記の構成では、ユーザの状態の変化として、ユーザの状態が睡眠状態から覚醒状態に変化したこと(すなわち、ユーザの起床)を検出する。これにより、ユーザの起床に合わせて適切な情報(例えば、天気等、当日に関する情報)をユーザに報知することが可能となる。
また、前述の課題は、本発明の情報提供方法によれば、複数の部屋を有する建物の敷地内で使用される機器の使用状態を管理する管理装置と、該管理装置と通信し、前記建物内に居るユーザに対して情報を報知するために前記建物内において自律移動する報知装置と、を用いた情報報知方法であって、(A)前記管理装置が、前記機器であるエネルギー消費機器によるエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを、前記エネルギー消費機器別に取得する工程と、(B)前記管理装置が、前記エネルギー消費機器別に取得した前記エネルギー消費データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出する工程と、(C)前記管理装置が、前記ユーザの状態の変化を検出したときに、前記複数の部屋の中から前記ユーザが在室している部屋の候補を、前記エネルギー消費機器別の前記エネルギー消費データに基づいて設定する工程と、(D)前記管理装置が前記報知装置と通信し、設定した前記候補を前記報知装置に対して通知する工程と、(E)前記報知装置が、前記管理装置から前記候補を通知されたときに、前記ユーザに対して報知する情報を収集する工程と、(F)前記報知装置が、前記管理装置から通知された前記候補として設定された部屋に向けて移動するように、前記報知装置に設けられた自律移動機構を制御する工程と、(G)前記報知装置が、前記候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定する工程と、(H)前記報知装置が、前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると判定したときに、収集した情報を報知する工程と、を有することにより解決される。
上記の方法によれば、建物内におけるエネルギー消費状況の変化からユーザの状態の変化を検出し、これをトリガーとしてユーザへの情報の報知を行うので、ユーザの状態を考慮した上で適切なタイミングにて情報を報知することが可能となる。
また、自律移動可能な報知装置を利用することにより、ユーザは、情報を得るために建物内を移動しなくとも、自分が居る部屋に報知装置が到着して情報を報知するのを待てばよい。さらに、報知装置は、候補として設定された部屋にユーザが居ることを確認した上で情報を報知するので、当該情報を確実にユーザに対して報知することが可能となる。
本発明の情報報知システム及び情報報知方法によれば、建物内におけるエネルギー消費状況の変化からユーザの状態の変化を検出し、これをトリガーとしてユーザへの情報の報知を行う。すなわち、本発明の情報報知システム及び情報報知方法では、建物内で使用されるエネルギー消費機器の使用状態を管理する管理装置と、自律移動可能な報知装置と、が連携し、これにより、ユーザの状態を考慮した上で適切なタイミングにて情報を報知することが可能となる。また、ユーザは、自分が居る部屋に居ながらにして情報を得ることが可能となる。つまり、本発明の情報報知システム及び情報報知方法では、ユーザにとっての利便性が高い態様にて情報が報知されることになる。さらに、報知装置は、候補として設定された部屋にユーザが居ることを確認した上で情報を報知するので、当該情報を確実にユーザに対して報知することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る情報報知システムの全体構成図である。 管理装置としてのホームサーバのハードウェア構成を示した図である。 ホームサーバにおける各種データ処理部を示した図である。 報知装置としてのロボットのハードウェア構成を示した図である。 ロボットにおける各種データ処理部を示した図である。 情報報知処理のうち、ホームサーバ側で行われる処理の流れを示した図である。 図7の(A)は、直前データが示す内容を、図7の(B)は、過去データが示すエネルギー消費量の経時変化を、図7の(C)は、深夜帯に取得したエネルギー消費データが示す内容を、それぞれ示している。 各候補に対して優先順位を設定する際の要領を示した図である(その1)。 各候補に対して優先順位を設定する際の要領を示した図である(その2)。 各候補に対して優先順位を設定する際の要領を示した図である(その3)。 各候補に対して優先順位を設定する際の要領を示した図である(その4)。 情報報知処理のうち、ロボット側で行われる処理の流れを示した図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る情報報知システム(以下、本システム)Sは、建物内に居るユーザに対して情報を報知するために構築された通信システムである。なお、以下では、建物の一例として住宅Hを挙げ、本システムSにより住宅H内に居るユーザ、すなわち住宅Hの居住者に対して情報を提供するケースについて説明することとする。ただし、あくまでも住宅Hは建物の一例に過ぎず、本発明は、他の建物、例えば商業ビル、工場内の建屋、学校や病院等の公共の施設、商業用の店舗等においても利用可能である。また、以下の説明では、住宅Hが戸建て住宅である場合を想定して説明するが、これに限定されるものではなく、マンションのような集合住宅の一住戸(一部屋)であってもよい。
さらに、以降の説明中、「住宅Hの敷地」とあるのは、住宅Hが建てられた敷地のことであり、住宅Hの屋内空間、及び、住宅Hの建設地域内にある屋外空間(例えば、住宅Hの庭)を意味する。
<<本システムの全体構成>>
先ず、本システムSの全体構成について図1を参照しながら概説する。図1は、本システムSの全体構成図である。同図に示すように、本システムSは、管理装置としてのホームサーバ1と、無線LANルータ2と、報知装置としてのロボット3と、分電盤4及び宅内に設置されたセンサ群と、情報提供サーバ5によって構成されている。
ホームサーバ1は、住宅Hの敷地内で使用される機器の使用状態を管理する装置である。具体的に説明すると、ホームサーバ1は、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)を構築するために住宅H内に設置された端末、すなわちホームゲートウェイである。そして、ホームサーバ1は、住宅H内に設けられた複数の部屋の各々で使用される機器の使用状態をモニタリングする。
より詳しく説明すると、ホームサーバ1は、各部屋で使用されるエネルギー消費機器の使用状態を管理するために、当該エネルギー消費機器におけるエネルギー消費量を定期的にモニタリングする。エネルギー消費機器とは、住宅Hに供給される各種エネルギーを消費して利用される機器のことであり、電気機器、ガス使用機器及び水使用機器を含む。また、ホームサーバ1は、無線LANルータ2と通じて各部屋のエネルギー消費機器(厳密には電気機器)と通信し、当該エネルギー消費機器の運転を遠隔で制御することが可能である。
なお、以下では、住宅Hに4つの部屋R1〜R4が備えられているケースを具体例に挙げて説明するが、住宅H内に備えられている部屋の数については2つ以上あればよく、特に制限されるものではない。
また、上記4つの部屋R1〜R4の各々で使用されるエネルギー消費機器は、以下の通りである。
部屋R1:電気機器(具体的には照明機器D1及びエアコンD2)
部屋R2:電気機器(具体的には照明機器D1及びテレビD3)
部屋R3:水使用機器D4(具体的には浴槽用蛇口及びシャワー)及びガス使用機器D5(具体的には部屋R3の外壁に立設された給湯設備)
部屋R4:電気機器(具体的には照明機器D1及びエアコンD2)、水使用機器D4(具体的にはキッチン用蛇口)、及びガス使用機器D5(具体的にはガスコンロ)
ただし、各部屋で使用されるエネルギー消費機器については、上記の内容に限られるものではなく、当然ながら上記の内容とは異なる機器であってもよい。
また、ホームサーバ1が無線LANルータ2を通じて通信することが可能な機器には、人感センサD6が含まれている。この人感センサD6は、特定の部屋(図1に示すケースでは部屋R1)に設置されている。そして、人感センサD6は、部屋R1内に居る人を検知すると、その検知結果を示すデータ(以下、人検知データ)をホームサーバ1に向けて送信する。
また、ホームサーバ1によって使用状態が管理される機器には、住宅Hの所定エリア(例えば、玄関付近)に設置された防犯装置D7が含まれている。この防犯装置D7は、居住者が外出している間に起動し、居住者が在宅している間には停止している。そして、防犯装置D7は、自身の状態を示すデータ(以下、防犯装置状態データ)をホームサーバ1に向けて送信する。
ロボット3は、住宅H内に居る居住者に対して情報を報知するために住宅H内において自律移動する装置である。つまり、居住者は、情報を得るために住宅H内を移動しなくとも、自分が居る部屋にロボット3が到着して情報を報知してくれるのを待てばよいことになる。すなわち、本システムSにおいて、情報報知は、居住者にとって利便性が高い態様にて行われるようになる。ちなみに、本システムSにおいて、ロボット3は、図1に示すようにマスコット型のロボットであり、下部に自律移動機構35を備えている。ただし、ロボット3については、マスコット型のものに限定されるものではなく、人型や動物型のものであってもよい。
ロボット3は、情報報知機能、音声認識機能、人認識機能、自律走行機能及び通信機能を備えている。情報報知機能とは、居住者に対して情報を報知する機能であり、本システムSでは音声で情報を報知することになっている。ただし、これに限定されるものではなく、映像を表示して情報を報知することとしてもよい。音声認識機能は、居住者がロボット3に話し掛けた際の音声を解析して話の内容を認識する機能である。人認識機能は、居住者がロボット3の正面位置に立っているときに当該居住者の存在を認識する機能である。なお、本システムSでは、ロボット3がその前方に位置する被写体を撮像し、当該映像を解析することで居住者の存在を認識することとしている。ただし、これに限定するものではなく、ロボット3内に人認識センサが内蔵されており、かかる人認識センサがロボット3の正面に位置する者を検知することで居住者の存在を認識することとしてもよい。
自律走行機能は、自律移動機構35を駆動して宅内を移動する機能である。通信機能は、通信相手となる装置と通信し、当該装置との間でデータの送受信を行う機能である。なお、本システムSにおいてロボット3は、無線LANルータ2を通じてホームサーバ1と通信する。さらに、ロボット3は、インターネット等の外部通信ネットワークGNを通じて情報提供サーバ5と通信する。この情報提供サーバ5は、ロボット3が居住者に報知する情報の提供源に相当し、本システムSでは、クラウドサービス用のサーバコンピュータによって構成されている。また、情報提供サーバ5が提供する情報(以下、配信情報)は、生活に関する情報、例えば、情報提供日当日の天気に関する情報となっている。ただし、配信情報の内容については、特に限定されるものではなく、自由に決めることが可能である。
そして、ロボット3は、上述した機能を発揮することにより、「質問回答処理」、「遠隔制御命令処理」、「異常監視処理」、「情報報知処理」の処理を実行する。質問回答処理は、居住者がロボット3に話し掛けて所定の質問(例えば、宅内のエネルギー消費状況に関する質問)をしたときに実行される。具体的に説明すると、質問回答処理においてロボット3は、居住者がした質問の内容を把握した上で、ホームサーバ1と通信して上記の質問内容に対する回答として適当な情報を取得し、当該情報を音声で出力する。
遠隔制御命令処理は、居住者がロボット3に話し掛けて対象機器の運転の遠隔制御を要求したときに実行される。具体的に説明すると、遠隔制御命令処理においてロボット3は、居住者が要求した遠隔制御の対象機器及び制御条件を特定し、その特定結果を示すデータ(以下、制御データ)をホームサーバ1に向けて送信する。ホームサーバ1は、制御データを受信すると、当該制御データを解析して遠隔制御の対象機器及び制御条件を特定し、当該制御条件に従って運転状態が切り替わるような制御信号を上記の対象機器に向けて出力する。対象機器側では、上記の制御信号を受信すると、運転状態が制御条件に従って切り替えられる。その後、ホームサーバ1は、運転状態が変化した際に対象機器が出力する応答信号を受信すると、制御完了の旨を通知するデータ(以下、制御完了データ)をロボット3に向けて送信する。そして、ロボット3は、制御完了データを受信すると、制御完了の旨を音声にて居住者に報知する。
異常監視処理は、ロボット3がホームサーバ1と定期的に通信することで実行される。具体的に説明すると、異常監視処理においてロボット3は、ホームサーバ1との通信を通じて住宅H内の各機器における異常の有無を判定する。より詳しく説明すると、ホームサーバ1は、各機器の使用状態を定期的にモニタリングしており、その結果をロボット3に向けて送信する。そして、ロボット3は、各機器の使用状態を示すデータをホームサーバ1から受信すると、かかるデータに基づいて異常の有無を判定する。さらに、ロボット3は、異常有りと判定すると、その旨及び異常の解消方法を居住者に報知する。その後に居住者がロボット3に対して異常発生機器の運転の遠隔制御を要求すると、上記の遠隔制御処理が実行されることになり、既述の手順によって処理が進められることとなる。
情報報知処理は、ロボット3が情報提供サーバ5から取得した情報(配信情報)を居住者に報知する処理である。そして、本システムSでは、情報報知処理の実行時点、すなわち、上記の配信情報を報知するタイミングが、居住者の状態に応じて適当と考えられるタイミングに設定される。具体的に説明すると、居住者が毎朝起床すると、その状態変化を検出し、その後、覚醒状態となった居住者に対して上記の配信情報を報知することとしている。
以上に説明した4つの処理のうち、情報報知処理は、本システムS特有の処理であり、その詳細については後の項で説明することとする。
<<ホームサーバ及びロボットの詳細構成について>>
次に、ホームサーバ1及びロボット3の詳細構成について説明する。先ず、ホームサーバ1の構成について説明すると、図2に示すように、CPU1a、メモリ1b、通信用インタフェース1c(図中、通信用I/Fと表記)、ハードディスクドライブ(図中、HDDと表記)、及び内部時計1eがホームサーバ1の主たる構成機器である。図2は、ホームサーバ1のハードウェア構成を示したブロック図である。
また、ホームサーバ1には、HEMSプログラムがインストールされている。HEMSプログラムとは、ホームサーバ1が上述した機能を発揮するためのアプリケーションプログラムである。具体的に説明すると、HEMSプログラムがCPU1aによって実行されることで、ホームサーバ1は、住宅Hの敷地内で使用される機器の使用状態を管理する。
具体的に説明すると、HEMSプログラムの実行により、ホームサーバ1は、住宅Hの敷地内で使用される機器のうち、エネルギー消費機器によるエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを、エネルギー消費機器別に取得する。より詳しく説明すると、住宅H内の各部屋で使用される電気機器の消費電力は、分電盤4(厳密には分電盤4内の電力計)や宅内各所に設置された電力センサD8によって、電気機器別に計測されることになっている。ホームサーバ1は、これらの計測機器(分電盤4及び電力センサD8)と無線LANルータ2を通じて定期的に通信し、各電気機器の消費電力を示すデータ(以下、電力消費データ)を機器別に取得する。
同様に、住宅H内の各部屋で使用されるガス使用機器D5のガス消費量は、宅内の所定箇所に設置されたガス流量センサD9によって、ガス使用機器D5別に計測されることになっている。ホームサーバ1は、各ガス流量センサD9と無線LANルータ2を通じて通信し、各ガス使用機器D5が単位時間あたりに消費するガス量を示すデータ(以下、ガス消費データ)を機器別に取得する。なお、ガス消費データについては、ガス使用機器D5別に取得する代わりに、住宅Hに敷設されたガスラインのうち、各ガス使用機器D5に向けて分岐する手前位置での流量、すなわち、住宅H内におけるガスの総消費量を示すデータを取得することとしてもよい。
同様に、住宅H内の各部屋で使用される水使用機器D4の水消費量は、宅内の所定箇所に設置された水流量センサD10によって、水使用機器D4別に計測されることになっている。ホームサーバ1は、各水流量センサD10と無線LANルータ2を通じて定期的に通信し、各水使用機器D4が単位時間あたりに消費する水量を示すデータ(以下、水消費データ)を機器別に取得する。なお、水消費データについては、水使用機器D4別に取得する代わりに、住宅Hに敷設された給水ラインのうち、各水使用機器D4に向けて分岐する手前位置での流量、すなわち、住宅H内における水の総消費量を示すデータを取得することとしてもよい。
さらに、ホームサーバ1は、防犯装置D7と無線LANルータ2を通じて定期的に通信し、防犯装置D7の状態を示す防犯装置状態データを取得する。また、住宅H内の部屋R1において人感センサD6が人を検知した際には、その検知結果を示す人検知データが人感センサD6から送信されることになっており、ホームサーバ1は、無線LANルータ2を通じて当該人検知データを取得する。
一方、ホームサーバ1は、HEMSプログラムが実行されることにより、宅内のエネルギー消費機器の運転を遠隔制御することが可能である。なお、本実施形態では、遠隔制御の対象となる機器が照明機器D1及びエアコンD2となっている。ただし、これに限定されるものではなく、他の電気機器、あるいは他のエネルギー消費機器(すなわち、水使用機器D4及びガス使用機器D5)が制御対象機器に含まれていてもよい。
なお、本システムSでは、上述したデータ取得や遠隔制御の実行をホームサーバ1に命じるためのインタフェースがAPI(Application Program Interface)として提供されている。このAPI(以下、住宅API)は、ホームサーバ1以外の機器側で実行されるプログラム(以下、他機器用プログラム)の開発に供されるものである。
分かり易く説明すると、住宅APIを利用するための情報(例えばホームサーバ1のURI情報)を組み込むことで、各種データ取得や遠隔制御の実行をホームサーバ1に命じる他機器用プログラムを容易に開発することが可能となる。つまり、プログラム開発者は、ホームサーバ1が各通信機器と通信する際の通信方式や、各種データ取得や遠隔制御の実行をホームサーバ1に命じるためのプログラムコードを意識せずに、他機器用プログラムを開発することが可能である。
そして、住宅APIは、ロボット3のコントローラ30にインストールされたプログラム(厳密には、後述する情報報知プログラム)にも利用されている。つまり、本システムSでは、ロボット3からホームサーバ1に対してデータ取得や遠隔制御の実行を命じる上で住宅APIを利用することになる。この結果、汎用的な通信形式によって、ロボット3からホームサーバ1に対してデータ取得や遠隔制御の実行を命じることが可能となる。より具体的に説明すると、住宅APIを利用すれば、ロボット3からホームサーバ1に対してデータ取得や遠隔制御の実行を命じる通信をHTTP方式にて行うことが可能となる。また、住宅APIを利用すれば、ホームサーバ1からの返答データ(例えば、遠隔制御完了を通知するデータ)を汎用性の高いXML形式のデータとして受け取ることが可能となる。
次に、上述したホームサーバ1の構成をデータ処理の観点、特に、情報報知処理に関与するデータ処理の観点から改めて説明する。ホームサーバ1は、情報報知処理に関与するデータ処理部を有しており、具体的には、図3に示すように、データ取得部11、データ記憶部12、検出部13、候補設定部14及び候補通知部15を有する。図3は、ホームサーバ1における各種データ処理部を示した図である。以下、それぞれのデータ処理部について説明する。
(データ取得部について)
データ取得部11は、分電盤4や各種センサと通信することでエネルギー消費データ、具体的には電力消費データ、ガス消費データ及び水消費データを、エネルギー消費機器別に取得する。このデータ取得部11は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及び通信用インタフェース1cがHEMSプログラムと協働することで実現される。
なお、本システムSにおいて、データ取得部11は、各エネルギー消費データを定期的に、例えば5分間隔で取得する。ここで、データの取得間隔については任意に設定可能である。また、本システムSにおいて、データ取得部11は、防犯装置D7の状態を示す防犯装置状態データを取得すると共に、住宅H内の部屋R1において人感センサD6が人を検知した際には、その検知結果を示す人検知データを取得する。
(データ記憶部について)
データ記憶部12は、データ取得部11が取得したエネルギー消費データを記憶するものであり、ホームサーバ1のハードディスクドライブ1dによって構成されている。ただし、データ記憶部12を構成する機器については、ホームサーバ1に内蔵されたハードディスクドライブ1dに限定されるものではない。データ記憶部12については、ホームサーバ1とは別体をなした機器であってホームサーバ1と接続された機器(例えば、外付けハードディスクドライブ)、あるいはホームサーバ1とネットワークを介して接続されている機器(例えば、外部のデータベースサーバ)によって構成されていてもよい。
データ記憶部12には、少なくとも前日1日分のエネルギー消費データが記憶されている。ただし、記憶されるデータの量については、任意に設定することが可能であり、例えば、過去1週間分、過去1カ月分あるいは過去1年分のデータを記憶することとしてもよい。
(検出部について)
検出部13は、データ取得部11が機器別に取得したエネルギー消費データ(電力消費データ、ガス消費データ及び水消費データ)に基づいて居住者の状態の変化、具体的には居住者が睡眠状態から覚醒状態に変化したことを検出する。この検出部13は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及び内部時計1eがHEMSプログラムと協働することで実現される。
なお、検出部13は、居住者の状態が変化したか否かを判定するにあたり、データ記憶部12に記憶されたエネルギー消費データのうち、直近に取得された直近データと、直近データよりも前に取得された過去データと、を読み出す。ここで、過去データとは、前日1日分のデータのことである。ただし、過去データについては、前日1日分のデータに限定されるものではなく、過去1週間分、過去1カ月分あるいは過去1年分のデータを用いてもよい。
また、検出部13は、直近データ及び過去データに基づいて居住者の状態の変化を検出するにあたり、直近データの取得時刻(厳密には、直近データの取得時に内部時計1eが示していた時刻)を考慮する。すなわち、検出部13は、直近データ及び過去データ、並びに直近データの取得時刻に基づいて居住者の状態の変化を検出する。なお、居住者の状態の変化を検出する手順については後に詳述する。
(候補設定部について)
候補設定部14は、検出部13が居住者の状態の変化を検出したときに、住宅H内にある複数の部屋R1,R2,R3,R4の中から居住者が在室している部屋(以下、在室部屋)の候補を設定する。この候補設定部14は、ホームサーバ1のCPU1a及びメモリ1bがHEMSプログラムと協働することで実現される。
候補設定部14は、データ取得部11が機器別に取得した各種データ(具体的には、電力消費データ、ガス消費データ、水消費データ、人検知データ及び防犯装置状態データ)に基づいて在室部屋の候補を設定する。また、候補設定部14は、在室部屋の候補を複数設定した場合、候補別に優先順位を設定する。なお、在室部屋の候補及び候補別の優先順位を設定する手順については後に詳述する。
(候補通知部について)
候補通知部15は、ロボット3と通信することで、候補設定部14が設定した在室部屋の候補をロボット3に対して通知する。この候補通知部15は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及び通信用インタフェース1cがHEMSプログラムと協働することで実現される。
候補通知部15は、在室部屋の候補を通知するに際して、当該候補を示すデータ(以下、候補通知データ)を生成しロボット3に向けて送信する。また、候補設定部14が複数の候補と共に候補別の優先順位を設定した場合、候補通知部15は、複数の候補と各候補の優先順位を示す候補通知データを生成して、当該データをロボット3に向けて送信する。
次に、ロボット3の構成について説明すると、図4に示すように、コントローラ30、音声再生用のスピーカ31、制御回路32、映像撮像用のカメラ33、音声集音用のマイク34及び自律移動機構35を備えている。図4は、ロボット3のハードウェア構成を示したブロック図である。
自律移動機構35は、ロボット3の下部に設けられた車輪、車輪を駆動するモータ、車輪の回転軸方向を切り替える方向切換器を備えている。そして、モータのオンオフ、及び方向切換器による回転軸方向の切換は、コントローラ30によって制御回路32を通じて制御されることになっている。そして、コントローラ30が自律移動機構35を制御することにより、ロボット3は、住宅H内にある複数の部屋R1、R2、R3、R4の各々へ自由に移動することが可能である。
コントローラ30は、ロボット3に内蔵されたコンピュータ(例えば、マイコン)からなり、CPU30a、メモリ30b及び通信用インタフェース30c(図4中、通信用I/Fと表記)を有する。また、メモリ30bには、自律移動機構35を制御するための制御プログラム、画像解析プログラム、音声解析プログラム、及び、情報報知処理用のプログラム(情報報知プログラム)、遠隔制御命令プログラムが格納されている。
ロボット3は、画像解析プログラムが実行されることにより、カメラ33で撮像した映像を解析する。かかる映像解析を通じて、ロボット3は、例えば居住者がロボット3の正面位置に居たときに当該居住者を認識することが可能となる。また、ロボット3は、音声解析プログラムが実行されることにより、マイク34が集音した音声を解析する。かかる音声解析を通じて、ロボット3は、例えば居住者がロボット3に話し掛けた際にその話の内容を特定することが可能となる。
さらに、ロボット3は、情報報知プログラムが実行されることにより、ホームサーバ1や情報提供サーバ5と通信し、情報報知処理の実行に必要なデータの送受信を行う。具体的に説明すると、ロボット3は、ホームサーバ1(厳密には検出部13)が居住者の状態の変化を検出したとき、在室部屋の候補を示す候補通知データをホームサーバ1から受信する。また、ロボット3は、候補通知データを受信すると、外部通信ネットワークGNを通じて情報提供サーバ5に対して情報の配信を要求し、当該要求に応じて送信されてくる配信情報を収集(取得)する。
さらにまた、ロボット3は、遠隔制御命令プログラムが実行されることにより、ホームサーバ1に対して制御対象となる機器の遠隔制御を命ずる。上記の遠隔制御命令プログラムの実行に際して、例えば居住者がロボット3に話し掛けて遠隔制御の対象機器と制御条件を言う。すると、ロボット3が、その発言内容を音声解析プログラムによって特定し、これをトリガーとして遠隔制御命令をホームサーバ1に対して行う。なお、遠隔制御命令プログラムには、上述の住宅APIを利用するための情報が組み込まれている。これにより、遠隔制御命令プログラムの開発時には、ホームサーバ1が制御対象機器と通信する際の通信方式や遠隔制御命令用のコードを意識せずにプログラムを作成することが可能である。
次に、上述したロボット3の構成をデータ処理の観点、特に、情報報知処理に関与するデータ処理の観点から改めて説明する。ロボット3は、図5に示すように、報報知処理に関与するデータ処理部として、情報収集部21、制御部22、判定部23及び情報報知部24を有する。図5は、ロボット3における各種データ処理部を示した図である。以下、それぞれのデータ処理部について説明する。
(情報収取部について)
情報収集部21は、情報提供サーバ5と通信することで、居住者に対して報知する情報を収集する。この情報収集部21は、ロボット3のコントローラ30が情報報知プログラムと協働することで実現される。なお、情報収集部21は、ロボット3がホームサーバ1から候補通知データを受信した際、これをトリガーとして情報提供サーバ5に対して情報配信を要求する。
(制御部について)
制御部22は、自律移動機構35を制御し、ロボット3が受信した候補通知データが示す候補として設定された部屋に向けてロボット3を移動させる。この制御部22は、ロボット3のコントローラ30が制御プログラムと協働することで実現される。また、候補通知データ中に複数の候補が示されている場合、制御部22は、複数の候補のうち、より優先順位が高い候補として設定された部屋に向けてロボット3が移動するように自律移動機構35を制御する。
(判定部について)
判定部23は、ロボット3が候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋に居住者が在室しているか否かを判定する。この判定部23は、ロボット3のコントローラ30及びカメラ33が画像解析プログラムと協働することで実現される。すなわち、ロボット3は、候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋内の映像をカメラ33にて撮像し、画像解析プログラムの機能により上記の撮像映像を解析することで居住者の有無を判定する。
なお、ロボット3が受信した候補通知データ中に複数の候補が示されている場合、判定部23は、ロボット3が候補として設定された部屋に到着する度に、当該部屋に居住者が在室しているか否かを判定する。つまり、在室部屋の候補として複数の部屋が設定された場合、ロボット3の部屋への移動、及び、居住者の在室の有無に関する判定は、優先順位の高い候補から順に繰り返し行われる。そして、居住者が在室していると判定部23が判定した部屋にロボット3が到着した時点で、ロボット3の新たな部屋への移動が中止される。
(情報報知部について)
情報報知部24は、居住者が在室していると判定部23が判定した部屋において、情報収集部21が収集した情報(すなわち、情報提供サーバ5からの配信情報)を報知する。この情報報知部24は、ロボット3のコントローラ30及びスピーカ31が情報報知プログラムと協働することで実現される。
<<情報報知処理の流れについて>>
次に、ロボット3が居住者に情報(厳密には、情報提供サーバ5からの配信情報)を報知する処理、すなわち情報報知処理について、その流れを説明する。ここで、情報報知処理では、本発明の情報報知方法が適用されており、情報報知処理において実施される各ステップは、本発明の情報報知方法を特定する各工程に相当する。つまり、以下の説明は、本発明の情報報知方法の一例について、その手順を示す内容となっている。
情報報知処理は、ホームサーバ1側で行われる処理と、ロボット3側で行われる処理に分かれており、先ず、ホームサーバ1側の処理が先行して実行される。ホームサーバ1側の処理は、図6に図示の手順にて進められる。図6は、ホームサーバ1側の処理の流れを示した図である。
具体的に説明すると、ホームサーバ1は、情報報知処理の実行に際して、先ず、住宅Hの敷地内で使用されているエネルギー消費機器のそれぞれについて、現在のエネルギー消費度合い(エネルギー消費量)を示すエネルギー消費データを機器別に取得する。具体的には、電力消費データ、ガス消費データ及び水消費データ(以下、電力消費データ等)をエネルギー消費機器別に取得する(S001)。なお、取得済みのデータについては、データ記憶部12をなすハードディスクドライブ1dに記憶することとなっている(S001)。
また、ホームサーバ1は、電力消費データ等とともに、防犯装置D7の状態を示す防犯装置状態データを取得する。さらに、住宅H内の部屋R1において人感センサD6が人を検知した際、ホームサーバ1は、人感センサD6から検知結果を示す人検知データを取得する。
上記のステップS001、つまり、電力消費データ等の取得及び記憶は、毎日、定期的に、例えば5分間隔で行われる。そして、現在時刻(厳密には、ホームサーバ1の内部時計1eが示す時刻)が起床時間帯に該当するようになると(S002)、ホームサーバ1は、居住者の状態の変化を検出するための一連のステップを行うようになる。ここで、起床時間帯とは、居住者が起床する可能性がある時間帯としてホームサーバ1が予め設定した時間帯のことであり、過去の実績等を基に設定されており、例えば6時から8時までの時間帯に設定されている。
居住者の状態の変化を検出するためのステップについて詳しく説明すると、ホームサーバ1は、ハードディスクドライブ1dに記憶された電力消費データ等のうち、直近で取得されたデータ(すなわち、直近データ)と前日1日分のデータ(すなわち、過去データ)を読み出す(S003)。そして、ホームサーバ1は、両データを比較することで、居住者が睡眠状態から覚醒状態に変化したか否かを特定する(S004)。
直近データ及び過去データに基づいて居住者の状態の変化を検出する方法について図7の(A)及び(B)を参照しながら説明する。図7の(A)は、直前データが示す内容を、図7の(B)は、過去データが示すエネルギー消費量の経時変化を、それぞれ示している。直前データは、図7の(A)に示すように、各エネルギー消費機器について識別情報(図7の(A)では機器番号)、エネルギー消費量についての直近の計測時刻、及び、計測結果を示している。他方、過去データは、図7の(B)に示すように、各エネルギー消費機器について、前日1日分におけるエネルギー消費量の計測結果の経時変化を示している。
ホームサーバ1は、過去データが示す経時変化から、当該過去データと対応するエネルギー消費機器の起動時点、及び、その際のエネルギー消費量(図7の(B)中、記号THにて示す値であり、以下、起動時エネルギー消費量)を特定する。そして、ホームサーバ1は、起床時間帯に取得したエネルギー消費データが示すエネルギー消費量の計測結果が上記の起動時エネルギー消費量THを超えた際、居住者の状態が睡眠状態から覚醒状態に変化したことを検出する。
なお、居住者の状態の変化を検出するにあたり、直近データが示すエネルギー消費量の計測結果と起動時エネルギー消費量THとの比較を、すべてのエネルギー消費機器について行うこととしてもよい。あるいは、居住者が普段寝室として利用する部屋にあるエネルギー消費機器に限定して、上述したエネルギー消費量の比較を行うこととしてもよい。
また、本システムSでは、居住者の状態の変化を検出するにあたり、起床時間帯に取得したエネルギー消費データのみを用いることとし、それ以外の時間帯で取得したデータを用いないこととしている。これは、採用するエネルギー消費データを起床時間帯に取得したデータに限定することで、居住者の状態変化をより的確に検出することが可能になるためである。かかる効果について、図7の(C)を参照しながら説明する。図7の(C)は、深夜帯に取得したエネルギー消費データ(直前データ)の内容を示している。深夜時間帯に図7の(C)に図示のエネルギー消費データを取得し、仮に当該データを、居住者の状態を把握するために採用するとする。この際、ホームサーバ1は、当該エネルギー消費量データが示すエネルギー消費量の計測結果と起動時エネルギー消費量THとを対比し、計測結果が起動時エネルギー消費量THを上回っていると、それを以て居住者の状態が変化したことを検出する。一方、エネルギー消費量が起動時エネルギー消費量THを上回ったとしても、それは一時的な状態変化(例えば、トイレに行くために一時的に起き、その後に再度就寝する状況)に起因するものであるため、検出対象から除外する必要がある。そこで、本システムでは、居住者が起床する本来の時間帯に取得したエネルギー消費データに基づいて居住者の状態変化を検出することとし、これにより、居住者の状態が睡眠状態から覚醒状態に変化したことをより的確に検出することが可能となる。
ホームサーバ1は、以上に説明した要領にて居住者の状態の変化を検出するまで、過去データ及び直前データの読み出し、並びに両データの対比を繰り返す。そして、ホームサーバ1は、居住者の状態の変化が睡眠状態から覚醒状態に変化したことを検出すると、防犯装置D7の状態が起動状態ではないことを確認した上で(S005)、以降のステップ(S007〜S010)を実施する。一方、防犯装置D7の状態が起動状態である場合、ホームサーバ1は、情報報知処理を中止する(S006)。これは、防犯装置D7が起動状態であるとき、情報を報知する相手である居住者が既に外出して住宅Hの外に居ることを反映している。
居住者の状態の変化を検出した後のステップについて説明すると、ホームサーバ1は、住宅H内にある複数の部屋R1、R2、R3、R4の中から居住者が在室している部屋(在室部屋)の候補を、エネルギー消費データに基づいて設定する(S007)。具体的に説明すると、ホームサーバ1は、エネルギー消費データ(厳密には直近データ)に基づいてエネルギー消費機器が作動状態にあるかどうかを、エネルギー消費機器別に判断する。より詳しく説明すると、ホームサーバ1は、エネルギー消費機器別に、直近データが示すエネルギー消費量の計測結果が起動時エネルギー消費量THを上回っているか否かを判断する。かかる判断を通じて、ホームサーバ1は、オン状態にあるエネルギー消費機器、及び、当該エネルギー消費機器が設置された部屋を特定する。このような手順によって特定された部屋が在室部屋の候補として設定されることになる。
なお、電力消費データ等に基づいて在室部屋の候補を設定する手順については、上記の手順に限定されるものではなく、妥当な候補を設定し得る限り、他の手順を採用することとしてもよい。
そして、上記の手順により候補を設定した際に複数の候補が設定された場合(S008)、ホームサーバ1は、人検知データや電力消費データ等に基づき、各候補に対して優先順位を設定する(S009)。その後、ホームサーバ1は、設定した在室の候補をロボット3に対して通知するために候補通知データを生成して当該候補通知データをロボット3に向けて送信する(S010)。この際、前ステップにおいて複数の候補と候補別の優先順位を設定した場合、ホームサーバ1は、設定した複数の候補と候補別の優先順位を示す候補通知データを生成してロボット3に向けて送信する。
ところで、複数の候補のそれぞれに対して優先順位を設定する際の要領については、特に限定するものではないが、本システムSでは、下記の設定条件(T1)〜(T4)に則って優先順位を設定することとしている。
(T1)人感センサD6が部屋R1において人を検知したときには部屋R1の優先順位をより高くし、人を検知しないときには部屋R1の優先順位をより低くする。
(T2)部屋R2のテレビD3が作動しているときには部屋R2の優先順位をより高くし、停止しているときには部屋R2の優先順位をより低くする。
(T3)部屋R3に配置された水使用機器D4又はガス使用機器D5が作動しているときには部屋R3の優先順位をより高くし、停止しているときには部屋R3の優先順位をより低くする。
(T4)部屋R4に配置された水使用機器D4又はガス使用機器D5が作動しているときには部屋R4の優先順位をより高くし、停止しているときには部屋R4の優先順位をより低くする。
以下、上記の条件(T1)〜(T4)に則って優先順位を設定する際の要領について、図8A〜図8Dに示す4つのケースを具体例に挙げて説明する。図8A〜図8Dは、在室部屋の候補に対して優先順位を設定する際の要領を示した図である。なお、以下に説明する各ケースにおいて、互いに異なる二つの部屋のうちの一方は「第一部屋」に該当し、もう一方は「第二部屋」に該当する。また、第一部屋及び第二部屋の双方に共通のエネルギー消費機器が配置されているとき、当該機器は「共通機器」に該当する。また、第一部屋及び第二部屋のうちの一方(第一部屋)にのみ配置されている特定のエネルギー消費機器があるとき、当該機器は「特定機器」に該当する。
(ケース1について)
ケース1は、部屋R1の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)、及び、部屋R2の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)を取得したときのケースである。本ケースでは、双方の部屋R1、R2を在室部屋の候補とし、図8Aに図示した要領にて各部屋に優先順位が設定されることになる。具体的に説明すると、ホームサーバ1が人感センサD6から人検知データを受信した場合、すなわち、人感センサD6が部屋R1で人を検知した場合には、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R2の優先順位を「2」とする。反対に、人感センサD6が部屋R1で人を検知していない場合、部屋R1の優先順位を「2」とし、部屋R2の優先順位を「1」とする。
(ケース2について)
ケース2は、部屋R1の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)、及び、部屋R4の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)を取得したときのケースである。本ケースでは、部屋R1、R4の双方を在室部屋の候補とし、図8Bに図示した要領にて各部屋に優先順位が設定されることになる。具体的に説明すると、ホームサーバ1が人感センサD6から人検知データを受信した場合、すなわち、人感センサD6が部屋R1で人を検知した場合には、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。
一方、人感センサD6が部屋R1で人を検知していない場合、部屋R4でガスまたは水が使用されているとき、換言すると、水使用機器D4またはガス使用機器D5が作動していることを示すデータ(水消費データまたはガス消費データ)をホームサーバ1が取得したときには、部屋R1の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。
さらに、人感センサD6が部屋R1で人を検知せず、かつ、部屋R4でガスや水が使用されていない場合において、部屋R1のエアコンD2が作動しているとき、すなわち、エアコンD2が作動していることを示すデータ(電力消費データ)をホームサーバ1が取得したときには、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。反対に、部屋R1のエアコンD2が停止しているときには、部屋R1の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。
(ケース3について)
ケース3は、部屋R2の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)、及び、部屋R4の照明機器D1が作動していることを示すデータ(電力消費データ)を取得したときのケースである。本ケースでは、部屋R2、R4の双方を在室部屋の候補とし、図8Cに図示した要領にて各部屋に優先順位が設定されることになる。具体的に説明すると、部屋R4でガスまたは水が使用されているとき、換言すると、水使用機器D4またはガス使用機器D5が作動していることを示すデータ(水消費データまたはガス消費データ)をホームサーバ1が取得したときには、部屋R2の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。
一方、部屋R4でガスや水が使用されていない場合において、部屋R2のテレビD3が作動しているとき、すなわち、テレビD3が作動していることを示すデータ(電力消費データ)をホームサーバ1が取得したときには、部屋R2の優先順位を「1」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。反対に、部屋R2のテレビD3が停止しているときには、部屋R2の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。
(ケース4について)
ケース4は、3つの部屋R1、R2、R4の各々の照明機器D1について、作動していることを示すデータ(電力消費データ)を取得したときのケースである。本ケースでは、3つの部屋R1、R2、R4を在室部屋の候補とし、図8Dに図示した要領にて各部屋に優先順位が設定される。具体的に説明すると、人感センサD6が部屋R1で人を検知した場合、部屋R4でガスまたは水が使用されているならば、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R2の優先順位を「3」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。
また、人感センサD6が部屋R1で人を検知し、かつ、部屋R4でガスや水が使用されていない場合、部屋R2のテレビD3が作動しているならば、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R2の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「3」とする。反対に、部屋R2のテレビD3が作動していないならば、部屋R1の優先順位を「1」とし、部屋R2の優先順位を「3」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。
一方、人感センサD6が部屋R1で人を検知していない場合、部屋R4でガスまたは水が使用されているならば、部屋R1の優先順位を「3」とし、部屋R2の優先順位を「2」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。また、人感センサD6が部屋R1で人を検知せず、かつ、部屋R4でガスや水が使用されていない場合、部屋R2のテレビD3が作動しているならば、部屋R1の優先順位を「3」とし、部屋R2の優先順位を「1」とし、部屋R4の優先順位を「2」とする。反対に、部屋R2のテレビD3が作動していないならば、部屋R1の優先順位を「2」とし、部屋R2の優先順位を「3」とし、部屋R4の優先順位を「1」とする。
以上4つのケースを挙げて説明した要領にて、本システムSでは、在室部屋として設定された複数の候補の各々に優先順位を設定する。なお、上記4つのケースからは、部屋R3が候補として設定されるケースが除外されているが、かかるケースについては上記4つのケースを応用することで対応可能である。具体的に説明すると、部屋R3に配置された水使用機器D4又はガス使用機器D5が作動しているときには部屋R3の優先順位を最高順位とし、停止しているときには部屋R3の優先順位を最低順位とするという条件を設け、その上で、当該条件と上記4つのケースを適用すれば、部屋3と他の部屋のそれぞれに対して優先順位を設定することが可能である。
次に、ロボット3側で実行される処理について説明する。ロボット3側の処理は、図9に図示の手順にて進められる。図9は、ロボット3側の処理の流れを示した図である。具体的に説明すると、ホームサーバ1が送信した候補通知データをロボット3のコントローラ30が受信するところから始まる(S011)。その後、コントローラ30は、候補通知データの受信をトリガーとして情報提供サーバ5と通信し、情報提供サーバ5に対して情報の配信を要求するようになる(S012)。そして、コントローラ30は、当該要求に応じて情報提供サーバ5から送られてくる情報、すなわち配信情報を受信することで当該配信情報を収集する(S013)。
配信情報の収集が完了した後、コントローラ30は、ホームサーバ1から受信した候補通知データを解析し、候補として設定された部屋を特定した上で、当該部屋に向かうように自律移動機構35を制御する。これにより、ロボット3は、候補である部屋へ移動するようになる(S014)。そして、ロボット3は、候補である部屋に到着すると、カメラ33で部屋内の映像を撮像する。さらに、ロボット3のコントローラ30は、画像解析プログラムによってカメラ33が撮影した映像を解析し、その解析結果に基づいて、ロボット3が居る部屋内に居住者が在室しているか否かを判定する(S015)。
また、複数の候補が設定されている場合、ロボット3は、より優先順位が高い候補から順に移動し、各候補の部屋において居住者の在室の有無を判定する。すなわち、自律移動機構35の制御、及び、居住者の在室の有無の判定は、候補として設定された部屋に居住者が在室しているという判定結果が得られるまで、より優先順位が高い候補から順に繰り返されることになる。
そして、ロボット3は、居住者が在室していると判定したとき、その時点で居る部屋において、ステップS013で収集した情報(配信情報)を報知することとし、具体的にはスピーカ31を通じて配信情報を音声にて報知する(S016)。
以上までに説明してきたように、本システムSによる情報報知処理では、住宅H内におけるエネルギー消費状況の変化から居住者の状態の変化(具体的には、居住者の起床)を検出し、これをトリガーとして居住者への情報の報知を行うこととしている。この結果、居住者の状態を考慮した上で適切なタイミングにて情報を報知することが可能となる。また、情報の報知手段として、自律移動可能なロボット3を利用するので、居住者は、情報を得るために住宅H内を移動しなくとも、自分が居る部屋にロボット3が到着して情報を報知するのを待てばよいことになる。さらに、ロボット3は、候補として設定された部屋に居住者が在室していることを確認した上で情報を報知するので、当該情報を確実に居住者に対して報知することが可能となる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の情報報知システム及び情報報知方法について、一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、ユーザである住宅Hの居住者の状態変化を検出し、これをトリガーとして、居住者が居る部屋にロボット3が移動して情報を報知する処理、すなわち、情報報知処理が実行されることとした。また、上記の実施形態では、居住者の状態変化として、当該居住者の状態が睡眠状態から覚醒状態に変化すること(すなわち、居住者の起床)を検出することとした。これにより、居住者の起床に合わせて適切な情報(例えば、天気等、当日に関する情報)を報知することが可能となる。ただし、検出対象とする居住者の状態変化については、居住者の起床に限定されるものではなく、他の状態変化であってもよい。他の状態変化としては、例えば、外出していた居住者が住宅Hに帰宅したこと、居住者が住宅H内でエネルギー消費機器を新たに使用したこと、居住者が特定の部屋に入室したこと、あるいは特定の部屋から退室したことが挙げられる。
また、上記の実施形態では、自律移動可能な報知装置の一例として、下部に自律移動機構35を備えるマスコット型のロボット3を用いることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、自律移動可能な電気機器(例えば、掃除機)に情報報知機能を搭載したものを報知装置として用いてもよい。
また、上記の実施形態では、ロボット3がホームサーバ1から候補通知データを受信すると、これをトリガーとしてロボット3が情報提供サーバ5に対して情報配信を要求し、かかる要求に応じて送信される情報(配信情報)を受信することとした。すなわち、上記の実施形態では、居住者の状態の変化が検出された時点で、居住者に報知する情報を情報提供サーバ5から取得することとした。ただし、これに限定されるものではなく、居住者に対して報知する情報を、居住者の状態が変化する前の時点で予め取得しておいてもよい。
また、上記の実施形態では、ロボット3が居住者に報知する情報を、外部のサーバ(具体的には、情報提供サーバ5)から収集することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ホームサーバ1から情報を収集し、その情報を報知することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、情報報知処理が、住宅H内に設置されたホームサーバ1とロボット3とによって実行されることとした。ただし、情報報知処理に係る各工程、特にエネルギー消費データを取得する工程、ユーザの状態の変化を検出する工程、及び、在室部屋の候補を設定してロボット3に通知する工程については、ホームサーバ1以外の機器、例えば住宅Hの外に設定されたサーバコンピュータ(具体的には情報提供サーバ5等)が行ってもよい。
また、上記の実施形態では、情報報知処理がホームサーバ1側で行われる処理とロボット3側で行われる処理に分かれていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、情報報知処理に係る一連の工程が一つの機器、つまり、自律移動可能な報知装置であってホームサーバ1の機能を搭載したものによって行われてもよい。
また、上記の実施形態では、ホームサーバ1が在室部屋の候補を複数設定した場合、複数の候補と候補別の優先順位を示すデータ(候補通知データ)がホームサーバ1からロボット3に向けて送信されることとした。すなわち、上記の実施形態では、複数の候補を設定した場合には当該複数の候補すべてを一つのデータ(候補通知データ)によってロボット3に通知することとなっているが、これに限定されるものではない。候補通知データの生成及び配信を、優先順位の高い候補から順に個別で行うこととしてもよい。かかる場合、ロボット3は、直近に受信した候補通知データが示す候補の部屋に移動し、当該部屋において居住者が在室しているか否かを判定する。そして、居住者が在室していないと判定したとき、ロボット3は、次の優先順位の候補を示す候補通知データをホームサーバ1に対して要求する。ホームサーバ1は、その要求に応じて、次の優先順位の候補を示す候補通知データを生成し、生成したデータをロボット3に向けて送信することになる。さらに、かかる構成ではホームサーバ1が各候補に対して優先順位を一度設定した後、居住者の移動等を考慮して改めて優先順位を設定してもよい。つまり、候補通知データの生成及び配信を候補毎に個別に行う構成では、一度設定した各候補の優先順位を動的に見直すこととしてもよい。
1 ホームサーバ(管理装置)
1a CPU
1b メモリ
1c 通信用インタフェース
1d ハードディスクドライブ
1e 内部時計
2 無線LANルータ
3 ロボット(報知装置)
4 分電盤
5 情報提供サーバ
11 データ取得部
12 データ記憶部
13 検出部
14 候補設定部
15 候補通知部
21 情報収集部
22 制御部
23 判定部
24 情報報知部
30 コントローラ
30a CPU
30b メモリ
30c 通信用インタフェース
31 スピーカ
32 制御回路
33 カメラ
34 マイク
35 自律移動機構
GN 外部通信ネットワーク
H 住宅
D1 照明機器
D2 エアコン
D3 テレビ
D4 水使用機器
D5 ガス使用機器
D6 人感センサ
D7 防犯装置
D8 電力センサ
D9 ガス流量センサ
D10 水流量センサ
R1,R2,R3,R4 部屋
S 本システム(情報報知システム)

Claims (7)

  1. 複数の部屋を有する建物の敷地内で使用される機器の使用状態を管理する管理装置と、
    該管理装置と通信し、前記建物内に居るユーザに対して情報を報知するために前記建物内において自律移動する報知装置と、を備え、
    前記管理装置は、
    前記機器であるエネルギー消費機器によるエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを、前記エネルギー消費機器別に取得するデータ取得部と、
    該データ取得部が前記エネルギー消費機器別に取得した前記エネルギー消費データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出する検出部と、
    該検出部が前記ユーザの状態の変化を検出したときに、前記複数の部屋の中から前記ユーザが在室している部屋の候補を、前記エネルギー消費機器別の前記エネルギー消費データに基づいて設定する候補設定部と、
    前記報知装置と通信し、前記候補設定部が設定した前記候補を前記報知装置に対して通知する候補通知部と、を有し、
    前記報知装置は、
    前記ユーザに対して報知する情報を収集する情報収集部と、
    前記候補通知部が通知した前記候補として設定された部屋に向けて前記報知装置が移動するように、前記報知装置に設けられた自律移動機構を制御する制御部と、
    前記報知装置が前記候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定する判定部と、
    前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると前記判定部が判定したときに、前記情報収集部が収集した情報を報知する情報報知部と、を有することを特徴とする情報報知システム。
  2. 前記候補設定部は、前記候補を複数設定する場合、前記候補別に優先順位を設定し、
    前記候補通知部は、前記候補と共に前記候補別の優先順位を前記報知装置に対して報知し、
    前記制御部は、複数の前記候補のうち、より前記優先順位が高い前記候補として設定された部屋に向けて前記報知装置が移動するように前記自律移動機構を制御し、
    前記判定部は、前記報知装置が前記候補として設定された部屋に到着する度に、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定し、
    前記制御部による前記自律移動機構の制御、及び、前記判定部による判定は、前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると前記判定部が判定するまで、より前記優先順位が高い前記候補から順に繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
  3. 前記複数の部屋のうち、互いに異なる第一部屋及び第二部屋の双方に共通の前記エネルギー消費機器である共通機器が配置され、前記双方のうち前記第一部屋にのみ特定の前記エネルギー消費機器である特定機器が配置されている場合、
    前記データ取得部が、前記第一部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データ及び前記第二部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データの両方を取得し、かつ、前記特定機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データを取得したとき、前記候補設定部は、前記双方を前記候補として設定すると共に、前記第一部屋の前記優先順位を前記第二部屋の前記優先順位よりも高く設定し、
    前記データ取得部が、前記第一部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データ及び前記第二部屋において前記共通機器が作動していることを示す前記エネルギー消費データの両方を取得し、かつ、前記特定機器が停止していることを示す前記エネルギー消費データを取得したとき、前記候補設定部は、前記双方を前記候補として設定すると共に、前記第二部屋の前記優先順位を前記第一部屋の前記優先順位よりも高く設定することを特徴とする請求項2に記載の情報報知システム。
  4. 前記管理装置は、前記データ取得部が取得した前記エネルギー消費データを記憶しているデータ記憶部を更に有し、
    前記検出部は、前記データ記憶部が記憶している前記エネルギー消費データのうち、前記データ取得部が直近で取得した直近データ、及び、該直近データよりも前に前記データ取得部が取得した過去データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出し、
    前記候補設定部は、前記直近データ及び前記過去データに基づいて前記候補を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報報知システム。
  5. 前記検出部は、前記直近データ、前記過去データ、及び、前記データ取得部が前記直近データを取得した時刻に基づいて、前記ユーザの状態の変化を検出することを特徴とする請求項4に記載の情報報知システム。
  6. 前記検出部は、前記直近データ、前記過去データ、及び、前記データ取得部が前記直近データを取得した時刻に基づいて、前記ユーザの状態が睡眠状態から覚醒状態に変化したことを検出することを特徴とする請求項5に記載の情報報知システム。
  7. 複数の部屋を有する建物の敷地内で使用される機器の使用状態を管理する管理装置と、該管理装置と通信し、前記建物内に居るユーザに対して情報を報知するために前記建物内において自律移動する報知装置と、を用いた情報報知方法であって、
    前記管理装置が、前記機器であるエネルギー消費機器によるエネルギー消費度合いを示すエネルギー消費データを、前記エネルギー消費機器別に取得する工程と、
    前記管理装置が、前記エネルギー消費機器別に取得した前記エネルギー消費データに基づいて前記ユーザの状態の変化を検出する工程と、
    前記管理装置が、前記ユーザの状態の変化を検出したときに、前記複数の部屋の中から前記ユーザが在室している部屋の候補を、前記エネルギー消費機器別の前記エネルギー消費データに基づいて設定する工程と、
    前記管理装置が前記報知装置と通信し、設定した前記候補を前記報知装置に対して通知する工程と、
    前記報知装置が、前記ユーザに対して報知する情報を収集する工程と、
    前記報知装置が、前記管理装置から通知された前記候補として設定された部屋に向けて移動するように、前記報知装置に設けられた自律移動機構を制御する工程と、
    前記報知装置が、前記候補として設定された部屋に到着すると、当該部屋に前記ユーザが在室しているか否かを判定する工程と、
    前記報知装置が、前記候補として設定された部屋に前記ユーザが在室していると判定したときに、収集した情報を報知する工程と、を有することを特徴とする情報報知方法。
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