<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は複数のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33、作動口34、スルーゲート35A,35B、可変表示ユニット36、各種抽選結果を表示するための抽選結果表示部37等がそれぞれ設けられている。抽選結果表示部37には、メイン表示部としての特図表示部38及び役物表示部としての普図表示部39が設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
スルーゲート35A,35Bへの入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33及び作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、特殊役物33への入球が発生した場合及び作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び特電入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば特殊役物33にかかる賞球個数よりも作動口34にかかる賞球個数が多いといったように、賞球個数が相違していてもよい。一般入賞口31及び特電入賞装置32の少なくとも一方と同一又はそれよりも多い構成としてもよい。また、特電入賞装置32にかかる賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33、作動口34及びスルーゲート35A,35Bへの遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
特殊役物33は、その内部に2つの入賞口(特別入賞口52、一般入賞口53)を備える入賞装置であり、左側領域PE2から下側領域PE4に亘って設置されている。特殊役物33は、遊技盤24の盤面の前側に突出した状態で設けられる長尺状の通路ケース33bを有しており、その通路ケース33bの上端部に、遊技領域PEを流下する遊技球が通過可能な球通過口33aが設けられ、その球通過口33aよりも下方に遊技球通過領域Rが形成されている。球通過口33aは、特殊役物33の入口部を構成するものであり、左側領域PE2に設けられている。球通過口33aは上向きに開口し、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では、遊技状態に依存することなく球通過口33aの通過頻度(スルーゲート35Aの通過確率でもある)は一定となっている。なお、通路ケース33bは、非透明な材料にて形成されたカバー部材60により遊技機前面側が覆われており、通路ケース33bに設けられた後述の入賞口や誘導部材等はパチンコ機10前方より視認できないようになっている。
作動口34は、右側領域PE3に設置されている。つまり、作動口34は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
作動口34の構成について図4を参照しながら説明する。図4(a),(b)は作動口34の構成を示す概略図である。作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物34aが設けられている。
普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された普電用の駆動部34bに連結されており、当該普電用の駆動部34bにより駆動されて図4(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図4(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物34aが遊技領域PE側に突出し、作動口34への入賞をガイドする。作動口34には検知センサ34cが設けられており、当該検知センサ34cにより作動口34に入賞した遊技球が検知される。
なお、作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、普電役物34aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
左右の各スルーゲート35A,35Bのうち左側のスルーゲート35Aは、左側領域PE2において球通過口33aのすぐ真上に設けられており、右側のスルーゲート35Bは、右側領域PE3において作動口34の上方に所定間隔を隔てて設けられている。この場合、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合にスルーゲート35Aへの遊技球の入賞が可能となり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合にスルーゲート35Bへの遊技球の入賞が可能となっている。スルーゲート35A,35Bは縦方向に貫通した図示しない球通過孔を有しており、スルーゲート35A,35Bに入賞した遊技球はその真下に流下する。これにより、左側領域PE2においてスルーゲート35Aに入賞した遊技球は、全て球通過口33aを通過して特殊役物33内に導入される。また、右側領域PE3においてスルーゲート35Bに入賞した遊技球は、その後の球動作や作動口34の状態(役物開閉状態)に応じて作動口34に入賞する。スルーゲート35A,35Bにはそれぞれ検知センサ35cが設けられており、検知センサ35cによりスルーゲート35A,35Bに入賞した遊技球が検知される。
作動口34の普電役物34aは、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいて閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35A,35Bへの入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた抽選結果表示部37の普図表示部39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
普図表示部39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
なお、本実施形態において、遊技球がスルーゲート35A,35Bに入賞した場合の保留数は0個となっている。したがって、これらに対応した保留表示部は設けられていない。
但し、例えば、スルーゲート35A,35Bへの入賞について1個又は複数個の保留を可能にしてもよく、こうして1個又は複数個の保留を可能にする場合、普図表示部39に隣接した位置に普図保留表示部が設けられているとよい。例えば、遊技球がスルーゲート35A,35Bを入賞した個数が最大4個まで保留され、普図保留表示部の点灯によってその保留個数が表示されるとよい。
作動口34又は特別入賞口52への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は抽選結果表示部37の特図表示部38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。
特図表示部38について詳細には、特図表示部38には、第1特図表示部38aと、第2特図表示部38bとが設けられている。第1特図表示部38aでは、特別入賞口52への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部38bでは、作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
図柄表示装置42について詳細には、図柄表示装置42は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置42では、特別入賞口52への入賞に基づき第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、作動口34への入賞に基づき第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。また、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づき普図表示部39にて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が図柄表示装置42にて行われる。
図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置42の表示画面42aを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置42の表示画面42aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示画面42aは、図柄列ごとに3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面42aには、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
スルーゲート35A,35B、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づいて表示画面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、後述する開閉実行モードへの移行に対応している場合、又は後述するサポート実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成される。
なお、スルーゲート35A,35B、作動口34及び特別入賞口52のいずれかへの入賞に基づいて、いずれかの特図表示部38a,38b、普図表示部39及び図柄表示装置42にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置42における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置42にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
なお、本実施形態において、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞した場合の保留数はそれぞれ1個となっている。但し、これらに対応した保留表示部は設けられていない。これは、スルーゲート35A,35B、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づいて行う遊技回を、いずれへの入賞に基づく遊技回か分かりにくくする工夫である。
但し、例えば、作動口34及び特別入賞口52への入賞について複数個の保留を可能にしてもよく、こうして複数個の保留を可能にする場合、特図表示部38に隣接した位置にそれぞれの特図保留表示部が設けられているとよい。例えば、遊技球が作動口34及び特別入賞口52に入賞した個数がそれぞれ最大4個まで保留され、各特図保留表示部の点灯によってその保留個数が表示されるとよい。
作動口34及び特別入賞口52への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。ここで、球通過口33aを遊技球が通過して特殊役物33に遊技球が導入された場合、その球通過口33aでの球通過の都度、遊技球が全て特別入賞口52に入賞するわけでなく(すなわち、毎回大当たり抽選が実行されるわけではなく)、所定個数の球通過に1回の頻度で特別入賞口52に遊技球が入賞し、その入賞に伴い大当たり抽選が実行される。
特電入賞装置32は右側領域PE3において作動口34の下方に設けられている。つまり、特電入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
特殊役物33について図6を参照しながら説明する。図6(a)は特殊役物33の構成を説明するための説明図である。図6(b)〜(e)は特殊役物33の動作を説明するための説明図である。図6(b)〜(e)には、特殊役物33の動作を説明し易くするため特殊役物33を簡略化した構成を示している。
図6(a)に示すように、特殊役物33において通路ケース33bには、遊技球が通過可能な大きさの球通過口33aが形成されているとともに、球通過口33aを通過した遊技球が流下する遊技球通過領域Rが形成されている。遊技球通過領域Rにおいては、通路ケース33bの一対の囲い壁33c(上側及び下側の囲い壁33c)と、その間に設けられる突起部33dとにより内部通路51が形成されている。この内部通路51は、球通過口33aを通過した遊技球を特別入賞口52及び一般入賞口53のいずれかに誘導するための通路であって、球通過口33aから特別入賞口52及び一般入賞口53にかけて形成されている。
特別入賞口52に遊技球が入賞した場合には大当たり抽選が行われ、一般入賞口53へ遊技球が入賞した場合には大当たり抽選は行われない。なお、賞球は特別入賞口52及び一般入賞口53のどちらに遊技球が入賞した場合にも行われ、本実施形態ではいずれも3個としている。特別入賞口52には特別入賞口用の検知センサ52aが設けられており、一般入賞口53には一般入賞口用の検知センサ53aが設けられている。両検知センサ52a,53aにより、遊技球がいずれの入賞口に入賞したかが検知される。
特殊役物33は、所定数の遊技球が球通過口33aを通過することに伴い、遊技球を特別入賞口52に入賞させる状態に移行するものである。具体的には、特殊役物33には、内部通路51において上流側から下流側にかけて複数の振分板54が設けられており、これら各振分板54はそれぞれ、球通過口33aを通過した遊技球が到来することに基づいて、遊技球通過領域Rにおける遊技球の振り分け先を変更する。すなわち、各振分板54は、その上下方向の略中心部に設けられた回動軸55により正逆両方向に回動可能に支持されており、その回動軸55を中心として回動する。各振分板54は、遊技球が当たることで揺動する揺動体であるともいえる。この場合、各振分板54は、内部通路51において上流側から遊技球が流下してくる都度、その遊技球を、特別入賞口52に入賞可能な第1通路51a側(図の右下方向)と、特別入賞口52に入賞不可能な第2通路51b側(図の左下方向)とでそれぞれ交互に振り分けるものとなっている。本実施形態では8個の振分板54が設けられている。
これら8個の振分板54は、そのうち前段の振分板54で遊技球が第1通路51a側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分板54に到達するようにそれぞれ配置されており、球通過口33aにおける遊技球の通過数が所定数になると、8個の振分板54について遊技球の振り分け先が全て第1通路51a側になり、遊技球が特別入賞口52に入賞する状態に移行するようになっている。
各振分板54は、回動軸55を挟んで上側部分と下側部分とのうち下側部分が、厚肉のテーパ部56となっており、このテーパ部56により内部通路51の幅が狭められている。この場合、遊技球が内部通路51を通過する際には、その遊技球が振分板54のテーパ部56に接触し、それにより振分板54を回動させることが可能となる。遊技球との接触によって回動した振分板54は、次に通過する遊技球を今通過した遊技球とは異なる方向に誘導することとなる。具体的には、各振分板54は、遊技球の振り分け先が第1通路51aになっていれば、次の遊技球の到来に伴いその振り分け先を第2通路51bに切り替え、逆に、遊技球の振り分け先が第2通路51bになっていれば、次の遊技球の到来に伴いその振り分け先を第1通路51aに切り替える。
振分板54において回動軸55を挟んで上側には磁石57が設けられている。また、特殊役物33の奥側面には、振分板54側の磁石57の回動軌道となりかつ回動軸55の上方となる位置に通路側の磁石58が設けられている。両磁石57,58は、互いに反発しあう極性となるように設けられている。磁石57,58による反発力が働くことにより、振分板54側の磁石57は自然状態において通路側の磁石58よりも右側又は左側のどちらかに配置され、遊技球が第1通路51a及び第2通路51bのいずれかに振り分けられる。
磁石57,58は、振分板54が回動した場合に、その振分板54を正面視で右下がりとなる所定位置と左下がりとなる所定位置とのいずれかで保持する位置保持手段として機能する。遊技球が振分板54のテーパ部56に当たると、振分板54側の磁石57が通路側の磁石58の前方を通過して左右方向の反対側に移動する。ここで、振分板54の回動軸55はパチンコ機10前後方向に延びており、内部通路51よりも奥側となる位置にて図示しない回動規制部と接続されている。当該回動規制部により、振分板54の回動範囲が規制されており、振分板54が必要以上に回動しないようになっている。
各振分板54は、球通過口33aから各入賞口52,53にかけて8個連続して設けられており、それら8個の振分板54の状態の組合せ、すなわち振り分け先の組合せは256通り(=2の8乗通り)となっている。遊技球が内部通路51を流下するごとに8個の振分板54の状態が変化し、256通りある組合せ状態が順番に切り替えられることとなる。内部通路51においては、256通りの振分板54の組合せごとに流下経路が異なっており、そのうち1通りの組合せにより遊技球は球通過口33aから特別入賞口52へ誘導される。具体的には、全ての振分板54が遊技球を第1通路51a側(右下方向)へ振り分ける状態となっている場合に、内部通路51を流下する遊技球が特別入賞口52へ入賞する。その他の経路を通る遊技球は、全て一般入賞口53へ入賞する。
上記のように各振分板54が設けられていることにより、パチンコ機10に天井機能を設けることが可能となる。ここで、天井機能とは所定遊技を所定回数行うことで遊技者に特典が付与される機能であり、特典が付与されるまでに実行すべき所定遊技の回数を天井という。本実施形態では、球通過口33aへの入賞を256回発生させることができれば天井に到達し、ほぼ100%の確率で開閉実行モードにパチンコ機10の状態を移行させることができる。
内部通路51において、各振分板54にて第2通路51b側(左下方向)に振り分けられた遊技球は、その後いずれの振分板54も経由せずに一般入賞口53へと到達することとなる。このとき、下流側の振分板54を経由しない分だけ、特別入賞口52へ到達する場合よりも早く遊技者は賞球を得ることとなる。ここで、特別入賞口52に遊技球が入賞する場合と、一般入賞口53に遊技球が入賞する場合とで時間差(タイムラグ)が生じると、球通過口33aでの球通過の発生から賞球までの時間を計測することで遊技者は特別入賞口52への入賞の発生があったか否かを予測することが可能となる。この予測を困難とするため、第2通路51b側には、上流側から流下する遊技球が当たる球当たり部51cが設けられている。この球当たり部51cに遊技球が衝突することで、遊技球の下方への誘導が一時的に緩やかになる。これにより、いずれかの振分板54を経由しない場合に、球通過口33aでの球通過から賞球までの間にタイムラグが発生することを防止可能となる。
次に、特殊役物33における遊技球振分動作について、図6(b)〜(e)を参照してより具体的に説明する。ここでは、理解容易のため、振分板54を2つのみ使用した構成について説明する。こうして2つの振分板54を設けた構成では、各振分板54の状態として4通り(=2の2乗通り)の組合せがあり、球通過口33aを通過した遊技球は4個ごとに特別入賞口52へ誘導されることとなる。
図6(b)では、初期状態として、各振分板54がいずれも左下(第2通路51b側)に遊技球を振り分ける状態となっている。この状態で1個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この1個目の遊技球の通過により、上段側の振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(c)の状態となる。
次に、2個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられるとともに、下段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この2個目の遊技球の通過により、上下両段の各振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(d)の状態となる。
次に、3個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この3個目の遊技球の通過により、上段側の振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(e)の状態となる。
次に、4個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられるとともに、下段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられ、特別入賞口52に入賞する。この4個目の遊技球の通過により、上下両段の各振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(e)の状態に戻る。以降同様に、遊技球が球通過口33aを通過することに伴い、各振分板54が図6(b)→(c)→(d)→(e)の動作を繰り返すこととなる。したがって、所定の球通過個数ごとに特別入賞口52に遊技球を入賞させることが可能となる。
本実施形態の特殊役物33では、振分板54を上下8段に設けることにより、遊技球が球通過口33aを256回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる構成としているが、その回数は任意に変更できる。例えば、振分板54を1つのみ設ければ、遊技球が球通過口33aを2回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる。また、振分板54を上下6段に設ければ、遊技球が球通過口33aを64回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じ、振分板54を上下7段に設ければ、遊技球が球通過口33aを128回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる。
ここで、パチンコ機10における天井機能を実現する上では、特別入賞口52に遊技球が入賞した場合に実行される大当たり抽選の当選確率はほぼ100%となることが望ましい。これにより、特殊役物33に遊技球が繰り返し導入される場合に、所定回数(本実施形態では256回)の遊技回の実行ごとに大当たり当選が実行されることとなる。
次に、特電入賞装置32について説明する。
特電入賞装置32は、図3に示すように、遊技球が通過可能な大きさの大入賞口32aが形成されているとともに、当該大入賞口32aを遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える特電側の開閉部材32bを備えている。特電側の開閉部材32bは特電用の駆動部32cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。また、特電入賞装置32には、大入賞口32aを介して特電入賞装置32内に入賞した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部が形成されており、さらに当該入賞用通過部の位置に検知領域が存在するようにして大入賞口用の検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口用の検知センサ32eによって、特電入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種発光部等の発光手段が設けられている。各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラー発光部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、ROM83及びRAM84が内蔵されている。
ROM83は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM83は、MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RAM84は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM83よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM84は、ROM83内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU82又は主制御基板81には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。なお、これは他の制御装置についても同様である。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び各種検知センサ32e,34c,35c,52a,53aなどが接続されている。停電監視基板85には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種検知センサ32e,34c,35c,52a,53aの検知結果に基づいて、MPU82において各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、特別入賞口52又は作動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び音光制御装置300が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置300には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU82の出力側には、特電入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる特電用の駆動部32c、作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34bが接続されており、さらに第1特図表示部38a、第2特図表示部38b及び普図表示部39を備える抽選結果表示部37が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
また、MPU82の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子と、サポート実行モード中であることを示すサポート実行信号の外部出力を行うための端子と、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子とが含まれている。MPU82は、RAM84に設けられた外部出力バッファに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板79に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置71から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置71のRAM84に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、発射操作装置28に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構27を駆動する。
音光制御装置300に設けられた音光制御基板301には、MPU302が搭載されている。MPU302には、当該MPU302により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM303と、そのROM303内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM304と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU302では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、前扉枠14に設けられた表示発光部63、エラー発光部64及びスピーカ部65を駆動制御する。また、これらコマンドをそのまま又は解析後の対応するコマンドを表示制御装置400に送信する。ちなみに、音光制御装置300は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置400と電気的に接続されている。
表示制御装置400は、プログラムROM403及びワークRAM404が複合的にチップ化された素子であるMPU402と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)405と、キャラクタROM406と、ビデオRAM407とがそれぞれ搭載された表示制御基板401を備えている。
MPU402は、音光制御装置300を経由して主制御装置71から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP405の制御(具体的にはVDP405に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM403は、MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAM404は、MPU402による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP405は、図柄表示装置42に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP405はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP405は、MPU402、ビデオRAM407等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM407に記憶させる画像データを、キャラクタROM406から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置42に表示させる。
キャラクタROM406は、図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM406には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROM406に記憶されている。
なお、キャラクタROM406を複数設け、各キャラクタROM406に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM403に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM406に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM407は、図柄表示装置42に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM407の内容を書き替えることにより図柄表示装置42の表示内容が変更される。
<MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図8を参照して説明する。
MPU82は、各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、普電役物34aの開放抽選、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、普図表示部39の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モード後に設定するサポートモードの種別の抽選に使用するサポート種別カウンタC2と、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づいて図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用する第1リーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42における変動表示時間(動作継続時間、又は特図変動時間)を決定する第1変動種別カウンタCS1と、普電役物34aを開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する普電乱数カウンタC4と、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいて図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用する第2リーチ乱数カウンタC5と、普図表示部39における変動表示時間(動作継続時間、又は普図変動時間)を決定する第2変動種別カウンタCS2と、を用いることとしている。なお、上記カウンタC1〜C5,CINI,CS1〜CS2は、RAM84の抽選用カウンタエリア101に設けられている。
各カウンタC1〜C5,CINI,CS1〜CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。
大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び第1リーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、作動口34又は特別入賞口52への入賞が発生した場合に、大当たり抽選用の取得情報記憶手段として設けられた特図保留エリア102に格納される。特図保留エリア102は、第1特図保留エリア103と、第2特図保留エリア104と、特図用の実行エリア105と、を備えている。
第1特図保留エリア103及び第2特図保留エリア104は、保留記憶可能なエリアは1つずつ設けられている。そして、遊技回用の演出及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であって、第1特図保留エリア103に保留情報が取得されていない状況で特別入賞口52への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び第1リーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として第1特図保留エリア103に格納され、第2特図保留エリア104に保留情報が取得されていない状況で作動口34への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び第1リーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、第2特図保留エリア104に格納される。
特図用の実行エリア105は、いずれかの特図表示部38a,38bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部38aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア103に格納された保留情報が特図用の実行エリア105に移動される。一方、第2特図表示部38bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア104に格納された保留情報が特図用の実行エリア105に移動される。
これに対して、サポート抽選用の取得情報記憶手段として設けられた普図保留エリア106には、保留記憶可能なエリアは設けられておらず、普図表示部39にて変動表示を開始する際にサポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアとしての普図用の実行エリア107のみが設けられている。そのため、普電乱数カウンタC4、第2リーチ乱数カウンタC5及び第2変動種別カウンタCS2の各種数値情報は、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生した場合に、直接普図用の実行エリア107に格納され、サポート用の当否判定が開始される。すなわち、普図用の実行エリア107に保留情報が格納されていない状況でスルーゲート35A,35Bへの入賞が発生した場合にのみサポート抽選用の各種数値情報が格納され、普図用の実行エリア107に保留情報が格納されている状況でスルーゲート35A,35Bへの入賞が発生してもサポート抽選用の各種数値情報は保留されない。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに大当たり用の当否テーブルとして記憶されている。大当たり用の当否テーブルは、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される共通の特図用の当否テーブルが設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、大当たり乱数カウンタC1を参照することによる当否結果として、大当たり結果と外れ結果とが設定されている。大当たり結果とは、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
当該開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続時間が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が2ラウンドに設定されているもののみが存在しているが、ラウンド遊技の上限回数が相違するように開閉実行モードが複数種類設定されていてもよい。
各ラウンド遊技の開放継続時間は同一となっており、その開放継続時間は遊技球の発射周期と、上記入賞の上限個数との積以上の上限入賞対応時間である29.5secとなっている。つまり、本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により継続して操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技の入賞の上限個数は10個に設定されている。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と、対応するラウンド遊技の上限個数との積以上の開放継続時間が設定されていることとなり、特電入賞装置32への入賞を狙う態様で発射操作が継続された場合には各ラウンド遊技にて大入賞口32aへの上限個数の入賞が発生することとなる。
なお、ラウンド遊技の上限個数の入賞が可能であれば、各ラウンド遊技の開放継続時間は任意である。また、ラウンド遊技間で開放継続時間が相違していてもよく、この場合、ラウンド遊技間で開放継続時間が大きく相違していてもよく、見た目上同様となるように略同一に設定されていてもよい。
特図用の当否テーブルでは、図9(a)に示すように、当否結果として、大当たり結果と、外れ結果と、が設定されている。大当たり結果となる乱数の数は599個に設定されており、特図用の当否テーブルが参照されることで大当たり結果となる確率は599/600となる。但し、これに限定されることはなく、例えば当該確率が上記よりも低く設定されていてもよい。
次に、サポート種別カウンタC2について説明する。
サポート種別カウンタC2は、0〜27の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。サポート種別カウンタC2は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
サポート種別カウンタC2は開閉実行モードの終了後における作動口34の普電役物34aのサポートモードを決定するために利用される。ここで、本パチンコ機10では、サポートモードとして、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
ここで先ず、本パチンコ機10の遊技性について簡単に説明する。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、スルーゲート35Aを通過した遊技球は、必ず特殊役物33へ入球する。そして256回目に入球した遊技球は、特別入賞口52へ入賞する。特別入賞口52への入賞に基づいて、上記の大当たり乱数カウンタC1の取得が行われ、そのほぼ100%が大当たり結果となる。大当たり結果になると、特電入賞装置32が開放状態となる開閉実行モードへ移行し、遊技者は特電入賞装置32の大入賞口32aへ遊技球を入賞させることにより賞球を得ることが可能となる。また、開閉実行モードへは、作動口34への入賞に基づく当否抽選によっても移行し得る。既に説明したとおり、普電役物34aが開放状態となることで作動口34への入賞が許容される。
この普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選に普電乱数カウンタC4が用いられる。そして、上記の高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いたサポート抽選においてサポート当選(普電役物34aを開放状態とする)となる確率が異なり、低頻度サポートモードにおいて高頻度サポートモードよりも当選確率を低くしている。サポート当選となると、いずれのサポートモードにおいても、遊技球の発射周期よりも長い5secの開放が1回行われる。すなわち、いずれのサポートモードであってもサポート当選となることで作動口34への入賞が許容され、開閉実行モードへ移行させることが可能となる。
一方で、低頻度サポートモードではサポート抽選の当選確率を高頻度サポートモードよりも低く設定しているため、低頻度サポートモードでは高頻度サポートモードと比較して作動口34へ入賞させにくい。また、スルーゲート35Bよりもスルーゲート35Aに入賞させたほうが、その後の特別入賞口52又は一般入賞口53への入賞に基づく賞球(本実施形態では3個)の払出が行われ、さらに特殊役物33内の振分板54の切り替えが発生することにより256回目には特別入賞口52に入賞するため、スルーゲート35Aに入賞させたほうが天井に近づけるというメリットがある。
そこで遊技者としては、低頻度サポートモード時においては、スルーゲート35Aへ入賞させるべく左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28を操作し、サポート当選となった場合、又は特別入賞口52への入賞に基づいて開閉実行モードへ移行した場合には、作動口34又は大入賞口32aへ入賞させるべく右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28の操作態様を切り換える。
高頻度サポートモード時においては、スルーゲート35Bへの入賞によっては賞球の払出は行われないものの、低頻度サポートモードと比較して頻繁にサポート当選となり、作動口34への入賞に基づいて賞球を得ることができる。そして作動口34への入賞により開閉実行モードへ移行するため、大入賞口32aへの入賞によっても賞球を得ることができる。そのため遊技者としては、高頻度サポートモード時においては、基本的には、スルーゲート35Bへ入賞させるべく右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28を操作する。
このように本パチンコ機10では、特殊役物33を利用して天井機能を実現するとともに、普図側の入賞及び特図側の入賞並びにサポートモードの高低を利用して斬新な遊技を実現している。
なお、上記のとおりスルーゲート35Bに入賞させることでもサポート抽選を受けられ、また、サポート当選となることで低頻度サポートモードであっても普電役物34aにおいて遊技球の発射周期よりも長い開放が行われて作動口34への入賞が許容されるため、遊技者によっては低頻度サポートモード時においてもスルーゲート35Bへ入賞させるよう発射操作装置28を操作することも考えられる。この場合、特別入賞口52への入賞は発生し得ないが、スルーゲート35Aとスルーゲート35Bとにおける入賞の発生し易さ、すなわち釘24bやゲージ構成によってはスルーゲート35Bへ入賞するように発射操作装置28を操作するメリットも生じる。
特に、本パチンコ機10においては、高頻度サポートモード時における遊技の好適な進行や出球率の調整等といった観点から、スルーゲート35Aよりもスルーゲート35Bのほうが入賞させ易いように釘24bの配置やゲージ構成が設計されている。すなわち、高頻度サポートモード時においては容易に作動口34へ入賞させることを可能とすべくスルーゲート35Bへ入賞させ易くする必要があり、またスルーゲート35Aへ入賞させ易くし過ぎると容易に特別入賞口52への入賞が発生するため出球率の高騰が懸念される。そのため、本パチンコ機10においては、左右いずれのスルーゲート35A,35Bを狙って発射操作装置28を操作してもメリットが生じ双方の遊技性を実現可能とするとともに、いずれのスルーゲート35A,35Bを狙って発射操作装置28を操作するか、という選択を遊技者に行わせる、新たな遊技も追加されている。
但し、本実施形態では、スルーゲート35Aへ入賞させると特別入賞口52又は一般入賞口53への入賞に基づく賞球が払出される点と、天井回数と、の関係からスルーゲート35Aへ入賞させるメリットのほうがスルーゲート35Bへ入賞させるメリットよりも大きく設定されており、基本的には遊技者は、上記のとおり、低頻度サポートモード時においてはスルーゲート35Aへ入賞するように発射操作装置28を操作する。
サポート種別カウンタC2に対する振分結果は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルとしては、特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に使用される第1特図用の振分テーブルと、作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルが設定されている。そして、これらの振分テーブルにおいて振分結果には、低頻度結果と、高頻度結果と、が設定されている。
振分結果が低頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。この低頻度サポートモードは次に大当たり結果となって高頻度サポートモードに設定されるまで継続される。
振分結果が高頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する回数制限ありの高頻度サポートモードである。
第1特図用の振分テーブルは、サポートモードの高低によらず共通の振分テーブルが設定されている。具体的には、図9(b)に示すように、サポート種別カウンタC2の値によらず、高頻度結果が選択されるようになっている。したがって、特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に必ず高頻度サポートモードに設定される。
第2特図用の振分テーブルは、サポートモードの高低によって異なる振分テーブルが設定されている。具体的には、低頻度サポートモード時に参照される第2特図用の振分テーブルは、図9(c)に示すように、サポート種別カウンタC2の値によらず、高頻度結果が選択されるようになっている。したがって、低頻度サポートモード時に作動口34への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に必ず高頻度サポートモードに設定される。一方、高頻度サポートモード時に参照される第2特図用の振分テーブルは、図9(d)に示すように、「0〜27」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0」が低頻度結果に対応しており、「1〜27」が高頻度結果に対応している。したがって、高頻度サポートモードにおいて作動口34への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に低頻度サポートモードが設定される確率よりも高頻度サポートモードが設定される確率の方が高くなっている。
すなわち低頻度サポートモード時において、特別入賞口52及び作動口34のいずれかの入賞に基づいて開閉実行モードに移行した場合には、その後に必ず高頻度サポートモードへ移行する。そして、高頻度サポートモード時において、作動口34への入賞に基づいて移行した開閉実行モード後に1/28の確率で低頻度サポートモードに移行する。
次に、第1リーチ乱数カウンタC3及び第2リーチ乱数カウンタC5について説明する。
第1リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第1リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
また第2リーチ乱数カウンタC5は、例えば0〜283の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第2リーチ乱数カウンタC5は定期的に更新され、遊技球がスルーゲート35A,35Bに入賞したタイミングで保留情報が格納されていないことを条件に普図用の実行エリア107に格納される。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、遊技球がスルーゲート35A,35Bへ入賞したことを契機として、普図表示部39の変動表示が開始されるとともに図柄表示装置42における変動表示が開始される。また、作動口34又は特別入賞口52へ入賞したことを契機として、特図表示部38a,38bの変動表示が開始されるとともに図柄表示
装置42における変動表示が開始される。すなわち、本実施形態では、図柄表示装置42における変動表示を開始する契機となる入賞が複数存在する。
なお、以降の説明においては、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づく図柄表示装置42の変動表示と、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づく図柄表示装置42の変動表示と、を区別すべく、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づく図柄表示装置42の変動表示を普図サブ変動とも言い、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づく図柄表示装置42の特図サブ変動とも言う。また、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づく普図表示部39の変動表示を上記の普図サブ変動と区別すべく、普図表示部39の変動表示を普図メイン変動とも言う。さらに、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づく特図表示部38a,38bの変動表示を上記の特図サブ変動と区別すべく、特図表示部38a,38bの変動表示を特図メイン変動とも言う。
ここで、リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置42を備え、開閉実行モード又はサポート実行モードへの移行が発生する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置42における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置42の表示画面42aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
低頻度サポートモード中の特図サブ変動において、開閉実行モードに移行する遊技回では、第1リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ表示が実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶された第1リーチ用テーブルを参照して、第1リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
さらに低頻度サポートモード中の普図サブ変動において、サポート実行モードに移行する遊技回では、第2リーチ乱数カウンタC5の値に関係なくリーチ表示が実行される。また、サポート実行モードに移行しない遊技回では、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶された第2リーチ用テーブルを参照して、第2リーチ乱数カウンタC5がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
ここで、低頻度サポートモードにおいて、特図サブ変動及び普図サブ変動における各図柄列Z1〜Z3の変動表示の態様はいずれも同じものが設定されている。そして上記の特図サブ変動におけるリーチ表示及び普図サブ変動におけるリーチ表示も、複数のリーチ表示の演出内容がそれぞれ設定されているものの、その種類はいずれも同じ内容となっている。また、特図サブ変動において開閉実行モードへ移行する場合と、普図サブ変動においてサポート実行モードへ移行する場合と、はいずれも有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成されて遊技回が終了する。したがって遊技者は、図柄表示装置42の演出内容からは、特図サブ変動及び普図サブ変動のいずれが実行されているかを特定することができない。また、図柄が最終停止しても、特電入賞装置32及び普電役物34aのいずれかが開放状態となるまでは、普図側及び特図側のいずれの変動を契機として上記図柄の組合せが形成されたかを特定することができない。
すなわち本実施形態では、特殊役物33の天井機能を利用して遊技者の遊技を継続する意欲を高めつつ、図柄表示装置42による演出においては特図側の演出を普図側の演出と同じものとすることで、あたかもスルーゲート35Aへの入賞に基づいて天井機能が実現されているかのように見せることができ、スルーゲート35Aの入賞への注目度を高めることが可能となっている。
高頻度サポートモードである場合には、リーチ乱数カウンタC3,C5の数値情報や遊技結果にかかわらず、リーチ表示は発生しない。具体的には、高頻度サポートモード時における図柄表示装置42の各遊技回の演出としては、普図サブ変動及び特図サブ変動の各遊技回の変動表示は実行せず、開閉実行モードに移行する遊技回においてのみ、その旨の大当たり報知(例えば、大当たりという文字表示を行うとともに、効果音などによる演出)を行う構成としている。これは、連荘中に外れ演出を行うことによる中だるみを抑制するための工夫である。
次に、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2について説明する。
第1変動種別カウンタCS1は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示部38a,38bにおける変動表示時間(表示継続期間)、すなわち特図メイン変動の変動表示時間と、図柄表示装置42における図柄の変動表示時間、すなわち特図サブ変動の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。第1変動種別カウンタCS1は、特図メイン変動の開始時及び特図サブ変動の開始時における演出パターン決定に際して取得される。
第2変動種別カウンタCS2は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2は、普図表示部39における変動表示時間(表示継続期間)、すなわち普図メイン変動の変動表示時間と、図柄表示装置42における図柄の変動表示時間、すなわち普図サブ変動の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。第2変動種別カウンタCS2は、第1変動種別カウンタCS1とは異なり、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生したタイミングで保留情報が格納されていないことを条件に普図用の実行エリア107に格納される。
これらの変動表示時間の決定に際しては、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
特図メイン変動及び特図サブ変動における変動表示時間テーブルは、低頻度サポートモードにおいて作動口34に係る保留情報又は特別入賞口52に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいて作動口34に係る保留情報又は特別入賞口52に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、高頻度サポートモード中の変動表示時間は低頻度サポートモード中の変動表示時間よりも短く設定されている。
具体的には、図10(a)に示すように、低頻度サポートモード中の変動表示時間は、20secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。また、図10(b)に示すように、高頻度サポートモード中の変動表示時間は0.64secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。
つまり、高頻度サポートモード中に読み出される特図メイン変動及び特図サブ変動における変動表示時間の情報と、低頻度サポートモード中に読み出される特図メイン変動及びと特図サブ変動における変動表示時間とは、その長さは相違するものの、第1変動種別カウンタCS1の値によらずに同一となっている。これにより、予め記憶しておく変動表示時間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。また、高頻度サポートモードでは作動口34への入賞を狙って遊技が行われ、特別入賞口52への入賞は意図せず発生するものであるため、その遊技回用の演出は短縮することが好ましい。
一方、普図メイン変動及び普図サブ変動における変動表示時間テーブルは、特図メイン変動及び特図サブ変動における変動表示時間テーブルと同様に、低頻度サポートモードにおいてスルーゲート35A,35Bへの入賞を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいてスルーゲート35A,35Bへの入賞を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、高頻度サポートモード中の変動表示時間は低頻度サポートモード中の変動表示時間よりも短く設定されている。但し、特図メイン変動及び特図サブ変動における変動表示時間テーブルとは異なり、普図メイン変動及び普図サブ変動における変動表示時間テーブルでは、低頻度サポートモードにおいてリーチ非発生時用の変動表示時間テーブルとリーチ発生時用の変動表示時間テーブルとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードにおけるリーチ非発生時用の変動表示時間テーブルでは、図10(c)に示すように、第2変動種別カウンタCS2の値に応じて複数設定されており、本実施形態では12.0sec、15.0sec、18.0secの3種類が設定され、さらに変動表示後にサポート抽選の結果が0.6secに亘って維持される。また、低頻度サポートモードにおけるリーチ発生時用の変動表示時間テーブルでは、図10(d)に示すように、いずれもリーチ非発生時の変動表示時間よりも長くなるように第2変動種別カウンタCS2の値に応じて複数設定されており、本実施形態では24sec、36sec、42secの3種類が設定され、さらに変動表示後にサポート抽選の結果が0.6secに亘って維持される。これに対して、高頻度サポートモード中の変動表示時間は、図10(e)に示すように、同一の2.74secに設定されており、さらに変動表示後にサポート抽選の結果が0.6secに亘って維持される。
つまり、高頻度サポートモード中に読み出される普図メイン変動及び普図サブ変動における変動表示時間の情報はいずれのスルーゲート35A,35Bへの入賞を契機としても同一となっている。これにより、予め記憶しておく変動表示時間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。また、低頻度サポートモード中に読み出される普図メイン変動及び普図サブ変動における変動表示時間の情報は、リーチ発生の有無及び第2変動種別カウンタCS2の値によって相違し、普図メイン変動及び普図サブ変動における遊技回用の演出を多様なものとすることが可能となっている。さらに、低頻度サポートモードにおいて設定される変動表示時間は、いずれも遊技球がスルーゲート35Aを通過してから特別入賞口52又は一般入賞口53へ入賞するまでに要すると想定される時間(期間)(例えば10sec)よりも長く設定されている。この作用については、後に詳細に説明する。
なお、特図側の変動表示時間についても、普図側の変動表示時間と同様に、リーチ発生時とリーチ非発生時とで変動表示時間が異なるように設定されていてもよい。
次に、普電乱数カウンタC4について説明する。
普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜719の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、既に説明したとおり、スルーゲート35A,35Bに入賞したタイミングで保留情報が格納されていないことを条件に普図保留エリア106の実行エリア107に格納される。既に説明したとおり、普電乱数カウンタC4の値を利用して普電役物34aを開放状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
既に説明したとおり、サポート抽選の当選確率はサポートモードによって相違するものの、サポート当選となった場合の普電役物34aの開放態様は同一のものとなっている。
具体的には、低頻度サポートモード時に参照する普図当否テーブルでは、図11(a)に示すように、当否結果として、サポート当選結果と、外れ結果とが設定されている。抽選結果がサポート当選結果となった場合、普電役物34aが1回開放され、開放継続時間は5secに設定される。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜5」がサポート当選結果に対応しており、「6〜719」が外れ結果に対応している。
つまり低頻度サポートモードにおいては、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいて120分の1の確率で普電役物34aが開放状態となり、例えば遊技者がスルーゲート35Aを狙って遊技球を発射させている場合には、スルーゲート35Aへの入賞に伴う抽選結果がサポート当選結果となれば作動口34へ入賞させることが可能となるため、天井までの入球回数に関わらず開閉実行モードへ移行させることが可能となっている。
高頻度サポートモード時に参照する普図当否テーブルでは、図11(b)に示すように、当選結果として、サポート当選結果と、外れ結果とが設定されている。抽選結果がサポート当選結果となった場合、普電役物34aが1回開放され、開放継続時間は5secに設定される。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜575」がサポート当選結果に対応しており、「576〜719」が外れ結果に対応している。つまり、高頻度サポートモードにおいては、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいて12/15の確率で普電役物34aが開放状態となり、低頻度サポートモードと比較して早期に作動口34へ入賞させることが可能となっている。
なお、開閉実行モードでなく、さらにサポートモードが低頻度サポートモードである場合が本パチンコ機10の通常遊技状態に相当する。また、各抽選用のカウンタがRAM84に設けられている構成に代えて、MPU82が乱数の更新に寄与しないように専用回路として設けられていてもよい。
<MPU82にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置71のMPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図12のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM84のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU82の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM84の初期化として当該RAM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置300に送信する。また、払出制御装置77のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図13のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU82にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板81には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU82との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU82にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU82に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU82では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU82における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU82における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU82の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板85から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、第1リーチ乱数カウンタC3、普電乱数カウンタC4及び第2リーチ乱数カウンタC5の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、第1リーチ乱数カウンタC3、普電乱数カウンタC4及び第2リーチ乱数カウンタC5から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、前回又は前回以前のタイマ割込み処理において不正行為が検知されている場合には、遊技の進行を停止すべき状況であると判断し、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。なお、不正検知の処理は、後述するステップS211にて行われる処理である。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各検知センサ32e,34c,35c,52a,53aから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、大入賞口32a、作動口34、スルーゲート35A,35B、特別入賞口52及び一般入賞口53への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている不正行為が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該設定されている不正行為が発生している場合には、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技の進行を停止すべき状況と判断する。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各検知センサ32e,34c,35c,52a,53aの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS215では、普電役物34aのサポート抽選及び普電役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部39の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置42の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板79への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。MPU82では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。MPU82では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、タイマ割込み処理のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明するとともにステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
<普図普電制御処理>
先ず、ステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート発生判定を行い、さらにそのサポート発生判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート発生判定の結果に基づいて、作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
さて、普図普電制御処理では、図14のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。ここで、普図側の保留情報の取得処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明すると、先ずステップS401にて第1普図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1普図入賞フラグは、左側領域PE2及び右側領域PE3に設けられたスルーゲート35A,35Bのうち、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aに入賞した場合にセットされるフラグであり、RAM84に設けられている。
ステップS401にて肯定判定した場合には、ステップS402にて第1普図入賞フラグをクリアするとともに、続くステップS403にて第1普図入賞カウンタを1加算する。第1普図入賞カウンタはRAM84に設けられており、初期値が「0」であって第1普図入賞フラグがセットされる度に1加算される。第1普図入賞カウンタによって、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数がカウントされるようになっている。
ステップS401にて否定判定をした場合には、ステップS404にて第2普図入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2普図入賞フラグは、左側領域PE2及び右側領域PE3に設けられたスルーゲート35A,35Bのうち、右側領域PE3に設けられたスルーゲート35Bに入賞した場合にセットされるフラグであり、RAM84に設けられている。
ステップS404にて肯定判定をした場合には、ステップS405にて第2普図入賞フラグをクリアする。また、ステップS404にて否定判定をした場合には、そのまま本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
ステップS403又はステップS405の実行後は、ステップS406にてRAM84に設けられた普図普電カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。
ここで、本普図側の保留情報の取得処理が行われる普図普電制御処理(図14)には、上記のように普図用の演出に係る処理、普電役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理(ステップS307)と、普図変動中処理(ステップS308)と、普図確定中処理(ステップS309)と、が設定されている。また、普電役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理(ステップS310)と、普電閉鎖中処理(ステップS311)と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、ROM83に設けられた普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもMPU82にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
すなわち、ステップS406にて普図普電カウンタの数値情報が「0」である場合とは、普図変動開始処理を実行可能な状況であり、具体的には、普図側の保留情報に基づく遊技回中でなく、サポート実行モード中でもない状況である。
ステップS406にて肯定判定した場合には、続くステップS407にて、普電乱数カウンタC4、第2リーチ乱数カウンタC5及び第2変動種別カウンタCS2の各数値情報を普図保留エリア106における普図用の実行エリア107に格納する。
ステップS406にて否定判定した場合、又はステップS407の処理を実行した後は、ステップS408〜ステップS413にて、天井カウント用の処理を実行する。具体的には先ずステップS408にて、第1普図入賞カウンタの値が「251」であるか否かを判定する。つまり、ステップS408では、特殊役物33への遊技球の入球回数が天井である256回にもうすぐ到達する状況であるか否かを判定する。ステップS408にて肯定判定をした場合には、ステップS409にて天井予告コマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。なおMPU82において出力対象として設定された各種コマンドは、MPU82のプログラム上の処理にて特別な処理を実行することなく出力先の制御装置に送信される。
このとき、ステップS408の判定値(=251)は、大当たり当選の天井回数(=256)よりも小さい中間数であり、「256」よりも小さい数値で複数設定しておくことも可能である。例えば、「241」、「246」、「251」のように複数設定しておき、その回数に到達する都度、天井予告コマンドを設定するようにしてもよい。
音光制御装置300では、天井予告コマンドを受信した場合には、当該天井予告コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、天井予告に対応した演出が表示発光部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置300のROM303から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って天井予告用の演出を表示発光部63及びスピーカ部65にて行わせる。
また、天井予告コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、天井予告が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを読み出し、その読み出されたデータテーブルに従って天井予告用の演出を表示する。天井予告用の演出とは具体的に、後5回の入賞が左側領域PE2のスルーゲート35Aにて発生することで大当たりとなる可能性が高いことを遊技者に報知する演出であり、例えば図柄列Z1〜Z3の変動表示とは別領域に天井予告用のキャラクタを登場させる。
ステップS408にて否定判定をした場合又はステップS409の実行後は、ステップS410にて、第1普図入賞カウンタの値が「256」であるか否かを判定する。つまりステップS410では、特殊役物33に今回入球した遊技球が、第1普図入賞カウンタに初期値が設定されてから(すなわち、前回、特別入賞口52に入賞してから)256個目であるか否かを判定する。ステップS410にて否定判定した場合には、そのまま本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
ステップS410にて肯定判定した場合には、ステップS411に進み、第1普図入賞カウンタをクリアして、本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
普図普電制御処理(図14)の説明に戻り、ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS302に進む。ステップS302では、普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
既に説明したとおり、普図普電制御処理では、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行する。以下、これらの各処理を実行するための構成を説明する。
先ずステップS305にて、普図側のゼロフラグの設定処理を実行する。普図側のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタの数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、MPU82のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS307〜ステップS311の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図13)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
続くステップS306では、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS307の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS308の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS309の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS310の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS311の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS307〜ステップS311のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS307〜ステップS311の処理について個別に説明する。
<普図変動開始処理>
先ず、ステップS307の普図変動開始処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、先ずステップS501にて、RAM84に設けられた高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度フラグは、MPU82にてサポートモードが高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれであるかを特定する場合に参照されるフラグであり、開閉実行モードの終了に際してその後に高頻度サポートモードに移行する場合に「1」がセットされる。
また、ステップS502にて、RAM84に設けられた遊技回数カウンタが「0」であるか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードに設定された状態で終了基準回数(具体的には100回)の遊技回が消化されたか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。ちなみに、遊技回数カウンタへの終了基準回数のセットは、開閉実行モードの終了に際してその後に高頻度サポートモードとなる場合に行われ、当該遊技回数カウンタにセットされた数値情報は遊技回が終了することに基づき1減算されるように更新される。
ステップS501及びステップS502の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS503にて、高頻度フラグをクリアする。これにより、普電役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。ここで、普図変動開始処理は、普図普電カウンタの数値情報が普電開放中処理や普電閉鎖中処理に対応している状況、すなわちサポート当選となった場合の普電役物34aのサポート実行モード中は実行されない。したがって、終了基準回数目の遊技回の終了前にサポート当選となったことに基づくサポート実行モード中に終了基準回数目の遊技回が終了したとしてもサポートモードは高頻度サポートモードに維持され、当該サポート実行モードが終了した後に低頻度サポートモードに切り換えられる。
続くステップS504では、高頻度解除用の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、遊技ホールの管理コンピュータへの外部端子板79からの高頻度信号の出力が停止されるようにRAM84のデータ設定を行う。高頻度信号は高頻度サポートモードに移行する場合に出力が開始される。ちなみに、当該高頻度信号の出力停止はタイマ割込み処理(図13)におけるステップS220の外部情報設定処理にて実行する。また、ステップS504では、高頻度終了コマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。高頻度終了コマンドは、高頻度サポートモードが終了したことを音光制御装置300に認識させるためのコマンドである。
ステップS501及びステップS502のいずれかで否定判定をした場合、又はステップS504の処理を実行した後は、ステップS505に進む。ステップS505では、普図側の保留情報があるか否かを判定する。具体的には、普図保留エリア106における普図用の実行エリア107に保留情報が格納されているか否かを判定する。保留情報が無い場合にはそのまま本普図変動開始処理を終了し、保留情報がある場合にはステップS506にて高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS506にて肯定判定をした場合には、ステップS507にてROM83から高頻度用の普図当否テーブルを読み出し、ステップS506にて否定判定をした場合には、ステップS508にて低頻度用の普図当否テーブルを読み出す。ステップS507又はステップS508にて対応する普図当否テーブルを読み出した後は、ステップS509に進む。
ステップS509では、当否判定処理を実行する。当否判定処理ではステップS507又はステップS508にて読み出した普図当否テーブルを参照して、普図用の実行エリア107に格納された当否判定用の情報、すなわち普電乱数カウンタC4に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、サポート当選結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS510では、変動表示時間及び停止結果の把握処理を実行する。変動表示時間の把握に際しては、低頻度サポートモードにおいて、第2変動種別カウンタCS2の現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した変動表示時間の数値情報を対応する変動表示時間テーブルから読み出す。より詳細には、サポート当選である場合、又は第2リーチ乱数カウンタC5がリーチ発生に対応している場合には、リーチ発生用の変動表示時間テーブルを読み出して変動表示時間を決定する。また、サポート当選ではない場合であって、第2リーチ乱数カウンタC5がリーチ発生に対応していない場合には、リーチ非発生用の変動表示時間テーブルを読み出して変動表示時間を決定する。これに対して、高頻度サポートモードにおいては、単一の変動表示時間の数値情報を読み出す。
また、停止結果の把握に際しては、今回開始される遊技回が終了する場合に対応する普図表示部39に表示させる停止結果の情報をROM83から読み出す。この場合、当否結果の内容に応じた停止結果の情報を読み出す。
続くステップS511では、ステップS510にて読み出した変動表示時間の数値情報を普図普電タイマカウンタにセットする。
続くステップS512では、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電カウンタが「0」である状況とは、特図側の保留情報に基づく遊技回中でなく、開閉実行モード中でもない状況である。ステップS512にて肯定判定をした場合には、ステップS513にて、変動表示時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
ステップS512にて否定判定をした場合又はステップS513の処理を実行した後はステップS514にて、今回の変動開始対象の普図表示部39において変動表示を開始させる。続くステップS515では、普図普電カウンタを1加算する。これにより、普図普電カウンタの数値情報は「0」から「1」に更新される。その後、本普図変動開始処理を終了する。
上記のように、ステップS512にて否定判定をした場合には、変動表示時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドが音光制御装置300への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が実行されている間は、普図側の保留情報に基づく遊技回用の演出として、普図メイン変動は開始されるものの普図サブ変動は開始されないようにすることが可能となる。
<普図変動中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS298の普図変動中処理について図17を参照しながら説明する。
普図変動中処理では、先ずステップS601にて、MPU82のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合にはステップS602に進む。
ステップS602では、今回の遊技回用の演出において変動表示の対象となっている普図表示部39の更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングではない場合にはそのまま本普図変動中処理を終了する。更新タイミングである場合にはステップS603にて、更新内容の読み出し処理を実行する。かかる更新内容は、ROM83に更新用データテーブルとして記憶されており、ステップS603では更新タイミングに対応した更新内容をそのデータテーブルから読み出す。
続くステップS604では、ステップS603にて読み出した更新内容を今回の普図表示部39の更新用にセットする。ちなみに、普図表示部39の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS206の表示制御処理にて実行される。その後、本普図変動中処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判定をした場合には、普図変動開始処理(図16)のステップS512と同様に、ステップS605にて特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、普図用の最終停止コマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。最終停止コマンドは、音光制御装置300に対して今回の遊技回用の演出について最終停止表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音光制御装置300では、最終停止コマンドを受信した場合には、当該最終停止コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、最終停止表示に対応した演出が表示発光部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置300のROM303から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って最終停止表示用の演出を表示発光部63及びスピーカ部65にて行わせる。かかるデータテーブルは、最終停止時間に対応している。
また、最終停止コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、そのコマンドから最終停止表示が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置400のプログラムROM403から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の遊技回用の演出における停止結果を最終停止表示させる。
ステップS605にて否定判定をした場合又はステップS606の実行後は、ステップS607に進む。ステップS607では、停止結果の読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して普図変動開始処理(図16)のステップS510にてRAM84に設定した停止結果の情報を読み出す。続くステップS608ではその読み出した停止結果の情報を今回の遊技回用の演出に対応した普図表示部39の更新用にセットする。
続くステップS609では、ROM83に予め記憶されている単一の最終停止時間(例えば0.6sec)の情報を読み出し、その最終停止時間の情報を、普図普電タイマカウンタにセットする。その後、ステップS610にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普図変動中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報は「1」から「2」に更新される。
上記のように、ステップS605にて否定判定をした場合には、普図用の最終停止コマンドが音光制御装置300への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が図柄表示装置42にて実行されている間は、普図側の保留情報に基づく遊技回用の演出として普図メイン変動は終了するものの普図サブ変動は終了しないようにすることが可能となる。
<普図確定中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS309の普図確定中処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて、普図変動中処理にて普図普電タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。なお、当該判定処理について具体的にはゼロフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
最終停止時間が経過していない場合には、そのまま本普図確定中処理を終了し、最終停止時間が経過している場合には、ステップS702にて、今回の変動表示の契機となったサポート用の当否判定の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、ステップS703にて、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS704に進む。
ステップS704では、RAM84に設けられた普電開放カウンタに「1」をセットするとともに、ステップS506にて、RAM84に設けられた普電入賞カウンタに「10」をセットする。普電開放カウンタは今回のサポート実行モードにおける普電役物34aの残り開放回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、普電入賞カウンタは今回のサポート実行モードにおいて作動口34への入賞が上限個数分発生したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。
続くステップS706では、RAM84に設けられたサポートフラグに「1」をセットする処理を実行する。サポートフラグは、サポート実行モード中であることをMPU82が特定するためのフラグであり、サポート実行モードの終了に際して普電閉鎖中処理(ステップS301)にてクリアされる。
ステップS706の処理を実行した後は、続くステップS707にて、普図普電タイマカウンタに開放継続時間(具体的には5sec)の数値情報をセットする。
すなわち本実施形態では、サポート実行モードは、作動口34へ上限個数の10個の遊技球が入賞するか、5secが経過するか、のいずれかによって終了する。この場合、開放継続時間を発射周期よりも長く設定しているため、少なくとも1個の入賞は期待できる一方で、遊技球の発射周期(0.6sec)と上限個数との積は開放継続時間よりも短いため、上限個数分の遊技球の入賞は期待できない。したがって、サポート当選となった場合に開閉実行モードへの移行契機となる作動口34への入賞を可能としつつ、出球を抑えて射幸心を抑制することが可能となっている。
続くステップS708では、普図変動開始処理(図16)のステップS512及び普図変動中処理(図17)のステップS605と同様に、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS708にて肯定判定をした場合、ステップS709にてオープニングコマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サポート当選結果となり普電役物34aが閉鎖状態から開放状態へ移行することを音光制御装置300に対して認識させるためのコマンドである。
音光制御装置300では、普図用のオープニングコマンドを受信した場合には、当該オープニングコマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、サポート当選結果となったことを契機として普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行したことに対応した演出が表示発光部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置300のROM303から読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってサポート実行モード用の演出を表示発光部63及びスピーカ部65にて行わせる。
また、オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、そのコマンドから、サポート当選結果となったことを契機として普電役物34aが閉鎖状態から開放状態へ移行したことに対応した演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置400のプログラムROM403から読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってサポート実行モード用の演出を図柄表示装置42にて実行させる。
ステップS708にて否定判定をした場合又はステップS709の実行後は、ステップS710にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普図変動開始処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新する。
上記のように、ステップS708にて否定判定をした場合には、普図用のオープニングコマンドが音光制御装置300への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が図柄表示装置42にて実行されている間は、普図側の保留情報に基づくサポート実行モード用の演出は実行されないようにすることが可能となる。
<普電開放中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS310の普電開放中処理では、普電役物34aの開放状態を維持するための処理を実行する。具体的には、普電役物34aの開放継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において否定判定した場合には、上限個数(具体的には10個)の遊技球が作動口34に入賞したか否かを判定する。当該入賞個数の判定において否定判定をした場合又は作動口34への入賞を検知していない場合にはそのまま当該普電開放中処理を終了する。また、開放継続時間が経過した場合又は上限個数が入賞した場合には、普電開放カウンタの数値情報を1減算するように更新し、普電開放カウンタの数値情報が「0」である場合にはサポート実行モードを終了する。そして、普図普電カウンタの数値情報を1加算した後に、本普電開放中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報は「3」から「4」に更新される。
<普電閉鎖中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS311の普電閉鎖中処理では、普電役物34aを開放状態から閉鎖状態に移行するための処理を実行する。その後、普図普電カウンタを「0」クリアする。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、作動口34又は特別入賞口52への入賞が発生している場合に特図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、特図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について特図用の当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行する。さらに、開閉実行モード中の処理を実行する。但し本実施形態では、作動口34及び特別入賞口52の各入賞に関してその入賞の保留可能数(特図側の保留可能数)はそれぞれ「1」であり、既に1個が入賞し、第1特図保留エリア103及び第2特図保留エリア104において保留情報が記憶されている状態では続く2個目の入賞に基づく保留は行われないようになっている。
さて、特図特電制御処理では、図19のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。ここで、特図側の保留情報の取得処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明すると、先ずステップS901にて、RAM84に設けられた第1特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図13)のステップS209の入賞検知処理にて特別入賞口52への入賞が特定された場合にセットされる。
第1特図入賞フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS902にて、第1特図入賞フラグをクリアする。続くステップS903では、第1特図保留エリア103に記憶されている第1特図側の保留情報の合計数PS1が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合にはステップS904にて、第1特図側の保留情報の合計数PS1を1加算するとともに、ステップS905にて、直前のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び第1リーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第1特図保留エリア103に格納する。
ステップS901にて否定判定をした場合、ステップS903にて否定判定をした場合、又はステップS905の処理を実行した場合には、ステップS906に進む。ステップS906では、RAM84に設けられた第2特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図13)のステップS209の入賞検知処理にて作動口34への入賞が特定された場合にセットされる。
第2特図入賞フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本取得処理を終了し、第2特図入賞フラグに「1」がセットされている場合にはステップS907にて第2特図入賞フラグをクリアする。続くステップS908では、第2特図保留エリア104に記憶されている第2特図側の保留情報の合計数PS2が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合にはステップS909にて、RAM84に設けられた第2特図実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2特図実行中フラグは、第2特図保留エリア104に記憶されている保留情報を特図用の実行エリア105へ移動する際にセットされ、当該保留情報に基づく特図サブ変動の終了の際、又は当該保留情報に基づいて開閉実行モードへ移行した場合にはその終了の際にクリアされるフラグである。
第2特図実行中フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS910にて、第2特図側の保留情報の合計数PS2を1加算する。続くステップS911では、直前のステップS192にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び第1リーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第2特図保留エリア104に格納する。
ステップS908若しくはステップS909にて否定判定をした場合、又はステップS910の実行後は、本取得処理を終了する。
特図特電制御処理(図19)の説明に戻り、ステップS801にて特図側の保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS802に進む。ステップS802では、RAM84に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS803では、ROM83から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS804にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS802〜ステップS804の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理及び開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS807)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS808)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS809)と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS810)と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS811)と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS812)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS813)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「PSA0」〜「PSA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスPSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて更新される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS804の処理を実行した後は、ステップS805にて、特図側のゼロフラグの設定処理を実行する。特図側のゼロフラグの設定処理では、特図特電タイマカウンタの数値情報を読み出し、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、MPU82のレジスタに設けられた特図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS807〜ステップS813の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図13)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
続くステップS806では、ステップS804にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがPSA0である場合にはステップS807の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA1である場合にはステップS808の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA2である場合にはステップS809の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA3である場合にはステップS810の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA4である場合にはステップS811の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA5である場合にはステップS812の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA6である場合にはステップS813の特電終了処理にジャンプする。ステップS807〜ステップS813の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS807〜ステップS813の処理について個別に説明する。
ステップS807にて実行される特図変動開始処理では、特図側の保留情報が保留記憶されていること(PS1及びPS2の少なくともいずれかが1であること)を条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理を実行する。特図側の保留情報が保留記憶されていない場合には、そのまま、本特図変動開始処理を終了する。
また、当否判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における第1変動種別カウンタCS1の数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音光制御装置300に送信するとともに、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部38及び図柄表示装置42にて遊技回用の演出が開始される。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新する。
ステップS808にて実行される特図変動中処理では、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、確定コマンドを出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置300に対して今回の遊技回用演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「1」から「2」に更新する。また、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過してなかった場合には、特図表示部38の表示内容の更新処理を実行し、特図特電カウンタの値は更新せずに、本特図変動中処理を終了する。
ステップS809にて実行される特図確定中処理では、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が大当たり結果であったか否かを判定する。当該当否判定結果が大当たり結果である場合には、オープニングコマンドを出力対象に設定するとともにオープニング時間を特図特電タイマカウンタに設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置300に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新して本特図確定中処理を終了する。また、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が外れ結果であった場合には、特図特電カウンタを「0」クリアして、本特図確定中処理を終了する。
ステップS810にて実行される特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、開放継続時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「3」から「4」に更新し、本特電開始処理を終了する。また、オープニング時間が経過していない場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS811にて実行される特電開放中処理では、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において否定判定した場合には、現状のラウンド遊技において上限個数(具体的には10個)の遊技球が大入賞口32aに入賞したか否かを判定する。当該入賞個数の判定において、否定判定をした場合又は大入賞口32aへの入賞を検知していない場合にはそのまま当該特電開放中処理を終了する。また、開放継続時間が経過した場合又は現状のラウンド遊技において上限個数が入賞した場合には、RAM84に設けられラウンド数を記憶するラウンドカウンタを1減算した後、閉鎖時間の情報を設定し、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「4」から「5」に更新し、本特電開放中処理を終了する。
ステップS812にて実行される特電閉鎖中処理では、今回の開閉実行モードにおける全てのラウンド遊技が終了したか否かを判定する。当該判定において、否定判定をした場合には、RAM84に設けられた特図入賞カウンタにラウンド遊技における大入賞口32aへの入賞上限個数(具体的には10個)をセットし、開放時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。
ラウンド遊技が終了していない場合には、大入賞口32aの閉鎖時間が経過しているか否かを判定する。当該判定にて肯定判定をした場合には、ラウンド遊技における入賞上限個数をセットし、大入賞口32aの開放時間の設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1減算することにより特図特電カウンタの数値情報を「5」から「4」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。大入賞口32aの閉鎖時間が経過していない場合には、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
ラウンド遊技が終了している場合には、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置300に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「5」から「6」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。
ステップS813にて実行される特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、RAM84のフラグを参照することで遊技状態を確認し、その確認した遊技状態に対応したサポートモードへの設定を行う。その後、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアし、本特電終了処理を終了する。
<特図変動開始処理>
次にステップS807の特図変動開始処理について、図21のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
先ずステップS1001にて、第1特図保留エリア103又は第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されているか否かを判定する。いずれの保留情報も記憶されていない場合には、そのまま特図変動開始処理を終了する。いずれかに保留情報が記憶されている場合には、ステップS1002にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、図22のフローチャートに示すように、先ずステップS1101にて、第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されているか否かを判定する。否定判定をした場合には、ステップS1102にて、第1特図側の保留情報の合計数PS1を「0」クリアする。続くステップS1103では、第1特図保留エリア103に格納された保留情報を特図用の実行エリア105に移動する。
その後、ステップS1104にて、RAM84に設けられた第2特図フラグをクリアする。第2特図フラグは遊技回用の実行対象が作動口34への入賞に基づき取得された保留情報であるか否かを特定するためのフラグである。その後、本データ設定処理を終了する。
一方、ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1105にて、第2特図側の保留情報の合計数PS2を「0」クリアする。続くステップS1106では、第2特図保留エリア104に格納された保留情報を特図用の実行エリア105に移動する。続くステップS1107では、第2特図実行中フラグに「1」をセットする。続くステップS1108では、第2特図フラグに「1」をセットする。その後、本データ設定処理を終了する。
上記のようにステップS1101の判定処理を最初に行うようにすることで、第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリア103に記憶されている保留情報よりも第2特図保留エリア104に記憶されている保留情報の方が当否判定の対象(すなわち、遊技回の開始対象)として優先される。
特図変動開始処理(図21)の説明に戻り、ステップS1002の処理を実行した後は、ステップS1003に進む。ステップS1003では、第2特図フラグが「0」であるか否かを判定することで、今回の変動開始対象が特別入賞口52への入賞を契機として取得された保留情報に基づくもの(第1特図側の保留情報)であるか否かを判定する。
ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004にてROM83から第1特図用の当否テーブル及び第1特図用の振分テーブルを読み出し、ステップS1003にて否定判定をした場合には、ステップS1005にてROM83から第2特図用の当否テーブル及び第2特図用の振分テーブルを読み出す。なお、ステップS1005では、高頻度フラグを確認してサポートモードの高低を把握し、把握したサポートモードに対応する振分テーブルを読み出す。ステップS1004又はステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ステップS1004又はステップS1005にて読み出した当否テーブルを参照して、特図用の実行エリア105に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、大当たり結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1007では、ステップS1006の当否判定処理の結果が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、対応している場合にはステップS1008に進む。
ステップS1008では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS1004又はステップS1005にて読み出した振分テーブルを参照して、特図用の実行エリア105に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわちサポート種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの振分結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、高頻度結果及び低頻度結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1009では、ステップS1008の振分判定処理の結果が低頻度結果であるか否かを判定する。低頻度結果である場合にはステップS1010にて、RAM84に設けられた低頻度結果フラグに「1」をセットする。低頻度結果でない場合にはステップS1011にて、高頻度結果フラグに「1」をセットする。
ステップS1007にて大当たり当選に対応していない場合には、ステップS1012にて第2特図実行中フラグを確認し、「1」がセットされている場合にはそれをクリアし、セットされていない場合にはその状態を維持する。
ステップS1010、ステップS1011又はステップS1012の処理の実行後は、ステップS1013にて取得情報設定処理を実行してから本特図変動開始処理を終了する。
ここで、ステップS1013の取得情報設定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201にて、変動表示時間及び停止結果の把握処理を実行する。変動表示時間の把握に際しては、サポートモードの高低を把握して対応する単一の変動表示時間の数値情報を把握する。但し、低頻度サポートモードであってもサポート実行モード中である場合には高頻度サポートモードに対応する単一の変動表示時間の数値情報を把握する。つまり、低頻度サポートモード中に、例えばスルーゲート35Aの入賞に基づいてサポート実行モードへ移行して作動口34への入賞が発生した場合には、高頻度サポートモード時の変動表示時間(0.64sec)が選択される。これにより、ほぼ大当たり結果となる作動口34への入賞において、変動表示時間が長くなることによる間延びを抑制することが可能となる。
また、停止結果の把握に際しては、今回開始される遊技回が終了する場合に対応する特図表示部38a,38bに表示させる停止結果の情報をROM83から読み出す。この場合、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた停止結果の情報を読み出す。続くステップS1202では、ステップS1201にて読み出した変動表示時間の数値情報を特図特電タイマカウンタにセットする。
続くステップS1203では、サポートフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS1203にて肯定判定する場合とは、今回の保留情報がサポート実行モードにおいての発生した作動口34又は特別入賞口52への入賞に対応する場合である。ステップS1203にて否定判定した場合、すなわちサポート実行モード以外で発生した作動口34又は特別入賞口52への入賞に対応する場合には、続くステップS1204にて、変動表示時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
音光制御装置300では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合にはそれら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の遊技回に対応した演出が表示発光部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置300のプログラムROM403から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を表示発光部63及びスピーカ部65にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の変動表示時間に対応している。
また、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置400のプログラムROM403から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行わせる。
ステップS1203にて肯定判定した場合、又はステップS1204の処理を実行した後はステップS1205にて、今回の変動開始対象の特図表示部38a,38bにおいて変動表示を開始させる。続くステップS1206では、特図特電カウンタを1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「0」から「1」に更新される。その後、本取得情報設定処理を終了する。
上記のように、ステップS1203にて否定判定をした場合には、変動表示時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドが音光制御装置300への出力対象として設定されない構成となっていることで、サポート実行モードにて取得された特図側の保留情報に基づく演出としては、特図メイン変動は開始されるものの、特図サブ変動は開始されないようにすることが可能となる。これは、サポート実行モードへの移行に際して、既に普図サブ変動において同一の図柄の組合せ形成がなされる演出が行われており、このような場合にはさらに特図サブ変動において同様の演出を行わないことで、演出が間延びしてしまうことを抑制することが可能となっている。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図19)におけるステップS813の特電終了処理について、図24のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
ステップS1301では、MPU82のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了し、エンディング時間が経過している場合にはステップS1302に進む。
ステップS1302では、RAM84の高頻度結果フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度結果フラグは、既に説明したとおり、特図側の当否判定処理においていずれかの大当たり結果となり、さらに振分判定処理において高頻度結果となった場合に「1」がセットされる。
ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて、RAM84の高頻度フラグに「1」をセットする。なお、既に高頻度フラグに「1」がセットされている場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。また、続くステップS1304では、RAM84の遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。
その後、ステップS1305にて、高頻度信号の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、遊技ホールの管理コンピュータへの外部端子板79からの高頻度信号の出力が開始されるようにRAM84のデータ設定を行う。これにより、遊技ホールの管理コンピュータにおいて高頻度サポートモード中であることを認識することが可能となる。ちなみに、高頻度信号の出力開始はタイマ割込み処理(図13)におけるステップS210の外部情報設定処理にて実行する。また、ステップS1305では、高頻度コマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。高頻度コマンドは、高頻度サポートモードに移行したことを音光制御装置300に認識させるためのコマンドである。
一方、ステップS1302にて否定判定をした場合には、ステップS1306にて、RAM84の高頻度フラグをクリアする。なお、既に高頻度フラグが「0」である場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。また、続くステップS1307では、RAM84の遊技回数カウンタを「0」クリアする。
その後、ステップS1308にて、高頻度解除用の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、普図変動開始処理(図16)におけるステップS504と同様の処理を実行する。
ステップS1305又はステップS1308の処理を実行した後は、ステップS1309にて、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアするとともに、ステップS1310にて、フラグクリア処理を実行した後に、本特電終了処理を終了する。フラグクリア処理では、第2特図フラグ、高頻度結果フラグ、低頻度結果フラグや第2特図実行中フラグをクリアする処理を実行する。
<音光制御装置300にて実行される演出決定処理>
次に、音光制御装置300にて実行される演出決定処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出決定処理は、音光制御装置300により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ずステップS1401では、普図変動時(普図入賞時)の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらコマンドを受信した場合には、ステップS1402にて、低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。音光制御装置300のMPU302では、コマンドを受信するたびに起動されるコマンド対応処理において、主制御装置71のMPU82からの高頻度コマンドを受信することでRAM304に設けられた高頻度フラグに「1」をセットし、また、主制御装置71のMPU82からの高頻度解除コマンドを受信することで当該高頻度フラグをクリアする。ステップS1402では、当該高頻度フラグを確認することで、低頻度サポートモード中であるか否かを判定することができる。高頻度サポートモードである場合には、ステップS1403〜ステップS1405における普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したことによる処理を行わない。
ステップS1402にて低頻度サポートモードである場合には、続くステップS1403にて、普図変動時用の種別コマンドの内容に基づき、所定の図柄決定処理を実行する。この場合、今回開始される遊技回の遊技結果がサポート当選か否かに応じて、停止図柄の組合せを決定する。具体的には、サポート当選の場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成されるように停止図柄の組合せを決定し、サポート当選ではない場合にはいずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないように停止図柄の組合せを決定する。
その後、ステップS1404では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。この場合、音光制御装置300のROM303に予め記憶されている普図変動時用の演出テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した変動表示時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出の内容を選択する。音光制御装置300では、ステップS1404にて決定した演出パターンに従って、普図入賞に伴う今回の遊技回における表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
続くステップS1405では、ステップS1403の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1404の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルを表示制御装置400内のプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、表示制御装置400内のVDP405に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置300にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
一方、ステップS1402にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合には、ステップS1406に進む。ステップS1406では、今回受信している種別コマンドの内容に基づき、サポート当選か否かを判定する。サポート当選である場合には、ステップS1407にて大当たり報知用処理を実行する。
大当たり報知用処理は、高頻度サポートモード中にサポート実行モード又は開閉実行モードへ移行する場合に、大当たり報知を行うための処理である。既に説明したとおり、高頻度サポートモード中においては普図サブ変動は行われない。そして、サポート実行モード又は開閉実行モードへ移行する遊技回においてのみ上記の大当たり報知が行われる構成としている。具体的には、大当たり報知に対応する演出を行うように表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。また、ステップS1407では、表示制御装置400に大当たり報知コマンドを出力する。表示制御装置400は、その受信した大当たり報知コマンドに基づいて、大当たり報知演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルをプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。
ステップS1401若しくはステップS1406にて否定判定した場合、又はステップS1405若しくはステップS1407の処理を実行した後は、ステップS1408に進む。ステップS1408では、特図変動時(特図入賞時)の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合、続くステップS1409にて、低頻度サポートモード中か否かを判定する。かかる処理はステップS1402の処理と同様である。
低頻度サポートモード中である場合には、ステップS1410にて、普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて普図サブ変動を実行中であるか否かを判定する。
普図サブ変動を実行中ではない場合は、ステップS1411にて、特図変動時用の種別コマンドの内容に基づき、所定の図柄決定処理を実行する。この場合、今回開始される遊技回の遊技結果が大当たり結果か否かに応じて、停止図柄の組合せを決定する。具体的には、大当たり結果の場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成されるように停止図柄の組合せを決定し、大当たり結果では無い場合にはいずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないように停止図柄の組合せを決定する。
その後、ステップS1412では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。この場合、音光制御装置300のROM303に予め記憶されている特図変動時用の演出テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した変動表示時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出の内容を選択する。音光制御装置300では、ステップS1412にて決定した演出パターンに従って、普図入賞に伴う今回の遊技回における表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
ここで、普図変動時用の演出テーブルと特図変動時用の演出テーブルとについて、図26を参照して簡単に説明する。
ROM303に記憶されている普図変動時用の演出テーブルとしては、MPU302が参照するアドレスAs(1)〜As(x)と演出パターンDs(1)〜Ds(x)とが一対一で対応付けられている。また、特図変動時用の演出テーブルとしては、MPU302が参照するアドレスAp(1)〜Ap(y)と演出パターンDp(1)〜Dp(y)とが一対一で対応付けられている。そして、ステップS1404又はステップS1412では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドを参照して、これらコマンドに対応するアドレスを参照することで、遊技回用の演出パターンを決定する構成としている。
続くステップS1413では、ステップS1411の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1412の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルを表示制御装置400内のプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、表示制御装置400内のVDP405に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置300にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
ステップS1410にて普図サブ変動を実行中である場合は、ステップS1414に進む。
ここで、音光制御装置300が特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信した際において、その直前に音光制御装置300が普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信しており、かつ図柄表示装置42にて普図変動時用の図柄変動演出(普図サブ変動)が実行されていれば、図柄表示装置42において、普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求とが重複することになる。この場合、ステップS1410にて肯定判定することになり、音光制御装置300は、図柄表示装置42の演出パターンを、先に生じている普図普電制御の要求に基づくものから、特図特電制御の要求に基づくものに差し替えさせるための処理をステップS1414及びステップS1415にて実行する。
ステップS1414では、実行中の普図サブ変動がサポート当選に対応するものであるか否かを判定する。サポート当選に対応するものである場合には、特図特電制御の要求に基づくものに差し替えさせるための処理を行わない。すなわち、普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求とが重複する場合であっても、普図普電制御に基づく図柄変動の要求がサポート当選に対応する図柄変動の要求であった場合には、特図特電制御の要求に基づくものに差し替えない。
これは、サポート実行モードへ移行する場合であっても、開閉実行モードへ移行する場合であっても、いずれも同一の図柄の組合せ形成が最終停止されて遊技回が終了する構成としているため、このような状況では差し替える必要がないからである。
またこの場合、特図特電制御の要求に基づく図柄変動は行われない。すなわち、天井に対応する普図サブ変動がたまたまサポート当選に対応している場合には、その後に特別入賞口52へ入賞しても特図メイン変動は行われるものの特図サブ変動は行われない。これは特図側の当否抽選はほぼ100%の確率で大当たり結果となり、既に大当たり結果に対応する報知(同一の図柄の組合せ形成)がなされているのに、さらに同様の結果を報知することなるため、遊技者を混乱させないための工夫である。
なお、既に説明したとおり、低頻度サポートモードにおいてサポート実行モード中に作動口34へ入球した場合も、同様に当該サポート実行モードへの移行に対応する報知のみが行われる。但し、これらの状況であっても特図側の報知を行う構成としてもよい。特図側の当選確率を低く設定する場合には、サポート実行モードへ移行しても開閉実行モードへ移行しない確率は高くなるため、特図側の報知を行う意義がある。
ステップS1414にて実行中の普図サブ変動がサポート当選に対応するものではない場合、続くステップS1415にて、特図特電制御の要求に基づくものに差し替えさせるための処理として演出差し替え処理を実行する。
演出差し替え処理では、実行中の普図サブ変動の変動表示状況によって、各図柄列Z1〜Z3のいずれの変動を差し替えるかを決定し、その決定された図柄列Z1〜Z3の最終停止図柄を差し替える処理を行う。また、実行中の普図サブ変動が特図サブ変動に差し替えられた場合に、特図メイン変動の終了タイミングで当該差し替え後のサブ変動が終了するように、変動表示時間を調整する処理を行う。
既に説明したとおり、本実施形態では、各図柄列Z1〜Z3の変動表示は、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で図柄を停止させる構成としており、それぞれの図柄列が停止する場合の表示態様は、変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられてから停止表示される態様となっている。この場合、高速変動中は遊技者は変動中の図柄を視認することができない又は困難であり、低速変動中は遊技者は変動中の図柄を視認することができる。そのため、図柄の差し替えを行うに際して、低速変動中の図柄列や停止表示中の図柄列の図柄を差し替えると、差し替えが行われたことが遊技者に明確に認識されてしまうことになる。
そこで本実施形態では、図柄の差し替えが行われたことを遊技者に認識されにくくするべく、低速変動中の図柄列や停止表示中の図柄列よりも、高速変動中の図柄列の図柄を優先的に差し替える構成としている。これにより、図柄の差し替えが行われたことが遊技者に認識されてしまうことによって、それまで行われていた演出の虚無感を軽減することが可能となる。
但し、各図柄列Z1〜Z3の変動状況によっては、低速変動中の図柄列や停止表示中の図柄列の図柄を差し替える必要が生じる場合がある。具体的には、本演出差し替え処理では、特図特電制御の要求に基づく演出パターンとして、大当たり結果(又は稀に外れ結果)に対応する演出パターンに差し替えを行う構成しているが、その大当たり結果の演出パターンの前提としては、リーチ表示が行われていることが望ましい。すなわち、例えば、既に上下の図柄列Z1,Z3が停止表示をしており、この上下の図柄列Z1,Z3によってリーチラインが形成されていなければ、変動中の中図柄列Z2の最終停止図柄をいかように差し替えても、大当たり結果に対応する所定の図柄の組合せを形成させることができない。
そこで本実施形態では、まず、実行中の普図サブ変動においてリーチ表示が行われているか否かを把握し、リーチ表示が行われていなければリーチ表示が行われるようにし、リーチ表示が行われていれば中図柄列Z2の最終停止図柄を差し替える構成としている。
具体的に演出差し替え処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1501〜ステップS1503により、実行中の普図サブ変動がリーチ表示に対応するものであるか否かを把握する処理を実行する。
すなわち、先ずステップS1501にて普図サブ変動の残り変動表示時間を把握する。音光制御装置300では、普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したことに基づいて、当該変動用コマンドに含まれる変動表示時間の情報をRAM304に設けられた経過カウンタに入力する。当該経過カウンタは、所定周期ごとに1減算されて更新され、設定された変動表示時間が経過するタイミングで0となる。ステップS1501ではこの経過カウンタの数値情報を確認することで普図サブ変動の残りの変動表示時間を把握することができる。
続くステップS1502では、特図サブ変動の変動表示時間を把握する。具体的には、今回受信した特図変動時の変動用コマンドに基づいて特図変動表示時間を把握する。
そしてステップS1503にて、ステップS1501にて把握した現在実行中の普図サブ変動の残り変動表示時間と、ステップS1502にて把握した今回の特図サブ変動の変動表示時間と、を比較して、普図サブ変動の残り変動表示時間のほうが特図サブ変動の変動表示時間よりも長いか否かを判定する。
ここで、普図側の遊技回(普図サブ変動及び普図メイン変動)の変動表示時間と特図側の遊技回(特図サブ変動及び特図メイン変動)の変動表示時間について、図10を再度参照して説明すると、低頻度サポートモードにおいて、リーチ非発生時用の普図用変動表示時間テーブル(図10(c))にて選択される普図側の変動表示時間は、いずれも特図用変動表示時間テーブル(図10(a))にて選択される特図側の変動表示時間よりも短くなっている。換言すれば、普図サブ変動の残り変動表示時間のほうが特図サブ変動の変動表示時間よりも長い場合とは、普図側の遊技回がリーチ表示が発生する遊技回であることを意味し、普図サブ変動の残りの変動表示時間のほうが特図サブ変動の変動表示時間よりも短い場合とは、普図側の遊技回がリーチ表示が発生しない遊技回であることを意味する。
ステップS1503にて実行中の普図サブ変動の残り変動表示時間よりも特図サブ変動の変動表示時間のほうが長いと判定した場合、すなわち実行中の普図側の遊技回がリーチ表示が発生しない遊技回である場合には、ステップS1504にて普図サブ変動の変動表示時間の延長処理を実行する。かかる処理は、実行中の遊技回の変動表示時間を延長し、特図メイン変動の終了タイミングで当該遊技回が終了するようにする処理である。具体的にはステップS1503では、現状の経過カウンタの数値情報に対して、特図サブ変動(特図メイン変動)の変動表示時間から普図サブ変動の残りの変動表示時間を差し引いた時間(期間)に相当する数値情報を加算する処理を実行する。
例えば、現状の経過カウンタの数値情報が2secに対応するものであれば、当該2secが普図サブ変動の残りの変動表示時間である。低頻度サポートモード時の特図メイン変動(特図サブ変動)の変動表示時間は20sec(図10(a)参照)であるため、この場合、実行中の遊技回の変動表示時間はこの差分である18secが延長されることになる。この場合の普図サブ変動と特図サブ変動との関係は、当該遊技回において開始から演出差し替え処理が行われたタイミングまでの間の変動が普図サブ変動であり、この延長された18secの変動が特図サブ変動である。
ステップS1504の処理を行った後は、そしてステップS1505にてタイミング別図柄差し替え処理を実行してから、本演出差し替え処理を終了する。
タイミング別図柄差し替え処理では、図柄表示装置42にて実行中の各図柄列Z1〜Z3の変動状況によって、図柄の差し替えを行う図柄列を決定する。この場合、普図サブ変動用の経過カウンタの情報と、演出決定処理(図25)の普図変動時の演出パターン決定処理(ステップS1404)にて決定した演出パターンと、を把握することで各図柄列Z1〜Z3の変動状況を把握することができる。また、図柄の差し替えに際しては、今回受信した種別コマンドに基づいて、大当たり結果か否かによって差し替え後の図柄を決定する。
既に説明したとおり、ステップS1503にて否定判定する場合とは、実行中の普図側の遊技回がリーチ表示に対応しない遊技回であるため、本タイミング別図柄差し替え処理では、高速変動中の図柄列の最終停止図柄を優先的に差し替えてリーチ表示が行われるように差し替えるための処理を行う。また、かかる処理でリーチ表示が行われるようにすることができない場合には、低速変動中の図柄列や停止表示中の図柄列を再度高速変動させることでリーチ表示が行われるようにする処理を行う。
かかる再度高速変動中の最終停止図柄を差し替える処理において、その図柄差し替え後の演出パターンの決定には、図26の演出パターンテーブルが参照される。具体的には、普図変動時の演出パターン決定処理にて決定された演出パターンが、アドレスAs(1)〜As(x)のいずれに対応するものかを特定し、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドとその特定したアドレスとに対応する特図サブ変動の演出パターンを決定して最終停止図柄の差し替えを行う。この差し替えに際し、普図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAs(n)と、特図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAp(m)〜Ap(m+z)と、が関連付けられている。このアドレスAp(m)〜Ap(m+z)のうちアドレスAp(r)〜Ap(r+s)がAs(n)に対応する演出パターンDs(n)から連続する演出パターンのアドレスとして設定されている。そして、再度高速変動中の最終停止図柄を差し替える処理においては、実行中の普図サブ変動の演出パターンがアドレスAs(n)であった場合、今回受信した変動用コマンド及び種別コマンドを参照して特図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAp(r)〜Ap(r+s)からの1のアドレスを決定し、最終停止図柄を差し替えた後の演出パターンで特図サブ変動を実行する。このようにすることで、差し替え前の演出パターンと差し替え後の演出パターンとが連続的な演出として関連付けることが可能となる。
なお、上記のように普図側のアドレスの1に対して、複数の特図側のアドレスが関連付けられている構成ではなく、それぞれ一対一に関連付けられている構成としてもよい。
さて、タイミング別図柄差し替え処理では、図27のフローチャートに示すように、先ずステップS1601にて下図柄列Z3が高速変動中であるか否かを判定する。下図柄列Z3が高速変動中である場合には、ステップS1602にて下図柄列Z3及び中図柄列Z2における最終停止図柄の差し替え処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS1602では、上図柄列Z1とリーチラインを形成するように高速変動中の下図柄列Z3における最終停止図柄を差し替える。さらに今回受信した特図変動時の種別コマンドから遊技結果を把握して、高速変動中の中図柄列Z2の最終停止図柄を最終的に特図変動時の遊技結果となるように決定する。より詳細には、大当たり結果であれば、リーチラインを形成する図柄と同じ図柄を中図柄列Z2の最終停止図柄として決定し、外れ結果であれば、リーチラインを形成する図柄とは異なる図柄を中図柄列Z2の最終停止図柄として決定する。この場合、上記のように普図サブ変動の演出テーブルにおけるアドレスAs(1)〜As(x)を参照して、最終停止図柄を差し替えた後の演出パターンを決定する。そして、その演出パターンに従って表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
また、ステップS1602では、表示制御装置400に演出差し替えコマンドを出力する。演出差し替えコマンドには、演出差し替えが行われることの情報と差し替え後の最終停止図柄の情報と差し替え後の演出パターンとが含まれており、表示制御装置400は、その受信した演出差し替えコマンドに基づいて、差し替え後の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルをプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。
ステップS1601にて下図柄列Z3が高速変動中ではない場合とは、上下の図柄列Z1,Z3が既に停止しており、リーチラインが形成されていないことを意味する。この場合、続くステップS1603にて中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。中図柄列Z2が高速変動中である場合には、続くステップS1604にて上下の図柄列Z1,Z3の再変動用処理を実行する。かかる処理では、再変動後にリーチラインが形成されるように上下の図柄列Z1,Z3の最終停止図柄を決定するとともに、再変動後の演出パターンを決定する。
この再変動後の演出パターンの決定にも、図26の演出パターンテーブルが参照される。具体的には、普図変動時の演出パターン決定処理にて決定された演出パターンが、アドレスAs(1)〜As(x)のいずれに対応するものかを特定し、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドとその特定したアドレスとに対応する特図サブ変動の演出パターンを決定して最終停止図柄の差し替えを行う。上記のように普図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAs(n)と、特図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAp(m)〜Ap(m+z)と、が関連付けられている。このアドレスAp(m)〜Ap(m+z)のうちアドレスAp(t)〜Ap(t+u)がAs(n)に対応する演出パターンDs(n)から連続しない演出パターンのアドレスとして設定されている。ステップS1604では、実行中の普図サブ変動の演出パターンがアドレスAs(n)であった場合、特図変動時用の演出テーブルにおけるアドレスAp(t)〜Ap(t+u)のアドレスから1のアドレスを決定し、最終停止図柄を差し替えた後の演出パターンで特図サブ変動を実行する。このようにすることで、差し替え前の演出パターンと差し替え後の演出パターンとを非連続的な演出(差し替え前後で異なる演出)として関連付けることが可能となる。そして、これまでとは異なる演出パターンで差し替えが行われることによって、遊技者は特別な演出が行われるのではないか、すなわち大当たり結果となるのではないかと期待し、注目度を高めることが可能となる。
したがって、本実施形態では、上記のようにこれまでの演出パターンと連続性のある演出パターンに差し替える場合(ステップS1602)もあれば、これまでの演出パターンとは異なる演出パターンに差し替える場合もある。そのため、演出の多様化を図ることが可能となり興趣向上が図られる。
さらにステップS1604では、低速変動中又は停止中の上下の図柄列Z1,Z3を再度、高速変動させるべく、表示制御装置400へ再変動コマンドを出力するとともに、再変動を実行する際の効果音などの演出を表示発光部63及びスピーカ部65を制御することにより実行する。再変動コマンドを受信した表示制御装置400は、図柄列の再変動を行うためのデータテーブルをプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。
続くステップS1605では、中図柄列Z2における最終停止図柄の差し替え処理を実行する。かかる処理では、今回受信した特図変動時の種別コマンドから遊技結果を把握して、高速変動中の中図柄列Z2の最終停止図柄を最終的に特図変動時の遊技結果となるように決定する。より詳細には、大当たり結果であれば、ステップS1604にて決定した上下の図柄列Z1,Z3の最終停止図柄、すなわちリーチラインを形成している図柄と同じ図柄を中図柄列Z2の最終停止図柄として決定し、外れ結果であれば、リーチラインを形成する図柄とは異なる図柄を中図柄列Z2の最終停止図柄として決定する。そして、リーチ発生用の演出パターンに従って表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。また、ステップS1605では、表示制御装置400に演出差し替えコマンドを出力する。演出差し替えコマンドを受信した表示制御装置400の処理については、既に説明したとおりである。但しこの場合の演出パターンは、再変動処理(ステップS1604)により決定されたこれまでの演出パターンとは異なる演出パターンである。ステップS1605の処理を実行した後は、本処理を終了する。
ステップS1603にて中図柄列Z2が高速変動中ではなく低速変動中であるか停止している場合には、ステップS1606にて、全図柄列Z1〜Z3の再変動処理用処理を実行する。かかる処理はステップS1604の処理と概ね同様の処理である。すなわち、再変動後にリーチラインが形成されるように上下の図柄列Z1,Z3の最終停止図柄を決定するとともに、再変動後の演出パターンを今回受信している特図用の変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて決定する。そして、低速変動中又は停止中の図柄列Z1〜Z3を再度、高速変動させるべく、表示制御装置400へ再変動コマンドを出力するとともに、再変動を実行する際の効果音などの演出を表示発光部63及びスピーカ部65を制御することにより実行する。再変動コマンドを受信した表示制御装置400の処理については、既に説明したとおりである。
続くステップS1607では、中図柄列Z2における最終停止図柄の差し替え処理を実行する。かかる処理は、ステップS1605の処理と同様の処理である。ステップS1607の処理を実行した後は、本処理を終了する。
演出差し替え処理(図26)の説明に戻り、ステップS1503にて実行中の普図サブ変動の変動表示時間のほうが特図サブ変動の変動表示時間よりも長いと判定した場合には、ステップS1506にて普図サブ変動の変動表示時間の短縮処理を実行する。かかる処理は、実行中の遊技回の変動表示時間を短縮し、特図メイン変動の終了タイミングで当該遊技回が終了するようにする処理である。具体的にはステップS1506では、現状の経過カウンタの数値情報から、普図サブ変動の残りの変動表示時間から特図サブ変動の変動表示時間を差し引いた時間(期間)に相当する数値情報を減算する処理を実行する。
例えば、現状の経過カウンタの数値情報が36secに対応するものであれば、当該36secが普図サブ変動の残りの変動表示時間である。上記のとおり低頻度サポートモード時の特図メイン変動(普図サブ変動)の変動表示時間は20secであるため、この場合、実行中の遊技回の変動表示時間はこの差分である16sec短縮されることになる。この場合の普図サブ変動と特図サブ変動との関係は、当該遊技回において開始から演出差し替え処理が行われたタイミングまでの間の変動が普図サブ変動であり、それ以降の変動が特図サブ変動である。
また、上記のとおりステップS1503にて肯定判定する場合とは、普図側の遊技回がリーチ表示が発生する遊技回であることを意味する。この場合、実行中の普図サブ変動においてリーチ表示が発生しているため、上図柄列Z1や下図柄列Z3の最終停止図柄を差し替えてリーチラインを形成させるための処理が必要ない。そこで、ステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて中図柄列Z2における最終停止図柄の差し替え処理を実行してから、本演出差し替え処理を終了する。ステップS1507の処理は、上記ステップS1605及びステップS1607の処理と同様である。但しこの場合、最終停止図柄の差し替え後の演出パターンとしは、ステップS1607のように実行中の普図サブ変動の演出パターンに基づいて決定される。したがって、実行中のリーチ表示の演出パターンから連続的な演出パターンに差し替えられることになり、これまでのリーチ表示が無駄にならない。ステップS1507の処理を実行した後は、演出差し替え処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態における演出差し替え処理では、リーチ表示が実行可能か否かによって、連続的な演出パターンに差し替えたり、実行中の演出パターンとは異なる演出パターン、すなわち非連続な演出パターンとなるように演出を差し替える。但し、演出差し替えの態様はこれに限定されず、例えば、連続的な演出パターンとする場合、低速変動中の下図柄列をスベリや急停止させてリーチ表示を行ってもよいし、既に停止している図柄を高速変動を伴わずに例えば煙に隠しながら図柄を差し替えてリーチ表示を行ってもよい。要は連続的な演出パターンとする場合、差し替え前後の演出が連続的な関係(同じキャラクタが同じ様子のまま演出が継続されたり、同様のストーリー仕立ての演出が継続されたり、差し替え前後でひとつの演出となるようなもの)があればよい。また、非連続な演出パターンとする場合、可動役物の動作等を伴ってアニメーションや動画のスーパーリーチに発展するようにしてもよいし、画面をブラックアウトさせて所謂フリーズ演出としてもよい。要は非連続な演出パターンとする場合、差し替え前後の演出が非連続の関係(演出に現れるキャラクタが変更されたり、形式が変更されたり、異なるストーリー仕立ての演出が行われたりするもの)であればよい。
演出決定処理(図25)の説明に戻り、ステップS1409にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモード中である場合は、ステップS1416に進む。ステップS1416では、普図メイン変動を実行中であるか否かを判定する。既に説明したとおり高頻度サポートモード中は普図サブ変動は行われず、サポート実行モードに移行する場合にのみ大当たり報知が行われる。但し、音光制御装置300のMPU302は、普図メイン変動を実行している期間はそれを把握することができる。すなわち、普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したことに基づいて変動表示時間の情報が入力される上記の経過カウンタの数値情報が0でない場合に、普図メイン変動を実行している期間として把握する。
普図メイン変動を実行中である場合には、ステップS1417にてかかる普図メイン変動がサポート当選に対応するものであるか否かを判定する。サポート当選に対応するものではない場合、又はステップS1416にて普図メイン変動を実行中ではない場合は、ステップS1418にて今回の特図変動が大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。具体的には、今回受信した特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドから遊技結果を把握して、大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS1419にて、大当たり報知用処理を実行する。
ステップS1413、ステップS1415及びステップS1419のいずれかの処理を実行した後、ステップS1414若しくはステップS1417にて肯定判定した後、又はステップS1418にて否定判定した後は、ステップS1420にてその他の処理を実行してから、本演出決定処理を終了する。
ステップS1420のその他の処理では、天井予告コマンドを受信したことに基づく天井予告演出を実行するための処理や、普図用及び特図用のオープニングコマンドやエンディングコマンドの受信に基づき、サポート当選時用の演出や開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。
また、高頻度サポートモードにおいても、実行中の普図メイン変動がサポート当選に対応するものである場合には(ステップS1417:YES)、特図特電制御の要求に基づくものに差し替えさせるための処理(ステップS1418及びステップS1419)を行わない。
次に、スルーゲート35A,35Bへの入賞(普図入賞)と、作動口34及び特別入賞口52への入賞(特図入賞)と、これらの入賞に基づく変動表示の関係について図29を参照して説明する。
先ずt1のタイミングで普図入賞が発生すると、普図表示部39における普図メイン変動と、図柄表示装置42における普図サブ変動が開始される。既に説明したとおり、これらの変動表示時間は、普図変動開始処理(図16)のステップS510にて決定され、その変動表示時間の経過タイミングであるt2のタイミングで、普図メイン変動及び普図サブ変動が終了する。この場合、普図メイン変動及び普図サブ変動の演出は普図入賞に基づく遊技結果に対応したものであり、例えば遊技結果がサポート当選であった場合には、サポート実行モードに移行して普電役物34aの開閉制御が開始される。
t3のタイミングで開始された普図メイン変動及び普図サブ変動の変動中であるt4のタイミングで特図入賞が発生した場合であって、その特図入賞に基づく特図メイン変動(特図サブ変動)の変動表示時間(TA1)が普図サブ変動の残り変動表示時間(TA2)よりも長い場合、現在実行中の普図サブ変動の変動表示時間の延長処理が行われる。その結果、t5のタイミングで普図メイン変動が終了しても普図サブ変動は終了しない。そして、特図メイン変動が終了するt6のタイミングで普図サブ変動が終了する。この場合、既に説明したとおり、基本的には普図サブ変動の演出は特図入賞に基づく遊技結果に対応したものに差し替えられた状態で終了する。そして、例えば特図入賞に基づく遊技結果が大当たり結果である場合には、開閉実行モードに移行して特電入賞装置32の開閉制御が開始される。
t7のタイミングで開始された普図メイン変動及び普図サブ変動の変動中であるt8のタイミングで特図入賞が発生した場合であって、その特図入賞に基づく特図メイン変動(特図サブ変動)の変動表示時間(TA3)が普図サブ変動の残り変動表示時間(TA4)より短い場合、現在実行中の普図サブ変動の変動表示時間の短縮処理が行われる。その結果、t9のタイミングで特図メイン変動が終了すると、普図メイン変動は終了しないものの普図サブ変動は終了する。この場合、既に説明したとおり、基本的には普図サブ変動の演出は特図入賞に基づく遊技結果に対応したものに差し替えられた状態で終了する。そして、例えば特図入賞に基づく遊技結果が大当たり結果である場合には、開閉実行モードに移行して特電入賞装置32の開閉制御が開始される。一方、普図サブ変動については、t7の変動開始時に決定された変動表示時間の経過タイミングであるt10のタイミングで終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別入賞口52に遊技球が入球したことに基づいて開閉実行モードへの移行抽選(特図側の当否判定処理)が行われるとともに、当該当否抽選に対応する遊技回用の演出が図柄表示装置42にて行われる構成において、スルーゲート35Aを通過した遊技球の一部が特別入賞口52へ入賞するように構成し、このスルーゲート35Aへの入賞に基づいても、図柄表示装置42にて遊技回用の演出を行う構成とした。これにより、特別入賞口52への入賞が発生しない(一般入賞口53への入賞が発生する)期間においても、遊技者に対して、あたかも開閉実行モードへの移行抽選が行われているかのように見せることができる。但し、このような構成においては、スルーゲート35Aへの入賞に基づいて遊技回用の演出を行っている最中に特別入賞口52への入賞が発生した場合には、音光制御装置300において遊技回用の演出を行うための図柄変動の要求が重複することになる。そのためこのような場合には、演出差し替え処理(図26)にて遊技回の演出を特別入賞口52への入賞に対応するものに差し替える構成とし、上記重複する場合の不都合を解消して、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特に、抽選結果表示部37において特図メイン変動や普図メイン変動が行われ、更に図柄表示装置42にて遊技回用の演出(特図サブ変動及び普図サブ変動)が行われる構成においては、開閉実行モードへの移行やサポート実行モードへの移行は抽選結果表示部37による変動表示の終了タイミングに合わせて移行する。そのため、上記のような演出の差し替えを行う場合に図柄表示装置42側の遊技回用の演出の終了タイミングと開閉実行モードやサポート実行モードへの移行タイミングとが合っていないと、以下のような不都合が生じ得る。すなわち、例えば抽選結果表示部37の停止のタイミングが図柄表示装置42側の演出の終了タイミングに対して早すぎると、抽選結果表示部37だけでなく図柄表示装置42も見ている遊技者にとって開閉実行モードやサポート実行モードへの移行の表示がなされない苛立ちを生じさせる恐れがある。また逆に図柄表示装置42側の演出の終了タイミングが抽選結果表示部37の停止のタイミングに対して早すぎると、抽選結果表示部37の停止の前に、開閉実行モードやサポート実行モードへの移行が分かってしまい、図柄表示装置42側の演出を見る興味がそがれてしまう恐れがある。
さらにこのような構成においては、遊技ホールの管理者らは、一般的に、抽選結果表示部37側を確認して当否抽選が行われたこと及びその結果を確認したりして、当否抽選に基づかずに開閉実行モードやサポート実行モードへ移行させるような不正行為が行われていないか否かを確認すると考えられる。そのため、開閉実行モードやサポート実行モードへの移行タイミングを抽選結果表示部37での変動表示の停止タイミングに合わせることで、上記の不正行為の発見を容易に行うことが可能となる。
上記の具体的な構成として、スルーゲート35Aに入賞した遊技球が特殊役物33に必ず入球するようにし、当該特殊役物33において振分板54によって、特別入賞口52へ入賞可能な第1通路51aと、特別入賞口52へ入賞不可能な第2通路51bと、に振り分ける構成とした。
そして、上記のスルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回の変動表示時間を、スルーゲート35Aを通過してから特殊役物33の第1通路51aを通過して特別入賞口52へ入賞するまでに要すると想定される時間よりも長く設定した。これにより、特別入賞口52への入賞に基づいて遊技回用の演出(特図サブ変動)をスルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回用の演出(普図サブ変動)から差し替える際に、当該スルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回用の演出が終了してしまっている可能性を低減することができる。
つまり、上記のような構成とすると、スルーゲート35Aを遊技球が通過して、その後に当該遊技球が特別入賞口52に入賞することになるが、スルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回の変動表示時間が上記の通過に要する期間よりも短いと、スルーゲート35Aを遊技球が通過したことに基づいて遊技回用の演出が開始され、さらに当該遊技球が特別入賞口52に入賞することに基づいて別の遊技回用の演出が開始されることになる。したがって、1の遊技球が流下することによって複数の遊技回が行われることになり、遊技者としては違和感を抱きかねない。これに対して、上記のようにスルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回の変動表示時間を通過に要する期間よりも長くすることによって、特別入賞口52に入賞する場合には、スルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回が行われている構成とすることができ、上記のような違和感を与える可能性を低減することができる。
但し、スルーゲート35Aへの入賞に基づいて遊技回用の演出を実行中にさらにスルーゲート35Aへの入賞が発生し、当該入賞が天井に対応するものである場合には、上記実行中の遊技回の終了後に特別入賞口52へ入賞する可能性もある。そこでこの場合には、特別入賞口52への入賞に基づいて遊技回用の演出を開始する構成とした(ステップS1410〜ステップS1413)。これにより、天井に対応する遊技回が行われない事象を回避することができる。
このような構成において、遊技回用の演出を差し替える場合には、特別入賞口52への入賞に基づく遊技回の変動表示時間の長さに応じて、実行中の(スルーゲート35Aへの入賞に基づく)遊技回の変動表示時間を延長又は短縮する構成とした。これにより、特別入賞口52への入賞に基づく遊技回の変動表示時間が経過した後に開閉実行モードへ移行するタイミングと、図柄表示装置42側の遊技回用の演出の終了タイミングと、を合わせることが可能となる。
スルーゲート35Aへの入賞に基づいてサポート実行モードへの移行抽選(普図側の当否判定処理)を行う構成とし、スルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回用の演出を当該サポート実行モードへの移行抽選に対応する内容となるようにした。これにより、開閉実行モードへの移行抽選を伴わないスルーゲート35Aへの入賞に基づく遊技回用の演出であっても、その注目度を高めることができる。
特に本実施形態では、サポート実行モードへ移行することで作動口34への入賞が許容され、その作動口34への入賞に基づいて、ほぼ100%の確率で開閉実行モードへ移行する。したがって、実質的にスルーゲート35Aへの入賞に基づく移行抽選を開閉実行モードへの移行抽選ともすることが可能となり、スルーゲート35A及び特別入賞口52のいずれの入賞に伴う遊技回用の演出であろうと、差異なく遊技者へ注目させることができる。
スルーゲート35への入賞に基づいて行われる移行抽選の抽選結果がサポート当選結果である場合には、特別入賞口52への入賞に基づいて行われる移行抽選の抽選結果が大当たり結果である場合と同様に、図柄表示装置42にて同一の図柄の組合せが形成されて停止表示される構成とした。このような構成とすることで、サポート実行モードへの移行抽選に当選していて、且つ開閉実行モードへの移行抽選に当選していない場合と、サポート実行モードへの移行抽選に当選しておらず、且つ開閉実行モードへの移行抽選に当選している場合と、いずれの移行抽選にも当選している場合と、のいずれもが同様の停止結果として表示されるため、遊技回において同一の図柄の組合せが形成されて停止表示されたのにも関わらず何の状態も移行しない、といった不都合を解消し、また、上記の各場合において停止表示を差し替えることに起因する遊技の複雑化を招くことがない。
上記のようにスルーゲート35A及び特別入賞口52の入賞に基づいて図柄表示装置42側で遊技回用の演出を行う構成としつつも、スルーゲート35Aへの入賞に基づく移行抽選の結果は普図表示部39に表示され、特別入賞口52への入賞に基づく移行抽選の結果は特図表示部38に表示される。したがって、上記の各効果を奏しつつも、遊技ホールの管理者等は、これら各表示部38,39を確認することで、それぞれの移行抽選が行われたこと、及びその抽選結果を把握することができる。
演出差し替え処理(図27)では、各図柄列Z1〜Z3の最終停止図柄を差し替えて、その後にリーチ表示が行われるようにした。すなわち実行中の演出パターンから連続する演出パターンとなるように演出を差し替える構成とした。これにより、それまで行われていた普図サブ変動の演出が無駄にならず、遊技者にそれまでの演出を無駄なものとして感じさせてしまうことを低減することができる。また、このようにすることで、差し替えられる際の違和感も低減することができる。
また演出差し替え処理におけるタイミング別図柄差し替え処理(図28)では、各図柄列Z1〜Z3の変動状況を把握して、いずれの図柄列Z1〜Z3も変動中であれば全ての図柄列Z1〜Z3の最終停止図柄を差し替え、いずれかの図柄列Z1〜Z3が停止していればその図柄列を再変動させる構成とした。これにより差し替え時にリーチラインが形成されておらずリーチ表示を行うことができない、といった不都合を回避することができる。
遊技領域PEに設けられた特殊役物33において、球通過口33aから特別入賞口52までの遊技球通過領域Rには、球通過口33aを通過した遊技球を第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)と、第2通路51b(特別入賞口52に入賞不可能な通路)とのいずれかに振り分ける8個(上下8段)の振分板54が設けられているため、遊技球が球通過口33aを通過したからといって全てが特別入賞口52に入賞するわけでなく、遊技球が各振分板54により第1通路51a側に振り分けられた場合にのみ特別入賞口52への入賞がなされる。特に、各振分板54は、球通過口33aを通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が球通過口33aを通過することに伴い特別入賞口52に遊技球を入賞させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を特別入賞口52に入賞させて所定の特典を得るには、球通過口33aにおいて所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本パチンコ機10を遊技する遊技者は、球通過口33aにおいて所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。
特殊役物33は、遊技球通過領域Rにおいて上流側から下流側にかけて8段の振分板54を有しており、これら8段の振分板54は、そのうち前段の振分板54で遊技球が第1通路51a側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分板54に到達するようにそれぞれ配置されている。そして、球通過口33aにおける遊技球の通過数が所定数(本実施形態では256個)になると、8個の振分板54について遊技球の振り分け先が全て第1通路51a側になり、遊技球が特別入賞口52に入賞する状態に移行するようになっている。この場合、各段の振分板54は、遊技球の到来の都度、第1通路51a側と第2通路51b側とで交互に振り分け先を変えるものである。そのため、各振分板54の振り分け先を全て第1通路51a側にするのに要する遊技球数(すなわち特別入賞口52への入賞に要する球個数)を変更するには、その振分板54の設置段数を変更すればよく、特別入賞口52への入賞に関する設計変更を容易に実施できる。例えば、パチンコ機10において、特典を取得しにくくする(特別入賞口52への入賞機会を減らす)には振分板54の設置段数を多くし、特典を取得しやすくする(特別入賞口52への入賞機会を増やす)には振分板54の設置段数を少なくするとよい。
各振分板54は、遊技球通過領域Rに揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たることで揺動して遊技球の振り分け先を切り替えるものである。この場合、振分板54による振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
特殊役物33は、球通過口33aを通過した遊技球(特殊役物33内に入った遊技球)を、遊技球の入賞に伴い特典付与の抽選処理が実行される特別入賞口52と、同抽選処理が実行されない一般入賞口53とのいずれかに振り分けるものである。この構成によれば、遊技球が球通過口33aを通過することで、各入賞口52,53のうちいずれかへの入賞が生じ、その入賞に伴い遊技球の払出が期待できる。つまり、遊技者にとっては、遊技球が球通過口33aを通過することにより何らかの利益がもたらされる。それもあって、遊技者が、球通過口33aでの遊技球の通過を狙って発射装置を発射操作することが促され、結果として、球通過口33aでの球通過個数が増えて特別入賞口52への入賞機会が増えることとなる。
特別入賞口52に遊技球が入賞した場合に実施される抽選処理の当選確率は100%であるため、球通過口33aにおいて所定数分の遊技球が通過することに伴い、遊技者は高確率で特典を得ることができる。したがって、やはり遊技者に対して継続遊技を促すことが可能となる。
なお、抽選処理の当選確率は、50%以上であればよく、50%、80%のように100%以外の確率に変更してもよい。
遊技領域PEには、特別入賞口52への入賞時と同様の抽選処理(開閉実行モードに関する抽選処理)が実行される入賞部として作動口34が設けられている。この場合、球通過口33aにおいて所定数分の遊技球が通過する前であっても、すなわち特別入賞口52に遊技球が入賞する前であっても、作動口34に遊技球が入賞することにより抽選処理が実施されるため、遊技中の遊技者に、さらに別の当選機会を与えることができる。例えば、球通過口33aへの球通過数が所定数に達して抽選処理が実施された直後などにおいては、次の抽選処理までに時間的な隔たりが生じ、遊技者の遊技継続の意欲が削がれるおそれがあるが、上記のとおり作動口34への入賞により抽選処理が実施される構成であれば、いつでも当選の期待を持ち続けさせることができ、遊技者に対して遊技の継続を促すことが可能となる。
遊技領域PEにおいて特殊役物33の入口である球通過口33aの真上位置にはスルーゲート35Aが設けられ、スルーゲート35Aの通過直後に遊技球が球通過口33aを通過する構成となっており、遊技球が球通過口33aを通過しかつ特別入賞口52に入賞することに基づいて、遊技者に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する一方、遊技球がスルーゲート35Aを通過することに基づいて、遊技者に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選するようにしている。この場合、遊技者が球通過口33aを狙って遊技球を発射することは、それと同時にスルーゲート35Aを狙うことにもなる。この場合、遊技球がスルーゲート35Aを通過すれば、第2特典についての抽選処理が行われる。また、遊技球がスルーゲート35Aに引き続いて球通過口33aを通過する場合に、その球通過口33aでの球通過回数が所定数になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞し、第2特典についての抽選処理が行われる。ここで、遊技者にとっては、上記の各通過部(スルーゲート35A、球通過口33a)での遊技球の通過により第2特典だけでなく、第1特典を得る機会が増え、遊技の継続意欲が増えることとなる。
球通過口33a又は特別入賞口52の入賞時に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)の抽選結果に基づいて決定される第1演出(特図サブ変動)と、スルーゲート35Aの通過時に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)の抽選結果に基づいて決定される第2演出(普図サブ変動)とをいずれも図柄表示装置42にて実施する構成とした。この場合、遊技者にとっては、図柄表示装置42による演出の実行中においてその演出が第1特典用のものか第2特典用のものかが判別しづらいものとなっている。したがって、図柄表示装置42の演出への関心を高めることができる。
第1演出と第2演出とは同様の演出形態を含むものとなっている。つまり、図柄表示装置42において、同じ背景、同じ文字絵柄、同じキャラクタ図柄による表示演出が行われるようにした。例えば、図柄表示装置42において変動図柄の変動が実施される場合に、第1演出及び第2演出でいずれも同様の変動図柄を変動させることとし、最終の確定図柄だけを、第1演出用の図柄、第2演出用の図柄とするとよい。これにより、第1演出と第2演出とのいずれが実施されているかの判別が一層困難になり、演出の結果に対する興味を高めることができる。
本実施形態では、遊技球がスルーゲート35Aを通過した場合にはその直後に同遊技球が特殊役物33内にも入球されるようになっており、さらに特殊役物33内は視認不可となっている。そのため、果たして今回の演出が特別入賞口52への入賞に基づくものか、スルーゲート35Aの球通過によるものかを判別できず、遊技者の特典付与についての注目度を一層高めることができる。
なお、第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)よりも第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)の方が賞球の期待数が多く設定されている。この場合、遊技者は、賞球の期待数の多い第1特典の発生を期待して遊技を行うが、第1特典及び第2特典のいずれの演出処理が現在実行されているのかを認識できないため、遊技者に第1特典の発生を期待させることで抽選結果への注目度をより高くすることが可能となる。
普図普電制御処理において、特図特電カウンタが「0」であること、すなわち特図特電制御処理に基づく遊技回が図柄表示装置42にて実行されていないことを判定するようにした。つまり、普図普電制御処理において特図特電制御の実行状況を監視するようにした。そして、特図特電制御処理として図柄表示装置42での図柄変動が生じている場合には、普図普電制御処理として図柄表示装置42での図柄変動を開始しない構成とした。これにより、普図普電制御処理に基づく図柄変動と、特図特電制御処理に基づく図柄変動とを同一の図柄表示装置42で実施する構成において、特図特電制御による図柄変動が中途半端な状態で中断されてしまうことを抑制でき、違和感無く図柄表示を実施できる。したがって、第1特典の抽選と第2特典の抽選とがランダムに発生したとしても、図柄表示装置42において適正な表示演出を実施できる。
特殊役物33において各振分板54を遊技機前方から覆うカバー部材60を設け、カバー部材60により、各振分板54を遊技者から視認不可とした。この場合、各振分板54の振り分け先が、第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)になっているのか、第2通路51b(特別入賞口52に入賞不可能な通路)になっているのかを遊技者に把握させづらくすることができる。また、遊技者が各振分板54を視認することは不可であるが、遊技領域PEに設けられたカバー部材60によって各振分板54の存在を認識することは可能であり、遊技球の振り分けが行われることに対する遊技者の注目を高めることができる。
球通過口33aでの球通過数が所定数(=256)に近づく過程において、当該球通過数が、所定数よりも小さい所定の中間数(=251)に到達した場合に、その中間数への到達を遊技者に知らせるための報知処理を実行する構成とした。この場合、遊技者が、今後どれほどで特別入賞口52に遊技球が入賞するのかを容易に把握でき、その入賞に対する期待度を高めることができる。これによっても、やはり遊技の継続を促すことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、天井に到達した場合に普図サブ変動を差し替える構成が上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、第1普図入賞カウンタを利用して、天井に到達した場合には普図サブ変動を普図サブ変動の開始時点で予め天井に対応した演出に差し替える構成とし、また、差し替えられた普図サブ変動の変動表示時間に対応するように天井時の特図メイン変動の変動表示時間を決定する構成としている。以下、詳細な処理構成について説明する。
<普図側の保留情報の取得処理>
先ず、本実施形態における普図側の保留情報の取得処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。なお、この図30の処理は、図15の処理に置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、上記第1の実施形態のステップS401〜ステップS409と同様に、ステップS1701〜ステップS1709にて、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づく普図用の各カウンタC4,C5,CS2の格納処理、及び天井予告用の処理を実行する。またステップS1710では、ステップS410と同様に、第1普図入賞カウンタが「256」であるか否かを判定することで、特殊役物33への入球回数が天井に到達したか否かを判定する。天井に到達していない場合には、そのまま本取得処理を終了する。
天井に到達した場合には、続くステップS1711にて普図普電カウンタが「0」であるか否かを判定し、普図メイン変動が変動表示中である状況か否かを判定する。普図普電カウンタが「0」ではない場合(普図メイン変動が変動表示中である場合)には、続くステップS1712にてRAM84に設けられた天井差し替えフラグに「1」をセットする処理を実行する。天井差し替えフラグは、現在実行中の普図サブ変動を天井に対応する演出に差し替えることをMPU82が特定するためのフラグである。
続くステップS1713では、天井差し替えコマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。天井差し替えコマンドを受信したことに基づく音光制御装置300の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1711にて否定判定した場合、又はステップS1713の処理を実行した後は、ステップS1714にてRAM84に設けられた天井フラグに「1」をセットする処理を実行する。天井フラグは、特殊役物33への遊技球の入球回数が天井である256回に到達したことをMPU82が特定するためのフラグである。そして、当該天井フラグは、普図確定中処理(図18)においてステップS701にて最終停止時間が経過したと判定された場合には消去される。
続くステップS1715では、ステップS411と同様に第1普図入賞カウンタをクリアしてから、本取得処理を終了する。
<普図変動開始処理>
次に、本実施形態における普図変動開始処理について、図31(a)のフローチャートを参照して説明する。なお、図31(a)の処理は、図16の処理に置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS501〜ステップS509の処理と同様に、ステップS1801〜ステップS1809にてサポートモードの移行処理、及びサポートモードに対応する当否判定処理を実行する。
ステップS1810では、天井フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップS1811にて通常用の変動表示時間及び停止結果の把握処理を実行する。ステップS1811の処理は、上記ステップS510の処理と同様である。
ステップS1810にて天井フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1812にて天井用の変動表示時間及び停止結果の把握処理を実行する。かかる処理では、天井時の普図用変動表示時間テーブルを読み出して、今回の普図メイン変動及び普図サブ変動の変動表示時間を決定する。天井時の普図用変動表示時間テーブルでは、図31(b)に示すように、第2変動種別カウンタCS2の数値情報にかかわらず、単一の変動表示時間となっている。また当該変動表示時間は、スルーゲート35Aを遊技球が通過してから特別入賞口52に入賞するまでに要すると想定される時間(例えば10sec)に、特別入賞口52に入賞してから図柄表示装置42にて大当たり用の演出を実行するために必要な時間を加えた時間となっており、具体的には例えば42secとなっている。一方、停止結果の把握処理では、今回の普図側の当否判定処理(ステップS1809)の結果に対応した停止結果を把握する。
ステップS1811又はステップS1812の処理を実行した後は、ステップS1813にて、ステップS1811にて把握した通常用の変動表示時間、又はステップS1812にて把握した天井用の変動表示時間を普図普電タイマカウンタにセットする処理を実行する。続くステップS1814〜1817の処理は、ステップS512〜ステップS515の処理と同様である。但し、本実施形態においては、ステップS1815にて普図用の変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象として設定する場合、天井フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされている場合、すなわち今回開始する普図サブ変動が天井時の普図サブ変動である場合には、普図側の当否判定結果にかかわらず大当たり結果に対応する情報と、上記ステップS1812にて設定した変動表示時間の情報と、を含むように設定する。そして、ステップS1816の変動表示の開始処理では、普図メイン変動における停止結果はステップS1811又はステップS1812にて把握した停止結果となるように、変動表示を開始する。ステップS1817の処理を実行した後は、本普図変動開始処理を終了する。
<普図変動中処理>
次に、本実施形態における普図変動中処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。なお、図32の処理は、図17の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS601〜ステップS604と同様に、ステップS1901〜ステップS1904にて普図表示部39の更新を行うための処理を実行する。また、ステップS1901にて変動表示時間が経過した場合、ステップS1905にてステップS605と同様に特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS1905にて肯定判定した場合、本実施形態では、ステップS1906にて天井差し替えフラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップS1907にて普図用の最終停止コマンドを出力対象に設定する。
ステップS1905にて否定判定した場合、ステップS1906にて肯定判定した場合、又はステップS1907の処理を実行した後は、ステップS1908に進む。ステップS1908〜ステップS1911の処理は上記ステップS607〜ステップS610の処理と同様である。ステップS1911の処理を実行した後は、本普図変動中処理を終了する。
すなわち本実施形態では、スルーゲート35Aへの入賞回数が天井に到達した場合に、普図サブ変動が行われていなければ、当該天井に到達した回に取得した保留情報に基づく普図サブ変動にて天井に対応する遊技回が実行される。具体的には、天井に対応する普図サブ変動に予め長い変動表示時間を設定したり(ステップS1812及びステップS1813)、予め大当たり結果に対応する演出を実行する(ステップS1815)。
つまり本実施形態では、天井時において普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求と、が重複することが予測される場合には、予め普図普電制御に基づく図柄変動の要求を、特図特電制御に基づく図柄変動の要求に対応した要求となるようにする。このようにすることで、図柄変動の要求の重複が発生してから変動表示時間を変更したり、演出を差し替えたりする処理を行うことが必要となる可能性を低減することが可能となり、処理構成を簡素なものとすることができる。
なお、予め特図特電制御に基づく図柄変動の要求に対応した要求とした普図普電制御に基づく図柄変動の要求が、実際には特図特電制御に基づく図柄変動の要求に対応したものと異なっていた場合(すなわち、特図側の当否判定が外れ結果であった場合)には、その後に実際の特図特電制御に基づく図柄変動の要求に対応したものと演出が差し替えられる処理が行われる。かかる処理については後に説明するが、この場合であっても、少なくとも変動表示時間の変更は行われないため、第1の実施形態のように図柄変動の要求の重複が発生した時点で、変動表示時間を変更したり及び演出を差し替えたりする構成よりも、処理構成の簡素化が図られている。
また、普図サブ変動が行われていれば、第1の実施形態のように、現在実行中の普図サブ変動にて天井に対応する演出が行われる。ただし本実施形態においては、現在実行中の普図サブ変動を停止させないように最終停止コマンドの出力は行われない。このようにすることで、スルーゲート35Aへの入賞に基づく普図サブ変動を実行中に、さらにスルーゲート35Aへの入賞が発生し当該入賞が天井に対応するものである場合において、特別入賞口52への入賞時に上記実行中であった普図サブ変動が終了してしまっている、という事象を回避することができる。したがって、第1の実施形態のようにこのような事象の発生の場合の処理(ステップS1410〜ステップS1413)を設定しておく必要がなく、処理構成を簡素なものとすることができる。
<取得情報設定処理>
次に、本実施形態における特図側の取得情報設定処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。なお、図33の処理は、図23の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、先ずステップS2001にて、高頻度フラグが「0」であるか否かを確認することで、低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。低頻度サポートモード中である場合(高頻度フラグ=0)には、ステップS2002にて、普図普電カウンタが「0」であるか否かを確認することで、普図メイン変動を実行中であるか否かを判定する。普図普電カウンタが「0」ではなく普図メイン変動を実行中である場合には、続くステップS2003にて天井フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。天井フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2004にて、天井差し替えフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
ステップS2004にて天井差し替えフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2005にて現在実行中の普図メイン変動の残り変動表示時間を把握する。かかる処理では普図普電タイマカウンタの数値情報を読み出すことで、普図メイン変動の残り変動表示時間を把握することができる。
ステップS2001にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモード中である場合、ステップS2002にて普図メイン変動を実行中ではない場合、ステップS2003にて天井フラグに「1」がセットされていない場合、又はステップS2004にて天井差し替えフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2006にて、現状のサポートモードに対応する変動表示時間を把握する。かかる処理はステップS1201における変動表示時間の把握に関する処理と同様である。
ステップS2005又はステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007に進む。ステップS2007では、特図停止結果を把握する。かかる処理はステップS1201における停止結果の把握に関する処理と同様である。続くステップS2008では、ステップS2005にて把握した普図メイン変動の残り変動表示時間又はステップS2006にて把握した現状のサポートモードに対応する変動表示時間を特図特電タイマカウンタへセットする処理を実行する。
すなわち、普図サブ変動を行っていない状況でスルーゲート35Aへの入賞が発生し、当該入賞が天井に対応するものである場合には、普図変動開始処理(図31)では天井に対応する変動表示時間が設定される(ステップS1812及びステップS1813)。この状況においては、当該天井に対応する入賞となった遊技球が特別入賞口52へ入賞すると、この特別入賞口52への入賞に基づく特図メイン変動の変動表示時間は、上記天井に対応する変動表示時間に設定された普図サブ変動(普図メイン変動)の残りの変動表示時間となるように設定される。
一方で、普図サブ変動を行っている状況でスルーゲート35Aへの入賞が発生し、当該入賞が天井に対応するものである場合には、普図側の保留情報の取得処理(図30)では当該実行中の普図サブ変動を終了させないように天井差し替えコマンドを出力対象に設定し(ステップS1713)、さらに普図変動中処理(図32)では、普図用の最終停止コマンドを出力対象に設定しない(ステップS1906:NO)。この状況で、当該天井に対応する入賞となった遊技球が特別入賞口52へ入賞するタイミングでは、普図メイン変動は終了している可能性があるものの、少なくとも普図サブ変動は終了していない。この場合、特図メイン変動の変動表示時間は、サポートモードに対応する変動表示時間となるように設定される。そして、第1の実施形態のように音光制御装置300側で、特図メイン変動の終了タイミングに図柄表示装置42側の遊技回の終了タイミングを合わせる処理が行われる。
続くステップS2009では低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。低頻度サポートモード中である場合には、続くステップS2010にて天井差し替えフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。天井差し替えフラグに「1」がセットされている場合には、続くステップS2011にて天井差し替えフラグを「0」にクリアする。
ステップS2009にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合、又はステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2012にて変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置300への出力対象に設定する。
ステップS2010にて低頻度サポートモードであっても天井差し替えフラグに「1」がセットされていない場合、又はステップS2012の処理を実行した後は、ステップS2013にて特図表示部38の変動表示を開始し、続くステップS2014にて特図特電カウンタの数値情報に1を加算してから、本取得情報設定処理を終了する。ステップS2013及びステップS2014の処理は、上記ステップS1205及びステップS1206の処理と同様である。
すなわち本実施形態では、特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドは、低頻度サポートモード時においては実行中の普図サブ変動の演出を差し替える場合(天井差し替えフラグに「1」がセットされている場合)にのみ、音光制御装置300へ送信される。
つまり、低頻度サポートモード時において天井に対応するスルーゲート35Aへの入賞が発生したタイミングで普図サブ変動が行われていない場合には、特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドは出力されない。そのため、本実施形態では、仮に特別入賞口52への入賞に基づく当否判定が外れ結果であっても、このような状況の場合にはスルーゲート35Aへの入賞に基づく天井に対応する遊技回、すなわち大当たり用の演出が行われる構成としている。
これは特図側の当選確率をほぼ100%としていることによるものであり、このようにすることで処理負荷の低減を図ることができる。但し、例えば、特図側の当選確率を変更する場合には、天井時の特図側の当否抽選結果によって演出を差し替える構成とするとよい。
<音光制御装置300にて実行される演出決定処理>
次に、本実施形態における音光制御装置300のMPU302による演出決定処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。なお、図34の処理は図25の処理に置き換えて実行される処理である。
先ずステップS2101では、普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合には、続くステップS2102にて低頻度サポートモード中であるか否かを判定し、ステップS2103〜ステップS2107にてステップS1403〜ステップS1407と同様に普図サブ変動を開始するための処理を実行する。なおかかる処理において、普図サブ変動が行われていない状況でスルーゲート35Aへの入賞が天井に対応する演出パターン(大当たり結果に対応する演出パターン)が決定される。
ステップS2101、又はステップS2106で否定判定した場合、又はステップS2105若しくはステップS2107の処理を実行した後は、ステップS2108にて天井差し替えコマンドを受信しているか否かを判定する。
天井差し替えコマンドを受信している場合には、続くステップS2109にて、実行中の普図サブ変動がサポート当選に対応しているか否かを判定し、対応していない場合には、ステップS2110にて演出差し替え処理を実行する。かかる処理では、ステップS2103〜ステップS2105の処理にて決定及び開始した普図サブ変動の演出の内容を天井に対応する演出として、大当たり結果に対応する演出に差し替えるための処理を実行する。
具体的には、図35のフローチャートに示すように、ステップS2201にて上図柄列Z1が高速変動中であるか否かを判定する。上図柄列Z1が高速変動中である場合とは、いずれの図柄列Z1〜Z3も未だ停止していないことを意味し、この場合、続くステップS2202にて、終了制限処理を行ってから演出差し替え処理を終了する。ステップS2202の終了制限処理は、ステップSS2103〜ステップS2105にて決定された演出パターンで演出を進行させずに、全ての図柄列Z1〜Z3を高速変動中の状態を維持させる処理である。
ステップS2201にて否定判定した場合、ステップS2203にて下図柄列Z3が高速変動中であるか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定し、且つステップS2202にて下図柄列Z3が高速変動中である場合とは、上図柄列Z1のみが停止又は低速変動中であることを意味し、この場合、ステップS2204にて上図柄列Z1の再変動用処理を実行し、ステップS2202の終了制限処理を実行してから、本演出差し替え処理を終了する。上図柄列Z1の再変動用処理は、ステップS1604における上図柄列Z1に関する処理と同様である。
ステップS2203にて否定判定した場合には、ステップS2205にて中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。ステップS2205にて高速変動中である場合とは、上下の図柄列Z1,Z3が停止している又は下図柄列Z3が低速変動中であることを意味し、この場合、ステップS2206にて上下の図柄列Z1,Z3の再変動用処理を実行し、ステップS2202の終了制限処理を実行してから、本演出差し替え処理を終了する。ステップS2206の処理は、ステップS1604の処理と同様である。
ステップS2205にて中図柄列Z2が高速変動中ではない場合には、ステップS2207にて全図柄列Z1〜Z3の再変動用処理を実行し、ステップS2202の終了制限処理を実行してから、本演出差し替え処理を終了する。ステップS2207の処理は、ステップS1606の処理と同様である。
すなわち、天井差し替えコマンドを受信することにより、現在実行中の普図サブ変動における図柄列Z1〜Z3の変動を、いずれも高速変動中の状態に戻す処理が行われ、その高速変動中の状態が維持される。この高速変動中の状態は、その後に特別入賞口52への入賞に基づいて特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したことに基づいて解除される。
演出決定処理(図34)の説明に戻り、ステップS2108にて天井差し替えコマンドを受信していない場合、ステップS2109にて実行中の普図サブ変動がサポート当選に対応するものである場合、又はステップS2110の処理を実行した後は、ステップS2111に進む。ステップS2111では、特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合には、続くステップS2112にて低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS2112にて低頻度サポートモード中である場合には、続くステップS2113にて特図変動時の各コマンドに基づいて高速変動中の普図サブ変動を特図変動時の各コマンドに基づく変動に差し替える処理を実行する。具体的には、特図サブ変動用の演出パターンテーブル(図26(b))と、今回受信した各コマンドと、により高速変動中の図柄列Z1〜Z3のその後の演出を決定する。この場合、ステップS2103〜ステップS2105にていずれの演出パターンが選択されていても、演出差し替え処理(ステップS2110)にて高速変動中の状態とされているため、かかるステップS2113の処理で決定される演出パターンは、ステップS2103〜ステップS2105にて決定された演出パターン及び停止図柄とは関係なく決定される。
ステップS2113の処理を実行した後は、ステップS2114にて現在実行中の普図サブ変動の変動表示時間の変更処理を実行する。かかる処理では、経過カウンタの数値情報を確認し、0であれば、すなわちステップS2101にて入力した普図サブ変動の変動表示時間が既に経過しているものの、ステップS2110の処理により高速変動中の状態が維持されている場合には、今回受信した変動用コマンドに含まれる変動表示時間の数値情報を経過カウンタに加算する処理を実行する。また、経過カウンタの数値情報が0でない場合、すなわちステップS2101にて入力した普図サブ変動の変動表示時間が未だ経過していない状況である場合には、図27のステップS1504の処理と同様に、現状の経過カウンタの数値情報に対して、特図サブ変動の変動表示時間から普図サブ変動の残りの変動表示時間を差し引いた時間(期間)に相当する数値情報を加算する処理を実行する。
一方、ステップS2112にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合には、ステップS1416〜ステップS1419の処理と同様にステップS2115〜ステップS2118の処理を実行する。
ステップS2111若しくはステップS2117で否定判定した場合、ステップS2116にて肯定判定した場合、又はステップS2114若しくはステップS2118の処理を実行した後は、ステップS2119にてその他の処理を実行してから、本演出決定処理を終了する。ステップS2119の処理は、ステップS1420の処理と同様である。
次に、本実施形態におけるスルーゲート35Aへの入賞(普図入賞)と、特別入賞口52への入賞(特図入賞)と、これらの入賞に基づく変動表示の関係について図36を参照して説明する。
普図側の当否判定が行われていない状況であるt1のタイミングで発生したスルーゲート35Aへの入賞が、天井に対応するものである場合、普図メイン変動及び普図サブ変動において、天井に対応する変動表示時間(TB1)及び停止結果が決定される。その後、t2のタイミングで特別入賞口52への入賞が発生すると、t1のタイミングで開始された普図メイン変動の残りの変動表示時間(TB2)が、今回の特図メイン変動の変動表示時間(TB3)として設定される。その結果、普図メイン変動及び普図サブ変動が終了するタイミングであるt3のタイミングに、特図メイン変動が終了する。
ここで、先の普図入賞時による普図サブ変動の実行中に第1普図入賞カウンタの値が天井値に到達した場合には、その天井到達前の普図サブ変動が開始されているために、天井到達に伴う普図サブ変動が開始されず、且つ、天井到達前の普図サブ変動が、特図入賞の以前に終了してしまう恐れがある。その点、既に説明したとおり、天井差し替えフラグに「1」がセットされる(ステップS1712)ことによりその天井到達前の普図サブ変動の終了が制限される(ステップS1906:YES)ため、この天井到達前の普図サブ変動を天井に対応する演出に差し替えることができる。
すなわち、t4で発生した普図入賞を契機とする普図メイン変動の変動中において、t5のタイミングで発生したスルーゲート35Aへの入賞が天井に対応するものである場合、当該t5のタイミングでのスルーゲート35Aへの通過によっては保留情報の取得が行われないものの、t4のタイミングで開始された普図サブ変動において天井に対応する演出が行われる。この場合、先ずt5のタイミングで天井差し替えフラグに「1」がセットされそれ以降の普図サブ変動が終了しないように制御するための処理が行われる。そして、その後のt7のタイミングで発生する特別入賞口52への入賞を契機として、t4のタイミングで開始した普図サブ変動の最終停止時間(TB5)が決定される。なおその結果、t6のタイミングで普図メイン変動は終了するものの、普図サブ変動は終了せず(特図サブ変動に差し替えられ)、特図メイン変動が終了するt8のタイミングでかかる遊技回用の演出(差し替えられた特図サブ変動)が終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
特殊役物33において、スルーゲート35Aを通過した遊技球が所定回数に至った場合、すなわち天井に到達して特別入賞口52へ入賞する場合には、スルーゲート35Aを通過したことに基づいて開始される遊技回用の演出を、特別入賞口52へ入賞することに対応する遊技回用の演出として開始する構成とした。より具体的には、普図変動開始処理(図31)においてステップS1810にて天井フラグがセットされている場合には、ステップS1812にて天井用の変動表示時間を把握して普図サブ変動を開始する構成とした。通常、普図サブ変動においてはリーチ表示の有無は、第1普図入賞カウンタの値とは独立して決定される構成としているところ、天井に対応する普図サブ変動においてリーチ表示が発生しないと決定された場合は、上記第1の実施形態のように特別入賞口52への入賞タイミングで、既にリーチラインが形成されないまま上図柄列Z1及び下図柄列Z3が停止表示されている可能性も生じ得る。そこで、本実施形態では、天井に対応する普図サブ変動においてリーチ表示が発生するように設定し、変動中の中図柄列Z2の停止図柄を差し替える構成としている。このようにすることで、天井に対応する遊技回の差し替えをスムーズに行うことが可能となるとともに、遊技者に与える違和感を低減することができる。ただしこの構成の場合、普図サブ変動の開始時に、256回に1回しか発生しない天井に対応するものか否かを把握する処理を毎回行う必要が生じるため、普図サブ変動側の処理負荷を低減するという観点からすると、上記第1の実施形態のほうが好ましい。
上記のように天井に対応する普図サブ変動を設定する構成としても、以下のような懸念が生じ得る。すなわち、第1普図入賞カウンタは、普図サブ変動の実行回数とは関係なくスルーゲート35Aの通過が発生するたびにカウントされる構成としているところ、天井に対応しない普図サブ変動を実行中に、天井に対応するスルーゲート35Aの通過が発生し得る。このような場合に、実行中の普図サブ変動を終了させてその後に天井に対応する普図サブ変動を開始する構成も考えられるが、この構成とすると、特殊役物33への入球タイミングと普図サブ変動の開始タイミングにズレが生じることになる。その結果、実行中の普図サブ変動が終了した後にさらに特殊役物33への入球を伴わずに普図サブ変動が開始された時点で、遊技者は天井に到達したことを認識してしまうことになる。とすると、せっかく行う普図サブ変動の注目度の低下を招くことになる。そこで、このような場合には、実行中の普図サブ変動を終了させずに当該普図サブ変動を天井に対応するものに差し替える処理を行う構成とした。これにより、普図サブ変動への注目度の低下を招くことなく、特殊役物33を利用した天井機能を好適に実現することができる。
上記のように天井に対応する普図サブ変動の変動表示時間が長く設定されることを利用して、特別入賞口52への入賞に基づいて実行する特図側の変動(特図サブ変動及び特図メイン変動)の変動表示時間を、特別入賞口52へ入賞したタイミングにおける普図メイン変動の残りの変動表示時間として決定する構成とした。これにより、天井に対応する普図サブ変動において、変動表示時間を変更する必要が生じずに変動中の図柄のみを差し替えるだけでよいことになり、差し替えに際しての処理負荷を低減することが可能となる。そしてこの構成とすることで、天井に対応する遊技回における図柄表示装置42側の変動表示(普図サブ変動及び特図サブ変動)の終了タイミングと開閉実行モードへの移行タイミングとのずれが生じないばかりでなく、普図表示部39側の変動表示(普図メイン変動)と、特図表示部38a,38b側の変動表示(特図メイン変動)と、図柄表示装置42側の変動表示(普図サブ変動及び特図サブ変動)と、のいずれもの変動表示の終了タイミングを同期させることが可能となり、遊技者に与える違和感を低減することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、普図側の保留個数が上記第1,第2の実施形態と異なっている。以下、相違する構成について説明する。
先ず本実施形態における普図保留エリア206について、図37を参照して説明する。
普図保留エリア206は、第1エリア206a、第2エリア206b、第3エリア206c及び第4エリア206dを備えており、スルーゲート35A,35Bへの入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4、第2リーチ乱数カウンタC5及び第2変動種別カウンタCS2の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア206a〜206dに格納される。
この場合、第1エリア206a〜第4エリア206dには、スルーゲート35A,35Bへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア206a→第2エリア206b→第3エリア206c→第4エリア206dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア206a〜206dが設けられていることにより、スルーゲート35A,35Bへの遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア206において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよい。
また、普図保留エリア206には、上記第1,第2の実施形態と同様に普図用の実行エリア207が設けられている。普図用の実行エリア207は、普図表示部39にて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部39の変動表示を開始する際には、普図保留エリア206の第1エリア206aに格納された保留情報が実行エリア207に移動される。
図による詳細な説明は省略するが、遊技盤24には遊技者に視認可能な領域(具体的には普図表示部39に隣接した位置)に、スルーゲート35A,35Bに対応した普図保留表示部が設けられている。普図保留表示部は例えばLEDで構成されており、遊技球がスルーゲート35A,35Bに入賞した場合の保留個数が、普図保留表示部の点灯によって表示される。具体的には、保留個数が4個の場合には、4個の普図保留表示部の点灯がなされ、保留個数が0個の場合には0個の普図保留表示部の点灯がなされる。なお、上記のように普図保留エリア206における保留可能個数を変更する場合は、普図保留表示部の個数を変更するとよい。
<普図側の保留情報の取得処理>
次に、本実施形態における普図側の保留情報の取得処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。なお、図38の処理は、図15の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、先ず上記ステップS401〜ステップS405(ステップS1701〜ステップS1705)の処理と同様に、ステップS2301〜ステップS2305の処理を実行する。
ステップS2306では、普図保留エリア206に記憶されている普図側の保留情報の合計数NSが上限である4未満であるか否かを判定する。普図側の保留情報の合計数NSが4未満である場合には、ステップS2307にて普図側の保留情報の合計数NSに1加算する。続くステップS2308では、普電乱数カウンタC4、第2リーチ乱数カウンタC5及び第2変動種別カウンタCS2の各数値情報を普図保留エリア206に格納する。
ステップS2306にて否定判定した場合、又はステップS2308の処理を実行した後は、ステップS2309及びステップS2310にて天井予告に関する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS408及びステップS409(ステップS1708及びステップS1709)の処理と同様である。
続くステップS2311では、第1普図入賞カウンタを確認し、天井に対応する数値情報(256)であるか否かを判定し、天井に対応する数値情報ではない場合には、そのまま本取得処理を終了する。天井に対応する数値情報である場合には、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、普図側の保留情報の合計数NSが上限数である4未満であるか否かを判定し、4未満である場合には、ステップS2313にて、上記ステップS2308にて各数値情報を格納したエリアに天井情報を格納する。一方、普図側の保留情報の合計数NSが上限数である4である場合には、ステップS2314にて、第4エリア206dに天井情報を格納する。
ステップS2313又はステップS2314の処理を実行した後は、ステップS2315にて第1普図入賞カウンタをクリアしてから、本取得処理を終了する。
<普図変動開始処理>
次に、本実施形態における普図変動開始処理について、図39(a)のフローチャートを参照して説明する。なお、図39(a)の処理は、図16の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態における普図変動開始処理は、上記第2の実施形態における普図変動開始処理と概ね同様の処理構成である。具体的には、先ずステップS1801〜ステップS1804の処理と同様に、ステップS2401〜ステップS2404の処理を実行する。
ステップS2405では、普図側の保留情報の合計数NSが1以上であるか否かを判定し、1以上である場合には、続くステップS2406にて、データ設定処理を実行する。
データ設定処理では、普図側の保留情報の合計数NSを1減算するとともに、普図保留エリア206の第1エリア206aに格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリア207に移動する。その後、普図保留エリア206のシフト処理を実行する。当該シフト処理では、普図保留エリア206の第1エリア206aに格納されている保留情報をクリアするとともに、第2エリア206b→第1エリア206a、第3エリア206c→第2エリア206b、第4エリア206d→第3エリア206cといった具合に、各エリア内の保留情報をシフトする。これらの処理においては、上記ステップS2313又はステップS2314にて格納した天井情報も、保留情報と同様にシフトする。
ステップS2407〜ステップS2418の処理は、第2の実施形態におけるステップS1806〜ステップS1817の処理と同様である。但し、本実施形態では、ステップS2411では、天井フラグではなく普図用の実行エリア207に移動された情報に天井情報が含まれているか否かを判定することで、今回開始する普図用の変動が天井に対応するものか否かを確認する。
なお、本実施形態においても、図39(b)に示すように、天井時の普図用変動表示時間テーブルは、単一の変動表示時間となっている。
<取得情報設定処理>
次に、本実施形態における特図側の取得情報設定処理について、図40のフローチャートを参照して説明する。なお、図40の処理は、図23の処理と置き換えて実行される処理である。
先ず、ステップS2501にて、高頻度フラグを確認して低頻度サポートモードであるか否かを判定する。続くステップS2502では、普図普電カウンタが「0」であるか否かを確認することで、普図メイン変動を実行中であるか否かを判定する。普図普電カウンタが「0」ではなく普図メイン変動を実行中である場合には、続くステップS2503にて、実行エリア207に天井情報が格納されているか否かを判定することで、現在実行中の普図サブ変動において天井に対応する演出を実行すべきか否かを判定する。実行エリア207に天井情報がある場合には、ステップS2504にて、実行中の普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握する。かかる処理は、図33におけるステップS2005の処理と同様である。
ステップS2503にて実行エリア207に天井情報がない場合には、ステップS2505にて、普図保留エリア206のいずれかのエリア206a〜206dに天井情報が格納されているか否かを判定する。いずれかのエリア206a〜206dに天井情報が格納されている場合には、続くステップS2506にて、第1エリア206aから天井情報が格納されたエリアまでの各エリアの保留情報の変動表示時間を把握する。かかる処理では、各エリアの第2変動種別カウンタCS2の数値情報と低頻度サポートモード時の普図用変動表示時間テーブルとを用いて、各エリアの変動表示時間の情報を把握することができる。続くステップS2507では、ステップS2504と同様に、実行中の普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握する。
ステップS2501にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合、ステップS2502にて普図メイン変動を実行中ではない場合、又はステップS2505にて普図保留エリア206のいずれのエリア206a〜206dにも天井情報が格納されていない場合には、ステップS2508にて、サポートモードに対応する変動表示時間を把握する。
ステップS2504、ステップS2507及びステップS2508のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2509にて、特図停止結果を把握する。続くステップS2510では、ステップS2504、ステップS2506及びステップS2507、又はステップS2508にて把握した変動表示時間を特図特電タイマカウンタへセットする処理を実行する。すなわち、ステップS2510では、ステップS2504にて把握した普図メイン変動の残りの変動表示時間か、ステップS2506にて把握した各エリア206a〜206dの変動表示時間とステップS2507にて把握した普図メイン変動の残りの変動表示時間との合計か、ステップS2508にて把握したサポートモードに対応する変動表示時間か、のいずれかを特図特電タイマカウンタへセットする。
続くステップS2511では、低頻度サポートモードであるか否かを判定し、低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合には、ステップS2512にて変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。ステップS2511にて低頻度サポートモードである場合、又はステップS2512の処理を実行した後は、ステップS2513にて特図表示部38の変動表示(特図メイン変動)を開始し、ステップS2514にて特図特電カウンタに1を加算してから、取得情報設定処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、低頻度サポートモード中は特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドが出力されない。かかる構成は、上記第2の実施形態において天井差し替えコマンドが出力される状況以外の天井時の処理と同様である。すなわち、本実施形態においても、天井に対応する図柄表示装置42側の演出では、特図側の当否判定の結果にかかわらず天井に対応する演出(大当たり結果用の演出)が行われる。
<音光制御装置300にて実行される演出決定処理>
次に本実施形態における演出決定処理について、図41のフローチャートを参照して説明する。なお、図41の処理は、図25の処理に置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、上記ステップS1401〜ステップS14107と同様にステップS2601〜ステップS2607の処理を実行する。
ステップS2608では、特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合には、ステップS2609にて低頻度サポートモードであるか否かを判定する。低頻度サポートモードではない場合には、ステップS2610〜ステップS2613にて、ステップS1416〜ステップS1419と同様の処理を行う。
ステップS2609にて低頻度サポートモードではなく高頻度サポートモードである場合、ステップS2611にて肯定判定した場合、ステップS2612にて否定判定した場合、又はステップS2613の処理を実行した後は、ステップS2614にてその他の処理を実行してから、本演出決定処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、普図保留エリア206において普図用の実行エリア207とは別途保留情報を記憶可能としたことで、第2の実施形態における天井時の演出差し替えが生じない。これにより、保留情報を記憶可能とすることによる遊技の円滑な進行を実現するとともに、処理構成の簡素化による記憶容量の削減を図ることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、遊技盤24の構成が上記第1〜第3の実施形態と異なっている。また、上記第1〜第3の実施形態では、特図側の当否判定は、特別入賞口52への入賞又は作動口34への入賞を契機として行う構成としたが、これを変更する。具体的には、本実施形態では、作動口34は設けられておらず、特殊役物33において天井時以外に入賞する入賞口として、(一般入賞口53の代わりに)特図側の入賞口が設けられている。すなわち、特殊役物33に入球した遊技球は、特別入賞口52及び当該設けられた特図側の入賞口のいずれかに入賞し、特図側の当否判定が行われる。以下、本実施形態における遊技盤224の構成を詳細に説明する。
図42(a)に示すように、本実施形態の遊技盤224では、右側領域PE3においてスルーゲート35Bは設けられておらず、左側領域PE2におけるスルーゲート35Aのみ設けられている。スルーゲート35Aは、上記第1〜第3の実施形態と同様に、特殊役物33における球通過口33aの真上に設けられており、スルーゲート35Aに入賞した遊技球は全て特殊役物33に入球する。
図42(b)及び図42(c)に示すように、スルーゲート35Aには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物35dが設けられている。普電役物35dは遊技盤224の背面側に搭載された普電用の駆動部(図示略)に連結されており、普電役物35dは当該普電用の駆動部(図示略)により駆動されて図42(b)に示す遊技球が入球し易い誘導状態(サポート状態又はガイド状態)及び図42(c)に示す当該誘導状態よりも遊技球が入球しにくい非誘導状態(非サポート状態又は非ガイド状態)のいずれかに配置される。
普電役物35dが非誘導状態に配置されると、両ガイド片がスルーゲート35Aにおいて縦方向に貫通した球通過孔と平行となるように起立して、スルーゲート35Aに対して真上から落下する遊技球のみがスルーゲート35Aへ入賞可能となる。また、普電役物35dが誘導状態に配置されると、両ガイド片の回動先端側が互いに離れ、スルーゲート35Aに対して斜め上から落下する遊技球もスルーゲート35Aへ入賞可能となる。つまり、普電役物35dが非誘導状態及び誘導状態のいずれに配置される場合であっても、スルーゲート35Aへの入賞は可能なものの、非誘導状態に配置される場合よりも誘導状態に配置される場合のほうが、スルーゲート35Aに入賞し易くなる。換言すれば、普電役物35dが非誘導状態及び誘導状態のいずれに配置される場合であっても、特殊役物33への入球は可能なものの、非誘導状態に配置される場合よりも誘導状態に配置される場合のほうが、特殊役物33に入球し易くなる。
なお、スルーゲート35A(特殊役物33)への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物35dが切り換えられる構成としては、普電役物35dが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物35dを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、スルーゲート35A自身の変位により行われる構成としてもよい。
スルーゲート35Aへの入賞に基づいて上記の普電役物35dが非誘導状態から誘導状態に切り換えられるサポート実行モードの抽選が行われる。具体的にはスルーゲート35Aへの入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、普図表示部39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり、当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物35dが所定の態様で誘導状態となる。本実施形態においては、普電役物34aは設けられていない。すなわち、上記第1〜第3の実施形態では、作動口34への入賞サポートを行うべく普電役物34aが設けられていたが、本実施形態では、特殊役物33への入賞サポートを行うべく普電役物35dが設けられている。
本実施形態における特殊役物33には、上記第1〜第3の実施形態における一般入賞口53の代わりに第2特別入賞口253が設けられており、遊技球が特殊役物33に入球する場合(スルーゲート35Aを通過する場合)に、256回に1回、特別入賞口52へ入賞し、その他は第2特別入賞口253へ入賞する。なお、以下の説明においては特別入賞口52を第1特別入賞口52とも言う。
第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われ、当該抽選結果は抽選結果表示部37の特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。
第1特図表示部38aでは、上記第1〜第3の実施形態と同様に、第1特別入賞口52への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部38bでは、第2特別入賞口253への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
また、本実施形態では作動口34は設けられていない。すなわち、第2特別入賞口253は、上記第1〜第3の実施形態における作動口34の代わりに設けられているといえる。
第1特別入賞口52及び第2特別入賞口253への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には、開閉実行モードへ移行する。本実施形態における開閉実行モードには、実質当たりモードと実質外れモードとが設定されている。実質当たりモードは、特電入賞装置32が開放状態となり、その特電入賞装置32が設けられた右側領域PE3へ遊技球を流下するように発射操作装置28を操作することで特電入賞装置32への入賞が可能となるモードである。例えば、実質当たりモードは、ラウンド遊技の上限回数が7ラウンドであって、且つ各ラウンドの開放継続時間が29.5secに設定されている。また実質外れモードは、特電入賞装置32が開放状態となるものの、右側領域PE3へ遊技球を流下するように発射操作装置28を操作しても特電入賞装置32への入賞が発生しない又は発生しにくいモードである。例えば、実質外れモードはラウンド遊技の上限回数が1ラウンドであって、且つラウンドの開放継続時間が0.6secに設定されている。
ここで本実施形態における各種抽選を行うための構成について、図43〜図45を参照して説明する。
図43に示すように、本実施形態における各入賞口52,253の保留個数は、第1特別入賞口52に入賞した個数は1個保留される一方で、第2特別入賞口253に入賞した個数は上限個数である4個まで保留される。すなわち、本実施形態における第2特図保留エリア204は、第1エリア204a、第2エリア204b、第3エリア204c及び第4エリア204dを備えている。そして、第1特別入賞口52への入賞が発生したタイミングで、特図用の当否抽選などに用いられる各種カウンタが第1特図保留エリア103へ格納され、第2特別入賞口253への入賞が発生したタイミングで、当該各種カウンタが第2特図保留エリア204のいずれかのエリア204a〜204dに格納される。
この場合、第1エリア204a〜第4エリア204dには、第2特別入賞口253への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア204a→第2エリア204b→第3エリア204c→第4エリア204dの順に時系列的に格納されていく。
なお、第2特図保留エリア204において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、上記第1〜第3の実施形態のように単数であってもよい。ただし、本実施形態における後述する遊技性を実現するためには、少なくとも天井対応する所定数(256)よりも少ない数とするとよい。
また、本実施形態における普図側の保留エリアとしては、上記第3の実施形態における普図保留エリア206が採用されており、スルーゲート35Aへの遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお本実施形態においても、普図保留エリア206において保留記憶可能な数も、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、上記第1,第2の実施形態のように単数であってもよい。また、第1,第2の実施形態のように0個であってもよい。さらに、第2特図保留エリア204と普図保留エリア206とが同数である必要はなく、異なる数であってもよい。
次に、本実施形態における当否抽選に関する構成について、図44を参照して説明する。
図44(a)に示すように、上記第1〜第3の実施形態と同様に、特図用の当否テーブルは共通のものが設定されており、遊技球が第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253に入賞したタイミングで取得される大当たり乱数カウンタC1(値=0〜599)の数値情報に基づいて当否抽選が行われる。そして、当否結果としては、大当たり結果と、外れ結果と、が設定されており、大当たり結果となる乱数の数は599個に設定されている。すなわち、本実施形態においても特図用の当否テーブルが参照されることで大当たり結果となる確率は599/600であり、ほぼ100%大当たり結果となる。
大当たり結果となった場合の大当たり結果の種類の振分テーブルとしては、図44(b)に示す第1特図用の振分テーブルと、図43(c)に示す第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。第1特図用の振分テーブルは、第1特別入賞口52への入賞に基づいて大当たり結果となった場合に参照されるテーブルである。また、第2特図用の振分テーブルは、第2特別入賞口253への入賞に基づいて大当たり結果となった場合に参照されるテーブルである。そして各振分テーブルには、上記の実質当たりモードの開閉実行モードへ移行する実質当たり結果A及び実質当たり結果Bと、実質外れモードの開閉実行モードへ移行する実質外れ結果と、が設定されている。なお、本実施形態では、大当たり結果における振分用のカウンタとして大当たり種別カウンタC6が設定されている。大当たり種別カウンタC6は、他の抽選用のカウンタと同様のループカウンタである(値=0〜119)。
実質当たり結果Aと実質当たり結果Bとは、開閉実行モード後に設定されるサポートモードが相違する。具体的には、本実施形態でも、サポートモードとして、普電役物35dが単位時間当たりに誘導状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
上記の振分結果が実質当たり結果Aとなった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。振分結果が実質当たり結果Bとなった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。
振分結果が実質外れ結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードに移行は行われない。すなわち本実施形態では、サポートモードの移行は、実質当たり結果A又は実質当たり結果Bとなった場合の開閉実行モード後と、高頻度サポートモードに移行した後に遊技回数が終了基準回数に達した場合と、に行われる。
本実施形態においても、普電役物35dを誘導状態に制御するか否かのサポート抽選は、普電乱数カウンタC4を利用して行われる。そして本実施形態では、サポートモードの高低によって、サポート抽選の当選確率と、サポート当選となった場合の普電役物35dの誘導態様と、が異なっている。
具体的には、低頻度サポートモード時に参照する普図当否テーブルでは、図45(a)に示すように、当否結果として、短時間結果と外れ結果とが設定されている。抽選結果が短時間結果となった場合、普電役物35dが1回誘導状態となり、誘導状態の継続時間は0.3secに設定される。したがって、誘導状態の継続時間は遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短く、サポート当選となってもスルーゲート35Aへの入賞が発生しないか、発生しても多くて1個の入賞となるように設定されている。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜35」が短時間結果に対応しており、「36〜719」が外れ結果に対応している。
一方、高頻度サポートモード時に参照する普図当否テーブルでは、図45(b)に示すように、当否結果として、長時間結果と外れ結果とが設定されている。抽選結果が長時間結果となった場合、普電役物35dが3回誘導状態となり、誘導状態の継続時間は3secに設定される。したがって、誘導状態の継続時間は遊技球の発射周期よりも長く、さらに複数回(3回)誘導状態となるため、サポート当選となることでスルーゲート35Aへ複数個の入賞が発生し得る。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜575」が長時間結果に対応しており、「576〜719」が外れ結果に対応している。すなわち、サポート当選となる確率は、低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードのほうが高く設定されている。
各振分テーブルについて詳細には、図44(b)に示す第1特図用の振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC6の値が「0〜59」である場合には実質当たり結果Aとなり、「60〜118」である場合には実質当たり結果Bとなり、「119」である場合には実質外れ結果となる。一方で、図44(c)に示す第2特図用の振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC6の値が「0」である場合に実質当たり結果Aとなり、「1〜119」である場合に実質外れ結果となる。すなわち、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、第1特図用の振分テーブルのほうが実質当たり結果Aとなる確率が高く設定されており、また第2特図用の振分テーブルのほうが実質外れ結果となる確率が高く設定されている。
上記のように構成された本実施形態の遊技性としては、スルーゲート35Aへ入賞させることで、第1特別入賞口52及び第2特別入賞口253のうちのいずれかの入賞が発生し、これらの入賞に基づいてほぼ100%開閉実行モードに移行する。そして、第1特別入賞口52と第2特別入賞口253とでは、第1特別入賞口52に入賞したほうが実質当たりモードの開閉実行モードへ移行する確率が高く設定されているものの、特殊役物33の天井機能により、第1特別入賞口52には所定回数(256回)に1回のみ入賞し、実質当たりモードの開閉実行モードの発生頻度が制限されている。
つまり、通常(天井時以外)は第2特別入賞口253へ入賞することになり、この第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質当たり結果A又は実質当たり結果Bに振分られた場合にのみ、賞球を得られる実質当たりモードの開閉実行モードへ移行する。また、第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質外れ結果に振分られ続けたとしても、256回目には第1特別入賞口52へ入賞することで高確率に実質当たりモードの開閉実行モードへ移行する。このように特殊役物33の天井機能と、特殊役物33に設けられた複数の入賞口52,253の抽選態様の差と、を利用して、遊技者の遊技を継続する意欲を高めることが可能となり、興趣向上を図ることができる。
さらに、既に説明したとおり、高頻度サポートモードである場合には、スルーゲート35Aへの入賞頻度、すなわち特殊役物33への入球頻度が高くなる。この場合、第2特別入賞口253への入賞に基づく上限保留数は4個であるものの、遊技回の消化タイミングとの関係上その上限保留数以上の遊技球の入球が期待できる。その結果、遊技回の実行回数よりも早期に天井へ到達させる(第1特別入賞口52へ入賞させる)ことが可能となる。
<普図側の保留情報の取得処理>
次に、本実施形態における普図側の保留情報の取得処理について、図46のフローチャートを参照して説明する。なお、図46の処理は、図15の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、先ずステップS2701にて第1普図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。上記のように、本実施形態ではスルーゲート35Bは設けられていないため、第1普図入賞フラグに「1」がセットされていない場合には、そのまま本取得処理を終了する。ステップS2702では、第1普図入賞フラグをクリアして、続くステップS2703にて普図入賞カウンタに1加算する処理を実行する。
続くステップS2704では、普図側の保留情報の合計数NSが4未満であるか否かを判定する。4未満である場合には、続くステップS2705にて普図側の保留情報の合計数NSに1加算して更新する処理を実行し、続くステップS2706にて普電乱数カウンタC4の数値情報を普図保留エリア206に格納する。
続くステップS2707では、保留表示抽選処理を実行する。
ここで本実施形態では、図柄表示装置42の表示画面42aに保留用表示を行う領域が設けられている。具体的には、図47に示すように、表示画面42aにおいて各図柄列Z1〜Z3の下方には保留表示領域42bが設けられており、当該保留表示領域42bは、第2特図保留エリア204の上限保留個数に対応させて、第1単位保留表示領域42c、第2単位保留表示領域42d、第3単位保留表示領域42e及び第4単位保留表示領域42fの4つの表示領域に区画されている。
そして、両特図保留エリア103,204の保留情報の合計数PSが4又は5である場合には、保留用の画像が各単位保留表示領域42c〜42fに表示され、両特図保留エリア103,204の保留情報の合計数PSが1である場合には、保留用の画像が第1単位保留表示領域42cにのみ表示される。
すなわち、両特図保留エリア103,204に格納された保留情報の合計数PSの最大数は5であるものの、その合計数PSが5になるのは、遊技球が所定頻度(256分の1)で第1特別入賞口52に入賞する場合のみである(さらにこの場合に第2特図保留エリア204の保留情報の合計数PS2が4である場合である)。そこで、保留表示領域42bでは4個分の単位保留表示領域しか設けられておらず、両特図保留エリア103,204の保留情報の合計数PSが5であっても4であっても、表示される保留用の画像の数は4つとしている。また、この保留用の画像は両特別入賞口52,253への入賞を契機として表示が開始されるのではなく、スルーゲート35Aへの入賞を契機として表示が開始されるようになっている。これにより、特殊役物33への入球に基づいて保留記憶される保留情報の上限は表面上4つとなり、遊技者へ特殊役物33を1つの入賞口として思わせることができる。
そして、第1普図入賞カウンタの数値情報を利用して、第1特別入賞口52及び第2特別入賞口253のうちのいずれへの入賞が発生するかを、実際に遊技球が第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253に入賞するよりも前に特定して、対応する保留用の画像の表示を行う構成としている。保留用の画像としては、第1特別入賞口52への入賞に対応する場合には第1保留用画像P1が表示され、第2特別入賞口253への入賞に対応する場合には第2保留用画像P2が表示される。両保留用画像P1,P2は、色や形でいずれの特別入賞口52,253への入賞に対応するものか区別可能になっている(図ではハッチの向きを異ならせている)。すなわち、本実施形態では、第1保留用画像P1が保留表示領域42bに表示されることにより、その保留情報に対応する遊技回が天井に相当することを、遊技者は認識することが可能となっている。つまり、本第1保留用画像P1の表示が、本実施形態における天井報知演出に相当する。
さらに保留用の画像には、両保留用画像P1,P2とは異なる色や形の特別保留用画像P3(図ではハッチのピッチを異ならせて表示している)が設定されており、ステップS2707の保留表示抽選処理では、当該特別保留用画像P3を含め、いずれの保留用画像P1〜P3を表示するかを抽選により決定する。かかる処理では、ROM83に設けられた保留表示テーブルを取得して、第1普図入賞カウンタの数値情報から保留用画像を決定する。
保留表示テーブルは、図46(b)に示すように、第1普図入賞カウンタの数値情報が天井に対応しない「0〜255」の場合には第1保留用画像P1は選択されず、第1保留用画像P1は天井に対応する「255」の場合にのみ選択される。また、第1普図入賞カウンタの数値情報が天井に対応する「255」に近ければ近いほど特別保留用画像P3が選択されやすくなっている。つまり、上記のように第1保留用画像P1が表示されることにより天井を特定することが可能となるとともに、天井到達までは、特別保留用画像P3が表示される頻度によって天井到達までの入球回数をある程度認識することが可能となっている。したがって、本実施形態における特別保留用画像P3の表示は、上記第1〜第3の実施形態における天井予告報知に対応するものであるといえる。
これにより、例えば特別保留用画像P3が頻出する場合など、遊技続行への意欲を高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、保留用の画像の表示契機を各特別入賞口52,253ではなくスルーゲート35Aとしたことにより、特殊役物33への入球タイミングと各特別入賞口52,253への入賞タイミングとのズレによる違和感を低減することが可能となる。
また、ステップS2707では、図柄表示装置42による変動表示が行われているか否かを判定し、変動表示が行われていなければ上記の保留表示抽選処理は行わない。図柄表示装置42による変動表示が行われているか否かは、後述する仮変動コマンドを出力する際にRAM84にセットされる仮変動フラグと特図特電カウンタとを確認することで判定することができる。仮変動コマンドは、特図メイン変動が行われていない状況でスルーゲート35Aへの入賞が発生した場合に音光制御装置300へ出力されるコマンドであり、かかる出力に際して仮変動フラグに「1」がセットされる。そして、仮変動フラグは、第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253への入賞が発生した場合に消去される。ステップS2707では、この仮変動フラグがセットされておらず、且つ特図特電カウンタの値が0である場合(特図メイン変動が行われていない場合)には保留表示抽選処理を行わない。
ステップS2707の処理を実行した後は、ステップS2708にて保留コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。当該保留コマンドには、上記ステップS2707にて決定した保留用画像の種類の情報が含まれている。また、上記ステップS2707にて、図柄表示装置42による変動表示が行われていない状況でスルーゲート35Aへの入賞が発生したとして保留表示抽選処理を行わなかった場合には、当該保留コマンドは設定されない。保留コマンドを受信した場合の音光制御装置300側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2704にて普図側の保留情報の数NSが4未満ではない(NS=4)場合には、ステップS2709へ進む。ステップS2709では、高頻度フラグを確認することで高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合には、ステップS2710にて第2特図保留エリア204の保留情報の数PS2が4であるか否かを判定する。4である場合には、続くステップS2711にてRAM84に設けられた天井短縮カウンタを1加算する処理を実行する。天井短縮カウンタは、第2特図保留エリア204の保留情報の数PS2が上限個数の4である状況において、特殊役物33への入球が発生した回数をMPU82が特定するためのカウンタである。
続くステップS2712では、上記天井短縮カウンタの数値情報が「156」であるか否かを判定する。「156」である場合には、ステップS2713にて限界報知コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。
既に説明したとおり、第2特別入賞口253への入賞に基づく保留情報が上限個数(PS2=4)である状況で特殊役物33への入球が発生すると、特殊役物33内の振分板54の回動が行われるとともに、第1普図入賞カウンタによる天井までの実カウントのみが進行することになる。この実カウントのみを進行させることで、実際の遊技回の実行回数よりも早期に天井に到達させる(第1特別入賞口52へ入賞させる)ことができる。
一方で、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、第2特図用の振分テーブルに開閉実行モード後に低頻度サポートモードに設定される実質当たり結果Bが設定されていないことから、持ち球の減りが少ない高頻度サポートモードにおいては、第1特別入賞口52に基づく当否抽選(天井)により得られる特典よりも、第2特別入賞口253への入賞に基づく当否抽選により得られる特典のほうが、遊技者にとって好ましいともいえる。
このような遊技性から遊技者としては、高頻度サポートモードにおいては、第2特別入賞口253への入賞に基づく当否判定を受けつつ、高頻度サポートモードが終了後すぐに又は終了する間際に天井に到達する(第1特別入賞口52への入賞に基づく当否判定を受ける)ことが好ましい。しかし、上記第1の実施形態において説明したとおり、各振分板54の状態は遊技者から視認しにくい又は視認できなくなっており、後どれくらいの遊技球を特殊役物33へ入球させたら第1特別入賞口52へ振り分けられるかが遊技者には把握しにくい又は把握できなくなっている。
上記ステップS2712にて判定する天井短縮カウンタの数値情報は、この高頻度サポートモード中において上記の天井までの実カウントのみを進行させることのできる最大数であり、この数以上実カウントのみを進行させると高頻度サポートモード中に天井に到達してしまうことを意味する。そして、ステップS2713にて設定する限界報知コマンドは、そのような状況であることを音光制御装置300に特定させるためのコマンドである。限界報知コマンドを受信した音光制御装置300は、そのような状況であることを遊技者に報知するようする限界報知として、スピーカ部65や表示発光部63等を制御する。音光制御装置300側の処理については、後に詳細に説明する。
すなわち、上記のように遊技者にとしては、この限界報知によって、高頻度サポートモードにおいて、上記のように第2特別入賞口253への入賞に基づく当否判定を受けつつ、高頻度サポートモード終了後すぐに又は終了する間際に天井に到達させることが可能となる状況を把握することが可能となる。
ステップS2708又はステップS2713の処理を実行した後、若しくはステップS2709、ステップS2710及びステップS2712のいずれかで否定判定した場合は、ステップS2714に進む。ステップS2714では特図特電カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定することで、特図メイン変動が行われていない状況であるか否かを判定する。特図メイン変動が行われていない状況である場合には、ステップS2715にて仮変動開始コマンドを音光制御装置300への出力対象として設定する。仮変動開始コマンドは、特図メイン変動が行われていない状況でスルーゲート35Aへの入賞(特殊役物33への入球)が発生したことを音光制御装置300に特定させるためのコマンドであって、更にいえば、スルーゲート35Aの通過をトリガとして特別入賞口52,253への入賞前に遊技回の演出を開始させるためのコマンドである。音光制御装置300側の処理については、後に詳細に説明する。また、ステップS2715では、上記のように仮変動フラグに「1」をセットする。これにより、MPU82は特図メイン変動が行われていない状況において図柄表示装置42において変動表示が行われていることを把握することができる。
ステップS2714にて否定判定した場合、又はステップS2715の処理を実行した後は、ステップS2716にて第1普図入賞カウンタの数値情報が天井に対応する「256」であるか否かを判定する。「256」ではない場合にはそのまま本取得処理を終了する。
ステップS2716にて第1普図入賞カウンタの数値情報が「256」である場合には、ステップS2717にて第1普図入賞カウンタをクリアするとともに、ステップS2718にて天井短縮カウンタをクリアしてから、本取得処理を終了する。
<普図変動開始処理>
次に本実施形態における普図変動開始処理について、図48のフローチャートを参照して説明する。なお、図48の処理は図39の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、上記ステップS2401〜ステップS2410の処理と同様に、ステップS2801〜ステップS2810にて当否判定処理までを行う。ステップS2811では、普図表示部39における変動表示時間及び停止結果を把握して、把握した変動表示時間をステップS2812にて普図普電タイマカウンタへセットし、ステップS2813にて普図表示部39における変動表示を開始する。そして、ステップS2814にて普図普電カウンタに1加算して、普図変動開始処理を終了する。
すなわち本実施形態では、普図用の変動用コマンド及び種別コマンドは音光制御装置300へ出力されず(ステップS2416)、普図メイン変動に対応する図柄表示装置42側の変動表示(普図サブ変動)は行わない構成としている。そして、スルーゲート35Aへの入賞に基づく図柄表示装置42側の変動表示は、特図メイン変動が行われていない状況で仮の変動表示が開始される(ステップS2715)のみである。
<特図側の保留情報の取得処理>
次に、本実施形態における特図側の保留情報の取得処理について、図49のフローチャートを参照して説明する。なお、図49の処理は、図20の処理と置き換えて実行される処理である。
本実施形態では、ステップS901〜ステップS905の処理と同様に、ステップS2901〜ステップS2905にて第1特図側の取得処理を実行する。また、ステップS2906では、第2特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはステップS2907にてそれをクリアする処理を実行する。続くステップS2908では、第2特図側の保留情報の数PS2が上限個数である4未満であるか否かを判定し、4未満である場合にはステップS2909にて第2特図側の保留情報の数PS2を1加算して更新する処理を実行する。続くステップS2910では、各種カウンタの各種数値情報を第2特図保留エリア204の対応するエリア204a〜204dに格納する。なお、ステップS2910にて格納する振分判定用のカウンタは、サポート種別カウンタC2ではなく大当たり種別カウンタC6であり、これはステップS2905の第1特図側の処理でも同様である。ステップS2906又はステップS2908にて否定判定した場合、若しくはステップS2910の処理を実行した後は、本取得処理を終了する。
すなわち本実施形態では、第1〜第3の実施形態とは異なり、第2特図側の当否判定に伴う処理を行っている状況(特図用の実行エリア105に保留情報が格納されている状況)であっても第2特図保留エリア204へ保留情報を格納する処理を実行する。それに伴い、本実施形態におけるデータ設定処理(図22)では第2特図実行中フラグに「1」をセットする処理(ステップS1107)や、特図変動開始処理(図21)における当該フラグをクリアする処理(ステップS1012)を実行しない(図示略)。また、第2特図側の保留情報の上限個数を増加させたことに伴い、本実施形態におけるデータ設定処理のステップS1105では、第2特図側の保留情報の数PS2を1減算して更新する処理に変更する。
<特電終了処理>
次に本実施形態における特電終了処理について、図50のフローチャートを参照して説明する。なお、図50の処理は、図24の処理と置き換えて実行される処理である。
先ずステップS3101では、上記ステップS1301と同様にエンディング時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合にはそのまま特電終了処理を終了する。
続くステップS3102では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が実質外れ結果であったか否かを判定する。図による詳細な説明は省略するが、遊技結果を上記第1〜第3の実施形態から変更している関係上、本実施形態における特図変動開始処理(図21)では、振分判定処理(ステップS1008)後に振り分けられた遊技結果に対応するフラグに「1」をセットする処理を実行する。具体的には、実質当たり結果Aであれば実質当たりAフラグに「1」をセットし、実質当たり結果Bであれば実質当たりBフラグに「1」をセットし、実質外れ結果であれば実質外れフラグに「1」をセットする。ステップS3102では、この実質外れフラグを確認することで、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が実質外れ結果であったか否かを判定することができる。
ステップS3102にて実質外れ結果ではない場合には、ステップS3103にて今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が実質当たり結果Aであったか否かを判定する。かかる処理では、上記の実質当たりフラグが参照される。実質当たり結果Aであった場合には、ステップS3104〜ステップS3106にて上記ステップS1303〜ステップS1305の処理と同様に高頻度サポートモードの設定に関する処理を実行する。また、ステップS3103にて実質当たり結果Aではない場合とは、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が実質当たり結果Bであったことを意味し、この場合、ステップS3107〜ステップS3109にて上記ステップS1306〜ステップS1308の処理と同様に低頻度サポートモードの設定に関する処理を実行する。
ステップS3102にて実質外れ結果であった場合、又はステップS3106及びステップS3109のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3110に進む。ステップS3110及びステップS3111の処理は、上記ステップS1309及びステップS1310の処理と同様である。ステップS3111の処理を行った後は、本特電終了処理を終了する。
すなわち本実施形態では、実質外れ結果に基づく実質外れモードの開閉実行モード終了時には、サポートモードの移行は行われない。
<音光制御装置300にて実行される演出決定処理>
次に、本実施形態における演出決定処理について、図51のフローチャートを参照して説明する。なお、図51の処理は、図25の処理と置き換えて実行される処理である。
先ずステップS3201では、保留コマンドを受信したか否かを判定し、受信している場合には、続くステップS3202にて保留表示用処理として、当該保留コマンドを表示制御装置400へそのまま送信する。表示制御装置400では、保留コマンドを受信したことに基づいて、当該保留コマンドに含まれる保留用画像の種類の情報を読み出すとともに、キャラクタROM406から対応する保留用画像P1〜P3を読み出して、当該保留用画像P1〜P3を図柄表示装置42の保留表示領域42bの対応する単位保留表示領域42c〜42fへ表示させるための処理を実行する。図による詳細な説明は省略するが、当該保留用画像は、遊技回演出の開始に際して第4単位保留表示領域42f→第3単位保留表示領域42e、第3単位保留表示領域42e→第2単位保留表示領域42d、第2単位保留表示領域42d→第1単位保留表示領域42cといった具合にシフトされるとともに、第1単位保留表示領域42cの画像がクリアされる。
ステップS3201にて否定判定した場合、又はステップS3202の処理を実行した後は、ステップS3203にて仮変動コマンドを受信したか否かを判定する。仮変動コマンドを受信している場合には、ステップS3204にて仮変動開始用処理を実行した後、ステップS3205にて当該仮変動開始コマンドを表示制御装置400へそのまま送信する。仮変動開始用処理では、遊技回用の演出を開始するように表示発光部63及びスピーカ部65を制御する。また、仮変動開始コマンドを受信した表示制御装置400は、図柄列Z1〜Z3の変動表示を開始するように図柄表示装置42を制御する。
ちなみに、これら仮変動コマンドを受信して開始される演出では、その後のリーチ発生の有無等の演出パターンや最終的な停止結果は決定されておらず、あくまで図柄列Z1〜Z3の変動表示やそれに伴う音光制御装置300による演出を開始するのみである。すなわち、仮変動用の演出のパターンは音光制御装置300及び表示制御装置400において予め定められている。そして表示制御装置400では、予め設定されたデータをプログラムROM403から読み出し、そのデータに従って予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では予め定められた仮変動用の演出が実行される。
この仮変動用の演出について具体的には、図柄の変動表示が開始されその後各図柄列Z1〜Z3が高速変動に至るまでの演出であり、各図柄列Z1〜Z3が高速変動に至った後は、その状態が維持されるように設定されている。
ステップS3203にて否定判定した場合、又はステップS3205の処理を実行した後は、ステップS3206にて限界報知コマンドを受信しているか否かを判定する。限界報知コマンドを受信している場合、ステップS3207にて限界報知用処理として、当該限界報知コマンドを表示制御装置400へそのまま送信する。表示制御装置400では、限界報知コマンドを受信したことに基づいて、限界報知として例えば各図柄列Z1〜Z3の変動表示の背景を変更するようにキャラクタROM406から背景データの情報を読み出して、当該背景データを用いて変動表示を行うように図柄表示装置42を制御する。
ステップS3206にて否定判定した場合、又はステップS3207の処理を実行した後は、ステップS3208にて特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合には、続くステップS3209にてステップS3103〜ステップS3105の処理結果に基づいて仮変動を実行中か否かを判定する。
仮変動を実行していない場合には、ステップS3110にて、受信した特図変動時用の変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、停止図柄を決定する図柄決定処理を実行し、ステップS3211にて演出パターンの決定処理を実行する。これらの処理は、上記のステップS1411やステップS1412の処理と同様である。
すなわち、ステップS3210では今回開始される遊技回の遊技結果に応じて、停止図柄の組合せを決定する。具体的には、実質当たり結果Aの場合にはいずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せが形成されるように停止図柄の組合せを決定し、実質当たり結果Bの場合にはいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成されるように停止図柄の組合せを決定し、実質外れ結果の場合にはいずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないように停止図柄の組合せを決定する。すなわち本実施形態では、同一の偶数図柄の組合せが停止することにより、実質当たり結果Bに基づく開閉実行モードに移行し、その後、低頻度サポートモードに移行することが明示される。
またステップS3211では、音光制御装置300のROM303に予め記憶されている特図変動時用の演出テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出継続時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出パターンを選択する。音光制御装置300では、ステップS3211にて決定した演出パターンに従って、特図入賞に伴う今回の遊技回における表示発光部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
続くステップS3212では、ステップS3210の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS3211の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルを表示制御装置400内のプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置300にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
ステップS3209にて仮変動が行われている場合には、ステップS3213にて、差し替え用の図柄決定処理を実行する。かかる処理はステップS3110の処理と同様である。すなわち、仮変動の実行の有無にかかわらず、最終停止図柄は受信した変動用コマンド及び種別コマンドによって決定される。
続くステップS3114では、差し替え用の演出パターンの決定処理を実行する。かかる処理はステップS3111の処理と概ね同様である。相違点としては、変動用コマンド及び種別コマンドと特図変動時用の演出テーブルとにより選択した演出パターンのうち、図柄の変動表示における変動開始から高速変動に至るまでの演出を削除した上で今回の差し替え用の演出パターンとして決定する。
続くステップS3115では、ステップS3113の処理結果に対応した差し替え用の停止結果コマンドと、ステップS3214の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置400に送信する。表示制御装置400では、その受信した差し替え用の停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、仮変動用の演出を差し替えるためのデータテーブルを表示制御装置400内のプログラムROM403から読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度にVDP405に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置300にて決定された演出パターンに従って既に開始している遊技回用の演出が差し替えられるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
次に、スルーゲート35Aへの入賞(普図入賞)と、各特別入賞口52,253への入賞(特図入賞)と、これらの入賞に基づく変動表示の関係について図52を参照して説明する。
図柄表示装置42における変動表示が行われていない(仮変動が行われておらず且つ特図特電カウンタが0の)状況であるt1のタイミングで、スルーゲート35Aへの入賞が発生した場合、普図メイン変動が開始されるとともに、普図側の保留情報の取得処理(図46)では仮変動開始コマンドが出力され図柄表示装置42における仮変動(サブ変動)が開始される。t1のタイミングでスルーゲート35Aに入賞した遊技球が、t2のタイミングで特別入賞口52,253のいずれかに入賞した場合、特図メイン変動が開始されるとともに、音光制御装置300では仮変動を本変動に差し替える差し替え用のコマンド出力が行われ(図51におけるステップS3215)、t1のタイミングで開始された仮変動の差し替えが行われる。そして、t3のタイミングで普図メイン変動は終了し、t4の特図メイン変動が終了するタイミングで、図柄表示装置42における変動表示も終了する。
これに対して、図柄表示装置42における変動表示が行われている(仮変動が行われているか特図特電カウンタが0ではない)状況であるt5のタイミングで、スルーゲート35Aへの入賞が発生した場合、普図メイン変動が開始されるものの、仮変動コマンドは出力されない。なお、t5のタイミングでスルーゲート35Aに入賞した遊技球が、t6のタイミングで特別入賞口52,253のいずれかに入賞する。t5のタイミングで実行中であった特図メイン変動がt7のタイミングで終了すると、既に取得済みの特図側の保留情報(t6のタイミングで仮変動が行われている状況であればt6のタイミングで取得された特図側の保留情報であり、t6のタイミングで特図特電カウンタが0ではない状況であればt6のタイミング以前に取得された特図側の保留情報)に基づいて、t8のタイミングから特図メイン変動及び図柄表示装置42における変動表示が開始される。そして、これらの変動はt10のタイミングで終了する。
次に、本実施形態の遊技の流れを、図53を参照して説明する。
遊技球がスルーゲート35Aに入賞し特殊役物33へ入球すると、当該遊技球は第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253に振り分けられる。この場合、通常は第2特別入賞口253へ振り分けられ、第1特別入賞口52へは天井に到達したときだけ振り分けられる。
第2特別入賞口253への入賞が発生すると、ほぼ100%大当たり結果となり、第2特図用の振分テーブルに基づいて大当たり結果の種別が振り分けられる。この場合、120分の1の確率で実質当たり結果Aとなり、残りは実質外れ結果となる。実質当たり結果Aとなると、実質当たりモードの開閉実行モードに移行し、特電入賞装置32への入賞が許容される(賞球を得ることができる)。当該開閉実行モードが終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、遊技回の実行回数が終了規定回数(100回)に達するまで継続する。また、高頻度サポートモードでは、頻繁に特殊役物33へ入球するため(第1特別入賞口52又は第2特別入賞口253へ入賞して賞球を得られるため)持ち球をあまり減らさずに遊技を継続する(次の実質当たりモードの開閉実行モードを期待する)ことができる。
既に説明したように第2特別入賞口253への入賞に基づいて取得される保留情報は、上限個数である4個までしか記憶されないが、上限個数の保留情報を記憶している状況であっても、天井への実カウントは進行する。高頻度サポートモードとなるとスルーゲート35Aへの入賞頻度、すなわち特殊役物33への入球頻度が低頻度サポートモードよりも多くなることから、高頻度サポートモードにおいては上記の実カウントを容易に進行させることが可能となる。すなわち、容易に第1特別入賞口52へ入賞させることが可能となる。
天井に到達すると、第1特別入賞口52への入賞が発生し、これもほぼ100%大当たり結果となる。しかし、第1特図用の振分テーブルでは、1/5が実質当たり結果Aとなり4/5が実質当たり結果Bとなる。実質当たり結果Bとなると、実質当たりモードの開閉実行モードに移行するものの、当該開閉実行モードが終了すると、サポートモードは高頻度サポートモードではなく低頻度サポートモードに設定される。
したがって、高頻度サポートモードにおいては、上記のように実カウントを容易にカウントさせることが可能であるものの、天井に到達するまでカウントさせるよりも、第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質当たり結果Aに振り分けられるほうが、遊技者にとっては好ましい。
そこで遊技者としては、高頻度サポートモードにおいては、先ず天井に到達させない程度まで実カウントを進行させるべく、第2特図側の保留情報の数PS2が上限値の4である状況であってもスルーゲート35A(特殊役物33)へ入賞させる。そして、第2特別入賞口253への入賞に基づく大当たり結果が振分判定処理(ステップS1008)にて実質当たり結果Aに振り分けられれば、高頻度サポートモードは継続し、遊技者はさらに続けて持ち球を減らさずに遊技を続行することができる。この場合、高頻度サポートモード中に実質当たり結果Aに振り分けられなくても、高頻度サポートモードの終了時には実カウントは天井付近となっており、その後すぐに第1特別入賞口52への入賞に基づいて実質当たりモードの開閉実行モードへ移行させることができる。
ここで、本実施形態では、高頻度サポートモードの終了規定回数を、実質当たりモードの開閉実行モードの終了のたびに設定する一方で、第1普図入賞カウンタは特殊役物33の天井機能に連動しているため、天井に到達するたびに設定(0にクリア)する構成としている。
そしてこのような構成とすることで、遊技者が打ち始める時点での第1普図入賞カウンタの値(天井まで遠いか近いか)によって、その後に期待できる賞球数に変化を生じさせることができる。具体的には、打ち始める時点での第1普図入賞カウンタの値が天井に対応する値に近ければ近いほど、すぐに第1特別入賞口52へ入賞させることが可能である。一方で、天井に到達した直後は第1普図入賞カウンタの値は、天井から最も遠くなるため、第1特別入賞口52への入賞に基づく実質当たりモードの開閉実行モードを得るという観点からすると、遊技者にとっては好ましくないとも思われる。しかし、第1普図入賞カウンタの値が小さい状況で第2特別入賞口253への入賞に基づいて高頻度サポートモードへ移行した場合のほうが、その後に持ち球を減らさずに特図入賞に基づく当否抽選(振分抽選)を受ける期間が長くなる。
具体的に図54(a)及び図54(b)を参照して説明する。図54(a)は第1普図入賞カウンタの値が「0」である状況で打ち始めた場合の例を示し、図54(b)は「200」である状況で打ち始めた場合の例を示している。
いずれの状況であっても、第2特別入賞口253への入賞に基づいて当否抽選(振分抽選)が行われ、例えば10回目の入賞で実質当たり結果Aに振り分けられた場合、高頻度サポートモードの開始時においては、第1普図入賞カウンタが「0」から打ち始めた場合は天井までに必要な入球数は「246」であり、高頻度サポートモードの終了規定回数よりも多いのに対して、第1普図入賞カウンタが「200」から打ち始めた場合には天井までに必要な入球数は「46」であり、高頻度サポートモードの終了規定回数よりも小さくなる。
例えば天井までに必要な入球数が「246」である場合に、その後86回目の入賞(第1普図入賞カウンタは「96」)で実質当たり結果Aに振り分けられ、さらにその後90回目の入賞(第1普図入賞カウンタは「186」)で実質当たり結果Aに振り分けられ、その後、天井に到達した場合には、初当たりを含めて実質当たり結果Aを3回と天井の実質当たり結果Bを1回とを遊技者は得ることができる。そしてこの間は高頻度サポートモードで遊技を行うため、持ち球をあまり減らさずに4回分の実質当たりモードの開閉実行モードによる賞球を得ることができる。
これに対して、例えば天井までに必要な入球数が「46」である場合には、その後46回目の入賞で天井に到達することになり、この46回の入賞のいずれでも実質当たり結果Aに振り分けられなかったとすると、初当たりの実質当たり結果Aを1回と天井の実質当たり結果Bを1回とを遊技者は得ることになる。
したがって、高頻度サポートモード中に再度、第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質当たり結果Aに振り分けられる可能性(当否抽選及び振分抽選を受けられる回数)は、第1普図入賞カウンタの値が小さい状況で高頻度サポートモードへ移行した場合のほうが実現し易く、第1普図入賞カウンタの値が小さい状況から打ち始めたほうが遊技者にとって好ましくなる。このようにすることで、第1普図入賞カウンタの値が小さく天井に遠い状況であっても、遊技者は積極的に遊技を行うことが想定され、遊技への積極参加を促すことが可能となる。
なお、実際にはこの第1普図入賞カウンタの値は遊技者は見ることができないし、既に説明したとおり、特殊役物33の振分板54の状況も視認しにくい又はできなくなっているため、天井に遠いか近いかは、実際に遊技を行っている遊技者の他、その遊技を行っている遊技者の付近にてその遊技を確認している者しか把握することが困難である。しかし、天井までの実カウントではなく遊技回の実行回数は、遊技ホールに設置されたデータカウンタ等により表示されていることが一般的であり、上記の者以外の者であってもこのデータカウンタ等により、天井までの実カウントを推測することは可能である。
また、このようなデータカウンタ等において、実際の遊技回の実行回数だけでなく、天井までの実カウントを表示するようにしてもよい。この場合、第1普図入賞カウンタの値を主制御装置71等から上記データカウンタ等に直接又はホールコンピュータ等を介して間接的に外部出力する構成とするとよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
スルーゲート35Aを通過した遊技球は、通常、第2特別入賞口253へ入賞する。この入賞に基づいて特図側の保留情報の取得処理(図49)で、第2特図側の保留情報の数PS2が規定数(4)未満であることを条件に保留情報が取得される。そして、この保留情報が特図変動開始処理(図21)にて当否判定及び振分判定処理が行われ(ステップS1006及びステップS1008)、実質当たり結果Aである場合には実質当たりモードの開閉実行モードに移行する。このような構成において、特殊役物33の天井機能により256回目の入球した遊技球は第1特別入賞口52へ振り分けられる。そして第1特別入賞口52への入賞が発生すると、ほぼ100%の確率で実質当たりモードの開閉実行モードへ移行する。これにより、第2特図側の保留情報が規定数に達している状況であっても、スルーゲート35A(特殊役物33)を遊技球を通過させれば、少なくとも特殊役物33の天井までの実カウントを進行させることができるため、遊技者による遊技球の打ち出しの継続実施を促すことが可能となる。
上記のように第1特別入賞口52への入賞が発生した場合には、ほぼ100%の確率で実質当たりモードの開閉実行モードへ移行するものの、所定の確率で移行しない場合がある。具体的には、当否判定処理では1/600の確率で外れ結果となるし、大当たり結果であっても1/120の確率で実質外れモードの開閉実行モードへ移行する。これにより、出球率を高めすぎずに、射幸心を抑制することが可能となる。なお、この射幸心を抑制する効果を高めるためには、外れ結果又は実質外れ結果となる確率を高めるとよい。また、射幸心を抑制する方法としては、実質当たりモードの開閉実行モードで得られる特典を少なくしてもよい。具体的にはラウンド数を少なくしたり、大入賞口32aへの入賞に基づく賞球数を少なくしたり、1ラウンドの最大入球数を少なくしたりしてもよい。
第1普図入賞カウンタの数値情報が天井(256)に達する前である特別数(156)となった場合に、限界報知処理(ステップS3207)により図柄表示装置42にてその特別数となったことを報知する構成とした。これにより、遊技者は後どれくらいで天井に到達するかを把握することが可能となり、遊技の継続実施を促すことが可能となる。
スルーゲート35Aに誘導状態と非誘導状態との間を変位可能な普電役物35dを設けた。そして、実質当たりモードの開閉実行モードの終了を契機として高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードとに移行するように設定する構成とした。具体的には、実質当たり結果Aに基づく開閉実行モード後は回数制限ありの高頻度サポートモードに移行し、実質当たり結果Bに基づく開閉実行モード後は低頻度サポートモードに移行する。そして、第1特図用の振分テーブルでは実質当たり結果A,Bのいずれかに振り分けられる可能性があり、第2特図用の振り分けテーブルでは実質当たり結果Aにのみ振り分けられる可能性がある。つまり、天井により移行する開閉実行モード後は低頻度サポートモードに移行する可能性があり、第2特別入賞口253への入賞に基づく開閉実行モード後は低頻度サポートモードに移行する可能性がない。
この場合、遊技者としては、第2特別入賞口253への入賞に基づく実質当たりモードの開閉実行モードに移行した場合には、その後の高頻度サポートモード中に、天井に到達させずに第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質当たり結果Aに振り分けられることを期待する。さらに、この高頻度サポートモードが終了規定回数(100回)に達した場合であっても(低頻度サポートモードに移行した場合であっても)、なるべくすぐに天井に到達させるよう、高頻度サポートモード中の入球数を調節する。また、天井に到達した場合には、実質当たり結果Aに振り分けられることを期待する。このようにして、特殊役物33の天井機能と、スルーゲート35Aに設けた普電役物35dと、を利用して、新たな遊技を提供することができる。
回数制限ありの高頻度サポートモードの終了規定回数は、天井に対応する通過数よりも少ない数とした。この終了規定回数が天井に対応する通過数よりも多い数だと、第2特図側の保留数が上限となっている状況でさらにスルーゲート35Aへ通過させなくても、高頻度サポートモード中に天井に到達してしまうことになる。この場合、天井付近まで実カウントを進行させて高頻度サポートモード終了後すぐに天井に到達させる、という上記の遊技において好ましくない。そこで、終了規定回数を上記のように設定することで、上記の遊技を好適に実現することができる。
第2特図側の保留数が上限となっている状況でさらにスルーゲート35Aへの通過が発生した場合には、天井短縮カウンタを1加算し、高頻度サポートモードにおいて当該天井短縮カウンタが156となった場合には、限界報知の演出が図柄表示装置42にて行われる構成とした。これにより、高頻度サポートモード中に、実カウントのみを進行させる限界値となったことを遊技者は把握することが可能となり、天井付近で高頻度サポートモードを終了させるという遊技の手助けとすることができる。
一般的に天井機能を有する遊技機においては、遊技者は天井に近い台を選択して遊技を行うため、天井に遠い台、すなわち天井直後の台は敬遠される傾向にある。これに対して本実施形態では、天井による開閉実行モード後は低頻度サポートモードに移行する可能性があるため、高頻度サポートモード中に第2特別入賞口253への入賞に基づいて実質当たり結果Aに振り分けられる実質的な連荘は、天井に遠い段階の低頻度サポートモードにおいて高頻度サポートモードへ移行した場合のほうが、その後に実質的な連荘を得られる可能性が高くなる。これにより、天井という遊技者への救済機能を実現しつつ、天井直後の台であっても敬遠されることなく、遊技を行わせることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組合せで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)上記各実施形態において、各振分板54の状態を特殊役物33の外部から手動で変更できる構成としてもよい。具体的には、前扉枠14を遊技球前方に回動させた状態で、遊技盤24の背面側から各振分板54の状態を操作可能となるように特殊役物33を構成する。例えば、振分板54の回動軸55を遊技盤24の裏側に突出させて操作部とし、その回動軸55の操作部を手で回すことにより、各振分板54の状態を強制変更できるようにする。これにより、複数の振分板54の状態の組合せを容易に変更することができる。また、複数の振分板54の状態の組合せは、前扉枠14を遊技球前方に回動させることで可能となるため、ホール管理者は変更可能であるが、遊技者は変更が不可となっている。これにより、パチンコ機10において朝一番に遊技を開始した遊技者に特典を付与するモーニング設定を施すことができる。
また、複数(8個)の振分板54のうち、一部の振分板54をその振り分け先が第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)となるように固定できる構成としてもよい。例えば、8個の振分板54のうち、いずれかの5個の振分板54について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3個の振分板54については固定しない場合、球通過口33aにおける遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞することとなる。この場合、8個通過に1回の割合で、特別入賞口52に遊技球を入賞させることができるようになる。つまりは天井値の変更が可能となり、天井の設定態様を多様化できる。
(2)上記各実施形態の特殊役物33において、複数の振分板54にそれぞれにソレノイドなどの電動アクチュエータ(駆動部)を設け、当該アクチュエータによって各振分板54の振り分け先を切り替える構成としてもよい。この場合、各振分板54が各々独立して駆動されるように構成されているとよい。かかる構成では、いずれかの振分板54について、アクチュエータの駆動により振り分け先を第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)側に固定する、又は第2通路51b(特別入賞口52に入賞不可能な通路、第4の実施形態では第2特別入賞口253に入賞可能な通路)側に固定することができ、これにより、所定数(遊技球を特別入賞口52に入賞させるのに要する球通過数)を増側及び減側のいずれかに変更することが可能となる。
例えば、8個の振分板54のうち、いずれかの5個の振分板54について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3個の振分板54については固定しない場合、球通過口33aにおける遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞することとなる。この場合、8個通過に1回の割合で、特別入賞口52に遊技球を入賞させることができるようになる。つまりは天井値の変更が可能となり、天井の設定態様を多様化できる。
また、制御手段(例えば主制御装置71)によりアクチュエータを制御可能としてもよい。この場合、制御手段は、あらかじめ定められた振分制御プログラムを実行することにより、各振分板54の振り分け先を決定するとともに、その結果に基づいてアクチュエータを駆動させる。これにより、各振分板54の振り分け先を制御によって任意に切替操作でき、遊技内容(仕様)や遊技演出を多様化することができる。例えば、通常状態と高確状態とで所定数(遊技球を特別入賞口52に入賞させるのに要する球通過数)を変更したりするとよい。
また、特殊役物33において、遊技球の流下に伴い機械的に動作する振分板54と、電動アクチュエータにより電気的に駆動される振分板54とを混在させて設ける構成であってもよい。
(3)上記各実施形態において、特殊役物33に入賞した遊技球の個数をカウントする第1普図入賞カウンタの値が251個となり「256」に近づいた場合に、図柄表示装置42にて天井予告を実行する構成としたが、報知の態様はこれに限られず、普図普電制御処理に基づく遊技回が実行されるごとに、第1普図入賞カウンタの値や、天井までの残り回数を報知する構成としてもよい。この場合、遊技回が終わっても第1普図入賞カウンタの値や天井までの残り回数が報知され続ける構成とせず、遊技回が開始されてから終了するまでの間だけ報知する構成とするとよい。これにより、天井間際のパチンコ機10について、遊技者が遊技をしなくては報知情報を得ることができず、遊技者に対して遊技を促すことができる。
(4)第1普図入賞カウンタの値を利用して不正報知を実行する構成としてもよい。例えば、特別入賞口52への入賞時に第1普図入賞カウンタの値を取得し、その値が天井回数である「256」となっているか否かを判定し、カウンタ値≠256であれば、不正に入賞が発生したとみなす。この場合、ホールコンピュータ及び音光制御装置300に不正報知コマンドを主制御装置71が出力する構成が考えられる。
(5)上記第1〜第3の実施形態では、特殊役物33に特別入賞口52と一般入賞口53とを設け、球通過口33aを通過した遊技球はこれら各入賞口52,53のいずれかに振り分けられる構成としたが、これを変更し、球通過口33aを通過した遊技球は特別入賞口52か、アウト口24a(入球に伴う払出のない入球口)かのいずれかに振り分けられる構成としてもよい。
(6)上記各実施形態では、特殊役物33において各振分板54を遊技機前方から覆うカバー部材60を設け、このカバー部材60により各振分板54を遊技者から視認不可としたが、これを変更し、各振分板54を遊技者から視認可能としてもよい。この場合、各振分板54が見えれば、今後の遊技状況を容易に予測でき、ひいては遊技者の遊技意欲を一層高めることが可能となる。
(7)上記各実施形態では、主制御装置71(MPU82)において、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数を第1普図入賞カウンタによりカウントし、そのカウント値が天井前の所定値(=251)に到達した際に天井報知コマンドをセットする構成とした(図15のステップS403,ステップS408,ステップS409)。そして、音光制御装置300において、天井報知コマンドを受信し、天井報知に対応した演出を実施する構成とした。かかる構成を以下のように変更してもよい。
例えば、サブ制御装置である音光制御装置300において、スルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数をカウントし、そのカウント値が天井前の所定値(=251)に到達した場合に、天井報知に対応した演出を実施する。この場合、音光制御装置300では、スルーゲート35Aの球通過を示す信号を主制御装置71から受信し、それに伴いスルーゲート35A側での普図入賞の回数をカウントするとよい。本構成では、主制御装置71でのカウントが不要であり、そのカウント処理を無くしてもよい。
また、上記のとおり音光制御装置300においてスルーゲート35Aの球通過数をカウントする構成では、音光制御装置300側で、スルーゲート35Aの球通過数が大当たり当選の天井回数(=256)に達したことを認識できる。そこで、スルーゲート35Aの球通過数が大当たり当選の天井回数(=256)に達した場合に、音光制御装置300が、図柄表示装置42の図柄変動として大当たり当選に相当する演出を実行するようにしてもよい。この場合、音光制御装置300では、遊技球が特別入賞口52に入賞する以前(すなわち、遊技球がスルーゲート35Aに入賞してから特別入賞口52に入賞するまでの間の期間)に、大当たり当選に相当する図柄変動(停止図柄が大当たり図柄となるような図柄変動)を開始するよう表示制御装置400に対してコマンドを出力するとよい。
(8)普図普電制御処理に基づく遊技回が図柄表示装置42にて実行されている間(普図普電カウンタ≠0の場合)は、特図特電制御処理に基づく遊技回を開始しない構成としてもよい。この場合、普図普電制御処理に基づく図柄変動と、特図特電制御処理に基づく図柄変動とを同一の図柄表示装置42で実施する構成において、普図特電制御による図柄変動が中途半端な状態で中断されてしまうことを抑制できる。
(9)上記第1〜第3の実施形態において、特殊役物33を利用することでスルーゲート35Aに入賞した遊技球が所定の割合で特別入賞口52へ入賞する構成としたが、特殊役物33を利用せずにスルーゲート35Aを通過した遊技球が所定の割合で特別入賞口52へ入賞する構成としてもよい。例えば、遊技盤24において開閉実行モードへの当否抽選及び図柄表示装置42における遊技回の演出が行われる入球部(例えば特別入賞口52)とは別に、遊技球が通過可能な通過部(例えばスルーゲート35A)を設け、当該通過部を通過した遊技球が上記入球部へ入球可能なようにこれら入球部及び通過部を配置する。そして、この通過部を遊技球が通過することに基づいても図柄表示装置42にて遊技回の演出が行われる構成とすれば、遊技者が飽きてしまうことを抑制するという効果を奏することが可能である。そしてこのような構成としても、図柄表示装置42への遊技回用の演出の要求が重複し得るため、重複した場合に演出を差し替える手段を備えることで、上記の効果を好適に奏することが可能となる。
すなわち、上記のように遊技回の演出の開始契機が複数存在する場合、そのうちの遊技者にとって利益に関連する遊技回の演出(上記入球部への入球に基づく演出)については、よりリアルタイムでその利益に関連する抽選結果を遊技者に知らせる必要がある。また、当然遊技者としてもこのような利益に関連する遊技回の演出には、高い関心が寄せられることが想定される。この場合、例えば実行中の遊技回の演出(上記通過部への入球に基づく演出)を最後まで行ってからその移行判定の結果を反映する遊技回の演出(上記入球部への入球に基づく演出)を開始する構成とすると、遊技者としては、早くその当否抽選の結果を知りたいのにもかかわらず当否抽選の結果とは関係のない演出が行われていることで倦怠感を抱きかねない。とすると、せっかく遊技者が飽きないように用意した上記通過部の通過に基づく遊技回の演出作が、遊技者にとっては邪魔な構成となってしまいかねない。
そこで、このような場合には実行中の遊技回の演出を当否抽選の結果に対応する遊技回の演出に差し替えることで、上記のような倦怠感を感じさせることがなく、遊技回の演出を頻繁に行う構成による効果を好適に奏することができる。
(10)第1,第2の実施形態において、遊技回用の演出の要求が重複する場合、実行中の遊技回の残りの変動表示時間によらず演出を差し替える構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、主制御装置71が実行中の遊技回の残りの変動表示時間が所定期間(所定時間)よりも少ないと判断した場合には、音光制御装置300(又は表示制御装置400)が当該実行中の遊技回の終了後(普図サブ変動の終了後)に続けて遊技回の演出(特図サブ変動)を開始する構成としてもよい。この場合、例えば全ての図柄列Z1〜Z3が停止している状況でこれらを再変動させる必要が生じずに、違和感なく天井に対応する遊技回の演出を実行することができる。
この構成の具体的な処理としては、第1の実施形態では、取得情報設定処理(図23)においてステップS1201の前に、普図側の残りの変動表示時間を把握する処理を加え、当該残りの変動表示時間が予め定められた所定期間(例えば、全図柄列Z1〜Z3が既に停止していることに対応する期間)である場合には、特図メイン変動の変動表示時間をサポートモードに対応した特図用の変動表示時間とする。そしてこの場合、普図サブ変動をその開始時に設定された変動表示時間どおりにそのまま終了させる。なお、上記予め定められた所定期間を長く設定した場合には、直ちに終了させてもよい。この場合には、直ちに終了させるようにその旨のコマンドを音光制御装置300へ出力し、音光制御装置300側では、かかるコマンドを受信することにより、実行中の演出を直ちに終了させるように演出を差し替える構成とするとよい。
さらに特図サブ変動が、実行中の普図サブ変動に続けて行われるように、音光制御装置300へその旨のコマンド(変動用コマンド及び種別コマンド)を出力する。ここで、特図サブ変動の変動表示時間を、特図メイン変動の変動表示時間から上記普図側の残りの変動表示時間を減算した時間とし、かかる変動表示時間の情報を上記その旨のコマンドに含めて音光制御装置300へ出力する。このようにすることで、音光制御装置300側の遊技回の演出(特図サブ変動)の終了タイミングと主制御装置71側の変動表示(特図メイン変動)の終了タイミングを合わせることが可能となる。
第2の実施形態の変形例としては、普図側の保留情報の取得処理(図30)を変更するとともに、取得情報設定処理(図33)を変更する。
本変形例の普図側の保留情報の取得処理では、図55のフローチャートに示すように、ステップS1701〜ステップS1710と同様に、ステップS3201〜ステップS3210の処理を実行する。そして、ステップS3211にて、普図普電カウンタが「0」であるか否かを判定することで、普図サブ変動としての遊技回の演出が行われているか否かを判定する。普図サブ変動が行われている場合は普図メイン変動も行われており、ステップS3212にて、実行中の普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握する。そしてステップS3213にて、ステップS3212の処理結果に基づいて、実行中の普図メイン変動の残りの変動表示時間が所定期間よりも短いか否かを判定する。
普図メイン変動の残りの変動表示時間が所定期間以上である場合は、ステップS3214の天井差し替えフラグに「1」をセットする処理を行い、ステップS3215の天井差し替えコマンドを出力対象に設定する処理を行う。普図メイン変動の残りの変動表示時間が所定期間よりも短い場合は、これらステップS3214及びステップS3215の処理を行わない。これにより、普図サブ変動を実行中に天井に対応する入球が発生した場合であっても当該実行中の普図サブ変動を変動表示時間の経過によって終了させることができる(ステップS1906:NO)。
ステップS3213にて、普図メイン変動の残りの変動表示時間が所定期間よりも短い場合、ステップS3216にてRAM84に設けられた終了済みフラグに「1」をセットする処理を実行する。かかる終了済みフラグは、天井に対応する入球が発生した場合であっても、実行中の普図サブ変動を変動表示時間の経過によって終了させたことをMPU82が把握するためのフラグである。ステップS3211にて肯定判定した場合、又はステップS3215若しくはステップS3216の処理を実行した後は、ステップS3217にて天井フラグに「1」をセットする処理を行い、ステップS3218にて第1普図入賞カウンタをクリアする処理を実行してから、普図側の保留情報の取得処理を終了する。
取得情報設定処理では、図56のフローチャートに示すように、ステップS3301にて高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、高頻度フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS3302にて、上記の終了済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。終了済みフラグに「1」がセットされていなければ、ステップS3303〜ステップS3306にて普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握するための処理を行う。ステップS3303〜ステップS3306の処理はステップS2002〜ステップS2005の処理と同様である。
ステップS3302にて終了済みフラグに「1」がセットされている場合は、ステップS3307にてサポートモードに対応する特図変動時間を把握する処理を実行する。そしてステップS3308にて特図停止結果を把握した後、ステップS3309にて、ステップS3306又はステップS3307にて把握した変動時間を特図特電タイマカウンタにセットする処理を実行し、ステップS3310へ進む。
これにより、普図メイン変動の残りの変動表示時間が短い場合には、サポートモードに対応する特図変動時間が設定されることになる。
ステップS3310では、高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされていなければステップS3311に進む。ステップS3311では、上記の終了済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされていなければステップS3312及びステップS3313にて、天井差し替えフラグの確認処理及びそれを消去する処理を実行する。これらの処理はステップS2010及びステップS2011の処理と同様である。ステップS3310にて否定判定した場合、ステップS3311にて終了済みフラグに「1」がセットされている場合、又はステップS3313の処理を実行した後は、ステップS3314にて変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する処理を実行する。ステップS3315及びステップS3316の処理は、ステップS2013及びステップS2014の処理と同様である。これにより、普図メイン変動の残りの変動表示時間が少ない場合に、その普図メイン変動に対応する普図サブ変動を終了させるとともに、特図サブ変動用の変動用コマンド及び種別コマンドが音光制御装置300側に出力されることになる。
この特図サブ変動用の変動用コマンド及び種別コマンドを受信することによる音光制御装置300側の処理は、第1の実施形態と同様である。すなわち、演出決定処理(図34)におけるステップS2101〜2110の処理を行った後は、第1の実施形態における演出決定処理(図25)におけるステップS1408〜ステップS1420の処理を行う構成とする。これにより、天井差し替えコマンドを受信せずに実行中の普図サブ変動を終了している場合には、受信した特図用の変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、特図サブ変動としての遊技回が実行される。
このようにすることで、タイミング別図柄差し替え処理(図28)におけるステップS1603や、演出差し替え処理(図35)におけるステップS2205にて否定判定する事象が発生せず、天井に対応する遊技回が長期に亘って行われてしまうことによる倦怠感や、一旦終了したと思った遊技回が再度繰り広げられることに対する違和感を低減することができる。
なお、上記の所定期間は、全図柄列Z1〜Z3が停止していることに対応する期間に限られず、例えば下図柄列Z3が停止していることに対応する期間とすれば、少なくともした図柄列Z3を再変動させてリーチ表示を発生させる必要が生じず、上記の違和感を低減する効果を高めることができる。
また、実行中の普図サブ変動の残りの変動表示時間が予め定められた所定期間(例えば30sec)よりも長い場合には、特図側の変動表示時間を当該普図サブ変動の残りの変動表示時間とせず、サポートモードに対応する特図変動時間としてもよい。以下、この変形例について、図57のフローチャートを参照して説明する。図57のフローチャートは、第2の実施形態における取得情報設定処理の代わりに実行される処理を示している。
すなわち、ステップS2001〜ステップS2004の処理と同様に、ステップS3401〜ステップS3404の処理を実行した後、ステップS3405にて普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握する処理を実行する。続くステップS3405では、ステップS3405の処理結果に基づいて、把握した残りの変動表示時間が予め定められた所定期間よりも長いか否かを判定する。そして、所定期間よりも長い場合にはステップS3407にて、サポートモードに対応する特図変動時間を把握する処理を実行する。ステップS3406にて所定期間以下の場合、又はステップS3407の処理を実行した後は、ステップS3408にて特図停止結果を把握し、ステップS3409にて、ステップS3405又はステップS3407にて把握した時間を特図特電タイマカウンタにセットする処理を実行する。ステップS3408〜ステップS3415の処理は、ステップS2009〜ステップS2014の処理と同様である。
これにより、実行中の普図サブ変動の残りの変動表示時間が予め定められた所定期間よりも長い場合に、サポートモードに対応する特図変動時間として設定される。この場合、音光制御装置300側では、演出決定処理(図34)のステップS2114にて、上記サポートモードに対応する特図変動時間とするように実行中の遊技回(普図サブ変動)の変動表示時間の変更処理を実行する。
このようにすることで、実行中の普図サブ変動の残りの変動表示時時間があまりに長い場合に、特図側の当否判定結果を速やかに報知することができる。そして結果的に、速やかに開閉実行モードへ移行させることが可能となり、円滑な遊技を実現することができる。
(11)音光制御装置300による演出差し替え処理(図26、図35)と同様の差し替え処理(大当たりダミーの差し替え処理)が、天井に対応する遊技回以外にも実行される構成としてもよい。すなわち天井に対応しない遊技回であっても、所定の確率で各図柄列Z1〜Z3の再変動等が行われる構成とする。これにより、各図柄列Z1〜Z3の再変動等が行われた場合に、遊技者に対して天井に対応するものであることを期待させることができる。
(12)上記各実施形態において、特電入賞装置32を左側領域PE2や下側領域PE4に設けてもよい。このようにすることで、開閉実行モード中もスルーゲート35A(特殊役物33)へ入賞させることが可能となり、天井までのカウント(第1普図入賞カウンタ)を進めることができる。
(13)上記第1〜第3の実施形態において、天井に対応する遊技回において図柄表示装置42側の演出の終了タイミングを抽選結果表示部37(特に第1特図表示部38a)での変動の終了タイミングに合わせることで、図柄表示装置42側の演出の終了タイミングと開閉実行モードへの移行タイミングとを合わせる構成としたが、遊技者が違和感を感じない程度であれば一方が他方に対して若干早く又は若干遅くなるように設定してもよい。
(14)上記第1、第2の実施形態において、図柄表示装置42側の演出を差し替える際の演出は上記のものに限定されない。要は、少なくとも差し替え前の演出パターンの情報(アドレスAs(1)〜As(x))に基づいて差し替え後の演出パターンが決定される構成とすることにより、差し替え前後の演出を関連付けたり、差し替え前後の演出を関連付けなかったり、することができる。
(15)上記第4の実施形態において、第2特別入賞口253への入賞時に参照される第2特図用の振分テーブルでも実質当たり結果Bに振り分けられる構成としてもよい。このようにすることで、出球率を極端に高めすぎずに、射幸心を抑制する構成とすることができる。
但し、第1普図入賞カウンタの数値が天井から遠いほど実質的な連荘により多量の賞球を得られる可能性を高くするためには、第1特図用の振分テーブルよりも第2特図用の振分テーブルのほうが実質当たり結果Bに振り分けられる確率が低くなるように設定するほうがよい。
(16)上記第4の実施形態において、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとの関係が逆であってもよい。具体的には、第1特図用の振分テーブルのほうが第2特図用の振分テーブルよりも実質当たり結果Aに振り分けられる確率を高くし、第2特図用の振分テーブルのほうが第1特図用の振分テーブルよりも実質当たり結果Bに振り分けられる確率を高くする。このようにすると、第2特別入賞口253への入賞に基づいては高頻度サポートモードへ移行する確率が低くなり、第1特別入賞口52への入賞に基づいては高頻度サポートモードへ移行する確率が高くなる。この場合、高頻度サポートモードにおいて、いかに第2特別入賞口253への入賞に基づく振分判定で実質当たり結果Bに振り分けられないか、すなわちいかに天井に早期に到達させるかが、高頻度サポートモードを継続させるための肝となる。そのため、天井までの実カウントのみを進行させるべく、遊技者は第2特図側の保留数が上限個数である状況でさらにスルーゲート35A(特殊役物33)へ入賞させる、と考えられ、このような状況における遊技球の継続発射を促すことが可能となる。
(17)上記第4の実施形態において、回数制限なしの高頻度サポートモードが設けられていてもよい。この場合であっても、出球率を高めすぎないという効果を奏するためには、少なくとも天井に到達した後に低頻度サポートモードへ移行し得る構成、すなわち第1特図用の振分テーブルにおいて実質当たり結果Bに振り分けられる構成であれば、遊技回の回数ではなくスルーゲート35Aへの通過数によって実質的に高頻度サポートモードの継続を抑制することができる。但し、上記第4の実施形態において示した、終了規定回数と天井との関係で遊技球の発射操作を調節する、という遊技性を実現するためには、回数制限ありの高頻度サポートモードが設定されている必要がある。
(18)上記第4の実施形態において、特殊役物33の天井機能を利用して、第2特図側の保留数が上限個数である状況でさらに入賞させる意義を持たせたが、天井機能は遊技機の内部制御等により実現する構成としてもよい。すなわち、例えば遊技領域PEに始動入球部を設け、当該始動入球部に遊技球が入球することに基づいて、規定数を上限として大当たり乱数カウンタC1などの特別情報を取得し、当該特別情報が大当たり当選に対応するものである場合に開閉実行モードなどによって遊技者に特典を付与する構成において、当該始動入球部への入球数が天井に対応する数に到達した場合には、特別情報とは関係なく遊技者に特典を付与する構成であれば、特別情報の数が規定数である状況であっても当該始動入球部へ入球させる意義を持たせることが可能となる。
(19)上記第1〜第3の実施形態において、スルーゲート35Aへの通過数と天井までに実行する遊技回の回数とを合わせる構成としてもよい。この合わせる構成としては、例えば、普図用の保留情報を記憶可能な保留エリアを天井回数よりも多く設ける構成や、普図サブ変動を実行中はスルーゲート35Aへ入賞しないように蓋などの可動物を設ける構成が考えられる。
(20)上記第1の実施形態において、特図メイン変動の変動表示時間に応じて実行中の遊技回(普図サブ変動)の変動表示時間を延長又は短縮する構成としたが、実行中の遊技回の変動表示時間を延長又は短縮しない構成としてもよい。実行中の遊技回の変動表示時間を延長しない構成とすると、特図メイン変動が終了するよりも先に実行中の遊技回が大当たり結果に対応させて終了し、実行中の遊技回の変動表示時間を短縮しない構成とすると、特図メイン変動が終了した後に実行中の遊技回が大当たり結果に対応させて終了する。そのため、特図表示部38と図柄表示装置42との変動表示の終了タイミングにズレが生じることになるが、開閉実行モードとの関係では、例えば開閉実行モードにおいて、開閉実行モードに移行した後、特電入賞装置32の開閉制御を開始するまでのオープニング期間を調節することで、遊技者に与える違和感を低減することができる。この場合、サブ変動が特図メイン変動よりも先に終了する場合には特図メイン変動が終了するまで上記オープニング期間を継続させ、サブ変動が特図メイン変動よりも後に終了する場合にはサブ変動が終了するまで上記オープニング期間を継続させるとよい。
特に本パチンコ機10では、上記のとおり、天井(特別入賞口52への入賞)にて開閉実行モードへ移行する場合、発射操作装置28の発射態様を切り替える必要がある。そこで音光制御装置300では、このような切り替えを行わせるべく遊技者に指示する演出(例えば、右打ちして下さい、と表示画面42aにて表示させる)をオープニング演出にて行う。そのため、上記のようにオープニング期間が延長されても、大当たり結果が報知されてから特電入賞装置32の開閉制御が開始されるまでの期間が長くなることに対する煩わしさを遊技者に感じさせることを抑制することができる。
(21)上記各実施形態において、音光制御装置300が天井までの回数を把握可能な構成としてもよい。この構成としては、主制御装置71において第1普図入賞カウンタが更新されるたび、及び電源投入時に、第1普図入賞カウンタの数値を把握させるためのコマンドを、主制御装置71から音光制御装置300に出力する構成とするとよい。
本パチンコ機10では、電源及び発射制御装置78からのバックアップ電源により、電源OFF時においても主制御装置71のRAM84の第1普図入賞カウンタの数値(天井までの回数)は記憶保持されている。これに対して、音光制御装置300では、電源OFF時においては天井までの回数は記憶保持されていない。そのため、例えば音光制御装置300において天井までの回数を報知したり、滞在している回数によって演出内容(例えば表示画面42aの背景画像等)を変化させたりする場合、電源投入時において音光制御装置300は天井までの回数を把握する必要がある。そこで、上記構成とする意義が生じる。
(22)特殊役物33において、球通過口33a以外にも遊技球が入球可能な通過部を設け、当該通過部を通過する遊技球が第1通路51aの中途に導出される構成としてもよい。この場合、この通過部を通過した遊技球によって振分板54が動作するため、天井までの回数が中途で切り替わることになり、遊技の多様化を図ることができる。
また、例えば、表示画面42aの下方に設けられたステージを転動する遊技球が、ワープ通路等によってこの通過部に導出される構成とすると、表示画面42aを視認している遊技者にとってはこの転動する遊技球も視界に入るため、表示画面42aの演出内容を確認するという遊技に加えて、このステージを転動する遊技球の動作を確認する、という新たな遊技が追加され、興趣向上の観点からより好ましい。
(23)上記第2,第3の実施形態において、特図側の変動表示時間を実行中の普図側の残りの変動表示時間に応じて、普図側の変動が終了するタイミングで特図側の変動も終了するように決定する構成としたが、普図側の変動と特図側の変動との関連付けにより演出を行うという観点からすると、特図側の変動表示時間を普図側の動作状況に応じて決定する構成であればよい。
例えば、主制御装置71における取得情報設定処理(図33、図40)において、普図メイン変動の残りの変動表示時間を把握して(ステップS2005、ステップS2504、ステップS2506)、特図特電タイマカウンタへのセット処理にて(ステップS2008、ステップS2510)、その把握した時間よりも長くなるようにセットしてもよく、短くなるようにセットしてもよい。長くセットする構成とすると、図柄表示装置42において図柄の変動表示が終了した後、特図表示部38における変動表示が終了するため、遊技者としては、特図表示部38よりも図柄表示装置42にて特図側の当否判定結果を把握することができ、結果的に図柄表示装置42への注目度を高めることに繋がる。一方、短くセットする構成とすると、図柄表示装置42において図柄の変動表示が終了する前に、特図表示部38における変動表示が終了するため、この短くする時間によっては開閉実行モードとして特電入賞装置32の開閉制御が開始され得る。そのため、図柄表示装置42側の報知前に、他の役物(特電入賞装置32)によって当選結果が報知される、という意外性ある演出を実現することができる。なおこの構成においては、図柄表示装置42側の注目度の低下を抑制すべく、例えば所定の確率で普図メイン変動の残りの変動表示時間よりも短くセットする構成とするとよい。
また、第3の実施形態のように普図側の保留情報が複数記憶され得る構成においては、特図入賞時に記憶されている普図側の保留情報の数によって特図側の変動表示時間を決定する構成としてもよい。この場合、保留情報の数に応じた特図側の変動表示時間テーブルを予めROM83に記憶させておき、主制御装置71における取得情報設定処理にて、普図側の保留情報の数と当該変動表示時間テーブルを参照して特図側の変動表示時間を決定する構成とするとよい。この構成を第3の実施形態に採用する場合は、普図側の変動表示時間を第2変動種別カウンタCS2の数値によらず一定の期間として設定する。そして主制御装置71の取得情報設定処理(図40)におけるステップS2507の処理を、ステップS2505にて天井情報を確認したエリアまでの保留情報の数と上記変動表示時間テーブルとを利用して、天井情報に対応する保留情報を含めた保留情報の変動表示時間を把握する処理に変更する。これにより、保留情報の変動表示時間をそれぞれ把握する構成と比較して処理負荷の低減を図ることが可能となる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われるとともに表示装置の表示画面にて絵柄の変動表示が行われ、さらに抽選にて当選結果となった場合には表示画面にて特定絵柄の組合せ等が最終停止表示されるとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。このような遊技機においては、上記入球部への入球が発生しない期間が長く続いた場合には、当該期間において特別遊技状態への移行抽選が行われないばかりでなく、表示画面における変動表示が行われず、遊技への関心が低下しかねない。したがって、遊技への注目度を高めるという点に未だ改良の余地がある。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)へ発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(特別入賞口52)と、
当該第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態に移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置71による特図側の当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による前記移行判定の判定結果が前記特別状態に移行させることに対応した移行対応結果である場合に、遊技状態を前記特別状態に移行させる特別状態移行手段(主制御装置71による特図確定中処理を実行する機能)と、
所定の表示演出を実行する表示手段(図柄表示装置42)と、
前記移行判定手段によって前記移行判定が行われたことに基づいて、前記表示手段において遊技回用動作を開始し、当該移行判定の判定結果に対応する停止結果にして当該遊技回用動作を終了させる第1遊技回実行手段(音光制御装置300による演出決定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記遊技領域には、前記第1入球部とは別に当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2入球部(スルーゲート35A)が設けられており、
前記移行判定手段は、当該第2入球部への入球に基づいては前記移行判定を行わないものであり、
前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記表示手段において前記遊技回用動作を開始し、所定の停止結果にして当該遊技回用動作を終了させる第2遊技回実行手段と、
当該第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の実行中に、前記移行判定手段によって前記移行判定が行われたことに基づいて、当該遊技回用動作を当該移行判定の判定結果に対応する遊技回用動作となるように当該実行中の遊技回用動作を差し替える遊技回差替手段(音光制御装置300による演出差し替え処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1入球部へ遊技球が入球することに基づいて移行判定が行われるとともに表示手段において遊技回用動作が行われ、当該移行判定の判定結果が移行対応結果である場合に遊技者にとって有利な特別状態に移行する遊技機において、第2入球部への入球に基づいても遊技回用動作が行われる。すなわち第1入球部だけでなく第2入球部への入球に基づいても遊技回用動作が行われるため、第1入球部だけに基づいて遊技回用動作を行う構成と比較して遊技回用動作が頻繁に行われる。このような構成とすることで、仮に第1入球部への入球が発生しない期間が長く続いた場合であっても、第2入球部への入球に基づいて表示手段では遊技回用動作が行われるため、遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
しかし、このような構成においては、第2入球部への入球に基づく遊技回用動作を実行中に第1入球部への入球が発生した場合には、遊技回用動作の要求が重複することになる。すなわち第2入球部への入球に基づいて所定の停止結果となるように遊技回用動作が行われており、この状況下において第1入球部への入球に基づく移行判定の判定結果に対応する停止結果となるような遊技回用動作の要求が重複することになる。
そしてこの第1入球部への入球に基づく遊技回用動作は移行判定の結果を反映するものであり、遊技者の利益に関与するものであるため、その利益に関する判定結果(移行対応結果)が生じた場合には、その利益の還元の遅延を生じさせることなく判定結果を遊技者に知らせる必要がある。すなわち、遊技機としてはすでに利益を還元する状態にある(特別状態へ移行する前段階にある)のにもかかわらず、遊技回用動作としてはそれとは無関係の動作が延々と行われているのは好ましくない。なぜなら、特別状態に移行しているのにもかかわらずそれを報知しなければ、特別状態に移行したことを把握できた遊技者のみがその特別状態の恩恵を受けられ得るため、遊技の公平性を担保することが困難となるからである。
そこで本遊技機では、このような場合には実行中の遊技回用動作を移行判定の結果に対応する遊技回用動作に差し替えることで、上記のような不都合を解消し、遊技回用動作を頻繁に行う構成による効果を好適に奏することができる。
よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A2.前記表示手段とは別に設けられ、所定の報知を実行する報知手段(抽選結果表示部37)と、
前記移行判定手段による前記移行判定が行われることに基づいて、前記報知手段にて変動表示を開始し、前記移行判定の判定結果に対応する停止結果にして当該変動表示を停止させる変動表示手段(主制御装置71による特図特電制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別状態移行手段は、前記移行判定の判定結果が前記移行対応結果である場合には、前記変動表示手段による前記報知手段における前記変動表示が停止した後又は停止と同時に遊技状態を前記特別状態に移行させるものであり、
前記遊技回差替手段による前記遊技回用動作の差し替えが行われる場合に、当該差し替え後の遊技回用動作を、当該動作が前記変動表示手段による変動表示が停止するタイミングに合わせて終了するように設定する設定手段(第1の実施形態では音光制御装置300による演出差し替え処理を実行する機能であり、第2、第3の実施形態では主制御装置71によるステップS2005〜ステップS2008やステップS2504、ステップS2509及びステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示手段とは別に、報知手段にて移行判定手段の判定結果が報知される。そして当該判定結果が移行対応結果である場合には、この報知手段の変動表示が停止した後又は停止と同時に遊技状態が特別状態に移行する。この場合、表示手段側の遊技回用動作は遊技回差替手段によって差し替えられ得るが、報知手段側の変動表示は差し替えられない。そのため、第1入球部への入球に伴う移行判定の結果が表示手段と報知手段とにそれぞれ表示される場合において、それらの各表示の停止のタイミングがずれると、演出が継続しているのに特別状態となることもあり、それらの各表示を見ている遊技者が違和感を覚える等の不都合が生じると考えられる。
すなわち、例えば表示手段の表示停止のタイミングが報知手段の報知停止のタイミングに対して早すぎると、表示手段だけでなく報知手段も見ている遊技者にとって表示がなされない苛立ちを生じさせる恐れがある。また逆に報知手段の報知停止のタイミングが表示手段の表示停止のタイミングに対して早すぎると、表示手段の表示停止の前に、移行判定の結果が分かってしまい、表示手段の表示停止を待つ興味がそがれてしまう恐れがある。
そこで、上記構成によれば、このような不都合を生じさせることなく、好適に注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴A3.前記設定手段は、前記報知手段において前記変動表示が開始されてから停止するまでの期間に応じて、実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の残りの動作期間を短縮又は延長する手段(音光制御装置300によるステップS1501〜ステップS1504及びステップS1506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回差替手段による遊技回用動作の差し替えに際して、報知手段側の変動表示の期間については変更することなく特徴A2の効果を奏することができる。
特にこのような構成とすることで、報知手段において変動表示が開始されてから停止するまでの期間を遊技回差替手段による差し替えとは関係なく予め設定しておくことが可能となり、差し替えが頻繁に行われない遊技回用動作においてはこの予め設定してある期間を利用できるため遊技の進行を円滑なものとすることができる。
特徴A4.前記設定手段は、前記報知手段において前記変動表示が開始されてから停止するまでの期間を、実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の残りの動作期間となるように設定する手段(主制御装置71によるステップS2005,ステップS2008及びステップS2012の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回差替手段による遊技回用動作を差し替えに際して、表示手段側の遊技回用動作の動作期間については変更することなく特徴A2の効果を奏することができる。
特にこのような構成とすることで、表示手段側の動作期間は変わらないため、差し替えに際して1回の遊技回用動作が非常に長引いてしまうことを抑制し、遊技者に与える違和感を低減することができる。
特徴A5.前記第2入球部は、前記遊技領域において遊技球が通過可能に構成され、
前記第1入球部は、遊技球が前記第2入球部を通過することで、当該遊技球が入球可能となる位置に設けられており、
前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作には、その動作期間が前記第2入球部を通過した遊技球が前記第1入球部へ入球するまでに要する期間よりも長いものが含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部への遊技球の入球が発生する場合には、それよりも前のタイミングで当該遊技球が第2入球部を通過している可能性がある。そして、第2遊技回実行手段による遊技回用動作には、その動作期間が第2入球部を通過した遊技球が第1入球部へ入球するまでに要する期間よりも長いものが含まれているため、上記のように第2入球部を通過した遊技球が第1入球部へ入球した時点では、第2入球部の通過に基づく遊技回用動作は終了していないことがある。このような場合、上記のように遊技回用動作の要求が重複することになるが、特徴A1に示したように遊技回用動作の差し替えが行われるため、特徴A1で示した効果を奏することができる。
特徴A6.前記第2入球部から前記第1入球部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域に設けられ、前記第2入球部を通過した遊技球を、前記第1入球部に入球させる第1通路と、前記第1入球部に入球させない第2通路とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)を備えていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部を通過した遊技球を、振分手段によって第1入球部へ入球させるか否かを変更することができる。したがって、第2入球部を通過することで第1入球部への入球が可能となるが、第2入球部を通過したからといって全てが第1入球部に入球するわけではなく、遊技回差替手段による遊技回用動作の差し替えが行われ得る場合と行われ得ない場合とを生じさせることができる。これにより、演出の多様化を図ることができる。
特徴A7.前記振分手段は、所定数の遊技球が前記第2入球部を通過することに伴い前記第1入球部に遊技球を入球させる状態に移行するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段は、所定数の遊技球が第2入球部を通過することに伴い第1入球部に遊技球を入球させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を第1入球部に入球させて移行判定を受けるには、第2入球部において所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本遊技機を遊技する遊技者は、第2入球部において所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。また、遊技における興趣向上を図り、ひいては遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
特徴A8.前記第2入球部を遊技球が通過した場合に前記振分手段が前記第1通路と前記第2通路とのいずれの通路に遊技球を振り分けるかを把握する把握手段(例えば主制御装置71によるステップS1710の処理を実行する機能)と、
前記第2入球部を通過した遊技球が前記第1通路へ振り分けられると前記把握手段により把握された場合に、前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の開始前における前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の終了を制限する終了制限手段(主制御装置71によるステップS1712及びステップS1906の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部へ入球する場合には、第2遊技回実行手段による遊技回用動作の終了が制限される。これにより、遊技回差替手段が遊技回用動作を差し替える前に、実行中の遊技回用動作が終了する事象がなくなる。
すなわち、第2入球部を通過した遊技球が第1通路に振り分けられると把握された場合に、その時点で第2遊技回実行手段による遊技回用動作が開始されていると(実行中であると)、その後に第1入球部に当該遊技球が入球しても、その第1入球部への入球に対応する遊技回用動作が実行されないまま第2遊技回用動作が終了してしまう恐れがある。これに対して、上記構成によれば、このような場合には終了制限手段によって実行中の第2遊技回実行手段による遊技回用動作の終了が制限されるため、遊技回差替手段が遊技回用動作を差し替えようとしたにもかかわらず対象となる遊技回用動作が存在しない、といった不都合を回避することができる。
特徴A9.前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利であって且つ前記特別状態よりも不利な有利状態に移行させるか否かの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置71による普図側の当否判定処理を実行する機能)と、
当該有利判定手段による前記有利判定の判定結果が前記有利状態に移行させることに対応した有利対応結果である場合に、遊技状態を前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置71による普図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2遊技回実行手段は、前記有利判定手段によって前記有利判定が行われたことに基づいて、前記表示手段において遊技回用動作を開始し、当該有利判定の判定結果に対応する停止結果にして当該遊技回用動作を終了させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、移行判定は行われないものの少なくとも有利判定は行われるため、移行判定を伴わない遊技回用動作が行われる場合の注目度の低下を抑制することが可能となる。但し、有利状態よりも特別状態のほうが遊技者にとって有利な状態であることから、遊技者は有利状態よりも特別状態に移行するか否かに高い関心を寄せることが想定され、特徴A1に記載したように遊技回用動作を差し替える意義を残しつつも、移行判定を伴わない遊技回用動作への注目度の低下を抑制することができる。
特徴A10.前記遊技回差替手段は、前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作において当該遊技回用動作の契機となった前記有利判定の判定結果が前記有利対応結果である場合には、前記実行中の遊技回用動作を差し替えない差替制限手段(例えば音光制御装置300によるステップS1414の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部への入球に基づく有利判定の判定結果が有利対応結果である場合には、移行判定が行われることに起因する遊技回用動作の要求と重複する場合であっても有利判定のほうが優先される。このようにすることで、第2入球部への入球に基づく遊技回用動作をより実効性足るものにすることができる。
特徴A11.前記遊技回用動作が行われる場合の動作態様(演出パターン)を決定する動作態様決定手段(例えば音光制御装置300によるステップS1404及びステップS1414の処理を実行する機能)を備え、
当該動作態様決定手段は、前記遊技回差替手段により前記遊技回用動作の差し替えが行われる場合に、実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様に基づいて、差替え後の前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様を決定する手段(音光制御装置300による演出差し替え処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行中の第2遊技回実行手段による遊技回用動作の動作態様と、差し替え後の動作態様と、を所定の関連性(規則性)を持たせて一連の動作として実行でき、こうした関連性を持たずに差し替えが行われた場合とは異なり、何から何に差し替えられるかについて、遊技者に大いに興味(言い換えれば期待感)を持たせることができる。
特徴A12.前記動作態様決定手段は、少なくとも前記遊技回差替手段により前記遊技回用動作の差し替えが行われる場合には、差し替え後の前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様が、実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様から連続した動作態様となるように当該動作態様を決定するものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作が差し替えられる場合には、それまで行われていた動作態様から連続した動作態様となるように差し替えられる。そのため、それまで行われていた遊技回用動作が無駄にならず、遊技者にそれまでの演出を空虚なものと感じさせてしまうことを低減することができる。また、このようにすることで、差し替えられる際の違和感も低減することができる。
なお、「差し替え後の前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様が、実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様から連続した動作態様」とは、例えば、同じキャラクタが同じ様子のまま演出が継続されたり、同様のストーリー仕立ての演出が継続されたりすることを含む。
特徴A13.前記動作態様決定手段は、少なくとも前記遊技回差替手段により前記遊技回用動作の差し替えが行われる場合には、差し替え後の前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様が実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様から連続しない動作態様となるように当該動作態様を決定するものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作が差し替えられる場合には、それまで行われていた動作態様から連続しない動作態様となるように差し替えられる。そのため、遊技者としては遊技回用動作が差し替えられたことについて気付きやすく、移行判定が行われたことを認識してその判定結果が移行対応結果であることを期待する。したがって、このように非連続の動作態様に差し替えられる演出に対する注目度を高めることができる。
なお、「差し替え後の前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様が実行中の前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の動作態様から連続しない動作態様」とは、演出に現れるキャラクタが変更されたり、形式が変更されたり、異なるストーリー仕立ての演出が行われたりすることを含む。
特徴A14.前記遊技回用動作とは、前記表示手段にて複数の絵柄の変動表示を開始して、前記移行判定の判定結果に対応する停止結果又は所定の停止結果にして前記複数の絵柄の変動表示を順次停止させるものであり、さらに、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果が前記移行対応結果である場合には、所定の絵柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄の組合せを停止表示させることによりリーチ状態とし、当該リーチ状態においてリーチ変動(リーチ表示)を行い、その後、前記所定の絵柄の組合せとなって前記リーチ変動を終了させるものであり、
前記各絵柄の変動表示が行われているか否かをそれぞれ判定する判定手段を備え、
前記遊技回差替手段は、前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の実行中に前記移行判定手段により前記移行判定が行われた時点において、前記判定手段により全ての前記各絵柄の変動表示(高速変動)が行われていると判定された場合には当該変動表示中の前記各絵柄の停止絵柄を差し替えて前記リーチ変動が行われるようにし、前記判定手段によりいずれかの前記絵柄の変動表示が終了している又は停止前の準備動作(低速変動)に移行していると判定された場合には当該変動表示が終了している又は前記準備動作に移行している前記絵柄を再度変動表示させ、更に当該絵柄の停止絵柄を差し替えて前記リーチ変動が行われるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作を差し替える際に、実行中の遊技回用動作がリーチ変動を行う予定ではなかった場合であっても、リーチ変動を行うことができる。すなわち、移行判定の判定結果が移行対応結果である場合には、リーチ変動が所定の絵柄の組合せとなって終了するものであり、その前提として各絵柄によってリーチ状態となっていることが望ましい。そして、実行中の遊技回用動作がリーチ変動を行う予定ではなかった場合には、リーチ状態とはならずに各絵柄が停止している可能性もある。そこで、判定手段によって各絵柄の変動表示が行われているかをそれぞれ判定して、全ての絵柄が変動表示中であればそれらの絵柄の停止絵柄自体を差し替えてその後リーチ状態としてリーチ変動を行うようにし、いずれかの絵柄が停止している又は停止前の準備動作に移行している場合にはそれを再度変動表示させるとともに停止絵柄を差し替えてリーチ状態となるようにしてリーチ変動を行うことで、上記のようにリーチ状態とならない場合の不都合を回避することができる。さらにこのように停止絵柄の差し替えを行う場合には、遊技回用動作を差し替える際にそれ以前の演出を無駄にせず、遊技者にそれまでの演出を空虚なものと感じさせてしまうことを低減することができる。また、差し替えられる際の違和感も低減することができる。
<特徴B群>
なお以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われるとともに表示装置の表示画面にて絵柄の変動表示が行われ、さらに抽選にて当選結果となった場合には表示画面にて特定絵柄の組合せ等が最終停止表示されるとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。上記入球部への入球が発生しない期間が長く続いた場合には、当該期間において特別遊技状態への移行抽選が行われないばかりでなく、表示画面における変動表示が行われず、遊技への関心が低下しかねない。したがって、遊技への注目度を高めるという点に未だ改良の余地がある。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)へ発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(特別入賞口52)と、
当該第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態に移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置71による特図側の当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による前記移行判定の判定結果が前記特別状態に移行させることに対応した移行対応結果である場合に、遊技状態を前記特別状態に移行させる特別状態移行手段(主制御装置71による特図確定中処理を実行する機能)と、
所定の表示演出を実行する表示手段(図柄表示装置42)と、
前記移行判定手段によって前記移行判定が行われたことに基づいて、前記表示手段において遊技回用動作を開始し、当該移行判定の判定結果に対応する停止結果にして当該遊技回用動作を終了させる第1遊技回実行手段(音光制御装置300による演出決定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記遊技領域には、前記第1入球部とは別に当該遊技領域を流下する遊技球が入球な第2入球部(スルーゲート35A)が設けられており、
前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記表示手段において前記遊技回用動作を開始し、所定の停止結果にして当該遊技回用動作を終了させる第2遊技回実行手段を備え、
前記第1入球部は、遊技球が前記第2入球部に遊技球が入球することで当該遊技球の入球が可能となる位置に設けられており、
前記第2入球部に入球した遊技球が、その後、前記第1入球部に入球するか否かを把握する把握手段(第2,第3の実施形態における主制御装置71によるステップS1710〜ステップS1714やステップS2311〜ステップS2314の処理を実行する機能)と、
前記第2入球部に入球した遊技球が前記第1入球部に入球すると前記把握手段により把握されたことに基づいて、前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作を、前記第1入球部への入球に対応する前記遊技回用動作として開始させる処理を実行する遊技回先実行手段(第2,第3の実施形態における主制御装置71によるステップS1812やステップS2413の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1入球部へ遊技球が入球することに基づいて移行判定が行われるとともに表示手段において遊技回用動作が行われ、当該移行判定の判定結果が移行対応結果である場合に遊技者にとって有利な特別状態に移行する遊技機において、第2入球部への入球に基づいても遊技回用動作が行われる。すなわち第1入球部だけでなく第2入球部への入球に基づいても遊技回用動作が行われるため、第1入球部だけに基づいて遊技回用動作を行う構成と比較して遊技回用動作が頻繁に行われる。このような構成とすることで、仮に第1入球部への入球が発生しない期間が長く続いた場合であっても、第2入球部への入球に基づいて表示手段では遊技回用動作が行われるため、遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
しかし、第1入球部は第2入球部に入球した遊技球が入球可能な位置に設けられており、このような構成においては、第2入球部への入球に基づく遊技回用動作を実行中に第1入球部への入球が発生した場合には、遊技回用動作の要求が重複することになる。すなわち第2入球部への入球に基づいて所定の停止結果となるように遊技回用動作が行われており、この状況下において第1入球部への入球に基づく移行判定の判定結果に対応する停止結果となるような遊技回用動作の要求が重複することになる。
そしてこの第1入球部への入球に基づく遊技回用動作は移行判定の結果を反映するものであり、遊技者の利益に関与するものであるため、その利益に関する判定結果(移行対応結果)が生じた場合には、その利益の還元の遅延を生じさせることなく判定結果を遊技者に知らせる必要がある。すなわち、遊技機としてはすでに利益を還元する状態にある(特別状態へ移行する前段階にある)のにもかかわらず、遊技回用動作としてはそれとは無関係な動作が延々と行われているのは好ましくない。なぜなら、特別状態に移行しているのにもかかわらずそれを報知しなければ、特別状態に移行したことを把握できた遊技者のみがその特別状態の恩恵を受けられ得るため、遊技の公平性を担保することが困難となるからである。
そこで本遊技機では、このような場合には、把握手段が第2入球部に入球した遊技球が第1入球部に入球すると把握した場合には、第2遊技回実行手段における遊技回用動作を、予め(第2入球部に入球した際であって第1入球部の入球前に)第1入球部への入球に対応する遊技回用動作として開始する構成としている。そのため、上記のような不都合が生じず、遊技回用動作を頻繁に行う構成による効果を好適に奏することができる。
よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴B2.前記表示手段とは別で設けられ、所定の報知を実行する報知手段(抽選結果表示部37)と、
前記移行判定手段による前記移行判定が行われることに基づいて、前記報知手段にて変動表示を開始し、前記移行判定の判定結果に対応する停止結果にして当該変動表示を停止させる変動表示手段(主制御装置71による特図特電制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別状態移行手段は、前記移行判定の判定結果が前記移行対応結果である場合には、前記変動表示手段による前記報知手段における前記変動表示が停止した後又は停止と同時に遊技状態を前記特別状態に移行させるものであり、
前記遊技回先実行手段によって前記遊技回用動作が開始される場合に、前記変動表示手段による変動表示が前記開始された遊技回用動作の終了するタイミングに合わせて停止するように設定する設定手段(第2、第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2005〜ステップS2008やステップS2504、ステップS2509及びステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示手段とは別に、報知手段にて移行判定手段の判定結果が報知される。そして当該判定結果が移行対応結果である場合には、この報知手段の変動表示が停止した後又は停止と同時に遊技状態が特別状態に移行する。この場合、表示手段側の遊技回用動作は移行判定の前のタイミングにおいて遊技回先実行手段によっても開始され得るが、報知手段側の変動表示は移行判定が行われたことに基づいて開始される。そのため、第1入球部への入球に伴う移行判定の結果が表示手段と報知手段とにそれぞれ表示される場合において、それらの各表示の停止のタイミングがずれると、演出が継続しているのに特別状態となることもあり、それらの各表示を見ている遊技者が違和感を覚える等の不都合が生じると考えられる。
すなわち、例えば表示手段の表示停止のタイミングが報知手段の報知停止のタイミングに対して早すぎると、表示手段だけでなく報知手段も見ている遊技者にとって表示がなされない苛立ちを生じさせる恐れがある。また逆に報知手段の報知停止のタイミングが表示手段の表示停止のタイミングに対して早すぎると、表示手段の表示停止の前に、移行判定の結果が分かってしまい、表示手段の表示停止を待つ興味がそがれてしまう恐れがある。
そこで、上記構成によれば、このような不都合を生じさせることなく、好適に注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴B3.前記設定手段は、前記報知手段において前記変動表示が開始されてから停止するまでの期間を、前記変動表示の開始時点での前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の残りの動作期間となるように設定する手段(主制御装置71によるステップS2005,ステップS2008及びステップS2012の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示手段側の変動表示の期間を変更することなく特徴B2の効果を奏することができる。
特にこのような構成とすることで、表示手段側の遊技回用動作の終了タイミングと報知手段側の変動表示の終了タイミングとを合わせるために1回の遊技回用動作が非常に長引いてしまうことを抑制し、遊技者に与える違和感を低減することができる。
特徴B4.前記遊技回先実行手段は、前記第2入球部に入球した遊技球が前記第1入球部に入球すると前記把握手段により把握された時点で前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作が行われている場合に、前記遊技回用動作を開始させずに、当該第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作を前記移行判定の判定結果に対応する遊技回用動作に差し替える手段(主制御装置71によるステップS1713及び音光制御装置300によるステップS2110の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段によって第1入球部に入球すると把握された時点で、第2遊技回実行手段による遊技回用動作が行われている場合には、遊技回先実行手段が遊技回用動作を開始することができない。そのため、当該第2遊技回実行手段による遊技回用動作を移行判定の結果に対応するように差し替える。このようにすることで、第2入球部に遊技球が連続して入球した場合において、その後続の遊技球が第1入球部に入球する場合に、その移行判定の結果を先の第2入球部への入球を契機とする遊技回用動作(第2遊技回実行手段による遊技回用動作)の終了を待たずに遊技者に対して報知することが可能となる。
特徴B5.前記遊技回先実行手段は、前記第2入球部に入球した遊技球が前記第1入球部に入球すると前記把握手段により把握された時点で前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作が行われている場合に、前記第1遊技回実行手段による前記遊技回用動作の開始前における前記第2遊技回実行手段による前記遊技回用動作の終了を制限する終了制限手段(主制御装置71によるステップS1712及びステップS1906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴B4の遊技機において、第1入球部へ入球する場合には、第2遊技回実行手段による遊技回用動作の終了が制限される。これにより、移行判定の判定結果に対応した停止結果として遊技回用動作の停止結果を差替える前に、実行中の遊技回用動作が終了してしまう事象がなくなる。
すなわち、第2入球部に入球した遊技球が第1入球部に入球すると把握された場合に、その時点で第2遊技回実行手段による遊技回用動作が行われているため、遊技回先実行手段によって遊技回用動作を開始することができない。この場合、その後に第1入球部に当該遊技球が入球しても、当該第2遊技回用動作が終了してしまう恐れがある。これに対して、上記構成によれば、このような場合には終了制限手段によって実行中の第2遊技回実行手段による遊技回用動作の終了が制限されるため、遊技回用動作を差し替えようとしたにもかかわらず対象となる遊技回用動作が存在しない、といった不都合を回避することができる。
特徴B6.前記遊技回先実行手段は、前記遊技回用動作を前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果に対応する停止結果(大当たり結果に対応する停止結果)となるように前記遊技回用動作を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回先実行手段が移行判定手段の移行判定の前に遊技回用動作を行う場合であっても、遊技回用動作を好適に実行することができる。すなわち、遊技回先実行手段が遊技回用動作を開始する時点では移行判定手段の移行判定は行われていないが、特徴B1で示したように遊技回先実行手段はその行われていない移行判定に対応する遊技回用動作として移行判定前に遊技回用動作を開始する。そして上記構成においては、さらにその後の停止結果も移行判定に対応するものとして開始するものである。つまり、移行判定手段の移行判定前に決め打ちで先にその判定結果を決定し、それに対応する停止結果として遊技回用動作を開始する。このようにすることで、移行判定前にそれに対応する遊技回用動作を開始してそれを終了する構成を実現することが可能となる。
特徴B7.前記遊技回先実行手段が開始する前記遊技回用動作の前記停止結果とは、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果が前記移行対応結果であった場合の停止結果であることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回先実行手段は移行対応結果の停止結果となるように遊技回用動作を開始する。この場合、その後の行われる移行判定手段による移行判定の結果が移行対応結果とはならない可能性も生じるものの、遊技者としては、移行対応結果であるものと期待し、かかる遊技回用動作に対する注目度を高めることが可能となる。
特徴B8.前記移行判定手段による前記移行判定の当選確率は50%以上であることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定の50%以上が移行対応結果となるため、遊技回先実行手段が遊技回用動作を開始する際に、上記移行対応結果の移行判定に関わらず移行対応結果の停止結果となるように遊技回用動作を開始しても、その後に移行対応結果とはならない事象を低減することができる。これにより、遊技回用動作の停止結果が移行対応結果に対応するものであったのに、実際には移行判定手段の判定結果が移行対応結果とは異なり特別状態に移行しない、といった事象を低減することができる。したがって、遊技者に与える混乱や落胆を低減することが可能となる。
なお、移行判定の当選確率は、高ければ高いほどよく、より好ましくは100%であるとよい。
特徴B9.前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利であって且つ前記特別状態よりも不利な有利状態に移行させるか否かの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置71による普図側の当否判定処理を実行する機能)と、
当該有利判定手段による前記有利判定の判定結果が前記有利状態に移行させることに対応した有利対応結果である場合に、遊技状態を前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置71による普図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2遊技回実行手段は、前記第2入球部に入球した遊技球が前記第1入球部に入球しないと前記把握手段により把握された場合には、前記有利判定手段によって前記有利判定が行われたことに基づいて、前記表示手段において遊技回用動作を開始し、当該有利判定の判定結果に対応する停止結果にして当該遊技回用動作を終了させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部部に遊技球が入球したことに基づいて、移行判定は行われないものの少なくとも有利判定は行われるため、移行判定を伴わない遊技回用動作が行われる場合の注目度の低下を抑制することが可能となる。但し、有利状態よりも特別状態のほうが遊技者にとって有利な状態であることから、遊技者は有利状態よりも特別状態に移行するか否かに高い関心を寄せることが想定され、特徴B1に記載したように遊技回先実行手段によって遊技回用動作を移行判定に対応するものとして開始する意義を残しつつも、移行判定を伴わない遊技回用動作への注目度の低下を抑制することができる。
特徴B10.前記把握手段により前記第1入球部に入球すると把握された場合に、前記表示手段又はそれとは別の演出手段にて前記第1入球部への入球が発生し得る状態である旨の特別報知を実行する特別報知実行手段(音光制御装置300による図柄表示装置42にて特別保留用画像P3を表示させる機能)を備え、
当該特別報知実行手段は、前記把握手段により前記第1入球部に入球しないと把握した場合に、所定の確率で前記特別報知を実行する手段(主制御装置71によるステップS2707及びステップS2708の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が行うことで、遊技者は第1入球部へ遊技球が入球することを把握することができる。この構成において、特別報知は第1入球部に入球する場合だけでなく第1入球部に入球しない場合にも所定の確率で行われるため、遊技者は当該特別報知が移行判定の行われる第1入球部への入球に対応するものとして期待する。よって、遊技への注目度を高めることができる。
特徴B11.前記第2入球部から前記第1入球部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域(遊技球通過領域R)に設けられ、前記第2入球部に入球した遊技球を、前記第1入球部に入球させる第1通路(第1通路51a)と、前記第1入球部に入球させない第2通路(第2通路51b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)を備え、
前記把握手段は、前記振分手段が前記第1通路と前記第2通路とのいずれの通路に遊技球を振り分けるかを把握することで、前記第2入球部に入球した遊技球が前記第1入球部に入球するか否かを把握するものであることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部に入球した遊技球を、振分手段によって第1入球部へ入球させるか否かを変更することができる。したがって、第2入球部に入球することで第1入球部への入球が可能となるが、第2入球部に入球したからといって全てが第1入球部に入球するわけではなく、第2遊技回実行手段により遊技回用動作が行われる場合と、遊技回先実行手段により第1入球部に対応する遊技回用動作が行われる場合と、を生じさせることができる。これにより、演出の多様化を図ることができる。
特徴B12.前記振分手段は、所定数の遊技球が前記第2入球部に入球することに伴い前記第1入球部に遊技球を入球させる状態に移行するものであることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段は、所定数の遊技球が第2入球部に入球することに伴い第1入球部に遊技球を入球させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を第1入球部に入球させて移行判定を受けるには、第2入球部において所定数の遊技球を入球させることが一条件となっている。この場合、本遊技機を遊技する遊技者は、第2入球部において所定数の遊技球が入球することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。また、遊技における興趣向上を図り、ひいては遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
<特徴C群>
なお以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技者が発射装置等を操作することにより発射された遊技球が、遊技領域に設けられた入球部に入球したことに基づいて抽選が行われるとともに表示装置の表示画面にて絵柄の変動表示が行われ、さらに抽選にて当選結果となった場合には表示画面にて特定の絵柄の組合せ等が最終停止表示されるとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。このような遊技機においては、上記入球部に遊技球が入球したことに基づく特別遊技状態への移行の抽選は、入球部の入球の発生ごとに所定の確率にて抽選されている。この抽選やこの抽選に対応する変動表示が行われている間にさらに入球部への入球が発生すると、その情報が予め定められた規定数だけ記憶され、その後その情報に基づいて抽選や変動表示が行われる構成が一般的である。そのため、上記の入球に対応する情報が既に規定数記憶されている場合には、さらに入球部への入球が発生しても特別遊技状態への移行抽選が受けられず、遊技者に不利益を与えかねず、ひいては遊技の興趣の低下を招きかねない。したがって、遊技の興趣向上という観点では未だ改良の余地がある。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴C1.遊技者によって操作されることで遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射操作装置28)と、
当該発射手段によって発射され遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35A)と、
遊技球が前記入球部に入球した場合に、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置71による特図側の情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、予め定められた所定数(第1〜第3の実施形態においてはPS1=1、第4の実施形態においてはPS2=4)を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1〜第3の実施形態においては主制御装置71によるステップS901〜ステップS905の処理を実行する機能、第4の実施形態においては主制御装置71によるステップS2906〜ステップS2910の処理を実行する機能)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報ごとに、遊技者に第1特典(実質当たり結果Aとなることに基づく実質当たりモードの開閉実行モード)を付与することに対応する付与対応結果であるか否かの付与判定を順次行い、その判定結果が前記付与対応結果であった場合に、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(第4の実施形態における主制御装置71による特電確定中処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記入球部に遊技球が入球する数を数える手段(主制御装置71によるステップS2701〜ステップS2703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、入球部に遊技球を入球させることで特別情報が取得され、その特別情報が所定数に達するまで取得情報記憶手段に記憶される。すなわち、所定数に達した後は入球部に入球させても特別情報が取得されない。これに対して入球部に入球する遊技球の数のカウントは、所定数に達した後も継続される。そのため、例えば入球数が予め定められた特定数に達した場合に、何らかの処理を行うことが可能となり、入球部に遊技球を入球させる意義を生じさせることができる。したがって、特別情報の数が所定数に達している状況であっても、興趣の向上を図ることができる。
上記の何らかの処理としては、例えば遊技者に特典を付与する処理であってもよく、所定の報知手段にて特定数に達した旨の報知を行う処理であってもよい。
特徴C2.前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報ごとに、遊技者に第1特典(第1〜第3の実施形態においては開閉実行モード、第4の実施形態においては実質当たり結果Aとなることに基づく実質当たりモードの開閉実行モード)を付与することに対応する付与対応結果であるか否かの付与判定を行い、その判定結果が前記付与対応結果であった場合に、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置71による特電確定中処理を実行する機能)と、
前記入球部への入球数が特定数(256)に達した場合に、遊技者に第2特典(第1〜第3の実施形態においては開閉実行モード、第4の実施形態においては実質当たり結果A又は実質当たり結果Bとなることに基づく実質当たりモードの開閉実行モード)を付与する第2特典付与手段(特殊役物33における振分板54により天井を実現する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部に遊技球を入球させることで第1特典を得ることができるか否かの付与判定が受けられるため、遊技者は入球部へ遊技球を入球させるために発射手段を操作する。一方で、特別情報が所定数に達した場合には、それ以上特別情報は記憶されず、このような状況では入球部に遊技球を入球させても第1特典を得ることができるか否かの付与判定を受けられない。そのため、遊技者にとっては発射手段の操作を継続しても無駄な打ち出しとなり、好ましくない。しかし本構成の遊技機では、さらに入球部への入球数が特定数に至った場合に第2特典が付与されるため、特別情報が所定数に達している状況、すなわち遊技球が入球部に入球しても第1特典を得るか否かの付与判定を受けれない状況であっても、少なくとも入球部に入球させることに意義が生じる。つまり、特別情報が所定数に達しているか否かにかかわらず入球部に入球させることで、特定数到達により特典付与の期待度が高まる第2特典と、特定数到達という天井には関係なくその都度特典付与の期待が持てる第1特典と、の少なくともいずれかを遊技者は得ることが期待できるため、特別情報が所定数に達している状況であっても興趣の向上を図ることができる。
特徴C3.前記特定数は前記所定数よりも多い数であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定数と特定数との関係で、特徴C2に記載した効果を奏することができる。
特徴C4.遊技者に第2特典を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段(主制御装置71によるステップS1004及びステップS1006〜ステップS1008の処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段は、前記入球部への入球数が前記特定数に達した場合に前記第2特典を付与するか否かの抽選を実行するものであり、
前記第2特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特典を付与することに対応する当選結果であった場合に、遊技者に前記第2特典を付与するものであることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部への入球数が特定数に至った場合に一律に第2特典が付与されるのではなく、抽選手段による抽選を経て付与される。これにより、出球率を高めすぎずに、上記特徴C2の効果を奏することができる。
特徴C5.前記入球部に設けられ、当該入球部に遊技球が入球し易い第1状態(誘導状態)と、当該入球部への入球を許容するものの当該第1状態よりも前記入球部に入球しにくい第2状態(非誘導状態)と、で切替可能な可変入球手段(普電役物35d)と、
当該可変入球手段を前記第2状態から一時的に前記第1状態とする切替制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置71による普図普電制御処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記可変入球手段による前記切替制御が行われる頻度が相対的に高低となる高頻度状態(高頻度サポートモード)と低頻度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記第1特典付与手段又は前記第2特典付与手段により各特典が付与されたことを契機として、遊技状態を前記高頻度状態及び前記低頻度状態のいずれかに移行させる状態移行手段(主制御装置71による特電終了処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典及び第2特典のいずれかが付与されると、遊技状態が、高頻度状態又は低頻度状態に移行する。高頻度状態の場合には入球部に入球し易くなるため、低頻度状態の場合よりも第1特典を得るか否かの付与判定を受け易くなる。また高頻度状態の場合には同時に入球部への入球数の増加も見込める。すなわち入球部の入球数が特定数に到達し易くなるため、第2特典も受けやすくなる。これにより、特徴C4の構成を利用して、新たな遊技を提供することができる。
具体的には、例えば、第1特典を付与した場合には高頻度状態に移行させ、第2特典を付与した場合には低頻度状態に移行させる構成とすると、遊技者は、第1特典を得た後はさらに入球部への入球数を容易に特定数へ到達させて第2特典を得ることが可能となる。一方で、第2特典を得た後は低頻度状態に移行してしまうため、高頻度状態中においては第2特典を得るよりも判定手段による付与判定を受けて第1特典を得たほうが遊技者にとっては好ましい。そのため、高頻度状態中において特別情報の記憶数が所定数に達している場合においてさらに入球部に入球させることは、遊技者にとっては好ましくなくなる。但し、例えば高頻度状態が各特典が付与されること以外の何らかの終了条件(時間や遊技回数)により終了する間際などにおいては、上記のように第2特典を得るために入球数を特定数に到達させたほうが好ましくもなる。そのため、特別情報の記憶数が所定数に達している場合においてさらに入球部に入球させることが、遊技者にとって好ましい場合と好ましくない場合とを作り出すことができ、遊技の多様化を図ることが可能となる。
さらにこの構成の場合、入球数が特定数に近いタイミングで第1特典を得て高頻度状態に移行すると、その後すぐに第2特典が付与されるとともに低頻度状態に移行してしまうため、第1特典を得るか否かの付与判定を受けやすい(入球部に遊技球を入球させやすい)高頻度状態の恩恵をさほど受けずに低頻度状態に移行してしまうことになる。つまり、入球数が特定数に遠いタイミングで第1特典を得たほうが、高頻度状態の恩恵を受け易く、遊技者にとって好ましくなる。そのため、例えば入球部への入球数や付与判定が行われた回数が遊技機や遊技ホールにて表示される構成においては、遊技者としては入球数が特定数に遠い台を積極的に選択して遊技を行うことが想定される。したがって、入球数が特定数に達した場合に特典を得られる遊技機において敬遠されがちな特定数に遠い台であっても、遊技を積極的に行わせることが可能となる。
また、例えば、第1特典を付与した場合には低頻度状態に移行させ、第2特典を付与した場合には高頻度状態に移行させる構成とすると、遊技者としては、第2特典を得た後は容易に続けて特定数へ到達させることが可能となるから、さらに続けて第2特典を得ることができる。この場合、特定数への到達前に第1特典を得てしまうと低頻度状態に移行してしまうので、なるべく入球部に入球させる回数を付与判定を受ける回数よりも多くなるように、すなわち特別情報の記憶数が所定数である状態でさらに入球部に入球させるように発射手段を操作する。また、第1特典を得て低頻度状態に移行してしまった場合であっても、少なくとも特徴C2に記載したように入球部への入球数が所定数に達した場合には第2特典を得ることができるため、特別情報の記憶数が所定数である場合に入球部に入球させる意義は保たれる。
このように、各特典と各頻度状態とを利用して新たな遊技を創作することが可能となり、これら新たな遊技を提供することで当該遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴C6.前記高頻度状態には、予め定められた所定回数(100回)の前記付与判定が実行されることで前記低頻度状態に移行する回数制限高頻度状態(回数制限ありの高頻度サポートモード)が含まれていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれかの特典が付与された後に、付与判定の回数制限なしの高頻度状態に移行する構成と比較して出球率を高めすぎずに遊技の健全化を図ることができる。
さらにこの構成とすることで、特定数と所定回数との関係で以下の新たな遊技を提供することができる。
すなわち、回数制限高頻度状態においては、付与判定の回数が所定回数に達する前に入球部への入球数が特定数となると、この回数制限高頻度状態中に第2特典が付与され、また付与判定の回数が所定回数に達した後に入球部への入球数が特定数となると、この回数制限高頻度状態から低頻度状態に移行した後に第2特典が付与される。とすると、遊技者としては、回数制限高頻度状態においては第1特典を得ることができるか否かの付与判定を規定回数分受け、その後に低頻度状態に移行したらすぐに第2特典を得ることができるように、入球部への入球数を調節する。このようにすることで、特定数と所定回数との関係で発射手段の操作を調節する、という新たな遊技を提供することができる。
なお、上記の遊技を実現するためには、所定回数を特定数よりも少ない回数とするとよい。
特徴C7.前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が前記所定数に達している状況で、前記入球部に遊技球が入球した数を数える第2手段(主制御装置71によるステップS2710及びステップS2711の処理を実行する機能)を備え、
前記回数制限高頻度状態において、前記第2手段による入球数が前記特定数よりも少ない数である第2特定数(156)となった場合に、当該第2特定数となった状況である旨の報知を実行する第2報知実行手段(音光制御装置300によるステップS3206及びステップS3207の処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定数は、前記特定数から前記所定回数を減算した数以下に設定されていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2手段は、入球部へ遊技球を入球させても付与判定が行われない場合の入球数を数える。つまりこの入球数は、回数制限高頻度状態において付与判定が行われないものの特定数までの数を短縮できる数である。さらに、特定数から所定回数を減算した数は当該短縮できる数の最大値とである。第2報知実行手段によって報知が行われる第2特定数が、この最大値以下に設定されているため、遊技者は、回数制限高頻度状態において上記短縮できる数がぎりぎりであることを把握することが可能となる。これにより、遊技者は、特徴C6で記載した遊技を行いやすくなる。
特徴C8.前記状態移行手段は、前記各特典を付与することを契機として、所定の確率で遊技状態を前記高頻度状態及び前記低頻度状態のうちの前記低頻度状態に移行させるものであり、
前記状態移行手段が、前記第1特典付与手段により前記第1特典が付与されたことを契機として遊技状態を前記低頻度状態に移行させる第1確率は、前記第2特典付与手段により前記第2特典が付与されたことを契機として遊技状態を前記低頻度状態に移行させる第2確率よりも低く設定されていることを特徴とする特徴C5乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典が付与された場合よりも第2特典が付与された場合のほうが、低頻度状態に移行する確率が高くなる。すなわち、入球部への通入球が特定数に達した場合に第2特典が付与されるとその後の遊技において低頻度状態に移行し易く、入球部に入球した場合に行われる付与判定に当選した場合に第1特典が付与されると、その後の遊技において高頻度状態に移行し易い。これにより、本遊技機において入球部への入球数が特定数に達することのみに注目を集めすぎずに、特定数に遠い台においても遊技を行わせることが可能となる。
特徴C9.遊技球が前記入球部に入球することで、当該遊技球の入球が可能となる第1特別入球部(第1特別入賞口52)及び第2特別入球部(第2特別入賞口253)と、
前記入球部に入球した遊技球が通過する球通過領域(遊技球通過領域R)に設けられ、前記入球部に入球した遊技球を、前記第2特別入球部に入球不可能であって且つ前記第1特別入球部に入球可能な第1通路(第1通路51a)と、前記第1特別入球部に入球不可能であって且つ前記第2特別入球部に入球可能な第2通路(第2通路51b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)と、
を備え、
前記振分手段は、前記入球部に入球した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、前記特定数の遊技球が前記入球部に入球することに伴い前記第1特別入球部に遊技球を入球させる状態に移行させるものであり、
前記情報取得手段は、前記第2特別入球部への入球に基づいて前記特別情報を取得し、
前記第2特典付与手段は、前記第1特別入球部への入球に基づいて前記第2特典を付与することが可能な状態となるものであることを特徴とする特徴C2乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部に入球する遊技球は、その入球数が特定数に至る前においては第2特別入球部へ振り分けられ、特定数に至った場合には第1特別入球部へ振り分けられる。そして、第2特別入球部への入球に基づいて特別情報が取得されて付与判定が行われる。また、第1特別入球部への入球に基づいて第2特典が付与される。このような構成とすることで、特定数に至ることで特典付与の期待度が高まる第2特典と、所定数未満であれば特定数とは関係なく入球部への入球の都度特典付与に期待が持てる第1特典とを、振分手段による振分といった機械的動作を用いて実現することができる。
特徴C10.前記振分手段は、前記球通過領域において上流側から流下してきた遊技球を、前記第1通路側と前記第2通路側とでそれぞれ交互に振り分けるn個(n≧2)の振分部材(例えば8つの振分板54)を有し、
前記n個の振分部材は、そのうち前段の振分部材で遊技球が前記第1通路側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分部材に到達するようにそれぞれ配置されており、
前記入球部における遊技球の入球数が前記特定数になると、前記n個の振分部材について遊技球の振り分け先が全て第1通路側になり、遊技球が前記第1特別入球部に入球する状態に移行するようになっていることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過領域において上流側から下流側にかけてn個の振分部材が設けられており、前段の振分部材の振り分け先が第1通路側になると、その後段の振分部材に遊技球が到達できるようになっている。そして、入球部における遊技球の入球に伴い各振分部材の振り分け先が変わり、全ての振分部材について振り分け先が第1通路側になると、遊技球が第1特別入球部に入球する。この場合、各段の振分部材は、遊技球の到来の都度、第1通路側と第2通路側とで交互に振り分け先を変えるものである。そのため、各振分部材の振り分け先を全て第1通路側にするのに要する遊技球数(すなわち第1特別入球部への入球に要する球個数)を変更するには、その振分部材の設置個数(すなわち「n」)を変更すればよく、第1特別入球部への入球に関する設計変更を容易に実施できる。例えば、遊技機において、第2特典を取得しにくくする(第1特別入球部への入球機会を減らす)には振分部材の設置個数(設置段数)を多くし、第2特典を取得しやすくする(第1特別入球部への入球機会を増やす)には振分部材の設置個数(設置段数)を少なくするとよい。
各振分部材で2状態の交互の切替が行われる場合、入球部に入球した遊技球が第1特別入球部に入球するのは、2のn乗回の入球に1回となる。換言すると、2のn乗回が上限回数(天井)となり、その上限回数に到達すれば、遊技球が第1特別入球部に入球する。n=8とすれば、天井は、2の8乗=256となる。
特徴C11.前記各振分部材は、前記球通過領域に揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たることで揺動して遊技球の振り分け先を切り替えるものであることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が各振分部材に当たることで、それら各振分部材の機械的な揺動動作により振り分け先が切り替えられる。この場合、振分部材による振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
特徴C12.前記振分手段の振り分け先を前記第1通路側及び前記第2通路側のいずれかにすべく駆動される駆動手段と、
前記振分手段の振り分け先を決定し、その結果に基づいて前記駆動手段を駆動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする特徴C9乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段の振り分け先を制御によって切替操作できる。これにより、遊技内容(仕様)や遊技演出を多様化することができる。例えば、通常状態と高確状態とで特定数(遊技球を第1特別入球部に入球させるのに要する入球数)を変更したりするとよい。
また、特徴C10のように振分手段として複数の振分部材(振分板54)を有している構成では、それらの振分部材が各々独立して駆動されるとよい。この場合、いずれかの振分部材について、駆動手段の駆動により振り分け先を第1通路側に固定する、又は第2通路側に固定することができ、これにより、特定数(遊技球を第1特別入球部に入球させるのに要する入球数)を増側及び減側のいずれかに変更することが可能となる。
例えば、8個の振分部材(振分板54)のうち、5つの振分部材について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3つの振分部材については固定しない場合、入球部における遊技球の入球数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が第1特別入球部に入球することとなる。つまり、8個通過に1回の割合で、第1特別入球部に遊技球を入球させることができる。
<特徴D群>
なお以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われるとともに表示装置の表示画面にて絵柄の変動表示が行われ、さらに抽選にて当選結果となった場合には表示画面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されるとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき多量の遊技球が払い出されるようになっている。上記入球部に遊技球が入球したことに基づく特別遊技状態への移行の抽選は、入球部の入球の発生ごとに所定の確率にて抽選されている。そのため、遊技を長時間継続した遊技者と短期間で終了した遊技者の獲得し得る遊技球の期待数は同じであり、遊技者が遊技の継続に消極的になってしまうことが懸念される。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴D1.発射手段(発射操作装置28)によって発射され遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球通過部(球通過口33a)と、
遊技球が前記球通過部を通過することで、当該遊技球の入賞が可能となる特別入賞部(特別入賞口52)と、
前記球通過部から前記特別入賞部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域(遊技球通過領域R)に設けられ、前記球通過部を通過した遊技球を、前記特別入賞部に入賞可能な第1通路(第1通路51a)と、前記特別入賞部に入賞不可能な第2通路(第2通路51b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)と、
を備え、
前記振分手段は、前記球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が前記球通過部を通過することに伴い前記特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技者による発射操作に伴い遊技領域を遊技球が流下する際、その遊技球が所定の球通過部を通過することで、特別入賞部への遊技球の入賞が可能となる。この場合、球通過部から特別入賞部までの球通過領域には、球通過部を通過した遊技球を第1通路(特別入賞部に入賞可能な通路)と、第2通路(特別入賞部に入賞不可能な通路)とのいずれかに振り分ける振分手段が設けられているため、遊技球が球通過部を通過したからといって全てが特別入賞部に入賞するわけでなく、遊技球が振分手段により第1通路側に振り分けられた場合にのみ特別入賞部への入賞がなされる。
特に、振分手段は、球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が球通過部を通過することに伴い特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を特別入賞部に入賞させて所定の特典を得るには、球通過部において所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本遊技機を遊技する遊技者は、球通過部において所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。また、遊技における興趣向上を図り、ひいては遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
特徴D2.前記振分手段は、前記球通過領域において上流側から流下してきた遊技球を、前記第1通路側と前記第2通路側とでそれぞれ交互に振り分けるn個(n≧2)の振分部材(例えば8つの振分板54)を有し、
前記n個の振分部材は、そのうち前段の振分部材で遊技球が前記第1通路側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分部材に到達するようにそれぞれ配置されており、
前記球通過部における遊技球の通過数が前記所定数になると、前記n個の振分部材について遊技球の振り分け先が全て第1通路側になり、遊技球が前記特別入賞部に入賞する状態に移行するようになっていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過領域において上流側から下流側にかけてn個の振分部材が設けられており、前段の振分部材の振り分け先が第1通路側になると、その後段の振分部材に遊技球が到達できるようになっている。そして、球通過部における遊技球の通過に伴い各振分部材の振り分け先が変わり、全ての振分部材について振り分け先が第1通路側になると、遊技球が特別入賞部に入賞する。この場合、各段の振分部材は、遊技球の到来の都度、第1通路側と第2通路側とで交互に振り分け先を変えるものである。そのため、各振分部材の振り分け先を全て第1通路側にするのに要する遊技球数(すなわち特別入賞部への入賞に要する球個数)を変更するには、その振分部材の設置個数(すなわち「n」)を変更すればよく、特別入賞部への入賞に関する設計変更を容易に実施できる。例えば、遊技機において、特典を取得しにくくする(特別入賞部への入賞機会を減らす)には振分部材の設置個数(設置段数)を多くし、特典を取得しやすくする(特別入賞部への入賞機会を増やす)には振分部材の設置個数(設置段数)を少なくするとよい。
各振分部材で2状態の交互の切替が行われる場合、球通過部を通過した遊技球が特別入賞部に入賞するのは、2のn乗回の球通過に1回となる。換言すると、2のn乗回が上限回数(天井)となり、その上限回数に到達すれば、遊技球が特別入賞部に入賞する。n=8とすれば、天井は、2の8乗=256となる。
特徴D3.前記各振分部材は、前記球通過領域に揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たることで揺動して遊技球の振り分け先を切り替えるものであることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が各振分部材に当たることで、それら各振分部材の機械的な揺動動作により振り分け先が切り替えられる。この場合、振分部材による振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
特徴D4.遊技球が前記球通過部を通過することで入賞可能となる入賞口として、前記特別入賞部以外に一般入賞部(一般入賞口53)が設けられており、
前記特別入賞部(特別入賞口52)は、遊技球の入賞に伴い遊技者に特典が付与されるか否かの抽選処理が実行される第1抽選契機入賞部であり、
前記一般入賞部は、遊技球が入賞しても前記抽選処理が実行されない入賞部であり、
前記振分手段は、前記球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球を、前記特別入賞部と前記一般入賞部とのいずれかに振り分けるものであることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が球通過部を通過することで、特別入賞部及び一般入賞部のうちいずれかへの入賞が生じ、その入賞に伴い遊技球の払出が期待できる。つまり、遊技者にとっては、遊技球が球通過部を通過することにより何らかの利益がもたらされる。それもあって、遊技者が、球通過部での遊技球の通過を狙って発射手段を発射操作することが促され、結果として、球通過部での球通過個数が増えて特別入賞部への入賞機会が増えることとなる。
特徴D5.前記特別入賞部に遊技球が入賞した場合に実施される前記抽選処理の当選確率は50%以上であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別入賞部(第1抽選契機入賞部)への入賞時における当選確率が50%以上であることにより、球通過部において所定数分の遊技球が通過することに伴い、遊技者は高確率で特典を得ることができる。したがって、やはり遊技者に対して継続遊技を促すことが可能となる。
なお、抽選処理の当選確率は、80%以上にしてもよく、またほぼ100%にしてもよい。
特徴D6.前記遊技領域には、前記第1抽選契機入賞部としての前記特別入賞部とは別に、遊技球の入賞に伴い前記抽選処理が実行される第2抽選契機入賞部(作動口34)が設けられていることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過部(球通過口33a)において所定数分の遊技球が通過する前であっても、すなわち第1抽選契機入賞部(特別入賞部)に遊技球が入賞する前であっても、この第1抽選契機入賞部とは別の第2抽選契機入賞部に遊技球が入賞することにより抽選処理が実施されるため、遊技中の遊技者に、さらに別の当選機会を与えることができる。例えば、球通過部への球通過数が所定数に達して抽選処理が実施された直後などにおいては、次の抽選処理までに時間的な隔たりが生じ、遊技者の遊技継続の意欲が削がれるおそれがあるが、上記のとおり第2抽選契機入賞部への入賞により抽選処理が実施される構成であれば、いつでも当選の期待を持ち続けさせることができ、遊技者に対して遊技の継続を促すことが可能となる。
特徴D7.前記遊技領域において前記球通過部としての第1球通過部(球通過口33a)の上流側には、遊技球が通過可能な第2球通過部(スルーゲート35A)が設けられ、遊技球が前記第2球通過部を通過することを条件に、同遊技球が前記第1球通過部を通過可能となっており、
遊技球が前記第1球通過部を通過しかつ前記特別入賞部(特別入賞口52)に入賞することに基づいて、遊技者に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する一方、遊技球が前記第2球通過部を通過することに基づいて、遊技者に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御装置71のMPU82)を備えることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第1球通過部を狙って遊技球を発射することは、それと同時に第2球通過部を狙うことにもなる。この場合、遊技球が第2球通過部を通過すれば、第2特典についての抽選処理が行われる。また、遊技球が第2球通過部に引き続いて第1球通過部を通過する場合に、その第1球通過部での球通過回数が所定数になれば、遊技球が特別入賞部に入賞し、第2特典についての抽選処理が行われる。ここで、遊技者にとっては、上記の各通過部での遊技球の通過により第2特典だけでなく、第1特典を得る機会が増え、遊技の継続意欲が増えることとなる。
特徴D8.前記抽選手段による抽選結果に基づいて演出内容を決定し、該演出内容に基づいて演出装置(図柄表示装置42)による演出を実施する遊技機であって、
前記特別入賞部への入賞時に前記第1特典の抽選結果に基づいて決定される第1演出と、前記第2球通過部への遊技球通過時に前記第2特典の抽選結果に基づいて決定される第2演出とはいずれも前記演出装置にて実施されるものであることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典の抽選結果に応じた第1演出と、第2特典の抽選結果に応じた第2演出とがそれぞれ同じ演出装置で実施される。この場合、遊技者にとっては、演出装置による演出の実行中においてその演出が第1特典用のものか第2特典用のものかが判別しづらいものとなっている。したがって、演出装置の演出の実施時には、遊技者は都度の演出が第1演出と第2演出とのいずれであるかに興味を抱き、その演出への関心を高めることができる。特別入賞部への入賞が遊技者により直接視認できない構成である場合には、果たして今回の演出が特別入賞部(特別入賞口52)への入賞に基づくものか、第2球通過部(スルーゲート35A)の球通過によるものかを判別できず、遊技者の特典付与についての注目度を一層高めることができる。
第1演出と第2演出とは同様の演出形態を含むものであるとよい。例えば、演出装置としての図柄表示装置において変動図柄の変動が実施される場合に、第1演出及び第2演出でいずれも同様の変動図柄を変動させることとし、最終の確定図柄だけを、第1演出用の図柄、第2演出用の図柄とする。
なお、第2特典よりも第1特典の方が賞球の期待数が多く設定されているとよい。この場合、遊技者は、賞球の期待数の多い第1特典の発生を期待して遊技を行うが、演出装置における演出や視認不可となっている振分手段からは、第1特典及び第2特典のいずれの演出処理が現在実行されているのかについて認識できなくなっている。これにより、遊技者に第1特典の発生を期待させることで抽選結果への注目度をより高くすることが可能となる。
特徴D9.前記振分手段を遊技機前方から覆うカバー部材(カバー部材60)を有し、
前記カバー部材は、前記振分手段を遊技者から視認不可とするものであることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、カバー部材によって、遊技機前方からの振分手段の視認が不可となっている。これにより、振分手段の振り分け先が、第1通路(特別入賞部に入賞可能な通路)になっているのか、第2通路(特別入賞部に入賞不可能な通路)になっているのかを遊技者に把握させづらくすることができる。また、遊技者が振分手段を視認することは不可であるが、遊技領域に設けられたカバー部材によって振分手段の存在を認識することは可能であり、遊技球の振り分けが行われることに対する遊技者の注目を高めることができる。
特徴D10.前記球通過部を通過する遊技球の通過数が前記所定数に近づく過程において、当該遊技球の通過数が、前記所定数よりも小さい所定の中間数に到達した場合に、その中間数への到達を遊技者に知らせる報知処理を実行する報知実行手段(ステップS408及びステップS409を実行する機能)を備えることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過部を通過する球通過数が徐々に増えていき、その球通過数が、所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させる球個数)よりも小さい所定の中間数に到達すると、その中間数への到達が遊技者に知らされる。これにより、遊技者が、今後どれほどで特別入賞部に遊技球が入賞するのかをある程度把握でき、その入賞に対する期待度を高めることができる。これによっても、やはり遊技の継続を促すことが可能となる。
特徴D11.前記振分手段の振り分け先を前記第1通路側及び前記第2通路側のいずれかにすべく駆動される駆動手段と、
前記振分手段の振り分け先を決定し、その結果に基づいて前記駆動手段を駆動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段の振り分け先を制御によって切替操作できる。これにより、遊技内容(仕様)や遊技演出を多様化することができる。例えば、通常状態と高確状態とで所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させるのに要する球通過数)を変更したりするとよい。
また、特徴D2のように振分手段として複数の振分部材(振分板54)を有している構成では、それらの振分部材が各々独立して駆動されるとよい。この場合、いずれかの振分部材について、駆動手段の駆動により振り分け先を第1通路側に固定する、又は第2通路側に固定することができ、これにより、所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させるのに要する球通過数)を増側及び減側のいずれかに変更することが可能となる。
例えば、8個の振分部材(振分板54)のうち、5つの振分部材について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3つの振分部材については固定しない場合、球通過部における遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞部に入賞することとなる。つまり、8個通過に1回の割合で、特別入賞部に遊技球を入賞させることができる。
<特徴E群>
なお以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当たり等の特別遊技状態への移行抽選が行われるとともに、表示装置の表示画面にて絵柄の変動表示が行われ、さらに抽選にて当選結果となった場合には表示画面にて特定絵柄の組合せ等が最終停止表示されるとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。ここで、パチンコ機等においては遊技への注目度を高めることが求められており、この観点で未だ改善の余地がある。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴E1.予め定められた第1条件(特別入賞口52又は作動口34への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置42)にて第1遊技回用動作(特図サブ変動)を開始させ、所定の停止結果として当該第1遊技回用動作を終了させる第1遊技回実行手段(主制御装置71による特図特電制御処理を実行する機能、音光制御装置300による演出決定処理を実行する機能)と、
予め定められた第2条件(スルーゲート35Aへの遊技球の入賞)が成立したことに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2遊技回用動作(普図サブ変動)を開始させ、所定の停止結果として当該第2遊技回用動作を終了させる第2遊技回実行手段(主制御装置71による普図普電制御処理を実行する機能、音光制御装置300による演出決定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1遊技回実行手段は、前記第1遊技回用動作の動作継続期間(変動表示時間)を前記第2遊技回実行手段による前記第2遊技回用動作の動作状況に応じて決定する決定手段(第2の実施形態における主制御装置71によるステップS2005及びステップS2008の処理を実行する機能、第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2503〜ステップS2507及びステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、複数の遊技回用動作が行われる遊技機において、一方の遊技回用動作(第1遊技回用動作)の動作継続期間を他方の遊技回用動作(第2遊技回用動作)の動作状況に応じて決定するため、これらの遊技回用動作について関連性を持たせることが可能となる。具体的には、例えば一方の遊技回用動作を他方の遊技回用動作よりも後に終了させたり、先に終了させたり、更に同時に終了させたりすることで、それぞれの遊技回用動作を用いた演出の多様化を図ることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴E2.前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該実行中の第2遊技回用動作の残りの動作継続期間を把握する把握手段(第2の実施形態における主制御装置71によるステップS2005の処理を実行する機能、第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2503〜ステップS2507の処理を実行する機能)を備え、
前記決定手段は、前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間を前記把握手段が把握した前記第2遊技回用動作の残りの動作継続期間として決定する手段(第2の実施形態における主制御装置71によるステップS2008の処理を実行する機能、第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立したタイミングで第2遊技回用動作が実行されていれば、その第1条件成立に伴う第1遊技回用動作を当該実行中の第2遊技回用動作と同じタイミングで終了させる、又は当該実行中の第2遊技回用動作が終了する予定であったタイミングで終了させることができる。これにより、実行条件が異なる複数の遊技回用動作が行われる遊技機において、例えば遊技回用動作の終了後に遊技状態を変化させたり、特典を付与したりする構成の場合に、いずれの遊技回用動作(いずれの条件成立)に基づいてその遊技状態の変化が生じたのか、特典が付与されたのか、が分かりにくくなる。したがって、複数の遊技回用動作のそれぞれの結果を分かりにくくすることができ、演出の多様化が図られる。
特徴E3.前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該実行中の第2遊技回用動作の残りの動作継続期間を把握する把握手段(第2の実施形態の変形例における主制御装置71によるステップS3212、ステップS3213及びステップS3216の処理を実行する機能)を備え、
前記決定手段は、前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、前記把握手段が把握した前記第2遊技回用動作の残りの動作継続期間が予め定められた期間よりも短い場合は、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間を予め定められた所定期間(サポートモードに対応する変動表示時間)として決定する手段(第2の実施形態の変形例における主制御装置71によるステップS33302及びステップS3307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立したタイミングで第2遊技回用動作が実行されていても、その第2遊技回用動作の残りの動作継続期間が予め定められた期間よりも短い場合には、その残りの動作継続期間を第1遊技回用動作の動作継続期間とせずに、この第1遊技回用動作の動作継続期間を予め定められた所定期間として、第1遊技回用動作が実行される。これにより、第1遊技回用動作を行う期間があまりに短く、遊技者が第1遊技回用動作を確認することが困難となる、といった不都合を回避することが可能となる。
特徴E4.前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該実行中の第2遊技回用動作の残りの動作継続期間を把握する把握手段(第2の実施形態の変形例における主制御装置71によるステップS3405及びステップS3406の処理を実行する機能)を備え、
前記決定手段は、前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、前記把握手段が把握した前記第2遊技回用動作の残りの動作継続期間が予め定められた期間よりも長い場合は、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間を予め定められた所定期間(サポートモードに対応する変動表示時間)として決定する手段(第2の実施形態の変形例における主制御装置71によるステップS3307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立したタイミングで第2遊技回用動作が実行されていても、その第2遊技回用動作の残りの動作継続期間が予め定められた期間よりも長い場合には、第1遊技回用動作の動作継続期間をその残りの動作継続期間とせずに、この第1遊技回用動作の動作継続期間を予め定められた所定期間として、第1遊技回用動作が実行される。これにより、第1遊技回用動作を行う期間があまりに長く、第1遊技回用動作が延々と継続されてしまう事象を抑制することができる。
特徴E5.前記決定手段は、前記第1条件の成立時に前記第2遊技回用動作が行われていなければ、予め定められた所定期間(サポートモードに対応する変動表示時間)を当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間として決定する手段(第2の実施形態における主制御装置71によるステップS2002、ステップS2006及びステップS2008の処理を実行する機能、第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2502、ステップS2508及びステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件の成立時に第2遊技回用動作が行われてなく、第1遊技回用動作の動作継続期間が決定されず、第1遊技回用動作が行われない、といった不都合を回避することができる。
特徴E6.前記第2条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(第3の実施形態における普図側の保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された前記特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(普図保留エリア206)と、
を備え、
前記第2遊技回実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に応じて、前記第2遊技回用動作を実行するものであり、
前記決定手段は、前記第1条件の成立時に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に応じて、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間を決定する特別決定手段(第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2503〜ステップS2507及びステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回用動作が行われる特別情報が存在する場合には、それも加味して第1遊技回用動作の動作継続時間が決定される。これにより、第1条件成立時に実行されている第2遊技回用動作だけではなく、当該第1条件成立時に取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対応する第2遊技回用動作と、第1遊技回用動作と、の関連付けを行うことが可能となる。よって、関連付けの演出を行う選択の幅が広がり、遊技の多様化を図ることができる。
特徴E7.前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該実行中の第2遊技回用動作の残りの動作継続期間を把握する把握手段(第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2503〜ステップS2507の処理を実行する機能)を備え、
前記特別決定手段は、前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、前記把握手段により把握された前記第2遊技回用動作の残りの動作継続期間に対して、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に対応する前記第2遊技回用動作の動作継続期間を加えた期間を、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間として決定する手段(第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件成立時に実行されている第2遊技回用動作及び取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対応する第2遊技回動作が終了するタイミングと、第1遊技回用動作が終了するタイミングと、を合わせることが可能となる。これにより、複数の遊技回用動作が行われる遊技機において、例えば遊技回用動作の終了後に遊技状態を変化させたり、特典を付与したりする構成とすると、いずれの遊技回用動作(いずれの条件成立)に基づいてその遊技状態の変化が生じたのか、特典が付与されたのか、が分かりにくくなる。したがって、複数の遊技回用動作のそれぞれの結果を分かりにくくすることができ、演出の多様化が図られる。
特徴E8.前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、当該実行中の第2遊技回用動作の残りの動作継続期間を把握する把握手段(第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2503〜ステップS2507の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報から一の特別情報を選択する選択手段(第3の実施形態における主制御装置71による2505の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別決定手段は、前記第2遊技回用動作が実行されている状況で前記第1条件が成立した場合に、前記把握手段により把握された前記第2遊技回用動作の残りの動作継続期間に対して、前記選択手段により選択された特別情報に対応する前記第2遊技回用動作の動作継続期間と、当該選択された特別情報よりも前に実行される前記第2遊技回用動作に対応する特別情報の動作対応期間と、を加えた期間を、当該第1条件成立に伴う前記第1遊技回用動作の動作継続期間として決定する手段(第3の実施形態における主制御装置71によるステップS2506〜ステップS2507及びステップS2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E6又は特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が複数記憶されている状況において、選択手段が選択する一の特別情報の第2遊技回用動作が終了するタイミングと、第1遊技回用動作が終了するタイミングと、を合わせることが可能となる。これにより、特徴E7の遊技機において、その演出選択の幅が広がり、遊技の多様化が図られる。
特徴E9.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(特別入賞口52及び作動口34)及び第2入球部(スルーゲート35A,35B)を備え、
前記第1条件は、前記第1入球部に遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、
前記第2条件は、前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、
前記第1入球部は、前記遊技領域において前記第2入球部に入球した遊技球が入球可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域を流下する遊技球が第2入球部に入球し、その遊技球がさらに第1入球部に入球する場合がある。そのため、第2条件の成立に続いてさらに第1条件が成立することで、第2遊技回用動作が開始された後に第1遊技回用動作が開始されることになる。特徴E1に記載したとおり、第1遊技回用動作の動作継続期間は第2遊技回用動作の動作状況に応じて決定されるため、この特徴E1に本構成を採用すると、第2入球部から第1入球部までの遊技球の流下経路の長さに応じて、第1遊技回用動作の動作継続期間を変更することができることになる。これにより、複数の遊技回用動作の動作継続期間と、遊技球の流下経路と、を関連付けて演出を設計することが可能となり、演出設計の幅が広がり、遊技の注目度向上を図ることができる。
特徴E10.前記第2入球部から前記第1入球部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域(遊技球通過領域R)に設けられ、前記第2入球部に入球した遊技球を、前記第1入球部に入球させる第1通路(第1通路51a)と、前記第1入球部に入球させない第2通路(第2通路51b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)と、
前記振分手段が前記第1通路と前記第2通路とのいずれの通路に遊技球を振り分けるかを把握する把握手段(第2,第3の実施形態における主制御装置71によるステップS1710〜ステップS1714やステップS2311〜ステップS2314の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部に入球した遊技球を第1入球部へ入球させるか否かを、振分手段によって変更することができ、それを把握手段にて把握することができる。すなわち、第2条件が成立した場合、すなわち第2遊技回用動作を開始する場合に、その後に第1条件が成立して第1遊技回用動作が行われるか否かを把握することができる。これにより、第1遊技回用動作の動作継続期間を第2遊技回用動作の動作状況に応じて決定する構成において、第2遊技回用動作の動作継続期間を事前(第1遊技回用動作の動作継続期間を決定するよりも前)に、調節することが可能となる。よって、第1遊技回用動作と第2遊技回用動作とをそれぞれ好適に実施することが可能となる。
特徴E11.前記第1条件が成立したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置71による特図変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による前記移行判定の判定結果が、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、前記第1遊技回用動作の終了後に遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置71による特図確定中処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立すると特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定が行われ、その移行判定の判定結果が移行対応結果であった場合は、第1遊技回用動作の終了後に特別遊技状態に移行する。そして、第1遊技回用動作の動作継続期間は第2遊技回用動作の動作状況に応じて決定されるため、第1条件成立に基づく特別遊技状態への移行タイミングが、第2遊技回用動作の動作状況に応じて決定されることになる。これにより、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行という遊技者が関心を寄せている点に、第2遊技回用動作の動作状況を関連付けることが可能となる。よって、第2遊技回用動作の動作状況の注目度を高めることができる。
特徴E12.前記第1遊技回用動作及び前記第2遊技回用動作は、いずれも前記所定の報知手段にて行われるものであり、
前記第1遊技回実行手段は、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果に対応する停止結果として前記第1遊技回用動作を終了させるものであり、
前記第2遊技回用動作が行われている状況で前記第1条件が成立したことに基づいて、前記報知手段にて実行中の第2遊技回用動作を、前記第1遊技回用動作として差し替える差替手段(第2の実施形態における音光制御装置300によるステップS2113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の遊技回用動作が行われる構成において、各遊技回用動作はそれぞれ別々の報知手段にて行われるのではなく共通の報知手段にて行われため、各遊技回用動作が重複する場合がある。特に第1遊技回用動作は特別遊技状態への移行判定を反映するものであるため、遊技者にとっての利益に大きく関わる内容となっている。そのため、第2遊技回用動作が行われている状況で第1条件が成立した場合には、差替手段によって実行中の第2遊技回用動作を第1遊技回用動作とすることにより、その利益に関わる情報を速やかに遊技者に報知することが可能となる。
特徴E13.前記第1条件が成立したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置71による特図変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による前記移行判定の判定結果が、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、前記第1遊技回用動作の終了後に遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置71による特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1遊技回用動作及び前記第2遊技回用動作は、いずれも前記所定の報知手段にて行われるものであり、
前記第1遊技回実行手段は、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果に対応する停止結果として前記第1遊技回用動作を終了させるものであり、
前記第2条件成立に基づいて、その後に前記第1条件が成立するか否かを把握する把握手段(第2,第3の実施形態における主制御装置71によるステップS1710〜ステップS1714やステップS2311〜ステップS2314の処理を実行する機能)を備え、
前記第2遊技回実行手段は、当該把握手段により前記第2条件成立に基づいて、その後に前記第1条件が成立すると把握された場合に、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果に対応する停止結果となるように当該第2条件成立に伴う第2遊技回用動作を実行する手段(第2,第3の実施形態における主制御装置71によるステップS1812やステップS2413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の遊技回用動作が行われる構成において、各遊技回用動作はそれぞれ別々の報知手段にて行われるのではなく共通の報知手段にて行われるため、各遊技回用動作が重複する場合がある。特に第1遊技回用動作は特別遊技状態への移行判定を反映するものであるため、遊技者にとっての利益に大きく関わる内容となっている。そこで、把握手段によりその後に第1条件が成立すると把握された場合には、把握手段によって把握された時点(第2条件が成立した時点)では移行判定が行われていないものの、決め打ちで先にその第1条件成立に伴う移行判定の判定結果に対応した第2遊技回用動作を行う構成とした。これにより、遊技者の利益に関わる情報を速やかに報知することが可能となる。
特徴E14.前記第2遊技回実行手段が実行する前記第2遊技回用動作の前記停止結果とは、前記移行判定手段による前記移行判定の判定結果が前記移行対応結果であった場合の停止結果であることを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回実行手段は移行対応結果の停止結果となるように第2遊技回用動作を実行する。この場合、その後の行われる移行判定手段による移行判定の結果が移行対応結果とはならない可能性も生じるものの、遊技者としては、移行対応結果であるものと期待し、かかる遊技回用動作に対する注目度を高めることが可能となる。
特徴E15.前記移行判定手段による前記移行判定の当選確率は50%以上であることを特徴とする特徴E14に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定の50%以上が移行対応結果となるため、第2遊技回実行手段が第2遊技回用動作を実行する際に、上記移行対応結果の移行判定に関わらず移行対応結果の停止結果となるように第2遊技回用動作を開始しても、その後に移行対応結果とはならない事象を低減することができる。これにより、第2遊技回用動作の停止結果が移行対応結果に対応するものであったのに、実際には移行判定手段の判定結果が移行対応結果とは異なり特別遊技状態に移行しない、といった事象を低減することができる。したがって、遊技者に与える混乱や落胆を低減することが可能となる。
なお、移行判定の当選確率は、高ければ高いほどよく、より好ましくは100%であるとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。