図1は、本発明の移動体検出装置の最小構成を表わす構成概念図である。本発明の移動体検出装置は、投射機10と撮像機11とを備える。投射機10は、移動体6(ここでは示さず。)に設置もしくは移動体6が保持し、移動体6とともに移動することが可能であり、赤外線を投射することができる。撮像機11は、探索者2(ここでは示さず。)が保持等することが可能であり、投射機10から投射された光の被投射体1(ここでは示さず。)上での投射光スポットにより前記投射機10の位置を検出する。
ここで、本明細書において、「投射光スポット」とは、投射機10からの投射光を周囲に比べて特に多く受光し、反射している被投射体1の部分をいう。
これにより、施設の屋内においても、その施設への特別な設備を新たに設置等することなしに、移動体の位置を検出することができる。
また、無線通信用電波を利用しないため、移動体が無線通信用電波を遮蔽する障害物の陰に隠れている場合において、その位置を検出することができる。
また、人の肉眼で見えない赤外線を用いるため、移動体やその周囲の者に気づかれずに、移動体の位置を検出することができる。
[第一実施形態]
第一実施形態は、投射機の数が1の場合の実施形態である。
図2は、第一実施形態における、移動体検出装置の構成概念図である。本第一実施形態の移動体検出装置は、投射機10と撮像機11とを備える。投射機10は、移動体6(ここでは示さず。)に設置もしくは移動体6が保持することにより移動体6とともに移動可能であり、赤外線を投射することができる。撮像機11は、探索者2が保持することが可能であり、投射光スポット5を含む撮像範囲110を撮像することにより、前記投射機10の位置を検出する。
図3は、第一実施形態における、投射機10の構成を表わす概念図である。(a)は投射機10の外観図であり、(b)は投射機10の内部を表わす図である。投射機10は、投射部56と、駆動部52と、投射機操作部55と、電源59とを備える。投射部56は、発光素子51と、投射レンズ50とを備える。発光素子は、典型的には、赤外光を発光するLED(Light Emitting Diode)である。ここで、駆動部52は、電源59からの電力供給を受け、発光素子51に発光に必要な電流を供給する。発光素子51は出射光57を発光する。出射光57は投射レンズ50に入射することにより、拡散の幅が抑えられた投射光58になる。投射光58は、投射機10から投射される。投射機操作部55は、投射のオンおよびオフ等の操作に用いられる。
図4は、第一実施形態における、撮像機11の構成を表わす概念図である。(a)は撮像機11の外観を表わし、(b)は撮像機11の内部を表わす。撮像機11は、撮像部9、表示部12、操作部13、信号処理部20、及び画像表示処理部26を備える。撮像部9は、撮像レンズ18と、赤外線センサ17と、撮像機電源16とを備える。 表示部12には、投射光スポットの表示40が表示される様が示してある。
図5は、図3及び図4に示した、第一実施形態における、撮像機11の各構成部分の動作を表わす説明図である。撮像部9は、投射光スポット5(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110を撮像する。撮像レンズ18は、撮像範囲110を構成する各点からの光を赤外線イメージセンサ17上の撮像範囲110に対応する点に投射する。赤外線イメージセンサ17を構成する各受光素子(ここでは示さず。)は、投射された光を受光し、電気信号に変換し、出力する。信号処理部20は、赤外線イメージセンサ17を構成する各受光素子から出力された電気信号を処理する。また、信号処理部20は、画像表示処理部26へ、赤外線イメージセンサ17上のどの位置がどれだけの強度の赤外光を表わす情報を含む信号を出力する。画像表示処理部26は、信号処理部20から出力された前記信号をもとに、表示部12上における、表示内容、表示位置、大きさ等及び色を制御できる情報を含む信号に変換し、表示部12に出力する。表示部12は投射光スポット5の像を表示し可視化する。操作部13は、投射光スポット5の撮像を可能にする等、撮像機11の動作に関する操作を行う部分である。
撮像機11は、特に探索者2が人である場合には、人が片手で持てるぐらいの大きさ、重さの物であることが望ましい。
撮像レンズ18はズーム機構を有する場合もあり得る。
図6は、第一実施形態における、撮像機11の動作のフローの例を表わす概念図である。探索者2(ここでは示さず。)が撮像機11の撮像部9を被投射体1の適当な方向に向けて撮像を開始する(S1)。次に、撮像部9が投射光スポット5(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110(ここでは示さず。)を撮像する(S2)。次に、信号処理部20及び画像表示処理部26が、撮像部9が検出した信号を処理して表示部12における表示を制御できる信号に変換する(S3)。最後に、表示部12が投射光スポット5の像を表示する(S4)。
このフローにより、表示部12に投射光スポット5の像が表示されなかった場合は、最初に撮像機11の撮像部9を向けた被投射体1に対応する場所には、投射機は存在しないと考え、被投射体1の他の部分に撮像機11の撮像部9を向け、投射光スポット5の撮像を試みる。
図7は、第一実施形態における、移動体検出装置の使用方法の例を表わす説明図である。移動体6には被投射体1に赤外線が投射するよう直上の向きに投射機10が固定されている。投射機10は被投射体1に向けて赤外線を投射する。被投射体1は、主に投射光スポット5において、その赤外線を受け、反射する。
被投射体1としては、上記被投射体としては、検出することが可能な、移動体のある位置の範囲が、移動体の検出を試みる位置として想定されるいずれの位置においても、目視による監視の場合と比べて、より広い範囲となるものを用いる。被投射体1は典型的には、建造物の天井である。
探索者2は撮像機11を保持する。撮像機11は、投射機10からの投射光スポット5を含む被投射体1を撮影し、表示部12に表示する。表示部12に投射光スポット5の像が表示されなかった場合には、被投射体1の他の部分に撮像機11を向け、投射光スポット5の撮像を試みる。探索者2は、移動体6が、障害物4の為に目視で確認できない場所にある場合も、投射光スポット5を利用してその真下にある移動体6の位置を把握することができる。
移動体6は、代表的には、見守りが必要とされる老人、迷子が懸念される子供やペット、倉庫やオフィスなどに配置された労働者、これらの者が操作する車などの移動手段及び行先を見失う可能性ある自走式のロボット、機械、装置等が想定される。
探索者2は、典型的には人であるが、ロボット、機械、装置等の場合もあり得る。
図8は、第一実施形態における、赤外線イメージセンサに投射光スポット5(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110(ここでは示さず。)からの光が入射している様子を表わす模式図である。投射光スポット5に対応して、赤外線イメージセンサ上における投射光スポット19が形成される。赤外線イメージセンサは、赤外線受光素子がマス目上に配置されて構成されている。そのため、2次元座標を構成するそれぞれの座標における赤外光の強度を強度分布として検出することができる。
図9は、第一実施形態における、赤外線イメージセンサ17からの信号を元に、表示部12に投射光スポット5(ここでは示さず。)を可視化表示する様子を表わす模式図である。このように、不可視の赤外光を赤外線イメージセンサを用い、表示部12に表示することで、投射光スポット5を可視化することができる。また、赤外線イメージセンサ17からの信号を画像処理することにより、投射光スポット5の大きさと位置を表示部12に表示することができる。ここで、投射光スポット5の輪郭は、たとえば、受光した光の強度の最高値もしくは中心値に対して所定の割合の光を受光している点を結んだ線で定める。
本第一実施形態の装置により、屋内においても、その屋内を形成している施設への特別な設備を設置することなしに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第一実施形態の装置は無線通信用電波を利用しないため、移動体が無線通信用電波を遮蔽する障害物の陰に隠れている場合でも、その位置を検出することができる。
また、本第一実施形態の装置は人の肉眼で見えない赤外線を用いるため、移動体やその周囲の者に気づかれずに、移動体の位置を検出することができる。
[第二実施形態]
第二実施形態は、投射機が複数の場合の実施形態である。
まずは、投射機が2個の場合を例に説明する。
図10は、第二実施形態における、移動体検出装置の構成概念図である。本第二実施形態の移動体検出装置は、第一投射機10aと、第二投射機10bと、撮像機11とを備える。第一投射機10aは、第一移動体6a(ここでは示さず。)に設置もしくは第一移動体6aが保持することにより第一移動体6aとともに移動することが可能であり、赤外線を投射することができる。第二投射機10bは、第二移動体6b(ここでは示さず。)に設置もしくは第二移動体6bが保持することにより第二移動体6bとともに移動可能であり、赤外線を投射することができる。
以下、本第二実施形態、第三実施形態および第四実施形態において、説明理解容易のため、以下の用語を定義する。
「本投射機10X」は、第一投射機10a及び第二投射機10bのいずれか一をいう。
「第一投射光スポット5a」は、第一投射機10aによる投射光スポットをいう。
「第二投射光スポット5b」は、第二投射機10bによる投射光スポットをいう。
「本投射光スポット5X」は、第一投射機10a及び第二投射機10bのいずれか一による投射光スポットをいう。
本投射機10Xは、それぞれ、複数の投射パターンを投射することができ、そのうちのどの投射パターンを用いるかを選択することができる。撮像機11は、本投射機10Xからの本投射光スポット5X(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110(ここでは示さず。)を撮像し、本投射光スポット5Xの位置を特定することにより、前記本投射機10Xの位置を検出する。また、撮像された本投射光スポット5Xについてのパターンの種類、本投射光スポット5Xを投射した本投射機10Xが、第一投射機10aであるか、第二投射機10bであるかを、特定することができる。たとえば、本投射光スポット5Xの中心部における赤外線強度の時間変化のパターンや投射光スポット5の形状のパターンにより前記特定を行う。
図11は、第二実施形態における、本投射機10Xの構成を表わす概念図である。 (a)は本投射機10Xの外観を表わし、(b)は本投射機10Xの内部を表わす。本投射機10Xは、投射部56と、駆動部52と 、投射パターン指示部53と、投射パターン記憶部54と、投射機操作部55と、電源59とを備える。投射部56は、発光素子51と、投射レンズ50とを備える。
駆動部52は、電源59からの電力供給を受け、発光素子51に発光に必要な電流を供給する。また、駆動部52は、投射パターン指示部53からの指示信号に基づき、発光をオンまたはオフする。投射パターンの選択は、投射パターン記憶部54に予め記録された投射パターンのデータ群から、投射機操作部55を操作することにより行う。投射パターン指示部53は、その選択された投射パターン通りに発光素子51へ電流供給のオン又はオフを行うよう指示する情報を含む信号を出力する。駆動部52は、その信号に基づき、発光素子51に、その投射パターンに則した電流を出力する。発光素子51はその投射パターンに則した発光をする。出射光57は投射レンズ50に入射することにより、拡散の幅が抑えられた投射光58になる。投射光58は、本投射機10Xから投射される。投射機操作部55は、投射のオンおよびオフや、上記投射パターンの選択を行う際に用いられる。
図12は、第二実施形態における、本投射機10Xが投射する投射パターンの例である。ここでは、投射が時間軸に対してパターンを持っている場合を示してある。縦軸が投射光58の強度であり、横軸が時間である。(a)は、時間軸に対して、一定の強度を投射する例である。(b)は比較的短い時間で、投射のオンとオフを繰り返す例である。(c)は、(b)よりも長い時間で、投射のオンとオフを繰り返す例である。(d)は、比較的長い時間オンしたのち、比較的短い時間オフするというパターンを繰り返す例である。(e)は、比較的短い時間オンしたのち、比較的長い時間オフするというパターンを繰り返す場合である。(f)は、比較的長い時間オンしたのち、比較的短い時間オフし、その後比較的短い時間オンしたのち、比較的短い時間オフするというパターンを繰り返した場合である。投射が時間軸に対してパターンを持っている場合の投射パターンとしては、その他さまざまな場合があり得る。このような投射パターンは、本投射機10Xの発光素子51に供給する電流をオンまたはオフするタイミングを制御することにより実現できる。
図13は、第二実施形態における、本投射機10Xが投射する赤外線の投射パターンの例である。ここでは、投射が投射角度に垂直な2次元平面に対してパターンを持っている場合を示してある。(a)は、このパターンが円形の例である。(b)は、このパターンが2個の円形の一部を重ね合わせた形状の例である。(c)は、このパターンが3個の円形を重ね合わせた形状の例である。(d)は、このパターンが4個の円形を重ね合わせた形状の例である。これらのパターンは、複数(たとえば4以上)の投射部56を備えた本投射機10Xにおいて、投射光58を投射する投射部56を選択することにより、得ることもできる。
これらの形状は、本投射機10Xに搭載する投射部56の数を変え、かつ、それらの投射方向を調整し、各投射部56からの投射光58を重ね合わせることにより実現することができる。すなわち、(a)の場合は前記投射部56が1個、(b)の場合は前記投射部56が2個、(c)の場合は前記投射部56が3個、(d)の場合は前記投射部56が4個の場合である。
このような投射パターンの形状には、これら以外にも種々の場合があり得る。
第二実施形態で用いる本投射機10Xが投射パターンとしては、図12に例を示した、投射パターンが時間軸に対してパターンを持っている場合と、図13に示した、投射が投射角度に垂直な2次元平面に対してパターンを持っている場合とを組み合わせたものを用いることもできる。
図14は、第二実施形態における、撮像機11の構成を表わす概念図である。(a)は撮像機11の外観を表わし、(b)は撮像機11の内部を表わす。撮像機11は、撮像部9と、表示部12と、操作部13と、信号処理部20と、データベース21と、画像判定部22と、画像表示処理部26と、撮像機電源16とを備える。また、撮像部9は、撮像レンズ18と、赤外線センサ17とを備える。表示部12に、第一投射光スポットの像の表示40a及び第二投射光スポットの像の表示40bが表示されている様を示してある。
図15は、第二実施形態における、撮像機11の各構成部分の動作を表わす概念図である。撮像部9は、本投射機10X(ここでは示さず。)が投射した投射パターン5を含む撮像範囲110を撮像する。撮像レンズ18は、撮像範囲110を構成する各点からの光を赤外線イメージセンサ17における撮像範囲110を構成する各点に対応する点に投射する。赤外線イメージセンサ17を構成する各受光素子(ここでは示さず。)は、投射された光を受光し、電気信号に変換し、出力する。信号処理部20は、赤外線イメージセンサ17が出力した電気信号を処理する。また、信号処理部20は、画像判定部22へ、受光した本投射光スポット5Xのパターンに関する情報を含む信号を出力する。また、信号処理部20は、画像表示処理部26へ、赤外線イメージセンサ17のどの位置にどれだけの強度の光が入射したかを表わす情報を含む信号を出力する。データベース21は、投射パターンと本投射機10Xとの対応関係を定めたデータベースである。画像判定部22は、信号処理部20から出力された、撮像された本投射光スポット5Xにおける投射パターンに関する情報を含む信号を、データベース21のデータと照合して、撮像された本投射光スポット5Xを投射した本投射機10Xを特定する情報を、画像表示処理部26へ出力する。画像表示処理部26は、信号処理部20及び画像判定部22から出力された各前記信号をもとに、表示部12上における、表示内容、表示位置、大きさ及び色等についての、表示部12を制御できる情報を含む信号に変換し、表示部12に出力する。表示部12は本投射光スポット5Xの位置を表示し可視化する。表示部12は、さらに、その本投射光スポット5Xがどの本投射機10Xによるものかを表わす情報を表示する。操作部13は、本投射光スポット5Xの検出を可能にする等、撮像機11の動作に関する操作を行う。
ここで、撮像機11は、探索者2が人である場合には、特に、人が片手で持てるぐらいの大きさ、重さの物であることが望ましい。
撮像レンズ18はズーム機構を有する場合もあり得る。この場合は、探索者2は、まずは撮像レンズ18を広角に設定し、投光スポット5を広範囲に探索して、投光スポット5が見つかった場合は、撮像レンズ18より長い焦点距離に切り替えて、投光スポット5を拡大し、その大きさ等をより正確に測定すること等が可能である。
図16は、第二実施形態における、撮像機11の動作のフローの例を表わす概念図である。探索者2(ここでは示さず。)が撮像機11の撮像部9を適当な方向に向けることにより、本投射光スポット5X(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110(ここでは示さず。)を構成する各点からの光が撮像部9に入射する(S11)。次に、操作部13の撮像スイッチ(ここでは示さず。)が探索者2によりオンになり、撮像が開始される(S12)。次に、信号処理部20は、撮像部9が検出した信号に対して、前記所定の信号処理をする(S13)。次に、画像判定部22が、撮像された出射光スポット像における出射パターンとデータベース21のデータと照合して、その出射パターンの光を投射した本投射機10Xを特定する(S14)。次に、画像表示処理部26が、信号処理部20及び画像判定部22から出力された信号を処理して表示部12における表示を制御できる信号に変換する(S15)。次に、表示部12が本投射光スポット5Xの像を表示する(S16)。最後に、表示部12が本投射光スポット5Xに対応する本投射機10X(ここでは示さず。)を特定する情報を、表示部12(ここでは示さず。)を見る者が本投射光スポット5Xの像と関連づけて認識できるように表示する(S17)。典型的には、表示部12はそれぞれの本投射光スポット5Xの表示部12での表示像の近くに本投射機10Xの名称を表示する。
このフローにより、表示部12に投射光スポット5の像が表示されなかった場合は、最初に撮像機11の撮像部9を向けた被投射体1に対応する場所には、投射機は存在しないと考え、被投射体1の他の部分に撮像機11の撮像部9を向け、投射光スポット5の撮像を試みる。
図17は、第二実施形態における、移動体検出装置の使用方法の例を表わす説明図である。第一移動体6aには被投射体1に赤外線が投射されるよう直上の向きに第一投射機10aが固定されている。第一投射機10aは被投射体1に向けて真上に赤外線を投射している。第二移動体6bには被投射体1に赤外線が投射されるよう直上の向きに第二投射機10bが固定されている。第二投射機10bは被投射体1に向けて真上に赤外線を投射する。
被投射体1としては、上記被投射体としては、検出することが可能な、移動体のある位置の範囲が、移動体の検出を試みる位置として想定されるいずれの位置においても、目視による監視の場合と比べて、より広い範囲となるものを用いる。被投射体1は典型的には、建造物の天井である。
探索者2は撮像機11を保持する。撮像機11は、第一投射光スポット5a及び第二投射光スポット5bを含む撮像範囲110(ここでは示さず。)を撮像し、その表示部12に、第一投射光スポット5aの像の表示40a及び第二投射光スポット5bの像40bの表示をそれぞれ行う。撮像機11は、これらの本投射光スポット5Xの像の表示部12での表示のそれぞれの近くに、その本投射光スポット5Xに対応する本投射機10Xの名称を表示する(ここでは示さず。)。本投射機10Xの名称としては、その本投射機10Xが固定された移動体の名称を用いることもできる。
表示部12に探索者が探している移動者が保持等している本投射光スポット5Xの像が表示されなかった場合には、被投射体1の他の部分に撮像機11を向け、探索者が探している移動者が保持等している本投射光スポット5Xの撮像を試みる。
探索者2は、第一移動体6a又は第二移動体6bが、障害物4の為に目視で確認できない場所にある場合も、第一投射光スポット5a及び第二投射光スポット5bを利用して、第一移動体6a及び第二移動体6bの位置を把握することができる。
ここでは、説明容易のため、投射機が2つの場合を例に説明したが、図18に示した第二実施形態における移動体検出装置の構成概念図のように、投射機は3個以上であってもよい。図では、第三投射機10cあるいは第N投射機10λ(Nは任意の数字である。)まで備える場合を示してある。
これら、3個以上の投射機は、少なくとも、いずれか2個の投射機の投射パターンが異なればよく、すべての投射機が、異なる投射パターンの光を投射してもよい。
本第二実施形態における複数の移動体は、代表的には、見守りが必要とされる老人、迷子が懸念される子供やペット、倉庫やオフィスなどに配置された労働者、これらの者が操作する車などの移動手段及び行先を見失う可能性ある自走式のロボット、機械、装置等、及びこれらの組み合わせが想定される。
探索者2は、典型的には人であるが、ロボット、機械、装置等の場合もあり得る。
本第二実施形態の装置により、屋内においても、その屋内を形成している施設への特別な設備を設置することなしに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第二実施形態の装置は無線通信用電波を利用しないため、移動体が無線通信用電波を遮蔽する障害物の陰に隠れている場合でも、その位置を検出することができる。
また、本第二実施形態の装置は人の肉眼で見えない赤外線を用いるため、移動体やその周囲の者に気づかれずに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第二実施形態の装置は、移動体が複数の場合であっても、それぞれの移動体の位置を検出することができる。
[第三実施形態]
第三実施形態は、投射機と撮像機との距離を算出する場合の実施形態である。第三実施形態においては、投射機の数は任意であるが、ここでは2個の場合を例に説明する。
図19は、第三実施形態における、移動体検出装置の構成概念図である。本第二実施形態の移動体検出装置は、第一投射機10aと、第二投射機10bと、撮像機11とを備える。第一投射機10aは、第一移動体6a(ここでは示さず。)に設置もしくは第一移動体6aが保持することにより第一移動体6aとともに移動可能であり、赤外線を投射することができる。第二投射機10bは、第二移動体6b(ここでは示さず。)に設置もしくは第二移動体6bが保持することにより第二移動体6bとともに移動可能であり、赤外線を投射することができる。第一投射機10a及び第二投射機10bは、それぞれ、複数の投射パターンを投射することができ、そのうちのどの投射パターンを用いるかを選択することができる。撮像機11は、本投射機10Xから投射された本投射光スポット5X(ここでは示さず。)を含む撮像範囲110(ここでは示さず。)を撮像し、撮像した本投射光スポット5Xの像の位置から本投射機10Xの位置を検出する。また、その本投射光スポット5Xの像における投射パターンの種類により、その本投射光スポット5Xと対応する光を投射した本投射機10Xが、第一投射機10aであるか、第二投射機10bであるかを、特定することができる。
本投射機10Xの構成や投射パターンについては、第二実施形態で説明した本投射機10Xと同一のものを用いることができるので、ここでは説明を省略する。
図20は、第三実施形態における、撮像機11の構成を表わす概念図である。(a)は撮像機11の外観を表わし、(b)は撮像機11の内部を表わす。撮像機11は、撮像部9と、表示部12と、操作部13と、信号処理部20と、データベース21と、画像判定部22と、距離測定部23と、投射光スポットサイズ算出部24と、演算部25と、画像表示処理部26と、撮像機電源16とを備える。また、撮像部9は、撮像レンズ18と、赤外線センサ17とを備える。
図21は、第三実施形態における、撮像機11の各構成部分の動作を表わす概念図である。撮像部9は、本投射機10Xが投射した本投射光スポット5Xを含む撮像範囲110を撮像する。撮像レンズ18は撮像範囲110を構成する各点からの光を、撮像範囲110を構成する各点に対応する赤外線イメージセンサ17の点へ投射する。赤外線イメージセンサ17を構成する各受光素子(ここでは示さず。)は、投射された光を受光し、電気信号に変換し、出力する。信号処理部20は、赤外線イメージセンサ17を構成する各受光素子から出力された電気信号を処理する。また、信号処理部20は、画像判定部22へ、撮像した本投射光スポット5Xの像における投射パターンに関する情報を含む信号を出力する。また、信号処理部20は、画像表示処理部26および投射光スポットサイズ算出部24へ、赤外線イメージセンサ17のどの位置の受光素子にどれだけの強度の光が入射したかを表わす情報を含む信号を出力する。データベース21は、投射パターンと本投射機10Xとの対応関係を定めたデータベースである。画像判定部22は、信号処理部20から出力された、撮像された本投射光スポット5Xの像における投射パターンに関する情報を含む信号を、データベース21のデータと照合する。画像判定部22は、さらに、その投射パターンに相当する本投射機10Xを特定し、その特定された情報を含む信号を画像表示処理部26へ出力する。距離測定部23は、撮像機11から撮像機11の直上の被投射体1までの距離を測定し、その距離を表わす情報を含む信号を、演算部25へ出力する。投射光スポットサイズ算出部24は、本投射光スポット5Xの大きさを計測し、その計測結果を含む信号を演算部へ出力する。演算部25は、本投射光スポット5Xの大きさの情報から、撮像機11から本投射光スポット5Xまでの距離を算出する。また、演算部25は、その算出された値と、距離測定部23から受けた、撮像機11から撮像機11の直上の被投射体1までの距離の情報を用いて、撮像機11の直上の位置から本投射光スポット5Xまでの距離を算出する。この距離は、撮像機11から本投射機10Xまでの距離にほぼ等しい。演算部25は、こうして求めた、撮像機11から本投射機10Xまでの距離の算出結果の情報を含む信号を画像表示処理部26に出力する。画像表示処理部26は、信号処理部20、演算部25及び画像判定部22から出力された各前記信号をもとに、表示部12上における、表示内容、表示位置、大きさ、色等表示部12を制御できる情報に変換し、表示部12に出力する。表示部12は本投射光スポット5Xを表示し可視化する。表示部12は、さらに、その本投射光スポット5Xがどの本投射機10Xの投射された光によるものかを表わす情報や撮像機11から本投射機10Xまでの距離を表示する。操作部13は、撮像範囲110の撮像を可能にする等、撮像機11の動作に関する操作を行う。
距離測定部23には、典型的には、周知のレーザ変位計を用いることができる。
撮像機11は、探索者2が人である場合には、特に、人が片手で持てるぐらいの大きさ、重さの物であることが望ましい。
撮像レンズ18はズーム機構を有する場合もあり得る。この場合は、探索者2は、まずは撮像レンズ18を広角に設定し、投光スポット5を広範囲に探索して、投光スポット5が見つかった場合は、撮像レンズ18より長い焦点距離に切り替えて、投光スポット5を拡大し、その大きさ等をより正確に測定すること等が可能である。
撮像機11に内蔵される赤外線イメージセンサ17上に投影される本投射光スポット5Xの像68の幅69は、その赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離により決まる。従い、本投射光スポット5Xの実際の幅がわかれば、その本投射光スポット5Xについて、赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離を求めることができる。撮像機11から本投射光スポット5Xまでの距離と、赤外線イメージセンサ上における本投射光スポット5Xの像の幅との対応関係をデータベースとして持っておけばよい。ここで、本投射光スポット5Xの実際の幅は、撮像機11とその直上の被投射体1との距離により決まる。従い本投射光スポット5Xの実際の幅と、撮像機11とその直上の被投射体1との距離との関係をデータベースに記憶させておくことにより、距離測定部23による、撮像機11とその直上の被投射体1との距離の測定値を用いて求めることができる。以上により、本投射光スポット5Xの赤外線イメージセンサ17上での大きさを求めることにより、赤外線イメージセンサ17から本投射スポット5Xまでの距離を求めることができる。この距離を、赤外線イメージセンサ17を内蔵する撮像機11から本投射光スポット5Xまでの距離と考える。
次に、撮像機11から本投射機10Xまでの距離の求め方を、図22を参照して説明する。
撮像機11に内蔵される赤外線イメージセンサ17上に入射し投影される本投射光スポット5Xの像68の幅69は、その赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離72により決まる。このため、赤外線イメージセンサ17上における本投射光スポット5Xの幅を求めれば、その赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離72距離を求めることができる。
撮像レンズ18がズーム機構を持つ場合には、撮像レンズ18を長焦点にすることにより、赤外線イメージセンサ17に投射される本投射光スポット5Xの像68を大きくすることができる。このため、投射される本投射光スポット5Xの像68の輪郭を明瞭にすることができ、その幅69を正確に測定することができる。このため、その赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離72を正確に求めることができる。
撮像機11からその直上の被投射体1までの距離70は、本投射機10Xが備える距離測定部23が測定して求める。従い、撮像機11の直上の位置から本投射光スポット5Xまでの距離71は、三角法による下記式により求めることができる。
(撮像機11の直上の位置から本投射光スポット5Xまでの距離71)=((赤外線イメージセンサ17と本投射光スポット5Xとの距離72)2−(撮像機11からその直上の被投射体1までの距離70)2)1/2
次に、撮像機11から本投射機10Xまでの距離73は、撮像機11の直上の位置から本投射光スポット5Xまでの距離71にほぼ等しいことを使って、撮像機11から本投射機10Xまでの距離73を求める。
図23は、第三実施形態における、撮像機11の動作のフローの例を表わす概念図である。探索者2(ここでは示さず。)が撮像機11(ここでは示さず。)の撮像部9(ここでは示さず。)を適当な方向に向けることにより、撮像部9への撮像範囲110(ここでは示さず。)を構成する各点からの受光が開始される(S21)。次に、操作部13(ここでは示さず。)の撮像スイッチが探索者2によりオンになり、撮像が開始される(S22)。次に、信号処理部20は、撮像部9からの出力信号に対して、前述の信号処理をする(S23)。次に、画像判定部22が、撮像された出射光スポット像における出射パターンとデータベース21のデータと照合して、その出射パターンの光を投射した本投射機10Xを特定する(S24)。この信号について、画面表示処理部26は、表示部12(ここでは示さず。)を制御し適切な表示をさせることのできる信号に処理し、表示部12に出力する(S25)。表示部12は本投射光スポット5X(ここでは示さず。)を表わす像を表示する(S26)。
探索者が探している移動者が保持等している撮像機11から本投射機10Xまでの距離を表示部12に表示するか否かの切り替えは、操作部13において行われる(S27)。撮像機11から本投射機10Xまでの距離を表示部12に表示する選択がされている場合は、距離測定部23により、撮像機11から直上の被投射体1までの距離が測定される(S28)。次に、投射光スポットサイズ算出部24により本投射光スポット5Xの大きさが算出される(S29)。次に、演算部25が、本投射光スポット5Xの像のサイズから、撮像機11から本投射光スポット5Xまでの距離を算出し、その値と、撮像機11から直上の被投射体1までの距離とを用いて、撮像機11直上の位置から本投射光スポット5Xまでの距離を求める(S30)。この距離が、撮像機11から本投射機10Xまでの距離とほぼ等しいことを使って、同距離を求める。次に、画像表示処理部26が、信号処理部20及び画像判定部22から出力された信号を処理して表示部12における表示を制御できる信号に変換する(S31)。表示部12は、撮像した本投射光スポット5Xの像における投射パターンに対応する本投射機10Xを特定する情報と、撮像機11から本投射機10Xまでの距離とを、表示部12を見る者が本投射光スポット5Xの像と関連づけて認識できるように表示する(S32)。典型的には、表示部12はそれぞれの本投射光スポット5Xの像の表示の近くに、本投射機10Xの名称等を表示する。一方、撮像機11から本投射機10Xまでの距離を表示部12に表示する選択がされていない場合は、画像表示処理部26が、信号処理部20及び画像判定部22から出力された信号を処理して表示部12における表示を制御できる信号に変換する(S33)表示部12は、その投射パターンに対応する本投射機10Xを特定する情報を、本投射光スポット5Xの像の表示と関連づけて認識できるように表示する(S34)。
本第三実施形態は、ここまでは、撮像機11が距離測定部23を備える場合について説明した。しかし、撮像機11からその直上の被投射体1までの距離がほぼ一定である場合、もしくは一定であると仮定してよい場合には、距離測定部23を省略できる。この場合は、予め、撮像機11からその直上の被投射体1までの距離を撮像機11に記憶させておき、撮像機11から本投射機10Xまでの距離の算出にその値を用いる。
本第三実施形態における複数の移動体は、代表的には、見守りが必要とされる老人、迷子が懸念される子供やペット、倉庫やオフィスなどに配置された労働者、これらの者が操作する車などの移動手段及び行先を見失う可能性ある自走式のロボット、機械、装置等、及びこれらの組み合わせが想定される。
探索者2は、典型的には人であるが、ロボット、機械、装置等の場合もあり得る。
本第三実施形態の装置により、屋内においても、その屋内を形成している施設への特別な設備を設置することなしに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第三実施形態の装置は無線通信用電波を利用しないため、移動体が無線通信用電波を遮蔽する障害物の陰に隠れている場合でも、その位置を検出することができる。
また、本第三実施形態の装置は人の肉眼で見えない赤外線を用いるため、移動体やその周囲の者に気づかれずに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第三実施形態の装置は、移動体が複数の場合であっても、それぞれの移動体の位置を検出することができる。
また、本第三実施形態の装置は、撮像機から投射機までの距離を表示等出力することができる。
[第四実施形態]
第四実施形態は、投射機が、その投射する光の角度を自動的に補正する場合の実施形態である。
本第四実施形態の装置は、第二実施形態及び第三実施形態の装置とは、本投射機10Xが、その投射する光の角度を自動的に補正する、投射角度調整部80を備える点のみが異なる。従い、投射角度調整部80の構成及び動作を中心に説明する。
図24は、第四実施形態における、本投射機10Xの構成を表わす概念図である。 (a)は本投射機10Xの外観を表わし、(b)は本投射機10Xの内部を表わす。本投射機10Xは、投射部56と、駆動部52と、投射パターン指示部53と、投射パターン記憶部54と、投射機操作部55と、電源59と、投射角度調整部80とを備える。投射部56は、発光素子51と、投射レンズ50とを備える。投射角度調整部80は、加速度センサ81と、投射角度調整信号処理部82と、投射角度調整装置83と、投射角度調整装置駆動部84と、駆動電圧データベース85とを備える。これらのうち、投射部56と、駆動部52と、投射パターン指示部53と、投射パターン記憶部54と、投射機操作部55と、電源59とについては、その構成および動作は、第二実施形態及び第三実施形態の場合と同じである。従い、ここでは説明を省略する。投射部56は、投射角度調整装置83に固定される。加速度センサ81は、その受けた加速度に応じた信号を、投射角度調整信号処理部82へ出力する。投射角度調整信号処理部82は、加速度センサ81から出力された信号をもとに、加速度センサ81の傾きを算出する。加速度センサ81は本投射機10Xの本体に固定されているので、加速度センサ81の傾きは、本投射機10Xの傾きである。投射角度調整信号処理部82はこの傾き情報に基づき、投射角度調整装置駆動部84に制御信号を出力し、投射角度調整装置駆動部84をコントロールする。具体的には、投射角度調整信号処理部82は、前記傾き情報をもとに、その傾きを補正し得る、投射角度調整装置83を駆動する駆動電圧の値を、駆動電圧データベース85に記録された情報を用いて算出し、この駆動電圧に関する情報信号を、前記制御信号に含める。投射角度調整装置駆動部84は投射角度調整信号処理部82からの制御信号に基づき、投射角度調整装置83を駆動する。投射角度調整装置83は、本投射機10Xの本体が傾いても、可能な限り、自らに固定された投射部56が傾かないようにし、投射角をほぼ一定に保つ。
図25は、第四実施形態における、投射角度調整装置83の構成例と動作を表わす概念図である。(a)は上面から見た図、(b)は側面図であり、(c)及び(d)はその動作を表わす説明図である。(a)および(b)に示したように、投射角度調整装置83は、固定部91、可動部92、3つの伸縮部93、および接続部94を備える。固定部91は、本投射機10Xの本体に固定されている。伸縮部93は、それぞれ、その一端が固定部91に固定されており、他端は、接続部94を介して、可動部92に接続されている。伸縮部93は典型的には電圧の印加により縦方向に変位するピエゾ素子を備える。この場合、伸縮部93は、印加電圧の値および印加方向により、縦方向に伸縮する。(c)及び(d)に示したように、一つの伸縮部93に正の電圧を印加し、他の伸縮部93に負の電圧を印加すると、一つの伸縮部93は伸長し、他の伸縮部93は縮小するため、可動部92を傾かせることができる。この傾きにより、本投射機10Xの傾きを補正することが可能となる。予め、3つの伸縮部93のそれぞれに、どちらの方向にどれだけの電圧をかければ、可動部92をどの方向にどれだけ傾かせることができるかのデータを駆動電圧データベース85に記憶させておくことにより、加速度センサ81からの信号から求めた傾きを相殺する角度の傾きを、可動部92に与えることができる。したがい、投射部56を可動部92に固定することにより、本投射機10Xの本体が傾いても、投射部56は可能な限り傾かないように補正することができる。
「可能な限り」と記述したのは、補正できる傾き角度の大きさには限度があり、その限度を超えない範囲内においてはという意味である。
加速度センサ81による傾き角度検出方法については、たとえば、特許文献3又は特許文献4に開示されている方法を用いればよい。
図26は、第四実施形態における、接続部94の概念図である。接続部94は、(a)に示した挿入治具102と、(b)に示した受け治具103とを備える。挿入治具は、球部100及びスペーサ101を備える。球部100は球の一部が欠けた形状である。スペーサ101は、直方体でも円柱でも構わないし、省略できる場合もある。受け治具103は、直方体や円柱等を図のように球状にくりぬいた形状である。この球状にくりぬいた部分を開口球部99という。開口球部99の直径96は、開口球部99の開口部98の直径95よりも大きい。開口球部99の開口部98の直径95は、球部100の直径97よりも小さい。また、開口球部99の直径96は球部100の直径97よりも少し大きい。接続部94は、(c)に示したように、挿入治具102を受け治具103に挿入して形成するが、上記各直径の大小関係により、球部100は開口球部99の中で回転することができ、球部100は開口球部99から外れることがない。このため、接続部94は、その一端が固定された伸縮部93が伸縮して高さ位置が変わった場合に、その他端が固定された可動部92が接続部94から外れることなく、可動部92を傾けることを可能にする。
図27は、第四実施形態における、本投射機10Xによる、投射角度補正の動作を表わす説明図である。まず、加速度センサ81が傾き角度を検出し、その情報を含む信号を投射角度調整信号処理部82へ出力する(S41)。次に、投射角度調整信号処理部82は、傾き角度の情報と駆動電圧データベース85に記憶されたデータ群とを照合して、上記傾きを補正できる、伸縮部93に印加すべき駆動電圧を特定する(S42)。図25の投射角度調整装置83を用いた場合には、伸縮部93は3つあるので、駆動電圧も3種類になる。駆動電圧の情報を含む信号は、投射角度調整装置駆動部84に出力される(S43)。投射角度調整装置駆動部84は、3つの伸縮部93のそれぞれに、この信号をもとに設定された電圧を印加する(S44)。
図28は、第四実施形態における、移動体検出装置の使用方法を表わす説明図である。図に示したように、移動体6に固定された本投射機10Xが垂直方向から傾くと、本投射機10Xはその傾きを検知して投射角を自動調整し、赤外線が常に被投射体1の方向を向くようにする。
本第四実施形態の装置を適用することにより、屋内においても、その屋内を形成している施設への特別な設備を設置することなしに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第四実施形態の装置は、無線通信用電波を利用しないため、移動体が無線通信用電波を遮蔽する障害物の陰に隠れている場合でも、その位置を検出することができる。
また、本第四実施形態の装置は人の肉眼で見えない赤外線を用いるため、移動体やその周囲の者に気づかれずに、移動体の位置を検出することができる。
また、本第四実施形態の装置は、移動体が複数の場合であっても、それぞれの移動体の位置を検出することができる。
また、本第四実施形態の装置は、撮像機から投射機までの距離を表示等出力することができる。
また、本第四実施形態の装置は、投射機を傾いても、投射角度をほぼ等しく保つことができ、そのため、移動体の位置をより精度よく検出することができる。
また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記1)
移動体に設置されもしくは移動体が保持し、移動体とともに移動可能であり、赤外線を投射することのできる投射機と、
前記投射機から投射された投射光を受光し反射している被投射体の一部を含む範囲を撮像しその撮像結果を出力する撮像機と、
を備える移動体検出装置。
(付記2)
前記投射機から投射された投射光を周囲に比べて特に多く受光し反射している被投射体の部分を含む範囲を撮像する撮像機を備える、付記1記載の移動体検出装置。
(付記3)
前記被投射体が建造物の天井である、付記1または2に記載の移動体検出装置。
(付記4)
複数の投射機を備え、当該複数の投射機のうち、少なくとも二の投射機が異なる投射パターンの光を投射し、
前記撮像機が、前記投射パターンを識別することにより、その投射パターンの投射光を投射した投射機を識別し、その識別結果を前記撮像結果と関連付けて出力する、
付記1乃至3のいずれか1に記載の移動体検出装置。
(付記5)
前記投射パターンが、
時間軸に対して投射強度が変化する投射パターン、
平面に投射された場合のその平面上での二次元での形状パターン、
時間軸に対して投射強度が変化する投射パターンと、平面に投射された場合のその平面上での二次元での形状パターンとの組み合わせ、
のいずれか一である、付記4に記載の移動体検出装置。
(付記6)
前記少なくとも二の投射機から投射されたそれぞれの前記被投射体の部分を同時に撮像する、付記4または5に記載の移動体検出装置。
(付記7)
前記撮像機が、前記被投射体の部分を含む範囲を撮像する撮像部と、撮像された前記被投射体の部分の像を表示する表示部と、操作部とを備え、前記撮像結果及び前記識別結果を当該表示部に出力する、付記1乃至6のいずれか一に記載された移動体検出装置。
(付記8)
前記撮像機と前記撮像機の直上の被投射体までの距離と、撮像した前記被投射体の部分の像の大きさとから、前記撮像機から前記投射機までの距離を算出する、付記1乃至7のいずれか一に記載の移動体検出装置。
(付記9)
前記撮像機が直線距離を測定できる機能を備え、当該機能により前記撮像機から前記撮像機の直上の被投射体までの距離を求める、付記8に記載の移動体検出装置。
(付記10)
前記投射機が、加速度センサと投射角度調整機構を備え、
前記投射機が予め設定された方向から傾いた場合に、加速度センサがその傾き角を検出し、
前記投射機から投射される光の方向が、前記投射機を前記予め設定された方向に設置した場合に前記投射機から投射される光とほぼ等しい方向になるように、可能な限り、前記投射の投射角を自動的に調整する、
付記1乃至9のいずれか一に記載の移動体検出装置。
(付記11)
前記撮像機がその撮像レンズにズーム機構を備える付記8または9に記載の移動体検出装置。