JP6346455B2 - 画像処理装置及び顕微鏡システム - Google Patents

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Description

本発明は、試料を撮像することにより取得された画像を処理する画像処理装置及び顕微鏡システムに関する。
顕微鏡を用いて試料等の被写体を観察する場合、光学系の特性によって被写体像にボケ等の劣化が生じてしまうことがある。このような場合に、被写体が写った画像に対する画像処理により劣化を補正する技術が知られている。
例えば特許文献1には、撮像光学系と被写体との間の複数の距離と撮像光学系の複数の焦点距離との組み合わせに対応した補正データを記憶手段に記憶させておき、被写体を撮像した際の撮像光学系と被写体との間の距離及び撮像光学系の焦点距離に対応する補正データを上記記憶手段から読み出し、この補正データを用いて被写体が写った劣化画像を補正する撮像装置が開示されている。
特開平9−74514号公報
しかしながら、上記特許文献1においては試料の厚みが考慮されていない。そのため、試料に厚みがある場合、劣化した画像を適正に補正できないおそれある。より詳細には、試料の表面付近に焦点を合わせた場合と、試料表面からの深さが深い面に焦点を合わせた場合とでは、試料表面から焦点面までの照射光の経路や、焦点面から試料表面までの観察光の経路が異なるため、試料表面から出射した観察光によって生成される像の劣化の状態も異なってくる。特に、蛍光染色が施された試料を蛍光観察する場合、試料に照射される励起光や試料内の蛍光物質(蛍光色素)が発生する蛍光は、試料内の蛍光物質以外の部分(媒質)からの吸収や散乱等の影響を受け易いため、焦点面の深さに応じて劣化の状態が大きく変化してしまう。
このように、試料表面からの焦点面の深さが異なる画像に対し、単に撮像光学系と被写体(試料表面)との間の距離に基づいて一律に補正を行う場合、適正に画像を補正することが困難になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、厚みのある試料を観察する場合であっても、適正に画像を補正することができる画像処理装置及び顕微鏡システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、試料の厚みよりも被写界深度が小さい光学系を介して、前記試料を撮像することにより生成された画像の画像情報を取得する画像取得部と、前記試料に対する前記光学系の焦点面の深さを表す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて、前記画像を補正する補正パラメータを設定するパラメータ設定部と、前記補正パラメータを用いて前記画像を補正する画像処理部と、を備えることを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記試料の表面を基準とする前記焦点面の深さに応じて前記補正パラメータを設定することを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記試料の厚み方向において設定された基準深度を前記焦点面とする画像に対する相対的な補正パラメータを設定することを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた輝度の補正ゲインを前記補正パラメータとして設定し、前記画像処理部は、前記補正パラメータを用いて前記画像の輝度を補正する、ことを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた像のボケを表す情報、又は該像のボケを補正するフィルタを前記補正パラメータとして設定し、前記画像処理部は、前記補正パラメータを用いて前記画像のボケを補正する、ことを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた複数の補正パラメータを格納するルックアップテーブルを記憶し、前記複数の補正パラメータの中から前記位置情報に対応する補正パラメータを抽出することを特徴とする。
上記画像処理装置において、前記パラメータ設定部は、光学系の特性及び試料の種類に応じた複数のルックアップテーブルを記憶し、前記画像の撮像に用いられた光学系の特性及び前記画像に写った試料の種類を設定する制御部をさらに備え、前記パラメータ設定部は、前記複数のルックアップテーブルの中から、前記制御部により設定された前記特性及び前記種類に対応するルックアップテーブルを選択することを特徴とする。
本発明に係る顕微鏡システムは、前記画像処理装置と、前記試料を撮像する光学系と、前記試料が載置されるステージと、前記光学系の光軸に沿って前記光学系と前記ステージとの間隔を調節し、該間隔に基づいて、前記位置情報を前記位置情報取得部に出力する位置調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、試料に対する焦点面の深さを表す位置情報に基づいて補正パラメータを設定し、この補正パラメータを用いて画像を補正するので、厚みのある試料を観察する場合であっても、画像を適正に補正することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、観察対象であるスライドガラス標本の断面を示す模式図である。 図3は、観察対象であるスライドガラス標本の断面を示す模式図である。 図4は、図1に示すパラメータ設定部が保持するルックアップテーブルの一例を示すグラフである。 図5は、図4に示すルックアップテーブルを作成する際に用いられる標準試料の一例を示す断面図である。 図6は、焦点面の深さが異なる画像における蛍光ビーズの像の輝度を示すグラフである。 図7は、図1に示す顕微鏡システムの動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態2に係る顕微鏡システムにおける補正パラメータのルックアップテーブルの一例を示す図である。 図9は、図8に示すルックアップテーブルを作成する際に用いられる標準試料の一例を示す断面図である。
以下、本発明に係る画像処理装置及び顕微鏡システムの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
以下の実施の形態においては、本発明を落射観察用の顕微鏡システムに適用する例を説明するが、本発明を透過観察用の顕微鏡システムに適用することも可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの構成例を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1に係る顕微鏡システム1は、撮像機能を備える顕微鏡装置10と、該顕微鏡装置10において試料SPを撮像することにより得られた画像を処理する画像処理装置20とを備える。
顕微鏡装置10は、落射観察用の顕微鏡装置であり、略C字状をなす胴部101と、該胴部101にステージ保持部材102を介して取り付けられたステージ103と、胴部101の先端部に設けられたレボルバ104と、ステージ103と対向するようにレボルバ104に保持された対物レンズ105と、落射照明光を発生する光源部106と、該光源部106と連結され、胴部101内において落射照明光を光路L1に沿って導光する落射蛍光投光管107と、光路L1上に配置された落射照明光学系108と、光路L1と対物レンズ105の光軸(観察光軸)L2とが交わる位置に設けられた蛍光キューブ109と、胴部101の上部に設けられた接眼鏡筒110と、該接眼鏡筒110と連結された接眼レンズユニット111及び撮像ユニット112と、胴部101に対してステージ保持部材102を移動させるモータ114と、該モータ114を駆動制御する焦準駆動部115とを備える。以下、観察光軸L2と平行な軸をz軸とし、該z軸と直交する面をxy面とする。また、実施の形態1においては、図の下方向をプラスz方向とする。
ステージ保持部材102は、xyzの各軸に沿って摺動自在に設けられている。焦準駆動部115の制御の下でモータ114を駆動して、ステージ保持部材102を摺動させることにより、ステージ103をxy平面内及びz軸に沿って移動させることができる。
ステージ103は、試料SPが固定されたスライドガラス標本SGが載置される台であり、スライドガラス標本SGの載置面がxy平面と平行となるように設定されている。ステージ103をxy平面内で移動させることにより、試料SPに対する対物レンズ105の視野を変化させることができる。また、ステージ103をz軸に沿って移動させ、試料SPと対物レンズ105との間の距離を変更させることにより、試料SPに対する対物レンズ105の焦点面を変化させることができる。
なお、実施の形態1においては、対物レンズ105、接眼鏡筒110及び撮像ユニット112を含む撮像光学系の位置を固定し、ステージ103を移動させることにより、該撮像光学系の焦点面を変化させるが、反対に、ステージ103の位置を固定し、撮像光学系側を移動させても良い。或いは、撮像光学系及びステージ103の双方を互いに反対方向に移動させても良い。つまり、観察光軸L2に沿って撮像光学系と試料SPとの間の距離を変化させることができれば、どのような構成であっても構わない。
レボルバ104は、胴部101に対して回転自在に取り付けられている。レボルバ104は、倍率が互いに異なる複数の対物レンズを保持することができ、レボルバ104を回転させることにより、所望の倍率の対物レンズを観察光軸L2上に配置することができる。図1においては、観察光軸L2上に配置された対物レンズ105のみを示している。
レボルバ104にはエンコーダが設けられており、このエンコーダの出力値は随時画像処理装置20に出力される。画像処理装置20は、エンコーダの出力値から、撮像に用いられた対物レンズ105の倍率や開口数を取得することができる。
光源部106としては、検鏡法に応じた光源装置が用いられる。例えば、試料SPを蛍光観察する場合、試料SPに含まれる蛍光物質(蛍光色素)を励起させるための励起光を発生するランプ光源が用いられる。
落射蛍光投光管107は、一端部が光源部106と接続され、他端部がレボルバ104と接眼鏡筒110との間に位置するように設置されている。この落射蛍光投光管107内の光路L1上には、減光フィルタ、開口絞り、視野絞り等を含む落射照明光学系108が配置されている。
蛍光キューブ109は、励起フィルタ、ダイクロイックミラー、及び吸収フィルタが設けられた光学素子であり、試料SPを蛍光観察する際に用いられる。このうち励起フィルタは、落射蛍光投光管107によって蛍光キューブ109に導光された落射照明光のうち、試料SP内の蛍光物質の励起に適した波長帯域の成分(励起光)を選択的に通過させる。ダイクロイックミラーは、この励起光を対物レンズ105の方向に反射すると共に、試料SPから対物レンズ105を経て入射する観察光を通過させて、接眼鏡筒110の方向に導く。吸収フィルタは、ダイクロイックミラーを通過した観察光のうち、励起光の波長成分を吸収し、蛍光の波長成分のみを通過させる。
接眼鏡筒110は、対物レンズ105及び蛍光キューブ109を通過した観察光を接眼レンズユニット111側と撮像ユニット112側とに分岐する。
撮像ユニット112は、CCD等の撮像素子113と、接眼鏡筒110を通過した観察光を該撮像素子113に結像させる光学系とを備える。撮像素子113は、観察光を受光する受光面を有し、この受光面に入射した観察光を電気信号(画像信号)に変換して、画像処理装置20に出力する。
焦準駆動部115は、画像処理装置20(後述する制御部208)の制御に従ってモータ114を駆動させることによりステージ103を移動させると共に、ステージ103の移動量に対応するモータ114の駆動量を表す信号を画像処理装置20(後述する位置情報取得部202)に出力する位置調整部である。
画像処理装置20は、撮像ユニット112が試料SPを撮像することにより生成した画像の画像情報を取得する画像取得部201と、ステージ103の位置情報を取得する位置情報取得部202と、該位置情報に基づいて、画像を補正する補正パラメータを設定するパラメータ設定部203と、記憶部204と、補正パラメータを用いて画像に補正する画像処理部205と、補正された画像やその他各種情報を表示する表示部206と、当該画像処理装置20に対する指示や情報の入力する際に用いられる入力部207と、これらの各部を制御する制御部208とを備える。
画像取得部201は、顕微鏡装置10やサーバ等の外部機器から出力される画像情報を当該画像処理装置20に取り込むインタフェースである。画像取得部201は、顕微鏡装置10やその他の撮像装置において生成された画像情報をリアルタイムに取り込んでも良いし、サーバ等に一旦保存された画像情報を随時取り込んでも良い。実施の形態1において、画像取得部201は、顕微鏡装備10の撮像素子113と接続され、該撮像素子113が出力した画像情報(画像信号)を取り込む画像信号入力部によって構成される。
位置情報取得部202は、焦準駆動部115から出力された信号に基づいて、ステージ103のz軸方向における位置情報を取得する。より詳細には、位置情報取得部202は、撮像光学系の焦点を試料SPの表面に合わせたときに焦準駆動部115から出力された信号を、ステージ103のz軸方向における基準位置を表す基準位置情報として保持する。この状態から焦準駆動部115がモータ114を駆動させてステージ103をz軸方向に移動させた場合、位置情報取得部202は、モータ114の駆動量を表す信号を焦準駆動部115から取得し、この信号に基づいて基準位置に対するステージ103のz軸方向における変位を算出する。位置情報取得部202は、この変位を、試料SPに対する撮像光学系の焦点面の位置情報として出力する。
パラメータ設定部203は、顕微鏡装置10における観察条件と位置情報取得部202から出力された位置情報とに基づいて、画像取得部201が取得した画像を補正するための補正パラメータを設定する。より詳細には、パラメータ設定部203は、試料SPに対して設定された焦点面の深さと、焦点面の深さに応じた試料SPの画像を補正するための補正パラメータとを関連づけたルックアップテーブルを、観察条件に応じて複数記憶しており、これらのルックアップテーブルのうちから観察条件に応じたルックアップテーブルを選択すると共に、選択したルックアップテーブルから、焦点面の位置情報に応じた補正パラメータを抽出する。補正パラメータの詳細については後述する。
記憶部204は、更新記録可能なフラッシュメモリ、RAM、ROM等の半導体メモリや、内蔵若しくはデータ通信端子で接続されたハードディスク、MO、CD−R、DVD−R等の記録媒体及び該記録媒体に対して情報の読み書きを行う読取書込装置を含む記録装置等によって構成される。記憶部204は、当該画像処理装置20が実行する各種プログラム及び各種設定情報や、画像取得部201が取り込んだ画像の画像データや、後述する画像処理部205により画像処理が施された画像の画像データ等を記憶する。
画像処理部205は、画像取得部201により取得された画像情報に対し、ホワイトバランス処理、デモザイキング、色変換、濃度変換(ガンマ変換等)、平滑化(ノイズ除去等)、鮮鋭化(エッジ強調等)等の画像処理を施すことにより画像を生成すると共に、パラメータ設定部203により設定された補正パラメータを用いて画像を補正する画像処理(補正処理)を実行する。
表示部206は、例えばLCD、ELディスプレイ又はCRTディスプレイからなる表示装置であり、画像処理部205により画像処理が施された画像や、その他関連情報を表示する。なお、実施の形態1においては、表示部206を画像処理装置20の内部に設けているが、画像処理装置20の外部に設けても良い。この場合、画像処理装置20には、表示用の画像データを外部機器に出力する外部インタフェースが設けられる。
入力部207は、キーボード、各種ボタン、各種スイッチ等の入力デバイスや、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスを含むユーザインタフェースである。入力部207は、これらのデバイスに対する操作に応じた信号を制御部208に入力する。
制御部208は、例えばCPU等のハードウェアによって構成され、記憶部204に記憶されたプログラムを読み込むことにより、記憶部204に記憶された各種設定情報や入力部207から入力された情報に基づいて、画像処理装置20及び顕微鏡システム1全体の動作を統括的に制御する。
次に、パラメータ設定部203が記憶している補正パラメータについて詳しく説明する。図2及び図3は、スライドガラス標本SGの断面を示す模式図である。生体等から採取された試料SPを観察する場合、通常は、検鏡法に応じた染色等の処理が施された試料SPをスライドグラスG1上に載置し、該試料SPをカバーグラスで覆うことにより、スライドガラス標本SGが作製される。このスライドガラス標本SGをステージ103にセットして観察が行われる。以下においては、蛍光染色が施された試料SPを蛍光観察する場合について説明する。
スライドガラス標本SGに向けて照射された励起光は、カバーグラスG2を経て試料SPの上面Ztopに入射し、試料SP中に存在する蛍光物質(蛍光色素により染色された標識)M1に吸収される。これに応じて蛍光物質M1が発生した蛍光は、試料SPの上面Ztopから出射し、カバーグラスG2を経てスライドガラス標本SG上の空間に出射する。この蛍光を対物レンズ105によって観察することにより、試料SP内に存在する蛍光物質M1を画像化することができる。
ここで、カバーグラスG2は殆ど透明であるため、スライドガラス標本SGに入射する励起光及び蛍光物質M1が発生する蛍光に対して影響を与えることは殆どない。これに対し、試料SP内においては、蛍光物質M1の間に存在する細胞質等の媒質M2が、励起光及び蛍光に対して吸収又は散乱といった影響を与える。この媒質M2による影響は、励起光及び蛍光が媒質M2中を通過する経路が長いほど大きくなる。例えば、試料SPの上面Ztopに入射した励起光が深さzBに到達するまでに媒質M2内を通過した距離、及び、深さzBに存在する蛍光物質M1が発生した蛍光が試料SPの上面Ztopから出射するまでに媒質M2を通過した距離は、深さzAの場合と比べて長い。そのため、深さzBの場合に、より多くの励起光及び蛍光が媒質M2に吸収又は散乱されることになる。
そのため、撮像光学系の被写界深度Δzが試料SPの厚みよりも小さい場合、該撮像光学系の焦点面を深さzAに設定したときと、深さzBに設定したときとを比較すると、励起光及び蛍光の減衰度は、焦点面がより深い後者の方で大きくなる。その結果、後者においては、対物レンズ105を介して撮像素子113によって検出される蛍光の強度が弱くなってしまう。
また、図3に示すように、対物レンズ105から出射して試料SPに入射する励起光や、蛍光物質M1が発生して対物レンズ105に入射する蛍光は、厳密には平行光ではない。さらに、媒質M2において散乱された励起光や蛍光は複雑な経路を辿ることがある。このような媒質M2による影響は、焦点面の深さが深いほど顕著になると共に、対物レンズ105等の撮像光学系の特性によっても変わってくる。
このように、試料SPの厚みに対して被写界深度Δzが小さい場合、焦点面の深さに応じて励起光及び蛍光の強度が変化し、その結果、画像に写った蛍光物質M1の輝度も変化してしまうので、精度の良い画像を取得することができない。また、焦点面の深さが異なる画像同士を正確に対比することも困難である。
そこで、実施の形態1においては、試料SPに対して設定される焦点面の深さに応じて画像の輝度を補正することとし、そのために用いる補正パラメータを焦点面の深さと関連付けてパラメータ設定部203に記憶させている。
図4は、パラメータ設定部203が保持するルックアップテーブルの一例を示すグラフである。図4に示すように、実施の形態1において、パラメータ設定部203は、焦点面の深さzと画像の輝度を補正するための補正係数(補正ゲイン)とを関連づけたルックアップテーブルを予め保持している。
このようなルックアップテーブルは、観察条件に応じて複数、用意されている。観察条件としては、例えば、観察対象である試料SPの種別(試料SPを採取した組織の種類、染色法等)や、対物レンズ105の倍率や開口数、或いはこれらの組み合わせが挙げられる。
ここで、図5及び図6を参照しながら、図4に示すルックアップテーブルの作成方法を説明する。図5は、ルックアップテーブルを作成する際に用いられる標準試料の一例を示す断面図である。図4に示すルックアップテーブルは、図5に示すような標準試料SP’を顕微鏡装置10において撮像し、それによって取得された画像の輝度を測定することにより作成することができる。標準試料SP’は、観察対象である試料SPにおける蛍光物質M1と同様の特性(励起光に対する応答特性等)を有する蛍光ビーズM3を、試料SPにおける媒質M2と同様の特性(励起光及び蛍光に対する吸収特性、散乱特性)を有する媒質M4中の所定の深さ(例えば、z=z1、z2、z3、z4、z5)に配置したものであり、試料SPと同様に、スライドグラスG1及びカバーグラスG2によって挟持されている。
ルックアップテーブルを作成する際には、まず、このような標準試料SP’を顕微鏡装置10のステージ103にセットし、各蛍光ビーズM3が存在する深さに撮像光学系の焦点面を設定して順次撮像を行い、画像を取得する。このとき、位置情報取得部202は、焦準駆動部115から出力される信号に基づき、標準試料SP’の上面Ztopに焦点面を設定したときのステージ103のz軸方向における位置を基準位置とし、各蛍光ビーズM3の深さに焦点面を設定したときのステージ103のz軸方向における位置の上記基準位置に対する変位を算出し、この変位を各焦点面の深さを表す位置情報とする。なお、焦点面の間隔(即ち、試料SP’の厚み方向における蛍光ビーズM3の配置間隔)は、撮像光学系の被写界深度Δz(図2参照)以下の範囲で、充分小さな値(例えば、1μm程度)に設定することが好ましい。
それにより、焦点面の深さzが異なる複数(図5の場合、5つ)の画像が得られる。図6は、各画像における蛍光ビーズM3の像の輝度(画素値Ir(z))を示すグラフである。図6に示すように、蛍光ビーズM3の像の輝度は、焦点面の深さzが深くなるほど低下する。具体的には、焦点面が浅い(例えばz=z1)場合、蛍光ビーズM3の像の輝度は、z=0のときの輝度、言い換えると、媒質M4の影響がないと仮定した場合の輝度と比べてあまり低下することはない。それに対して、焦点面が深い(例えばz=z5)場合、蛍光ビーズM3の輝度は、z=0のときの輝度に対して大幅に低下する。
そこで、図6に示すように、各画像における蛍光ビーズM3の像の画素値Ir(z)を抽出し、該画素値Ir(z)と深さzとの相関を多次曲線L(z)によって近似する。そして、多次曲線L(z)においてz=0としたときの画素値Ir(0)を目標値として、各焦点面の深さzにおける補正ゲインg(z)を、次式(1)により算出する。
g(z)=Ir(0)/Ir(z) …(1)
このように取得された補正ゲインg(z)は、観察条件と共にパラメータ設定部203に記憶される。
次に、顕微鏡システム1の動作について説明する。図7は、顕微鏡システム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、制御部208は、顕微鏡装置10における観察条件を設定する。具体的には、レボルバ104に設けられたエンコーダの出力値に基づいて対物レンズ105の倍率及び開口数を設定すると共に、入力部207を用いて入力される情報に基づいて試料SPの種別を設定する。なお、試料SPの種別については、該種別を表すバーコードラベルをスライドガラス標本SGに貼付し、バーコードリーダによりこのバーコードラベルを読み取ることにより、試料SPの種別等の観察条件が自動設定されるようにしても良い。
続くステップS11において、顕微鏡装置10は、ステージ103を基準位置に移動させる。より詳細には、制御部208の制御の下で焦準駆動部115がモータ114を駆動して、ステージ103をz軸に沿って移動させることにより、試料SPの上面Ztopに焦点を合わせる。位置情報取得部202は、このときに焦準駆動部115から出力された信号に基づくステージ103の位置を基準位置として保持する。
ステップS12において、顕微鏡装置10は、ステージ103をz軸方向に沿って移動させ、試料SPの厚みの範囲内に撮像光学系の焦点面を設定する。焦点面は、予め設定されている複数の深さのうちの1つに自動設定されることとしても良いし、ユーザが焦準駆動部115を手動で操作することにより、所望の深さに設定されることとしても良い。なお、前者の場合、試料SPの厚み方向をもれなく観察できるように、予め、撮像光学系の被写界深度Δz(図2参照)よりも小さい間隔で焦点面を設定しておくことが好ましい。実施の形態1においては、図5に示すように、予め設定された深さz=z1、z2、z3、z4、z5のいずれかに焦点が自動設定されるものとする。
ステップS13において、顕微鏡装置10は、試料SPの撮像を行う。より詳細には、光源部106から出射し、蛍光キューブ109及び対物レンズ105を通過した励起光を試料SPに照射し、試料SP内の蛍光物質M1(図2参照)が発生した蛍光(観察光)を対物レンズ105により集光し、撮像素子113において受光する。撮像素子113は、受光した観察光を電気的な画像信号に変換して、画像処理装置20に出力する。これに応じて、画像処理部205は、画像取得部201を介して画像信号を受け取り、ホワイトバランス処理、デモザイキング、色変換、濃度変換(ガンマ変換等)、平滑化(ノイズ除去等)、鮮鋭化(エッジ強調等)等の画像処理を施すことにより画像を生成する。
ステップS14において、位置情報取得部202は、試料SPの表面を基準とした場合の焦点面の深さzを表す位置情報を取得する。具体的には、焦準駆動部115から出力された信号に基づいて、基準位置(ステップS11参照)に対するステージ103の変位を、焦点面の深さzとして算出する。
ステップS15において、パラメータ設定部203は、焦点面の深さzに応じた補正パラメータを取得する。詳細には、パラメータ設定部203は、まず、予め記憶している複数のルックアップテーブルの中から、ステップS10において設定された観察条件に適合するルックアップテーブルを選択する。さらに、選択したルックアップテーブルから、ステップS14において取得された位置情報に基づき、焦点面の深さzに応じた補正パラメータを抽出する。実施の形態1においては、図4に示すように、焦点面の深さzに応じた補正ゲインg(z)が補正パラメータとして取得される。
ステップS16において、画像処理部205は、ステップS15において取得された補正パラメータを用いて、ステップS13において生成した画像を補正する。具体的には、画像内の座標(X,Y)における画素の画素値をIr(X,Y)とすると、補正後の当該座標(X,Y)における画素の画素値Ic(X,Y)は、次式(2)によって与えられる。
Ic(X,Y)=g(z)×Ir(X,Y) …(2)
ステップS17において、画像処理部205は、このように補正された補正済み画像の画素値Ic(X,Y)を記憶部204に記憶させる。
ステップS18において、制御部208は、試料SP内の全ての焦点面の撮像を終了したか否かを判定する。例えば、図5に示すように、複数の焦点面(z=z1、z2、z3、z4、z5)が予め設定されていた場合、これらの5つの焦点面に対する撮像が終了したか否かが判定される。
全ての焦点面に対する撮像が終了した場合(ステップS18:Yes)、顕微鏡システム1の動作はステップS19に移行する。一方、未だ撮像が終了していない焦点面が残っている場合(ステップS18:No)、顕微鏡システム1の動作はステップS12に移行する。
なお、ステップS12において、ユーザが手動操作により焦点面の設定を行った場合、ステップS18においては、入力部207を用いてユーザにより入力された指示により、全ての焦点面に対する撮像が終了したか否かを判定しても良い。
ステップS19において、画像処理部205は、記憶部204に記憶させた複数の補正済み画像を用いて、表示部206に表示させる表示用画像を生成する。表示用画像は、複数の補正済み画像を1つの画面に並べた画像であっても良いし、複数の補正済み画像を重ね合わせた合成画像(全焦点画像)であっても良い。或いは、複数の補正済み画像を用いて3次元的な画像を構築しても良い。
ステップS20において、画像処理部205は、ステップS19において生成した表示用画像を出力し、表示部206に表示させる。
その後、顕微鏡システム1の動作は終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、試料SPの厚み方向における焦点面の深さzに応じた補正ゲインg(z)を用いて画像の輝度を補正するので、焦点面の深さが異なる画像間における明るさの違いを適正に補正することができる。従って、各焦点面に存在する蛍光物質M1を精度良く観察することができる。また、焦点面の深さが異なる画像同士を合成する際に、合成処理の失敗や、合成画像における輝度の違いに起因する不整合の発生を抑制することが可能となる。
また、実施の形態1によれば、観察対象の試料SPを撮像する際と同一の撮像光学系において標準試料SP’を撮像し、それによって取得した画像に基づいて補正ゲインを算出するので、このような補正ゲインを用いることにより、正確な補正を行うことができる。
(変形例1−1)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1−1について説明する。
上記実施の形態1においては、試料SPに対して蛍光観察を行う場合について説明したが、本実施の形態1は、蛍光観察以外の検鏡法を行う場合にも適用することができる。例えば、顕微鏡装置10に対してステージ103の下方から透過照明光を照射する透過照明光学系及び透過照明光源を追加し、透過観察を行う場合においても、同様の手法で画像の輝度を補正することができる。
この場合、観察対象の試料SPと同種の標準試料SP’ (図5参照)に対して、下面Zbottomを基準として標準試料SP’の厚みの範囲内に複数の焦点面を設定し、各焦点面おける画像を取得する。そして、各画像における輝度と焦点面の深さ(下面Zbottomからの距離)との相関を求めることにより、補正ゲインのルックアップテーブルを予め作成しておけば良い。
(変形例1−2)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1−2について説明する。
上記実施の形態1においては、1つの焦点面に対して1回の撮像を行う場合を説明したが、1つの焦点面に対し、ステージ103をxy平面内でずらしながら複数回撮像を行うことにより、試料SPの広範囲な領域に対して撮像を行っても良い。この場合においても、焦点面の深さが同一の複数の画像は、同一の補正ゲインg(z)を用いて補正される。
また、この場合、ステップS19(図7参照)における表示用画像の生成処理においては、焦点面が同一の複数の画像をつなぎ合わせた広視野画像を生成しても良い。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1においては、焦点面の深さに応じて変化する画像の輝度を補正することとしたが、実施の形態2においては、焦点面の深さに応じて生じる画像のボケを補正する。実施の形態2に係る顕微鏡システムの構成及び該顕微鏡システムの動作は、全体として実施の形態1と同様であり(図1及び図7参照)、パラメータ設定部203及び画像処理部205の詳細な動作が実施の形態1と異なる。
ここで、蛍光観察する試料SPが厚い場合(図2参照)、蛍光物質M1の間に存在する媒質M2の影響により、蛍光物質M1の像にボケが生じる。このボケは、試料SPの上面Ztopに入射した励起光が蛍光物質M1に到達するまでの距離や、蛍光物質M1が発生した蛍光が試料SPの上面Ztopから出射するまでの距離に応じて変化する。そのため、焦点面の深さが異なる画像に対して同じ補正パラメータを用いてボケを補正し、補正済みの画像同士を合成しようとすると、画像間の位置合わせを行うことが困難になる、或いは、同一物体の像が重なり合わないといった不具合が生じることがある。そこで、実施の形態2においては、焦点面の深さに応じた補正パラメータを用いて、画像のボケを補正する。
図8は、パラメータ設定部203が記憶する補正パラメータのルックアップテーブルの一例を示す図である。実施の形態2においては、補正パラメータとして、画像のボケを表す点拡がり関数PSF1(r)、PSF3(r)、PSF5(r)が、焦点面の深さz(z=z1、z3、z5)と関係付けられて記憶されている。ここで、符号rは、画像の中心座標からの距離を示す。図8に示すように、焦点面の深さが浅い場合(z=z1)、画像のボケの度合いを表す点拡がり関数PSF1(r)の拡がりは小さく、焦点面の深さが深い場合(z=z5)、点拡がり関数PSF5(r)の拡がりが大きい。
このようなルックアップテーブルは、観察条件に応じて複数用意されている。観察条件としては、例えば、観察対象である試料SPの種別(試料SPを採取した組織の種類、染色法等)や、対物レンズ105の倍率や開口数、或いはこれらの組み合わせが挙げられる。
ここで、図9を参照しながら、図8に示すルックアップテーブルの作成方法を説明する。図9は、図8に示すルックアップテーブルを作成する際に用いられる標準試料の一例を示す断面図である。図9に示す標準試料SP’は、観察対象である試料SPにおける蛍光物質M1と同様の特性(励起光に対する応答特性等)を有する蛍光ビーズM3を、試料SPにおける媒質M2と同様の特性(励起光及び蛍光に対する吸収特性、散乱特性)を有する媒質M4中の所定の深さ(例えば、z=z1、z2、z3、z4、z5)に配置したものであり、通常のスライドガラス標本と同様に、スライドグラスG1及びカバーグラスG2によって挟持されている。
ルックアップテーブルを作成する際には、まず、このような標準試料SP’を顕微鏡装置10のステージ103にセットし、各蛍光ビーズM3が存在する深さに焦点面を設定して順次撮像を行い、画像を取得する。撮像を行う際の焦点面の間隔は、観察対象の試料SPを撮像する場合と同程度に、充分細かく設定することが好ましい。実施の形態2においては、焦点面の深さzをzi(i=1、3、5)に設定した場合の画像を取得するものとする。
このようにして取得した各画像に写った蛍光ビーズM3の像のボケを測定することにより、点拡がり関数PSFi(r)を取得し、これらの点拡がり関数PSFi(r)を補正パラメータとして、焦点面の深さziと関連付けてパラメータ設定部203に記憶させる。
ここで、これらの点拡がり関数PSFi(r)は、レスポンスの最大値で正規化するといった処理を行わず、深さが異なる焦点面に対応する点拡がり関数PSFi(r)を同一の尺度で扱うようにする。それにより、画像内のボケを補正すると共に、実施の形態1と同様に、焦点面の深さに応じた輝度の補正も同時に行うことができる。
次に、実施の形態2におけるパラメータ設定部203及び画像処理部205の動作について、図7を参照しながら説明する。なお、図7に示すステップS10〜S14の動作は、実施の形態1と同様である。
ステップS14に続くステップS15において、パラメータ設定部203は、焦点面の深さzに応じた補正パラメータを取得する。詳細には、パラメータ設定部203は、まず、予め記憶している複数のルックアップテーブルの中から、ステップS10において設定された観察条件に適合するルックアップテーブルを選択する。さらに、選択したルックアップテーブルから、ステップS14において取得された位置情報に基づき、焦点面の深さziに応じた補正パラメータとして点拡がり関数PSFi(r)を抽出する。
続くステップS16において、画像処理部205は、ステップS15において取得された点拡がり関数PSFi(r)を用いて、ステップS13において生成した画像Irを補正する。
詳細には、まず、画像処理部205は、点拡がり関数PSFi(r)を用いた回復フィルタとして、次式(3)によって与えられるウィーナフィルタWF(u,v)を作成する。
Figure 0006346455
式(3)に示す符号H(u,v)は、点拡がり関数PSFi(r)にフーリエ変換を施すことにより得られる関数を示す。また、符号H(u,v)は、関数H(u,v)の複素共役を示す。符号S(u,v)は、画像IrにおけるSN比(S(u,v)≠0)を示す。なお、このSN比は、定数としても良い。
これより、画像Irのボケが補正された補正済み画像Icは、次式(4)によって与えられる。
Ic=IFT(WF(u,v)・FT(Ir)) …(4)
式(4)において、符号FTはフーリエ変換を示し、符号IFTは逆フーリエ変換を示す。
続くステップS17〜S20の動作は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、本発明の実施の形態2によれば、焦点面の深さと関連付けられた点拡がり関数を用いて画像のボケを補正するので、焦点面の深さに応じて画像に生じた劣化を精度良く復元することができる。従って、焦点面の深さが異なる画像同士を合成する場合であっても、画像間の位置合わせを容易且つ正確に行うことができると共に、同一物体の像が重なり合わないといった合成処理の不具合の発生を抑制することも可能となる。
(変形例2−1)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−1について説明する。
上記実施の形態2においては、試料SPに対する蛍光観察により取得された画像に対する処理を説明したが、実施の形態2は、蛍光観察以外の検鏡法により得られた画像に対しても適用することができる。例えば、試料SPに対して透過観察を行う場合、標準試料SP’を透過観察することにより得られた画像から点拡がり関数PSFを取得し、この点拡がり関数を焦点面の深さと関連付けたルックアップテーブルを作成して、パラメータ設定部203に予め保持させておけば良い。
(変形例2−2)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−2について説明する。
点拡がり関数を用いた補正処理としては、上述したウィーナフィルタを用いる手法の他にも、公知の種々の手法を適用することができる。具体的には、点拡がり関数に基づく繰り返し処理による最適化を適用しても良い。或いは、制限付最小二乗誤差法、最尤推定法、リチャードソン−ルーシー法等を適用しても良い。
(変形例2−3)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−3について説明する。
上記実施の形態2においては、焦点面の深さに応じた点拡がり関数を補正パラメータとしてパラメータ設定部203に記憶させたが、この点拡がり関数を用いて作成した復元フィルタ(例えば、ウィーナフィルタ)を補正パラメータとして、焦点面の深さと関連付けてパラメータ設定部203に記憶させておいても良い。この場合、式(3)に示すSN比(S(u,v)≠0)を定数にすると良い。
(変形例2−4)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−4について説明する。
上記実施の形態2においては、補正対象画像の焦点面の深さと関連付けられた補正パラメータを用いて補正処理を行う場合を説明した。しかしながら、実際には、補正対象画像の焦点面の深さに対応する補正パラメータがパラメータ設定部203に記憶されていない場合がある。このような場合、焦点面の近傍の深さと関連付けられた補正パラメータを用いて補間演算を行うことにより、当該補正対象画像に適用する補正パラメータを算出しても良い。
例えば図9に示すように、補正パラメータとして、深さz1、z3、z5とそれぞれ関連付けられた点拡がり関数PSF1(r)、PSF3(r)、PSF5(r)が、パラメータ設定部203に記憶されているものとする。これに対し、ステップS14(図7参照)において取得された位置情報(補正対象画像の焦点面の深さ)が、深さzkであったとする。
この場合、続くステップS15において、パラメータ設定部203は、まず、この深さzkと、自身が記憶している点拡がり関数PSF1(r)、PSF3(r)、PSF5(r)の深さz1、z3、z5との大小関係を調べる。そして、深さzkの直近の2つの深さと関連付けられた点拡がり関数を用いて補間演算を行う。
例えば、深さzkが、深さz1、z3の間の値であった場合、当該深さzkに対応する点拡がり関数PSFk(r)は、次式(5)によって与えられる。
Figure 0006346455
なお、パラメータ設定部203は、上述した補間演算における誤差が小さくなるように、焦点面の深さの間隔が充分小さくなるように(例えば、1μm程度)補正パラメータを取得しておくことが好ましい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
上記実施の形態2においては、焦点面の深さに応じた補正パラメータを用いて画像のボケを補正することとしたが、本実施の形態3においては、焦点面の深さが異なる画像間におけるボケの度合いを揃えることとする。実施の形態3に係る顕微鏡システムの構成及び該顕微鏡システムの動作は、全体として実施の形態1及び2と同様であり(図1及び図7参照)、パラメータ設定部203及び画像処理部205の詳細な動作が実施の形態2と異なる。
ここで、標準試料SP’の撮像に使用される蛍光ビーズM3(図9参照)は、実際には完全な点光源ではない。そのため、蛍光ビーズM3が写った画像をそのまま点拡がり関数として用いて補正を行うと、ボケを過剰に補正することになってしまう。また、その結果、焦点面の深さが異なる画像同士を合成する際に不具合が生じるおそれがある。そこで、実施の形態3においては、各画像のボケをなくすのではなく、焦点面の深さが異なる画像間においてボケの度合いが同程度となるように補正を行う。具体的には、試料SPの厚みの範囲内における1つの深さを基準として定め(以下、基準深度ともいう)、この基準深度に焦点面を合わせた画像に生じるボケと同程度となるように、他の深さに焦点面を合わせた画像のボケを補正する。
例えば基準深度をz=z1とし、補正対象画像の焦点面の深さをz=z5とする場合、基準深度z1に位置する蛍光ビーズM3に焦点を合わせたときの画像(点拡がり関数PSF1(r))に対して畳み込み演算を行うと、深さz5に位置する蛍光ビーズM3に焦点を合わせたときの画像(点拡がり関数PSF5(r))が得られるような関数が、当該深さz5における補正パラメータとして設定される。この補正パラメータを用いて補正対象画像に対して逆畳み込み演算を行うことにより、当該補正対象画像におけるボケの度合いを、基準深度に焦点面を合わせた画像におけるボケの度合いに揃えることができる。
なお、基準深度はz=z1に限定されず、標準試料SP’の厚みの範囲で適宜設定することができる。深さz=z1に焦点面を合わせた画像には、媒質M4に起因して焦点面の深さに応じたボケがほとんど生じないため、この深さを基準深度とすることで、他の深さに焦点面を合わせた画像におけるボケを概ね補正することができる。一方、z=z1以外の深さを基準深度とする場合、画像のボケを適度に残すことにより、ユーザにとって見易い画像を生成することができる。
次に、実施の形態3において用いられる補正パラメータの算出方法の具体例を説明する。まず、図9に示す標準試料SP’を顕微鏡装置10のステージ103にセットし、蛍光ビーズM3が存在する深さzi(例えばi=1〜5)に焦点面を設定して順次撮像を行うことにより、複数の画像Iiを取得する。
続いて、基準深度(例えば深さz1)における画像を真の画像p、補正パラメータを算出する焦点面の深さzi(例えばi≠1)における画像を観測画像qiとして、次式(6)によって与えられるウィーナフィルタの係数wfi(u,v)を算出する。
Figure 0006346455
式(6)に示す符号hi(u,v)は、次式(7)によって与えられる。
i(u,v)=FT(qi)/FT(p) …(7)
式(7)において、符号FTはフーリエ変換を示す。
また、式(6)における符号hi (u,v)は、関数hi(u,v)の複素共役を示す。符号S(u,v)は、補正対象画像におけるSN比(S(u,v)≠0)を示す。なお、このSN比は、定数としても良い。
次式(8)に示すように、このウィーナフィルタの係数wfi(u,v)を逆フーリエ変換することにより、焦点面の深さziに対応する補正パラメータPSF’iが得られる。
PSF’i=IFT(wfi(u,v)) …(8)
(7)において、符号IFTは、逆フーリエ変換を示す。この補正パラメータPSF’iは、基準とする焦点面の深さ(例えばz=z1)に対する焦点面の深さziにおける相対的なボケを表す。
このような補正パラメータPSF’iを、焦点面の深さziと関連付けて、パラメータ設定部203に記憶させておく。なお、補正パラメータPSF’iを用いて画像の補正を行う際には、補正パラメータPSF’iを実施の形態2における点拡がり関数PSFi(r)として扱い、式(3)及び(4)に示す演算を行えば良い。
以上説明したように、本発明の実施の形態3によれば、焦点面の深さが異なる画像の間で、ボケの度合いが揃うように補正を行うので、ボケの過剰な補正を抑制することができる。また、焦点面が異なる複数の画像を同時に表示する、或いは、これらの画像を合成するといった場合に、表示処理や合成処理における不整合の発生を抑制することができる。
(変形例3−1)
次に、本発明の実施の形態3の変形例3−1について説明する。
補正パラメータPSF’iを用いた補正処理としては、実施の形態2と同様のウィーナフィルタを用いる手法の他にも、公知の種々の手法を適用することができる。具体的には、点拡がり関数に基づく繰り返し処理による最適化を適用しても良い。或いは、制限付最小二乗誤差法、最尤推定法、リチャードソン−ルーシー法等を適用しても良い。
(変形例3−2)
次に、本発明の実施の形態3の変形例3−2について説明する。
実施の形態1のように画像の輝度を補正する場合にも、上記実施の形態3と同様に、焦点面の深度が異なる画像間で輝度が揃うように、各深度に対応する補正パラメータを設定しても良い。
具体的には、図5に示す標準試料SP’を撮像することにより生成された画像から、焦点面の深さzと画素値Ir(z)との間に図6に示す相関が得られた場合、基準深度を例えばz=z1に設定すると、深さziに焦点面を合わせた画像を補正するための補正パラメータ(補正ゲイン)g(z)は、次式(9)によって与えられる。
g(z)=Ir(z1)/Ir(z) …(9)
なお、この場合においても基準深度はz=z1に限定されず、標準試料SP’の厚みの範囲で適宜設定することができる。例えば、基準深度をz=z1以外の深さに設定することにより、輝度が抑えられた見易い画像を生成することも可能である。
以上説明した実施の形態1〜3及び変形例はそのままに限定されるものではなく、各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成してもよい。あるいは、異なる実施の形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成してもよい。
1 顕微鏡システム
10 顕微鏡装置
20 画像処理装置
101 胴部
102 ステージ保持部材
103 ステージ
104 レボルバ
105 対物レンズ
106 光源部
107 落射蛍光投光管
108 落射照明光学系
109 蛍光キューブ
110 接眼鏡筒
111 接眼レンズユニット
112 撮像ユニット
113 撮像素子
114 モータ
115 焦準駆動部
201 画像取得部
202 位置情報取得部
203 パラメータ設定部
204 記憶部
205 画像処理部
206 表示部
207 入力部
208 制御部

Claims (7)

  1. 試料を載置するステージと、前記ステージを移動させるモータと、前記試料を撮像する撮像素子と、を備える顕微鏡装置が撮像した画像を処理する画像処理装置であって、
    前記試料の厚みよりも被写界深度が小さい光学系を介して、前記試料を撮像することにより生成された画像の画像情報を取得する画像取得部と、
    前記試料に対する前記光学系の焦点面の深さを表す位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記位置情報に基づいて、前記画像を補正する補正パラメータを設定するパラメータ設定部と、
    前記補正パラメータを用いて前記画像を補正する画像処理部と、
    を備え
    前記位置情報取得部は、
    前記光学系の焦点を試料の表面に合わせたときに前記ステージの移動に対応して前記顕微鏡装置から出力された前記モータの駆動量を表す信号を、前記顕微鏡の観察光軸と平行な方向における基準位置の情報として保持し、
    前記モータが前記ステージを前記基準位置にある状態から前記観察光軸と平行な方向に移動させたときの前記モータの駆動量を表す信号を前記顕微鏡装置から取得し、該取得した信号に基づいて前記基準位置に対する前記観察光軸と平行な方向の変位を前記位置情報として算出する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記パラメータ設定部は、前記試料の厚み方向において設定された基準深度を前記焦点面とする画像に対する相対的な補正パラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた輝度の補正ゲインを前記補正パラメータとして設定し、
    前記画像処理部は、前記補正パラメータを用いて前記画像の輝度を補正する、
    ことを特徴とする請求項又はに記載の画像処理装置。
  4. 前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた像のボケを表す情報、又は該像のボケを補正するフィルタを前記補正パラメータとして設定し、
    前記画像処理部は、前記補正パラメータを用いて前記画像のボケを補正する、
    ことを特徴とする請求項又はに記載の画像処理装置。
  5. 前記パラメータ設定部は、前記焦点面の深さに応じた複数の補正パラメータを格納するルックアップテーブルを記憶し、前記複数の補正パラメータの中から前記位置情報に対応する補正パラメータを抽出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記パラメータ設定部は、光学系の特性及び試料の種類に応じた複数のルックアップテーブルを記憶し、
    前記画像の撮像に用いられた光学系の特性及び前記画像に写った試料の種類を設定する制御部をさらに備え、
    前記パラメータ設定部は、前記複数のルックアップテーブルの中から、前記制御部により設定された前記特性及び前記種類に対応するルックアップテーブルを選択することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    前記試料を撮像する光学系と、
    前記試料が載置されるステージと、
    前記ステージを移動させるモータと、
    前記画像処理装置の制御に従って前記モータを駆動させることにより前記ステージを移動させると共に、前記ステージの移動量に対応する前記モータの駆動量を表す信号を画像処理装置に出力する焦準駆動部と、
    を備えることを特徴とする顕微鏡システム。
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