JP6383972B2 - 温度測定プローブ及び温度測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、MR(磁気共鳴)検査などの高磁場の環境下で温度をリアルタイムに測定する温度測定プローブ及び温度測定システムに関するものである。
従来、高磁場の環境下での核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)現象を利用して生体内の内部の情報を画像にするMRI(Magnetic Resonance Imaging)などのMR検査が知られている。高磁場のMR検査では検査の短時間化が期待されている。しかしながら、高磁場の電磁誘導で生体内に誘起される起電力による渦電流や、MR画像収集時に照射される数MHz〜数百MHzの高周波(例えば、4.26〜127.8[MHz])のパルス状の電磁波(以下、「RFパルス」という。)が生体に吸収されて流れる高周波の電流などにより、検査中に生体の温度が局所的に上昇する場合がある。MR検査中の熱傷を防ぐためRFパルスの照射が制限され、短時間でのMR検査は不可能である。
上記生体の温度の局所的な上昇(ホットスポット)は、比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)というパラメータの値を用いて計算して評価することができる。ここで、比吸収率(SAR)は、生体が電磁波にさらされることによって単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量[W/kg]であり、その値は例えば電磁波の被爆環境の規制に用いられている。
前述のようなMR検査などの高磁場の環境下で上昇する生体の局所的な温度は比吸収率(SAR)の値で評価することができるが、検査対象である実際の生体の形状や電気伝導率等は一定でないため、比吸収率(SAR)を用いて計算した局所的な温度上昇の計算値と実際のMR検査時の局所的な温度上昇とは異なる。さらに、MR装置のメーカによって比吸収率(SAR)の計算に使用する係数が異なるなどの理由で、同様なMR装置であってもメーカ間で比吸収率(SAR)の値が大きく異なる場合がある。従って、従来の比吸収率(SAR)を用いた計算による評価では不十分であるため、MR検査時に温度を実測する必要性がある。特に、3[T]以上の高磁場のMR装置は、磁場強度が大きくなるだけでなく、RFパルスの周波数も倍増するため、RFパルスによる温度上昇が大きく、また立体的に不正形である人体では、RFパルスの均一な照射が難しいことに起因にする不規則な温度ムラが生じ、上記比吸収率(SAR)を用いた計算では評価しにくいだけでなく、著しく温度が上昇するホットスポットが発生する危険性がある。そのため高磁場であるほど、MR検査時に温度を実測する必要性が高い。
このようなRFパルスの照射を伴う高磁場の環境下でのMR検査時における局所的な温度を測定する装置として、蛍光ファイバー式温度計が知られている(非特許文献1参照)。この蛍光ファイバー式温度計は、温度によって発光スペクトルが変化する蛍光体を有するプローブと、その蛍光体が発した光を伝送する光ファイバーと、光ファイバーから出射した光のスペクトルを測定して分析することにより温度に変換する分光分析装置とを備えている。
また、非特許文献2には、MRIパラメータである緩和時間(T1)やプロトンケミカルシフトの測定値を用いて生体の温度変化を推定する方法が開示されている。
しかしながら、上記従来の蛍光ファイバー式温度計は、温度を直接測定するものではなく、測定温度に対応する発光スペクトルを測定し、その発光スペクトルを分析して温度に変換する間接的な温度測定を行うものである。そのため、温度の測定精度が±2℃程度と低く、高精度の温度測定を行うことができないという問題がある。また、上記従来の蛍光ファイバー式温度計では、上記発光スペクトルの測定及び分析並びに温度への変換処理に時間を要するため、温度測定のサンプリング周期が1秒程度であり、高速サンプリング周期(例えば50[μs])で温度を測定することができない。
また、上記非特許文献2の方法は、MRI検査時の生体における相対的な温度変化をMRIパラメータから間接的に評価するものであり、温度[℃]の値そのものを測定するものではない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境下における測定対象の局所的な温度を高速サンプリング周期で精度よくリアルタイムに測定することができる温度測定プローブ及び温度測定プローブを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、測定温度に応じて電気信号を出力する温度測定プローブであって、非磁性の熱電対と、前記熱電対の出力端に接続され絶縁性の磁気シールド材で被覆された導線と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の温度測定プローブでは、非磁性の熱電対を用いることにより、高磁場の影響を受けることなく測定対象の局所的な温度に応じた電圧を出力することができる。しかも、その熱電対から出力される出力電圧は連続的に出力されるとともに、測定対象の温度を応じて直接的に変化するため、蛍光体の発光スペクトルを分析して温度を間接的に測定する従来の蛍光ファイバー式温度計よりも高い精度及び高速サンプリング周期で温度を測定することができる。更に、導線は、絶縁性の磁気シールド材で被覆されているので、高磁場の環境下におけるケーブルでの誘導電流の発生を抑制しつつ、熱電対から出力される電圧を伝送することができる。よって、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境下における測定対象の局所的な温度を高速サンプリング周期で精度よく測定することができる。
なお、非磁性体の熱電対は銅−コンスタンタンであってもよい。
また、請求項2の発明は、請求項1の温度測定プローブにおいて、前記熱電対は、非浸潤処理された非磁性の絶縁体で被覆されていることを特徴とするものである。この温度測定プローブでは、測定対象に接触させる熱電対が非浸潤処理された非磁性の絶縁体で被覆されているため、測定対象が導電性を有する湿潤した媒質中にある場合や測定対象自体が湿潤した導電性を有する場合に、熱電対による温度測定の誤差の発生や熱電対の劣化を防止することができる。また、測定対象に複数の温度測定プローブを配置する場合に、温度測定プローブ同士の相互干渉を防止することができる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の温度測定プローブにおいて、前記導線は前記熱電対の補償導線を兼ねることを特徴とするものである。この温度測定プローブでは、測定対象の局所的な温度をより高い精度で測定することができる。さらに、温度測定プローブを高い絶縁性を有する絶縁体で被覆することで、温度測定プローブを人体に接触する際における電気的な安全性(マクロショックの防止)を確保できる。
また、請求項4の発明は、温度測定システムであって、請求項1乃至3のいずれかの温度測定プローブと、前記温度測定プローブのケーブルから出力される電圧を測定し、その電圧の測定結果に基づいて測定温度を出力する温度測定処理装置と、を備えることを特徴とするものである。この温度測定システムでは、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境下における測定対象の局所的な温度を高速サンプリング周期で精度よく測定して出力することができる。また、ケーブルを介して温度測定プローブと温度測定処理装置とを離して接続できるため、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境下に温度測定プローブを配置し、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境から離れた場所に温度測定処理装置を配置することができる。従って、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の影響を受けることなく、熱電対の電圧の測定結果に基づいて測定温度を出力する処理を行うことができるので、高周波の電磁波や高磁場による温度の測定精度の劣化を抑制できる。
本発明によれば、高周波の電磁波の照射を伴う高磁場の環境下における測定対象の局所的な温度を高速サンプリング周期で精度よくリアルタイムに測定することができる。
本実施形態の温度測定プローブを含む温度測定システムの一構成例を示す概略構成図。 本発明の実施形態に係る温度測定プローブの一構成例を示す概略構成図。 本実施形態の温度測定システムを用いてMRI検査時に人体の局所温度をリアルタイムに測定している様子を示す説明図。 本実施形態の温度測定システムを用いて、高周波のRFパルスの照射を伴う高磁場の環境下でのファントムのMRIを撮像するMR検査時にリアルタイムに測定した温度の時間変化の一例を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の温度測定プローブ100を含む温度測定システム10の一構成例を示す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係る温度測定システム10は温度測定プローブ100と温度測定処理装置200とを備える。温度測定プローブ100は、熱電対センサ部110とケーブル120とを有する。熱電対センサ部110は、所定の温度(例えば0[℃])を基準にして予め校正された非磁性の銅−コンスタンタン(銅とニッケルとの合金)の熱電対が組み込まれている。この熱電対の測定温度範囲は−73[℃]〜+260[℃]である。なお、非磁性体であれば、銅−コンスタンタン以外の熱電対を用いてもよい。例えば、銅−コンスタンタン以外の非磁性の熱電対としては、クロメル・コンスタンタンの熱電対を用いてもよい。
温度測定プローブ100の熱電対センサ部110側の一方の端部(先端部)は、温度測定対象に接触させる温度検知部100aである。この温度検知部100aに銅−コンスタンタンの熱電対の接合点(測温接点)が位置している。温度測定プローブ100のケーブル120側の他方の端部は、測定温度に対応した電圧が出力される電圧出力端100cであり、測定温度処理装置200の電圧測定端子210に接続されている。温度測定プローブ100の熱電対センサ部110とケーブル120とは、既知の温度(例えば室温)[℃]になっている中継接続部100bで互いに接続されている。また、測定温度処理装置200の電圧測定端子210も、中継接続部100bと同様に、既知の温度(例えば室温)[℃]になっている。これらの電圧測定端子210及び中継接続部100bそれぞれの温度は、例えば白金測温体で測定してもよい。
測定温度処理装置200は、電圧測定端子210のほか、温度算出部220と、表示部(例えば液晶ディスプレイ)などの測定結果出力部230とを備える。温度算出部220は、例えば電圧測定回路、CPU、メモリなどで構成され、電圧測定端子210に接続された温度測定プローブ100の出力電圧を測定し、その測定電圧と、予め記憶しておいて校正データとに基づいて、温度の相対値を算出する。この算出した温度の相対値に、上記温度測定プローブ100の中継接続部100b及び電圧出力端100cの既知の温度(例えば室温)[℃]を加算した温度[℃]が、温度測定プローブ100の温度検知部100aで測定された測定対象の測定温度[℃]である。また、電圧測定端子210の温度と中継接続部100bの温度とが互いに異なる場合は、両者の温度差で補正して測定対象の測定温度[℃]を算出してもよい。
上記測定温度[℃]は、測定温度処理装置200の測定結果出力部230に出力することができる。なお、複数の測定箇所それぞれの温度を同時にリアルタイム測定するため、測定温度処理装置200は、複数の温度測定プローブ100を接続できるように電圧測定端子210を複数備えてもよい。
測定温度処理装置200としては、市販のデータ取得装置(例えば、日本アビオニクス株式会社製のデータアクイジション装置:オムニライトII RM1100)を用いることもできる。
図2は、本発明の実施形態に係る温度測定プローブの一構成例を示す概略構成図である。
図2において、熱電対センサ部110に組み込まれた熱電対の素線である銅線111及びコンスタンタン線112は非磁性体であり、温度検知部100aで互いに接合されて測温接点を形成している。銅線111及びコンスタンタン線112の温度検知部(測温接点)100aと中継接続部100bとの間は、互いに接触しないように且つ外部に露出しないように、非浸潤処理された非磁性の絶縁体で被覆されている。
銅線111及びコンスタンタン線112を被覆する被覆部113は、熱電対の素線側と外周面との間の抵抗が10[P(ペタ)Ω]程度の高い絶縁性を有している。この被覆部113は、例えば、銅線111及びコンスタンタン線112それぞれを被覆するビニル等の樹脂と、その樹脂で被覆された銅線111及びコンスタンタン線112を更に被覆するガラスと、そのガラス表面塗布して形成された防湿コーティング剤とを用いて形成することができる。防湿コーティング剤としては、例えばプリント基板の絶縁用に使用されるコーティング剤(体積抵抗率:0.8×1015[Ω・cm]絶縁破壊電圧:3.5[kV](交流50[Hz]))を用いることができる。また、このコーティング剤は、例えばトルエン、イソプロピルアルコール及び1−ブタノールを主成分とするものを用いることができるが、同様な絶縁性及び防湿性が得られるものであれば、これに限定されるものではない。
なお、測定対象の温度に対する応答性を高めるために、熱電対センサ部110の温度検知部100aの近傍の銅線111及びコンスタンタン線112のビニル被覆を剥がして露出させて、その露出部分をガラス管で覆い、そのガラス管の内部を上記コーティング剤や磁性不純物を含まない接着剤などで充填するようにしてもよい。
熱電対センサ部110の銅線111及びコンスタンタン線112はそれぞれ、中継接続部100bにおいて、ケーブル120を構成する1対の導線121、122に接続されている。導線121、122はそれぞれ、銅線で構成されているが、他の金属などの導電性材料からなる導線であってもよい。また、導線121、122の中継接続部100bと電圧出力端100cとの間は、互いに接触しないように且つ高磁場による誘導電流が流れないように、絶縁性の磁気シールド材で被覆されている。この導線121、122を被覆する被覆部113は、例えば、導線121、122それぞれを被覆するビニル被覆と、そのビニル被覆された導線121、122を覆うように設けられた磁気シールド材としてのステンレス線外編組とを用いて形成することができる。このステンレス線外編組は、電気的なシールド機能や、ケーブル外部の機械的な強度を高めて保護する機能も有する。なお、ケーブル120の長さは任意の長さ(例えば15[m])にすることができる。また、磁気シールド材としては、磁気シールド機能を有するものであれば、ステンレス以外の材料のものを用いてもよい。
以上、図2を用いて説明したように、測定対象に接触させる熱電対センサ部110の熱電対が非浸潤処理された絶縁体で被覆されているため、測定対象が導電性を有する湿潤した媒質中にある場合や測定対象自体が湿潤した導電性を有する場合に、熱電対センサ部110の熱電対による温度測定の誤差の発生や熱電対の劣化を防止することができる。また、測定対象に複数の温度測定プローブ100を配置する場合に、それら複数の温度測定プローブ100の熱電対センサ部110同士の相互干渉を防止することができる。さらに、温度測定プローブを高い絶縁性を有する絶縁体で被覆することで、温度測定プローブを人体に接触する際における電気的な安全性(マクロショックの防止)を確保できる。
また、熱電対センサ部110の全体が非磁性の材料で形成されているので、MR検査時における磁場環境下に配置した場合でも、MRI画像などのMR検査の結果に影響を与えることがない。
また、ケーブル120の導線121、122は、絶縁性の磁気シールド材で被覆されているので、高磁場の環境下におけるケーブル120での誘導電流の発生を抑制しつつ、熱電対センサ部110の熱電対から出力される電圧を測定温度処理装置200に伝送することができる。
また、高周波の電磁波の照射によって熱電対111、112や導線121、122に高周波のノイズが発生したとしても、そのノイズは、測定温度処理装置200に組み込まれた簡易なフィルターとケーブル110及び120を前述の網組のステンレス製シールド線を用いて除去することができる。また、測定温度処理装置200におけるサンプリングクロックの変更により、高周波ノイズの取込を制限することが可能である。
なお、本実施形態において、ケーブル120を構成する1対の導線121、122は、熱電対(銅線111及びコンスタンタン線112)の補償導線を兼ねてもよい。このように補償導線を兼ねる導線121、122はそれぞれ、測定温度範囲において銅線111及びコンスタンタン線112と同様な熱起電力特性を有する材料からなる導線で構成される。例えば、銅線111に接続される導線121は銅で構成され、コンスタンタン線112に接続される導線122はコンスタンタン(銅とニッケルとの合金)で構成される。
図3は、本実施形態の温度測定システムを用いてMRIを撮像するMR検査時に人体(又は、ファントム)の局所温度をリアルタイムに測定している様子の一例を示す説明図である。
図3において、MRI検査室300に設置されたMRI検査システム310は、ドーム状の磁界発生装置311、その磁界発生装置311の中空のガントリー312に設置された寝台313と、を備える。更に、MRI検査システム310は、ガントリー312内に設置された図示しないRFパルス送受信装置と、画像化の為の傾斜磁場装置と、MRI信号処理装置とを備える。MRIの撮像対象である人体(又は、ファントム)400は、寝台313上に横たわることができる。磁界発生装置311はガントリー312内に最大3[T]の磁束密度からなる磁場を形成することができる。また、RFパルス送受信装置は、寝台313上に横たわる人体(又は、ファントム)400に数MHz〜数百MHzの共鳴周波数(例えば、4.26[MHz]〜127.8[MHz])のパルス状の電磁波(励起RFパルス)を照射し、人体(又は、ファントム)400内の共鳴した原子核が発した数MHz〜数百MHzの所定周波数(例えば、4.26[MHz]〜127.8[MHz])の電磁波を共鳴信号として受信する。傾斜磁場装置は、MR信号収集時に傾斜磁場を作り出し、MR信号に画像化するための重みづけをする。MRI信号処理装置は、RFパルス受信装置で受信した信号を処理してMRIの画像を出力する。
図3の温度測定システムを用いてMRIを撮像するMR検査時には、前述のように検査対象である人体(又は、ファントム)に温度の局所的な上昇が発生するおそれがある。特に、人体(又は、ファントム)の各部が互いに接触する接触部に局所的な温度上昇が発生しやすい。そこで、図3の温度測定システムの例では、3本の温度測定プローブ100(1)〜100(3)をそれぞれ、先端の温度検知部100aが人体(又は、ファントム)400の3箇所の接触部に位置するように配置している。具体的には、人体(又は、ファントム)400の肘内面と胸部側面との接触部、手先と大腿側面との接触部、及び、両脚の大腿部内面が互いに接している接触部それぞれに温度検知部100aが位置するように、温度測定プローブ100(1)〜100(3)を配置している。また、温度測定プローブ100(1)〜100(3)の電圧出力端100cは、MRI測定室300の外側に位置するオペレータ室に設けられた200の入力部210に接続されている。
図4は、本実施形態の温度測定システムを用いて、高周波(127.8[MHz])のRFパルスの照射を伴う高磁場(3.0[T])の環境下でのファントムのMRIを撮像するMR検査時にリアルタイムに測定した温度の時間変化の一例を示すグラフである。図4に示すように、高周波(127.8[MHz])の電磁波の照射を伴う高磁場(3.0[T])の環境下でのMR検査開始から600秒経過後にサンプリング周期50[μs]で温度を測定しところ、0.1[℃]程度の高い精度で局所的な温度変化をリアルタイムに測定することができた。
以上、本実施形態によれば、数MHz〜数百MHzの高周波(例えば、4.26[MHz]〜127.8[MHz])のパルス状の電磁波(RFパルス)の照射を伴う3[T]程度の高磁場の環境下における測定対象の人体(又は、ファントム)400の局所的な温度を、50[μs]程度の高速サンプリング周期で精度よく測定することができる。
特に、本実施形態によれば、測定対象の人体(又は、ファントム)400に接触させる熱電対111、112が非浸潤処理された非磁性の絶縁体で被覆されているため、例えば人体(又は、ファントム)400のような測定対象が導電性を有する湿潤した媒質中にある場合や測定対象自体が湿潤した導電性を有する場合に、熱電対111、112による温度測定の誤差の発生や熱電対111、112の劣化を防止することができる。また、人体(又は、ファントム)400などの測定対象に複数の温度測定プローブ100(1)〜100(3)を配置する場合に、温度測定プローブ同士の相互干渉を防止することができる。
また、本実施形態によれば、ケーブル120の導線121、122が熱電対111、112の補償導線を兼ねる場合、中継接続部100bの温度を測定しなくても、その温度にかかわらず人体400などの測定対象の局所的な温度をより高い精度で測定することができる。
また、本実施形態によれば、ケーブル120を介して温度測定プローブ100と温度測定処理装置200とを離して接続できる。従って、パルス状の電磁波(RFパルス)の照射を伴う3[T]程度の高磁場の環境下に温度測定プローブ100を配置し、そのような高磁場の環境から離れた場所に温度測定処理装置200を配置することができる。従って、上記パルス状の電磁波(RFパルス)の照射を伴う高磁場の影響を受けることなく、熱電対111、112の電圧の測定結果に基づいて測定温度を出力する処理を行うことができるので、上記パルス状の電磁波(RFパルス)や高磁場による温度の測定精度の劣化を抑制できる。
また、本実施形態によれば、ケーブル120を介して温度測定プローブ100と温度測定処理装置200とを接続することにより温度測定システムを簡易に構成することができるために、前述の従来技術として挙げた蛍光ファイバー式温度計の価格の1/4程度まで低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、複数の温度測定プローブ100(1)〜100(3)を用いることにより、人体(又は、ファントム)400などの測定対象における複数箇所の局所的な温度を同時に測定することができる。なお、上記実施形態では、3本の温度測定プローブ100(1)〜100(3)を用いて人体(又は、ファントム)400の3箇所の局所的な温度を同時に測定している例を説明したが、温度測定プローブ100の数及び測定箇所の数はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態において温度測定処理装置200として例示したデータ取得装置(日本アビオニクス株式会社製のデータアクイジション装置:オムニライトII RM1100)は8チャンネルの電圧の同時測定が可能であるので、8本の温度測定プローブ100を接続することにより、8箇所の局所的な温度を同時に測定することができる。更に多チャンネルのデータ取得装置を用いたり、複数のデータ取得装置を組み合わせて用いたりすることにより、更に多くの箇所の局所的な温度を同時に測定するようにしてもよい。
なお、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
100 温度測定プローブ
100(1)〜100(3) 温度測定プローブ
100a 温度検知部(熱電対接合部)
100b 中継接続部
100c 電圧出力端
110 熱電対センサ部
111 銅
112 コンスタンタン
113 被覆部
120 ケーブル
123 磁気シールド被覆部
200 温度測定処理装置
210 入力部
220 信号処理部
230 表示部
300 MRI検査室
310 MRI検査システム
311 磁場発生装置
312 ガントリー
313 寝台
400 人体(又は、ファントム)
「3T−MR装置の安全性」,川光秀昭ほか,日本放射線技術学会JSRT,Vol.64,No12,pp.1575−1599,2008。 「0.3TオープンタイプMR装置による温度計測」、土肥美智子ほか、MEDIX,Vol.32(2000年3月発行)。

Claims (6)

  1. 高周波のRFパルスの照射を伴うMR(Magnetic Resonance)検査の高磁場環境下にある測定対象の局所温度のリアルタイム測定に使用され、前記測定対象の測定温度に応じて電気信号を出力する温度測定プローブであって、
    非磁性の熱電対と、
    前記熱電対の出力端に接続され絶縁性の磁気シールド材で被覆された導線と、を備え
    前記熱電対は、非浸潤処理された非磁性の絶縁体からなる被覆部で被覆され、
    前記被覆部は、前記熱電対の素線を被覆する樹脂と、前記樹脂で被覆された前記熱電対を更に被覆するガラスと、前記ガラスの表面にコーティングされた防湿コーティング剤とを有することを特徴とする温度測定プローブ。
  2. 請求項1の温度測定プローブにおいて、
    前記被覆部は、前記熱電対の素線側と前記被覆部の外周面との間の抵抗が10[P(ペタ)Ω]程度の絶縁性を有することを特徴とする温度測定プローブ。
  3. 請求項1又は2の温度測定プローブにおいて、
    前記熱電対の先端の温度検知部は、前記樹脂が剥がされて素線が露出した状態でガラスに覆われていることを特徴とする温度測定プローブ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの温度測定プローブにおいて、
    前記非磁性の熱電対は、銅−コンスタンタンの熱電対であることを特徴とする温度測定プローブ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの温度測定プローブにおいて、
    前記導線は前記熱電対の補償導線を兼ねることを特徴とする温度測定プローブ。
  6. 請求項1乃至のいずれかの温度測定プローブと、
    前記温度測定プローブのケーブルから出力される電圧を測定し、その電圧の測定結果に基づいて測定温度を出力する測定温度出力装置と、を備えることを特徴とする温度測定システム。
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