JP6390498B2 - 有機トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、有機半導体材料などで構成される半導体薄膜を用いて形成される有機トランジスタに関するもので、有機EL(エレクトロルミネッセンス)などに適用すると好適である。
従来、たとえば、この種の有機トランジスタは、基板と、基板の上に形成され、互いに離間して配置されたソース電極およびドレイン電極と、基板の上においてソース電極およびドレイン電極を覆いつつ、ソース電極とドレイン電極との間を繋ぐように形成された有機半導体層と、を備える。さらに、このものにおいては、基板の上にて有機半導体層を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を備えている。
ここで、一般にゲート絶縁膜はアルミナ等の無機金属酸化膜のみよりなるものであり、高比誘電率を有することで、高移動度を実現している。しかし、このような無機金属酸化膜は、温度変化により大きな内部応力を発生するものであるため、厳しい温度環境で使用される場合、ゲート絶縁膜にクラックが発生しやすい。
一方、従来では、特許文献1のように、ゲート絶縁膜を無機金属酸化膜と有機膜との積層膜としたものが提案されている。このものによれば、ゲート絶縁膜が、無機金属酸化膜に比べて比誘電率の低い有機膜を含むものとされているため、ゲート絶縁膜の応力の低下が期待できる。
特開2010−73733号公報
しかしながら、上記特許文献1のゲート絶縁膜における有機膜は、有機成分を含むものであり、無機金属酸化膜に比べて比誘電率が低い。そのため、上記特許文献1のゲート絶縁膜の場合、ゲート絶縁膜全体の比誘電率が低下し、トランジスタの移動度が低下してしまうことになる。
つまり、有機トランジスタにおけるゲート絶縁膜としては、クラック発生防止の点では低応力化が望まれ、高移動度の実現の点では高比誘電率化が望まれるのであり、これらの両立が課題とされている。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、ゲート絶縁膜の耐クラック性とトランジスタの移動度との両特性を向上させるのに適した有機トランジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(10)と、基板の上に形成され、互いに離間して配置されたソース電極(20)およびドレイン電極(30)と、基板の上においてソース電極およびドレイン電極を覆いつつ、ソース電極とドレイン電極との間を繋ぐように形成された有機半導体層(40)と、基板の上において有機半導体層を覆うゲート絶縁膜(50)と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(60)と、を備え、ゲート絶縁膜は、有機金属と無機金属酸化物とが混合されてなる混合膜(51)と無機金属酸化膜(52)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、混合膜を含むゲート絶縁膜とすることにより、混合膜によるゲート絶縁膜の応力低減と高比誘電率の確保とが適切になされるため、ゲート絶縁膜の耐クラック性とトランジスタの移動度との両特性を向上させるのに適した有機トランジスタを提供することができる。
また、請求項6に記載の発明では、基板(10)と、基板の上に形成されたゲート電極(60)と、基板の上においてゲート電極を覆うゲート絶縁膜(50)と、ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して、互いに離間して配置されたソース電極(20)およびドレイン電極(30)と、ゲート絶縁膜の表面上において、少なくともソース電極とドレイン電極との間を繋ぐように形成された有機半導体層(40)と、を備え、ゲート絶縁膜は、有機金属と無機金属酸化物とが混合されてなる混合膜(51)と無機金属酸化膜(52)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものであることを特徴とする。
本発明によっても、混合膜を含むゲート絶縁膜とすることにより、混合膜によるゲート絶縁膜の応力低減と高比誘電率の確保とが適切になされるため、ゲート絶縁膜の耐クラック性とトランジスタの移動度との両特性を向上させるのに適した有機トランジスタを提供することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態にかかる有機トランジスタの断面構成を示す概略断面図である。 図1に示される有機トランジスタにおけるゲート絶縁膜の概略構成を示す拡大図である。 本発明の第2実施形態にかかる有機トランジスタの断面構成を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる有機トランジスタS1について、図1、図2を参照して述べる。この有機トランジスタS1は、たとえばEL(エレクトロルミネッセンス)素子の駆動回路に備えられるトランジスタなどに適用されるものである。
本実施形態の有機トランジスタS1は、電気絶縁性の基板10を有する。この基板10は、無アルカリガラスなどのガラスやセラミック、あるいはプラスチック等よりなるもので、リジッド基板でもよいし、フレキシブル基板でもよい。
この基板10の上には、互いに離間して配置されたソース電極20およびドレイン電極30が形成されている。これらソース電極20およびドレイン電極30は、たとえばAu(金)などによって構成されている。
そして、基板10の上においてソース電極20およびドレイン電極30を覆うように有機半導体層40が形成されており、有機半導体層40は、ソース電極20とドレイン電極30との間を繋いでいる。この有機半導体層40は、例えばチオフェン系有機半導体材料(例えばC8−BTBT等)によって構成されており、チャネル層として機能するものである。
そして、基板10の上において有機半導体層40を覆うように、絶縁材料で構成されたゲート絶縁膜50が形成されている。このゲート絶縁膜50の構造が本発明の特徴となる部分であり、ゲート絶縁膜50の詳細構造については、後述する。
このゲート絶縁膜50上には、Au(金)などで構成されたゲート電極60が形成されている。このような構造により、本実施形態にかかる有機トランジスタS1が構成されている。このような有機トランジスタS1は、最表面にゲート電極60を有し、いわゆるトップゲートタイプと言われるものである。
次に、上記のように構成された有機トランジスタS1に備えられたゲート絶縁膜50の詳細構造について説明する。
図2に示されるように、ゲート絶縁膜50は、有機金属と無機金属酸化物とが混合されてなる混合膜51と無機金属酸化物よりなる無機金属酸化膜52とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものである。
ゲート絶縁膜50は、混合膜51および無機金属酸化膜52の合計が3層以上の場合、混合膜51と無機金属酸化膜52とが交互に1層ずつ積層されたものとなる。合計図2では、複数の混合膜51と複数の無機金属酸化膜52とが交互に複数回積層されたものとなっている。ここで、ゲート絶縁膜50の積層数は図2に限定するものではないことはもちろんである。
具体的には、基板10側(本実施形態では有機半導体層40側にも相当)から無機金属酸化膜52、混合膜51、無機金属酸化膜52、混合膜51、・・・というように、混合膜51と無機金属酸化膜52とが繰り返し積層された構成となる。ここで、有機半導体層40側の最初の膜としては、無機金属酸化膜52が好ましい。
なお、混合膜51、無機金属酸化膜52はそれぞれ少なくとも1層以上であればよく、たとえば、ゲート絶縁膜50としては、1層の無機金属酸化膜52と1層の混合膜51との合計2層の積層構成であってもよい。好ましくは、ゲート絶縁膜50は、有機半導体層40側から無機金属酸化膜52、混合膜51、無機金属酸化膜52の合計3層、もしくはそれ以上の積層構成であることが望ましい。
ここで、混合膜51は、有機金属の層と無機金属酸化物の層が、膜厚方向に明確な層構造を持たず、両者の領域が区分できないことが、透過型電子顕微鏡法において確認されている。
混合膜51中の有機金属は、金属または半金属の単位と有機の単位を有する単一もしくは分岐のある線状構造を有するものである。この繰り返し単位の概略は、以下の構造式で表される。
(化1)
[−M−Z−R−Z−]
上記化学式中、Mは金属又は半金属原子、好ましくはアルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどが挙げられる。各Zはヘテロ原子、特に酸素原子が好適である。R基は好ましくはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基であり、炭素数が2以上のアルキレンなどが挙げられる。具体的に、有機金属としては、アルコーン(Alucone)、ジンコーン(zincone)などが挙げられる。
一方、混合膜51中の無機金属酸化物としては、たとえばアルミナ(AlOx)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)など、有機トランジスタのゲート絶縁膜として適用される無機金属酸化物が挙げられる。
そして、混合膜51は、これら有機金属および無機金属酸化物をそれぞれ堆積することを繰り返すことによって、成膜されるものである。有機金属については、たとえば分子堆積法(MLD:Molecular Layer Deposition)によって成膜を行い、無機金属酸化物については、たとえば、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)によって成膜を行う。
具体的に、混合膜51が、有機金属としてのアルコーンと無機金属酸化物としてのアルミナとが混合されたものである場合、この混合膜51の成膜は次の通りである。たとえば、被成膜面上に、トリメチルアルミニウム(TMA)と水(H2O)とを原料とするALD成膜を行う。そして、パージを含むALD成膜を、たとえば1〜3サイクル行うことで、被成膜面上にアルミナを堆積する。
その上に、TMAとエチレングリコール(EG)とを原料とするMLD成膜を行う。そして、パージを含むMLD成膜を、たとえば1〜3サイクル行うことで、被成膜面上においてアルコーンを堆積する。そして、このような少ないサイクル数でアルミナの堆積とアルコーンの堆積との各工程を、交互に繰り返すことにより、上記した有機金属と無機金属酸化物とが明確な層構造を持たない混合膜51が成膜される。
また、ゲート絶縁膜50における混合膜51の積層相手である無機金属酸化膜52については、たとえばアルミナ膜である場合には、TMAと水とを原料としてパージを含むALD成膜を所定サイクル行うことにより、成膜される。
そして、ゲート絶縁膜50については、基板10側の有機半導体層40を被成膜面として、ALDによる無機金属酸化膜52の成膜と、MLDによる混合膜51の成膜と、を順次、交互に行う。これにより、無機金属酸化膜52と混合膜51とが交互に積層された積層膜としてのゲート絶縁膜50ができあがる。
なお、膜厚について限定するものではないが、たとえば、ゲート絶縁膜50が有機半導体層40側から無機金属酸化膜52、混合膜51、無機金属酸化膜52の3層の積層構成である場合、ゲート絶縁膜50の総膜厚は約100nm、混合膜51の1層の膜厚は80nm程度、無機金属酸化膜52の1層の膜厚は10nm程度とされる。
次に、本実施形態の有機トランジスタS1全体の製造方法の一例について述べる。基板10を準備し、この基板10上に、シャドウマスクを用いた真空蒸着法等によってAu層を成膜することで、ソース電極20およびドレイン電極30を形成する。
次に、基板10の上においてソース電極20およびドレイン電極30を覆うように有機半導体層40を塗布成膜等により形成する。たとえば、チオフェン系有機半導体材料(例えばC8−BTBT)をドロップキャスト法により成膜することで、有機半導体層40が成膜される。
次に、基板10の上において、有機半導体層40を覆うようにゲート絶縁膜50を形成する。このゲート絶縁膜50は、上述の通り、有機半導体層40を被成膜面として、ALDによる無機金属酸化膜52の成膜、MLDによる混合膜51の成膜、を順次行うことで成膜される。
次に、ゲート絶縁膜50上に、Auなどの電極材料を蒸着法などによって成膜することにより、ゲート電極60を形成する。こうして、トップゲートタイプである本実施形態の有機トランジスタS1が完成する。
ところで、本実施形態によれば、混合膜51を含むゲート絶縁膜50とすることで、混合膜51によるゲート絶縁膜50の応力低減と高比誘電率の確保とが適切になされる。そのため、ゲート絶縁膜50の耐クラック性と移動度との両特性を向上させるのに適した有機トランジスタS1を提供することができる。
また、本実施形態の有機トランジスタS1はトップゲートタイプであり、有機半導体層40の上にゲート絶縁膜50を成膜するので、当該成膜後の冷却によって有機半導体層40に発生する応力がゲート絶縁膜50に影響しやすい。その点、上記した本実施形態の応力低減効果は有効である。
次に、本実施形態における応力低減および高比誘電率の確保の効果について、より具体的に述べることとする。
混合膜51と無機金属酸化膜52との積層膜よりなるゲート絶縁膜50において、無機金属酸化膜52と混合膜51との応力方向が反対であることを、通常行われる光学的な計測法により確認した。これら反対方向の応力が相殺されることにより、ゲート絶縁膜50全体では低応力化が実現される。
また、比誘電率については、本実施形態の混合膜51は、比較的に低比誘電率である有機金属を含むが、元々ゲート絶縁膜として用いられ高比誘電率である無機金属酸化物も含む混合物である。そのため、混合膜51全体では、比誘電率の低下度合は抑制される。
そして、本実施形態のゲート絶縁膜50は、この混合膜51と、高比誘電率である無機金属酸化膜52との積層膜であるため、ゲート絶縁膜50全体としては、一般的な無機金属酸化膜のみよりなるゲート絶縁膜に近い高比誘電率を確保できる。ここで、高比誘電率の確保という点では、混合膜51は、無機金属酸化物の方が有機金属よりもモル比が大きいものであることが望ましい。
なお、比較例として、ゲート絶縁膜を無機金属酸化膜と有機金属膜との積層膜とすることも考えられるが、上述のように有機金属膜は低比誘電率である。その点、本実施形態のゲート絶縁膜50は、上述のように、無機金属酸化膜52と積層される膜を、有機金属だけでなく無機金属酸化物も含む混合膜51とすることで、比較例のゲート絶縁膜に比べて高い比誘電率を確保することができる。
また、この比較例のゲート絶縁膜の場合、有機金属膜に有機成分が含有されているため、無機金属酸化膜のみよりなる一般的なゲート絶縁膜に比べて、低応力化することができる。しかし、有機金属膜は低応力ではあるものの、本実施形態の混合膜51とは異なり、発生する応力は無機金属酸化膜52と同一方向となる。
そのため、比較例のゲート絶縁膜においては、本実施形態のゲート絶縁膜50のような無機金属酸化膜52における引っ張り応力と混合膜51における圧縮応力との相殺までは行われない。つまり、本実施形態は、無機金属酸化膜と有機金属膜との積層膜よりなる比較例のゲート絶縁膜に対しても、より高いレベルで低応力化および高比誘電率化を実現できるのである。
ここで、上記図1に示した有機トランジスタS1において、ゲート絶縁膜50を、上記した一般的なゲート絶縁膜、上記した比較例のゲート絶縁膜、および、本実施形態のゲート絶縁膜50とした場合について、当該膜の応力を比較した一例を挙げておく。
このとき、一般的なゲート絶縁膜は、総膜厚が約100nmのアルミナよりなるものとした。また、比較例のゲート絶縁膜は、ALDにより形成されたアルミナよりなる膜厚約9nmの無機金属酸化膜と、MLDにより形成されたアルコーンよりなる膜厚約2nmの有機金属膜とを、それぞれ9層ずつ交互に積層してなる総膜厚約100nmの積層膜とした。
また、本実施形態のゲート絶縁膜50は、無機金属酸化膜52を膜厚10nmのアルミナとし、混合膜51を膜厚80nmのアルコーンとアルミナとの混合膜とし、基板10側から順次、無機金属酸化膜52、混合膜51、無機金属酸化膜52というように、合計3層を積層して、総膜厚約100nmの積層膜とした。そして、応力については、石英ガラス上に成膜した積層膜を、通常行われる光学的な計測法により求めた。
この応力の計測によれば、一般的なゲート絶縁膜の応力は455MPa、比較例のゲート絶縁膜の応力は338MPa、本実施形態のゲート絶縁膜50の応力は274MPaであった。このように、本実施形態のゲート絶縁膜50は、上記した混合膜51の応力相殺の効果が発揮されることで、一般的なゲート絶縁膜および比較例のゲート絶縁膜に比べて、低応力化が顕著となることが確認された。
本実施形態のゲート絶縁膜50の構成や特徴等について、さらに述べておく。本実施形態のゲート絶縁膜50における混合膜51は、典型的にはアモルファス(非晶質)構造の膜、つまりアモルファス膜とされるものである。
また、ゲート絶縁膜50における混合膜51は、上述のように有機金属であるアルコーン、無機金属酸化物であるアルミナを含有するものにできる。つまり、本実施形態の混合膜51は、少なくともAl(アルミニウム)、C(炭素)、O(酸素)の3成分を含むものにできる。混合膜51がこれらの元素を含むものであることは、混合膜51の元素分析により確認されている。
また、ゲート絶縁膜50において、混合膜51の総膜厚は、無機金属酸化膜52の総膜厚よりも大きいことが望ましい。また、ゲート絶縁膜50において、混合膜51の1層の膜厚は、無機金属酸化膜52の1層の膜厚よりも大きいことが望ましい。これら望ましい膜厚のゲート絶縁膜50としては、上記例のような、無機金属酸化膜52(厚さ10nm)、混合膜51(厚さ80nm)、無機金属酸化膜52(厚さ10nm)というような合計3層の積層膜が挙げられる。
このような望ましい膜厚構成とすれば、ゲート絶縁膜50において無機金属酸化膜52の引っ張り応力を混合膜51の圧縮応力で相殺するときに、これら両応力の相殺バランスを適切に確保しやすくなる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかる有機トランジスタS2について、図3を参照して上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。上記第1実施形態では、図1に示されるようなトップゲートタイプの有機トランジスタS1であった。それに対して、本実施形態の有機トランジスタS2は、図3に示されるように、ゲート電極60が基板10側に位置する、いわゆるボトムゲートタイプのものである。
本実施形態の有機トランジスタS2は、基板10の上にゲート電極60が形成され、基板10の上においてゲート電極60を覆うようにゲート絶縁膜50が形成されている。このゲート絶縁膜50は、上記第1実施形態と同様のもの、つまり上記図2のものと同様であり、混合膜51と無機金属酸化膜52とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものである。
そして、ゲート電極60上には、ゲート絶縁膜50を介してソース電極20およびドレイン電極30が互いに離間して配置されている。そして、ゲート絶縁膜50の表面上において、ソース電極20とドレイン電極30との間を繋ぐように有機半導体層40が形成されている。ここで、有機半導体層40と接するゲート絶縁膜50の面は、無機金属酸化膜52であることが望ましい。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、混合膜51を含むゲート絶縁膜50とすることで、混合膜51によるゲート絶縁膜50の応力低減と高比誘電率の確保とが適切になされる。そのため、ゲート絶縁膜50の耐クラック性と移動度との両特性を向上させるのに適した有機トランジスタS2を提供することができる。
本実施形態の有機トランジスタS2は、基板10上に、ゲート電極60、ゲート絶縁膜50、有機半導体層40、ソース電極20およびドレイン電極30を順に形成していくことにより製造される。ここで、有機トランジスタS2における各構成要素の製造方法は、上記第1実施形態と同様のものにできることはもちろんである。
また、本実施形態のゲート絶縁膜50も、上記第1実施形態と同様、典型的にはアモルファス膜とされるものであり、混合膜51は、Al、C、Oの3成分を含むものにできる。また、本実施形態のゲート絶縁膜50においても、混合膜51の総膜厚は、無機金属酸化膜52の総膜厚よりも大きいことが望ましく、また、混合膜51の1層の膜厚は、無機金属酸化膜52の1層の膜厚よりも大きいことが望ましい。
また、本実施形態においても、ゲート絶縁膜50における有機半導体層40側の膜としては、無機金属酸化膜52が好ましい。
(他の実施形態)
なお、上記第2実施形態では、図3に示したように、ゲート絶縁膜50の上に有機半導体層40を塗布成膜したのち、その上にソース電極20およびドレイン電極30を形成した構造としていた。つまり、図3の有機トランジスタS2は、ボトムゲートタイプの中でも、いわゆるトップコンタクトタイプであった。
しかし、有機トランジスタとしては、ゲート絶縁膜50の上にソース電極20およびドレイン電極30を形成した後、有機半導体層40を塗布成膜した構造であってもよい。つまり、上記図3において、有機半導体層40とソース電極20およびドレイン電極30との上下関係を入れ替えた構造、いわゆるボトムコンタクトタイプとしてもよい。
また、上記各実施形態では、ゲート絶縁膜50における有機半導体層40側の膜としては、無機金属酸化膜52が好ましいが、当該有機半導体層40側の膜を混合膜51とした場合を除外するものではない。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 基板
20 ソース電極
30 ドレイン電極
40 有機半導体層
50 ゲート絶縁膜
51 混合膜
52 無機金属酸化膜
60 ゲート電極

Claims (6)

  1. 基板(10)と、
    前記基板の上に形成され、互いに離間して配置されたソース電極(20)およびドレイン電極(30)と、
    前記基板の上において前記ソース電極および前記ドレイン電極を覆いつつ、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を繋ぐように形成された有機半導体層(40)と、
    前記基板の上において前記有機半導体層を覆うゲート絶縁膜(50)と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(60)と、を備え、
    前記ゲート絶縁膜は、有機金属と無機金属酸化物とが混合されてなる混合膜(51)と無機金属酸化膜(52)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものであることを特徴とする有機トランジスタ。
  2. 前記混合膜は、アモルファス膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
  3. 前記混合膜は、Al、C、Oの3成分を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機トランジスタ。
  4. 前記ゲート絶縁膜において、前記混合膜の総膜厚は、前記無機金属酸化膜の総膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の有機トランジスタ。
  5. 前記ゲート絶縁膜において、前記混合膜の1層の膜厚は、前記無機金属酸化膜の1層の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の有機トランジスタ。
  6. 基板(10)と、
    前記基板の上に形成されたゲート電極(60)と、
    前記基板の上において前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜(50)と、
    前記ゲート電極上に前記ゲート絶縁膜を介して、互いに離間して配置されたソース電極(20)およびドレイン電極(30)と、
    前記ゲート絶縁膜の表面上において、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を繋ぐように形成された有機半導体層(40)と、を備え、
    前記ゲート絶縁膜は、有機金属と無機金属酸化物とが混合されてなる混合膜(51)と無機金属酸化膜(52)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されたものであることを特徴とする有機トランジスタ。
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