JP6393515B2 - 細胞観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞の変化を顕微鏡で観察する細胞観察装置に関する。
動物細胞は、外部からの刺激を受けることで、その形態や機能を様々に変化させることが知られている。近年では、特にES細胞やiPS細胞に代表される再生医療分野において、細胞が重力や伸展といった力学的な刺激を受けることで、他の組織への分化や増殖能が促されることが明らかになってきている。例えば、伸展を行うと、細胞内の骨格(ストレスファイバー)の位置や配向が変化することが知られている。また、これに伴い硬さ等の細胞の機能的な特性なども変化する。細胞のこのような変化を詳細に解明するために、数多くの研究が行われている。
刺激に伴う細胞の機能や形態の変化を調査する際、生体内(in vivo)では、複雑な細胞同士の相互作用を調べることが難しく、生体外(in vitro)に取り出した細胞を培養器の中で培養しながら力学刺激を与える方法が用いられる。この方法において、細胞に伸展の刺激を与える細胞伸展装置が提案されている(特許文献1、2参照)。細胞伸展装置は、細胞をシリコンなどの伸展性のある容器等の部材に培養(接着)させた状態で、この部材をある周期(例えば1Hz程度)で数分から数十分程度、繰り返し水平方向に引っ張る装置である。この繰り返しの伸展前後の細胞の変化を調べることができる。
従来の細胞伸展装置を用いると、伸展中は観察対象の細胞の位置が常に移動(振動)してしまう。そのため、伸展操作を所定時間行った後に、細胞が付着した容器等を取り外し、顕微鏡で観察する必要がある(オフライン観察)。しかし、細胞内の骨格を調べる研究等においては、伸展に伴う骨格の構造変化(配向の変化、切断の様子)や力学的相互作用等をリアルタイム(オンライン)で観察することが求められている。
特開2007−54034号公報 国際公開第2007/052653号
一方、細胞が付着した容器等を、所定位置を中心に均等に伸展させる装置や方法も用いられている。この場合、伸展中、この所定の中心位置は伸展方向には移動しない。しかし、伸展に伴い容器等の底板厚さが薄くなることや、弛みが減少することなどにより、伸展方向と垂直な方向(底板に垂直な方向)の変位が生じる。顕微鏡観察は、底板に垂直な方向から行うため、伸展に伴い焦点がずれ、明確な像を得ることができない。また、伸展の中心となる所定位置以外は移動するため、中心位置に付着した細胞しかリアルタイムで観察することができない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、細胞を伸展させることにより生じる細胞の形態変化を、伸展を停止させることなくリアルタイムで観察することができる細胞観察装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る細胞観察装置は、細胞が表面に付着された伸展性部材をx方向に所定周期Tで伸展させる細胞伸展装置、前記細胞をz方向から拡大観察する顕微鏡、及び前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のz方向変位を補正するz方向補正手段を備える細胞観察装置において、
前記z方向補正手段は、前記細胞伸展装置(伸展性部材)又は前記顕微鏡をz方向に前記所定周期Tで振動させる
本発明に係る細胞観察装置において、伸展性部材をx方向に伸展させると、伸展性部材の厚さ(z方向長さ)が減少し、伸展性部材表面に付着している細胞のz方向位置が変わる。本発明に係る細胞観察装置は、このz方向変位を補正する(z方向変位を打ち消す)z方向補正手段を備えているため、z方向から観察する顕微鏡の焦点の伸展中のずれを抑制することができる。従って、本発明に係る細胞観察装置を用いることにより、細胞を伸展させることにより生じる細胞の形態変化を、伸展を停止させることなく、すなわち伸展刺激を加えながらリアルタイムで観察することができる。
細胞のz方向変位は、伸展性部材の所定周期Tでの伸展に伴って周期的に生じる。すなわち、細胞は所定周期Tでz方向に振動する。従って、細胞伸展装置又は顕微鏡をz方向に所定周期Tで振動させることにより、z方向変位を補正する(打ち消す)ことができる。なお、z方向の補正において、細胞伸展装置を振動させる場合、細胞のz方向変位と逆位相(逆向き)で振動させ、顕微鏡を振動させる場合、細胞のz方向変位と同位相(同じ向き)で振動させることとなる。
本発明に係る細胞観察装置において、前記z方向補正手段は、前記顕微鏡で得られる画像データを元にz方向変位を経時的にさらに補正することが好ましい。さらに、このとき、前記z方向変位の経時的な補正量を前記細胞の状態(例えば、硬さ)の変化のパラメータとして出力することが好ましい。前述のように、細胞に力学的刺激を与え続けると細胞の硬さが変化することが知られている。この細胞の硬さの変化により、伸展性部材のみかけの伸展性が変化するため、z方向変位は徐々に変化する。すなわち、最初に設定した伸展に伴うz方向変位の補正のみの場合は、徐々にz方向変位がずれ、顕微鏡の焦点がずれてくることになる。そこで、この経時的に生じる焦点のずれを補正することにより、常に焦点をあわせておくことができる。さらに、この補正量は、硬さ変化のパラメータとなるため、この補正量の変化から細胞の硬さ変化を読み取ることができる。
本発明に係る細胞観察装置において、前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のx方向変位を補正するx方向補正手段をさらに備え、前記x方向補正手段は、前記細胞伸展装置(伸展性部材)又は前記顕微鏡をx方向に前記所定周期Tで振動させることが好ましい。このように、伸展性部材の伸展にあわせて、すなわち伸展と同周期で、細胞伸展装置又は顕微鏡を振動させることで、細胞のx方向変位が顕微鏡に対して相対的に打ち消される。従って、伸展性部材のどの位置に付着している細胞に対しても、伸展を繰り返しながらリアルタイムで顕微鏡による観察を行うことができる。
本発明に係る細胞観察装置において、前記x方向補正手段は、前記伸展性部材の伸展と逆位相(逆向き)で、前記細胞伸展装置(伸展性部材)を振動させることが好ましい。このようにすることで、伸展性部材の伸展に伴う細胞のx方向変位が打ち消される。また、顕微鏡を振動させてもよく、この場合、細胞のx方向変位と同位相(同じ向き)で振動させることとなる。
本発明に係る細胞観察装置において、前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のy方向変位を補正するy方向補正手段をさらに備え、前記y方向補正手段は、前記細胞伸展装置(伸展性部材)又は前記顕微鏡をy方向に前記所定周期Tで振動させることが好ましい。伸展性部材をx方向に伸展させると、伸展性部材はy方向においては収縮する。すなわち、伸展性部材のx方向の伸展に伴い、細胞はy方向に変位し、顕微鏡の視野から細胞が外れるおそれがある。そこで、y方向においても細胞伸展装置又は顕微鏡を同周期で振動させることにより、y方向変位を打ち消すことができ、ぶれがより少ない観察を行うことができる。なお、y方向の補正において、細胞伸展装置を振動させる場合、細胞のy方向変位と逆位相(逆向き)で振動させ、顕微鏡を振動させる場合、細胞のy方向変位と同位相(同じ向き)で振動させることとなる。
なお、x方向、y方向及びz方向は、互いに垂直な関係にある方向である。また、z方向は鉛直方向に限定されるものではない。
本発明に係る細胞観察装置によれば、細胞を伸展させることにより生じる細胞の形態変化を、伸展を停止させることなくリアルタイムで観察することができる。
本発明の一実施の形態に係る細胞観察装置の模式的側面図である。 同細胞観察装置のブロック図である。 同細胞観察装置の各装置の変位を示したグラフであり、(a)は細胞伸展装置の移動ステージの変位(移動量)、(b)はx方向移動装置の移動ステージの変位(移動量、補正量)、(c)はz方向移動装置の移動ステージの振動性の変位(移動量、補正量)、(d)はz方向移動装置の移動ステージの非振動性の変位(移動量、補正量)を示す。 実施例において、x方向移動装置及びz方向移動装置を共に稼動させなかった場合の画像であり、(a)は伸展していない初期状態の画像、(b)及び(c)は伸展中の画像である。 実施例において、x方向移動装置を稼動させ、z方向移動装置は稼動させなかった場合の画像であり、(a)は伸展していない初期状態の画像、(b)及び(c)は伸展中の画像である。 実施例において、x方向移動装置及びz方向移動装置を共に稼動させた場合の画像であり、(a)は伸展していない初期状態の画像、(b)及び(c)は伸展中の画像である。
続いて、添付した図面を参照しながら本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る細胞観察装置10は、細胞伸展装置11、顕微鏡12、x方向移動装置13(x方向補正手段の一例)、及びz方向移動装置14(z方向補正手段の一例)を備える。
細胞伸展装置11は、基板15、固定ステージ16、駆動部17及び移動ステージ18を主に備える。固定ステージ16は基板15の下面一端側に固定されている。駆動部17は基板15の下面他端側に固定されている。駆動部17は、移動ステージ18をx方向(水平方向)に振動させるものであり、公知のリニアモータ等を用いることができる。移動ステージ18は、駆動部17の下面に配置され、駆動部17によりx方向に振動する。
固定ステージ16と移動ステージ18との間には、伸展性部材30が水平に架け渡される。この固定ステージ16及び移動ステージ18の各先端部分と伸展性部材30の各端部とは、図示しないピン、クランプ等により固定可能に構成されている。
伸展性部材30は、伸展性(伸縮性)を有する透明な長方形状の容器である。伸展性部材30の材質は、伸展性を有し、透明である限り特に限定されず、ゴム、エラストマー等の公知の有機性材料等を用いることができる。具体的にはポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーンエラストマーを好適に用いることができる。伸展性部材30としては、ストレックス社製のストレッチチャンバー等、市販のものを用いることができる。伸展性部材30の内側底面(底板31の表面)には、観察対象物である細胞40が付着している。細胞40が付着している伸展性部材30の表面は、z方向視で観測される面(xy平面)となっている。容器(伸展性部材30)は培養液で満たされていてもよい。なお、細胞40が伸展性部材30表面から剥がれにくいように、コラーゲン、ゼラチン等の細胞外基質で細胞40をコーティングしておくこともできる。
細胞伸展装置11を作動させると、移動ステージ18がx方向に振動する。ここで、移動ステージ18が固定ステージ16から離れる方向に移動すると、伸展性部材30は、固定ステージ16側の端が固定されているため、伸展される。すなわち、細胞伸展装置11は、伸展性部材30を、これに付着した細胞40と共に、x方向に所定周期Tで繰り返し伸展させる。なお、伸展性部材30の伸展率としては、1〜40%程度とすることができる。伸展の周期Tとしては特に限定されないが、例えば0.1Hz〜10Hz程度である。繰り返し伸展を行う時間としては、例えば、1〜10分程度である。なお、細胞伸展装置11の駆動部17は、コンピュータ19と連結し、振幅や周期Tを任意に制御することができる。コンピュータ19は、制御装置、記憶装置、演算装置、モニタ等の出力装置等を備える公知のものである。
顕微鏡12は、接眼レンズが細胞伸展装置11が保持する伸展性部材30の下側に位置するように配置される。すなわち、顕微鏡12は透明な伸展性部材30の底板31を介して、細胞40を下側(z方向)から拡大観察するよう配置されている。顕微鏡12は、コンピュータ19に接続され、コンピュータ19は、観察された細胞40の拡大画像を表示すると共に、後述するようにいわゆるz方向移動装置14(z方向補正手段)と連動したオートフォーカス機能により、焦点の補正を行う。
x方向移動装置13は、細胞伸展装置11の基板15上に配置されており、換言すれば、細胞伸展装置11を上側から保持している。x方向移動装置13は、基板20と、基板20の下面側に固定される駆動部21と、駆動部21の下側に固定され、駆動部21によりx方向前後に振動する移動ステージ22とを備えている。駆動部21は、公知のリニアモータ等を用いることができる。移動ステージ22の下面に細胞伸展装置11が固定されている。x方向移動装置13による細胞伸展装置11の相対的な振動(変位)は、細胞伸展装置11の移動ステージ18(伸展性部材30)の振動と同一の所定周期Tかつ逆位相である(図3(a)、(b)参照)。
上述のような振動をするx方向移動装置13により、伸展性部材30の伸展に伴って生じる細胞40のx方向の変位が補正される(打ち消される)。すなわち、顕微鏡12は、伸展中も所定の細胞40を常に捉え続けることができる。なお、所定の細胞40のx方向の変位量は伸展性部材30上の位置によって異なる。つまり、固定ステージ16側の細胞40の変位は小さいが、移動ステージ18側の細胞40の変位は大きくなる。この細胞40のx方向変位をx方向移動装置13が打ち消すため、細胞40の位置(変位量)に応じて、x方向移動装置13による細胞伸展装置11の振動の振幅は調整される。x方向移動装置13も、コンピュータ19に接続され、振動の振幅、位相、周期を調整することができる。
z方向移動装置14は、x方向移動装置13及びx方向移動装置13に固定されている細胞伸展装置11をz方向(鉛直方向)に振動可能に支持している。z方向移動装置14は、基台23と、基台23に固定される駆動部24と、駆動部24によりz方向上下に振動する移動ステージ25とを備えている。駆動部24は、公知のリニアモータ等により構成される。移動ステージ25の側面にx方向移動装置13の基板20が固定されている。z方向移動装置14を作動させることで、x方向移動装置13と共に細胞伸展装置11がz方向に振動する。
ここで、z方向移動装置14の機能について説明する。細胞伸展装置11により伸展性部材30が伸展すると、伸展性部材30の底板31が薄くなり、底板31表面に付着した細胞40は下方に変位する。また、底板31に弛みがある場合は、弛みが減少し、細胞40は上方に変位する。細胞40が上下いずれに変位するかは、これら等の条件によって異なる。このままの場合、細胞40は、顕微鏡12の焦点からずれることとなる。そこで、細胞40のz方向変位を打ち消すように、z方向移動装置14により、細胞伸展装置11自体を細胞40の(相対的な)変位と逆方向に変位させる(図3(a)、(c)参照)。このように、z方向移動装置14により、伸展に伴う細胞40のz方向振動と同周期Tかつ逆位相で、細胞伸展装置11を振動させることで、細胞40のz方向変位を補正する(打ち消す)ことができ、焦点を常に細胞40にあわせておくことができる。
z方向移動装置14はコンピュータ19に接続されており、コンピュータ19には顕微鏡12からの細胞40の拡大画像データが入力される。z方向移動装置14は、この顕微鏡12で得られる画像データを元にz方向変位を経時的にさらに補正し、コンピュータ19は、このz方向変位の経時的な補正量を細胞40の状態(例えば、硬さ、密度等)の変化のパラメータとして出力するよう構成されている。この具体的内容や効果等は以下の通りである。細胞40に繰り返しの伸展刺激を与え続けると細胞40の硬さが変化する。この細胞40の硬さの変化により、伸展性部材30のみかけの伸展性が変化するため、伸展に伴うz方向変位は徐々に変化する。すなわち、伸展性部材30の弛みの状態が変わったり、上面側と下面側との不均一な伸展差が徐々に拡大したりする。この結果、最初に設定した伸展に伴うz方向変位の補正のみの場合は、徐々にz方向変位がずれ、顕微鏡12の焦点がずれてくることになる。そこで、この経時的に生じる焦点のずれを補正することにより、常に焦点をあわせておくことができる(図3(d)参照)。すなわち、z方向移動装置14の移動ステージ25の移動量は、図3(c)で表される振動性の移動量と、図3(d)で表される非振動性の移動量との和となる。ここで、この図3(d)で表される補正量は、経時的な硬さ変化のパラメータとなるため、この補正量の変化から細胞の硬さ変化を読み取ることができる。すなわち、細胞40の状態(硬さ)変化を新たな他のセンサ(力センサ等)を取り付けることなく、測定することができる。なお、細胞伸展装置11に別途、力センサ等を取り付けて硬さの変化を調べてもよい。
なお、x方向、y方向及びz方向の各補正量は、細胞40の伸展性部材30上の位置によって異なる。これらの補正量は、(1)事前に予備実験で調査し、決定する、(2)伸展性部材上の位置と補正量との関係をデータベース化しておき、これに基づき決定する、(3)画像処理などによりオンラインで決定する、ことなどができる。
このように、細胞観察装置10によれば、伸展刺激を与えつつリアルタイムで任意の細胞40を拡大観察することができる。従って、刺激を与え続けた際に、細胞40内の内部構造変化、他の組織への分化の誘発、細胞40の移動、細胞40同士の局所的なインタラクションなどといった様子を明確かつ鮮明に観察することができるようになる。また、細胞観察装置10は、画像処理を用いたz方向移動装置14(z方向補正手段)によるオートフォーカス機能により、細胞40の硬さ変化も観測することができる。例えば、健康な細胞と、状態の悪い細胞とは硬さが異なることが知られている。伸展中にどのように細胞40の硬さが変化したかをモニタリングできれば、新たな評価軸を追加することができる。
本発明に係る細胞観察装置は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、細胞観察装置は、伸展性部材のx方向の伸展に伴って生じる細胞のy方向の変位を補正するy方向補正手段をさらに備えることができる。y方向補正手段をさらに備える細胞観察装置としては、図1の細胞観察装置10において、例えば細胞伸展装置11とx方向移動装置13との間に、y方向移動装置(y方向補正手段の一例)を配置したものを例示することができる。y方向移動装置は、x方向移動装置13と同様のものを、向き(移動ステージの移動方向)を変えて配置して用いることができる。すなわち、y方向移動装置は、細胞伸展装置をy方向(x方向と垂直な水平面上の方向)に所定周期Tで振動させる機能を有する。伸展性部材をx方向に伸展させると、この伸展性部材はy方向においては収縮する。つまり、伸展性部材の幅は狭まる。すなわち、伸展性部材のx方向の伸展に伴い、細胞はy方向に変位し、顕微鏡の視野から細胞が外れるおそれがある。そこで、y方向においても細胞伸展装置を同周期Tで、かつ細胞のy方向変位と逆位相で振動させることにより、細胞のy方向変位を打ち消すことができ、ぶれがより少ない観察を行うことができる。
また、x方向移動装置(x方向補正手段)、y方向移動装置(y方向補正手段)及びz方向移動装置(z方向補正手段)としては、細胞伸展装置(伸展性部材、細胞)を所定周期Tで振動させるのではなく、顕微鏡を所定周期Tで振動させるものであってもよい。この場合、顕微鏡を細胞の変位と同位相で振動させる。このようにすることでも、顕微鏡は焦点をずらすことなく細胞を捉え続けることができる。当然、顕微鏡を振動させる装置と、細胞伸展装置を振動させる装置とを組み合わせて用いてもよい。
さらに、例えばz方向補正手段としては、振動による補正を行うz方向移動装置以外のものを用いることもできる。このような、z方向補正手段としては、伸展性部材が伸展に伴ってz方向に変位することを打ち消すように、極わずかに水平面から傾けて伸展させる手段などが挙げられる。
なお、細胞観察装置において、x方向補正手段及びy方向補正手段は必須の構成ではない。例えば、所定位置を中心に水平に均等に伸展性部材を伸展させ、その所定中心位置の細胞を観察する場合は、水平方向(x及びy方向)の補正は不要である。また、伸展性部材も容器形状のもの以外に、例えば板状のものを用いてもよい。さらに、細胞観察装置を用いた観察においては、伸展刺激以外の他の刺激(電気、光、薬剤、熱)や計測方法と組み合わせて行うことができる。このようにすることで、目的とする細胞の刺激応答や挙動をより詳しく調査することができる。また、長期間の観察においては、細胞を維持するための温度や二酸化炭素を制御する装置をさらに組み合わせて使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1の構成の細胞観察装置を組み立てて、伸展性部材としてのチャンバーを細胞伸展装置にセットした。顕微鏡としては、倒立型の蛍光顕微鏡を用い40倍の対物レンズを使用した。20mm×20mmのサイズのチャンバーの中心に、細胞を模したマークを描き、2.00mmストレッチ(伸展率10%)、周期0.5Hzの伸展を行いながら観察を行った。
(1)x方向移動装置及びz方向移動装置を共に稼動させなかった場合の画像を図4(a)〜(c)に示す。図4において(a)は伸展していない状態の画像、(b)及び(c)は伸展中の画像である(図5、図6においても同様)。伸展が起こると、明らかに視野からのずれが生じるのがわかる。
(2)x方向移動装置を稼動させ、x方向(伸展方向)のみのキャンセリング(補正)を行った場合の画像を図5(a)〜(c)に示す。このとき、細胞伸展装置の2.00mmの移動(振幅)に対し、1.117mmの移動(振幅)で逆位相で振動させた。画像から、模擬細胞の位置が大きくずれることはないが、焦点位置がずれてしまうため鮮明な画像が得られないことが確認された(図5(b)参照)。
(3)前記のx方向移動装置の稼動に加え、z方向移動装置を稼動させ、x方向及びz方向のキャンセリングを行った場合の画像を図6(a)〜(c)に示す。このとき、z方向移動装置は、36.5μmの振幅で振動させた。画像から、伸展の途中も模擬細胞の様子が明確に観察できることが確認できる。
なお、細胞への応用を想定して、5〜10分程度作動させた場合もずれが生じないことを確認した。また、実際の細胞をチャンバーに培養した場合も、良好な観察ができることを確認した。
10:細胞観察装置、11:細胞伸展装置、12:顕微鏡、13:x方向移動装置、14:z方向移動装置、15:基板、16:固定ステージ、17:駆動部、18:移動ステージ、19:コンピュータ、20:基板、21:駆動部、22:移動ステージ、23:基台、24:駆動部、25:移動ステージ、30:伸展性部材、31:底板、40:細胞

Claims (6)

  1. 細胞が表面に付着した伸展性部材をx方向に所定周期Tで伸展させる細胞伸展装置、
    前記細胞をz方向から拡大観察する顕微鏡、及び前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のz方向変位を補正するz方向補正手段を備える細胞観察装置において、
    前記z方向補正手段は、前記細胞伸展装置又は前記顕微鏡をz方向に前記所定周期Tで振動させることを特徴とする細胞観察装置。
  2. 請求項記載の細胞観察装置において、
    前記z方向補正手段は、前記顕微鏡で得られる画像データを元にz方向変位を経時的にさらに補正することを特徴とする細胞観察装置。
  3. 請求項記載の細胞観察装置において、
    前記z方向変位の経時的な補正量を前記細胞の状態の変化のパラメータとして出力することを特徴とする細胞観察装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の細胞観察装置において、
    前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のx方向変位を補正するx方向補正手段をさらに備え、
    前記x方向補正手段は、前記細胞伸展装置又は前記顕微鏡をx方向に前記所定周期Tで振動させることを特徴とする細胞観察装置。
  5. 請求項記載の細胞観察装置において、
    前記x方向補正手段は、前記伸展性部材の伸展と逆位相で、前記細胞伸展装置を振動させることを特徴とする細胞観察装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の細胞観察装置において、
    前記伸展性部材の伸展に伴って生じる前記細胞のy方向変位を補正するy方向補正手段をさらに備え、
    前記y方向補正手段は、前記細胞伸展装置又は前記顕微鏡をy方向に前記所定周期Tで振動させることを特徴とする細胞観察装置。
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