JP6396227B2 - 圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法 - Google Patents

圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法に関する。
下記特許文献1には、圧電体試料の圧電特性を測定する測定装置及び測定方法が開示されている。この測定装置及び測定方法では、圧電体試料としてポリ乳酸フィルムが使用され、圧電体試料の対向する2つの面に電極膜が形成されている。この圧電体試料を自立させた状態において電極膜間に電圧が印加されると共に、圧電体試料の面方向の変位が光学式測位法で計測される。圧電体試料に印加された電圧と圧電体試料の面方向の変位とに基づいて、圧電特性、例えば圧電定数が算出されている。
特開2012−163502号公報
上記測定装置及び測定方法では、圧電体試料の2つの面に各々電極膜を形成してから圧電特性が測定されているので、圧電体試料の作製に労力が必要となる。また、圧電体試料の2つの面に形成された電極膜により圧電体試料の伸びが阻害されることがあるので、圧電体試料の面方向の変位に誤差が生じ易い。このため、圧電体試料の圧電特性を簡単に測定し、かつ圧電特性の測定精度を向上させるためには、改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、圧電部材の圧電特性を簡単に測定することができ、かつ圧電特性の測定精度を向上させることができる圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を得ることが目的である。
本発明の第1実施態様に係る圧電特性測定装置は、圧電部材に応力を付与する応力付与ユニットと、応力付与ユニットによる応力が付与された圧電部材の応力変動を検出する応力変動検出ユニットと、応力変動による圧電部材の表面電位の変化を非接触で検出する表面電位検出ユニットと、応力変動と表面電位の変化とに基づいて圧電部材の圧電定数を算出する圧電定数算出ユニットと、を備えている。
第1実施態様に係る圧電特性測定装置では、応力付与ユニットにより圧電部材に応力が付与され、応力変動検出ユニットにより圧電部材の応力変動が検出される。一方、表面電位検出ユニットにより応力変動による圧電部材の表面電位の変化が検出される。圧電定数算出ユニットでは、圧電部材の応力変動と表面電位の変化とに基づいて、圧電部材の圧電特性としての圧電定数が算出される。
ここで、表面電位検出ユニットは、圧電部材の表面電位の変化を非接触で検出する構成とされている。このため、圧電部材の対向する2つの面に電極が形成される必要がない。つまり、圧電部材の1つの面に電極が形成されるか、圧電部材の2つの面の双方に電極が形成されなくても、圧電部材の圧電特性を簡単に測定することができる。加えて、圧電部材の1つの面に電極が形成されるか、2つの面の双方に電極が形成されないので、圧電部材の伸縮の阻害が抑制され、圧電部材の応力変動に与える影響を減少させることができる。
本発明の第2実施態様に係る圧電特性測定装置では、第1実施態様に係る圧電特性測定装置において、表面電位検出ユニットは、圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化を非接触で検出する。
第2実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、表面電位検出ユニットが圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化を非接触で検出する構成とされている。このため、圧電特性を更に簡単に測定することができると共に、圧電部材の応力変動に与える影響を更に減少させることができる。
本発明の第3実施態様に係る圧電特性測定装置では、第1実施態様又は第2実施態様に係る圧電特性測定装置において、表面電位検出ユニットにより圧電部材の表面電位の変化が検出される領域を覆い、静電気を遮蔽する遮蔽部が設けられている。
第3実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、遮蔽部により、圧電部材の表面電位の変化を検出する領域が覆われ、静電気が遮蔽されているので、表面電位検出ユニットによる圧電部材の表面電位の検出精度を更に向上させることができる。
本発明の第4実施態様に係る圧電特性測定装置では、第1実施態様又は第3実施態様に係る圧電特性測定装置において、表面電位検出ユニットは、表面電位の変化が非接触で検出される圧電部材の表面と対向する裏面に装着可能とされ、応力の付与方向をスリット幅とするスリットが設けられると共に、固定電位が供給される電極を備えている。
第4実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、表面電位検出ユニットは、圧電部材の表面を非接触で検出すると共に、圧電部材の表面と対向する裏面に固定電位が供給される電極を備えているので、圧電部材の表面電位の検出精度を向上させることができる。ここで、応力の付与方向をスリット幅とするスリットが電極に設けられている。このため、圧電部材に付与された応力に応じて電極のスリット幅を変化させることができるので、圧電部材の応力変動に与える影響を減少させることができる。
本発明の第5実施態様に係る圧電特性測定装置では、第1実施態様〜第4実施態様のいずれか1つに係る圧電特性測定装置において、圧電定数算出ユニットは、圧電部材の圧電定数d14を算出する。
第5実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、圧電特性として圧電定数d14を算出することができる。
本発明の第6実施態様に係る圧電特性測定装置では、第5実施態様に係る圧電特性測定装置の圧電定数算出ユニットは、真空の誘電率をεとし、圧電部材の比誘電率をεとし、表面電位が検出されかつ応力の付与方向と直交する方向における圧電部材の表面の幅をWとし、表面電位の変化による電位変動をΔVとし、応力変動による力変動をΔFとし、補正係数をk1として、圧電定数d14を下記式により算出する。
第6実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、応力変動検出ユニットにより圧電部材の力変動ΔFが検出され、表面電位検出ユニットにより圧電部材の電位変動ΔVが検出される。圧電定数算出ユニットでは、圧電部材の応力変動ΔF及び電位変動ΔVが検出されると、上記式から圧電定数d14を簡単に算出することができる。
本発明の第7実施態様に係る圧電特性測定装置では、第6実施態様に係る圧電特性測定装置において、補正係数k1は、1.5以上2.5以下に設定されている。
第7実施態様に係る圧電特性測定装置によれば、補正係数k1が適宜設定されることにより、圧電定数算出ユニットで算出された圧電定数d14を参考例に係る測定方法で測定された圧電定数の実測値に対応させることができる。
本発明の第8実施態様に係る圧電特性測定方法は、圧電部材に応力を付与し、圧電部材の応力変動を検出し、応力変動による圧電部材の表面電位の変化を非接触で検出し、応力変動と表面電位の変化とに基づいて圧電部材の圧電定数を算出する。
第8実施態様に係る圧電特性測定方法では、圧電部材に応力が付与されると圧電部材に応力変動が生じるので、この応力変動が検出される。一方、圧電部材に応力変動が生じると表面電位に変化が生じるので、この表面電位の変化が検出される。圧電部材の応力変動と表面電位の変化とに基づいて圧電部材の圧電定数が算出される。
ここで、圧電部材の表面電位の変化が非接触で検出される。このため、圧電部材の対向する2つの面に電極が形成される必要がない。つまり、圧電部材の1つの面に電極が形成されるか、圧電部材の2つの面の双方に電極が形成されなくても、圧電特性を簡単に測定することができる。加えて、圧電部材の1つの面に電極が形成されるか、2つの面の双方に電極が形成されないので、圧電部材の応力変動に与える影響を減少させることができる。
本発明の第9実施態様に係る圧電特性測定方法では、第8実施態様に係る圧電特性測定方法において、表面電位の変化の検出は、圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化が非接触で検出されることである。
第9実施態様に係る圧電特性測定方法によれば、圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化が非接触で検出されるので、圧電特性を更に簡単に測定することができると共に、圧電部材の応力変動に与える影響を更に減少させることができる。
本発明の第10実施態様に係る圧電特性測定方法では、第8実施態様又は第9実施態様に係る圧電特性測定方法において、表面電位の変化の検出は、圧電部材の表面電位の変化が検出される領域を覆い、静電気を遮蔽して表面電位の変化が検出されることである。
第10実施態様に係る圧電特性測定方法によれば、圧電部材の表面電位の変化が検出される領域を覆い、静電気を遮蔽して表面電位の変化が検出されるので、圧電部材の表面電位の検出精度を更に向上させることができる。
本発明の第11実施態様に係る圧電特性測定方法では、第8実施態様又は第10実施態様に係る圧電特性測定方法において、表面電位の変化の検出は、表面電位が非接触で検出される圧電部材の表面と対向する裏面に、応力の付与方向をスリット幅とするスリットが設けられると共に、固定電位が供給される電極を装着して表面電位の変化が検出されることである。
第11実施態様に係る圧電特性測定方法によれば、圧電部材の表面が非接触で検出されると共に、圧電部材の表面と対向する裏面に固定電位が供給される電極を備えているので、圧電部材の表面電位の検出精度を向上させることができる。ここで、応力の付与方向をスリット幅とするスリットが電極に設けられている。このため、圧電部材に付与された応力に応じて電極のスリット幅を変化させることができるので、圧電部材の応力変動に与える影響を減少させることができる。
本発明は、圧電部材の圧電特性を簡単に測定することができ、かつ圧電特性の測定精度を向上させることができる圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を得ることができるという特有の効果を有する。
本発明の第1実施の形態に係る圧電特性測定装置のシステム構成図である。 (A)は図1に示される圧電特性測定装置の表面電位検出ユニット及び圧電部材の斜視図、(B)は圧電部材の斜視図である。 (A)は第1実施の形態に係る圧電特性測定方法を説明するための圧電部材の応力付与前の斜視図、(B)は圧電部材の応力付与後の斜視図である。 第1実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法により測定された圧電特性と参考例1に係る測定方法により測定された圧電特性との相関関係を示すグラフである。 本発明の第2実施の形態に係る圧電特性測定装置のシステム構成図である。 第2実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法により測定された圧電特性と参考例2に係る測定方法により測定された圧電特性との相関関係を示すグラフである。 本発明の第3実施の形態に係る圧電特性測定装置のシステム構成図である。 第3実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法により測定された圧電特性と参考例2に係る測定方法により測定された圧電特性との相関関係を示すグラフである。 図6に示される第2実施態様に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法により測定された圧電特性と、図8に示される第3実施態様に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法により測定された圧電特性との相関関係を示すグラフである。 本発明の第4実施の形態に係る圧電特性測定装置のシステム構成図である。 本発明の第5実施の形態に係る圧電特性測定装置のシステム構成図である。
[第1実施の形態]
以下、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を説明する。なお、第1実施の形態は、図1〜図4を用いて説明した態様に限定されない。
(圧電特性測定装置の構成)
図1に示されるように、第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10は、圧電部材12の圧電特性として、圧電定数d14を測定する構成とされている。圧電部材12として、ここでは高分子圧電材料、詳しく説明すると、長尺フィルム状とされたヘリカルキラル高分子であるポリ乳酸フィルムが使用される。具体的なポリ乳酸フィルムの製作方法は後述する。圧電特性測定装置10は、応力付与ユニット20と、応力変動検出ユニット30と、表面電位検出ユニット32と、圧電定数算出ユニット34と、制御ユニット36とを備えている。これらの応力付与ユニット20等は共通バス40を通して相互に接続されている。
応力付与ユニット20は、第1把持部22と、第2把持部24と、応力付与駆動部26とを備えている。第1把持部22は、下方向へ開口を有する断面凹形状の把持部本体22Aと、把持部本体22Aの凹形内壁に対向して設けられた一対の部材固定部22Bとを備えている。第1把持部22は、圧電部材12の例えば長尺方向の上方側の一端部12Cの表面12Aとこの表面12Aと対向する裏面12Bとを一対の部材固定部22Bで挟込み、この一端部12Cを把持する構成とされている。圧電部材12の表面12Aと部材固定部22Bとの間、裏面12Bと部材固定部22Bとの間には、各々、フィルム状又は板状の間隙材22Cが介在されている。間隙材22Cとしては、例えば少なくとも絶縁性を有するシリコンゴムシートが使用されている。
第2把持部24は、第1把持部22の下方向に、第1把持部22と離間しかつ対向して配置されている。第2把持部24は、圧電部材12の例えば長尺方向の下方側の他端部12Dの表面12Aと裏面12Bとを一対の部材固定部24Bで挟込み、この他端部12Dを把持する構成とされている。圧電部材12の表面12Aと部材固定部24Bとの間、裏面12Bと部材固定部24Bとの間には、各々、間隙材22Cと同様な間隙材24Cが介在されている。
応力付与駆動部26は、第1把持部22及び第2把持部24の少なくとも一方に接続され(本実施の形態では第2把持部24に接続され)、一方を上下方向へ駆動して圧電部材12に応力を付与する構成とされている。応力付与駆動部26はここでは第2把持部24を下方向へ移動させる構成とされており、圧電部材12に引張応力が付与される。
応力変動検出ユニット30は、付与された応力により圧電部材12に生じた力変動ΔFを検出する構成とされている。ここでは、圧電部材12に引張応力が付与される構成とされており、この引張応力により圧電部材12に生じた応力の付与方向の延びが応力変動ΔFとして検出される。詳しく説明すると、応力変動検出ユニット30では、圧電部材12にフォースゲージ、ロードセル等のセンサが設けられている。このセンサは、起歪体としての圧力部材12に機械的に直列に結合される歪ゲージを備えている。圧電部材12に引張応力が付与されると、歪ゲージに抵抗変化が生じ、この抵抗変化を電気信号として検出することにより、力変動ΔFが検出される。
表面電位検出ユニット32は、図1及び図2(A)に示されるように、プローブ32Aと、プローブ32Aに接続された表面電位検出部32Bとを備えている。プローブ32Aは、第1把持部22と第2把持部24との間の上下方向中間部において、圧電部材12の表面12Aに対向して配置されている。プローブ32Aには、図示を省略したセンサ電極、音叉及びプリアンプを備えている。センサ電極は被測定面としての表面12Aとの間に静電容量を発生させる。この静電容量は音叉により変化させられ、これによりセンサ電極に表面12Aの表面電位を交流変調した信号が誘起される。この信号はプリアンプ及び表面電位検出部32B内の図示を省略した増幅器により増幅され、増幅された信号は同期検波を経て出力される。表面電位検出部32Bは、増幅器の他に、図示を省略した同期検波器、積分器、高電圧発生器、上記音叉を駆動する発振器等を備えている。すなわち、プローブ32Aでは、表面12Aに対して非接触により表面電位の変化を測定することができる。表面電位検出部32Bから出力された信号(表面電位の変化による電位変動ΔV)は圧電定数算出ユニット34へ出力される。
本実施の形態では、図1に示されるように、プローブ32Aが配置された表面12Aと対向する裏面12Bに固定電位16が供給される電極14が装着されている。この電極14は、図2(B)に示されるように、裏面12Bと平行な面形状を例えば矩形状とした薄膜電極で形成されている。電極14には、応力Fの付与方向である上下方向をスリット幅Wsとし、裏面12Bに沿って交差する水平方向をスリット長Lsとするスリット14Aが上下方向に一定間隔で複数本配列されている。スリット長Lsは圧電部材12の裏面12Bの水平方向の幅よりも長く設定されており、電極14及びスリット14Aは圧電部材12から外側へ突出される構成とされている。スリット14Aのスリット幅Wsは、圧電部材12の力Fの付与方向への伸縮に追従して、拡大、縮小する構成とされている。同様の作用を備えていれば、スリット14Aの配列本数、配列パターン、形状等は限定されない。例えば、スリット14Aの配列本数は1本とされてもよい。また、スリット14Aの配列パターンは上下方向へ向かって水平方向へ互い違いに配置された千鳥配列とされてもよい。また、スリット14Aのスリット形状は、長方形、長円形、楕円形等のいずれの形状とされてもよい。固定電位16はここでは接地電位(アース)とされている。
圧電定数算出ユニット34は、図1に示されるように、共通バス40を通して応力変動検出ユニット30及び表面電位検出ユニット32に接続されている。圧電定数算出ユニット34では、応力変動検出ユニット30から出力される圧電部材12の力変動ΔF及び表面電位検出ユニット32の表面電位検出部32Bから出力される圧電部材12の電位変動ΔVが入力される。力変動ΔF及び電位変動ΔVに基づいて、圧電定数算出ユニット34は、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14を算出する構成とされている。本実施の形態における圧電定数d14の測定方法(算出方法)は後述する。
制御ユニット36は共通バス40に接続された応力付与ユニット20等の各ユニットの動作制御を司る。制御ユニット36としては、例えば動作制御に必要な情報を入力するキーボード等の入力部と、圧電定数算出ユニット34から出力された圧電特性を図や数値で表示するモニタ等の出力部とを少なくとも備えたパーソナルコンピュータが使用される。また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10では、圧電特性を用紙に印刷するプリンタ等の出力装置が必要に応じて共通バス40に接続されてもよい。
(圧電特性測定方法)
次に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10を用いた圧電特性測定方法について説明する。まず、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、圧電部材12として高分子圧電材料により作製された高分子圧電フィルムが準備される。ここでは、高分子圧電フィルムとして、ヘリカルキラル高分子であるポリ乳酸(PLA)フィルムが使用された。
ポリ乳酸フィルムは以下の製法で作製された。ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製の4032D(商品名))が乾燥工程を経てポリ乳酸フィルムの原料が作製された。この原料は、押出成形機ホッパーに入れて、220℃〜230℃で加熱しながらTダイから押出された。押出された原料を50℃のキャストロールに0.3分間接触させて、厚さ150μmの予備結晶化フィルムが作製された。予備結晶化フィルムは70℃で加熱しながらロールツーロールにより延伸速度3m/分で延伸された。この予備結晶化フィルムが3.5倍まで延伸方向へ一軸延伸されると、一軸延伸フィルムが作製された。一軸延伸フィルムの厚さは例えば47.2μmであった。一軸延伸フィルムは、145℃に加熱したロール上でロールツーロールにより15秒間アニール処理され、その後急冷が行われた。この一連の作製工程を経てポリ乳酸フィルムが作製された。
上記製法で作製されたポリ乳酸フィルムを用いて、図3(A)に示される長尺状の圧電部材12が製作された。ここで、圧電部材12は、力Fが付与される長手方向(上下方向)の実効的な長さLを例えば70mmとし、短手方向(水平方向)の幅Wを例えば10mmとし、厚さTを例えば50μmとして作製された。圧電部材12の長手方向の一端部12C及び他端部12Dは応力付与ユニット20の第1把持部22及び第2把持部24により把持されるので、この把持に必要とされる分、圧電部材12の実際の長さは長く設定された。
ここで、図3(A)及び図3(B)に示されるように、圧電部材12に力Fが付与されると、圧電部材12の表面12Aの表面電位に変化が生じる。このときの圧電部材12の表面電荷密度Q/(W・L)は、引張応力F/(W・T)及び圧電定数d31との関係で、次式<1>により表される。

Qは圧電部材12の表面12Aに発生する電荷量[C]
Wは圧電部材12の幅[mm]
Lは圧電部材12の長さ[mm]
Tは圧電部材12の厚さ[mm]
Fは圧電部材12に付与される引張力[N]
上記電荷量Qは、圧電部材12の表面12A及び裏面12Bを対向電極とした静電容量C[F]及び対向電極間の電圧V[V]を用いて、次式<2>により表される。

また、静電容量Cは、真空の誘電率をεとし、圧電部材12の比誘電率をεとし、圧電部材12の幅をWとし、長さをLとし、厚さをTとして、次式<3>により表される。

誘電率εは8.854×10−12、ポリ乳酸の比誘電率εは2.7である。
上記式<1>、式<2>及び式<3>から、引張力Fの付与(応力変動)による力変動ΔF、対向電極間の電位変動ΔVが生じた圧電部材12の圧電定数d31は、次式<4>により表される。
ここで、一般的に知られている「d31=2×d14」の関係式より、圧電定数d14は、次式<5>により表される。
すなわち、圧電特性測定装置10では、応力変動検出ユニット30により力変動ΔFが検出されると共に、表面電位検出ユニット32により電位変動ΔVが検出されると、圧電部材12の圧電定数d14を算出することができる。
(圧電特性の測定結果)
図4では、本実施の形態に係る圧電特性測定方法(圧電特性測定装置10)を用いて測定された圧電定数d14[pC/N]と参考例1に係る測定方法(応力電荷法)で測定された圧電定数d14[pC/N]との相関関係が示されている。圧電部材12としては、実効的な長さLが100mm、幅Wが50mm、厚さTが50μmのポリ乳酸フィルムが使用された。延伸方向に対する採取角度を変えて圧電定数d14を変動させた複数のポリ乳酸フィルムが作製された。同一のポリ乳酸フィルムにおいて参考例1に係る測定方法による圧電定数d14の測定結果及び本実施の形態に係る圧電特性測定方法による圧電定数d14の測定結果の測定値m〜mがプロットされた。
参考例1に係る測定方法では、ポリ乳酸フィルムの表面及び裏面の両面に表面電位の変化を測定する図示を省略した一対の電極が形成された。この一対の電極として、蒸着法を用いて成膜されたアルミニウム(Al)薄膜電極が使用された。参考例1に係る測定方法では、引張応力が付与されたポリ乳酸フィルムの表面電位の変化を一対の電極により検出し、この検出結果に基づいてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
一方、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、図1及び図2(A)に示されるように、ポリ乳酸フィルムの表面(圧電部材12の表面12A)の表面電位の変化が、表面電位検出ユニット32により非接触で検出された。ポリ乳酸フィルムの裏面(圧電部材12の裏面12B)には、図2(B)に示されるように、スリット14Aを有する電極14が装着された。電極14は銅(Cu)薄膜により形成され、電極14は固定電位16としての接地電位に接続された。本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、プローブ32Aによる表面電位の変化の検出結果が表面電位検出部32Bを通して圧電定数算出ユニット34へ出力される。圧電定数算出ユニット34では、表面電位検出ユニット32から出力された検出結果としての電位変動ΔVと、応力変動検出ユニット30から出力された検出結果としての力変動ΔFとに基づいてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
次に、図4に示されるように、プロットされた複数の測定値m〜mとの距離が最小となる近似直線aを引くことができる。近似直線aから一次多項式の傾きが算出された。ここでの傾きは1.5以上1.7以下であった。この傾きを補正係数k1として上記式<5>に加えると、圧電部材12の圧電定数d14は、次式<6>により表される。
ここで、補正係数k1の算出手順について、詳しく説明する。まず最初に、被測定フィルムとして、種々の圧電定数d31或いは圧電定数d33を有する複数のポリ乳酸フィルムがサンプルとして準備される。無電極法を用いて、複数のポリ乳酸フィルムの圧電定数d1が測定される。
次に、複数のポリ乳酸フィルムの表裏に電極材料がコーティングされる。ここで、電極材料は、コーティング前後のポリ乳酸フィルムの縦弾性率の変化率が1%未満になる条件下において形成される。また、電極材料のコーティング前のポリ乳酸フィルムの厚さは、フィルムそのものの厚さとして測定される。電極材料のコーティング後のポリ乳酸フィルムの厚さは、フィルムの厚さに電極材料の厚さを加えて測定される。また、電極材料又はコーティング条件は以下の通りである。
(1)コーティング時の熱履歴がポリ乳酸フィルムの熱変形温度以下である。
(2)ポリ乳酸フィルムの溶解や膨潤が生じない。
(3)電極材料の縦弾性率は、引張試験機により、弾性変形範囲内において繰返し応力印加時のSSカーブの傾きにより導出される。
次に、応力電荷法を用いて、電極材料がコーティングされたポリ乳酸フィルムの圧電定数d2を測定する。そして、無電極法を用いて測定された圧電定数d1及び応力電荷法を用いて測定された圧電定数d2が散布図にプロットされる。この散布図に基づいて、最小二乗法による相関直線の傾きを算出することにより、補正係数k1が算出される。
本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、上記式<6>を用いてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出される。この算出された圧電定数d14は、参考例1に係る測定方法により測定されたポリ乳酸フィルムの圧電定数d14と対応させることができる。
(第1実施の形態の作用及び効果)
第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法では、図1に示される応力付与ユニット20により圧電部材12に応力が付与され、応力変動検出ユニット32により圧電部材12の力変動ΔFが検出される。一方、表面電位検出ユニット32により力変動ΔFによる圧電部材12の表面電位の変化が電位変動ΔVとして検出される。圧電定数算出ユニット34では、検出された圧電部材12の応力変動ΔFと表面電位の変化である電位変動ΔVとに基づいて、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14が算出される。
ここで、表面電位検出ユニット32は、図1及び図2(A)に示されるように、圧電部材12の表面電位の変化が非接触で検出される構成とされている。詳しく説明すると、表面電位検出ユニット32はプローブ32Aと表面電位検出部32Bとを備え、プローブ32Aにより非接触で表面電位の変化が検出される。このため、圧電部材12の表面12A及び裏面12Bの両面には電極14が形成される必要がなく、圧電部材12の裏面12B(片面)だけに電極14が形成されるので、圧電部材12の圧電特性を簡単に測定することができる。加えて、圧電部材12の裏面12Bだけに電極14が形成されるので、圧電部材12の伸縮を阻害することが減少されて、圧電部材12の力変動ΔFに与える影響を減少させることができる。
従って、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法によれば、圧電部材12の圧電特性を簡単に測定することができ、かつ圧電特性の測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法では、表面電位検出ユニット32は、図1及び図2(B)に示されるように、圧電部材12の表面12Aを非接触で検出すると共に、圧電部材12の裏面12Bに固定電位16が供給される電極14を備えている。電極14が装着されることにより、圧電部材12の表面電位の検出精度を向上させることができる。ここで、電極14に力Fの付与方向をスリット幅Wsとするスリット14Aが設けられ、かつスリット14Aは圧電部材12の幅方向外側に突出して設けられている。このため、圧電部材12に付与された力Fに応じて電極14のスリット幅Wsを変化させることができるので、圧電部材12の応力変動ΔFに与える影響を減少させることができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法では、式<5>又は式<6>から圧電部材12の圧電特性として圧電定数d14を算出することができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法では、図1に示される応力変動検出ユニット30により圧電部材12の力変動ΔFが検出され、表面電位検出ユニット32により圧電部材12の電位変動ΔVが検出される。圧電定数算出ユニット34では、圧電部材12の力変動ΔF及び電位変動ΔVが検出されると、上記式<5>又は式<6>から圧電定数d14を簡単に算出することができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置10及び圧電特性測定方法では、補正係数k1が適宜設定される。ここでは、補正係数k1が1.5以上1.7以下であった。これにより、圧電定数算出ユニット34で算出された圧電定数d14を参考例1に係る測定方法で測定された圧電定数d14の実測値に対応させることができる。
[第2実施の形態]
図5及び図6を用いて、本発明の第2実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を説明する。なお、本実施の形態並びにそれ以降の実施の形態の説明において、第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10の構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(圧電特性測定装置の構成)
第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10に対して、図5に示されるように、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50では、応力付与ユニット20及び表面電位検出ユニット32の構成に違いがある。この応力付与ユニット20及び表面電位検出ユニット32以外の構成では、第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10と第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50とは基本的に同一である。
詳しく説明すると、応力付与ユニット20は、第1把持部22に第1取付部材22Dを介して圧電部材12の一端部12Cが把持されると共に、第2把持部24に第2取付部材24Dを介して圧電部材12の他端部12Dが把持される構成とされている。第1取付部材22Dの下方向の一端側には、下方向に開口された凹部を有し、この凹部内に圧電部材12の一端部12Cを挟持する部材固定部22D1が設けられている。第1取付部材22Dの上方向の他端側は、板状とされており、第1把持部22の部材固定部22Bに挟込まれる被部材固定部22D2とされている。部材固定部22Bと被部材固定部22D2との間には間隙材22Cが介在されている。また、図示を省略したが、圧電部材12の一端部12Cと部材固定部22D1との間には間隙材22Cと同様の間隙材が介在されることが好ましい。
一方、第2取付部材24Dの上方向の一端側には、上方向に開口された凹部を有し、この凹部内に圧電部材12の他端部12Dを挟持する部材固定部24D1が設けられている。第2取付部材24Dの下方向の他端側は、板厚方向へ突設されており、第2把持部24の把持部本体24Aに断面凸状の空間として形成された部材固定部24Eに嵌合される被部材固定部24D2とされている。図示を省略したが、圧電部材12の他端部12Dと部材固定部24D1との間には間隙材24C(図1参照)と同様な間隙材が介在されることが好ましい。
図示を省略したが、応力付与ユニット20には第1実施の形態における応力付与駆動部26と同様の応力付与駆動部26が設けられている。また、応力付与ユニット20による応力変動は応力変動検出ユニット30により検出される構成とされている(図1参照)。
表面電位検出ユニット32は、第1実施の形態における表面電位検出ユニット32と同様のプローブ32A及び表面電位検出部32Bと、更にプローブ32C及び表面電位検出部32Dと、ノイズ除去部32Eとを備えている。プローブ32Aでは圧電部材12の表面12Aの表面電位の変化が非接触で検出されると共に、この検出結果は表面電位検出部32Bに出力される。一方、プローブ32Cは圧電部材12の裏面12Bの表面電位の変化を非接触で検出する構成とされている。プローブ32Cは表面電位検出部32Dに接続されており、プローブ32Cの検出結果は表面電位検出部32Dに出力される。圧電部材12の表面12A側に配置されるプローブ32Aに対して、プローブ32Cは例えば上下方向にずれた位置において裏面12B側に配置されている。表面電位検出ユニット32では、プローブ32A、プローブ32Cのそれぞれの表面電位と圧電部材12の表面電位との偏差をゼロとするフィードバック制御がなされている。このため、プローブ32Aとプローブ32Cとが対向配置され、互いに近づき過ぎると、プローブ32A、プローブ32Cのそれぞれ変動する表面電位が圧電部材12の表面電位と干渉する。つまり、圧電部材12の表面電位が安定しないので、圧電部材12の表面電位を安定かつ正確に測定することが難しい。本実施の形態では、プローブ32A及びプローブ32Cは、上下方向へ約20mmずらして配置されている。なお、ずらし方向は水平方向であっても、又は斜め方向であっても構わない。
表面電位検出部32B及び表面電位検出部32Dの出力はノイズ除去部32Eを通して圧電定数算出ユニット34に出力される。ノイズ除去部32Eでは、表面電位検出部32Bから出力される電位変動+ΔV/2と表面電位検出部32Dから出力される電位変動−ΔV/2との同相ノイズが除去され、電位変動ΔVが出力される。ノイズ除去部32Eは例えばコンパレータにより構成されている。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50では、圧電部材12の表面電位の変化が検出される領域を少なくとも覆う遮蔽部52が設けられている。遮蔽部52は、圧電部材12の表面12A側を覆い、表面12A側が開口された有底箱状の第1遮蔽部52Aと、裏面12B側を覆い、裏面12B側が開口された有底箱状の第2遮蔽部52Bとを備えている。第1遮蔽部52Aは、例えば金属板を加工して作製されており、第1遮蔽部52Aの外側からの静電気を遮蔽する構成とされている。第1遮蔽部52Aは、上下方向の中央部にプローブ32Aを取付ける取付部材としても使用されている。第2遮蔽部52Bは、第1遮蔽部52Aと同様の材料により作製されており、第2遮蔽部52Bの外側からの静電気を遮蔽する構成とされている。第1遮蔽部52Aと同様に、第2遮蔽部52Bはプローブ32Cを取付ける取付部材としても使用されている。なお、第1遮蔽部52A及び第2遮蔽部52Bとしては、金属材料に限定されるものではなく、樹脂材料や樹脂材料と金属材料との複合材料により作製してもよい。
(圧電特性の測定結果)
本実施の形態に係る圧電特性測定装置50では、第1実施の形態に係る圧電特性測定装置10を用いた圧電特性測定方法と同様の圧電特性測定方法を用いて、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14が測定された。
図6では、本実施の形態に係る圧電特性測定方法(圧電特性測定装置50)を用いて測定された圧電定数d14[pC/N]と参考例2に係る測定方法(応力電荷法)で測定された圧電定数d14[pC/N]との相関関係が示されている。圧電部材12としては、第1実施の形態と同様のポリ乳酸フィルムが使用された。延伸方向に対する採取角度を変えて圧電定数d14を変動させた複数のポリ乳酸フィルムが作製された。同一ポリ乳酸フィルムにおいて参考例2に係る測定方法による圧電定数d14の測定結果及び本実施の形態に係る圧電特性測定方法による圧電定数d14の測定結果の測定値m21〜m28がプロットされた。
参考例2に係る測定方法では、ポリ乳酸フィルムの表面及び裏面の両面に表面電位の変化を測定する図示を省略した一対の電極が形成された。この一対の電極として、導電性ポリマー電極が使用された。詳しく説明すると、導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン系導電性ポリマー(ナガセケムテックス社製 デナトロン(商標))が使用され、この導電性ポリマーを、コロナ処理されたフィルム両面にディップコートした後、常温で乾燥させて一対の電極が作製された。参考例2に係る測定方法では、引張応力が付与されたポリ乳酸フィルムの表面電位の変化を一対の電極により検出し、この検出結果に基づいてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
一方、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、図5に示されるように、ポリ乳酸フィルムの表面(圧電部材12の表面12A)の表面電位の変化が、表面電位検出ユニット32のプローブ32Aにより非接触で検出された。また、ポリ乳酸フィルムの裏面(圧電部材12の裏面12B)の表面電位の変化が、表面電位検出ユニット32のプローブ32Cにより非接触で検出された。表面電位の変化の検出に際して、ポリ乳酸フィルムの表面が遮蔽部52の第1遮蔽部52Aにより覆われると共に裏面が第2遮蔽部52Bにより覆われ、検出の領域が静電気から遮蔽された。本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、プローブ32Aの検出結果が表面電位検出部32Bを通してノイズ除去部32Eへ、プローブ32Cの検出結果が表面電位検出部32Dを通してノイズ除去部32Eへそれぞれ出力され、同相ノイズが除去された検出結果がノイズ除去部32Eから圧電定数算出ユニット34へ出力される。圧電定数算出ユニット34では、ノイズ除去部32Eから出力された検出結果としての電位変動ΔVと、図示を省略した応力変動検出ユニット30(図1参照)から出力された検出結果としての力変動ΔFとに基づいてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
ここで、図6に示されるように、プロットされた複数の測定値m21〜m28との距離が最小となる近似直線aを引くことができる。この近似直線aから一次多項式の傾きが算出された。ここでの傾きは1.9以上2.1以下であった。この傾きを補正係数k1として上記式<5>に加えると、圧電部材12の圧電定数d14は、上記式<6>により表される。すなわち、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、上記式<6>を用いてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14を算出することにより、この算出された圧電定数d14は、参考例1に係る測定方法により測定されたポリ乳酸フィルムの圧電定数d14と対応させることができる。
(第2実施の形態の作用及び効果)
第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法では、図5に示される応力付与ユニット20により圧電部材12に応力が付与され、応力変動検出ユニット30(図1参照)により圧電部材12の力変動ΔFが検出される。一方、表面電位検出ユニット32により力変動ΔFによる圧電部材12の表面電位の変化が電位変動ΔVとして検出される。圧電定数算出ユニット34では、検出された圧電部材12の応力変動ΔFと表面電位の変化である電位変動ΔVとに基づいて、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14が算出される。
ここで、表面電位検出ユニット32は、図5に示されるように、圧電部材12の表面電位の変化が非接触で検出される構成とされている。詳しく説明すると、表面電位検出ユニット32はプローブ32A及びプローブ32Cと表面電位検出部32B及び表面電位検出部32Dとを備え、プローブ32A及びプローブ32Cにより非接触で表面電位の変化が検出される。このため、圧電部材12の表面12A及び裏面12Bの両面には電極(図1及び図2(B)に示される電極14)が形成されないので、圧電部材12の圧電特性をより一層簡単に測定することができる。加えて、圧電部材12の両面に電極が形成されないので、圧電部材12の力変動ΔFに与える影響をより一層減少させることができる。
従って、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法によれば、圧電部材12の圧電特性をより一層簡単に測定することができ、かつ圧電特性の測定精度をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法では、図5に示される遮蔽部52により、圧電部材12の表面電位の変化が検出される領域が覆われ、静電気が遮蔽されている。このため、表面電位検出ユニット32による圧電部材12の表面電位の検出精度を更に向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法では、式<5>又は式<6>から圧電部材12の圧電特性として圧電定数d14を算出することができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法では、応力変動検出ユニット30(図1参照)により圧電部材12の力変動ΔFが検出され、図5に示される表面電位検出ユニット32により圧電部材12の電位変動ΔVが検出される。圧電定数算出ユニット34では、圧電部材12の力変動ΔF及び電位変動ΔVが検出されると、上記式<5>又は式<6>から圧電部材12の圧電定数d14を簡単に算出することができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法では、補正係数k1が適宜設定される。ここでは、補正係数k1が1.9以上2.1以下に設定される。これにより、圧電定数算出ユニット34で算出された圧電定数d14を参考例2に係る測定方法で測定された圧電定数d14の実測値に対応させることができる。
[第3実施の形態]
図7及び図8を用いて、本発明の第3実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を説明する。本実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法は、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法の変形例である。
(圧電特性測定装置の構成)
第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50に対して、図7に示されるように、第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60では、表面電位検出ユニット32の構成に違いがある。この表面電位検出ユニット32以外の構成では、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50と第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60とは基本的に同一である。
詳しく説明すると、表面電位検出ユニット32は、第1実施の形態及び第2実施の形態における表面電位検出ユニット32と同様のプローブ32A及び表面電位検出部32Bを備えている。プローブ32Aは、圧電部材12の表面12Aの表面電位の変化が非接触で検出される構成とされ、表面12A側を覆う遮蔽部52の第1遮蔽部52Aに取付けられている。プローブ32Aの検出結果は表面電位検出部32Bに出力される。
一方、圧電部材12の裏面12B側には、第2実施の形態における第2遮蔽部52Bと同様の第2遮蔽部52Bが設けられているが、図5に示されるプローブ32C及び表面電位検出部32Dは設けられていない。すなわち、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60では、圧電部材12の表面12Aの片面での表面電位の変化が非接触で検出される構成とされている。第2遮蔽部52Bは固定電位16に接続されている。なお、第1遮蔽部52Aにも固定電位16が接続されてもよい。
(圧電特性の測定結果)
本実施の形態に係る圧電特性測定装置60では、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50を用いた圧電特性測定方法と同様の圧電特性測定方法を用いて、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14が測定された。
図8では、本実施の形態に係る圧電特性測定方法(圧電特性測定装置60)を用いて測定された圧電定数d14[pC/N]と参考例2に係る測定方法(応力電荷法)で測定された圧電定数d14[pC/N]との相関関係が示されている。圧電部材12としては、第2実施の形態と同様のポリ乳酸フィルムが使用された。延伸方向に対する採取角度を変えて圧電定数d14を変動させた複数のポリ乳酸フィルムが作製された。同一ポリ乳酸フィルムにおいて参考例2に係る測定方法による圧電定数d14の測定結果及び本実施の形態に係る圧電特性測定方法による圧電定数d14の測定結果の測定値m31〜m37がプロットされた。
第2実施の形態で説明した参考例2に係る測定方法と同様の測定方法により、ポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
一方、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、図7に示されるように、ポリ乳酸フィルムの表面(圧電部材12の表面12A)の表面電位の変化が、表面電位検出ユニット32のプローブ32Aにより非接触で検出された。表面電位の変化の検出に際して、ポリ乳酸フィルムの表面が遮蔽部52の第1遮蔽部52Aにより覆われ、検出の領域が静電気から遮蔽された。また、ポリ乳酸フィルムの裏面(圧電部材12の裏面12B)が第2遮蔽部52Bにより覆われると共に、第2遮蔽部52Bは固定電位16に接続された。本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、プローブ32Aの検出結果が表面電位検出部32Bを通して圧電定数算出ユニット34へ出力される。圧電定数算出ユニット34では、表面電位検出ユニット32から出力された電位変動ΔVと、図示を省略した応力変動検出ユニット30(図1参照)から出力された検出結果としての力変動ΔFとに基づいてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14が算出された。
ここで、図8に示されるように、プロットされた複数の測定値m31〜m37との距離が最小となる近似直線aを引くことができる。この近似直線aから一次多項式の傾きが算出された。ここでの傾きは2.3以上2.5以下であった。この傾きを補正係数k1として上記式<5>に加えると、圧電部材12の圧電定数d14は、上記式<6>により表される。すなわち、本実施の形態に係る圧電特性測定方法では、上記式<6>を用いてポリ乳酸フィルムの圧電定数d14を算出することにより、この算出された圧電定数d14は、参考例2に係る測定方法により測定されたポリ乳酸フィルムの圧電定数d14と対応させることができる。
また、図9に示されるように、本実施の形態における圧電特性の測定結果と前述の第2実施の形態における圧電特性の測定結果とを比較した。本実施の形態に係る圧電特性測定方法は、第2実施の形態に係る圧電特性測定方法に対して補正係数k1が若干高くなるものの、第2実施の形態に係る圧電特性測定方法と同様に参考例2に係る測定方法で測定された圧電定数d14の実測値に対応させることができる。ここで、第1実施の形態における補正係数k1は1.5以上1.7以下、第2実施の形態における補正係数k1は1.9以上2.1以下、そして本実施の形態における補正係数k1は2.3以上2.5以下である。このため、複数の実施の形態を通じて、補正係数k1は1.5以上2.5以下の範囲内とされることが好ましい。
(第3実施の形態の作用及び効果)
第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、図7に示される応力付与ユニット20により圧電部材12に応力が付与され、応力変動検出ユニット30(図1参照)により圧電部材12の力変動ΔFが検出される。一方、表面電位検出ユニット32により力変動ΔFによる圧電部材12の表面電位の変化が電位変動ΔVとして検出される。圧電定数算出ユニット34では、検出された圧電部材12の応力変動ΔVと表面電位の変化である電位変動ΔVとに基づいて、圧電部材12の圧電特性としての圧電定数d14が算出される。
ここで、表面電位検出ユニット32は、図7に示されるように、圧電部材12の表面電位の変化が非接触で検出される構成とされている。詳しく説明すると、表面電位検出ユニット32はプローブ32Aと表面電位検出部32Bとを備え、プローブ32Aにより圧電部材12の表面12Aの表面電位の変化が非接触で検出される。このため、圧電部材12の表面12A及び裏面12Bの両面には電極(図1及び図2(B)に示される電極14)が形成されないので、圧電部材12の圧電特性を簡単に測定することができる。加えて、圧電部材12の両面に電極が形成されていないので、圧電部材12の力変動ΔFに与える影響を減少させることができる。
従って、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法によれば、圧電部材12の圧電特性をより一層簡単に測定することができ、かつ圧電特性の測定精度をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、図7に示される遮蔽部52により、圧電部材12の表面電位の変化が検出される領域が覆われ、静電気が遮蔽されている。このため、表面電位検出ユニット32による圧電部材12の表面電位の検出精度を更に向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、図7に示されるように、遮蔽部52の第2遮蔽部52Bが固定電位16に接続されているので、圧電部材12の表面電位の検出精度を向上することができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、式<5>又は式<6>から圧電部材12の圧電特性として圧電定数d14を算出することができる。
更に、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、応力変動検出ユニット30(図1参照)により圧電部材12の力変動ΔFが検出され、図7に示される表面電位検出ユニット32により圧電部材12の電位変動ΔVが検出される。圧電定数算出ユニット34では、圧電部材12の力変動ΔF及び電位変動ΔVが検出されると、上記式<5>又は式<6>から圧電部材12の圧電定数d14を簡単に算出することができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法では、補正係数k1が適宜設定される。ここでは、補正係数k1が2.3以上2.5以下に設定される。これにより、圧電定数算出ユニット34で算出された圧電定数d14を参考例2に係る測定方法で測定された圧電定数d14の実測値に対応させることができる。
[第4実施の形態]
図10を用いて、本発明の第4実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を説明する。本実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法は、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法の変形例である。
(圧電特性測定装置の構成)
第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50に対して、図10に示されるように、第4実施の形態に係る圧電特性測定装置70では、遮蔽部52の構成に違いがある。この遮蔽部52以外の構成では、第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50と第4実施の形態に係る圧電特性測定装置70とは基本的に同一である。
詳しく説明すると、図5に示される遮蔽部52は第1遮蔽部52Aと第2遮蔽部52Bとで構成されていたが、本実施の形態における遮蔽部52は圧電部材12の表面12A側及び裏面12B側の全体を覆う中空箱状とされている。遮蔽部52は、外部からの静電気を遮蔽すると共に、表面電位検出ユニット32のプローブ32A及びプローブ32Cの取付けにも使用されている。
そして、遮蔽部52には内部の静電気を取除く除電ユニット(イオナイザ)72が接続されている。除電ユニット72はリレー74を介してPLC(プログラマブルロジックコントローラ)76に接続されており、PLC76により除電ユニット72の動作が制御される。なお、PLC76は共通バス40を通して制御ユニット36に接続されており、制御ユニット36によりPLC76の動作が制御される。
また、本実施の形態では、応力付与ユニット20として引張試験機が利用されている。引張試験機が応力付与ユニット20として利用されることにより、本実施の形態に係る圧電特性測定装置70が簡単に構築することができ、この圧電特性測定装置70を用いて圧電部材12の圧電特性を簡単に測定することができる。
(第4実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る圧電特性測定装置70及び圧電特性測定方法では、前述の第2実施の形態に係る圧電特性測定装置50及び圧電特性測定方法により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置70及び圧電特性測定方法では、除電ユニット72が設けられているので、圧電部材12の表面電位の変化が検出される際に静電気の影響を減少させることができる。従って、圧電部材12の圧電特性の測定精度をより一層向上させることができる。
[第5実施の形態]
図11を用いて、本発明の第5実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法を説明する。本実施の形態に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法は、第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法と第4実施の形態に係る圧電特性測定装置70及び圧電特性測定方法とを組合わせた変形例である。
(圧電特性測定装置の構成)
第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60に対して、図11に示されるように、第5実施の形態に係る圧電特性測定装置80では、遮蔽部52の構成に違いがある。この遮蔽部52以外の構成では、第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60と第5実施の形態に係る圧電特性測定装置80とは基本的に同一である。
詳しく説明すると、本実施の形態に係る圧電特性測定装置80は、第4実施の形態に係る圧電特性測定装置70の遮蔽部52と同様の中空箱状の遮蔽部52が設けられている。遮蔽部52は、外部からの静電気を遮蔽すると共に、表面電位検出ユニット32のプローブ32Aの取付けにも使用されている。そして、遮蔽部52には除電ユニット72が接続されている。除電ユニット72はリレー74を介してPLC76に接続されている。
(第5実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る圧電特性測定装置80及び圧電特性測定方法では、前述の第3実施の形態に係る圧電特性測定装置60及び圧電特性測定方法により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係る圧電特性測定装置80及び圧電特性測定方法では、除電ユニット72が設けられているので、圧電部材12の表面電位の変化が検出される際に静電気の影響を減少させることができる。従って、圧電部材12の圧電特性の測定精度をより一層向上させることができる。
[上記実施の形態の補足説明]
本発明は、上記複数の実施の形態に限定されものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、圧電材料としてポリ乳酸が使用されているが、本発明では、圧電材料がポリ乳酸に限定されない。例えば、圧電材料には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PVDF(ポリ弗化ビニリデン)、NILON(ナイロン)、Polyurea(ポリ尿素)、P(VDCN/VAc)(シアン化ビニリデン酢酸ビニル共重合体)、PLA”Celluar PP electret”(ポリ乳酸”多孔性ポリプロピレンエレクレット”)等が使用可能である。
また、本発明は、フィルム状の圧電部材に限定されない。例えば、板状、ブロック状、丸棒状、角棒状等の形状を有する圧電部材の圧電特性を測定する際にも、本発明に係る圧電特性測定装置及び圧電特性測定方法が使用可能である。
更に、上記実施の形態では、圧電部材に付与される応力が引張応力とされていたが、本発明は、例えば圧電部材に圧縮応力、曲げ応力、剪断応力等を付与して圧電特性を測定してもよい。
10、50、60、70、80 圧電特性測定装置
12 圧電部材
12A 表面
12B 裏面
14 電極
14A スリット
16 固定電位
20 応力付与ユニット
22 第1把持部
24 第2把持部
26 応力付与駆動部
30 応力変動検出ユニット
32 表面電位検出ユニット
32A、32C プローブ
32B、32D 表面電位検出部
34 圧電定数算出ユニット
36 制御ユニット
52 遮蔽部
52A 第1遮蔽部
52B 第2遮蔽部
72 除電ユニット

Claims (11)

  1. 圧電部材に応力を付与する応力付与ユニットと、
    当該応力付与ユニットによる応力が付与された前記圧電部材の応力変動を検出する応力変動検出ユニットと、
    前記応力変動による前記圧電部材の表面電位の変化を非接触で検出する表面電位検出ユニットと、
    前記応力変動と前記表面電位の変化とに基づいて前記圧電部材の圧電定数を算出する圧電定数算出ユニットと、
    を備えた圧電特性測定装置。
  2. 前記表面電位検出ユニットは、前記圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化を非接触で検出する請求項1に記載の圧電特性測定装置。
  3. 前記表面電位検出ユニットにより前記圧電部材の表面電位の変化が検出される領域を覆い、静電気を遮蔽する遮蔽部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の圧電特性測定装置。
  4. 前記表面電位検出ユニットは、表面電位の変化が非接触で検出される前記圧電部材の表面と対向する裏面に装着可能とされ、前記応力の付与方向をスリット幅とするスリットが設けられると共に、固定電位が供給される電極を備えている請求項1又は請求項3に記載の圧電特性測定装置。
  5. 前記圧電定数算出ユニットは、前記圧電部材の圧電定数d14を算出する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧電特性測定装置。
  6. 前記圧電定数算出ユニットは、真空の誘電率をεとし、前記圧電部材の比誘電率をεとし、前記表面電位の変化が検出されかつ応力の付与方向と直交する方向における前記圧電部材の表面の幅をWとし、前記表面電位の変化による電位変動をΔVとし、前記応力変動による力変動をΔFとし、補正係数をk1として、前記圧電定数d14を下記式により算出する請求項5に記載の圧電特性測定装置。
  7. 前記補正係数k1は、1.5以上2.5以下に設定されている請求項6に記載の圧電特性測定装置。
  8. 圧電部材に応力を付与し、
    当該圧電部材の応力変動を検出し、
    当該応力変動による前記圧電部材の表面電位の変化を非接触で検出し、
    前記応力変動と前記表面電位の変化とに基づいて前記圧電部材の圧電定数を算出する圧電特性測定方法。
  9. 前記表面電位の変化の検出は、前記圧電部材の対向する表面の各々の表面電位の変化が非接触で検出されることである請求項8に記載の圧電特性測定方法。
  10. 前記表面電位の変化の検出は、前記圧電部材の表面電位が検出される領域を覆い、静電気を遮蔽して前記表面電位の変化が検出されることである請求項8又は請求項9に記載の圧電特性測定方法。
  11. 前記表面電位の変化の検出は、前記表面電位の変化が非接触で検出される前記圧電部材の表面と対向する裏面に、応力の付与方向をスリット幅とするスリットが設けられると共に、固定電位が供給される電極を装着して前記表面電位の変化が検出されることである請求項8又は請求項10に記載の圧電特性測定方法。
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