以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る通信システムについて説明する。また、以下の説明では、同一の部材には同一の参照符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
また、以下では、移動局に対する無線リソースの割り当てを基地局がサブフレーム毎に行なうスケジューリング方式として、ダイナミックスケジューリングを例に挙げて説明する。また、移動局に対する無線リソースの割り当てが一定周期で連続する複数のサブフレームで同一となるように、割り当てを基地局が当該複数のサブフレームに対して一括して行なうスケジューリング方式として、SPSを例に挙げて説明する。
なお、以下では、移動局をUE(User Equipment)と称し、基地局をBS(Base Station)と称する。また、以下では、複数のUEのうち、1つのUEに着目して説明する。ただし、当該1つのUEで行われる処理と同様の処理が当該UE以外のUEにおいても、実行される。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態における通信システム(以下、「通信システム1」と称する)を構成するUEの処理の概要を説明するための図である。詳しくは、図1は、SPSを利用して通信している際のサブフレームを表した図である。
図1を参照して、BS(以下、「BS20」と称する)は、複数のサブフレームSα(1),SX(1_1),SX(1_2),…を送信する。各サブフレームの周波数帯域は、下限が周波数f1であり、上限が周波数f2であるとする。また、当該周波数帯域の帯域幅は、W1(W1=f2−f1)であるとする。
サブフレームSα(1),Sα(2),Sα(3),…,Sα(k),…には、少なくとも、複数のUE10のうちの1つのUE10(以下、「UE10(α)」と称する)宛の制御信号およびデータが含まれている。サブフレームSα(1),Sα(2),Sα(3),…,Sα(k),…は、一定の周期Tc毎にBS20から送信される。なお、kは、自然数である。また、以下では、複数のUE10のうちの任意のUEを示すときは、単に、「UE10」と記載する。
他のサブフレームSX(1_1),SX(1_2),…,SX(1_n),SX(2_1),SX(2_2),…,SX(2_n),SX(3_1),…には、UE10(α)以外のUE(たとえば、UE(β),UE(γ),…)宛の制御信号およびデータが含まれており、UE10(α)宛の制御信号およびデータは含まれていない。なお、nは、自然数である。
サブフレームにおけるリソースを表す制御領域800は、UE10に対する制御信号がマッピングされる領域である。つまり、制御領域800には、少なくともPDCCH等の下り制御チャンネルが割り当てられている。サブフレームSα(1),Sα(2),Sα(3),…,Sα(k),…における制御領域800には、少なくともUE10(α)用の制御信号がマッピングされる。なお、サブフレームSX(1_1)等の他のサブフレームには、UE10(α)用の制御信号はマッピングされない。
サブフレームにおけるリソースを表すデータ領域900は、UE宛のデータがマッピングされる領域である。詳しくは、データ領域900は、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられる領域である。サブフレームSα(1),Sα(2),Sα(3),…,Sα(k),…におけるデータ領域900には、少なくともUE10(α)用のデータがマッピングされる。なお、サブフレームSX(1_1)等の他のサブフレームには、UE10(α)用のデータはマッピングされない。
SPS通信では、周波数f11から周波数f12までの周波数帯域に、UE10(α)用のデータD1,D2,D3,…,Dk,…がマッピングされる。なお、データD3,Dk以外のデータD1等は図示していない。また、f1<f11<f12<f2である。さらに、以下では、UE10(α)用のデータD1,D2,D3,…,Dk,…がマッピングされる周波数帯域の帯域幅は、W2(W2=f12−f11)であるとする。
図1においては、帯域幅W1における中心の周波数をfcとして表している。つまり、fc=(f1+f2)/2となる。また、図1においては、帯域幅W2における中心の周波数をfc’として表している。つまり、fc’=(f11+f12)/2となる。
SPS通信が行われる場合には、通信システム1においては、UE10(α)は、周波数f11から周波数f12の間の周波数帯(帯域幅W2の周波数帯域)にマッピングされた情報(データ等)を復調し、周波数f1から周波数f11の間の周波数帯および周波数f12から周波数f2の間の周波数帯にマッピングされた情報(データ、制御信号等)を復調しない。つまり、UE10(α)は、UE10(α)に対して割り当てられた周波数帯域のみに含まれる情報を復調し、それ以外の周波数帯域に含まれる情報を復調しない。
上記の構成によれば、UE10(α)は、帯域幅W1よりも狭い帯域幅W2の周波数帯域に含まれる情報のみを復調すればよい。したがって、UE10(α)は、帯域幅W1の周波数帯域に含まれる情報を復調する構成に比べて、消費電力を低減することが可能となる。
なお、以下では、上記のように、復調する帯域幅を通常よりも狭めた帯域幅の周波数帯域を「狭帯域」とも称する。また、狭める前の帯域幅の周波数帯域を「帯域全体」とも称する。つまり、図1の例では、周波数f11〜f12の周波数帯域が「狭帯域」に該当し、周波数f1〜f2の周波数帯域が「帯域全体」に該当する。さらに、復調する帯域幅を通常よりも狭めた際の復調処理(つまり、狭帯域のみの復調処理)を、「狭帯域復調処理」とも称する。
図2は、UE10の構成を説明するためのブロック図である。図2を参照して、UE10は、アンテナ101と、RF(Radio Frequency) Filter102と、乗算器103と、B.B.(Base Band)回路104と、判定部105と、補正部106と、A/D(analog/Digital)変換器107と、FFT(Fast Fourier Transform)処理部108と、CPU(Central Processing Unit)109と、ROM(Read Only Memory)110と、RAM(Random Access Memory)111と、フラッシュメモリ112と、タッチスクリーン113と、電源114とを備える。
判定部105は、中心周波数判定部151と、復調処理帯域幅判定部152とを備える。補正部106は、中心周波数補正部161と、復調処理帯域幅補正部162とを備える。タッチスクリーン113は、タッチパネル131と、ディスプレイ132とを備える。
BS20から送信された無線信号は、UE10のアンテナ101で受信される。受信された信号は、RF Filter102によって、ベースバンド信号に復調される。フィルタ処理がなされた信号は、乗算器103およびB.B.回路104を介して、判定部105に送られる。なお、UE10からデータを基地局20に送信する際には、乗算器103に搬送波が入力される。
中心周波数判定部151は、スケジューリングされたデータが割り当てられた周波数帯における中心周波数(図1の場合は周波数fc’)を判定する。中心周波数判定部151は、判定された中心周波数を表す情報を、中心周波数補正部161に送る。
中心周波数補正部161は、復調する周波数帯域の中心周波数が中心周波数判定部151で判定された周波数となるように、中心周波数を補正する。図1のUE10(α)の例では、中心周波数補正部161は、中心周波数を、周波数fcから周波数fc’に補正する。
復調処理帯域幅判定部152は、復調処理を行なう帯域幅(図1の場合は、帯域幅W2)を判定する。復調処理帯域幅判定部152は、判定された帯域幅を表す情報を、復調処理帯域幅補正部162に送る。
復調処理帯域幅補正部162は、復調処理帯域幅を、復調処理帯域幅判定部152で判定された帯域幅となるように、復調処理帯域幅を補正する。図1のUE10(α)の例では、復調処理帯域幅補正部162は、復調処理帯域幅を、帯域幅W1から帯域幅W2に補正する。
UE10では、補正部106によって補正された中心周波数および復調処理帯域幅に基づいて、復調処理が行われる。すなわち、補正部106は、補正後の復調処理帯域幅の中心周波数が補正後の中心周波数となるように、復調する周波数帯域を決定する。図1のUE10(α)の例では、補正部106は、補正後の復調処理帯域幅(つまり、帯域幅W2)の中心周波数が補正後の中心周波数fc’となるように、復調する周波数帯域f11〜f12を決定する。
補正部106は、決定された周波数帯域に含まれる情報をA/D変換器107に送る。A/D変換器107は、受け付けた情報(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、FFT処理部108に送る。FFT処理部108は、当該デジタル信号に対して高速フーリエ変換を行ない、変換後の情報をCPU109に送る。
CPU109は、FFT処理部108から受信した情報に基づいて、各種の処理を実行する。たとえば、CPU109は、VoIPによる音声をスピーカ(図示せず)から出力させる。
ROM110は、データを不揮発的に格納する。RAM111は、データを揮発的に格納する。フラッシュメモリ112には、オペレーティングシステム、アプリケーション、データ等が格納されている。タッチパネル131は、ユーザからの入力を受け付ける。ディスプレイ132は、CPU109の指示に基づき各種の情報を表示する。電源114は、UE10の各部に電力を供給する。
なお、後述する実施の形態2〜5の通信システムにおけるUEの構成は、図2に示したUEの構成と同じである。
図3は、UE10における処理の流れを説明するためのフローチャートである。図3を参照して、ステップS2において、UE10は、BS20からrrcConnectiongReconfigurationを受信する。ステップS4において、UE10は、受信したrrcConnectiongReconfiguration内に、SPS configurationが含まれているか否かを判断する。
SPS configurationが含まれていると判断された場合(ステップS4においてYES)、UE10は、ステップS6において、SPS configurationに基づいて、SPSで通信する際に、割り当てられた帯域のみで復調処理するか否かを判断する。SPS configurationが含まれていないと判断された場合(ステップS4においてNO)、UE10は、ステップS30において、Dynamic schedulingで通信を行なう。
割り当てられた帯域のみで復調処理しないと判断された場合(ステップS6においてNO)、UE10は、ステップS24において、Dynamic schedulingで通信を開始する。ステップS26において、UE10は、受信したサブフレームの制御領域800(詳しくは、PDCCH)に、SPS activation commandが有るか否かを判断する。SPS activation commandが有ると判断された場合(ステップS26においてYES)、UE10は、ステップS28において、Dynamic schedulingによる通信を止めて、SPSで通信を開始する。SPS activation commandが無いと判断された場合(ステップS26においてNO)、UE10は、処理をステップS24に戻す。
割り当てられた帯域のみで復調処理すると判断された場合(ステップS6においてYES)、UE10は、ステップS8において、Dynamic schedulingで通信を開始する。ステップS10において、UE10は、受信したPDCCHに、SPS activation commandが有るか否かを判断する。SPS activation commandが有ると判断された場合(ステップS10においてYES)、UE10は、ステップS12において、Dynamic schedulingによる通信を止めて、SPSで通信を開始する。SPS activation commandが無いと判断された場合(ステップS10においてNO)、UE10は、処理をステップS8に戻す。
ステップS14において、UE10は、自端末に割り当てられた周波数帯域を検出する。ステップS16において、UE10は、割り当てられた周波数帯域の中心周波数を判定する。図1のUE10(α)の例では、UE10(α)は、周波数fc’が中心周波数であると判定する。
ステップS18において、UE10は、自端末に割り当てられた帯域の帯域幅を判定する。図1のUE10(α)の例では、UE10(α)は、割り当てられた帯域幅がW2であると判定する。ステップS20において、UE10は、復調処理の中心周波数および復調処理の帯域幅を補正する。図1のUE10(α)の例では、UE10(α)は、復調処理の中心周波数をfcからfc’に補正し、復調処理の帯域幅をW1からW2に補正する。ステップS22において、UE10は、補正後の中心周波数および補正後の帯域幅で、BS20とのSPS通信を開始する。
図4は、通信システム1におけるUE10とBS20との間で行われる通信を説明するためのシーケンスチャートである。図4を参照して、シーケンスSQ2において、BS20は、UE10に対して、SPS configurationが含まれているrrcConnectiongReconfigurationを送信する。シーケンスSQ4において、UE10は、受信したSPS configurationに基づき、SPSの設定を行なう。UE10は、SPSの設定が終了すると、シーケンスSQ6において、SPSの設定が完了したことを表す、rrcConnectiongReconfiguration completeをBS20に送信する。
シーケンスSQ8において、UE10は、SPS configurationが割り当てられた帯域のみで復調処理することを規定している場合、SPSで通信する際に、割り当てられた帯域のみで復調処理することを設定する(図3のステップS6におけるYESの場合に対応)。
シーケンスSQ10において、UE10は、Dynamic schedulingで通信を開始する。シーケンスSQ12において、BS20は、SPS activation commandを含めてPDCCHをUE10宛に送信することにより、UE10においてSPSを有効(アクティベート)にする。シーケンスSQ14において、UE10とBS20とは、SPSで通信を開始する。
シーケンスSQ16において、UE10は、自端末に割り当てられた周波数帯域を検出する。シーケンスSQ18において、UE10は、割り当てられた周波数帯域の中心周波数を判定する。シーケンスSQ20において、UE10は、自端末に割り当てられた帯域の帯域幅を判定する。シーケンスSQ22において、UE10は、復調処理の中心周波数および復調処理の帯域幅を補正する。シーケンスSQ24において、UE10は、補正後の中心周波数および補正後の帯域幅で、BS20とのSPS通信を開始する。
以上のように、通信システム1は、Dynamic schedulingとSPSとを利用してUE10とBS20とが通信する。Dynamic schedulingは、UE10に対する無線リソースの割り当てをBS20がサブフレーム毎に行なうものである。SPSは、UE10に対する無線リソースの割り当てが一定周期で連続する複数のサブフレームで同一となるように、当該割り当てをBS20が当該複数のサブフレームに対して一括して行なうものである。
当該通信システム1において、BS20は、Dynamic schedulingでUE10と通信を行なっている際に、UE10に対してSPSを有効とするためのSPS activation command(第1のコマンド)を送信する。UE10は、当該SPS activation command(第1のコマンド)を受信すると、SPSでBS20と通信を開始するとともに、一括して割り当てられた無線リソースが含まれる第1の周波数帯域(f11〜f12)のデータを復調し、第1の周波数帯域以外の第2の周波数帯域(f1〜f11およびf12〜f2)のデータを復調しない。
したがって、通信システム1によれば、UE10は、第1の周波数帯域に含まれる情報のみを復調すればよい。したがって、UE10は、第1および第2の周波数帯域に含まれる情報を復調する構成に比べて、消費電力を低減することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1に係る通信システム1では、データ領域900だけではなく制御領域800においても復調する周波数帯域も狭まる。たとえば、図1においては、周波数f1〜f2の間における周波数f11〜f12以外の周波数帯域(すなわち、周波数f1〜f11,f12〜f2)の制御領域800に制御信号がマッピングされていた場合、UE10は、当該制御信号をマッピングすることはできない。
それゆえ、BS20からUE10に対してSPS deactivation commandが送信されても、UE10はSPS deactivation commandを検出できない状況が発生する。この場合、UE10が実施の形態1で説明した帯域補正を行なった後にSPS通信を開始すると、通信システム1ではSPS通信を終了することができなくなる。
そこで、本実施の形態では、SPSで通信する際に、割り当てられた帯域のみで復調処理する期間をタイマで設定し、設定された期間が満了した後は、UE10がSPS deactivation commandを検出できるようにする。これにより、通信システムにおいて、SPS通信の終了を可能にする。
以下、上記のような処理を行なう通信システム(以下、「通信システム1A」と称する)の処理の詳細について、説明する。また、実施の形態1におけるUE10と区別するために、本実施の形態におけるUEを「UE10A」と称する。同様に、本実施の形態におけるBSを「BS20A」と称する。
図5は、UE10Aにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。図5を参照して、UE10Aは、図3に示したUE10における各処理(ステップS2〜S30)と、ステップS102,S104,S106,S108,S110,S112,S114の各処理とを実行する。このように、UE10Aは、ステップS102〜S114の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しないUE10と異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
UE10Aは、ステップS6とステップS8との間に、ステップS102の処理を行なう。また、UE10Aは、ステップS12とステップS14との間に、ステップS104の処理を行なう。UE10Aは、ステップS22の後に、ステップS106〜S114の処理を行なう。そこで、以下では、これらのステップS102〜S114の処理について説明する。
ステップS102において、UE10Aは、割り当てられた帯域のみで復調処理を行なう時間を設定するためにタイマの設定を行なう。典型的には、UE10Aにおいては、設定する時間の情報を予め記憶している。あるいは、UE10Aは、当該時間の情報をBS20Aから受信してもよい。
ステップS104において、UE10Aは、タイマを作動させる。補正後の中心周波数および帯域幅でSPS通信を開始した後(ステップS22の後)、ステップS106において、UE10Aは、タイマが満了したか否かを判断する。すなわち、UE10Aは、ステップS104においてタイマを作動させてから予め定められた時間が経過したか否かを判断する。
タイマが満了されたと判断された場合(ステップS106においてYES)、UE10Aは、PDCCHをモニタして(ステップS108)、受信したPDCCHにSPS deactivation commandが存在するか否かを判断する(ステップS110)。タイマが満了していないと判断された場合(ステップS106においてNO)、UD10Aは、処理をステップS106に戻す。
PDCCHにSPS deactivation commandが存在すると判断された場合(ステップS110においてYES)、UE10Aは、ステップS112において、SPS通信を停止し、Dynamic schedulingで通信を開始する。PDCCHにSPS deactivation commandが存在しないと判断された場合(ステップS110においてNO)、UE10Aは、ステップS114において、ステップS102と同様に、割り当てられた帯域のみで復調処理を行なう時間を設定するためにタイマの設定を行なう。
上記の構成によれば、BS20AからUE10Aに対してSPS deactivation commandが送信された場合、UE10AはSPS deactivation commandを検出できる。つまり、UE10が実施の形態1で説明した帯域補正を行なった後にSPS通信を開始した後であっても、通信システム1AではSPS通信を終了することができるようになる。
図6は、通信システム1AにおけるUE10AとBS20Aとの間で行われる通信を説明するためのシーケンスチャートである。図6を参照して、通信システム1Aは、図4に示したUE10における各処理(シーケンスSQ2〜SQ24)と、シーケンスSQ102,SQ104,SQ106,SQ108,SQ110の各処理とを実行する。このように、通信システム1Aは、シーケンスSQ102〜SQ110の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しない通信システム1とは異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
通信システム1Aは、シーケンスSQ8とシーケンスSQ10との間に、シーケンスSQ102の処理を行なう。また、通信システム1Aは、シーケンスSQ24の後に、シーケンスSQ104〜SQ110の処理を行なう。そこで、以下では、これらのシーケンスSQ102〜SQ110の処理について説明する。
シーケンスSQ102において、UE10Aは、割り当てられた帯域のみで復調処理を行なう時間を設定するためにタイマの設定を行なう(図5のステップS102に対応)。UE10Aは、設定したタイマが満了したことを検出すると(シーケンスSQ104)、通常のSPS通信を開始する(シーケンスSQ106)。すなわち、UE10Aは、狭帯域復調処理を止めて、通常の復調処理を実行する。図1の例を用いて説明すると、UE10Aは、周波数f11〜f12に含まれる情報のみならず、周波数f1〜f2に含まれる情報を復調する処理を開始する。
シーケンスSQ108において、BS20Aは、SPS deactivation commandを含めてPDCCHをUE10A宛に送信することにより、UE10AにおいてSPSを無効(ディアクティベート)にする。これにより、UE10AとBS20Aとは、Dynamic schedulingで通信を開始する(シーケンスSQ110)。
以上のように、UE10Aは、SPSで通信を開始してから予め定められた時間が経過すると、第1の周波数帯域(f11〜f12)と第2の周波数帯域(f1〜f11およびf12〜f2)とに含まれるデータを復調する。UE10Aは、当該復調されたデータに、SPSを無効とするためのSPS deactivation command(第2のコマンド)が含まれているか否かを判断する。
上記の構成によれば、予め定められた時間(設定された期間)が満了した後は、UE10がSPS deactivation command(第2のコマンド)を検出できるようにする。これにより、通信システム1Aでは、SPS通信を終了させることが可能になる。
<変形例>
(第1の変形例)
図5において、ステップS106で肯定的な判断がされた場合(ステップS106においてYES)、SPSによる通信を終了して、Dynamic schedulingによる通信を開始してもよい。
(第2の変形例)
UE10Aがタイマを設定した場合にBS20Aに対して当該設定した時間を通知するとともに、SPSで通信する際に、割り当てられた帯域のみで復調処理している間は、BS20AがUE10Aに対してSPS deactivation commandおよびDynamic scheduling commandを送信しないように、通信システム1Aを構成してもよい。なお、制御信号の一つであるDynamic scheduling commandは、SPS deactivation commandと同様、受信したサブフレームの制御領域800(詳しくは、PDCCH)にマッピングされる(図1参照)。以下、この構成を採った場合の通信システム1Aにおける通信処理の詳細を説明する。
図7は、通信システム1AにおけるUE10AとBS20Aとの間で行われる他の通信(変形例での通信)を説明するためのシーケンスチャートである。以下では、図7のシーケンスチャートに関し、図6のシーケンスチャートとの相違点について説明する。図7のシーケンスチャートは、シーケンスSQ102とシーケンスSQ10との間に、シーケンスSQ202、SQ204,SQ206を備えている点において、図6のシーケンスチャートと相違する。図7におけるその他の処理は、図6の処理と同じであるため、ここでは、繰り返し説明しない。
シーケンスSQ202において、UE10Aは、タイマで設定した時間をBS20Aに通知する。シーケンスSQ204において、BS20Aは、SPSで通信する際に、割り当てられた帯域のみで復調処理している間は、SPS deactivation commandおよびDynamic scheduling commandをUE10Aに送信しないように設定する。当該設定が行われた後、BS20Aは、シーケンスSQ206において、上記通知に対する受信応答をUE10Aに送信する。
なお、上記の図6および図7では、タイマにより復調処理する期間を設定したが、これに限定されるものではない。時間を設定する代わりに、サブフレーム数を設定してもよい。
[実施の形態3]
実施の形態2の通信システム1Aでは、タイマによって設定された時間が経過する前にBS20AからUE10AにSPS deactivation commandが送信されても、UE10Aは、SPS deactivation commandを検出できない。それゆえ、BS20Aは、SPS deactivation commandの再送を繰り返すことになる。また、実施の形態1の通信システム1および実施の形態2の通信システム1Aでは、帯域を補正して復調している間(狭帯域復調処理を行なっている間)に、BS20,20AからUE10,10Aへ送信されたDynamic scheduling commandを、UE10,10Aは検出できない。
そこで、本実施の形態では、BSとUEとの間でDynamic scheduling commandおよびSPS deactivation commandの送信タイミングを予め決めておく。さらに、UEは、これらのcommandが送られてくるサブフレームについては帯域全体を復調する。これによって、UEが、Dynamic scheduling commandおよびSPS deactivation commandを検出可能にする。具体的に説明すると、以下のとおりである。
SPSで通信する際においては、nサブフレームごとに自局宛のデータがBSから送信され、n×mサブフレームごとに自局宛の制御信号がBSから送信される。なお、mは、自然数である。SPSで通信する際において、割り当てられた周波数帯域(狭帯域)のみでUEが復調処理する設定となっている場合、UEは、以下の処理を行なう。すなわち、UEは、自局宛の制御信号が含まれるn×mサブフレーム目については、制御信号を復調できるように、割り当てられた帯域のみではなく、帯域全体を復調する。たとえば、図1の例を用いて説明すると、UEは、自局宛の制御信号が含まれるn×mサブフレーム目については、周波数f11〜f12に含まれる情報のみならず、周波数f1〜f2に含まれる情報を復調する処理を行なう。
以下、上記のような処理を行なう通信システム(以下、「通信システム1B」と称する)の処理の詳細について、説明する。また、実施の形態1,2におけるUE10,10Aと区別するために、本実施の形態におけるUEを「UE10B」と称する。同様に、本実施の形態におけるBSを「BS20B」と称する。
図8は、UE10Bにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。図8を参照して、UE10Bは、図3に示したUE10における各処理(ステップS2〜S20,S24〜S30)と、ステップS22Aの処理と、ステップS302,S304,S306,S308,S310,S312の各処理とを実行する。UE10Bは、ステップS22の代わりにステップS22Aの処理を実行するとともに、ステップS302〜S312の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しないUE10とは異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
UE10Bは、ステップS6とステップS8との間に、ステップS302,S304、S306の処理を行なう。また、UE10Bは、ステップS20の後に、ステップS22の代わりにステップS22Aの処理を実行する。さらに、UE10Bは、ステップS22Aの後に、ステップS308,S310,S312の処理を行なう。そこで、以下では、これらのステップS102〜S114の処理について説明する。
ステップS302において、UE10Bは、制御信号の送信タイミングを表した送信タイミング通知を、BS20Bから受信する。ステップS304において、UE10Bは、BS20BからUE10Bへ制御信号が送信されるタイミングでは周波数帯域全体を復調するように、自端末を設定する。ステップS306において、UE10Bは、制御信号の送信タイミング通知を受信したことを表す応答(送信タイミング通知への応答)を、BS20Bに送信する。
ステップS22Aにおいては、UE10Bは、補正後の中心周波数および補正後の帯域幅で通信を開始する。この際、BS20BからUE10Bへ制御信号が送信されるタイミングでは、一時的に帯域全体を復調する。たとえば、図1の例では、UE10Bは、一時的に、周波数f1〜f2の周波数帯域に含まれる情報を復調する。
ステップS308において、UE10Bは、帯域全体の復調によってDynamic scheduling commandを検出すると、スケジューリングされたデータを復調する。ステップS310において、受信したサブフレームに、SPS deactivation commandが有るか否かを判断する。
SPS deactivation commandが有ると判断された場合(ステップS310においてYES)、UE10Bは、ステップS312において、Dynamic schedulingで通信を開始する。SPS deactivation commandがないと判断された場合(ステップS310においてNO)、UE10Bは、処理をステップS308に進める。
図9は、通信システム1BにおけるUE10BとBS20Bとの間で行われる通信を説明するためのシーケンスチャートである。図9を参照して、通信システム1Bは、図4に示したUE10における各処理(シーケンスSQ2〜SQ24)と、シーケンスSQ302,SQ304,SQ306,SQ308,SQ310,SQ312,SQ314の各処理とを実行する。このように、通信システム1Bは、シーケンスSQ302〜SQ314の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しない通信システム1とは異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
通信システム1Bは、シーケンスSQ8とシーケンスSQ10との間に、シーケンスSQ302,SQ304,SQ306の処理を行なう。また、通信システム1Bは、シーケンスSQ24の後に、シーケンスSQ308〜SQ314の処理を行なう。そこで、以下では、これらのシーケンスSQ302〜SQ314の処理について説明する。
シーケンスSQ302において、BS20Bは,制御信号の送信タイミングをUE10Bに通知する(図8のステップS302に対応)。シーケンスSQ304において、UE10Bは、BS20BからUE10Bへ制御信号が送信されるタイミングでは帯域全体を復調するように設定する(図8のステップS304に対応)。シーケンスSQ306において、UE10Bは、上記送信タイミング通知への応答通知をBS20Bに送信する(図8のステップS306に対応)。
シーケンスSQ308において、制御信号の送信タイミング毎に帯域全体を復調することにより、当該制御信号を復調する(図8のステップS22Aに対応)。シーケンスSQ310において、UE10Bは、当該復調によってDynamic scheduling commandを検出すると、スケジューリングされたデータを復調する(図8のステップS308に対応)。
シーケンスSQ310について詳しく説明すると、以下のとおりである。UE20Bは、制御信号の送信タイミングで制御信号を復調する。UE20Bは、当該復調によってDynamic scheduling commandを検出した場合、Dynamic schedulingでスケジューリングされたデータの復調が終わるまで帯域全体で復調する処理を維持する。UE10Bは、Dynamic schedulingでスケジューリングされたデータの復調が終了すると、補正した帯域幅での通信に切り替える。あるいは、UE10Bは、次の制御信号の送信タイミングまで帯域全体での復調を維持し、当該次の制御信号の送信タイミングの際にDynamic scheduling commandおよびSPS deactivation commandがなかった場合に上記補正した帯域幅での通信に切り替える。
シーケンスSQ312において、BS20Bは、SPS deactivation commandを含めてPDCCHをUE10B宛に送信することにより、UE10BにおいてSPSを無効にする。これにより、UE10BとBS20Bとは、Dynamic schedulingで通信を開始する(シーケンスSQ314)。
以上のように、通信システム1Bにおいては、UE10Bに対してSPS deactivation command(第2のコマンド)を送信するタイミングと、UE10Bに対してDynamic schedulingを実行するためのDynamic scheduling command(第3のコマンド)を送信するタイミングとが、UE10BとBS20Bとの間で予め取り決められている。上記の構成によれば、UE10Bは、Dynamic scheduling commandおよびSPS deactivation commandを検出可能となる。
<変形例>
(第1の変形例)
図8のステップS302においては、UE10Bが制御信号送信タイミング通知をBS20Bに送信し、BS20Bが当該通知の応答をUE10Bに送信したが、これに限定されるものではない。たとえば、UE10BからBS20Bに対して送信タイミングを設定するための要求(以下、「設定要求」とも称する)を出してもよい。以下、設定要求をUE10BからBS20Bに送信する通信システム1Bにおける処理の流れについて、図10に基づいて説明する。
図10は、通信システム1BにおけるUE10BとBS20Bとの間で行われる他の通信を説明するためのシーケンスチャートである。図10を参照して、通信システム1Bでは、図9で示したシーケンスSQ302,SQ304,SQ306の代わりに、シーケンスSQ402,SQ404,SQ406,SQ408の処理が実行される。図10におけるその他の処理は、図9を同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
シーケンスSQ402において、UE10Bは、制御信号の送信タイミングの設定要求をBS20Bに送信する。シーケンスSQ404において、BS20Bは、受信した設定要求に基づき、制御信号の送信タイミングを設定する。シーケンスSQ406において、BS20Bは、送信タイミングを設定したことを表す応答(送信タイミング設定応答)をUE10に送信する。シーケンスSQ408において、UE10Bは、BS20BからUE10Bへ制御信号が送信されるタイミングでは帯域全体を復調するように設定する。
(第2の変形例)
また、UE10BからBS20Bに対して送信タイミングを設定するための要求(設定要求)を送信する代わりに、以下のように通信システム1Bを構成してもよい。すなわち、オペレータ(電気通信事業者(通信キャリア))毎等、制御信号の送信タイミングを予め固定の値で決めておき、SPS通信時に割り当てられた帯域のみで復調処理を行なうときの制御信号の送信タイミング通知が不要となるようにしてもよい。以下、このような構成を有する通信システム1Bにおける処理の流れについて、図11に基づいて説明する。
図11は、通信システム1BにおけるUE10BとBS20Bとの間で行われるさらに他の通信を説明するためのシーケンスチャートである。図11を参照して、通信システム1Bでは、図9で示したシーケンスSQ302,SQ306の処理を実行する必要がない。すなわち、通信システム1Bでは、シーケンスSQ8の処理の後にシーケンスSQ304の処理を実行し、当該処理の後にシーケンスSQ10の処理を実行する。図11におけるその他の処理は、図9を同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
[実施の形態4]
実施の形態1に係る通信システム1では、データ領域900だけではなく制御領域800においても復調する周波数帯域も狭まる。それゆえ、BS20からUE10に対してDynamic scheduling commandが送信されても、UE10はDynamic scheduling commandを検出できない状況が発生する。それゆえ、BS20は、Dynamic scheduling commandの再送を繰り返すことになる。
そこで、本実施の形態では、rrcreconfigurationに、SPS通信時のDyanmic schedulingのオンおよびオフを設定できるパラメータを追加する。そして、SPS通信時にDyanmic schedulingをオフすることによって、Dynamic scheduling commandを検出できないことによるDynamic scheduling commandの再送を防ぐ。なお、SPS通信時はDynamic schedulingを行わないように、オペレータが予め設定しておいてもよい。
以下、上記のような処理を行なう通信システム(以下、「通信システム1C」と称する)の処理の詳細について、説明する。また、実施の形態1におけるUE10と区別するために、本実施の形態におけるUEを「UE10C」と称する。同様に、本実施の形態におけるBSを「BS20C」と称する。
図12は、UE10Cにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。図12を参照して、UE10Cは、図3に示したUE10における各処理(ステップS2〜S30)と、ステップS502の処理とを実行する。このように、UE10Cは、ステップS502の処理を実行する点において、これらの処理を実行しないUE10とは異なる。
UE10Cは、rrcreconfigurationでSPS通信時のDyanmic schedulingがオフ設定となっていた場合、ステップS6後、ステップS502において、SPS通信時のDynamic schedulingのオン/オフの設定をオフにする。つまり、UE10Cは、SPS通信時においては、Dynamic schedulingを行なわない設定にする。これにより、Dynamic scheduling commandを検出できないことによるDynamic scheduling commandの再送を防ぐ。UE10Cは、ステップS502の後、処理をステップS8に進める。
図13は、通信システム1CにおけるUE10CとBS20Cとの間で行われる通信を説明するためのシーケンスチャートである。図13を参照して、通信システム1Cは、図4に示したUE10における各処理(シーケンスSQ2〜SQ24)と、シーケンスSQ502の処理とを実行する。このように、通信システム1Cは、シーケンスSQ502の処理を実行する点において、これらの処理を実行しない通信システム1とは異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
UE10Cは、rrcreconfigurationでSPS通信時のDyanmic schedulingがオフ設定となっていた場合、シーケンスSQ4の後に、シーケンスSQ502において、SPS通信時のDynamic schedulingのオン/オフの設定をオフにする。具体的には、UE10Cは、SPS通信時においては、Dynamic schedulingを行なわない設定にする。UE10Cは、シーケンスSQ502の後、処理をシーケンスSQ6に進める。
なお、シーケンスSQ502の処理に関しては、SPS通信時はDynamic schedulingを行わないようにオペレータが予め設定していてもよい。
以上のように、通信システム1Cは、SPSでBS20CとUE10Cとが通信するときには、Dynamic schedulingを利用しない。上記の構成によれば、Dynamic scheduling commandを検出できないことによるDynamic scheduling commandの再送を防ぐことが可能となる。
[実施の形態5]
実施の形態1に係る通信システム1では、データ領域900だけではなく制御領域800においても復調する周波数帯域も狭まる。それゆえ、BS20からUE10に対してSPS deactivation commandが送信されても、UE10はSPS deactivation commandを検出できない状況が発生する。この場合、UE10が実施の形態1で説明した帯域補正を行なった後にSPS通信を開始すると、通信システム1ではSPS通信を終了することができなくなる。
実施の形態2の通信システム1Aでは、タイマによって設定された時間が経過する前にBS20AからUE10AにSPS deactivation commandが送信されても、UE10Aは、SPS deactivation commandを検出できない。それゆえ、BS20Aは、SPS deactivation commandの再送を繰り返すことになる。
また、実施の形態1の通信システム1および実施の形態2の通信システム1Aでは、帯域を補正して復調している間(狭帯域復調処理を行なっている間)に、BS20,20AからUE10,10Aへ送信されたDynamic scheduling commandを、UE10,10Aは検出できない。
実施の形態3に係る通信システム1Bでは、UE10Bは、BS20BとSPS deactivation commandおよびDynamic scheduling commandを送信するタイミングを予め設定しておくことによって、これらの両commandを受信可能になっている。しかしながら、BS20Bは、n×mサブフレームごとにしか、これらのcommandをUE10Bに送ることができない。
また、実施の形態3の通信システム1Bでは、UE10BがDynamic scheduling commandを検出したら、割り当てられた帯域のみでの復調処理(狭帯域復調処理)を終了し、帯域全体での復調処理に切り替える必要がある。それゆえ、当該切り替えを行っている間は、UE10Bは、Dynamic schedulingで送信されたデータは復調できないため、BS20Bはデータの再送を繰り返す。
そこで、本実施の形態では、SPS通信時においてスケジューリングしたデータの周波数を判定し、かつUEに対する制御信号についても当該データと同じ周波数帯域内にスケジューリングするように、BSを構成する。以下、当該構成について説明する。なお、上記のような処理を行なう通信システム(以下、「通信システム1D」と称する)について説明する。また、実施の形態1等におけるUEと区別するために、本実施の形態におけるUEを「UE10D」と称する。同様に、本実施の形態におけるBSを「BS20D」と称する。
図14は、SPSを利用して通信している際のサブフレームを表した図である。図14を参照して、BS20Dは、UE10Dへの制御信号が割り当てられる周波数帯域幅をデータ(D3,Dk等)が割り当てられる周波数帯域幅と合わせる。つまり、BS20Dは、制御信号を、周波数f11〜f12の間の領域R3,Rkにスケジューリングする。なお、UE10Dは、UE10と同様に、SPS通信時は狭帯域復調処理を行なう。このように制御信号を配置することにより、UE10Dは、制御信号とデータとを復調できるようになる。
図15は、UE10Dにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。図15を参照して、UE10Dは、図3に示したUE10における各処理(ステップS2〜S30)と、ステップS602,S604,S606の各処理とを実行する。このように、UE10Dは、ステップS602〜S606の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しないUE10とは異なる。
UE10Dは、ステップS22後、ステップS602,S604,S606の各処理を実行する。ステップS602において、UE10Dは、Dynamic scheduling commandを検出すると、一時的に帯域全体を復調することにより、スケジューリングされたデータを復調する。ステップS604において、UE10Dは、SPS deactivation commandがあるか否かを判断する。SPS deactivation commandがあると判断された場合(ステップS604においてYES)、UE10Dは、ステップS606において、Dynamic schedulingで通信を開始する。SPS deactivation commandがないと判断された場合(ステップS604においてNO)、UE10Dは、処理をステップS602に戻す。
図16は、通信システム1DにおけるUE10DとBS20Dとの間で行われる通信を説明するためのシーケンスチャートである。図16を参照して、通信システム1Dは、図4に示したUE10における各処理(シーケンスSQ2〜SQ6、SQ10〜SQ24)と、シーケンスSQ8A,SQ602,SQ604,SQ606,SQ608の各処理とを実行する。通信システム1Dは、シーケンスSQ8の代わりにシーケンスSQ8Aの処理を実行するとともに、シーケンスSQ602〜SQ608の各処理を実行する点において、これらの処理を実行しない通信システム1とは異なる。以下、主として、異なる点を説明する。
通信システム1Dは、シーケンスSQ6とシーケンスSQ8との間に、シーケンスSQ8Aの処理を行なう。また、通信システム1Dは、シーケンスSQ14とシーケンスSQ16との間に、シーケンスSQ602の処理を行なう。さらに、通信システム1Dは、シーケンスSQ24の後に、シーケンスSQ604〜SQ608の処理を行なう。そこで、以下では、これらのシーケンスSQ602〜SQ608の処理について説明する。
シーケンスSQ8Aにおいて、UE10Dは、SPS configurationが割り当てられた帯域のみで復調処理することを規定している場合、SPSで通信する際に、データおよび制御信号が割り当てられた帯域のみで復調処理することを設定する。
シーケンスSQ14においてSPS通信が開始されると、BS20Dは、シーケンスSQ602において、データおよび制御信号を複数のサブフレームにわたってスケジューリングを行なう。
シーケンスSQ24の処理の後、UE10Dは、シーケンスSQ604において、Dynamic scheduling commandを検出すると、一時的に帯域全体を復調することによってスケジューリングされたデータを復調する。シーケンスSQ606において、BS20Dは、SPS deactivation commandを含めてPDCCHをUE10D宛に送信することにより、UE10DにおいてSPSを無効にする。これにより、UE10DとBS20Dとは、Dynamic schedulingで通信を開始する(シーケンスSQ608)。
以上のように、BS20Dは、SPSでUE10Dと通信するときには、UE10Dに対して、UE10Dに送信する制御信号を第1の周波数帯域(f11〜f12)にスケジューリングしてデータとともに同一のサブフレームで送信する。上記の構成によれば、UE10Bは、Dynamic schedulingで送信されたデータを復調できるため、BS20Bがデータの再送を繰り返すことを防止できる。
<変形例>
(第1の変形例)
SPS通信時はUE10Dに対する制御信号についても複数サブフレーム間にわたってスケジューリングし、制御信号がスケジューリングされた周波数帯域内にデータをスケジューリングするように、BS20Dを構成してもよい。つまり、BS20Dは、制御信号を割り当てる周波数帯域に収まるようにデータをスケジューリングしてもよい。
(第2の変形例)
UE10Dは、データがスケジューリングされた周波数帯域と、制御信号がスケジューリングされた周波数帯域とを比較し、一方の周波数帯域が他方の周波数待機を含む場合には、当該一方の周波数帯域を補正後の周波数帯域(狭帯域)として復調処理を行なってもよい。
(第3の変形例)
SPS通信時はUE10Dに対する制御信号についても複数サブフレーム間にわたってスケジューリングし、制御信号とデータとの両方が復調できる最小の帯域幅に復調周波数帯域を補正してもよい。
図17は、最小の帯域幅に復調周波数帯域を補正する処理を説明するための図である。図17を参照して、UE10Dは、制御信号(C3,Ck等)がスケジューリングされた周波数帯域を考慮して、制御信号とデータとの両方が復調できる最小の帯域幅に復調周波数帯域を補正する。具体的には、UE10Dは、周波数f1から周波数f3(>f2)までの間の周波数帯域を復調処理する帯域に補正する。なお、この場合における、補正後の中心周波数は、fc”(>fc’)であり、帯域幅は、W3(>W2)である。
[実施の形態6]
実施の形態1〜5のUEにおいては、図2に示したように、判定部105による判定処理および補正部106による補正処理が行われた後に、A/D変換器107によるA/D変換を行なう構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。
図18は、実施の形態1から5に係るUE10,10A,10B,10Cの他の構成を説明するためのブロック図である。図18を参照して、A/D変換器107によるA/D変換を行なった後に、判定部105の判定処理および補正部106による補正処理が行なわれるように、実施の形態1〜5のUE10,10A,10B,10Cを構成してもよい。
各実施の形態に係るUEおよびBSにおける処理は、各装置(UE,BS)のハードウェアおよびCPUにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ等の記憶媒体に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、図示しないメモリカードその他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、UEあるいはBSのアンテナおよび無線通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ等の記憶媒体に一旦格納される。そのソフトウェアは、UEあるいはBSの各CPUによって記憶媒体から読み出され、さらに記憶媒体に実行可能なプログラムの形式で格納される。各CPUは、そのプログラムを実行する。図2等に示したUEを構成する各構成要素、およびBSの図示しない各構成要素(CPU、メモリ等を含む)は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。