JP6405176B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
下記の構造単位を有する酸発生剤とを含むレジスト組成物が記載されている。
[1]酸不安定基を有する芳香族化合物と、
式(I)で表される構成単位を有する樹脂とを含むことを特徴とするレジスト組成物。
[式(I)中、
Qa及びQbは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
zは、0〜6の整数を表し、zが2以上のとき、複数のR1及びR2は互いに同一又は相異なる
R3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
X1は、炭素数1〜17の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Za+は、有機カチオンを表す。]
[2]前記芳香族化合物は、分子量が300以上2000以下である[1]に記載のレジスト組成物。
[3]前記芳香族化合物は、2以上の芳香環を有する[1]又は[2]に記載のレジスト組成物。
[4]前記芳香族化合物が、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である[1]〜[3]のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(II)中、
Ra1〜Ra4は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の炭化水素基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Rb1〜Rb16は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。]
[式(III)中、
Rc1〜Rc9は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
P1〜P5は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
P1及びP2並びにP4及びP5は、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。]
[式(IV)中、
Rd1〜Rd10は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Re1〜Re4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
nuは、1〜5の整数を表し、nuが2以上のとき、複数のRe1〜Re4は互いに同一又は相異なる。]
[式(V)中、
Rf1及びRf2は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Rg1〜Rg8は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
nvは1又は2を表し、nvが1のとき、P6は1価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、nvが2のとき、P6は2価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基はヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種で置換されていてもよい。
P7は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる水素原子は置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
P6及びP7は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
nvが2のとき、2つのRf1及びRf2並びにRg1〜Rg8は、互いに同一又は相異なる。]
[式(a)及び式(b)中、
Rh1〜Rh5は、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rh1及びRh2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
*は結合手を表す。
Laは、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
Xsは、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Ysは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
[5]式(I)で表される構成単位が、式(I−1)で表される構造単位である[1]〜[4]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[式(I−1)中、
R1、R2、R3、Qa、Qb、z及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
R4は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表す。
X2は、炭素数1〜11の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
[6]式(I)で表される構成単位が、式(I−2)で表される構造単位である[1]〜[5]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[式(I−2)中、
R3及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
R4は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表す。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。]
[7]Za+が、アリールスルホニウムカチオンである[1]〜[6]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[8]樹脂が、さらに酸不安定基を有する樹脂である[1]〜[7]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[9]さらに酸発生剤を含む[1]〜[8]のいずれかのレジスト組成物。
[10]酸発生剤が、さらに式(B1)で表される酸発生剤である[9]に記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Zb+は、有機カチオンを表す。]
[11]樹脂から発生する酸よりも酸性度の弱い塩をさらに含有する[1]〜[10]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[12](1)[1]〜[11]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物は、酸不安定基を有する芳香族化合物(以下「化合物(M)」という場合がある)と、式(I)で表される構成単位を有する樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)とを含む。ここで「酸不安定基」とは、酸と接触すると脱離基が解裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシル基)を形成する基を意味する。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有していることが好ましく、塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)又は溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましく、塩基性化合物(C)及び溶剤(E)の両方を含有することがより好ましい。
本発明のレジスト組成物は、さらに、弱酸分子内塩(以下「弱酸分子内塩(D)」という場合がある)等の酸性度の弱い塩を含有していることが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、酸不安定基を有する芳香族化合物(以下「化合物(M)」という場合がある)を含有する。
[式(a)及び式(b)中、
Rh1〜Rh5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rh1及びRh2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
*は結合手を表す。
Laは、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
Xsは、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Ysは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トシル基、ナフチル基、ビフェニル基、キシリル基、アントラセニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましく、より好ましくはフェニル基又はナフチル基である。
組み合わせることにより形成される基としては、例えばアラルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1、4−ジイル基等が挙げられる。
2価の飽和炭化水素基としては、アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Ra1〜Ra4は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の炭化水素基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Rb1〜Rb16は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。]
[式(III)中、
Rc1〜Rc9は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
P1〜P5は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
P1及びP2並びにP4及びP5は、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。]
Rd1〜Rd10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Re1〜Re4は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
nuは、1〜5の整数を表し、nuが2以上のとき、複数のRe1〜Re4は互いに同一又は相異なる。]
Rf1及びRf2は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
Rg1〜Rg8は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
nvは1又は2を表し、nvが1のとき、P6は1価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、nvが2のとき、P6は2価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基はヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種で置換されていてもよい。
P7は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる水素原子は置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
P6及びP7は、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
nvが2のとき、2つのRf1及びRf2並びにRg1〜Rg8は互いに同一又は相異なる。]
樹脂(A)は、式(I)で表される構成単位(以下「構造単位(I)」という場合がある)を有する。
Qa及びQbは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
zは、0〜6の整数を表し、zが2以上のとき、複数のR1及びR2は互いに同一又は相異なる。
R3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
X1は、炭素数1〜17の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Za+は、有機カチオンを表す。]
R3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
R3のハロゲン原子を有していてもよいアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
X4は、2価の炭素数1〜14の炭化水素基を表す。
X5は、2価の炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
X6は、炭素数1〜13のアルキル基を表す。
X7は、3価の炭素数1〜13の炭化水素基を表す。
X8は、2価の炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
[式(I−1)中、
R1、R2、R3、Qa、Qb、z及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
R4は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表す。
X2は、炭素数1〜11の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜11のアルカンジイル基等が挙げられる。飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わったものは、上記式(X1)〜式(X53)で表される基と同じものが挙げられる。
[式(I−2)中、
R3、R4及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
m及びnは、互いに独立に、1又は2を表す。]
Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
Rb4とRb5とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれる−メチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
Rb9とRb10とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb11とRb12とは、一緒になってそれらが結合する−CH−CO−を含む環を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Lb11は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、Rb9〜Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
なお、芳香族炭化水素基に、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びn−ブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
Rb11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
樹脂(A)は、構造単位(I)以外に、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を含むことが好ましい。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含んでいることが好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)が挙げられる。
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)において、構造単位(a1)に含まれる酸不安定基は、基(1)及び/又は基(2)が好ましい。
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。
naは、0又は1を表す。
*は結合手を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
*は結合手を表す。]
Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
naは、好ましくは0である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
Ra2'及びRa3'が互いに結合して形成する2価の炭化水素基としては、例えば、Ra1'〜Ra3'の炭化水素基から水素原子を1個取り去った基が挙げられる。
Ra1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
La01は、酸素原子又は*−O−(CH2)k01−CO−O−を表し、k01は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra01は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。]
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra02、Ra03及びRa04のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組み合わせた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
Ra02、Ra03及びRa04のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
Ra02、Ra03及びRa04の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。このような基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
Ra02及びRa03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
Ra04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。
Ra6及びRa7のアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成された基としては、アラルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
式(a1−3)中、
Ra9は、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、水素原子又は−COORa13を表す。
Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、又はこれらを組み合わせることにより形成される基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基を表すか、Ra10及びRa11は互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。
Ra13の炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
Ra13の炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロプロピル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基等が挙げられる。
Ra10〜Ra12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
Ra10〜Ra12の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。
Ra10及びRa11が互いに結合して、それらが結合している炭素原子とともに2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra10)(Ra11)(Ra12)としては、下記の基が好ましい。
[式(a1−4)中、
Ra32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は互いに同一であっても異なってもよい。
Ra34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra36は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra35及びRa36は互いに結合してそれらが結合するC−Oとともに炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。]
Ra32及びRa33のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
Ra34及びRa35としては、式(2)のRa1’及びRa2’と同様の基が挙げられる。
Ra36としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
Ra33は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laは、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
Ra34は、好ましくは、水素原子である。
Ra35は、好ましくは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
Ra36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基であり、より好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。Ra36におけるアルキル基及び前記脂環式炭化水素基は無置換が好ましい。Ra36における芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
式(a1−5)中、
Ra8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Za1は、単結合又は*−(CH2)h3−CO−L54−を表し、h3は1〜4の整数を表し、*は、L51との結合手を表す。
L51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。
L51は、酸素原子が好ましい。
L52及びL53は、一方が−O−、他方が−S−であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Za1は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマー(s)は、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を用いることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する式(a2−1)で表される構造単位を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
[式(a2−0)中、
Ra30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一であっても異なってもよい。]
Ra31のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
中でも、式(a2−0−1)又は式(a2−0−2)で表されるものがより好ましい。
構造単位(a2−0)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204634号公報に記載されているモノマーが挙げられる。
式(a2−1)中、
La3は、−O−又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は、1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。構造単位(a3)は1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。構造単位(a3)としては、以下の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)は、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外の構造単位として、その他の構造単位(t)を含んでいてもよい。構造単位(t)としては、構造単位(a2)及び構造単位(a3)以外にハロゲン原子を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(a4)」という。)及び非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)などが挙げられる。
構造単位(a4)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基であることが好ましい。構造単位(a5)としては、以下の式(a5−1−1)〜式(a5−1−18)で表される構造単位が挙げられる。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)の少なくとも一種、より好ましくは構造単位(a1−1)である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)の少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−1)で表される構造単位である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)で表される構造単位及び式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)で表される構造単位の少なくとも一種である。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。このような樹脂としては、例えば、構造単位(s)のみからなる樹脂が挙げられる。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは3〜50質量部であり、さらに好ましくは5〜40質量部であり、特に好ましくは7〜30質量部である。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤を含有することが好ましい。酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本発明のレジスト組成物の酸発生剤(B)においては、いずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Zb+は、有機カチオンを表す。]
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
溶剤(E)の含有率は、通常、レジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
塩基性化合物(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い塩が挙げられる。塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜5質量%程度であることが好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
樹脂(A)から発生する酸よりも酸性度の弱い塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。樹脂(A)から発生する酸よりも酸性度の弱い塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
樹脂(A)から発生ずる酸よりも酸性度の弱い塩としては、下記式で表される塩、式(D)で表される弱酸分子内塩、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。好ましくは、式(D)で表される弱酸分内塩である。
弱酸分子内塩(D)は式(D)で表される化合物である。
[式(D)中、
RD1及びRD2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m’が2以上の場合、複数のRD1は同一又は相異なり、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一又は相異なる。]
1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、アントリル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
これらを組み合わせることにより形成される基としては、アルキル−シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等)等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、上記アシル基にオキシ基(−O−)が結合した基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基にカルボニル基(−CO−)が結合した基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0〜2の整数が好ましく、0がより好ましい。m’が2以上の場合、複数のRD1は同一又は相異なり、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一又は相異なる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)及び化合物(M)、並びに、必要に応じて用いられる樹脂(A)以外の樹脂、酸発生剤、溶剤(E)、塩基性化合物(C)、弱酸分子内塩(D)等の酸性度の弱い塩及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特に電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
樹脂(A)の合成に使用した化合物を下記に示す。
以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマーB」などという。
モノマーGを特開2007−197718号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーC1.75部及びメチルエチルケトン8.46部を仕込み、75℃まで昇温した。そこへモノマーC5.25部、モノマーD2.40部、モノマーB1.13部、モノマーF4.01部、モノマーE5.19部、モノマーG5.64部〔モル比;モノマーC:モノマーD:モノマーB:モノマーF:モノマーE:モノマーG=28:15:5:15:32:5〕、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.19部及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.85部をメチルエチルケトン22.6部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にイソプロピルアルコール234部と水59部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し、メタノールで2回洗浄し、減圧乾燥することで重量平均分子量6.0×103の樹脂を11.5部得た。この樹脂を樹脂A1とする。この樹脂A1は、以下の構造単位を有する。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーC2.00部及びメチルエチルケトン9.92部を仕込み、75℃まで昇温した。そこへモノマーC6.00部、モノマーD2.75部、モノマーB1.29部、モノマーF4.58部、モノマーE5.93部、モノマーJ(セントラル硝子(株)製)6.59部〔モル比;モノマーC:モノマーD:モノマーB:モノマーF:モノマーE:モノマーJ=28:15:5:15:32:5〕、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.21部及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.97部をメチルエチルケトン27.0部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にイソプロピルアルコール272部と水68部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し、メタノールで2回洗浄し、減圧乾燥することで重量平均分子量5.1×103の樹脂を9.71部得た。この樹脂を樹脂A2とする。この樹脂A2は、以下の構造単位を有する。
以下の表1の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。なお、化合物(M)、樹脂(A)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)としては、下記のものを用いた。
M1:特開2011−170111号公報記載の方法で合成
M2:特開2011−170111号公報記載の方法で合成
M3:特開2011−170111号公報記載の方法で合成
B1:式(B1−25)で表される塩;特開2011−126869号公報記載の方法で合成
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
C2:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
γ−ブチロラクトン 5部
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した上で、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2のPB欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、電子線描画機〔HL−800D 50keV;(株)日立製作所製〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。露光後は、ホットプレート上にて表2のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した上で、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.05μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表3のPB欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、EUV露光機を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。露光後は、ホットプレート上にて表3のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
これらの結果を表3に示す。
Claims (10)
- 酸不安定基を有する芳香族化合物と、
式(I)で表される構成単位を有する樹脂とを含むレジスト組成物であって、
前記芳香族化合物が、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種であるレジスト組成物。
[式(II)中、
R a1 〜R a4 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の炭化水素基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
R b1 〜R b16 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。]
[式(III)中、
R c1 〜R c9 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
P 1 〜P 5 は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
P 1 及びP 2 並びにP 4 及びP 5 は、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。]
[式(IV)中、
R d1 〜R d10 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
R e1 〜R e4 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
n u は、1〜5の整数を表し、n u が2以上のとき、複数のR e1 〜R e4 は互いに同一又は相異なる。]
[式(V)中、
R f1 及びR f2 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
R g1 〜R g8 は、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、若しくは式(a)又は式(b)で表される基を表す。
n v は1又は2を表し、n v が1のとき、P 6 は1価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、n v が2のとき、P 6 は2価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種で置換されていてもよい。
P 7 は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる水素原子は置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
P 6 及びP 7 は、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
n v が2のとき、2つのR f1 及びR f2 並びにR g1 〜R g8 は、互いに同一又は相異なる。]
[式(a)及び式(b)中、
R h1 〜R h5 は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R h1 及びR h2 が互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
*は、結合手を表す。
L a は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
X s は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Y s は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
[式(I)中、
Qa及びQbは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
zは、0〜6の整数を表し、zが2以上のとき、複数のR1及びR2は互いに同一又は相異なる。
R3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
X1は、炭素数1〜17の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Za+は、有機カチオンを表す。] - 前記芳香族化合物は、分子量が300以上2000以下である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 式(I)で表される構成単位が、式(I−1)で表される構成単位である請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
[式(I−1)中、
R1、R2、R3、Qa、Qb、z及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
R4は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表す。
X2は、炭素数1〜11の2価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。] - 式(I)で表される構成単位が、式(I−2)で表される構成単位である請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
[式(I−2)中、
R3及びZa+は、上記と同じ意味を表す。
R4は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を表す。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。] - Za+が、アリールスルホニウムカチオンである請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 樹脂が、酸不安定基をさらに有する樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物。
- さらに酸発生剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 酸発生剤が、式(B1)で表される酸発生剤である請求項7に記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Zb+は、有機カチオンを表す。] - 樹脂から発生する酸よりも酸性度の弱い塩をさらに含有する請求項1〜8のいずれかに記載のレジスト組成物。
- (1)請求項1〜9のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
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