JP6415295B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一
般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
パチンコ機として、従来、通常遊技状態中は閉鎖しており、大当り遊技状態中に開放して遊技球を入賞しやすくなるいわゆるシャッタ(アタッカー)を備える遊技機がある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。この遊技機におけるアタッカーは、例えば矩形の板材を有しており、この板材の下片が盤面に対して枢支され、上片が盤面に対して前後するように揺動可能とされている。そして、閉鎖状態にあるアタッカーが揺動して、その上片が前方に移動した際にアタッカーが開放し、開放状態にあるアタッカーが揺動してその下片が後方に移動した際にアタッカーが閉鎖する。
特開2006−263263号公報 特開2013−70995号公報
上述したアタッカーへの工夫の余地はまだまだ残されており、工夫の施された遊技機を望む声も少なからず存在する。
そこで、本発明の課題は、工夫が施された遊技機を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を備える遊技盤を備え、当該遊技盤に備えられている始動口に遊技球が通過したことに基づいて当落抽選を実行する遊技機であって、開閉部材が閉鎖されて前記遊技球が入球しないようにする閉鎖状態と、当該開閉部材が開放されて前記遊技球が入球可能となる開放状態とを有する入球装置が前記遊技盤に設けられており、前記当落抽選によって当りとなる抽選結果が得られると遊技者に有利な有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段と、前記有利遊技状態に制御されているとき、閉鎖状態とされている前記開閉部材を所定の開放条件が成立した場合に開放させ、前記開閉部材を閉鎖させる条件として前記入球装置に所定数の遊技球が入球した場合に前記開閉部材を閉鎖させる開閉動作を実行させる開閉動作手段と、開放状態にある前記開閉部材を前記開閉動作手段によって前記開閉部材を閉鎖させる条件を満たしていなくても閉鎖状態にさせる限定閉鎖手段と、を備え、前記有利遊技状態は、前記開閉部材が開閉動作を繰り返して実行される有利遊技状態であり、前記限定閉鎖手段による閉鎖状態は、前記繰り返して実行される開閉動作の総回数の半数に満たない回数で現れるようになされており、且つ前記繰り返して実行される開閉動作において連続して現れないようになされており、前記有利遊技状態は、閉鎖状態とされている前記開閉部材を開放させるまでの時間が第1の時間および該第1の時間よりも長い第2の時間とがあるなかで、当該第2の時間をもって前記開閉部材を開放させた開放状態のあとに前記限定閉鎖手段による閉鎖状態が現れないようにしたことを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機によれば、工夫が施された遊技機を提供することができる。
実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面斜視図である。 外枠の右側面図である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 (A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の右後方から見た斜視図である。 扉枠を正面から見た分解斜視図である。 扉枠を背面から見た分解斜視図である。 扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図である。 扉枠と本体枠とを電気的に接続する配線の様子を拡大して示す斜視図である。 (A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの正面斜視図である。 扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における操作ユニットの正面斜視図である。 扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図である。 操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。 操作ユニットの断面図である。 操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。 扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。 扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。 扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。 球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。 パチンコ機1における周辺制御基板4010の機能を説明するための図である。 本体枠の正面図である。 本体枠の背面図である。 本体枠の正面斜視図である。 本体枠の背面斜視図である。 本体枠の左側面図である。 本体枠を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を分解して後から見た斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの正面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。 賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。 賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。 賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における基板ユニットの正面斜視図である。 本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。 基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。 (A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。 (A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。 (A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。 裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図である。 裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。 (A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。 (A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。 錠装置を分解して後から見た分解斜視図である。 錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図である。 錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。 パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。 図101等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図104を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図104の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。 本体枠内に遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。 遊技パネルを通して見える部分を省略して示す遊技盤の正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め後から見た斜視図である。 図109におけるA−A断面図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを前から見た斜視図である。 アタッカユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを後下から見た斜視図である。 センター役物を前から見た斜視図である。 センター役物を後から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを後から見た斜視図である。 (a)は遊技盤の裏ユニットにおける球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後から見た斜視図である。 (a)は遊技盤の裏ユニットにおける上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して前から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して後から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットの上可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上可動ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (a)は上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの平面図であり、(b)は上可動ユニットの正面図であり、(c)はフィギュアを回転させた状態で示す上可動ユニットの正面図である。 上可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 昇降ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットにおける昇降機構の要部を後から示す斜視図である。 上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの昇降を説明するための正面図である。 上可動ユニットの昇降を説明するための背面図である。 遊技盤の裏ユニットにおける左右可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 左右可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して前から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける一つの回転体ユニットを示す斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットにおける回転装飾体の動きを示す説明図である。 図149に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。 図150に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。 左右可動演出ユニットにおける右ユニットのスライドユニットを示す斜視図である。 右ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける左ユニットのスライドユニットを示す斜視図である。 左ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける右ユニットの動きを示す説明図である。 左右可動演出ユニットにおける左ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤の裏ユニットにおける下可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 下可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 下可動演出ユニットにおける昇降ユニットの動きを示す説明図である。 下可動演出ユニットにおける昇降装飾体の動きを示す正面図である。 遊技盤における裏ユニットの上可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤における裏ユニットの左右可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤における裏ユニットの下可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。 パチンコ機の電源システムを示すブロック図である。 図170のつづきを示すブロック図である。 発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図である。 シャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図である。 DC/DCコンバータの特性を示す図である。 図172の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。 主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、 電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動中処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。 サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。 主制御基板での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 主制御基板での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブロック図である。 主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 周辺制御基板での演出に関する機能的な構成を示すブロック図である。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサの位置関係を示す説明図である。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサとの位置関係を示す説明図である。 (A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図であり、(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図である。 (A)〜(F)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置(演出手段、図柄表示手段)の表示画面の一例を示す説明図である。 (A)〜(E)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図である。 (A)〜(F)は、ダイヤル操作部による選択操作を代行させるか否かを決定する時の液晶表示装置の表示画面を示す説明図である。 演出制御処理による選択操作検出処理を示すフローチャートである。 演出制御処理における選択操作検出処理の変形例1を示すフローチャートである。 演出制御処理における選択操作検出処理の変形例2を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 演出制御処理における回転予告制御処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 本実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。 本実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。 擬似連演出の例を示す表である。 時短中演出のタイミングチャートである。 時短中演出における表示画像を説明するための図である。 確変中一連演出のタイミングチャートである。 ルーレット演出で表示される候補を説明するための図である。 役物および液晶表示装置の要部を簡略して示す正面図である。 動作している役物および液晶表示装置の要部を簡略して示す正面図である。 (a)は、通常遊技状態中の期待示唆演出を実行している時の態様の概略を示す正面図、(b)は、(a)に続く状態の概略を示す正面図である。 図226に続く状態の概略を示す正面図である。 (a)は、確変遊技状態中の期待示唆演出を実行している時の態様の概略を示す正面図、(b)は、(a)に続く状態の概略を示す正面図である。 図228に続く状態の概略を示す正面図である。 図229に続く状態の概略を示す正面図である。 第一保留球画像の数と期待示唆役物の発展段階に対応する大当り割合を示す表である。 (a)は、第一保留球画像の数と期待示唆役物の発展段階に対応する大当り割合を示す表、(b)は、期待示唆役物の発展段階数を示す期待示唆役物発展段階数決定テーブルの一部を抜粋した表である。 (a)は、期待示唆演出を実行している時の態様の概略を示す正面図、(b)は、(a)に続く状態の概略を示す正面図である。 図233に続く状態の概略を示す正面図である。 通常期待画像および期待大画像の発展段階に応じた表示態様を示す図である。 保留球画像決定テーブルを示す図である。 期待示唆役物発展段階決定テーブルを示す図である。 (a)は、期待示唆演出を実行している時の態様の概略を示す正面図、(b)は、(a)に続く状態の概略を示す正面図である。 図238に続く状態の概略を示す正面図である。 期待大画像−期待示唆役物発展段階決定テーブルを示す図である。 期待示唆役物の発展段階決定テーブルを示す図である。 演出決定テーブルを示す図である。 変動する装飾図柄が表示された液晶表示装置の概略を示す正面図である。 小チャンス演出が表示された液晶表示装置の概略を示す正面図である。 大チャンス演出が表示された液晶表示装置の概略を示す正面図である。 開放した大入賞口の開閉部材に遊技球が入球する状態を示す断面図である。 開放した大入賞口の開閉部材が遊技球を球ガミした状態を示す断面図である。 球ガミを解消する大入賞口の開閉部材の動作を説明する説明図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。ま
ず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は
、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放
した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機
の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背
面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方か
ら見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の
前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示
しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の
本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊
技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖す
るように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機
1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成
された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿30
1及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ
打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉
枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略
同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉
枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置に
おいて、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23
によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、
及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で
本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の
右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち
込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突
出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の
前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿
301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると
、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100
内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によ
って閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊
技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種
入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各
種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体が
備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視
図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。
また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13
は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である
。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示
す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支
ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図1
6は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延
びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,1
3と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備
えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩
形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は
、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後
方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている
。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ
取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付
けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とさ
れており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上
下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高めら
れている(図9及び図107を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面
には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備
に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができる
ようになっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、
側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲
塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右
方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側
枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板
10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有して
いる。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上
枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形
成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と
左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結
する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及
び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に
挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及
び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっ
ている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,
13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片
18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるよ
うになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18
は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定され
るようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が
側枠板12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定の
ビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結するこ
とができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及
び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具2
0と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される
下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,
13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾
カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び
扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20
aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片2
0bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成
された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左
側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参
照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁2
0e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向っ
て傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20に
おける支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン63
3(図64を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は
、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結
することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって
、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時
に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないよう
に隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、
支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(
右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされ
ていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもや
や大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平
固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固
定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出
する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピ
ン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dに
は、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図67等を参照)に形成された本体枠軸
支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3におけ
る本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピ
ン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支するこ
とができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定
距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板2
4,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前
後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,2
5は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる
錠装置1000のフック部1054,1065(図94を参照)と係合するものであり、
詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動す
ることにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠
3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えて
いる。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズ
に案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片2
0bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突
出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により
形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27
aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出
する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対
側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成
された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように
、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材
27の弾性片27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されている
と共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されて
いる。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突
出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20
eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞する
ようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部
の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の
上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支
ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27a
の先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部
27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となってい
ない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴
部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々
の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態にお
いては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分
に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27d
への負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がか
かっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27d
を備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に
、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27
dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作
用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン63
3と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線
方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用
する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材2
7の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片2
0bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン63
3がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内
面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン
633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに
常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形
を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することが
できる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支
持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27
aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので
、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1
の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出
片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転
中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27
の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもスト
ッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材2
7が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本
体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図64を参
照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通
されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本
体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面
に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片
27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20c
に挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭
空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27a
の先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて
時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤
穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633
と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態で
もあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤
穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面
に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック
部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤
穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すこ
とができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠
軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外
枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11と
を従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)
の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に
、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作
業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くする
ことができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっ
ている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としてい
るので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能と
なり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図64等を参照)の
正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本
体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成する
ことができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結
部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して
止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着される
ので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることがで
きるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠
板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示
すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が
存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接す
る装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至
図25を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり
、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜
視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面か
ら見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。また、図24
は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図
であり、図25は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から
見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に
形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベ
ースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付
けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベー
スユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット2
40と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部
装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の
下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる一対のサイドスピー
カカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられ
る皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400
と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技
球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿
ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファー
ルカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット
100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側
に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図26乃至図30を
参照して説明する。図26(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり
、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図27は扉枠ベ
ースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図28は扉枠ベースユニットを分
解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図29は扉枠ベースユニットにおける扉枠
ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図30は扉枠と本体枠と
を電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され
ると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する
扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取付
けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体11
0の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、
サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット13
2と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を
支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には
、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線13
6(図24を参照)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部
材134を更に備えている(図22及び図24等を参照)。このカバー部材134は、配
線136をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイド
スピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線136が邪魔にならないように配線13
6を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製
で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被
覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓1
01の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面
視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベー
ス本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠
ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と
主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中
継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を
挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向
中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取付けられる扉枠ベース
基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、
扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続
する配線コード196の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110
の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全
体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット
300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ13
0や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続され
ると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制
御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備
えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット30
0や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に
備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル
装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板411
0や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背
面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部
材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子
板882に接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図27及び図28
等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内
形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成
されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した
滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成
されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸
支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能
な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓10
1によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側
補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とさ
れており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大
きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技
者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を
容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側
に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送り
ユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図28を参照)と
、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿
301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と
、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように
斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハン
ドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可
能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状
に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図28に示すように、球送りユニット取付凹部112
に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視
で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるため
の基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部1
11よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着
するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓1
01の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラス
ユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユ
ニット係止部材190を回動可能に支持するための四つの係止部材取付部110bと、を
更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片
110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に
挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止する
ことができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパ
チンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって
工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉
枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突
出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置
決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に
位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図27に示すように、その前面に、装飾ユニット20
0,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボ
ス110eが備えられていると共に、上部ブラケット120、ハンドルブラケット140
等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体11
0は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付
部110g(図24を参照)や、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔1
10h(図18、図24及び図25等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
なお、サイドスピーカカバー290では、図25に示すように、左右夫々一つずつ、ガ
ラスユニット590が後側から嵌め込まれるガラスユニット支持段部110aを貫通する
ように配置されており、扉枠ベース本体110(扉枠5)からガラスユニット590を取
外した状態で、取付孔110hを介して所定のビスにより脱着することができるようにな
っている。更に、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110hは、図1
8に示すように、扉枠ベース本体110に防犯カバー180を固定することで後側が被覆
されるようになっている。従って、サイドスピーカカバー290を取外すには、まず始め
に防犯カバー180とガラスユニット590とを、扉枠ベース本体110から取外さなけ
ればならないようになっている。これにより、サイドスピーカカバー290の取外しに若
干時間がかかるようにすることで不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取
らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作
業を目立たせることができ、サイドスピーカ130に対する盗難行為や、遊技領域110
0内等に対する不正行為等を躊躇させて、不正行為等に対する抑止力(安全性)を高める
ことができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118
との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口3
10g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後
方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
次に、扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120は、扉枠ベース本体1
10の前面上部中央に固定されるものであり、詳細な図示は省略するが、扉枠ベースユニ
ット100に取付けられた左右のサイド装飾ユニット200,240の間に形成される上
部の隙間を隠蔽すると共に、左右両端が夫々サイド装飾ユニット200,240によって
支持されるようになっている。また、上部ブラケット120は、その先端の一部が上部装
飾ユニット280内へ挿入されるようになっており、扉枠5が組立てられた状態では、上
部装飾ユニット280を上側から支持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示
は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離
(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機
1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサ
イドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ
機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピー
カ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力すること
ができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブ
ラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とに
よって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお
、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の
取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図27乃至
図29等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面
に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。
この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取
付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図29及び図30等
に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成さ
れており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197
は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫
々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立
てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195にお
ける後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細
な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ
回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ
収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するため
の配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バ
ンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コー
ド196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている
(図1及び図30を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、
配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延
びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動するこ
ととなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠
ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側
へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、
本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材1
97の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相
対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線
保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板
カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197
がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線
コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること
無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ
側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面
に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード19
6の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して
扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ
折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛
かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が
発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって
形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用し
ても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳ん
で不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197
によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部
が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線1
96が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部
材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生す
るのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4
140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,
254,256,286,320,430,432、スピーカ130,222,262、
貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生す
るのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、
扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動す
ることでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止すること
ができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合
が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の
一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲が
るだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196
が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止す
ることができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔
197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持
するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによ
って配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配
線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止するこ
とができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から
離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガ
イド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止すること
ができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5と
することができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線19
6が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材19
7の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線
196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているの
で、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配
線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心
までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置
を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の
軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材
197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリ
ンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線19
6等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、
配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止す
ることができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉
じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持
部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を
折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペ
ースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠
3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持
部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5
を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた
段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突
出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材1
97や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かる
のを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197に
おける本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠
5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー19
5側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部
材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配
線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開
閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、
上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備
えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無い
ので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊
技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技
者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図27及び図
28等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒
部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内
に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条
143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に
対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140
は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の
前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるよう
になっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141
の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条14
3が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース5
02の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されてい
る。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三
つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部
を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入
支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に
対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付
けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうよ
うに延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンド
ル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図27及び図
28に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板
金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板
金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板
金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側
補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状
に形成されている。
この補強ユニット150は、図27に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に
、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、
その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えて
いる。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支
金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開
閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体1
10の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ
向って折曲した下折曲突片159と(図27を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放
側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折
曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板
金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。ま
た、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590の
ユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されてお
り、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラ
スユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラ
スユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるように
なっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと
略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強
板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と
、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よ
りも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、
開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部104
1と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、
その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状
突片166を備えている(図107を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の
両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156
と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉
枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強
板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる
虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているの
で、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり
難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内
に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるよう
になっており(図107を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補
強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めるこ
とができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図
27及び図28を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット
590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたもの
であり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に
配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊
技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と
、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えてい
る。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯
後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突
片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態
となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態で
ガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片
184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片
185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユ
ニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性
片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面
側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付
けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユ
ニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端
部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後
突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール11
12の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112
のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤
4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に
挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール111
1と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができる
ようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への
衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊
技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101
とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域
1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入
を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることが
できるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、
扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌
合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニ
ット590の係止片592を係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニ
ット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部
110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定する
ことで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後
側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時におい
て、回転操作する際の指掛りとなっている。なお、四つのガラスユニット係止部材190
のうち、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190の係止片190bに
は、突条が形成されておらず、後面が平坦面となっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150に
おける下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中
継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース本体110の後
側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ユニットベース100に対して
発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取
付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本
体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになってい
る。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図31乃至図33
を参照して説明する。図31(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図で
あり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図32は
、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図33は、右サ
イド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓
101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊
技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の
外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装
飾ユニット200の骨格を形成するサイド装飾フレーム202と、サイド装飾フレーム2
02の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材204と、サイド上部装飾部材204
に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ206と、サイド装飾フレーム202及
びサイド上部装飾部材204の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ206を挟
むようにサイド上部装飾部材204が前側に取付けられるサイド上部カバー208と、サ
イド上部カバー208の下部を支持すると共にサイド装飾フレーム202に対して後側か
ら嵌合固定されるサイドレンズ210と、サイドレンズ210の裏側に嵌合されるサイド
インナーレンズ212と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向
の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214
b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレン
ズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラ
ーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイ
ド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナー
レンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板2
16の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド
装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
更に、右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202の正面視で左上部に
配置される右上部スピーカ222と、右上部スピーカ222を支持しサイド装飾フレーム
202の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット224と、上部スピーカブラケッ
ト224とサイド装飾フレーム202との間に挟持される上部スピーカカバー226と、
サイド上部カバー208における側面の所定位置に内側から取付けられるサイドサブレン
ズ228と、を備えている。サイドサブレンズ228の後側には、右サイド上装飾基板2
14のLED214cが配置されており、LED214cによって発光装飾されるように
なっている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202、サイド上部装飾部材
204、右サイド上装飾基板カバー218、及び右サイド下装飾基板カバー220が不透
光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材
204の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、右サイド装飾ユニット20
0のサイド上部装飾レンズ206、サイド上部カバー208、サイドレンズ210、サイ
ドインナーレンズ212、上部スピーカカバー226、上部スピーカブラケット224、
及びサイドサブレンズ228は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバ
ー208の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ206、サイドレンズ210、サイ
ドインナーレンズ212、上部スピーカブラケット224、上部スピーカカバー226、
及びサイドサブレンズ228が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ210及び上部スピ
ーカカバー226の裏面側と、サイドインナーレンズ212及び上部スピーカブラケット
224の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようにな
っている。そのため、サイドレンズ210及びサイドインナーレンズ212の後側に配置
された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装され
たLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認するこ
とができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板
216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,
216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることがで
きるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯
時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基
板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、
周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b
,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光
装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイド装飾フレーム202は、図示するよ
うに、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓10
1の外周に沿った円弧状の内側枠202aと、内側枠202aに対して外側へ離反した位
置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿
った直線状とされると共に続く上部が内側枠202aの上端縁へ向かって湾曲するように
円弧状に形成された外側枠202bと、外側枠202bと内側枠202aの上端縁同士を
連結する上端枠202cと、外側枠202bと内側枠202aの下端縁同士を連結する下
端枠202dと、内側枠202a及び外側枠202bの周方向に沿って複数箇所(本例で
は四箇所)に配置され内側枠202aと外側枠202bとを連結すると共に所定幅のスリ
ット202eを有した隔壁枠202fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム202の内側枠202aは、前後方向に対して略同じ位置で遊
技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠202bは、扉枠5の側面に
沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠202aの後端と略同じ位置で直線状に
形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成され
ている。また、外側枠202bの直線状に上下に延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状
の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されてい
る。また、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fは、内側枠202aと外側枠20
2bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。こ
の隔壁枠202fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に
延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム202は、図示するように、複数の隔壁枠202fによって内
側枠202aと外側枠202bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっ
ており、分割された夫々の開口が発光装飾開口202gとされ、後述するサイドレンズ2
10の周レンズ部210aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠20
2fのスリット202eには、後側からサイドレンズ210の放射レンズ部210bが嵌
め込まれるようになっている。更に、隔壁枠202fによりスリット202eと発光装飾
開口202gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようにな
っている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾部材204は、図示するように、サイド
装飾フレーム202における外側枠202bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで
左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に
貫通する複数の開口部204aが形成されている。このサイド上部装飾部材204は、列
設された開口部204aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ206は、サイド上部装飾部材204の窪んだ後面内に嵌
合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材204の後側から開口部204a
を通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部206aを備えている。こ
の導光部206aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材204の開
口部204aに挿入嵌合させることで、開口部204aに恰も宝石が嵌め込まれているよ
うに見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ206の導光部
206aによって後側に配置された右サイド上装飾基板214からの光をサイド上部装飾
部材204の開口部204aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導
光部206aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部カバー208は、その上面及び右側面(正面
視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に
、下面(下端)がサイド上部装飾部材204と略沿った形状とされている。このサイド上
部カバー208は、前面下部に、サイド上部装飾部材204を収容可能となるように、下
方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部208aが形成されており、取付段部208
aの後端面にサイド上部装飾部材204等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成さ
れている。また、サイド上部カバー208の右側面には、上下に配置された二つの切欠部
208bが形成されており、この切欠部208bを介して内部に取付けられるサイドサブ
レンズ228が表面側へ望むようになっている。サイド上部カバー208の切欠部208
bにサイドサブレンズ228が嵌め込まれることで、この部位のみ異なる態様で発光させ
ることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202と略
沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム202
の発光装飾開口202gに後から挿入される周レンズ部210aと、サイド装飾フレーム
202のスリット202eに後から挿入される放射レンズ部210bと、を備えている。
なお、図示するように、このサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202の上端枠
202cに接する発光装飾開口202gと対応する周レンズ部210aを備えておらず、
該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部210cとされている。この収容段
部210c内には、後述する右上部スピーカ222や上部スピーカブラケット224等が
収容されるようになっている。また、サイドレンズ210は、収容段部210cの上面を
形成しサイド上部カバー208における取付段部208aの後側に固定される取付部21
0dを備えている。
このサイドレンズ210は、周レンズ部210a及び放射レンズ部210bの前面が、
サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲
面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部210aの裏面(内面
)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レン
ズ部210aの板厚が不均一となることで、周レンズ部210aを透過する光が乱屈折す
るようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部210a
がキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合される
ものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210a及び放射
レンズ部210bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体
部212aと、本体部212aの後端から連続し本体部212aよりも前方へ突出すると
共に放射レンズ部210b(サイド装飾フレーム202のスリット202e)と対応した
位置に配置される板状の導光部212bと、を備えている。このサイドインナーレンズ2
12の本体部212aは、その前面がサイドレンズ210の内面に対して所定距離控えた
状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212に
おける本体部212aの一方の面には、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様
に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部21
2aの板厚が不均一となることで、本体部212aを透過する光が乱屈折するようになっ
ている。
このサイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210と組合わせることで、周レン
ズ部210a及び本体部212aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側
に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱
屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ210(周レンズ部210a)の
外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるように
なっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板21
6は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム202の
発光装飾開口202g(サイドレンズ210の周レンズ部210a)と対応する位置に配
置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜18
0゜)が用いられており、サイド装飾フレーム202のスリット202e(サイドレンズ
210の放射レンズ部210b)と対応する位置に配置されたLED214b,216b
は比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、サイ
ドサブレンズ228を発光装飾させる右サイド上装飾基板214のLED214cは、本
例では、赤色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様
に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット224により所定位置
に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持す
る上部スピーカブラケット224は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向
かって突出する円筒状のホーン部224aを備えている。そして、上部スピーカブラケッ
ト224におけるホーン部224aの上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されるよ
うになっており、正面視では、ホーン部224aによって右上部スピーカ222が遊技者
側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、上部スピーカブラケット224のホーン部224aに
よって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、
他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略する
が、この上部スピーカブラケット224もまた、その前面が、サイドレンズ210の周レ
ンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる
方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となること
で、上部スピーカブラケット224を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット224の前面側を覆う上部スピーカカバー226は、サ
イド装飾フレーム202における上端枠202cに接する発光装飾開口202gを閉鎖す
るようにサイド装飾フレーム202の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレ
ンズ210の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカ
バー226の表面には貫通孔226aが複数形成されており、右上部スピーカ222から
の音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー226もまた、その内面側が
、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部21
2aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、
その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー226を透過する光が乱屈折するよ
うになっている。従って、上部スピーカカバー226及び上部スピーカブラケット224
において、光が乱屈折することで、遊技者側から右上部スピーカ222や上部スピーカカ
バー226に形成された貫通孔226aを視認し難くすることができると共に、サイドレ
ンズ210の周レンズ部210aと同様の見栄えの外観とすることができるようになって
いる。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図34乃至図36
を参照して説明する。図34(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図で
あり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図35は
、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図36は、左サ
イド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓
101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、内側が遊
技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の
外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200と略対称に形成され
ている。この左サイド装飾ユニット240は、左サイド装飾ユニット240の骨格を形成
するサイド装飾フレーム242と、サイド装飾フレーム242の上辺に沿って配置される
サイド上部装飾部材244と、サイド上部装飾部材244に対して後側から嵌合するサイ
ド上部装飾レンズ246と、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の
上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ246を挟むようにサイド上部装飾部材2
44が前側に取付けられるサイド上部カバー248と、サイド上部カバー248の下部を
支持すると共にサイド装飾フレーム242に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ
250と、サイドレンズ250の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ252と、を備
えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向
の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254
b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレン
ズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラ
ーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイ
ド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナー
レンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板2
56の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250及びサイド
装飾フレーム242に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242の正面視で右上部に
配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイド装飾フレーム
242の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケッ
ト264とサイド装飾フレーム242との間に挟持される上部スピーカカバー266と、
を備えている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242、サイド上部装飾部材
244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透
光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材
244の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、左サイド装飾ユニット24
0のサイド上部装飾レンズ246、サイド上部カバー248、サイドレンズ250、サイ
ドインナーレンズ252、上部スピーカカバー266、及び上部スピーカブラケット26
4は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー248の略全体が乳白色
に、サイド上部装飾レンズ246、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、
上部スピーカブラケット264、及び上部スピーカカバー266が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ250及び上部スピ
ーカカバー266の裏面側と、サイドインナーレンズ252及び上部スピーカブラケット
264の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようにな
っている。そのため、サイドレンズ250及びサイドインナーレンズ252の後側に配置
された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装され
たLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認するこ
とができないようになっている。また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板
256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,
256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることがで
きるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯
時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基
板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、
周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b
,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させる
ことができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド装飾フレーム242は、図示するよ
うに、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓10
1の外周に沿った円弧状の内側枠242aと、内側枠242aに対して外側へ離反した位
置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿
った直線状とされると共に続く上部が内側枠242aの上端縁へ向かって湾曲するように
円弧状に形成された外側枠242bと、外側枠242bと内側枠242aの上端縁同士を
連結する上端枠242cと、外側枠242bと内側枠242aの下端縁同士を連結する下
端枠242dと、内側枠242a及び外側枠242bの周方向に沿って複数箇所(本例で
は四箇所)に配置され内側枠242aと外側枠242bとを連結すると共に所定幅のスリ
ット242eを有した隔壁枠242fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム242の内側枠242aは、前後方向に対して略同じ位置で遊
技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠242bは、扉枠5の側面に
沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠242aの後端と略同じ位置で直線状に
形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成され
ている。また、外側枠242bの直線状に上下へ延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状
の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されてい
る。また、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fは、内側枠242aと外側枠24
2bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。こ
の隔壁枠242fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に
延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム242は、図示するように、複数の隔壁枠242fによって内
側枠242aと外側枠242bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっ
ており、分割された夫々の開口が発光装飾開口242gとされ、後述するサイドレンズ2
50の周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠24
2fのスリット242eには、後側からサイドレンズ250の放射レンズ部250bが嵌
め込まれるようになっている。更に、隔壁枠242fによりスリット242eと発光装飾
開口242gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようにな
っている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾部材244は、図示するように、サイド
装飾フレーム242における外側枠242bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで
左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に
貫通する複数の開口部244aが形成されている。このサイド上部装飾部材244は、列
設された開口部244aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ246は、サイド上部装飾部材244の窪んだ後面内に嵌
合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材244の後側から開口部244a
を通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部246aを備えている。こ
の導光部246aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材244の開
口部244aに挿入嵌合させることで、開口部244aに恰も宝石が嵌め込まれているよ
うに見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ246の導光部
246aによって後側に配置された左サイド上装飾基板254からの光をサイド上部装飾
部材244の開口部244aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導
光部246aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部カバー248は、その上面及び左側面(正面
視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に
、下面(下端)がサイド上部装飾部材244と略沿った形状とされている。このサイド上
部カバー248は、前面下部に、サイド上部装飾部材244を収容可能となるように、下
方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部248aが形成されており、取付段部248
aの後端面にサイド上部装飾部材244等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成さ
れている。また、サイド上部カバー248は、その外側側面(正面視で左側側面)に、扉
枠ベースユニット100における補強ユニット150の上軸支部156を前側から被覆す
る被覆部248bを備えている。
左サイド装飾ユニット240のサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242と略
沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム242
の発光装飾開口242gに後から挿入される周レンズ部250aと、サイド装飾フレーム
242のスリット242eに後から挿入される放射レンズ部250bと、を備えている。
なお、図示するように、このサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242の上端枠
242cに接する発光装飾開口242gと対応する周レンズ部250aを備えておらず、
該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部250cとされている。この収容段
部250c内には、後述する左上部スピーカ262や上部スピーカブラケット264等が
収容されるようになっている。また、サイドレンズ250は、収容段部250cの上面を
形成しサイド上部カバー248における取付段部248aの後側に固定される取付部25
0dを備えている。
このサイドレンズ250は、周レンズ部250a及び放射レンズ部250bの前面が、
サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲
面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部250aの裏面(内面
)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レン
ズ部250aの板厚が不均一となることで、周レンズ部250aを透過する光が乱屈折す
るようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部250a
がキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250の内部に後側から挿入嵌合される
ものであり、図示するように、サイドレンズ250における周レンズ部250a及び放射
レンズ部250bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体
部252aと、本体部252aの後端から連続し本体部252aよりも前方へ突出すると
共に放射レンズ部250b(サイド装飾フレーム242のスリット242e)と対応した
位置に配置される板状の導光部252bと、を備えている。このサイドインナーレンズ2
52の本体部252aは、その前面がサイドレンズ250の内面に対して所定距離控えた
状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ252に
おける本体部252aの一方の面には、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様
に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部25
2aの板厚が不均一となることで、本体部252aを透過する光が乱屈折するようになっ
ている。
このサイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250と組合わせることで、周レン
ズ部250a及び本体部252aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側
に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱
屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ250(周レンズ部250a)の
外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるように
なっている。
左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板25
6は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム242の
発光装飾開口242g(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配
置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜18
0゜)が用いられており、サイド装飾フレーム242のスリット242e(サイドレンズ
250の放射レンズ部250b)と対応する位置に配置されたLED254b,256b
は比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様
に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置
に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持す
る上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向
かって突出する円筒状のホーン部264aを備えている。そして、上部スピーカブラケッ
ト264におけるホーン部264aの上端裏側に、左上部スピーカ262が固定されるよ
うになっており、正面視では、ホーン部264aによって左上部スピーカ262が遊技者
側から見えないようになっている。
本例の左上部スピーカ262は、上部スピーカブラケット264のホーン部264aに
よって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、
他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略する
が、この上部スピーカブラケット264もまた、その前面が、サイドレンズ250の周レ
ンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる
方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となること
で、上部スピーカブラケット264を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット264の前面側を覆う上部スピーカカバー266は、サ
イド装飾フレーム242における上端枠242cに接する発光装飾開口242gを閉鎖す
るようにサイド装飾フレーム242の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレ
ンズ250の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカ
バー266の表面には貫通孔266aが複数形成されており、左上部スピーカ262から
の音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー266もまた、その内面側が
、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部25
2aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、
その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー266を透過する光が乱屈折するよ
うになっている。従って、上部スピーカカバー266及び上部スピーカブラケット264
において、光が乱屈折することで、遊技者側から左上部スピーカ262や上部スピーカカ
バー266に形成された貫通孔266aを視認し難くすることができると共に、サイドレ
ンズ250の周レンズ部250aと同様の見栄えの外観とすることができるようになって
いる。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参
照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38
は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニッ
トを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から
見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠
5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240にお
ける中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。この上部
装飾ユニット280は、図示するように、正面視で全体の外形形状が略逆二等辺三角形状
とされ、中央に大きく貫通する中央開口部281a、及び中央開口部281aの左右両側
に貫通する一対の側開口部281bを有し中央開口部281aの上側に扉枠ベースユニッ
ト100における上部ブラケット120の先端が挿入される前面装飾部材281と、前面
装飾部材281の中央開口部281a内に後側から嵌め込まれる中央レンズ282と、中
央レンズ282の後端に配置されるインナーレンズ283と、前面装飾部材281の側開
口部281bに後側から嵌め込まれる一対の側レンズ284と、正面視の外形が前面装飾
部材281と類似した形状とされ中央レンズ282、インナーレンズ283、及び一対の
側レンズ284を前面装飾部材281とで挟持するように前面装飾部材281の後側に取
付けられる本体部材285と、本体部材285の後側に配置され前面に複数のカラーLE
D286a,286bが実装された上部装飾基板286と、正面視の外形が本体部と略同
じ形状とされ上部装飾基板286を後側から覆うように本体部材285の後面に取付けら
れる基板カバー287と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の下端から連続するように屈曲
しながら後方へ延出し前端上部が前面装飾部材281に支持されると共に後端が扉枠ベー
スユニット100に取付けられ下方へ向かって貫通する一対の下開口部288aを有した
下面装飾部材288と、下面装飾部材288の下開口部288aに上側から嵌め込まれ下
面装飾部材288及び基板カバー287に固定される下レンズ289と、を備えている。
なお、本例では、前面装飾部材281及び下面装飾部材288の表面に金属的な光沢を有
したメッキ層が形成されている。なお、上部装飾基板286のLED286aは、中央レ
ンズ282と対応した位置に配置されていると共に、LED286bは、側レンズ284
及び下レンズ289と対応した位置に配置されており、中央レンズ282と、側レンズ2
84及び下レンズ289とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。
また、本例では、LED286aがフルカラーLEDとされていると共に、LED286
bが高輝度の白色LEDとされている。
本例の上部装飾ユニット280における前面装飾部材281は、その中央開口部281
aの内周形状が、正面視で中央上端が左右へ延びた辺とされ中央下端が頂点とされ各辺が
緩い円弧状に延びた変五角形状に形成されており、上辺両側の上側辺の略中央と下端頂点
から中央開口部281a内へ延びだした三つの突出部を有している。また、前面装飾部材
281は、中央開口部281aの上側辺の外側に、斜め外側上方へ向かって延びる複数の
筋彫りが形成されており、この筋彫りによって前面装飾部材281は中央開口部281a
から羽根が延びだしたような形状に形成されていると共に、筋彫りに沿うように側開口部
281bが形成されている。
この前面装飾部材281の中央開口部281a内に嵌め込まれる中央レンズ282は、
その外形が、中央開口部281aと略同じ形状とされており、前方へ膨出した形状とされ
ていると共に、その前面が互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成さ
れている。本例の中央レンズ282は、透明(無色透明、有色透明)な樹脂によって形成
されている。この中央レンズ282を前面装飾部材281の中央開口部281aに嵌め込
むことで、中央レンズ282がトリリアントカットされたような宝石に見えると共に、前
面装飾部材281が宝石の台座に見えるようになっている。
また、中央レンズ282の後側に配置されるインナーレンズ283は、中央レンズ28
2の後側の開口を閉鎖するように透明な樹脂で形成されていると共に、表面に微細なレン
ズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの光を中央レンズ2
82側へ広く拡散させることができるようになっている。一方、前面装飾部材281の側
開口部281b内に嵌め込まれる側レンズ284は、側開口部281bへ嵌め込んだ状態
で、その前面が前面装飾部材281の前面と略連続するよう透明な樹脂によって形成され
ている。なお、側レンズ284の裏面側には、インナーレンズ283と同様に、微細なレ
ンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの照射される光に
よって側レンズ284全体が略均一に発光することができるようになっている。
なお、インナーレンズ283及び側レンズ284は、表面に形成された複数の微細なレ
ンズ等によって、白濁したような感じとなっており、インナーレンズ283及び側レンズ
284を通して後側が明確に見えないようになっている。
上部装飾ユニット280の本体部材285は、前面装飾部材281の中央開口部281
aの形状に略沿った外形で前後方向へ筒状に延び前端開口が斜め下方へ向かって傾斜する
と共に閉鎖された後端が斜め上方へ向かって傾斜する中央部285aと、中央部285a
の両側に配置され閉鎖された後端が中央部285aの後端と略同じ位置とされると共に前
端が中央部285aよりも短く延びた凹陥状の側部285bと、中央部285a及び側部
285bの後端面を貫通し上部装飾基板286に実装されたLED286a,286bと
対応する位置に形成された複数の開口部285cと、を備えている。この本体部材285
は、後側に上部装飾基板286を配置すると、上部装飾基板286のLED286aが開
口部285c内に挿入配置されるようになっており、LED286aからの光が後側へ漏
れないようになっている。また、本体部材285の中央部285a及び側部285bは前
側から後側へ窪んだ形状となっており、夫々に対応したLED285a,286bからの
光が側方へ影響しないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の下面装飾部材288は、後方へ向かうに従って細くな
るように形成されており、その左右の側面形状が、右サイド装飾ユニット200及び左サ
イド装飾ユニット240における上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,
242c寄り側の端部形状と略一致した形状とされていると共に、上部スピーカカバー2
26,266の上端枠202c,242c寄り側の端部が載置固定されるようになってい
る。なお、下レンズ289は、下面装飾部材288と上部スピーカカバー226,266
との間に挟持されるようになっている。また、下レンズ289へは、右サイド装飾ユニッ
ト200及び左サイド装飾ユニット240の上部スピーカブラケット224,264を介
して、右サイド上装飾基板214及び左サイド上装飾基板254からの光が供給されて発
光するようになっている。
[1−2E.サイドスピーカカバー]
次に、扉枠5における一対のサイドスピーカカバー290について、主に図22乃至図
25を参照して説明する。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット10
0に取付けられたサイドスピーカ130の前面を被覆して装飾するものであり、右サイド
装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と、皿ユニット300との間
に配置されるものである。
このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイド
スピーカ130の前面を覆うように湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体291と
、カバー体291の外周を前側から支持する円環状の開口部を有し右サイド装飾ユニット
200及び左サイド装飾ユニット240の下端と連続するように形成された本体部材29
2と、本体部材292の下側に配置され皿ユニット300の下皿カバー328における左
右後端と連続するように形成された下部部材293と、を備えている。なお、本例では、
カバー体291が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押さ
れたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能
な限り保護することができるようになっている。
このサイドスピーカカバー290は、本体部材292の表面に金属的な光沢を有したメ
ッキ層が形成されている。また、下部部材293は、後述する皿ユニット300における
下皿カバー328と同様の乳白色をした透光性の部材により形成されている。
本例のサイドスピーカカバー290は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾
ユニット240や、皿ユニット300とは独立して扉枠ベースユニット100の前面に取
付けられるようになっており、扉枠ベース本体110の所定位置に形成された取付孔11
0h(図18を参照)を通して、扉枠ベース本体110の後側から挿通された所定のビス
により扉枠ベース本体110へ固定されるようになっている。
これにより、扉枠5における防犯カバー180を外した上で、扉枠5の後側からサイド
スピーカカバー290を取付けているビスを外すことで、サイドスピーカカバー290を
前側へ取外すことができ、更に、扉枠5の前側からスピーカブラケット132を取外すこ
とで、サイドスピーカ130を取外すことができるようになっている。従って、何らかの
理由によりサイドスピーカ130を交換する必要が生じた場合でも、扉枠5から右サイド
装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300等を取外さな
くてもサイドスピーカ130の前面を覆うサイドスピーカカバー290のみを簡単に取外
すことができ、サイドスピーカ130を容易に交換することができるようになっている。
このように、本例では、扉枠5における扉枠ベース本体110の前面で右サイド装飾ユ
ニット200,左サイド装飾ユニット240と皿ユニット300との間に取付けられたサ
イドスピーカ130を交換するには、まず、サイドスピーカカバー290におけるスピー
カの前側に配置された本体部材292が扉枠ベース本体110に対して後側から脱着可能
に取付けられているので、本体枠3の前面を閉鎖している扉枠5を前側へ開き、扉枠5の
後側から扉枠ベース本体110に対する本体部材292の取付けを外した上で、本体部材
292及びカバー体291を扉枠ベース本体110(扉枠5)の前側へ移動させて扉枠5
から取外すと、扉枠5の前側からサイドスピーカ130が臨むようになる。このサイドス
ピーカ130は、扉枠ベース本体110に対して前側から取付けられたスピーカブラケッ
ト132によって挟持されているので、本体部材292を取外した後に、扉枠5の前側か
ら扉枠ベース本体110に対するスピーカブラケット132の取付けを外してサイドスピ
ーカ130の挟持を解除し、更にサイドスピーカ130を前側へ移動させることで、左右
のサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300を扉枠5(扉枠ベース本体11
0)から取外さなくても扉枠5からサイドスピーカ130を取外すことができると共に、
扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することが可能なパチンコ機1
とすることができる。
また、遊技中に遊技者等が扉枠5(サイドスピーカカバー290)を叩いたりしてサイ
ドスピーカ130が破損した場合でも、上述したように、扉枠5に取付けられたサイドス
ピーカ130を簡単に交換することができるので、サイドスピーカ130の交換による遊
技の中断時間を可及的に短くすることができ、中断が長引くことで遊技者が苛付いたり関
心が薄れたりして興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を、スピーカブラケット132と扉枠ベース本体110と
で挟持するようにしており、サイドスピーカ130に取付けるための取付片や取付孔等が
無くてもサイドスピーカ130を扉枠5(扉枠ベース本体110)へ取付けることができ
るので、サイドスピーカ130に取付片や取付孔等を備える必要が無く、サイドスピーカ
130にかかるコストを低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加する
のを抑制することができる。
更に、サイドスピーカ130の前面を被覆するカバー体291を複数の貫通孔を有した
金属板(パンチングメタル)で形成しているので、遊技者等がカバー体291を叩いても
、カバー体291が変形したり破損したりするのを可及的に低減させることができ、サイ
ドスピーカ130を充分に保護して不具合の発生を抑制することができると共に、パチン
コ機1の耐久性を高めることができる。
また、左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間にサイドス
ピーカ130を覆うサイドスピーカカバー290を備えるようにしているので、サイドス
ピーカ130が比較的遊技者から近い位置に位置することとなり、遊技者等によって叩か
れたりして破損する頻度が高くなる虞があるが、上述したように、サイドスピーカ130
を簡単に交換することができ、遊技の中断時間を可及的に短くして遊技者の興趣が低下す
るのを抑制することができる。また、サイドスピーカ130を遊技者に対して可及的に近
い位置に配置しているので、サイドスピーカ130から出力されるサウンドをより効率良
く遊技者に聴かせることができ、迫力あるサウンドを提供することができると共に、サウ
ンド演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット
300との間に配置しているので、サイド装飾ユニット200,240による装飾の連続
性を維持することができると共に、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット30
0との間を違和感無く繋ぐことができ、サイドスピーカカバー290によって見栄えが悪
くなるのを防止して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、サイドスピーカカバー290における本体部材292の表面形状を、サイド装飾ユ
ニット200,240や皿ユニット300の表面形状と連続するように形成しているので
、サイドスピーカカバー290をサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300
と一体的な感じに見せることが可能となり、サイド装飾ユニット200,240等とは別
にサイドスピーカ130を前面側に備えても遊技者に対して違和感を与え難くすることが
でき、扉枠5(パチンコ機1)の前面の意匠性を良好なものとすることができる。
更に、扉枠5からサイドスピーカカバー290の本体部材292を取外す際には、始め
に扉枠5の後側に取付けられた防犯カバー180とガラスユニット590とを取外す必要
があるので、本体部材292の取外しに若干時間がかかるようになり不正行為等を行おう
とする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニ
ット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、盗難行為や不正行為等を
躊躇させて不正行為等に対する抑止力(安全性)の高いパチンコ機1とすることができる
ようになっている。
[1−2F.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図44を参照して
説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠にお
ける皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た
分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出さ
れた遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301
に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給す
ることができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すよう
に、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニッ
トベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放
され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体3
12の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に
形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられ上
下方向に貫通した複数の開口部316aを有する上皿前部装飾部材316と、上皿前部装
飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置され上皿前部装飾部材316の開口部
316a内に嵌め込まれる複数の導光部318aを有した左右一対の上皿上部レンズ31
8と、上皿上部レンズ318とは上皿上部パネル314を挟んで反対側に配置されると共
に上皿上部パネル314の下面に取付けられ上面に複数のカラーLED320a,322
aが実装された上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322と、上皿上部レンズ31
8と上皿上部パネル314との間に配置され上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板3
22からの光を上皿上部レンズ318側へ拡散させる複数の微細プリズムを有した上皿上
部インナーレンズ319と、を備えている。
また、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面
に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が
左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿
本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨
出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326
と、下皿天板326及び下皿本体324の前端に沿った開口部328aを有すると共に開
口部328aの外周を覆う下皿カバー328と、下皿カバー328の左右両側に配置され
前後方向に貫通した開口部330aを有する皿サイド中カバー330と、皿サイド中カバ
ー330の開口部330aに後側から嵌め込まれる皿サイド中カバーレンズ332と、皿
サイド中カバー330の左右両外側に配置され扉枠ベースユニット100の左右両端と対
応する位置まで左右方向へ延びた皿サイド外カバー334と、を備えている。なお、正面
視で右側に配置される皿サイド中カバー330には、その右端部に後述する錠装置100
0のシリンダ錠1010が臨む錠孔330bが形成されている。また、正面視で右側の皿
サイド外カバー334には、前方からハンドル装置500が挿入されるハンドル挿通孔3
34aが形成されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けら
れ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下
皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿
球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ
機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図172を参照)を作動
させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上
皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿
ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、
及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右
方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装
飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニ
ット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニ
ットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配
置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310
cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近
傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口3
10d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さ
とされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、
直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されて
いる。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324
及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝31
0fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方
向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース
310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延
びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通
過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100に
おける扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して
扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口5
44aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方
向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左
右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対
しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上
皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようにな
っており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外
径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの
前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出
された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることがで
きなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当
接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘
導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放
出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯
留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手
で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが
可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑
制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念さ
せて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における
遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上
皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベ
ース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付け
られる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿
球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユ
ニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出し
た上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540
の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310i
が、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続
されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向
へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口31
0gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310g
の前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰
りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給す
ることができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨
出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。こ
の上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給
口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口
310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口
310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310
dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な
金属製の上皿レール312aが取付けられている。この上皿レール312aは、図示は省
略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去すること
ができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右
方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側より
も外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取
付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿
本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316を取付
けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で
装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取
付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
なお、詳細な説明省略するが、上皿上部パネル314の装飾取付部314bには、下面
に取付けられる上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,32
2aと対応した位置に上下方向に貫通する開口部や切欠部が形成されていると共に、操作
ユニット取付部314cには、操作ユニット400と周辺制御部4140とを接続する配
線コードが通過可能な開口部等が形成されている。
上皿前部装飾部材316は、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に
延びた形状とされ、その複数の開口部316aに下側から上皿上部レンズ318の導光部
318aが嵌め込まれるようになっていると共に、上皿上部パネル314の装飾取付部3
14bに取付けることで上皿上部レンズ318を上皿上部パネル314とで挟持すること
ができるようになっている。また、上皿上部レンズ318の下側には、表面に微細なレン
ズ(プリズム)を複数有した上皿上部インナーレンズ319が配置されており、上皿右装
飾基板320や上皿左装飾基板322からの光を充分に拡散させて、上皿上部レンズ31
8全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、図示するように
、上皿前部装飾部材316における開口部316aの内周形状が洋梨状に形成されており
、開口部316aに嵌め込まれる上皿上部レンズ318の導光部318aも同様の形状と
され、この導光部318aを嵌め込むことで、上皿前部装飾部材316の開口部316a
に、ペアシェイプカットされたような宝石が嵌め込まれたような外観を呈するようになっ
ている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ
直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板3
24aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板32
4aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上がる側板324cと、を備えている。この
下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が、前
側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板
324aの側端から上方へ立上がった上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部
分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース3
10の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また
、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球
抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、正面視の外形が下側へ膨出し各辺が円弧の逆三角形状に形成され
ており、中央に前後方向へ貫通する開口部328aを備えている。この開口部328aの
内形は、下皿本体324及び下皿天板326の前端により形成される形状と一致した形状
とされており、下皿302の開口を形成するものである。また、下皿カバー328は、透
光性を有した乳白色の樹脂によって形成されていると共に、図示は省略するが、裏側にカ
ラーLEDが所定間隔で配置されており、下皿カバー328全体を発光装飾させることが
できるようになっている。
皿サイド中カバー330は、正面視で下皿カバー328の左右両外側に配置され、正面
視で左右方向の略中央から扉枠5の側面まで下皿カバー328の下側側辺に沿って所定幅
で延びており、扉枠5の側面まで延びた上部後端が扉枠ベースユニット100における扉
枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。この皿サイド中カバー33
0は、前後方向に貫通する開口部330aを備えており、開口部330a内に後側から皿
サイド中カバーレンズ332が嵌め込まれるようになっている。更に、正面視で右側(開
放側)の皿サイド中カバー330には、その外側端部(右側端部)付近で錠装置1000
のシリンダ錠1010と対応した位置に前後方向に貫通する錠孔330bが形成されてお
り、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔330bからシリンダ錠1
010の錠穴が臨むようになっている。
この皿サイド中カバー330は、その前端下部から後方へ延出する底板部330cを更
に備えており、この底板部330cの後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベー
ス本体110の前面に取付けられるようになっている。また、皿サイド中カバー330の
底板部330cによって下皿本体324の下側の一部が被覆されるようになっている。
皿サイド外カバー334は、正面視で皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され
、正面視が扉枠5の側辺及び底辺に沿った略三角形状とされており、後方及び上方に開放
された箱状に形成されている。本例では、右側(開放側)の皿サイド外カバー334に、
扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140のと対応した位置に前後方
向へ貫通するハンドル挿通孔334aが形成されている。この皿サイド外カバー334は
、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるように
なっていると共に、一部が皿ユニットベース310に取付けられるようになっている。ま
た、皿サイド外カバー334及び皿サイド中カバー330によって下皿本体324の中央
部を除く下側が被覆されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔3
14aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜
きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿
ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342の上下動によ
って上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作
動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置され
る上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に
支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備え
ている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上
側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342が
コイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿
球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態とな
っている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球
排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口す
る開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344
aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導
流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出
した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向か
って延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に
、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100にお
ける扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取
付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿3
01内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっ
ている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接し
た上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜
口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310におけ
る下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜
口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている
。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖され
ている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を
下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出し
た当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユ
ニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移
動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aに
よって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581
aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技
球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導流
路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口58
1bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース
310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出する
ことができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネ
によって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当
接しているので、球抜き部材583の仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても
、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネ
によって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができ
ると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになってい
る。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で正面視左
右に配置された皿サイド中カバー330の底板部330c同士の間に配置される下皿球抜
きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324
の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター3
52を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持
された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下
皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位
置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター3
52は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に
配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔3
52bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネによって閉鎖部3
52aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように
付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353
と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接す
ることで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔3
52bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネの付勢力により下皿球抜き
スライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜きボタン354は、図示するように、皿ユニット300における下皿カ
バー328の左右方向中央下側で、左右の皿サイド中カバー330に挟まれた位置に配置
されるようになっており、その表面形状が下皿カバー328や皿サイド中カバー330の
表面形状に対して滑らかに連続するような形状とされている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352b
が、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き
孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位
置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328
等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉
状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜
き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302
)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン35
4を、後方へ押圧すると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方
へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャ
ッター352がコイルバネの付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔
352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが
下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッ
ター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技
球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。な
お、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜
きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によ
ってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロ
ック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなる
と共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持さ
れ、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を
下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン35
4を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライダ353の保持が解
除されて、下皿球抜きスライダ353がスライドすることができるようになり、コイルバ
ネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャ
ッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前
方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回
動に伴って下皿球抜きスライダ353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿
球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の
前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができる
ようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用
いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361
及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に
貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して
設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361
を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことが
できると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金
の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363に
は、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに
形成された貸球ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになってい
る。また、貸球ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸
支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備え
ている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備
えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらの
パチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも
遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1
とすることができるようになっている。
[1−2G.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図45乃至図50を参照して
説明する。図45は、扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、図46は、扉枠に
おける操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前
上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分
解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニッ
トにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿3
01の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧
可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり
、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作
だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401
の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部401の下端と連結
される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と
、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を
回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺
動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作
部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢す
るバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416b
が通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが
下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部4
01の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー4
22の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆
動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に
固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口4
26aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314
cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上
面を覆う表面カバー428と、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材41
6のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口
430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラー
LED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、ベース部材420の下側に固定
され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b
、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の
直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備え
ている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材によ
り形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端か
ら外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401b
の外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部4
01cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤ
ル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの
内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に
連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止
されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるように
なっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内
壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突
出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部40
1fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部40
7aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aが
ダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧
操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるように
なっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405
におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部40
1の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触
面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤ
ル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部
401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形
成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタ
ンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端と
ボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押
圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形
状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるよう
になっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備
えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光
がボタンキャップ407及びキャップインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方
へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材4
16のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照
)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持筒416bから抜けないように、上
方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが
、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止
爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押
圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボ
タン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方
向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範
囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出
しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406
cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体4
06(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知さ
れるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中
央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが
形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aより
も下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされている
と共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径より
も小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ4
07(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入
すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401f
に当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ
没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性
環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の
文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認すること
ができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合
する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材41
6におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作
部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている
。この従動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギア
レール416a上に当接させることで、従動ギア410がボタン支持筒416bと略同心
状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって
突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操
作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア4
10とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の
回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432
に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっ
ており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成さ
れたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a
,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転
方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cと
スリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア41
0と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に
固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角
度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ41
4によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介
してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル
駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させる
ことで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知セ
ンサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モー
タ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作
に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可
能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状
に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボ
タン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本
体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と
、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED
432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416c
と、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に
取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン
支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検
知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基
板432を係止保持するための一対の基板保持爪416fと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に
配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成する
と共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部に
よって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することがで
きると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、
操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するための
ビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決め
ボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通さ
せてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)
を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。ま
た、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、
ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができ
るようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台
状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418
によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態とな
っている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成され
ており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が
破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作部保持部材416の外周が
嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天
井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形
とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され
少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備
えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に
下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420
dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)
の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420f
と、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体4
26を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹
部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるため
の複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説
明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決
めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416
b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416
を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保
持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようにな
っている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持
した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、
上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギア
レール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回
転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420f
が、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌
合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置
に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス
420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで
突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動
ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付
けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤ
ル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイ
ヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるように
なっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過
熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるよう
になっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤ
ル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開
口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギ
ア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向
(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両
端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424
の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てるこ
とができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パチン
コ機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片
422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾
部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部
材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上
方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410
、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル操作部401等を取付けた状態で、開口422
aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うこ
とで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することがで
きるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が
上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材
420における脚部420e下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424
aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両
端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており
、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー
422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に
貫通しダイヤル操作部401(鍔部401dを除く)が通過可能な開口426aと、開口
426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに
固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材42
0のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット
300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の
操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424
)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5m
m〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した
場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるよ
うになっている。
なお、この操作ユニット400は、表面カバー428を外した状態で、皿ユニット30
0の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定の
ビスで取付け、その後、カバー本体426の上面に表面カバー428を取付けるような構
造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア4
10の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける
周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボ
タン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤ
ル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2
.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部4
01を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片
410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bに
よる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転
しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の
駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させるこ
とができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用い
たダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段
階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補
助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができ
るようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻み
に正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることが
できるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ
押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部40
1fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a
内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重
を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させること
ができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ40
7の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤ
ル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と
共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によ
って遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と
押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するよう
にしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部4
01,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、
遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部4
01,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽
しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにして
おり、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩く
こととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405
とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や
皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作
部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部
401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上さ
せることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対す
る興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニ
ット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部3
14cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられ
たカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操
作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット4
00の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の
弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユ
ニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿
ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405
からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット4
00及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚
部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420
eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部4
01,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが
配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位
が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部
401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニ
ット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することがで
きる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイ
ヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部40
1を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイ
ヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ
移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材42
0によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部4
01が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じて
ダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含
む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,40
5による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤ
ル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操
作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすること
ができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆
動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ41
4の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏
芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩
かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ4
14にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット40
0)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で
、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル
操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重に
よってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作
部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部
401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。ま
た、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしてい
るので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触
面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作
部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベ
ース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤ
ル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動さ
せられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止さ
せられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量
が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介し
て良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動モータ414に不具合
が発生するのを防止することができると共に、ダイヤル駆動モータ414を高い負荷に耐
えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動モータ414を用い
たダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられる
パチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、
押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており
、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができ
るので、その検知信号に基づいて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操
作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することがで
き、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、
操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板
432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるの
で、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に
引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることがで
きる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部40
5の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにし
ているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によ
りダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、
ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部40
5も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等
を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作部405に対する操作感を付与することが
できるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下する
のを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部40
5が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者
を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能と
なり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、
従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技
者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた
演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極
的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部4
05の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部40
1とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部
401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧
操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ
、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操
作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、
押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避
させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止す
ることができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回
動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイ
ヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部4
05がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、
遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の
夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた
演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「P
USH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすること
ができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識さ
せることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出
部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側
を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット4
00の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外
周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙
間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と
押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし
難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、
押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触
部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部4
01に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾く
ような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、
確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダ
イヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることがで
きる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧
操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操
作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触
部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させてい
るので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル
操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝
達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた
方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを
防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができる
と共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するの
を可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピ
ングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に
所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ
、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化すること
ができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を
支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット3
00の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に
対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くす
ることができる。
[1−2H.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。
図51は、扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形
態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバ
ー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベー
ス本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が
軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対
回転可能にハンドルベース502の前側に配置される環状の回転ハンドル本体後504と
、回転ハンドル本体後504の前面に固定され回転ハンドル本体後504と一体回転可能
とされた回転ハンドル本体前506と、回転ハンドル本体前506の前面に配置されると
共にハンドルベース502に固定され、ハンドルベース502と協働して回転ハンドル本
体前506及び回転ハンドル本体後504を回転可能に支持する前端カバー508と、を
備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出す
るように取付固定され後端に非円形の軸受部510aを有した軸部材510と、軸部材5
10の軸受部510aと嵌合し回転可能とされた検知軸部512aを有しハンドルベース
502の前面に回転不能に嵌合される回転位置検知センサ512と、回転位置検知センサ
512をハンドルベース502とで挟むようにハンドルベース502の前面に固定され回
転位置検知センサ512の検知軸部512aが通過可能な貫通孔514aを有したセンサ
支持部材514と、センサ支持部材514の後面に取付けられるタッチセンサ516と、
タッチセンサ516とはセンサ支持部材514の後面の異なる位置に取付けられる発射停
止スイッチ518と、センサ支持部材514に対して回転可能に軸支され発射停止スイッ
チ518を作動させる単発ボタン520と、軸部材510の外周を覆うように配置され回
転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を初期回転位置(正面視で反時計
周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えて
いる。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前端側は前側
へ広がった半球状に丸く膨出した形状とされていると共に、後端側は後端が開放された円
筒状に形成されており、後端側の円筒状の外周に、軸方向へ延びた三つの溝部502aが
形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット1
40における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二
つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部50
2aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入す
ることで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、その回転軸と同心円状に配置さ
れた円弧状のスリット506aが形成されていると共に、前端カバー508に、後方へ突
出する三つの取付ボス508aが形成されており、これら取付ボス508aが回転ハンド
ル本体前506のスリット506aを通してハンドルベース502の前面に固定されるよ
うになっている。これにより、回転ハンドル本体前506におけるスリット506aの周
方向端部が、前端カバー508の取付ボス508aに当接することで、回転ハンドル本体
504,506の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、後方へ突出する係止突部
506bが形成されており、この係止突部506bにコイル状のハンドル復帰バネ522
の一端側(前端側)が係止されるようになっていると共に、ハンドル復帰バネ522の他
端側(後端側)がセンサ支持部材514に係止されるようになっており、ハンドル復帰バ
ネ522によって回転ハンドル本体504,506が正面視で反時計周りの方向へ回動す
るように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して
、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本
体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側
(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けら
れるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面
に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)
して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置50
0を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、
回転ハンドル本体504,506(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510
を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、
検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回
転位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソ
レノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技
球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
なお、回転ハンドル本体504,506や前端カバー508の外周表面は、導電性のメ
ッキが施されており、遊技者が回転ハンドル本体504,506等に接触することでタッ
チセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技
者の接触を検出している時に、回転ハンドル本体504,506が回動すると、その回動
に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことが
できるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方
法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイ
ド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技を
することを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させる
ことができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、
発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120によっ
て発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハ
ンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることが
できると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作
する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、回転ハンドル本体504,506の回転操作を回転位置
検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの
回転位置の検知に基づいて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さ
を制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンド
ル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互
いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユ
ニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができる
と共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合
によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2I.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52乃至図54
を参照して説明する。図52は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から
見た分解斜視図であり、図53は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後か
ら見た分解斜視図である。また、図54は、ファールカバーユニットの前カバーを外した
状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における
遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出され
た遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達
しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導
するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球
の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カ
バー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図53に示すように、背
面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通し
カバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、
第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口
の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下
方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、
を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に
対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出
口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベ
ース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延
びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を
収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファー
ル球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の
上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベー
ス542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッ
ター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片54
2gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉
クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転さ
せて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース542の前面を閉鎖
する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース542の第一球通路
542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカ
バーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544b
と、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100
の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるように
なっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを
通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになって
いる。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニ
ット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通
路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを
介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニ
ット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口7
76から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球
出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを
介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対し
て閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部
に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1
100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球
入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット5
40は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第
二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出
(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間
546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によっ
て揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動
を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によっ
て非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は
、図54に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると
共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の
左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略
垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材548は、収容空間546側とは
反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが
満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546
の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端
を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗
によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通
常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿30
1へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニ
ット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で
滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773
内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路77
5側へ遊技球が流通するようになり(図80を参照)、満タン分岐ユニット770の満タ
ン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路5
42d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるよ
うになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユ
ニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内
の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700
から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の
貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が
左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知
センサ550によって検知されると、払出制御基板4110において賞球ユニット700
から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を
外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ
552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知
片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開され
るようになっている。
[1−2J.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図55及び図57を参照
して説明する。図55は、扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。図56は、
扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。また、図57は、球送りユニットを分
解して前から見た分解斜視図である。図58は、球送りユニットの後ケースを外して後か
ら見た分解斜視図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300に
おける上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することが
できると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜き
ボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、
皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口1
13を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に
開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー58
1の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の
進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口5
82aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ
延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口58
1bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕
切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581
と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材5
84と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例で
は、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されて
おり、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が
夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球
抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備
えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方
へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側
が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース
344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口58
1bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、
仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向
の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延
びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前
方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部5
83bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。
この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリッ
ト581cを通して前方へ突出するように形成されており(図55を参照)、扉枠ベース
本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340におけ
る上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの
方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮
断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部58
4bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材5
4における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の
角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つ
の遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド5
85の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動
させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部
584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部
583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材5
84が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582a
から打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進
入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側へ
の移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が
保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持
部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部
583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が
上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動
する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を
上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送
りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ
延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側
に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能
に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における
回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図57を参照)
と係合する伝達部587cと、を備えている。なお、本例では、球送ソレノイド585と
球送り作動桿586とが一体的に形成されたフラッパーソレノイドを用いている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によっ
て、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586
の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお
、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイ
ド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、
この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド
585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動
する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようにな
っている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材58
4が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と
球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようにな
っている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御
部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになってい
る。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は
、錘部583dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるよ
うになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構
340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、そ
の回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583a
が進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入
しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構
340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が
当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動
棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移
動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aに
よる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進
入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜
き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接
片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技
球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ3
43を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損す
るのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止するこ
とができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット5
80へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が
操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球
発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち
込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で
遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニッ
ト100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(
球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材5
84と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接
近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出
させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ
、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の
後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすること
が可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、
上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、
上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するの
を抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を
小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の
関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り
部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を
取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係
る手間を簡略化することができると共に、球送りユニット580を容易に交換することが
でき、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット58
0を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置
するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと
比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ
伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るよ
うに構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送
りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体
枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き
機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする
虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や
耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜き
ボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり
、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球
抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスラ
イダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにして
おり、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿
球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくする
ことが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することがで
き、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343
が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口58
2aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583
aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和さ
せることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を
緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることが
でき、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制
することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさ
せるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部5
83aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341
の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部58
3aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方
向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が
発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態
となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投
入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ
機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ
移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して
回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈
曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収さ
せたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き
部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置している
ので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左
右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良
くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口5
81bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的
に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備
えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
[1−2K.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照し
て説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合
成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の
前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図107を参照)と、を備えている
。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両端に上下方向へ離反して配置
され外方へ板状に延出した四つの片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出
した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の
補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方か
ら係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110の
ガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によって
ユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対
して脱着可能に取付けられるようになっている(図23、図28等を参照)。
このように、本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、縦長楕円形状の遊技窓10
1の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下
皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を、遊技窓101を閉鎖する透
明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込む
ためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び
上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び上部
装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニッ
ト300がサイドスピーカカバー290を挟んで右サイド装飾ユニット200と左サイド
装飾ユニット240の下端と連続するように配置されており、各ユニット200,220
,280,300の外観が丸みを帯びた連続した一体化の有る外観となっている。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板2
14,216,254,256,286,320,322等に実装されたLEDを発光さ
せることで、遊技窓101及び下皿カバー328の開口部328aを囲むように任意の発
光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット20
0及び左サイド装飾ユニット240に備えられた装飾基板214,216,254,25
6に実装されたLEDのうち、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,2
50bの後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消
灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるよ
うになっている。
具体的には、サイドレンズ210,250における周レンズ部210a,250aと対
応したLED214a,216a,254a,256aの発光態様と、放射レンズ部21
0b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bの発光態様と
を、同一の発光態様(発光色と発光パターンとが同じ)とすると全体が略均一の発光装飾
とすることができ、周レンズ部210a,250aを強調するようにそれらの発光態様を
異ならせると周方向に途切れができたような発光装飾とすることができ、放射レンズ部2
10b,250bを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると遊技窓101の中央
を中心とした放射状に輝く発光装飾とすることができ、遊技者の関心を強く引付けること
ができるようになっている。
また、扉枠5は、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401や押圧操作部40
5を支持するベース部材420を、ダイキャストによるアルミ合金製としていると共に、
カバー本体426によってベース部材420を皿ユニット300の操作ユニット取付部3
14cに対して吊持させるようにしているので、ダイヤル操作部401や押圧操作部40
5を叩いた場合、カバー本体426が撓るように弾性変形した上で、ベース部材420が
下カバー424を介して操作ユニット取付部314cの上面に当接することとなり、ダイ
ヤル操作部401や押圧操作部405等にかかる衝撃を緩和させることができ、操作ユニ
ット400が破損するのを防止することができるようになっている。
更に、扉枠5における操作ユニット400は、押圧操作部405を円環状のダイヤル操
作部401に挿入した状態としており、遊技者等が押圧操作部405を強く叩こうとして
もダイヤル操作部401も一緒に叩いてしまうこととなるので、ダイヤル操作部401に
よって叩いた衝撃を分散させることができ、衝撃が集中するのを防止して破損し難くする
ことができるようになっている。また、ダイヤル操作部401を回転可能に支持する操作
部保持部材416のギアレール416aを、金属製のベース部材420における開口42
0aに対して下方から上面より僅かに突出するように取付けており、ダイヤル操作部40
1を叩いた衝撃が従動ギア410を介して操作部保持部材416(ギアレール416a)
へ伝わって、操作部保持部材416が下方へ撓むと、従動ギア410の下面が金属製の開
口420aの外周上面と当接し、その衝撃をベース部材420に受けさせることができる
ので、操作部保持部材416に係る負荷を軽減させることができると共に、ギアレール4
16aが衝撃によって潰れてしまうのを防止することができ、操作ユニット400の耐久
性を高めることができるようになっている。
また、扉枠5における操作ユニット400は、皿ユニット300に対して上側から取付
けられるようにしているので、万が一、操作ユニット400が破損しても、操作ユニット
400を簡単に取替えることができ、操作ユニット400の取替えによりパチンコ機1の
稼働率が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する
。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60
は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は
、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280
、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101
の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280
,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,286,
320,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を
発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したよ
うに、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ
210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿
うように配置されていると共に、放射レンズ部210b,250bが遊技窓101の左右
方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部
210a,250a同士の間に配置されている。これらサイドレンズ210,250の周
レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bは、不透光性(本例では
、表面にメッキ層を有している)のサイド装飾フレーム202,242によって外周が囲
まれた状態となっている。
これらサイドレンズ210,250の後側には、サイドインナーレンズ212,252
が配置されており、サイドインナーレンズ212,252は、その本体部212a,25
2aが周レンズ部210a,250aの後面に対して所定距離離間した位置となるように
形成されていると共に、板状の導光部212b,252bが放射レンズ部210b,25
0bの後面に対して可及的に接近した位置まで延出するように形成されている。このサイ
ドインナーレンズ212,252の本体部212a,252aには、詳細な図示は省略す
るが、その表面に微細なプリズムが複数形成されており、後側に配置された装飾基板21
4,216,254,256からの光を拡散させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、
右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には
、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a
,254a,256aと、放射レンズ部210b,250bと対応する位置に配置された
LED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部
210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカ
ラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,
216b,254b,256bが白色LED(上部装飾ユニット280における上部装飾
基板286のLED286bよりも低い通常の輝度)とされている。また、右サイド上装
飾基板214におけるサイドサブレンズ228と対応し上下に配置された二つのLED2
14cは、赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上
装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色
印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装
飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED
210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254
,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄
えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等
からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をよ
り明るく発光装飾させることができるようになっている。
次に、扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット2
00及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端
部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するもので
ある。この上部装飾ユニット280は、中央に宝石状に形成された大型の中央レンズ28
2と、中央レンズ282の斜め上左右両側に羽根状に形成された側レンズ284と、中央
レンズ282の下左右両側に配置された下レンズ289とを備えている。上部装飾ユニッ
ト280の中央レンズ282は、青味を帯びた透明な部材により形成されており、側レン
ズ284及び下レンズ289は、透光性を有した白色(乳白色)の部材により形成されて
いる。これにより、中央レンズ282の後側に配置されたインナーレンズ283が、遊技
者側から視認することができるようになっている。
この上部装飾ユニット280のインナーレンズ283は、表面に複数の微細なレンズ(
プリズムを含む)が形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができ
るので、透明な中央レンズ282を通してインナーレンズ283を見ると、中央レンズ2
82に深味があるように見えると共に、あたかも中央レンズ282自体がキラキラ輝いて
いるように見えるようになっている。また、遊技者側からは、インナーレンズ283の後
側に配置された上部装飾基板286が見えないようになっている。
上部装飾ユニット280における上部装飾基板286には、中央レンズ282と対応し
インナーレンズ283の後側に配置された複数(本例では、六つ)のLED286aと、
側レンズ284及び下レンズ289の後側に配置された複数(本例では、側レンズ284
用に二つ、下レンズ289用に一つずつ、左右夫々に配置されている)のLED286b
とを備えている。なお、本例では、中央レンズ282と対応したLED286aは、フル
カラーLEDとされており、側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286
bは、高輝度の白色LEDとされている。また、上部装飾基板286の前面もまた、白色
とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
続いて、皿ユニット300では、左右のサイド装飾ユニット200,240の下端同士
を結ぶように、上皿301の前端に沿って上皿上部レンズ318における宝石状の複数の
導光部318aが上皿前部装飾部材316の開口部316aを通して露出した状態で列設
されており、正面から見ると、図示するように、上皿前部装飾部材316及び上皿上部レ
ンズ318によって遊技窓101の下辺外側(下側)が装飾させるようになっている。こ
の上皿上部レンズ318の下側には、各導光部318aと対応する突出部を有した上皿上
部インナーレンズ319が配置されている。皿ユニット300の上皿上部レンズ318は
、青味を帯びた透明な部材で形成されており、上皿上部インナーレンズ319は、透明な
部材で形成されている。
皿ユニット300の上皿上部インナーレンズ319は、上皿上部レンズ318の導光部
318aと対応する表面(上面)に、複数の微細なプリズムが形成されており、光を乱反
射させたり乱屈折させたりすることができるようになっているので、上部装飾ユニット2
80の中央レンズ282と同様に、上皿上部レンズ318の導光部318aに、深味を付
与すると共にキラキラした輝きを付与して、導光部318aがあたかも宝石のように見え
るようになっている。また、上皿上部インナーレンズ319によって遊技者側から導光部
318aを通して、下側に配置された上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322が見
えないようになっている。
この皿ユニット300における上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の上面
には、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応するように、複数(本例では、夫々
六つ)のLED320a,322aが備えられている。本例では、上皿右装飾基板320
及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aは、フルカラーLEDとされてい
る。また、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の表面(上面)も、白色とさ
れており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状の
ダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱
状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下
側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤ
ル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では
、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には
、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では
、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン
装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾
基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と
同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装
飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250
の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,2
56aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッ
チの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ10
3(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グ
ループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101
を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっ
ている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,25
6aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二
環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させる
と、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっ
ている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240にお
けるサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bと対応したLED2
14b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グルー
プ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下
部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛け
の範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,25
4b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させる
ことができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光
装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。また、右
サイド装飾ユニット200における上部右側面のサイドサブレンズ228と対応したLE
D214cは、上部右サイドグループ105とされており、このLED214cを適宜発
光させることで、扉枠5の上部右側面の一部(サイドサブレンズ228)を発光装飾させ
ることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280におけ
る中央レンズ282と対応したLED286aが、第一環状グループ102及び第二環状
グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上
部中央グループ106のLED286aを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中
央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ10
3による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっ
ている。また、上部装飾ユニット280における側レンズ284及び下レンズ289と対
応したLED286bは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央
サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED286
bを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部
中央グループ106との境界を発光装飾させたり、遊技窓101の上側(上部も含む)で
V字状に発光装飾させたりすることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下辺を装飾する皿ユニット300における上皿前部
装飾部材316の複数の開口部316aに嵌め込まれた上皿上部レンズ318の導光部3
18aと対応したLED320a,322aが、第一環状グループ102及び第二環状グ
ループ103の左右の下端同士を連結するように遊技窓101の下辺外周を発光装飾する
下部グループ108とされている。この下部グループ108のLED320a,322a
を適宜発光させることで、遊技窓101の下辺や上皿301の前縁を発光装飾させること
ができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103のLED214a,2
16a,254a,256aと連動させることで、遊技窓101の外周全体を環状に発光
装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置され
た操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED4
30b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされ
ている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで
、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作
部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることがで
きるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、
扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,25
4a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,43
0b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,1
08,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示す
ように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a
,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に10
2a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個の
LED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周
レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,
256bは、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b毎に104
a〜104hの8系統に分けられている。また、上部右サイドグループ105に属する2
個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、
上部中央グループ106に属する6個のLED286aは、下部106a、右上部106
b、左上部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に
属する6個のLED286bは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている
更に、下部グループ108に属する12個のLED320a,322aは、正面視右側
から三つずつに108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作部グループ1
09に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個
のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一
組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLE
D432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各L
ED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256
a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、42
の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,25
6a,286a,320a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それ
らLED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,4
32dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106
c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立し
た3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また
、LED286b,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED286b
,430bが属する4つの系統107a,107b,109a,109bでは、高輝度で
発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際
の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとさ
れており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは赤色L
EDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b
,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,10
5a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数
の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各L
ED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256
a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが属した
系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明
るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これによ
り、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グル
ープ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を
中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状
グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓10
1へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二
環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させ
るような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4の前面や表ユニット2000等に備えられたLED(詳細な図示は省略
する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ1
02のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ10
3のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心
を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制するこ
とができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108にお
いて、各系統102a〜102j,103a〜103j,108a〜108dを適宜発光
させることで、遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出をしたり、遊技窓10
1の外周に沿って上部装飾ユニット280の中央レンズ282へ向かって光が移動するよ
うな、或いは、中央レンズ282から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発
光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状
グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(1
0分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程
)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことがで
きる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発
光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二
環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全
体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ
103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装
飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グル
ープ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、放射レンズ部2
10b,250bが周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106の各系統106a〜106cを同時に発光させることで
中央レンズ282全体が発光する発光演出や、各系統106a〜106cを順次発光させ
ることで中央レンズ282内において光が回転するような発光演出を行うことができる。
また、上部中央サイドグループ107を発光させることで、側レンズ284や下レンズ2
89を高輝度に発光装飾させて遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば
、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことが
できる。なお、下レンズ289は、遊技者の頭上から遊技者へ向かって光を照射するよう
に配置されており、高輝度なLED286bの発光を遊技者に気付かせ易くすることがで
きるようになっている。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿
301の前縁を発光装飾させる発光演出をしたり、操作部グループ109と関連させて発
光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をした
りすることができる。また、操作部グループ109におけるダイヤル操作部401と対応
した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促
したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることがで
きる。更に、操作部グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを
発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、
下部グループ108、及び操作部グループ109の系統109cは、フルカラーLEDと
されているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統10
2a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,10
9c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情
豊かな発光演出を行うことができる。
このように、本例の扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニッ
ト240では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,2
54a,256aを、遊技窓101に近い第一環状グループ102と、第一環状グループ
102の外側で遊技窓101から遠い第二環状グループ103とに分けて発光させること
ができるようにしているので、遊技窓101(遊技領域1100)の外側を複数の略同心
円状に発光装飾させることができ、遊技窓101の外周を光が囲うことでこれまでのパチ
ンコ機には無い発光演出を行うことができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機
1とすることができるようになっている。
また、一つの周レンズ部210a,250aにおいて、略同心円状配置された二系統の
LEDを備えるようにしており、外観状は一つに見えても、二系統の各LEDを夫々発光
させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観か
らは想像し難くすることが可能となり、発光装飾による周レンズ部210a,250a(
右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240)の変化を大きくすること
ができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ
機1とすることができるようになっている。
更に、遊技領域1100の前面を閉鎖する透明な遊技窓101の外側に、扉枠5におけ
る左右の装飾ユニット200,240の装飾基板214,216,254,256に、放
射状に配置したLED214b,216b,254b,256bと、LED214b,2
16b,254b,256bにより周方向に分割され略同心円状に配置された第一環状グ
ループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,25
6aと、を備えるようにしているので、遊技状態に応じて第一環状グループ102及び第
二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを発光させるこ
とで、遊技窓101の外周を複数の環状に発光装飾させることが可能となり、これまでの
パチンコ機では見たことも無いような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関
心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5における各装飾基板214,216,254,256のLED214a,
216a,254a,256aから構成された環状の第一環状グループ102及び第二環
状グループ103を略同心円状に配置(図60を参照)しているので、外側から内側へ向
かって第二環状グループ103、第一環状グループ102の順に発光させることで、遊技
窓101つまり遊技領域1100へ向かって光が収束するような発光演出を行うことがで
き、遊技者の関心を遊技領域1100へ向けさせることができると共に、遊技領域110
0内で何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高
めて興趣が低下するのを抑制することができる。更に、内側から外側へ向かって第一環状
グループ102、第二環状グループ103の順に発光させることで、遊技窓101つまり
遊技領域1100から外側へ向かって広がるような発光演出を行うことができ、外側へ広
がる発光演出により遊技者に対して何か良いことがあるような期待感を抱かせることが可
能となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技窓101(遊技領域1100)よりも外側で上述したような発光演出を行う
ことができるようにしているので、本パチンコ機1で遊技する遊技者だけでなく、パチン
コ機1を設置した遊技ホール内の遊技者に対しても、上述のような発光演出を見せること
ができ、他の遊技者の関心を強く引付けて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を
選択させ易くすることができる。
また、環状に延びた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED21
4a,216a,254a,256aを周方向へ分割するように放射状に配置された放射
状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを備えており、これ
ら放射状グループ104を発光させることで第一環状グループ102及び第二環状グルー
プ103による環状の発光装飾を周方向へ区切ることができるので、発光装飾にアクセン
トを付与することができ、発光装飾の変化によって遊技者の関心を強く引付けることがで
きる。また、放射状に配置された放射状グループ104によって第一環状グループ102
及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aをサイド
レンズ210,250の周レンズ部210a,250aと対応するように周方向へ系統1
02a〜102j,103a〜103jに分割しているので、各周レンズ部210a,2
50aと対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々系統102a〜
102j,103a〜103j毎に独立して発光させることで光が周方向へ移動するよう
な発光演出も行うことができ、より多彩な発光演出を提供することで飽き難いパチンコ機
1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250に、LED214a,216a,254a,256
aと対応した周レンズ部210a,250aと、LED214b,216b,254b,
256bと対応した放射レンズ部210b,250bとを備えるようにしており、放射レ
ンズ部210b,250bを周レンズ部210a,250aに含ませて一体的なものとし
た場合と比較して、蓋然的にサイドレンズ210,250の外観に変化を付与することが
できるので、発光装飾していない時でも、サイドレンズ210,250の外観の意匠性を
高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
なお、サイドレンズ210,250を周レンズ部210a,250aと放射レンズ部21
0b,250bとに分けるようにしても、環状に配置されたLED214a,216a,
254a,256aと放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256
bとを同じ発光態様で発光させることで、周レンズ部210a,250aと放射レンズ部
210b,250bとが一体となったように錯覚させることが可能となり、遊技窓101
の外周を一体的に環状に発光装飾させることができ、上述した作用効果も充分に奏するこ
とができる。
また、サイドレンズ210,250における一つの周レンズ部210a,250aに、
放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bによって周方向へ仕
切られた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216
a,254a,256aを、対応させるようにしており、外観状は一つに見えても、第一
環状グループ102及び第二環状グループ103に対応したLED214a,216a,
254a,256aを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができる
ので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾によるサ
イドレンズ210,250の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを
高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250と装飾基板214,216,254,256との間
に装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させてサイドレンズ210,
250に照射するサイドインナーレンズ212,252を備えているので、サイドレンズ
210,250の発光装飾にムラが発生するのを抑制することができ、発光装飾の見栄え
を良くすることができる他に、点状に発光するLED214a,216a,254a,2
56aを用いてもサイドレンズ210,250を面状に発光装飾させることができるので
、線状に発光する発光体(例えば、冷陰極管(蛍光管)、ネオン管、有機EL、等)を用
いた場合と比較して、各LED214a,216a,254a,256aを個々に発光さ
せることで第一環状グループ102や第二環状グループ103での発光を周方向にも変化
させることが可能となり、より多様な発光演出を提示することができ、飽き難くして遊技
者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けられる
パチンコ機1とすることができる。
また、サイドインナーレンズ212,252によって光を拡散させることができるので
、サイドレンズ210,250の透明度を高くしても、サイドインナーレンズ212,2
52における乱屈折によりサイドインナーレンズ212,252の後側に配置された装飾
基板214,216,254,256を見辛くすることができ、遊技者側から装飾基板2
14,216,254,256等が直に見えて、見栄えが悪くなるのを防止することがで
きる。
更に、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによりLED
214b,216b,254b,256bからの光を導いてサイドレンズ210,250
の放射レンズ部210b,250bに照射するようにしているので、LED214b,2
16b,254b,256bからの光を確実に放射レンズ部210b,250bへ導いて
発光装飾させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化する
ことができる。また、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252b
によってサイドレンズ210,250とLED214b,216b,254b,256b
との距離が遠くてもサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bを確
実に発光装飾させることができるので、第一環状グループ102や第二環状グループ10
3によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aを広く照射する
ためにサイドレンズ210,250との間に充分なスペースを確保したLED214a,
216a,254a,256aと同じ基板に、放射状に配置されたLED214b,21
6b,254b,256bを実装することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化する
ことができる。
また、サイド装飾フレーム202,242によってサイドレンズ210,250の周レ
ンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bの外周を囲うようにしてい
るので、周レンズ部210a,250aからの光が放射レンズ部210b,250bへ、
或いは、放射レンズ部210b,250bからの光が周レンズ部210a,250aへ影
響するのを可及的に低減させることができ、夫々の発光装飾が互いに干渉し合うのを防止
して見栄えの良い発光演出を行うことができる。
[1−2M.周辺制御基板の構成]
上述した本実施形態のパチンコ機1は、周辺制御基板4010を備えている。周辺制御
基板4010は、上述した周辺制御部4140と、後述するリアルタイムクロック制御部
4190(以下では、RTC制御部4190とも呼ぶ)と、後述する液晶制御部4150
とを備えている。周辺制御部4140は、後述する周辺制御MPU4140aを備えてい
る。ここでは、周辺制御基板4010が有するリアルタイムクロック機能と、RAMのバ
ックアップ電源機能について説明する。
図61は、パチンコ機1における周辺制御基板4010の機能を説明するための図であ
る。具体的には、図61(a)は、周辺制御基板4010の構成の一部を示し、リアルタ
イムクロック機能を説明するための図である。図61(b)は、周辺制御基板4010が
備える周辺制御部4140の構成の一部を示し、RAMのバックアップ電源機能について
説明するための図である。
<リアルタイムクロック機能>
図61(a)に示すように、RTC制御部4190と周辺制御MPU4140aとを用
いて、リアルタイムクロック機能について説明する。図61(a)に示す周辺制御基板4
010では、以下に説明する機能ブロック以外の構成(例えば、後述する音源IC414
0cなど)を省略して示している。周辺制御基板4010における周辺制御MPU414
0aは、図61(a)に示すように、内蔵リアルタイムクロック4140aa(以下では
、内蔵RTC4140aa)を備えている。なお、この内蔵RTC4140aaは、後述
する本実施形態の周辺制御基板4010において、変動表示パターンに設定された変動時
間などの時間を計測するタイマ機能に含まれていてもよい。
RTC制御部4190は、リアルタイムクロック4192(以下では、RTC4192
と呼ぶ)と、電池4194と、RAM4196と、を備えている。RTC4192は、レ
ジスタ回路、クロック入力回路、クロック出力回路、割り込み出力回路、データ入出力回
路、および、制御回路などの回路で構成される。RTC4192は、現在のカレンダ情報
および時刻情報を出力可能である。カレンダ情報は、日にちに関する情報、例えば、「年
」、「月」、「日」、「曜日」などの情報を含む。時刻情報は、時刻に関する情報、例え
ば、「時」、「分」、「秒」などの情報を含む。RAM4196には、RTC4192の
動作に必要な情報が記憶される。電池4194は、RTC4192と、RAM4196と
に接続され、これらのバックアップ電源として機能する。電池4194としては、ボタン
電池などの一次電池や充電可能な二次電池を用いてもよく、また、大容量のキャパシタな
どを用いてもよい。
なお、パチンコ機1は、後述する主基板4000や周辺制御基板4010などの各基板
に電力を供給するための電源基板851(後述の図170等参照)を備えている。電源基
板851がONされた状態では、各基板に電力が供給され、電源基板851がOFFされ
た状態では、各基板への電力の供給が停止される。
RTC4192は、パチンコ機1の電源ON時(電源基板851ON時)には、電源基
板851から電力の供給を受けて作動する。一方、RTC4192は、パチンコ機1の電
源OFF時(電源基板851OFF時)には、電源基板851から電力の供給を受けるこ
とができないので、電池4194から電力の供給を受けて作動する。
内蔵RTC4140aaは、現在のカレンダ情報および時刻情報を出力可能である。内
蔵RTC4140aaは、電源基板851から電力の供給を受けて作動するので、パチン
コ機1の電源OFFとなると(電源基板851から電力の供給が停止すると)、現在のカ
レンダ情報および時刻情報を消失する。従って、周辺制御MPU4140aは、パチンコ
機1の起動時(電源投入時)や電源基板851に障害が生じた場合(例えば、瞬停が生じ
た場合)には、RTC4192からカレンダ情報および時刻情報を受け取って、内蔵RT
C4140aaにセットする。以後、周辺制御MPU4140aは、カレンダ情報および
時刻情報を用いる場合には、RTC4192のカレンダ情報および時刻情報を用いるので
はなく、内蔵RTC4140aaのカレンダ情報および時刻情報を用いる。
なお、周辺制御MPU4140aは、RTC4192からカレンダ情報および時刻情報
を取得することができない場合には、RTC4192が動作不良を起こしているものと判
断して、エラー処理を行う。エラー処理としては、カレンダ情報および時刻情報として、
予め決められた初期値を設定して動作を行うようにしてもよい。この初期値としては、例
えば、「2011年1月1日土曜日12時00分」などとしてもよい。
ここで、周辺制御基板4010(例えば、後述する周辺制御RAM4140eやRAM
4140f)には、予め「特別な日時」が設定されており、周辺制御基板4010(例え
ば、周辺制御部4140)は、その「特別な日時」になると、「特別な処理」を行っても
よい。しかしながら、現在が上記「特別な日時」に該当していても、RTC4192が動
作不良を起こし上記エラー処理が行われた場合には、カレンダ情報および時刻情報が上記
初期値にリセットされるので、上記「特別な処理」が行われない場合がある。そこで、パ
チンコ機1(例えば、周辺制御基板4010)は、パチンコ機1が設置された遊技店(パ
チンコホールやゲームセンターなど)の店員が、上記「特別な日時」を好適な日時に切り
替えることができるような機能を備えていてもよい。
上述のように、本実施形態では、RTC制御部4190は、パチンコ機1の電源OFF
時でも作動する。このようにすれば、RTC制御部4190が出力するカレンダ情報およ
び時刻情報を正確にすることができる。また、内蔵RTC4140aaは、パチンコ機1
の電源OFFによってカレンダ情報および時刻情報を消失しても、RTC制御部4190
から出力されるカレンダ情報および時刻情報が新たにセットされる。このようにすれば、
周辺制御MPU4140aは、一旦RTC4192に問い合わせた後は、RTC4192
に問い合わせることなく、正確なカレンダ情報および時刻情報を用いることができる。
なお、本実施形態では、上記RTC制御部4190を、周辺制御基板4010に設ける
ようにしているが、これに限られることなく、他の基板(例えば、後述の中継基板301
4,3016,2018,3020やランプ駆動基板4170など)に設けるようにしても
よい。また、RTC制御部4190は、現在のカレンダ情報および時刻情報を正確な情報
とするために、定期的にGPS衛星から現在のカレンダ情報および時刻情報を取得するG
PS更新部を有していてもよい。
<RAMのバックアップ電源機能>
図61(b)に示すように、周辺制御部4140を用いてRAMのバックアップ電源機
能について説明する。図61(b)の周辺制御部4140では、以下に説明する機能ブロ
ック以外の構成(例えば、後述する音源IC4140cなど)を省略して示している。周
辺制御部4140は、図61(b)に示すように、周辺制御MPU4140aに加えて、
キャパシタBC2と、ダイオードSD0と、RAM4140fとを備えている。
RAM4140fは、パチンコ機1(電源基板851)が電源OFFとなっても消失せ
ずに保持しておきたい情報を記憶するためのメモリである。ダイオードSD0は、アノー
ド端子側が周辺パネル中継端子板872を介して電源基板851の+5.25V作成回路
851eと接続されており、+5.25Vの電圧が印加され得る。また、ダイオードSD
0は、カソード端子側がRAM4140fおよびキャパシタBC2に接続されている。
キャパシタBC2は、電気二重層キャパシタであり、RAM4140fのバックアップ
電源として機能する。キャパシタBC2は、マイナス端子が、グランドと接地される一方
、プラス端子が、ダイオードPD0のカソード端子と電気的に接続されている。+5.2
5V作成回路851eからの電力は、RAM4140fに供給されると共に、キャパシタ
BC2にも供給される。これにより、キャパシタBC2は充電される。従って、+5.2
5V作成回路851eからの電力が周辺制御基板4010に供給されなくなった場合には
、キャパシタBC2に充電された電荷がRAM4140fに供給され、RAM4140f
の記憶内容が保持される。この場合、ダイオードSD0によって、キャパシタBC2から
電源基板851側へ電荷が供給されることを防止することができる。
周辺制御MPU4140aは、パチンコ機1(電源基板851)が電源OFFとなって
も消失せずに保持しておきたい情報を適宜RAM4140fに格納することによって、パ
チンコ機1が電源OFFになり、再び、電源ONになった場合に、電源OFFになる前に
RAM4140fに格納された情報を用いて、継続的な制御が可能となる。
なお、本実施形態では、ダイオードSD0、キャパシタBC2、および、RAM414
0fは、周辺制御部4140に設けられていたが、これに限られず、例えば、液晶制御部
4150に設けられてもよい。また、RAM4140fは、周辺制御部4140および液
晶制御部4150に共用されてもよい。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図62乃至図68を参照して説明する
。図62は、本体枠の正面図であり、図63は、本体枠の背面図である。また、図64は
、本体枠の正面斜視図であり、図65は、本体枠の背面斜視図である。更に、図67は、
本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図66は、本体枠の左側面図であり、図
68は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に
対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状
に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また
、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保
持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持
するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース6
00の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5
を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部
前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置
650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技
球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠
3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊
技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5
や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等
を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技
盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端
部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に
対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置100
0と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図69及び図70を参照し
て説明する。図69は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図70
は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本
体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外
形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するよう
に形成されている(図66を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後
側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等
の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース
600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球
ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くす
ることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範
囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と
、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と
、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110
の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側
補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方
へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端
まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後
壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を
形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部
602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体
枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を
形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右
方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝11
56と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置
に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図6
2を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可
能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベー
ス600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで
、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっ
ている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されるこ
とで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになって
いる。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め
部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左
側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部6
10を備えている(図70を参照)。この金具取付部610は、図69等示すように、そ
の前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支
金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体
枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形の
シリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5にお
ける扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の
嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノ
イド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の
前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面
に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容さ
れるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁
部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図64や図99等に示すよう
に、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及
び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠
3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユ
ニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空
間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542e
に受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後
方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数
形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開
口部614は、前側から中継端子板カバー692(図67等を参照)によって閉鎖される
ようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604
の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板8
82とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800
のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのも
のである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有し
たベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近
に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具
支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690
の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図62等に示すように、本体枠ベース600の固定具
支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690a
における周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外
方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベー
ス600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定
具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部60
6よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内
に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるよ
うになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接
するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への
回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対す
る扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3
に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知
することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ6
18が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するた
めの本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図70を参照)、外枠2に対して本
体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知するこ
とができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側
)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フッ
ク穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並ん
だ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上
下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴
620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004
が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部
605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになって
いる。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置100
0の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると
共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出し
た状態となるようになっている(図64を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左
右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604
における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体
枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニッ
ト800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、
詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通す
るようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ
所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー
軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉
ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)
側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置
650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取
付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図67
及び図68を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具64
0は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用
いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると
共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けら
れ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する
板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設
された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155
が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図64等を参照)と、前方延出部6
32の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ6
35(図66及び図108を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部
631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで
一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支
金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具6
44と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース
600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642
aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出
部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴
642cと、前方延出部642bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側へ
の回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取
付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形
することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側
の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部
644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近
に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸
支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲
成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具6
44の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支
金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下
方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に
取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で
、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴と
が同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644
の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるよ
うに、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21
c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具
20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支さ
せることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた
状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支穴642
cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具64
2の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部
158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン1
55を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠
5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側
の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴6
34へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部
156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン
155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようにな
っている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図71及び図72を参照し
て説明する。図71は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図72
は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠
5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応
じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の
前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面
に前側へ回駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射
ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌
656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基
端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール66
0と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先
658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の
基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の
基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射
レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、
駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動す
るようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド65
4の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状
に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定さ
れる棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しスト
ッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ
部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で
反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるように
なっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端
延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図99を参照)と共に、
前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球さ
れた遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるよ
うになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能
なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球
位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ6
68と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面が
ゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、
当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図64や図99等に示すように、本体枠ベース600の
下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央
で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)
よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4にお
ける外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間
626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レー
ル660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射す
ることで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになって
いる。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール
空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置する
ようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、
ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排
出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハ
ンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に
、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられる
ようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット
580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受
入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材5
84が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送り
ユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)
することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給す
ることができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようにな
っている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図73乃至図80を参照し
て説明する。図73は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図74は、本
体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図75は、賞球ユニットを分解し
て前から見た分解斜視図であり、図76は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視
図である。更に、図77は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットと
の関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図78は、賞球ユニットにおける賞球
装置を分解して後から見た分解斜視図である。図79は、賞球装置における払出通路と払
出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図80は、賞球ユニットにお
ける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホ
ールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した
上で、所定の払出指示に基づいてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞
球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞
球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯
留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留
された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユ
ニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基づいて払出す賞球装置(払
出装置)740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301
へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を
下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えてい
る。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開
口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地
するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板78
4と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユ
ニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための
裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締
結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図74及び図76等を参
照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺
と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレー
ルユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されてお
り、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装
置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接する
ように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベー
ス600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状
に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース7
10は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710
aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えて
いる。本例では、図76に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の
上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース
710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース60
0に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付ける
タンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板
784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部
710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止
部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取
付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を
下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を
取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向
へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴7
17と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また
、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740
等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜
位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図77にも示すように、上
方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部72
1と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)の
みが矩形状に底壁部721よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722にお
ける右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した
排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで
板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部
725と、軸部725の基端付近及び外周壁部722の前側両端に形成され賞球タンク7
20を賞球ベース710におけるタンク取付部711へ取付けるための取付部726と、
を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁
部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タン
ク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜してお
り、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材7
27を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に
軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下
するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット73
0内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をな
らして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タ
ンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユ
ニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニ
ット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で
左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、
平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように
形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク7
20内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口
723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるよ
うになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図77にも示すよ
うに、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備
えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊
技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低く
なるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方
へ開口する排出口731a(図80を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出
した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713
に上側から係止される複数の係止突片731c(図75を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排
出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排
出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側
へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731
cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つま
りタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになって
いる。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回
転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と
、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板
734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出
口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール73
1内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を
備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731b
によって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ
備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部7
34aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット7
34bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球なら
し部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになってお
り、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール
731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿っ
て二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は
、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのも
のであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭く
なるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が
形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるよう
に軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列
歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口723へ流下する時に、二列に整列され
た遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンク
レール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するよう
になっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な
図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由
して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板73
6と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に
取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734
bを通してタンクレール731内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール
731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるの
を停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって
形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができ
るようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730
の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基づいて皿ユニット3
00の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図78乃至図80
等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方
向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース
741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上
下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741a
の下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視
左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741
cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口
する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a
、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状
態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース7
41よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモ
ータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持
板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ74
4と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743
の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に
軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支され
る第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間
741b内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟
んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリ
ット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊
技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球
通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体
748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ
752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板75
3と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ
752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中
継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付
けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転
検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベー
ス741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路7
41a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板74
3を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744
をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱
可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられるこ
とで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741d
の開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給
通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、
タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができ
るようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ
膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供
給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッ
チ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセン
サ取付部741fと、賞球通路741cよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され
払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付け
ることで、球切れスイッチ750の作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するよ
うになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されること
で球切れスイッチ750によって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することがで
きるようになっている。この球切れスイッチ750により供給通路741a内の遊技球が
検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっ
ていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体7
48)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部7
41eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるための
アース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱
支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。
このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を
取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触
することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状の
アース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を
介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっ
ている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態と
されている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742
aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるため
の中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板75
3を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔
742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース7
41のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払
出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ7
44で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図79に示すように、周方向に等間隔で
夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体7
48が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748a
に収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようにな
ってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット
749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、
検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748
の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コ
マンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが
操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿
301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることがで
きるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回
転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合す
る第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するよ
うになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出
盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体74
8及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図79に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体
748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体74
8が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球
通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通
路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で
賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ
744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路
741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体7
48によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後
述する満タン分岐ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース
球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812
、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部
へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によっ
て形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して
本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路
741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に
発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図75、
図76及び図80を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン分岐ユニット
770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット700の賞
球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共
に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300
の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係
止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固
定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770
aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部71
6に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定の
ビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定
することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに
従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方
へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球
受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図
80を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技
球を誘導する通常通路773(図80を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前
方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞
球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する
満タン通路775(図80を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出
し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口
し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、
球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図80を参照)と
、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満
タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、
通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニッ
ト540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになって
おり、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一
球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776
から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って
皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は
、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通する
ように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本
体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された
遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるよう
になっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を
垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通
常通路773内へ流下した遊技球は、通常球出口774からファールカバーユニット54
0の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから
皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球
ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット
540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカ
バーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770
における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、
賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入する
ことができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タ
ン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第
二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット3
00の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されて
おり、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐
ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニッ
ト770を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとな
ると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的
に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンと
なって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊
技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて
遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとな
ると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を
分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊
技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球
が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301にお
ける遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わ
せた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量より
も小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿
301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5
における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域110
0を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチン
コ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませること
ができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを
左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第
一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満
タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。
従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても
、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる
と共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコスト
が増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更
することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコ
ストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるよ
うになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優
先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠
5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口
774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグ
を少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを
抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することが
できるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿
301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減さ
せることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の
遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右
に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入
口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301
と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅
くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保
することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせること
ができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対
応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制する
ことができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐
する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿30
1が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出
口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技
球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量
を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場
合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口774や満タン球出口776から遊
技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞
球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく
満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的
な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留
皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく
、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に
対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複
数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停
留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異な
っていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくな
るのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留
皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タ
ン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内
で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰り
の箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を
高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図81乃至図83を
参照して説明する。図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。
また、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図83
は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係
を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体
枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624
に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700
における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉
鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する
ことができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正
面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないよ
うに取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスラ
イド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向
へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター7
92が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャ
ッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持す
るための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間
で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉
クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791c
と、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シ
ャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置
されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近
に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体
792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライ
ド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャ
ッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩
形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791の
クランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部79
3aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右
方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開
閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸
部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、
駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止
部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッタ
ー792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した
状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770に
おける通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに
回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動する
と同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792
が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠
3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5にお
けるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが
正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになって
おり、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで
、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と
満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793d
と、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除
され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ
回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の
通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790によ
り賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タ
ン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内
に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776
から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図84乃至図90を参照し
て説明する。図84は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図85は、本
体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図86は、基板ユニットを分解し
て前から見た分解斜視図である。更に、図87は、基板ユニットを分解して後から見た分
解斜視図である。また、図88は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作
用を説明する斜視図である。図89(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断
面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解
斜視図である。また、図90(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(
A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後
面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側
後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端
後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側
から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ
840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス8
20の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板
ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス
860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス
820の後面に取付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前
面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左
右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向か
うに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽
壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通し
た開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端
子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付
部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後
面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫
通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後
方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部8
16と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下
部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成
されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止すること
ができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになってい
る。また、基板ユニットベース810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本
体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配
置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板88
2を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部
614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周
辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側
中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板
ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボック
ス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになって
いる。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基
板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボ
ックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容
する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付
けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821
の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口8
22が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の
通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音
の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより
重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユ
ニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822
と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達さ
せることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に
形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備え
ている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電
子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830
aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部81
6と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843とによって形成
される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている
。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発
生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換した
り修理したりすることができるようになっている(図64を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図90にも示すように、発射電源基
板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの
電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ
831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流
を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電
源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831
a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放
熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと
比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される
発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されてい
る。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ83
1aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの
空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁
まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電
源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源
基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容
するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空
間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0
を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための
収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデン
サSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそ
れぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることによ
り、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ
入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をD
C/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコン
バータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ
831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形
成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この
放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないよ
うにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデ
ンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成す
るためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設
られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより
発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる
。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の
交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この
交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたま
まの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイ
ド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発
射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消する
ことができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に
解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊
技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆
動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が
繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技
ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解
コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基
板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解
コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板8
51は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成す
るためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設
られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより
、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。
これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0
と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板83
1を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので
、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行お
うとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技
盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすること
ができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化さ
せる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊
技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることが
できるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発
射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板8
31を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くする
ことができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまった
りするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制
することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC
0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を
通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射
制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換する
ことができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電
解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換
することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新し
い遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4
のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に
楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしている
ので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開
ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換する
ことができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源
基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしている
ので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打
込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させるこ
とができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のも
のをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120
の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射
電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具
合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技
の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じた
り残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に
対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボッ
クス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技
盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙
間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電
源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為
が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機
1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにし
ており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも
後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くす
ることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ
機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源
基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC
0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷
が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発
射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断
時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ
機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中
央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された
下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊
技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841
の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後
側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が
前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容
部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニ
ットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベー
ス810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース6
00における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通し
て基板ユニットベース810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ
流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて
排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側
下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部
816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部84
3とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるように
なっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長
の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を
備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部
品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを
介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図
87に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた
電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側
に取付けられた電源端子853(図85及び図87を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿
って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した
突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス85
0の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと
、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子
853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と
係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないように
なっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図88に示すように、電源基板8
51の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネ
クタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板
ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部
850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子
853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端
子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから
係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接
続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボッ
クス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ
端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られて
も、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード85
4がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、
配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力
が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を
簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突起部
850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライド
しても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード8
54がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外
れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させ
ることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるこ
とができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共
に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで
配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して
行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ボックスホルダ840は、互いに組付けた
状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとな
るように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス8
50の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端
子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ
突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード85
4を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端
子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を
解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ
端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853
に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行
うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させ
るようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり
具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回
避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを
防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを
備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置とな
るので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を
、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コ
ネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止す
ることができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるよ
うにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板85
1の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板85
1を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付
着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば
、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリ、等)に対して触れ難くし
たり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるよ
うになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を
、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源
端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電
源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード
部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発
生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することが
でき、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手
段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折
返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続
を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続
が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との
接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができ
る。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返され
る後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コー
ド854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備
えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを
阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述し
た作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部8
50bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、
立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確
実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返し
た上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せるこ
とが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡
略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放
された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方
が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー
862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図169を参照)と、を備えてい
る。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース
861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数
の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定され
ている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離
切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス86
0を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が
不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために
払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除
スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862
を通して後方へ臨むようになっている(図63を参照)。また、払出制御基板ボックス8
60は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通
して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス82
0の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面
視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベ
ース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872
aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部
871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有す
る接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873bから後方へ臨む
CRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持さ
れるCRユニット接続端子板874と、接続端子板カバー873と共に基板ベース871
の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を
設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と
本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチ
ンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1と
を接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871
、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によ
って形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端
子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー87
5の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設
置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状
態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図89に示すように、基板
取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871
は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定
する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル
中継端子板872の下端を係止する係止爪871cと、を備えており、固定片と係止爪8
71cとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができ
るようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状
に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大き
さとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基
板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔87
1dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板87
4の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871b
の背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基
板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控
えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端
に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ
離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部8
71gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871h
と、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板
874の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付
部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後
壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、
開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出
する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と
当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成され
た鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数
の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口
部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が
開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(
右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片
873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止
孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図
示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも
前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が
開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側から
CRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によって
CRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対
の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制
することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することがで
きるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベ
ース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の
係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱
着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面
側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続する
ためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット3
60等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のC
Rユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係
止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピー
スコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース87
1の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側
面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部87
5aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫
通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板
ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部8
71gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開
閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部
875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出す
る長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873
の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基
板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベー
ス871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続
端子874aをD−subコネクタとしているので、図89に示すように、CRユニット
接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態とな
っており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板
874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端子板8
74の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するよう
に、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図89に示すように、組立てた状態では、
CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部
873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニッ
ト接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと
内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々
存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー87
3と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになってい
る。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓
性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニ
ット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することが
でき、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対す
る不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873
dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CR
ユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙
間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード
部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになって
いる。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基
板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部
875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁87
5cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボ
ックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部8
75aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止し
て隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いもの
とすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の
内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックス
カバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子8
74bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線
コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873
gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端
子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容し
た端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠
2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工
具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接
続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為
を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では
、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバ
ー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、
また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板
カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁87
5cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端
子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり
、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた
不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端
子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CR
ユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子8
74bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子
板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基
板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873d
によって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止
することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に
軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー8
73の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ
基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー8
75を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース8
71に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正
な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー8
73(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為
が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板
ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CR
ユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高め
ることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を
高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライ
バー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを
阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高
いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874のC内部接続端子874bに接続された配線コー
ド側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入す
る不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本
体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875
とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本
体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不
正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を
保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板
874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873
と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニッ
ト接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カ
バー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係
は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端
子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874
の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユ
ニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止する
ことができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板
ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくて
も、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板87
4や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニ
ット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット
接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ
、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を
発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うも
のに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めるこ
とができる。
また、本体枠3の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向
となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2
に対して本体枠3を前側へ回動させて本体枠3の後側が現れると、端子基板ボックス87
0に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態と
なり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすること
ができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本
体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の
払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作
ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及
び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を
備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付ける
ことで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図62及び図64等に示
すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってそ
の前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通
して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの
接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球
ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル
装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518
、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置さ
れる払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子
板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニッ
ト300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニッ
ト400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c
と、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのも
のである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図91乃至図93を参照して説明
する。図91(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠にお
ける裏カバーの背面斜視図である。また、図92は、裏カバーにおける締結機構の部位を
拡大して示す断面図であり、図93は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見
た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており
、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技
盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するもので
ある。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部9
02と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端
に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸
支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々
形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝
780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900
を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図92及び図93等に示すように、裏カバ
ー900の本体部902における下側の係合片908の背面視で左側に前後方向へ貫通し
た円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後
方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止さ
れる係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔
923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側か
ら挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔78
0bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ
部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えてい
る。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成さ
れており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止
口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範
囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材92
4の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924
が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿っ
て左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっ
ている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材92
3の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突
出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された
状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部62
3に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉すること
ができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝71
8,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。な
お、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球
通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結
部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることが
ないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780b
の後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方
へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部
902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材
924が裏カバー900から脱落することなく、本体部902の後側に位置した状態が維
持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔78
0bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔
780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができ
るようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔
780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に
対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部
材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置さ
せることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができ
るようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締
結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結し
たり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメ
ンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた
接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口
部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と
、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切
欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッ
チ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー
900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付け
られた基板管理シール1178(図102を参照)が後側へ臨むようになっていると共に
、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むよう
になっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基
板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行
うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリッ
ト916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本
体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図
示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右
方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カ
バー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保
持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部
4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっ
ており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている
。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を
通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー90
0を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材9
23に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本
体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、
本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本
体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924が
ガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛
失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、
裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1と
することができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止
することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位
置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿通孔921の近
傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延
びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態と
なっていても、締結部材924の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通
して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結
孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従
って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900によ
る防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊
動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるよう
にしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれ
た状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bか
ら抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923
bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができ
る。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を
備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔
921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の
頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができ
るので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を
可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他
の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に
、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ
部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引
っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることがで
き、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する
抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことがで
きるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更
に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締
結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924aを裏カバー締結孔
780bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔
780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における
挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係
止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材9
23の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延
びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923a
が軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923
bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3
の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921
や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くする
ことができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合
溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780
aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900
の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結
部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので
、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくす
ることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述した
ように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係
合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カ
バー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3に
おける遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸
支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支で
きるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊
技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の
裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバ
ー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させること
ができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしている
ので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開
けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏
カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡
略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図67及び図68を参照して
説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体
枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになってい
る。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体95
2と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けら
れる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と
係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下
方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952a
の前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の
隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側
板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952
dと、を備えている(図107を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片9
52b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端
片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面
視左側側部が挿入されるようになっている(図107を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられ
ると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるよう
になっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると
、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金
152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側に
おいて本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止するこ
とができるようになっている(図107を参照)。また、側面防犯板950の本体952
は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に
対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備え
ているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高
めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、側面防
犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5におけ
る補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入
される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持
した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸
支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片
166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された
扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開ける
ような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金
属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と
扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くす
ることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を
支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支
側)の側面防犯板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属
によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させるこ
とができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を
、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー
165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3
との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側が
バール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防
止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、側面防犯板950における側板片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域
1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側板片952aの前後方向の寸法が
長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、側面防犯板95
0全体の強度・剛性をより高めることができ、側面防犯板950が無理やり曲げられて不
正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の側面防犯板950を形成するようにしてい
るので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の側面防犯板950(本体
952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加
するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生
ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い側面防犯板
950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図94乃至図98を参照して
説明する。図94(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠にお
ける錠装置を前から見た斜視図である。また、図95(A)は錠装置の背面斜視図であり
、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠
用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図96は
、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図97は、錠装置におけるガラス扉用
摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図98は、錠装置における不正防止
部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部6
05の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるもので
あり、図69に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(
開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621
と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付
部625と、に取付られるようになっている。
図94乃至図96に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体と
してのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動
杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と
、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001
の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるよう
に折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050
とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸
法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとな
っている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能
となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくするこ
とができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面し
た状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では
、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。こ
れにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動
杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体10
01に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難
い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉
塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な
長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605
と接する側面1001b(図96を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス
止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1
001a(図96を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面10
01a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本
体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース
600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動さ
せると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するように
なっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着するこ
とで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができる
ようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけで
はなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通
穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠
ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるよう
になっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下
の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621
とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取
付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を
本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構
成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000
を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前
側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の
周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス
止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密接する側面1001bから周壁
部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密接する側
面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本
体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部
に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆
1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット100
6を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本
体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図95(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成さ
れたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図95
(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材
1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベッ
ト1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を
下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部100
7と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端
から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、
周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び
逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部10
07は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退す
るようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000
を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方
の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリン
ダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011
に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付
穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス
止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第
一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する
挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止
するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴
を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片
1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本
体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠
取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠
軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合
カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050
の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回
動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とさ
れている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成さ
れた錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成
された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着
することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようにな
っている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032
は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本
体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材
1023,1032は、図96に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止
部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材10
23は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自
在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その
揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆104
0及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によ
って取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1
020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可
能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口10
20とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体10
01の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片10
18とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1
026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面
側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係
合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1
023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図98(B)において時計回転方向)する
ようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字
状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が
突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左
右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。
この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施
錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵
入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができ
るようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ10
35によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防
止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになってい
る。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正
防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定
されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端
部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基
体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第
一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止
部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」
字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴103
6とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不
正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と
合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可
能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ
係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止され
たバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢さ
れるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠
3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に
摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉枠用摺動
杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部
1041を備えている。扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体
1001内に扉枠用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から
前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定し
た時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図64及び図69等を参
照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照
)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示す
るように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇
させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除すること
ができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通
される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉
枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガ
イド突起1043と、を備えている。この扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴104
2は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通される
ようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔し
ないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端
部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆104
0は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フ
ック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになって
おり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するこ
とができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリ
ングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止された
スプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051の
スプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺
動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるよ
うになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当
接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により
打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内
側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040が
ガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合
穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片
1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないよ
うに第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇
係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時
に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合す
るためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部
1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切
欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止
切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔
にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下
フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結
線杆1053と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つ
の金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部
材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上
フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結し
たものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本
体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成
されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリ
ベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動
穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部
1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フッ
ク部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フ
ック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1
002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようにな
っており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040
の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベ
ット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006が
リベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方
へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴
1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突起1043が挿入されるようになっ
ており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内すること
ができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の
他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、
連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック
部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1
001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作におい
てガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって
突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ
貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係
合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、
遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材10
52の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方
の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に
形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック
貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合す
るようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052
のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴
1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット10
06を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端
部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に
向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突
片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050
が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴10
63は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回
動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成す
ることができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は
、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突起1043が挿入されるようになっており、扉
枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるよ
うになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた
下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、
コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するように
なっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガ
タ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を
組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052
とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突起1043
を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿
入すると共に、相互のリベット用長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位
置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部10
54と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通
開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字
状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を
差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,
1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し
込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し
込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。ま
た、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材
1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン
1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン102
8を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状
基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部104
6,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相
互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴103
6とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。
その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分
を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この
時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿
入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018
の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅
かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉
枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フ
ック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600
の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平
方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示
しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に
固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止
突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成
される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周
壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので
、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して
、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができ
るようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図97及び図98を参照して説明
する。図97に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ
扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図97(A)に示すように、外枠
2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止
し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165と
が係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込ん
で係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回
動すると、図97(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1
050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部
材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材10
51も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆
1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引
くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048
の付勢力により上昇した状態(図97(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となってい
るが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制
的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺
傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下
降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状
態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突
片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図97(C)に示すよ
うに、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合
してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇す
る。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1
041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠
3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢
力により下降した状態(図97(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、
扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5
を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフック
カバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フ
ック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用
摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆10
40は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1
001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止
部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3
箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行う
ことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正
具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込ん
だ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に
回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本
例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆10
50のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不
正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第
一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック
機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1
040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図98を参照して説明
する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図98(A)に示すように、外
枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっ
ている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が
反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、スト
ッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆105
0の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている
。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても
、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1
050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放す
るという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図9
8(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片10
17が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の
回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面と
が当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計
回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するよ
うに移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除
された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接
部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させ
て第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1
052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので
、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本
体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突
片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止
部材1032との位置関係は、図98(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。
この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接
部1037とが正面から当接し、最終的に図98(A)に示す状態となる。これにより、
第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔
にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023
と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われ
ないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉
枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上
昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する
不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部
材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも
不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される
場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース6
00)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動
杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体10
01の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し
込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き
下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具
の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっ
ている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約
される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本
体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ
錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置
としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、
本体枠3の側面壁で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強
固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取
付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態
では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフ
ック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状
態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引
き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中
下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し
込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成
されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極め
て簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定すること
ができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造と
して錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴6
11の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、
これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用し
て、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠
貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部を
ビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625と
の固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強
固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050
を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するもの
を示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605
に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接
する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の
側面1001aと本体枠3の側面壁とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆104
0及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と
同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方
向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の
上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する
賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベースの後
壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレール
ユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基づいて扉枠5の上皿301へ
払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置7
40と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニ
ット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを
備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊
技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技
盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検
)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だ
けでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤
保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にド
ライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それら
を外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを
防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるの
で、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられて
いても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共
に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、
不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ
機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので
、パチンコ機1を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側
にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に
維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベー
ス600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース
600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏
カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記し
た作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体
枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に
低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や
裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を
行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けら
れた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、
略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすること
ができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり
当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチン
コ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝
材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ
機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており
、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるの
で、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するこ
とができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で
覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出す
ることができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によっ
て遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発
生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918
を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側
に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するの
を阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができ
る。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図99乃至図106を参照
して説明する。図99は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤
を示す正面図である。また、図100は、遊技盤の正面図であり、図101は、遊技盤を
分解して前から見た分解斜視図であり、図102は、遊技盤を分解して後から見た分解斜
視図である。更に、図103(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表
示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正
面図である。また、図104は、図101等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用い
た遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図105は、図104を後から見た遊
技盤の分解斜視図である。また、図106は、図104の遊技盤における遊技パネルを縦
方向に切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作するこ
とで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされ
た前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端
を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基
板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100
内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基
板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を
表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能
表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図99乃至図106での図示
は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット200
0と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えてい
る(図109乃至図116等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ11
60、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な
構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニ
ット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によ
ってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊
技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4にお
ける前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形
状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域11
00の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方
向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央
上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿っ
て外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで
円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するよう
に正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置
まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レー
ル1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接
可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊
技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と
、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するよ
うに内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動
して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉
鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、
を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図99等に
示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球
発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この
外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広
がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出さ
れた遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下
端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている
。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じ
て外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防
止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1
100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で
外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止
部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで
遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1
113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、
遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール
1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖
位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるように
なっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始
動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった
場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113と
の境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘
導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止
部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レー
ル1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール111
1と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール111
1の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間6
26の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口5
42eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになって
いる。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けら
れており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動
するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配
置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、そ
の衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させるこ
とができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出し
た壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に
沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と
、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉
枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183
と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本
体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域110
0内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、
レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入
されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域
1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に
挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片
182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1
100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方
へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上
下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よ
りも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪ん
だ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延び
た矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の
位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯板950の内側に取付けられた位置
決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視
左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤
止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して
着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止
部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正
面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口
601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時
計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるように
なっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制され
るようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネ
ル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本
体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内
に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した
横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄
りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左
側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。こ
の前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を
従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バ
ンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤
4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外
側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されてい
る。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付
ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起112
7と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホル
ダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側
から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成
部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるよう
になっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レー
ル固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位
置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1
150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって
形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パ
ネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘
導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左
側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠
部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機
能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えて
いる。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1
126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1
110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウ
ト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放さ
れた溝状のアウト球排出溝1156(図102を参照)と、前構成部材1110の遊技盤
止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠
かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構
成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区
画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが
、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列
で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになって
いる。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるように
なっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最
下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材111
0における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方
へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようにな
っている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は
、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、
正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたア
ウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161
へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表
ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)さ
れた遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、
アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3にお
ける基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤
4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチン
コ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数
の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル115
0の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1
126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板
ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビス
を螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることがで
きるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル
1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図102に示すように、後壁部における後面の背面視左
側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部11
63と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固
定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1
160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制
御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御
基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板
ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部
へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子
等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボック
ス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ
1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背
面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾
性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図102等に示すように、弾性固定片1175
を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー11
72との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172
の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(
図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板
カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この
主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御
基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部117
6の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基
板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部11
76を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっ
ている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目
視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられている
ので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。
また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172
とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを
分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにお
いても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正
に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或
いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視
で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようにな
っている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口
が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、R
AMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制
御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお
、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器
を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を
外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して
巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外
に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになってい
る。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユ
ニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成
部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材
1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図103(A)に拡大して示
すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する
遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表
示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊
技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一
特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れに
より抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメン
トLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め
上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果
を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表
示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDか
らなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別
図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186
の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部
2401の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示
器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2401を通過す
ることで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる
普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され
第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パタ
ーンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器
1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙
色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色
と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時短遊技状
態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特
別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一
始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第
一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器11
84は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶
ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点
灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的に
は、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特
別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1
184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ11
84aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第
一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、
本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特
別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二
始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第
二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器11
87は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶
ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点
灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的に
は、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特
別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶ランプ1
187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ11
87aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第
二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、
本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図
柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れによ
り、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメン
トLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメン
トLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を
遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙
色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色
と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2401を遊技球が通過することで抽選され
る普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器118
9による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結
果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表
示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2401
を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記
憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置さ
れた四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとさ
れており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯
させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例
では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDか
らなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備え
ており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示するこ
とができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図103(A)に示すように、遊技盤4をパチン
コ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することがで
きるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第
一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器11
86、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器
1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図169を参照)の
前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端
には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付
けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるように
しているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット30
00に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構
成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するの
を防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット
3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細
構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しな
いので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を
認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図103(B)に示すよう
な形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示
器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したもの
である。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、
夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLE
Dにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、
第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成する
ようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示
される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示
されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりと
なって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画
像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1
200について、図104乃至図106を参照して説明する。なお、図104乃至図10
6における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170
は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態
の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材11
10によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1
110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前
側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネル
ホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干
大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹
脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている
。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも
薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分
に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な
合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の
嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔
1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域110
0よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。
また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合
段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚
の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、
遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ122
0へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている
。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起11
27を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるよ
うになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含
する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚
さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂
)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に
保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側
において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主
に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚
さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面
がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部
1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアラン
スが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化によ
り相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。な
お、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に
形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部122
1の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212
に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223
をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネ
ルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになって
いる。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位
置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳
述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置さ
れており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部122
1の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。
この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさと
されている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221
に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部12
21の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙
間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所
定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板12
10の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220
に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126
を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔12
26に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220
と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図105に示すように、その後面側に、上下方向の中
央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227
が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下
端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で
窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される
裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001a(図115等
を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とす
ることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定する
ことで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止す
ることができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊
技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及
び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228
が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応
するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔12
29は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば
、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出
する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置
決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させ
るようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔12
28を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後
面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネ
ルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図104に示すように、収容凹
部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所
定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネル
ホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される
前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技
球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示
するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成さ
れると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、
箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等
の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技
パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1
220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後
方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共
に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠
部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出
部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって
所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図105を
参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視
右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、
パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するた
めの複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の
遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤
載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、ア
ウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤
4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部122
1内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段
部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させ
ることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一とな
るようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル
板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットする
ことが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるよ
うになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面にお
ける遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設され
るようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また
、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになってい
る。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにし
ているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができ
るようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割
構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量
が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100
の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引
付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割す
るようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する
パネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとする
ことができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を
備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられている
ので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000
等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取
付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に
依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図107及び図1
08を参照して説明する。図107は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分
断面図である。また、図108は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図107に示すように、本体
枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)
の側面に取付けられる金属製の側面防犯板950と、扉枠5における合成樹脂によって形
成された扉枠ベース本体110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによ
って構成されている。
本体枠3の側面防犯板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押
出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法
と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と
遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面
防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状
の側板片952aと、側板片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端
片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側板片952aか
ら前端片952bに沿って延びた中片952cと、側板片952aの後端から略直角方向
内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、側面防犯板950の前端は、
前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形
成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配
置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950
の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好
に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポ
ット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形
成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口し
た断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸
支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度
がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上
下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間
にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して
扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。
これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、側面
防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5にお
ける補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿
入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟
持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開
けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側
に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻
止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、
本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができ
るようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金
属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と
扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難く
することができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、側面防犯板950における側板片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル
1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側板片952aの後端よりも後
側の本体枠ベース600が破壊されても、側板片952aの後端から遊技盤4(遊技パネ
ル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることが
できず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、
図107に示すように、側面防犯板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接し
ているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対
して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技
ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固
定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後
側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能
をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図108に示す
ように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、
賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー90
0が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の
後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくて
も、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4
の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行
われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正
な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させる
ことができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カ
バー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うため
に本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーや
ペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から
簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止すること
ができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させるこ
とができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図109
乃至図116を参照して説明する。図109は遊技パネルを通して見える部分を省略して
示す遊技盤の正面図であり、図110は遊技盤の正面図であり、図111は遊技盤を斜め
右前から見た斜視図であり、図112は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。図11
3は遊技盤を斜め後から見た斜視図である。また、図114は、図109におけるA−A
断面図である。更に、図115は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た
斜視図であり、図116は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図
である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール111
2を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に
「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部
材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ機1へ取付けた時に扉枠
5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット11
80と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技
領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1215(図
115を参照)を有し遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1200と、
を備えている。
本例の遊技パネル1200は、前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域
1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110よりも外形が小さく形成された透
明なパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成
部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。遊技
パネル1200の開口部1215は、透明なパネル板1210に形成されている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1200の開口部1215に対して前側から取付けられ
る表ユニット2000と、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後面に取付け
られる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付
けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1900と、裏ユニットの下部を後側か
ら覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板
ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
本例の遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の下部でアウト口
1151の上側に配置されたアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の
左上側で遊技領域1100の外周に沿って配置されたサイド誘導部材2300と、サイド
誘導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置
されたゲート部材2400と、遊技領域1100の略中央部分に配置された枠状のセンタ
ー役物2500と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けら
れ前側が開放された箱状で後壁3001bに液晶表示装置1900の表示画面が臨む開口
3001cが形成された裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられ枠状の
装飾を有した裏飾りユニット3100と、裏箱3001の前面下部に取付けられ表ユニッ
ト2000からの遊技球を下方へ誘導する球誘導ユニット3200と、裏箱3001内で
開口3001cよりも上側に取付けられ遊技状態に応じて可動する上可動演出ユニット3
300と、裏箱3001内で開口3001cの左右両側に取付けられ遊技状態に応じて可
動する左右可動演出ユニット3400と、裏箱3001内で開口3001cの下側に取付
けられ遊技状態に応じて可動する下可動演出ユニット3600と、下可動演出ユニット3
600と裏箱3001の後壁3001bとの間に配置され下可動演出ユニット3600の
左右両側面を装飾する下部飾り部材3002と、を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱3001には、後壁3001bに前後方向へ貫通
した略矩形状の開口3001cを有しており、この開口3001cから表示画面が前方(
遊技者側)へ臨むように、液晶表示装置1900が裏箱3001の後壁3001bの後側
に脱着可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制
御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010を収容する周辺制御
基板ボックス1910が備えられている。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の表ユニット2000について、図
117及び図118を参照して説明する。図117は遊技盤における表ユニットを前から
見た斜視図であり、図118は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部で
アウト口1151の上側に配置され遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に支
持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左上側に配置され遊
技領域1100の外周から左右方向中央側へ延びたサイド誘導部材2300と、サイド誘
導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置さ
れ遊技パネル1150の前面に支持されるゲート部材2400と、遊技領域1100の略
中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2500と、を
備えている。
この表ユニット2000のアタッカユニット2100には、遊技球が常時受入可能とさ
れた第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置されゲート部材2400に
おけるゲート部2401を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて遊技
球の受入れが可能となる第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第
一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結
果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2103と、大入賞口2103よりも上
側に配置され遊技球を常時受入可能とされた四つの一般入賞口2104と、を備えている
。また、表ユニット2000のゲート部材2400には、遊技球が一つの通過可能なゲー
ト部2401を備えている。
また、表ユニット2000のセンター役物2500には、遊技パネル1200(パネル
板1210)の前面と当接する略枠状のフランジ部2502と、遊技領域1100内を流
下してきた遊技球が枠内へ侵入するのを阻止する周壁部2503と、周壁部2503の所
定位置に開口するワープ入口2504と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ
放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ
転動させた後に遊技領域1100内へ放出して還流させるステージ2510と、が備えら
れている。
更に、表ユニット2000におけるセンター役物2500は、前後方向に貫通し後側に
配置された液晶表示装置1900の表示画面や裏ユニット3000等が透明な遊技パネル
1200を通さずに視認することができる窓部2501と、窓部2501の上枠を形成し
パチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴを備えたセンターロゴ装飾部材2520と、窓部
2501の右枠を形成する右枠装飾部材2530と、を備えている。このセンター役物2
500のセンターロゴ装飾部材2520及び右枠装飾部材2530は、夫々LEDが実装
された装飾基板2523,2532を備えており、遊技状態に応じて発光装飾させること
ができるようになっている。
[2−2.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユ
ニット2100について、図119乃至図121参照して説明する。図119はアタッカ
ユニットを前から見た斜視図であり、図120はアタッカユニットを後から見た斜視図で
ある。また、図121は、アタッカユニットを後下から見た斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネ
ル1200のパネル板1210における左右方向中央の下部に形成された開口部1215
に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に
固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込
まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有している。具体的には、左
右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置さ
れた第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や
第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、大入賞
口2103よりも高い位置に配置された四つの一般入賞口2104と、を備えている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球
が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第
二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配
置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された
状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっ
ている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能
に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させて拡開させることで、第二始
動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2
102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩
形状の開閉部材2106によって開閉可能とされている。この開閉部材2106は、下辺
が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受
入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口21
03を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、大入賞
口2103は、開閉部材2106により可変入賞口となっている。
このアタッカユニット2100は、第一始動口2101の左右方向の幅が遊技球の外形
より若干大きい幅とされ、遊技球が一つずつ受入れられるような大きさ(幅)となってい
る。また、アタッカユニット2100の第二始動口2102は、一対の可動片2105の
上端同士が互いに離反する方向へ回動させて拡開させた時の左右方向の幅が、遊技球の外
形の3倍〜5倍の幅とされている。更に、アタッカユニット2100の大入賞口2103
は、開閉部材2106を開状態とした時の左右方向の幅が、遊技球の外形の5倍〜8倍の
幅とされている。これにより、各入賞口2101,2102,2103が受入可能となっ
た状態では、下側の入賞口ほど遊技球が受入れられ易くなるようになっている。
更に、アタッカユニット2100の四つの一般入賞口2104は、二つが、大入賞口2
103を挟んで左右両側に上方へ開口した状態で配置されており、残りの二つが、大入賞
口2103を挟んで左側に配置された一般入賞口2104よりも更に左斜め上側に互いが
背向するように配置されている。
本例のアタッカユニット2100は、更に詳述すると、遊技パネル1200におけるパ
ネル板1210の前面に取付けられ、遊技領域1100の左右方向中央と対応する位置に
第一始動口2101及び大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口
2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101
の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2
102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、上方に開口した一般入
賞口2104を形成し台板2110における大入賞口2103の左右両側前面に取付けら
れると共に上側及び後側が開放された一対の両サイド受部材2112と、互いに背向した
一般入賞口2104を形成し台板2110における左側の両サイド受部材2112が取付
けられる部位よりも左斜め上の位置に取付けられる左サイド受部材2113と、を備えて
いる。
また、アタッカユニット2100は、台板2110の後側に取付けられ、大入賞口21
03を開閉する開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及
び開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、台板2110の
後側でアタッカ駆動ユニット2120よりも右側に取付けられる右裏カバー2141と、
台板2110の後側でアタッカ駆動ユニット2120よりも左側に取付けられる左裏カバ
ー2142と、を備えている。アタッカユニット2100の右裏カバー2141及び左裏
カバー2142は、後面が平坦面となっており、アタッカユニット2100をパネル板1
210に取付けた状態で、右裏カバー2141及び左裏カバー2142の後面がパネル板
1210の後面と略同一面状となるようになっている。
アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されており
、表面に浅いレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口210
2と対応した位置と左サイド受部材2113が取付けられる位置とに、前後方向へ貫通し
遊技球が通過可能な大きさの開口2110aを有している。また、台板2110は、第一
始動口2101及び一般入賞口2104が形成された位置から後方へ延出し遊技球を誘導
可能な樋部2110bを備えている。
アタッカユニット2100における台板2110の前面に取付けられる中央受部材21
11は、前面にハート型の宝石の外周に小さい宝石を散りばめたようなレリーフが施され
ている。なお、詳細な図示は省略するが、この中央受部材2111は、台板2110にお
ける開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸
部を備えており、これら軸部によって可動片2105を回動可能に軸支することができる
ようになっている。
また、両サイド受部材2112は、前面に円形の宝石の外周を小さい宝石で囲ったよう
なレリーフ状の装飾が施されている。また、左サイド受部材2113は、背向配置された
一般入賞口2104の上側に形成され左右方向へ短く延びると共に右端側が低くなるよう
に傾斜した棚部2113aを備えており、棚部2113a上に落下した遊技球を、遊技領
域1100の左右方向中央側へ誘導することができるようになっている。
更に、アタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動
口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2
121と、始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口
駆動機構ベース2123と、大入賞口2103を閉鎖する開閉部材2106を開閉駆動さ
せるためのアタッカソレノイド2124と、アタッカソレノイド2124を支持すると共
に開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2
110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベー
ス2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第
二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され大入賞
口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2128と、アタッカ駆動機
構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド21
24、第二始動口センサ2127、及びカウントセンサ2128と主制御基板4100と
の接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、図示は省略するが、通電によって進退可能とされると共
にコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有しており、第一始動口210
1の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャが前方へ向かって突出するよう
に始動口駆動機構ベース2123に支持されている。本例のアタッカユニット2100は
、始動口ソレノイド2121へ通電すると、始動口ソレノイド2121のプランジャがコ
イルバネの付勢力に抗して後退し、プランジャの先端と係合した伝達部材を介して一対の
可動片2105の上端同士が互いに離反した方向へ回動するようになっており、第二始動
口2102が開状態となるようなっている。
また、始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支
持することができるように箱状に形成されていると共に、上面に第一始動口2101へ受
入れられて台板2110の樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する
第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成さ
れ第二始動口2102へ受入れられた遊技球を下方へ誘導する第二誘導部(詳細な図示は
省略する)と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカソレノイド2124は、図示は省略す
るが、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、コイ
ルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有している。本例のアタッカユニット
2100は、アタッカソレノイド2124に通電すると、アタッカソレノイド2124の
プランジャが没入し、プランジャの先端に係合された伝達部材を介して開閉部材2106
の上端が相対的に前方へ移動するように回動するようになっており、大入賞口2103が
開状態となるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常
時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲー
ト部材2400において遊技球がゲート部2401を通過することで抽選される普通抽選
結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105
が拡開して受入可能となるようになっている。また、大入賞口2103では、第一始動口
2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選され
る特別抽選結果に応じて(例えば、特別抽選結果が「大当り」の時に)、アタッカソレノ
イド2124が通電駆動されることで開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可
能となるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース21
26の下部に支持され上面に複数のLEDが実装された大入賞口装飾基板を備えており、
大入賞口2103内を発光装飾させることができるようになっている。
このアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び大入賞口2103の右側に
配置された一般入賞口2104へ受入れられた遊技球が、後述する裏ユニット3000の
球誘導ユニット3200における右通路部材3210の始動口通路3211及び中右一般
入賞口通路3212へ送られるようになっている。また、アタッカユニット2100は、
大入賞口2103の左側に配置された一般入賞口2104へ受入れられた遊技球が、後述
する裏ユニット3000の球誘導ユニット3200における左通路部材3220の各一般
入賞口通路3221,3222,3223へ送られるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球
が、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知
された後に下方へ排出されるようになっている。更に、アタッカユニット2100は、大
入賞口2103へ受入れられた遊技球が、カウントセンサ2128により検知された後に
下方へ排出されるようになっている。
本実施形態のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124を、プランジ
ャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、アタッカソレノイド2
124を可及的に開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、アタ
ッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くす
ることができ、アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるよ
うになっている。
[2−3.サイド誘導部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド誘
導部材2300について、主に図117及び図118を参照して説明する。遊技盤4にお
けるサイド誘導部材2300は、遊技パネル1200のパネル板1210における遊技領
域1100内の左右方向中央よりも左側で上下方向中央から下寄りの位置に、遊技領域1
100の外周と接するようにパネル板1210の前面に固定されるものである。
本例のサイド誘導部材2300は、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に
取付けられ左右方向へ延びた板状の当接部2301と、当接部2301の上下方向略中央
から前方に延出し左右方向へ延びると共に右端側が低くなるように傾斜した棚部2302
と、を備えている。このサイド誘導部材2300は、棚部2302により、遊技領域11
00の左端に沿って流下してきた遊技球を右方向へ誘導することができるようになってい
る。また、サイド誘導部材2300は、透光性を有した素材により形成されており、サイ
ド誘導部材2300を通して後側が見えるようになっている。
[2−4.ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材
2400について、主に図117及び図118等を参照して説明する。遊技盤4における
ゲート部材2400は、遊技パネル1200のパネル板1210における左右方向中央よ
りも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部1215に対して、前
側から挿入された上で、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に固定されるも
のである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート部240
1を有しており、このゲート部2401内に配置されたゲートセンサ2402によりゲー
ト部2401を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2400は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが
短く形成されており、遊技パネル1150の前面よりも後側の部分が、遊技パネル115
0の厚さ内に収まるようになっている。つまり、遊技パネル1150の後面からはゲート
センサ2402に接続された配線コードのみが延びだすようになっている。
[2−5.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター
役物2500について、主に図122及び図123を参照して説明する。図122は、セ
ンター役物を前から見た斜視図である。また、図123は、センター役物を後から見た斜
視図である。本例のセンター役物2500は、遊技パネル1200における透明板状のパ
ネル板1210の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1215に対して、前
側から挿入された上で、パネル板1210の前面に固定されるものであり、図示するよう
に、遊技領域1100の大半を占める大きさの枠状で前後方向へ貫通した大きな窓部25
01を備えている。
このセンター役物2500は、上枠外周の形状が、正面視で左右方向の略中央から左側
では、急な角度で直線状に傾斜して所定量下がった上で、更に、左側へ向かうに従って緩
やかに傾斜した複数の段形状とされている。一方、センター役物2500は、上枠におけ
る右側の外周形状が、遊技領域1100の内周に略沿った湾曲形状(円弧形状)とされて
いる。このセンター役物2500は、上枠が遊技領域1100の内周に沿った所定幅の円
弧状に形成されており、上枠内周の形状が、遊技領域1100の左右方向中央が最も高く
なるように円弧状に湾曲した形状とされている。このセンター役物2500の上枠には、
後述するセンターロゴ装飾部材2520が備えられている。
また、センター役物2500は、左枠の外周形状が、下方へ垂下するように形成されて
いると共に、左枠の内周形状が、上下方向の略中央を挟んで上側と下側とが左方向へ窪む
よう湾曲した波形状に形成されている。また、センター役物2500は、右枠の外周形状
が、湾曲状の上部と連続すると共に左枠よりも下方へ延出し遊技領域1100の内周に略
沿った円弧形状とされていると共に、右枠の内周形状が、略半円形状に湾曲した三つの窪
みが上下方向に列設された形状に形成されている。
更に、センター役物2500は、下枠の形状が、左枠の下端から右方向へ向かうに従っ
て低くなると共に、遊技領域1100における左右方向の中央と対応した位置を過ぎると
右方向へ向かうに従って高くなり、そして、左端から右方向へ全体の約3/4の位置から
右枠の下端へ向かって傾斜した形状とされている。
このセンター役物2500は、上枠右側の外周と右枠の外周とが、上述したように、遊
技領域1100の内周に略沿った形状とされており、遊技パネル1200のパネル板12
10に取付けた状態では、センター役物2500の右側の外周に、遊技球の外形よりも若
干大きい隙間が形成されるようになっている。また、センター役物2500は、上枠左側
と左枠と下枠とが上述したような形状とされており、パネル板1210に取付けた状態で
は、センター役物2500の左側の外周に、遊技領域1100の内周との間で所定幅の領
域が形成されるようになっている。
このセンター役物2500は、遊技パネル1150の前面と当接する板状のフランジ部
2502と、フランジ部2502から前方へ膨出し左右方向の略中央を境として遊技領域
1100内を流下してきた遊技球を左右へ誘導すると共に枠内への遊技球の侵入を阻止す
る周壁部2503と、を備えている。また、センター役物2500は、パネル板1210
の前側に位置する周壁部2503の左側の外周面に開口し遊技領域1100を流下する遊
技球が進入可能とされたワープ入口2504(図112を参照)と、ワープ入口2504
に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出
された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1
100内へ放出・還流させ窓部2501の下内縁の下側に配置されたステージ2510と
、を備えている。
このセンター役物2500におけるステージ2510は、ワープ出口2505から放出
された遊技球が供給される第一ステージ2511と、第一ステージ2511よりも下側且
つ前側に配置され第一ステージ2511から遊技球が供給される第二ステージ2512と
、第二ステージ2512よりも下側且つ前側に配置され第二ステージから遊技球が供給さ
れると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第三ステージ2513と、を
備えている。
ステージ2510における第一ステージ2511は、全体的に左右方向の両端が高くな
るような湾曲形状とされていると共に、遊技領域1100の左右方向の略中央と対応する
位置が若干高くなるような波状に形成されており、若干高くなった両側の低くなった部位
(谷部)から遊技球を前側(第二ステージ2512側)へ放出することができるようにな
っている。
また、第二ステージ2512は、第一ステージ2511よりは上下方向の変化が緩やか
に形成されており、左右方向の両端が最も高くなると共に、遊技領域1100の左右方向
中央と対応した位置が若干高くなるような波状に形成されている。この第二ステージ25
12もまた、中央の若干高くなった部位の両側の低くなった部位(谷部)から遊技球を前
側(第三ステージ2513)へ放出することができるようになっている。
更に、第三ステージ2513は、第二ステージ2512よりも更に緩やかで左右両端が
最も高くなると共に遊技領域1100の左右方向中央と対応した位置が最も低くなるよう
な湾曲状に形成されており、最も低くなった中央から前側(遊技領域1100内)へ遊技
球を放出することができるようになっている。
センター役物2500のステージ2510には、第二ステージ2512における遊技領
域1100の左右方向略中央と対応した位置で第一ステージ2511との間に形成された
立壁に前方へ向かって開口し遊技球が進入可能なチャンス入口2514と、チャンス入口
2514へ進入した遊技球が放出され第三ステージ2513の下側でチャンス入口251
4の直下に配置され前方へ向かって開口したチャンス出口2515と、を備えている。こ
のチャンス入口2514へ進入した遊技球は、チャンス出口2515から遊技領域110
0内へ放出されるようになっている。また、このチャンス出口2515は、図109等に
示すように、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されて
おり、チャンス出口2515から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2101へ
受入れられる(入賞する)ようになっている。
このセンター役物2500は、ステージ2510の略全体が透明な部材により形成され
ており、ステージ2510を通して後側に配置された裏ユニット3000の下部飾り部材
3002や下可動演出ユニット3600等が遊技者側から視認することができるようにな
っている。
また、センター役物2500は、窓部2501の上枠を形成すると共に左右方向へ円弧
状に延びパチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴを備えたセンターロゴ装飾部材2520
と、窓部2501の右枠を形成すると共に発光装飾可能とされた右枠装飾部材2530と
、を備えている。
センター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520は、レリーフ状にロゴ(詳細な
図示は省略する)が形成されると共に透光性を有したロゴレンズ2521と、ロゴレンズ
2521の後側に配置され複数のプリズムを備えた拡散レンズ部材(図示は省略)と、拡
散レンズ部材の後側に配置され前面に複数のカラーLEDが実装されたロゴ装飾基板25
23と、ロゴ装飾基板2523の後側を覆うロゴカバー2524と、を備えている。この
センターロゴ装飾部材2520は、ロゴ装飾基板2523のLEDを適宜発光させること
で、ロゴレンズ2521を様々な色で発光装飾させることができるようになっている。ま
た、センターロゴ装飾部材2520は、ロゴカバー2524の後面が、遊技パネル120
0のパネル板1210の後面と略同一面状となるように前後方向の厚さが薄く形成されて
いる。
また、センター役物2500の右枠装飾部材2530は、右枠表面を形成する所定形状
に形成されると共に部分的に透光性を有した表面装飾部材2531と、表面装飾部材25
31の後側に配置され前面に複数のカラーLEDが実装された右枠装飾基板2532と、
右枠装飾基板2532の後側を覆うと共に表面装飾部材2531の後側面を装飾する透光
性を有したカバーレンズ2533と、を備えている。この右枠装飾部材2530の右枠装
飾基板2532は、表面装飾部材2531に形成された三つの略半円形状の窪みと対応す
るように上側から、センター右上装飾基板2532a、センター右中装飾基板2532b
、及びセンター右下装飾基板2532cによって構成されている。
また、右枠装飾部材2530のカバーレンズ2533は、右枠装飾基板2532の三つ
のセンター右上装飾基板2532a、センター右中装飾基板2532b、及びセンター右
下装飾基板2532cと夫々対応した三つの右上カバーレンズ2533a、右中カバーレ
ンズ2533b、及び右下カバーレンズ2533cによって構成されている。
この右枠装飾部材2530は、右枠装飾基板2532に実装されたLEDを適宜発光さ
せることで、表面装飾部材2531やカバーレンズ2533を発光装飾させることができ
るようになっていると共に、各装飾基板2532a,2532b,2532cのLEDを
夫々適宜発光させることで、三つの略半円形状の窪みを夫々独立して発光装飾させること
ができるようになっている。
[2−6.裏ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000について、
図124乃至図127を参照して説明する。図124は遊技盤における裏ユニットを前か
ら見た斜視図であり、図125は遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。
また、図126は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図127は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放され
た箱状で後壁3001bに液晶表示装置1900の表示画面が臨む開口3001cが形成
された裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられると共に前面にレリーフ
状の装飾が施され枠状に形成された裏飾りユニット3100と、裏飾りユニット3100
の下部に取付けられ表ユニット2000における第一始動口2101及び一般入賞口21
04に受入れられた遊技球を下方の所定位置へ誘導する球誘導ユニット3200と、裏箱
3001内で開口3001cよりも上側に取付けられ遊技状態に応じて可動する上可動演
出ユニット3300と、裏箱3001内で開口3001cの左右両側に取付けられ遊技状
態に応じて可動する左右可動演出ユニット3400と、裏箱3001内で開口3001c
の下側に取付けられ遊技状態に応じて可動する下可動演出ユニット3600と、下可動演
出ユニット3600と裏箱3001の後壁3001bとの間に配置され下可動演出ユニッ
ト3600の左右両側面を装飾する下部飾り部材3002と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後壁3001bの後面に、背面視で左下
隅に取付けられ主制御基板4100と表ユニット2000のカウントセンサ2128等と
の接続を中継するパネル中継基板3012を備えている。
更に、裏ユニット3000は、パネル中継基板3012の背面視で右側に配置され表ユ
ニット2000におけるアタッカユニット2100の大入賞口装飾基板(図示は省略)、
センター役物2500の右枠装飾基板2532、裏ユニット3000における裏飾りユニ
ット3100の左裏装飾基板3112及び右裏装飾基板3122、下可動演出ユニット3
600の昇降ソレノイド3613、昇降装飾体装飾基板3621、ステージ下右装飾基板
3661、及びステージ下左装飾基板3662と、液晶表示装置1900の後側に取付け
られる周辺制御基板4010(図169を参照)との接続を中継する下部中継基板301
4と、下部中継基板3014の後側を覆うと共に裏箱3001の後面に取付けられる下部
中継基板カバー3015と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの上側に配置され
表ユニット2000におけるセンター役物2500のロゴ装飾基板2523、裏ユニット
3000における裏飾りユニット3100の上裏装飾基板3132、上可動演出ユニット
3300のキャラクタ体駆動モータ3315、上可動体下装飾基板3318、回転検知セ
ンサ3320、上可動体背面中央装飾基板3334、上可動体背面サイド装飾基板333
5、昇降駆動モータ3361、及び昇降検知センサ3368と、周辺制御基板4010と
の接続を中継する上部中継基板3016と、上部中継基板3016の後側を覆うと共に裏
箱3001の後面に取付けられる上部中継基板カバー3017と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの背面視左側(正
面視右側)に配置され裏ユニット3000の左右可動演出ユニット3400における右ユ
ニット3400Rの回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知セ
ンサ3426、ベース装飾基板3428、スライド駆動モータ3525,3535,35
45、及び位置検知センサ3526,3536,3546と、周辺制御基板4010との
接続を中継する右部中継基板3018と、右部中継基板3018の後側を覆うと共に裏箱
3001の後側に取付けられる右部中継基板カバー3019と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの背面視右側(正
面視左側)に配置され裏ユニット3000の左右可動演出ユニット3400における左ユ
ニット3400Lの回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知セ
ンサ3426、ベース装飾基板3428、スライド駆動モータ3565,3575,35
85、及び位置検知センサ3566,3576,3586と、周辺制御基板4010との
接続を中継する左部中継基板3020と、左部中継基板3020の後側を覆うと共に裏箱
3001の後側に取付けられる左部中継基板カバー3021と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後側で、開口3001cの上側の左右方
向略中央と、背面視で開口3001cの左側の上下方向略中央とに夫々取付けられ、裏箱
3001の後面に液晶表示装置1900を脱着可能に保持するためのロック部材3022
を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱3001は、後壁3001bの前後の適宜位置に
、下飾り部材3002、裏飾りユニット3100、球誘導ユニット3200、上可動演出
ユニット3300、左右可動演出ユニット3400、下可動演出ユニット3600、パネ
ル中継基板3012、下部中継基板カバー3015、上部中継基板カバー3017、右部
中継基板カバー3019、及び左部中継基板カバー3021等を取付けるための取付孔や
取付ボスを備えている。
また、裏箱3001は、前端から外方へ延出したフランジ状の固定部3001aを備え
ており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようにな
っている。また、裏箱3001は、図125等に示すように、後壁3001bの後面側に
開口3001cを含む開口3001cの外周全体が前側へ浅く段状に凹み液晶表示装置1
900を挿入可能とされた取付段部3001dと、取付段部3001dの底部及び背面視
で右部に形成され液晶表示装置1900の下面及び側面(正面視で左側面)から下方へ延
出した一対の固定片1902が挿入される取付凹部3001eと、を備えている。
[2−7.裏飾りユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏飾りユニット3100について、主に図128
及び図129を参照して説明する。図128は、遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニ
ットを前から見た斜視図である。また、図129は、遊技盤の裏ユニットにおける裏飾り
ユニットを後から見た斜視図である。本例の裏飾りユニット3100は、前側が開放され
た箱状の裏箱3001の前面開口を閉鎖するように裏箱3001内の前端に取付けられる
ものである。この裏飾りユニット3100は、正面視で裏箱3001の左辺に沿って配置
される左裏飾りユニット3110と、裏箱3001の右辺に沿って配置される右裏飾りユ
ニット3120と、左裏飾りユニット3110と右裏飾りユニット3120との間で裏箱
3001の上辺に沿って配置される上裏飾りユニット3130と、左裏飾りユニット31
10と右裏飾りユニット3120との間で裏箱3001の下辺に沿って配置される下裏飾
りユニット3140と、を備えている。
裏飾りユニット3100における左裏飾りユニット3110は、表面にレリーフ状の装
飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された左裏飾り部材3111と
、左裏飾り部材3111の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された左裏装飾基板
3112と、左裏装飾基板3112の後側に配置され左裏飾り部材3111及び左裏装飾
基板3112を支持すると共に裏箱3001内の前端左側に取付けられる透明な左裏飾り
ベース3113と、を備えている。
左裏飾りユニット3110の左裏飾り部材3111は、正面視左端の形状が遊技領域1
100の内周形状に略沿った円弧形状とされていると共に、右端の形状が略半円形状に左
方へ窪んだ三つの部位が上下方向に列設された波形状とされており、左端の三つの略半円
形状の部位が夫々後述する左右可動演出ユニット3400における左ユニット3400L
に備えられた回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aの回転ヘッド3415と対
応した形状となっている。
また、左裏飾りユニット3110の左裏装飾基板3112は、左裏飾り部材3111の
三つの略半円形状における最も窪んだ位置の外周左側に夫々配置される裏外周左上装飾基
板3112a、裏外周左中装飾基板3112b、及び裏外周左下装飾基板3112cを備
えており、左裏飾り部材3111における略半円形に窪んだ三つの周縁を夫々独立して発
光装飾させることができるようになっている。また、左裏装飾基板3112は、左裏飾り
部材3111における略半円形状に窪んだ三つの部位の間を発光装飾させる裏上左装飾基
板3112d、裏左上装飾基板3112e、裏左下装飾基板3112f、及び裏下左装飾
基板3112gを備えている。
裏飾りユニット3100における右裏飾りユニット3120は、表面にレリーフ状の装
飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された右裏飾り部材3121と
、右裏飾り部材3121の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された右裏装飾基板
3122と、右裏装飾基板3122の後側に配置され右裏飾り部材3121及び右裏装飾
基板3122を支持すると共に裏箱3001内の前端右側に取付けられる右裏飾りベース
3123と、を備えている。
右裏飾りユニット3120の右裏飾り部材3121は、正面視で右方向へ略半円形状に
窪んだ三つの部位を上下方向へ列設した形状を備えており、三つの略半円形状の部位が夫
々後述する左右可動演出ユニット3400における右ユニット3400Rに備えられた回
転体ユニット3410の回転ヘッド3415と対応した形状となっている。また、右裏飾
りユニット3120の右裏装飾基板3122は、右裏飾り部材3121における略半円形
状に窪んだ三つの部位の間を発光装飾させる裏上右装飾基板3122a、裏右中装飾基板
3122b、及び裏右下装飾基板3122cを備えている。
裏飾りユニット3100における上裏飾りユニット3130は、表面にレリーフ状の装
飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された上裏飾り部材3131と
、上裏飾り部材3131の後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装された上裏装飾基
板3132と、を備えている。上裏飾りユニット3130の上裏飾り部材3131は、上
端が遊技領域1100の内周形状に略沿った円弧形状とされていると共に、下端がM字状
に緩く湾曲した波形状とされており、下端の形状が左裏飾りユニット3110における左
裏飾り部材3111の右端の形状と右裏飾りユニット3120における右裏飾り部材31
21の左端の形状と連続するような形状となっている。
また、上裏飾りユニット3130の上裏装飾基板3132は、上裏飾り部材3131に
おける波形状に形成された下端と沿うように配置されており、裏外周上左装飾基板313
2aと裏外周上右装飾基板3132bとを備えている。この上裏装飾基板3132は、上
裏飾り部材3131の後側に取付けられており、前面に実装されたLEDを適宜発光させ
ることで上裏飾り部材3131の波状に形成された下端縁を発光装飾させることができる
ようになっている。
この上裏飾りユニット3130は、左右両端が夫々左裏飾りユニット3110及び右裏
飾りユニット3120の上端に取付けられるようになっている。
裏飾りユニット3100における下裏飾りユニット3140は、表ユニット2000に
おけるアタッカユニット2100の第一始動口2101及び第二始動口2102の後側外
周を囲うように上方へ膨出した略半円形状の下裏飾り部材3141と、下裏飾り部材31
41を後側から支持する下裏飾りベース3142と、を備えている。下飾りユニット31
40の下飾り部材3141は、表面に円を基調としたレリーフ状の装飾が形成されている
と共に部分的に透光性を有するように形成されている。また、下裏飾りベース3142は
、下裏飾り部材3141よりも左右方向へ延出すると共に透明な部材で形成されており、
表面に多角錐状に形成された複数のレンズ部を備えている。
本例の裏飾りユニット3100は、前面側が遊技パネル1200の透明なパネル板12
10やセンター役物2500の窓部2501を通して視認できるようになっており、遊技
パネル1200の後側を装飾することができるようになっている。また、裏飾りユニット
3100は、左裏飾りユニット3110、右裏飾りユニット3120、上裏飾りユニット
3130、及び下裏飾りユニット3140によって枠状に形成されており、枠内を通して
後側に配置される上可動演出ユニット、右可動演出ユニット、左可動演出ユニット、下可
動演出ユニット、及び液晶表示装置1900等が視認できるようになっている。
[2−8.球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における球誘導ユニット3200について、主に図130
を参照して説明する。図130(a)は遊技盤の裏ユニットにおける球誘導ユニットを前
から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後から見た斜視図である。本例の球誘
導ユニット3200は、裏ユニット3000における裏箱3001内の前面付近で左右方
向中央下部に配置され、アタッカユニット2100の第一始動口2101及び一般入賞口
2104に受入れられた遊技球を下方へ誘導するものである。この球誘導ユニット320
0は、遊技領域1100の左右方向中央に対して右側に配置される右通路部材3210と
、左側に配置される左通路部材3220と、を備えている。
球誘導ユニット3200の右通路部材3210は、アタッカユニット2100の第一始
動口2101に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下
方へ誘導する始動口通路3211と、始動口通路3211と隣接して形成されアタッカユ
ニット2100における大入賞口2103の右側に配置された一般入賞口2104に受入
れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中右一
般入賞口通路3212と、を備えている。
また、球誘導ユニット3200の左通路部材3220は、アタッカユニット2100に
おける大入賞口2103の左側で、大入賞口2103の右側に配置された一般入賞口21
04と略対称位置に配置された一般入賞口2104に受入れられて樋部2110bにより
後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中左一般入賞口通路3221と、アタ
ッカユニット2100における互いに背向配置された一般入賞口2104の右側の一般入
賞口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って中
左一般入賞口通路3221の下部へ誘導するサイド右一般入賞口通路3222と、アタッ
カユニット2100における互いに背向配置された一般入賞口2104の左側の一般入賞
口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って中左
一般入賞口通路3221の下部へ誘導するサイド左一般入賞口通路3223と、を備えて
いる。
これら右通路部材3210及び左通路部材3220によって下方へ誘導された遊技球は
、基板ホルダ1160の底壁部上に排出され、基板ホルダ1160のアウト球排出部11
61から遊技盤4の下方へ排出されるようになっている。
また、本例の球誘導ユニット3200は、右通路部材3210の所定位置に取付けられ
始動口通路3211内を流通する遊技球を検知する第一始動口センサ3231と、右通路
部材3210及び左通路部材3220の所定位置に夫々取付けられ一般入賞口2104に
受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3232と、を備えている。一般入賞口
センサ3232は、中右一般入賞口通路3212、中左一般入賞口通路3221、サイド
右一般入賞口通路3222、及びサイド左一般入賞口通路3223に対して夫々一つずつ
備えられており、何れの一般入賞口2104に入賞した遊技球であるのかが判別できるよ
うになっている。なお、中左一般入賞口通路3221に備えられた一般入賞口センサ32
32は、サイド右一般入賞口通路3222及びサイド左一般入賞口通路3223が合流し
た位置よりも下流側に配置されており、サイド右一般入賞口通路3222及びサイド左一
般入賞口通路3223を流通する遊技球は二つの一般入賞口センサ3232で検知される
ようになっている。
[2−9.上可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における上可動演出ユニット3300について、主に図13
1乃至図141を参照して説明する。図131(a)は遊技盤の裏ユニットにおける上可
動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上可動演出ユニットを後から見た斜
視図である。また、図132は上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに
分解して前から見た分解斜視図であり、図133は上可動演出ユニットを上可動ユニット
と昇降ユニットとに分解して後から見た分解斜視図である。また、図134は上可動演出
ユニットの上可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図135は上可動ユ
ニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図136(a)は上可動演出ユニ
ットにおける上可動ユニットの平面図であり、(b)は上可動ユニットの正面図であり、
(c)はフィギュアを回転させた状態で示す上可動ユニットの正面図である。
また、図137は上可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して前から見た分解斜視図
であり、図138は昇降ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図13
9は、上可動演出ユニットにおける昇降機構の要部を後から示す斜視図である。更に、図
140は上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの昇降を説明するための正面図であ
り、図141は上可動ユニットの昇降を説明するための背面図である。
裏ユニット3000における上可動演出ユニット3300は、裏箱3001内の開口3
001cよりも上側で左右方向の略中央に取付けられるものであり、遊技盤4を組立てた
状態でセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置するようにな
っている。この上可動演出ユニット3300は、左右方向に離間して配置された一対のキ
ャラクタ体3311を有する上可動ユニット3310と、上可動ユニット3310を昇降
させる昇降ユニット3350と、を備えている。
上可動演出ユニット3300の上可動ユニット3310は、図134及び図135等に
示すように、円盤状の台座部3311a、及び台座部3311a上に取付けられパチンコ
機1のコンセプトに沿ったキャラクタを模したフィギュア3311bを有し左右方向へ離
間して配置される一対のキャラクタ体3311と、各キャラクタ体3311における台座
部3311aの下端に接続される平歯車状の一対の回転ギア3312と、一対の回転ギア
3312同士の間に配置されると共に正面視右側の回転ギア3312と噛合する中間ギア
3313と、中間ギア3313と左側の回転ギア3312とに噛合すると共に中間ギア3
313と同径とされた駆動ギア3314と、駆動ギア3314を回転駆動させるキャラク
タ体駆動モータ3315と、キャラクタ体駆動モータ3315を下面に支持すると共に回
転ギア3312、中間ギア3313及び駆動ギア3314を上面側で回転可能に支持し上
部が開放された浅い皿状のキャラクタベース3316と、を備えている。
左右に離間して配置される一対のキャラクタ体3311は、互いに異なるキャラクタの
フィギュア3311bとされているが、フィギュア3311bのポーズは略同じポーズに
形成されている。また、左側の回転ギア3312は、下端から回転軸に対して直角方向へ
延出し周方向の一部が切欠かれた板状の検知片3312aを備えている。更に、キャラク
タベース3316は、回転ギア3312が配置される部位に回転ギア3312よりも小径
で上下方向に貫通した支持孔3316aが形成されている。
また、上可動ユニット3310は、キャラクタベース3316の開放された上部を覆う
と共にキャラクタ体3311の台座部3311aが通過可能な貫通孔3317aを有し、
上面にレリーフ状の装飾が形成された一部が透光性を有する装飾板3317と、キャラク
タベース3316の下面に取付けられ上面及び下面に複数のLEDが実装された上可動体
下装飾基板3318と、上可動体下装飾基板3318の下側を覆いキャラクタベース33
16の下面に取付けられる透光性を有したキャラクタベースカバー3319と、を備えて
いる。
また、上可動ユニット3310は、キャラクタベースカバー3319よりも上側でキャ
ラクタベース3316の下面に取付けられ正面視左側の回転ギア3312における検知片
3312aを検知する回転検知センサ3320と、キャラクタベース3316の下側から
支持孔3316aを通して回転ギア3312の下面に取付けられる円盤状の回転押え33
21と、を備えている。回転検知センサ3320は、左側の回転ギア3312における検
知片3312aに形成された切欠きを検知することで回転ギア3312、つまり、キャラ
クタ体3311の回転位置を検知することができるようになっている。
上可動ユニット3310の回転押え3321は、キャラクタベース3316の支持孔3
316aを通して回転ギア3312の下面に取付けることで、回転ギア3312と回転押
え3321とによってキャラクタベース3316を挟んだ状態とすることができるように
なっている。これにより、支持孔3316aがガイドとなって、回転ギア3312がキャ
ラクタベース3316に対して回転可能に支持された状態となると共に、回転ギア331
2がキャラクタベース3316の面に沿って回転することができ、回転ギア3312の上
下方向へ延びた回転軸が傾くのを防止することができるようになっている。つまり、キャ
ラクタ体3311が傾くのを防止することができるようになっている。
更に、上可動ユニット3310は、キャラクタベース3316の後端に取付けられ一対
のキャラクタ体3311の背景を形成する背面装飾部材3330を備えている。この上可
動ユニット3310における背面装飾部材3330は、装飾板3317よりも上側で一対
のキャラクタ体3311の後側(背景)を装飾しハート型のレリーフが形成されると共に
透光性を有した背面中央飾り部材3331と、背面中央飾り部材3331の左右両側に配
置され星型の装飾を複数有した背面サイド飾り部材3332と、背面サイド飾り部材33
32及び背面中央飾り部材3331を夫々支持する背面フレーム3333と、背面中央飾
り部材3331の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された上可動体背面中央装飾
基板3334と、背面サイド装飾部材3332の後側に配置されると共に背面フレーム3
333に支持され前面に複数のLEDが実装された上可動体背面サイド装飾基板3335
と、上可動体背面中央装飾基板3334の後側に配置されると共に背面中央飾り部材33
31、背面フレーム3333、及びキャラクタベース3316の後端を支持する背面ベー
ス3336と、を備えている。
背面装飾部材3330の上可動体背面中央装飾基板3334は、図134に示すように
、背面中央飾り部材3331の下端よりも下方へ延出しており、キャラクタベース331
6の下側に取付けられるキャラクタベースカバー3319の後側まで延出した形態とされ
ている。この上可動体背面中央装飾基板3334は、キャラクタベースカバー3319の
後側まで延出した部位の前面にも複数のLEDが実装されており、キャラクタベースカバ
ー3319も発光装飾させることができるようになっている。
本例の上可動演出ユニット3300における上可動ユニット3310は、回転検知セン
サ3320が回転ギア3312における検知片3312aの切欠部を検知した状態では、
左右に離間して配置された一対のキャラクタ体3311のフィギュア3311bが、夫々
正面を向いた状態となるようになっている(図136(b)等を参照)。この上可動ユニ
ット3310は、キャラクタ体駆動モータ3315によって駆動ギア3314を回転駆動
させると、駆動ギア3314と噛合した左側の回転ギア3312と中間ギア3313が、
駆動ギア3314とは夫々逆方向に回転すると共に、更に中間ギア3313と噛合した右
側の回転ギア3312が駆動ギア3314と同じ方向へ回転することとなる。なお、本例
では駆動ギア3314と中間ギア3313とが同じ径とされているので、左右の回転ギア
3312は、夫々異なる方向へ同じ速度で回転することとなる。
これにより、左右に離間して配置された一対の回転ギア3312に夫々取付けられたキ
ャラクタ体3311は、上下方向へ延びた軸周りに夫々異なる方向へ回転することができ
るようになっている。従って、一対のキャラクタ体3311(フィギュア3311b)を
、正面以外の方向に向けることができ、多彩な可動演出を行うことができるようになって
いる(図136(c)を参照)。
一方、上可動演出ユニット3300における昇降ユニット3350は、図137乃至図
139等に示すように、裏箱3001内に取付けられ左右方向へ延び前側が開放された浅
い箱状のユニットベース3351と、ユニットベース3351の前面で左右方向中央より
も左側の位置に上端及び下端が支持され上下方向へ延びた長尺状のスライドロッド335
2と、スライドロッド3352によって上下方向へスライド可能に支持されるスライド部
材3353と、スライド部材3353の前端に上端左側が取付けられ略矩形状に上下方向
へ板状に延び前面に上可動ユニット3310が取付けられる昇降スライダ3354と、昇
降スライダ3354の左右両側面と当接すると共に昇降スライダ3354が前後方向へ移
動するのを規制しユニットベース3351の前面下部に回転可能に支持されるガイドロー
ラ3355と、ユニットベース3351の前面における昇降スライダ3354を挟んでス
ライドロッド3352とは反対側の位置に取付けられ上下方向へ延びると共に昇降スライ
ダ3354の上端右側が前後方向へ移動するのを規制するスライドガイド3356と、ス
ライドガイド3356よりも右側でユニットベース3351の前面に取付けられスライド
部材3353を介してスライドロッド3352により上下方向へスライド可能に支持され
た昇降スライダ3354を昇降させる昇降機構3360と、を備えている。
昇降ユニット3350のユニットベース3351は、図示するように、左右方向の略中
央に上下方向へ延びると共に前後方向に貫通した長孔状の案内溝3351aが形成されて
おり、この案内溝3351aを挟んで左側にスライドロッド3352、右側にスライドガ
イド3356が取付けられるようになっている。また、ユニットベース3351は、案内
溝3351aの下端の左右両側に前方へ突出した一対のローラ支持ピン3351bを備え
ており、これらローラ支持ピン3351bにガイドローラ3355を挿入することでガイ
ドローラ3355を回転可能に支持することができるようになっている。
また、ユニットベース3351は、スライドガイド3356が取付けられる位置よりも
右側の位置から前方へ突出し後述する昇降機構3360の昇降アーム3365を回動可能
に支持するアーム支持ピン3351cを備えている。また、ユニットベース3351は、
スライドロッド3352が取付けられる位置よりも左側の位置に前後方向へ貫通した矩形
状の開口3351dが形成されており、この開口3351dを通して上可動ユニット33
10に備えられたキャラクタ体駆動モータ3315、回転検知センサ3320、及び各装
飾基板3318,3334,3335と、上部中継基板3016とを接続するための配線
部材3357がユニットベース3351の後側へ延びだすようになっている。なお、本例
では、配線部材3357がフレキシブルフラットケーブルとされている。
昇降ユニット3350の昇降スライダ3354は、矩形状に上下方向へ延びた本体部3
354aと、本体部3354aの上端から正面視左方向へ延出した取付片3354bと、
本体部3354aの上端から右方向へ延出した板状の延出片3354cと、本体部335
4aの上端で左右方向中央部に形成され前後方向へ貫通した連結孔3354dと、を備え
ている。この昇降スライダ3354は、取付片3354bがスライド部材3353の前端
に取付けられるようになっており、延出片3354cがスライドガイド3356のスリッ
ト3356a内に挿入されるようになっている。また、昇降スライダ3354の連結孔3
354dには、後述する昇降機構3360の連結軸3366が挿入されるようになってい
る。なお、昇降スライダ3354には、本体部3354aに上可動ユニット3310の背
面ベース3336を取付けるための取付孔が適宜位置に形成されている。
昇降ユニット3350のガイドローラ3355は、前後方向へ短く延びた円筒状で前端
に軸直角方向外方へ延出したフランジを有する前ローラ3355aと、前ローラ3355
aの後側に配置され前後方向へ短く延びた円筒状で後端に軸直角方向外方へ延出したフラ
ンジを有する後ローラ3355bと、を備えている。このガイドローラ3355は、ユニ
ットベース3351のローラ支持ピン3351bに挿入することで、回転可能に支持され
るようになっており、前ローラ3355a及び後ローラ3355bの円筒状の部位が昇降
スライダ3354における本体部3354aの側面と接触するようになっている。
また、ガイドローラ3355は、前ローラ3355aのフランジを昇降スライダ335
4の前側に位置させると共に、後ローラ3355bのフランジを昇降スライダ3354の
後側に位置させるようにローラ支持ピン3351bに挿入することで、前ローラ3355
aと後ローラ3355bのフランジで昇降スライダ3354の本体部3354aを前後方
向に挟むことができ、昇降スライダ3354が前後方向へ移動するのを規制することがで
きるようになっている。従って、昇降スライダ3354における本体部3354aを挟ん
で左右両側に配置されたガイドローラ3355によって、昇降スライダ3354の本体部
3354aが前後方向へ移動するのを規制しつつ上下方向へスムーズに案内することがで
きるようになっている。
昇降ユニット3350のスライドガイド3356は、平面視の形状が左右方向中央から
左側が右側よりも前方に位置したクランク状に形成されており、左右方向中央に前後方向
へ延びると共に左右方向へ貫通したスリット3356aを備えている。このスライドガイ
ド3356は、スリット3356a内に昇降スライダ3354の延出片3354cが左側
から挿入されるようになっており、延出片3354cが上下方向へ移動することができる
と共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
昇降ユニット3350の昇降機構3360は、回転軸が後方へ延びた昇降駆動モータ3
361と、昇降駆動モータ3361によって回転駆動させられる平歯車状の駆動ギア33
62と、駆動ギア3362と噛合する第一伝達ギア3363a、及び第一伝達ギア336
3aの後側で同軸上に一体回転し第一伝達ギア3363aよりも小径の第二伝達ギアを有
した減速ギア3363と、減速ギア3363の第二伝達ギア3363bと噛合し第一伝達
ギア3363aと略同径の第三伝達ギア3364a、及び第三伝達ギア3364aの回転
軸に対して偏芯した位置から軸方向と平行に後方へ突出するリンクピン3364bを有し
たカムリンクギア3364と、カムリンクギア3364よりも後側に配置されユニットベ
ース3351に軸支される基端部3365a、及び基端部3365aと一体的に形成され
ると共に回動軸に対して離れた位置に形成され昇降スライダ3354と連結するための連
結部3365bを有し、カムリンクギア3364のリンクピン3364bの公転によって
回動可能とされた棹状の昇降アーム3365と、昇降アーム3365の連結部3365b
に支持され昇降スライダ3354の連結孔3354dに挿入される棒状の連結軸3366
と、を備えている。
この昇降機構3360は、正面視でユニットベース3351の前面側の右端付近に配置
されており、駆動ギア3362、減速ギア3363、及びカムリンクギア3364が右か
ら左方向へ並んで配置されている。
昇降機構3360の昇降アーム3365は、ユニットベース3351のアーム支持ピン
3351cが挿通される支持孔を有した基端部3365aと、基端部3365aから支持
孔(回動軸)の軸心に対して直角方向へ離れた位置に配置された連結部3365bと、連
結部3365bと基端部3365aとを結ぶアーム部3365cと、アーム部3365c
よりも短く基端部3365aからアーム部3365cとは異なる方向へ延びた延出部33
65dと、延出部3365dの先端に形成されカムリンクギア3364のリンクピン33
64bと接続される接続部3365eと、アーム部3365cの途中から外方へ延出する
板状の検知片3365fと、を備えている。
この昇降アーム3365は、図示するように、基端部3365aからアーム部3365
cがユニットベース3351に対して左右方向の中央側へ延びだしていると共に、延出部
3365dがユニットベース3351に対して右端側へ延びだしており、正面視が略L字
状に形成されている。また、昇降アーム3365は、連結部3365bと接続部3365
eが、基端部3365aの軸心に対して直角方向へ延びると共に前後方向へ貫通した長孔
状に形成されており、夫々に連結軸3366とカムリンクギア3364のリンクピン33
64bが摺動可能に挿入されるようになっている。
また、昇降機構3360は、ユニットベース3351の案内溝3351aによって上下
方向へ案内されると共に昇降アーム3365における長孔状の連結部3365b内を摺動
可能とされ連結軸3366の後端を支持する連結摺動部材3367と、ユニットベース3
351の前面に取付けられ昇降アーム3365の検知片3365fを検知することで昇降
アーム3365の回動位置を検知する昇降検知センサ3368と、昇降アーム3365の
前側に配置されると共にユニットベース3351の前面に取付けられ駆動ギア3362、
減速ギア3363、及びカムリンクギア3364の後側を被覆するギアカバー3369と
、ギアカバー3369の前面に取付けられると共に駆動ギア3362、減速ギア3363
、及びカムリンクギア3364の前側を覆い前面に昇降駆動モータ3361が取付けられ
るモータホルダ3370と、を更に備えている。
昇降機構3360のギアカバー3369及びモータホルダ3370は、互いに協働して
減速ギア3363とカムリンクギア3364を回転可能に支持している。また、ギアカバ
ー369には、カムリンクギア3364のリンクピン3364bが通過可能な半円弧状の
スリット3369aを備えており、スリット3369aを通してリンクピン3364bが
後側に配置された昇降アーム3365の長孔状の接続部3365e内に挿入されるように
なっている。なお、図中の符号3371は、連結軸3366が挿入され昇降スライダ33
54と昇降アーム3365との間の摺動抵抗を低減させるためのワッシャである。
続いて、本例の上可動演出ユニット3300における上可動ユニット3310の昇降に
ついて主に図140及び図141を参照して説明する。この上可動演出ユニット3300
は、昇降ユニット3350における昇降アーム3365の連結部3365bが、昇降アー
ム3365の回動軸(基端部3365a)よりも正面視左側に位置しており、連結部33
65b及び昇降スライダ3354を介して昇降アーム3365に作用する上可動ユニット
3310の荷重によって、昇降アーム3365には連結部3365bが下方へ移動する方
向へ回動する力(モーメント)が常に作用するようになっている。
この上可動演出ユニット3300は、図109等に示すように、通常の状態では上可動
ユニット3310が上昇した退避位置に位置しており、この状態では、上可動ユニット3
310のキャラクタベースカバー3319を除いてセンター役物2500のセンターロゴ
装飾部材2520の後側に位置することとなり、キャラクタ体3311や背面装飾部材3
330等が遊技者から見えないようになっている。
上可動演出ユニット3300は、上可動ユニット3310が上昇した退避位置の状態で
は、図141(a)に示すように、カムリンクギア3364のリンクピン3364bが、
昇降アーム3365の長孔状の接続部3365e内における回動軸側の端部と当接した状
態となっている。また、退避位置の状態では、接続部3365eの延びた軸線に対してリ
ンクピン3364bを通る法線が、カムリンクギア3364の回転中心よりも下側を通る
ので、上可動ユニット3310の荷重によって昇降アーム3365にかかる回転モーメン
トによって、接続部3365eからリンクピン3364bを下方へ移動させる力(カムリ
ンクギア3364を背面視で反時計回りへ回転させる力)が作用することとなるが、上述
したように、リンクピン3364bが接続部3365e内の回動軸側の端部と当接してお
り、カムリンクギア3364がこれ以上背面視で反時計回りの方向へ回転することができ
ず、昇降アーム3365の回動が規制(ロック)された状態となっている。従って、上可
動ユニット3310の荷重が、昇降アーム3365、カムリンクギア3364、減速ギア
3363、及び駆動ギア3362を介して昇降駆動モータ3361に作用するのを防止す
ることができ、上可動ユニット3310が退避位置の時に昇降駆動モータ3361に負荷
がかからないようになっている。
また、上可動ユニット3310が上昇した退避位置に位置した状態では、昇降アーム3
365に形成された検知片3365fが、昇降検知センサ3368により検知された状態
となっている。これにより、昇降検知センサ3368によって上可動ユニット3310が
退避位置に位置していることを検知することができるようになっている。
上可動ユニット3310が上昇した退避位置の状態から、カムリンクギア3364を背
面視で時計回りの方向へ回転するように昇降駆動モータ3361を回転駆動させると、リ
ンクピン3364bがカムリンクギア3364の回転中心の周りを公転すると共に、昇降
アーム3365における長孔状の接続部3365e内を基端部3365aから遠ざかる方
向へ摺動することとなる。そして、昇降アーム3365は、接続部3365e内を摺動す
るリンクピン3364bの公転に伴って、基端部3365aを中心として回動することと
なる。
一方、昇降アーム3365における上可動ユニット3310を支持する連結部3365
b側では、昇降アーム3365と昇降スライダ3354とを連結するための連結軸336
6が、連結摺動部材3367を介してユニットベース3351の案内溝3351aによっ
て上下方向へ案内されると共に昇降アーム3365における長孔状の連結部3365b内
で摺動可能に案内されている。これにより、昇降アーム3365が回動すると、連結摺動
部材3367が、昇降アーム3365の連結部3365b内を摺動すると同時に案内溝3
351a内を摺動し、連結摺動部材3367に支持された連結軸3366を介して昇降ス
ライダ3354つまり上可動ユニット3310が上下方向へスライド(昇降)することと
なる。
なお、本例では、上述したように、退避位置の状態では接続部3365eの軸線におけ
るリンクピン3364bを通る法線が、カムリンクギア3364の回転中心よりも下側を
通っているので、リンクピン3364bが背面視で時計回りの方向へ公転してリンクピン
3364bを通る法線がカムリンクギア3364の回転中心を通るまでは、昇降アーム3
365が背面視で反時計回りの方向へ回動することとなる。そして、更にリンクピン33
64bが背面視で時計回りの方向へ公転すると、リンクピン3364bを通る法線がカム
リンクギア3364の回転中心よりも上側を通ることとなり、昇降アーム3365が背面
視で時計回りの方向へ回動することとなる。従って、退避位置の状態で、上可動ユニット
3310を下降させる方向へ昇降駆動モータ3361を回転駆動させると、上可動ユニッ
ト3310が一旦少し上昇した後に下降するようになっている。
そして、更に昇降アーム3365が回動して昇降スライダ3354の取付片3354b
と延出片3354cとの下端が、ガイドローラ3355とスライドガイド3356におけ
るスリット3356aの下端と当接すると同時に、昇降駆動モータ3361の回転駆動が
停止し、昇降スライダ3354の下方への移動が停止し、上可動ユニット3310が下降
した出現位置に位置することとなる(図140(b)及び図141(b)等を参照)。
上可動演出ユニット3300は、上可動ユニット3310が下降した出現位置に位置し
た状態では、上可動ユニット3310の一対のキャラクタ体3311や背面装飾部材33
30等がセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520よりも下側に位置した状
態となり、遊技者側からキャラクタ体3311等が視認できる状態となるようになってい
る(図166を参照)。
なお、下降した上可動ユニット3310を上昇させるには、昇降駆動モータ3361を
上記とは逆方向へ回転駆動させて、昇降アーム3365を下降時とは逆方向へ回動させる
ことで昇降スライダ3354を上昇させることができる。そして、昇降アーム3365の
検知片3365fが昇降検知センサ3368に検知されたら、昇降駆動モータ3361の
回転駆動を停止させることで、上可動ユニット3310を上昇した退避位置に復帰させる
ことができるようになっている。
このように、本例の上可動演出ユニット3300は、一対のキャラクタ体3311を備
えた上可動ユニット3310が上昇した退避位置の時には、一対のキャラクタ体3311
等がセンター役物2500におけるセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置し、遊技
者から見えず下側に配置されたキャラクタベースカバー3319の一部だけが見えるよう
になっている。そして、上可動ユニット3310のキャラクタベースカバー3319は、
上側に配置された上可動体下装飾基板3318と後側に配置された上可動体背面中央装飾
基板3334に実装されたLEDによって発光装飾されるようになっており、センターロ
ゴ装飾部材2520の下端から臨むキャラクタベースカバー3319を明るく光らせるこ
とができ、キャラクタベースカバー3319(センターロゴ装飾部材2520の後側)に
対して遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、センター役物2500の枠
内を照らして遊技領域1100内を目立たせることができるようになっている。
また、上可動演出ユニット3300は、遊技状態に応じて昇降駆動モータ3361を回
転駆動させることで、一対のキャラクタ体3311を備えた上可動ユニット3310を、
遊技者側から視認できない退避位置から、遊技者側から視認できる出現位置へ下降させる
ことができるので、キャラクタ体3311の出現によって遊技者に対して何か良いことが
あるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣が低下す
るのを抑制することができるようになっている。
更に、上可動演出ユニット3300は、昇降によって出現する一対のキャラクタ体33
11を上下方向へ延びた軸周りに回転させることができるので、例えば、キャラクタ体3
311の回転に合せて所定の音楽を出力することで遊技者に対してキャラクタ体3311
があたかも音楽に合せて踊っているように錯覚させることができ、キャラクタ体3311
の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上可動演出ユニット3300は、一対のキャラクタ体3311を上下方向へ延び
た軸周りに回転させることができるので、出現する際のキャラクタ体3311の向きや、
出現後に回転するキャラクタ体3311の向き等によって、キャラクタの雰囲気を異なら
せることが可能となり、遊技者に対して様々なメッセージを送ることができ、多彩な演出
によって飽き難くいパチンコ機1とすることができる。
[2−10.左右可動演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における左右可動演出ユニット3400について、図14
2乃至図159を主に参照して説明する。図142は遊技盤の裏ユニットにおける左右可
動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図143は左右可動演出ユニットを後から見
た斜視図である。また、図144は左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユ
ニットに分解して前から見た分解斜視図であり、図145は左右可動演出ユニットを回転
体ユニットとスライドユニットに分解して後から見た分解斜視図である。また、図146
は左右可動演出ユニットにおける一つの回転体ユニットを示す斜視図である。更に、図1
47は左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、
図148は左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して後から見た分解斜視図であ
る。
また、図149は左右可動演出ユニットの回転体ユニットにおける回転装飾体の動きを
示す説明図であり、図150は図149に続く回転装飾体の動きを示す説明図であり、図
151は図150に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。また、図152は左右可
動演出ユニットにおける右ユニットのスライドユニットを示す斜視図であり、図153は
右ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図154は右ユ
ニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図155は左
右可動演出ユニットにおける左ユニットのスライドユニットを示す斜視図であり、図15
6は左ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図157は
左ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図158
は左右可動演出ユニットにおける右ユニットの動きを示す説明図であり、図159は左右
可動演出ユニットにおける左ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000における左右可動演出ユニット3400は、裏箱3001内で開口
3001cの左右両側に取付けられるものであり、開口3001cの右側に取付けられる
右ユニット3400Rと、開口3001cの左側に取付けられる左ユニット3400Lと
で構成されている。本例の左右可動演出ユニット3400は、右ユニット3400R及び
左ユニット3400Lに夫々複数(各三つずつ)の回転体ユニット3410と、複数の回
転体ユニット3410を夫々独立してスライドさせるスライドユニット3500(右スラ
イドユニット3510及び左スライドユニット3550)と、を備えている。
左右可動演出ユニット3400は、回転体ユニット3410に前後方向へ延びた軸周り
に回転可能とされた回転装飾体3410Aを備えており、回転装飾体3410Aを回転駆
動させることで回転演出を行うことができるようになっている。また、左右可動演出ユニ
ット3400は、各回転体ユニット3410を夫々独立して左右方向へスライド移動させ
ることができ、スライド演出を行うことができるようになっている。従って、回転体ユニ
ット3410のスライド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合わせるこ
とで多彩な可動演出を行うことができるようになっている。
[2−10A.回転体ユニットの構成]
次に、図147及び図148等を参照して左右可動演出ユニット3400における回転
体ユニット3410の構成について説明する。この回転体ユニット3410は、スライド
ユニット3500のスライドベース3520,3530,3540,3560,3570
,3580に取付けられる板状の回転体ベース3411と、回転体ベース3411の後側
に配置され回転軸が回転体ベース3411を貫通して前方へ延出する回転駆動モータ34
12と、回転駆動モータ3412の回転軸に固定され回転体ベース3411の前面に配置
される円盤状の回転カプラ3413と、回転カプラ3413の前面に一体回転可能に連結
され先方へ延出した円柱状の軸部材3414と、軸部材3414の前端に取付けられ前方
へ略半球状に膨出し表面にレリーフ状の装飾が形成されると共に部分的に透光性を有した
回転ヘッド3415と、回転ヘッド3415の後側に配置され前面に複数のLEDが実装
された回転ヘッド装飾基板3416と、回転ヘッド装飾基板3416を前側から支持する
と共に前面にレリーフ状の装飾を有し回転体ベース3411に取付けられる基板ブラケッ
ト3417と、を備えている。
回転体ユニット3410の回転体ベース3411は、正面視の形状が、後側に取付けら
れる回転駆動モータ3412の回転軸を中心とした所定半径の半円に、直径と同じ幅(高
さ)の矩形状を組合せた砲弾状に形成されている。この回転体ベース3411は、後述す
る回転検知センサ3426の検知部が通過可能な開口が形成されている他に、各部材を固
定するための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
回転体ユニット3410の回転カプラ3413は、後面が回転体ベース3411の前面
に当接して摺動するように形成されていると共に、前面に複数の突起3413aが形成さ
れている。この回転カプラ3413は、摩擦抵抗の低い素材によって形成されている。
回転体ユニット3410の軸部材3414は、図示するように、後端に円盤状のフラン
ジ部3414aを備えており、フランジ部3414aの後面に回転カプラ3413の突起
3413aと嵌合する凹部3414bが形成されている(図148を参照)。この軸部材
3414の凹部3414bに回転カプラ3413の突起3413aを嵌合させることで、
回転カプラ3413の回転を軸部材3414へ伝達させることができるようになっている
。なお、軸部材3414の前端は、図示するように、外周が非円柱形状に形成されており
、後述する回転台前部材3424の嵌合孔3424aと嵌合して回転台前部材3424を
一体回転させることができるようになっている。
回転体ユニット3410の回転ヘッド3415は、略半球状の表面にハート型の透光性
を有した部位を備えており、後側に配置された回転ヘッド装飾基板3416のLEDによ
ってハート型に発光装飾されるようになっている。また、回転ヘッド3415は、ハート
型の部位を除いた他の部位の表面が、メッキ状に金属光沢を有した状態となっており、外
部からの光が反射することでキラキラ光るようになっている。なお、本例の左右可動演出
ユニット3400は、右ユニット3400Rに備えられた回転体ユニット3410の回転
ヘッド3415が略半球状に形成されているのに対して、左ユニット3400Lに備えら
れた回転ヘッド3415が右ユニット3400Rの回転ヘッド3415よりも前後方向に
やや潰れた半球状に形成されている。従って、右ユニット3400Rの回転ヘッド341
5の前端が遊技パネル1200の後面よりも前方へ突出した状態となっていると共に、左
ユニット3400Lの回転ヘッド3415の前端がパネル板1210よりも後側に位置し
た状態となっている(図114等を参照)。
また、回転体ユニット3410は、回転ヘッド3415よりも後側に配置され軸部材3
414が回転可能に通過する通過孔3418a、及び通過孔3418aと同軸上で後端付
近に形成され平歯車状の固定ギア3418bを有し回転体ベース3411の前面に取付け
られる筒状の固定ギア部材3418と、固定ギア部材3418の固定ギア3418bより
も大径に内径が形成されると共に固定ギア部材3418における固定ギア3418bより
も後側の位置に相対回転不能な状態で挿入され、後端が回転体ベース3411の前面と当
接する環状のガイドリング3419と、ガイドリング3419の前端に対して後端縁が摺
動可能に当接し固定ギア部材3418が通過可能な貫通孔3420aを有した板状の回転
台後部材3420と、を備えている。
また、回転体ユニット3410は、回転台後部材3420の前面で回転可能に支持され
ると共に固定ギア部材3418の固定ギア3418bと噛合し、回転軸に対して偏芯した
位置から前方へ突出したリンクピン3421aを有する可動リンクギア3421と、可動
リンクギア3421のリンクピン3421aが摺動可能に挿入されると共に可動リンクギ
ア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた長孔
状の第一リンク溝3422a、第一リンク溝3422aと平行に延びると共に可動リンク
ギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線を中心として対称な位置に配
置された長孔状の一対の第二リンク溝3422bを有し、可動リンクギア3421の軸芯
と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライド可能とされた板状の揺動部材34
22と、を備えている。
更に、回転体ユニット3410は、揺動部材3422の第二リンク溝3422b内へ摺
動可能に挿入され前後方向へ延びた挿入ピン3423a、挿入ピン3423aの後端から
揺動部材3422に沿って揺動部材3422の外側へ延びた駆動アーム部3423b、駆
動アーム部3423bの挿入ピン3423aとは反対側の端部に形成され回転台後部材3
420によって回転可能に支持される軸部3423c、軸部3423cから駆動アーム部
3423bとは異なる方向へ長く延出し外面に装飾が形成された作動アーム部3423d
を有した一対のアーム部材3423と、アーム部材3423及び揺動部材3422を前側
から覆うように回転台後部材3420の前面に取付けられ、揺動部材3422を可動リン
クギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライド可能に支持
すると共に回転台後部材3420と協働して軸部3423cを回転可能に支持し、軸部材
3414の先端が通過すると共に軸部材3414と一体回転可能に嵌合する嵌合孔342
4aを有した回転台前部材3424と、を備えている。
回転体ユニット3410の固定ギア部材3418は、円筒状の内部が、回転カプラ34
13や軸部材3414が接触しないような内面形状に形成されており、組立てた状態で軸
部材3414の前端が前方へ所定量突出する長さとされている。なお、本例では、固定ギ
ア部材3418における固定ギア3418bの歯数が30個とされていると共に、固定ギ
ア3418bと噛合する可動リンクギア3421の歯数が10個とされている。これによ
り、相対的に固定ギア3418bが一回転すると可動リンクギア3421が三回転するよ
うになっており、可動リンクギア3421が固定ギア部材3418(固定ギア3418b
)の周りを一回公転する間に可動リンクギア3421が三回自転するようになっている。
また、回転体ユニット3410の回転台後部材3420は、前後方向へ貫通し固定ギア
部材3418が通過可能な貫通孔3420aよりも外側の位置から前方へ延出し可動リン
クギア3421を回転可能に支持するための軸ピン3420bと、軸ピン3420bの中
心と貫通孔3420aの中心とを結んだ軸線を挟んで両側に対称に配置されると共に軸線
から貫通孔3420aの半径よりも離れた位置に夫々配置されアーム部材3423におけ
る軸部3423cの後端を回転可能に支持する軸受部3420cと、軸ピン3420bの
中心と貫通孔3420aの中心とを結んだ軸線上で軸ピン3420bを挟んで貫通孔34
20aとは反対側に配置され後方へ突出した板状の検知片3420dと、を備えている。
更に、回転体ユニット3410の揺動部材3422の第一リンク溝3422aは、その
長手方向中央が、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線
と一致するように形成されている。また、揺動部材3422は、固定ギア部材3418の
先端側が通過可能とされ可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結ん
だ軸線の方向へ延びるU字状の切欠部3422cと、切欠部3422cの両側で可動リン
クギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線と平行に延び回転台前部材
3424に案内される案内突条3422dと、を更に備えており、案内突条3422dよ
りも軸線に対して外側に第二リンク溝3422bが配置されている。
また、回転体ユニット3410のアーム部材3423における作動アーム部3423d
は、軸部3423cとは反対側の先端側が可動リンクギア3421の軸芯と軸部材341
4の軸芯とを結んだ軸線へ接近する方向へ屈曲したく字状に形成されており、先端に手を
模した円形状の装飾が形成されている。
更に、回転体ユニット3410の回転台前部材3424は、軸部材3414の前端と嵌
合する嵌合孔3424aを前端に有した円筒状の筒部3424bと、筒部3424bの後
端から揺動部材3422と平行に延びると共に回転台後部材3420の前面を略被覆する
板状の本体部3424cと、を更に備えている。回転台前部材3424の筒部3424b
は、内面形状が固定ギア部材3418と接触しない大きさに形成されており、固定ギア部
材3418の固定ギア3418bよりも前側を収容することができるようになっている。
また、回転台前部材3424は、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸
芯とを結んだ軸線を挟んで両側の対称の位置から後方へ延出しアーム部材3423の軸部
3423cを回転可能に支持するための一対の支持ピン3424dと、一対の支持ピン3
424dの間に配置され可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結ん
だ軸線と平行に延びると共に揺動部材3422の案内突条3422dをスライド可能に案
内する案内部3424eと、を備えている(図148を参照)。回転台前部材3424の
案内部3424eによって揺動部材3422を可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3
414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライドさせることができるようになっている。
更に、回転体ユニット3410は、回転体ベース3411の後側に取付けられ回転駆動
モータ3412の取付部を覆うモータカバー3425と、モータカバー3425と回転体
ベース3411との間に挟持され回転台後部材3420の検知片3420dを検知するた
めの回転検知センサ3426と、回転体ベース3411の前側に取付けられ前面に立体的
な装飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成され、ガイドリング341
9が通過可能な大きさの貫通孔3427a、及び回転検知センサ3426の検知部が通過
可能な開口3427bを有した回転体ベース飾り3427と、を備えている。
この回転体ユニット3410の回転体ベース飾り3427は、正面視の形状が回転体ベ
ース3411よりもひと回り大きい砲弾状に形成されており、貫通孔3427aを囲むよ
うに複数の円形の透光部3427cが馬蹄形状に列設されている。
また、回転体ユニット3410は、回転体ベース飾り3427の後側に取付けられ前面
に複数のLEDが実装されたべース装飾基板3428を、更に備えている。ベース装飾基
板3428は、図示するように、馬蹄形状に形成されており、回転体ベース飾り3427
の複数の透光部3427cと対応する位置に夫々LEDが配置されている。このベース装
飾基板3428は、実装されたLEDを適宜発光させることで回転体ベース飾り3427
を発光装飾させることができるようになっている。
更に、回転体ユニット3410は、固定ギア部材3418の前端に配置されると共に回
転台前部材3424の筒部3424b内に配置される滑りワッシャ3429と、回転台前
部材3424の筒部3424bの外周に挿入されると共に後端が回転台前部材3424に
おける本体部3424cの前面と接触し回転ヘッド装飾基板3416を支持する基板支持
部材3430と、回転台後部材3420の前側に取付けられ軸ピン3420bを挟んで貫
通孔3420aとは反対側の前面を被覆する回転台カバー3431と、を備えている。
この回転体ユニット3410は、回転駆動モータ3412より、回転カプラ3413、
軸部材3414、回転ヘッド3415、回転台後部材3420、可動リンクギア3421
、揺動部材3422、アーム部材3423、回転台前部材3424、及び回転台カバー3
431が回転するようになっており、これらが回転装飾体3410Aを構成している。
[2−10B.回転装飾体の動作]
続いて、主に図149乃至図151を参照して、左右可動演出ユニット3400の回転
体ユニット3410における回転装飾体3410Aの動きについて説明する。本例の回転
体ユニット3410は、遊技状態に応じて回転駆動モータ3412の回転軸を回転駆動さ
せると、回転駆動モータ3412の回転軸に取付けられた回転カプラ3413を介して前
方へ延びた軸部材3414が回転するようになっている。この軸部材3414の先端には
回転ヘッド3415が取付けられており、回転駆動モータ3412によって回転体ユニッ
ト3410の最前端に配置され略半球状の回転ヘッド3415が回転するようになってい
る。
また、回転装飾体3410Aにおける軸部材3414の前端は、回転台前部材3424
の嵌合孔3424aに嵌合挿入されており、軸部材3414と一緒に回転台前部材342
4が一体回転するようになっている。この回転台前部材3424は、揺動部材3422を
スライド可能に支持すると共に、一対のアーム部材3423の軸部3423cを回転可能
に支持し、更に、後側に配置された回転台後部材3420の前面に取付けられているので
、軸部材3414を介して回転台前部材3424が回転することで、揺動部材3422、
アーム部材3423、及び回転台後部材3420も、回転台前部材3424と一緒に軸部
材3414の軸芯を中心として一体回転するようになっている。また、回転台後部材34
20は、軸部材3414の軸芯から離れた位置に可動リンクギア3421を回転可能に支
持しているので、回転台後部材3420の回転と一緒に可動リンクギア3421が軸部材
3414の軸芯を中心として公転するようになっている。
一方、軸部材3414と同軸上に配置された固定ギア部材3418は、回転駆動モータ
3412が取付けられた回転体ベース3411に取付固定されており、回転駆動モータ3
412の回転軸を回転駆動させても、回転しないようになっている。そして、この回転し
ない固定ギア部材3418の固定ギア3418bに対して、軸部材3414の軸芯を中心
として公転する可動リンクギア3421が噛合しているので、可動リンクギア3421を
軸支した回転台後部材3420が回転すると、可動リンクギア3421が軸部材3414
の軸芯を中心として公転すると同時に回転台後部材3420に対して相対的に回転(自転
)するようになっている。
この可動リンクギア3421には、回転軸から偏芯した位置で前方へ突出するリンクピ
ン3421aが備えられており、可動リンクギア3421が回転(自転)することでリン
クピン3421aが回転軸(自転軸)周りを公転することとなる。この可動リンクギア3
421のリンクピン3421aが公転することで、軸部材3414の軸芯とリンクピン3
421aとの距離が接近したり離反したりすることとなる。
本例の回転装飾体3410Aは、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが、
揺動部材3422における可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結
んだ軸線に対して直角方向へ延びた第一リンク溝3422aに挿入されていると共に、揺
動部材3422が、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸
線方向へスライド可能に支持されているので、リンクピン3421aが公転すると、リン
クピン3421aが第一リンク溝3422a内を摺動すると同時に、第一リンク溝342
2aを介してリンクピン3421aが揺動部材3422を可動リンクギア3421の軸芯
と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へ押圧することとなり、揺動部材3422が
可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライドす
るようになっている。
なお、揺動部材3422は、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯と
を結んだ軸線方向に対して、リンクピン3421aの公転直径の範囲内で往復スライドす
るようになっている。
この揺動部材3422がスライドすることで、揺動部材3422の第二リンク溝342
2bに挿入されたアーム部材3423の挿入ピン3423aが、可動リンクギア3421
の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へ押圧されて移動することとなり、こ
の挿入ピン3423aが移動することで、アーム部材3423がその軸部3423cを中
心として回動することとなる。これにより、一対のアーム部材3423は、作動アーム部
3423dの先端(自由端)が軸部材3414の軸芯に対して接近したり離反したりする
ような動きをすることとなる。
更に詳述すると、本例の回転体ユニット3410は、図149に示すように、回転装飾
体3410Aにおける回転ヘッド3415のハート型に形成された部位を、正面視で略砲
弾状に形成された回転体ベース飾り3427(回転体ベース3411)の砲弾の先端側を
向くように位置させた状態では、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部
材3414から最も遠ざかった位置となっていると共に、一対のアーム部材3423にお
ける作動アーム部3423dの先端が回転ヘッド3415の後方に位置した状態となって
いる。これにより、遊技者側からはアーム部材3423の先端が殆ど見えない状態となっ
ている。
この状態から回転駆動モータ3412によって例えば、回転ヘッド3415を時計回り
の方向へ回転させると、上述したように、回転装飾体3410A全体が軸部材3414の
軸芯を中心として回転することとなり、可動リンクギア3421が軸部材3414の軸芯
周り、つまり、回転体ベース3411に固定された固定ギア部材3418の固定ギア34
18bの周りを時計方向へ公転することとなる。そして、可動リンクギア3421が固定
ギア3418bの周りを公転することで、可動リンクギア3421自体が反時計回りの方
向へ回転(自転)することとなり、可動リンクギア3421の自転によって可動リンクギ
ア3421のリンクピン3421aが、軸部材3414の軸芯に対して相対的に接近する
方向へ公転移動し、揺動部材3422が軸部材3414に接近する方向へスライド移動す
ることとなる。
この揺動部材3422が、軸部材3414に接近する方向へ移動すると、揺動部材34
22の第二リンク溝3422bを介して一対のアーム部材3423が、その作動アーム部
3423dの先端が互いに離反する方向へ回動し、作動アーム部3423dの先端が正面
視で回転ヘッド3415よりも外側へ移動することとなる。これにより、アーム部材34
23(作動アーム部3423d)の先端が遊技者側から良く見える状態となる。
そして、回転装飾体3410Aの回転により可動リンクギア3421が公転すると共に
、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部材3414に対して最も接近す
る位置まで自転すると、揺動部材3422も軸部材3414に対して最も接近した状態と
なり、一対のアーム部材3423の先端同士も最も離反した状態となる(図150を参照
)。なお、本例では、固定ギア部材3418の固定ギア3418bの歯数に対して可動リ
ンクギア3421の歯数が1/3とされているので、図149の状態から時計回りの方向
へ60度回転して図150の状態となると、可動リンクギア3421が半回転して一対の
アーム部材3423の先端が最も離反した状態となるようになっている。
この状態から回転装飾体3410Aを更に時計回りの方向へ回転させると、公転するこ
とで自転する可動リンクギア3421の公転するリンクピン3421aによって、揺動部
材3422が軸部材3414から遠ざかる方向へスライド移動し、揺動部材3422のス
ライドにより一対のアーム部材3423が、その先端同士が互いに接近する方向へ回動す
ることとなる。そして、図150の状態から回転装飾体3410Aが時計回りの方向へ6
0度回転すると、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部材3414に対
して最も離れた位置となり、アーム部材3423の先端同士も最も接近して正面視で回転
ヘッド3415の後側に隠れた状態となる(図151を参照)。
本例の回転体ユニット3410は、回転装飾体3410Aが120度回転すると、一対
のアーム部材3423の先端が回転ヘッド3415の後側から一回出没するようになって
いる。つまり、回転装飾体3410Aが一回転すると一対のアーム部材3423の先端が
回転ヘッド3415の後側から三回出没するようになっている。
このように、回転体ユニット3410によると、回転駆動モータ3412によって回転
装飾体3410Aを回転させると、回転ヘッド3415の後側から一対のアーム部材34
23が出没するので、回転する回転装飾体3410Aの外観が大きく変化させることがで
き、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができる
ようになっている。
また、回転体ユニット3410は、前後方向へ延びる軸部材3414の前端に取付けら
れた回転ヘッド3415等の荷重によって軸部材3414の前端側が下方へ移動するよう
な力が作用しても、軸部材3414の後端に取付けられた円盤状の回転カプラ3413の
後面が、回転体ベース3411の前面と接触するようにしているので、軸部材3414が
前後方向へ延びた軸線に対して倒れ難くすることができ、軸部材3414を真直ぐな状態
にして回転ヘッド3415等が偏芯した状態で回転するのを防止することができるように
なっている。
[2−10C.スライドユニットの構成]
次に、図152乃至156を主に参照して左右可動演出ユニット3400におけるスラ
イドユニット3500の構成について説明する。本例のスライドユニット3500は、裏
箱3001内で開口3001cの右側に取付けられ右スライドユニット3510と、開口
3001cの左側に取付けられる左スライドユニット3550と、を備えている。これら
右スライドユニット3510と左スライドユニット3550は、互いが対称に形成された
形態となっている。
まず、左右可動演出ユニット3400のスライドユニット3500における右スライド
ユニット3510は、図152乃至図154に示すように、裏箱3001内で開口300
1cの右側に取付けられ上下方向へ延びた右ユニットベース3511を備えている。この
右ユニットベース3511は、三つの回転体ユニット3410を左右方向へスライド可能
に支持するための上支持部3511a、中支持部3511b、及び下支持部3511cの
三つの支持部(3511a,3511b,3511c)を備えている。
右ユニットベース3511における各支持部3511a,3511b,3511cには
、夫々後述するスライドベース3520,3530,3540が配置され前後方向へ貫通
した矩形状のベース用開口部3511dと、ベース用開口部3511dの上側に形成され
後述するスライドシャフト3521,3531,3541が配置され前後方向へ貫通した
横長矩形状のシャフト用開口部3511eと、を備えている。また、各ベース用開口部3
511dには、内周縁の下辺に後述する下部ローラ3524,3534,3544が転動
可能とされた左右方向へ延びたレール部3511fが形成されている。
右ユニットベース3511の上支持部3511aは、左右方向に延びた矩形状のベース
用開口部3511dとシャフト用開口部3511eが、夫々正面視で左側が低くなるよう
に傾斜した状態に形成されている。また、中支持部3511bは、矩形状のベース用開口
部3511dとシャフト用開口部3511eが、正面視で水平方向へ延びた状態に形成さ
れている。更に、下支持部3511cは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部35
11dとシャフト用開口部3511eが、夫々正面視で左側が高くなるように傾斜した状
態に形成されている。
また、右ユニットベース3511の各支持部3511a,3511b,3511cには
、各ベース用開口部3511dの下側に後述するスライド駆動モータ3525,3535
,3545を取付けるためのモータ取付部3511gと、モータ取付部3511gと直上
のベース用開口部3511dとの間に形成され後述する第一伝達ギア3516の一部が前
側へ臨む噛合用開口部3511hと、が形成されている。なお、詳細な説明は省略するが
、右ユニットベース3511には、各種部材を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜
位置に形成されている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニット
ベース3511の上支持部3511aにおけるベース用開口部3511dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右上スライドベース3520と、
右上スライドベース3520の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に上支持部
3511aのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右上ス
ライドシャフト3521と、右上スライドシャフト3521の左右両端を支持し右ユニッ
トベース3511の後側に取付けられる右上シャフトブラケット3522と、を備えてい
る。
また、右スライドユニット3510は、右上スライドベース3520の下部に取付けら
れる右上下部ローラ支持部材3523と、右上下部ローラ支持部材3523の左右両端に
回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3524と、右上スライドベース3520を右上スライドシャ
フト3521に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における上支持部3
511aの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右上スライド駆動モー
タ3525と、右ユニットベース3511に取付けられ右上スライドベース3520のス
ライド位置を検知する右上位置検知センサ3526と、を備えている。
右スライドユニット3510の右上スライドベース3520は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この右上スライドベース3520は、上辺における右
端と左右方向中央付近とに夫々形成され右上スライドシャフト3521を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3520aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3520bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3520cと、を備えている。また、右上スライドベース
3520は、下辺から下方へ板状に延出し右上位置検知センサ3526によって検知可能
とされた検知片3520dを備えている。
この右上スライドベース3520は、一対のスライド受部3520aが夫々右上スライ
ドシャフト3521に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右上スライドシャフ
ト3521に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3520a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右上スライドシャ
フト3521における一対のスライド受部3520a(スライドブッシュ3512)の間
には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513
によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3520aからスライドブッシュ3512が抜けないようになってい
る。
右上スライドベース3520における一対のスライド受部3520aは、挿通される右
上スライドシャフト3521の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、
右上スライドシャフト3521に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右上スライドシャフト3521は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット351
0の右上シャフトブラケット3522は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右
ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右上スライドシャフト352
1及び右上シャフトブラケット3522は、上支持部3511aの斜めに傾斜したシャフ
ト用開口部3511eに沿うように取付けられており、右上スライドベース3520をベ
ース用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で左側が低くなった方
向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようにな
っている。
また、右スライドユニット3510における右上下部ローラ支持部材3523に軸支さ
れた一対の下部ローラ3524は、右ユニットベース3511の上支持部3511aにお
けるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、右上下部ローラ支持部材3523(右上スライド
ベース3520の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右上スライドベース3520を、右上スラ
イドシャフト3521によって吊持支持すると共に、右上スライドシャフト3521及び
右ユニットベース3511の上支持部3511aにおけるレール部3511fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、右スライドユニット3510の右上スライド駆動モータ3525は、右ユニット
ベース3511の前側で上支持部3511aのモータ取付部3511gに対して、回転軸
が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右
上スライド駆動モータ3525の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と
、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大
径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有
し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515
の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面
の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511hを通して右ユニットベース
3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛
合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右上スライドベース3
520のラックギア3520bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第
二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右上スライド駆動モータ3525によって駆動ギ
ア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、
及び第二伝達ギア3517を介して右上スライドベース3520のラックギア3520b
へ伝達させて右上スライドベース3520を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、右上スライドベース3520の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニット
ベース3511の中支持部3511bにおけるベース用開口部3511dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右中スライドベース3530と、
右中スライドベース3530の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に中支持部
3511bのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右中ス
ライドシャフト3531と、右中スライドシャフト3531の左右両端を支持し右ユニッ
トベース3511の後側に取付けられる右中シャフトブラケット3532と、を備えてい
る。
また、右スライドユニット3510は、右中スライドベース3530の下部に取付けら
れる右中下部ローラ支持部材3533と、右中下部ローラ支持部材3533の左右両端に
回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3534と、右中スライドベース3530を右中スライドシャ
フト3531に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における中支持部3
511bの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右中スライド駆動モー
タ3535と、右ユニットベース3511に取付けられ右中スライドベース3530のス
ライド位置を検知する右中位置検知センサ3536と、を備えている。
右スライドユニット3510の右中スライドベース3530は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この右中スライドベース3530は、上辺における右
端と左右方向中央付近とに夫々形成され右中スライドシャフト3531を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3530aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3530bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3530cと、を備えている。また、右中スライドベース
3530は、上辺から上方へ板状に延出し右中位置検知センサ3536によって検知可能
とされた検知片3530dを備えている。
この右中スライドベース3530は、一対のスライド受部3530aが夫々右中スライ
ドシャフト3531に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右中スライドシャフ
ト3531に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3530a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右中スライドシャ
フト3531における一対のスライド受部3530a(スライドブッシュ3512)の間
には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513
によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3530aからスライドブッシュ3512が抜けないようになってい
る。
右中スライドベース3530における一対のスライド受部3530aは、挿通される右
中スライドシャフト3531の長さに対して、約1/3の距離離間して配置されており、
右中スライドシャフト3531に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右中スライドシャフト3531は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット351
0の右中シャフトブラケット3532は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右
ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右中スライドシャフト353
1及び右中シャフトブラケット3532は、中支持部3511bの水平に延びたシャフト
用開口部3511eに沿うように取付けられており、右中スライドベース3530をベー
ス用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で水平方向(遊技領域1
100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、右スライドユニット3510における右中下部ローラ支持部材3533に軸支さ
れた一対の下部ローラ3534は、右ユニットベース3511の中支持部3511bにお
けるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、右中下部ローラ支持部材3533(右中スライド
ベース3530の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右中スライドベース3530を、右中スラ
イドシャフト3531によって吊持支持すると共に、右中スライドシャフト3531及び
右ユニットベース3511の中支持部3511bにおけるレール部3511fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、右スライドユニット3510の右中スライド駆動モータ3535は、右ユニット
ベース3511の前側で中支持部3511bのモータ取付部3511gに対して、回転軸
が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右
中スライド駆動モータ3535の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と
、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大
径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有
し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515
の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面
の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511eを通して右ユニットベース
3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛
合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右中スライドベース3
530のラックギア3530bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第
二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右中スライド駆動モータ3535によって駆動ギ
ア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、
及び第二伝達ギア3517を介して右中スライドベース3530のラックギア3530b
へ伝達させて右中スライドベース3530を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、右中スライドベース3530の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニット
ベース3511の下支持部3511cにおけるベース用開口部3511dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右下スライドベース3540と、
右下スライドベース3540の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に下支持部
3511cのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右下ス
ライドシャフト3541と、右下スライドシャフト3541の左右両端を支持し右ユニッ
トベース3511の後側に取付けられる右下シャフトブラケット3542と、を備えてい
る。
また、右スライドユニット3510は、右下スライドベース3540の下部に取付けら
れる右下下部ローラ支持部材3543と、右下下部ローラ支持部材3543の左右両端に
回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3544と、右下スライドベース3540を右下スライドシャ
フト3541に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における下支持部3
511cの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右下スライド駆動モー
タ3545と、右ユニットベース3511に取付けられ右下スライドベース3540のス
ライド位置を検知する右下位置検知センサ3546と、を備えている。
右スライドユニット3510の右下スライドベース3540は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この右下スライドベース3540は、上辺における右
端と左右方向中央付近とに夫々形成され右下スライドシャフト3541を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3540aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3540bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3540cと、を備えている。また、右下スライドベース
3540は、下辺から下方へ板状に延出し右下位置検知センサ3546によって検知可能
とされた検知片3540dを備えている。
この右下スライドベース3540は、一対のスライド受部3540aが夫々右下スライ
ドシャフト3541に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右下スライドシャフ
ト3541に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3540a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右下スライドシャ
フト3541における一対のスライド受部3540a(スライドブッシュ3512)の間
には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513
によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3540aからスライドブッシュ3512が抜けないようになってい
る。
右下スライドベース3540における一対のスライド受部3540aは、挿通される右
下スライドシャフト3541の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、
右下スライドシャフト3541に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右下スライドシャフト3541は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット351
0の右下シャフトブラケット3542は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右
ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右下スライドシャフト354
1及び右下シャフトブラケット3542は、下支持部3511cの斜めに傾斜したシャフ
ト用開口部3511eに沿うように取付けられており、右下スライドベース3540をベ
ース用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で左側が高くなった方
向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようにな
っている。
また、右スライドユニット3510における右下下部ローラ支持部材3543に軸支さ
れた一対の下部ローラ3544は、右ユニットベース3511の下支持部3511cにお
けるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、右下下部ローラ支持部材3543(右下スライド
ベース3540の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右下スライドベース3540を、右下スラ
イドシャフト3541によって吊持支持すると共に、右下スライドシャフト3541及び
右ユニットベース3511の下支持部3511cにおけるレール部3511fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、右スライドユニット3510の右下スライド駆動モータ3545は、右ユニット
ベース3511の前側で下支持部3511cのモータ取付部3511gに対して、回転軸
が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右
下スライド駆動モータ3545の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と
、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大
径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有
し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515
の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面
の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511eを通して右ユニットベース
3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛
合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右下スライドベース3
540のラックギア3540bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第
二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右下スライド駆動モータ3545によって駆動ギ
ア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、
及び第二伝達ギア3517を介して右下スライドベース3540のラックギア3540b
へ伝達させて右下スライドベース3540を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、右下スライドベース3540の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
なお、図中の符号3518は、右ユニットベース3511の前面に取付けられ、回転体
ユニット3410の回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知セ
ンサ3426、及びベース装飾基板3428と、右部中継基板3018とを接続するため
の配線部材(図示は省略する)を押えるための配線押えである。
続いて、左右可動演出ユニット3400のスライドユニット3500における左スライ
ドユニット3550は、図155乃至図157に示すように、裏箱3001内で開口30
01cの左側に取付けられ上下方向へ延びた左ユニットベース3551を備えている。こ
の左ユニットベース3551は、三つの回転体ユニット3410を左右方向へスライド可
能に支持するための上支持部3551a、中支持部3551b、及び下支持部3551c
の三つの支持部(3551a,3551b,3551c)を備えている。
左ユニットベース3551における各支持部3551a,3551b,3551cには
、夫々後述するスライドベース3560,3570,3580が配置され前後方向へ貫通
した矩形状のベース用開口部3551dと、ベース用開口部3551dの上側に形成され
後述するスライドシャフト3561,3571,3581が配置され前後方向へ貫通した
横長矩形状のシャフト用開口部3551eと、を備えている。また、各ベース用開口部3
551dには、内周縁の下辺に後述する下部ローラ3564,3574,3584が転動
可能とされた左右方向へ延びたレール部3551fが形成されている。
左ユニットベース3551の上支持部3551aは、左右方向に延びた矩形状のベース
用開口部3551dとシャフト用開口部3551eが、夫々正面視で右側が低くなるよう
に傾斜した状態に形成されている。また、中支持部3551bは、矩形状のベース用開口
部3551dとシャフト用開口部3551eが、正面視で水平方向へ延びた状態に形成さ
れている。更に、下支持部3551cは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部35
51dとシャフト用開口部3551eが、夫々正面視で右側が高くなるように傾斜した状
態に形成されている。
また、左ユニットベース3551の各支持部3551a,3551b,3551cには
、各ベース用開口部3551dの下側に後述するスライド駆動モータ3565,3575
,3585を取付けるためのモータ取付部3551gと、モータ取付部3551gと直上
のベース用開口部3551dとの間に形成され後述する第一伝達ギア3556の一部が前
側へ臨む噛合用開口部3551hと、が形成されている。なお、詳細な説明は省略するが
、左ユニットベース3551には、各種部材を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜
位置に形成されている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニット
ベース3551の上支持部3551aにおけるベース用開口部3551dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左上スライドベース3560と、
左上スライドベース3560の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に上支持部
3551aのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左上ス
ライドシャフト3561と、左上スライドシャフト3561の左右両端を支持し左ユニッ
トベース3551の後側に取付けられる左上シャフトブラケット3562と、を備えてい
る。
また、左スライドユニット3550は、左上スライドベース3560の下部に取付けら
れる左上下部ローラ支持部材3563と、左上下部ローラ支持部材3563の左右両端に
回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3564と、左上スライドベース3560を左上スライドシャ
フト3561に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における上支持部3
551aの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左上スライド駆動モー
タ3565と、左ユニットベース3551に取付けられ左上スライドベース3560のス
ライド位置を検知する左上位置検知センサ3566と、を備えている。
左スライドユニット3550の左上スライドベース3560は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この左上スライドベース3560は、上辺における左
端と左右方向中央付近とに夫々形成され左上スライドシャフト3561を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3560aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3560bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3560cと、を備えている。また、左上スライドベース
3560は、下辺から下方へ板状に延出し左上位置検知センサ3566によって検知可能
とされた検知片3560dを備えている。
この左上スライドベース3560は、一対のスライド受部3560aが夫々左上スライ
ドシャフト3561に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左上スライドシャフ
ト3561に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3560a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左上スライドシャ
フト3561における一対のスライド受部3560a(スライドブッシュ3552)の間
には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553
によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3560aからスライドブッシュ3552が抜けないようになってい
る。
左上スライドベース3560における一対のスライド受部3560aは、挿通される左
上スライドシャフト3561の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、
左上スライドシャフト3561に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左上スライドシャフト3561は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット355
0の左上シャフトブラケット3562は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左
ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左上スライドシャフト356
1及び左上シャフトブラケット3562は、上支持部3551aの斜めに傾斜したシャフ
ト用開口部3551eに沿うように取付けられており、左上スライドベース3560をベ
ース用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で右側が低くなった方
向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようにな
っている。
また、左スライドユニット3550における左上下部ローラ支持部材3563に軸支さ
れた一対の下部ローラ3564は、左ユニットベース3551の上支持部3551aにお
けるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、左上下部ローラ支持部材3563(左上スライド
ベース3560の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左上スライドベース3560を、左上スラ
イドシャフト3561によって吊持支持すると共に、左上スライドシャフト3561及び
左ユニットベース3551の上支持部3551aにおけるレール部3551fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、左スライドユニット3550の左上スライド駆動モータ3565は、左ユニット
ベース3551の前側で上支持部3551aのモータ取付部3551gに対して、回転軸
が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左
上スライド駆動モータ3565の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と
、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大
径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有
し左ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555
の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面
の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551hを通して左ユニットベース
3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛
合用開口部3551hから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左上スライドベース3
560のラックギア3560bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第
二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左上スライド駆動モータ3565によって駆動ギ
ア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、
及び第二伝達ギア3557を介して左上スライドベース3560のラックギア3560b
へ伝達させて左上スライドベース3560を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、左上スライドベース3560の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニット
ベース3551の中支持部3551bにおけるベース用開口部3551dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左中スライドベース3570と、
左中スライドベース3570の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に中支持部
3551bのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左中ス
ライドシャフト3571と、左中スライドシャフト3571の左右両端を支持し左ユニッ
トベース3551の後側に取付けられる左中シャフトブラケット3572と、を備えてい
る。
また、左スライドユニット3550は、左中スライドベース3570の下部に取付けら
れる左中下部ローラ支持部材3573と、左中下部ローラ支持部材3573の左右両端に
回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3574と、左中スライドベース3570を左中スライドシャ
フト3571に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における中支持部3
551bの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左中スライド駆動モー
タ3575と、左ユニットベース3551に取付けられ左中スライドベース3570のス
ライド位置を検知する左中位置検知センサ3576と、を備えている。
左スライドユニット3550の左中スライドベース3570は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この左中スライドベース3570は、上辺における左
端と左右方向中央付近とに夫々形成され左中スライドシャフト3571を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3570aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3570bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3570cと、を備えている。また、左中スライドベース
3570は、上辺から上方へ板状に延出し左中位置検知センサ3576によって検知可能
とされた検知片3570dを備えている。
この左中スライドベース3570は、一対のスライド受部3570aが夫々左中スライ
ドシャフト3571に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左中スライドシャフ
ト3571に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3570a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左中スライドシャ
フト3571における一対のスライド受部3570a(スライドブッシュ3552)の間
には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553
によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3570aからスライドブッシュ3552が抜けないようになってい
る。
左中スライドベース3570における一対のスライド受部3570aは、挿通される左
中スライドシャフト3571の長さに対して、約1/3の距離離間して配置されており、
左中スライドシャフト3571に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左中スライドシャフト3571は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット355
0の左中シャフトブラケット3572は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左
ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左中スライドシャフト357
1及び左中シャフトブラケット3572は、中支持部3551bの水平に延びたシャフト
用開口部3551eに沿うように取付けられており、左中スライドベース3570をベー
ス用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で水平方向(遊技領域1
100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、左スライドユニット3550における左中下部ローラ支持部材3573に軸支さ
れた一対の下部ローラ3574は、左ユニットベース3551の中支持部3551bにお
けるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、左中下部ローラ支持部材3573(左中スライド
ベース3570の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左中スライドベース3570を、左中スラ
イドシャフト3571によって吊持支持すると共に、左中スライドシャフト3571及び
左ユニットベース3551の中支持部3551bにおけるレール部3551fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、左スライドユニット3550の左中スライド駆動モータ3575は、左ユニット
ベース3551の前側で中支持部3551bのモータ取付部3551gに対して、回転軸
が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左
中スライド駆動モータ3575の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と
、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大
径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有
し左ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555
の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面
の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551hを通して左ユニットベース
3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛
合用開口部3551hから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左中スライドベース3
570のラックギア3570bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第
二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左中スライド駆動モータ3575によって駆動ギ
ア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、
及び第二伝達ギア3557を介して左中スライドベース3570のラックギア3570b
へ伝達させて左中スライドベース3570を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、左中スライドベース3570の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニット
ベース3551の下支持部3551cにおけるベース用開口部3551dの前面に配置さ
れ前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左下スライドベース3580と、
左下スライドベース3580の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に下支持部
3551cのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左下ス
ライドシャフト3581と、左下スライドシャフト3581の左右両端を支持し左ユニッ
トベース3551の後側に取付けられる左下シャフトブラケット3582と、を備えてい
る。
また、左スライドユニット3550は、左下スライドベース3580の下部に取付けら
れる左下下部ローラ支持部材3583と、左下下部ローラ支持部材3583の左右両端に
回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能
とされた一対の下部ローラ3584と、左下スライドベース3580を左下スライドシャ
フト3581に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における下支持部3
551cの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左下スライド駆動モー
タ3585と、左ユニットベース3551に取付けられ左下スライドベース3580のス
ライド位置を検知する左下位置検知センサ3586と、を備えている。
左スライドユニット3550の左下スライドベース3580は、正面視の外形が左右方
向へ延びた略矩形状とされている。この左下スライドベース3580は、上辺における左
端と左右方向中央付近とに夫々形成され左下スライドシャフト3581を挿通可能な貫通
孔を有した一対のスライド受部3580aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギ
ア3580bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ34
12の後部が挿通される挿通孔3580cと、を備えている。また、左下スライドベース
3580は、下辺から下方へ板状に延出し左下位置検知センサ3586によって検知可能
とされた検知片3580dを備えている。
この左下スライドベース3580は、一対のスライド受部3580aが夫々左下スライ
ドシャフト3581に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左下スライドシャフ
ト3581に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、
円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3580a
の貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左下スライドシャ
フト3581における一対のスライド受部3580a(スライドブッシュ3552)の間
には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553
によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することが
でき、スライド受部3580aからスライドブッシュ3552が抜けないようになってい
る。
左下スライドベース3580における一対のスライド受部3580aは、挿通される左
下スライドシャフト3581の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、
左下スライドシャフト3581に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左下スライドシャフト3581は、断面が円形の金属棒
によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット355
0の左下シャフトブラケット3582は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左
ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左下スライドシャフト358
1及び左下シャフトブラケット3582は、下支持部3551cの斜めに傾斜したシャフ
ト用開口部3551eに沿うように取付けられており、左下スライドベース3580をベ
ース用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で右側が高くなった方
向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようにな
っている。
また、左スライドユニット3550における左下下部ローラ支持部材3583に軸支さ
れた一対の下部ローラ3584は、左ユニットベース3551の下支持部3551cにお
けるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から
挟むように転動可能に支持されており、左下下部ローラ支持部材3583(左下スライド
ベース3580の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前
後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左下スライドベース3580を、左下スラ
イドシャフト3581によって吊持支持すると共に、左下スライドシャフト3581及び
左ユニットベース3551の下支持部3551cにおけるレール部3551fによって前
後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっ
ている。
また、左スライドユニット3550の左下スライド駆動モータ3585は、左ユニット
ベース3551の前側で下支持部3551cのモータ取付部3551gに対して、回転軸
が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左
下スライド駆動モータ3585の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と
、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大
径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有
し左ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555
の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面
の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551eを通して左ユニットベース
3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛
合用開口部3551eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左下スライドベース3
580のラックギア3580bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第
二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左下スライド駆動モータ3585によって駆動ギ
ア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、
及び第二伝達ギア3557を介して左下スライドベース3580のラックギア3580b
へ伝達させて左下スライドベース3580を左右方向へスライド駆動させることができる
ようになっている。これにより、左下スライドベース3580の前面に取付けられる回転
体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
なお、図中の符号3558は、左ユニットベース3551の前面に取付けられ、回転体
ユニット3410の回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知セ
ンサ3426、及びベース装飾基板3428と、左部中継基板3020とを接続するため
の配線部材(図示は省略する)を押えるための配線押えである。
[2−10D.スライドユニットによる回転体ユニットの動作]
続いて、主に図158及び図159を参照して、左右可動演出ユニット3400におけ
るスライドユニット3500による回転体ユニット3410の動きについて説明する。ま
ず、スライドユニット3500の右スライドユニット3510は、図158等に示すよう
に、通常の状態では、右ユニットベース3511の上下方向に列設された三つの支持部3
511a,3511b,3511cに夫々配置・支持された回転体ユニット3410が、
右端側へ最も移動した状態(初期状態)となっている。この初期状態では、各回転体ユニ
ット3410が右ユニットベース3511の正面投影内に略納まった状態となっている。
また、右スライドユニット3510に支持された各回転体ユニット3410が初期状態
(初期位置の状態)では、各回転体ユニット3410が前面に取付けられる各スライドベ
ース3520,3530,3540の検知片3520d,3530d,3540dが、夫
々位置検知センサ3526,3536,3546に検知された状態となっている(図15
2を参照)。
この初期状態から、右ユニットベース3511の各支持部3511a,3511b,3
511cのモータ取付部3511gに取付けられたスライド駆動モータ3525,353
5,3545により、各駆動ギア3514を所定方向(正面視で時計回りの方向)へ回転
駆動させると、駆動ギア3514と噛合した減速ギア3515により、スライド駆動モー
タ3525,3535,3545の回転数が減速されて第一伝達ギア3516及び第二伝
達ギア3517へ伝達され、第二伝達ギア3517と噛合した各スライドベース3520
,3530,3540のラックギア3520b,3530b,3540bによって、各ス
ライドベース3520,3530,3540が、正面視で左方向へスライドすることとな
る。
そして、各スライドベース3520,3530,3540における左側のスライド受部
3520a,3530a,3540の左端が、スライドシャフト3521,3531,3
541の左端に取付けられたEリング(詳細な説明及び図示は省略する)に当接すると略
同時に各スライド駆動モータ3525,3535,3545の駆動が停止し、スライドベ
ース3520,3530,3540、つまり、各回転体ユニット3410が最も左方向へ
移動した出現位置の状態(出現状態)となる。
本例の右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の各支持部3511
a,3511b,3511cでは、正面視で遊技領域1100の略中心から放射状へ延び
る方向へ、各スライドベース3520,3530,3540(回転体ユニット3410)
をスライドさせるようにしているので、各スライドベース3520,3530,3540
を最も右側へ移動させた初期状態の位置から、最も左側へ移動した出現状態の位置へ移動
させると、各スライドベース3520,3530,3540に取付けられた回転体ユニッ
ト3410の先端同士が互いに接近した状態となるようになっている。
また、右スライドユニット3510は、各スライド駆動モータ3525,3535,3
545の駆動制御を適宜行うことで、各スライドベース3520,3530,3540(
回転体ユニット3410)を夫々独立してスライドさせることができ、多彩な動き(可動
演出)のバリエーションを具現化することができるようになっている。
更に、右スライドユニット3510は、スライドベース3520,3530,3540
が初期状態、或いは、出現状態の何れの位置でも、回転体ユニット3410の回転装飾体
3410Aを回転させることができるようになっており、回転体ユニット3410のスラ
イド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合せた多彩な可動演出を行うこ
とができるようになっている。
また、右スライドユニット3510は、上述したように、各スライドベース3520,
3530,3540を金属棒により形成された各スライドシャフト3521,3531,
3541により吊持支持させると共に、各スライドシャフト3521,3531,354
1を金属板により形成された各シャフトブラケット3522,3532,3542により
支持しているので、各スライドベース3520,3530,3540をガタ付かせること
なくスムーズにスライド支持さることができるようになっている。従って、右スライドユ
ニット3510は、各スライドベース3520,3530,3540に、回転駆動モータ
3412等を備えることで重量の重くなった回転体ユニット3410を取付けても、各ス
ライドベース3520,3530,3540を問題なくスムーズにスライドさせることが
できるようになっていると共に、回転体ユニット3410の重心が偏芯した回転装飾体3
410Aを回転させることで回転体ユニット3410から振動の原因となる変化する偏荷
重が作用しても、各スライドベース3520,3530,3540をしっかりと支持して
各スライドベース3520,3530,3540が振動するのを防止することができ、回
転装飾体3410Aをスムーズに回転させることができるようになっている。
一方、スライドユニット3500の左スライドユニット3550は、図159等に示す
ように、通常の状態では、左ユニットベース3551の上下方向に列設された三つの支持
部3551a,3551b,3551cに夫々配置・支持された回転体ユニット3410
が、左端側へ最も移動した状態(初期状態)となっている。この初期状態では、各回転体
ユニット3410が左ユニットベース3551の正面投影内に略納まった状態となってい
る。
また、左スライドユニット3550に支持された各回転体ユニット3410が初期状態
(初期位置の状態)では、各回転体ユニット3410が前面に取付けられる各スライドベ
ース3560,3570,3580の検知片3560d,3570d,3580dが、夫
々位置検知センサ3566,3576,3586に検知された状態となっている(図15
5を参照)。
この初期状態から、左ユニットベース3551の各支持部3551a,3551b,3
551cのモータ取付部3551gに取付けられたスライド駆動モータ3565,357
5,3585により、各駆動ギア3554を所定方向(正面視で反時計回りの方向)へ回
転駆動させると、駆動ギア3554と噛合した減速ギア3555により、スライド駆動モ
ータ3565,3575,3585の回転数が減速されて第一伝達ギア3556及び第二
伝達ギア3557へ伝達され、第二伝達ギア3557と噛合した各スライドベース356
0,3570,3580のラックギア3560b,3570b,3580bによって、各
スライドベース3560,3570,3580が、正面視で右方向へスライドすることと
なる。
そして、各スライドベース3560,3570,3580における右側のスライド受部
3560a,3570a,3580の右端が、スライドシャフト3561,3571,3
581の右端に取付けられたEリング(詳細な説明及び図示は省略する)に当接すると略
同時に各スライド駆動モータ3565,3575,3585の駆動が停止し、スライドベ
ース3560,3570,3580、つまり、各回転体ユニット3410が最も左方向へ
移動した出現位置の状態(出現状態)となる。
本例の左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の各支持部3551
a,3551b,3551cでは、正面視で遊技領域1100の略中心から放射状へ延び
る方向へ、各スライドベース3560,3570,3580(回転体ユニット3410)
をスライドさせるようにしているので、各スライドベース3560,3570,3580
を最も左側へ移動させた初期状態の位置から、最も右側へ移動した出現状態の位置へ移動
させると、各スライドベース3560,3570,3580に取付けられた回転体ユニッ
ト3410の先端同士が互いに接近した状態となるようになっている。
また、左スライドユニット3550は、各スライド駆動モータ3565,3575,3
585の駆動制御を適宜行うことで、各スライドベース3560,3570,3580(
回転体ユニット3410)を夫々独立してスライドさせることができ、多彩な動き(可動
演出)のバリエーションを具現化することができるようになっている。
更に、左スライドユニット3550は、スライドベース3560,3570,3580
が初期状態、或いは、出現状態の何れの位置でも、回転体ユニット3410の回転装飾体
3410Aを回転させることができるようになっており、回転体ユニット3410のスラ
イド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合せた多彩な可動演出を行うこ
とができるようになっている。
また、左スライドユニット3550は、上述したように、各スライドベース3560,
3570,3580を金属棒により形成された各スライドシャフト3561,3571,
3581により吊持支持させると共に、各スライドシャフト3561,3571,358
1を金属板により形成された各シャフトブラケット3562,3572,3582により
支持しているので、各スライドベース3560,3570,3580をガタ付かせること
なくスムーズにスライド支持さることができるようになっている。従って、左スライドユ
ニット3550は、各スライドベース3560,3570,3580に、回転駆動モータ
3412等を備えることで重量の重くなった回転体ユニット3410を取付けても、各ス
ライドベース3560,3570,3580を問題なくスムーズにスライドさせることが
できるようになっていると共に、回転体ユニット3410の重心が偏芯した回転装飾体3
410Aを回転させることで回転体ユニット3410から振動の原因となる変化する偏荷
重が作用しても、各スライドベース3560,3570,3580をしっかりと支持して
各スライドベース3560,3570,3580が振動するのを防止することができ、回
転装飾体3410Aをスムーズに回転させることができるようになっている。
[2−11.下可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における下可動演出ユニット3600について、図160乃
至図165を主に参照して説明する。図160は遊技盤の裏ユニットにおける下可動演出
ユニットを前から見た斜視図であり、図161は下可動演出ユニットを後から見た斜視図
である。また、図162は下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜
視図であり、図163は下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視
図である。更に、図164は、下可動演出ユニットにおける昇降ユニットの動きを示す説
明図である。また、図165は、下可動演出ユニットにおける昇降装飾体の動きを示す正
面図である。
裏ユニット3000における下可動演出ユニット3600は、裏箱3001内で開口3
001cの下側且つ左右方向の略中央に取付けられるものであり、表ユニット2000に
おけるアタッカユニット2100の後に位置するようになっている。この下可動演出ユニ
ット3600は、略円筒状の上端が上方へ半球状に膨出したような砲弾状に形成された昇
降装飾体3611、昇降装飾体3611を昇降可能に支持する上下方向へ延びた円筒状の
昇降軸3612、及び昇降軸3612に支持された昇降装飾体3611を上下方向へ昇降
駆動させる昇降ソレノイド3613を少なくとも有した昇降ユニット3610と、二つの
昇降ユニット3610を左右方向に隣接した状態で支持し正面視で左右方向の中央よりも
右側に配置される右支持ベース3651と、右支持ベース3651の正面視左側に配置さ
れ二つの昇降ユニット3610を左右方向に隣接した状態で支持する左支持ベース365
2と、を備えている。
本例の下可動演出ユニット3600は、昇降装飾体3611を有した昇降ユニット36
10を四つ備えている。
また、下可動演出ユニット3600は、右支持ベース3651及び左支持ベース365
2の上端同士を連結すると共に各昇降ユニット3610の昇降軸3612の下端を支持す
る上カバー3653と、上カバー3653により支持された右支持ベース3651及び左
支持ベース3652の前面を覆う前カバー3654と、前カバー3654及び上カバー3
653の上側に配置されると共に昇降ユニット3610における昇降装飾体3611が通
過可能な貫通孔3655aを有し、裏箱3001の後壁3001bの前面に取付けられる
上装飾カバー3655と、を備えている。
下可動演出ユニット3600は、四つの各昇降ユニット3610の上下方向に延びた昇
降軸3612に対して、対応する昇降ソレノイド3613が前側又は後側の何れかに配置
された状態となっている。詳述すると、右支持ベース3651に支持された正面視右側の
昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも後側に昇降ソレノイド3613が配置
されていると共に、右支持ベース3651に支持された正面視左側の昇降ユニット361
0では、昇降軸3612よりも前側に昇降ソレノイド3613が配置されている。また、
左支持ベース3652に支持された正面視右側の昇降ユニット3610では、昇降軸36
12よりも前側に昇降ソレノイド3613が配置されていると共に、左支持ベース365
2に支持された正面視左側の昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも後側に昇
降ソレノイド3613が配置されている。従って、下可動演出ユニット3600全体では
、左右方向に配置された四つの昇降装飾体3611のうち、中央側の二つの昇降装飾体3
611が、左右両側の二つの昇降装飾体3611よりも若干後方へオフセットした状態と
なっている。
また、下可動演出ユニット3600は、各昇降ユニット3610における昇降ソレノイ
ド3613が、右支持ベース3651や左支持ベース3652に対して、進退するプラン
ジャが下方へ向かって進退するように支持されている。
本例の下可動演出ユニット3600の昇降ユニット3610は、昇降ソレノイド361
3のプランジャの先端(下端)に取付けられるプランジャホルダ3614と、プランジャ
ホルダ3614に下端が連結され、上端が上カバー3653の上面よりも上側に延出する
と共に上端に横方向(前後方向)に延びた長孔状のリンク孔3615aを有し、昇降ソレ
ノイド3613の左右何れかの側面に配置された棒状の昇降アーム3615と、昇降アー
ム3615のリンク孔3615a内へ摺動可能に挿入される左右方向へ延びたリンクピン
3616a、リンクピン3616aの基端側から前後方向両側へ延びリンクピン3616
aを挟んで一方側に対して他方側が一方側よりも約二倍の長さで延びた棹部3616b、
棹部3616bの一方側の端部に形成され昇降ソレノイド3613の直上で上カバー36
53の上面に対して回転可能に支持される軸支部3616c、を有する第一アーム361
6と、第一アーム3616における他方側の端部に対して下端が回転可能に支持され上方
へ第一アーム3616よりも短く延出した第二アーム3617と、第二アーム3617の
上端が回転可能に取付けられる連結部3618a、連結部3618aが外周下部に形成さ
れ昇降軸3612の外周に挿入される筒状の摺動部3618b、摺動部3618bの上端
に形成され昇降装飾体3611の下端が取付けられる円環状の取付部3618cを備えた
昇降装飾体ベース3618と、を備えている。
また、昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611の内部で昇降軸3612の外周に
挿入され、昇降装飾体ベース3618を下方へ付勢するコイル状の付勢部材3619を更
に備えている。更に、昇降ユニット3610は、円筒状の昇降軸3612内に挿入され上
端が昇降軸3612よりも上側へ突出すると共に下端が昇降軸3612よりも下側へ突出
した透明棒状の導光部材3620と、導光部材3620の直下に上方へ向けて光を照射可
能なLEDが少なくとも実装された昇降装飾体装飾基板3621と、を備えている。昇降
ユニット3610の導光部材3620は、上端に拡散レンズが形成されており、直下に配
置された昇降装飾体装飾基板3621のLEDからの光を昇降軸3612の上端へ導いた
上で、拡散させて昇降装飾体3611を内側から発光装飾させることができるようになっ
ている。
また、下可動演出ユニット3600は、正面視で中央側に配置された二つの昇降ユニッ
ト3610の昇降アーム3615を上下方向へスライド可能に支持すると共に、正面視で
左右両側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降装飾体装飾基板3621を支持
し、右支持ベース3651や左支持ベース3652に取付けられるガイド部材3656を
更に備えている。また、下可動演出ユニット3600は、正面視で左右両側に配置された
二つの昇降ユニット3610の昇降アーム3615を上下方向へスライド可能に支持する
と共に、正面視で中央側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降装飾体装飾基板
3621を支持し、右支持ベース3651と左支持ベース3652を連結するセンター支
持部材3657を更に備えている。
更に、下可動演出ユニット3600は、前カバー3654に取付けられ磁気を検出する
ための磁気検出センサ3660を備えている。この磁気検出センサ3660は、アタッカ
ユニット2100付近に作用する磁気を検出することができ、磁石等を使った不正行為を
検出することができるようになっている。
本例の下可動演出ユニット3600の上装飾カバー3655は、前端下部から前方へ延
出した延出部3655bを備えている。この延出部3655bは遊技盤4を組立てた状態
で表ユニット2000のセンター役物2500におけるステージ2510の直下に位置す
るようになっている。そして、下可動演出ユニット3600は、上装飾カバー3655の
延出部3655bの下側に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されたステージ下右装
飾基板3661とステージ下左装飾基板3662とを備えている。これらステージ下右装
飾基板3661及びステージ下左装飾基板3662によって、センター役物2500のス
テージ2510を下側から発光装飾させることができるようになっている。
続いて、下可動演出ユニット3600における昇降装飾体3611の動きについて説明
する。この下可動演出ユニット3600は、通常の状態では、昇降ユニット3610の付
勢部材3619の付勢力と重力とによって昇降装飾体3611が下方へ降下した状態とな
っている(図165(a)等を参照)。昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611が
下降した状態では、昇降ソレノイド3613のプランジャが下方へ突出した状態となって
いる。なお、昇降装飾体3611は、昇降軸3612を支持する上カバー3653の上面
に昇降装飾体ベース3618における摺動部3618bの下端が当接することで下方への
移動が規制されるようになっている。
昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611が下降した通常の状態から、昇降ソレノ
イド3613に通電することでプランジャを上昇(没入)させると、プランジャの下端に
取付けられたプランジャホルダ3614を介して昇降アーム3615が上昇し、この昇降
アーム3615が上昇することで、昇降アーム3615のリンク孔3615aに挿入され
た第一アーム3616のリンクピン3616aも上昇することとなる。このリンクピン3
616aを有した第一アーム3616は、リンクピン3616aに近い棹部3616bの
一方側の軸支部3616cが上カバー3653に軸支されており、リンクピン3616a
の上昇に伴って、軸支部3616cを中心として棹部3616bの他方側が上昇する方向
へ回動することとなり、他方側の端部がリンクピン3616aの上昇よりも大きく上昇す
るようになっている。
そして、第一アーム3616の他方側の端部に支持された第二アーム3617を介して
昇降装飾体ベース3618が、昇降軸3612に案内された状態で付勢部材3619の付
勢力に抗して上昇することとなる。これにより、昇降ユニット3610の昇降装飾体ベー
ス3618に取付けられた昇降装飾体3611が、上装飾カバー3655の上面よりも大
きく上昇(突出)した状態となり(図165(b)を参照)、遊技者側から充分に視認で
きるようになる(図168を参照)。
なお、上昇した昇降装飾体3611を下降させる場合は、昇降ソレノイド3613への
通電を停止させると、付勢部材3619の付勢力によって昇降装飾体ベース3618が下
方へ押され、上記と逆の動きをすることで昇降装飾体3611が下降した通常の状態に復
帰するようになっている。
また、本例の下可動演出ユニット3600は、四つの昇降装飾体3611が、各昇降ユ
ニット3610に夫々備えられた昇降ソレノイド3613によって、夫々独立して昇降す
ることができるようになっており、四つの昇降装飾体3611の動きを適宜組合せること
で、多彩な可動演出をすることができるようになっている。
更に、下可動演出ユニット3600は、昇降装飾体装飾基板3621のLEDからの光
を昇降装飾体3611へ誘導(導光)する導光部材3620を位置固定とした上で、導光
部材3620に対して昇降装飾体3611を相対的に移動(昇降)させるようにしている
ので、昇降装飾体3611の移動位置に応じて、導光部材3620から照射される光の範
囲を変化させることができ、昇降装飾体3611の発光装飾を変化させることができるよ
うになっている。
[2−12.液晶表示装置]
続いて、本例の遊技盤4における液晶表示装置1900は、裏ユニット3000におけ
る裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所
定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、
図115等に示すように、上下両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、こ
の固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図113等に示すように、周辺制御部4140や液晶
制御部4150(図169を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺
制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えてい
る。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピ
ーカ130,222,262や本体枠3に備えられたスピーカ821等から出力される音
量を調節することができるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、バックライト(本例では、冷陰極管)を点灯させるた
めのインバータ基板4163(図169を参照)を収容したインバータ基板ボックス19
20が、背面視で周辺制御基板ボックス1910の左側に備えられている。
[2−13.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤4における各可動演出ユニット3300,3400,360
0を用いた可動演出について、図166乃至図168を主に参照して説明する。図166
は、遊技盤における裏ユニットの上可動演出ユニットの動きを示す説明図である。また、
図167は、遊技盤における裏ユニットの左右可動演出ユニットの動きを示す説明図であ
る。更に、図168は、遊技盤における裏ユニットの下可動演出ユニットの動きを示す説
明図である。
本例の遊技盤4は、図110等に示すように、通常の状態では、裏ユニット3000に
備えられた可動する上可動演出ユニット3300の上可動ユニット3310が上昇した退
避位置に位置しており、この状態では、上可動ユニット3310のキャラクタベースカバ
ー3319を除いて表ユニット2000におけるセンター役物2500のセンターロゴ装
飾部材2520の後側に位置することとなり、キャラクタ体3311や背面装飾部材33
30等が遊技者から見えないようになっている。
また、遊技盤4は、通常の状態では、裏ユニット3000における左右可動演出ユニッ
ト3400の各回転体ユニット3410が、遊技領域1100の中央から遠ざかった初期
状態の位置に位置していると共に、各回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aが
、回転ヘッド3415におけるハート型の透光性を有した部位が遊技領域1100の中央
に対して接近した向きとなる回転位置(回転装飾体3410Aの回転中心と遊技領域11
00の中央とを結んだ軸線上で、遊技領域1100の中央に近い側の位置にハート型の部
位が位置した状態)で停止した状態となっている。
なお、左右可動演出ユニット3400の各回転体ユニット3410が、初期位置の状態
では、回転装飾体3410Aにおける正面視略円形状の回転ヘッド3415が、センター
役物2500の右枠の内周に形成された三つの略半円形状に湾曲した窪みや、裏飾りユニ
ット3100の左裏飾り部材3111の右端に形成された三つの略半円形状に湾曲した窪
み内に収容された状態となっており、センター役物2500や裏飾りユニット3100等
の装飾と一体となっているように見えるようになっている。
更に、遊技盤4は、通常の状態では、裏ユニット3000における下可動演出ユニット
3600の四つの昇降ユニット3610の各昇降装飾体3611が下降した状態となって
おり、センター役物2500の透明なステージ2510を通して昇降装飾体3611の上
部が僅かに見えるようになっている。
本例の遊技盤4は、上可動演出ユニット3300の昇降駆動モータ3361によりカム
リンクギア3364を背面視で時計回りの方向へ回転駆動させると、リンクピン3364
bがカムリンクギア3364の回転中心の周りを公転すると共に、昇降アーム3365に
おける長孔状の接続部3365e内を基端部3365aから遠ざかる方向へ摺動すること
となる。そして、昇降アーム3365は、接続部3365e内を摺動するリンクピン33
64bの公転に伴って、基端部3365aを中心として回動することとなる。
そして、昇降アーム3365が背面視で時計回りの方向へ回動すると、連結摺動部材3
367が、昇降アーム3365の連結部3365b内を摺動すると同時に案内溝3351
a内を摺動し、連結摺動部材3367に支持された連結軸3366を介して昇降スライダ
3354つまり上可動ユニット3310が下方へスライド(昇降)することとなる。
これにより、上可動ユニット3310の一対のキャラクタ体3311や背面装飾部材3
330等が、センター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520よりも下側に位置し
た状態となり、図166に示すように、遊技者側からキャラクタ体3311等が視認でき
る状態となる。つまり、一対のキャラクタ体3311が出現することとなる。
なお、上可動演出ユニット3300における一対のキャラクタ体3311は、上下方向
へ延びた軸線に対して互いに異なる方向へ回転することができるようになっているので、
上可動ユニット3310が出現位置へ下降させて一対のキャラクタ体3311を出現させ
る可動演出だけでなく、一対のキャラクタ体3311を互いに回転させる可動演出も行う
ことができるようになっている。
この上可動演出ユニット3300による可動演出のパターンとしては、図示は省略する
が、例えば、上可動ユニット3310が退避位置の時に一対のキャラクタ体3311が夫
々後を向くように回転停止させ、この状態で上可動ユニット3310を下降させて一対の
キャラクタ体3311を出現させる。その後、一対のキャラクタ体3311が前を向くよ
うに回転させる。これにより、一対のキャラクタ体3311が後を向いた状態で出現する
ので、その後、回転して一対のキャラクタ体3311が前を向くと、遊技者に対してチャ
ンスの到来を強く抱かせることができるので、出現した一対のキャラクタ体3311が前
を向くか否かで遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、期待感を高めて遊技に対
する興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
或いは、出現させた一対のキャラクタ体3311の回転に合せて、所定の音楽を出力す
るようにしても良く、これにより、一対のキャラクタ体3311が音楽に合せてあたかも
踊っているように錯覚させることができ、遊技者に対して一対のキャラクタ体3311の
動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
また、本例の遊技盤4は、正面視で液晶表示装置1900の左右両側に配置された左右
可動演出ユニット3400における六つの回転体ユニット3410の各回転駆動モータ3
412を回転駆動させると、回転体ユニット3410の最前端に配置され略半球状の回転
ヘッド3415が回転すると共に、回転ヘッド3415の後側に配置された一対のアーム
部材3423が回転ヘッド3415と伴に回転しながら互いに離反したり接近したりして
回転軸に対して進退する動きをするようになっている。これにより、回転しながら手を模
した一対のアーム部材3423が開いたり閉じたりしているように見え、遊技者の関心を
強く引付けることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができ
るようになる。
この左右可動演出ユニット3400では、六つの回転装飾体3410Aの回転を、夫々
同じタイミングで回転させるようにしても良いし、回転させるタイミングを夫々異ならせ
るようにしても良い。なお、六つの回転装飾体3410Aを回転させるタイミングを夫々
異ならせるようにした場合では、回転ヘッド3415の向きや一対のアーム部材3423
の進退するタイミングが異なることで、パチンコ機1全体としては、各回転装飾体341
0Aが揺れているように錯覚させることができ、より目立たせることができるようになる
また、左右可動演出ユニット3400では、六つの回転体ユニット3410と夫々対応
したスライド駆動モータ3525,3535,3545,3565,3575,3585
を回転駆動させること、各回転体ユニット3410を取付けた各スライドベース3520
,3530,3540,3560,3570,3580が遊技領域1100の中央へ向か
う方向へスライドし、図167に示すように、六つの回転体ユニット3410が遊技領域
1100の中央側へ寄った出現位置の状態となるようになっている。この状態では、各回
転体ユニット3410が遊技領域1100の中央側へ位置することで、遊技者側からより
目立つようになり、遊技者の関心を強く引付けることができるようになる。
遊技盤4は、図167に示すように、左右可動演出ユニット3400における六つの回
転体ユニット3410を出現位置へ位置させた状態では、各回転体ユニット3410の回
転装飾体3410Aにおける回転ヘッド3415が、センター役物2500や裏飾りユニ
ット3100に形成された略半円形状に湾曲した窪み内から飛び出したような状態となり
、センター役物2500や裏飾りユニット3100の装飾から離れて回転体ユニット34
10が目立つ状態となっている。
また、左右可動演出ユニット3400は、図167に示すような、各回転体ユニット3
410を遊技領域1100の中央側へ寄った出現位置に位置させることで、液晶表示装置
1900の可視範囲を狭くすることができ、液晶表示装置1900の視認範囲を物理的に
変化させて遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
更に、左右可動演出ユニット3400では、図167に示すような、各回転体ユニット
3410を出現位置に位置させた状態で、回転駆動モータ3412により回転装飾体34
10Aを回転させるようにしても良く、これにより、遊技者に対して回転装飾体3410
Aの回転演出をより見易くすることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊
技領域1100全体で広く可動演出(回転演出)が行われることとなり、遊技者に遊技に
対する期待感を強く抱かせることが可能となり、興趣が低下するのを抑制することができ
るようになる。
なお、左右可動演出ユニット3400では、各回転体ユニット3410を夫々区々に遊
技領域1100の中央寄りの方向へスライドさせるようにしても良く、これにより、遊技
者に対して、スライドする回転体ユニット3410の位置や、スライドする回転体ユニッ
ト3410の数等によって、チャンスの到来を示唆しているものと思わせることが可能と
なり、複数の回転体ユニット3410による可動演出に対して期待感を持たせることがで
き、可動演出が行われることを楽しみにさせて飽き難いパチンコ機1とすることができる
ようになる。
また、左右可動演出ユニット3400では、各回転体ユニット3410のスライド演出
や回転装飾体3410Aの回転演出に応じて、後側に配置された液晶表示装置1900に
演出画像を表示させるようにしても良く、可動演出と演出画像とによるコラボレーション
演出によって遊技者をより楽しませることができるようになる。
更に、左右可動演出ユニット3400では、一つの回転体ユニット3410に対して、
その回転体ユニット3410における遊技領域1100の中央寄り側の液晶表示装置19
00の領域に、回転体ユニット3410の可動演出と対応した特定の演出画像を表示させ
るようにし、可動演出を行う回転体ユニット3410の位置に合せて、液晶表示装置19
00における特定の演出画像を表示させる領域を変化させるようにしても良く、これによ
り、回転体ユニット3410と特定演出画像とによる演出(特定演出)が、六つの略同じ
形状の回転体ユニット3410を配置した任意の位置で行うことができるので、これまで
のパチンコ機では見ることができなかった演出を遊技者に見せることが可能となり、遊技
者を驚かせることができると共に楽しませることができ、興趣が低下するのを抑制するこ
とができるようになる。
更に、本例の遊技盤4は、センター役物2500におけるステージ2510の後側に配
置された下可動演出ユニット3600の四つの昇降ユニット3610における各昇降ソレ
ノイド3613を駆動させることで、図168に示すように、各昇降装飾体3611を上
昇させることができ、四つの昇降装飾体3611を上昇させることで、各昇降装飾体36
11の上端がステージ2510よりも上側へ突出した状態となるようになっている。
これにより、ステージ2510の後側且つ下側から昇降装飾体3611が、上昇するこ
とで突出して液晶表示装置1900の下部前面に突出するので、遊技者に対して昇降装飾
体3611の上昇に気付かせ易くすることができ、上昇した昇降装飾体3611に注目さ
せて、昇降装飾体3611の装飾や動き等を楽しませることができるようになっている。
また、下可動演出ユニット3600は、四つの昇降装飾体3611を夫々別々に昇降さ
せることができるので、四つの昇降装飾体3611を昇降させるパターンを適宜選択する
ことで様々な昇降演出を行うことができ、飽き難い可動演出を行うことができるようにな
っている。
更に、下可動演出ユニット3600では、昇降ユニット3610の昇降装飾体3611
を発光装飾させるための昇降装飾体装飾基板3621からの光を導く導光部材3620が
、昇降装飾体3611に対して位置固定とされているので、昇降装飾体3611を昇降さ
せると導光部材3620(の上端)との距離が変化するようになっており、昇降装飾体3
611の発光具合や、発光範囲を変化させることができ、昇降装飾体3611の発光演出
も楽しませることができるようになっている。
また、下可動演出ユニット3600では、四つの昇降装飾体3611を夫々独立して昇
降させることができるので、例えば、始動入賞により保留された抽選結果の数を、上昇さ
せる昇降装飾体3611の数で表すようにしても良く、従来のパチンコ機のように、ラン
プの点灯数や画像等によって表示する場合と比較して、保留数をより目立ち易くすること
ができ、保留された抽選結果に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制するこ
とができるようになっている。なお、この場合、昇降装飾体3611の発光色によって保
留している抽選結果の種類を示唆するようにしても良く、より多彩な保留表示を行うこと
ができる。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図169を参照して説明す
る。図169はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構
成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループ
から構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4
000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球
の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制
御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて遊技中の各
種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基づいて
液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えてい
る。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図169に示すように、各種処理プログ
ラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵される
マイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス
)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力さ
れる主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆
動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下
、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去する
ためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、
その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する
。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチ
ドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた
遊技球を検出する第一始動口センサ3231、第二始動口2102へ受入れられた遊技球
を検出する第二始動口センサ2127、及び一部の一般入賞口センサ3232からの検出
信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2402
、一般入賞口センサ3232、カウントセンサ2128及び裏ユニット3000に取付け
られた磁気検出センサ3660からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基
板3012、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになって
いる。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート410
0bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル
中継基板3012を介して始動口ソレノイド2121及びアタッカソレノイド2124に
駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3012、セン
ター役物2500の保留表示基板2603、及び機能表示基板1191を介して第一特別
図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、
第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器118
8、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127、ゲ
ートセンサ2402、及びカウントセンサ2128には、非接触タイプの電磁式の近接ス
イッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3232には、接触タイプのON/O
FF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や
第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2401を頻繁に通過するため、第一
始動口センサ3231、第二始動口センサ2127、及びゲートセンサ2402による遊
技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ
2127、及びゲートセンサ2402には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また
、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放され
て遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2128による遊技球の検出も頻繁に発
生する。このため、カウントセンサ2128にも、寿命の長い近接スイッチを用いている
。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104には、一般入賞口センサ
3232による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3232には、近
接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関
する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110か
らのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU
4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各
種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の
周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基
板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100
aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関
する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に
送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供
給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮
断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源とし
ての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図170
参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断
時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することが
できるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100の
RAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全
に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作
信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は
、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予
告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停
電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力さ
れる他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図169に示すように、払出し
に関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を
行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチ
ンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130
に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク7
20、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ機1の外部へ排出
して球抜き動作を開始するための球抜スイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、
図169に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的に
データを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU411
1aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4
111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ411
1c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ
744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する
各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えて
いる。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵R
OM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに
、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に
関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート
4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリア
スイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して
入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れ
スイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基
板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球の有
無を検出する球切れスイッチ750、及びユニットベース741に形成された賞球通路7
41c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置
740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御
I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置
740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角セ
ンサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継
基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート41
11bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2
に対する本体枠3の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払
出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制
御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンで
あるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継
基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力さ
れ、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されてい
る。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制
御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり
、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御
I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ機
1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板
4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/O
ポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は
、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホ
ールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報
等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示して
パチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内
容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正
常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具
体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常
が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(
具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニット
ベース741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」
が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの
検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741
aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近
傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表
示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751
からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「
5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作
のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されて
いるときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号
に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タン
である旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払
出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断
されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨
(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を
報知している。
貸球スイッチ365aからの遊技球の貸球要求信号、及び返却スイッチ365bからの
プリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そ
してCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになってい
る。CRユニット6は、貸球要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、
CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、
この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入
力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿
入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365c
に表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そし
て度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっ
ている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を
行う発射制御部4120は、図169に示すように、発射に関する各種検出スイッチから
の検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力
する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向
かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング回路4120cと、この
発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆
動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力
する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング回路4120
cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球
が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイ
ド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パル
スを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ
516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出す
る発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして
主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング
回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874
とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され
、発射タイミング回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前5
06の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調
節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そし
て主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基
づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域
1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機
として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノ
イド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端
子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電
流を出力することにより球送りユニット580の球送り部材584が皿ユニット300の
上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したこと
を契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送り部材584が受入れた遊
技球を打球発射装置650側へ送るようになっている。このように、発射ソレノイド駆動
回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに
対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動
電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にで
も所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキ
ャパシタBC1(図170参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御M
PU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RA
Mに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主
制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RA
Mから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図169に示すように、主制御基板4100からのコマンド
に基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御デ
ータに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えて
いる。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図169に示す
ように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラム
や各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4
140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されて
いる音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数
内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに
基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又
は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/O
ポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けられた各種可動体を作
動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側駆
動データと、遊技盤4に備えられた各装飾基板のカラーLED等へ点灯信号、点滅信号又
は階調点灯信号等を出力するための遊技盤発光データと、から構成される遊技盤側駆動発
光データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3001の後面に取付け
られた各中継基板3014,3016,3018,3020に送信したり、扉枠5に設け
られたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆
動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又
は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データ
を枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺
側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900
に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポー
トから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽
出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサから
の検出信号は、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,30
18,3020を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられ
た操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a
,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号
は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板87
2を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝え
る信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて
液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に
基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして
周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合
わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872
、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたス
ピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に
合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010
に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転
操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドック
タイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォ
ッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制
御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシ
ステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシ
リアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送
信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per
second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU
4140aから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,30
18,3020に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅
コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートによ
り行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3
020は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を、周辺側
中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,25
6,286,320,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤
側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板
2523,2532,3112,3122,3132,3318,3334,3335,
3416,3428,3621,3661,3662のLEDに出力したりする。また、
裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020
は、受信した可動体の駆動コマンドに基づいて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介
して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モー
タ3315,3361,3412,3525,3535,3545,3565,3575
,3585及び昇降ソレノイド3613に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝え
る信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット
300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知
する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部40
5の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882
及び裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,30
20を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基づい
て音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基
板3014,3016,3018,3020及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5
のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3001の後
面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020を介して本体枠3
のスピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本
例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピ
ーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下
部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chス
テレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラ
ウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のあ
る音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御
部4150は、図169に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU41
50aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM
4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Di
splay Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示され
る画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150d
に記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備
えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を
内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP
4150cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御M
PU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部414
0に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中
信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機と
して、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための
各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対
応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送
スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定す
る画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画
面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM415
0dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に
、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この
非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描
画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150e
の非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド
)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽
出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御
ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MP
U4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面デ
ータから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力され
ると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデー
タを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画デ
ータを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU41
50aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御M
PU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用され
ている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する
1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ラ
イン分の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その
容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表
示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアク
セス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとな
る。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラR
OM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRA
M4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプラ
イトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で
キャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置19
00にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900
に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼
ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプ
ライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプラ
イトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、
画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの
重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されてい
る。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合
には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライ
トの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現する
ことができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用
いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに
任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一
方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰
り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、
液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査とし
て液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそ
れぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走
査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次
ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左か
ら右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[3−5.電源システム]
次に、パチンコ機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板851につい
て説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図170はパチンコ
機の電源システムを示すブロック図であり、図171は図170の続きを示すブロック図
である。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板
851のグランドと電気的に接続されている。
[3−5A.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが
島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ852を操作すると、島設備
から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うこ
とができる。
電源基板851は、図170に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路85
1b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851
e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路
851aは、島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力
率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力
の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作
成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+3
7Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.
25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出
制御基板4110、及び周辺パネル中継端子板872にそれぞれ供給している。+5.2
V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V
(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。
+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直
流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成して
いる。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直
流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24
V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(
DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5.2V作成回路
851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧
は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回
路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、周辺パネル中継端子板
872に供給されている。なお、島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路
851aのほかに、電源基板851を介してCRユニット接続端子板874にも供給され
ている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0
は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RA
M4100e)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110
における払出制御部4111の払出制御MPU4111aに内蔵されたRAM(払出制御
内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基
板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に
供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU41
11aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAM
の電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2V
は、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介し
て主制御内蔵RAM4100eの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端
子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシ
タBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電
源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソ
ード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力
は、払出制御MPU4111aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオード
PD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子
と、に向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2
Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻っ
てくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるよう
になっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板41
10に供給されくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして
払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4111aの
電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4111a
が作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることによ
り記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端
子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシ
タBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板410
0の主制御内蔵RAM4100eの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板
4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5
.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電
流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAM4100e
の電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている
。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2
Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から
電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電
することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電
力が主制御基板4100に供給されくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電
荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MP
U4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MP
U4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAM4100eの電源端子には主VBB
が印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[3−5B.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出
制御基板4110、主制御基板4100、及び発射電源基板831に供給される電圧つい
て説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧
は、図170に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御
基板4110を介して主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作
成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、周辺
パネル中継端子板872に供給されるとともに、この周辺パネル中継端子板872を介し
て周辺制御基板4010に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+
12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺側中継端子板882に供給されている。
周辺制御基板4010に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vと
いう4種類の電圧は、図171(a)に示すように、その4種類の電圧のうち、+5.2
5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた
各中継基板3014,3016,3018,3020のランプ駆動回路4161に供給さ
れてランプ駆動回路4161から遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点
灯信号等の各種信号が出力され、その4種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた
各中継基板3014,3016,3018,3020の駆動源駆動回路4162に供給さ
れて駆動源駆動回路4162から遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動
信号を出力している。また、その4種類の電圧のうち、+24V及び+37Vという2種
類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。
液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジ
ュール1900aのバックライト用の電源であるバックライト電源と、を備えており、+
24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源に供給され
ている。これに対して、周辺側中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、
及び+24Vという3種類の電圧は、図171(b)に示すように、扉枠ベース基板19
4に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供
給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。扉
枠ベース基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成され
る+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[3−5C.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図170に示すように、払出制御MPU4111a等のほか
に、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出
制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、こ
の+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して
電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4111の
払出制御MPU4111a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板8
51からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電
又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停
電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主
制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、
周辺制御基板4010に伝わることにより、この周辺制御基板4010を介して、図17
1(a),(b)に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源1900bに
伝わる一方、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース
基板194にも伝わって、扉枠ベース基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝
わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12
Vは、例えば、払出制御部4111の払出制御入力回路4111e等にも供給され、+2
4Vは、例えば、払出制御部4111の払出モータ駆動回路4111d等にも供給されて
いる。また、電源基板851からの+37は、払出制御基板4110において何ら使用さ
れずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている
。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御
部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
[3−5D.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図170に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、
主制御フィルタ回路4100hも備えている。主制御フィルタ回路4100hは、払出制
御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去し
ている。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC
0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御
基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100f等に供給され、払出
制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100g等に
供給されている。
[3−5E.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図170に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解
コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))
を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37V
を降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して
払出制御基板4110における発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120d
に供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記
載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサS
C0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と
電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ83
1aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形
態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電され
た電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が払出制御基板4110の発射ソレノ
イド駆動回路4120dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
[3−6.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、発射ソレノイド654の駆動方法について説明する。まず、発射ソレノイド65
4の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、
出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。図172は発射ソレノイドの駆動回
路を示すブロック図であり、図173はシャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペ
アンプ回路群を示す回路図であり、図174はDC/DCコンバータの特性を示す図であ
り、図175は図172の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャー
トである。
[3−6A.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図172に示すように、主として、払出制御
基板4110における発射制御部4120の発射制御入力回路4120a、発振回路41
20b、発射タイミング回路4120c、発射ソレノイド駆動回路4120d、及び球送
ソレノイド駆動回路4120eと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a
、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回
路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4120aは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介
して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ機1から
電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されてCR接続信号として発
射タイミング回路4120cに出力し、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れ
ているか否かを検出するタッチセンサ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出
信号として発射タイミング回路4120cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち
出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力
されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4120cに出力する。
発射タイミング回路4120cは、発射制御入力回路4120aからのCR接続信号、
タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球
の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4120c
は、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電
気的に接続されていないためにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タ
ッチ検出信号が回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れていない旨を伝えている
という第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝え
ているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654によ
る遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654に
よる遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号が入力され
ており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロッ
ク信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出さ
れるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するととも
に、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して
球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4120dは、
DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と
、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。こ
れに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、電源基板851からの+24Vによ
る球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4120dは、主として、シャントレギュレータ回路4121
a、増幅回路4121b、電圧比較回路4121c、スイッチング回路4121dから構
成されている。シャントレギュレータ回路4121aは、電源基板851の+5.2V作
成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化さ
れた直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して
増幅回路4121bに供給している。
シャントレギュレータ回路4121aは、図173(a)に示すように、シャント式安
定化電源回路PIC0を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路PIC
0は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保
持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路PIC
0の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2V
と抵抗PR2を介して電気的に接続されており、この抵抗PR2によりREF端子に入力
される電流が制限されている。K端子は増幅回路4121bに+2.5Vを出力している
。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサPC0によりリップル(電圧に畳
重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC0は、ローパスフィ
ルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC0のアノード
端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図172に戻り、増幅回路4121bは、シャントレギュレータ回路4121aからの
+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記
載する。)を作成して主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介し
て、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。
増幅回路4121bは、図173(a)に示すように、オペアンプPIC1を主として
構成されている。オペアンプPIC1は、非反転増幅回路として構成されており、オペア
ンプPIC1の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4121aのシ
ャント式安定化電源回路PIC0からの+2.5Vが印加され、オペアンプPIC1の反
転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗PR3の他端と電気的に接続
されるとともに、オペアンプPIC1の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗PR4
の他端と電気的に接続されている。抵抗PR3,PR4の抵抗値は、オペアンプPIC1
の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプPIC1の出
力端子は、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)に印加された+2.5Vを2
倍に増幅した+5.0Vを、上述したように、主側中継端子板880、そしてハンドル装
置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供
給している。この+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサPC2によりリップル
(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC2は、ロ
ーパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプPIC1の電源端子に入
力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC1によりリップルが除去され
て平滑化されている。
図172に戻り、回転位置検知センサ512は3端子の可変抵抗器であり、両端の一の
固定端子が上述した増幅回路4121bからの+5.0Vが供給され、その両端の他の固
定端子がハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御
基板4110における発射ソレノイド駆動回路4120dの抵抗PR0と電気的に接続さ
れている。この抵抗PR0の他端は、グランドと接地されている。回転位置検知センサ5
12の両端の固定端子とは別の端子である可変端子から、可変された抵抗値に従って両端
に印加された電圧の分圧を取り出すことができるようになっている。回転位置検知センサ
512の可変端子から取り出した電圧は、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継
端子板880を介して、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dにお
ける後述する抵抗PR5,PR6(図173(b)参照)で分圧され、この分圧された抵
抗PR6が受け持つ電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加され
る。
ハンドル装置500の回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、上
述したように、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、図
173(b)に示すように、グランドと接地されたコンデンサPC3によりリップル(電
圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化され(コンデンサPC3は、ローパスフィ
ルタとしての役割も担っている。)、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4
120dのボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加される。このオ
ペアンプ回路群は、図173(b)に示すように、初段のオペアンプPIC2、後段のオ
ペアンプPIC3を主として構成されている。ハンドル装置500からの電圧は、ボルト
オーダーの電圧であり初段のオペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加され
る。初段のオペアンプPIC2の反転入力端子(−端子)には、初段のオペアンプPIC
2の出力端子と電気的に接続されている。初段のオペアンプPIC2の出力端子は、オペ
アンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりその
ままのボルトオーダーの電圧として出力する。この初段のオペアンプPIC2は、ボルト
オーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、ハンドル装置500
からの電圧を印加するための初段入力側回路と、電圧を後段のオペアンプPIC3に出力
するための初段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、初段入力側回路
から初段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、初段出力側回路の
影響を初段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC2の電源端
子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC4によりリップルが除
去されて平滑化されている。
初段のオペアンプPIC2の出力端子は、自身の反転入力端子(−端子)のほかに、抵
抗PR5の一端と電気的に接続され、この抵抗PR5の他端が後段のオペアンプPIC3
の非反転入力端子(+端子)と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の非
反転入力端子(+端子)は、抵抗PR5の他端のほかに、一端がグランドと接地された抵
抗PR6の他端と電気的に接続されている。これにより、初段のオペアンプPIC2の出
力端からの電圧は、上述したように、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのま
ま出力しているため、ボルトオーダーの電圧であり、抵抗PR5,PR6により分圧され
、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧がミリボルトオーダーの電圧として後段のオ
ペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)に印加される。後段のオペアンプPIC3
の反転入力端子(−端子)には、後段のオペアンプPIC3の出力端子と電気的に接続さ
れている。後段のオペアンプPIC3の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端
子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのミリボルトオーダーの電
圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4121cに出力する。この後段のオペアンプ
PIC3は、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持
つ電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、抵抗PR5,PR6で分圧さ
れたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧を印加するための後段入力側回路と
、電圧を電圧比較回路4121cに出力するための後段出力側回路と、の回路分離を実現
している。これにより、後段入力側回路から後段出力側回路に向かって電圧が信号として
伝達することができ、後段出力側回路の影響を後段入力側回路へ与えなくすることができ
る。なお、オペアンプPIC3の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地され
たコンデンサPC5によりリップルが除去されて平滑化されている。
図172に戻り、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一
端がグランドと接地された抵抗PR1を流れることでこの抵抗PR1が受け持つミリボル
トオーダーの電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4121cに印加される。電圧比較
回路4121cには、上述したミリボルトオーダーの電圧である発射強度目標電圧も印加
されている。このように、電圧比較回路4121cで比較する発射制御電圧と発射強度目
標電圧とは、上述したように、払出制御基板4110(発射ソレノイド駆動回路4120
d)においてボルトオーダーの電圧からミリボルトオーダーの電圧へ抵抗PR1,PR6
が受け持つ電圧によりそれぞれ降圧されるようになっている。つまり、払出制御基板41
10上に形成された配線パターンを介して印加されるため、この配線パターンがノイズの
影響を受け難く、電圧比較回路4121cがミリボルトオーダーの電圧で発射制御電圧と
発射強度目標電圧とを比較することができるのに対して、払出制御基板4110と打球発
射装置650との基板装置間、及び払出制御基板4110とハンドル装置500との基板
装置間においては、配線を介して電気的に接続されているため、配線にノイズの影響を受
け易く、ボルトオーダーの電圧とすることにより基板装置間におけるノイズの影響を抑制
している。
電圧比較回路4121cは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型
の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4121dに出力する。電圧比較回路4
121cによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧
が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方
、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。
)となる。このように、電圧比較回路4121cによる比較結果によって出力論理がH又
はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4121dに
入力されることとなる。
スイッチング回路4121dは、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルス
が入力されるごとに、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従って、発射電
源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサS
C0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイ
ド654に流す。具体的には、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121c
からのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コン
デンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す
一方、電圧比較回路4121cからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654
に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4
121cからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電
解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654
に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗PR1によっ
て分圧された電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回
路4121cの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4121dに出力し
、スイッチング回路4121dが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。
この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧
が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4121cの出力論理が再びHとなり
、ON信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが、上
述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放
電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電
圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4121dが、
DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と
、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したり
するため、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON/OFF
信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチン
グ回路4121dは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射
強度目標電圧に近づけている。これにより、回転ハンドル本体前506が回動操作されて
回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動
して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動
していない原回転位置であるときには、回転位置検知センサ512の可変端子から取り出
される電圧は、抵抗PR0に印加されている電圧が上述したボルテージフォロアとして構
成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121
cに印加される。この場合には、電圧比較回路4121cからのON信号がスイッチング
回路4121dに出力されると、スイッチング回路4121dは、DC/DCコンバータ
831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電
流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される
電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも
、発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、抵抗PR0に印加されてい
る電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバー
タ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、
が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によ
って打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、遊技盤4の
外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球と
してファールカバーユニット540で回収されこととなる。換言すると、抵抗PR0に印
加されている電圧がボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、
発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加されるときには、発射ソレノイ
ド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド6
54に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになって
いる。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技
球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊
技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射
ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路P
IC0を採用することにより、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は
、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路41
21bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により
分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の
回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持され
ることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソ
レノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて
発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転
位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流
も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊
技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド
654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ機1が設置される島設備は、複数のパチンコ機から排出された遊技球を
研磨して再びパチンコ機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。この
ため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ機の
電源基板や各種電飾による熱等により島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施
形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電
源回路PIC0を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、
+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度に
よる+2.5Vの変動が抑制されることによって回転位置検知センサ512の可変端子か
ら取り出された電圧、つまり発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるため、
この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4121cがスイッチング回路412
1dに制御信号を出力することができる。つまり、回転ハンドル本体前506の回転位置
が同一回転位置であるときには、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度
に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
[3−6B.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図172に
示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図1
74を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを
参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout
及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グラ
ンドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図174(a)に示す
ように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係
となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは
、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+2
0Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360
mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vま
での区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAか
ら660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区
間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから10
10mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流I
outはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図174(b)に示
すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少すると
ともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが
+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定である
のに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。
この区間Aでは、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド
654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域11
00に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強
度となっている一方、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノ
イド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには
遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度と
なっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Io
utが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが
320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力
電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの
区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するの
に対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区
間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出
力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mA
から1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAか
ら175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Io
utと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるとき
には、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合
電流が最小電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体
前506を回動していない原回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流で
あるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mA
であるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併
合された併合電流が最大電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転
ハンドル本体前506を右回りに回動して限界回転位置であるときに発射ソレノイド65
4に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout
は、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。D
C/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、
発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域110
0に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向
かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にま
で強くなっている。このため、遊技者が回転ハンドル本体前506を右回りに回動して遊
技を行っているときにおけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取
りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力
電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[3−6C.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路から
の発射基準パルスとの関係]
次に、回転ハンドル本体前506の一定回転位置において、図172に示した、TB点
におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、発
射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、について、図175を参照し
て説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Io
ut及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は
、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソ
レノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり6
0000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように
設定されているため、図175(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期
Tが600msとなる。
ここで、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回
動して限界回転位置であるときと、回動していない原回転位置であるときと、におけるD
C/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
回転ハンドル本体前506が限界回転位置にあるときには、発射タイミング回路412
0cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路
4121dに入力されると、図175(b),(c)に示すように、DC/DCコンバー
タ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、
が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(
タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図17
5に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831
aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ8
31aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そし
て、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コン
デンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)
。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ8
31aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DC
コンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的に
は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図174に示したように、出
力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性があ
る。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、
つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサS
C0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電
流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+
35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、
充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間
にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルス
T0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570m
sの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、回転ハンドル本体前506が原回転位置にあるときには、発射タイミン
グ回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイ
ッチング回路4121dに入力されると、図175(b),(d)に示すように、DC/
DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電に
よる電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に
流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているとき
には、図175に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコン
バータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図174に
示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した
最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms
経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイ
ミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DC
コンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない
、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始され
る。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように
、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性
がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vou
t、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており
、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである3
60mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充
電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている
(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して
次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するように
なっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコン
バータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという
放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が
入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデ
ンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド6
54に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、D
C/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A
程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド
654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうす
ると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、
電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレ
ノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる
電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、
安全のため電力供給を遮断することとなる。
そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である3
0msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバ
ータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37V
という直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流
を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの60
0msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC
0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37V
という直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの
「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を
充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ83
1aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。
これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されて
からそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源
からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデ
ンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0
が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源か
らDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と
「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の
駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすること
ができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やす
ことも解消することができる。
[3−6D.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT
1と、について、図175を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミ
ング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図172に示
したTD点は、発射タイミング回路4120cからの球送基準パルスT1を参照するため
の点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(
=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動
回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図175(a),(e)
に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4120dの球送ソレノイ
ド駆動回路4120eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が
停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を
駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT
0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発
射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打
ち出すことができる。
このように、本例では、発射ソレノイド654によって遊技球を打ち込むようにした上
で、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ駆動する電源を供給させると共に
電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしているので、容量の異なる
電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を交換することで、発射ソレノイド6
54へ供給する電流(最大電流)を変更することができ、打球発射装置650の打込特性
を遊技盤4に合わせた特性に変更することができる。
また、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給するようにしてい
るので、遊技球を発射してから次に発射するまでの間に、電源基板851からの電力を電
解コンデンサSC0で蓄えて発射ソレノイド654へ供給することで、電源基板851か
ら直接瞬間的に大電流が消費されるのを回避させることができ、発光装飾基板のLEDや
演出駆動用のモータやソレノイド等の発光や動き等が不安定になったり遊技球の飛びムラ
が発生したりするのを防止することができる。
更に、電源基板851は、島設備の交流電源(AC24V)から直流電源(+5.2V
、+5.25V、+12V、+24V、及び+37V)を作成して供給しており、打球発
射装置650は、ハンドル装置500の回転ハンドル本体前506が回動操作されてその
回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動
して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
また、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレー
タ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+
5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなる
ことによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位
置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これに
より、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合
電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強
度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に
保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の
電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向か
って打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射によ
る遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
[3−7.主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例
について、図176乃至図188を参照して説明する。図176は、主制御基板における
メイン処理の一例を示すフローチャートである。図177は、電源断発生時処理の一例を
示すフローチャートである。図178はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートであ
る。図179は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図180は、始動口
入賞処理を示すフローチャートである。図181は、変動開始処理を示すフローチャート
である。図182は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図18
3は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図184は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図185
は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図186は、大当り遊技処
理の一例を示すフローチャートである。図187は、小当り遊技処理の一例を示すフロー
チャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MP
U4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図1
88は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図176に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主
制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時
処理では、RAM4100eに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電
発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM4100eに記憶され
ているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し
、バックアップデータが異常であればRAM4100eをクリアしてCPU周辺のデバイ
ス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM4100eに現在の
遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM41
00eに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ4
100cがオンであれば、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。また、
電源投入時処理において、主制御基板4100のRAM4100eにバックアップデータ
が保存されていない場合には、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主
制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする
処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御
部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等
にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM4100
eにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電
源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返
し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100
aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、
この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板851によって生
成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧
で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板851にて
所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電
源から電源基板851に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板8
51から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信
される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100
aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板851に供給される電源電圧(この実施の
形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状
態から開始するために停電発生時の状態をRAM4100eにバックアップデータとして
記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源
断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じ
て実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源か
らの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数
更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数について
は後述する。
次に、電源断発生時処理は、図177に示すように、メイン処理において、停電予告信
号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理
が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM4100
eのチェックサムを算出し、RAM4100eの所定領域に保存する(ステップS4b)
。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM4100eの内容が保持されているか否
かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAM4100eの所定領域に設けられたバック
アップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS
4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAM4100eへのアク
セスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、
この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安
定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は
停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがあ
る。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドッ
クタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセット
がかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間
は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより
、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過
後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動する
ようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制
御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図178
に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップ
S10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイ
ッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ
、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更
新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施
の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新さ
れる乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数
を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、
スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板411
0に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変
動させると共に、普通電動役物(すなわち始動口ソレノイド2121によって第二始動口
2102を開閉する可動片2105)を制御し、第二始動口2102の開閉状態を変化さ
せる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特
別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、
特別電動役物(すなわちアタッカソレノイド2124によって大入賞口2103を開閉す
る開閉部材2106)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を
実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コ
ンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せ
ず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では
、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処
理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)で
セットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステッ
プS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18
)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップ
S3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数につ
いて説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状
態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判
定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定された時に特別図柄の
停止図柄を決定(確変大当りか否かの判定(確変判定、確変抽選とも呼ぶ)を含む)する
ために用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判
定された時にリーチ態様を伴うハズレとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリ
ーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示
パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱
数)、第二始動口2102を開閉する可動片2105を開放状態に制御するか否かの判定
(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選
(小当り抽選とも呼ぶ)も行われる。また、大当り図柄用乱数を用いて確率変動大当り(
特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。以下では、確変大当りとも呼
ぶ)とするか否かの判定も行われる。さらに、大当り判定用乱数を用いて当りと判定され
た場合には、大当り図柄用乱数を用いて特殊当りとするか否かの判定も行われる。なお、
リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、液晶表示装置
1900にて表示制御される装飾図柄(特別図柄)の変動表示パターンを決定するように
しても良い。
また、大当り判定用乱数に基づいて、「大当り抽選」または「小当り抽選」のいずれかで
当選しているか否かの判定を行うことを「当り抽選」とも呼ぶ。また、大当り判定用乱数
と大当り図柄用乱数とによって行われる判定の全体は、特別抽選に対応する。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定
用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片2105を開放状態に制御するか否かに関わる
普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片2
105を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングと
して4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間に
おける確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2105を開放状態に
制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防
止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選
に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、特別制御処理において主制御MPU4100aは、図179に示すように、ステ
ップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では
、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞し
た場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では
、夫々の大当り抽選における記憶数(保留数)を確認し、保留数(合計の記憶数)が0で
なければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には
、大当り遊技状態(利益付与状態)を発生させるか否かの判定を行い(当落判定手段)、
大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステッ
プS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる
設定を行う。具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パ
ターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器1185,1186にて特別図柄
の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変
動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別
図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186(特別図柄表示器1185,11
86に相当)における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。この時、変動開始処
理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされ
ていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなさ
れていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定
がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理では、大当り遊技状態を開始するための設定を行
う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じて開閉部材2106の開放回数や開放時
間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を
開始するための設定を行う。具体的には後述するが、小当りにおける開閉部材2106の
開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の大当り遊技処理では、大入賞口2
103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または
、所定期間が経過した時開閉部材2106を閉塞状態にするための処理を行う。また、大
当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉部材21
06を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回
数に達した時には、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数
に達した後、確率変動状態及び時短遊技状態を発生させる処理を実行する。
ステップS90の小当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個
数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2
106を閉塞状態にするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、小当り遊技処理に
おける大入賞口2103の開放は、大当り遊技処理(ステップS80)に比べて、遊技者
への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS9
0における具体的な処理について説明する。
次に、始動口入賞処理では、図180に示すように、まず、第二始動口センサ2127
から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ2127から検出信号が出
力された場合には、第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201
にてYES)、第二始動口センサ2127からの検出信号が出力されていなければ第二始
動口2102に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステ
ップS201にて第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別した時には、第二大当り
抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM410
0eに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別
する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留数カウンタが4未満で
あれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップ
S204)を実行する。なお、これらの処理については後述する。なお、ステップS20
2で第二保留数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更
新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ2127から検出信号が出力されていない
場合(ステップS201にてNO)、または、第二保留数カウンタの値が4である場合(
ステップS202にてNO)には、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判別
する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ3231から検出信号が出力
されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口2101に遊技球が入賞した
と判別した時には(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM4100e
に設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する
(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留数カウンタが4未満であれ
ば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS2
08)を実行する。なお、ステップS206で第一保留数カウンタの値が4である場合に
は、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
なお、主制御MPU4100aは、図180のステップS203、S207において記
憶した第一始動口2101または第二始動口2102への遊技球の入賞を通知する入賞通
知コマンドを生成し、コマンド送信処理(ステップS17)の際に周辺制御基板4010
に送信する。入賞通知コマンドは、各種乱数が、何番目の保留として記憶されたかを表し
ている。第一始動口2101または第二始動口2102に遊技球が受け入れられた場合で
あっても、乱数が保留として記憶されなかった場合には、主制御MPU4100aは、入
賞通知コマンドを送信しなくてもよい。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマ
ンドに応じて、液晶表示装置1900に、保留数を表示してもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し
、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御基板4
010に送信する場合がある。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶され
た乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、確変抽選、小当り抽選、変動表示パタ
ーンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処
理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて
行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブル(例えば、
当り判定用テーブル4501、4521、当り図柄用テーブル4502、4522、変動
時間設定用テーブル4503、4504、4523、4524)と同様のテーブルである
。言い換えると、先行判定テーブルは、これらのテーブルの内容を全て含んだテーブルで
ある。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該
乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当りまたは小当りの当否と、大当りの種
類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、
「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマンド(
先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現
してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。先読み演出は、例えば
、先行判定結果が、特定の歌手をモチーフとした演出が実現されることを表す場合に、そ
の演出が実現されるよりも前の演出において、特定の歌手を表すキャラクタを表示する演
出であってもよい。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用される
テーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽
選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。また、先行判定テーブルを用いる
ことなく、取得した乱数を当り判定用テーブル4501,4502等のテーブルに直接参
照して先行判定処理を行ってもよいし、取得した乱数をコピーしたコピー乱数をこれらの
当り判定用テーブル4501,4502等に参照して先行判定処理を行ってもよい。
また、主制御MPU4100aは、遊技状態が特定の条件を満たしている場合にのみ、
先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信し、特定の条件を満たしていない場合
には、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。例えば、第一
始動口2101への入賞に起因する変動表示が、入賞後すぐには開始されず保留される場
合に、主制御MPU4100aは、当該入賞に関する先行判定処理の結果を表す入賞通知
コマンドを送信してもよい。ここで、大当り遊技状態と、時短遊技状態とにおいては、主
制御MPU4100aは、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信せずに、先
行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。第二始動口2102に
関する特定の条件も、同様であってよい。
続いて、変動開始処理では、図181に示すように、まず、処理フラグが「0」か否か
を判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以
降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理
を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器2390a,2390bに対
応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」
であるか否かを判別する。二つの保留数カウンタにおける値の和は、始動記憶の保存領域
(特別図柄用乱数記憶手段4515,2940(図188参照))に格納される乱数値の
個数を示すものであるため、ステップS302において何れの保留数カウンタの値がとも
に「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成
立していないと判別されてステップS317に移行する。
一方、ステップS302で何れかの保留数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、
始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図188(a)
に示すように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[
1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、第一始動記憶数(「1
」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図188(b)に示すように、
第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a
〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の
値にそれぞれ対応付けられている。各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4
532dは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当
り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とを有している。
そして、始動記憶移行処理では、まず、第二特別図柄表示器1186に対応する保留数
カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記
憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判別し(ステ
ップS303)、乱数が記憶されていれば(NO)、n番目(nは2以上の自然数)の各
記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱
数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)
に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]4532aに記憶されて
いた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また
、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)と共に、第二特別図柄
に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶
されていない場合、すなわち第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値
が「0」の場合には(ステップS303にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段45
15のn番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領
域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]
4515a〜記憶領域[3]4515c)に夫々シフトする処理(ステップS308)と
、記憶領域[1]4515aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理
(ステップS309)とを実行する。また、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「
1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
つまり、第一特別図柄に関して言えば、保留する際には、第二特別図柄の場合と同様に
、保留数カウンタの値(第一始動記憶数)を「1」増やすと共に、抽出した乱数を、第一
始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納するが、第一特別図柄の変動を開始する際には
第二始動記憶数が「0」である場合のみ、すなわち第一特別図柄による第一処理が待機中
であり且つ第二特別図柄による第二処理が待機中でない場合に限り、第一特別図柄用乱数
記憶手段4515の1番目の記憶領域「1」4515aから各乱数を読み出すようにして
いる。そして、この制御により第二処理を第一処理よりも優先的に行わせることを可能に
している。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別
し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、
確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテ
ーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率
変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する
。なお、本例では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が6/
499に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が60
/499に設定されている。ここでは、499個の値からランダムに選択された1つの値
を表す乱数を用いて大当りとなるか否かの判定を行うことを想定しているが、乱数のとり
得る値の総数は、499個とは異なる他の任意の数(例えば、499よりも大きい数、あ
るいは、499よりも少ない数)であってよい。また、大当りとなる確率は、これらに限
らず、他の値に設定されてもよい。例えば、通常時の大当りとなる確率が1/299であ
り、高確率時の大当りとなる確率が10/299であってもよい。
ステップS313又はステップS314において、何れかのテーブルが選択された後、
そのテーブルに基づき、ステップS305又はステップS309にて取得された、何れか
の特別図柄に関する乱数(大当り判定用乱数)が、大当りに相当する乱数(大当り値)で
あるか否かを判別する(ステップS315(大当り抽選))。そして、大当り値である場
合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS31
6)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(
ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否
かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS31
8にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS31
7に移行する。また、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステッ
プS319を経由することなく、ステップS317に移行する。ステップS317では、
処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当
りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM4100eに記憶
される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0
」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット
状態)とは「1」の値がセットされることである。
次に、変動パターン設定処理では、図182に示すように、処理フラグが「1」か否か
を判別し、ステップS317によって「1」となっている場合(ステップS401にてY
ES)には、ステップS402以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS40
1にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。ステップS402では、大当りフ
ラグが「ON」か否かを判別し、ステップS316によって「ON」となっている場合(
ステップS402にてYES)には、取得された乱数(大当り図柄用乱数)を基に、確率
変動大当りまたは通常大当りの何れの大当りであるのかを判別する(ステップS403(
確変抽選))。そして、確率変動大当りである場合(ステップS403にてYES)には
、大当り図柄用乱数に基づいて特殊当りか否かを判別する(ステップS404)。なお、
このように大当り図柄用乱数に基づく特殊当りか否かの判別を特殊当り抽選とも呼ぶ。詳
しくは後述するが、何れの確率変動大当りも、「その後の抽選において、特定の利益が付
与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態する」ことは、共通している。た
だし、特殊当りを除いた他の確率変動大当りでは「何れかの特別図柄表示器1185,1
186で変動する特別図柄の変動時間を短縮させる(通常時よりも相対的に短くする)と
共に、第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技
状態」を発生させるのに対して、特殊当りである確率変動大当りでは、そのような時短遊
技状態が発生しないように設定されている。なお、特殊当りである確率変動大当りによる
確率変動状態において、さらに、特殊当りである確率変動大当りに当選した場合には、時
短遊技状態が発生するように設定されている。
ここで、遊技状態が、確率変動状態であって時短遊技状態である場合を、確変外部有利
状態とも呼ぶ。遊技状態が、確率変動状態であって時短遊技状態でない場合を、確変外部
不利状態とも呼ぶ。遊技状態が、確率変動状態でなく(すなわち、大当り確率が低確率状
態であり)時短遊技状態である場合を、通常外部有利状態とも呼ぶ。さらに、遊技状態が
、確率変動状態でなく(すなわち、大当り確率が低確率状態であり)時短遊技状態でもな
い場合を、通常外部不利状態、または、単に通常遊技状態とも呼ぶ。
通常遊技状態での特殊当りは、上述したように、確変外部不利状態に移行する。また、
確変外部不利状態での特殊当りは、上述したように、確変外部有利状態へと移行する。そ
して、本実施形態では、通常外部有利状態、および、確変外部有利状態での特殊当りにつ
いても、確変外部有利状態へと移行する。
一般の確率変動大当り(特殊当りを除いた他の確率変動大当り)では、大入賞口210
3を開閉する開閉部材2106の一回当りの開放時間が、複数個(例えば10個)の遊技
球がゆとりを持って入賞できる程度の時間に設定されていると共に、開閉部材2106の
開閉動作を、多くの利益を付与する回数(例えば15回)行うように制御される。これに
対し、特殊当りである確率変動大当りでは、開閉部材2106の一回当りの開放時間が、
数個(例えば一または二個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間に設定されるよう
に制御される。
ステップS404において、特殊当りでないと判別された場合、すなわち一般の確率変
動大当りであると判別された場合には(NO)、確変大当り時変動表示パターンテーブル
を選択し(ステップS405)、一方、特殊当りであると判別された場合には(ステップ
S404にてYES)、確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップ
S406)。なお、ステップS403において、確率変動大当りでないと判別された場合
、すなわち通常大当りであると判別された場合には(YES)、通常大当り時変動表示パ
ターンテーブルを選択する(ステップS407)。
一方、ステップS402において、大当りフラグが「ON」ではないと判別された場合
には(NO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS408(小当り抽選
))、ステップS319によって「ON」となっている場合には(ステップS408にて
YES)、小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS409)。また、
小当りフラグが「ON」となっていない場合には(ステップS408にてNO)、取得さ
れたリーチ判定用乱数がリーチに相当する乱数(リーチ値)か否かを判別し(ステップS
410)、リーチ値である場合(はずれリーチの場合)には(ステップS410にてYE
S)、ハズレリーチ時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップ411)、リーチ値
でない場合(はずれの場合)には(ステップS410にてNO)、ハズレ時変動表示パタ
ーンテーブルを選択する(ステップS412)。
なお、上述した確変特殊当り時変動表示パターンテーブル、通常大当り時変動表示パタ
ーンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、および、はずれリーチ時変動表示パ
ターンテーブルは、遊技状態が、時短遊技状態でない場合、すなわち、確変外部不利状態
および通常遊技状態(通常外部不利状態)の場合に選択されるテーブルである。これらテ
ーブルの全体を、外部不利時変動表示パターンテーブルとも呼ぶ。
遊技状態が、通常外部有利状態の場合には、上記外部不利時変動表示パターンテーブル
は選択されない。この通常外部有利状態では、外部不利時変動表示パターンテーブルとは
異なるテーブルであって、特殊当り、特殊当りを除く確変大当り、確変とならない通常大
当り、大当りでないがリーチ判定乱数がリーチ値となった場合であるはずれリーチ、およ
び、大当りでもなくリーチともならないはずれとなる場合を含む通常時短時変動表示パタ
ーンテーブルが選択される。この通常時短時変動表示パターンテーブルについての詳細は
、後述する。
また、遊技状態が、確変外部有利状態の場合についても外部不利時変動表示パターンテ
ーブルは選択されない。この確変外部有利状態では、外部不利時変動表示パターンテーブ
ル及び通常時短時変動表示パターンテーブルとは異なるテーブルであって、特殊当り、特
殊当りを除く確変大当り、確変とならない通常大当り、および、大当りでもなくリーチと
もならないはずれ、となる場合を含む確変時短時変動表示パターンテーブルが選択される
。この確変時短時変動表示パターンテーブルについての詳細は、後述する。
このように、何れかのステップにおいて、変動表示パターンテーブルが選択されると、
その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309の何れか
において取得された変動表示パターン乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ス
テップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する変
動表示パターンコマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パ
ターンに応じた変動時間を主制御基板4100のRAM4100eに設けられたタイマ(
この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。ステップS
415では、ステップS413で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を
有効期間タイマにセットする。
なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド送信処
理(ステップS17)にて周辺制御部4140に送信される。また、変動表示パターンコ
マンドをコマンド送信処理で周辺制御部4140に送信する時には、第一特別図柄表示器
1185及び第二特別図柄表示器1186に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開
始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設
定処理を終了する。
続いて、変動中処理では、図183に示すように、まず、処理フラグが「2」か否かを
判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(
ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場
合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、
第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186にて第一特別図柄または
第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別
図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変
動時間がタイムアップした際、すなわち、変動時間が終了した場合には(ステップS50
3にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。
なお、遊技状態が通常外部有利状態の場合において、ステップS504の処理が終了し
た際に、大当りフラグがONでない場合(当該変動が大当りでない場合)であって、時短
回数が規定回数(例えば、70回)に到達した場合には、時短遊技状態を終了し、時短遊
技状態でもなく確率変動状態でもない通常遊技状態(通常外部不利状態)へ移行する。
なお、何れの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変
動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止
させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か
否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを
「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には
(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS5
07)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON
」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ス
テップS506、ステップS508、またはステップS509の何れかにおいて処理フラ
グを更新した後、変動中処理を終了する。
次に、大当り遊技開始処理では、図184に示すように、まず、処理フラグが「3」か
否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS60
1にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステッ
プS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変
動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合に
は(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、
確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS60
2にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する
。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し
、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップ
S605)、ステップS606に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステッ
プS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS606
の処理に移行する。
ステップS606では、大当りの種類が、一般の大当りであるか特殊当りであるかを判
別し、一般の大当りである場合には(ステップS606にてNO)、開閉部材2106に
よる大入賞口2103の開放条件、すなわち、大当り用開放回数、一回当りの開放時間、
及び大入賞口2103への入賞制限個数を設定する(ステップS607)。一方、大当り
が特殊当りである場合には(ステップS606にてYES)、大入賞口2103における
特殊当り用開放回数、入賞制限個数、及び一回当りの開放時間を設定する(ステップS6
08)。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処
理を終了する。
一方、小当り遊技開始処理では、図185に示すように、まず、処理フラグが「4」か
否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS70
1にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが
「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS
703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では
、小当りの場合における大入賞口2103の開放条件、すなわち、開閉部材2106によ
る大入賞口2103の小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。な
お、小当りにおける開放回数、入賞制限個数、及び開放時間は、特殊当りの場合に設定さ
れる条件(ステップS608)と同一になるように設定されている。すなわち、特殊当り
と小当りとを、視覚的に判別することができないように設定されている。その後、処理フ
ラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
次に、大当り遊技処理では、図186に示すように、まず、処理フラグが「5」か否か
を判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801に
てYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS
801にてNO)、大当り遊技処理を終了する。ステップS802では、大入賞口210
3が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間
(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップ
S803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、開閉部材2106を作
動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS805)。
なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)
、大入賞口2103が開放された後に大入賞口2103に入賞した遊技球の個数が、ステ
ップS607で設定された制限個数(例えば10個)を超えた場合には(ステップS80
4にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口2103を閉鎖する。また、大入
賞口2103の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、し
かも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)
、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)
、開閉部材2106による大入賞口2103の開放回数が、ステップS607で設定され
た大当り用開放回数、またはステップS608で設定された特殊当り用開放回数に、到達
したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステッ
プS806にてNO)、開閉部材2106を制御して大入賞口2103を開放し(ステッ
プS807)、大当り遊技処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口2103
に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口2103の開放回数が設定された回数に達した場合
(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステッ
プS813の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、
まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、確率変動
機能を作動させる当選であるか否かを判別する(ステップS809)。つまり、特殊当り
を含む確率変動大当りであるか、通常大当りであるかを判別する。確率変動大当りで当選
した場合には(ステップS809にてYES)、確率変動機能の作動を開始し、高確率で
ある確率変動状態とする(ステップS810)。すなわち、その後の抽選において大当り
が当選する確率を通常時よりも高く設定する。
なお、大当りが特殊当りである場合には(ステップS811にてYES)、確率変動機
能または時短機能の作動中の当りか否かを判別する(ステップS814)。そして、特殊
当りでない場合、すなわち、一般の確率変動大当りである場合(ステップS810にてN
O)、或いは、確率変動機能または時短機能が既に作動している場合に特殊当りが当選し
た場合には、時短機能の作動を開始し(すなわち、遊技状態を確変外部有利状態へとし)
(ステップS812)、その後、処理フラグを「0」に更新する(ステップS813)。
つまり、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一
特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させると共に、可動片2105の開放作動
によって第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも高くする。一方、確率変動機
能及び時短機能の作動中ではない場合、すなわち、確率変動状態も時短遊技状態も発生し
ていない状態で、特殊当りが当選した場合には(ステップS814にてNO)、時短機能
を作動させることなくステップS813に移行する(すなわち、遊技状態を確変外部不利
状態とする)。
一方、ステップS809において確率変動機能を作動させる当選ではない場合、すなわ
ち、通常大当りの場合には(NO)、時短機能の作動を開始すると共に、時短機能におけ
る作動の規定回数を設定し(ステップS815)、その後、ステップS813に移行する
(すなわち、遊技状態を通常外部有利状態に移行する)。つまり、抽選による第一特別図
柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、70回)になるまで時短機能を作
動させる。
次に、小当り遊技処理では、図187に示すように、まず、処理フラグが「6」か否か
を判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901に
てYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS
901にてNO)、小当り遊技処理を終了する。ステップS902では、大入賞口210
3に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステ
ップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口2103が
開放中か否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大
入賞口2103が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口2103の開
放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ス
テップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、開閉部材210
6を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS905)。その後、大入賞口2
103の開放回数が予め定めた所定回数(例えば15回)に達したか否かを判別し(ステ
ップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(
ステップS907)、小当り遊技処理を終了する。
なお、ステップS904において大入賞口2103の開放時間が所定時間に達していな
い場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場
合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、小当り遊技処理を終了す
る。また、ステップS903において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO
)、大入賞口2103を開放し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また
、ステップS902において、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定さ
れた最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口2103が開放中か否かを判別し
(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103を閉鎖し(ステ
ップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口2103が開放中でない
場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、
ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
なお、大当りの種類としては、上述した種類に限らず、他の種々の種類の大当りを実装
してもよい。例えば、遊技状態が、通常不利状態時において、確率変動大当りであって、
上述の「特殊当り」と同様に大当り遊技における大入賞口2103(開閉部材2106)
の一回当りの開放時間が短い第一所定時間に設定されるものの、時短遊技状態(確変外部
有利状態)が発生するような大当りを実装してもよい。この場合において、大当り遊技に
おける所定ラウンド(例えば、2ラウンド)は大入賞口2103(開閉部材2106)の
一回当りの開放時間を第一所定時間よりは比較的長い時間に設定し、所定ラウンド以外の
ラウンドは大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定
時間に設定してもよい。また、このような特殊当りを省略し、大当りの種類を、通常大当
りと、特殊当りを除く確変大当りのみしてもよい。さらに、通常大当りであって、大当り
遊技終了後に確率変動状態へは移行しないが、上述の「特殊当り」と同様に大当り遊技に
おける大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定時間
に設定されると共に、時短遊技状態(通常外部有利状態)が発生するような大当り(いわ
ゆる突時)を実装してもよい。さらに、大当り遊技において、大入賞口2103の開放時
間が一旦は短い第一所定時間に設定されるものの、複数回の開放の途中で開放時間が長い
第二所定時間に変更されるような大当り(いわゆる、ジャンプアップ大当り)を実装して
もよい。
また、上述の実施形態では、小当りを設けているが、これに限られず、小当りを省略す
るようにしてもよい。
[3−8.周辺制御部での制御処理]
次に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される
処理について、図189乃至図193を参照して説明する。図189はサブメイン処理の
一例を示すフローチャートであり、図190は16ms定常処理の一例を示すフローチャ
ートである。図191は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフロー
チャートである。図192は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフロー
チャートである。図193は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示
すフローチャートである。
サブメイン処理では、図189に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始される
と、周辺制御MPU4140aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。こ
の初期設定処理では、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリ
アする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設
定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16
ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1
002)。
本例では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常
処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする
(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタ
の値が8になった時、すなわち、16ms経過した時に16ms経過フラグTをセットす
ると共に、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。こ
のように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セ
ット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16m
s経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)時には、16ms経
過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップ
S1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドに基づいて
液晶表示装置1900、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,25
4,256,286,320,322,430,432,3014等のLED、扉枠5や
本体枠3のスピーカ130,222,262,821等を制御する処理が実行される。1
6ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTが
セットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS100
4を繰返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていな
い(16ms経過フラグTが「0」)時には、16ms経過フラグTがセットされるまで
ループ処理を行う。
次に、16ms定常処理では、サブ周辺制御MPU4140aが、図190に示すよう
に、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100の
コマンド解析処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドを解析する。ステ
ップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドおよび入賞通知コマンド
に基づいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の
設定、先読み演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばB
GM)を発生させるための、スピーカ130,222,262,821に関わる制御処理
を実行する。ステップS1400の発光装飾制御処理では、扉枠5や遊技盤4に備えられ
た各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,43
2,3014による発光装飾に関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出
力処理では、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,301
8,3020に演出コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出
制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は1
6ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の
終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経
過した時に直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド
解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過した時
には、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステッ
プS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別された時に16ms定常処
理を開始する。
また、本例では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行し
て各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)は
これに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16m
s定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理は、図191に示すように、まず、主制御基板4100から演
出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、
主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中
断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御部4140の周
辺制御RAM4140eにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド
格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込
処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では
、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマン
ド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステッ
プS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステッ
プS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、周辺制御
部4140に搭載される周辺制御RAM4140eにおける変動表示パターン格納領域に
格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1
103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステ
ップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS
1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、
読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO
)、読み出した演出コマンドが入賞通知コマンドであるか判別し(ステップS1107)
、読み出した演出コマンドが入賞通知コマンドであれば(ステップS1107にてYES
)、この入賞通知コマンドにおいて先読み演出を実行する結果が含まれていれば先読みフ
ラグをセットする(ステップS1108)。このとき、先読み演出を実行しない結果が含
まれている場合、また、読み出した演出コマンドが入賞通知コマンドでない場合には(ス
テップS1107にてNO)、先読みフラグのセットは行わず、受信した演出コマンドに
対応したフラグをセットする(ステップS1109)。
続いて、演出制御処理は、図192に示すように、遊技の進行状態を示す処理選択フラ
グの値を参照してステップS1210〜ステップS1230のうち何れかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」の時に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210
)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるた
めの設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応
じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出および先読み演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」の時に実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)で
は、変動停止コマンドを受信した時に液晶制御部4150に表示コマンドを送信して装飾
図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では
、主制御基板4100から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置1900
に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等
)をさせる制御を行う。
次に、装飾図柄変動開始処理は、図193に示すように、まず、変動表示パターン受信
フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フ
ラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセッ
トされ、主制御基板4100から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグ
である。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(
NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてY
ES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変
動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パター
ンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、ハズ
レ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1224)。また、変動表示パターンが当りパ
ターンであれば(ステップS1223aにてYES)、確変大当りフラグがセットされて
いるか判別し(ステップS1223b)、確変大当りフラグがセットされていれば(YE
S)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS1225)、確変大当りフラグが
セットされていなければ(ステップS1223bにてNO)、非確変大当り図柄の停止図
柄を決定する(ステップS1226)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ス
テップS1230)にて大当り遊技状態を開始する時にリセットされる。なお、確変大当
りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS
1220)で装飾図柄の変動表示を停止させる時、具体的には、変動停止コマンドを受信
した時にリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS1230)で大
当り遊技状態を終了する時にリセットするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第一特別図柄と1:1で対応する第一装飾図柄と、第二特別図
柄と1:1で対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付け
られ第一特別図柄及び第二特別図柄に対応する共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄
列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル
、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ、非
確変大当り(通常大当り)である組合せ、小当りである組合せ、及びハズレである組合せ
等が予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾
図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、または非確変大当り図柄として設
定された複数の組合せ、のうち何れかの組合せ図柄を停止図柄として決定する。
続いて、周辺制御MPU4140aは、予告先読み判定処理(ステップS1227)を
行う。予告先読み判定処理では、まず、変動表示パターンコマンドを受信した際に取得さ
れる予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行
して予告演出を実行するか否かを判別する。ここで、予告演出を実行する場合には、予告
判定乱数に基づいて予告パターンを決定し、この予告パターンを予告種類格納領域に格納
する。また、先読みフラグがセットされているか否かに基づいて、先読み演出を実行する
か否かを判別する。ここで、先読み演出を実行する場合には、先読み判定乱数を取得し、
取得した先読み判定乱数に基づいて先読み演出パターンを決定して、先読み演出種類格納
領域に格納する。それから、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パ
ターンと、先読み演出種類格納領域に記憶される先読み演出パターンと、ステップS12
25,S1226,S1227で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマ
ンドをセットする(ステップS1228)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して
処理を終了する(ステップS1229)。なお、ステップS1228でセットされた表示
コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて液晶制御部4150に送信され、
液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aにより当該表示コマンドを受信したこと
に基づいて液晶表示装置1900にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
また、ステップS1228で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出した
時には、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これ
により、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始する時に
決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
[4−1.主制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、主制御基板によって制御される特別図柄等の遊技に関する機能的な構成につい
て、図194乃至図197を参照して説明する。図194は主制御基板での第一大当り抽
選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図195は主制御基板での第二大当り
抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図196は第一大当り抽選及び第二
大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブ
ロック図である。図197は主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロッ
ク図である。
図194に示すように、主制御基板4100には、第一大当り抽選に関する構成として
、第一当り判定用テーブル4501、第一当り図柄用テーブル4502、第一当り時変動
時間設定用テーブル4503、及び第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504が予め
記憶されており、これらのテーブル4501〜4504を基に、第一大当り抽選における
抽選の当否、第一特別図柄表示器1185における停止図柄、及び変動時間が決定される
。第一当り判定用テーブル4501は、大当り判定用乱数値と大当りまたは小当りの当否
との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また
、第一当り図柄用テーブル4502は、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器118
5における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに
区分した夫々の範囲と二つのLED(第一特別図柄)の点灯状態との対応付けがなされて
いる。
また、第一当り時変動時間設定用テーブル4503は、第一大当り抽選における当否の
結果が大当りまたは小当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別
図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一ハ
ズレ時変動時間設定用テーブル4504は、第一大当り抽選における当否の結果がハズレ
の場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185におけ
る第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確
率時のテーブルのうち、何れか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一
抽選用確率選択手段4505によって行われる。また、図示していないが、第一当り図柄
用テーブル4502には、確率変動大当り用のテーブル、特殊当り用のテーブル、通常大
当り用のテーブル、及び小当り用のテーブルが夫々備えられており、後述する第一当否決
定手段4506によって決定された当選の種別に対応したテーブルが選択されるようにな
っている。
また、主制御基板4100には、第一始動口センサ3231によって第一始動口210
1への入賞が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数
を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段4507と、大当り図柄用乱数を抽出する第一当
り図柄用乱数抽出手段4508とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用
乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段4509が設けられて
いる。また、第一当り判定用乱数抽出手段4507によって大当り判定用乱数が抽出され
ると、第一当り判定用テーブル4501を用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手
段4506、及び第一当り図柄用乱数抽出手段4508によって大当り図柄用乱数が抽出
されると、第一当り図柄用テーブル4502を用いて第一特別図柄表示器1185におけ
る停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段4510が設けられている。
更に、第一変動時間用乱数抽出手段4509によって変動時間用乱数が抽出され、且つ
第一当否決定手段4506によって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時
間設定用テーブル4503を用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用
乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によってハズレであることが決定される
と、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504を用いて第一特別図柄の変動時間を決
定する第一変動時間決定手段4511が設けられている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄の
変動を開始すると共に、第一変動時間決定手段4511によって決定された変動時間の経
過後、第一停止図柄決定手段4510によって決定された停止図柄で変動停止させる特別
図柄変動制御手段4512と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段4506
によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(
時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段45
13が設けられている。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始
動口センサ3231によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、一定球数(
4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第一特別図柄の変動表
示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第一保留消化手段4514が設けられている。換言
すれば、第一始動口センサ3231による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機さ
せる第一保留消化手段4514が設けられている。第一保留消化手段4514について更
に詳細に説明すると、第一保留消化手段4514には、第一保留制御手段4514a及び
第一消化制御手段4514bが設けられており、第一保留制御手段4514aは、第一特
別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3231によって第一始動口2
101への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ
、第一始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄
用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第一特別図柄用乱数記憶手段4515(図198
を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。
一方、第一消化制御手段4514bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止
し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が
「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び
第一大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各
記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図195に示すように、第二大当り抽選に関する構成
として、第二当り判定用テーブル4521、第二当り図柄用テーブル4522、第二当り
時変動時間設定用テーブル4523、及び第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524
が予め記憶されており、これらのテーブル4521〜4524を基に、第二大当り抽選に
おける抽選の当否、第二特別図柄表示器1186における停止図柄、及び変動時間が決定
される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様で
あるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板4100には、第二始動口センサ2127によって第二始動口210
2への入賞が検出された時に第二大当り抽選に関する大当り判定用乱数を抽出する第二当
り判定用乱数抽出手段4525と、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する
第二当り図柄用乱数抽出手段4526と、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時
間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段4527とが設けられている。また、第
二当り判定用乱数抽出手段4525によって大当り判定用乱数が抽出されると、第二当り
判定用テーブル4521を用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段4528、及
び第二当り図柄用乱数抽出手段4526によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二
当り図柄用テーブル4522を用いて第二特別図柄表示器1186における停止図柄を決
定する第二停止図柄決定手段4529が設けられている。
更に、第二変動時間用乱数抽出手段4527によって変動時間用乱数が抽出され、且つ
第二当否決定手段4528によって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時
間設定用テーブル4523を用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用
乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によってハズレであることが決定される
と、第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524を用いて第二特別図柄の変動時間を決
定する第二変動時間決定手段4530が設けられている。なお、第二当否決定手段452
8は、当選制限手段4528aを備えており、遊技者に特定の利益を付与しない大当りで
ある「特殊当り」については、発生しないように制限を加えている。
また、特別図柄変動制御手段4512は、第二特別図柄表示器1186において第二特
別図柄の変動を開始すると共に、第二変動時間決定手段4530によって決定された変動
時間の経過後、第二停止図柄決定手段4529によって決定された停止図柄で変動停止さ
せる。更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第
二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、一定球
数(4回)を上限として第二始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第二特別図柄の変
動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第二保留消化手段4531が設けられている。
換言すれば、第二始動口センサ2127による遊技球の検出に基づく第二処理の実行を待
機させる第二保留消化手段4531が設けられている。
この第二保留消化手段4531について更に詳細に説明すると、第二保留消化手段45
31には、第二保留制御手段4531a及び第二消化制御手段4531bが設けられてお
り、第二保留制御手段4531aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二
始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、第二始動
記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすと共に
、第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第二
特別図柄用乱数記憶手段4532(図198を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納
する。一方、第二消化制御手段4531bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が
停止し、新たな第二特別図柄の変動が可能になった場合、第二特別図柄に関する始動記憶
数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第二大当り判定用乱数
及び第二大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ
、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図196に示すように、第一当否決定手段4506ま
たは第二当否決定手段4528による抽選結果を基に、遊技者に有利な遊技状態を付与す
る五つの有利遊技状態制御手段を備えている。ここで、有利な遊技状態には、開閉部材2
106を開放し、大入賞口2103に対して遊技球の入賞を可能とすることが含まれてお
り、特定利益付与手段4540または所定利益付与手段4541の何れか一方によってア
タッカユニット2100のアタッカソレノイド2124によって開閉部材2106が開放
制御されるようになっている。
更に詳しく説明すると、所定利益付与手段4541は、開閉部材2106の一回当りの
開放時間を、数個(例えば1〜2個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間
とすると共に、開閉部材2106の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に
所定の利益を付与するものである。これにより、所定数の遊技球を大入賞口2103に入
賞させることが可能になるが、入賞可能な個数は極めて少ないため、遊技者が受ける利益
は比較的少ないものとなる。一方、特定利益付与手段4540は、開閉部材2106の一
回当りの開放時間を、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度
の第二所定時間とすることで、遊技者に特定の利益を付与するものである。これにより、
多数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になり、遊技者は大きな利益を
得ることができる。
そして、主制御基板4100には、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付
与させる手段として、第一有利遊技状態制御手段4542及び第二有利遊技状態制御手段
4543が設けられ、所定利益付与手段4541によって所定の利益を付与させる手段と
して、第三有利遊技状態制御手段4544、第四有利遊技状態制御手段4545、及び第
五有利遊技状態制御手段4546が設けられている。
第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一有利遊技状態は、所謂「確率
変動大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選
結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によっ
て特定の利益を付与すると共に、高確率状態設定手段4547によって、その後の抽選で
特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。つまり、高確率である確率変
動状態とする。なお、本例では、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの
499個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当
り判定値が、60個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が60/499となっ
ている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判
定用乱数のうち大当り判定値が6個設定され、大当り確率が6/499となっている。
また、第一有利遊技状態では、第一時短状態設定手段4548によって、第一特別図柄
表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特
別図柄の変動時間を短くすると共に、次に大当りするまで、第二始動口2102の可動片
2105が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選となる確率)を高くする
ことによって第二始動口2102への入賞のし易さを通常時よりも増加させる。つまり、
時短遊技状態とする。
第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二有利遊技状態は、所謂「通常
大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果
が第二結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特
定の利益が付与される点は第一有利遊技状態と同様であるが、この当りの場合には、その
後の抽選で特定の利益が付与される確率は低確率のままである。つまり、確率変動状態に
はならず、通常時の確率が維持される。なお、この第二有利遊技状態においても、特定の
利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、7
0回)になるまでの間、第一時短状態設定手段4548によって時短遊技状態になり、第
一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、可動片2105が開閉動作
される頻度(すなわち普通抽選において当選する確率)を高くすることによって遊技球が
減少することを抑制する。
第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三有利遊技状態は、所謂「特殊
当り」であり、第一当否決定手段4506の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この
当りでは、まず、所定利益付与手段4541によって遊技者に特定の利益よりも低い所定
の利益を付与する。そして、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を高
くする。すなわち、第一有利遊技状態と同様、確率変動状態とする。ただし、時短遊技状
態については、この有利遊技状態を発生させる前の遊技状態が所定の条件を満足する場合
に限って発生させるようにしている。つまり、確率変動状態ではなく、且つ時短遊技状態
でもない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることな
く、確率変動状態としている。一方、遊技状態が確率変動状態であるか、または時短遊技
状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作
動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四有利遊技状態は、第一当否決
定手段4506の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、第三有利遊技状
態と同様、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与する。ただし、
その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態を発生させない。なお、時短遊技状態につ
いては、遊技状態に基づいて付加されるか否かが決定される。
第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五有利遊技状態は、第一当否決
定手段4506の抽選結果が第五結果の場合に発生する。この当りでは、所定利益付与手
段4541によって遊技者に所定の利益を付与すること、及び高確率状態設定手段454
7によって所定の利益を付与することは、第三有利遊技状態と同様であるが、その後の抽
選に対しては、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるよ
うにしている。
なお、本例では、夫々の大当りにおける当選の割合を、第一当否決定手段4506の場
合と、第二当否決定手段4528とで、互いに異なるように振分けている。具体的には、
第一当否決定手段4506の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって
発生する第一大当り、すなわち確率変動状態及び一定回数の時短遊技状態が何れも付与さ
れる確率変動大当りを、大当り全体の22%に設定し、第二有利遊技状態制御手段454
3によって発生する第二大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく一定回数の
時短遊技状態が付与される通常大当りを45%に設定している。
また、第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三大当り、すなわち確率
変動状態と、条件付きで時短遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定し、第四有利
遊技状態制御手段4545によって発生する第四大当り、すなわち確率変動状態が付与さ
れることなく条件付きの時短遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定し、第五有利
遊技状態制御手段4546によって発生する第五大当り、すなわち確率変動状態と、時短
遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定している。
一方、第二当否決定手段4528の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542
によって発生する第一大当りを、大当り全体の44%に設定し、第二有利遊技状態制御手
段4543によって発生する第二大当りを56%に設定している。そして、第二当否決定
手段4528では、第三大当り、第四大当り、及び第五大当りに関しては発生しないよう
に設定されている。このため、特定の利益が付与されることなく確率変動状態が終了して
しまうことを確実に防止でき、突然の降格によって遊技意欲が大幅に低下することを抑制
できる。
また、第一大当り〜第五大当りのうち、特定の利益を付与する第一大当りまたは第二大
当りとなる割合は、第二当否決定手段4528の方が高くなることから、主に通常時に行
われる第一当否決定手段4506による大当り抽選では、アタッカユニット2100にお
ける開閉部材2106の開放を比較的頻繁に行わせながらも、特定の利益が付与される大
当りの発生をある程度制限することが可能となる。一方、時短遊技状態の時に実質的に有
効となる第二当否決定手段4528による大当り抽選では、特定の利益が付与される可能
性が高くなるため、確率変動状態を有さない通常大当りであっても、遊技意欲の低下を抑
制することができる。
ところで、主制御基板4100には、図197に示すように、普通抽選(第二始動口2
102への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数
抽出手段4551、普通当り判定用テーブル4552、及び普通当否決定手段4553が
設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段4551は、ゲートセンサ2402によっ
てゲート部2401への遊技球の通過が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段
)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル45
52は、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、高確率時の普通当り
判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りと
なる判定値が250個設定され、普通当りとなる確率が250/251となっている。
一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定
用乱数のうち、普通当りとなる判定値が1個設定され、普通当りとなる確率が1/251
となっている。また、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が13.56秒
に設定され、始動口ソレノイド2121による可動片2105の開放時間が1180ms
、開放回数が3回、開放間のインターバルが512msに設定されている。一方、通常時
の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が平均13.6秒に設定され、可動片2105
の開放時間が180ms、開放回数1回に設定されている。
また、普通当否決定手段4553は、普通当り判定用乱数抽出手段4551によって普
通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル4552
に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定す
る。なお、この際、遊技状態判定手段4554によって、遊技状態が特定の遊技状態、す
なわち時短遊技状態か否かが判別され、時短遊技状態である場合には高確率時のテーブル
が選択され、時短遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。このため、第
一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りの場合であっても、一定回
数の時短遊技状態が終了すると、高確率時のテーブルから通常時のテーブルに切替えられ
るようになっている。
また、主制御基板4100には、普通当否決定手段4553によって普通抽選の当否が
決定されると、普通図柄表示器1189に普通図柄を変動表示させると共に、変動時間(
約14秒または約1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段455
5が設けられている。また、普通当否決定手段4553による判別の結果、普通当りが確
定した場合、普通図柄の変動停止後、可動片2105を開放させ、遊技球を第二始動口2
102に入賞し易くする開放制御手段4556が設けられている。
[4−1A.主基板による遊技内容]
次に、主制御基板4100や払出制御基板4110等を備えた主基板4000による遊
技内容について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハン
ドル装置500を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留さ
れた遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打
ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上
部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の上側の左側或
いは右側の遊技領域1100内を流下するようになっている。
なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量を回転位置検知センサ512
で検知した上で、回転位置検知センサ512からの検知信号に基づいて発射制御部412
0により打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動強さが制御されるよう
になっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになって
いる。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊
技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技
球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しま
せられるようになっている。
センター役物2500の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流
下してセンター役物2500の周壁部2503における左右方向中央よりも左側へ到達す
ると、周壁部2503によってセンター役物2500の左側の領域へと誘導される。そし
て、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側に配
置されたゲート部2401に進入してゲートセンサ2402により検出されると、普通抽
選結果としての普通当り判定用乱数が抽出される。そして、その普通当り判定用乱数に基
づいて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表
示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)
され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通当り判定用乱数(普
通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何
れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通当り判定用テーブル4552(普
通図柄変動パターン選択テーブル)から選択された普通図柄変動パターンに基づいて行わ
れるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で
停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハ
ズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤
色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示される
と、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定開放時間(例えば、0.
3秒〜3秒の間)拡開する動作を所定回数(例えば、1〜3回)繰返し、第二始動口21
02へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間に
ついては、第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数(特別抽選結果)に応じて変化させ
るようになっており、特別抽選結果として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り
、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するため
に、普通当り判定用テーブル4552を普通時のテーブルから高確率時のテーブルに差替
えられるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2500の上側において、左右方向中央
から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域
1100の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球
が進入するとゲート部2401やワープ入口2504へ遊技球が進入する機会を得ること
なくセンター役物2500の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球
の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター
役物2500の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、ハンドル装
置500の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むよう
な遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来のハンドル装置500の操作による遊技を楽し
ませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲー
トセンサ2402で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・
抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2402からの検出信号に
基づいて抽出された普通当り判定用乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶
してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通当り判定用乱数の数(保
留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通
図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によっ
て記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して保留数を表示するよ
うになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2402の検出信号
に基づいて抽出された普通当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれセンター役物2500の左側を流下した遊技球
は、サイド誘導部材2300の棚部2302によってセンター役物2500の下側で遊技
領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2500の
下方に配置されたアタッカユニット2100の一般入賞口2104に遊技球が入賞して、
一般入賞口センサ3232に検出されると、その検出信号に基づいて主制御基板4100
では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応
じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例え
ば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口
2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、
遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後
側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104、第一始動
口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した
遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるよう
になっている。
一方、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側
側面に開口するワープ入口2504へ進入すると、センター役物2500のステージ25
10における上側の第一ステージ2511へと供給されるようになっている。そして、第
一ステージ2511上へ供給された遊技球は、第一ステージ2511上を左右方向へ転動
して、左右方向中央の両側に低く形成された谷部の何れかから前方へ転動して第二ステー
ジ2512上へと供給される。この第二ステージ2512でも遊技球が左右方向へ転動し
、左右方向中央の両側に低く形成された谷部の何れかから前方へ転動して第三ステージ2
513へと供給される。そして、第三ステージ2513に供給された遊技球は、第三ステ
ージ2513上でも左右方向へ転動し、左右方向略中央の低くなった部位からアタッカユ
ニット2100の上方(第一始動口2101の略直上)の遊技領域1100内へ放出され
る。
ところで、ステージ2510の第二ステージ2512上を転動する遊技球が、左右方向
中央の高くなった部位の後側に開口したチャンス入口2514へ進入すると、第三ステー
ジ2513の低くなった部位よりも更に下側でアタッカユニット2100における第一始
動口2101の直上に配置されたチャンス出口2515から遊技領域1100内へ放出さ
れ、遊技球が高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして
、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3231に検出されると
、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が
、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入
賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2510から放出され
る遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始
動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2510やチャン
ス出口2515から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だ
けでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期
待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2401へ進入してゲートセンサ2402により検出され
て普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口210
2を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能と
なった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検
出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、4個)
の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊
技球が入賞して、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127に検出されると
、第一始動口2101では所定の第一当り判定用乱数の抽出が、第二始動口2102では
所定の第二当り判定用乱数の抽出が、夫々行われる。そして、抽出された当り判定用乱数
に基づいて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特
別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された当
り判定用乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている
。これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り
」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材
2106が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が
発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲
得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球
装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようにな
っている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート部2401
への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第
二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態とし
ての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2
102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127で検出
されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3231、第二
始動口センサ2127からの検出信号に基づいて抽出された第一当り判定用乱数や第二当
り判定用乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された当り判定
用乱数の保留数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187
において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別
図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各
LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々
四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出
された当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ212
7の検出に基づいてそれぞれ抽出された大当り判定用乱数である第一当り判定用乱数や第
二当り判定用乱数を、予め決められた所定の当り判定用テーブル4501,4521(特
別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、「ハズレ」、「小当り」、「
大当り」の何れであるかが判別されるようになっている。また、当り判定用テーブル45
02,4522と大当り図柄用乱数とを比較することによって、大当りの種類(例えば、
「特殊当り」、「特殊当り以外の確変大当り」、「通常大当り」等)も判別されるように
なっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として
抽出(抽選)された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が(特別抽選結果が)、「
小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106
を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パタ
ーンを複数回繰返すようになっている。
一方、抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が、「大当り」の場合、主
制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を開状態とした後に
、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が
大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106を閉状態とする開
閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)
繰返すようになっており、「10R大当り」であれば10ラウンド、「15R大当り」で
あれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようにな
っている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された当り判
定用乱数に応じて当り判定用テーブルを高確率のテーブルに変更するようになっている。
また、当り判定用乱数に応じて、時短遊技状態としたり時短遊技状態を解除したりするた
めに、変動時間設定用テーブル4503,4504,4523,4524を適宜変更する
ようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、大当りのラウンド数(開閉部材2106の開閉回数)
が10回または15回のいずれか一方に設定されている。この場合、例えば、以下のよう
な態様を適用することができる。すなわち、大当りが、特殊当りの場合、一部の通常大当
りである場合、および、特殊当りを除く一部の確変大当りである場合には、ラウンド数を
10回とし、大当りが、ラウンド数を10回とした通常大当り以外の通常大当りである場
合、ラウンド数を10回とした確変大当り以外の確変大当りである場合には、ラウンド数
を15回としてもよい。また、大当りが、特殊当りの場合、通常大当りである場合には、
ラウンド数を10回とし、大当りが、特殊当りを除く確変大当りである場合には、ラウン
ド数を15回としてもよい。
[4−2.周辺制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、周辺制御基板4010での第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列
を含む遊技に関する機能的な構成について、図198を参照して説明する。図198は周
辺制御基板(主に周辺制御部4140、液晶制御部4150)での演出に関する機能的な
構成を示すブロック図である。
本例の周辺制御基板4010には、図198に示すように、主制御基板4100から送
信された演出コマンド等の制御情報コマンドがコマンド受信手段4560によって受信さ
れると、これを基に液晶表示装置1900を制御するための各種機能が備えられている。
すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブ
ル4561と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とが予め記憶されており、これら
のテーブル4561,4562を基に、ステップ演出及び発展演出等における演出態様が
決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル4561,4562について詳細に説明する。第一当り時演出
態様テーブル4561は、大当り(又は小当り)の場合に用いられ、演出決定用乱数(後
述する)と、演出態様(ここではステップ演出や発展演出における演出パターン)との関
係を示すものである。また、第一ハズレ時演出態様テーブル4562は、ハズレの場合に
用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
この周辺制御基板4010には、ランダムカウンタ(図示しない)から演出決定用乱数
を抽出する第一演出用乱数抽出手段4563と、演出パターンを決定する第一演出態様決
定手段4564とが設けられている。第一演出態様決定手段4564は、コマンド受信手
段4560を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段4563によっ
て演出用乱数を抽出すると共に、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当り(又は小
当り)を示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された
演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル4561とから演出パターンを決定し、一方
、当否コマンドがハズレを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563に
よって抽出された演出用乱数と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とから演出パタ
ーンを決定するものである。
この第一演出態様決定手段4564によって決定された演出パターンは、演出パターン
記憶手段(図示しない)から抽出されると共に、第一演出表示制御手段4565に送られ
る。第一演出表示制御手段4565は、それらの演出の画像を画像記憶手段(キャラRO
M4150d)から読出し液晶表示装置1900に導出する。
一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段4
566が設けられている。第一装飾図柄変動制御手段4566は、コマンド受信手段45
60によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示し
ない)から読み出し変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コ
マンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺制御基板40
10には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体
的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル
4567と、第二ハズレ時演出態様テーブル4568とが予め記憶されており、これらの
テーブル4567,4568を基に、ステップ演出や発展演出における演出態様が決定さ
れるようになっている。演出態様テーブル4567,4568は、第一大当り抽選に対応
する演出態様テーブル4561,4562と同様の構成であるため、ここでは詳細な説明
を省略する。
また、周辺制御基板4010には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手
段4569、第二演出態様決定手段4570、第二演出表示制御手段4571、及び第二
装飾図柄変動制御手段4572が設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対
応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4010には、装飾図柄列変動表示手段4573及び大当り表示手
段4574が設けられている。装飾図柄列変動表示手段4573は、第一装飾図柄変動制
御手段4566及び第二装飾図柄変動制御手段4572の出力を基に、或いは、コマンド
受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列を変動させる
と共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)
に基づいて共通装飾図柄列を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列の
うち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止し
ている装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に
停止している装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段4574は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が
第一大当りまたは第二大当りの場合、すなわち、「確変大当り」または「通常大当り」の
場合に、その抽選に係る共通装飾図柄列の変動を停止させた後、「大当り」であることを
表示させるものである。なお、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第三大
当り、第四大当り、または第五大当りである場合には、「当り」であることを表示させる
ことなく、共通装飾図柄列の変動停止後、その抽選に係る演出を終了する。
[4−2A.周辺制御基板による操作ユニットを用いた遊技演出]
次に、周辺制御基板4010による操作ユニット400を用いた遊技演出について、図
199乃至図216を参照して説明する。図199は、回転操作ユニットにおけるダイヤ
ル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサの位置関
係を示す説明図である。図200は、回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計
方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサとの位置関係を示す説明
図である。図201(A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転
に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図であり、図201(B)はダ
イヤル操作部の反時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧
表図である。
また、図202(A)〜(F)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表
示装置(演出手段、図柄表示手段)の表示画面の一例を示す説明図であり、図203(A
)〜(E)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置の表示画面の一
例を示す説明図であり、図204(A)〜(F)は、ダイヤル操作部による選択操作を代
行させるか否かを決定する時の液晶表示装置の表示画面を示す説明図であり、図205は
、演出制御処理による選択操作検出処理を示すフローチャートであり、図206は、演出
制御処理における選択操作検出処理の変形例1を示すフローチャートであり、図207は
、演出制御処理における選択操作検出処理の変形例2を示すフローチャートであり、図2
08(A)〜(D)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液
晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図209(A)〜(C)は、可動演
出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例
を示す説明図であり、図210(A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニ
ットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。
更に、図211(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに
対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図212は演出制御処理
における回転予告制御処理を示すフローチャートである。図213(A)〜(D)は可動
演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一
例を示す説明図であり、図214(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニ
ットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。図215
(A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示
装置の表示画面との一例を示す説明図である。図216(A)〜(C)は操作説明手段と
して機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説
明図である。
はじめに、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度
の検出について説明する。なお、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部
401と一体的に回転する従動ギア410の回転検知片410cを検出することで、ダイ
ヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するようになっている。また、図199
乃至図201中には、回転検知センサ432aを「A」と記載すると共に、回転検知セン
サ432bを「B」と記載する。また、以下に示すステップ1〜4は、それぞれ回転検知
センサ432a,432bを基準としたダイヤル操作部401の4種類の回転位置のこと
であり、ダイヤル操作部401が回転することで、ステップ1、ステップ2、ステップ3
、ステップ4へと順次、回転位置が移行するものであり、ステップ4へ移行した後は、再
度ステップ1へ戻る。
まず、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合は、図199に示すように、ス
テップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検知
片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ
2への移行により、回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出する一方、従動
ギア410のスリット410dが回転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ43
2bが回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部4
01の時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット4
10dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a,43
2bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作
部401の時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、従動ギア410のスリッ
ト410dが回転検知センサ432aへ移動して回転検知センサ432aが回転検知片4
10cを検出しない一方、回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出するステ
ップへ移行する。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合は、図200に示すように、
ステップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検
知片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステ
ップ2への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432aへ
移動して回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出しない一方、回転検知セン
サ432bが回転検知片410cを検出するステップへ移行する。その後、ダイヤル操作
部401の反時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリ
ット410dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a
,432bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤ
ル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、回転検知センサ
432aが回転検知片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回
転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出し
ないステップへ移行する。
即ち、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,4
32bのON(回転検知片410cの検出あり)/OFF(回転検知片410cの検出な
し)動作は、図201(A)に示すように、ステップ1で回転検知センサ432a,43
2bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432aが「ON」を継続する
一方、回転検知センサ432bが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検知セン
サ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検知センサ43
2aが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432bが「ON」となる。その後は
、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共に「ON」となる。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,
432bのON/OFF動作は、図201(B)に示すように、ステップ1で回転検知セ
ンサ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432bが
「ON」を継続する一方、回転検知センサ432aが「OFF」となる。その後、ステッ
プ3で回転検知センサ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で
回転検知センサ432bが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432aが「ON
」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共
に「ON」となる。
このように、回転検知センサ432a,432bは、上記したような各ステップ1〜4
でのON/OFFに基づいてダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するよ
うになっているので、操作ユニット400を構成するダイヤル操作部401が操作手段と
して機能する場合、換言すれば、遊技者の操作によってダイヤル操作部401が回転操作
された場合には、回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態の切替りを検出
することでダイヤル操作部401が回転操作されたことを検出する。また、この時、回転
操作前の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態と、回転操作中の回転検
知センサ432a,432bのON/OFF状態とから、ダイヤル操作部401が時計方
向に回転操作されているのか、あるいは反時計方向に回転操作されているのかを検出する
ようになっている。なお、本例では、回転検知センサ432a,432bによってダイヤ
ル操作部401の回転方向及び回転速度を検出する構成としているが、回転検知センサ4
32a,432bのパルスをカウントすることで、ダイヤル操作部401の回転位置も検
出が可能である。
例えば、ステップ1、即ち回転検知センサ432a,432bが共に「ON」した状態
を回転操作前の状態とした場合、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON
/OFF状態として回転検知センサ432aが「ON」である一方、回転検知センサ43
2bが「OFF」であると、時計方向のステップ2と一致することから、ダイヤル操作部
401が時計方向に回転操作されたことを検出する。一方、回転操作中の回転検知センサ
432a,432bのON/OFF状態として回転検知センサ432aが「OFF」であ
る一方、回転検知センサ432bが「ON」であると、反時計方向のステップ2と一致す
ることから、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転操作されたことを検出する。なお
、回転検知センサ432a,432bによって検出されたダイヤル操作部401の時計方
向又は反時計方向の操作信号は、周辺制御部4140に出力される。そして、周辺制御部
4140(演出制御手段、操作演出制御手段、選択演出制御手段、表示制御手段)は、入
力した操作信号に基づいて遊技者の操作意思を受け、これを液晶表示装置1900等での
演出に反映するようになっている。
また、ダイヤル操作部401がダイヤル駆動モータ414の駆動に基づいて回転する可
動演出手段として機能する場合は、ダイヤル駆動モータ414の駆動が駆動ギア412を
介して従動ギア410の回転動作として伝達され、この従動ギア410の回転動作によっ
て一体的に設けられたダイヤル操作部401が時計方向又は反時計方向に回転する。この
時、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギ
ア410の回転検知片410cの検出の有無(ON/OFF)によってダイヤル操作部4
01の回転方向及び回転速度を検出する。そして、この回転検知センサ432a,432
bによる検出信号が周辺制御部4140に出力され、これを受けた周辺制御部4140が
ダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を把握した状態でダイヤル操作部401の
回転動作を制御するようになっている。
次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401と押圧操作部405による操作手段
としての機能、及び可動演出手段としての機能について複数の例を示しながら説明する。
まず、一例目としては、図202に示すように、始動口(第一始動口2101、第二始動
口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900(演出手段、
図柄表示手段)に変動表示される装飾図柄(図柄)において、図202(A)に示すよう
に、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中
には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変
動継続に伴い、図202(B)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示
画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリ
ーチ変動に発展する。
そして、図202(C)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾
図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図
中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図
柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)
とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画
像4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、
操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の反時計方向への回転操作を遊技者に促す
表示が行われる。
その後、図202(D)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当
りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が行われる。そして、遊技者が操
作ユニット400のダイヤル操作部401を反時計方向へ回転操作すると、これを操作ユ
ニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の
反時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図202(E)に示
すように、大当りを決定する中装飾図柄4602bがハズレを決定する中装飾図柄460
2aを押し返す演出表示(操作演出)が行われ、最終的には、図202(F)に示すよう
に、大当りを決定する中装飾図柄4602bとハズレを決定する中装飾図柄4602aと
のうち、大当り判定に基づいた表示結果を構成する中装飾図柄が他方の中装飾図柄を完全
に押し出して、装飾図柄の表示結果が液晶表示装置1900に導出される。図202(F
)中には、大当りの判定結果に基づいて、「7」の中装飾図柄4602bが「6」の中装
飾図柄4602aを完全に押し出し、「7・7・7」の大当り図柄(特定表示結果)が導
出された場合を例示する。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う
大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図2
03(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態
様が表示され、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、図203(B)に示すよ
うに、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮
小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展すると、スーパーリーチ
の変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される。変動態様の選択画像は
、図203(C)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」
の文字を例示)と変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)
とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向と
に交互に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧され
る画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示される
ことで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の回転操作で変動態様の選択を遊
技者に促す表示が行われる。
そして、変動態様Aを選択すべく遊技者がダイヤル操作部401を時計方向へ回転操作
すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400の押圧操作部405が遊技
者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,4
32bが検出する(ダイヤル操作部401の時計方向への検出信号を周辺制御部4140
へ出力する)ことで、図203(D)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621が
点滅表示される一方、変動態様Bの選択肢画像4622が消灯表示され、その下方には、
ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」の文字4613
とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作によって変動態様Aが選択され
た旨を遊技者に報知する表示が行われる。その後は、図203(E)に示すように、遊技
者によって選択された変動態様Aでスーパーリーチ変動の演出画像4625(同図中には
、便宜的に「A」と記載)が表示される(操作演出)。
即ち、操作ユニット400の操作ユニット400による操作手段としての機能は、液晶
表示装置1900の演出表示に合わせて遊技者にダイヤル操作部401を回転操作させ、
その回転操作を演出内容に反映させて遊技の興趣低下を抑制するものとなっている。
ところで、上記した二例目のように操作ユニット400が二者択一となる選択用の操作
手段として機能する場合、遊技者は、操作ユニット400による選択操作をパチンコ機1
側(具体的には、周辺制御部4140の制御)で自動的に代行させるか否かを事前に決定
できるようになっている。選択操作を代行させるか否かの決定は、図204(A)に示す
ような液晶表示装置1900の操作代行決定用の表示画像で行われる。なお、この操作代
行決定用の表示画像は、液晶表示装置1900のデモ表示中等、始動口(第一始動口21
01、第二始動口2102)への入賞検出が所定時間以上ない状態で操作ユニット400
の押圧操作部405が押圧操作されることにより、液晶表示装置1900に表示されるよ
うになっている。
図204(A)に示す操作代行決定用の表示画像には、「選択操作を代行しない」の文
字を記した選択肢画像4623と「選択操作を代行する」の文字を記した選択肢画像46
24とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方
向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と
、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル
操作部401の回転操作で選択操作を代行させるか否かの決定を遊技者に促す表示が行わ
れる。
そして、選択操作を代行させるべく遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部40
1を反時計方向へ回転操作すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400
の押圧操作部405が遊技者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回
転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の反時計方向への検
出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図204(B)に示すように、「選択
操作を代行する」の選択肢画像4624が点滅表示される一方、「選択操作を代行しない
」の選択肢画像4623が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計
方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイ
ヤル操作部401の回転操作によって選択操作を代行させる決定がなされた旨を遊技者に
報知する表示が行われる。
その後、操作代行決定用の表示画像で選択操作を代行することが決定され、図204(
C)に示すように、選択演出の画像が液晶表示装置1900に表示されると、周辺制御部
4140の制御に基づいて自動的に選択が代行されるようになっている。具体的に、図2
04(C)に示す選択演出の画像は、キャラクタAの選択肢画像4625とキャラクタB
の選択肢画像4626とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時
計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧され
る画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示される
ことで、ダイヤル操作部401の回転操作でキャラクタの選択を遊技者に促す表示が行わ
れる。なお、この時、選択肢画像4626であるキャラクタBは、選択肢画像4625で
あるキャラクタAに比べて力強いキャラクタとして表示され、あたかもキャラクタB(選
択肢画像4626)を選択した方が遊技者にとって有利な遊技内容(例えば、大当りにな
り易い等)となり得るような印象を与えるものとなっている。
そして、周辺制御部4140の制御により、図204(D)に示すように、操作ユニッ
ト400のダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転されると(なお、同図中には、
反時計方向がデフォルト方向に設定され、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転され
た場合を例示)、キャラクタBの選択肢画像4626が点滅表示される一方、キャラクタ
Aの選択肢画像4625が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計
方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイ
ヤル操作部401の回転によってキャラクタBが選択された旨を遊技者に報知する表示が
行われる。
なお、図204(D)に示す構成では、デフォルト方向を反時計方向に設定しているが
、この構成に限定するものではなく、デフォルト方向を時計方向に設定してもよい。この
場合には、周辺制御部4140の制御により、操作ユニット400(ダイヤル操作部40
1)が時計方向へ回転されると、図204(E)に示すように、キャラクタAの選択肢画
像4625が点滅表示される一方、キャラクタBの選択肢画像4626が消灯表示され、
その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」
の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転によってキャラクタ
Aが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。
また、デフォルト方向は、時計方向又は反時計方向の何れか一方に限定するものではな
く、液晶表示装置1900に表示される選択肢の種類に応じた方向をデフォルト方向とし
てもよい。具体的には、あたかも遊技者にとって有利な遊技内容となり得るような方向を
デフォルト方向としてもよい。例えば、選択演出の画像として、図204(C)と同様に
、キャラクタAの選択肢画像4625が左側に表示され、キャラクタBの選択肢画像46
26が右側に表示される時には、図204(D)と同様に、選択肢画像4626を選択す
べくダイヤル操作部401を反時計方向に回転させる。一方、選択演出の画像として、キ
ャラクタBの選択肢画像4626が左側に表示され、キャラクタAの選択肢画像4625
が右側に表示される時には、図204(F)に示すように、選択肢画像4626を選択す
べくダイヤル操作部401を時計方向に回転させる。また、逆に、あたかも遊技者にとっ
て不利な遊技内容となり得るような方向をデフォルト方向としてもよい。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の選択操作検出処理について、
図205を参照して説明する。この選択操作検出処理は、図203(C)のような液晶表
示装置1900の選択演出時に行われる制御である。図205において、まず、操作代行
フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2001)。操作代行フラグは
、図204(A)の操作代行決定用の表示画像で「選択操作を代行する」の選択肢画像4
624が選択決定された時にセットされるフラグである。ステップS2001で操作代行
フラグがセットされていない時は、次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401が
回転操作されたか否か、言い換えれば回転検知センサ432a,432bによる操作検出
信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2002)。操作検出信号に変化がある
時は、該操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS200
3)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変
化が生じると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方
向)の選択フラグをセットする。選択フラグは、液晶表示装置1900の選択演出におい
て、遊技者が二者択一の選択肢の一方を選択決定した旨の表示(例えば、図203(D)
の表示等)や、選択決定した選択肢に基づいた演出表示(例えば、図203(E)の演出
表示等)を表示制御するためのフラグである。
一方、ステップS2002で操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転
操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効
時間が経過したか否かを判別する(ステップS2004)。そして、検出有効時間が経過
したにも拘わらず操作検出信号がONしていない時は、予め定めた選択方法となるデフォ
ルトの回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2005)、デフォルト方
向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2006:選択代行動作制御手段)
、選択操作検出処理を終了する。ここで、デフォルトの回転方向(デフォルト方向)とは
、前述した周辺制御部4140により予め設定されたダイヤル操作部401の回転方向の
ことであり、時計方向、反時計方向、遊技者にとってあたかも有利な遊技内容となり得る
ような方向、あるいは遊技者にとってあたかも不利な遊技内容となり得るような方向のこ
とである。
また、ステップS2001で操作代行フラグがセットされている時は、デフォルト方向
にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2007:選択代行動作制御手段)。
その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出すること
で、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS200
8)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2008の処理としては、ステ
ップS2007で回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではな
く、デフォルト方向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を
回転操作すると、その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。即
ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の
代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されなかった場合
は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤル操作
部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォ
ルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回
転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部4
01を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作
部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部40
1を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル
操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中
に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部40
1が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイ
ヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS20
07からステップS2008に移行する際の処理は、ダイヤル操作部401の動作中に遊
技者によるダイヤル操作部401の指触操作(手動操作)が操作検出手段によって検出さ
れると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆
動を停止する操作優先制御手段を構成している。
ところで、操作ユニット400の選択操作検出処理は、図205に示す構成に限定する
ものではなく、以下に示す変形例1,2の構成であってもよい。変形例1の選択操作検出
処理は、図206に示すように、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別
する(ステップS2011)。ステップS2011で操作代行フラグがセットされていな
い時は、図205の選択操作検出処理と同様に、ダイヤル操作部401が回転操作されて
回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(
ステップS2012)。操作検出信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回
転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、操作検出信号が変化し
たことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステップS2014)、選
択操作検出処理を終了する。即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操
作されて操作検出信号に変化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向
(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットし、更には、ダイヤル操作部401が
回転操作されたことを記憶しておく。
一方、ステップS2012でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変
化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別
する(ステップS2015)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信
号に変化がない時は、次に、過去10回の選択演出においてステップS2014でカウン
トされた操作検出カウンタの値が「5」以上であるか否かを判別する(ステップS201
6:動作割合判定手段)。ステップS2016で操作検出カウンタの値が「5」以上の時
、言い換えれば、過去10回の選択演出で遊技者が5回以上ダイヤル操作部401を回転
操作した時は、比較的頻繁にダイヤル操作部401を回転操作する遊技者であると判断し
て、ダイヤル操作部401の検出有効時間を延長すべくステップS2017へ移行する。
なお、ステップS2016の処理は、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140e
内に設けられる操作記憶領域での記憶に基づいて行われるものであり、操作記憶領域に最
新10回までの選択演出における操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の操
作の有無を記憶しておくことで判別処理が行われるようになっている。即ち、選択演出が
行われる毎に、過去10回の記憶データのうち最も古いデータを消去すると共に、選択演
出での遊技者によるダイヤル操作部401の操作の有無を最も新しいデータとして記憶す
るようになっている。このため、パチンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合で
も、選択演出を実行していく毎に徐々に遊技者に合わせた(ダイヤル操作部401を頻繁
に回転操作する遊技者であるか否かに合わせた)判断基準でステップS2016の処理を
行えるようになっている。
ステップS2017では、再度、ダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知セン
サ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する。ステップS2
017で操作検出信号に変化がある時は、ステップS2012からの移行と同様に、操作
検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、
操作検出信号が変化したことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステ
ップS2014)、選択操作検出処理を終了する。一方、ステップS2017でダイヤル
操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、延長されたダイヤル操作
部401の検出有効時間(延長有効時間)が経過したか否かを判別する(ステップS20
18:有効期間延長手段)。そして、延長有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号
に変化がない時は、予め定めた選択方法となるデフォルトの回転方向の選択フラグをセッ
トすると共に(ステップS2019)、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転さ
せて(ステップS2020:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
また、ステップS2011で操作代行フラグがセットされている時、及び、ステップS
2016で操作検出カウンタの値が「5」未満の時は、デフォルト方向にダイヤル操作部
401を回転させる(ステップS2021:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検
知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出
信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2022)、選択操作検
出処理を終了する。この時、ステップS2022の処理としては、ステップS2021で
回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、デフォルト方
向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、
その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。
即ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操
作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されず、しか
も過去10回の選択演出で遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した回数が5回未満
の場合は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤ
ル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのまま
デフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方
向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操
作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤ
ル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部40
1を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル
操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中
に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部40
1が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイ
ヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS20
21からステップS2022に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイ
ヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤ
ル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手
段を構成している。
変形例2の選択操作検出処理は、図207に示すように、まず、操作代行フラグがセッ
トされているか否かを判別する(ステップS2031)。ステップS2031で操作代行
フラグがセットされていない時は、図205の選択操作検出処理と同様に、操作ユニット
400におけるダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432
bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2032)。操作検出
信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットする
と共に(ステップS2033)、操作検出信号に基づいた回転方向のカウンタに「1」を
加算して(ステップS2034)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変
化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向
)の選択フラグをセットし、更には、回転操作されたダイヤル操作部401の回転方向を
記憶しておく。なお、回転方向をカウントするカウンタは、時計方向と反時計方向との2
種類が設けられ、操作検出信号に基づいた回転方向毎にカウンタの種類を異ならせること
で、時計方向の回転数と反時計方向の回転数とが個々に記憶されるようになっている。
一方、ステップS2032でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変
化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別
する(ステップS2035)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信
号に変化がない時は、予め定めた選択方法となる過去10回の選択操作でカウント値の大
きい回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2036)、このカウント値
の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2037:選択代行動作
制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
ここで、過去10回の選択操作でカウント値の大きい回転方向とは、ステップS203
4でカウントされる時計方向と反時計方向との各カウンタにおいて、現時点から以前の1
0回の選択操作でカウントされた各カウント値を比較した上で、大きい値をとるカウンタ
の回転方向のことである。そして、このような比較を行うことで、遊技者が何れの方向に
ダイヤル操作部401を回転操作する傾向が高いかを判断して、その方向にダイヤル操作
部401を回転させる。即ち、選択演出が行われる毎に、過去10回のカウントデータの
うち最も古いデータを消去すると共に、選択演出での遊技者によるダイヤル操作部401
の回転方向を最も新しいカウントデータとして記憶するようになっている。このため、パ
チンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合でも、選択演出を実行していく毎に徐
々に遊技者に合わせた(遊技者がダイヤル操作部401を何れの方向に回転操作する傾向
が高いかに合わせた)判断基準でステップS2036の処理を行えるようになっている。
また、ステップS2031で操作代行フラグがセットされている時は、ステップS20
37と同様に、カウント値の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップ
S2038:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bに
より操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択
フラグをセットし(ステップS2039)、次いで、操作検出信号に基づいた回転方向の
カウンタに「1」を加算して(ステップS2040)、選択操作検出処理を終了する。こ
の時、ステップS2039の処理としては、ステップS2038で回転されたカウント値
の大きい方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、カウント値の大きい方向へ
の回転直後に遊技者が反対方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反対方向
の選択フラグをセットするようになっている。
すなわち、変形例2の構成によれば、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場
合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部
401が回転操作されなかった場合は、現時点から以前の10回の選択操作で何れの方向
にダイヤル操作部401が回転操作されたかを比較判定して、回転操作数の多い回転方向
(デフォルト方向)にダイヤル操作部401を回転させる。そして、ダイヤル操作部40
1がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方
向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転され
た時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を
回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部40
1の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部40
1を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル
操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中
に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部40
1が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイ
ヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS20
38からステップS2039に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイ
ヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤ
ル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手
段を構成している。
次に、操作ユニット400が可動演出手段として機能する三例を説明する。一例目とし
ては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に
基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図208(A)に
示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され
ると共に(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄46
02がノーマルリーチの変動態様で表示される。この時、操作ユニット400は、それぞ
れ停止状態にある。即ち、操作ユニット400の押圧操作部405を発光装飾するフルカ
ラーLED432d及び操作ユニット400のダイヤル操作部401を発光装飾するフル
カラーLED430bは、それぞれ消灯状態にあり、また、操作ユニット400のダイヤ
ル操作部401を回転駆動するダイヤル駆動モータ414は、駆動停止状態にある。
その後、図208(B)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中
には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示さ
れる。また、この時点でも、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。そして、
図208(C)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した
状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432
d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作
ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ4
14の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
その後は、このような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置
1900の表示は、図208(D)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が
表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄4602の変
動が再開されて、スーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作ユニット400は、その演
出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のノーマルリーチ変動からスーパー
リーチ変動への発展契機となる演出を行うようになっている。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う
大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図2
09(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態
様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、ハズレ図柄が停止表
示される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が一旦停止表示された場合を例示)
。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図209(B)に
示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニ
ット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点
灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400の
ダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動に
よって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装
置1900の表示は、図209(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄460
2から大当りを決定する中装飾図柄4602に切替り、最終的な表示結果として大当り図
柄が液晶表示装置1900に導出される(同図中には、「7・7・7」の大当り図柄が導
出された場合を例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示
装置1900での装飾図柄のハズレ図柄から大当り図柄への切替り契機となる演出を行う
ようになっている。
三例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う
大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図2
10(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態
様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非確変大当り図柄が
停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一旦停止表示された
場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図2
10(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り図柄を停止表示し
た状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED43
2d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操
作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ
414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装
置1900の表示は、図210(C)に示すように、非確変大当り図柄から確変大当り図
柄に切替り、最終的な表示結果として確変大当り図柄(特別表示結果)が液晶表示装置1
900に導出される(同甲中には、「7・7・7」の確変大当り図柄が導出された場合を
例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900で
の装飾図柄の非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り契機となる演出を行うよう
になっている。
なお、実例中に記載したように、選択操作を遊技者の代行で行う場合、操作検出手段で
検出できる程度に必要最小限度、操作部を回転駆動するだけで事足りるが、演出の一端を
担う操作部としては、遊技者が明らかに回転していることを認識できるように、回転し続
けることが望ましい。
また、ダイヤル操作部401を動作させる電気的駆動源は、実施形態中に記載したステ
ッピングモータからなるダイヤル駆動モータ414に限定するものではないが、ダイヤル
操作部401を回転駆動する電気的駆動源とした場合には、以下に示す理由からステッピ
ングモータを電気的駆動源として用いることが望ましい。
例えば、ダイヤル操作部401の回転駆動状態において遊技者の指触により停止させら
れることが頻繁にあると予想されるが、ダイヤル駆動モータ414がステッピングモータ
であれば、弱めに励磁して回転していれば簡単に脱調するため、安全性を確保できる。ま
た、ダイヤル操作部401の停止後も、回転のための励磁を続ければ、その感触が遊技者
の指に伝わるため遊技者にとっては新鮮な驚きが得られる。更には、逆に、ダイヤル操作
部401が停止状態を維持する程度の弱い励磁をステッピングモータに与えれば、ダイヤ
ル操作部401を回転させる際にクリック感を生じさせることができ、操作性が向上する
また、ディテントトルク(無励磁保持トルク)が大きなモータを選定すれば、励磁さえ
も必要としない。また、例えば、電気的駆動源としてDCモータを使った場合、ダイヤル
操作部401の回転駆動状態において強制的に停止させられると電機子電圧(逆起電力)
が無くなるため大電流が流れてしまい、発熱や耐久性の点で好ましくない。それに比べス
テッピングモータではそのような心配が生じない。以上のような理由で電気的駆動源はス
テッピングモータであることが望ましい。
ところで、上述した操作ユニット400の可動演出手段としての機能において、ダイヤ
ル操作部401の回転動作は、リーチ変動の発展、ハズレ図柄から大当り図柄への切替り
、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り、の各演出契機として行われることで
、結果として、予告演出として機能するようになっている。そこで、このような操作ユニ
ット400の予告演出として、リーチ変動の発展時に、ダイヤル操作部401の回転動作
の態様によって発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識させるようにしても良
く、その構成を図211及び図212を参照して説明する。
まず、図211(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で
揃いリーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例
示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中
装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合
を例示)が一旦停止表示される。その後、図211(B)に示すように、液晶表示装置1
900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される
。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユ
ニット400の押圧操作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダ
イヤル駆動モータ414の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、こ
のような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900に
は、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者
にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになっている。
そして、発展するリーチ変動が大当り信頼度の低い時、言い換えればノーマルリーチ変
動からロングリーチ変動(第一の演出態様)に発展する時は、図211(C)に示すよう
に、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部
401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a
,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手
段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止する
ことで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイ
ヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止す
る。また、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,46
03が表示画面の左右上端側へ移動することなく、中装飾図柄4602の変動が再開され
て、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に発展する。
一方、発展するリーチ変動が大当り信頼度の高い時、言い換えればノーマルリーチ変動
からスーパーリーチ変動(第二の演出態様)に発展する時は、図211(D)に示すよう
に、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作
部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回
転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続す
る(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401
の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制
的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モ
ータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆動モータ414の
振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。
そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,46
03が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄460
2の変動が再開されて、大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作
ユニット400は、その演出駆動(回転動作)によって、液晶表示装置1900での装飾
図柄のノーマルリーチ変動からの発展を予告すると共に、遊技者がダイヤル操作部401
を掴んだ状態で回転動作を継続するか否かによって発展するリーチ変動の大当り信頼度が
高いか否かを予告するようになっている。また、この装飾図柄のノーマルリーチ変動から
の発展予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、
遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が
可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の回転予告制御処理について、
図212を参照して説明する。図212において、周辺制御部4140は、まず、主制御
基板4100側から回転予告コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2051
)。回転予告コマンドは、液晶表示装置1900での装飾図柄のリーチ変動に伴って操作
ユニット400におけるダイヤル操作部401を回転動作させる予告演出を実行する際、
主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られるコマンド信号である。ステッ
プS2051で回転予告コマンドが受信されない時は、そのまま回転予告制御処理を終了
する。一方、ステップS2051で回転予告コマンドが受信されると、周辺制御部414
0は、ダイヤル駆動モータ414を駆動制御してダイヤル操作部401を回転動作させる
(ステップS2052)。なお、この時、ダイヤル操作部401の回転予告として、フル
カラーLED430bを点灯・点滅駆動してダイヤル操作部401を発光装飾する。
次に、ダイヤル操作部401が回転動作を継続しているか否か、言い換えれば回転検知
センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップ
S2053)。ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴むことなくダイ
ヤル操作部401の回転動作が継続している時、即ち、操作検出信号に変化がある時は、
リーチ変動に伴う予告演出として行われるダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば
、10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS2054)。そして、ダイヤル操作
部401の回転制御時間が経過しても、遊技者によってダイヤル操作部401の回転動作
が停止されない時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の回
転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
一方、ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部4
01の回転動作が停止された時、即ち、操作検出信号に変化がなくなった時は、次に、ダ
イヤル操作部401の回転予告を伴うリーチ変動が大当り信頼度の高いスーパーリーチ変
動であるか否かを判別する(ステップS2055)。なお、ステップS2055の判別は
、主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られる変動パターン表示コマンド
が、ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動のコ
マンドであるか否(ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の低いロングリ
ーチ変動のコマンドである)かによって判別される。ステップS2055で変動パターン
表示コマンドがスーパーリーチ変動のコマンドではなく大当り信頼度の低いロングリーチ
変動のコマンドの時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の
回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
即ち、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に伴う予告演出として操作ユニット400
の回転予告が行われた場合、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部40
1の回転動作を停止させると、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)
を待たずに遊技者がダイヤル操作部401の回転動作を停止させた時点で、ダイヤル駆動
モータ414とフルカラーLED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401によ
る回転予告を終了するようになっている。
また、ステップS2055で変動パターン表示コマンドが大当り信頼度の高いスーパー
リーチ変動のコマンドの時は、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)
が経過したか否かを判別する(ステップS2056)。そして、ダイヤル操作部401の
回転制御時間が経過すると、ステップS157へ移行してダイヤル操作部401の回転動
作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。即ち、大当り信頼度の高いス
ーパーリーチ変動に伴う予告演出としてダイヤル操作部401の回転予告が行われた場合
、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作を停止させて
もその時点ではダイヤル操作部401の回転予告を継続させて、ダイヤル操作部401の
回転制御時間(例えば、10秒)が経過すると、ダイヤル駆動モータ414とフルカラー
LED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401による回転予告を終了するよう
になっている。
なお、上記したダイヤル操作部401の回転予告では、遊技者がダイヤル操作部401
の回転動作を停止した後の態様で、発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識さ
せる構成となっているが、このような構成を、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有
無、あるいは非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させ
るものとしても良く、その構成について、図213及び図214を参照して説明する。
まず、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構成としては
、図213(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリ
ーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、
中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中装飾図
柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示
)が一旦停止表示される。
その後、図213(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停
止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーL
ED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部40
5及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆
動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転す
る。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装
置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示さ
れて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになってい
る。
そして、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)は、図21
3(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制
的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転
検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(
第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・
点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、
これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部4
01の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の
装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのままハズレ図
柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が最
終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は、図213
(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制
的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユ
ニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の
演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイ
ヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操
作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動す
るダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆
動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるもの
である。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、中装飾図柄4602の停
止結果が切替り、大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・
7・7」の大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この大
当り図柄への切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない
。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか
否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
次に、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構
成としては、図214(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図
柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非
確変大当り図柄が停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一
旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にあ
る。その後、図214(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り
図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フル
カラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操
作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ41
4の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット
400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部
の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部40
1の回転動作を停止することを促すようになっている。
そして、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)
は、図214(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで
掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット4
00の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を
停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430
bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光
を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤ
ル操作部401の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左
・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのま
ま非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「6・6・6」
の非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は
、図214(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴
むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、こ
れを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニッ
ト400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部40
5及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中の
ダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部40
1を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。
なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触し
た遊技者だけが実感できるものである。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表
示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が切替り、確変大
当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・7・7」の確変大当
り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この確変大当り図柄へ
の切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため
、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択
が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
また、操作ユニット400が選択演出時に二者択一の操作手段として機能する場合、液
晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させることで、選
択演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く説明するように
しても良く、その構成について図215を参照して説明する。
まず、図215(A)に示すように、選択演出時における液晶表示装置1900の表示
として、スーパーリーチの変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される
。具体的には、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」の文字を例示)と
変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)とが横並びで表示
され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転する
と共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で
選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操
作で変動態様の選択を遊技者に促す表示が行われる。
その後、図215(B)に示すように、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,46
22の下方には、ダイヤル操作部401が時計方向に回転すると共に選択決定用の操作ユ
ニット400の押圧操作部405が押圧される画像4608と、「「A」を選択する時は
」の文字4615とが表示されることで、変動態様Aを選択する時はダイヤル操作部40
1を時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明される。
また、この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部401の画
像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に回転さ
れ、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フル
カラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装飾される。
その後は、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,4622の下方には、図215(
C)に示すように、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転すると共に選択決定用の操
作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4609と、「「B」を選択する
時は」の文字4616とが表示されることで、変動態様Bを選択する時はダイヤル操作部
401を反時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明さ
れる。また、この時、ダイヤル操作部401は、反時計方向に回転するダイヤル操作部4
01の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に反時計方
向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させる
べく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装
飾される。
即ち、上記した構成によれば、液晶表示装置1900によって選択演出が実行される時
は、液晶表示装置1900の表示によって選択肢の選択方法を遊技者に説明すると共に、
その選択方法となるダイヤル操作部401の回転操作を実際にダイヤル操作部401を回
転動作させることで視覚的に分かり易く遊技者に説明するようになっている。
また、上記したような操作説明手段として機能する操作ユニット400の構成としては
、選択演出時にのみ限定するものではなく、例えば、前述した図202のリーチ演出時の
操作説明として機能するようにしても良く、その構成について図216を参照して説明す
る。
まず、図202(B)と同様に図216(A)に示すように、左右の装飾図柄4601
,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中には、左右の装飾図柄が「7
」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、左右の装飾図
柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマ
ルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する。この時、ダイヤル操作部401は、ダ
イヤル駆動モータ414の駆動停止によって回転動作が停止され、また、フルカラーLE
D430bの駆動停止によってダイヤル操作部401は消灯状態にある。
そして、図216(B)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾
図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図
中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図
柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)
とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像
4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、操
作ユニット400(ダイヤル操作部401)の時計方向への回転操作を遊技者に促す表示
が行われる。この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部40
1の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に
回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく
、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が発光装飾
される(操作実演制御手段)。
その後、図216(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当
りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が開始されると、これに伴って、
ダイヤル操作部401の回転動作及び発光装飾は停止される。このように図216に示す
構成では、液晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させ
ることで、リーチ演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く
説明することができるようになっている。
このように、本実施形態の操作ユニット400によると、演出制御手段(周辺制御部4
140)で操作演出が実行される場合、操作演出が実行制御される以前に、ダイヤル駆動
モータ414の駆動によって演出手段の演出内容に影響を与え得るダイヤル操作部401
の動きを実演することで、ダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教示するようにな
っており、操作演出の実行時にダイヤル操作部401の操作方法を直接理解させることが
できるので、パチンコ機1での遊技に対してまだ不慣れな遊技者に操作ユニット400を
設計者の想定通りに操作させることができる。また、演出手段の演出内容に影響を与え得
るダイヤル操作部401の動きを実際に実演して遊技者に見せることができるので、単に
液晶表示装置1900の説明画面等で遊技者にダイヤル操作部401の手動操作を促すよ
うな構成に比べて、分かり易く且つ遊技者にインパクトを与えてダイヤル操作部401の
手動操作を遊技者に教えることができる。
また、選択演出が実行されると、ダイヤル操作部401を回転させることで、遊技者に
対してダイヤル操作部401を手動操作して複数の選択肢のうち何れかを選択させること
を教示するようにしているので、選択演出に応じて手動操作するためのダイヤル操作部4
01の動きを実際に実演して遊技者に見せることができ、分かり易く且つ遊技者にインパ
クトを与えてダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教えることができようになって
いる。
また、選択演出の実行時に遊技者がダイヤル操作部401の手動操作の代行を選択する
と、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって自動的にダイヤル操作部401が回転して
自動的に選択操作を行わせることができると共に、ダイヤル操作部401が回転中に遊技
者がダイヤル操作部401を操作すると、ダイヤル駆動モータ414の駆動が停止して遊
技者による操作が優先されるようになっているので、選択演出時にダイヤル操作部401
を手動操作することが面倒な作業であると思うような遊技者に対して、そのような操作を
強いることがなく、快適な遊技内容を提供することができるようになっている。
更に、選択演出の際に、押圧操作部405を押圧することで選択操作を代行させるか否
かを決定することができるようになっているので、ダイヤル操作部401を操作する意思
が遊技者にあるか否かを明確にした状態で遊技を進行させることができ、ひいては、ダイ
ヤル操作部401の手動操作を楽しみに思う遊技者、及びダイヤル操作部401の手動操
作を楽しみに思わない遊技者、全ての遊技者に対して快適な遊技内容を提供することがで
きるようになっている。
また、選択演出の実行時に、所定時間内の間、遊技者によってダイヤル操作部401が
操作されなかった時には、予め定めた選択方法で選択代行を行うようになっているので、
選択演出をスムーズに進行させることができる。また、選択演出の実行時に、遊技者によ
るこれまでのダイヤル操作部401の回転操作の割合が高いと判定されると、遊技者によ
るダイヤル操作部401の操作の受付時間を延長するようにしているので、これにより、
ダイヤル操作部401の操作を楽しみに思う遊技者に対して検出有効時間を長引かせるこ
とで、ユーザーニーズに応じた遊技内容とすることができるようになっている。
更に、選択演出の際に、遊技者が選択代行を行わせると、予め決められた選択方法でダ
イヤル操作部401が回転する選択代行を行うようにしているので、何れの遊技者に対し
ても平等な態様で選択代行を実行することができるようになっている。また、選択演出の
際に、遊技者により操作されたダイヤル操作部401の操作を記憶するようにしているの
で、選択代行を実行させた際に、遊技者の選択傾向を反映させて選択代行を実行すること
ができるようになっている。
[4−3.変動表示パターンについて]
液晶表示装置1900における演出の変動表示パターンについて、以下に説明する。本
実施形態のパチンコ機1(主制御基板4100)は、上述したように、変動パターン設定
処理(図182)において、変動表示パターンを選択する。図217及び図218は、本
実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。図217及び図218にお
ける変動表示パターンテーブルでは、左側から順に、パターン番号、変動名称(変動表示
パターンの変動内容)、変動時間が示されている。図217及び図218に示す変動表示
パターンテーブル(総合変動表示パターンテーブルとも呼ぶ)は、上述した外部不利時変
動表示パターンテーブル(確変大当り時変動表示パターンテーブル、確変特殊当り時変動
表示パターンテーブル、通常大当り時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パタ
ーンテーブル、および、はずれリーチ時変動表示パターンテーブル)と、通常時短時変動
表示パターンテーブルと、確変時短時変動表示パターンテーブルと、を含んでいる。そし
て、総合変動表示パターンテーブルは、165個の変動表示パターンから構成され、これ
ら変動表示パターンのそれぞれは、総合変動表示パターンテーブルが含む各変動表示パタ
ーンテーブルのいずれかに属している。例えば、パターン番号1の変動表示パターンは、
外部不利時変動表示パターンテーブル(はずれ時変動表示パターンテーブル)に属し、パ
ターン番号132の変動表示パターンは、通常時短時変動表示パターンテーブルに属し、
パターン番号155の変動表示パターンは、確変時短時変動表示パターンテーブルに属す
なお、図218に示す「高確中」と記載された変動表示パターン(例えば、パターン番
号155の変動表示パターン)は、確変外部有利状態時に選択され得るパターンであるこ
とを示す。「時短中」と記載された変動表示パターン(例えば、パターン番号132の変
動表示パターン)は、通常外部有利状態時に選択され得るパターンであることを示す。す
なわち、「高確中」、「時短中」と記載された変動表示パターンは、それぞれ、確変時短
時変動表示パターンテーブル、通常時短時変動表示パターンテーブルに属する。また、図
217及び図218に示すように、「高確中」および「時短中」と示された変動表示パタ
ーン以外の変動表示パターンであって、「リーチ」と記載された変動表示パターン(例え
ば、パターン番号25の変動表示パターン)は、通常外部不利状態時に選択され得るパタ
ーンであり、すなわち、外部不利時変動表示パターンテーブルに属する。
ここで、総合変動表示パターンテーブルにおける変動時間について説明する。上述した
変動表示パターンには、核となる演出(以下では、本変動演出とも呼ぶ)に加えて、予告
演出や後述する擬似連演出などの演出(以下では、追加演出とも呼ぶ)が追加されて演出
が構成され得る。図217及び図218に示す総合変動表示パターンテーブルにおいて、
右側に、変動時間を表すコマンドとして、「10H」、「11H」、「12H」、「13
H」、「14H」、「15H」、「16H」、「17H」、および、「18H」が示され
ている。「10H」は、各変動表示パターンにおける本変動演出の時間(以下では、本変
動時間とも呼ぶ)を表す。そして、「10H」以外の他のコマンドは、本変動時間に、予
告演出や後述する擬似連演出などの追加演出に用いられる時間(以下では、追加時間とも
呼ぶ)が追加されたトータル時間を表す。「10H」以外の他の各コマンドにおける追加
時間は、いずれの変動表示パターンにおいても一定値である。例えば、パターン番号10
の変動表示パターンにおいて、「11H」が選択された場合には、変動時間は、本変動時
間17500(ms)(「10H」が表す時間)に追加時間として26000(ms)が
追加されて、43500(ms)となる。また、パターン番号11の変動表示パターンに
おいて、「11H」が選択された場合には、変動時間は、本変動時間20000(ms)
に追加時間として26000(ms)が追加されて、46000(ms)となる。
追加演出は、例えば、本変動演出の前に実行され得る。また、予告演出としては、特定
の楽曲が流されつつ、特定のキャラクタが出現する演出や、特定のコメントが表示された
吹き出し演出を複数回行う演出など種々の演出が含まれる。
なお、図217及び図218に示すように、変動表示パターンは、高確時(確変外部有
利状態時)には、低確時(通常外部有利状態時および通常外部不利状態時)と比較して、
変動時間が短い。また、大当りに当選した場合において、変動表示パターンに基づく変動
の終了後に大当り遊技が開始されるまでの時間は、低確時よりも高確時の方が短い(例え
ば、低確時が10秒、高確時が5秒)。従って、高確時において、変動開始から大当り遊
技の開始までの時間が過剰に長くなってしまって、大当りして当然と思っている遊技者に
不快感を付与することを抑制することができる。高確時(確変外部有利状態時)に選択さ
れる変動表示パターン(確変時短時変動表示パターンテーブルに属する変動表示パターン
)についての詳細は、後述する。
[4−4.液晶表示装置1900における演出例]
液晶表示装置1900における演出例について、擬似連演出、時短中演出、及び、確変
中一連演出の順に以下に説明する。これら各演出は、周辺制御MPU4140aが液晶制
御部4150を制御することによって液晶表示装置1900において実現される。また、
先読み演出も液晶表示装置1900を用いて実現されるが、先読み演出は、液晶表示装置
1900のほか、上可動演出ユニット3300、下可動演出ユニット3600、回転体ユ
ニット3410などの役物を用いて実現される。このため、先読み演出については、後に
別に説明する。
<擬似連演出>
擬似連演出(擬似変動演出)とは、装飾図柄の変動を行った後、装飾図柄の変動が擬似
的に終了したように遊技者に見せて、再び、装飾図柄の変動を行う演出である。なお、「
装飾図柄の変動を擬似的に終了したように遊技者に見せる」とは、例えば、装飾図柄の少
なくとも一部を停止表示させる態様、装飾図柄の変動中に装飾図柄を徐々に透明化して、
装飾図柄の変動が終了したように遊技者に見せる態様、および、通常では停止しない特定
の装飾図柄を停止させる態様など種々の態様を含む。
図219は、擬似連演出の例を示す表である。本実施形態のパチンコ機1では、図21
9に示すような複数の擬似連演出を実現可能である。図219に示す擬似連演出の例では
、左から順に、「パターン番号」、「演出内容」、「備考」、および、「振分」が示され
ている。図219に示す擬似連演出では、パターン番号が1〜10までの10個の擬似連
演出について演出内容および備考が示されている。例えば、パターン番号1の擬似連演出
は、図柄が回転する図柄回転擬似連であることがわかる。また、パターン番号1〜3、8
、9の擬似連演出は、役物を用いた演出であることがわかる。詳しくは、パターン番号1
〜3、8、9の擬似連演出では、役物の動きに合わせて装飾図柄が移動する演出(例えば
、役物が装飾図柄を表示画面から追い出すような演出)が行われる。さらに、パターン番
号4〜7の擬似連演出は、楽曲(フレーズ)に関する演出であることがわかる。詳しくは
、パターン番号4〜7の擬似連演出では、スピーカ821から流れる楽曲(フレーズ)と
共に装飾図柄が移動する(踊る)演出が行われる。本実施形態において、この疑似連演出
は、通常外部不利状態時や確変外部不利状態時に実行される演出であり、すなわち、外部
不利時変動表示パターンテーブルによって変動表示パターンが選択された場合に実行され
得る。
次に、「振分」について具体的に説明する。図219に示す擬似連演出は、1回から3
回繰り返す場合がある。「振分」は、1回から3回の擬似連演出を行う場合において、各
パターン番号の擬似連演出への振分率を表している。例えば、擬似連演出の1回目を行う
場合には、パターン番号1の擬似連演出が25%の割合で選択され、擬似連演出の2回目
を行う場合には、パターン番号2の擬似連演出が40%の割合で選択され、擬似連演出の
3回目を行う場合には、パターン番号3の擬似連演出が50%の割合で選択されることを
示す。なお、図219に示す擬似連演出において、擬似連演出を複数回行う場合、複数回
の擬似連演出が必ずしも同じパターン番号の擬似連演出で行われるわけでなく、それぞれ
「振分」に基づいて決定される。例えば、3回の擬似連演出を行う場合において、1回目
の擬似連演出としてパターン番号1の擬似連演出が選択され、2回目の擬似連演出として
パターン番号2の擬似連演出が選択され、3回目の擬似連演出としてパターン番号3の擬
似連演出が選択され得る。
図219に示す擬似連演出のそれぞれは、擬似連演出中にスピーカ821から流される
楽曲であって複数の楽曲のうちの1つの楽曲と、複数の擬似連開始タイミングのうちの1
つのタイミングとが組み合わされて構成されている。このようにすれば、図219に示す
擬似連演出のように、10個の擬似連演出を容易に作成することができる。なお、「複数
の擬似連開始タイミング」とは、例えば、1つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連
演出を開始するタイミング、2つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連演出を開始す
るタイミング、および、3つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連演出を開始するタ
イミングから任意に選択されたタイミングを含むような態様であってもよい。
<時短中演出>
続いて、時短中演出について説明する。この時短中演出は、通常外部有利状態時におい
て上述した通常時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における
所定の変動表示パターン(例えば、図218のパターン番号132、パターン番号133
)(以下では、時短中演出変動表示パターンとも呼ぶ)が選択された場合に実行される演
出である。図220は、時短中演出のタイミングチャートである。図221は、時短中演
出における表示画像を説明するための図である。詳細には、図221(A)は、時短中演
出における後述する第1ステップSS1時の表示画像例であり、図221(B)は、時短
中演出における後述する第2ステップSS2時の表示画像例であり、図221(C)は、
時短中演出における後述する第3ステップSS3時の表示画像例である。
時短中演出では、まず、図220に示すように、演出開始後(装飾図柄の変動開始後)
、特定のキャラクタが衣装を着て登場する演出が実行される(第1ステップSS1)。本
実施形態における特定のキャラクタは、女の子である。衣装は、複数種類の衣装のうちの
1つの衣装(例えば、ワンピース)である。なお、本実施形態では、複数種類の衣装のそ
れぞれには、互いに異なる楽曲が1対1に対応付けられている。例えば、衣装「ワンピー
ス」には、「楽曲A」が対応付けられている。なお、本実施形態では、複数種類の衣装の
それぞれには、互いに異なる楽曲が1対1に対応付けされているが、これに限らず、複数
の衣装のうちの2つ以上の衣装が共通の楽曲に対応付けられていてもよい。
第1ステップSS1において、図221(A)に示すように、登場した特定のキャラク
タCRCTは、遊技者が比較的識別しにくいホログラム態様で表示される(第1ステップ
SS1)。TVドラマや映画などでホログラムがしばしば縞々状で表現されるが、ホログ
ラム態様とは、このような縞々状の態様をいう。このホログラム態様は、遊技者が比較的
識別しにくい態様であるので、低識別性表示態様とも呼ぶ。
次に、第1ステップSS1後、第1ステップSS1でホログラム態様で表示されたキャ
ラクタCRCTが、下側(足下)か徐々に(じわじわと)遊技者が比較的識別しやすい実
体化態様に変換されていき(すなわち、キャラクタCRCTの一部が実体化態様に変換さ
れていき)、図221(B)に示すように、特定の段階(図の例では、特定のキャラクタ
の顔の下辺り)で実体化態様への変換が停止される(第2ステップSS2)。ここで、実
体化態様とは、ホログラム態様における縞々状部分が輪郭のはっきりとした態様となるこ
とをいう。
続いて、第2ステップSS2後、後述する第3ステップSS3、若しくは、後述する第
4ステップSS4のいずれか一方のステップへ移行する。このようにどちらのステップへ
移行するか否かは、選択される変動表示パターンによって決まっている。
第3ステップSS3では、図221(C)に示すように、キャラクタCRCTにおける
実体化態様に変換されていないホログラム態様部分が、実体化態様に変換される。すなわ
ち、キャラクタCRCTのすべての部分が、実体化態様に変換される。このように、すべ
ての部分が実体化態様に変換されたキャラクタCRCTは、図221(A)におけるホロ
グラム態様(低識別性表示態様)のキャラクタCRCTと比較して、遊技者が比較的識別
しやすい高識別性表示態様となっている。
このように、キャラクタCRCTのすべての部分が、実体化態様に変換されると、ホロ
グラム態様から実体化態様への変換が「成功」となり、特定のキャラクタの衣装(楽曲)
に対応したリーチ演出へ移行する。このリーチ演出は、変換が成功した特定のキャラクタ
を用いた演出(特定のキャラクタが登場する演出)を含む演出であり、以下では、態様変
化後キャラクタ使用演出とも呼ぶ。
この態様変化後キャラクタ使用演出は、ノーマルリーチ演出(例えば、通常外部不利状
態時に選択される外部不利時変動表示パターンテーブルにおけるパターン番号9〜12の
変動表示パターンに含まれる演出)よりも大当り期待度が高く設定されている。すなわち
、態様変化後キャラクタ使用演出は、比較的大当り期待度が高いことを示唆する高期待示
唆演出であり、一方で、ノーマルリーチ演出は、比較的大当り期待度が低いことを示唆す
る低期待示唆演出である。以下では、態様変化後キャラクタ使用演出を実現する変動表示
パターンを総じて態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターンとも呼ぶ。態様変化後
キャラクタ使用演出には、衣装(楽曲)が異なる複数のパターンがあるので、本実施例で
は、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターンも複数有している。なお、ノーマル
リーチ演出とは、例えば、2つの装飾図柄が同じ表示態様(数字)を表示して成るリーチ
態様の後、すぐに、他の装飾図柄が停止して、抽選結果を示す図柄態様を表示する演出を
いう。また、態様変化後キャラクタ使用演出は、例えば、態様変化後キャラクタ使用演出
よりも変動時間が短い演出(例えば、通常外部不利状態時に選択される外部不利時変動表
示パターンテーブルにおけるパターン番号95の変動表示パターンに含まれる演出)より
も大当り期待度が高く設定されてもよい。
一方、第4ステップSS4では、キャラクタCRCTにおける実体化態様に変換されて
いないホログラム態様部分が、そのまま実体化態様に変換されずに、ホログラム態様から
実体化態様への変換が「失敗」となり、はずれ図柄態様を表示させて、演出を終了するキ
ャラクタ非登場演出を実行する。以下では、キャラクタ非登場演出を実現する変動表示パ
ターンをキャラクタ非登場演出変動表示パターンとも呼ぶ。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、上記態様変化後キャラクタ使用演出を実現する
変動表示パターンとは異なる変動表示パターンであって、通常外部不利状態時において、
外部不利時変動表示パターンテーブルを用いて選択されると共に、上記特定のキャラクタ
を用いた演出(特定のキャラクタが登場する演出)である特定キャラクタ演出を実現する
特定キャラクタ演出変動表示パターン(例えば、図217:パターン番号95、99、1
00、101、102の変動表示パターン)が実行され得る。この特定キャラクタ演出変
動表示パターンが実現する特定キャラクタ演出は、少なくともノーマルリーチ演出(低期
待度演出)よりも大当り期待度が高く設定されている。すなわち、特定キャラクタ演出は
、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高いことを示唆する演出である。この場合、
態様変化後キャラクタ使用演出は、特定キャラクタ演出よりも大当り期待度が高く設定さ
れていてもよい。
また、本実施形態のパチンコ機1では、通常外部有利状態において、ノーマルリーチ演
出(低期待示唆演出)を実現する変動表示パターンを実行しない。ここで、通常時短時変
動表示パターンテーブルは、ノーマルリーチ演出よりは大当り期待度が高く設定される他
の演出(以下では、中期待度演出とも呼ぶ)を実現する変動表示パターンを含んでいても
よく、すなわち、通常外部有利状態では、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パター
ンに加えて、中期待度演出を実現する変動表示パターンの中から、変動表示パターンを選
択するようにしてもよい。
なお、上述した複数種類の衣装(複数種類の楽曲)のそれぞれは、出現した場合に、大
当り期待度が異なるように設定されている。
上記時短中演出によれば、登場した特定のキャラクタ(女の子)が、遊技者が比較的識
別しにくい低識別性表示態様(ホログラム態様)で表示される。このように、まずは、特
定のキャラクタが低識別性表示態様で表示されるので、遊技者に、「何が表示されている
のだろう?」という、表示演出に対する興味を付与することができる。このように、遊技
者の思考が停滞していた場合であっても、思考の活性化を図ることができる。そして、そ
の後、特定のキャラクタの表示状態が低識別性表示態様から低識別性表示態様よりも遊技
者が比較的識別しやすい高識別性表示態様(特定のキャラクタの全体が実体化態様へ変換
された態様)へ変換される(切り替えられる)。このようにすれば、遊技者は、表示され
た特定のキャラクタをはっきりと認識することができる。そして、表示態様の切り替えの
後に、特定のキャラクタを用いた演出であり、少なくともノーマルリーチ演出よりも比較
的大当り期待度が高い態様変化後キャラクタ使用演出が実現される。このようにすれば、
低識別性表示態様での表示を行わずに態様変化後キャラクタ使用演出を行った場合と比較
して、遊技者は、演出導入時(低識別性表示態様時)に大きな関心を持つことできると共
に、大きな関心を持った状態で、態様変化後キャラクタ使用演出が実現されるので、当該
態様変化後キャラクタ使用演出を高い興味を持って観察することができる。その結果、表
示演出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
上記時短中演出によれば、時短中演出パターンで特定のキャラクタの表示態様の変換(
ホログラム態様から実体化態様への切り替え)を行う場合に、低識別性表示態様から徐々
に識別性がよくなるように、高識別性表示態様へ変換されるので、遊技者は、低識別性表
示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演出を段階的に楽しむことができる。その結果
、遊技者は、低識別性表示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演出を高い興味を持っ
て観察することができる。
パチンコ機1の遊技状態が、通常外部有利状態である場合には、大当りか否かの抽選が
短時間に多く行われるので、遊技者は、通常外部有利状態では、通常外部不利状態よりも
、抽選結果が大当りか否かに大きな関心をよせる。従って、上記時短中演出のごとく、通
常外部有利状態において、少なくともノーマルリーチ演出よりも比較的大当り期待度が高
い態様変化後キャラクタ使用演出(高期待示唆演出)を実現する時短中演出変動表示パタ
ーンが実行されれば、遊技者は、低識別性表示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演
出を、非常に高い興味を持って観察することができる。従って、通常外部有利状態におい
て、趣向性の高い演出を付与することができる。
また、パチンコ機1によれば、通常外部不利状態(通常遊技状態)において特定キャラ
クタ演出変動表示パターンを実現することによって、ノーマルリーチ演出(低期待示唆演
出)よりも比較的大当り期待度が高いことを示唆する演出であり、特定のキャラクタを用
いる特定キャラクタ演出を実現する。このようにすれば、遊技者は、通常外部不利状態に
おいて、特定キャラクタ演出を体験することによって特定のキャラクタが出現すれば当り
期待度が高いことを認知することができる。従って、遊技者は、通常外部有利状態におい
て、時短中演出変動表示パターンによって、特定のキャラクタが登場する態様変化後キャ
ラクタ使用演出が実行された場合に、それまで一度も時短中演出変動表示パターンによる
態様変化後キャラクタ使用演出を観察したことが無かったとしても、その演出を期待感を
持って観察することができる。
上述のように、通常外部有利状態では、遊技者は、抽選結果が大当りか否かに多くの関
心よせる。上記時短中演出によれば、通常外部有利状態において、ノーマルリーチ演出(
低期待示唆演出)を実現する変動表示パターンを実行せずに、態様変化後キャラクタ使用
演出変動表示パターン(高期待示唆演出パターン)を実行する。従って、ノーマルリーチ
演出(低期待示唆演出パターン)が実行されることによって、遊技者が過度に落胆するこ
とを抑制することができると共に、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターン(高
期待示唆演出を含む変動表示パターン)による演出の期待度をより高めることができる。
上記時短中演出によれば、特定のキャラクタを遊技者が比較的識別しにくいホログラム
態様(低識別性表示態様)で表示したものの、特定のキャラクタの表示状態をホログラム
態様(低識別性表示態様)から実体化態様(高識別性表示態様)へ切り替えることなく、
演出を終了するキャラクタ非登場演出を実現するキャラクタ非登場演出パターンを実行可
能である。このようにすれば、ホログラム態様(低識別性表示態様)が出現した場合に、
必ずしも実体化態様(高識別性表示態様)へ移行するとは限らないので、ホログラム態様
(低識別性表示態様)から実体化態様(高識別性表示態様)へ移行するか否かの状況に強
い緊迫感を付与することができる。
上記時短中演出によれば、彩度の低い薄い部分が縞々状に現れるホログラム態様によっ
て低識別性表示態様を表現している。このような表示態様を採用すれば、キャラクタを、
実体ではなく仮想化されているかのように、表現することができる。そして、縞々状部分
において、薄部分における、濃い表示に切り替えられる部分の割合を徐々に増やしていけ
ば、仮想化された特定のキャラクタが徐々に実体化していくかのように、表現することが
できる。
ところで、上記特定のキャラクタは、女の子に限らず、男の子であってもよいし、人以
外のもの、例えば、動物、龍などの架空の生物、ロボット、植物などの全体またはその一
部などから形成されるキャラクタを含む。
また、上記時短中演出では、ホログラム態様によって低識別性表示態様を表現している
が、これに限られることはない。例えば、少なくとも薄い表示態様によって低識別性表示
態様を表現してもよい。ここで、薄い表示態様とは、彩度を低くした態様である。彩度を
高くすると、表示される色が鮮やかになり、彩度を低くすると、表示される色はグレーに
近くなる。従って、彩度を低くして特定のキャラクタを表示すれば、そのキャラクタの認
識を難しくすることができる。また、実体化態様(高識別性表示態様)の形状の一部分の
みが視認可能な態様によって低識別性表示態様を表現してもよい。さらに、実体化態様(
高識別性表示態様)の形状よりも小さい態様によって低識別性表示態様を表現してもよい
。なお、低識別性表示態様である場合に、明るさは、同じであってもよく、明るくなって
もよく、暗くなっても良い。色相は、同じであることが好ましい。ただし、色相が変化し
てもよい。また、上記時短中演出では、低識別性表示態様部分の形状は、縞々形状として
いるが、これに限られることなく、任意の形状であってよい。
さらに、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4を、通常外
部有利状態時において実行するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば
、通常外部不利状態時、確変外部有利状態時、および、確変外部不利状態時のいずれの場
合に実行してもよい。
また、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4は、装飾図柄
が変動開始してから実行されており、すなわち、装飾図柄の変動中に実行されているが、
これに限られず、装飾図柄の変動状態に関わらず、実行するようにしてもよい。例えば、
装飾図柄の変動が行われていない状態や、大当り遊技中などに実行するようにしてもよい
なお、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4は、上述の先
読み演出で実行されることはなく、すなわち、保留状態に関係無く実行され得る。
<確変中一連演出>
続いて、確変中一連演出について説明する。この確変中一連演出は、確変外部有利状態
時において、抽選結果が特殊当りを除く大当りである場合に開始され、所定の演出を経て
、大当り遊技中にかけて実行される演出である。詳細には、確変中一連演出は、確変外部
有利状態時において上述した確変時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図21
8参照)における特定の変動表示パターン(例えば、図218のパターン番号155〜1
57から選択されるパターン。以下では、報知選択演出変動表示パターンとも呼ぶ)が選
択されて演出が開始され、大当り遊技中まで演出が継続する。本確変中一連演出において
、「確変大当り」とは、「特殊当りを除いた確変大当り」に対応する。
なお、確変外部有利状態時において、抽選結果が特殊当りとなった場合には、上述した
確変時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における特定の変動
表示パターン(例えば、図218のパターン番号164)が実行される。また、確変外部
有利状態時において、抽選結果がはずれとなった場合には、上述した確変時短時変動表示
パターンテーブル(図217及び図218参照)における特定の変動表示パターン(例え
ば、図217のパターン番号4〜7から選択されるパターン)が実行され、短縮変動演出
、すなわち、リーチ演出を行わない演出であって装飾図柄が変動後すぐに停止する演出が
行われる。
図222は、確変中一連演出のタイミングチャートである。確変中一連演出では、まず
、装飾図柄の変動開始後、図222に示すように、装飾図柄の変動中に行う演出(以下で
は、変動中演出とも呼ぶ)として、事前種類選択演出を実行する(第1演出ST1)。こ
の事前種類選択演出は、大当り遊技中に実現される後述の大当り遊技中報知演出(ミニゲ
ーム)の種類を、確変大当りへの当選期待度(以下では、確変期待度とも呼ぶ)の異なる
複数種類の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の中から選択する演出である。この事前
種類選択演出として、以下のルーレット演出が実現される。なお、「確変期待度は、示さ
れた値が大きいほど、確変大当りとならない確率が小さい」とも言える。
図223は、ルーレット演出で表示される候補を説明するための図である。ルーレット
演出は、それぞれ特定のキャラクタの衣装と楽曲とが対応づけられて示される複数の候補
を表示し、表示した複数の候補(楽曲および衣装)の中から、一つの候補(楽曲および衣
装)を選択する演出である。これら候補は、複数の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)
のうちの1つの大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられている。具体的には
、図223に示すように、複数の候補は、7つ(候補1〜候補7)あり、各候補が、それ
ぞれ、1つの大当り遊技中報知演出(図では「演出内容」に対応)に対応付けられている
。従って、上述した事前種類選択演出の説明を以下のように読み替えることができる。す
なわち、「事前種類選択演出は、(後述の大当り遊技中報知演出に対応付けられる)候補
の種類を、確変大当りへの当選期待度の異なる複数種類の候補の中から選択する演出であ
る」。
また、抽選結果が、通常大当りの場合、および、確変大当りの場合には、それぞれ、図
223の右欄に示す「振分」に従って最終的に選択すべき候補(楽曲)が選択される。「
振分」における数字は、振分率(%)を表す。例えば、抽選結果が通常大当りの場合には
、候補1(楽曲1)は、17%の確率で選択され、候補3(楽曲3)は、22%の確率で
選択される。例えば、抽選結果が確変大当り(特殊当りを除く)の場合には、候補1(楽
曲1)は、9%の確率で選択され、候補3(楽曲3)は、17%の確率で選択される。こ
のように、振分率が各候補で異なって設定される。その結果、ルーレット演出における各
候補は、選択された場合の確変期待度が異なっている(図223における「備考」参照)
。なお、大当り遊技中報知演出には、図223(「演出内容」)に示す、扉系演出、秒数
系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出の4つのミニゲームに加えて、図示し
ない、扉開閉演出と、キャラクタ変身演出と、エンディング演出とがあるがこれらについ
ての詳細は、後述する。
具体的には、本ルーレット演出では、図223に示す候補1〜候補7のうち、特定の数
(例えば、4つ)の候補を表示する(図222:ステップSA1)。この場合、まず、「
最終的に選択すべき候補」を候補1〜候補7のうちから1つ決定し、続いて、残りの候補
(例えば、3つの候補)を抽選で決定し、これら複数種類の候補を表示させる。
また、本ルーレット演出では、各候補を表示させる際には、各候補の楽曲(曲名)と衣
装とを表示する。また、図223における「曲」に示すような星画像を表示させると共に
、確変期待度が高い程、星の数を多く表示させる(図222:ステップSA2)。本実施
例では、図223に示すように、候補の番号が大きくなる程(楽曲の番号(楽曲の後に続
く数字)が大きくなる程)、確変期待度が高く設定されている。
さらに、本ルーレット演出では、1つの候補(仮選択候補と呼ぶ)を他の候補と異なる
態様で表示する処理を仮選択候補を変更しつつ繰り返す。これにより、ルーレットのよう
に1つの仮選択候補が次々と変わる様子が表示される。また、本ルーレット演出では、仮
選択候補が変化している際に、ボタン画像を表示させ、遊技者に対して押圧操作部405
の押下(操作)を催促させる(図222:ステップSA3)。
そして、本ルーレット演出では、遊技者によって押圧操作部405が押下されると、ス
テップSA1の処理で候補を決定する際に最初に決定した「最終的に選択すべき候補」を
選択する(図222:ステップSA4)。
一方、本ルーレット演出では、遊技者によって所定時間内に押圧操作部405が押下さ
れない場合には、ステップSA1の処理で決定した複数の候補のうち、確変期待度が最も
低い候補を選択する(図222:ステップSA5)。
なお、上記確変期待度は、押圧操作部405が押下されることを前提とした数値となっ
ている。押圧操作部405が押下されない場合には、確変期待度が最も低い候補に対応す
る演出が実現されるものの、実際に確変大当りである確率は、その確変期待度よりも高い
可能性が高い。
続いて、確変中一連演出では、図222に示すように、装飾図柄の変動を停止させる図
柄停止演出として、仮停止演出を行う(第2演出ST2)。この仮停止演出は、抽選結果
が確変大当りであっても、装飾図柄を通常大当りを示す停止態様(以下では、通常大当り
図柄停止態様とも呼ぶ)で停止させる。例えば、奇数のゾロ目で構成される図柄態様が確
変大当りを示す停止態様(以下では、確変大当り図柄停止態様とも呼ぶ。777など)で
あり、偶数のゾロ目で構成される図柄態様が通常大当り図柄停止態様(666など)であ
る場合には、偶数のゾロ目で構成される図柄態様を停止させる。このように、仮停止演出
は、確変大当りであっても確変大当図柄停止態様ではなく、「仮に」通常大当り図柄停止
態様で停止させる演出である。
上記事前種類選択演出および仮停止演出は、報知選択演出変動表示パターンによって実
現される演出である。本実施形態では、確変中一連演出において事前種類選択演出と図柄
停止演出とを合わせた演出時間(一連演出変動部分演出時間とも呼ぶ)は、24秒(24
000ms)〜29秒(29000ms)程度となっている(図218:パターン番号1
55〜157参照)。
図柄停止演出(仮停止演出)の後には、大当り遊技が行われる(図186参照)。そし
て、確変中一連演出では、図222に示すように、大当り遊技中に行う演出である大当り
遊技中演出を行う(第3演出ST3)。具体的には、大当り遊技中演出として、まず、扉
系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出の4つのミニゲーム(図
223「演出内容」参照)のうちのいずれかのミニゲームを行う。上述したように、上記
事前種類選択演出で選択された候補(楽曲)は、いずれかの大当り遊技中演出(ミニゲー
ム)に対応づけられている。例えば、図223に示すように、楽曲1および楽曲2は、扉
系演出に対応づけられており、楽曲3および楽曲4は、秒数系演出に対応づけられており
、楽曲5および楽曲6は、タイミング系演出に対応づけられており、楽曲7は、ジョグ系
演出に対応づけられている。すなわち、上記事前種類選択演出で楽曲1または楽曲2が選
択された場合には、大当り遊技中演出として、扉系演出を実行する。上記事前種類選択演
出で楽曲3または楽曲4が選択された場合には、大当り遊技中演出として、秒数系演出を
実行する。上記事前種類選択演出で楽曲5または楽曲6が選択された場合には、大当り遊
技中演出として、タイミング系演出を実行する。上記事前種類選択演出で楽曲7が選択さ
れた場合には、大当り遊技中演出として、ジョグ系演出を実行する。これら4つのミニゲ
ームの確変期待度は、図223に示すように、「扉系演出<秒数系演出<タイミング系演
出<ジョグ系演出」となるように設定されている。それでは、これら4つのミニゲームに
ついて以下に説明する。
扉系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲1または楽曲2)がスピー
カ821から流され、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示
しつつ、以下の演出を行う。すなわち、特定のキャラクタの前面に、扉(扉画像)が現れ
て、特定のキャラクタが徐々に扉に隠れる演出(以下では、シャッター演出とも呼ぶ)を
行う。この時、扉が閉まる前に特定のキャラクタが前面に移行し、特定のキャラクタの表
示が継続できれば、シャッター演出成功(表示画面では「CLEAR」などと表示される
)となり、扉が閉まる前に特定のキャラクタが前面に移行できず扉が閉まりきって特定の
キャラクタの表示が無くなってしまうと、シャッター演出失敗となり、その時点で扉系演
出は、終了となる。
抽選結果が確変大当りである場合には、シャッター演出を複数回(例えば、3回)成功
させて、特定のキャラクタに楽曲に対応した歌を歌いきらせて、扉系演出が成功したこと
を表示画面で表示し得る。この場合、例えば、表示画面で「完走」と表示する。これによ
って、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、
表示画面で「完走」などの画像を表示することによって、抽選結果が確変大当りであるこ
とを報知している。なお、扉系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変
大当り」または「特定キャラクタがシャッター演出を3回成功させれば確変大当り」など
を示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態となり、
どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。これにより
、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認する可能
性を抑制することができる。
秒数系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲3または楽曲4)がスピ
ーカ821から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に
表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、ボタン画像を表示し、遊技者に押圧操作部4
05の押下を促す。そして、遊技者によって所定時間内に押圧操作部405が押下される
と、時間数(秒数)が表示され、特定のキャラクタが歌を歌うことが可能な時間(以下で
は、リミット時間とも呼ぶ)に加算していく演出(以下では、秒数加算演出)を行う。た
だし、時間が進むにつれて、リミット時間は、減っていく。そして、秒数加算演出を1回
以上行い、リミット時間内に特定のキャラクタが歌を歌いきることができれば、演出成功
となる。一方、リミット時間が0となり、リミット時間内に特定のキャラクタが歌を歌い
きることができなければ、演出失敗となり、その時点で秒数系演出は終了となる。なお、
この秒数系演出において、ボタン画像を表示してから所定時間押圧操作部405が押下さ
れない場合であっても、リミット時間を自動で加算する場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、秒数加算演出を1回以上行い、リミット時間内
に特定のキャラクタが歌を歌いきらせて、秒数系演出が成功したことを表示画面で表示し
得る。この場合、例えば、表示画面で「COMPLELE」と表示する。これによって、
遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画
面で「COMPLETE」などの画像を表示することによって、抽選結果が確変大当りで
あることを報知している。なお、秒数系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いき
れば確変大当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、ど
のような状態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにし
てもよい。これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報
知結果を誤認する可能性を抑制することができる。
タイミング系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲5または楽曲6)
がスピーカ821から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示
画面に表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、所定の位置にマーカー(音符画像など
)が流れてきて、そのマーカーが所定の位置にきたタイミングで、遊技者が押圧操作部4
05を押下した場合に、所定のメーターが上昇していく演出(以下では、メーター上昇演
出とも呼ぶ)を行う。そして、メーター上昇演出を複数回繰り返すことによって、メータ
ーが上昇し、所定の閾値に達すると、特定のキャラクタが歌を歌いきることができ、演出
成功となる。一方、メーターが所定の閾値に達しなかった場合には、特定のキャラクタが
歌を歌いきることができずに演出失敗となり、タイミング系演出は終了となる。なお、こ
のタイミング系演出において、ボタン画像を表示してから所定時間押圧操作部405が押
下されない場合であっても、メーターが自動で上昇する場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、タイミング系演出を成功させて、タイミング系
演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、例えば、表示画面で「CLEA
R」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識する
ことができる。すなわち、表示画面で「CLEAR」などの画像を表示することによって
、抽選結果が確変大当りであることを報知している。なお、タイミング系演出の開始時に
、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変大当り」や「メーターが100になれば確変大
当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状
態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。
これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤
認する可能性を抑制することができる。
ジョグ系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲7)がスピーカ821
から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示しつつ
、以下の演出を行う。すなわち、ダイヤル画像を表示し、遊技者にダイヤル操作部401
の操作を促す。そして、遊技者によってダイヤル操作部401の操作がなされて、確変大
当りを告知する音(以下では、一発告知音とも呼ぶ)がスピーカ821から流されると共
にダイヤル操作部401が激しく点灯しながら自動的に回転する演出(以下では、回転演
出とも呼ぶ)が行われ、特定のキャラクタが歌を歌いきることができれば、演出成功とな
る。一方、回転演出が行われず、特定のキャラクタが歌を歌いきることができなければ、
失敗演出となり、このジョグ系演出は終了となる。なお、ジョグ系演出において、遊技者
がダイヤル操作部401を操作しなくても、回転演出を自動で行う場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、ジョグ系演出を成功させて(回転演出を実行し
て)、ジョグ系演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、上述したように
、表示画面で「COMPLETE」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確
変大当りであることを認識することができる。または、回転演出の実行によっても遊技者
は抽選演出が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画面で「C
OMPLETE」などの画像を表示することや回転演出を実行することによって、抽選結
果が確変大当りであることを報知している。なお、ジョグ系演出の開始時に、「特定キャ
ラクタが歌を歌いきれば確変大当り」や「回転演出を発動させることができれば確変大当
り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態
となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。こ
れにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認
する可能性を抑制することができる。
上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出のいずれかで失
敗した場合には、さらに、大当り遊技中演出として、ボタン画像を表示して、遊技者に押
圧操作部405の押下を促し、押圧操作部405の押下に伴って扉を開ける演出(以下で
は、扉開閉演出とも呼ぶ)を行う。この扉開閉演出では、扉が開いて演出成功となる場合
と、扉が開かずに演出失敗となる場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合であっても、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング
系演出、および、ジョグ系演出を失敗させる場合がある。この場合には、扉開閉演出で演
出成功とさせて、確変であることを報知し得る。この際、例えば、遊技者に確変であるこ
とが認識可能な画像(「確変」などの文字)を開いた扉部分等に表示させるようにしても
よい。
さらに、抽選結果が確変大当りである場合であっても、この扉開閉演出をも失敗させる
場合がある。この場合には、大当り遊技中演出として、大当り遊技の所定のラウンド(例
えば、最終ラウンド)にキャラクタ変身演出を実行する。このキャラクタ変身演出は、特
定のキャラクタが、変身するような演出を行い、抽選結果が確変大当りであることを報知
する。なお、キャラクタ変身演出中に、例えば、遊技者に確変であることが認識可能な画
像(「確変」などの文字)を表示画面に表示させるようにしてもよい。
抽選結果が確変大当りである場合において、以上のごとく大当り遊技中演出で確変大当
りであることを報知すると、この大当り遊技中演出を終了する。なお、抽選結果が確変大
当りである場合には、上記ミニゲームで成功するパターン、扉開閉演出で成功するパター
ン、および、キャラクタ変身演出を行うパターンのいずれかのパターンで、確変大当りを
報知するようにしているが、これらのどのパターンで確変大当りを報知するのかについて
は、ミニゲーム開始前に決定している。言い換えれば、押圧操作部405やダイヤル操作
部401が遊技者によって操作されようと操作されまいと確変大当りをどのパターンで報
知するのかは決定されている。また、タイミング系演出で演出成功となるパターンでは、
演出失敗となるパターンよりも押圧操作部405が押下された場合にメーターが上昇しや
すくなっている。
一方、抽選結果が通常大当りである場合には、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング
系演出、および、ジョグ系演出のいずれかの演出および扉開閉演出を共に失敗させ、さら
に、キャラクタ変身演出を行わず、大当り遊技中演出を終了する。これにより、遊技者に
、抽選結果が確変大当りとならず通常大当りであったことを認識させることができる。な
お、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出のいずれかの
演出および扉開閉演出を失敗させる際、これら演出が失敗であることを表示画面で表示し
てもよい。例えば、表示画面で「演出失敗」と表示する。
ところで、本実施形態では、大当り遊技における大当り遊技中報知演出が実現され得る
最終ラウンド(以下では、報知最終ラウンドとも呼ぶ)は、所定ラウンド(例えば、10
番目のラウンド)に設定されている。報知最終ラウンドは、大当り遊技における最終ラウ
ンドと同じであってもよく、それよりも前の順番のラウンドであってもよい。また、大入
賞口2103に遊技球が所定のカウント数入賞すると、1回のラウンドは終了する。一方
、上記4つのミニゲームにおいて、楽曲がすべて流れた場合(特定のキャラクタが歌を歌
いきった場合)の時間は、それぞれ所定時間(以下では、楽曲規定時間とも呼ぶ。)に設
定されている。従って、大当り遊技において、大入賞口2103に多数の遊技球が短時間
で入賞するような状態が続くと、1回のラウンドが短時間となり、その結果、大当り遊技
時間が楽曲規定時間よりも短くなってしまう可能性がある。そこで、このような場合であ
って、各ミニゲームで成功演出を行う予定であった場合では、報知最終ラウンドの途中で
、演出中のミニゲームを強制終了させ、エンディング演出を行う。すなわち、ミニゲーム
で確変大当りの報知を行わず、このエンディング演出で確変大当りの報知を行う。エンデ
ィング演出は、例えば、「確変」などの文字を表示画面に表示する。なお、本実施形態で
は、楽曲規定時間は、60秒程度に設定されている。
また、扉開閉演出およびキャラクタ変身演出は、上述したようにミニゲームが失敗演出
である場合に実行される。ミニゲームが失敗して扉開閉演出およびキャラクタ変身演出が
終了するまでにかかる時間を失敗演出時間とも呼ぶ。大当り遊技において、大入賞口21
03に多数の遊技球が短時間で入賞するような状態が続くと、1回のラウンドが短時間と
なり、その結果、大当り遊技時間が失敗演出時間よりも短くなってしまう可能性がある。
そこで、このような場合には、扉開閉演出またはキャラクタ変身演出で成功演出を行う予
定であった場合でも、報知最終ラウンドの途中で、演出中のミニゲームを強制終了させ、
エンディング演出を行う。すなわち、扉開閉演出およびキャラクタ変身演出をキャンセル
し、このエンディング演出で確変大当りの報知を行う。
なお、本実施形態では、上記事前種類選択演出として、ルーレット演出のみならず、ラ
ンキング演出または衣装変更演出を行う場合がある。従って、これらランキング演出また
は衣装変更演出を経て上記大当り遊技中演出(ミニゲーム)に移行するパターンを有する
ランキング演出は、それぞれ特定のキャラクタの衣装と楽曲とが対応づけられて示され
る複数の候補と、ポイントとが対応づけられており、遊技者によって押圧操作部405が
押下されることによりポイントが加算されていき、最終的にポイントに応じた候補(楽曲
および衣装)を選択する演出である。これら候補は、上記ルーレット演出と同様に、複数
の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)のうちの1つの大当り遊技中報知演出(ミニゲー
ム)に対応付けられている。従って、ランキング演出を経て上記大当り遊技中演出に移行
した場合には、ランキング演出にて選択された候補に対応付けられるミニゲームを大当り
遊技中演出として実行する。
衣装変更演出は、特定のキャラクタにおいて、楽曲と対応づけられた衣装を、次々に変
更し、1つの衣装(楽曲)に決定する演出である。特定のキャラクタの衣装(楽曲)は、
上記ルーレット演出と同様に、複数の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)のうちの1つ
の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられている。従って、衣装変更演出を
経て上記大当り遊技中演出に移行した場合には、衣装変更演出にて決定された衣装(楽曲
)に対応付けられるミニゲームを大当り遊技中演出として実行する。
また、本実施形態では、確変外部有利状態時において、確変大当りした場合には、上記
確変中一連演出を実行せずに、すなわち、通常大当り図柄停止態様で停止させる仮停止演
出を行わず、確変大当り図柄停止態様で確変大当りを報知する演出を実現する変動表示パ
ターンも存在する。
上記確変中一連演出によれば、通常大当りまたは確変大当りに当選した場合に実行され
る報知選択演出変動表示パターンにおいて、通常大当りと確変大当りとのいずれに当選し
たのかを報知する演出である大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられる候補
(楽曲および衣装)の種類を、確変大当りへの当選期待度の異なる複数種類の候補(楽曲
および衣装)の中から選択する演出である事前種類選択演出を、当該大当り遊技の始まる
前の変動中演出として行う。言い換えれば、上記確変中一連演出によれば、報知選択演出
変動表示パターンにおいて、大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の種類を、確変大当り
への当選期待度の異なる複数種類の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の中から選択す
る演出である事前種類選択演出を、当該大当り遊技の始まる前の変動中演出として行う。
このようにすれば、変動中演出においては、遊技者の関心の高い「高確率となるか否か(
通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのか)」を報知する大当り遊技中報知演出
の種類(楽曲および衣装)を選択する様子が表示されるので、表示演出に対する遊技者の
関心を向上することができる。
また、上記確変中一連演出によれば、報知選択演出変動表示パターンにおいて、事前種
類選択演出、および、抽選結果が通常大当りであることを示唆する図柄の組合せを仮に停
止させる仮停止演出を実現したことに応じて、大当り遊技を開始した場合に、当該報知選
択演出変動表示パターンにおける事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)で選択さ
れた大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)を液晶表示装置1900で実現し、当該大当り
遊技中報知演出において通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかを報知する。
このようにすれば、単に、大当り遊技において確変大当りに当選しているか否かが報知さ
れるような演出とは異なり、変動中演出から大当り遊技までの一連の表示演出に対して、
遊技者の関心の高さを途絶えさせることなく継続することが可能となる。これにより、遊
技者は、大当り遊技の開始よりも前の変動中演出(事前種類選択演出)から、大当り遊技
の最中までの長い期間に亘って、「当選確率が高確率に設定されるかな?」などと期待感
を維持しつつ、事前種類選択演出で選択された大当り遊技中報知演出を楽しみにしながら
、遊技を進行することができる。その結果、表示演出に対する遊技者の興味を向上させる
ことができる。
遊技者は、多くの時間を、通常外部不利状態で遊技する。このように遊技者が遊技する
時間が長い通常外部不利状態は、大当り期待度が高いスーパーリーチ演出の演出時間(以
下では、スーパーリーチ演出時間とも呼ぶ)が、遊技者が演出を楽しめるように、短くも
なく長すぎもしないバランスのとれた時間(例えば、80〜90秒程度(図217:パタ
ーン番号45、75など))となるように設定され得る。一方、上記確変中一連演出によ
れば、遊技者は、事前種類選択演出、仮停止演出、ミニゲームの順で演出を体験する。こ
こで、事前種類選択演出と仮停止演出とを合わせた一連演出変動部分演出時間は、上述し
たように、24秒〜29秒程度であり、ミニゲームに設定される楽曲規定時間は、上述し
たように、60秒程度となっている。従って、確変中一連演出において、ミニゲームが終
わるまでの演出時間は、80秒〜90秒程度となり得る。すなわち、上記確変中一連演出
の演出時間は、スーパーリーチ演出時間と同じ程度となり得る。従って、遊技者は、確変
中一連演出を、短くもなく長すぎもしない演出として、好適に楽しむことができる。
大当りの当選確率が高確率である場合(確率変動状態である場合)には、大当りの当選
確率が低確率である場合と比べて抽選で当たる確率が高いので、遊技者は、通常外部不利
状態時と比較して、「当たるか否か」よりも、「高確率が続くか否か(確変大当りに当選
するか否か)」に強い関心を抱く。
上記確変中一連演出によれば、遊技状態が、抽選における当選確率が高確率に設定され
た確変外部有利状態時(確率変動状態時)において、通常大当り又は確変大当りに当選し
た場合に、報知選択演出変動表示パターン(例えば、ルーレット演出などを含む)を実行
し、その後、大当り遊技が開始された場合に、当該報知選択演出変動表示パターンにおけ
る事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)で選択された大当り遊技中報知演出(ミ
ニゲーム)を液晶表示装置1900で実現し、当該大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に
おいて通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかを報知する。このように、確変
外部有利状態時(確率変動状態時)において特に遊技者の関心が高い「高確率が続くか否
か(確変大当りに当選するか否か)」についての報知(通常大当りと確変大当りとのいず
れに当選したのかの報知)を、大当り遊技の開始よりも前の変動中演出(事前種類選択演
出)から、大当り遊技中までの長い期間に亘る一連の演出を経て行うようにしているので
、確変外部有利状態(確率変動状態時)において変動中演出から当り遊技中までの表示演
出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
上述のように、確率変動状態時には、遊技者は、通常外部不利状態時と比較して、「当
たるか否か」よりも、「高確率が続くか否か(確変大当りに当選するか否か)」に強い関
心を抱く。
上記確変中一連演出によれば、確変外部有利状態時(確率変動状態時)において、事前
種類選択演出および仮停止演出にかかる時間(一連演出変動部分演出時間)、すなわち、
装飾図柄の変動開始から変動停止までの時間(変動時間)が、比較的短い時間(例えば、
スーパーリーチ演出時間よりも短い時間)となっている(図217及び図218参照)。
そして、装飾図柄の変動開始から変動停止(仮停止演出)までの演出では、確変大当りに
当選したか否かの最終的な結論は報知されずに、続く大当り遊技中演出において、初めて
報知される。このようにすれば、大当りに当選した場合には、変動時間がすぐに終わって
大当り遊技に突入し、遊技者の関心の高い「高確率が続くか否か(確変大当りに当選する
か否か)」を報知する大当り遊技中演出に素早く移行するので、遊技者に爽快感を付与す
ることができる。そして、装飾図柄の変動開始から、変動停止(仮停止演出)を超えて、
大当り遊技中演出までの一連の流れを、遊技者は、確変大当りに当選したか否かの最終的
な結論を報知するための一連の演出として楽しむことができる。また、確変外部有利状態
時おいて、抽選結果がはずれとなった場合には、短縮変動演出が行われ、装飾図柄変動後
すぐに停止する演出が行われる。このようにすれば、確変外部有利状態では、余分な演出
が排除されて、大当り抽選がさくさく(スピーディに)実行されるので、遊技者の関心の
高い大当り遊技中演出へ素早く移行することができ、遊技者に高い爽快感を付与すること
ができる。
上記確変中一連演出によれば、事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)が実現さ
れる際に、遊技者が押圧操作部405を操作(押下)しない場合には、表示された複数の
候補(楽曲)および衣装)の中から、確変期待度が最も低い候補が選択されてしまうので、
確変大当りの当選を望む遊技者に、押圧操作部405の操作、すなわち、演出への積極的
な参加を促すことができる。さらに、「押圧操作部405を操作すると演出内容が変化す
る」という認識を遊技者に提供できるので、大当り遊技において実現される大当り遊技中
報知演出においても、遊技者に、押圧操作部405の操作を促すことができる。上記確変
中一連演出によれば、このような遊技者の期待に応えて、大当り遊技中報知演出を実行す
る場合に、押圧操作部405の操作によって演出内容を変化させる。以上の構成により、
押圧操作部405の操作に応じて示唆される確変期待度が変わる事前種類選択演出が無い
場合と比べて、事前種類選択演出および大当り遊技中報知演出への遊技者の積極的な参加
を促進することができる。このように、変動中演出から大当り遊技までの長い期間に亘っ
て、表示演出に対する遊技者の興味を向上できる。
なお、上記事前種類選択演出および大当り遊技中演出(ミニゲームおよび扉開閉演出)
の両方の演出において、遊技者が押圧操作部405を操作して遊技に参加可能な態様とし
ているが、これに限られず、例えば、遊技者が押圧操作部405を操作して遊技に参加可
能な態様を、上記事前種類選択演出の一部または全部の演出のみに適用してもよいし、上
記大当り遊技中演出の一部または全部のみに適用するようにしてもよい。
上記確変中一連演出は、遊技状態が、確変外部有利時に開始されるようにしているが、
これに限られるものではなく、例えば、遊技状態が、通常外部不利状態時、通常外部有利
状態時、および、確変外部不利状態時のいずれかの場合の時に開始するようにしてもよい
上記確変中一連演出において、事前種類選択演出で候補として表示される画像は、楽曲
(曲名)および衣装に限らず、大当り遊技中演出の種類を識別可能な任意の画像であって
もよい。例えば、大当り遊技中演出の種類毎に登場するキャラクタが異なるような場合に
は、そのキャラクタを候補として表示するようにしてもよい。
上記確変中一連演出において、事前種類選択演出では、大当り遊技中報知演出(ミニゲ
ーム)に対応付けられる候補(楽曲および衣装)の種類を、複数種類の候補の中から選択
するようにしているが、これに限られることはない。例えば、事前種類選択演出において
、大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)を直接示唆するような画像(以下では、示唆画像
とも呼ぶ)の種類を、複数種類の示唆画像の中から選択するようにしてもよい。示唆画像
は、例えば、扉系演出を示唆するような扉画像や、ジョグ系演出を示唆するようなジョグ
画像であってもよい。また、示唆画像は、例えば、「扉系演出」や「ジョグ系演出」など
の大当り遊技中報知演出を直接示すような文字であってもよい。
本実施形態において、或る演出に対応付けられた大当り期待度は、その演出が実現され
た場合に、抽選結果が大当りである可能性の高さを示している。同様に、或る演出に対応
付けられた確変期待度は、その演出が実現された場合に、抽選結果が確変大当りである可
能性の高さを示している。
[4−5.先読み演出(期待示唆演出)]
次に、パチンコ機1における特徴的な機能である先読み演出(期待示唆演出)について
説明する。期待示唆演出は、液晶表示装置1900における保留球画像、上可動演出ユニ
ット3300、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410等(図166参照
)を用いて実行される。また、期待示唆演出は、主に周辺制御基板4010の制御によっ
て実行される。さらに、期待示唆演出は、第一特別図柄記憶表示器1184(図103参
照)に表示された第一始動口2101(図109)への遊技球の受入れに関する保留数(
以下「第一始動口保留数」ともいう)および第二特別図柄記憶表示器1187に表示され
た第二始動口2102(図109)への遊技球の受入れに関する保留数(以下「第二始動
口保留数」ともいう)に応じて実行される。この期待示唆演出を実行することにより、解
決手段に記載の有利性の付与に相当する大当り遊技状態への移行に対する期待を示唆する
。液晶表示装置1900は、解決手段に記載の演出表示手段を構成する。
[4−5A.保留球画像]
始動口保留数は、特別図柄記憶表示器1184,1187に表示されるほか、図224
,225に示すように、演出表示手段である液晶表示装置1900の下方にも保留球画像
として表示される。液晶表示装置1900は、解決手段に記載の保留表示手段を構成する
。保留球画像は、通常遊技状態のときと確変遊技状態(確率変動状態)のときとでその表
示態様が異なる。まず、通常遊技状態中における保留球画像の表示について説明する。
通常遊技状態中、液晶表示装置1900の下方位置において、第一保留球画像H11〜
H14および第二保留球画像H21〜H24としても表示される。第一保留球画像H11
〜H14は、液晶表示装置1900の下方左側に表示され、第二保留球画像H21〜H2
4は、液晶表示装置1900の下方右側に表示される。
第一保留球画像H11〜H14の表示については、たとえば、第一始動口保留数が「1
」であり、第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ118
4bが消灯しているときには、第一保留球第一画像H11が表示される。また、第一始動
口保留数が「2」であり、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し
ているときには、第一保留球第一画像H11および第一保留球第二画像H12が表示され
る。さらに、また、第一始動口保留数が「3」であり、第一特別図柄記憶ランプ1184
aが点滅し、第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯しているときには、第一保留球第
一画像H11、第一保留球第二画像H12、および第一保留球第三画像H13が表示され
る。そして、第一始動口保留数が「4」であり、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1
184bが共に点滅しているときには、第一保留球第一画像H11、第一保留球第二画像
H12、第一保留球第三画像H13、および第一保留球第四画像H14が表示される。な
お、第一始動口保留数が「0」であり、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184b
が共に消灯しているときには、第一保留球画像は表示されない。
また、第二始動口保留数の表示については、たとえば、第二始動口保留数が「1」であ
り、第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが
消灯しているときには、第二保留球第一画像H21が表示される。また、第二始動口保留
数が「2」であり、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点灯している
ときには、第二保留球第一画像H21および第二保留球第二画像H22が表示される。さ
らに、また、第二始動口保留数が「3」であり、第二特別図柄記憶ランプ1187aが点
滅し、第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯しているときには、第二保留球第一画像
H21、第二保留球第二画像H22、および第二保留球第三画像H23が表示される。そ
して、第二始動口保留数が「4」であり、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187
bが共に点滅しているときには、第二保留球第一画像H21、第二保留球第二画像H22
、第二保留球第三画像H23、および第二保留球第四画像H24が表示される。なお、第
二始動口保留数が「0」であり、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に
消灯しているときには、第二保留球画像は表示されない。また、通常遊技状態中は、第二
始動口2102への遊技球の受入れは稀となるため、第二保留球画像H21〜H24が表
示されることも稀となる。
また、第一保留球画像としては、図224に示すように、略矩形の画像(以下「通常期
待画像」という)の他、図226等に示すように、モンスターを模した画像(以下「期待
大画像」という)が表示されることがある。なお、期待大画像としては、図226等に示
す期待大画像(第一期待大画像)のほか、その色や模様等により、第一期待大画像から第
四期待大画像のいずれかが表示されることがある。これらの第一期待大画像〜第四期待大
画像については、後にさらに説明する。
また、期待大画像が表示されているときには、第一保留球画像H11〜H14のほか、
大当り抽選の結果を示す対象となる抽選対象画像H30が表示されている。抽選対象画像
H30は、第一保留球画像が期待大画像として表示された場合に表示され、その形態は期
待大画像と共通するものである。ただし、第一保留球画像として表示される期待大画像よ
りも大きくされている。抽選対象画像H30が表示される条件としては、期待示唆演出が
実行される場合と、期待示唆演出が実行されないものの、所定の期待大画像表示条件が満
たされた場合とがある。このうち、後者の例では、たとえば第一特別図柄の保留数が0の
状態で第一始動口2101に遊技球が入球し、さらに、この遊技球の入球によって選択さ
れる変動表示パターンとして、所定の期待大変動表示パターンが選択された場合が該当す
る。期待大変動表示パターンとしては、たとえば、期待大変動表示パターン以外の変動表
示パターンである通常変動表示パターンと比較して、大当りへの当選期待度が高い変動表
示パターンを挙げることができる。この期待大変動表示パターンとしては、通常変動表示
パターンよりも変動時間が長い変動表示パターンとすることができる。また、抽選対象画
像H30は、当該変動中の保留表示に対応させるようにすることもできるし、それ以外の
表示とすることもできる。
あるいは、所定の期待大画像表示条件が満たされる場合の例として、ノーマルリーチ変
動ではなく、大当りへの当選期待度が高いスーパーリーチ変動が決定された場合とするこ
ともできる。期待大変動表示パターンが選択された際には、通常変動表示パターンが選択
された場合よりもノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する割合が高くされ
ている。このため、大当り抽選の結果が当選となる期待度が高いときに期待大画像を表示
することができる。
抽選対象画像H30としては、前回の大当り抽選の結果表示が終了した後、第一保留球
第一画像H11がそのまま移行し、または後に説明する発展段階が発展して表示される。
また、特別図柄の変動表示がなく、保留球もないときに第一始動口2101に遊技球が入
球した場合で、期待示唆演出を実行する際には、第一保留球画像が表示されることなく、
抽選対象画像H30が表示される。このときに表示される抽選対象画像H30は期待大画
像となる。
確変遊技状態中は、図225に示すように、第一保留球画像H11〜H14、第二保留
球画像H21〜H24は、液晶表示装置1900の下方中央位置に並んで表示されている
。確変遊技状態中の保留球画像は、コインを模した画像で表されている。ここでは、左側
に第二保留球画像H21〜H24が表示され、その右側に第一保留球画像H11〜H14
が表示される。さらに、第二保留球画像の表示が3個以下の場合には、そのうちの一番右
側に表示された第二保留球画像の右側に続いて第一保留球画像が表示される。
第一保留球画像H11〜H14は、原則的に同一の色の球の形で表示される。また、第
二保留球画像H21〜H24についても、原則的に同一の色の球の形で表示され、その色
は第一保留球画像H11〜H14の色と異なる色とされている。このため、色の違いによ
って第一保留球画像H11〜H14と第二保留球画像H21〜H24とが区別されている
。また、第二保留球画像については、後に説明する期待示唆演出(先読み演出)が実行さ
れる際には、その表示の色が原則時の色と異なる色で表示される。これらの色が異なる画
像が期待大画像となる。
[4−5B.役物の可動]
期待示唆演出を実行する際には、上可動演出ユニット3300、下可動演出ユニット3
600、回転体ユニット3410が可動する。以後、これらの上可動演出ユニット330
0、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410を総称して期待示唆役物とい
うことがある。期待示唆演出は、保留球の消化が進むにつれて段階的に進行していき、各
段階において、期待示唆役物としての下可動演出ユニット3600、回転体ユニット34
10、上可動演出ユニット3300が順次可動する。このように、期待示唆演出が段階的
に発展する際に役物を用いてその発展段階を表すことで、段階的な発展の発展段階を明確
にしている。
具体的に、期待示唆役物を用いた期待示唆演出としては、第一段階から第四段階までの
4つの発展段階が設定されている。期待示唆役物の発展段階としての第一段階では、下可
動演出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611(図165参照)のうち、外
側に配置された二つの昇降装飾体3611を可動させる。また、第二段階では、下可動演
出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611のすべてを可動させる。さらに、
第三段階では、下可動演出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611の全てを
可動させるとともに、回転体ユニット3410における六つの回転装飾体3410Aを可
動させる。そして、第四段階では、下可動演出ユニット3600における4つの昇降装飾
体3611および回転体ユニット3410における6つの回転装飾体3410Aを可動さ
せるとともに、上可動演出ユニット3300(図166参照)におけるキャラクタ体33
11(図131参照)を可動させる。なお、下可動演出ユニット3600、回転体ユニッ
ト3410、上可動演出ユニット3300のいずれもが可動しない状態を第0段階とする
。これらの下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410、上可動演出ユニット
3300が、解決手段に記載の可動体に相当する。
[4−5C.期待示唆演出の基本的な流れ(通常遊技状態)]
以下、図226〜図230を参照して、期待示唆演出の基本的な流れについて説明する
。期待示唆演出は、通常遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれの遊技状
態においても行われ得るが、ここでは通常遊技状態のときに行われる場合について説明す
る。期待示唆演出は、先読み演出の一環として実行され、期待示唆演出の有無あるいはそ
の内容によって大当り遊技状態への移行に対する期待が示唆される。さらには、大当り遊
技状態への移行に加えて、移行する大当り遊技状態が確変大当りによる大当り遊技状態で
あることに対する期待等を示唆する態様とすることもできる。
主制御基板4100(図169参照)は、始動口2101,2102への遊技機の受入
に伴って大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数等の各種乱数を取得し、取得した乱数を記
憶する。主制御基板4100は、解決手段に記載の保留記憶手段を含む。主制御基板41
00は、第一始動口2101に遊技球が順次入球した際に、遊技球が入球するごとに各種
乱数を取得する。主制御基板4100は、第一始動口2101に順次遊技球が入球した際
に、最後に遊技球が入球したときに取得された各種乱数に基づいて先行判定処理を実行し
、先読み演出として期待示唆演出を実行するか否かを判定する。主制御MPU4100a
は、期待示唆演出を実行するか否かの判定を行ってから、先行判定処理の結果を表す入賞
通知コマンドを周辺制御基板4010(図169参照)に送信する。周辺制御基板401
0においては、送信された入賞通知コマンドが、期待示唆演出を実行する内容のコマンド
である場合には、先読み判定乱数を所定の期待示唆演出パターン決定テーブルに参照して
期待示唆演出パターン(先読み演出パターン)を決定し、決定した期待示唆演出パターン
の期待示唆演出を実行する。なお、この例では、図226〜図227等に示すように、期
待示唆演出パターンとして、第一保留球画像の消化に伴う期待示唆役物の発展段階の発展
パターンが設定されている。周辺制御基板4010は、期待示唆演出の実行による期待示
唆の提供にあたり、第一始動口2101に入賞することで取得されて記憶された乱数に応
じた判定結果演出が表示されて保留内容が消化される度に下可動演出ユニット3600、
回転体ユニット3410、上可動演出ユニット3300の状態を変更可能としている。ま
た、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410、上可動演出ユニット330
0の状態変化機会を設けることで、可動体の状態変化を促進している。さらに、周辺制御
基板4010は、液晶表示装置1900によって表示された保留表示を用いて可動体の状
態変化を示唆し得ることで、液晶表示装置1900による表示内容の多様化を図ることに
より、保留表示の表示情報を増加させる。周辺制御基板4010は、解決手段に記載の事
前提供手段および増情手段に相当する。
周辺制御基板4010は、主制御基板4100が先読み演出によって大当り遊技状態へ
の移行に対する期待の示唆を提供すると判定されたときに、期待示唆役物を可動させて期
待示唆の実行領域を可変にし得る。また、周辺制御基板4010は、液晶表示装置190
0による演出で大当り遊技状態への移行の示唆を可能としつつも、期待示唆役物の態様に
よっても示唆可能する。さらに、周辺制御基板4010は、保留が消化された場合に当該
可動体の態様を変化させることで、期待の示唆が行われる実行領域を可変し得る。こうし
て、周辺制御基板は、期待示唆演出を実行する。
周辺制御基板4010は、期待示唆演出として、まず、液晶表示装置1900に表示さ
れる第一保留球画像H11〜H14の形態を変化させる。具体的に、第一始動口保留数が
3個の状態で第一始動口2101に遊技球が入球して、第一保留球第四画像H14に対応
する第一始動口への遊技球の受入れに基づく抽選の結果(以下、「第一始動口抽選結果」
という)を表示する際に期待示唆演出を行う場合には、たとえば図226(a)に示すよ
うに、第一保留球画像H11〜H14のすべてについて、通常期待画像から期待大画像に
変化させる。このように第一保留球画像H11〜H14の形態を変化させることにより、
期待示唆演出を開始する。また、第一保留球画像H11〜H14を期待大画像に変化させ
るとともに、抽選対象画像H30を表示する。抽選対象画像H30が表示されている最中
には、抽選対象画像H30に対応する第一始動口抽選結果の表示が行われている。
なお、この例では、第一保留球第四画像のH14の期待大画像への変化に伴って第一保
留球第一画像H11〜第一保留球第三画像H13についても期待大画像に変化させている
が、期待示唆演出を行う態様となる第一保留球第四画像H14のみを期待大画像に変化さ
せる態様とすることもできる。また、この例のように、第一始動口抽選結果を表示する際
に期待示唆演出を行うにあたり、第一始動口抽選結果を表示する対象となる第一始動口2
101への遊技球の入球があったときに表示される保留球画像を表示する際に期待大画像
を表示することもできるし、保留球画像の消化がされた後に保留球画像を期待大画像に変
化させることもできる。たとえば第一保留球第四画像H14に対応する第一始動口210
1への遊技球の入球があった際、当該第一保留球第四画像H14が通常の保留球画像とし
て表示された後、保留球の消化が進行して第一保留球第三画像H13、第一保留球第二画
像H12、または第一保留球第一画像H11に移行する際に、期待大画像に変化させる態
様とすることもできる。さらに、抽選対象画像H30は、第一保留球画像が期待大画像に
変化した場合にのみ表示されるが、第一保留球画像が通常期待画像のままの際にも表示さ
れる態様とすることもできる。さらに、後述する確変遊技状態中にも、抽選対象画像を表
示する態様とすることもできる。
期待示唆演出では、このときの抽選の結果の表示が終了すると、第一保留球第一画像H
11に対応する第一始動口抽選結果の表示が実行され、第一保留球画像H11が消化され
て、図226(b)に示すように、一番左側の第一保留球第四画像H14の表示を消去す
る。また、第一保留球第四画像H14、第一保留球第三画像H13、第一保留球第二画像
H12の表示をそれぞれ第一保留球第三画像H13、第一保留球第二画像H12、第一保
留球第一画像H11に移行させる。こうして、液晶表示装置1900には、三つの第一保
留球第一画像H11〜第一保留球第三画像H13を表示した状態とする。この表示が行わ
れている間、先に第一保留球第一画像H11を抽選対象画像H30に移行させ、当該抽選
対象画像H30に対応する保留球の第一始動口の受入れに基づく抽選の結果を表示する。
なお、その後に第一始動口において遊技球の受入れがあって主制御基板4100からのコ
マンドの送信があった場合には、順次第一保留球画像の表示を増加させる。
続いて、このときの抽選の結果の表示が終了すると、図227(a)に示すように、一
番左側の第一保留球第三画像H13の表示を消去し、液晶表示装置1900には、二つの
第一保留球第一画像H11および第一保留球第二画像H12を表示した状態とする。さら
に、このときの抽選の結果の表示が終了すると、図227(b)に示すように、一番左側
の第一保留球第二画像H12の表示を消去し、液晶表示装置1900には、一つの第一保
留球第一画像H11を表示した状態とする。その後、このときの第一始動口抽選結果の表
示が終了すると、第一保留球第一画像H11の表示を消去し、抽選対象画像H30のみを
表示し、先に第一保留球第一画像H11として表示されていた保留球に対応する第一始動
口抽選結果を表示する。
なお、期待示唆演出を実行すると判断して第一保留球画像を変化させた後に、第一始動
口2101に遊技球が入球することで表示される第一保留球画像としては、期待大画像と
することもできるが、通常期待画像とすることもできる。ここでの第一保留球画像を通常
期待画像として表示することで、期待示唆演出を実行すると決定した際に表示された第一
保留球画像を明確に遊技者に認識させることでき、大当り遊技状態への移行に対する期待
感の高い大当り抽選を分かりやすくすることができる。
期待示唆演出が実行されない場合には、第一保留球画像H11〜H14は、単純な略矩
形の画像であり、比較的地味な画像として表示されるので、大当り遊技状態への移行に対
する期待感を大きくすることなく、遊技者に与える高揚感が小さくなりえる。これに対し
て、期待示唆演出が実行される際の第一保留球画像H11〜H14は、見た目が派手であ
ることから、遊技者に対して大当り遊技状態への移行に対する期待感を高めさせることが
できる。
さらに、期待示唆演出は、第一保留球画像H11〜H14の形態を変化させるほか、期
待示唆役物である下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410、上可動演出ユ
ニット3300といった役物を用いて実行される。以下、期待示唆演出の進行と期待示唆
役物の可動との関係について説明する。ここでの期待示唆演出では、第一保留球画像H1
1〜H14が1つ消化されるごとに、期待示唆役物の発展段階が1段階UPする制御が実
行される。
期待示唆演出が開始され、図226(a)に示すように、第一保留球画像H11〜H1
4のすべてについて、通常期待画像から期待大画像に変化させ、抽選対象画像H30を表
示させたとする。このときには、下可動演出ユニット3600等の役物については可動さ
せないままとしている。次に、期待示唆演出が進行し、図226(b)に示すように、第
一保留球第四画像H14の表示を消去し、第一保留球第一画像H11〜第一保留球第三画
像H13を表示した状態としたときに、期待示唆役物の発展段階は第一段階に進み、下可
動演出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611(図165参照)のうち、外
側に配置された二つの昇降装飾体3611を可動させる。このときの昇降装飾体の可動態
様は、たとえば上下動させたり、鉛直方向に沿った軸周りに回転させたりすることができ
る。また、昇降装飾体3611の直下に配置された昇降装飾体装飾基板3621に設けら
れたLEDを発光させて、昇降装飾体3611を発光装飾させることもできる。このよう
に、昇降装飾体3611を種々の態様で装飾することによって、大当り遊技状態への移行
に対する期待感を盛り上げることができる。
続いて、期待示唆演出が進行し、図227(a)に示すように、第一保留球第三画像H
13の表示を消去し、第一保留球第一画像H11および第一保留球第二画像H12を表示
した状態としたときに、期待示唆役物の発展段階は第二段階に進み、下可動演出ユニット
3600における四つの昇降装飾体3611のすべてを可動させる。このときの昇降装飾
体3611の可動態様についても、上記の態様で可動させたり発光装飾させたりすること
ができる。
さらに期待示唆演出が進行し、図227(b)に示すように、第一保留球第二画像H1
2の表示を消去し、第一保留球第一画像H11を表示した状態としたときには、期待示唆
役物の発展段階は第三段階に進み、下可動演出ユニット3600における四つの昇降装飾
体3611の全てを可動させるとともに、回転体ユニット3410における六つの回転装
飾体3410Aを可動させる。回転装飾体3410Aの可動態様としては、回転装飾体3
410Aを回転駆動したり、スライド移動したり、発光装飾したりすることができる。こ
のように、回転装飾体3410Aを種々の態様で装飾することによって、大当り遊技状態
への移行に対する期待感をさらに盛り上げることができる。
その後、第一保留球第一画像H11の表示を消去し、第一保留球画像が表示されていな
い状態としたときには、期待示唆役物の発展段階は第四段階に進み、下可動演出ユニット
3600における四つの昇降装飾体3611および回転体ユニット3410における六つ
の回転装飾体3410Aを可動させるとともに、上可動演出ユニット3300(図166
参照)におけるキャラクタ体3311(図131参照)を可動させる。キャラクタ体33
11の可動態様としては、キャラクタ体3311を回転駆動したり、昇降移動したり、発
光装飾したりすることができる。このように、キャラクタ体3311を種々の態様で装飾
することによって、大当り遊技状態への移行に対する期待感をさらに盛り上げることがで
きる。
このように、期待示唆演出を実行することにより、第一保留球画像H11〜H14が、
通常期待画像から期待大画像に変化するとともに、抽選対象画像H30を表示する。この
ため、第一保留球画像H11〜H14に対応する第一始動口抽選結果が大当り遊技状態へ
の移行となることへの期待感を膨らませることができる。
さらに、期待示唆演出を実行するにあたり、液晶表示装置1900に表示される第一保
留球画像の表示態様を変化させるほか、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3
410、上可動演出ユニット3300を可動させている。このため、期待示唆演出が実行
される際の実行領域が液晶表示装置1900内からその外側まで拡大されている。このた
め、期待示唆演出を実行する際の実行パターンの多様化を図ることができ、遊技の興趣の
低下を抑制することができる。また、期待示唆演出の実行領域が拡大することから、遊技
者の視点を拡散させることができる。このため、広い範囲で演出を実行した場合に、その
演出を遊技者に視認させやすくなるので、その分興趣の低下の抑制に寄与するものするこ
とができる。
また、上記の期待示唆演出では、第一保留球画像H11〜H14の表示が変化するたび
、言い換えると、期待示唆演出が進行して第一始動口抽選結果が表示されるたびに可動す
る役物が増加する。また、可動する役物は、第一保留球画像の変化に合わせて段階的に増
加していく。このように、いわば段階的に期待示唆演出が進行することにより、大当り遊
技状態への移行(有利性の付与)の可能性が高くなるにつれてその可能性の高さが徐々に
高くなる様子を表現することができる。したがって、大当り遊技状態への移行に対する期
待感を盛り上げることができる。
[4−5D.期待示唆演出の基本的な流れ(確変遊技状態)]
続いて、確変遊技状態中における期待示唆演出の基本的な流れについて説明する。通常
遊技状態中は第一始動口抽選結果について、期待示唆演出を実行していたが、その他の場
合に期待示唆演出を実行することもできる。たとえば、通常遊技状態中における第二始動
口への遊技球の受入れに基づく抽選の結果(以下「第二始動口抽選結果」という)につい
て期待示唆演出を実行することもできるし、確変遊技状態または時短遊技状態中における
第一始動口始動口抽選結果または第二始動口抽選結果について期待示唆演出を実行するこ
ともできる。あるいは、これらの状態の中で重複させて期待示唆演出を実行することもで
きる。
確変遊技状態中であって、第一保留球画像H11〜H14および第二保留球画像H21
〜H23が表示されている状態から、第二始動口に遊技球が受入れられると、図228(
a)に示すように、第二保留球第四画像H24が表示される。このときに期待示唆演出を
開始する場合、最後に表示される第二保留球第四画像H24は、他の第二保留球第一画像
H21〜第二保留球第三画像H23とは異なる態様で表示される。この例では、第二保留
球第四画像H24は、形状は同様であるものの、他の第二保留球第一画像H21〜第二保
留球第三画像H23とは異なる色で表示されている。
次に、期待示唆演出が進行し、図228(b)に示すように、第二保留球第四画像H2
4の表示を消去し、第二保留球第一画像H21〜第二保留球第三画像H23を表示した状
態としたときに、下可動演出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611(図1
65参照)のうち、外側に配置された二つの昇降装飾体3611を可動させる。このとき
の昇降装飾体の可動態様は、たとえば上下動させたり、鉛直方向に沿った軸周りに回転さ
せたりすることができる。また、昇降装飾体3611の直下に配置された昇降装飾体装飾
基板3621に設けられたLEDを発光させて、昇降装飾体3611を発光装飾させるこ
ともできる。このように、昇降装飾体3611を種々の態様で装飾することによって、大
当り遊技状態への移行に対する期待感を盛り上げることができる。また、第二保留球画像
H21〜H24の右側には、第一保留球画像H11〜H14が表示されている。これらの
第一保留球画像H11〜H14としては、互いに共通する色が表示されているが、第二保
留球画像H21〜H24に用いられている色と異なる色とされている。これらの色の違い
によって、第二保留球画像H21〜H24と、第一保留球画像H11〜H14との別を表
している。
また、第二始動口抽選結果の表示は、第一始動抽選結果の表示に先立って実行される。
このため、第二保留球画像H21〜H24の表示が残っている場合には、第一保留球画像
H11〜H14の表示が残ったまま徐々に第二保留球画像が消去されて期待示唆演出が進
行していく。なお、確変遊技状態中や時短遊技状態中以外の通常遊技状態中であっても第
二始動口抽選結果の表示は、第一始動抽選結果の表示に先立って実行されるようにしても
よい。
続いて、期待示唆演出が進行し、図229(a)に示すように、第二保留球第三画像H
23の表示を消去し、第二保留球第一画像H21および第二保留球第二画像H22を表示
した状態としたときに、下可動演出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611
のすべてを可動させる。このときの昇降装飾体3611の可動態様についても、上記の態
様で可動させたり発光装飾させたりすることができる。
さらに期待示唆演出が進行し、図229(b)に示すように、第二保留球第二画像H2
2の表示を消去し、第二保留球第一画像H21を表示した状態としたときには、下可動演
出ユニット3600における四つの昇降装飾体3611の全てを可動させるとともに、回
転体ユニット3410における六つの回転装飾体3410Aを可動させる。回転装飾体3
410Aの可動態様としては、回転装飾体3410Aを回転駆動したり、スライド移動し
たり、発光装飾したりすることができる。このように、回転装飾体3410Aを種々の態
様で装飾することによって、大当り遊技状態への移行に対する期待感をさらに盛り上げる
ことができる。
その後、図230に示すように、第二保留球第一画像H21〜H24の表示を消去し、
第二保留球画像が表示されていない状態としたときには、下可動演出ユニット3600に
おける四つの昇降装飾体3611および回転体ユニット3410における六つの回転装飾
体3410Aを可動させるとともに、上可動演出ユニット3300(図166参照)にお
けるキャラクタ体3311(図131参照)を可動させる。このとき、第一保留球画像H
11〜H14は表示された状態となっている。キャラクタ体3311の可動態様としては
、キャラクタ体3311を回転駆動したり、昇降移動したり、発光装飾したりすることが
できる。このように、キャラクタ体3311を種々の態様で装飾することによって、大当
り遊技状態への移行に対する期待感をさらに盛り上げることができる。
このように、期待示唆演出を実行することにより、第二保留球画像H21〜H24の色
が変化する。このため、第二保留球画像H21〜H24に対応する第二始動口抽選結果が
大当り遊技状態への移行となることへの期待感を膨らませることができる。さらに、期待
示唆演出を実行するにあたり、液晶表示装置1900に表示される第二保留球画像の表示
態様を変化させるほか、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410、上可動
演出ユニット3300を可動させている。このため、期待示唆演出が実行される際の実行
領域が液晶表示装置1900内からその外側まで拡大されている。このため、期待示唆演
出を実行する際の実行パターンの多様化を図ることができ、遊技の興趣の低下を抑制する
ことができる。
また、パチンコ機には、種々の確変遊技状態の継続態様があるが、これらの確変遊技状
態の継続態様等によって期待示唆演出の実行対象を変えることができる。具体的に、確変
遊技状態の継続態様として、確変遊技状態に移行した場合には、確変遊技状態に移行した
後、次に大当り遊技状態に移行するまで確変遊技状態が継続するループ機と、確変遊技状
態に移行した後、特別図柄の変動回数が所定回数まで継続するST(スペシャル・タイム
)機とがある。さらには、確変遊技状態に移行した後、確変転落抽選を行う転落抽選機が
ある。なお、転落抽選機では、確変遊技状態中に確変転落抽選に当選することで、確変遊
技状態が終了する。
一般に、ST機や転落抽選機では、大当りすることなく確変遊技状態が終了することが
あるので、遊技者は、とりあえずは大当りに期待し、さらに移行した大当り遊技状態が確
変大当りであることを期待する。このため、期待示唆演出を行うとしても、ST機や転落
抽選機では、大当りに対する期待示唆演出(以下「大当り期待示唆演出」という)、さら
には、確変大当りに対する期待示唆演出(以下「確変期待示唆演出」という)を行うこと
で、遊技者に与える期待感を効果的に盛り上げることができる。また、大当り期待示唆演
出および確変期待示唆演出の両方を行う場合に、大当り期待示唆演出および確変期待示唆
演出の出現割合を調整することができ、たとえば大当り期待示唆演出の出現割合を確変期
待示唆演出の出現割合よりも高くすることができる。こうして、ST機や転落抽選機にお
いて重視され得る大当り期待示唆演出の出現割合を高めることで、遊技者に与える期待感
をさらに、効果的に盛り上げることができる。
また、ループ機では、大当り遊技状態に移行するまで確変遊技状態が継続するので、大
当りは当然の前提として捉え、大当りが確変大当りとなることに対する期待が大きくなる
。このため、ループ機では、大当り期待示唆演出を行うよりも、確変期待示唆演出を行う
ことで遊技者に与える期待感を効果的に盛り上げることができる。また、ループ機におい
て大当り期待示唆および確変期待示唆の両方を行うこともできる。このとき、大当り期待
示唆演出および確変期待示唆演出の出現割合を調整することができ、たとえば大当り期待
示唆演出の出現割合を確変期待示唆演出の出現割合よりも低くすることができる。こうし
て、ループ機において重視され得る大当り期待示唆演出の出現割合を高めることで、遊技
者に与える期待感をさらに、効果的に盛り上げることができる。
さらに、ST機や転落抽選機では、確変遊技状態中の大当りは、100%の割合で確変
大当りとなる機種もある。また、大当りの種類として、期待出玉数の異なる大当り、たと
えば期待出玉数が多い大当り(以下「期待出玉多大当り」という)と期待出玉数が少ない
大当り(以下「期待出玉少大当りという」)とが設定されていることもある。期待出玉多
大当りと期待出玉少大当りの例として、開放ラウンド数が異なる大当りや遊技球の入球割
合が異なる複数のアタッカーが設けられている場合に、開放されるアタッカーが異なる大
当りなどがある。前者の例では、開放ラウンド数が多い大当りが期待出玉多大当りとなり
、開放ラウンド数が少ない大当りが期待出玉少大当りとなる。また、後者の例では、遊技
球の入球割合が高いアタッカーが開放される大当りが期待出玉多大当りとなり、遊技球の
入球割合が低いアタッカーが開放される大当りが期待出玉少大当りとなる。あるいは、開
放ラウンド中のアタッカーの開放時間への入球可能数やアタッカーの開放時間を変更する
ことで、期待出玉数の多少を決定することなどもできる。さらには、これらの開放ラウン
ド数や開放されるアタッカーの種類、アタッカーへの入球可能数やアタッカーの開放時間
を組み合わせて調整することで、期待出玉数の多少を決定することもできる。
このような期待出玉数が異なる大当りが複数設定されたST機や転落抽選機では、確変
遊技状態中における興味は、大当りとなるか否かに続いて、大当りの種類が期待出玉多大
当りであるか期待出玉少大当りとなるかに向けられることが多い。そこで、この種のST
機や転落抽選機では、期待示唆演出として、大当りとなるか否かに対する期待示唆演出の
ほか、大当りした際の当該大当りが、期待出玉多大当りであるか期待出玉少大当りである
かに対する期待示唆を行うこともできる。こうして、期待出玉数が異なる大当りが複数設
定されたST機や転落抽選機における確変遊技状態中の興味の対象として向けられやすい
期待出玉の多少に対する大当りの種類に応じた期待示唆演出を行うことで、遊技者に与え
る期待感をさらに、効果的に盛り上げることができる。
なお、この期待出玉の多少に対する大当りの種類に応じた期待示唆演出について、ST
機や転落抽選機のみならず、ループ機において実行できる態様とすることもできる。また
、ループ機やST機、転落抽選機のいずれにおいても、期待出玉の多少に対する大当りの
種類に応じた期待示唆演出や上記の大当り期待示唆演出、確変期待示唆演出等を適宜組み
合わせて、実行できる態様とすることもできる。他方、遊技機としては、上記のST機や
転落抽選機、あるいはループ機のほか、羽根物タイプとデジパチタイプとを混合したいわ
ゆる一種二種混合機(以下「混合機」という)もある。この混合機には、大当り遊技状態
後の遊技状態として時短遊技状態が設けられており、時短遊技状態中には、第二特別図柄
の作動率が向上し、第二特別図柄による抽選が多く行われる状態となる。第二特別図柄に
よる抽選では、高確率で小当りとなる抽選を行っており、第二特別図柄による抽選で小当
りすると、たとえば羽根状の大入賞口が開放する。大入賞口の内部にはVゾーンが設けら
れており、このVゾーンを通過することで遊技状態が大当り遊技状態に移行する。混合機
は、このようにして通常遊技状態中よりも時短遊技状態中に大当りとなりやすくした遊技
機である。このような混合機においても、上記の各期待示唆演出を行うことができる。
[4−5E.期待示唆演出の参考例(段階的示唆)]
次に、期待示唆演出の参考例の動作手順について説明する。ここでは、上述した期待示
唆演出の基本的な流れにおいては、第一保留球画像H11〜H14の消化に伴って、期待
示唆役物も段階的に進行して期待示唆演出を行っている。この基本的な流れに対して、こ
こで示す動作手順においては、期待示唆役物において期待示唆演出を行い、第一保留球画
像H11〜H14の消化があっても、期待示唆役物が発展しない場合もある状態で、期待
示唆演出を行っている。第一保留球画像H11〜H14の消化は、いわば期待示唆役物の
発展の際のきっかけとなっている。以下、期待示唆演出時の参考例の動作態様について説
明する。
ここでの期待示唆演出では、第一保留球画像H11〜H14が1つ消化されるごとに、
期待示唆役物の発展段階が1段階UPすることがある制御が実行される。このような第一
保留球画像H11〜H14の消化に伴って期待示唆役物の発展段階をUPさせる状態変化
機会を設けることで、期待示唆役物の発展段階のUPを促進している。また、上記の基本
的な流れでは、第一保留球画像H11〜H14が1つ消化されるごとに、期待示唆役物の
発展段階が1段階UPしていたが、この例では、第一保留球画像H11〜H14が1つ消
化された場合に、発展段階がUPせずに、そのまま維持される場合もある制御が実行され
る。
この参考例にかかる期待示唆演出を行うにあたり、周辺制御基板4010は、期待示唆
演出パターンを決定するにあたり、期待示唆役物の発展段階数を決定する。また、大当り
抽選の結果が大当りである場合には、期待示唆役物の発展段階数は、図231に示す割合
で期待示唆発展段階数が決定される。
具体的には、図231に示すように、第一保留球第四画像H14が期待大画像に変化し
た際(保4スタート)に大当り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第四画
像H14に対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が第四段階まで発展し
た場合には90%とされ、第三段階まで発展した場合には50%とされ、第二段階まで発
展した場合には5%とされ、第一段階まで発展した場合には1%とされている。
なお、第一保留球画像H14が期待大画像に変化した際に期待示唆役物が第一段階、第
二段階、または第三段階まで発展する際、期待示唆役物の発展タイミングには複数のパタ
ーンがある。たとえば、第一段階まで発展する場合には、第一保留球第四画像H14〜第
一保留球第一画像H11のいずれの第一保留球画像が消化される際にも、期待示唆役物が
一段階発展する可能性があるが、どのタイミングで発展したとしても、大当り抽選の結果
が大当りである割合は一定とされている。
さらに、この場合に、期待示唆役物を発展させる制御を行うタイミングについては、周
辺制御基板4010においてランダムに行うことができる。ここで、期待示唆役物を発展
させる制御を行うタイミングによらずに大当り抽選の結果が大当りである割合は一定され
ているが、期待示唆役物を発展させるタイミングに応じて、大当り抽選の結果が大当りで
ある割合を変更する態様とすることもできる。たとえば、第一保留球画像H14が期待大
画像に変化した際に期待示唆役物が第一段階まで発展するとしても、第一保留球第四画像
H14を消化する際に期待示唆役物が第一段階まで発展した場合よりも、第一保留球第一
画像H11を消化する際に期待示唆役物が第一段階まで発展した場合の方が大当り抽選の
結果が大当りである割合を高くすることができる。このように、期待示唆役物の発展タイ
ミングによって大当り抽選の結果が大当りである割合を調整することにより、第一保留球
画像が期待大画像に変化した後、いつ期待示唆役物が発展するかについても興味の対象と
なるので、その分興趣の低下の抑制に寄与することができる。また、期待示唆役物の発展
タイミングが遅いほど大当り抽選の結果が大当りである割合が高くなるようにすることで
、大当り遊技状態への移行に対する期待感の抑揚を高めながら、その期待感を長時間維持
することができる。
また、第一保留球第三画像H13が期待大画像に変化した際(保3スタート)に大当り
抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第三画像H13に対応する大当り抽選
の結果を表示する際に期待示唆役物が第三段階まで発展した場合には80%とされ、第二
段階まで発展した場合には10%とされ、第一段階まで発展した場合には2%とされてい
る。
さらに、第一保留球第二画像H12が期待大画像に変化した際(保2スタート)に大当
り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第二画像H12に対応する大当り抽
選の結果を表示する際に期待示唆役物が第二段階まで発展した場合には40%とされ、第
一段階まで発展した場合には10%とされている。そして、第一保留球第一画像H11が
期待大画像に変化した際(保1スタート)に大当り抽選の結果が大当りである割合は、当
該第一保留球第一画像H11に対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が
第一段階まで発展した場合には20%とされている。
このように、期待示唆演出では、第一保留球画像H11〜H14が消化される度に期待
示唆役物の発展段階が発展可能として、期待示唆役物の発展を促進している。期待示唆役
物の発展が促進されることで、期待示唆役物が大当り抽選の抽選結果に期待感を持たせる
ために大きく貢献することとなるので、興趣の低下を抑制することができる。なお、ここ
では、期待示唆演出の進行に伴い、期待示唆役物が進行するほど大当りに対する期待度が
大きくされているが、保1スタートから保4スタートのいずれであっても、期待示唆役物
が第四段階まで発展した際に、第四段階よりも低い段階まで期待示唆役物が発展した場合
と比較して、もっとも大当りの割合が高くなるようにすることができる。
また、この期待示唆演出では、期待示唆役物の発展段階がUPする例について説明した
が、期待示唆役物の発展段階のDOWNを織り交ぜた態様とすることもできる。このよう
に、発展段階を上下させることで、大当り抽選の抽選結果への期待度を上下動させること
ができるので、その分遊技者の飽きを防止することができる。
さらに、期待示唆役物の発展段階については、下可動演出ユニット3600の両端部→
下可動演出ユニット3600の全体→回転体ユニット3410→上可動演出ユニット33
00の順で可動させることで発展させていたが、この順序をランダムとする態様とするこ
ともできる。期待示唆役物の発展を種々の役物を入れ替えて行うことで、単調な演出に対
する飽きを防止することができる。
さらには、期待示唆役物の発展の順序を変更することで、その大当り抽選の抽選結果が
異なるようにすることで、期待示唆役物の大当り抽選の抽選悔過に対する期待を持たせる
ためにさらに大きく貢献することとなる。たとえば、期待示唆役物を1段階のUPさせる
際に、下可動演出ユニット3600の両端部が可動するよりも上可動演出ユニット330
0が可動した方が大当り抽選の抽選結果が高くなるようにすることができる。このような
記載示唆演出を行うことで、可動する期待示唆役物の種類にも着目させることができ、さ
らに興趣の低下の抑制に寄与することができる。
[4−6.期待示唆演出の動作手順(発展段階のUP数示唆)]
それでは、本発明の実施形態に係る期待示唆演出の動作手順について説明する。上記の
参考例では、第一保留球画像H11〜H14の消化に伴って、期待示唆役物が1段階ずつ
発展する期待示唆演出を行っていたが、この例では、期待示唆役物が複数段階発展するこ
とがある期待示唆演出を行う。また、上記の参考例では、第一保留球画像H11〜H14
の消化に伴って、期待示唆役物も段階的に進行して期待示唆演出を行っていたが、この例
では、期待示唆役物において期待示唆演出を行い、第一保留球画像H11〜H14では、
この期待示唆役物の発展段階を示唆する演出を行っている。ここで、期待示唆演出パター
ンとしては、期待示唆役物の発展段階のパターンが設定されている。以下、期待示唆演出
時の動作態様について説明する。
本実施形態に係る期待示唆演出では、第一保留球画像H11〜H14が消化される際に
、期待示唆役物の発展段階がUPすることがある。また、期待示唆役物の発展段階がUP
する際には、1段階のUPとなることもあるが、2段階以上のUPもある。さらに、第一
保留球画像H11〜H14では、期待示唆役物の発展段階数の示唆を行っている。
図232(a)は、第一保留球画像の数と期待示唆役物の発展段階に対応する大当り割
合を示す表である。本変形例では、第一保留球画像の数と期待示唆役物の発展段階に対応
する大当り割合が上記の例と異なっている。また、図232(b)は、期待示唆役物の発
展段階数を示す期待示唆役物発展段階数決定テーブルの一部を抜粋したものである。期待
示唆役物発展段階数決定テーブルは、大当り抽選の結果について、保1〜保4スタート時
における発展段階数が第一段階〜第四段階とされるそれぞれに対して設けられているが、
図232(b)に示す期待示唆役物発展段階数決定テーブルは、保4スタート時における
発展段階が第四段階までとされた場合の例である。周辺制御基板4010は、これらの期
待示唆役物発展段階数決定テーブルを記憶しており、大当り抽選の結果をこの期待示唆役
物発展段階数決定テーブルを参照して期待示唆役物の発展段階数を決定する。
この変形例において、期待示唆役物発展段階数は、図232(a)に示すように、保4
スタート時の大当り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第四画像H14に
対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が第四段階まで発展した場合には
50%とされ、第三段階まで発展した場合には20%とされ、第二段階まで発展した場合
には5%とされ、第一段階まで発展した場合には1%とされている。
また、保3スタート時の大当り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第三
画像H13に対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が第四段階まで発展
した場合には75%とされ、第三段階まで発展した場合には30%とされ、第二段階まで
発展した場合には10%とされ、第一段階まで発展した場合には2%とされている。
さらに、保2スタート時の大当り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第
二画像H12に対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が第四段階まで発
展した場合には80%とされ、第三段階まで発展した場合には40%とされ、第二段階ま
で発展した場合には20%とされ、第一段階まで発展した場合には10%とされている。
そして、保1スタート時の大当り抽選の結果が大当りである割合は、当該第一保留球第
一画像H11に対応する大当り抽選の結果を表示する際に期待示唆役物が第四段階まで発
展した場合には100%とされ、第三段階まで発展した場合には80%とされ、第二段階
まで発展した場合には40%とされ、第一段階まで発展した場合には20%とされている
また、期待示唆役物発展段階数を決定するにあたり、図232(b)に示す例では、期
待示唆役物の発展タイミングとして、発展パターン1〜発展パターン12が示されている
。大当り抽選の結果が大当りであり、保4スタート時における発展段階が第四段階までと
された場合には、これらを含めた複数の発展パターンから1の発展パターンが所定の決定
割合に応じて決定される。なお、期待示唆役物の発展タイミングとして、図232(b)
における「4→3」は、第一保留球画像として表示される期待大画像が第一保留球第四画
像H14までから第一保留球第三画像H13までとなった時を示す。同様に、「3→2」
は、第一保留球第三画像H13までから第一保留球第二画像H12までとなった時、「2
→1」は、第一保留球第二画像H12までから第一保留球第一画像H11までとなった時
、「1→0」は、期待大画像の表示がなくなった時をそれぞれ示す。なお、これらの場合
でも、抽選対象画像H30が表示された状態となっている。
たとえば、期待示唆役物の発展タイミングとして発展パターン1が決定された場合には
、期待大画像が第一保留球第三画像H13までとなった時に期待示唆役物の発展段階数を
1段階UPさせ、第一保留球第二画像H12までとなった時に期待示唆役物の発展段階数
を1段階UPさせ、第一保留球第一画像H11までとなった時に期待示唆役物の発展段階
数を1段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなった時に期待示唆役物の発展段階数を1
段階UPさせる。この発展パターン1では、各第一保留球画像を消化するごとに、期待示
唆役物を1段階ずつUPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段階数を第四段階まで発
展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされた場合の発展パターン
1の選択割合は30%であり、このときの大当り信頼度は25%である。また、発展パタ
ーン1は、保留球画像の消化が進む毎に徐々に期待示唆役物の発展が進むパターンであり
、この発展パターン1は、他の発展パターンと比較して、選択確率が最も高くされている
。なお、大当り信頼度とは、この発展パターンとなった際における全事象に対する大当り
となる確率である。たとえば、発展パターン1となったときの大当り信頼度が10%であ
るとは、発展パターン1となったときに大当りとなる確率が10%、はずれとなる確率が
90%ということである。このため、選択割合の総計は100%となるが、大当り信頼度
の総計は100%となるわけではなく、第一保留球画像の数と期待示唆役物の発展段階数
に対応した数値(ここでは、50%)となる。
発展パターン2が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、第一保留球第二画像H12まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなっ
た時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段
階数を第四段階まで発展させる。こうして、期待示唆役物の発展段階数を第四段階まで発
展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされた場合の発展パターン
2の選択割合は4%であり、このときの大当り信頼度は73%である。
発展パターン3が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、第一保留球第二画像H12まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、第一保留球第一画像H11ま
でとなった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせる。こうして、期待示唆役物
の発展段階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階ま
でとされた場合の発展パターン3の選択割合は14%であり、このときの大当り信頼度は
39%である。
発展パターン4が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、第一保留球第二画像H12まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなっ
た時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段
階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされ
た場合の発展パターン4の選択割合は6%であり、このときの大当り信頼度は60%であ
る。
発展パターン5が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなった
時に期待示唆役物の発展段階数を3段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段階
数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされた
場合の発展パターン5の選択割合は2%であり、このときの大当り信頼度は90%である
発展パターン6が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、第一保留球第二画像H12まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を3段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の
発展段階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階まで
とされた場合の発展パターン6の選択割合は6%であり、このときの大当り信頼度は85
%である。
発展パターン7が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせ、第一保留球第一画像H11まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなっ
た時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段
階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされ
た場合の発展パターン7の選択割合は14%であり、このときの大当り信頼度は50%で
ある。
発展パターン8が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなった
時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段階
数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされた
場合の発展パターン8の選択割合は6%であり、このときの大当り信頼度は74%である
発展パターン9が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13までと
なった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせ、第一保留球第二画像H12まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を2段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の
発展段階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階まで
とされた場合の発展パターン9の選択割合は10%であり、このときの大当り信頼度は5
5%である。
発展パターン10が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を3段階UPさせ、期待大画像の表示がなくなっ
た時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせる。こうして、期待示唆役物の発展段
階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階までとされ
た場合の発展パターン10の選択割合は3%であり、このときの大当り信頼度は84%で
ある。
発展パターン11が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を3段階UPさせ、第一保留球第二画像H12ま
でとなった時に期待示唆役物の発展段階数を1段階UPさせる。こうして、期待示唆役物
の発展段階数を第四段階まで発展させる。保4スタート時における発展段階が第四段階ま
でとされた場合の発展パターン11の選択割合は4%であり、このときの大当り信頼度は
77%である。
発展パターン12が決定された場合には、期待大画像が第一保留球第三画像H13まで
となった時に期待示唆役物の発展段階数を4段階UPさせる。発展パターン12では、第
一保留球第一画像H11、第一保留球第二画像H12の消化よりもさらに前の第一保留球
第三画像H13の際には、期待示唆役物の発展段階は第四段階と最高の段階まで発展して
いることとなる。こうして、期待示唆役物の発展段階数を第四段階まで発展させる。保4
スタート時における発展段階が第4段階までとされた場合の発展パターン12の選択割合
は1%であり、このときの大当り信頼度は100%である。
このように、期待示唆演出が開始された時点における保留球数および発展段階が共通す
る条件の下では、一つの保留球画像の消化において、大きな段階数の発展段階が含まれる
ほど、大当りの信頼度が高くされている。たとえば、一つの保留球画像の消化で三段階の
発展が含まれる発展パターン5,6,10,11については、1つの保留球画像の消化で
の発展段階が二段階以下である発展パターン1〜4,7〜9に比較して、大当り信頼度が
高くされている。特に、一つの保留球画像の消化で四段階の発展が含まれる発展パターン
12は、いわゆるプレミアとして大当り確定(大当り信頼度が100%)とされている。
また、1つの保留球画像の消化時における大きな段階数の発展が含まれるパターンでは
、その大きな段階数となる発展タイミングが遅い方の大当り信頼度は、その発展タイミン
グの早いほうの大当り信頼度以上の信頼度となるようにされている。たとえば、発展パタ
ーン5と発展パターン6との比較では、三段階の発展が見られるが、三段階の発展が遅い
発展パターン5の大当り信頼度は90%であり、三段階の発展が早い発展パターン6の大
当り信頼度は85%であり、三段階の発展が遅い発展パターン5の大当り信頼度の方が三
段階の発展が遅い発展パターン6の大当り信頼度よりも大きくされている。こうして、た
とえば早いタイミングで発展段階の進行があまり見られない場合であっても、最終的には
高い大当り信頼度となることがあるので、大当りに対する期待感を長く維持することがで
きる。
さらに、発展タイミングとして、期待大画像の表示がなくなった時(1→0)に期待示
唆役物の発展段階数が0でない場合には、期待大画像の表示がなくなった時(1→0)に
期待示唆役物の発展段階数が0である場合と比較して大当り信頼度が高くなるようにされ
ている。たとえば、発展パターン10と発展パターン11との比較では、期待大画像の表
示がなくなった時(1→0)に期待示唆役物の発展段階数が0でない発展パターン10は
、期待大画像の表示がなくなった時(1→0)に期待示唆役物の発展段階数が0でない発
展パターン11よりも信頼度が高くされている。このように、最終的に発展段階が進行す
る場合に、大当りに対する期待度を高くすることで、期待示唆演出が実行されている間の
最後まで大当りに対する期待感を維持することができる。
また、上記の各発展パターンでは、当該期待示唆演出中にいったん発展した発展段階数
から降格(発展段階数の減少)が生じることないようにされている。具体的には、三段階
まで発展した後に二段階に戻ることなどはないようにされている。このため、少なくとも
発展した段階数以上の期待度を持って大当りに対する期待感を与えることができ、発展段
階数の降格による期待感の減少などを抑制することができる。
さらに、周辺制御基板4010は、期待示唆役物が発展する段階数を示唆する発展段階
数示唆表示を第一保留球画像H11〜H14に付加する形で行っている。発展段階数示唆
表示としては、図233(a)等に示すように、第一保留球画像H11〜H14の下方位
置に、「2UP!」といったような発展段階数を示唆する数字および発展をイメージさせ
る「UP!」の表示としている。発展段階数の示唆としては、このように発展段階数を明
確に表示する態様とすることもできるし、別途の色や模様、形状、あるいはこれらの組み
合わせ等で発展段階数を示唆することもできる。
次に、期待示唆演出の流れについて説明する。ここでは、いま、第一保留球第四画像H
14が表示される際に、期待示唆役物の発展タイミングとして発展パターン1が決定され
たとする。期待示唆演出が開始されると、図233(a)に示すように、第一保留球画像
H11〜H14は、いずれも期待大画像となって表示される。また、期待大画像となった
第一保留球第四画像H14の下方位置には、「2UP!」の文字からなる発展段階数示唆
表示が行われている。
続いて、第一保留球第四画像H14の表示を消化すると、図233(b)に示すように
、第一保留球第四画像は消去され、第一保留球第一画像H11〜第一保留球第三画像H1
3が表示された状態となる。この状態の際には、図233(a)の段階で第一保留球第四
画像H14として表示された保留球画像は、第一保留球第三画像H13に移動して表示さ
れた状態となる。このため、図233(a)に示された第一保留球第四画像H14の下方
位置に表示されていた発展段階数示唆表示は、図233(b)に示す段階では、第一保留
球第三画像H13の下方位置に移動する。
また、期待示唆役物の発展タイミングとしては発展パターン1が決定されていることか
ら、第一保留球第四画像H14が消化された後において、図233(b)に示す状態でも
、期待示唆役物は可動を開始しない状態とされている。また、第一保留球第三画像H13
が消化された後も、同様にして期待示唆役物は可動を開始しない状態とされる。さらに、
第一保留球第三画像H13が消去されると共に、発展段階示唆表示は、第一保留球第二画
像H12の下方位置に移動して表示される。
それから、第一保留球第二画像H12が消化されると、図234(a)に示すように、
第一保留球第二画像が消去されると共に、発展段階示唆表示は、第一保留球第一画像H1
1の下方位置に移動して表示される。このとき、期待示唆役物の発展段階は2段階UPし
て期待示唆役物の発展段階は第二段階に進むので、下可動演出ユニット3600における
4つの昇降装飾体3611が可動を開始する。こうして、先読み演出を行うことによる大
当り遊技状態への移行の期待感を高めていく。
その後、第一保留球第一画像H11が消化されると、期待示唆役物の発展段階が2段階
UPして、期待示唆役物の発展段階は第四段階に進むので、図234(b)に示すように
、下可動演出ユニット3600における4つの昇降装飾体3611および回転体ユニット
3410における6つの回転装飾体3410Aが可動し、さらには上可動演出ユニット3
300におけるキャラクタ体3311も可動する。
また、第一保留球第一画像H11が消化されるにあたり、第一保留球第一画像H11の
下方位置には、「2UP!」の文字からなる発展段階数示唆表示が行われているので、現
在の期待示唆役物の発展段階が現在の第二段階から少なくとも第四段階までは発展するこ
とを示唆することができる。このように、期待示唆役物の発展が示唆されるので、保留表
示によって、期待示唆役物の発展段階を推測させることができる。したがって、保留表示
の内容によって遊技者に期待感を与えることができるので、その分興趣の低下を抑制する
ことができる。
さらに、第一保留球画像は、期待大画像に変化して表示されるとともに、合わせて発展
段階数示唆表示が表示される。このため、期待示唆演出が実行されることを示唆するとと
もに、期待示唆演出において、期待示唆役物の発展段階を示唆している。このため、第一
保留球画像において、期待示唆演出の実行のほか、期待示唆役物の発展段階を示唆できる
。したがって、保留表示によって提供される情報を増加させることができることから、興
趣の低下を抑制することができる。
また、大当り遊技状態への移行を望む遊技者は、期待示唆役物の発展が進むに期待を寄
せることとなる。ここで、期待示唆役物については、その発展段階数が進むほど、大当り
遊技状態への移行の割合が高くされている。このため、期待示唆役物の発展が進むほど、
大当り遊技状態への移行の期待が高まるので、期待示唆役物の発展に伴って大当り遊技状
態への移行に対する期待感を高めることができる。
上記のパチンコ機1は、以下の技術思想を備えるものとして表すことができる。
[技術思想1]
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備え、当該遊技盤に設けられた所定の
通過口に遊技球が通過することによって乱数を取得する乱数取得手段を備えており、当該
乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者に所定の有利性を付与するか否かの付与
判定を実行する遊技機であって、
前記付与判定の判定結果に応じた判定結果演出を表示する演出表示手段と、
前記乱数取得手段が取得した乱数に応じた保留内容を記憶し、該記憶した保留内容を複
数保留し得る保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に保留内容が記憶された場合に、該保留内容に応じた保留表示を行う
保留表示手段と、
前記演出表示手段とは別個に設けられ、前記保留内容の消化に伴って状態変化され得る
可動体と、
前記乱数取得手段によって乱数が取得されて前記保留記憶手段に保留内容が記憶された
場合に、該取得された乱数に基づいて判定された前記付与判定の判定結果に対する期待示
唆を、前記可動体の状態変化によって提供し得る事前提供手段と、
前記保留表示手段によって表示された前記保留表示を用いて前記可動体の状態変化を示
唆し得ることで、前記保留表示手段による表示内容の多様化を図ることにより、前記保留
表示の表示情報を増加させる増情手段を備えることを特徴とする遊技機。
上記の技術思想1に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域(遊技領域1100)が
形成された遊技盤(遊技盤4)を備え、当該遊技盤に設けられた所定の通過口に(始動口
2101,2102)遊技球が通過することによって乱数を取得する乱数取得手段(主制
御基板4100)を備えており、当該乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者に
所定の有利性を付与するか否かの付与判定を実行する遊技機である。この遊技機は、前記
付与判定の判定結果に応じた判定結果演出を表示する演出表示手段(液晶表示装置190
0)と、前記乱数取得手段が取得した乱数に応じた保留内容を記憶し、該記憶した保留内
容を複数保留し得る保留記憶手段(主制御基板4100)と、前記保留記憶手段に保留内
容が記憶された場合に、該保留内容に応じた保留表示を行う保留表示手段(液晶表示装置
1900)と、を備える。また、前記演出表示手段とは別個に設けられ、前記保留内容の
消化に伴って状態変化され得る可動体(上可動演出ユニット3300、下可動演出ユニッ
ト3600、回転体ユニット3410)と、前記乱数取得手段によって乱数が取得されて
前記保留記憶手段に保留内容が記憶された場合に、該取得された乱数に基づいて判定され
た前記付与判定の判定結果に対する期待示唆を、前記可動体の状態変化によって提供し得
る事前提供手段(周辺制御基板4010)と、前記保留表示手段によって表示された前記
保留表示を用いて前記可動体の状態変化を示唆し得ることで、前記保留表示手段による表
示内容の多様化を図ることにより、前記保留表示の表示情報を増加させる増情手段(周辺
制御基板4010)を備える。
上記の技術思想1に係る遊技機においては、事前提供手段により、有利性の付与に対す
付与判定の結果に対する期待示唆を可動体の状態変化を用いて行っている。このような期
待示唆が行われることから、遊技者の有利性の付与に対する期待感を煽ることができる。
ここで、保留内容が記憶された際に事前提供手段による可動体の状態変化の提供が決定さ
れるところ、保留内容が記憶された場合における保留表示では、その事前提供の有無など
の情報を提供するだけでは保留表示によって遊技者に期待感を与えることがむずかしかっ
た。
この点、上記の技術思想1に係る遊技機においては、保留表示手段によって表示された
保留表示を用いて可動体の状態変化を示唆し得ることで、保留表示手段による表示内容の
多様化を図っている。このため、可動体の状態変化が生じ得るのみならず、可動体がどの
ような状態変化を行うかについても示唆するので、保留表示によって提供される情報を増
加させることができので、興趣の低下を抑制することができる。
[技術思想2]
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備え、当該遊技盤に設けられた所定の
通過口に遊技球が通過することによって乱数を取得する乱数取得手段を備えており、当該
乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者に所定の有利性を付与するか否かの付与
判定を実行する遊技機であって、
前記付与判定の判定結果に応じた判定結果演出を表示する演出表示手段と、
前記乱数取得手段が取得した乱数に応じた保留内容を記憶し、該記憶した保留内容を複
数保留し得る保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に保留内容が記憶された場合に、該保留内容に応じた保留表示を行う
保留表示手段と、
前記演出表示手段とは別個に設けられ、前記保留内容の消化に伴って状態変化され得る
可動体と、
前記乱数取得手段によって乱数が取得されて前記保留記憶手段に保留内容が記憶された
場合に、該取得された乱数に基づいて判定された前記付与判定の判定結果に対する期待示
唆を、前記可動体の状態変化によって提供し得る事前提供手段と、
前記保留表示手段によって表示された前記保留表示を用いて前記可動体の状態変化を示
唆し得ることで、前記保留表示手段による表示内容の多様化を図ることにより、前記保留
表示の表示情報を増加させる増情手段と、
前記付与判定の判定結果として、前記有利性を付与する判定する可能性が高いほど、前
記可動体の状態変化の進行度合いを大きくする状態変化調整手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記の技術思想2に係る遊技機では、有利性を付与する判定する可能性が高いほど、前
記可動体の状態変化の進行度合いを大きくしている。このため、可動体の状態変化が進む
ほどに有利性の付与に対する期待感を高めることができるので、有利性の付与に対する期
待感を徐々に高めていくことができる。
なお、上記の技術思想における「有利性の付与」とは、遊技者にとって有利な有利遊技
状態、たとえば大当り遊技状態へのなど、遊技者にとって有利となる態様となるようにす
ることであり、上記の大当り遊技状態への移行のほか、電動役物(いわゆる電動チューリ
ップ)やいわゆる羽根物の羽根を連続開放する状態などを挙げることができる。
また、上記の技術思想に係るパチンコ機1について実行される期待示唆演出の変形例に
ついて、以下説明する。
[5−1.期待示唆演出の変形例−1(保留球表示と可動体の連動期待示唆)]
続いて、期待示唆演出の第一変形例の動作手順について説明する。上記の期待示唆演出
では、第一保留球画像H11〜H14としての期待大画像は一種類のみであったが、この
例では、期待大画像として、図235に示すように、第一期待大画像から第四期待大画像
までの4つの期待大画像が設定されている。したがって、第二変形例に係る期待示唆演出
パターンとしては、期待示唆役物の発展段階のパターンに加えて、期待大画像の発展段階
のパターンも設定されている。
図235に示すように、第一期待大画像から第四期待大画像は、いずれもその形状は共
通しており、通常期待画像とは異なる形状とされている。また、第一期待大画像は、全体
的に青色とされており、第二期待大画像は、全体的に黄色とされている。さらに、第三期
待大画像は、全体的に緑色とされており、第四期待大画像は、全体的に赤色とされている
。ここで、期待大画像としては、発展段階が進むほど、大当り抽選の当選に対する期待度
が高くなるようにおおむねされている。
さらに、この変形例では、第一保留球画像としての期待大画像についても、期待示唆役
物のように第一段階から第四段階まで発展可能とされている。第一期待大画像から第四期
待大画像は、第一保留球画像の発展段階に対応している。具体的に、第一保留球画像の発
展段階が第一段階の際には第一保留球画像としての期待大画像として第一期待大画像が表
示され、第一保留球画像の発展段階が第二段階の際には、第二期待大画像が表示される。
また、第一保留球画像の発展段階が第三段階の際には第三期待大画像が表示され、第一保
留球画像の発展段階が第四段階の際には第四期待大画像が表示される。なお、第一保留球
画像の発展段階が第0段階のときには通常期待画像が表示される。また、特別図柄の変動
表示がなく、保留球もないときに第一始動口2101に遊技球が入球した場合で、期待示
唆演出を実行する際には、抽選対象画像H30として期待大画像が表示される。
この変形例にかかる期待示唆演出では、第一保留球画像H11〜H14が1つ消化され
るごとに、第一保留球画像および期待示唆役物の発展段階がUPすることがある制御が実
行される。第一保留球画像H11〜H14が1つ消化される際における第一保留球画像お
よび期待示唆役物の発展段階は、一段階の場合及び複数段階の場合もある。
周辺制御基板4010では、期待示唆演出を実行すると判断した場合に、第一保留球画
像および期待示唆役物の発展態様について決定する。第一保留球画像および期待示唆役物
の発展態様を決定する際、まず、期待示唆演出を実行すると判断した際の大当り抽選に当
選しているか否かを判断し、大当り抽選の結果を図236に示す保留球画像決定テーブル
に参照して、最終的な発展段階を決定する。この最終的な発展段階は、抽選対象画像H3
0の表示を意味することとなる。
具体的に、大当り抽選の結果がはずれである場合には、92%で通常期待画像のままと
なり、期待示唆演出が実行されず、期待大画像は表示されない。裏返すと、大当り抽選の
結果がはずれである場合には、8%の割合で期待示唆演出が実行され、第一保留球画像お
よび抽選対象画像、または抽選対象画像のみに期待大画像が表示される。
また、大当り抽選の結果がはずれである場合の5.4%で最終的に第一期待大画像が表
示され、2.0%で最終的に第二期待大画像が表示される。さらに、大当り抽選の結果が
はずれである場合の0.5%で最終的に第三期待大画像が表示され、0.1%で最終的に
第四期待大画像が表示される。したがって、大当り抽選がはずれである場合に、最終的に
期待大画像が表示される機会は少なく、特に、第三期待大画像や第四期待大画像が表示さ
れる機会は非常に稀となる。
一方、大当り抽選の結果が大当りである場合には、1%で通常期待画像のままとなり、
期待示唆演出は実行されず、期待大画像は表示されない。このように、大当り抽選の結果
が大当りである場合に、期待示唆演出が実行されない確率は低くされており、逆に期待示
唆演出が実行される確率が非常に高くされているので、期待示唆演出が実行された際にお
ける大当り遊技状態への移行に対する期待感を高いものとすることができる。
また、大当り抽選の結果が大当りである場合の5.0%で最終的に第一期待大画像が表
示され、14.0%で最終的に第二期待大画像が表示される。さらに、大当り抽選の結果
が大当りである場合の30.0%で最終的に第三期待大画像が表示され、50.0%で最
終的に第四期待大画像が表示される。
このように、大当り抽選の結果が大当りである場合に期待示唆演出が実行される割合が
高いので、期待示唆演出が実行されることで、大当り遊技状態への移行に対する期待感を
非常に高いものとすることができる。特に、最終的に発展する期待大画像が第三期待大画
像や第四期待大画像となるのは、大当り抽選の結果が大当りである場合にある程度大きく
、大当り抽選の結果がはずれである場合には非常に小さいので、最終的に発展する期待大
画像が第三期待大画像や第四期待大画像となることで、大当り遊技状態への移行に対する
期待感を非常に高いものとすることができる。
さらに、この変形例では、期待示唆演出の際に、期待示唆役物についても段階的に発展
させる演出を実行する。期待示唆役物の最終的な発展段階については、図237に示す期
待示唆役物発展段階決定テーブルを参照して決定する。大当り抽選の結果が大当りである
場合には、図237(a)に示す大当り時における期待示唆役物発展段階決定テーブルを
参照し、大当り抽選の結果がはずれである場合には、図237(b)に示すはずれ時にお
ける期待示唆役物発展段階決定テーブルを参照して、期待示唆役物の発展段階を決定する
具体的に、期待示唆役物の発展段階を決定する際には、図236を参照して決定した期
待大画像等の発展段階を図237に示す期待示唆役物発展段階決定テーブルに参照する。
たとえば、大当り抽選の結果が大当りである場合、図237(a)に示すように、第一保
留球画像が通常期待画像のままであり、抽選対象画像が表示されない場合には、期待示唆
役物は、0.01%で第0段階のままであり、0.09%で第一段階まで発展する。また
、0.9%で第二段階まで発展し、4%で第三段階まで発展し、95%で第四段階まで発
展する。
また、第一保留球画像が第一期待大画像または第二期待大画像まで発展する場合には、
期待示唆役物は、0.1%で第0段階のままであり、0.9%で第一段階まで発展する。
また、19%で第二段階まで発展し、40%で第三段階まで発展し、40%で第四段階ま
で発展する。
さらに、第一保留球画像が第三期待大画像または第四期待大画像まで発展する場合には
、期待示唆役物は、1%で第0段階のままであり、4%で第一段階まで発展する。また、
20%で第二段階まで発展し、25%で第三段階まで発展し、50%で第四段階まで発展
する。
一方、大当り抽選の結果がはずれである場合、図237(b)に示すように、第一保留
球画像が通常期待画像のままであり、抽選対象画像が表示されない場合には、期待示唆役
物は、85%で第0段階のままであり、14%で第一段階まで発展する。また、0.9%
で第二段階まで発展し、0.09%で第三段階まで発展し、0.01%で第四段階まで発
展する。
また、第一保留球画像が第一期待大画像まで発展する場合には、期待示唆役物は、50
%で第0段階のままであり、45%で第一段階まで発展する。さらに、4%で第二段階ま
で発展し、0.95%で第三段階まで発展し、0.05%で第四段階まで発展する。また
、第一保留球画像が第二期待大画像まで発展する場合には、期待示唆役物は、30%で第
0段階のままであり、60%で第一段階まで発展する。さらに、8%で第二段階まで発展
し、1.5%で第三段階まで発展し、0.5%で第四段階まで発展する。
また、第一保留球画像が第三期待大画像まで発展する場合には、期待示唆役物は、80
%で第0段階のままであり、15%で第一段階まで発展する。さらに、4%で第二段階ま
で発展し、0.7%で第三段階まで発展し、0.3%で第四段階まで発展する。そして、
第一保留球画像が第四期待大画像まで発展する場合には、期待示唆役物は、90%で第0
段階のままであり、7%で第一段階まで発展する。さらに、2%で第二段階まで発展し、
0.9%で第三段階まで発展し、0.1%で第四段階まで発展する。
次に、この変形例における第一保留球画像の表示および期待示唆役物の動作の流れの一
例について説明する。上記の参考例と同様、主制御基板4100(図169参照)におい
て、始動口2101,2102への遊技機の受入に伴って大当り判定用乱数、大当り図柄
用乱数等の各種乱数を取得し、取得した乱数を記憶する。主制御基板4100は、最後に
取得された各種乱数に基づいて先行判定処理を実行し、先読み演出として期待示唆演出を
実行するか否かを判定する。主制御MPU4100aは、期待示唆演出を実行するか否か
の判定を行ってから、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを周辺制御基板401
0(図169参照)に送信する。周辺制御基板4010においては、送信された入賞通知
コマンドが、期待示唆演出を実行する内容のコマンドである場合には、期待示唆演出を実
行する。
周辺制御基板4010は、主制御基板4100が先読み演出によって大当り遊技状態へ
の移行に対する期待の示唆を提供すると判定されたときに、期待示唆役物を可動させて期
待示唆の実行領域を可変にし得る。また、周辺制御基板4010は、液晶表示装置190
0による演出で大当り遊技状態への移行の示唆を可能としつつも、期待示唆役物の態様に
よっても示唆可能する。さらに、周辺制御基板4010は、保留が消化された場合に当該
可動体の態様を変化させることで、期待の示唆が行われる実行領域を可変し得る。こうし
て、周辺制御基板は、期待示唆演出を実行する。
周辺制御基板4010は、期待示唆演出の期待示唆演出パターンを実行するにあたり、
まず、図236に示す保留球画像決定テーブルを参照し、期待示唆演出が完了する際に、
抽選対象画像H30として表示される画像の種類を、通常期待画像および第一期待大画像
乃至第四期待大画像の中から大当り抽選の結果に基づいて決定する。周辺制御基板401
0は、抽選対象画像H30として表示される画像の種類を決定したら、続いて、図237
に示す期待示唆役物発展段階決定テーブルを参照して、期待示唆役物の発展段階を決定す
る。こうして決定した抽選対象画像H30および期待示唆役物の発展段階に応じて、期待
示唆演出を実行する。
周辺制御基板4010は、期待示唆演出として、まず、液晶表示装置1900に表示さ
れる第一保留球画像H11〜H14の形態を変化させる。たとえば、第一始動口保留数が
3個の状態で第一始動口2101に遊技球が入球し、第一始動口抽選結果を表示する際の
期待示唆演出について説明する。この場合、図238(a)に示すように、第一保留球第
一画像H11〜第一保留球第四画像H14および抽選対象画像H30のすべてについて、
期待大画像に変化させる。ここでの期待大画像としては、第一保留球第一画像H11〜第
一保留球第四画像H14および抽選対象画像H30のすべてについて第一期待大画像とす
る。
続いて、先に実行されていた変動についての大当り抽選の結果の表示が終了すると、図
238(b)に示すように、第一保留球第四画像H14の表示が消去される。さらに、第
一保留球第四画像H14〜第一保留球第二画像H12の期待大画像がそれぞれ第一保留球
第三画像H13〜第一保留球第一画像H11に移動し、第一保留球第一画像H11の期待
大画像が抽選対象画像H30に移動する。
ここで、第一保留球第四画像H14から第一保留球第三画像H13に移動した期待大画
像については、その色が変化し、第一期待大画像から第二期待大画像に発展する。その一
方、期待示唆役物については、発展がなく期待示唆役物のいずれもが可動しない第0段階
のままとなる。このように、第一保留球画像が第一期待大画像から第二期待大画像に移行
することで、大当りに対する期待感を高めることができる。
続いて、第一保留球画像の消化が進むと、第一保留球第三画像H13の表示が消去され
、さらに、第一保留球第二画像H12の表示が消去されると、図239(a)に示すよう
に、第一保留球第二画像H12の期待大画像が第一保留球第一画像H11に移動し、第一
保留球第一画像H11の期待大画像が抽選対象画像H30に移動する。
ここで、第一保留球第二画像H12から第一保留球第一画像H11に移動した期待大画
像は、その色が変化し、第二期待大画像から第三期待大画像に発展する。その一方、期待
示唆役物については、発展段階が3段階発展し、下可動演出ユニット3600における4
つの昇降装飾体3611および回転体ユニット3410における6つの回転装飾体341
0Aがいずれも可動した状態となる。このように、期待大画像についての発展はないもの
の、期待示唆役物の発展段階が発展することにより、保留球以外の方向から、大当りに対
する期待感を高めることができる。
続いて、第一保留球第二画像H12の表示が消去されると、図239(b)に示すよう
に、第一保留球第一画像H11の期待大画像が抽選対象画像H30に移動する。このとき
、抽選対象画像H30としては、第三期待大画像から発展した第四期待大画像が表示され
ている。このように、抽選対象画像H30の表示が第四期待大画像にまで発展しているこ
とから、大当りに対する期待感がより高められる。
また、第一保留球画像の移動とともに、期待示唆役物については、発展段階が3段階発
展して、第四段階まで発展する。この期待示唆役物の発展により、下可動演出ユニット3
600における4つの昇降装飾体3611および回転体ユニット3410における6つの
回転装飾体3410Aが可動し、さらには上可動演出ユニット3300におけるキャラク
タ体3311も可動する。こうして、大当りに対する期待感がさらに高められる。
このように、この例における期待示唆演出では、期待示唆演出において、期待大画像が
発展するとともに期待示唆役物が発展する。このため、期待大画像および期待示唆役物を
用いた期待示唆演出におけるバリエーションを多様化することができ、その分興趣の低下
を抑制することができる。
特に、期待大画像と期待示唆役物との関係で、そのバリエーションの多様化を図ること
ができる。たとえば、期待大画像の発展段階が小さかったとしても、期待示唆役物の発展
段階が大きいときには、大当りに対する期待を高めることができる。また、期待大画像と
期待示唆役物が発展する際、これらの発展が同時に行われないことがあるので、たとえば
期待大画像の発展段階が大きくなったとしても、いまだ期待示唆役物の発展には余地があ
るなど、その態様の多様化を図ることができるので、その分興趣の低下を抑制できる。
また、上記の変形例をさらに変形した例として、期待大画像と期待示唆役物との関係に
おいて、大当りに対する期待を高めることもできる。たとえば、大当りに対する期待度が
実質的には期待示唆役物の発展段階に依存している場合、期待大画像の発展段階に応じて
期待示唆役物の発展段階を示唆する態様とすることができるし、あるいはその逆とするこ
ともできる。このように期待大画像と期待示唆役物との関係を絡ませることで、大当りに
対する期待度の異なる角度から遊技者に与えることができる。
他方、この変形例をさらに変形した例では、第一保留球画像(抽選対象画像)および期
待示唆役物の発展段階を決定するにあたり、第一保留球画像(抽選対象画像)の発展段階
を決定してから、その発展段階に応じて期待示唆役物の発展段階を決定していた。これに
対して、先に期待示唆役物の発展段階を決定してから、期待示唆役物の発展段階に応じて
第一保留球画像(抽選対象画像)の発展段階を決定することもできる。
あるいは、たとえば図240に示す期待大画像−期待示唆役物発展段階決定テーブルを
用いて、第一保留球画像(抽選対象画像)および期待示唆役物の発展段階を一気に決定し
て、期待示唆演出パターンを決定することもできる。具体的に、大当り抽選の結果が大当
りである場合には、図240(a)に示す期待大画像−期待示唆役物発展段階決定テーブ
ルを参照して、第一保留球画像(抽選対象画像)および期待示唆役物の発展段階を決定す
る。
ここでは、大当り抽選に当選したときに期待大画像への発展はない場合において、期待
示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.01%、第一段階である割合を0.02
%、第二段階である割合を0.05%、第三段階である割合を0.12%、第四段階であ
る割合を0.8%としている。大当り抽選に当選したときに期待大画像への発展はない場
合は、合計でも1%ほどしかないので、大当り抽選に当選したときに期待大画像への発展
はない場合が選択されることはほとんどないこととなる。
また、大当り抽選に当選したときに第一期待大画像にまで発展する場合において、期待
示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.04%、第一段階である割合を0.06
%、第二段階である割合を0.4%、第三段階である割合を0.5%、第四段階である割
合を3%としている。大当り抽選に当選したときに第一期待大画像にまで発展する場合に
おいても、その合計は4%ほどであり、大当り抽選に当選したときに第一期待大画像にま
で発展する場合が選択されることも稀となる。
さらに、大当り抽選に当選したときに第二期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.1%、第一段階である割合を0.2%
、第二段階である割合を0.7%、第三段階である割合を3%、第四段階である割合を6
%としている。大当り抽選に当選したときに第二期待大画像にまで発展する場合において
も、その合計は10%ほどであり、大当り抽選に当選したときに第二期待大画像にまで発
展する場合もままあることとなる。
さらに、大当り抽選に当選したときに第三期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.3%、第一段階である割合を0.7%
、第二段階である割合を4%、第三段階である割合を9%、第四段階である割合を20%
としている。大当り抽選に当選したときに第三期待大画像にまで発展する場合、その合計
は34%ほどであり、大当り抽選に当選したときに第三期待大画像にまで発展する場合は
比較的多くなることとなる。
さらに、大当り抽選に当選したときに第四期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.5%、第一段階である割合を1.5%
、第二段階である割合を3%、第三段階である割合を14%、第四段階である割合を29
%としている。大当り抽選に当選したときに第四期待大画像にまで発展する場合、その合
計は51%ほどであり、大当り抽選に当選したときに第四期待大画像にまで発展する場合
は非常に多くなることとなる。
また、大当り抽選の結果がはずれである場合には、図240(b)に示す期待大画像−
期待示唆役物発展段階決定テーブルを参照して、第一保留球画像(抽選対象画像)および
期待示唆役物の発展段階を決定する。
ここでは、大当り抽選にはずれたときに期待大画像への発展はない場合において、期待
示唆役物の発展段階が第0段階である割合を88%、第一段階である割合を4%、第二段
階である割合を0.9%、第三段階である割合を0.09%、第四段階である割合を0.
01%としている。
また、大当り抽選にはずれたときに第一期待大画像にまで発展する場合において、期待
示唆役物の発展段階が第0段階である割合を4%、第一段階である割合を0.7%、第二
段階である割合を0.2%、第三段階である割合を0.09%、第四段階である割合を0
.01%としている。
さらに、大当り抽選にはずれたときに第二期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を1.2%、第一段階である割合を0.14
%、第二段階である割合を0.05%、第三段階である割合を0.01%、第四段階であ
る割合を0%としている。このため、大当り抽選にはずれたときに第二期待大画像にまで
発展する場合に期待示唆役物が第四段階まで発展したら、大当り抽選の結果は大当りであ
ったこととなる。
さらに、大当り抽選にはずれたときに第三期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.4%、第一段階である割合を0.09
%、第二段階である割合を0.01%、第三段階および第四段階である割合を0%として
いる。このため、大当り抽選にはずれたときに第三期待大画像にまで発展する場合に期待
示唆役物が第三段階まで発展したら、大当り抽選の結果は大当りであったこととなる。
さらに、大当り抽選にはずれたときに第四期待大画像にまで発展する場合において、期
待示唆役物の発展段階が第0段階である割合を0.03%、第一段階である割合を0.0
3%、第二段階である割合を0.04%、第三段階および第四段階である割合を0%とし
ている。このため、大当り抽選にはずれたときに第四期待大画像にまで発展する場合に期
待示唆役物が第三段階まで発展したら、大当り抽選の結果は大当りであったこととなる。
このように、第一保留球画像(抽選対象画像)および期待示唆役物の発展段階を一気に
決定することにより、期待示唆役物および第一保留球画像(抽選対象画像)の発展段階を
決定する場合よりも決定手順を少なくすることができるので、その分周辺制御基板401
0等における処理の負担を軽減することができる。
[5−2.期待示唆演出の変形例−2(保留球表示と可動体の独立期待示唆)]
続いて、期待示唆演出の第二変形例の動作手順について説明する。上記の期待示唆演出
では、第一保留球画像H11〜H14としての期待大画像は一種類のみであったが、この
例では、期待大画像として、図235に示すように、第一期待大画像から第四期待大画像
までの4つの期待大画像が設定されている。また、上記の第二変形例では、第一保留球画
像が期待大画像となった際の発展段階と、期待示唆役物の発展段階とは互いに独立してい
たが、この例では第一保留球画像における期待大画像と期待示唆役物の発展段階が共通し
ている。以下、期待示唆演出時の第三変形例の動作態様について説明する。以下、期待示
唆演出時の第二変形例の動作態様について説明する。
この例においては、上記の第一変形例と同様、図235に示すように、期待大画像とし
て第一期待大画像〜第四期待大画像までの4つの期待大画像が設けられている。これらの
期待大画像としては、上記の第一変形例と同様、第一期待大画像が全体的に青色、第二期
待大画像が全体的に黄色、第三期待大画像が全体的に緑色、第四期待大画像が全体的に赤
色とされている。また、期待大画像としては、発展段階が進むほど、大当り抽選の当選に
対する期待度が高くなるようにおおむねされている。
また、これらの期待大画像については、上記の第一変形例と同様、第一段階から第四段
階まで発展可能とされており、第一保留球画像H11〜H14および抽選対象画像として
は、通常期待画像および第一期待大画像から第四期待画像のうちのいずれかが表示される
。なお、第一保留球画像の発展段階が第0段階のときには通常期待画像が表示される。ま
た、特別図柄の変動表示がなく、保留球もないときに第一始動口2101に遊技球が入球
した場合で、期待示唆演出を実行する際には、抽選対象画像H30として期待大画像が表
示される。
さらに、この例にかかる期待示唆演出では、上記の第一変形例と同様、第一保留球画像
H11〜H14が1つ消化されるごとに、第一保留球画像および期待示唆役物の発展段階
がUPすることがある制御が実行される。第一保留球画像H11〜H14が1つ消化され
る際における第一保留球画像および期待示唆役物の発展段階は、一段階の場合及び複数段
階の場合もある。
周辺制御基板4010では、期待示唆演出を実行すると判断した場合に、期待示唆演出
パターンとして、第一保留球画像および期待示唆役物の発展態様について決定する。第一
保留球画像および期待示唆役物の発展態様を決定する際、まず、期待示唆演出を実行する
と判断した際の大当り抽選に当選しているか否かを判断し、最終的な発展段階を決定する
。この最終的な発展段階は、抽選対象画像H30の表示を意味することとなる。
第二変形例では、最終的な発展段階は、図241に示すように、第一保留球画像(抽選
対象画像)が通常期待画像となる際には期待示唆画像の発展段階は第0段階となる。また
、第一保留球画像(抽選対象画像)が第一段階まで発展する際には、期待示唆役物は第一
段階まで発展する。同様に、第一保留球画像(抽選対象画像)が第二段階まで発展する際
には期待示唆役物は第二段階まで、第一保留球画像(抽選対象画像)が第三段階まで発展
する際には期待示唆役物は第三段階まで、第一保留球画像(抽選対象画像)が第四段階ま
で発展する際には、期待示唆役物は第四段階まで発展する。このように、第一保留球画像
(抽選対象画像)と期待示唆役物の発展段階は共通するものとされている。
第二変形例の期待示唆制御においては、第一保留球画像として表示される期待大画像の
発展段階と、期待示唆役物の発展段階とが共通し、両者は一致している。ここで、遊技者
は、通常、大当り遊技状態への期待をもって遊技を進行しており、期待大画像の発展段階
が大当り遊技状態への移行に大きく関係することから、期待示唆演出において、期待大画
像などの発展に対する興味が大きくなることが多い。
ところが、折角の期待示唆演出における発展を利用した演出を行ったとしても、その発
展段階が期待大画像でしか行われないときには、期待示唆演出に対する興味を維持させる
ことが難しく、興趣の低下を招くおそれがあった。この点、この例にかかる期待示唆演出
では、期待大画像の発展段階と一致して期待示唆役物の発展段階が進行している。このた
め、期待示唆演出において、第一保留球画像を用いた期待大画像だけではなく、期待示唆
役物を用いて期待示唆演出を進行するので、興味の維持を図ることができる。
さらに、期待大画像の発展段階と期待示唆役物の発展段階とが一致していることから、
遊技者からみれば、期待大画像を視認しても期待示唆役物を視認しても、期待示唆演出に
おける発展段階を認識することができる。したがって、遊技者からみれば、期待大画像お
よび期待示唆役物のいずれを視認しても発展段階を認識できるので、遊技者の嗜好に応じ
た楽しみ方を選択することができる。
さらには、パチンコ機1を遊技するに際し、遊技球が遊技盤4内をランダムに行き交う
ので、遊技球の行方を目で追う遊技者の視線が散らばることがある。このような状況下に
おいて、期待示唆演出の発展段階について、第一保留球画像だけを用いて行うのであれば
、遊技者は、その発展段階を認識しにくくなる可能性もある。特に、遊技球の行方に対す
る興味が大きく、演出に対する注意度が低い遊技者にこの傾向が大きくなる。この点、パ
チンコ機1では、遊技盤4の周囲における広い範囲に設けられた期待示唆役物を用いて発
展段階を認識できるようにしている。さらには、これらの期待示唆役物である上可動演出
ユニット3300、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410は、遊技盤4
の周囲で大きく動くなどして発展段階を表している。このため、演出に対する注意度が低
く、視線が散らばって第一保留球画像に視線が届きにくい遊技者であっても、期待示唆役
物の発展段階を容易に認識することができる。
上記の第一および第二変形例においては、期待示唆演出において、第一保留球画像と期
待示唆役物と発展段階を発展させて、大当り遊技状態に対する期待度を大きくさせること
で、大当りに対する期待感を遊技者に与えている。これらの上記の第一および第二変形例
では、期待示唆演出を行う際に、期待大画像および期待示唆役物の最終的な発展段階を決
定する点について説明したが、この最終的な発展段階に到達するまでの経過によって、そ
の期待度を変動させることもできる。
たとえば、上記の実施形態で示したように、第一保留球画像が1つ消化される際に変動
する発展段階の大きさが大きいことがあるほど、大当りへの期待度が高くなるようにする
ことができる。あるいは、第一保留球画像が消化される際に発展段階が発展する回数が多
いほど、大当りへの期待度が高くなるようにすることもできる。あるいは、これらの逆の
パターンとしたり、これらを併合したパターンとしたりすることもできる。
さらには、上記の実施形態で示したように、第一保留球画像の下方位置に発展段階数を
表示して、期待大画像や期待示唆役物がこの発展段階数の発展を行うようにすることもで
きる。また、第一変形例では、発展段階数を表示しながらもその発展するのが第一保留球
画像であるか期待示唆役物であるかを変えることで、どちらが発展するかに対する興味を
抱かせることもできる。
また、上記の実施形態並びに第一および第二変形例において、期待示唆役物について、
同じ段階数の発展があったとしても、段階数の発展が生じた第一保留球を消化するタイミ
ングによって大当りに対する期待度を変動させることもできる。たとえば、一段階の発展
よりも二段階の発展の方が大当りに対する期待度が高いとして、同じ二段階の発展でも、
第一保留球第三画像H13の消化の際に発展する場合よりも、第一保留球第一画像H11
の消化の際に発展する方が、大当りに対する期待度を高くすることができる。こうして、
最終的に発展する段階に加えて、発展するタイミングも大当りに対する期待度に影響する
ことから、第一保留球の消化の経過に対しても遊技者に興味を抱かせることができる。
さらに、発展するタイミングによって大当りに対する期待度を変化させる際、早いタイ
ミングで発展させるよりも遅いタイミングで発展させた方が、大当りに対する期待感を長
い間維持させることができる。このようにすることで、早い段階で発展しない場合でも、
最後まで発展に対する興味を大きく抱かせることができる。
また、上記の実施形態において、発展段階数を示唆する表示を行う際、抽選対象画像に
発展する際の段階数を表示していたが、その前、たとえば第一保留球第二画像から第一保
留球第一画像に移動する際に、発展段階を進行させることもできる。このように、発展段
階の示唆を行ったとしても、その発展タイミングを多様化することで、発展段階の進行が
いつ行われるかに対する興味を遊技者に抱かせることができる。
さらに、発展段階数の示唆を行った際には、表示した段階数の発展を行っていたが、表
示した段階数を超える段階数の発展を行わせる態様とすることもできる。この場合には、
表示されていた段階数よりも大きな発展、言い換えると、表示よりも大きな大当りに対す
る期待感を遊技者に与えることができるので、その意外性による高揚感を遊技者に与える
ことができる。さらには、小さい段階数、たとえば一段階の発展を示す「1UP!」の表
示がなされたとしても、この表示は、最低限発展する段階数を表示しているにすぎないこ
ととなるので、さらに大きな段階数の発展に対する期待感を遊技者に抱かせることができ
る。
大当り抽選に当選した場合に、発展段階数の示唆を行う際、表示した段階数よりも小さ
い段階数の発展で終わらせ、この場合には、必ず大当りする、言い換えると、表示した段
階数よりも小さい段階数で発展が終了した場合には、はずれとはならない態様とすること
もできる。このように、発展段階数が表示されているにも拘わらず、当該表示された発展
段階数までの発展が行われない場合には、表示に対する実行態様が矛盾した状態となるい
わば矛盾演出となる。このような矛盾演出では、発展段階数の表示によって遊技者は少な
くとも表示された発展段階数までは発展することに期待しているところ、その発展段階数
までの発展が行われないことから、遊技者に対して、損した印象を与える可能性がある。
ところが、矛盾演出が生じると、その結果が必ず大当りとなることから、損したと感じさ
せるところが逆に大きな歓喜を付与することができる。
以上、期待示唆演出時の動作態様について、参考例、第一および第二変形例を含めて説
明したが、パチンコ機としては、これらの期待示唆演出について、いずれかの1つの演出
態様を備える態様とすることができる。あるいは、これらの期待示唆演出のうちの一部ま
たは全部の期待示唆演出を備える態様とすることもできる。
以上の期待示唆演出では、保留球画像や役物などを用いた演出を行い、大当り遊技状態
への移行に対する期待を高めている。また、期待示唆演出は、上記の態様以外の態様で実
行することもできる。たとえば、上記の例では保留球第四画像H14,H24が表示され
る際に期待示唆演出が開始されているが、他の保留球第一画像H11,H21〜保留球第
三画像H13,H23が表示される際に期待示唆演出が開始されるようにすることもでき
る。
また、保留球第四画像H14,H24が表示された後、保留画像が消去されて表示され
る保留画像が減少する際に、期待示唆演出が開始されるようにすることもできる。たとえ
ば第一保留球第一画像H11〜第一保留球第四画像H14として略矩形の画像が表示され
ていたところ、第一保留球第四画像H14が消去されて第一保留球第一画像H11〜第一
保留球第三画像H13が表示されるようになるときに、保留球画像として期待大画像に変
化させることもできる。さらに、上記の例では、第一保留球画像H11〜H14について
その表示を変化させる際には、第一保留球画像の全体について期待大画像に変化させてい
るが、その一部の画像のみを変化させて期待大画像とするようにすることもできる。逆に
、第二保留球画像H21〜H24についてその表示を変化させる際には、第二保留球画像
の一部として最後の表示された第二保留球第四画像H24の色のみを変化させているが、
第二保留球画像の全体を変化させるようにすることもできる。その他、適宜の保留球画像
の表示を変化させる態様とすることもできる。
さらには、保留球画像の変化の態様は、第一保留球画像についてはその形状を変化させ
、第二保留球画像についてはその色を変化させているが、形状や色彩、模様等適宜の態様
(形態)を変化させることができる。また、変化の態様も一種類ではなく、種々の種類に
変化可能とすることもできる。このとき、変化の態様やタイミングに応じて大当り遊技状
態への移行に対する期待度を変化させるようにすることもできる。他方、保留球の形状の
ほか、液晶表示装置1900に表示される種々の演出の態様を変化させることもできる。
また、上記の実施形態では、始動口抽選結果の表示が終了するごとに可動する役物の数
を増やすようにして期待示唆演出を行っているが、その他の態様で期待示唆演出を行うこ
ともできる。たとえば、上記の例では、期待示唆を行う際に、上可動演出ユニット330
0、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410の三種類の役物を可動させる
が、これらのうちの一種または二種を可動させるようにもできる。
さらに、これらの各役物についての可動態様に応じて、期待度が異なる態様とすること
もできる。たとえば、上記の例では下可動演出ユニット3600、回転体ユニット341
0、上可動演出ユニット3300の順で役物を可動させて期待示唆演出を行っているが、
回転体ユニット3410から可動を開始させたり下可動演出ユニット3600に続いて上
可動演出ユニット3300を可動させたりすることができる。
また、これらの役物が可動を開始する順番等で大当り遊技状態への移行の期待度を変化
させることもできる。たとえば、回転体ユニット3410が最初に可動した場合には、下
可動演出ユニット3600が最初に可動した場合よりも大当り遊技状態への移行の確率が
高くなるようにすることができる。もちろん、各役物の可動開始順と大当り遊技状態への
移行の確率との関係において、その他の組み合わせとすることもできる。
このとき、期待示唆演出において、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット34
10、上可動演出ユニット3300のすべてを可動させるのではなく、その一部のみを可
動させることもできる。たとえば、下可動演出ユニット3600が可動した後、その後回
転体ユニット3410、上可動演出ユニット3300が可動することなく期待示唆演出が
終了するようにもできる。このとき、より多く役物が可動した方が大当り遊技状態への移
行の確率が高くなるようにすることができる。この場合、期待示唆演出が開始された後、
より多くの役物が可動することを遊技者に期待させることができ、その分興趣の低下を抑
制することができる。さらに、この場合には、大当り遊技状態への移行の確率が高いほど
広い領域をもって役物による期待示唆演出が実行される。このため、期待度が高い演出を
広い範囲で実行できるので、期待度に応じた派手な演出を実行しやすくできる。
さらに、役物が可動する順番を異ならせることもできる。上記の例では、下可動演出ユ
ニット3600、回転体ユニット3410、上可動演出ユニット3300の順で役物を可
動させるが、この順番を変えて、たとえば下可動演出ユニット3600、上可動演出ユニ
ット3300、回転体ユニット3410の順で役物を可動させることもできる。
また、役物の可動の順番によって大当り遊技状態への移行の確率を変化させることもで
きる。たとえば、下可動演出ユニット3600、回転体ユニット3410、上可動演出ユ
ニット3300の順で役物を可動させる場合よりも、下可動演出ユニット3600、上可
動演出ユニット3300、回転体ユニット3410の順で役物を可動させる場合の方が大
当り遊技状態への移行確率を高くすることができる。この場合、下可動演出ユニット36
00の可動開始によって期待示唆演出が開始された後、回転体ユニット3410および上
可動演出ユニット3300のいずれが可動するかによって大当り遊技状態への移行の期待
度が変化する。このため、いずれの役物が先に可動を開始するかについての注目度を高め
ることができ、その分興趣の低下を抑制することができる。
さらには、期待示唆演出といわゆるリーチ演出とを連動させ、期待示唆演出で可動させ
た期待示唆役物の可動態様をリーチ演出につなげることなどもできる。たとえば、所定の
リーチ演出のうちのスーパーリーチ演出として、上可動演出ユニット3300を可動させ
る演出を設ける。また、期待示唆演出の第四段階では、期待示唆役物として上可動演出ユ
ニット3300を可動させる演出を設ける。この場合に、期待示唆演出として上可動演出
ユニット3300が可動した後、リーチ演出が開始されたときには、上可動演出ユニット
3300の可動をいったん停止させる。そして、リーチ演出としてスーパーリーチ演出と
なった場合には、当該スーパーリーチ演出において、上可動演出ユニット3300が再可
動する態様とすることができる。
あるいは、上記のスーパーリーチ演出において、上可動演出ユニット3300が可動し
たにも拘わらず、大当りとならなかった場合に、上可動演出ユニット3300の可動が終
了した後に上可動演出ユニット3300を再可動させて、次の特別図柄の変動時における
期待示唆演出の第四段階に移行する態様とすることなどもできる。この場合には、スーパ
ーリーチ演出によって上可動演出ユニット3300が可動して大当りへの期待が大きくな
ったものの、大当りに至らなかった場合でも、次の特別図柄の変動で大当りに対する期待
を維持させることができる。このように、期待示唆役物を用いることで、期待示唆演出と
リーチ演出を連動させることなどができるので、役物を用いた演出に対する興味の低下を
抑制することができる。
液晶表示装置1900に表示される保留球画像と可動する役物との関係等によって、期
待度が変化する態様とすることもできる。たとえば、保留球第三画像H13,H23が表
示される際に下可動演出ユニット3600が可動を開始する態様では、保留球第二画像H
12,H22が表示される際に下可動演出ユニット3600が可動を開始する態様よりも
大当り遊技状態への移行の確率が高くなるようにすることができる。このように、液晶表
示装置1900に表示される保留球画像と可動する役物との関係等によって、期待度が変
化することで、可動する役物や保留球画像に対する注目度を高めることができ、その分興
趣の低下を抑制することができる。
あるいは、保留球画像についての期待示唆演出を実行することなく、役物を用いた期待
示唆演出のみを実行することもできる。また、保留球画像と役物とよって期待示唆演出を
実行する場合と、保留球画像または役物のみによって期待示唆演出を行う場合とを併用す
ることができる。この場合、たとえば保留球画像による期待示唆演出が開始した後、さら
に役物による期待示唆演出が開始することを遊技者に期待させることができ、その分興趣
の低下を抑制することができる。
また、役物が段階的に変化して期待示唆演出が実行される場合には、その進行段階に応
じて大当り遊技状態への期待度が高くなるようにすることができる。たとえば、三段階に
よる期待示唆演出が実行されるとして、一段階目と三段階目とでは共通する可動態様であ
るところ、二段階目の可動態様が互いに異なり、その二段階目の可動態様によって大当り
遊技状態への移行の確率を変化させることができる。この場合、段階的に変化する役物の
可動の流れを確認しないと、大当り遊技状態への移行の可能性を認識しにくくなるので、
期待示唆演出を注目させることができ、その分興趣の低下を抑制することができる。
また、上記の例では、有利性の付与を大当り遊技状態への移行としているが、遊技者に
対して有利となる状態を付与するものであれば、大当り遊技状態への移行以外の態様とす
ることもできる。たとえば、遊技状態の移行等はないが、電チューが開きやすくなったり
、羽根物遊技機であれば羽根役物が開きやすい状態となったりすることができる。
さらに、上記の例では、期待示唆演出を行うにあたり、液晶表示装置1900に表示さ
れる期待大画像や期待示唆役物の発展段階を進行させていたが、期待大画像や期待示唆役
物の発展に伴い、画像や役物以外のデバイスを用いた表現を行うこともできる。たとえば
、期待示唆演出の発展段階が進行するごとに、大当りに対する期待感を高める音声を発生
させたり、枠体に設けられた発光体の発光パターンなどを変更したり、ハンドルや演出ボ
タンに振動体が設けられている場合には、その振動パターンを変更したりすることができ
る。このように、液晶表示装置1900の表示や期待示唆役物以外のデバイスでもって期
待示唆演出を行うことにより、期待示唆演出を遊技者の五感に訴えることができる。
また、上記の例では、期待示唆役物や期待大画像が最高段階である第四段階となったと
きに、第四段階以下の段階まで発展した場合よりも大当りとなる割合が高くなるようにさ
れている。これに対して、期待示唆役物や期待大画像が最高段階に到達した場合には、必
ず大当りとなり、はずれとはならないいわゆるプレミア演出として位置づけて、最高段階
の一段階下の段階まで発展した場合に、その段階よりも下の段階まで発展した場合よりも
大当りとなる割合が高くなるようにすることができる。この場合、最高段階の一段階下ま
での発展段階は、ハズレ時に選ばれる可能性のある発展段階の中で最も選択率が低く、大
当り時に選ばれる可能性がある発展段階の中で最も選択率が高い発展段階となる。これら
の関係を期待示唆役物および期待大画像の両方に対して設定することもできるし、期待示
唆役物および期待大画像の一方に設定することもできる。
さらに、上記の各例では、期待大画像や期待示唆役物の発展による変化は、第一保留球
画像が消化されるタイミングで実行される例について説明したが、期待大画像や期待示唆
役物の発展による変化のタイミングは他のタイミングとすることができる。たとえば、第
一特別図柄表示器1185に表示された第一特別図柄が変動表示されている任意のタイミ
ングとすることができる。
この任意のタイミングについてのより具体的なタイミングとして、第一特別図柄が変動
表示されている最中における具体的なタイミングとして、第一始動口2101に対する遊
技球の入球に応じたタイミングや、後述する図243等に示す装飾図柄の停止態様もしく
は停止タイミングに応じたタイミングとすることもできる。第一始動口2101に対する
遊技球の入球に応じたタイミングとしては、第一始動口2101に遊技球が入球すると同
時などとすることができる。遊技球の獲得を重視する遊技者は、第一始動口2101に入
球する遊技球に注目していることが多いことから、第一始動口2101に対する遊技球の
入球に応じたタイミングで期待大画像の発展等を実行することで、このような期待大画像
の発展等に対する注目度を高めることができる。
また、装飾図柄の停止態様もしくは停止タイミングに応じたタイミングとしては、たと
えば3つの装飾図柄のうちの2つの装飾図柄として同種の装飾図柄が停止表示され、いわ
ゆるリーチ状態となったタイミングとすることができる。リーチ状態となったタイミング
で期待大画像の発展等を実行することで、たとえば当該リーチ演出によって大当りとなら
なかった場合でも、次の特別図柄の変動に期待示唆演出が実行されることとなる。このた
め、リーチ演出で大当りとならずに落胆したところに、続いて大当りに対する大きな期待
を与えられるので、大当りに対する期待感をより強くすることができる。加えて、第一保
留球画像が消化されるタイミングとするとしても、リーチ演出によって大当りとならなか
った場合に、期待大画像の表示を行うことで、
やはり遊技者に対して与える大当りに対する期待感をより強めることができる。
第一特別図柄の変動中であって、第一始動口2101に遊技球が入球したタイミングに
期待大画像や期待示唆役物が発展する態様では、たとえば第一特別図柄の変動表示の終了
間際で第一始動口2101に遊技球が入球した場合の制御をその他の場合の制御と変更す
ることができる。たとえば、期待示唆演出を実行すると判断された際に、期待示唆役物の
所要作動時間が、第一特別図柄の変動表示がするまでの時間よりも長い場合には、期待示
唆役物の可動の実行を中止したり、期待示唆役物の可動の態様を、その所要時間が短い他
の態様としたりすることもできる。より具体的に、この例において、期待示唆演出として
、一回目の第一特別図柄の変動表示によって期待示唆役物が第一段階まで発展し、二回目
の第一特別図柄の変動表示によって期待示唆役物が第二段階まで発展するパターンが決定
されたとする。このとき、期待示唆役物の第一段階の作動時間が一回目の第一特別図柄の
変動表示の残り時間よりも短い場合に、一回目の第一特別図柄の変動表示の際には、期待
示唆役物の可動を実行させず、二回目の第一特別図柄の変動表示の際に期待示唆役物の第
二段階の可動を実行させることができる。あるいは、一回目の第一特別図柄の変動表示の
際には、可動に要する時間が短時間である短時間時の専用の期待示唆役物の可動を実行し
、二回目の第一特別図柄の変動表示の際に期待示唆役物の第二段階の可動を実行させるこ
とができる。また、一回目の第一特別図柄の変動表示を中止した場合等には、二回目の第
一特別図柄の変動表示の際に、期待示唆役物を第一段階に可動させるように、期待示唆役
物の可動態様を変更することもできる。
このように、第一特別図柄の変動表示の終了間際で第一始動口2101に遊技球が入球
した場合の制御をその他の場合の制御と変更すること等により、期待示唆役物の可動態様
に生じえる障害を抑制することができる。また、第一特別図柄の変動表示の終了間際で第
一始動口2101に遊技球が入球した場合に、その他の場合に対して、イレギュラーな動
作を行うこととなり、このイレギュラーな動きによって興趣の低下の抑制に寄与できる。
たとえば、一回目の第一特別図柄の変動表示によって期待示唆役物が第一段階まで発展し
、二回目の第一特別図柄の変動表示によって期待示唆役物が第二段階まで発展するパター
ンが決定された場合に、一回目の第一特別図柄の変動表示の際における期待示唆役物の第
一段階までの発展を中止することで、期待示唆役物の可動が、いきなり第二段階から始ま
ったかのような可動が行われることとなる。したがって、実際には、第一段階からの期待
示唆演出であるにもかかわらず、第二段階から期待示唆演出が始まったかもしれないとい
う印象を遊技者に与えることができるので、興趣の低下を抑制できる。
以下、パチンコ機1に関連する技術について、参考的に説明する。なお、これらの技術
についても上記の技術思想と組み合わせて利用することができる。
[6.確変遊技状態中の演出制御]
確変遊技状態中における時短機能が作動している確変外部有利状態時の演出のうち、第
二保留球画像H21〜H24が消灯しているときの演出制御について説明する。また、遊
技状態が確率変動状態でなく時短遊技状態である通常外部有利状態にも同様の演出制御を
行うこともできる。なお、この例では、確変外部不利状態および通常外部不利状態中には
、ここで説明する演出制御を実行しないが、これらの状態時に同様の演出制御を実行する
こともできる。確変外部有利状態(確変遊技状態)や確変外部不利状態、通常外部有利状
態(時短遊技状態)や通常外部不利状態(通常遊技状態)などの各種遊技状態は、は、主
制御基板4100において制御される。
確変遊技状態中の演出は、周辺制御基板4010によって行われる。周辺制御基板40
10は、主制御基板4100から送信される入賞通知コマンドや演出コマンド等に基づい
て、液晶表示装置1900に表示される演出の制御を実行する。主制御基板4100では
、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、大当り判定用乱数等の各種乱数を
取得するとともに、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数を記憶し
ている。また、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合にも、大当り判定用乱数
等の各種乱数を取得するとともに、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の
保留数を記憶している。
また、主制御基板4100では、第一特別図柄の保留数および第二特別図柄の保留数や
第一当否決定手段4506によって決定された大当りの有無(はずれまたは大当り)に基
づいて、演出の内容を決定する。主制御基板4100は、決定した演出の内容を演出コマ
ンドとして周辺制御基板4010に送信する。
周辺制御基板4010は、主制御基板4100から送信された演出コマンド等の各種コ
マンドにもとづいて、各種の演出や大当りの有無を液晶表示装置1900に表示させる制
御を行う。
主制御基板4100において実行される制御において、確変外部有利状態中は、通常外
部不利状態中よりも始動口抽選結果の表示時間が平均的に短くされている。このため、確
変外部有利状態中は、始動口抽選結果の表示が素早く進むこととなる。確変外部有利状態
中は、第二始動口2102への遊技球の受入れが頻繁に行われるので、始動口抽選結果の
表示を素早く進めることで、確変外部有利状態の消化を早くすることができる。また、確
変外部有利状態中、第一始動口保留数および第二始動口保留数がいずれも0でないときに
は、第一始動口への遊技球の受入れに基づく抽選(以下「第一始動口抽選」という)より
も第二始動口への遊技球の受入れに基づく抽選(以下「第二始動口抽選」という)が優先
して実行される。なお、第一始動口保留数および第二始動口保留数いずれかが0でないと
きには、0でない方の始動口保留数に対する始動口抽選が実行される。
また、第二始動口抽選が実行される際、第二始動口保留数が0となっているときには、
第二始動口抽選結果の表示時間として、第二始動口保留数が0となっていないときよりも
長い時間が選択されることが多くされている。このため、第二始動口保留数が0となって
いるときの平均変動時間は第二始動口保留数が0となっていないときの平均変動時間より
も長くされている。第二始動口抽選は、第一始動口抽選より遊技者にとって有利となるこ
とが多く、確変外部有利状態中に第一始動口抽選が実行されると、その結果によっては第
二始動抽選が実行された場合よりも遊技者にとって不利となることがある。このため、確
変外部有利状態中における第一始動口抽選を遊技者が望まないことがあるので、確変外部
有利状態中に第一始動口抽選が実行されると、興趣の低下を招くおそれがある。
この点、第二始動口保留数が0となっている間における第二始動口抽選結果の表示時間
を長くすることにより、当該第二始動口抽選結果を表示している間に、第二始動口への遊
技球の受入れがあり、第二始動口保留数が増加する可能性を高めることができる。その結
果、確変外部有利状態中における第一始口抽選の実行機会を少なくすることができるので
、興趣の低下を抑制することができる。主制御基板4100は、確変外部有利状態中にお
ける始動口抽選結果の表示時間を通常外部不利状態中よりも平均的に短くしている。
主制御基板4100においては、確変外部有利状態中における保留数記憶手段に記憶さ
れた保留数が無少保留数である0個となった回数に基づいて液晶表示装置1900で実行
される演出の内容を決定することで、図柄の変動時間については、保留数記憶手段に記憶
された保留数が無少保留数となった回数に拘わらずに共通でありながらも、無少保留数時
における演出の容易予測性を抑制している。
たとえば、第二始動口抽選結果の表示時間として長い時間が選択される際には、スーパ
ーリーチ変動など、第二始動口抽選結果が大当りである演出が実行されることが多いが、
確変外部有利状態中、当該確変外部有利状態中に第二始動口保留数が0となった回数(以
下「保0回数」ともいう)に基づいて、第二始動口保留数が0となっているとき(以下「
保0時」ともいう)の第二始動口抽選結果を表示する際の演出は、以下のように決定する
。保0時の演出を決定するため、周辺制御基板4010は、図242に示す演出決定テー
ブルを記憶しており、この演出決定テーブルに当該確変外部有利状態中の保0回数と、大
当り抽選の結果とを参照して演出内容を決定する。なお、保0回数は、保留個数が1から
0になった回数のほか、保竜個数が0の状態から始動口に対する遊技球の受入があって演
出が実行された場合も一回の保0回数に含めることができる。ただし、この場合を一回の
保0回数に含めないようにすることもできる。
たとえば、大当り抽選の結果がはずれである場合には、図242(a)に示すはずれ時
演出決定テーブルを用いて演出内容を決定する。たとえば、当該確変外部有利状態中の保
0回数が0回の場合には、70%の割合でリーチ無演出が実行され、20%の割合で小チ
ャンス演出が実行され、10%の割合で大チャンス演出が実行される。また当該確変外部
有利状態中の保0回数が1回の場合には、60%の割合でリーチ無演出が実行され、30
%の割合で小チャンス演出が実行され、10%の割合で大チャンス演出が実行される。
さらに、当該確変外部有利状態中の保0回数が2〜3回の場合には、50%の割合でリ
ーチ無演出が実行され、30%の割合で小チャンス演出が実行され、20%の割合で大チ
ャンス演出が実行される。そして、当該確変外部有利状態中の保0回数が5回以上の場合
には、10%の割合でリーチ無演出が実行され、40%の割合で小チャンス演出が実行さ
れ、50%の割合で大チャンス演出が実行される。
また、大当り抽選の結果が大当りである場合には、図242(b)に示す大当り時演出
決定テーブルを用いて演出内容を決定する。たとえば、当該確変外部有利状態中の保0回
数が0回の場合には、0%の割合でリーチ無演出が実行され、20%の割合で小チャンス
演出が実行され、80%の割合で大チャンス演出が実行される。また当該確変外部有利状
態中の保0回数が1回の場合には、60%の割合でリーチ無演出が実行され、50%の割
合で小チャンス演出が実行され、50%の割合で大チャンス演出が実行される。
さらに、当該確変外部有利状態中の保0回数が2〜3回の場合には、0%の割合でリー
チ無演出が実行され、50%の割合で小チャンス演出が実行され、50%の割合で大チャ
ンス演出が実行される。そして、当該確変外部有利状態中の保0回数が5回以上の場合に
は、0%の割合でリーチ無演出が実行され、60%の割合で小チャンス演出が実行され、
40%の割合で大チャンス演出が実行される。
ここで、始動口抽選結果の表示がされる際には、図243に示すように、液晶表示装置
1900に表示された左装飾図柄DL、中装飾図柄DC、右装飾図柄DRが変動表示され
、続いて各装飾図柄DL,DC,DRが停止表示される。なお、液晶表示装置1900に
は、装飾図柄DL,DC,DRの表示以外の背景画像が表示されているが、ここではその
表示については省略している。ここで、リーチ無演出が実行される際には、まず、左装飾
図柄DLおよび右装飾図柄DRが停止表示され、中装飾図柄DCは変動表示を継続する。
このとき、左装飾図柄DLと右装飾図柄DRとでは、異なる図柄が表示される。その後、
中装飾図柄DCが停止表示されて始動口抽選結果の表示が終了する。
また、小チャンス演出では、図243に示すように、液晶表示装置1900において、
左装飾図柄DL、中装飾図柄DC、右装飾図柄DRが変動表示された後、続いて、図24
4に示すように、左装飾図柄DLおよび右装飾図柄DRが停止表示される。このときの左
装飾図柄DLと右装飾図柄DRとで、同一の図柄が表示されて、ノーマルリーチ変動が実
行され、その後、数秒間の中装飾図柄DCの変動表示が継続された後に、中装飾図柄DC
が停止表示される。ここで停止表示される中装飾図柄DCが左右装飾図柄DL,DRとは
異なる図柄であれば、始動口抽選結果がはずれであることが表示される。また、停止表示
される中装飾図柄DCが左右装飾図柄DL,DRとは同じ図柄であれば、始動口抽選結果
が大当りであることが表示される。
さらに、大チャンス演出では、図243に示すように、液晶表示装置1900において
、左装飾図柄DL、中装飾図柄DC、右装飾図柄DRが変動表示された後、続いて、図2
45に示すように、左装飾図柄DLおよび右装飾図柄DRが停止表示される。さらには、
停止表示された左右装飾図柄DL,DRの背景に表示される背景図柄において派手な演出
画像が表示され、大当り遊技状態への移行に対する期待感を増大させる。それから、中装
飾図柄DCが停止表示される。ここで停止表示される中装飾図柄DCが左右装飾図柄DL
,DRとは異なる図柄であれば、始動口抽選結果がはずれであることが表示される。また
、停止表示される中装飾図柄DCが左右装飾図柄DL,DRとは同じ図柄であれば、始動
口抽選結果が大当りであることが表示される。
上記の各演出のうち、リーチ無演出が実行される際には、始動口抽選結果ははずれであ
り、大当りであることはない。また、小チャンス演出および大チャンス演出が実行される
際には、始動口抽選結果ははずれである場合もあり、大当りである場合もある。このため
、始動口抽選結果がはずれである場合には、リーチ無演出、小チャンス演出、大チャンス
演出のいずれかの演出が実行され、始動口抽選結果が大当りである場合には、小チャンス
演出または大チャンス演出のいずれかの演出が実行される。
一般に、第二始動口抽選結果が表示される際に大チャンス演出が表示されると、第二始
動口抽選結果が大当りであることが多く、この場合、遊技者に大当り遊技状態への移行に
対する期待感を大きくすることができる。ところが、第2始動口保留数が0となっている
保0時には、第二始動口抽選結果の表示時間として、保0時以外のときよりも長い時間が
選択されることが多く、このときに大チャンス演出が実行されたとしても、大チャンス演
出が実行される機会が多くなると、遊技者に慢性感を与えてしまうことがあり、その結果
として、大当り遊技状態への移行に対する期待感を小さくしてしまうおそれがある。
この点、本例では、保0時の第二始動口抽選結果を表示する際の演出として、図242
に示す演出決定テーブルを用いている。このため、リーチ無演出、小チャンス演出、およ
び大チャンス演出を実行する際には、当該確変遊技状態時における保0回数が参照される
。このため、当該確変遊技状態時における保0回数によっては、大チャンス演出が表示さ
れたのに第二始動口抽選結果が大当りでないという事態を少なくすることができる。具体
的に、保0回数が0回の場合には、大当り時の80%で大チャンス演出が実行されるとこ
ろ、はずれ時に大チャンス演出が実行される割合は10%である。このため、大チャンス
演出が実行される際には、本当に大当り遊技状態への移行に対するチャンスが大きくなる
ようにされている。また、保0回数が多くなると、はずれ時であっても大チャンス演出が
実行される割合が高くなるが、一回の確変遊技状態中に保0回数が多くなることは稀であ
るため、遊技者に大チャンス演出のチャンスが低いと感じさせる機会を少なくすることが
できる。
このように、本例に係るパチンコ機1においては、確変遊技状態時における保0回数に
基づいて、第二始動口抽選結果を表示する際の演出を決定している。このため、たとえば
大チャンス演出として、たとえばスーパーリーチが発生する機会が多くなることによって
遊技者を飽きさせてしまう事態を抑制することができる。さらには、大チャンス演出とし
て、たとえばスーパーリーチが発生した場合でも、ここでは大当り遊技状態への移行の可
能性が高くなくなるという事態を少なくすることができ、遊技者に与える退屈感を緩和し
、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
また、上記の例では、確変外部有利状態中の演出のうち、確変遊技状態中に第2保留球
画像H21〜H24が消灯しているときの演出について種々説明したが、当該演出を他の
態様で実行することもできる。たとえば、上記の例では当該確変外部有利状態中の保0回
数と、大当り抽選の結果とを参照して演出の内容を決定しているが、演出の内容以外に演
出を実行する際の変動時間を変化させることもできる。たとえば、保0回数が0〜2回の
ときには変動時間を長い時間、たとえば30秒とするとともに、保0回数が3回となった
場合には、変動時間を短い時間、たとえば1秒とすることもできる。
また、通常外部有利状態(時短遊技状態)においても保0回数と大当り抽選の結果に基
づいて、保0回数が所定回数になったときに演出の内容を変化させることもできる。この
とき、確変外部有利状態と通常外部有利状態とでは、演出の変化の内容を異なるものとす
ることができる。この場合、通常外部有利状態と確変外部有利状態とで異なる興趣を付与
することができる。
さらには、確変外部不利状態(いわゆる潜伏確変遊技状態)や通常外部不利状態(通常
遊技状態の際に特定の時間的範囲の中における保0回数と大当り抽選の結果に基づいて、
演出の内容を変化させることもできる。この場合に特定の時間的範囲としては、たとえば
前回にリーチ状態となった後の時間的範囲とすることができる。
また、上記の例では、第二始動口保留数についての保0回数と大当り抽選の結果に基づ
いて演出内容を決定しているが、第一始動口保留数についての保0回数と大当り抽選の結
果や第一始動口保留数および第二始動口保留数についての保0回数と大当り抽選の結果に
基づいて演出内容を決定することもできる。ただし第一始動口保留数が1以上であったと
しても、第二始動口抽選結果を先に表示することから、第二始動抽選結果が表示される機
会が多くなる。このため、第二始動口保留数についての保0回数と大当り抽選の結果に基
づいて演出内容を決定することが好適となる。
さらに、第二始動口保留数についての保0回数と大当り抽選のほか、そのときの第一始
動保留数との関係で演出の内容を決定することもできる。このように、第一始動保留数と
の関係も用いることにより、演出の多様化を図ることができる。さらに、第一始動保留数
の多少により演出の内容が変化するので、第一始動保留数を演出に連動させ、例えば第一
始動保留数が奇数のときに所定の演出が実行されると、大当りの可能性が高くなるなどの
関係性を持たせることもでき、興趣の低下の抑制を図ることができる。
なお、上記の各例において、演出を決定する際に保0個数と大当り抽選の結果とを用い
ているが、保0回数のみを用いたり、保0回数と他の要素とに基づいたりして演出の内容
を決定することもできる。また、上記の各例では、無少保留数として保0回数を規定して
いるが、保留数が0ではなく1や2といった少保留数となった場合に、これらの少保留数
となったときの回数に基づいて演出内容を決定することもできる。
さらに、保留数が1などの少保留数となる場合については、たとえば保留数が増加して
0個から1個となった場合、保留数が減少して2個から1個となった場合の両方を含める
ことができるし、いずれか一方のみを含めることができる。また、保留数が増加して少保
留数となった場合と減少して少保留数となった場合とに基づいて、演出の内容を変化させ
ることもできる。この場合に、演出の多様化を図ることができるので、興趣の低下の抑制
に寄与することができる。さらには、それぞれの少保留数となった回数に応じて演出を決
定することもできる。この場合、小保留数(0回、1回、2回等)ごとに演出テーブルを
設けることができる。
また、無少保留数が多くなった場合、たとえば無少保留数が10回以上となった場合に
、大当り遊技状態に移行する際の演出として、いわゆるプレミアム演出など、表示機会が
少ない演出を実行することもできる。無少保留数となる回数が多くなるということは、大
当り遊技状態に移行しないいわゆるハマリ状態となっているか、始動口に対する遊技球の
受入が少なく、大当り抽選の回数自体が少なくなっている状態である。このため、いずれ
にしても遊技者は不快感を覚えやすい状況となっている。このような状況においてプレミ
アム演出などの表示機会が少ない演出を実行することにより、遊技者に与える可能性があ
る不快感を軽減することができる。
また、上記の例では、大当りの際には少チャンス演出または大チャンス演出としていわ
ゆるリーチ状態となるようにしているが、リーチ状態を経ることなく大当り図柄が表示さ
れるようにすることもできる。この場合、たとえばはずれ図柄態様を表示した後、図柄を
再変動させて大当り図柄を表示することができる。
なお、この例においても、たとえば特別図柄の変動を開始するときおよび特別図柄の変
動途中で第一保留球画像や期待示唆役物が変化可能とすることができる。ただし、時短機
能が作動している確変外部有利状態時では、特別図柄の変動時間として、短い変動時間が
選択されることが多いことから、特別図柄の変動途中で第一保留球画像や期待示唆役物が
変化すると、その変化のタイミングを認識することが難しくなるおそれがある。しかも、
確変外部有利状態では、ただでさえ変動時間が短い変動パターンが選択されやすいところ
、さらに特別図柄の変動表示途中で第一保留球画像や期待示唆役物を変化させようとする
と、その変化に利用できる時間がさらに短くなるおそれがある。このため、確変外部有利
状態中には、第一保留球画像や期待示唆役物が変化するタイミングは特別図柄の変動開始
時とすることが好ましい。このタイミングで第一保留球画像や期待示唆役物を変化させる
ことで、第一保留球画像や期待示唆役物の変化(発展)を認識しやすくすることができる
。さらには、第一保留球画像や期待示唆役物が変化するタイミングを特別図柄の変動開始
時とする割合について、確変外部有利状態の方が、確変外部不利状態や通常外部不利状態
よりも高くすることが好適である。この場合、第一保留球画像や期待示唆役物の変化(発
展)を認識しにくくなる機会を抑制することができる。
[7.球ガミ解消制御]
大当り遊技状態に移行すると、図119〜図121に示すアタッカユニット2100に
おける開閉部材2106が断続的に開閉する。開閉部材2106が開放すると、大入賞口
2103は、遊技球が入球可能となる開放状態となり、開閉部材2106が閉鎖すると、
遊技球が入球不能となる閉鎖状態となる。図246に示すように、大入賞口2103が開
放状態となっているときには、大入賞口2103に遊技球Bが受入可能な状態となる。こ
うして、大当り遊技状態中には開閉部材2106が開放して遊技球が入球装置である大入
賞口2103に頻繁に入球するので、払い出される遊技球の増加が図られる。また、開閉
部材2106の閉鎖中は、開閉部材2106が略垂直な状態となり、開閉周囲部材210
6Aとともに壁を形成して大入賞口2103を閉鎖して遊技球を入球不能な状態とする。
また、大入賞口2103が閉鎖状態となっているときには、開閉部材2106と開閉部
材2106の周辺に設けられた周辺配置物であるガラス板594(図107)との間で遊
技球が通過可能とされる。さらに、大入賞口2103が開放状態となっているときには、
開閉部材2106とガラス板594との間で遊技球が通過不能とされる。開閉部材210
6の開閉は、開閉部材2106の下辺に設けられた回動軸2106B周りに開閉部材21
06が回動することによって実現される。
開閉部材2106の開閉は、主制御基板4100によって制御されており、遊技状態が
通常遊技状態や確変遊技状態等から大当り遊技状態に移行したときに開閉部材2106を
開閉動作させる制御が行われる。この大当り遊技状態への移行が開閉条件の成立となる。
主制御基板4100は、遊技状態が大当り遊技状態に移行した後、所定の待機時間が経過
すると、開閉部材2106を開放する。この大当り遊技状態に移行した後における所定の
待機時間の経過が開閉部材の開放条件の成立となる。また、主制御基板4100は、大当
り遊技状態中、所定回数の開閉部材2106の開閉制御を行う。この所定回数の開閉制御
が終了するまでの間では、開閉部材2106を閉鎖させた後、所定のインターバル時間が
経過することによって開閉部材2106を開放させる。開閉部材2106が閉鎖した後の
インターバル時間の経過も開閉部材の開放条件の成立となる。
さらに、開閉部材2106が開放した後、大入賞口2103に所定個数、たとえば9個
の遊技球が入球することによって開閉部材2106を閉鎖する。この所定個数の入球が開
閉部材の閉鎖条件となる。また、閉鎖条件としては、遊技球の入球個数のほか、開閉部材
2106の開放時間が所定の開放時間、たとえば30秒に到達したこととすることもでき
る。こうして、主制御基板4100では、開閉条件が成立している大当り遊技状態中に、
開放条件と閉鎖条件とを所定回数交互に成立させ得る制御を行う。また、開放条件が成立
することで、いわゆる大当り遊技状態中の「ラウンド」が開始し、閉鎖条件が成立するこ
とで、「ラウンド」が終了する。主制御基板4100は、開閉条件制御手段に相当する。
ところで、開閉部材2106が開放する際には、側面視したときに開閉部材2106の
上端が円弧を描いて開閉部材2106とガラス板594との間で遊技球を通過可能として
いた状態(以下「通過可能状態」ともいう)から遊技球を通過不能の状態(以下「通過不
能状態」ともいう)とする。通過可能状態にあるときには、開閉部材2106とガラス板
594との間の幅は、遊技球の直径よりも広くされており、通過不能状態にあるときには
、開閉部材2106とガラス板594との間の幅は、遊技球の直径よりも狭くされる。こ
こで、通過可能状態から通過不能状態となる間には、開閉部材2106とガラス板594
との間の幅が遊技球Bの直径と略同一となる。
このときにちょうど遊技球Bが開閉部材2106とガラス板594との間を通過しよう
とすると、図247に示すように、開閉部材2106とガラス板594とによって遊技球
Bが挟み込まれる、いわゆる球ガミが生じることがある。この球ガミが生じると、開閉部
材2106の開放動作が遊技球Bによって妨げられ、開閉部材2106の開放が不完全な
状態となる。このため、大入賞口2103に対する遊技球Bの入球がスムーズに行われな
くなることがあった。
このような球ガミを抑制するため、主制御基板4100は、球ガミ解消制御を行う。主
制御基板4100は、詰除手段に相当する。球ガミ解消制御では、図248(a)に破線
で示すように、開閉部材2106を微少時間閉鎖させ、開閉部材2106とガラス板59
4との間の距離をわずかに広げる。すると、図248(b)に示すように、開閉部材21
06とガラス板594との間に挟み込まれていた遊技球Bが落下して球ガミが解消する。
その後、開閉部材2106を開放させることにより、開閉部材2106を完全に開放させ
て、大入賞口2103に対する遊技球の入球をスムーズに行わせることができる。
ここで、主制御基板4100において球ガミ解消制御を実行する際に、開閉部材210
6に微少時間の閉鎖動作(以下「球ガミ解消動作」という)を行わせるタイミングについ
て説明する。たとえば、球ガミが発生したときに球ガミ解消動作を行わせるには、球ガミ
の発生を検知する検知手段を設ける必要が生じる。これに対して、たとえば開閉部材21
06の開放条件が成立しているときに、一定間隔で球ガミ解消動作を行わせれば、上記の
検知手段を設けることなく球ガミの解消に寄与し得る。しかし、頻繁に球ガミ解消動作を
行わせると、開放条件を満たしながらも大入賞口2103への入球が妨げられるタイミン
グが多くなり、遊技者に不満感を与えるおそれがある。
そこで、本例のパチンコ機1においては、主制御基板4100においては、所定回数の
開閉部材2106の開閉制御が行われる大当り遊技状態における開閉部材2106の開放
条件の成立回数が規定回数目、たとえば2回目以降となって開閉部材2106が開放され
ているときには、閉鎖条件が成立した場合には開閉部材2106を閉鎖させる制御を実行
しつつも、閉鎖条件が成立しない場合においても開閉部材2106を微少時間閉鎖させる
制御を実行する。この開閉部材2106を微少時間閉鎖させる制御を実行することで、開
閉部材2106とガラス板594との間で球ガミが生じていた場合にはこの球ガミを解消
し得るものである。
球ガミが発生するのは、通常、打ち出された遊技球が、開放動作を行っている開閉部材
2106を通過しているときである。ここで、たとえば大当り遊技状態に移行した最初の
ラウンドで開閉部材2106が開放するタイミングでは、遊技者は、遊技球の打ち出しを
止めていることが多い。このため、最初のラウンドでは球ガミを生じることは稀であり、
最初のラウンドで球ガミ解消動作を行わせたとしても、球ガミの解消には寄与しにくく、
逆に大入賞口2103への入賞機会の減少につながってしまう懸念がある。同様に、遊技
者が遊技球の打ち出しを止めることが見込まれるラウンドにおける開閉部材2106の開
放時には、同様の理由から球ガミ解消動作を行わせないことが好適である。
このように、本例に係るパチンコ機1においては、開閉部材2106を開放させている
ときに、開閉部材2106を微少時間閉鎖させる球ガミ解消動作を制御している。このた
め、開閉部材2106とガラス板594との間で生じた球ガミを解消することができる。
また、球ガミ解消動作を規定のラウンド数、たとえば1ラウンド目以外のラウンドで行っ
ている。このため、球ガミが起こりにくいラウンドにおける球ガミ解消動作を行わないよ
うにすることができるので、頻繁に球ガミ解消動作が行われることによって遊技球が大入
賞口2103に入球する機会が損なわれる事態を抑制することができ、遊技者に与える不
快感を軽減することができる。
また、入球装置としては、上記のパチンコ機1における大入賞口2103のほか、開閉
動作を行った際の開放状態のときに遊技球が入球可能となり、閉鎖状態のときに遊技球が
入球不能となるものとすることができる。具体的には、いわゆる電動チューリップやいわ
ゆる羽根物遊技機における羽根役物、いわゆるベロ型の入賞口などとすることができる。
また、周辺配置物としては、閉鎖状態の入球装置との間で遊技球を通過可能とし、開放状
態の入球装置との間で遊技球を通過不能とすればよく、ガラス板のほかたとえば入球装置
の周辺に設けられた役物や釘などとすることもできる。
また上記の例では、規定回数目として、最初のラウンド以外の2回目以降のラウンドに
おいて球ガミ解消制御を実行している。これに変えて、所定のラウンド、たとえば奇数ラ
ウンドや偶数ラウンド、あるいは3の倍数にあたるラウンドに実行することもできる。さ
らには、いわゆるランクアップボーナスのように、ラウンド間のインターバル時間が変化
する場合、長いインターバル時間の直後のラウンドを除いたラウンドにおいて球ガミ解消
制御を実行することもできる。インターバル時間が長いと、その間遊技球の打ち出しが止
められる可能性が高くなるため、球ガミが発生する可能性が低くなる。このような長いイ
ンターバル時間の直後のラウンドにおいては球ガミ制御を不実行とすることにより、頻繁
に球ガミ解消動作が行われることによって遊技球が大入賞口2103に入球する機会が損
なわれる事態を抑制することができ、遊技者に与える不快感を軽減することができる。
また、球ガミ解消制御を実行する際には、開閉部材2106の閉鎖動作時間を微少時間
とするが、具体的には、開放状態の開閉部材2106が閉鎖状態となる前に、開閉部材2
106を開放状態にさせえる時間とすることが好適である。上記のパチンコ機1において
球ガミを解消するためには、開閉部材2106とガラス板594との間を大きく開く必要
性には乏しく、遊技球Bが通過し得る幅を確保できれば十分である。また、開閉部材21
06の開放量を小さくして開閉部材2106とガラス板594との間を大きく開くと、大
入賞口2103への入球機会の減少が大きくなってしまう。ここで、開放状態の開閉部材
2106が閉鎖状態となる前に、開閉部材2106を開放状態にさせえる時間とすると、
遊技球Bが通過し得る幅は十分に確保できるとともに、大入賞口2103への入球機会の
減少を小さくすることができる。よって、遊技者に与える不快感を抑制しながら、球ガミ
を好適に解消することができる。
1 パチンコ機(遊技機)
4 遊技盤
1100 遊技領域
4010 周辺制御基板
4100 主制御基板
4100a 主制御MPU
4513 コマンド発信手段
4506 第一当否決定手段
4507 第一当り判定用乱数抽出手段
4508 第一当り図柄用乱数抽出手段
4509 第一変動時間用乱数抽出手段
4511 第一変動時間決定手段
4525 第二当り判定用乱数抽出手段
4526 第二当り図柄用乱数抽出手段
4527 第二変動時間用乱数抽出手段
4528 第二当否決定手段
4530 第二変動時間決定手段
5100 乱数取得手段
5110 抽選手段
5120 変動時間決定手段
5130 点灯パターンテーブル
5140 点灯パターン決定手段
5150 識別表示制御手段
5131 点灯パターンデータ
5131A 変動表示点灯パターンデータ
5131B 停止表示点灯パターンデータ

Claims (1)

  1. 遊技球が流下する遊技領域を備える遊技盤を備え、当該遊技盤に備えられている始動口に遊技球が通過したことに基づいて当落抽選を実行する遊技機であって、
    開閉部材が閉鎖されて前記遊技球が入球しないようにする閉鎖状態と、当該開閉部材が開放されて前記遊技球が入球可能となる開放状態とを有する入球装置が前記遊技盤に設けられており、
    前記当落抽選によって当りとなる抽選結果が得られると遊技者に有利な有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段と、
    前記有利遊技状態に制御されているとき、閉鎖状態とされている前記開閉部材を所定の開放条件が成立した場合に開放させ、前記開閉部材を閉鎖させる条件として前記入球装置に所定数の遊技球が入球した場合に前記開閉部材を閉鎖させる開閉動作を実行させる開閉動作手段と、
    開放状態にある前記開閉部材を前記開閉動作手段によって前記開閉部材を閉鎖させる条件を満たしていなくても閉鎖状態にさせる限定閉鎖手段と、を備え、
    前記有利遊技状態は、前記開閉部材が開閉動作を繰り返して実行される有利遊技状態であり、
    前記限定閉鎖手段による閉鎖状態は、前記繰り返して実行される開閉動作の総回数の半数に満たない回数で現れるようになされており、且つ前記繰り返して実行される開閉動作において連続して現れないようになされており、
    前記有利遊技状態は、閉鎖状態とされている前記開閉部材を開放させるまでの時間が第1の時間および該第1の時間よりも長い第2の時間とがあるなかで、当該第2の時間をもって前記開閉部材を開放させた開放状態のあとに前記限定閉鎖手段による閉鎖状態が現れないようにした
    ことを特徴とする遊技機。
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