[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。
図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図106を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図63を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図66等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図93を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性部27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図63を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図63等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図25を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。また、図24は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる一対のサイドスピーカカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図26乃至図30を参照して説明する。図26(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図27は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図28は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図29は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図30は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線136(図24を参照)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている(図22及び図24等を参照)。このカバー部材134は、配線136をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線136が邪魔にならないように配線136を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線コード196の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図27及び図28等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状101aの切欠部が形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図28を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図28に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための四つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図27に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、上部ブラケット120、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付部110g(図24を参照)や、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110h(図18、図24及び図25等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
なお、サイドスピーカカバー290では、図25に示すように、左右夫々一つずつ、ガラスユニット590が後側から嵌め込まれるガラスユニット支持段部110aを貫通するように配置されており、扉枠ベース本体110(扉枠5)からガラスユニット590を取外した状態で、取付孔110hを介して所定のビスにより脱着することができるようになっている。更に、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110hは、図18に示すように、扉枠ベース本体110に防犯カバー180を固定することで後側が被覆されるようになっている。従って、サイドスピーカカバー290を取外すには、まず始めに防犯カバー180とガラスユニット590とを、扉枠ベース本体110から取外さなければならないようになっている。これにより、サイドスピーカカバー290の取外しに若干時間がかかるようにすることで不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、サイドスピーカ130に対する盗難行為や、遊技領域1100内等に対する不正行為等を躊躇させて、不正行為等に対する抑止力(安全性)を高めることができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
次に、扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120は、扉枠ベース本体110の前面上部中央に固定されるものであり、詳細な図示は省略するが、扉枠ベースユニット100に取付けられた左右のサイド装飾ユニット200,240の間に形成される上部の隙間を隠蔽すると共に、左右両端が夫々サイド装飾ユニット200,240によって支持されるようになっている。また、上部ブラケット120は、その先端の一部が上部装飾ユニット280内へ挿入されるようになっており、扉枠5が組立てられた状態では、上部装飾ユニット280を上側から支持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図27乃至図29等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図29及び図30等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コード196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,286,320,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図27及び図28等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図27及び図28に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図27に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図27を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図106を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図106を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図27及び図28を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。なお、四つのガラスユニット係止部材190のうち、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190の係止片190bには、突条が形成されておらず、後面が平坦面となっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ユニットベース100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図31乃至図33を参照して説明する。図31(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図32は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図33は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の骨格を形成するサイド装飾フレーム202と、サイド装飾フレーム202の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材204と、サイド上部装飾部材204に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ206と、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ206を挟むようにサイド上部装飾部材204が前側に取付けられるサイド上部カバー208と、サイド上部カバー208の下部を支持すると共にサイドフレーム202に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ210と、サイドレンズ210の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ212と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
更に、右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202の正面視で左上部に配置される右上部スピーカ222と、右上部スピーカ222を支持しサイド装飾フレーム202の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット224と、上部スピーカブラケット224とサイド装飾フレーム202との間に挟持される上部スピーカカバー226と、サイド上部カバー208における側面の所定位置に内側から取付けられるサイドサブレンズ228と、を備えている。サイドサブレンズ228の後側には、右サイド上装飾基板214のLED214cが配置されており、LED214cによって発光装飾されるようになっている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202、サイド上部装飾部材204、右サイド上装飾基板カバー218、及び右サイド下装飾基板カバー220が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾レンズ206、サイド上部カバー208、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカカバー226、上部スピーカブラケット224、及びサイドサブレンズ228は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー208の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ206、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカブラケット224、上部スピーカカバー226、及びサイドサブレンズ228が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ210及び上部スピーカカバー226の裏面側と、サイドインナーレンズ212及び上部スピーカブラケット224の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210及びサイドインナーレンズ212の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイド装飾フレーム202は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠202aと、内側枠202aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠202aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠202bと、外側枠202bと内側枠202aの上端縁同士を連結する上端枠202cと、外側枠202bと内側枠202aの下端縁同士を連結する下端枠202dと、内側枠202a及び外側枠202bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠202aと外側枠202bとを連結すると共に所定幅のスリット202eを有した隔壁枠202fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム202の内側枠202aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠202bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠202aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠202bの直線状に上下に延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fは、内側枠202aと外側枠202bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠202fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム202は、図示するように、複数の隔壁枠202fによって内側枠202aと外側枠202bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口202gとされ、後述するサイドレンズ210の周レンズ部210aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠202fのスリット202eには、後側からサイドレンズ210の放射レンズ部210bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠202fによりスリット202eと発光装飾開口202gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾部材204は、図示するように、サイド装飾フレーム202における外側枠202bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部204aが形成されている。このサイド上部装飾部材204は、列設された開口部204aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ206は、サイド上部装飾部材204の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材204の後側から開口部204aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部206aを備えている。この導光部206aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材204の開口部204aに挿入嵌合させることで、開口部204aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ204の導光部206aによって後側に配置された右サイド上装飾基板214からの光をサイド上部装飾部材204の開口部204aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部206aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部カバー208は、その上面及び右側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材204と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー208は、前面下部に、サイド上部装飾部材204を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部208aが形成されており、取付段部208aの後端面にサイド上部装飾部材204等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー208の右側面には、上下に配置された二つの切欠部208bが形成されており、この切欠部208bを介して内部に取付けられるサイドサブレンズ228が表面側へ望むようになっている。サイド上部カバー208の切欠部208bにサイドサブレンズ228が嵌め込まれることで、この部位のみ異なる態様で発光させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202gに後から挿入される周レンズ部210aと、サイド装飾フレーム202のスリット202eに後から挿入される放射レンズ部210bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202の上端枠202cに接する発光装飾開口202gと対応する周レンズ部210aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部210cとされている。この収容段部210c内には、後述する右上部スピーカ222や上部スピーカブラケット224等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ210は、収容段部210cの上面を形成しサイド上部カバー208における取付段部208aの後側に固定される取付部210dを備えている。
このサイドレンズ210は、周レンズ部210a及び放射レンズ部210bの前面が、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部210aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部210aの板厚が不均一となることで、周レンズ部210aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部210aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210a及び放射レンズ部210bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部212aと、本体部212aの後端から連続し本体部212aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部210b(サイド装飾フレーム202のスリット202e)と対応した位置に配置される板状の導光部212bと、を備えている。このサイドインナーレンズ212の本体部212aは、その前面がサイドレンズ210の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212における本体部212aの一方の面には、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部212aの板厚が不均一となることで、本体部212aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210と組合わせることで、周レンズ部210a及び本体部212aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ210(周レンズ部210a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202g(サイドレンズ210の周レンズ部210a)と対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム202のスリット202e(サイドレンズ210の放射レンズ部210b)と対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、サイドサブレンズ228を発光装飾させる右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット224により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持する上部スピーカブラケット224は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部224aを備えている。そして、上部スピーカブラケット224におけるホーン部224aの上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部224aによって右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、上部スピーカブラケット224のホーン部224aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット224もまた、その前面が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット224を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット224の前面側を覆う上部スピーカカバー226は、サイド装飾フレーム202における上端枠202cに接する発光装飾開口202gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム202の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ210の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー226の表面には貫通孔226aが複数形成されており、右上部スピーカ222からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー226もまた、その内面側が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー226を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー226及び上部スピーカブラケット224において、光が乱屈折することで、遊技者側から右上部スピーカ222や上部スピーカカバー226に形成された貫通孔226aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図34乃至図36を参照して説明する。図34(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図35は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図36は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200と略対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、左サイド装飾ユニット240の骨格を形成するサイド装飾フレーム242と、サイド装飾フレーム242の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材244と、サイド上部装飾部材244に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ246と、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ246を挟むようにサイド上部装飾部材244が前側に取付けられるサイド上部カバー248と、サイド上部カバー248の下部を支持すると共にサイドフレーム242に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ250と、サイドレンズ250の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250及びサイド装飾フレーム242に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242の正面視で右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイド装飾フレーム242の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264とサイド装飾フレーム242との間に挟持される上部スピーカカバー266と、を備えている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242、サイド上部装飾部材244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾レンズ246、サイド上部カバー248、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカカバー266、及び上部スピーカブラケット264は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー248の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ246、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び上部スピーカカバー266が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ250及び上部スピーカカバー266の裏面側と、サイドインナーレンズ252及び上部スピーカブラケット264の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ250及びサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド装飾フレーム242は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠242aと、内側枠242aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠242aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠242bと、外側枠242bと内側枠242aの上端縁同士を連結する上端枠242cと、外側枠242bと内側枠242aの下端縁同士を連結する下端枠242dと、内側枠242a及び外側枠242bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠242aと外側枠242bとを連結すると共に所定幅のスリット242eを有した隔壁枠242fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム242の内側枠242aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠242bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠242aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠242bの直線状に上下へ延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fは、内側枠242aと外側枠242bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠242fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム242は、図示するように、複数の隔壁枠242fによって内側枠242aと外側枠242bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口242gとされ、後述するサイドレンズ250の周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠242fのスリット242eには、後側からサイドレンズ250の放射レンズ部250bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠242fによりスリット242eと発光装飾開口242gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾部材244は、図示するように、サイド装飾フレーム242における外側枠242bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部244aが形成されている。このサイド上部装飾部材244は、列設された開口部244aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ246は、サイド上部装飾部材244の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材244の後側から開口部244aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部246aを備えている。この導光部246aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材244の開口部244aに挿入嵌合させることで、開口部244aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ244の導光部246aによって後側に配置された左サイド上装飾基板254からの光をサイド上部装飾部材244の開口部244aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部246aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部カバー248は、その上面及び左側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材244と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー248は、前面下部に、サイド上部装飾部材244を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部248aが形成されており、取付段部248aの後端面にサイド上部装飾部材244等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー248は、その外側側面(正面視で左側側面)に、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150の上軸支部156を前側から被覆する被覆部248bを備えている。
左サイド装飾ユニット240のサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242gに後から挿入される周レンズ部250aと、サイド装飾フレーム242のスリット242eに後から挿入される放射レンズ部250bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242の上端枠242cに接する発光装飾開口242gと対応する周レンズ部250aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部250cとされている。この収容段部250c内には、後述する左上部スピーカ262や上部スピーカブラケット264等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ250は、収容段部250cの上面を形成しサイド上部カバー248における取付段部248aの後側に固定される取付部250dを備えている。
このサイドレンズ250は、周レンズ部250a及び放射レンズ部250bの前面が、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部250aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部250aの板厚が不均一となることで、周レンズ部250aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部250aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ250における周レンズ部250a及び放射レンズ部250bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部252aと、本体部252aの後端から連続し本体部252aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部250b(サイド装飾フレーム242のスリット242e)と対応した位置に配置される板状の導光部252bと、を備えている。このサイドインナーレンズ252の本体部252aは、その前面がサイドレンズ250の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ252における本体部252aの一方の面には、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部252aの板厚が不均一となることで、本体部252aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250と組合わせることで、周レンズ部250a及び本体部252aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ250(周レンズ部250a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242g(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム242のスリット242e(サイドレンズ250の放射レンズ部250b)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部264aを備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部264aの上端裏側に、左上部スピーカ262が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部264aによって左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。
本例の左上部スピーカ262は、上部スピーカブラケット264のホーン部264aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット264もまた、その前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット264を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット264の前面側を覆う上部スピーカカバー266は、サイド装飾フレーム242における上端枠242cに接する発光装飾開口242gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム242の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ250の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー266の表面には貫通孔266aが複数形成されており、左上部スピーカ262からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー266もまた、その内面側が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー266を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー266及び上部スピーカブラケット264において、光が乱屈折することで、遊技者側から左上部スピーカ262や上部スピーカカバー266に形成された貫通孔266aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、図示するように、正面視で全体の外形形状が略逆二等辺三角形状とされ、中央に大きく貫通する中央開口部281a、及び中央開口部281aの左右両側に貫通する一対の側開口部281bを有し中央開口部281aの上側に扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120の先端が挿入される前面装飾部材281と、前面装飾部材281の中央開口部281a内に後側から嵌め込まれる中央レンズ282と、中央レンズ282の後端に配置されるインナーレンズ283と、前面装飾部材281の側開口部281bに後側から嵌め込まれる一対の側レンズ284と、正面視の外形が前面装飾部材281と類似した形状とされ中央レンズ282、インナーレンズ283、及び一対の側レンズ284を前面装飾部材281とで挟持するように前面装飾部材281の後側に取付けられる本体部材285と、本体部材285の後側に配置され前面に複数のカラーLED286a,286bが実装された上部装飾基板286と、正面視の外形が本体部と略同じ形状とされ上部装飾基板286を後側から覆うように本体部材285の後面に取付けられる基板カバー287と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の下端から連続するように屈曲しながら後方へ延出し前端上部が前面装飾部材281に支持されると共に後端が扉枠ベースユニット100に取付けられ下方へ向かって貫通する一対の下開口部288aを有した下面装飾部材288と、下面装飾部材288の下開口部288aに上側から嵌め込まれ下面装飾部材288及び基板カバー287に固定される下レンズ289と、を備えている。なお、本例では、前面装飾部材281及び下面装飾部材288の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。なお、上部装飾基板286のLED286aは、中央レンズ282と対応した位置に配置されていると共に、LED286bは、側レンズ284及び下レンズ289と対応した位置に配置されており、中央レンズ282と、側レンズ284及び下レンズ289とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、本例では、LED286aがフルカラーLEDとされていると共に、LED286bが高輝度の白色LEDとされている。
本例の上部装飾ユニット280における前面装飾部材281は、その中央開口部281aの内周形状が、正面視で中央上端が左右へ延びた辺とされ中央下端が頂点とされ各辺が緩い円弧状に延びた変五角形状に形成されており、上辺両側の上側辺の略中央と下端頂点から中央開口部281a内へ延びだした三つの突出部を有している。また、前面装飾部材281は、中央開口部281aの上側辺の外側に、斜め外側上方へ向かって延びる複数の筋彫りが形成されており、この筋彫りによって前面装飾部材281は中央開口部281aから羽根が延びだしたような形状に形成されていると共に、筋彫りに沿うように側開口部281bが形成されている。
この前面装飾部材281の中央開口部281a内に嵌め込まれる中央レンズ282は、その外形が、中央開口部281aと略同じ形状とされており、前方へ膨出した形状とされていると共に、その前面が互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されいる。本例の中央レンズ282は、透明(無色透明、有色透明)な樹脂によって形成されている。この中央レンズ282を前面装飾部材281の中央開口部281aに嵌め込むことで、中央レンズ282がトリリアントカットされたような宝石に見えると共に、前面装飾部材281が宝石の台座に見えるようになっている。
また、中央レンズ282の後側に配置されるインナーレンズ283は、中央レンズ282の後側の開口を閉鎖するように透明な樹脂で形成されていると共に、表面に微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの光を中央レンズ282側へ広く拡散させることができるようになっている。一方、前面装飾部材281の側開口部281b内に嵌め込まれる側レンズ284は、側開口部281bへ嵌め込んだ状態で、その前面が前面装飾部材281の前面と略連続するよう透明な樹脂によって形成されている。なお、側レンズ284の裏面側には、インナーレンズ282と同様に、微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの照射される光によって側レンズ284全体が略均一に発光することができるようになっている。
なお、インナーレンズ283及び側レンズ284は、表面に形成された複数の微細なレンズ等によって、白濁したような感じとなっており、インナーレンズ283及び側レンズ284を通して後側が明確に見えないようになっている。
上部装飾ユニット280の本体部材285は、前面装飾部材281の中央開口部281aの形状に略沿った外形で前後方向へ筒状に延び前端開口が斜め下方へ向かって傾斜すると共に閉鎖された後端が斜め上方へ向かって傾斜する中央部285aと、中央部285aの両側に配置され閉鎖された後端が中央部285aの後端と略同じ位置とされると共に前端が中央部285aよりも短く延びた凹陥状の側部285bと、中央部285a及び側部285bの後端面を貫通し上部装飾基板286に実装されたLED286a,286bと対応する位置に形成された複数の開口部285cと、を備えている。この本体部材285は、後側に上部装飾基板286を配置すると、上部装飾基板286のLED286aが開口部285c内に挿入配置されるようになっており、LED286aからの光が後側へ漏れないようになっている。また、本体部材285の中央部285a及び側部285bは前側から後側へ窪んだ形状となっており、夫々に対応したLED285a,286bからの光が側方へ影響しないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の下面装飾部材288は、後方へ向かうに従って細くなるように形成されており、その左右の側面形状が、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部形状と略一致した形状とされていると共に、上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部が載置固定されるようになっている。なお、下レンズ289は、下面装飾部材288と上部スピーカカバー226,266との間に挟持されるようになっている。また、下レンズ289へは、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部スピーカブラケット224,264を介して、右サイド上装飾基板214及び左サイド上装飾基板254からの光が供給されて発光するようになっている。
[1−2E.サイドスピーカカバー]
次に、扉枠5における一対のサイドスピーカカバー290について、主に図22乃至図25を参照して説明する。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を被覆して装飾するものであり、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と、皿ユニット300との間に配置されるものである。
このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を覆うように湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体291と、カバー体291の外周を前側から支持する円環状の開口部を有し右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と連続するように形成された本体部材292と、本体部材292の下側に配置され皿ユニット300の下皿カバー328における左右後端と連続するように形成された下部部材293と、を備えている。なお、本例では、カバー体291が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。
このサイドスピーカカバー290は、本体部材292の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。また、下部部材293は、後述する皿ユニット300における下皿カバー328と同様の乳白色をした透光性の部材により形成されている。
本例のサイドスピーカカバー290は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300とは独立して扉枠ベースユニット100の前面に取付けられるようになっており、扉枠ベース本体110の所定位置に形成された取付孔110h(図18を参照)を通して、扉枠ベース本体110の後側から挿通された所定のビスにより扉枠ベース本体100へ固定されるようになっている。
これにより、扉枠5における防犯カバー180を外した上で、扉枠5の後側からサイドスピーカカバー290を取付けているビスを外すことで、サイドスピーカカバー290を前側へ取外すことができ、更に、扉枠5の前側からスピーカブラケット132を取外すことで、サイドスピーカ130を取外すことができるようになっている。従って、何らかの理由によりサイドスピーカ130を交換する必要が生じた場合でも、扉枠5から右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300等を取外さなくてもサイドスピーカ130の前面を覆うサイドスピーカカバー290のみを簡単に取外すことができ、サイドスピーカ130を容易に交換することができるようになっている。
このように、本例では、扉枠5における扉枠ベース本体110の前面で右サイド装飾ユニット200,左サイド装飾ユニット240と皿ユニット300との間に取付けられたサイドスピーカ130を交換するには、まず、サイドスピーカカバー290におけるスピーカの前側に配置された本体部材292が扉枠ベース本体110に対して後側から脱着可能に取付けられているので、本体枠3の前面を閉鎖している扉枠5を前側へ開き、扉枠5の後側から扉枠ベース本体110に対する本体部材292の取付けを外した上で、本体部材292及びカバー体291を扉枠ベース本体110(扉枠5)の前側へ移動させて扉枠5から取外すと、扉枠5の前側からサイドスピーカ130が臨むようになる。このサイドスピーカ130は、扉枠ベース本体110に対して前側から取付けられたスピーカブラケット132によって挟持されているので、本体部材292を取外した後に、扉枠5の前側から扉枠ベース本体110に対するスピーカブラケット132の取付けを外してサイドスピーカ130の挟持を解除し、更にサイドスピーカ130を前側へ移動させることで、左右のサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300を扉枠5(扉枠ベース本体110)から取外さなくても扉枠5からサイドスピーカ130を取外すことができると共に、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、遊技中に遊技者等が扉枠5(サイドスピーカカバー290)を叩いたりしてサイドスピーカ130が破損した場合でも、上述したように、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することができるので、サイドスピーカ130の交換による遊技の中断時間を可及的に短くすることができ、中断が長引くことで遊技者が苛付いたり関心が薄れたりして興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を、スピーカブラケット132と扉枠ベース本体110とで挟持するようにしており、サイドスピーカ130に取付けるための取付片や取付孔等が無くてもサイドスピーカ130を扉枠5(扉枠ベース本体110)へ取付けることができるので、サイドスピーカ130に取付片や取付孔等を備える必要が無く、サイドスピーカ130にかかるコストを低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、サイドスピーカ130の前面を被覆するカバー体291を複数の貫通孔を有した金属板(パンチングメタル)で形成しているので、遊技者等がカバー体291を叩いても、カバー体291が変形したり破損したりするのを可及的に低減させることができ、サイドスピーカ130を充分に保護して不具合の発生を抑制することができると共に、パチンコ機1の耐久性を高めることができる。
また、左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間にサイドスピーカ130を覆うサイドスピーカカバー290を備えるようにしているので、サイドスピーカ130が比較的遊技者から近い位置に位置することとなり、遊技者等によって叩かれたりして破損する頻度が高くなる虞があるが、上述したように、サイドスピーカ130を簡単に交換することができ、遊技の中断時間を可及的に短くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、サイドスピーカ130を遊技者に対して可及的に近い位置に配置しているので、サイドスピーカ130から出力されるサウンドをより効率良く遊技者に聴かせることができ、迫力あるサウンドを提供することができると共に、サウンド演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間に配置しているので、サイド装飾ユニット200,240による装飾の連続性を維持することができると共に、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間を違和感無く繋ぐことができ、サイドスピーカカバー290によって見栄えが悪くなるのを防止して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。また、サイドスピーカカバー290における本体部材292の表面形状を、サイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300の表面形状と連続するように形成しているので、サイドスピーカカバー290をサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300と一体的な感じに見せることが可能となり、サイド装飾ユニット200,240等とは別にサイドスピーカ130を前面側に備えても遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、扉枠5(パチンコ機1)の前面の意匠性を良好なものとすることができる。
更に、扉枠5からサイドスピーカカバー290の本体部材292を取外す際には、始めに扉枠5の後側に取付けられた防犯カバー180とガラスユニット590とを取外す必要があるので、本体部材292の取外しに若干時間がかかるようになり不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、盗難行為や不正行為等を躊躇させて不正行為等に対する抑止力(安全性)の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2F.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図44を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられ上下方向に貫通した複数の開口部316aを有する上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置され上皿前部装飾部材316の開口部316a内に嵌め込まれる複数の導光部318aを有した左右一対の上皿上部レンズ318と、上皿上部レンズ318とは上皿上部パネル314を挟んで反対側に配置されると共に上皿上部パネル314の下面に取付けられ上面に複数のカラーLED320a,322aが実装された上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322と、上皿上部レンズ318と上皿上部パネル314との間に配置され上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322からの光を上皿上部レンズ318側へ拡散させる複数の微細プリズムを有した上皿上部インナーレンズ319と、を備えている。
また、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿天板326及び下皿本体324の前端に沿った開口部328aを有すると共に開口部328aの外周を覆う下皿カバー328と、下皿カバー328の左右両側に配置され前後方向に貫通した開口部330aを有する皿サイド中カバー330と、皿サイド中カバー330の開口部330aに後側から嵌め込まれる皿サイド中カバーレンズ332と、皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され扉枠ベースユニット100の左右両端と対応する位置まで左右方向へ延びた皿サイド外カバー334と、を備えている。なお、正面視で右側に配置される皿サイド中カバー330には、その右端部に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔330bが形成されている。また、正面視で右側の皿サイド外カバー334には、前方からハンドル装置500が挿入されるハンドル挿通孔334aが形成されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図171を参照)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿301内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿301内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール312aが取付けられている。この上皿レール312aは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
なお、詳細な説明省略するが、上皿上部パネル314の装飾取付段部314bには、下面に取付けられる上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aと対応した位置に上下方向に貫通する開口部や切欠部が形成されていると共に、操作ユニット取付部314cには、操作ユニット400と周辺制御部4140とを接続する配線コードが通過可能な開口部等が形成されている。
上部前部装飾部材316は、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状とされ、その複数の開口部316aに下側から上皿上部レンズ318の導光部318aが嵌め込まれるようになっていると共に、上皿上部パネル314の装飾取付部314bに取付けることで上皿上部レンズ318を上皿上部パネル314とで挟持することができるようになっている。また、上皿上部レンズ318の下側には、表面に微細なレンズ(プリズム)を複数有した上皿上部インナーレンズ319が配置されており、上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322からの光を充分に拡散させて、上皿上部レンズ318全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、図示するように、上皿前部装飾部材316における開口部316aの内周形状が洋梨状に形成されており、開口部316aに嵌め込まれる上皿上部レンズ318の導光部318aも同様の形状とされ、この導光部318aを嵌め込むことで、上皿前部装飾部材316の開口部316aに、ペアシェイプカットされたような宝石が嵌め込まれたような外観を呈するようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上がる側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、正面視の外形が下側へ膨出し各辺が円弧の逆三角形状に形成されており、中央に前後方向へ貫通する開口部328aを備えている。この開口部328aの内形は、下皿本体324及び下皿天板326の前端により形成される形状と一致した形状とされており、下皿302の開口を形成するものである。また、下皿カバー328は、透光性を有した乳白色の樹脂によって形成されていると共に、図示は省略するが、裏側にカラーLEDが所定間隔で配置されており、下皿カバー328全体を発光装飾させることができるようになっている。
皿サイド中カバー330は、正面視で下皿カバー328の左右両外側に配置され、正面視で左右方向の略中央から扉枠5の側面まで下皿カバー328の下側側辺に沿って所定幅で延びており、扉枠5の側面まで延びた上部後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。この皿サイド中カバー330は、前後方向に貫通する開口部330aを備えており、開口部330a内に後側から皿サイド中カバーレンズ332が嵌め込まれるようになっている。更に、正面視で右側(開放側)の皿サイド中カバー330には、その外側端部(右側端部)付近で錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に前後方向に貫通する錠孔330bが形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔330bからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
この皿サイド中カバー330は、その前端下部から後方へ延出する底板部330cを更に備えており、この底板部330cの後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。また、皿サイド中カバー330の底板部330cによって下皿本体324の下側の一部が被覆されるようになっている。
皿サイド外カバー334は、正面視で皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され、正面視が扉枠5の側辺及び底辺に沿った略三角形状とされており、後方及び上方に開放された箱状に形成されている。本例では、右側(開放側)の皿サイド外カバー334に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140のと対応した位置に前後方向へ貫通するハンドル挿通孔334aが形成されている。この皿サイド外カバー334は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっていると共に、一部が皿ユニットベース310に取付けられるようになっている。また、皿サイド外カバー334及び皿サイド中カバー330によって下皿本体324の中央部を除く下側が被覆されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で正面視左右に配置された皿サイド中カバー330の底板部330同士の間に配置される下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネの付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜きボタン354は、図示するように、皿ユニット300における下皿カバー328の左右方向中央下側で、左右の皿サイド中カバー330に挟まれた位置に配置されるようになっており、その表面形状が下皿カバー328や皿サイド中カバー330の表面形状に対して滑らかに連続するような形状とされている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネの付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された球貸ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、球貸ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2G.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図45乃至図50を参照して説明する。図45は、扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、図46は、扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部405の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上面を覆う表面カバー428と、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、ベース部材420の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びボタンインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持部416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この摺動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、摺動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416fと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パタンコ1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル部材401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420d下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通しダイヤル操作部401(鍔部401dを除く)が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面に表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動手段414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動手段414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動手段414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[1−2H.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51は、扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置される環状の回転ハンドル本体後504と、回転ハンドル本体後504の前面に固定され回転ハンドル本体後504と一体回転可能とされた回転ハンドル本体前506と、回転ハンドル本体前506の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定され、ハンドルベース502と協働して回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を回転可能に支持する前端カバー508と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出するように取付固定され後端に非円形の軸受部510aを有した軸部材510と、軸部材510の軸受部510aと嵌合し回転可能とされた検知軸部512aを有しハンドルベース502の前面に回転不能に嵌合される回転位置検知センサ512と、回転位置検知センサ512をハンドルベース502とで挟むようにハンドルベース502の前面に固定され回転位置検知センサ512の検知軸512aが通過可能な貫通孔514aを有したセンサ支持部材514と、センサ支持部材514の後面に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはセンサ支持部材514の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、センサ支持部材514に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、軸部材510の外周を覆うように配置され回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前端側は前側へ広がった半球状に丸く膨出した形状とされていると共に、後端側は後端が開放された円筒状に形成されており、後端側の円筒状の外周に、軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット506aが形成されていると共に、前端カバー508に、後方へ突出する三つの取付ボス508aが形成されており、これら取付ボス508aが回転ハンドル本体前506のスリット506aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、回転ハンドル本体前506におけるスリット506aの周方向端部が、前端カバー508の取付ボス508aに当接することで、回転ハンドル本体504,506の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、後方へ突出する係止突部506bが形成されており、この係止突部506bにコイル状のハンドル復帰バネ522の一端側(前端側)が係止されるようになっていると共に、ハンドル復帰バネ522の他端側(後端側)がセンサ支持部材514に係止されるようになっており、ハンドル復帰バネ522によって回転ハンドル本体504,506が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、回転ハンドル本体504,506(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
なお、回転ハンドル本体504,506や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者が回転ハンドル本体504,506等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、回転ハンドル本体504,506が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、回転ハンドル本体504,506の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2I.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52乃至図54を参照して説明する。図52は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図54は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図53に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース540の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース540の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース540の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿101へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図54に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、動揺部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図79を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[1−2J.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図55及び図57を参照して説明する。図55は、扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。図56は、扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。また、図57は、球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図である。図58は、球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図55を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図57を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。なお、本例では、球送ソレノイド585と球送り作動桿586とが一体的に形成されたフラッパーソレノイドを用いている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583cによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
[1−2K.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図106を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両端に上下方向へ離反して配置され外方へ板状に延出した四つの片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図23、図28等を参照)。
このように、本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を、遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット2200、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300がサイドスピーカカバー290を挟んで右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット220の下端と連続するように配置されており、各ユニット200,220,280,300の外観が丸みを帯びた連続した一体化の有る外観となっている。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,286,320,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101及び下皿カバー328の開口部328aを囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット220に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bの後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
具体的には、サイドレンズ210,250における周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aの発光態様と、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bの発光態様とを、同一の発光態様(発光色と発光パターンとが同じ)とすると全体が略均一の発光装飾とすることができ、周レンズ部210a,250aを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると周方向に途切れができたような発光装飾とすることができ、放射レンズ部210b,250bを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると遊技窓101の中央を中心とした放射状に輝く発光装飾とすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、扉枠5は、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401や押圧操作部405を支持するベース部材420を、ダイキャストによるアルミ合金製としていると共に、カバー本体426によってベース部材420を皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して吊持させるようにしているので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を叩いた場合、カバー本体426が撓るように弾性変形した上で、ベース部材420が下カバー424を介して操作ユニット取付部314cの上面に当接することとなり、ダイヤル操作部401や押圧操作部405等にかかる衝撃を緩和させることができ、操作ユニット400が破損するのを防止することができるようになっている。
更に、扉枠5における操作ユニット400は、押圧操作部405を円環状のダイヤル操作部401に挿入した状態としており、遊技者等が押圧操作部405を強く叩こうとしてもダイヤル操作部401も一緒に叩いてしまうこととなるので、ダイヤル操作部401によって叩いた衝撃を分散させることができ、衝撃が集中するのを防止して破損し難くすることができるようになっている。また、ダイヤル操作部401を回転可能に支持する操作部保持部材416のギアレール416aを、金属製のベース部材420における開口420aに対して下方から上面より僅かに突出するように取付けており、ダイヤル操作部401を叩いた衝撃が従動ギア410を介して操作部保持部材416(ギアレール416a)へ伝わって、操作部保持部材416が下方へ撓むと、従動ギア410の下面が金属製の開口420aの外周上面と当接し、その衝撃をベース部材420に受けさせることができるので、操作部保持部材416に係る負荷を軽減させることができると共に、ギアレール416aが衝撃によって潰れてしまうのを防止することができ、操作ユニット400の耐久性を高めることができるようになっている。
また、扉枠5における操作ユニット400は、皿ユニット300に対して上側から取付けられるようにしているので、万が一、操作ユニット400が破損しても、操作ユニット400を簡単に取替えることができ、操作ユニット400の取替えによりパチンコ機1の稼働率が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,286,320,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、放射レンズ部210b,250bが遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。これらサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bは、不透光性(本例では、表面にメッキ層を有している)のサイド装飾フレーム202,242によって外周が囲まれた状態となっている。
これらサイドレンズ210,250の後側には、サイドインナーレンズ212,252が配置されており、サイドインナーレンズ212,252は、その本体部212a,252aが周レンズ部210a,250aの後面に対して所定距離離間した位置となるように形成されていると共に、板状の導光部212b,252bが放射レンズ部210b,250bの後面に対して可及的に接近した位置まで延出するように形成されている。このサイドインナーレンズ212,252の本体部212a,252aには、詳細な図示は省略するが、その表面に微細なプリズムが複数形成されており、後側に配置された装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250bと対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが白色LED(上部装飾ユニット280における上部装飾基板286のLED286bよりも低い通常の輝度)とされている。また、右サイド上装飾基板214におけるサイドサブレンズ228と対応し上下に配置された二つのLED214cは、赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
次に、扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、中央に宝石状に形成された大型の中央レンズ282と、中央レンズ282の斜め上左右両側に羽根状に形成された側レンズ284と、中央レンズ282の下左右両側に配置された下レンズ289とを備えている。上部装飾ユニット280の中央レンズ282は、青味を帯びた透明な部材により形成されており、側レンズ284及び下レンズ289は、透光性を有した白色(乳白色)の部材により形成されている。これにより、中央レンズ282の後側に配置されたインナーレンズ283が、遊技者側から視認することができるようになっている。
この上部装飾ユニット280のインナーレンズ283は、表面に複数の微細なレンズ(プリズムを含む)が形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるので、透明な中央レンズ282を通してインナーレンズ283を見ると、中央レンズ282に深味があるように見えると共に、あたかも中央レンズ282自体がキラキラ輝いているように見えるようになっている。また、遊技者側からは、インナーレンズ283の後側に配置された上部装飾基板286が見えないようになっている。
上部装飾ユニット280における上部装飾基板286には、中央レンズ282と対応しインナーレンズ283の後側に配置された複数(本例では、六つ)のLED286aと、側レンズ284及び下レンズ289の後側に配置された複数(本例では、側レンズ284用に二つ、下レンズ289用に一つずつ、左右夫々に配置されている)のLED286bとを備えている。なお、本例では、中央レンズ282と対応したLED286aは、フルカラーLEDとされており、側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、高輝度の白色LEDとされている。また、上部装飾基板286の前面もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
続いて、皿ユニット300では、左右のサイド装飾ユニット200,240の下端同士を結ぶように、上皿301の前端に沿って上皿上部レンズ318における宝石状の複数の導光部318aが上皿前部装飾部材316の開口部316aを通して露出した状態で列設されており、正面から見ると、図示するように、上皿前部装飾部材316及び上皿上部レンズ318によって遊技窓101の下辺外側(下側)が装飾させるようになっている。この上皿上部レンズ318の下側には、各導光部318aと対応する突出部を有した上皿上部インナーレンズ319が配置されている。皿ユニット300の上皿上部レンズ318は、青味を帯びた透明な部材で形成されており、上皿上部インナーレンズ319は、透明な部材で形成されている。
皿ユニット300の上皿上部インナーレンズ319は、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応する表面(上面)に、複数の微細なプリズムが形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるようになっているので、上部装飾ユニット280の中央レンズ282と同様に、上皿上部レンズ318の導光部318aに、深味を付与すると共にキラキラした輝きを付与して、導光部318aがあたかも宝石のように見えるようになっている。また、上皿上部インナーレンズ319によって遊技者側から導光部318aを通して、下側に配置された上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322が見えないようになっている。
この皿ユニット300における上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の上面には、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応するように、複数(本例では、夫々六つ)のLED320a,322aが備えられている。本例では、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aは、フルカラーLEDとされている。また、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の表面(上面)も、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200における上部右側面のサイドサブレンズ228と対応したLED214cは、上部右サイドグループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、扉枠5の上部右側面の一部(サイドサブレンズ228)を発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における中央レンズ282と対応したLED286aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED286aを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED286bを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させたり、遊技窓101の上側(上部も含む)でV字状に発光装飾させたりすることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下辺を装飾する皿ユニット300における上皿前部装飾部材316の複数の開口部316aに嵌め込まれた上皿上部レンズ318の導光部318aと対応したLED320a,322aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の左右の下端同士を連結するように遊技窓101の下辺外周を発光装飾する下部グループ108とされている。この下部グループ108のLED320a,322aを適宜発光させることで、遊技窓101の下辺や上皿301の前縁を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと連動させることで、遊技窓101の外周全体を環状に発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、上部右サイドグループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する6個のLED286aは、下部106a、右上部106b、左上部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する6個のLED286bは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、下部グループ108に属する12個のLED320a,322aは、正面視右側から三つずつに108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED286b,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED286b,430bが属する4つの系統107a,107b,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4の前面や表ユニット2000等に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103j,108a〜108dを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出をしたり、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の中央レンズ282へ向かって光が移動するような、或いは、中央レンズ282から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、放射レンズ部210b,250bが周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106の各系統106a〜106cを同時に発光させることで中央レンズ282全体が発光する発光演出や、各系統106a〜106cを順次発光させることで中央レンズ282内において光が回転するような発光演出を行うことができる。また、上部中央サイドグループ105を発光させることで、側レンズ284や下レンズ289を高輝度に発光装飾させて遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。なお、下レンズ289は、遊技者の頭上から遊技者へ向かって光を照射するように配置されており、高輝度なLED286bの発光を遊技者に気付かせ易くすることができるようになっている。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301の前縁を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
このように、本例の扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを、遊技窓101に近い第一環状グループ102と、第一環状グループ102の外側で遊技窓101から遠い第二環状グループ103とに分けて発光させることができるようにしているので、遊技窓101(遊技領域1100)の外側を複数の略同心円状に発光装飾させることができ、遊技窓101の外周を光が囲うことでこれまでのパチンコ機には無い発光演出を行うことができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、一つの周レンズ部210a,250aにおいて、略同心円状配置された二系統のLEDを備えるようにしており、外観状は一つに見えても、二系統の各LEDを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾による周レンズ部210a,250a(右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240)の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、遊技領域1100の前面を閉鎖する透明な遊技窓101の外側に、扉枠5における左右の装飾ユニット200,240の装飾基板214,216,254,256に、放射状に配置したLED214b,216b,254b,256bと、LED214b,216b,254b,256bにより周方向に分割され略同心円状に配置された第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと、を備えるようにしているので、遊技状態に応じて第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを発光させることで、遊技窓101の外周を複数の環状に発光装飾させることが可能となり、これまでのパチンコ機では見たことも無いような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5における各装飾基板214,216,254,256のLED214a,216a,254a,256aから構成された環状の第一環状グループ102及び第二環状グループ103を略同心円状に配置(図60を参照)しているので、外側から内側へ向かって第二環状グループ103、第一環状グループ102の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100へ向かって光が収束するような発光演出を行うことができ、遊技者の関心を遊技領域1100へ向けさせることができると共に、遊技領域1100内で何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。更に、内側から外側へ向かって第一環状グループ102、第二環状グループ103の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100から外側へ向かって広がるような発光演出を行うことができ、外側へ広がる発光演出により遊技者に対して何か良いことがあるような期待感を抱かせることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技窓101(遊技領域1100)よりも外側で上述したような発光演出を行うことができるようにしているので、本パチンコ機1で遊技する遊技者だけでなく、パチンコ機1を設置した遊技ホール内の遊技者に対しても、上述のような発光演出を見せることができ、他の遊技者の関心を強く引付けて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、環状に延びた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを周方向へ分割するように放射状に配置された放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを備えており、これら放射状グループ104を発光させることで第一環状グループ102及び第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ区切ることができるので、発光装飾にアクセントを付与することができ、発光装飾の変化によって遊技者の関心を強く引付けることができる。また、放射状に配置された放射状グループ104によって第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aをサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと対応するように周方向へ系統102a〜102j,103a〜103jに分割しているので、各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々系統102a〜102j,103a〜103j毎に独立して発光させることで光が周方向へ移動するような発光演出も行うことができ、より多彩な発光演出を提供することで飽き難いパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250に、LED214a,216a,254a,256aと対応した周レンズ部210a,250aと、LED214b,216b,254b,256bと対応した放射レンズ部210b,250bとを備えるようにしており、放射レンズ部210b,250bを周レンズ部210a,250aに含ませて一体的なものとした場合と比較して、蓋然的にサイドレンズ210,250の外観に変化を付与することができるので、発光装飾していない時でも、サイドレンズ210,250の外観の意匠性を高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。なお、サイドレンズ210,250を周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとに分けるようにしても、環状に配置されたLED214a,216a,254a,256aと放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを同じ発光態様で発光させることで、周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとが一体となったように錯覚させることが可能となり、遊技窓101の外周を一体的に環状に発光装飾させることができ、上述した作用効果も充分に奏することができる。
また、サイドレンズ210,250における一つの周レンズ部210a,250aに、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bによって周方向へ仕切られた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを、対応させるようにしており、外観状は一つに見えても、第一環状グループ102及び第二環状グループ103に対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾によるサイドレンズ210,250の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250と装飾基板214,216,254,256との間に装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させてサイドレンズ210,250に照射するサイドインナーレンズ212,252を備えているので、サイドレンズ210,250の発光装飾にムラが発生するのを抑制することができ、発光装飾の見栄えを良くすることができる他に、点状に発光するLED214a,216a,254a,256aを用いてもサイドレンズ210,250を面状に発光装飾させることができるので、線状に発光する発光体(例えば、冷陰極管(蛍光管)、ネオン管、有機EL、等)を用いた場合と比較して、各LED214a,216a,254a,256aを個々に発光させることで第一環状グループ102や第二環状グループ103での発光を周方向にも変化させることが可能となり、より多様な発光演出を提示することができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、サイドインナーレンズ212,252によって光を拡散させることができるので、サイドレンズ210,250の透明度を高くしても、サイドインナーレンズ212,252における乱屈折によりサイドインナーレンズ212,252の後側に配置された装飾基板214,216,254,256を見辛くすることができ、遊技者側から装飾基板214,216,254,256等が直に見えて、見栄えが悪くなるのを防止することができる。
更に、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによりLED214b,216b,254b,256bからの光を導いてサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bに照射するようにしているので、LED214b,216b,254b,256bからの光を確実に放射レンズ部210b,250bへ導いて発光装飾させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。また、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによってサイドレンズ210,250とLED214b,216b,254b,256bとの距離が遠くてもサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bを確実に発光装飾させることができるので、第一環状グループ102や第二環状グループ103によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aを広く照射するためにサイドレンズ210,250との間に充分なスペースを確保したLED214a,216a,254a,256aと同じ基板に、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bを実装することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができる。
また、サイド装飾フレーム202,242によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bの外周を囲うようにしているので、周レンズ部210a,250aからの光が放射レンズ部210b,250bへ、或いは、放射レンズ部210b,250bからの光が周レンズ部210a,250aへ影響するのを可及的に低減させることができ、夫々の発光装飾が互いに干渉し合うのを防止して見栄えの良い発光演出を行うことができる。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図61乃至図67を参照して説明する。図61は、本体枠の正面図であり、図62は、本体枠の背面図である。また、図63は、本体枠の正面斜視図であり、図64は、本体枠の背面斜視図である。更に、図66は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は、本体枠の左側面図であり、図67は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図68及び図69を参照して説明する。図68は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図69は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図65を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部601よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図61を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図69を参照)。この金具取付部610は、図68等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図63や図98等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図66等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図61等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図69を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図63を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図63等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図65及び図107を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642aの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図70及び図71を参照して説明する。図70は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図71は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図98を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図63や図98等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図72乃至図79を参照して説明する。図72は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図73は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図74は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図75は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図76は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図77は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図78は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図79は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す払出装置740と、払出装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図73及び図75等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図75に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図76にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部710よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図76にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図79を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図74を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口732へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734aを通してタンクレール730内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図77乃至図79等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741c内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741aよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ741eの作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ741eによって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ741eにより供給通路741e内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図78に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図78に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン振分ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図74、図75及び図79を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン振分ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図79を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図79を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図79を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図79を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口773や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図80乃至図82を参照して説明する。図80は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793cと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図83乃至図89を参照して説明する。図83は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図84は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図85は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図86は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図87は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図88(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図89(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス840と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ベースユニット810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部844とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図63を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図89にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ遊技機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ベースユニット810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図86に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図84及び図86を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図87に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突出部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図168を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図62を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873aから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続継端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図88に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する係止爪871cと、を備えており、固定片と係止爪871cとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板872の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図88に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図88に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874のC内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠5の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠5を前側へ回動させて本体枠5の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図61及び図63等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図90乃至図92を参照して説明する。図90(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図91は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図92は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図91及び図92等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片908の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部9002の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図101を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿入孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材923の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924を裏カバー締結孔770bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図106を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図106を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図106を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の防犯側面板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、防犯側面板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、防犯側面板950全体の強度・剛性をより高めることができ、防犯側面板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の防犯側面板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の防犯側面板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い防犯側面板950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図93乃至図97を参照して説明する。図93(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図94(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図95は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図96は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図97は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図68に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図93乃至図95に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図95を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図95を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図94(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図94(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図95に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図97(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図63及び図68等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突起1043と、を備えている。この扉用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図96及び図97を参照して説明する。図96に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図96(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図96(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図96(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図97を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図97(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図97(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図97(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図97(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベースの後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、遊技機4を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図98乃至図105を参照して説明する。図98は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図99は、遊技盤の正面図であり、図100は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図101は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図102(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。また、図103は、図100等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図104は、図103を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図105は、図103の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図98乃至図105での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図108乃至図114等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図98等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図101を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図101に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図101等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図102(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2107の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2107を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され不正な遊技が検出(例えば、磁気検出センサ3523による磁石等を用いた不正な遊技が検出)された時に外部への報知用として表示するための二つのLEDからなる不正検出表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2107を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2107を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における不正検出表示器1190は、所定のLEDからなる不正検出表示ランプ1190a,1190bを備えており、夫々のランプが同時に点灯することで不正な遊技が検出されたとして表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図102(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及び不正検出表示器1190は、機能表示基板1191(図168を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット300に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図102(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図103乃至図105を参照して説明する。なお、図103乃至図105における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図104に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001b(図164等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図103に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図104を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図106及び図107を参照して説明する。図106は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図107は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図106に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の防犯側面板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の防犯側面板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、防犯側面板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952aを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、防犯側面板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図106に示すように、防犯側面板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図107に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の構成について、主に図108乃至図113を参照して説明する。図108は、遊技盤の正面図であり、図109は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図110は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図111は、遊技盤を斜め左後から見た斜視図であり、図112は、遊技盤を主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図113は、分解したものを斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の後側で遊技領域1100を閉鎖するように配置された遊技パネル1200と、遊技領域1100内の左右方向略中央でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1200の前面に支持された入賞装置ユニット2100と、入賞装置ユニット2100の左側で遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1200の前面に支持されたサイド装飾ユニット2300と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1200に支持された枠状のセンター役物2400と、遊技パネル1200の後側に取付けられた裏ユニット3000と、遊技パネル1200及びセンター役物2400の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像及び報知情報を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置1900と、を主に備えている。ここで、遊技パネル1200が本発明の遊技板に相当し、液晶表示装置1900が本発明の演出表示手段に相当する。以下、遊技パネル1200に装着された各装置の構成について詳細に説明する。
[2−1.入賞装置ユニット]
まず、図114乃至図127を参照し、入賞装置ユニット2100について説明する。図114は、遊技パネル及びそれに装着される部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図115は、入賞装置ユニットの正面図であり、図116は、入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図117は、入賞装置ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図118は、入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図119は、入賞装置ユニットにおけるベース部材の正面図であり、図120は、入賞装置ユニットにおける機構部を斜め前から見た斜視図であり、図121は、入賞装置ユニットの機構部を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図122は、第二始動口の開閉駆動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図123は、第一開閉入賞装置の開閉駆動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図124は、開閉駆動機構を縦方向に切断し斜め前から見た断面斜視図であり、図125は、開閉駆動機構の動作状態を示す断面斜視図であり、図126は、第二開閉入賞装置を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図127は、第二開閉入賞装置の下側部分を斜め前から見た斜視図である。
図114及び図115に示すように、本例の入賞装置ユニット2100は、遊技パネル1200における左右方向中央の下部に形成された開口部1200eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200の前面に固定されている。この入賞装置ユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされる複数の受入口(入賞口)を備えている。複数の受入口としては、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の右側に配置された第二始動口2102と、第一始動口2101の真下に配置された第一開閉入賞装置2103と、第二始動口2102の真下に配置された第二開閉入賞装置2104と、第一始動口2101及び第一開閉入賞装置2103の左側に階段状に並んで配置された三つの一般入賞口2105と、第二始動口2102の真上に配置された一般入賞口2106と、一般入賞口2106の右側に配置されたゲート部2107とがある。
図114乃至図117に示すように、入賞装置ユニット2100は、遊技パネル1200の前面に固定されたベース部材2110を備えており、ベース部材2110に、第一始動口2101、第二始動口2102、第一開閉入賞装置2103、第二開閉入賞装置2104、一般入賞口2105,2106、及びゲート部2107が配設されている。また、図118に示すように、ベース部材2110の後側には光透過性の主レンズ部2112及び右側レンズ部2113が配設され、さらに主レンズ部2112の後側にはカバー部材2114が配設されている。
図118及び図119に示すように、ベース部材2110は、遊技パネル1200の前面に沿って配置される薄板状の板状部2111を有し、この板状部2111に、第一始動口2101、一般入賞口2105,2106、及びゲート部2107が一体成形されている。なお、第一始動口2101、及び一般入賞口2105,2106は、前方の遊技領域1100(図109参照)に突出し上面が開放された箱形の形状を呈し、遊技球を常時受入れることが可能となっている。また、第一始動口2101及び一般入賞口2105,2106には、入賞した遊技球を案内するため後端部分が板状部2111よりも奥側へ延出されている。ゲート部2107は、遊技球が常時通過可能な門形の形状を呈するとともに、その右側下部にはゲート部2107を通過した遊技球を左斜め下方に向かって案内する円弧状の案内部2110hがゲート部2107と一体で成形されている。
また、ベース部材2110には、板状部2111を前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。具体的には、一般入賞口2106の下方に位置し第二始動口2102に入賞した遊技球が通過する第一開口部2110aと、第一始動口2101の下方に位置し第一開閉入賞装置2103に入賞した遊技球が通過する第二開口部2110bと、第一開口部2110aの下方に位置し第二開閉入賞装置2104の大入賞口2153(後述する)に連通する横長矩形の第三開口部2110cと、ゲート部2107及び第三開口部2110cの間に位置し遊技パネル1200に植設された障害釘K(図115の二点鎖線を参考)が挿通される第四開口部2110eと、が形成されている。また、板状部2111は、メッキ加工を施すことで表面全体に反射面が形成されているが、ベース部材2110の後側に配設された主レンズ部2112及びカバー部材2114を通して照射された光が遊技者側に投光されるように複数の窓部を有している。具体的には、開口面積が比較的大きな多角形の大窓部2110fと、開口面積が大窓部2110fよりも小さな円形の小窓部2110gとが、夫々複数個ずつ形成されている。
さらに、板状部2111には、第一始動口2101及び第二開口部2110bが形成された部分と第一開口部2110a及び第三開口部2110cが形成された部分との間に切欠2110dが形成されており、切欠2110dを通して、遊技パネル1200に植設された障害釘K(図115参照)が挿通されるようになっている。また、第二開口部2110bと第三開口部2110cとの間の板状部2111前面には、遊技領域1100を左右に区切るように縦溝からなる区切線2011iが設けられている。
なお、図118に示すように、第一始動口2101の前面には、シール部材2120を貼着した前飾り2121が取着され、一般入賞口2105の前面には、シール部材2170を貼着した前飾り2171が取着され、一般入賞口2106の前面には、シール部材2170が貼着されている。また、ゲート部2107には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ2176が設けられている。
第二始動口2102について詳細に説明する。図115に示すように、第二始動口2102は、一般入賞口2106の下側に配置され、ベース部材2110の第一開口部2110a(図119参照)を通して遊技球を入球させることが可能となっている。第二始動口2102は、一般入賞口2106との間で拡開可能な一対の羽根2125を備えており、一対の羽根2125が略垂直に立上った状態(図115に示す状態)では一般入賞口2106と一対の羽根2125とによって第二始動口2102へ遊技球が受入不能となるのに対して、後述する開閉駆動機構2126により一対の羽根2125が左右方向へ拡開した状態では第二始動口2102へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、第二始動口2102が一対の羽根2125によって可変入賞口となっている。なお、一対の羽根2125は、ゲートセンサ2176(図118参照)による遊技球の通過の検出に基いて開閉されるようになっている。また、図118に示すように、一対の羽根2125は、板状部2111に形成された第一開口部2110a(図119参照)の左右両側に配置されるとともに、前面が閉鎖された入球部2124によって下部側が覆われており、第二始動口2102に入賞した遊技球が入球部2124によって案内され、第一開口部2110aに送られるようになっている。羽根2125の下端部分には前後方向に貫通する透孔2125aが形成されるとともに、入球部2124に設けられた回転軸部2124aが透孔2125aを通して板状部2111に接続されており、羽根2125が回転軸部2124aを軸として回動可能に支持されている。
羽根2125の開閉駆動機構2126は、ベース部材2110の後側に配設されており、図121及び図122に示すように、前面が開放された箱状のホルダー2127と、ホルダー2127の収容部2127aに前方から挿入されたソレノイド2128と、ソレノイド2128のプランジャ2129に接続され、プランジャ2129の前後方向の運動を、一対の羽根2125の回転(開閉)運動に変換するリンク部材2130と、を備えている。リンク部材2130は、左右両側から突出するとともにホルダー2127の左右両側に設けられた軸受孔2127bに内側から嵌挿される一対の回転軸部2130aと、上面左右両側から内側に延出して形成されソレノイド2128のプランジャ2129に係止される一対の係止部2130bと、左右両側に形成されるとともに、円弧状を呈し、羽根2125(図118参照)の後面から後方に突出する偏芯爪2125bに掛合可能な一対の掛合部2130cと、を備えている。つまり、ソレノイド2128への通電によってプランジャ2129が後退すると、回転軸部2130aを中心に掛合部2130cが持ち上がるようにリンク部材2130が回転することで、一対の羽根2125が垂直状態(遊技球が受入不能な状態)から拡開した状態(遊技球が受入可能な状態)に変化するようになっている。
次に、第一開閉入賞装置2103について詳細に説明する。図115に示すように、第一開閉入賞装置2103は、第一始動口2101の下側に配置され、ベース部材2110の第二開口部2110b(図119参照)を通して遊技球を入球させることが可能となっている。図118に示すように、第一開閉入賞装置2103は、ベース部材2110の板状部2111から前方の遊技領域1100に突出し遊技球が通過可能な入球部2135と、ベース部材2110の後側に配置され入球部2135を通過する遊技球を第二開口部2110bに受入可能とする開閉駆動機構2136と、受入れた遊技球を検出する入賞センサ2137(図123参照)と、を備えて構成されている。
入球部2135は、図118に示すように、遊技球が上下方向に通過可能な門形に形成されるとともに、左右両側の上面には、遊技領域1100を転動する遊技球を入球部2135内に案内する一対のガイド部2135aが夫々形成されている。
開閉駆動機構2136は、図123及び図124に示すように、前側ベース部材2139及び後側ベース部材2140と、後側ベース部材2140内に配設されたソレノイド2141、ベロ形出没片2142、及びリンク部材2144とから構成されている。前側ベース部材2139は、前後方向に貫通するとともにベロ形出没片2142を前後方向に摺動可能に支持する支持孔2139aを有しており、支持孔2139aの前端が第二開口部2110b(図119参照)に臨むように板状部2111の後面に接続されている。後側ベース部材2140は、前側ベース部材2139の後側に接続され、支持孔2139aに連通する収容部2140a、及びベロ形出没片2142の後側を摺動可能に支持する支持部2140eを内部に備えている。また、後側ベース部材2140の下部には、入賞センサ2137が前方から挿入されるセンサ取付部2140bを有するとともに、センサ取付部2140bの上面先端には、入賞センサ2137の通過孔2137aに一致する半円状の切欠2140dが形成されている。また、後側ベース部材2140の左右両側の壁には、前面が開放された切欠状の軸受部2140cが形成されている。
ソレノイド2141は、プランジャ2143が前方を向いた状態で後側ベース部材2140の収容部2140aに収容されている。ベロ形出没片2142は、前後方向に細長く形成された矩形枠状の枠部2142aと、枠部2142aの先端部分に形成され後方に向かって下り勾配に形成された球受止部2142bと、枠部2142aの後側に形成され後側ベース部材2140の支持部2140eによって摺動可能に支持される後側ガイド部2142cと、枠部2142a及び後側ガイド部2142cの間に配置され左右両側から内側に向かって溝状に形成された一対の溝部2142dとを備えている。リンク部材2144は、ソレノイド2141のプランジャ2143に接続され、プランジャ2143の前後方向の運動を、ベロ形出没片2142の直線運動に変換するものであり、左右両側に突出して形成されるとともに、後側ベース部材2140に設けられた軸受部2140cに前側から嵌挿される一対の回転軸部2144aと、上面左右両側から内側に延出して形成されるとともに、ソレノイド2141のプランジャ2143に係止される一対の係止部2144bと、下端の左右両側から内側に突出し、ベロ形出没片2142における一対の溝部2142dに掛止される掛止部2144cとを備えている。つまり、ソレノイド2141への通電によってプランジャ2143が後退すると、リンク部材2144は回転軸部2144aを中心に回転し、ベロ形出没片2142を後退位置(図124に示す状態)から突出位置(図125に示す状態)に変化させるようになっている。
そして、図124に示すように、ベロ形出没片2142が後退位置のときは、ベロ形出没片2142の球受止部2142bが前側ベース部材2139の支持孔2139a内に収容された状態となるため、入球部2135(図118参照)に入球した遊技球は、ベロ形出没片2142で受止められることなく、そのまま通過する。一方、図125に示すように、ベロ形出没片2142が突出位置に移動すると、ベロ形出没片2142の球受止部2142bが前側ベース部材2139の支持孔2139aから前方の遊技領域1100に突出し、入球部2135に入球した遊技球を受止めることが可能になる。そして、ベロ形出没片2142の球受止部2142bで受止められた遊技球は、球受止部2142bの勾配に従って後方に案内され、枠部2142aから落下する。なお、後側ベース部材2140の下側には入賞センサ2137が配設されており、落下する遊技球を検出することが可能になっている。
なお、詳細は後述するが、このベロ形出没片2142は、通常の遊技状態では後退位置に収容されており、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「小当り」の時に)突出位置に移動するようになっている。
次に、第二開閉入賞装置2104について詳細に説明する。図115に示すように、第二開閉入賞装置2104は、第二始動口2102の下側に配置され、ベース部材2110の第三開口部2110c(図119参照)を通して遊技球を入球させることが可能となっている。図121及び図126に示すように、第二開閉入賞装置2104は、前面に大入賞口2153を有するとともに内部に遊技球の通路が形成された上部ケース2150及び下部ケース2151からなるケースユニット2152を備えており、大入賞口2153が、ベース部材2110に形成された横長矩形状の第三開口部2110cに臨むように配置されている。また、大入賞口2153は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の入賞扉2154(図118参照)によって開閉可能とされている。この入賞扉2154は、左右両端下部に形成された扉軸2154aが、上部ケース2150の前面左右両側に形成された一対の軸受部2150cに軸支されており、これにより、大入賞口2153を閉鎖して遊技球を受入不能とする略垂直な状態(図115に示す状態)と、上辺が前側へ傾斜するように回動し大入賞口2153を開放して遊技球を受入可能とする傾斜状態との間で回動させることが可能になっている。なお、詳細は後述するが、この入賞扉2154は、通常の遊技状態では大入賞口2153を閉鎖した状態となっており、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」の時に)開放されるようになっている。
第二開閉入賞装置2104についてさらに詳しく説明すると、上部ケース2150は内部(下部側)に遊技球の通路を有するとともに、上面には、第二始動口センサ2166が収容されるセンサ収容部2150bが形成されている。また、下部ケース2151の上面側には、大入賞口2153に入賞した遊技球を誘導する通路2151aと、入賞扉2154を開閉させる開閉駆動機構2155が収容される機構収容部2151cとが形成され、下部ケース2151の下面側には、入賞した遊技球を検出するカウントセンサ2160が収容されるセンサ収容部2151bが形成されている。また、下部ケース2151の下側には、大入賞口2153付近に光を照射し発光装飾させる発光基板2162が配設されている。
開閉駆動機構2155は、プランジャ2157が右側を向くように横設されたソレノイド2156と、プランジャ2157の左右方向の直線運動を入賞扉2154の回転運動に変換するリンク部材2158とから構成されている。リンク部材2158は、上部ケース2150の右側前面に形成された軸受孔2150dに挿入される回転軸部2158aと、入賞扉2154(図118参照)の右端側から後方に突出した爪部2154bを挟むように掛止された一対の掛止部2158b,2158cと、ソレノイド2156のプランジャ2157に係止される係止部2158dとを備えている。つまり、ソレノイド2156への通電により、プランジャ2157が左方向に移動すると、回転軸部2158aを中心にリンク部材2158が時計方向に回転し、入賞扉2154の爪部2154bを掛止部2158bによって押上げることで、入賞扉2154を閉鎖状態から開放状態に変化させることが可能になっている。また、ソレノイド2156への通電が停止されると、バネ(図示しない)の付勢力によってプランジャ2157が右方向に移動し、回転軸部2158aを中心にリンク部材2158が反時計方向に回転することで、入賞扉2154の爪部2154bを掛止部2158cによって押下げ、入賞扉2154を開放状態から閉鎖状態に変化させることが可能になっている。
また、図120及び図121に示すように、入賞装置ユニット2100には、第二開閉入賞装置2104を覆うカバー部材2168が備えられている。カバー部材2168は側面視形状が略コ字形であり、上段左側に形成され第二始動口2102の開閉駆動機構2126が取着される第一取付部2168aと、下段の延出部分に形成され第二開閉入賞装置2104が載置される第二取付部2168bと、上段右側から立設して形成されゲートセンサ2176の後端部分を支持する第三取付部2168cとを有している。また、カバー部材2168の後面には、中継基板2164が取着されており、第二始動口2102の開閉駆動機構2126、第一開閉入賞装置2103の開閉駆動機構2136、第二開閉入賞装置2104に夫々設けられたソレノイド2128,2141,2156への駆動信号と、開閉駆動機構2136、第二開閉入賞装置2104、及びゲート部2107に夫々設けられたセンサ2137,2160,2166,2176からの検出信号とが、共通の基板によって中継されている。すなわち、ソレノイド2128,2141,2156に接続されたハーネス(図示しない)、及び各センサ2137,2160,2166,2176に接続されたハーネス(図示しない)が、第二開閉入賞装置2104の後方に配置された中継基板2164に集められ、中継基板2164を介して外部に配置された制御基板と電気的に接続されている。
また、図118に示すように、ベース部材2110の後側に配設された主レンズ部2112は、透明な樹脂で形成されるとともに、前面には、ベース部材2110の板状部2111に形成された大窓部2110f(図119参照)及び小窓部2110gに夫々後側から嵌挿される複数の大嵌込部2112f及び複数の小嵌込部2112gが前方に突出して形成されている。また、主レンズ部2112の後側に配設された後側カバー部材2114は、光透過性を有し、入賞装置ユニット2100とは独立して設けられた発光基板3503,3506,3507(詳細は図162に基づき後述する)から照射された光を透過させることが可能になっている。ただし、図117に示すように、後側カバー部材2114の裏面は、ベース部材2110の小窓部2110gに対向した部分(すなわち主レンズ部2112の小嵌込部2112gに合致する部分)2114gと、残りの部分(大窓部2110fに対向する部分を含む)2114fとでは、光の透過率が異なっている。具体的には、小窓部2110gに対向した部分2114gは透明であるが、残りの部分2114fは凹凸によって乱反射面が形成されている。
以上のように、本例の入賞装置ユニット2100によれば、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104が、共通のベース部材2110に取着されて一つの入賞装置ユニット2100として構成されているため、入賞装置ユニット2100ごと遊技パネル1200に組付けることが可能になり、ひいては組付作業を容易にするともに、組付けの際の作業時間及び作業者の労力を低減することが可能となる。
また、全てのハーネスが一つの中継基板2164にまとめられているため、ハーネスをまとまりよく配線することができるとともに、入賞装置ユニット2100全体から引出されるハーネスの数(すなわち中継基板2164から外部に引出されるハーネスの数)を減らし、配線作業を容易にすることができる。
また、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104は互いに構成が異なっており、第一開閉入賞装置2103は、前後方向に長く、すなわち遊技球の受入口が比較的小さく形成され、一方、第二開閉入賞装置2104は、左右方向に長く、すなわち大入賞口2153が比較的大きく形成されているため、大入賞口2153が開放された際、第一開閉入賞装置2103に比べ多量の遊技球が入賞可能となる印象を遊技者に与えることができ、大入賞口2153に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、中継基板2164は、横長の第二開閉入賞装置2104の後面側に取着されているため、入賞装置ユニット2100の後方に向かってハーネスを引出すことが容易となる。また、第一開閉入賞装置2103と第二開閉入賞装置2104との奥行の差によって生ずる第二開閉入賞装置2104の後側の空間を利用して中継基板2164が配置されるため、入賞装置ユニット2100を大きくすることなく、中継基板2164の配置スペースを確保することができる。
ところで、第一開閉入賞装置2103の開閉制御と、第二開閉入賞装置2104の開閉制御とは、夫々別々の利益を付与するものとして実行されるが、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104が共通のベース部材2110に取着されたものでは、二つの開閉入賞装置2103,2104に一体感が生じ、まるで、一つの開閉入賞装置を用いて二種類の利益を付与させるもののように認識されるおそれがある。つまり、二種類の開閉入賞装置2103,2104を備えているにもかかわらず、一つの開閉入賞装置の開放時間や開放回数を抽選結果に基づいて変化させるものと大差がなくなり、興趣を低下させるおそれがある。
これに対し本例では、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104の間には、前後方向に貫通する切欠2110dが形成されているため、区分けされた印象を生じさせ、夫々別々の開閉入賞装置であるという認識を遊技者に与えることが可能となる。つまり、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104は、一つのユニットにまとめられているものの、視覚的に認識される一体感を抑制することで、夫々の開閉入賞装置2103,2104の存在感を高めることができ、ひいては興趣の低下を抑制することができる。
特に、切欠2110dを通して、遊技パネル1200に植設された複数の障害釘Kが配設されているため、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104の間で遊技球の転動方向を変化させ、遊技球の挙動を注目させることができる。したがって、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104が夫々別々の開閉入賞装置であるという認識をさらに高めることができる。
また、第一開閉入賞装置2103の下方の遊技領域1100と、第二開閉入賞装置2104の下方の遊技領域1100とが、ベース部材2110の前面に形成された区切線2110iによって区切られているため、二つの開閉入賞装置2103,2104を、夫々の周辺の遊技領域1100を含めて視覚的に区切ることができ、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104が夫々別々の開閉入賞装置であるという認識を一層高めることができる。
また、ベース部材2110は、前面全体に反射面が形成されているため、前面全体をキラキラと輝かせ、遊技パネル1200の下部における華やかさを高めるとともに、入賞装置ユニット2100全体を目立たせ、第一開閉入賞装置2103及び第二開閉入賞装置2104の動作を注目させることができる。
また、入賞装置ユニット2100では、後方の発光基板3503,3506,3507から照射される光を透過する主レンズ部2112及びカバー部材2114を備えるとともに、ベース部材2110に形成された大窓部2110f及び小窓部2110gを通して遊技者側に投光することが可能になっている。このため、大窓部2110f及び小窓部2110gを発光装飾し、ベース部材2110の華やかさを一層高めることができる。また、発光基板3503,3506,3507は、入賞装置ユニット2100と分離して配置されているため、入賞装置ユニット2100から引出されるハーネスの本数を必要最小限の数とすることができ、入賞装置ユニット2100を組付ける際の作業性の低下を抑制できる。
ところで、主レンズ部2112は透明であるため、発光基板3503,3506,3507から光が照射された際、入賞装置ユニット2100の後方に配置された収容物が、大窓部2110f及び小窓部2110gを通して視認される可能性があり、これによれば見栄えを損なうおそれがある。なお、主レンズ部2112の後側に配置されたカバー部材2114に乱反射面を形成すれば、収容物を認識させ難くすることができるが、これによれば主レンズ部2112を通過する光量が低下し、特に小窓部2110gでは、明るく光らせることが困難となり、目立たなくなってしまう。
これに対し、本例では、カバー部材2114の後面うち、大窓部2110fに向かって透過させる部分2114fには乱反射部が形成されているが、小窓部2110gに向かって透過させる部分2114gには乱反射部が形成されておらず透明となっている。このため、大窓部2110fに対しては、発光基板3503,3506,3507から照射された光を乱反射させつつ透過させることにより、入賞装置ユニット2100の後方の収容物を見えにくくし、一方、小窓部2110gに対しては、発光基板3503,3506,3507から照射される光を乱反射させずに透過させることにより、小窓部2110gに十分な光を送り明るく光らせることが可能になる。なお、小窓部2110gは開口面積が小さいため、主レンズ部2112及びカバー部材2114が透明であっても、収容物は見えにくく、たとえ見えたとしても収容物の外観を把握することはきわめて困難となる。したがって、小窓部2110gにおいても見栄えを損なうことはない。
また、入賞装置ユニット2100のベース部材2110には、さらに第一始動口2101が配設されているため、第一始動口2101を入賞装置ユニット2100とは別の構成部品として組付けるものに比べ、遊技パネル1200に組付ける際の作業時間や労力を低減することができる。また、第一始動口2101を第一開閉入賞装置2103に近づけて配置することができるため、第一始動口2101によって、第一開閉入賞装置2103の閉鎖状態を維持するなど、第一始動口2101と第一開閉入賞装置2103とを関連づけて配置することができる。特に、第一始動口2101はベース部材2110と一体に成形されているため、ベース部材2110に対する第一始動口2101の組付作業が不要となり、製造コストを低減することができる。
また、入賞装置ユニット2100のベース部材2110には、さらに第二始動口2102が配設されているため、第二始動口2102を入賞装置ユニット2100とは別の構成部品として組付けるものに比べ、遊技パネル1200に組付ける際の作業時間や労力を低減することができる。また、第二始動口2102を第二開閉入賞装置2104に近づけて配置することができる。
また、入賞装置ユニット2100のベース部材2110には、さらにゲート部2107及びゲートセンサ2176が配設されているため、ゲート部2107を入賞装置ユニット2100とは別の構成部品として組付けるものに比べ、遊技パネル1200に組付ける際の作業時間や労力を低減することができる。また、ゲートセンサ2176に接続されたハーネスと、二つの開閉入賞装置2103,2104のハーネスとをまとめて一つの開口部1200eに通すことが可能になり、ハーネスの配置や配線作業が煩雑になることを抑制できる。また、ゲート部2107はベース部材2110と一体に成形されているため、ベース部材2110に対するゲート部2107の組付作業が不要になり、製造コストを低減することができる。
また、ベース部材2110には、ゲート部2107を通過した遊技球を第二開閉入賞装置2104側へ案内する案内部2110hが形成されているため、第二開閉入賞装置2104が開放した際、ゲート部2107を通過した遊技球を、大入賞口2153に入賞させやすくなる。したがって、ゲート部2107を通過させることに対して、抽選以外の期待感を生じさせることができる。また、案内部2110hはベース部材2110と一体に成形されているため、ベース部材2110に対する案内部2110hの組付作業が不要になるとともに、案内部2110hの構成が簡単なものとなる。
また、ベース部材2110には、ゲート部2107と第二開閉入賞装置2104との間に第四開口部2110eが形成され、第四開口部2110eを通して遊技パネル1200に植設された障害釘Kが配設されているため、ゲート部2107から第二開閉入賞装置2104に向う遊技球の転動方向を変化させ、遊技球の挙動を注目させることが可能になる。
さらに、ベース部材2110には、一般入賞口2105,2106が配設されているため、一般入賞口2105,2106を入賞装置ユニット2100とは別の構成部品として組付けるものに比べ、遊技パネル1200に組付ける際の作業時間や労力を低減することができる。特に、一般入賞口2105,2106は、ベース部材2110と一体に成形されているため、ベース部材2110に対する一般入賞口2105,2106の組付作業が不要になり、製造コストを低減することができる。
[2−2.サイド装飾ユニット]
図114及び図128を参照し、サイド装飾ユニット2300について説明する。図128は、サイド装飾ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。サイド装飾ユニット2300は、遊技パネル1200における左右方向中央から左寄りの下部で、入賞装置ユニット2100が挿入固定される開口部1200eよりも左側に形成された開口部1200eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200の前面に固定されている。サイド装飾ユニット2300は、正面視円弧状に形成され遊技パネル1200に固定されるベース部材2301と、ベース部材2301の後側に配設されるとともに裏カバー2305に収容されたレンズ体2304と、を備えている。また、ベース部材2301とレンズ体2304との間には表示シート2302及び拡散シート2303が介装されている。
詳しく説明すると、ベース部材2301は、遊技領域1100に突出する略三角形の演出表示部2301aと、演出表示部2301aの上側に延出された薄板状の飾り部2301bとから構成されている。演出表示部2301aは、前後方向に貫通する窓部2301cを有するとともに、内部に収容部2301dが形成され、さらに演出表示部2301aの上面には、遊技領域1100を転動する遊技球を入賞装置ユニット2100側に向かって案内する案内転動面2301eが形成されている。また、飾り部2301bには、二つの開口部2301fと、二つの切欠部2301gが形成されており、これらを通してレンズ体2304を視認することが可能になっている。
一方、レンズ体2304は、透明な樹脂で形成されており、ベース部材2301の収容部2301dに後側から嵌込まれ、表示シート2302及び拡散シート2303を挟持するシート押え部2304aと、飾り部2301bの後側に配置される上側レンズ部2304bとを備え、上側レンズ部2304bの前面には、ベース部材2301における下側の開口部2301fに後側から嵌込まれる下側透過部2304cと、上側の開口部2301fに後側から嵌込まれるとともに後方にも突出した上側透過部2304dと、ベース部材2301の切欠部2301gに後側から嵌込まれる平面状の発光面部2304eとが形成されている。
裏カバー2305は、光透過性の部材で形成されており、レンズ体2304のシート押え部2304aを収容する下部収容部2305aと、レンズ体2304の上側レンズ部2304bを収容する上部収容部2305bとを有する。また、上部収容部2305bには円筒状の挿入部2305cが形成されており、上側透過部2304dの後方に突出する部分が嵌込まれるようになっている。なお、レンズ体2304の下側透過部2304cと裏カバー2305との間には、裏カバー2305の後面に照射された光によって下側透過部2304cを効率的に光らせるためのリフレクタ2306が設けられている。
裏カバー2305の後方には、下部収容部2305aに対して後方から光を照射する発光基板3206(図147参照)と、上部収容部2305bに対して後方から光を照射する発光基板3205(図147参照)とが配設されており、夫々別々に光を照射させることが可能となっている。特に、発光基板3206は表示シート2302に対して光を照射するものであり、少なくとも三原色の一つである青色と三原色の他の一色である赤色とを含む複数種類の色の光を投光可能なフルカラーのLEDを備えている。
また、表示シート2302は、カラーフィルタからなり、第一透過手段及び第二透過手段を有している。第一透過手段は、発光基板3206から投光される第一色(具体的には赤色)の光のみが通過することで、第一絵柄を表示するものであり、一方、第二透過手段は、発光基板3206から投光される第二色(具体的には青色)の光のみが通過することで、第一絵柄とは異なった第二絵柄を表示するものである。このように表示シート2302を備えることにより、ベース部材2301の窓部2301cを通して視認される絵柄を、必要に応じて変化させることが可能となり、演出の単調さを抑制することが可能になる。特に、発光基板3206から投光される光の色を異ならせるだけで表示される絵柄を変化させることができるため、極めてシンプルに構成することが可能になる。また、表示シート2302による第一透過手段及び第二透過手段と、発光基板3206とによって構成されているため、例えば液晶表示装置のような表示装置で構成する場合と比べ、表示手段の大きさを小型化することができる。
なお、拡散シート2303を備えることにより、レンズ体2304のシート押え部2304aを通過した光を、表示シート2302の全面に満遍なく照射することができ、第一絵柄及び第二絵柄を明瞭に視認させることが可能になる。
[2−3.センター役物]
次に、図114、図129乃至図134を参照し、センター役物2400の構成について詳細に説明する。図129は、センター役物を斜め前から見た斜視図であり、図130は、センター役物を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図131は、センター役物のベース枠部材、ワープ通路、棚板、及び棚後カバーを、斜め前から見た分解斜視図であり、図132(a)は遊技盤の左上部分を拡大した要部拡大正面図であり、図132(b)は遊技盤の右側中央部分を拡大した要部拡大正面図であり、図133(a)は、図132(a)におけるA−A断面を斜め前から見た断面斜視図であり,図133(b)は、図132(b)におけるB−B断面を斜め前から見た断面斜視図であり、図134は、ベース枠部材と遊技パネルとの関係を示す縦断面図である。
図114に示すように、センター役物2400は、遊技パネル1200の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1200eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200の前面に固定されており、遊技領域1100の大半を占める大きさで枠状に形成されている。図129及び図131に示すように、センター役物2400は、枠状のベース枠部材2401と、ベース枠部材2401の左側に配置されベース枠部材2401の外側及び内側を連通するワープ通路2402と、ベース枠部材2401の下縁部内側に配置されワープ通路2402を介して取込まれた遊技球を左右方向に転動させるステージ2403aを有する棚板2403と、ステージ2403aの奥方及び上方、並びにワープ通路2402の後側を覆う棚後カバー2404と、を備えている。また、図129に示すように、ベース枠部材2401の右側下部には、ベース枠部材2401の右側に位置する遊技球の通路を前方から覆う右側保護部材2406が配設されている。また、図130に示すように、センター役物2400には、開口窓2400aの内縁に沿って配置された複数の装飾体2410を備えられており、これによりセンター役物2400の装飾効果を高め、パチンコ機1のコンセプトを印象付けている。以下、各構成について詳細に説明する。ここで、ベース枠部材2401が本発明のセンターフレームに相当する。
図131乃至図133に示すように、ベース枠部材2401は、遊技パネル1200の前方から開口部1200cに挿入される挿入部2401aと、遊技パネル1200の前面よりも前方(遊技者側)に突出し、遊技領域1100とベース枠部材2401の内部空間とを区画する区画壁部2401cと、その区画壁部2401cに対して直角に形成されるとともに、挿入部2401aよりも径方向外側に突出し遊技パネル1200の前面に取着される薄板状のフランジ部2401bとを有している。つまり、挿入部2401aは、開口部1200aに対してベース枠部材2401を位置決めされた状態で支持し、区画壁部2401cは、ベース枠部材2401の内部空間と遊技領域1100とを区画することで、遊技球の進入を阻止している。
ところで、センター役物2400に設けられた複数の装飾体2410は、区画壁部2401cの内側に配置されているため、区画壁部2401cの大きさが大きいほど、大型の装飾体2410を配置することが可能となる。換言すれば、装飾体2410を大きく見せるには、区画壁部2401cにおける径方向の大きさ、すなわち開口窓2400a(図129参照)の大きさを、比較的大きく見せる必要がある。しかし、センター役物2400の開口窓2400aを大きくするためにベース枠部材2401を大型化すると、遊技パネル1200において遊技球を転動させる遊技領域1100の面積が相対的に狭くなり、ひいては遊技球の挙動が単調となったり、遊技球を通過させるスペースを確保することが困難となったりするおそれがある。
これに対し、本例では、ベース枠部材2401を透明な樹脂部材で形成するとともに、フランジ部2401bから径方向内側に延出された遊技領域拡張部2401dを備えている。つまり、区画壁部2401cの少なくとも一部を、正面視において開口部1200eの内縁よりも径方向内側の所定位置に配置することで、開口部1200eの前方に、拡張された遊技領域1100aを透明な部材で形成している。
この遊技領域拡張部2401dの構成及び作用について詳細に説明するために、便宜上、以下の二つのパチンコ機を比較用パチンコ機として図134(b),(c)に示す。なお、図134(a)は本例における遊技盤4の左上部分(すなわち図132(a)に相当する部分)を示す断面図であり、図134(b),(c)は、比較用パチンコ機の同領域に相当する部分を示す断面図である。
第一比較用パチンコ機5001:図134(b)に示すように、遊技パネル5200の開口部5200a、及びベース枠部材5401のフランジ部5401bの、夫々における大きさ及び配設位置が、(a)に示す本例と同一であり、遊技領域拡張部を備えていないもの。
第二比較用パチンコ機6001:図134(c)に示すように、区画壁部6401cの大きさ及び配設位置が、本発明と同一であり、遊技領域拡張部を備えていない遊技機。
まず、本例のパチンコ機1を第一比較用パチンコ機5001と比べると、本例では、遊技領域拡張部2401dを備えることにより、区画壁部2401cが、開口部1200eの内縁よりも径方向内側(図134では下側)に離れて配置されている。つまり、開口部1200eの前方に遊技領域1100aが形成され、その分だけ第一比較用パチンコ機5001よりも遊技領域が広くなっている。ところで、この構成によれば、区画壁部2401cによって囲まれる開口窓2400aの大きさは、第一比較用パチンコ機5001の開口窓5400aよりも小さくなる。しかしながら、本例では、区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dが光透過性の部材で形成されているため、開口窓2400aの大きさを第一比較用パチンコ機5001の開口窓5400aよりも小さく感じさせないようにすることができる。つまり、ベース枠部材2401全体が光を通さない場合には、光を通さないベース枠部材2401と、開放された開口窓2400a(すなわち光を通す部分)との境界、すなわち区画壁部2401cの内縁部分が強調され、この部分が開口窓2400aと外縁として認識されるが、区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dを光透過性の部材で形成したことにより、光を通す部分と光を通さない部分との境目を、フランジ部2401bと遊技領域拡張部2401dとの境界(すなわち遊技パネル1200に形成された開口部1200eの内縁部分)とすることが可能となり、その境界部分を際立たせ、開口窓2400aの外縁として認識させることが可能になる。また、区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dから遊技者側に光が漏れるため、ベース枠部材2401自体を大きく見せることも可能になる。したがって、遊技領域1100を拡張することで第一比較用パチンコ機5001よりも開口窓2400aの大きさが小さくなっても、小さくなった印象を与えにくくすることができる。
一方、本例のパチンコ機1を、図134(c)に示す第二比較用パチンコ機6001と比べると、本例では、遊技領域拡張部2401dを備えることにより、ベース枠部材2401のフランジ部2401b及び遊技パネル1200の開口部1200eが径方向外側(図134では上側)に向かって拡大される(図134(c)に示すベース枠部材6401のフランジ部6401b及び遊技パネル6200の開口部6200aと比較した場合)。ところで、このように第二比較用パチンコ機6001の開口部6200aよりも本例の開口部1200eが大きくなると、遊技パネル1200上の遊技領域1100は相対的に狭くなるが、開口部1200eの前方である遊技領域拡張部2401d上にも遊技領域1100aが形成されるため、遊技領域全体としては、第二比較用パチンコ機6001の場合と同等の面積を確保することができる。また、本例では、区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dは光透過性の部材で形成されているため、上記したように、光を通す部分と光を通さない部分との境界である、フランジ部2401bと遊技領域拡張部2401dとの境界(すなわち遊技パネル1200に形成された開口部1200eの内縁部分)を際立たせ、開口窓2400aの外縁として認識させることが可能になる。また、区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dから遊技者側に光が漏れるため、ベース枠部材2401自体を大きく見せることも可能になる。したがって、本例では、第二比較用パチンコ機6001と比べ、全体の遊技領域を狭くすることなく、ベース枠部材2401の開口窓2400aを大きく見せることが可能となる。
また、本例の図132(a)及び図133(a)に示す領域においては、遊技領域拡張部2401dの後方に、後述する上側役物ユニット3100に設けられた発光基板3182が配置されており、遊技領域拡張部2401dに向かって光が照射されるようになっている。このため、遊技領域拡張部2401dを通過する光量が多くなり、遊技パネル1200によって光が遮られるフランジ部2401bと、開口部1200eを通して光が照射される遊技領域拡張部2401dとでは、明暗の差が明瞭となり、それらの境目を一層目立たせることができる。また遊技領域拡張部2401dを含むベース枠部材2401が透明な樹脂部材で形成されているため、遊技領域拡張部2401dの全体に亘って光を通過させるとともに、通過する光量を多くすることができる。したがって、フランジ部2401bと遊技領域拡張部2401dとの境界部分が一層強調され、目立つようになる。特に、透明な遊技領域拡張部2401dの色は薄紫色であり、ベース枠部材2401の周囲における遊技パネル1200の色(紫色)と略同色となっている。このため、フランジ2401bの先端も目立たなくなり、相対的に、フランジ部2401bと遊技領域拡張部2401dとの境界部分を一層目立たせることができる。
なお、遊技領域拡張部2401dは、ベース枠部材2401の全周に亘って形成してもよいが、本例では、遊技球の転動方向を複雑に変化させることが要求されるセンター役物2400の左上の遊技領域1100(図132(a),図133(a)参照)、及び遊技球の転動通路を確保する必要があるセンター役物2400の右側の遊技領域1100(図132(b),図133(b)参照)に対してのみ遊技領域拡張部2401dが形成されている。
図131に示すように、ワープ通路2402は、ベース枠部材2401の外側に開口したワープ入口2402aと、ベース枠部材2401の内側に開口したワープ出口2402bとを有し、正面視略L字形の形状を呈している。つまり、ベース枠部材2401の左側の遊技領域1100を転動する遊技球をワープ入口2402aから取込み、ワープ出口2402bへ案内することが可能になっている。
ところで、ワープ通路2402はベース枠部材2401に設けられているため、上記のように区画壁部2401c及び遊技領域拡張部2401dを光透過性の部材で形成した場合には、ワープ通路2402の存在が際立ち、ワープ通路2402が開口窓の内側に向かって大きく張り出しているような印象を与える。つまり、開口窓2400aを小さく感じさせるおそれがある。これに対し、本例では、ワープ通路2402は無色透明な樹脂で形成されているため、ワープ通路2402の外郭が目立たなくなり、開口窓2400aが小さく感じることを抑制できる。なお、詳細は後述するが、このワープ通路2402は、後方から照射される光によって発光装飾されるようになっている。
棚板2403は、ワープ通路2402を通ってベース枠部材2401内に流入した遊技球を、左右方向に転動させる略円弧状のステージ2403aを有しており、ステージ2403aでは、転動した遊技球を、ステージ2403aの左右方向中央またはその近傍から第一始動口2101の上方の遊技領域1100に流出させることが可能になっている。特に、ステージ2403aの中央部には、後方に向かって下り勾配に形成された溝状のチャンス入口2403bが形成され、また、チャンス入口2403bの下方には、前後方向に貫通するチャンス出口2403cが形成されている。つまり、左右方向に通過する遊技球の勢いが弱くなった際、チャンス入口2403bに沿って遊技球を後方に転動させ、棚後カバー2404に形成されたチャンス通路2404dに送ること、さらにチャンス通路2404dを通してチャンス出口2403cから放出することが可能になっている。
棚後カバー2404は、ステージ2403aの奥側を覆う後壁部2404aと、ステージ2403の上方を覆う上壁部2404bと、ワープ通路2402の後面を閉鎖するワープ壁部2404cとから構成されている。また、後壁部2404aには、棚板2403のチャンス入口2403b及びチャンス出口2403cを連通するチャンス通路2404dが形成されている。
ところで、棚板2403及び棚後カバー2404は、遊技領域拡張部2401dの下縁部内側に配置されているため、上記のようにベース枠部材2401を透明の樹脂で形成した場合には、棚板2403及び棚後カバー2404の存在が際立ち、それらが開口窓2400aの内側に向かって大きく張り出しているような印象を与える。すなわち、開口窓2400aを小さく感じさせるおそれがある。これに対し、本例では、棚板2403及び棚後カバー2404が無色透明な樹脂で形成されているため、棚板2403及び棚後カバー2404の外郭が目立たなくなり、開口窓2400aが小さく感じることを抑制できる。
図129及び図130に示すように、右側保護部材2406は、ベース枠部材2401の右側の遊技領域1100を転動(落下)する遊技球が突起部2401eに衝突した際、遊技者側に跳ね返ることを抑制する保護部2406aと、保護部2406aの下端から右側直角方向に延出され遊技球の転動方向を変化させる転動方向案内部2406bと、転動方向案内部2406bの下側に形成され前面に右下メッキ飾り2447が取着される飾り取付部2406cと、を備えている。なお、突起部2401eは、右側の遊技領域拡張部2401dに形成され、前方の遊技領域1100aに突設するとともに、所定の間隔で上下方向に並んで配設されており、センター役物2400の右側を転動する遊技球を突起部2401eに順次衝突させることで、転動する遊技球の勢いを抑制している。
図129及び図130に示すように、センター役物2400は、複数の装飾体2410として、ベース枠部材2401の左上に配置された左上装飾ユニット2411と、その下方に配置されワープ通路2402を装飾するワープ通路装飾ユニット2412と、ベース枠部材2401の右上に配置された右上装飾ユニット2413と、その下方に配置された右側装飾ユニット2414とを備えている。左上装飾ユニット2411は、所定の文字を象った光透過性のロゴ前飾り2420と、ロゴ前飾り2420の後側に配置され通過する光を拡散する光拡散シート2421と、光拡散シート2421を後側から支持する光透過性のシート押え2422とを備えて構成されており、後方から照射される光(詳細は後述する)によって発光装飾されるようになっている。このロゴ前飾り2420は、本発明の特定文字部に相当するものであり、後述するロゴ表示ユニット3400の左側に隣接して配設され、ロゴ表示ユニット3400における一連の文字と合わせることで、一つの文字言語(パチンコ機1の機種名やタイトル名を示すロゴ)を形成する(図160a参照)。なお、ロゴ前飾り2420の上端部分には、飾りレンズ2423が取着されている。
ワープ通路装飾ユニット2412は、ワープ通路2402の上部を前側から覆うように装着された無色透明のワープレンズ2426と、ワープレンズ2426の前面側に装着されたワープ飾り2425とから構成されている。ワープ飾り2425は、メッキ加工によって表面全体に反射面が形成されるとともに、ワープレンズ2426が部分的に視認可能となる複数の窓部2425aを有している。なお、ワープ通路2402の下部はワープ飾り2425によって覆われておらず、露出された状態となっている。なお、ワープ通路装飾ユニット2412の発光装飾については後述する。
右上装飾ユニット2413は、ベース枠部材2401の右側全体に亘って配置された光透過性の右側ベース2430上に配置されており、円環状の飾り本体2431a、及びその上部及び下部から延出された円弧状の飾り2431bからなる飾り枠2431と、右側ベース2430の上部開口部2430a内に前側から嵌込まれ所定の文字を象ったロゴレンズ2432と、ベース枠部材2401の後側に配置され右側ベース2430に後方から光を照射する発光基板2433と、発光基板2433の上部側から放射される光を上部開口部2430a付近(すなわち飾り枠2431の飾り本体2431a内に相当する部分)に効率よく照射するリフレクタ2434と、を備えている。また、飾り枠2431の上方及び右斜め下方には、右側ベース2430に形成された複数の突起2430bが挿入される煙玉形の飾り2435が夫々配置されている。
右側装飾ユニット2414は、右側ベース2430の下部に形成された円盤状の突起部2430cに前側から外嵌されるとともに、表面にメッキ加工が施されたメッキ飾り2437と、突起部2430c内に後側から挿入された裏レンズ2438と、メッキ飾り2437に組み込まれて配置されるとともに煙が立ち昇るような演出を行うことが可能な煙形飾り2439とを備えて構成され、発光基板2433から照射される光によって右側ベース2430の突起部2430c及び煙形飾り2439を発光装飾させることが可能になっている。
また、右側ベース2430の前面左下端部には、7セグ表示器2441が右側ベース2430の左側に突出して配設されている。7セグ表示器2441は、円形の窓部2442aを有する前飾り2442と、前飾り2442内に収容され窓部2442aを通して視認可能なハーフミラー2443と、ハーフミラー2443の後側に配置され通過する光を拡散する拡散シート2444と、発光基板2433から放射された光を効率よく拡散シート2444に向かって投光するとともに、数字のセグメントに対応したスリット2445aを有するリフレクタ2445と、リフレクタ2445の左側に配置され7セグ表示器2441の窓部を通して赤色の光を投光する赤色レンズ2446と、を備えて構成されている。つまり、7セグ表示器2441と相対して配置された発光基板2433上のLEDのうち、表示する二桁の数字に対応するLEDを選択して発光させることにより、所定のスリット2445aを通して拡散シート2444及びハーフミラー2443に光を投光し、ハーフミラー2443の裏面にスリット2445aの像(すなわち数字の像)を映し出すことが可能になっている。また、ハーフミラー2443を備えることにより、スリット2445aと対向しない部分、及びスリット2445aと対向するが光が照射されていない部分は、遊技者側から見て反射面となり、7セグ表示器2441の内部構造が遊技者から見えないようになっている。
[2−4.裏ユニット]
次に、図135〜図165を参照し、裏ユニット3000の構成について詳細に説明する。図135は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図136は、裏ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図137は、裏ユニットにおける上側役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図138は、上側役物ユニットを、大ユニット部と小ユニット部とに分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図139は、大ユニット部を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図140は、大ユニット部における回転ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図141は、回転ユニットにおける大側発光回転部及び小側発光回転部を、分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図142(a)は、小側発光回転部及びその駆動部を、縦方向に切断し斜め前から見た断面斜視図であり、図142(b)は、小側カバー部材を斜め下方から見た斜視図であり、図143は、小側発光回転部及びその駆動部を斜め後から見た斜視図であり、図144は、小ユニット部における回転装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図145は、回転体装飾体を縦方向に切断し斜め前から見た断面斜視図であり、図146は、小ユニット部の囲いユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。
また、図147は、裏ユニットにおける左側役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図148は、左側役物ユニットの動作を示す説明図であり、図149は、左側役物ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図150は、左側役物ユニットの要部を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図151は、左側役物ユニットにおける可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
また、図152は、裏ユニットにおける右側役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図153は、右側役物ユニットの動作を示す説明図であり、図154は、右側役物ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図155は、右側役物ユニットにおける可動装飾体を斜め後から見た斜視図であり、図156は、可動装飾体を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図157は、可動装飾体における可動部本体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図158は、可動装飾体における可動腕部を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図159は、右側役物ユニットにおける駆動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
また、図160(a)は、裏ユニットにおけるロゴ表示ユニットを備えたセンター役物を下方手前から見た斜視図であり、(b)は(a)の横断面図であり、図161は、ロゴ表示ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図162は、ロゴ表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図163は、裏ユニットにおける棚奥装飾ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図164は、裏ユニットにおけるその他の構成を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図165は、表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。
図112、図135及び図136に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル1200の後側に取付けられており、主に、裏箱3001内において、遊技パネル1200から所定距離後側へ離れた位置に支持された液晶表示装置1900(図135及び図136では省略)と、裏箱3001の上部空間に配置された上側役物ユニット3100と、裏箱3001の左側空間に配置された左側役物ユニット3200と、裏箱3001の右側空間に配置された右側役物ユニット3300と、上側役物ユニット3100の下方に配置されたロゴ表示ユニット3400と、裏箱3001の下部空間に配置された棚奥装飾ユニット3502とを備えている。
まず、裏箱3001について説明する。裏箱3001は、図164に示すように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数個備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル1200(図114参照)の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁3001bの略中央に矩形状の開口3001cが形成されており、この開口3001cを通して、後側に支持される液晶表示装置1900を視認させることが可能になっている。さらに、裏箱3001には、上側役物ユニット3100、左側役物ユニット3200、及び右側役物ユニット3300、ロゴ表示ユニット3400、及び棚奥装飾ユニット3502等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
次に、上側役物ユニット3100について詳細に説明する。上側役物ユニット3100は、液晶表示装置1900の上側に配置されており、左右方向の長さが液晶表示装置1900の表示画面1900aの横幅と略等しく、且つ表示画面1900aよりも遊技者側(すなわち前方)に大きく迫出して配置されている。
図137及び図138に示すように、上側役物ユニット3100は、大ユニット部3101と小ユニット部3102とに大別されている。大ユニット部3101は、図138及び図139に示すように、上面が開放された薄箱状のベース部材3110と、ベース部材3110の上面を覆うベースカバー3111と、ベース部材3110上に配置された回転ユニット3112と、回転ユニット3112の後半部分を後側から覆う囲い部材3113と、囲い部材3113の後側に配置された奥側レンズ部材3114と、奥側レンズ部材3114に後方から光を照射する発光基板3115と、ベース部材3110に固定され回転ユニット3112の下部を前側から覆うように配置された下部飾り部材3116と、を備えている。
図139及び図140を基に、回転ユニット3112について詳細に説明する。回転ユニット3112は、発光しながら発光方向を変化させることが可能な大側発光回転部3120、及び大側発光回転部3120よりも小型の小側発光回転部3121と、大側発光回転部3120を覆うとともに大側発光回転部3120と一体的に回転する大側カバー部材3122と、小側発光回転部3121を覆うとともに小側発光回転部3121と一体的に回転する小側カバー部材3123と、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の頂部に夫々取着された大側上部飾り部材3124及び小側上部飾り部材3125と、大側発光回転部3120及び小側発光回転部3121に対して夫々回転力を付与する大側駆動手段3126及び小側駆動手段3130と、を備えている。ここで、大側駆動手段3126及び小側駆動手段3130が本発明の駆動手段に相当する。
図139乃至図141に示すように、大側発光回転部3120は、ベース部材3110の大側用収容部3110aに配置されており、ベース部材3110の中央基板収容部3110cに配置された矩形の中央発光基板3135と、中央発光基板3135の周囲に配置された円弧状の周辺発光基板3136と、中央発光基板3135を覆うようにベース部材3110に取着されたレンズ3137と、ベース部材3110の大側用収容部3110aから突設された円筒状の支持筒部3110dを回転軸として回転可能に支持された回転リング3138と、回転リング3138に接続され回転リング3138と一体的に回転する反射鏡3139と、回転リング3138の回転位置(原点位置)を検出するフォトセンサ3140と、を有している。ここで、支持筒部3110dが本発明の支持部に相当し、中央発光基板3135が本発明の発光部に相当する。
回転リング3138は、ベース部材3110の支持筒部3110dに外嵌される貫通孔部3138aを中心に有し、中央基板収容部3110cに配置された中央発光基板3135を囲むように配置されている。また、回転リング3138の上面には、反射鏡3139を接続するための円柱状の接続部3138bが三本立設されている。また、回転リング3138の外周面には、周方向に沿って歯3138cが設けられている。
レンズ3137は、円盤状の形状を呈しており、回転リング3138の上側に配置されている。なお、レンズ3137の外径は、回転リング3138の貫通孔部3138aの内径と略一致している。また、レンズ3137の上面には、複数の突起部3137aが形成されており、中央発光基板3135から放射された光を収束して反射鏡3139に照射させることが可能になっている。
反射鏡3139は、前面側及び底面が開放された球面状の外観を呈しており、内面には、レンズ3137を介して中央発光基板3135から照射された光、すなわち下方から照射された光を反射して水平方向(前方)に投光する反射面3139aを有している。また、反射鏡3139は、外周に沿って所定の間隔で配設された三本の被接続部3139bを備えており、回転リング3138の接続部3138bにねじ(図示しない)によって接続することで、回転リング3138に一体的に組付けられている。また、反射鏡3139の頂部及び後面側には、大側カバー部材3122を接続するための円柱状の接続部3139cが三本立設されている。
一方、小側発光回転部3121は、ベース部材3110の小側用収容部3110bに配置されており、ベース部材3110の基板収容部3110fに配置された発光基板3142と、発光基板3142を覆うようにベース部材3110に取着されたレンズ3143と、レンズ3143を回転軸として回転可能に支持された回転リング3144と、回転リング3144に接続され回転リング3144と一体的に回転する反射鏡3145と、回転リング3144の回転位置(原点位置)を検出するフォトセンサ3146と、を有している。ここで、発光基板3142が本発明の発光部に相当し、レンズ3143が本発明の支持部に相当する。
回転リング3144は、レンズ3143の外周面3143bに外嵌される貫通孔部3144aを中心に有し、発光基板3142を囲むように配置されている。また、回転リング3144の上面には、反射鏡3145を接続するための円柱状の接続部3144bが立設されている。また、回転リング3144の外周面には、周方向に沿って歯3144cが設けられている。
レンズ3143は、円盤状の形状を呈しており、ベース部材3110に取着するための脚部3143cが底面から垂下されている。また、レンズ3143の上面には、複数の突起部3143aが形成されており、発光基板3142から放射された光を収束して反射鏡3145に照射させることが可能になっている。
反射鏡3145は、前面側及び底面が開放された球面状の外観を呈しており、内面には、レンズ3143を介して発光基板3142から照射された光、すなわち下方から照射された光を反射して水平方向(前方)に投光する反射面3145aを有している。また、反射鏡3145は、外周に沿って所定の間隔で配設された二本の被接続部3145bを備えており、回転リング3144の接続部3144bにねじ(図示しない)によって接続することで、回転リング3144に一体的に組付けられている。また、反射鏡3145の頂部には、小側上部飾り部材3125を接続するための接続部3145cが形成されている。
図139及び図140に示すように、大側カバー部材3122は、半球面状の光透過性の部材からなり、大側発光回転部3120を上側から覆うとともに反射鏡3139の接続部3139cにねじ(図示しない)によって接続されている。また、小側カバー部材3123は、大側カバー部材3122と同様、半球面状の光透過性の部材からなり、小側発光回転部3121を上側から覆うとともに反射鏡3145の接続部3145cにねじ(図示しない)によって接続されている。
ところで、従来から周知の回転灯装飾体は、単に投光方向を変化させるだけであり、可動装飾体のような動的な変化を視認させることができないため、演出内容が単調で淡白なものとなっていた。このため、回転灯装飾体は、報知手段としては十分であっても、演出装置としては不十分であり、演出における視覚的な興趣を低下させるおそれがあった。
これに対し本例では、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123が夫々反射鏡3139,3145に接続されているため、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123を反射鏡3139,3145と一体的に回転させることができる。このため、投光方向の変化とともに、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の回転動作を遊技者に視認させることができ、動的な変化によって演出装置としての視覚的な興趣を高めることが可能になる。また、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123を回転させるための動力として、反射鏡3139,3145を旋回させるための大側駆動手段3126及び小側駆動手段3130を利用しているため、新たに駆動手段を備えることなく大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123を回転させることができ、シンプルで且つ安価に構成することができる。さらに、反射鏡3139,3145と大側カバー部材3122または小側カバー部材3123とが一体的に回転することから、大側カバー部材3122または小側カバー部材3123の内部から光が投光されるのではなく、大側カバー部材3122または小側カバー部材3123の表面が発光しているように見せることができ、従来とは異なった態様の発光演出によって遊技者の注意を一層引付けることが可能になる。
また、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123は、大側発光回転部3120及び小側発光回転部3121の構造が、光透過性の大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123を通して露出されないように、透明性を抑制する濁り手段を有している。なお、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の濁り手段は同一の構造であるため、以下では、図142を基に小側カバー部材3123の濁り手段について説明し、大側カバー部材3122の濁り手段については説明を省略する。
図142に示すように、小側カバー部材3123の濁り手段は、小側カバー部材3123の外面及び内面に夫々形成された第一凹凸部3150及び第二凹凸部3151によって形成されている。このため、比較的シンプルな構成で透明性を抑制することができるとともに、凹凸形状によって光が分散されるので、小側カバー部材3123の表面における比較的広い範囲を光らせることができる。
特に、小側カバー部材3123は、反射鏡3145の内面(反射面3145a)と対向して光が照射される照射領域3123aと、反射鏡3145の外面と対向して光が照射されない非照射領域3123bとに分けられており、非照射領域3123bの濁り手段が照射領域3123aの濁り手段よりも濁り度合が高められている。具体的には、小側カバー部材3123の外面に形成された第一凹凸部3150は、小側カバー部材3123の外面全体に亘って所定のパターン(例えば水平方向の溝による上下方向の凹凸)で形成されており、一方、小側カバー部材3123の内面に形成された第二凹凸部3151は、非照射領域3123bに対してのみ形成され、第一凹凸部3150とは異なるパターン(例えば縦方向の溝による水平方向の凹凸)となっている。つまり、照射領域3123aにおいては第一凹凸部3150によって上下方向の凹凸が形成され、非照射領域3123bにおいては外面の第一凹凸部3150及び内面の第二凹凸部3151の両方によって格子状の凹凸が形成されている。
このため、照射領域3123aにおいては、光の透過率を高めることで小側カバー部材3123を明るく光らせることができ、一方、非照射領域3123bにおいては、光の透過率を低くすることで内部構造を視認させにくくすることができる。また、小側カバー部材3123の外面に形成された濁り手段は、第一凹凸部3150のみであり、しかも表面全体に亘って形成されているため、外側から見て照射領域3123aと非照射領域3123bとの境界をわかりにくくすることができる。
また、図140に示すように、大側カバー部材3122の頂部には大側上部飾り部材3124が取着され、小側カバー部材3123の頂部には小側上部飾り部材3125が取着されている。これらの上部飾り部材3124,3125は、光を透過しない部材で形成され、表面にメッキ加工が施されている。このため、上部飾り部材3124,3125を際立たせ、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の装飾性を高めることができる。また、上部飾り部材3124,3125は、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の頂部、すなわち回転軸の近傍に配置されているため、遊技者側への投光を遮ることがなく、しかも大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123が回転しても上部飾り部材3124,3125の変動を小さく抑え、上部飾り部材3124,3125の回転によって大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の回転動作が目立ちすぎること、すなわち投光方向の変化が相対的に目立たなくなることを抑制できる。
図139及び図140に示すように、大側発光回転部3120の回転リング3138に回転力を付与する大側駆動手段3126は、ベースカバー3111の上面に取着されたモータ3127と、ベースカバー3111内に収容されモータ3127の回転軸に接続されたモータ歯車3128と、ベース部材3110の軸受部3110eによって軸支されるとともに、モータ歯車3128に噛合する内側歯部3129a及び回転リング3138の歯3138c(図141参照)に噛合する外側歯部3129bを有する伝達歯車3129と、から構成されている。つまり、モータ3127が所定方向に回転すると、モータ歯車3128及び伝達歯車3129を介して回転リング3138に回転力が伝達され、回転リング3138と一緒に反射鏡3139及び大側カバー部材3122が回転するようになっている。
また、小側発光回転部3121の回転リング3144に回転力を付与する小側駆動手段3130は、図142及び図143に示すように、ベースカバー3111(図139参照)の上面に取着されたモータ3131と、ベースカバー3111内に収容されるとともにモータ3131の回転軸に接続されたモータ歯車3132とから構成されており、モータ歯車3132の歯部が回転リング3144の歯3144cに噛合されている。つまり、モータ3131が所定方向に回転すると、モータ歯車3132を介して回転リング3144に回転力が伝達され、回転リング3144と一緒に反射鏡3145及び小側カバー部材3123が回転するようになっている。
一方、囲い部材3113は、図138及び図139に示すように、大側カバー部材3122の後半部分を後側から囲むように配設されており、その内面には、メッキ加工によって光反射面3113aが形成されている。つまり、大側カバー部材3122から放射された光の投光方向が後側(すなわち遊技者と反対側)を向いた際、その光を、囲い部材3113の光反射面3113aによって遊技者側に反射させることが可能になっている。したがって、大側カバー部材3122から放射される光が後側を向いた場合でも、囲い部材3113の光反射面3113aによって光を遊技者側に反射することにより、大側カバー部材3122から光が投光されていることを遊技者に認識させ、視覚的な興趣及び装飾性を一層高めることが可能になる。
また、図139に示すように、奥側レンズ部材3114は、囲い部材3113の後方に配置されており、発光基板3115から照射された光を囲い部材3113の所定部位に案内することが可能になっている。具体的に、奥側レンズ部材3114は、囲い部材3113及び発光基板3115を支持する支持部3114aと、支持部3114aの前面から前方に突出し、囲い部材3113に形成された透孔3113cに後側から挿入される棒状の光誘導部3114bとを備えており、光誘導部3114bの先端から光を投光することにより、大側カバー部材3122に光を照射することが可能になっている。このため、大側カバー部材3122を明るく浮かび上がらせることができ、遊技者の注意を一層引き付けることが可能になる。
ところで、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123は反射鏡3139,3145と一体的に回転することから、摺動抵抗が生じないようにベース部材3110から浮いた状態で支持されている。ところが、これによれば、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の下側からベース部材3110や回転ユニット3112が露出してしまい、見栄えを損なうおそれがある。これに対し、本例では、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の下側を覆う下部飾り部材3116を備えている。下部飾り部材3116は、ベース部材3110の底面に取着される取付部3116aと、大側カバー部材3122及び小側カバー部材3123の下端外周を前方から覆う装飾部3116bとを有している。このため、ベース部材3110または回転ユニット3112の露出を防止することができ、見栄えの低下を抑制することができる。
一方、図138に示すように、小ユニット部3102は、回転体装飾体3162と、その後側に配置された囲いユニット3163とから構成されている。回転体装飾体3162は、図144及び図145に示すように、上面が開放された薄箱状のベース部材3165と、ベース部材3165の上面を覆うとともに開口部3166aを有するベースカバー3166と、ベース部材3165に配置された発光回転部3167とを備えている。発光回転部3167は、ベース部材3165の収容部3165aに収容された発光基板3171と、発光基板3171を上方から覆うようにベース部材3165に取着されたレンズ3168と、レンズ3168に外嵌することで回転可能に支持された回転リング3169と、回転リング3169の上面に接続されレンズ3168を通して下方から照射される光を水平方向に反射する反射面3170aを内面に有する反射鏡3170とを有している。また、回転体装飾体3162は、発光回転部3167のレンズ3168及び反射鏡3170を上側から覆うとともに、反射鏡3170の接続部3170bに接続されたカバー部材3172と、カバー部材3172の頂部に取着された上部飾り部材3173と、ベース部材3165の底面に取着されるとともに、発光回転部3167の下部を前側から覆う下部飾り部材3174と、発光回転部3167に回転力を付与する駆動手段3175と、回転リング3169の回転位置(原点位置)を検出するためのフォトセンサ3178と、を備えて構成されている。なお、駆動手段3175は、ベース部材3165の底面に下側から取着されたモータ3176と、ベース部材3165の左側収容部3165bに配置されるとともに、モータ3176の回転軸に接続されたモータ歯車3177とから構成されている。なお、モータ歯車3177は、回転リング3169の外周面に形成された歯3169aに噛合されており、モータ3176の回転力を回転リング3169に伝達することが可能になっている。なお、これらの各構成は、大ユニット部3101における各構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。ここで、レンズ3168は本発明の支持部に相当し、発光基板3171は本発明の発光部に相当する。
一方、図146に示すように、囲いユニット3163は、囲い部材3180と、その後側に配置された奥側レンズ部材3181及び発光基板3182とから構成されている。囲い部材3180は、発光回転部3167のカバー部材3172(図145参照)及び小側発光回転部3121(図139参照)の小側カバー部材3123を夫々覆う球面状の左側凹面部3180a及び右側凹面部3180bを有しており、左側凹面部3180a及び右側凹面部3180bにはメッキ加工によって光反射面が形成されている。また、左側凹面部3180a及び右側凹面部3180bには、前後方向に貫通する複数の透孔部3180cが形成されている。一方、奥側レンズ部材3181には、囲い部材3180の透孔部3180cに後側から挿入される円柱状の光誘導部3181aが複数個突設されている。つまり、発光基板3182から照射された光を光誘導部3181aの先端から投光することにより、カバー部材3172及び小側カバー部材3123に光を照射させることが可能になっている。
このように、本例では、外観形状が略同一で、大きさが互いに異なる複数のカバー部材3122,3123,3172を備えることにより、迫力のある演出を行うことができ、また、報知情報の内容(例えば期待度の高さ)と、回転動作させるカバー部材3122,3123,3172の大きさとを関連付けることが可能となり、上側役物ユニット3100における演出効果をさらに高めることが可能になる。
また、本例の入賞装置ユニット2100では、カバー部材3122,3123,3172を回転動作させた後、予め定めた位置で回転を停止させる停止制御手段を有しており、カバー部材3122,3123,3172の照射領域が遊技者側を向いた位置(図142(a)に示す位置)を原点位置として停止されるようになっている。このため、カバー部材3122,3123,3172及び反射鏡3139,3145,3170の回転動作と同時に発光動作を開始する場合、または回転動作よりも早く発光させ始める場合でも、遊技者に向かって光が投光する状態、すなわち一番明るく感じさせる状態から演出を開始することができ、ひいては遊技者への刺激を大きくし、インパクトを高めることが可能となる。
次に、左側役物ユニット3200について説明する。左側役物ユニット3200は、可動装飾体3202を備えており、図108及び図148(a)に示すように,遊技パネル1200及びセンター役物2400によって少なくとも可動装飾体3202の大部分が遮蔽される待機位置と、図166及び図148(b)に示すように、センター役物2400の開口窓2400aを通して少なくとも大部分が視認可能となる演出位置の間で移動させることが可能となっている。
図147及び図149に示すように、左側役物ユニット3200は、ベース板3201と、ベース板3201に対して移動可能に支持された可動装飾体3202と、ベース板3201に装着され可動装飾体3202を動作させる駆動機構3203と、ベース板3201を前側から覆う駆動部カバー3204とを備えて構成されている。なお、駆動部カバー3204の前面には、前述したサイド装飾ユニット2300(図128参照)に光を照射する二つの発光基板3205,3206が取着されている。
図150及び図151に示すように、可動装飾体3202は、上部側がランプの形状を模し下部側が台座の形状を模した可動部飾り3210と、可動部飾り3210の後側に配置されたレンズ部材3211と、レンズ部材3211に後方から光を照射する発光基板3212と、可動部飾り3210との間にレンズ部材3211及び発光基板3212を収容した状態で後面を塞ぐ裏カバー3213と、可動部飾り3210の下部に後側から取着されたギア3214とを備えている。
可動部飾り3210は、ギア3214の回転中心に形成された中心孔3214aに合致する透孔3210aを下部に有するとともに、レンズ部材3211が挿入される一つの大窓部3210b及び三つの小窓部3210cが前後方向に貫通して形成されている。なお、大窓部3210bは、上部側に形成されたランプ形状の中心部分に配置され、小窓部3210cは、下部側に形成された台座形状の右端部分に上下に並んで配置されている。また、可動部飾り3210の左側下部には、ねじ孔Pが形成されている。
レンズ部材3211は、光透過性の部材で形成され、可動部飾り3210の大窓部3210bに挿入される円盤状の第一発光部3220と、各小窓部3210cに挿入される三つの第二発光部3221とを有している。また、レンズ部材3211には、可動部飾り3210におけるランプ形状部分の先端から突出する位置に第三発光部3222が備えられており、可動部飾り3210の先端からはみ出した状態で視認されるようになっている。
発光基板3212は、レンズ部材3211に対し後方から光を照射するものであり、レンズ部材3211の第一発光部3220、第二発光部3221、及び第三発光部3222と対向する位置に配置された複数の発光ダイオード3212a,3212b,3212cが搭載されている。
裏カバー3213には、可動部飾り3210のねじ孔Pに対応する部分に貫通孔3213aが形成されており、ブッシュ3215が後方から挿入されている。つまり、図150に示すように、可動装飾体3202をベース板3201の前側に配置した状態で、ベース板3201の上部に形成された円弧状のガイド孔3201aに後方からブッシュ3215を挿入するとともに、そのブッシュ3215を裏カバー3213の貫通孔3213aを通してねじ孔Pに当接させ、さらにブッシュ3215をねじ(図示しない)で締結することにより、可動装飾体3202の裏面にブッシュ3215が取着されている。ここで、ブッシュ3215のフランジ3215aの径は、ガイド孔3201aの溝幅よりも大きいため、可動装飾体3202はブッシュ3215によって移動方向が制限され、ガイド孔3201aに沿って摺動するようになっている。なお、ガイド孔3201aは後述する軸受部3201bを中心とする円弧に沿って形成されている。
ギア3214は、扇状であり、中心孔3214aが、ベース板3201に形成された円環状の軸受部3201bに外嵌されている。つまり、軸受部3201bを中心に回動させることが可能になっている。また、ギア3214の外周面には歯部3214bが形成されており、駆動機構3203の伝達歯車3232に噛合されている。なお、ベース板3201には、ギア3214が突当たることによりギア3214の回動範囲を制限する一対のストッパー3201gも形成されている。また、ギア3214の外周端部には、フォトセンサ3233によってギア3214の原点位置を検出するための検出片3214cが形成されている。
駆動機構3203は、ベース板3201の後面に取着され回転軸3230aがベース板3201の貫通孔3201dに挿通されたモータ3230と、ベース板3201の前側から回転軸3230aに接続されたモータ歯車3231と、ベース板3201の中央部分よりも少し左下に形成された回転軸部3201cに軸支され、モータ歯車3231及びギア3214に噛合された伝達歯車3232とから構成されている。つまり、モータ3230が動作すると、モータ歯車3231及び伝達歯車3232を介してギア3214に回転力が伝達され、ギア3214及び可動装飾体3202が軸受部3201bを中心に回動するようになっている。
ところで、左側役物ユニット3200の可動装飾体3202は、待機位置の時には、センター役物2400(図108参照)の後方、特にワープ通路2402の後方に配置され、遊技者側から見えない状態、または見えにくい状態となる。一方、ワープ通路2402の詳細については前述したとおりであるが、一般のワープ通路は、センター役物2400内に隠れた状態で組込まれているため、遊技球がワープ通路内に取入れられても、そのことに気づかせることができず、ひいてはワープ通路を注目させることができなかった。そこで、ワープ通路を透明な部材で形成すれば、ワープ通路の内部を視認させることができ、ワープ通路に遊技球が取入れられたか否かを認識させることが可能になる。さらに、透明なワープ通路に対して後方から光を照射し、ワープ通路を発光させるようにすれば、ワープ通路を目立たせることが可能になる。つまり、透明な部材で形成されているにもかかわらず、ワープ通路に装飾性及び存在感を生じさせることができる。
しかしながら、上記の構成を採用するには、ワープ通路の後方に発光手段を備えなければならず、これによれば、ワープ通路周辺の構成が複雑になるとともに、製造コストが高くなる。また、裏ユニットに可動役物(例えば左側役物ユニット3200)を備える遊技機においては、センター役物2400の後側の空間が役物の収容空間として使用されるため、発光手段の配置スペースを確保することが困難となるおそれがある。
これに対し、本例では、図148(a)に示すように、待機位置における可動装飾体3202を、ワープ通路2402の後方に配置するとともに、可動装飾体3202に備えられた第一発光部3220及び第二発光部3221を、可動装飾体3202が演出位置のとき(図148(b)参照)だけではなく、待機位置のとき(図148(a)参照)も発光させるようにしている。このため、可動装飾体3202が待機位置の際に第一発光部3220及び第二発光部3221から放射された光は、ワープ通路2402の後面に照射され、透明のワープ通路2402を通して遊技者側に投光される。つまり、第一発光部3220及び第二発光部3221から放射された光によって、ワープ通路2402を発光装飾させることが可能となる。このように、待機位置での第一発光部3220及び第二発光部3221を用いることにより、専用の発光手段を備えることなくワープ通路2402を光らせることができ、シンプルで且つ安価に、ワープ通路2402における装飾性を高めることができる。
特に、本例では、ワープ通路2402が透明な部材で形成されているため、ワープ通路2402を通過する遊技球を一層明瞭に視認させることができる。また、ワープ通路2402における光の透過率が高まり、たとえ第一発光部3220及び第二発光部3221の大きさが比較的小さい場合や、第一発光部3220及び第二発光部3221の光度が比較的低い場合でも、第一発光部3220及び第二発光部3221から放射された光によってワープ通路2402を明るく光らせることができる。
また、図129及び図130に示すように、ワープ通路2402の前面側には、少なくとも一つの窓部2425aを有し光を通過しないワープ飾り2425が、ワープ通路2402の一部を覆うように設けられている。つまり、ワープ飾り2425が設けられた部分では、ワープ通路2402を通過した光は、窓部2425aを通して遊技者側に投光されるようになっている。このため、ワープ通路2402による発光装飾とワープ飾り2425による装飾とを組合せることができ、装飾性を一層高めることが可能となる。また、ワープ飾り2425を備えることにより、ワープ通路2402の中で視認可能となる部位が制限されるため、可動装飾体3202の外観を把握しがたくすることができる。つまり、ワープ通路2402の背景として可動装飾体3202が視認されてしまうことを抑制できる。また、可動装飾体3202が待機位置のとき、ワープ飾り2425の窓部2425aと可動装飾体3202の第一発光部3220とが前後方向に重なり合うようになっている。このため、窓部2425aを通して視認可能となるワープ通路2402の一部を効率よく光らせることができる。
また、第二発光部3221は三つ設けられており、これらは、可動装飾体3202が待機位置のとき、ワープ通路2402に沿って一列に並ぶように配置されている(図148(a)参照)。このため、可動装飾体3202とワープ通路2402とが互いに接近して配設されていても、ワープ通路2402全体を明るく均一に光らせることができる。また、可動装飾体3202の前面には光反射部が形成されているため、第一発光部3220及び第二発光部3221以外の部分、すなわち光を放射しない部分においても、キラキラと輝かせることができ、ワープ通路2402の装飾性をさらに高めることができる。
また、本例では、可動装飾体3202が、待機位置から演出位置へ移動する際、または演出位置から待機位置へ移動する際、第一発光部3220及び第二発光部3221の発光状態を一旦中断する、すなわち一旦消灯するように制御されている。このため、待機位置での発光制御と演出位置での発光制御との連続性がなくなり、ワープ通路2402に光を照射する発光手段として可動装飾体3202の第一発光部3220及び第二発光部3221を使用していることを、遊技者に認識させにくくすることができる。したがって、待機位置で可動装飾体3202が発光していることに対して、不自然さを喚起させたり、「故障のため動かないのでは」という疑念を喚起させたりすることを防止できる。
ところで、可動装飾体3202には、待機位置の際にもセンター役物2400の開口窓2400aを通して視認可能となる常時露出部位を有している。そして、この常時露出部位にも発光装飾部として第三発光部3222が設けられており、演出動作時、発光装飾させることが可能になっている。ただし、本例では、発光制限手段を有しており、可動装飾体3202が待機位置のときは、常時露出部位に配置された第三発光部3222の発光を禁止するようにしている。つまり、待機位置の際にワープ通路2402の後方に位置せず、遊技者側から直接視認可能となる第三発光部3222については、発光させることなく消灯状態を維持する。このため、ワープ通路2402に光を照射する発光手段として、可動装飾体3202を利用していることを、遊技者に認識させにくくすることができ、不自然さや疑念を喚起させないようにすることができる。
次に、右側役物ユニット3300について説明する。右側役物ユニット3300は、可動装飾体3302を備えており、図108及び図153(a)に示すように,遊技パネル1200及びセンター役物2400によって少なくとも可動装飾体3202の大部分が遮蔽される待機位置と、図167及び図153(b)に示すように、センター役物2400の開口窓2400aを通して少なくとも大部分が視認可能となる演出位置との間で移動させることが可能となっている。
図152及び図154に示すように、右側役物ユニット3300は、正面視コ字形のベース部材3301と、ベース部材3301に対して移動可能に支持された可動装飾体3302と、ベース部材3301に配設され可動装飾体3302を動作させる駆動機構3303とを備えている。なお、ベース部材3301の上部前面には、駆動機構3303を前側から覆うギアカバー3304が設けられ、ベース部材3301の下部前面には、下部カバー3305及び発光基板3306が設けられている。
図155及び図156に示すように、可動装飾体3302は、キャラクタの胴体及び顔を模した可動部本体3310と、キャラクタの腕部を模した可動腕部3311とから構成され、可動部本体3310に対して可動腕部3311を回動させることが可能になっている。詳しく説明すると、図156及び図157に示すように、可動部本体3310は、光透過性を有するキャラクタベース3320と、キャラクタベース3320の前面側に取着された胴部3321と、胴部3321の上部取着部3321bに前側から取着された顔部3322と、キャラクタベース3320の後側に配置されキャラクタベース3320に後方から光を照射する発光基板3323とを備えており、胴部3321及び顔部3322を発光装飾させることが可能になっている。
キャラクタベース3320の前面右側には、前方に突出し胴部3321の開口部3321aに挿入される軸受部3320aが設けられており、軸受部3320aの内部に前側から中央ブッシュ3326が嵌挿されている。また、キャラクタベース3320の上端には、縦断面L字形の上側摺動部3320bが形成されており、上側摺動部3320bが、後述する上部カバー3345(図159参照)の裏面に形成された案内部(図示しない)に掛止されること、及び上側摺動部3320bから後方に突出した突起部3320dが、ベース部材3301の上部に形成された案内溝3301e(図159参照)に挿入されることにより、キャラクタベース3320の上端が案内溝3301eに沿って摺動可能に支持されている。なお、上側摺動部3320bの後面には板状のスライドリブ3324が取着されており、案内溝3301eの周囲の壁面3301bに当接させることで安定した摺動が可能になっている。
また、キャラクタベース3320の下端には、断面L字形の下側摺動部3320cが形成されており、下部カバー3305(図154参照)の裏面に形成された案内部(図示しない)に掛止されること、及び下側摺動部3320cの後面両端に夫々接続された一対のブッシュ3325がベース部材3301の下部に形成された二つのガイド溝3301i,3301h(図159参照)に挿入されることにより、キャラクタベース3320の下端がガイド溝3301i,3301hに沿って摺動可能に支持されている。なお、ベース部材3301では、ガイド溝3301i,3301hを形成する区画壁3301jが前方に突出しており、下側摺動部3320cの左右方向中央部分に取着されたパネル押え3327が区画壁3301jの下面に摺接することで、安定した摺動が可能になっている。
図156及び図158に示すように、可動腕部3311は、腕飾り3330と、その後側に配置された光透過性のレンズ部3331と、レンズ部3331に後方から光を照射する発光基板3332とから構成されている。腕飾り3330には、二つの窓部3330aが設けられており、レンズ部3331に形成された発光部3331bが後側から挿入されている。また、軸受部3320aに対応するレンズ部3331の後面には、後方に突出する二つの突起部3331bが形成されており、これらの突起部3331bは、可動部本体3310の後側に配置された止め部材3313の透孔3313aに挿入されブッシュ3314に連結されている。つまり、図155に示すように、止め部材3313によって可動腕部3311が支持されるとともに、二つのブッシュ3314が止め部材3313の裏面から後方に突出した形態となっている。
図154及び図159に示すように、駆動機構3303は、ベース部材3301の上部後面に取着されたモータ3340と、ベース部材3301に形成された貫通孔3301fを挿通するモータ3340の回転軸3340aにベース部材3301の前側から接続されたモータ歯車3341と、ベース部材3301に形成された回転軸部3301gにブッシュ3343を介して接続され回転軸部3301gを中心に回動可能に支持された可動リンク3342と、可動リンク3342の回動位置が原点位置に達したことを検出するフォトセンサ3346とを備えている。
可動リンク3342は、ブッシュ3343に外嵌される中心孔3342bと、中心孔3342bを中心とする円弧上に形成されモータ歯車3341に噛合する歯車部3342cと、中心孔3342bから遠心方向に延出されるとともに先端部分が下方に湾曲したアーム3342aと、アーム3342aの先端に形成され可動腕部3311の裏面から突出した一対のブッシュ3314(図155参照)に連結される連結部3342dと、を備えている。
これによれば、モータ3340の回転力がモータ歯車3341を介して可動リンク3342に伝達されると、可動リンク3342は、中心孔3342bを中心に回動し、図153(a)に示す状態から図153(b)に示す状態に変化する。この際、一対のブッシュ3314が連結部3342dに形成された直線状の案内溝3342e内で摺動し、且つ案内溝3342eの傾斜が、可動リンク3342の時計方向への回動に伴って変化することから、可動腕部3311は時計方向に回動する。一方、可動部本体3310は、上端側が円弧状の案内溝3301eに沿って摺動し、下端側が円弧状のガイド溝3301i,3301hに沿って摺動することから、図153に示すように、右側役物ユニット3300の下方に回転中心が位置するように、上側程大きく変動する。このため、可動装飾体3302は、まるでガッツポーズのように、握りこぶしを肩の高さまで上げながら体を前に迫出す動作を行うこととなり、キャラクタの躍動感及び臨場感を大幅に高め、演出の興趣を高めることができる。特に、このような動きを一つの可動リンク3342で行うため、駆動機構3303の構成をシンプルで安価なものとすることができる。
なお、上部カバー3345の前面には、一対のストッパー3345aが設けられており、可動リンク3342のアーム3342aに当接することで、可動リンク3342の回動範囲を規制している。また、アーム3342aの後側にはスペーサ3344が設けられており、アーム3342aとベース部材3301との間隔が一定の間隔に保たれている。
次に、ロゴ表示ユニット3400について説明する。図160に示すように、ロゴ表示ユニット3400は、センター役物2400の開口窓2400aを通して視認可能であり、上側役物ユニット3100(図135参照)の下方に配置されている。ロゴ表示ユニット3400は、立体的に造形された複数の文字部(第一文字部3400a〜第六文字部3400f)を有しており、機種名やタイトル名等を示すロゴが表示されるようになっている。詳しく説明すると、ロゴ表示ユニット3400は、図161及び図162に示すように、左側から順に、第一文字部3400a,第二文字部3400b,第三文字部3400c,第四文字部3400d,第五文字部3400e,及び第六文字部3400fを有する横長のロゴ装飾部3401を備えて構成されている。なお、ロゴ装飾部3401は、遊技者側に迫出して配置され、図160(a)に示すように下側からロゴ装飾部3401を見上げることにより、ロゴ装飾部3401の突出量を把握することが可能になっている。ここで、ロゴ表示ユニット3400が本発明の文字形装飾体に相当し、ロゴ装飾部3401が本発明の文字装飾部に相当する。
ところで、一般に周知の文字形装飾体のように前面全体が平面的に形成されているものでは、たとえ前面が遊技者側に迫出すように構成されていても、立体的な印象を与え難く、ひいては遊技者に大きなインパクトを与えることができなかった。また、文字形装飾体によって表示される文字部がロゴのように図案化されたものであり、隣合う文字同士が接近している場合には、文字部同士の区切りが不明瞭となり、夫々の文字の外観を正確に把握し難くなっていた。
これに対し、本例のロゴ表示ユニット3400では、ロゴ装飾部3401における前方への突出量(迫出し量)が文字部3400a〜3400f毎に異なっている。このため、ロゴ装飾部3401を、文字部3400a〜3400fごとに立体的に捉えることが可能になり、ロゴ装飾部3401の立体感を高めることが可能になる。また、ロゴ装飾部3401の前面が階段状に形成されているため、夫々の文字部3400a〜3400fの区切りが明瞭となり、一つ一つの文字部3400a〜3400fの外観を正確に把握することが可能となる。さらに、左端側の文字部3400aを先頭として文字部全体が遊技者側へ飛び出すようなイメージを喚起させることができ、迫力のある装飾によって遊技者に与えるインパクトを高めることができる。
また、ロゴ装飾部3401において、隣接する文字部3400a〜3400f同士の間には重複部3400w(図161参照)が設けられており、夫々の文字部3400a〜3400fの一部分同士が前後方向に重なり合っている。このため、複数の文字部3400a〜3400fが塊状に配置され一体感を強めることが可能となる。また、重複部3400wでは、突出量の大きい方の文字部(左側の文字部)が延設されているため、隣接する文字部3400a〜3400f同士の間で、どちらが遊技者側に迫出しているのかを、夫々の文字部3400a〜3400fの正面形状からも把握することが可能になる。
また、ロゴ装飾部3401は、前方への突出量だけではなく、夫々の文字部3400a〜3400fの大きさ(前面の面積)も互いに異なっており、右端側から左端側に向かって、前面が次第に大きくなるように形成されている。つまり、遊技者側へ迫出している文字部ほど、文字のサイズが大きくなっている。このため、文字部3400a〜3400fの大きさによって遠近感を生じさせ、隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差を、実際以上に大きく感じさせることができ、立体的な印象をさらに高めることができる。
また、ロゴ装飾部3401の突出量は、末尾の文字に相当する第六文字部3400fが最も小さく、先頭の文字に相当する第一文字部3400aが最も大きくなっている。換言すれば、複数の文字部3400a〜3400fの中で、遊技者の注意を最も惹き付ける文字部、すなわち最も迫出している第一文字部3400aが、先頭の文字となる。したがって、遊技者は、注意を惹く順に従って一つ一つの文字部3400a〜3400fを視認することにより、一連の文字からなる文字言語(機種名やタイトル名など)を自然に把握することが可能となる。
ところで、上記のように、ロゴ表示ユニット3400をセンター役物2400の後側に配置したものでは、センター役物2400の開口窓2400aを通してロゴ装飾部3401を視認させることになるため、ロゴ装飾部3401全体の大きさは、遊技者側から見て開口窓2400aに収まる大きさとなる。したがって、文字部3400a〜3400f同士の間で突出量を変化させても、遊技者側への迫出しが不十分なため、迫力に欠けるおそれがある。特に、ロゴ装飾部3401に含まれる文字部3400a〜3400fの数が比較的多い場合には、夫々の文字部3400a〜3400fの大きさが小さくなり、物足りなさを与える。
これに対し本例では、図160に示すように、センター役物2400の前面左上側にロゴ前飾り2420(図130を基に前述)が取着されており、ロゴ前飾り2420は、ロゴ装飾部3401の左端側に隣接して配設されている。そして、ロゴ前飾り2420と、ロゴ装飾部3401における一連の文字部3400a〜3400fとを組み合わせることで一つの文字言語(機種名やタイトル名など)が形成されている。したがって、センター役物2400の開口窓2400aをはみ出して文字言語を表示することができ、立体感及び迫力をさらに高めることが可能となる。
また、前述したように、センター役物2400には右上装飾ユニット2413が備えられており、ロゴ装飾部3401の右端側が右上装飾ユニット2413の後方に位置している。このため、ロゴ装飾部3401の右端側が、より後方に配置されている印象を生じさせ、ひいてはロゴ前飾り2420の迫出し度合を相対的に大きく見せることができる。ここで、右上装飾ユニット2413が本発明の飾り部材に相当する。
特に、右上装飾ユニット2413の突出量が、ロゴ前飾り2420の突出量と略等しくなっているため、一端側の第六文字部3400fと右上装飾ユニット2413との間では、最も突出量が小さい部位から、最も突出量が大きい部位へと急激に変化することとなり、第六文字部3400fの深みを大幅に増加させることができる。
また、前述したように、右上装飾ユニット2413にも文字を象ったロゴレンズ2432が設けられているため、ロゴ装飾部3401における複数の文字部3400a〜3400fと右上装飾ユニット2413とが関連付けられ、これらが一つのユニットで構成されているような印象を与えることができる。したがって、第六文字部3400fと右上装飾ユニット2413との間の段差を強調し、全体的な立体感をさらに高めることができる。ここで、ロゴレンズ2432が本発明の装飾文字部に相当する。
また、図110に示すように、ロゴ表示ユニット3400の上側には、センター役物2400の開口窓2400aを通して視認可能な上側役物ユニット3100が備えられているため、これらを一体的に視認させることで、ロゴ表示ユニット3400に躍動感を与えることができ、一層迫力のある装飾を行うことが可能となる。また、立体的に造形されたロゴ装飾部3401によって、上側役物ユニット3100、及びその演出領域に立体感を生じさせることができる。ここで、上側役物ユニット3100が本発明の可動装飾体に相当する。
特に、上側役物ユニット3100には、外観形状が一致または類似する複数の装飾部(具体的には、図137に示す、大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)が文字部3400a〜3400fの並び方向に沿って配設されているため、上側役物ユニット3100及びロゴ表示ユニット3400の一体感をさらに高めるとともに、大きなインパクトを与えることが可能となる。また、ロゴ装飾部3401における文字部3400a〜3400fの突出量が大きいほど、その上側の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)の大きさが小さくなっているため、たとえ文字部3400a〜3400fのサイズ(前面の大きさ)が全て等しくても、これらの装飾部と一緒に視認させることで、左端側の第一文字部3400aほど相対的に大きく見せることが可能となり、ひいて隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差を実際以上に大きく感じさせることができる。
ところで、このように大きさが互いに異なる複数の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)を一列に並べる場合、夫々の中心を左右方向に揃えて並べたものでは、小さな装飾部(回転体装飾体3162)ほど前方への突出量が小さくなる。つまり、複数の装飾部は、右端側から左端側に向かって突出量が次第に小さくなっていくこととなり、ロゴ装飾部3401の形状(すなわち前方への突出量が次第に大きくなる形状)とは逆向きの形態となる。したがって、これによれば、ロゴ表示ユニット3400と上側役物ユニット3100との一体感がなくなる可能性がある。
これに対し、本例の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)は、前後方向における前端の位置が互いに等しくなるように、すなわち前端揃えで配置されているため、ロゴ表示ユニット3400と上側役物ユニット3100との間で違和感がなくなり、一体的なユニットとして認識させることができる。
また、夫々の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)では、前述したように、カバー部材(具体的には、図139等に示す、大側カバー部材3122,小側カバー部材3123,カバー部材3172)が回転するため、ロゴ表示ユニット3400の奥行を極めて大きく見せることが可能になる。特に、装飾体(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)の後側には、カバー部材(大側カバー部材3122,小側カバー部材3123,カバー部材3172)を後側から囲む囲い部材3113,3180が配設されているため、装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)の後方の空間が演出空間として視認されるようになり、その下側に配置されたロゴ表示ユニット3400のロゴ装飾部3401に奥行方向の広さを印象付けることが可能になる。
さらに、本例のロゴ表示ユニット3400は、液晶表示装置1900の前方に配置されているため、液晶表示装置1900の表示画面に表示される演出画像と、立体的なロゴ装飾部3401とが、前後方向に重ねて視認される。したがって、ロゴ装飾部3401を目立たせるとともに、ロゴ装飾部3401の立体感をさらに高めることができる。
また、図162に示すように、本例のロゴ表示ユニット3400は、ロゴ装飾部3401の後側に配置された光拡散シート3403と、光拡散シート3403を挟んでロゴ装飾部3401の後方に配置されたシート押え3404と、シート押え3404を通して光拡散シート3403に後方から光を照射する左側発光基板3405及び右側発光基板3406とを備えている。また、ロゴ装飾部3401の上部右側には、前後方向に貫通する横長矩形の上部窓3401bが設けられており、前方からレンズ形ロゴ部3402が嵌込まれている。ここで、左側発光基板3405及び右側発光基板3406が本発明の発光手段に相当する。
また、シート押え3404は、ロゴ装飾部3401に対応する文字枠状部3404aと、上部窓3401bに対応する窓枠状部3404bと、左上装飾ユニット2411(図130参照)に対応する支持部3404cとを備えており、夫々左側発光基板3405及び右側発光基板3406から放射された光が、光拡散シート3403、レンズ形ロゴ部3402、及び光拡散シート2421(図130参照)の後面に効率よく照射されるようになっている。このように、ロゴ装飾部3401は、左側発光基板3405及び右側発光基板3406から照射された光によって発光装飾されるため、ロゴ表示ユニット3400を一層目立たせることができる。特に、光拡散シート3403によって光を拡散するため、夫々の文字部3400a〜3400fを斑なく光らせることができ、平面であるにも拘らず光の明暗によって段差があるように見えてしまうこと、すなわち隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差が相対的に目立たなくなってしまうことを防止できる。
特に、左側発光基板3405及び右側発光基板3406では、複数の発光源(LED)を夫々別々に制御することにより、複数の文字部3400a〜3400fを夫々別々に発光させることが可能になっている。このため、夫々の文字部3400a〜3400fの区切りが一層明瞭になるとともに、遊技者の注意を惹き付けることが可能になる。特に、左端側の第一文字部3400aから右端側の第六文字部3400fに向かって、夫々の文字部3400a〜3400fを順番に点灯させることも可能であり、これによれば夫々の文字部3400a〜3400fを把握すべき順番(すなわち読む順番)がさらに明確となり、パチンコ機1のコンセプト等を遊技者に確実に印象付けることが可能になる。
次に、棚奥装飾ユニット3502について説明する。図163に示すように、棚奥装飾ユニット3502は、センター役物2400(図129参照)における透明な棚後カバー2404の後方に配置されており、棚後カバー2404を通して視認されるようになっている。棚奥装飾ユニット3502は、ベース部材3530と、ベース部材3530の中央開口部3530aに取着される円環状の大枠部3531a、及び左右両側から外方に延出されベース部材3530の左右窪み部3530b,3530cに夫々取着される小枠連設部3531bからなる飾り枠3531とを備えている。また、棚奥装飾ユニット3502は、飾り枠3531の後側から大枠部3531aに嵌め込まれた宝石形飾り部3532と、小枠連設部3531bに嵌め込まれ大当り抽選の保留回数に応じた表示を行う左側保留レンズ3534及び右側保留レンズ3535と、宝石形飾り部3532の後側に配置された拡散レンズ3533と、ベース部材3530の後側に配置され、ベース部材3530を通して宝石形飾り部3532、左側保留レンズ3534及び右側保留レンズ3535に光を照射する発光基板3536とを備えている。なお、発光基板3536とベース部材3530の窪み部3530bとの間にはリフレクタ3537が配設されており、発光基板3536から放射された光を左側保留レンズ3534に効率よく照射させることが可能になっている。
以上、裏箱3001内に収容された上側役物ユニット3100、左側役物ユニット3200、右側役物ユニット3300、ロゴ表示ユニット3400、及び棚奥装飾ユニット3502について詳細に説明したが、図164に示すように、裏箱3001内の下部には、さらに球誘導ユニット3501が収容され、裏箱3001内の上部左側には左側中継基板3508が収容されている。また、裏箱3001の後面には、下側中継基板3509、右側中継基板3510、及び液晶表示装置1900を有する表示ユニット3511が配設されている。以下、これらの構成について詳細に説明する。
図164に示すように、球誘導ユニット3501は、一般入賞口2105,2106(図115参照)、及び第一始動口2101等に入賞した遊技球を誘導する左側誘導部3520及び右側誘導部3521を有している。また、左側誘導部3520及び右側誘導部3521には、一般入賞口2105,2106に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ3522、及び第一始動口2101に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ3524が配設されている。また、左側誘導部3520及び右側誘導部3521には、磁気検出センサ3523も配設されており、磁石等を用いた不正な遊技を検出することが可能になっている。
なお、図164に示すように、球誘導ユニット3501の周囲には、三つの発光基板、すなわち左側発光基板3503、下側発光基板3506、及び右側発光基板3507が配設されている。これらの発光基板3503,3506,3507は、前方に配置された入賞装置ユニット2100(図115)に光を照射させ、ベース部材2110(図119)の大窓部2110f及び小窓部2110gを発光装飾させるものである。また、詳細は後述するが、左側中継基板3508、右側中継基板3510、及び下側中継基板3509は、裏ユニット3000に設けられたモータ等の駆動信号を中継するものである。
図164及び図165に示すように、表示ユニット3511は、裏箱3001の開口3001cを通して視認可能な液晶表示装置1900を有しており、液晶表示装置1900の前面には保護プレート3540が設けられている。また、液晶表示装置1900の左右両側面には、取付部材3542が設けられており、裏箱3001の裏面に着脱可能に取付けられ、ロック部材3512によって固定されている。また、液晶表示装置1900の後側には、液晶電源基板3545を有する液晶裏カバー3544が配設され、さらに液晶裏カバー3544の後側には、基板カバー3547に収容された周辺制御基板4010が制御基板セット板3546を介して装着されている。また、基板カバー3547にはハーネスカバー3549も取付けられている。
[3.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ表示ユニット3400は、各文字部3400a〜3400fにおける前方への突出量が互いに異なっているため、夫々の文字部3400a〜3400fを立体的に捉えることが可能になり、ロゴ装飾部3401全体の立体感を高めることができる。また、ロゴ装飾部3401の前面が階段状に形成されているため、夫々の文字部3400a〜3400fの区切りが明瞭となり、一つ一つの文字部3400a〜3400fの外観を正確に把握することができる。さらに、左端側の文字部3400aを先頭として文字部全体が遊技者側へ飛び出すようなイメージを喚起させることができ、迫力のある装飾によって遊技者に与えるインパクトを高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ装飾部3401において、隣接する文字部3400a〜3400f同士の間には重複部3400wが設けられているため、複数の文字部3400a〜3400fが一連のロゴを表していることを強く印象付けることができる。また、重複部3400wでは、突出量の大きい方の文字部が延出して形成されているため、隣接する文字部3400a〜3400f同士の間で、どちらが遊技者側に迫出しているのかを、夫々の文字部3400a〜3400fの正面形状からも把握することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ装飾部3401では、遊技者側へ迫出している文字部ほど、文字のサイズが大きくなっているため、文字部3400a〜3400fのサイズによっても遠近感を生じさせ、隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差を、実際以上に大きく感じさせることができる。したがって、ロゴ装飾部3401の立体的な印象をさらに高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、複数の文字部3400a〜3400fの中で、遊技者の注意を最も惹き付ける文字部、すなわち最も迫出している第一文字部3400aが、先頭の文字となっているため、遊技者は、注意を惹く順に従って一つ一つの文字部3400a〜3400fを視認することにより、一連の文字からなるロゴを自然に把握することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2400の前面左上側に配設されたロゴ前飾り2420と、ロゴ装飾部3401における一連の文字部3400a〜3400fとを組み合わせることで一つのロゴが形成されているため、センター役物2400の開口窓2400aをはみ出してロゴを表示することができ、立体感及び迫力をさらに高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ装飾部3401の右端側を右上装飾ユニット2413の後方に位置させることにより、ロゴ装飾部3401の右端側が、より後方に配置されている印象を生じさせ、ひいてはロゴ前飾り2420の迫出し度合を相対的に大きく見せることができる。特に、右上装飾ユニット2413の突出量が、ロゴ前飾り2420の突出量と略等しくなっているため、一端側の第六文字部3400fと右上装飾ユニット2413との間では、最も突出量が小さい部位から、最も突出量が大きい部位へと急激に変化することとなり、第六文字部3400fの深みを大幅に増加させることができる。また、右上装飾ユニット2413にも文字を象ったロゴレンズ2432が設けられているため、ロゴ装飾部3401における複数の文字部3400a〜3400fと右上装飾ユニット2413とが関連付けられ、これらが一つのユニットで構成されているような印象を与えることができる。したがって、第六文字部3400fと右上装飾ユニット2413との間の段差を強調し、全体的な立体感をさらに高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ表示ユニット3400の上側には、センター役物2400の開口窓2400aを通して視認可能な上側役物ユニット3100が備えられているため、これらを一体的に視認させることで、ロゴ表示ユニット3400に躍動感を与えることができ、一層迫力のある装飾を行うことができる。また、立体的に造形されたロゴ装飾部3401によって、上側役物ユニット3100、及びその演出領域に立体感を生じさせることができる。また、上側役物ユニット3100には、外観形状が一致または類似する複数の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)が文字部3400a〜3400fの並び方向に沿って配設されているため、上側役物ユニット3100及びロゴ表示ユニット3400の一体感をさらに高めるとともに、大きなインパクトを与えることができる。また、ロゴ装飾部3401における文字部3400a〜3400fの突出量が大きいほど、その上側の装飾部の大きさが小さくなっているため、たとえ文字部3400a〜3400fのサイズが全て等しくても、これらの装飾部と一緒に視認させることで、左端側の第一文字部3400aほど相対的に大きく見せることが可能となり、ひいては隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差を実際以上に大きく感じさせることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、夫々の装飾部(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)では、カバー部材(大側カバー部材3122,小側カバー部材3123,カバー部材3172)が回転するため、ロゴ表示ユニット3400の奥行を極めて大きく見せることができる。特に、装飾体(大側発光回転部3120,小側発光回転部3121,回転体装飾体3162)の後側には、カバー部材(大側カバー部材3122,小側カバー部材3123,カバー部材3172)を後側から囲む囲い部材3113,3180が配設されているため、装飾部の後方の空間が演出空間として視認されるようになり、その下側に配置されたロゴ表示ユニット3400のロゴ装飾部3401に奥行方向の広さを印象付けることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ表示ユニット3400は、液晶表示装置1900の前方に配置されているため、液晶表示装置1900の表示画面に表示される演出画像と、立体的なロゴ装飾部3401とが、前後方向に重ねて視認され、ロゴ装飾部3401を目立たせるとともに、ロゴ装飾部3401の立体感をさらに高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、ロゴ装飾部3401は、左側発光基板3405及び右側発光基板3406から照射された光によって発光装飾されるため、ロゴ表示ユニット3400を一層目立たせることができる。特に、光拡散シート3403によって光を拡散させるため、夫々の文字部3400a〜3400fを斑なく光らせることができる。したがって、光の明暗によって段差があるように見えること、すなわち隣接する文字部3400a〜3400f同士の段差が相対的に目立たなくなってしまうこと、を防止できる。
さらに、本実施形態のパチンコ機1によれば、複数の文字部3400a〜3400fを夫々別々に発光させるため、夫々の文字部3400a〜3400fの区切りが一層明瞭になるとともに、遊技者の注意を惹き付けることができる。特に、左端側の第一文字部3400aから右端側の第六文字部3400fに向かって、夫々の文字部3400a〜3400fを順番に点灯させるため、夫々の文字部3400a〜3400fを把握すべき順番(すなわち読む順番)がさらに明確となり、パチンコ機1のコンセプト等を確実に印象付けることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、ロゴ表示ユニット3400に左側発光基板3405及び右側発光基板3406を備え、ロゴ装飾部3401を発光装飾させるものを示したが、ロゴ装飾部3401のみから構成し、発光させないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ロゴ装飾部3401として、複数の文字部3400a〜3400fを横方向に並べたもの(すなわち横書きのロゴ)を示したが、複数の文字部3400a〜3400fを縦方向に並べるようにしてもよい。なお、この場合、一番上に配置される文字部が、先頭の文字となるため、遊技者側に一番迫出すように配置することが好ましい。
[4.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図168を参照して説明する。図168はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[4−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図168に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3524、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2166、及び一部の一般入賞口センサ3522からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2176、一般入賞口センサ3522、カウントセンサ2160及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3523からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3012、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3012を介して各ソレノイド2128,2141,2156に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3012、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、不正検出表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166、ゲートセンサ2176、及びカウントセンサ2160には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3522には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2107を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166、及びゲートセンサ2176による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166、及びゲートセンサ2176には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2153が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2160による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2160にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2105には、一般入賞口センサ3522による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3522には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図169参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[4−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図168に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[4−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図168に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[4−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図168に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図169参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[4−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図168に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[4−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図168に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けられた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データと、遊技盤4に備えられた各装飾基板のカラーLED等へ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号等を出力するための遊技盤発光データと、から構成される遊技盤側駆動発光データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各発光基板3115等のLEDに出力したりする。また、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ3127等に出力したりする。特に、本例では、前述したように、左側役物ユニット3200に対して、可動装飾体3202を待機位置と演出位置との間で移動させるとともに、可動装飾体3202が待機位置のときも演出位置のときも、可動装飾体3202に備えられた第一発光部3220及び第二発光部3221を発光させるように出力している。また、可動装飾体3202が、待機位置から演出位置へ移動する際、または演出位置から待機位置へ移動する際には、第一発光部3220及び第二発光部3221の発光を一旦停止させるように出力している。なお、可動装飾体3202の常時露出部位に配置された第三発光部3222については、可動装飾体3202が待機位置のとき、第三発光部3222の発光を禁止するように出力している。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510を介して本体枠3のスピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[4−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150は、図168に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[4−5.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板851について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図169はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図170は図169の続きを示すブロック図である。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板851のグランドと電気的に接続されている。
[4−5A.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ852を操作すると、島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図169に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路851b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路851aは、島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出制御基板4110、及び周辺パネル中継端子板872にそれぞれ供給している。+5.2V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。
+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成している。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5.2V作成回路851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されている。なお、島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路851aのほかに、電源基板851を介してCRユニット接続端子板874にも供給されている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM4100e)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4111の払出制御MPU4111aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU4111aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2Vは、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAM4100eの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、払出制御MPU4111aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4111aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4111aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAM4100eの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAM4100eの電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAM4100eの電源端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[4−5B.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板4110、主制御基板4100、及び発射電源基板831に供給される電圧ついて説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図169に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御基板4110を介して主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されるとともに、この周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御基板4010に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺側中継端子板882に供給されている。周辺制御基板4010に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、図170(a)に示すように、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510のランプ駆動回路4161に供給されてランプ駆動回路4161から遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号が出力され、その4種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3508,3509,3510の駆動源駆動回路4162に供給されて駆動源駆動回路4162から遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力している。また、その4種類の電圧のうち、+24V及び+37Vという2種類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。
液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジュール1900aのバックライト用の電源であるバックライト電源と、を備えており、+24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源に供給されている。これに対して、周辺側中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図170(b)に示すように、扉枠ベース基板194に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。扉枠ベース基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成される+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[4−5C.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図169に示すように、払出制御MPU4111a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4111の払出制御MPU4111a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板851からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、周辺制御基板4010に伝わることにより、この周辺制御基板4010を介して、図170(a),(b)に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源1900bに伝わる一方、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194にも伝わって、扉枠ベース基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12Vは、例えば、払出制御部4111の払出制御入力回路4111e等にも供給され、+24Vは、例えば、払出制御部4111の払出モータ駆動回路4111d等にも供給されている。また、電源基板851からの+37は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
[4−5D.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図169に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、主制御フィルタ回路4100hも備えている。主制御フィルタ回路4100hは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100f等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100g等に供給されている。
[4−5E.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図169に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37Vを降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して払出制御基板4110における発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサSC0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
[4−6.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、発射ソレノイド654の駆動方法について説明する。まず、発射ソレノイド654の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。図171は発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図であり、図172はシャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図であり、図173はDC/DCコンバータの特性を示す図であり、図174は図171の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。
[4−6A.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図171に示すように、主として、払出制御基板4110における発射制御部4120の発射制御入力回路4120a、発振回路4120b、発射タイミング回路4120c、発射ソレノイド駆動回路4120d、及び球送ソレノイド駆動回路4120eと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4120aは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ遊技機1から電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されてCR接続信号として発射タイミング回路4120cに出力し、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出信号として発射タイミング回路4120cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4120cに出力する。
発射タイミング回路4120cは、発射制御入力回路4120aからのCR接続信号、タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4120cは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されていないためにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タッチ検出信号が回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れていない旨を伝えているという第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝えているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号が入力されており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4120dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、電源基板851からの+24Vによる球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4120dは、主として、シャントレギュレータ回路4121a、増幅回路4121b、電圧比較回路4121c、スイッチング回路4121dから構成されている。シャントレギュレータ回路4121aは、電源基板851の+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化された直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して増幅回路4121bに供給している。
シャントレギュレータ回路4121aは、図172(a)に示すように、シャント式安定化電源回路PIC0を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路PIC0は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路PIC0の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vと抵抗PR2を介して電気的に接続されており、この抵抗PR2によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子は増幅回路4121bに+2.5Vを出力している。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサPC0によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC0は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC0のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図171に戻り、増幅回路4121bは、シャントレギュレータ回路4121aからの+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記載する。)を作成して主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。
増幅回路4121bは、図172(a)に示すように、オペアンプPIC1を主として構成されている。オペアンプPIC1は、非反転増幅回路として構成されており、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4121aのシャント式安定化電源回路PIC0からの+2.5Vが印加され、オペアンプPIC1の反転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗PR3の他端と電気的に接続されるとともに、オペアンプPIC1の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗PR4の他端と電気的に接続されている。抵抗PR3,PR4の抵抗値は、オペアンプPIC1の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプPIC1の出力端子は、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)に印加された+2.5Vを2倍に増幅した+5.0Vを、上述したように、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。この+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサPC2によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC2は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプPIC1の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC1によりリップルが除去されて平滑化されている。
図171に戻り、回転位置検知センサ512は3端子の可変抵抗器であり、両端の一の固定端子が上述した増幅回路4121bからの+5.0Vが供給され、その両端の他の固定端子がハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110における発射ソレノイド駆動回路4120dの抵抗PR0と電気的に接続されている。この抵抗PR0の他端は、グランドと接地されている。回転位置検知センサ512の両端の固定端子とは別の端子である可変端子から、可変された抵抗値に従って両端に印加された電圧の分圧を取り出すことができるようになっている。回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dにおける後述する抵抗PR5,PR6(図172(b)参照)で分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。
ハンドル装置500の回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、上述したように、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、図172(b)に示すように、グランドと接地されたコンデンサPC3によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化され(コンデンサPC3は、ローパスフィルタとしての役割も担っている。)、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dのボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加される。このオペアンプ回路群は、図172(b)に示すように、初段のオペアンプPIC2、後段のオペアンプPIC3を主として構成されている。ハンドル装置500からの電圧は、ボルトオーダーの電圧であり初段のオペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加される。初段のオペアンプPIC2の反転入力端子(−端子)には、初段のオペアンプPIC2の出力端子と電気的に接続されている。初段のオペアンプPIC2の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのボルトオーダーの電圧として出力する。この初段のオペアンプPIC2は、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、ハンドル装置500からの電圧を印加するための初段入力側回路と、電圧を後段のオペアンプPIC3に出力するための初段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、初段入力側回路から初段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、初段出力側回路の影響を初段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC2の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC4によりリップルが除去されて平滑化されている。
初段のオペアンプPIC2の出力端子は、自身の反転入力端子(−端子)のほかに、抵抗PR5の一端と電気的に接続され、この抵抗PR5の他端が後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)は、抵抗PR5の他端のほかに、一端がグランドと接地された抵抗PR6の他端と電気的に接続されている。これにより、初段のオペアンプPIC2の出力端からの電圧は、上述したように、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているため、ボルトオーダーの電圧であり、抵抗PR5,PR6により分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧がミリボルトオーダーの電圧として後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)に印加される。後段のオペアンプPIC3の反転入力端子(−端子)には、後段のオペアンプPIC3の出力端子と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのミリボルトオーダーの電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4121cに出力する。この後段のオペアンプPIC3は、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧を印加するための後段入力側回路と、電圧を電圧比較回路4121cに出力するための後段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、後段入力側回路から後段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、後段出力側回路の影響を後段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC3の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC5によりリップルが除去されて平滑化されている。
図171に戻り、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一端がグランドと接地された抵抗PR1を流れることでこの抵抗PR1が受け持つミリボルトオーダーの電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4121cに印加される。電圧比較回路4121cには、上述したミリボルトオーダーの電圧である発射強度目標電圧も印加されている。このように、電圧比較回路4121cで比較する発射制御電圧と発射強度目標電圧とは、上述したように、払出制御基板4110(発射ソレノイド駆動回路4120d)においてボルトオーダーの電圧からミリボルトオーダーの電圧へ抵抗PR1,PR6が受け持つ電圧によりそれぞれ降圧されるようになっている。つまり、払出制御基板4110上に形成された配線パターンを介して印加されるため、この配線パターンがノイズの影響を受け難く、電圧比較回路4121cがミリボルトオーダーの電圧で発射制御電圧と発射強度目標電圧とを比較することができるのに対して、払出制御基板4110と打球発射装置650との基板装置間、及び払出制御基板4110とハンドル装置500との基板装置間においては、配線を介して電気的に接続されているため、配線にノイズの影響を受け易く、ボルトオーダーの電圧とすることにより基板装置間におけるノイズの影響を抑制している。
電圧比較回路4121cは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4121dに出力する。電圧比較回路4121cによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。)となる。このように、電圧比較回路4121cによる比較結果によって出力論理がH又はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4121dに入力されることとなる。
スイッチング回路4121dは、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスが入力されるごとに、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従って、発射電源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す。具体的には、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す一方、電圧比較回路4121cからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗PR1によって分圧された電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回路4121cの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4121cの出力論理が再びHとなり、ON信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが、上述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4121dが、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したりするため、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチング回路4121dは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけている。これにより、回転ハンドル本体前506が回動操作されて回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときには、回転位置検知センサ512の可変端子から取り出される電圧は、抵抗PR0に印加されている電圧が上述したボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。この場合には、電圧比較回路4121cからのON信号がスイッチング回路4121dに出力されると、スイッチング回路4121dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも、発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、抵抗PR0に印加されている電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバータ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によって打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、遊技盤4の外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球としてファールカバーユニット540で回収されこととなる。換言すると、抵抗PR0に印加されている電圧がボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加されるときには、発射ソレノイド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド654に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになっている。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ遊技機1が設置される島設備は、複数のパチンコ遊技機から排出された遊技球を研磨して再びパチンコ遊技機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。このため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ遊技機の電源基板や各種電飾による熱等により島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度による+2.5Vの変動が抑制されることによって回転位置検知センサ512の可変端子から取り出された電圧、つまり発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるため、この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4121cがスイッチング回路4121dに制御信号を出力することができる。つまり、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置であるときには、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
[4−6B.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図171に示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図173を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グランドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図173(a)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流Ioutはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図173(b)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少するとともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であるのに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。この区間Aでは、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強度となっている一方、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度となっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するのに対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAから175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるときには、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最小電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流であるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mAであるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最大電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を右回りに回動して限界回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域1100に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にまで強くなっている。このため、遊技者が回転ハンドル本体前506を右回りに回動して遊技を行っているときにおけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[4−6C.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路からの発射基準パルスとの関係]
次に、回転ハンドル本体前506の一定回転位置において、図171に示した、TB点におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、について、図174を参照して説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり60000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように設定されているため、図174(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期Tが600msとなる。
ここで、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動して限界回転位置であるときと、回動していない原回転位置であるときと、におけるDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
回転ハンドル本体前506が限界回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(b),(c)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図174に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図173に示したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、回転ハンドル本体前506が原回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(b),(d)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図174に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図173に示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである360mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコンバータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、DC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうすると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、安全のため電力供給を遮断することとなる。
そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすることができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やすことも解消することができる。
[4−6D.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT1と、について、図174を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図171に示したTD点は、発射タイミング回路4120cからの球送基準パルスT1を参照するための点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(a),(e)に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4120dの球送ソレノイド駆動回路4120eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打ち出すことができる。
このように、本例では、発射ソレノイド654によって遊技球を打ち込むようにした上で、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ駆動する電源を供給させると共に電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしているので、容量の異なる電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を交換することで、発射ソレノイド654へ供給する電流(最大電流)を変更することができ、打球発射装置650の打込特性を遊技盤4に合わせた特性に変更することができる。
また、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給するようにしているので、遊技球を発射してから次に発射するまでの間に、電源基板851からの電力を電解コンデンサSC0で蓄えて発射ソレノイド654へ供給することで、電源基板851から直接瞬間的に大電流が消費されるのを回避させることができ、発光装飾基板のLEDや演出駆動用のモータやソレノイド等の発光や動き等が不安定になったり遊技球の飛びムラが発生したりするのを防止することができる。
更に、電源基板851は、島設備の交流電源(AC24V)から直流電源(+5.2V、+5.25V、+12V、+24V、及び+37V)を作成して供給しており、打球発射装置650は、ハンドル装置500の回転ハンドル本体前506が回動操作されてその回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
また、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
[5.遊技内容]
次に、主制御基板4100や払出制御基板4110等を備えた主基板4000による遊技内容について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2400の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下するようになっている。
なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量を回転位置検知センサ512で検知した上で、回転位置検知センサ512からの検知信号に基いて発射制御部4120により打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動強さが制御されるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2400の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から右側を流下してセンター役物2400の右側へ到達すると、センター役物2400の右側の領域へと誘導される。そして、センター役物2400の右側を流下する遊技球が、センター役物2400の右下に配置されたゲート部2107に進入してゲートセンサ2176により検出されると、普通抽選結果としての普通乱数が抽出される。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、非時短時(変動回数未到達時)に60〜600秒、非時短時(変動回数到達時)に7.23〜7.77秒、時短時に0.5秒)経過後に抽出された普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、所定の普図変動時間決定テーブルから選択された普図変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の羽根2125は、所定開放時間(例えば、非時短時に0.5秒、時短時に1秒)拡開する動作を所定回数(例えば、非時短時に2回、時短時に3回)繰返す。このような一対の羽根2125(可動部材)による動作によって、第二始動口2102に遊技球が受け入れられ易くなるようになる。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における羽根2125の拡開時間及び拡開回数については、第一特別乱数や第二特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようになっている。例えば、特別乱数(特別抽選結果)及び図柄乱数として「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合には、普通図柄の当り確率が高められたり、第二始動口2102の一対の羽根2125の拡開時間を長い時間に変更したりすることによって、大当りが得られるまでに要する上記遊技領域1100に対しての遊技球の平均打込総数量が通常遊技状態にあるときよりも相対的に小さくなるように遊技可能とされる有利遊技状態を発生させる。
これに対し、通常遊技状態に制御されている限りは、普通図柄の当り確率が高められることはなく、第二始動口2102の一対の羽根2125の拡開時間としても、時短機能が作動する遊技状態よりも比較的短い時間(第二始動口2102に遊技球が入球し難いような時間)としてのみ設定されるようにすることで、通常遊技状態においては、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量が相対的に大きい値として維持されるようにしている。ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常遊技状態においては、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量がこのように相対的に大きい値として維持されるようにしつつも、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が所定回数(例えば、800回)を超えたときは、普図変動パターンについての決定処理に供される普図変動時間決定テーブルを異なるテーブルと差替えることで、第二始動口2102への遊技球の受け入れ易さを遊技者に有利な側に調整変更するようにしている。
ちなみに、この実施の形態にかかる通常遊技状態とは、少なくとも条件装置の作動を伴う当りに当選したことを条件として作動可能とされる、いわゆる確変機能と時短機能とのいずれもが作動していない遊技状態(大当り遊技状態を除く)のことである。また、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量とは、大当りが得られるまでに遊技領域1100に打ち込むことが必要とされる遊技球の総数の平均値のことである。したがって、通常遊技状態においては、確変機能が作動する遊技状態と比較すると、大当りの当選確率が相対的に低く設定されることから、その分だけ、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量(遊技領域1100への打ち込み量)が大きくなるし、時短機能が作動する遊技状態と比較すると、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入球確率が相対的に低く設定されることから、その分だけ、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量(遊技領域1100への打ち込み量)が大きくなる。この意味で、確変機能と時短機能とのいずれかが作動する遊技状態が、大当りが得られるまでに要する上記遊技領域1100に対しての遊技球の平均打込総数量が通常遊技状態にあるときよりも相対的に小さくなるように遊技可能とされる有利遊技状態であると言える。
ところで、本例では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2176で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄を停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2176からの検出信号に基いて抽出された普通乱数を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して保留数を表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2176の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれセンター役物2400の左側を流下した遊技球は、サイド装飾ユニット2300の案内転動面2301eによってセンター役物2400の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2400の下方に配置された入賞装置ユニット2100の一般入賞口2105に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3522に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2105、第一始動口2101、第二始動口2102、第一開閉入賞装置2103、及び第二開閉入賞装置2104の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2105、第一始動口2101、第二始動口2102、第一開閉入賞装置2103、第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側側面に開口するワープ入口2402aへ進入すると、センター役物2400の棚板2403におけるステージ2403aへと供給されるようになっている。そして、ステージ2403a上へ供給された遊技球は、左右方向へ転動する。
ところで、ステージ2403a上を転動する遊技球が、左右方向中央に形成されたチャンス入口2403bを通り、棚後カバー2404に形成されたチャンス通路2404dに進入すると、第一始動口2101の直上に配置されたチャンス出口2403cから遊技領域1100内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3524に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、及び第一開閉入賞装置2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2403aから放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101及び第一開閉入賞装置2103に受入れられるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2107へ進入してゲートセンサ2176により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の羽根2125が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2166に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166に検出されると、第一始動口2101では所定の第一特別乱数の抽出が、第二始動口2102では所定の第二特別乱数の抽出が、夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基いて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り」のうち後述する「10R確変大当りB」、「10R確変大当りC」、「10R確変大当りD」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、第二開閉入賞装置2104の入賞扉2154が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が第一開閉入賞装置2103や第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、11個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート部2107への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示させることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された当り判定用乱数の保留数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2166の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(大当り判定テーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が「ハズレ」、「小当り」、「大当り(条件装置の作動する当り)」の何れであるかが判別されると共に、「大当り」については、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(図柄決定テーブルとも称す)と照合することで、「10R確変大当りA」、「10R確変大当りB」、「10R確変大当りC」、「10R確変大当りD」の何れかであるかも判別されるようになっている(当選種の判別)。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数(特別抽選結果)が「小当り」の場合、主制御基板4100は、第一開閉入賞装置2103のベロ形出没片2142を、所定短時間(例えば、0.05秒の間)の突出状態として後退させる開閉パターンを複数回(例えば、10回)繰返すようになっており、第一開閉入賞装置2103へ遊技球を入賞させることが困難になっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が「大当り」のうち「10R確変大当りB」、「10R確変大当りC」、「10R確変大当りD」の場合、主制御基板4100は、第二開閉入賞装置2104の入賞扉2154を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、9個)の遊技球が第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)に入賞の何れかの条件が充足すると入賞扉2154を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)として10ラウンド繰返すようになっており、遊技者に有利な有利遊技状態(長開放の大当り遊技状態)を発生させるようになっている。また、「大当り」のうち「10R確変大当りA」の場合、主制御基板4100は、第一開閉入賞装置2103のベロ形出没片2142を突出状態とした後に、所定短時間(例えば、0.05秒)経過、或いは、所定個数(例えば、9個)の遊技球が第一開閉入賞装置2103に入賞の何れかの条件が充足するとベロ形出没片2142を後退させる開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)として10ラウンド繰返すようになっており、「小当り」の場合と同じく、第一開閉入賞装置2103へ遊技球を入賞させることが困難になっている。このように、「大当り」の場合には、同じ10ラウンドでありながら、第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)を用いて1ラウンドあたりの開放時間を長開放状態(例えば、約30秒)に制御する場合(長開放の大当り遊技状態)と、第一開閉入賞装置2103を用いて1ラウンドあたりの開放時間を長開放状態よりも極端に短い短開放状態(例えば、0.05秒)に制御する場合(短開放の大当り遊技状態)と、のいずれかに制御するようになっている。なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、低確率時での大当りの当選に応じた大当り遊技状態が終了した後は、その当りの種別(「10R確変大当りA」、「10R確変大当りB」、「10R確変大当りC」、「10R確変大当りD」)にかかわらず、抽出された図柄乱数に応じて大当り判定テーブルを高確率のテーブル(高確率時の大当り判定テーブル)に変更(確率変動状態に制御)するようになっている。ただし後述するが、時短状態時の変動パターンテーブルに変更するか否か(時短遊技状態に制御するか否か)については、当りの種別に応じて決定されるようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数(特別抽選結果)に応じて、機能表示ユニット1180の第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186が変動表示される他に、液晶表示装置1900の表示画面1900aにおいても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1900において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列;左図柄、中図柄、及び右図柄)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄(左図柄、中図柄、及び右図柄)の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186の特別図柄よりも、液晶表示装置1900に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1900に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ;左図柄と右図柄とが同一図柄で停止表示し、中図柄が未だ変動表示している状態)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置1900には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図168を参照)、液晶表示装置1900での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4010へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御部4140及び液晶制御部4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1900での図柄の変動表示を周辺制御部4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1900における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御部4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、液晶表示装置1900の表示領域1900aには、第一特別図柄記憶表示器1185や第二特別図柄記憶表示器1186において表示される特別乱数の数(すなわち第一特別乱数や第二特別乱数の保留数)に対応した数の保留表示が報知情報として表示されるようになっている。第一特別図柄記憶表示器1185や第二特別図柄記憶表示器1186では各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆しているのに対し、液晶表示装置1900の表示領域1900aでは、記憶された保留数と表示される保留表示の数とが一致することから、一般的に遊技者は、保留表示から保留数を容易に把握することが可能となり、液晶表示装置1900の表示領域1900aに表示された保留表示に注目することとなる。
[6.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図175(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図175(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ4100cが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ4100cはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ4100cは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAM4100eに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ4100cが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAM4100eに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ4100cを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1900で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記一対の羽根2125の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される普通乱数、等々といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2001に始動入賞した場合であっても、第二始動口2002に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図175(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図175(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2176、上記第一始動口センサ3524、上記第二始動口センサ2166、上記カウントセンサ2160、上記一般入賞口センサ3522など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記一対の羽根2125の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御すると、通常遊技状態にあるときよりも第二始動口2102の開放時間が長い時短時の動作態様にて当該羽根2125(可動部材)が動作するように、上記一対の羽根2125の開放時間を延長する構成となっている。ただし、この実施の形態にかかる時短状態(時短機能が作動された状態)では、こうした開放時間の延長のみならず、通常遊技状態にあるときよりも普通図柄の当選確率を高くして上記一対の羽根2125の開放頻度についてもこれを高くする構成ともなっている。
なお、本例の時短状態では、上記普通図柄の当選確率を非時短状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短縮する制御、上記第二始動口2102が開状態にされる開放時間を非時短状態よりも延長する制御、上記第二始動口2102が開状態にされる回数を非時短状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186における特別図柄の変動表示制御に要する時間(液晶表示装置1900における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短状態よりも短縮する制御、の全てを実行するように構成されることが望ましい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAM4100eの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAM4100eの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3524、上記第二始動口センサ2166、上記カウントセンサ2160、上記一般入賞口センサ3522などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図176は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図176に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ3524による検出信号がオン状態(第一始動口2101への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2166による検出信号がオン状態(第二始動口2102への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAM4100eの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「10R確変大当りA」を示唆する態様となったときに、短開放の10R大当り遊技状態に応じて上記第一開閉入賞装置2103を開放状態に制御し、「10R確変大当りB」、「10R確変大当りC」、「10R確変大当りD」を示唆する態様となったときに、長開放の10R大当り遊技状態に応じて上記第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)を開放状態に制御する処理を実行する。
また、本実施形態では、低確率状態(低確率時短状態、若しくは低確率非時短状態)で特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が確変大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)を示唆する態様となったときは、当該当りの種別に応じた大当り遊技状態が実行された後、確変機能を作動させる。また、こうして確変機能が作動された高確率状態(高確率時短状態、若しくは高確率非時短状態)での特別図柄にかかる抽選にて大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)が当選されたときも、基本的には、当該当りの種別に応じた大当り遊技状態が実行された後、確変機能を作動させる。
ただし後述するが、こうした高確率状態における遊技(大当り遊技状態中は低確率状態に制御するようにしてもよい)が繰り返された結果、高確率状態での大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)の当選回数が所定数(ここでは、9回)になった(大当り遊技状態に9回制御された)ときは、9回目の大当り遊技状態が実行された後、確変機能が作動されない低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)に再び制御する。
これに対し、時短機能の作動条件については、これも後述するが、まず、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれの特別図柄についての抽選結果であるかによって、その作動条件が異なっている。
例えば、第二特別図柄についての抽選結果として大当り(特別の抽選結果)が得られたときは、当該当りの種別(ここでは、10R確変大当りD)に応じた大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、時短機能を必ず作動させるようにしている。そして、こうして作動された時短機能については、基本的には、次回の大当りが得られるまで継続される。ただし、第二特別図柄についての抽選結果として大当りが得られたものの、当該大当りの当選によって、高確率状態での大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)の当選回数が所定数(ここでは、9回)になったときは、当該当りの種別(ここでは、10R確変大当りD)に応じた大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、100回分の特別図柄の変動が終了するまでの間に限り、時短機能を作動させることとしている。
一方、第一特別図柄についての抽選結果として大当り(特別の抽選結果)が得られたときは、当該当りの種別(ここでは、10R確変大当りA、10R確変大当りB、若しくは10R確変大当りC)に応じた大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、基本的には、当該当りの種別に基づいて時短機能を作動させるか否かが決定されることとなる。なお、この実施形態にかかるパチンコ機1では、「10R確変大当りC」に応じた大当り遊技が行われた後に、時短機能を作動させるようにしている。そして、こうして作動された時短機能についても、基本的には、次回の大当りが得られるまで継続される。ただし、第一特別図柄についての抽選結果として「10R確変大当りC」が得られたものの、当該大当りの当選によって、高確率状態での大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)の当選回数が所定数(ここでは、9回)になったときは、当該当りの種別(ここでは、10R確変大当りC)に応じた大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、100回分の特別図柄の変動が終了するまでの間に限り、時短機能を作動させることとしている。
また、これも後述するが、第一特別図柄についての抽選結果として大当りが得られた場合であっても、時短機能が作動している状態にて大当りが得られたときは、当該当りの種別(ここでは、10R確変大当りA、10R確変大当りB、若しくは10R確変大当りC)にかかわらず、大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、時短機能を必ず作動させるようにしている。そして、こうして作動された時短機能についても、基本的には、次回の大当りが得られるまで継続される。ただし、当該大当りの当選によって、高確率状態での大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)の当選回数が所定数(ここでは、9回)になったときは、大当り遊技が行われた後(大当り遊技状態が終了した後)に、100回分の特別図柄の変動が終了するまでの間に限り、時短機能を作動させることとしている。
また、大当り制御処理では、このような第一開閉入賞装置2103や第二開閉入賞装置2104の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態(確変機能が作動される状態)であることを示すフラグであり、後述する図181に示す大当り判定処理で用いられる大当り回数カウンタのカウンタ値が「1〜9」のとき、すなわち高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち最後の大当りでなければ(高確率状態に移行または継続する大当りであれば)、大当り遊技状態終了後にセットされ、大当り回数カウンタのカウンタ値が「10」のとき、すなわち高確率状態の開始から終了するまでの10回の大当りのうち最後の大当り(高確率状態から低確率状態(低確率非時短状態、低確率時短状態)に移行する大当り)であれば、大当り遊技状態終了後にリセットされ、また、各々の大当り遊技状態の制御を開始するとき(後述する図186に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理)にリセットされる。また、時短フラグは、時短状態(時短機能が作動される状態)であることを示すフラグであり、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(詳細については後述する)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、後述する図184に示す第1変動パターン設定処理又は図示しない第2変動パターン設定処理で時短回数カウンタが「0」となったことに基づいて後述する図186に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、短開放の10R大当り遊技状態と同様の開放態様が定められている小当り遊技状態に応じて上記第一開閉入賞装置2103を開放状態に制御する処理を実行する。
また、大当り実行中フラグ及び小当り実行中フラグがいずれもセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。これにより、第二特別図柄にかかる抽選処理の保留数が「0」とならないように遊技し続けるようにすることで、第一特別図柄にかかる抽選処理の保留状況にかかわらず当該第一特別図柄にかかる抽選処理の実行を回避して、第二特別図柄にかかる抽選処理のみが連続して実行されるようにすることができるようになる(優先制御)。
図177は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3524がオン状態にあり、上記第一始動口2101への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図177に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図178は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2166がオン状態にあり、上記第二始動口2102への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図178に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図179は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて大当りについての当落にかかる判定処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄通常処理における大当りについての当落にかかる判定処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1900に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1185における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1185に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図175参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図180は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図180に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAM4100eから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図181は、上記第1特別図柄大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図182(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図182(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図182(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100eに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、51種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、81種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、20217種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルには、小当り判定値が設定されておらず、小当りに当選することがない。この低確率時の大当り判定テーブルでは、51種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、20298種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む399種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、81種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、19869種類の第一特別乱数がハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルには、小当り判定値が設定されておらず、小当りに当選することがない。この高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む399種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、19950種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率時(低確率時短状態、低確率非時短状態)では、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の当選確率を1/399に設定するのに対し、高確率時(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、上記特別図柄の当選確率を1/51に設定することで、上記大当りに当選することを示す大当り判定値が低確率時よりも高められる。
このように、本例では第一特別乱数に基づく判定結果に応じて第一開閉入賞装置2103を開閉制御したときには小当りであるか10R確変大当りのうち10R確変大当りAであるか判別困難にしている。なお、第一特別乱数に基づく判定結果に応じて第二開閉入賞装置2103(大入賞口2153)を開閉制御したときには10R確変大当りのうち10R確変大当りB、10R確変大当りCであることを特定可能とし、第二特別乱数に基づく判定結果に応じて第二開閉入賞装置2104を開閉制御したときには10R確変大当りのうち10R確変大当りDであることを特定可能としている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセット(ステップS116)してステップS122に移行し、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセット(ステップS118)してステップS125に移行し、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、ハズレとすると判定した場合には、図182(B)に示すリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図182(B)に示すリーチ判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100eに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められる。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む6種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、66種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時及び低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)よりも高められる。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットする(ステップS121)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算し(ステップS122)、大当り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS123)。なお、電源投入時に初期化処理(ステップS1)が実行されると遊技状態を低確率非時短状態に制御するとともに大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」をセットする。そして、ステップS123でカウンタ値が「0」でない場合、すなわち高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち最後の大当りでなければ(高確率状態に移行または継続する大当りであれば)、そのまま大当り判定処理を終了する。一方、ステップS123でカウンタ値が「0」となる場合、すなわち高確率状態の開始から終了するまでの10回の大当りのうち最後の大当り(高確率状態から低確率状態(低確率非時短状態、低確率時短状態)に移行する大当り)である場合には、大当り回数カウンタのカウンタ値に「10」をセットして(ステップS124)、大当り判定処理を終了する。なお、このような大当り回数カウンタにカウンタ値「10」をセットする処理は、特別図柄停止処理で実行するようにしてもよい。
図183は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図183に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄についての大当り判定処理の結果、すなわち上記第一特別図柄大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理の結果の判別は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか否か(ステップS131、S134)を判別することにより行う。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、遊技状態(高確率フラグ及び時短フラグの状態)に応じた図柄決定テーブルを選択し(ステップS132a)、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図182(C)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS132b)、第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定し(ステップS133a)、該決定した大当り図柄に応じて大当りの種類、大当り遊技状態終了後の時短制御の有無及び時短制御を実行可能な変動表示回数(所謂、時短回数)、大当り遊技状態の種類(賞球の獲得の有無)、変動回数カウンタのリセットの有無を決定する(ステップS133b)。なお、決定された時短回数は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)で時短回数カウンタにセットされるが、上記大当り制御処理で大当り遊技状態の制御を終了するときにセットされてもよい。
図182(C)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)、遊技状態(低確率非時短状態、低確率時短状態、高確率非時短状態、高確率時短状態)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類とが異なるように設定している。
具体的には、
1.短開放の10R大当り遊技状態(第一開閉入賞装置2103を開閉する開閉パターンを10回(10ラウンド)繰り返す)に制御することで賞球の獲得が困難であるとともに、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットすることなく、低確率非時短状態または低確率時短状態(このとき、高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始契機となる最初の大当りである状態(大当り回数カウンタが「9」の状態))で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率非時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率非時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御し、高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には時短回数100回の低確率時短状態に制御した後に低確率非時短状態に制御する10R確変大当りA
2.長開放の10R大当り遊技状態(第二開閉入賞装置2104を開閉する開閉パターンを10回(10ラウンド)繰り返す)に制御することで多くの賞球数(例えば、獲得可能とされる賞球数の期待値は1000個)の獲得が可能であるとともに、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットし、低確率非時短状態または低確率時短状態(このとき、高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始契機となる最初の大当りである状態(大当り回数カウンタが「9」の状態))で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率非時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率非時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御し、高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には時短回数100回の低確率時短状態に制御した後に低確率非時短状態に制御する10R確変大当りB
3.長開放の10R大当り遊技状態(第二開閉入賞装置2104を開閉する開閉パターンを10回(10ラウンド)繰り返す)に制御することで多くの賞球数(例えば、獲得可能とされる賞球数の期待値は1000個)の獲得が可能であるとともに、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットし、低確率非時短状態または低確率時短状態(このとき、高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始契機となる最初の大当りである状態(大当り回数カウンタが「9」の状態))で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率非時短状態または高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率非時短状態または高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には時短回数100回の低確率時短状態に制御した後に低確率非時短状態に制御する10R確変大当りC
4.長開放の10R大当り遊技状態(第二開閉入賞装置2104を開閉する開閉パターンを10回(10ラウンド)繰り返す)に制御することで多くの賞球数(例えば、獲得可能とされる賞球数の期待値は1000個)の獲得が可能であるとともに、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットし、低確率非時短状態または低確率時短状態(このとき、高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始契機となる最初の大当りである状態(大当り回数カウンタが「9」の状態))で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率非時短状態または高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りではない状態(大当り回数カウンタが「1」〜「8」の状態)で発生した場合には次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、高確率非時短状態または高確率時短状態で発生し且つ高確率状態の開始から終了までの10回の大当り(高確率状態の開始契機となる最初の大当りを除く)のうち最後の大当りである状態(大当り回数カウンタが「10」の状態)で発生した場合には時短回数100回の低確率時短状態に制御した後に低確率非時短状態に制御する10R確変大当りD
このような当りの種別によれば、第一特別図柄についての大当り判定処理にて大当りが得られたときに遊技者が獲得可能とされる賞球総数の期待値よりも、第二特別図柄についての大当り判定処理にて大当りが得られたときに遊技者が獲得可能とされる賞球総数の期待値のほうが大きくなる。また、第二特別図柄についての大当り判定処理にて大当りが得られたときには、時短機能が必ず作動する点でも、第二特別図柄についての大当り判定処理のほうが遊技者にとって有利な抽選態様が採用されているといえる。
なお、本例では、短開放の10R大当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記第一開閉入賞装置2103の開放時間と長開放の10R大当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記第二開閉入賞装置2104(大入賞口2153)の開放時間とを異ならせている。例えば、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りDとなった場合には、1ラウンドあたりの上記第二開閉入賞装置2104の開放時間を28.5秒とする長開放状態に制御するのに対し、10R確変大当りAとなった場合には、1ラウンドあたりの上記第一開閉入賞装置2103の開放時間を長開放状態よりも極端に短い0.05秒とする短開放状態に制御している。なお、小当りとなった場合には、短開放の10R大当り遊技状態と同じく、小当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記第一開閉入賞装置2103の開放時間を0.05秒とする短開放状態に制御している。このように、10R確変大当りA又は小当りとなった場合には、短開放の10R大当り遊技状態又は小当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記第一開閉入賞装置2103の開放時間が短過ぎるため、上記第一開閉入賞装置2103の開放制御が認識されたとしても、上記第一開閉入賞装置2103へ遊技球を入賞させることが困難となっている。つまり、長開放の10R大当り遊技状態では、センター役物2400の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することによって上記第二開閉入賞装置2104に遊技球が次々に入賞し、多くの遊技球の獲得を期待することができる。一方、短開放の10R大当り遊技状態又は小当り遊技状態では、左打ちしたとしても、上記第一開閉入賞装置2103に遊技球が入賞することが殆どなく、長開放の10R大当り遊技状態とは異なり、多くの遊技球の獲得を期待することができない。
また、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2107を通過することがなく、第二始動口2102の一対の羽根2125の開閉は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2102への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2101への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC)が発生することになる。同様に、上記右打ち状態では第一始動口2101に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2102への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器1186における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(10R確変大当りD)が発生することになる。また、時短機能が作動している状態で右打ちし続けるようにすれば、第二特別図柄にかかる抽選処理の保留数が「0」とならないように維持可能とされるゲージ構成となっていることから、第一特別図柄の保留球があったとしても、先述の優先制御と相まって、第一特別図柄にかかる抽選処理の実行(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りCに当選される可能性)を回避して、第二特別図柄にかかる抽選処理(10R確変大当りD)のみを連続して実行することができるようになっている。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において10R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として10R確変大当りA図柄に決定し、10R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として10R確変大当りB図柄に決定し、10R確変大当りCに決定した場合には大当り図柄として10R確変大当りC図柄に決定する。また、図示しないが、第二特別図柄停止図柄設定処理において10R確変大当りDに決定した場合には大当り図柄として10R確変大当りD図柄に決定する。
一方、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS134)、小当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定し(ステップS135)、小当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてハズレ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、変動回数カウンタのカウンタ値に「1」を加算し(ステップS137a)、次いで、10R確変大当りB、10R確変大当りCに決定したか否かを判別する(ステップS137b)。そして、当りのうち、長開放の10R大当り遊技状態に制御することで多くの賞球数の獲得が可能とされている種別(10R確変大当りB,10R確変大当りC)に決定した場合には、特定のリセット条件(少なくとも大当りの当選が必要とされる条件)が成立したとして、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットする(ステップS137c)。一方、ハズレに決定した場合や、当りが得られている場合であっても、短開放の10R大当り遊技状態に制御することで多くの賞球数の獲得が可能とされていない種別(10R確変大当りA)や、小当りに決定した場合には、特定のリセット条件(少なくとも大当りの当選が必要とされる条件)が成立されていないとして、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしない。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、10R確変大当りDに決定した場合、すなわち長開放の10R大当り遊技状態に制御することで多くの賞球数の獲得が可能である大当りに決定した場合にも、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットする。一方、ハズレである場合には、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしない。なお、このような変動回数カウンタのカウンタ値をリセットする処理は、特別図柄停止処理で実行するようにしてもよい。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS137の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
このような主制御MPU4100aによる制御によれば、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1〜9」のとき、すなわち高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち最後の大当りでなければ、大当り遊技状態終了後に高確率フラグをセットすることにより高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)に移行または継続し、大当り回数カウンタのカウンタ値が「10」のとき、すなわち高確率状態の開始から終了するまでの10回の大当りのうち最後の大当りであれば、大当り遊技状態終了後に高確率フラグをリセットすることにより高確率状態から低確率状態(低確率非時短状態、低確率時短状態)に移行する。
また、本例では、高確率状態に移行した場合であっても、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りが発生しない限りは、第一特別図柄の抽選処理が行われる左打ち遊技のみが継続して行われるだけである。そしてこの結果、高確率状態に移行してから9回分の大当りが当選するまでの間に、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りに一度も当選しなかったときは、遊技者の持ち球がほとんど増えないままで低確率非時短状態に制御されることとなる。これに対し、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りが一回でも発生すれば、高確率状態に移行してから9回分の大当りが当選し、その後の低確率状態にて100回分の特別図柄の変動が終了するまでの間は時短状態が継続されることとなることから、遊技者は、右打ち遊技によって持ち球の消費を抑制しつつ抽選内容が優遇されている第二特別図柄についての抽選処理を行うことができるようになる。
すなわち、左打ち状態では、主として上記第一始動口2101への遊技球の入賞に基づく遊技が実行され、第一始動口2101への始動入賞に基づいて変動表示する第一特別図柄の表示結果が大当りを示唆する態様となったときに実行される大当り遊技状態として上記短開放の10R大当り遊技状態の実行される割合が高くなるように設定されて賞球の獲得が困難となっている一方、右打ち状態では、主として上記第二始動口2102への遊技球の入賞に基づく遊技が実行され、第二始動口2102への始動入賞に基づいて変動表示する第二特別図柄の表示結果が大当りを示唆する態様となったときに実行される大当り遊技状態として上記長開放の10R大当り遊技状態の実行される割合が全てとなるように設定されて賞球の獲得が容易となっている。したがって、左打ち状態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りにおける大当りが発生するごとに右打ち状態への切り替えを期待するとともに、右打ち状態が長く継続できるよう、高確率状態が終了するまでの早い段階での右打ち状態への切り替えを期待して遊技を行うことになる。
具体的には、電源投入時に初期化処理が実行されると、遊技状態を低確率非時短状態に制御するとともに大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」をセットする。すなわち、電源投入時に初期化処理が実行されると、低確率非時短状態の制御を開始して上記第一始動口2101への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される左打ち状態に制御する。
そして、低確率非時短状態で10R確変大当りAに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、短開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続する。また、高確率非時短状態で10R確変大当りAに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは短開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに短開放の10R大当り遊技状態の終了後に低確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続する。このように、低確率非時短状態から高確率非時短状態に移行制御したとしても、高確率非時短状態で10R確変大当りAに当選する限りは短開放の10R大当り遊技状態を繰り返し、上記左打ち状態の制御を継続するため、賞球の獲得が困難となっている。
また、低確率非時短状態で10R確変大当りBに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続する。また、高確率非時短状態で10R確変大当りBに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに長開放の10R大当り遊技状態の終了後に低確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態の制御を継続する。このように、低確率非時短状態または高確率非時短状態で10R確変大当りBに当選すると、長開放の10R大当り遊技状態に基づいて1回分の賞球の獲得を可能としているが、上記左打ち状態の制御を継続するため、多くの賞球を連続して獲得することが困難となっている。
一方、低確率非時短状態で10R確変大当りCに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態に移行制御する。また、高確率非時短状態で10R確変大当りCに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態に移行制御し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに長開放の10R大当り遊技状態の終了後に時短回数100回の低確率時短状態に制御することで上記右打ち状態に移行制御する。そして、上記右打ち状態に移行制御することで上記第二始動口2102への遊技球の入賞が可能となり、高確率時短状態で10R確変大当りDに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに長開放の10R大当り遊技状態の終了後に時短回数100回の低確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。このように、低確率非時短状態または高確率非時短状態から高確率時短状態に移行制御すると、高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返し、上記右打ち状態の制御を継続するため、多くの賞球を連続して獲得することが容易となっている。
また、時短回数100回の低確率時短状態が終了する以前に10R確変大当りDに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。一方、10R確変大当りDに当選することなく時短回数100回の低確率時短状態が終了すると、低確率非時短状態に制御することで上記左打ち状態に移行制御する。このように、低確率時短状態から高確率時短状態に移行制御すると、高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すことで、長開放の10R大当り遊技状態が連続して10回分の賞球の獲得を可能とするように上記右打ち状態の制御を継続するため、再度、多くの賞球を連続して獲得することが容易となっている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、後述するが、10R確変大当りCと10R確変大当りDとのいずれかの当選によって発生する時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)だけでなく、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしてからの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示の回数(変動回数)が特定の調整回数を超えてからの所定期間(非時短)においても、時短状態ほどではないが上記第二始動口2102へ遊技球を入賞させることを可能として、いわゆる左打ちによる遊技よりも、いわゆる右打ちによる遊技を行うほうが遊技者にとって有利となる制御を行うようにしている。
したがって、上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えることで右打ち状態に切り替えられると、上記時短状態での右打ち状態への切り替えでなくても、主として上記第二始動口2102への遊技球の入賞に基づく遊技が実行され、第二始動口2102への始動入賞に基づいて変動表示する第二特別図柄の表示結果が大当りを示唆する態様となったときに実行される大当り遊技状態として上記長開放の10R大当り遊技状態の実行される割合が全てとなるように設定されて賞球の獲得が容易となっている。
具体的には、低確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、低確率非時短状態の制御を継続するが、上記時短状態でなくても上記右打ち状態の制御に移行制御する。そして、上記右打ち状態に移行制御することで上記第二始動口2102への遊技球の入賞が可能となり、低確率非時短状態で10R確変大当りDに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。そして、高確率時短状態で10R確変大当りDに当選すると、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに長開放の10R大当り遊技状態の終了後に時短回数100回の低確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。このように、低確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、低確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すことで、長開放の10R大当り遊技状態が連続して10回分の賞球の獲得を可能とするように上記右打ち状態の制御を継続するため、多くの賞球を連続して獲得することが容易となっている。従って、低確率非時短状態での左打ち状態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始契機となる大当りになることを期待するだけでなく、上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えることでの右打ち状態への切り替えを期待して遊技を行うようになり、多くの賞球数が獲得することができない状態が長期にわたって継続されてしまった遊技者を救済することができる。
また、高確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、高確率非時短状態の制御を継続するが、上記時短状態でなくても上記右打ち状態の制御に移行制御する。そして、上記右打ち状態に移行制御することで上記第二始動口2102への遊技球の入賞が可能となり、高確率非時短状態で10R確変大当りDに当選すると、上記大当り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。そして、高確率時短状態で10R確変大当りDに当選すると、大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」になるまでは長開放の10R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続し、大当り回数カウンタに初期値であるカウンタ値「10」を再びセットしたときに長開放の10R大当り遊技状態の終了後に時短回数100回の低確率時短状態に制御することで上記右打ち状態の制御を継続する。このように、高確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、高確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返し、上記右打ち状態の制御を継続するため、多くの賞球を連続して獲得することが容易となっている。従って、高確率非時短状態での左打ち状態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りにおける大当りが発生するごとに右打ち状態への切り替えを期待するだけでなく、上記特別図柄の変動回数が800回を超えることでの右打ち状態への切り替えを期待して遊技を行うようになり、多くの賞球数が獲得することができない状態が長期にわたって継続されしまった遊技者を救済することができる。
また、時短回数100回の低確率時短状態が終了する以前に上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えて、10R確変大当りDに当選することなく時短回数100回の低確率時短状態が終了すると、低確率非時短状態に移行制御するが、上記時短状態でなくても上記右打ち状態の制御を継続する。このように、低確率時短状態から低確率非時短状態に移行制御したとしても、時短回数100回の低確率時短状態が終了する以前に上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えていれば、低確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すことで、長開放の10R大当り遊技状態が連続して10回分の賞球の獲得を可能とするように上記右打ち状態の制御を継続するため、再度、多くの賞球を連続して獲得することが容易となっている。
なお、本例では、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルには、小当り判定値が設定されており、小当りに当選することがある。そして、低確率非時短状態で小当りに当選すると、10R確変大当りAに当選した場合と同様の小当り遊技状態の終了後に低確率非時短状態に制御することで上記左打ちの制御を継続する。このように、低確率非時短状態で10R確変大当りAまたは小当りに当選した場合には、短開放の10R大当り遊技状態であるか小当り遊技状態であるか判別困難とし、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち最初の大当りであるかの認識が困難となるようにしている。また、高確率非時短状態で小当りに当選すると、10R確変大当りAに当選した場合と同様の小当り遊技状態の終了後に高確率非時短状態に制御することで上記左打ちの制御を継続する。このように、高確率非時短状態で10R確変大当りAまたは小当りに当選した場合には、短開放の10R大当り遊技状態であるか小当り遊技状態であるか判別困難とし、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち何回目の大当りであるかの認識が困難となるようにしている。従って、高確率非時短状態で10R確変大当りCに当選すると、高確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すようになるが、高確率状態の開始から終了までの10回の大当りのうち高確率非時短状態で10R確変大当りDに当選してからの残り回数分(10回未満)の認識が困難となり、長開放の10R大当り遊技状態が連続して獲得される賞球数の予測が困難となっている。
また、本例では、低確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、低確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すことで、長開放の10R大当り遊技状態が連続して10回分の賞球の獲得を可能とするように上記右打ち状態の制御を継続する。一方、高確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えると、高確率非時短状態及びその後の高確率時短状態で10R確変大当りDに当選する限りは長開放の10R大当り遊技状態を繰り返すことで、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち高確率非時短状態で10R確変大当りDに当選してからの残り回数分(10回未満)だけ、長開放の10R大当り遊技状態が連続して賞球の獲得を可能とするように上記右打ち状態の制御を継続する。このため、高確率状態の開始から終了までの10回の大当りのうち後半の大当り(例えば、7回目以降の大当り)において、高確率非時短状態で10R確変大当りBや10R確変大当りCに当選すると、高確率状態が終了するまでの残り回数分が少なく、長開放の10R大当り遊技状態が連続しても10回分の賞球を獲得することができない。すなわち、低確率非時短状態で上記特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えた場合と比べると、長開放の10R大当り遊技状態が連続しても賞球数の獲得が少なくなるが、それだけでなく変動回数カウンタのカウンタ値がリセットされてしまう。従って、高確率非時短状態での左打ち状態であっても、高確率状態の開始から終了までの10回の大当りのうち後半の大当り(例えば、7回目以降の大当り)においては、高確率非時短状態で10R確変大当りBや10R確変大当りCに当選することなく10R確変大当りAに当選することを望み、高確率非時短状態を終了して低確率非時短状態に移行制御した後、長開放の10R大当り遊技状態が連続して10回分の賞球の獲得を可能とするよう、上記特別図柄の変動回数が800回を超えることでの右打ち状態への切り替えを期待して遊技を行うようになる。
図184は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図184に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1185及び上記液晶表示装置1900にて変動制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100eに記憶されている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態の制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS153の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS155の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図185は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図185に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図186は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図186に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1185に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより時短状態の制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS189)、大当り回数カウンタのカウンタ値が「10」であるか否かを判定する(ステップS193a)。そして、ステップS193aでカウンタ値が「10」でない場合、すなわち高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態)の開始から終了までの10回の大当りのうち最後の大当りでなければ(高確率状態に移行または継続する大当りであれば)、大当り遊技状態終了後に高確率フラグをセットするとともに、上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りであれば大当り遊技状態終了後に時短フラグをセットすることとし(ステップS193b)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。これにより大当り遊技状態の終了後には、高確率状態の制御を開始し、上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りであれば時短状態の制御を開始するようになる。
一方、ステップS193aでカウンタ値が「10」となる場合、すなわち高確率状態の開始から終了するまでの10回の大当りのうち最後の大当り(高確率状態から低確率状態(低確率非時短状態、低確率時短状態)に移行する大当り)である場合には、上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りであるか否かを判定する(ステップS193c)。そして、ステップS193cで上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りであれば時短回数カウンタのカウンタ値に「100」をセットするととともに(ステップS193c)、大当り遊技状態終了後に時短フラグをセットすることとし、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。これにより大当り遊技状態の終了後には、上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当りであれば時短回数100回の時短状態の制御を開始するようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りC、10R確変大当りD)に応じた大当り開始コマンド(10R確変大当りA開始コマンド、10R確変大当りB開始コマンド、10R確変大当りC開始コマンド、10R確変大当りD開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1900、ランプ・LED及びスピーカ130,222,262,821等により実行される。
一方、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS195)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS196)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS197)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS198)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、小当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、ステップS196では、小当り開始コマンドをセットすることにより、小当り開始コマンドによって指示された小当り遊技状態の演出が液晶表示装置1900、ランプ・LED及びスピーカ130,222,262,821等により実行される。
図187は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2176による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2107への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図187に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS802の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS802の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS803〜S805の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS803の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS804の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS805の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS802の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS803〜ステップS805の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄についての普通当り判定処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS806)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS807)
3.普通図柄表示器1189における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS808)
4.普通図柄通常処理における普通当り判定処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1189に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS809)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記一対の羽根2125を開放状態に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS810)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図175参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS806)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図188は、上記普通図柄通常処理(ステップS806)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図188に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAM4100eから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2107への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2107に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100eに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態及び高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、500種類の普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、2種類の普通乱数が普図ハズレであることを示す普図ハズレ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の普通乱数が普図当り判定値と一致し、251種類の普通乱数が普図ハズレ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、時短時において普図当りに当選したことを示す普図当り判定値が非時短時よりも高められる。また後述するが、この実施の形態では、非時短時においても、普通当り判定処理(普通抽選)が行われるときにはその結果として50%以上の高確率(少なくとも普通ハズレの出現比率を下回らない確率)で普通当りが得られるようになっていることで、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の回数(変動回数)が800回を超えた以降の遊技性、演出性を高めることができるようになっている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS116)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)。一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、ハズレとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図ハズレ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS808)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
図189は、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS807)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動時間決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図189に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、時短時の普図変動時間決定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS842)、変動回数カウンタのカウンタ値が「800」未満である場合、すなわち第1特別図柄大当り判定処理のステップS127または第2特別図柄大当り判定処理のステップS227で変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしてからの特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の回数(第一特別図柄、第二特別図柄の変動回数の合計値)が800回(特定の調整回数)を超えていない場合には(ステップS843)、変動回数未到達時非時短時の普図変動時間決定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS844)、変動回数カウンタのカウンタ値が「800」以上である場合、すなわち第1特別図柄大当り判定処理のステップS127または第2特別図柄大当り判定処理のステップS227で変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしてからの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示の回数(変動回数)が800回(特定の調整回数)を超えている場合には(ステップS843)、変動回数到達時非時短時の普図変動時間決定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS844)。
そして、選択した普図変動時間決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較することにより実行する普図変動パターンを決定し(ステップS148)、普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動表示を開始する(ステップS847)。また、主制御MPU4100aは、普図変動パターンを決定すると決定した普図変動パターンに対応して設定されている普通図柄の変動時間を普図変動タイマに設定する(ステップS847)。これにより、こうして決定された普通図柄の変動時間だけ普通図柄表示器1189にて図柄制御が行われるようになる。そして、上記普通図柄変動処理(ステップS808)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS849)、この処理を終了する。
なお、本例の普図変動時間決定テーブルは、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしてからの特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の回数(変動回数)が800回を超えていない場合に使用する変動回数未到達時非時短時の普図変動時間決定テーブルと、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が800回を超えている場合に使用する変動回数到達時非時短時の普図変動時間決定テーブルと、を備えている。また、各普図変動時間決定テーブルに設定される普図変動パターンには、上記普通図柄の変動表示制御に要する所定の時間(普通図柄の変動時間)を示す複数の普通図柄の変動時間情報が上記普図変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数に応じた複数種類の普図変動時間決定テーブルのうち、選択した普図変動時間決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較し、上記読み出した普図変動乱数に関連付けされている普通図柄の変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記普通図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記普通図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記普図変動時間決定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100eに記憶されている。
すなわち、このような時短機能や確変機能が搭載されるパチンコ機では、有利遊技状態(時短機能と確変機能との少なくとも一方が作動する遊技状態)におけるホール側の負担が大きくなってしまうことが多い。このため、通常遊技状態(時短機能と確変機能とのいずれもが作動しない遊技状態)においては、相対的に多い遊技球の消費が必要とされているもとでの遊技(低確率、且つ低始動率での遊技)がひたすら行われるようにすることで、当該パチンコ機全体として、ホール側と遊技者側との間での負担にかかるバランスを図るようにしている。
しかしながら、こうしてバランスが図られた分だけ、通常遊技状態においては遊技者側の負担が大きくなってしまうことから、長い期間にわたって大当りが当選されることなく、遊技球の消費が多くなってきたような場合には、遊技を継続することへの不安感により遊技興趣が低下する懸念がある。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り(特別の抽選結果)が得られるまでに要する上記遊技領域1100に対しての遊技球の平均打込総数量を相対的に大きい値として維持されるようにしつつも、第一始動口2101よりも抽選内容が優遇される第二始動口2102を狙って遊技するほうが遊技者にとって有利となるように遊技が進行されうる制御を行うようにしている。また、こうした制御を行うタイミングとしても、遊技者側の負担が大きい通常遊技状態において多くの遊技球が消費された時点(特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が特定の調整回数を超えた時点)、すなわちホール側に対して特定量の利益が付与された時点とするようにしている。
このような構成によれば、ホール側からすれば、特定量の利益をまずは獲得した後に、通常遊技状態としての遊技性(ホール側と遊技者側との負担にかかるバランス)をあくまでも崩さない範囲内で、遊技者側に対してこれまでの失敗を取り戻し易くなるチャンスを付与する程度の調整を行うだけであるから、通常遊技状態における負担が大きくなってしまうようなことはない。その一方で、遊技者側からすれば、このような調整された遊技状態とは、多くの遊技球を自らが消費してきたことを条件として生じるものであるから、当該遊技状態において遊技を中止する(空き台とする)ことは、自らが犠牲になって他の遊技者を無償で助けるかたちともなりかねない。また、大当りが得られたときに遊技者により獲得可能とされる賞球総数の期待値が、遊技者側の遊技球の消費増大に追従するかたちで増大されるようにしたことで、その都度の遊技状況に合った遊技が提供されることとなり、遊技継続へのモチベーションが維持されるようになる。
以下、前回の大当り終了時(より正確には、長開放の大当り遊技状態が終了したとき)からの特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えるまでの遊技状態(変動回数未到達時非時短時)、前回の大当り終了時(より正確には、長開放の大当り遊技状態が終了したとき)からの特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えた所定期間にあるときの遊技状態(変動回数到達時非時短時)、及び時短状態の3種類の遊技状態について説明する。
まず、通常遊技状態(より正確には、非時短の遊技状態)のうち、変動回数未到達時非時短時の期間にあるときに用いられる普図変動時間決定テーブルでは、60〜600秒の範囲で10秒刻みに設定された55種類の普通図柄の変動時間情報(普通図柄の変動パターン)が、普図変動乱数として取得されうる乱数値の各別にそれぞれ対応付けされるかたちで記憶されている。すなわち、この普図変動時間決定テーブルでは、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間(平均値)を長くするとともに、そのバラツキをわざと大きく持たせるようにすることで、一対の羽根2125の動作によって第二始動口2102が開放されるタイミングを狙って遊技球を打ち込むことが困難とされるようにしている。
また、当該期間においては、有利遊技状態との間での上述のバランスを図るべく、普通図柄の当選確率は相対的に低い通常時の確率(例えば、1/2)に設定されるとともに、普通図柄の抽選結果が当りとなった場合であっても、上記一対の羽根2125は、時短状態の場合よりも入球し難い通常時の動作態様(例えば、0.5秒の開閉パターンを2回繰り返す)をもってのみ動作可能とされている。すなわちこの場合、センター役物2400の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)しても、第二始動口2102には遊技球がほぼ入球されないことから大当りの発生を期待することはできず、遊技者は、上記第二始動口2102ではなく、上記第一始動口2101に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2400の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することとなる。
ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、250個の遊技球をいわゆる「左打ち」したときには、いかなる遊技状態にあっても、第一始動口2101に平均して20個の遊技球が入球されるようになっている(通常時実質入球確率)。この意味では、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、始動口(第一始動口2101、若しくは第二始動口2102)に遊技球が入球される確率としては、始動口の種類さえ問わなければ「通常時実質入球確率」をその下限値として保証していると言える。
一方、時短機能が作動する遊技状態において、250個の遊技球をいわゆる「右打ち」したときには、第二始動口2102には平均して80個の遊技球が入球されるようになっている(時短時入球確率)。この点、第二始動口2102に遊技球が入球したときには3個の遊技球が払い出されるようになっていることから、250個の遊技球をいわゆる「右打ち」したときには、平均して240個の遊技球が払い出されることとなる。したがって、時短機能が作動する遊技状態においては、ホール側の負担は大きいものの、遊技者側としては、大当りが得られるまでに遊技球をほとんど減らすことなく遊技することが可能とされている。
なお、時短状態の制御としては、上記普通図柄の当選確率を250/251に設定するとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短い所定時間(例えば、0.5秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2102の一対の羽根2125を、非時短状態よりも長い所定時間(例えば、1秒)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを上記非時短状態よりも多い回数(例えば、3回)繰り返している。すなわち、時短状態の制御中には、非時短状態よりも上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間(非時短の場合は変動時間の平均値)が一定で短く、上記一対の羽根2125の開状態の時間が長いこと等により、上記非時短状態よりも格段に上記第二始動口2102へ遊技球を入賞させることを容易とし、上記第一始動口2101よりも上記第二始動口2102を狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができる。また、後述するように、上記第二始動口2102に遊技球が入賞したときには、上記第一始動口2101よりも上記特別図柄の抽選処理が大当りとなったときにおける大当りの種類として、賞球数の多い大当り遊技状態(長開放の大当り遊技状態)に制御するように設定された大当りに決定する確率が高くなっている。このため、上記時短状態の制御中、遊技者は、上記ゲート部2107に多くの遊技球が通過、及び上記第二始動口2102に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2400の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することとなる。
ところで、通常遊技状態(より正確には、非時短の遊技状態)のうち、変動回数未到達時非時短時の期間においては、通常時の確率、且つ通常時の動作態様をもってのみ上記一対の羽根2125が動作可能とされていることは上述した通りである。したがって、第二始動口2102が開放されるタイミングを狙って遊技球をいわゆる「右打ち」することが仮にできたとしても、第二始動口2102には、「通常時実質入球確率」よりは高いものの、「時短時入球確率」には到底及ばない「通常時理想入球確率」しか実現されないようにしている。
これに対し、当該期間においては、一対の羽根2125の動作によって第二始動口2102が開放されるタイミングを狙って遊技球を打ち込むことが困難とされていることは上述した通りであるが、このような困難性が緩和される制御を行うようにすれば、第二始動口2102への遊技球の入球確率が、上述の「通常時理想入球確率」を上限とする範囲内で可変されるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、
・通常遊技状態において、第一特別図柄についての大当り判定処理(第一始動口2101側の抽選処理)にて大当りが得られたときに遊技者が獲得可能とされる賞球総数の期待値(第1側期待値)と、第一始動口2101を狙って遊技(「通常時実質入球確率」のもとで遊技)したときの上記平均打込総数量との差分を「A」、及び
・通常遊技状態において、第二特別図柄についての大当り判定処理(第二始動口2102側の抽選処理)にて大当りが得られたときに遊技者が獲得可能とされる賞球総数の期待値(第2側期待値)と、第二始動口2102を狙って遊技したときの上記平均打込総数量との差分を「B」
とするとき、特別図柄の変動回数(第一特別図柄、第二特別図柄の変動回数の合計値)が特定の調整回数(例えば、800回)を超えた場合には、第二始動口2102への遊技球の入球確率を上述の「通常時理想入球確率」を上限とする範囲内でより高くなる側へと可変(変動回数到達時非時短時の普図変動時間決定テーブル)させることで、上記差分が「A>B」なる関係(800回を超える前)から「A<B」なる関係(800回を超えた後)へと変更されるようにしている。
このような構成では、大当りが当選されることのないままで特定の調整回数(800回)を超える程度にまで遊技球の消費が多くなってきたような場合であっても、ホール側に大きな負担を負わせるようなことなく遊技を継続することへの不安感が緩和されることとなり、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
より具体的には、通常遊技状態(より正確には、非時短の遊技状態)のうち、前回の大当り終了時(より正確には、長開放の大当り遊技状態が終了したとき)からの特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が特定の調整回数(例えば、800回)を超えた後の所定期間(変動回数到達時非時短時)で用いられる普図変動時間決定テーブルでは、5.26〜11.74秒の範囲で0.12秒刻みに設定された55種類の普通図柄の変動時間情報(普通図柄の変動パターン)が、普図変動乱数として取得されうる乱数値の各別にそれぞれ対応付けされるかたちで記憶されている。すなわち、この普図変動時間決定テーブルでは、特定の調整回数(例えば、800回)を超える前の期間にて用いられる普図変動時間決定テーブルと比べると、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間(平均値)が短縮されるとともに、そのバラツキも小さく抑えられるようにすることで、いわゆる「右打ち」し続けるだけで、第二始動口2102への遊技球の入球確率が、「通常時理想入球確率」に近づく側へと可変されるようにしている(通常時調整後入球確率)。
ここで、この「通常時調整後入球確率」については、「通常時理想入球確率」はもとより、いわゆる左打ちしたときの第一始動口2101への入球確率である「通常時実質入球確率」(遊技球が入球される確率の下限値として保証している値)をも下回る範囲内の数値となるように、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間(平均値)や、そのバラツキにかかる設定を行うようにしている(変動回数到達時非時短時の普図変動時間決定テーブル)。
ただしその一方で、この変動回数到達時非時短時の普図変動時間決定テーブルでは、上記差分が「A>B」なる関係(800回を超える前)から「A<B」なる関係(800回を超えた後)へと変更される程度にまでは、上記第二始動口2102への遊技球の入球確率を高くなるようにしている(通常時調整後入球確率)。なお、「通常時調整後入球確率」としては、例えば、250個の遊技球ををいわゆる右打ちした場合、第二始動口2102には、「18個」の遊技球が平均して入球可能とされる程度である。
このような構成では、通常遊技状態にあるときは、少なくとも大当りに当選されない限りは、始動口への入球確率がより高い確率に変更されるようなことがない。すなわち、特定の調整回数を超えてからの所定期間においては、上記差分が「A>B」なる関係(800回を超える前)から「A<B」なる関係(800回を超えた後)へと変更されるとは言え、こうした「A<B」なる関係のもとで遊技を行おうとした場合、遊技者は、当該パチンコ機1において保証されている始動口への入球確率の下限値(通常時実質入球確率)をも下回るような厳しい入球確率(通常時調整後入球確率)のもとで遊技を行わざるを得ない。
したがって、ホール側としては、特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えてからの所定期間においても、遊技者側の負担を依然として大きいままとするどころか、大当りにさえ当選されなければ、特定の調整回数を超えるまでの遊技条件よりも厳しい条件の下で、このような通常遊技状態における遊技を継続させることができるようになる。
これに対し、遊技者側から見ても、上記差分が「A<B」なる関係のもとで遊技を行う場合には、当該パチンコ機1において保証されている始動口への入球確率の下限値(通常時実質入球確率)をも下回るような厳しい入球確率(通常時調整後入球確率)のもとで遊技を行うことにはなる。ただし、大当りが当選されたときに獲得可能な賞球総数の期待値までも含めた総合的な遊技条件で見れば、特定の調整回数を超えるまでの期間よりも遊技者側に有利とされているもとでの遊技を行うことができるようになっている。特に、特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えるような状況では、遊技者側は多くの遊技球を既に消費しているような場合が多いことに鑑みれば、大当りにさえ当選されれば、これまでの遊技にて消費した分を取り戻すことが比較的容易となっていることから、遊技継続へのモチベーションを維持することができるようになる。
なお、遊技者側は、特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えてからの所定期間にあるときも、いわゆる左打ちを行うようにすれば、当該パチンコ機1において保証されている始動口への入球確率の下限値のもとで、第一始動口2101への入球に基づく遊技を行うことは可能である。したがって、第二始動口2102への入球に基づく遊技が、当該パチンコ機1において保証されている始動口への入球確率の下限値を下回るようなハイリスク・ハイリターンの遊技であることを嫌うような遊技者であっても、第一始動口2101への入球に基づく遊技を行うようにすることで、遊技興趣が低下してしまうようなことは回避される。
ところで、通常遊技状態のうち、特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えた後のこのような所定期間(変動回数到達時非時短時)にあって、上記差分が「A<B」なる関係のもとで遊技を行う場合には、当該パチンコ機1において保証されている始動口への入球確率の下限値(通常時実質入球確率)をも下回るような厳しい入球確率(通常時調整後入球確率)のもとで遊技を行うことになるとは言え、通常遊技状態にあるにもかかわらずホール側の負担が大きくなってしまい、ホール側と遊技者側とのバランスが崩壊してしまう懸念がある。
特に、この実施の形態にかかる第二特別図柄の抽選処理では、当りの種別として「10R確変大当りD」のみが得られるようになっている。したがって、当該期間(変動回数到達時非時短時)中において、第二特別図柄の抽選処理にて当りが得られれば、高確率状態が終了するまでの残り9回の当り抽選を、持ち球の消費が抑制される時短機能が作動した状態にて行うことが可能であるとともに、それら当りの各別における大当り遊技において多くの賞球が獲得可能とされる。
すなわちこの場合、「10R確変大当りD」の当選に応じた大当り遊技において獲得可能とされる賞球数の期待値が1000個であるとすると、特別図柄の変動回数が所定回数を超えた後の上記非時短状態の制御中においては、第二特別図柄の抽選処理にて当りが一旦得られれば、持ち球の消費が抑制された状態にて「1000個×10回」により「10000個」といった多量の賞球数の獲得が期待されるようになる。なおこの際、10回分の大当り遊技中に消費する遊技球数が概ね「1000個」であることを考慮しても、「9000個」といった多量の賞球数が純増数として獲得可能である。
これに対し、当該期間(変動回数到達時非時短時)中においては、250個の遊技球を右打ちすると、第二始動口2102に平均して18個の遊技球が入球されるようになっているとすると(通常時調整後入球確率)、上記差分が「A>B」なる関係から「A<B」なる関係へと変更されて以降(特定の調整回数を超えて以降)、計算上では、平均して5556個の遊技球を右打ちによって消費すれば大当りが当選されることとなる(大当りの当選確率「1/399」)。しかしながら、通常遊技状態のうち、特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えた後のこのような所定期間(変動回数到達時非時短時)にあるときの上記平均打込総数量(遊技者側の負担としての「5556個」)が、大当りが当選されたときに遊技者により獲得可能とされる賞球総数の期待値(ホール側の負担としての「9000個」)よりも小さい関係とされると、通常遊技状態にあるにもかかわらずホール側の負担が大きくなってしまいかねない。なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記差分が「A>B」なる関係から「A<B」なる関係へと変更されて以降(特定の調整回数を超えて、「通常時実質入球確率」から「通常時調整後入球確率」に切り替えられて以降)は、こうした遊技条件を大当りが当選されるまで継続させるようにしている。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような期間(変動回数到達時非時短時)への突入タイミングを決定付ける上述の「特定の調整回数」を超えるまでに要する遊技球の個数が、当該期間(変動回数到達時非時短時)にて大当りが当選されたときに遊技者により獲得可能とされる賞球総数の期待値(ホール側の負担としての「9000個」)よりも大きくなるように「特定の調整回数」を設定することとしている。このような構成によれば、特定の調整回数を超えてからの所定期間(変動回数到達時非時短時)において右打ちによって大当りが当選されたときのホール側の負担分「9000個」を超える数量の遊技球がホール側の獲得分として予め確保された後に、特定の調整回数に到達することとなる。
しかも、この特定の調整回数を超えて以降も、大当りが当選されるまでには平均して「5556個」の遊技球の消費がさらに必要とされることに鑑みれば、ホール側からすれば、通常遊技状態としての遊技性(ホール側と遊技者側との負担にかかるバランス)をあくまでも崩さない範囲内で、遊技者側に対してこれまでの失敗を取り戻し易くなるチャンスを付与する程度の調整を行うだけとなり、通常遊技状態における負担が大きくなってしまうようなことはない。その一方で、遊技者側からすれば、それだけ多くの遊技球を自らが消費してきたことを条件として、上記差分が「A>B」なる関係から「A<B」なる関係へと変更されたもとで、これまでよりも優遇された抽選内容(大当りに当選すれば「10000個」)の抽選処理を行うことができるようになったのであるから、これ以上の遊技継続を中止したくても中止し難くなり、遊技者の遊技継続へのモチベーションを維持することができるようになる。
ただし、通常遊技状態におけるホール側の負担をさらに軽減する上では、特定の調整回数を超えてからの所定期間については、当該期間中において大当りに当選されるまで遊技したときに要する平均打込総数量(遊技者側の負担)が、同大当りが当選されたときに遊技者により獲得可能とされる賞球総数の期待値(ホール側の負担)よりも大きい関係となるようにすることがより望ましい。
すなわちこの場合、特定の調整回数を超えてからの所定期間これのみの遊技性だけで、通常遊技状態としての遊技性(ホール側と遊技者側との負担にかかるバランス)が維持されるようになる。したがって、「特定の調整回数」としても、特定の調整回数を超えてからの所定期間(変動回数到達時非時短時)において右打ちによって大当りが当選されたときのホール側の負担分を超える数量の遊技球を予め確保するようなものでなくてもよくなり、その扱いがより容易なものとなることから、より自由度の高い設定によって遊技性を高めることができるようになる。
また、「特定の調整回数」については、例えば、大当りが当選されるまでに必要とされる特別図柄の変動回数(平均回数)よりも、特定の調整回数を小さい数値として設定しておくようにすることも可能である。すなわち、「特定の調整回数」を超えてからの所定期間を、30回程度の特別図柄の変動で終了させるとともに、「特定の調整回数」を「200回」、「400回」、「600回」などの複数のタイミングにてそれぞれ設定するようにすれば、ホール側の負担を大きくすることなく、多くの遊技球を消費しなければ本来は遊技することのできない第二始動口2102側の遊技(ハイリスク・ハイリターンの遊技)を楽しめる機会を定期的に付与することができるようになる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常遊技状態にある限りは、特別図柄の変動回数(第一特別図柄、第二特別図柄の変動回数の合計値)が特定の調整回数(例えば、800回)を超えたか否かにかかわらず、ゲート部2107を遊技球が通過したときには、通常時の確率(例えば、普通図柄の当選確率「1/2」)、且つ通常時の動作態様(例えば、一対の羽根2125が0.5秒の開閉パターンを2回繰り返す)をもってのみ上記一対の羽根2125が動作可能とされるようにしていることは上述した通りである。したがって、上記差分を「A>B」なる関係(800回を超える前)から「A<B」なる関係(800回を超えた後)へと変更させるようにした場合であっても、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均総消費量を相対的に大きい値として維持することができるようになる。
なお、各遊技状態において大当りが得られるまでに要する遊技球の平均総消費量とは、各遊技状態において設定されている普通図柄の当選確率や、普通図柄の変動表示パターン(変動時間)や、普通図柄にて当りに当選されたときの一対の羽根2125の動作態様などによる影響を含めたものである。
[7.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図190は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図190に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
ここで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、2msが経過する毎に割込処理としての2ms定常処理を実行するものとなっている。すなわち、この2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がカウントアップ(カウンタ値に「1」を加算)されるようになっている。そして、2msが経過する毎にこうしてカウントアップが繰り返し行われた結果、同カウンタ値が8になったとき(16msが経過したとき)には、16ms経過フラグTがセットされるとともに、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がリセットされる。
この点、上記ステップ1002の処理では、このような16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを監視することとなる(ループ処理)。そしてこの結果、16ms経過フラグがセットされている旨判断したときには(ステップ1002のYes)、16ms経過フラグをリセットした上で(ステップS1003)、後述の16ms定常処理を行うことで(ステップS1004)、当該16ms定常処理が16ms経過する毎に行われるようにしている。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドに基づいて液晶表示装置1900、ランプ・LED、スピーカ130,222,262,821等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、上記ステップS1002の処理に戻り、16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを再び監視することとなる(ループ処理)。
[16ms定常処理について]
図191は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
同図191に示されるように、16ms定常処理では、周辺制御MPU4140aが、まず、ステップS1100の処理として、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドを解析(コマンド解析処理)する。次いで、上記解析された演出コマンドに基づいて、液晶表示装置1900の演出表示にかかる制御(演出制御処理)を実行する(ステップS1200)。より具体的には、液晶表示装置1900の演出表示にて現われうる予告演出の設定や、液晶表示装置1900の演出表示にて現われうる装飾図柄の停止図柄の決定、等々を行う。
そして次に、周辺制御MPU4140aは、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や本体枠3に備えられたスピーカ821の音出力にかかる音制御処理を実行する(ステップS1300)。またさらに、扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等や遊技盤4に備えられた各発光基板3115等にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する(ステップS1400)。
そしてこの後、パチンコ機1の背面側に取付けられた中継端子3508,3509,3510や、液晶制御部4150に対し、上記各処理S1200〜S1400にてセットされたコマンド(後述の表示コマンドのほか、音出力コマンドや、発光装飾コマンドなど)が送信される情報出力処理を行う(ステップS1500)。これにより、液晶表示装置1900や、スピーカー821、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432などを通じて、上記セットされたコマンドに応じた演出が行われるようになる。
この情報出力処理(ステップS1500)が行われた後は、演出制御処理(ステップS1200)にて各種設定に用いられる乱数が更新される乱数更新処理を実行した時点で(ステップS1600)、当該16ms定常処理を終了する。
なお、こうしたステップS1100〜ステップS1600の処理(16ms定常処理)は16ms以内に終了される処理量として設定されているが、仮に、16ms定常処理を開始してから16msの時間が経過した時点でステップS1600の処理までの実行が終了されていなかった場合であっても、上記ステップS1100の処理(コマンド解析処理から)に戻ることなく、その時点で実行途中の処理をそのまま継続するかたちで上記ステップS1600の処理まで行うこととなる。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[コマンド解析処理について]
次に、コマンド解析処理(ステップS1100の処理)について、図192を参照しつつ説明する。
同図192に示されるように、コマンド解析処理では、周辺制御MPU4140aが、まず、ステップS1101の処理として、主制御基板4100からの演出コマンドが周辺制御RAM4140eの受信コマンド格納領域に記憶されているか否かを判断する(ステップS1101)。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、このコマンド受信割込処理において、主制御基板4100からの演出コマンドを周辺制御RAM4140eの受信コマンド格納領域に記憶するものとなっている。なお、受信コマンド格納領域には、主制御基板4100からの演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられており、コマンド受信割込処理では、それら演出コマンドが、その受信順に対応付けされるかたちでこうした複数の領域の別にそれぞれ記憶されるようになっている。
この点、上記ステップS1101の処理では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、主制御基板4100からの受信順が最も早い演出コマンドを上記受信コマンド格納領域から読み出すこととなる(ステップS1102)。
次いで、該読み出した演出コマンドが上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちのパターンコマンド(変動パターンを示すコマンド)であるか否かを判断する(ステップS1103)。そしてこの結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1103にてYES)、周辺制御RAM4140eの変動表示パターン格納領域に変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットした時点で(ステップS1104)、当該コマンド解析処理を終了する。
一方、上記読み出した演出コマンドがパターンコマンドでない旨判断されたときは(ステップS1103にてNO)、該読み出した演出コマンドが上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちの当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示す当選情報コマンド)であるか否かを判断する(ステップS1105)。そしてこの結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1105にてYES)、周辺制御RAM4140eの当選情報格納領域に当選情報コマンドを記憶した時点で(ステップS1106)、当該コマンド解析処理を終了する。
また一方、上記読み出した演出コマンドが当選情報コマンドでない旨判断されたときは(ステップS1105にてNO)、周辺制御RAM4140eの対応する格納領域にて受信した演出コマンドに対応したフラグをセットした時点で(ステップS1107)、当該コマンド解析処理を終了する。なお、こうした演出コマンドとしては、例えば、上記主制御基板4100側にてセットされる確定停止コマンドや、上記主制御基板4100側にてセットされるインターバル演出コマンドや、上記主制御基板4100側にてセットされる大当り開始コマンドや、上記主制御基板4100側にてセットされる小当り開始コマンドなどがある。
[演出制御処理について]
次に、演出制御処理(ステップS1200の処理)について、図193を参照しつつ説明する。
同図193に示されるように、この演出制御処理は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値に基づいて、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)、装飾図柄変動処理(ステップS1220)、大当り表示処理(ステップS1230)、及び小当り表示処理(ステップS1240)のいずれかの処理を選択的に行うものとなっている。
すなわち後述するが、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、上記ステップS1104(図192参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがセットされていることを条件に、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1900における表示演出を開始させるべくの処理を行う。例えば、パターンコマンドや当選情報コマンドに基づいて表示演出パターン(装飾図柄の停止図柄や、上述の延長演出の有無など)を決定し、該決定した表示演出パターンに応じた(液晶制御部4150に対しての)表示コマンドをセットするほか、予告演出にかかる設定、等々の処理も行う。
また、処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、上記ステップS1107(図192参照)の処理にて操作されうる確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大当り抽選の結果が示されるように、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1900における表示演出を終了させるべくの(液晶制御部4150に対しての)表示コマンドをセットする、等々の処理を行う。また、当該処理の終了に際しては、確定停止コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、上記ステップS1107(図192参照)の処理にて操作されうる大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口2103が開放されることを液晶表示装置1900にて示す表示や、大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「3」の時に実行される小当り表示処理(ステップS1240)では、上記ステップS1107(図192参照)の処理にて操作されうる小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口2103が開放されることを液晶表示装置1900にて示す表示や、小当り遊技状態中の演出表示をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
なお上述の通り、当該演出制御処理におけるステップS1210〜1230の処理においてセットされたコマンドは、図192に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信される。これにより、液晶制御部4150側による制御を通じて、液晶表示装置1900において上記コマンドにより示される内容(表示演出パターンなど)の表示演出が現れるようになる。
例えば、現在の遊技状態が低確率状態であり、且つ特別図柄の変動回数が後述の特定の調整回数を超えていない遊技状態にあるときは、図194(a)に示されるように、青文字からなる数字図柄(1〜6,8,9)と、特殊な文字図柄(GOOD)とが、液晶表示装置1900に表示される装飾図柄として変動可能とされている。そして、その変動停止時の態様(停止図柄)としては、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち10R確変大当りAを特定した場合には、図194(b)に示されるように、10R確変大当りA図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の図柄は同一、且つ中央に変動中に出現した特殊図柄))に決定し、大当りのうち10R確変大当りBを特定した場合には、図194(c)に示されるように、10R確変大当りB図柄(青文字からなる数字図柄の同一の数字図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち10R確変大当りCを特定した場合には、図194(d)に示されるように、10R確変大当りC図柄(特殊な文字図柄が揃って表示される組合せ)に決定し、大当りのうち10R確変大当りDを特定した場合には10R確変大当りD図柄(特殊な文字図柄が揃って表示される組合せ)に決定する。また、小当りを特定した場合には小当り図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1900に表示制御する。
なお、この実施の形態では、低確率状態であり、且つ特別図柄の変動回数が後述の特定の調整回数を超えていない遊技状態にあるときに小当りが特定された場合に現れる小当り図柄としては、10R確変大当りA図柄が特定された場合に現れる特定の表示態様(図194(b)参照)を用いるようにしている。これにより、10R確変大当りA図柄と小当り図柄とのいずれであるのか、ひいては大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」減算されるのか否かが把握され難いようになる。また後述するが、このような遊技状態においては、いわゆる右打ちによる遊技を行ったとしても、第二始動口2102には遊技球がほとんど入球されないことから、10R確変大当りDが特定されるようなことは稀であるが、10R確変大当りDが仮に特定された場合に現れる10R確変大当りD図柄としては、10R確変大当りC図柄が特定された場合に現れる特定の表示態様(図194(c)参照)を用いるようにしている。
ただし、これも後述するが、現在の遊技状態が低確率状態であっても、特別図柄の変動回数が後述の特定の調整回数を超えてからの所定期間にあるときは、いわゆる右打ちするほうが遊技者に有利となる程度にまで第二始動口2102への遊技球の入球確率がより高くなる側に調整されることとなる。そして、このような遊技状態では、大当り回数カウンタのカウンタ値が1つも減算されていないままで、いわゆる右打ちによって、10R確変大当りDのみが残りの10回分にわたって繰り返し当選されうるように遊技可能(「1000個」×「10回」=「10000個」の賞球獲得)である。また、こうした「10回」分の遊技が終了した後に時短機能が作動される遊技状態においても、これと同様、大当り回数カウンタのカウンタ値が1つも減算されていないままで、いわゆる右打ちによって、10R確変大当りDのみが残りの10回分にわたって繰り返し当選されうるように遊技可能(「1000個」×「10回」=「10000個」の賞球獲得)である。
したがって、このように「10000個」の賞球が獲得可能とされる期間にあるときは、図195(a)に示されるように、青文字からなる数字図柄(全ての数字図柄)は消滅されて、特殊な文字図柄(GOOD)と、それら文字図柄の間を埋めるブランク図柄とが液晶表示装置1900に表示される装飾図柄として変動可能とされるようにしている。なおこの場合、図柄の有効ラインは、複数ラインから1ラインに変更される。そして、その変動停止時の態様(停止図柄)としては、大当りのうち10R確変大当りC、若しくは10R確変大当りDを特定した場合には、図195(b)に示されるように、特殊な文字図柄が揃って表示される組合せに決定し、それ以外の種別の当りが得られたときは、図195(c)に示されるように、ブランク図柄が揃って表示される組合せに決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1900に表示制御する。なお、10R確変大当りC、D以外の種別の当りが得られたときは、ブランク図柄が揃って停止表示された後、10R確変大当りD(10000個の賞球獲得)のみが当選されうるように遊技可能な遊技状態が終了したことを示す演出画像が現れることとなる。ただし、小当りが当選された場合は、この後に、右打ちによる遊技が実行可能とされている遊技状態にあり、10R確変大当りD(10000個の賞球獲得)のみが当選されうるように遊技可能であることが示される演出や装飾図柄の表示態様に再び戻ることとなる。
また、現在の遊技状態が高確率状態であり、且つ右打ちによる遊技が実行可能とされない遊技状態にあるときは、大当り回数カウンタのカウンタ値が少なくとも「1」以上は減算されていることとなる。なお、高確率状態であり、且つ右打ちによる遊技が実行可能とされない遊技状態とは、時短機能が作動していない遊技状態にあるときに10R確変大当りBが当選されたことに基づいて発生する高確非時短の遊技状態のことである。
すなわちこの場合、いかなる種別の当りが得られたとしても、10000個の賞球を獲得することはできないこととなる。したがって、液晶表示装置1900においては、図196(a)に示されるように、特殊な文字図柄が表示されることはなく、青文字からなる偶数の数字図柄(2,4,6,8)と、赤文字からなる奇数の数字図柄(1,3,5,7,9)とが、液晶表示装置1900に表示される装飾図柄として変動可能とされている。そして、その変動停止時の態様(停止図柄)としては、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち10R確変大当りAを特定した場合には、図196(b)に示されるように、10R確変大当りA図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の図柄は同一、且つ中央に変動中に出現した特殊図柄))に決定し、大当りのうち10R確変大当りBを特定した場合には、図196(c)に示されるように、10R確変大当りB図柄(青文字からなる数字図柄の同一の数字図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち10R確変大当りCを特定した場合には、図196(d)に示されるように、10R確変大当りC図柄(赤文字からなる数字図柄の同一の数字図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち10R確変大当りDを特定した場合には10R確変大当りD図柄(赤文字からなる数字図柄の同一の数字図柄の組合せ)に決定する。また、小当りを特定した場合には小当り図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1900に表示制御する。
なお、この実施の形態では、高確率状態であり、且つ右打ちによる遊技が実行可能とされない遊技状態にあるときに小当りが特定された場合に現れる小当り図柄としては、10R確変大当りA図柄が特定された場合に現れる特定の表示態様(図196(b)参照)を用いるようにしている。これにより、当該遊技状態においても、10R確変大当りA図柄と小当り図柄とのいずれであるのか、ひいては大当り回数カウンタのカウンタ値が「1」減算されるのか否かが把握され難いようになる。また後述するが、このような遊技状態においては、いわゆる右打ちによる遊技を行ったとしても、第二始動口2102には遊技球がほとんど入球されないことから、10R確変大当りDが特定されるようなことは稀であるが、10R確変大当りDが仮に特定された場合に現れる10R確変大当りD図柄としては、10R確変大当りC図柄が特定された場合に現れる特定の表示態様(図196(c)参照)を用いるようにしている。
これに対し、現在の遊技状態が高確率状態であり、且つ右打ちによる遊技が実行可能とされる遊技状態にある場合であっても、大当り回数カウンタのカウンタ値は少なくとも「1」以上は減算されていることとなることから、いかなる種別の当りが得られたとしても、10000個の賞球を獲得することはできない。
ただしこの場合、右打ちによる遊技を行うようにすることで、第一特別図柄にかかる抽選処理の実行(10R確変大当りA、10R確変大当りB、10R確変大当りCに当選される可能性)を回避して、第二特別図柄にかかる抽選処理(10R確変大当りD)のみを連続して実行するようにすることはできる。したがって、液晶表示装置1900においては、図197(a)に示されるように、10R確変大当りBに対応した青文字からなる数字図柄は消滅されて、赤図柄からなる奇数の数字図柄(1,3,5,7,9)と、それら数字図柄の間を埋めるブランク図柄とが装飾図柄として変動可能とされる。なおこの場合、図柄の有効ラインは、複数ラインから1ラインに変更される。そして、その変動停止時の態様(停止図柄)としては、大当りのうち10R確変大当りB、10R確変大当りC、若しくは10R確変大当りDを特定した場合には、図197(b)に示されるように、赤図柄からなる数字図柄が揃って表示される組合せに決定し、それ以外の種別の当りが得られたときは、図197(c)に示されるように、ブランク図柄が揃って表示される組合せに決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(リーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し(図197(a)参照)、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1900に表示制御する。
ここで、現在の遊技状態が高確率状態であっても、右打ちによる遊技が実行可能とされている遊技状態としては、時短機能が作動されている遊技状態と、10R確変大当りAには当選されたものの、変動回数カウンタのカウンタ値がリセットされずに特別図柄の変動回数が特定の調整回数を超えている非時短の遊技状態とがある。そしてこのうち、時短機能が作動されている遊技状態にあるときは、図182に示されるように、いかなる当りが得られた場合であっても時短機能が大当り遊技後にすぐ終了してしまうようなことはない。ただし、非時短の遊技状態にあるときは、図182に示されるように、10R確変大当りAと10R確変大当りBとのいずれかが当選された場合は、大当り遊技後に時短は発生しないこととなる。
ところで、この実施の形態の遊技にかかる制御構造によれば、特別図柄の変動回数として計数された回数が特定の調整回数(ここでは800回)を超えるまでの間は、上記計数された回数が多くなるにつれてハズレが得られたときの遊技価値が(当りが得られたときの遊技価値をも超えるかたちで)次第に高まっていくようになる。
例えば、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、
・低確率非時短状態において「10R確変大当りA」が当選された時点での、高確率状態に移行してから9回分の大当り遊技が終了するまでに獲得することのできる純増数の期待値は「620個」、及び
・低確率非時短状態において「10R確変大当りB」が当選された時点での、高確率状態に移行してから9回分の大当り遊技が終了するまでに獲得することのできる純増数の期待値は「1520個」、及び
・低確率非時短状態において「10R確変大当りC」が当選された時点での、高確率状態に移行してから9回分の大当り遊技が終了するまでに獲得することのできる純増数の期待値は「9000個」
となっており、これらの当りの種別毎の期待値を複合すると、
・低確率非時短状態において第一特別図柄にかかる抽選処理にて大当りが得られた時点での、高確率状態に移行してから9回分の大当り遊技が終了するまでに獲得することのできる純増数の期待値は「1550個」
となっている。
なお、ここでの「純増数」とは、大当り遊技にて払い出される賞球数から、当該大当り遊技を得るまでに消費する遊技球の数と、大当り遊技中にて消費する遊技球の数とを減算した数のことである。
これに対し、特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超えた時点での純増数の期待値が「3444個」であることは上述した。そして、これも上述した通り、250発の遊技球を左打ちすると、第一始動口2101には平均して20個の遊技球が入球されるようになっている。こうした事実に鑑みると、特別図柄の変動回数が所定回数を超える前の上記非時短状態の制御中であっても、特別図柄の変動回数が649回(損得の分岐点:800回−(3444個−1550個)/12.5発)を超えた時点で、大当りに当選されるよりも、ハズレとなって特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超えるほうが遊技者にとって有利な遊技状況とされるようになる(ハズレが得られたときの遊技価値が、当りが得られたときの遊技価値を超えるようになる)。また、当りの種別と比較した場合であっても、「10R確変大当りA」はもとより、確変機能を作動させるとともに遊技者が多くの賞球数を獲得可能な「10R確変大当りB」よりもハズレのほうが遊技価値は高いといえる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、上記計数された回数が所定の演出判断回数を超えておらず、ハズレとしての遊技価値が比較的低い遊技状況(上記計数された回数が比較的少ない遊技状況)にある間は、特定の期待演出についてのハズレ時の出現頻度を低くすることによって、当該特定の期待演出が当り期待度の高い演出であることを遊技者に印象付けする制御を行う。そしてこの上で、上記計数された回数が所定の演出判断回数を超えており、ハズレとしての遊技価値が比較的高くなっている遊技状況(上記計数された回数が比較的多い遊技状況)にあるときには、当り期待度の高い演出であることを上記計数された回数が比較的少ない遊技状況にある間に印象付けしておいた上記特定の期待演出の出現頻度が高くなるように制御することとしている。
すなわちこの場合、ハズレとしての遊技価値が比較的高くなっている遊技状況(上記計数された回数が比較的多い遊技状況)にあるときには、特定の期待演出が出現したときの当り期待度これ自体は低下されることとなるものの、上記計数された回数が比較的少ない遊技状況にある間に当たり期待度の高い演出であることを印象付けしておいたことで、遊技者は、当該演出が出現する都度、当りが得られている可能性を少なくとも反射的には意識することとなる。
この点、このような遊技状況(上記計数された回数が比較的多い遊技状況)においては、遊技者は、当りが得られたときに付与される通常特典(10R確変大当りA〜Cのいずれかの種別に応じた大当り遊技)のほか、当りが得られないままで上記計数された回数が特定の調整回数(ここでは800回)を超えたときに付与される特別特典(期待値として「5000個」の純増数が得られるように、第二特別図柄にかかる抽選処理の実行が可能とされること)を意識して遊技するようになっていることから、特定の期待演出の出現によって当りが得られている可能性を意識する都度、当りが得られて欲しいとも、当りが得られて欲しくないとも思えるような複雑な感情を抱くようになる。若しくは、ハズレが得られたときの遊技価値が、当りが得られたときの遊技価値を明らかに超えているような遊技状況(例えば、当りが得られないままであと数回の図柄変動が消化すれば、特別特典が付与される遊技状況など)においては、当り期待度の高い印象が持たされている特定の期待演出が高頻度にて出現することによって特別特典が付与されるまでの間はドキドキ感の絶えない演出性が実現されるようになる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、特定の期待演出の担う役割とは、大当りの得られる期待度の高低を単に示すことだけではなく、長い遊技期間にわたって植えつけた高い大当り期待度の印象を利用することによって、その出現時には大当りに当選されている可能性を遊技者に少なくとも直感的には意識させ、こうして大当りを意識させたときに現れている特殊な遊技性(ハズレの遊技価値が高まっていく遊技性)と相まって、大当りの当落のいずれが得られてもある程度の満足感を得られるようにすること(満足感を認識させること)にある。
なお、「所定の演出判断回数」としては、特別図柄の変動回数が所定回数を超えるよりも前の上記非時短状態にあるときに、1/399の低確率にて大当りが当選されるまでに必要とされる変動回数の平均値よりも多い回数であることがより望ましい。すなわちこの場合、1/399の低確率にて大当りが当選されるまでに必要とされる変動回数の平均値を超えたときにのみ特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされることから、特定の期待演出が高頻度にて出現されるよりも前の段階にて大当りが当選されることが多くなり、この結果、特定の期待演出が高頻度にて出現される遊技状況(上記計数された回数が比較的多い遊技状況)へと移行されないままで少なくとも高確率時における演出に切り替えられることが多くなる。したがって、特定の期待演出は、基本的には、ハズレのときには低頻度でしか出現しない当り期待度の高い演出として位置付けされることとなり、これによって当り期待度の高い演出として遊技者に強く印象付けされるようになる。
[装飾図柄変動開始処理について]
以下、このような演出にかかる制御手法を含めて、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)について説明する。図198は、装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図198に示されるように、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、周辺制御MPU4140aは、まず、ステップS1221の処理として、上記ステップS1104(図193参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。すなわち、このステップ1221の処理では、主制御基板4100側にて所定の始動条件が成立されることに基づいて上記ステップS1104(図192参照)の処理にて上記変動パターン受信フラグがON状態に操作されるのを待つこととなる。
ここで、変動パターン受信フラグがON状態に操作されるまでの間、周辺制御MPU4140aでは、以下のようにデモ演出にかかる制御を行う(ステップS1291)。
すなわち、まず、液晶表示装置1900においてデモ演出を実行している状態にあるか否かを判断し、同状態にない旨判断されたときには、前回の図柄変動などの表示演出が終了してから所定時間が経過したか否かを判断する。そしてこの結果、所定時間が経過した旨判断されたときには、液晶表示装置1900においてデモ演出を開始させるべくの(液晶制御部4150に対しての)表示コマンドをセットすることとなる。そして、こうしてセットされた表示コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶制御部4150側による制御を通じて、液晶表示装置1900においてデモ演出が実行されるようになる。
なお、上記ステップS1236の処理において所定時間が経過した旨判断されなかったときは、当該装飾図柄変動開始処理を一旦終了し、変動パターン受信フラグがセットされるか(ステップS1221におけるYES)、当該ステップS1291の処理において所定時間が経過するかのどちらかの条件が満たされるまで待機する。また、当該ステップS1291の処理において、液晶表示装置1900においてデモ演出を実行している状態にある旨判断された場合は、当該デモ演出を継続する。
他方、上記ステップS1221の処理において、上記ステップS1104(図192参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にある旨判断されたときは、主制御基板4100側にて所定の始動条件が成立された状態にあるとして、液晶表示装置1900における表示演出を開始させるべくの以下のステップS1222〜ステップ1231の処理を行う。
すなわち、周辺制御MPU4140aは、まず、変動パターン受信フラグをOFF状態に操作(リセット)する(ステップS1222)。そしてこの上で、遊技状態フラグが通常遊技状態(時短機能と確変機能とのいずれもが作動しない遊技状態)にあることを示しており、且つ上記計数された回数が特定の調整回数(ここでは800回)を超えていない状態にあるかを判断する(ステップS1223)。なお、この遊技状態フラグは、例えば、大当り遊技の終了時(例えば、大当り表示処理(ステップS1250))や、100回分の特別図柄の変動が終了することに応じた時短機能の作動停止時に際し、その後に制御される遊技状態の種類を示すように操作されるものである。
そして、遊技状態フラグが通常遊技状態にあることを示しており、且つ上記計数された回数が特定の調整回数(ここでは800回)を超えていないときは(ステップS1223におけるYES)、次にステップS1224の処理として、演出モード移行条件が成立したか否かを判断する。そしてこの結果、演出モード移行条件が成立した旨判断されたときは、該成立した演出モード移行条件に応じた演出モードに設定する(ステップS1225)。なお、このステップS1224の処理において、演出モード移行条件が成立した旨判断されなかったときは、ステップS1225の処理を行うことなく、既に設定されてある演出モードの種類に基づいて演出パターンや停止図柄の決定にかかる処理などを行うこととなる(ステップS1227,S1228,S1229)。
ここで、この実施の形態にかかる演出モード移行条件は、上記計数された回数が「所定の演出判断回数」を超えたときに成立するようになっている。なお、「所定の演出判断回数」としては、予め用意されている単一の値(例えば、500回)であってもよいし、予め複数用意されている値(例えば450回、500回、550回など)のいずれかが選択的に決定されるものであってもよい。
ただし、この実施の形態にかかる周辺制御部4140は、「所定の演出判断回数」として、第1の演出判断回数と、この第1の演出判断回数に到達して以降に到達可能とされる第2の演出判断回数と、上記計数された回数が特定の調整回数(800回)よりも所定数(10回)分だけ少ない第3の演出判断回数(790回)との3種類の演出判断回数を用意するようにしている。
そしてこのうち、第1の演出判断回数については、通常演出モードから、特定の期待演出の出現頻度が高くされる出現率変更モード(ここでは、第1の出現率変更モード)への移行条件として用いられるものである。したがって、上記ステップS1224の処理において、上記計数された回数が第1の演出判断回数を超えた旨判断されない間は、出現率変更モードに設定されていない旨判断されることとなり(ステップS1226)、既に設定されてある通常演出モードにあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御RAM4140eの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御RAM4140eの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1900における演出パターン及び停止図柄を決定する(ステップ1228d)。
次いで、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1229d)。すなわち後述するが、通常演出モードにあるときと、出現率変更モードにあるときとでは、液晶表示装置1900における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が変わってくることから、この予告選択処理では、通常演出モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
そして、こうして決定された通常演出モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1230)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1231)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶表示装置1900においては、液晶制御部4150側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
一方、上記ステップS1224の処理において、上記計数された回数が第1の演出判断回数を超えた旨判断されたときは、演出モード移行条件(第1の演出モード移行条件)が成立したとして、特定の期待演出の出現頻度が高くされる出現率変更モード(ここでは、第1の出現率変更モード)に移行制御されるべくの設定を行うようにしている(ステップS1225)。すなわちこの場合、ステップS1226,S1227aの各処理を通じて、出現率変更モードのうちの第1の出現率変更モードに設定されている旨判断されることとなり(ステップS1226におけるYES,ステップS1227aにおけるYES)、第1の出現率変更モードにあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御RAM4140eの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御RAM4140eの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1900における演出パターン及び停止図柄を決定することとなる(ステップ1228a)。
次いで、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1229a)。すなわち後述するが、第1の出現率変更モードにあるときと、その他の演出モードにあるときとでは、液晶表示装置1900における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が変わってくることから、この予告選択処理では、第1の出現率変更モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
なお、こうしたステップS1228a,1229aの各処理については、上記ステップS1224の処理において、第1の演出モード移行条件が成立した旨判断された場合のほか、演出モード移行条件はいずれも成立しなかったものの、第1の出現率変更モードに既に設定されている状態にある場合にも同様に行われる。
そして、こうして決定された第1の出現率変更モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1230)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1231)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶表示装置1900においては、液晶制御部4150側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
また一方、第2の演出判断回数については、第1の出現率変更モードから、特定の期待演出の出現頻度がさらに高くされる第2の出現率変更モードへの移行条件として用いられるものである。したがって、上記ステップS1224の処理において、上記計数された回数が第2の演出判断回数を超えた旨判断されたときは、演出モード移行条件(第2の演出モード移行条件)が成立したとして、特定の期待演出の出現頻度がさらに高くされる第2の出現率変更モードに移行制御されるべくの設定を行うようにしている(ステップS1225)。すなわちこの場合、ステップS1226,S1227a,S1227bの各処理を通じて、出現率変更モードのうちの第2の出現率変更モードに設定されている旨判断されることとなり(ステップS1226におけるYES,ステップS1227aにおけるNO,ステップS1227bにおけるYES)、第2の出現率変更モードにあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御RAM4140eの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御RAM4140eの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1900における演出パターン及び停止図柄を決定することとなる(ステップ1228b)。
次いで、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1229b)。すなわち後述するが、第2の出現率変更モードにあるときと、その他の演出モードにあるときとでは、液晶表示装置1900における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が変わってくることから、この予告選択処理では、第2の出現率変更モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
なお、こうしたステップS1228b,1229bの各処理については、上記ステップS1224の処理において、第2の演出モード移行条件が成立した旨判断された場合のほか、演出モード移行条件はいずれも成立しなかったものの、第2の出現率変更モードに既に設定されている状態にある場合にも同様に行われる。
そして、こうして決定された第2の出現率変更モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1230)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1231)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶表示装置1900においては、液晶制御部4150側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
また一方、第3の演出判断回数については、通常演出モードや、第1の出現率変更モード、第2の出現率変更モードにあるときは異なる専用の演出態様が現れているもとでの演出が行われる第3の出現率変更モードへの移行条件として用いられるものである。したがって、上記ステップS1224の処理において、上記計数された回数が第3の演出判断回数(ここでは、特定の調整回数よりも所定数分だけ少ない回数)を超えた旨判断されたときは、演出モード移行条件(第3の演出モード移行条件)が成立したとして、第3の出現率変更モードに設定するようにしている(ステップS1225)。すなわちこの場合、ステップS1226,S1227a,S1227bの各処理を通じて、出現率変更モードのうちの第3の出現率変更モードに設定されている旨判断されることとなり(ステップS1226におけるYES,ステップS1227aにおけるNO,ステップS1227bにおけるNO)、第3の出現率変更モードにあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御RAM4140eの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御RAM4140eの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1900における演出パターン及び停止図柄を決定することとなる(ステップ1228c)。
次いで、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1229c)。すなわち後述するが、第3の出現率変更モードにあるときと、その他の演出モードにあるときとでは、液晶表示装置1900における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が変わってくることから、この予告選択処理では、第3の出現率変更モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
なお、こうしたステップS1228c,1229cの各処理については、上記ステップS1224の処理において、第3の演出モード移行条件が成立した旨判断された場合のほか、演出モード移行条件はいずれも成立しなかったものの、第3の出現率変更モードに既に設定されている状態にある場合にも同様に行われる。
そして、こうして決定された第3の出現率変更モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1230)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1231)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶表示装置1900においては、液晶制御部4150側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
他方、上記ステップS1223の処理において、遊技状態フラグが通常遊技状態にあることを示していない旨判断されたか、若しくは遊技状態フラグは通常遊技状態にあることを示しているものの、上記計数された回数が特定の調整回数(ここでは800回)を超えている旨判断されたときは、詳述は割愛するが、現在の遊技状態に応じた演出テーブルに基づいて演出パターンや停止図柄を決定するとともに(ステップS1228e)、現在の遊技状態に応じた予告演出テーブルにおいて、予告演出を実行するか否かの判断を含めて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)が決定される予告選択処理を実行することとなる(ステップS1229e)。
そして、こうして決定された現在の遊技状態に応じた演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1230)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1231)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図191に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御部4150に送信されることで、液晶表示装置1900においては、液晶制御部4150側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、通常演出モードと、第1の出現率変更モードと、第2の出現率変更モードとの間での特定の期待演出の出現確率をそれぞれ異ならしめるようにしている。ただし、演出の出現頻度とその出現時の期待感とは基本的にトレードオフの関係にあることに鑑みれば、特定の期待演出の出現頻度を高くしたとしても、その代わりに、特定の期待演出が出現したときの期待感が低くなるだけであるから、これだけでは遊技継続へのモチベーションの維持は図られがたいものとなってしまう。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、通常演出モードと、第1の出現率変更モードと、第2の出現率変更モードとでは、いずれの演出モードにおいても特定の演出態様が現れているもとでの演出(例えば、特定の背景画像が現れているもとで特定の装飾図柄が変動表示される演出など)が現れるように制御することとしている。すなわちこの場合、液晶表示装置1900の表示画面にて現れる演出態様を見るだけでは、いずれの演出モードに制御されている状態にあるのかが遊技者側に把握され難くなる。したがって、特定の期待演出の出現頻度が高い(特定の期待演出が出現したときに大当りとなる確率が低い)出現率変更モードにあるときに、特定の期待演出が出現した場合であっても、通常演出モードにあるときに特定の期待演出が出現したかもしれない可能性が排除されなくなることで、通常演出モードにあるときと同様の期待感をもって特定の期待演出が実行可能とされるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記計数された回数が比較的少ない期間(通常演出モード)にあるとき、特定の期待演出については、出現頻度が低い代わりに、大当り期待度は高い演出として機能させるようにすることで、高期待且つレアな演出としてのイメージを遊技者に対して植え付けるようにしている。そして、上記計数された回数が比較的多い期間(出現率変更モード)にあるときは、こうして長い遊技期間(通常演出モード)にわたって植え付けたイメージ(大当り期待度が高いことや、出現確率が低くされている希少性のある演出としての演出価値など)を利用した演出を行うこととしている。すなわちこの場合、特定の期待演出が現れたとしても、その出現時には大当りに当選されている可能性を遊技者に少なくとも直感的には意識させることができるようになり、さらにはこうした希少性のある演出を見ることができたこととも相まって、遊技継続へのモチベーションを好適に維持することができるようになる。
なお、こうしたイメージを利用した演出を実現する上では、通常演出モードから出現率変更モードに移行制御されるタイミング(第1の演出判断回数)については、大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数よりも多い回数として設定するようにすることがより望ましい。すなわちこの場合、大当りの当選確率に見合った遊技(平均回転数で大当りに当選されて上記計数された回数がリセットされる遊技)を行っている限りは、通常演出モードから出現率変更モードに移行制御されることがなくなることから、高期待且つレアな演出としてのイメージしか持たされないようになる。そして、このようなイメージのもとでは、大当りに仮に落選するようなことがあったとしても、特定の期待演出が出現しただけで遊技興趣の向上が図られることはは言うまでもない。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者の運が悪く、大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数を超えるようなことが稀に生じたような場合に限り、通常演出モードにあるときに植え付けたイメージを利用して、特定の期待演出の実行にかかる制御を上述の如く行うようにしている(出現率変更モードへの移行制御)。すなわちこの場合、大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数を超えた後に限り(遊技者の運が悪いときに限り)、これまでよりも高い頻度での特定の期待演出の出現が確認されることとなるが、これまでの遊技にて長い期間にわたって植えつけられたイメージによって、遊技者の運が悪いときでも遊技継続へのモチベーションが好適に維持されるようになる。
ただし、このような構成であったとしても、通常演出モードから出現率変更モードに移行制御されるタイミング(第1の演出判断回数)を固定の変動回数としてしまうと、上記計数された回数がこの変動回数に至ったか否かを確認するだけで、出現率変更モードにあるか否かが遊技者側に簡単に把握可能とされかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、上記ステップS1224の処理として、まず、上記計数された回数が大当りが得られるまでの平均回転数(特別図柄の変動回数)よりも多い特定の回数(例えば、450回)を超えたか否かの判断を行う。そしてこの結果、特定の回数(例えば、450回)を超えている旨判断されたことを条件に、第1の出現率変更モードへの移行制御を行うか否かについての第1の演出抽選を行うとともに、この第1の演出抽選にて演出当りが得られたことに基づいて上記計数された回数が第1の演出判断回数を超えた旨判断することとしている。すなわちこの場合、特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされている第1の出現率変更モードに移行制御されることとなる(図198:ステップS1225)。なお、第1の演出抽選では、演出当りが当選されるまでに必要とされる変動回数の平均値が100回程度となるような確率(例えば、1/100)で演出当りの当落にかかる抽選処理が行われる。
このような構成によれば、通常演出モードから出現率変更モードに移行制御されるタイミング(第1の演出判断回数)を大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数よりも多い回数として設定しつつも、同タイミング(第1の演出判断回数)についてはこれが遊技者側から把握され難くなる。したがって、第1の出現率変更モードにあるときに、特定の期待演出が出現した場合であっても、通常演出モードにあるときに特定の期待演出が出現したかもしれない可能性が排除されなくなり、これによって通常演出モードにあるときと同様の期待感をもって特定の期待演出が実行可能とされるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、こうして第1の出現率変更モードに移行制御された後は、上記ステップS1224の処理として、第2の出現率変更モードへの移行制御を行うか否かについての第2の演出抽選を行うとともに、この第2の演出抽選にて演出当りが得られたことに基づいて上記計数された回数が第2の演出判断回数を超えた旨判断することとしている。すなわちこの場合、特定の期待演出がさらなる高頻度にて出現可能とされている第2の出現率変更モードに移行制御されることとなる(図198:ステップS1225)。なお、第2の演出抽選では、演出当りが当選されるまでに必要とされる変動回数の平均値が300回程度となるような確率(例えば、1/300)で演出当りの当落にかかる抽選処理が行われる。
ただし、第1の演出抽選や第2の演出抽選にて演出当りが当選されるよりも前に、上記計数された回数が固定値(790回)として設定されている第3の演出判断回数を超えた場合は、第1の出現率変更モードや第2の出現率変更モードへの移行制御を行わないままで、第3の出現率変更モードへの移行制御が優先して行われることとなる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、第2の演出抽選にて演出当りが当選される平均回数については、第3の演出判断回数(790回)よりもこれが大きくなるように設定することとしている。すなわちこの場合、第2の出現率変更モードへの移行制御が行われないままで、第3の出現率変更モードへの移行制御が行われることが多くなることから、第2の出現率変更モードの出現これ自体に希少性(移行制御される確率が低く、且つ移行制御されたとしても短い期間しか継続されない)が持たされることとなる。
したがって、第2の出現率変更モードにあるときは、当該演出モードに制御されていることが遊技者に把握可能とされる程度にまで、特定の期待演出の出現頻度を極めて高くするようにすることがより望ましい(例えば、通常演出モードの10倍以上の出現頻度)。このような構成では、特定の期待演出が現れたときの期待感は確かに低下するものの、希少性のある演出モードによって希少性のある特定の期待演出が頻出することとなり、こうした希少性のある演出があり得ないほどに(連続的に出現する確率のほうが高くなるほどに)出現する特殊な演出環境これ自体によって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
このように、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、特定の期待演出の出現頻度が高くされる出現率変更モードへの移行制御に際し、特定の期待演出が高期待且つレアな演出であるイメージを植えつける期間(通常演出モード)を設けることとしている。しかしながら、このような期間を設けた場合であっても、上述の第1の演出抽選の結果によって比較的早い段階で出現率変更モードに移行制御されるようなことがあると、比較的長い期間にわたって特定の期待演出が高い頻度にて出現することとなることから、通常演出モードにあるときに植え付けたイメージが次第に薄れていくことにもなりかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、通常演出モードにあるときの演出実行に際しては、まず、大当り抽選の結果に基づいて特定の高期待予告演出(特定の期待演出)を行うか否かについての予告判定を行う(図198:ステップS1229d)。そして、この予告判定にて特定の高期待予告演出を行う旨判断されたときに限り、特別図柄の変動が開始されてからの特定のタイミングにて所定時間を要する高期待予告動画の表示出力を開始し、この開始から所定時間が経過するときに高期待予告動画の表示出力が終了されるように演出制御を行うこととしている(図198:ステップS1230)。
これに対し、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの演出実行に際しても、まず、大当り抽選の結果に基づいて特定の高期待予告演出を行うか否かについての予告判定を行う(図198:ステップS1229a、S1229b)。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、この予告判定にて特定の高期待予告演出を行う旨判断されなかった場合であっても、特別図柄の変動が開始されてからの特定のタイミングにて所定時間を要する高期待予告動画の表示出力が開始可能とされる制御(強行開始させる制御)を行う(図198:ステップS1230)。そしてこの上で、こうして強行開始されたときには、この強行開始から所定時間が経過するよりも前の、上記所定時間を要する高期待予告動画が完結されない中途の演出段階で当該高期待予告動画の表示出力を終了させるようにしている(図198:ステップS1230)。
このような構成によれば、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、特定の高期待予告演出としての高期待予告動画の表示出力が高い頻度にて開始されることとはなるものの、上記予告判定にて特定の高期待予告演出を行う旨判断されていないときには、その中途の演出段階にて表示出力が終了されることとなる。これにより、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、特定の高期待予告演出が高い頻度にて出現するようになりつつも、その演出信頼度(当該演出が現れたときに大当りが得られる確率)についてはこれを好適に維持することができるようになる。
また逆に言えば、上記計数された回転数の比較的少ない通常演出モード(大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数よりも少ない期間)にあるときは、特定の高期待予告演出が出現したときにはこれが必ず完結されるまで表示出力される表示パターンのみが出現可能とされることとなる。すなわちこの場合、大当りの当選確率に見合った遊技(平均回転数で大当りに当選されて上記計数された回数がリセットされる遊技)を行っている限りは、特定の高期待予告演出がその中途の演出段階で終了されることがないことから、所定時間を要する高期待予告動画の表示出力が開始された時点から期待度の高い予告演出としてのイメージしか持たされない。
この点、この実施の形態にかかる第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、こうして長い遊技期間(通常演出モード)にわたって植え付けたイメージ(所定時間を要する高期待予告動画の表示出力が開始された時点から期待度の高い予告演出としてのイメージ)を利用した演出を行うこととしている。すなわちこの場合、所定時間を要する高期待予告動画の表示出力がその途中で終了されるとしても、その出現時には大当りに当選されている可能性を遊技者に少なくとも直感的には意識させることができるようになり、さらにはこうした希少性のある演出を見ることができたこととも相まって、遊技継続へのモチベーションを好適に維持することができるようになる。
なお、所定時間を要する高期待予告動画についての表示出力にかかる制御手法としては、中途の演出段階にて終了させる場合と、中途の演出段階にて終了させない場合とで長さの異なる動画を予め用意しておき、それら動画を選択的に表示出力することによって行うようにしてもよい。
しかしながら、このような制御を行った場合であっても、通常演出モードにおいて出現比率が低くされている高期待予告動画のうちの完結部分については、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においても依然として出現率が低いままにされることとなる。したがって、通常演出モードにあるときにこうして希少性を持たせられている演出を、出現率変更モードにあるときには高頻度にて出現させることによって遊技継続へのモチベーションの維持を図るようにすることが困難とされる懸念がある。
ただしその一方で、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、こうした高期待予告動画の出現比率を高くした上で、これを最期の完結部分まで単純に出現させるようにしてしまうと、特定の高期待予告演出としての演出信頼度に悪影響を及ぼしかねないことは上述した通りである。したがって、特定の高期待予告演出については、通常演出モードにあるときと、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときとでそれぞれ以下のように制御するようにすることがより望ましい。
図201は、特定の高期待予告演出にて現れる高期待予告動画の表示出力にかかる制御手法についての一例を示すタイムチャートである。
すなわち、まず、通常演出モードにおいては、予告判定にて特定の高期待予告演出を行う旨判断されたときに限り(図198:ステップS1229d)、特別図柄の変動が開始されてからの特定のタイミングにて所定時間を要する高期待予告動画の表示出力を開始し、この開始から所定時間が経過するときに高期待予告動画の表示出力が終了(完結)されるように演出制御を行うことは上述した通りである。ただしここでは、高期待予告動画の表示出力が開始されて以降に、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容されるように制御することとしている。
例えば、いま、通常演出モードにおいて、図201(a)に示されるように、高期待予告動画の表示出力が開始されて以降の第1の中途演出タイミングtb1にあるとすると、この実施の形態にかかる周辺制御部4140は、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)を許容させるべくの制御を行う。この制御は、第1の中途演出タイミングtb1から、高期待予告動画の表示出力が終了(完結)されるよりも前の第2の中途演出タイミングtb2までの期間にわたって行われる。したがって、当該期間において、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作があったときは、該演出操作に基づいて、大当り期待度の異なる複数の予告演出画像のいずれかが出現されるなど、所定の演出が新たに出現可能とされる追加演出を行うこととなる。
ただし、通常演出モードにおいて、第1の中途演出タイミングtb1から第2の中途演出タイミングtb2までの期間内に、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作がなかった場合は、所定の演出が新たに出現可能とされる追加演出を行うことなく、高期待予告動画の表示出力が開始されてから所定時間が経過するときにこれを完結させるかたちで終了することとなる。
これに対し、いま、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、図201(a)に示されるように、高期待予告動画の表示出力が開始されて以降の第1の中途演出タイミングtb1にあるとすると、この場合も同様、当該表示出力が強行開始されたものであるか否か(特定の高期待予告演出を行う旨判断されているか否か)にかかわらず、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作を許容させるべくの制御を行う。またこれも同様、この制御は、第1の中途演出タイミングtb1から、高期待予告動画の表示出力が終了(完結)されるよりも前の第2の中途演出タイミングtb2までの期間にわたって行われる。またさらに、これも同様、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においても、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作があったことに基づいて、大当り期待度の異なる複数の予告演出画像のいずれかが出現されるなど、所定の演出が新たに出現可能とされる追加演出が行われうる。
ただし、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、特定の高期待予告演出を行う旨判断されていないにもかかわらず強行開始されている高期待予告動画に対して遊技者による演出操作があった場合は、図201(b)に示されるように、こうして強行開始されている高期待予告動画の表示出力を、その中途の演出段階となるタイミング(演出操作されたタイミング)tbxにて終了させることとしている。このような制御手法であっても、高期待予告動画の表示出力が強行開始されている場合には、この強行開始から所定時間が経過するよりも前の、上記所定時間を要する高期待予告動画が完結されない中途の演出段階で当該高期待予告動画の表示出力は終了される。したがって、特定の高期待予告演出としての演出信頼度(当該演出が現れたときに大当りが得られる確率)は好適に維持されるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御部4140ではさらに、こうして高期待予告動画の表示出力が強行開始されている場合であっても、当該期間において、特定の高期待予告演出(高期待予告動画)に対する遊技者による演出操作がなかった場合は、図201(c)に示されるように、その高期待予告動画の表示出力を中途の演出段階となるタイミングにて終了させることなくこれが完結されるまで継続させるようにしている。すなわちこの場合、大当り期待度についてのさらなる詳細を確認するべく演出操作を行うのか、それとも大当り期待度についてのさらなる詳細を確認することのできる機会を犠牲にしても希少性のある高期待予告動画の表示出力が完結されるまで継続されるようにするのかを、遊技者による意思次第(操作次第)でその都度の選択が可能とされることとなる。これにより、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、特定の高期待予告演出としての演出信頼度への悪影響を及ぼすことなく、本来は低い頻度でのみ出現可能とされる高期待予告動画の全てを、遊技者による意思次第(操作次第)で、高頻度にて楽しむことができるようになる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、通常演出モードと、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)とのいずれにあるのかを遊技者側が把握困難となるようにしつつ、上記計数された回転数が大きくなるにつれて、特定の期待演出の出現確率が高くなるようにしている。ただし、上記液晶表示装置1900にて現れる演出パターンは、上記主制御MPU4100a側にて決定される変動時間(変動パターン)に準拠されるものである。したがって、例えば、リーチ変動パターンなどの主制御MPU4100a側でのリーチ判定に基づいてその実行の有無が決定される高期待の変動パターン(比較的長い変動時間)に対応付けされた高期待演出パターンの出現確率を周辺制御部4140側にて単純に高くするようなことがあると、主制御MPU4100a側での特別図柄にかかる変動制御との間にズレが生じることとなる。
しかしながら、こうして出現確率が高くされる特定の期待演出として、周辺制御部4140側の制御の範囲内だけで適宜に設定変更可能とされる予告演出(主制御MPU4100a側にて決定される変動パターン(変動時間)に準拠される演出パターンに対して追加的に出現可能とされる演出)のみを用いるようにした場合は、上記主制御MPU4100a側にて決定される変動パターン(変動時間)に準拠される演出パターンとの間で、演出に対する期待感にズレが生じかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御部4140では、上記計数された回転数が比較的多い期間(第1の出現率変更モード、第2の出現率変更モード)にあるときには、上記主制御MPU4100a側にて高期待の変動パターン(比較的長い変動時間)を行うことが決定(リーチ判定)されたか否かにかかわらず、リーチ状態を早期形成させることによって高期待演出パターンとしてのリーチ演出を頻出させるべくの制御を行うこととしている(ステップS1228a,S1228b)。
以下、図199及び図200を参照して、通常演出モードにあるときと、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの演出パターンの設定手法についてその一例を説明する。
図199は、通常演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1228d)についての一例を示すフローチャートである。
同図199に示されるように、通常演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1228d)では、まず、上記ステップS1104(図192参照)の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1301)。ここで、通常演出モード時の演出パターン決定テーブルにおいては、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定したり、遊技や演出にかかる状態に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして演出パターンが決定された後は、当選情報コマンドにより示される大当り抽選の結果に基づいて、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。なお、液晶表示装置1900における装飾図柄については、特別図柄の変動停止に合わせるように(確定停止コマンドがセットされていることに基づいて)停止するものとなっている。
すなわち、まず、上記ステップS1106の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて大当り抽選の結果が大当りであるか否かについての判断を行う(ステップS1302)。そしてこの結果、大当り抽選の結果が大当りであるときは、大当り時の停止図柄を決定した時点で(ステップS1303)、当該ステップS1228d(図198参照)の処理を終了する。ただし、大当り抽選の結果として得られた大当りの当選種(10R確変大当りA〜D)によっても、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)がそれぞれ異なるように決定されることは上述した通りである(図194(b)〜(d))。
また、大当り抽選の結果が大当りでないときは(ステップS1302におけるNO)、同結果が小当りであるか否かについての判断を行うとともに(ステップS1304)、大当り抽選の結果が小当りであるときは、小当り時の停止図柄を決定することとなる(ステップS1305)。すなわちこの場合、大当り抽選の結果として「10R確変大当りA」が得られたときにも現れる短開放の図柄組み合わせを、小当り時の停止図柄として決定することとなる(図194(b))。
また、大当り抽選の結果が小当りでないときは(ステップS1304におけるNO)、次にステップS1306の処理として、リーチが形成される表示演出(高期待演出パターンとしての高期待ハズレ演出)であるか否かについての判断が行われる。そしてこの結果、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄(ただし、短開放の図柄組み合わせとは異なる)を決定した時点で(ステップS1307)、当該ステップS1228d(図198参照)の処理を終了するのに対し、リーチが形成される表示演出でないときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1308)、当該ステップS1228d(図198参照)の処理を終了する。
図200は、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1228a,S1228b)についての一例を示すフローチャートである。
同図200に示されるように、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1228a,S1228b)では、まず、上記ステップS1104の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1321)。ここで、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの演出パターン決定テーブルにおいても、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた演出抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定するか、大当りの種別に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして演出パターンが決定された後は、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においても同様、当選情報コマンドにより示される大当り抽選の結果に基づいて、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。すなわち、まず、上記ステップS1106の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて大当り抽選の結果が大当りであるか否かについての判断を行う(ステップS1322)。そしてこの結果、大当り抽選の結果が大当りであるときは、大当り時の停止図柄を決定した時点で(ステップS1323)、当該ステップS1228a,S1228b(図198参照)の処理を終了する。また、大当り抽選の結果として得られた大当りの当選種(10R確変大当りA〜D)によっても、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)がそれぞれ異なるように決定される点についても、通常演出モードにあるときと同様である(図194(b)〜(d))。
また、これも同様、大当り抽選の結果が大当りでないときは(ステップS1322におけるNO)、同結果が小当りであるか否かについての判断を行うとともに(ステップS1324)、大当り抽選の結果が小当りであるときは、小当り時の停止図柄を決定することとなる(ステップS1325)。すなわちこの場合、大当り抽選の結果として「10R確変大当りA」が得られたときにも現れる短開放の図柄組み合わせを、小当り時の停止図柄として決定することとなる(図194(b))。
また、これも同様、大当り抽選の結果が小当りでないときは(ステップS1324におけるNO)、次にステップS1326の処理として、リーチが形成される表示演出(高期待演出パターンとしての高期待ハズレ演出)であるか否かについての判断が行われる。そしてこの結果、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄(ただし、短開放の図柄組み合わせとは異なる)を決定した時点で(ステップS1327)、当該ステップS1228a,S1228b(図198参照)の処理を終了する。
ただし、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、上記ステップS1326の処理にてリーチが形成される表示演出(高期待ハズレ演出)である旨判断されなかった場合は、上記主制御MPU4100a側にて相対的に変動時間の長い期待変動パターン(高期待の変動パターン)を行うことが決定(リーチ判定)されていないにもかかわらず、周辺制御MPU4140a側が独自にリーチ演出を行うか否かの判断を行う(ステップS1328)。すなわち後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100a側にて高期待の変動パターン(比較的長い変動時間)を行うことが決定(リーチ判定)されていない場合であっても、予め定められている特別の変動パターン(特別の変動時間)が決定されているときは、リーチ状態を早期形成させることによって特別のリーチ演出パターンが現れるようにしている。
したがって、上記ステップS1328の処理において、独自にリーチ演出を行う旨判断されたときは、リーチハズレの停止図柄(ただし、短開放の図柄組み合わせとは異なる)を決定した時点で(ステップS1329)、当該ステップS1228a,S1228b(図198参照)の処理を終了するのに対し、独自にリーチ演出を行う旨判断されなかったときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1330)、当該ステップS1228a,S1228b(図198参照)の処理を終了することとなる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100a側から後述の演出コマンド「01H」〜「03H」のいずれかを受信したときに、主制御MPU4100a側にて予め定められている特別の変動パターン(特別の変動時間)が決定されている旨判断することとなる。すなわちこの場合、通常演出モードにあるときと、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときとで異なる演出パターンが現れるように制御することとなり、これによって主制御MPU4100a側にて高期待の変動パターン(比較的長い変動時間)を行うことが決定(リーチ判定)されていない場合であっても、特別のリーチ演出パターンが現れるようになる。
以下、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aによるこうした各種処理(ステップS1228a,S1228b,S1228d)が実行されたときに現れる表示演出の一例について説明する。図202は、主制御MPU4100a側にて上述した変動パターン(特定の変動パターン)が決定されたときに、液晶表示装置1900にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。
ここで、こうした表示演出の一例についての説明を行うにあたり、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aによる変動パターン(変動時間)の決定手法についてまずは説明しておく。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、大当り抽選の結果がハズレであるときには、遊技状況の別に用意されているリーチ判定テーブルに基づいて、相対的に短い変動時間が割り当てられている通常変動パターンと、相対的に長い変動時間が割り当てられている期待変動パターン(高期待の変動パターン)とのいずれをもって特別図柄の変動表示にかかる制御を行うかについての判断を行う。そして通常は、このように相対的に長い変動時間が割り当てられている期待変動パターン(高期待の変動パターン)をもって特別図柄の変動表示にかかる制御を行う旨判断されたときに、周辺制御部4140側での処理を通じて、リーチ演出などの高期待演出パターンが現れることとなる。
これに対し、通常変動パターンをもって特別図柄の変動表示にかかる制御を行う旨判断されたときは、基本的には、相対的に短い変動時間(通常変動パターン)をもった特別図柄の変動表示が現れることとなる。ただし、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、通常変動パターンでの変動表示に際しては、第1の特別図柄(若しくは、第2の特別図柄)の抽選(変動)が保留されているか否かを判断する。そして、同抽選が保留されているときは、同抽選が保留されていないときよりも、その短い変動時間(通常変動パターン)がさらに短縮されるかたちとなるように特別図柄の変動表示にかかる制御(短縮変動パターンにかかる制御)を行うものとなっている(例えば、保留数が2以上で短縮変動パターンでの制御が行われるなど)。
[通常演出モード、演出コマンド「01H」のときの演出パターンについて]
この演出コマンド「01H」は、主制御MPU4100a側にて上述の短縮変動パターンにかかる制御が行われるときに、周辺制御MPU4140aが受信するものである。
すなわち、図202(a)に示されるように、いま、通常演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側の大当り抽選にてハズレが得られたことに基づいて、上述の短縮変動パターンにかかる制御(保留数が所定数以上の場合の制御)が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1900においては、演出コマンド「01H」に対応付けされている短縮変動時の表示演出が開始される。この短縮変動時の表示演出(短縮変動時の演出パターン)は、液晶表示装置1900における装飾図柄が上記短縮された変動時間t1(例えば、6秒間)分だけ変動表示されることにより行われる。したがって、こうして開始された短縮変動時の表示演出では、短縮された変動時間t1が経過した時点で、リーチが形成されない不揃いの停止図柄が現れるかたちで装飾図柄が確定停止されることによって終了されることととなる。
[通常演出モード、演出コマンド「02H」のときの演出パターンについて]
この演出コマンド「02H」は、主制御MPU4100a側にて上述の通常変動パターンにかかる制御が行われるときに、周辺制御MPU4140aが受信するものである。
すなわち、図202(b)に示されるように、いま、通常演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側の大当り抽選にてハズレが得られたことに基づいて、上述の通常変動パターンにかかる制御(保留数が所定数未満の場合の制御)が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1900においては、演出コマンド「02H」に対応付けされている通常変動時の表示演出(通常変動時の演出パターン)が開始される。この通常変動時の表示演出は、液晶表示装置1900における装飾図柄が通常変動時の変動時間t2(例えば、12秒間)分だけ変動表示されることにより行われる。したがって、こうして開始された通常変動時の表示演出では、通常変動時の変動時間t2が経過した時点で、リーチが形成されない不揃いの停止図柄が現れるかたちで装飾図柄が確定停止されることによって終了されることととなる。
[通常演出モード、演出コマンド「03H」のときの演出パターンについて]
この演出コマンド「03H」は、主制御MPU4100a側にて上述の期待変動パターン(高期待の変動パターン)にかかる制御が行われるものの、こうした期待変動パターンの中では比較的短い変動時間t3(通常変動時の変動時間t2よりは長い)しか持たされていない特定変動パターンが選択されたときに、周辺制御MPU4140aが受信可能とされるものである。
すなわち、図202(c)に示されるように、いま、通常演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側の大当り抽選にてハズレが得られたことに基づいて、上述の特定変動パターンにかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1900においては、演出コマンド「03H」に対応付けされている特定変動時の表示演出が開始される。この特定変動時の表示演出(ノーマルリーチ時の演出パターン)では、通常変動時の変動時間t2が経過するより若干だけ早いタイミング(短縮変動時の変動時間t1の経過よりは後のタイミング)tr2にて、上記液晶表示装置1900における装飾図柄がリーチ状態を形成する。そして、こうしてリーチ状態とされた装飾図柄については、背景画像が変更されないままでリーチ演出を行った後、当該制御が開始されてから特定変動時の変動時間t3(例えば、20秒間)が経過した時点で、リーチハズレの停止図柄が現れるかたちで確定停止されることとなる(いわゆるノーマルリーチ演出)。
ところで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100a側から演出コマンド「01H」〜「03H」のいずれかを受信したときに、主制御MPU4100a側にて予め定められている特別の変動パターン(特別の変動時間)が決定されている旨判断することは上述した通りである。しかしながら、通常演出モードにおいては、演出コマンド「01H」〜「03H」のいずれを受信した場合であっても、周辺制御MPU4140a側にて独自にリーチ演出(特別のリーチ演出パターン)を行うべくの制御が行われることはない。すなわち上述の通り、演出コマンド「01H」〜「03H」の別にそれぞれ対応付けされている演出パターン(短縮変動時の演出パターン、通常変動時の演出パターン、ノーマルリーチ時の演出パターン)が現れるべくの制御を行うこととなる。したがって、通常演出モードにあるときのそれらの表示演出では、期待度の比較的低い演出パターンが互いに異なる演出内容として現れるだけである。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに、演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」のいずれかを受信したときは、以下の各処理を順次実行する。すなわち、まず、周辺制御MPU4140a側での独自のリーチ演出を行うか否かについての独自演出抽選を行う。
なお、この独自演出抽選では、第1の出現率変更モードにあるときよりも、第2の出現率変更モードにあるときのほうが高い確率で独自のリーチ演出を行う旨判断される。より具体的には、第1の出現率変更モードにあるときは、独自のリーチ演出を行う旨判断される確率よりも、独自のリーチ演出を行う旨判断されない確率のほうが高くされるのに対し、第2の出現率変更モードにあるときは、独自のリーチ演出を行う旨判断されない確率よりも、独自のリーチ演出を行う旨判断される確率のほうが高くされる。これにより、第1の出現率変更モードにあるときは、通常演出モードに制御されている可能性を排除し難くなり、ひいては独自のリーチ演出(後述する特別のリーチ演出パターン)が現れたときの遊技興趣の向上を好適に図ることができるようになる。また、第2の出現率変更モードにあるときは、少なくとも通常演出モードにおいては希少性のある独自のリーチ演出(後述する特別のリーチ演出パターン)が連続的に出現し易くなり、こうした特殊な演出環境これ自体によって遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
そしてこの結果、独自のリーチ演出を行う旨判断されたときは、演出コマンド「01H」〜「03H」のいずれであるかにかかわらず、短縮変動時の変動時間t1が経過するよりも早い特定のタイミングtr1にてリーチ状態を早期形成させる処理を行う。そして、こうしてリーチ状態が早期形成されてから、受信された演出コマンド「01H」〜「03H」に応じた変動時間t1〜t3が経過するまでの間は、後述のリーチ演出(図203〜図207参照)が現れるように制御する。なお、独自のリーチ演出を行う旨判断されなかったときは、通常演出モードにある場合と同様、受信された演出コマンド「01H」〜「03H」の別にそれぞれ対応付けされている演出パターン(短縮変動時の表示演出、通常変動時の表示演出、ノーマルリーチ演出)が現れるように制御されることとなる。
このような周辺制御MPU4140a側での独自のリーチ演出によれば、上記計数された回転数が比較的多い第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときには、同回転数が比較的少ない通常演出モードの場合と比較して、主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、高期待演出の一種であるリーチ演出の出現率を向上させることができるようになる。
ところで、このような独自のリーチ演出を実現する上では、上述の短縮された変動時間t1が経過するよりも早い特定のタイミング(例えば、変動開始から2秒経過したタイミング)tr1にてリーチ状態を早期形成させることが必須となる。ただし、このような特殊性のあるリーチ演出を、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときにしか出現可能とされないようにしてしまうと、リーチ状態を早期形成した場合であっても、当該リーチ演出が期待度の高い演出パターンとして認識されずに遊技興趣の維持が図られない懸念がある。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、いわゆるノーマルリーチ演出に用いられる変動時間t3よりも長い特定の変動時間t4が持たされている特定の期待変動パターン(高期待の変動パターン)が選択されたときは、通常演出モードと第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)とのいずれにあるかにかかわらず、上述の如くの特殊性を持たせたリーチ演出を行うこととしている。なお、通常演出モードにおいて、特定の期待変動パターンが出現したときの期待度(大当りが当選されている確率)については、演出コマンド「01H」〜「03H」の別にそれぞれ対応付けされている演出パターン(短縮変動時の表示演出、通常変動時の表示演出、ノーマルリーチ演出)のいずれが出現した場合よりも高くしておくことが、遊技興趣の維持を図る上で重要である。
[演出コマンド「04H」のときの演出パターンについて]
この演出コマンド「04H」は、主制御MPU4100a側にて、期待変動パターンのうちの上述の変動時間t4が持たされている高期待の変動パターンが選択されたときに、周辺制御MPU4140aが受信可能とされるものである。
すなわち、図202(d)に示されるように、いま、通常演出モードと第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)とのいずれかに設定されているときに、主制御MPU4100a側の大当り抽選(大当り、若しくはハズレ)の結果に基づいて、上述の変動時間t4が持たされている高期待の変動パターンにかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1900においては、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出が開始される。
以下、図203〜図207を参照しつつ、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(特定の期待演出パターン)についてその一例を説明する。なおここでは、通常演出モードと第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)とのいずれに制御されている場合であっても、基本的には、図203〜図207に示される実線にて示される演出ルートを辿って演出が進行される。ただしここでは、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)の場合については後述することとし、通常演出モードにあるときの高期待の表示演出について説明する。
より具体的には、図203に併せて示されるように、液晶表示装置1900の表示画面においてはまず、複数の装飾図柄列についての変動表示が行われる演出画像EG1が現れる。次いで、上述のタイミングtr1では、こうして変動表示されている複数の装飾図柄列によってリーチ状態が早期形成される演出画像が現れる。この高期待の表示演出では、こうしてリーチ状態が早期形成された時点で、リーチ状態が早期形成される前とは異なる特定の背景画像に切り替えられる。そしてこの後は、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れているもとでのリーチ演出が行われることとなる。
こうしてリーチ演出が早期開始された後は、まず、第1の予告判定(図198:ステップS1229d)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過するまでの時間を利用して第1の予告演出が行われる演出画像EG2aが現れることとなる。
ここで、この第1の予告演出では、予告期待度(予告出現時に大当りとなる確率)が異なる複数種の表示態様が用意されており、第1の予告判定の結果(演出当りの種類)に基づいて、それら表示態様のいずれかが選択的に表示される。なお、図203に示されている演出画像EG2aでは、主人公となる味方キャラクタが出現する表示態様をもって第1の予告演出が行われている。ただし後述するが、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに限っては、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様をもって第1の予告演出が行われる演出画像EG2bが現れうる。
そして、図202(d)及び図204に示されるように、こうして第1の予告演出が行われる演出画像EG2aが現れた後は、第2の予告判定(図198:ステップS1229d)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過した以降であって、通常変動時の変動時間t2が経過するよりも前の時間を利用して第2の予告演出が行われる演出画像EG3aが現れることとなる。なお、第1の予告演出が行われなかった場合であっても、第2の予告判定にて演出当りが得られているときは第2の予告演出が行われる演出画像EG3aが現れうる。
ここで、この第2の予告演出も同様、予告期待度(予告出現時に大当りとなる確率)が異なる複数種の表示態様(ここでは、主人公となる味方キャラクタによるセリフの種類)が用意されており、第2の予告判定の結果(演出当りの種類)に基づいて、それら表示態様のいずれかが選択的に表示される。図204に示されている演出画像EG3aでは、主人公となる味方キャラクタが「よくも仲間を・・・!仇をとる!」とのセリフを述べている表示態様をもった第2の予告演出が行われている。なお、第2の予告判定にて演出当りが得られていないときは、主人公となる味方キャラクタは映し出されるものの、セリフが何も述べられることのない演出画像が現れることとなる。
また後述するが、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに限っては、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(敵キャラクタの出現と、敵キャラクタによるセリフなど)をもって第2の予告演出が行われる演出画像EG3bが現れうる。そして、これも後述するが、この第2の予告演出では、このような表示態様の変更を通じて、味方となるキャラクタと、敵となるキャラクタとの間にどのような過去(ストーリー)があったのかが上記計数された回数が多くなっていくにつれて解明されていくかたちで、当該予告演出としての表示態様(出現可能とされるセリフ)が変化されるようにしている。
そして、図202(d)及び図205に示されるように、こうして第2の予告演出が行われる演出画像EG3a(若しくは、演出画像EG3b)が現れた後は、通常変動時の変動時間t2が経過した以降、主人公となる味方キャラクタと敵キャラクタとが決闘する様子が映し出される演出画像EG4、及び敵キャラクタが先に攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG5が順次に現れることとなる。そしてこの後は、特定変動時の変動時間t3が経過するよりも前の時間を利用して主人公となる味方キャラクタによる第3の予告演出が行われる演出画像EG6aが現れる。
ここで、この第3の予告演出も同様、予告期待度(予告出現時に大当りとなる確率)が異なる複数種の表示態様(ここでは、主人公となる味方キャラクタのオーラの色の種類)が用意されており、第3の予告判定の結果に基づいて、それら表示態様のいずれかが選択的に表示される。図205に示されている演出画像EG6aでは、主人公となる味方キャラクタのオーラが赤色とされている表示態様をもった第3の予告演出が行われている。なお、第3の予告判定では演出ハズレが得られることはなく、その判定結果の種類に応じたオーラの色が選択的に表示されるようになっている。
ただし後述するが、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに限っては、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(敵キャラクタの出現など)をもって第3の予告演出が行われる演出画像EG6bが現れうる。
そして、図202(d)及び図206に示されるように、こうして第3の予告演出が行われる演出画像EG6a(若しくは、演出画像EG6b)が現れた後は、主人公となる味方キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、この味方キャラクタが敵キャラクタによる攻撃を回避する様子が映し出される演出画像EG7aが現れる。次いで、この味方キャラクタが攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG8aが現れた後に、当該表示演出にかかる変動時間t4が経過するよりも前の時間を利用して、第4の予告判定にて演出当りが得られていることを条件に、所定時間を要する予告動画の表示出力を開始し、この開始から所定時間が経過するときに予告動画の表示出力が終了される演出画像EG9aが現れるようにしている(第4の予告演出)。
ただし、この所定時間を要する予告動画(第4の予告演出)では、その動画途中の演出段階で遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容されていることが示される演出表示が行われるようにしている。そして、同演出表示が行われている期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったときは、該演出操作に基づいて、大当り期待度の異なる予告表示態様のいずれかが出現されるなど、所定の演出が新たに出現可能とされる追加演出を行うこととしている。
なおここでは、第4の予告判定(図198:ステップS1229d)にて得られた演出当りの種類に基づいて、遊技者による演出操作があったときに生じる背景色の変化によって大当り期待度が示される。これに対し、遊技者による演出操作がなかったときは、背景画像の色に変化が生じないままで所定時間を要する予告動画が完結されることとなる。ただし、こうした第4の予告演出は、第4の予告判定にて演出当りが得られていることを条件に行われるものである。したがって、遊技者による演出操作がなく、背景画像の色に変化が生じないままで所定時間を要する予告動画が完結された場合であっても、当該予告演出が現れなかった場合よりも大当りが得られている可能性が高いことは示される。
そして、図202(d)及び図207に示されるように、こうして第4の予告演出が行われる演出画像EG9aが現れた後は、主人公となる味方キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、この味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が映し出される演出画像EG10aが現れる。そしてこの後、大当り抽選にて10R確変大当りB,C,Dのいずれかに当選されているときは、該当選に応じた図柄が揃った図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11aが現れることとなる。なお、図207に示されている演出画像EG11aでは、10R確変大当りBの当選に応じて数字図柄「5」が3つ揃いとなる図柄組合せが停止表示されている。
一方、大当り抽選にて10R確変大当りA,小当り,ハズレのいずれかが得られているときは、まず、図207に示されるように、リーチハズレとなる図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11bが現れる。ただし、ハズレが得られているときにはそれらの装飾図柄がそのまま確定停止されるのに対し、10R確変大当りAと小当りとのいずれかが得られているときには、それらの装飾図柄が確定停止される前に、中央の図柄のみが特殊図柄に置き換えられることとなる(図194(b)参照)。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、通常演出モードにおいては、上述のタイミングtr1にてリーチ状態が早期形成されさえすれば(その出現確率は低いものの)、変動時間t4を要する比較的長い時間を要する表示演出(特定の期待演出パターン)がその中途の演出段階で終了されることなく、その完結部分まで表示出力されるストーリー系の演出として実行されるようにしている。これにより、このような演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出については、上記計数された変動回数の比較的少ない期間(通常演出モード)にあるときに、リーチ状態が早期形成された時点で期待度が高く且つ希少性のある演出パターンが現れるイメージが遊技者に対して植えつけられるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、このようなイメージが植え付けられた後の遊技期間(第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード))にあっては、演出コマンド「04H」のみならず、演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」のいずれかが受信された場合であっても、リーチ状態が早期形成される演出パターン(特定の期待演出パターン)を出現させる制御を行うこととしている。すなわちこの場合、短縮変動パターンにかかる制御が行われるような場合であっても、液晶表示装置1900においてはリーチ状態が早期形成されうるようになることから、主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(タイミングtr1でリーチ状態が早期形成されて、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れる演出内容)の出現率を向上させることができるようになる。
以下、図202〜図207を参照して、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」のいずれかが受信されたときに、周辺制御MPU4140a側にて独自に行われるリーチ演出の内容について説明する。ただしここでは、基本的には、図203〜図207において点線にて示される演出ルートを辿って演出が進行される。
[第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)、演出コマンド「01H」のときの演出パターンについて]
上述の通り、この演出コマンド「01H」は、主制御MPU4100a側にて上述の短縮変動パターンにかかる制御が行われるときに、周辺制御MPU4140aが受信するものである。すなわち、通常演出モードにおいて、当該演出コマンド「01H」が受信されたときは、短縮変動時の表示演出が液晶表示装置1900にて現れるように制御されることとなる。
これに対し、いま、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに、当該演出コマンド「01H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う旨判断したとする(ステップ1228b,1228c)。そして、独自のリーチ演出にかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、図202(a)に示されるように、液晶表示装置1900においては、当該演出コマンド「01H」に対応付けされている短縮された変動時間t1内ではあるものの、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容が現れるかたちでの表示演出が開始される(短縮変動時の演出内容はなく、特定の期待演出パターンにおいても現れる高期待の演出内容にかかる表示出力が開始される)。
より具体的には、図203に併せて示されるように、液晶表示装置1900の表示画面においてはまず、複数の装飾図柄列の変動表示が行われる演出画像EG1が現れる。次いで、上述のタイミングtr1では、短縮変動パターンであるにもかかわらず、こうして変動表示されている複数の装飾図柄列によってリーチ状態が早期形成される演出画像が現れる。そしてこれも同様、こうしてリーチ状態が早期形成された時点で、リーチ状態が早期形成される前とは異なる特定の背景画像に切り替えられることで、短縮変動パターンであるにもかかわらず、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れているもとでのリーチ演出が行われることとなる。
すなわちこの場合、短縮変動パターンにかかる制御が行われるにもかかわらず、液晶表示装置1900においてはリーチ状態が早期形成されることとなり、これによって主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(タイミングtr1でリーチ状態が早期形成されて、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れる演出内容)の出現率を向上させることができるようになる。
こうしてリーチ演出が早期開始された後は、短縮変動時の変動時間t1が経過するまでの時間を利用して第1の予告演出が必ず現れるようにしている(図198:ステップS1229a,ステップS1229b)。ただしここでは、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(ここでは、敵キャラクタの出現)をもった演出画像EG2bが必ず現れることとなる。この意味では、いずれの表示態様を出現させるのかについての予告判定を必ずしも行わなくてもよいし、演出パターンに対して追加的に表示される予告画像ではなく、演出パターンこれ自体に予め組み込まれている演出画像であってもよい。
そして、このような演出画像EG2bによって第1の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われたときには、大当り抽選にてハズレが得られている可能性が極めて高いことが示されたとして、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容をその中途の演出段階(味方キャラクタと敵キャラクタとの決着が付く前)で終了させるべく、短縮された変動時間t1が経過した時点でリーチハズレの停止図柄によって装飾図柄が確定停止される演出画像EG2bsを出現させることとしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別図柄の変動回数として計数された回数が特定の回数(ここでは800回)を超えるまでの間は、上記計数された回数が多くなるにつれてハズレが得られたときの遊技価値が(当りが得られたときの遊技価値をも超えるかたちで)次第に高まっていくようにしている。
そして、このようなハズレの価値が高められている遊技性が実現されているもと(出現率変更モード)での予告演出は、これまでの遊技にて得られてきた数々のハズレを全て無価値に帰してしまうかのような抽選結果(大当り)が得られている可能性を意識付けさせる演出として機能しうる。この点、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあっては、通常演出モードにおいて出現可能とされる複数種の表示態様のうち、予告期待度の最も低い表示態様よりも予告期待度が低くされているどころか、大当り抽選にてハズレが得られている可能性が極めて高いことが示される表示態様(ここでは、味方キャラクタですらない、敵キャラクタの出現)をもった演出画像EG2bが出現可能とされるようにしている。これにより、ハズレの価値を高めるようにこれまでの遊技にて得られてきた数々のハズレが無価値なものとされてしまうことから救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、通常演出モードにあるときには出現し得ない演出画像EG2bによって第1の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われると、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容(通常演出モードにおいては中途終了され得ないストーリー系の演出)であるにもかかわらず、その中途の演出段階で即終了させることとしている。これにより、ハズレが得られている可能性が高いことが示されているにもかかわらず、高期待の演出内容(演出コマンド「04H」にのみ本来は対応付けされている高期待の演出内容)が現れていることのみを理由として、長い時間にわたって延々と無駄な演出が行われるようなことが回避されるようになる。また、ハズレの価値を高めるようにこれまでの遊技にて得られてきた数々のハズレが無価値なものとなってしまう可能性が高いことが示される高期待の演出内容から強引に救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
またさらに、このような演出画像EG2bを用意するようにしたことで、ハズレの価値が高められているとは言え、少しでも早い段階で大当りに当選されることを望むような遊技者にとってみれば、通常演出モードにおいて出現可能とされる複数種の表示態様のうちの予告期待度の最も低い表示態様が現れた場合における遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。
なお上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(特定の期待演出パターン)を行う場合であっても、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)に限っては、このような演出画像EG2bによって第1の予告演出(ハズレ強予告演出)を、極めて稀(1%程度の確率)ではあるものの、行うことがあるようにしている。すなわちこの場合、演出画像EG2bによって第1の予告演出(ハズレ強予告演出)が出現したにもかかわらず、当該演出内容が完結されるまで表示出力が継続されることとなる。このような構成では、演出画像EG2bが出現した場合であっても、短縮された変動時間t1が経過した時点で演出画像EG2bsが出現(演出中途で終了)することや、ハズレが得られていることが確定されてしまうようなことが回避されるようになることから、特別図柄が停止される最後の時間までの演出性を高めることができるようになる。
[第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)、演出コマンド「02H」のときの演出パターンについて]
上述の通り、この演出コマンド「02H」は、主制御MPU4100a側にて上述の通常変動パターンにかかる制御が行われるときに、周辺制御MPU4140aが受信するものである。すなわち、通常演出モードにおいて、当該演出コマンド「02H」が受信されたときは、通常変動時の表示演出が液晶表示装置1900にて現れるように制御されることとなる。
これに対し、いま、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに、当該演出コマンド「02H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う旨判断したとする(ステップ1228a,1228b)。そして、独自のリーチ演出にかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、図202(b)に示されるように、液晶表示装置1900においては、当該演出コマンド「02H」に対応付けされている通常変動時の変動時間t2内ではあるものの、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容が現れるかたちでの表示演出が開始される(通常変動時の演出内容ではなく、特定の期待演出パターンにおいても現れる高期待の演出内容にかかる表示出力が開始される)。
より具体的には、図203に併せて示されるように、当該演出コマンド「02H」を受信した場合も、液晶表示装置1900の表示画面においてはまず、複数の装飾図柄列の変動表示が行われる演出画像EG1が現れる。次いで、上述のタイミングtr1では、こうして変動表示されている複数の装飾図柄列によってリーチ状態が早期形成される演出画像が現れる。そしてこれも同様、こうしてリーチ状態が早期形成された時点で、リーチ状態が早期形成される前とは異なる特定の背景画像に切り替えられることで、通常変動パターンであるにもかかわらず、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れているもとでのリーチ演出が行われることとなる。
すなわちこの場合、通常変動パターンにかかる制御が行われるにもかかわらず、液晶表示装置1900においてはリーチ状態が早期形成されることとなり、これによって主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(タイミングtr1でリーチ状態が早期形成されて、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れる演出内容)の出現率を向上させることができるようになる。
こうしてリーチ演出が早期開始された後も同様、まず、第1の予告判定(図198:ステップS1229a,ステップS1229b)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過するまでの時間を利用して第1の予告演出が行われる演出画像EG2aが現れることとなる。ただし、演出コマンド「02H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出(より正確には、第1の予告演出)を行う場合であっても、演出画像EG2aに代えて、演出画像EG2b(ハズレ強予告演出)が現れることがあるようにしてもよい。
いずれにせよ、演出コマンド「02H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う場合にあって、こうして第1の予告演出(演出画像EG2a、演出画像EG2b)が行われた後は、図202(b)及び図204に示されるように、通常変動時の変動時間t2が経過するまでの時間を利用して第2の予告演出が必ず現れるようにしている(図198:ステップS1229a,ステップS1229b)。ただしここでは、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(ここでは、敵キャラクタによるセリフ)をもった演出画像EG3bが必ず現れることとなる。この意味では、いずれの表示態様を出現させるのかについての予告判定を必ずしも行わなくてもよいし、演出パターンに対して追加的に表示される予告画像ではなく、演出パターンこれ自体に予め組み込まれている演出画像であってもよい。
そして、このような演出画像EG3bによって第2の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われたときには、大当り抽選にてハズレが得られている可能性が極めて高いことが示されたとして、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容をその中途の演出段階(味方キャラクタと敵キャラクタとの決着が付く前)で終了させるべく、通常時の変動時間t2が経過した時点でリーチハズレの停止図柄によって装飾図柄が確定停止される演出画像EG3bsを出現させることとしている。これにより、演出画像EG3bによって第2の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われる場合も、これまでの遊技にて得られてきた数々のハズレが無価値なものとされてしまうことから救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
しかも、図204に示されている演出画像EG3bでは、主人公と敵対する敵キャラクタが「先にしかけてきたのはお前たちだ!この村を守る!」とのセリフを述べている表示態様をもった第2の予告演出が行われている。このような構成によれば、上記計数された回転数が多くなるにつれて、味方キャラクタによる言い分だけでなく、敵キャラクタ側にも敵対するだけの正当な理由があったことが露わにされていくこととなる。すなわちこの場合、ハズレが得られたときの遊技価値が(特に、この実施の形態では、当りが得られたときの遊技価値をも超えるかたちで)次第に高まっていくようになっていることとも相まって、遊技者としては、敵キャラクタ側に自然と感情移入していくようになり、ひいては敵キャラクタの出現によって高期待の演出内容がその中途の演出段階で終了されることを受け入れ易くなるようにしている。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(特定の期待演出パターン)を行う場合であっても、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)に限っては、このような演出画像EG3bによって第2の予告演出(ハズレ強予告演出)を、極めて稀(1%程度の確率)ではあるものの、行うことがあるようにしている。すなわちこの場合、演出画像EG3bによって第2の予告演出(ハズレ強予告演出)が出現したにもかかわらず、当該演出内容が完結されるまで表示出力が継続されることとなる。このような構成では、演出画像EG3bが出現した場合であっても、通常時の変動時間t2が経過した時点で演出画像EG3bsが出現(演出中途で終了)することや、ハズレが得られていることが確定されてしまうようなことが回避されるようになることから、特別図柄が停止される最後の時間までの演出性を高めることができるようになる。
[第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)、演出コマンド「03H」のときの演出パターンについて]
上述の通り、この演出コマンド「03H」は、主制御MPU4100a側にて上述の期待変動パターン(高期待の変動パターン)にかかる制御が行われるものの、こうした期待変動パターンの中では比較的短い変動時間t3(通常変動時の変動時間t2よりは長い)しか持たされていない特定変動パターンが選択されたときに、周辺制御MPU4140aが受信可能とされるものである。すなわち、通常演出モードにおいて、当該演出コマンド「03H」が受信されたときは、いわゆるノーマルリーチ演出時の表示演出が液晶表示装置1900にて現れるように制御されることとなる。
これに対し、いま、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに、当該演出コマンド「03H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う旨判断したとする(ステップ1228a,1228b)。そして、独自のリーチ演出にかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、図202(c)に示されるように、液晶表示装置1900においては、当該演出コマンド「03H」に対応付けされている特定変動時の変動時間t3内ではあるものの、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容が現れるかたちでの表示演出が開始される(通常変動時の演出内容ではなく、特定の期待演出パターンにおいても現れる高期待の演出内容にかかる表示出力が開始される)。
より具体的には、図203に併せて示されるように、当該演出コマンド「03H」を受信した場合も、液晶表示装置1900の表示画面においてはまず、複数の装飾図柄列の変動表示が行われる演出画像EG1が現れる。次いで、上述のタイミングtr1では、こうして変動表示されている複数の装飾図柄列によってリーチ状態が早期形成される演出画像が現れる。そしてこれも同様、こうしてリーチ状態が早期形成された時点で、リーチ状態が早期形成される前とは異なる特定の背景画像に切り替えられることで、特定変動パターンであるにもかかわらず、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れているもとでのリーチ演出が行われることとなる。
すなわちこの場合、特定変動パターンにかかる制御が行われるにもかかわらず、液晶表示装置1900においてはリーチ状態が早期形成されることとなり、これによって主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(タイミングtr1でリーチ状態が早期形成されて、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れる演出内容)の出現率を向上させることができるようになる。
こうしてリーチ演出が早期開始された後も同様、まず、第1の予告判定(図198:ステップS1229a,ステップS1229b)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過するまでの時間を利用して第1の予告演出が行われる演出画像EG2aが現れることとなる。ただし、演出コマンド「03H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出(より正確には、第1の予告演出)を行う場合であっても、演出画像EG2aに代えて、演出画像EG2b(ハズレ強予告演出)が現れることがあるようにしてもよい。
いずれにせよ、演出コマンド「03H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う場合にあって、こうして第1の予告演出(演出画像EG2a、演出画像EG2b)が行われた後は、図202(b)及び図204に示されるように、第2の予告判定(図198:ステップS1229a,ステップS1229b)にて演出当りが得られていることを条件に、通常変動時の変動時間t2が経過するまでの時間を利用して第2の予告演出が行われる演出画像EG3aが現れることとなる。ただし、演出コマンド「03H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出(より正確には、第2の予告演出)を行う場合であっても、演出画像EG3aに代えて、演出画像EG3b(ハズレ強予告演出)が現れることがあるようにしてもよい。
いずれにせよ、演出コマンド「03H」を受信したことに基づいて独自のリーチ演出を行う場合にあって、こうして第2の予告演出(演出画像EG3a、演出画像EG3b)が行われた後も、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容(特定の期待演出パターン)が現れる場合と同様、図202(b)及び図205に示されるように、主人公となる味方キャラクタと敵キャラクタとが決闘する様子が映し出される演出画像EG4、及び敵キャラクタが先に攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG5が順次に現れることとなる。ただしこの後は、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(ここでは、敵キャラクタによる黒色のオーラ)をもった演出画像EG6bが必ず現れることとなる。この意味では、いずれの表示態様を出現させるのかについての予告判定を必ずしも行わなくてもよいし、演出パターンに対して追加的に表示される予告画像ではなく、演出パターンこれ自体に予め組み込まれている演出画像であってもよい。
そして、このような演出画像EG6bによって第3の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われたときには、大当り抽選にてハズレが得られている可能性が極めて高いことが示されたとして、上述の演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の演出内容をその中途の演出段階(味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃をしかける前)で終了させるべく、特定変動時の変動時間t3が経過した時点でリーチハズレの停止図柄によって装飾図柄が確定停止される演出画像EG6bsを出現させることとしている。これにより、演出画像EG6bによって第3の予告演出(ハズレ強予告演出)が行われる場合も、これまでの遊技にて得られてきた数々のハズレが無価値なものとされてしまうことから救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
なお後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(特定の期待演出パターン)を行う場合であっても、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)に限っては、このような演出画像EG6bによって第3の予告演出を行うことがある(ハズレ強予告演出)。そして、第3の予告演出において演出画像EG6bが出現したときには、演出画像EG6aが出現したときとは異なる表示形態にてその後の演出内容にかかる表示出力を継続させるようにしている。
[第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)、演出コマンド「04H」のときの演出パターンについて]
上述の通り、この演出コマンド「04H」は、主制御MPU4100a側にて、期待変動パターンのうちの上述の変動時間t4が持たされている高期待の変動パターンが選択されたときに、周辺制御MPU4140aが受信可能とされるものである。すなわち、通常演出モードにおいて、当該演出コマンド「04H」が受信されたときは、図203〜図207に示される高期待の表示演出が液晶表示装置1900にて現れるように制御されることとなる
これに対し、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときに、当該演出コマンド「04H」を受信したときも、基本的には、通常演出モードの場合と同様、図203〜図207に示される高期待の表示演出が液晶表示装置1900にて現れるように制御することとなる。すなわち、いま、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)において、主制御MPU4100a側の大当り抽選(大当り、若しくはハズレ)の結果に基づいて、上述の変動時間t4が持たされている高期待の変動パターンにかかる制御が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1900においては、図203〜図207に示される高期待の表示演出が開始される。
より具体的には、図203に併せて示されるように、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にある場合であっても、液晶表示装置1900の表示画面においてはまず、複数の装飾図柄列についての変動表示が行われる演出画像EG1が現れる。次いで、これも同様、上述のタイミングtr1では、こうして変動表示されている複数の装飾図柄列によってリーチ状態が早期形成される演出画像が現れる。なおここでも、こうしてリーチ状態が早期形成された時点で、リーチ状態が早期形成される前とは異なる特定の背景画像に切り替えられる。そしてこの後は、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れているもとでのリーチ演出が行われることとなる。
こうしてリーチ演出が早期開始された後も同様、まず、第1の予告判定(図198:ステップS1229a,1229b)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過するまでの時間を利用して第1の予告演出が行われる演出画像EG2aが現れることとなる。ただし上述の通り、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、極めて稀(1%程度の確率)ではあるものの、第1の予告演出を、演出画像EG2aに代えて、上述の演出画像EG2bによっても行うことがあるようにしている(ハズレ強予告演出)。
いずれにせよ、こうして第1の予告演出が行われる演出画像EG2a(若しくは、演出画像EG2b)が現れた後は、図202(d)及び図204に示されるように、第2の予告判定(図198:ステップS1229d)にて演出当りが得られていることを条件に、短縮変動時の変動時間t1が経過した以降であって、通常変動時の変動時間t2が経過するよりも前の時間を利用して第2の予告演出が行われる演出画像EG3aが現れることとなる。ただし上述の通り、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、極めて稀(1%程度の確率)ではあるものの、第2の予告演出を上述の演出画像EG3bによっても行うことがあるようにしている(ハズレ強予告演出)。
いずれにせよ、こうして第2の予告演出が行われる演出画像EG3a(若しくは、演出画像EG3b)が現れた後は、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にある場合であっても、図202(b)及び図205に示されるように、主人公となる味方キャラクタと敵キャラクタとが決闘する様子が映し出される演出画像EG4、及び敵キャラクタが先に攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG5が順次に現れることとなる。そしてこの後は、特定変動時の変動時間t3が経過するよりも前の時間を利用して第3の予告演出が行われる演出画像EG6aが現れることとなる。ただし上述の通り、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、第3の予告演出を上述の演出画像EG6bによっても行うようにしている。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの第3の予告演出の実行に際しては、主制御MPU4100a側の大当り抽選の結果に基づいて、当該第3の予告演出の演出形態を決定する。より具体的には、主制御MPU4100a側の大当り抽選にて大当りが得られているときは、ハズレが得られているときよりも、演出画像EG6aによって第3の予告演出を行う旨判断される確率が高くなるように当該第3の予告演出の演出形態を決定するようにしている。
そしてこの結果、演出画像EG6aによって第3の予告演出が行われたときは、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においても同様、図202(d)及び図206に示されるように、主人公となる味方キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、この味方キャラクタが敵キャラクタによる攻撃を回避する様子が映し出される演出画像EG7aが現れる。次いで、これも同様、この味方キャラクタが攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG8aが現れた後に、当該表示演出にかかる変動時間t4が経過するよりも前の時間を利用して、所定時間を要する演出動画の表示出力を開始し、この開始から所定時間が経過するときに演出動画の表示出力が終了される演出画像EG9aが現れるようにしている(第4の予告演出)。
そしてこれも同様、この所定時間を要する演出動画(第4の予告演出)では、その動画途中の演出段階で遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容されていることが示される演出表示が行われる。そして、同演出表示が行われている期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったときは、該演出操作に基づいて、大当り期待度の異なる予告表示態様のいずれかが出現されるなど、所定の演出が新たに出現可能とされる追加演出が現れうる。
ただし後述するが、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったときは、演出画像EG9aを、この開始から所定時間が経過するよりも前の段階(演出中途の段階)で、通常演出モードにあるときには出現し得ない表示態様(ここでは、敵キャラクタによる演出動画)をもった後述の演出画像EG9bに差し替えるかたちで終了させることがあるようにしている。
そして、こうして第4の予告演出が行われる演出画像EG9aが現れた後は、通常演出モードの場合と同様、図202(d)及び図207に示されるように、主人公となる味方キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、この味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が映し出される演出画像EG10aが現れる。そしてこの後、大当り抽選にて10R確変大当りB,C,Dのいずれかに当選されているときは、該当選に応じた図柄が揃った図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11aが現れることとなる。
一方、大当り抽選にて10R確変大当りA,小当り,ハズレのいずれかが得られているときは、まず、図207に示されるように、リーチハズレとなる図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11bが現れる。ただし、ハズレが得られているときにはそれらの装飾図柄がそのまま確定停止されるのに対し、10R確変大当りAと小当りとのいずれかが得られているときには、それらの装飾図柄が確定停止される前に、中央の図柄のみが特殊図柄に置き換えられることとなる(図194(b)参照)。
他方、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)にあるときの演出コマンド「04H」に対応付けされた当該演出パターンにおいて、演出画像EG6bによって第3の予告演出が行われたときは、演出画像EG6aによって第3の予告演出が行われる場合と比較して、その後の演出形態が異なるようにしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、主制御MPU4100a側の大当り抽選にてハズレが得られているときは、大当りが得られているときよりも、演出画像EG6bによって第3の予告演出を行う旨判断される確率が高くなるように当該第3の予告演出の演出形態を決定するようにしている。そしてこの結果、演出画像EG6bによって第3の予告演出が行われたときは、図202(d)及び図206に示されるように、敵キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、味方キャラクタが敵キャラクタによる攻撃を回避する様子が映し出される演出画像EG7bが現れる。
このような演出制御によれば、演出画像EG6aによって第3の予告演出が行われる場合と、演出画像EG6bによって第3の予告演出が行われる場合とで現れる演出内容(敵キャラクタの攻撃を味方キャラクタが回避する)は同じとされる。ただし、演出画像EG6aによって第3の予告演出が行われる場合は、その描写の中心とされる対象が、大当りが当選されるように奮闘する味方キャラクタ(演出画像EG7b)であるのに対し、演出画像EG6bによって第3の予告演出が行われる場合は、その描写の中心とされる対象が、大当りが当選されないように奮闘する敵キャラクタ(演出画像EG7b)とされることとなる。この点、このような敵キャラクタが描写の中心とされるケースは、ハズレが得られたときの遊技価値が次第に高まっていくようになっている遊技性と、敵キャラクタ側に自然と感情移入されるようになっている演出性とが実現されているもとで、上記計数された回転数が多くなってきた遊技状況にある場合に限られるようにしている。したがって、敵キャラクタを描写の中心とすることによってハズレの得られている可能性が相対的に高いことを示すようにすることで、遊技興趣の向上が図られることが期待されるようになる。
こうして演出画像EG7bが現れた後は、味方キャラクタが攻撃を仕掛ける様子が映し出される演出画像EG8bが現れた後に、当該表示演出にかかる変動時間t4が経過するよりも前の時間を利用して、所定時間を要する演出動画の表示出力を開始し、この開始から所定時間が経過するときに演出動画の表示出力が終了される演出画像EG9bが現れるようにしている(第4の予告演出)。なお後述するが、この演出画像EG9bは、上述の演出画像EG9aと対となる動画となっている。
そして、こうして演出画像EG9bによって第4の予告演出が行われた後は、図202(d)及び図207に示されるように、敵キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が映し出される演出画像EG10bが現れる。そしてこの後、大当り抽選にて10R確変大当りB,C,Dのいずれかに当選されているときは、該当選に応じた図柄が揃った図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11aが現れることとなる。
一方、大当り抽選にて10R確変大当りA,小当り,ハズレのいずれかが得られているときは、まず、図207に示されるように、リーチハズレとなる図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11bが現れる。ただし、ハズレが得られているときにはそれらの装飾図柄がそのまま確定停止されるのに対し、10R確変大当りAと小当りとのいずれかが得られているときには、それらの装飾図柄が確定停止される前に、中央の図柄のみが特殊図柄に置き換えられることとなる(図194(b)参照)。
[第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)、第4の予告演出について]
上述の通り、この第4の予告演出は、第1の出現率変更モード(若しくは、第2の出現率変更モード)においては、演出画像EG9aと演出画像EG9bとのいずれかによって所定時間を要する演出動画として行われるものである。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、こうした演出動画が現れている期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったときは、該演出操作に基づいて、演出画像EG9aと演出画像EG9bとのうちの未だ出現されていない側の演出動画に切り替えるかたちで、演出画像EG9aと演出画像EG9bとのうちの出現している側の演出動画がその演出中途の段階で終了されるように制御可能なものとなっている。
すなわち、主人公となる味方キャラクタが出現する演出画像EG9aと、敵キャラクタが出現する演出画像EG9bとでは、出現するキャラクタこそ異なっているものの、所定時間を要したそれらキャラクタの動きこれ自体は互いに関連付けされたものとするようにしている。そして、いま、主人公となる味方キャラクタが出現する演出画像EG9aが現れているとして、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容される期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったとする。すると、所定の条件が満たされているときは、演出操作のあったタイミングにて現れていた中途の演出部分にて演出画像EG9aを終了させて、これに関連付けされている中途の演出部分から演出画像EG9bが新たに現れることとなる。なお、所定の条件が満たされていないときは、通常演出モードの場合と同様、演出画像EG9aの表示出力がそのまま継続されるとともに、背景色の変化によって大当り期待度が示される。
ここで、主人公となる味方キャラクタが出現する演出画像EG9aによって第4の予告演出が行われる際に、こうした演出中途での差し替え(演出画像EG9aから演出画像EG9bへの差し替え)を行うか否か(所定の条件が満たされているか否か)については、演出パターンの実行に際して予め決定しておくようにしてもよいし、遊技者による演出操作があったときに所定の演出抽選などにより決定するようにしてもよい。ただし、主制御MPU4100a側の大当り抽選にて大当りが得られているときは、ハズレが得られているときよりも、演出中途での差し替え(演出画像EG9aから演出画像EG9bへの差し替え)を行う旨判断される確率が低くなるようにしておき、さらには敵キャラクタが出現する演出画像EG9bに差し替えられた場合は、いずれの背景色への変化があったときよりもハズレが得られている可能性が高いことが示されるようにしておくことが望ましい。
なお、演出中途での演出画像EG9aから演出画像EG9bへの差し替えがあった場合は、演出画像EG9aによって第4の予告演出が開始されているにもかかわらず、差し替えられた演出画像EG9bによって第4の予告演出が終了されることとなる。そしてこの場合、図202(d)及び図207に示されるように、敵キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が映し出される演出画像EG10bが現れる。そしてこの後、大当り抽選にて10R確変大当りB,C,Dのいずれかに当選されているときは、該当選に応じた図柄が揃った図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11aが現れることとなる。
一方、大当り抽選にて10R確変大当りA,小当り,ハズレのいずれかが得られているときは、まず、図207に示されるように、リーチハズレとなる図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11bが現れる。ただし、ハズレが得られているときにはそれらの装飾図柄がそのまま確定停止されるのに対し、10R確変大当りAと小当りとのいずれかが得られているときには、それらの装飾図柄が確定停止される前に、中央の図柄のみが特殊図柄に置き換えられることとなる(図194(b)参照)。
これに対し、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容される期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)がなかったときは、演出画像EG9bへの差し替えも、背景色の変化も生じることがなく、演出画像EG9aによって第4の予告演出が終了されることとなる。
他方、いま、敵キャラクタが出現する演出画像EG9bが現れているとして、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)の受け付けが許容される期間内に、遊技者による演出操作(押圧操作部405への押圧操作など)があったとする。すると、所定の条件が満たされているときは、演出操作のあったタイミングにて現れていた中途の演出部分にて演出画像EG9bを終了させて、これに関連付けされている中途の演出部分から演出画像EG9aが新たに現れることとなる。なお、所定の条件が満たされていないときは、遊技者による演出操作がなかった場合と同様、演出画像EG9aへの差し替えも、背景色の変化も生じることがなく、演出画像EG9bによって第4の予告演出が終了されることとなる。
ここで、敵キャラクタが出現する演出画像EG9bによって第4の予告演出が行われる際に、こうした演出中途での差し替え(演出画像EG9bから演出画像EG9aへの差し替え)を行うか否か(所定の条件が満たされているか否か)については、演出パターンの実行に際して予め決定しておくようにしてもよいし、遊技者による演出操作があったときに決定するようにしてもよい。ただし、主制御MPU4100a側の大当り抽選にてハズレが得られているときは、大当りが得られているときよりも、演出中途での差し替え(演出画像EG9bから演出画像EG9aへの差し替え)を行う旨判断される確率が低くなるようにしておき、さらには敵キャラクタが出現する演出画像EG9bが継続されることによってハズレが得られている可能性が高いことが示されるようにしておくことが望ましい。
なお、演出中途での演出画像EG9bから演出画像EG9aへの差し替えがあった場合は、演出画像EG9bによって第4の予告演出が開始されているにもかかわらず、差し替えられた演出画像EG9aによって第4の予告演出が終了された後、図202(d)及び図207に示されるように、主人公となる味方キャラクタの描写が中心となる表示態様をもって、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が映し出される演出画像EG10aが現れる。そしてこの後、大当り抽選にて10R確変大当りB,C,Dのいずれかに当選されているときは、該当選に応じた図柄が揃った図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11aが現れることとなる。
一方、大当り抽選にて10R確変大当りA,小当り,ハズレのいずれかが得られているときは、まず、図207に示されるように、リーチハズレとなる図柄組合せが現れるかたちで装飾図柄を停止表示させる演出画像EG11bが現れる。ただし、ハズレが得られているときにはそれらの装飾図柄がそのまま確定停止されるのに対し、10R確変大当りAと小当りとのいずれかが得られているときには、それらの装飾図柄が確定停止される前に、中央の図柄のみが特殊図柄に置き換えられることとなる(図194(b)参照)。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1について総括すると、まず、通常遊技状態においては、大当りが得られるまでに要する遊技球の平均打込総数量が相対的に大きい値として維持される範囲内ではあるものの、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数(上記計数された回転数)が特定の調整回数(例えば、800回)を超えたときは、普図変動パターンについての決定処理に供される普図変動時間決定テーブルを異なるテーブルと差替えることで、第二始動口2102への遊技球の受け入れ易さを遊技者に有利な側に調整変更するようにしている。そして、こうして始動率が上方修正される前の所定期間にあるときは、特定の高期待演出の出現率を高くする代わりに、同演出が出現したときにはこれが中途終了される場合を持たせるようにしている。
このような演出制御によれば、特定の高期待演出の出現率が高くされる期間中に大当りが当選されなかった場合であっても、少なくとも始動率が上方修正される特典は付与されるようになる。したがって、同期間中に大当りが得られなかった場合であっても、特定の高期待演出としての特典付与の期待にかかる演出信頼性は維持されるようになる。しかも、特定の高期待演出の出現率を高くした分だけ演出途中で終了される場合を持たせることとしていることから、大当り当選への信頼度を下げることなく高期待演出を頻出させることができるようになる。
また、上記実施の形態では、始動率が上方修正される前の所定期間にあるときは、主制御MPU4100a側にて期待変動パターンにかかる制御を行う旨判断されたか否かにかかわらず、リーチ状態を早期形成させることによって高期待演出としてのリーチ演出を頻出させることとした。このような演出制御によれば、主制御MPU4100a側での遊技性(保留数に依存した変動時間設定や、リーチ判定の確率設定など)に悪影響を及ぼすことなく、演出コマンド「04H」に対応付けされている高期待の表示演出(タイミングtr1でリーチ状態が早期形成されて、リーチ前変動にて現れていた背景画像とは異なる特定の背景画像が現れる演出内容)の出現率を向上させることができるようになる。
また、上記実施の形態では、ハズレが得られたときの遊技価値が次第に高まっていくようになっている遊技性にあるもとで、始動率が上方修正される前の所定期間にあるときに限り、通常演出モードにあるときに出現可能とされるいずれの表示態様よりもハズレが得られている可能性が高いことが示されるハズレ予告画像が出現可能とされるようにした(第1の予告演出〜第4の予告演出)。このようなハズレ予告画像によれば、ハズレが無価値なものとされてしまうことから救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、始動率が上方修正される前の所定期間における遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
また、上記実施の形態では、特定の高期待演出がその出現時から高期待であるイメージを植えつける期間(通常演出モード)と、それを利用した演出を行う期間(出現率変更モード)とを持たせることとしている。より具体的には、上記計数された回転数の比較的少ないとき(例えば、大当り確率から算出される大当りが得られるまでの平均回転数よりも少ない期間)には、「特定の高期待演出の出現=最期まで特定の高期待演出を行う演出パターン」のみが行われるだけであり、大当りの当選確率に見合った頻度で大当りに当選されている限りは、特定の高期待演出が途中で終わることはないので、「特定の高期待演出=激熱」のイメージしか持たされない。そして、上記計数された回転数が比較的多い期間に移行したレアケース(レアな演出状態)なときにのみ、特定の高期待演出を行うことが決まっていなくても、これまでの遊技で激熱のイメージをひたすら植えつけてきた特定の高期待演出を開始するようにしたことから、その出現時から高期待のイメージのある特定の高期待演出の実行頻度を高くすることができるようになる。また、特定の高期待演出を行うことが決まっていなくても開始した特定の高期待演出については、最期まで行わずに途中で終了させるようにしていることから、特定の高期待演出これ自体の信頼度は維持されるようになる。
しかも、上記実施の形態では、出現率変更モードにおいて、通常演出モードにあるときには出現し得ない演出画像によって予告演出(ハズレ強予告演出)が行われたときに、特定の高期待演出をその中途の演出段階で即終了させることとしている。これにより、ハズレが得られている可能性が高いことが示されているにもかかわらず、特定の高期待演出が長い時間にわたって延々と無駄な演出が行われるようなことが回避されるようになる。また、これまでの遊技にて得られてきた数々のハズレが無価値なものとなってしまう可能性が高いことが示される特定の高期待演出から強引に救出されたかのようなイメージを持たせることができるようになり、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
なお、上記実施の形態では、出現率変更モードにおいて、演出画像EG2bや演出画像EG3bなどのハズレ強予告演出が現れた場合であっても、高期待の演出内容をその中途の演出段階(味方キャラクタと敵キャラクタとの決着が付く前)で終了されない場合を持たせるようにした。ただし、高期待の演出内容をその中途の演出段階(味方キャラクタと敵キャラクタとの決着が付く前)で終了される場合に限り、演出画像EG2bや演出画像EG3bなどのハズレ強予告演出が現れるようにしてもよい。すなわちこの場合、高期待の演出内容が現れているにもかかわらず、図柄による停止表示に先立って、演出中途でハズレが得られていることが突然に確定されることとなることから、出現率変更モードにあるときの遊技興趣の維持が図られるようになる。
また、上記実施の形態では、第1の予告演出〜第4の予告演出については、第1の予告判定〜第4の予告判定にて所定の結果が得られているときに限り、演出パターンに対して追加的に表示される演出として実行することとした。ただし、第1の予告演出〜第4の予告演出については、予告判定にて決定された表示態様が現れるかたちで必ず実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、第1の予告判定〜第4の予告判定においては、第1の予告演出〜第4の予告演出の実行に際して、いずれの表示態様とするかの決定処理のみが行われることとなる。
また、上記実施の形態では、上記計数された回数が上述の分岐点(649回)よりも少ない特定の回数(ここでは、所定回数(800回)の半数(400回))を超えたときから、特別図柄にかかる抽選処理の結果に基づいて演出を行うにあたり、演出切り替え(特定の期待演出の出現比率を高くすること)を行うか否かについての演出抽選を行うこととした。このような制御構造によれば、上記計数された回数が上述の分岐点(649回)よりも少ない回数(500回)であるときに特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされることが多くなる。すなわち、1/399の低確率にて大当りが当選されるまでに必要とされる変動回数の平均値よりも多い回数分だけ特別図柄を変動させてしまったような遊技状況にあるときには、千数百個の期待値しかない大当り(第一特別図柄)に当選することよりも、所定回数(800回)を超えてからのできるだけ早い段階にて大当り(第二特別図柄)に当選すること(10000発の賞球獲得)に魅力を感じ始めるようなことが多い。したがって、上記計数された回数が上述の分岐点(649回)よりも少ない回数(500回)であるときから特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされるようにすれば、特定の期待演出の出現によって当りが得られている可能性を意識する都度、当りが得られて欲しいとも、当りが得られて欲しくないとも思えるような複雑な感情を抱かせることができるようになり、これによっていずれの結果が得られても遊技者にある程度の満足感を与えることができる、といった極めて特殊な遊技・演出性が実現されるようになる。
なお、演出抽選の結果によっては、上記計数された回数が上述の分岐点(649回)よりも多い回数であるときから特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされることとなる。ただし、このような場合であっても、大当りの種別(例えば、10R確変大当りC)や、大当りが得られたときの賞球獲得にかかる即応性や、大当りを得るまでに消費する遊技球数のリスクなどを考慮すれば、上記計数された回数が所定回数を超えるまでハズレのみが得られることが絶対有益であるとは一概には言い切れないところもある。したがって、上述の分岐点(649回)よりも多い回数であるときから特定の期待演出が高頻度にて出現可能とされるようにした場合であっても、このような演出の行われる期間は短くなるものの、いずれの結果が得られても遊技者にある程度の満足感を与えることができる、といった極めて特殊な遊技・演出性は実現される。
また、特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超えた後の上記非時短状態の制御中における演出としては、特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超える前の上記非時短状態の制御中とは異なる、例えば特定のモードに突入した状態にて演出が行われるモード演出として行うようにすることが望ましい。
すなわち、特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超えた後の上記非時短状態の制御中では、変動回数未到達時非時短時の普図変動時間決定テーブルに応じた羽根2125の動作態様によって、遊技球が高い確率にて第二始動口2102に入球可能とされるようになっているものの、その入球し易さとしては、第二始動口2102に平均して25個の遊技球が入球される程度であり、時短機能が作動される状態と比較すれば、持ち球の消費を十分に抑制することはできない。したがって、このような羽根2125の動作態様に遊技者が苛立ちを覚えかねないことから、特別図柄の変動回数が所定回数(800回)を超えた後の上記非時短状態の制御中における演出としては、いわゆる擬似連や、先読み予告などの期待演出の出現頻度が高くされたモード演出を行うことによって、演出に注目が集まるようにすることが望ましい。
また、高確率状態での大当りの当選回数が所定数(ここでは、9回)になったときは、当該当りの種別に応じた大当り遊技が行われた後に、100回分の特別図柄の変動が終了するまでの間に限り、時短機能が作動することは上述した。この遊技状態では、確変機能は作動しないものの、右打ちによる遊技が可能であることから、大当り(第二特別図柄)が得られたときは、時短機能が作動した状態にて高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)が再び開始されることとなり、すなわち合計10回の大当り遊技によって10000発の賞球数が獲得可能とされるようになる。したがって、この遊技状態における演出としても、専用のモード演出として行うようにして期待感のある演出が高い頻度にて出現されるようにすることが望ましい。
なお、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、「10R確変大当りA」については、当該当りに当選されても、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットしないこととしたが、変動回数カウンタのカウンタ値をリセットするようにしてもよい。