JP6370111B2 - 容量型ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
電極を水分子が通過できるようにする方法としては、電極の厚さを薄くして多孔質膜にする方法、厚膜の電極に水分子が通過する微細孔を形成する方法がある。電極を多孔質膜にする方法は、電極の抵抗値が高くなり容量検知回路の応答特性を低下させるという問題があり、電極に微細孔を形成する方法は、構造的にセンサの応答特性を低下させるという問題と、微細孔部分は容量値に寄与しないことから、センサ設計上の難点がある。
本発明は、高精度のガス検知を可能とし、応答特性に優れる容量型ガスセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記第2の電極層は、ナノカーボン材が部分的に感応膜に埋没して前記官能膜と一体的に形成されていることによりナノカーボン材と感応膜との密着性が良好になり、これによってセンサの感動が向上する。
また、前記感応膜としては、ポリイミド膜等の非導電性高分子膜が利用でき、とくにフッ素化ポリイミド膜が好適に使用できる。
また、前記前駆体被覆膜を形成する工程において、フッ素化ポリイミドからなる感応膜となる、フッ素化ポリイミドの前駆体を用いる方法が有効であり、前記前駆体被覆膜に、ナノカーボン分散液を供給する工程において、SWCNT、MWCNT、DWCNT、グラフェンから選ばれる一つ、もしくは複数種からなるナノカーボン材を含むカーボン分散液を使用することが有効である。
本発明に係る容量型ガスセンサの例として、水の吸着量により誘電率が変化する感応膜(感湿膜)を使用した湿度センサの例について説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、湿度センサとして作製したサンプルの構成を示す断面図である。
図1(a)に示す湿度センサ10は、基板12上に、第1の電極層14と感応膜16と第2の電極層18とを、この順に積層した構成を備える。第2の電極層18は感応膜16を厚さ方向に挟んで第1の電極層14と対向して配置する。
第1の電極層14の接続パッド(不図示)は、接続パッド15とは独立に、感応膜16の他の側面から外方に延出するように形成される。
第2の電極層22は、数μm程度の厚さに形成される。図1(b)で第2の電極層22の厚さを、図1(a)の第2の電極層18よりも厚く表現しているのは、第2の電極層18とくらべて第2の電極層22の膜厚がはるかに厚いことを意味する。
第2の電極層22は側縁部22aで接続パッド15と電気的に接続する。第1の電極層14の接続パッドは、接続パッド15とは独立に第1の電極層14から引き出される。
感応膜16は薄いほど湿度検知の感度が向上する。ただし、薄くすると膜強度が低下するから、用途に応じて適宜厚さを設定する。感応膜16の厚さとしては10nm〜100μm程度の範囲で決めればよい。
基板12には、ガラス基板の他にシリコン基板、樹脂製のフレキシブル基板等の基板が使用できる。
図2は、基板12上に第1の電極層14と感応膜16とを形成するまでの製造工程を示す。
まず、基板12の表面に透明電極14aが形成された透明電極付きのガラス基板を用意する(図2(a))。使用した透明電極付きのガラス基板の透明電極(ITO)14aの厚さは150nmである。透明電極付きのガラス基板のかわりに、シリコン基板、樹脂基板等の任意の基板に、任意の成膜方法により導電層を形成したものを使用することができる。
第1の電極層14と接続パッド15とを形成した後、シランカップリング剤を用いて表面処理する。表面処理を施すことにより、後工程で基板12上に形成する感応膜16と基板12との密着性を良好にすることができる。
次に、プラズマエッチングにより、接続パッド15を被覆している部位の前駆体被覆膜16aを除去し、接続パッド15を露出させる(図2(d))。前駆体被覆膜16aは、第1の電極層14にくらべて広い範囲を被覆するように設定している。
こうして、基板12上に、所定のパターンで、第1の電極層14、接続パッド15、前駆体被覆膜16aが形成される。
図3は、転写法による湿度センサ10の製造工程を示す。
まず、第2の電極層18の転写に使用するスタンパ40に、転写のための処理を施す。スタンパ40は、第2の電極層18の平面パターンに合わせて、基板42上に凸版44を形成したものである。凸版44には柔軟性を有し、転写操作における離型性の良いPDMSを使用する。
スタンパ40の転写面に、MWCNTとSWCNTを分散剤(アルコール液)に分散させたナノカーボン分散液18bを塗布(供給)し、次いで、フッ素化ポリイミドの前駆体16bを塗布する。フッ素化ポリイミドの前駆体16bをスタンパ40に供給する理由は、感応膜16とナノカーボン材料との密着性を良好にするためである。図3(a)は、スタンパ40の凸版44にナノカーボン分散液18bと、フッ素化ポリイミドの前駆体16bを供給した状態を示す。
転写後、基板12全体を、窒素雰囲気中で、350℃、1時間、加熱キュアし、前駆体被覆膜16aとフッ素化ポリイミドの前駆体16bをイミド化し、感応膜16とする。こうして、基板12上に第1の電極層14、感応膜16、第2の電極層18を備える湿度センサ10が形成される(図3(d))。
第2の電極層18と感応膜16とが一体的に形成されることにより、第2の電極層18が感応膜16から剥離することを防止するとともに、感応膜16へのガス(水分)の進入、抜け出しが良好になってセンサの感度が向上する。
スタンパ40にナノカーボン分散液18bを供給し、次いでフッ素化ポリイミドの前駆体16bを供給して転写する方法は、スタンパ40の転写面側にナノカーボン材が接触し、ナノカーボン材とスタンパ40との離型性が良いことから、ナノカーボン材とフッ素化ポリイミドの前駆体を混合してスタンパに供給して転写する方法と比較して、スタンパからの転写性が良くなるという利点がある。
塗布法による場合も、ナノカーボン材の分散液を繰り返して塗布することにより、第2の電極層22の厚さを調整することができる。
転写法あるいは塗布法により湿度センサを形成する方法は、プラズマ処理、真空プロセスといった方法を利用する場合と比較して、はるかに簡単に湿度センサを作製できるという利点がある。
図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図1(a)、(b)、(c)に示す湿度センサ10、20、30の第2の電極層18、22、32の表面のSEM像である。
図4(a)、(b)に示すように、転写法(MW+SWCNT)と塗布法(SWCNT)により作製した第2の電極層は、カーボンナノチューブが互いに絡み合った網目状に形成され、10nm〜100nm程度の開口孔(空隙)がいたるところに形成されている。この開口孔は膜の厚さ方向に連通する孔となっており、孔部分を通って水分子が移動可能である。10nm〜100nm程度の空隙は感応膜16の膜厚(1μm以上)にくらべて十分に小さいことから、第2の電極層18、22は、電極全体として均一な電極とみなすことができる。
一方、Auからなる湿度センサの第2の電極層32は、数十〜数百nmの大きさの孔が、ところどころに、0.2〜1μm程度離れて存在している。第2の電極層のSEM像の比較から、Au薄膜からなる第2の電極層32の通気性は、湿度センサ10、20と比較して劣るものと想像される。
図5(a)、(b)、(c)は、湿度センサ10、20、30の第2の電極層18、22、32の表面に超純水の水滴を落とし、第2の電極層18、22、32の撥水性を評価する試験を行った状態を示す。第2の電極層と超純水との接触角を測定すると、転写法(MW+SWCNT)による第2の電極層18と超純水との接触角は104.3°、塗布法(SWCNT)による第2の電極層22との接触角は81.9°、Au薄膜からなる第2の電極層32との接触角は59.6°である。
図6は、転写法(MW+SWCNT)による第2の電極層を備える湿度センサと、Au薄膜を第2の電極層とする湿度センサの断面構造を示すSEM像である。
図6(a)に示す湿度センサは、厚さ200nmの透明電極(ITO)からなる第1の電極層、厚さ2000nmのフッ素化ポリイミドからなる感応膜、厚さ650nmの第2の電極層を積層形成したものである。第2の電極層は、MWCNTとSWCNTを導電材とするナノカーボン材の分散液を転写する操作を15回繰り返し、第2の電極層を通常よりも厚く形成した。この例では、第2の電極層の断面の境界(表面形状)をわかりやすくするため、第2の電極層を形成した後、第2の電極層の表面に、厚さ25nmにAuを蒸着した。
図6(b)に示す湿度センサは、厚さ167nmの透明電極(ITO)からなる第1の電極層、厚さ1700nmのフッ素化ポリイミドからなる感応膜、厚さ25nmのAuからなる第2の電極層を形成したものである。
また、転写法によって形成された第2の電極層は、感応膜と一体的に形成されていることがわかる。
図7は、イミド化後のポリイミド膜に、MWCNTの分散液を転写して加熱処理した膜表面のSEM像を示す。このようにポリイミド膜に単にCNTを転写する方法では、ポリイミド膜からCNT膜が剥離してしまう。
前述した、第2の電極層18、22を形成する工程において、感応膜となるフッ素化ポリイミドの前駆体被覆膜と転写あるいは塗布されたフッ素化ポリイミドの前駆体とを同時にイミド化する処理方法は、第2の電極層18、22を感応膜と一体的に形成する方法として有効であることがわかる。
図8は、上述した3種の構成を備える湿度センサについて、測定環境の相対湿度を変えたときの静電容量を測定した結果を示す。各々の湿度センサの静電容量値(出力値)は異なるから、図8では、相対湿度に対する静電容量値の変化率を表すように測定結果を規格化して示している。図8において、MW+SWCNT(転写)とあるのは図1(a)の湿度センサ10の構成を備えるサンプル、SWCNT(塗布)とあるのは図1(b)の湿度センサ20の構成を備えるサンプル、Auとあるのは図1(c)の湿度センサ30の構成を備えるサンプルについての測定結果である。以下、MW+SWCNT(転写)、SWCNT(塗布)、Au薄膜は、図1(a)、(b)、(c)の構成を有する湿度センサの意味である。
恒温恒湿槽内に開閉扉を取り付けたチャンバー(内容積:約110cm3)を設置し、チャンバー内に測定対象である湿度センサをセットし、チャンバーの開閉扉を閉じた状態で、恒温槽の外部と連通する流路を介してチャンバー内に乾燥空気を流入させ、エアを外部に排出してチャンバー内を乾燥状態にする(湿度0〜2%RH)。
次に、チャンバーの外側、すなわち恒温恒湿槽内を測定しようとする湿度に設定し、所定の湿度になった時点でチャンバーの開閉扉を開き(加湿)、サンプルの温度センサに接続した容量計(LCRメータ)でサンプルの静電容量の変化を計測する。開閉扉を開いてから所定時間後(100秒後)に開閉扉を閉じ、チャンバー内に乾燥空気を流し(除湿)、乾燥時におけるサンプルの静電容量の変化を計測する。
図9に、湿度センサ:MW+SWCNT(転写)の静電容量の測定例を示す。100秒ごとにチャンバーの開閉扉を開閉する操作に対応して、静電容量値が変動している。
図8の測定結果は、第2の電極層が、MW+SWCNT(転写)、SWCNT(塗布)、Au薄膜からなる湿度センサのいずれについても、相対湿度の変化に対して直線的に静電容量値が変化することを示す。すなわち、定常状態における、相対湿度に対する静電容量値の変化率(直線性)には、サンプルの湿度センサの第2の電極層の構成は影響しないといえる。
湿度センサの静電容量をC、感度をSとすると、静電容量Cと、感度Sは、下記(1)、(2)式によって与えられる。ただし、Δεxは湿度xにおける感応膜(感湿膜)の誘電率、Aは湿度センサの有効面積、Lは感応膜の厚さである。
C=Δεx・A/L ・・・(1)
S=(Δεx・/x)・(A/L) ・・・(2)
図10は、MW+SWCNT(転写)を電極とする湿度センサについて、感応膜の厚さを変えたときに、感度Sがどのように変化するかを示している。図10からわかるように、湿度センサの感度Sは感応膜の厚さに依存し、感応膜の厚さが薄い方が高感度になる。測定に使用したサンプルの感応膜の厚さは1μmを超えているが、感応膜の厚さを1μm以下にすることで、さらに高感度になることが期待される。
図9に示したように、測定装置のチャンバー内の加湿、除湿操作に応じて、チャンバー内にセットした湿度センサの静電容量値が変動する。
湿度センサの応答特性を示す指標として、図11、図12に示すように、加湿、除湿時の立ち上がりの応答時間と立下りの応答時間を定義する。
湿度センサの立ち上がりの応答時間は、図11に示すように、加湿開始時から、静電容量の初期値C0と飽和値との静電容量値の差の90%まで増加するまでの時間と定義する。測定環境の相対湿度が異なる場合も、立ち上がり時間は略一致する。以下では、0%RH→90%RHの加湿操作による測定結果に基づいて立ち上がり時間を求めた。
湿度センサの立下りの応答時間は、除湿開始時から静電容量の初期値(飽和値)と終値(最小値)の静電容量値の差の90%まで減少するまでの時間と定義する。相対湿度が異なる場合も、立下り時間は略一致する。以下では、相対湿度90%RH→0%RHまで除湿する操作の測定結果に基づいて立下り時間を求めた。
恒温恒湿槽の相対湿度をC1%RHとし、チャンバー内の湿度の初期値をC0%RHとすると、加湿時と除湿時のチャンバー内の湿度変化xは、下記(3)、(4)式によって表される。
加湿時 x=(C1−C0)(1−e−t/0.6)+C0 ・・・(3)
除湿時 x=(C1−C0)(1−e−t/1.0)+C0 ・・・(4)
図14は、チャンバー内を除湿したときの湿度変化の測定結果を示すグラフである。同様に、上記式(4)によって表されるチャンバー内の湿度の計算値を実線で示す。除湿に用いた乾燥エアの流量は5(l/min)である。
式(3)、(4)におけるガス置換の時定数は、実際には、条件によって変動する値である。式(3)、(4)は、図13、14に示すチャンバー内の相対湿度の測定値に一致するように、時定数をパラメータとして調整した結果式である。すなわち、上記実験条件においては、加湿時におけるガス置換時間を0.5秒、除湿時におけるガス置換時間を1.0秒と見積もることができる。
図15は、ガス置換速度が湿度センサの立下り時間に及ぼす影響を実際に調べた結果である。すなわち、チャンバーに流入させる乾燥エアの流量を5(l/min)、10(l/min)、20(l/min)として静電容量値を測定した結果を示す。乾燥エアの流量を大きくすることにより、立下り時間が短縮される。
図16は、湿度センサの感応膜の厚さを変えたときに、湿度センサの立下り時間がどのように変化するかを測定した結果を示す。用いた湿度センサはMW+SWCNT(転写)である。
図16では、感応膜(感湿膜)の厚さを1.26μm、1.54μm、3.2μm、5.2μm、8.9μmとしたときの、静電容量値の立下り部分の測定値を示す。グラフから、感応膜の膜厚が薄くなるにしたがって立下り時間が短縮されることがわかる。
L≒(D・τ)1/2 ・・・(5)
τ≒α×L2+τref [S]・・・(6)
上記(6)式の第1項は、感応膜内における水蒸気の拡散を示し、第2項は水蒸気が第2の電極層を通過する時間と、チャンバー内のガス置換に要する時間である。したがって、測定系に依存する要因を除くと、湿度センサの応答速度を向上させるには、感応膜の厚さを薄くして感応膜中を水蒸気が拡散する時間を縮めること、水分子が第2の電極層を通過する時間を短縮させることが有効であることがわかる。
上述した実験で使用した湿度センサは、フッ素化ポリイミドの前駆体を加熱キュアしてイミド化する工程として、350℃、1時間の加熱キュア操作を行った。湿度センサを実用に供するには、生産性が重要となる。そのため、高速加熱可能な加熱炉を用意し、加熱キュア時間を短縮する方法により湿度センサを製作した。
フッ素化ポリイミド前駆体のイミド化がどのように進行するかを観察するため、表面にAl膜が形成されたガラス基板にフッ素化ポリイミドの前駆体を塗布し、ポリアミド酸のイミド化を、FTIRを用いて観察した。350℃で数分の加熱により、O=C-N、C-N、O=Cのイミド化を示すピークが表れ、C-O-Hのピークが消えた。これにより、350℃で数分の加熱によりイミド化することを確かめた。
表4はまた、350℃、1時間加熱、10分加熱による場合は、抵抗値が5min加熱の1/2程度となることを示している。ナノカーボン材を第2の電極層に使用する容量型ガスセンサは抵抗値の点からも優れた特性を備えることがわかる。
図18に示す測定結果は、350℃、5minの加熱処理によるものも、相対湿度に対する十分な直線性を示すことを示す。
図19、20は、感応膜にフッ素化ポリイミド(FPI)を使用した場合と、通常のポリイミド(KPI)を使用した場合の湿度センサの応答特性を測定した結果を示す。
図19が立ち上がり部分の応答特性を示すグラフ、図20が立下り部分の応答特性を示すグラフである。使用した湿度センサの感応膜の厚さは、いずれも3.2μmである。感応膜の厚さを比較的厚くしたのは、感応膜の材料に依存する応答速度の相異を顕在化させるためである。
表6に、立ち上がりと立下りの応答時間を示す。
上記実施形態においては、本発明に係る容量型ガスセンサを湿度センサに利用した例である。本発明に係る容量型ガスセンサは湿度センサとして使用する場合に限られるものではない。
静電容量型のガスセンサの静電容量Cは、感応膜の厚さL、センサの有効面積A、真空の誘電率ε0、検出対象の誘電率εrとすると、次式で与えられる。
C=ε0・εr・(A/L)
上式は、検出対象の誘電率が大きなものについてより有効に検出できることを意味している。表7に高誘電率の有機化合物の例と水の誘電率を示す。表7からわかるように、本発明に係る容量型ガスセンサは、アルコールやアルデヒド等の有機化合物の濃度を検出するガスセンサとして利用することができる。
前述した実施形態においては、感応膜と第2の電極層を形成する方法として、フッ素化ポリイミドの前駆体を用いて感応膜を形成し、転写法あるいは塗布法によって第2の電極層を形成した。転写法あるいは塗布法は、配線層や絶縁層を積層して形成する回路基板等の電子製品の製造工程においても一般的に利用されている。したがって、本発明に係る容量型ガスセンサは、電子製品の製造工程に組み込むといったことが容易に可能であり、また、量産性にすぐれ、安定した品質のセンサ機能を備える製品として提供することが可能である。
12 基板
14 第1の電極層
14a 透明電極
15 接続パッド
16 感応膜
16a 前駆体被覆膜
16b フッ素化ポリイミドの前駆体
18 第2の電極層(MW+SWCNT転写)
18a 接続部
18b ナノカーボン分散液
22 第2の電極層(SWCNT塗布)
22a 接続電極
32 第2の電極層(Au薄膜)
32a 接続部
40 スタンパ
44 凸版
Claims (7)
- 第1の電極層と、第1の電極層を被覆する感応膜と、感応膜の表面に設けられた第2の電極層とを備える容量型ガスセンサであって、
前記第2の電極層が、網目状に絡み合ったナノカーボン材からなり、
前記第2の電極層は、前記ナノカーボン材が部分的に感応膜に埋没し前記感応膜と一体的に形成されていることを特徴とする容量型ガスセンサ。 - 前記ナノカーボン材は、SWCNT、MWCNT、DWCNT、グラフェンから選ばれる一種、もしくは複数種からなることを特徴とする請求項1記載の容量型ガスセンサ。
- 前記感応膜が、フッ素化ポリイミドからなることを特徴とする請求項1または2記載の容量型ガスセンサ。
- 第1の電極層と、第1の電極層を被覆する感応膜と、感応膜の表面に設けられた第2の電極層とを備える容量型ガスセンサの製造方法であって、
前記第1の電極層が形成された基材上に前記感応膜となる前駆体を塗布しプリベークして前記感応膜となる前駆体からなる前駆体被覆膜を形成し、
前記前駆体被覆膜に、ナノカーボン材を含むナノカーボン分散液を供給し、
前記前駆体被覆膜と前記ナノカーボン分散液とを同時に加熱キュアする工程を施して、前記感応膜の表面にナノカーボン材からなる前記第2の電極層を形成することを特徴とする容量型ガスセンサの製造方法。 - 前記前駆体被覆膜にナノカーボン分散液を供給する工程において、
スタンパの転写面に、ナノカーボン分散液を供給し、次いで、前記感応膜となる前駆体を供給した後、
前記前駆体被覆膜に、前記スタンパを用いて、前記ナノカーボン材に前記感応膜となる前駆体が浸み込まれて前記感応膜となる前駆体と前記ナノカーボン分散液を転写することを特徴とする請求項5記載の容量型ガスセンサの製造方法。 - 前記前駆体被覆膜を形成する工程において、
フッ素化ポリイミドからなる感応膜となる、フッ素化ポリイミドの前駆体を用いることを特徴とする請求項4または5記載の容量型ガスセンサの製造方法。 - 前記前駆体被覆膜にナノカーボン分散液を供給する工程において、
SWCNT、MWCNT、DWCNT、グラフェンから選ばれる一つ、もしくは複数種からなるナノカーボン材を含むカーボン分散液を使用することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の容量型ガスセンサの製造方法。
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