一実施形態によると、伸展可能な拡張器は軟組織を拡張させるように構成される。伸展可能な拡張器は、外側表面、及び外側表面と反対側の内側表面を画定する基部を備えることができ、内側表面は第1の導管を少なくとも部分的に画定する。伸展可能な拡張器は、基部から延在する拡張部材を更に備えることができる。拡張部材は、内側表面、及び内側表面と反対側の外側表面を画定し、拡張部材の内側表面は、第1の導管と流体連通する第2の導管を少なくとも部分的に画定する。第2の導管は長手方向軸線に沿って細長い。伸展可能な拡張器は伸展部材を更に備えることができ、該伸展部材は、拡張部材に連結され、かつ、拡張部材の少なくとも一部を、長手方向軸線に対して角度オフセットされている伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能である。
伸展方向は前後方向であり得る。伸展部材は、拡張部材に回転可能に連結されて、回転軸を中心に第1の位置から伸展位置まで拡張部材に対して回転することができる。伸展方向は、回転軸に対して角度オフセットされてもよい。例えば、伸展方向は、回転軸に対して実質的に垂直であってもよい。回転軸は、第2の導管の長手方向軸線に対して実質的に垂直であり得る。回転軸は、第2の導管の長手方向軸線と交差してもよい。例えば、回転軸は頭−尾方向であってもよい。回転軸は中央−横方向であってもよい。
伸展部材は、回転軸に沿った第1の外形寸法、及び回転軸から角度オフセットされているセレクト方向に沿った第2の外形寸法を画定することができ、第2の外形寸法は第1の外形寸法よりも大きい。セレクト方向は回転軸に対して垂直であってもよい。伸展部材は実質的に楕円形状とすることができる。伸展部材は環状であってもよく、第2の導管内に配置され得る。伸展部材は、伸展部材が伸展位置にあるときに拡張部材の内側表面の少なくとも一部と当接する外周を画定し得る。
拡張部材は遠位端を画定することができ、基部から該遠位端まで延在し、伸展部材が第1の位置から伸展位置へと移動することによって、拡張部材の遠位端は第1の形態から伸展形態へと伸展する。拡張部材は、伸展部材が伸展位置へと回転したときに伸展部材と当接するように構成された少なくとも1つの停止面を画定し得る。例えば、拡張部材は、伸展部材が伸展位置へと回転したときに伸展部材を受容する少なくとも1つの溝を画定し得る。拡張部材は、少なくとも第1及び第2の拡張器ブレードを備えることができる。第1及び第2の拡張器ブレードの少なくとも一方は、伸展部材から、第1及び第2の拡張器ブレードの少なくとも一方を付勢して第1の位置から拡張位置へと移動させ、それによって拡張部材を第1の形態から伸展形態へと移動させる付勢力を受けることができる。第1及び第2のブレードは、回転軸に対して平行な方向に沿って重なり合うことができる。伸展部材は、重なり合っているブレードの内側のブレードに回転可能に取り付けられることができる。第1及び第2のブレードは、第1の位置にあるとき及び伸展位置にあるときの両方において重なり合うことができ、それにより、第1及び第2のブレードは、第1の位置にあるとき及び拡張位置にあるときの両方において、第2の導管の外周の少なくとも一部を完全に形成する。
拡張部材は、対向する拡張器ブレードの第1及び第2の対を備えることができる。伸展部材が第1の位置から伸展位置へと移動するにつれて伸展部材が第2の対の拡張器ブレードの少なくとも一方又は両方を第1の位置から拡張位置まで付勢するように、伸展部材は、第1の対の拡張器ブレードのそれぞれの少なくとも一方又は両方に回転可能に取り付けられることができる。第2の対の拡張器ブレードの一方は、第2の対のブレードのもう一方よりも、基部から遠くに延出することができる。第2の対の拡張器ブレードは、前後方向に沿って互いに離間されるように構成され得る。拡張器ブレードは、長手方向軸線に垂直な平面に沿って湾曲状であり得る。拡張器ブレードが、第2の導管の少なくとも一部の外周全体を完全に包囲するように、前記対のうちの一方の拡張器ブレードは、第1の位置にあるとき及び拡張位置にあるときの両方において、該対のうちのもう一方の拡張器ブレードと重なり合うことができる。拡張器ブレードの少なくとも1つ又は2つ以上、最大でその全ては、基部と一体であってもよい。
伸展可能な拡張器は、基部と拡張器ブレードとを備える拡張器本体と、拡張器ブレードが第1の位置にあるとき及び拡張器ブレードが拡張位置にあるときの両方において拡張器ブレードの少なくとも一部を完全に取り囲むように、拡張器ブレードの少なくとも一部を取り囲む伸展可能な材料と、を備えることができる。伸展可能な拡張器はカバーを備えることができ、該カバーは、拡張器ブレードが拡張位置にあるときに拡張器ブレードのうちの隣接する拡張器ブレードの間に架かるように、第2の導管の外周の少なくとも一部の周囲の拡張器ブレードと拡張器ブレードとの間に接続される。拡張部材は遠位端を画定することができ、かつ、長手方向軸線が少なくとも基部と遠位端との間で湾曲するように基部から該遠位端まで延在することができる。
伸展可能な拡張器は、伸展部材に連結される作動装置を更に備えることができ、該作動装置は、伸展部材を第1の位置から伸展位置へと移動させる付勢力を伸展部材に印加するように構成される。付勢力は、拡張部材から基部に向かう方向に印加され得る。作動装置は、伸展部材から基部に向かって延在することができる。作動装置は、基部を通って延在して、基部の導管の外に延出することができる。作動装置は、第1の位置から拡張位置へと移動する拡張器ブレードのうちの1つによって画定されるチャネルに沿って延在することができる。作動装置は伸展部材と一体であってもよい。作動装置は、伸展部材から分離しており、伸展部材に連結されてもよい。
伸展可能な拡張器は、基部と拡張部材とを備える拡張器本体と、拡張器本体によって支持される固定部材とを備えることができ、固定部材は、作動装置に取り付けて、作動装置が基部から拡張部材に向かう方向に移動するのを防止し、それによって伸展部材を伸展位置に保持する。固定部材は、拡張器本体によって支持されるクリートを備えることができ、それにより、作動装置はクリートに巻き付けられて、伸展部材を伸展位置に保持するように構成される。固定部材は止めネジを備えることができ、該止めネジは、拡張器本体によってネジ方式で支持され、かつ、拡張器本体の表面に向かって平行移動して、止めネジと拡張器本体との間の作動装置を捕捉するように、拡張器本体に対して回転可能である。固定部材は、拡張器本体によって支持されるクランプを備えることができ、該クランプは、作動装置を受容するように寸法設定された溝を画定し、作動装置はこの溝の中に捕捉されるようになっている。固定部材は基部によって支持され得る。
作動装置は更に、基部から拡張部材に向かう方向に沿った伸展部材を伸展位置から第1の位置に向けて移動させる付勢力を、伸展部材に印加するように構成されることができる。作動装置は、実質的に剛性のロッドを備えることができる。剛性ロッドは基部によってネジ方式で支持されることができ、ロッドが基部に対して第1の方向に回転することにより、伸展部材が第1の位置から伸展位置に向かう方向に移動する。ロッドが基部に対して、第1の方向と反対の第2の方向に回転することにより、伸展部材は、伸展位置から第1の位置に向かう方向に移動する。
伸展可能な拡張器は、伸展部材を伸展位置から第1の位置まで移動させる付勢力を伸展部材に印加するように構成された第2の作動装置を備えることができる。第2の作動装置は、伸展部材から基部に向かって延在し得る。第2の作動装置は、伸展部材から基部を通って延在し、基部の導管の外に延出することができる。第2の作動装置は、第1の位置から拡張位置へと移動する拡張器ブレードのうちの1つによって画定されるチャネルに沿って延在することができる。第2の作動装置は、伸展部材と一体であってもよい。第2の作動装置は、伸展部材から分離しており、伸展部材に連結されてもよい。
伸展可能な拡張器は、作動装置に取り付けられた作動てこ部材を更に備えることができる。作動てこ部材は、力を受け、この力を変更し、変更された力を作動装置を介して伸展部材に加えて、伸展部材を第1の位置から伸展位置に向けて移動させるように構成され得る。作動てこ部材は、作動装置に取り付けられたスプールを備えることができ、該スプールはスプール本体を備え、該スプール本体は、作動装置をスプール本体に巻き付けて、伸展部材を第1の位置から伸展位置に向けて移動させるように、第1の回転方向に回転可能である。スプールは、スプール本体から作動装置を巻き出させるために、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転可能であり得る。第2の作動装置はスプール本体に巻き付くことができ、その結果、スプールが第1の回転方向に回転することにより、第2の作動装置がスプール本体から巻き出され、スプールが第2の回転方向に回転することにより、第2の作動装置がスプール本体に巻き付いて、伸展部材が伸展位置から第1の位置に向けて移動するようになっている。
拡張部材は、基部から遠位方向に沿って延在することができ、作動てこ部材は、伸展部材が遠位方向に沿ってプーリーから離間されるようにプーリーを備えることができ、第1の作動装置は、伸展部材からプーリーまで延び、プーリーの周囲に延び、かつプーリーから、プーリーから離間配置されている支持部材まで遠位方向に沿って延び、支持部材の周囲に延び、かつ、遠位方向と反対の近位方向に沿って支持部材から延びる。支持部材は伸展部材によって画定されることができる。作動てこ部材はロッドを備えることができる。伸展部材が伸展位置まで移動することにより、拡張部材を伸展形態に保持することができる。
伸展可能な拡張器は、基部と、基部から遠位端まで延出する拡張部材と、拡張器本体によって支持される少なくとも1つの照明光源とを備えることができる。照明光源は、第2の導管の遠位端に向けて、かつ第2の導管の遠位端から射出するように照明光を放射するように構成され得る。拡張部材の遠位端は、1)遠位端において内側表面によって支持される複数のプリズム、2)遠位端における内側表面の粗面領域、及び3)遠位端において内側表面によって支持される反射性材料、のうちの少なくとも1つを備えた少なくとも1つの光成形要素を画定することができる。拡張部材は、照明光源から放射された光を受け、放射された光を遠位端に方向付けるチャネルを画定することができる。伸展可能な拡張器は、光源から遠位端まで延在する光導管を更に備えることができる。光導管は、光源から遠位端に隣接する位置まで実質的に不透明であってもよく、遠位端において少なくとも半透明又は透明である。
拡張部材は、基部から遠位方向に沿って延出する第1の部分と、第1の部分によって支持され、かつ第1の部分から遠位方向に沿って延出する第2の部分とを画定することができる。第2の部分は、基部から離れる方向に第1の部分に対して移動可能であり得る。伸展部材は、拡張部材の第2の部分に連結され得る。拡張器ブレードのうちの少なくとも1つから最大で全ては、それぞれの第1及び第2の部分を画定することができる。
伸展部材は第1の伸展部材であり得、拡張部材は、基部から遠位方向に沿って延在する第1の拡張部材であり得る。伸展可能な拡張器は、基部から、遠位方向と反対の近位方向に沿って延在する第2の拡張部材を更に備えることができ、第2の拡張部材は、基部の導管及び第2の導管と流体連通する導管を画定する。伸展可能な拡張器は第2の−伸展部材を更に備えることができ、該第2の伸展部材は、第2の拡張部材に連結され、かつ、第2の拡張部材の少なくとも一部を、基部から近位方向に沿って離間した位置において第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、第2の拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能である。作動装置は両方の伸展部材に連結されることができる。あるいは、異なる作動装置が、それぞれ、第1及び第2の伸展部材から延在していてもよい。
拡張部材は弾性的に可撓性の材料であってもよく、基部から遠位端まで延在することができる。伸展可能な拡張器は、拡張部材によって支持されるトラックを更に備え、該トラックは基部と遠位端との間に延在する。伸展可能な拡張器は、トラックに沿って摺動可能な伸展装置を更に備えることができる。伸展装置が、伸展装置に近い領域において、拡張部材を第1の形態から伸展形態へと拡張させるように、伸展装置は第2の導管の断面寸法よりも大きい断面寸法を有することができる。この近い領域は、伸展装置がトラックに沿って近い領域から離れる方向に移動した後に、伸展形態から第1の形態に戻ることができる。伸展装置は伸展部材を備えることができる。
伸展可能な拡張器は、複数の伸展部材を更に備えることができ、該複数の伸展部材は、拡張部材に連結され、かつ、拡張部材の少なくとも一部を、長手方向軸線に対して角度オフセットされている伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能である。拡張器ブレードはそれぞれの遠位端を画定することができ、かつ、基部からそれぞれの遠位端まで遠位方向に沿って延在することができる。伸展可能な拡張器は、拡張器ブレードの各々の遠位端に着脱自在に取り付けられるように構成された複数のブレード伸長セグメントを更に備えることができる。複数のブレード伸長セグメントは、拡張器ブレードに取り付けられると、拡張器ブレードからそれぞれの遠位端まで遠位方向に沿って延在する、第1の複数のブレード伸長セグメントであり得る。伸展可能な拡張器は、第1の複数のブレード伸長セグメントの各々の遠位端に着脱自在に取付可能である第2の複数のブレード伸長セグメントを更に備えることができる。
伸展部材は、少なくとも1つの伸展部材セグメントを備えることができる。例えば、伸展部材は一対の伸展部材セグメントを備えることができ、該一対の伸展部材セグメントのそれぞれは、それぞれの第1の位置からそれぞれの伸展位置まで独立して移動して、拡張部材の対応の部分を第1の形態から伸展形態へと伸展方向に沿って伸展させるように構成される。
拡張部材の第1及び第2の部分は、第1及び第2の拡張器ブレードを備える。
伸展可能な拡張器アセンブリは、上述の伸展可能な拡張器と、伸展補助部材とを備えることができる。伸展補助部材は、第1の位置において第2の導管に挿入可能であり、かつ、伸展補助部材が拡張部材を付勢して第1の形態から伸展形態へと伸展させるように、第1の位置から伸展位置へと伸展可能であり得る。伸展補助部材は、アームを有するプライヤを備えることができ、これらアームは、互いから離れるように第1の位置から伸展位置まで移動可能である。伸展補助部材がそれぞれの第1の位置からそれぞれの伸展位置へと伸展したのに続いて伸展部材が伸展位置へと移動することにより、拡張部材が伸展形態に保持され得る。
別の実施例では、別の実施例における伸展可能な拡張器アセンブリは、上述した伸展可能な拡張器と、支持フレームとを備えることができる。支持フレームは、支持構造体に連結されるように構成された第1の取付端部と、伸展可能な拡張器に連結されるように構成された第2の取付端部と、第1の取付端部と第2の取付端部との間のそれぞれのジョイントにおいて接合される複数のリンケージとを有することができる。第1及び第2の取付端部は、互いに対して6つの自由度で移動可能であり得る。
別の実施例では、伸展可能な拡張器アセンブリは、上述の伸展可能な拡張器を備えることができる。拡張部材は遠位端を画定することができ、かつ基部から該遠位端まで延在することができる。伸展可能な拡張器アセンブリは、基部と遠位端との間の位置において拡張部材を切断するように構成されたカッターアセンブリを更に備えることができる。拡張部材は、切断位置を規定する少なくとも1つの穿孔を画定することができる。カッターアセンブリは、拡張部材の第2の導管に挿入されるように構成されたアンビルを備えることができる。カッターアセンブリは、駆動されて拡張部材及びアンビルを貫通し、それによって拡張部材を切断するように構成された切断ブレードを備えることができる。
一実施例では、伸展可能な拡張器のキットは、上述の複数の伸展可能な拡張器を備えることができる。複数の伸展可能な拡張器のそれぞれは、他の複数の伸展可能な拡張器の少なくとも1つの第2の導管と比べて異なる寸法又は形状を有することができる。
別の実施例では、伸展可能な拡張器のキットは、基部と、上述の複数の拡張部材とを備える。拡張部材は、基部に着脱自在に取付可能であり得る。複数の拡張部材のそれぞれは、他の複数の拡張部材の少なくとも1つと比べて異なる寸法又は形状を有することができる。
作動装置は少なくとも1つの作動装置であり得、伸展可能な拡張器は、該作動装置に取り付けられた作動てこ部材を更に備えることができる。作動てこ部材は、力を受け、この力を変更し、変更された力を少なくとも1つの作動装置を介して伸展部材に加えて、伸展部材を第1の位置から伸展位置に向かう方向に沿って移動させるように構成され得る。作動てこ部材は、上述のスプールとして構成されることができ、スプールは拡張器本体に回転可能に連結されるようになっている。拡張器本体は、拡張器ブレードに対して支持されるハンドルを備えることができる。スプールは、ハンドルに回転可能に取り付けられることができる。ハンドルは、長手方向軸線に対して角度オフセットされている方向に沿って、基部に対して延出することができる。作動てこ部材は、スプール軸線を中心に回転可能であるスプールを備えることができる。少なくとも1つの作動装置は伸展部材に連結され、作動装置は、スプールがスプール軸線を中心に回転すると、スプールに巻き付くことができる。スプール軸線は、ハンドルの方向及び長手方向軸線の両方に対して実質的に垂直であり得る。少なくとも1つの作動装置は、第1及び第2の位置において伸展部材に連結されることができ、これら第1及び第2の位置は、伸展部材の回転軸がこれら2つの位置の間に位置するように配置される。
少なくとも1つの作動装置をスプールに一方向に巻き付けて、伸展部材を第1の位置から伸展位置に向かう方向に沿って作動させるように、スプールは、スプール軸線を中心に1つの回転方向に回転可能であり得る。少なくとも1つの作動装置をスプールに反対方向に巻き付けて、伸展部材を伸展位置から第1の位置に向かう方向に沿って作動させるように、スプールは、スプール軸線を中心に反対向きの回転方向に回転可能であり得る。少なくとも1つの作動装置は、少なくともスプールの中に延在する開口を通って延在することができる。
少なくとも1つの作動装置は、互いに一体である第1及び第2の作動装置セグメントを有する単一の作動装置を含むことができる。第1の作動装置セグメントは、第1の位置において伸展部材に連結され得る。第2の作動装置セグメントは、第2の位置において伸展部材に連結され得る。少なくとも1つの作動装置は、互いに一体である第1及び第2の作動装置セグメントを有する単一の作動装置を含むことができる。第1の作動装置セグメントは、第1の位置において伸展部材に連結され得る。第2の作動装置セグメントは、第2の位置において伸展部材に連結され得る。単一の作動装置は、第1のセグメントが開口部の第1の端部から外に延出し、第2のセグメントが開口部の第2の端部から外に延出するように、スプールの開口を通って延在することができる。
少なくとも1つの作動装置は、対応の第1及び第2の取り付け位置においてスプールに取り付けられる第1及び第2の別個の作動装置を含むことができる。第1及び第2の作動装置は、スプール軸線に沿って離間配置された、スプールの第1及び第2の開口に挿入され得る。伸展可能な拡張器は、第1及び第2の作動装置をスプールの第1及び第2の開口の中に固定するために、第1及び第2の開口にそれぞれ挿入可能である第1及び第2のピン備えることができる。作動てこ部材及び拡張器本体は、それぞれ、互いに係合して作動てこ部材が拡張器本体に対して回転するのを防止するように構成された係止部材を備えることができる。作動てこ部材の係止部材は、少なくとも1つの歯を備えることができる。拡張器本体の係止部材は、少なくとも1つの歯を備えることができる。作動てこ部材の少なくとも1つの歯は、拡張器本体の少なくとも1つの歯を係合して、作動てこ部材が拡張器本体に対して回転するのを防止するように構成され得る。作動てこ部材は、作動てこ部材の歯と拡張器本体の歯が係合解除されるロック解除位置と、作動てこ部材の歯と拡張器本体の歯が係合されるロック位置との間で移動可能であり得る。作動てこ部材は、作動てこ部材の回転軸に沿って、ロック解除位置とロック位置との間で、拡張器本体に対して平行移動可能であり得る。
拡張部材は少なくとも1つの停止面を備えることができ、該停止面は、拡張本体によって支持され、伸展部材が伸展位置へと回転したときに伸展部材と当接するように構成される。少なくとも1つの停止面は、伸展部材が回転可能に取り付けられる拡張器ブレードの各々によって支持され得る。少なくとも1つの停止面は、それぞれの拡張器ブレードの内側表面によって支持され得る。少なくとも1つの停止面は、伸展部材が回転可能に取り付けられる、拡張器ブレードのそれぞれ異なる拡張器ブレードによって支持される一対の停止面を備える。
伸展可能な拡張器は照明アセンブリを更に備えることができ、該照明アセンブリは、電源と、電源と通電して拡張部材に向けて照明光を放射するように動作する少なくとも1つの照明光源とを備える。照明アセンブリの拡張部材は、ブレードの少なくとも1つによって画定され得る。ブレードの少なくとも1つは、第1の位置から拡張位置へと移動可能であり得る。ブレードの少なくとも1つは、一対の対向するブレードを含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、長手方向軸線と実質的に平行な長手方向に沿って、少なくとも1つのブレードと位置合わせされ得る。少なくとも1つの照明光源は、ブレードのうちの第1のブレードと位置合わせされる少なくとも1つの照明光源、及びブレードのうちの第2のブレードと位置合わせされる少なくとも1つの照明光源を含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、ブレードのうちの第1のブレードと位置合わせされる一対の照明光源、及びブレードのうちの第2のブレードと位置合わせされる一対の照明光源を含むことができる。ブレードの少なくとも1つは、第1及び第2のブレードセクションを画定するように分割されることができ、これら第1及び第2のブレードセクションは、少なくとも1つのブレードが第1の位置から拡張位置へと移動するにつれて互いに分離する。少なくとも1つの照明光源は、第1及び第2のブレードセクションとそれぞれ位置合わせされる一対の照明光源を含むことができる。
ブレードのそれぞれは、第1及び第2のブレードセクションを画定するように分割されることができる。少なくとも1つの照明光源は、第1のブレードの第1及び第2のブレードセクションの各々と位置合わせされる第1の対の照明光源を含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、第2のブレードの第1及び第2のブレードセクションの各々と位置合わせされる第1の対の照明光源を含むことができる。少なくとも1つのブレードは透明である。
伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。拡張器本体は、それぞれの少なくとも1つのブレードの内側表面に接して配設される少なくとも1つのインレイを備えることができる。インレイは透明であってもよく、少なくとも1つの照明光源は、電源と通電して少なくとも1つのインレイに向けて照明光を放射するように動作することができる。少なくとも1つの照明光源は、少なくとも1つのインレイと位置合わせされ得る。ブレードは、半不透明又は不透明であってもよい。
少なくとも1つのインレイの外側表面は、少なくとも1つのブレードの内側表面に隣接して配設されることができ、かつ該内側表面に面することができる。少なくとも1つのインレイは、少なくとも1つのインレイの外側表面と反対側の内側表面を画定することができ、この内側表面は、第2の導管を少なくとも部分的に画定する。伸展可能な拡張器は、インレイの外側表面と少なくとも1つのブレードの内側表面との間の位置に、少なくとも1つのインレイの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。代替として又はこれに加えて、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのインレイの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。代替として又はこれに加えて、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。代替として又はこれに加えて、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのインレイの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。
少なくとも1つのインレイは、近位端、及び近位端と反対側の遠位端を画定することができ、少なくとも1つのブレードの遠位端に隣接して配設され得る。少なくとも1つのインレイの遠位端は、少なくとも1つのインレイの近位端から少なくとも1つのインレイの遠位端まで延びる方向に対して角度オフセットされている方向に沿って照明光を方向付ける形状を有することができる。
少なくとも1つのインレイは、近位端、及び近位端と反対側の遠位端を画定することができ、少なくとも1つのブレードの遠位端に隣接して配設され得る。少なくとも1つのインレイの遠位端は、少なくとも1つのインレイの近位端から少なくとも1つのインレイの遠位端まで延びる方向に対して角度オフセットされている方向に沿って照明光を方向付ける表面テクスチャを有することができる。表面テクスチャは、複数列のリブを含むことができる。リブの列は互いに平行であってもよい。表面テクスチャは粗面を含むことができる。表面テクスチャはフレネルレンズを含むことができる。少なくとも1つのインレイは、第1及び第2の対向するブレードに沿って延在する第1及び第2のインレイを含むことができる。第1及び第2の対向するブレードは、第1の位置から拡張位置へと移動可能であり得る。少なくとも1つの照明光源は、少なくとも1つの発光ダイオードを含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、プリント配線板によって支持され得る。プリント配線板は基部によって支持され得る。
拡張器本体は、長手方向軸線に対して角度オフセットされている方向に沿って、基部に対して延出するハンドルを備えることができる。プリント配線板はハンドルによって支持され得る。作動装置はハンドルによって支持されることができ、作動装置が作動することにより、電源は少なくとも1つの照明光源を点灯させることができる。作動装置はボタンを備えることができる。伸展可能な拡張器は、作動装置が作動した際に少なくとも1つの照明光源に所定の時間だけ点灯した状態を維持させるカウンターを更に備えることができる。カウンターはハンドル内に配設され得る。ハンドルは、基部に取り付けられるように構成され得る。
伸展可能な拡張器は、軟組織を拡張するように構成され得る。伸展可能な拡張器は、外側表面、及び外側表面と反対側の内側表面を画定する基部を備えることができ、内側表面は第1の導管を少なくとも部分的に画定する。伸展可能な拡張器は、内側表面及び前記内側表面と反対側の外側表面を画定する拡張部材を備えることができる。内側表面は、第1の導管と流体連通する第2の導管を画定することができ、第2の導管は長手方向軸線に沿って細長い。拡張部材は、第2の導管の遠位開口部を画定する遠位を画定することができる。伸展可能な拡張器は伸展部材を備えることができ、該伸展部材は、拡張部材に連結され、かつ、拡張部材の少なくとも一部を、長手方向軸線に対して角度オフセットされている伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能である。伸展可能な拡張器は、拡張部材に向けて照明光を放射するように構成された少なくとも1つの照明光源を含む照明アセンブリを備えることができる。拡張部材の少なくとも一部は、放射された照明光の少なくとも一部が拡張部材の遠位端まで進むように透明であり得る。
伸展可能な拡張器は、基部と拡張部材とを有する拡張器本体を備えることができる。照明アセンブリは拡張器本体によって支持され得る。拡張器本体は、長手方向軸線に対して角度オフセットされている方向に沿って、基部に対して延出するハンドルを更に備えることができる。照明アセンブリの少なくとも一部は、拡張器本体によって支持され得る。少なくとも1つの照明光源は基部によって支持され得る。少なくとも1つの照明光源はハンドルによって支持され得る。照明アセンブリは、少なくとも1つの照明光源を有する照明プリント配線板を更に備えることができる。プリント配線板は、ハンドル又は基部に取り付けられることができる。少なくとも1つの照明光源は発光ダイオードを含むことができる。照明アセンブリは、ハンドルによって支持される作動装置を備えることができ、作動装置を作動することにより、少なくとも1つの照明光源は照明光を放射する。作動装置はボタンを備えることができる。伸展可能な拡張器は、作動装置が作動した際に少なくとも1つの照明光源に所定の時間だけ点灯した状態を維持させるカウンターを備えることができる。カウンターはハンドル内に配設され得る。
拡張部材は、対向する拡張器ブレードの第1及び第2の対を備えることができる。拡張器ブレードのそれぞれは、内側表面、及び内側表面と反対側の外側表面を画定することができる。内側表面は第2の導管に面していてもよい。伸展部材は、第1の対の拡張器ブレードの拡張器ブレードに回転可能に連結され、第2の対の拡張器ブレードを第1の位置から拡張位置へと移動させるために、第1の位置から伸展位置へと移動可能であり得る。少なくとも1つの照明光源は、第2の対のブレードのうちの少なくとも透明なブレードに照明光を放射するように動作可能であり得る。少なくとも1つの照明光源は、少なくとも一対の照明光源を含むことができ、該照明光源のそれぞれは、それぞれ透明であり得る第2の対の拡張器ブレードの異なるブレードに照明光を放射するように構成される。少なくとも1つの照明光源は、長手方向軸線と実質的に平行な長手方向に沿って、少なくとも1つのブレードと位置合わせされ得る。
少なくとも1つの照明光源は、ブレードのうちの第1のブレードと位置合わせされる少なくとも1つの照明光源、及びブレードのうちの第2のブレードと位置合わせされる少なくとも1つの照明光源を含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、ブレードのうちの第1のブレードと位置合わせされる一対の照明光源、及びブレードのうちの第2のブレードと位置合わせされる一対の照明光源を含むことができる。ブレードの少なくとも1つは、第1及び第2のブレードセクションを画定するように分割されることができ、これら第1及び第2のブレードセクションは、少なくとも1つのブレードが第1の位置から拡張位置へと移動するにつれて互いに分離する。少なくとも1つの照明光源は、第1及び第2のブレードセクションとそれぞれ位置合わせされる一対の照明光源を含むことができる。
ブレードのそれぞれは、第1及び第2のブレードセクションを画定するように分割されることができる。少なくとも1つの照明光源は、第1のブレードの第1及び第2のブレードセクションの各々と位置合わせされる第1の対の照明光源を含むことができる。少なくとも1つの照明光源は、第2のブレードの第1及び第2のブレードセクションの各々と位置合わせされる第2の対の照明光源を含むことができる。伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。
拡張器本体は、それぞれの少なくとも1つのブレードの内側表面に接して配設される少なくとも1つの透明なインレイを備えることができる。少なくとも1つの照明光源は、少なくとも1つのインレイに向けて照明光を放射するように動作可能であり得る。少なくとも1つの照明光源は、少なくとも1つのインレイと位置合わせされ得る。それぞれの少なくとも1つのブレードは、半不透明又は不透明であってもよい。少なくとも1つのインレイの外側表面は、少なくとも1つのブレードの内側表面に隣接して配設されることができ、かつ該内側表面に面することができる。少なくとも1つのインレイは、少なくとも1つのインレイの外側表面と反対側の内側表面を画定することができる。少なくとも1つのインレイの内側表面は、第2の導管を少なくとも部分的に画定することができる。
伸展可能な拡張器は、インレイの外側表面と少なくとも1つのブレードの内側表面との間の位置に、少なくとも1つのインレイの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。追加的に又は代替的に、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのインレイの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。追加的に又は代替的に、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのブレードの外側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。追加的に又は代替的に、伸展可能な拡張器は、少なくとも1つのインレイの内側表面の少なくとも一部に沿って延在する反射性材料を備えることができる。
少なくとも1つのインレイは、近位端、及び近位端の反対側の遠位端を画定することができ、少なくとも1つのブレードの遠位端に隣接して配設され得る。少なくとも1つのインレイの遠位端は、少なくとも1つのインレイの近位端から少なくとも1つのインレイの遠位端まで延びる方向に対して角度オフセットされている方向に沿って照明光を方向付ける形状を有することができる。少なくとも1つのインレイは、近位端、及び近位端の反対側の遠位端を画定することができ、少なくとも1つのブレードの遠位端に隣接して配設され得る。少なくとも1つのインレイの遠位端は、少なくとも1つのインレイの近位端から少なくとも1つのインレイの遠位端まで延びる方向に対して角度オフセットされている方向に沿って照明光を方向付ける表面テクスチャを有する。表面テクスチャは、複数列のリブを含むことができる。リブの列は互いに平行であってもよい。表面テクスチャは粗面を含むことができる。表面テクスチャはフレネルレンズを含むことができる。少なくとも1つのインレイは、第1及び第2の対向するブレードに沿って延在する第1及び第2のインレイを含む。
伸展可能な拡張器は、軟組織を拡張するように構成され得る。伸展可能な拡張器は、第1の導管を少なくとも部分的に画定する拡張器本体を備えることができる。伸展可能な拡張器は、拡張器本体から延在する拡張部材を備えることができる。拡張部材は、内側表面、及び内側表面と反対側の外側表面を画定することができる。拡張部材の内側表面は、第1の導管と流体連通する第2の導管を少なくとも部分的に画定することができる。第2の導管は長手方向軸線に沿って細長くてもよい。伸展可能な拡張器は伸展部材を備えることができ、該伸展部材は、拡張部材に連結され、かつ、拡張部材の少なくとも一部を、長手方向軸線に対して角度オフセットされている伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態へと拡張部材に対して伸展させるために、拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと回転軸を中心に回転可能である。伸展可能な拡張器は、スプール軸線を中心に拡張器本体に対して回転可能であるスプールを備えることができる。スプールは、回転軸から離間した位置において、少なくとも1つの作動装置に取り付けられることができ、ひいては、伸展部材に取り付けられることができる。スプールがスプール軸線を中心に回転することにより、少なくとも1つの作動装置はスプールに巻き付き、それによって少なくとも1つの作動装置は、伸展部材を拡張部材に対して伸展させる付勢力を伸展部材に印加することができる。
少なくとも1つの作動装置は、第1及び第2の位置において伸展部材に連結されることができ、これら第1及び第2の位置は、伸展部材の回転軸がこれら2つの位置の間に位置するように配置される。少なくとも1つの作動装置をスプールに一方向に巻き付けて、第1の位置から伸展位置に向かう方向に沿って伸展部材を作動させるように、スプールは、スプール軸線を中心に一方向に回転可能であり得る。少なくとも1つの作動装置をスプールに一方向に巻き付けて、伸展位置から第1の位置に向かう方向に沿って伸展部材を作動させるように、スプールは、スプール軸線を中心に反対方向に回転可能であり得る。
少なくとも1つの作動装置は、少なくともスプールの中に延在する開口内のスプールに取り付けられることができる。少なくとも1つの作動装置は、互いに一体である第1及び第2の作動装置の端部を有する単一の作動装置を含むことができる。第1の作動装置の端部は、第1の位置において伸展部材に連結され得る。第2の作動装置の端部は、第2の位置において伸展部材に連結され得る。単一の作動装置は、単一の作動装置が開口部の第1の端部及び開口部の対向する第2端部の両方から外に出るように、スプールの開口を通って延在することができる。作動装置は、対応の第1及び第2の取り付け位置においてスプールに取り付けられる第1及び第2の別個の作動装置を含むことができる。第1及び第2の作動装置は、スプール軸線に沿って互いに離間配置されているスプールの第1及び第2の対応の開口部内のスプールに取り付けられることができる。伸展可能な拡張器は、第1及び第2の作動装置を対応の第1及び第2の開口部内のスプールに固定するために、第1及び第2の開口にそれぞれ挿入可能である第1及び第2のピン備えることができる。
スプール及び拡張器本体は、作動てこ部材がスプール軸線を中心に拡張器本体に対して回転するのを防止するために係合するように構成された、相補的な係止部材を備えることができる。作動てこ部材の係止部材は、少なくとも1つの歯を備えることができ、拡張器本体の係止部材は、少なくとも1つの歯を備えることができる。作動てこ部材の少なくとも1つの歯は、拡張器本体の少なくとも1つの歯を係合して、作動てこ部材が拡張器本体に対して回転するのを防止するように構成され得る。スプールは、スプールの歯と拡張器本体の歯が係合解除されるロック解除位置と、スプールの歯と拡張器本体の歯が係合されるロック位置との間で移動可能であり得る。スプールは、スプール軸線に沿って、ロック解除位置とロック位置との間で、拡張器本体に対して平行移動可能であり得る。
拡張部材は少なくとも1つの停止面を備えることができ、該停止面は、拡張本体によって支持され、伸展部材が伸展位置へと回転したときに伸展部材と当接するように構成される。拡張部材は、第1の対の拡張器ブレードと第2の対の拡張器ブレードとを備えることができる。伸展部材は、第2の対のブレードの少なくとも一方を第1の位置から拡張位置へと移動させるために、第1の対のブレードに伸展位置に向けて回転可能に取り付けられることができる。少なくとも1つの停止面は、第1の対のブレードの拡張器ブレードのうちの対応の少なくとも一方によって支持され得る。少なくとも1つの停止面は、対応の少なくとも1つの拡張器ブレードの内側表面によって支持され得る。少なくとも1つの停止面は、第1の対の拡張器ブレードの拡張器ブレードのうちの異なる対応の拡張器ブレードによって支持され得る。拡張器本体は、拡張器ブレードに対して支持されるハンドルを備えることができ、スプールは、ハンドルに回転可能に取り付けられることができる。ハンドルは、長手方向軸線に対して角度オフセットされている方向に沿って、基部に対して延出することができる。スプール軸線は、ハンドルの方向及び長手方向軸線の両方に対して実質的に垂直であり得る。
最初に図1A〜図3Dを参照すると、伸展可能な拡張器20は、任意の好適な生体適合性材料で作製され得る拡張器本体21を備える。拡張器本体21は、基部22と、基部22から遠位方向に沿って拡張部材24の自由端24aまで延在する拡張部材24とを備えることができる。以下により詳細に記載するように、拡張部材24は、基部22から遠位方向に沿って略直線経路に沿って延在してもよく、又は遠位方向に沿って、湾曲経路又は任意の好適な代替形状の経路に沿って延在してもよい。更に、以下により詳細に記載するように、拡張部材24は、少なくとも一対の拡張器ブレード32、例えば、対向する拡張器ブレード32の第1の対31a及び対向する拡張器ブレード32の第2の対31bを備えていてもよい。別途記載のない限り、本明細書における拡張部材24に対する言及は、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上、最大でその全てを等しく指すことができることが理解されるべきである。別途記載のない限り、例えば、本明細書における拡張部材24の伸展に対する言及は、拡張器ブレード32のうちの1つ又は2つ以上の伸展にも同様に適用できる。拡張部材24は、解剖学的皮層26に形成された切開部を通り、拡張部材24の自由端24aは外科手術が行われる標的手術部位29に隣接して位置付けられるまで、皮層の後方に配置された軟組織28内に挿入方向沿って挿入されるように構成される。
拡張器本体21は、近位端21a、及び近位端21aから遠位方向に沿って離間した遠位端21bを画定し、この遠位方向は、直線状であっても、湾曲状であっても、あるいは別様に所望の形状とされてもよい。同様に、近位端21aは、遠位端21bから近位方向に沿って離間しており、この近位方向は、直線状であっても、湾曲状であっても、あるいは別様に所望の形状とされてもよい。基部22は、近位端23a及び遠位端23bを画定する基部本体23と、基部本体23を通って近位端23aから遠位端23bまで延在する第1の導管23cとを備える。基部本体23、ひいては基部22は、第1の導管23cを少なくとも部分的に又は全体的に画定する内側表面23d、及び内側表面23dと反対側の外側表面23eを画定する。拡張部材24は、近位端25a及び遠位端25bを画定する拡張本体25、及び拡張本体25を通って近位端25aから遠位端25bまで延在する第2の導管25cを画定する。拡張本体25、ひいては拡張部材24は、第2の導管25cを少なくとも部分的に又は全体的に画定する内側表面25d、及び内側表面25dと反対側の外側表面25eを画定する。拡張器本体21の近位端21aは、基部22の近位端23aによって画定され得、拡張器本体21の遠位端21bは、拡張本体25の遠位端25bによって画定され得、該遠位端25bは拡張部材24の自由端24aを画定することができる。内側表面25d及び外側表面25eに対する言及は、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上、最大でその全ての、それぞれの内側及び外側表面の任意の1つ又は2つ以上、最大でその全てに適用できることが理解されるべきである。
拡張部材24の近位端25aは、基部22の遠位端23bに対して(例えば、遠位端23bから)遠位方向に沿って延びる。拡張部材24は、基部22と一体であってもよく、又は基部22に取付可能(例えば着脱自在に取付可能)であってもよい。第1の導管23cは第2の導管25cと流体連通しており、それにより、外科用器具類は基部22の近位端23aに挿入され、第1の導管23c及び第2の導管25cを通り、そして拡張部材の遠位端25bから出て、標的手術部位29において外科手術を行うことができるようになっている。
標的手術部位29は、ヒト又は他の動物(例えば四肢動物など)の任意の解剖学的構造によって画定され得る。図の実施形態においては、標的手術位置は、第1の又は上部椎体30aと、第1の椎体30aに対して下部である第2の又は下部椎体30bとの間に配置され、かつそれらの間に画定され得る椎間腔30である。椎骨30a−bは、腰部又は胸部などの脊柱部によって画定され得る。拡張部材24は、神経モニタリングを用いて、側方からの経腰筋アプローチに従って椎間腔30まで挿入され得る。続いて、拡張部材24を軟組織28に通して標的手術部位29まで挿通させるのに先立って、軟組織28を所望通りに拡張させることができる。
拡張部材24は、初期形態であり得る第1の形態で、自由端24aが手術部位29に隣接して配置される深さまで軟組織28内に挿入され得る。続いて、拡張部材24の少なくとも一部(例えば自由端24a)が、伸展方向に沿って伸展形態へと伸展され得る。例えば、第2の導管25cは、拡張部材24の内側表面25dに対して中心に配置され得る長手方向軸線Lに沿って細長くてもよい。伸展の方向は、長手方向軸線Lに対して角度オフセットさせることができる(垂直など)。例えば、拡張部材24は、伸展方向が前後方向、頭尾方向、又は前後方向及び頭尾方向の両方を含む方向となるように配向され得る。したがって、伸展方向は、前後方向及び頭尾方向によって画定される平面内となり得る。
ゆえに、遠位端25bにおける第2の導管25cの、対向する内側表面25dの間のセレクト方向SD1(これは伸展方向であり得る)に沿った断面寸法は、近位端25aにおける第2の導管25cのセレクト方向SD1に沿った断面寸法よりも大きい。例えば、近位端25aにおける第2の導管25cのセレクト方向SD1に沿った断面寸法は、拡張部材が第1の形態であるときの、遠位端25bにおける第2の導管25cの断面寸法とほぼ等しくてもよい。拡張部材24の遠位端25bを手術部位29に隣接して位置付けると、基部22、又は拡張部材24の近位端25aは、皮層26を横切ることができる。したがって、切開の大きさは、第1の形態であるときの基部22及び拡張部材24を受容するのに十分な大きさにするだけでよいので、外科手術は最小侵襲性となり得る。
図の実施形態によれば、伸展可能な拡張器20は伸展部材34を備え、この伸展部材34は、拡張部材24に連結され、拡張部材24の少なくとも一部(例えば自由端24a)を、伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態まで伸展させるように、拡張部材24に対して第1の位置(図3A〜図3B参照)から伸展位置(図3C参照)まで移動可能である。例えば、伸展部材34は、自由端24aにおいて又はこれに隣接して拡張部材24に連結され、したがって、遠位端25bよりも近位端25aから遠くに離間配置されていてもよい。一実施形態によると、伸展部材34は拡張部材24に回転可能に連結されて、回転軸Rを中心に第1の位置から伸展位置まで拡張部材24に対して回転する。回転軸Rは、伸展部材34を二等分する、伸展部材34の中心軸を画定することができる。あるいは、回転軸Rは、伸展部材34の中心軸に対してオフセットされてもよい。伸展方向は、回転軸Rに対して角度オフセットさてもよい(実質的に垂直など)。回転軸Rは、第2の導管25cの長手方向軸線Lに対して角度オフセットされて配向されてもよい(実質的に垂直など)。例えば、回転軸Rは、第2の導管25cの長手方向軸線Lと交差してもよい。拡張部材24は、回転軸Rが頭尾方向、前後方向、又は前後方向及び頭尾方向の両方を含む方向となるように配向されてもよい。このように、回転軸Rは、前後方向及び頭尾方向によって規定される平面内に配置され得る。
伸展部材34は、回転軸Rに沿った第1の外形寸法D1と、回転軸Rに対して角度オフセットされた(例えば垂直)セレクト方向SD2に沿った第2の外形寸法D2を有する外周Pを画定することができる。伸展部材34が第1の位置から伸展位置まで回転することにより、伸展部材34が拡張部材24を、第1の形態から、例えば、少なくとも伸展形態に向けて付勢するように、第2の外形寸法D2は第1の外形寸法D1よりも大きい。伸展部材34は、回転軸Rから回転軸に垂直な方向に沿って伸展部材34の外周Pまで延びる第1の距離を画定し、この第1の距離は、拡張部材が第1の形態にあるときの、回転軸Rから拡張部材24の少なくとも一部までの回転軸に垂直な方向に沿った第2の距離よりも大きいことが理解されるべきである。その結果、伸展部材34の外周Pは、拡張部材24の内側表面25dの少なくとも一部と当接し、伸展部材34が伸展位置へと移動するときに、拡張部材24を、例えば、伸展形態に向けて付勢する付勢力を拡張部材に加えることができる。伸展部材34は、回転軸Rを中心として、第1の位置から伸展位置まで第1の回転方向に回転させることができる。伸展部材34は、回転軸Rを中心として、伸展位置から第1の位置まで、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転させることができ、これにより、外周Pから拡張部材24の内側表面25dに加えられた付勢力を取り除くことができる。
伸展部材34は、楕円形状又は任意の好適な所望の代替形状を画定することができ、第2の導管25c内に配設されているチャネルを画定するように環状リングであってもよい。これにより、外科用器具類を、第2の導管25cの近位端25aを介して伸展部材34のチャネルに挿通させて、第2の導管25cの遠位端25bから外に出すことができる。伸展部材34が第1の位置にあるとき、セレクト方向SD2は、長手方向軸線Lに対して実質的に平行であるか(図7A参照)、又は長手方向軸線Lに対して角度オフセットされていてもよい(図3A参照)。伸展部材34が伸展位置にあるとき、セレクト方向は、長手方向軸線Lに対して実質的に垂直、かつ拡張部材24のセレクト方向SD2に対して実質的に平行に配向され得る。
上述のように、拡張部材24は、基部22によって支持される少なくとも一対の拡張器ブレード32を備えることができ、拡張部材24は、近位端25aと遠位端25bとの間に(例えば近位端25aから遠位端25bまで)延在し得る。一対の拡張器ブレード32の一方は、伸展部材34により付勢されて、拡張器ブレード32のもう一方から離れる方向に、第1の位置から拡張位置まで移動するように構成され得る。張器ブレード32の少なくとも1つ又は2つ以上、最大でその全ては、基部22と一体であってもよく、又は基部22に取付可能(例えば着脱自在に取付可能)であってもよい。
拡張器ブレード32の少なくとも一部(例えば遠位端25b)は、第1の位置にあるときよりも拡張位置にあるときに、長手方向軸線Lからより遠くに離間される。拡張器ブレード32の少なくとも1つが第1の位置から拡張位置へと移動すると、拡張部材24は第1の形態から伸展形態に移動したと言うことができる。一実施形態では、拡張部材24は、対向する拡張器ブレード32の第1の対31aと、拡張器ブレード32の第2の対31bとを備えることができるが、拡張部材24は、第2の導管25cを少なくとも部分的に画定する、所望通りの任意の数のブレード32を備えることもできる。第1の対31aの拡張器ブレード32は、頭尾方向に沿って互いに向かい合っていてもよい。第2の対31bの拡張器ブレード32は、前後方向に沿って互いに離間されるように構成されるが、拡張器ブレード32の第1及び第2の対31a及び31bは、前後方向及び頭尾方向によって画定される平面内に位置し得る所望通りの任意の方向に沿って離間されてもよいことが理解されるべきである。拡張器ブレード32の少なくとも1つ又は2つ以上、最大でその全ては、長手方向軸線Lに対して垂直に延びる平面に沿って湾曲を画定することができるか、又は任意の好適な所望の代替形状を画定することができる。伸展部材34は、拡張器ブレード32の第1及び第2の対31a及び31bの一方の拡張器ブレード32の少なくとも1つ又は両方に回転可能に連結される。第2の対31bの拡張器ブレード32の一方(例えば、第2の対31bの前方のブレード32)は、拡張部材24が軟組織28内に駆動されたときに前方のブレード32から後方向に離間される後方のブレード32である、第2の対31bのブレード32のもう一方よりも、遠位方向に沿って基部からより遠くに延びていてもよい。
伸展部材34が第1の位置から伸展位置へと伸展することによって、伸展部材34は、それぞれ伸展可能な拡張器ブレード(1つ又は複数)と呼ばれる拡張器ブレード32の第1及び第2の対31a及び31bのもう一方の拡張器ブレード32の一方又は両方を付勢して、第1の位置から拡張位置へと伸展させる。拡張器ブレードが第1の位置から拡張位置へと伸展することによって、伸展した拡張器ブレードと長手方向軸線との間の、例えばセレクト方向SD1に沿った距離を広げることができる。更に、対向する一対の拡張器ブレードの1つの拡張器ブレード32が第1の位置から拡張位置へと伸展することによって、一対の拡張器ブレードの伸展した拡張器ブレードと対向する拡張器ブレード32との間の、例えばセレクト方向SD1に沿った距離を広げることができる。
図の実施形態によれば、伸展部材34は、第1の対31の拡張器ブレード32の一方又は両方に回転可能に連結される。例えば、第1の対31aの拡張器ブレード32は、それぞれ、開口などの第1の取り付け位置55を画定してもよく、伸展部材34は、この開口に挿入されるように寸法設定された突起部などの相補的な第2の取り付け位置57を画定してもよい。第1及び第2の取り付け位置55及び57は、所望通りに代替的に構成され得ることが理解されるべきである。伸展部材34が、第1の対31aの拡張器ブレード32に対して回転軸Rを中心に第1の位置から伸展位置まで回転することにより、伸展部材34は、第2の対31bの拡張器ブレード32の一方又は両方を付勢して第1の位置から、長手方向軸線Lから離れる拡張位置へと伸展させ、かつ第2の対31bのもう一方の拡張器ブレードをセレクト方向SD1に沿って付勢する。したがって、第2の対31bの拡張器ブレード32は、第1の位置から拡張位置へと移動可能な伸展可能ブレードと呼ぶことができる。言うまでもなく、伸展部材34は、第2の対31bの拡張器ブレード32の一方又は両方に回転可能に連結されることができ、それによって、伸展部材34が第1の位置から伸展位置へと伸展する際に、伸展部材34が第1の対の拡張器ブレード32の一方又は両方を付勢して、第1の位置から拡張位置へと伸展させることができることが理解されるべきである。取り付け位置55は、第2の対31bの拡張器ブレード32が伸展可能な拡張器ブレード32を形成するように拡張器ブレードの第1の対31aの拡張器ブレード32によって支持され得るが、取り付け位置は、代替方法として、拡張器ブレードの第1の対31aの拡張器ブレード32の一方又は両方が伸展可能な拡張器ブレードを形成するように、拡張器ブレードの第2の対31bの拡張器ブレード32によって支持されてもよい。
拡張器ブレード32は、それらのそれぞれの近位端からそれらのそれぞれの遠位端まで、直線方向に沿って直線状に構成されることができ、これにより拡張部材24の長手方向軸線Lは、近位端25aから遠位端25bまで実質的に直線状に延在することができる。あるいは、図16A〜図16Bに示すように、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上を、それらのそれぞれの近位端とそれらのそれぞれの遠位端との間の方向に沿って、例えばそれらのそれぞれの近位端からそれらのそれぞれの遠位端まで湾曲させることができ、これにより長手方向軸線Lは、少なくとも近位端25aと自由端25bとの間で湾曲する。拡張部材24は、任意の好適な所望の代替形状を画定することができる。長手方向軸線Lが湾曲している場合には、湾曲した外科用ツールを第2の導管25cに挿通することができ、標的手術部位を見ることができるようにするために、カメラを第2の導管25cを通して遠位端25bまで挿通させることができることが想定される。
図12を参照すると、伸展可能な拡張器20は、拡張部材24が伸展形態にあるときに、軟組織が拡張器ブレード32の間の間隙を通って第2の導管25cに入るのを防止するように構成され得る。例えば、伸展可能な拡張器20は、拡張部材24の少なくとも一部を受容して、スリーブ84が拡張器ブレード32の少なくとも一部を取り囲むように構成された、メッシュなどの伸展可能な材料から作られた伸展可能なスリーブ84を備えることができる。したがって、スリーブ84は、拡張器ブレード32が第1の位置にあるとき、及び拡張器ブレード32が拡張位置にあるときの両方において、拡張器ブレード32の少なくとも一部、最大でその全てに沿って拡張器ブレード32を完全に取り囲むことができる。代替的に又はこれに加えて、図13A〜図13Bに示すように、伸展可能な拡張器20は、隣接する拡張器ブレード32の間に各拡張器ブレード32の長さの少なくとも一部に沿って画定された間隙にわたって延在するように、拡張器ブレード32の少なくとも2つ又はそれ以上、最大でその全てのうちの隣接する拡張器ブレード32の隣接する縁部の間に接続される、任意の好適な生体適合性材料で作製され得る複数のカバー85を備えてもよい。
代替的に又はこれに加えて更に、図14A〜図14Cを参照すると、第2の対31bによって画定され得る伸展可能な拡張器ブレード32の一方又は両方は、第1の位置にあるとき及び拡張位置にあるときの両方で、第1の対31aの拡張器ブレード32と重なり合うことができ、それによって、拡張器ブレード32は、拡張器ブレード32のそれぞれの長さの少なくとも一部、最大でその全てに沿って、第2の導管25cの少なくとも一部の外周を完全に包囲することになる。例えば、第2の対31bの拡張器ブレード32の一方又は両方は、アームを備えることができ、このアームは、第1の位置及び伸展位置の両方において、第1の対31aの拡張器ブレード32の対応のアームと重なり合う位置まで、回転軸Rに対して平行な方向に沿って延在する。
図15A〜図15Bを参照すると、代替実施形態に従って構成された拡張部材24は、第1の拡張器ブレード33aと、セレクト方向SD1に沿って第1の拡張器ブレード33aと反対側の第2の拡張器ブレード33bとを備えることができる。第1及び第2の拡張器ブレード33a及び33bのそれぞれは、回転軸Rに対して平行な方向に沿って互いに重なり合うことができる。例えば、第1及び第2の拡張器ブレード33a及び33bのそれぞれは、第1及び第2の拡張器ブレード33a及び33bの一方の選択された側壁部が、第1及び第2の拡張器ブレード33a及び33bのもう一方の側壁部よりも長手方向軸線Lにより近接して配置される内側側壁部となるように重なり合う側壁部を画定することができる。内側側壁部を有する拡張器ブレード33aは、内側拡張器ブレード33aと呼ぶことができ、他の側壁部を有する拡張器ブレード33bは、外側拡張器ブレード33bと呼ぶことができる。
伸展部材34は、内側拡張器ブレード33aの側壁部の一方又は両方に連結(例えば回転可能に連結)され得る。例えば、内側拡張器ブレード33aは、開口などの第1の取り付け位置を画定してもよく、伸展部材34は、この開口に挿入されるように寸法設定される突起部などの相補的な取り付け位置を画定してもよい。伸展部材34が、内側拡張器ブレード33aに対して回転軸Rを中心に第1の位置から伸展位置まで回転することにより、伸展部材34は、外側拡張器ブレード33bを、セレクト方向SD1に沿って長手方向軸線Lから離れる方向に拡張位置まで付勢する。したがって、外側拡張器ブレード33bは、第1の位置から拡張位置へと移動可能な伸展可能ブレードと呼ぶことができる。こうして、拡張器ブレード33a及び33bのそれぞれの対向する側壁部は、第1の位置にあるとき及び拡張位置にあるときの両方において、回転軸Rに沿って重なり合うことができる。その結果、拡張器ブレード33a及び33bは、第1の位置にあるとき及び拡張位置にあるときの両方において、第2の導管25cの外周の少なくとも一部を完全に形成し、それによって、拡張部材24が伸展形態にあるときに軟組織が第2の導管25cに入るのを防ぐことができる。
図1〜図3Dを再度参照すると、伸展可能な拡張器20は、伸展部材34に直接又は間接的に連結される作動装置36を更に備えることができる。作動装置36は、セレクト方向SD2に沿って回転軸Rからオフセットされた位置において、伸展部材34に取り付けられてもよい。図2Aに示すように、作動装置36は伸展部材34から分離していてもよく、伸展部材34に直接又は間接的に連結されることができる。例えば、作動装置36は、伸展部材34の取り付け位置において伸展部材34に縛り付けられるか、ないしは別の方法で固定されることができ、この取り付け位置は、作動装置36が伸展部材34の外周Pに沿って、セレクト方向SD2に沿った回転軸Rにより近い位置まで摺動するのを防止する溝、チャネル、又は他の局所的構造であり得る。あるいは、図2Cに示すように、作動装置36は、伸展部材34と作動装置36との間に延在し得る取付部材38を介して伸展部材34に取り付けられてもよい。あるいは、図2Bに示すように、作動装置36は伸展部材34と一体であってもよい。作動装置36は、図2A及び図2Bに示すように可撓性であってもよく、又は図2Cに示すように実質的に剛性であってもよい。取付部材38は可撓性であってもよく、図2Cに示す剛性作動装置36と伸展部材34との間に延在することができる。
作動装置36は、例えば近位方向の作動力(伸展力と呼ぶことができる)を受け取り、続いて、例えば近位方向の付勢力を伸展部材34に加えて、伸展部材34を第1の位置から伸展位置へと移動させるように構成される。作動装置36は、伸展部材34から基部22に向かって近位方向に沿って延在する。作動装置36に引っ張り力を印加することができ、これにより作動装置36は伸展部材に近位方向の付勢力を印加する。作動装置36は、伸展部材34から第2の導管25cを通って第1の導管23cの中まで延在することができる。作動装置36は、第1の導管23cの近位端23aを通って更に延在することができる。したがって、伸展部材34は、直接又は間接的に、伸展部材34から延び、基部22の中に入り、基部22を貫通し、基部22から外に出ることができる。拡張部材24は、伸展可能なブレード32の一方又は両方の内側表面25dによって支持される作動装置保持チャネル40を画定することができる。例えば、作動装置保持チャネル40は、内側表面25dの内部へと延在することができ、又は内側表面25dから第2の導管25cの中まで延在する構造体によって画定されることができる。拡張部材24は、チャネル40を横切るように延在する少なくとも1つの保持リブ42(図6B参照)を更に備えることができ、この保持リブ42は、作動装置36の少なくとも一部を保持チャネル内に保持し、それによって作動装置36がチャネルから第2の導管25cの中に移動するのを制限する又は防止する。あるいは、保持チャネル40は、各伸展可能な拡張器ブレードを貫通して延在する開口によって画定されてもよい。したがって、作動装置36は、拡張部材24によって近位端25aと遠位端25bとの間の方向に沿って画定されたチャネル40に沿って延在することができる。あるいは、図3Dに示すように、伸展可能な拡張器20は、拡張器本体を貫通して(例えば、拡張部材24の内側表面25d及び外側表面25eを貫通して、又は基部22の内側表面23d及び外側表面23eを貫通して)延在する1つ又は2つ以上の開口51を画定することができる。第1の作動装置及び第2の作動装置37(以下に記載する)の一方又は両方は、対応の開口51を通って拡張器本体21の外に延出することができる。
ここで図4A〜図4Bを参照すると、拡張部材24は、拡張本体25によって、例えば伸展可能なブレードの1つ又は全てを含む拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上、最大でその全ての内側表面25dにおいて支持される少なくとも1つの停止面39を備えることができる。停止面39は、伸展部材34が伸展位置まで回転したときに伸展部材34と当接するように構成される。停止面39は、内側表面25dから長手方向軸線Lに向かって延びる停止部材41によって画定され得る。停止部材41は、伸展部材34が伸展位置まで回転した後に、伸展部材34が第1の回転方向に沿って更に回転するのを防止することができる。代替的に又はこれに加えて、少なくとも1つの停止面39は、伸展可能な拡張器ブレード32の1つ又は全てを含む拡張器ブレード32の少なくとも1つ又は2つ以上、最大でその全ての内側表面25dによって支持される溝43によって画定されてもよい。例えば、溝43は、内側表面25の内部に、長手方向軸線Lから離れる方向に沿って延在してもよい。溝43は、伸展部材34が伸展位置まで回転した後に、伸展部材34を摩擦により受容するように構成され、それによって、伸展部材34が伸展位置にあるという触覚フィードバックを提供する。拡張器ブレード32のそれぞれは、遠位方向に沿って離間配置された複数の溝43を備えることができ、これら溝のそれぞれは、伸展部材が第1の位置から伸展位置へと回転したときに伸展部材34を受容することができるようになっていることも想到される。したがって、溝43の1つ又は2つ以上は、第1の位置と拡張位置との間の1つ又は2つ以上の中間位置に伸展部材を受容し、拡張器ブレード32をこの中間位置内に保持したいときにはユーザーに触覚フィードバックを提供して、第1の位置と拡張位置との間の中間位置に拡張部材24を保持するように構成され得る。
図1A〜図3Dを引き続き参照すると、作動装置36は第1の作動装置であってもよく、伸展可能な拡張器20は第2の作動装置37を更に備えてもよく、この第2の作動装置37は、第1の作動装置36に関して説明したのと同様の方法で伸展部材34に直接又は間接的に連結される。第2の作動装置37は、回転軸Rがセレクト方向SD2に対して第1の作動装置36と第2の作動装置37との間に配置されるように、セレクト方向SD2に沿って回転軸Rからオフセットされた位置において、伸展部材34に取り付けられることができる。第2の作動装置37は、例えば近位方向の作動力(収縮力と呼ぶことができる)を受け取り、続いて対応する付勢力を伸展部材34に加えて、伸展部材34を第1の位置から伸展位置へと移動させるように構成される。第2の作動装置37は、伸展部材34から基部22に向かって近位方向に沿って延在する。第2の作動装置37に引っ張り力を加えることができ、これにより第2の作動装置37は伸展部材34に近位方向の力を加え、この力が伸展部材34を伸展位置から第1の位置に向けて(例えば第1の位置まで)付勢する。第2の作動装置37は、伸展部材34から第2の導管25cを通って第1の導管23cの中まで延在することができる。第2の作動装置37は、第1の導管23cの近位端23aを通って更に延在することができ、あるいは、上述のように開口51の外に延出することができる。したがって、第2の作動装置37は、直接又は間接的に、伸展部材34から延び、基部22の中に入り、基部22を貫通し、基部22から外に出ることができる。
図5A〜図5Cを参照すると、伸展部材34、及び本明細書に記載される全ての伸展部材は、それぞれ対応の第1の位置と対応の伸展位置との間で移動するように構成された、第1の伸展部材セグメント35a及び第2の伸展部材セグメント35bの少なくとも1つを備えることができることが理解されるべきである。第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bのそれぞれは、伸展部材34に関して上述した方法で拡張部材24に対して回転可能であり得、拡張部材24の少なくとも一部を第1の形態から伸展形態へと移動させるように構成される。拡張部材24の、第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bによって移動されるように構成されている部分は、長手方向軸線Lに対して互いに反対側に位置していてもよく、あるいは別様に互いに角度オフセットされてもよい。例えば、第1の伸展部材セグメント35aは、第1又は第2の対31a又は31b(例えば図示されるように第2の対31b)の第1の伸展可能な拡張器ブレード32に動作可能に連結されてもよい。同様に、第2の伸展部材セグメント35bは、第1又は第2の対31a又は31b(例えば図示されるように第2の対31b)の第2の伸展可能な拡張器ブレード32に動作可能に連結されてもよい。
図5Aに示すように、第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bのそれぞれの取付部材57は、拡張部材24の、例えば第1及び第2の対31a又は31bうちの一方(例えば図のように第1の対31a)のブレード32のうちの動かない方のブレード32の、拡張部材24の長手方向軸線Lに関して対向する各側にある拡張部材24の共通の取付部材55に回転可能に連結されることができる。共通の取付部材55は、例えば、上述した種類の開口として構成されてもよく、この開口は細長く、伸展部材セグメント35a及び35bの対向端部にある取付部材57の両方を受容するように構成される。あるいは、図5Cに示すように、拡張部材24の、例えば第1及び第2の対31a又は31bうちの一方(例えば図のように第1の対31a)のブレード32のうちの動かない方のブレード32は、拡張部材24の長手方向軸線Lに関して対向する各側にある拡張部材24の一対の取付部材55を備えることができる。したがって、第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bの各取付部材57は、固有の取付部材55に上述した方法で取り付けられることができる。
第1の作動装置36は、伸展部材34に関して上述した方法で第1の伸展部材セグメント35aから延在することができ、第2の作動装置37は、伸展部材34に関して上述した方法で第2の伸展部材セグメント35bから延在することができる。図5A及び図5Cに示すように、第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bは、それぞれの伸展位置へと移動する前、それらの外周Pがそれぞれの回転軸から遠位方向に沿って延在するように、それぞれの第1の位置にあり得る。異なる作動力(例えば伸展力)を、近位方向に所望通りに第1及び第2の作動装置36及び37に独立して加えることができる。第1及び第2の作動装置36及び37は、次に、それぞれの作動力に応答して対応の付勢力を印加することができ、この付勢力は、対応する第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bをそれぞれの第1の位置からそれぞれの伸展位置へと回転させ、この回転により外周は、上述のように対応の溝43として構成され得る停止面と当接する。異なる作動力(例えば収縮力)を、近位方向に所望通りに第1及び第2の作動装置36及び37に独立して更に加えることができる。第1及び第2の作動装置36及び37は、次に、それぞれの作動力に応答して対応の付勢力を印加することができ、この付勢力は、対応する第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bをそれぞれの伸展位置からそれぞれの第1の位置へと回転させる。それぞれの伸展位置へと移動した後で、第1の位置にある状態のときに、それぞれの外周Pは、それらのそれぞれの回転軸から近位方向に沿って延在し得る。このように、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上を、それぞれの第1の位置と拡張位置との間で選択的に移動させることができる。伸展部材34は、本明細書に記載される第1及び第2の伸展部材セグメント35a及び35bを備えることができるが、伸展部材34は、代替方法として、第1の伸展部材セグメント35a及び35bのうちの1つを備えることができることが理解されるべきである。
図6A〜図6Dを参照すると、伸展可能な拡張器20は、拡張器本体21によって支持される少なくとも1つの固定部材44を更に備えることができ、この固定部材44は、例えば第1の導管23c及び第2の導管25cの一方又は両方を含み得る拡張器本体の導管を少なくとも部分的に画定する内側表面の内側にあるか、又は拡張器本体21の、内側表面と反対側にある外側表面の外側にある。全ての固定部材44は、例えば、作動装置36及び37が導管を通って延在するか、又は開口51を通って拡張器本体21の外側表面に沿って延在するかに依存して、拡張器本体21の内側表面から中へと、又は拡張器本体21と反対側の外側表面から外へと所望通りに延びることができる。固定部材44は、作動装置36及び37の各々に取り付けるように構成される。例えば、固定部材44のうちの1つは、作動装置が伸展部材34を伸展位置に付勢した後に、作動装置が基部22から遠位方向に拡張部材24に向かって移動するのを防止し、それによって伸展部材34を伸展位置に保持するように、第1の作動装置36に取り付けるように構成される。固定部材44のうちの1つは、第2の作動装置37に取り付けるように更に構成される。固定部材44は、例えば、基部22によって、拡張部材24によって、又はそれら両方によって支持され得る。図6Aに示すように、固定部材44は、拡張器本体21によって支持されるクリート46として構成されてもよく、対応の作動装置は、例えば8の字のパターンでクリート46に巻き付けられて、伸展部材34を伸展位置に保持するように構成される。図6Bに示すように、固定部材44は、止めネジ48として構成されてもよく、この止めネジ48は、拡張器本体21によってネジ方式で支持され、かつ、止めネジ48と拡張器本体21との間に対応の作動装置を捕捉するために、拡張器本体21の表面(例えば保持リブ42の表面)に向かって平行移動するように拡張器本体21に対して回転可能である。あるいは、図6C〜図6Dに示すように、固定部材44は、拡張器本体21によって支持されるクランプ50として構成され得る。クランプ50は、対応の作動装置を受容する大きさである溝52を画定することができ、それにより作動装置36が溝52の中で圧迫されて溝52の中に捕捉されるようになっている。溝は、拡張器本体21の外側表面(例えば基部22の外側表面23b)によって画定され得る。
ここで図7A〜図7Fを参照すると、拡張部材24の伸展は、拡張部材24を取り囲んでいる軟組織の抵抗を受ける可能性があることが認められる。例えば、軟組織は、拡張部材24が第1の形態から伸展形態へと移動するのに抵抗する力を、外側表面25eに加える可能性がある。したがって、伸展可能な拡張器20は、拡張器本体21によって支持される作動てこ部材54を更に備え得る。作動てこ部材54は、作動力を受け、この作動力を変更し、変更された作動力を作動装置36を介して伸展部材34に加えて、伸展部材34を第1の位置から伸展位置に向けて(例えば伸展位置まで)移動させるように構成される。例えば、作動てこ部材54は、回転力を受け、この回転力を直線力に変更して伸展部材34に加えるように構成される。代替的に又はこれに加えて、作動てこ部材54は、変更された力が伸展部材34に適用される増大力となるように、加えられた作動力を増大させるように構成される。
図7A〜図7Cに示すように、てこ部材54は、作動装置36の巻回物を支持するように円筒形又はそれに代わる形状とすることができるスピンドル又はスプール56として構成されることができ、拡張器本体21(例えば基部)によって支持され、第1の作動装置36に取り付けられる。スプール56は、作動装置36をスプール本体58に巻き付けるように拡張器本体21に対して第1の回転方向に回転可能なスプール本体58を備え得る。スプール本体58は、環状部の少なくとも一部を画定する。例えば、スプール56が、第1の導管23c及び第2の導管25cと長手方向軸線Lに沿って位置合わせできるスプール本体58を貫通するチャネルを画定するように、スプール本体58は、環状部(例えばリング状)又は環状部の一部(例えば実質的にC字形)を画定することができる。スプール56は、加えられる回転力を受け、この加えられた回転力を直線力に変更して作動装置36を介して伸展部材34に印加し、それによって伸展部材34を第1の位置から伸展位置に向けて移動させるように構成される。スプール56は更に、スプール本体58から作動装置36を巻き出させるために、第1の回転方向と反対の第2の回転方向にも回転可能である。スプール56は更に、第2の作動装置37に取り付けられてもよく、やはりスプール本体58に巻き付くように構成されてもよい。したがって、スプール56が第1の回転方向に回転することにより、第2の作動装置37がスプール本体58から巻き出され、スプール56が第2の回転方向に回転することにより、第2の作動装置37がスプール本体58に巻き付いて、伸展部材34が伸展位置から第1の位置に向けて(例えば第1の位置まで)移動する。スプール56は、例えば、スプール本体58が拡張器本体21の内側表面(内側表面23d及び内側表面25dの一方又は両方を含み得る)に実質的に沿って延在するようになる位置まで、第1の方向及び第2の方向に回転されることができる。
図7Dに示すように、てこ部材54は、拡張器本体21(例えば基部22又は拡張部材24の近位端25a)に装着されるプーリー60を含むプーリーシステムとして構成されてもよい。プーリー60は、拡張器本体21に対して回転可能であってもよく、又は拡張器本体21に回転可能に固定されてもよい。伸展部材34は、プーリー60から遠位方向に沿って離間している。作動装置36は、伸展部材34からプーリー60まで、例えば近位方向に沿って延び、プーリー60の周囲に延び、かつプーリー60から支持部材まで、例えば遠位方向に沿って延びる。支持部材は、プーリー60から遠位方向に沿って離間している。支持部材は、拡張器本体21によって支持される別のプーリーによって定義され得るか、又は伸展部材34によって画定され得る。作動装置36は、支持部材の周囲に延び、該支持部材から近位方向に沿って基部22に向かって(例えば基部22まで)延び、上述のように基部22の外に延出することができる。プーリーシステムは、所望の数のプーリー及び支持部材を備えることができる。プーリーシステムは、作動力を受け、この作動力を増大させ、増大された力を伸展部材34に加えるように構成される。
図7E〜図7Fを参照すると、及び図2Cに関して上述したように、作動装置36は実質的に剛性であってもよく、ロッド62として構成されてもよい。例えば、ロッド62は、その長さに沿って加えられた圧縮力によりロッド62が曲がらないように、十分に剛性であり得る。したがって、ロッド62は、上述のように、近位方向の作動力を受け、続いて伸展部材34に付勢力を近位方向に沿って加えて、伸展部材34を第1の位置から伸展位置へと回転させるように構成される。同様に、ロッド62は、例えば遠位方向の作動力(収縮力と呼ぶことができる)を受け、続いて伸展部材34に付勢力を近位方向に沿って加えて、伸展部材34を伸展位置から第1の位置へと回転させるように構成される。ロッド62は、拡張器本体21によって(例えば基部22において)ネジ方式で支持されることができ、ロッド62が拡張器本体21に対して第1の回転方向に回転するか、又はナットが拡張器本体21に対して回転すると、拡張器本体21によって支持されかつロッド62をネジ方式で受容しているナットは、ロッド62を拡張器本体21に対して、伸展部材34を第1の位置から伸展位置に向けた方向に移動させる方向に沿って平行移動させる。ロッド62が拡張器本体21に対して、第1の方向と反対の第2の回転方向に回転することにより、伸展部材34は、伸展位置から第1の位置に向かう方向に移動する。このようにして、てこ部材54はロッド62として構成されてもよく、回転作動力を受け、この作動力を、伸展部材34を回転させることができる直線力に変更することができる。
図8A〜図8Cを参照すると、拡張器本体21、したがって伸展可能な拡張器20は、拡張器本体21の基部22又は任意の他の位置によって支持され得るハンドル90を備えることができる。例えば、ハンドル90は、拡張器本体21の基部22又は任意の他の位置に取り付けるように構成され得る。図の実施形態によれば、ハンドル90は、基部22に対して、長手方向軸線Lに対して角度オフセットされた方向(例えば垂直)に延出する。例えば、ハンドル90は、ハンドル本体91と、ハンドル本体91によって支持される取付部材93とを備え得る。例えば、取付部材93はハンドル本体91の延長部分であってもよい。取付部材93は、例えば、環状壁部であり得る壁部95を備えることができ、この壁部95は、基部22が壁部95にプレス嵌めされるように基部22を受容するように構成される。言うまでもなく、取り付け部は任意の所望の方法で基部22に取り付けることができることが理解されるべきである。例えば、壁部95が基部によって受容されてもよい。代替的には又はこれに加えて、1つ又は2つ以上のネジ又は係止ピン等のような取付補助部材により、基部22が取付部材93に取り付けられてもよい。あるいは、ハンドル本体91の少なくとも一部分は、基部22と一体であってもよい。
図8C図〜図8Eを参照すると、ハンドル本体91は、一体型のハンドル本体91であってもよく、又は複数のハンドル本体セグメント97を備えていてもよい。例えば、ハンドル本体91は、互いに取り付けることができる2つのハンドル本体セグメント97を画定することができる。ハンドル本体91はてこ部材54を支持することができ、てこ部材54は、円筒形又はそれに代わる形状とすることができるスプール56として上述のように構成され得る。したがって、スプール56は、スプール56に取り付けられる少なくとも1つの作動装置36の巻回物を支持するように構成され得る。
スプール56は、シャフト58aと少なくとも1つのノブ58b(一対のノブ58bなど)とを備えることができるスプール本体58を備えていてもよい。シャフト58aは、拡張器本体21に対して(例えばハンドル90に対して)スプール軸線SAを中心に回転可能である。シャフト58aは、これらノブ58bの間に延在することができ、ノブ58bと一体であっても、又は望ましい任意の方法でノブ58bに取り付けられてもよい。したがって、スプール軸線SAは、ノブ58bを通って延びてもよく、シャフト58aの中央を通って延びてもよい。伸展可能な拡張器20は、拡張器本体21を通って延在する開口105を備えることができる。例えば、ハンドル90は、ハンドル本体91を通って延在する開口105を備えていてもよい。開口105は、スプールシャフト58aが開口を通って延在して、拡張器本体21(例えばハンドル本体91)がノブ58bの間に配置されるように寸法設定され得る。スプール56は、少なくとも1つの対応の作動装置36に取り付けるように構成された少なくとも1つの取付部材99を画定し得る。例えば、取付部材99は、少なくともスプール本体58(例えばスプールシャフト58a)の中に又はこれを貫通して延在する開口101として構成され得る。開口101は、作動装置36を受容するように寸法設定され得る。スプール56は、開口101に挿入されて対応の作動装置36を固定するように構成された少なくとも1つの係止部材(係止ピン103など)を更に備えていてもよい。例えば、係止ピン103は開口101にプレス嵌めされ、対応する開口101内の係止ピン103とスプール本体58との間に対応の作動装置36又は37を捕捉することができる。言うまでもなく、作動装置36は、任意の代替実施形態に従って所望通りにスプール本体58に取り付けられてもよいことが理解されるべきである。
スプール56及び拡張器本体21(例えばハンドル90)は、相補的な係止部材107a及び107bをそれぞれ備えていてもよい。スプール56は、係止部材107a及び107bが係合解除される第1のロック解除位置と、係止部材107a及び107bが互いに係合する第2のロック位置との間で、拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して移動可能である。係止部材107a及び107bが係合解除すると、スプール56は拡張器本体21(ハンドル90など)に対してスプール軸線SAを中心に回転可能となる。係止部材107a及び107bが係合すると、スプール56は、拡張器本体21(ハンドル90など)に対して回転しないようにロックされる。一実施形態によると、スプール56の係止部材107aは、スプール本体58の外に延出する少なくとも1つの歯109(例えば複数の歯109)を備える。例えば、歯109は、スプールシャフト58aからスプール軸線SAから離れる方向に延出していてよいが、歯109は、代替方法として、スプール本体58の任意の好適な表面の外に延出していてもよいことが理解されるべきである。図の実施形態によれば、歯109は、スプール本体58(例えばシャフト58a)の外側表面の少なくとも一部の周囲に、互いに周方向に離間配置され得る。歯109は、スプール軸線SAに沿って長さ109を画定することができ、この長さは、シャフト58aが拡張器本体21の外に延出する長さ、例えばハンドル90、より短い。
一実施形態によると、拡張器本体21(例えばハンドル90)の係止部材107bは、少なくとも1つの歯119(例えば複数の歯111)を備える。歯111は歯109と相補的であり、かつ歯109と噛み合うように構成され得る。歯111は開口105を少なくとも部分的に画定することができる。操作中、スプール56は、スプール軸線SAに沿って、歯109及び111が係合解除する(例えばスプール軸線SAに沿って互いに離間する)第1の又はロック解除位置と、歯109及び111が噛み合う第2のロック位置との間で、拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して移動(例えば平行移動)することができる。スプール56がロック位置にあって、歯109及び111が噛み合っているとき、歯109と歯111との間の係合により、スプール56が拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して回転しないようにロックされる。スプール56がロック解除位置にあるとき、スプール56はスプール軸線SAを中心に拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して回転可能となる。歯109及び111はシャフト56及びハンドル90によってそれぞれ画定されているが、一実施形態によると、歯は、スプール56及び拡張器本体21の任意の表面から望むように延出することができ、かつスプール56は、ロック解除位置とロック位置との間を任意の方向に沿って拡張器本体21に対して望むように移動可能であることが理解されるべきである。更に、伸展可能な拡張器20は、スプール56をロック解除位置及びロック位置の一方又は選択的に両方に保持するために、任意の好適な保持部材を望むように備えることができる。例えば、保持部材は、拡張器本体21及びスプール56の少なくとも一方によって支持されるバネ部材を備えることができ、このバネ部材は、スプール56をロック解除位置及びロック位置のうちの一方に付勢する。あるいは、保持部材は、ハンドル90のロック位置からロック解除位置への移動、ロック解除位置からロック位置への移動、又はその両方の移動に対する抵抗をもたらす、ハンドル90との干渉として構成され得る。
上述のように、伸展可能な拡張器20は、スプール軸線SAに沿って互いに離間され得る取付部材99の各々に取り付けられる第1の作動装置36と第2の作動装置37とを備えることができる。例えば、作動装置36及び37を開口101の各々に挿入することができ、作動装置36及び37をこれら開口内に捕捉するために係止ピン103をそれぞれの開口101に挿入して、第1及び第2の作動装置36及び37をスプール56(具体的にはシャフト58a)に取り付けることができる。
図8G〜図8Hを参照すると、第1の作動装置36に加わる作動力により伸展部材34が第1の位置から伸展位置へと移動し、かつ第2の作動装置36に加わる作動力により伸展部材34が伸展位置から第1の位置へと移動するように、第1及び第2の作動装置36及び37を上述した方法で伸展部材34に取り付けることができる。スプール56(例えばノブ58bの一方又は両方)は、第1の回転方向又は第2の回転方向に加えられる回転力を受けるように構成され、これら回転力により、スプール56は、拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して、スプール軸線SAを中心に、それぞれ第1の回転方向又は第2の回転方向に回転する。加えられる回転力は、手動で加えられてもよく、又は、拡張器本体21によって支持されかつスプール本体58の任意の位置でスプール56に連結されるモーターによって加えられてもよい。スプール56は、加えられる回転力を受け、この加えられた回転力を直線力に変更して第1の作動装置36を介して伸展部材34に加え、それによって伸展部材34を第1の位置から伸展位置に向けて(例えば伸展位置まで)移動させるように構成される。同様に、スプール56は、加えられる回転力を受け、この加えられた回転力を直線力に変更して第2の作動装置37を介して伸展部材34に加え、それによって伸展部材34を伸展位置から、例えば第1の位置まで移動させるように構成される。
一実施形態によると、第1及び第2の作動装置36及び37の一方は、第1の回転方向(例えば時計方向)に沿ってシャフト58aに巻き付けられてもよく、しかるに、第1及び第2の作動装置36及び37のもう一方は、第2の回転方向(例えば反時計方向)に沿ってシャフト58aに巻き付けられてもよい。したがって、スプール56が第2の回転方向(例えば反時計方向)に回転すると、第1の作動装置36はシャフト58bに巻き付き、第2の作動装置37はシャフト58bから巻き出される。第1の作動装置36がシャフト58bに巻き付けられると、第1の作動装置36は、第1の位置から伸展位置に向かう方向に伸展部材34を回転させる力を印加する。スプール56が第2の回転方向に回転するにつれて、第2の作動装置37はシャフト58bの周囲で巻き出されるので、伸展部材34が第1の位置から伸展位置に向かう方向に回転するのを妨げないように第2の作動装置37の長さが長くなる。伸展部材34が伸展位置にあるとき、第2の作動装置37はシャフト58bから完全に巻き出されていてもよく、又は、伸展部材34が伸展位置にあるとき、第2の作動装置37はシャフト58bに部分的に巻き付いていてもよいが、伸展部材34が第1の位置にあるときよりもシャフト58bに巻き付いている量は少ない。スプール56を第2の回転方向に回転させた場合、第1の作動装置36がシャフト58bに巻き付いている割合は、第2の作動装置37がシャフト58bから巻き出されている割合と等しくあり得ることが理解されるべきである。
これとは反対に、スプール56が第1の回転方向(例えば時計方向)に回転すると、第2の作動装置37はシャフト58bに巻き付き、第1の作動装置36はシャフト58bから巻き出される。第2の作動装置37がシャフト58bに巻き付けられると、第2の作動装置37は、伸展部材34を伸展位置から第1の位置に向かう方向に回転させる力を印加する。スプール56が第1の回転方向に回転するにつれて、第1の作動装置36はシャフト58bの周囲で巻き出されるので、伸展部材34が伸展位置から第1の位置に向かう方向に回転するのを妨げないように第1の作動装置36の長さが長くなる。伸展部材34が第1の位置にあるとき、第1の作動装置36はシャフト58bから完全に巻き出されていてもよく、又は、伸展部材34が第1の位置にあるとき、第1の作動装置36はシャフト58bに部分的に巻き付いていてもよいが、伸展部材34が伸展位置にあるときよりもシャフト58bに巻き付いている量は少ない。スプール56を第1の回転方向に回転させた場合、第2の作動装置37がシャフト58bに巻き付いている割合は、第1の作動装置36がシャフト58bから巻き出されている割合と等しくあり得ることが理解されるべきである。
上述のように、スプール56は、係止部材107a及び107bが係合解除される第1のロック解除位置と、係止部材107a及び107bが互いに係合する第2のロック位置との間で、拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して移動可能である。係止部材107a及び107bは、互いから係合解除されると、スプール56が加えられる力に応答して第1の回転方向及び第2の回転方向にそれぞれ選択的に回転するのを防止しない。係止部材107a及び107bは、互いに係合されると、スプール56が加えられる力に応答して第1の回転方向及び第2の回転方向にそれぞれ選択的に回転するのを防止する。操作中、たとえ伸展部材34が完全な伸展位置にないとしても、伸展部材34が各ブレード32aを所望量だけ伸展させたときに、スプール56を第2のロック位置に移動させることができる。このように、スプール56を第2のロック位置に移動させることによって、伸展部材34を、第1の位置と伸展位置との間のロック位置に固定することができる。
ここで図8I〜図8Jを参照すると、第1の作動装置36及び第2の作動装置37は、単一の作動装置36を画定するように互いに一体であってもよいことが理解されるべきである。言い換えると、伸展可能な拡張器20は、スプール本体58を貫通して延び、かつその対向端部が、例えば回転軸Rのセレクト方向SD2に沿った反対側に配置される取り付け位置(図1〜図3D参照)において伸展部材に連結される、単一の作動装置を備えてもよい。したがって、第1及び第2の作動装置36及び37に対する言及は、2つの別個の作動装置、又は第1の作動装置36と第2の作動装置37とを含む1つの一体の作動装置に関してなされてもよい。わかりやすくするために、第1の作動装置36及び第2の作動装置37は、単一の作動装置を形成するために互いに一体化された第1及び第2の作動装置セグメントと呼ぶこともできる。図8I及び図8Jに示すように、単一の作動装置は、スプール本体58内部へと延在しかつスプール本体58の外に延出する(例えばシャフト58bを通る)チャネル113を通して送り込まれてもよく、第1及び第2の作動装置セグメント36及び37は、チャネル113の対向端部からシャフト58bの外に延出する。スプール56は、伸展部材24に2箇所で連結され、かつ伸展部材を、第1の位置から伸展位置に向かう方向及び伸展位置から第1の位置に向かう方向の両方に選択的に移動させるように回転可能である、少なくとも1つの作動ストランドに取り付けるように構成されることが更に理解されるべきである。
図8G〜図8Hを参照して上述したように、図8I〜図8Jの第1及び第2の作動装置セグメント36及び37の一方は、第1の回転方向(例えば時計方向)に沿ってシャフト58aに巻き付けられるか、又は巻き付くように構成されてもよく、第1及び第2の作動装置セグメント36及び37のもう一方は、第2の回転方向(例えば反時計方向)に沿ってシャフト58aに巻き付けられるか、又は巻き付くように構成されてもよい。したがって、スプール56が第2の回転方向(例えば反時計方向)に回転すると、第1の作動装置セグメント36はシャフト58bに巻き付き、第2の作動装置セグメント37はシャフト58bから巻き出される。第1の作動装置セグメント36がシャフト58に巻き付けられると、第1の作動装置セグメント36は、第1の位置から伸展位置に向かう方向に伸展部材34を回転させる力を印加する。スプール56が第2の回転方向に回転するにつれて、第2の作動装置セグメント37はシャフト58の周囲で巻き出されるので、伸展部材34が第1の位置から伸展位置に向かう方向に回転するのを妨げないように第2の作動装置セグメント37の長さが長くなる。伸展部材34が伸展位置にあるとき、第2の作動装置セグメント37はシャフト58bから完全に巻き出されていてもよく、又は、伸展部材34が伸展位置にあるとき、第2の作動装置セグメント37はシャフト58bに部分的に巻き付いていてもよいが、伸展部材34が第1の位置にあるときよりもシャフト58bに巻き付いている量は少ない。スプール56を第2の回転方向に回転させた場合、第1の作動装置セグメント36がシャフト58bに巻き付いている割合は、第2の作動装置セグメント37がシャフト58bから巻き出されている割合と等しくあり得ることが理解されるべきである。
これとは反対に、スプール56が第1の回転方向(例えば時計方向)に回転すると、第2の作動装置セグメント37はシャフト58bに巻き付き、第1の作動装置36セグメントはシャフト58bから巻き出される。第2の作動装置セグメント37がシャフト58bに巻き付けられると、第2の作動装置セグメント37は、伸展部材34を伸展位置から第1の位置に向かう方向に回転させる力を印加する。スプール56が第1の回転方向に回転するにつれて、第1の作動装置セグメント36はシャフト58bの周囲で巻き出されるので、伸展部材34が伸展位置から第1の位置に向かう方向に回転するのを妨げないように第1の作動装置セグメント36の長さが長くなる。伸展部材34が第1の位置にあるとき、第1の作動装置セグメント36はシャフト58bから完全に巻き出されていてもよく、又は、伸展部材34が第1の位置にあるとき、第1の作動装置セグメント36はシャフト58bに部分的に巻き付いていてもよいが、伸展部材34が伸展位置にあるときよりもシャフト58bに巻き付いている量は少ない。スプール56を第1の回転方向に回転させた場合、第2の作動装置セグメント37がシャフト58bに巻き付いている割合は、第1の作動装置セグメント36がシャフト58bから巻き出されている割合と等しくあり得ることが理解されるべきである。
上述のように、スプール56は、係止部材107a及び107bが係合解除される第1のロック解除位置と、係止部材107a及び107bが互いに係合する第2のロック位置との間で、拡張器本体21(例えばハンドル90)に対して移動可能である。係止部材107a及び107bは、互いから係合解除されると、スプール56が加えられる力に応答して第1の回転方向及び第2の回転方向にそれぞれ選択的に回転するのを防止しない。係止部材107a及び107bは、互いに係合されると、スプール56が加えられる力に応答して第1の回転方向及び第2の回転方向にそれぞれ選択的に回転するのを防止する。操作中、たとえ伸展部材34が完全な伸展位置にないとしても、伸展部材34が各ブレード32aを所望量だけ伸展させたときに、スプール56を第2のロック位置に移動させることができる。このように、スプール56を第2のロック位置に移動させることによって、伸展部材34を、第1の位置と伸展位置との間のロック位置に固定することができる。
ここで図8K〜図8Nを参照すると、及び上述したように、拡張部材24は、拡張本体25によって、例えば拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上、最大でその全ての内側表面25dにおいて支持される少なくとも1つの停止面39を備えることができる。一実施形態によると、少なくとも1つの停止面39は、伸展部材34が回転可能に連結される拡張器ブレード32(例えば第2の対31bの拡張器ブレード32)の一方又は両方の内側表面25dにおいて支持される。後述するように、拡張本体25は、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上の内側表面に沿って支持される光ガイドインサートを備えることができる。ガイドインサートは停止面39を含むことができ、そのような実施形態では、停止面39は、依然として、それぞれの拡張器ブレード32の内側表面25dによって支持されると言うことができることが理解されるべきである。
停止面39は、伸展部材34が伸展位置まで回転したときに伸展部材34と当接するように構成される。停止面39は、内側表面25dから長手方向軸線Lに向かって延びる肩部として構成される停止部材41によって画定され得る。停止部材41は、伸展部材34が伸展位置まで回転した後に、伸展部材34が第1の回転方向に沿って更に回転するのを防止することができる。伸展部材34が停止面39と当接したときに伸展部材34が完全に伸展位置となり得るように、停止面は、回転軸Rから長手方向軸線Lに沿って、伸展部材34の厚さと実質的に等しい距離だけオフセットさせることができる。
図9A〜9図Cを参照すると、伸展部材34は、代替的に、それぞれの回転軸を中心にして独立して回転可能な第1及び第2の伸展部材セグメントを画定できることが理解されるべきである。第1の作動装置36は第1の伸展部材セグメントに連結されることができ、第2の作動装置37は第2の伸展部材セグメントに連結されることができる。したがって、第1の伸展力が第1の作動装置36に加えられると、第1の作動装置36は、第1の伸展部材セグメントをその回転軸を中心に回転させ、第2の対31bの拡張器ブレード32のうちの一方を第1の位置から拡張位置へと伸展させる。第2の伸展力が第2の作動装置37に加えられると、第2の作動装置37は、第2の伸展部材セグメントをその回転軸を中心に回転させ、第2の対31bの拡張器ブレード32のうちのもう一方を第1の位置から拡張位置へと伸展させる。作動装置36及び37は、実質的に剛性であってもよく、あるいは別様に、対応の第1及び第2の伸展部材セグメントをそれぞれの伸展位置からそれぞれの第1の位置へと独立して後退させるように構成されてもよい。
図9A〜図9Cに示すように、伸展可能な拡張器アセンブリ64は、本明細書に記載される任意の実施形態に従って構成することができる伸展可能な拡張器20を備えることができる。伸展可能な拡張器アセンブリ64は伸展補助部材66を更に備えていてもよく、この伸展補助部材66は、第1の位置において第2の導管25cに挿入可能であり、かつ長手方向軸線Lに実質的に垂直な方向に沿って、この第1の位置から伸展位置へと伸展可能であり、伸展補助部材66が伸展することにより、拡張部材24が第1の形態から少なくとも伸展形態に向かって伸展するように付勢されるようになっている。更に、伸展部材34は、上述した方法で第1の位置から伸展位置へと作動されて、拡張部材24を伸展形態に保持する、又は拡張部材24を伸展させる際に展補助部材66を支援することができる。伸展補助部材66がそれぞれの第1の位置からそれぞれの伸展位置へと伸展したのに続いて伸展部材34が伸展位置へと移動することにより、拡張部材24が伸展形態に保持される。
例えば、図9A〜図9Cに示すように、伸展補助部材66は、第1の位置において(例えば遠位方向に沿って)第2の導管25cに挿入されるように構成された対向するアーム72a及び72bを有するプライヤ70として構成されてもよい。プライヤ70は、アーム72a及び72bの少なくとも一方又は両方を、他のアーム72a及び72bから離れる方向に移動させ、それによってプライヤを第1の形態から伸展形態へと伸展させるように作動させ得る。アーム72a及び72bは、拡張部材24の内側表面25dに接して位置することができる。伸展部材34が伸展位置となった時点で、プライヤ70を作動させてアーム72a及び72bを1つにまとめることができ、次に、図9Cに示すように、プライヤ70を第2の導管25cから除去することができる。次に、外科手術の完了後に、図9Dに示すように、伸展部材34を伸展位置から第1の位置へと移動させることができる。プライヤ70は一実施形態に従って図示されていること、及び、アーム72a及び72bの少なくとも一方又は両方を、他のアーム72a及び72bから離れる方向に移動させるために、伸展補助部材66が、第2の導管25cに挿入されかつ展開されるのに好適である任意の代替実施形態に従って構成され得ることが理解されるべきである。
図23A〜図23Cを参照すると、拡張部材24は弾性的に可撓性の材料から作られてもよく、拡張部材24の取付部材55は、拡張部材24によって支持され(例えば拡張部材24内に形成され)、かつ近位端25aと遠位端25bとの間に延在し得るトラック80を画定することができる。図の実施形態によれば、拡張部材24は、第1の対31aの拡張器ブレード32のそれぞれを通って延在するトラック80を画定する。伸展可能な拡張器20は伸展装置82を更に備えることができ、この伸展装置82は、拡張部材24に取付可能であり、かつ近位端25aと遠位端25bとの間をトラック80に沿って摺動可能である。伸展装置82は、第2の導管25cの断面寸法より大きい断面寸法を有していてもよく、又は該断面寸法まで伸展可能であってもよく、それにより、伸展装置は、伸展装置82に近い領域24fにおいて拡張部材23を第1の形態から伸展形態へと伸展させ、伸展部材34から離れた領域24gは伸展されない。近い領域24gは、伸展装置82がトラックに沿って近い領域24gから離れる方向に移動した後に、伸展形態から第1の形態に戻ることができる。したがって、伸展装置82が遠位端25bに近い位置まで移動することは、遠位端25bは第1の形態から伸展形態へと伸展させる。一実施形態によると、伸展装置82は、伸展部材34に摺動可能に装着される伸展部材32として構成され得る。
ここで図10A〜図10Fを参照すると、伸展可能な拡張器20は、照明アセンブリ86を備えていてもよく、ひいては少なくとも1つの照明光源88(例えば複数の照明光源88)を備えていてもよく、照明光源88は、拡張器本体21によって支持されており、光が遠位端25bから射出して標的手術部位まで延びるように、遠位端25bにおいて第2の導管25cに向けて光を放射するように構成される。図10Aに示す実施形態においては、照明光源88は、基部22の内側表面23dの周囲に配設されているが、照明光源88の1つ又は2つ以上、最大でその全ては、拡張部材24の内側表面の周囲に配設されてもよいことが理解されるべきである。図10Fに示すように、照明アセンブリは、伸展可能な拡張器ブレード32の各々と位置合わせされている一対の照明光源88を備えることができるが、照明光源88は、代替的に又は追加的に、伸展部材34が回転可能に連結される1つ又は2つ以上の拡張器ブレード32と位置合わせされてもよいことが理解されるべきである。
発光ダイオード、白熱光源、レーザー光源、又は所望通りに任意の好適な代替光源のように照明光源88を構成することができる。照明アセンブリ86は、基部の外に延出するハンドル90を備えることができ、照明光源88に電力を供給して照明光源88を照射させるように構成され得る。例えば、ハンドル90は、照明光源と通電する電気化学的電池を有してもよく、又は電気レセプタクルから照明光源88に電力を供給するように電気レセプタクルに差し込まれてもよい。
照明アセンブリ86は、照明光源88から、例えば遠位端25bに向かって延在する、1つ又は2つ以上の光導管92を更に備えていてもよい。光導管92は、対応する照明光源88から放射された光を遠位端25bまで透過するように構成され得る。光導管92は、対応する光源88から、遠位端25bから近位側に離間した位置までは、実質的に不透明であってもよく、遠位端25bでは少なくとも半透明又は透明となり、第2の導管25cの遠位端25bにおいて光を放射して第2の導管25cから射出するようになっていてもよい。図10Cに示すように、拡張器ブレード32のそれぞれの内側表面25dは、その中に配設される光導管92を支持することができる1つ又は2つ以上の光透過チャネル94を画定し得る。あるいは、光透過チャネルは、照明光源88からの照明を受け、この照明を遠位端25bまで伝達することができる。
図10B、図10D、及び図10Eに示すように、拡張部材24の遠位端25bは、内側表面25dによって支持され得る少なくとも1つの光成形素子96を備えていてもよい。光成形素子96は、遠位端25bにおいて内側表面25dによって支持される複数のプリズム98、遠位端25bにおける内側表面25dの凹凸加工された領域100、及び遠位端25bにおいて内側表面25dによって支持される反射性材料102(箔など)のうちの1つ又は2つ以上、最大で全てを含むことができる。よって、照明光源88によって照射された光は、第2の導管25cの遠位端25bから外へと方向付けられる前に成形(例えば拡散)され得る。
図11A〜図11Oを参照すると、照明アセンブリ86は、任意の好適な代替実施形態に従って所望通りに構成され得ることが理解されるべきである。上述のように、照明アセンブリ86は、拡張部材24に照明光を放射するように構成された少なくとも1つの照明光源88を備えていてもよい。拡張部材24の少なくとも一部は、放射された照明光の少なくとも一部が拡張部材24の遠位端まで進むように透明である。ゆえに、少なくとも1つの照明光源88は、拡張部材24に対して近位に配置され、かつ照明光を拡張部材24の透明部分に沿って遠位側に方向付けることができる。
図11A〜図11Cに示すように、拡張器本体21は、基部22と拡張部材24とを備えることができ、照明アセンブリ88の少なくとも一部から最大で全ては、拡張器本体21により支持される。図8Cに関して上述したように、拡張器本体21、したがって伸展可能な拡張器20は、拡張器本体21の基部22又は任意の他の位置によって支持され得るハンドル90を備えることができる。例えば、ハンドル90は、拡張器本体21の基部22又は任意の他の位置に取り付けるように構成され得る。図の実施形態によれば、ハンドル90は、基部22に対して、長手方向軸線Lから角度オフセットされた方向(例えば垂直)に延出する。例えば、ハンドル90は、ハンドル本体91と、ハンドル本体91によって支持される取付部材93とを備えることができる。例えば、取付部材93はハンドル本体91の延長部分であってもよい。取付部材93は、例えば、環状壁部であり得る壁部95を備えることができ、この壁部95は、基部22が壁部95にプレス嵌めされるように基部22を受容するように構成される。言うまでもなく、取り付け部は任意の所望の方法で基部22に取り付けることができることが理解されるべきである。例えば、壁部95が基部によって受容されてもよい。代替的に又はこれに加えて、1つ又は2つ以上のネジ又は係止ピン等のような取付補助部材により、基部22が取付部材93に取り付けられてもよい。あるいは、ハンドル本体91の少なくとも一部分は、基部22と一体であってもよい。
一実施形態によると、少なくとも1つの照明光源88は、基部22によって保有されてもよい。照明アセンブリ86は、プリント配線板125などの照明基板を備えていてもよく、照明プリント配線板125は少なくとも1つの照明光源を保有するようになっている。基部22は、拡張部材24(例えばブレード32)の近位端を取り囲む環状外壁部121を備えていてもよく、それにより環状外壁部121と拡張部材24の近位端との間に環状空隙123が画定される。プリント配線板125は環状であってもよく、かつ少なくとも1つの照明光源88が遠位方向に面するように環状空隙123を受容する寸法に設定され得る。ハンドル90は、例えばハンドル90の環状壁部95に環状外壁部121を挿入することによって、基部22に取り付けることができる。あるいは、少なくとも1つの照明光源88はハンドル90によって保有されてもよい。例えば、ハンドル90は、環状壁部95の径方向内側に配置される環状内壁部95aを備えて、環状壁部95と95aとの間に環状空隙95bを画定することができる。環状内壁部95aは、ハンドル90が基部22に取り付けられると、拡張部材24の近位端を受容することができる。照明プリント配線板125は、環状空隙95b内に配設され、少なくとも1つの照明光源88が遠位方向に面するように位置付けられる。
図11A〜図11Bを引き続き参照すると、照明アセンブリ86は、任意の好適な電源を更に備えることができ、この電源は、外部電源であってもよく、又は少なくとも1つの照明光源88に電力を供給するように構成された電気化学的電池152として構成されてもよい。少なくとも1つの照明光源は、発光ダイオード(LED)、白熱光源、ハロゲン光源、レーザー光源、又は望ましい任意の好適な代替光源として構成され得る。照明アセンブリ86は、例えば、ハンドル90又は拡張器本体21の任意の代替位置によって保有され得る作動装置150を更に備えることができる。作動装置150が作動することによって、電源からプリント配線板125まで、したがって少なくとも1つの照明光源88まで電力を流し、それによって、本明細書に説明した方法で照明光源88が照明光を放射することができる。作動装置150を更に作動させて、電源からプリント配線板125まで、したがって少なくとも1つの照明光源88までの電力供給を中止させることができる。作動装置150は、所望通りに代替的に構成された任意の好適な作動装置として構成され得ることが理解されるべきであるけれども、例えば、一実施形態によると、作動装置150はボタンとして構成され得る。更に、照明アセンブリ86は、電力が所定の時間だけ電源からプリント配線板125まで、したがって少なくとも1つの照明光源88まで流れることができるようにするカウンター154を備えていてもよく、カウンターは、所定の時間の経過後に、電源からプリント配線板125まで、したがって少なくとも1つの照明光源88までの電力供給を中止させる。作動装置150は、所望通りに、電力の流れを再開するために再度作動させることができる。拡張器本体がカウンターを保有する場所はどこでもよい(例えば作動装置150と電気化学的電池152との間のハンドル内)。ハンドル90は、作動装置150をハンドル本体91に取り付けるエンドキャップ169を更に備えることができる。
ここで図11A〜図11Dを参照すると、及び上述したように、拡張部材24は、対向する拡張器ブレード32の第1及び第2の対31a及び31bを備えることができる。拡張器ブレード32のそれぞれは、内側表面と、内側表面と反対側の外側表面とを画定する。ブレード32の内側表面は第2の導管25cに面し、伸展部材34は、拡張器ブレード32の第1の対31の拡張器ブレード32に回転可能に連結され、第2の対31bのブレード32を第1の位置から拡張位置へと移動させるために、第1の位置から伸展位置へと移動可能であり得る。
少なくとも1つの照明光源88は、第2の対のブレード31bのブレード32のうちの少なくとも透明なブレード32に照明光を放射するように動作可能である。例えば、少なくとも1つの照明光源88は、少なくとも一対の照明光源88を備えることができ、該照明光源88のそれぞれは、プリント配線板125によって支持されて、それぞれ透明であり得る拡張器ブレード32の第2の対31bのブレード32の異なるブレード32に照明光を放射するように構成される。例えば、各照明光源は、長手方向軸線と実質的に平行な長手方向に沿って、対応のブレード32と位置合わせされ得る。別の実施形態によると、照明アセンブリ86は、第2の対31bのブレード32の第1のブレード32と位置合わせされる第1の対の照明光源88と、第2の対31bのブレード32の第2のブレード32と位置合わせされる第2の対の照明光源88とを備えることができる。
図11Oに示すように、第2の対31bのブレード32は、ブレード32が第1の位置から拡張位置へと移動するにつれて伸展部材34によって互いに分離するように付勢される第1及び第2のブレードセクション32c及び32dを画定するように、分割され得る。第1の対の照明光源88の第1及び第2の光源は、第1のブレード32の第1及び第2のブレードセクション32c及び32dとそれぞれ位置合わせされ得ることが理解されるべきである。第2の対の照明光源88の第1及び第2の光源は、第2のブレード32第1及び第2のブレードセクション32c及び32dとそれぞれ位置合わせされ得る。
図11Pを参照すると、上記の照明アセンブリ86を備える伸展可能な拡張器20は、図11A〜図11Oに示すスプール56を有しなくともよいことが理解されるべきである。この実施形態によると、伸展可能な拡張器20は、上述のような単一の作動装置36又は一対の作動装置36及び37を備えていてもよい。作動装置36又は作動装置36及び37は、拡張本体21の外に延出することができ、それによりユーザーは、作動装置36及び37のいずれか又は両方に作動力を手動で加えて、拡張部材2を伸展及び収縮させることができる。一実施形態によると、作動装置36及び37は、伸展可能な拡張器20のハンドル90、又は任意の代替的な好適な構造体の外に延出することができる。例えば、作動装置36及び37は、長手方向Lに沿って、又は長手方向Lに対して角度オフセットされた(例えば垂直な)方向に沿って、拡張本体21の外に延出することができる。
図11E〜図11Gを参照すると、概して、伸展可能な拡張器20(詳細には拡張部材24)は、光反射材料156を含んでもよく、それにより、照明アセンブリ86から放射された照明光は、第2の導管25cの遠位端に向けて又は該遠位端まで方向付けられるときに、反射性材料156で反射することができる。一実施形態では、反射性材料156は、反射性材料がそれに沿って延在する各表面上にコーティングされてもよい。あるいは、反射性材料156は、各表面に接着剤で取り付けられてもよい。あるいは、反射性材料156は、放射された光を所望通りに方向付けて反射面が構成されるように、拡張器本体21(例えば拡張部材24)に所望通りに取り付けられてもよい。更に、反射性材料156は、各表面の一部から最大で反射面全体に沿って延在してもよい、つまり、反射性材料156は、各表面の長さ全体に沿って、近位端から遠位端まで、又は各表面の近位端から離間した位置から、又は各表面の遠位端から離間した位置まで延在してもよい。更に、反射性材料156は、各表面の幅の一部又は全体に沿って延在してもよい。
図11Eに示すように、反射性材料156は、第2の対31bのそれぞれのブレード32(即ち、長手方向に沿って照明部材88と位置合わせできるブレード32)の外側表面25eの少なくとも一部に沿って延在してもよい。このようにして、放射された照明光は、放射された照明光が遠位端に導かれる際に第2の導管25c及び透明ブレード32を照明するように、反射性材料に反射して各ブレード32を通過することができる。図11Fに示すように、ブレード32は不透明であってもよく、反射性材料156は、第2の対31bのそれぞれのブレードの内側表面25dに沿って延在してもよいことが認識される。それぞれの照明光源88は、それぞれの照明光源88から放射された照明光が反射性材料156に反射して、放射された照明光が遠位端に導かれる際に第2の導管25cを照明するように、反射性材料156と位置合わせされ得る。図11Gに示すように、反射性材料156は、ブレード32の外側表面25dの少なくとも一部、及びブレード32の内側表面25eに沿って延在してもよい。ブレードは透明であり、放射された照明光が反射性材料156に反射して、放射された照明光をブレード32を通って遠位端まで方向付けるように、それぞれの照明光源88と位置合わせされ得る。
上述のように、ブレード32は、放射された照明光のうちの十分な量を遠位端まで導いて標的手術位置を照明するには不十分な不透明材料、又は半透明又は半不透明な材料で作製される場合があることが想定される。ゆえに、図11Hに示すように、拡張器本体21(詳細には拡張部材24)は、少なくとも1つの透明なインレイ158を備えていてもよく、このインレイ158は、照明光源88の少なくとも各々の光源から放射された照明光を受光して、受光した放射照明光を遠位端に向けて(例えば遠位端まで)方向付ける。例えば、照明光源28の少なくとも1つは、例えば近位端において、対応の少なくとも1つのインレイ158と長手方向に沿って位置合わせされ得る。一実施形態では、透明なインレイ158は、例えばブレード32の第2の対31bのブレード32の各々の内側表面25dの少なくとも一部に沿って延在してもよい。透明なインレイ158は、それぞれの内側表面25dにコーティングされてもよく、又はそれぞれの内側表面25dに接着剤で取り付けられてもよい。あるいは、透明なインレイ158は、拡張器本体21(例えば基部22)又は拡張部材24に所望通りに取り付けられてもよい。このように、透明なインレイ158の外側表面は、それぞれのブレード32の内側表面25dに面することができ、該内側表面25dに隣接して配設されることができ、例えば該内側表面25dと当接することができる。インレイ158は、少なくとも1つのインレイの外側表面と反対側の内側表面を更に画定することができ、インレイ158のこの内側表面は、第2の導管25cを少なくとも部分的に画定する。
ここで図11I〜図11Lを参照すると、概して、伸展可能な拡張器20(詳細には拡張部材24)は光反射材料156を備えていてもよく、それにより、照明アセンブリ86から放射された照明光は、第2の導管25cの遠位端に向けて方向付けられるときに、反射性材料156で反射することができる。例えば、ここで図11Iを参照すると、伸展可能な拡張器20(詳細には拡張部材24)は、例えばインレイの外側表面と対応のブレード32の内側表面25dとの間の位置に、少なくとも1つのインレイ156の外側表面の少なくとも一部に沿って延在する光反射材料156を備えることができる。したがって、反射性材料156は、インレイ158の外側表面又は対応のブレード32の内側表面25dに適用されるか、又は取り付けられることができる。このようにして、放射された照明光は、放射された照明光が遠位端に導かれる際に第2の導管25c及び透明ブレード32を照明するように、反射性材料に反射して各インレイ158を通過することができる。図11Jに示すように、反射性材料156は、インレイ158の外側表面及びインレイ158の内側表面の少なくとも一部、に沿って延在してもよい。インレイ158は透明であり、放射された照明光が反射性材料156に反射して、放射された照明光をインレイ158を通って遠位端まで方向付けるように、対応の照明光源88と位置合わせされ得る。
ここで図11K〜図11Lを参照すると、インレイ158及び対応のブレード32の両方が透明であり、放射された光を第2の導管25cの遠位端に方向付けるように構成され得ることが認識される。例えば、図11Kに示すように、反射性材料156は、第2の対31bのそれぞれのブレード32の外側表面25dの少なくとも一部に沿って延在してもよい。したがって、ブレード32及び対応のインレイ158の一方又は両方は、照明部材88と長手方向に沿って位置合わせできる。このようにして、放射された照明光は、放射された照明光が第2の導管25cの遠位端に導かれる際に第2の導管25c及び透明ブレード32及びインレイ158を照明するように、反射性材料に反射してそれぞれのブレード32及びインレイを通過することができる。図11Lに示すように、反射性材料156は、ブレード32の外側表面25d及び対応のインレイ158の内側表面の少なくとも一部に沿って延在してもよい。ブレード32及びインレイ158の一方又は両方は透明であり、放射された照明光が反射性材料156に反射して、放射された照明光を対応のブレード32及びインレイ158を通って遠位端まで方向付けるように、対応の照明光源88と位置合わせされ得る。
ここで図11M〜図11Nを参照すると、ブレード32の遠位端、インレイ158の遠位端、又はその両方は、対応の内側表面によって支持され得る少なくとも1つの光成形素子96を備えることができる。したがって、別途記載のない限り、インレイ158に関して説明する光成形素子96は、ブレード32に同様に適用することができる。例えば、図11Nに示すように、インレイ32の遠位端は、第2の導管25cに面していてよい内側表面159を画定することができる。例えば、内側表面159は、所望通りに形状構成され、例えば遠位端において第2の導管25c側に突出するリップ161によって画定されてもよい。内側表面159は、所望通りの任意の表面テクスチャを画定することができ、それによって、第2の導管25cを通って反射した光を、遠位端の内側表面159を通過するように方向付けて、少なくとも1つのインレイの近位端から少なくとも1つのインレイの遠位端まで延びる方向に対して角度オフセットされた方向に沿って照明光を方向付けるように成形することができる。このようにして、内側表面159は、第2の導管25cの遠位端において、照明光を分散又は拡散させることができる。あるいは、放射された光が、インレイ158の両側、ブレード32の両側、又はこれらの組み合わせ上の一対の離間配置された反射性材料156を通って遠位端まで導かれる場合、それぞれのブレード又はインレイ32の遠位端は、遠位端の内側表面159において、放射された光を遠位端で分散又は拡散するように構成された表面テクスチャを画定することができる。一実施形態では、内側表面159は、第2の導管25cの長手方向軸線に向かって内方へ突出する、何列にも配列することができる複数のリブ160、第2の導管25cに面するインレイ32の内側表面に隆起した領域を有する粗面165、内側表面上のフレネルレンズ160、又は任意の代替的な好適なテクスチャを、所望通り画定することができる。
透明なインレイ158及び透明なブレード32は、透明プラスティックなどの任意の材料、例えば、PA12/TR55 Grimalid又はPA12/コポリエステルTrogamid/Evonik又はPMMA/Acrilite(登録商標)MD(商標)材料又はStyrol−MMACコポリエステル/Resirene又はMMA−スチロール−エチレン/アクリルターポリマー/Cyrolite GS90及びCG−7又は環状オレフィンTopas又はPC/LEXAN(商標)樹脂HPS4又はPET/Eastman Tritan(商標)コポリエステルMX17、又は任意の好適な代替材料から所望通りに作ることができることが理解されるべきである。一実施形態によると、ブレード32及びインレイ158は、LEXAN(商標)樹脂HPS4から作られてもよい。
ここで図1〜図3D及び図25A〜図25Cを参照すると、拡張器本体21は、拡張部材24が伸展形態にあるときに、基部22の近位端23aによって画定され得る拡張本体21の近位端21aの片側から、長手方向軸線Lを通って、拡張部材24の遠位端25bに至る線と、長手方向軸線Lとによって画定される作用角を規定することが認識される。作用角は、拡張器本体21の近位端21aを伸展させることによって大きくなり得ることが、更に想定される。例えば、伸展可能な拡張器20は、拡張部材24に関して上述した通りに実質的に構成することができる第2の拡張部材27を備えることができる。第2の拡張部材27は、基部22の近位端23aから近位方向に沿って延在してもよく、近位端23aから自由端27aまで延在してもよい。したがって、拡張器本体21の近位端21aは、第2の拡張部材27の近位端によって画定され得る。第2の拡張部材27は、複数の拡張器ブレード32を備えることができる。
伸展可能な拡張器20は、第2の拡張部材27の少なくとも一部を、基部22から近位方向に沿って離間した位置において、伸展部材34に関して上述した方法で第1の形態から伸展形態へと伸展させ、それによって、第2の拡張部材27を、拡張部材244に関して上述した方法で第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、第2の拡張部材27に連結され、かつ第2の拡張部材27に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能な第2の伸展部材34aを備えることができるが、伸展されるのは第2の拡張部材27の近位端であり、かつ第1の拡張部材24の遠位端が伸展される。第2の拡張部材27は、基部22の導管23c及び第2の導管25cと流体連通する第2の導管27bを画定する。
図25Bに示すように、第1の作動装置36は、第1及び第2の伸展部材34及び34aの両方に連結され得るので、第1の作動装置36に加えられる伸展力は、第1及び第2の伸展部材34及び34aを、それらのそれぞれの第1の位置から、それらのそれぞれの伸展位置まで、同時に並行して移動させることができる。同様に、第2の作動装置37は、第1及び第2の伸展部材34及び34aの両方に連結され得るので、第2の作動装置37に加えられる収縮力により、第2の作動装置37は第1及び第2の伸展部材34及び34aのそれぞれに対して対応する付勢力を印加し、この付勢力により、伸展部材34及び34aはそれぞれの伸展位置からそれぞれの第1の位置まで、同時に並行して移動する。あるいは、図25Cに示すように、第1及び第2の伸展部材34及び34aは、それら自体の対応の第1及び第2の作動装置36及び37に独立して連結されてもよい。したがって、第1及び第2の伸展部材34及び34aのそれぞれは、それらのそれぞれの第1の位置からそれらのそれぞれの伸展位置へと独立して伸展され、かつ、これらのそれぞれの伸展位置からそれらのそれぞれの第1の位置へと独立して収縮されることができる。
ここで図22A〜図22Bを参照すると、伸展可能な拡張器20は、複数の伸展部材34を更に備えてもよく、これら伸展部材34は、本明細書に記載されるように拡張部材の少なくとも一部を第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、拡張部材24に連結され、かつ拡張部材24に対してそれぞれの第1の位置からそれぞれの伸展位置まで移動可能である。複数の伸展部材34のそれぞれは、上述のように拡張部材24の少なくとも一部を伸展形態から第1の形態へと収縮させるために、それぞれの伸展位置からそれぞれの第1の位置まで拡張部材24に対して移動可能であり得る。一実施形態によると、伸展部材34のそれぞれのセレクト方向SD2に沿った外形寸法D2(図2C参照)は、伸展部材34の場所が遠位端25bにより近づくにつれて、順次大きくなり得る。したがって、遠位端25bに近接した伸展部材34は、基部22に近接した伸展部材34の外形寸法D2よりも大きなそれぞれの外形寸法D2を規定する。
図18A〜図18Bを参照すると、拡張部材24の長さが長手方向軸線Lに沿って様々であるのが望ましくあり得ることが認識される。例えば、拡張器ブレード32の1つ又は2つ以上、最大でその全てを含む拡張部材24は、遠位方向に沿って基部から延出する第1の部分104aと、第1の部分104aによって支持され、かつ遠位方向に沿って第1の部分104から延出するように構成されている第2の部分104bとを備え得る。第2の部分104bは、拡張部材24の長さを長手方向軸線Lに沿って増大させるように、第1の部分104aに対して基部22から離れる遠位方向に移動可能な入れ子部分を画定することができる。伸展部材34は、図のように第2の部分104bに連結され得る。代替的に又はこれに加えて、伸展部材34は、第1の部分104aに連結され得る。拡張部材24は、第2の部分104bを第1の部分104aに対して伸展位置に保持する、好適に構成された任意の保持部材を備えることができる。
あるいは、図20A〜図20Cを参照すると、拡張部材24、ひいては伸展可能な拡張器20は、拡張器ブレード32の各々の遠位端25bに着脱自在に取り付けられるように構成された複数のブレード伸長セグメント32aを備えることができる。例えば、図20A〜図20Bに示すように、拡張器ブレード32の遠位端25bは、それぞれの第1の取付部材を画定することができ、ブレード伸長セグメント32aは、これら第1の取付部材に着脱自在に取り付けして拡張部材24の長さを長手方向軸線Lに沿って長くするように構成された、相補的な第2の取付部材を画定することができる。更に、図20Cに示すように、拡張部材24、ひいては伸展可能な拡張器20は、第1の複数のブレード伸長セグメント32aの遠位端に着脱自在に取付可能である第2の複数のブレード伸長セグメント32bを備えることができる。例えば、第1の複数のブレード伸長セグメント32aの遠位端25bは、それぞれの第1の取付部材を画定することができ、第2の複数のブレード伸長セグメント32aのそれぞれは、ブレード伸長セグメント32aの第1の取付部材に着脱自在に取り付けして拡張部材24の長さを長手方向軸線Lに沿って更に長くするように構成された、相補的な第2の取付部材を画定することができる。ブレード伸長セグメント32a及び32bは、長手方向軸線Lに沿って任意の長さを所望通りに画定することができる。
図24を参照すると、伸展可能な拡張器アセンブリ64は、前述の請求項のいずれか一項に記載の伸展可能な拡張器20と、支持フレーム120とを備えることができる。支持フレーム120は、手術台などの支持構造体に連結されるように構成された第1の取付端部120aと、伸展可能な拡張器20(例えば基部22)に連結されるように構成された第2の取付端部120bと、第1の取付端部120aと第2の取付端部120bとの間のそれぞれのジョイントにおいて接合される複数のリンケージ120cとを有する。リンケージ120cの1つ又は2つ以上は、その他のリンケージ120に対して関節接合するように構成されるので、第1及び第2の取付端部120a及び120bは、互いに対して6つの自由度で移動可能となる。伸展可能な拡張器アセンブリ64は、例えば基部22において拡張器本体21から延出するハンドル126を更に備えることができる。ハンドル126に、例えば手動で力を加えて、伸展可能な拡張器を、支持フレーム120が可能にする6つの自由度で、支持構造体に対して動かすことができる。
ここで図21A〜図21Bを参照すると、拡張部材24の長さを長手方向軸線Lに沿って短くすることが望まれるこことがあり得ることも認識される。したがって、伸展可能な拡張器アセンブリ64は、本明細書に記載される任意の実施形態による伸展可能な拡張器20と、基部と自由端との間で拡張部材を切断し、基部22により近接して離間した位置に遠位端25bを画定するように構成されたカッターアセンブリ106とを備えることができる。例えば、拡張部材24は、少なくとも1つの穿孔108(例えば複数の穿孔108)を画定することができ、これら穿孔108は切断位置を規定し、カッターアセンブリ106はその位置で拡張部材24を切断するように構成される。一実施形態によると、カッターアセンブリ106は、第2の導管25cに挿入されるように構成されたアンビル110と、駆動されてアンビル110及び拡張部材24を貫通し、それによって拡張部材24を切断するように構成された切断ブレード112とを備えることができる。
代替的に又はこれに加えて、拡張部材24の長さを調節するために、キット65は、他の伸展可能な拡張器20と比べて少なくとも寸法又は形状が異なる伸展可能な拡張器20を提供してもよい。例えば、図17に示すように、キット65は、本明細書に記載される任意の実施形態に従って構成された複数の伸展可能な拡張器20を含むことができる。キット65の複数の伸展可能な拡張器20のそれぞれの拡張部材24は、キットの他の複数の伸展可能な拡張器20の少なくとも1つと比べて異なる寸法又は形状を有し得る。例えば、キット65の複数の伸展可能な拡張器20のそれぞれの拡張部材24は、キットの他の複数の伸展可能な拡張器20の少なくとも1つの拡張部材24と比べて、長手方向軸線Lに沿って異なる長さ及び/又はセレクト方向SD1に沿って異なる断面寸法を有していてもよい。代替的に又はこれに加えて、キット65の複数の伸展可能な拡張器20のそれぞれの拡張部材24の長手方向軸線Lは、キットの他の複数の伸展可能な拡張器20の少なくとも1つの拡張部材と比べて、異なる形状(例えば、直線状、湾曲状等)を有していてもよい。
ここで図19A〜図19Dを参照すると、キット65は、追加的に又は代替的に、基部22に着脱自在に取付可能である複数の拡張部材24を含む。例えば、基部22は第1の取付部材を画定することができ、拡張部材24は、第1の取付部材に取り付ける(例えば着脱自在に取り付ける)ように構成された相補的な第2の取付部材を画定することができる。キット65の拡張部材24は、キット65の他の複数の拡張部材24の少なくとも1つと比べて異なる寸法又は形状を有し得る。例えば、キット65の複数の拡張部材24のそれぞれは、キット65の他の複数の拡張部材24の少なくとも1つと比べて、長手方向軸線Lに沿って異なる長さ及び/又はセレクト方向SD1に沿って異なる断面寸法を規定することができる。代替的に又はこれに加えて、キット65の複数の拡張部材24のそれぞれの長手方向軸線Lは、キットの他の複数の拡張部材24の少なくとも1つの拡張部材と比べて、異なる形状(例えば、直線状、湾曲状等)を有していてもよい。
軟組織を拡張する方法は、伸展可能な拡張器、本明細書に開示される拡張アセンブリ64、及び本明細書に開示されるキット65によって与えられることができることが理解されるべきである。例えば、軟組織を拡張する1つの方法は、1)皮層に切開を形成する工程と、2)拡張部材の自由端が標的手術部位に隣接して位置付けられて、基部が皮層を横切るまで、拡張部材を皮層を貫通させて皮層の裏側の軟組織に挿入する工程であって、拡張部材が基部から延在している、工程と、3)拡張部材に連結されている伸展部材を、拡張部材に対して第1の位置から伸展位置まで移動するように作動させ、それによって、拡張部材の少なくなくとも一部を、拡張部材の長手方向軸線に対して角度オフセットされた伸展方向に沿って、第1の形態から伸展形態へと作動させて、伸展形態に維持する工程と、を含み得る。
該方法は、伸展部材から延びる作動装置に付勢力を印加して、伸展部材を第1の位置から伸展位置へと作動させる工程を更に含み得る。印加工程は、拡張部材から基部に向かう方向に沿って付勢力を印加する工程を更に含み得る。該方法は、伸展部材が伸展位置にあるときに、作動装置を固定する工程を更に含み得る。該方法は、基部によって支持される照明光源を点灯させて、拡張部材の自由端を照明する工程を更に含み得る。作動工程は、伸展部材を回転軸を中心に回転させる工程を含み得る。該方法は、拡張器ブレードの少なくとも一方を、拡張器ブレードの他方から離れる方向に作動させる工程を更に含み得る。作動工程は、拡張部材を第1の形態から伸展形態へと伸展させる工程を更に含み得る。該方法は、伸展補助部材を、拡張部材によって画定された導管に挿入する工程と、伸展補助部材を伸展させて、拡張部材を第1の形態から伸展形態へと伸展させる工程と、を更に含み得る。伸展補助部材を伸展させる工程の後、該方法は、伸展部材を第1の位置から伸展位置へと作動させる工程を含み得る。作動工程の後、該方法は、伸展補助部材を第1の位置に戻し、かつ伸展部材が拡張部材を伸展形態に維持している状態で、導管から伸展補助部材を除去する工程を更に含み得る。該方法は、伸展部材を伸展位置から少なくとも第1の位置に向けて作動させ、それによって、拡張部材を伸展形態から第1の形態へと戻し、伸展可能な拡張器を軟組織及び皮層から除去する工程を更に含み得る。挿入工程は、拡張器を、側方からの経腰筋アプローチに沿って、椎間腔に隣接する位置まで挿入する工程を更に含み得る。
上述の記載は、説明のために提供され、本発明を制限するものとは解釈されない。好ましい実施形態又は好ましい方法に関して、様々な実施形態が説明されてきたが、本明細書において使用される用語は、説明及び例示のための用語であり、限定する用語ではないと理解すべきである。更に、本明細書では特定の構造、方法、及び実施形態を参照して実施形態が記載されるが、本発明は、本明細書で開示された特定のものに限定されることを意図しない。例えば、一つの実施形態に関連して説明された構造及び方法は、特に明記しない限り、本明細書において説明された全ての他の実施形態に等しく適用可能であると理解すべきである。本明細書の教示の利益を有する関連分野の当業者は、本明細書に記載の発明に数々の修正をもたらすことができ、例えば添付の特許請求の範囲が定める本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、変更を行うことができる。
〔実施の態様〕
(1) 軟組織を拡張するように構成された伸展可能な拡張器であって、
外側表面と、前記外側表面と反対側の内側表面とを画定する基部であって、前記内側表面が第1の導管を少なくとも部分的に画定する、基部と、
前記基部から延在する拡張部材であって、前記拡張部材は、内側表面と、前記内側表面と反対側の外側表面とを画定し、前記拡張部材の前記内側表面が、前記第1の導管と流体連通する第2の導管を少なくとも部分的に画定し、前記第2の導管が長手方向軸線に沿って細長い、拡張部材と、
伸展部材であって、前記拡張部材に連結され、かつ、前記拡張部材の少なくとも一部を、前記長手方向軸線に対して角度オフセットされている伸展方向に沿って第1の形態から伸展形態へと伸展させるために、前記拡張部材に対して第1の位置から伸展位置へと移動可能である、伸展部材と、を備える、伸展可能な拡張器。
(2) 前記伸展部材が、前記拡張部材に回転可能に連結されて、前記拡張部材に対して回転軸を中心に前記第1の位置から前記伸展位置へと回転する、実施態様1に記載の伸展可能な拡張器。
(3) 前記伸展部材は、前記回転軸に沿った第1の外形寸法と、前記回転軸から角度オフセットされているセレクト方向に沿った第2の外形寸法とを画定し、前記第2の外形寸法が前記第1の外形寸法よりも大きい、実施態様1又は2に記載の伸展可能な拡張器。
(4) 前記伸展部材は、前記伸展部材が前記伸展位置にあるときに前記拡張部材の前記内側表面の少なくとも一部と当接する外周を画定する、実施態様1〜3のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(5) 前記拡張部材は、前記伸展部材が前記伸展位置へと回転したときに前記伸展部材と当接するように構成された少なくとも1つの停止面を画定する、実施態様1〜4のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(6) 前記拡張部材は少なくとも第1及び第2の拡張器ブレードを備え、かつ前記第1及び第2の拡張器ブレードのうちの少なくとも1つが、前記第1及び第2の拡張器ブレードのうちの前記少なくとも1つを前記第1及び第2の拡張器ブレードのうちのもう一方から離れる方向に、第1の位置から前記伸展形態を定める拡張位置へと移動させる付勢力を、前記伸展部材から受ける、実施態様1〜5のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(7) 前記拡張部材は、第1及び第2の対の対向する拡張器ブレードを備え、かつ前記伸展部材が前記第1の位置から前記伸展位置へと移動するにつれて、前記伸展部材が、前記第2の対の拡張器ブレードのうちの少なくとも1つ又は両方を前記第1の位置から前記拡張位置まで付勢するように、前記伸展部材が、前記第1の対の拡張器ブレードのうちのそれぞれの少なくとも1つ又は両方に回転可能に取り付けられる、実施態様1〜6のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(8) 前記伸展部材に連結された作動装置を更に備え、前記作動装置は、前記伸展部材を前記第1の位置から前記伸展位置へと移動させる付勢力を前記伸展部材に印加するように構成される、実施態様1〜7のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(9) 前記作動装置が前記伸展部材と一体構造である、実施態様8に記載の伸展可能な拡張器。
(10) 前記作動装置が、前記伸展部材から分離していて、前記伸展部材に連結されている、実施態様8に記載の伸展可能な拡張器。
(11) 前記基部と前記拡張部材とを含む拡張器本体と、前記拡張器本体によって支持される固定部材と、を更に備え、前記固定部材は、前記作動装置に取り付けるように構成し、それによって前記作動装置が前記基部から前記拡張部材に向かう方向に移動するのを防止し、それによって前記伸展部材を前記伸展位置に保持する、実施態様8〜10のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(12) 前記固定部材が、前記拡張器本体によって支持されるクリート、前記拡張器本体によってネジ方式で支持される止めネジ、及び前記拡張器本体によって支持されるクランプのうちの1つを備える、実施態様11に記載の伸展可能な拡張器。
(13) 前記伸展部材を前記伸展位置から前記第1の位置まで移動させる付勢力を前記伸展部材に印加するように構成された第2の作動装置を更に備える、実施態様8〜12のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(14) 前記作動装置に取り付けられる作動てこ部材を更に備え、前記てこ部材が、力を受け、前記力を変更し、かつ前記変更された力を前記作動装置を介して前記伸展部材に印加して、前記伸展部材を前記第1の位置から前記伸展位置に向けて移動させるように構成される、実施態様8〜13のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(15) 前記てこ部材は前記作動装置に取り付けられたスプールを備え、前記スプールがスプール本体を備え、前記スプール本体は、前記作動装置を前記スプール本体に巻き付けさせ、それによって前記伸展部材を前記第1の位置から前記伸展位置に向けて移動させるように、第1の回転方向に回転可能である、実施態様14に記載の伸展可能な拡張器。
(16) 前記作動てこ部材及び前記拡張器本体がそれぞれ、互いに係合して前記スプールが前記拡張器本体に対して回転するのを防止するように構成された係止部材を備える、実施態様15に記載の伸展可能な拡張器。
(17) 前記基部と、前記基部から遠位端まで延出する前記拡張部材とを備える拡張器本体と、前記拡張器本体によって支持される少なくとも1つの照明光源と、を更に備え、前記照明光源は、照明光を、前記遠位端において前記第2の導管に向けて放射し、かつ前記第2の導管の前記遠位端から出すように構成される、実施態様1〜16のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。
(18) 前記拡張部材の前記遠位端が、1)前記遠位端において前記内側表面によって支持される複数のプリズム、2)前記遠位端における前記内側表面の凹凸領域、及び3)前記遠位端において前記内側表面によって支持される反射性材料、のうちの少なくとも1つを備えた少なくとも1つの光成形素子を画定する、実施態様17に記載の伸展可能な拡張器。
(19) 前記拡張部材は弾性的に可撓性であり、かつ前記基部から遠位端まで延在し、前記伸展可能な拡張器は、
前記拡張部材によって支持されるトラックであって、前記トラックが前記基部と前記遠位端との間に延在する、トラックと、
前記トラックに沿って摺動可能な伸展装置であって、前記伸展装置が、前記伸展装置に近い領域(region local to the expansion device)において、前記拡張部材を前記第1の形態から前記伸展形態へと拡張させるように、前記伸展装置が前記第2の導管の断面寸法よりも大きい断面寸法を有する、伸展装置と、を更に備える、実施態様1〜18のいずれかに記載の伸展可能な拡張器。