JP6355490B2 - 続流遮断装置及びアークホーン装置 - Google Patents

続流遮断装置及びアークホーン装置 Download PDF

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Description

本発明は、続流遮断装置及びアークホーン装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、架空送電線の碍子装置に取り付けられる続流遮断型アークホーンとして適用されて好適な続流遮断装置及びアークホーン装置に関する。
架空送電線の碍子装置には、アークホーンと呼ばれる、一対の角(つの)のような金属電極が取り付けられる。落雷に起因するフラッシオーバ(閃絡)をアークホーン(即ち、一対の角の間)で発生させるようにして、フラッシオーバ後に発生する続流アークを碍子装置から遠ざけてアークの熱による碍子の損傷を防ぐことができる。ただし、アークホーン自体には地絡電流や短絡電流といった故障電流を遮断する機能はないため、故障電流を遮断するためには変電所の遮断器を開放する必要がある。
そこで、続流遮断型アークホーンと呼ばれる、アークホーンの先端に有機絶縁材料からなる筒状の遮断部が取り付けられ、地絡電流や短絡電流といった故障電流を交流1サイクル程度の瞬時に遮断する雷害対策装置がある。続流遮断型アークホーンは、故障電流を遮断することができるので、変電所の遮断器を開放する必要がなく、遮断器の動作による瞬時停電の影響を大幅に軽減することが可能になるという特徴がある。
従来の続流遮断型アークホーンとして、例えば、図3に示すように、碍子連101を有する碍子装置100に取付具104や取付座105を介して取り付けられた一対の電極としての接地側アークホーン102及び線路側アークホーン103のうちの接地側アークホーン102の先端に取り付けられる絶縁性筒体106を備え、落雷に起因するフラッシオーバが絶縁性筒体106を通して起こったときに続流アークの熱によって絶縁性筒体106内に発生する高圧ガス(具体的には、高速・高温・高圧のアークジェット)を絶縁性筒体106の先端106aの開口から噴射させて続流を絶縁性筒体106内で遮断するものがある(特許文献1)。なお、図中において、符号107は鉄塔アーム取付具であり、符号108は耐張クランプである。
特開平8−321372号
しかしながら、特許文献1の続流遮断型アークホーンは、例えば数百アンペア程度の一線地絡電流が流れた場合には故障電流を遮断することができる一方で、例えば一万アンペアを超える短絡電流のような大電流が流れた場合にはアーク熱により急激に上昇する筒体内の圧力によって絶縁性筒体106が破損・飛散してしまう場合があり、電流遮断性能を維持することもできない。このため、特許文献1の続流遮断型アークホーンでは、短絡電流のような大電流にも対応し得るほどに電流遮断性能が十分に高いとは言えないという問題があり、また、耐破壊性能が高いとは言えず、そして、高い頻度で交換が必要になるという問題がある。
そこで、本発明は、十分に高い電流遮断性能と耐破壊性能とを発揮することができる続流遮断装置及びアークホーン装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の続流遮断装置は、軸心孔の一端に電極の先端部が挿し込まれると共に他端は開口する絶縁性筒体に、当該絶縁性筒体の周壁を貫通して軸心孔に連通する複数の圧力開放穴が設けられ、落雷に起因する絶縁性筒体の開口からの高圧ガスの噴射によっても遮断に至らなかった続流アークが、圧力開放穴から高圧ガスが噴出することに伴って圧力開放穴から噴き出し、電極と導通するように基端部が取り付けられた招弧ホーンへと移行するようにしている。
したがって、この続流遮断装置によると、落雷に起因して続流アークが起こったときに、絶縁性筒体内に発生する高圧ガス(具体的には、高速・高温・高圧のアークジェット)を開口から噴射して続流の遮断を図ると共に、高圧ガスの一部を圧力開放穴から噴出させることによって絶縁性筒体内の圧力が調整される。
発明の続流遮断装置は、さらに、電極と導通するように基端部が取り付けられる第三の電極としての招弧ホーンを備え、絶縁性筒体の開口からの高圧ガス(具体的には、高速・高温・高圧のアークジェット)の噴射によっても続流の遮断に至らなかったときに、圧力開放穴から高圧ガスが噴出することに伴って続流アークが第三の電極としての招弧ホーンに移行することにより、続流アークの経路が、絶縁性筒体の軸心孔を通る経路から、絶縁性筒体の軸心孔を通らない経路に変更される。
また、本発明の続流遮断装置は、電極の先端から絶縁性筒体の開口面までの長さがLo[mm]であるときに、開口面からの距離が(0.80〜0.97)×Lo[mm]である位置に複数の圧力開放穴が設けられるようにしても良い。この場合には、圧力開放穴が設けられる位置が適切になるので、絶縁性筒体内の圧力の調整が良好に行われる。
また、本発明のアークホーン装置は、上述の続流遮断装置を備えるようにしている。この場合には、上述の続流遮断装置が奏する作用を奏するアークホーン装置が実現される。
本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、落雷に起因して続流アークが起こったときの絶縁性筒体内の圧力を圧力開放穴によって調整することができるので、短絡電流のような大電流が流れても続流遮断装置が破損してしまうことを防ぎ、電流遮断性能と耐破壊性能との向上を図ることが可能になる。そして、交換の頻度を抑制することができるので、保守・管理の手間を軽減することが可能になる。
本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、さらに、続流アークの経路を絶縁性筒体の軸心孔を通らない経路に変更することができるので、絶縁性筒体の軸心孔を通る続流アークが持続した場合の絶縁性筒体の損傷を防止して耐破壊性能を更に向上させることが可能になる。
本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置は、開口面からの距離が(0.80〜0.97)×Lo[mm]である位置に複数の圧力開放穴が設けられるようにしても良く、この場合には、絶縁性筒体内の圧力の調整を良好に行うことができるので、続流遮断装置が破損してしまうことをより一層確実に防ぎ、電流遮断性能と耐破壊性能との更なる向上を図ることが可能になる。
実施形態の続流遮断装置を含むアークホーン装置が取り付けられた碍子装置を示す図である。(A)は平面図である。(B)は側面図である。 本発明の続流遮断装置の実施形態の一例を示す要部横断面図である。 従来の続流遮断型アークホーンの側面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に、本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置の実施形態の一例を示す。本実施形態では、図1に全体構成を示す碍子装置に取り付けられたアークホーン装置に本発明の続流遮断装置の一例が適用された場合を例に挙げて説明する。
(1)碍子装置の全体構成
本実施形態の碍子装置は、碍子連11を有すると共に、取付具12A,12B及び取付座13A,13Bを介して取り付けられた、アークホーン装置としての一対の電極(第一の電極及び第二の電極)である接地側アークホーン10A及び線路側アークホーン10Bを備える。
碍子装置は、接地側アークホーン10A側が接地側の取付具12Aに連結される鉄塔アーム取付具(図示省略)を介して送電線の鉄塔に取り付けられると共に、線路側アークホーン10B側が線路側の取付具12Bに連結される耐張クランプ(図示省略)を介して送電線を支持する。
なお、碍子連11は、複数の碍子11aが連接したものとして構成されるが、図1では両端の碍子11a,11aの間に配設される複数の碍子の図示を省略している。
また、接地側アークホーン10Aは、絶縁強度を確保するために必要に応じて例えば軟質塩化ビニル材で被覆される。
(2)絶縁性筒体
本実施形態では、アークホーン装置を構成する接地側アークホーン10Aの先端部に続流遮断装置を構成する絶縁性筒体1が取り付けられる。
本実施形態の続流遮断装置を構成する絶縁性筒体1は、軸心孔2の一端に電極としての接地側アークホーン10Aの先端部が挿し込まれると共に他端は開口する絶縁性筒体1に、当該絶縁性筒体1の周壁を貫通して軸心孔2に連通する二つの圧力開放穴3が設けられるようにしている。
絶縁性筒体1は、有機性絶縁材料によって円筒状に形成され、軸心方向の貫通孔である軸心孔2を有する。なお、絶縁性筒体1を形成する有機性絶縁材料としては、具体的にはポリアミド樹脂が好ましい。
絶縁性筒体1の軸心孔2は、軸心方向の一端側(絶縁性筒体1にとって基端面1a側)のねじ部2a及び他端側(絶縁性筒体1にとって先端面1b側)の大径部2c、並びに、軸心方向においてこれらねじ部2aと大径部2cとに挟まれる中間部分の小径部2bを有する。
軸心孔2のねじ部2aに接地側アークホーン10Aの先端部分に形成されたねじ部10aが捩じ込まれ、絶縁性筒体1は、軸心孔2の基端側(基端面1a側)に接地側アークホーン10Aの先端部分が挿し込まれた状態で、アークホーン装置を構成するアークホーンに固定されて取り付けられる。
絶縁性筒体1の軸心孔2は、上述の構成により、軸心方向の一端側(基端面1a側)は接地側アークホーン10Aの先端部分が挿し込まれて塞がれ、他端側は接地側アークホーン10Aの先端から連通する空間である孔(具体的には、小径部2b及び大径部2c)が確保された上で先端面1bにおいて開口する。
なお、雨水やごみなどが軸心孔2内に浸入しないようにするため、必要に応じ、例えば塩化ビニルによって形成されたキャップ(図示していない)が、落雷時に続流アークが起きた際には外れる程度の嵌合力で絶縁性筒体1の先端面1b側に装着されるようにしても良い。なお、キャップが装着されるようにすることにより、キャップの有無を確認するという外観調査のみで続流遮断装置の作動の有無を判断することが可能になる。
そして、本発明では、絶縁性筒体1の周壁を軸直角断面の径方向に直線貫通して軸心孔2に連通する圧力開放穴3が設けられる。
圧力開放穴3は、本実施形態では、絶縁性筒体1の径方向において正対する位置関係で二つ設けられる。圧力開放穴3が一つのみではなくて二つ設けられることにより、落雷に起因して絶縁性筒体1内部で発生した続流アークの熱によって絶縁性筒体1内に発生した高圧ガス(高速・高温・高圧のアークジェット)が噴出するときに、正対する位置関係の一対の圧力開放穴3,3のそれぞれからガスが噴出することによって絶縁性筒体1に作用する力が相殺され、絶縁性筒体1自体及び取付座13などの変形が防止される。
なお、圧力開放穴3から噴出する高圧ガスによって碍子連11が破損しないように、圧力開放穴3は碍子連11が存在しない方向に向けて開口して設けられることが好ましい。具体的には、通常は、碍子連11の上方に位置するように絶縁性筒体1が設けられると共に架空送電線では三相の送電線および碍子連が上下方向に並べられて張設されるので、正対する位置関係の一対の圧力開放穴3,3は、それぞれ水平方向に直線貫通し開口して設けられることが好ましい。
ここで、圧力開放穴3の断面の大きさが、小さ過ぎるとアーク熱による筒体内の圧力上昇によって絶縁性筒体1が破損するという問題を誘発する一方で、大き過ぎると圧力開放穴3から高圧ガスが大量に噴出して先端面1bの開口から噴射される高圧ガスが少なくなって続流を遮断することができないという問題を誘発する。
このため、圧力開放穴3は、穴径(直径)3〜6 mm 程度の円形断面に形成されることが好ましく、穴径4〜5.5 mm 程度の円形断面に形成されることがより一層好ましく、穴径5 mm 程度の円形断面に形成されることが最も好ましい。
なお、圧力開放穴3の断面の形状は、円形に限られるものではなく、種々の多角形や楕円形であっても構わない。そして、どのような断面形状であっても、圧力開放穴3は、断面の面積が、1.52π〜32π mm 程度に形成されることが好ましく、22π〜2.752π mm 程度に形成されることがより一層好ましく、2.52π mm 程度に形成されることが最も好ましい(ここに、πは円周率)。
ここで、上述の圧力開放穴3の断面の面積は、特に、軸心孔2の大径部2cの孔径(直径)が13 mm 程度であると共に先端面1bからの長さLmが166 mm 程度であり、且つ、軸心孔2の小径部2bの孔径が6 mm 程度であると共に大径部2cの終端から接地側アークホーン10Aの先端までの長さLsが134 mm 程度であるときに好ましい(即ち、絶縁性筒体1の先端面1bから接地側アークホーン10Aの先端までの長さ(以下、遮断部長さと呼ぶ;符号Lo)は300 mm 程度である)。
また、落雷に起因して絶縁性筒体1内部で続流アークが発生したときの絶縁性筒体1内の圧力分布は、接地側アークホーン10A側が最も高く、先端面1bの開口に近付くに従って低下する。したがって、圧力開放穴3が設けられる位置が先端面1b側に寄り過ぎると筒体内に発生する圧力の調整機能が十分に発揮されずに絶縁性筒体1が破損するという問題を誘発する。
このため、本発明者らによる実験及び検討の結果を踏まえると、圧力開放穴3は、上述のように遮断部長さLoが300 mm 程度であるときには、先端面1bから穴の中心までの距離Lhが、240〜290 mm 程度である位置に設けられることが好ましく、260〜290 mm 程度である位置に設けられることが一層好ましく、270〜285 mm 程度である位置に設けられることがより一層好ましく、280 mm 程度である位置に設けられることが最も好ましい。
一般化すると、本発明者らによる実験及び検討の結果を踏まえると、圧力開放穴3は、遮断部長さLoに対し、先端面1bから穴の中心までの距離Lhが、(0.80〜0.97)×Lo[mm]である位置に設けられることが好ましく、(0.87〜0.97)×Lo[mm]である位置に設けられることが一層好ましく、(0.90〜0.95)×Lo[mm]である位置に設けられることがより一層好ましく、(0.93〜0.94)×Lo[mm]である位置に設けられることが最も好ましい。
また、本実施形態の絶縁性筒体1は、軸心方向において圧力開放穴3を挟んで、即ち圧力開放穴3位置の基端面1a側と先端面1b側とのそれぞれに、外周面の一周全体に亙って径方向に突出する環状のひだ1cが設けられる。なお、図2においてはひだ1cの図示は省略している。
ひだ1cは、絶縁性筒体1が取り付けられていない線路側アークホーン10Bとの間における障害となり、圧力開放穴3を経由しての線路側アークホーン10Bとの間でのフラッシオーバの発生を防ぐという効果を奏する。
なお、ひだ1cは、圧力開放穴3位置の先端面1b側のみに設けられるようにしても良いし、さらに言えば本発明において必須の構成ではないので設けられないようにしても良い。
(3)招弧ホーン
本実施形態の続流遮断装置は、絶縁性筒体1が取り付けられた接地側アークホーン10Aと導通するように基端部14aが取り付けられる第三の電極(招弧ホーンと呼ぶ;符号14)を備える。
招弧ホーン14は、絶縁性筒体1が取り付けられたアークホーンに代わってアーク経路の受け皿となるものである。
本実施形態では、招弧ホーン14は、絶縁性筒体1が取り付けられた接地側アークホーン10Aの根元に、接地側の取付座13Aを共用して基端部14aが取り付けられて固定される。
なお、招弧ホーン14の取り付けの態様は、絶縁性筒体1が取り付けられたアークホーンと導通するように基端部14aが取り付けられるものであれば、図1に示す例に限られるものではない。
招弧ホーン14は、アークホーン10A,10Bと同様の素材の棒部材が用いられてL字形やく字形に形成され、一方の直線部分が基端部14aとしてアークホーン(即ち本実施形態では、接地側アークホーン10A)と導通するように取り付けられ、他方の直線部分が絶縁性筒体1の軸心方向に沿うと共に先端が基端部14aが取り付けられたアークホーンと対をなすアークホーン(即ち本実施形態では、線路側アークホーン10B)の先端を指向するように配設されることが好ましい。
絶縁性筒体1が取り付けられた接地側アークホーン10Aに招弧ホーン14が取り付けられることにより、絶縁性筒体1の開口からの高圧ガス(具体的には、高速・高温・高圧のアークジェット)の噴射によっても続流の遮断に至らなかったときに、圧力開放穴3から高圧ガスが噴出することに伴い、接地側アークホーン10Aと線路側アークホーン10Bとの間の続流アークが、招弧ホーン14と線路側アークホーン10Bとの間に移行する。すなわち、絶縁性筒体1の圧力開放穴3から噴き出したアークが招弧ホーン14に移行する。これにより、接地側アークホーン10Aと線路側アークホーン10Bとの間での続流アーク、言い換えると、絶縁性筒体1の軸心孔2を通る続流アークが持続した場合の絶縁性筒体1の損傷が防止される。
(4)動作
上述した続流遮断装置及びアークホーン装置の動作を以下に説明する。
落雷に起因して絶縁性筒体1内部で続流アークが発生するとアークの熱によって有機性絶縁材料の内壁が溶融・蒸発して高速・高温・高圧のアークジェットが絶縁性筒体1の先端面1bの開口から噴射され、これにより、故障電流が遮断される。
このとき、圧力開放穴3からもアークジェットの一部が絶縁性筒体1の外部に噴出し、これにより、絶縁性筒体1の軸心孔2の、圧力が最も高くなる接地側アークホーン10A先端の近傍における圧力が減少する。これにより、絶縁性筒体1内の圧力の上昇による絶縁性筒体1自体の破損が防止される。
また、故障電流が非常に大きい場合には絶縁性筒体1の先端面1bの開口からのアークジェットの噴射によっても故障電流の遮断に至らないことがあり得るものの、この場合には、線路側アークホーン10Aに取り付けられた絶縁性筒体1の圧力開放穴3から外部に噴出するアークジェットの量が多くなり、接地側アークホーン10Aと線路側アークホーン10Bとの間のフラッシオーバが招弧ホーン14と線路側アークホーン10Bとの間に移行する。これにより、絶縁性筒体1の軸心孔2を通るフラッシオーバの持続による絶縁性筒体1自体の損傷が防止される。
以上のように構成された続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、落雷に起因して続流アークが起こったときに、絶縁性筒体1内に発生する高圧ガス(具体的には、高速・高温・高圧のアークジェット)を先端面1bの開口から噴射して続流の遮断を図ると共に、高圧ガスの一部を圧力開放穴3から噴出させて絶縁性筒体1内の圧力を調整することによって短絡電流のような大電流が流れても続流遮断装置が破損してしまうことを防ぎ、電流遮断性能と耐破壊性能との向上を図ることが可能になる。
以上のように構成された続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、また、第三の電極としての招弧ホーン14を備えるようにすることにより、絶縁性筒体1の開口からの高圧ガスの噴射によっても続流の遮断に至らなかったときに、圧力開放穴3から高圧ガスを噴出させて続流アークを招弧ホーン14に移行させて続流アークの経路を絶縁性筒体1の軸心孔2を通る経路から絶縁性筒体1の軸心孔2を通らない経路に変更することができるので、絶縁性筒体1の軸心孔2を通る続流アークが持続した場合の絶縁性筒体1の損傷を防止して耐破壊性能を更に向上させることが可能になる。
なお、上述の形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では図1に全体構成が示される碍子装置に本発明の続流遮断装置が適用されるようにしているが、本発明の続流遮断装置が適用され得る碍子装置は図1に示されるものには限られない。
また、上述の実施形態では接地側アークホーン10Aの先端部分が挿し込まれて絶縁性筒体1が接地側アークホーン10Aに取り付けられるようにしているが、これに限られず、線路側アークホーン10Bの先端部分が挿し込まれ絶縁性筒体1が線路側アークホーン10Bに取り付けられるようにしても良いし、絶縁性筒体1が接地側アークホーン10Aと線路側アークホーン10Bとの両方に取り付けられるようにしても良い。そして、絶縁性筒体1が線路側アークホーン10Bに取り付けられる場合には、線路側アークホーン10Bと導通するように招弧ホーン14が取り付けられる。
また、上述の実施形態では圧力開放穴3は二つ設けられるようにしているが、圧力開放穴3の個数は二つに限られるものではなく、三つ以上でも良い。ただし、圧力開放穴3は、複数の圧力開放穴から高圧ガスが噴出することによって絶縁性筒体1に作用する力が相殺されて絶縁性筒体1などの変形が防止されるように開口位置が調整されることが好ましく、また、碍子連11が存在しない方向に向くように開口位置が調整されることが好ましい。具体的には例えば、中心角120°間隔で水平方向,斜め上方向,斜め下方向のそれぞれに向けて開口する三つの圧力開放穴3が設けられたり、中心角90°間隔で斜め上方向に向けて開口する二つと斜め下方向に向けて開口する二つとの合計四つの圧力開放穴3が設けられたりすることが好ましい。
また、上述の実施形態では絶縁性筒体1の軸心孔2が大径部2cと小径部2bとを有するようにしているが、これに限られず、軸心孔2は絶縁性筒体1の全長に亙って同一径の貫通であるようにしても良い。
本発明の実施形態の一例としての続流遮断装置及びアークホーン装置の電流遮断性能と耐破壊性能とを検証するために実施した、77kV系統における短絡故障を想定した短絡電流遮断試験の結果を以下に説明する。
本実施例では、図1に示す態様の碍子装置の接地側アークホーンに図2に示す態様の絶縁性筒体が取り付けられた装置が供試品として用いられた。なお、絶縁性筒体はポリアミド樹脂によって形成された。
供試品の絶縁性筒体の、軸心孔の小径部の孔径(直径)は6 mm,長さLs(接地側アークホーン10Aの先端まで)は134 mmにされると共に大径部2cの孔径は13 mm,長さLmは166 mm にされ、圧力開放穴は穴径(直径)5 mm の円形断面を有するものとして先端面からの距離Lhが280 mm の位置に形成された。
試験条件は以下のように設定された。
1)試験方法:単相直接試験
2)試験電圧:69.7 kV
3)試験電流:7 kA / 8 kA
4)電流直流成分:なし / 最大
5)過渡回復電圧:波高値138 kV,波高時間184 μs,上昇率0.75 kV/μs
6)アーク発生方法:供試品の接地側アークホーンと線路側アークホーンとを直径0.2 mm の銅線で短絡させた状態で短絡電流を印加してアークを発生させる
7)電源印加時間:4サイクル(周波数は50 Hz)
なお、試験電圧は、77kV系統での運用上限電圧が80.5(=77×11.5/11)kV であることから、対地電圧に第一相遮断係数1.5を乗じて算出された(即ち、80.5÷√3×1.5)。
また、過渡回復電圧に関する各値は、JEC−2300-1998「交流遮断器」に準拠して目標値として設定された。
上記試験条件によって試験電流7 kA と8 kA とのそれぞれについて電流遮断試験を行い、表1に示す結果が得られた。なお、表中の遮断成否は、同一の供試品を用いて連続して行われた試験毎の、電流遮断が成功したか否かの結果を、試験回順に左から記号で列記したものである。
Figure 0006355490
表1に示すように、印加電流が7 kA の場合には、電流直流成分が「なし」と「最大」とのどちらにおいても、試験1回目から5回目までのいずれについても交流0.5サイクルで繰り返し遮断に成功し、また、試験を通じて供試品に変形は発生しなかった。
表1に示すように、また、印加電流が8 kA の場合には、試験1回目は交流0.5サイクルで遮断に成功したものの試験2回目は遮断に失敗し、しかしながら試験3回目及び4回目は交流0.5サイクルで遮断に成功し、また、試験を通じて供試品に変形は発生しなかった。
これらの結果から、本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、7 kA までの故障電流(短絡電流)に対する繰り返し電流遮断性能(交流1サイクル以内)と耐破壊性能とが発揮され得ることが確認された。
本発明の実施形態の一例としての続流遮断装置及びアークホーン装置の電流遮断性能と耐破壊性能とを検証するために実施した短絡電流遮断および耐アークと一線地絡電流遮断との連続試験の結果を以下に説明する。
本実施例では、上述の実施例1と、招弧ホーン14を有しない点を除いて同様の供試品が用いられた。
本実施例では、短絡電流遮断性能を確認するための上述の実施例1と同様の短絡電流遮断試験、あるいは、耐破壊性能を確認するための耐アーク試験がまず行われ、引き続いて、同一の供試品が用いられて、抵抗接地方式の77kV系統における一線地絡故障を想定した一線地絡電流遮断試験が更に行われた。
5 kA(直流成分なし,交流4サイクル),10 kA (直流成分最大,交流4サイクル)の短絡電流遮断試験の試験条件は、上述の実施例1の試験条件と基本的には同一とされた。
20 kA(直流成分最大,交流8.5サイクル),31.5 kA(直流成分最大,交流8.5サイクル)の耐アーク試験の試験条件は以下のように設定された。なお、31.5 kA は、77kV系統における最大短絡電流の大きさである。
1)試験方法:単相直接試験
2)試験電圧:24 kV
3)試験電流:20 kA / 31.5 kA
4)アーク発生方法:供試品の接地側アークホーンと線路側アークホーンとを直径0.5 mm の銅線で短絡させた状態で短絡電流を印加してアークを発生させる
5)電源印加時間:8.5サイクル(周波数は50 Hz)
なお、試験電圧は、試験設備容量の都合により、20 kA 及び31.5 kA を印加可能な最大の電圧として設定された。
一線地絡電流遮断試験の試験条件は以下のように設定された。
1)試験方法:単相直接試験
2)試験電圧:46.5 kV
3)試験電流:465 A
4)アーク発生方法:供試品の接地側アークホーンと線路側アークホーンとを直径0.2 mm の銅線で短絡させた状態で短絡電流を印加してアークを発生させる
5)電源印加時間:4サイクル(周波数は50 Hz)
なお、試験電圧は、77kV系統での運用上限電圧が80.5(=77×11.5/11)kV であることから、対地電圧に相当する電圧として設定された(即ち、80.5÷√3)。また、試験電流は、変電所の中性点抵抗が100 Ω であると想定されて設定された(即ち、46500÷100)。
上記試験条件によって短絡電流遮断および耐アークと一線地絡電流遮断との連続試験を行い、表2に示す結果が得られた。なお、表中の遮断成否は、同一の供試品を用いて連続して行われた試験毎の、電流遮断が成功したか否かの結果を、試験回順に左から記号で列記したものである。
Figure 0006355490
表2に示すように、短絡電流遮断試験の印加電流が5 kA の場合には、試験1回目から3回目までのいずれについても交流0.5サイクルで短絡電流の遮断に成功し、さらに、続けて行われた一線地絡電流遮断試験においても試験1回目から3回目までのいずれについても交流0.5サイクルで繰り返し遮断に成功した。
表2に示すように、また、短絡電流遮断試験の印加電流が10 kA の場合には、短絡電流の遮断には失敗したものの、供試品は破損せず、続けて行われた一線地絡電流遮断試験においては交流0.5サイクル若しくは1.5サイクルで繰り返し遮断に成功した。
表2に示すように、さらに、耐アーク試験の印加電流が20 kA 及び31.5 kA の場合には、いずれも、短絡電流の遮断には失敗したものの、供試品は破損せず、続けて行われた一線地絡電流遮断試験においては交流1.5サイクルで繰り返し遮断に成功した。
これらの結果から、本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、少なくとも5 kA 程度の故障電流(短絡電流)に対して電流遮断性能及び耐破壊性能を発揮した上で引き続いて数百Aの故障電流(地絡電流)に対する電流遮断性能及び耐破壊性能が発揮され得ること、及び、10〜31.5 kA の故障電流(短絡電流)に対して耐破壊性能を発揮した上で引き続いて数百Aの故障電流(地絡電流)に対する繰り返し電流遮断性能及び耐破壊性能が発揮され得ることが確認された。
本発明の実施形態の一例としての続流遮断装置及びアークホーン装置の耐破壊性能を検証するために実施した耐アーク試験の結果を以下に説明する。
本実施例では、上述の実施例1と同様の供試品が用いられ、耐破壊性能を確認するための上述の実施例2におけるものと同様の耐アーク試験が行われた。
上記試験条件によって耐アーク試験を行い、表3に示す結果が得られた。
Figure 0006355490
表3に示すように、印加電流が31.5 kA の場合には、接地側・線路側ホーンの変形や招弧ホーンの変形・折損が見られたものの、絶縁性筒体の破壊・飛散には至らなかった。
一方で、条件を緩和した、印加電流が20 kA の場合には絶縁性筒体が破壊・飛散し、しかしながら、印加電流値を更に低下させた15 kA の場合には絶縁性筒体が破壊・飛散しなかった。
これらの結果から、絶縁性筒体の破壊・飛散が確実に回避される電流値は15 kA であるものの、本発明の続流遮断装置及びアークホーン装置によれば、従来の続流遮断型アークホーンと比べて高い耐破壊性能が発揮され得ることが確認された。
1 絶縁性筒体
2 軸心孔
3 圧力開放穴
10A 電極(接地側アークホーン)
10B 電極(線路側アークホーン)

Claims (3)

  1. 軸心孔の一端に電極の先端部が挿し込まれると共に他端は開口する絶縁性筒体に、当該絶縁性筒体の周壁を貫通して前記軸心孔に連通する複数の圧力開放穴が設けられ、落雷に起因する前記絶縁性筒体の前記開口からの高圧ガスの噴射によっても遮断に至らなかった続流アークが、前記圧力開放穴から高圧ガスが噴出することに伴って前記圧力開放穴から噴き出し、前記電極と導通するように基端部が取り付けられた招弧ホーンへと移行することを特徴とする続流遮断装置。
  2. 前記電極の先端から前記絶縁性筒体の開口面までの長さがLoであるときに、前記開口面からの距離が(0.80〜0.97)×Loである位置に前記複数の圧力開放穴が設けられることを特徴とする請求項1記載の続流遮断装置。
  3. 上記請求項1または2に記載の続流遮断装置を備えることを特徴とするアークホーン装置。
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