JP6343261B2 - ベルト・ラック型駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラック台に無端ベルトの歯辺部を噛合させて移動するベルト・ラック型駆動装置に係り、とりわけ、長ストロークの駆動と高精度の送りおよび位置決めが可能なベルト・ラック型駆動装置に関する。
無端ベルトとラックとを組合せた作動機構では、駆動プーリと従動プーリとに掛け渡された無端走行部材をガイドレールの固定凹凸部材に係合させて回転運動を直線運動に変換する直線駆動装置がある(例えば特許文献1、2参照)。
この直線駆動装置では、ストロークの長短に関係なく高精度の位置決めが可能となり、低騒音かつ低振動で、伝達抵抗が小さく、がたつきがなく、剛性の高い直線駆動装置の構造体を実現している。
この種の直線駆動装置は、無端走行部材を工作機械、精密装置、ロボットの走行、ストッカー搬送や洗浄ライン搬送などに組込むことにより、生産現場で有効に活用されるように改良されている。
直線駆動装置の適用対象としては、生産機械の送りや位置決め装置は勿論、様々な分野での物品の搬送や走行装置を挙げることができる。物流倉庫の仕分けラインなどの長距離移送装置としても有能である。
また、近年、大規模な生産工場では、液晶表示部などに用いられる極薄の硝子板を多数束ねて長距離を走行させている。この場合、上記直線駆動装置の耐久性を大幅に向上させ、ラックに対する無端走行部材の円滑な噛み合わせにより、一層迅速で騒音の少ない走行を確保する必要が生じている。
特開平7−208570号公報 特開平6−106487号公報
特許文献1では、固定凹凸部材にプーリと無端走行部材とを組合せて使用し、短距離および長距離の双方に適用でき、軽量でありながらも静粛、高速、無給油およびノンバックラッシを実現し、簡便なメンテナンスで済ますことができる。
しかしながら、直線駆動装置では、安価に製造することや簡素な構造で堅牢かつ耐久性に富む構造体を構築する観点からは改良の余地を残している。ラックに対する確実な噛み合いができないことや各種の調整ができず取り扱いが容易でない点でも改良の余地がある。
また、無端ベルトとラックとを組合せた作動機構では、長期使用に伴い、無端ベルトに緩みが生じるため、ベルト張力調整機構が設けられている。このベルト張力調整機構では、プーリをスライド可能に設けた板材にボルト示したものがある。ベルト張力調整時には、専用工具によりボルトを一旦緩め、ベルトを引張るべくプーリを移動させ、ベルトにテンションを加えた状態で、ボルトを締めて無端ベルトの張力調整を行っている。このため、無端ベルトの張力調整には、ボルトの緩め作業と無端ベルトを引張作業が必要となり、手間取りがちで作業性が低下する問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的はラック台にプーリと無端ベルトとを組合せて使用し、短距離および長距離の双方に適用でき、簡素な構造で堅牢でかつ耐久性に優れ、しかも、無端ベルトの張力調整を簡単な操作で迅速に行うことができて調整作業性が向上するベルト・ラック型駆動装置を提供することにある。
(請求項1について)
ベルト・ラック型駆動装置において、ラック台は、多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させている。支持板は、ラック台に設けられてラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられている。第1プーリおよび第2プーリは、支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられている。
例えば、ゴムなどの合成樹脂により形成された無端ベルトは、第1プーリから第2プーリに掛け渡されている。無端ベルトの外側には、ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させている。プーリ駆動部は、第1プーリおよび第2プーリを回転駆動させることにより、無端ベルトを周方向に沿って循環移動させ、歯辺部をラック歯に順に噛合させて支持板を運動体としてラック台に沿って移動させる。
テンションプーリは、支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて無端ベルトに張力を与える。張力調整部材は、支持板に設けられて、テンションプーリの位置を変更することにより、テンションプーリから無端ベルトに与える張力を調整する。
張力調整部材は、回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、支持板に形成され、回転軸を挿通させて雄ねじ部を外部に突出させた長穴と、回転軸を回転軸の直角方向で長穴の長手方向に沿って移動させ、無端ベルトに張力を付与するように付勢する付勢部材と、雄ねじ部を螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、支持板に回転軸と直交するように配置され、ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを有する。ウォーム歯車の歯筋には、ピニオン部の歯筋が回転軸の軸方向に沿って微摺動往復可能に噛み合うようにしている。
無端ベルトの張力調整時、ウォーム歯車の回転操作により、ピニオン部を介して締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことにより、付勢部材の付勢力で回転軸を長穴の長手方向に沿って移動させ、無端ベルトの緩みを除去して無端ベルトに張力を付与する。
ラック歯は、ラック台に対して85−90度の範囲内の角度を成す歯筋面部および底下方向に窪む歯底面部をそれぞれ有する。無端ベルトの歯辺部は、歯筋面部に係合して噛み合う歯筋平面部、ならびに歯底面部に係合して噛み合う歯先突面部を形成している。
請求項1では、ラック台にプーリと無端ベルトとを組み合わせて使用し、短距離および長距離の双方に適用することができる。
無端ベルトの歯辺部をラック歯に噛合させる構成のため、両者の同時噛み合い歯数が多くなり、無端ベルトからラック台への伝達力を向上させることができる。
また、無端ベルトをラック台に噛み合わせる簡素な構造のため、軽量で静粛、高速、無給油およびノンバックラッシを実現でき、メンテナンスが簡便で安価に製造できる長所に加えて、堅牢でかつ耐久性を向上させることができる。
無端ベルトの張力調整は、ウォーム歯車の回転操作により、ピニオン部を介して締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことで可能となるので、無端ベルトの張力調整を簡単な操作で迅速に行うことができて調整作業が向上する。
また、ラック歯は、ラック台に対して85−90度の範囲内の角度を成す歯筋面部を有するため、歯筋面部は無端ベルトの進行方向Wに対して直角に近い角度(85−90度の角度範囲内)を成す。
これにより、ラック歯の歯筋面部に対する歯筋平面部の圧力角が著しく小さくなり、ラック歯に対する無端ベルトの噛合時、歯筋面部に対する歯筋平面部の噛合い伝達力が強くなり、無端ベルトの歯辺部がラック歯から浮き上がることがなくなる。このため、無端ベルトをラック側に保持する別体の押え部材が要らなくなる。
また、ラック歯には、歯先突面部が導入部として歯底面部に係合するので、無端ベルトの噛合時、ラック歯に対する歯辺部の円滑な噛み合いを行うことができる。
(請求項2について)
請求項2が請求項1と異なるところは、無端ベルトの歯辺部が、歯形プロフィールとして歯筋平面部および歯先突面部を形成し、ラック歯は、ラック台に対する歯筋平面部の傾斜角と異なる傾斜角の歯筋面部を有することである。これにより、ラック歯に対する歯辺部の噛合時、歯先突面部は歯底面部に係合して噛み合うが、歯筋平面部と歯筋面部との間に歯筋間隙を形成する。
この状態で、無端ベルトに引張方向の駆動力が働くと、ラック歯の歯底面部で引張り側の角部が支点となって無端ベルトの歯筋平面部が引張り側に引っ張られる。引張力は、歯辺部に支点周りの回転力となって働き、無端ベルトをラック歯に張り付かせる。このため、無端ベルトに対する押え部材を設けなくても、無端ベルトをラック歯から浮き上がることがなくなり、無端ベルトとラック歯との間で効率的な動力伝達が可能となる。
(請求項3について)
請求項3が請求項1と異なるところは、無端ベルトの両側端部にフランジ帯を設けたことである。フランジ帯は、無端ベルトの全周に沿って形成されてラック台を挟むように配置されている。このフランジ帯により、無端ベルトを正規の位置に保持することができ、走行時などに無端ベルトがラック台から不用意に外れてしまうことがない。
(請求項4について)
請求項4が請求項3と異なるところは、無端ベルトの両側端部に存するフランジ帯を省いたことである。
(請求項5について)
請求項5における張力調整部材では、支持板は主板と折曲板とからアングル状に形成されており、回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、主板に形成され、回転軸を挿通させた長穴と、回転軸に直交するように連結状態に設けられ、折曲板に形成された貫通穴に摺動可能に挿通する調整螺子棒と、軸受を介して折曲板に回転可能に設けられ、貫通穴を介して外部に突出する調整螺子棒の部分に螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、折曲板に調整螺子棒と直交するように配置され、ピニオン部に噛合するウォーム歯車を備える。
無端ベルトの張力調整時、ウォーム歯車の回転操作により、ピニオン部を介して締付ナットを締め付けることにより、回転軸を回転軸の直角方向で長穴の長手方向に沿って案内移動させるとともに、調整螺子棒を螺子穴に対して螺進させ、無端ベルトの緩みを除去して無端ベルトに張力を付与する。
請求項5では、無端ベルトの張力調整時、無端ベルトの張力付与する増し締め方向にウォーム歯車を回転するだけの操作で済み、無端ベルトの張力調整を簡単な操作で素早く行うことができて調整作業が向上する。
(請求項6について)
押え部材は、無端ベルトのうち歯辺部がラック歯に噛合する噛合領域の内側に摺接可能に配置されている。押え部材により、無端ベルトの移動時に無端ベルトがラック歯から飛び跳ねるのを阻止する。
(請求項7について)
押え調整部材は、噛合領域に対する押え部材の位置を変更することにより噛合領域に対する押え部材の摺接度合いを調整する。
(請求項8について)
押え部材は、無端ベルトのうち歯辺部がラック歯に噛合する噛合領域の内側に摺接可能に配置されており、無端ベルトの移動時に無端ベルトがラック歯から飛び跳ねるのを阻止する。第1プーリおよび第2プーリの回転時に、無端ベルトのうち歯辺部がラック歯に噛合し始める側では、押え部材の先端部が第1プーリあるいは第2プーリに対して干渉しない2mm−5mmの近接範囲まで延出されており、歯辺部をラック歯に押え付けて強制的に噛合させる。
請求項8の場合、押え部材の先端部は、第1プーリの回転駆動時に無端ベルトのうち歯辺部がラック歯に噛合し始める位置まで延出されている。これにより、押え部材の先端部が逸早く歯辺部を押え付けてラック歯に噛合させることができ、とりわけ駆動開始時にラック歯に対する無端ベルトの円滑な移動を確保することができる。
(請求項9について)
押え部材のラック台の長手方向に沿う両側には、ラック台の両側に垂下されて無端ベルトを囲繞する垂下辺部が一体に形成されており、無端ベルトをラック台から外さないように規制する。
請求項9の場合、垂下辺部により無端ベルトをラック台から外さないように規制しているので、第1プーリおよび第2プーリの外周部に外れ止め用の環状フランジを設ける必要がなくなる。このため、第1プーリおよび第2プーリが安価となり、ベルト・ラック型駆動装置のコスト削減に寄与することができる。
(請求項10について)
ラック台に設けられたスライダーガイドには、スライダーが長手方向に摺動可能に取り付けられ、スライダーに支持板が固定されている。
当接調整部材は、支持板に形成された上下長穴と、上下長穴を挿通する上下螺子から成る。上下長穴に対する支持板の上下位置を変更して上下螺子を上下長穴からスライダーに締め直すことにより、ラック歯に対する第1プーリおよび第2プーリの当接度合いを調整可能にしている。
請求項10の場合、当接調整部材は、上下長穴や上下螺子から成る簡素な構造でよく、省スペース化が図られるとともに、製造コスト的にも有利である。
(請求項11について)
ラック台は、単一のラック台を複数個継ぎ合せて形成されているため、隣接する単一のラック台2の間に1−2歯分程度の隙間を設定しても走行に支障が生じない。これにより、単一のラック台の少ない継ぎ足しで大きな距離を設定できる便宜がある。
(請求項12について)
ラック歯には、取付穴が形成され、取付穴に固定部材を挿入して台座に取り付けている。無端ベルトとラック台とは、複数の歯辺部と複数のラック歯との噛み合い構造のため、1−2歯分程度が欠損していても、無端ベルトの走行に影響がなく、ラック台の設置やメンテナンスが容易なラック上面からの取付けが可能となる。
ベルト・ラック型駆動装置を示す正面図である(実施例1)。 ベルト・ラック型駆動装置を示す平面図である(実施例1)。 (a)は張力調整部材を示す斜視図である(実施例1)、(b)は張力調整部材を示す斜視図である(実施例1の変形例)。 (a)は図1のA−A線に沿う縦断面図、 図1のB−B線に沿う縦断面図である(実施例1)。 (a)、(b)はラック歯と歯辺部との噛み合いを示す縦断面図、(c)、(d)は押え部材を適用した無端ベルトを示す縦断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は第1プーリおよび第2プーリに対する無端ベルトの着脱の態様を示す概略図である(実施例1)。 (a)−(c)は複数のラック台を継ぎ足す場合を示す概略図である(実施例1)。 (a)−(c)はラック歯の製造方向を示す概略図である(実施例1)。 ベルト・ラック型駆動装置を示す縦断面図である(実施例2)。 (a)はラック歯に施した摩擦摺接面を示す概略図、(b)は引張り試験の実験道具を示す模式図、(c)はラック歯と歯辺部との噛み合いを示す概略図(実施例3)、(d)はラック歯に施した筋部を示す概略図である(実施例4)。 (a)はラック歯に施した曲面部を示す概略図、(b)、(c)はラック歯と歯辺部との噛み合いを示す概略図である(実施例5)。 (a)、(b)は立体ホルダーにラック台を移動可能に貫通させた構造を示す概略図である(実施例6)。 ラック台を径大な構造体に適用した態様を示す概略図である(実施例7)。 はラック台をMRI装置の磁石架台のように径大な構造体に適用した態様を示す概略図である(実施例7)。 押え部材に代わって回転ローラを無端ベルトの噛合領域に設置した態様を示す正面図である(実施例8)。 テンションプーリをばね部材により付勢する態様を示す正面図である(実施例9)。 (a)、(b)は無端ベルトとラック歯との噛合状態を示す縦断面図である(実施例10およびその変形例)。 (a)はラック歯の歯形プロフィールを示す縦断面図、(b)は無端ベルトとラック歯との噛合状態を示す縦断面図、(c)は歯辺部における歯筋平面部の作動を示す縦断面図である(実施例11)。 (a)は無端ベルトを示す斜視図、(b)は(a)のE−E線に沿う横断面図である(実施例12)。 (a)は無端ベルトを示す縦断面図、(b)は無端ベルトとラック歯との噛合状態を示す縦断面図である(実施例13)。 無端ベルトとラック歯との噛合状態を示す縦断面図である(実施例14)。
本発明に係るベルト・ラック型駆動装置では、ラック台にプーリと無端ベルトとを組み合わせて使用し、短距離および長距離の双方に適用でき、簡素な構造で堅牢かつ耐久性に優れ、また、無端ベルトの張力調整を簡単な操作で素早く行うことができて良好な調整作業性が得られる構成を特徴とする。
〔実施例1の構成〕
図1ないし図9に基づいて本発明の実施例1を説明する。以後の説明では、特に断らない限り、各部材の位置および方向の特定は、各実施例を通して対応する図面の左右および上下方向に従う。
本発明に係るベルト・ラック型駆動装置1では、図1および図2に示すように、設置面Gに据え付けられたラック台2に運動体3、4が左右に配置されている。ラック台2は、上面に多数のラック歯2aを所定のピッチ間隔Pで並列させている。ラック歯2aは、後述する無端ベルト16の歯辺部16aが噛合するもので、歯先部には面取りが施されている。
右側の運動体4は、5輪体に構成したもので、ラック台2に長手方向Tに沿ってスライダーガイド5が設けられており、スライダーガイド5には、スライダー6が長手方向Tに沿って摺動可能に取り付けられている。
スライダー6には、例えば矩形に形成された支持板7が螺子8、9により縦形に固定されている。これにより、支持板7がスライダー6を介してスライダーガイド5に取り付けられている。
支持板7には、第1プーリ10および第2プーリ11が左右下方で所定間隔Eだけ離間した状態で、それぞれ支軸10a、11aにより回転可能に取り付けられている。支持板7の左右上方には、補助プーリ12およびテンションプーリ13が回転可能に取り付けられている。
テンションプーリ13の回転軸13aは、その回転軸13aの先端部に形成した雄ねじ部13bと、支持板7に回転軸13aを挿通させ、後述する無端ベルト16の引張方向に延出する長穴7aとから成る張力調整部材14を構成する。
張力調整部材14では、長穴7aに対する回転軸13aの位置を変更して締付ナット15を雄ねじ部13bに締め付け直すことにより、無端ベルト16に張力を付与する(図3(a)参照)。
すなわち、張力調整部材14においては、回転軸13aの先端部に形成した雄ねじ部13bが設けられている。長穴7aは支持板7に形成され、回転軸13aを挿通させて雄ねじ部13bを支持板7の外部に突出させている。
付勢部材としての圧縮コイルスプリング13mは、回転軸13aを回転軸13aの直角方向Vで長穴7aの長手方向Nに沿って移動させる方向に付勢して無端ベルト16に張力を付与する。長穴7aの長手方向Nは、無端ベルト16の引張方向にも沿う向きに設定されている。
締付ナット13nは雄ねじ部13bに螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部13tを形成している。ウォーム歯車13sは、支持板7の固定板部13r、13vの間で回転軸13aと直交状態で回転可能に配置されてピニオン部13tに噛合している。
ウォーム歯車13sの回転時の歯筋には、ピニオン部13tの歯筋が回転軸13aの軸方向Jmに沿って微摺動往復可能に噛み合うようになっている。この微摺動変位量は、無端ベルト16の張力調整時に、少なくともピニオン部13tの回動に伴う、支持板7に対する締付ナット13nの離接変位量に相当するだけあればよい。
無端ベルト16の張力調整時には、操作盤13uでウォーム歯車13sの回転操作を矢印Kで示すように行うことにより、ピニオン部13tを介して締付ナット13nを長穴7aの外周縁部に対して一時的に緩めて締付け直す。
これにより、圧縮コイルスプリング13mの付勢力で回転軸13aを長穴7aの長手方向Nに沿って移動させ、無端ベルト16の緩み(ex.1.0mm〜3.0mm)を除去して無端ベルト16に適正な張力を付与する。
この際、支持板7に対する締付ナット13nの締め付けに伴い、締付ナット13nと鍔体7eとで支持板7を挟持してテンションプーリ13を保持する。鍔体7eは、回転軸13aに外嵌されたストッパとして機能し、締付ナット13nの締付けにより支持板7に圧接する。
張力調整部材14の変形例として、図3(b)に示すように、支持板7を主板7Aと折曲辺7Bとからアングル状に形成してもよい。アングル状の支持板7では、回転軸13aの先端部には、雄ねじ部13bが形成され、長穴7aは主板7Aに形成され、回転軸13aを長穴7aの長手方向Nに沿って移動可能に挿通させている。
調整螺子棒14mは、回転軸13aに直交する交差方向Dで鍔部7eに連結する状態に設けられている。調整螺子棒14mの先端部分は、折曲板7Bに形成された貫通穴(図示せず)に進退摺動可能に挿通されている。
締付ナット14pは、折曲板7Bの貫通穴と連通状態に配置され、スラスト軸受などの転動部材(図示せず)を介して折曲板7Bに回転自在に取り付けられている(図3(b)の矢印Km参照)。締付ナット14pは、折曲板7Bの貫通穴から外部に突出する調整螺子棒14mの部分14jを螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部14qを形成している。
ウォーム歯車14nは、折曲板7eの固定壁14s、14tの間で調整螺子棒14mと直交するように配置され、締付ナット14pのピニオン部14qに噛合している。
無端ベルト16の張力調整時には、操作盤14uでウォーム歯車14nの回転操作を行うことにより、ピニオン部14qを介して締付ナット14pを調整螺子棒14mの回りに回転させる。これに伴い、回転軸13aを回転軸13aの直角方向で長穴7aの長手方向Nに沿って案内移動させるとともに、調整螺子棒14mを軸方向Jnに沿って外方に移動させ、無端ベルト16の緩み(ex.1.0mm〜3.0mm)を除去して無端ベルト16に適正な張力を付与する。
このように、無端ベルト16の張力調整は、ウォーム歯車14nの回転操作により、ピニオン部14qを介して締付ナット14pを締付けることで可能となるので、張力調整を簡単な操作で迅速に行うことができる。すなわち、無端ベルト16の張力調整時、無端ベルト16の張力付与する増し締め方向にウォーム歯車14nを回転するだけの操作で済み、無端ベルト16の張力調整を簡単な操作で素早く行うことができて調整作業が向上する。
この場合の締付ナット13nは、図3(a)のピニオン部13tを省かれており、回転軸13aの雄ねじ部13bに螺合している。無端ベルト16の張力調整時、操作盤14uの回動操作に伴い、締付ナット13nは、長穴7aの外周縁部に対して一時的に緩めて締め付け直されるようになっている。
なお、無端ベルト16を掛けるテンションプーリ13の表面については、図3(b)に示すように、歯13wを形成したものでも、歯形の無い円滑面となっていてもよい。
付勢部材としては、図3(a)の圧縮コイルスプリング13mの代わりに、引張コイルスプリングなどのバネ部材を用いてもよく、要は、回転軸13aを長穴7aの長手方向Nに沿って移動させるように付勢するものであればよい。
また、ウォーム歯車14nはピニオン部14qに対してセルフロック機能を有するので、締付ナット13nは補助的な固定部材となり、不要な場合には省いてもよい。
図3(a)、(b)では、第2プーリ11、ウォーム歯車13s、14n、ピニオン部13b、14qおよび操作盤13v、14uは、明確化などのため、寸法を誇張して示している。
当接調整部材7Aは、図4に示すように、支持板7をスライダー6に対して上下動可能に設けることにより、ラック歯2aに対する第1プーリ10および第2プーリ11の当接度合いを調整する。すなわち、当接調整部材7Aは、支持板7に形成された上下長穴7eと、上下長穴7eを挿通する上下螺子7gから成る。
上下長穴7eに対する支持板7の上下位置を変更して上下螺子7gを上下長穴7eからスライダー6に締め直すことにより、ラック歯2aに対する第1プーリ10および第2プーリ11の当接度合いを調整可能にしている。当接調整部材7Aについては、図5に示す運動体3についても同様である。
支持板7で第1プーリ10と第2プーリ11との中間部位には、駆動プーリ17を有する駆動軸17aが配されている。駆動軸17aは、スリーブ18を介して支持板7を貫通する状態に取り付けられている。駆動軸17aの先端に駆動プーリ17を嵌着している。スリーブ18は、補助板19を貫通しており、支持板7から補助板19に螺子20を締め付けることで駆動軸17が支持板7に固定されている。
駆動軸17aは、プーリ駆動部として機能する駆動モータ21の回転軸21aに連結されている。
無端ベルト16は、例えばゴムなどの合成樹脂製であり、第1プーリ10から第2プーリ11に掛け渡され、駆動プーリ17に沿ってテンションプーリ13および補助プーリ12に掛けられている。無端ベルト16の外側には、ラック台2のラック歯2aに噛合する多数の歯辺部16aを周方向に沿って並列させている。歯辺部16aは、無端ベルト16の移動方向と直交する方向に間欠配置されている。なお、無端ベルト16はゴム製に限らず、種々の合成樹脂によるものでもよい。
駆動モータ21は、駆動プーリ17を回転駆動することにより、第1プーリ10、第2プーリ11、テンションプーリ13および補助プーリ12から成る回転機構21Aを回転駆動する。これにより、無端ベルト16を周方向に沿って循環移動させ、歯辺部16aをラック歯2aに順に噛合させて支持板7を運動体4としてラック台2に沿って移動させる。
押え板22は押え部材として、無端ベルト16のうち歯辺部16aがラック歯2aに噛合する噛合領域Hの内側に摺接可能に配置され、無端ベルト16の移動時に無端ベルト16がラック歯2aから外れて飛び跳ねるのを阻止する。押え板22は、無端ベルト16に摺接するため、低摩擦で高耐摩耗性を有する素材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))により形成されている。押え板22は、その長さ寸法が噛合領域Hの長さ寸法に等しくなるまで延出されている。なお、無端ベルト16の押え板22と摺接する内側には、PTFEの薄膜をコーティングしたり、貼り付けてもよい。
押え調整部材23は、噛合領域Hに対する押え板22の位置を変更することにより噛合領域Hに対する押え板22の摺接度合いを調整する。このため、押え調整部材23は、4に示すように、支持板7に形成した縦長穴23aと縦長穴23aを挿通する調整螺子24を備えている。押え板22の後端面には、調整螺子24に対応する雌ねじ部22cを形成している。
縦長穴7に対する調整螺子24の上下位置を変更して調整螺子24を締め直すことにより、噛合領域Hに対する押え板22の距離を長短変化させて摺接度合いを調整する。
上記構成では、回転機構21Aの回転駆動時に、無端ベルト16のうち歯辺部16aがラック歯2aに噛合し始める側では、押え板22の先端部22aが歯辺部16aを逸早く押え付けてラック歯2aに強制的に噛合させるように設定している。すなわち、押え板22の先端部22aは、第1プーリ10に対して干渉しない2mm−5mmの近接範囲H1まで延出されている(最接近位置)。
この場合、運動体3、4の左方向への走行を考慮して、押え板22の左側の先端部22aを示したが、運動体3、4の右方向への走行を考慮して、押え板22の右側の先端部22bも左側の先端部22aと同様に第2プーリ12に干渉しない2mm−5mmの近接範囲H2まで延出している。
左側の運動体3では、右側の運動体4に対して三輪体に構成したもので、テンションプーリ13および補助プーリ12を省略した回転機構21Bを構成し、駆動プーリ17にテンションプーリの役割を兼用させている。すなわち、駆動軸17aは、図5に示すように、スリーブ18を補助板20に貫通させ、支持板7に形成された縦長穴9a内に配置されている。支持板7には、小縦長穴9bが形成され、補助板20には雌ねじ部9cが形成されている。
駆動軸17aを縦長穴9a内で上下に変位させて、螺子9dを小縦長穴9bから雌ねじ部9cに締結し直すことにより、無端ベルト16に対する張力を調整する張力調整部材14Aを構成している。
〔実施例1の効果〕
実施例1では、ラック台2に回転機構21A、21Bと無端ベルト16とを組み合わせて使用し、運動体3、4で示すように、短距離および長距離の双方に適用することができる。
無端ベルト16の歯辺部16aをラック歯2aに噛合させる構成のため、両者の同時噛み合い歯数が多くなり、無端ベルト16からラック台2への伝達力を向上させることができる。
無端ベルト16をラック台2のラック歯2aに噛み合わせる簡素な構造のため、軽量で静粛、高速、無給油およびノンバックラッシを実現でき、メンテナンスが簡便で安価に製造できる長所に加えて、堅牢でかつ耐久性を向上させることができる。
無端ベルト16がゴム製のため、熱による伸縮が大きいことや耐用寿命が金属製の歯車(図示せず)などに比べて短いことが挙げられる。しかしながら、無端ベルト16は、近年OHCDエンジン(図示せず)のカムシャフト駆動や二輪車の後輪駆動など過酷な環境下にも採用されており、耐用寿命に対する懸念は払拭されつつある。
また、張力調整部材14は、雄ねじ部13bと支持板7に回転軸13aを挿通させた長穴7aおよび締付ナット15から成る簡素な構造となり、コストの低減化に寄与することができる。
押え板22の先端部22aは、無端ベルト16のうち歯辺部16aがラック歯2aに噛合し始める位置まで延出されている。
これにより、押え板22の先端部22aが逸早く歯辺部16aを押え付けてラック歯2aに噛合させることができ、とりわけ駆動開始時にラック歯2aに対する無端ベルト16の円滑な移動を確保することができる。
無端ベルト16とラック歯2aとの噛合は、図6(a)に示すように、圧力角θが小さく伝達効率が良いが、運動体3、4が高速走行したり、高負荷を受けた場合、無端ベルト16の歯辺部16aがラック歯2aから浮き上がる可能性がある(図6(b)参照)。これを防ぐため、無端ベルト16の噛合領域Hに対して押え板22を軽接触状態に設けたものである(図6(c)参照)。無端ベルト16の外側と内側の双方に歯辺部16aを設けた両歯付きベルトでも、押え板22は無端ベルト16の場合と同様に機能する(図6(d)参照)。
また、当接調整部材7Aは、上下長穴7eや上下螺子7gから成る簡素な構造でよく、省スペース化が図られるとともに、製造コスト的にも有利である。
支持板7が第1プーリ10および第2プーリ11を挟むように両側に設けられた両持支持構造(図7(a)参照)では、無端ベルト16の交換時に、第1プーリ10および第2プーリ11対する無端ベルト16の抜き出しや装着が面倒である。
これに対して、単一の支持板7に第1プーリ10および第2プーリ11を取り付けた片持支持構造(図7(b)参照)では、無端ベルト16の交換時、第1プーリ10および第2プーリ11に対する無端ベルト16の抜き出しや装着が容易になるとともに、無端ベルト16への張力調整が容易となる。
台座2Fに対するラック台2の取付けについては、ラック歯2aに取付穴2fを直接形成し、取付穴2fに締付けボルト2eを固定部材として挿入して台座2Fに締め付けることができる(図8(a)、(b)参照)。
無端ベルト16とラック台2とは、複数の歯辺部16aと複数のラック歯2aとの噛み合い(複数歯噛み合い)構造のため、1−2歯分程度が欠損していても、無端ベルト16の走行に影響がなく、ラック台2の設置やメンテナンスが容易なラック上面からのボルト取付けが可能となる。
ラック台2については、単一のラック台2wを複数個継ぎ合わせて使用するが、隣接する単一のラック台2wの間に1−2歯分程度の隙間を設定しても走行に支障が生じない(図8(c)参照)。このため、単一のラック台2wの少ない継ぎ足しで大きな距離を設定できる便宜がある。
ラック台2の製造にあたっては、金属のなかでも、例えばアルミニウム材2sを転造工具2kと送りローラ2nとで挟む転造によりラック歯2aを形成することができる(図9(a)参照)。
また、板金のプレス成形により形成したラック歯2aをベース板2jに対して矢印J方向に押さえてスポット溶接等で取り付けてラック台2を形成することもできる(図9(b)、(c)参照)。
〔実施例2の構成〕
図10は本発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、押え板22のラック台2の長手方向に沿う両側には、ラック台2の両側に垂下されて無端ベルト16を囲繞する垂下辺部22e、22fを一体に形成したことである。
押え板22に垂下辺部22e、22fを形成したのは、垂下辺部22e、22fにより無端ベルト16をラック台2から外さないように規制するためである。
第1プーリ10、第2プーリ11、テンションプーリ13および補助プーリ12の各外周部には、無端ベルト16の外れ止めを成す環状フランジを設けているのが一般的である(図4の符号17S参照)。
実施例2では、垂下辺部22e、22fを設けたので、回転機構21Aを構成する各種のプーリから無端ベルト16が外れるのを阻止する。このため、各種のプーリに環状フランジ17Sを設ける必要がなくなり、各種のプーリが安価となり、ベルト・ラック型駆動装置1のコスト削減に寄与することができる。
また、無端ベルト16の交換などで無端ベルト16を各種のプーリから取り外す時、調整螺子24を緩めて押え板22を無端ベルト16から上部に引き離しておくことができる。
この状態で、無端ベルト16をそのまま外方に引き出すことで、無端ベルト16を各種のプーリから容易に取り外すことができる。このため、環状フランジ17Sを有する各種のプーリと異なり、無端ベルト16を無理に引き延ばして環状フランジ17Sを乗り越えさせる面倒な力操作が不要になる。
〔実施例3の構成〕
図11(a)は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、ラック歯2aの歯面には、例えば、ショットブラスト(サンドブラスト含む)等により表面粗さを付与して、摩擦摺接面としての梨地加工部30を施したことである。
表面粗さ加工のうち梨地加工部30は、歯辺部16aがラック歯2aから離脱する際、その離脱に抵抗する摩擦力を生じさせる(離脱への抵抗摩擦力)。
このため、無端ベルト16に大きな推力が加わった場合、図11(c)に示すように、歯辺部16aのラック歯2aからの飛び跳ねを抑制し、無端ベルト16に対する押え板22の摩擦力を軽減し、無端ベルト16からラック台2への推進伝達力の効率向上に資する。
梨地加工部30は、ラック歯2aの歯側面だけでもよく、頂部である歯先面には施さなくてもよい。
ちなみに、図11(b)は引張り試験で用いた実験道具であり、無端ベルト16に所定重量の錘Wgを垂直に加え、この状態で無端ベルト16に長手方向Tの引張力を与えてプルゲージPgで目盛りを測定した。
この結果、ラック歯2aに対する歯辺部16aの摩擦力は、離脱への抵抗摩擦力として11kgであり、従来の8kgに比べて大幅に向上することが分かった。
〔実施例4の構成〕
図11(d)は本発明の実施例4を示す。実施例4が実施例1と異なるところは、ラック歯2aの歯面には、表面粗さ付与としての表面加工31により、複数の筋部31aを形成し、歯辺部16aがラック歯2aから離脱する際、筋部31aが離脱に対して抵抗する引止め力を生じさせる。
このため、実施例3と同様に、歯辺部16aのラック歯2aからの飛び跳ねを抑制し、無端ベルト16からラック台2への推進伝達力の効率向上に寄与する。筋部31aとしては、横筋、縦筋あるいはメッシュ部のように凸条部や凹条部の形成により生じるものであってもよい。
〔実施例5の構成〕
図12は本発明の実施例5を示す。実施例5が実施例1と異なるところは、ラック歯2aで歯面には、外方に凸となる曲面部33として設けたことである(図12(a)参照)。歯辺部16aがラック歯2aから離脱する際、曲面部33が歯辺部16aに食い込むことにより、その離脱に対して抵抗する引止め力を生じさせる(図12(b)参照)。
このため、実施例3と同様に、歯辺部16aのラック歯2aからの飛び跳ねを抑制し、無端ベルト16からラック台2への推進伝達力Fの効率向上に役立つ(図12(c)参照)。
なお、曲面部33としては、円形曲面、放物曲面、楕円曲面あるいは双曲面などの円錐曲面を設定してもよい。
〔実施例6の構成〕
図13は本発明の実施例6を示す。実施例6が実施例1と異なるところは、回転機構21Aを立体ホルダー25Fに設置し、ラック台2(断面矩形、断面円形)をホルダー21Bに対して移動可能に貫通させたことである(図13(a)、(b)参照)。
この場合、ラック台2が直線ガイドの役割を兼ねるので、スライダーガイド5およびスライダー6が不要になって全体の構造が簡素となる。
〔実施例7の構成〕
図14および図15は本発明の実施例7を示す。実施例7が実施例1と異なるところは、ラック台2を環状に形成したことである(図14参照)。ラック台2が径大のため、円弧状のラック辺2tを当接部で連結して大円環体として構成している。
ラック台2を環状構造体とした場合、MRI装置の磁石架台2mのように径大な構造体を回転駆動させるのに適している(図15参照)。
〔実施例8の構成〕
図16は本発明の実施例8を示す。実施例8が実施例1と異なるところは、押え板22に代わって回転ローラ35a、35b、35cを用いたことである。
回転ローラ35a、35b、35cは、各支軸を支持板7に片持ち状態に取り付けており、回転ローラ35a、35b、35cの各軸方向は、無端ベルト16の噛合領域Hに長手方向Tとは直角方向に指向している。回転ローラ35a、35b、35cは、互いに近接状態に並列して噛合領域Hに軽く接触している。
実施例8では、回転ローラ35a、35b、35cを押え部材として用いても、押え板22によるものと同様な効果が得られる。
〔実施例9の構成〕
図17は本発明の実施例9を示す。実施例9が実施例1と異なるところは、張力調整部材14Aにおいて、駆動プーリ17にテンションプーリの役割を兼用させた右側の運動体4において、圧縮コイルスプリング40をばね部材として設けたことである。
この場合、テンションプーリは支持板7に対して上下移動可能に設けられており、無端ベルト16に対して離接方向に変位可能に設けられている。
テンションプーリは、ばね部材としての圧縮コイルスプリング40により無端ベルト16に摺接する方向に付勢されており、無端ベルト16に付与する張力を大小調整する。すなわち、圧縮コイルスプリング40の一端部は、支持板7と一体的に移動する静止部材41に連結され、他端部はテンションプーリの中心部42に連結されている。
実施例9では、圧縮コイルスプリング40の付勢力により、無端ベルト16に対してテンションプーリが持続的に押し付けられるため、テンションプーリが常に無端ベルト16に追随して張力を過不足なく与えることができる。
なお、駆動プーリ17をテンションプーリに代え、駆動プーリ17の役割を第1プーリ10あるいは第2プーリ11に果たさせてもよい。
〔実施例10の構成〕
図18(a)は本発明の実施例10を示す。実施例10が実施例1と異なるところは、ラック歯2aが、直線上のラック台2に対して85−90度の範囲内の角度αを成す歯筋面部2cおよび底下方向に窪む歯底面部2dを有することである。この場合、無端ベルト16の歯辺部16aは、歯筋面部2cに係合して噛み合う歯筋平面部16b、ならびに歯底面部2dに係合して噛み合う曲面状の歯先突面部16cを形成している。
実施例10では、ラック歯2aは、ラック台2のに対して85−90度の範囲内の角度αを成す歯筋面部2cを有するため、歯筋面部2cは無端ベルト16の進行方向Wに対しても直角に近い角度α(85−90度の角度範囲内)を成す。
これにより、ラック歯2aの歯筋面部2cに対する歯筋平面部16bの圧力角βが著しく小さくなり(β=90−α)、ラック歯2aに対する無端ベルト16の噛合時、歯筋面部2cに対する歯筋平面部16bの噛合い伝達力が強くなり、無端ベルト16の歯辺部16あがラック歯2aから浮き上がることがなくなる。これにより、無端ベルト16をラック台2側に保持する別体の押え部材が要らなくなる。なお、圧力角βは、ラック台2へ直角に降ろした基準線Yとラック歯2aの歯筋面部2cとが成す角度を意味する。
また、ラック歯2aには、歯先突面部16cが導入部として歯底面部2dに係合するので、無端ベルト16の噛合時、ラック歯2aに対する歯辺部2bの円滑な噛み合いを行うことができる。
これに対して、通常の規格タイミングベルトは、噛み合いの円滑化のため、断面台形の歯面を有している。面取りにより丸みを持たせた歯面もあるが、いずれも圧力角が大きめとなり、タイミングベルトを直線状を成すラックに噛み合わせると、タイミングベルトがラックから浮き上り易くなる。
なお、歯先突面部16cは、半球面状あるいは楕円面、放物面、双曲面などの円錐曲面などの曲面に沿って形成してもよい。
図18(b)は実施例10の変形例を示し、曲面状の歯先突面部16cに代わって、断面逆台形状の歯先突面部16cにした例を示す。歯先突面部16cが係合して噛み合う歯底面部2dも断面逆台形状に形成している。
〔実施例11の構成〕
図19は本発明の実施例11を示す。実施例11が実施例10と異なるところは、無端ベルト16の歯辺部16aが、歯形プロフィールとして歯筋平面部16bおよび歯先突面部16cを形成し、ラック歯2aは、ラック台2に対して歯筋平面部16bよりも傾斜度合の大きな歯筋面部2cを有することである。
すなわち、図19(a)、(b)に示すように、ラック台2に対する歯筋面部2cの傾斜角度φ1と歯筋平面部16bの傾斜角度φ2とが異なっており、前者の傾斜角度φ1を後者の傾斜角度φ2よりも大きくして、ラック歯2aの歯元幅M1を歯辺部16aの歯元幅M2よりも広く設定している。
これにより、ラック歯2aに対する歯辺部16aの噛合時、歯先突面部16cは歯底面部2dに係合して噛み合うが、歯筋平面部16bと歯筋面部2cとの間に歯筋間隙Spを形成する。
この状態で、無端ベルト16に引張方向Sの駆動力が働くと、図19(c)に示すように、ラック歯2aの歯底面部2dで引張り側の角部が支点P1となって無端ベルト16の歯筋平面部16bが引張り側に引き寄せられる。引張力は、歯辺部16aに対して支点P1周りの回転力Rとなり、その分力により歯辺部16aが歯筋面部2cに近接する方向に作用し、無端ベルト16をラック歯2aに張り付かせる。
このため、無端ベルト16に対する押え部材を設けなくても、無端ベルト16をラック歯2aから浮き上がることがなくなり、無端ベルト16とラック歯2aとの間で効率的な動力伝達が可能となる。ちなみに、図11(b)のプルゲージPgで目盛りを測定すると、離脱への抵抗摩擦力として5.6kgの耐久性を示す。
〔実施例12の構成〕
図20は本発明の実施例12を示す。実施例12が実施例10と異なるところは、無端ベルト16の両側端部16e、16fにフランジ帯16hを設けたことである(図20(a)参照)。
フランジ帯16hは、無端ベルト16の全周に沿って形成されてラック台2を挟むように配置されている(図20(b)参照)。この場合、フランジ帯16hには、所定のピッチ間隔で切欠部16nを設けることで、多数のフランジ辺部16qが形成され、無端ベルト16の良好な可撓性を妨げないようにしている。
実施例12では、フランジ帯16hにより、無端ベルト16を正規の位置に保持することができ、走行時などに無端ベルト16がラック台2から不用意に外れてしまうことがない。
なお、フランジ辺部16qは、歯辺部16aに対応する箇所に配置してもよく、あるいは隣接する歯辺部16a同士の間に配置してもよい。
〔実施例13の構成〕
図21は本発明の実施例13を示す。実施例13が実施例11と異なるところは、ラック歯2aは、ラック台2に対して歯筋平面部16bよりも傾斜度合の小さな歯筋面部2cを有することである。
すなわち、図21(a)、(b)に示すように、ラック台2に対する歯筋面部2cの傾斜角度δ2と歯筋平面部16bの傾斜角度δ1とが異なっており、後者の傾斜角度δ1を前者の傾斜角度δ2よりも大きくして、歯辺部16aの歯元幅Q1をラック歯2aの歯元幅Q2よりも広く設定している。
これにより、ラック歯2aに対する歯辺部16aの噛合時、歯先突面部16cは歯底面部2dに係合して噛み合うが、歯筋平面部16bと歯筋面部2cとの間に歯筋間隙Spを形成する。
この状態で、無端ベルト16に引張方向Sの駆動力が働くと、図21(b)に点P2で示すように、ラック歯2aの歯先部が歯辺部16aの歯底端部に食い込むように応力を集中させる。この応力の集中作用により、歯辺部16aが歯筋面部2cに近接する方向に作用し、無端ベルト16をラック歯2aに張り付かせる。
このため、実施例11と同様に、無端ベルト16に対する押え部材を設けなくても、無端ベルト16をラック歯2aから浮き上がることがなくなり、無端ベルト16とラック歯2aとの間で効率的な動力伝達が可能となる。
なお、ラック歯2aにおける歯筋面部2cの傾斜角度δ2としては、例えば20から0度の角度範囲に設定してもよい。
〔実施例14の構成〕
図22は本発明の実施例14を示す。実施例14が実施例11や実施例13と異なるところは、ラック歯2aの歯筋面部2cをラック台2に対して90度の角度を成すように設定したことである。
無端ベルト16に引張方向Sの駆動力が働くと、点P2で示すように、ラック歯2aの歯先部が歯辺部16aの歯底端部に対して一層強い食い込み応力を集中させる。この食い込み応力の集中により、歯辺部16aが歯筋面部2cに近接する方向に強く作用し、無端ベルト16をラック歯2aに強固に張り付かせる。ちなみに、図11(b)のプルゲージPgで目盛りを測定すると、離脱への抵抗摩擦力として23.0kgの耐久性を示す。
〔変形例〕
(a)回転機構21Aを構成する各種のプーリは、表面が円滑なものを用いたが、無端ベルト16の外側に歯辺部16aに対応する歯溝を形成した歯付きプーリでもよい。
また、無端ベルト16は、外側に歯辺部16aを形成したものに限らず、外側と内側の両側に歯辺部を形成した両歯ベルトであってもよい。
(b)無端ベルト16の歯辺部16aは断面が矩形に限らず、半円形、半楕円形あるいは適宜の曲面を形成していてもよい。
(c)押え板22の素材については、無端ベルト16に摺接するため、低摩擦で高耐摩耗性を有するPFETに限らず、同様な特性を有する他のプラスチック材料を用いてもよい。
(d)駆動モータ21の動力源については、電源に限らず、バッテリー(蓄電池)を用いてもよく、駆動モータ21に代わって、内燃機関のエンジンによる駆動力を用いてもよい。
(e)回転機構21A、21Bを構成する各種のプーリの数は、5輪や3輪に限らず、第1プーリと第2プーリの2輪から構成し、これら第1プーリと第2プーリのうちいずれかを駆動部プーリとしてもよい。ラック台2に設けるプーリの数は、使用状況や負荷状況などに応じて所望に変更してもよい。
(f)無端ベルト16については、片歯付きベルトに限らず、図6(d)で示した両歯付きベルトを用いてもよい。
本発明のベルト・ラック型駆動装置では、ラック台にプーリと無端ベルトとを組み合わせて使用し、短距離および長距離の双方に適用でき、簡素な構造で堅牢かつ耐久性に優れた機構を有する。このため、機構の有益性が業者の需要を喚起し、関連部品の流通を介して機械産業に利用することができる。
1 ベルト・ラック型駆動装置
2 ラック台
2a ラック歯
2b 歯先面
2c 歯筋面部
2d 歯底面部
3、4 運動体
5 スライダーガイド
6 スライダー
7 支持板
7A 当接調整部材
10 第1プーリ
11 第2プーリ
13 テンションプーリ
13m 圧縮コイルスプリング(付勢部材)
13s、14n ウォーム歯車
13t、14q ピニオン部
14、14A 張力調整部材
14m 調整螺子棒
16 無端ベルト
16a 歯辺部
16b 歯筋平面部
16c 歯先突面部
16k 突条部
16h フランジ帯
16q フランジ辺部
17 駆動プーリ
17a 駆動軸
21 駆動モータ(プーリ駆動部)
21A、21B 回転機構
22 押え板(押え部材)
22a、22b 押え板の先端部
22e、22f 押え板の垂下辺部
23 押え調整部材
H 噛合領域
P ピッチ間隔
N 長穴の長手方向
T 無端ベルトの長手方向
Sp 歯筋間隙
V 回転軸の直角方向

Claims (12)

  1. 多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させたラック台と、
    前記ラック台に設けられて前記ラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられた支持板と、
    前記支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられた第1プーリおよび第2プーリと、
    前記第1プーリから前記第2プーリに掛け渡され、前記ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させた無端ベルトと、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリを回転駆動させることにより、前記無端ベルトを前記周方向に沿って循環移動させ、前記歯辺部を前記ラック歯に順に噛合させて前記支持板を運動体として前記ラック台に沿って移動させるプーリ駆動部と、
    前記支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて前記無端ベルトに張力を与えるテンションプーリと、
    前記支持板に設けられて、前記テンションプーリの位置を変更することにより、前記テンションプーリから前記無端ベルトに与える張力を調整する張力調整部材とを備え、
    前記張力調整部材は、
    前記回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記支持板に前記無端ベルトの引張方向に延出するように形成され、前記回転軸を挿通させて前記雄ねじ部を外部に突出させた長穴と、
    前記回転軸を前記回転軸の直角方向で前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトに張力を付与する方向に付勢する付勢部材と、
    前記雄ねじ部に螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、
    前記支持板に前記回転軸と直交するように配置され、前記ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを有し、
    前記ウォーム歯車の歯筋には、前記ピニオン部の歯筋が前記回転軸の軸方向に沿って微摺動往復可能に噛み合うようになっており、
    前記無端ベルトの張力調整時、前記ウォーム歯車の回転操作により、前記ピニオン部を介して前記締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことにより、前記付勢部材の付勢力で前記回転軸を前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトの緩みを除去して前記無端ベルトに張力を付与し、
    前記ラック歯は、前記ラック台に対して85−90度の範囲内の角度を成す歯筋面部および底下方向に窪む歯底面部をそれぞれ有するとともに、前記無端ベルトの前記歯辺部は、前記歯筋面部に係合して噛み合う歯筋平面部、ならびに前記歯底面部に係合して噛み合う歯先突面部を形成していることを特徴とするベルト・ラック型駆動装置。
  2. 多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させたラック台と、
    前記ラック台に設けられて前記ラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられた支持板と、
    前記支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられた第1プーリおよび第2プーリと、
    前記第1プーリから前記第2プーリに掛け渡され、前記ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させた無端ベルトと、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリを回転駆動させることにより、前記無端ベルトを前記周方向に沿って循環移動させ、前記歯辺部を前記ラック歯に順に噛合させて前記支持板を運動体として前記ラック台に沿って移動させるプーリ駆動部と、
    前記支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて前記無端ベルトに張力を与えるテンションプーリと、
    前記支持板に設けられて、前記テンションプーリの位置を変更することにより、前記テンションプーリから前記無端ベルトに与える張力を調整する張力調整部材とを備え、
    前記張力調整部材は、
    前記回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記支持板に前記無端ベルトの引張方向に延出するように形成され、前記回転軸を挿通させて前記雄ねじ部を外部に突出させた長穴と、
    前記回転軸を前記回転軸の直角方向で前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトに張力を付与する方向に付勢する付勢部材と、
    前記雄ねじ部に螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、
    前記支持板に前記回転軸と直交するように配置され、前記ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを有し、
    前記ウォーム歯車の歯筋には、前記ピニオン部の歯筋が前記回転軸の軸方向に沿って微摺動往復可能に噛み合うようになっており、
    前記無端ベルトの張力調整時、前記ウォーム歯車の回転操作により、前記ピニオン部を介して前記締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことにより、前記付勢部材の付勢力で前記回転軸を前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトの緩みを除去して前記無端ベルトに張力を付与し、
    前記無端ベルトの前記歯辺部は、歯形プロフィールとして歯筋平面部および歯先突面部を形成し、前記ラック歯は、前記ラック台に対する前記歯筋平面部の傾斜角と異なる傾斜角の歯筋面部を有し、前記ラック歯に対する前記歯辺部の噛合時に前記歯筋平面部と前記歯筋面部との間に歯筋間隙を形成することを特徴とするベルト・ラック型駆動装置。
  3. 多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させたラック台と、
    前記ラック台に設けられて前記ラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられた支持板と、
    前記支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられた第1プーリおよび第2プーリと、
    前記第1プーリから前記第2プーリに掛け渡され、前記ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させた無端ベルトと、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリを回転駆動させることにより、前記無端ベルトを前記周方向に沿って循環移動させ、前記歯辺部を前記ラック歯に順に噛合させて前記支持板を運動体として前記ラック台に沿って移動させるプーリ駆動部と、
    前記支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて前記無端ベルトに張力を与えるテンションプーリと、
    前記支持板に設けられて、前記テンションプーリの位置を変更することにより、前記テンションプーリから前記無端ベルトに与える張力を調整する張力調整部材とを備え、
    前記張力調整部材は、
    前記回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記支持板に前記無端ベルトの引張方向に延出するように形成され、前記回転軸を挿通させて前記雄ねじ部を外部に突出させた長穴と、
    前記回転軸を前記回転軸の直角方向で前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトに張力を付与する方向に付勢する付勢部材と、
    前記雄ねじ部に螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、
    前記支持板に前記回転軸と直交するように配置され、前記ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを有し、
    前記ウォーム歯車の歯筋には、前記ピニオン部の歯筋が前記回転軸の軸方向に沿って微摺動往復可能に噛み合うようになっており、
    前記無端ベルトの張力調整時、前記ウォーム歯車の回転操作により、前記ピニオン部を介して前記締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことにより、前記付勢部材の付勢力で前記回転軸を前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトの緩みを除去して前記無端ベルトに張力を付与し、
    前記無端ベルトの両側端部には、全周に沿って形成されて前記ラック台を挟むように配置されるフランジ帯が設けられていることを特徴とするベルト・ラック型駆動装置。
  4. 多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させたラック台と、
    前記ラック台に設けられて前記ラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられた支持板と、
    前記支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられた第1プーリおよび第2プーリと、
    前記第1プーリから前記第2プーリに掛け渡され、前記ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させた無端ベルトと、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリを回転駆動させることにより、前記無端ベルトを前記周方向に沿って循環移動させ、前記歯辺部を前記ラック歯に順に噛合させて前記支持板を運動体として前記ラック台に沿って移動させるプーリ駆動部と、
    前記支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて前記無端ベルトに張力を与えるテンションプーリと、
    前記支持板に設けられて、前記テンションプーリの位置を変更することにより、前記テンションプーリから前記無端ベルトに与える張力を調整する張力調整部材とを備え、
    前記張力調整部材は、
    前記回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記支持板に前記無端ベルトの引張方向に延出するように形成され、前記回転軸を挿通させて前記雄ねじ部を外部に突出させた長穴と、
    前記回転軸を前記回転軸の直角方向で前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトに張力を付与する方向に付勢する付勢部材と、
    前記雄ねじ部に螺進退自在に螺合し、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、
    前記支持板に前記回転軸と直交するように配置され、前記ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを有し、
    前記ウォーム歯車の歯筋には、前記ピニオン部の歯筋が前記回転軸の軸方向に沿って微摺動往復可能に噛み合うようになっており、
    前記無端ベルトの張力調整時、前記ウォーム歯車の回転操作により、前記ピニオン部を介して前記締付ナットを一時的に緩めて締付け直すことにより、前記付勢部材の付勢力で前記回転軸を前記長穴の長手方向に沿って移動させ、前記無端ベルトの緩みを除去して前記無端ベルトに張力を付与することを特徴とするベルト・ラック型駆動装置。
  5. 多数のラック歯を所定のピッチ間隔で並列させたラック台と、
    前記ラック台に設けられて前記ラック台の長手方向に摺動可能に取り付けられた支持板と、
    前記支持板に所定間隔だけ離間させて、ともに回転可能に取り付けられた第1プーリおよび第2プーリと、
    前記第1プーリから前記第2プーリに掛け渡され、前記ラック台のラック歯に噛合する多数の歯辺部を周方向に沿って並列させた無端ベルトと、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリを回転駆動させることにより、前記無端ベルトを前記周方向に沿って循環移動させ、前記歯辺部を前記ラック歯に順に噛合させて前記支持板を運動体として前記ラック台に沿って移動させるプーリ駆動部と、
    前記支持板に回転軸を介して回転可能に取り付けられて前記無端ベルトに張力を与えるテンションプーリと、
    前記支持板に設けられて、前記テンションプーリの位置を変更することにより、前記テンションプーリから前記無端ベルトに与える張力を調整する張力調整部材とを備え、
    前記張力調整部材では、前記支持板は主板と折曲板とからアングル状に形成されており、
    前記回転軸の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記主板に前記無端ベルトの引張方向に延出するように形成され、前記回転軸を挿通させ、前記無端ベルトの引張方向に延出する長穴と、
    前記回転軸に直交するように連結状態に設けられ、前記折曲板に形成された貫通穴に進退摺動可能に挿通された調整螺子棒と、
    前記貫通穴に連通状態で、軸受を介して前記折曲板に回転可能に取り付けられ、前記貫通穴から外部に突出する前記調整螺子棒の部分を螺進退自在に螺合させ、外周側面にピニオン部を形成した締付ナットと、
    前記折曲板に前記調整螺子棒と直交するように配置され、前記ピニオン部に噛合するウォーム歯車とを備え、
    前記無端ベルトの張力調整時、前記ウォーム歯車の回転操作により、前記ピニオン部を介して前記締付ナットを回転させることにより、前記回転軸の前記長穴の長手方向に沿う案内移動を伴いながら、前記調整螺子棒を前記貫通穴から外方に移動させ、前記無端ベルトの緩みを除去して前記無端ベルトに張力を付与することを特徴とするベルト・ラック型駆動装置。
  6. 前記無端ベルトのうち前記歯辺部が前記ラック歯に噛合する噛合領域の内側に摺接可能に配置され、前記無端ベルトの移動時に前記無端ベルトが前記ラック歯から飛び跳ねるのを阻止する押え部材を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載のベルト・ラック型駆動装置。
  7. 前記噛合領域に対する前記押え部材の位置を変更することにより前記噛合領域に対する前記押え部材の摺接度合いを調整する押え調整部材を有することを特徴とする請求項6に記載のベルト・ラック型駆動装置。
  8. 前記無端ベルトのうち前記歯辺部が前記ラック歯に噛合する噛合領域の内側に摺接可能に配置され、前記無端ベルトの移動時に前記無端ベルトが前記ラック歯から飛び跳ねるのを阻止する押え部材を有し、
    前記第1プーリおよび前記第2プーリの回転時に、前記無端ベルトのうち前記歯辺部が前記ラック歯に噛合し始める側で、前記押え部材の前記先端部が前記第1プーリあるいは前記第2プーリに干渉しない2mm−5mmの近接範囲まで延出されており、前記歯辺部を前記ラック歯に押え付けて強制的に噛合させるように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載のベルト・ラック型駆動装置。
  9. 前記押え部材の前記ラック台の長手方向に沿う両側には、前記ラック台の両側に垂下されて前記無端ベルトを囲繞する垂下辺部が一体に形成されており、前記無端ベルトを前記ラック台から外さないように規制することを特徴とする請求項6に記載のベルト・ラック型駆動装置。
  10. 前記ラック台に設けられたスライダーガイドには、スライダーが長手方向に摺動可能に取り付けられ、前記スライダーに前記支持板が固定されており、
    前記支持板に形成された上下長穴と、前記上下長穴を挿通する上下螺子とから成る当接調整部材が設けられ、前記上下長穴に対する前記支持板の上下位置を変更して前記上下螺子を前記上下長穴から前記スライダーに締め直すことにより、前記ラック歯に対する前記第1プーリおよび前記第2プーリの当接度合いを調整可能に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載のベルト・ラック型駆動装置。
  11. 前記ラック台は、単一のラック台を複数個継ぎ合せて形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載のベルト・ラック型駆動装置。
  12. 前記ラック歯には、取付穴が形成され、前記取付穴に固定部材を挿入して台座に取り付けることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載のベルト・ラック型駆動装置。
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