[第1の実施の形態]
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。本発明の遊技用システムの実施の形態を図面に基づいて説明すると、先ず、図1は、本発明の実施の形態の遊技用システムの全体像を示すシステム構成図である。遊技用システムは、スロットマシン1と、メダル貸出機100と、カード管理コンピュータ500と、メダル管理コンピュータ550と、ホールコンピュータ540と、呼出ランプ200と、景品交換POS570と、精算装置580とから主に構成されている。
スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機である。メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側の側方位置に該スロットマシン1に対して1対1に対応設置され、主に会員登録をしていない一般の遊技者を対象として発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(計数記録媒体)や、該遊技機に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カード(計数記録媒体)を受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるメダルを貸し出すための処理や、対応するスロットマシン1における遊技にて獲得されたメダルを計数するとともに、該計数済みのメダル数の範囲内のメダルの払出し(返却)を行なう本発明の遊技用装置である。カード管理コンピュータ500は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行なう。メダル管理コンピュータ550は、各メダル貸出機100において計数された計数済メダル数の管理や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯蓄メダル数やビジターカードに記録された持ちメダル数の管理を行なう本発明の管理装置である。ホールコンピュータ540は、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理する。
呼出ランプ200は、遊技場の店員を呼出すための操作ボタン、ならびに、遊技機から遊技に関する情報を受信して、大当りやビッグボーナスの回数や前回の大当りやビッグボーナスからの回転数などの遊技状況および遊技履歴などを表示するための表示部を備える。景品交換POS570は、遊技場の店員がいるカウンタに設置され、店員によって操作されて、会員カードまたはビジターカードなどに対応付けられた持ちメダル数および貯蓄メダル数に対応する遊技価値を、景品に交換するための処理を実行する。精算装置580は、会員カードまたはビジターカードを受付けて、これらのカードに対応付けられたプリペイド残額を現金に精算するための処理を実行する。
そして、これら本実施の形態の遊技用システムを構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)70並びに通信ケーブル80を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置が装置(ユニット)IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルや後述するユニット管理テーブル(図25参照)等を有することで、該装置(ユニット)IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実行できるようになっている。
尚、本実施の形態のカード管理コンピュータ500は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線81を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された管理サーバ82と双方向のデータ通信を実行できるように接続されていて、これら管理サーバ82に対してカード管理コンピュータ500から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該管理サーバ82にて各遊技場の会員カード並びにビジターカードによる売り上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態のホールコンピュータ540には、図1に示すように、遊技場内を監視するための監視カメラシステム21が接続されており、該監視カメラシステム21にて撮像された遊技場内の監視画像が、各スロットマシン1の台データ等とともに記憶、管理されるようになっている。更に、本実施の形態のホールコンピュータ540には、遊技場の店員が使用するインカム9を制御する無線放送システム20が接続されており、ホールコンピュータ540は、無線放送システム20を介して店員のインカム9に対し、自動音声メッセージを送信することができる。
次に、遊技機の一例であるスロットマシンおよび遊技用装置の一例であるメダル貸出機について説明する。図2は、スロットマシン1およびメダル貸出機を示す正面図である。図3は、メダル貸出機の内部機構を示す左側面図である。図4は、スロットマシンおよびメダル貸出機の要部を示す斜視図である。図5は、メダル貸出機の前面板を開放した状態を示す斜視図である。図6は、メダル貸出機の要部の構造を示す一部破断左側面図である。図7は、メダル貸出機を示す要部正面図である。図8は、図6のA−A断面図である。図9は、(a)は開放状態の受入部を示す斜視図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す斜視図である。図11は、(a)は開放状態の受入部を示す縦断側面図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す縦断側面図である。図12は、(a)は開放状態の受入部を示す側面図および受入部のa−a断面図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す側面図および受入部のb−b断面図である。図13は、導入経路カバーの底部を示す縦断側面図である。図14は、スロットマシンおよびメダル貸出機の配置状態を示す平面図である。
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行なう場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。ここでは、リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施の形態では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定められた図柄の組合せ(役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルMが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(たとえば、50)に達した場合には、メダルMが直接メダル払出口9から前面扉1bの下部に前方に突出するように設けられた下皿5に払いだされるようになっている。また、入賞ラインL1〜L5のいずれかに、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には、図柄の組合せに応じた遊技状態(たとえば、レギュラーボーナスやビッグボーナスボーナス等)に移行するようになっている。
次に、メダル貸出機100について説明すると、メダル貸出機100は、スロットマシン1に1対1に対応するように設けられている。尚、本実施の形態では、1台のスロットマシン1に対応するメダル貸出機100が、該スロットマシン1の右側に配置されている。また、本実施の形態では、メダル貸出機100はスロットマシン1に1対1に対応するように設けられているが、たとえば、メダル貸出機100を2台のスロットマシン1,1の間に2対1に対応するように設け、1台のメダル貸出機100を左右2台のスロットマシン1,1により共用してもよい。
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施の形態では、スロットマシン1に向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、または会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理と、遊技者がスロットマシン1での遊技にて獲得したメダルMを受付けて、該受付けたメダルMを計数するための処理と、該計数した獲得メダル枚数をビジターカードや会員カードから特定可能とするための処理等を行なう。
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行なうカード管理コンピュータ500や、貯蓄メダル数や持ちメダル数の管理を行なうメダル管理コンピュータ550や、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータ540等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実行するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実行する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、一度獲得して計数したメダルMをその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯蓄メダルを行なうことができるようになっているが、これら会員カードには、該貯蓄メダルのデータである貯蓄メダル数は直接記録されておらず、これら貯蓄メダル数は、貯蓄メダルの情報を管理するメダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、貯蓄メダルと同様に、当日において計数された持ちメダルについても、メダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDと持ちメダルの情報が対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから持ちメダルの数を特定できるようになっている。また、これら持ちメダルについては、会員カードだけではなく、ビジターカードについても同様に、メダル管理コンピュータ550において、カードIDに対応付けて持ちメダルの情報が記憶されていて、ビジターカードには、持ちメダルの情報は記録されないようになっている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ビジターカードにも、持ちメダルの情報を記憶して、メダル管理コンピュータ550の持ちメダルの情報とを照合できるようにしても良い。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、メダル貸出機100においても発行される。
次に、本実施の形態のメダル貸出機100について、図2〜図5に基づいて説明する。図2および図3に示すように、本実施の形態のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口の開閉可能とする開閉板102と、から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。
図2に示すように、開閉板102の前面上部には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110が設けられ、その下方位置には、タッチパネル124付きの液晶表示器123が設けられている。タッチパネル124付きの液晶表示器123においては、メダル貸出機100に対する各種操作が受付けられ、これらの操作に伴なう情報、ならびに、プリペイド残額、持ちメダル数、および、貯蓄メダル数などの情報が表示される。タッチパネル124付きの液晶表示器123の下方位置には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態報知ランプ111や、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112が設けられている。
状態報知ランプ111の下方位置には、入金の利用可能状態を報知する入金可ランプ113と、挿入中の会員カードやビジターカードを排出する返却ボタン114と、カード残高やエラーコード等を表示するカード残高表示部115と、メダルMの払い出しが行なわれるメダル貸出ボタン116と、メダルMの貸出が可能なことを表示するメダル貸出ランプ117と、後述する貸出メダル貯留部183(図3参照)の状態を報知するメダル切れランプ118と、会員カードの暗証番号等を入力するためのテンキー120と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯蓄メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン121と、再プレイ遊技を実施する際に入力する暗証番号が表示される暗証番号表示部119と、対応するスロットマシン1にて遊技を行なっている遊技者の顔画像を撮影できる顔画像撮影カメラ188(遊技者撮像手段)と、が配設されている。
これら各種操作部の下方位置には、貸出メダル貯留部183にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を回動軸として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
メダル補給扉130の下方位置には、遊技者が遊技により獲得したメダルMを受け入れて計数するための受入部140が設けられているとともに、該受入部140の下部からは、受入部140にて受け入れたメダルMを下方に誘導して後述する計数装置190の導入口142に導入するための導入経路を構成する導入経路カバー141が下方に向けて延設されている。
また、この導入経路カバー141の上下方向の中央位置よりもやや下方には、払出装置182から払い出されたメダルMをスロットマシン1の下皿5に誘導する誘導部材の一例であるノズル150が、導入経路カバー141の前後方向に挿通されている。
図3〜図5に示すように、メダル貸出機100内の上部位置には、紙幣挿入口110に連設され、該紙幣挿入口110に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実行し、その識別結果を制御ユニット181に出力する紙幣識別ユニット180が設けられており、該紙幣識別ユニット180にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
紙幣識別ユニット180の下方位置には、カード挿入口112に対応する位置に内蔵される内部カードリーダライタ(図示略)、該メダル貸出機100を構成する各部と接続しやすいように該メダル貸出機100の動作を制御する制御ユニット181、回収したビジターカードを貯留するカードストック部(図示略)等が一体に組み付けられた制御ユニット181が配設されている。尚、制御ユニット181は、メダル補給扉130を開放することにより前方に引き出し可能に設けられており、筐体101から引き出してメンテナンス等を実施できるようになっている。
内部カードリーダライタ187は、カード挿入口112から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行なうとともに、発行に使用するビジターカード(回収したカードを含む)を貯留するカードストック部(図示略)を有しており、該カードストック部(図示略)に貯留されたカードを発行可能とされている。
制御ユニット181の下方位置、つまり、筐体101の上下方向略中央位置には、払い出すメダルMを貯留する貸出メダル貯留部183が設けられている。貸出メダル貯留部183は、該貸出メダル貯留部183に貯留されるメダルMを払い出す払出装置182の上部に設けられた上向きに開口するメダルホッパー183aと、該メダルホッパー183aの上方に形成される空間部と、から構成されており、貸出メダル貯留部183に貯留されたメダルMは、メダルホッパー183aにより払出装置182に向けて整列誘導された後、内部に設けられた図示しない回転ディスク(図示略)によって前面に形成されたメダル排出口182aから排出され、ノズル150を介して下皿5に払い出されるようになっている。
図3に示すように、メダルホッパー183aの上方位置には、メダル補給扉130が配設されており、メダル補給扉130を開放することで貸出メダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっている。尚、本実施の形態では、メダル補給扉130を開放して貸出メダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっているが、図示しない遊技機設置島に設けられたメダル補給装置(図示略)からメダルMが自動補給されるようにしてもよい。
また、払出装置182の下方位置には、導入されたメダルMの枚数を計数する計数装置190が配設されている。図10に示すように、計数装置190は、上面に開口する計数口191が形成され、該計数口191から受け入れたメダルMは、導入傾斜部191aに沿って滑り落ちるようになっており、さらにメダルMは回転ディスク190gに投入され、この回転ディスク190gから1枚ずつ吐出されたメダルMが整列されて、計数傾斜部191bに沿って流れ落ちるようになっている。そして、このメダルMの流路の途中に、メダルMの存在を検出するフォトセンサ190eが設けられるとともに、フォトセンサ190eによりメダルMの端部を検知した瞬間に当該メダルMの画像を撮影するメダル撮影カメラ190c(遊技媒体撮像手段)が設けられている。
そして、計数装置190のコントローラ190a(適正判定手段)は、メダル撮影カメラ190cにより撮影したメダル画像に基づいて、メダルMの真贋(正規メダルか不正メダルか)を瞬時に判定し、その判定結果であるメダル判定情報を制御ユニット181に送信するとともに、メダルMの流路を流路切換器190dにより切り換えて、正規メダルMは、正規メダルMとして計数されて排出口192に向けて流し、不正メダルMは、不正メダルと計数されて計数装置190にセットされたメダル貯留ボックス194に向けて流すようになっている。このように不正メダルは、計数された後に排出口192から排出されずに、メダル貯留ボックス194内に貯留されるようになっており、非正規メダルが循環して再使用されてしまうことが防止されている。このように、計数装置190に導入されたメダルMは、その真贋が判定され、かつ計数されるようになっている。また、排出口192から排出されたメダルMは、筐体101の下面に形成された開口を介して図示しない遊技機設置島内に排出され、該遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)に回収されるようになっている。
また、後述するように、不正メダルがメダル貯留ボックス194内に所定枚数(たとえば、100枚)貯留された場合に、所定のエラー信号が遊技機設置島の島コントローラやホールコンピュータ540等に出力されてエラー報知が行なわれるようになっており、遊技場の店員等が定期的に確認しなくても、不正メダルを適宜回収することができる。さらに、本実施の形態では、後述するように、営業終了時にメダル貯留ボックス194に所定量の不正メダルMが貯留されている場合に、その旨を店員に対して通知することができるようになっている。
また、本実施の形態における不正メダル(不適正遊技媒体)とは、他店等の外部から持ち込まれたメダル(偽メダル(第2不適正遊技媒体))のみならず、自店において所定の領域で使用するメダルに対し他の領域で使用するメダルなども不正メダルに含まれる。
たとえば、1枚5円の価値を有する第1メダルを使用して遊技を行なうスロットマシンが設置されている第1領域と、1枚20円の価値を有する第2メダルを使用して遊技を行なうスロットマシンが設置されている第2領域と、が設けられている一の遊技場において、たとえば、第2領域において第1メダルを持ち込んで使用する場合、貸出レートが低い第1領域にて借り受けた第1メダルを貸出レートが高い第2領域にて使用することで遊技者は不正に利益を得ることが可能となるため、このような場合、第2領域において第1メダルが不正メダルとなる。
更に、計数装置190に対して正規に使用されるメダルの識別情報を登録する際には、所定のメダル登録モードにおいて、計数装置190に100枚程度の正規メダルを投入し、メダル撮影カメラ190cにて撮影させて、正規メダルの画像情報をメモリ190b(図19参照)に登録させる。そして、計数装置190は、メモリ190bに記憶された正規メダルの画像と判定対象となっているメダルの画像とを比較して真贋を判定するようになっている。尚、前述した自店の他の領域の遊技島のメダル(自店メダル)を登録する場合も同様に、予め自店メダルを計数装置190に100枚程度投入して、自店メダルの画像をメモリ190bに登録させる。
尚、このように自店における複数の遊技領域それぞれに対応するメダルを登録しておくことで、たとえば、遊技場において機種変更などに伴って第1遊技領域に対応するメダルと第2遊技領域に対応するメダルとを交換する場合に、その都度、遊技領域に対応するメダルを登録しなくても、既に登録されているメダルのいずれかを適正メダルとして設定するだけでよいので、機種変更のたびにメダルを登録する手間がない。
尚、所定のメダル登録モードへの移行は、メダル貸出機100の外部側からは不能とされ、メダル貸出機100の内部に収納されている計数装置190を取り出して、所定の操作を行なうことで可能とされており、遊技者等が不正にメダル登録モードに移行して、登録を変更することができないようになっている。
また、1台のメダル貸出機100の計数装置190において登録した正規メダルまたは自店メダルの画像情報をメダル管理コンピュータ550に送信し、これらの画像情報を、メダル管理コンピュータ550を介して他の複数のメダル貸出機100に送信することで、各メダル貸出機100の計数装置190に正規メダルまたは自店メダルの画像情報を登録させるようにしてもよい。このようにすることで、特に、多数のメダル貸出機100が設置されているような場合に、正規メダルまたは自店メダルの画像情報の登録作業が容易に行なえる。更に、メダル管理コンピュータ550において、正規メダルおよび自店メダルの設定を適宜変更することもできる(遊技媒体種別設定手段)。
尚、計数装置190のコントローラ190aは、メモリ190bに記憶された正規メダルの画像と判定対象となっているメダルの画像とを比較する際に、メダルの表面に施された装飾や文字等に基づく各種特徴を抽出し、該抽出した各種特徴量の一致状況に基づいて類似度を算出する。これら各種の顔の特徴量に基づいて、それぞれの差分和、平均比率、または比率和などを類似度として求める。この類似度の値が所定の閾値以上ならば、正規メダルとして判定する。
また、計数装置190のコントローラ190a(遊技媒体種別設定手段)は、不正メダルとして判定したメダルの画像に対して、メモリ190bに記憶された自店メダルの画像との比較を行なうようになっている。この自店メダルであるか否かの判定においても、正規メダルの判定と同様に、各種特徴量の一致状況に基づいて類似度を算出して比較を行なうようになっている。尚、前述の各種特徴には、メダルの直径等の情報も含まれており、大きさが異なるメダル(たとえば、φ25のメダルとφ30のメダル)についても比較して識別できるようになっている。
計数口191の前辺には、正面視上向きコ字形をなす導入部材193が設けられており、後述するように受入部140にて受け入れて落下してきたメダルMを、計数口191に導入する。
また、筐体101における制御ユニット181の背面には、筐体101内に設けられた各種装置に電力を供給するための電源ユニット198が、筐体101の背面から突出するように設けられている。
図2に示すように、遊技者がスロットマシン1にて遊技を行なう場合、紙幣挿入口110に紙幣を挿入することで、1000円分のメダルM(たとえば、50枚)が払出装置182から排出され、ノズル150を介してスロットマシン1の下皿5に払い出されるため、これを使用して遊技を行なうことができる。また、高額紙幣(2000円、5000円、10000円)が挿入された場合は、受付け中のビジターカードがなければ、1000円分のメダルMが払い出され、残額は新たに発行されるビジターカードに記録され、受付け中のビジターカードまたは会員カードがある場合には、該受付け金額が受付け中のビジターカードまたは会員カードの残額に加算更新される。また、受付け中のビジターカードまたは会員カードに1000円分以上のカード残額がある場合は、貸出ボタン116を押圧することで1000円分のメダルM(たとえば、50枚)が払出装置182から払い出され、残額が減算更新される。また、受付け中の会員カードまたはビジターカードに所定数以上の持ちメダルまたは貯蓄メダルがある場合には、暗証番号による認証がOKであることを条件に、再プレイボタン121を押圧することで1000円分のメダルM(たとえば、50枚)が払出装置182から払い出され、持ちメダル数または貯蓄メダル数が減算更新される。
また、遊技者が遊技にてメダルMを獲得した場合、下皿5に払い出された獲得メダルを手で受入部140に投入することで、受け入れたメダルMは導入経路カバー141内を落下した後、計数装置190の導入部である計数口191に導入される。計数装置190内に導入されたメダルMは、該計数装置190内に設けられたメダル検出センサ(図示略)により検出され、該メダル検出センサによりメダルMが検出されたことに基づいて、回転ディスク(図示略)が駆動して導入されたメダル枚数が計数され、該計数されたメダル枚数が受付け中の会員カードやビジターカードから特定される持ちメダル数に加算更新されるとともに、計数されたメダルMは排出口192から遊技機設置島(図示略)内に排出される。
尚、本実施の形態では、計数装置190内に設けられた図示しないメダル検出センサによりメダルMが検出されたことに基づいて計数が開始されるようになっていたが、たとえば開閉板102の前面に遊技者が操作可能な計数ボタン等を設け、該計数ボタンが操作されたことに基づいて計数が開始されるようにしてもよい。
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者は返却ボタン114を操作して、受付け中(現金の投入によって発行されたビジターカードを含む)の会員カードやビジターカードを返却させる。遊技にて獲得して計数済みのメダル数(持ちメダル数)がある場合には、返却する会員カードまたはビジターカードのカードIDと持ちメダル数とを含む持ちメダル数更新要求がメダル管理コンピュータ550に送信されて、該会員カードまたはビジターカードのカードIDに対応する持ちメダル数に、メダル数更新要求に含まれる持ちメダル数が加算更新されるため、遊技場のカウンタ等において、会員カードまたはビジターカードから持ちメダル数を特定して、該持ちメダル数に相当する景品等に交換、または別の遊技に使用することができる。また、プリペイド残額がある場合には、遊技場に設置されている精算装置580等にてプリペイド残額を精算することができる。
このように、本実施の形態のメダル貸出機100にあっては、対応するスロットマシン1にて遊技を開始する際にメダルMの貸出を実行するだけでなく、遊技の終了時に精算を実行することができるため、遊技者はスロットマシン1から移動することなく、遊技の開始および精算を行なうことができる。
次に、図4〜図14に基づいて、開閉板102に設けられた各種部材の詳細な構造について説明する。
開閉板102は、図4および図5に示すように、前面板102aと、該前面板102aの左右側辺から後側に屈曲形成された屈曲片102bと、から平面視後向きコ字形に形成され、筐体101の前面下部に形成される開口を閉塞したときに、左右の屈曲片102bが筐体101の左右側板の前端内側に嵌合されるようになっている。また、本実施の形態では、屈曲片102bの上下に設けられた係止溝103を筐体101の側板内面に突設された係止ピン104に係止することで閉鎖位置に取り付けられている。
この開閉板102の上端には、開閉板鍵106が設けられ、この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。
尚、開閉板102は、貸出メダル貯留部183および計数装置190の前面側、つまり、筐体101の前面開口におけるメダル補給扉130よりも下側を被覆可能に構成され、その上側は、紙幣識別ユニット180および制御ユニット181の前面によりメダル貸出機100の前面の一部が構成されている。
開閉板102における導入部材193に対応する高さ位置には、横長長方形状の導入口142が左右方向の略中央位置に形成されている。また、導入口142の上方位置には、横長長方形状をなし、ノズル150を挿通可能な大きさを有する後挿通孔143bが形成されている。また、背面左右側上下位置には、長孔105aが形成されるとともに、該長孔105aの背面には視縦長長方形状の係止筒105がそれぞれ突設されている。
導入経路カバー141は、正面視縦長長方形状の前面板141aと、前面板141aの左右側辺から背面側に屈曲される側板141bと、前面板141aの下端から下方に向けて後側に傾斜する傾斜板141c(第2底面部)と、左右の側板141bの下端から下方に向けて中央側に傾斜する傾斜板141dと、から背面および上面が開口する縦長箱状に形成され、導入口142から上方に向けて延設されている。下部は、導入口142に向けて漸次背面中央側に向けて傾斜するように形成されている。尚、本実施の形態では、左右の側板141bの内面が導入経路の内側を形成する壁面のうち対向する2つの側壁面を構成している。
また、傾斜板141cの上方位置には、この傾斜板141cから所定寸法離間して重畳配置された傾斜板141c’(第1底面部)が設けられている。これら2枚の傾斜板141c,141c’により、導入経路カバー141の底部を形成している。尚、上方側の傾斜板141c’は、下方側の傾斜板141cよりも計数装置190に向かって延設されている。そして、後述するように、これらの傾斜板141c,141c’には、打抜き加工により貫通された複数の小径のパンチング穴148,148’(貫通孔)が形成されている。尚、各パンチング穴148,148’の直径は、メダルMの直径2Rよりも小さい直径に形成されている。
側板141bの後端における長孔105aに対応する位置には、外向きの係止爪144が突設されており、これら係止爪144を長孔105aの前面側から挿入することで係止筒105の後端に係止され、導入経路カバー141が開閉板102の前面に取り付けられる。取り付けられた状態において、傾斜板141c’の後端は導入口142を挿通して背面側に突出し、導入部材193の上方に後端が重なるように配置される。このように係止爪144は開閉板102の背面で係止されていることで、開閉板102を開放しない限り導入経路カバー141を開閉板102から取り外すことはできないため、導入経路カバー141を取り外して導入口142から計数装置190に不正にアクセスすることが防止されている。
このように、導入経路カバー141が開閉板102の前面に取り付けられることで、導入経路カバー141の背面開口が開閉板102により閉鎖され、受入部140にて受け入れたメダルMを計数装置190の導入口142に導入させる上下方向に延びるメダルMの導入経路Kが構成される。
また、前面板141aにおける後挿通孔143bに対応する位置のやや下方位置には、後挿通孔143bとほぼ同形の前挿通孔143aが形成されており、ノズル150を挿通可能としている。尚、このノズル150を挿通するための前挿通孔143aおよび後挿通孔143bは、導入経路Kにおける左右幅方向の一端側(たとえば右側)に形成され、ノズル150の他端(左端)側にのみ幅狭経路K1が形成されている。
保護部材145の上方左右側には、円柱状の棒状部材146a,146bが前後方向、つまり側板141bに対して略平行に設けられているとともに、これら棒状部材146a,146b間の上方位置には、棒状部材146cが前後方向、つまり、側板141bに対して略平行に設けられている。これら棒状部材146a〜146cは、側板141bからメダルMの直径2Rよりも離れた位置に配設されていることで、棒状部材146a〜146cと側板141bとの間にメダルMが詰まることがない。そして、このような棒状部材146a〜146cが前後方向に向けて架け渡されることで、落下してきたメダルMの姿勢を、表裏面が側板141b側を向く横向き姿勢に整列させる。
ノズル150は、払出装置182の前面から後挿通孔143bおよび前挿通孔143aを挿通する基部151と、該基部151に連設され前挿通孔143aから遊技者側に向けて突出するように延設される突出部152と、を含み、基部151は変形不能に形成され、突出部152は該基部151に対し少なくともスロットマシン1側に変形可能に形成されている。
具体的には、基部151は、四角筒状に形成され、メダル排出口182aから前方に向けて下方に傾斜するように、開閉板102の背面にネジ(図示略)等により固設されている。取り付けられた状態において、後端開口はメダル排出口182aを覆うように配置され、後挿通孔143bおよび前挿通孔143aを挿通して先端が前方に突出される。
突出部152は、上向きコ字形をなす複数の樋部材152aが互いにユニバーサルジョイント(自在継手)により上下および左右方向に回動可能に接続されてなり、後側の樋部材152aは基部151の前端にユニバーサルジョイント(自在継手)により上下および左右方向に回動可能に接続されている。すなわち、基部151は、導入経路カバー141の長手方向、つまり、メダルMの移動(落下)方向に対して交差する前後方向に向けて延設された状態で固定されているのに対し、この基部151の先端に接続された突出部152は、左右方向(図2参照)および上下方向(図3参照)に回動(変形)可能とされている。
このように、導入経路カバー141内を挿通する基部151は変形不能であることで、メダルMの落下を妨げることがないとともに、突出部152はスロットマシン1側に変形させることができることで、払い出されたメダルMをスロットマシン1に直接誘導させることが可能となるため、使い勝手が向上する。
図8に示すように。受入部140の間口140aに投入されたメダルMは、受入部140により導入経路カバー141内に誘導され、導入経路カバー141および開閉板102からなる導入経路K内を下方に向けて落下していく。落下途中において、前後方向を向く棒状部材146a〜146cにメダルMが衝突することで、メダルMの姿勢が、表裏面が左右側板141b側を向く横向き姿勢に変更される。
そして、図8に示すように、前挿通孔143aの上方位置には、上方から落下してくるメダルMをノズル150の左側方に誘導して該ノズル150に衝突しないように迂回させる保護部材145が設けられている。この保護部材145は、右側から左側に向けて下方に傾斜する誘導傾斜面145bを有し、かつ、ノズル150を取り囲むように形成されている。このようにノズル150を前後方向に挿通するための前挿通孔143aおよび後挿通孔143bは、左右幅方向の一端側(本実施の形態では右側)に偏って形成される。尚、ノズル150を避けるように形成される幅狭経路K1は、左側でなく右側に形成されるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、ノズル150の基部151は、前挿通孔143aよりも前方に突出され、該前挿通孔143aよりも前方位置にて突出部152が回動可能に接続されていたが、導入経路K内において基部151に対し回動可能に接続されていてもよい。この場合、突出部152Aの移動を許容できるように前挿通孔143aを大きくする必要があるが、その隙間からメダルMが流出する虞があるため、保護部材145によりノズル150を取り囲むようにすればよい。
また、このように保護部材145によりノズル150の周囲を筒状に取り囲むことで、保護部材145内にメダルMが進入してくることがないので、ノズル150の突出部152Aを基部151に対して回動可能に設けても、メダルMの落下に悪影響が及ぶことがない。
次に、遊技者により投入されたメダルMを受け入れる受入部140について詳述する。図4に示すように、この受入部140は、導入経路カバー141の上端に設けられて上方に開口するようになっている。また、図9(a)に示すように、受入部140は、前述した導入経路カバー141を構成する前面板141aと、この前面板141aの側辺に設けられる側板141bと、導入経路カバー141が取り付けられる開閉板102と、により形成されている。
図7および図9(a)に示すように、左右の側板141bの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、左右の側板141bには、上下寸法Vの高低差が設けられている。更に、左右の側板141bのうち、左側の側板141b、すなわち、当該メダル貸出機100に対応するスロットマシン1側に設けられる一方の側板141bは、右側に設けられる他方の側板141bよりも高く形成されている。尚、左側の側板141bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の側板141bの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。
また、図9(a)および図9(b)に示すように、受入部140には、メダルMの受け入れを可能とする開放状態とメダルMの受け入れを不可能とする閉鎖状態とに開閉可能に設けられた蓋部材160(蓋体)が設けられている。そして、蓋部材160は、受入部140の開口140’を閉鎖する略板状をなす蓋板160a(主蓋部)と、この蓋板160aの左右両側辺に設けられる蓋部材側板160b(蓋部側壁部)と、を有している。尚、蓋部材160における左右の蓋部材側板160bは、受入部140における左右の側板141bの内側に重畳および接触して配置されている(図12の断面図参照)。尚、本実施の形態では、導入経路カバー141の上端に形成される開口が受入部140の開口140’となっている。
また、蓋部材160の左右の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141における左右の側板141bの前部側に設けられた枢軸孔149に対して枢支される枢軸161を有しており、この枢軸161を軸心として蓋部材160が前後方向に回動可能に取り付けられている。そして、蓋部材160は、枢軸161を軸心として回動されることで、受入部140を開放する開放位置と(図9(a),図11(a),図12(a)参照)、受入部140を閉鎖する閉鎖位置と(図9(b),図11(b),図12(b)参照)で変位可能となっている。尚、蓋部材160は、開放位置において蓋板160aの前面側が前述の導入経路カバー141の前面板141aの上端縁に当接されることで、所定の開放角度に維持されるようになっている。
また、図9(a)に示すように、開放状態の蓋部材160の左右の蓋部材側板160bの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、前述の導入経路カバー141の左右の側板141bと同様に、上下寸法の高低差が設けられている。更に、前述の導入経路カバー141の左右の側板141bと同様に、左右の蓋部材側板160bのうち、左側の蓋部材側板160b、すなわちスロットマシン1側に設けられる一方の蓋部材側板160bは、右側に設けられる他方の蓋部材側板160bよりも高く形成されている。尚、左側の蓋部材側板160bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の蓋部材側板160bの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。尚、後述するように、右側の蓋部材側板160bの下端縁も凹むように湾曲されて形成されている。
また、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁の湾曲形状は、略同一をなしており、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成される。この凹みは、導入経路カバー141の右側の側板141bと蓋部材160の右側の蓋部材側板160bとの間の継ぎ目の位置(図9(a)中において側板141bと蓋部材側板160bとが重なる位置)に段差が生じないように、蓋部材160の開放状態で、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁と蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁とが連続する湾曲形状に形成される。すなわち、導入経路カバー141の右側の側板141bにおいて、枢軸孔149から側板141bの継ぎ目の位置の上端縁までの距離と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bにおいて、枢軸161から蓋部材側板160bの継ぎ目の位置の上端縁までの距離と、が略同一距離となっている。
尚、たとえば、遊技者がスロットマシン1の下皿5に払いだされたメダルMを、右方側にある受入部140に投入する際には、右手でメダルMを掴んで投入する動作を行なう。その際に、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側、つまり、当該スロットマシン1の反対側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されることで、遊技者がメダルMを握って受入部140からメダルMを投入する際に、メダルMを握った手の小指側が右側の側板141b,160bに邪魔されにくくなり、メダルMの投入作業をスムーズに行なうことができる。また、受入部140の左側、つまり、当該スロットマシン1側の側板141b,160bが高く形成されることで、投入されたメダルMは、この高く形成された左側の側板141b,160bに当たって受入部140内に導かれるようになるため、メダルMの飛散が防止される。
すなわち、遊技者が右手でメダルMを掴んで投入する際には、該遊技者の肩や肘等を中心として右手が受入部140の右側から左側に向けて回り込むように動作することになるので、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されることで、側板141b,160bにメダルMが引っ掛かり受入部140の右側にこぼれ落ちることが防止されるとともに、受入部140の右側から左側に向けて移動する右手から離されたメダルMが勢いで受入部140の左側にこぼれ落ちそうになっても、高く形成された左側の側板141b,160bに阻まれて受入部140内に導かれるようになるため、メダルMの飛散が防止される。
尚、本実施の形態では、左側の側板141b,160bが高く形成されるとともに、右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されているが、左側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も高い部位から右側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も低い部位まで高低差は、約4cmとなっている。これは、遊技者の人の手のひらの平均左右幅寸法が約8cmであるとした場合に、この手のひらにメダルMを握った状態で受入部140に該メダルMを投入するときに親指側が上がるように若干傾ける(傾斜角度約30°)と想定した場合、その手における親指側と小指側との高低差が約4cmとなる。そのため、左側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も高い部位から右側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も低い部位まで高低差を約4cmとすることで、メダルMが手の親指側からこぼれ落ちないようになる。
尚、本実施の形態では、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されるようになっているが、この凹みの形状は、湾曲形状に限らず、受入部140の右側の側板141b,160bに略V字形状に切り欠かれた大きな凹みとなっていてもよいし、矩形状の凹部として形成されていてもよい。
また、図9(b)および図11(b)に示すように、右側の蓋部材側板160bにおいて、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、右側の蓋部材側板160bの上端縁となる部位(開放状態における右側の蓋部材側板160bの下端縁)は、凹むように湾曲されて形成されている。そして、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁の湾曲形状は、略同一をなしており、閉鎖状態にしたときに、この蓋部材側板160bの上端縁と導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁とが略面一をなすように、両側板141b,160bが重なるようになっている。つまり蓋部材160の右側の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141の右側の側板141bに重畳されて覆われるようになっている。
更に、図12(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の左側の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141の左側の側板141bに重畳されて覆われるようになっている。そのため、蓋部材160が閉鎖状態のときに、導入経路カバー141の左右両側板141bにより左右両蓋部材側板160bが外方から触れられなくなるので、遊技者等が蓋部材160の蓋部材側板160bを摘むことができなくなり、後述する維持手段としてのネジ107を用いなくても、不正に蓋部材側板160bが操作されて蓋部材160が開放状態とされることを防止できる。尚、本実施の形態では、蓋部材160が開放状態とされることを完全に防止できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするように開放が困難となるものであってもよい。
また、図12に示すように、蓋部材160における左側の蓋部材側板160bの側面には、ネジ107が螺合される雌ネジ孔162が前後2箇所に設けられている。更に、受入部140における左側の側板141bには、ネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが2箇所に形成されている。それぞれのネジ挿通孔108a,108bは、蓋部材160の開放状態および閉鎖状態において用いられるようになっている。蓋部材160が開放状態のときには、蓋部材側板160bの雌ネジ孔162が、前方位置に設けられた一方のネジ挿通孔108aに対応して配置され、ネジ107により蓋部材側板160bを側板141bに対して固定することで、蓋部材160の開放状態が維持される(図12(a)参照)。尚、ネジ107とこのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bとネジ107が螺合される雌ネジ孔162とにより本実施の形態における維持手段が構成される。
また、蓋部材160が閉鎖状態のときには、蓋部材側板160bの雌ネジ孔162が、後方位置に設けられた他方のネジ挿通孔108bに対応して配置され、ネジ107により蓋部材側板160bを側板141bに対して固定することで、蓋部材160の閉鎖状態が維持される(図12(b)参照)。つまり、ネジ107の雄ネジ部および蓋部材側板160bの雌ネジ孔162により本実施の形態における固定手段を構成している。
図4および図6に示すように、受入部140の蓋部材160が開放された状態では、メダルMを受け入れることができる間口140aが上方に開口する皿状に形成され、導入経路カバー141内の導入経路Kに向かって連通されている。また、この上面開口である間口140aは平面視略正方形に形成され、導入経路カバー141から前方に拡大して形成されている。つまり、間口140aは、導入経路カバー141の前後幅寸法L10よりも、蓋部材160および受入部140を含めた前後幅寸法L12の方が長いため(図6参照、L10<L12)、このように間口140aは、導入経路カバー141の上面開口に対し遊技者側に近づくため、メダルMを投入しやすくなる。また、蓋部材160および受入部140を含めた上下幅寸法L13は導入経路カバー141の前後幅寸法L10よりも短寸とされている(図6参照、L10>L13)。
また、図14に示すように、遊技場に設置する場合には、スロットマシン1とメダル貸出機100は、左右方向の交互に配置される。尚、前述したように、メダル貸出機100は対応するスロットマシン1の右側に設けられ、メダル貸出機100と他の右側に配設されたスロットマシン1との間は、所定距離離間されており、所定のスペーサ部材10が設けられている。
また、前述したように、蓋部材160を閉鎖状態にすることで、蓋部材160が導入経路カバー141よりも前方に突出しないので、当該メダル貸出機100の右側に配設されたスロットマシン1の前面扉1bを左側に開放したときに、突出している蓋部材160の先端に前面扉1bが接触して蓋部材160が破損したり、前面扉1bの開放の邪魔になることが防止される。尚、スロットマシン1の前面扉1bは、遊技場の店員等の作業者が携帯する所定の鍵(図示略)を前面扉鍵1c(図2参照)に差し込まない限り開放できないようになっている。
尚、前面扉1bが閉鎖されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、その受入部140における左側の側板141bと前面扉1bとの間の間隙Sが狭くなっており、前述した蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段および固定手段としてのネジ107のネジ頭(操作部)に対し、作業者がドライバーD等の工具をアクセスできないようになっている。また、前面扉1bが開放されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、その受入部140における左側の側板141bのネジ107のネジ頭に対してドライバーD等の工具をアクセスできるようになる。
このように、前面扉1bが閉鎖されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、遊技者がドライバーD等の工具を用いて蓋部材160を不正に開閉しようとしても、左側の側板141bと前面扉1bとの間の間隙Sが狭くなっているため、不正な開閉操作が防止される。また、スロットマシン1の前面扉1bを開放することができる遊技場の店員等の作業者は、前面扉1bを開放することで、左側の側板141bに対してドライバーD等の工具をアクセスさせることができ、蓋部材側板160bを側板141bに固定しているネジ107を操作することができ、蓋部材160を開放状態または閉鎖状態に切り換えることができる。
また、本実施の形態では、蓋部材160を開放状態または閉鎖状態に維持する維持手段としてのネジ107が受入部140の左側、つまりスロットマシン1が配置されている側からドライバーD等の工具により操作可能となっており、このネジ107による蓋部材160の維持状態を受入部140の正面側(遊技者側)から解除操作することが困難に設けられている。そのため、遊技者等により蓋部材160の閉鎖状態が故意に解除されることを困難とすることができる。
また、図4および図9(a)に示すように、開閉板102における受入部140の開口140’近傍の部位および蓋部材160の内面側(開放状態における上方側)の部位には、それ以外の部位である導入経路カバー141における受入部140の開口140’近傍の外周面(周囲部)および開閉板102における受入部140の近傍部位(周囲部)の色彩よりも明度が高い色彩に着色された高明度部109,109’が設けられている。
尚、本実施の形態では、導入経路カバー141における受入部140の開口140’近傍の外周面(周囲部)および開閉板102における受入部140の近傍部位(周囲部)は、黒色に着色されているとともに、高明度部109,109’は、白色または灰色等の明度の高い色彩に着色されている。このように高明度部109,109’を設けることで、スロットマシン1が設置される遊技店内の照明が暗くても、遊技者は高明度部109,109’を頼りにメダルMを受入部140に投入することができる。
尚、本実施の形態では、高明度部109,109’が白色または灰色に着色されているが、高明度部の色彩は、白色または灰色に限らず、導入経路カバー141および開閉板102におけるその他の部位の色彩よりも明度が高ければ、その他の色彩を用いてもよいし、照明が暗くても、視認し易い蛍光色等であってもよい。
また、開閉板102における受入部140の間口140aに対応する位置、つまり受入部140の開口140’の入り側には、計数装置190にてメダルMが計数された際に発光する発光部165が設けられている。尚、この発光部165は、開閉板102に設けられた横長長方形状の開口から前面側に露呈している。図5に示すように、計数装置190の前部には、メダルMが計数された際に発光するLEDユニット166が設けられ、開閉板102の背面側には、計数装置190のLEDユニット166の発光を受光する受光部168が設けられている。また、受光部168には、導入された光を発光部165に導光する装飾用光ファイバ167が接続され、この光ファイバ167が開閉板102の背面に沿って上方に延設されて発光部165に接続されている。
このように発光部165を設けることで、メダルMが計数装置190で計数されていることを遊技者に知らせることができる。また、対応するスロットマシン1にてメダルMが払い出されていることを発光により周囲の遊技者に知らせることができるので、演出効果を高めることができるとともに、周囲の遊技者の視線を集めることで、不正なメダル(贋メダル)等が受入部140に投入されることを抑止できる。
また、LEDユニット166を計数装置190に設けて、光ファイバ167によって発光部165までLEDユニット166の発光を発光部165まで導くことで、計数装置190と開閉板102との間の配線を不要にできるので、発光部165に直接LEDランプを設けることと比較して、構造を簡略化することができ、開閉板102の着脱作業も容易となる。
また、図9(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にすると、発光部165が蓋部材160により隠蔽されるようになっている。尚、前述した高明度部109,109’も蓋部材160により隠蔽されるようになっている。このようにすることで、受入部140を使用しないとき、つまり計数装置190を使用しないときには、発光部165および高明度部109,109’を蓋部材160により保護することができ、発光部165および高明度部109,109’が汚れたり埃が付着したりすることを防止できる。更に、高明度部109,109’が隠蔽されて受入部140が目立たないようにできる。また、たとえば、メダル貸出機100の移動作業や設置作業の際に蓋部材160を閉鎖状態とすることで、作業中に発光部165に他の部材が当たって破損したり疵ついたりすることを防止でき、更に、高明度部109,109’を構成する塗料等に疵や汚れが着いて見栄えが悪くなることを防止できる。
図13に示すように、導入経路カバー141の底部には、前述したように、下方側の傾斜板141c(第2底面部)と、この傾斜板141cから所定寸法離間して重畳配置された上方側の傾斜板141c’(第1底面部)と、が設けられている。そして、前述したように、傾斜板141c,141c’に複数の小径のパンチング穴148,148’(貫通孔)が形成されていることで、受入部140から遊技者が所持する飲料等の液体等が投入された場合に、導入経路カバー141の底部に到達した液体が傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’から外部に流出するようになり、計数装置190に液体が入り込むことを防止できる。
また、上方側の傾斜板141c’には、前部側の領域にパンチング穴148’が設けられ、下方側の傾斜板141cには、後部側の領域にパンチング穴148が設けられている。そして、これら各傾斜板141c,141c’においてパンチング穴148,148’が形成された領域が上下に重ならないようになっていることで、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が上下(鉛直方向)に重ならないように配置されている。このようにすることで、遊技者が、傾斜板141cのパンチング穴148から棒状部材または針金等の線状部材を計数装置190に向かって挿入しようとしても、これらの部材の挿入を阻止することができる。
尚、本実施の形態では、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が前後方向にずれて設けられているが、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が左右方向にずれて設けられていてもよいし、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が前後または左右方向に交互に設けられることで、棒状部材または線状部材の挿入を阻止するようにしてもよい。
尚、本実施の形態では、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成されているが、本発明における第1および第2底面部の貫通孔は、パンチング穴148,148’に限らず、スリット状の貫通孔であってもよいし、各傾斜板141c,141c’を網状または格子状に形成した略板部材として、これら網状または格子状に形成される通過孔であってもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのメダル貸出機100(遊技用装置)にあっては、受入部140の開口140’を閉鎖状態とすることで、受入部140の開口140’に遊技者が間違ってメダルM(遊技媒体)を投入してしまったり、故意にゴミ等を投入することを防止できる。また、遊技店において計数装置190を用いる運用形態から計数装置190を用いない運用形態に変更する場合、受入部140の開口140’を閉鎖状態とするだけで、メダル貸出機100の入れ替え等を行なうことなくメダルMの投入を防止できるとともに、蓋部材160が容易に開放状態とされることを防止できる。尚、本発明では、蓋部材160が開放状態とされることを完全に防止できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするようになればよい。
尚、遊技店において計数装置190を用いる運用形態から計数装置190を用いない運用形態に変更する場合とは、たとえば、メダル貸出機100を設置した後に、メダル貯留箱(いわゆるドル箱)を用いる営業形態に変更した場合や、特定のメダル貸出機100が故障して一時的に使用中止する場合などが考えられる。
また、本実施の形態では、受入部140を閉鎖する蓋部材160において、受入部140の開口140’を閉鎖する蓋板160aが略板状となっているが、蓋部材160の蓋板160aは略板状に限らず、メダルMの通過を不可能または困難にするものであればどのような態様であってもよく、たとえば、蓋板160aを網状または格子状に形成した部材としてもよい。
また、本実施の形態では、蓋部材160が受入部140内に向かって折り畳まれるようにして閉鎖状態となるため、開放状態では、受入部140から蓋部材160が前方へ突出されることなく、かつ開放状態で略漏斗状をなす間口140aを、閉鎖状態では、無くすことができるようになり、この間口140aに遊技者が間違ってメダルM(遊技媒体)を投入してしまったり、故意にゴミ等を投入することを防止できる。
また、前記実施の形態では、受入部140が開閉板102の前面側に突出するように設けられた前面板141aと側板141bとにより形成された上方に開口するメダル投入口となっているが、この受入部140の形状はこれに限られることなく、たとえば、前述の下辺を中心として開閉可能に設けられたメダル補給扉130と同様に、閉鎖状態では、開閉板102と面一をなす漏斗状の開閉蓋部材を設け、この開閉蓋部材の下片を中心として前後方向に開閉されるようにし、開放された状態では、上方に開口するメダル投入口となる形態に受入部を形成してもよい。尚、この場合には、開閉板102に形成される開口が本発明における受入部の開口をなし、この開閉板102の開口からメダル貸出機100の内部側に形成されるメダル通路が本発明における導入経路をなす。
また、前記実施の形態では、導入経路カバー141における左右の側板141bに対して、蓋部材160が左右方向を向く回動軸を中心として前後方向に回動可能に取り付けられているが、前後方向を向く回動軸を中心として左右方向に回動可能に取り付けられていてもよい。さらに、蓋部材160の移動態様は回動動作のみならず、蓋部材160がスライド移動するものであってもよい。
また、前記実施の形態では、蓋部材160が枢軸161を軸心として前後方向に回動可能に導入経路カバー141における左右の側板141bに取り付けられ、蓋部材160が前方に回動されることで、受入部140の開口140’が開放され、後方に回動されることで、受入部140の開口140’が閉鎖されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、蓋部材160の上辺側に回動動作の軸心となる枢軸を設け、この枢軸を開閉板102における導入経路カバー141の上方位置に軸支して、蓋部材160が後方に回動されることで、受入部140の開口140’が開放され、前方に回動されることで、受入部140の開口140’が閉鎖される構成であってもよい。
また、前記実施の形態では、蓋部材160が導入経路カバー141に軸支されているが、蓋部材160が導入経路カバー141に着脱されることで、受入部140の開口140’が開閉される構成であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技場の店員等の作業者が蓋部材160の開閉を手動で行なっているが、蓋部材160を駆動源にて開閉駆動する構成とし、たとえば、排出口192から排出されたメダルMが詰まったり、遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)が不具合により回収不能となった場合等、計数装置190によりメダルMの計数ができない状況が発生したときに、蓋部材160を自動で閉鎖できるようにする構成としてもよい。
また、図11(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の蓋板160aの前面側が傾斜された状態で受入部140が閉鎖されることで、この蓋部材160の蓋板160aの前面側にゴミ等の物が置かれても滑り落ちるようになっているため、蓋板160aの上にゴミ等の物が置かれることを防止できる。
また、導入経路カバー141は、導入口142から上方に向けて延設され、ノズル150をメダルMの導入(移動)方向に対し交差する前後方向に挿通可能な前挿通孔143a,後挿通孔143bが形成されており、受入部140は、前挿通孔143a,後挿通孔143bよりも上方位置に設けられている。よって、メダル貯留部183の貯留スペースを確保しつつ、誘導部材であるノズル150をスロットマシン1に対応した位置に配設できるとともに、計数装置190をメダル貯留部183よりも下方位置に配設しても、受入部140を前挿通孔143a,後挿通孔143b、つまり、ノズル150よりも上方位置に受入部140を配設することができるので、メダルMの投入時にノズル150が邪魔になることがない。
また、計数装置190をメダル貯留部183の上方位置に配置する必要がないので、メダル貯留部183の貯留スペースを十分に確保することができるばかりか、メダル貯留部183に貯留されたメダルMをノズル150まで揚送する必要もないので、装置が大掛かりになることもない。
また、本実施の形態においては、図2に示すように、受入部140は、隣接配置されるスロットマシン1のゲームを進行するために操作される遊技用操作部としてのメダル投入部4、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rとほぼ同高さ位置に配設されているため、メダルMを投入する際に遊技者に違和感を与えないばかりか、ゲームの操作を行ないながらでもメダルMを投入しやすくなる。
また、受入部140がノズル150よりも上方位置に配設されることで、計数装置190への導入口142からの距離が長くなるため、導入口142から手や異物等を挿入したとしても、導入口142から計数装置190にアプローチすることが困難となるため、不正な計数行為等を抑制できるばかりか、誤って手指を計数装置190内に挿入して怪我する危険性を回避できる。
また、受入部140は、図4に示すように、導入経路カバー141より少なくとも遊技者側に向けて拡がるように形成されていることで、投入口が遊技者側に近づくので、メダルMを投入しやすくなる。
また、スロットマシン1は、筐体1aと、該筐体1aの左側辺を中心として開閉可能に設けられた前面扉1bと、から構成され、受入部140は、左右方向を向く回動軸147を中心として回動可能に設けられていることで、受入部140を回動させることで、上方に折り畳んで退避させることができるため、前面扉1bの開放時に干渉することを防止できる。
また、導入経路カバー141の内部におけるノズル150よりも上方の所定箇所には、受入部140にて受け入れられたメダルMの姿勢を、該メダルMの表裏面がメダルMの導入方向(上下方向)に対し交差する方向(前後方向)に沿う横向き姿勢に変更させる棒状部材146a〜146cが設けられていることで受入部140にて受け入れられて落下するメダルMの姿勢が、ノズル150よりも上方位置にいて横向き姿勢に変更されることで、メダルMが幅狭経路K1を通過しやすくなるばかりか、導入口142に到達するまでにメダルMの姿勢が揃い、整列された状態で計数装置190に導入されるため、計数装置190でのメダル詰まりの発生を抑制できる。
また、棒状部材146a〜146cは、導入経路カバー141の側板141bに対し所定の隙間(K1の左右幅>2R)を隔てて略平行、すなわち、メダルMの導入方向(上下方向)に対し交差する方向(前後方向)に沿うように設けられることで、簡単な構成でメダルMの姿勢を変更することができる。
また、ノズル150は、払出装置182から前挿通孔143a,後挿通孔143bまで延設される基部151と、該基部151に連設され前挿通孔143aから遊技者側に向けて延設される突出部152と、を含み、基部151は変形不能に形成され、突出部152は該基部151に対し少なくともスロットマシン1側に変形可能に形成されている。よって、導入経路カバー141内を挿通する基部151は変形不能であることで、メダルMの落下を妨げることがないとともに、突出部152はスロットマシン1側に変形させることができることで、払い出されたメダルMをスロットマシン1に直接誘導させることが可能となるため、使い勝手が向上する。
尚、本実施の形態では、導入経路カバー141の受入部140の開口140’が蓋部材160により開閉されるようになっているが、計数装置190の導入口142を開閉する蓋部材を設けるようにしてもよい。また、導入経路カバー141の底面部を構成する各傾斜板141c,141c’を着脱可能な蓋部材として構成し、各傾斜板141c,141c’を取り外した際には、計数装置190の導入口142へのメダルMの導入が不可能になる構成としてもよい。
図15〜図16には、本発明の変形例としてのメダル貸出機100が示されている。図15は、本発明の変形例としてのメダル貸出機を示す要部正面図である。図16は、図15のメダル貸出機の一部縦断面図である。
前記実施の形態では、ノズル150を挿通するための前挿通孔143aおよび後挿通孔143bを、導入経路Kにおける左右幅方向の一端側(たとえば右側)に形成し、ノズル150の他端(左端)側にのみ幅狭経路K1が形成されるようにしていたが、図15および図16に示すように、ノズル150を挿通するための前挿通孔143aおよび後挿通孔143bを、導入経路Kにおける左右幅方向の略中央位置に形成し、ノズル150の左右両側に幅狭経路K2,K2が形成するようにしてもよい。
そして、前挿通孔143aの上方位置に、上方から落下してくるメダルMをノズル150の左右側方に誘導して該ノズル150に衝突しないように迂回させる保護部材145Aを、前後方向に架け渡すように設けられていてもよい。この保護部材145Aは、中央から左右方向それぞれに向けて下方に傾斜する誘導傾斜面145a,145aにより正面視略への字形の板材にて形成されている。
また、保護部材145Aの誘導傾斜面145a,145aによってメダルMが誘導されることによっても、メダルMの姿勢が横向き姿勢に変更されるため、誘導傾斜面145a,145aは姿勢変更手段を構成している。
ここで、導入経路Kの左右幅L20に対し、ノズル150を保護する保護部材145Aの左右幅L21は約半分を占めている(L21≒2/L20)。尚、導入経路Kの前後幅L10(図6参照)はメダルMの直径2Rよりも幅広とされている(L10>2R)。そして、ノズル150および保護部材145Aは、導入経路Kの左右方向の略中央位置に配置されていることで、導入経路Kは二股状に分かれ、ノズル150および保護部材145Aの左右側に幅狭経路K2,K2が形成される。この幅狭経路K2の左右幅L22は、メダルMの直径2Rよりも幅広とされているため(L22>2R)、メダルMが詰まることはないが、この幅狭経路K2,K2よりも上方位置で棒状部材146a〜146cにより姿勢変更されているため、スムーズに通過される。
よって、保護部材145A上に落下したメダルMは、左右の誘導傾斜面145aにより左右いずれかに誘導され、ノズル150と左右側板141bとの間の幅狭経路K2,K2を通過していく。このように保護部材145Aにより保護されることで、メダルMがノズル150に直接落下することがないので、ノズル150が損傷などしてメダルMの払い出しに悪影響を及ぼすことが防止される。
幅狭経路K2,K2を通過したメダルMは、下部において傾斜板141cにより後側に、かつ、傾斜板141dにより左右方向の中央に誘導された後、導入口142を通過して開閉板102の背面側に誘導される。そして、傾斜板141c上を滑り落ちて計数口191から計数装置190内に落下される。
また、導入経路カバー141の内部には、ノズル150の上方を覆う保護部材145Aが設けられ、保護部材145Aは、受入部140から落下してくるメダルMをノズル150の左右側方を通過可能に誘導する誘導傾斜面145aを備えることで、導入経路カバー141内を挿通するノズル150に落下してくるメダルMが衝突することにより破損すること等が防止されるばかりか、誘導傾斜面145aによりノズル150を避ける方向にメダルMを誘導するため、メダルMの落下を妨げることがない。
また、前記実施の形態では、棒状部材146a〜146cにより姿勢変更されるようにしていたが、前述したように、保護部材145Aの誘導傾斜面145aのように、メダルMの移動方向に対し傾斜して設けられる板状部材であってもよい。また、たとえば螺旋状の線状部材や、先端に向けて先細りテーパ状に形成されたノズル等、種々の姿勢変更手段を採用してもよい。
また、前記実施の形態では、維持手段としてのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが、受入部140における左側の側板141bに設けられ、このネジ挿通孔108a,108bを挿通したネジ107が、蓋部材側板160bの側面に設けられた雌ネジ孔162に螺合されるようになっているが、図17の変形例に示すように、維持手段としてのネジ107’が挿通するネジ挿通孔108cが、受入部140における背面側の開閉板102に貫通して設けられ、このネジ挿通孔108cを挿通したネジ107’が螺合される雌ネジ孔162’を、肉厚に形成された蓋部材側板160bの先端に設けるようにしてもよい。このようにすることで、開閉板102を取り外すことができる遊技場の店員等の作業者以外がネジ107を操作することができないようになり、遊技者による蓋部材160の不正な開放を阻止することができる。
また、前記実施の形態では、維持手段としてのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが、受入部140における左側の側板141bに設けられ、このネジ挿通孔108a,108bを挿通したネジ107が、蓋部材側板160bの側面に設けられた雌ネジ孔162に螺合されるようになっているが、維持手段はネジ107を用いる態様に限らず、その他の手段を用いてもよい。たとえば、図18の変形例に示すように、蓋部材側板160bの側面に凹部170を設け、この凹部170内にバネ171等の付勢手段により外方に突出する係合凸部172を設け、この係合凸部172が受入部140の側板141bに形成された係合孔部173に係合されるようにして、蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段を構成してもよい。この場合には、係合凸部172が係合孔部173に対応する位置に蓋部材160が移動すると、バネ171の付勢力により自動的に係合凸部172と係合孔部173とが係合される。尚、この係合状態を解除する際には、外方からドライバーD等の工具を係合孔部173に挿入して、係合凸部172をバネ171の付勢力に抗して凹部170内に没入させ、蓋部材160を移動させるようにする。
尚、本実施の形態では、蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段としてネジ107やバネ171等により付勢された係合凸部172が用いられているが、本発明の維持手段はネジ107やバネ171等を用いる態様に限らず、その他の態様であってもよい。たとえば、閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の先端が接触する受入部140の部位に、粘着力を有する粘着部材を設け、この粘着部材により蓋部材160の閉鎖状態を維持するようにしてもよいし、蓋部材160を鉄等の着磁可能金属で構成して、閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の先端が接触する受入部140の部位に、磁石部材を設け、この磁石部材により蓋部材160の閉鎖状態を維持するようにしてもよい。また、維持手段は、蓋部材160の閉鎖状態を完全に維持できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするものであればよく、蓋部材160が若干動かされても容易に開放できなければよい。
また、前記実施の形態では、導入経路Kを構成する導入経路部材は、導入経路カバー141および開閉板102を含んでいたが、導入経路Kは単一の筒状部材等により構成されていてもよい。
図19は、本実施の形態のメダル貸出機100の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御ユニット181は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)181aや、内部カードリーダライタ187に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持ちメダル数、貯蓄メダル数、来店ポイント数、対応するスロットマシン1の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶可能なRAM181bや、中央演算処理回路(CPU)181aが実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM181cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)181dを含み、RAM181bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。また、制御ユニット181は、通信部184並びに前述したHUB70を介して各種コンピュータとの双方向のデータ通信が可能とされている。
また、制御ユニット181には、前述した液晶表示器123およびタッチパネル124を制御するための表示制御基板129や、紙幣識別ユニット180や、状態報知ランプ111や、内部カードリーダライタ187や、顔画像撮影カメラ188や、払出装置182や、スピーカ(図示せず)を制御するための音声制御基板(図示せず)が接続されている。スピーカでは、メダル貸出機100からの報知が音声によって行なわれる。なお、メダル貸出機100自体には、音声を出力するための手段を設けずに、呼出ランプ200のスピーカから報知を行なうための制御信号を出力可能なように構成してもよい。更に、制御ユニット181には、後述するメダル情報の総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数の値をリセットするためのリセットスイッチ186が接続されている。このリセットスイッチ186は、筐体101の内部に設けられ、筐体101の前面下部の開閉板102(図2参照)を開放した場合に操作できる。
この開閉板102(図2参照)の上端には、開閉板鍵106が設けられ、この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。そして、リセットスイッチ186は、店員が後述するメダル貯留ボックス194を空にしたときに、押圧操作されるようになっている。
また、制御ユニット181には、貸出操作基板189が接続されており、この貸出操作基板189には、前述したカード残高表示部115に対応するカード残高表示器115’と、メダル貸出ボタン116に対応するメダル貸出ボタンスイッチ116’と、返却ボタン114に対応する返却ボタンスイッチ114’と、入金可ランプ113と、メダル貸出ランプ117と、メダル切れランプ118と、が設けられている。
また、制御ユニット181には、再プレイ操作基板185が接続されており、この再プレイ操作基板185には、前述した暗証番号表示部119に対応する暗証番号表示器119’と、テンキー120に対応するテンキースイッチ120’と、再プレイボタン121に対応する再プレイボタンスイッチ121’と、が設けられている。
また、制御ユニット181は、当該メダル貸出機100の下部位置に設けられている計数装置190に接続され、該計数装置190による各計数信号が入力可能とされている。この計数装置190からの計数信号の入力に応じて、後述する各種テーブルの更新を行なうようになっている。この計数装置190には、前述したメダル撮影カメラ190cや、流路切換器190dが設けられるとともに、後述する発光部165に対応するLEDユニット166が設けられている。さらに計数装置190には、メダル撮影カメラ190cで撮影したメダル画像等を一時的に記憶するメモリ190bや、これらのデバイスを制御し、かつメダルMの真贋を判定するコントローラ190aが設けられている。
本実施の形態のRAM181bに記憶されているカードテーブルには、図20(a)に示すように、カードリーダライタ187に挿入されたビジターカードや会員カードから読み出した(会員)カードIDと、会員ID(会員カードのみ)と、暗証番号(会員カードのみ)と、(会員)カードID並びにプリペイド残額データに基づくプリペイド残額と、カードIDから特定される持ちメダル数と、(会員)カードIDと会員IDから特定される貯蓄メダル数(会員のみ)と、会員IDから特定される来店ポイント数(会員のみ)と、当該カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグと、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数と、当該カードに対する少量貸し機能が有効か無効かを示す少量貸し有効フラグが記憶される。
入金残額対応カードとは、後述する図41の「残額取出」ボタンが操作されることで図42のステップSg11で実行される図43のステップSh15で排出される会員カードまたはビジターカードであり、入金残額対応カードの旨が対応付けられる。
カードロック機能とは、暗証番号の入力が無い限り、当該カードを返却や、カードロック機能の有効から無効への切替えなどができないようにする機能である。なお、本実施の形態においては、カードロック機能が有効とされている場合は、暗証番号の入力が無い限り、後述する持玉分割機能およびカード後挿入機能も実行できないようにされる。しかし、これに限定されず、カードロック機能が有効である場合に実行が制限される機能は、いずれの機能であってもよい。
盗難カード制限機能とは、盗難されたカードを登録しておくことで、盗難カードが使用できないように制限する機能である。盗難カードの登録については、次のように行なわれる。
たとえば、カード管理コンピュータ500でメダル貸出機100の装置IDおよび当該カードを使用していた時間などが入力されることで、メダル管理コンピュータ550の図25のユニット管理テーブルなどで受付けられていたカードIDなどが検索されて、図22の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに、当該カードIDの盗難カードフラグがオン状態として登録される。
または、盗難された直後に、店員がリモコンでカードが盗難された旨をメダル貸出機100に入力することで、図22の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの、直前に使用されていたカードのカードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態として登録される。
遊技履歴集計機能とは、当該カードのカードIDに対応付けて、遊技の履歴(たとえば、大当り回数、大当り間変動回数、リーチ回数など)を集計する機能である。少量貸し機能とは、通常の貸出単位額分よりも小額の金額分のメダルを貸出す機能であり、たとえば、通常は1000円単位でメダルを貸出すが、少量貸し機能で1000円以下の設定した金額、たとえば、100円単位での貸出しが可能となる。
また、RAM181bに記憶されているカード受付け中遊技情報には、図20(b)に示すように、カードリーダライタ187に会員カードまたはビジターカードが挿入された時点からの遊技情報、つまり、該挿入された会員カードまたビジターカードを所持する遊技者の遊技に関する遊技情報が集計される。
具体的には、遊技者が遊技を開始した開始時間(カードの受付け時刻)と、遊技者が遊技を終了した終了時間(カードの返却時刻)と、遊技者の遊技時間と、遊技者のカードを受付けてから使用した持ちメダル数を示す使用持ちメダル数と、遊技者のカードを受付けてから再プレイに使用した再プレイメダル数(会員のみ)と、遊技者のカードを受け付けてから計数装置190に投入されたメダルが不正メダルとして判定された場合にその不正メダルと判定された累積数を示す累積不正メダル数と、が記憶され、対応するスロットマシン1で遊技中の遊技者が遊技を開始してからの遊技情報を把握できるようになっている。
また、RAM181b(記憶手段)に記憶されているメダル情報には、図20(c)に示すように、払出装置182から本日に払い出されたメダルの総数である払出総メダル数と、計数装置190に本日に投入されたメダルの総数である計数総メダル数(計数遊技媒体数)と、計数装置190にて不正メダルであると判定されたメダルの総数である総不正メダル数と、計数装置190にて不正メダルであると判定されてメダル貯留ボックス194に貯留されたメダルの総数である総メダル貯留数と、この総メダル貯留数のうち、自店の他の領域で用いられるメダルである自店メダルの貯留数を示す自店メダル貯留数と、他店等の外部から持ち込まれたメダルである偽メダルの貯留数を示す偽メダル貯留数と、が記憶される。
また、RAM181bには、図20(d)に示すように、計数装置190に投入されたメダルが連続して不正メダルであると判定された場合に、1が加算更新(インクリメント)される連続不正メダルカウンタが設定されている。
次に、本実施の形態のカード管理コンピュータ500について、図21に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたカード管理コンピュータ500は、図21に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス501に、該カード管理コンピュータ500が実行する各種処理を行なうCPU502、ワークメモリ等として使用されるRAM503、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC504、ハードディスク等からなる記憶装置505、キーボードやマウス等の入力装置506、各種の画面を表示出力する表示装置507、各種情報をプリント出力するプリンタ508、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100(制御ユニット181)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行なう通信部509、カード会社に設置された管理サーバ82とのデータ通信を行なうデジタルサービスユニット(DSU)510が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置505には、カード管理コンピュータ500において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードに残存するプリペイド残額を管理するための会員カードテーブル(図22(a)参照)と、ビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するためのビジターカードテーブル(図22(b)参照)と、が記憶されている。
会員カードテーブルには、図22(a)に示すように、各会員カードを個々に識別可能な会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員IDと、プリペイド残額と、当該会員カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員IDから、プリペイド残額、当該会員カードの使用可否、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否か、暗証番号、カードロック機能が有効か無効か、および、盗難カードである旨の登録がされたカードであるか否かを特定できるようになっている。本実施の形態においては会員カードの暗証番号は、会員カードの発行時に、予め設定される。
また、ビジターカードテーブルには、図22(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの状況(利用中であるか保管中であるか)と、当該会員カードまたはビジターカードが発行された最新の日時である最新発行日時と、プリペイド残額と、当該カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額、当該ビジターカードの使用可否、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否か、最新発行日時、カードロック機能が有効か無効か、暗証番号、および、盗難カードである旨の登録がされたカードであるか否かを特定できるようになっている。
本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100における会員カードまたはビジターカードの受付けに応じて各メダル貸出機100から送信される、該メダル貸出機100の装置ID並びに該受付けた会員カードまたはビジターカードから読み出した(会員)カードID並びにプリペイド残額を含むカード受付け通知の受信に応じて、該会員カードまたはビジターカードの使用の可否を判定してメダル貸出機100に返信するカード受付け処理を実行する。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100における貸出処理の実行に伴い送信される貸出完了通知の受信に応じて、該受信した貸出完了通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額から、該貸出完了通知に含まれる税込使用額を減算更新する減算更新処理を行なう。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100或いはカード発行・入金機における発行・入金処理の実行に伴い送信されるカード入金通知の受信に応じて、該受信したカード入金通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に、該カード入金通知に含まれる入金金額を加算更新する入金更新処理を行なう。
次に、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550について、図23に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたメダル管理コンピュータ550は、図23に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス551に、該メダル管理コンピュータ550が実行する各種処理を行なう中央演算処理装置(CPU)552、ワークメモリ等として使用されるRAM553、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)554、ハードディスク等からなる記憶装置555、キーボードやマウス等の入力装置556、各種の画面を表示出力する表示装置557、各種情報をプリント出力するプリンタ558、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100とのデータ通信を行なう通信部559が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置555には、メダル管理コンピュータ550において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する営業当日において当該会員遊技者により獲得された持ちメダル数、並びに営業当日前に当該会員遊技者により獲得された貯蓄メダル数を管理するための会員貯蓄管理テーブル(図24(a)参照)と、ビジターカードに記録されている該ビジターカードを所持する遊技者により営業当日において獲得された持ちメダル数を管理するためのビジター貯蓄管理テーブル(図24(b)参照)と、遊技場内の各メダル貸出機100におけるその時点の総不正メダル数等と各メダル貸出機100に受付け中のカードとを管理するためのユニット管理テーブル(図25参照)と、会員カードを所有する会員遊技者に関する会員情報が格納される会員情報テーブル(図26(a)参照)と、会員遊技者を特定可能な会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技情報を含む遊技履歴が格納される会員別遊技履歴テーブル(図26(b)参照)と、が記憶されている。
会員貯蓄管理テーブルには、図24(a)に示すように、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員IDと、当該会員遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該会員遊技者がその営業当日前において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である貯蓄メダル数と、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員IDから、当該会員遊技者が所有する持ちメダル数、貯蓄メダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、会員貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ持ちメダル数として管理されており、営業終了後の締め処理において会員貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数は、貯蓄メダル数に加算更新された後、全てリセットされる。また、会員貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、営業終了後に、図26(b)の会員別遊技履歴テーブルの累計大当り回数に加算更新された後、リセットされる。
また、ビジター貯蓄管理テーブルには、図24(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの最新発行日時と、該ビジターカードを所持する遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、当該遊技者が所有する持ちメダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後の締め処理においてビジター貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数が全てリセットされることにより、無効化される。また、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後に、リセットされる。
ユニット管理テーブルには、図25に示すように、遊技場内に設置された各メダル貸出機100に固有に付与された装置IDに対応付けて、メダル貸出機100のローカルIPアドレスが格納されるローカルIPと、当該メダル貸出機100が設置されている遊技島の島番号が格納される設置島と、当該メダル貸出機100がカードの受付け中であるか待機中であるかが格納される状況と、当該メダル貸出機100が対応するスロットマシン1の台番号が格納される対応台番号と、受付け中の会員カードまたはビジターカードのカードIDが格納される受付IDと、その時点における各メダル貸出機100にて計数された総不正メダル数と、各メダル貸出機100に貯留されるメダルの総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数とが記憶されており、これらメダル関連情報は、メダル管理コンピュータ550にて実行される後述の計数処理において定期的に各メダル貸出機100から送信されることで、最新のメダル関連情報が管理されるようになっている。
会員情報テーブルには、図26(a)に示すように、会員カードを所持する会員遊技者の会員IDに対応付けて、本人確認のための暗証番号と、会員カードの受付けに応じて一日に1回所定の来店ポイントが加算更新される来店ポイントと、来店状況等に基づくランクと、会員の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報(個人情報)とが登録されている。
また、会員別遊技履歴テーブルには、図26(b)に示すように、会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技履歴、具体的には、来店日、遊技を行なったスロットマシン1の台番号、機種名、遊技開始時間(時刻)、遊技終了時間(時刻)、遊技開始から終了までの間の遊技時間、再プレイメダル数、使用持ちメダル数、計数メダル数、累計大当り回数からなる遊技履歴が格納されている。会員別遊技履歴テーブルの来店日には、RTC554から出力されるカレンダ情報に基づく当該遊技履歴の記憶時点の年月日が格納されるとともに、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技時間の遊技履歴は、カードの返却時にメダル貸出機100から送信される会員遊技履歴データに基づいて記憶される。
ここで、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550にて実行可能な不正メダル関係の設定について、図27に基づいて説明すると、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550では、遊技場内のメダル貸出機100にて実行される不正メダル検出時の報知や動作条件に関する各種設定が、図27に示す不正メダル関係設定画面(閾値設定手段)において可能とされている。
本実施の形態の不正メダル関係設定画面には、図27に示すように、画面上部に、「台単位設定」および「島単位設定」の設定項目が設けられており、該不正メダル関係設定画面において設定対象とするスロットマシン1を、台単位または島単位で指定できるようになっている。
たとえば、「台単位設定」を用いれば、設定対象とするスロットマシン1を1台ずつ台番号にて指定することができ、「島単位設定」を用いれば、設定対象とするスロットマシン1を複数台ずつ島番号で指定することができる。尚、「島単位設定」を用いれば、1枚5円の価値を有するメダルにて遊技を実施可能な遊技領域や、1枚20円の価値を有するメダルにて遊技を実施可能な遊技領域などを遊技島ごとに指定できるようになっている。尚、「島単位設定」においては、一の遊技島の一面に設置されている複数のスロットマシン1と他面に設置されている複数のスロットマシン1とを個別に設定できるように島単位が区分けされている。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル検出報知条件」の項目には、各メダル貸出機100において、計数装置190に投入されたメダルが不正メダルと判定されたときに、報知を行なう条件である「総不正メダル数」、「累積不正メダル数」、「連続不正メダル検出回数」を設定するための選択入力部が設けられている。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「総不正メダル数」の選択入力部では、遊技場の営業開始の時点から計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数、つまり前述したメダル情報の総不正メダル数(図20(c)参照)が、所定枚数(本実施の形態では10枚)になった時点で報知を行なうように設定できる。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「累積不正メダル数」の選択入力部では、遊技者が会員カードまたはビジターカードをメダル貸出機100に挿入した時点からから計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数、つまり前述したカード受付け中遊技情報の累積不正メダル数(図20(b)参照)が、所定枚数(本実施の形態では10枚)になった時点で報知を行なうように設定できる。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「連続不正メダル検出回数」の選択入力部では、計数装置190にて連続して不正メダルとして判定された回数、つまり前述したカウンタ情報の連続不正メダルカウンタ(図20(d)参照)が、所定回数になった時点(本実施の形態では不正メダルが3回連続して検出された時点)で報知を行なうように設定できる。
このように、「総不正メダル数」、「累積不正メダル数」、「連続不正メダル検出回数」を設定しておくことで、メダル貸出機100の払出装置182から払い出されたメダルに数枚の不正メダルが紛れ込んでおり、これら不正メダルが紛れ込んでいることを気づかずに遊技者が計数した場合(故意ではない場合)などに、不正メダルとして報知されずに済むようになる。尚、不正メダルが1枚でも検出された時点で報知を行なうように設定をすることもできる。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル検出時動作」の項目では、前述の「不正メダル検出報知条件」の項目において設定された条件になったときに、アラーム報知(状態報知ランプ111の点灯およびメダル管理コンピュータ550に通知)のみを行なうか、アラーム報知および計数装置190の計数停止を行なうか、を選択するためのチェックボックスが設けられている。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル取り扱い」の項目では、計数装置190において不正メダル(自店メダルまたは偽メダル)が検出された際に、該不正メダルをメダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留するか否かの設定をすることができる。この「不正メダル取り扱い」には、「貯留部無効」と「貯留部満タン時に不正メダルを島内へ排出」と「貯留部満タン時にエラー停止」のチェックボックスが設けられている。
ここで、「貯留部無効」のチェックボックスにチェックすると、計数装置190にて不正メダルを検出したときに、メダル貯留ボックス194に貯留せずに、排出口192から遊技島に排出するようにできる。この「貯留部無効」の設定は、遊技島に別途にメダル真贋判定機を設けて不正メダルを回収する装置がある場合に用いられる設定となっている。
また、「貯留部満タン時に不正メダルを島内へ排出」のチェックボックスにチェックすると、メダル貯留ボックス194(貯留部)が満タンになった場合のみ、メダル貯留ボックス194に貯留せずに、排出口192から遊技島に排出するようにできる。
また、「貯留部満タン時にエラー停止」のチェックボックスにチェックすると、メダル貯留ボックス194(貯留部)が満タンになった場合に、計数装置190の計数処理を停止してエラー報知を行なうように設定できる。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「貯留部状態報知条件」の項目には、「満タン時報知条件」となる枚数を設定する選択入力部と、「閉店時報知条件」となる枚数を設定する選択入力部とが設けられている。
ここで、「満タン時報知条件」では、メダル貯留ボックス194(貯留部)が満タンになったと判定する基準となるメダルの枚数である第1閾値(第1貯留量)の設定が行なえる。たとえば、本実施の形態では、「満タン時報知条件」として「100枚」と設定されており、これはメダル貯留ボックス194に100枚の不正メダルが貯留されたとき、つまり前述のメダル情報の総メダル貯留数(図20(c)参照)が100枚となった時点で、満タンになったと判定する設定となっている。尚、メダル貸出機100は、「満タン時報知条件」が成立した時点で、後述するように、状態報知ランプ111を点灯させて報知を行なうとともに、メダル管理コンピュータ550に通知する。
また、本実施の形態では、遊技場の閉店時(営業終了時)にメダル貯留ボックス194(貯留部)に所定枚数のメダルが貯留されている場合に、メダル貯留ボックス194からメダルを回収する対象となっているメダル貸出機100であることを、状態報知ランプ111を点灯させて報知を行なうとともに、メダル管理コンピュータ550に通知するようになっている。「閉店時報知条件」では、メダル貯留ボックス194からメダルを回収する対象となっているメダル貸出機100か否かを判定する基準となるメダルの枚数である第2閾値(第2貯留量)の設定が行なえる。たとえば、本実施の形態では、「閉店時報知条件」として「50枚」(満タン時の50%)と設定されており、これは閉店時(営業終了時)において、メダル貯留ボックス194に50枚の不正メダルが貯留されたとき、つまり前述のメダル情報の総メダル貯留数(図20(c)参照)が50枚となっている場合に報知を行なう設定となっている。
本実施の形態では、「満タン時報知条件」および「閉店時報知条件」において、閾値となる枚数を適宜設定することで、大きさが異なるメダル(たとえば、φ25のメダルとφ30のメダル)について、メダル貯留ボックス194(貯留部)の大きさに合わせて設定することができる。たとえば、同じ枚数のメダルが貯留された場合でも、メダルの大きさに応じてメダル貯留ボックス194(貯留部)の貯留量は変わる(たとえば、φ25のメダルならば100枚で満杯になるが、φ30のメダルならば80枚程度で満杯になる)ので、メダルの大きさに応じて閾値を変えることにより適正なレベルで報知することができる。
以下、本実施の形態のメダル貸出機100の動作について、図30〜図46を用いて説明する。
まず、図30に示すように、メダル貸出機100の制御ユニット181は、メダル貸出機100への電源投入により起動されることで、Sb1の起動処理を実行して、各種テーブルの初期化並びに各部の接続状況の確認や、カード管理コンピュータ500やホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550への接続確認要求の送信、並びに該接続確認要求の送信に応じてカード管理コンピュータ500、ホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550から返信される設定情報に基づく各設定データに初期値等の設定等を実行する。
そして、該起動処理の完了後においてSb2〜Sb9の処理を巡回実行することで、カード挿入口112への会員カード或いはビジターカードの挿入であるカード受付け(Sb2)、遊技者(会員またはビジター)による貸出ボタンの操作(Sb3)、紙幣挿入口110からの紙幣の投入による現金受付け(Sb4)、遊技者による返却ボタンの操作(Sb5)、再プレイボタン121の操作(Sb6)、計数装置190に対するメダル投入の検出(Sb7)、所定のエラー信号の検出(Sb8)、タッチパネル124の操作(Sb9)を検知する待機状態となる。
これらSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が、ビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112に挿入した場合には、該ビジターカード或いは会員カードの挿入に伴う挿入検知情報がカードリーダライタ187から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2においてカード受付け有りと判断してSb20のステップに進み、カード受付け処理を実行する。
図32は、メダル貸出機において実行されるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。図32を参照して、このSb20における本実施の形態のカード受付け処理においては、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カード挿入口112に挿入された会員カードまたはビジターカードの取り込み指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードをカードリーダライタ187内に取り込んで、該会員カード或いはビジターカードに記憶されている記憶データ、具体的には、当該会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと会員ID(会員カードのみ)とプリペイド残額データ、持ちメダル数データ(ビジターカードのみ)等を読み出す(ステップSn1)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読出した(会員)カードIDと当該メダル貸出機100の装置IDとを含む盗難カード確認要求をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSn21)。
カード管理コンピュータ500のCPU502は、図22で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに基づいて、盗難カード確認要求に含まれる(会員)カードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態であることを示す「1」であるか否かを確認する。そして、確認結果に基づいて、盗難カードであるか否かを示す情報を、盗難カード確認要求に含まれる装置IDのメダル貸出機100に送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受信した盗難カードであるか否かを示す情報に基づいて、受付けたカードが盗難カードであるか否かを判断する(ステップSn22)。
盗難カードである(ステップSn22でYES)と判断した場合、CPU181aは、盗難カードを受付けた旨の情報および当該メダル貸出機100の装置IDを、ホールコンピュータ540に送信する(ステップSn23)。
ホールコンピュータ540では、当該情報の受信に基づいて、無線放送システム20を制御して、店員が装着しているインカム9から、盗難カードが受付けられた旨、および、そのメダル貸出機100の装置IDを報知する音声を出力するとともに、監視カメラシステム21を制御して、当該メダル貸出機100に盗難カードを挿入した遊技者を撮影する。これにより、盗難の疑いのあるカードを使用しようとした遊技者を特定することができるとともに、当該盗難カードの使用の証拠を残すことができる。
この後、メダル貸出機100のCPU181aは、店員が所持するリモコンからのリセット信号を受信したか否かを判断することによって、リセット操作があったか否かを判断する(ステップSn24)。リセット操作がない(ステップSn24でNO)と判断した場合、CPU181aはこの処理を繰返す。
一方、店員が当該メダル貸出機100に駆け付けてリセット操作をした(ステップSn24でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードを返却するようカードリーダライタ187を制御して(ステップSn4)、当該カード受付け処理の呼出元に処理を戻す。
一方、盗難カードでない(ステップSn22でNO)と判断した場合、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読み出した(会員)カードIDとプリペイド残額データと装置IDとを含む認証要求をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSn2)。そして、カード管理コンピュータ500からの認証結果を受信するカード認証処理を実行し、認証NGであるか否かを判断する(ステップSn3)。
カード管理コンピュータ500から返信された認証結果が「認証NG」である場合(ステップSn3でYESである場合)に、メダル貸出機100は、受付けた会員カード或いはビジターカードの排出指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードを返却させてカード受付け処理を終了する(ステップSn4)。一方、返信された認証結果が「認証OK」である場合(ステップSn3でNOである場合)には、受付けたカードから読み出した(会員)カードIDと会員ID(会員のみ)とプリペイド残額とをカードテーブルに格納するとともに、メダル管理コンピュータ550に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDと持ちメダル数(ビジターカードのみ)とを含むカード受付け通知を送信し、カード管理コンピュータ500に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDとを含むカード受付け通知を送信する(ステップSn5)。
次いで、メダル管理コンピュータ550は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および本日の大当り回数を、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定するとともに、該カードIDが会員カードIDである場合には、該会員カードIDに対応して会員情報テーブルに記憶されている暗証番号と来店ポイントとを更に特定し、これら特定した持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号(会員のみ)および(会員)カードIDを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
また、カード管理コンピュータ500は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する暗証番号、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定し、これら特定した暗証番号、カードロック有効フラグおよび盗難カードフラグを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から処理完了通知を受信したか否かを判断する(ステップSn6)。この受付け処理完了通知の受信に応じて(ステップSn6でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181(記憶処理手段)のCPU181aは、受信した受付け処理完了通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号、本日の大当り回数、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、カードテーブルに格納するとともに、カードテーブルに記憶されているプリペイド残額を残額表示部115に表示し、更に、カード受付け中遊技情報(図20(b)参照)をリセットするとともに、その時点の時刻を「開始時刻」に格納する(ステップSn7)。なお、会員については、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から同じ暗証番号が受信される。
そして、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(ステップSn11)。入金残額対応カードであるか否かは、会員カードの場合は、カード管理コンピュータ500の図22で示した会員カードテーブルに記憶されている入金残額対応フラグが「1」つまりオンの状態であるか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せることによって判断される。ビジターカードの場合は、同方法に加えて、カード自体にも入金残額対応フラグを記録するので、これを参照して判断されるようにしてもよい。
入金残額対応カードである(ステップSn11でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額対応カードの排出時である後述する図43の残額取出処理の実行時にステップSh14で記憶されるカードIDと、今回、受付けられたカードのカードIDが一致するか否かを判断する(ステップSn12))。一致する(ステップSn12でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カードである場合は、カード管理コンピュータ500の会員カードテーブルの入金残額対応フラグをオフの状態にして、ビジターカードである場合は、加えて、カード自体に記録された入金残額対応フラグもオフの状態にする(ステップSn13)。
CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSn14)。残額排出フラグがオン状態であると判断した場合(ステップSn14でYES)、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSn15)。その後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
ここでは、入金残額も持ちメダル数もメダル貸出機100に記憶されていない状態で外部からカードが受付けられた状態であり、もはや、入金残額対応カードに、後から持ちメダル数や入金残額を追加で書込む必要性が無くなった状態であるので、ステップSn13およびステップSn15で、入金残額対応フラグおよび残額排出フラグをオフにする。
また、遊技者が貸出ボタンの操作を実施した場合には、該遊技者による貸出ボタン116の操作を検知するための貸出ボタンスイッチ116’からの信号が制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2〜Sb9の待機状態におけるSb3のステップにおいて貸出ボタンの操作有りと判断してSb21のステップに進み、前述したように1000円分のメダルMを貸し出す貸出処理を実行する。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が紙幣挿入口112から現金(紙幣)を投入した場合には、該現金(紙幣)の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット180から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb4のステップにおいて現金の受付け有りと判断してSb22のステップに進み、発行・入金処理を実行する。
図33は、メダル貸出機において実行される発行・入金処理の処理内容を示すフロー図である。図33を参照して、この発行・入金処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSk1)。
残額排出フラグがオン状態である(ステップSk1でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入残残額対応カードを排出済みの旨、および、このまま入金を継続するか否かを確認する旨を、液晶表示器123に表示して報知する。報知は、スピーカ等から音声で報知してもよい。液晶表示器123での表示には、入金を継続する旨を入力するためのボタンと、入金を継続しない旨を入力するためのボタンとが表示される。
液晶表示器123のタッチパネル124で入金を継続するまたはしない旨のいずれの入力がされたかが判断され、入金を継続しない旨の入力がされた(ステップSk3でNO)と判断した場合、CPU181aは、紙幣を返却するよう紙幣識別ユニット180を制御する。その後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
一方、残額排出フラグがオン状態でない(ステップSk1でNO)と判断した場合、および、入金を継続する旨の入力がされた(ステップSk3でYES)と判断した場合、CPU181aは、発行・入金メイン処理として以下の処理を実行する(ステップSk5)。
発行・入金メイン処理において、まず、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣の投入金額を特定するとともに、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する。
そして、受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在しないとの判定の場合に制御ユニット181は、カード貯留部(図示略)に収納されているビジターカードをカード挿入口112内の所定の読み取り位置に移動させて、当該ビジターカードのカードIDを読み出し、該読み出したカードIDと、投入金額と、当該メダル貸出機100の装置IDとを含む発行要求をカード管理コンピュータ500に送信する。
この発行要求の受信に応じてカード管理コンピュータ500は、受信した発行要求に含まれるカードIDが、ビジターカードテーブルに存在するか否かを判定し、存在する場合には、該カードIDに対応するビジターカードテーブルの「状況」を「利用中」に更新し、RTC181dから出力されるその時点の日時を最新発行日時に格納するとともに、受信した投入金額を「残存金額」にプリペイド残額として格納して、「発行許諾」を該発行要求の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。尚、受信したカードIDが、ビジターカードテーブルに存在しない場合には、「発行不可」が返信される。
また、「発行許諾」の送信に伴いカード管理コンピュータ500は、メダル管理コンピュータ550に対して、格納した最新発行日時と受信した発行要求に含まれるカードIDと装置IDとを含む発行通知をメダル管理コンピュータ550に通知することで、メダル管理コンピュータ550は、受信した発行通知に含まれるカードIDに対応するビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時に、該受信した発行通知に含まれる最新発行日時を格納するとともに、受信した発行通知に含まれる装置IDに対応するユニット管理テーブルの「状況」を「受付け中」に更新するとともに、「受付ID」に当該受信したカードIDを格納してユニット管理テーブルを更新する。
上記した「発行許諾」の受信に応じてメダル貸出機100の制御ユニット181(排出・発行処理手段)は、カード挿入口112に移動させたビジターカードに、投入金額に相当するプリペイド残額を書き込み記憶するとともに、カードテーブルに、該ビジターカードのカードIDと投入金額に相当するプリペイド残額とを記憶、並びに残額表示器に該プリペイド残額を表示した後、該発行・入金処理を終了してSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
前述したSb2〜Sb9の待機状態が一巡した後、制御ユニット181は、持玉超過設定処理を実行する(ステップSb11)。図31は、メダル貸出機において実行される持玉超過設定処理の処理内容を示すフロー図である。
遊技者がメダルMをメダル投入部4から投入すると、図30のステップSb7でメダル投入の検出があったと判断され、後述する図37の計数処理が実行される。その結果、計数されたメダル数が、持ちメダル数に加算される。持玉超過設定処理は、この持ちメダル数が所定の規定数(ここでは、メダル6000枚)に達したか否かを判定する処理である。
図31を参照して、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードリーダライタ187で会員カードを受付中であるか否かを判断する(ステップSb12)。
会員カード受付中である(ステップSb12でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード返却分割不能許可設定がされているか否かを判断する(ステップSb13)。
会員カード返却分割不能許可設定とは、会員カードが受付けられているときに持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数を超えている場合に、当該会員カードの返却および当該会員カードからの持ちメダル数の分割処理を不能動化することを許可する設定である。
メダル貸出機100は、会員カード返却分割不能許可設定が、遊技場全体のメダル貸出機100で一括して、グループ化されたメダル貸出機100でグループごとに一括して、または、メダル貸出機100ごとに、遊技場の店員によって予め設定可能なように構成されている。
会員カード返却分割不能許可設定がされていない(ステップSb13でNOと判断した場合)、CPU181aは、実行する処理をこの持玉超過設定処理の呼出元の処理に戻す。
会員カード返却分割不能許可設定がされている(ステップSb13でYES)と判断した場合、および、会員カード受付中でないと判断した場合(ステップSb12でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数(ここではメダル6000枚)以上となったか否かを判断する(ステップSb14)。
持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数以上となっていない(ステップSb14でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこの持玉超過設定処理の呼出元の処理に戻す。
一方、持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数以上となった(ステップSb14でYES)と判断した場合、CPU181aは、持玉超過フラグをオン状態とする(ステップSb15)。
持玉超過フラグとは、持ちメダル(持玉)が所定の規定数に達したことを示すフラグであり、メダル貸出機100の制御ユニット181のRAM181bに記憶される。持玉超過フラグは、後述する図34のステップSm34で受付中のカードが返却されない限りオフ状態とされず、持ちメダルの遊技への使用によって持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数を下回ってもオフ状態とされない。
次に、CPU181aは、持玉数が規定数を超過した旨をホールコンピュータ540に送信する(ステップSb16)。ステップSb16の後、CPU181aは、実行する処理をこの持玉超過設定処理の呼出元の処理に戻す。
ホールコンピュータ540は、持玉数が規定数を超過した旨を受信すると、当該情報を送信したメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともにその旨を報知する自動音声メッセージを生成して、無線放送システムを介して店員が装着しているインカム9に愛して自動音声メッセージを送信する。これにより、インカム9を通じて通知を受けた店員は、持玉数(持ちメダル数)が規定数に達したスロットマシン1およびメダル貸出機100を特定することができる。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が返却ボタン114の操作を実施した場合には、遊技者による返却ボタン114の操作を検知するための返却ボタンスイッチ114’からの信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb5において返却ボタンの操作有りと判断してSb23に進み、返却処理を実行する。
図34は、メダル貸出機において実行される返却処理の処理内容を示すフロー図である。図34を参照して、この返却処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する(ステップSm1)。存在しない場合(ステップSm1でNOの場合)には当該操作を無効とし、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻す。
一方、存在する場合(ステップSm1でYESの場合)には、CPU181aは、図31のステップSb15で説明した持玉超過フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSm31)。オン状態でない(ステップSm31でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSm21に進める。
一方、持玉超過フラグがオン状態である(ステップSm31でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード返却のために店員を呼出すことを促す旨(たとえば、「持玉数が規定数に達したためカード返却できません。店員を呼んでください。」といったメッセージ)を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSm32)。
そして、CPU181aは、店員によるリモコンでの確認操作があったか否かを判断する(ステップSm33)。確認操作がない(ステップSm33でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSm33の処理を繰返す。
一方、確認操作があった(ステップSm33でYES)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSm21に進める。
次に、CPU181aは、カードロック機能が有効か無効かを照合するためのカードロック照合処理を実行する(ステップSm21)。
図35は、メダル貸出機において実行されるカードロック照合処理の処理内容を示すフロー図である。図35を参照して、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、図20のカードテーブルのカードロック有効フラグに基づいて、カードロック機能が有効か無効かを判断する(ステップSs1)。無効である(ステップSs1でNO)と判断した場合、CPU181aは、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
一方、有効である(ステップSs1でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力またはロックに用いた携帯端末をかざすことを遊技者に促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する。そして、CPU181aは、暗証番号の入力があったか、または、かざされた携帯端末を検知したか否かを判断する(ステップSs3)。いずれもない(ステップSs3でNO)と判断した場合、CPU181aは、この処理を繰返す。
一方、いずれかがあった(ステップSs3でYES)と判断した場合、CPU181aは、入力された暗証番号またはかざされた携帯端末の端末IDが、図20のカードテーブルの暗証番号に一致するか否かを照合する(ステップSs4)。その後、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
図34に戻って、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードロック照合処理の結果、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致したか否かを判断する。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSm22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSm23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSm22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114の操作を無効とするとともに、計数装置190に対して計数禁止指示を出力して、新たな計数を禁止する(ステップSm2)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550に対して、当該メダル貸出機100の装置ID、返却したカードのカードID、カードテーブルに記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を含む返却通知を送信する(ステップSm3)。
この返却通知の受信に応じてメダル管理コンピュータ550は、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて、受信した返却通知に含まれる(会員)カードIDに対応して記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を、受信した返却通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数および大当り回数に更新するとともに、ユニット管理テーブルにおいて受信した装置IDに対応する「状況」を「待機中」に変更し、「受付けID」に格納されているカードIDを削除して、該返却通知の送信元のメダル貸出機100に対して更新完了通知を送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550から更新完了通知を受信したか否かを判断する(ステップSm4)。この更新完了通知の受信に応じて(ステップSm4でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定する(ステップSm11)。ビジターカードである場合(ステップSm11でYESの場合)には、該ビジターカードに、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数を記録する(ステップSm12)。
そして、CPU181aは、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSm13)。オン状態である(ステップSm13でYES)と判断した場合、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(ステップSm14)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
そして、入金残額対応カードが排出されて存在している旨を受付け中のビジターカードに記録する(ステップSm15)。次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSm16)。
残額排出フラグがオン状態でない(ステップSm13でNO)と判断した場合、および、ステップSm16の後、CPU181aは、排出指示をカードリーダライタ187に出力して、受付け中のビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112から排出させ(ステップSm17)、図31のステップSb15でオン状態にされた持玉超過フラグをオフ状態にする(ステップSm34)。次に、CPU181aは、カードテーブルをリセットし、返却ボタン114の操作無効を解除して有効化するとともに計数禁止を解除する(ステップSm18)。そして、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
尚、本実施の形態では、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数をビジターカードに記録することで、所定の遊技者が不正メダルをどの程度計数したかを把握し管理することができる。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が再プレイボタン121の操作を実施した場合には、該再プレイボタン121の操作を検知した再プレイ操作基板185から再プレイ操作情報が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb6において再プレイボタン121の操作有りと判断してSb24に進み、再プレイ処理を実行する。
図36は、メダル貸出機において実行される再プレイ処理の処理内容を示すフロー図である。図36を参照して、この再プレイ処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、再プレイメイン処理を実行する(ステップSp1)。
再プレイメイン処理においては、メダル管理コンピュータ550で管理されている持ちメダル数または貯蓄メダル数を減算して、減算した分を払出すよう払出装置182を制御する。なお、持ちメダルが有る場合は、持ちメダルから、持ちメダルが無く、貯蓄メダルが有る場合は、貯蓄メダルから、払出される。いずれも無い場合は、再プレイボタン121が操作されても何も払出されない。
再プレイメイン処理の後、CPU181aは、持ちメダル数が0になったか否かを判断する(ステップSp2)。持ちメダル数が0になった(ステップSp2でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(ステップSp4)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSp5)。持ちメダル数が0になっていない(ステップSp2でNO)と判断した場合、および、ステップSp5の後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、計数装置190にメダルが投入された場合には、該メダルの投入を検出した計数装置190から検出信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb7においてメダル投入検出有りと判断してSb25に進み、後述する計数処理を実行する(図37参照)。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、各デバイスから所定のエラー信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb8においてエラー検出有りと判断してSb26に進み、エラー報知処理を実行する。
図37は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する計数処理を示すフローチャートである。計数処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSc1〜Sc13の処理を実行する。
まず、計数処理のSc1において、制御ユニット181は、会員カードまたはビジターカードが受付け中であるか否かを判定する。ここで、会員カードまたはビジターカードが受付け中である場合にはSc2に進み、会員カードまたはビジターカードが受付け中でない場合にはSc11に進む。尚、Sc11において、制御ユニット181は状態報知ランプ111の点灯などにより遊技者に対して会員カードまたはビジターカードの挿入を促す報知を実行して処理を終了する。
また、本実施の形態では、会員カードまたはビジターカードが受付け中である場合にのみ、Sc2以降のステップに進んでメダルの計数処理が実行されるようになっているが、会員カードまたはビジターカードが受付け中でないときにメダルが投入された場合でも計数処理が実行されるようにしてもよい。この場合、投入メダルが検出されたときに会員カードまたはビジターカードが受付け中でなければ計数処理を実行し、該計数処理が終了した後にビジターカードを発行し、該ビジターカードに対応付けて持ちメダル数を記憶するようにすればよい。
Sc2において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図20(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットするとともにSc3に進む。Sc3において、制御ユニット181は、計数装置190からメダル判定情報を取得してSc4に進む。尚、計数装置190から取得したメダル判定情報には、メダル撮影カメラ190cで撮影されたメダル画像に基づいて判定されたメダルの真贋情報(正規メダルか不正メダルかの情報)が含まれる。
Sc4において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の計数総メダル数に1を加算してSc5に進む。Sc5において、制御ユニット181は、カードテーブル(図20(a)参照)の持ちメダル数に1を加算してSc6に進む。
Sc6において、制御ユニット181は、計数装置190から取得したメダル判定情報に基づいて、計数されたメダルが不正メダルであるか否かを判定する。ここで、制御ユニット181は、メダル判定情報に含まれるメダルの真贋情報を参照し、不正メダルである場合にはSc12に進み、正規メダルである場合にはSc7に進む。
Sc12において、制御ユニット181は、後述する不正メダル処理を実行してSc13に進む。Sc13において、制御ユニット181は、後述するメダル貯留処理を実行してSc9に進む。
Sc7において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図20(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットするとともにSc8に進む。Sc8において、制御ユニット181は、正規メダルと判定されたメダルを排出口192から遊技島に排出してSc9に進む。
Sc9において、制御ユニット181は、計数装置190に投入されたメダルのうち、未だ計数されていないメダルがあるか否かを判定する。ここで、未計数のメダルがない場合にはSc10に進み、未計数のメダルがある場合にはSc3に戻って未計数のメダルが無くなるまでSc3〜Sc9、Sc12、Sc13の処理を繰り返す。
Sc10において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や後述する満タン報知フラグの情報や後述する通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信して処理を終了する。
図38は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する不正メダル処理を示すフローチャートである。不正メダル処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSd1〜Sd18の処理を実行する。
まず、不正メダル処理のSd1において、制御ユニット181は、顔画像撮影カメラ188を用いて不正メダルを投入した遊技者の顔画像を撮影してSd2に進む。Sd2において、制御ユニット181は、計数装置190からメダルの真贋判定に用いられたメダル画像を取得してSd3に進む。
Sd3において、制御ユニット181は、遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせて1枚の通知用画像(図29参照)を生成し、この通知用画像をRAM181b(撮像データ記憶手段)に記憶してSd4に進む。Sd4において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の総不正メダル数に1を加算してSd5に進む。
Sd5において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図20(d)参照)の連続不正メダルカウンタに1を加算してSd6に進む。Sd6において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図20(b)参照)の累積不正メダル数に1を加算してSd7に進む。
Sd7において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図20(b)参照)の累積不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「累積不正メダル数」の項目にて「10枚」を設定している。つまり遊技者が会員カードまたはビジターカードを挿入してから不正メダルとして判定された累積値が10となった場合に累積不正メダル数の値が設定された閾値となる。ここで、累積不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd8に進み、累積不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)にはSd15に進む。
Sd8において、制御ユニット181は、カードテーブル(図20(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算してSd9に進む。本実施の形態では、スロットマシン1から払い出され計数したメダルの中に不正メダルが紛れていた場合、不正メダル検出報知条件(不適正条件)が成立しなければ不正メダルも計数されるため、意図せずに不正メダルを使用した遊技者が不利益を被ることが防止されるとともに、不正メダル検出報知条件が成立した場合、それまでに計数された不正メダルの累積枚数が無効となるため、不正メダルにより持ちメダル数が加算されてしまうことを防止できる。
Sd9において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図20(b)参照)の累積不正メダル数の値をリセットしてSd10に進む。Sd10において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図20(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットしてSd11に進む。
Sd15において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図20(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「連続不正メダル検出回数」の項目にて「3回」を設定している。つまり3回連続して不正メダルが検出された場合に、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値となる。ここで、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値である場合(3回である場合)にはSd8に進み、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値でない場合(3回未満である場合)にはSd16に進む。
Sd16において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の総不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「総不正メダル数」の項目にて「10枚」を設定している。つまり遊技場の営業開始の時点から計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数の値が10となった場合に総不正メダル数の値が設定された閾値となる。ここで、総不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd11に進み、総不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)には処理を終了する。
Sd11において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して既に不正報知通知済みなのか否かを判定する。ここで、既に不正報知通知済みの場合には処理を終了し、不正報知通知が未だ通知されていない場合にはSd12に進む。
Sd12において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して不正メダルが使用されていることを伝える不正報知通知を行なうとともにSd13に進む。Sd13において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯させるとともにSd14に進む。尚、状態報知ランプ111を点灯させる際に、明らかに異常事態を知らせる態様(たとえば、早い点滅や赤色の表示)で点灯させてしまうと、不正メダルを使用している不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれて逃げられてしまう可能性があるので、状態報知ランプ111を点灯させる際には、不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれ難い態様(たとえば、ゆっくりした点滅や青色の表示)で点灯させるようにする。
尚、メダル貸出機100の制御ユニット181から不正報知通知を受信したメダル管理コンピュータ550は、ホールコンピュータ540に対して店員に報知を行なうように要求する報知要求を不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともに送信する。
また、メダル管理コンピュータ550から報知要求を受信したホールコンピュータ540は、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともにその旨を報知する自動音声メッセージを生成して、無線放送システムを介して店員が装着しているインカム9に対して自動音声メッセージを送信する。インカム9を通じて通知を受けた店員は、不正メダルを使用している遊技者を特定することができる。また、ホールコンピュータ540は、監視カメラシステム21を操作して、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1のズームイン映像を自動的に撮影(または録画)する。そして、この監視カメラシステム21を介して店員が不正遊技者を特定してその行動を監視(または記録)することができる。
Sd14において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)の「不正メダル検出時動作」の項目にて、不正メダル検出時に、アラーム報知および計数装置190の計数停止(エラー停止)を行なう旨の選択がなされているか否かの判定を行なう。ここで、エラー停止を行なう旨の選択がなされている場合にはSd17に進み、エラー停止を行なう旨の選択がなされていない場合には処理を終了する。
Sd17において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や後述する満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSd18に進む。Sd18において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図19参照)を操作するまで維持される。
図39は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行するメダル貯留処理を示すフローチャートである。メダル貯留処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSe1〜Se14の処理を実行する。
まず、メダル貯留処理のSe1において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)の「不正メダル取り扱い」の項目にて、「貯留部無効」の設定になっているか否かを判定する。ここで、「貯留部無効」の設定になっていない場合にはSe2に進み、「貯留部無効」の設定になっている場合にはSe14に進む。
Se2において、制御ユニット181は、満タン報知フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、満タン報知フラグがセットされていない場合にはSe3に進み、満タン報知フラグがセットされている場合にはSe14に進む。
Se14において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルを排出口192から遊技島に排出させる、つまり、計数装置190を介して流路切換器190dにより流路を切り替えさせずに処理を終了する。
Se3において、制御ユニット181は、計数装置190を介してメダルの流路を前述した流路切換器190dにより切り換えさせて、不正メダルと判定されたメダルをメダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留されるようにしてSe4に進む。Se4において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の総メダル貯留数に1を加算(貯留媒体計数手段)してSe5に進む。
Se5において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルが、自店の他の領域から持ち込まれたメダル、即ち自店メダルか否かを判定する。ここで、自店メダルである場合にはSe6に進んで、メダル情報(図20(c)参照)の自店メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。自店メダルでない場合にはSe11に進んで、メダル情報(図20(c)参照)の偽メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。尚、本実施の形態では、自店メダルと偽メダルとをそれぞれ計数するようになっており、メダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留された不正メダルのうち自店メダルがどの程度あるのかを把握しやすくなることで、早期に回収して適正なメダルとして判定される領域に戻すことが可能となる。
Se7において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の総メダル貯留数が第1閾値(満タン)であるか否かを判定する(第1判定手段)。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)において、「貯留部状態報知条件」の「満タン時報知条件」の項目にて「100枚」を設定している。つまりメダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留されたメダルの枚数である総メダル貯留数が100枚となっているときに、第1閾値(満タン)であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)である場合(100枚である場合)にはSe8に進み、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)でない場合(100枚未満である場合)には処理を終了する。
Se8において、制御ユニット181は、満タン報知フラグをセットしてSe9に進む。Se9において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第1報知手段)してSe10に進む。
Se10において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)の「不正メダル取り扱い」の項目にて、「貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっているか否かを判定する。ここで、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっている場合にはSe12に進み、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっていない場合には処理を終了する。
Se12において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSe13に進む。Se13において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図19参照)を操作するまで維持される。
次に、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550にて表示される不正メダル使用者顔画像画面について、図29に基づいて説明する。前述の不正メダル処理において生成された遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせた通知用画像がメダル貸出機100から送信され、この通知用画像を受信したメダル管理コンピュータ550は、不正メダル使用者顔画像画面にて通知用画像を表示させることができる。
本実施の形態の不正メダル使用者顔画像画面では、図29に示すように、通知用画像とともに、該通知用画像が撮影された日時と、該通知用画像を撮影したメダル貸出機100の装置IDと、該メダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号と、会員カードを使用して遊技をした場合には会員IDとが表示される。このようにすることで、所定の遊技者がメダル貸出機100のメダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留されたメダルのうちいずれを使用したかを特定できるので、不正行為を特定しやすくなる。
本実施の形態では、遊技場の閉店時(営業終了時)に、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求(所定の信号)が送信される。この締め関連処理要求を受信した各メダル貸出機100の制御ユニット181は、締め関連処理(営業終了処理)を実行する。
図40は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する締め関連処理を示すフローチャートである。締め関連処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSf1〜Sf4の処理を実行する。
まず、締め関連処理のSf1において、制御ユニット181は、各種履歴を送信するようになっている。たとえば、プリペイド残額の利用履歴等の情報をカード管理コンピュータ500に送信するとともに、離席における強制解除履歴データ等のデータを、カード管理コンピュータ500並びにメダル管理コンピュータ550の双方に送信してSf2に進む。
Sf2において、制御ユニット181は、メダル情報(図20(c)参照)の総メダル貯留数が所定枚数(第2閾値)以上であるか否かを判定する(第2判定手段)。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図27参照)において、「貯留部状態報知条件」の「閉店時報知条件」の項目にて「50枚」を設定している。つまりメダル貯留ボックス194(貯留部)に貯留された不正メダルの枚数である総メダル貯留数が50枚以上となっているときに、第2閾値であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第2閾値以上である場合(50枚以上である場合)にはSf3に進み、総メダル貯留数が第2閾値でない場合(50枚未満である場合)には処理を終了する。
Sf3において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第2報知手段)させてSf4に進む。Sf4において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対してメダル貯留ボックス194(貯留部)の不正メダルの貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっている旨を知らせる通知を送信して処理を終了する。
図28に示すように、メダル貸出機100(制御ユニット181)から不正メダルの貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっている旨を知らせる通知を受信したメダル管理コンピュータ550は、営業終了処理(不正メダル)画面を表示する。この営業終了処理(不正メダル)画面には、貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっているメダル貸出機100の装置IDとともに、対応するスロットマシン1の台番号が表示される。店員はこの営業終了処理(不正メダル)画面に基づいて不正メダルを回収するメダル貸出機100を特定することができる。
図41は、メダル貸出機100のディスプレイ123に表示されるメニュー画面の一例を示す表示画面図である。図41を参照して、メニュー画面には、「残額取出」ボタン、「カード後挿入」ボタン、「少量貸し」ボタン、「カードロック」ボタン、「持玉分割」ボタン、および、「情報照会」ボタンが表示される。
図42は、メダル貸出機100において実行されるタッチパネル操作処理の処理内容を示すフロー図である。このタッチパネル操作処理は、図30で説明した処理のステップSb27で実行される処理である。
図42を参照して、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、液晶表示器123に表示された「残額取出」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg1)。「残額取出」ボタンが操作された(ステップSg1でYES)と判断した場合、CPU181aは、残額取出処理を実行する(ステップSg11)。
図43は、メダル貸出機100において実行される残額取出処理の処理内容を示すフロー図である。図43を参照して、まず、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を無効化する(ステップSh1)。
これにより、この後に、返却ボタン114を操作する必要があるが、誤って貸出ボタン116を操作してしまって、今から取出そうとしている入金残額を使用してメダルの貸出しが行なわれてしまうことを防止することができる。また、返却ボタン114と貸出ボタン116との位置が近いことから生じる誤操作も防止することができる。
次に、CPU181aは、図20(a)のカードテーブルを参照して、プリペイド残額(入金残額)が有るか否かを判断する(ステップSh2)。無い(ステップSh2でNO)と判断した場合、入金残額を取出すことができないので、CPU181aは、入金残額が無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh3)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
一方、入金残額が有る(ステップSh2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが有るか否かを判断する(ステップSh4)。無い(ステップSh4でNO)と判断した場合、入金残額を取出しても持ちメダル対応カードを発行する必要性が無いので、CPU181aは、持ちメダルが無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh5)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
持ちメダルが有る(ステップSh4でYES)と判断した場合、CPU181aは、図34のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSh21〜ステップSh23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSh22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSh23)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSh22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114を操作する旨を液晶表示器123に表示するよう制御する(ステップSh6)。
なお、残額取出処理においては、カードロック機能の有効であっても暗証番号の照合はせず、カードロック機能が有効である場合には、ステップSh6以降の処理に進めず、カードロック機能が無効であると判断した場合のみ、ステップSh6以降の処理に進めるようにしてもよい。つまり、予めカードロック機能を無効としてからでないと、残額取出しができないようにしてもよい。
そして、CPU181aは、返却ボタン114の操作が有ったか否かを判断する(ステップSh7)。操作が無い(ステップSh7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(ステップSh8)。なお、この所定時間は、後述する図42のステップSg15の持玉分割処理の入力操作のタイムアウト時間よりも短く設定される。これにより、遊技が行なわれない時間を、極力、短くすることができる。経過していない場合(ステップSh8でNOと判断した場合)は、ステップSh7およびステップSh8の処理を繰返す。
返却ボタン114の操作が無いまま、所定時間が経過した(ステップSh8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバで入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh9)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
所定時間が経過するまでに、返却ボタン114の操作が有った(ステップSh7でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSh11)。
会員カード受付け中である(ステップSh11でYES)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信する。
カード管理コンピュータ500においては、図22(a)で示したように、会員カードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
一方、会員カード受付け中でない、つまり、ビジターカード受付け中である(ステップSh11でNO)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信するとともに、当該ビジターカードに、それらの情報を記録する(ステップSh13)。
カード管理コンピュータ500においては、図22(b)で示したように、ビジターカードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
ステップSh12およびステップSh13の後、CPU181aは、当該入金残額対応カードのカードIDを、RAM181bに記憶させる(ステップSh14)。次いで、CPU181aは、入金残額対応カードとしての受付け中の会員カードまたはビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSh15)。次に、CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグをオン状態にする(ステップSh16)。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶されている入金残額を削除する(ステップSh17)。次に、CPU181aは、持ちメダル数がある状態であるので、カードリーダライタ187に貯留されているビジターカードを読書き位置に移動させて、発行処理を行なうために、カードIDをメダル管理コンピュータ550に送信し、発行可能であれば、持ちメダル数およびカードIDなどを、メダル管理コンピュータ550に送信するとともに、持ちメダル数をビジタカードに記録する(ステップSh18)。
ステップSh19では、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を有効化する。その後、CPU181aは、実行する処理をこの残額取出処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
このように、図42のステップSg1での「残額取出」ボタンの操作および図43のステップSh7での返却ボタン114の操作のみで、持ちメダル数をメダル貸出機100に残したまま、プリペイド残額を排出することができる。後述する持玉分割またはプリペイド残額の分割の場合には、分割を指示する操作に加えて、分割する数量を指定する操作を行なう必要がある。その結果、持ちメダル数を残したまま、残額を排出する場合に、数量を指定するような複雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行なうことができる。
図42に戻って、「残額取出」ボタンが操作されていない(ステップSg1でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カード後挿入」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg2)。「カード後挿入」ボタンが操作された(ステップSg2でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード後挿入処理を実行する(ステップSg12)。
図44は、メダル貸出機100において実行されるカード後挿入処理の処理内容を示すフロー図である。図44を参照して、まず、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSj1)。会員カード受付け中である(ステップSj1でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるので、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj2)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSj1でNO)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された計数された持ちメダルが有るか否かを判断する(ステップSj3)。持ちメダルが無い(ステップSj3でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが無く、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj4)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、持ちメダルが有る(ステップSj3でYES)と判断した場合、図34のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSj21〜ステップSj23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSj22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSj23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSj22でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードリーダライタ187の読取り位置のビジターカードを無効に変更して、カード貯留部に戻す(ステップSj5)。そして、CPU181aは、会員カードまたはビジターカードを挿入する旨を、液晶表示器123に表示する(ステップSj6)。
次に、CPU181aは、カードを受付けたか否かを判断する(ステップSj7)。受付けていない(ステップSj7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(ステップSj8)。経過していない場合(ステップSj8でNOと判断した場合)は、ステップSj7およびステップSj8の処理を繰返す。
カードの受付けが無いまま、所定時間が経過した(ステップSj8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバでカード後挿入を中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj9)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
所定時間が経過するまでに、カードが受付けられた(ステップSj7でYES)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSj11)。
残額排出フラグがオン状態である(ステップSj11でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(ステップSj12)。入金残額対応カードであるか否かは、カード管理コンピュータ500に問合せて、図22で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの入金残額対応フラグがオン状態であるか否かを確認することで判断される。
入金残額対応カードである(ステップSj12でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードのカードIDが、RAM181bに記憶している入金残額対応カードのカードIDに一致するか否かを判断する(ステップSj13)。
受付カードのカードIDが記憶しているものと一致した(ステップSj13でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード管理コンピュータ500に記憶された入金残額対応フラグ、および、ビジターカードの場合はカードに記録された入金残額対応フラグを、オフ状態にする(ステップSj14)。
なお、入金残額対応フラグをオフにした場合であっても、入金残額対応フラグがオン状態またはオフ状態になった履歴は、記憶しておくようにしてもよい。これにより、そのカードについて、所定期間(特定の日またはある期間)に、何回、「残額取出」操作されたかを把握することができる。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグをオフ状態にして、入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSj15)。
ステップSj15の後、および、残額排出フラグがオン状態でない(ステップSj11でNO)と判断した場合、CPU181aは、メダル貸出機100のRAM181bの図20(a)のカードテーブルに記憶された持ちメダル数を、受付けられたカードのカードIDに対応付けて図24の会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルに登録するために、カードIDおよび持ちメダル数などの情報をメダル管理コンピュータ550に送信し、受付けられたカードがビジターカードである場合は、持ちメダル数を当該ビジターカードに記録する(ステップSj16)。
また、カード貯留部に戻された前のカードの特定の機能の設定および処理を、受付けられた後のカードに引継がせる(ステップSj20)。
具体的には、特定の機能がカードロック機能の場合は、前のカードのカードロック有効フラグを、後のカードに引継がせるとともに、受付けられたカードが会員カードでない場合は、前のカードの暗証番号を、後のカードに引継がせる。
特定の機能が盗難カード制限機能の場合は、前のカードの盗難カードフラグを、後のカードに引継がせる。特定の機能が少量貸し機能の場合は、前のカードの少量貸し有効フラグを、後のカードに引継がせる。
特定の機能が遊技履歴集計機能である場合は、前のカードで実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれる。つまり、履歴集計処理で集計されていた遊技履歴である大当り回数およびART回数などが引継がれる。また、この引継ぎにおいては、たとえば、大当り遊技状態およびART状態の途中で、後からカードが挿入された場合には、当該途中の遊技状態の回数がダブルカウントされないようにされる。
この履歴集計処理は、メダル管理コンピュータ500などの管理装置で管理されるようする。つまり、メダル管理コンピュータ500の図24の会員貯蓄管理テーブルおよびビジター貯蓄管理テーブルに大当り回数が記憶されるようにする。そして、メダル管理コンピュータ500などの管理装置は、前のカードに対して実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれた場合には後のカードのカードIDに対応付けて大当り回数を記憶するようにすることで、前のカードに対する機能の実行されている処理が後のカードに対して引継がれたことを管理する。
特定の機能が持玉払出機能である場合は、前のカードで実行されていた持玉払出処理が引継がれる。たとえば、再プレイボタン121の操作に応じて、持ちメダルまたは貯蓄メダルを返却する持玉払出処理が実行されているときに、持ちメダルおよび貯蓄メダルの数が貸出単位額分に相当する数に満たない場合に、カード後挿入処理が実行されるようにして、後のカードに不足する分の持ちメダルおよび貯蓄メダルがあれば、前のカードと後のカードとで合算された貸出単位額分の持ちメダルおよび貯蓄メダルが払出される。
ステップSj20の後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、入金残額対応カードでない(ステップSj12でNO)、または、受付カードのカードIDが記憶しているものと一致しない(ステップSj13でNO)と判断した場合、受付けられたカードが正しい入金残額対応カードでない旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj17)。そして、エラーが発生した旨を、液晶表示器123およびスピーカで報知する(ステップSj18)。
そして、CPU181aは、店員によってエラーのリセット操作が行なわれたか否かを判断する(ステップSj19)。リセット操作が行なわれた(ステップSj19)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。これにより、遊技者によって不正に持ちメダルが取得されるかも知れない状況において、店員が対応することができる。
なお、図44で示したカード後挿入処理においては、持ちメダル数が有る場合に、後に挿入されるカードに、当該持ちメダル数を対応付ける処理を行なうようにした。一方、持ちメダル数が無い場合には、プリペイド残額があっても、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なわないようにした。しかし、これに限定されず、持ちメダル数が無い場合であっても、プリペイド残額があれば、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なうようにしてもよい。
図42に戻って、「カード後挿入」ボタンが操作されていない(ステップSg2でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「少量貸し」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg3)。「少量貸し」ボタンが操作された(ステップSg3でYES)と判断した場合、CPU181aは、少量貸し処理を実行する(ステップSg13)。
少量貸し処理においては、通常の貸出ボタン116の操作で貸出されるメダル数よりも少ない量のメダルが貸し出される。たとえば、通常は、1000円に相当するメダルM(たとえば、50枚)が貸し出されるが、「少量貸し」ボタンが操作されて実行される少量貸し処理においては、200円に相当するメダルM(たとえば、10枚)が貸し出される。この少量貸し処理において、貸し出される量を、店員が予め設定可能なようにしてもよいし、遊技者が設定可能なようにしてもよい。
また、少量貸し処理においては、貸出し量が通常よりも少なく設定されるのみで、少量貸し処理の実行後、貸出ボタン116が操作されることで、少量のメダルの貸出しが行なわれるようにしてもよい。この場合は、次に、少量貸し処理が実行されることで、貸出し量が通常の量に戻されるようにしてもよい。これにより、大当り確定で少しメダルが足りないような場合などに、通常の量まで借りるといった無駄なことを回避して、少量だけ借りることができる。
「少量貸し」ボタンが操作されていない(ステップSg3でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カードロック」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg4)。「カードロック」ボタンが操作された(ステップSg4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロック処理を実行する(ステップSg14)。
図45は、メダル貸出機において実行されるカードロック処理の処理内容を示すフロー図である。図45を参照して、カードロック処理においては、受付けられているカードを返却ボタン114を操作するだけでは返却されないようにロックする。具体的には、暗証番号を設定する。これにより、返却ボタン114が操作された場合に、暗証番号の入力を求め、正しい暗証番号が入力された場合に、受付けられているカードを排出するようにする。また、カードロック処理において、非接触ICチップを内蔵した携帯端末から当該携帯端末の識別情報が受付けられた場合に、カードをロックして、返却ボタン114が操作された場合に、当該携帯端末から当該識別情報が受付けられれば、受付けられているカードを排出するようにしてもよい。これにより、受付けられているカードの盗難を防止することができる。
まず、図34のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSq1〜ステップSq3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSq2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSq2でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付中であるか否かを判断する(ステップSq4)。
会員カード受付け中である(ステップSq4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロックしてよいかを確認する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq5)。そして、カードロックしてよいかの選択が「YES」であるか否かを判断する(ステップSq6)。選択が「YES」でない(ステップSq6でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、選択が「YES」である(ステップSq6でYES)と判断した場合、CPU181aは、図20(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし(ステップSq7)、有効化した旨をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq8)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図22の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにする。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSq4でNO)と判断した場合、CPU181aは、ビジターカード受付中であるか否かを判断する(ステップSq11)。ビジターカード受付け中でない(ステップSq11でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ビジターカード受付け中である(ステップSq11でYES)と判断した場合、CPU181aは、ロック方法を、暗証番号を用いた方法にするか、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を用いた方法にするかを選択する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq12)。
まず、CPU181aは、暗証番号を用いた方法が選択されたか否かを判断する(ステップSq13)。選択されていない(ステップSq13でNO)と判断した場合、CPU181aは、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を検知したか否かを判断する(ステップSq14)。検知していない(ステップSq14でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSq13に戻す。
携帯端末を検知した(ステップSq14でYES)と判断した場合、CPU181aは、携帯端末の接触式ICチップから携帯端末の端末IDを取得する(ステップSq15)。そして、CPU181aは、図20(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、取得した端末IDを暗証番号として記憶させ(ステップSq16)、有効化した旨および取得した端末IDを、カード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq17)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図22の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、端末IDを暗証番号として記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ロック方法として暗証番号を用いた方法が選択された(ステップSq13でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq21)。そして、CPU181aは、暗証番号が入力されたか否かを判断する(ステップSq22)。入力されていない(ステップSq22でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSq22の処理を繰返す。
一方、暗証番号が入力された(ステップSq22でYES)と判断した場合、CPU181aは、図20(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、入力された暗証番号を記憶させ(ステップSq23)、有効化した旨および入力された暗証番号を、カード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq24)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図22の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、暗証番号を記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
なお、カードロック機能が有効とされた場合には、ディスプレイ123に、カードロック機能が有効である旨の表示(たとえば、記号)などを表示しておくことが好ましい。これにより、遊技者は、カードロック機能が有効であることを認識することができる。
図42に戻って、「カードロック」ボタンが操作されていない(ステップSg4でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「持玉分割」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg5)。「持玉分割」ボタンが操作された(ステップSg5でYES)と判断した場合、CPU181aは、持玉分割処理を実行する(ステップSg15)。
図46は、メダル貸出機において実行される持玉分割処理の処理内容を示すフロー図である。図46を参照して、持玉分割処理においては、現在の持ちメダル数または貯蓄メダル数のうち遊技者が指定するメダル数を、別のビジターカードに対応付けることで、分割する。分割するメダル数の指定は、数値を入力可能なようにしてもよいし、選択肢から選択可能なようにしてもよい。
まず、図34のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSr1〜ステップSr3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSr2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSr2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上あるか否かを判断する(ステップSr11)。持ちメダル数が貸出単位額に相当する数に満たない場合は、通常は持ちメダルを払出すことができないため、当該カードと分割するカードとの分を合わせて、持ちメダル数が、貸出単位額に相当する数の2倍以上あることが必要である。
持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上でない(ステップSr11でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが不足している旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr12)。
一方、2倍以上である(ステップSr11でYES)と判断した場合、CPU181aは、図31のステップSb15で説明した持玉超過フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSr41)。オン状態でない(ステップSr41でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSr13に進める。
一方、持玉超過フラグがオン状態である(ステップSr41でYES)と判断した場合、CPU181aは、持玉の分割のために店員を呼出すことを促す旨(たとえば、「持玉数が規定数に達したため分割できません。店員を呼んでください。」といったメッセージ)を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr42)。
そして、CPU181aは、店員によるリモコンでの確認操作があったか否かを判断する(ステップSr43)。確認操作がない(ステップSr43でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSr43の処理を繰返す。
一方、確認操作があった(ステップSr43でYES)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSr13に進める。
次に、CPU181aは、分割する持ちメダルの数を入力するための画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr13)。分割数は、選択肢から選択できるようにしてもよいし、増加または減少ボタンを操作することで貸出単位額に相当する数単位で増減させて入力できるようにしてもよいし、直接、数値入力できるようにしてもよい。そして、分割数が入力されたか否かを判断する(ステップSr14)。分割数が入力されていない(ステップSr14でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSr14の処理を繰返す。
一方、分割数が入力された(ステップSr14でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSr21)。会員カード受付け中である(ステップSr21でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数から分割数を減算するとともに、減算後の持ちメダル数をメダル管理コンピュータ550に送信する(ステップSr22)。メダル管理コンピュータ550は、図24の会員貯蓄管理テーブルの持ちメダル数を更新する。次いで、CPU181aは、会員カードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr23)。
次に、CPU181aは、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(ステップSr24)。具体的には、カード管理コンピュータ500のビジターカードテーブルの状況を利用中に変更して、最新発行日時を更新して、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時を更新し、両テーブルのその他の項目をリセットする。
そして、CPU181aは、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付ける(ステップSr25)。具体的には、メダル貸出機100のカードテーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させ、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させる。次いで、CPU181aは、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr26)。
次に、CPU181aは、先に排出された会員カードの再挿入を促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr27)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSr21でNO)と判断した場合、CPU181aは、受付中のビジターカードの図20(a)のカードテーブルなどに記憶されているカード情報を、一旦、他のメモリ領域に退避させる(ステップSr31)。
そして、CPU181aは、受付中の読書き位置のビジターカードのカード情報をリセットして、ステップSr24で説明したような発行処理を行なう(ステップSr32)。次いで、CPU181aは、ステップSr25と同様、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付け(ステップSr33)、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr34)。
次に、CPU181aは、ステップSr24と同様に、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(ステップSr35)。そして、CPU181aは、ステップSr31で退避させたカード情報を当該ビジターカードに対応付ける(ステップSr36)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図42のタッチパネル操作処理に戻す。
「持玉分割」ボタンが操作されていない(ステップSg5でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「情報照会」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg6)。「情報照会」ボタンが操作された(ステップSg6でYES)と判断した場合、CPU181aは、情報照会処理を実行する(ステップSg16)。
情報照会処理においては、遊技者の操作に応じて、プリペイド残額(入金残額)、持ちメダル数、貯蓄メダル数、および、メダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540、および、カード管理コンピュータ500で管理しているその他の情報などを液晶表示器123に表示する。
「情報照会」ボタンが操作されていない(ステップSg6でNO)と判断した場合、および、ステップSg11〜ステップSg16の後、CPU181aは、実行する処理をタッチパネル操作処理の呼出元の図30の処理に戻す。
景品交換POS570において、会員カードまたはビジターカードが受付けられた場合、当該カードに対応付けられた持ちメダル数および貯蓄メダル数がメダル管理コンピュータ550に問合せられ、持ちメダル数および貯蓄メダル数の全部または一部の価値を景品に交換するための処理が行なわれる。具体的には、交換する景品の価値に応じて、持ちメダル数または貯蓄メダル数が減算される。なお、このときに、当該カードに対するカードロック機能が有効であれば、暗証番号の入力が遊技者に求められる。
この景品交換POS570において、持ちメダル対応カードが受付けられた場合、持ちメダル対応カードが排出されている場合には入金残額対応カードが存在するはずであるので、入金残額対応カードの存在を報知する(ここでは、その旨の景品交換POS570の表示部への表示、および、音声の出力)。
入金残額対応カードが排出された後、持ちメダル対応カードが排出されるまでには、時間が経過している場合が多くなる。このため、持ちメダルまたは貯蓄メダルを景品に交換するときに、入金残額対応カードで特定される残額の精算を遊技者に喚起することができる。その結果、残額の精算忘れを防止することができる。
精算装置580において、会員カードまたはビジターカードが受付けられた場合、当該カードに対応付けられたプリペイド残額がカード管理コンピュータ500に問合せられ、当該プリペイド残額を貨幣に精算するための処理が行なわれる。なお、このときに、当該カードに対するカードロック機能が有効であれば、暗証番号の入力が遊技者に求められる。
この精算装置580において、入金残額対応カードが受付けられた場合、場合によっては、入金残額対応カードに対応する持ちメダル対応カードも存在してる可能性があるので、持ちメダル対応カードの有無に関わらず、持ちメダル対応カードが存在するかも知れない旨を報知する(ここでは、その旨の精算装置580の表示部への表示、および、音声の出力)。
入金残額対応カードと持ちメダル対応カードとの2つのカードが排出されている場合がある。このため、入金残額対応カードで特定される残額を精算するときに、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダル数のメダルの景品への交換を遊技者に喚起することができる。その結果、景品交換忘れを防止することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのメダル貸出機100(遊技用装置)にあっては、不正メダル(適正ではない遊技媒体)が満タン(第1貯留量)に達したときにはその旨が報知されることで、メダル貯留ボックス194(貯留部)から不正メダルを回収することができるとともに、少なくとも遊技場の営業終了時において、所定枚数(第2貯留量)に達しているときにはその旨が報知されることで、満タンに達する前の段階で不正メダルを回収することができるばかりか、貯留に未だ余裕がある貯留部からメダルを回収せずに済むので、回収の作業効率が向上される。よって、営業時間中にメダルの貯留量が満タンに達することが抑制されるため、満タンに達したメダル貯留ボックス194(貯留部)から不正メダルを回収しきれずに循環してしまうことを防止できる。
具体的には、遊技場にメダル貸出機100が多数(たとえば、1000台など)設置されている場合において、メダル貯留ボックス194におけるメダルの貯留量が報知されないと、定期的に全てのメダル貸出機100のメダル貯留ボックス194を確認して回る必要があるが、たとえば1〜2枚程度のメダルしかメダル貯留ボックス194に貯留されていないメダル貸出機100も確認することになるため、非常に効率が悪く膨大な手間がかかることになるが、所定枚数に達したときにはその旨が報知されることで、不正メダルを効率よく回収することができる。
また、不正メダルが満タン(第1貯留量)に達したときには、営業中であってもその旨が報知されることで迅速に回収することができるので、満タンのまま放置されてメダルが遊技島内に排出され循環してしまうことが防止される。
また、少なくとも遊技場の営業終了時において所定枚数(第2貯留量)に達しているときにはその旨が報知されることで、満タンに達する前の段階で不正メダルを回収することができるため、営業中において少量の不正メダルが貯留されることで満タンになることを極力回避できるため、営業中に不正メダルを回収する際に遊技者に迷惑をかけることが防止される。
また、計数装置190のコントローラ190aは、適正ではないと判定したメダルであって、当該遊技場で使用可能な自店メダルと当該遊技場で使用不能な偽メダルとを含む複数種類の不正メダルを識別可能であり、予め自店メダルが計数装置190に100枚程度投入されることで、自店メダルの画像をメモリ190bに登録させる。そして制御ユニット181は、図39のメダル貯留処理のSe4においてメダル情報(図20(c)参照)の総メダル貯留数に1を加算するとともに、図39のメダル貯留処理のSe5において、自店メダルか否かを判定し、自店メダルである場合にはSe6に進んで、メダル情報(図20(c)参照)の自店メダル貯留数に1を加算し、自店メダルでない場合にはSe11に進んで、メダル情報(図20(c)参照)の偽メダル貯留数に1を加算するようにすることで、メダル貯留ボックス194に貯留された不正メダルのうち自店メダルがどの程度あるのかを把握しやすくなることで、早期に回収して適正メダルとして判定される領域に戻すことが可能となる。
また、制御ユニット181は、計数したメダルが適正ではないと判定したときに、図38の不正メダル処理のSd3において、遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせて1枚の通知用画像(図29参照)を生成し、この通知用画像をRAM181bに記憶するようにしていることで、所定の遊技者がメダル貯留ボックス194に貯留されたメダルのうちいずれを使用したかを特定できるので、不正行為を特定しやすくなる。
尚、図38の不正メダル処理のSd3において、遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせて1枚の通知用画像(図29参照)を生成するようにしているが、制御ユニット181において、必ずしも通知用画像を生成する必要はなく、たとえば、顔画像とメダル画像のそれぞれにIDを付与し、顔画像とメダル画像とを別個にメダル管理コンピュータ550に送信して、メダル管理コンピュータ550にて互いの画像のID同士を対応付けて記憶させるようにしてもよい。
また、制御ユニット181は、図37の計数処理のSc6において、計数装置190から取得したメダル判定情報に基づいて、計数されたメダルが不正メダルであるか否かを判定し、いずれかの不適正条件が成立したことを条件に、該不適正条件が成立するまでに計数したメダル数のうち適正ではないと判定された不正メダル数を無効とする(たとえば、図38の不正メダル処理のSd8において、制御ユニット181は、カードテーブル(図20(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算する)ことで、スロットマシン1から払い出され計数したメダルの中に適正でないメダルが紛れていた場合、不適正条件が成立しなければ該適正でないメダルも計数されるため、意図せずに不正メダルを使用した遊技者が不利益を被ることが防止されるとともに、不適正条件が成立した場合、それまでに計数されたメダル数が無効となるため、不正にメダルが獲得されてしまうことを防止できる。
また、制御ユニット181は、図38の不正メダル処理のSd6において、カード受付け中遊技情報(図20(b)参照)の累積不正メダル数に1を加算するとともに、図30のSb20のカード受付け処理において、受信した受付け処理完了通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号(会員のみ)を、カードテーブルに格納する。一方、図30のSb23の返却処理において、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定し、ビジターカードである場合には、該ビジターカードに、カードテーブルのカード受付け中遊技情報の累積不正メダル数を記録するとともに、カードに記録して排出する際に、該記録されたメダル数のうちメダル貯留ボックス194に貯留されたメダル数を特定可能な情報を記録することで、所定の遊技者が適正でないメダルをどの程度計数したかを把握し管理することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、スロットマシン1に対応して設けられるメダル貸出機100に発明を適用する場合について説明した。第2の実施の形態においては、パチンコ遊技機701に対応して設けられるカードユニット750に発明を適用する場合について説明する。
図47は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機701およびカードユニット750を示す正面図である。図48は、パチンコ遊技機701およびカードユニット750の構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機701は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機701は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤706を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿704、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705等が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706が着脱可能に取付けられている。遊技盤706は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。
余剰球受皿(下皿)704を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ7122が取付けられている。なお、スティックコントローラ7122には、遊技者がスティックコントローラ7122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン7125(図48参照)が設けられている。また、スティックコントローラ7122には、スティックコントローラ7122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ7126(図48参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)703を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ7122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン7120が設けられている。
打球供給皿703の上面には、球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン751と、カード残額や獲得玉数等を特定可能にしてカードの返却を受ける場合に操作する返却ボタン752と、カードの残度数を表示する残度数表示部753が設けられる。
遊技領域707の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置709が設けられている。遊技領域707における演出表示装置709の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器708bとが設けられている。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置709は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器708aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置709においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置709において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置709の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置709の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置709の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)708aが設けられている。第1特別図柄表示器708aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置709の右方(第1特別図柄表示器708aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)708bが設けられている。第2特別図柄表示器708bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器708a,708bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口713または第2始動入賞口714を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714を有する可変入賞球装置715が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開状態とされる。可変入賞球装置715が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。したがって、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口714よりも、第1始動入賞口713に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器708bの上方には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器718bのさらに上方には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器708bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置709の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は開閉板を備え、第1特別図柄表示器708aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置720が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置709の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器710は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器710は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器741は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤706の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ727が設けられている。遊技領域707の外周には、前面枠に設けられた枠LED728が設けられている。
また、カード(会員カード、ビジターカード)が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット750が、パチンコ遊技機701に隣接して設置される。このカードユニット750は、遊技者による遊技に使用可能な価値としてのカード残額や、遊技の結果、遊技者が獲得した獲得価値としての獲得玉数を記録したカードから、カード残額や獲得玉数の引落としを受付けて、その引落額に応じた貸玉としてのパチンコ玉をパチンコ遊技機701の球払出装置797に払出させることを指示する制御信号をパチンコ遊技機701の払出制御基板737に出力し、そのパチンコ玉の使用により、遊技者によるパチンコ遊技機701での遊技を可能にするものである。このようにカードユニット750からパチンコ遊技機701に出力される制御信号は、カードに記録された価値に基づいたパチンコ玉の貸出指令の一例である。しかし、このようなカードユニット750とパチンコ遊技機701などの遊技機とでやり取りされる信号に限定されず、カードユニットが遊技機に内蔵される場合は、貸出指令は、遊技機内部でやり取りされる制御信号であってもよい。
カードユニット750には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機701に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
パチンコ遊技機701において、遊技者が遊技を行なう場合には、遊技に使用可能な遊技用のカードを用いる。カードとしては、遊技場において会員として登録された遊技者に対して個別に発行された会員カードと、すべての遊技者が利用できるビジターカードとの2種類のカードがある。
会員カードは、ICカードよりなる記録媒体である。会員カードには、カードIDが記録されている。遊技者の投入代金の対価としてのカード残額、獲得玉数情報、貯玉数情報、および、会員個人を特定する会員情報等の各種情報(カード情報)が、カードIDに対応付けて後述する獲得玉管理サーバに記録されている。獲得玉管理サーバは、会員カードに基づいて対応する各種カード情報を割出すことができる。カード残額、貯玉数情報、来店ポイント数情報、および、会員情報等のカード情報は、獲得玉管理サーバにより、カードIDを用いて管理される。
ここで、貯玉とは、遊技者が獲得した獲得玉等の獲得価値を遊技場側に預入れる行為およびその預入れられた価値をいう。貯玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の貯玉の数を示す情報である。獲得玉とは、遊技者が遊技により獲得した点数または玉等を示す価値をいう。獲得玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の獲得玉の数を示す情報である。また、再プレイとは、遊技者が貯玉または遊技場に預入れていない獲得玉を用いて玉貸しを受けて遊技を行なうことをいう。
遊技者が遊技を行なう場合は、まず、貨幣(1000円)を貨幣挿入口に挿入する。すると、その挿入された貨幣が判別されて適正貨幣の場合に、球貸しボタン751が操作されると、挿入貨幣の金額の範囲内で遊技玉が貸出されて遊技が可能となる。なお、貨幣としては1000円札以外の貨幣も使用可能である。カードの返却を受ける場合は、挿入された会員カードのカードIDで特定される獲得玉数に、遊技者が獲得した獲得玉数を加算更新することができる。会員カードが挿入されていない場合には、カードユニット750からビジターカードが発行される。遊技者が獲得した獲得玉数がそのビジターカードに記録されて遊技者に排出される。このように、会員カードおよびビジターカードには、入金額から遊技に使用した額を差し引いた残額が特定可能に記憶される。
遊技者がビジターカードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口にビジターカードを挿入する。すると、その挿入されたビジターカードに記録されているカード残額や獲得玉数等のカード情報がカードユニット750に設けられたカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカード情報に基づいて、カード残額がパチンコ遊技機701に設けられている残度数表示部753に表示され、獲得玉数が、カードユニット750に設けられている計数表示部7555に表示される。計数表示部7555は、カード残額や獲得玉数を所定の桁数で表示するように構成されている。この表示されたカード残額や獲得玉数を用いて遊技が可能となる。
遊技者が会員カードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口に会員カードを挿入する。すると、その挿入された会員カードに記録されているカードIDがカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカードIDに基づいて獲得玉管理サーバが特定した玉数データ(獲得玉数データ、貯玉数データ)が計数表示部7555に表示される。この表示されたカード残額や獲得玉数や貯玉数を用いて遊技が可能となる。
カードユニット750には、貯玉や獲得玉を用いて玉貸しを受ける場合、すなわち、再プレイをする場合に操作する再プレイボタン7554が設けられている。
球貸ボタン751が操作されれば、残度数表示部753に表示さているカード残額から、予め定められた貸出単位額分の額が引落されて減額され、それと引換えに、貸出単位額分の玉がパチンコ遊技機701から貸玉として払出される。また、カード残額が、残度数表示部753に表示される。このような操作は、玉貸し操作と呼ばれる。
カード口にカードが挿入されている状態において、再プレイボタン7554が操作されれば、計数表示部7555に表示されている獲得玉数または貯玉数から、予め定められた返却単位数分の玉数が引落とされて減算され、それと引換えに、返却単位数分の玉がパチンコ遊技機701の球払出装置797から返却される。このような操作は、再プレイ操作と呼ばれる。このように払出される玉を返却玉と呼ぶ。
カード口に会員カードが挿入されている状態において、返却ボタン752が操作されれば、その時点での獲得玉数、カード残額、および、貯玉数等の情報が獲得玉数管理サーバに記憶され、その記憶情報を特定するカードIDが記録された会員カードがカード口から排出されて遊技者に返却される。
カードユニット750から貸玉として払出される玉は、パチンコ遊技機701の内部に設けられている球払出装置797から、パチンコ遊技機701に設けられている打球供給皿703上に払出される。
遊技においては、遊技者がパチンコ遊技機701に設けられている打球操作ハンドル705を操作して、打球供給皿703に貯留された玉を弾発発射し、遊技領域707に打込む。そして、遊技領域707に打込まれた玉が上述したような各種の入賞領域に入賞すれば、入賞領域別に予め定められた個数の景品玉が打球供給皿703に払出される。打球供給皿703が満タンになった場合には、その下方に設けられている余剰球受皿704に玉が送られて貯留される。
このパチンコ遊技機701においては、各台計数機705と呼ばれるパチンコ玉の計数装置が各パチンコ遊技機701に対応して設けられている。各台計数機705は、パチンコ遊技機701の下方に設けられた計数用玉貯留部794とを含む。
計数用玉貯留部794は、余剰球受皿704の下方に設けられており、余剰球受皿704から排出された玉を受けて貯留することが可能な形状に構成されている。貯留玉が満杯になったこと等の理由により、余剰球受皿704に設けられた排出レバーが操作されると、余剰球受皿704に貯留されていた玉が、余剰球受皿704の底面の開口部から下方へ排出され、計数用玉貯留部794に受けられる。
計数用玉貯留部794においては、遊技者による操作が可能な計数シャッタ794aが設けられている。計数シャッタ794aは、計数用玉貯留部794の底部に設けられた開口部を開閉するための部材であり、一体形成されたレバー部794bの操作に応じて開閉される。計数シャッタ794aは、通常状態において閉成されて計数用玉貯留部794を玉の貯留が可能な状態にし、遊技者によってレバー部794bが操作された場合に開放される。計数シャッタ794aが開かれると、計数用玉貯留部794に貯留されていた玉が、計数用玉貯留部794の底部に連結されている玉排出用通路7520に排出される。玉排出用通路7520の入側には、計数用玉貯留部794から排出された玉(以下、「獲得玉」という)を計数するために検出する通過検出用センサよりなる獲得玉検出スイッチ7501が設けられている。
獲得玉検出スイッチ7501により玉が検出され、計数されれば、カードユニット750に設けられた計数表示部7555にその計数値が表示される。この計数値(「獲得玉数」ともいう)は、遊技終了時に獲得玉数情報としてビジターカードに記録され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、会員カードにおいては、その会員カードのカードIDに対応付けて獲得玉管理サーバに記憶され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、獲得玉数情報で示される獲得玉数を貯玉数に変換し、貯玉数情報としてに記録しておくことが可能である。
返却を行なう場合には、遊技者により返却ボタン752が操作される。返却ボタン752が操作された場合は、前述した獲得玉検出スイッチ7501による計数値の全てが景品交換のために精算され、その精算された計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が、カードリーダライタによりビジターカードに書込まれ、そのビジターカードが、カード口から排出されて遊技者に返却される。一方、遊技者が会員カードをカード口に挿入して返却操作した場合には、その会員カードのカードIDに対応付けて計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が獲得玉管理サーバに記憶される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態(低確率状態))に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる15ラウンドの大当り遊技状態、ならびに、突然確変大当りによる2ラウンドの大当り遊技状態の、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。また、ラウンド数が同じであるが各ラウンドの開放時間が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる開放時間が29秒の大当り遊技状態と、突然確変大当りによる開放時間が0.5秒の大当り遊技状態との、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、突然確変大当りと同様の開放回数(2回)および開放時間(0.5秒)の小当り遊技状態となる。
具体的に、通常大当りおよび確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、突然確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、突然確変大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるとともに、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。
また、本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常変動時間状態)よりも短縮される時短状態に制御される。また、本実施の形態では、通常大当りに基づく特別遊技状態としては、時短状態に制御される。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、確変大当りおよび通常大当りに基づく特別遊技状態としては、可変入賞球装置715が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置715に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置715への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。一方、突然確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されるが、電チューサポート制御状態に制御されない。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置715の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置715の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置715が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口714への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器708a,708bや演出表示装置709における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口714への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口714への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置715、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置715への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態として、確変状態に制御されることに付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、突然確変大当りのように大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合がある。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態を示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
突然確変大当りは、開放時間が極めて短い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれずに非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確率/低ベース状態)に制御される大当りである。
確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される。また、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りであればよい。
突然確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置720の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突然確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に低ベースとなるので、小当り遊技状態の終了後にベースが変更されない小当りと比べると、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで、遊技者が動作状況を区別しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので、潜伏状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏制御と呼ばれる。なお、高確低ベース状態において発生した突然確変大当り時には、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御され、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。このように、高確高ベース状態に移行する場合には、後述する潜伏演出を行なわないようにすることが望ましい。
この実施形態によるパチンコ遊技機701においては、演出制御用CPU7101において、大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後に、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏演出が行なわれる。たとえば、演出制御用CPU7101では、大当り終了時において、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したときは、大当り遊技状態(小当りの場合は小当り遊技状態)の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なう。このような潜伏演出が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、潜伏演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ7100から潜伏演出の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU7101が潜伏演出を実行するようにしてもよい。
図48は、主基板(遊技制御基板)731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図48は、払出制御基板737および演出制御基板780等も示されている。主基板731には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機701を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)7560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU756およびI/Oポート部757を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ROM754およびRAM755が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
また、RAM755は、その一部または全部が電源基板7910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM755の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU756がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路7503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路7503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、乱数回路7503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ732a、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ7560に与える入力ドライバ回路758も主基板731に搭載されている。また、可変入賞球装置715を開閉するソレノイド716、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置720を開閉するソレノイド721を遊技制御用マイクロコンピュータ7560からの指令にしたがって駆動する出力回路759も主基板731に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710、第1特別図柄保留記憶表示器718a、第2特別図柄保留記憶表示器718bおよび普通図柄保留記憶表示器741の表示制御を行なう。
演出制御基板780は、演出制御用マイクロコンピュータ7100、ROM7102、RAM7103、VDP7109、および、I/Oポート部7105等を搭載している。ROM7102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM7103は、ワークメモリとして使用される。ROM7102およびRAM7103は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に内蔵されてもよい。VDP7109は、演出制御用マイクロコンピュータ7100と共動して演出表示装置709の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ7100は、主基板731から演出制御基板780の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板777を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置709の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板735を介して、枠側に設けられている枠LED728の表示制御を行なうとともに、音声出力基板770を介してスピーカ727からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122のトリガボタン7125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ7121から入力する。また、演出制御用CPU7101は、プッシュボタン7120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ7124から入力する。また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット7123から入力する。また、演出制御用CPU7101は、バイブレータ用モータ7126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ7122を振動動作させる。
払出制御基板737には、インタフェース基板766を介して、カードユニット750が接続される。カードユニット750は、払出制御基板737に対して貸玉、獲得玉および貯玉などの遊技球の払出しを指示する信号を出力する。カードユニット750には、各台計数機705が接続される。各台計数機705は、獲得玉検出スイッチ7501による獲得玉数を特定可能な信号を、カードユニット750に出力する。
[第3の実施の形態]
以下、発明の第3の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図47に示すように、遊技機(パチンコ遊技機701)に対応して設けられ、遊技に使用可能な遊技用価値の大きさ(カード残額)を特定可能な情報(カードID)が記録された遊技用記録媒体(会員カードまたはビジターカード)の挿入を受け付けて、該遊技用価値の大きさを前記対応する遊技機での遊技に使用させるための処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段(カードリーダライタ,カードユニット750の制御部)と、前記挿入された遊技用記録媒体を返却するための操作を受け付ける返却操作手段(返却ボタン752)の操作を受け付けたことに基づいて、該遊技用記録媒体を返却する返却処理を行なう返却処理手段(カードリーダライタ,カードユニット750の制御部)と、を備える遊技用装置(カードユニット750)に係り、特に前記挿入された遊技用記録媒体の返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段(タッチパネル式のディスプレイ7123)と、前記確認操作を受け付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理か、または、前記確認操作を受け付けたことを条件とせずに前記返却処理を行なう第2返却処理の、いずれを実行するかを設定する返却設定手段(カード管理コンピュータ500で設定された「確認操作が必要か否か」を記憶するカードユニット750の制御部)と、をさらに備え、前記返却処理手段は、前記返却操作手段の操作を受け付けたこと(図52において、S202の返却要求信号を受信したこと)に基づいて、前記返却設定手段により設定されている前記第1返却処理または前記第2返却処理を実行する(S204で「確認操作必要」の設定が有るか否かを判定し、設定無しならばS209で直ちにカードを返却し、設定有りならばS208で確認ボタン操作有りと判定するとS209でカードを返却する)ことを特徴とする遊技用装置である。
以下においては、遊技機がパチンコ遊技機701であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、遊技媒体の貸与が玉貸である例について説明する。また、以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップを「S」と略記する場合がある。
会員カードまたはビジターカードは遊技用記録媒体の一例であって、遊技(パチンコ玉の貸与)に使用可能なカード残額を特定可能な情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、該会員カードまたはビジターカードを個々に識別可能なカードIDと、当該カード残額とが記録される。この会員カードまたはビジターカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードIDおよびカード残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路(ICチップ)を搭載したICカードである。
パチンコ遊技機701の払出制御基板737およびカードユニット750は、インタフェース基板766を介して接続されている。カードユニット750と払出制御基板737との間には、PSI信号線,PRDY信号線,BRDY信号線,BRQ信号線,および、EXS信号線が設けられている。
PSI信号線は、カードユニット750とパチンコ遊技機701との接続確認を行なうための信号線である。このPSI信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、パチンコ遊技機701において発射ハンドルの操作が可能となる。
PRDY信号線は、パチンコ遊技機701から対応するカードユニット750に対して、該パチンコ遊技機701とカードユニット750との間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。具体的には、図49のS1に示すように、該PRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、払出可能信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
BRDY信号線は、カードユニット750が前記払出可能信号を受信しているスタンバイ状態において玉貸操作があったときに、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、玉貸可能信号を送信する信号線である。具体的には、図49のS2に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸可能信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
またBRDY信号線は、1回の玉貸操作に伴う所定度数分(本例では5度数分)の玉貸処理が終了したときに、カードユニット750からパチンコ遊技機701に対して、玉貸終了信号を送信する信号線である。具体的には、図49のS7に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸終了信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
BRQ信号線は貸与指令信号線(=玉貸指令信号線)の一例であって、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、遊技媒体の貸与を要求する貸与要求信号(=玉貸要求信号)を送信する信号線である。具体的には、図49のS3に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸要求信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
またBRQ信号線は、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、パチンコ玉の貸与を指令する貸与指令信号(=玉貸指令信号)を送信する信号線である。具体的には、図49のS5に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸指令信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
EXS信号線は要求了解信号線の一例であって、パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して、玉貸の要求を了解した旨(即ち玉貸要求信号を受信した旨)を示す要求了解信号を送信する信号線である。具体的には、パチンコ遊技機701が玉貸要求信号を受信してから、該パチンコ遊技機701がパチンコ玉を貸与する準備が整っている(即ち玉切れがなく、エラーがない)旨を確認した後に、図49のS4に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、要求了解信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
またEXS信号線は、1度数分の玉貸処理が完了したときに、パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して、該玉貸処理が完了した旨を示す玉貸完了信号を送信する信号線である。具体的には、玉貸処理が完了したとき、即ちパチンコ玉の払出が完了したときに、図49のS6に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸完了信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
つまり、カードユニット750は、遊技機(たとえば、パチンコ遊技機701)による遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)の貸与が可能であることを示す貸与準備信号(たとえば、PRDY信号のLOWレベル)を前記遊技機から受信する第1受信手段と、貸与操作(たとえば、パチンコ遊技機701の玉貸ボタン751の操作)を受付けたことを示す貸与要求信号(たとえば、BRDY信号のLOWレベル)を前記遊技機に送信する第1送信手段と、前記貸与要求信号の送信後、遊技媒体の貸与を指令する貸与指令信号(たとえば、BRQ信号のLOWレベル)を前記遊技機に送信する第2送信手段と、前記貸与要求信号および前記貸与指令信号に応じて前記遊技機から送信され遊技媒体の貸与ができることを示す貸与可能信号(たとえば、EXS信号のLOWレベル)を受信する第2受信手段と、貸与可能信号の受信の確認を示す貸与確認信号(たとえば、BRQ信号のHIGHレベル)を前記遊技機に送信する第3送信手段と、前記貸与確認信号に応じて前記遊技機で遊技媒体の貸与(たとえば、実際のパチンコ玉の払出、遊技玉数の加算)が実行され、完了した場合に送信され遊技媒体の貸与の完了を示す貸与完了信号(たとえば、EXS信号のHIGHレベル)を受信する第3受信手段と、貸与要求の終了を示す貸与要求終了信号(たとえば、BRDY信号のHIGHレベル)を前記遊技機に送信する第4送信手段とを備える。
タッチパネル式のディスプレイ7123は、遊技者からの操作を受け付けると共に、各種の情報を表示するためのものである。具体的には、図51のD0に示すように、会員カードまたはビジターカードの返却に関する注意喚起表示を行なう表示手段として機能し、また図52のD1に示すように、返却ボタン752が操作された旨を報知する返却操作報知手段として機能し、さらに図52のD2に示すように、挿入された会員カードまたはビジターカードの返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段として機能するものである。
カード管理コンピュータ500において設定モードが起動されると、図50に示す設定画面がディスプレイ35に表示される。この設定画面では、前記確認操作が必要であるか不要であるかを設定するためのラジオボタンと、前記注意喚起表示をするかしないかを設定するためのラジオボタンとが表示される。そしてカード管理コンピュータ500の入力装置を操作して、確認操作が必要であるか不要であるかおよび注意喚起表示をするかしないかをラジオボタンで選択して「設定」ボタンを操作すると、該設定内容が各カードユニット750に対して送信されてカードユニット750の制御部のEEPROMで記憶される。
ここで、カードユニット750の制御部のEEPROMは、確認操作を受け付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理か、または、前記確認操作を受け付けたことを条件とせずに前記返却処理を行なう第2返却処理の、いずれを実行するかを設定する返却設定手段として機能するものであり、カード管理コンピュータ500から受信した設定内容に従って、確認操作が必要(即ち第1返却処理を行なう)と設定されたか、または、確認操作が不要(即ち第2返却処理を行なう)と設定されたかを記憶する。またカードユニット750の制御部のEEPROMは、注意喚起表示を行なうか否かを設定する表示設定手段として機能するものであり、カード管理コンピュータ500から受信した設定内容に従って、注意喚起表示をするか、または、注意喚起表示をしないかを記憶する。
次に、カードユニット750の作用(即ちカードユニット750の制御部が行なう処理)を説明する。
カードユニット750の制御部が行なう玉貸処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額が1度数分以上である状態で玉貸操作を受け付けると、カードユニット750の制御部は、まずBRQ信号線を介して、パチンコ遊技機701の払出制御基板737に玉貸要求信号(図49のS3)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ遊技機701の払出制御基板737から送信されてくる要求了解信号(S4)の受信を待機する。この要求了解信号の受信が有ると判定した場合には、BRQ信号線を介して、パチンコ遊技機701の払出制御基板737に玉貸指令信号(S5)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ遊技機701の払出制御基板737から送信されてくる玉貸完了信号(S6)の受信を待機する。この玉貸完了信号の受信が有ると判定された場合には、カードリーダライタにより、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額から1度数分の金額を減算更新し、残度数表示部753における残度数の表示を1度数減算表示して、処理を終了する。このカードユニット750の制御部は、挿入を受け付けた会員カードまたはビジターカードの記録情報から特定されるカード残額を対応するパチンコ遊技機701での遊技に使用させるための処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段をして機能するものである。
次に、図51を参照して、カードユニット750の制御部が行なう注意喚起表示処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードを受け付けている(即ち挿入されている)と、カードユニット750の制御部は、前記表示設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「注意喚起表示をする」と設定されているか否かを判定する(S101)。ここで「注意喚起表示をしない」と設定されている(NO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、「注意喚起表示をする」と設定されている(YES)と判定した場合には、表示タイミング(たとえば2分間ごと)を待機し(S102)、該表示タイミングであれば(YES)、注意喚起表示(たとえばD0に示す『カードの取り忘れや盗難にご注意下さい』)をディスプレイ7123に表示して(S103)、処理を終了する。つまり「注意喚起表示をする」と設定されていれば、表示タイミングごとに、注意喚起表示が表示されることになる。これによれば、第1返却処理または第2返却処理のいずれを行なうかにかかわらず、注意喚起表示を行なうことができる。なお表示タイミングは、任意に設定可能である。
次に、図52を参照して、カードユニット750の制御部が行なう返却処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードを受け付けている(即ち挿入されている)状態で、パチンコ遊技機701で返却操作(返却ボタン752の操作)が有ると(S201でYES)、該パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して前記返却要求信号が送信され(S202)、カードユニット750が該返却要求信号を受信すると、返却処理を開始して、返却操作有り報知(たとえばD1に示す『返却ボタンが操作されました』)をディスプレイ7123に表示する。このように、返却要求を受信したことに基づいて、返却処理を実行することにより、パチンコ遊技機701は返却ボタン752の操作により返却要求信号を発信するという通常の処理を行なうだけなので、該パチンコ遊技機701を変更する必要が無い。また返却ボタン752が操作された旨が報知されるので、他人が返却ボタン752を操作した旨を遊技者が発見することができる。
次にカードユニット750の制御部は、前記返却設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「確認操作が必要」と設定されているか否かを判定する(S204)。ここで「確認操作が不要」と設定されている(NO)と判定した場合、即ち確認操作を受け付けたことを条件とせずに返却処理を行なう第2返却処理を実行すると設定されている場合には、前記受け付けている(即ち挿入されている)会員カードまたはビジターカードを返却し、返却表示(たとえばD3に示す『カードをお取り下さい』)をディスプレイ7123に表示して(S209)、処理を終了する。
一方、「確認操作が必要」と設定されている(YES)と判定した場合、即ち確認操作を受け付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理を実行すると設定されている場合には、計時を開始して(S205)、確認操作要求表示(たとえばD2に示す『確認ボタンを押して下さい』および確認ボタン)をディスプレイ7123に表示して(S207)、タイムアップ(たとえば10秒間経過)するまで確認ボタンの操作を待機する(S207,S208)。
ここでタイムアップするまでに確認ボタンの操作が無い(S207でNO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、タイムアップするまでに確認ボタンの操作が有る(S208でYES)と判定した場合には、前記S209に進んで、処理を終了する。ここでS205の処理を行なうカードユニット750の制御部は、該返却要求信号の受信に基づいて計時を開始する計時手段として機能するものであり、S207〜S209の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記返却設定手段により第1返却処理を実行すると設定されている場合(S204でYES)に、計時手段による計時時間が所定時間以内に確認操作を受け付けたことを条件として返却処理を行なう返却処理手段として機能するものである。これによれば、所定時間以内に確認操作がなければ会員カードまたはビジターカードが返却されないので、他人による会員カードまたはビジターカードの盗難を困難にすることができる。なお所定時間は、任意に設定可能であるが、遊技者が返却ボタン752を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも長く、会員カードまたはビジターカードの盗難を狙う他人が返却ボタン752を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも短いのが好ましい。
また確認ボタンは、返却ボタン752から所定間隔離れた箇所に設けられていることが好ましい。ここで所定間隔とは、たとえば遊技者が返却ボタン752と確認ボタンの両方を視界に捉えられる範囲内である。これによれば、返却ボタン752を操作した他人が遊技者に気付かれることなく確認ボタンを操作することが困難なので、より有効に会員カードまたはビジターカードの盗難を防止することができる。なお返却ボタン752はパチンコ遊技機701の右側に設けられていることが多いため、確認ボタンは、パチンコ遊技機701の左側に配置されるカードユニット750のみならず、当該パチンコ遊技機701自体の左側や、当該パチンコ遊技機701の上側に設置されている呼出ランプ200に設けられていても良い。
以上に説明したように、挿入された会員カードまたはビジターカードの返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段(タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタン)と、確認操作を受け付けたことを条件として返却処理を行なう第1返却処理または確認操作を受け付けたことを条件とせずに返却処理を行なう第2返却処理のいずれを実行するかを設定する返却設定手段とを備え、返却ボタン752の操作を受け付けたことに基づいて、第1返却処理または第2返却処理を実行するように構成したので、遊技中における遊技用記録媒体の盗難を防止するために、店員の密な監視により盗難を防止する運用を行なう遊技場は第2返却処理の実行を設定すれば良く、店員の監視負担を減らすが遊技者に手間を取らせることで盗難を防止する運用を希望する遊技場は第1返却処理の実行を設定すればよいので、両遊技場に対応可能なカードユニット750を提供することができる。
なお遊技用装置に、遊技者が獲得した獲得遊技媒体数(持玉数)を計数する各台計数装置を備え、該遊技用装置にカード残額と持玉数とが記憶されて表示されている場合に、カード残額の記憶および表示は消去して該カード残額のみを特定可能な残額カード(本発明の会員カードまたはビジターカードに相当)を排出し、持玉数の記憶および表示は残すような遊技用装置を構成することが考えられる。これによれば、対応するパチンコ遊技機701で大当り等が発生した場合に、とりあえず残額カードを排出させることができるので、カード残額の盗難を防止できる。なお持玉数については盗難のおそれがあるが、遊技者に返却するカードが2枚になってしまうと取り回しが面倒になるので、持玉数については遊技用装置で記憶しておき、大当り終了後には該持玉数を特定可能な持玉カードを排出させることができる。しかしながら、このような遊技用装置だと、持玉数の記憶および表示が消去されずに残額カードを排出させることが可能なので、他人により残額カードが盗難されても遊技者が気付きにくいところ、本発明を適用して第1返却処理を行なう(確認操作が必要)と設定すれば、残額カードの盗難が困難となるので、特に有効である。
次に、上記の実施の形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額と、該会員カードまたはビジターカードのカードIDと対応付けてカード管理コンピュータ500で管理されているカード残額との照合が行なわれ、照合OKであるときに、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額を使用した玉貸が行なわれる例について説明した。
しかし、これに限らず、たとえば会員カードまたはビジターカードにはカード残額を記録せずに、該会員カードまたはビジターカードのカードIDと対応付けてカード管理コンピュータ500で管理されているカード残額を使用した玉貸が行なわれるようにしても良く、逆にカード管理コンピュータ500ではカード残額を管理せずに、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額を使用した玉貸が行なわれるようにしても良い。
上記の実施形態では、返却操作手段(返却ボタン752)と返却確認手段(タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタン)とが別個である例について説明したが、これに限らず、両者は同一のボタンであっても良い。
上記の実施形態では、返却確認手段が、タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタンである例について説明したが、これに限らず、該返却確認手段は、カードユニット750の所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。
また返却確認手段を、該タッチパネル式のディスプレイ7123に表示されるテンキー(またはカードユニット750に別途設けられるテンキー)とし、遊技者が希望する暗証番号を該テンキーで入力して記憶しておき、確認操作が要求された際にテンキーで暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号と前記記憶している暗証番号とが一致すると判定されたことにより、確認操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の手間は増えるが、遊技者が記憶させた暗証番号が入力されなければ確認操作が受け付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
また返却確認手段を、カードユニット750に設けられるICチップR/Wとし、遊技者が所持している携帯端末に内蔵されているICチップの識別情報を該ICチップR/Wで予め読み取らせて記憶しておき、確認操作が要求された際に携帯端末のICチップからICチップR/Wで識別情報を読み取り、該読み取った識別情報と前記記憶している識別情報とが一致すると判定されたことにより、確認操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の携帯端末でなければ確認操作が受け付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
上記の実施形態では、図50に示すように、カード管理コンピュータ500において、確認操作が必要であるか不要であるか、および、注意喚起表示をするかしないかが設定され、該設定内容が各カードユニット750に送信されてカードユニット750の制御部のEEPROMで記憶(設定)される例について説明した。しかし、これに限らず、確認操作が必要であるか不要であるか、および、注意喚起表示をするかしないかの設定を、各カードユニット750において設定するものであっても良い。たとえば各カードユニット750にディップスイッチを設けて設定したり、各カードユニット750に対してリモコンで設定したり、タッチパネル式のディスプレイ7123で設定しても良い。これによれば、カード管理コンピュータ500と各カードユニット750とがオフラインであっても、これらの設定を行なうことができる。なおタッチパネル式のディスプレイ7123での設定は、遊技場の店員のみならず、遊技者が設定できるものであっても良い。
また、遊技場内に備えられる全部のカードユニット750について同じ設定をするのではなく、各カードユニット750ごとに異なる設定をするものであっても良い。たとえば、ある遊技島のカードユニット750については確認操作が必要である(即ち第1返却処理を行なう)と設定して、店員の監視を減らす一方、ある遊技島のカードユニット750については確認操作が不要である(即ち第2返却処理を行なう)と設定して、店員の監視を密にするようにすることもできる。この場合においては、上記の如く、各カードユニット750において設定するものには限らず、カード管理コンピュータ500において各カードユニット750ごとに設定可能とすることもできる。
上記の実施形態において、第1返却処理(確認操作が必要)が設定されているか、第2返却処理(確認操作が不要)が設定されているかを示す設定内容画面を、ディスプレイ7123に表示するようにしても良い。この設定内容画面は、確認ボタンに近い位置に表示したり、または残度数(および各台計数機付きのカードユニット750にあっては持玉数)が表示される画面と共に表示する。遊技用記録媒体を盗難する不正者は、画面を見て盗難をするか否かを決めることが多いが、この設定内容画面が表示されることにより、盗難を断念することが期待できる。
上記の実施形態において、ディスプレイ7123で残度数や持玉数を表示すると共に、カードユニット750にカメラを設け、該カメラが遊技をしている遊技者以外にカードユニット750に近付く人間を感知したら、残度数や持玉数の表示を消すようにしても良い。これによれば、不正者が直ちに残度数や持玉数を把握できないようになるため、盗難の防止に繋がる。ここで残度数や持玉数の表示を消す代わりに、注意喚起表示をするとさらに好ましい。
上記の実施形態では、図52のS208に示すように、確認操作(確認ボタンの操作)を1回受け付けると会員カードまたはビジターカードの返却が行なわれる例について説明したが、これに限らず、確認操作を複数回受け付けると会員カードまたはビジターカードの返却が行なわれるようにしても良い。
上記の実施形態では、図52に示すように、返却操作(返却ボタン752の操作)を受け付けてから確認操作(確認ボタンの操作)を受け付けると、会員カードまたはビジターカードが返却される例について説明したが、これに限らず、確認操作を受け付けてから返却操作を受け付けると、会員カードまたはビジターカードが返却されるようにしても良く、これによれば、確認操作を受け付けていなければ、球貸しボタン751を押そうと思って、誤って返却ボタン752を押しても、会員カードまたはビジターカードが返却されない。即ち、返却操作と確認操作の順序は、特に限定されない。
上記の実施形態において、カードユニット750に会員カードまたはビジターカードが挿入されたままでパチンコ遊技機701の稼働が所定時間無い場合(たとえば遊技者が会員カードまたはビジターカードを返却せずに休憩に入って離席した場合)には、会員カードまたはビジターカードの盗難やカード残額の使用を防止するために、返却ボタン752や球貸しボタン751の操作が制限されるセーフモードに入るようにしても良い。具体的には、パチンコ遊技機701の稼働が停止してからセーフモードの計時を開始し、該計時時間が所定時間(たとえば10分間)に達すると、セーフモードに入る。この所定時間は任意に設定可能である。なおセーフモードの計時中に返却ボタン752が操作されると、該計時は一旦停止し、図52のS207でタイムアップする前に確認ボタンが操作されると会員カードまたはビジターカードは返却されるが、確認ボタンが操作されずにタイムアップすると、前記一旦停止した計時が再開される。そして、セーフモードから復帰するには、遊技場の店員によるリモコン操作や、暗証番号の入力等を受け付ける。
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図57に示すように、遊技機(パチンコ遊技機701)に対応して設けられ、遊技者が所有する価値(紙幣,会員カードまたはビジターカード)を受け付けたこと(S101,S102でYES)に基づいて、該受け付けた受付価値(受付額,カード残額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段(S117,S108の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、該使用可能処理により使用可能とされた使用可能価値(残度数)を前記対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段(S135の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、前記使用可能価値から該使用処理に供された使用価値を減じた使用後残価値を特定可能な記録媒体を返却するための返却処理を行なう返却処理手段(S126の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、を有する遊技用装置(カードユニット750)である。
そして、第4の実施の形態の第1実施形態に係る遊技用装置では、前記使用可能処理手段は、前記使用可能処理として、前記受付価値が所定価値未満であること(S116でNO)を条件として、該受付価値の全部を前記使用可能価値とする全部使用可能処理(S117)を行なうと共に、前記受付価値が所定価値以上であること(S116でYES)を条件として、該受付価値のうちの一部を前記使用可能価値とする一部使用可能処理(S118)を行ない、前記返却処理手段は、返却操作を受け付けたこと(S125でYES)に基づいて、前記返却処理を行なう一方、前記一部使用可能処理が行なわれたことに基づいて、返却操作を受け付けることなく、前記受付価値のうちの前記使用可能価値とされなかった受付時残価値を特定可能な前記記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なうことにより、遊技への価値の使い過ぎを防止することを特徴とする。
また、第4の実施の形態の第2実施形態に係る遊技用装置では、前記使用価値の累計である累計価値を各遊技者について特定可能とするための累計価値特定処理を行なう累計価値特定処理手段(S136の処理を行なうカードユニット750の制御部)をさらに有し、前記返却処理手段は、返却操作を受け付けたこと(S125でYES)に基づいて、前記返却処理を行なう一方、前記価値を受け付けたこと(S101でYES)に基づいて、前記累計価値が所定価値以上であること(S116’でYES)を条件として、返却操作を受け付けることなく、前記受付価値のうちの一部または全部を特定可能な前記記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なうことにより、遊技への価値の使い過ぎを防止することを特徴とする。
カードユニット750の制御部のEEPROMは、図53に示す所定額テーブルを記憶している。この所定額テーブルでは、遊技者の年代(本例では20代,30代,40代,50代,および60台以上)ごとに、第4の実施の形態の第1実施形態において一部使用可能処理および価値受付時返却処理を行なうか否かを判定するために受付額と比較する第1所定額と、第4の実施の形態の第2実施形態において価値受付時返却処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する第2所定額と、両実施形態において後述する価値受付禁止処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する特定額とが設定されて記憶されている。
ここで、第1所定額,第2所定額,および特定額は、各遊技者について(本例では遊技者の年代ごとに)異なる値が設定されており、具体的には、たとえば低所得者や使い過ぎし易い年代(本例では20代と60代以上)の遊技者については、その他の年代の遊技者よりも、低額に設定されている。これによれば、たとえば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
前記所定価値は、予め設定された高額金種の貨幣に相当する額であり、具体的には、20代と60代以上の遊技者については5000円であり、その他の年代の遊技者については10000円である。これによれば、高額金種の貨幣を受け付けた際に、一部使用可能処理および価値受付時返却処理が行なわれるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、カードユニット750の制御部のEEPROMは、図54に示す表示基準額対応商品テーブルも記憶している。この表示基準額対応商品テーブルでは、後述する商品報知処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する表示基準額(本例では10000円,20000円,30000円…)ごとに、各種ジャンルの商品が設定されて記憶されている。
カードリーダライタは記録媒体受付手段の一例であって、カード挿入口25aから挿入された会員カードまたはビジターカードを受け付けて、該受け付けた会員カードまたはビジターカードに記録されているカードIDおよびカード残額を読み取るものである。このカードリーダライタは、前記ICカードである会員カードまたはビジターカードのICチップに対応したICチップR/Wを備えている。そしてカードリーダライタは、図57に示すように、入金が行なわれたときに、受付中の会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額に受付額を加算更新し(S117)、玉貸が行なわれたときに、該カード残額から玉貸使用額を減算更新する(S135)。またカードリーダライタから会員カードまたはビジターカードが返却されると(S126)、カード貯留部に収納されているビジターカードであるストックカードがカードリーダライタに搬送されて留保カードとなる(S127)。
顔画像撮影カメラは、カードユニット750に対応するパチンコ遊技機701で遊技をする遊技者を撮像するためのものである。この顔画像撮影カメラにより撮像した遊技者の顔画像から、カードユニット750の制御部の画像認識処理により顔データが抽出される。
次に、カード管理コンピュータ500は、遊技場内の所定箇所(たとえば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このカード管理コンピュータ500は、図55に示すカードDBを記憶している。このカードDBでは、各会員カードまたはビジターカードのカードIDごとに、カード残額と入金時返却フラグとを記憶している。この入金時返却フラグが「1」であれば、前記価値受付時返却処理で返却された会員カードまたはビジターカードである旨を示す。なお、カード残額は、当日の営業終了後もクリアされないが、入金時返却フラグは、当日の営業終了後にクリアされて「0」になる。
次に、ホールコンピュータ540も、遊技場内の所定箇所(たとえば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このホールコンピュータ540は、図56に示す遊技者DBを記憶している。この遊技者DBでは、前記顔画像撮影カメラにより撮像された遊技者の顔画像から抽出された顔データごと(即ち遊技者ごと)に、当該顔データに基づいて判別される遊技者の年代と、当該遊技者が遊技に使用した使用額を累計した累計額とを記憶している。なお、遊技者DBの記憶内容は、当日の営業終了後にクリアされる。
次に、精算装置580は、遊技場内の所定箇所(たとえば景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、会員カードまたはビジターカードを受け付けると、該会員カードまたはビジターカードのカードIDをカード管理コンピュータ500に対して送信し、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額をカード管理コンピュータ500から受信すると、該受信したカード残額と前記会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行ない、一致すれば該カード残額分の貨幣を払い出す精算処理を行なうものである。
なお、該精算処理において、前記受け付けた会員カードまたはビジターカードのカードIDに対応付けてカードDBで記憶されている入金時返却フラグもカード管理コンピュータ500から受信して、該受信した入金時返却フラグが「1」、即ち前記受け付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却された1枚目のカードならば、通常の返却処理で返却された2枚目のカードの受付を促す報知を行なうようにしても良い。これによれば、該2枚目のカードの精算を忘れることがないため、遊技者の利便性を向上できる。
次に、図57を参照して、本発明に係る遊技用装置であるカードユニット750の作用(即ちカードユニット750の制御部が行なう処理)を説明する。ここではまず、第4の実施の形態の第1実施形態について説明し、次に、第4の実施の形態の第2実施形態について第4の実施の形態の第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
まず、カードユニット750は、紙幣の受付(S101),または会員カードまたはビジターカードの受付(S102)を待機する。このS101で紙幣の受付が有ると(YES)、該受け付けた紙幣を識別して(S111)、識別NGならば紙幣を返却する一方、識別OKならば遊技者識別処理を行なう(S112)。この遊技者識別処理では、顔画像撮影カメラにより遊技者を撮像して、該撮像した遊技者の顔画像から画像認識処理により顔データを抽出し、該抽出した顔データをホールコンピュータ540に対して送信する。
該顔データを受信したホールコンピュータ540は、該顔データが遊技者DBで登録されているか否かを判定し、登録されていれば、該顔データに対応する年代と累計額をカードユニット750に対して返信し、登録されていなければ、該顔データに基づいて遊技者の年代を特定すると共に、該顔データに対応付けて該特定した年代を記憶して、該顔データに対応する年代と累計額(ここでは零)をカードユニット750に対して返信する。
次に、カードユニット750は、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第1所定額)と特定額とを特定して(S113)、ホールコンピュータ540から受信した累計額が該特定した特定額以上であるか否かを判定する(S114)。このS114で累計額が特定額未満である(NO)と判定した場合には、前記受け付けた紙幣を返却して(S115)、処理を終了する。
このS115の処理を行なうカードユニット750の制御部は、累計価値が特定価値以上であることを条件として、価値の受付を禁止するための価値受付禁止処理(ここではS115で紙幣を返却する処理)を行なう価値受付禁止処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値が特定価値以上ならば、価値の受付が禁止されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
一方、S114で累計額が特定額以上である(YES)と判定した場合には、前記受付額が前記特定した所定額以上であるか否かを判定する(S116)。このS116で受付額が所定額未満である(NO)と判定した場合には、受付額を残度数に記憶すると共に、受付額を留保カードに記録して、S122に進む。一方、S116で受付額が所定額以上である(YES)と判定した場合には、受付額の半額を残度数に記憶し(S118)、受付額の半額を留保カードに記録して返却して(S119)、S120に進む。
このS117およびS118の処理を行なうカードユニット750の制御部は、遊技者が所有する価値(紙幣)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた受付価値(受付額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段として機能するものであり、該使用可能処理として、受付価値が所定価値未満であることを条件として、該受付価値の全部を使用可能価値とする全部使用可能処理(S117)を行なうと共に、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部(ここでは半額)を使用可能価値とする一部使用可能処理(S118)を行なうものである。
また、S119の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記一部使用可能処理が行なわれたことに基づいて、返却操作を受け付けることなく、前記受付価値のうちの前記使用可能価値とされなかった受付時残価値(ここでは受付額の半額)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なう返却処理手段として機能するものである。
これによれば、受付価値が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次に、カードユニット750は、S119で返却した会員カードまたはビジターカードのカードIDと該会員カードまたはビジターカードに記録したカード残額(ここでは受付額の半額)とを含む入金時返却通知をカード管理コンピュータ500に対して送信し(S120)、カード貯留部で収納している会員カードまたはビジターカードの1枚をカードリーダライタに搬送して留保し、該留保カードに使用可能価値(ここでは受付額の半額)を記録して(S121)、S122に進む。
ここでS120の入金時返却通知を受信したカード管理コンピュータ500は、カードDBにおいて、該受信した入金時返却通知に含まれるカードIDに対応付けて、該受信した入金時返却通知に含まれるカード残額を記憶すると共に、入金時返却フラグ「1」を記憶する。このS120の処理を行なうカードユニット750の制御部は、価値受付時返却処理(S119)で返却した記録媒体であることを特定可能な価値受付時返却特定処理を行なう返却処理手段として機能するものである。
前記S102で会員カードまたはビジターカードの受付が有ると(YES)、カードリーダライタで留保されている会員カードまたはビジターカード(留保カード)をカード貯留部に収納して(S103)、前記受け付けた会員カードまたはビジターカードのカードIDとカード残額を読み取り(S104)、照合処理を行なう(S105)。
この照合処理では、前記読み取ったカードIDをカード管理コンピュータ500に対して送信して、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額と入金時返却フラグをカード管理コンピュータ500から受信すると、該受信したカード残額と前記読み取ったカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行ない、一致すればS105に進む。
次に、カードユニット750は、S105の照合処理で受信した入金時返却フラグが「1」であるか否か、即ち前記受け付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものであるか否かを判定する(S106)。このS106で入金時返却フラグが「0」である(NO)、即ち前記受け付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものでないと判定した場合には、前記読み取ったカード残額を残度数に記憶して(S108)、S122に進む。
このS108の処理を行なうカードユニット750の制御部は、遊技者が所有する価値(会員カードまたはビジターカード)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた受付価値(カード残額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段として機能するものである。
一方、S106で入金時返却フラグが1である(YES)、即ち前記受け付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものであると判定した場合には、注意喚起報知(たとえばD0に示す『使いすぎていないですか?』)をディスプレイ7123に表示して(S107)、前記S108に進む。
このS107の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、価値受付時返却処理(S119)で返却されて価値受付時返却特定処理(S120)が行なわれた記録媒体を受け付けたことに基づいて、注意を喚起する報知を行なう注意喚起報知手段として機能するものである。これによれば、価値受付時返却処理で返却した記録媒体を受け付けると注意を喚起する報知が行なわれるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット750は、球貸しボタン751の操作(S122),紙幣の受付(S123),会員カードまたはビジターカードの受付(S124),または返却ボタン752の操作(S125)を待機する。このS122で球貸しボタン751の操作が有ると(YES)、所定の確認条件が成立したか否かを判定する(S131)。ここで確認条件は、たとえば「前記累計値が一定値以上であること」であり、具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した累計額が表示基準額対応商品テーブルで記憶している表示基準額のいずれかに到達していることである。
このS131で確認条件が成立している(YES)と判定した場合には、D2に示すように、累計額と、前記到達している表示基準額に対応付けて表示基準額対応商品テーブルで記憶している商品と、確認ボタンとをディスプレイ7123に表示して(S132)、S133に進む。
ここでS132の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、確認条件(ここでは累計価値が一定価値以上であること)が満たされたことを条件として、累計価値を表示する累計価値表示手段として機能するものである。これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
またS132の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、累計価値に相当する商品を報知する商品報知手段として機能するものである。これによれば、遊技に使用した価値で買えた商品が報知されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット750は、前記D2の表示と、『確認ボタンを押して下さい』と確認ボタンとを表示するD2’の表示とを所定間隔(たとえば3秒ごと)で切り換えつつ、該確認ボタンの操作を待機し(S133)、確認ボタンの操作が有ると(YES)、D2およびD2’の表示を消去して、玉貸処理を行なう(S135)。また前記S131で確認条件が成立していない(NO)と判定した場合にも、玉貸処理を行なう(S135)。この玉貸処理については、第3の実施の形態で説明した。
このS135の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記使用可能処理(S117,S118,S108)により使用可能とされた使用可能価値(残度数)を前記対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理を行なう使用処理手段として機能するものであり、ここでは使用操作(球貸しボタン751の操作)を受け付けたこと(S122でYES)に基づいて、前記使用処理を行なうと共に、累計価値が一定価値以上であること(S131でYES)を条件として、使用操作を受け付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受け付けたこと(S133でYES)に基づいて、前記使用処理を行なうものである。これによれば、累計価値が一定価値以上ならば、使用処理を行なうための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次に、カードユニット750は、玉貸処理に使用された玉貸使用額と留保カードのカードIDとを含む玉貸使用額通知をカード管理コンピュータ500に対して送信すると共に、玉貸使用額と顔データとを含む玉貸使用額通知をホールコンピュータ540に対して送信し(S136)、玉貸処理後の残度数が零であるか否かを判定し(S137)、零でなければ(NO)S122に戻り、零であれば(YES)処理を終了する。
この玉貸使用額通知を受信したカード管理コンピュータ500は、該通知に含まれるカードIDに対応付けてカードDBで記憶しているカード残額から該通知に含まれる玉貸使用額を減算する。また玉貸使用額通知を受信したホールコンピュータ540は、該通知に含まれる顔データに対応付けて遊技者DBで記憶している累計額に該通知に含まれる玉貸使用額を加算する。
このS136の処理を行なうカードユニット750の制御部は、使用価値の累計である累計価値を各遊技者について特定可能とするための累計価値特定処理を行なう累計価値特定処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値に基づく各種処理を行なうことができる。
前記S123で紙幣の受付が有ると(YES)、前記S111に進む。また前記S124で会員カードまたはビジターカードの受付が有ると(YES)、前記S103に進む。また前記S125で返却ボタン752の操作が有ると(YES)、カードリーダライタで留保している会員カードまたはビジターカードを返却し(S126)、カード貯留部で収納している会員カードまたはビジターカードの1枚をカードリーダライタに搬送し留保して、処理を終了する。
次に、第4の実施の形態の第2実施形態について、第4の実施の形態の第1実施形態と異なる点を説明する。
上記の第4の実施の形態の第1実施形態では、図57のS113において、第1所定額を特定したが、第4の実施の形態の第2実施形態では、S113において、第2所定額を特定する。具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第2所定額)と特定額を特定する。
また、上記の第4の実施の形態の第1実施形態では、図57のS116において、受付額が第1所定額以上であるか否かを判定したが、第4の実施の形態の第2実施形態では、該S116に代わるS116’において、累計額が第2所定値以上であるか否かを判定し、累計額が第2所定値未満ならば(NO)、前記S117に進み、累計額が第2所定値以上ならば(YES)、前記S118に進み、前記S119で価値受付時返却処理を行なう。本例では、該価値受付時返却処理で、受付額の半額を留保カードに記録して返却しているが、受付額の全額を留保カードに記録して返却しても良い。
即ち、第4の実施の形態の第2実施形態においてS119の処理を行なうカードユニット750の制御部は、価値を受け付けたこと(S101でYES)に基づいて、累計価値が所定価値以上であること(S116’でYES)を条件として、返却操作を受け付けることなく、受付価値のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理を行なう返却処理手段として機能するものである。
これによれば、価値を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
最後に、本発明の第4の実施の形態の変形例について説明する。
上記の第2から第4の実施の形態では、遊技機がパチンコ遊技機701である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、たとえば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
上記の第2から第4の実施の形態では、遊技媒体の貸与が、パチンコ玉を貸与する玉貸である例について説明したが、これに限らず、該遊技媒体の貸与は、前記メダルを貸与するメダル貸出や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいてカード残額を遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
上記の第2から第4の実施の形態では、貨幣が紙幣である例について説明したが、これに限らず、該貨幣は、硬貨であっても良く、紙幣と硬貨の両方であっても良い。また有体物である貨幣の入金を受け付ける例には限られず、無体物である貨幣(たとえば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データ,デビットカードの記録情報から特定される預金口座の残高,またはクレジットカードの記録情報から特定される与信金額等)の入金を接触または非接触で受け付けるようにしても良い。さらに、遊技用装置(カードユニット750)は、貨幣を受付不能(即ち入金不能)なものであっても良い。
上記第1から第4の実施の形態において、貨幣受付手段(紙幣識別機24)により受け付けられた貨幣(紙幣)が遊技用装置(カードユニット750)外部に排出されて、紙幣搬送機構により搬送されるようにしてもよいし、該受け付けられた貨幣が、遊技用装置内部に貯留されるようにしてもよい。
上記の第1から第4の実施の形態では、会員カードまたはビジターカードが、非接触式のICチップにより情報を記録するICカードである例について説明したが、これに限らず、該会員カードまたはビジターカードは、接触式のICチップ,磁気ストライプ,二次元コード(たとえばバーコード),三次元コード,または光干渉(たとえばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。またこれらの形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらに遊技用記録媒体は、会員カードまたはビジターカードではなく、ICチップを搭載した携帯電話等であっても良い。
上記の実施形態では、会員カードまたはビジターカードにカード残額が記録されている例について説明したが、これに限らず、会員カードまたはビジターカードにはカード残額を記録せず、カード管理コンピュータ500のみでカード残額を管理するもの(完全ID管理)であっても良い。
上記の実施形態では、記録媒体が会員カードまたはビジターカードである例について説明したが、これに限らず、該記録媒体は、獲得した遊技媒体数(持玉数,貯玉数)を特定可能な情報が記録された持玉カードや会員カードであっても良い。即ち記録媒体は、遊技者が所有する価値を特定可能な情報が記録されたものであれば良い。
ここで記録媒体が持玉カードである場合には、該持玉カードのカードIDに対応付けて持玉数が持玉管理装置で管理されており、カードユニット750において持玉カードを受け付けると、該持玉カードのカードIDを持玉管理装置に対して送信して、該カードIDに対応付けて管理されている持玉数を受信し、第4の実施の形態の第1実施形態においては、該受信した持玉数に相当する持玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、持玉数の半分を使用可能持玉数として記憶して(S118)、持玉数の半分を特定可能な前記持玉カードを返却する(S119)。
これによれば、受付価値(持玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では持玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では持玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、第4の実施の形態の第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118およびS119の処理を行なう。これによれば、価値(持玉カード)を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(持玉数)のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、記録媒体が会員カードである場合には、該会員カードに記録されている会員IDに対応付けて貯玉数が貯玉管理装置で管理されており、カードユニット750において会員カードを受け付けると、該会員カードの会員IDを貯玉管理装置に対して送信して、該会員IDに対応付けて管理されている貯玉数を受信し、第4の実施の形態の第1実施形態においては、該受信した貯玉数に相当する貯玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、貯玉数の半分を使用可能貯玉数として記憶して(S118)、貯玉数の半分を特定可能な前記会員カードを返却する(S119)。
これによれば、受付価値(貯玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では貯玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では貯玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118およびS119の処理を行なう。これによれば、価値(会員カード)を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(貯玉数)のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の第2から第4の実施の形態では、図47に示すように、残度数表示部753,球貸しボタン751,および返却ボタン752が、パチンコ遊技機701に設けられている例について説明した。しかし、これに限らず、これらの一部または全部がカードユニット750に設けられるようにしても良い。
上記の実施形態では、図53の所定額テーブルにおいて、第1所定額,第2所定額,および特定額を、遊技者の年代ごとに設定している例について説明した。しかし、これに限らず、該第1所定額,第2所定額,および特定額は、遊技者の年代によらずに一律であっても良く、逆に遊技者個々に異なる値を設定していても良い。これによれば、たとえば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎをさらに効果的に防止できる。
上記の実施形態では、図56の遊技者DBにおいて、遊技者の顔データに対応付けて、年代や累計額を記憶している例について説明した。しかし、これに限らず、遊技者の顔データに代えて、会員カードまたはビジターカードのカードIDや、あるいは会員カードの会員IDなど、遊技者を個々に識別可能な情報に対応付けて記憶するものであっても良い。
上記の実施形態では、図57のS106で入金時返却フラグが「1」である、即ち受け付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理(S119)で返却されたものであると判定されると、S107で注意喚起報知が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、入金時返却フラグが「0」である、即ち受け付けた会員カードまたはビジターカードが通常の返却処理(S126)で返却されたものであると判定された場合にも、注意喚起報知を行なうものであっても良い。
上記の実施形態では、図57のS116で受付額が第1所定額以上であると判定された場合と、S116’で累計額が第2所定額以上であると判定された場合に、S119で価値受付時返却処理が行なわれる例について説明したが、これに限らず、S116やS116’の判定を行なわずに、常に価値受付時返却処理が行なわれるものであっても良い。これによれば、該価値受付時返却処理が常に行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図57のS118に示すように、一部使用可能処理において、受付額の半額を残度数に記憶する例について説明した。しかし、受付額の半額には限らず、受付額の一部を残度数に記憶するものであれば良い。即ち使用可能処理手段は、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理を行なうものであれば良い。
上記の実施形態では、図57のS131に示す確認条件が、「累計価値が一定価値以上であること」である例について説明した。しかし、これに限らず、該確認条件は、「遊技をしている時間が一定時間以上であること」、または、「遊技中に所定時間が経過したこと」であっても良い。
ここで、確認条件が「遊技をしている時間が一定時間以上であること」である場合には、たとえばホールコンピュータ540の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技をしている時間を記憶しておき、該遊技をしている時間が一定時間(たとえば2時間)以上である場合に、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行なう。
また、確認条件が「遊技中に所定時間が経過したこと」である場合には、たとえばホールコンピュータ540の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技を開始した時刻を記憶しておき、該記憶している時刻から所定時間(たとえば1時間)が経過するごとに、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行なう。
これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また遊技をしている時間が一定時間以上であること、または、遊技中に所定時間が経過したことを条件として、使用操作(球貸しボタン751の操作)を受け付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受け付けたこと(S133でYES)に基づいて、使用処理(S135の玉貸処理)を行なう。これによれば、遊技をしている時間が一定時間以上、または、遊技中に所定時間が経過したならば、使用処理を行なうための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図57のS131に示す確認条件が成立したことを条件として、玉貸処理を行なうためにS133で特定操作(確認ボタンの操作)を受け付ける例について説明した。しかし、これに限らず、確認条件が成立したか否かにかかわらず、玉貸処理を行なうために常に特定操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、玉貸処理を行なうためにはひと手間増えるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ7123に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
上記の実施形態では、特定操作が、図57のD2またはD2’に示す確認ボタンの操作である例について説明した。しかし、該確認ボタンは、タッチパネル式のディスプレイ7123に表示されるものには限らず、カードユニット750の所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。また特定操作は、返却ボタン752の再操作であっても良い。即ち、特定操作は、使用操作とは異なる特定操作であれば良い。
以上に説明したように、本発明は、遊技への価値の使い過ぎを防止することを目的としているが、該使い過ぎの防止は、以下の手法でも達成できる。
累計額が一定額に達したら、エラーダウンする。これによれば、エラー対処までの間、一定時間を置くことで、遊技者に冷静になってもらうことができるので、使い過ぎを防止できる。
高額金種の紙幣(5000円,10000円)の受付後、設定額(たとえば5000円)以下の使用希望額を表示し、選択した額まで使用可能とし、選択した額まで使用した後は、球貸しボタン751を無効とする。これによれば、入金時に使用希望額を遊技者自身に決めてもらうことで、使い過ぎを防止できる。
遊技者個々に、金種別の入金回数を管理し、一の金種について設定枚数まで入金済みの遊技者が当該金種の紙幣を挿入すると、該紙幣を返却する。これによれば、入金回数を制限することで、使い過ぎを防止できる。
紙幣を挿入するごとに、確認操作(たとえばディスプレイ7123に表示される入金ボタンの操作)を受け付ける。これによれば、入金にひと手間加えることで、使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ7123に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
会員カードまたはビジターカードの挿入から返却までの遊技時間をディスプレイ7123に表示する。これによれば、遊技時間を表示して遊技者に意識させることで、のめり込みを抑止できる。
[第5の実施の形態]
第2から第4の実施の形態においては、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機であるパチンコ遊技機701に発明を適用する場合について説明した。第5の実施の形態においては、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機に発明を適用することもできる。
具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球または貸し球を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、会員カードやビジターカード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
図58は、第5の実施の形態における封入式遊技機の認証の概略を示すブロック図である。図58を参照して、このような封入式遊技機においては、パチンコ遊技機701およびカードユニット750が不正に改造されていないかを認証するための仕組みが定められている。
この仕組みにおいては、パチンコ遊技機701の主基板731の認証・通信制御回路7311は、払出制御基板737の認証・通信制御回路7371、および、インターフェース基板766、ならびに、カードユニット750の制御ユニット7510の認証・通信制御回路7501、ならびに、ホールサーバ590を介して、鍵管理サーバ600と通信可能に接続されている。また、主基板731と鍵管理サーバ600との途中の機器についても、鍵管理サーバ600と通信可能に接続されている。
これらの機器では、鍵管理サーバ600との間で認証用の情報をやり取りすることによって、これらの機器が不正に改造されていないかを認証することができる。これにより、パチンコ遊技機701およびカードユニット750のセキュリティの向上に寄与することができる。
また、パチンコ遊技機701は、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能である。カードユニット750によって、玉貸しボタン751の操作が受付けられたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701に送信される。カードユニット750によって、各台計数機705での計数操作を受付けたことに基づいて、パチンコ遊技機701が記憶している遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701から受信される。このため、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能なパチンコ遊技機701などの遊技機に対応することができる。
また、カードユニット750は、パチンコ遊技機701およびホールコンピュータ540と通信可能に接続される。カードユニット750は、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子(図示せず)を備える。このため、パチンコ遊技機701により生成された情報が従来のホールコンピュータ540向けの情報でないとしても、パチンコ遊技機701により生成された情報を従来のホールコンピュータ540向けに変換して送信するので、従来のホールコンピュータ540を用いることができる。
なお、カードユニット750は、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子に替えて、ホールコンピュータ540向けに変換する変換装置に、パチンコ遊技機701により生成された情報を中継する外部出力端子を備えるようにしてもよい。
[変形例]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) たとえば、前記実施の形態では、遊技媒体の一例としてメダルが適用されていたが、球状のパチンコ球(遊技球)を適用してもよい。
(2) また、前記実施の形態では、メダル貸出機100が設置される遊技場としてスロットマシン1やパチンコ機等が設置されるパチンコ店を例示しているが、本発明が適用される遊技場はゲームセンタなどであってもよい。
(3) また、前記実施の形態では、計数された正規メダルは排出口192から遊技島に排出、回収されるようになっていたが、正規メダルを不正メダルと同様に筐体101内に貯留し、適宜回収するようにしてもよい。
(4) また、前記実施の形態では、計数装置190によりメダルが計数されたときに、制御ユニット181は、カードテーブル(図20(a)参照)の持ちメダル数に1を加算し(図37の計数処理のSc5参照)、不正メダル検出報知条件が成立したときに、制御ユニット181は、カードテーブル(図20(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算するようになっているが(図38の不正メダル処理のSd8参照)、その他の態様であってもよい。たとえば、計数装置190によりメダルが計数されたときに、制御ユニット181は、持ちメダル数に1を加算することを保留して保留カウント値に記録しておき、不正メダル検出報知条件が成立しなかったときに、保留カウント値を持ちメダル数に加算するようにしてもよい。
(5) また、前記実施の形態では、計数装置190により計数されるメダルの真贋を判定するようにしているが、払出装置182によりメダルが払い出される際に、該メダルの真贋を判定するようにし、不正メダルを払出装置182内の貯留部に貯留して、不正メダルの払い出しを防止するようにしてもよい。そして、払出装置182内の貯留部が満タンになったとき、および閉店時(営業終了時)に所定量のメダルが貯留されているときに、払出装置182内の貯留部の不正メダルを回収するように促す報知を行なうようにしてもよい。
すなわち、本発明の遊技用装置は、メダルなどの遊技媒体を計数する計数装置および遊技媒体を払い出す(貸し出す)払出装置(貸出装置)のうちいずれか一方または双方を備える遊技用装置を含む。
(6) また、前記実施の形態では、遊技場の営業終了時において、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求を受信したときに、メダル貯留ボックス194(貯留部)のメダルの枚数が所定枚数(第2貯留量)に達しているときにはその旨が報知されるようになっているが、所定枚数(第2貯留量)に達しているときに報知するタイミングは、遊技場の営業終了時のみならず、営業時間中に報知を行なってもよいし、対応するスロットマシン1が待機状態(遊技が行なわれていない状態)であるときに報知を行なうようにしてもよい。
(7) また、前記実施の形態では、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求の受信に基づいて、メダル貯留ボックス194のメダルの枚数が第2貯留量に達しているときにはその旨が報知されるようになっているが、締め関連処理要求以外の他の要求を受信したことに基づいて報知を行なうことを可能としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、締め関連処理においてメダル貯留ボックス194のメダルの枚数が第2閾値(第2貯留量)に達しているか否かを判定し、第2閾値に達しているときに報知するようになっていたが、第2閾値に達しているか否かを判定するタイミングは種々に変更可能であり、第2閾値に達しているか否かを常時判定するようにし、達したと判定した場合にその旨を記憶(たとえば所定のフラグを設定するなど)しておき、遊技場の営業終了に際して達したと判定した旨が記憶されているか否か(所定のフラグが設定されているか否か)を判定し、記憶されていれば報知を行なうようにしてもよい。
(8) また、前記実施の形態では、メダル貯留ボックス194(貯留部)のメダルの枚数が回収が必要となる所定枚数である第1閾値(第1貯留量)に達したときにその旨が報知されるようになっているが、達したときに報知を行なわなくても、たとえば、営業終了後に報知するようにしてもよく、たとえば、締め関連処理において第1閾値に達した旨が報知されるようにしてもよい。
(9) また、前記実施の形態では、不正メダル関係設定画面において設定を行なう際に、第1閾値(第1貯留量)としての「満タン時報知条件」に「100枚」と設定され、第2閾値(第2貯留量)としての「閉店時報知条件」に「50枚」と設定されており、第1閾値と第2閾値とが異なる枚数として設定されているが、第1閾値と第2閾値とが同じ枚数になるように設定してもよい。
(10) また、前記実施の形態では、メダル貸出機100は、メダル貯留ボックス194のメダル貯留量が第1閾値(第1貯留量)または第2閾値(第2貯留量)になった旨を光により報知する状態報知ランプ111を備えていたが、音を出力可能なスピーカや所定の画像にて報知する表示装置を備えていてもよい。さらに、メダル貸出機100は、メダル貯留ボックス194のメダル貯留量が第1閾値または第2閾値になった旨を外部機器(メダル管理コンピュータ550など)に出力可能な機能を有していれば、必ずしもこのような報知手段を備えていなくても、電気的に接続された外部機器などに備えられていてもよい。
(11) また、前記実施の形態では、各メダル貸出機100において、個々に正規メダルの登録を実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの正規メダルの画像を、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に配信して、一斉に登録できるようにしても良いし、正規メダルの画像が記憶されたフラッシュメモリ等の記憶媒体を個々のメダル貸出機100に装着して登録を実施するようにしても良い。
(12) 前述した実施の形態においては、持ちメダル数(持玉数)をメダル貸出機100(カードユニット750)に残したまま、プリペイド残額のみが入金残額対応カードに対応付けられて外部に排出されるようにした。その結果、計数されたメダル(遊技球)がある場合に、受付けられた貨幣のうちメダルの貸与に用いられていないプリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止することができる。
一般に、プリペイド残額を用いてメダル等の遊技媒体を貸与する場合の遊技媒体の単価の方が、持ちメダルを景品に交換するときの遊技媒体の単価よりも高い。このため、単価の低い持ちメダルを用いて遊技をした方が、単価の高い貸与されたメダルを用いて遊技をするよりも、少ない価値でより多くの遊技をすることができるため、遊技者にとって有利である。したがって、持ちメダルがあるのに、プリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止できることは、遊技者にとっては有効である。
(13) カードユニット750は、カードの返却操作があったときに、その旨を示す信号をパチンコ遊技機701へ送信するようにしてもよい。パチンコ遊技機701は、その信号を受けて、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。このようにすれば、誤って返却ボタンに触れてしまった場合であっても、カードが排出されている旨が報知されるので、カードの取得忘れが無く、カードの盗難を防止することができる。カードの返却操作が有った旨を示す信号をパチンコ遊技機701ではなく、呼出ランプ200に送信して、呼出ランプ200で、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、会員カードが完全ID管理方式、ビジターカードが完全ID方式に加えてカードにも情報を記録する方式であることとした。完全ID管理方式とは、カードには、カードIDなどの識別情報のみを記録し、残額、持玉、および、貯玉などの管理は、当該識別情報に対応付けて管理コンピュータで行なう方式である。
しかし、これに限定されず、会員カード、ビジターカードが、いずれも完全ID管理、いずれもカードに記憶、いずれも併用、いずれか一方が完全ID管理、他方がカードに記憶、いずれか一方が併用、他方が完全ID管理、いずれか一方が併用、他方がカードに記憶など、残額、持玉、貯玉の管理方式として、様々な方式を採用することが可能である。
(15) 図43の残額取出処理のステップSh15で入金残額対応カードを排出する際に遊技者の顔を撮像して記憶しておくようにしてもよい。そして、図33の発行・入金処理のステップSk1、図34の返却処理のステップSm13、図36の再プレイ処理のステップSp3、図44のカード後挿入処理のステップSj11などで、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断することに加えて、残額排出時の遊技者の顔と現在の遊技者の顔とが一致するか否かを判断して、オン状態であり、かつ、顔が一致した場合に、以後の処理に進むようにしてもよい。これにより、顔が一致せず、入金残額対応カードを所持していない遊技者であるような場合は、以後の処理に進む必要がないので、無駄な処理を実行しないようにすることができる。
特に、図44のカード後挿入処理の場合は、入金残額対応カードを遊技者がカード挿入口から出た状態のまま放置しているような場合に、他者が、図41の「カード後挿入」ボタンを操作して、そのカードを挿入したとしても、顔が一致しないため、当該カードにメダル貸出機100の内部の持ちメダル数を対応付ける処理が行なわれないので、当該持ちメダルを盗み取ることができない。
(16) 前述した実施の形態においては、図43の残額取出処理において、ステップSh15で入金残額対応カードを排出した後、ステップSh18で持ちメダル対応カードを発行するようにした。このときに、図22で示した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて、入金残額対応カードのカードIDと、持ちメダル対応カードのカードIDとを、対応付けるようにしてもよい。または、対応する入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが存在するか否かを示すフラグを記憶するようにしてもよい。
つまり、入金残額対応カード、および、対応する持ちメダル対応カードを、対応付けて管理するようにしてもよい。この管理は、カード管理コンピュータ500などの管理装置で行なわれるようにしてもよいし、メダル貸出機100などの遊技用装置で行なわれるようにしてもよい。
そして、精算装置580で、入金残額対応カードが受付けられた場合に、プリペイド残額の問合せ時に、当該カードIDに対応して当該フラグが記憶されているか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、持ちメダル対応カードが存在する旨の応答があった場合のみ、持ちメダル対応カードの存在を報知するようにしてもよい。
これにより、入金残額対応カードで特定される残額を精算するときに、必要な場合のみ、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダル数のメダルの景品への交換を遊技者に喚起することができる。その結果、無駄な報知を行なうことなく、景品交換忘れを防止することができる。
また、別のメダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置で、入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが受付けられた場合に、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在するか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、存在する旨の応答があれば、その旨を遊技者に報知するようにしてもよい。
これにより、遊技者が他の遊技機に移った場合であっても、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在を報知することができる。その結果、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルがあるのに、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が使用されて遊技媒体の貸与が行なわれてしまうことを防止することができる。また、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルが無くなった場合に、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が有る旨を遊技者に報知することができるので、無駄な入金を防止することができる。
(17) 前述した実施の形態においては、会員カードまたはビジターカードに対する機能の設定および実行されている処理は、当該遊技場のみで引継がれるようにした。しかし、これに限定されず、他の遊技場でも引継がれるように構成してもよい。
(18) 前述した図44のステップSj20で説明した特定の機能として、メダル貸出機100などの遊技用装置は、メダル貸出機100のディスプレイ123および呼出ランプ200での大当り回数および大当り間変動回数などの遊技情報の表示方法(たとえば、表示内容、レイアウトなど)をカスタマイズする表示画面カスタム機能を備えるようにしてもよい。遊技者によって重視する指標などが異なるが、当該機能を備えることによって、遊技者の希望に合わせた遊技情報の表示とすることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、この機能での表示方法などの設定も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、さらに他の機能を備えるようにしてもよい。たとえば、特定の機能として、ディスプレイ123または呼出ランプ200に表示させるアバターおよび背景などの表示のデザインをカスタマイズする表示デザインカスタム機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の趣向にあった表示デザインとすることができるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。この機能でのデザイン内容の設定も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、1玉当りの単価の低い(たとえば、1玉1円)低貸玉遊技機(たとえば、1メダル5円のスロットマシン、1玉1円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するか、1玉当りの単価が通常である通常貸玉遊技機(たとえば、1メダル20円のスロットマシン、1玉4円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定と異なる遊技機のメダル貸出機またはカードユニットに、当該機能の設定がされたカードが挿入された場合に、設定と異なる旨を報知する機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技をしたい玉単価の遊技機の選択を遊技者が誤らないようにすることができる。この機能での選択の設定も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、持玉での遊技を優先するか、貯玉での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定された持玉または貯玉を優先して使用する機能を備えるようにしてもよい。これにより、優先したい持玉または貯玉を用いて遊技をすることができる。この機能での選択の設定も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技を開始してからの遊技に使用した金額が、所定の金額(遊技者が設定した金額であってもよいし、予め定められた金額、たとえば、30000円などであってもよい)以上(または超)となったときに、その旨を報知または遊技を制限するめり込み制限機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の遊技へののめり込みを制限することができる。この機能での所定の金額の設定も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、前述した図44のステップSj20で説明した特定の処理として、こののめり込み制限機能において、遊技を開始してからの遊技に使用した金額を積算する処理を実行するようにしてもよい。この機能での使用金額の積算処理も、図44のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技において他の遊技者との玉またはメダルなどの遊技媒体の共有が禁止されているような場合に、顔認証により異なる遊技者であると判断した場合に、その旨を店員に報知または遊技を制限する共有禁止機能を備えるようにしてもよい。これにより、共有の禁止を確実にすることができることに伴ない、遊技店側に不利な状況を抑制できる。さらに、これに伴ない遊技店側がスロットマシンの遊技の抽選確率の設定を高くすることなどができるようになるので、遊技者にとって有利な状態とすることもできる。
また、特定の機能としての各台計数機能において、メダルまたはパチンコ玉などの遊技媒体の計数する処理が実行されているときに、会員カードが受付けられていない状態であれば、会員カードの挿入を促し、後から挿入された会員カードに、当該遊技媒体の計数処理が引継がれるようにしてもよい。これにより、会員カードでの貯玉および貯メダルのための処理を行ない易くすることができる。
また、特定の機能としてドリンク注文機能において、ドリンクを提供する係員が先に受付けられているカードの持玉数からドリンクの対価を精算する処理が実行されている途中で、持玉が足りないために、持玉が記録されたカードが後から挿入された場合は、精算する処理が引継がれるようにして、後から挿入されたカードから、足りない分の対価を後挿入されたカードの持玉から精算するようにしてもよい。
(19) 図44のステップSj20の処理で、機能の設定および機能の実行されている処理を、後から挿入されたカードに引継ぐか否かを確認する処理を実行するようにしてもよい。
(20) メダル管理コンピュータ550またはカード管理コンピュータ500で、記録媒体に対する機能の設定および実行されている処理が管理されるようにした。しかし、これに限定されず、ホールコンピュータ540などの他の管理装置で管理されるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態においては、少量貸し有効フラグは、メダル貸出機100などの遊技用装置の図20で示したようなカードテーブルのみに記憶されるようにして、カード管理コンピュータ500などの管理装置の図22で示したような会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルには記憶されないようにした。つまり、少量貸し機能は、管理装置では管理しないようにした。しかし、これに限定されず、少量貸し機能についても、他の機能と同様、管理装置で管理するようにしてもよい。
(22) 図22(b)のビジターカードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえば、カードロック有効フラグ、暗証番号など)は、当該ビジターカードの利用状況が利用中でなく保管中になった場合、および、遊技店の締め処理時に、クリアされる。図22(a)の会員カードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえば、カードロック有効フラグ)は、遊技店の締め処理時にクリアされるようにしてもよいし、されないようにしてもよい。
また、特定の機能の設定(たとえば、盗難カード制限機能の盗難カードフラグ)は、遊技店の締め処理時であっても、クリアされないようにすることが好ましい。後日、盗難カードが使用された場合であっても、当該カードの使用を制限するためである。
(23) 前述した実施の形態においては、図44で示したように、後から挿入されたカードに、前のカードの持ちメダル数を合算するようにした。しかし、これに限定されず、後から挿入されたカードに、前のカードのプリペイド残額を合算するようにしてもよいし、持ちメダル数およびプリペイド残額を合算するようにしてもよい。
(24) 前述したメダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540、および、カード管理コンピュータ500などの管理装置は、いずれか少なくとも2つが兼用されるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図22で示したように、カード管理コンピュータ500で、カードロック機能の設定であるカードロック有効フラグおよび暗証番号、ならびに、盗難カード制限機能の設定である盗難カードフラグが管理されるようにした。また、図24および図26で示したように、メダル管理コンピュータ550で、遊技履歴集計機能の実行されている処理である履歴集計処理が管理されるようにした。また、図20で示したように、メダル貸出機100で、少量貸し機能の設定である少量貸しフラグが記憶されるようにした。
しかし、これに限定されず、各機能の設定および各機能の実行されている処理は、いずれの管理装置で管理されるようにしてもよいし、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置でのみ記憶されるようにしてもよい。
(26) 遊技用装置には、メダル貸出機100およびカードユニット750の他、各台計数機能のみを有し、持玉数または持ちメダル数を特定可能な情報(たとえば、持玉数または持ちメダル数自体、または、管理装置で対応付けて記憶された持玉数または持ちメダル数を特定可能なカードID)がカードに記録されるような装置も含まれる。
(27) 遊技履歴集計機能で集計されている遊技履歴を、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置から有線または無線で、遊技者の携帯端末に送信できるように構成してもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、図44のステップSj20で説明したように、後挿入されたカードが会員カードである場合は、カードロック機能の暗号番号の設定を、引継がないようにした。つまり、後挿入された記録媒体が会員用の記録媒体である場合、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにした。
しかし、これに限定されず、後挿入された記録媒体が会員用であっても非会員用であっても、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにしてもよい。
また、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定自体をそのままでは引継がずに、内容や形式が変更された設定を、後挿入された記録媒体に対して引継ぐようにしてもよい。たとえば、図44のステップSj20において、先に挿入されていたビジターカードの暗証番号の設定をそのままでは引継がずに、後に挿入された会員カードに対して予め設定された暗号番号の設定を、後挿入された会員カードに対して引継ぐようにしていると考えることもできる。
(29) 前述した実施の形態においては、記録媒体処理装置が、記録媒体としてカードを用いるメダル貸出機100およびカードユニット750であることとして実施の形態を説明した。しかし、記録媒体処理装置が用いる記録媒体は、カードに限定されず、他の記録媒体であってもよい。たとえば、コイン状の記録媒体であってもよいし、メモリカード状の記録媒体であってもよいし、遊技者が所持する携帯端末を記録媒体として用いるものであってもよい。
(30) 前述した実施の形態においては、会員カードがカードリーダライタ187で受付けられることで、会員カードに関する処理が実行可能となるように構成された。
しかし、これに限定されず、スマートフォンなどの携帯端末に会員カードの機能を持たせ、メダル貸出機100およびカードユニット750などの遊技用装置に携帯端末の非接触ICチップと通信する機能を設け、遊技用装置の当該機能の通信部分に携帯端末がかざされ、携帯端末が受付けられることで、会員カードに関する処理が実行可能となるように構成されるようにしてもよい。
たとえば、会員カードとしての携帯端末が受付けられることで、図30のステップSb21,Sb24,Sb25および図42のステップSSg13,Sg15,Sg16で示した貸出処理、再プレイ処理、計数処理、少量貸し処理、持玉分割処理、情報照会処理が実行可能となるように構成されるようにしてもよい。
(31) 前述した実施の形態においては、図31のステップSb14,ステップSb15で示したように、持ちメダル数(持玉数)が所定の規定数に達したときに、持玉超過フラグをオン状態にするようにした。しかし、これに限定されず、持玉超過フラグをオン状態にするのを、持玉(持ちメダル)の増加率(たとえば、1時間増加率)が異常値に達したときにしてもよいし、1回のパチンコ遊技機の大当り状態、高ベース状態(たとえば時短状態など)またはスロットマシンのボーナスもしくはART状態などの遊技者にとって有利な遊技状態での持玉(持ちメダル)の増加数もしくは増加率が異常値に達したときにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態においては、図34のステップSm32で、カード返却のために店員を呼出す旨を報知するようにした。また、図46のステップS42で、分割のために店員を呼出す旨を報知するようにした。しかし、これに限定されず、店員を呼出す旨を報知することに替えて、または、店員を呼出す旨を報知するとともに、ホールコンピュータ540に、無線放送システム20のインカム9経由でその旨を報知させるための情報を送信するようにしてもよい。これにより、より確実に当該メダル貸出機100などの遊技用装置に店員を向かわせることができる。
(33) 前述した実施の形態においては、図30のステップSb5でカードの返却操作があったと判断された場合に図34の返却処理においてカードが返却される前にステップSm31〜ステップSm33において、所持遊技媒体数(持玉数、持ちメダル数)が規定数を超えている場合に店員を呼出して店員による確認操作があった場合に、カード返却のための処理(ステップSm33以降の処理)に進むようにした。
また、図42のステップSg5で持玉分割の操作があったと判断された場合に図46の持玉分割処理において持玉が分割される前にステップSr41〜ステップSr43において、所持遊技媒体数(持玉数、持ちメダル数)が規定数を超えている場合に店員を呼出して店員による確認操作があった場合に、持玉の分割のための処理(ステップSr43以降の処理)に進むようにした。
しかし、これに限定されず、以下のように構成してもよい。所持遊技媒体数が規定数を超えたとき(図31のステップSb14でYESと判断されたとき)に、図34のステップSm32,ステップSm33や図46のステップSr42,ステップSr43と同様に、店員を呼出すことを促す旨を報知して、店員によるリモコンでの確認操作があった場合に、所持遊技媒体数が規定数を超えたことを店員が確認済みであることを示す持玉超過確認済フラグをオン状態にする。そして、カード返却操作があったと判断された場合に、当該持玉超過確認済フラグがオン状態であれば、カード返却のための処理に進むようにする。また、持玉分割の操作があったと判断された場合に、当該持玉超過確認済フラグがオン状態であれば、持玉の分割のための処理に進むようにする。
(34) 前述した実施の形態において図34のステップSm33および図46のステップSr43で店員によるリモコンでの確認操作があったときと判断されたときに、確認操作があった旨の情報が、メダル貸出機100などの遊技用装置からホールコンピュータ540などの管理装置に送信されるようにしてもよい。
さらに、このような確認操作があった旨の情報が遊技用装置から受信されていないのに、対応するカードを返却するための処理(図34のSm33以降の処理)が実行されたり、持玉分割のための処理(図46のSr43以降の処理)が実行されたりした場合は、カード返却処理や持玉分割処理の完了前または完了後に、異常と判断するようにしてもよい。異常と判断した場合には、その旨を、ホールコンピュータ540などの管理装置で報知したり、ホールコンピュータ540により無線放送システム20のインカム9で店員に報知したりしてもよいし、カード返却処理や持玉分割処理の完了前であれば、それらの処理を中断させたりしてもよい。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態として、第5の実施の形態で説明した封入式遊技機およびカードユニットの詳細な例と、それらを管理するシステムの例とを説明する。なお、以下の第6の実施の形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第1〜第5の実施の形態として説明した遊技機およびカードユニット(メダル貸出機を含む)のいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、遊技場に設置されたサーバと、遊技者所有の遊技用価値を用いて遊技機による遊技を可能とする遊技用装置とを備えた遊技用システム、および前記遊技用装置に関する。
従来において、遊技場に設置される遊技機器の一例である遊技機の主制御基板が適正なものであるか否かを認証するものとして、主制御基板のチップIDを場内管理装置を介してセンタ管理装置に対して送信し、センタ管理装置において、その送信されてきたチップIDが予め記憶されている正規のチップIDと一致するか否かを照合するものがあった(特開2010−162425号公報)。
従来においては、センタ管理装置にチップIDが登録されるタイミングは、当該チップIDを搭載した遊技機が遊技場に設置される時より前に行なわれるのが一般的ではあるが、当該タイミングが遅れる場合がある。この場合、遊技機を遊技場に設置してもチップIDの照合を行なうことができないため遊技機を稼働することができず遊技場に不利益を与えることになる。そこで、センタ管理装置に登録したチップIDと照合を行なわなくても、時限的に遊技機を稼働する時限運用を可能にしてある。
しかし、センタ管理装置に登録したチップIDとの照合を行なわずに時限運用を長期間利用して遊技機を稼働させるは、本来の稼働状態に比べてセキュリティ低下する問題があった。同様に、本来、上位のセンタ管理装置から暗号鍵を取得するなどして遊技機を稼働させる場合に、工場出荷に与えられた暗号鍵などを用いて時限運用で遊技機を長期間稼働させることによりセキュリティ低下する問題があった。さらに、センタ管理装置との接続を故意の回避して、意図的に時限運用を利用して遊技機を稼働させるような不正が行なわれる可能性もあった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げないように安定した遊技用システムおよび遊技用装置の稼働を可能にする。
(1) 本発明は、遊技者により遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機、スロットマシン、封入循環式パチンコ機(P台2F)、メダル不要のスロットマシン(S台2SF))と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F、呼出しランプ装置など)を備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置の正当性を認証するために用いる認証用情報が記憶された管理装置(たとえば、図63に示す鍵管理サーバ800F)を含み、
前記遊技用装置は、
前記管理装置に記憶された前記認証用情報を受信できないときに、所定の制限の下で遊技を許容する時限運用を前記遊技機に対して許可する運用許可手段(図129:鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達しない場合に時限運用機能を許可する)と、
所定のタイミングで前記遊技機および前記遊技用装置の状態を監視するための状態監視要求を前記管理装置から受信する状態監視要求受信手段(図129:CU3FおよびP台2Fの状態を監視するため鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェック要求を送信する)と含み、
前記運用許可手段は、前記状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できない状態が無効条件(たとえば、ヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達しない状態が10日間)を満たすと、前記遊技機に対して許可した前記時限運用を無効にする(図129:SC325bFは、時限運用機能を利用することを無効にする)。
上記構成によれば、状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できない状態が無効条件を満たすと、遊技機に対して許可した時限運用を無効にするので、時限運用機能を利用した遊技機の稼働を長期間使用することができないように制限することが可能となり、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げない安定した遊技用システムおよび遊技用装置の稼働を可能にすることができる。
(2) 上記(1)において、
前記運用許可手段は、
前記状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できる状態が復帰条件(たとえば、ヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達した状態が3日間)を満たすと、前記遊技機に対して無効にした前記時限運用の許可を有効にする(図130:SC325bFは、時限運用機能を利用することを有効にする)。
上記構成によれば、状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できる状態が復帰条件を満たすと、時限運用の許可を有効にするので、時限運用が無効になった遊技機に対して店員が個別に操作を行なうことなく自動的に時限運用を復帰させることができる。
(3) 上記(2)において、
前記無効条件は、前記状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できない期間が第1期間に達したことであり、前記復帰条件は、前記状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できる期間が第2期間に達したことであり、前記第1期間(たとえば、ヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達しない状態が10日間)は、前記第2期間(たとえば、ヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達した状態が3日間)に比べて長い期間とする。
上記構成によれば、無効条件の第1期間に比べて復帰条件の第2期間の方が長いため、時限運用機能を無効にされ難く、無効となっても時限運用機能を有効にしやすくすることで、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げないより安定したCU3FおよびP台2Fの稼働が可能になる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
第1制御手段(CU制御部323F、またはCU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325bF、またはCU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等)とを含み、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で仮認証鍵(基板初期鍵)を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図94の基板初期鍵認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段による認証結果が適正であることを条件として本認証鍵(基板認証鍵)を取得する処理を行なう本認証鍵取得手段(図91:鍵管理サーバから取得)と、
該本認証鍵取得手段により取得した本認証鍵を利用しての運用処理を実行する本運用処理手段(図95の遊技機との業務電文通信)と、
前記本認証鍵取得手段による処理の結果前記本認証鍵を取得できなかったときに、前記仮認証鍵を利用しての仮の運用処理を実行する仮運用処理手段(図94:基板シリアルID認証シーケンスおよび機器認証シーケンスを実行することなく基板初期鍵を用いて通信鍵交換シーケンスを実行する)とを備えた。
上記構成によれば、仮認証鍵を用いて相互認証処理を行なってその認証結果が適正であることを条件として本認証鍵を取得する処理が実行されるために、高いセキュリティを担保することが可能となる。しかも、その本認証鍵の取得処理の結果本認証鍵を取得できなかったときには、前記仮認証鍵を利用して仮の運用処理が実行されるために、本認証鍵の取得不能時における運用処理が全くできなくなる不都合をも防止することができる。
(5) 上記(1)〜(3)において、
遊技場に設置され、当該遊技場を識別するための遊技場識別情報を前記遊技用装置へ送信する遊技場識別情報送信手段を有するサーバ(図91のホールサーバ)を含み、
前記サーバは、当該サーバが設置されている遊技場を識別するための遊技場識別情報(統一店舗コード)を前記遊技用装置へ送信する遊技場識別情報送信手段(図91の統一店舗コードを送信するホールサーバのCPUと入出力インターフェイス)を含み、
前記遊技用装置は、
仮認証データ(基板初期鍵、仮認証鍵)を用いた認証処理を行なう認証処理手段(図98の基板初期鍵/出荷鍵認証、図105の仮認証鍵を用いた通信制御IC認証シーケンス)と、
該認証処理手段による認証結果が適正であることを条件として本認証データ(基板認証鍵、本認証鍵)を取得して記憶する処理を行なう本認証データ取得記憶手段(図91の基板認証鍵を受信するCU制御部、図94と図95のセキュリティ基板情報問合せシーケンス、図122(a)のSF211とSF212、図123(a)のSF224、図91のCU制御部から更新情報を受信して本認証鍵を生成して記憶するSC、図122(b)のSF216とSF217、図123(b)のSF226、SF227)と、
該本認証データ取得記憶手段により記憶されている本認証データを利用しての認証処理を実行する本認証処理手段(図99の基板認証鍵認証、図105の本認証鍵を用いた通信制御IC認証シーケンス)と、
前記遊技場識別情報送信手段から今回送信されてきた遊技場識別情報と前回送信されてきた遊技場識別情報とを比較して一致するか否かを判定する一致判定手段(図124のSF1102)と、
前記本認証処理手段による認証処理が実行される状態で前記一致判定手段により一致しないと判定されたときに、前記本認証データ取得記憶手段に記憶されている本認証データを消去するとともに、前記本認証データを利用しての認証処理から前記仮認証データを利用しての認証処理に切換える認証処理切換手段(図124のSF1104、SF2205)とを含む。
上記の構成によれば、遊技用装置自体が記憶している仮認証データや本認証データを用いて認証処理を行なうために、認証の度にセンタ管理装置に問合せて認証する必要がなく、処理の煩雑化を招く不都合を防止することができる。さらに、遊技用装置が他の遊技場に移設されたときには、遊技場識別情報送信手段から今回送信されてきた遊技場を識別するための遊技場識別情報と前回送信されてきた遊技場識別情報とが一致しないと一致判定手段により判定され、本認証データ取得記憶手段に記憶されている本認証データが消去されるとともに、本認証データを利用しての認証処理から仮認証データを利用しての認証処理に切換えられる。その結果、移設前に使用していた本認証データが移設先の遊技場において漏洩する不都合を防止できるとともに、仮認証データを利用しての認証処理によりセキュリティを担保することも可能になる。
(6) 本発明は、遊技者により遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機、スロットマシン、封入循環式パチンコ機(P台2F)、メダル不要のスロットマシン(S台2SF))と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F、呼出しランプ装置など)であって、
前記遊技用装置の正当性を認証するために用いる認証用情報が記憶された管理装置(たとえば、図63に示す鍵管理サーバ800F)に記憶された前記認証用情報を受信できないときに、所定の制限の下で遊技を許容する時限運用を前記遊技機に対して許可する運用許可手段(図129:鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達しない場合に時限運用機能を許可する)と、
所定のタイミングで前記遊技機および前記遊技用装置の状態を監視するための状態監視要求を前記管理装置から受信する状態監視要求受信手段(図129:CU3FおよびP台2Fの状態を監視するため鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェック要求を送信する)と含み、
前記運用許可手段は、前記状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できない状態が無効条件(たとえば、ヘルスチェック要求がCU制御部323Fに到達しない状態が10日間)を満たすと、前記遊技機に対して許可した前記時限運用を無効にする(図129:SC325bFは、時限運用機能を利用することを無効にする)。
上記構成によれば、状態監視要求受信手段が状態監視要求を受信できない状態が無効条件を満たすと、遊技機に対して許可した時限運用を無効にするので、時限運用機能を利用した遊技機の稼働を長期間使用することができないように制限することで、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げない安定した遊技用システムおよび遊技用装置の稼働を可能にすることができる。
(7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図64:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図73に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図73:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図73:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図59:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図73:CU3Fはカード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図73:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図73:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(8) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F、S台2SF)と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値(残高、貯玉、遊技玉数、現金など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技を行なう遊技者を特定する遊技者特定情報(C-ID(カードID)等)を読取る遊技者特定情報読取手段(カードリーダライタ)と、
該遊技者特定情報読取手段により読取られた遊技者特定情報を記憶する遊技者特定情報記憶手段(CU制御部323Fは、カードリーダライタで読み取ったカードIDを記憶)と、
遊技を開始するときに、前記遊技者特定情報読取手段により読取られた遊技者特定情報を前記遊技機へ送信する制御を行なう遊技者特定情報送信制御手段(図77のカード挿入通知によりカードIDを通知)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技者特定情報送信制御手段の制御により送信されてきた遊技者特定情報を記憶する記憶手段(図77:カードIDをバックアップ)と、
遊技を終了するときに、前記記憶手段に記憶されている遊技者特定情報を前記遊技用装置へ送信する制御を行なう送信制御手段(図73:P台2Fは、カード返却応答によって、バックアップしているC−IDを送信)と、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図64の遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に変換するための操作(計数)に基づいて前記遊技点を前記持点に変換するための変換要求を前記遊技用装置へ送信する変換要求送信手段(図73:P台2Fは、計数要求=ONの状態情報要求を送信)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記変換要求送信手段から送信されてきた変換要求に基づいて前記遊技点を前記持点に変換するための変換処理を実行する(図73:計数玉数を持玉数に加算)とともに、前記変換要求を承諾した旨の変換承諾を前記遊技機へ返信する(図73:計数応答=ONの状態情報要求を送信)変換処理手段と、
前記送信制御手段の制御により送信されてきた遊技者特定情報と前記遊技者特定情報記憶手段に記憶されている遊技者特定情報とにより同一の遊技者が特定されるか否かを判定する同一判定手段(図73:CU3F側でカード挿入時から記憶しているC−IDと、カード返却応答で通知されたC−IDとの一致判別)とをさらに含む。
このような構成によれば、変換操作に基づいて遊技点を持点に変換し、遊技機から送信されてきた遊技者特定情報と遊技開始時に記憶していた遊技者特定情報とにより同一の遊技者が特定されるか否かを判定することで遊技開始時の遊技者を特定する情報と遊技終了時の遊技者を特定する情報との同一性の判定を可能となる。また、その判定結果によって、遊技終了とすることが可能となり、遊技開始時の遊技者とは異なる遊技者によって遊技が終了されてしまう不都合を防止できる。
(9) 本発明は、遊技媒体を遊技領域へ発射して遊技を行なうことが可能な遊技機と通信可能な情報管理装置(たとえばCU3F、ホールコン900F、呼び出しランプ)であって、
前記遊技機から出力された、遊技媒体の発射強度を示す信号(たとえば、発射強度を示す状態情報応答)と、遊技媒体が前記遊技領域に設けられた第1領域(たとえば普通入賞口272F〜274F、大入賞口271F、始動入賞口275F〜277F、普通図柄ゲート、ステージ入口の少なくともいずれか1つを含む複数の領域のうちの1つの領域)を通過したことを示す信号(たとえば、通過領域を示す状態情報応答)と、遊技媒体が前記遊技領域に設けられた第2領域(たとえば普通入賞口272F〜274F、大入賞口271F、始動入賞口275F〜277F、普通図柄ゲート、ステージ入口の少なくともいずれか1つを含む複数の領域のうちの1つの領域であって第1領域とは異なる領域)を通過したことを示す信号(たとえば、通過領域を示す状態情報応答)とを取得する取得手段(図147のSF610)と、
前記取得手段が受信した信号を用いて、遊技媒体が前記第1領域を通過した回数および割合の少なくとも一方と遊技媒体が前記第2領域を通過した回数および割合の少なくとも一方とをそれぞれ前記発射強度別に集計する集計処理を行なう集計手段(たとえば図147のSF613)とを備える。
上記構成によれば、遊技媒体が第1領域を通過した回数および割合の少なくとも一方と遊技媒体が第2領域を通過した回数および割合の少なくとも一方とを発射強度別に集計する。そのため、発射強度に応じて遊技媒体がどの領域を通過する傾向にあるのか(発射強度に応じた各領域の通過し易さ)を把握することができる。なお、発射強度に応じた各領域の通過し易さを把握する際には、たとえば第1領域の通過回数と第2領域の通過割合とを比較するようにしてもよい。
以下、図面を参照して第6の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を以下に説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図59を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2Fと接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図62参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
パチンコ玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25Fの回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域をパチンコ玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図59に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図59に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
大入賞口271F内には、確変入賞口271aFが配置される。大入賞口271Fに入賞したパチンコ玉がさらに確変入賞口271aFにも入賞すると、現在の大当り状態の終了後に大当りが発生する確率が向上する状態(以下、確率変動状態、あるいは単に確変状態ともいう)が発生する。
また、可変表示装置278Fの表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278Fの表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。なお、表示器54Fは、図59に示すようにCU(カードユニット)3Fから独立してP台(パチンコ機)2Fに取付けられる構成でも、CU(カードユニット)3Fと一体に形成され、P台(パチンコ機)2Fの前面に嵌合させる構成でもよい。CU3Fの表示器54Fを、P台2Fの前面に嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。この場合、表示器54Fとの連結係止を、ガラス扉6Fまたは打球操作ハンドル25Fが設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54Fの下方部分に7セグ表示器50Fが設けられている。7セグ表示器50Fは7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この7セグ表示器50Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2Fにおける打球操作ハンドル25Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28Fを押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28Fを1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28FをP台(パチンコ機)2F側に設けているため、計数ボタン28FをCU(カードユニット)3F側に設ける場合に比較して、P台2Fに正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2Fは、遊技領域27Fの右上位置および左上位置に、可変表示装置278Fで表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270Fが設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図59に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
計数ボタン28Fの右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29Fが設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29Fは、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
本実施の形態に係るP台2Fは、遊技盤26Fとそれ以外の前枠(遊技枠)5Fとに分けることができる。特に、遊技盤26Fは、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、前枠5Fは、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26Fのみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図59を参照して、本実施の形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305Fにおいて、遊技者と対向する面には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fとが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3Fからカードを返却したときには、CU3Fに記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801Fに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3Fにカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3Fに記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320Fと、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321Fと、カード返却ボタン322Fとが設けられている。IR感光ユニット320Fは、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320Fである。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図60を参照して、P台2Fは、額縁状の外枠4Fに対して、前枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6Fとがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠5Fにおける揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6aF、6bFが設けられている。この係合突起6aF、6bFは、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠4Fの係合突起6aF、6bFに対向する位置に、係合受け片7aF、7bFが設けられている。開放状態の前枠5Fを外枠4Fに押付けることにより係合突起6aF、6bFが係合受け片7aF、7bFを乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起6aF、6bFが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図59に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起6aF、6bFが上方に押上げられ、その結果係合受け片7aF、7bFに対する係合突起6aF、6bFの係合が解除されてロック解除状態となり、前枠5Fが開放される。
さらに、前枠5Fにはガラス扉6F用の係合突起8Fも設けられており、その係合突起8Fに対向するガラス扉6F部分には、係合穴9Fが設けられている。係合突起8Fは、図示しないばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6Fを前枠5Fに押付けることにより係合穴9Fの下縁部分によって係合突起8Fが押上げられて乗越えることにより、ばねの付勢力により係合突起8Fが押下げられ、係合突起8Fと係合穴9Fとが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図59に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して係合突起8Fが引上げられ、係合突起8Fと係合穴9Fとの係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6Fが開放される。
前枠5Fの下方部分における外枠4Fと接触する箇所に前枠開放検出スイッチ13Fが設けられており、前枠5Fが開放されたことが検出される。また、前枠5Fの上方部分におけるガラス扉6Fとの接触部分にガラス扉開放検出スイッチ12Fが設けられており、ガラス扉6Fが開放されたことがこのガラス扉開放検出スイッチ12Fにより検出される。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図139(b)に示す計数カウンタ120Fにより計数される。計数カウンタ120Fは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26Fの裏面(ガラス扉6Fと対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16Fが設けられている。外枠4Fの裏面は閉じられているため、まず前枠5Fを開放して前枠5Fから遊技盤26Fを取外すことで、主制御基板16Fが遊技盤26Fから着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26Fより主制御基板16Fを取外す、または主制御基板16Fに設けた半導体チップを交換する作業を行なうためには、前枠5Fを開放する必要があるため前枠開放検出スイッチ13Fで当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26Fより主制御基板16Fを不正に取外す、または主制御基板16Fに設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13Fで検出することができる。
さらに、前枠5Fの裏面に、払出制御基板17Fが設けられている。払出制御基板17Fも、まず前枠5Fを開放してから、前枠5Fの裏面より取外す必要がある。よって、前枠5Fの裏面より払出制御基板17Fを不正に取外す、または払出制御基板17Fに設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13Fで検出することができる。
次に、遊技盤26Fを前枠5Fに設置する構成について説明する。図61は、遊技盤26Fが前枠5Fに取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図61に示すように前枠5Fの裏面には、取付機構34aF、34bFがそれぞれヒンジ35aF、35bFを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34aF、34bFは、コの時型をしており、遊技盤26Fに対応した幅の底を持つ。遊技盤26Fを前枠5Fに対して図61(b)の矢印方向に押し込むことで、図61(a)に示すように遊技盤26Fが取付機構34aF、34bFにより固定される。遊技盤26Fが取付機構34aF、34bFにより固定されるときに、遊技盤26F側に設けた凸型ドロアコネクタ32Fが前枠5F側に設けた凹型ドロアコネクタ33Fと結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fは、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26Fを前枠5Fに設置する際に、凸型ドロアコネクタ32Fが凹型ドロアコネクタ33Fと結合することで、遊技盤26F側の主制御基板16Fと、前枠5F側の払出制御基板17Fとが接続されることになる。さらに、遊技盤26Fは決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fはある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34aF、34bFを設けず、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fのみで、遊技盤26Fを前枠5Fに設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33F自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26Fと前枠5Fとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ32Fは、遊技盤26Fの内部配線(図示せず)を介して主制御基板16Fに接続され、凹型ドロアコネクタ33Fは、信号ケーブル36Fを介して、図60に示す払出制御基板17Fに接続されている。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図62は、CU3FとP台2Fとの構成を示すブロック図である。図62を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fは、CU3Fの主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図63参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323Fには、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325Fが接続される。セキュリティ基板325Fは、CU3Fのセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325F上にCU制御部323Fを設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325Fとは別の基板にCU制御部323Fを設けてもよい。CU3FにはP台2F側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2FにはCU3F側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU3F側のセキュリティ基板325FとP台2F側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図63参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。
CU制御部323Fには、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323Fには、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323Fには、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323Fは、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。P台2Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが送信される。P台2Fに送信された表示用データは、中継基板14Fを介して表示器312Fに入力される。表示器312Fには、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16Fと、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17Fと、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31Fと、可変表示装置278Fと、主制御基板16Fから送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278Fを表示制御する演出制御基板15Fとが備えられている。
主制御基板16Fおよび演出制御基板15Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161Fは、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。
主制御部161Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、4である。主制御部161Fは、可変表示装置278Fで新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161Fは、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15Fに搭載された演出制御部151Fへ送信する。
主制御部161Fから演出制御部151Fへ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161Fから演出制御部151Fへ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151Fは、主制御部161Fから送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278Fの可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151Fは、主制御部161Fから送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151Fは、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278Fを表示制御する。
演出制御基板15Fは、前枠5F側の中継基板14Fを介して、表示器54Fとも接続されている。演出制御部151Fは、可変表示装置278Fに対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278Fの表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54Fへ送信可能である。なお、中継基板14Fおよび表示器54Fは、CU3F側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2F側の演出制御基板15Fは、CU3Fに設けた中継基板14Fと接続される。
払出制御基板17Fは、前枠5Fに設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171Fは、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ903F、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ33AF、計数ボタン28F、電波センサ173Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33AFからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903Fから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠5Fには、払出制御基板17Fの他、中継基板14F、発射制御基板31F、発射モータ18F、遊技玉数表示器29Fが設けられている。なお、遊技玉数表示器29Fは前枠5Fに直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5Fに対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54Fについても同様である。払出制御基板17Fの払出制御部171Fは遊技玉数表示器29Fに遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射装置の発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
発射強度センサ19Fは、発射モータ18Fによるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19Fは、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19Fの検出結果は、発射制御基板31F経由で払出制御基板17FおよびCU3Fに出力される。
前枠5Fには、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、中継基板14Fを介してCU3Fの表示制御部350Fからの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54Fは、中継基板14Fを介して演出制御基板15Fからの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14Fには演出制御基板15Fおよび表示制御部350Fのうち一方からの表示制御信号を表示器54Fへ出力して表示器54Fに演出制御基板15Fまたは表示制御部350Fからの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141Fが搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2F側の表示器54FがCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台2F側に表示器54Fを表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
RAMクリアスイッチ293Fは、P台2FのRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293Fは、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図59および図62を参照して、P台2Fにおけるパチンコ玉の循環経路を概説する。
遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作すると、発射モータ18Fが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27Fに打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aFがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171Fが設けられている払出制御基板17F(図62参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27Fに打込まれた玉のうち、アウト口154F(図59参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701Fによって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33AFによって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903Fが設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903Fによって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903Fは、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18Fにより弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903Fの検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27Fに打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27Fを転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<カードユニットおよびパチンコ機に発生した異常の通知処理>
図63は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図63を参照して、CU制御部323F、セキュリティ基板325F、払出制御部171F、あるいは主制御基板16Fにおいて異常が発生した場合には、図63の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323F、セキュリティ基板325F、払出制御部171F、あるいは主制御基板16Fを、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図63に示される鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3Fのセキュリティ基板325Fにより異常が発生した場合には、前述したCU制御部323Fとセキュリティ基板325Fとの間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323Fが異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325FのシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325Fのセキュリティチップ325bFを製造する段階において、該セキュリティチップ325bFのROMに記憶されている。また、CU3Fが遊技場に搬入された後、ホールサーバ801Fに接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800Fからホールサーバ801F経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323Fに記憶される。
CU制御部323Fがセキュリティ基板325Fの異常を検知した場合、CU制御部323Fはホールサーバ801Fにその旨を通知するとともに、CU3Fの表示制御部350Fに異常報知コマンドを送信する。CU制御部323Fは、表示器312Fに異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350Fに行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323Fは、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3FのCU制御部323Fにより異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325Fが異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171Fに通知する。払出制御部171Fはそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16Fへ通知する。主制御基板16Fは、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325Fが払出制御部171Fの異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323Fへ通知し、CU制御部323Fがその旨をホールサーバ801Fへ通知する。
このように、セキュリティ基板325Fは、CU制御部323Fの異常を検知したときにはその旨を払出制御部171Fへ通知する一方、払出制御部171Fの異常を検知したときには、その旨をCU制御部323Fへ通知するものであり、セキュリティ基板325Fによる異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325Fは、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325Fからの異常発生の通知を受けた払出制御部171Fは、その旨を主制御基板16Fへ通知する。主制御基板16Fはその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171Fに異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325Fにより検知され、異常が発生した旨がCU制御部323Fへ通知され、CU制御部323Fは前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801Fへ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171Fに異常が発生した場合には、主制御基板16Fが異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17Fは、前述したように、セキュリティ基板325Fに異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16Fへ通知する一方、主制御基板16Fに異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325Fへ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17Fも、前述したセキュリティ基板325Fと同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図64は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図64を参照して、CU(カードユニット)3F側とP台(パチンコ機)2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3F側において管理・記憶している。
図64では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3F側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2F側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3FがP台2Fに対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2FがCU3Fに対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3Fのみが有する。CU3Fは、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3Fのみが有する。CU3Fは、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2Fへ送信する。P台2Fは、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2Fのみが有する。P台2Fは、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3Fへ送信する。CU3Fは、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3Fが送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2FおよびCU3Fのそれぞれが、またはP台2Fが送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図62参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154Fを通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図64に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図62参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図62参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図62参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3FとP台2Fとの間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図65を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図65には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3Fが認証を完了した後にCU3FからP台2Fに対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3FからP台2Fに対してリカバリ情報を要求し、CU3Fが認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回最終送信計数通番」、「店舗コード」および「SC基板ID」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fにおいて状態情報応答受信時に「通番」をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fに状態情報応答受信時に計数通番をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(計数玉数)において、セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。
P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3Fが計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてP台2Fで実行されるユーザプログラムに通知する。CU3Fが計数処理を実施済の場合はCU3Fに通知した計数要求玉数を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。また、セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」とP台2Fで保持している「店舗コード」とが不一致の場合、レジスタを介して店舗コード不一致をユーザプログラム側に通知する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台2Fの払出制御部171Fは、CU3Fから送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3Fに前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「遊技玉情報」、「計数要求玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3Fに前回通知した遊技玉数である。「遊技玉情報」は、前回通知した遊技玉情報である。遊技玉情報には、たとえばCU3Fに前回通知した発射玉数、アウト口通過玉数や総賞球玉数などの情報である。「計数要求玉数」は、計数要求する遊技玉数である。「計数通番」は、CU3Fに前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3Fに前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「遊技情報1」〜「遊技情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3Fに前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「遊技情報1」は、CU3Fに前回通知した遊技情報1である。「遊技情報n」は、CU3Fに前回通知した遊技情報nである。遊技情報nには、たとえば、CU3Fに前回通知した種別情報や遊技賞球情報などが含まれる。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3Fにおいて状態情報要求を送信時、P台2Fにおいて状態情報要求受信時に、CU3F側、P台2Fともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(遊技情報)において、セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納有無」を格納有:0x01にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」にP台2Fが保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」をALL“0”をセットする。ただし、遊技玉数は前回通知した遊技玉数をセットする。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
なお、また、CU3Fは、P台2Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3Fは、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3FまたはP台2Fの交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2Fの表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2Fの表示情報は、可変表示装置278Fの液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2Fに対して、払出制御部171Fが制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、P台2Fにおいて加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3Fが判定したときに送信される。CU3Fは、P台2Fより受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台2Fのリカバリ処理について詳しく説明する。P台2Fのリカバリ処理は、P台2Fがリカバリ要求2に基づいて、CU3Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果の処理OK、“0x01”の場合リカバリ結果の処理NGである。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
P台2Fのリカバリ処理(加算玉数)を行なう場合、P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」の処理を実施していなかった場合、CU3Fに「リカバリ結果」として処理OKを応答し、CU3Fより通知された加算玉数を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。ただし、後述する状態情報要求のCU状態が遊技玉加算要求中(Bit=1)の時に状態情報応答で遊技台状態1が遊技玉加算結果(Bit5=1)と応答した場合,CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答し、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。
CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」が、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」と同一の場合、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知し、CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答する。
また、リカバリ処理が完了するタイミング(たとえば、リカバリ完了フラグをセットするタイミング)で、リカバリ結果に係らず、CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」を、レジスタを介してユーザプログラムに通知する。なお、リカバリ要求2の受信がない場合は、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」を、リカバリ処理が完了するタイミングでユーザプログラムに通知する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台2Fは、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台2Fも通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3Fが、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3FおよびP台2Fが、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図64に示したCU3F側からP台2F側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」および「計数通番」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、P台2Fに対して通知するCU3Fの状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3Fにカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3Fのカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3Fの状態により、P台2Fに対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台2Fは同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3Fは、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台2Fに対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台2Fは、計数ボタン28Fの操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台2Fに通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3Fからカード抜き取り待ちとなっている状態をP台2Fに通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図64に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」「計数通番」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3Fが後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU3Fの保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3Fは、計算したCU3Fの遊技玉数と、P台2Fの遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「アウト口通過玉数」は、アウト口154Fを通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別毎の賞球玉数のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU3Fより送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3Fは保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2FからCU3Fに送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28Fの操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28Fの操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「遊技台状態」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25F)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27F内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2Fは、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。“0”のとき遊技玉未確定(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技玉確定(全ての玉の行方が確定している状態)を示している。ここで、P台2Fは玉の発射を停止してから、たとえば15秒以上遊技玉の行方が確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技玉確定とする。また、P台2Fは電源オン時またはRAMクリア時は遊技玉の行方が確定している状態(遊技玉確定)にセットする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3Fへ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。なお、P台2Fは加算NG応答する場合は加算通番を更新しないで通知する。Bit6は、発射停止スイッチの押下状態を示しており、“0”のときイッチ解除状態、“1”のときスイッチ押下状態である。Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台2Fで発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801Fへの出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fで検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16Fの不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチンコ機やスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は加算NGを通知する。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1〜Bit7は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3Fに通知する。
「遊技情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・カウント情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示している。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき始動口、“2”のとき大入賞口、“3”のとき入賞口、“4”のとき図柄停止回数、“5”のとき大当り、“6”のとき小当りである。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。たとえば、データ種別が“5”の大当りのとき、データ番号は“1”のとき出玉大、“2”のとき出玉小、“3”のとき出玉中、“4”〜“6”のとき予備である。また、データ種別が“6”の小当りのとき、データ番号は“1”のとき小当り、“2”〜“15”のとき予備である。
「カウント情報1」〜「カウント情報n」は、遊技カウント情報1〜遊技カウント情報nをそれぞれ示している。
ここで、カウント情報は、データ種別が始動口、大入賞口、および小入賞口の場合、Bit4からBit7までが賞球玉数の情報で、遊技情報の種別情報毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。また、Bit0からBit3までが入賞個数の情報で、遊技台情報の種別情報毎に入賞個数(累計)を示しており、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。カウント情報は、データ種別が図柄停止回数の場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが図柄停止回数を示しており、“1”〜“15”のとき図柄停止回数を表わしている。カウント情報は、データ種別が大当り、小当りの場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが当り回数を示しており、“1”〜“15”のとき当り回数を表わしている。
さらに、状態情報応答のレスポンスには、「発射強度信号」、「通過領域信号」、「変動中信号」、「ハンドルタッチ信号」が含まれている。
「発射強度信号」は、上述の発射強度センサ19Fの検出結果である発射強度Tを示している。上述したように、本実施の形態においては、発射強度Tは、ハンドル操作量に応じて0(最小値)から99(最大値)まで変化する可変値である。なお、パチンコ玉の発射間隔(はたとえば0.6sec)よりもP台2FとCU3Fとの通信間隔(たとえば200msec)が短い場合には、基本的に1玉ごとに発射強度信号が出力されることになる。また、実際に発射されたか否かを示すデータとセットで発射強度信号が出力されるようにしてもよい。
「通過領域信号」は、上述した通過領域信号を示している。なお、上述したように、本実施の形態においては、通過領域信号は通過領域信号A1〜A8のいずれかである。なお、各通過領域信号には、各通過領域信号が検出された時点の発射強度Tが紐付けされている。
「変動中信号」は、パチンコ玉が始動入賞口275F、276F、277Fのいずれかを通過したことに伴って可変表示装置278Fに表示される図柄が変動していることを示している。
「ハンドルタッチ信号」は、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることがタッチセンサによって検出されていることを示している。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2Fに対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3Fに挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3Fのカード挿入/排出口309F(図59参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2F保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3Fが設置されている店舗識別コードであり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3Fが店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3Fは、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3Fを識別するためのSC基板IDであり、CU3Fが交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台2Fに通知する。P台2Fの払出制御部171Fは、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台2Fの動作について説明する。まず、CU3Fのカード挿入/排出口309Fに会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行なわれるかすることで、カード挿入通知としてP台2Fに対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台2Fは、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU3Fの状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台2Fでカード挿入中状態と判断する場合)、P台2FはカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU3Fのカード返却ボタン322Fが押下されると、P台2Fに対してカード返却通知が行なわれ、P台2FはバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するもので、CU3Fが、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2Fの動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3Fで会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3Fで「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。なお、P台2Fに対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台2Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを通知するものである。なお、CU3Fに対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3FとP台2Fとの間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3F(1次局)からP台2F(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2Fはそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3Fを1次局、P台2Fを2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3FからP台2Fへの最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2FからCU3Fへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3FとP台2Fとの間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2Fは、打球操作ハンドル25Fを操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2FからCU3Fへは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2Fは、遊技玉数の変化量を細やかにCU3Fに対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2Fの発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3F側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3FがP台2Fに対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2Fに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2Fに送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2Fに再送する。14回目の再送を行なってもP台2Fからレスポンスを受信できなかった場合、CU3Fは3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2Fの電源断などの原因が考えられる。CU3Fは、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2F側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3FからP台2Fへコマンドが送信され、P台2Fではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。その後CU3FからのコマンドがP台2Fに送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2Fは通信断と判断し、発射モータ18Fの駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3Fの電源断などが考えられる。
なお、P台2F側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図66に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図67に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。これにより、カード挿入中にカードIDを意図的にP台2Fへ送信されて、P台2Fで記憶しているカードIDを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
図68は、CU3Fにカードが挿入されたときにCU3Fが実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図68において、SF1〜SF7の各ステップはCU3Fが実行する。またSF8〜SF10、SF12〜SF15はP台2Fが実行する。より具体的には、SF8〜SF10、SF12、SF13、SF15の削除処理は、P台2Fに設けられている演出制御基板15Fが実行し、SF14とSF15の送信処理は、演出制御部151Fが設けられた演出制御基板15Fが払出制御部171Fへ送信して払出制御部171FがCU3Fへ送信する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、SF2により、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致するか否か判定し、一致しない場合にはSF5によりその挿入されたカードを排出して待機中へ移行する。なお、図68では上記「種別」の図示を省略している。
一方、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がSF4へ進み、中断状態を解除し、SF6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、SF1により中断中でないと判断された場合には、SF3aで既にカードが挿入中であるか否かの判定を行なう。この挿入中であるか否かは、カード挿入/排出口309Fに設けてあるカードリーダがカードを受け付けているか否かにより判断する。SF3aにより挿入中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDと種別を記憶するとともにP台2Fへ送信する処理がSF3により行なわれる。P台2Fでは、そのC−ID,種別を受信し、その受信したC−IDおよび種別とバックアップエリア(たとえば、図62に示す演出制御基板15Fに設けたバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDおよび種別とを比較する(SF8)。そしてSF9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
SF3aにより挿入中であると判断された場合には、挿入中のカードのC−IDおよび種別と異なるC−IDおよび種別がCU3FやP台2Fに上書き記憶されるのを防止するために、SF3での処理をスキップする。
このように、遊技者特定情報(C−ID)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(現遊技者遊技履歴データ記憶部)と同一判定処理を行なう同一判定手段(SF8、SF9)とが遊技機の表示制御手段(演出制御部151Fが設けられた演出制御基板15F)に設けられているために、通信手段側(払出制御部171F側)には同一判定処理機能を設けなくて事足り、表示制御手段を有する遊技機と表示制御手段を有しない遊技機との間で共通の通信手段を使用でき、通信手段の少品種大量生産か可能になる。
なお、変形例の制御内容として、SF15とSF7との処理を行なってもよい。SF15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDおよび種別とをCU3Fへ送信した後削除する。CU3Fでは、それを受信して、受信したデータを上位サーバ801Fへ送信する。上位サーバ801Fでは、その受信した遊技履歴データとC−IDおよび種別とをバックアップ記憶する。
一方、SF9により一致すると判定された場合にはSF12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(たとえば、図62に示す演出制御基板15Fに設けたバックアップデータ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、SF10、SF13、SF14の処理を行なってもよい。SF9でYESの場合には、制御はSF10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないSF10により所定時間が経過していると判断された場合には、SF13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDおよび種別とを削除する処理がなされる。また、SF12の後、SF14により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、SF10、SF13、SF14の処理およびSF15、SF7の処理を全て行なうように制御してもよい。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図69に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図70では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図71では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図71では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図71では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(自動計数)>>
閉店時、カードが挿入されておらずP台2Fに遊技玉が残っている場合、店員が遊技玉の残っているP台2Fを回り1台1台に店舗カードを挿入して計数操作を行なって残った遊技玉を回収する必要があり、閉店時の作業が煩雑であった。また、従来のように物理的な遊技玉が払出される遊技機とカードユニットとの構成であれば、残った遊技玉を回収してカードユニットをリセットする作業を行なうだけで閉店時の作業を行なうことができる。しかし、本実施の形態のようにP台2FとCU3Fとが相互認証して通信を行ない遊技玉(遊技点)を管理する構成では、カードユニットを単にリセットする作業だけでは残った遊技玉を回収することができず閉店時の作業を行なうことができない。そこで、図72を参照して、閉店時の遊技玉の自動計数処理について説明する。
図72は、遊技場が閉店した時に自動的に行なう計数処理を説明するためのシーケンス図である。まず、CU3Fは、カード持玉=0玉でストックカードが無い状態である。一方、P台2Fは、遊技玉=50玉でCU3Fにカードが挿入されていないことを認識している。そして、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード挿入状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3FおよびP台2Fが設置されている遊技場において閉店が設定されたときに、カードが挿入されておらずP台2Fに遊技玉が残っていると判断すると、以下に説明する処理を行なう。なお、カードが挿入されていないことは、状態情報要求のコマンドに含まれるカード挿入状態=OFFの情報から判断することができ、P台2Fに遊技玉が残っていることは、状態情報応答のレスポンスに含まれる遊技玉数=50の情報から判断することができる。
CU3Fは、通番=n+1、カードID=0、カード挿入時刻=0を含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。つまり、仮想カードであるカードID=0のカードが、CU3Fのカードリーダにカード挿入時刻=0に挿入されたことをP台2Fに対して通知する。このように仮想カードがCU3Fに挿入されるので、店員が遊技玉の残っているP台2Fを回り1台1台に店舗カードを挿入する作業が不要になる。これを受けてP台2Fは、CU3Fにカードが挿入されたと認識して以下の処理が実行される。それを受けて、P台2Fは、通番=n+1を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
次に、CU3FはP台2Fに対して、CU開店状態OFFを通知する。具体的には、通番=n+2、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求をP台2Fへ送信する。
なお、遊技場における閉店設定は、たとえば、当該遊技場に設置されているホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801Fから各CU3Fへ閉店する旨の閉店コマンドを一斉配信することによりCU制御部323Fが遊技場での営業の終了を判定して行なわれる。具体的には、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801Fを係員が閉店操作することにより、各CU3Fへ閉店する旨の閉店コマンドが一斉配信される。また、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801Fに閉店時間を設定記憶させておき、その閉店時刻になれば自動的に各CU3Fへ閉店コマンドが一斉配信されるように制御してもよい。他の方法としては、店員による営業終了のリモコン操作によって営業終了信号をIR感光ユニット320Fに送信し、CU制御部323Fが遊技場での営業の終了を判定するようにしてもよい。さらなる他の方法としては、各CU3Fに時計機能を設け、閉店時間(たとえば10時)である場合にその閉店時間の所定時間(たとえば20分)経過後の時間(たとえば10時20分)が時計機能により計時されたときに、各CU3FからCU開店状態=OFFを含む状態情報要求をP台2Fへ送信するように制御してもよい。
それを受けたP台2Fでは、通番=n+2、現時点における遊技玉数=50、受信した計数通番mに対して「1」加算更新したm+1の計数通番、計数玉数=50および計数要求=ONを含む状態情報応答をCU3Fへ送信する。つまり、P台2Fは、CU3Fに対して残っている遊技玉の計数を要求するため、遊技玉数=50、計数受付要求、および計数通番カウントアップの情報をCU3Fに通知し、前回最終送信計数通番更新、および計数玉要求状態ONの情報をバックアップする。
それを受けたCU3Fは、P台2Fから送られてきた計数玉数=50を持玉数に加算する。なお、持玉数に加算した計数玉数=50は確定しておらず、CU3Fは、現時点の持玉数=0としたまま、前回最終送信計数通番更新の情報をバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受け取りを通知するため、P台2Fへ返信する。具体的には、通番=n+3、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1、および計数応答=ONを含む状態情報要求をP台2Fへ送信する。P台2Fから受け取った計数玉は、仮想カードであるカードID=0、カード挿入時刻=0のカードの持玉数としてCU3Fの記憶手段(たとえばRAMなど)に記憶させる。
それを受信したP台2Fでは、計数玉数を遊技玉数から減算して(遊技玉数=50−計数玉数=50)、遊技玉数=0の表示を行なう。そして、P台2Fは、計数玉数を遊技玉数から減算し、残った遊技玉が無く(遊技玉数=0)計数要求が不要である状態(計数要求状態OFF)を通知するため、通番=n+3、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答をCU3Fへ送信する。
残った遊技玉をすべて計数した場合、CU3Fに挿入されている仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却する処理が行なわれる。具体的に、CU3Fは、仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却したことをP台2Fに通知するため、通番=n+4を含むカード返却通知をP台2Fへ送信する。これを受信したP台は、CU3Fに挿入された仮想カードが返却されたと認識し、通番=n+4、カードID=0、およびカード挿入時刻=0を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに送信する。
次に、CU3Fは、CU状態がカード挿入状態=OFFになったことをP台2Fに通知する。具体的にCU3Fは、通番=n+5、およびカード挿入状態=OFFを含む状態情報要求をP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、通番=n+5、遊技玉数=0、計数通番=m+1、および計数玉数=0を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。
このように、遊技場における閉店時の計数処理の場合には、店員がカードを挿入して計数ボタン28Fの押下操作を行なうことなく、自動的に計数処理が実行されるとともに、残った遊技玉数のすべてが一括して仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)の持玉数に計数されCU3Fの記憶手段に保管することができる。なお、CU3Fは、残った遊技玉数を計数した持玉数を、P台2FまたはCU3Fの識別情報とともに上位サーバ801Fに送信してもよい。上位サーバ801Fでは、CU3Fから送られてきた持玉数を日付、P台2FまたはCU3F別に記憶しておくことで、後日、当該持玉を遊技者に返却することが可能になる。また、CU3Fは、閉店直前に挿入されていたカードIDを、計数した持玉数(残った遊技玉)と関連付けて上位サーバ801Fに送信してもよい。残った遊技玉は、閉店直前に挿入されていたカードIDの遊技者の遊技玉である可能性が高いため、計数した持玉数の持ち主を特定する作業を軽減することができ、後日、計数した持玉数を遊技者に返却することがさらに容易に行なうことができる。
前述の実施例では、カードが挿入されておらずP台2Fに遊技玉が残っている場合の閉店処理を説明したが、カードが挿入されている場合の閉店処理は後述する「遊技玉計数(カード返却)」(図73参照)の処理と同じ処理が実行される。ただし、残った遊技玉の計数処理について、店員が計数ボタン28Fの押下操作を行なって計数処理しても、閉店設定により自動的に計数処理してもよい。いずれにしても、カードが挿入されている場合、閉店処理によりカードが返却され抜き取り待ち状態となるので、当該カードを店員が回収する必要がある。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図73は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図73では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取り付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカ270Fで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取り付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取り付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図73で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス1>>
次に、図74を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図74は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への状態情報要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
図74を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報CU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図74において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス2>>
次に、図75を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図75は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへ状態情報応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(P台2FからCU3Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
図75を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がP台2FからCUへ送信された場合に、CUが電源断の状態であるためにその状態情報応答をCUが受信できない。それ以降CU3Fからの状態情報要求が送信されてこないためにP台2Fは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171Fが発射制御基板31Fへ停止コマンドを送信し、発射制御基板31Fが発射モータ18Fの回転駆動を停止する。この3秒間の間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3Fでは、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その際、現時点における持玉数をカードに記憶させて排出する。なお、CUの故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3Fから持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801Fの記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。その後、CU3Fの電源断が復旧してONの状態になってCU3Fが動作を開始する。CU3Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信通番=n−1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=n−1と、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、電源断の発生前に最後に送信した状態情報応答がCU3Fへ到達していないものと判断する。そこで、P台2Fは、CU3Fに対して未通知の遊技情報を有しているとして遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。つまり、前回遊技台情報である遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23をリカバリ応答に含めてCU3Fへ送信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報に基づいてリカバリ処理を実行する。ただし、通信回線断を検知する直前に遊技玉の加算要求を送信していないため、加算リカバリ処理は不要である。このため、リカバリ応答を受信した後、リカバリ要求2を送信することなく、通信開始要求を送信する。CU3Fは、この通信開始要求の送信前に、第1チェック処理を実行する。第1チェック処理では、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fによって、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かがチェックされる。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fは、P台2Fから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、電源断の発生前にCU3Fにまで到達しなかった状態情報応答に含まれる未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
なお、再挿入されたカードのカードIDがカード情報読取処理により適正に読取られた場合に、その読取ったカードIDとリカバリ応答に含まれているカードIDとを照合して一致しているか否かをCU3FのCU制御部323Fが判定するとともに、電源断発生前の遊技開始時に挿入されたカードの挿入時刻をCU制御部323FのRAMが記憶しておりその記憶しているカードの挿入時刻とリカバリ応答に含まれているカード挿入時刻とを比較して一致するか否かをCU3FのCU制御部323Fが判定してもよい。その場合、両者一致すると判定し、加算リカバリが無い場合には、CU3Fは、通信開始要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3Fへ返信する。
本実施例では、この遊技者の同一性を判断するときの遊技者を特定可能な遊技者特定情報として、カードIDとカード挿入時刻とを用いている。このカードIDは、会員の遊技者個人を特定する会員用カードのカードIDばかりでなく、ビジターとして来店した遊技者が用いるビジターカードのカードIDも含む。このビジターカードの場合には、不特定の遊技者に使用されるものであり、特定の遊技者個人を特定するものではない。つまり、このカードIDの場合には、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者とが同一の遊技者であるか否かは特定できるが、その遊技者がどの特定の個人であるかまでは特定できない。よって、上記「遊技者特定情報」とは、特定の遊技者個人を特定するものに限らず、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者との同一性が判別できる情報をも含む広い概念である。
<<異常系シーケンス3>>
次に、図76を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数の別のリカバリ処理について説明する。図76は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへ状態情報応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、CU3Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(P台2FからCU3Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。この電源のOFF,ONは、たとえばCU3Fの故障、または電源を手動でOFF,ONする、あるいはCU3Fをカードユニットホルダから抜き差しすることによっても、電源がOFF,ONとなる。
図76を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がP台2FからCUへ送信された場合に、CUが電源断の状態であるためにその状態情報応答をCUが受信できない。それ以降CU3Fからの状態情報要求が送信されてこないためにP台2Fは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171Fが発射制御基板31Fへ停止コマンドを送信し、発射制御基板31Fが発射モータ18Fの回転駆動を停止する。この3秒間の間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3Fでは、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その後、CU3Fの電源断が復旧してONの状態になり、さらにCU3Fを交換して新たなCU3Fが動作を開始する。
なお、CU交換前に稼働していたCU3Fが持玉数を記憶していたときには、その持玉数を別のカード(たとえば、CU内部のカード)に記憶させて排出するようにしてもよい。その際に、CUの故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3Fから持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801Fの記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。
交換後のCU3Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。しかし、CU3Fは、交換したため前回最終送信通番を有していない。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、交換後のCU3Fから送信される前回最終送信通番=0と、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、リカバリ処理を行なうためP台2Fに格納してある遊技情報をCU3Fへ送信する。具体的に、P台2Fは、交換後のCU3Fに対してリカバリ処理を行なうため遊技情報を有しているとして遊技情報格納有を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。このリカバリ応答でCU3Fに通知するリカバリ情報には、前回最終送信通番=n、挿入されていたカードのカードID、カード挿入時間、前回遊技台情報として前回最終送信加算通番=mおよび前回遊技台情報が含まれている。前回遊技台情報には、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含んでいる。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fは、P台2Fから受信した前回遊技台情報を使用してリカバリ処理(遊技玉数=480、加算玉数累計=+3、減算玉数累計=+23)を行ない、前回最終送信通番を更新して、当該データおよびカードID、カード挿入時刻をバックアップする。CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回挿入中だったカードの挿入待ち、または店員リモコン操作(遊技玉計数)待ちの状態となる。この状態でカードが挿入されると、CU3Fは、その挿入されたカードのIDをカードリーダライタにより読み取る。そして、読み取ったカードIDと、リカバリ応答に基づいて記憶しているリカバリカードID(前回挿入されていたカードのカードID)とが一致しているか否かを判定する。一致していると判定した場合には、遊技を再開させるための店員のリモコン操作待ちとなる。リモコン操作があれば、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信される。P台2Fでは、通信断以前の前回のカード挿入時に受信した店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップしており、そのバックアップしているデータとCU3Fから送信されてきた店舗コードおよびSC基板IDとを比較して一致するか否か判別する。一致していれば、遊技が再開可能となる。なお、リモコン操作を待つことなく、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されるようにしてもよい。不一致の場合には、たとえばP台2Fの遊技玉数データを無効にする等のエラー処理が行なわれる。あるいは、これに代えて、またはこれに加えてエラー報知がなされるようにしてもよい。さらには、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なうようにしてもよい。
なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス4>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図77は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への加算要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3FからP台2Fへの加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図77では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3Fに送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、P台2Fは、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2Fは、CU3Fからの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3Fは、P台2Fが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3Fは、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2Fで電源断が復旧し、P台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、リカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3Fへ返信する。ここでは、前回最終送信加算通番=mが送信される。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3Fは、P台2Fのリカバリデータの最終送信加算通番=mに比べて、バックアップしているCU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1の方が大きい値(新しい)の場合(不一致)、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。
具体的な加算リカバリ処理としては、P台2Fに対して加算玉数=125玉のリカバリを要求する。そのため、CU3Fは、リカバリ要求2(加算玉数=125、前回最終送信加算通番=m+1)をP台2Fへ送信する。
P台2Fは、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。このタイミングで、電源断によって実現されなかった加算処理が実現され、CU3F側とP台2F側とで遊技玉数が整合する。さらに、P台2Fでは、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3Fは、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3FのCU制御部323Fは、前述のリカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図88に基づいて後述する。
さらに、CU3Fは、通信開始要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3Fへ返信する。また、CU3Fは、状態情報要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=175)を状態情報応答でCU3Fに通知する。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス5>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図78は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの加算応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(P台2FからCU3Fへの加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図78では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3Fに送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、CU3Fで電源断が発生し、CU3Fの動作が停止する。しかし、P台2Fは、CU3Fで電源断が発生した直後、CU3Fの動作が停止していることを検知することができない。P台2Fが通信回線断を検知するには、1秒以上CU3Fから次のコマンドを受信できない期間が必要である。
そのため、P台2Fでは、CU3Fの動作が停止していることを知らずに、CU3Fの状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、CU3Fに返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3Fの動作が停止しているため、CU3Fへ未到達となる。なお、P台2Fでは、CU3Fへ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、前回最終送信加算通番を更新し、更新したデータおよび遊技玉数=175のデータをバックアップする。
その後、CU3Fで電源断が復旧し、CU3Fが動作を開始する。CU3Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m+1))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=m+1が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3Fは、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2Fのリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致した場合、加算リカバリ処理を要求せず、加算要求状態をクリアする。また、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。
CU3Fは、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2Fのリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致するか否かにより、加算リカバリ処理を行なうか否かの加算リカバリ処理判定を行なっている。加算リカバリ処理判定では、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2Fのリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致する場合、加算リカバリ処理を行なわないと判定し、それ以外の場合加算リカバリ処理を行なうと判定する。
CU3Fは、基本的に加算リカバリ処理判定で加算リカバリ処理を行なわないと判定した場合、リカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信することはない。しかし、CU3Fは、加算リカバリ処理判定で加算リカバリ処理を行なわないと判定した場合にも関わらず、誤ってリカバリ要求2のコマンドがP台2Fに送信されてしまうとリカバリ処理が行なわれ、本来と異なる遊技玉数に変更されてしまう不都合が生じる。
そこで、本実施の形態では、CU3Fが加算リカバリ処理判定の判定後にリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信した場合、P台2Fは、リカバリ要求2のコマンドに含まれる前回最終送信加算通番と、P台2Fで記憶している前回最終送信加算通番とが一致するか否かを判定して加算リカバリ処理を行なうか否かの再判定を行なう。
具体的に、CU3Fは、通番=2、前回最終送信加算通番=m+1、および加算玉数=125を含むリカバリ要求2のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fは、CU3Fのリカバリ要求2のコマンドに含まれる前回最終送信加算通番=m+1と、P台2Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致するので、加算リカバリ処理を行なわないと判定して処理NGの情報をCU3Fに通知する。そのため、P台2Fは、通番=2、処理結果=処理NGを含むリカバリ応答2をCU3Fに送信する。
さらに、CU3Fは、通信開始要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、通信開始応答をCU3Fへ返信する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス6>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図79は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの加算応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(P台2FからCU3Fへの加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図79では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3Fに送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、CU3Fで電源断が発生し、CU3Fの動作が停止する。しかし、P台2Fは、CU3Fで電源断が発生した直後、CU3Fの動作が停止していることを検知することができない。P台2Fが通信回線断を検知するには、1秒以上CU3Fから次のコマンドを受信できない期間が必要である。
そのため、P台2Fでは、CU3Fの動作が停止していることを知らずに、CU3Fの状態情報要求のコマンドを受けて、加算要求を処理する。ところが、何らかの原因(たとえば、遊技玉数が上限値に達しているなど)によって、遊技玉を加算できない状況が発生する。この場合、P台2Fは、通番=n+1、遊技玉数=50、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、CU3Fに返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3Fの動作が停止しているため、CU3Fへ未到達となる。なお、P台2Fでは、遊技玉加算異常が発生しているので、CU3Fからの加算玉を処理することができず、前回最終送信加算通番=mのままで更新していない。
その後、CU3Fで電源断が復旧し、CU3Fが動作を開始する。なお、P台2Fでは、遊技玉加算異常の状態である。CU3Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=mが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3Fは、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2Fのリカバリデータの前回最終送信加算通番=mと、CU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、加算リカバリ処理を要求する。そのため、CU3Fは、前回最終送信加算通番=m+1、加算玉数=125を含むリカバリ要求2をP台2Fに送信する。
それを受けてP台2Fは、遊技玉加算異常により、遊技玉加算が処理されていないこと(遊技玉加算NG)をリカバリ応答2で通知する。リカバリ応答2には、リカバリ結果=処理NGが含まれている。
それを受けたCU3Fは、リカバリ結果=処理NGを含むリカバリ応答2を受信した場合、遊技玉加算要求状態をクリアしてOFF状態にして、後述する第3チェックを行なう。さらに、CU3Fは、通信開始要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、通信開始応答をCU3Fへ返信する。
さらに、CU3Fは、遊技玉加算要求状態がクリアされてOFF状態になっているため、P台2Fに再度加算要求を通知せずに、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=m+1を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fは、加算異常状態のため、リカバリ要求2の加算玉数=125を遊技玉数=50に加算できない場合、加算せずに現時点の遊技玉数=50をCU3Fに通知する。具体的に、P台2Fは、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答をCU3Fに送信する。なお、加算通番は、遊技玉加算結果がNGであるため、状態情報要求で送信されてきた「m+1」に更新せずに「m」のままである。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。CU3Fは、P台2Fから送信される状態情報応答に含まれる現時点の遊技玉数=50の情報に基づき、確定させた貯玉の消費を取消す処理を行なう。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス7>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図80は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への加算要求のコマンドが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3FからP台2Fへの加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図80では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3Fに送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3Fは、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、P台2Fは、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2Fは、CU3Fからの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3Fは、P台2Fが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3Fは、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2Fで電源断が復旧し、さらにP台2Fを交換して新たなP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。なお、CU3Fは、P台2Fが交換されても加算リカバリは実施する。
認証シーケンス後、CU3Fは、リカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3Fへ返信する。しかし、P台2Fは、新たに交換したため前回最終送信加算通番はバックアップしておらず、初期値“0”をCU3Fに送信することになる。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3Fは、P台2Fのリカバリデータの最終送信加算通番=0と、バックアップしているCU3Fで記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。具体的な加算リカバリ処理としては、P台2Fに対して加算玉数=125玉のリカバリを要求する。そのため、CU3Fは、リカバリ要求2(加算玉数=125、前回最終送信加算通番=m+1)をP台2Fへ送信する。
P台2Fは、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。さらに、P台2Fでは、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3Fは、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3FのCU制御部323Fは、前述のリカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図88に基づいて後述する。
さらに、CU3Fは、通信開始要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3Fへ返信する。また、CU3Fは、状態情報要求をP台2Fへ送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=175)を状態情報応答でCU3Fに通知する。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス8>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図81は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの計数応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3FからP台2Fへの計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図81では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。その後、P台2Fでは、計数ボタン28Fが押下され、CU3Fに対して計数要求を送信する。具体的には、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2Fでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3Fに通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3Fは、計数玉数を持玉数に加算して持玉数=100にし、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータをバックアップする。しかし、P台2Fは、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2Fは、CU3Fからの通番=n+1、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、P台2Fは、CU3Fからの計数応答が未到達となる。
CU3Fは、P台2Fが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3Fは、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2Fで電源断が復旧し、P台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信計数通番=m+1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m+1と、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致しているので、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断できる。この場合には、P台2Fは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行し、計数要求状態をOFFにする。つまり、P台2Fは、この時点で遊技玉数=500から遊技玉数=400に更新される。また、P台2Fは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。なお、CU3Fは、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fは、P台2Fから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=400)を状態情報応答でCU3Fに通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=400を含む。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス9>>
次に、電源断/通信回線断により計数要求が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図82は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの計数要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数要求が未到達(P台2FからCU3Fへの計数要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図82では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。その後、P台2Fでは、計数ボタン28Fが押下され、CU3Fに対して計数要求を送信する。具体的には、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2Fでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3Fに通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、CU3Fは、状態情報応答のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。つまり、CU3Fは、P台2Fからの計数要求が未到達となる。それ以降、CU3Fからの状態情報要求が送信されてこないために、P台2Fは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171Fが発射制御基板31Fへ停止コマンドを送信し、発射制御基板31Fが発射モータ18Fの回転駆動を停止する。
その後、CU3Fで電源断が復旧し、CU3Fが動作を開始する。CU3Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=mと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できる。この場合には、P台2Fは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにする。つまり、P台2Fは、電断発生直前に送信した計数要求を取り消し、この時点で遊技玉数=500のまま維持する。また、P台2Fは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。CU3Fは、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fは、P台2Fから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3Fに通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス10>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数の別のリカバリ処理について説明する。図83は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への計数応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3FからP台2Fへの計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図83では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。その後、P台2Fでは、計数ボタン28Fが押下され、CU3Fに対して計数要求を送信する。具体的には、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100、計数通番m+1および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2Fでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3Fに通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3Fは、計数玉数を持玉数に加算する処理を実行するが、何らかの異常が発生して加算処理ができない。このため、CU3Fからは計数通番=mおよび計数応答=OFF(計数異常状態のため)を含む状態情報要求のコマンドが送信される。ところが、P台2Fは、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止している。そのため、P台2Fは、CU3Fからの状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、P台2Fは、CU3Fからの計数応答が未到達となる。
CU3Fは、P台2Fが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3Fは、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2Fで電源断が復旧し、P台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m(計数異常のため“m”のままの更新されていない)と、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できる。この場合には、P台2Fは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにして、前回最終送信計数通番を1つ減らす(−1)。P台2Fは、この時点で電断発生前の計数要求を取り消して遊技玉数=500のまま維持する。また、P台2Fは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図87(a)に基づいて後述する。CU3Fは、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fは、P台2Fから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3Fに通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図87(b)に基づいて後述する。
<<加算要求異常>>
次に、加算要求異常の処理について説明する。図84は、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉加算結果異常のときの処理の一例を示す図である。特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉の加算結果が異常である場合の処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図84では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3Fに送信される。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3Fは、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報(加算玉数=125玉)を通知する。その際、CU3Fは、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175、更新した前回最終送信加算通番および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、P台2Fで遊技玉を加算する処理に異常が発生する。そのため、P台2Fは、CU3Fの状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉加算結果=NG、前回最終送信加算通番の情報を通知する。
遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ再送する。なお、CU3Fは、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+1からn+2へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。
しかし、P台2Fは、遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2Fは、CU3Fの再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+2、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを再度受信したCU3Fは、通番=n+3、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ2回目の再送を行なう。なお、CU3Fは、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+2からn+3へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2Fは、まだ遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2Fは、CU3Fの再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fは、状態情報要求のコマンドを2回再送しても、P台2Fから遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスの応答を受信する場合、P台2Fで遊技玉を加算する処理に異常が発生しているとして、加算異常復旧待ちの状態となる。
P台2Fにおいて加算異常が復旧後、CU3Fは、通番=n+X、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ再送を行なう。P台2Fでは、加算異常が復旧しているので、遊技玉への加算処理を実施して遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)+125(加算玉数)=175とし、前回最終送信加算通番を更新して、当該データをバックアップする。
遊技玉への加算処理を実施後、P台2Fは、通番=n+X、遊技玉数=175、加算通番=m+1および遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答をCU3Fに送信する。これを受けて、CU3Fは、加算要求状態をOFFにする。
<加算通番に関する動作>
図85は、加算通番に関するP台2FおよびCU3Fの動作を説明するための概念図である。遊技玉の加算要求が発生していないときには、CU3FとP台2Fとの間で、図85の(1)〜(4)に示すような通常通番および加算通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3FからP台2Fに対して、通常通番n、加算通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したP台2Fは、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3Fは、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、加算通番m)を送信する。(3)の電文を受信したP台2Fは、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(4)の電文を返信する。
このようにCU3Fは、P台2Fから電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、P台2Fは通常通番を更新しない。また、加算要求が発生しない限り、加算通番は更新されない。
次に、加算要求(玉貸し操作や貯玉引き落とし操作による)が発生したときには、CU3FからP台2Fに対して加算通番が1つ更新された(5)の要求電文が送信される(通常通番n+2、加算通番m+1)。この要求電文には加算要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、CU3Fは、この段階で既に加算要求に対する処理(カード残高の引き落としや貯玉の引き落とし)を確定させている。
P台2Fは、(5)の要求電文を受信し、加算通番が前回から1つ更新されていることに基づいて加算要求を認識する。その上で、今回の加算要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、P台2Fの払出制御部171Fが行なう。払出制御部171Fは、P台2F側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(6)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(6)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、加算通番が(5)の要求電文に含まれていた加算通番m+1とされている。一方、拒否電文では、加算通番が(6)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる加算通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文に含まれていたn+2である。
CU3Fは、直前の送信電文に含めた加算通番をバックアップ記憶するエリアと、受信電文に含まれる通常通番をバックアップ記憶するエリアとを備えている。これらのエリアは、たとえば、CU3FのCU制御部323Fのマイクロコンピュータ内に設けられている。(6)の電文を受信したCU3FのCU制御部323Fは、バックアップ記憶している加算通番と、(6)の電文に含まれる加算通番とを比較判定する。その結果、記憶している加算通番と送信されてきた電文に含まれる加算通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた加算通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図85の(5)’は、要求電文がノイズその他の要因によりP台2Fに到達しなかった場合について示している。この場合、P台2FはCU3Fからの電文到達を待つため、P台2FからCU3Fに対して電文が送信されることはない。CU3Fは、(5)’の要求電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、P台2Fからの応答がないので、同じ要求電文(5)’’を再送する。
<計数通番に関する動作>
図86は、計数通番に関するP台2FおよびCU3Fの動作を説明するための概念図である。計数要求が発生していないときには、CU3FとP台2Fとの間で、図86の(1)〜(3)に示すような通常通番および計数通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3FからP台2Fに対して、通常通番n、計数通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したP台2Fは、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび計数通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3Fは、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、計数通番m)を送信する。このようにCU3Fは、P台2Fから電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、P台2Fは通常通番を更新しない。また、計数要求が発生しない限り、計数通番は更新されない。
次に、計数要求(計数操作の検出)が発生したときには、P台2FからCU3Fに対して計数通番が1つ更新された(4)の要求電文が送信される(通常通番n+1、計数通番m+1)。この要求電文には計数要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、P台2Fは、この段階では計数処理を実行していない。
P台2Fは、(4)の要求電文を受信し、計数通番が前回から1つ更新されていることに基づいて計数要求を認識する。その上で、今回の計数要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、CU3FのCU制御部323Fが行なう。CU制御部323Fは、計数処理(持玉の加算処理)が可能であるか否かを判定する。計数処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。
要求を承諾する場合には、(5)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(5)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、計数通番が(4)の要求電文に含まれていた計数通番m+1とされている。一方、拒否電文では、計数通番が(4)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる計数通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文から更新されており、n+2である。
P台2Fは、直前の送信電文に含めた計数通番と通常通番とをバックアップ記憶するエリアを備えている。このようなエリアは、たとえば、P台2Fの払出制御部171Fのマイクロコンピュータ内に設けられている。(5)の電文を受信したP台2Fの払出制御部171Fは、バックアップ記憶している計数通番と、(5)の電文に含まれる計数通番とを比較判定する。その結果、記憶している計数通番と送信されてきた電文に含まれる計数通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた計数通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図86の(4)’は、要求電文がノイズその他の要因によりP台2Fに到達しなかった場合について示している。この場合、CU3Fは、(3)の電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、P台2Fからの応答がないので、同じ電文(3)を再送する。再送されてきた(3)の電文を受けたP台2Fは、その電文に含まれる通常通番がn+1であり、先に(4)’の要求電文を送信しているにも関わらず、通常通番が変化していないことから、(4)’の要求電文が到達しなかったと判定する。そして、P台2Fは、(4)’と同じ要求電文(4)’’を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常通番とは別の要求通番(加算通番、計数通番)が電文に含められて送信される。これらの要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときに加算更新され、それ以外では、電文の送受信が行なわれても加算更新されない。
これに対して、通常通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、CU3Fから電文が送信されるごとに更新される(なお、通常の通番は、CU3FおよびP台2Fの双方で互いに更新する動作をしてもよい。)。
このため、通常通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒否電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように加算通番や計数通番といった要求通番を利用して、要求通番を更新した要求電文を送信し、これに対する応答として要求電文に含まれていた要求通番と同じ要求通番を含む電文を受信した場合には、その通番の値によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか否かまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒否電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
なお、本実施の形態では、要求が発生したときの要求通番に対する更新値を+1としているが、これは一例であって、+2や+3、−1や−2などの他の更新値を採用してもよい。
<第1〜第3チェック処理>
次に、図87(a)、(b)、図88に基づいて、CU制御部323Fにより実行される第1チェック処理、第2チェック処理および第3チェック処理について説明する。
まず図87(a)を参照して、第1チェック処理を説明する。ステップS(以下単にSという)300により、遊技台情報の格納があるか否かの判断がなされる。これは、P台2Fから送信されてきたリカバリ応答の中に遊技台情報が含まれているか否かを判断するものであり、前述した図75、図76の場合に遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)が含まれているために、SF300によりYESの判断がなされる。遊技台情報が含まれていないと判断された場合にはこの第1チェック処理が終了する。
遊技台情報の格納があると判断された場合には制御がSF301へ進み、その受信した遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)に含まれている加算玉数が予め定められた閾値N1以上であるか否かの判断がなされる。この閾値N1は、CU3FとP台2Fとの間での状態情報要求と状態情報応答との1周期(200ms)の間に入賞に伴う遊技玉の加算数の最大(たとえば大当り時の最大加算玉数120)よりも少し大きい値(たとえば125)に設定されている。したがって、正常な場合には、受信した加算玉数がこの閾値N1よりも小さな値になっている筈である。ところが、閾値N1よりも大きな加算玉数となっているということは、オフライン中にP台2Fに不正等が行なわれて不正に増加した加算玉数および遊技玉数を含む遊技台情報がリカバリ応答としてCU3Fへ送信されてきた虞がある。その場合には、制御がSF304へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312Fにより報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801Fの代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がSF305へ進み、CU制御部323Fがリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320Fに入力されるまでCU制御部323Fが制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323Fがリセット状態となって電源投入(図66参照)と同じ状態に復帰する。
SF301、SF303のチェック処理の結果異常判定されたとしても、その原因が通信断後にCU3FまたはP台2Fを新たなものに交換し、その後通信を復旧させたことにより、CU3F側が記憶している情報とリカバリ処理時にP台2Fから送信されてくる情報とが全く食い違っていることに起因する場合がある。このような不正行為ではないにも拘らず異常判定する場合があり、そのために、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット待ち状態を解除できるようにし、遊技場の係員による人為的な判断を介在させて正常な対応ができるようにしている。
一方、SF301によりNOの判断がなされた場合には制御がSF302へ進み、CU制御部323Fが記憶している遊技玉数に対してP台から受信した加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してその算出結果であるR1を算出する演算が行なわれる。すなわち、P台2Fから受信した遊技台情報に含まれている加算玉数が適正であると判断された場合には、その加算玉数と減算玉数とを用いて最新の遊技玉数R1を算出するのである。次にSF303により、その算出されたR1−受信した遊技玉数の絶対値すなわちR1と受信した遊技玉数との差を演算し、その差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がSF304以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323FのRAMが記憶する。
次に図87(b)に基づいて第2チェック処理を説明する。通信開始応答直後の状態情報要求に対して返信されてくるP台2Fからの状態情報応答に含まれている遊技台情報(具体的には今回遊技台情報)の中の加算玉数が予め定められた閾値N3以上であるか否かの判断がSF310により行なわれる。この受信した加算玉数は、P台がCU3Fへ最後に状態情報応答を送信してからP台に電源断が発生するまであるいはP台が通信回線断を検知して遊技が停止するまでの間において変動した加算玉数であり、このような比較的短い限られた期間内の加算玉数の変動量はそれほど大きな値にはならず、ある決まった上限の範囲内となる。故に、その上限(たとえば120)よりも少し大きな値(たとえば125)を閾値N3と定めている。そして、受信した加算玉数がその閾値N3以上の場合には、制御がSF314へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312Fにより報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801Fの代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がSF315へ進み、CU制御部323Fがリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320Fに入力されるまでCU制御部323Fが制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323Fがリセット状態となって電源投入(図66参照)と同じ状態に復帰する。
一方、SF310によりNOの判断がなされた場合には制御がSF311へ進み、CU制御部323Fが記憶している遊技玉数に対して受信した加算玉数を加算するとともに受信した減算玉数を減算してR2を算出する演算が行なわれる。なお、ここでいう「記憶している遊技玉数」とは、前述したように、SF303によりNOの判断がなされたときのP台2Fから受信した遊技玉数のことである。そして、SF312により、そのR2とP台2Fから受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N4以上であるか否かの判断がなされる。本来、R2と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N4と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N4以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がSF314以降に進む。
SF312によりNOの判断がなされた場合には制御がSF313へ進み、CU制御部323Fは、P台2Fから受信した遊技玉数を初期値の遊技玉数として記憶した後、この第2チェック処理の制御が終了する。
このSF313の処理がなされた後には、CU3FとP台2Fとの間で通常の状態情報要求および状態情報応答の送受信が行なわれるのであり、その際、CU制御部323Fは、SF313により初期値の遊技玉数として記憶された遊技玉数を初期値として、加算玉数と減算玉数とに基づいて現在の遊技玉数を算出し、その現在の遊技玉数に基づいてP台2Fから送信されてくる遊技玉数との差が予め定められた誤差玉数(たとえば5)を超えているか否か判定し、超えている場合には異常判定して、前述のSF304、SF305、SF314、SF315と同様の制御を行なう。
次に、図88に基づいて第3チェック処理の制御を説明する。CU制御部323Fは、P台2Fからリカバリ応答2を受信した直後にこの第3チェック処理を実行する(図77、図79、図80参照)。
このリカバリ要求2およびリカバリ応答2は、前述したように、CU3FがP台2Fに対して遊技玉数の加算要求を出力したにも拘らずP台2Fがその遊技玉加算要求に従った遊技玉の加算処理を行なっていない場合にその遊技玉数の加算リカバリを行なうためのものである。そして、P台2FからCU3Fへ送られてくるリカバリ応答2によりその加算リカバリの処理が正常に行なわれたか否かの処理結果が通知される。CU制御部323Fは、SF320により、そのリカバリ結果が処理NGであるか否かの判断を行なう。処理NGすなわち加算リカバリが正常に行なわれなかった場合には、制御がSF324へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312Fにより報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801Fの代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がSF325へ進み、CU制御部323Fがリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320Fに入力されるまでCU制御部323Fが制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323Fがリセット状態となって電源投入(図66参照)と同じ状態に復帰する。
一方、リカバリ結果が処理OKであった場合には制御がSF321へ進み、CU制御部323Fが現在記憶している遊技玉数に対してP台2Fへ送信した加算玉数を加算する処理を行なう。これは、CU3Fが出力した遊技玉加算要求での加算玉数分の加算リカバリがP台2Fにおいて正常に行なわれたために、その加算玉数を遊技玉数に加算して現時点における正常な遊技玉数を算出するための処理である。
次に制御がSF322へ進み、その加算後の遊技玉数に対してP台2Fから送信されてきた加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してR3を算出する演算が行なわれる。この加算玉数と減算玉数とは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)であり、リカバリ応答にその前回遊技台情報が含まれていない場合には、加算玉数と減算玉数とは共にゼロであり、その結果、加算後の遊技玉数=R3を算出することとなる。
次にSF323により、その算出されたR3とCU3Fが受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がSF324以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323Fが記憶する。
以上説明したように、P台2FからCU3Fへ、遊技台情報として前回遊技台情報が先に送信され、その後今回遊技台情報が送信され、CU3F側において両遊技台情報を区別可能となるように送信されるために、CU制御部323Fにおいては、その両遊技台情報のそれぞれの適性を判別することが可能となる。その結果、P台2Fから送られてくる前回遊技台情報中のたとえば遊技玉数データは、CU制御部323Fが現時点で記憶している遊技玉数データと大きな差はない筈であり、また、その後に送られてくる今回遊技台データ中のたとえば遊技玉数データも、CU3Fが受信した前回遊技台情報中の遊技玉数データとそれほど大きな差はない筈である。もし、これらのデータの差に大きな開きがある場合には、不正に遊技玉数データが水増しされていると異常判別することができる。
仮に、前回遊技台データと今回遊技データとを合算した合算データがP台2FからCU3Fへ一括送信される場合には、前回遊技台データと今回遊技台データとをそれぞれ個別に判別する場合に比べて大まかな判別しかできず、その分不正を判別しにくくなる。このような不都合を防止するべく、遊技台データを2段階で送信してCU制御部323Fにおいてそれら両データを区別できるようにし、それぞれの遊技台データについての木目細かな異常判別を可能とし、異常判別しやすくしている。
なお、前述した第1チェック処理〜第3チェック処理においては、先に加算玉数の適否を判定した後、適正である場合にその加算玉数に基づいて現在の遊技玉数を算出してその遊技玉数とP台2Fから送信されてきた遊技玉数を比較して送信されてきた遊技玉数が適正であるか否かの判定を行なっているが、単に、P台2Fから送信されてきた遊技玉数をCU3Fが記憶している遊技玉数と比較してその適否判定を行なうようにしてもよい。
さらに、CU3Fは、リカバリ処理以前に記憶している最終の遊技玉数(以下「CU遊技玉数」と言う)と、P台2Fから受信した前回遊技台情報中の遊技玉数(以下「P台前回遊技玉数」と言う)と、P台2Fから受信した最新遊技台情報中の遊技玉数(以下「P台最新遊技玉数」と言う)との3者間で比較判定して適否判定を行なうようにしてもよい。3者間での比較判定の具体例としては、CU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定して正しければそのP台前回遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。あるいは、CU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。さらには、先にP台前回遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定し、さらにCU遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。
なお、上記の第1チェック処理〜第3チェック処理は、CU3FやP台2Fの交換(入替え)が行なわれていないときに実行するのが望ましい。通信断時に交換(入替え)が行なわれているときには、リカバリ処理でCU側とP台側との遊技玉数が大幅に相違するのが一般的であるために、それが原因で上記の第1チェック処理〜第3チェック処理の結果エラー判定されるためである。ゆえに、通信断後にCU3FまたはP台2Fを交換した場合に、通信復旧時におけるリカバリ処理において第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御してもよい。具体的には、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる前回最終送信通番とCU制御部323Fが記憶している前回最新送信通番との差が2以上の場合に、CU3FまたはP台2Fが交換されたとCU制御部323Fが判断し、CU制御部323Fが第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御する。
さらに、CU3FまたはP台2Fの交換であるか否かに拘らず、リカバリ時にはCU3F側で前回遊技台データおよび今回遊技台データのチェックを一切行なわないように制御してもよい。このようにすれば、CU3FまたはP台2Fの交換に起因したチェック異常判定が生ずる煩わしさを防止することができる。
<要求通番に関する動作>
次に、図64〜図86で示した通信シーケンスで説明した通番の更新方法は一例であり、当該方法に限定されるものではない。たとえば、以下に説明するような通番の更新方法を図64〜図86で示した通信シーケンスに適用してもよい。
<<通番および要求通番をともに更新>>
図89は、要求通番に関するP台2FおよびCU3Fの動作を説明するための概念図である。図89に示すA装置およびB装置の一方はP台2Fであり他方はCU3Fである。相手方に対しての要求が発生する装置をA装置とし、A装置からの要求を受信する装置をB装置としている。
A装置がCU3FでB装置がP台2Fの場合には、要求通番は加算通番であり、要求は遊技玉の加算要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図69に示したとおりである。
A装置がP台2FでB装置がCU3Fの場合には、要求通番は計数通番であり、要求は遊技玉の計数要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図71に示したとおりである。
ここでは、これらの双方の場合を概念化して説明する。A装置は、B装置に対する要求がない間は、(1)のとおり、要求通番mが更新されていない電文を送信する。ただし、通常の通番nは電文の送信ごとに更新する。B装置は、これを受信して、(2)のとおり電文を返信する。この電文では、通常の通番がn+1に更新されている。しかし、要求通番はmのまま更新されていない。
A装置で要求が発生しない間は、(1)(2)のように、通常の通番を更新しつつ、双方で電文を送信し合う。この間は、相手から受けた電文に含まれる通常の通番を見て、直前に送信した電文が相手にまで到達したか否かを判定する。
A装置で要求が発生すると、A装置は要求通番をm+1に更新し、(3)に示すように更新後の要求通番m+1を含む要求電文をB装置へ送信する。このとき、通常の通番もn+2に更新されている。なお、この要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータも含まれている。
要求通番m+1を含む要求電文を受信したB装置は、要求を承諾するか否かを判定する。たとえば、計数要求であれば、CU3F側で持玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。あるいは、加算要求であれば、P台2F側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。持玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。また、遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(4)の上に記載のとおり、要求通番をm+2に更新した承諾電文をA装置へ送信する。これに対して、要求を拒絶する場合には、(4)の下に記載のとおり、要求通番がm+1のまま更新されていない拒絶電文(拒否電文ともいう。以下、同じ。)をA装置へ送信する。通常の通番は、いずれの場合にもn+3に更新される。
A装置は、直前の送信電文に含めた要求通番を記憶する記憶手段を備えている。(4)の電文を受信したA装置は、記憶手段に記憶している要求通番と、(4)の電文に含まれる要求通番とを比較判定する。その結果、記憶している要求通番と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が拒否されたと判定する。これに対して、記憶している要求通番に所定数(この例では1)を加えた値と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+2)であれば(換言すると、送信されてきた要求通番が1つ進んでいれば)、要求が承諾されたと判定する。なお、要求が承諾されたと判定した場合には、さらに要求通番を1つ更新し、具体的な要求値(計数玉数や加算玉数)を含む電文をB装置へ送信する。一方、要求が拒否されたと判定した場合には、受信した要求通番を含む電文をB装置へ送信する。
仮に、(3)の要求電文がノイズその他の要因によりB装置に到達しなかった場合について、図89の(3)’に示している。この場合、B装置は(2)の電文を送信してから所定の待機時間(たとえば、200ms)が経過したときに無応答と判定して、(2)の電文を再送する。その結果、(3)’を送信したA装置には(2)の電文が届く。すると、A装置は、要求通番m+1の要求電文を送信したにも関わらず、これに対する返信電文の要求通番が要求承諾および要求拒否のいずれにも該当しないため(要求電文に含めた要求通番より1遅れた要求通番であるため)、要求電文が到達していないと判定する。なお、このような判定は、通常の通番の方を利用してすることも可能である。すなわち、要求通番に含めた通常の通番はn+3であるのに対して、返信電文に含まれる通常の通番はn+2であるため、このような状況に基づいて要求電文の未到達と判定できる。
A装置は、要求電文が到達していないと判定したときには、(3)の要求電文を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常の通番とは別に要求通番が電文に含められて送信される。この要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときを契機として更新が開始され、要求動作の終了時あるいは要求に対する拒絶の際に更新が停止する。それ以外の間では、電文の送受信が行なわれても更新されない。
これに対して、通常の通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、電文がやりとりされるごとに更新される(なお、通常の通番は、A装置およびB装置の一方でのみ更新され、他方は相手から受けた通番をそのまま返信する動作をしてもよい。)。
このため、通常の通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒絶電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように要求通番を利用した場合には、要求通番によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
<<通番と要求通番とのうち、一方のみ更新>>
図90は、通常の通番および要求通番に関するP台2FおよびCU3Fの動作の変形例を説明するための図である。この変形例は、要求通番が更新されるときには通常の通番は更新されていない点で、図89に示した例と相違する。
つまり、この変形例は、通常の通番と要求通番とのうち、要求が発生していないときには通常の通番のみが更新されて電文がやりとりされる。ところが、要求が発生すると、通常の通番の更新が停止して要求通番のみが更新される。その後、要求に対する一連の処理が終了するか、若しくは要求に対する拒絶電文が送信されるときに要求通番の更新が停止して、代わりに通常の通番の更新が開始される。
このため、図90の(1)(2)に示される、要求発生前の電文のやりとりでは、通常の通番がn、n+1に更新されている一方で要求通番mは更新されていない。ところが、要求の発生によって送信される(3)の要求電文では、通常の通番がn+1のままで更新されていない一方、要求通番がm+1に更新されている。同様に、要求電文に対する(4)の承諾電文および拒絶電文のいずれも、通常の通番はn+1のままで更新されていない。
この場合でも、(4)の電文を受信したA装置は、その電文に含まれる要求通番を判定することによって、その電文が承諾電文であるか拒絶電文であるかを判断できる。
また、(3)’に示すように、要求電文がB装置に届かずにB装置から(2)の電文が再送されてきた場合にも、A装置は、要求通番に基づいて要求電文が到達しなかったことを判定できる。
この変形例のように、要求発生時から要求に対する処理が終了するまで、通常の通番の更新を停止しても、その間は、要求通番が通常の通番の機能を肩代わりするために、何ら問題が生じない。また、その間は、通常の通番を更新したり、通常の通番を照合したりする処理が不要になるという効果も奏される。
<鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵>
次に、鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵について説明する。図91は、鍵管理サーバから通信制御IC325aFまでの間の通信に使用される暗号鍵を説明するための図である。まず、鍵管理サーバから通信制御IC325aFまでの間の通信に使用される暗号鍵には、主に基板出荷鍵、基板初期鍵、基板認証鍵、本認証鍵、仮認証鍵、有効鍵(商用)、通信鍵1(セッション鍵)および通信鍵2(セッション鍵)がある。基板出荷鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、出荷以前での通信テスト電文の暗号にのみ使用される。基板初期鍵は、CU制御部−SCの通信に利用され、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323Fが受信し、CU制御部323FのRAMに記憶される。SC325bFは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。基板初期鍵を用いた認証用通信(基板初期鍵モード)は限られた期間のみ許容(時限的運用)される。ここで、基板初期鍵モードは、前述したように、ホールサーバと少なくとも1回は正常に通信して、基板初期鍵を取得する必要があるため、セキュリティ性は担保されている。
ここで、「限られた期間」とは、たとえば、2日間という限定的期間である。このように、時限的運用を可能にすることによって、ホールにシステムを導入した段階ですぐに鍵管理サーバとの鍵交換ができない場合であっても、システムの導入直後からホールは営業を開始することが可能となる。なお、限定的期間としては、たとえば、毎朝9時〜17時までの間という具合に、1日の中での定めた期間を設定してもよい。
なお、前述の基板初期鍵モードは、基板初期鍵を用いた認証用通信を限られた期間可能にする制限を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用できる金額(カード残額、あるいは現金)を制限してもよい。あるいは、可変表示装置における図柄の変動回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。または、大当たりの累積回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。その他、現金を投入することによる遊技のみを許容してカード残額を使用した遊技ができないようにしてもよく、持玉を使用した遊技のみに制限するようにしてもよい。
基板認証鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、鍵管理サーバより基板セキュリティ情報の一部として受信する暗号鍵である。基板認証鍵を用いた認証用通信を行なうことで、基板初期鍵を用いた時限的運用から恒久的運用(通常運用)に通信モード(基板認証鍵モード)が切換わる。この基板認証鍵は、CU制御部のRAMとSCのRAMとに記憶される。
基板初期鍵を用いた時限的運用および基板認証鍵を用いた恒久的運用のいずれについても、ホールサーバに記憶された有効鍵をCU制御部323Fが受信し、SC325bFがその有効鍵を通信制御IC325aFに対して設定することによりP台とCUとの間の通信が可能となることで実現される。
本認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、鍵管理サーバから受信した更新情報から、SC325bFにより生成されてSC325bFのRAMに記憶されるとともに、通信制御IC325aFにおいてもSC325bFと同様に更新情報から生成されて通信制御IC325aFのRAMに記憶される。なお、この本認証鍵は、鍵管理サーバなどから本認証鍵そのものを取得するようにしてもよい。また、鍵管理サーバなどから更新情報を受信することなくCU制御部323Fと通信制御IC325aFとが自ら生成してもよい。さらに、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323Fと通信制御IC325aFとが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから本認証鍵を生成するようにしてもよい。
仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bFと通信制御IC325aFとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bFおよび通信制御IC325aFは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323F経由でSC325bFが受信し、通信制御IC325aFに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってP台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325aF活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CUとP台との間の通信を許可するための許可情報である。
通信鍵1(セッション鍵)は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられ、SC325bFが何らかの変数を用いて、毎営業日作成している。該変数として、たとえば、カウンタ値(乱数)や日時情報などを用いてもよい。通信鍵2(セッション鍵)は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられる。
なお、前述に説明した鍵は、鍵のデータがそれぞれの部分にそのまま埋込まれている構成であっても、鍵のデータを生成するための情報がそれぞれの部分に記憶されていて、該情報を利用いて鍵のデータを生成する構成であってもよい。
次に、暗号鍵の取得方法と、取得した暗号鍵を用いて暗号通信を行なう方法について説明する。まず、SC325bFは、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323F経由で有効鍵を取得する。SC325bFは、取得した有効鍵を通信制御IC325aFに対して送信(設定)することで、P台との通信が可能になる。CU制御部323Fはホールサーバとの最初の通信時に基板初期鍵を受信し、CU制御部323FのRAMに記憶される。SC325bFは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。SC325bFは、取得した基板初期鍵を用いてCU制御部323Fと暗号認証を行ない、該基板初期鍵を用いて時限的にCU制御部323Fと暗号通信を行なう。また、電源投入時にCU制御部323Fから送られてきた接続要求を受信したホールサーバは、当該ホールサーバが設置されている遊技場を識別するための統一店舗コードをCU制御部323Fへ返信する。具体的には、ホールサーバのCPUの制御にしたがってホールサーバの入出力インターフェイスからCU制御部323Fへ統一店舗コードが送信される。
一方、CU制御部323FとSC325bFとの間では、両者に初期情報として記憶されている基板メーカコードを用いた認証が行なわれる。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325Fを製造したメーカを特定するコードのことである。基板メーカコードを用いた認証に成功したことを条件として、基板接続要求と基板接続応答とのやり取りが行なわれる(図97参照)。CU制御部323FからSC325bFへ送信される基板接続要求の中に上記統一店舗コードが含まれており、基板接続要求を受信することによりSC325bFが統一店舗コードを取得する。
次に、CU制御部323Fは、鍵管理サーバに対して基板セキュリティ情報を要求し、鍵管理サーバがホールサーバを介して送信してきた基板セキュリティ情報を受信することで、該基板セキュリティ情報に含まれる基板認証鍵を取得する。CU制御部は、取得した基板認証鍵を用いてSCと暗号認証を行ない、該基板認証鍵を用いてSCと暗号通信を行なう。なお、CU制御部323Fは、基板認証鍵を取得後すぐに基板初期鍵から基板認証鍵に鍵を変更するのではなく、後述するように遊技機が非稼動状態になっていることを条件にして鍵を変更する。
この基板認証鍵は、鍵管理サーバなどから取得する代わりに、CU制御部323Fが自ら生成してもよく、また、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323Fが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから基板認証鍵を生成するようにしてもよい。
次に、SC325bFは、記憶してある仮認証鍵を用いて通信制御IC325aFと暗号通信を行なう。そして、SCは、基板認証鍵を用いてCU制御部と暗号通信を行なうことで鍵管理サーバから取得した更新情報を仮認証鍵で復号し、基板問合せ番号を照会する。SCは、照会した基板問合せ番号が一致した場合、更新情報から本認証鍵を生成し、生成した本認証鍵を用いて通信制御IC325aFと暗号通信を行なう。なお、本認証鍵は、通信制御IC325aFにおいても出荷時から記憶されているものではなく、SC325bFと同様に更新情報から生成される。
次に、SCは、CU制御部に対して通信鍵1を通知し、以降のCU制御部との間の通信を、通信鍵1を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。また、SCは、通信制御ICに対して有効鍵を設定することで、通信制御ICから通信鍵2の通知を受け、以降の通信制御ICとの間の通信を、通信鍵2を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。
<CU制御部とSCとの間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に、図62に示したCU3F内での通信について説明する。特に、CU制御部323Fと、セキュリティ基板325Fのセキュリティチップ(SC)325bFとの間の通信について説明する。まず、図92、図93を参照して、CU制御部323Fとセキュリティチップ(SC)325bFとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図92、図93には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU制御部323FからSC325bFに対して基板接続要求という名称のコマンドが送信される。この基板接続要求のコマンドは、SC325bFに対して遊技機(P台2F)との接続を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板接続応答という名称のレスポンスが送信される。この基板接続応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板接続要求の応答を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板出荷鍵要求のコマンドが送信される。この基板出荷鍵要求のコマンドは、SC325bFに対して基板出荷鍵を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板出荷鍵応答のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板出荷鍵を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板メーカコード認証要求1のコマンドが送信される。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325Fを製造したメーカを特定するコードであり、CU制御部323FとSC325bFとに記憶されている。この基板メーカコード認証要求1のコマンドは、SC325bFに対して基板メーカコードの認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板メーカコード認証応答1のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答1のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板メーカコード認証要求2のコマンドが送信される。この基板メーカコード認証要求2のコマンドは、SC325bFに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板メーカコード認証応答2のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答2のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板メーカコードの認証情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板シリアルID認証要求1のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求1のコマンドは、SC325bFに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板シリアルID認証応答1のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答1のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板シリアルID認証要求2のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求2のコマンドは、SC325bFに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板シリアルID認証応答2のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答2のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板初期鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求1のコマンドは、SC325bFに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板初期鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板初期鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求2のコマンドは、SC325bFに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板初期鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板認証鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求1のコマンドは、SC325bFに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板認証鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求2のコマンドは、SC325bFに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板認証鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板出荷鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求1のコマンドは、SC325bFに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板出荷鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、SC325bFに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板出荷鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対してバージョン情報通知のコマンドが送信される。このバージョン情報通知のコマンドは、SC325bFに対して基板認証鍵のバージョンを通知するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対してバージョン情報応答のレスポンスが送信される。このバージョン情報応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対してバージョン情報を受信したことを通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板認証結果通知のコマンドが送信される。この基板認証結果通知のコマンドは、SC325bFに対してCU制御部323FとSC325bFとの間の認証結果を通知するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板認証結果応答のレスポンスが送信される。この基板認証結果応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対してCU制御部323FとSC325bFとの間の認証結果を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対してセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、SC325bFに対してセキュリティ基板問合せ情報を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対してセキュリティ基板問合せ結果のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板問合せ結果のレスポンスは、CU制御部323Fに対してセキュリティ基板問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対してセキュリティ基板情報通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報通知のコマンドは、SC325bFに対してセキュリティ基板情報を通知するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対してセキュリティ基板情報結果のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、CU制御部323Fに対してセキュリティ基板情報を受信したことを通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対してカウンタ情報要求のコマンドが送信される。このカウンタ情報要求のコマンドは、SC325bFに対してカウンタ情報を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対してカウンタ情報応答のレスポンスが送信される。このカウンタ情報応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対してカウンタ情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して通信鍵要求のコマンドが送信される。この通信鍵要求のコマンドは、SC325bFに対して通信鍵を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して通信鍵応答のレスポンスが送信される。この通信鍵応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対して通信鍵を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドが送信される。この遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、SC325bFに対して遊技機チップの問合せ情報を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して遊技機チップ問合せ結果のレスポンスが送信される。この遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、CU制御部323Fに対して遊技機チップの問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して遊技機チップ情報通知のコマンドが送信される。この遊技機チップ情報通知のコマンドは、SC325bFに対して遊技機チップ情報の照合結果を通知するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して遊技機チップ情報結果のレスポンスが送信される。この遊技機チップ情報結果のレスポンスは、CU制御部323Fに対して遊技機チップ照合結果を受信したことを通知するものである。
CU制御部323FからSC325bFに対して基板状態要求のコマンドが送信される。この基板状態要求のコマンドは、SC325bFに対して基板状態を要求するものである。SC325bFからCU制御部323Fに対して基板状態応答のレスポンスが送信される。この基板状態応答のレスポンスは、CU制御部323Fに対して基板状態を通知するものである。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図94〜図104に基づいて、CU制御部323FにおけるCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bFで実行される処理とを説明する。
まず、図94を参照して、CU制御部323Fの電源投入・ホール設置時の立上の処理を説明する。この図94は、CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いたホール設置時の立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323Fは、上位装置より(具体的にはホールサーバより)基板初期鍵A、基板初期鍵AのMAC鍵、有効鍵(商用/P台出荷用)を取得する。ここで、基板初期鍵Aは、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、ホールサーバからダウンロードしてCU制御部323Fに記憶する暗号鍵であり、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバに記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323FとSC325bFとの通信に利用する暗号鍵である。なお、基板初期鍵Aは、基板メーカコードを用いて復号され、一方、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板メーカコードを用いて復号される。これらの復号は、AES(Advanced Encryption Standard)の暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行ない、基板初期鍵認証が完了した場合に認証OKとなる。なお、基板初期鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行ない、セキュリティ基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。セキュリティ基板情報は、鍵管理センタの鍵管理サーバから取得し、基板シリアルIDや基板認証鍵などを含んでいる。なお、セキュリティ基板情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバからダウンロードしてCU制御部323FとSC325bFとの通信に利用する暗号鍵である。鍵管理サーバは、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
セキュリティ基板情報問合せシーケンスでセキュリティ基板情報を取得することができた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、業務電文通信用の通信鍵を交換する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を時限的に暗号鍵に用いる。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。遊技機と業務電文通信を行なうことにより、遊技機での遊技が許容されることになる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)を利用して運用される。このときの通信は、前述したように、時限的な通信であり、一定期間(たとえば、2日)のみ許容される。以上の処理を経て行なわれる通信モードが制限通信モード(基板初期鍵モード(基板初期鍵運用))である。この時限運用のまま一定期間(たとえば、2日)がオーバーした場合には仮運用が停止されるとともに、オーバーしたことがSC325bFからCU制御部323F、ホールサーバを経由して鍵管理サーバへ通知される。
その後、CU3Fは、P台2Fに対して、リカバリ要求を行ない、P台2Fは、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻を含むリカバリ応答のレスポンス(リカバリ応答)をCU3Fに返信する。
次に、図95を参照して、CU制御部323Fの電源投入・通常立上の処理を説明する。この図95は、CU3Fが遊技場に設置された後、通常に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323Fは、上位装置より(具体的には鍵管理サーバより、ホールサーバを経由して)基板シリアルID鍵、基板認証鍵バージョン、基板認証鍵A、基板認証鍵AのMAC鍵を取得する。なお、基板シリアルID鍵は、基板初期鍵で復号され、基板初期鍵Aは、基板シリアルIDを用いて復号され、さらに、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板シリアルIDを用いて復号される。これらの復号は、AESの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板認証鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、鍵の更新が有る場合にのみ、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行なう。
基板認証鍵認証シーケンスで基板認証鍵を認証でき鍵更新が無かった場合や、鍵更新が有り、セキュリティ基板情報問合せシーケンスで認証ができると、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成することができた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報をさらに取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)が利用される。このときの通信は、制限通信モードのような制限のない通常通信モード(基板認証鍵モード(基板認証鍵運用))である。
次に、図96を参照して、CU制御部323Fの電源投入・工場出荷時立上の処理を説明する。この図96は、CU3Fが遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323FおよびSC325bFにおける処理である。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行なう。しかし、工場出荷時の段階のため未だ遊技場にCU3Fが設置されていないため、遊技場のホールサーバより基盤初期鍵をCU制御部323Fが取得できておらず、その結果、基板初期鍵認証の結果がNGとなる。
その後、CU制御部323Fは、基板初期鍵認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323Fは、SC325bFにセキュリティ基板325Fのテストに用いる基板出荷鍵を要求する、基板出荷鍵要求のコマンドをSC325bFに送信する。SC325bFは、CU制御部323Fから基板出荷鍵要求のコマンドを受信後、基板出荷鍵を含む基板出荷鍵応答のレスポンスをCU制御部323Fに送信する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にSC325bFより取得した基板出荷鍵を用い、基板出荷鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板出荷鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
基板出荷鍵認証シーケンスで基板出荷鍵を認証できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU3Fは、P台2Fに対して、通信テスト要求を行ない、P台2Fは通信テスト応答をCU3Fに送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と通信テスト電文のみの通信が可能となる。この通信テスト電文の通信を行なうことにより工場出荷時の通信テストが行われる。この工場出荷時の通信テストに合格したCU3Fが遊技場に納入されて最初の電源立上時のシーケンスが図94で説明したホール設置立上シーケンスであり、その後基板認証鍵の取得後に実行されるシーケンスが図95で説明した通常立上シーケンスである。
次に、図97を参照して、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板メーカコードの認証を要求する基板メーカコード認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板メーカコード認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、チャレンジコードを要求する。
基板メーカコード認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、基板メーカコードに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板メーカコード認証応答1のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。
基板メーカコード認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板メーカコード認証要求2のコマンドでSC325bFに通知する。具体的には、基板メーカコードを鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
基板メーカコード認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メーカコードを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板メーカコード認証応答2のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。このとき、CU制御部323Fは、基板メーカコード認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSC325bFが無応答状態(HALT)となり、基板認証鍵と本認証鍵とがクリアされる(図125参照)。この無応答状態(HALT)となった後には、SC325bFが通信制御IC325aFと認証を行なうことはなく、工場で修理を行なうこととなる。
CU制御部323Fは、SC325bFにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bFは、CU制御部323Fからの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台晩、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323Fに対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323Fに対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図94参照)に遷移する。このとき、CU制御部323Fは、基板接続要求結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図98を参照して、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、図98に示すように、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モードの状態の場合には、図98において基盤初期鍵を用いた認証が行われるが、基板出荷鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板出荷鍵モードの状態の場合には、図98において基盤出荷鍵を用いた認証が行われることになる。よって、図98の「/」はいずれか一方を表す記号である。CU制御部323Fは、SC325bFに対して、認証情報を要求する基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板初期鍵/基板出荷鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて、暗号化してある。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bFは、CU制御部323Fに対して、認証結果を基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、CU制御部323Fは、基板初期鍵認証結果、基板出荷鍵認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図99を参照して、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323FとSC325bFとの通信は、基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板認証鍵モードの状態において、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成し)、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bFに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)、チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bFは、CU制御部323Fに対してチェック結果を、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含め、NGを通知する。このとき、CU制御部323Fは、基板シリアルID認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証鍵のバージョン情報を通知するためにバージョン情報通知のコマンドを送信する。なお、バージョン情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
バージョン情報通知のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して基板認証鍵のバージョン情報を受信したことを通知するために、バージョン情報応答のレスポンスを返信する。なお、バージョン情報応答のレスポンスは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて暗号化してもよい。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、認証情報を要求する基板認証鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板認証鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板認証鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板認証鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
基板認証鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bFは、CU制御部323Fに対して、認証結果を基板認証鍵認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。基板認証結果通知のコマンドは、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果をSC325bFに対して通知する。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。このとき、CU制御部323Fは、基板認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図100は、セキュリティ基板情報の問合せを行なう場合の処理を説明するための図である。図100を参照して、まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、CU制御部323Fとホールサーバとが復号できない鍵(以下「秘匿用鍵」と言う)で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、セキュリティ基板情報を受信したときに必要な処理を実施する。
その後、CU制御部323Fは、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信すると、セキュリティ基板情報をSC325bFに通知する。具体的に、CU制御部323Fは、問合せ結果である基板シリアルIDおよび基板認証鍵を含むセキュリティ基板情報通知のコマンドをSC325bFに送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
SC325bFは、セキュリティ基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ番号を確認して、セキュリティ基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板情報結果のレスポンスを返信する。なお、鍵更新情報は、次回リセット時に使用される。返信するセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いる。
その後、CU制御部323Fは、受信結果がOKの場合には、基板シリアルID鍵および基板認証鍵Aを保存して、次回リセット時に認証鍵情報として使用する。また、CU制御部323Fは、基板情報問合せおよび基板情報通知の認証ログ情報を取得する。
次に、図101を参照して、遊技機チップ情報問合せシーケンスの処理を説明する。遊技機チップ情報問合せシーケンスでは、遊技機から取得した遊技機チップ情報に基づいた認証の処理が実行される。まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して遊技機チップ情報を問合せる遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に通信鍵を用いる。
一方、SC325bFは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得する。その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、図32を用いて説明したシーケンスに従い遊技機チップ情報の取得を完了していると、遊技機チップ問合せ結果=OKの情報を含む遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。遊技機チップ情報には、主制御チップID、払出制御チップIDなどが含まれている。なお、返信する遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
その後、CU制御部323Fは、返信された遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信した場合、上位装置(鍵管理サーバまたはホールサーバ:図91参照)に、主制御チップ番号および払出制御チップ番号を含む遊技機チップ情報を問合せる。遊技機チップ情報問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を持たずに、次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。遊技機チップ情報の問合せには時間(たとえば2時間程度)がかかるため、その間遊技機の稼働を停止しておくわけにはいかないために、上位装置からの応答を持たずに次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。なお、遊技機チップ情報問合せ中は、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)が行なわれても、再度遊技機チップ問合せ指示通知の要求は出されない。
上位装置は、受信した主制御チップIDおよび払出制御チップIDと、登録されている主制御チップIDおよび払出制御チップIDとを比較して、主制御チップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か認証する。これによって、遊技機チップ情報の認証が行なわれる。上位装置は、たとえば、ホール内のホールサーバ801Fであり、あるいは、ホールサーバ801Fを経由して通信接続されている鍵管理サーバ800Fである。上位装置での照合結果(認証結果)は、上位装置からCU制御部323Fに送信される。その後、CU制御部323Fは、上位装置から遊技機チップ情報の照合結果を受信すると、当該照合結果をSC325bFに通知する。具体的に、CU制御部323Fは、照合結果を含む遊技機チップ情報通知のコマンドをSC325bFに送信する。なお、送信する遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
SC325bFは、遊技機チップ情報通知のコマンドを受信後、照合結果がOKのとき、遊技機メーカコードおよび型式コードをCU制御部323Fに通知するため、遊技機チップ情報結果のレスポンスを返信する。なお、返信する遊技機チップ情報結果のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
同時に、CU制御部323Fは、SC325bFからの遊技機チップ情報結果に含まれる遊技機チップ情報問合せ、遊技機チップ情報照合結果などの認証ログを取得する。以上の処理を行なうことで、遊技機チップ情報問合せシーケンスが完了し、遊技機チップ情報に基づいた認証を終える。これにより、図94および図95に示したホール設置時立上シーケンスやCU制御部電源投入・通常立上シーケンス内の遊技機チップ情報問合せシーケンスが完了する。また、遊技機チップ情報問合せシーケンスにおける遊技機チップ情報に基づいた認証に成功することによって、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。これにより、CU3Fは、遊技機での遊技を許容することになる。
次に、図102を参照して、基板認証鍵認証異常のシーケンスの処理を説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。ここで、基板認証鍵認証が認証NGとなった場合には、SC325bFは、認証異常として、基板認証鍵情報をクリアする。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。このとき、基板初期鍵認証シーケンスの通信は、暗号鍵として基板初期鍵を用いて、暗号化してある。
この基板初期鍵認証シーケンスの認証が認証OKのときは、その後は図94に示したホール設置時立上シーケンスの処理と同様に、セキュリティ基板情報問合せシーケンス、通信鍵交換シーケンス、遊技機チップ情報問合せシーケンスなどの処理が行われ、遊技機と業務電文通信が可能となる。以後の通信は、暗号鍵として、通信鍵を用いて、暗号化してある。
なお、SC325bFは、基板認証鍵シーケンスの認証が認証NGになったことを示す「基板認証鍵更新異常」のアラームを鍵管理サーバ801に通知する。
次に、図103は、セキュリティ基板情報の問合せタイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行する。
その後、CU制御部323Fは、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信する前に、セキュリティ基板情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3FはP台2Fの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。態情報要求のコマンドを受信したSC325bFは通信制御IC325aF経由でP台2Fの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bFは、CU3Fに対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bFは、セキュリティ基板情報を鍵管理センタに問合せを要求する旨の「基板問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記のセキュリティ基板問合せに対して、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに再度返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
次に、図104は、遊技機チップ情報の問合せ(照合)タイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報(具体的には遊技機チップ情報)を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
一方、SC325bFは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得し、その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323Fに通知するために、遊技機チップ問合せ結果(認証OK)のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、セキュリティ基板情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、遊技機チップ情報を受信したときに必要な処理を実施する。
しかしながら、その後、CU制御部323Fは、上位装置から遊技機チップ情報の問合せ結果(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信する前に、遊技機チップ情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3FはP台2Fの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。状態情報要求のコマンドを受信したSC325bFは通信制御IC325aF経由でP台2Fの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bFは、CU3Fに対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bFは、遊技機チップ情報の鍵管理センタへの問合せを要求する旨の「チップ情報問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記の遊技機チップ情報問合せに対して、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323Fに通知するために、遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに再度返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
以上の図94〜図104に基づいて説明したCU制御部323FとSC325bFとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3Fが遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「基板初期鍵認証シーケンス」がある(図94参照)。この「基板初期鍵認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(ホールサーバ)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板初期鍵認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「セキュリティ基板情報問合せシーケンス」が実行される(図94参照)。このセキュリティ基板情報問合せシーケンスにより基板認証鍵が上位装置(鍵管理サーバ)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図95参照)。
一方、基板初期鍵を用いてのセキュリティ基板情報問合せシーケンス(図94参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3Fを遊技場に出荷するときにそのCU3Fの基板認証鍵を鍵管理サーバへ送信して鍵管理サーバに記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に鍵管理サーバに記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから鍵管理サーバへの基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3Fがセキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに鍵管理サーバとCU3Fとの間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的にはホールサーバ)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンスを実行し、乱数と時刻データとを用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323FとSC325bFとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を利用して交換した通信鍵による実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともにホールサーバやホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵がホールサーバに記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323Fがホールサーバに接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」は、図98に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で基板初期鍵認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの基板初期鍵認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図98に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
<通信制御ICとセキュリティチップとの通信における主なシーケンス>
次に、図106は、通信制御IC325aFの認証シーケンスの処理を説明する図である。図106を参照して、SC325bFとIC325aFとの間で、第1認証シーケンスが実行される。たとえば、この第1認証シーケンスによりSC325bFのシリアルIDすなわちEEPROM(図示略)に記憶されているSC325bFのSIDの認証が行なわれる。次に、SC325bFとIC325aFとの間で、第2認証シーケンスが実行される。たとえば、この第2認証シーケンスによりIC325aFのシリアルIDすなわちEEPROM(図示略)に記憶されているIC325aFのSIDの認証が行なわれる。
その後、SC325bFとIC325aFとの間で、バージョン管理情報シーケンスが実行される。SC325bFは、鍵バージョンをチェックするために、IC325aFに対してバージョン管理情報要求のコマンドを送信する。なお、バージョン管理情報要求のコマンドは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
バージョン管理情報要求のコマンドを受信したIC325aFは、SC325bFに対して最新の鍵バージョンを通知するために、バージョン管理情報応答のレスポンスを送信する。なお、バージョン管理情報応答のレスポンスは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
その後、SC325bFとIC325aFとの間で、IC認証結果シーケンスが実行される。SC325bFは、IC325aFに対してIC認証結果通知のコマンドを送信する。このIC認証結果通知のコマンドによって、第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証結果が総括してIC325aFに通知される。なお、IC認証結果通知のコマンドは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
IC認証結果通知のコマンドを受信したIC325aFは、SC325bFに対してIC認証結果応答のレスポンスを送信する。ここでIC認証結果応答のレスポンスによって第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証結果を総括してSC325bFに通知される。なお、IC認証結果応答のレスポンスは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
その後、SC325bFとIC325aFとの間で、カウンタ情報シーケンスが実行される。SC325bFは、IC325aFに対してカウンタ情報要求のコマンドを送信する。このカウンタ情報要求のコマンドによって、現在時刻の情報がIC325aFに通知される。なお、カウンタ情報要求のコマンドは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
カウンタ情報要求のコマンドを受信したIC325aFは、SC325bFに対してカウンタ情報応答のレスポンスを送信する。ここでカウンタ情報応答のレスポンスによって暗号化で使用するカウンタの初期ベクタ値を生成してSC325bFに通知される。なお、カウンタ情報応答のレスポンスは、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化してある。
次に、図107に基づいて前述の第1認証シーケンスの制御内容の一例を説明する。まずSC325bFから通信制御IC325aFへ認証鍵乱数が通知される。この認証鍵乱数は認証鍵(具体的には本認証鍵)を生成するためのデータである。それを受信した通信制御IC325aFは、SC325bFに対して認証鍵乱数を受信したことを示す認証鍵乱数通知応答を返信する。次に、SC325bFと通信制御IC325aFとは、互いの認証鍵乱数を用いて認証鍵(具体的には本認証鍵)を生成する。上記認証鍵乱数の通知から認証鍵(具体的には本認証鍵)の生成までのシーケンスは、仮認証鍵を使用している時のみ、すなわち未だ本認証鍵が生成されていない時のみ実行される。本認証鍵が既に生成されて使用されているときには、上記認証鍵乱数の通知から認証鍵(具体的には本認証鍵)の生成までのシーケンスを実行することなくSCシリアルID認証要求1からシーケンスを実行する。
次に、SC325bFと通信制御IC325aFとの間でSCシリアルID認証要求とSCシリアルID認証応答とを繰り返すことにより、SCシリアルIDの認証を行なう。
図108は、遊技機チップ情報認証シーケンスの処理を説明する図である。図108を参照して、遊技機チップ情報認証シーケンスの一例を説明する。
まずSC325bFから通信制御IC325aFへ遊技機認証結果要求が送信される。遊技機認証結果要求は、通信制御IC325aFに対してP台2Fとの認証結果を要求するコマンドである。通信制御IC325aFは、P台2Fの払出制御部171Fとの相互認証を実行しており、相互認証に成功することを条件に、通信制御IC325aFは遊技機チップ情報(払出制御チップID、主制御チップID)をP台2F側から取得可能となる。SC325bFは、通信制御IC325aFとP台2Fとの相互認証が完了するまで待機する。
通信制御IC325aFは、P台2Fとの間の相互認証状況を遊技機認証結果応答のレスポンスでSC325bFに通知する。相互認証状況には、相互認証の成功を示す「認証OK」、相互認証の処理途中であることを示す「認証処理中」、相互認証の失敗を示す「認証異常」、通信制御IC325aFとP台2Fとの間での通信線の断線のため相互認証不能であることを示す「断線検知」、および通信制御IC325aFとP台2Fとの間での通信異常のため相互認証不能であることを示す「通信異常」が含まれる。通信制御IC325aFは、これらの相互認証状況のいずれかを遊技機認証結果応答に含めてSC325bFに返信する。図では「認証OK」を例示している。
SC325bFは、通信制御IC325aFから「認証OK」の遊技機認証結果応答を受信していることを条件に、遊技機チップ情報要求のコマンドを通信制御IC325aFへ送信し、通信制御IC325aFがP台2Fから遊技機チップ情報(払出制御チップIDと主制御チップID)を取得できるまで待機する。遊技機チップ情報要求のコマンドは、SC325bFがCU制御部323Fから遊技機チップ問合せ指示通知を受信することを受けて送信される。
通信制御IC325aFは、P台2Fとの相互認証に成功することを条件として、P台2Fの払出制御部171Fに対して遊技機チップ情報の送信指示を送る。払出制御部171Fは、その指示を受けて、主制御部161Fに主制御チップIDの送信指示を送る。主制御部161Fは、その指示に応じて自身が記憶している主制御チップIDを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、主制御チップIDと自身が記憶している払出制御チップIDとを通信制御IC325aFへ送信する。
通信制御IC325aFは、SC325bFから遊技機チップ情報要求のコマンドを受けると、遊技機チップ情報応答をSC325bFに返信する。遊技機チップ情報応答のレスポンスには、遊技機チップ情報取得の成功を示す「取得OK」、遊技機チップ情報取得の処理途中であることを示す「取得処理中」、遊技機チップ情報取得の失敗を示す「取得NG」、通信制御IC325aFとP台2Fとの間での通信線の断線のため遊技機チップ情報取得不能であることを示す「断線検知」、および通信制御IC325aFとP台2Fとの間での通信異常のため遊技機チップ情報取得不能であることを示す「通信異常」が含まれる。また、「取得OK」の遊技機チップ情報応答には、取得された遊技機チップ情報(払出制御チップIDと主制御チップID)が含まれる。
なお、SC325bFは、「取得OK」の遊技機チップ情報応答を受信すると、図133を用いて後述するように、CU制御部323Fへ遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを送信し、取得した遊技機チップ情報をCU制御部323Fへ受け渡す。遊技機チップ問合せ結果には、主制御チップID、払出制御チップID、メーカーコード、型式コード等が含まれる。CU制御部323Fは受信した遊技機チップ情報を上位装置へ送信する。上位装置は、受信した主制御チップIDおよび払出制御チップIDと、登録されている主制御チップIDおよび払出制御チップIDとを比較して、主制御チップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か認証する(図117参照)。これによって、遊技機チップ情報の認証が行なわれる。上位装置は、たとえば、ホール内のホールサーバ801Fであり、あるいは、ホールサーバ801Fを経由して通信接続されている鍵管理サーバ800Fである。上位装置での照合結果(認証結果)は、上位装置からCU制御部323Fに送信される。すると、CU制御部323Fは、遊技機チップ情報通知のコマンドによって、その認証結果をSC325bFに通知する(図117参照)。
SC325bFは、CU制御部323Fから認証結果を受信すると、通信制御IC325aFに遊技機チップ情報認証結果通知のコマンドを送信して認証結果(NG,OK)を通信制御IC325aFに通知する。すると、通信制御IC325aFは、認証結果を取得したことを示す遊技機チップ情報認証結果応答のレスポンスをSC325bFに返信する。
なお、遊技機チップ情報認証結果応答のレスポンスを受信したSC325bFは、図117を用いて後述するように、遊技機チップ情報結果のレスポンスをCU制御部323Fに送信する。CU制御部323Fは、遊技機チップ情報結果を受けることによって、遊技機チップ情報の問い合わせからその認証結果を通信制御IC325aFに把握させるまでの認証処理履歴情報(認証ログ情報)を取得することになる(図117参照)。
図109は、通信制御IC認証異常シーケンスの処理を説明する図である。図109を参照して、図106において説明をした第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答が実行される。この第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答は、暗号鍵として認証鍵(具体的には本認証鍵または仮認証鍵)を用いて、暗号化されている。なお、SC325bFと通信制御IC325aFとは共にSCのシリアルIDと通信制御ICのシリアルIDとを記憶しており、第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答のうち、いずれか1つはチャレンジ/レスポンス方式を用いてSCのシリアルIDを認証するシーケンスであり、また第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答のうち、いずれか1つはチャレンジ/レスポンス方式を用いて通信制御ICのシリアルIDを認証するシーケンスである。これらSCのシリアルIDと通信制御ICのシリアルIDと前述の基板シリアルIDとは、それぞれ異なるIDで構成されている。
これらの認証シーケンスが終了後、次にSC325bFと通信制御IC325aFとの間で、IC認証結果シーケンスが実行される。SC325bFから通信制御IC325aFへIC認証結果通知が送信される。このIC認証結果通知によって第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証結果を総括して通知される。一方、通信制御IC325aFからSC325bFへIC認証結果応答が送信される。IC認証結果応答によって第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証結果を総括して通知される。このIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正(NG)である場合は、以下の制御が行なわれる。
第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証を仮認証鍵を用いて行なっていた場合には、前述した第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの処理がリトライされる。そのリトライ回数は2回が限度であり、その2回のリトライ後でもこのIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正である場合には、SC325bFは「通信制御IC認証異常」を上位装置(鍵管理センターの鍵管理サーバ800F)に通知を行ない、上位装置のリセット処理開始まで待機する(リセット待ち)。
複数(ここでは2回)のリトライ後でもIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正である場合には、リセット処理(たとえばリセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入)により復帰する。しかしこれに限らず、リセット待ちの状態のときに、SC325bFが上位装置である鍵管理サーバ800Fやホールサーバ801Fとの認証が取れたことを条件に復帰させてもよい。
次に、更新直後の認証鍵すなわち図107の第1認証シーケンスの結果生成された認証鍵(具体的には本認証鍵)を用いて第1認証シーケンスからバージョン管理情報応答までの認証を行なっていた場合には、その生成された認証鍵(具体的には本認証鍵)が異常であることを示す本認証鍵更新異常のアラームを鍵管理センタの鍵管理サーバ800Fへ通知して、第1認証シーケンスより仮認証鍵を用いて実行する。それら認証結果が適正であった場合には、前述したように、或る限られた期間(例えば2日)のみ許容される時限運用処理が行なわれ、その期間に限り遊技機との業務電文通信が可能となる。時限運用期間が過ぎた段階で上位装置(鍵管理センターの鍵管理サーバ800F)に通知を行ない、上位装置のリセット処理開始まで待機状態(リセット待ち)となる。なお、時限運用は、時間の限定に代えてまたはそれに加えて、制御内容(遊技内容)等を制限してもよい。例えば、遊技玉数に上限を設け、その上限に足した時点で持玉数に一旦変換(計数)しなければ遊技の続行を許容しない等が考えられる。
以上説明したCU制御部323FとISC325Fとの間のシーケンスおよびISC325Fと通信制御IC325aFとの間のシーケンスについて、その制御動作を以下にまとめて記載する。
通信制御IC325aFは、当該通信制御IC325aFを識別するためのIC325aF識別情報と、SC325bF識別情報とを記憶しており(ID情報等を記憶しており)、SC325bFは、SC325bF識別情報(基板シリアルID)と、IC325aF識別情報(ID情報等)とを記憶している。そして、SC325bFとIC325aFとの間で、SC325bFにおいて記憶しているSC325bF識別情報を用いてチャレンジコードを生成してIC325aFに送信し、該IC325aFにおいて、記憶しているSC325bF識別情報を用いて、受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してSC325bFへ返信し、SC325bFにおいて、記憶しているSC325bF識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図106の第1認証シーケンス)と、IC325aFにおいて記憶しているIC325aF識別情報を用いてチャレンジコードを生成してSC325bFに送信し、該SC325bFにおいて、記憶しているIC325aF識別情報を用いて、受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してIC325aFへ返信し、IC325aFにおいて、記憶しているIC325aF識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図106の第2認証シーケンス)とを行なう。
このような動作制御によれば、SC325bFとIC325aFとの間において、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、制御手段間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
また、互いに暗号通信を行なうSC325bFとIC325aFとを備えた遊技用システムまたは遊技機器(CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等)は、SC325bFとIC325aFとの間で、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図109の第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答)と、該相互認証処理手段により行なわれる複数種類の相互認証処理における各相互認証単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図109:第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答までの認証シーケンスを総括して通知する)とを含んでいる。そして、相互認証処理手段は、総括通知手段により異常を総括して通知した後、該異常のあった制御手段間で複数種類の相互認証処理を再度行なう再認証処理を実行する(図109:第1認証シーケンス〜バージョン管理情報応答までの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
このような動作制御によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間およびIC325aFとIC325aFとの間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、異常のあった制御手段間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
また、上記遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、不適正な制御手段間で以降の処理を停止する停止手段(図109:リセット待ちとする)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、不適正な制御手段間で以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
また、上記遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図109:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
上記の遊技用システムまたは遊技機器における相互認証処理手段は、IC325aFにおいてチャレンジコードを生成してSC325bFに送信し、該SC325bFにおいて記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してIC325aFへ返信し、IC325aFにおいて、記憶している識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図106の第1認証シーケンス)と、SC325bFにおいてチャレンジコードを生成してIC325aFに送信し、該IC325aFにおいて記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してSC325bFへ返信し、SC325bFにおいて、記憶している識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図106の第2認証シーケンス)とを行なう。
このような動作制御によれば、SC325bFとIC325aFとにおいて、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両遊技手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図110〜図120に基づいて、CU制御部323FにおけるCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bFで実行される処理とを説明する。
まず、図110を参照して、CU制御部323Fの電源投入・ホール設置時の立上の処理を説明する。この図110は、CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いたホール設置時の立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323Fは、上位装置より(具体的にはホールサーバより)基板初期鍵A、基板初期鍵AのMAC鍵、有効鍵(商用/P台出荷用)を取得する。ここで、基板初期鍵Aは、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、ホールサーバからダウンロードしてCU制御部323Fに記憶する暗号鍵であり、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバに記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323FとSC325bFとの通信に利用する暗号鍵である。なお、基板初期鍵Aは、基板メーカコードを用いて復号され、一方、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板メーカコードを用いて復号される。これらの復号は、AES(Advanced Encryption Standard)の暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行ない、基板初期鍵認証が完了した場合に認証OKとなる。なお、基板初期鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行ない、セキュリティ基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。セキュリティ基板情報は、鍵管理センタの鍵管理サーバから取得し、基板シリアルIDや基板認証鍵などを含んでいる。なお、セキュリティ基板情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバからダウンロードしてCU制御部323FとSC325bFとの通信に利用する暗号鍵である。鍵管理サーバは、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
セキュリティ基板情報問合せシーケンスでセキュリティ基板情報を取得することができた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、業務電文通信用の通信鍵を交換する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を時限的に暗号鍵に用いる。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。遊技機と業務電文通信を行なうことにより、遊技機での遊技が許容されることになる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)を利用して運用される。このときの通信は、前述したように、時限的な通信であり、一定期間(たとえば、2日)のみ許容される。以上の処理を経て行なわれる通信モードが制限通信モード(基板初期鍵モード(基板初期鍵運用))である。この時限運用のまま一定期間(たとえば、2日)がオーバーした場合には仮運用が停止されるとともに、オーバーしたことがSC325bFからCU制御部323F、ホールサーバを経由して鍵管理サーバへ通知される。
その後、CU3Fは、P台2Fに対して、リカバリ要求を行ない、P台2Fは、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻を含むリカバリ応答のレスポンス(リカバリ応答)をCU3Fに返信する。
次に、図111を参照して、CU制御部323Fの電源投入・通常立上の処理を説明する。この図111は、CU3Fが遊技場に設置された後、通常に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU3Fが遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323Fは、上位装置より(具体的には鍵管理サーバより、ホールサーバを経由して)基板シリアルID鍵、基板認証鍵バージョン、基板認証鍵A、基板認証鍵AのMAC鍵を取得する。なお、基板シリアルID鍵は、基板初期鍵で復号され、基板初期鍵Aは、基板シリアルIDを用いて復号され、さらに、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板シリアルIDを用いて復号される。これらの復号は、AESの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板認証鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、鍵の更新が有る場合にのみ、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行なう。
基板認証鍵認証シーケンスで基板認証鍵を認証でき鍵更新が無かった場合や、鍵更新が有り、セキュリティ基板情報問合せシーケンスで認証ができると、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成することができた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報をさらに取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)が利用される。このときの通信は、制限通信モードのような制限のない通常通信モード(基板認証鍵モード(基板認証鍵運用))である。
次に、図112を参照して、CU制御部323Fの電源投入・工場出荷時立上の処理を説明する。この図112は、CU3Fが遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323FおよびSC325bFにおける処理である。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行なう。しかし、工場出荷時の段階のため未だ遊技場にCU3Fが設置されていないため、遊技場のホールサーバより基盤初期鍵をCU制御部323Fが取得できておらず、その結果、基板初期鍵認証の結果がNGとなる。
その後、CU制御部323Fは、基板初期鍵認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323Fは、SC325bFにセキュリティ基板325Fのテストに用いる基板出荷鍵を要求する、基板出荷鍵要求のコマンドをSC325bFに送信する。SC325bFは、CU制御部323Fから基板出荷鍵要求のコマンドを受信後、基板出荷鍵を含む基板出荷鍵応答のレスポンスをCU制御部323Fに送信する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵にSC325bFより取得した基板出荷鍵を用い、基板出荷鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板出荷鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
基板出荷鍵認証シーケンスで基板出荷鍵を認証できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bFは、通信制御IC325aFから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU3Fは、P台2Fに対して、通信テスト要求を行ない、P台2Fは通信テスト応答をCU3Fに送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と通信テスト電文のみの通信が可能となる。この通信テスト電文の通信を行なうことにより工場出荷時の通信テストが行われる。この工場出荷時の通信テストに合格したCU3Fが遊技場に納入されて最初の電源立上時のシーケンスが図110で説明したホール設置立上シーケンスであり、その後基板認証鍵の取得後に実行されるシーケンスが図111で説明した通常立上シーケンスである。
次に、図113を参照して、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板メーカコードの認証を要求する基板メーカコード認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板メーカコード認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、チャレンジコードを要求する。
基板メーカコード認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、基板メーカコードに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板メーカコード認証応答1のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。
基板メーカコード認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板メーカコード認証要求2のコマンドでSC325bFに通知する。具体的には、基板メーカコードを鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
基板メーカコード認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メーカコードを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板メーカコード認証応答2のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。このとき、CU制御部323Fは、基板メーカコード認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSC325bFが無応答状態(HALT)となり、基板認証鍵と本認証鍵とがクリアされる。この無応答状態(HALT)となった後には、SC325bFが通信制御IC325aFと認証を行なうことはなく、工場で修理を行なうこととなる。
CU制御部323Fは、SC325bFにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bFは、CU制御部323Fからの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台晩、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323Fに対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323Fに対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図110参照)に遷移する。このとき、CU制御部323Fは、基板接続要求結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図114を参照して、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、図114に示すように、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モードの状態の場合には、図114において基盤初期鍵を用いた認証が行われるが、基板出荷鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板出荷鍵モードの状態の場合には、図114において基盤出荷鍵を用いた認証が行われることになる。よって、図114の「/」はいずれか一方を表す記号である。CU制御部323Fは、SC325bFに対して、認証情報を要求する基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板初期鍵/基板出荷鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて、暗号化してある。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bFは、CU制御部323Fに対して、認証結果を基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、CU制御部323Fは、基板初期鍵認証結果、基板出荷鍵認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図115を参照して、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323FとSC325bFとの通信は、基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板認証鍵モードの状態において、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し(具体的には基板シリアルIDを鍵としてチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成し)、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bFに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板シリアルIDを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)、チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323Fに通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bFは、CU制御部323Fに対してチェック結果を、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含め、NGを通知する。このとき、CU制御部323Fは、基板シリアルID認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証鍵のバージョン情報を通知するためにバージョン情報通知のコマンドを送信する。なお、バージョン情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
バージョン情報通知のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して基板認証鍵のバージョン情報を受信したことを通知するために、バージョン情報応答のレスポンスを返信する。なお、バージョン情報応答のレスポンスは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて暗号化してもよい。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、認証情報を要求する基板認証鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板認証鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板認証鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323Fは、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板認証鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
基板認証鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bFは、CU制御部323Fに対して、認証結果を基板認証鍵認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323Fは、SC325bFに対して、基板認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。基板認証結果通知のコマンドは、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果をSC325bFに対して通知する。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bFは、CU制御部323Fに対して、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。このとき、CU制御部323Fは、基板認証結果などの認証ログ情報をSC325bFから取得する。
次に、図116は、セキュリティ基板情報の問合せを行なう場合の処理を説明するための図である。図116を参照して、まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、CU制御部323Fとホールサーバとが復号できない鍵(以下「秘匿用鍵」と言う)で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、セキュリティ基板情報を受信したときに必要な処理を実施する。
その後、CU制御部323Fは、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信すると、セキュリティ基板情報をSC325bFに通知する。具体的に、CU制御部323Fは、問合せ結果である基板シリアルIDおよび基板認証鍵を含むセキュリティ基板情報通知のコマンドをSC325bFに送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
SC325bFは、セキュリティ基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ番号を確認して、セキュリティ基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板情報結果のレスポンスを返信する。なお、鍵更新情報は、次回リセット時に使用される。返信するセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いる。
その後、CU制御部323Fは、受信結果がOKの場合には、基板シリアルID鍵および基板認証鍵Aを保存して、次回リセット時に認証鍵情報として使用する。また、CU制御部323Fは、基板情報問合せおよび基板情報通知の認証ログ情報を取得する。
次に、図117を参照して、遊技機チップ情報問合せシーケンスの処理を説明する。遊技機チップ情報問合せシーケンスでは、遊技機から取得した遊技機チップ情報に基づいた認証の処理が実行される。まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して遊技機チップ情報を問合せる遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に通信鍵を用いる。
一方、SC325bFは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得する。その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、図108を用いて説明したシーケンスに従い遊技機チップ情報の取得を完了していると、遊技機チップ問合せ結果=OKの情報を含む遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。遊技機チップ情報には、主制御チップID、払出制御チップIDなどが含まれている。なお、返信する遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
その後、CU制御部323Fは、返信された遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信した場合、上位装置(鍵管理サーバまたはホールサーバ:図63参照)に、主制御チップ番号および払出制御チップ番号を含む遊技機チップ情報を問合せる。遊技機チップ情報問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を持たずに、次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。遊技機チップ情報の問合せには時間(たとえば2時間程度)がかかるため、その間遊技機の稼働を停止しておくわけにはいかないために、上位装置からの応答を持たずに次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。なお、遊技機チップ情報問合せ中は、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)が行なわれても、再度遊技機チップ問合せ指示通知の要求は出されない。
上位装置は、受信した主制御チップIDおよび払出制御チップIDと、登録されている主制御チップIDおよび払出制御チップIDとを比較して、主制御チップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か認証する。これによって、遊技機チップ情報の認証が行なわれる。上位装置は、たとえば、ホール内のホールサーバ801Fであり、あるいは、ホールサーバ801Fを経由して通信接続されている鍵管理サーバ800Fである。上位装置での照合結果(認証結果)は、上位装置からCU制御部323Fに送信される。その後、CU制御部323Fは、上位装置から遊技機チップ情報の照合結果を受信すると、当該照合結果をSC325bFに通知する。具体的に、CU制御部323Fは、照合結果を含む遊技機チップ情報通知のコマンドをSC325bFに送信する。なお、送信する遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
SC325bFは、遊技機チップ情報通知のコマンドを受信後、照合結果がOKのとき、遊技機メーカコードおよび型式コードをCU制御部323Fに通知するため、遊技機チップ情報結果のレスポンスを返信する。なお、返信する遊技機チップ情報結果のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
同時に、CU制御部323Fは、SC325bFからの遊技機チップ情報結果に含まれる遊技機チップ情報問合せ、遊技機チップ情報照合結果などの認証ログを取得する。以上の処理を行なうことで、遊技機チップ情報問合せシーケンスが完了し、遊技機チップ情報に基づいた認証を終える。これにより、図110および図111に示したホール設置時立上シーケンスやCU制御部電源投入・通常立上シーケンス内の遊技機チップ情報問合せシーケンスが完了する。また、遊技機チップ情報問合せシーケンスにおける遊技機チップ情報に基づいた認証に成功することによって、CU制御部323FおよびSC325bFは、遊技機と業務電文通信が可能となる。これにより、CU3Fは、遊技機での遊技を許容することになる。
次に、図118を参照して、基板認証鍵認証異常のシーケンスの処理を説明する。
まず、CU3Fの電源を投入すると、CU制御部323FおよびSC325bFが起動される。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323FとSC325bFとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323FおよびSC325bFは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。ここで、基板認証鍵認証が認証NGとなった場合には、SC325bFは、認証異常として、基板認証鍵情報をクリアする。
その後、CU制御部323FおよびSC325bFは、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。このとき、基板初期鍵認証シーケンスの通信は、暗号鍵として基板初期鍵を用いて、暗号化してある。
この基板初期鍵認証シーケンスの認証が認証OKのときは、その後は図110に示したホール設置時立上シーケンスの処理と同様に、セキュリティ基板情報問合せシーケンス、通信鍵交換シーケンス、遊技機チップ情報問合せシーケンスなどの処理が行われ、遊技機と業務電文通信が可能となる。以後の通信は、暗号鍵として、通信鍵を用いて、暗号化してある。
なお、SC325bFは、基板認証鍵シーケンスの認証が認証NGになったことを示す「基板認証鍵更新異常」のアラームを鍵管理サーバ800Fに通知する。
次に、図119は、セキュリティ基板情報の問合せタイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行する。
その後、CU制御部323Fは、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信する前に、セキュリティ基板情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3FはP台2Fの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。態情報要求のコマンドを受信したSC325bFは通信制御IC325aF経由でP台2Fの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bFは、CU3Fに対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bFは、セキュリティ基板情報を鍵管理センタに問合せを要求する旨の「基板問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記のセキュリティ基板問合せに対して、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323Fに通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに再度返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325Fの情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
次に、図120は、遊技機チップ情報の問合せ(照合)タイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報(具体的には遊技機チップ情報)を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
一方、SC325bFは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得し、その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323Fに通知するために、遊技機チップ問合せ結果(認証OK)のレスポンスをCU制御部323Fに返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報を問合せ中、CU制御部323FおよびSC325bFは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、セキュリティ基板情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、遊技機チップ情報を受信したときに必要な処理を実施する。
しかしながら、その後、CU制御部323Fは、上位装置から遊技機チップ情報の問合せ結果(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信する前に、遊技機チップ情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3FはP台2Fの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。状態情報要求のコマンドを受信したSC325bFは通信制御IC325aF経由でP台2Fの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bFは、CU3Fに対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bFは、遊技機チップ情報の鍵管理センタへの問合せを要求する旨の「チップ情報問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記の遊技機チップ情報問合せに対して、CU制御部323Fは、SC325bFに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bFは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323Fに通知するために、遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323Fに再度返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323Fは、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
以上の図110〜図120に基づいて説明したCU制御部323FとSC325bFとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3Fが遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「基板初期鍵認証シーケンス」がある(図110参照)。この「基板初期鍵認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(ホールサーバ)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板初期鍵認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「セキュリティ基板情報問合せシーケンス」が実行される(図110参照)。このセキュリティ基板情報問合せシーケンスにより基板認証鍵が上位装置(鍵管理サーバ)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図111参照)。
一方、基板初期鍵を用いてのセキュリティ基板情報問合せシーケンス(図110参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3Fを遊技場に出荷するときにそのCU3Fの基板認証鍵を鍵管理サーバへ送信して鍵管理サーバに記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に鍵管理サーバに記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから鍵管理サーバへの基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3Fがセキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに鍵管理サーバとCU3Fとの間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的にはホールサーバ)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンスを実行し、乱数と時刻データとを用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323FとSC325bFとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を利用して交換した通信鍵による実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともにホールサーバやホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵がホールサーバに記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323Fがホールサーバに接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」は、図114に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で基板初期鍵認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの基板初期鍵認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図114に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
図121は、「基板認証鍵による認証」の具体的制御を説明するためのフローである。図121を参照して、以下説明する一連の処理は、CU制御部323FとSC325bFとの間において行なわれる。
ステップSF201において、チャレンジレスポンス方式を用い、基板シリアルIDを使用した認証処理(単体認証)が行なわれる(図99の基板シリアルID認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップSF201の単体認証が完了すると、次のステップSF202において鍵バージョンのチェックが行なわれる(図99のバージョン情報通知/応答参照)。
そして、ステップSF202の鍵バージョンのチェックが完了すると、次のステップSF203において、基板認証鍵を使用した機器認証が行なわれる(図99の基板認証鍵認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップSF203の機器認証処理が完了すると、次のステップSF204において、ステップSF201〜SF203の認証結果を相互に通知を行ない、次のステップSF205に処理が進む(図99の基板認証結果通知/応答参照)。
ステップSF205において、通知された認証結果が正常か否かを判断され、認証結果が正常である場合にはステップSF206に処理が進み、認証結果が正常でない場合にはステップSF207に処理が進む。
ステップSF206において、CU制御部323FがSC325bFから取得するセキュリティ基板情報を有しているか否かがさらに判断され、取得するセキュリティ基板情報を有している場合には、ステップSF209に処理が進み、取得するセキュリティ基板情報を有していない場合には、ステップSF210に処理が進む。
ステップSF209においては、CU制御部323F−SC325bF間の基板認証鍵の認証処理について、さらにセキュリティ基板情報の問合せ処理へ遷移し、処理が終了する。一方、ステップSF210は、基板認証鍵モードの認証を正常に終了し、処理が終了する。なお、この場合には、CU制御部323F−SC325bF間は遊技機チップ情報の照合の処理が行なわれる。
一方、ステップSF205において、認証結果が正常でない場合には、ステップSF206に処理が進み。このステップSF206においてこのリトライ回数が3回目か否かが判断され、リトライ回数が3回目である場合には、ステップSF208に処理が進み、リトライ回数が3回目でない(リトライ回数が1回目か2回目である)場合には、処理がステップSF201に戻り、再度認証処理が行なわれる。
ステップSF208において、SC325bF基板認証異常として、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)まで待機状態となる。リセット動作後において、再度基板初期鍵を暗号鍵として認証処理を行なうモード(基板初期鍵モード)で起動され、各認証処理が行なわれ、処理が終了する。この場合には、その日の営業は1日中この基板初期鍵モードで運用され、翌日の電源立上時に再度鍵管理サーバに対しセキュリティ基板情報取得要求を出し、セキュリティ基板情報の取得を試みる(図103)。また、ステップSF208aに示したように、翌日の電源立上を待つことなくこの時点でセキュリティ基板情報の問合せ処理を再度実行してもよい。この場合には、基板初期鍵モードでの運用により遊技を進行させつつセキュリティ基板情報の問合せ処理も並行して進行させる。
図122(a)は、CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図122(a)を参照して、ステップSF211において、CU制御部323Fは鍵管理サーバに基板認証鍵の要求を行ない、次のステップSF212に処理が進む。
そして、ステップSF212において、CU制御部323Fは鍵管理サーバから送られてきたセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵を取得するとともに、セキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bFへ送信し、次のステップSF213に処理が進む。
ステップSF213において、CU制御部323Fは遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なう。次のステップSF214のモード切替処理を行なったときにはその切替処理の実行中遊技機との加減算玉数の通信処理ができなくなるため、ステップSF214のモード切替処理を行なう前に遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なうのである。遊技機が非稼動状態か否かは、CUに遊技者のカードが挿入されていないか挿入されているかで判断する。カードが挿入されていない場合には遊技機が非稼働状態と判断する一方、カードが挿入されている場合には遊技機が稼働状態と判断する。CU制御部323Fに対応する遊技機が非稼動状態である場合には、ステップSF214に処理が進み、CU制御部323Fに対応する遊技機が非稼動状態でない場合には、遊技機が非稼動状態になるまでステップSF213の処理が行なわれる。
ステップSF214において、CU制御部323Fは、ステップSF212において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
図122(b)は、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図122(b)を参照して、ステップSF216において、SC325bFがCU制御部323Fからの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323FはステップSF212により更新情報をSC325bFへ送信する。それを受けたSC325bFは、その更新情報を取得する。次に、ステップSF217においてSC325bFは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、前述のステップSF213と同様に、ステップSF218においてSC325bFは、遊技機が非稼動状態か否かの判定を行ない、非稼動状態であることを条件として、ステップSF219の処理を実行する。ステップSF219においてSC325bFは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bFと通信制御IC325aFとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、CUの正当性が鍵管理サーバに登録された基板認証鍵によって認証される前に通常の通信モードとなってカード残額等を用いたP台での遊技が可能となることを防止できる。さらに、鍵管理サーバに登録された基板認証鍵を受信できないときでも、制限通信モードとなり、P台での遊技が許容されるため、柔軟な運用が可能となる。しかも、その場合には通常通信モードに比べて所定の制限の下で遊技が許容されるものとなるため、鍵管理サーバに記憶された基板認証鍵での認証が必要とされることなく運用が続けられてしまうことを防止できる。
図123(a)(b)は、通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの他の例である。CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を示す図123(a)を参照して、ステップSF221において、CU制御部323Fは鍵管理サーバにセキュリティ基板情報の要求を行ない、次のステップSF222に処理が進む。
そして、ステップSF222において、CU制御部323Fが鍵管理サーバに要求したセキュリティ基板情報をホールサーバが鍵管理サーバから取得し、そのセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵をホールサーバが取得する。次に、ステップSF223においてホールサーバは、前述のステップSF213と同様の趣旨より、セキュリティ基板情報を要求したCU制御部323Fに対応する遊技機が非稼動状態か否か判定する。遊技機が非稼動状態になったときにホールサーバはステップSF224において、取得した基板認証鍵をCU制御部323Fへ送信し、それを受けたCU制御部323Fはセキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bFへ送信する。次に、ステップSF225においてCU制御部323Fは、ステップSF2224において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
次に、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を示す図123(b)を参照して、ステップSF226において、SC325bFがCU制御部323Fからの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323FはステップSF224により更新情報をSC325bFへ送信する。それを受けたSC325bFは、その更新情報を取得する。次に、ステップSF227においてSC325bFは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、ステップSF228においてSC325bFは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bFと通信制御IC325aFとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、制限通信モードにおいてホールサーバが鍵管理サーバから基板認証鍵を受信したときでも、P台が稼動中のときには、即座にその基板認証鍵がCUに送信されて通常通信モードに切り換わるのではなく、遊技機が非稼働状態になったことを条件にして基板認証鍵がホールサーバからCUに送信されて通常通信モードに切り換わるため、制限通信モードにおいて提供されていた遊技に何らかの影響を与えてしまい、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
<SC325bFとCU制御部323Fとの認証動作>
次に、統一店舗コードのチェック、基板メーカコードの認証についてさらに詳しく説明する。
まず、図124を参照して、SC325bFによる統一店舗コードのチェック処理を説明する。この処理は、SC325bFが、基板接続要求時に通知される統一店舗コードと前回通知された統一店舗コードをチェックして、不一致の場合に設置された店舗が変わったと判断する認証動作である。SC325bFは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであるか否かを判断する(ステップSF1101)。なお、統一店舗コードのダミーコードは、たとえば、すべてのデータが“0xFF”である。このダミーコードは、CU3Fが遊技場(店舗)に設置される前の出荷時の段階で通常の統一店舗コードの代わりに用いられるものであり、出荷時の段階でSC325bFに既に記憶されている。そして出荷時にダミーコードをCU制御部323F経由でSC325bFに入力して、SC325bFがその入力されたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証する。また、ダミーコードは、新装開店の遊技場(ホール)のため未だ統一店舗コードを取得していない場合に仮の店舗コードとして当該遊技場のホールサーバにデフォルトとして記憶されている。そして、新装開店の遊技場に設置されたCU3FにホールサーバからダミーコードをダウンロードさせてSC325bFがそのダウンロードされたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証し、P台2Fによる遊技を可能にする。
正規の統一店舗コードを取得したホールサーバはCU制御部323Fへその統一店舗コードを送信する。それを受けたCU制御部323Fは、次の電源投入時における基板接続要求時にその統一店舗コードをSC325bFへ送信する。それを受けたSC325bFは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであると判断した場合(ステップSF1101:YES)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードに記憶を更新するが、基板認証鍵、本認証鍵情報を初期化しないで、前回の各認証モードを引継いで動作する。その後、SC325bFは、認証ログ情報を保存する(ステップSF1106)。基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は、或る遊技場に設置されていたCU3Fが他の遊技場に移設されたときに必要となる処理であるが、SC325bFに記憶されているダミーコードを統一店舗コードに更新する場合には、前述した新装開店の遊技場が正規に統一店舗コードを取得してその統一店舗コードをCU3Fにダウンロードした場合であり、店舗が代わったわけではなく、基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は不要である。逆にこのような場合に基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化すると、再度基板認証鍵の取得要求が必要となり、1営業日での基板初期鍵運用(時限運用)が多くなり、時限運用猶予期間が少なくなる不都合が生じる。このような不都合を回避するために基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化を行なわないように制御している。
一方、SC325bFは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードでないと判断した場合(ステップSF1101:NO)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致しているか否かを判断する(ステップSF1102)。
SC325bFは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していると判断した場合(ステップSF1102:YES)、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移する(ステップSF1103)。なお、SC325bFは、前回の認証モードが基板認証鍵モードである場合、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移し、前回の認証モードがそれ以外の認証モードである場合、基板初期鍵認証シーケンスへ遷移する。
一方、SC325bFは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していないと判断した場合(ステップSF1102:NO)、基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップSF1104)。このような統一店舗コードの不一致は、或る遊技場に設置されていたCU3Fが他の遊技場に移設されたときに生じる。CU3Fが他の遊技場に移設されたため、前の遊技場で使用していた基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)してセキュリティを担保するのである。なお、SC325bFは、CU制御部323Fから通知される統一店舗コードが変更になった場合、本認証鍵の初期化(クリア)を通信制御IC325aFに設定して、仮認証鍵による認証を開始する。なお、SC325bFが本認証鍵情報を初期化(クリア)した場合に、通信制御IC325aFも本認証鍵情報を初期化(クリア)するように制御してもよく、また、特にそのような制御を行なうことなく次回の通信制御IC325aFとの認証のときにSC325bFが本認証鍵でないため仮認証鍵での認証に戻るようにしてもよい。
また、SC325bFは、ステップSF1104で基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)した後、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスおよび仮認証鍵シーケンスへ遷移する(ステップSF1105)。
SC325bFは、ステップSF1103で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移した後、ステップSF1104で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップSF1106)。
図125は、基板メーカコードの認証動作を説明するためのフローチャートである。基板メーカコードの認証は、SC325bFとCU制御部323Fとが、それぞれ初期情報として記憶している基板メーカコードを使用した認証を行なう認証動作である。図125を参照して、まず、SC325bFとCU制御部323Fとは、記憶している基板メーカコードを使用したチャレンジ/レスポンス方式による単体認証を行なう。(ステップSF1201)。なお、単体認証時に生成するレスポンスコードは、たとえば、記憶している基板メーカコードを鍵にしてチャレンジコードをブロック暗号化した後にハッシュ関数でハッシュ化することで生成される。
SC325bFは、生成したチャレンジコードに対してCU制御部323Fが生成したレスポンスコードをチェックした認証結果が正常か否かの判断を行なう(ステップSF1202)。SC325bFは、認証結果が正常であると判断した場合(ステップSF1202:YES)、既に基板認証鍵で認証済みであるか否かを判断する(ステップSF1203)。一方、SC325bFは、認証結果が正常でない(異常)と判断した場合(ステップSF1202:NO)、n回(たとえば3回)連続して異常であるか否かを判断する(ステップSF1204)。
SC325bFは、既に基板認証鍵で認証済みであると判断した場合(ステップSF1203:YES)、基板認証鍵の認証処理へ遷移し、基板認証鍵認証シーケンスを維持する(ステップSF1205)。一方、SC325bFは、既に基板認証鍵で認証済みでないと判断した場合(ステップSF1203:NO)、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップSF1206)。
SC325bFは、n回連続して異常でないと判断した場合(ステップSF1204:NO)、処理をステップSF1201に戻す。一方、SC325bFは、n回連続して異常であると判断した場合(ステップSF1204:YES)、セキュリティを担保するために基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップSF1207)。これにより、基板認証鍵情報および本認証鍵情報が盗用される不都合を防止できる。その後、SC325bFは、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップSF1208)。
SC325bFは、ステップSF1205で基板認証鍵認証シーケンスを維持、またはステップSF1206、SF1208で基板初期鍵の認証処理へ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップSF1209)。
図126は、受信間隔監視処理を説明するためのフローチャートである。受信間隔監視処理は、SC325bFが実行する処理である。はじめに、SC325bFは電文を受信したか否かを判定する(SF810)。
CU制御部323Fは規定時間を計時するタイマ(計時手段)と、SC325bFと接続され電文を送信するための通信部(通信手段)とを備えており、SC325bFに対して規定時間間隔(たとえば、200ms)毎に電文を送信する。このため、CU制御部323Fは、ある電文を送信してから規定時間だけその電文に対する応答電文の受信を待機し、応答電文を受けて次の電文を送信する。また、CU制御部323Fは、ある電文を送信してから規定時間だけその電文に対する応答電文の受信を待機し、もし、応答電文を受信できなければ、同じ内容の電文を再送する。そして、2回目の電文の再送に対して応答電文を受信できなければ、通信断と判定する。
一方、SC325bFはCU制御部323Fから規定時間間隔(たとえば、200ms)毎に各種の要求電文を受けて、それに対応する応答電文を返信する。SF810においてNOの場合、処理が終了する。SF810においてYESの場合、規定時間間隔前の受信であるかを判定する(SF811)。
SF811において、前回の電文受信時から規定時間間隔前の受信であると判定したときには、このように規定時間間隔前の電文を受信する回数が連続してn1(ただし、n1>1)回目に達したか否かを判定する(SF812)。このように、本来、規定時間間隔毎に受信されるべき電文が、連続して規定時間間隔前に次々と送信されてくるような状況は、通常発生し得ない。このような状況は、たとえば、SC325bFの動作を不正解析する目的で、短時間で次々と様々な電文を外部から送信しているような場合に発生し得る。そこで、SF812においてNOの場合には処理が終了するが、YESの場合にはエラー情報を送信する(SF813)。
このエラー情報は、たとえば、IC325aF経由でP台2Fの払出制御部171Fへ送信される。エラー情報を受けた払出制御部171Fは、発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを停止させ、遊技不能状態とする。なお、遊技不能状態とすることに代えて、あるいはこれに加えて、エラー情報をP台2Fの表示器54Fに表示するようにしてもよい。あるいは、SF813においては、エラー情報をCU制御部323Fに送信するものとしてもよい。
SF813の処理の後、SF810で受信した電文に対する応答電文の送信を禁止する(SF814)。さらに、CU制御部323Fからの電文の受信機能を停止する(SF815)。SF814およびSF815の結果、解析目的で応答電文を得ようとする不正行為を防止できる。
なお、このフローチャートでは、規定時間間隔前の電文を受信する回数が連続してn1回目に達した場合に連続回数としたが、規定時間間隔前の電文を1回でも受信すると、SF812でNOと判定されるようにしてもよい。
また、SF813〜SF815のいずれか1つまたは2つの処理のみが実行されるようにしてもよい。さらには、SF814およびSF815の処理に代えて、受信した電文に対して応答するタイミングを通常時よりも遅らせるようにしてもよい。たとえば、通常は、相手(CU制御部323F)が電文を送信してから200msで応答電文が相手に到達するように応答電文を送信するが、その間隔を長く(たとえば通常の3倍等)するようにしてもよい。これにより、仮に電文を通常より短い時間間隔で送るような不正行為が行なわれたとしても、それに対する応答がスローになるため、不正解析の効率を極めて悪いものとして、不正改正を困難にすることができる。
さらに、応答電文の送信をスローにする処理と、応答電文の送信を禁止する処理(SF814)とを組み合せてもよい。たとえば、SF812でYESと判定されたときには、応答電文の送信をスローにする処理を実行し、その後、応答電文の送信から規定時間間隔以内の電文受信を所定数検出したときに、SF814の応答電文の送信を禁止する処理を実行するようにしてもよい。
また、図126に示すような受信間隔監視処理は、SC325bFのみではなく、相手からの電文を受信するいずれの装置が行なうようにしてもよい。たとえば、CU制御部323Fは、上位サーバ(たとえば、鍵管理サーバ)から送信されてくる電文に関して受信間隔監視処理を実行してもよい。また、IC325aFは、SC325bFから送信されてくる電文に対して受信間隔監視処理を実行してもよい。あるいは、払出制御部171Fは、IC325aFから送信されてくる電文に対して受信間隔監視処理を実行してもよい。この場合には、CU3Fと遊技機(たとえば、P台2F)との間で受信間隔監視処理が実行されることになる。その他、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信の処理においてこの処理を適用してもよい。
図127は、異常電文監視処理を説明するためのフローチャートである。異常電文監視処理は、SC325bFが実行する処理である。はじめに、SC325bFは電文を受信したか否かを判定する(SF820)。SF820においてNOの場合、処理が終了する。SF820においてYESの場合、受信した電文がコマンド異常電文であるか否かを判定し(SF821)、コマンド異常電文でない場合には、受信電文が通信異常電文であるか否かを判定する(SF826)。
ここで、通信異常電文とは、CRC(Cyclic Redundancy Check)により誤り検出された電文や、データ長が予め定められた長さと異なることが検出された電文など、本来は正規の電文で送信されあるいは送信される予定であったにも関わらず電文生成過程でのエラー発生あるいは通信回線上のノイズ等の影響を受けて本来の電文からデータ化けして到着した電文である。
これに対して、コマンド異常電文とは、データ長が正しく、CRCでの誤りも検出されないものの、電文に含まれるコマンドコードが予め定められたものとは異なる電文である。そうであるから、コマンド異常電文は、不正な動作を引き起こすこと等を目的とした不正電文の可能性がある。
SF826で通信異常電文でもないと判断された場合には、正常な電文を受信したことになるから、異常電文監視処理を終了する。これに対して、SF826で通信異常電文と判定したときには、このような通信異常電文の連続受信回数がn3回に達したか否かを判定する(SF827)。ここで、n3はたとえば「3」である。そして、n3回に達していない場合にはCU制御部323Fへ電文の再送を要求する(SF825)。つまり、通信異常電文を受信した場合には、2回の再送が許される。
そして、初回の電文の受信を含めて、合計、n3回だけ受信した電文のすべてが通信異常電文である場合には、SF827でYESとなり、CU‐SC間通信異常と判定する(SF828)。この場合、CU‐SC間通信異常情報を送信する(SF829)。
CU‐SC間通信異常情報は、たとえば、通信制御IC325aF経由でP台2Fの払出制御部171Fへ送信される。CU‐SC間コマンド異常情報を受けた払出制御部171Fは、発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを停止させ、遊技不能状態とする。なお、遊技不能状態とすることに代えて、あるいはこれに加えて、CU‐SC間コマンド異常情報をP台2Fの表示器54Fに表示するようにしてもよい。あるいは、SF829においては、CU‐SC間通信異常情報をCU制御部323Fに送信するものとしてもよい。
一方、SF821において受信電文がコマンド異常電文と判定すると、このようなコマンド異常電文の連続受信回数がn2回に達したか否かを判定する(SF822)。ここで、n2はたとえば「4」であり、通信異常電文に関する閾値n3を「3」とした場合に比べて、その閾値が1つ大きい。
SF822においてNOと判定した場合にはCU制御部323Fに対して電文の再送を要求する。つまり、コマンド異常電文を受信した場合には、4回の再送が許される。
そして、初回の電文の受信を含めて、合計、n2回だけ受信した電文のすべてがコマンド異常電文である場合には、SF822でYESとなり、CU‐SC間コマンド異常(不正)と判定する(SF823)。この場合、CU‐SC間コマンド異常情報を送信する(SF824)。
CU‐SC間コマンド異常情報は、たとえば、通信制御IC325aF経由でP台2Fの払出制御部171Fへ送信される。CU‐SC間コマンド異常情報を受けた払出制御部171Fは、発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを停止させ、遊技不能状態とする。なお、遊技不能状態とすることに代えて、あるいはこれに加えて、CU‐SC間コマンド異常情報をP台2Fの表示器54Fに表示するようにしてもよい。あるいは、SF829においては、CU‐SC間通信異常情報をCU制御部323Fに送信するものとしてもよい。
このように、コマンド異常電文に関する閾値を通信異常電文に関する閾値と異ならせることにより、単なるデータ化けによる電文の再送と、不正コマンドが送信されている可能性とを区別することができる。特に、コマンド異常電文に関する閾値を、単なるデータ化けによる電文の再送の場合の閾値よりも大きくすることによって、通常のデータの再送制限回数(初回を入れてn3)を超えてもなお異常なコマンドコードを含む電文が繰り返し送信されてきていることを確認できることになり、不正の可能性が高い状況を判定でき、その判定に基づいて不正の可能性があることを通知できる。
図128は、遊技機チップ問合せ処理を説明するためのフローチャートである。遊技機チップ問合せ処理は、CU制御部323Fが実行する処理である。この処理の一例は、図117(遊技機チップ情報問合せシーケンス)と図120(遊技機チップ情報問合せタイムアウトシーケンス)とに示した。
はじめに、CU制御部323Fは遊技機チップ問合せ指示通知を送信する(SF830)。これによって、SC325bFに対して、鍵管理サーバに問合せする遊技機チップ情報を要求する。なお、この遊技機チップ問合せ指示通知を受けたSC325bFは、通信制御IC325aF経由でP台2Fに対して遊技機チップ情報を要求する。
次に、問合せ待ちタイマをリセットする(SF831)。問合せ待ちタイマは、遊技機チップ問合せ指示通知に対する応答待ち時間を計時するためのタイマであり、遊技機チップ問合せ指示通知の送信毎にリセットされ、新たに計時が開始される。
次に、SC325bFより遊技機チップ問合せ結果を受信したか否かを判定する(SF832)。遊技機チップ問合せ結果には、チップ情報の取得できたか否かを示す取得結果、メーカコード、基板シリアル番号、主制御チップID、払出チップID等が含まれる。遊技機チップ問合せ結果を受信していない場合には、問合せタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(SF833)。タイムアウトした場合にはタイムアウト処理を実行する(SF838)。タイムアウト処理では、図136に示したように状態情報要求が送信され、状態情報応答(チップ情報問合せ有)の待ち状態となる。
SF833において問合せタイマがタイムアウトしていない場合には鍵管理サーバより、動作指定が遊技機チップ情報問合せ要求であるヘルスチェックを受信したか否かを判定する(SF834)。つまり、鍵管理サーバから遊技機チップ情報の問合せ要求を受けたか否かを判定する。鍵管理サーバから遊技機チップ情報の問合せ要求を受けていた場合には、遊技機チップ問合せ指示通知をSC325bFへ送信し(SF835)、問合せ待ちタイマをリセットする(SF836)。これによって、問合せ待ちタイマによる計時が最初から開始される。その後、SF832に移行する。
つまり、既に遊技機チップ問合せ指示通知を送信済みであって、それに対する応答待ちの間であっても、それとは別個に新たに鍵管理サーバから遊技機チップ情報の問合せ要求を受けた場合には、改めて遊技機チップ問合せ指示通知を送信する。
このように処理することによって、全国に存在する数多くのホール(ホール内のCU)と接続されている鍵管理サーバからの要求に対して迅速に応答を返信することが可能になる。すなわち、ヘルスチェック要求による「遊技機チップ情報問い合わせ要求」は鍵管理サーバからの強制指示であるので、CU制御部323Fからの要求に応じてSC325bFが遊技機チップ情報問い合わせ中モードでも確実に鍵管理サーバに情報が届くまでCU制御部323Fは遊技機チップ情報の問い合わせを実行する。
SF834において、鍵管理サーバよりヘルスチェック(動作指定=遊技機チップ情報問合せ要求)を受信してない場合、SF832に戻り、遊技機チップ問合せ結果を受信したか否かを判定するステップに移行する。
やがて、SF832において、遊技機チップ問合せ結果を受信すると、その結果を上位サーバ(鍵管理サーバ)へ送信し(SF837)、処理を終える。
なお、ここでは、ヘルスチェック(動作指定=遊技機チップ情報問合せ要求)の場合を例に挙げて説明したが、上記の処理は、CU制御部323Fがヘルスチェック(動作指定=セキュリティ基板情報問合せ要求)を受信した場合にも同様に行なわれる。
すなわち、図116および図119を参照して、CU制御部323Fは、セキュリティ基板問合せ指示通知をSC325bFに送信し、セキュリティ基板情報問合せタイムアウトまでSC325bFからの応答を待つ。ただし、タイムアウトする前に、上位サーバ(鍵管理サーバ)よりヘルスチェック(動作指定=セキュリティ基板情報問合せ要求)を受信すると、CU制御部323Fは、タイムアウトを待つことなく、セキュリティ基板問合せ指示通知をSC325bFに再送する。
<ヘルスチェック>
次に、本実施の形態に係る遊技用システムでは、たとえばCU3FまたはP台2Fと鍵管理サーバとの通信が不通となった場合であっても、安定してCU3FまたはP台2Fを稼働させるために時限運用機能を利用して稼働を継続することが可能である。しかし、時限運用機能を意図的に利用して、鍵管理サーバと通信を行なうことなくCU3FやP台2Fを稼働させて不正な営業が行なわれる可能性があった。そこで、本実施の形態では、時限運用機能を利用して稼働しているCU3FまたはP台2Fが、鍵管理サーバとの通信が不通となった状態が所定の期間継続した場合、当該時限運用機能を無効にするように構成している。また、本実施の形態では、CU3FまたはP台2Fの時限運用機能が無効にされても、鍵管理サーバとの通信が回復し所定の条件を満たせば再び時限運用機能の設定を有効にする構成にしてある。
図129は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を無効にする処理を説明するための図である。図129を参照して、時限運用機能を無効にする処理について説明する。時限運用機能を無効にする処理は、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間、ホールサーバ801F−CU制御部323F間、CU制御部323F−SC325bF間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323FおよびSC325bFを含むCU3FがP台2Fと通信を行なうことで、遊技者がP台2Fで遊技を行なうことが可能となっている。このとき、たとえばCU制御部323F−SC325bF間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれており、CU制御部323Fからの状態情報要求のコマンドも、SC325bF間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されている。
この秘匿鍵Aは、鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェックにより定期的に更新することで、正常にCU制御部323F−SC325bF間の通信を行なうことが可能となる。図129に示す鍵管理サーバ800Fは、CU制御部323F−SC325bF間で正常に通信を行なっているときに、CU制御部323FおよびSC325bFに対してヘルスチェックを行なうべくヘルスチェック要求のコマンドを送信しているが、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間の通信が不通のため当該ヘルスチェック要求のコマンドがCU制御部323Fに到達していない。
鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェックは、たとえば1日1回行なわれ、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない場合であっても再送信せずに次の日にヘルスチェック要求を送信することになる。
CU制御部323F−SC325bF間の通信は、鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェックが行なわれず秘匿鍵Aが更新されない場合であっても、時限運用機能のため何ら制限を受けることなく継続して通信を行なうことができる。そのため、CU3FとP台2Fとの通信も正常に行なうことができ、CU3FやP台2Fを正常に稼働させてP台2Fでの営業を可能にすることができる。
しかし、鍵管理サーバ800Fがヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323Fに到達しない状態が、たとえば10日間(1日1回ヘルスチェックを行なう場合であれば10回)継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断される。ヘルスチェック要求時限オーバーと判断されると、SC325bFは時限運用機能を無効にして、秘匿鍵Aを用いたCU制御部323F−SC325bF間の通信を行なうことができなくなる。CU制御部323F−SC325bF間の通信において秘匿鍵Aを利用できない場合、通信内容が大幅に制限され、CU3FとP台2Fとの通信も制限される。そのため、CU3FやP台2Fの稼働を不可にさせたり、大幅に制限を加えて稼働させたりすることができる。
CU制御部323F−SC325bF間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれておらず、CU制御部323Fからの状態情報要求のコマンドも、SC325bF間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されていない。その代わりに、たとえばCU制御部323FまたはSC325bFに保持されている初期鍵Aに基づいて暗号して通信を行なってもよい。その場合、たとえばCU制御部323F−SC325bF間で通信できるコマンドが大幅に制限される。
以上のように、本実施の形態では、鍵管理サーバとの通信が不通となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックできない場合、時限運用機能を無効にするので、時限運用機能を利用して不正にP台2Fを稼働させて営業することを防止することができる。なお、時限運用機能を無効にする無効条件は、ヘルスチェックできない期間が10日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できなかった回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。
次に、時限運用機能を無効にした遊技用システムに対して、時限運用機能を有効にするための処理について説明する。図130は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を有効にする処理を説明するための図である。図130を参照して、時限運用機能を有効にする処理について説明する。時限運用機能を有効にする処理は、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間、ホールサーバ801F−CU制御部323F間、CU制御部323F−SC325bF間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323FおよびSC325bFを含むCU3FがP台2Fと通信を行ない、CU制御部323Fから状態情報要求のコマンドをSC325bFに送信し、それを受けてSC325bF間から状態情報応答のレスポンスをCU制御部323Fに送信している。なお、このときCU制御部323FおよびSC325bFは、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない状態で無効条件が成立して時限運用機能が無効にされている。
その後、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間の回線が復旧して通信可能となった場合、鍵管理サーバ800Fから送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られる。このような鍵管理サーバ800Fからのヘルスチェックが可能となった状態が3日間経過し、4日目のヘルスチェック要求を鍵管理サーバ800Fが行なう。なお、ヘルスチェックが可能となった状態であれば、CU制御部323F−SC325bF間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれている。
具体的に、鍵管理サーバ800Fは、ホールサーバ801Fに対してヘルスチェック要求のコマンドを送信し、当該コマンドを受けたホールサーバ801FがCU制御部323Fに対してヘルスチェック要求のコマンドを送信する。さらに、CU制御部323Fは、ホールサーバ801Fからのコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック要求を含む基板状態要求のコマンドをSC325bFに送信する。
SC325bFは、CU制御部323Fから基板状態要求のコマンドを受けると、回線が復旧して正常にヘルスチェックが3日間行なわれたので、無効にしてある時限運用機能を有効にする。時限運用機能を有効にすることで、今後、鍵管理サーバ800F−ホールサーバ801F間の通信が不通となりヘルスチェックが行なえなくなっても、CU制御部323FおよびSC325bFは、時限運用機能を利用して秘匿鍵Aに基づく通信を行なうことが可能となる。これにより、CU3FおよびP台2Fは、鍵管理サーバ800Fとの通信断などの障害が生じたとしても安定して稼働させることができる。
さらに、SC325bFは、基板状態要求のコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック応答を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323Fに送信する。ヘルスチェック応答には、SC325bFの状態情報が含まれるとともに、P台2Fから受信したP台2Fの状態情報が含まれている。なお、図93には示していないが、SC325bFがP台2Fに対してヘルスチェック要求を行ない、P台2Fからヘルスチェック応答を受信することで、P台2Fの状態情報を取得する。
CU制御部323Fは、SC325bFから基板状態応答のレスポンスを受けて、ホールサーバ801Fに対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。当該ヘルスチェック応答のレスポンスには、たとえばCU制御部323F−SC325bF間の認証状態の情報が含まれている。さらに、ホールサーバ801Fが、CU制御部323Fからヘルスチェック応答のレスポンスを受けて、鍵管理サーバ800Fに対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。
以上のように、本実施の形態では、鍵管理サーバとの回線が復旧し通信が可能となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックを行なうことができる場合、無効である時限運用機能を有効にするので、時限運用機能を利用して遊技場の営業を妨げない安定した稼働が可能となる。また、無効である時限運用機能を有効にするために店員が各CU3FやP台2Fを操作する必要が無いため、店員の作業を軽減することができる。なお、時限運用機能を有効にする復帰条件は、ヘルスチェックが可能となった期間が3日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できた回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。また、時限運用機能を無効にする無効条件であるヘルスチェックできない期間(たとえば10日間)は、時限運用機能を有効にする復帰条件であるヘルスチェックが可能となった期間(たとえば3日間)に比べて長くすることで、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げない安定したCU3FおよびP台2Fの稼働が可能になる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図62に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図131は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図131に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bについて詳しく説明する。図132は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図132に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図133は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図133に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図134は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図134に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図135は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711に認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711に認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711に認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711に認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図136を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図136には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図137および図138に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図137を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図137に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711に書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図138を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図138は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図138を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<開放検出および接続検出の構成>
次に、本実施形態に係るP台2Fの開放検出および接続検出の構成について説明する。本実施形態に係るP台2Fは、ガラス扉6Fの開放検出、前枠5Fの開放検出、および前枠5Fと遊技盤26Fとの接続検出を行なう構成を有している。図139は、本実施形態に係るP台2Fの開放検出および接続検出を説明するためのブロック図である。図139(a)に示す前枠5Fと遊技盤26Fとは、前枠5F側に設けた凹型ドロアコネクタ33Fと遊技盤26F側に設けた凸型ドロアコネクタ32Fとにより電気的に接続されている。前枠5Fは、ループ状の電力線500Fにより直列に接続された開放検出部53F、前枠中継基板52F、払出制御基板17Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fを有している。つまり、前枠5Fに設けられている開放検出部53F、前枠中継基板52F、払出制御基板17Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fには電力線500Fが配線されており、それぞれの接続が切れる(例えば、断線やコネクタ外れなど)と、当該電力線500Fに電流が流れなくなる。遊技盤26Fは、凸型ドロアコネクタ32Fと、主制御基板16Fとを有している。凸型ドロアコネクタ32Fを凹型ドロアコネクタ33Fに接続することで、ループ状の電力線500Fに主制御基板16Fも直列に接続される。つまり、遊技盤26Fに設けられている凸型ドロアコネクタ32F、および主制御基板16Fにも電力線500Fが配線されており、それぞれの接続が切れる(例えば、断線やコネクタ外れなど)と、当該電力線500Fに電流が流れなくなる。なお、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fは、接続が外れることで前枠5Fと遊技盤26Fとの電気的な接続を検出することができる盤接続検出手段に対応する。
電力線500Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとの間で信号を送受信する信号ケーブル(たとえば、図61に示した信号ケーブル36Fなど)内の配線に含まれている。そして、前枠5Fの信号ケーブルと遊技盤26Fの信号ケーブルとは、26ピンまたは32ピンの凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fにより接続される。なお、図139(a)には、信号ケーブルは図示しておらず、ループ状の電力線500Fのみ図示してある。
図139(b)は、開放検出部53Fの構成を説明するためのブロック図である。開放検出部53Fは、開放検出スイッチ12aF、電流検出器12bFおよび計数カウンタ120Fを有している。開放検出スイッチ12aFは、ガラス扉6Fの開放を検出するガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠5Fの開放を検出する前枠開放検出スイッチ13Fで、ガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放されると(OFF状態)ループ状の電力線500Fの接続が切れるように直列に接続されている。なお、図139(b)では、説明を簡単にするために開放検出スイッチ12aFを1つ図示した場合を示したが、実際の構成では、ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fのそれぞれに対応して開放検出スイッチ12aFが設けられている。
電流検出器12bFは、ループ状の電力線500Fに対して直列に接続され、ループ状の電力線500Fに流れる電流を検出している。電流検出器12bFは、ループ状の電力線500Fに流れる電流が検出されなくなると、開放検出スイッチ12aFがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外れた状態であると検出することができる。電流検出器12bFは、開放検出スイッチ12aFがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外れた状態を検出すると、検出信号を計数カウンタ120Fに出力する。なお、電流検出器12bFは、P台2Fの電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源の電力が供給されている。
計数カウンタ120Fは、電流検出器12bFからの検出信号に基づき、ガラス扉6Fの開放回数、前枠5Fの開放回数、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外された回数を計数する。図140は、図139(b)に示した計数カウンタ120Fの制御回路を示すブロック図である。図140を参照して、計数カウンタ120Fは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)10aFと、そのCPU10aFの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)10bFと、CPU10aFのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)10cFと、I/Oポート(Input/Output Port)10dFとが設けられている。
計数カウンタ120Fは、P台2Fの電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源の電力が供給されている。また図62に示した払出制御基板17Fからクロック信号(CLK信号)とチップセレクト信号(CS信号)とが入力されるとともに、計数カウンタ120Fで計数した検出回数の値を示すデータ信号が払出制御部171Fへ出力される。
計数カウンタ120Fは、ガラス扉6Fの開放回数、前枠5Fの開放回数、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外された回数の合計を計数して検出回数の値を示すデータ信号を出力する。なお、計数カウンタ120Fは、ガラス扉6Fの開放回数、前枠5Fの開放回数、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外された回数を個別に検出して、計数できるように構成してもよい。また、遊技盤26Fの電力線500Fと主制御基板16Fの電力線500Fとの接続部分が主制御接続検出手段として機能させることで、遊技盤26Fから主制御基板16Fを取外した回数も、計数カウンタ120Fで検出することができる。遊技盤26Fの電力線500Fと主制御基板16Fの電力線500Fとの接続部分は、ドロアコネクタなどコネクタで接続されていても、直接はんだ付けされて接続されていてもよい。ここで、主制御基板16Fの電力線500Fは、ループ状の電力線500Fの一部として構成されている。
次に、図141に基づいて、ガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続の外れの検出について説明する。図141(a)に示すP台2Fでは、ガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放され、開放検出部53Fと前枠中継基板52Fとが電気的に切断されている様子が示されている。開放検出部53Fと前枠中継基板52Fとが電気的に切断されることでループ状の電力線500Fに電流が流れなくなり、電流検出器12bFがガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放を検出することができる。
また、図141(b)に示すP台2Fでは、凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外され、凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとが電気的に切断されている様子が示されている。凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとが電気的に切断されることでループ状の電力線500Fに電流が流れなくなり(つまり、電力線500Fを構成する配線が切断されることにより電流が流れなくなり)、電流検出器12bFが凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続の外れを検出することができる。図141に示したように、ガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放検出スイッチ12aFと、凸型ドロアコネクタ32Fおよび凹型ドロアコネクタ33Fの盤接続検出手段とがループ状の電力線500Fにより直列に接続されている。そのため、開放検出部53Fは、ガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放を検出するだけでなく、前枠5Fと遊技盤26Fとの接続が外れたことも検出することができる。
次に、図142に基づいて、RAM10cFに記憶されているデータの記憶状態と、CS信号およびCLK信号の入力に従ってデータ信号が出力される状態とを説明する。
RAM10cF内には、1〜18の18ビット分のデータを記憶する記憶エリアが用意されている。図142のRAM10cF内イメージの図において、1と2のビット記憶エリアは、CU3Fとの断線時かあるいは断線されていない正常時かを記憶するエリアであり、正常時においては01が記憶され、電断時においては01以外の値が記憶される。
RAM10cF内イメージの図において3〜8のビットデータ記憶エリアは、P台2Fの電源OFFの開始時点におけるガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放回数、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外された(切断された)回数(以下、単に検出回数ともいう)を記憶する記憶値エリアである。この記憶値は、000000〜111110の範囲の値をとり、この範囲を超えたオーバフロー時には111111の値となる。
RAM10cF内イメージにおける9〜14のビットデータ記憶エリアは、検出回数の現在値を記憶する現在値記憶エリア(現在値テーブル)である。この現在値は、000000〜111110の範囲の値をとる。この現在値記憶エリア(現在値テーブル)の記憶は、外部からの操作によって初期化されることがない。ただし、図143(c)に基づいて説明するように、P台2Fの電源がONになっている通常時では、現在値が上限まで達すると再度初期値からカウントアップされてループする。
RAM10cF内イメージの図における15と16とのビットデータ記憶エリアは、電断時でない通常時においては01の値をとり、電断時においては10の値をとる。RAM10cF内イメージの図における17と18のビットデータ記憶エリアは、検出回数を払出制御部171Fへ送信した後においては01の値をとり、送信する前においては10の値をとる。
図143(b)に基づいて後に詳しく説明するが、現在値記憶エリア(現在値テーブル)は、電断時(電源OFF時)においては、ガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放される、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外される(以下単に、ガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放等されるとも言う)毎に、3〜8の記憶エリアに記憶されている記憶値をnと表わす。ガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放等される毎にn+1,n+2,…とカウントアップされ、その上限であるn+61までカウントアップされた後にさらにガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放等されることにより63の値(一周フラグが立つ値)となり、それ以上のカウントアップは行なわれない状態となる。
そして、P台2Fの電源立上げ時に、図142に示すように1〜12の12ビットのデータとして払出制御部171Fへ出力される。このデータ出力は、図示1と2のビットデータが01のときには正常時、01以外のときにはCU3Fとの断線時が示される。3〜8のビットデータでは、前述したオーバフロー時以外のときには、記憶値から現在値を引いた値を差分値としてその差分値(000000〜111110の範囲の値)が出力される。一方オーバフロー時においては、111111の値が出力される。
なお、現在値記憶エリア(現在値テーブル)がその上限であるn+61までカウントアップされた後にさらにガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放等されることにより63の値(一周フラグが立つ値)となった後においても、カウントアップを継続してもよい。その場合には、払出制御部171Fへ出力時に最終カウント値を出力するのではなく前述のオーバフロー時の値「111111」を出力する。
9と10のビットデータは、通常時に01、電断時に10の値となっている。この9と10のビットデータの出力が10となっていることにより、たとえば夜間に計数カウンタ120Fが交換されたことがわかる。つまり、これら計数カウンタ120Fが交換されることによりそれら計数カウンタ120Fにメイン電源とバックアップ電源の両方が供給されない状態が生ずるために、その場合にこの9と10のビットデータが10となり、この10が出力されてくることにより払出制御部171Fにおいて夜間に不正に計数カウンタ120Fが交換されたことを判別することが可能となる。
11と12のビットデータは、データを払出制御部171Fへ送信した後においては01となり送信する前においては10となっている。
次に、払出制御部171Fへ出力されるデータ信号と、払出制御基板17Fから入力されるCLK信号およびCS信号との関係を説明する。計数カウンタ120FのRAM10cFは、遊技場の営業が終了してP台2Fの電源をOFFにした後翌朝の営業開始時における電源立上げ時までの間における検出回数の現在値を記憶している。そして、P台2Fの電源が立上げられた後、払出制御部171Fが検出回数を入手するべくCS信号およびCLK信号を計数カウンタ120Fへ送信する。
CS信号とCLK信号とを受信した計数カウンタ120FのCPU10aFは、CS信号の立上げによりデータをCLK信号に合わせてCS信号の立下げまで繰返しループして払出制御部171Fへ出力する。払出制御部171Fは、繰返して送信されてきたデータ信号をたとえば3回読取って3回とも同一のデータであった場合に適正なデータ信号を受信したと判定する。
一方、図142に示すように、CS信号の立上がっている期間においてたとえば100μの間CLK信号がなかった場合(ローレベルになっている場合)、次のCLK信号の立上がりに合わせてデータを1ビット目から排出する制御が行なわれる。
この100μは、遊技機メーカが計数カウンタ120Fのレジスタに入力設定できるように構成されている。なお、遊技場側においてレジスタに入力設定できるように構成してもよい。
また、CS信号とCLK信号とが所定動作した後、一周フラグが立っている場合には計数カウンタ120FのRAM10cFの記憶値をクリアして値を000000にする制御が行なわれる。たとえば、CS信号がローレベルとなった後CLK信号が所定回数ON,OFFを繰返した段階で、CPU(レジスタ)10aFの記憶値をクリアする。
なお、P台2Fの電源OFF時においてもガラス扉6Fまたは前枠5Fが開放等されることを検出してその計数値を記憶するためにメモリとしてバックアップ可能なRAMを用いているが、P台2Fが常に電源ONである場合には、RAMの代わりにレジスタを用いてもよい。
次に、図143に基づいて、計数カウンタ120FのCPU10aFの制御動作を説明する。まず図143(a)を参照して、ステップS(以下単にSと言う)1により、P台2Fのメイン電源がOFFでバックアップ電源がONになっているか否かの判断がなされる。遊技場における通常の営業時間であればメイン電源がONになっているために、SF501によりNOの判断がなされて制御がSF507へ進み、ガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放に伴う検出信号の立上がりを契機として開放される毎にその開放回数をカウントアップする処理が行なわれ、および凸型ドロアコネクタ32Fと凹型ドロアコネクタ33Fとの接続が外されたことに伴う検出信号の立上がりを契機として接続が外される毎にその回数をカウントアップする処理が行なわれる。このカウントアップは、図142で説明した現在値記憶領域(現在値テーブル)においてカウントアップされる。この電源ON時における通常時の現在値テーブルのカウントアップの対応が、図143(c)に示されている。現在値テーブルでは、0からカウントアップしてその上限である62までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すというように、カウント値がループするように計数される。そして、このSF507によりカウントアップされた現在値テーブルの値が7セグ表示器50Fにより表示される。
一方、遊技場の営業が終了してP台のメイン電源がOFFとなった後翌朝の営業開始時におけるメイン電源の立上げ時点までの間においては、SF501によりYESの判断がなされて制御がSF502へ進む。SF502では、図142に示した現在値記憶領域(現在値テーブル)の値(現在値)を記憶する領域(図142の3〜8)に記憶値として記憶させる制御が行なわれる。次にSF503により、以降、現在値テーブルにおいて、記憶値へ戻るまで、検出信号の立上がりを契機として、開放毎または接続が外される毎に現在値テーブルの現在値をカウントアップする制御が行なわれる。このメイン電源がOFFとなっている監視時における現在値テーブルのカウントアップ動作の態様が、図143(b)に示されている。記憶値をnとし、nからカウントアップしてその上限であるn+61までカウントアップし、その状態でさらに検出信号の立上がりがあれば一周フラグが立つ値として63を記憶する。そして、この一周フラグが立つ値まで記憶値が達すると、以降検出信号の立上がりがあってもカウント動作を何ら行なわず記憶値を「63」の値のまま保持する。
次に制御がSF504へ進み、メイン電源がONでバックアップ電源がOFFになったか否かの判断がなされ、なるまでSF503の動作を繰返し実行する。遊技場において翌朝の営業開始時にP台2Fのメイン電源を立上げたときに、SF504によりYESの判断がなされて制御がSF505へ進み、払出制御基板17Fからの呼出を契機に、RAMの記憶値と現在値とをもとに差分値を算出してその差分値を払出制御基板17Fへ出力する制御が行なわれる。この出力は、図142に基づいて説明したように、CS信号の立上がり中(ハイレベル中)は同データを常時繰返してループ状に出力する。またCLK信号は、前述したようにたとえば100μsでタイムアウトし、次のCLK信号の立上げに同期して1ビット目からデータを出力する制御が行なわれる。
次にSF506により、データ出力(CS、CLK所定動作)後、一周フラグが立っている際には、そのフラグをクリアし、RAMの3〜8のビット記憶領域に記憶されている記憶値を0にクリアする。一方、一周フラグが立っていない場合には記憶値をクリアすることなくそのまま継続する制御が行なわれ、SF507へ進む。
なお、前述のSF506において、記憶値を0にクリアする前に、その記憶値を現在値に上書き保存した後その記憶値を0にクリアするように制御してもよい。また、記憶値の現在値への上書き保存や記憶値の0クリアを行なうタイミングは、電源投入時を契機にしてもよいが、その他、検出回数データの払出制御部171Fへの送信後等、差分値のデータ等が正常に出力可能であればどのようなタイミングであってもよい。
次に、図144に基づいて、払出制御部171Fによる計数表示処理の具体的制御内容を説明する。まずSF510により、P台2Fの電源投入時に、計数カウンタ120Fからの差分値等のデータを受信する。次にSF511により、その受信した値が一周フラグの立つ値(=63)であるか否かの判定がなされる。受信した値が一周フラグの立つ値(=63)でない場合には制御がSF512へ進み、その受信値を7セグ表示器50Fに表示する制御が行なわれる。一方、受信した値が一周フラグの立つ値(=63)である場合には制御がSF513へ進み、エラー番号を7セグ表示器50Fに表示する制御が行なわれる。このエラー番号は、夜間等のP台2Fの電源がOFFの期間中において、ガラス扉6Fや前枠5Fが開放されて現在値テーブルの計数値が一周する開放回数に達している異常を表わす番号である。次にSF514により、CU3Fへそのエラー番号を送信する制御が行なわれる。CU3Fでは、そのエラー番号を受信し、異常報知ランプ等により異常報知するとともに表示器312Fによりそのエラー番号を表示し、さらに上位装置(たとえばホール用管理コンピュータやホールサーバ801F等)へそのエラー番号を送信する制御を行なう。
また、エラー番号を受信したCU3Fは、CU3F自身であるいは上位装置からの指令を受けて、P台2Fによる遊技を停止させたりあるいは一部の機能を制限させたりする制御を行なってもよい。
<P台の不正検知アラーム>
次に、P台2Fで不正を検知したことによるアラーム(報知)の制御について説明する。P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されたり、P台2FとCU3Fとの回線断が生じたりする不正を検知した場合、P台2Fは、P台2F自体に設けられた表示器やスピーカなどを用いて報知を行なうように設定しても、CU3F(より具体的にはCU制御部323F、以下、単にCU3Fと記載する)が報知を行なうように設定してもよい。たとえば、P台2Fで不正を検知した場合に、P台2FがCU3Fに対してアラーム設定を要求する通知を行ない、CU3Fは当該通知に基づきアラーム設定を保持する。CU3Fは、アラーム設定を保持している間、設けられた表示器やスピーカなどを用いてアラーム報知を行なう。
図145は、電源オン/オフ時にP台の不正検知アラームについて説明するための図である。図145には、P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されたことを検知する夜間枠開放フラグ、P台2FとCU3Fとの回線断が生じたことを検知するP台回線断フラグ、CU3Fでのアラーム設定状態を示すCUアラーム設定、およびアラーム設定に基づくCU3Fでの報知状態を示すCUアラーム報知の時間変化が図示されている。まず、図145を参照して、本実施の形態以前(従来)のP台の不正検知アラームの制御について説明する。P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されると前枠開放検出スイッチ13Fが前枠5Fの開放を検出して、P台2Fに対する不正を検知する。図145に示す夜間枠開放フラグは、P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されたことを検知したタイミングでHレベルとなる。P台2Fは、不正を検知すると当該不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する。CU3Fは、当該通知に基づき図145に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、当該アラーム設定により図145に示す夜間枠開放のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3Fは、夜間枠開放のアラーム報知(従来)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
次に、P台2Fの電源がオフ状態となり、P台2FとCU3Fとの通信において回線断が生じると、図145に示すP台回線断フラグがHレベルとなる。そして、P台2Fは、P台回線断(オフ状態)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する。つまり、P台2Fは、CU3Fとの通信が正常であるとき一定の間隔でCU3Fに対して所定の信号(たとえば、クロック信号)を送信しているが、P台2Fの電源がオフ状態となりP台2FからCU3Fへ所定の信号が送信できなくなる。このことにより、P台2F(特に、払出制御部171F)は、CU3F(特に、通信制御IC325aF)との回線断(オフ状態)を検知し、CU3Fの通信制御IC325aFは、P台2Fから信号を受取れなくなったことで回線断(オフ状態)の検知に基づくアラーム設定がP台2Fから通知されたものと見なすことができる。
CU3Fは、P台2Fからの通知に基づき図145に示すP台回線断のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定により図145に示す夜間枠開放に替えてP台回線断のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3Fは、P台回線断のアラーム報知(従来)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
P台2Fの電源がオフ状態になると、図145に示す夜間枠開放フラグがリセットされLレベルとなる。なお、図145に示す例では、P台2Fの電源がオフ状態からオン状態になるまでの間に前枠5Fが閉じられているので、電源がオン状態になっても夜間枠開放フラグはLレベルのままである。しかし、P台2Fは、電源がオフ状態の間、夜間枠開放フラグがLレベルになったことにより夜間枠開放のアラーム設定を解除するための解除設定をCU3Fに通知することができない。そのため、図145に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、P台2Fの電源がオフ状態になった後も解除されずに保持されることになる。
その後、P台2Fの電源がオン状態となると、図145に示すP台回線断フラグがLレベルとなる。P台2Fは、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定を解除する解除設定の要求をCU3Fに通知する。つまり、P台2Fは、オフ状態によりCU3Fとの通信が行なわれていないとき所定の信号が送信されていないが、P台2Fの電源がオン状態となるとP台2FからCU3Fへ一定の間隔で所定の信号が送信され始める。このことにより、P台2F(特に、払出制御部171F)は、CU3Fの通信制御IC325aFとの回線復旧を検知し、CU3F(特に、通信制御IC325aF)は、P台2Fから信号を受取ることで回線断(オフ状態)の検知に基づくアラーム設定を解除する解除設定がP台2Fから通知されたものと見なすことができる。
CU3Fは、P台2Fからの通知に基づき図145に示すP台回線断のアラーム設定(従来)の解除が行なわれ、当該アラーム設定が解除される。CU3Fは、P台回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)を停止する。一方、CU3Fは、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定(従来)と無関係に、夜間枠開放のアラーム設定(従来)が継続して維持されている。この夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、P台2FとCU3Fとの通信が開始されて当該アラーム設定の解除信号がP台2FからCU3Fに通知されるまで保持され続ける(夜間枠開放解除)。そのため、CU3Fは、図145に示す回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)が停止しても、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が継続して行なわれてしまう不具合があった。つまり、回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)と、夜間枠開放のアラーム報知(従来)とが同じ報知手段を利用しているのであれば、店員はP台2Fの電源をオン状態にしたにもかかわらず報知が継続しているものと誤認する可能性があった。
次に、本実施の形態のP台の不正検知アラームの制御について説明する。本実施の形態では、P台2Fが不正を検知すると不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する。CU3Fは、当該通知に基づき図145に示す夜間枠開放のアラーム設定(本実施)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、当該アラーム設定により図145に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3Fは、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
さらに、P台2Fの電源がオフ状態となり、P台回線断(オフ状態)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する場合、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する解除設定もCU3Fに通知したものとみなす。そのため、CU3Fは、当該通知に基づき図145に示すP台回線断(オフ状態)のアラーム設定(本実施)を行なうとともに、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する。つまり、CU3Fは、図145に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を停止させてから、回線断(オフ状態)のアラーム報知(本実施)を行なう。よって、CU3Fは、P台2Fの電源がオン状態となり、図145に示す回線断(オフ状態)のアラーム設定(本実施)が解除され当該アラーム報知が停止すると、すべてのアラーム報知が停止した状態となる。つまり、本実施の形態は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)がP台2Fの電源がオン状態になった後も継続して行なわれる不具合を改善することができる。たとえ回線断(オフ状態)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2Fの電源をオン状態にしたことで報知が停止するので誤認する可能性を軽減することができる。
次に、図146は、断線時にP台の不正検知アラームについて説明するための図である。図146には、P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されたことを検知する夜間枠開放フラグ、P台2FとCU3Fとの回線断が生じたことを検知するP台回線断フラグ、CU3Fでのアラーム設定状態を示すCUアラーム設定、およびアラーム設定に基づくCU3Fでの報知状態を示すCUアラーム報知の時間変化が図示されている。まず、図146を参照して、本実施の形態以前(従来)のP台の不正検知アラームの制御について説明する。P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されると前枠開放検出スイッチ13Fが前枠5Fの開放を検出して、P台2Fに対する不正を検知する。図146に示す夜間枠開放フラグは、P台2Fで夜間に前枠5Fが開放されたことを検知したタイミングでHレベルとなる。P台2Fは、不正を検知すると当該不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する。CU3Fは、当該通知に基づき図146に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、当該アラーム設定により図146に示す夜間枠開放のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3Fは、夜間枠開放のアラーム報知(従来)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
次に、P台2FとCU3Fとの通信配線に断線が生じて、P台2FとCU3Fとの通信において回線断が生じると図146に示すP台回線断フラグがHレベルとなる。そして、CU3FはP台回線断(断線)に基づくアラーム設定の要求をP台2Fから受取る。つまり、P台2Fは、CU3Fとの通信が正常であるとき一定の間隔でCU3Fに対して当該通信配線を介して所定の信号(たとえば、クロック信号)を送信しているが、当該通信配線が断線することでP台2FからCU3Fへ所定の信号が送信できなくなる。このことにより、P台2F(特に、払出制御部171F)は、CU3F(特に、通信制御IC325aF)との回線断(断線)を検知し、CU3Fの通信制御IC325aFは、P台2Fから信号を受取れなくなったことで回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定がP台2Fから通知されたものと見なすことができる。また、CU3Fは、回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定の通知を、設定してある不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定を解除する解除設定の通知と見なして当該設定を解除する。
CU3Fは、P台2Fからの通知に基づき図146に示すP台回線断のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、P台回線断(断線)のアラーム設定により図146に示す夜間枠開放に替えてP台回線断のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3Fは、P台回線断のアラーム報知(従来)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
P台2FとCU3Fとの通信において回線断が生じても、前枠5Fの開放状態が継続されているので図146に示す夜間枠開放フラグはHレベルのままである。なお、図146に示す例では、通信配線の断線が復旧(断線復旧)してP台2FとCU3Fとの通信が開始されても前枠5Fの開放状態が継続しているので、断線復旧時以降も夜間枠開放フラグはLレベルのままである。
その後、当該通信配線の断線が復旧することでP台2FとCU3Fとの通信が行なわれると図146に示すP台回線断フラグがLレベルとなる。CU3Fは、P台回線断(断線)のアラーム設定を解除する解除設定をP台2Fから受取る。つまり、P台2Fは、断線によりCU3Fとの通信が行なわれていないとき所定の信号が送信されていないが、断線が復旧するとP台2FからCU3Fへ一定の間隔で所定の信号が送信され始める。このことにより、P台2F(特に、払出制御部171F)は、CU3Fの通信制御IC325aFとの回線復旧を検知し、CU3F(特に、通信制御IC325aF)は、P台2Fから信号を受取ることで回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定を解除する解除設定がP台2Fから通知されたものと見なすことができる。
CU3Fは、P台2Fからの通知に基づき図146に示すP台回線断のアラーム設定(従来)の解除が行なわれ、当該アラーム設定が解除される。CU3Fは、P台回線断(断線)のアラーム報知(従来)を停止する。一方、CU3Fは、P台回線断(断線)のアラーム設定(従来)と無関係に、夜間枠開放のアラーム設定(従来)が継続して維持されている。この夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、CU3Fとの断線が復旧後も継続して保持され続ける。そのため、CU3Fは、図146に示す回線断(断線)のアラーム報知(従来)が停止しても、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が継続して行なわれてしまう不具合があった。つまり、回線断(断線)のアラーム報知(従来)と、夜間枠開放のアラーム報知(従来)とが同じ報知手段を利用しているのであれば、店員はP台2FとCU3Fとの断線が復旧したにもかかわらず報知が継続しているものと誤認する可能性があった。
次に、本実施の形態のP台の不正検知アラームの制御について説明する。本実施の形態では、P台2Fが不正を検知すると不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する。CU3Fは、当該通知に基づき図146に示す夜間枠開放のアラーム設定(本実施)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3Fは、当該アラーム設定により図146に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3Fは、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
さらに、P台2FとCU3Fとの通信において回線断が生じて、P台回線断(断線)に基づくアラーム設定の要求をCU3Fに通知する場合、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する解除設定もCU3Fに通知する。そのため、CU3Fは、当該通知に基づき図146に示すP台回線断(断線)のアラーム設定(本実施)を行なうとともに、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する。つまり、CU3Fは、図146に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を停止させてから、回線断(断線)のアラーム報知(本実施)を行なう。よって、CU3Fは、通信配線の断線が復旧してP台2FとCU3Fとの通信が開始され、図146に示す回線断(断線)のアラーム設定(本実施)が解除され当該アラーム報知が停止すると、すべてのアラーム報知が停止した状態となる。つまり、本実施の形態は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が断線復旧後も継続して行なわれる不具合を改善することができる。たとえ回線断(断線)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2Fの電源をオン状態にしたことで報知が停止するので誤認する可能性を軽減することができる。
なお、P台2Fにおいて前枠5Fの開放状態がCU3Fとの断線が復旧後も継続している場合(夜間枠開放保持)、P台2FとCU3Fとの通信が開始されて当該夜間枠開放に基づくアラーム設定がP台2FからCU3Fに再度通知される。CU3Fは、再度通知されたP台回線断(断線)のアラーム設定により図146に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3Fは、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54Fで異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。つまり、回線断(断線)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2FとCU3Fとの断線が復旧したことで報知が停止し、その後P台2FとCU3Fとの通信が開始されてから回線断(断線)に基づくアラーム設定による報知が行なわれるので両方の報知を誤認する可能性を軽減することができる。
さらに、P台2FとCU3Fとの断線が復旧した後P台2FとCU3Fとの通信が開始されるまでの時間が短い場合、前述の構成であっても店員が両方の報知を誤認する可能性がある。そこで、P台2Fは、回線断(断線)のアラーム設定を解除してから所定の期間を経過後に、改めて夜間枠開放のアラーム設定を行ないCU3Fに通知する。これにより、P台2FとCU3Fとの断線が復旧した後P台2FとCU3Fとの通信が開始されるまでの時間が短い場合でも店員が両方の報知を誤認することを確実に防止することができる。
前述の実施の形態では、P台2Fに対する不正の検知として夜間に前枠5Fが開放されることを検知する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、P台2Fに対する不正の検知であれば賞球ゴト検知、不正加算検知、不正入賞検知、および電波センサ検知などであってもよい。また、前述の実施の形態では、P台2Fで不正を検知しアラーム設定の要求をCU3Fに通知する場合について説明したが、P台2Fで不正を検知し当該検知結果をCU3Fに通知することでCU3Fでアラーム設定を行なう構成でもよい。さらに、前述の実施の形態では、P台回線断をP台2Fで検知しアラーム設定の要求をCU3Fに通知する場合について説明したが、CU3FでP台回線断を検知してアラーム設定を行なってもよい。
<カードユニットが行なう集計処理>
次に、本実施の形態に係るCU3Fは、P台2Fから受信した状態情報応答のレスポンスを用いて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度別に集計する集計処理を行なうことについて説明する。
図147は、CU3F(より具体的にはCU制御部323F)が行なう集計処理の手順を示すフローチャートである。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、CU3Fは、P台2Fより状態情報応答のレスポンスを受信したか否かを判定する。状態情報応答のレスポンスを受信した場合(SF610にてYES)は処理がSF611に移され、そうでない場合(SF610にてNO)は処理がSF615に移される。
SF611にて、CU3Fは、発射強度の補正処理を行なう。なお、この処理は、ハンドル操作量が略零(ハンドル非操作時の値)である場合の発射強度Tを0(最小値)に補正する処理である。この補正処理を行なうことによって、打球操作ハンドル25Fの遊びやガタ等によりハンドル操作量と発射強度Tとの間にばらつきが存在する場合であっても、発射強度Tを正確に検出することができる。
図148は、発射強度の補正処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
SF111にて、CU3Fは、P台2Fの電源投入直後であるか否かを判定する。たとえば、CU3Fは、電源投入時の接続シーケンスの処理が行なわれている場合に、P台2Fの電源投入直後であると判定する。
P台2Fの電源投入直後である場合(SF111にてYES)、CU3Fは、SF112にて、現時点の発射強度Tを初期発射強度T0として内部メモリに記憶する。初期発射強度T0とは、ハンドル操作量が0である時の発射強度Tである。すなわち、CU3Fは、P台2Fの電源投入直後はハンドル操作量が0であるものとし、その値を内部メモリに記憶する。その後、処理はSF114に移される。
一方、P台2Fの電源投入直後でない場合(SF111てNO)、CU3Fは、SF113にて、内部メモリに記憶されている初期発射強度T0を読み出す。その後、処理はSF114に移される。
SF114にて、CU3Fは、現時点の発射強度Tから初期発射強度T0を減じた値を、補正後の発射強度Tとして算出する。その後、集計処理を行なうために処理は図147のSF612に移される。この補正処理後の発射強度Tを用いて以下の集計処理が行なわれるため、集計処理精度が向上される。
図147に戻って、CU3Fは、SF612にて、集計処理を中断すべき期間(以下、集計中断期間という)中であるか否かを判定する。
図149は、発射強度Tの変化と集計中断期間との関係を例示した図である。図149に示す例では、比較的小さい値で安定していた発射強度Tが時刻t1で増加し始め、時刻t3で最大値「99」に達し、時刻t3以降も最大値「99」に維持されている。
発射強度Tが変化するとパチンコ玉の通過領域も変化するが、変化後の発射強度Tで発射されたパチンコ玉の通過領域が検出されるまでにはタイムラグが存在する。そのため、発射強度Tが変化した場合、その後に発射強度Tの変化が安定した(ある値に収束した)としても、しばらくの間(上記のタイムラグに相当する時間)は発射強度Tとパチンコ玉の通過領域との対応関係が不安定となり、集計処理結果の信頼性が低下する可能性がある。そこで、本実施の形態においては、発射強度Tが所定量変化した時点から所定期間が経過する時点までの期間を集計中断期間とする。なお、「所定量」および「所定期間」については、固定値としてもよいし、外部から任意に設定および変更可能な可変値としてもよい。
図149では、集計中断期間を例示してある。図149には、集計中断期間として、期間αが例示されている。この期間αは、発射強度Tがしきい値T1よりも低い値からしきい値T1に達する量(上記の「所定量」)だけ増加した時刻t1から上記の「所定期間」が経過した時刻t4までの期間である。なお、「所定期間」は、期間αの開始時点から、期間αの開始後に発射強度Tが安定しかつ発射強度Tの安定前に発射されたパチンコ玉がすべて遊技領域27Fを通過し終えると予測される時点までの期間よりも長い期間であることが望ましい。
なお、図149には、他の集計中断期間の例として、期間β,γも例示されている。期間βは、発射強度Tが変化し始めた時点(時刻t1)から次に発射強度Tが安定し始める時点(時刻t3)までの期間である。期間γは、発射強度Tが変化し始めた後、次に安定し始めた時刻t3から所定期間が経過した時刻t5までの期間である。なお、期間γの設定に用いられる「所定期間」も、期間αの設定に用いられる「所定期間」と同様の考え方で設定することができる。期間β,γの少なくともいずれかを期間αに適宜組み合わせた期間を集計中断期間としてもよい。
図147に戻って、集計中断期間中である場合(SF612にてYES)、CU3Fは、SF614にて、集計処理を中断する。その後、処理はSF615に移される。
一方、集計中断期間中でない場合(SF612にてNO)、CU3Fは、SF613にて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度別に集計する処理を実行する。その後、処理はSF615に移される。
図150〜図153は、集計処理の結果で得られる集計データの内容を例示した図である。
図150に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275F,276F,277F、普通入賞口272F,273F,274F、大入賞口271F、確変入賞口271aF)の通過回数が、発射強度T別(図150に示す例では発射強度Tの可変領域0〜99を10ごとに区切った領域別、図151〜図153についても同様)に集計されている。
図151、図152に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275F,276F,277F、普通入賞口272F,273F,274F、大入賞口271F)の通過割合が、発射強度T別に集計されている。なお、図151では、各領域の合計通過回数を100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に示されている。これに対し、図152では、各領域の発射強度T別の合計通過回数をそれぞれ100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に示されている。
図153に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275F,276F,277F、普通入賞口272F,273F,274F、大入賞口271F、確変入賞口271aF)の通過回数をそれぞれ100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に集計されている。なお、図153において、確変入賞口271aFの通過割合を示す欄の括弧内に示された割合は、大入賞口271Fの通過回数を100パーセントとしたときの確変入賞口271aFの通過割合(すなわち、大入賞口271Fの通過回数に対する確変入賞口271aFの通過回数の割合)を発射強度T別に示したものである。
図150〜図153に示すような集計データを参照することにより、発射強度Tとパチンコ玉の通過領域との対応関係(発射強度Tに応じてパチンコ玉がどの領域を通過し易いのか)を適切に把握することができる。そのため、P台2Fを設置している店舗側では、これらの集計結果を参照してP台2Fの釘調整を行なうことができる。
なお、図150〜図153に示す集計データは、あくまで例示であれって、これに限定されるものではない。また、必ずしも図150〜図153に示す集計データをすべて集計する必要はなく、必要に応じて適宜選択するようにしてもよい。
図147に戻って、SF615にて、CU3Fは、集計結果の表示要求の有無を判定する。なお、集計結果の表示要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3F、P台2F、ホールサーバ801Fなどに入力される。集計結果の表示要求があった場合(SF615にてYES)は処理がSF616に移され、そうでない場合(SF615にてNO)は処理が終了する。
SF616にて、CU3Fは、集計結果(図150〜図153に示したような集計データ)を表示する。なお、表示場所は、たとえば表示器54Fであってもよいし、他の図示しないディスプレイであってもよい。
以上のように、本実施の形態に係るCU3Fは、P台2Fから受信した状態情報応答のレスポンスを用いて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度T別に集計する集計処理を行なう。これにより、発射強度Tに応じて、パチンコ玉がどの領域を通過し易いか(あるいは通過し難いか)を把握することができる。そのため、集計結果をP台2Fの釘調整に利用することができる。
特に、本実施の形態に係るP台2Fのように、上撃ち構造を有するパチンコ機においては、下撃ち構造を有するパチンコ機に比べて、パチンコ玉が発射されてから遊技領域27Fに入るまでの距離が短いため、発射強度Tの変化に対してパチンコ玉の通過領域がより大きく変化する傾向にある。このような上撃ち構造を有するP台2Fにおいて、発射強度Tと通過領域との対応を集計するため、釘調整に非常に有効である。
<カードユニットが行なう発射異常判定処理>
本実施の形態に係るCU3Fは、P台2Fから受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、パチンコ玉の発射異常(カラ打ち異常)の有無を判定する発射異常判定処理を行なう。ここで、カラ打ち異常とは、発射装置にパチンコ玉が供給されていない状態であるのに発射モータ18Fが作動している異常である。カラ打ち異常は、ハンドル操作量が略零よりも大きい状態で打球操作ハンドル25Fを固定装置などによって固定したまま遊技者が離席した場合などに生じ得る。
図154は、CU3F(より具体的にはCU制御部323F)が行なう発射異常判定処理の手順を示すフローチャートである。
SF20にて、CU3Fは、発射強度Tが0(最小値)よりも大きいか否かを判定する。発射強度Tが0よりも大きい場合(SF20にてYES)は処理がSF21に移され、そうでない場合(SF20にてNO)は処理が終了する。
SF21にて、CU3Fは、発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しているか否かを判定する。なお、CU3Fは、遊技開始直後に常に異常と判定されるのを回避するため、発射強度Tが0(最小値)よりも大きいと判定されてから一定時間が経過した後に、発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しているか否かを判定する。
発射玉数およびアウト口通過玉数が変化している場合(SF21にてYES)、CU3Fは、SF22にて、発射正常である(すなわちカラ打ち異常が生じていない)と判定する。
一方、発射玉数およびアウト口通過玉数の少なくとも一方が変化していない場合(SF22にてNO)、CU3Fは、SF23にて、発射異常である(すなわちカラ打ち異常が生じている)と判定する。
このように、本実施の形態に係るCU3Fは、発射強度Tが0(最小値)よりも大きくかつ発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しない場合、パチンコ玉の発射異常であると判定する。そのため、発射異常(カラ打ち異常)を適切に検出することができる。
<カードユニットが行なう打込領域特定処理>
本実施の形態に係るCU3Fは、P台2Fから受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、パチンコ玉が遊技領域27Fのどの領域に打ち込まれたかを特定する打込領域特定処理を行なう。
図155は、CU3F(より具体的にはCU制御部323F)が行なう打込領域特定処理の手順を示すフローチャートである。
SF30にて、CU3Fは、打込領域特定要求の有無を判定する。なお、打込領域特定要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3F、P台2F、ホールサーバ801Fなどに入力される。打込領域特定要求があった場合(SF30にてYES)は処理がSF31に移され、そうでない場合(SF30にてNO)は処理が終了される。
SF31にて、CU3Fは、打込領域を特定するために用いられる「発射強度しきい範囲」を設定する処理(以下、しきい範囲設定処理という)を行なう。
図156は、打込領域と発射強度しきい範囲との対応を例示した図である。図156においては、打込領域が「右打領域」、「左打領域」、「ぶっ込み領域」に分けられている。なお、本実施の形態において、「右打領域」とは遊技領域27Fの右側の領域であり、「左打領域」とは遊技領域27Fの左側の領域である。また、「ぶっ込み領域」とは、この領域にパチンコ玉が打ち込まれることでパチンコ玉が始動入賞口276Fの方へ流れやすいとされる領域である。「ぶっ込み領域」は、一般的には可変表示装置278Fの左上周辺に配置されるが、釘構成により位置調整が可能である。
図156に示すように、各打込領域に対して、発射強度しきい範囲がそれぞれ設定されている。具体的には、右打領域特定用の発射強度しきい範囲AR(下限値ARlow〜上限値ARhi)、左打領域特定用の発射強度しきい範囲AL(下限値ALlow〜上限値ALhi)、ぶっ込み領域特定用の発射強度しきい範囲AB(下限値ABlow〜上限値ABhi)である。これらの発射強度しきい範囲AR、AL、ABは、CU3Fの内部メモリ(ROMあるいはRAM)に記憶されている。
図157は、しきい範囲設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
SF711にて、CU3Fは、発射強度しきい範囲の変更要求の有無を判定する。なお、この変更要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3F、P台2F、ホールサーバ801Fなどに入力される。
変更要求があった場合(SF711にてYES)、CU3Fは、SF712にて、発射強度しきい範囲を変更する。なお、具体的な変更(どのしきい範囲をどの程度変更するか)については、たとえば変更要求を行なった店員が手動操作またはダウンロードによって入力した値に従って行なわれる。なお、変更後の発射強度しきい範囲は、CU3Fの内部メモリに記憶(更新)される。その後、処理は図155のSF32に移される。
一方、変更要求がない場合(SF711にてNO)、CU3Fは、SF713にて、内部メモリに記憶されている発射強度しきい範囲を読み出す。その後、処理は図155のSF32に移される。
図155に戻って、SF32にて、CU3Fは、P台2Fから発射強度Tを受信する。その後、CU3Fは、SF33にて、受信した発射強度Tと発射強度しきい範囲とを比較した結果で、パチンコ玉が遊技領域27Fのどの領域に打ち込まれたかを特定する。具体的には、発射強度Tがしきい範囲ARに含まれる(下限値ARlow以上かつ上限値ARhi未満である)場合、打込領域を「右打領域」と特定する。発射強度Tがしきい範囲ALに含まれる(下限値ALlow以上かつ上限値ALhi未満である)場合、打込領域を「左打領域」と特定する。発射強度Tがしきい範囲ABに含まれる(下限値ABlow以上かつ上限値ABhi未満である場合)、打込領域を「ぶっ込み領域」と特定する。
このように、本実施の形態に係るCU3Fは、発射強度Tが発射強度しきい範囲に含まれるか否かに応じて、パチンコ玉の打込領域を特定する。これにより、発射強度Tに応じて、遊技者がどの領域を狙って打ち込んでいるかを特定することができる。
なお、本実施の形態では、発射強度Tが発射強度しきい範囲に含まれるか否かに応じてパチンコ玉の打込領域を特定したが、発射強度Tがしきい値以上であるか否かに応じてパチンコ玉の打込領域を特定するようにしてもよい。
また、ぶっこみ領域は右打領域または左打領域の一部と重なっている領域であるので、ぶっこみ領域の発射強度しきい範囲も、右打領域または左打領域の発射強度しきい範囲と、一部、重なっている。このため、打込領域の特定においては、右打領域または左打領域に加えて、ぶっこみ領域と特定される場合がある。
<カードユニットが行なう計測処理>
本実施の形態に係るCU3Fは、P台2Fから受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、遊技者が遊技を開始してから可変表示装置278Fの図柄が変動し始めるまでの時間を計測する計測処理を行なう。
図158は、CU3F(より具体的にはCU制御部323F)が行なう計測処理の手順を示すフローチャートである。
SF40にて、CU3Fは、P台2Fより変動中信号を受信したか否かを判定する。変動中信号を受信している場合(SF40にてYES)、処理は終了される。
一方、変動中信号を受信していない場合(SF40にてNO)、CU3Fは、SF41にて、発射強度Tが0から増加し始めたか否か(すなわち遊技者が遊技を開始したか否か)を判定する。発射強度Tが0から増加し始めていない場合(SF41にてNO)、処理は終了される。
発射強度Tが0から増加し始めた場合(SF41にてYES)、CU3Fは、SF42にて、時間計測を開始する。
時間計測を開始した後、CU3Fは、SF43にて、P台2Fより変動中信号を受信したか否か(すなわち可変表示装置278Fの図柄が変動し始めたか否か)を判定する。変動中信号を受信していない場合(SF43にてNO)、CU3Fは、処理をSF44に移し、時間計測を継続する。その後、処理はSF43に戻され、変動中信号を受信するまで時間計測が継続される。
変動中信号を受信した場合(SF43にてYES)、CU3Fは、SF45にて、時間計測を終了する。この結果、CU3Fは、遊技者が遊技を開始してから可変表示装置278Fの図柄が変動し始めるまでの時間を計測することができる。
このように、本実施の形態に係るCU3Fは、変動中信号を受信していない状態で発射強度Tが略零から増加し始めた時点(すなわち遊技者が遊技を開始した時点)から、次に変動中信号を受信した時点(すなわちパチンコ玉が始動入賞口275F,276F,277Fのいずれかに入賞して可変表示装置278Fの図柄が変動し始めた時点)までの時間を計測する。これにより、遊技者が遊技を始めてから、どの程度の時間でパチンコ玉が始動入賞口275F,276F,277Fのいずれかに入賞して可変表示装置278Fの図柄が変動し始めるのかを把握することができる。
<ホール用管理コンピュータおよび中央管理装置を含むシステム>
次に、ホール用管理コンピュータおよび中央管理装置を含むシステムについて説明する。
図159は、ホール用管理コンピュータ(以下、ホールコンという)900Fおよび中央管理装置1000Fを含むシステムを説明するためのブロック図である。
1つの遊技場には、複数のP台2FおよびCU3Fが設置されるとともに、これらの複数のP台2FおよびCU3Fに接続されるホールサーバ801Fおよびホールコン900Fがそれぞれ1つずつ設置されている。
ホールコン900Fは、ホールサーバ801Fに直接接続されている。ホールコン900Fは、図示しない演算装置および内部メモリを備え、当該内部メモリに記憶されたデータ等に基づいて所定の演算処理を実行するように構成される。ホールサーバ801Fは、複数のCU3Fと接続されており、複数のCU3Fからの出力信号を取りまとめてホールコン900Fに送信する。
中央管理装置1000Fは、各遊技場とは別の場所に設置される。中央管理装置1000Fは、複数の遊技場にそれぞれ設置される複数のホールコン900Fと通信可能に接続される。中央管理装置1000Fは、各遊技場のCU3Fが上述の集計処理によって集計した複数の集計データ(図150〜図153参照)を、P台2Fの機種別に、複数の遊技場から取得して管理する。
<ホールコンが行なうまとめ集計処理>
ホールコン900Fは、自店(自らが設置された遊技場)内の各CU3Fが行なった集計処理の結果(上述の図150〜図153参照)を機種別および遊技機別に集約する処理(以下、まとめ集計処理という)を行なう。
図160は、ホールコン900Fが行なうまとめ集計処理の手順を示すフローチャートである。
SF50にて、ホールコン900Fは、自店内の各CU3Fが行なった集計処理の結果を、遊技機の機種および台番号に対応付けて集約する。なお、集約するタイミングについては、たとえば各CU3Fが集計処理を行なう毎に集約するようにしてもよいし、当日の営業終了時に一括して集約するようにしてもよい。
SF51にて、ホールコン900Fは、集約されたデータを用いて、まとめ集計処理を実行する。
図161は、まとめ集計処理の結果で得られる、まとめ集計データの内容を例示した図である。図161に示すように、ホールコン900Fは、各CU3Fによる集計処理の結果(上述の図150〜図153に例示した集約データ参照)を、遊技機の機種(機種X、機種Y、機種Z…)別および台番号(001,002…)別に集約する。さらに、ホールコン900Fは、図161に示すように、機種別の合計および平均も併せて集計する。
図160に戻って、SF52にて、ホールコン900Fは、まとめ集計結果の表示要求の有無を判定する。なお、まとめ集計結果の表示要求は、たとえば自店の店員によって入力される。まとめ集計結果の表示要求があった場合(SF52にてYES)は処理がSF53に移され、そうでない場合(SF52にてNO)は処理が終了する。
SF52にて、ホールコン900Fは、まとめ集計結果を表示する。なお、表示場所は、たとえば図示しないディスプレイであってもよい。
以上のように、本実施の形態に係るホールコン900Fは、自店内の各遊技機の集計処理の結果を、機種別および遊技機(台番号)別に集約する。この集約結果を参照することで、自店内の各遊技機の釘調整の状態を一括して把握することができる。そのため、この集約結果を、自店内の各遊技機の釘調整の全体のバランスを決めるのに有効に利用することができる。
<ホールコンが行なうしきい範囲記憶処理>
ホールコン900Fは、自店内の各CU3Fがしきい値範囲設定処理(図157のフロー参照)を行なう際に用いられる発射強度しきい範囲(図156参照)を、各CU3Fから取得して機種別および遊技機別に記憶する処理(以下、しきい範囲記憶処理という)を行なう。
図162は、しきい範囲記憶処理によってホールコン900Fの内部メモリに記憶されるデータを例示した図である。図162に示すように、ホールコン900Fは、各打込領域に対する発射強度しきい範囲を、遊技機の機種(機種X、機種Y、機種Z…)別および台番号(001,002…)別に記憶する。
これにより、遊技場内の各遊技機の釘調整の状態(発射強度しきい範囲)を一括して管理することできる。
<ホールコンが行なう他店機種別表示処理>
ホールコン900Fは、他店(自らが設置された遊技場とは別の遊技場)の機種別の集計データを中央管理装置1000Fから取得して表示する処理(以下「他店機種別表示処理」という)を行なう。
図163は、ホールコン900Fが行なう他店機種別表示処理の手順を示すフローチャートである。
SF60にて、ホールコン900Fは、他店機種別データ表示要求があるか否かを判定する。なお、この他店機種別データ表示要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3F、P台2F、ホールサーバ801Fなどに入力される。他店機種別データ表示要求がない場合(SF60にてNO)は処理が終了する。
他店機種別データ表示要求がある場合(SF60にてYES)、ホールコン900Fは、SF61にて、中央管理装置1000Fから他店機種別データを取得する。
図164は、他店機種別データを模式的に例示した図である。図164に示すように、他店機種別データには、他店(Aホール、Bホール、Cホール…)の集計データが、各機種(機種X、機種Y、機種Z…)別に層別されている。なお、他店機種別データの各欄には、上述の図150〜図153に例示したような集計データが入力されている。
図163に戻って、ホールコン900Fは、SF62にて、中央管理装置1000Fから取得した他店機種別データを用いて、他の遊技場の機種別の集計データを表示する。なお、表示場所は、たとえば、ホールコン900Fに接続された図示しないディスプレイとしてもよいし、いずれかのP台2Fの表示器54Fであってもよい。
このように、本実施の形態に係るホールコン900Fは、他店の機種別の集計データを中央管理装置1000Fから取得して表示する機種別表示処理を行なう。これにより、他店の機種別の釘調整の状態を参考にして、自らの遊技場の釘調整を行なうことができる。
なお、ホールコン900Fが中央管理装置1000Fから取得するデータは、図164に示すものに限定されない。
たとえば、中央管理装置1000Fが各遊技場のまとめ集計データ(図161参照)を集約して遊技場の所在地域別の平均データを算出する場合には、当該地域別の平均データをホールコン900Fが中央管理装置1000Fから取得し、自店の釘調整等に活用するようにしてもよい。これにより、たとえば自店と同じ地域にある他店がどのような釘調整を行なっているのかを参考にして、自店の遊技場の釘調整を行なうことができる。
また、中央管理装置1000Fが他店のホールコン900Fに記憶されているしきい範囲記憶処理の結果(図162参照)を集約したデータを保有している場合には、当該他店のデータを自店のホールコン900Fが中央管理装置1000Fから取得(ダウンロード)して記憶しておくようにしてもよい。これにより、他店の発射強度しきい範囲の設定状況を参考にして、自店の発射強度しきい範囲を設定することができる。また、ホールコン900Fが、中央管理装置1000Fから取得した他店のデータに基づいて、自店の発射強度しきい範囲を自動設定するようにしてもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図165は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図165を参照して、スロットマシン(以下、遊技機、またはS台と略称することもある)2Sは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図165では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図62の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図165に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図59に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28FSが設けられている。なお、玉貸ボタン、カード返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図62参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号がCU3Fへ直接入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台(スロットマシン)2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取り付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。基板取付盤は、図61に示した遊技盤26Fに対応する盤であり、遊技盤26Fに設けられた凸型ドロアコネクタ32Fと同様のコネクタを備えている。
S台2SFの本体枠2aSF内の所定位置(たとえば、リール2LF、2CF、2RFの下方)には、基板取付盤を取り付けるための取付機構と、基板取付盤側の凸型ドロアコネクタを接続するためのコネクタが設けられている。この取付機構およびコネクタは図61に示した取付機構34aF、34bFおよび凹型ドロアコネクタ33Fと同様の構造であって、基板取付盤を容易に取付機構に固定できるように工夫されている。凹型ドロアコネクタから延びる配線は、リール2LF、2CF、2RFや各種操作スイッチ(ボタン)などに接続されている。
また、S台2SFは、図139と同様に、P台2Fの前枠5Fに相当する前面扉2bSFの開放検出、および本体枠2aSFと基板取付盤との接続検出を行なう構成を有しており、ループ状の電力線500Fにメイン制御基板も直列に接続されている。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図166は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図166に示した送受信態様は、P台の構成として説明した図64の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図64を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。たとえば、図71の例の場合には、計数完了を示す最後の状態情報応答に含める計数通番をm+2ではなく、予め定めた初期値にすることが考えられる。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、P台2FおよびCU3Fの双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の前枠に対応する。ただし、S台には、図62に示した前枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fあるいは表示器29SFには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fあるいは表示器29SFには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fあるいは表示器29SFにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(6) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(7) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(8) 大当り中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、大当り中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、大当り中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。
(9) 大当りが発生したときの遊技玉数を記憶しておき、大当り中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、大当りが発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(10) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(11) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「持点として所定の処理が可能となるように処理するための記録媒体処理操作」とは、たとえば、カードの返却操作である。また、「所定の処理」とは、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。また、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断してもよく、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、判断してもよい。さらに、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 図71を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(14) 図73の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたP台2Fは、遊技玉数表示器29Fの遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器29Fを画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを遊技玉数表示器29Fに表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(15) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(16) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(17) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカ270Fから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(18) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(19) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(20) 本実施の形態では、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(21) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(22) CU3Fにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(23) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(24) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(25) 玉貸ボタン、カード返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(26) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(27) 図66〜図86で示したシーケンス制御は、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。また、図89、図90に示した要求通番の制御は、CU3Fの内部のCU制御部323Fとセキュリティチップ(SC)325bFとの間、セキュリティチップ(SC)325bFと通信制御IC325aFとの間に適用してもよい。
たとえば、遊技玉の加算要求に関する処理を、CU制御部323Fとセキュリティチップ(SC)325bFとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323Fが送信し、これに対する承諾または拒否電文をSC325bFがP台2F側の応答に基づいて通信制御IC325aF経由で返信する。
遊技玉の加算要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bFと通信制御IC325aFとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323F経由でセキュリティチップ(SC)325bFが送信し、これに対する承諾または拒否電文を通信制御IC325aFがP台2F側の応答に基づいて返信する。
計数要求に関する処理を、CU制御部323Fとセキュリティチップ(SC)325bFとの間に適用した場合には、計数要求電文をSC325bFがP台2F側の要求に基づいて通信制御IC325aF経由でCU制御部323Fに送信し、これに対する承諾または拒否電文をCU制御部323Fが返信する。
計数要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bFと通信制御IC325aFとの間に適用した場合には、計数要求電文を通信制御IC325aFがP台2F側の要求に基づいて送信し、これに対する承諾または拒否電文をセキュリティチップ(SC)325bFがCU制御部323Fの指示に基づいて返信する。
(28) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(29) 前述の実施の形態では、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3Fとの通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3Fとの通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323Fに設け、遊技機とCU3Fとの通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3FとP台2Fとの間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(30) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(31) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(32) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(33) CU制御部323Fは、ホールサーバ801Fを介して鍵管理サーバ800Fから基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800FとCU制御部323Fとの間にホールサーバ801Fを介することなく、鍵管理サーバ800FからCU制御部323Fへ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800FとCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800Fと各CUとの間にホールサーバ801Fと異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(34) 前述の実施の形態では、遊技の中断操作(簡易離席操作または食事休憩操作)に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、中断処理を行ない、その後、遊技を中断した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のCU3Fに挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、125玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、中断操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCU3Fが記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで中断処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にP台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、中断操作に基づいてP台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にP台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてP台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからP台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、中断操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに中断中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの中断中フラグを利用する以外の次のような手法を採用することも考えられる。
まず、中断操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で中断中の遊技者のカードを中断カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが中断カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全中断カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが中断カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(35) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
(36) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、玉数情報や遊技台情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを可変表示装置278Fや表示器54Fなどの可変表示手段(可変表示装置)に表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはP台へダウンロードするようにしてもよい。
(37) 遊技玉数表示器29Fでは、玉の発射または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器29Fでは、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器29Fを液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が弾球によるものであるのか、計数によるものであるのか、入賞の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器29Fでは、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器29Fを液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、表示器54Fと同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の表示器54Fの表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(38) 図73に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3FあるいはP台2F側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3FあるいはP台2F側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図73に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図73に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をP台2FあるいはCU3Fで表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、P台2FあるいはCU3Fのタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、P台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3Fが判定している。しかしながら、このような判定をP台2Fが行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3FからP台2Fへ送信し、それを受けたP台2Fが自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3Fへ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3Fへ送信する。
また、上記実施の形態では、計数ボタンの操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをP台2Fが判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3Fが備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、P台2Fは、計数ボタンの操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3Fへ送信する。それを受けたCU3Fは、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をP台2Fが検出する一方、カード返却操作をCU3Fが検出するが、計数操作をCU3Fが検出する一方、カード返却操作をP台2Fが検出する構成としてもよく、両操作共にP台2FあるいはCU3Fが検出する構成としてもよい。また、計数ボタンおよびカードカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3FとしてもP台2Fとしてもよく、一方がCU3FまたはP台2Fとしてもよい。
(39) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはP台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(40) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(41) 本実施の形態において、CU3FはP台2Fからの前回遊技台情報と最新遊技台情報とを自ら記憶しているデータと比較判定して、P台2F側のデータに不正水増しのないことを確認してデータを補正する。仮に、CU3F側でエラー判定されると、このような状況は、単にCU3Fの交換が要因(交換後のCU3Fには比較対象の正規のデータが記憶されていない)であって、不正行為に基づくものではない可能性もあるため、ホールの店員が確認の上で、リモコン等の携帯型端末装置でエラーを解除する。ただし、このように、CU3Fが新たなものに交換されていたときには、当該CU3Fは上記のエラー判定を一切しないようにしてもよい。また、あるいは、CU3Fには、交換されたものであるか否かに関わらず、上記のエラー判定機能を設けないようにしてもよい。
(42) 本実施の形態において、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体であるカードを、遊技開始時にカード挿入/排出口309Fに挿入し、遊技終了後にカード挿入/排出口309Fから抜き取る構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、カードを、遊技開始時にカード読み取り部に載置し、遊技終了後にカード読み取り部から外す構成であってもよい。つまり、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段に対して、遊技開始時に記録媒体受付手段に取り付け、遊技終了後に記録媒体受付手段から取り外す構成であればよい。
(43) 本実施の形態において、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り待ち中の情報を通知し、当該情報の通知を受けたP台2Fが「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示するなど、カードの抜き取りの報知を行なう構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り待ち中の情報を通知しつつ、表示器54Fおよび/または表示器312Fに「カード抜き取って下さい」と表示するように制御してCU側でカードの抜き取りの報知を行なう構成であってもよい。
(44) 本実施の形態において、P台2Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでカードの抜き取りの報知を継続する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、一定期間カードの抜き取りの報知を行なっても、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでの間、カードの抜き取りの報知を間欠的に行なってもよい。
(45) 本実施の形態において、P台2Fは、カードを受付けたとき、および通信復旧したときに、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」と、P台2Fで保持している「店舗コード」との一致判定を行なう、またはCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成であってもよい。
(46) 本実施形態では、ループ状の電力線500Fが主制御基板16F内にも配線(電力線500F)されているので、遊技盤26Fの電力線500Fと主制御基板16Fの電力線500Fとの接続部分が主制御接続検出手段として機能し、遊技盤26Fと主制御基板16Fとの電気的な接続検出することができる例(図139(a)参照)を示した。しかし、これに限られず、たとえば、主制御基板16Fに設けた主制御部161Fの主制御用半導体チップ16a内にもループ状の電力線500Fの配線を行なってもよい。これにより、主制御用半導体チップ16aの取替えも検出することができる。
(47) 本実施形態では、ループ状の電力線500Fが払出制御基板17F内にも配線されているので、前枠5Fと払出制御基板17Fとの接続部分が払出制御接続検出手段として機能し、前枠5Fと払出制御基板17Fとの電気的な接続検出することができる例(図139(a)参照)を示した。しかし、これに限られず、たとえば、払出制御基板17Fに設けた払出制御部171Fの払出制御用半導体チップ17a内にもループ状の電力線500Fの配線を行なってもよい。これにより、払出制御用半導体チップ17aの取替えも検出することができる。ここで、払出制御基板17F、払出制御部171F、および払出制御用半導体チップ17aなどが払出制御手段に含まれる。
(48) 本実施の形態では、上述の集計処理、発射強度の補正処理、発射異常判定処理、打込領域特定処理、および計測処理を行なう主体をいずれもP台2Fからの信号を直接受信可能なCU3Fとしたが、これらの処理を行なう主体はCU3Fに限定されるものではない。
たとえば、必要に応じて、これらの処理の全部または一部を行なう主体を、P台2Fからの信号を台端末や島端末などを介して間接的に取得可能なホールコン900F、ホールサーバ801F、あるいは中央管理装置1000Fとしてもよい。たとえば、ホールコン900Fが、各遊技機の集計処理(図147のフロー)を直接行なうようにしてもよい。
また、必要に応じて、これらの処理の全部または一部を行なう主体を、各P台2Fに対して設けられた呼び出しランプ(図示省略)としてもよい。呼び出しランプは、遊技機ごとに設けられ、遊技者によってボタン操作されることで遊技場の係員を呼出す機能、および、大当り回数や大当り間の変動回数などの遊技履歴を表示する機能などを有する装置である。
(49) また、パチンコ玉にICタグを付けるようにしてもよい。これにより、発射時、および、いずれかの入賞領域(入賞口またはゲート)の通過時に、いずれのパチンコ玉であるかを特定することが可能となる。このため、集計処理において、ICタグによって特定された同じパチンコ玉の発射強度Tと通過領域との対応関係を特定することができる。その結果、より正確に、発射強度に応じてパチンコ玉がどの領域を通過する傾向にあるのかを把握することができる。
(50) 遊技者によって打球操作ハンドル25Fが固定されていると、上述の発射強度の補正処理を行なうことができない。そこで、打球操作ハンドル25Fが固定されていることを検出して報知するようにしてもよい。また、発射強度が一定値に安定している場合は、打球操作ハンドル25Fが固定されていると判定するようにしてもよい。
(51) たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れているか否かは、タッチセンサで検知可能である。
そのため、たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていないことが検知された時に、上述の発射強度の補正処理を行なうようにしてもよい。
また、発射異常判定処理において、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていないことが検知され、かつ打球操作ハンドル25Fが固定されていることが検出された場合に、発射異常であると判定するようにしてもよい。
(52) 本実施の形態ではホールコン900FがCU3F経由でP台2Fの情報を取得する構成であったが、ホールコン900FがCU3Fを経由せずにP台2Fの情報をP台2Fから直接取得する構成であってもよい。
(53) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(54) 本実施の形態では、CU3Fの状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、P台2FはカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3Fの状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、警告を表示器54F等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(55) 本実施の形態では、「閉店」設定されるとカードが挿入されておらずP台2Fに遊技玉が残っている遊技機に対して、カードID=0、カード挿入時刻=0の仮想カードが挿入されたとみなして、残った遊技玉を計数し当該カードに記憶して返却する計数処理が行なわれる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、挿入されたとみなされる仮想カードのカードIDを、閉店直前に挿入されていたカードのカードIDとして計数処理を行ない、残った遊技玉を閉店直前に挿入されていたカードと自動的に関連付ける構成であってもよい。
(56) 本実施の形態では、CU3Fでリカバリ要求が不要であると判断されたにも拘らずリカバリ要求2のコマンドがP台2Fに送信された場合、P台2Fで再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に処理NGをCU3Fに通知する構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2Fで再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に、警告を表示器54F等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(57) 本実施の形態では、鍵管理サーバ800Fがヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323Fに到達しない状態が、たとえば10日間継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断され、CU3FまたはP台2Fの時限運用機能が無効にされる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3FまたはP台2Fの時限運用機能が無効にされるまでの日数を表示器54Fに表示させたり、複数の制限レベルを有する時限運用機能を段階的に無効するようにしたりしてもよい。
(58) 本実施の形態では、P台2Fに対する不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2Fに対する不正に基づくアラーム設定とP台2Fに対する別の不正に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用しても、P台2Fに対する複数の不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との三つ以上の関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用してもよい。
(59) 本実施の形態では、遊技盤側の固有情報の一例となる主制御チップIDと枠側の固有情報の一例となる払出制御チップIDとを示し、これらの両IDをCU3Fにて取得して上位装置(鍵管理サーバまたはホールサーバ)で認証し、認証に成功すれば、遊技機での遊技が許容される状態となる。しかしながら、上位装置から予め正規の両IDをCU3F(たとえば、CU制御部323F)が取得しておき、CU3Fは、それらの正規の両IDと、遊技機から取得した両IDとを比較照合する認証をしてもよい。すなわち、両IDの認証を直接、CU3Fが実行するようにしてもよい。
また、遊技盤および枠の固有情報として、主制御チップIDおよび払出制御チップIDとは別のIDを遊技盤および枠の所定箇所(払出制御部171Fおよび主制御部161F以外の箇所)に埋め込んでおき、そのIDを利用して上記したような認証を行なうものとしてもよい。さらに、遊技盤側の固有情報および枠側の固有情報のいずれか一方の固有情報を利用して上記した認証を行ない、認証に成功すれば、遊技機による遊技を許容するものとしてもよい。また、認証に失敗した場合であっても、一定の条件の元でCU3Fは遊技機による遊技を許容するものとしてもよい。たとえば、所定期間が経過するまでは遊技を許容し、所定期間が経過すると遊技を不能動化する、カード残額や持点の使用が所定数に達するまでは遊技を許容し、所定数に達すると、それ以降のカード残額や持点の使用を禁止する、といったことが考えられる。
なお、上記各実施の形態として説明したような、「遊技機の一例となるスロットマシン1と、遊技用装置の一例となるメダル貸出機100」とについても、あるいは、「遊技機の一例となるパチンコ遊技機701と、遊技用装置の一例となるカードユニット750」とについても、「P台2FやS台2SFと、CU3F」との関係として説明したように、遊技機からの固有情報を遊技用装置が取得し、その固有情報に基づいた認証に成功したことを条件に、遊技機での遊技が許容されるものとしてもよい。たとえば、パチンコ遊技機701の場合には、パチンコ遊技機701をP台2Fと同様に遊技枠と遊技盤とで構成し、主制御部および払出制御部のそれぞれにIDを埋め込むようにすればよい。スロットマシン1の場合には、スロットマシン1の遊技制御を実行する遊技制御マイクロコンピュータにIDを埋め込むようにすればよい。カードユニット750の場合には、CU3Fと同様の構成とし、また、メダル貸出機100の場合には、制御ユニット181をCU3Fと同様にCU制御部323Fとセキュリティ基板325Fとで構成すればよい。また、遊技盤と遊技枠とで認証に用いる固有情報(ID)が別であっても共通であってもよい。
また、パチンコ遊技機の場合には遊技枠と遊技盤とを備えており、遊技枠には払出制御チップIDが埋め込まれた払出制御部が、遊技盤には主制御チップIDが埋め込まれた主制御部が、それぞれ設けられる。これに対して、スロットマシンの場合にも、遊技枠と遊技盤とを具備させる。スロットマシンにおける遊技盤とは、たとえば、遊技制御を実行する遊技制御基板が搭載された盤面である。また、スロットマシンにおける遊技枠とは、たとえば、スロットマシンの前面扉を含む筺体であって、前面扉を開放した所定箇所に遊技制御基板が搭載された盤面を取り付けるための取り付け箇所が設けられた枠である。遊技枠には、パチンコ遊技機と同様に遊技点を制御するための払出制御基板が搭載されている。スロットマシンの遊技制御基板は、パチンコ遊技機と同様に主制御チップIDが埋め込まれた主制御部を含み、スロットマシンの払出制御基板は、パチンコ遊技機と同様に払出制御チップIDが埋め込まれた払出制御部を含む。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。