JP6396072B2 - 色収差補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は色収差補正方法に関し、より詳しくは、レンズを介して投影された被写体の像を撮像して得られた画像データを対象として、色収差を補正する方法に関する。
近年、生細胞の観察ができる光学顕微鏡の利点を活かして、細胞生物学や分子生物学の分野において蛍光顕微鏡が広く用いられている。蛍光観察は、試料に適した蛍光色素または蛍光タンパクそのものの蛍光シグナルを観察する方法で、以下の特徴や利点がある。 (1) 観察対象(検出したいもの)の大きさが、波長と開口数に依存する分解能よりかなり小さくとも、その存在を可視化できる。(2)観察対象を特異的に、そしてその局在や移動を可視化できる。(3)蛍光の明るさや色(蛍光波長)の変化を検出することができる。(4)蛍光の色の違いを利用して、多重染色標本の観察ができる。
ところが、光学系においては、理想的な結像と、レンズを通った実際の結像とのズレである収差が生じる。この収差は、色ごとの波長の違いによって生じる色収差と、色には左右されない単色収差とに分けることができる。色収差には、色による屈折率の違いによって焦点距離が異なることで結像面の画像がぼやけてしまう軸上色収差と、色によって像倍率が異なることで色が滲んで見える倍率色収差とがある。軸上色収差を取り除く最も簡単な方法は、凸レンズと凹レンズを組み合わせることである。凸レンズでは赤色の屈折率が小さく、青色の屈折率が大きく、凹レンズでは、逆に赤色の屈折率が大きく、青色の屈折率が小さくなる。この特徴を利用して凸レンズと凹レンズを適切に組み合わせることによって、赤色の焦点と青色の焦点を同じ位置に合わせることが可能である。
軸上色収差をなくすために、上記のような方法ですべての色を同じ焦点に集めたとすると、レンズと結像面の距離はどの色の場合でも同じである。しかし、結像面上のある一点の像について考えると、そこに焦点を結んでいるどの色の光もレンズ後面の同一点から出てきているとは限らない。色ごとの屈折率の違いが凸レンズと凹レンズでは逆転することを利用して補正した結果として、結像面上で一点に到達したというだけで、その点における各色の直進光線と光軸とで作る角度が同一でない場合がほとんどである。すなわち、結像面に対しては色ごとにレンズの主点位置が変わるということである。主点と焦点の間の距離が焦点距離であり、焦点距離によって像倍率が決まるので、色ごとに異なる大きさのピントの合った像が結像面にできているということになる。この色によって像倍率が異なることで色が滲んで見える収差が倍率色収差である。この倍率色収差を抑えるのは容易ではないが、光の分散性を非常に低く抑える材質で作った特殊低分散レンズの使用や、特定の波長の光だけ屈折率が変わる異常分散レンズの使用や、異常分散するような被膜をレンズに施すなどの対策が採用されている。
単色収差には、球面収差と、コマ収差と、非点収差と、像面湾曲と、歪曲収差とがある。非球面レンズを採用することで、球面収差とコマ収差と歪曲収差とを補正することが可能であり、レンズ表面の曲率を適切な値に設定することによって、非点収差と像面湾曲とを補正することが可能である。
ところが、観察対象である生物試料は、それぞれ異なる屈折率を持つため、試料ごとに収差の補正量が僅かに異なっている。さらに、従来の光学顕微鏡では、解像度の限界は約250nmであり、250nmよりも接近した2つのものを別々のものとして識別するためには、より大きな角度の光を対物レンズに取り込む必要があるが、実際に取り込める光の角度は対物レンズの大きさと光の波長により制限されるという理論上の限界があった。しかし、近年、光学顕微鏡の分解能の限界を超える、飛躍的な解像度(20〜30nm)を実現した超解像顕微鏡が提供されているので、従来よりも高精度の色収差補正方法が求められている。
例えば、非特許文献1には、画像の色成分の間で起こる位置ズレを高精度で測定する技術に関して、「多色蛍光ビーズを2ないし3の異なる検出チャンネルを使用して走査し、各蛍光ビーズの位置を各検出チャンネルに対して別々に計測すると、各蛍光ビーズの計測位置は検出チャンネルによって僅かに異なるので、ある色のビーズと他の色のビーズでペアを組み、このペアリングの後でビーズの座標の間の差異として定義される各方向(△x、△y、△z)における平均的なズレ(△xaV、△yaV、△zaV)と標準偏差(σ△x、σ△y、σ△z)を計算して、表2には、赤と緑の位置ズレが10〜40nmであり、赤と赤外線との位置ズレが15〜30nmであること」が記載されている。
非特許文献2には、良好な解像度で巨大分子における蛍光体間の距離を測定できる、蛍光染料の高解像局在化技術に関して、「2つの色の異なる蛍光分子をプローブとして使用することによって、250nmよりはるかに小さく、レイリー限界を超え、アクチンフィラメントに沿って運動するミオシンV上のCy3およびCy5と表示されたカルモジュリンにそれぞれ蛍光ビーズが施され、このCy3とCy5が階段状の軌跡を示し、階段の大きさは約72nmであること」が記載されている。
非特許文献3には、単一分子の局在化、表示および距離の測定に関して、「CCD検出器の別々の部分に二つの異なる着色の蛍光子をイメージし、写像関数(X≡f(Xサンプル)、X≡g(Xサンプル))によって、試料中の分子の位置(Xサンプル≡(xサンプル、yサンプル))をCCDチップの座標上において決定し、fとgを知ることができれば、写像(fog−1およびgof−1)を使用して二つの着色イメージの間の距離を測定できる。」と記載されている。
E.M.M. Mandars, 1997, Journal of Microscopy, Vol.185, pp.321-328 L. Stirling Churchman et al., 2005, The National Academy of Sciences of the USA, vol.102, pp.1419-1423 Alexandros Pertsinidis et al., 2010, Nature, vol.466, pp. 647-651
しかしながら、生物試料は固有の屈折率を持っており、生物試料を載せたスライドガラスの上に置くカバーグラスの厚みによっても屈折率は変化する。レンズの分解能は開口数(物体から対物レンズに入射する光線の光軸に対する最大角度をθ、物体と対物レンズの間の媒質の屈折率をnとすれば、開口数=n×sinθ)に反比例するので、開口数が大きくなれば、レンズの分解能を上げることができる。例えば、カバーグラスと対物レンズの間を液体で満たすこと(液浸)によって、開口数を向上させることが可能である。ところが、この液体の種類によって屈折率が変化する。また、互いに直交する三軸(X軸、Y軸、Z軸)の倍率が異なる。このような様々な要因の影響を受けて屈折率が変化するので、上記した非特許文献1ないし3に記載された方法は、特殊な観察条件に限っているため、三次元的に撮影した画像の色収差を数nmの精度で補正することは容易でない。
本発明の課題は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、三次元的に撮影した画像の色収差を数nmの精度で補正することが可能である色収差補正方法を提供することにある。
かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、以下の方法により、前記の課題を解決できることを見出した。
被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンとも、いう)とを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
当該パーソナルコンピュータにおいて、
一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報から他方の色の画像情報を引き算する操作を行うことによって、最小の引き算値を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求めることを特徴とする色収差補正方法である。
被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
当該パーソナルコンピュータにおいて、
一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関を最大にする解を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求めることを特徴とする色収差補正方法である。
被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
当該パーソナルコンピュータにおいて、
位相相関により、一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向、Y方向およびZ方向の位置ずれ量を求める第一操作を行い、
ついで、他方の色の画像に所定の角度の回転を加えて、一方の色の画像と他方の色の画像間の回転角度についての相関を求めるとともに、一方の色の画像と他方の色の画像間のX方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率についての相関を求める第二操作を行い、
さらに、第一操作で求めた位置ずれ量および第二操作で求めた回転角度と倍率を初期値とした最適化操作により、一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関を最大にする解を7つの変数に対して同時に求める第三操作を行い、
その後、第一操作および第三操作を繰り返して行うことによって、相関を最大にする解の中の最適解を得ることを特徴とする色収差補正方法である。
本発明において、パーソナルコンピュータとしては、上記した画像情報の引き算操作、画像情報の相関を求める操作、第一操作における位相相関による位置ずれ量を求める操作、第二操作における画像の回転、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率についての相関を求める操作、第三操作における最適化操作(例えば、シンプレックス法)が可能であれば、用いることができる。
本発明において、カメラとしては、被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なものであれば用いることができる。当該カメラを用いて、焦点距離を変えずに、被写体の姿勢を適切に変えることにより、被写体の三次元的撮影画像を取得することができる。係る三次元的撮影画像をパーソナルコンピュータに取り込んで、上記した段落[0014]、[0015]および[0016]に記載した操作をパーソナルコンピュータで行うことが本発明の要旨である。
本発明によれば、超解像蛍光顕微鏡を用いた生物試料の観察において、色収差を効果的に補正することができる。特に、三次元で多色観察が容易な三次元構造化照明顕微鏡法(Structured Illumination Microscopy: SIM)で色収差を効果的に補正することができる。三次元構造化照明顕微鏡法の分解能は約120nmであり、本発明による位置ずれ補正精度で十分な効果が得られる。さらに、通常の蛍光顕微鏡による観察でも、図1に示すように、複数の励起光6を試料1に向けて発することによって試料1から放出される複数の蛍光を複数のカメラ2、3、4、5で観察する、回転や倍率の影響が特に大きい同時多色顕微鏡観察や多色情報への依存度が高い共局在解析において大きな効果を発揮する。
4台のカメラにより4つの蛍光を同時観察する場合の一例を示す図である。 位相相関による画像の位置ずれを説明する図である。 本発明の方法において、色収差を補正するための7つのパラメーターを説明する図である。 補正用画像を取得する場合の一例について説明する図である。
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものでないことは言うまでもない。
(1)本発明の色収差補正方法の基本態様
《第一態様》
被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
当該パーソナルコンピュータにおいて、
一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報から他方の色の画像情報を引き算する操作を行うことによって、最小の引き算値を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求める。
《第二態様》
被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
当該パーソナルコンピュータにおいて、
一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関を最大にする解を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求める。
本発明は、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との差異を認識して、この差異を最少にする操作(最適化)を行うことにより、一方の色の画像情報に他方の色の画像情報を限りなく重ね合わせる方法である。上記差異を最少にする手法としては、二つの画像情報の引き算値を最少にする解を求める方法(上記第一態様)と、二つの画像情報の相関を最大にする解を求める方法(上記第二態様)とがある。最適化操作の具体的な方法としては、シンプレックス法を採用することができる。
《位相相関による位置ずれ情報》
二つの画像が与えられたとき、それぞれの画像の離散フーリエ変換をすると振幅成分(明るさ)と位相成分(位置)の2種類の情報を得ることができる。そして、振幅成分で正規化したうえで積をとったものは、合成位相スペクトルと呼ばれる。位相限定相関関数は、合成位相スペクトルの逆離散フーリエ変換として定義される。画像が類似している場合、位相限定相関関数は、鋭いピークを示す。ピークの座標は二つの画像の相対的な位置ずれに対応する。図2において、7は赤色の画像であり、8は青色の画像であり、二つの画像のピークは、ずれている。図2の曲線7、8上における小さい黒丸は画素を示す。図2のピークのずれ量は二つの画像の位置ずれに対応している。このようにして、二つの画像のX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量およびZ方向の位置ずれ量が分かる。
《回転、X方向の倍率、Y方向の倍率、Z方向の倍率》
二つの画像が与えられたとき、他方の色の画像に所定の角度の回転を加えて、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との回転、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率についての相関値を計算し、回転角度によって得られる相関値の中で最も高い値が得られたときの回転角度が求める回転角度である。
《7つのパラメーター》
図3は、色収差を補正するための7つのパラメーターを示す図である。図3において、txはX方向の位置ずれ、tyはY方向の位置ずれ、tzはZ方向の位置ずれ、rは回転、mxはX方向の倍率、myはY方向の倍率、mzはZ方向の倍率を表す。これら7つのパラメーターで、二つの画像のずれを示すことができる。例えば、二つの画像において、X方向に−8画素のずれが存在し、Y方向に10画素のずれが存在し、Z方向に2画素のずれが存在し、回転量において0.5°のずれが存在し、X方向の倍率に0.99のずれが存在し、Y方向の倍率に1.01のずれが存在し、Z方向の倍率に1.01のずれが存在する場合、7つのパラメーターの各々を個別に補正する方法は非効率であり、あるパラメーターを補正することで他のパラメーターが変動することがある。そこで、効率的に色収差を補正するために、最適化操作を行う。
《最適化》
最適化とは、ある制約条件のもとで関数を最大化または最小化する解を探す操作であり、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関係数を最大にする解を求めるための最適化操作としてシンプレックス法を採用することができる。
シンプレックス法は、実行可能解(超多面体の頂点)の1つから出発して、目的関数の値をなるべく大きく(あるいは小さく)するようにする操作を繰り返して最適解を見つけ出す方法であり、各ステップで目的関数の値は改善される。一般的なアルゴリズムは以下のとおりである。
1.線形計画問題を制限標準型に変形する。
(1)スラック変数を加え、標準型に変形する。制約条件のうち不等式を含むものがなくなり、すべて等式となる。
(2)人工変数を加え、制限標準型に変形する。等式化された問題の目的関数を最大化または最小化する線形計画問題にする。
2.これまでの作業をもとに、線形計画問題の係数を表にまとめたものを作成する。
3.式の数だけ基底変数を定める。目的関数は必ず基底変数に選ばなければならない。
4.初期の基底変数から得られた連立方程式の解が最適かどうかを調べる。最適とみなすことができた場合は終了する。終了しなかった場合は以下の作業を行う。
5.基底変数と非基底変数の組み合わせを変更する。
(1)新たに基底変数にできそうな変数を非基底変数の中から選ぶ。複数存在する場合は、最も効果の高い変数を基底に選ぶ。(ピボット列の決定)
(2)基底から追い出す変数を決める。増加限界(定数項の値から新たに基底に入れる変数の係数で割ったもの)によって追い出す変数を決める。(ピボット行の決定)
(3)新しい基底変数での連立方程式を解く。具体的には、ピボットを中心に掃き出し法などで新たな実行可能解を求める。4に戻り、同様の処理を繰り返す。
《本発明におけるシンプレックス法の利用》
本発明においては、目的関数(評価基準)としては、相関係数(ピアソンの積率相関係数)の逆数または相互相関関数の最大値を用いる。相互相関関数は二つの関数がどの程度似ているか、あるいはどの程度ずれているかを表すために用いられる関数である。二つの異なる関数において、それらの関数に含まれるある変数の値を、二つの関数の間で相対的にずらして、それらの関数の重なりをその変数について積分した関数のことである。すなわち、対象とする関数をf、gとし、それらの積分変数をXとし、二つの関数の間でその変数の相対変位をxとすると、相互相関関数Rfgは次のように表せる。Rfg=∫f(X)g(X−x)dX。対象となる二つの関数が同じ場合、相互相関関数は自己相関関数になる。Rfgの値が大きい場合は、二つの関数が似ていることを示している。また、ある特定のxについてRfgの値が大きくなる場合は、二つの関数の相対的なずれの量が分かる。例として、電子顕微鏡像を二回撮影し、二つの像の間の相互相関関数を計算すると(この場合は、x=x(t))、撮影の間に像がどれだけドリフトしたかに関する知見を求めることができる。xが小さいところで相関関数の値が大きければ、ドリフトが少ない。相互相関関数の計算には、高速化を図るためにコンピュータで高速フーリエ変換法を行う。すなわち、相互相関関数を構成する各関数のフーリエ変換を計算して、それらの強度をとり、その結果を逆フーリエ変換することによって相互相関関数を計算する。
相関係数とは、二つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標である。原則として、単位はなく、−1から+1の間の実数値をとり、+1に近いときは二つの確率変数の間には正の相関があるといい、−1に近ければ二つの確率変数の間には負の相関があるという。0に近いときは二つの確率変数の相関は弱いという。なお、+1または−1となる場合は、二つの確率変数は線形従属の関係にある。
2組の数値からなるデータ列{(x、y)}(i=1,2,・・・,n)が与えられたとき、相関係数は、以下の式(1)のように求められる。式(1)は、共分散をそれぞれの標準偏差で除したものに等しい。
《多色画像間に相関がない場合》
多色画像間に相関がない場合は、補正用の画像を取得する。例えば、短い波長の蛍光を発する蛍光色素の一例として、染色に用いられる蛍光色素の一種であり、DNAに対して強力に結合する物質であり、蛍光顕微鏡観察に広く利用されているDAPI(4',6−diamidino−2−phenylindole)を用いることができる。DAPIは浸透速度が遅いものの、細胞膜透過性の色素であり、生きた細胞と固定された細胞の両方に対して使うことができる。DAPIはDNA二重螺旋の小さい溝、特にAT(アデニン・チミン)に富んだ領域に優先的に結合する。蛍光顕微鏡観察において、DAPIは紫外線によって励起することができる。DNA二重螺旋に結合したDAPIは励起光の波長358nmに吸収極大をもち、放出される蛍光は461nmが極大である。図4に示すように、DAPIの青色蛍光9の波長域は広く、色としては青〜水色に見える。
DAPIと同時に緑色蛍光色素(Alexa488)と赤色蛍光色素(Alexa568)が存在し、青色蛍光と緑色蛍光と赤色蛍光の間に相関が認められない場合でも、図4に示すように、青色蛍光9は、緑色蛍光10や赤色蛍光11の領域である長波長側に広がることが分かる。そこで、緑色蛍光10と赤色蛍光11を補正用画像として、青色蛍光9との間の相関を用いて、上記と同様に色収差の補正量を求めることができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変形や修正が可能である。
顕微鏡画像における既知の色ずれをパソコンにおいて設定し、蛍光強度が相対的に高かった画像(以下の表1におけるA)と、蛍光強度が相対的に低かった画像(以下の表1におけるB)とにおいて、プログラム言語であるPython(ハ゜イソン)を用いて、位置ずれ、回転角度および倍率の変更を同時に行うアフィン変換により既知の色ずれを引き起こした人工的な三次元画像を作成した。
そして、パソコンにおいて、位相相関により、一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向、Y方向およびZ方向の位置ずれ量を求める第一操作を行った結果、X方向の位置ずれ量として−8.008221画素、Y方向の位置ずれ量として9.883519画素、Z方向の位置ずれ量として1.934218画素という解が得られ、第二操作として、他方の色の画像に所定の角度の回転を加えた結果、回転角度として0.496999度、X方向の倍率として0.999411倍、Y方向の倍率として1.000537倍、Z方向の倍率として1.011412という解が得られた。このようにして得られた解を初期値として、シンプレックス法により、一方の色の画像と他方の色の画像との違いによるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関係数の逆数が最少となる(相互相関関数が最大となる)解を7つの変数に対して同時に求める第三操作を行った。さらに、第一操作および第三操作を7回繰り返した結果、最適解を得た。この最適解を以下の表1において計算値として示し、設定ずれ量と計算値との差を誤差として以下の表1に示す。なお、誤差(nm:ナノメーター)は既知の画素の大きさに基づいて求めた。
表1に示すように、AおよびBのいずれの場合においても、設定ずれ量と計算値との差(誤差)は6nm以下の精度であり、高精度で色ずれ量を算出することができる。一般的な顕微鏡の二次元XY平面での分解能は約250nmであり、XY平面に対して垂直方向での分解能は約600nmであるため、6nm以下という計算精度は十分厳密な科学観察に利用できる。
本発明は、超解像蛍光顕微鏡を用いた生物試料の観察に利用できる。
1 試料
2 カメラ
3 カメラ
4 カメラ
5 カメラ
6 励起光
7 赤色の画像
8 青色の画像
9 青色蛍光
10 緑色蛍光
11 赤色蛍光

Claims (3)

  1. 被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
    当該パーソナルコンピュータにおいて、
    励起光を試料に向けて発することによって当該試料から放出される蛍光をカメラで観察したときに、試料から放出される波長ごとに屈折率が異なることによって各波長に対応する蛍光がカメラのレンズを通過した後の結像に生じる現象である軸上色収差及び倍率色収差の両収差によるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報から他方の色の画像情報を引き算する操作を行うことによって、最小の引き算値を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求めることを特徴とする色収差補正方法。
  2. 被写体の色に関する画像情報を取得することが可能なカメラと、パーソナルコンピュータとを備え、上記カメラで撮影した被写体の色に関する画像情報をパーソナルコンピュータに取り込み、
    当該パーソナルコンピュータにおいて、
    励起光を試料に向けて発することによって当該試料から放出される蛍光をカメラで観察したときに、試料から放出される波長ごとに屈折率が異なることによって各波長に対応する蛍光がカメラのレンズを通過した後の結像に生じる現象である軸上色収差及び倍率色収差の両収差によるX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量、Z方向の位置ずれ量、回転角度、X方向の倍率、Y方向の倍率およびZ方向の倍率を7つの変数として、一方の色の画像情報と他方の色の画像情報との相関を最大にする解を最適解として上記7つの変数に対して同時に最適解を求めることを特徴とする色収差補正方法。
  3. 相関を求めるために相関係数を用いることを特徴とする請求項に記載の色収差補正方法。
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