以下、添付図面に従って実施例を説明する。図1は本提案のくさび効果型向合い把持具とそれを使い、引張力をストッパへ伝える構成であることを特徴とする自在把持用具の実施例である。
1300は本実施例の全体図である。1000はくさび効果型向合い把持具であるところの2個向合い把持具、1201は両端に2個向合い把持具1000を配置した自在把持用具であるところの自在把持ベルト、1301は持ち手のない布の袋である。
図2は本提案の2個向合い把持具の全体図を示す。本実施例は、本発明人が実用新案登録第3211560号で開示したテーパ部を持つ挟持体の細くなった部分が向き合うように配置して一体化したものである。これにひもで連結された、2個のストッパが布を挟み込むことで、布を把持する場所が複数箇所になり、力が分散され、より大きな引張力に耐える事ができるようになる。
また、ひも1に大きな引張力が印加されればされる程、ストッパは挟持体の狭くなる方向に向かって引かれることになる。その方向はくさび効果がより大きくなる向きなので、挟持力はより大きくなり、把持はより安定するのである。その結果どの方向から外力が印加されても、2個向合い把持具は布にしっかり固定される。以下図2を用いて詳細に説明する。
ここでテーパとはJIS(日本工業規格)では「投影図又は断面図における相交わる2直線間の相対的な広がりの度合い」であり、こう配とは「投影図又は断面図における直線の、ある基準線に対する傾きの度合い」と定義されているので、本提案では、勾配はテーパに含まれるものとする。
1050は2個向合い把持具1000の挟持部であり、1100はストッパ部である。1は複数のストッパを連結すると同時に、各ストッパからの把持力を伝達するためのひもである。
ここでストッパ同士は連結されているので、ひもを引く力が大きければ大きいほど、ストッパが挟持部のテーパの狭くなった部分に食い込む力は大きくなる。その結果、くさび効果による挟持力も大きくなる。
つまり、引張力がストッパ側に印加される場合、ひも1のスタートは端部が結ばれた一つのストッパの接続部から始まり、他のストッパを経由して再びスタートのストッパの接続部に戻ったところで、ストッパ留めであるところのコードロックにて固定される構成にする。
この構成により、引張力が大きくなればなるほど、挟持力も大きくなる事が出来るのである。
11は1つ目の挟持体、12は2つ目の挟持体を示す。両者はテーパの狭くなった部分が向き合うように配置されている。108と208は布をストッパと本体で挟んだときに挟持力をアップさせるためのゴム板である。
2はストッパを所望の位置で固定するためのストッパ留めであるところのコードロック2 、 21はストッパ、 31はストッパ21にかしめて固定された接続部、41はストッパ21を挟持体11に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1の端部はこの接続部31のところで固定されている。
22は2個目のストッパ、32はストッパ22にかしめて固定された接続部、42はストッパ22を挟持体12に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1の端部は接続部31で固定され、接続部32を通り、再び接続部31に戻るように構成されている。
ここで図47を用い挟持力と引張力の関係を詳しく説明する。A、B、C、Dはそれぞれの把持具にかかる、引張力と挟持力の関係を示す。1000は2個向合い把持具、3は布、a1、a2、a3は引張力、b1、b2、b3は限界挟持力よりも少し小さい値、白の矢印は引張力の向きと大きさ、黒の矢印は挟持力の向きと大きさを示す。挟持力と引張力は向きが反対で、大きさは同じ値になる。矢印のサイズが大きいと引張力、挟持力は大きいことを示す。1はひも、2はストッパ留めであるところのコードロックを示す。21、22はストッパを示す。
まずAに於いて、2個向合い把持具1000を布3にセットする。次いで引張力a1でひも1を矢印の向きに引くと、ストッパ22では挟持力b1が発生する。矢印の示す場所は大体の場所を示している。次いでストッパ22には引張力a2も印加されるので、同じように挟持力b2も発生する。さらにストッパ21にはひも1によって引張力a3が印加されるので、ストッパ21では挟持力b3が発生する。
最大挟持力は布3がずれたり破れたりする時に限界を迎える事が多いので、2個向合い把持具1000の容易に2個のストッパでしっかり挟持されていれば、1個のストッパの場合よりも、限界挟持力は大きくなるのである。
次にBに於いて2個向合い把持具1000に引張力a1を印加する場合を示す。この場合ストッパ22は布3にストッパ留めであるところのコードロック2で固定されているので、挟持力b3が発生する、次いでひも1はストッパ21につながっているので引張力a2とそれに応じて挟持力b2が発生する。同時にひも1はコードロック2で固定されているので、ストッパ21には同じように引張力a3と、挟持力b3が発生する。
以上の説明で明らかなように、2個向合い把持具1000の側に引張力a1を印加しても、同じように挟持力b1、b2、b3が発生する事がわかる。
つぎに図のCで挟持体が1個の場合を説明する。この場合はストッパがひとつなので布3がずれやすく引張力a1を印加しても挟持力b1は大きな値にはならないことがわかる。
図Dでは図11で示した、布3を水平に保ったまま上に引き上げる場合を示している。aは引張力であるが、B1は2個向合い把持具1000挟持力というより挟持体11、12の剛性及びストッパ21、22の剛性で決まる力である。従って、重いシート材等を水平に持ち上げるような場合は把持具はこのような構成にすると良い事がわかる。
図48で挟持力と引張力の関係を示す。縦軸は挟持力(Kg重)、横軸は引張力(Kg重)である。
以下に図の説明を行う。把持具が布からはずれる時の挟持力を限界挟持力とすると、以下のようになる。 Aは本出願人が特許文献3の実用新案登録第3211560号で開示した挟持体の限界挟持力で8.5Kg重、 Bは2個向合い把持具、ストッパ21、22はアルミ製で限界挟持力は12.1Kg重 、Cは2個向合い把持具、ストッパ21、22は合成樹脂製で限界挟持力は16.3Kg重。
図3は、本提案の把持具の平面図、正面図、側面図を示す。
101、201は挟持部の入り口、102、202及び110、210は、ストッパを容易に挟持体に入れるための入り口ガイド、103、203は挟持体の天井開口エッジ、104、204は天井開口の反対側のエッジ、109、209はゴム板108、208を挟持部底部に接着させるための両面テープ、点111、112,113、116および点211、212、213、216で囲まれる部分を挟持部入り口、点113、114、115、116及び点213、214、215、216で囲まれる面を天井開口とする。117、217はひも1を接続部31、32にしっかりと固定するためのかしめである。
それぞれの部位のサイズを以下にまとめて示す。挟持部1050の厚さ0.6mm、長さは64.6mm、外幅22.4mm、内幅(線分:111・112)は21.2mm。ストッパ21の直径bは18.0mm、厚さ0.33mm、接続部31は直径0.2mmのピアノ線である。天井開口の幅(線分:114・115)は9.3mm、長さ(線分:113・114)は19.5mmである。挟持体内部の高さ(点113から下ろした垂線)は7.3mmである。
図3で明らかなように、挟持体11と12はテーパの狭くなった端部が互いに向き合う配置になっている。
図4は、図3の平面図に於けるA-A線断面図である。図中の記号説明は全て図2、図3と同じである。この図から、ひも1を下方向に引くと、ストッパ21と22は互いに近づく方向に力が加わる事が良くわかる。
図5から図8は、2個向合い把持具1000を布にセットする方法を示す。
図5に於いて、3は布である。まず挟持部1050を布3の図面奥側にストッパ部1100を布3の手前側に置く。次いでストッパ21、22間の距離を、挟持部1050の縦方向の長さより大きくなる位置まで引き離す。これが図5示す位置関係である。
図6では、セットひも41を図の上側に引き、ストッパ21を入り口101のガイド102と110に沿わせて、挟持体11に、スライドさせて入れる。
次いで図7に於いて、セットひも42を図の下側に引くことで、ストッパ22を入り口201のガイド202と210に沿わせて、挟持体12に、スライドさせて入れる。次いで、ひも1を下に引き、ストッパ21、22で布3を挟持体11、12にそれぞれしっかりと挟み込ませる。
図8では、図7の状態を維持しながら、ストッパ留めであるところのコードロック2を図の位置まで押し上げ、ストッパ21と22をしっかりと接続部31の位置で固定する。
ひも1は接続部31に端部が固定され、32を通った後、再び接続部31を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2で固定される。その先のひも1は三角カン(不図示)につながり、ひも1に引張力がかかるように構成されている。
次に図42に於いて、2個向合い把持具1000の挟持力を測定した結果を説明する。
端部固定治具50に1辺30cmの正方形で、厚さが300μmの絹布3の1辺をしっかり固定ざせSカン5を介してはかり4で引っ張った結果、アルミストッパ21、22では12.1Kg重印加でアルミストッパ21、22が中央で折れてしまい、挟持体11、12から出てしまい絹布3は2個向合い把持具1000からはずれた。この時、絹布3を確認したが、ほつれや破れはまったくなく、変化は認められなかった。
従来のアルミストッパ21だけでは8.5Kg重でアルミストッパ21が変形したことを考えると、アルミストッパが2個になることで引張力が分散され1.42倍の引張力まで耐えられるようになったと思われる。
次に図28のボタン形状の合成樹脂153とピアノ線接続部154からなる合成樹脂ストッパ2550を2個向合い把持具1000にセットし同じ測定を行った。その結果16.3Kg重印加の時に直径が2mmの綿製のひも1が切断した。この時、絹布3を確認したが、ほつれや破れはまったくなく、変化は認められなかった。また合成樹脂ストッパ2550のボタン形状の合成樹脂153やピアノ線接続部154にも変化は見られなかった。
この結果から、ひも1の線径を2mmより太くしたり、材料も綿から麻や化学繊維に代えれば、より大きな挟持力が得られるものと考えられる。
図9に於いて、1200は自在把持ベルト1201とその両端に2個向合い把持具1000を配置した自在把持用具である。1201は幅30mm、厚さ3mm、長さ1000mmの化学繊維で出来た自在把持ベルト、1202は合成樹脂テープアジャスター、1203、1204は自在把持ベルト1201と2個向合い把持具1000をつなげるための三角カン、1205、1206はひも1を三角カン1203、1204につなぎとめるためのかしめ、1207は自在把持ベルト1201の端部を三角カン1203に固定するためのあぶみ留め、1208は自在把持ベルト1201の長さ調整しろである。
図10は自在把持用具1200を持ち手のない布の袋1301にセットし、肩に掛けた様子1300を示す図である。この図からも明らかなように、自在把持用具1200が把持可能な対象物の形状、材質、厚み等の自由度は非常に大きい。
また、把持対象物の持ち手のない布袋1301の持ったときの高さも、体長に合わせて、自在把持ベルト1201の長さ調整しろ1208を調整することにより自在に変える事ができる。
図11はその他の実施例1であり、1150は図2の2個向合い把持具のストッパ部のその他の方法を示す図である。1154はリング、1151はリング1154とストッパ21をつなぐひも、1152もストッパ22とリング1154をつなぐひもである。ひも1151と1152は1153もカシメで、リング1154にしっかりと固定されている。また1155はひも1をリング1154に固定するためのカシメである。
図11の1160はコードロック2で布(不図示)を挟持した状態を示している。布は挟持部1050とストッパ21、22でしっかりと挟持されている。ストッパ21、22の位置が、動かないようにひも1151と1152は、コードロック2で固定されている。
ストッパ部1150はこのような構成になっているので、コードロック2はひも1151、1152を、2個向合い把持具1050の中心点でストッパ21,22を固定する事が出来る。その結果、布を挟持部とストッパ部で挟持した時に、布は水平のままで、垂直の図の上方に持ち上げる事が出来る。
ストッパの数が増えても、ひも1153,1154・・・と増やしリング1154につなげれば、やはり同じように布を水平のまま上方に持ち上げることが可能である。
ここで重要なのは、この場合の引張力の限界は最大挟持力で決まるのではなく、挟持体の剛性で決まる。その結果、より重いものでも容易に持ち上げる事が出来るのである。その様子を図47のDで示す。
この図47のDからも明らかなように、引張力a1の最大値は把持具の把持力の限界で決まるのではなく、B1で示す、挟持体の剛性で決定されるのである。従って、重たいシート等を水平に持ち上げたい場合は図47のDような構成にすればよいのである。
図12はその他の実施例2である。1400は厚さ0.6mmの鉄板をプレスすることで作成した、3つの挟持体からなる、くさび効果型向合い把持具であるところの3個向合い把持具である。またその平面図、正面図、側面図を示す。
挟持部は11、12、13は挟持体から構成される。3者はテーパの狭くなった部分が向き合うように配置されている。2はストッパを所望の位置で固定するためのコードロック、 21はストッパ、 31はストッパ21にかしめて固定された接続部、41はストッパ21を挟持体11に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1の端部はこの接続部31に固定されている。
22は2個目のストッパ、32はストッパ22にかしめて固定された接続部、42はストッパ22を挟持体12に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1は接続部32を通り、接続部33へ向かうように構成されている。
23は3個目のストッパ、33はストッパ23にかしめて固定された接続部、43はストッパ23を挟持体13に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1は接続部31に端部が固定され、32、33を通った後、再び接続部31を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2で固定される。その先のひも1は三角カン(不図示)につながるように構成されている。
図12からも明らかなように、挟持体11、12、13はテーパの狭くなった端部が互いに向き合う配置になっている。これとひも1で連結された、21、22、23の3個のストッパが布(不図示)を挟み込むことで、挟持される布の面積が広がり、布がずれるのを防止する効果が増大し、挟持力が増加することを意図したものである。
3個向合い把持具は樹脂を射出成型の技術で一体成型し、挟持部としても良い。ひも1は3個のストッパを連結すると同時に、各ストッパに外力を伝達するための役割もある。
ここでストッパ同士はひも1によって連結されているので、外力が大きければ大きいほど、ストッパを挟持体のテーパの狭くなった部分に布と共に挟み込ませることになる。その結果、布を挟み込む力が大きくなり、くさび効果による挟持力が大きくなる。
図13の1500は厚さ0.6mmの鉄板をプレスすることで作成した。4つの挟持体からなる、4個向合い把持具を示す。
14は4個目の挟持体、24は4個目のストッパ、34はストッパ24にかしめて固定された接続部、44はストッパ24を挟持体14に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1は接続部31に端部が固定され、32、33、34を通った後、再び接続部31を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2で固定される。その先のひも1は三角カン(不図示)につながるように構成されている。
図からも明らかなように、挟持体11、12、13、14はテーパが狭くなる部分を互いに向けて配置されている。
1550は厚さ0.6mmの鉄板をプレスすることで作成した。5つの挟持体からなる、くさび効果型向合い把持具であるところの5個向合い把持具の平面図を示す。
挟持体11、12、13、14、15はテーパが狭くなる側を互いに向け合って配置されている。
15は5個目の挟持体、25は5個目のストッパ、35はストッパ25にかしめて固定された接続部、45はストッパ25を挟持体15に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1は接続部31に端部が固定され、32、33、34、35を通った後、再び接続部31を通り再び接続部31を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2で固定される。その先のひも1は三角カン(不図示)につながるように構成されている。
複数の挟持体のテーパが、狭くなる側を互いに向け合って配置させることにより、布を把持する場所が複数箇所になり、力が分散され、より大きな引張力に耐える事ができるようになる。さらには必要挟持力に応じて挟持体を増減して設計する事ができる。
ひも1に大きな引張力が印加されればされる程、ストッパは挟持体の狭い方向に向かって引かれることになる。その方向はくさび効果がより大きくなる向きなので、挟持力はより大きくなる。
また、ストッパがひもで連結されているので、一部の挟持体やストッパに、くさび効果を解除する向きに力が働いても、反対側に位置する挟持体やストッパにはくさび効果が増大する向きの力になる。その結果どの方向から外力が印加されても、挟持体は布にしっかり固定される。
プレス成型で作成する挟持部は、短時間に、大量に生産できるので、その結果、安価に生産できるというメリットがある。
また、挟持体やストッパ部からなる向合い把持具を可撓性を有する樹脂、たとえばポリオキシエチレンやポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックスやABS樹脂等の材料を使い、型成型や射出成型等の方法で製造しても良い。
図14はその他の実施例3である。1600は鉄板の上に、3個の挟持体を両面テープで固定することで作成した、くさび効果型向合い把持具であるところの台座付き3個向合い把持具である。同時にその平面図、正面図、側面図を示す。
1601は厚さ1.0mmの丸みを帯びた三角形型をした鉄製台座、1602は挟持体11、12、13を鉄板1601に固定するための両面テープである。
13は3個目の挟持体、23は3個目のストッパ、33はストッパ23にかしめて固定された接続部、43はストッパ23を挟持体13に入れたり、出したりするためのセットひもである。ひも1は接続部31に端部が固定され、32、33の接続部の中を通った後、再び接続部31の中を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2によって接続部31の場所で固定される。ひも1のその先は三角カン(不図示)につながれるように構成されている。
図12の3個向合い把持具1400との違いは、一枚の鉄板から3個の挟持体を一体で成型しているか、3個の挟持体を鉄製台座の上に並べたかの点のみである。
挟持体の向きや、ストッパの動き、得られる機能等は3個向合い把持具1400と同じである。
一枚の鉄板から打ち抜くタイプに比べ、挟持体を並べるだけの方式のメリットは、必要な挟持力に対する対応が容易であることである。つまり必要な挟持力に応じて、挟持体の数を増減させれば良いのである。
更には、1種類の挟持体だけを大量に作れば、生産コストは大幅に低く抑えられるメリットも発生する。
図15の1610は鉄製台座1601の上に、3個の挟持体を両面テープの代わりにねじを使い固定することで作成した、くさび効果型向合い把持具であるところの台座付き3個向合い把持具の一部拡大図である。同時にその平面図、正面図、側面図を示す。
鉄製台座1601は厚さ1.0mm、1603は挟持体11を鉄製台座1601に固定するためのなべねじである。1604は皿ねじ、1605はなべねじ1603と皿ねじ1604を鉄製台座1601に固定するためのナットである。
図16は図15に於けるA-A線断面図である。ひも1は接続部31に端部が固定(不図示)され、32 (不図示) 、33 (不図示)の接続部の中を通った後、再び接続部31の中を通り、ストッパ留めであるところのコードロック2で固定される。ひも1のその先は三角カン(不図示)につながれるように構成されている。109はゴム板108を挟持体11の床面に接着させるための両面テープ。
このような構成になっているので挟持体11は、一個のなべねじ1603と2個の皿ねじ1604を使い、鉄製台座1601に、ナット1605でしっかりと固定されている。
その結果、両面テープで固定する場合に比べ、より強い力で挟持体11を鉄製台座1601に固定する事が出来る。その結果、挟持体は両面テープで固定する場合より、さらに大きな挟持力で布(不図示)に固定される事が出来るようになった。
図17の1650は挟持体の3種類のモジュールを示したものである。A、B、Cはそれぞれ挟持体の小、中、大サイズの異なるモジュールである。この3種類のモジュールの組み合わせだけで多くの必要な挟持力を持つ把持具を作るモジュラーデザインを行うものである。なおモジュールの種類は3種類に限定されるものではない。
モジュラーデザインとは、限られた製造設備で作成した互換性が高い少数の部品(モジュール)を前もって設計しておき、それらを組み合わせて多様な製品を設計する、計画的な設計手法である。製品の多種多様化を図りつつ、できるだけ部品の種類を削減し、製造原価の低減を狙うことを目的とする。
図18の1660はモジュラーデザインで作られたモジュラーデザイン把持具である。モジュラーデザイン把持具1660はモジュールAが1個、モジュールBが2個、モジュールCが1個から構成されており、必要な挟持力が出せる設計になっている。1661はモジュールA,B、Cを保持するための厚さ1mmの鉄製台座である。
全てのモジュールはテーパの狭くなった端部が互いに向き合う配置になっている。
またモジュールはプレス成型や、射出成型等で作成しても良い。
以上説明してきたように、くさび効果型向合い把持具にモジュラーデザインの考えを取り入れると、最小限のモジュール種類で、求められるいろいろな挟持力を持つくさび効果型向合い把持具を設計する事が出来る。その結果、大量生産が可能になり、製造原価も下げる事が出来る。
図19は、図14の台座付き3個向合い把持具を4個、5個に展開したものである。
1700は4個向合い把持具を示している。1701は台座となる鉄製台座である。挟持体11、12、13、14は台座の鉄製台座1701にねじで固定されている。1702は挟持体11を鉄製台座1701に止める為のなべねじ、1703は皿ねじである。
1800は台座付き5個向合い把持具を示している。1801は台座となる鉄製台座である。挟持体11、12、13、14、15は鉄製台座1801にねじで固定されている。1802は挟持体11を鉄製台座1801に止める為のなべねじ、1803は皿ねじである。
挟持体の向きや、ストッパの動きや機能等は3個向合い把持具1600と同じである。
ただし得られる挟持力は台座付き3個向合い把持具1600よりも4個向合い把持具1700が大きく、 さらには台座付き5個向合い把持具1800のほうがより大きくなっている。
図20はその他の実施例4である。1900は2個向合い把持具に外装を配置した外装付き2個向合い把持具である。またその平面図、正面図、側面図を示す。
1901は市販のくるみボタンのアルミ外装である。サイズは直径が74mm、厚さが0.2mmで、材質はアルミで出来ている。 1902はアルミの水平方向切り込みしろ、1903は垂直方向のアルミ切り込みしろである。
以下に、 2個向合い把持具1000にアルミ外装1901を取り付ける方法を説明する。まずアルミ外装1901の周りに2個向合い把持具1000の入り口の幅にあわせ4箇所の切込みを入れる。次いで、 2個向合い把持具1000をアルミ外装1901の中に入れた後、水平方向アルミ切りこみしろ1902と垂直方向アルミ切り込みしろ1903を折り曲げ、アルミ外装1901を2個向合い把持具1000にしっかりと固定する。
なお、くさび効果型把持具にアルミ外装を配置する方法は本出願人が特願2018-001536で開示済みである。
図21は図20の平面図に於けるA-A線断面図である。この図からも明らかなようにアルミ外装1901は水平方向アルミ切りこみしろ1902と垂直方向アルミ切り込みしろ1903によって、2個向合い把持具1000にしっかりと固定される事がわかる。
その結果、アルミ外装1901を装備することにより、2個向合い把持具1000が直接肌に当たるような使い方をされても、圧迫痕や引っかき傷等の発生が防止されるようになった。
図22は外装付きの複数個の挟持体の向合い把持具を説明している。このとき、挟持力は、挟持体の個数が同じ場合は、プレスで成型した場合よりも、厚さ1.0mmの鉄板台座付きのモジュラーデザインタイプのほうが把持具の強度が増すので、挟持力はより大きくなる。またプレス成型した向合い把持具に台座をつけた場合も、把持具の強度が増すので、挟持力はさらに大きくなる。
2000は外装付き3個向合い把持具である。2001は厚さが0.2mmのアルミの板を加工して作った、アルミ外装である。三角形の1辺の長さは約70mmである。 2002はアルミの水平方向切り込みしろである。2003は3個の挟持体モジュールを厚さ1.0mmの鉄板の台座の上に両面テープ(不図示)で固定した、3個向合い把持具である。
次に、アルミ外装の設置方法を説明する。まずアルミ外装2001の周りに、台座付き3個向合い把持具の入り口の幅にあわせ、6箇所の切込みを入れる。次いで、台座付き3個向合い把持具をアルミ外装2001の中に入れた後、水平方向アルミ切りこみしろ2002を折り曲げ台座付き3個向合い把持具アルミ外装2001に固定した。
2100は外装付き4個向合い把持具である。2101は厚さが0.2mmのアルミの板を加工して作った、アルミ外装である。四角形の1辺の長さは約80mmである。 2102はアルミの水平方向切り込みしろである。2103は4個の挟持体モジュールを厚さ1.0mmの鉄板の台座の上に両面テープ(不図示)で固定した、4個向合い把持具である。
次に、アルミ外装の設置方法を説明する。まずアルミ外装2101の周りに、台座付き4個向合い把持具の入り口の幅にあわせ、8箇所の切込みを入れる。次いで、台座付き4個向合い把持具をアルミ外装2101の中に入れた後、水平方向アルミ切りこみしろ2102を折り曲げ台座付き4個向合い把持具アルミ外装2101に固定した。
2200は外装付き5個向合い把持具である。2201は厚さが0.2mmのアルミの板を加工して作った、アルミ外装である。五角形の1辺の長さは約90mmである。 2202はアルミの水平方向切り込みしろである。2203は厚さ0.6mmの鉄板からプレスで一度に成型した5個向合い把持具である。これをを厚さ1.0mmの鉄板の台座の上にねじ止めしたものである。
次に、アルミ外装の設置方法を説明する。まずアルミ外装2201の周りに、台座付き5個向合い把持具の入り口の幅にあわせ、10箇所の切込みを入れる。次いで、台座付き5個向合い把持具をアルミ外装2201の中に入れた後、水平方向アルミ切りこみしろ2202を折り曲げ、台座付き5個向合い把持具アルミ外装2201に固定した。
その結果、アルミ外装2001、2101、2201を装備することにより、3、4、、5個向合い把持具1400、1500,1550や、台座付き3、4、、5個向合い把持具1600、1700,1800が直接肌に当たるような使い方をされても、圧迫痕や引っかき傷等の発生を防止されるようになった。
図23はその他の実施例5である。2300は2個向合い把持具1000が肌と接する部分にフェルト等の保護層を貼り付けた、保護層付き2個向合い把持具である。またその平面図、正面図、側面図を示す。
2301はフェルト等のやわらかい素材で出来た保護層である。2302は保護層2301を2個向合い把持具1000に貼り付けるための粘着層である。
図24は図23の平面図に於けるA-A線断面図である。この図からも明らかなように保護層2301は2個向合い把持具1000の肌に当たる部分をしっかりと覆っている事がわかる。
その結果、保護層2301を装備することにより、保護層付き2個向合い把持具2300が直接肌に当たるような使い方をされても、圧迫痕やバリによる引っかき傷等の発生を防止できるようになった。
また冬場に、2個向合い把持具1000が肌に触れた時の冷たい感触を防止することも出来る。更に夏場では、汗によるベとつきを防止する事ができる。また使用者が金属アレルギー体質の場合にはその対策にもなる。
図25に於いて2400は外装付き2個向合い把持具1900のアルミ外装1901の表面に、保護層を配置した外装付き2個向合い把持具である。またその平面図、正面図、側面図を示す。
2401はフェルト等のやわらかい素材で出来た保護層である。2402は保護層2401をアルミ外装1901に貼り付けるための粘着層である。
図26は図25の平面図に於けるA-A線断面図である。この図からも明らかなように保護層2401はアルミ外装1901が肌に当たる部分をしっかりと覆っている事がわかる。
その結果、アルミ外装1901の表面に保護層2401を配置することにより、外装付き2個向合い把持具2400が直接肌に当たるような使い方をされても、圧迫痕やバリによる引っかき傷等の発生を画期的に防止できるようになった。
その上、冬場の、アルミ外装1901が肌に触れた時の冷たい感触を防止することも出来るようになった。更に夏場では、汗によるベとつきを防止する事ができるようになった。また使用者が金属アレルギー体質の場合にはその対策にもなった。
図27はその他の実施例6である。2500は直径は18.0mm、厚さが0.33mmのアルミストッパ21のエッジ部にフェルト等の保護層を貼り付けた、保護層付きストッパを示す図である。またその平面図、正面図、A-A線断面図を示す。
151はフェルト等のやわらかい素材で出来た保護層である。 152は保護層151をストッパ21に貼り付けるための粘着層である。
以下に、ストッパ21に保護層151を配置することになった実験を紹介する。2個向合い把持具1000を綿布にセットし、解除するを1回のサイクルとし耐久したところ、1000回を越えたあたりからアルミストッパ21のa、b、c、dで示される、エッジ部分にひびや欠けが発生しだした。これはセット、解除する時に、ストッパが挟持体の入り口ガイドや側壁、天井開口エッジ等と干渉するためだと思われる。そしてそのひびや欠けが原因と思われるほつれが布に発生した。、その防止のためにエッジ部a、b、c、dを完全に覆うように保護層151を設けた。そして上記と同じ耐久を行ったが、3000回耐久した後も割れや、欠けが発生する事がなくなった。その結果、耐久後も布にほつれ等が発生することは無くなった。
図28の2550はボタン形状の合成樹脂とピアノ線接続部からなる合成樹脂ストッパである。またその平面図、正面図、A-A線断面図を示す。
153は直径は18.0mm、厚さが3.1mmの合成樹脂ストッパであり、154は直径が0.20mmのピアノ線接続部、155はピアノ線接続部154のねじり部分が解けないようにするためのかしめである。
このような構成になっているので、図27で説明した耐久を3000回行っても、合成樹脂ストッパ153はひび、割れを起こす事がなく、布に対し、ほつれや傷等をつける事がなかった。
また、アルミストッパは中心部で折れ曲がる事が多かったが、合成樹脂の材料で出来たストッパは折れ曲がることはないので、より大きな挟持力を持つ事が出きる。
また、ストッパの材質としては、木材などでも、合成樹脂と同等の挟持力、耐久性が認められた。ただ絹のような繊細な布の場合には、布が傷む前にストッパが折れ曲がり、把持が解除されるアルミストッパ21が有効なのはいうまでもない。
図29はその他の実施例7である。2600は簡易担架を作り、人を緊急搬送している図である。 2602は自在把持ベルト1201を2本とホテル等に備え付けのシーツを使って作った簡易担架である。自在把持ベルト1201の両端には5個向合い把持具が配置されている。
2601はホテル等に備え付けのシーツ、1800は台座付き5個向合い把持具であり、挟持体は台座の鉄板にねじで固定されている。このねじ止め式台座付き5個向合い把持具1800の挟持力は1個だけで150Kg重と非常に大きいので、シーツ2601にセットするだけで、簡単に簡易担架2602を作る事が出来る。この場合5個向合い把持具を4個を使っているので、シーツ2601の強度が大きければ600Kg重の引張力まで対応できる。
以上のことから、地震や、火災などで緊急に人を運搬する必要が発生した場合、救助隊員は各自、自在把持ベルト1201を1本さえ携帯していれば、ホテル等の現場には必ず備え付けてあるシーツ2601やカーテン等を利用して、即座に簡易担架2602を作る事が出来るのである。
図30はその他の実施例8である。これは野菜や果物、穀物等の入った麻袋2701に持ち手を付けてリュックにする場合を紹介している。2702は麻袋の口を閉じるひも、1201は両端に2個向合い把持具を配置した自在把持ベルト、1000は2個向合い把持具、2700は麻袋2701に自在把持ベルト1201を付けて作った簡易リュックである。
このように、持ち手のない袋ならば従来は、両手で抱えるか、肩に担ぐしか運搬方法がなかったが、自在把持ベルト1201を2本つけるだけで、簡単に簡易リュック2700として背負う事が出来るようになるのである。
図31は簡易リュック2700を背負った様子を後ろから見た図である。背負えるようになることで、両手が自由になる様子が良くわかる。
図32は簡易リュック2700を背負った様子を側面から見た図である。1202は合成樹脂テープアジャスター、1208は自在把持ベルト1201の長さ調整しろである。2802は図33で説明する、わに口クリップである。
このような構成になっているので、長さ調整しろ1208を合成樹脂テープアジャスター1202の部分で容易に調整できるので、簡易リュック2700の重さや、形状に合わせて、自分の背中に馴染むように自在把持ベルト1201の長さを簡単に調整する事ができる事がわかる。
図33は麻袋2701の中の挟持部ホルダーを示した図である。 図に於いて2800は挟持部ホルダー、1050は挟持部、2801はひも、2802は図32でも紹介した、わに口クリップ、2803はひも2801に挟持部1050を固定するためのかしめである。
通常、わに口クリップ2802は麻袋2701の入り口のヘリで固定される。挟持部ホルダー2801が図33に示すような構成になっているので、麻袋2701の表側に配置されているストッパ部1100が解除されても、挟持部1050は麻袋2701の中でばらばらにならない。
その結果、自在把ベルト1201を麻袋2701からはずしても、わに口クリップ2802をつまめば、挟持部1050をまとめて袋の中から取り出すことが出来るのである。
図34は、その他の実施例9である。一枚の布でも、自在把持用具を使えば、物を運ぶ事が出来ることを示す図である。2850は風呂敷と自在把持ベルトを示す図である。2854は風呂敷、2851は自在把持ベルトで、片端に2個向合い把持具1000が配置されている。2852は合成樹脂テープアジャスター、2853は三角カン、1はひも、2はストッパ留めであるところのコードロックである。
図35の2860は風呂敷2854と自在把持ベルト2851で作った、搬送ツールである。2855は、ボーリング玉である。
図で示すように、まず風呂敷2854でボーリング玉2855を包み、四隅を図のように重ね、そこを2個向合い把持具1000で挟み、コードロック2でロックする。後は合成樹脂テープアジャスター2852で自在把持ベルト2851の長さを調整すれば、持ち手付きの搬送ツール2860が完成する。
図36は、その他の実施例10である。2900は舞台衣装の天子の羽セットであり、その天子の羽セット2900を背負ったときの背面図である。
2901は天子の羽、2902は長さ調整用のコードロック、2903の天子の羽2901を固定するための自在把持用具である。天子の羽には色違いやサイズ違いの幾種類のものがあるが全て自在把持用具2903と対になって固定されている。図36のAで囲った部分の拡大図で天子の羽2901がない場合の様子を図37で示す。
図37に於いて1はひも、2907は衣装、2905は長さ調整用のコードロック2902が自在把持用具2903からはずれないようにするためのはとめである。2904は挟持部1050を衣装2907の内側に固定するための縫い糸である。2906は挟持部1050にあけられた貫通穴である。
また、あらかじめ衣装2907に挟持部1050の貫通穴2906に縫い糸2904を通し、挟持部1050を縫い付けておく事が出来る。ストッパ部1100と自在把持用具2903と天子の羽2901はセットになっている。
このような構成になっているので、初めにストッパ部1100を衣装2907内部に縫いこんである挟持部1050にセットする。次にコードロック2で、ストッパ部1100をしっかり固定し、この動作を自在把持用具2903に4個配置されている2個向合い把持具1000で行う。ついでコードロック2902を使い、背中に対し天子の羽2901がしっくり来るように調整する。ここまでの作業は本人が行っても良いが周りのスタッフが行っても良い。最後に衣装2907を着れば、天使の羽2901の設定は完了である。
演技の合間に天子の羽2901を別の色の羽に変える場合は、スタッフはストッパ留めであるところのコードロック2を解除し天子の羽2901の4箇所の挟持部1050からストッパ部1100を解除すればよい。その後、新しい天子の羽に上述の方法で交換すればよい。
本方式のメリットは本人が衣装2907を着たままでも、スタッフによって短時間に天子の羽2901の交換が行えることである。
図38は天子の羽2091を背負った状態の側面図である。
図からも明らかなように、更なるメリットは、天子の羽2901の装着にベルト等を使用しない上、4個の2個向合い把持具1000は、本人の体と、天子の羽2901の間に隠れて、観客からは全く見えないので、観客にしてみれば、本当に背中に肩羽が生えているように見えることである。
図39はその他の実施例11であり、把持対象への引張力を挟持体側へ伝える構成であることを特徴とする自在把持用具を使いシートを持ち上げる様子を示す。 3002は自在把持用具であるところの持ち手、3003は厚さ5mm、直径100mmの鉄板台座、持ち手3002は鉄板台座3003に固定されている。、3004は厚さ10mmの絨毯である、3004は絨毯のほかにブルーシート、シーツ、カーテン、国旗等のシート状のものであれば何でも良い。3005は自在把持用具であるところの、持ち手3002を掴んでいる手を表している。
図40は図39に示した把持対象への引張力を挟持体側へ伝える構成であることを特徴とする自在把持用具に2、3、4個向合い把持具が固定された場合を示す。
3000は把持対象への引張力を挟持体側へ伝える、2個向合い把持具と一体化した自在把持用具を示す。3001は2個向合い把持具で11、12は挟持体、3002は鉄板台座、1はひも2はストッパ留めであるとことのコードロック、21、22、はストッパ、3003は自在把持用具である取っ手。取っ手3003は鉄板台座3002に固定されている。
挟持体11、12はテーパの狭くなった端部が、向き合うように配置され、それぞれ鉄板台座3002にねじで固定されている。
このような構成になっているので、絨毯3004を挟持したときに、ひも1はコードロック2によって、ストッパ21の所でしっかりロックされる。
上記のように挟持体11、12が鉄板台座3002に配置された場合、絨毯3004の引張力は、取っ手3003、鉄板台座3002、挟持体11、12が一体化しているので、直接自在把持用具であるところの取っ手3003に伝わってくる。
この場合ひも1を引っ張ることでストッパ21、22に、絨毯3004の引張力が加わり挟持力がよりアップすることは無い。しかしこのような場合でも、挟持体11、12のテーパの狭くなった端部が互いに向き合うように配置されており、図40に示すように、ひも1はストッパ留めであるところのコードロック2によって、ストッパ21の所でしっかりロックされる。
それゆえ、移動の際、絨毯3004が大きく揺れて、片方のストッパにテーパの狭いほうから広いほうへ向けて力が加わっても、ひも1の長さは固定されているので、反対側のストッパはテーパが広い方から狭いほうへ移動する力となって働く。その結果、絨毯3004がどの方向にゆれても、挟持力の和は常に一定になるという効果がある。
3100は把持対象への引張力を挟持体側へ伝える3個向合い把持具と一体化したの自在把持用具のその他の例を示す。3101は3個向合い把持具で11、12、13は挟持体、3102は鉄板台座、1はひも2はストッパ留めであるとことのコードロック、21、23はストッパ、3103は自在把持用具である取っ手。取っ手3103は鉄板台座3102に固定されている。
挟持体11、12、13はテーパの狭くなった端部が、向き合うように配置され、それぞれ鉄板台座3102にねじで固定されている。
このような構成になっているので、絨毯3004を挟持したときに、ひも1はコードロック2によって、ストッパ21の所でしっかりロックされる。
3200は把持対象への引張力を挟持体側へ伝える、4個向合い把持具と一体化した自在把持用具のその他の例を示す。3201は4個向合い把持具で11、12、13、14は挟持体、3202は鉄板台座、1はひも2はストッパ留めであるとことのコードロック、21、24はストッパ、3203は自在把持用具である取っ手。取っ手3203は鉄板台座3202に固定されている。
挟持体11、12、13、14はテーパの狭くなった端部が、向き合うように配置され、それぞれ鉄板台座3202にねじで固定されている。
このような構成になっているので、絨毯3004を挟持したときに、ひも1はコードロック2によって、ストッパ21の所でしっかりロックされる。
また上記のように、把持対象への引張力を挟持体側へ伝えるタイプは、ひも1の起点のストッパはどのストッパでもかまわない。重要なことは、ひも1が他のストッパを経由して再び起点のストッパに戻ったところで、ストッパ留めであるところのコードロック2にてしっかりと固定されるということである。更に説明するならば、一旦セットしたら、解除されるまで、ストッパは固定されて動かない機構があれば良いということである。
以上説明してきたことからも明らかなように、挟持体のモジュールの大きさが異なる場合でも、複数の挟持体を配置する場合は、互いにテーパが狭くなる部分で互いに向き合うようにすれば良い事がわかる。
また、ここで重要なのは、把持対象への引張力を挟持体側へ伝えるタイプの場合の引張力の限界は最大挟持力で決まるのではなく、挟持体の剛性で決まることである。その結果、より重いものでも容易に持ち上げる事が出来るのである。
更には本提案の把持具は重量物のみならず、従来の名札やアクセサリー等も挟持できることは明確である。