例えばヘテロジニアスネットワークを無線アクセスネットワークとして有する無線通信システムにおいては、制御信号及びユーザデータ信号が2つの別々のオーバレイネットワークに分けられる場合がある。一方はマクロセルのネットワークであり、各マクロセルはマクロ基地局(例えばMeNBと呼ばれる)を有している。他方は、1つのマクロ基地局により制御されるスモールセル基地局(SeNBとも呼ばれる)のネットワークである。このようなオーバレイネットワークは、制御プレーンとユーザプレーンとが分離されたネットワーク、あるいは(複数のユーザプレーン基地局を制御する制御プレーン基地局を有する)C/Uプレーン分離型ネットワークとも呼ばれる。
図1は、2つの別々のオーバレイネットワークを有する無線通信システムの一般的な構造を示している。これらのネットワークは、1以上のマクロセルを有するマクロセルネットワークを含んでいる。各マクロセルは、マクロ基地局(MeNB)を有している。図1は、単一のMeNB100を示している。マクロセルは、LTE又はLTE−Aといった既に標準化されているシステムを用いて、既存の周波数帯域、例えば2ギガヘルツ周波数帯域において動作するとともに、旧型のユーザ機器(UE又は移動局)、すなわち、現在の標準規格のみをサポートしているUEのための後方互換性も保証する。図1は更に、複数のスモールセル基地局(SeNB)1041〜1045を含むスモールセルネットワークを示している。各スモールセル基地局は、スモールセルを定める各エリア1061〜1065(カバレッジエリアともいう)において動作する。スモールセル1061〜1065を定めるSeNB1041〜1045は、マクロセルネットワークにて用いられる周波数帯域とは異なる周波数帯域、例えば3ギガヘルツ帯域〜5ギガヘルツ帯域といった高い周波数帯域において動作することができる。スモールセル1061〜1065内のSeNB1041〜1045は、MeNB100による制御を受けるとともに、各バックホールリンク1101〜1105を通じてアンブレラネットワーク(MeNB100)へと接続することができる。図1はユーザ機器(user equipment)112をも示している。このユーザ機器112は、矢印114として示しているようにMeNB100から制御信号を受信するとともに、矢印116として示しているように1つのスモールセルを通じてユーザデータ信号のやり取りを行う。
一般の無線通信ネットワークにおいて、また図1に示したネットワークにおいても、エネルギー節約及びエネルギー効率性に特に関心が持たれている。このような節約及び効率性を達成するために、SeNBのうちの1以上は、使われていないときにスリープ状態とされるか又は電源がオフにされる場合がある。UEは、スリープ中のSeNBとの通信をセットアップすることができず、そればかりか、UEは、通信を行うためにMeNB100に直接的に接続する必要がある。「ON(オン)」状態又は「ACTIVE(アクティブ)」状態では、SeNBは、完全にオンであり、接続されたUEへのユーザデータと、新たなUEが接続できるようにするパイロットシンボルとの双方を送信する。パイロットシンボルは、UEが各SeNBを区別できるようにするために、SeNBが送信できる。「OFF(オフ)」状態又は「SLEEP(スリープ)」状態では、SeNBはスタンバイモードにある。この場合、SeNBは、無線信号を送信することも受信することもできず、また、無視できない量の電力を消費する。MeNB100は、バックホールリンク110を通じた適切なシグナリングにより、オフ又はスリープ中のSeNBをウェイクアップさせることができる。
次に、スモールセルがスリープモードにあることに伴って生じる問題を、図1の無線システムを示す図2を参照して説明する。スモールセル基地局(SeNB)1041、1042、及び1045は、各スモールセル1061、1062、及び1065を表す破線の円で示しているように、スリープモードにあるものとする。SeNB1043及び1044はアクティブである。スモールセルが密に展開されている場合、セル1061、1062、及び1065のような、使用されていないスモールセルをスリープさせることによって、エネルギー節約及び干渉低減の点で利益がもたらされる。
しかし、その結果、幾つかの問題も生じる。1つの問題は、スモールセルの発見である。UE112などのUEにとって、スリープ中のスモールセルを確実に発見することは難しい。なぜならば、そのようなセルは、エネルギーを節約するために、発見用信号(discovery signal)の送信を停止しているか又はこのような発見用信号の送信の頻度を低くしているからである。発見用信号がない場合、UEがスリープ中のセルを発見することは不可能となる。例えば、スリープ中の2つのスモールセル1061及び1062が発見用信号を送信していない場合、UE112はそれらのセルの近傍にいることを認識できない場合がある。スリープ中のセルが発見用信号を低頻度で送信することで発見性を改善できる場合があるものの、本プロセスの信頼性は低く、発見のスピード及び信頼性を改善するためには、スモールセル及びUEの双方の側に多くのエネルギーが必要となる。
スリープしているセルに関連した別の問題は、幾つかのオプションが利用可能な場合に、発見されたスモールセルにおいてどのリソース及び能力をアクティブ化すべきかがすぐにはわからないということである。図2において、UE112は、近くにあるスリープ中のセル1061、1062のいずれか又は両方を何らかの方法で発見できる場合があるが、いずれにおいても、そのスモールセルがその全てのリソースをアクティブにすることは準最適な場合がある。全てのリソース及び能力をアクティブにするデフォルトの手法は準最適である。なぜならば、これは、せいぜい、アクティブになったリソースの少ない利用にしかならない可能性があるからである。例えば、図2に示す状況では、UE112は、周波数帯域f1及びf2において動作可能であるが、スモールセル1061及び1062により提供される周波数帯域f3において動作することができない。したがって、スモールセル1061及び1062のいずれにおいても、周波数帯域f3のアクティブ化は、UE112に対するサービス提供に必要ではない。更に、全てのリソースをアクティブにすることで、既存のアクティブな通信リンクにとって通信環境が悪化する場合がある。スモールセル1061及び1062のいずれにおいても、利用可能な全ての周波数帯域f1〜f3をアクティブにすると、既存の通信リンク内で干渉の増加が生じる場合がある。図2の状況では、既にアクティブなスモールセル1063が周波数帯域f1において動作しているため、スリープ中のセル1061及び1062において周波数帯域f1を含む全ての周波数帯域をアクティブにすると、通信環境を悪化させる好ましくない干渉状態が生じる場合がある。
スリープ中のスモールセルに関する更に別の問題は、スリープ中のスモールセルをアクティブにするプロセスと、その発見と、アクティブになったスモールセルに接続するための適切なシステム情報の取得との結果、UE112はスリープモードからアクティブ状態となったばかりのスモールセルへ接続しようとするときに接続確立について長い遅延を受けるために、接続を迅速に確立できないということである。
従来技術、例えば刊行物及び標準化団体(非特許文献1及び2参照)によると、上記で言及した問題に対処する幾つかの手法が提案されているが、これらの問題は主に、スリープ中のスモールセルの発見の問題に対処することに焦点を当てており、3つの手法に分けることができる。
第1の手法は、アップリンクベースのシグナリング手法とも呼ばれる。この手法によれば、スリープ中のセルは、その無線周波数(radio frequency, RF)受信チェーンをオン状態にしておくことによりアップリンク送信を監視する。あるUEのアクティビティを検出すると、このスリープ中のセルは、スリープモードからウェイクアップし、送信チェーンをアクティブ状態にして、発見用信号の送信を開始する。近傍のUEは、このスモールセルを発見して、接続処理を開始することができる。この手法は、自律的なスモールセルのオン又はスリープの挙動をサポートするので、幾つかの利点を有する場合があるが、これには、多くの不利な点が伴う。1つの不利な点は、スモールセルがそのRF受信チェーンのアクティブ状態を維持する必要があるということであり、これは、スリープモードにおける可能なエネルギー節約が損なわれる。さらに、本手法は、近くにあるスリープ中のスモールセルがウェイクアップするようにトリガするスピード及び信頼性を向上させるために、UEが信号を頻繁に送信する必要があるため、UEのエネルギーリソースに多くの負担を与えるとともに、幾つかの周波数リソースに多くの負担を与える。
従来知られている別の手法は、ダウンリンクベースのシグナリング手法と呼ばれる。この手法によれば、スリープモードにあるスモールセルは、UEが発見をして接続処理を開始できるようにする発見用信号を、周期的に又はトリガ信号に応じて送信する。発見後、後続の処理が行われ、スリープ中のスモールセルは完全にアクティブとなる。上記アップリンクベースのシグナリング手法と同様、ダウンリンクベースのシグナリング手法も、自律的なスモールセルのオン又はスリープの挙動をサポートするという利点を有している。しかし、前述の手法と同様、本手法も、同時に同じ欠点を被る。加えて、密集したスモールセルの展開では、スリープモードにあるものを含む全てのスモールセル基地局からの一意の発見用信号の送信により、UEの探索空間が大幅に増加し、さらに、これによって、発見に遅延が生じる可能性がある。
知られている更に別の手法は、ロケーションベースの方式と呼ばれる。この方式では、事前に記憶した情報に依存して、UEがスモールセルの近傍にいるか否かを推定する。1つの手法は、様々なスモールセルのロケーションに対応するRFマップを記憶することと、測定又はUEから報告された無線フィンガプリントを用いることとに依存して、いつUEがスモールセルの近傍に位置するのかを判断するものである。これは例えば非特許文献3に記載されている。別の手法は、スモールセルの実際のロケーションを記憶することと、UEからの地理的ロケーションの報告を用いることとに依存して、UEの近傍に任意のスモールセルが存在するか否かを判断するものである。これは例えば非特許文献4及び5に記載されている。これらの双方の手法には、スリープしているスモールセルをウェイクアップさせる外部のエンティティ、例えばマクロ基地局が必要である。ロケーションベースの方式では、スリープ中のスモールセルのRF受信チェーン及びRF送信チェーンは、電源を完全にオフにすることができ、これにより達成可能なエネルギー節約が最大となる。しかし、これらの方式を適切に機能させるためには、正確なリファレンスデータを取得するためのトレーニングフェーズが必要となり、これによって、提供されるサービスに混乱を引き起こす可能性がある。
上述した制限に加えて、スモールセルのアクティブ化のための従来のメカニズムは、スリープ中のセルをウェイクアップさせるか又はスリープモードにしておくかの二者択一の判断を行うことに焦点を当てている。スリープ中のスモールセルをアクティブにして対象のUEとの通信をするために、リソース及び能力に関してより複雑な判断を必要とするスリープ中のスモールセル及びUEが多くのリソース及び能力を有する可能性についてはほとんど考慮されていない。
UEと(スリープモードではなかった)スモールセルとの間の遅い接続確立に関する上記問題は、適切なシステム情報を取得するための時間に起因して、UEが新たなスモール基地局へ接続する必要がある状況においても発生する。
上記従来技術の手法に鑑みて、本発明の目的は、複数のスモールセルを制御するマクロ基地局を含むマクロセルを備えた無線通信システムにおいてスモールセル及びユーザ機器のいずれか又は両方を制御するための改良手法を提供することにある。
上記目的は、本発明のいくつかの態様により達成される。
[第1の態様: スリープ状態にあるスモールセルの発見]
本発明の第1の態様によれば、無線通信システムにおいてスモールセル基地局を制御する方法が提供される。この無線通信システムは、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセル基地局を備えている。本方法は、あるスモールセル基地局が該スモールセル基地局の近傍を表す情報を取得するために近隣にある1以上のスモールセル基地局(1042)からの信号の測定結果を得るステップと、スモールセル基地局がマクロ基地局に前記情報を報告するステップとを含む。
第1の態様による本発明は、複数のスモール基地局を制御するマクロ基地局を備えたネットワーク環境において、スリープ状態にある1以上のスモールセルを発見するための新たな手法を提供する。本発明の第1の態様によれば、スモールセル基地局によって行われる測定により、スモールセル基地局の近傍を表す情報が、例えば、フィンガプリント手法を用いて得られる。本発明の第1の態様の実施形態によれば、この測定は、上記情報、例えばフィンガプリントの取得を1以上のスモールセル基地局に要求するマクロ基地局の制御下で行うことができる。あるいは、この測定は、例えば、スモールセル基地局がその状態を変更するとき又は一定若しくは可変の間隔をおいて、その自己設定プロセスの一部として該スモールセル基地局をセットアップする際に、そのスモールセル基地局がマクロ基地局とは無関係に行うことができる。また、別のネットワークエンティティが、スモールセル基地局に対して、測定を行うよう伝えることもできる。この手法は、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセル基地局の中から、スリープモードにあるスモールセル基地局を検出することを可能とする情報を提供する。フィンガプリント手法のような、スモールセル基地局の近傍を表す情報を取得するための手法は、当該技術において基本的には既知であるが、このような情報(例えばフィンガプリント)は、UEによって取得され、UEの位置の決定又はマクロ基地局における地理的マップの生成に用いられる。このような手法は、UEによって行われる情報の取得に基づいているため不利である。このような既知の手法とは異なり、第1の態様による本発明は、マクロ基地局が、スモールセル基地局のうちの1以上から、スモールセル基地局の近傍を表す情報(例えば、少なくとも1つのリソースに関するフィンガプリント)を取得するマクロベースの手法であり、それにより、UEがマクロ基地局の制御下にあるスモールセル基地局のうちの1つに接続することが必要になった場合は、スリープモードにあるスモールセル基地局を決定することを可能にする信頼できる情報がマクロ基地局に提供される。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、本方法は、マクロ基地局が、測定結果に関連してスモールセル基地局を設定するステップを含む。スモールセル基地局を設定するステップは、該スモールセル基地局がアクティブ状態とスリープ状態との間で切り替わるときのスモールセル基地局の動作を設定するステップを含むことができる。スモールセル基地局は、アクティブ状態とスリープ状態との間で切り替わる際に、測定を停止し、最後の設定を記憶し、ウェイクアップ後に測定を再開するか、測定を停止し、設定を破棄するか、測定を停止し、最後の設定を記憶し、マクロ基地局からの明示的なシグナリングを受けて測定を再開するか、又は測定を続けるか、として設定することができる。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、本方法は、マクロ基地局が、測定に関してスモールセル基地局を設定するステップを含む。このスモールセル基地局を設定するステップは、該スモールセル基地局(1041)の動作と、測定対象と、報告の設定と、報告の量とのうちの1以上を定めることができる。測定対象は、周波数リソースと、無線アクセス技術と、時間的リソースと、スモールセル基地局と、マクロ基地局とのうちの1以上を含んだものとすることができる。報告の設定は、報告の内容と、報告のトリガと、報告の周期とのうちの1以上を含んだものとすることができる。報告の量は、RSRP、RSRQ、SIR、SINR、CQI、RSSIといった信号強度メトリックと、PCID、BCID、一意のCIDといった、発見されたエンティティの識別情報とのうちの1以上を含んだものとすることができる。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、本方法は、マクロ基地局が、測定に関してスモールセル基地局を設定するステップを含む。スモールセル基地局は、該スモールセル基地局とマクロ基地局との接続確立の際に、マクロ基地局によって設定される。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、スモールセル基地局は、該スモール基地局による設定の受け取りが成功すると、肯定的応答をマクロ基地局に送る。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、スモールセル基地局は、該スモールセル基地局とマクロ基地局との間の接続確立の際に、測定結果をマクロ基地局に報告する。これにより、いつでも、マクロ基地局により制御される新たなスモール基地局が追加され、この追加されたスモールセル基地局の近傍を表す情報が取得されて、マクロ基地局に提供されることによって、あるスモールセル基地局の追加によりネットワークの構成が変化するときも、マクロ基地局において利用可能な情報が継続的に更新されるため、有利である。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、スモールセル基地局は、該スモールセル基地局の近傍を表す情報が該スモールセル基地局によって取得されない場合であっても、報告を送る。
本発明の第1の態様の別の実施形態によれば、マクロ基地局は、例えば、スモールセル基地局とマクロ基地局との間の接続確立の際に、該スモールセル基地局に対し、その近傍を表す情報を取得するために測定を行わせる要求を発行することができる。測定により、1以上のリソースに関するフィンガプリントを得ることができる。この手法により、いつでも、マクロ基地局によって制御される新たなスモール基地局が追加され、それぞれへの要求が発行されることによって、フィンガプリントが新たなスモールセル基地局からマクロ基地局に提供され、それにより、あるスモールセル基地局の追加によってネットワークの構成が変化するときも、マクロ基地局において利用可能な情報が継続的に更新されるため、有利である。
マクロ基地局が発行する要求は、測定対象と、測定の周期と、スモールセル基地局の設定情報とのうちの1以上を定めることができる。スモールセル基地局の設定情報は、測定されたフィンガプリントをスモールセル基地局が報告するための報告の設定と、スモールセル基地局の動作とのうちの1以上を定めることができる。報告の設定は、報告がスモールセル基地局からマクロ基地局にいつ送信されるのかと、報告の内容とのいずれか又は両方を定めることができる。この設定は、実施形態によれば、スモールセル基地局における要求の受信後、報告が送信されるまでの時間と、報告を送信する周期と、報告の最大数と、報告の送信をトリガする特定のイベントとのうちの1以上を定めることができる。特定のイベントは、新たなフィンガプリントが現われ、所定の時間間隔よりも長く留まっているときの任意の時点と、既存のフィンガプリントが所定の時間間隔よりも長い間消滅したままのときの任意の時点と、既存のフィンガプリントが変化するときの任意の時点とのうちの少なくとも一つとすることができる。
上記で説明した本発明の第1の態様による実施形態は、UEがマクロ基地局によって制御される複数のスモールセルのうちの1つに接続を行いたい場合に、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセルからスリープ状態にあるスモールセルを確実に発見することを可能にする情報を得るためのマクロセルベースの手法を可能とするため、有利である。これらの実施形態は、測定の種類、測定のタイミング、及び測定の報告がマクロ基地局によって制御されて、当該マクロ基地局がスモールセル基地局からその近傍を表す実際の情報(例えば、実際のフィンガプリント)をいつでも受信することが保証されるように、マクロ基地局が該マクロ基地局の制御下にあるスモールセルを設定できるため、有利である。さらに、第1の態様による本発明によれば、マクロ基地局に提供される情報が実際の状況を表すものであることが保証される。例えば、検討対象のスモールセルに隣接するスモールセルがスリープモードにある状況では、周期的な測定に起因して変化が検出され、更新された情報が、検討対象のスモールセルからマクロ基地局に提供される。
本発明の第1の態様の更なる実施形態によれば、ユーザ機器にサービスを提供するための無線通信システムにおいてスリープ状態にあるスモールセル基地局を決定するために、本方法は、マクロ基地局からユーザ機器への要求に応じて、ユーザ機器が、該ユーザ機器の近傍を表す情報を取得するために測定を行うステップと、測定された情報をユーザ機器がマクロ基地局に報告するステップとを更に含む。
実施形態によれば、ユーザ機器の近傍にあり、スリープ状態にある、候補となる1以上のスモールセル基地局は、ユーザ機器から報告された情報(例えば、報告されたフィンガプリント)と、マクロ基地局の制御下にある複数のスモールセル基地局の近傍を特徴付ける情報とに基づいて、複数のスモールセル基地局の中から特定される。
この特定は、実施形態によれば、マクロ基地局により行うことができるが、本発明の第1の態様は、このような手法に限定されるわけではなく、この特定は、無線通信ネットワーク内の別のロケーションにおいても行うことができる。
本発明の第1の態様による、スリープ状態にあるスモールセルを決定するこの実施形態は、マクロセル(マクロ基地局)が全ての送信、測定、及び報告を調整することができるため、スモールセルの発見のための従来のRFフィンガプリントベースの方式に比べて有利である。これは、発見の信頼性を高めるとともに、スモールセルを一意に特定するための探索空間を削減できるため、有利である。既知のダウンリンクベースのシグナリング方式又はアップリンクベースのシグナリング方式に比べて、これは有利である。ダウンリンクベースのシグナリング手法では、スリープ状態にあるセルが、その発見を手助けするためにリファレンス信号を周期的にブロードキャストすることが必要となる。アップリンクベースのシグナリング手法では、スリープ状態にあるセルが、存在する可能性のあるUEからの任意の通信を「リスン」することが必要となる。スリープ状態にあるセルによるそのようなアクティビティは、本発明によれば必要ではない。むしろ、マクロ基地局には、スモールセルの近傍の実際のフィンガプリントが提供される。この実際のフィンガプリントは、UEが、マクロ基地局によって制御されるエリアに入ったと判断されたときに、このUEから得られたRFフィンガプリントに基づいて、アクティブモードになることのできる、スリープモードにある1以上のスモールセルを決定するために用いられる。検出された、スリープ状態にあるスモールセルのうちの1以上は、最終的には選択されてアクティブ化される。このアクティブ化は、従来の手法に従って行うこともできるし、続いて説明する本発明の更なる態様のうちの1つに従って行うこともできる。
[第2の態様: スモールセルの検出及び候補となるリソースに関するチャネル品質の決定]
本発明の第2の態様によれば、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセル基地局を備えた無線通信システムにおいて、スモールセル基地局と、該スモールセル基地局からサービスの提供を受けることになるユーザ機器とを制御する方法を提供する。
本方法は、
マクロ基地局からスモールセル基地局に対する要求に応じて、スモールセル基地局が、候補となる1以上の特定のリソースにおいてビーコン送信を行うステップと、
マクロ基地局からユーザ機器に対する要求に応じて、ユーザ機器が、候補となるスモールセル基地局にも伝達された前記候補となる1以上の特定のリソースに関してチャネル品質測定を行うステップと、
測定されたチャネル品質をユーザ機器がマクロ基地局に報告するステップと
を含む。
基地局とユーザ機器との間の無線通信において用いるリソースを決定するための従来の手法は、通信相手間、すなわち、ユーザ機器と基地局との間でチャネル推定を直接的に行うものである。これは、ユーザ機器において開始する通信相手間の初期通信に、通信リンクが確立される基地局からのパターンを検出するための要件が必要となるため、不利である。通信相手が検出されたときにのみ、アクティブ化されて通信に用いるリソースを決定することのできる基になるチャネル品質を決定するための情報の更なる交換を行うことができる。この手法は、通信セットアップにおいて好ましくない遅延をもたらす。このような従来の手法とは異なり、本発明は、第2の態様によれば、スモールセル基地局とユーザ機器との間の通信に用いる最も好適なリソースを決定するための改善された手法を提供するため、有利である。より具体的には、本発明は、マクロセルが、実際の通信相手、すなわち、スモールセル基地局及びユーザ機器によって行われる動作を調整するマクロセルベースの手法である。マクロ基地局は、ビーコン送信の詳細、例えば、対象とするUEのみが容易に認識することのできる信号をスモールセル基地局に伝えることができる。マクロ基地局は、UEによる、送信されるビーコン信号に基づくチャネル品質の測定を開始し、それによって、チャネル品質情報を得る。
第2の態様の実施形態によれば、本方法は、スモールセル基地局がリソース使用を周期的に報告するための設定をマクロ基地局が行うステップと、マクロ基地局との接続確立の際若しくはマクロ基地局からの要求に応じて、スモールセル基地局がその能力をマクロ基地局に送信するための設定を行うステップとのいずれか又は両方を更に含むことができる。この実施形態は、スモールセルのリソース能力を考慮し、セルの接続確立後に最適なリソース使用をもたらすことができるため、有利である。
第2の態様の実施形態によれば、マクロ基地局がスモールセル基地局に対して発行する要求は、ビーコンフォーマットと、ビーコン送信設定と、スモールセルの動作とのうちの1以上を定める。ビーコンフォーマットは、スモールセル基地局又はユーザ機器に関して個別のものとすることができる。ビーコン送信設定は、1以上のリソースにおける所定の時間間隔の間の送信を含んだものとすることができる。スモールセル基地局の動作は、設定の受け取りに成功すると、肯定的応答をマクロ基地局に送信することを含むことができる。実施形態によれば、スモールセル基地局が複数のリソースにおける同時のビーコン送信をサポートしていない場合は、ビーコン送信設定に、別々のリソースにおけるビーコン送信のタイミング及び順序を含めることができる。さらに、基準タイミングをマクロ基地局のフレームによって定めることができる。上記実施形態は、マクロ基地局がスモールセル基地局におけるビーコン送信を調整するため有利であり、より具体的には、マクロ基地局が、どのスモールセルが送信するのか、スモールセルがいつ送信するのか、及びどのリソースにおいて送信するのかを定めるため有利である。また、送信される発見用信号のタイプは、マクロセル基地局によって決定される。
第2の態様の更なる実施形態によれば、マクロ基地局がユーザ機器に対して発行する要求は、ビーコン測定設定と、ビーコン測定報告設定と、ユーザ機器の動作と、ユーザ機器により測定されたチャネル品質をマクロ基地局に報告するための報告の内容とのうちの1以上を定めるものである。実施形態によれば、ビーコン測定設定は、測定に用いる周波数リソース、パイロットパターン、タイミングといった測定対象を含んだものとすることができる。ビーコン測定報告設定は、ユーザ機器による要求の受信後、報告が送られるまでの時間を表すタイマ値を含んだものとすることができる。実施形態によれば、ユーザ機器の動作には、指定された1以上のリソースがタイマ満了の際に検出されていない場合であっても、報告を送信することを含めることができる。別の実施形態によれば、ユーザ機器の動作は、全てのリソースが検出及び測定された場合には、タイマ満了前に報告を送信することと、全てのリソースが検出及び測定された場合であっても、タイマ満了後に報告を送信することとの少なくとも一方を含んだものとすることができる。
報告の内容は、RSRP、RSRQ、RSSI、CQI、SIR、SINRといった信号強度と1以上の品質尺度とのいずれか又は両方を上記設定により定められた順序で含んだものとすることができる。上記実施形態は、マクロ基地局が、チャネル品質測定を行うユーザ機器に対し、ビーコン送信についての情報及び測定報告をどのように提供すべきかを伝え、それにより、ユーザ機器が特定のパターンを検出する必要性を回避できるため有利である。より正確に言えば、接続が確立される候補となるスモールセル基地局によって用いられ、所望の測定を行うのに容易に用いることのできるパターンがユーザ機器に伝えられ、それにより、実際のチャネル品質測定を行う際の不要な遅延を回避できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様によって検出された後にスリープモードからアクティブとなったスモールセルが用いるリソースを決定するための当該第1の態様とともに用いることができる。その一方で、第2の態様による本発明は、例えば、アクティブなスモールセル基地局が存在し、新たなUEがこのスモールセル基地局との接続を確立しようとしている任意の状況において、又はスモールセルが従来の手法によりスリープモードからアクティブとなった場合には、第1の態様とは無関係に用いることができることに留意されたい。
[第3の態様: 候補となるリソースに関する干渉の決定]
本発明の第3の態様によれば、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセル基地局を備えた無線通信システムにおいて、第1スモールセル基地局と第2スモールセル基地局との間の干渉を制御する方法が提供される。
本方法は、
マクロ基地局から第1スモールセル基地局に対する要求に応じて、第1スモールセル基地局が1以上のリソースにおいてビーコン送信を行うステップと、
マクロ基地局から第2のスモールセル基地局に対する要求に応じて、第2のスモールセル基地局が、1以上のリソースにおいてチャネル品質測定を行うステップと、
第2のスモールセル基地局が測定されたチャネル品質をマクロ基地局に報告するステップと
を含む。
無線通信システムにおける干渉決定のための従来の手法では、基地局は、バックホール接続を介した近隣の基地局への通信によってリソース使用を能動的に調整するか、又は受動的に、フェムト基地局等の基地局が、近傍をリスンし、この近傍のリスンにより、近隣にある別の基地局によって用いられていないと判定されたリソースを選択する。このような既知の従来技術の手法とは異なり、本発明の第3の態様は、スモール基地局が、近隣のスモール基地局に対するバックホールリンクが利用可能でない場合に、利用可能とは限らないアクティブな通信を提供することを必要としないため、有利である。また、受動的なリスンが必要とされず、むしろ、本発明によれば、干渉制御のためのマクロセル調整手法が教示される。この手法によれば、マクロセルは、候補となるスモールセル基地局(第1スモールセル基地局)と、この候補となるスモールセル基地局の近傍にある1以上の、干渉可能性のあるスモール基地局(第2スモールセル基地局)との間のビーコン信号の送受信を調整する。候補となるスモールセルと干渉するスモールセルとの間のセル間通信は必要ない。また、干渉する基地局は、候補となる基地局からの信号を識別して判断する必要がない。
第3の態様の実施形態によれば、本方法は、第1スモールセル基地局がリソース使用を周期的に報告するための設定をマクロ基地局が行うステップと、マクロ基地局との接続確立の際又はマクロ基地局からの要求に応じて、第1スモールセル基地局が自己の能力をマクロ基地局に送信するための設定を行うステップとのいずれか又は両方を含む。この実施形態は、スモールセル基地局のリソース能力を考慮することを可能にし、また、測定及び検出の信頼性の向上とスモールセルが検出され得る探索空間の削減とに加えて、最適なリソース使用を提供することも可能にするため、有利である。
実施形態によれば、マクロ基地局が候補となる第1スモールセル基地局に対して発行する要求は、ビーコンフォーマットと、ビーコン送信設定と、第1スモールセル基地局の動作とのうちの1以上を定める。実施形態によれば、ビーコンフォーマットは、第1スモールセル基地局又は第2スモールセル基地局に関して個別のものとすることができる。ビーコン送信設定は、1以上のリソースにおける所定の時間間隔の間の送信を含むことができる。第1スモールセル基地局の動作は、上記設定の受け取りに成功すると、肯定的応答をマクロ基地局に送信することを含むことができる。第1スモールセル基地局は、複数のリソースにおける同時のビーコン送信をサポートしていない場合があり、そのような状況では、一実施形態によれば、ビーコン送信設定は、各リソースにおけるビーコン送信のタイミング及び順序を定めることができる。さらに、基準タイミングをマクロ基地局のフレームに基づいて定めることができる。本発明によって、及び第3の態様の上記実施形態によれば、マクロ基地局は、ビーコン送信のフォーマットと、設定と、候補となるスモールセル基地局が要求に応じてどのように動作すべきかとに関するビーコン送信の詳細を、候補となるスモールセル基地局に伝達する。これは、マクロセルが、単一のスモールセル基地局のビーコン送信を調整するだけではなく、他の複数のスモールセル基地局も制御するため、他のスモールセル基地局についての情報に応じて、それらの他のスモールセル基地局によって行われ得る他の送信も考慮してビーコンフォーマット及びビーコン送信設定を定めることができるため、有利である。
実施形態によれば、マクロ基地局が(干渉する)第2スモールセル基地局に対して発行する要求は、ビーコン測定設定と、ビーコン測定報告設定と、スモールセル基地局の動作と、測定されたチャネル品質を第2スモールセル基地局がマクロ基地局に報告するための報告内容との1以上を定める。実施形態によれば、ビーコン測定設定は、測定に用いられる周波数リソース、パイロットパターン、タイミングといった測定対象と、測定間隔とのいずれか又は両方を含むことができる。ビーコン測定報告設定は、第2スモールセル基地局が要求を受信してから報告を送信するまでの時間を表すタイマ値を含むことができる。実施形態によれば、第2スモールセル基地局の動作は、1以上の指定されたリソースがタイマ満了の際に検出されていない場合であっても、報告を送信することを定めることができる。更なる実施形態によれば、ユーザ機器の動作は、全てのリソースが検出及び測定された場合にはタイマ満了前に報告を送信することと、全てのリソースが検出及び測定された場合であってもタイマ満了後に報告を送信することとのいずれか又は両方を含むことができる。実施形態によれば、報告内容は、RSRP、RSRQ、RSSI、CQI、SIR、SINRといった信号強度及び1以上の品質尺度のいずれか又は両方を、例えば、マクロ基地局から受信した設定情報により定められた順序で含むことができる。本発明の第3の態様は、干渉するスモールセル基地局に対して、候補となるスモールセル基地局から送信された実際の信号についての情報が提供されることにより、干渉するスモールセルが候補となるスモールセルを容易に認識し、それによって、不要な遅延を回避できるので、有利である。また、候補となるスモールセルによっても用いられるとともに干渉状況を判断するために決定的となる正確なリソースが、干渉する基地局に伝達される。それにより、干渉する基地局間のチャネル品質の、高速で、柔軟で、かつ信頼できる測定が確保され、それによって、改善され、より信頼できる干渉状況についての判断と、候補となるスモールセル基地局が用いることのできるリソースの改善された決定とが可能となる。
この第3の態様は、例えば、スリープ状態にあるセルがアクティブ状態となり、UEとの通信のためのリソースが決定された後に干渉情報を提供するために、上記で説明したような本発明の第1の態様と、第2の態様と、以下に説明する次の態様とのうちの1以上とともに用いることができることに留意されたい。その一方で、本発明の第3の態様は、例えば、候補となるスモールセル基地局への接続のセットアップを要求したユーザ機器に対して、該候補となるスモールセル基地局がサービス提供するのに用いることのできるリソースを決定するための干渉情報を2つのアクティブなスモールセル基地局間で提供するために、第1の態様及び第2の態様とは無関係に用いることもできる。また、既にアクティブな、候補となるスモールセル基地局又は当該技術において知られている従来の手法によってアクティブ状態となった、候補となるスモールセル基地局に対する接続のセットアップを要求したユーザにサービス提供するために用いられるリソースを決定するために、本発明の手法の第2の態様と第3の態様とを組み合わせて用いることもできる。
[第4の態様: 最適なリソース設定]
本発明の第4の態様によれば、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセル基地局を備えた無線通信システムにおいて、一スモールセル基地局からサービスの提供を受けることになるユーザ機器を制御する方法が提供される。
本方法は、
スモールセル基地局が、該スモールセル基地局の能力をマクロ基地局に伝達するステップと、
ユーザ機器が、該ユーザ機器の能力をマクロ基地局に伝達するステップと、
マクロ基地局が、スモールセル基地局の設定をユーザ機器に伝達するステップと、
マクロ基地局から受信したスモールセル基地局の設定を用いて、ユーザ機器がスモールセル基地局にアクセスするステップと
を含む。
従来の手法では、ユーザ機器が基地局への接続をセットアップしようとする場合、まず、第一に、ユーザ機器は、何らかの方法で基地局を検出する必要があり、最終的には、通信に用いるリソースを検出することができるように、基地局とユーザ機器との間の通信が必要となる。これは、例えば、ハンドオーバが生じたとき、すなわち、第1の基地局によるユーザ機器へのサービス提供が第2の基地局に変わるときに行われる。ハンドオーバの発生は、現在の基地局から新たな基地局へと伝達される。次に、新たな基地局は、現在の基地局を通じてユーザ機器に返されることになる新たなリソースを決定する。そして、この情報を受信すると、ユーザ機器はこの新たな基地局に接続できることになる。しかし、この手法は、好ましくない遅延をもたらす場合がある。そのような問題を回避するために、本発明によれば、スモールセル基地局が自己の能力をマクロ基地局に伝達し、ユーザ機器が自己の能力をマクロ基地局に伝達するマクロセルベースの手法が提案される。受信した情報に基づいて、例えば、マクロ基地局又はネットワーク環境内の別のエンティティにより、スモールセル基地局の設定を決定することができる。マクロ基地局は、スモールセル基地局の設定をユーザ機器に伝達することによって、例えばハンドオーバ時の不要な処理遅延が回避される。本手法は、従来技術とは異なり、ユーザ機器がアップリンク信号強度、モビリティ等のような幾つかの入力を用いてハンドオーバに最適な、隣接するスモールセルを決定することがもはや必要ではなく、むしろ、マクロ基地局が選択されたスモールセルにおいて最適なリソースを設定するため、有利である。本発明の第4の態様の実施形態は、マクロセルベースの手法により、アクティブ化されるリソース設定を決定するために、候補となるスモールセル及びUEのリソースの能力が明示的に考慮され、それによって、スモールセル基地局とユーザ機器との間の通信に用いられるリソースを決定するためのより効率的な方法が提供されるため、有利である。マクロ基地局から受信したスモールセル基地局の設定を用いて、ユーザ機器がスモールセル基地局にアクセスすることは、スモールセル基地局との通信による接続のセットアップのための全ての情報を決定することがユーザ機器にとってもはや必要ではないため、有利である。むしろ、マクロ基地局から既に受信した情報を用いて、セットアップが高速化され、不要な遅延が回避される。
実施形態によれば、本方法は、スモールセル基地局及びユーザ機器から伝達された能力に基づいて、ユーザ機器に伝達されるスモールセル基地局の設定を決定するステップを含む。本方法は、マクロ基地局がスモールセル基地局の設定をスモールセル基地局に送信するステップを更に含んでいてもよい。スモールセル基地局は、設定の受け取りに成功すると、肯定的応答をマクロ基地局に送信することができる。
実施形態によれば、スモールセル基地局及びユーザ機器は、マクロ基地局からの要求に応じて又はマクロ基地局との接続確立の際に、自己の能力をマクロ基地局に伝達する。
実施形態によれば、本方法は、設定の受け取りに成功すると、ユーザ機器が肯定的応答をマクロ基地局に送信するステップを含む。
第4の態様の実施形態によれば、本方法は、ユーザ機器が、通信プロトコルの下位レイヤの情報に応じて、スモールセル基地局との接続が確立されたことをマクロ基地局に伝達するステップと、通信プロトコルの下位レイヤの情報が所定のタイマ期間内に受信されなかったことに応じて、スモールセル基地局との接続が確立されなかったことをユーザ機器がマクロ基地局に伝達するステップとのいずれか又は両方を含んでいてもよい。これにより、マクロ基地局が、設定の受け取りが成功したこと、並びにユーザ機器からスモールセル基地局への接続が最終的にセットアップされたこと若しくはセットアップされなかったことを確認することが可能となり、問題があると判断された場合には、マクロ基地局が、適切な処理、例えば、スモールセル基地の設定をユーザ機器に再び送信すること又は別のスモールセルを選択することができ、それによって、利用可能な複数のスモールセル基地局のうちの一スモールセル基地局に対するユーザ機器の接続が高速化されるため、有利である。
実施形態によれば、本方法は、スモールセル基地局が、通信プロトコルの下位レイヤの情報に応じて、ユーザ機器との接続が確立されたことをマクロ基地局に伝達するステップと、スモールセル基地局が、通信プロトコルの下位レイヤからの情報が所定の時間期間内に受信されなかったことに応じて、ユーザ機器との接続が確立されなかったことをマクロ基地局に伝達するステップとのいずれか又は両方を含んでいてもよい。これにより、マクロ基地局が、例えば、ハンドオーバが失敗した状況では、ハンドオーバのために別のスモールセル基地局を選択することができるように、スモールセル基地局において起こり得る問題に対処することが可能となるため、有利である。
実施形態によれば、ユーザ機器に伝達されるスモールセル基地局の設定は、時間、周波数、空間、符号、インタリーバといった、スモールセル基地局によって用いられる1以上のリソースと、フレーム構造、タイミング方式、副搬送波間隔、フィルタといった、スモールセル基地局によって用いられる数値と、タイマ値とのうちの1以上を含む。これは、基地局自体からの設定情報を決定するためのユーザ機器による処理を何ら必要とすることなく、候補となるスモールセル基地局への接続をセットアップするために必要な全ての情報をUEに提供し、それにより、接続セットアップが促進及び高速化されるため、有利である。
本発明の第4の態様に関して、本態様は、先行する第1の態様〜第3の態様のいずれかとともに用いることができることに留意されたい。その一方で、本発明は、これに限定されるものではなく、むしろ、本発明の第4の態様は、例えば、複数のスモールセル基地局を制御するマクロ基地局を備えた従来のシステムにおいて、第1の態様〜第3の態様とは無関係に用いることもできる。
[第1の態様〜第4の態様の利点]
上記本発明の4つの態様は、スモールセルの発見及びリソースのアクティブ化のための新しく、改良されたマクロセル支援型の手法を定めるものであり、この手法は、従来の手法と比較して有利である。スモールセル発見のための従来のRFフィンガプリントベースの方式と比べて、種々の態様による本発明は、マクロ基地局が、送信、測定、及び報告を調整し、その結果、発見の信頼性が高まり、スモールセルを一意に特定する探索空間が削減されるマクロセルベースの手法を提供するものである。さらに、候補となるスモールセル及びUEのリソース能力が、アクティブ化するリソース設定を決定するために明示的に考慮される。また、最適なリソース使用が達成されるとともに、UEへの改善された情報送信が達成され、それによって、スモールセル、例えば、スリープモードからアクティブとなったスモールセル又は既にアクティブとなっているスモールセルへの迅速な接続セットアップが容易になる。さらに、上記で説明したような本発明によれば、伝達、送信、測定、及び報告に関する動作が、マクロ基地局及び各エンティティによって制御され、すなわち、スモールセル基地局及びユーザ機器がそれに応じて設定される。
従来のダウンリンクベース又はアップリンクベースの伝達手法と比べて、本発明は、スモールセル基地局が、発見用のリファレンス信号をブロードキャストすることも、候補となるスモールセルとのセットアップを要求するUEとの可能な通信のために近隣のスモールセルにおけるトラフィック又は通信をリスンすることをも必要としないため、有利である。むしろ、マクロベースの手法によって、マクロ基地局は、どのスモールセルが送信するのか、スモールセルがいつ送信するのか、及びスモールセルがどのリソースを送信するのかを設定し、スモールセルが送信する発見用信号のタイプも用いられる。スモールセルの信号送信と、スモールセル又はUEの測定とは、マクロ基地局によって調整され、それによって、スモールセルを一意に検出する削減された探索空間内における測定及び検出の信頼性の向上が得られる。また、アップリンク信号強度、モビリティ等といった幾つかの入力を用いて、ユーザ機器をハンドオーバさせる最良の隣接するセルを決定する従来のハンドオーバの実施態様に比べて、本発明は、マクロセルベースの手法により、マクロ基地局がハンドオーバのために選択されたスモールセルにおいて最適なリソースを設定し、それによって、不要な遅延及び不要なトラフィックを回避できるため、有利である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態を更に詳細に説明する。以下では、本発明の4つの態様を、4つ全ての態様を利用した単一の環境において説明する。しかし、これらの4つの態様の各々は、その他の態様とは無関係に用いることもできることに留意されたい。
図3は、様々な実施形態によるマクロセル支援型のスモールセルの発見及びリソースのアクティブ化のためのシグナリングフローを示している。本発明の実施形態は、マクロセルと、無線アクセスネットワークにおける大容量の需要に対処する、密に展開されたスモールセルとを有するオーバレイネットワークアーキテクチャの分野に関する。エネルギー節約機能により、使用されていないスモールセルをスリープ状態とすることが可能となり、これは、エネルギー節約及び干渉制御に関する態様である。本発明は、以下で説明する様々な態様によれば、例えば、ウェイクアップさせて所与のUEに対してサービスを提供することに適したセルの発見と、アクティブなスモールセル又はアクティブとなったばかりのスモールセルに割り当てられる適切なリソースの選択とに際し、選択されたスモールセルの近隣にあるスモールセルの能力及びリソース使用を考慮しつつ、このようなオーバレイネットワークアーキテクチャにおいてスモールセル及びユーザ機器の制御を容易にするマクロ支援型のメカニズムを導入するものである。これらのメカニズムは、マクロ調整型(macro-coordinated)の情報要求と、UE及びスモールセルの測定と、マクロセル又は本アーキテクチャの別の部分における情報処理と、マクロセルからUE及びスモールセルに対する設定コマンドの送信とに基づいている。本発明は、UEとスモールセルとの間の、迅速で信頼できる接続のセットアップを容易にするメカニズムをもたらし、これにより、結果として、好適なスモールセルの発見及び接続セットアップのスピード及び信頼性が向上し、同時に、スリープモードにあるスモールセルを発見するためのUE及びスモールセルの必要エネルギー量が削減される。本メカニズムは、UE及びスモールセルのリソースの最適な使用も可能にする。
以下の実施形態では、UEの能力及びスモールセルの能力について言及する。これらの実施形態によれば、これらの能力は、本発明の機能を実施するためのマクロ基地局への入力として提供される。マクロ基地局がUEの能力及びスモールセルの能力を取得する際の情報及び手段は以下の通りとすることができる。UEの能力を取得するために、UEは、マクロセルへの初期接続確立の一部として、その能力をマクロ基地局にシグナリングすることができる。あるいは、マクロ基地局は、特定の能力についての情報をUEに直接的に要求するか、観察されたUEの挙動に基づいて幾つかの能力を推測することもできる。UEの能力は、迅速に参照するためにマクロ基地局内のあるロケーションに永続的又は一時的に記憶することができる。スモールセルの能力は、マクロ基地局が様々な形態で取得することができる。1つの実施形態によれば、スモールセル基地局がネットワークに最初に接続されるときに、スモールセル基地局の能力、例えば、サポートされる搬送波又は帯域、サポートされる無線アクセス技術(radio access technology, RAT)、サポートされる技術等をマクロ基地局にシグナリングすることができる。更新はマクロ基地局により設定することができ、例えば、スモールセル基地局は、ウェイクアップ処理の一部として、能力ステータスメッセージを送信することができる。このメッセージは、基地局の能力に関して変化がないことを示すものとすることもできるし、局がスリープ状態に移行した最後の時点と比較した能力の相違のみを報告するものとすることもできる。マクロ基地局は、ある特定のトリガに基づいてスモールセル基地局が更新を送信するための設定を行うこともできる。例えば、更新は、イベントに基づくものとすることができ、例えば、新たな能力が追加されたとき、又は例えば不具合の結果として、既存の能力が削除されたか若しくは利用不可能となったときのイベントに基づくものとすることができる。また、能力に関する任意の変化についての定期的な報告を提供するための周期的な更新も可能である。あるいは、マクロ基地局は、スモール基地局に対し、その能力の全てを報告するよう明示的に要求することができる。他の実施形態では、マクロ基地局は、ある特定の要求に対するその挙動又は応答に基づいて、スモールセル基地局の能力を推測することができる。マクロ基地局は、例えば、これらのスモールセルに接続するUEに明示的な要求を送信し、スモールセルにおいて用いられる能力の報告をUEからマクロ基地局にシグナリングすることにより、スモールセル基地局の能力をUEから学習することができる。あるいは、マクロ基地局は、このような情報を有する中央エンティティを通じて、必要とされる情報を取得することができる。スモールセルの能力についての情報は、マクロ基地局が迅速な検索を容易にするために永続的又は一時的に記憶することができる。
[第1の態様: スリープ状態にあるスモールセルの発見]
図3において、ブロック200は、マクロ基地局により制御される複数のスモールセルの中から利用可能なスモールセルを決定することを可能にする、スモールセル基地局の近傍を表す情報を取得するための本発明の第1の態様による一実施形態のシグナリングフローを示している。以下の実施形態では、スモールセル基地の近傍を表す情報は、1以上の近隣のスモールセル基地局により用いられる1以上のリソース上で測定を行うことによりスモールセル基地局が取得したフィンガプリントである。本発明は、スモールセル基地局によりRFフィンガプリントを取得することに限定されるものではなく、スモールセル基地局の近傍を記述した情報を取得するための他の手法も適用することができることに留意されたい。情報を取得することには、測定を行うこと、又は測定を行うスモールセル基地局の周囲にある1以上のスモールセル基地局から測定結果を取得することを含めることができる。この測定により、近隣にある1以上のスモールセルから1以上の所定の量の値が得られる。
図3は、マクロ基地局100と、候補となる1以上のスモールセル1041と、近隣にある1以上のスモールセル1042とを示している。ステップ202において、マクロ基地局100は、特定のリソースに関するRFフィンガプリントを、候補となるスモールセル1041に要求する。符号204において、スモールセル1041は、近隣にある1以上のスモールセル1042に関してフィンガプリント測定を行い(例えば、近隣にある1以上のスモールセルから1以上の所定の量の値を取得又は測定し)、要求されたフィンガプリントをマクロ基地局100に報告する。本発明の第1の態様によれば、候補となるスモールセル1041により測定及び報告されたフィンガプリントによって、第1の態様の更なる実施形態に基づいて、スリープ状態にあるスモールセルの決定を可能にする情報が提供される。フィンガプリントをユーザ機器が取得する従来の手法とは異なり、本実施形態によれば、フィンガプリントは、マクロ基地局100の制御下において候補となるスモールセル1041により取得される。取得されたフィンガプリントは、マクロ基地局100の制御下にあるスモールセル1041の近傍を特徴付けているものである。
ステップ202及び204は、例えば、スモールセル基地局1041がネットワークに最初に加わるときに、スモールセル1041とマクロ基地局100との間に接続が確立されると行うことができる。実施形態によれば、ステップ202にて送信された要求により、マクロ基地局100は、用いられる周波数、タイムスロット、及びリソースのような測定対象に関してスモールセル基地局1041を設定することが可能となる。また、例えば、候補となるスモールセル1041の近傍にある測定対象の無線送信機(ホワイトリスト)又は測定対象ではない無線送信機(ブラックリスト)を示すホワイトリスト又はブラックリストを含めることもできる。これは、例えば、移動中のスモールセル基地局が検出されたときは、このことから、このスモールセル基地局はマクロ基地局100のサービス提供エリアに非常に短い期間しか滞在しないと考えられ、したがって、このスモールセル基地局を無視することができるという状況において有利な可能性がある。また、候補となるスモールセル基地局の近傍に、幾分「ナーバス」な、すなわち、アクティブな状態と非アクティブな(スリープ)状態との間で急速に切り替わると認識されたスモールセル基地局が存在する場合は、フィンガプリントを生成するときに、候補となるそのようなスモールセルを無視することが望ましい場合がある。加えて、ステップ202において送信される要求は、スモールセル基地局1041のための測定の周期性を定める情報、すなわち、候補となるスモールセル1041がフィンガプリントの測定をどのような頻度及びどのような間隔で行うべきかを示す情報を含んだものとすることができる。この周期性は、マクロ基地局100が、当該マクロ基地局のネットワーク全体の情報に基づいて求めることができる。加えて、ステップ202において、報告が作られてマクロ基地局に送られる際の実例(instance)に関してスモールセル基地局を設定する報告設定を候補となるスモールセル1041に送ることができる。一実施形態によれば、要求の受信後の所定の時点で報告が作られるようにすることを意味するワンショット設定をスモールセル基地局に伝えることができる。また、周期的な報告を設定することもでき、報告の周期性及び最大数を示すことができる。また、スモールセル基地局は、ある特定のトリガに基づいて、フィンガプリントの更新を報告するように設定することができ、例えば、新たなフィンガプリントが現われ、所定の時間間隔よりも長い間留まるときはいつでも、あるいは既存のフィンガプリントが所定の時間間隔よりも長い間消滅したままのときはいつでも、又は実際のフィンガプリントが多少変化した場合に、フィンガプリントの更新を報告するように設定することができる。
さらに、ステップ202において、マクロ基地局100は、報告に含まれる内容を定める情報、例えば、特定の信号強度メトリックのような、ステップ204における応答において報告する必要のある特定の量を候補となるスモールセル基地局1041に伝えることができる。これらの特定の信号強度メトリックは、例えば、基準信号受信電力(reference signal received power, RSRP)、基準信号受信品質(reference signal received quality, RSRQ)、信号対干渉比(signal to interference ratio, SIR)、信号対干渉プラス雑音比(signal-to-interference-plus-noise ratio, SINR)、チャネル品質インジケータ(channel quality indicator, CQI)、又は受信信号強度インジケーション(received signal strength indication, RSSI)である。例えば、物理レイヤセル識別情報(physical layer cell identity, PCID)、基地局セル識別情報(base station cell identity, BCID)、又は一意のセル識別子(cell identifier, CID)に基づく、発見されたエンティティの識別情報も報告に含めることができる。さらに、マクロセルのみ又はマクロセル及びスモールセルの両方といった、報告がどのエンティティに送られるべきかを定めることができる。
さらに、ステップ202においては、要求とともに、スモールセル1041が、アクティブ状態からスリープ状態に切り替わる場合にどのように動作すべきかを定める情報を送ることができる。スモールセル基地局は、測定を停止し、ステップ202においてマクロ基地局から受信した最後の設定を記憶し、ウェイクアップ後のフィンガプリントの決定に関するその処理を再開することが望ましい場合がある。あるいは、スモールセル基地局は、測定を停止し、設定を破棄し、ウェイクアップ後に、必要な設定情報を含んだ新たな要求をマクロ基地局から受信する必要のある場合がある。また、測定が停止され、最後の設定が記憶されるものの、測定は、それぞれの要求をマクロ基地局から再び受信したときにのみ再開されることが望ましい場合がある。別の代替的形態として、ウェイクアップ後に測定を単に続けることをスモールセル基地局に対して指示することができる。実施形態によれば、スモールセル基地局1041は、設定の受け取りに成功した場合に肯定的応答を送信することができる。スモールセルは、フィンガプリントが発見されなかった場合でも報告を送ることもできる。
ステップ202における要求の初期送信に加えて、実施形態によれば、マクロ基地局100は、例えば、候補となるスモールセルの近傍にある全てのスモールセルがアクティブとなっている場合、あるスモールセルがネットワークに参加している場合等、特定の条件が満たされていると判断したときに、スモールセル基地局1041に対し、測定を行って報告を送るよう明示的に要求することができる。
上述したスモールセルのアクティブモード又はスリープモードに関して、スモールセルは、無線送信処理を何ら示していないときはスリープモードにあるとみなされ、無線送信がアクティブであるときはアクティブであるとみなされることに留意されたい。
実施形態によれば、マクロ基地局100は、このマクロ基地局の制御下にある各スモールセルの近傍を特徴付けるRFフィンガプリント又はRFマップのリファレンスデータベースを備えたものとすることができる。第1の態様の更なる実施形態によれば、この情報は、ユーザ機器の近傍における好適なセルを特定するプロセスを容易なものとするために用いられる。図3のブロック200には、第1の態様のこの更なる実施形態が示されている。ユーザ機器112が、マクロ基地局100の制御下にあるエリアに入ると、マクロ基地局は、ステップ206において、例えば、周波数、帯域、搬送波等といった特定のリソースに関するRFフィンガプリントを取得するようユーザ機器112に要求するための要求をユーザ機器112に送信する。ステップ208において、ユーザ機器112は、要求されたフィンガプリントを測定し、該要求されたフィンガプリントをマクロ基地局100に返す形で報告する。ステップ202及び204にて取得されたフィンガプリントとステップ206及び208において取得されたフィンガプリントとに基づいて、ユーザ機器112の近傍にある1以上のスリープ中のスモールセル基地局、例えば、ユーザ機器112にサービスを提供するためにアクティブにすることのできる図2のスモール基地局1041及び1042を検出することができる。
ステップ206及び208による、UE112の近傍における最も好適なスモールセルのマクロ支援型発見は、UEの近傍において好適なスモールセルを特定するという問題に対処するものである。マクロ基地局100は、特定のリソースに関するRFフィンガプリントを測定するようUE112に要求する。このリソースは、周波数、帯域、搬送波等とすることができる。この要求は、複数のトリガに基づいてマクロ基地局が行うことができる。例えば、この要求は、マクロ基地局との接続を確立する任意のUEに対して行うこともできるし、マクロ基地局が、現在の基地局とUEとの間の通信の信号品質が十分でないことによりUEを別のスモールセル基地局にハンドオーバする必要があると判断したとき、又はマクロ基地局が過負荷となった場合に、行うこともできる。
実施形態によれば、ステップ206において送信される要求は、幾つかのリソースの測定要求、測定を実行又は省略する必要のある条件、及び測定を報告する必要のある条件を組み合わせることができる。さらに、マクロ基地局100は、UEが要求されたRF測定を行うための適切な測定間隔を設定することができる。すなわち、UEの通常の動作に「割込み」を行って、RF測定を行うための必要な時間を確保できるように設定することができる。
マクロ基地局は、要求の性質に基づいて、UE112の測定挙動を設定することができる。すなわち、UEは、所与の時間間隔の間、周期的、又は測定停止の要求をマクロ基地局から受信するまで周期的に、要求内の全てのリソースを測定するよう設定することができる。UEは、例えば、所与の時間間隔の間、周期的、又は測定停止の要求をマクロ基地局100から受信するまで周期的に、他の測定結果にのみ基づいてある特定のリソースを測定するよう設定することもできる。
マクロ基地局は、要求の性質に基づいて適切な報告処理に関してUEを更に設定することができる。UEは、あらゆる測定期間中に全ての測定を報告するように設定することもできるし、測定期間の終わりにのみ全ての測定を報告することもできる。加えて又は代替的に、例えば、測定結果が、所定の閾値の上下のマージン分だけ基準測定値と異なる場合に、あらゆる測定期間中にある特定のトリガに基づいて測定結果を報告することもできるし、測定期間の終わりにのみ報告することもできる。ここで、この基準は、マクロ基地局が要求206の一部として知らせることができ、この基準測定値は、ユーザ機器に知られている所定のマップのリストから取得することもできるし、ユーザ機器において事前に知られていないマップ全体について知らせることもできる。ステップ208において、ユーザ機器は、受信した測定及び報告設定に基づいて要求された情報を測定して報告する。
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、マクロ基地局は、UEから受信した報告及び基準RFマップを用いて、UEの近傍における候補となるスモールセルを特定することができる。これは、一実施形態によれば、マクロ基地局にて行われるが、他の実施形態によれば、ネットワーク環境の他のエンティティにおいても行うことができることに留意されたい。マクロ基地局による、UEの近傍における候補となるスモールセルの特定は、実施態様に特有のものであり、UEから報告されたフィンガプリントと、マクロ基地局における基準となるRFマップ又はフィンガプリントとを用いて、UEの近傍におけるスモールセルを決定することを伴う。幾つかのマシン学習手法又はマシン推定手法を用いることができ、特定されたスモールセルは、「候補となる」スモールセルと呼ばれる。このプロセスの出力は、1以上のスモールセルに対するUEの地理的近接性の推定値を提供するが、UEと、候補となる1以上のスモールセルとの間に設定することのできる可能なリンクの品質についての情報は提供しない。
UEと、候補となるスモールセルのうちの1つとの間の通信をセットアップするための更なるステップは、従来の手法により行うこともできるし、以下で更に詳細に説明する本発明の更なる態様のうちの1以上を用いて行うこともできる。例えば、ユーザ機器と、スリープ中のスモールセル基地局のうちの1以上との間の通信のアクティブ化及びセットアップは、従来の手法に従って行うことができる。他の実施形態によれば、通信のセットアップは、以下で更に詳細に説明する以下の本発明の更なる態様のうちの1以上に従って行うことができる。
本発明の第1の態様における上記実施形態では、スモールセル基地局は、マクロ基地局からの要求に応じてフィンガプリントを取得する。すなわち、情報、例えばフィンガプリントを取得するよう1以上のスモールセル基地局に要求するマクロ基地局の制御下で測定が行われる。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。他の実施形態によれば、測定は、スモールセル基地局によって能動的に(マクロ基地局とは無関係に、すなわち、要求がマクロ基地局からスモールセル基地局に対して発行されない)行うことができる。実施形態によれば、測定は、スモールセル基地局をセットアップする際に(例えば、スモールセル基地局をネットワーク内に設置するときに)その自己設定プロセスの一部として行うこともできるし、その状態を変更するときに行うこともできるし、一定若しくは可変の時間間隔で行うこともできる。
他の実施形態によれば、他のネットワークエンティティが、測定を実行するようスモールセル基地局に知らせることができる。
[第2の態様: スモールセルの検出及び候補となるリソースに関するチャネル品質の決定]
図3は、ユーザ機器とスモールセル基地局との間の通信に用いられる候補のリソースを、効率的で、信頼でき、かつ高速な方法で決定することを可能にする本発明の第2の態様に関するブロック300を示している。
ステップ302において、マクロ基地局は、候補となる特定のリソースに関するビーコン送信を求める要求を候補となるスモールセル1041に対して発行する。この候補となるスモールセルは、本発明の第1の態様に従って決定されたセルとすることもできるし、マクロ基地局によって制御される複数のスモールセルを備えたネットワーク内の他の任意のアクティブなセルとすることもできる。スモールセル基地局1041に対する要求の送信302に続き、マクロ基地局100は、ステップ304において、候補となるスモールセル基地局1041にも送られた、候補となるリソースに関するチャネル品質測定を求める要求をユーザ機器112に送る。ステップ306において、ユーザ機器112は、測定を行い、要求された情報をマクロ基地局100に返す形で報告する。
本発明の第2の態様の実施形態によれば、ステップ302においてマクロ基地局100から候補となるスモールセル基地局1041に送信される要求は、ユーザ機器112が容易に認識することのできるビーコンフォーマット、例えば、セル別のフォーマット又はUE別のフォーマットについての情報を含む。また、この要求は、ワンショット送信とすることのできるビーコン送信設定についての情報を含んだものとすることができる。すなわち、候補となるスモールセル基地局1041は、1つのリソースに関して所定の時間間隔の間、ビーコン信号を送信するよう制御することができる。また、複数のリソースに関する所定の時間間隔の間のビーコンの送信は、基地局1041に伝えることができる。スモールセル基地局1041が複数のリソースからの同時送信をサポートしていない場合は、いくつかのリソースにおけるビーコン送信のタイミング及び順序も、ステップ302にて送信される要求によりマクロ基地局100によって設定される。基準タイミングは、マクロセルフレームとすることができる。加えて、候補となるスモールセル基地局1041は、例えば、ステップ302において設定情報を受信した後、肯定的応答をマクロ基地局100に返信することが必要とされるなどの所望の処理に関する情報を受信する。
ステップ304において、実施形態によれば、マクロ基地局100は、ビーコン測定設定情報をユーザ機器112に送信することができる。このビーコン測定設定情報は、周波数リソース、パイロットパターンといった測定対象についての情報を含み、また、タイミングについての情報も含む。また、例えば、タイマが満了すると報告の提供を要求するワンショット設定などの報告の設定をユーザ機器に提供することができる。特定のUEの挙動は、マクロ基地局100によって必要とされる場合があり、ステップ304においてUE112に伝えることができる。例えば、所望の挙動は、指定されたリソースがタイマ満了の際に検出されない場合であっても、UEが報告を送信するために必要とされるようなものとすることができる。UEは、全てのリソースが検出及び測定された場合には、タイマ満了前に報告を送信するよう設定することもできるし、全てのリソースが既に検出及び測定された場合であっても、タイマ満了後に報告を送信するよう設定することもできる。また、UE112によって作られる報告の内容は、マクロ基地局100がUE112に伝えることができる。例えば、どの信号強度又は品質測定、例えば、RSRP、RSRQ、RSSI、CQI、SIR、SINRが、例えば、上記設定において指定された所望の順序に従って提供されるのかを示すことができる。
加えて、マクロ基地局100は、リソース使用を周期的に報告するようアクティブな1以上のスモールセル基地局を設定することができる。これらの1以上のスモールセル基地局は、接続確立の際又は要求の際に、それらの能力をマクロ基地局に送信するように設定することができる。
本発明の第2の態様300の一実施形態によれば、マクロ基地局が、スモールセル及びユーザ機器の能力を考慮して、好適なスモールセルにおいてアクティブにするのに最適なリソースを決定することを可能にする好適なリソースのマクロ支援型特定及びアクティブ化が提供される。ステップ302の前に、実施形態によれば、マクロ基地局100は、1以上の好適なスモールセル基地局においてアクティブにする候補となるリソースを特定することができる。より具体的には、マクロ基地局は、候補となるスモールセル基地局の能力及びUE112の能力を入力として用いて、候補となるスモールセルにおいてアクティブにするのに潜在的に最適なリソースを決定することができる。このタスクを実行するために幾つかのアルゴリズムを用いることができ、その出力は、UEとの通信に用いることのできる、候補となるスモールセルにおける可能なリソースのリストである。これらの可能なリソースは、この場合、「候補となるリソース」と呼ばれる。ステップ302において、マクロ基地局100は、候補となるリソースにおけるビーコン送信を要求する。より具体的には、マクロ基地局100は、候補となるリソース上で特定のビーコンを送信するよう1以上のスモールセル基地局1041に要求する。マクロ基地局100は、例えば、どのようなビーコンが候補となるリソースのどの部分に関して送信されるのか、送信をいつ開始するのか、どれくらいの時間の間送信するのか、及びいつ停止するのかに関して、候補となるスモールセル基地局1041の送信処理を設定する。例えば、ビーコン送信は、事前に設定されたタイマが満了した後、又はマクロ基地局からスモールセル基地局への別の明示的なシグナリングの後に停止するよう設定することができる。図3のブロック300に示すシグナリングに加えて、マクロ基地局は、能力、システム情報等の特定のパラメータについての更新情報が利用可能である場合には、それらの更新情報を送信するようスモールセル基地局に依頼することもできる。
ステップ304において、マクロ基地局100は、候補となるリソース上でのチャネル品質測定を要求する。より具体的には、マクロ基地局は、ビーコン送信が行われる特定のリソース上でチャネル品質測定、例えば、RSRP、RSRQ、SINR等の測定を行って報告するようUE112に要求する。マクロ基地局100は、測定する特定のリソース、いつ測定するのか、どれくらいの時間の間測定するのか、及びいつ測定を停止するのかに関して、UE112の測定処理を設定することができる。また、マクロ基地局100は、何を報告するのか、報告はいつ送信されるのか、及びどのような条件下で報告を送信しなければならないのかに関して、UE112の報告処理も設定する。UEは、全てのリソースにおける全ての測定結果を報告するよう設定することもできるし、チャネル品質がある特定の閾値を上回るリソース又はある閾値を下回るリソースのみを報告するよう設定することもできる。ここで、この閾値は、UEに知られている場合もあるし、UEに知られていない場合もある。知られている場合は特定のリファレンスを伝えることができ、知られていない場合はこの閾値がマクロ基地局から明示的に伝えられる。また、マクロ基地局100は、UE112が所望の測定を行うための測定間隔を設定することもできる。ユーザ機器112は、これらの測定設定及び報告設定に基づいて、ステップ306においてチャネル信号品質情報を測定して報告する。
実施形態によれば、マクロ基地局100は、候補となるスモールセル1041が用いる最良のリソースを決定するように設定することができる。測定報告及び追加の情報に基づいて、マクロ基地局100は、ユーザ機器112にサービスを提供するためにスモールセル基地局1041においてアクティブ化するのに最適なリソースを決定することができる。幾つかのアルゴリズムをこのタスクに用いることができ、通信リンクを確立するための種々の対象を最適化するために追加の情報を用いることができる。このプロセスの結果は、選択されたスモールセルにおける選択されたリソースのリストとすることができる。更なる実施形態によれば、マクロ基地局100は、スモールセル基地局のうちの選択された1つに対してリソース設定をシグナリングするように設定することができる。この選択された1つは、スリープモードからアクティブモードとされた基地局とすることもできるし、既にアクティブであった基地局とすることもできる。マクロ基地局は、このプロセスの一部として、選択されたスモールセルのシステム情報を設定するようにシグナリングすることもできる。複数のスモールセル基地局が選択された場合、マクロ基地局は、各スモールセル基地局がそれらのリソースのアクティブ化の確認をいつ送信すべきであるのかについての情報も送信することができる。更なる実施形態によれば、定められたリソース設定のアクティブ化が成功した際に、選択されたスモールセル基地局は、確認をマクロ基地局に送信することができる。スモールセル基地局が、選択されたリソースの一部又は全てを設定することができない場合には、メッセージをマクロ基地局に送信することもできる。また、スモールセル基地局の設定されたシステム情報又は更新情報も、このプロセス中にマクロ基地局に送信することができる。
マクロ基地局とスモールセル基地局との間のシグナリングは、これらのそれぞれの要素間のバックホールリンクを通じて行うことができ、実施形態によれば、バックホールリンクは、スモールセル基地局がスリープモードにある場合であっても、不連続受信(discontinuous reception, DRX)もサポートする。
本発明の第2の態様は、上記で説明した第1の態様とともに用いることができるだけではなく、以下に説明する第3の態様及び第4の態様とともに用いることもできる。その一方で、この第2の態様は、これらの他の態様とは無関係に用いることもできる。
[第3の態様: 候補となるリソースに関する干渉の決定]
図3は、候補となる特定のリソースに関する干渉を決定することのできる本発明の第3の態様に関するブロック400を示している。シグナリングは、ユーザ機器112に対するシグナリング及びユーザ機器112による測定に代えて、シグナリング及び測定が近隣の干渉する可能性のあるスモールセル基地局1042により行われることを除いて、上記第2の態様に関して説明したものと同様である。
ステップ402において、マクロ基地局100は、候補となるリソースでのビーコン送信を求める要求を、候補となるスモールセル基地局1041に送信する。ステップ404では、候補となるリソースにおけるチャネル品質測定を求める要求が、マクロ基地局から干渉可能性のあるスモールセル基地局1042へと送信される。このスモールセル基地局は、ステップ406にて測定を行い、要求された情報を報告として返す。
ステップ402において送信される要求は、セル別又はUE別とすることのできるビーコンフォーマットについての情報と、所定の時間間隔の、単一のリソースにおけるビーコン信号のワンショット送信とすることもできるし、複数のリソースのワンショット送信とすることもできるビーコン送信設定についての情報とを含んだものとすることができる。スモールセル基地局が、複数のリソースにおける同時送信をサポートしていない場合は、各リソースにおけるビーコン送信のタイミング及び順序もマクロ基地局100により設定される。マクロセルフレームは、基準タイミングとして用いることができる。
さらに、ステップ402において、例えば、設定の受信後に肯定的応答がマクロ基地局100に送信されるなどの、スモールセルの動作に関する情報を送信することができる。
干渉するか又は近隣にあるスモールセル1042は、ステップ404において、ビーコン測定設定と、ビーコン報告設定と、該近隣のスモールセルの挙動と、報告の内容とについての情報を受信する。近隣のスモールセル基地局1042は、周波数リソース、パイロットパターン、タイミングといった測定対象についての情報と、測定間隔についての情報とを受信することができる。報告については、タイマ満了後にある特定のリソースが検出されていない場合であっても報告が送信されるように設定することができる。さらに、近隣のスモールセルは、全てのリソースが検出及び測定された場合に、タイマ満了後にのみ報告を送信するよう設定することもできるし、タイマ満了前に報告を送信するように設定することもできる。報告の内容は、例えばRSRQ、RSSI、CQI、SIR、SINRといった信号強度又は品質測定値を、設定によって指定することのできる順序で含んだものとなるように定めることができる。
また、マクロ基地局は、本プロセス時に、1以上のスモールセル基地局がリソース使用を周期的に報告するための設定を行うことができる。1以上のスモールセル基地局は、接続確立の際又はマクロ基地局からの要求に応じて、自己の能力をマクロ基地局に送信することができる。
第3の態様400の実施形態によれば、マクロ基地局は、候補となるスモールセルの能力と、当該マクロ基地局により制御されるスモールセル基地局の近隣におけるリソース使用とを入力として用いて、最適な可能性のあるリソースをアクティブにすることを決定することができる。このタスクを実行するのに幾つかのアルゴリズムを用いることができ、その出力は、候補となるスモールセルのロケーションにおける可能なリソースのリストとすることができる。ステップ404において、マクロ基地局は、ステップ402にてスモールセル基地局1041へとシグナリングされた、ビーコン送信が行われる特定のリソースにおいてチャネル品質測定を行って報告するよう近隣のスモールセル1042に要求する。マクロ基地局は、測定対象の特定のリソースと、測定を行う時期と、測定を行う期間とに関する測定動作を設定することができる。また、測定の停止時期を示すこともできる。さらに、スモールセル基地局1042の報告処理は、何を報告するのかと、報告をいつ送信するのかと、報告を送らなければならない条件とに関して、マクロ基地局により設定することができる。例えば、近隣のスモールセル基地局は、全てのリソースに関する全ての測定を報告するよう設定することもできるし、品質がある閾値を上回るリソース又はある閾値を下回るリソースのみを報告するよう設定することもできる。閾値が近隣のスモールセル基地局に既に知られている場合、リファレンスのみがシグナリングされ、そうでない場合は、閾値は、マクロ基地局から明示的にシグナリングされる。
候補となるスモールセル基地局1041は、候補となる別のスモール基地局の近隣にあるスモールセル基地局とすることもでき、この場合、マクロ基地局は、この近隣のスモールセル基地局について、RF受信チェーンをアクティブにして、必要な測定を行うよう設定する。マクロ基地局は、選択されたスモールセル基地局に対し、選択されたリソースを伝えることができる。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様及び第2の態様とともに用いることができるだけではなく、以下に説明する第4の態様とともに用いることもできる。他方、この第3の態様は、これらの他の態様とは無関係に用いることもできる。
[第4の態様: UE及びスモールセルの能力を考慮した最適なリソース設定]
第4の態様によれば、UEの能力及びUEにサービス提供を行うスモールセルの能力を所与のものとして、UEが用いる最も好適なリソースがUEにおいて設定される(図3のブロック500参照)。まず、スモールセル基地局が該スモールセル基地局の能力をマクロ基地局に伝え、ユーザ機器が該ユーザ機器の能力をマクロ基地局に伝えるマクロ基地局ベースの手法を説明する。これらの能力に基づいて、UEにサービス提供をするためのスモールセルの好適な設定が、例えば、マクロ基地局又はネットワーク環境内の別のエンティティにより決定される。これに続き、ステップ502において、ユーザ機器112が接続しようとするスモールセルの設定が、マクロ基地局100からユーザ機器112へと送られ、ユーザ機器は、ステップ504において、肯定的応答メッセージをマクロ基地局に返す。
実施形態によれば、ステップ504において、UE112は、用いられる通信プロトコルの下位レイヤの情報に応じて、スモールセル基地局との接続が確立されたことをマクロ基地局100に伝えることもできる。このような下位レイヤの情報が、所定の時間内に受信されなかった場合、UEは、ステップ504において接続が確立されなかったことを伝える。ステップ502において送信される再設定コマンドは、UE112が接続しようとするスモールセル基地局が用いるリソースについての情報、例えば、タイミング情報、周波数情報、空間情報、符号情報、インタリーバ情報を含んだものとすることができる。フレーム構造、スモールセル基地局が使用するタイミング、副搬送波間隔、用いられるフィルタについての情報も提供することができる。スモールセル基地局において用いられるタイマについての追加の情報、例えばタイマ値が、UE112に提供される。
別の実施形態によれば、マクロ基地局100は、ステップ506において、例えば、選択されたスモールセルがスリープモードであった場合にはこのスモールセルをアクティブにするために、又は選択されたスモールセルを、例えばハンドオーバ時に特定のユーザ機器とともに動作させるよう設定するために、リソース設定をこの選択されたスモールセルに送ることができる。ステップ506にてスモールセル基地局1041に送られる設定情報は、従来の手法によって決定することもできるし、上記で説明した態様に基づいて決定することもできる。
設定情報の受信に応じて、スモールセル基地局1041は、ステップ508において肯定的応答メッセージを返す。さらに、メッセージ508により、候補となるスモールセルは、通信プロトコルの下位レイヤからの情報に基づいて、UE112との接続が確立されたこと又は確立されなかったことを知らせることができる。後者は、下位レイヤの情報が、所定の時間内に受信されなかった場合である。
このように、本発明の第4の態様500の実施形態は、設定されたスモールセルに接続するためにUEが必要とするシステム情報の迅速な取得を容易にする、マクロ支援型のUEとスモールセルとの接続確立を提供する。マクロ基地局100が、選択されたスモールセルにおける設定されたリソースのアクティブ化についての確認を取得すると、スモールセル再設定コマンドがUE112に送られる。このコマンドは、選択されたスモールセルへの接続を確立するためにUEが必要とする情報、例えば、選択されたスモールセルのアクティブ化されたリソース設定と、選択されたスモールセルの基本的システム情報とを含んだものとすることができる。これが完了すると、UE112は、ステップ504において、確立の確認を、例えば肯定的応答メッセージにより送信する。
これまでの全ての態様に関して上述したように、本発明の第4の態様も、第1の態様、第2の態様、及び第3の態様のうちの1以上とともに用いることができる一方で、第1の態様〜第3の態様とは無関係に用いることもできる。
[他の態様]
実施形態によれば、複数のスモールセルを各々が有する複数のマクロ基地局1001〜1004を備えた無線通信システムが提供される。すなわち、この無線通信システムは、図1に示したようなスモールセルシステムを、図4に示すように1以上備えている。
実施形態によれば、本発明の手法は、上記で説明したような方法で1以上のSeNB及びUEを制御するコントローラ100aを備えたMeNB100により少なくとも部分的に実施することができる。図5は、MeNB100がコントローラ100aを備えた、図1と同様のネットワークを示している。さらに、実施形態によれば、MeNB100は、図5に示しているようなデータベース100bも備えたものとすることができる。このデータベース100bは、例えば、SeNBから受信したフィンガプリント、SeNB及びUEのいずれか又は両方から受信した測定結果、UE及びSeNBの能力等といった、コントローラ100aによって用いられるものを記憶する。
別の実施形態によれば、装置を設けることができる。図6は、データベース500aと、上記で説明したような方法で1以上のSeNB及びUEを制御するコントローラ500bとを備えた装置500を有する、図1に示したようなネットワークを示している。コントローラ500bは、接続502により示すインタフェースを通じてMeNB100と接続している。装置500は、例えば、SeNBから受信したフィンガプリント、SeNB及びUEのいずれか又は両方から受信した測定結果、UE及びSeNBの能力等といった、コントローラ500bによって用いられるものをデータベース500aに記憶することができる。
さらに、実施形態によれば、SeNB104には、例えば、そのバックホール接続により、上記で説明したような方法でSeNBを制御する信号を受信するためのインタフェースが設けられる。
実施形態によれば、上記で説明したスモールセル基地局及びマクロセル基地局は、アンテナ、RFユニット、ソフトウェア機能、及び関連する機器を備えたものとすることもできるし、又はこれらから構成されたものとすることもできる。このようなソフトウェア機能は、ネットワーククラウド内の任意の場所で実行することができる。
説明対象の概念の幾つかの態様は装置との関係で説明したが、これらの態様は対応する方法の説明をも表すものであり、ここでブロック又はデバイスは、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応することが明らかである。それに類似して、方法ステップとの関係で説明した態様も、対応する装置内の対応するブロック又はアイテム又は特徴の記述を表している。
ある特定の実施態様要件に応じて、本発明の実施形態はハードウェア又はソフトウェアで実施することができる。実施態様は、電子的に読取り可能な制御信号が記憶されたデジタル記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリを用いて実行することができ、それらは、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと連携する(又は連携可能である)。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ可読のものとすることができる。
本発明による幾つかの実施形態には、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと連携することのできる電子的に読取り可能な制御信号を有するデータ記憶媒体が含まれる。
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができる。上記プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、方法のうちの1つを実行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば機械可読媒体に記憶することができる。
他の実施形態は、機械可読媒体に記憶された、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含む。
したがって、換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、データ媒体(又はデジタル記憶媒体若しくはコンピュータ可読媒体)であり、このデータ媒体は、そのデータ媒体に記録された、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含む。
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号シーケンスである。データストリーム又は信号シーケンスは、例えば、データ通信接続を通じて、例えばインターネットを通じて送られるように構成することができる。
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するように構成又は適合した処理手段、例えばコンピュータ又はプログラム可能な論理デバイスを含む。
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
幾つかの実施形態では、プログラム可能な論理デバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いて、本明細書に記載の方法の機能のうちの幾つか又は全てを実行することができる。幾つかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイが、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと連携することができる。概して、本方法は任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
上述した実施形態は、本発明の原理を例示したものに過ぎない。本明細書に記載の構成及び詳細の変更及び変形は当業者には明らかである。したがって、特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の記述及び説明のために提示した特定の詳細に限定されるわけではないことを意図している。