JP6369890B2 - 電源用スイッチング回路、システム、及びプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1には、関連する技術として、突入電流を低減する技術が記載されている。
この図で示すように、電源用スイッチング回路30は、少なくとも、スイッチング素子T1と、抵抗R1と、コンデンサC1と、ツェナーダイオードZ1と、スイッチSW2とを備える。
抵抗R1は、スイッチング素子T1のソースSとゲートGとの間を接続するCR回路を構成する。抵抗R1は、コンデンサC1と共に、CR回路の時定数を設定する。
コンデンサC1は、スイッチング素子のソースとゲートとの間を接続するCR回路を構成する。コンデンサC1は、抵抗R1と共にCR回路の時定数を設定する。
スイッチSW2は、スイッチング素子T1に入力される電源の電圧に係る信号に基づいて、スイッチング素子T1のゲートGをオープンノードにする(制御手段)。ここでスイッチング素子T1に入力される電源の電圧に係る信号とは、電源用スイッチング回路30に入力される電圧と1対1の対応関係がある電圧、またはシステムが所定の状態であると電源用スイッチング回路30を備えるシステムの有するCPUが判定したときに出力する指令信号のことである。
図2は、本発明の第一の実施形態による電源用スイッチング回路30を備えるシステム1の一例を示す図である。
本発明の第一の実施形態によるシステム1は、図2で示すように、電源装置10と、制御部20と、電源用スイッチング回路30と、電流計40と、負荷50と、負荷60とを備える。なお、電流計40はシステム1の動作を説明するためのものであり、実際のシステム1が電流計40を備える必要はない。
直流電圧源V1は、基準点(グラウンド)の基準電位(グラウンド電位)に対して所定の直流電圧を出力する電圧源である。例えば、直流電圧源V1は、電池である。また、例えば、直流電圧源V1は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータである。
スイッチSW1は、直流電圧源V1の直流電圧の出力をオン状態(出力する状態)またはオフ状態(出力しない状態)にする。スイッチSW1は、直流電圧源V1の出力端子と負荷60との間に接続される。
負荷60は、コンデンサC2を備える。コンデンサC2は、直流電圧源V1の出力電圧を平滑化するコンデンサである。コンデンサC2は、スイッチSW1の一端子とグラウンドとの間に接続される。コンデンサC2とスイッチSW1との接続点が、電源装置10の出力端子である。
電源装置10の出力端子は、制御部20と電源用スイッチング回路30とに接続されている。電源装置10は、この出力端子を介して制御部20と電源用スイッチング回路30とに直流電圧を出力する。
また、スイッチング素子T1がオンとなるゲート・ソース間電圧を比較的小さくすることで、電流変化に対して所定以上の電圧変化する特性を有するツェナーダイオードを選択することができる。
スイッチング素子T1のドレインDが電源用スイッチング回路30の出力端子である。
スイッチング素子T1がオン状態のとき、ソース・ドレイン間は導通状態となる。そのため、電源装置10の出力端子は、電源用スイッチング回路30と電流計40とを介して負荷50に接続される。従って、スイッチング素子T1がオン状態のとき、電流計40は電流を検出する。
また、スイッチング素子T1がオフ状態のとき、ソース・ドレイン間は絶縁状態となる。そのため、スイッチング素子T1がオフ状態のとき、電流計40は電流を検出しない。
図3において、横軸はツェナー電圧を示している。また、縦軸はツェナー電流を示している。
本発明におけるツェナーダイオードZ1は、図2で示した電源装置10が負荷50への電力供給を遮断した際に、コンデンサC1が蓄えている電荷を放電させるためのものである。そのため、本発明におけるツェナーダイオードZ1は、ツェナー電流の変化に対するツェナー電圧の変化が大きい領域で使用することが望ましい。すなわち、ツェナーダイオードZ1は、ツェナー降伏となだれ降伏のうちツェナー降伏が支配的な領域で定まる電流−電圧特性の領域で使用することが望ましい。
また、一般的に、半導体の不純物濃度が高い場合、空乏層の幅が狭くなるため、ツェナー降伏が発生し易くなる。また、半導体の不純物濃度が低い場合、空乏層の幅が広くなるため、ツェナー降伏が発生し難くなりなだれ降伏が支配的となる。
また、一般的に、温度が高くなると、空乏層の幅は小さくなり、ツェナー降伏が発生し易くなる。また、格子振動が激しくなりキャリアの移動度が小さくなるため、なだれ降伏が発生し難くなる。つまり、温度が高くなると、ツェナー降伏が支配的となる。また、温度が低くなると、空乏層の幅は広くなり、ツェナー降伏が発生し難くなる。また、格子振動が穏やかになりキャリアの移動度が大きくなるため、なだれ降伏が発生し易くなる。つまり、温度が低くなると、なだれ降伏が支配的となる。
図5は、本発明の第一の実施形態によるシステム1における定常状態での電圧・電流波形の例を示す図である。
図6は、本発明の第一の実施形態による直流電圧源V1から電源装置10の外部への電力供給遮断時における電圧・電流波形の例を示す図である。
次に、図4〜図6を用いて、第一の実施形態によるシステム1の動作を説明する。
なお、初期状態において、スイッチSW1とスイッチSW2は共にオープン状態である。また、初期状態において、負荷60が備えるコンデンサC2は電荷が蓄積されていない状態であり、電源装置10の出力端子の電圧VF1はグラウンド電位である。
システム1において、電源装置10の備えるスイッチSW1がショート状態になる。すると、直流電圧源V1の出力電圧がコンデンサC2に印加され、コンデンサC2が充電される。電圧VF1は、コンデンサC2が充電されるにつれ、上昇する。
電圧検出回路21は、電圧VF1と電圧検出回路21で予め設定したしきい値とを比較し、電圧VF1がしきい値を超えないと判定した場合、所定の電源の電圧に係る電圧を検出していないと判定する。この場合、電圧検出回路21は、スイッチSW2に対してオープン状態のままにする指令を出力する。例えば、スイッチSW2が半導体スイッチである場合、電圧検出回路21は、半導体スイッチがオフ状態になるゲート電圧を出力する。
スイッチSW2は、電圧VF1が電圧検出回路21で予め設定されているしきい値を超えたと電圧検出回路21が判定するまで、オープン状態である。この間、スイッチング素子T1のゲート・ソース間電圧はゼロボルト(電圧VF1=電圧VF2)であり、スイッチング素子T1はオフ状態である。
なお、この間、ツェナーダイオードZ1のツェナー電流は微小である。そのため、突入電流の抑制は、抵抗R1とコンデンサC1とで構成されるCR回路と抵抗R2とで定まる時定数が支配的となる。
以上が、第一の実施形態によるシステム1の突入電流の増大を抑制するまでの動作説明である。
スイッチング素子T1のオン抵抗が緩やかに小さくなり、突入電流の増大が抑制された後、更に電圧VF2が低下すると、ツェナーダイオードZ1の端子間電圧が緩やかに大きくなり、ツェナー電流が緩やかに大きくなる。そして、電圧VF2は定常状態となる(図5において、定常状態と記載)。
電圧VF2は、定常状態において、次の条件1〜条件3を満足するときの電圧となる。電圧VF2は、抵抗R1を流れる電流とツェナーダイオードZ1を流れる電流との総和に、抵抗R2の抵抗値を乗算した電圧である(条件1)。抵抗R1の端子間電圧は、ツェナーダイオードZ1の端子間電圧に等しい(条件2)。電圧VF2は、電圧VF1から抵抗R1の端子間電圧を減算した電圧である(条件3)。
なお、抵抗R1とR2の抵抗比は、定常状態における電圧VF2で、スイッチング素子T1が完全なオン状態となる抵抗比である。
以上が、第一の実施形態によるシステム1の定常状態における動作説明である。
定常状態において、スイッチSW1は、電源装置10から負荷50への電力供給を遮断するために、ショート状態からオープン状態になる(図6において、オープン状態と記載)。スイッチSW1がオープン状態になると、直流電圧源V1から電源装置10の外部への電力供給が遮断される。
電圧検出回路21は、電圧VF1が予め設定したしきい値よりも低いと判定すると(図6において、電圧検出と記載)、スイッチSW2に対してオープン状態にする指令を出力する。例えば、スイッチSW2が半導体スイッチである場合、電圧検出回路21は、半導体スイッチがオフ状態になるゲート電圧を出力する。
その結果、負荷60が備えるコンデンサC2に対する負荷は、素早く切り離される。そのため、コンデンサC2が蓄えている電荷は放電されず、電圧VF1の低下が緩和される。
以上が、第一の実施形態による直流電圧源V1から電源装置10の外部への電力供給遮断時における動作説明である。
ツェナーダイオードZ1として、ツェナー降伏が支配的となるおよそ5ボルト以下の降伏電圧のものを選択する。
スイッチング素子T1として、ツェナーダイオードZ1の降伏電圧でオン状態となる特性の半導体スイッチ(例えば、一般品のpチャネルMOSFET)を選択する。
抵抗R2として、選択したツェナーダイオードZ1のツェナー電圧が変化しやすい範囲の電流となる抵抗値の抵抗を選択する。
抵抗R1として、自身の端子間電圧が選択したツェナーダイオードZ1の降伏電圧程度となる抵抗値の抵抗を選択する。
コンデンサC1として、抵抗R1との時定数で突入電流の増大を十分に抑制できる容量値のコンデンサを選択する。
抵抗R1とコンデンサC1とで構成されるCR回路と抵抗R2とで定まる時定数に従い、電圧VF2が電圧VF1から緩やかに低下する。そのため、スイッチング素子T1のオン抵抗が緩やかに小さくなり、突入電流の増大が抑制される。また、スイッチSW2によりスイッチング素子T1のゲートをオープンノードにし、ツェナーダイオードZ1がコンデンサC1の電荷を放電させることで、負荷50を素早く切り離すことができ、電源装置10からの電力の供給が遮断された場合であっても、コンデンサC2からの放電を緩和し、電圧VF1の低下を緩和することができる。その結果、このような電圧VF1を用いることで、電気機器が電力を遮断される際のバックアップ作業を行う時間を延長できる。
図7は、本発明の第二の実施形態による電源用スイッチング回路30を備えるシステム1の一例を示す図である。
本発明の第二の実施形態によるシステム1は、図7で示すように、電源装置10と、制御部20と、電源用スイッチング回路30a、30bと、電流計40a、40bと、負荷50a、50bと、負荷60とを備える。
第二の実施形態による負荷60は、第一の実施形態による負荷C2に加え、DC/DC変換回路61と、リセット回路62と、CPU63と、バックアップ回路64と、記憶部65と、コンデンサC3とを備える。
また、第一の実施形態による電流計40と同様に、第二の実施形態による電流計40は、システム1の動作を説明するためのものであり、実際のシステム1が電流計40を備える必要はない。
第二の実施形態による電流計40a、40bのそれぞれは、第一の実施形態による電流計40と同様である。
第二の実施形態による負荷50a、負荷50bのそれぞれは、第一の実施形態による負荷50と同様である。
従って、第二の実施形態によるシステム1は、第一の実施形態によるシステム1に加え、電源用スイッチング回路30bと、電流計40bと、負荷50bと、DC/DC変換回路61と、リセット回路62と、CPU63と、バックアップ回路64と、記憶部65と、コンデンサC3とを備える。
DC/DC変換回路61は、電源装置10から供給された電圧VF1を電圧VF3に降圧する回路である。DC/DC変換回路61は、例えば、12ボルトの電圧VF1を、3.3ボルトの電圧VF3に変換する。
このように、図7で示すシステム1において、負荷50aには、電源用スイッチング回路30aを介して電圧VF1が供給される。また、リセット回路62と、CPU63と、バックアップ回路64とには、電圧VF3が供給される。また、負荷50bには、電源用スイッチング回路30bを介して電圧VF3が供給される。
リセット回路62の出力端子は、CPU63の入力端に接続されている。リセット回路62は、電圧VF3を監視し、電圧VF3が予め定められているしきい値よりも低くなった場合、リセット信号(例えば、ハイレベルからローレベルに変化する信号)を生成する。リセット回路62は、生成したリセット信号をCPU63に出力する。
記憶部65は、電源装置10からの電力供給が遮断される前のシステム1の設定状態や使用していたデータ、負荷50aの設定状態、負荷50bの設定状態などのシステム1の処理に必要な種々の情報を記憶する記憶部である。
次に、図8を用いて、第二の実施形態による直流電圧源V1から電源装置10の外部への電力供給遮断時におけるシステム1の動作を説明する。
電圧検出回路21は、電圧VF1が予め設定したしきい値よりも低いと判定すると(図8において、電圧検出と記載)、電源用スイッチング回路30のそれぞれが備えるスイッチSW2に対してオープン状態にする指令を出力する。例えば、スイッチSW2が半導体スイッチである場合、電圧検出回路21は、半導体スイッチがオフ状態になるゲート電圧を出力する。
その結果、負荷60が備えるコンデンサC2に対する負荷は、素早く切り離される。そのため、コンデンサC2が蓄えている電荷は放電されず、電圧VF1の低下が緩和される。
また、このとき、負荷60が備えるコンデンサC3に対する負荷は、素早く切り離される。そのため、コンデンサC3が蓄えている電荷は放電されず、電圧VF3の低下が緩和される。
DC/DC変換回路61は、電源装置10から供給された電圧VF1を電圧VF3に降圧する回路である。従って、本発明の第二の実施形態によるシステム1におけるDC/DC変換回路61は、ここで示す実測値の例では、リセット回路62、CPU63、バックアップ回路64にコンデンサC3が蓄えている電荷をおよそ48ミリ秒の間電圧VF3を維持したまま供給することができる(図8において、システム電源維持と記載)。
また、バックアップ回路64は、電圧検出回路21から入力された制御信号に基づいて、CPU63にバックアップ開始指令を出力する。
CPU63は、バックアップ回路64から入力されるバックアップ開始指令に応じて、電源装置10からの電力供給が遮断される前のシステム1の設定状態や使用していたデータ、負荷50aの設定状態、負荷50bの設定状態などを記憶部65に記録する。
ツェナーダイオードZ1を備えない場合のシステム1におけるDC/DC変換回路61は、ここで示す実測値の例では、リセット回路62、CPU63、バックアップ回路64にコンデンサC3が蓄えている電荷をおよそ18ミリ秒の間しか電圧VF3を維持したまま供給することができない(図9において、システム電源維持と記載)。つまり、本発明のツェナーダイオードZ1を追加することで、ツェナーダイオードZ1を備えない場合のおよそ2.5倍のバックアップ時間を確保することができる。
抵抗R1とコンデンサC1とで構成されるCR回路と抵抗R2とで定まる時定数に従い、電圧VF2が電圧VF1から緩やかに低下する。そのため、スイッチング素子T1のオン抵抗が緩やかに小さくなり、突入電流の増大が抑制される。また、スイッチSW2によりスイッチング素子T1のゲートをオープンノードにし、ツェナーダイオードZ1がコンデンサC1の電荷を放電させることで、負荷50を素早く切り離すことができ、電源装置10からの電力の供給が遮断された場合であっても、コンデンサC2からの放電を緩和し、電圧VF1の低下を緩和することができる。その結果、DC/DC変換回路61が電圧VF1から変換した電圧VF3の低下も緩和され、電気機器が電力を遮断される際のバックアップ作業を行う時間を延長できる。
10・・・電源装置
20・・・制御部
21・・・電圧検出回路
30、30a、30b・・・電源用スイッチング回路
40、40a、40b・・・電流計
50、50a、50b、60・・・負荷
61・・・DC/DC変換回路
62・・・リセット回路
63・・・CPU
64・・・バックアップ回路
65・・・記憶部
C1、C2、C3、CL・・・コンデンサ
R1、R2、RL・・・抵抗
SW1、SW2・・・スイッチ
T1・・・半導体スイッチ
V1・・・直流電圧源
Z1・・・ツェナーダイオード
VF1、VF2、VF3・・・電圧
Claims (8)
- スイッチング素子、CR回路、ツェナーダイオード、制御手段のそれぞれを有する電源用スイッチング回路であって、
前記スイッチング素子は、
電源と該電源により駆動される負荷との間に直列に接続され、
前記CR回路は、
前記スイッチング素子がオン状態のときに、前記ツェナーダイオードの降伏電圧と同様の電圧が2つの端子の両端に印加されるような抵抗値を有する抵抗と、当該抵抗と並列に接続されたコンデンサとによって構成され、前記スイッチング素子のソースとゲートとの間を接続し、
前記ツェナーダイオードは、
5ボルト以下の降伏電圧を有するシリコンのツェナーダイオードであって、前記CR回路と並列に前記ソースと前記ゲートとの間を接続し、
前記制御手段は、
前記電源の電圧に係る指令に基づいて、前記ゲートをオープンノードにする、
電源用スイッチング回路。 - 前記スイッチング素子のゲートと基準点との間に抵抗を備える
請求項1に記載の電源用スイッチング回路。 - 前記ツェナーダイオードは、前記スイッチング素子のゲートをオープンノードにした後にCR回路のコンデンサが蓄える電荷を放電させる
請求項1または請求項2に記載の電源用スイッチング回路。 - 前記スイッチング素子は半導体スイッチである
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電源用スイッチング回路。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電源用スイッチング回路と、
スイッチング素子に入力される電圧に係る信号を検出する電圧検出回路を備え、
前記電圧検出回路は、
前記検出した信号に基づいて、前記制御手段に制御信号を出力する
ことを特徴とするシステム。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電源用スイッチング回路と、
負荷の状態をバックアップ記録制御するバックアップ回路を備え、
前記バックアップ回路は、
前記バックアップ回路に電力を供給する電源に接続された前記電源用スイッチング回路の入力端に接続される
ことを特徴とするシステム。 - スイッチング素子に入力される電圧に係る信号を検出する電圧検出回路を備え、
前記電圧検出回路は、
前記検出した信号に基づいて、前記制御手段に制御信号を出力する
請求項6に記載のシステム。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電源用スイッチング回路を備えるシステムのコンピュータを、
スイッチング素子に入力される電圧に係る信号を検出し、
前記検出した信号に基づいて、制御手段に制御信号を出力する電圧検出手段
として機能させるプログラム。
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