JP6347754B2 - 脱硝装置及び脱硝装置の還元剤分配調整方法 - Google Patents
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また、特許文献2には、流量制御元弁の開度の設定は、予め定めた還元剤濃度と流量制御元弁ごとの開度とのマップに基づいて行われる旨、開示されているものの、具体的な構成及び方法は十分に開示されていない。
また、特許文献3には、還元剤濃度分布の一部に濃度が高い場所があると、還元剤濃度分布に高い場所に対応する還元剤注入装置からの還元剤が注入できるように、流量制御元弁の開度制御が行われる旨が開示されているものの、濃度が高い場所と対応する還元剤注入装置をどのように特定するのか十分に開示されていない。
排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、
前記排ガス中に還元剤を注入するための複数の還元剤注入ノズルと、
各々の前記還元剤注入ノズルからの前記還元剤の注入量を調節するための注入量調節部と、
前記還元剤注入ノズルの下流側に設けられ、前記排ガス中の前記窒素酸化物と前記還元剤との反応によって前記窒素酸化物を分解するように構成された脱硝反応器と、
前記脱硝反応器の出口側において、前記排ガスの流れ方向に直交する第2面内における前記還元剤の第2分布を計測するための分布計測部と、
前記複数の還元剤注入ノズルのそれぞれの前記還元剤の注入量、および、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記流れ方向に直交する第1面内における前記還元剤の第1分布の相関関係と、前記分布計測部で計測された前記第2分布とに基づいて、前記注入量調節部に対する操作指令を生成するための指令生成部と、を備える。
前記指令生成部は、前記複数の還元剤注入ノズルのうち、前記第2分布における前記還元剤の高濃度領域に対応する少なくとも一本のノズルによる前記還元剤の注入量を減少させる前記操作指令を生成するように構成される。
上記(2)の構成によれば、複数の還元剤注入ノズルのうち、第2分布における還元剤の高濃度領域に対応する少なくとも一本のノズルによる還元剤の注入量を減少させる操作指令を生成するので、該操作指令に従い操作することで、脱硝反応器の出口側における還元剤の高濃度領域の濃度を低減できる。
前記指令生成部は、前記分布計測部によって計測された前記第2分布と、前記第2面内における前記還元剤の目標分布と、の偏差に基づいて、前記脱硝反応器の入口側において前記偏差をキャンセルするような前記操作指令を生成するように構成される。
各々の前記還元剤注入ノズルの前記還元剤の注入量と、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記第1面内における前記還元剤の分布とのマップが前記還元剤注入ノズルごとに記憶された記憶部をさらに備え、
前記指令生成部は、前記記憶部に記憶された前記還元剤注入ノズルごとのマップを前記相関関係として用いて、前記脱硝反応器の入口側において前記偏差をキャンセルするような前記操作指令を生成するように構成される。
前記指令生成部によって生成された前記操作指令を出力するように構成されたポータブル端末をさらに備える。
前記指令生成部によって生成された前記操作指令に基づき、前記注入量調節部を制御するように構成された制御部をさらに備える。
前記注入量調節部は、各々の前記還元剤注入ノズルによる前記還元剤の注入量を調節するための複数の流量調整弁を含む。
各々の前記流量調整弁は、該流量調整弁の開度を検出可能なセンサを含む。
前記指令生成部は、各々の前記流量調整弁の開度と、前記流量調整弁を通過する前記還元剤の流速との間の既知の関係に基づいて、前記操作指令として各々の前記流量調整弁の開度指令を出力するように構成される。
なお、上記(9)の構成は、指令生成部から出力される操作指令が各流量調整弁の流量を指定する場合に比べて、各流量調整弁に流量計(例えばオリフィス計)が設けられていなくても流量調整弁の調整作業を実施可能である点において有利である。
前記指令生成部は、前記複数の還元剤注入ノズルによる前記還元剤の総注入量を維持したまま、各々の前記還元剤注入ノズルへの前記還元剤の供給分配比を変更するよう前記操作指令を生成するように構成される。
前記脱硝反応器の下流側において、前記排ガス中の窒素酸化物濃度を計測するためのNOXセンサをさらに備え、
前記還元剤の総注入量は、前記NOXセンサの計測結果に基づいて決定される。
複数の還元剤注入ノズルから排ガス中に還元剤を注入し、前記還元剤注入ノズルの下流側における脱硝反応器内で前記排ガス中の窒素酸化物と前記還元剤とを反応させて該窒素酸化物を分解する脱硝装置の還元剤分配調整方法であって、
前記複数の還元剤注入ノズルのそれぞれの前記還元剤の注入量、および、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記排ガスの流れ方向に直交する第1面内における前記還元剤の第1分布の相関関係を予め求める相関関係取得ステップと、
前記脱硝反応器の出口側において、前記流れ方向に直交する第2面内における前記還元剤の第2分布を計測する分布計測ステップと、
前記分布計測ステップで計測された前記第2分布、および、前記相関関係取得ステップで予め取得された前記相関関係に基づき、各々の前記還元剤注入ノズルによる前記還元剤の注入量を調節する注入量調節ステップと、を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の少なくとも一実施形態に係る脱硝装置1は、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するものであり、複数の還元剤注入ノズル21と、注入量調節部3と、脱硝反応器4と、分布計測部5と、指令生成部6と、を備えている。
図1に例示する形態において、排ガス中に注入する還元剤は、アンモニア(NH3)であり、複数の還元剤注入ノズル21は、ボイラ100と脱硝反応器4とを接続する煙道11の入口側に設けられている。
図1に例示する形態において、分布計測部5は、レーザ排ガスセンサ等により構成されている。
図2に示すように、分布計測部5で計測された還元剤の分布、すなわち、脱硝反応器4の出口側において、排ガスの流れ方向に直交する第2面4B内における還元剤の第2分布は、位置と該位置における濃度との関係で表される。
記憶部7は、各々の還元剤注入ノズル21の還元剤の注入量と、該注入量で注入された還元剤が脱硝反応器4の入口側に到達したときの第1面4A内における還元剤の分布とのマップD11,D12・・・Dijが還元剤注入ノズル21ごとに記憶されている。
図5に示すように、幾つかの実施形態では、ポータブル端末8をさらに備えている。
ポータブル端末8は、指令生成部6によって生成された操作指令を出力するように構成されている。
図6に示すように、幾つかの実施形態では、制御部32をさらに備えている。
制御部32は、上述した指令生成部6によって生成された操作指令に基づき、注入量調節部3を制御するように構成されている。
図7に示すように、幾つかの実施形態に係る注入量調節部3は、複数の流量調整弁31を含む。
複数の流量調整弁31は、各々の還元剤注入ノズル21による還元剤の注入量を調節するためものである。
図8に示すように、幾つかの実施形態では、各々の流量調整弁31は、該流量調整弁31の開度を検出可能なセンサ33を含む。
なお、上記構成は、指令生成部6から出力される操作指令が各流量調整弁31の流量を指定する場合に比べて、各流量調整弁31に流量計(例えばオリフィス計)が設けられていなくても流量調整弁31の調整作業を実施可能である点において有利である。
NOXセンサ9は、脱硝反応器4の下流側において、排ガス中の窒素酸化物濃度を計測するためのものであり、還元剤の総注入量は、NOXセンサ9の計測結果に基づいて決定される。
図9及び図10に示すように、本発明の少なくとも一実施形態に係る脱硝装置1の還元剤分配調整方法は、複数の還元剤注入ノズル21から排ガス中に還元剤を注入し、還元剤注入ノズル21の下流側における脱硝反応器4内で排ガス中の窒素酸化物と還元剤とを反応させて該窒素酸化物を分解するものである。
図9及び図10に示すように、幾つかの実施形態に係る脱硝装置1の還元剤分配調整方法は、相関関係取得ステップ(ステップS10)と、分布計測ステップ(ステップS12)と、注入量調節ステップ(ステップS16)とを備えている。
調整完了判断ステップ(ステップS20)は、調整を継続するか、調整を完了するかを判断するものである。
例えば、脱硝反応器4の出口側における未反応還元剤の濃度分布が許容範囲内に収束している場合に調整を完了とし、未反応還元剤の濃度分布が許容範囲内に収束していない場合に調整を継続とする(再調整)。
例えば、上述した幾つかの脱硝装置1は、石炭焚きボイラの脱硝装置に用いられるが、石炭焚きボイラの脱硝装置に限られるものではない。
また、上述した実施形態では脱硝装置1の還元剤分配調整の実施タイミングについて言及していないが、任意のタイミングで実施することができる。
例えば、分布計測部5が計測した第2分布から調整の要否を判断し、還元剤分配調を実施してもよい。
11 煙道
2 還元剤注入部
21 還元剤注入ノズル
22 混合器
23 ヘッダ管
24 注入管
3 注入量調節部
31 流量調整弁
32 制御部
33 センサ
34 オリフィス
35 逆止弁
4 脱硝反応器
5 分布計測部
6 指令生成部
7 記憶部
8 ポータブル端末
9 NOXセンサ
100 ボイラ
200 空気予熱器
Claims (11)
- 排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、
前記排ガス中に還元剤を注入するための複数の還元剤注入ノズルと、
各々の前記還元剤注入ノズルからの前記還元剤の注入量を調節するための注入量調節部と、
前記還元剤注入ノズルの下流側に設けられ、前記排ガス中の前記窒素酸化物と前記還元剤との反応によって前記窒素酸化物を分解するように構成された脱硝反応器と、
前記脱硝反応器の出口側において、前記排ガスの流れ方向に直交する第2面内における前記還元剤の第2分布を計測するための分布計測部と、
前記複数の還元剤注入ノズルのそれぞれの前記還元剤の注入量、および、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記流れ方向に直交する第1面内における前記還元剤の第1分布の相関関係と、前記分布計測部で計測された前記第2分布とに基づいて、前記第2分布と前記第2面内における前記還元剤の目標分布との偏差が許容範囲内に収束するような前記注入量調節部に対する操作指令を生成するための指令生成部と、を備えることを特徴とする脱硝装置。 - 前記指令生成部は、前記複数の還元剤注入ノズルのうち、前記第2分布における前記還元剤の高濃度領域に対応する少なくとも一本のノズルによる前記還元剤の注入量を減少させる前記操作指令を生成するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置。
- 各々の前記還元剤注入ノズルの前記還元剤の注入量と、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記第1面内における前記還元剤の分布とのマップが前記還元剤注入ノズルごとに記憶された記憶部をさらに備え、
前記指令生成部は、前記記憶部に記憶された前記還元剤注入ノズルごとのマップを前記相関関係として用いて、前記脱硝反応器の入口側において前記偏差をキャンセルするような前記操作指令を生成するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置。 - 前記指令生成部によって生成された前記操作指令を出力するように構成されたポータブル端末をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の脱硝装置。
- 前記指令生成部によって生成された前記操作指令に基づき、前記注入量調節部を制御するように構成された制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の脱硝装置。
- 前記注入量調節部は、各々の前記還元剤注入ノズルによる前記還元剤の注入量を調節するための複数の流量調整弁を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の脱硝装置。
- 各々の前記流量調整弁は、該流量調整弁の開度を検出可能なセンサを含むことを特徴とする請求項6に記載の脱硝装置。
- 前記指令生成部は、各々の前記流量調整弁の開度と、前記流量調整弁を通過する前記還元剤の流速との間の既知の関係に基づいて、前記操作指令として各々の前記流量調整弁の開度指令を出力するように構成されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の脱硝装置。
- 前記指令生成部は、前記複数の還元剤注入ノズルによる前記還元剤の総注入量を維持したまま、各々の前記還元剤注入ノズルへの前記還元剤の供給分配比を変更するよう前記操作指令を生成するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の脱硝装置。
- 前記脱硝反応器の下流側において、前記排ガス中の窒素酸化物濃度を計測するためのNOXセンサをさらに備え、
前記還元剤の総注入量は、前記NOXセンサの計測結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項9に記載の脱硝装置。 - 複数の還元剤注入ノズルから排ガス中に還元剤を注入し、前記還元剤注入ノズルの下流側における脱硝反応器内で前記排ガス中の窒素酸化物と前記還元剤とを反応させて該窒素酸化物を分解する脱硝装置の還元剤分配調整方法であって、
前記複数の還元剤注入ノズルのそれぞれの前記還元剤の注入量、および、該注入量で注入された前記還元剤が前記脱硝反応器の入口側に到達したときの前記排ガスの流れ方向に直交する第1面内における前記還元剤の第1分布の相関関係を予め求める相関関係取得ステップと、
前記脱硝反応器の出口側において、前記流れ方向に直交する第2面内における前記還元剤の第2分布を計測する分布計測ステップと、
前記分布計測ステップで計測された前記第2分布、および、前記相関関係取得ステップで予め取得された前記相関関係に基づき、前記第2分布と前記第2面内における前記還元剤の目標分布との偏差が許容範囲内に収束するように各々の前記還元剤注入ノズルによる前記還元剤の注入量を調節する注入量調節ステップと、を備えることを特徴とする脱硝装置の還元剤分配調整方法。
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