JP6343620B2 - 流体ディスペンサー - Google Patents
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Description
このディスペンサーの操作と使用は比較的簡単である。ユーザーは、片手で貯蔵容器を持って、もう一方の手で抽出・塗布部材を移動させる、これにより、貯蔵容器に接続された浸漬チューブを介して計量チャンバー内に流体が吸引される。
なお、上記抽出・塗布スペースの容積は、固定されて一定であり、どのような変形も変化もしない。
流体アプリケーターが完全に貯蔵容器から移動されると、貯蔵容器から分離され、計量チャンバーが外部に開放される。流体アプリケーターに確保されていた抽出・塗布スペース内の流体が、ユーザーの皮膚などの塗布面に接触する。
あるいは、抽出・塗布スペースに収納された流体が、表面張力現象によりユーザーの皮膚に次第に移動するようにしてもよい。
当然、そのような抽出・塗布スペースからユーザーの塗布面への移動を可能にするためには、流体が、比較的低い粘性であることが必要となる。
従って、抽出・塗布スペースの容積が、固定されて一定である特許文献1に記載のディスペンサーは、クリームやジェルやポマードのような粘性の高い流体の塗布には適さない。
また、本発明の目的は、流体アプリケーターが移動される際に、完全に抽出・塗布スペースが満たされていることを保証すると共に、流体が塗布面に塗布されると、抽出・塗布スペースが完全に空になることを保証することである。
さらに本発明の別の目的は、従来技術に係る流体ディスペンサーの使用時の取り扱いを維持することである。
さらに本発明の別の目的は、金属のようなリサイクルしにくい材料の使用を避けることである。
抽出・塗布スペースの容積の変化によって、第1に、吸引手段としての利用が可能となり、第2に、流体を塗布面に塗布するに連れて、次第に空にすることが可能となる。これは、抽出スペースの内容積が固定的な上記の従来技術文献では、対応できない。
抽出・塗布スペースは、吸引チャンバーに連通するアプリケーター開口端と、閉塞端との間で形成され、アプリケーター開口端と閉塞端は、相対的に移動可能であることが有利である。
実際的には、前記抽出・塗布部材は、ユーザーの手によって把持される把手部材と、把手部材に固定された固定ステムと、容積が変化する抽出・塗布スペースを形成するため、固定ステムにスライド可能に取着されたスライド可能スリーブとを備える。
前記スライド可能スリーブは、抽出・塗布スペースのアプリケーター開口端を形成し、固定ステムは、抽出・塗布スペースの閉塞端を形成するとしてもよい。
スライド可能スリーブのアプリケーター開口端は、塗布面に接触するための環状の縁の形をしており、抽出・塗布スペースの閉塞端は、アプリケーター開口端の外周縁に対応する外周縁を有する固定ステムの自由端として与えられる。
これにより、スライド可能スリーブは、固定ステムと貯蔵容器の静止リップの双方に対する相対的な移動が可能となる。
固定ステムは抽出・塗布スペースを形成するために、スライド可能スリーブ内部のピストンの役目を果たし、スライド可能スリーブは、吸引手段と流体吸引チャンバーを形成するため、静止リップ内部を気密な状態でスライドすることによってピストンの役目を果たす。
これにより、注出・塗布スペースの容積が増加するように固定ステムが、スライド可能スリーブの内部を移動するにも拘わらず、抽出・塗布部材が、貯蔵容器から移動されるとき、スライド可能スリーブは静止リップに対して停止したままである。
固定ステムに対するスライド可能スリーブの移動は、バネ手段により駆動されてもよいし、変形例として、弾性駆動力を含まなくてもよい。
本発明の別の有利な態様において、スライド可能スリーブは、抽出・塗布スペースが最大容積になったとき、固定ステムに当接する。
別の有利な特徴によれば、前記スライド可能スリーブは、抽出・塗布スペースが最小容積を呈するときに、固定ステムおよび/または把手部材に当接する。
これにより、スライド可能スリーブは固定ステムから分離されることはなく、抽出・塗布部材が、確実に一体的なものとなる。
上記従来の特許文献1と同様、吸引チャンバーは、抽出・塗布部材が貯蔵容器から分離されたときに、外部に開放される。
本発明の趣旨は、流体を充填する段階のみならず、目的の塗布面に流体を塗布する段階でも、抽出・塗布スペースの容積変化させることにある。
それ故、抽出・塗布スペースは、浸漬チューブを介して貯蔵容器に接続された吸引チャンバーに含まれるポンプ室のように動作する。
抽出・塗布スペースの容積は、吸引チャンバーの残余部分の容積が増加する前、あるいは、吸引チャンバーの残余部分の容積が増加した後、または同時に、増加するようにしてもよい。
通常、流体ディスペンサーは、本発明に係るディスペンサー部材が装着される流体貯蔵容器を含んでいる。
貯蔵容器1は、本発明では、重要ではなく、それ故、異なる種々の特徴を有していてもよい。貯蔵容器1は、ガラスやプラスチックや金属などどのような材料で形成されていてもよく、また、さまざまな形状を有していてもよい。
本発明のディスペンサー部材は、流体を抽出できるように貯蔵容器1のネック部11に固定的に、望ましくは恒久的な方法で取着されている。
本発明に係るディスペンサー部材は、2つの別個の組立部品からなる、すなわち、貯蔵容器1に固定される第1の組立部品と、第1の組立部品から分離される抽出・塗布部材Pを形成する第2の組立部品とからなる。
リング2は、封止用ワッシャー3、ネックガスケット4、ブロック・カバー用フープ(blocking and covering hoop)5と協働する。
第2の組立部品は、ユーザーの手によって把持される把手部材6と、把手部材6に固定される固定ステム(stem)7と、固定ステム7と摺動して移動可能に係合している摺動可能スリーブ8とを備える抽出・塗布部材Pを形成する。
図示はされていないが、変形例として、浸漬チューブ24は連結チューブ23と一体的に形成されていてもよい。
カラー25は、その内側で封止用ワッシャー3を支持する。また、封止用ワッシャー3の底側の自由端には、後述する機能を有する封止用リップ31が形成されている。
カラー25は、径方向外側に伸びる円板を形成し、当該円板は、貯蔵容器1のネック部11に係合する固定用スカート26に接続される。
この特徴自体は、ディスペンサー部材を貯蔵容器のネック部に固定する典型的な構成である。
このような特徴も、固定用スカートをネック部の回りに固定するための典型的な例である。
封止用ワッシャー3は、単にカラー25内に嵌められるだけでもよいが、望ましくは、封止用ワッシャー3がカラー25内でモールド成型されるのがよい。
封止用ワッシャー3は、封止用リップ31にある程度の付勢力を付与するためエラストマー材料で形成されていることとしてもよい。
また、ネックガスケット4を省略することも可能である。
図示されていないが、それ自身でネック部11にリング2を固定するだけの強度を有する固定用スカート26を設ければ、ブロック・カバー用フープ5も省略可能である。
リング2が、貯蔵容器1のネック部11に取着されると、スライドシリンダー21はネック部11の内側に伸びる。そして、貯蔵容器1内の浸漬チューブ24が貯蔵容器1の底部(不図示)に近接する位置まで伸びる。
ネック部11は、固定用スカート26とブロック・カバー用フープ5に覆い隠されて外部からは見えない。
抽出・塗布部材Pは、第1の組立部品、特にリング2と封止用ワッシャー3と協働するためのものである。
把手部材6には、環状溝部65によって同軸上に囲まれた、止まり穴63が穿設されている。
把手部材6の底の端部には、リング2のカラー25と協働するための内側ねじ山62が形成されている。
固定ステム7は、把手部材6の止まり穴63に、固定的に、望ましくは恒久的に係合するアンカーピン(anchor pin)71を含む。
ガイド部73は、その底部において当接部74とピストン部75を形成している。
なお、環状肩部72は、アンカーピン71が完全に止まり穴63内に嵌合したときに、小管部64の自由端に当接する。
スライド可能スリーブ8は、固定ステム7の周囲、より正確には、ガイド部73の周囲に係合している。
スライド可能スリーブ8は、環状溝部65内部に係合する環状基部81を含む。
図1と図2において見て取れるように、環状基部81は、環状溝部65の底壁に当接するまでせり上がっている。
スライド可能スリーブ8は、内方肩部82より下方に、ガイド部83を形成している。ガイド部83は、固定ステム7のガイド部73との間にわずかに隙間を有しており、ガイド部73に対して摺動する。
スライド可能スリーブ8は、肩部84から、底で開口するアプリケーター端部86によって終了する気密なスライド部85を形成する。
図1と図2において見て取れるように、固定ステム7の底端部面76と、スライド可能スリーブ8のアプリケーター端部86は揃っている。
また、肩部84は、当接部74から一定の離れた位置にある。
本発明において、スライド可能スリーブ8は気密な状態で、固定ステム7に沿って、2つの当接位置の間で移動する。すなわち、図1、2に示される位置と、肩部84が当接部74に当接するときの位置との間で移動する。
それ故、力づくで、あるいは、弾性変形を利用して、スライド可能スリーブ8を固定ステム7に対して取り付ける必要はない。
図1を見れば分かるように、抽出・塗布部材Pは、リング2に装着されている。
把手部材6の内側のねじ山62は、リング2のねじ切りされたカラー25に完全にねじ留めされる。
したがって、吸引チャンバーCは、スライドシリンダー21と、スライド可能スリーブ8および固定ステム7との間に形成される。
吸引チャンバーCは、流入口22および浸漬チューブ24を介して貯蔵容器1と連通している。
図1、2に示される配置は、流体ディスペンサーの休止および貯蔵位置を示すものである。
以下、図4(a)〜(d)を参照して、抽出・塗布部材Pを移動する第1の動作サイクルを説明する。
より正確に言えば、固定ステム7がスライド可能スリーブ8内部で移動する間、スライド可能スリーブ8は、スライドシリンダー21に対して位置が変わらない。
このような相対的な並行移動に伴い、抽出・塗布スペースEが、スライド可能スリーブ8内部の固定ステム7の直下に生じる。
抽出・塗布スペースEは、スライド可能スリーブ8のアプリケーター開口端86で吸引チャンバーCに直接連通しているため、吸引チャンバーCに不可欠な一部分となる。
このとき、スライド可能スリーブ8は、まだ、スライドシリンダー21に対して停止したままである。
図4(b)において、抽出・塗布スペースEは、肩部84が当接部74に当接したときに、対応する最大容積に到る。
この様子が、図4(c)に示されている。
たとえ抽出・塗布スペースEの容積がそれ以上増加しなくても、吸引チャンバーCの容積は、スライド可能スリーブ8の移動の結果として増加することになる。
その後、吸引チャンバーCは、外部に開放される。
しかしながら、抽出・塗布スペースEには、毛管現象、粘性および表面張力の作用によって、流体が充満したままである。
スライド可能スリーブ8と封止用リップ31との協働によって、浸漬チューブ24を介して貯蔵容器1から流体を汲み上げることを可能にする吸引手段が構成される。
本発明に係る流体ディスペンサーでは、どのような種類の流体でも、収納させることができる。しかし、クリーム、ジェル、ポマードなどの粘性を有する流体に適用されるのが望ましい。
図1におけるように抽出・塗布スペースEの容積がゼロであっても、図4(a)〜図4(d)までに示したよう、抽出・塗布スペースEの容積が次第に増加し、最終的に最大容積に達する。
上記2つの端部は、抽出・塗布スペースEの容積を変化させるような状態で相対的に移動する。
換言すれば、抽出・塗布スペースEの容積は、吸引チャンバーCが最小容積であるときに呈する最小容積と、吸引チャンバーCが最大容積であるときに呈する最大容積との間で変化する。
この様子が図5に示されている。
皮膚に押し付けると、スライド可能スリーブ8が固定ステム7に対して移動し、抽出・塗布スペースEの容積が減少する。
流体の塗布は、図6に示されるように、固定ステム7の端部76が、再びスライド可能スリーブ8のアプリケーター開口端86に揃えられると終了する。
抽出・塗布部材Pは、図1に示す構成に戻すため、リング2内に戻される。
なお、抽出・塗布スペースEの容積は、スライド可能スリーブ8が封止用リップ31内をスライドする前に増加しているということに留意すべきである。
このような連続的な動作の順序は、第1番目にスライド可能スリーブ8と封止用リップ31間に存する摩擦力の大きさ、第2番目にスライド可能スリーブ8と固定ステム7間の摩擦力の大きさという順番にすることによりなされる。
しかしながら、この構成においては、抽出・塗布スペースEの容積が増加して、吸引により貯蔵容器1から流体が充填されるようにするため、スライド可能スリーブ8が封止用リップ31から分離する前に、封止用リップ31内におけるスライド可能スリーブ8のスライド動作を規制する手段を設ける必要がある。
また、留意すべきは、スライド可能スリーブ8は、弾性力による駆動(例えば、戻しばね)なしに、固定ステム7と封止用リップ31に対して移動されるということである。
その結果、本発明に係るディスペンサー装置は、いかなる金属を使用せずに作られ、皮膚にソフトでスムーズな接触を提供する。
そして、抽出・塗布スペースEの完全な充填と完全な放出が確保される。
Claims (7)
- 流体ディスペンサーであって、
流体を収容する貯蔵容器(1)と、抽出・塗布スペース(E)を含み、
容積が変化可能な流体吸引チャンバー(C)であって、前記抽出・塗布スペース(E)の容積が、流体吸引チャンバー(C)が最小容積を呈するときの最小容積と、流体吸引チャンバー(C)が最大容積を呈するときの最大容積との間で変化するような流体吸引チャンバー(C)と、
前記貯蔵容器(1)と前記流体吸引チャンバー(C)とを流入口(22)において接続する浸漬チューブ(24)と、
吸引の段階で、前記流入口(22)を介して流体を前記貯蔵容器(1)から前記流体吸引チャンバー(C)に吸引する吸引手段(31、8)と、
部分的に、前記流体吸引チャンバー(C)と前記吸引手段(31、8)とを形作り、かつ、前記抽出・塗布スペース(E)を形成する抽出・塗布部材(P)と、
を備え、
前記抽出・塗布部材(P)は、
ユーザーの手によって把持される把手部材(6)と、
前記把手部材(6)に固定された固定ステム(7)と、
容積が変化する前記抽出・塗布スペース(E)を形成するため、前記固定ステム(7)にスライド可能に取着されたスライド可能スリーブ(8)と、を備え、
前記抽出・塗布スペース(E)の容積は、当該抽出・塗布スペースが前記貯蔵容器(1)から離れるに連れて次第に増加すると共に、前記流体が目的の塗布面に塗布されるに連れて減少し、
前記固定ステム(7)に対する前記スライド可能スリーブ(8)のスライドには、いかなる弾性的駆動力も関与せず、
前記スライド可能スリーブ(8)は、前記吸引手段(31、8)における摩擦力よりも小さな摩擦力で、前記固定ステム(7)に対してスライドし、
前記抽出・塗布スペース(E)が最大容積を呈するときに、固定ステム(7)の当接部(74)が、前記スライド可能スリーブ(8)の肩部(84)に当接して、それ以上固定ステム(7)がスライド可能スリーブ(8)に対して移動できないようになっており、
さらに、前記抽出・塗布スペース(E)が最小容積を呈するときに、前記スライド可能スリーブ(8)の環状基部(81)の上端が、前記把手部材(6)に設けられた環状溝部(65)の底部に当接し、かつ、前記スライド可能スリーブ(8)の下方の開口端(86)が前記固定ステム(7)の底端部面(76)と揃っている
ことを特徴とする流体ディスペンサー。 - 前記抽出・塗布スペース(E)は、
前記流体吸引チャンバー(C)に連通するアプリケーター開口端(86)と、閉塞端(76)との間で形成され、前記アプリケーター開口端(86)と前記閉塞端(76)は、相対的に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサー。 - 前記スライド可能スリーブ(8)は、前記抽出・塗布スペース(E)のアプリケーター開口端(86)を形成し、前記固定ステム(7)は、前記抽出・塗布スペース(E)の閉塞端(76)を形成する
ことを特徴とする請求項2に記載の流体ディスペンサー。 - 前記スライド可能スリーブ(8)は、前記吸引手段を形成するため、前記貯蔵容器(1)に固定された封止用リップ(31)内をスライドする
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の流体ディスペンサー。 - 前記スライド可能スリーブ(8)は、前記固定ステム(7)が前記把手部材(6)に固定的に接続される前に、前記固定ステム(7)に外挿される
ことを特徴とする請求項1から4までに記載の流体ディスペンサー。 - 前記流体吸引チャンバー(C)は、前記抽出・塗布部材(P)が、前記貯蔵容器(1)から分離されたときに、外部に開放される
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の流体ディスペンサー。 - 前記流体吸引チャンバー(C)は、前記浸漬チューブ(24)が接続されたシリンダー(21)を備え、
前記シリンダー(21)には、前記吸引手段(31,8)を形成するために、前記抽出・塗布部材(P)と協働する気密な封止用リップ(31)が設けられている
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の流体ディスペンサー。
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