JP6346040B2 - 屈折率測定装置 - Google Patents

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本願発明は、生化学分野において微量な溶液の特性の測定に関し、特に、SPR(表面プラズモン共鳴)現象を利用して、マイクロ流路内の溶液の屈折率を測定する屈折率測定装置に関する。
SPR測定を利用した屈折率測定は、光源と受光素子があれば測定対象の屈折率を測定できるので、単純な光学系により高感度の屈折率測定を行うことができる。また、SPR測定を利用した屈折率測定では、光源に安価で寿命の長いLEDを使うことができ、受光素子にも安価なCCDセンサやCMOSセンサ等の受光素子を用いることができるので、安価で高感度な屈折率測定装置を構成できる(例えば、特許文献1参照)。
このようなメリットを利用して、SPR測定を用いた屈折率測定を、電池駆動が必要な環境での測定に応用することが期待されている。例えば、野外、電源確保が困難な場所での測定や、極限環境、移動中での測定や、ウエアラブルデバイスとしての利用、到達困難な場所での自立探査装置等、様々な環境での利用が検討されている。
上述のような環境では、外部から装置に入射する光の強度や向きが変化するので、その光がSPR測定用のプリズムや透明基板に照射されると、高感度に測定される屈折率に対してはノイズとなる。SPR測定では、全反射光学系で実現されるので、測定光の光路を光学材料内に閉じ込めて、反射光強度のパターンから屈折率を求めるので、外来光によって反射強度が一様に変化する場合には、外来光からの影響を受けにくい。しかし、高い測定感度で屈折率を測定する場合には、迷光によってわずかに反射光強度のパターンが変化すると、それがノイズとして測定されてしまう。
また、SPR測定を利用した屈折率測定では、エバネセント光を用いるため、測定対象であるサンプルへの光の侵入長が数百ナノメートルに限られ、測定に必要なサンプルの体積を非常に小さくすることができるという特徴がある。この特徴を活かすため、SPR測定を利用した屈折率測定ではマイクロ流路と組み合わせて使用されることが多い。
SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた測定においては、マイクロ流路中の液体サンプルの移動を測定することができる。しかし、流路の厚さが1μm以上のよく使用されるマイクロ流路では、SPR測定の感度が流路壁面から200nm程度に集中しているために、流路全体の液体の状態を測定したり、モニターしたりすることはできない。
特開2002−214131号公報
このような場合、液体サンプルの移動が期待通りに行われているかを確認するために、SPR測定用の光学系とは別に、プリズム反射面の非プリズム側から観測用の光を照射して、マイクロ流路の状態を観測することが行われる。しかしながら、観測用の光を使って流路全体の液体の状態を観測するような場合には、意図的に外部から光を照射するので、先に述べた外来光によるノイズと同じ問題が生じ、観測用光源の強度パターンや強度変化によって、屈折率測定が擾乱を受ける場合がある。
図15は、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置の構成例である。図15の屈折率測定装置1では、測定対象の溶液で満たされたマイクロ流路20を備えた検査素子10の上部に、マイクロ流路20の状態を観測するための流路観測用光源70と流路観測用光検出部80を設置し、SPR用光源からプリズム30を通して、検査素子10に、SPR測定用の入射光41を放射し、検査素子10からの反射光51をSPR用光検出部50で検出することにより、SPR現象を利用して、マイクロ流路内の測定対象の溶液の屈折率を測定する。図16は、マイクロ流路20の構成例である。この装置では、マイクロ流路の中心軸200に沿った位置における屈折率分布の時間変化を測定することができる。
ここで、図15の光学系は筐体内に収められているので、外乱光が侵入する可能性があるのは、プリズム30の平面だけである。全反射光学系では、プリズム30の平面で装置内部から照射された光が全反射して装置の筐体内に帰るため、外部からの光が侵入し検出素子30に達する可能性は、全反射光学系でない場合よりは少ない。しかし、SPR測定の場合には、屈折率感度が非常に高いために、わずかな光が侵入しても屈折率が変わったのと同じ影響がある。
一例として、図15の光学系において、マイクロ流路20の上方を遮光性の棒を往復させた場合の屈折率の測定結果を説明する。図15の光学系では、SPR用光検出部50の解像度に応じて、マイクロ流路20の中心軸200に沿った位置における複数の屈折率分布の時間変化を測定できる。図17は、流路の中心軸200に沿った方向において、測定された複数の屈折率の平均値を求め、時間の関数としてプロットしたものである。図17の矢印の位置は、遮光性の棒がマイクロ流路上を通過した時間に相当し、屈折率が大きく変動していることがわかる。このように、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置は、マイクロ流路を観測するための光源から光の強度パターンの変動の影響を受け、屈折率の測定誤差が生じるという問題がある。
本願発明の目的は、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置において、流路観測用の光源等に起因する測定誤差を抑制し、測定精度の高い屈折率測定装置を提供することにある。
本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜とを備えた検査素子と、前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記検査素子と前記SPR用光検出手段の間に設置され、少なくとも前記SPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を透過するバンドパスフィルタと、前記流路観測用光源と前記検査素子の間に設置され、少なくとも前記SPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を遮断するバンドリジェクリョンフィルタとを備える。
また、本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜とを備えた検査素子の前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記検査素子と前記SPR用光検出手段の間に設置され、少なくとも前記SPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を透過するバンドパスフィルタと、前記流路観測用光源と前記検査素子の間に設置され、少なくとも前記SPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を遮断するバンドリジェクリョンフィルタとを備える。
前記バンドパスフィルタと前記バンドリジェクリョンフィルタの中心波長は、前記SPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長と同一であり、前記バンドパスフィルタの帯域幅は、前記SPR光源が放射する光のスペクトルの帯域幅より狭く、前記バンドリジェクリョンフィルタの帯域幅は、前記SPR光源が放射する光のスペクトルの帯域幅より広く設定されていてもよい。
また、本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜とを備えた検査素子と、前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段、前記流路観測用光源および流路観測用光検出手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段と、前記流路観測用光源および流路観測用光検出手段とが排他的に動作するように制御する。
また、本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜を備えた検査素子の前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段、前記流路観測用光源および流路観測用光検出手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段と、前記流路観測用光源および流路観測用光検出手段とが排他的に動作するように制御する。
また、本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜と、前記マイクロ流路内に設置されたSPR測定用電極とを備えた検査素子と、前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記SPR測定用電極と前記金属薄膜の間に所定の周波数の信号で変調された変調電位を印加する変調電位発生手段と、前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段および前記変調電位発生手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段の動作と前記変調電位発生手段の動作を同期させるように制御し、前記SPR用光検出手段で検出した前記反射光の強度に基づき取得した屈折率の時間変動信号から前記所定の周波数の成分を抽出することにより前記測定対象溶液の屈折率の周波数分布を測定する。
また、本願発明における屈折率測定装置は、マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された金属薄膜と、前記マイクロ流路内に設置されたSPR測定用電極とを備えた検査素子の前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、前記SPR測定用電極と前記金属薄膜の間に所定の周波数の信号で変調された変調電位を印加する変調電位発生手段と、前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段および前記変調電位発生手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段の動作と前記変調電位発生手段の動作を同期させるように制御し、前記SPR用光検出手段で検出した前記反射光の強度に基づき取得した屈折率の時間変動信号から前記所定の周波数の成分を抽出することにより前記測定対象溶液の屈折率の周波数分布を測定する。
本願発明によれば、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置において、流路観測用の光源等に起因する測定誤差を抑制し、測定精度の高い屈折率測定装置を提供することが可能となる。
図1は、本願発明の第1の実施の形態に係る屈折率測定装置の構成図である。 図2は、本願発明の第1の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるSPR光源およびフィルタの波長特性の一例である。 図3は、本願発明の第2の実施の形態に係る屈折率測定装置の構成図である。 図4は、本願発明の第2の実施の形態に係る屈折率測定装置における光源および光検出部の動作タイミングの一例である。 図5は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置の構成図である。 図6は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるマイクロ流路の一構成例である。 図7は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるマイクロ流路の電極パターンの他の構成例である。 図8は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるSPR用光検出部の構成例である。 図9は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置における電極に印加する変調電位の一例である。 図10は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置における光源、光検出部および電位変調信号の動作の一例である。 図11は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置における屈折率の周波数成分の時間特性である。 図12は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置における測定された屈折率とインピーダンスの周波数特性である。 図13は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるフォトダイオードを用いた反射率測定を説明するための図である。 図14は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるフォトダイオードを用いた反射率の測定結果である。 図15は、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置の構成例である。 図16は、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置におけるマイクロ流路の構成例である。 図17は、SPR測定とマイクロ流路を組み合わせた屈折率測定装置における屈折率の時間特性の一例である。
以下、本願発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。以下の実施の形態により本願発明の内容が限定されるものではない。
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態に係る屈折率測定装置について説明する。
図1は、本願発明の第1の実施の形態に係る屈折率測定装置の構成図である。本図では、SPR光源40が放射する光の波長を含む波長帯の光を透過するバンドパスフィルタ(BPF)100が、マイクロ流路20を備えた検査素子10とSPR用光検出部50の間に設置され、SPR光源40が放射する光の波長を含む波長帯の光を遮断するバンドリジェクリョンフィルタ(BRF)90が、流路観測用光源70と検査素子10の間に設置されている。尚、本実施の形態では、図16と同様のマイクロ流路20を用いている。
図2は、本願発明の第1の実施の形態に係る屈折率測定装置1におけるSPR用光源40の光のスペクトルおよびBRF90、BPF100の波長特性の一例である。本図では、BPF100とBRF90の中心波長がSPR光源40の光源スペクトルと中心波長が同じで、その帯域幅は、BPF100が最も狭く、次にSPR光源40、さらに、BRF90の順となっている。このような構成で屈折率を測定したところ、マイクロ流路20の上方を遮光性の棒を通過させても、図17のような屈折率の変化は観測されなかった。
BPF100の帯域幅は、少なくともSPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を透過するように設定し、また、BRF90の帯域幅は、少なくともSPR光源が放射する光のスペクトルの中心波長を含む波長帯の光を遮断するように設定すればよいが、図2のように帯域幅を設定すればさらに効果的である。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る屈折率測定装置について説明する。
第2の実施の形態では、光源とその光検出部の動作時間を制御することにより、屈折率測定における外乱光の影響を排除する。図3は、本実施の形態に係る屈折率測定装置1の構成図である。尚、本実施の形態においても、図16と同様のマイクロ流路20を用いている。
図3では、SPR用光源40および流路観測用光源70の点灯タイミング、SPR用光検出部50、流路観測用光検出部80の露光タイミングを制御するため、タイミング制御部110で発生した同期信号を各光源および光検出部に供給し、この同期信号に同期して各光源および光検出部が動作するように構成した。図4は、屈折率測定装置における光源および光検出部の動作タイミングの一例である。図4のように、SPR用光源40およびSPR用光検出部50と、流路観測用光源70および流路観測用光検出部80とが排他的に動作するように制御することにより、外乱光による屈折率の変動を除去することができる。本実施の形態においても、図17のような屈折率の変化は観測されなかった。
<第3の実施の形態>
以下、第3の実施の形態に係る屈折率測定装置について説明する。
第1の実施の形態では、光源の波長すなわち周波数に基づき所望の信号と外乱光を切り分けた。本実施の形態では、SPR測定に用いる金薄膜に印加する電位の周波数により所望の信号と外乱光を切り分ける。
図5は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置の構成図である。本実施の形態における屈折率測定装置1では、マイクロ流路20内に電気化学的インピーダンス測定用の電極を備え、その電極に所定の変調周波数で変調された変調電位を印加する。この変調電位は、インピーダンス測定装置120内の周波数発生部121において発生させた所定の周波数の信号を用いて、電極用変調電位発生部122において発生させて電極に印加される。
ここで、タイミング制御部110において発生させた同期信号を、SPR用光源40、SPR用光検出部50およびインピーダンス測定装置120内の周波数発生部121に供給し、SPR用光源40の点灯動作、SPR用光検出部50の露光動作およびインピーダンス測定装置120内の周波数発生部121および電極用変調電位発生部122の動作を同期させる。
さらに、相関装置61において屈折率変換部60から取得した屈折率の時間変動信号から測定対象溶液の屈折率の周波数分布を測定し、変調周波数に同期する周波数成分を抽出することにより、所望の信号と外乱光を切り分ける。また、インピーダンス測定装置120では、屈折率の測定に同期して電極間に流れる電流を測定することができる。
尚、本実施の形態では、インピーダンス測定装置として、電気化学的インピーダンス測定が可能なポテンシオスタットを用い、電極間に流れる電流は、ADコンバーターで収録した。
図6は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置1におけるマイクロ流路20の一構成例である。本図では、マイクロ流路20内に電気化学的インピーダンス測定用のカウンタ電極23、参照電極24が挿入されており、動作電極としてはSPR測定用の金薄膜22を用いる。電極のパターンとしては、図6の構成に限らず、他のパターンを用いることができる。例えば、図7の様な電極パターンを用いることができる。図7のパターンでは、ガラス21の中央部に形成された円形電極22の上にマイクロ流路20を設置するので、独立した屈折率測定を2か所で行うことができる。尚、ガラス21の周辺部に形成された円形電極は、電圧の印加や電流の測定を行うための外部電極25である。
図8は、本願発明の第3の実施の形態に係る屈折率測定装置におけるSPR用光検出部40の構成例である。本図では、SPR用光検出部40として、二次元センサーであるCCD/CMOSセンサ141と点観測ができるフォトダイオード142(PD)がスライド機構140にマウントされている。
このスライド機構140は、スライドレール130にマウントされ、反射光を受光する位置にCDD/CMOSセンサ141、またはPD142を移動させることができる。さらにPD142はスライドレール130に垂直なレール(図示しない)に保持され、CCD/CMOSセンサ141の各ピクセル位置と同じ位置に移動させて受光することができる。これにより、測定範囲が限定されるPD142による測定において被測定部分の探査が容易になる。
本実施の形態では、まず、電位を変調する変調周波数を100Hz以下とし、参照電極24と金薄膜22の間に変調された電位を印加しながらCCDセンサ141を用いて屈折率を測定した。図9は、本実施の形態に係る屈折率測定装置における電極に印加する変調電位の一例である。予め定めた所定の時間間隔で所定の変調周波数の信号により電極に印加する電位を変調する。そして、図10に示すように、所定の周波数(f1〜f9)の電位変調信号を発生させ、この電位変調信号に同期するように、光源の点灯タイミングおよびCCDセンサの露光タイミングを調整しながら、屈折率の測定を行い、これと併せて電極間に流れる電流の測定を行った。
図11は、屈折率変換部60により取得された屈折率の時間変動信号をフーリエ変換し、直流成分を除いた最大振幅を持つ周波数成分の周波数を時間に対してプロットしたものである。尚、図11の測定例は、変調周波数を徐々に低下させながら屈折率を測定した場合の測定データである。
太枠で囲ってあるプロットは、その時印加している変調周波数と一致するプロットであり、一方、太枠外のプロットは、最大から2位以下の振幅をもつ周波数成分のプロットである。同じ周波数の測定時間内で多数決をとるなどの方法で、最大振幅をもつ周波数成分を選択することができる。
このように、電位変調信号により屈折率が変調され、その変調周波数に同期する成分が最大振幅の信号となって取り出されていることがわかる。すなわち、電極に所定の周波数の信号で変調された変調電位を印加し、同じ周波数で同期して反射光の測定を行えば、ノイズの大きな信号の中から、所望の信号を選別することができる。
尚、屈折率の測定に同期して電極間に流れる電流を測定した結果、図12に示すように、変調電位と同じ周波数の屈折率変化のフーリエ成分の強度の周波数応答は、電気化学的に測定されたインピーダンスの周波数応答と、ほぼ同じ特性となった。
ここで、SPR用光検出部50としてCCDセンサを用いて、CCDセンサからのデータで屈折率の時間変化を測定すると、CCDセンサのフレームレートでの測定が高速測定の限界になる。そのため、電位変調に用いる信号の周波数の上限は100Hz程度に制限される。
そこで、屈折率測定の時間分解能をあげてより高速な測定をするために、PDによる屈折率測定を行った。このためには、PD142を、図8のスライド機構140を用いて、図13に示すような屈折率のわずかな変化で反射率が大きく変化する入射角度に移動させる。図14は、PD142を用いて屈折率を測定した結果である。このように、図8のスライド機構140を用いて、PD142の位置を移動させることにより、反射率と入射角度の関係すなわちSPR曲線が測定できるので、PDを用いてより高速な屈折率測定が可能となることがわかる。
以上述べたように、本願発明によれば、観測用光源と検査素子の間に設置したバンドリジェクションフィルタとSPR用光検出部と検査素子の間に設置したバンドパスフィルタにより、測定誤差の原因となる外乱光を除去し、測定誤差の少ない屈折率測定装置を提供することができる。
また、光源とその光検出部の動作タイミングを制御することにより、屈折率測定における測定誤差の原因となる外乱光を除去することが可能となる。
また、SPR測定に用いる金薄膜に印加する電位を変調することにより所望の信号と外乱光を切り分けることが可能となる。さらに、変調周波数を変えることにより、屈折率の周波数依存性を大きなノイズ成分の中から測定することができる。
本願発明は、マイクロ流路内の溶液の流れを確認しながら、SPR測定を用いて高感度で屈折率を測定する装置に利用でき、生化学分野において微量な溶液の特性の測定に利用することができる。
1…屈折率測定装置、10…検査素子、20…マイクロ流路、21…ガラス(BK7)、22…金薄膜、23…カウンタ電極、24…参照電極、25…外部電極、30…プリズム、40…SPR用光源、41…入射光、50…SPR用光検出部、51…反射光、60…屈折率変換部、61…相関装置、70…流路観測用光源、80…流路観測用光検出部、90…バンドリジェクションフィルタ(BRF)、100…バンドパスフィルタ(BPF)、110…タイミング制御部、120…インピーダンス測定装置、121…周波数発生部、122…電極用変調電位発生部、123…電流・電位・位相測定部、130…スライドレール、140…スライド機構、141…CCD/CMOSセンサ、142…フォトダイオード(PD)、200…マイクロ流路中心軸。

Claims (2)

  1. マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された動作電極としての金属薄膜と、前記マイクロ流路内に設置されたカウンタ電極と参照電極とを備えた検査素子と、
    前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、
    前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、
    前記参照電極と前記金属薄膜の間に周波数が時間的に変化する信号で変調された変調電位を印加する変調電位発生手段と、
    前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段および前記変調電位発生手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、
    前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段の動作と前記変調電位発生手段の動作を同期させるように制御し、
    前記SPR用光検出手段で検出した前記反射光の強度に基づき取得した屈折率の時間変動信号から前記周波数が時間的に変化する信号の周波数の成分を抽出することにより前記測定対象溶液の屈折率の周波数分布を測定する屈折率測定装置。
  2. マイクロ流路と、前記マイクロ流路内の測定対象溶液に接する位置に形成された動作電極としての金属薄膜と、前記マイクロ流路内に設置されたカウンタ電極と参照電極とを備えた検査素子の前記金属薄膜への入射光を放射するSPR用光源と、
    前記金属薄膜からの反射光を検出するSPR用光検出手段と、
    前記マイクロ流路の状態を観測するための流路観測用光源および流路観測用光検出手段を備えた屈折率測定装置であって、
    前記参照電極と前記金属薄膜の間に周波数が時間的に変化する信号で変調された変調電位を印加する変調電位発生手段と、
    前記SPR用光源、前記SPR用光検出手段および前記変調電位発生手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を備え、
    前記タイミング制御手段は、前記SPR用光源および前記SPR用光検出手段の動作と前記変調電位発生手段の動作を同期させるように制御し、
    前記SPR用光検出手段で検出した前記反射光の強度に基づき取得した屈折率の時間変動信号から前記周波数が時間的に変化する信号の周波数の成分を抽出することにより前記測定対象溶液の屈折率の周波数分布を測定する屈折率測定装置。
JP2014183981A 2014-09-10 2014-09-10 屈折率測定装置 Active JP6346040B2 (ja)

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