以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.DVB-C2の記述子
2.本技術を適用した記述子
3.システム構成
4.各装置で実行される処理の流れ
5.コンピュータの構成
<1.DVB-C2の記述子>
図1は、DVB-C2の記述子を示す図である。なお、このDVB-C2の記述子は、上述した非特許文献1(以下、「DVB-SI規格書」という。)に規定されている。
図1において、descriptor_tagは、8ビットのフィールドで、当該記述子を識別するための値が指定される。descriptor_lengthは、8ビットのフィールドで、当該記述子の長さがバイト単位で指定される。descriptor_tag_extensionは、8ビットのフィールドで、同一の記述子タグであるが、異なる記述子を使用するために使用する値が指定される。
plp_idは、8ビットのフィールドで、PLP(Physical Layer Pipe)のIDを示す値が指定される。data_slice_idは、8ビットのフィールドで、データスライスのIDを示す値が指定される。なお、PLPとデータスライスの詳細については後述する。
C2_tuning_frequencyは、32ビットのフィールドで、C2_tuning_frequency_typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。C2_tuning_frequency_typeは、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。
active_OFDM_symbol_durationは、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の有効シンボル長が定義される。guard_intervalは、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMのガードインターバル長が定義される。
<2.本技術を適用した記述子>
本技術を適用した記述子は、図1のDVB-C2の記述子に記述された情報(以下、「伝送制御情報」という。)に従い、伝送する必要がある情報を規定することになる。また、本技術を適用した記述子は、例えば、NIT(Network Information Table)内の所定の領域に配置されて伝送される。
(NITのデータ構造)
図2は、NITのデータ構造を示す図である。
NITは、例えば、チャンネル番号や変調方式、ガードインターバルなど、送信するネットワークに関する情報が含まれる。図2に示すように、NITは、TSパケットで伝送される。TSパケットのヘッダには、pid(packet identifier)が含まれるが、NITのpidは、"0x0010"とされる。また、図2において、NITには、記述子を配置するための領域として、記述子領域1と記述子領域2が設けられているが、本技術を適用した記述子は、記述子領域2に配置されることになる。
以下、図2のNITの記述子領域2に配置される、本技術を適用した記述子について説明する。ここでは、当該記述子として、4つの記述子1乃至記述子4について順に説明する。
(1)記述子1のデータ構造
図3は、記述子1のデータ構造を示す図である。なお、図4には、記述子1に配置される各情報の意味が示されており、適宜参照しながら説明する。
図3において、記述子1には、記述子タグ、記述子長、記述子タグ拡張、PLP ID、データスライスID(Data Slice ID)、チューニング周波数(Tune Freq)、チューニング周波数の種類(Tune Freq Type)、有効シンボル長、ガードインターバル(GI:Guard Interval)、外符号、変調、内符号、及び、バンドルドチャンネル(bundled channel)を示す情報が、その順番で配置されている。また、記述子1では、bundled channelを示す情報に応じて、図中の「繰り返し」の部分に、Data Slice ID、Tune Freq、Tune Freq Type、外符号、変調、及び、内符号が、その順番で配置される。
なお、図3において、各情報の下側に配置された数値は、その情報のビット数を表している。これらの情報とビット数との関係は、後述する他の図でも同様とされる。
記述子タグは、8ビットのフィールドで、当該記述子1を識別するための値が指定される。記述子長は、8ビットのフィールドで、当該記述子1の長さがバイト単位で指定される。記述子タグ拡張は、8ビットのフィールドで、同一の記述子タグだが、異なる記述子を使用するために使用する値が指定される。
PLP IDは、8ビットのフィールドで、PLPのIDを示す値が指定される。Data Slice IDは、8ビットのフィールドで、データスライスのIDを示す値が指定される。なお、PLPとデータスライスの詳細については後述する。
Tune Freqは、32ビットのフィールドで、Tuning Frequencyの略であって、Tune Freq Typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。Tune Freq Typeは、Tuning Frequency Typeの略であって、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。
有効シンボル長は、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMの有効シンボル長が定義される。GIは、Guard Intervalの略であって、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMのガードインターバル長が定義される。
このように、図3の記述子1では、8ビットの記述子タグから、3ビットのGI(Guard Interval)までは、図1のDVB-C2の記述子と同様の情報が配置され、4ビットの外符号以降の情報が、図1のDVB-C2の記述子から拡張された部分とされる。
外符号は、4ビットのフィールドで、外符号の情報が規定される。変調は、8ビットのフィールドで、変調方式の情報が規定される。内符号は、4ビットのフィールドで、内符号の情報が規定される。
bundled channelは、8ビットのフィールドで、PLPを送るために使用するデータスライスの数が指定される。ここでは、"0"は、禁止、"2"以上ならば、PLPバンドリング(PLP bundling)の使用を意味している。DVB-C2では、CB(Channel Bonding)の1つとして、PLPバンドリングが規定されている。
なお、CB(Channel Bonding)とは、デジタル放送において、高データレートのストリームを伝送する技術の1つとして、送信側において、高データレートのストリームを、複数(チャンネル)の分割ストリームに分割して伝送し、受信側において、複数の分割ストリームを、元のデータレートのストリームに再構築することをいい、DVB-C2では、CBの1つとして、PLPバンドリングが規定されている。
ここで、bundled channelとして、"2"以上の値が指定され、PLPバンドリングを使用する場合、データスライスの数に応じてチャンネルループが繰り返され、図中の「繰り返し」の部分が有効とされる。当該「繰り返し」の部分には、Data Slice IDにより識別されるデータスライスごとに、Tune Freq、Tune Freq Type、外符号、変調、内符号を示す情報が配置される。
当該「繰り返し」の部分において、Tune Freqは、32ビットのフィールドで、Tune Freq Typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。Tune Freq Typeは、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。外符号は、4ビットのフィールドで、外符号の情報が規定される。変調は、8ビットのフィールドで、変調方式の情報が規定される。内符号は、4ビットのフィールドで、内符号の情報が規定される。なお、「繰り返し」の部分には、6ビットのフィールドからなる将来使用のためのリザーブの領域が用意されている。
すなわち、PLPバンドリングを使用する場合、1個目のデータスライスに関する情報は、PLP IDの次に配置されるData Slice IDにより識別される情報として配置され、2個目以降のデータスライスに関する情報が、図中の「繰り返し」の部分に配置されることになる。なお、PLPバンドリングを使用しない場合には、図中の「繰り返し」の部分は無効とされる。
以上のように、図3の記述子1は、図1のDVB-C2の記述子に記述された伝送制御情報に対して、外符号や内符号の符号化方式と、変調方式を示す情報を加えて拡張したものとされる。また、図3の記述子1では、PLPバンドリングを使用する場合には、図中の「繰り返し」の部分が有効とされ、データスライスごとに、周波数や符号化方式、変調方式を示す情報が配置される。
(2)記述子2のデータ構造
図5は、記述子2のデータ構造を示す図である。なお、図5の説明においても、図4の各情報の意味を適宜参照しながら説明するものとする。
図5において、記述子2には、記述子タグ、記述子長、記述子タグ拡張、PLP ID、有効シンボル長、GI、及び、bundled channelが、その順番で配置されている。また、記述子2では、図中の「繰り返し」の部分に、Data Slice ID、Tune Freq、Tune Freq Type、外符号、変調、及び、内符号が、その順番で配置される。
記述子タグは、8ビットのフィールドで、当該記述子2を識別するための値が指定される。記述子長は、8ビットのフィールドで、当該記述子2の長さがバイト単位で指定される。記述子タグ拡張は、8ビットのフィールドで、同一の記述子タグだが、異なる記述子を使用するために使用する値が指定される。
PLP IDは、8ビットのフィールドで、PLPのIDを示す値が指定される。有効シンボル長は、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMの有効シンボル長が定義される。GIは、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMのガードインターバル長が定義される。
bundled channelは、8ビットのフィールドで、PLPを送るために使用するデータスライスの数が指定される。ここでは、"0"は、禁止、"2"以上ならば、PLPバンドリングの使用を意味している。また、bundled channelの次には、2ビットのフィールドからなる将来使用のためのリザーブ領域が用意されている。
ここで、bundled channelとして、"2"未満の値が指定され、PLPバンドリングを使用しない場合、図中の「繰り返し」の部分が1度だけ使用される。すなわち、当該「繰り返し」の部分には、Data Slice ID、Tune Freq、Tune Freq Type、外符号、変調、内符号を示す情報が配置される。
当該「繰り返し」の部分において、Data Slice IDは、8ビットのフィールドで、データスライスのIDを示す値が指定される。Tune Freqは、32ビットのフィールドで、Tune Freq Typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。Tune Freq Typeは、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。外符号は、4ビットのフィールドで、外符号の情報が規定される。変調は、8ビットのフィールドで、変調方式の情報が規定される。内符号は、4ビットのフィールドで、内符号の情報が規定される。なお、「繰り返し」の部分には、6ビットのフィールドからなる将来使用のためのリザーブの領域が用意されている。
また、bundled channelとして、"2"以上の値が指定され、PLPバンドリングを使用する場合、データスライスの数に応じて、チャンネルループが繰り返され、図中の「繰り返し」の部分がそのループの数だけ使用される。すなわち、当該「繰り返し」の部分には、Data Slice IDにより識別されるデータスライスごとに、Tune Freq、Tune Freq Type、外符号、変調、内符号を示す情報が配置される。
すなわち、PLPバンドリングの使用・未使用にかかわらず、図中の「繰り返し」の部分が有効とされ、各データスライスに関する情報が配置されることになる。
以上のように、図5の記述子2は、図1のDVB-C2の記述子に記述された伝送制御情報に対して、外符号や内符号の符号化方式と、変調方式を示す情報を加えて拡張したものとされる。また、図5の記述子2では、PLPバンドリングの使用・未使用にかかわらず、図中の「繰り返し」の部分が有効とされるが、PLPバンドリングを使用しない場合、当該「繰り返し」の部分が1度だけ使用され、PLPバンドリングを使用する場合には、当該「繰り返し」の部分がチャンネルループの数だけ使用される。すなわち、図5の記述子2は、図3の記述子1と比べて、周波数や符号化方式、変調方式を示す情報等のデータスライスごとの情報を、図中の「繰り返し」の部分にまとめているといえる。
(3)記述子3のデータ構造
図6は、記述子3のデータ構造を示す図である。なお、図6の説明においても、図4の各情報の意味を適宜参照しながら説明するものとする。
図6において、記述子3には、記述子タグ、記述子長、記述子タグ拡張、PLP ID、有効シンボル長、GI、及び、bundled channelが、その順番で配置されている。また、記述子3では、図中の「繰り返し」の部分に、Data Slice ID、Tune Freq、及び、Tune Freq Typeがその順番で配置されている。
記述子タグは、8ビットのフィールドで、当該記述子3を識別するための値が指定される。記述子長は、8ビットのフィールドで、当該記述子3の長さがバイト単位で指定される。記述子タグ拡張は、8ビットのフィールドで、同一の記述子タグだが、異なる記述子を使用するために使用する値が指定される。
PLP IDは、8ビットのフィールドで、PLPのIDを示す値が指定される。有効シンボル長は、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMの有効シンボル長が定義される。GIは、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMのガードインターバル長が定義される。
bundled channelは、8ビットのフィールドで、PLPを送るために使用するデータスライスの数が指定される。ここでは、"0"は、禁止、"2"以上ならば、PLPバンドリングの使用を意味している。また、bundled channelの次には、2ビットのフィールドからなる将来使用のためのリザーブ領域が用意されている。
ここで、bundled channelとして、"2"未満の値が指定され、PLPバンドリングを使用しない場合、図中の「繰り返し」の部分が1度だけ使用される。すなわち、当該「繰り返し」の部分には、Data Slice ID、Tune Freq、Tune Freq Typeを示す情報が配置される。
当該「繰り返し」の部分において、Data Slice IDは、8ビットのフィールドで、データスライスのIDを示す値が指定される。Tune Freqは、32ビットのフィールドで、Tune Freq Typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。Tune Freq Typeは、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。なお、「繰り返し」の部分には、6ビットのフィールドからなる将来使用のためのリザーブの領域が用意されている。
また、bundled channelとして、"2"以上の値が指定され、PLPバンドリングを使用する場合、データスライスの数に応じて、チャンネルループが繰り返され、図中の「繰り返し」の部分がそのループの数だけ使用される。すなわち、当該「繰り返し」の部分には、Data Slice IDにより識別されるデータスライスごとに、Tune Freq、Tune Freq Typeを示す情報が配置される。
すなわち、PLPバンドリングの使用・未使用にかかわらず、図中の「繰り返し」の部分が有効とされ、各データスライスに関する情報が配置されることになる。
以上のように、図6の記述子3では、外符号や内符号の符号化方式と、変調方式の情報の拡張は行われていない。また、図6の記述子3では、PLPバンドリングの使用・未使用にかかわらず、図中の「繰り返し」の部分が有効とされるが、PLPバンドリングを使用しない場合、当該「繰り返し」の部分が1度だけ使用され、PLPバンドリングを使用する場合には、当該「繰り返し」の部分がチャンネルループの数だけ使用される。すなわち、図6の記述子3は、図3の記述子1と比べて、周波数を示す情報等のデータスライスごとの情報を、図中の「繰り返し」の部分にまとめている。
(4)記述子4のデータ構造
図7は、記述子4のデータ構造を示す図である。なお、図7の説明においても、図4の各情報の意味を適宜参照しながら説明するものとする。
図7において、記述子4には、記述子タグ、記述子長、記述子タグ拡張、PLP ID、Data Slice ID、Tune Freq、Tune Freq Type、有効シンボル長、GI、及び、bundled channelが、その順番で配置されている。また、記述子4では、図中の「繰り返し」の部分に、Data Slice IDが配置されている。
記述子タグは、8ビットのフィールドで、当該記述子4を識別するための値が指定される。記述子長は、8ビットのフィールドで、当該記述子4の長さがバイト単位で指定される。記述子タグ拡張は、8ビットのフィールドで、同一の記述子タグだが、異なる記述子を使用するために使用する値が指定される。
PLP IDは、8ビットのフィールドで、PLPのIDを示す値が指定される。Data Slice IDは、8ビットのフィールドで、データスライスのIDを示す値が指定される。Tune Freqは、32ビットのフィールドで、Tune Freq Typeに基づいたチューニング周波数がHz単位で指定される。Tune Freq Typeは、2ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたチューニング周波数の種類が定義される。
有効シンボル長は、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMの有効シンボル長が定義される。GIは、3ビットのフィールドで、DVB-SI規格書に基づいたOFDMのガードインターバル長が定義される。
このように、図7の記述子4では、8ビットの記述子タグから、3ビットのGIまでは、図1のDVB-C2の記述子と同様の情報が配置され、8ビットのbundled channel以降の情報が、図1のDVB-C2の記述子から拡張された部分とされる。
bundled channelは、8ビットのフィールドで、PLPを送るために使用するデータスライスの数が指定される。ここでは、"0"は、禁止、"2"以上ならば、PLPバンドリングの使用を意味している。ここで、bundled channelとして、"2"以上の値が指定され、PLPバンドリングを使用する場合、データスライスの数に応じてチャンネルループが繰り返され、図中の「繰り返し」の部分が有効とされる。当該「繰り返し」の部分には、Data Slice IDを示す情報が配置される。
ここで、当該「繰り返し」の部分においては、Data Slice IDのみが配置されているが、L1 signalling part2と呼ばれる伝送制御情報の伝送に用いられる信号(以下、「L1信号」という。)を参照して、当該Data Slice IDに対応する、データスライスごとのTune Freqと、Tune Freq Typeを取得することができる。すなわち、データスライスごとのTune Freq、Tune Freq typeは、Data Slice IDを用いて、L1信号を参照することで取得される。
以上のように、図7の記述子4は、図1のDVB-C2の記述子に記述された伝送制御情報に対して、わずかに拡張したものとされる。また、図7の記述子4では、外符号や内符号の符号化方式と、変調方式の情報の拡張は行われてない。さらに、図7の記述子4では、データスライスごとのTune Freq、Tune Freq typeは、L1信号を参照して取得できることから、極力情報を省くために、図中の「繰り返し」の部分には、Data Slice IDのみを配置している。
次に、図8乃至図18を参照して、本技術を適用した記述子1乃至記述子4に配置される情報の詳細な内容について説明する。
(Tune Freq Typeの例)
図8は、Tune Freq Typeの例を示す図である。なお、図8のTune Freq Typeは、DVB-SI規格書に規定されている。
図8に示すように、上述した記述子において、2ビットのTune Freq Typeには、"00","01","10"が指定される。Tune Freq Typeとして、"00"が指定された場合、Tune Freqの示す周波数は、データスライスのチューニング周波数とされる。また、Tune Freq Typeとして、"01"が指定された場合、Tune Freqの示す周波数は、C2 systemの中心周波数とされる。さらに、Tune Freq Typeとして、"10"が指定された場合、Tune Freqの示す周波数は、静的なデータスライスのための初期チューニング位置とされる。なお、"11"は、将来使用のためのリザーブとされる。
(OFDMの有効シンボル長の例)
図9は、OFDMの有効シンボル長の例を示す図である。なお、図9の有効シンボル長は、DVB-SI規格書に規定されている。
図9に示すように、上述した記述子において、3ビットの有効シンボル長には、"000","001"が指定される。"000"が指定された場合、その有効シンボル長は、"448μs"とされる。また、"001"が指定された場合、その有効シンボル長は、"597,33μs"とされる。なお、"010"〜"111"は、将来使用のためのリザーブとされる。
(OFDMのガードインターバル長の例)
図10は、OFDMのガードインターバル長の例を示す図である。なお、図10のガードインターバル長は、DVB-SI規格書に規定されている。
図10に示すように、上述した記述子において、3ビットのGI(Guard Interval)には、"000","001"が指定される。"000"が指定された場合、そのガードインターバル長は、"1/128"とされる。また、"001"が指定された場合、そのガードインターバル長は、"1/64"とされる。なお、"010"〜"111"は、将来使用のためのリザーブとされる。
(外符号の情報の例)
図11は、外符号の情報の例を示す図である。なお、図11の外符号の情報では、既存の外符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の外符号の情報を新たに定義している。
図11に示すように、上述した記述子において、4ビットの外符号には、"0000","0001","0010","0011"が指定される。なお、"0100"〜"1111"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0000"は未定義とされる。また、"0001"が指定された場合には、外符号はないことを意味する。
"0010"が指定された場合、その外符号は、RS(204,188)符号とされる。また、"0011"が指定された場合、その外符号は、高度ケーブルデジタル放送方式であることを意味している。この場合、外符号は、L1信号を参照することで取得される。
(変調方式の情報の例)
図12は、変調方式の情報の例を示す図である。なお、図12の変調方式の情報では、既存の変調方式の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の変調方式の情報を新たに定義している。
図12に示すように、上述した記述子において、8ビットの変調には、"0x00","0x01","0x02","0x03","0x04","0x05","0x07","0x80"が指定される。なお、"0x06","0x08"〜"0x79","0x81"〜"0xFF"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0x00"は未定義とされる。
"0x01"が指定された場合、その変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とされる。また、"0x02"が指定された場合、その変調方式は、32QAMとされる。さらに、"0x03"が指定された場合、その変調方式は、64QAMとされる。
"0x04"が指定された場合、その変調方式は、128QAMとされる。また、"0x05"が指定された場合、その変調方式は、256QAMとされる。さらに、"0x07"が指定された場合、その変調方式は、1024QAMとされる。
"0x80"が指定された場合、その変調方式は、高度ケーブルデジタル放送方式であることを意味している。この場合、変調方式は、L1信号を参照することで取得される。
(内符号の情報の例)
図13は、内符号の情報の例を示す図である。なお、図13の内符号の情報では、既存の内符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を新たに定義している。
図13に示すように、上述した記述子において、4ビットの内符号には、"0000","0001","0010","0011","0100","0101","1000","0101","1111"が指定される。なお、"0110"〜"0111","1010"〜"1110"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0000"は未定義とされる。また、"1111"が指定された場合には、内符号はないことを意味する。
"0001"が指定された場合、その内符号は、符号化率1/2とされる。また、"0010"が指定された場合、その内符号は、符号化率2/3とされる。さらに、"0011"が指定された場合、その内符号は、符号化率3/4とされる。
"0100"が指定された場合、その内符号は、符号化率5/6とされる。また、"0101"が指定された場合、その内符号は、符号化率7/8とされる。さらに、"1000"が指定された場合、その内符号は、ISDB-S方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。
"1001"が指定された場合、その内符号は、高度ケーブルデジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、L1信号を参照することで取得される。
ところで、上述した外符号の情報(図11)、変調方式の情報(図12)、及び、内符号の情報(図13)では、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、L1信号を参照して、情報を取得する例を示したが、具体的な情報を定義するようにしてもよい。そこで、以下、外符号の情報、変調方式の情報、及び、内符号の情報について、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、具体的な情報を定義した場合について説明する。
(外符号の情報の他の例)
図14は、外符号の情報の他の例を示す図である。なお、図14の外符号の情報では、既存の外符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の外符号の情報を新たに定義している。
図14に示すように、上述した記述子において、4ビットの外符号には、"0000","0001","0010","0011"が指定される。なお、"0100"〜"1111"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0000"は未定義とされる。また、"0001"が指定された場合には、外符号はないことを意味する。
"0010"が指定された場合、その外符号は、RS(204,188)符号とされる。また、"0011"が指定された場合、その外符号は、BCH符号とされる。すなわち、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、L1信号を参照するのではなく、図14の外符号の情報によって、例えば、外符号がBCH符号であることを示す情報を取得することができる。
(変調方式の情報の他の例)
図15は、変調方式の情報の他の例を示す図である。なお、図15の変調方式の情報では、既存の変調方式の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の変調方式の情報を新たに定義している。
図15に示すように、上述した記述子において、8ビットの変調には、"0x00","0x01","0x02","0x03","0x04","0x05","0x07","0x09"が指定される。なお、"0x06","0x08","0x0A"〜"0xFF"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0x00"は未定義とされる。
"0x01"が指定された場合、その変調方式は、16QAMとされる。また、"0x02"が指定された場合、その変調方式は、32QAMとされる。さらに、"0x03"が指定された場合、その変調方式は、64QAMとされる。
"0x04"が指定された場合、その変調方式は、128QAMとされる。また、"0x05"が指定された場合、その変調方式は、256QAMとされる。さらに、"0x07"が指定された場合、その変調方式は、1024QAMとされる。
"0x09"が指定された場合、その変調方式は、4096QAMとされる。すなわち、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、L1信号を参照するのではなく、図15の変調方式の情報によって、例えば、変調方式が4096QAMであることを示す情報を取得することができる。
(内符号の情報の他の例)
図16は、内符号の情報の他の例を示す図である。なお、図16の内符号の情報では、既存の内符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を新たに定義している。
図16において、上述した記述子において、4ビットの内符号には、"0000","0001","0010","0011","0100","0101","1000","1001","1010","1011","1100","1101","1111"が指定される。なお、"0110"〜"0111","1010"〜"1110"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0000"は未定義とされる。また、"1111"が指定された場合には、内符号はないことを意味する。
"0001"が指定された場合、その内符号は、符号化率1/2とされる。また、"0010"が指定された場合、その内符号は、符号化率2/3とされる。さらに、"0011"が指定された場合、その内符号は、符号化率3/4とされる。
"0100"が指定された場合、その内符号は、符号化率5/6とされる。また、"0101"が指定された場合、その内符号は、符号化率7/8とされる。さらに、"1000"が指定された場合、その内符号は、高帯域衛星デジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。
"1001"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=2/3とされる。また、"1010"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=3/4とされる。さらに、"1011"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=4/5とされる。"1100"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=5/6とされる。また、"1101"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=9/10とされる。
すなわち、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、L1信号を参照するのではなく、図16の変調方式の情報によって、例えば、内符号が、LDPC符号で、かつ、符号化率R=2/3(3/4,4/5,5/6,9/10)であることを示す情報を取得することができる。
ところで、上述した内符号の情報(図13,図16)で、既存の内符号の情報に対して、高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を追加する例を示したが、既存の内符号の情報としては、上述した内符号の情報(図13,図16)以外の他の内符号の情報が存在している。そこで、以下、既存の他の内符号の情報に対して、高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を追加する場合について説明する。
(内符号の情報のさらに他の例)
図17は、内符号の情報のさらに他の例を示す図である。なお、図17の内符号の情報では、既存の他の内符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を新たに定義している。
図17に示すように、上述した記述子において、4ビットの内符号には、"0000","0001","0010","0011","0100","0101","1000","1001","1010","1011","1100","1111"が指定される。なお、"0110"〜"0111","1101"〜"1110"は、将来使用のためのリザーブとされる。"0000"は未定義とされる。また、"1111"が指定された場合には、内符号はないことを意味する。
"0001"が指定された場合、その内符号は、符号化率1/2とされる。また、"0010"が指定された場合、その内符号は、符号化率2/3とされる。さらに、"0011"が指定された場合、その内符号は、符号化率3/4とされる。"0100"が指定された場合、その内符号は、符号化率5/6とされる。また、"0101"が指定された場合、その内符号は、符号化率7/8とされる。
"1000"が指定された場合、その内符号は、高帯域衛星デジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。また、"1001"が指定された場合、その内符号は、2.6GHz帯衛星デジタル方式であることを意味している。この場合、内符号は、パイロットチャンネルを参照することで取得される。
"1010"が指定された場合、その内符号は、高度狭帯域CSデジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、フィジカルレイヤヘッダを参照することで取得される。また、"1011"が指定された場合、その内符号は、高度高帯域衛星デジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。
"1100"が指定された場合、その内符号は、高度ケーブルデジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、L1信号を参照することで取得される。
なお、上述した場合と同様に、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、L1信号を参照して、情報を取得するに限らず、内符号の情報に具体的な情報を定義してもよい。そこで、次に、内符号の情報について、高度ケーブルデジタル放送方式である場合に、具体的な情報を定義した場合について説明する。
図18は、内符号の情報のさらに他の例を示す図である。なお、図17の内符号の情報では、既存の他の内符号の情報に対して、図中の斜線で示した高度ケーブルデジタル放送方式の内符号の情報を新たに定義している。
図18に示すように、上述した記述子において、4ビットの内符号には、"0000","0001","0010","0011","0100","0101","0110","0111","1000","1001","1010","1011","1100","1101","1110","1111"が指定される。"0000"は未定義とされる。また、"1111"が指定された場合には、内符号はないことを意味する。
"0001"が指定された場合、その内符号は、符号化率1/2とされる。また、"0010"が指定された場合、その内符号は、符号化率2/3とされる。さらに、"0011"が指定された場合、その内符号は、符号化率3/4とされる。"0100"が指定された場合、その内符号は、符号化率5/6とされる。また、"0101"が指定された場合、その内符号は、符号化率7/8とされる。
"0110"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=2/3とされる。また、"0111"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=3/4とされる。
"1000"が指定された場合、その内符号は、高帯域衛星デジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。また、"1001"が指定された場合、その内符号は、2.6GHz帯衛星デジタル方式であることを意味している。この場合、内符号は、パイロットチャンネルを参照することで取得される。
"1010"が指定された場合、その内符号は、高度狭帯域CSデジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、フィジカルレイヤヘッダを参照することで取得される。また、"1011"が指定された場合、その内符号は、高度高帯域衛星デジタル放送方式であることを意味している。この場合、内符号は、TMCC信号を参照することで取得される。
"1100"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=4/5とされる。また、"1101"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=5/6とされる。さらに、"1110"が指定された場合、その内符号は、LDPC符号で、符号化率R=9/10とされる。
なお、上述した記述子1乃至記述子4に配置される情報に定義されたビットとその意味は一例であって、他の定義を採用することができる。
<3.システム構成>
(伝送システムの構成例)
図19は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか、否かは問わない。
図19において、伝送システム1は、送信装置10と受信装置20から構成される。
送信装置10は、例えば、テレビジョン放送の番組等の送信(デジタル放送やデータ伝送)を行う。すなわち、送信装置10は、例えば、番組としてのビデオデータやオーディオデータなどの送信の対象である対象データのストリームを、例えば、ケーブルテレビジョン網(有線回線)である伝送路30を介して送信(伝送)する。
受信装置20は、送信装置10から伝送路30を介して送信されてくるデータを受信し、元のストリームに復元して出力する。
なお、図19の伝送システム1は、DVB-C2の規格に準拠したデータ伝送の他、DVB-T2やDVB-S2,ATSC(Advanced Television Systems Committee standards)等の規格に準拠したデータ伝送、その他のデータ伝送に適用することができる。また、伝送路30としては、ケーブルテレビジョン網の他、衛星回線や地上波等を採用することができる。
(送信装置の第1の構成例)
図20は、図19の送信装置10の第1の構成例を示す図である。
図20において、送信装置10は、データ取得部111、データスライス処理部112−1乃至112−N(Nは1以上の整数)、フレーム構成部113、及び、送信部114から構成される。
データ取得部111は、例えば、TS(Transport Stream)等の対象データとしての実データ(のストリーム)を取得し、データスライス処理部112−1乃至112−Nに供給する。
データスライス処理部112−Nは、データ取得部111から供給される実データを処理することで、n番目のデータスライスDS#n-1を生成し、フレーム構成部113に供給する。なお、データスライスDSには、Data Slice IDが付与される。
具体的には、データスライス処理部112−1は、PLP処理部121−1乃至121−M(Mは1以上の整数)、及び、データスライス構成部122を有している。PLP処理部121−Mは、あるPLPとしての実データを処理することで、そのPLPのデータスライスパケットを生成し、データスライス構成部に供給する。ここで、PLPは、データスライスに含まれる論理的なチャンネル(で伝送されるデータ)であり、PLPには、PLPを識別するためのPLP IDが付与される。あるPLP IDのPLPは、例えば、ある番組の実データに相当する。以下、PLP IDがiのPLPを、PLP#iとも記述する。
PLP処理部121−Mでは、そこに供給される実データの所定の単位(例えば、所定数のTSパケット)に、BB(Baseband)ヘッダを付加すること等によって、BBフレームを構成し、そのBBフレームを対象として、BCH符号化、及び、LDPC符号化の誤り訂正符号化を行う。また、PLP処理部121−Mでは、誤り訂正符号化の結果得られるFECフレームを、所定のビット数であるシンボル単位で、所定のデジタル直交変調の変調方式で定めるコンスタレーション上の信号点にマッピングする。さらに、PLP処理部121−Mでは、マッピング結果としてのシンボルを、FECフレーム単位で処理して、FECフレームヘッダを付加することで、データスライスパケットを構成し、データスライス構成部122に供給する。
データスライス構成部122は、PLP処理部121−1乃至121−Mからのデータスライスパケットから、データスライス(DS#n-1)を構成し、フレーム構成部113に供給する。ここで、データスライスは、PLPを伝送するOFDMセルの集まりであって、OFDMセルは、OFDMのサブキャリアで伝送されるデータである。なお、図示は省略しているが、データスライスは、時間方向と周波数方向にインターリーブされてから、フレーム構成部113に供給される。
フレーム構成部113は、データスライス処理部112−1乃至112−Nから供給される1個以上のデータスライスを含むC2フレームを構成し、送信部114に供給する。
送信部114は、フレーム構成部113から供給されるC2フレームのIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行い、その結果得られるOFDM信号を、DA変換(Digital to Analog Conversion)する。そして、送信部114は、デジタル信号からアナログ信号に変換されたOFDM信号を、RF(Radio Frequency)信号に変調し、伝送路30を介して送信する。
(受信装置の第1の構成例)
図21は、図19の受信装置20の第1の構成を示す図である。
図21において、受信装置20は、制御部211、受信部212、フレーム分解部213、及び、データ処理部214から構成される。
制御部211は、受信装置20の各部の動作を制御する。
受信部212は、送信装置10から伝送路30を介して送信されてくる所定の帯域のRF信号を受信して復調し、その結果得られる復調信号(OFDM信号)を、AD変換(Analog to Digital Conversion)する。そして、受信部212は、アナログ信号からデジタル信号に変換された復調信号のFFT(Fast Fourier Transform)を行い、その結果得られるC2フレーム(の信号)を、フレーム分解部213に供給する。
フレーム分解部213は、受信部212から供給されるC2フレームを分解することにより、そのC2フレームに含まれるデータスライスを抽出し、データ処理部214に供給する。
データ処理部214は、フレーム分解部213から供給されるデータスライスを、データスライスパケットに分解し、FECフレームヘッダを除去することで、データスライスパケットを、FECフレームに分解する。また、データ処理部214は、FECフレーム(のシンボル)のデマッピングを行い、デマッピング後のFECフレームに対し、誤り訂正の復号を行うことで、BB(Baseband)フレームを復元する。そして、データ処理部214は、BBフレームを分解し、実データ(のストリーム)を復元して出力する。
(送信装置の第2の構成例)
図22は、図19の送信装置10の第2の構成例を示す図である。なお、図22において、図20の第1の構成例と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は、適宜省略する。
ここで、第1の構成例の送信装置10(図20)では、ある実データに相当する1のPLP#iは、ある1のデータスライスDS#n-1で伝送される。一方、第2の構成例の送信装置10(図22)では、CBの1つであるPLPバンドリングにより、1のPLP#i(同一のPLP IDが付与されるPLP)としての実データを、BBフレーム単位で分割し、複数のデータスライスで伝送することができるようになっている。なお、図22では、PLPバンドリングに関係がないブロックについては、適宜、図示を省略している。
図22において、送信装置10は、データ取得部111、データスライス処理部112−1乃至112−N、フレーム構成部113、及び、送信部114を有し、かかる点で、図20の第1の構成例と共通している。ただし、図22の送信装置10は、データ取得部111が新たに設けられ、さらに、データスライス処理部112−Nが、PLP処理部121−1乃至121−Mに代えて、PLP処理部125を有する点で、図20の第1の構成例と相違している。
PLP処理部125は、PLP処理部121−M(図20)と比べて、BBフレームを構成する処理を行わない点が異なっている。すなわち、PLP処理部125は、FECフレームのマッピング等を行い、データスライスパケットを構成し、データスライス構成部122に供給する。
図22において、送信装置10は、PLPバンドリングにより、1のPLP#iとしての実データ(のストリーム)を、BBフレーム単位で分割し、複数のデータスライスとしての、例えば、3のデータスライスで伝送する。なお、PLPバンドリングにおいて、1のPLP#iの伝送に用いるデータスライスの数は、3に限定されるものではなく、2又は4以上の任意の値を採用することができる。
また、PLPバンドリングに用いる3のデータスライスとしては、N個のデータスライス処理部112−1乃至112−Nのうちの任意の3個で生成されるデータスライスを採用することができる。図22では、データスライス処理部112−1乃至112−3で生成されるデータスライスDS#0,DS#1,DS#2が、PLPバンドリングに用いる3のデータスライスとして採用されている。
図22の送信装置10では、1のPLP#iを、3のデータスライスDS#0乃至DS#2で伝送するため、データ処理部131が、同一のPLP IDのPLP#iとしての実データを、その実データの伝送に用いるデータスライスDS#0乃至DS#2の数である3個の分割ストリームに分割する。すなわち、データ処理部131には、データ取得部111から、同一のPLP IDのPLP#iとしての実データが供給される。
データ処理部131は、PLP処理部121−M(図20)で行われる一部の処理と同様に、そこに供給される実データに、BBヘッダを付加すること等によって、BBフレームを構成する。さらに、データ処理部131は、BBフレームのストリームであるBBストリームを、分割の対象として、そのBBストリームを構成する各BBフレームを、3のデータスライスDS#0乃至DS#2のうちのいずれか1つのデータスライスDS#n-1に分配することを繰り返すことで、BBストリームを、BBフレーム単位で、複数としての3本の分割ストリームに分割する。
データ処理部131は、データスライスDS#n-1に分配したBBフレームから構成される分割ストリームをデータスライス処理部112−Nに供給する。
ここで、DVB-C2では、PLPを処理するモードとして、NM(Normal Mode)と、HEM(High Efficiency Mode)とがある。PLPバンドリングを行う場合、PLPを処理するモードとしては、HEMモードが採用される。HEMモードでは、BBヘッダに、ISSY(Input Stream Synchroniser)が含められる。ISSYは、データ(BBフレーム)の送信時刻等に関連する時刻関連情報であり、データ処理部131は、ISSYを生成し、そのISSYを含むBBヘッダを生成して、そのBBヘッダを有するBBフレームを構成する。
データスライス構成部122は、PLP処理部125からの1個以上のデータスライスパケットから、データスライスを構成し、フレーム構成部113に供給する。なお、図示は省略しているが、データスライスは、時間方向と周波数方向にインターリーブされてから、フレーム構成部113に供給される。
ここで、図22のデータスライス処理部112−1乃至112−3において、データ処理部131からの分割ストリームから構成されるPLPは、同一のPLP IDである。したがって、図22のデータスライス処理部112−1乃至112−3で構成されるデータスライスDS#0乃至DS#2には、同一のPLP IDのPLPが含まれる。
フレーム構成部113は、データスライス処理部112−1乃至112−Nから供給される1個以上のデータスライスを含むC2フレームを構成し、送信部114に供給する。
送信部114は、フレーム構成部113から供給されるC2フレームのIFFTを行い、その結果得られるOFDM信号を、DA変換する。そして、送信部114は、デジタル信号からアナログ信号に変換されたOFDM信号を、RF信号に変調し、伝送路30を介して送信する。
(受信装置の第2の構成例)
図23は、図19の受信装置20の第2の構成を示す図である。なお、図23において、図21の第1の構成例と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は、適宜省略する。また、図23の受信装置20では、上述した図22で説明したように、PLPバンドリングにより、PLPが3のデータスライスに分配されて送信されてくる実データを再構成することができる。
図23において、受信装置20は、制御部211、受信部212、フレーム分解部213、及び、データ処理部214を有し、かかる点で、図21の第1の構成例と共通する。ただし、図23の受信装置20は、データスライス処理部231−1乃至231−N(Nは1以上の整数)と、バッファ232−1乃至232−N(Nは1以上の整数)が新たに設けられている点で、図21の第1の構成例と相違している。
図23において、フレーム分解部213は、受信部212から供給されるC2フレームを分解することにより、そのC2フレームに含まれる、PLPバンドリングで送信されてきた、同一のPLP IDのPLPを含む、例えば、3のデータスライスDS#0乃至DS#2を抽出する。フレーム分解部213は、データスライスDS#n-1を、データスライス処理部231−Nに供給する。
データスライス処理部231−Nでは、フレーム分解部213から供給されるデータスライスDS#n-1に対し、処理を行うことで、BBフレームで構成される分割ストリームが復元される。データスライスDS#n-1から復元された分割ストリームは、データスライス処理部231−Nからバッファ232−Nに供給される。
バッファ232−Nは、例えば、FIFO(First In First Out)メモリで構成され、データスライス処理部231−Nから供給される分割ストリーム(を構成するBBフレーム)を順次記憶する。
データ処理部214は、例えば、バッファ232−1乃至232−3に記憶された3本の分割ストリームを構成するBBフレームのBBヘッダに含まれるISSY(ISCR)に基づいて、元のBBストリームを構成するBBフレームの並び順に、バッファ232−Nから、BBフレームを読み出すことで、BBフレームを並び替えて、元のBBストリームを再構成する。さらに、データ処理部214は、元のBBストリームを構成するBBフレームを分解し、実データ(のストリーム)を復元して出力する。
以上のように、受信装置20では、データ処理部214において、3本の分割ストリームを構成するBBフレームのBBヘッダに含まれるISSYに基づいて、BBフレームの並び替えを行うために、分割ストリームを構成するBBフレームが、バッファ232−Nに記憶される。そして、バッファ232−Nに記憶された分割ストリームを構成するBBフレームは、元のBBストリームにおける並び順のタイミングまで、バッファ232−Nに記憶され、元のBBストリームにおける並び順のタイミングになると、バッファ232−Nから読み出される。
<4.各装置で実行される処理の流れ>
(送信処理の流れ)
まず、図24のフローチャートを参照して、図20又は図22の送信装置10により実行される、送信処理について説明する。
ステップS111において、図20又は図22の送信装置10のデータ取得部111は、TS等の対象データとしての実データ(のストリーム)を取得する。なお、データ取得部111は、上述した記述子1乃至記述子4のうち、いずれかの記述子を生成し、実データに含めることができる。
ステップS112においては、PLPバンドリングで伝送するかどうかが判定される。ステップS112において、PLPバンドリングで伝送しないと判定された場合、処理は、ステップS113に進められる。
ステップS113において、図20の送信装置10は、実データを処理することで、データスライスを生成し、当該データスライスを含むC2フレームを構成する。そして、図20の送信装置10は、C2フレームを処理することで得られるOFDM信号を、RF信号に変調して、伝送路30を介して送信する。これにより、デジタルケーブルテレビ放送の放送信号が送信されることになる。
一方、ステップS112において、PLPバンドリングで伝送すると判定された場合、処理は、ステップS114に進められる。
ステップS114において、図22の送信装置10は、実データを処理することで、実データを、その実データの伝送に用いるデータスライスの数に応じて分割ストリームに分割し、データスライスを含むC2フレームを構成する。そして、図22の送信装置10は、C2フレームを処理することで得られるOFDM信号を、RF信号に変調して、伝送路30を介して送信する。これにより、PLPバンドリングによって、デジタルケーブルテレビ放送の放送信号が送信されることになる。
ステップS113、又は、ステップS114の処理が終了すると、図24の送信処理は終了する。以上、送信処理について説明した。なお、図24においては、説明の都合上、図20の送信装置10と、図22の送信装置10は、別の装置であるとして説明したが、それらの送信装置10を1つの送信装置として捉えて、当該送信装置が、PLPバンドリングの使用・未使用の両方に対応できるようにしてもよい。
(受信処理の流れ)
次に、図25のフローチャートを参照して、図21又は図23の受信装置20により実行される、受信処理について説明する。
ステップS211において、図21又は図23の受信装置20の受信部212は、制御部211の制御に従い、送信装置10から伝送路30を介して送信される、デジタルケーブルテレビ放送の放送信号を受信する。
ステップS212においては、PLPバンドリングで伝送されているかどうかが判定される。ステップS212において、PLPバンドリングで伝送されていないと判定された場合、処理は、ステップS213に進められる。
ステップS213において、図21の受信装置20は、RF信号を受信して復調し、その結果得られるC2フレームを分解することで、データスライスを抽出する。そして、図21の受信装置20は、データスライスを用い、実データ(のストリーム)を復元して出力する。その際、制御部211は、上述した記述子1乃至記述子4のうちのいずれかの記述子に基づいて、各部の動作を制御して、伝送路30を介してデジタルケーブルテレビ放送の放送信号で伝送されるデータの受信を制御する。
一方、ステップS212において、PLPバンドリングで伝送されていると判定された場合、処理は、ステップS214に進められる。
ステップS214において、図23の受信装置20は、RF信号を受信して復調し、その結果得られるC2フレームを分解することで、PLPバンドリングで送信されてきたデータスライスを抽出する。そして、図23の受信装置20は、データスライスに対して処理を行うことで、複数の分割ストリームを取得して、実データ(のストリーム)を復元して出力する。その際、制御部211は、上述した記述子1乃至記述子4のうちのいずれかの記述子に基づいて、各部の動作を制御して、伝送路30を介してデジタルケーブルテレビ放送の放送信号で伝送されるデータの受信を制御する。
ステップS213、又は、ステップS214の処理が終了すると、図25の受信処理は終了する。以上、受信処理について説明した。なお、図25においては、図21の受信装置20と、図23の受信装置20は、別の装置であるとして説明したが、それらの受信装置20を1つの受信装置として捉えて、当該受信装置が、PLPバンドリングの使用・未使用の両方に対応できるようにしてもよい。
<5.コンピュータの構成>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。図26は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及び、ドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、ROM902や記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
デジタルケーブルテレビ放送の規格に準拠したデジタル放送信号を受信する受信部と、
前記デジタル放送信号で伝送されるDVB-C2(Digital Video Broadcasting - Cable second generation)の規格に準拠した第1の記述子に含まれる伝送制御情報を少なくとも含む第2の記述子に基づいて、前記デジタル放送信号で伝送されるデータの受信を制御する制御部と
を備える受信装置。
(2)
前記伝送制御情報には、チューニング周波数を示す情報と、PLP(Physical Layer Pipe)を識別するPLP IDが含まれる
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記伝送制御情報には、記述子タグ、記述子長、同一の記述子タグであるが異なる記述子を使用するために使用する値が指定される記述子タグ拡張、データスライスを識別するデータスライスID、前記チューニング周波数の種類、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の有効シンボル長、及び、OFDMのガードインターバルを示す情報がさらに含まれる
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記第2の記述子は、PLPを伝送するために使用するデータスライスの数が指定されるバンドルドチャンネルを含む
(3)に記載の受信装置。
(5)
前記バンドルドチャンネルにより指定されるデータスライスの数に応じて、送信側において、高データレートのストリームを、複数の分割ストリームに分割して伝送し、受信側において、複数の分割ストリームを、元のデータレートのストリームに再構築するPLPバンドリングの使用の有無が指定される
(4)に記載の受信装置。
(6)
前記第2の記述子は、前記バンドルドチャンネルにより指定されるデータスライスの数に応じて、データスライスごとの情報が配置される
(5)に記載の受信装置。
(7)
前記第2の記述子は、符号化方式、及び、変調方式を示す情報をさらに含む
(4)乃至(6)のいずれか一項に記載の受信装置。
(8)
前記符号化方式、及び、前記変調方式を示す情報は、特定の符号化方式と特定の変調方式が指定されたL1信号の参照を指示する
(7)に記載の受信装置。
(9)
前記符号化方式を示す情報には、特定の符号化方式が指示され、
前記変調方式を示す情報には、特定の変調方式が指示される
(7)に記載の受信装置。
(10)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
デジタルケーブルテレビ放送の規格に準拠したデジタル放送信号を受信し、
前記デジタル放送信号で伝送されるDVB-C2の規格に準拠した第1の記述子に含まれる伝送制御情報を少なくとも含む第2の記述子に基づいて、前記デジタル放送信号で伝送されるデータの受信を制御する
ステップを含む受信方法。
(11)
DVB-C2の規格に準拠した第1の記述子に含まれる伝送制御情報を少なくとも含む第2の記述子を生成する生成部と、
生成された前記第2の記述子と、前記第2の記述子により受信が制御されるデータを、デジタルケーブルテレビ放送の規格に準拠したデジタル放送信号で送信する送信部と
を備える送信装置。
(12)
前記伝送制御情報には、チューニング周波数を示す情報と、PLPを識別するPLP IDが含まれる
(11)に記載の送信装置。
(13)
前記伝送制御情報には、記述子タグ、記述子長、同一の記述子タグであるが異なる記述子を使用するために使用する値が指定される記述子タグ拡張、データスライスを識別するデータスライスID、前記チューニング周波数の種類、OFDMの有効シンボル長、及び、OFDMのガードインターバルを示す情報がさらに含まれる
(12)に記載の送信装置。
(14)
前記第2の記述子は、PLPを伝送するために使用するデータスライスの数が指定されるバンドルドチャンネルを含む
(13)に記載の送信装置。
(15)
前記バンドルドチャンネルにより指定されるデータスライスの数に応じて、送信側において、高データレートのストリームを、複数の分割ストリームに分割して伝送し、受信側において、複数の分割ストリームを、元のデータレートのストリームに再構築するPLPバンドリングの使用の有無が指定される
(14)に記載の送信装置。
(16)
前記第2の記述子は、前記バンドルドチャンネルにより指定されるデータスライスの数に応じて、データスライスごとの情報が配置される
(15)に記載の送信装置。
(17)
前記第2の記述子は、符号化方式、及び、変調方式を示す情報をさらに含む
(14)乃至(16)のいずれか一項に記載の送信装置。
(18)
前記符号化方式、及び、前記変調方式を示す情報は、特定の符号化方式と特定の変調方式が指定されたL1信号の参照を指示する
(17)に記載の送信装置。
(19)
前記符号化方式を示す情報には、特定の符号化方式が指示され、
前記変調方式を示す情報には、特定の変調方式が指示される
(17)に記載の送信装置。
(20)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
DVB-C2の規格に準拠した第1の記述子に含まれる伝送制御情報を少なくとも含む第2の記述子を生成し、
生成された前記第2の記述子と、前記第2の記述子により受信が制御されるデータを、デジタルケーブルテレビ放送の規格に準拠したデジタル放送信号で送信する
ステップを含む送信方法。