JP6362614B2 - 高精度の医療用インプラントのための吸収剤及び生物適合性反射染料 - Google Patents

高精度の医療用インプラントのための吸収剤及び生物適合性反射染料 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
[0001] 本願は、参照することにより本明細書に組み込まれる2010年8月20日出願の米国仮特許出願第61/373,353号及び2011年5月29日出願の同第61/491,194号の利益を主張する、2011年8月22日出願の国際特許出願第PCT/US2011/048620号の一部継続出願である。本願は、2012年11月30日出願の米国仮特許出願第61/731,843号の優先権の利益も主張する。
連邦政府による補助金の通知
[0002] 本発明は、国立衛生研究所(NIH)により授与されたグラント第R01−DE013740及び同第R01−AR061460に基づく政府支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
[0003] 組織工学は、助力なしに身体が自身で再生しうるよりも大きな組織中の欠損を再生する試みである。ほとんどの場合、組織工学は、3つの構成要素:インプラント(しばしば、足場と呼ばれる)、細胞及び成長因子を創り出すための技術を必要とする。組織の再生は、器官の機能に特異的な細胞だけでなく、血管及びしばしば結合組織の注入も必要とする。成長因子は、濃縮された組織前駆細胞のパフォーマンス又は宿主の修復組織の動員を助けることができる。インプラント又は足場は、幹細胞及び/又は浸入する宿主組織、血管並びに結合組織を誘導することを求められることが多い。インプラントは、患者組織中の欠損に適合するように設計してもよい。インプラントの形状は、最初に患者内の欠損面積又は体積を測定することによって決定してもよい。次いで、インプラントは、例えば、測定された欠損面積又は体積に照らしてコンピュータ支援設計(CAD)によって設計されうる。次いで、インプラントが製造されうる。
[0004] インプラントを設計し、製造する場合に考慮するべき要素は、正確にぴったりと合わせるための適切な幾何学的形状を含む。:(a)インプラントの外部表面の欠損部位への適合及び(b)組織、血管及び結合組織の最初の注入を導くインプラント内の多孔質空間。インプラント又は足場の多孔質空間の間の壁が厚すぎる場合、それらは再吸収しない可能性があり、それにより、リモデリングするための障壁となる。材料が分解する場合、その副産物は、それらが組織の再生又はリモデリングを妨げないように、無毒性であり、かつ容易に代謝される必要がある。
[0005] 足場の機能的な幾何学的特徴は、細胞の接着、増殖又は成熟に影響を及ぼすために設計されうる。細胞と直接相互作用する表面フィーチャは、足場の粗さ及び多孔度を含む。粗く、多孔質の構造は、細胞のローディング(loading)、新組織(neotissue)の成長及び宿主組織の内殖を促進しうる。設計者は、インプラント全体の機械的性質並びに孔空間の多孔度、ねじれ、浸透性及び総孔体積の双方を制御するために、多孔質の幾何学的形状を操作しうる。多くの組織工学足場(tissue engineering scaffold)は、50〜500マイクロメーターのオーダーの孔開口部の形状などの可変の表面フィーチャを有する、200から1600マイクロメーターまでの間にわたる孔を必要としうる。従来、これらのフィーチャは、それから足場が製造される樹脂に、リン酸三カルシウム結晶などの粒子を含有させることによって得ることができた。しかしながら、宿主体内での結晶の再吸収性に関する懸念が生じうる。
[0006] 別の重要な幾何学的特徴は、宿主組織が足場の壁又は障壁に衝突しないための、孔構造の斜めの方向づけであってもよく、この衝突は、孔又はチャネルが宿主組織に向いている場合よりも、孔構造が直交して構築された場合に、より可能性が高い。インプラントの設計者は、足場内の孔チャネルが、宿主組織に向かって開口するように方向づけることによって、新しい組織のインプラント中への成長及びインプラントの宿主組織中への活発な組み込みを促進することを望むかもしれない。
[0007] これらの機械的及び幾何学的特徴を有するインプラント又は足場の付加的な製造は、比較的高い精度レベルを必要とする。例えば、正確なレンダリングは、上記の及び他のもののような複雑な内部孔構造が創出されうる可能性を高める。光造形法は、Paul Jacobsによって、Paul F. Jacobs、Rapid Prototyping & Manufacturing:Fundamentals of StereoLithography(1992年1月15日)及びPaul F. Jacobs、Stereolithography & Other RP&M Technologies:From Rapid Prototyping to Rapid Tooling(1996年1月1日)中に記載されている。
[0008] インプラント又は足場を設計し、製造する時に考慮すべき追加の要素は、機械的応力に対処し、それを伝達する部分にとって適切な強度及び剛性である。場合によっては、強度及び剛性は、インプラント又は足場が宿主体内で再吸収性又は分解可能である必要性と比較考量されなければならない。ポリマーの分子量を操作することは、多くの場合、インプラントの強度に対して、インビトロ並びにインビボの再吸収レベルの速度及び範囲の両方を調整することが多く、分子量が高いと強度がより高いことが多く、分子量が低いとより再吸収性であることが多い。しかしながら、低分子量の足場又はインプラントの後硬化処理は、問題のある可能性があり、したがって、理想的なレンダリング方法は、いずれの必要な後硬化処理も最小限としうる。
[0009] 光造形法によるインプラント及び足場のレンダリングが実証されてきたが、これまで、市販の装置における制限は、精度レベルを比較的低いものとしてきた。
[0010] 例えば、従来の光造形法によるレンダリング装置の精度及び解像度では、該装置は、最適の幾何学的スケールのうちの下限の孔及び孔開口部などの、足場又はインプラントの表面特徴を生成することができない。従来の光造形法によるレンダリング装置は、インプラント及び足場の直交する向きの孔構造を生成することが可能でありうる一方、それらは、斜め向きの孔を生成するために十分な解像度を提供することが不可能でありうる。さらに、光造形法によるレンダリングは、インプラント又は足場の製造との関係で様々な他の制限も有しうる。例えば、従来の光造形装置は、層を重合させるためにレーザーを使用する。レーザーは、タンク入りの液体ポリマーの上部に対して下方に向く。タンクの内部には昇降機があり、下方にある部分が層ごとにレンダリングされる時にこの部分を下向きに引き下げる。典型的に、描画速度は、層中のすべての画素を同時に描くのには十分に早くなく、これは、インプラント又は足場がレンダリングされる際に、層内の画素間の架橋及び/又は過硬化若しくは層間のステッチングを制御することを困難にしうる。
[0011] また、従来の光造形装置は、例えば、重合深度及び過硬化のレベル又は強度を制御するために、層内の別の点におけるエネルギー量に対して、1つの点におけるエネルギー量を調節する方法を提供することができない。重合深度並びに効果のレベル又は強度を制御することは、極めて重要である。
[0012] 多くの他の形態の光開始される付加的な製造におけるような連続デジタル光処理(「cDLP」)による鎖長依存性の伝播における解像度の制御は、有用で正確な部品とするために必須である。高精度の付加的な製造を可能とする数種の重要な技術的側面は、(i)光の正確なデリバリー、(ii)光の波長及びエネルギー量の良好な制御、及び(iii)各層を形成し、先に構築された層と結合(すなわち、ラミネート)するための適切な位置に移動させられることのできる構築された表面である。
[0013] 通常、cDLP製造において、硬化深さ又はz軸解像度を制御するための手段として、光開始剤を活性化する光の波長を制限するために、(光減衰材とも呼ばれる)染料として知られる光阻害剤がポリマー混合物に導入される。これらの染料は多数あるが、生物適合性の選択肢はずっと少ない。さらに、紫外線透過度及びUSPグレードに対して有効な染料は、さらに入手が困難である。これらの要求に合う1つの染料は、二酸化チタンである。これは、多くのセラミックのように生物適合性で、安定で、粒径が小さく、光開始ポリマー混合物中での使用に理想的である。しかしながら、二酸化チタンは強力な紫外線吸収剤である一方、強力な散乱特性も有し、これが意図しない硬化をもたらし、それによってxy平面において、及び潜在的にz平面において解像度を減少させるという、避けられない不都合な点がその有効性には存在する。この現象は、「暗硬化(dark cure)」と呼ばれる。二酸化チタンと一緒に、並びにそれら自身で機能して、所望の物理的、生物学的及び化学的性質を有する、再吸収性で生物適合性の組織工学足場を生成する、染料又は他の生物適合性の作用物質を同定することが必要である。
[0014] 本明細書に開示されるのは、再吸収性の足場及びインプラントの3D製造(組織工学)において使用される、光重合性樹脂混合物のための組成物である。用語、樹脂は、本明細書において、ポリマー及び染料、光開始剤などの他の構成要素を含有し、付加的な製造適用において使用される光重合性の(液体などの)流動性材料をさすために使用される。本明細書中で使用されるとおり、用語、重量パーセント(%)又は重量比(w/w)は、交換可能に使用される。
[0015] 付加的な製造をされた部分の解像度は、光重合可能な樹脂組成物中で、製造された部分の平面間(z)解像度を制御する樹脂組成物中の第一の物質、光開始剤、及び製造された部分の平面内(x−y)解像度を制御する第二の物質の使用によって制御される。
[0016] 再吸収性インプラントの付加的な製造において使用される樹脂組成物のための染料−開始剤パッケージは、光開始剤を活性化する光の伝送を制限する染料、光開始剤、及び第1の染料から反射された光を吸収する光吸収剤を含む。一実施形態によれば、第1の染料はTiOである。別個の実施形態によれば、光開始剤はアシルホスフィンオキシドである。別個の実施形態によれば、光吸収剤は、ベンゾフェノンである。さらに別の実施形態によれば、光開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である。さらに別の実施形態によれば、光吸収剤は、「HMB」としても知られる、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)である。
[0017] 再吸収性インプラントの付加的な製造において使用される樹脂組成物のための染料−開始剤パッケージは、光開始剤を活性化する光の伝送を制限する染料、光開始剤、及び第1の染料から反射された光を吸収する光吸収剤を含む。一実施形態によれば、第1の染料は、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(Irgacure(登録商標)784)である。別個の実施形態によれば、光開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である。さらに別の実施形態によれば、光吸収剤は、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、ジベンゾイルメタン、若しくはその光安定な誘導体(例えば、アボベンゾン)、オクチノキサート、オクトクリレン、又はパディメートOである。
[0018] 再吸収性の足場及びインプラントの製造において使用される液体光重合性組成物のための染料−開始剤パッケージは、染料、光開始剤、及び光吸収剤を含み、該染料は、液体光重合性組成物の重量比(w/w)で約0.1から約5.0%のTiOであり、光開始剤は、約0.1から約5.0%(w/w)のBAPOであり、及び光吸収剤は、約25から約35%(w/w)のオキシベンゾンであり、分母は、液体光重合性ポリマー(複数可)及び組成物又は樹脂中で使用される任意の溶媒の重量である。別の実施形態において、染料は、約0.1から約5.0重量%のビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、光開始剤は、約0.1から約5.0重量%のBAPOであり、光吸収剤は、約0.1から約5重量%のオキシベンゾンである。
[0019] 再吸収性の足場及びインプラントの製造において使用される樹脂組成物のための染料−開始剤パッケージは、第1の染料及び光開始剤を含み、第1の染料は、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムを含み、光開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)を含む。一実施形態によれば、組成物は、約0.1〜5.0%(w/w)の第1の染料、及び約0.1〜5.0%(w/w)の光開始剤を含み、重量パーセントは、ポリマー(複数可)及び樹脂中で使用される任意の溶媒の重量に基づく。他の範囲は、第1の染料が約0.1〜1%(w/w)、及び光開始剤が約1〜3%(w/w)であることを含む。
[0020] 組織工学適用における使用のための液体光重合性組成物のための光開始剤パッケージは、第1の光開始剤、及び第2の光開始剤を含み、ここで、第1の光開始剤は、付加的な製造装置中の第1の光源に露光された時に組成物を硬化させ、第2の光開始剤は、付加的な製造装置中の第1の光開始剤を活性化する光の伝送を制限し、さらにここで、第2の光開始剤は、組成物を後硬化させるために使用される第2の光源に露光された時に活性化される。一実施形態において、第1及び第2の光開始剤の一方又は両方は、アシルホスフィンオキシドである。さらに別の実施形態によれば、第1の光開始剤はBAPOであり、第2の光開始剤はビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである。本明細書においてさらに考慮されるのは、3D印刷された組織工学部品の強度を増大させる方法であって、光重合性ポリマーを第1の光開始剤及び第2の光開始剤と混合する工程であって、第2の光開始剤が第1の光開始剤を活性化する光の伝送を制限する工程と、該混合物を局在化された光に露光して、ポリマーを硬化させる工程と、光浴中で生成物を後硬化させる工程であって、光浴中の光が第2の光開始剤を活性化して、製造された部分の強度を増大させる工程とを含む、方法である。
[0021] 第1の染料、光開始剤、光吸収剤及び任意選択により、第2の染料を含む、付加的な製造用樹脂のための染料−開始剤パッケージ。染料は、二酸化チタン及び/又はビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(Irgacure(登録商標)784)であってもよい。光開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)であってもよい。光吸収剤は、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)であってもよい。一実施形態において、パッケージは、約0.1〜5%(w/w)のTiO、約0.1〜5%(w/w)のBAPO、約0.1〜5%(w/w)のIrgacure(登録商標)784及び約8〜15%(w/w)のオキシベンゾンを含み、ここで、重量パーセントは、ポリマー(複数可)及び樹脂中で使用される任意の溶媒の重量に基づく。
[0022] 生物適合性ポリマー、溶媒、及び染料−開始剤パッケージを含む、再吸収性インプラントの付加的な製造における使用のための液体光重合性組成物。一実施形態によれば、生物適合性ポリマーは、ポリプロピレンフマレートを含み、溶媒は、フマル酸ジエチルを含み、染料−開始剤パッケージは、染料、光開始剤、光吸収剤、及び任意選択により、第2の染料を含む。
[0023] 生物適合性ポリマー、溶媒、及び染料−開始剤パッケージを含む、生物適合性で再吸収性の足場の3D印刷のための液体光重合性組成物であって、生物適合性ポリマーがポリプロピレンフマレートを含み、溶媒がフマル酸ジエチルを含み、染料−開始剤パッケージが染料及び光開始剤を含む。組成物は、1:1、1.5:1、2:1又は3:1の比の溶媒に対するポリプロピレンフマレートの重量比、約0.1から5.0%(w/w)の染料であって、重量パーセントが、ポリプロピレンフマレート及び組成物中の溶媒の重量に基づく染料、並びに約0.1から5.0%(w/w)の光開始剤であって、重量パーセントが、ポリプロピレンフマレート及び組成物中の溶媒の重量に基づく光開始剤、を含みうる。組成物はさらに、約10から35%(w/w)の範囲内の光吸収剤を含み、光吸収剤の重量パーセントは、ポリプロピレンフマレート及び組成物中の溶媒の重量に基づく。組成物はさらに、約0.1から5.0%(w/w)の範囲内の第2の染料を含む。
[0024]インプラントの付加的な製造のための連続デジタル光処理(cDLP)を例示する。 [0025]開始剤、光源、及び染料に関する、波長対光吸収/発光の大きさをプロットした代表的なチャートを例示する。 [0026]液体光重合性樹脂の層の硬化深さに対する二酸化チタン染料濃度の効果を示すプロットを例示する。 [0027]代表的な多孔質構造足場を例示する。 [0028]斜めの孔を含む代表的な多孔質構造を例示する。 [0029]後硬化された3D印刷された足場の、「素地の」(後硬化されていない)足場に比較した弾性を例示する。 [0030]後硬化された3D印刷された足場の、「素地の」(後硬化されていない)足場に比較した強度を例示する。 [0031]代表的な足場の等角図、正面図及び頂角図を例示する。 [0032]1%BAPOの固定濃度において異なるパーセンテージの二酸化チタン及びオキシベンゾンを用いた、生物適合性樹脂の硬化層厚さに対する効果のプロットを例示する。 [0033]2%BAPOの固定濃度において異なるパーセンテージの二酸化チタン及びオキシベンゾンを用いた、生物適合性樹脂の硬化層厚さに対する効果のプロットを例示する。 [0034]3%BAPOの固定濃度において異なるパーセンテージの二酸化チタン及びオキシベンゾンを用いた、生物適合性樹脂の硬化層厚さに対する効果のプロットを例示する。 [0035]付加的な製造プロセスの一実施形態によって製造された中実円柱の応力対ひずみをプロットする。 [0036]付加的な製造プロセスの一実施形態によって製造された中実円柱の応力対ひずみを破壊までプロットする。 [0037]患者における埋め込みのための組織工学足場を製造し、組織の成長を促進する方法を例示する。 [0038]患者に埋め込まれるインプラントの連続デジタル光処理による製造のためのプロセスを例示する。
付加的な製造
[0039] 図1はインプラントIMPの付加的な製造のための連続デジタル光処理(cDLP)装置100を例示する。装置100は、デジタルマイクロミラー装置(DMD)プロジェクタ110を含む。DMDは、層の画像の各画素における投影光の強度を制御するマイクロミラーのアレイから成り、インプラントIMPの各層の各ボクセル(体積画素)を効果的に重合させる。(「マイクロ光造形法」、「投影光造形法」又は「投影印刷」とも呼ばれる)連続デジタル光処理における用語「連続」は、光造形法などの他の付加的な製造法において起こるボクセルの逐次的な描画(すなわち、レーザービームの移動)とは対照的に、層内のすべてのボクセルが同時に投影されうることを示す。cDLPに基づく付加的な製造は、合わせて1つの画像としての完全なインプラント層となりうる複数のボクセル又は「ボクセルマスク」を投影する。これは、層全体が同時に硬化されることを可能とする(すなわち、連続硬化)。
[0040] 光架橋に依存する他の3D印刷技術も本明細書において考慮され、本明細書において考慮される樹脂組成物は、伝統的な光造形法並びに2光子製造加工法にも適用され、これは、ミクロン未満の精度及び光架橋に依存する他の3D印刷技術を達成することができる。
[0041] プロジェクタ110は、透明又は半透明な基部プレート130を通して光120を投影し、基部プレートの上部には液体光重合性材料を含む樹脂140がある。光120への露光は、樹脂140を少なくとも部分的に硬化させるか又は重合させて、インプラントIMPの層を形成する。例示した実施形態において、装置100はさらに、インプラントIMPが動作可能にそこへ付着する構築プレート(build plate)150を含む。構築プレート150は、モータ(示されない)に動作可能に付着し、モータの動作は、光120が樹脂140を逐次的に硬化又は重合させてインプラントIMPの各層を形成する際に、構築プレート150を基部プレート130から離れるように逐次的にシフト又は上昇させる。光120はさらに、先にレンダリングされた層を重合又は過硬化させて、新たに重合された層を先の層に結合又はステッチさせる。
[0042] 一実施形態において、cDLP装置100は、envisionTEC(Gladbeck、Germany)製のPerfactory(登録商標)UV装置である。別の実施形態において、cDLP装置100は、envisionTEC製のPerfactory(登録商標)UV装置以外のcDLP装置でありうる。
精度及び解像度
[0043] 3D印刷ストラテジーの精度は、光の送達を支援するハードウエア、光に反応する樹脂の化学的性質、並びに構築プラットフォームの層ごとの造形の間の位置決めの精度に依存する。光架橋に基づく3D印刷技術は、すべての付加的な製造モダリティーの中で最高の精度を有しうる。
[0044] 一実施形態において、投影された各ボクセルマスクも、空間的に変化する放射照度を使用し、これは、各画素が異なる光強度値に割り当てられうることを意味する。各画素を異なる強度値に割り当てることの利益は、層内で硬化速度を変化させ、画像処理におけるものに類似したアンチエイリアシング法を可能とすることを含む。一実施形態において、cDLP装置100は、x及びy方向の画素の小部分によりマイクロミラーを移動させることによって装置の真の解像度を増大させる技術である画素シフトと同様のプロセスによって、層内(x−y)解像度を効果的に2倍にする高解像度モジュール(Enhanced Resolution Module(ERM))(示さない)を備える。
[0045] cDLPレンダリングの独特の性質は、設計ファイル又はCADファイルにおいて見られる形状に対する、結果として得られたインプラント又は足場の類似性として定義される、改善された精度を可能とする。精度を高める1つの原因は、平面内(x−y)解像度であり、これは、投影レンズの倍率及びDLPチップの解像度の関数である。画素サイズは、75マイクロメーター以下であってもよい。ERM、画素シフト、アンチエイリアシング又はそれらの組合せは、さらに、平面内解像度を少なくとも2倍高めうる。
[0046] cDLP装置100はさらに、平面間又は(z)解像度を高めることによって精度を高める。平面間(z)解像度は、他の要素の中でも、モータ(示さない)により制御され、これは、構築平面150を連続した層の間にシフトさせる。一実施形態において、装置100は、50マイクロメーター及び15マイクロメーターもの小さな増分が可能なモータを有する。平面間(z)解像度は、光120の透過の深さを制御して、樹脂140又はインプラントIMPの先にレンダリングされた層に重合エネルギーを限定することによって、さらに制御されうる。
[0047] インプラント又は足場の解像度における精度も、樹脂の構成要素によって決定され、これは、ポリマーが光架橋される場合の精度及び架橋密度を改善するために操作されうる。架橋を制御することは、レンダリングされたインプラント表面の精度を高め、架橋密度を不均一に分布させるために光が使用可能である場合、インプラント内の材料の特性の制御を可能とし、重合の解像度が改善されると、造形プロセスの間に必要な処理量を減少させる。
[0048] Perfactory(登録商標)UV装置のモデルは、50マイクロメーターずつの増分が可能なモータ及び60ミリメーターのレンズを有し、71マイクロメーターの平面内(x−y)ネイティブ解像度及び画素シフトを用いて35.5マイクロメーターを提供する。したがって、Perfactory(登録商標)UV装置のこのモデルは、35.5×35.5×50μmのボクセルを連続重合することができる。Perfactory(登録商標)UV装置の別のモデルは、42マイクロメーターのネイティブ平面内(x−y)解像度及び画素シフトによる21マイクロメーターの解像度を提供する75ミリメーターのレンズを有する。
光重合性材料
[0049] cDLPプロセスは、結果として得られるインプラントIMPの機械的性質及び他の性質を、光重合性材料の分子量を制御することによって部分的に制御する。材料の分子量の操作は、得られるインプラントIMPの強度を調整し、分子量が高いほど一般に強度が高い。したがって、インプラントIMPが大きな機械的応力を受ける適用のためには、レンダリングされた部分が機械的応力を適切に処理し、伝達しうるように、光重合性材料を選択することができる。
[0050] 患者の体における埋め込みを目的とするインプラント又は足場のような適用においては、光重合性材料並びに任意の開始剤、染料、溶媒、及び他の物質を含むインプラント、又は足場の構成要素が生物適合性であることが重要であり、それは、インプラントが生きている細胞、組織、又は器官に損傷又は毒性の実質的リスクをもたらさず、免疫系による拒絶の実質的なリスクをもたらさないことを意味する。場合によっては、何らかの非生物適合性の構成要素又はプロセスを使用することが可能である。しかしながら、それらは通常、埋込の前に完全に除去されるか、生物適合性とされる。例えば、いくつかの非生物適合性化学物質が製造プロセスの間に使用されうるが、埋込の前に完全に除去されなければならない。
[0051] 組織工学足場のような適用においては、足場の再吸収性又は生体吸収性、すなわち、宿主の体内で分解する該部分の能力が非常に重要な考慮事項である。これは、細胞の成熟及び入ってくる宿主組織に応答して足場が再吸収する骨のような組織の再生にとって重要である。時宜を得た足場の再吸収は、自由なリモデリング及び宿主への新組織の組み込みを可能とするための成功した血管系の統合のために重要である。したがって、材料特性の予測可能な損失率、足場の予測可能な劣化率(例えば、全体的に劣化するよりも、予測可能な割合で破損又は磨滅するポリマーを選ぶことが有用でありうる)、及び予測可能なpH変化率を含む、予測可能な足場の再吸収は重要である。ポリ(l)乳酸(PLA)、ポリ(グリコール)酸(PGA)、ポリ(ε−カプロラクトン)を含む、広い範囲の生物適合性ポリマーが存在する。Vert Bioabsorbable polymers in Medicine−an overview.Eurointervention Supplement(2009)(5)(F):F9−F14。
[0052] 足場の樹脂に抗生物質及び生物活性分子を組み込むことも有益でありうる。生物活性リガンドの組み込みは、(骨足場における骨芽細胞などの)新組織にとって有用な細胞の選択的付着を促進するために有用でありえ、一定の細胞の選択的付着は、望ましくない細胞タイプに優先しうる。細胞付着に関連する細胞成分を上方制御し、付着した細胞の増殖を改善し、及び/又は所望の組織機能に向けて細胞のその後の成熟を促進するリガンドも使用してもよい。
[0053] 足場の強度及び剛性は、足場の再吸収率と比較考量されなければならない。一般に、材料の分子量の操作は足場の再吸収レベル対強度を調整し、分子量がより高いと、より強いがより再吸収性の低い足場となり、分子量がより低いと、より弱いがより再吸収性の高い足場となる。
[0054] 低分子量のポリマーは、安全に分解し、体内に吸収可能であることが多い。一般に、再吸収性ポリマーは、一般の自動車、航空宇宙及び工業適用において使用されるポリマーに比べて非常に低分子量であることが多い。再吸収性ポリマーは通常、これらの適用において使用されるポリマーよりも2から3桁も低い分子量を有する。
[0055] 再吸収性であることに加えて、理想的には、得られるインプラントは、孔を含むインプラントの構造からのレンダリング後の未重合材料の浄化を可能とするために十分な「素地強度(green strength)」を有する。素地強度は、cDLPが起こった直後で未重合材料が洗い流された後であるが、UV光ボックスへの露光又は熱に基づく硬化などの任意の後硬化の前の、レンダリングされたインプラントの強度として定義される。
[0056] 一実施形態において、本開示のcDLPプロセスは、光重合性材料として再吸収性ポリマーポリ(プロピレンフマレート)又はPPFを使用する。PPFは、低分子量、無毒性及び再吸収性を含む、光重合性材料に関して上で議論した特徴のほとんどを組み込んでいる。別の実施形態において、本開示のcDLPプロセスは、PPF以外の再吸収性の光重合性材料を使用する。さらに別の実施形態において、本開示のcDLPプロセスは、再吸収性でないが、生物適合性又はバイオニュートラル(bioneutral)な光重合性材料を使用する。一実施形態において、光重合性材料は、約4,000ダルトン以下の分子量を有する。別の実施形態において、液体の光重合性又は光硬化性材料は、約1,200ダルトン以下の分子量を有する。さらに別の実施形態において、光硬化性材料は、1,000ダルトンから20,000ダルトンの範囲の分子量を有する。しかしながら、1,000〜5,000ダルトン、2,500〜8,000ダルトン、7,500〜15,000ダルトンなどを含む、他の分子量範囲も可能である。
[0057] 本明細書において、光造形連続デジタル光処理又は他の光架橋に基づく3D印刷法により製造される、孔を有しても有さなくてもよく、ヒドロゲル中に懸濁された細胞、増殖因子及び/又は他の構成成分を有しても有さなくてもよい、インプラント及び再吸収性インプラント及び生物適合性構造も考慮される。選択されるポリマー又はポリマー(複数)は、樹脂中の他の構成成分が相互に及び該1つ又は複数のポリマーに結合する能力、並びに該ポリマー(複数可)と他の樹脂構成成分間の他の物理的相互作用にも影響を及ぼすことができる。
粘度
[0058] PPFなどのいくつかの液体光重合性材料は、粘度が高い。図1を参照すると、cDLPにおいて、例えば、基部プレート130上部に利用可能な樹脂140が十分にない場合、又は液体光重合性材料を取り込んだ樹脂140の粘度が過剰であるためにその層内に気泡が形成される場合、層の欠如が生じうる。粘稠な樹脂はまた、先の層が硬化した領域に残された空所への流れこみがさらなる時間を必要とするため、層と層の間により長い休止を必要とする可能性がある。より長い露光時間(及び/又は粘度の高いだけの材料)も、構築プロセスの間に、透明な基部プレートへの足場の望ましくない接着をもたらしうる。
[0059] 溶媒の使用は、樹脂の粘度を減少させることによってこれらの問題を緩和しうる。粉末(すなわち、固体結晶)、セラミックス又は他の構成要素などの、製造された部分に最終的に結合される物質の添加は、樹脂中に該添加物を溶解するために、溶媒の使用を必要とする可能性がある。しかしながら、溶媒の使用は、インプラント若しくは足場の剛性に影響する可能性があり、より大量の溶媒はインプラントの剛性を低下させる。理想的には、樹脂の粘度は、インプラントの剛性を犠牲にせずに低下されうる。さらに、樹脂の粘度を低下させるために使用される任意の物質は、低毒性又は無毒性を含む、液体光重合性材料について上記したものと同じ特徴をいくつか有しなければならないであろう。
[0060] 樹脂140中で使用される液体光重合性材料がPPFである一実施形態において、樹脂の粘度を低下させるためにフマル酸ジエチル(DEF)が樹脂140に添加される。DEFは、PPFへのモノマー前駆物質である。このモノマーは、架橋して結果として得られるインプラント又は足場となり、いったん架橋すると毒性リスクをほとんど又は全く引き起こさない。一実施形態において、PPFに対するDEFの割合は、重量で約1:1である。PPFに対するDEFの重量による他の割合は:約1:3から約1:0.5を含む。さらに別の実施形態において、樹脂の粘度を低下させるために使用される物質は、DEF以外の物質である。一実施形態において、樹脂に物質が添加されずに樹脂の粘度を低下させる。
[0061] いくつかの樹脂は必ずしも室温において又は所望の使用温度において良好に流動しない可能性があるため、希釈剤などの他の物質も、樹脂組成物の「流動」特徴を改善するために樹脂組成物に添加されうる。例えば、DEFが、PPF樹脂を含む樹脂組成物の流動特徴を改善するためにも使用されうる。溶媒は、同じ環境下で希釈剤と同じ機能を果たしうる。
光開始剤
[0062] 重合反応を促進するために、光重合性材料を含む樹脂に光開始剤が添加される。組織工学における使用のために必要とされる光開始剤は、無毒性かつ生物適合性でなければならない。光開始剤としては、ビスアシルホスフィンオキシド、例えば、商品名Irgacure(登録商標)819のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BAPO)(BASF(Ciba Specialty Chemicals))又は商品名Irgacure(登録商標)784のビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(BASF(Ciba Specialty Chemicals))が使用可能である。他のIrgacure光開始剤、例えば、Irgacure184、Irgacure250、Irgacure754、Irgacure819−DW、Irgacure1173、Irgacure2022、Irgacure2100、IrgacureBP、IrgacureTPO、及びIrgacureTPO−Lも使用されうる。Dispersions & Pigments North America、BASF、http://www.dispersions−pigments.basf.us/p02/USWeb−Internet/pigments/en_GB/content/microsites/pigmentsdispersions/products/Irgacureを参照のこと。
[0063] Fisherら、Photoinitiated Cross−Linking of the Biodegradable Polyester Poly(propylene fumarate).Part I.Determination of Network Structure、Biomacromolecules 2003、4 1327−1334に記載のとおり、ビスアシルホスフィンオキシド(例えば、BAPO)は、光開始剤のアシルホスフィンオキシドクラスの3つの基本的メンバーの1つである。該クラスの他のメンバーは、モノアシルホスフィンオキシド(MAPO)及びトリアシルホスフィンオキシド(TAPO)である。これらの化合物のすべては、照射に際してベンゾイル−ホスフィノイル結合の切断を受け、フリーラジカルを生成する。フェニルグリオキシレート、ヒドロキシケトン、アルファアミノケトン、アルファヒドロキシルケトン、ベンジルジメチルケタール、スルホニウム塩、オキシムエステル、光酸発生剤及び上記のいずれかの組合せなどの他の化合物も、本明細書において光開始剤として使用可能である。
[0064] さらなる他の作用物質、例えば、ベンゾフェノン(例えば、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン))、カンファキノン、及び付加的な製造プロセスのために選択された光の存在下でフリーラジカルを生成する他の光開始剤が、光開始剤として使用可能である。オキシベンゾン、カンファキノン及び他のものは、硬化プロセスにおいて援助するフリーラジカルを生成するために共開始剤を必要としうる。共開始剤は、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(「DMABE」)又はトリエタノールアミン(「TEA」)又は光開始剤によるフリーラジカルの生成を援助する任意の他の作用物質であってもよい。製造プロセスにおいて使用される光の波長、光開始剤により生成されるフリーラジカルの種類及びそれらの形成速度は、樹脂を硬化させるのに必要な架橋の生成における開始剤の有効性を決定する。
[0065] 一実施形態において、液体光重合性材料を含む樹脂中の開始剤の重量パーセンテージは、液体光重合性ポリマー(複数可)及び使用される任意の溶媒の重量に対して約0.5%〜1.0%(w/w)の範囲にある。他の範囲は、約0.75%〜1.5%(w/w)、約1.0〜2.0%(w/w)、約2.0〜3.0%(w/w)を含む。約0.5%未満及び約3.0%(w/w)超の範囲も考慮される。
染料
[0066] 上記のとおり、cDLPプロセスの平面間(z)解像度は、硬化されている光重合性材料か、又は先に硬化されたインプラント層への重合光エネルギーの透過の深さを制御することによってさらに制御されうる。先にレンダリングされた層へのあるレベルの光透過が、過硬化又は層間結合としても知られる層間のステッチングを確実にするために望ましいものでありうる。しかしながら、光が深く透過しすぎる場合、先に硬化した層が、過硬化して、結果としてのインプラント又は足場の望ましくない特徴をもたらしうる。
[0067] 足場又はインプラント層への重合光エネルギーの透過の深さを少なくとも部分的に制御して層間結合の制御を支援するために、(本明細書において、一般に「染料」と呼ばれる)染料又は顔料が光重合性材料を含む樹脂に添加される。染料は、無毒性を含む、光重合性材料について上記したもののうちの数種と同じ特徴を有しうる。例えば、足場又はインプラント層への重合光エネルギーの透過の深さの適切な制御を提供しうる、アゾクロム染料などの染料は、毒性があり、したがって、インプラント適用には好適でない可能性がある。選ばれた染料の考慮すべき性質は、レンダリングプロセスを通して、液体光重合性樹脂中に懸濁されたままでいるその能力である。いくつかの染料に関して、染料が沈降している場合、プロセスを停止し、樹脂を再撹拌することが必要である可能性がある。粘度、温度及び動きは、染料又は他の樹脂構成成分を溶解する能力に影響を与えうる。
[0068] 染料−開始剤パッケージ中で使用される染料は、足場に組み込まれる可能性があるため、足場表面の粗さに積極的に影響を及ぼし、抗生物質などの生物活性化合物として作用するか、そうでなければ、足場分解環境に影響する(例えば、過剰に酸性又は塩基性である場合にpHを中和する)こともできる染料を使用することが有用でありうる。一実施形態において、使用される染料は、ドキシサイクリン塩酸塩である。別の実施形態において、使用される染料は、アンフォテリシンBである。二酸化チタン(TiO)などの染料を、足場又はインプラント層への重合光エネルギーの透過の深さを部分的に制御するために、光重合性材料を含む樹脂に添加してもよい。TiO以外の染料又はTiO以外の染料を含む染料の組合せを、足場又はインプラント層への重合光エネルギーの透過の深さを制御するために、液体光重合性材料を含む樹脂に添加してもよい。
[0069] 図1に戻って参照すると、一実施形態において、DMDプロジェクタ110は、光120を、その上部に染料を含む樹脂140がある基部プレート130を通して、上向きに照射する。染料は、光120の透過の深さを制限し、それによって、各個別のボクセルの硬化深さの制御を改善する。使用される染料の濃度を変化させて、光120の透過の深さを制御することができる。樹脂140中に存在する染料の量は、重合反応に供与されるエネルギー量に影響を及ぼす。
[0070] 染料は、重合深度を制限し、z方向の解像度を損なうことなく、より高レベルの照射を用いる選択肢を可能とする。現在の層は、先にレンダリングされた層を過剰に過硬化させることなく、高いエネルギーレベルにおいて硬化されうる。この方法によるより高レベルの光エネルギーの使用は、インプラントの素地強度を増大しうる。
[0071] 一実施形態において、光の透過の深さを、50マイクロメーターの層及び先にレンダリングされた層の70マイクロメーターの過硬化で約120マイクロメーターまで減少させるために、樹脂中の染料濃度は、ポリマー(複数可)及び使用される任意の溶媒の約1〜5重量%(%w/w)の間である。別の実施形態において、樹脂中の染料濃度は、ポリマー(複数可)及び樹脂中の任意の溶媒(複数可)の約0.01から約0.2重量%の間であるが、他の範囲、例えば、ポリマー(複数可)及び樹脂中の任意の溶媒(複数可)の約0.2から0.5重量%、約0.2重量%未満又は約5重量%超も可能である。先の層の過硬化は、約10%から300%の間の範囲内であるように選択されうる。
染料−開始剤パッケージ
[0072] 図2は、開始剤、光源及び染料に関する波長対光の吸収/発光の大きさをプロットする代表的なチャートを例示する。染料の主要機能は、光を遮断することである。多くの染料に関して、これは、光の吸収によって達成される。他の染料に関して、これは、光の反射又は散乱によって達成される。したがって、染料は、光子について開始剤と競合する。図2中の線a及びbの間の領域は、cDLPプロセスが、光の透過の深さ及び開始剤に与えられる重合エネルギー量を最も大きく制御する領域である。線の左側の波長の光は、染料によって遮断されないが、線bの右側の波長の光は、樹脂の適切な重合をもたらさない。
[0073] 光の透過の深さをさらに減少させるために、樹脂中の染料の量が増加されうる。しかしながら、染料の量として存在する開始剤の量を増加させることも必要であるかもしれない。このように、樹脂中に含まれるそれぞれの量が他方の量に依存するため、染料と開始剤は、「染料−開始剤パッケージ」を形成する。さらに、樹脂中の1つ又は複数の染料/開始剤の選択は、3D印刷プロセスにおいて使用される光の波長によって変化する。図2のチャートは代表的なものであり、異なるチャートを生じる、開始剤、光源、又は染料の他の波長が使用可能である。
[0074] いったん製造された足場又はインプラントの全体的強度は、架橋密度の関数であり、これは、1つ又は複数の染料及び/又は開始剤などの樹脂中の構成要素によって影響されうる。例えば、より多量の開始剤の使用は、より強い部品(足場、インプラントなど)を生じるが、染料の量を増加させないと、重合された層はより厚くなり、「z」方向の解像度が低下する。場合によっては、構成要素及び量は、それらが連携するように調整されうる。例えば、TiOとともに使用される場合、Irgacure784は、樹脂組成物中で使用するTiOの量を少なくすることを可能とし、有益な光開始特性を有する。光の正確な波長におけるエネルギー量の増加は、より多くの架橋も生じさせる。しかしながら、これによって層厚さも増加し、それにより層間の解像度が低下するであろう。樹脂中のポリマーの相対量の増加はまた、より多くの架橋の生成を可能とするが、ポリマー量の増加は、ポリマーを架橋させるための開始剤の量の増加を必要とし、これは、層厚さを増加させる。樹脂のために選択される構成要素は、製造プロセスにおいて使用される光の波長に基づいて選択されなければならない。染料は、開始剤を最も活性化する波長の光が樹脂へ透過するのを制限するが、光透過の制限は、開始剤が機能できないほど大きくてはならない。場合によっては、染料が必要でないように樹脂を調整することが可能でありえ、それは、選択される構成成分が、光透過の制御を必要とせずに所望の層厚さの硬化を可能とするからである。
[0075] 本質的に1つ又は複数の光開始剤(「光開始剤」パッケージ)である、染料−開始剤パッケージは、光重合性ポリマー(複数可)を所望の層厚さ及び解像度において硬化させるために調整されるが、染料の不使用は、第1の光開始剤及び第2の光開始剤を含み、ここで、第1の光開始剤は、付加的な製造装置において第1の光源に露光された時に組成物を硬化させ、第2の光開始剤は、付加的な製造装置において第1の光開始剤を活性化する光の伝送を制限する。該光開始剤のうちの1つ又は両方は、付加的な製造装置により使用される光の波長におけるそれらの活性化能力及び付加的な製造プロセスにおいて使用されるポリマーの光重合を開始するそれらの能力に基づいて選択される、アシルホスフィンオキシド、アルファヒドロキシルケトン、フェニルグリオキシレート、ベンゾフェノン又は上記のいずれかの組合せでありうる。再吸収可能な生物適合性足場又はインプラントの付加的な製造のために使用される場合、第1の光開始剤は、BAPOでありえ、第2の光開始剤は、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムでありうる。第1及び第2の光開始剤は、それぞれ、組成物中で使用されるポリマー(複数可)及び任意の溶媒(複数可)の約0.1から約5.0重量パーセントの量で提供されうる。
光吸収剤
[0076] 染料−開始剤パッケージは、光吸収剤も含んでよい。生物適合性であり、安定で粒径が小さいTiOは、光開始されたポリマー混合物中での使用に理想的である一方、強力な光散乱特性を有し、これは、「暗硬化」と呼ばれる意図しない硬化をもたらし、層内解像度又は「x−y」解像度の低下を引き起こす。光散乱は、「z」方向の過多の硬化も引き起こし、これは、足場中の孔にかわる材料の硬化又はインプラント層の間の他の望ましくないポリマー硬化を引き起こしうる。光散乱を調整し、3D印刷プロセスの層内(「x−y」)解像度を制御するための1つの方法は、光吸収剤の使用である。光を吸収し、既知の深さを超えた光の透過を低減又は防止する物質が樹脂に添加されうる。一実施形態によれば、使用される光吸収剤は、「HMB」(Sigma-Aldrich、CAS No.131-57-7)としても知られるオキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)であり、これは、紫外光吸収剤であり、以下の構造を有する:
Figure 0006362614
[0077] オキシベンゾンのUV光を吸収する能力は、完全にコンジュゲートした分子を作り出す、両フェニル環のpi結合の重複及びC=O基のそれを含む分子相互作用による。C=O基及び該2つのフェニル環の部分的統合は、カルボニルの炭素からフェニル環中の炭素への電子欠損の移行によって、システムを安定化する。Castro,G.T.;Blanco,S.E.;Giordano,O.S.、UV Spectral Properties of Benzophenone.Influence of Solvents and Substituents、Molecules 5(3):424(2000)。
[0078] 日焼け止め中で使用される生物適合性の他の化合物などの、同様の光吸収能を有する他の有機化合物も使用されてよい。米国食品医薬品局又は他の政府機関により承認された他の日焼け止め剤は:アボベンゾン、ビスジスリゾール二ナトリウム、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、エカムスル(ecamsule)、メチルアンスラニレート、4−アミノ安息香酸、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン、ホモサラート、4−メチルベンジリデンカンファー、オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸オクチル、パディメートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリシリコン−15、サリチル酸トロラミン、ベモトリジノール(bemotrizinol)、ベンゾフェノン1−12(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、スルイソベンゾン、スリキソベンゾンナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホネート、メキセノン(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチル−ベンゾフェノン)、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−6、オクタベンゾン)、ドロメトリゾールトリシロキサン、イスコトリジノール、オクトクリレン、ビスオクトリゾール、酸化亜鉛を含む。
[0079] いくつかの製造適用のための樹脂組成物中でBAPO及びIrgacure784を併合することは、必要な光吸収剤の量を低減することができる。
[0080] 光吸収剤の吸収スペクトルは、硬化プロセス(付加的な製造プロセスの「構築相」)において使用される波長の光を吸収するように選ばれる。光吸収剤の吸収能は、光開始剤によるフリーラジカルの生成を阻害しないようなものでなければならないが、1つ又は複数の染料又は該プロセス中で使用される他の光減衰剤により散乱される光を吸収するのに十分に大きく、したがってxy平面における解像度を維持するものでなければならない。光吸収剤は、所望の量の光透過を防止するが、所望の重合をもたらす光に応答してフリーラジカルも生成するという点で、染料及び開始剤の両方として作用する物質であってもよい。
[0081] 液体光重合性ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する樹脂中の光吸収剤の重量パーセントは、約(i)0.1から50%;(ii)20〜35%;(iii)10%〜30%;(iv)0.1〜10%で変化しうる。
[0082] 再吸収性の足場及びインプラントの製造のための光吸収剤を含む樹脂組成物は、光重合性材料、ポリマー(複数可)、及び任意の溶媒の重量に対して約0.1から5.0%(w/w)の光開始剤、ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対して約5.0%から35.0%(w/w)の光吸収剤、ポリマー(複数可)、及び任意の溶媒の重量に対して約0.1から5.0%(w/w)の染料を含む。該組成物は、任意選択により、ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対して約0.1から5.0%(w/w)の量の第2の染料/光開始剤を含む。本発明により考慮される他の範囲(ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する構成成分の重量)は:約0.1から3.0%(w/w)の光開始剤、約0.1から3%(w/w)の光吸収剤、及び約0.1から約3.0%(w/w)の染料を含む。一実施形態において、該組成物は、(ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する構成成分の重量で):約1.0から2.0%のBAPO、約8.0から15.0%又は約8.0から約30.0%のオキシベンゾン、約1.0から5.0%のTiO、及び約1.0から5.0%のIrgacure784を含む。別の実施形態において、組成物は、(ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する構成成分の重量で):約1.0から3.0%のBAPO、約0.1から1.0%のIrgacure784及び約0.1から1.0%のオキシベンゾンを含む。
[0083] 光開始剤パッケージの一部として使用される場合、樹脂組成物中で必要な光吸収剤の量は、他の染料−開始剤パッケージ中よりも少なくてもよい。場合によっては、光開始剤のうちの1つは、部分的に染料としても作用し、他の光開始剤を活性化する光のいくらかを制限しうる。さらに、光開始剤は、他の染料と同量ほどは光を散乱しない可能性がある。したがって、必要な光吸収剤の量は、染料−開始剤パッケージを使用する他の樹脂組成物中よりも顕著に少ない可能性があり、付加的な製造プロセスにおいて使用される光に対する他の構成成分の効果に依存する。例えば、それぞれ(ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する構成成分の重量で)約0.1から5%のBAPO及びビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(Irgacure(登録商標)784)を含む光開始剤パッケージ中で使用される場合、オキシベンゾンが、ポリマー(複数可)及び任意の溶媒の重量に対する構成成分の重量で約0.1から約5%の量で添加されうる。
[0084] 本発明の別の実施形態によれば、本明細書において考慮される生物適合性で再吸収性の組織工学足場又はインプラントを製造するための樹脂組成物の要素構成を最適化する方法は、生物適合性であるなどの産物に好適な物質を同定する工程及び経時的に変化する濃度の物質を用いて得られる硬化深さをモデリングする工程を含む。樹脂中の光透過の深さを制限するための最大の能力を有する物質を同定することは、硬化深さに関して多数の組成物を試験するために必要な時間を低減し、生物適合性のインプラントを作製するために好適な組成物を同定するためのプロセスを能率化する。該方法の工程は:(1)光開始剤を活性化する光の伝送を制限するための最大の能力を示す物質を選択する工程;(2)該光制限物質を、ポリマーの重量に対する様々な濃度で光重合性ポリマーに添加することによって試験混合物を作り出す工程;(3)付加的な製造装置を用いて該試験混合物を重合させる工程;(4)重合された試験混合物の硬化深さ対時間の自然対数をプロットする工程;(5)硬化深さ及び対応する光制限物質の濃度を選択する工程;及び(6)上記ポリマー及び選択された濃度の光制限物質を用いてインプラントを構築するための、最終的な光重合性組成物のための1つ又は複数の作用物質を選択する工程、を含んでもよい。光制限物質は、それが光開始剤の機能を阻害しないように選択されなければならない。さらに、最終的な光重合性組成物のために選択される1つ又は複数の作用物質のうちの1つは、xy平面において光制限物質によって散乱される光を吸収する作用物質であってよい。該方法は、最終的な3D印刷された足場又はインプラントの、定性的、生物学的、機能的及び化学的特性を含むが、それらに限定されない所望の特性を実現するために、1つ又は複数の追加の構成成分の効果をモデリングする工程も含んでよい。該方法は、上記の樹脂組成物の構成成分の所望の濃度を決定するために使用されうる。
[0085] 試験ポリマー混合物中の様々なTiO濃度における時間の自然対数対硬化深さのプロットの例が図3に示される。この方法は、典型的に染料又は顔料である、最も強力な光減衰物質の濃度に基づいて、付加的な製造用樹脂組成物をプロットし、決定するために使用されうる。
足場
[0086] 足場の設計は、患者特異的な欠損部位に正確に適合する外部形状を含みうる。さらに、該設計は、複雑な3次元構造を必要としうる。
[0087] 図4は、代表的な足場300を例示する。足場300は、足場300の層に直交するか又は直角である孔310a〜cを含む。内部空間を含む足場の三次元の幾何学的形状は、細胞のローディング及び血管チャネルの確立に重要でありうる。一実施形態において、足場は、孔又は内部チャネルを含む。一実施形態において、足場中の孔及びチャネルの直径は、約150マイクロメーターから約1ミリメーターまでの間である。別の実施形態において、足場中の孔及びチャネルの直径は、約50マイクロメーターから約1.6ミリメーターまでの間である。他の実施形態において、足場中の孔及びチャネルの直径は、約50マイクロメーターよりも小さいか又は約1.6ミリメーターよりも大きい。これらの範囲における足場の孔のモデリングは、他の要素の中でも後硬化によるインプラントの収縮又は埋め込み前の細胞培養又は埋め込み自体により引き起こされる湿潤化による膨潤を矯正するために、CADにおける補償を必要としうる。
[0088] 孔サイズに関する足場設計パラメータに加えて、設計は、細胞ローディング、新組織の成長及び宿主組織の内殖を促進する複雑な多孔質構造を必要としうる。例えば、設計は、孔又はチャネルが欠損部位内の宿主組織に向かって開口して、インプラントの完全な分解の前に組織の内殖を可能とすることを必要としうる。より正確なレンダリングは、複雑な内部孔構造が作り出されうる可能性を高める。
[0089] 図5は、代表的な孔構造の足場400を図示する。足場400は、斜位の孔410a〜cを含む。斜位は、それによって足場が上記の付加的な製造技術を用いてレンダリングされる、x、y及びz方向に対して平行でない任意の方向であると定義される。斜位の構築(非直交)は、宿主組織が足場内の壁(障壁)に当たらないことを確実にするために、外部表面並びに孔構造に関して重要であり、これは、孔及び/又はチャネルが宿主組織に向かって方向づけられる場合よりも孔構造が直交して構築される場合に可能性が高い。インプラント設計者は、足場内の孔及び/又はチャネルが、宿主組織に向かって開口し、それによって新組織のインプラント中への成長及びインプラントの宿主組織中への活発な取り込みを促進するように方向づけることを望む可能性がある。
[0090] 100〜1000マイクロメーターの範囲内のボクセル解像度を有する付加的な製造装置は、直交して方向づけられた孔構造をもたらしうるが、これらの範囲内の斜位に方向づけられた孔を製造するには不十分な解像度を提供する可能性がある。cDLP装置の解像度は、斜位に方向づけられた孔を有する構造のレンダリングが可能となるようなものである。
[0091] さらに、最初の目標が細胞接着である組織工学足場の適用において、PPFの疎水性表面は、高周波グロー放電(RFGD)により又はインプラントを血清中に浸漬してタンパク質吸着を図ることによって修飾されうる。細胞の接着は、細胞外マトリックス成分を模した表面中に埋め込まれた他の要素によっても仲介されうる。これは、1ナノメーターから100マイクロメーターにわたる直径を有するくぼみ及び突起を含みうる表面の粗さ並びに材料のコンプライアンスを含む。
[0092] いったん取り付けられると、目標は、細胞増殖及び最終的には宿主組織が統合する際の成熟へシフトする可能性がある。染料が表面の粗さに対して有する効果に加えて、リン酸三カルシウム結晶などの他の化合物が、付加的な製造装置中の樹脂に添加されてもよい。しかしながら、染料に関しては、溶解度、結晶サイズ及び凝集傾向次第で、足場のレンダリングプロセス全体を通じて比較的一定の濃度でこれらの結晶を樹脂中に懸濁されたままにしておくことは難しいかもしれない。樹脂組成物中で使用される任意の構成要素の結晶構造及びサイズは、変化してもよく、結果として得られる足場の特徴を変化させるために使用可能である。
[0093] 壁厚などの足場設計の特徴は、マクロなひずみの分布に影響し、外傷に耐えるように最適化されうる。さらに、所望の再吸収プロセスを組織の再生の間にインプラントがローディングされる必要性と釣り合わせることが必要でありうる。ひずみに耐える足場の部分を局在化する必要性は、多孔性を欠く領域又はそのうちのいくつかが分解しないかもしれない複合材料でレンダリングされた領域を考慮することを余儀なくするかもしれない。
ポストレンダリング/後硬化
[0094] 最終部品の精度は、徹底的な部分浄化/ポストレンダリングに依存しうる。これは、レンダリング後に架橋しうるいかなる残留未硬化樹脂も除去するために必要としうる。次に、洗浄手順の選択は、cDLPプロセスによって硬化された樹脂の機械的完全性又は素地強度に依存する。正確にレンダリングされるが、柔らかいままである部品は、不適切な取扱い又はきつい溶媒の使用によって損傷を受ける可能性がある。いったん浄化されると、最終部品の強度は、UV浴中での後硬化によって改善されうる。医療手順において使用される部品、例えば、患者中に埋め込まれるインプラントは、手術着で取り扱われ、したがって、術前プロセスの一部としての必要な浄化、滅菌及び取扱いのために十分な強度を必要とする。
[0095] 後硬化は、印刷されたインプラントの強度を調整するために使用されうる。実際、付加的な製造プロセスの構築相のために選択された光の波長において活性化されない光開始剤が選択されうる。これは、インプラントの架橋密度を増大させるために、構築相の間は染料として、(後硬化の間にこれを活性化する適切な波長を選択することによって)後硬化相の間は光開始剤として使用可能である。構築相の間にこれを活性化することなく、後硬化相の間に光開始剤を使用するための他の方法は、3D印刷相の間に使用される光を制限すること又は後硬化まで光開始剤が活性化されない印刷相の間、光を十分に遮断することを含む。
[0096] この様式で構築相の間は染料として、後硬化相の間は光開始剤として使用されうる光開始剤の一例は、Irgacure784である。Irgacure819(BAPO)とともに使用される場合、BAPOは、構築相における主要な光開始剤であり、Irgacure784は、染料として作用する(これは、樹脂の色を変化させる)。次いで、Irgacure784は、後硬化相の間に活性化される。この実施形態において、xy解像度が補償されないように、BAPOを活性化するが構築相の間に樹脂組成物内の光を散乱させない光のいくらかをIrgacure784が部分的に制限するため、光吸収剤は必要とされない。さらに、Irgacure784は、構築相の間に完全に活性化されないが、後に、後硬化などの製造された製品の製造後の加工の間に活性化される。どちらも(後硬化されない)「素地」円柱として、及びUV光浴中で最大8時間まで後硬化された後の、BAPO及びIrgacure784により構築された円柱の強度が、図6及び7に示される。シリンダーの弾性及び圧縮強度は、後硬化により劇的に増大する。任意の付加的な製造プロセスの構築相の間、ポリマーを硬化させるためにポリマー(複数可)及び光開始剤(複数可)の混合物が局在化された光に露光され、任意のポストレンダリング工程(例えば、得られた部品の浄化)の後、該部品は光浴に露光されて、所望の強度までポリマーを後硬化させる。後硬化は、30分超、UV光浴中に部品を置くことでありうる。後硬化は、光浴中での8時間以下又は8時間超を必要としうる。或いは、後硬化は、30分未満を必要としうる。したがって、所望の機械的性質を有するインプラントを製造するために、後硬化時間は、時間だけでなく、樹脂における要素構成及び濃度も用いて較正されうる。
[0097] 任意選択により、部品を構築するために使用される組成物は、染料、光吸収剤又は所望の最終製品により必要とされる他の作用物質などの1つ又は複数の他の作用物質も含む。一実施形態によれば、光重合性組成物は、光重合性ポリマー、溶媒又は希釈剤及び1つ又は複数の光開始剤を含む。
[0098] 以下の例は、本発明の様々な実施形態の非限定的な例であることを意図される。
実施例1
[0099] 第1の実施形態は、再吸収、細胞接着及び増殖、宿主取り込み並びに組織再生の予測可能な特性を有する足場を正確にレンダリングするために、cDLPの付加的な製造システムの較正に焦点を当てた。
[00100] 図8は、代表的な足場500の等角図、正面図及び頂角図をそれぞれ図示する。較正試験の目標は、足場500の「プレート及びポスト」の幾何学的形状を有する足場の付加的な製造のためのcDLPシステムを較正することであった。該実施形態において、円柱状の試験足場は、直径6.0ミリメーター及び長さ12.4ミリメーターであった。垂直チャネル510の直径は、800マイクロメーターであった。プレート520は、厚さ400マイクロメーターであり、お互いに800マイクロメーター離れていた。プレート間のポスト530は、直径600マイクロメーターであった。cDLPプロセスの較正は、少なくとも6つの工程からなるものであった。
[00101] 較正手順の第1の工程は、PPF、DEF、BAPO及び染料を含むcDLP樹脂の複数の単層を重合させることであった。少なくとも3つの試験すべき変数がある:染料濃度、開始剤濃度、及び放射照度の持続時間。変化しうる他の要素は、ポリマー分子量及び多分散性並びに放射照度レベル(すなわち、光が当てられる量及び割合(rate))である。目標は、層厚さを、層間の適切な過硬化を保証するが、所望の「z」ステップサイズ及び正確な幾何学的形状の生成を可能とするに十分に薄くすることであった。x、y及びzにおける解像度は、所望の外部及び内部の孔表面幾何学的形状の精度を決定する。
[00102] 第2の工程は、選択した樹脂構造の材料特性が有用な足場を提供することを確実にすることであった。場合によっては、足場に細胞及び/又は成長因子をローディングし、直ちに埋め込む。他の場合においては、足場を、埋込の前に(バイオリアクター中などで)前培養する。
[00103] 第3の工程は、cDLP装置上方の昇降機上の基部プレート上に「バーンイン」パッチを形成するための樹脂の使用を含んだ。この実施形態のために、発明者らは、構築プレート上にバーンインパッチを直接硬化させることはできなかった。したがって、バーンインパッチは、基部プレート上に樹脂を過硬化させることによって得た。次いで、過硬化させた樹脂パッチを、構築プレートに移し、UV浴(Procure(商標)350、3D Systems)を用いてそのプレート上へ硬化させ、続いてヒートガンによって温めた。樹脂の染料含量がパッチ縁部におけるUV透過を防ぐことができたため、パッチの中心を下にある構築プラットフォームまで確実に硬化させるために熱を使用した。パッチを装置に再導入する時に、加熱した層及びプラットフォームを冷却させて、促進養生を防止するように注意した。この手順は、足場が、金属プラットフォーム自体でなく、PPF樹脂まで直接硬化することを可能とした。
[00104] 第4の工程は、レンダリングのために足場のCADファイルをcDLP装置に転送することを含んだ。CADファイルは、足場とバーンインパッチの間の空間に広がる支持構造を含有しうる。支持構造は、バーンインパッチの十分上方にそびえ立ち、足場のレンダリング中に樹脂がバーンインパッチと足場の間を循環すること、及びこの手順の後に未重合樹脂を洗い流すことを可能とする。
[00105] 第5の工程は、多層足場を上記のとおりにレンダリングすることを含んだ。
[00106] 第6の工程は、インビトロ及びインビボの両方で足場を試験することを含んだ。インビトロの試験は、機械的試験、細胞又は組織を含まない生物学的環境、並びに細胞、成長因子及び/又は組織を含む生物学的環境を含む。
[00107] 既知の方法によって1200ダルトンのPPFを調製し、合成し、精製した。すなわち、それぞれ架橋阻害剤及び触媒としてのハイドロキノン及び塩化亜鉛を用いて、DEF(Acros、Pittsburgh、PA)及びプロピレングリコール(Acros)を1:3のモル比で反応させた。この反応は、中間体であるビス(ヒドロキシプロピル)及び副産物としてのエタノールを生じさせた。次いで、該中間体を真空下でエステル交換させて、ポリ(プロピレンフマレート)及び副産物としてのプロピレングリコールを生成した。次いで、PPFを精製し、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して、数平均分子量を計算した(Mn=1200Da)。
[00108] 320ナノメーターの結晶である、R320二酸化チタンTiO(Sachtleben、White Plains、NY)を使用した。133マイクロメーターのPPF層は、4.8%TiO(試験した範囲:0〜4.8%)、2%BAPO(試験した範囲:0.5〜2%)、33%DEF(試験した範囲:33及び50%)及び放射照度レベルは300秒間で200mW/dm(60秒及び300秒を試験した)であった。目的の層境界を超えた重合の横の広がり(すなわち、x及びy)を観察した。この領域は、高濃度のTiO、特に、これらの高い染料濃度における光入力の増加により、最も迅速に増大した。横の広がりの領域は、予測した露光領域ほど厚く又は強力に硬化しなかった。この現象を定量化するために、通常の硬化試験較正手順に、追加の工程を加えた。硬化させた層厚さの測定、すなわち、z次元の測定に加えて、x−y次元も測定した。
[00109] 硬化試験手順は、UV露光の小さな方形の試験パターンを使用した。TiO濃度が増加するごとに、硬化した方形の薄層の長さ及び幅を記録した。さらに、横方向の重合の影響を受けた領域を含む硬化領域全体の長さ及び幅も測定した。このデータにより、過硬化パーセントを計算することができた。長さ及び幅、又はx及びyの測定結果を各部分について平均し、TiO及びBAPOの各濃度についてこのプロセスを3回繰り返した(n=3)。
[00110] 第1の試みは、不完全な構築及び基部プレート上に形成された重合材料の膜を生じた。これは:(1)重合した樹脂を規則的に除去すること、(2)基部プレートを規則的に浄化すること、及び(3)16時間の構築サイクル全体にわたって基部プレートをモニタリングすることによって、補正された。未重合のポリマーを足場の内部孔空間から浄化することは、超音波アルコール浴を用いる単純な手順であった。レンダリングした足場は、80マイクロメーター内の精度であった。
[00111] 重合深度(マイクロメーター)は、二酸化チタン濃度(wt%)の関数として、BAPO濃度(wt%)と露光時間(秒)の5つの異なる組合せに関して特徴づけした。これらの試験から、2wt%の二酸化チタン濃度と2wt%のBAPO濃度及び60秒の露光時間が133.3マイクロメーターに等しい平均重合深度を生じたと判断した。したがって、これらの設定を、83.3マイクロメーターの過硬化を伴う50マイクロメーターの層を構築するために使用することができた。200mW/dmの放射照度を使用した。
[00112] TiOの高い屈折率は、光の散乱を引き起こした。この散乱がz方向のみでなくすべての方向におけるものである一方、固体層の硬化量はz方向にのみ発生し続けた。側方にはさらなる層はなく、現位置の上方にいまだ層が存在しないことから、他の方向に層間の過硬化はなかった。TiO濃度の増大は、横への過硬化の量の増大をもたらした。200mW/dmの放射照度及び300秒の露光時間を用いて試験を実施した。2つのレベルのBAPOを、各二酸化チタン濃度に関して試験した。
[00113] 使用したcDLP装置は、z方向における13マイクロメーター以下、x及びy方向における71マイクロメーター以下、並びにアンチエイリアシング又は画素シフトソフトウエアを用いた場合の35.5マイクロメーター以下のネイティブの精度を提供可能である。これは、患者に特異的なインプラントを準備するために十分な解像度である。この解像度は、十分に高いため、表面特徴(例えば、表面の粗さ)は細胞が応答するために理想的なスケールでレンダリングすることができた。
[00114] 1200ダルトンのPPFを用い、cDLPデバイスを使用して、層を60マイクロメーターまで薄くすることができた。得られた非常に精度の高い足場は、モデリング、予測、及び終局的な足場特異的な細胞の接着、増殖、成熟及び再吸収パラメータにおける改善を可能にすると考えられる。染料−開始剤パッケージを使用することによって、十分な素地強度を有する非常に精度の高い特性を生じさせ、レンダリング後における未重合樹脂の積極的な除去及び取扱いを可能にする。
実施例2
[00115] この実施形態は、60ミリメーターレンズを有するPerfactory(登録商標)UV装置において実施した。樹脂質量全体に対して比較的少量の染料が必要であった(例えば、0.01から0.2wt%)。この試験において使用した染料は、工業応用において典型的に使用するよりも高い濃度であり、ポリマー質量全体の0.5%以下であった。染料が生物適合性であることが重要である。この試験において、黄色クロムアゾ染料を使用した。この試験において使用した開始剤の量は、2%のIrgacure(登録商標)819(BASF(Ciba)、Florham Park、NJ)であった。樹脂の粘度を低下させるためにこの試験において使用した物質は、PPFのモノマー前駆物質であるフマル酸ジエチル(DEF)であった。
[00116] 設計した(すなわち、CADソフトウエアにおいて)プレートの厚さ及びポストの直径は、それぞれ、0.4ミリメーター及び0.6ミリメーターであった。生成した10プレートの足場は、0.43±0.02ミリメーターのプレートの平均厚さ及び0.63±0.01ミリメーターのポストの平均厚さを有した。フィーチャの精密度(すなわち、低い標準偏差)は、高い精度と同様に重要でありうる。測定したこれらのフィーチャは、それらの設計寸法よりもわずかに高かった。ここでのフィーチャは、予測したよりもわずかに大きかったが、設計したよりも小さいフィーチャをもたらす、フォトポリマーの硬化において観察される収縮効果が典型的に存在する。この効果は、cDLPシステムにおいてボクセルに対するエネルギー分布を操作すること、及び単一のボクセルデータセットの露光において使用したストラテジーによって解決可能である。部品支持体の設計において、足場の異方性の収縮を防止するために変形可能な支持体の幾何学的形状を使用することが重要である。構築プラットフォームに部品が堅固に取り付けられると、基礎部分は収縮することができないが、残りの足場は収縮し、変形量に異方性を生じる。構築プラットフォームの物理的な変質及び過硬化によって平面間の寸法を保証することができるため、平面内寸法のみを補正する必要がある(すなわち、収縮に関して補正するために調整する)。
実施例3
[00117] この実施形態のために、使用したPerfactory装置は、71マイクロメーター及び画素シフトを利用して35.5マイクロメーターの平面内ネイティブ解像度を提供する60ミリメーターレンズを有した。再吸収性ポリマー、ポリ(プロピレンフマレート)(PPF)を使用した。黄色クロムアゾ染料を添加した。この実施形態において使用した開始剤は、Irgacure(登録商標)819(BASF(Ciba)、Florham Park、NJ)であった。PPFの粘度を低下させるためにこの試験において使用した物質は、PPFのモノマー前駆物質であるフマル酸ジエチル(DEF)であった。200mW/dmの放射照度及び120〜240秒の露光時間を用いた時に120マイクロメーターのボクセル高さを達成するために平面間エネルギー設定を較正した。足場の形状は、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムにおいて構成し、120秒の露光時間を用いて6つの足場をレンダリングした。240秒の露光時間を用いて2つの足場を後にレンダリングした。各足場の全径の10回の測定結果を、キャリパーを用いて収集した。目的とする足場の直径は、6mmであった。
[00118] 120秒の露光時間を使用してレンダリングした足場(n=6)は、以下の直径:5.83±0.03、5.83±0.03、5.85±0.04、5.82±0.02、5.83±0.02及び5.85±0.03mmを有した。240秒の露光時間を使用してレンダリングした足場(n=2)は、以下の直径:6.03±0.03及び6.02±0.02mmの直径を有した。240秒の露光の結果は、120秒の露光の部品よりも少ない収縮を示した。
実施例4
[00119] 6ミリメーターの直径と、1.2ミリメーター(N=10)又は12.4ミリメーター(N=8)いずれかの長さを有する多孔質円柱状PPF足場を「プレート及びポスト」の幾何学的形状を用いて2又は4分の露光時間によってレンダリングするためにPerfactoryUV装置を使用した。この足場のためのコンピュータ支援設計は、十分な過硬化(層間結合)を保証するために、120マイクロメーターの硬化深さで50マイクロメーター厚さの層をレンダリングすることであった。黄色クロムアゾ染料、Irgacure(登録商標)819(BASF[Ciba]、Florham Park、NJ)開始剤及びフマル酸ジエチルを原材料、PPFに添加し、足場製造のために使用した。500−195−20Mitutoyo(Aurora、IL)キャリパーを使用して、足場フィーチャを測定した。12.4ミリメーターの足場をマイクロ−CTスキャンした。1.2ミリメーターの足場を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮像した。
[00120] マイクロ−CT画像の定性分析は、異方性であるが、予測可能な収縮を表した。SEM画像の定性分析は、層縁部における薄化を表した。1.2ミリメーターの足場は、0.43ミリメーター(0.02標準偏差)の平均実測ポスト直径(予測値0.4mm)及び0.63ミリメーター(0.01標準偏差)の平均実測プレート直径(予測値0.6mm)を表した。12.4ミリメーター(4分露光群)は、6.03ミリメーター(0.03標準偏差)の平均直径(予測値6mm)を表した。過硬化の正確な較正は、最小の、この試験においては400マイクロメーターの、足場フィーチャの層間結合及び完全な形成を保証する。
実施例5
[00121] 1200ダルトンの平均分子量(Mn)を有するポリ(プロピレンフマレート)(PPF)を、上記の2工程プロセスを用いて合成した。DEF1g/PPF2gの割合でDEFを添加して、材料の粘度を低下させた。光開始剤BAPO(BASF (Ciba) Ludwigshafen、Germany)を、PPF/DEF複合樹脂の質量1gあたり5、10又は20mgの濃度で添加した。較正の間に利用する二酸化チタンの濃度は、PPF/DEF1gあたりTiO0〜48mgで変化する。平均粒径300nmを有するルチル型二酸化チタン(Sachtleben、Duisburg、Germany)を使用した。ここに列挙した構成要素を併合するにあたって、混合プロセスを促進させ、より迅速に樹脂の均一性を達成するために、特別な順番が有用であった。PPFよりもずっと粘度が低いBAPOを最初にDEFに添加し、完全に溶解するまで混合した。次いで、DEF/BAPO混合物を添加する前に、その粘度を低下させるためにPPFを加熱した。ポリマーを架橋させうる過度の温度(>70℃)を回避するように注意した。いったんPPF/DEF/BAPO混合物が調製されたら、段階的にTiOを添加して、T TiO濃度の関数として硬化パラメータを較正することを可能とした。
[00122] この試験のために使用したcDLPに基づく付加的な製造装置は、Perfactory(登録商標)Mini Multi Lens(envisionTEC、Ferndale、MI)であり、これをUVモードで操作した。TiO濃度と硬化層の厚さの間の関係を判定するために、硬化試験を実施した。各試験を実施するために、数滴の樹脂をスライドガラス上に置いた。Perfactory装置を使用し、方形の試験パターンを用いて固定の放射照度及び時間で樹脂を硬化させた。200mW/dmの放射照度をこれらの試験に使用し、スライドガラスの追加された厚さを較正するために注意を払った。60又は300秒の露光時間を使用した。特定の時間が経過後、過剰の未硬化ポリマーをスライドガラスから除去すると固体の方形試験パターンのみが残った。薄層をスライドガラスから除去するためにカミソリを使用し、層厚さを測定するためにデジタルキャリパーを使用した。BAPO及びTiO濃度の各独自の組合せについて3回反復して実施した。
実施例6
[00123] DEF1g/PPF2gの割合で使用して樹脂を調製した。樹脂1gあたりBAPO20mg及び樹脂1gあたりTiO10mgを使用した。成功した構築には、最初の層を硬化させる際に、硬化樹脂の構築プレートへの適切な付着が必要であった。業界標準の方法を用いてPPF樹脂と構築プラットフォームの間の付着を達成するにおいて、いくつかの困難に遭遇し、何らかの介入が必要であった。2つの50マイクロメーターの層を用いて薄い基部プレートを最初にレンダリングし、これは、構築プレートに適切に付着しなかったが、後には透明な基部に固定したままであった。カミソリを用いて薄いプレートを基部から注意深く取り外し、Perfactory装置の外で構築プラットフォームの中心に直接置いた。基部プレートとプラットフォームの間にトラップされたいかなる空気も除去するように注意を払った。次いで、基部プレートをUV浴中で20分間硬化させた。構築プラットフォームへの強力な結合を達成するために、UV露光に加えて、ヒートガンを用いて基部プレートの硬化を終結させた。PPF樹脂から生成した、予め付着させた基部プレートの提供は、次の構築の間に所望の部品を適切に付着させた。この工程が完了したら、200mW/dmの放射照度及び150秒の露光時間を用いて試験足場を構築した。
[00124] 試験部品の何らかの後処理が必要であった。試験部品を、最初はアセトンで、次いで200プルーフのエタノールですすいで、いかなる過剰の未硬化樹脂も内部孔空間から除去した。試験足場を浄化するために圧縮空気も使用した。未硬化樹脂を部品が含まなくなったら、構築プラットフォームをUV浴に入れ、さらに2時間露光して、樹脂を完全に硬化させ、部品を強化した。次いで、基部プレートを構築プラットフォームから分離し、個々の試験足場を基部プレートから取り除いた。カミソリを用いて足場支持体を除去した。
[00125] 足場全体をレンダリングするために使用した樹脂をDEFの添加によって薄くして、PPF/DEFを1:1の濃度に増加させた。材料の自家重合により樹脂の粘度が増大したため、これは必要であった。このプロセスにおいてBAPOとTiOの濃度を、樹脂1gあたりBAPO15mg及び樹脂1gあたりTiO0.75mgまで効果的に低下させた。予め付着させた基部プレートを上記のとおりに使用した。200mW/dmの放射照度及び150秒の露光時間を用いて足場をレンダリングした。構築プロセスが完了したら、足場を構築プラットフォームから取り除き、200プルーフのエタノールですすいだ。追加の浄化は、エタノールすすぎ、圧縮空気の使用及びエタノール中での超音波洗浄の工程を交互に行うことを含んだ。アセトンの使用は試験足場を損傷することがわかったため、回避した。過剰の樹脂が足場から除去されたら、足場をUV浴中に2時間置いた。カミソリを用いて足場支持体を取り外した。
[00126] 成人のボランティアから骨髄を得た。単離したhMSCの初代培養物を播種した。hMSCの初代単離株を、培養フラスコあたり250,000の密度で二次培養した。hMSCをトリプシン処理した。細胞を計数し、32500000細胞/2mlで高密度の細胞注入液を足場の播種のために調製した。4つのPPF足場をレンダリングし、酸化エチレンガス(華氏140度)で滅菌し、10%のウシ胎仔血清中に12時間浸漬して、予め湿潤させた。各足場にローディングしたhMSCの数は、3250000であった(最適の細胞播種密度は、推定した細胞直径及び足場表面積に基づいた)。マイクロピペットによってマルチウエルプレート(低付着力プラスチック)中で200μLのhMSC注入液を足場に層状に重ねた。プレートを真空チャンバー中に置き、これをポンプで25’’Hgまで1分間で迅速に低下させた。次いで、高密度の細胞注入液をローディングした足場を2時間インキュベーションして、細胞接着を促進した。
[00127] 2時間後に、ウエルに培養液(10%のウシ胎仔血清を含むDMEM-LG)で満たして、乾燥を防いだ。4つの時間間隔:6時間、24時間、40時間及び48時間で連続して足場を採取した。すべての足場を1%グルタルアルデヒド溶液で30分間固定し、次いで走査型電子顕微鏡(SEM)のために、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)ですすぎ、その中に4℃で貯蔵した。
実施例7
[00128] TiO、(光吸収剤としての)オキシベンゾン及びBAPOを含む染料−開始剤パッケージの、PPF足場のz軸解像度に対する効果を、Perfactory P3(Envision TEC Brusseler Strase 51、D-45968 Gladbeck Germany)における単層硬化試験を実施することによって試験した。固定レベルのBAPO及びHMBにおいて1:1のPPF:DEF比を使用する試験レジュメは、一方で組成物中のTiOのパーセンテージ(「硬化試験混合物」又は「CTM」)を変化させた。以下の表1に示す試験#1のみが、2:1のPPF:DEF比を使用した。
[00129] 較正プレートの上のスライドガラス(Fisher)上方の組み込み型放射計を用いて、光の強度を260mW/dm2に較正するために、Perfactoryにおいてマスクの生成を行った。次いで、露光時間を120秒に設定した。6から7滴の試験用CTMをスライドガラスの中央に置いた。硬化試験後、スライドガラスを取り外し、上下を反対にして、すべてのアクセス−未硬化(access-uncured)材料が除去されるようにペーパータオルに軽くたたきつけた。硬化した試験方形を注意深く測定した。散乱光により生じた意図しない硬化は、注視すべきと記した。次いで、カミソリを用いて試験方形を注意深く除去し、強度の観察結果を書き留めた。
[00130] オキシベンゾンと組み合わせた少量のTiOが、樹脂全体にわたって分散し、TiOによって引き起こされた光の「散乱」を吸収し、それによってxy平面の解像度の(TiO単独に比べた)改善を助けるが、硬化プロセスの触媒作用も支援することによって、(TiO単独に比べた)架橋密度の増大を可能とすることがわかった。散乱光を吸収することは、樹脂により多くの光を加えて、局所的にポリマーに触媒作用を及ぼすことを可能とする。オキシベンゾンはまた、TiOよりもずっと容易にPPF中に懸濁され、これは、結果として得られる部品の強度を増加させることを助けた。全体として、TiO/HMB/BAPO染料パッケージは、製造装置が無人で稼働する一方、得られる再吸収性ポリマーインプラントの解像度を維持し、それどころか、改善することを可能とした。以下の表1は、硬化試験において試験した組成物を提供する。表1は、w/w%を示し、ここで、パーセントは、ポリマーと溶媒の総重量に対する特定の成分の重量である。
Figure 0006362614
[00131] 表1は、PPF:DEF比、BAPO、HMB及びTiOの量並びに混合物がUV光に露光される時間を変化させた、成功した足場を構築するための試みにおける試行の進行を示す。試験番号1は、2:1のPPF:DEF比が高すぎ、460μmの層厚さを生じたことを示す(目標は、120μmであった)。1:1のPPF:DEF比を用いる試験番号2から5は、TiOを含まず、組成物中のHMBの量を増加させ、150秒の露光時間で、例えば、0.19から0.5%などの非常に低レベルのBAPO及び10%HMBにおいては、層厚さは、平均して43μmから164μmまで増加することを示す。0.5%BAPOを維持しつつ、HMBを12%まで増加させると、150の露光時間において、層厚さは120μmまで減少した。最初の試行は、BAPO、HMB及びTiOを使用する染料−開始剤パッケージを最適化することが目的であったため、散乱の存在又は樹脂の「暗硬化(dark cure)」は記録しなかった。試験番号6は、開始剤の量を減少させ、染料の量も減少させると、層厚さが増加することを示す。試験7における染料の量の増加は、層厚さを減少させた。試験9から11は、開始剤の量が増加すると、層厚さを所望の範囲内に維持するために染料の量を増加する必要があることをさらに例示する。
[00132] 試験12から15は、TiOを添加せず、HMBの量を0から33%まで変化させた場合のBAPO濃度の1%までの急増を例示する。層厚さを減少させるためには、より大量のHMBが必要であることは明らかであるが、十分量のHMB(33%)で構築されTiOを含まない足場は、適切な解像度をもたらすが、強度が不十分であった:部品は取り扱うには弱すぎた。
[00133] 1%BAPO、25%HMBの混合物を選択して、TiO2の量の増加を開始した。試験番号16〜18においてTiO濃度が1から3%に増加するにつれ、層厚さは190から135μmまで減少したが、露光時間は150秒のままであった。精度は維持しつつプロセスをより効率的にするために、構成要素の濃度を再度変化させ、次に露光時間を減少させた。
[00134] 試験20〜23は、暗硬化又はxy平面における不十分な解像度を排除するためのHMBの必要性を例示する。
[00135] 最終的に、1%BAPO、28%HMB及び1%TiOの最終混合物が、60秒の露光時間及び120μmの所望の層厚さによって成功した足場構築をもたらした。
[00136] これらの結果は、1%BAPO及び0%HMBで開始して、0から3%までTiO濃度を増加させたフォローアップ硬化試験により確認された。例えば、1%BAPO、0%HMB及び0%TiOによる5つの試験、次いで、TiOを1%まで増加させて5つの円柱を構築したなどの、各試験濃度について5つの試験円柱を構築した。1%BAPO、0%HMB及び3%TiOをいったん試験し、HMBを増加させた:1%BAPO、10%HMB及び0%TiOなど。予測したとおり、1から3%までBAPOの量を増加させると、層厚さは減少し、TiOを増加させると、暗硬化が増大するが、構築物の強度は改善し、3%TiOにおいて結果として得られた構築物は、取扱いに際した破損に耐えることが多かった。オキシベンゾンの量を増加させると、TiOにより生じた暗硬化を減少させた。暗硬化がなく、物理的及び定性的性質に優れた(例えば、構築プラットフォームから容易に「剥がされ」又は除去され、かなり激しく取り扱われてもよく、強度に優れている)潜在的な成功した構築濃度は:(a)2%BAPO、30%HMB及び0%から2%TiO;3%TiOはより脆弱な構築物を生じた、及び(b)1%BAPO、30%HMB及び1〜2%TiOにより示された。これは、1%BAPO、28%HMB及び1%TiOにおける成功した足場構築物をもたらした、以前の試行試験を確認した。確認試験の結果を図9から11にプロットする。
実施例8
[00137] 強度267mW/dm2、120秒の露光時間でMicro(EnvisionTEC, Inc.、Dearborn、MI)プリンターを使用して、50マイクロメーターの層厚さで6ミリメーター×12ミリメーターの中実円柱をレンダリングした。この実施例においては、染料を含まない光開始剤パッケージを使用した。PPF及びDEF混合物の重量に対する各開始剤の重量で、3%Irgacure(登録商標)819(BASF[Ciba]、Florham Park、NJ)及び3%Irgacure784(登録商標)(BASF[Ciba]、Florham Park、NJ)を、1.5:1のPPF:DEF重量比のポリマーと溶媒の混合物に添加した。
[00138] 円柱を印刷し、装置から取り外した。1000lb(4448N)のロードセル、0.1mm/秒のひずみ速度及び2mmの最大ひずみでInstron8501(Norwood、MA)を使用して、円柱のうちの1つの強度を試験した。円柱は、グラフの直線部分において約868MPaの最大弾性率を示した。応力対円柱のひずみのプロットを図12に示す。同じ円柱の強度を壊れるまで試験して、334MPaの平均弾性率を示した。壊れるまでのその応力対ひずみのプロットを図13に示す。この実施例による中実部品の製造は、高い圧縮力を受ける可能性のある組織工学装置にとって有益であることを証明できた。
実施例9
[00139] この実施例においては、実施例8と同様に、染料を添加しない光開始剤パッケージを試験した。強度350mW/dm2及び30秒の露光時間でPerfactory P3 UV装置を使用して、多孔質円柱状PPF足場(「スリーブ(sleeves)」)をレンダリングした。目標の寸法は:約2.75mmの外径、約2.5mmの内径、約6mm高さ、約125μmの壁厚及び約350μmの孔サイズであった。最終的な円柱の寸法はわずかに小さかった。3パーセントIrgacure(登録商標)819(BAPO)(BASF[Ciba]、Florham Park、NJ)及び0.5%Irgacure(登録商標)784(BASF[Ciba]、Florham Park、NJ)(PPF及びDEFの合計重量に基づく重量パーセント)及びフマル酸ジエチルを原材料、(1:1の結果的なPPF:DEF比のための)PPFに添加し、足場製造に使用した。TiOは使用しなかった。足場を印刷し、cDLP装置から取り出し、UV光チャンバー(3D Systems ProCure)中で480分間、後硬化させた。1000lb(444N)のロードセル、0.1mm/秒のひずみ速度及び2mmの最大ひずみでInstron 8501(Norwood、MA)を使用して圧縮試験を実施した。試験は、新たに製造した足場、すなわち「素地」足場に対して、及び後硬化させた足場に対して実施した。結果は、後硬化による1800%の弾性率の増加及び後硬化による2200%の圧縮強度の増加を示した。図6及び7は、これらの結果を例示する。
実施例10
[00140] この実施例においては、3%Irgacure819(BASF Corp、Florham Park、NJ)及び3%Irgacure784(BASF Corp.、Florham Park、NJ)(ポリマー及び溶媒の合計重量に基づく重量パーセント)の光開始剤パッケージを再度試験し、今回は、層厚さ及び3D印刷した部品の素地強度に対する露光時間の効果を見た。層間強度は、印刷部品の全体的強度の評価において重要であり、PPF又は他の再吸収性ポリマーの単回硬化させた層と対照的に、3D印刷した部品においてのみ試験できる。Irgacureを溶解させるために、DEF(Acros、Pittsburgh、PA)を加熱した。開始剤及び溶媒を、PPF/DEF比が1.5:1.0までPPF(実施例1に記載のとおりに調製した1200ダルトンPPF)に添加した。硬化試験を実施して、120、150及び180μmの層厚さを生じさせた。約195mW/dm2のUV光強度でPerfactory Micro(EnvisionTEC, Inc.)において、これらの厚さに対する露光時間は、それぞれ、90、180及び210秒であった。構築プレートは、各層間で50mm前進し、それぞれ、70、100及び130μm超の過硬化を生じた。
[00141] 中実のPPF円柱(6mm長さ、3mm直径)をSolidWorks(Dassault Systems SolidWorks Corporation、Waltham、MA)において設計した。この幾何学的形状をPerfactory Microに転送した。3組の円柱を、それぞれ90秒(N=2)、180秒(N=7)及び210秒(N=5)で印刷した。これらの部品は、部品の素地強度に対する露光の効果が試験できるように、後硬化させなかった。圧縮試験を、Instron 8501(Norwood、MA)において、0.1mm/秒のひずみ速度により実施した。各露光時間における印刷した部品の平均弾性率により定義される素地強度を、表2に提供する。
Figure 0006362614
[00142] これらのデータは、露光時間が層厚さに影響することを示す。過硬化のステップサイズを保持しつつ(30μm)、露光時間及び過硬化深さを増加させると、3Dレンダリングした部品の素地強度に影響を及ぼす。第1の群(120μmの層厚さ)により保持された強度は、3D印刷に必要なレベル未満ではないが、他の2つの群より顕著に低い。観察した露光時間−素地強度の相関関係の一番低いところでは(70μm過硬化及び50μm前進)、製造時間の短縮及び解像度の増大を観察したが、層間剥離のない満足のいく3D印刷された足場を達成するための層間架橋が構築手順の間の何らかの時点において不十分となるリスクも観察した。露光時間−素地強度の相関関係の他の末端では増加した強度及び構築物完成速度が観察されたが、円柱の解像度が低下した。
[00143] 実施例の方法は、図14及び15のフローチャートを参照することによってよりよく理解されうる。説明を簡単にするためには、例示した方法論が一連のブロックとして示され、記載されるが、いくつかのブロックは示した又は記載したものとは異なる順番で又は他のブロックと同時に起こってもよいため、該方法論は、ブロックの順番に限定されないことは理解されなくてはならない。さらに、実施例の方法論を実行するために必要とされるブロックが、例示されたすべてよりも少ないこともある。さらに、追加の又は代替の方法論は、例示されていない追加のブロックを使用することができる。図14及び15が連続して起こる様々な動きを例示するが、例示した様々な動きが実質的に並行して起こりえたことが理解されなくてはならない。多くのプロセスが記載されているが、より多くの又はより少ない数のプロセスが使用されうることは理解されなければならない。
[00144] 図14は、患者における埋め込みのための組織工学足場の製造し、組織の成長を促進する方法600を例示する。方法600は、610において、デジタルマイクロミラー装置(DMD)を含むデジタル光処理(DLP)の付加的な製造装置において組織工学足場を表すデータを受信することを含む。620において、方法600はさらに、DMDを作動させて足場の層に対応する光を、その上部に構築プレート及び重合後に再吸収可能な液体光重合性材料が配置された透明又は半透明なプレートに投影することを含む。630において、方法600はさらに、投射光が連続的に樹脂の一部を少なくとも部分的に重合させて、足場の層に実質的に似るように、構築プレートを選ばれた増分でシフトさせることを含む。
[00145] 図15は、患者に埋め込まれるべきインプラントの連続デジタル光処理(cDLP)による製造のためのプロセス700を例示する。プロセス700は、710において、デジタルマイクロミラー装置(DMD)及び透明又は半透明なプレートを含む、付加的な製造装置を提供することを含む。720において、プロセス700はさらに、液体光硬化性材料及び開始剤を含む生物適合性樹脂を提供することを含む。730において、プロセス700はさらに、透明又は半透明なプレートの上部にある量の樹脂を堆積させることを含む。740において、プロセス700はさらに、DMDを作動させて、上記量の樹脂のいくらかを光に露光して、露光した量の樹脂を硬化させてインプラントの層を形成することを含む。(示さない)一実施形態において、プロセス700はさらに、レンダリングしたインプラントの層をシフトさせ、追加量の樹脂を透明又は半透明なプレートの上部に堆積させることを含む。
[00146] 750において、プロセス700はさらに、DMDを作動させて、少なくともいくらかの追加量の樹脂を光に露光させて、露光した追加量の樹脂を少なくとも部分的に硬化させて、先の層と追加の層の間の少なくともいくらかの層間結合を生じさせることを含む。一実施形態において、プロセス700はさらに、続く追加量の樹脂を透明又は半透明なプレートの上部に堆積させる前に、インプラントの追加の層をシフトさせることを含み、ここで、追加の製造装置中の少なくとも1つのモータが、75マイクロメーター以下の増分でシフトを起こさせる。760において、プロセス700はさらに、一層ごとにインプラントを物理的にレンダリングするために、必要に応じてDMDを作動させて、少なくともいくらかの追加量の樹脂を露光させる工程750を何回も繰り返すことを含む。
[00147] 例示的なシステム、方法などが実施例を説明することによって例示された一方、実施例をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に限定又はいかなる方法によっても制限することを意図するものではない。もちろん、本明細書に記載のシステム、方法などを説明する目的で、考えうる構成要素又は方法論の各組合せを記載することは不可能である。さらなる利益及び改変は、当業者に容易に明らかとなる。したがって、本発明は、特定の詳細及び示される又は記載される例示的実施例に制限されない。したがって、本願は、添付の特許請求の範囲の範囲内に属する代替例、改変例及び変更例を包含する。さらに、上記の説明は、本発明の範囲を制限することを意図しない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物により決定されるべきである。すべての場合において、範囲は、±5%の境界周辺の変更を含むおよその範囲として列挙される。言い換えれば、20%は「約20%」と解釈されるべきである。
[00148] 本明細書中で引用されるすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (39)

  1. 再吸収性インプラントの付加的な製造において使用される無毒性かつ生物適合性の樹脂組成物のための染料−開始剤パッケージであって、
    無毒性かつ生物適合性の光開始剤を活性化する光の伝送を制限し、前記光を散乱させる特性を有する無毒性かつ生物適合性の第1の染料と、
    無毒性かつ生物適合性の光開始剤と、
    前記第1の染料から反射された散乱光を吸収する無毒性かつ生物適合性の光吸収剤と、
    を含み、
    前記樹脂組成物が、少なくとも1つのポリマー及び少なくとも1つの溶媒を含む、
    パッケージ。
  2. 前記第1の染料が、TiOである、請求項1に記載の染料−開始剤パッケージ。
  3. 前記光開始剤が、アシルホスフィンオキシドである、請求項2に記載の染料−開始剤パッケージ。
  4. 前記光開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である、請求項3に記載の染料−開始剤パッケージ。
  5. 前記光吸収剤が、ベンゾフェノンである、請求項3に記載の染料−開始剤パッケージ。
  6. 前記ベンゾフェノンが、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、スリソベンゾン、スリキソベンゾンナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチオキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホネート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチル−ベンゾフェノン、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−6、オクタベンゾン、及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン)からなる群から選ばれる、請求項5に記載の染料−開始剤パッケージ。
  7. 前記光吸収剤が、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)である、請求項3に記載の染料−開始剤パッケージ。
  8. 前記光吸収剤が、アボベンゾンである、請求項3に記載の染料−開始剤パッケージ。
  9. 前記第1の染料が、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである、請求項1に記載の染料−開始剤パッケージ。
  10. 前記光開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である、請求項9に記載の染料−開始剤パッケージ。
  11. 前記光吸収剤が、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)である、請求項10に記載の染料−開始剤パッケージ。
  12. TiOの量が、前記ポリマー及び溶媒の0.1から5.0重量%である、請求項2に記載の染料−開始剤パッケージ。
  13. BAPOの量が、前記ポリマー及び溶媒の0.1から5.0重量%である、請求項4に記載の染料−開始剤パッケージ。
  14. オキシベンゾンの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して25から35%である、請求項7に記載の染料−開始剤パッケージ。
  15. ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して0.1から5.0%である、請求項9に記載の染料−開始剤パッケージ。
  16. BAPOの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して0.1から5.0%である、請求項10に記載の染料−開始剤パッケージ。
  17. オキシベンゾンの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して0.1から5.0%である、請求項11に記載の染料−開始剤パッケージ。
  18. 組織工学適用における使用のための無毒性かつ生物適合性の光重合性組成物のための光開始剤パッケージであって、
    無毒性かつ生物適合性の第1の光開始剤及び無毒性かつ生物適合性の第2の光開始剤を含み、
    前記第1の光開始剤が付加的な製造装置中の第1の光源に露光された時に前記光重合性組成物を硬化させ、
    前記第2の光開始剤が染料として作用して前記付加的な製造装置中の第1の光開始剤を活性化する光の伝送を制限し、
    前記第2の光開始剤が組成物を後硬化させるために使用される第2の光源に露光された時に活性化され、
    前記光重合性組成物が少なくとも1つのポリマー及び少なくとも1つの溶媒を含む、
    パッケージ。
  19. 前記第1の光開始剤が、アシルホスフィンオキシドである、請求項18に記載の光開始剤パッケージ。
  20. 前記第1の光開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である、請求項19に記載の光開始剤パッケージ。
  21. 前記第2の光開始剤が、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである、請求項19に記載の光開始剤パッケージ。
  22. 前記第1の光開始剤及び第2の光開始剤の量が、前記ポリマー及び溶媒の0.1から5.0重量%である、請求項19に記載の光開始剤パッケージ。
  23. ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して0.1から5.0%である、請求項21に記載の光開始剤パッケージ。
  24. BAPOの量が、前記ポリマー及び溶媒の重量に対して0.1から5.0%である、請求項22に記載の光開始剤パッケージ。
  25. 再吸収性インプラントの付加的な製造において使用される無毒性かつ生物適合性の樹脂組成物のための染料−開始剤パッケージであって:
    無毒性かつ生物適合性の光開始剤を活性化する光の伝送を制限し、前記光を散乱させる特性を有する無毒性かつ生物適合性の第1の染料であって、前記樹脂組成物の重量に対して0.1から5.0%の量の第1の染料、
    前記樹脂組成物の重量に対して0.1から5.0%の量の無毒性かつ生物適合性の光開始剤、及び
    前記第1の染料から反射された散乱光を吸収する無毒性かつ生物適合性の光吸収剤であって、前記樹脂組成物の重量に対して5から25%の量の光吸収剤
    を含み、
    前記樹脂組成物が、少なくとも1つのポリマー及び少なくとも1つの溶媒を含む、
    パッケージ。
  26. さらに無毒性かつ生物適合性の第2の染料を含む、請求項25に記載の染料−開始剤パッケージ。
  27. 前記第1の染料が、二酸化チタンである、請求項26に記載の染料−開始剤パッケージ。
  28. 前記光開始剤が、アシルホスフィンオキシドである、請求項25に記載の染料−開始剤パッケージ。
  29. 前記光開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BAPO)である、請求項28に記載の染料−開始剤パッケージ。
  30. 前記第2の染料が、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである、請求項26に記載の染料−開始剤パッケージ。
  31. 前記光吸収剤が、ベンゾフェノンである、請求項25に記載の染料−開始剤パッケージ。
  32. 前記光吸収剤が、オキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)である、請求項31に記載の染料−開始剤パッケージ。
  33. 無毒性かつ生物適合性で再吸収性のインプラントの付加的な製造における使用のための光重合性組成物であって、
    無毒性かつ生物適合性光吸収剤、無毒性かつ生物適合性ポリマー、溶媒、及び染料−開始剤パッケージを含み、
    該染料−開始剤パッケージが、前記ポリマー及び溶媒の0.1から5重量%の量の無毒性かつ生物適合性染料と、前記ポリマー及び溶媒の0.1から5重量%の量の無毒性かつ生物適合性光開始剤と、を含
    前記染料が、前記光開始剤を活性化する光の伝送を制限し、前記光を散乱させる特性を有し、
    前記光吸収剤が、前記染料から反射された散乱光を吸収する、
    組成物。
  34. 前記生物適合性光吸収剤が前記ポリマー及び溶媒の10から35重量%の量で提供される、請求項33に記載の光重合性組成物。
  35. さらに、無毒性かつ生物適合性の第2の染料を含み、該第2の染料が前記ポリマー及び溶媒の0.1から5重量%の量で提供される、請求項33に記載の光重合性組成物。
  36. 前記光吸収剤が、ベンゾフェノン又はアボベンゾンである、請求項34に記載の光重合性組成物。
  37. 前記第2の染料が、ビス(エータ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである、請求項35に記載の光重合性組成物。
  38. 前記生物適合性ポリマーが、ポリプロピレンフマレートである、請求項33に記載の光重合性組成物。
  39. 前記溶媒が、フマル酸ジエチルである、請求項38に記載の光重合性組成物。
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