本発明は、経時的な液体排出データを経時的な基準データとの関連で分析することによって、液体排出事象を検出する方法の精度を上げることができるという洞察に基づいている。したがって、本発明の目的は、上記の問題を未然に防ぐか、または、少なくとも緩和することである。
本発明の一態様によれば、これらの目的は、添付の請求項に規定される特徴を有する方法によって達成される。この方法の好ましい実施形態が、添付の従属請求項によって提示されている。
本発明の第1の態様は、吸収性物品における液体排出事象を検出する方法に関しており、その方法では、吸収性物品は、吸収性物品の湿り度合いを表す電気出力信号を生成するように適合されたセンサを備え、その電気出力信号は処理装置によって受信される。方法は、液体排出事象を表す経時的な基準データを提供するステップと、電気出力信号の形態で経時的な液体排出データを取得するステップと、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で、処理装置を用いて分析するステップと、その分析に基づいて液体排出事象を検出するステップとを含む。
ここで、湿り度合いとは、任意の湿り度合いと共に、まったく湿っていないこと、つまり、完全に乾いているか、または、他の乾き度合いであることを意味することが意図されている。湿り度合いは、代わりに、湿り状態として表現することもできる。さらに、センサは、吸収性物品の湿り状態または湿り度合いを表す電気出力を生成する任意適切なタイプのセンサであり得る。このようなセンサは、コンダクタンス、インピーダンス、抵抗、アドミタンス、電圧、電流などの電気的特性、または、温度、湿度、pH、もしくは他の適切な特性に相当する電気的特性を測定するセンサであり得る。さらに、センサは、尿または湿気に反応する半導体を備えることができる。経時的な基準データは、データセット、または、液体排出事象を表すと共に経時的なデータセットを導き出すことができる数学的モデルであり得る。このようなデータセットは、必要または要望により、基準曲線として描画できる。液体排出事象を表す基準データは、異なる種類のセンサに対しては異なる特性を有している。液体排出事象を表す基準データが異なる種類のセンサに対して異なる特性を有しているため、基準データは、本発明による方法の間に使用されるセンサに対して決定される必要がある。さらに、分析するステップは、液体排出すなわち湿気のデータと基準データとを経時的に比較する任意適切な方法、または、液体排出データと基準データとの間の差を経時的に評価する任意適切な方法を含むことができる。例えば、液体排出データと基準データとを何らかの手法で経時的に比較することや、データセットと液体排出データとの相関性の度合いを計算することである。他の適切な方法は、データに一致する数学的関数または曲線を見つけ出してから、一致した曲線を、液体排出または湿り事象のための所定の数学的モデルを表す所定の数学的関数と比較するために、液体排出データを曲線に一致させることであってもよい。また、適合性の度合い、または、液体排出データと基準データとの間の相似性の度合いを評価するさらに他の適切な方法が、用いられてもよい。
経時的な液体排出データを経時的な基準データとの関連で分析することによって、方法は、瞬間的な液体排出データ値を閾値と単に比較する代わりに、経時的な基準データとの関連でデータの変化を考慮できる。換言すれば、基準データと液体排出データとの経時的な特性の差が比較されるため、より信頼できる液体排出の検出となる。さらに、方法は、センサの電気出力信号と、吸収性物品の湿気状態すなわち湿り度合いとの間の非線形的な関係を考慮できる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、基準データは所定のものである。ここで、所定とは、データセットまたは数学的モデルが、本発明の方法が適用される前に決定されることを意味することが意図されている。少なくとも1つの例示の実施形態によれば、基準データは、本発明の方法を適用する前に実施される一式の液体排出測定に基づき、好ましくは、統計的に信頼できる一式の測定に基づく。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、液体排出データを表す曲線と、基準データを表す曲線との適合性の度合いを経時的にそれぞれ評価することを含み、液体排出事象を検出するステップは、その適合性の度合いに基づく。
ここで、適合性の度合いとは、2つのデータセットをそれぞれ表す経時的な曲線同士の間での形態の対応性の度合いを意味することが意図されている。適合性の度合いと相関性の度合いとは、特には形態で曲線同士を視覚的に比較すること、相関係数を計算すること、または、他の公知の数学的方法など、任意適切な方法を用いて評価できる。適合性の度合いは所定の適合性の度合いと比較でき、その場合、液体排出は、適合性の度合いが所定の適合性の度合い以上であるとき、発生したと見なされる。適合性の度合いは、それぞれのデータの実際の大きさとは無関係に、適切に分析される。複数の液体排出事象の場合では、適合性の度合いは、単一の液体排出事象に対応する各期間に関して評価される。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、液体排出データと基準データとの相関性の度合いを経時的にそれぞれ評価することを含み、液体排出事象を検出するステップは、その相関性の度合いに基づく。
液体排出データと基準データとの相関性の度合いを経時的に評価することによって、方法は、単一の閾値と比較する代わりに、経時的なデータの変化を考慮できる。したがって、より信頼できる液体排出の検出が得られる。相関性の度合いは、液体排出データを表す曲線と基準データを表す曲線とのそれぞれを視覚的に比較すること、または、相関係数を計算すること、または、他の公知の方法など、任意適切な方法を用いて評価できる。相関性の度合いは所定の相関性の度合いと比較でき、その場合、液体排出は、相関性が正または負のどちらであるかに応じて、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以上または以下であるとき、発生したと見なされる。正の相関性の場合、液体排出は、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以上であるとき、発生したと見なされる。また、負の相関性の場合、液体排出は、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以下であるとき、発生したと見なされる。複数の液体排出事象の場合では、相関性の度合いは、単一の液体排出事象に対応する各期間に関して評価される。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、液体排出データと基準データとの積を計算することを含む。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、液体排出データと基準データとの畳み込みを計算することを含む。少なくとも1つの例示の実施形態によれば、畳み込みは積を含む。
ここで、畳み込みの離散した形態が適切である。このような畳み込みは、実施および分析するのが比較的容易であるため、有利である。さらに、畳み込みを用いることは、経時的な基準データをそれぞれ単一の液体排出事象に偏移するための複雑なアルゴリズムを必要としない。代替で、相互相関を畳み込みの代わりに用いることができる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、そのデータと基準データとの積または畳み込みの値を、液体排出データのベースレベルとの関連で、第1の所定値と比較することを含み、液体排出事象を検出するステップはその比較に基づき、液体排出は、積または畳み込みがベースレベルから少なくとも先の第1の所定値だけ逸脱するとき、発生したと見なされる。
ベースレベルとは、先の電気信号が液体排出事象の前または後において安定しているレベルを意味することが意図されている。つまり、何らかの液体排出事象の前の安定レベル、または、液体排出事象の後に信号が安定したレベルのいずれかである。逸脱は、積または相関性が負または正であるかに応じて、負または正であり得る。積または相関性が正である場合、液体排出事象は、積または畳み込みがベース値との関連で、第1の所定値で正側に逸脱しているとき、発生したと見なされる。積または相関性が負である場合、液体排出事象は、積または畳み込みがベース値との関連で、第1の所定値で負側に逸脱しているとき、発生したと見なされる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、経時的な液体排出データを、経時的な基準データとの関連で分析するステップは、ベースレベルから第1の所定値だけ逸脱する先の積または畳み込みの順次データ値の数値を計算することを含み、順次データ値のその数値は第2の所定値と比較され、液体排出は、順次データ値の数値が第2の所定値を超えているとき、発生したと見なされる。
ここで、順次とは、絶対的な順次を意味することが意図されている。つまり、順次データ点とは、互いに順番に続いていく一連のデータ点である。第2の所定値は、第1の所定値と等しくてもよいし、または、異なっていてもよく、本発明の方法を適用する前に実施される一式の液体排出測定に基づく。
このような比較は、検出される誤った液体排出事象の数を減らせるため、有利である。したがって、方法の精度がさらに高められる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、センサは、液体排出を検出するための複数の検出領域を備え、検出領域の各々は、それぞれの各領域の湿り度合いを表す対応する電気出力信号を生成するように適合される。
複数の検出領域は、代替で、複数の湿気センサ要素、または、複数の検出領域を形成する湿気センサの形態であってもよい。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、液体排出データを取得するステップは、検出領域の各々に対して個々に実施される。
各検出領域に関して個々にデータを取得することは、ある種の誤差または不正確さを含む場合に、所望の領域に関するデータを無関係とすることができるため、有利である。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとは、検出領域の各々に関するデータから構成される液体排出データに対して実施されるか、または、検出領域の各々に関するデータに対して個々に実施される。
ここで、構成されるとは、液体排出データが、各液体検出領域に関する液体排出データを、例えば、各検出領域に関する液体排出データの合計の形態、または、何らかの他の適切な手法で含むことを意味することが意図されている。液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとを実施することによって、このように構成された液体排出データは、より少ない計算ステップが実施されることになるため、より速い計算を可能にする。また、必要なコンピュータ要件がより少なく、必要なメモリがより少なくなる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、液体排出事象を検出するステップは、少なくとも1つの後に起こる液体排出を、検出領域の各々に関して個々に取得されたデータに基づいて検出するステップをさらに含み、液体排出データを分析するステップは、取得された全体の経時的なデータに適用されるか、または、単一の液体排出に対応する取得された経時的なデータの各部分に関して適用される。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、方法は、液体排出データを分析するステップの前に、2つの異なる時間の間における、湿り度合いを表す電気出力信号の変化を、第3の所定値と繰り返し比較するステップをさらに含み、液体排出データを分析するステップを実施する決定がその比較に基づく。
このような比較は、不必要なデータ処理を回避することができる。そのため、必要なデータ容量がより小さくなる。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、出力信号は、第1の処理装置によって、液体排出データを取得するステップの間に、電気出力信号の形態で受信される。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、液体排出データを、液体排出を表す基準データとの関連で分析するステップと、分析に基づいて液体排出事象を検出するステップとは、第1の処理装置を用いるか、または、第2の処理装置を用いることによって実施される。
2つの処理装置は離れた場所でのデータ処理を可能にし、これは、いくつかの理由のために有利である。例えば、吸収性物品にある装置は、データを処理するように構成されていない場合、比較的小さい可能性がある。さらに、介護者が遠隔から液体排出データを観察できることは、実用的であり得る。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、電気出力信号は、抵抗、コンダクタンス、インピーダンス、電圧、アドミタンス、または電流のうちの1つである。
本発明の第2の態様は、吸収性物品における液体排出事象を検出するシステムに関する。そのシステムは、電気的特性を表す出力信号を生成するように配置されているセンサを備えた吸収性物品と、吸収性物品のセンサによって生成された出力信号を処理するように適合された処理装置とを備える。処理装置は、本発明による方法を実施するように、かつ、吸収性物品への液体排出事象をその方法に基づいて検出するように適合されている。
適切には、システムは、液体排出事象を指し示すように適合される。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、システムは、処理装置に接続されているか、または、接続可能となっており、本発明による方法の結果を表示するように配置された表示装置をさらに備える。
少なくとも1つの例示の実施形態によれば、システムは、液体排出事象が検出されたとき、検出に基づいた警報信号を生成するように適合された警報装置をさらに備える。
システムの利点は、前述した方法の利点と同様である。
概して、特許請求の範囲で用いられるすべての用語は、本明細書において明確に定められていない場合、技術分野におけるそれらの普通の意味によって解釈されるものである。「1つまたはその要素(element)、装置(device)、部品(component)、手段(means)、ステップ(step)など」へのすべての言及は、明確に述べられていない場合、その要素、装置、部品、手段、ステップなどの少なくとも1つの例に言及しているとして、非制限的に解釈されるものである。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な開示から、添付の従属請求項から、および、図面から明らかになるものである。
ここで、本発明のこの態様および他の態様を、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照しつつ、より詳細に説明する。
すべての図は、非常に概略的であると共に一定の縮尺である必要はなく、本発明を明らかにするために必要である部分だけを示しており、他の部品は省略されているか、または、示唆されているだけである。
ここで本発明を、例を用いて、より詳細に、実施形態によって、添付の図面を参照しつつ説明する。ここで、上方(upper)、下方(lower)、下に(below)、上に(above)などの言葉は、本発明による吸収性物品が使用中のとき、鉛直方向におけるそれらの普通の意味を有することが意図されている。したがって、上方部は、下方部よりも使用者により近い部分である。さらに、吸収性物品の前部および後部は、吸収性物品が使用中のとき、使用者との関連で、それぞれ前および後にある部分を意味することが意図されている。
本発明による吸収性物品における液体排出事象を検出する方法の例の実施形態は、図1に示されている。図6では、吸収性物品は、大人の失禁用製品すなわちおむつ1の形態である。しかしながら、本発明の原理は、乳児または幼児のおむつ、生理用ナプキン、または他の公知の吸収性物品など、他の吸収性物品に適用可能である。吸収性物品1は、吸収性物品の湿り度合いまたは湿り状態を表す電気出力信号を生成するように適合されたセンサを備え、その電気出力信号は処理装置によって受信される。方法は、以下のステップを含む。
− 液体排出事象を表す経時的な所定の基準データを提供するステップ100。
− 電気出力信号の形態で経時的な液体排出データを取得するステップ200。
− 経時的な液体排出データを、液体排出を表す経時的な基準データとの関連で、処理装置を用いて分析するステップ300。
− 分析に基づいて液体排出を検出するステップ400。
適切には、電気出力信号は、抵抗、コンダクタンス、インピーダンス、電圧、アドミタンス、インダクタンス、静電容量、または電流のうちの1つである。所定の基準データは、あらかじめ実施された、つまり、吸収性物品1に方法を適用する前に実施された一式の液体排出測定に基づいている。適切には、あらかじめ実施された測定の数は、一式の測定が統計的に信頼できるようになっている。あらかじめ実施された測定の間、液体は吸収性物品1に繰り返し排出され、データが収集された。その後、データは、典型的な液体排出を表す経時的な一式のデータを見つけ出すために、分析されている。適切には、基準データは、経時的な一式の離散したデータ値の形態となっており、基準曲線として描画させることができる。典型的な一式の基準データが、図2において基準曲線によって示されており、後でより詳細に説明する。代替で、基準データに一致した曲線が、典型的な液体排出事象を表すことができる。このような曲線は、関数、つまり、液体排出事象を表す数学的モデルによって、数学的に表すことができる。
液体排出データを電気出力信号の形態で取得するステップ200の間、出力信号は、第1の処理装置19によって受信され、液体排出データを、液体排出事象を表す基準データとの関連で分析するステップと、分析に基づいて液体排出事象を検出するステップとは、第2の処理装置17によって実施される。代替で、液体排出データを、液体排出事象を表す基準データとの関連で分析するステップ300と、分析に基づいて液体排出事象を検出するステップとは、第1の処理装置19によっても実施される。
方法は、液体排出事象が発生したことを指し示すステップも含んでいる。このような指示は、警報の形態で、報告書、表示装置、または他の適切な形態での注記によるものであり得る。
図1の例示の実施形態では、液体排出データの曲線と基準データの曲線との適合性をそれぞれ評価することによって液体排出データを分析するステップ300は、液体排出データと基準データとの畳み込みを計算することを含んでいる。液体排出データは離散値の形態であるため、畳み込みの離散した形態が適切である。また、畳み込みの離散した形態は、より複雑でないアナログの電子機器を必要とするため、有利である。
概して、有限範囲[0,t]における2つの関数の畳み込みは、以下によって与えられる。
離散した畳み込みは、積分の代わりに、和によって与えられる。
結果的に得られた離散した畳み込みは、図4に見ることができるように、液体排出が発生した時間に特徴的なピークを持った離散系列である。続いて、畳み込みは閾値と比較される。畳み込みが、特許請求の範囲によるベースレベルとの関連で所定値による逸脱の例である閾値を超える場合、液体排出は発生したと見なされ、その結果、液体排出事象が検出される。代わりに、畳み込みの連続積分の形態が用いられる場合、結果的に得られた畳み込みは、液体排出が発生した時間にピークを持つ連続関数であり、液体排出事象は、離散した畳み込みの場合と同様に検出される。
畳み込みを用いることによって、液体排出データを表す経時的な曲線の形態が、所定の基準データを表す曲線の形態と比較され、2つの曲線すなわち2つのデータセットの重なりの量が得られることになる。その結果、液体排出データと所定の基準データとの間の経時的な相似性の度合いが計算される。離散した畳み込みに関して、相似性の度合いは、曲線として描画されたデータセットの適合性の度合いである。畳み込みは、一回の液体排出事象を表す基準データが測定された液体排出データに対して偏移されることを意味するため、畳み込みは、複数回の液体排出事象のために追加の測定をすることなく、任意の回数の液体排出事象に対処できる。このような追加の測定は、各単一の液体排出事象に対応する液体排出データの部分が基準データと比較できるように、手作業で、または、アルゴリズムを用いて、基準データを繰り返し偏移させることができる。
本発明による方法を実施するために用いられるセンサが、液体排出を検出するための複数の検出領域を備える場合、検出領域の各々は、それぞれの各領域の湿り度合いまたは湿り状態を表す対応する電気出力信号を生成するように適合される。このような場合、液体排出データを取得するステップは、各検出領域に対して個々に適切に実施される。検出領域の各々からの液体排出データは、検出領域の各々に関するデータから構成される液体排出データとして分析でき、適切には、領域の各々の全体の和として、または、個々に分析できる。その結果、液体排出事象を検出するステップも、検出領域の各々に関する液体排出データから構成されるこのような全体の液体排出データに対して実施される。代替で、データは、すべての検出領域についての和として一体に取得することもできる。さらに代替で、液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとは、検出領域の各々に関するデータから構成されるデータに対して実施されるか、または、検出領域の各々に関するデータに対して個々に実施される。さらに代替で、有利な場合、構成されたデータは、各検出領域のデータの全体の和ではなく、任意の他の適切な形態のものであってもよい。
本発明の方法は、存在する場合に、または、存在するときは常に、検出領域の各々に関して個々に取得されたデータに基づいて、少なくとも1つの後に起こる液体排出事象を検出するステップ400(図1参照)も含み、液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとは、取得された全体の経時的なデータに適用される。代替で、液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとは、単一の液体排出に対応する取得された経時的なデータの各部分に関して実施できる。
適切には、方法は、液体排出データを分析するステップと液体排出事象を検出するステップとが実施されるべきかどうかを決定するために、液体排出データを分析するステップの前に、2つの異なる時間の間における、湿り度合いを表す電気出力信号の変化を、所定の閾値と繰り返し比較するステップを含む。吸収性物品の湿気が増加するときに電気出力信号が小さくなる場合、分析するステップは、電気出力信号が所定の閾値より小さくなるときに実施される。一方、吸収性物品の湿気が増加するときに電気出力信号が大きくなる場合、分析するステップは、電気出力信号が所定の閾値より大きくなるときに実施される。データを分析する前のこのような比較は、不必要なデータ分析を減らせると共に処理装置に必要な性能を低くできるため、有利である。
図2は、典型的な所定の経時的な基準データセットのグラフを示している。一般的に、液体排出が発生する場合、測定される電気的特性が変化する。測定される電気的特性が電圧の場合、測定される電圧がより低いほど、図6に示す吸収コア4はより乾いている。図2に示す場合では、液体排出が、隣接する2つの伝導経路10の間の領域9で最初に受け入れられて引き続き安定するとき、電気的特性が増加する。例示の実施形態で用いられる電気的特性は、吸収性物品1の基準抵抗と測定される抵抗との間の商であるため、描画された電気的特性は無次元である。他の電気的特性に関しては、特性は、代わりにくぼみまたはトラフへと減少し、その後に安定する可能性がある。さらに別のセンサは、さらに別の特性を有する基準データとなる可能性がある。後に起こる液体排出事象は、選択された電気的特性に応じて、後に続くピークまたはトラフを引き起こす。
図3は、おむつ1の一領域に関する液体排出データと典型的な基準データセットとを経時的に示している。実線はセンサのデータに対応しており、一方、点線は基準データに対応している。それら曲線の形態が同様であることははっきりしているため、曲線の適合性の度合いが高く、液体排出事象を指し示している。
図4は、吸収性物品の複数の検出領域9に関する液体排出データと、本発明の少なくとも1つの実施形態によって検出された液体排出事象とを示している。実線はセンサのデータに対応しており、一方、点線は、センサのデータおよび基準データの畳み込みに対応している。センサのデータは、領域9のすべてにおける和を含んでいる。センサのデータおよび基準データの畳み込みのピークは、液体排出事象が発生した時間を指し示している。図4では、第1の液体排出事象がt=9000の少し後に発生し、第2の液体排出事象がほぼt=12000で発生し、第3の液体排出事象がほぼt=16000で発生し、最後に、第4の液体排出事象がt=16000の少し後に発生している。第2、第3、および第4の液体排出事象は、第1の液体排出事象と同じ領域9、または、別の1つの領域9、または、別の複数の領域9によって、検出された可能性がある。センサのデータおよび基準データの畳み込みのピークは、液体排出事象を指し示すセンサデータの電気的特性におけるそれぞれの増加と一致していることは明らかである。
方法の検出精度をさらに高めるために、閾値を超える順次データ点の数が計算される。代替で、測定される電気的特性が負である場合、または、何らかの理由のために測定された液体排出データおよび基準データの畳み込みが負である場合には、閾値もまた負となる。このような場合、負の閾値より小さい値は、液体排出事象が発生したことを指し示すことになり、もしくは代替で、電気的特性の絶対値は、前述のように正の閾値と比較できる。
前述のように畳み込みを用いてデータを分析する代わりに、相互相関を用いることもできる。このような場合、方法は、他の態様では、前述の方法と同様である。さらに代替で、液体排出データと基準データとの差を経時的に評価する他の適切な分析方法を、特許請求の範囲内で用いることができる。違いは、各データ点における実際の差を計算し、これに基づいて全体の差を計算することによって、評価できる。その後、このような全体の差は、全体の差の閾値と比較することができるが、これは、その比較に基づいて液体排出事象を検出するからである。代替で、差は、液体排出データを所定の基準データと何らかの手法で経時的に比較することで、または、所定のデータセットと液体排出データとの相関性の度合い計算することで、または、液体排出データを曲線に一致させて、一致した曲線を湿り事象のための所定の数学的モデルを表す所定の数学的関数と比較することで、または、液体排出データと所定の基準データとの間の適合性の度合いまたは相似性の度合いを評価する任意適切な他の方法によって、計算できる。このような場合、液体排出事象を検出するステップは、適合性の度合いまたは相似性の度合いに基づく。適合性の度合いとは、2つのデータセットをそれぞれ表す経時的な曲線同士の間での形態の対応性の度合いを意味することが意図されている。適合性の度合いと相関性の度合いとは、特には形態で曲線同士を視覚的に比較すること、相関係数を計算すること、または、他の公知の数学的方法など、任意適切な方法を用いて評価できる。図3から、これら曲線の形態は同様であることは明らかである。したがって、これら曲線の適合性の度合いが高く、液体排出事象を指し示している。適合性の度合いは所定の適合性の度合いと比較でき、その場合、液体排出は、適合性の度合いが所定の適合性の度合い以上であるとき、発生したと見なされる。適合性の度合いは、それぞれのデータの実際の大きさとは無関係に、適切に分析される。複数の液体排出事象の場合では、適合性の度合いは、単一の液体排出事象に対応する各期間に関して評価される。
代替で、経時的な液体排出データを基準データとの関連で分析するステップは、液体排出データと基準データとの相関性の度合いを経時的にそれぞれ評価することを含む。このような場合、液体排出事象を検出するステップは、相関性の度合いに基づく。相関性の度合いは、液体排出データを表す曲線と基準データを表す曲線とのそれぞれを視覚的に比較すること、または、相関係数を計算すること、または、他の公知の方法など、任意適切な方法を用いて評価できる。相関性の度合いは所定の相関性の度合いと比較でき、その場合、液体排出は、相関性が正または負のどちらであるかに応じて、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以上または以下であるとき、発生したと見なされる。正の相関性の場合、液体排出は、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以上であるとき、発生したと見なされる。また、負の相関性の場合、液体排出は、相関性の度合いが所定の相関性の度合い以下であるとき、発生したと見なされる。複数の液体排出事象の場合では、相関性の度合いは、単一の液体排出事象に対応する各期間に関して評価される。
システム
図5では、本発明の例示の実施形態による、吸収性物品における液体排出を検出するシステムが示されている。システムは、電気的特性を表す出力信号を生成するように配置されているセンサ8を備えた吸収性物品1と、処理装置19とを備えている。
さらに、図5のシステムの例示の実施形態は、制御装置を備えている。制御装置18は、吸収性物品1のテープの突出タブの接点14と係合する接点を備えている。制御装置18は、ハードメモリを提供するメモリカード、メモリバッファ、電気的特性を測定する測定回路、時計、電池、無線送信機、および、特許請求の範囲による処理装置19の例であるプロセッサを備えている。電池は、制御装置18のすべての構成部品の作動に電力を供給するために用いられる。
測定回路は、吸収性物品1の隣接する対の伝導経路10同士の間に電位を定期的に印加し、それらの間のインピーダンスを測定または指示するように構成されている。
制御装置18のプロセッサ19は、測定回路から測定データを受け取って、すべての対の一連の測定データ一式がバッファに保管されるまで、測定データをバッファに保管するように構成できる。プロセッサは、各々の一式の測定データと共に時計の読取を保管するようにさらに構成されている。この一式のデータの保管は、定期的に(例えば、毎秒で)繰り返される。プロセッサは、データの保管の間に2つの隣接するデータ点の間の差を、所定値と比較するように構成されている。差が、ベースレベルとの関連で所定値だけ逸脱する場合、プロセッサは、データを遠隔で記録するために、バッファメモリから、ある種の中央コンピュータのハードメモリなどの遠隔のメモリ装置へと、データを移動するように構成されている。代替で、データは、保管されたデータが遠隔に配置された分析ソフトウェアによってアクセスできるように、取り外し可能なメモリカードに書き込まれてもよい。さらに代替で、保管されたデータは、ケーブル、USB接続などによってアクセスできる。このような例で、メモリカード以外のハードメモリの他の実行が用いられてもよい。
特許請求の範囲によるさらなる処理装置17の例である第2の処理装置17は、ある種の中央コンピュータに適切に配置されており、本発明による方法の少なくとも一部を実施するためのソフトウェアを備えている。第2の処理装置17は、保管されたデータを、前述の方法の分析するステップおよび検出するステップを実施するための実用的な形態へと処理するために用いられる。中央コンピュータに配置された受信機は、制御装置18の送信機によって送信されたデータを改修するために用いられる。その後、データは第2の処理装置17へと入力される。適切には、第2の処理装置17は、各々の検出領域9に関する液体排出データをメモリから取り出し、フィルタを通してデータを滑らかにすることで、液体排出事象が発生した時間に関する明確な増加を露わにさせ、データ中のあらゆるノイズ特性を和らげる。その後、第2の処理装置17のソフトウェアは、前述の本発明の方法の分析のステップと検出のステップとを実施することになる。
中央コンピュータで統合される代わりに、第2の処理装置17は、携帯電話、ある種のノートパソコンなどに統合することができる。さらに代替で、制御装置18に統合された処理装置19と、中央コンピュータに統合された遠隔の第2の処理装置17との両方を備えることの代わりに、システムは、制御装置18に統合された単一の処理装置19のみを備えることができる。このような場合、制御装置18の単一の処理装置19は、データを取得すると共にデータを処理するように適合される。このような場合、警報装置は、制御装置18に同様に統合される。
さらに、図5の例示の実施形態は表示装置21を備えており、表示装置21は、処理装置17に接続されているか、または、接続可能となっており、都合よく読取可能な形態の液体排出データ、または、液体排出データおよび基準データの畳み込みだけなど、本発明の方法の結果を表示するように配置されている。例えば、データは、各々の領域における湿り度合いおよびその経時的な進行を分析ソフトウェアの使用者が見ることができるように、各々の様々な領域に対して異なる線種(色、点など)となっている電圧など、電気的特性のグラフの形態であり得る。
さらに、システムは、検出された液体排出事象の検出に基づいた警報信号を発生させるように適合された警報装置22を備えることができる。警報装置22は、中央コンピュータに適切に配置される。
代替で、経時的な液体排出データは、使用者がそれぞれのデータの2つのグラフを個々の液体排出を検出するために視覚的に比較できるように、基準データと共に何らかの手法(例えば、十分な時間解像度を有するグラフ)で使用者に提示させることができる。
図6は、本発明による液体排出を検出する方法に適した吸収性物品1を示している。大まかには、吸収性物品1は、表シート2と、裏シート3と、表シート2と裏シート3との間に配置された吸収コア4とを備えている。使用中、表シート2は使用者の股部に向かい合っており、裏シート3は吸収コア4の反対側にある。縦方向において、吸収性物品1は、前部と、後部と、前部と後部との間に配置された股部とを大まかには備えている。図1では、吸収性物品は、大人の失禁用おむつ1の形態で示されている。図6に示されるおむつ1は、複数の液体排出検出領域9を好ましくは備える湿気センサ8(この具体的な例では、5つの液体排出検出領域9がある)の存在を除いて、従来のおむつの例である。湿気センサ8は、おむつ1の吸収コア4の湿気状態または湿り度合いを表す電気出力信号を生成するように適合されている。
図6の例示のおむつ1では、各検出領域9は、吸収性物品1の横軸線11とそれぞれ並べられていると共に、吸収性物品1の縦軸線12に沿って互いと縦方向に離間されている第1および第2の電気的な伝導性のある経路10(電気的に伝導性のある糸状のもの、または、他の電気的に伝導性のある材料)を備えている。伝導経路10は、吸収コア4と物理的および電気的に接触している。端の検出領域9は、隣接する領域と伝導経路10を共有している一方、中間の検出領域9は、両方の伝導経路10をそれらの隣接する検出領域9と共有している。
さらに、吸収性物品1は、検出領域9の各々を作動させて液体排出の読み取りを得るために、制御装置(図示せず)が接触される制御装置接触領域13を備えている。接触領域13は、吸収性物品1の横方向中央の前方くびれ区域に配置されている。接触領域13は、制御装置と対応する接点と電気的接触をするための複数の電気接点14を備えている。各伝導経路10は、それぞれ電気的に伝導性のあるリード線16を用いて、それぞれの電気接点14に接続されている。所与の接点14、リード線16、および伝導経路10の組み合わせは、少なくとも1つの例示の実施形態では、以下でより明確に説明するように、単位構造(伝導糸)から形成されている。リード線16は、伝導経路10から対応する接点14へと最短の経路に沿って延在している。
伝導経路10はリード線16から区別できるが、これは、伝導経路10が吸収コア4と直に物理的および電気的に接触している一方、リード線16は接触しておらず、その結果、吸収コア4から電気的に分離することができるからである。より具体的には、伝導経路10は、裏シートの吸収コア側にあり、吸収コア4と電気的および物理的に接触している。リード線16は、裏シートが吸収コア4とリード線16との間に電気的な絶縁を提供するように、裏シートの反対側に位置されている。リード線16は、それぞれ、位置20において裏シートを貫通する。各伝導経路10の一端は、接触領域13への戻り経路なしで途切れている。したがって、電流がある接点14からあるリード線16およびある伝導経路10を通って流れ、電流が隣接する伝導経路10との間の空間を、吸収コア4がその空間で湿っている結果として横切って通過することで、隣接する伝導経路10およびそのリード線16を通って戻ることによってのみ、戻り経路は確立される。
一例の実施形態では、それぞれ対応する接点14、リード線16、および伝導経路10は、電気的に伝導性のある材料(例えば、金属、カーボン、または導電性ポリマー)で被覆された単位糸から作られている。
特許請求の範囲による本発明の範囲は、上記のおむつ1または上記の湿気センサ8に限定されない。しかしながら、本発明の原理は、乳児または幼児のおむつ、生理用ナプキン、または他の公知の吸収性物品など、他の吸収性物品に適用可能である。さらに、本発明の原理は、1つの検出領域9または複数の検出領域9を備える他の適切な湿気センサ8にも同様に適用可能である。例えば、伝導経路10は、吸収性物品1に印刷された電気的に伝導性のインクによって、または、物品に組み込まれたキャリアにおいて、代わりに実施することができる。さらに代替で、複数の検出領域9を備える湿気センサ8を備える吸収性物品の代わりに、複数のセンサまたはセンサ要素を備える吸収性物品1が用いられてもよい。このような場合、前述の検出領域9に対応する各センサと、複数の検出領域9とは、複数のセンサまたはセンサ要素によって形成されると見なすことができる。さらに、液体排出データは、複数の検出領域を備えるセンサに関して前述したように分析される。さらに代替で、吸収性物品1は、複数の検出領域を有する複数の検出器またはセンサ(またはセンサ要素)の組み合わせを備えることができる。
前述のシステムを用いるために、使用者は、図6に示すようなおむつ1の形態に適した、液体排出検出領域9を有する吸収性物品を選ぶ。制御装置18は、吸収性物品1の制御装置接触領域13に接続されるように、吸収性物品1の前方くびれ区域に取り付けられる。吸収性物品は、制御装置18が任意所与の時間に液体排出事象に関係するデータを取得できるように、着用者に取り付けられる。
制御装置と吸収性物品とが前述のように接触されると、測定回路はデータを収集し始める。したがって、制御装置18の測定回路は、短期間(0.1秒間未満)だけ、液体排出検出領域9のうちの1つの第1の伝導経路10と第2の伝導経路10との間に電位を印加し、液体排出検出領域9の各々について作動を順々に繰り返していく。電位は、交流電圧または直流電圧の形態であり得る。各々の検出領域9における第1の伝導経路10と第2の伝導経路10との間の電気的特性が採取されて、バッファメモリに保管される。この過程は、先に説明したように、2つの隣接するデータ点の間の差が所定の閾値を超えるまで、つまり、ベースレベルから所定の値だけ逸脱するまで繰り返される。このとき、データは中央コンピュータの遠隔メモリに移動される。その後、データは、収集され、リアルタイムで連続的に無線によってメモリに送信される。次いで、データの収集の過程は、制御装置18および吸収性物品の使用耐用期間、継続する。
着用者が放尿した場合、または、他の種類の液体が排出された場合、電流は、尿または液体の排出が最初に起こった液体排出検出領域9の第1の伝導経路10と第2の伝導経路10との間を流れることができる。これは、検出することができる電気的特性、つまり、例えばコア4のインピーダンスにおいて、変化を引き起こす。その結果、制御装置18は、インピーダンス、抵抗、コンダクタンス、電圧、アドミタンス、電流、インダクタンス、静電容量などの電気的特性における変化を検出および記録できる。尿が液体排出検出領域9を通じて拡がるにつれて、他の検出領域9における電気的特性の変化を、取得、つまり、検出および記録できる。ある検出領域9が飽和し、第2の尿事象がある場合、まだ飽和または作動されていない検出領域9は、その検出領域9に関する出力信号において電気的特性の変化をもたらすことになるため、処理装置の分析ソフトウェアは、後の液体排出事象を感知することができる。データが取得されて記録されるとき、処理装置17のソフトウェアは、液体排出を検出する前述の方法を実施することになる。
本発明を、その具体的な例示の実施形態を参照しつつ説明したが、多くの異なる修正品、変更品などが当業者にとって明らかとなる。例えば、追加で、開示された実施形態の変形品が、当業者によって、請求された発明の実施において、図面、開示、および添付の特許請求の範囲を検討することで、理解されてもたらされる可能性がある。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という言葉は、他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除しない。単一のものが、特許請求の範囲で列挙されるいくつかの品目の機能を実現してもよい。ある測定が互いに異なる従属請求項で列記されるという事実は、これらの測定の組み合わせが有利にするために用いることができないということを指し示してはいない。