JP6397190B2 - 有効医薬品成分を含む固着装置 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、2010年11月12日に出願された米国仮特許出願第61/413,135号、標題「Devices And Methods For Anchoring A Medical Device Within A Body」の出願日の利益を主張するものである。
[発明の分野]
本発明は、一般に、体内に植込み型医療装置を固着するための装置及び方法であって、固着装置が、経時的に溶出される少なくとも1種のAPIを更に含む装置及び方法に関する。
患者の体内に植込み型医療装置を固定するよう用いられる一部の公知の固着装置は、例えば、植込み型心調律管理装置(例えば、植込み型心臓パルス発生器又は除細動器)等の植込み型医療装置がその中に配置され得るポケット又はポーチを形成するメッシュ構造体を包含することができる。固着構造体及び植込み型医療装置は、患者の体内の所望の場所に挿入することができる。固着用装置のメッシュ構造体は、植込み型医療装置を周囲組織に固着又は支持するのに役立つよう用いることができる。一部の公知の固着用装置は、治癒過程の間に組織に一時的な支持をもたらすよう用いられる。例えば、メッシュ固着用装置は、組織のある部分を組織の別の部分に固定することができる。
一部の公知の非生分解性固着用装置において、装置の除去又は外植は困難となり得る。例えば、装置の質量は、固着用装置への周囲組織の望ましくない量の線維性内部成長を生じることがあり、これにより、周囲組織に損傷を与えずに固着用装置を除去することが困難となり得る。このような状況下において、組織内部成長は、治療が完了した後に固着用装置の材料の望ましくない部分を患者の体内に残存させる可能性もある。一部の公知の非生分解性固着用装置は、硬過ぎ又は望ましくない質量を有することがあり、これもまた、装置の取り外しを困難なものとする可能性がある。一部の公知の生分解性固着用装置は、特定の使用には不十分な強度を有し及び/又は特定の使用に望ましい量の支持をもたらさない可能性がある。一部の公知の生分解性固着用装置は、固着用装置の強化に役立つ生分解性ポリマーコーティングを包含する。
よって、組織の支持及び/又は植込み型医療装置の組織への支持に用いることができ、低下した質量を有し、患者の身体から容易に取り外すことができ、有効医薬品成分を経時的に溶出することのできる、固着用装置の必要性がある。
本発明の一態様において、植込み型医療装置に連結したメッシュ基板を含む固着装置であって、メッシュ基板が、ポリマー及び少なくとも1種の有効医薬品成分(「API」)を含むコーティングを有する固着装置が提供される。一実施形態において、有効医薬品成分は、麻酔薬、抗生物質、抗炎症剤、凝血促進剤、線維症阻害剤、抗瘢痕化剤(anti-scarring agent)、ロイコトリエン阻害剤/アンタゴニスト、細胞増殖阻害剤及びこれらの混合物からなる群から選択される。別の一実施形態において、有効医薬品成分は、抗生物質である。別の一実施形態において、有効医薬品成分は、リファンピン及びミノサイクリン並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
別の一実施形態において、コーティング用のポリマーは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)ポリグリコール酸[ポリグリコリド]、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカルボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)、ポリエチレンオキシド、ポリジオキサノン、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−co−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンco−ブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスフェートエステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸コポリマー、ポリイミノカルボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカルボネート)−co−(2.5%トリメチレンカルボネート)]、ポリ(オルトエステル)、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカルボネート、チロシン由来ポリイミノカルボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリサッカリド、例えば、ヒアルロン酸、キトサン及び再生セルロースからなる群から選択される。別の一実施形態において、ポリマーは、ポリアリーレートである。一部の実施形態において、ポリマーは、チロシン由来ポリアリーレートである。他の実施形態において、チロシン由来ポリアリーレートは、ポリ(DTE co X%DTスクシネート)であり、Xは、約10%〜約30%である。また他の実施形態において、チロシン由来ポリアリーレートは、ポリ(DTE co X%DTスクシネート)であり、Xは、約26.5%〜約28.5%の範囲である。また更なる実施形態において、チロシン由来ポリアリーレートは、ポリ(DTE coX%DTスクシネート)であり、Xは、約27.5%である。一部の実施形態において、ポリマーは、P22−27.5DTである。他の実施形態において、ポリマーは、p22−27.5DTであり、APIは、ミノサイクリン、リファンピン及びこれらの混合物である。
別の一実施形態において、APIは、約1時間〜約168時間の範囲の期間にわたりコーティングから放出される。別の一実施形態において、APIは、1時間〜72時間の範囲の期間にわたりコーティングから放出される。別の一実施形態において、APIは、1時間〜24時間の範囲の期間にわたりコーティングから放出される。別の一実施形態において、ポリマーは、ポリアリーレートであり、APIは、抗生物質である。別の一実施形態において、ポリマーは、チロシン由来ポリアリーレートであり、APIは、リファンピン及びミノサイクリンからなる群から選択され、APIは、約1時間〜約24時間の範囲の期間にわたり溶出される。
別の一実施形態において、メッシュは、植込み型医療装置の一部分のみを覆う。別の一実施形態において、メッシュは、編み物(knitting)により形成されている。別の一実施形態において、メッシュは、約1mm〜約5mmのサイズの範囲の孔を含む。別の一実施形態において、メッシュは、低い面密度を有する。別の一実施形態において、コーティングにおけるAPIの量は、コーティング総重量の約5%〜約30%の間の範囲である。別の一実施形態において、コーティングは、約5μm〜約200μmの範囲の厚さを有する。
本発明の別の一態様において、植込み型医療装置に連結したメッシュ基板を含む固着装置を植込むステップを含む、細菌感染症を予防、緩和又は治療する方法が提供され、ここで、メッシュ基板は、ポリマー及び少なくとも1種の抗細菌又は抗菌剤を含むコーティングを有する。別の一実施形態において、有効医薬品成分は、リファンピン及びミノサイクリン並びにこれらの混合物からなる群から選択される。別の一実施形態において、APIは、約1時間〜約120時間の範囲の期間にわたりコーティングから放出される。
一部の実施形態において、ポリマーコーティングは、周囲の身体組織へと1種又は複数の薬物を放出して、植込み型医療装置(装置を取り囲む「ポケット」等)に付随した外科手術関連の合併症を低下させ又は予防し得る。例えば、ポリマーコーティングにおける麻酔薬は、周囲の身体組織、体液又は全身の体液へと溶出されて、植込み部位で経験される疼痛を減弱させることができる。別の一例において、麻酔薬を抗炎症剤で置き換えることにより、メッシュ基板及び/又は植込み型医療装置の植込みに付随した腫脹及び炎症を低下させることができる。また別の一例において、抗菌剤は、例えば、少なくとも外科的切開の初期治癒に必要な外科手術後の期間に、細菌がメッシュ基板、植込み型医療装置及び/又は外科的植込み部位にコロニー形成するのを予防し又は低下させるに十分な薬物放出速度で与えることができる。
本発明の別の一態様において、植込み型医療装置に連結したメッシュ基板を含む、時間的に変化する機械的特性を有する固着装置であって、前記メッシュ基板が、(1)植込み時に第一の剛性を付与し、(2)植込み当初と植込み後3ヶ月との間の時点に第二の剛性を有し、(3)植込み後3ヶ月と24ヶ月との間の時点に第三の剛性を有するポリマーコーティングを有する固着装置が提供される。一部の実施形態において、第一の剛性は、約10N/mである。他の実施形態において、第二の剛性は、約2N/mである。他の実施形態において、第三の剛性は、約1N/m未満である。他の実施形態において、固着装置は、ポリマーコーティング内に少なくとも1種の有効医薬品成分を更に含む。一部の実施形態において、有効医薬品成分は、抗生物質、好ましくは、リファンピン及びミノサイクリンの混合物である。
いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、経皮性(transdermal)医療装置を取り囲む又はこれに隣接する領域へと抗菌剤を経時的に溶出することにより、特に、本明細書に記載されている生物に対する微生物感染症の発生が、低下し、予防され又は緩和され得ると考えられる。
本発明の別の一態様において、患者の体内の治療部位での所望の位置における心臓除細動器又はペースメーカ等の植込み型医療装置の支持において用いるための装置及び方法が記載されている。一部の実施形態において、固着装置は、植込み型医療装置がその中に少なくとも部分的に配置され得るポケット又はエンベロープ(envelope)を画定するメッシュ基板を包含することができる。他の実施形態において、メッシュ基板は、組織に固定されて、植込み型医療装置を治療部位で支持することができる。他の実施形態において、これらの実施形態のメッシュ基板は、より小さい表面積、より少ない組織接触を有し、従って、除去のために必要とされる切開は少なくなる。他の実施形態において、取り外しを改善する手段は、組織が成長してそこに入り込まないよう、且つ、装置のその部分が除去のために組織の切開を必要としないよう、非常に小さい孔を有する又は孔が全くないメッシュで少なくとも部分的に構築された装置を包含する。他の実施形態において、植込み型医療装置は、装置を取り外す必要がないよう、装置の質量を低下させるように構成されていてよい。他の実施形態において、装置の質量を低下させる手段は、基板の質量を低下させるための、低い面密度を有するメッシュ又はメッシュの孔径よりも大きい1つ若しくは複数の開口部を有するメッシュの使用を包含する。他の実施形態において、装置全体は吸収性材料で構築されていてよい。他の実施形態において、生分解性ポリマーコーティングは、メッシュ基板の少なくとも一部分上に配置されていてよい。ポリマーコーティングは、治療部位で放出され得る薬物を包含することができる。
他の実施形態において、本明細書に記載されている固着装置は、様々な種類の組織間に物理的障壁を生じるよう、又は軟部組織における物理的欠陥に支持及び強度をもたらすよう用いることができる。また他の実施形態において、本明細書に記載されている固着装置は、例えば、植込み後の感染症、疼痛、過剰な瘢痕組織形成及び装具若しくはメッシュの収縮、過剰な瘢痕組織形成、制限された患者可動性及び/又は慢性疼痛等の、このような植込み型医療装置により生じ得る付随した術後合併症の量を低下させるように構成され得る。また他の実施形態において、固着装置のサイズ、形状及び/又は質量は、瘢痕組織形成及び組織内部成長の量を低下させるよう変動し得る。また更なる実施形態において、固着装置は、より細い繊維、より大きい織り目(weave)及び/又はより大きい孔径を用いるより軽重量のメッシュ並びに非吸収性及び吸収性材料の両方で織られたメッシュで構成されていてよい。
一部の実施形態において、固着装置は、その取り外しを必要としないよう、固着装置の質量を低下させるように構成されたメッシュ基板を包含することができる。他の実施形態において、メッシュ基板は、低い面密度を有するメッシュで形成されていてよい。一部の実施形態において、メッシュ基板は、固着装置の質量を低下させるための1つ又は複数の開口部を包含することができる。一部の実施形態において、装置全体は、吸収性材料又は吸収性材料の混合物で構築されていてよい。
他の実施形態において、固着装置の形状及び/又はサイズは、組織と接触する固着装置の表面積を低下させるように構成されていてよく、よって、植込み型医療装置に対する及び/又は固着装置が固定される組織への所望の量の支持を維持しつつ、除去のために必要とされる組織切開が少なくなると考えられる。
本明細書に記載されている通り、固着装置は、様々な異なる構成を包含することができ、これらの構成は、周囲組織への損傷を抑え及び/又は治療が完了した後に患者の体内に残存する固着装置の部分を低下させつつ患者の身体から除去若しくは取り外される固着装置を提供する。例えば、固着装置の種々の構成は、固着用装置の取り外しの必要性を低下させるために、低下した質量を有することができる。他の例として、装置のその部分における組織内部成長及び/又は瘢痕組織形成を低下させるために、非常に小さい孔を有する又は全く孔のないメッシュで少なくとも部分的に構築された固着用装置が挙げられる。
一実施形態に従った固着装置の略図である。 一実施形態に従った固着装置の正面図である。 例示的な先行技術の固着装置の正面図である。 固着装置に連結した植込み型医療装置の略図と共に示された、別の一実施形態に従った固着装置の正面図である。 別の一実施形態に従った固着装置の正面図である。 別の一実施形態に従った固着装置の正面図である。 別の一実施形態に従った固着装置の正面図である。 ポリマーコーティングと共に示された図5Aの固着装置の正面図である。 別の一実施形態に従った固着装置の正面図である。 図6Aの固着装置の側面図である。 第一の構成で示された別の一実施形態に従った固着装置の略側面図である。 第二の構成で示された図7Aの固着装置の略側面図である。 1つの例示的な手順の薬物放出対時間を示すグラフである。 1つの例示的な手順の薬物放出対時間を示すグラフである。 1つの例示的な手順の薬物放出対時間を示すグラフである。 ミノサイクリン及びリファンピンの累積放出を示すグラフである。 リファンピン及びケトプロフェンの累積放出を示すグラフである。 リファンピン及びデキサメタゾンの累積放出を示すグラフである。 ミノサイクリン及びリファンピンの累積放出を示すグラフである。 ミノサイクリン及びリファンピンの累積放出を示すグラフである。
例えば、植込み型医療装置の患者の体内の組織への支持又は固着において用いるための及び/又は患者の体内の組織を支持するための装置(本明細書において、「固着用装置」又は「固着装置」と総称される)及び方法が本明細書に記載されている。装置は、1種若しくは複数の有効医薬品成分又は1種若しくは複数のAPIを含む医薬品組成物若しくは製剤(本明細書において、「API」と総称される)を含み得る。本明細書に更に記載されている通り、APIは、固着用装置の表面上にコーティングされていても、医療装置の表面上のポリマーマトリクス内に存在しても、或いはポリマーマトリクス又は固着用装置それ自体を含む他の材料内に包埋されていてもよい。APIは、固着用装置に隣接する又はそれを取り囲む領域において局所的に、或いは全身的に、経時的に放出され得る。
本明細書において、用語「有効医薬品成分」又は「API」は、タンパク質、核酸及び他の対象とする生物由来物質等の、小分子であれ大分子であれ、全ての種類の治療剤を包含するよう用いられる。本発明のAPIは、単独で又は組み合わせて用いることができる。APIは、他の活性又は不活性成分と共に製剤の一部となり得る。
本明細書において、用語「植込み型医療装置」(以下「IMD」)は、体腔に挿入される医療装置を意味し、この用語は、本明細書において用いられる際、非植込み型医療装置も包含する。医療装置の非限定的な例は、本明細書において説明されている。このようなものとして、移植片(例えば、腹部大動脈瘤移植片等)、ステント、カテーテル(動脈性、静脈内、血圧、ステント移植片等を含む)、弁(例えば、ポリマー又はカーボン機械弁)、塞栓保護フィルタ(遠位保護装置を含む)、大静脈フィルタ、動脈瘤排除装置、人工心臓、心臓ジャケット(cardiac jacket)及び心臓補助装置(左心室補助装置を含む)、植込み型除細動器、電気刺激装置及びリード(lead)(ペースメーカ、リードアダプタ及びリードコネクタを含む)、植込まれた医療装置電源、末梢心血管装置、心房中隔欠損閉鎖、左心耳フィルタ、弁輪形成装置、僧帽弁修復装置、血管インターベンション装置、循環補助ポンプ及び血管アクセス装置(非経口栄養カテーテル、血管アクセスポート、中心静脈アクセスカテーテルを含む)等の血管装置;全ての種類の縫合糸、吻合装置(吻合閉鎖を含む)、縫合糸アンカー、止血性バリア、スクリュー、プレート、クリップ、血管インプラント、組織スキャフォールド、髄液シャント、水頭症用のシャント、ドレナージ管、胸腔吸引ドレナージカテーテル、膿瘍ドレナージカテーテルを含むカテーテル、胆管ドレナージ製品及び植込み型ポンプ等の外科手術装置;関節インプラント、寛骨臼カップ、膝蓋骨ボタン、骨修復/増強装置、脊髄装置(例えば、脊椎ディスクなど)、骨ピン、軟骨修復装置及び人工腱等の整形外科装置;歯インプラント及び歯破損修復装置等の歯装置;薬物送達ポンプ、植込み型薬物注入管、薬物注入カテーテル及び硝子体内薬物送達装置等の薬物送達装置;強膜バックル及びスポンジ、緑内障ドレーンシャント及び眼内レンズ等の眼装置;陰茎装置(例えば、インポテンツ用インプラント)、括約筋、尿道、前立腺及び膀胱装置(例えば、失禁用装置、良性前立腺肥大症管理装置、前立腺癌インプラント等)、留置(「フォーリー」)及び非留置尿路カテーテルを含む尿路カテーテル及び腎臓装置等の泌尿器装置;乳房装具及び人工臓器(例えば、膵臓、肝臓、肺、心臓等)等の合成装具;肺カテーテルを含む呼吸器装置;神経刺激装置、神経カテーテル、神経血管バルーンカテーテル、神経動脈瘤治療コイル及びニューロパッチ等の神経装置;副木、イヤーウィック、耳ドレナージ管、鼓膜切開ベントチューブ、耳鼻科的ストリップ(otological strip)、喉頭摘出チューブ、食道チューブ、食道ステント、喉頭ステント、唾液バイパスチューブ及び気管開口チューブ;腫瘍学的インプラント;並びに疼痛管理インプラントが挙げられる。
適切な非植込み型装置のクラスとして、透析装置並びに付随チューブ、カテーテル、膜及び移植片;自己血輸血装置;粥腫切除カテーテル、血管造影カテーテル、大動脈内バルーンポンプ、心臓内吸引装置、血液ポンプ、血液酸素供給装置(チューブ及び膜を含む)、血液フィルタ、血液温度モニタ、血液灌流装置、プラスマフェレーシス装置、トランジションシース、拡張器、子宮内圧装置、血餅抽出カテーテル、経皮的血管形成術カテーテル、電気生理学的カテーテル、呼吸回路コネクタ、スタイレット(血管及び非血管)、冠血管ガイドワイヤ、末梢ガイドワイヤを含む血管及び外科手術装置;拡張器(例えば、泌尿器等);外科手術器具(例えば、外科用メスなど);内視鏡的装置(内視鏡的外科的組織抽出器、食道聴診器等);並びに血液貯蔵バッグ、臍テープ、膜、手袋、手術用ドレープ、創傷被覆材、創傷管理装置、針、経皮的閉鎖装置、トランスデューサー保護装置、ペッサリー、子宮出血パッチ、PAPブラシ、鉗子(ブルドッグ鉗子を含む)、カニューレ、細胞培養装置、in vitro診断用の材料、クロマトグラフィー支持材、感染症制御装置、結腸瘻バッグ取り付け装置、受胎調節装置等の一般的な医療及び医療関連の装置;使い捨て温度プローブ;並びに綿球を挙げることができる。
本明細書において、用語「メッシュ」は、固体又は半固体材料で構成されたメッシュ、ポーチ、バッグ、覆い、シェル、皮又はレセプタクルを意味する。本発明によるメッシュは、編まれた、紐編された(braided)、織られた又は不織のフィラメント又は繊維の構築を有する任意の織布又は布地であり、該フィラメント又は繊維は、複数の孔を画定するフィラメントのマトリクスを包含する布地又は布地状の材料を作り出すように組み合わされている。
本明細書において、用語「生分解性」は、例えば、体液により少なくとも部分的に破壊又は分解され、身体から老廃物として廃棄され得る材料を意味する。よって、「非生分解性」は、体液によって破壊又は分解できない材料を意味し得る。
本明細書において、用語「吸収性」は、例えば、体液により少なくとも部分的に破壊又は分解され、体内に同化され得る材料を意味する。よって、本明細書における「非吸収性」材料は、例えば、体液によって破壊又は分解できない材料を意味し得る。
一部の実施形態において、本明細書に記載されている固着装置は、患者の体内の治療部位で植え込むための植込み型医療装置がその中に少なくとも部分的に配置され得る、或いはそこに連結され得るポケット又はエンベロープを画定するメッシュ基板を包含する。メッシュ基板は、組織に固定されて、植込み型医療装置を治療部位で支持することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載されている固着装置は、植込み型医療装置上又はその付近の細菌増殖の阻害若しくは低下、疼痛軽減の達成及び/又は瘢痕若しくは線維症の阻害に役立つよう用いることができる。
図1は、一実施形態に従った固着装置の略図である。固着装置100は、患者の体内の所望の治療部位で植込むための植込み型医療装置120に連結されていてよいメッシュ基板124を包含する。図1に示す通り、固着装置100は、植込み型医療装置120を組織部分T1等の周囲組織に支持及び/又は固定化することができる。一部の実施形態において、固着装置100は、単独で(例えば、植込み型医療装置120なしで)用いて、組織部分T1等の組織部分に対する支持をもたらすことができる。例えば、固着装置100は、治癒の間の1以上の罹患組織の支持に用いられるヘルニアメッシュとして構成されていてよい。
メッシュ基板124(本明細書において、「基板」とも称される)は、植込み型医療装置120を受け入れるように又はそこに連結するように構成されたポーチ、ポケット、エンベロープ又は他の連結部分を画定することができる。一部の実施形態において、メッシュ基板124は、植込み型医療装置120の少なくとも一部分を包み込む又は取り囲むことができる。上述の通り、固着装置100は、例えば、植込み型医療装置120を患者の体内の所望の治療部位で固定するよう、疼痛軽減を達成するよう、瘢痕若しくは線維症を阻害するよう及び/又は細菌増殖を阻害するよう用いることができる。
メッシュ基板124は、体内の組織に固定され得る1つ又は複数のメッシュ材料シート又は部分で形成されていてよい。メッシュ材料シートは、所望の形状及びサイズの基板124を製造するためにレーザー切断することができる。基板124のメッシュ材料は、体内に植込まれたときに組織内部成長を収納及び/又は促進することができ、或いは取り外しを容易にするために組織内部成長を阻害することができる。一部の実施形態において、基板124は、植込み型医療装置120の少なくとも一部分をその中に受け入れるように構成されたポーチ、ポケット又はエンベロープを形成する単一のメッシュ材料シートを包含する。一部の実施形態において、基板124は、熱、超音波又は当業者にとって公知の任意のその他の方法により一緒に密封された2つ以上のメッシュ材料シートを包含することができる。
一部の実施形態において、基板124の一部分又は側面は、植込み型医療装置120の挿入を可能にするよう、且つ植込み型医療装置120に連結したリード又は他のワイヤが、基板120外に延在できるよう開放されたままでよい。例えば、第一のメッシュ材料シートは、第二のメッシュ材料シートに、メッシュ材料シートの周辺の一部分に沿って超音波的に密封されていてよい。
一部の実施形態において、基板124は、合成であっても又は天然起源であってもよい1つ又は複数の生体適合性材料で形成されていてよい。生体適合性材料の非限定的な例として、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、シリコーン、ポリスルホン、金属、合金、チタン、ステンレス鋼、形状記憶金属(例えば、ニチノール)及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。他の実施形態において、基板124は、例えば、非生分解性ポリマー等の非生分解性材料で全体的に又は少なくとも部分的に形成されていてよい。また他の実施形態において、基板124は、非生分解性メッシュ材料で全体的に形成されていてよい。代替的な実施形態において、基板124は、非吸収性材料又は非生分解性でもあり非吸収性でもある材料で形成されていてよい。一部の実施形態において、基板は、経時的に溶出され得る1種又は複数のAPIを包含することができる。
基板124は、1つ又は複数のコーティング126で少なくとも部分的にコーティングされていてよい。一部の実施形態において、コーティング126は、1種若しくは複数のAPI又は1種若しくは複数のAPIを含む医薬品製剤で構成されている。他の実施形態において、コーティング126は、生分解性及び/又は吸収性ポリマーで構成されている。また他の実施形態において、コーティング126は、生分解性及び/又は吸収性ポリマー又はコポリマーマトリクス内に包埋された1種又は複数のAPIで構成されている。
コーティングにおいて単独で、或いは1種又は複数のAPIと組み合わせて用いることのできる生分解性及び吸収性ポリマーの例は、例えば、それらの開示の全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、米国特許出願公開第2008/0132922号及び米国特許出願公開第2008/0128315号に記載されている。単独で、或いは1種又は複数のAPIと併せて用いることのできる他の生分解性及び/又は吸収性ポリマーコーティングは、同時係属出願の米国特許出願第61/509,843号(米国特許出願公開第2014/0220098号)及びPCT/US11/49140(国際公開第2012/027566号)に記載されており、各開示は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明のコーティング組成物において用いることのできる他のポリマーとして、ポリ乳酸、ポリグリコール酸並びにこれらのコポリマー及び混合物、例えば、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PLA,)ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカルボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)(PGA/PCL);ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−co−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトンco−ブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスフェートエステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸コポリマー、ポリイミノカルボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカルボネート)−co−(2.5%トリメチレンカルボネート)]、ポリ(オルトエステル)、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカルボネート、チロシン由来ポリイミノカルボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリサッカリド、例えば、ヒアルロン酸、キトサン及び再生セルロース、並びにゼラチン及びコラーゲン等のタンパク質並びにこれらの混合物及びコポリマー、とりわけ、前述のいずれかのPEG誘導体又はブレンドが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態において、本発明の生分解性ポリマーは、適切な化学部分と共重合して、ポリアリーレート、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリホスホネート又は任意のその他のポリマーを形成するジフェノールモノマー単位を有する。
好ましい生分解性ポリマーは、米国特許第4,980,449号;第5,099,060号;第5,216,115号;第5,317,077号;第5,587,507号;第5,658,995号;第5,670,602号;第6,048,521号;第6,120,491号;第6,319,492号;第6,475,477号;第6,602,497号;第6,852,308号;第7,056,493号;RE37,160E;及びRE37,795Eに記載されているもの並びに米国特許出願公開第2002/0151668号;第2003/0138488号;第2003/0216307号;第2004/0254334号;第2005/0165203号に記載されているもの並びにPCT公開国際公開第99/52962号;国際公開第01/49249号;国際公開第01/49311号;国際公開第03/091337号に記載されているものを含む、チロシンベースのポリアリーレートである。これらの特許及び刊行物は、ポリアリーレート、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリチオカーボネート、ポリホスホネート及びポリエーテルを含む、チロシン由来ジフェノールモノマー単位又は他のジフェノールモノマー単位を含有する他のポリマーも開示している。前述の特許及び刊行物は、これらポリマーを作製するための方法を記載しているが、そのうちの一部の方法は、他の生分解性ポリマーの合成に適用することができる。最後に、前述の特許及び刊行物は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むポリアルキレンオキシドとのブレンド及びコポリマーも記載している。このようなポリマーは全て、本発明における使用に企図されている。
本明細書において、DTEは、ジフェノールモノマーデスアミノチロシル(−チロシンエチルエステルであり;DTBnは、ジフェノールモノマーデスアミノチロシル−チロシンベンジルエステルであり;DTは、対応する遊離酸型、即ち、デスアミノチロシル−チロシンである。BTEは、ジフェノールモノマー4−ヒドロキシ安息香酸−チロシルエチルエステルであり;BTは、対応する遊離酸型、即ち、4−ヒドロキシ安息香酸−チロシンである。
P22は、DTEのスクシネートとの縮合によって生成されたポリアリーレートコポリマーである。P22−10、P22−15、P22−20、P22−xx等は、(1)表示パーセンテージのDT(即ち、10、15、20及びxx%DT等)を用いるDTE及びDTの混合物の、(2)スクシネートとの縮合により生成されたコポリマーを表す。
追加的な好ましいポリアリーレートは、デスアミノチロシル−チロシン(DT)及びデスアミノチロシル−チロシルエステル(DTエステル)のコポリマーであり、ここで、コポリマーは、約0.001%DT〜約80%DTを含み、エステル部分は、最大18炭素原子を有する分岐又は非分岐アルキル、アルキルアリール又はアルキレンエーテル基であることができ、それらの任意の基は、場合によってその中にポリアルキレンオキシドを有し得る。同様に、ポリアリーレートの別の基は、デスアミノチロシル部分が4−ヒドロキシベンゾイル部分によって置き換えられている以外は前述のものと同一である。好ましいDT又はBT含有量は、約1%〜約30%、約5%〜約30%、約10〜約30%のDT又はBTを有するコポリマーを包含する。好ましい二酸(ポリアリーレートの形成において用いられる)は、スクシネート、グルタレート及びグリコール酸を包含する。
本発明に有用な追加的な生分解性ポリマーは、2005年11月3日に出願された米国特許仮出願第60/733,988号(米国特許出願公開第2009/0088548号)及び2006年11月3日に出願されたその対応するPCT出願PCT/US06/42944(国際公開第2007/056134号)に開示されている生分解性、吸収性ポリアリーレート及びポリカーボネートである。これらのポリマーとして、BTEグルタレート、DTMグルタレート、DTプロピルアミドグルタレート、DTグリシンアミドグルタレート、BTEスクシネート、BTMスクシネート、BTEスクシネートPEG、BTMスクシネートPEG、DTMスクシネートPEG、DTMスクシネート、DT N−ヒドロキシスクシンイミドスクシネート、DTグルコサミンスクシネート、DTグルコサミングルタレート、DT PEGエステルスクシネート、DT PEGアミドスクシネート、DT PEGエステルグルタレート、DT PEGエステルスクシネート、DTMB ポリ(デスアミノチロシル(Desaminotyrsoyl)チロシンメチルパラベンエステル−グルタレート)及びDTPP ポリ(デスアミノチロシルチロシンプロピルパラベンエステル−グルタレート)が挙げられるがこれらに限定されない。
最も好ましいポリアリーレートは、DTE−DTスクシネートファミリーのポリマー、例えば、約1、2、5、10、15、20、25、27.5、30、35、40%、45%及び50%DTを含むがこれらに限定されない、0〜50%、5〜50%、5〜40%、1〜30%又は10〜30%DTを有するP22−xxファミリーのポリマーである。一部の実施形態において、ポリマーは、P22−27.5DTである。
更に、本発明において用いられるポリアリーレートポリマーは、米国特許仮出願第60/733,988号(米国特許出願公開第2009/0088548号)に記載されている通り、分解過程を促進するために0.1〜99.9%のPEG二酸を有してよい。ポリアリーレート又は他の生分解性ポリマーとポリアリーレートとのブレンドも好ましい。
メッシュをポリマー及び/又はAPIでコーティングする方法は、米国特許出願公開第2008/0132922号に開示されており、その開示は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。一部の実施形態において、コーティングは、メッシュ上に散布される。他の実施形態において、固着装置は、メッシュをコーティング組成物へと浸漬することによりコーティングされる。
一部の実施形態において、コーティングは、約5μm〜約200μmの範囲の厚さを有する。他の実施形態において、コーティングは、約5μm〜約20μmの範囲の厚さを有する。また他の実施形態において、コーティングは、約10μmの厚さを有する。
コーティング126は、複数の目的を果たすことができる。一部の実施形態において、コーティング126は、基板124に剛性又は強度をもたらすことができる。剛性は、ある時点において装置が特定の剛性を有するように、装置又は装置上のコーティングに設計され得る。一部の実施形態において、コーティングは、基板を少なくとも一時的に硬くするように、装置に対し選ばれる。他の実施形態において、コーティングは、コーティングなしの基板の剛性の少なくとも約1.1倍の剛性をもたらすように、装置に対し選ばれる。また他の実施形態において、コーティングは、コーティングなしの基板の剛性の約1.1〜約4.5倍の間の剛性をもたらすように、装置に対し選ばれる。また更なる実施形態において、コーティングは、コーティングなしの基板の剛性の約1.25〜約2倍の間の剛性をもたらすように、装置に対し選ばれる。
コーティングが少なくとも1種のAPIを含む他の実施形態において、コーティングは、固着装置100の外科的植込みの間又はその後の細菌感染症の発生を予防、治療又は緩和するよう、APIの経時的な放出を可能にし得る。(1)コーティングの数、(2)コーティングの厚さ及び(3)コーティングにおいて用いられる構成成分を変化させることにより、基板124の剛性並びに/又は1以上のコーティング126からの薬物放出の量及び/若しくは速度を目的に合わせて調整することが可能である。
APIを含む固着装置100は、送達されるAPIの量、APIの種類(例えば、作用機序)、2種以上の異なるAPIが存在する場合はAPI間の相乗作用及び所望の放出速度に応じて、単一又は複数のコーティング層126でコーティングされていてよい。各コーティング層126は、同一又は異なるポリマー、同一又は異なるAPI及び同一又は異なる量のポリマー又はAPI構成成分のいずれかを含有し得る。例えば、第一のコーティング層はAPIを含有し得るが、一方、第二のコーティング層は、APIを含有せず又はより低濃度のAPIを含有する。別の一例として、第一のコーティング層は、第一のポリマー中に第一のAPIを含み得るが、一方、第二のコーティング層は、第一のコーティング層における第一のポリマーと同一又は異なるポリマー中に第二の異なるAPIを含む。
任意のAPIが本発明のコーティングに取り込まれてもよい。このようなAPIの用量は、当業者にとって公知であり、任意のコーティング中に包含される任意の単一APIの量は、容易に推量することができる。本発明のAPIの薬学的に許容される任意の形態、例えば、その遊離塩基又は薬学的に許容される塩若しくはエステルが本発明において用いられてもよい。薬学的に許容される塩として、例えば、硫酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などが挙げられる。
本発明での使用に適切なAPIの例として、麻酔薬、抗生物質(又は「抗菌剤」;これらの用語は、本明細書において互換的に用いられている)、抗炎症剤、凝血促進剤、線維症阻害剤、抗瘢痕化剤、ロイコトリエン阻害剤/アンタゴニスト、細胞増殖阻害剤などが挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬の例として、ナプロキセン、ケトプロフェン、イブプロフェン及びジクロフェナク;セレコキシブ;スリンダク;ジフルニサル;ピロキシカム;インドメタシン;エトドラク;メロキシカム;r−フルルビプロフェン;メフェナム酸;ナブメトン;トルメチン、並びに前述のそれぞれのナトリウム塩;ケトロラクブロメタミン(bromethamine);ケトロラクブロメタミントロメタミン;トリサルチル酸コリンマグネシウム;ロフェコキシブ;バルデコキシブ;ルミラコキシブ;エトリコキシブ;アスピリン;サリチル酸及びそのナトリウム塩;アルファ、ベータ、ガンマ−トコフェロール及びトコトリエノールのサリチル酸エステル(並びに全てのこれらのd、l及びラセミ異性体);並びにアセチルサリチル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、エステルが挙げられるがこれらに限定されない。
麻酔薬の例として、リコダイン(licodaine)、ブピバカイン及びメピバカインが挙げられるがこれらに限定されない。鎮痛剤、麻酔薬及び睡眠薬の更なる例として、アセトアミノフェン、クロニジン、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピンアンタゴニストのフルマゼニル、リドカイン、トラマドール、カルバマゼピン、メペリジン、ザレプロン、トリミプラミンマレイン酸塩、ブプレノルフィン、ナルブフィン、ペンタゾカイン、フェンタニル、プロポキシフェン、ヒドロモルホン、メサドン、モルヒネ、レボルファノール及びヒドロコドンが挙げられるがこれらに限定されない。局所麻酔薬は、弱い抗細菌特性を有し、急性疼痛及び感染症の予防において二重の役割を果たすことができる。
抗細菌剤又は抗菌剤の例として、トリクロサン、クロルヘキシジン、リファンピン、ミノサイクリン(又は他のテトラサイクリン誘導体)、バンコマイシン、ゲンタマイシン、セファロスポリンなどが挙げられるがこれらに限定されない。更なる抗細菌剤又は抗菌剤として、アズトレオナム;セフォテタン及びその二ナトリウム塩;ロラカルベフ;セフォキシチン及びそのナトリウム塩;セファゾリン及びそのナトリウム塩;セファクロル;セフチブテン及びそのナトリウム塩;セフチゾキシム;セフチゾキシムナトリウム塩;セフォペラゾン及びそのナトリウム塩;セフロキシム及びそのナトリウム塩;セフロキシムアキセチル;セフプロジル;セフタジジム;セフォタキシム及びそのナトリウム塩;セファドロキシル;セフタジジム及びそのナトリウム塩;セファレキシン;セファマンドールナフェート(nafate);セフェピム並びにその塩酸塩、硫酸塩及びリン酸塩;セフジニル及びそのナトリウム塩;セフトリアキソン及びそのナトリウム塩;セフィキシム及びそのナトリウム塩;セフポドキシムプロキセチル;メロペネム及びそのナトリウム塩;イミペネム及びそのナトリウム塩;シラスタチン及びそのナトリウム塩;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;ジリスロマイシン;エリスロマイシン並びにその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩、エチルコハク酸エステル及びステアリン酸塩形態、クリンダマイシン;クリンダマイシン塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;リンコマイシン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩、トブラマイシン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;ストレプトマイシン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;バンコマイシン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;ネオマイシン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;アセチルスルフイソキサゾール;コリスチメタート及びそのナトリウム塩;キヌプリスチン;ダルホプリスチン;アモキシシリン;アンピシリン及びそのナトリウム塩;クラブラン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩;ペニシリンG;ペニシリンGベンザチン又はプロカイン塩;ペニシリンGナトリウム又はカリウム塩;カルベニシリン及びその二ナトリウム又はインダニル二ナトリウム塩;ピペラシリン及びそのナトリウム塩;チカルシリン及びその二ナトリウム塩;スルバクタム及びそのナトリウム塩;モキシフロキサシン;シプロフロキサシン;オフロキサシン;レボフロキサシン;ノルフロキサシン;ガチフロキサシン;トロバフロキサシンメシル酸塩;アラトロフロキサシンメシル酸塩;トリメトプリム;スルファメトキサゾール;デメクロサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;ドキシサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;ミノサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;テトラサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;オキシテトラサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;クロルテトラサイクリン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;メトロニダゾール;ダプソン;アトバコン;リファブチン;リネゾリド;ポリミキシンB及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;スルファセタミド及びそのナトリウム塩;並びにクラリスロマイシンが挙げられる。好ましい実施形態において、コーティングは、リファンピン及び別の抗菌剤を含有し、好ましくは、該抗菌剤は、テトラサイクリン誘導体である。別の好ましい一実施形態において、コーティングは、セファロスポリン及び別の抗菌剤を含有する。好ましい組み合わせとして、リファンピンとミノサイクリン、リファンピンとゲンタマイシン及びリファンピンとミノサイクリンが挙げられる。
2種の抗生物質の混合物が用いられる場合、これらは一般に、約10:1〜約1:10の範囲の比率で存在する。一部の実施形態において、リファンピン及びミノサイクリンの混合物が用いられる。このような実施形態において、リファンピン対ミノサイクリンの比率は、約5:2〜約2:5の範囲である。他の実施形態において、リファンピン対ミノサイクリンの比率は約1:1である。
抗真菌薬の例として、アンホテリシンB;ピリメタミン;フルシトシン;カスポファンギン酢酸塩;フルコナゾール;グリセオフルビン;テルビナフィン及びその塩酸塩、硫酸塩又はリン酸塩;ケトコナゾール;ミクロナゾール;クロトリマゾール;エコナゾール;シクロピロクス;ナフチフィン;並びにイトラコナゾールが挙げられる。
本発明のメッシュポーチ上のコーティングに取り込まれ得る他のAPIとして、ケフレックス、アシクロビル、セフラジン、マルファレン、プロカイン、エフェドリン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、プルンバギン、アトロピン、キニーネ、ジゴキシン、キニジン、生物活性ペプチド、セフラジン、セファロチン、シス−ヒドロキシ−L−プロリン、メルファラン、ペニシリンV、アスピリン、ニコチン酸、ケノデオキシコール酸、クロラムブシル、パクリタキセル、シロリムス、シクロスポリン、5−フルオロウラシルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
追加的なAPIは、上皮増殖因子、PDGF、VEGF、FGF(線維芽細胞増殖因子)などの、血管新生阻害剤として作用し又は細胞増殖を阻害するものを包含する。これらのAPIは、エンドスタチン及びサリドマイド等の、抗増殖因子抗体(ニュートロフィリン−1)、増殖因子受容体特異的阻害剤を包含する。有用なタンパク質の例として、上皮増殖因子等の細胞増殖阻害剤が挙げられる。
抗炎症性化合物の例として、酢酸アネコルタブ;テトラヒドロコルチゾール、4,9(11)−プレグナジエン−17α、21−ジオール−3,20−ジオン及びその21−アセテート塩;111−エピコルチゾール;17α−ヒドロキシプロゲステロン;テトラヒドロコルテキソロン;コルチゾナ;コルチゾンアセテート;ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンアセテート;フルドロコルチゾン;フルドロコルチゾンアセテート;フルドロコルチゾンホスフェート;プレドニゾン;プレドニゾロン;プレドニゾロンナトリウムホスフェート;メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロンアセテート;メチルプレドニゾロン、ナトリウムスクシネート;トリアムシノロン;トリアムシノロン−16,21−ジアセテート;トリアムシノロンアセトニド及びその−21−アセテート、−21−二ナトリウムホスフェート、及び−21−ヘミスクシネート形態;トリアムシノロンベネトニド;トリアムシノロンヘキスアセトニド;フルオシノロン及びフルオシノロンアセテート;デキサメタゾン及びその−21−アセテート、−21−(3,3−ジメチルブチレート)、−21−ホスフェート二ナトリウム塩、−21−ジエチルアミノアセテート、−21−イソニコチネート、−21−ジプロピオネート、及び−21−パルミネート形態;ベタメタゾン及びその−21−アセテート、−21−アダマントエート、−17−ベンゾエート、−17,21−ジプロピオネート、−17−バレレート、及び−21−ホスフェート二ナトリウム塩;ベクロメタゾン;ベクロメタゾンジプロピオネート;ジフロラソン;ジフロラソンジアセテート;モメタゾンフロエート;及びアセタゾラミドが挙げられるがこれらに限定されない。
ロイコトリエン阻害剤/アンタゴニストの例として、アシタザノラスト、イラルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト、ザフィルルカスト及びジロートン等のロイコトリエン受容体アンタゴニストが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明のコーティングに取り込まれ得る別の有用な薬物は、2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(「MESNA」)である。MESNAは、乳房インプラントによる被膜拘縮の動物研究において、筋線維芽細胞形成を減少させることが示されたことから[Ajmalら(2003)Plast.Reconstr.Surg.112:1455〜1461]、抗線維症剤として作用し得る。
凝血促進剤として、ゼオライト、トロンビン及び凝固因子濃縮物が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態において、コーティング中に包含されるAPIの量は、約0.3〜約2.8マイクログラム/cm2の間の範囲である。他の実施形態において、コーティング中に包含されるAPIの量は、約0.6〜約1.4マイクログラム/cm2の間の範囲である。また他の実施形態において、コーティング中に包含されるAPIの量は、約0.85〜約1.20マイクログラム/cm2の間の範囲である。また更なる実施形態において、コーティング中に包含されるAPIの量は、約0.90〜約1.10マイクログラム/cm2の間の範囲である。
他の実施形態において、コーティング中に包含されるリファンピン及びミノサイクリンのそれぞれの量は、約0.6〜約1.4マイクログラム/cm2の間の範囲である。また他の実施形態において、コーティング中に包含されるリファンピン及びミノサイクリンのそれぞれの量は、約0.85〜約1.20マイクログラム/cm2の間の範囲である。また更なる実施形態において、コーティング中に包含されるリファンピン及びミノサイクリンのそれぞれの量は、約0.90〜約1.10マイクログラム/cm2の間の範囲である。
一般に、コーティング126は、1種又は複数のAPIを経時的に放出するよう設計されている。一部の実施形態において、APIは、固着装置100を取り囲む又はそれに隣接する領域(例えば、装置「ポケット」内又は全次元で3インチ(7.6cm)以内等)において経時的に溶出される。一部の実施形態において、APIは、最大30日間溶出され得る(例えば、図10、11及び13を参照)。一部の実施形態において、APIの約40%〜約100%の間が、少なくとも約30時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの60%及び約100%が、少なくとも約30時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの約65%〜約100%の間が、少なくとも約36時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの80%及び約100%が、少なくとも約36時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの約60%〜約100%の間が、少なくとも約48時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの80%及び約100%が、少なくとも約48時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの約60%〜約100%の間が、少なくとも約60時間の期間にわたり放出される。他の実施形態において、APIの80%及び約100%が、少なくとも約60時間の期間にわたり放出される。
また更なる実施形態において、APIの60%以下が、24時間以内に放出される。尚更なる実施形態において、APIの90%以下が、60時間後に放出される。一実施形態において、APIの50%以下が、12時間以内に放出され;約40%〜約90%の間が、12〜24時間の間に放出され;約60%〜約100%の間が、24〜36時間の間に放出され;約65%〜約100%の間が、36〜48時間の間に放出され;約70%〜約100%の間が、48〜60時間の間に放出される。
一部の実施形態において、コーティングされた装置は、細菌のコロニー形成又は感染症の予防、治療又は緩和に用いることができる。一部の実施形態において、コーティングは、1以上の抗菌剤が経時的に溶出され得るように、1以上の抗細菌剤を含む。他の実施形態において、コーティングは、ミノサイクリン、リファンピン又はミノサイクリン及びリファンピンの混合物を含む。他の実施形態において、抗細菌剤は、少なくとも24時間の期間にわたり溶出される。また更なる実施形態において、抗細菌剤の累積放出は、24時間にわたり少なくとも約30%である。また更なる実施形態において、抗菌剤の累積放出は、24時間にわたり少なくとも約40%である。また他の実施形態において、抗菌剤の累積放出は、24時間にわたり少なくとも約50%である。また更なる実施形態において、抗菌剤の少なくとも約80%が3日後に放出される。当然ながら、当業者に認識されている通り、これらの放出速度は、異なるポリマーコーティング組成物を選ぶことにより変動し得る。
一実施形態において、固着装置100は、心血管植込み型電子装置CIEDである植込み型医療装置120の植込みにおいて用いられるように構成されていてよい。このような実施形態において、固着装置100はポリマーコーティング126を包含することができ、ポリマーコーティング126は、植込まれたCIEDに隣接する周囲組織へと放出されて、CIED感染症を低下させ又は予防するように構成された抗生物質の薬物動態プロファイルを包含する。ポリマーコーティング126からの抗生物質放出のこのような薬物動態プロファイルは、植込まれたCIEDに対して抗生物質の空間的及び時間的分布を定めることができ、このことは、植込み型CIEDの臨床的な有効性及び安全性を決定し得る。一部の実施形態において、植込まれたCIEDに隣接する抗生物質放出の薬物動態プロファイルは、CIED感染症予防法に対する最適な有効性及び安全性を達成できる。CIED感染症を予防し又は低下させるよう設計された、植込まれたCIEDからのin vivo抗生物質放出の薬物動態プロファイルは、いくつかの特徴によって特徴づけることができ、このような特徴として、例えば:(1)抗生物質の75%未満が、CIEDの植込み後最初の24時間においてポリマーコーティングにより放出され得ること;(2)抗生物質の80%超が、CIEDの植込み後最初の48時間においてポリマーコーティングにより放出され得ること;(3)抗生物質の95%超が、CIEDの植込み後最初の7日間においてポリマーコーティングから放出され得ること;(4)抗生物質が、少なくとも500ng/mlの感度を有するアッセイにより、CIEDの植込み後1時間、24時間及び72時間目に体循環において検出不能となること;或いは(5)抗生物質が、CIEDの両側面上で、CIEDの植込み後少なくとも48時間、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する抗生物質の最小発育阻止濃度(「MIC」)に等しい又はこれを超えるレベルを達成できることを挙げることができる。これらの実施形態において、任意の、1以上の抗生物質又は1以上の抗菌化合物が用いられてもよい。特に好ましい実施形態において、抗生物質又は抗菌化合物は、リファンピン、ミノサイクリン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明のコーティングは、コーティングの総重量の約1%〜約50%の間の1種又は複数のAPIを含み得る。一部の実施形態において、本発明のコーティングは、コーティングの総重量の約5%〜約30%の間の1種又は複数のAPIを含み得る。他の実施形態において、本発明のコーティングは、コーティングの総重量の約6%〜約25%の間の1種又は複数のAPIを含み得る。
一部の実施形態において、APIは、局所的に、例えば、IMD又はCIEDの全方向又は次元で3インチ(7.6cm)以内、好ましくは、全方向で2.5インチ(6.4cm)以内、より好ましくは、全方向で2インチ(5.1cm)以内に溶出される。
一部の実施形態において、固着装置100のプロファイルは、CIEDと共に植込まれるように構成されており、且つCIED感染症を予防し及び/又は低下させるように構成された固着装置の植込み及び成熟化の異なるフェーズの間の別個の要件に意図的に同期化された、時間的に変化する機械的特性を有することができる。例えば、CIEDの支持に用いられる固着装置100のポリマーコーティング126の化学組成が、ポケットにおける植込みから瘢痕形成の完了までの期間に発生する臨床事象に同期化された様式で固着装置の機械的特性を変化させるよう定められ得る場合、CIED感染症を予防するためにCIED発生装置ポケットに植込まれた固着装置の臨床成績は、実質的に改善され得る。この時間的に変化するプロファイルの主要な定性的特徴の一部として、例えば、次のものを挙げることができる:(1)植込み時において固着装置は、皮下組織と胸筋の前側表面との間又は胸筋の後側面と隣接構造体との間の可能な空間から作り出された発生装置ポケットへの装置の挿入を容易にするために、ポリマーにより最大限に硬くなるべきである。(2)植込み完了後、創傷治癒の大部分は、次の3ヶ月の間に生じる。この期間の間、ある程度の残存する剛性が最適であるが、その理由として、この剛性は、固着装置の縁部が目的の植込み部位から治癒創傷へと動かされるのを防ぐためである。(3)植込み後3ヶ月〜24ヶ月に生じるポケット成熟化の最終フェーズの間、固着装置の周りに瘢痕組織が形成され、その最終的な方向性を決定する。このフェーズの間、顕著に低下した可撓性が最適であるが、その理由として、この可撓性は、固着装置がポケットの最終形状となるのを可能にして、固着装置の硬い縁部が皮下組織へと突出し、びらんを引き起こす確率を最小化するためである。このような装置は、抗生物質、好ましくは、リファンピン及びミノサイクリンの混合物を更に含み得る。
この時間的に変化する機械的プロファイルの対応する主要な定量的特徴として、例えば:(1)早期(植込み):剛性=10N/m;(2)植込み後初期3ヶ月:剛性=2;及び(3)植込み後3〜24ヶ月:剛性≦1を挙げることができる。
固着装置100は、治療完了後の固着装置100の除去性も改善しつつ、患者の体内の治療部位で植込み型医療装置120を支持及び固定化する機能性をもたらし得る様々な異なる構成、形状及びサイズを有することができる。例えば、使用にあたり、植込み型医療装置120を、メッシュ基板124によって画定されたポケット内に配置することができ、固着装置100を、患者の体内の所望の治療部位での組織に植込み固定することができる。上述の通り、植込みの間に、瘢痕組織が治療部位で形成され得及び/又は組織がメッシュ基板124内に内部成長し得る。治療完了後、固着装置100を植込んだまま、植込み型医療装置120を患者から除去することができる。固着装置100を除去するために、メッシュ基板124内に内部成長した組織は、メッシュ基板124から切断しても、或いは引き離してもよい。一部の実施形態において、固着装置100の一部分は、組織から除去可能でなくてもよく、患者内に植込まれたままとなる。当業者にとって公知の通り、固着装置100が生分解性又は吸収性ポリマーで作製されている実施形態において、残存した固着装置は経時的に破壊される。
固着装置100は、植込まれたままの固着装置100の部分が、必要に応じてより容易に取り外され得又は体内に永続的に放置され得るよう、組織内部成長及び/若しくは瘢痕組織の量を低下させ並びに/又は固着装置100の全体的な質量を低下させるように構成されていてよい。例えば、一部の実施形態において、患者の体内に植込まれたままの固着装置100の量を、質量100mgまでに制限することが望ましくなり得る。
植込み期間の間に固着装置100の質量を低下させるために、一部の実施形態において、固着装置100は、基板124を包含することができ、基板124は、非生分解性材料で形成された1以上の部分及び生分解性材料で形成された1つ又は複数の部分を有する。このような実施形態において、固着装置100は、例えば、1以上の非生分解性部分が組織と接触して配置された状態で植込まれ得る。この位置において、1以上の生分解性部分は、植込みの間に分解できて、植込み型医療装置120の除去のための容易なアクセスを提供する。
或いは、基板124の1以上の生分解性部分は、組織と接触して配置され得る。1以上の生分解性部分が分解するにつれて、基板124の質量は低下し、周囲組織と接触した基板124の表面積を低下させることになる。残存する1以上の非生分解性部分は、取り外しを必要としない程十分に小さい質量を有することになる。基板124の1以上の非生分解性部分は、いかなる内部成長した組織も切断することにより、治療が完了したときに患者の身体から除去され得る。一部の実施形態において、固着装置100の1以上の非生分解性部分の実質的に全てが、患者の身体から除去され得る。一部の実施形態において、低下した質量のため、基板の1以上の非生分解性部分の1以上の部分は、患者の体内に植込まれたままでもよい。
別の一実施形態において、固着装置100の全体的な質量を低下させるために、基板124は、相対的に低い面密度(例えば、表面密度)を有するメッシュ材料で形成されていてよい。例えば、基板124は、他の公知のメッシュ固着装置の孔よりも大きい孔を包含するメッシュ材料で形成されていてよい。より大きい孔径は、固着装置の全体的な質量を低下させることができ、従って、一部の事例において、取り外しの必要性を除外することができる。一部の実施形態において、孔は、約5mm〜約10mmの間のサイズの範囲である。他の実施形態において、孔は、約1mmを超えるサイズの範囲である。
一部の実施形態において、基板124は、固着装置100の全体的な質量を低下させ得るメッシュ材料の孔に加えて、1つ又は複数の開口部を包含することができる。一部のこのような実施形態において、1つ又は複数の開口部は、生分解性及び/又は吸収性フィルム又はコーティングで覆われていてよい。例えば、フィルムは、生分解性及び/又は吸収性ポリマーであり得る。一部の実施形態において、フィルムは、ポリマーコーティング126に関する上述と同様の様式で、フィルムが分解するにつれて患者の身体へと溶出され得るAPIを包含することができる。フィルムが分解した後、メッシュ基板124の残存する部分は、低下した質量を有することができ、従って、一部の事例において、取り外しの必要性を除外し得る。
一部の実施形態において、植込み型医療装置120の一部分のみを覆うポケット又はエンベロープを画定する基板124を包含することにより、固着装置100の質量を低下させることができる。このような実施形態において、基板124の表面積及び質量を低下させることができ、よって、組織内部成長及び瘢痕組織形成を低下させることができ、固着装置の除去のために必要とされる組織切開は少なくなる。
一部の実施形態において、固着装置100の構築は、固着装置100の除去に役立つように構成されていてよい。例えば、一部の実施形態において、基板124は、メッシュ基板124の1以上のフィラメントを解体することにより基板124を患者の身体から除去できるように編まれたメッシュ材料で形成されていてよい。このような実施形態において、基板124は、個々のフィラメント又は複数のフィラメントへのその解体を可能にする構成へと編むことができる。基板124が解体されると、小さい直径を有する材料の個々のフィラメントのみが組織から引き抜かれ又は引き離されていき、従って、組織への損傷の可能性の低下又は除外をもたらし得る。
一部の実施形態において、基板124は、可撓性のある形状記憶材料で形成されていてよく、可撓性のある形状記憶材料は、固着装置100が、使用されていないときの偏向し崩壊した構成から、植込み型医療装置120が固着装置100のポケット又はポーチ内に配置されたときの拡張した構成へ移行するのを可能にする。このような実施形態において、固着装置100及び植込み型医療装置120は患者内に植込まれ得、治療が完了したときに、植込み型医療装置120は、固着装置100から除去され得る。植込み型医療装置120が固着装置100から除去された後、固着装置100は、その偏向し崩壊した構成をとり得る。固着装置100が、その崩壊した構成へ移行すると、基板124の1以上の部分は、周囲組織から離れ外れることができて、固着装置100の除去に役立つ。一部の実施形態において、形状記憶金属はニチノールである。
図2Aは、一実施形態に従った固着装置の例示的な実施形態を説明する。図2Aに示す通り、固着装置200は、基板124に関する上述の通り、1つ又は複数のメッシュ材料シートで形成されていてよいメッシュ基板224を包含する。固着装置200は、メッシュ基板224の少なくとも一部分上に配置された生分解性ポリマーコーティング(図2に図示せず)も包含することができ、ポリマーコーティングは、植込みの間にポリマーコーティングが分解するにつれて患者の身体へと放出される薬物を包含することができる。
メッシュ基板224は2つのメッシュ材料シートを包含し、2つのシートは、植込み型医療装置(図示せず)をその中に受け入れることができるポケット(図示せず)を画定するように、メッシュ基板224の周辺230に沿って密封されている。周辺230に沿ったサイド232の一部分は、植込み型医療装置がそれを通してポケットに挿入され得る隙間が画定されるように、密封されていない。メッシュ基板224は、例えば、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよい。代替的な実施形態において、メッシュ基板224は、基板124に関する上述の通り、編み物等により、単一のメッシュ材料シートから形成されていてよい。
本実施形態において、メッシュ基板224は、例えば、先行技術のメッシュ固着装置の例を説明する図2Bに示す他の公知のメッシュ装置の孔よりも大きい孔228を画定する。より大きい孔228は、瘢痕形成及び組織内部成長の低下に役立ち得る、相対的に低い面密度をメッシュ基板224にもたらし得る。一部の実施形態において、孔は、少なくとも1つの方向で約1mmを超える寸法を有する。他の実施形態において、孔は、少なくとも1つの方向で約1.2mmを超える寸法を有する。また他の実施形態において、孔は、少なくとも1つの方向で約1.4mmを超える寸法を有する。また更なる実施形態において、孔は、少なくとも1つの方向で約1.6mmを超える寸法を有する。
図3は、別の一実施形態に従った固着装置の実施形態を説明する。固着装置300はメッシュ基板324を包含し、メッシュ基板324は、メッシュ基板224に関する上述の通り、周辺330に沿って密封された2つのメッシュ材料シートで形成されていてよい。メッシュ基板324は、例えば、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよく、孔(図示せず)を包含し、孔は、基板224に関する上述と同様若しくは同一のサイズ、又は例えば図2Bの先行技術の固着装置に示す孔径等の、公知の外科用メッシュ材料において用いられる別の孔径となり得る。
本実施形態において、図3に示す通り、メッシュ基板324は、植込み型医療装置320の一部分がポケット344の外部に延在するよう、植込み型医療装置320の一部分のみをその中に受け入れるポケット344を画定する。周辺330に沿ったサイド332の一部分は、植込み型医療装置320がそれを通してポケット344に挿入され得る隙間を画定する。メッシュ基板324のサイズ低下は、植込みの間に植込み型医療装置320の支持に十分な強度を維持しつつ、治療部位での組織と接触した固着装置300の表面積を低下させる。メッシュ基板は、装置を固着し、植込みポケット及びポケット領域(これは植込まれた装置のサイズの約2倍である)外部への移動、即ち移行を防ぐとも考えられる。一部の実施形態において、ポケットは、全次元で装置の周り約1インチ(2.54cm)の領域として画定される。
前述の実施形態と同様に、固着装置300は、メッシュ基板324の少なくとも一部分上に配置された生分解性ポリマーコーティング(図3に図示せず)を包含してもよく、ポリマーコーティングは、植込みの間にポリマーコーティングが分解するにつれて患者の身体へと放出される薬物を包含することができる。
図4Aは、低下した質量を有する固着装置の別の一実施形態を説明する。固着装置400はメッシュ基板424を包含し、メッシュ基板424は、メッシュ基板224及び324に関する上述の通り、周辺430の一部分に沿って密封されていてよい1つ又は複数のメッシュ材料シートで形成されていてよい。代替的な実施形態において、メッシュ基板424は、例えば、編み物等により、単一のメッシュ材料シートから形成されていてよい。メッシュ基板424は、植込み型医療装置420をその中に受け入れることができるポケット(図示せず)も画定する。周辺430に沿ったサイド432の一部分は、植込み型医療装置420がそれを通してポケットに挿入され得る隙間が画定されるように、密封されていない。メッシュ基板424は、例えば、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよく、前述の実施形態に関する上述と同様又は同一のサイズとなり得る孔(図示せず)を包含する。
本実施形態において、メッシュ基板424は、メッシュ基板424のメッシュ材料の孔径よりも大きい複数の開口部434も画定する。複数の開口部434は、固着装置400の質量及び組織内部成長が生じ得るメッシュ基板424の表面積を低下させ得る。例えば、開口部434のサイズは、組織が開口部を埋めることができないよう十分な大きさであってよい。
固着装置400の低い質量は、一部の事例において、治療完了後に固着装置400を患者の体内に植込んだままにできる。
開口部434は、実質的に正方形であることが示されているが、開口部434は、様々な異なる形状及びサイズであってよいことを理解されたい。例えば、開口部434は、円形、正方形、長方形、長円形(oblong)、菱形及び/又は三角形であってよい。開口部434の数も変動し得る。例えば、一部の実施形態において、1つの開口部434のみが包含され得る。一部の実施形態において、開口部434は、基板424を形成する両方のメッシュ材料シート上に形成されていてよい。一部の実施形態において、開口部434は、基板424を形成する1つのメッシュ材料シート(例えば、ポケットの1つの側面)上のみに形成されていてよい。
代替的な実施形態において、また、CIEDと周囲組織との間に電気伝導が必要であるCIED以外での用途に関し、開口部434は、図4Bに示す通り、生分解性及び/又は吸収性ポリマーフィルム又はコーティングで覆われ又は充填されていてもよい。この変形形態において、固着装置400’は基板424’を包含し、基板424’は、生分解性及び/又は吸収性ポリマーコーティング426’で覆われた複数の開口部を包含する。コーティング426’は、ポリマーコーティング126に関する上述の通り、コーティング426’が分解し又は身体に再吸収されるにつれて患者の身体へと放出され得る薬物を場合によって包含することができる。
前述の実施形態と同様に、固着装置400及び/又は固着装置400’は、メッシュ基板424又は424’の少なくとも一部分上に配置された生分解性ポリマーコーティング(図4A又は4Bに図示せず)を包含してもよく、ポリマーコーティングは、植込みの間にポリマーコーティングが分解するにつれて患者の身体へと放出される薬物を包含することができる。
図5Aは、固着装置の表面積及び質量を低下させるための開口部を包含する固着装置の別の一実施形態を説明する。固着装置500はメッシュ基板524を包含し、メッシュ基板524は、メッシュ基板224、324及び424に関する上述の通り、周辺530の一部分に沿って密封されていてよい1つ又は複数のメッシュ材料シートで形成されていてよい。代替的な実施形態において、メッシュ基板524は、編み物等により、単一のメッシュ材料シートから形成されていてよい。メッシュ基板524は、植込み型医療装置(図示せず)をその中に受け入れることができるポケット(図示せず)も画定する。周囲530に沿ったサイド532の一部分は、植込み型医療装置がそれを通してポケットに挿入され得る隙間を画定する。メッシュ基板524は、例えば、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよく、前述の実施形態に関する上述と同様又は同一のサイズとなり得る孔(図示せず)を包含する。
本実施形態において、メッシュ基板524はまた、ポケットの両側面上(例えば、基板524の形成に用いられた両方のメッシュ材料シート上)に開口部534を画定し、実質的にトロイダル、即ちドーナツ形を形成する。開口部のサイズは、メッシュ基板524が、その中に配置された植込み型医療装置の滑り出しを防ぐことができるように構成されていてよい。前述の実施形態と同様に、開口部534は、図5Bに示す通り、生分解性及び/又は吸収性ポリマーコーティング526で覆われていてよい。コーティング526は、コーティング526が分解し又は身体に再吸収されるにつれて身体へと放出され得る薬物を場合によって包含することができる。
植込みの間、生分解性コーティング526は、それを適所に保つ組織の枠が周りにある(例えば、組織内部成長による)固着装置500を残しつつ、最終的に分解し及び/又は患者の身体へと再吸収され得る。植込み型医療装置は、開口部534を通して植込み型医療装置を引き抜くことにより、身体から除去され得る。
前述の実施形態と同様に、開口部534は、様々な異なる形状及びサイズであってよい。例えば、開口部534は、円形、正方形、長方形、長楕円形、菱形又は三角形であってよい。開口部534の数も変動し得る。例えば、一部の実施形態において、開口部534は、基板524のポケットの1つの側面上(例えば、メッシュ基板524の形成に用いられた1つのメッシュ材料シート上)のみに包含され得る。前述の実施形態とも同様に、固着装置500は、メッシュ基板524の少なくとも一部分上に配置された生分解性ポリマーコーティング(図5A又は5Bに図示せず)を包含することができ、ポリマーコーティングは、植込みの間にポリマーコーティングが分解するにつれて患者の身体へと放出される薬物を包含することができる。
図6A及び6Bは、固着装置の別の一実施形態を説明する。固着装置600は、メッシュ基板の周辺630の一部分に沿って密封された第一のメッシュ材料シート640及び第二のメッシュ材料シート642で形成されたメッシュ基板を包含する。第一のシート640及び第二のシート642は、植込み型医療装置620をその中に受け入れることができるポケット(図示せず)を画定し、周辺630に沿ったサイド632の一部分は、植込み型医療装置620がそれを通してポケットに挿入され得る隙間を画定する。
本実施形態において、メッシュ基板624の第一のシート640は、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよく、前述の実施形態に関する上述と同様又は同一のサイズとなり得る孔(図示せず)を包含する。第二のシート642は、生分解性材料又は吸収性材料で形成されていてよく、前述の実施形態に関する上述と同様又は同一のサイズとなり得る孔(図示せず)を包含する。
本実施形態において、CIEDと周囲組織との間に電気伝導が必要であるCIED用途以外に、メッシュ基板624は、場合によって生分解性及び/又は吸収性ポリマーコーティング626で実質的に覆われていてよい。ポリマーコーティング626は、他の実施形態に関して以前に記載された通り、植込みの間にポリマーコーティング626が分解するにつれて患者の身体へと放出される薬物を包含することができる。
本実施形態において、一例の植込みにおいて、固着装置600は、基板624の生分解性の第一のシート640が周囲組織と接触した状態で患者の体内に植込まれ得る。植込みの間に、コーティング626は分解し又は再吸収されことになり、第一のシート640も分解し又は再吸収されることになる。よって、基板624の質量及び表面積は、植込みの間に低下することになる。第二のシート642は、第二のシート642上に内部成長した組織を切断することにより身体から取り外され得る。第二のシート642は、組織に面していない側に配置されるため、内部成長した組織の切断するためのアクセスが改善され得る。或いは、第二の例の植込みにおいて、非生分解性の第二のシート642は、組織に面して配置され得る。この位置において、生分解性又は吸収性の第一のシート640は、分解し及び/又は再吸収されて、植込み型医療装置620の除去のための容易なアクセスを提供することができる。第二のシート642の一部又は全てが、内部成長した周囲組織を切断することにより除去されてよい。或いは、第一のシート640は、組織内部成長が低下し取り外しが容易となるように、非常に小さい孔を有する又は孔のない非吸収性材料で構築されていてよい。
図7A及び7Bは、固着装置の別の一実施形態の略図である。固着装置700はメッシュ基板724を包含し、メッシュ基板724は、前述の実施形態に関する上述の通り、基板724の周辺の一部分に沿って密封されていてよい1つ又は複数のメッシュ材料シートで形成されていてよく、或いは単一のメッシュ材料シートから形成されていてよい。図7Bに示す通り、メッシュ基板724は、植込み型医療装置720をその中に受け入れることのできるポケット744も画定する。メッシュ基板724は、例えば、非生分解性材料又は非吸収性材料で形成されていてよく、前述の実施形態に関する上述と同様又は同一のサイズとなり得る孔(図示せず)を包含する。
本実施形態において、メッシュ基板724は、可撓性のある形状記憶材料で形成されており、可撓性のある形状記憶材料は、固着装置700が、偏向し崩壊した構成(図7Aに示す)から、植込み型医療装置720が固着装置700のポケット744内に配置されたときの拡張した構成へ移行するのを可能にする。固着装置700及び植込み型医療装置720は患者内に植込まれ得、治療が完了したときに、植込み型医療装置720は、固着装置700から除去され得る。植込み型医療装置720が、固着装置700から除去された後、固着装置700は、その偏向し崩壊した構成(図7Aに示す)をとり得る。固着装置700が、その拡張した構成からその崩壊した構成へ移行すると、基板724の1以上の部分は、周囲組織から離れること、又は外れることができて、固着装置700の除去に役立つ。
一部の実施形態において、メッシュ基板724の形成に用いられた形状記憶材料は、温度変化により影響され得る。例えば、固着装置700は、メッシュ基板724が所定の閾値温度に曝露されたときに、拡張した構成から崩壊した構成へ移行し得る。植込み型医療装置720が固着装置700から除去されると、固着装置700は、メッシュ基板724が閾値温度に達した後に、その崩壊した構成へ移行することができる。
固着装置の別の一例の実施形態において、固着装置は、例えば、手術部位での血液の流れを停止するための及び/又は手術部位での血液凝固過程を加速させるための止血薬として用いることができる。一部の実施形態において、例えば、本明細書に記載されている固着装置は、止血薬として用いることのできる前述の実施形態に関する上述のメッシュ基板を包含することができる。一部の実施形態において、メッシュ基板は、一方のメッシュ材料側面又はシートが、例えば、酸化再生セルロース、キトサン、surgicel、oxycel、gel foam、Spongostan(登録商標)、Surgifoam(登録商標)、Avitene、トロンビン、Ostene(登録商標)又は他の適切な止血薬等の止血薬でコーティングされていてよい。このような実施形態において、他方のメッシュ材料側面又はシートは、場合によって、生分解性ポリマーでコーティングされていてよい。
一部のこのような実施形態において、止血性側面は、例えば、ポリアリーレートでコーティングされていてよく、本明細書に開示されているもの等の1種又は複数のAPIを包含することができる。他の実施形態において、止血性側面は、ポリマー並びにリファンピン及び/又はミノサイクリンの一方又は両方でコーティングされている。一部のこのような実施形態において、他方の側面(止血薬でコーティングされていない側面)は、例えば、ポリアリーレートでコーティングされていてよく、例えば、リファンピン及びミノサイクリン等の薬物又は薬物組み合わせを包含することができる。一部のこのような実施形態において、止血性側面と他方の側面はどちらも、例えば、ポリアリーレートでコーティングされていてよく、例えば、リファンピン及びミノサイクリン等の薬物又は薬物組み合わせを包含することができる。一部のこのような実施形態において、止血薬を有する側面又は他方の側面はどちらも、ポリアリーレートでコーティングされていない。
一部の実施形態において、基板の両方の側面は、止血薬でコーティングされていてよい。このような実施形態において、側面の一方又は両方は、場合によって、例えば、ポリアリーレート等の生分解性ポリマーでコーティングされていてよく、例えば、リファンピン及びミノサイクリン等の薬物又は薬物組み合わせを包含することができる。一部の実施形態において、基板の側面の一方又は両方は、先ず生分解性ポリマーでコーティングされていてよく、次いで止血薬でコーティングされていてよい。これらの例においてポリアリーレート、リファンピン及びミノサイクリンが記載されているが、代替的に他のポリマー及び/又はAPIを用いてよいことを理解されたい。
薬物放出の動態を説明するため、一例の手順において、一片のメッシュ1.3cm×2cmを、20Mlシンチレーションバイアル内の10mLのリン酸緩衝食塩水に置いた。37℃インキュベータ振盪機内にバイアルを置いた。定期的な間隔で緩衝液を取り出し、逆相HPLCによりリファンピン及びミノサイクリンに関して分析した。各サンプリングポイントにおいて、新たな緩衝液を加えた。放出された累積%薬物を算出し、図8A、8B及び8Cのグラフに示す通り、時間の関数としてプロットした。下表1並びに図8A、8B及び8Cに示す通り、この研究において3種類の装置を用いた。この例において用いられたチロシンポリアリーレートは次の通りであった:ポリ(72.5%デスアミノチロシルチロシンエチルエステル co 27.5%デスアミノチロシルチロシンエチルエステルスクシネート)。この例において用いられた抗生物質は次の通りであった:抗生物質=リファンピン及びミノサイクリンHCl。
下表2に記載されている種々の装置の引張係数は、TA器具RSA−III DMAを用いて動的機械分析により決定された。試験パラメータは次の通りであった:(a)装置サイズ:13mm×10mm;温度:周囲温度、試料は0.3mm/分で3分間伸展される;(b)組織の引張係数(文献)(2.5lbs/インチ(44.6kg/m))(c)2種類のメッシュを用いた。
下表2の項目2に関し、より大きい開口部を開けると、係数の大幅な下降の原因となった。しかし、初期係数は組織よりはるかに大きいため、この減少は、材料の臨床有用性に影響を及ぼさなかった。
下表2の項目3に関し、中間的なサイズの開口部をシミュレートするために、紐間の結び目を切断した。この例において、2個の結び目を切断した。これにより、切断されていないメッシュのものの4倍の切断周囲の開口部径が効果的に作製された。この場合、係数は、50%未満減少した。
これらの例において用いられたチロシンポリアリーレートは次の通りであった:ポリ(72.5%デスアミノチロシルチロシンエチルエステル co 27.5%デスアミノチロシルチロシンエチルエステルスクシネート)。これらの例において用いられた抗生物質は次の通りであった:抗生物質=リファンピン及びミノサイクリンHCl。
項目4〜8の例に対し、コーティングされたメッシュを用いた。硬いメッシュの初期係数の15%である、非常に軟らかいメッシュを上の項目5の例において用いた。やはり、上の項目6に示されている2つの小さい開口部と比較して、単一の大きい開口部で、係数のより大幅な減少が見られた。しかし、係数の減少は、フィルムを用いて開口部に「パッチを当てる」ことにより、容易に補うことができる。これにおいて、その組成がコーティングに用いられたものと同一である分解性フィルムを用いた。項目7及び8から分かる通り、引張係数は、元々のコーティングされたメッシュと比較した場合であっても、大幅な増加を示す。よって、開口部径及び構成は、任意の必要性とされる臨床的必要性に適合するよう選択することができ、コーティング又はパッチのいずれかを適用することにより、機械的特性は一致するよう調整することができる。
〔実施例1〕
図9及び下表3は、3種の製剤(製剤A、製剤B及び製剤C)からのリファンピン及びミノサイクリンの累積放出を示す。ここで用いられたメッシュ基板は、グリコール酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び1−3プロパンジオールの完全に吸収性のターポリマーである。薬物の総重量は、リファンピンが約5mg〜約50mg、ミノサイクリンHClが約5mg〜約20mgの範囲である。これは、1日間に放出され得る最大の薬物を、経口1日用量の最大1/10に保つと考えられる。薬物が作用部位で局所的に送達されるため、この低用量は、製品が有効となるのに十分である。これによって、一般的な病原体の最小発育阻止濃度を超える高い組織濃度がもたらされる。一部の実施形態において、図9の装置におけるリファンピン及びミノサイクリンそれぞれの量は、約0.85〜約1.20マイクログラム/cm2を含む。
〔実施例2〕
標準in vitro研究を行って、数種の病原性生物に対する効果性を実証した。
最小発育阻止濃度
抗菌剤のMICの確立は、効果的な使用濃度を確立するプロセスにおける必要なステップである。抗生物質でのこの活性に関する承認された標準が、NCCLSによって公開されている。これらの標準は、主に、患者隔離集団での臨床状況において使用するためのものである。しかし、これらは、再現性があり妥当なMICの決定における最良の実施のための一致した方法論を表す。これらが基づく原則は、試験のためのMICを決定するための健全な枠組みをもたらす。
材料:
ブロス希釈方法を用いて、所与の微生物分離株に対する抗菌剤のin vitro活性を定量的に測定した。試験を行うため、種々の濃度の抗菌剤が加えられたブロスにより一連のチューブを調製した。次いで、チューブに被験生物の標準化懸濁液を接種した。インキュベーションの後、チューブを調査し、最小発育阻止濃度(MIC)を決定した。
次の生物を用いた:アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanii) A TCC 19606;表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis) A TCC 14990;黄色ブドウ球菌 ATCC 6538;メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 ATCC 33591;大腸菌(Escherichia coli) ATCC 8739;スタフィロコッカス・キャピティス(Staphylococcus capitis) ATCC 35661;又はスタフィロコッカス・シュライフェリ(Staphylococcus schleiferi) ATCC 43808。
結果:
装置は、これら生物のそれぞれに対し効果的である。
AATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists))100試験方法は、布地及び繊維製品が24時間の接触期間にわたり微生物の増殖を阻害する又はこれらを殺傷する能力を定量的に試験するよう設計された。TYRX,Incは、追加的な時点である48及び72時間目に試験して、生物に対する継続的な有効性を示すよう、試験を改変した。
AATCC 100試験方法の概要:
1.被験微生物を液体培養で増殖させた。
2.被験微生物の濃度を標準化した。
3.微生物培養物を無菌栄養溶液に希釈した。
4.対照及び被験布地見本に微生物を接種した。
5.微生物懸濁液が布地のみに触れるように接種を行った(詳細に関し実際の方法を参照)。
6.大容量の中和ブロスにおける溶出、続いて希釈及びプレーティングにより、対照及び被験布地の両方上の細菌レベルを「ゼロ時間目」に決定した。
7.対照を実行して、中和/溶出方法が、布地における抗菌剤を効果的に中和したことを検証した。
8.追加的な接種対照及び被験布地を、密封された広口瓶において24時間攪乱せずにインキュベートした。
9.インキュベーション後に、微生物濃度を決定した。
10.初期濃度及び対照布地と比べた微生物の低下を算出した。
AATCC 100試験方法の強度:
1.方法は定量的であり、結果は再現性を有する傾向があった。
2.方法は、静菌(増殖阻害)及び殺菌(細菌殺傷)特性の両方を試験した。
3.微生物濃度を標準化し、インキュベーション期間の間、細菌に栄養素を与え、これにより、布地が十分に抗菌的でなければ細菌が増殖する十分な機会を与えた。これは、それ自体ストレス源となり得る非栄養懸濁液において微生物が長期間にわたり「インキュベート」される、特定の他の抗菌試験とは対照的である。
AATCC試験(グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸又は1−3プロピレンジオールのターポリマーで作製された完全に分解性のメッシュ)の結果の概要:
1型装置(部分的に分解性−下にあるメッシュはポリプロピレンである)のAATCC試験の結果の概要:
〔実施例4〕
(組織濃度)
一部の実施形態において、抗生物質はミノサイクリンであり、ミノサイクリンの組織濃度は、約2時間後に約0.65μg/mL〜0.8μg/mLの間であり、ここでミノサイクリンの組織濃度は、約6時間後に約2.55μg/mL〜約2.75μg/mLの間であり、ここでミノサイクリンの組織濃度は、約24時間後に約1.2μg/mL〜約1.9μg/mLの間である。他の実施形態において、抗生物質はリファンピンであり、リファンピンの組織濃度は、約2時間後に約0.6μg/mL〜1.4μg/mLの間であり、ここでリファンピンの組織濃度は、約6時間後に約1.9μg/mL〜約2.3μg/mLの間であり、ここでリファンピンの組織濃度は、約24時間後に約2.6μg/mL〜約4.2μg/mLの間である(例えば、表7を参照)。
〔実施例5〕
(ポケット濃度)
一部の実施形態において、抗生物質はミノサイクリンであり、ミノサイクリンのポケット濃度は、約2時間後に約15μg/mL〜約17μg/mLの間であり、ここでミノサイクリンのポケット濃度は、約6時間後に約25μg/mL〜約210μg/mLの間である。他の実施形態において、抗生物質はリファンピンであり、リファンピンのポケット濃度は、約2時間後に約1μg/mL〜約20μg/mLの間であり、ここでリファンピンの組織濃度は、約6時間後に約15μg/mL〜約110μg/mLの間である(例えば、表8を参照)。
〔実施例6〕
(植込み後血清濃度)
一部の実施形態において、抗生物質はミノサイクリンであり、ミノサイクリンのポケット濃度は、約2時間後に約0.03μg/mL〜約0.06μg/mLの間であり、ここでミノサイクリンのポケット濃度は、約6時間後に約0.06μg/mL〜約0.1μg/mLの間であり、ここでミノサイクリンの組織濃度は、約24時間後に約0.05μg/mL〜約0.09μg/mLの間である。他の実施形態において、抗生物質はリファンピンであり、リファンピンのポケット濃度は、約2時間後に約0.015μg/mL〜約0.045μg/mLの間であり、ここでリファンピンの組織濃度は、約6時間後に約0.01μg/mL〜約0.04μg/mLの間であり、ここでリファンピンの組織濃度は、約24時間後に約0.03μg/mL〜約0.06μg/mLの間である(例えば、表9を参照)。
本明細書に記載されている固着装置の一部の実施形態において、フィルム層は、境界に沿って超音波的に密封された2つのメッシュシート間に包埋されていてよい(フィルムそれ自体はメッシュに付着していない)。一部の実施形態において、超音波的に密封されたメッシュシートは、用途に応じてフィルムの一時的な又は永続的な「エンベロープ」として作用し得る。
一例において、軟部組織修復のための固着装置の使用は、本明細書に記載されている通り、一方の側面がポリプロピレンであってよく、他方の側面が吸収性であってよいメッシュ基板を包含することができる。一部の実施形態において、異なる活性剤が負荷された複数のフィルムが、固着装置内部に包埋されていてよい。例えば、複数のフィルムは、メッシュ基板のエンベロープ又はポケット内部に置かれていてよい。一部の実施形態において、固着装置は、一方の側面上にTeflonを包含し、他方の側面上に任意のメッシュ材料を包含することができ、1以上のフィルムはそれらの間に配置されている。一部の実施形態において、固着装置は、例えば、乳房インプラント挿入/鼠径部用途において役立つよう用いられる場合、全体的に吸収性であることができる。
本発明の種々の実施形態を上に説明してきたが、これらはほんの一例として提示されており、限定するものではないことを理解されたい。上述の方法及びステップが、特定の順序で起こる特定の事象を示す場合、本開示の利益を有する当業者であれば、特定のステップの順序を改変してよく、このような改変形態が、本発明の変形形態によるものであることを認識するであろう。その上、特定のステップを可能であれば同時に並行プロセスで行っても、上述の通り逐次的に行ってもよい。実施形態を特に示し、説明してきたが、形態及び詳細に対して種々の変化が為され得ることが理解されよう。
例えば、特定の特徴及び/又は構成要素の組み合わせを有するものとして種々の実施形態を説明してきたが、本明細書に記載されている実施形態のいずれかからの任意の特徴及び/又は構成要素の任意の組み合わせ又は部分組み合わせを有する他の実施形態が可能である。種々の構成要素の特定の構成も変動し得る。例えば、種々の構成要素のサイズ及び特定の形状は、本明細書に記載されている機能を依然としてもたらしつつ、示されている実施形態と異なってよい。
例えば、固着装置の実施形態(例えば、100、200、300、400、500、600、700)のいずれも、メッシュ基板(例えば、124、224、324、424、524、624、724)の少なくとも一部分上に配置された生分解性及び/又は吸収性ポリマーコーティング(例えば、126)を包含することができる。別の一例において、メッシュ基板(例えば、124、224、324、424、524、624、724)の実施形態のいずれも、熱、超音波、結合、編み物又は外科用メッシュに用いられる任意の適切な方法により、1つ又は複数のメッシュ材料シートで形成されていてよい。
その上、本明細書に記載されている固着装置(例えば、100、200、300、400、500、600、700)は、様々な異なる種類の植込み型医療装置の支持及び/又は様々な異なる種類の組織の支持に用いられてよいことを理解されたい。その上、本明細書に記載されている固着装置(例えば、100、200、300、400、500、600、700)及び方法は、患者の身体における様々な異なる場所における様々な異なる種類の医学的治療に用いられてもよい。
なお、出願時の請求項は以下の通りである。
[請求項1]
植込み型医療装置に連結したメッシュ基板を含む固着装置であって、前記メッシュ基板が、ポリマー及び少なくとも1種の有効医薬品成分を含むコーティングを有する固着装置。
[請求項2]
前記有効医薬品成分が、麻酔薬、抗生物質、抗炎症剤、凝血促進剤、線維症阻害剤、抗瘢痕化剤、ロイコトリエン阻害剤/アンタゴニスト、細胞増殖阻害剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項3]
前記有効医薬品成分が抗生物質である、請求項1に記載の固着装置。
[請求項4]
前記抗生物質が、リファンピン及びミノサイクリン並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項5]
前記ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)ポリグリコール酸[ポリグリコリド]、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカルボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)、ポリエチレンオキシド、ポリジオキサノン、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−co−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンco−ブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスフェートエステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸コポリマー、ポリイミノカルボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカルボネート)−co−(2.5%トリメチレンカルボネート)]、ポリ(オルトエステル)、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカルボネート、チロシン由来ポリイミノカルボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリサッカリド、例えば、ヒアルロン酸、キトサン及び再生セルロースからなる群から選択される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項6]
前記ポリマーがポリアリーレートである、請求項1に記載の固着装置。
[請求項7]
前記ポリマーが、P22−xxファミリーのメンバーである、請求項1に記載の固着装置。
[請求項8]
前記APIが、約24時間の期間にわたり前記コーティングから放出される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項9]
前記APIが、約48時間の期間にわたり前記コーティングから放出される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項10]
前記APIが、約120時間の期間にわたり前記コーティングから放出される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項11]
前記ポリマーがポリアリーレートであり、前記APIが抗生物質から選択される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項12]
前記ポリマーが、チロシン由来ポリアリーレートからなる群から選択され、前記抗生物質が、リファンピン、ミノサイクリン又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の固着装置。
[請求項13]
前記有効医薬品成分が、リファンピン、ミノサイクリン又はこれらの混合物であり、前記リファンピン、ミノサイクリン又はこれらの混合物の少なくとも約60%が、約24〜約36時間以内に放出される、請求項1に記載の固着装置。
[請求項14]
前記抗生物質がミノサイクリンであり、前記ミノサイクリンの組織濃度が、約2時間後に約0.65μg/mL〜0.8μg/mLの間、約6時間後に約2.55μg/mL〜約2.75μg/mLの間及び約24時間後に約1.2μg/mL〜約1.9μg/mLの間からなる群から選択される、請求項3に記載の固着装置。
[請求項15]
前記抗生物質がミノサイクリンであり、前記ミノサイクリンの組織濃度が、約2時間後に約0.65μg/mL〜0.8μg/mLの間であり、前記ミノサイクリンの前記組織濃度が、約6時間後に約2.55μg/mL〜約2.75μg/mLの間であり、前記ミノサイクリンの前記組織濃度が、約24時間後に約1.2μg/mL〜約1.9μg/mLの間である、請求項3に記載の固着装置。
[請求項16]
血清濃度が約0.1μg/mL未満である、請求項15に記載の固着装置。
[請求項17]
前記抗生物質がリファンピンであり、前記リファンピンの組織濃度が、約2時間後に約0.6μg/mL〜1.4μg/mLの間、約6時間後に約1.9μg/mL〜約2.3μg/mLの間及び約24時間後に約2.6μg/mL〜約4.2μg/mLの間からなる群から選択される、請求項3に記載の固着装置。
[請求項18]
前記抗生物質がリファンピンであり、前記リファンピンの組織濃度が、約2時間後に約0.6μg/mL〜1.4μg/mLの間であり、前記リファンピンの前記組織濃度が、約6時間後に約1.9μg/mL〜約2.3μg/mLの間であり、前記リファンピンの前記組織濃度が、約24時間後に約2.6μg/mL〜約4.2μg/mLの間である、請求項3に記載の固着装置。
[請求項19]
血清濃度が約0.1μg/mL未満である、請求項18に記載の固着装置。
[請求項20]
前記植込み型医療装置が心血管植込み型電子装置であり、前記有効医薬品成分が抗生物質である、請求項1に記載の固着装置。
[請求項21]
前記抗生物質の約75%未満が、前記心血管植込み型電子装置の植込み後約24時間において前記ポリマーコーティングにより放出される、請求項20に記載の固着装置。
[請求項22]
前記抗生物質が、リファンピン、ミノサイクリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の固着装置。
[請求項23]
前記抗生物質の約80%超が、前記心血管植込み型電子装置の植込み後約48時間において前記ポリマーコーティングにより放出される、請求項20に記載の固着装置。
[請求項24]
前記抗生物質が、リファンピン、ミノサイクリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項23に記載の固着装置。
[請求項25]
前記抗生物質の約95%超が、前記心血管植込み型電子装置の植込み後7日間以内に前記ポリマーコーティングから放出される、請求項20に記載の固着装置。
[請求項26]
前記抗生物質が、リファンピン、ミノサイクリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の固着装置。
[請求項27]
前記抗生物質が、前記心血管植込み型電子装置の両側の面上で、前記心血管植込み型電子装置の植込み後少なくとも約24時間、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する前記抗生物質の最小発育阻止濃度に等しい又はこれを超えるレベルを達成する、請求項20に記載の固着装置。
[請求項28]
前記抗生物質が、前記心血管植込み型電子装置の両側の面上で、前記心血管植込み型電子装置の植込み後少なくとも約48時間、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する前記抗生物質の最小発育阻止濃度に等しい又はこれを超えるレベルを達成する、請求項20に記載の固着装置。
[請求項29]
前記メッシュが、前記植込み型医療装置の一部分のみを覆う、請求項1に記載の固着装置。
[請求項30]
前記メッシュが、編み物により形成されている、請求項1に記載の固着装置。
[請求項31]
前記メッシュが、約1mm〜約5mmのサイズの範囲の孔を含む、請求項1に記載の固着装置。
[請求項32]
前記メッシュが、低い面密度を有する、請求項1に記載の固着装置。
[請求項33]
前記コーティングにおける前記APIの量が、前記コーティングの総重量の約5%〜約30%の間の範囲の、請求項1に記載の固着装置。
[請求項34]
前記コーティングが、約5μm〜約200μmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の固着装置。
[請求項35]
請求項3に記載の固着装置を植込むステップを含む、細菌感染症を予防、緩和又は治療する方法。
[請求項36]
前記抗生物質が、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、MRSA、A.バウマンニ、E.エロゲネス、P.ミラビリス、S.キャピティス及びS.シュライフェリに対し効果的である、請求項31に記載の方法。
[請求項37]
植込み型医療装置に連結したメッシュ基板を含む、時間的に変化する機械的特性を有する固着装置であって、前記メッシュ基板が、(1)植込み時に第一の剛性を付与し、(2)植込み当初と植込み後3ヶ月との間の時点に第二の剛性を有し、(3)植込み後3ヶ月と24ヶ月との間の時点に第三の剛性を有するポリマーコーティングを有する固着装置。
[請求項38]
前記第一の剛性が約10ニュートンである、請求項37に記載の固着装置。
[請求項39]
前記第二の剛性が約2ニュートンである、請求項37に記載の固着装置。
[請求項40]
前記第三の剛性が約1ニュートン未満である、請求項37に記載の固着装置。
[請求項41]
少なくとも1種の有効医薬品成分を更に含む、請求項37に記載の固着装置。
[請求項42]
前記有効医薬品成分が抗生物質である、請求項41に記載の固着装置。
[請求項43]
前記植込み型医療装置が心血管植込み型電子装置である、請求項37に記載の固着装置。

Claims (14)

  1. 植込み型医療装置を受け入れるまたは植込み型医療装置に連結するメッシュ基板を含む固着装置であって、前記メッシュ基板が、ポリマー及び少なくとも1種の有効医薬品成分を含むコーティングを有し、前記メッシュ基板が、5mm〜10mmのサイズの範囲の孔を含み、前記メッシュ基板が1以上の開口部を含み、前記開口部が、前記メッシュ基板の孔サイズよりも大きい、固着装置。
  2. 前記有効医薬品成分が、麻酔薬、抗生物質、抗炎症剤、凝血促進剤、線維症阻害剤、抗瘢痕化剤、ロイコトリエン阻害剤/アンタゴニスト、細胞増殖阻害剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の固着装置。
  3. 前記有効医薬品成分が抗生物質である、請求項2に記載の固着装置。
  4. 前記抗生物質が、リファンピン及びミノサイクリン並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の固着装置。
  5. 前記抗生物質が、リファンピン及びミノサイクリンの組み合わせである、請求項4に記載の固着装置。
  6. 前記ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)ポリグリコール酸[ポリグリコリド]、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカルボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−co−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンco−ブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスフェートエステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸コポリマー、ポリイミノカルボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカルボネート)−co−(2.5%トリメチレンカルボネート)]、ポリ(オルトエステル)、ポリアリレート、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカルボネート、チロシン由来ポリイミノカルボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリサッカリド、ヒアルロン酸、キトサン及び再生セルロースからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固着装置。
  7. 前記ポリマーがチロシン由来ポリアリーレートである、請求項6に記載の固着装置。
  8. 前記チロシン由来ポリアリーレートが、ポリ(デスアミノチロシルチロシンエチルエステルcoX%デスアミノチロシルチロシンスクシネート)であり、Xが10%〜30%である、請求項7に記載の固着装置。
  9. 前記植込み型医療装置が心血管植込み型電子装置であり、前記有効医薬品成分が抗生物質である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の固着装置。
  10. 前記メッシュが、前記植込み型医療装置の一部分のみを覆い、及び/または、前記メッシュが、編み物により形成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固着装置。
  11. 前記メッシュ基板が、ポケットを画定し、前記ポケットの両側面上の開口部が、トロイダルまたはドーナツ形を形成し、前記開口部のサイズが、前記メッシュ基板が、その中に配置された前記植込み型医療装置の滑り出しを防ぐことができるように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の固着装置。
  12. 前記コーティングにおける前記APIの量が、前記コーティングの総重量の5%〜30%の間の範囲の、請求項1〜11のいずれか1項に記載の固着装置。
  13. 前記コーティングが、5μm〜200μmの範囲の厚さを有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の固着装置。
  14. 前記1以上の開口部が、生分解性及び/又は吸収性ポリマーによって、覆われているか、コーティングされている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の固着装置。
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