JP6410464B2 - Dna断片化装置及びdna断片化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子解析の前処理に使用され、均一な核酸サイズのDNA断片を安定して得ることができる圧力方式のDNAの断片化装置及び断片化方法に関する。
近年、生命科学や医療科学の分野においては、シーケンサなどの測定器による遺伝子解析が行われている。この遺伝子解析を行うためには、前処理として予めDNAを断片化することが必要である。
DNAの断片化技術には、現在、次の2種類の方式が主流となっている。1つは、超音波に起因して発生するキャビテーションによりDNAを断片化する超音波方式である。超音波方式の機器には、例えば超音波ホモジナイザーやアコースティックソルビライザーがある。前者の装置は、操作者の操作方法、超音波ホモジナイザーの出力、印加時間、処理量に対する先端工具の選定、分断液との接触条件などにより断片化の状態が変化する、断片化しようとするDNA検体間の汚染を防ぐために容器の除菌操作が必要となるなどの問題がある。また、後者の装置は、検体間の汚染防止としてディスポーザル容器内で間接的に超音波のキャビテーションによる核酸の断片化を行うものであるが、装置自体のコスト及び専用のディスポーザル容器が高額であり必然的にDNA断片化に要するコストアップとなる。また、超音波方式では、いずれの装置においても、キャビテ―ションに起因する発熱によるDNA断片の再結合が生じるという問題がある。
もう1つは、圧力差を機械的に発生させ、圧力解放時に発生するキャビテ―ションによりDNAを断片化する圧力方式である。この方式の装置としては、例えばハイドロシャーや特許文献1において提案されているg−チューブがある。前者の装置は、ポンプによって加圧されたDNAを含有する試料液を所定の直径の微小オリフィスを予め設定した送液速度にて1回又は複数回繰り返して通過させることでDNAを断片化するものである。また、後者の装置は、微小オリフィスを設けたディスポーザルチューブ内にDNAを含有する試料液を収容し、そのチューブを遠心分離機で回転させ、発生する遠心力によりチューブ内の試料液がオリフィスを通過する際に断片化を行うものである。
特開2013−540439号公報
しかし、ハイドロシャーの場合、前記した超音波ホモジナイザーと同様、操作者の操作方法、分断化液内の気泡の除去方法や設定する送液速度、あるいは繰り返し回数により断片化の状態変化が生じ、また検体間での汚染の問題が生じる。
また、他方のg−チューブの場合、ハイドロシャーのような問題はない点、有利ではあるが、以下のような問題が別に存在する。
(1) 試料液に付加するのは遠心力であり、試料液を直接加圧などするものではないので、そもそもDNA断片化効果が小さい。
(2) 断片化後のDNA断片の核酸サイズが安定していない(均一性が不十分である)。これは、オリフィスの形状寸法がコントロールされていないこと、DNAを含有する試料液がその粘性により微小オリフィス内に流入し始めるのが遠心機起動後の増速から等速回転に至るまでの間及びそれ以降のどの時点になるかのコントロールができないこと、及び厳密には微小オリフィス内における試料液の移動により回転半径が変化するので、一定した遠心力を試料液に対して及ぼすことができないこと、などの要因によるものである。
そこで、本発明は、前記各問題を解決すべく、DNAを含有する試料液を直接加圧する圧力方式を採用するとともに、試料液に一定の力を加えオリフィスにおける試料液の流速を一定にすることで、核酸サイズのより均一なDNA断片を得ることができるDNA断片化装置及び断片化方法を提供することを目的とする。
前記目的は、本発明の一局面によれば、試料液中に含まれるDNAを断片化するためのDNA断片化装置であって、前記試料液を収容でき、当該試料液を移送する流路を有する試料液収容部と、前記試料液収容部に連通して筒状部及び所定の内径の細孔を有するオリフィスを順次備え、当該オリフィスを通過した前記試料液を回収する回収部を取り付け可能な流路末端部と、前記試料液収容部に収容された前記試料液を前記流路に沿って移送し、前記オリフィスの細孔に流入通過させるための試料液移送手段と、前記試料液の前記細孔通過時に、当該試料液から前記オリフィスが受ける流れ方向の力を計測する計測手段と、該力の計測結果に基づいて前記試料液の前記細孔通過時の流速を前記試料液移送手段の駆動制御により調節する駆動制御手段とを有することを特徴とするDNA断片化装置によって達成される。
また、前記目的は、本発明の別の局面によれば、試料液中に含まれるDNAを断片化するための方法であって、前記試料液を試料液収容部内に収容する工程と、試料液移送手段を駆動させ、前記試料液を前記試料液収容部内の流路に沿って等速で送り出し、さらに前記試料液収容部に連通する流路末端部における筒状部及びオリフィスに導入する工程と、前記試料液が前記オリフィスの細孔を通過する際に、計測手段により前記オリフィスが受ける流れ方向の力を計測する工程と、該計測結果に基づいて前記試料液の前記細孔内流速を調節すべく駆動制御手段により前記試料液移送手段の駆動制御を行なわせる工程とを含むことを特徴とするDNA断片化方法によって達成される。
前記流路末端部は、その開口方向が鉛直となるように前記試料液の流路に配置できる。これにより、前記筒状部及び前記細孔内の流れが層流になるだけでなく、より簡単な機器構成の計測手段により前記オリフィスを鉛直方向に押し上げようとする力を計測できるようになる。
前記試料液収容部は鉛直方向に配置された筒状体とされ、その内部を前記試料液移送手段は上下に摺動するプランジャーとすることができる。このような構成の具体例としては、シリンジや流体シリンダーなどが挙げられる。また、前記流路末端部は、前記試料液収容部に着脱自在に接続できることが好ましい。前記流路末端部を着脱自在に接続可能とすることで、本発明のDNA断片化装置の操作者による取扱いが容易となる。
本発明のDNA断片化装置及び断片化方法は、前記のようにオリフィスが受ける流れ方向の力を計測し、当該計測結果を一定に維持するように前記試料液のオリフィス細孔内流速を調節することで、すなわちオリフィス上下流間の差圧を一定にし、オリフィス細孔内の流量を一定に安定させるものである。よって、本発明によれば、前記の通りオリフィス上下流間の差圧を一定にし、オリフィス細孔内の流量を安定させることとしたので、背景技術に記載の技術の場合よりも相対的に均一な核酸サイズのDNA断片を安定して得ることができる。
本発明の核酸断片化装置の実施形態の一例を説明する図である。 図1に示す流路末端部の一例を示す拡大図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明のDNA断片化装置の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されないことは言うまでもない。また、本明細書において、「オリフィスが受ける流れ方向の力」には、流れ方向の力と、流路末端部の筒状部内壁に作用する流れ方向以外の力の流れ方向における分力とのを合力を指すものとする。
[DNA断片化装置]
図1は、本発明のDNA断片化装置の一実施形態を説明するための図を示している。この図に示すように、本実施形態のDNA断片化装置1は、試料液収容部10、試料液移送手段13、流路末端部15、計測手段24及び駆動制御手段(30,33)から主に構成される。そして、本実施形態においては、試料液収容部10として円筒状のバレル(試料液収容部と同様、符号10を付することとする。)が、また試料液移送手段13としてプランジャー(同様に符号13を付することとする。)が使用され、両者の組み合わせによりシリンジを構成している。
バレル10の内径、外径及び長さは特に制限されず、試料液の収容量を考慮した有効容量、最大内圧、使用温度、内部の流路を移動する試料液移送手段13(後述)の最大推力などの各設計値を考慮して、例えば外径10mm、内径2.3mm、長さ87mmなどに適宜設定できる。なお、試料液収容部10の外形形状としては、最大内圧の設計値を満たすように構成されていれば本実施形態の円筒状体に限定されず、例えば角筒状体、楕円筒状体などであってもよい。
また、バレル10の材質については、最大内圧の設計値を満たすものであれば特に制限されず、例えば、ガラス、耐熱耐圧ガラス、硬質プラスチック、金属などで形成できる。
プランジャー(ロッド)13は、その一端に摺動部13aが設けられ、他端にツマミ13bを備えている。プランジャー13の長さは、通常のシリンジと同様、バレルの長さよりも大きく設定し、バレルの全長にわたりプランジャー13の可動範囲としておく。プランジャー13は、曲げ強度などの機械的強度特性を考慮し、鉄製やステンレス鋼製の棒状体などの材質及び形状の中から選択できる。
プランジャー13の先端における摺動部13aは、その先端側に収容される試料液(不図示)の全量を移送するようにバレル10の流路11に沿って摺動するよう構成されている。例えば、摺動部13aはプランジャー13の一端に巻き付け固定されていてもよく、流路11の内径に合致する円筒状体を用い、これがプランジャー13の先端に公知の方法で固定されていてもよい。この摺動部13aの素材としては、テフロン(登録商標)などの合成樹脂が使用できる。また、ツマミ13bは板状を呈しており、その中心にプランジャー13が垂直に立設されている。ツマミ13bの材質は、プランジャー13と同質であると異質であるとを問わない。同質である場合には、プランジャー13とツマミ13bとは一体に成形されていてもよく、後者の中心にネジ穴を設け、これに前者の一端を螺合する、両者を接着・溶着するなどして両者を固定することができる。また、異質の場合も同様に螺合、接着・溶着などにより両者を固定できる。
バレル10とプランジャー13とからなるシリンジは、本実施形態においては鉛直に配置され、バレル10の流路11内に収容された試料液は、プランジャー13によりその全量が押し上げられるようになっている。なお、本実施形態では、シリンジを鉛直に配置するが、シリンジの向きはこれに限定されない。
バレル10の上端には、図2に示すように、流路末端部14としてルアチップ(流路末端部と同様の符号14を付することとする。)が着脱自在に取り付けられている。このルアチップ14は、略円筒状部14aと、その軸線方向中間に設けられ、バレル10の上端面に当接可能な円環状のつば14bと、つば14bの下面にこれに垂直に立設され、円筒状部14aよりも相対的に小径の円筒状の挿入部14cとから構成されている。これら各部14a〜14cは一体に成形されていてもよく、それぞれ別個に成形されたものを公知の方法により組み合わされていてもよい。
円筒状部14aの上端から挿入部14cの下端に至る全長には、ルアチップ14の軸線方向に所定の内径の開口18が設けられている。開口18は、例えばルアチップ14の挿入部14cの下端面から軸線方向上方に向けて穴ぐり加工を施すなどの公知の方法により形成できる。この開口18は、流路11に連通し、当該流路11よりも相対的に小さい内径の流路18を構成している。
円筒状部14aにおいて、流路18の上端部には、所定の内径の細孔15aを中心に有するオリフィス(絞り板)15が設けられている。細孔15aの内径は適宜設定でき、例えば0.05.0.075及び0.1mmなどに設定できる。この細孔15aはその全長にわたり一様の内径を有していることが好ましい。これにより、細孔15a内を流れる試料液の流れの均質化が図られる。細孔15a内の流速をまた、当該内径は、ルアチップ14毎に正確に計測されることがより好ましい。こうすることで、最高15a内の試料液の流速を定量的に求めることができるようになる。なお、この細孔15aもまた穴ぐり加工などにより形成できる。
挿入部14cは、バレル10の上端11aから流路11内に挿入可能とされている。また、挿入部14cの外周面の異なる位置にはそれぞれ環状溝16、16が円周方向に形成されている。それぞれの環状溝16、16には、シール材として0リング18,18がそれぞれ嵌め込まれており、挿入部14cが流路11内に挿入された場合、容易に脱落せずバレル内の試料液が外部に漏れ出さないようになっている。
円筒状部14aの外周面には、キャップなどの適宜の回収部が着脱自在に装着可能とされ、オリフィス15の細孔15aを通過して上方に漏出する試料液を回収できるように構成されている。
本実施形態においては、ルアチップ14を取り付けたシリンジバレル10はそれぞれルアチップ受け具19、シリンジ受け具27で支持されている。ルアチップ受け具19は、ルアチップ14の円筒状部14aがちょうど嵌り込むように構成されている。これにより、ルアチップ14が鉛直方向上方に押し上げられる場合には、その押し上げる力をルアチップ受け具19が受け止めるようになっている。ルアチップ受け具19は、後述する案内テーブル20に固定されている。また、シリンジ受け具27は、バレル10の下端部に位置し、これを鉛直方向に移動可能に支持するものであり、本実施形態の装置1の支持フレーム26に固定されている。さらに、バレル10は、落下しないように、押え具(不図示)により案内テーブル20に直接固定される。この押え具の形状及び大きさは適宜設定できる。
案内テーブル20は、図1に示すように、鉛直な板体、天板及び底板からなる逆コの字状のガイド枠25の中に収容されている。鉛直な板体の鉛直面25aには上下方向にレール(不図示)が設けられており、案内テーブル20はこれに係合した状態とされている。案内テーブル20とレールとの間には複数のローラーガイドが組み込まれており、案内テーブル20はこのレールに沿って上下に有限の距離だけ直線的かつ著しく低摩擦で移動可能に構成されている。このような案内テーブル20としては、例えばクロスローラーテーブルと呼ばれる公知のユニットを好適に使用できる。
案内テーブル20の上端面からは当該面に垂直に連結棒21が立設されており、その上端が計測手段24としてのロードセルユニット(同様の符号24を付することとする。)に連結固定されている。このロードセルユニット24は、本実施形態の装置1の上部にあるガイド枠25に連結部24aを介して固定されている。
このような構成により、バレル10及びルアチップ14を押し上げようとする力が働き、これらが僅かでも押し上げられた場合、その上昇距離だけ案内テーブル10は上向きに摺動する結果、それをロードセルユニット24が上向きの力(流路18の流れ方向の力)として検知することになる。この検知結果は、信号線Lによって駆動制御手段33(後述)に送られるように構成されている。なお、上向きに上昇した案内テーブル20を容易に元の位置に戻せるように、案内テーブル20に対して下向きに付勢力を与える例えば引張バネなどの付勢手段を設けておくこともできる。
駆動制御手段33は、駆動機能と制御機能とを備えている。駆動機能は、上下動板30が上限検知センサー34b、34cの検知位置になく、原点位置検知センサー34aの検知位置にあることを条件として、当該上下動板30を原点位置検知センサー34aの検知位置(原点位置)から鉛直方向上方又は下方(図1、矢印A参照)に移動させるものである。駆動機能はまた、制御機能により段階的変速又は無段変速が可能に、より好ましくは無段変速可能に構成されている。そうして上昇移動後には、上下動板30はこの駆動機能の自動的若しくは手動操作による作動、又は重力などの自然力の作用により下降可能に構成されている。
また、制御機能は、ロードセルユニット24の出力信号(計測結果)の入力を受け、当該計測結果に基づいて前記出力信号を予め設定した一定値又は一定の微小範囲内に収めるようにプランジャー13の駆動(移動速度)の制御を行う。これによって、結果として試料液の細孔15aを通過する際の流速を調節する。
駆動制御手段33としては特に制限がなく、前記した駆動機能及び制御機能を備えた公知の機器・システムを使用できる。例えば、電動機とサーボアンプなどの制御装置とからなるサーボモーターシステム、油圧シリンダー、電磁弁、ポンプなどと制御装置との組み合わせからなる圧力制御システムなどが挙げられる。これらのうち、応答性に優れハンドリングが容易なサーボモーターシステムを用いるのが好ましい。この場合、上下動板30の適宜の位置に穿設したねじ穴に螺合したボールねじ(不図示)の回転をサーボモーターで制御するなどの方法を採用することで、駆動機能及び制御機能の双方を果たすことができる。
[本実施形態のDNA断片化装置の使用方法]
本実施形態のDNA断片化装置の試料液中に含まれるDNAの断片化を行うための使用方法について以下説明する。
まず、シリンジバレル10の流路11に下側からプランジャー13を挿入した状態で、試料液をバレル10内に収容し、その上で流路末端部であるルアチップ14をバレル10の上端に取り付ける。次に、このシリンジのセットを本実施形態のDNA断片化装置に取り付ける。その際、バレル10の下端部をシリンジ受け具27内に差込み、ルアチップ14をルアチップ受け具19内に差し込んだ上で、押え具(不図示)によってシリンジを落下しないように固定する。
次に、上下動板30が上限検知センサー34b、34cの検知位置になく、原点位置検知センサー34aの検知位置にあることを条件として駆動制御手段33を作動させ、上下動板30を上昇駆動させる。このとき、予め上下動板30の原点位置の高さレベルを調整し、上下動板30とプランジャー13のツマミ13bとの間に鉛直方向に適宜間隔をとるようにしておく。これにより、前者は後者に等速で衝突し、後者を等速上昇させることができる。そうして、試料液をバレル10内の流路11に沿って等速で移送し、さらにバレル10に連通するルアチップ14の流路18及びオリフィスに導入する。
さらに、プランジャー13を上昇させると、試料液がオリフィス15の細孔15aを通過し始める。そうすると、オリフィス15が流れ方向の力を受けはじめ、ルアチップ14及びバレル10がその力によって鉛直方向上方に押し上げられる。この動きをロードセル24によって力として計測する。計測結果は、信号線Lにより駆動制御手段33に伝達される。駆動制御手段33では、力の計測値が一定に維持するように試料液の細孔15a内の流速を調節すべく前記上下動板30の上昇速度を制御する。オリフィス15を通過した試料液は、ルアチップ14の円筒状部14aに装着したキャップなどの適宜の回収部により回収することができる。その後、本実施形態の装置1からシリンジを取り外し、これを洗浄、乾燥、除菌し、次回に使用することもできる。
以上説明したように、本発明のDNA断片化装置及びDNA断片化方法は、計測手段により試料液にその流れ方向に加わる力を計測し、駆動制御手段により当該力の計測結果に基づいて前記試料液の前記細孔通過時の流速を一定に調節するように構成したので、より均一な核酸サイズのDNA断片を得ることができる。さらに、本発明のDNA断片化装置には、後述するように、高い適用拡張性を備えている。
[本発明のDNA断片化装置の適用拡張性]
一般に、流体のオリフィス細孔内のせん断速度(シェアレート)DRは、次式(式1)で与えられ、細孔内のせん断応力τRは、次式(式2)で与えられる。このせん断速度とせん断応力とから、式3に示したように、粘度を求めることができる。
Figure 0006410464
ここで、Qは、オリフィス細孔内を通過する流体の流量、Rは細孔半径である。
Figure 0006410464
ここで、Lは細孔の開口方向の長さ、ΔPはオリフィスの上下流間の差圧である。
Figure 0006410464
本発明のDNA断片化装置では、式1及び式2のR値、並びに式2のL値を確実にコントロールでき、また流体のオリフィス細孔通過時における差圧(計測結果を細孔の断面積で除して求める。式2中、ΔP。)を求め、さらに上式(式1)にてオリフィス細孔内を通過する流量を求めることができる。よって、未知の試料液について一定温度条件下で本発明の装置を用いることで、上記式1及び式2に従い、せん断速度及びせん断応力を求め、さらに式3に従い粘度を求めることができることから、一定温度条件下での流体の絶対粘度又は見かけ粘度の測定装置としても使用できる。
さらに、本発明のDNA断片化装置は、DNAの核酸サイズを推測する装置としても活用可能である。一般に、試料液中のDNAの含有比率(質量基準)が同等であれば、核酸サイズが相対的に大きいほど相対的に高い粘性を示し、相対的に小さいほど相対的に低い粘性を示すことが知られている。よって、本発明のDNA断片化装置を用いたDNA粘度データを蓄積してその流動特性(例えばニュートン流体か非ニュートン流体かなど)を把握することで、DNAの核酸サイズを推測できる。このような推測が可能となることで、核酸サイズを求めるのに電気泳動法を活用した場合に長時間を要する現状に対して、著しく短時間で核酸サイズの推測が可能になることが期待される。
1・・・断片化装置、 10・・・シリンジバレル(試料液収容部)、 11・・・流路、 11a・・・流路上端部、 11b・・・流路下端部、 13・・・プランジャー(試料液移送手段)、 13a・・・摺動部、 13b・・・ツマミ、 14・・・ルアチップ(流路末端部)、 14a・・・円筒状部、 14b・・・つば、 14c・・・挿入部、 15・・・オリフィス、 15a・・・細孔、 16・・・環状溝、 18・・・シール材(Oリング)、 19・・・ルアチップ受け具(流路末端部受け具)、 20・・・案内テーブル、 21・・・連結棒、 24・・・ロードセル(力計測手段)、 24a・・・連結部、 25・・・ガイド枠、 25a・・・鉛直面、 26・・・支持フレーム、 27・・・シリンジ受け具、 30・・・上下動板、 33・・・駆動制御手段、 34a・・・原点位置検知センサー、 34b・・・下限検知センサー、 34c・・・上限検知センサー

Claims (9)

  1. 試料液中に含まれるDNAを断片化するためのDNA断片化装置であって、
    前記試料液を収容でき、当該試料液を移送する流路を有する試料液収容部と、
    前記試料液収容部に連通して筒状部及び所定の内径の細孔を有するオリフィスを順次備え、当該オリフィスを通過した前記試料液を回収する回収部を取り付け可能な流路末端部と、
    前記試料液収容部に収容された前記試料液を前記流路に沿って移送し、前記オリフィスの細孔に流入通過させるための試料液移送手段と、
    前記試料液の前記細孔通過時に、当該試料液から前記オリフィスが受ける流れ方向の力を計測する計測手段と、
    前記試料液移送手段の駆動制御により、前記力の計測結果に基づいて前記試料液の前記細孔通過時の流速を調節するように構成された駆動制御手段とを有することを特徴とするDNA断片化装置。
  2. 前記流路末端部は、その開口方向が鉛直となるように前記試料液の流路に配置されてなる請求項1に記載のDNA断片化装置。
  3. 前記試料液収容部は鉛直方向に配置された筒状体であり、前記試料液移送手段は前記筒状体の内部を上下に摺動するプランジャーである請求項1又は2に記載のDNA断片化装置。
  4. 前記流路末端部は、前記試料液収容部に着脱自在に接続可能なものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA断片化装置。
  5. 前記試料液移送手段は、前記試料液が前記オリフィスに導入されるまで該試料液を等速で移送するように構成されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のDNA断片化装置。
  6. 試料液中に含まれるDNAを断片化するための方法であって、
    前記試料液を試料液収容部内に収容する工程と、
    試料液移送手段を駆動させ、前記試料液を前記試料液収容部内の流路に沿って等速で送り出し、さらに前記試料液収容部に連通する流路末端部における筒状部及びオリフィスに導入する工程と、
    前記試料液が前記オリフィスの細孔を通過する際に、計測手段により前記オリフィスが受ける流れ方向の力を計測する工程と、
    該計測結果に基づいて前記試料液の前記細孔内流速を調節すべく、駆動制御手段により前記試料液移送手段の駆動制御を行なわせる工程とを含むことを特徴とするDNA断片化方法。
  7. 前記流路末端部は、その開口方向が鉛直となるように前記試料液の流路に配置されてなる請求項6に記載のDNA断片化方法。
  8. 前記試料液収容部は鉛直方向に配置された筒状体であり、前記試料液移送手段は前記筒状体の内部を上下に摺動するプランジャーである請求項6又は7に記載のDNA断片化方法。
  9. 前記流路末端部は、前記試料液収容部に着脱自在に接続可能なものである請求項6〜8のいずれか1項に記載のDNA断片化方法。
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