JP6343104B1 - 一方向pH調整方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

水の一方向pH調整(UpA)における電極の再生を制御する方法及び装置が提供される。実施形態は、UpAセル(132)に関連する1つ以上の測定された又は既知のパラメータを取得し、及び、再生期間が開始される時、再生期間のパラメータ及び/又はUpAセルに対する他の入力をパラメータに基づいて制御することに関連する。実施形態は、再生期間、再生期間が実行されるべき時、及び/又はUpAセルに対する他の入力に関する放電パラメータを考慮して、UpAセルのエネルギ効率及び/又は全体的な所望及び/又は不所望イオン生成レートを得ることに関連する。

Description

本開示は一般に水の一方向pH調整における電極の再生制御に関連する。より詳細には、一方向pH調整(a unidirectional pH adjustment:UpA)セルに関連する1つ以上の値を取得すること、その値に基づいて、UpAセルの再生期間が開始される時、再生期間に関するパラメータ、及び/又は、UpAセルへの入力に関する他のパラメータを制御することに関連する。
本願においてリファレンスとして組み込まれるWO2014/102636は、家庭用水の特性調整に関連し、特に、pH調整器及び廃水を生成することなく一方向pH調整を行うことが可能なpH調整器を含む家庭用機器に関連する。pH調整器はアノード及びカソードを含む電解セルを有し;カソードは擬似キャパシタンス材料を含み、pH調整器の動作中に、擬似キャパシタンス材料は、アニオンと電気化学的に反応することにより、アノードから電子を取得し、電解質水溶液(例えば、家庭用水)からカチオンを吸収し、電解質水溶液中のOH-は、電解質水溶液中で電子を失ってH+を残すことにより消費され;或いは、アノードが擬似キャパシタンス材料を含み、pH調整器の動作中に、擬似キャパシタンス材料は、アニオンと電気化学的に反応することにより、電子を失って電解質水溶液からアニオンを吸収し、電解質水溶液中のH+は、電解質水溶液中で電子を取得してOH-を残すことにより、カソードで消費される。
一方向pH調整器(UpA)は、水電解中に一つの方向に限って水のpHを一方向に調整する技術である。従って、UpAが使用される場合、酸性の水のみ又はアルカリ性の水のみが生成され(何れが生成されるかは、所望の実現手段に依存することになる)−−−廃水は生成されず、或いは、他の電気分解技術と比較して少ないレベルでしか生成されない。水のpHを調整するためにUpAが使用される場合、対電極(又はカウンタ電極)(the counter electrode)における水のpHのみが変化し、作用電極(又はワーキング電極)(the working electrode)におけるものは安定的である。UpAにおける作用電極は、例えば、電気化学反応中にスーパー・キャパシタ(a super capacitor)として機能する活性炭に基づく(an active carbon based(AC))作用電極であっても良い。UpAにおけるカウンタ電極は、例えば、チタニウム(Ti)のような不活性金属であっても良い。
UpAでは、「作用期間(working period)」及び「再生期間(regeneration period)」という2つの期間がある。作用期間の間に、作用電極は充電状態にあり、対電極は所望のpH変化に必要なイオンを生成している。例えば、水のpHを増やすようにUpAが適用される場合、対電極は、作用期間中に、必要なH+イオンを生成する。再生期間の間に、作用電極は放電状態にあり、対電極は、所望のpH変化にとっては望まれないイオンを生成している。例えば、水のpHを増やすようにUpAが適用される場合、対電極は、再生期間中に、望まれないOH-イオンを生成する。
上述したように、再生期間の間に、作用電極は放電(又はディスチャージ)しており、作用電極が作用期間に再び充電(チャージ)されることを可能にする。再生期間は、作用電極が完全にチャージされた場合、及び/又は、作用電極における過渡的な電圧降下が、水の分解電圧に近い場合等のような一定の状態の出現時に生じるように設定される。しかしながら、この技術及び/又は他の技術は1つ以上の欠点を患う。例えば、その技術のうちの1つ以上は、放電時間や、再生期間中に印加される逆電圧の大きさ等のような放電パラメータを決定せず、再生期間はその放電パラメータとともに実行される。また、例えばその技術のうちの1つ以上は、再生が実行される作用電極の充電状態を判定するために、一方向pH調整セルに関連する所定の測定される又は既知のパラメータを考慮しない。例えば、その技術のうちの1つ以上は、再生期間に対する放電パラメータを決定する際における及び/又は再生期間が実行されるべき場合における、所望の及び/又は非所望のイオンの生成率及び/又はエネルギ効率に関する影響を考慮していない。
従って、水の一方向pH調整における電極の再生を制御する代替技術を提供することが望まれている。本発明は独立請求項により規定される。従属請求項は有利な実施形態を規定する。
本開示は、水の一方向pH調整(UpA)における電極の再生を制御するための方法及び装置を指向している。例えば、本願で開示される様々な発明方法及び装置は、UpAセルに関連する1つ以上の測定された又は既知のパラメータを取得すること、及び、再生期間が開始される時、再生期間のパラメータ、及び/又はUpAセルに対する他の入力を、上記の値に基づいて制御することに関連する。実施形態は、放電時間、再生期間中に印加される逆電圧の大きさ等のような再生期間の放電パラメータを決定することに関連する。実施形態は、電源によりUpAセルに印加される電圧、電源により印加される電流、及び/又は、水がUpAセルに供給されるレート等のようなUpAセルに関連する1つ以上の測定値に基づいて、再生期間が実行される時を決定することに関連する。実施形態は、再生期間が実行されるべき時及び/又は再生期間に関する放電パラメータの決定を考慮して、UpAセルのエネルギ効率及び/又は全体的な所望及び/又は不所望イオンの生成レートを得ることに関連する。
一形態では、水の一方向pH調整における電極の再生を制御する方法は:作用電極及び対電極を含む一方向pH調整セルに関する複数のパラメータを取得するステップ;そのパラメータの観点から一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートの最適化に基づいて、一方向pH調整セルの再生期間のうちの再生持続期間と、一方向pH調整セルの作用期間のうちの作用持続期間とを決定するステップ;決定された作用持続期間の間に一方向pH調整セルを充電するステップ;及び、決定された再生持続期間の間に一方向pH調整セルを放電するステップ;を含んでも良い。
一実施形態では、複数のパラメータのパラメータを取得することが、パラメータをセンシングするセンサーからパラメータの少なくとも1つの値を受信することを含む。様々な変形例において、センサーは流量計であり、値は一方向pH調整セルに提供される水の流速であっても良い。様々な変形例において、センサーは電圧計であり、値は、作用電極と、対電極と、作用電極及び対電極に結合される電源とを含む回路の電圧であっても良い。
様々な実施形態において、一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートをパラメータの観点から最適化することに基づいて、再生持続期間及び作用持続期間を決定することは:一方向pH調整セルの充電中における所望イオンの平均生成レートを最大化する再生持続期間を決定すること;及び、一方向pH調整セルの放電中における不所望イオンの生成レートを最小化する再生持続期間を決定すること;を含む。様々な変形例において、一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートをパラメータの観点から最適化することに基づいて、再生持続期間及び作用持続期間を決定することは:パラメータの観点から第1目的関数を最化し且つパラメータの観点から第2目的関数を最化する、作用期間の開始時における作用電極の作用電圧降下(VAC0)と再生期間の開始時における作用電極の再生電圧降下(VACE)とを決定することであって、第1目的関数は一方向pH調整セルの充電中における所望イオンの平均生成レートを示し、第2目的関数は一方向pH調整セルの放電中における不所望イオンの平均生成レートを示す、こと;及び、決定されたVAC0及びVACEに基づいて再生持続期間及び作用持続期間を決定すること;を含む。様々な変形例において、再生持続期間及び作用持続期間を決定することは、作用持続期間及び再生持続期間のエネルギ効率を最適化することに更に基づく。
様々な変形例において、本方法は:パラメータの観点から一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することに基づいて、作用期間中に電源により印加される電圧を判定するステップを含む。様々な実施形態において、決定された作用持続期間の間に一方向pH調整セルを充電するステップは、一方向pH調整セルを、決定された作用持続期間に対する電圧で充電することを含む。
様々な実施形態において、本方法は:パラメータの観点から前記一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することに基づいて、一方向pH調整セルに供給される水の流速を決定するステップ;及び、流速に基づいて、一方向pH調整セルに水を供給するポンプの速度を調整するステップ;を更に含む。
様々な実施形態において、決定された作用持続期間の間に一方向pH調整セルを充電するステップが、一方向pH調整セルに第1極性の第1電圧を提供することを含み、決定された再生持続期間の間に前記一方向pH調整セルを放電するステップが、一方向pH調整セルに第2極性の第2電圧を提供することを含む。様々な変形例において、パラメータの観点から一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することが、1つ以上の目的関数、及び、最適化された生成レートを表す1つ以上のテーブル値のうち少なくとも何れかを適用することを含む。
別の形態では、一方向pH調整装置が:水を受ける入力と、水のpH値を一方向に調整するために水に電圧を供給する作用電極及び対電極と、調整されたpH値を有する水を送り出す出力とを有する一方向pH調整セル;作用電極の作用期間中に前記作用電極に第1極性の第1電圧を供給する電源;及び、コントローラを含んで良い。コントローラは:一方向pH調整セルに関連する複数のパラメータを取得し;パラメータの観点から一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することに基づいて、一方向pH調整セルの作用期間のうちの作用持続期間と一方向pH調整セルの再生期間のうちの再生持続期間とを決定し;決定された作用持続期間の間に一方向pH調整セルに第1極性の第1電圧を供給することを電源に行わせ;及び、決定された再生持続期間の間に、一方向pH調整セルに対する第1極性の第1電圧の供給を電源に行わせない;ようにプログラムされても良い。
様々な変形例において、コントローラは、決定された再生持続期間の間に一方向pH調整セルに第2極性の第2電圧を供給することを電源に行わせるようにプログラムされる。様々な変形例において、本装置は、1つ以上のパラメータをコントローラにそれぞれが提供する1つ以上のセンサを更に含んでいても良い。
更に別の形態において、水の一方向pH調整における電極の再生を制御する方法は:作用電極及び対電極を含む一方向pH調整セルに関する複数のパラメータを取得するステップ;パラメータの観点から一方向pH調整セルのエネルギ効率を最適化することに基づいて、一方向pH調整セルの再生期間のうちの再生持続期間と、一方向pH調整セルの作用期間のうちの作用持続期間とを決定するステップ;決定された作用持続期間の間に一方向pH調整セルを充電するステップ;及び、決定された再生持続期間の間に一方向pH調整セルを放電するステップ;を含んでいても良い。
更に別の形態において、水の一方向pH調整における電極の再生を制御する方法は:作用電極及び対電極を含む一方向pH調整セルに関する複数のパラメータを取得するステップ;パラメータの観点からの一方向pH調整セルのエネルギ効率、及び、一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートのうちの少なくとも何れかを最適化することに基づいて、一方向pH調整セルの1つ以上の最適化された制御パラメータを決定するステップ;及び、1つ以上の最適化された制御パラメータに基づいて、一方向pH調整セルに対する1つ以上の入力を制御するステップ;を含んでも良い。様々な変形例において、一方向pH調整セルの1つ以上の最適化された制御パラメータを決定するステップは:一方向pH調整セルの充電中における所望イオンの平均再生レートを最大化する1つ以上の最適化された制御パラメータを決定するステップ;及び、一方向pH調整セルの放電中における不所望イオンの生成レートを最小化する1つ以上の最適化された制御パラメータを決定するステップ;を含んでも良い。様々な実施形態において、1つ以上の最適化された制御パラメータは:再生期間のうちの再生持続期間;再生期間中に電源により印加される電圧;作用期間のうちの作用持続期間;作用期間中に電源により印加される電圧;及び、一方向pH調整セルに供給される水の流速;のうちの1つ以上を含む。
「コントローラ」という用語は、UpAセルに関連する1つ以上のコンポーネントの動作に関連する様々な装置を一般的に記述するように本願では使用されており、コンポーネントは、例えば、UpAセルの電源、ポンプ、或いは、UpAセルに供給される水量を制御する他の装置などである。コントローラは、本願で議論される様々な機能を実行するように様々な方法で(例えば、専用ハードウェアにより)実現されることが可能である。「プロセッサ」は、本願で議論される様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を利用するプログラムされた1つ以上のマイクロプロセッサを利用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを利用して又は利用せずに実現されても良く、また、何らかの機能を実行する専用ハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実現されても良い。本開示の様々な実施形態で使用されて良いコントローラ・コンポーネントの具体例は、通常のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)等であるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、プロセッサ又はコントローラは1つ以上の記憶媒体に関連していても良い(記憶媒体は本願では一般的に「メモリ」として言及され、例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROM等のような揮発性及び不揮発性のコンピュータ・メモリ、フロッピ・ディスク、コンパクト・ディスク、光ディスク、磁気テープ等である)。実施形態において、記憶媒体は1つ以上のプログラムとともにエンコードされていても良く、プログラムは、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラで実行される場合に、本願で議論される機能のうち少なくとも何れかを実行する。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されていても良いし、或いは、可搬型であっても良く、それにより、そこに保存されている1つ以上のプログラムがプロセッサ又はコントローラにロードされ、本願で議論されている本発明の様々な形態を実現できるようにしても良い。「プログラム」又は「コンピュータ・プログラム」という用語は、本願では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用されることが可能な任意のタイプのコンピュータ・コード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように一般的な意味で使用される。
上記の概念及び以下において更に詳細に議論される追加的な概念の全ての組み合わせが(それらの概念が相互に矛盾しない限り)、本願で開示される発明事項の一部分として想定されていることが、認められるべきである。特に、本開示の末尾に登場する請求項にかかる対象事項の全ての組み合わせが、本願で開示される発明事項の一部分として想定されている。リファレンスに組み込まれている何らかの開示にも登場する本願で明示的に使用される専門用語は、本願で開示される特定の概念に最も合致する意味で与えられるべきことが、認められるべきである。
本発明のこれら及び他の形態は、以下で説明される実施形態から明らかになりそれらを参照することにより説明される。
図面において、概して、同様な参照文字は異なる図中で同じ部分を指す。また、図面は必ずしも寸法を描いているわけではなく、むしろ本発明の原理の説明に着目して強調している。
水の一方向pH調整における電極の再生が制御される例示的な実施形態を示す図。 UpAセルの作用期間及び再生期間を制御すること、及び/又は、UpAセルに供給される水の流速を制御することについての具体例を示す図。 パラメータの作用期間及び再生期間の様々な組の下における所望イオンの再生率を示す図。 パラメータの作用期間及び再生期間の様々な組の下における非所望イオンの再生率を示す図。
一方向pH調整(UpA)は、一方向に限って水分解中に水のpHを一方向に調整する技術である。UpAでは、「作用期間」及び「再生期間」という2つの期間がある。作用期間の間に、作用電極は充電状態にあり、対電極は所望のpH変化に必要なイオンを生成している。再生期間の間に、作用電極は放電状態にあり、対電極は、所望のpH変化にとっては望まれないイオンを生成している。
上述したように、再生期間の間に、作用電極は放電(又はディスチャージ)しており、作用電極が充電状態の間に再び充電されることを可能にする。再生期間は、作用電極が完全に充電(又はチャージ)された場合、及び/又は、作用電極における過渡的な電圧降下が、水の分解電圧に近い場合等のような一定の状態の出現時に生じるように設定される。しかしながら、この技術及び/又は他の技術は1つ以上の欠点を患う。例えば、その技術のうちの1つ以上は、放電時間や、再生期間中に印加される逆電圧の大きさ等のような放電パラメータを決定せず、再生期間はその放電パラメータとともに実行される。また、例えばその技術のうちの1つ以上は、再生が実行される作用電極の充電状態を判定するために、一方向pH調整セルに関連する所定の測定される又は既知のパラメータを考慮しない。例えば、その技術のうちの1つ以上は、再生期間に対する放電パラメータを決定する際における及び/又は再生期間が実行されるべき場合における、所望の及び/又は非所望のイオンの生成率及び/又はエネルギ効率に関する影響を考慮していない。
かくて出願人等は水の一方向pH調整における電極の再生を制御する代替技術を提供することは有用であることを認識し且つ認めた。例えば、出願人等は、UpAセルに関連する1つ以上の測定される信号を監視すること、及び、値に基づいて、UpAセルの再生期間が開始される時、再生期間のパラメータ、及び/又は、UpAセルへの入力に関する他のパラメータを制御することは有用であることを認識し且つ認めた。
図1は、水の一方向pH調製における電極の再生が制御される例示的な環境100を示す。例示的な環境100は、1つ以上の導管を介してUpAセル132へ水102Aを供給するポンプ122を含む。水102Aは、例えば、自治体の蛇口、タンク又はその他のコンテナ等を介してポンプ122へ供給されて良い。ポンプ122は連続的又は間欠的に動作しても良く、選択的に、ポンプ122は、コントローラ140から受信される制御信号に依存して、或る範囲内の速度で動作することが可能な調整可能なポンプであっても良い。或る実施形態において、ポンプ122の出力は、ポンプ122における機械的な摩擦及び/又はその他の要因に起因して、経時的に揺らぐかもしれない。例えば、ポンプ122の出力は、ポンプ122の機械的な摩擦に起因して経時的に減少するかもしれない。
ポンプ122とUpAセル132との間には流量計124が介在し、流量計124は、ポンプ122によりUpAセル132へ供給される水の量を測定し、水量を示す信号を生成する。例えば、流量計124は、UpAセル132へ供給される水102Aの1分当たりのガロン数又はリットル数(又はその他の流速)を示す信号を生成しても良い。UpAセル132は、ポンプ122から受け取る水102Aを収容するハウジングを含み、そのハウジング内に作用電極136及び対電極138を含む。作用電極136及び対電極138は、UpAセルに収容される水102AのpHを一方向に調整するように機能する。pH調整された水102Bは、UpAセル132により1つ以上の下流側のコンポーネントへ送り出され、そのコンポーネントは、pH調製済みの水102Bを送り出す又は利用する住居の又は市販のコンポーネントである。実施形態では、或る量の水102Aがポンプ122によりUpAセル132へ供給され、その量の水のpH値がpHセル132により調整され、その量の水がpH調製済みの水102Bとして送り出され、そのプロセスが反復される。実施形態では、水はポンプ122によりUpAセル132へ絶え間なく供給され、UpAセル132により調整され、pH調製済みの水102Bとして送り出される。
電源130は、UpAセル132の作用電極136と、UpAセル132の対電極138とに接続される。電源130は、例えば、主電源に結合され、AC主電源を所望の大きさの電圧のDCパワーに変換するDC電源であっても良い。本願で説明されるように、電源130は、作用電極136を充電するために適切な極性での作用期間中にDCパワーを供給する。本願で説明されるように、電源130は、選択的に、作用電極の放電を支援するために、(作用期間の極性と)逆の極性での再生期間中にDCパワーを供給する。
例示的な環境100は、電源に並列に接続され且つ作用電極136と対電極138とに直列に接続される電圧計126も含む。例示的な環境は、作用電極136、対電極及び電源130に直列に接続される電流計128も含む。電圧計126は、作用電極136、対電極及び電源130を含む回路の電圧を測定する。電流計128は、その回路の電流を測定し、例えば、検流計であっても良い。
例示的な環境100は電源130に結合されるコントローラ140も含み、コントローラ140は、いつ及び/又はどのように電源130が作用電極136を充電するようにDCパワーを供給するか、いつ及び/又はどのように電源130が作用電極136を放電するようにDCパワーを供給するか、及び/又は、(為されるとしても希に)いつ電源が作用電極136に如何なるDCパワーも供給しないかを制御する。例えば、コントローラ140は、作用期間の間に、いつ電源130が作用電極136を充電するようにDCパワーを供給するかを制御しても良い(例えば、先行する再生期間の完了直後に供給するように制御しても良い)。また、例えば、コントローラ140は、決定された最適化された充電時間に基づいて、作用期間の間に、作用電極136を充電するように電源130がDCパワーを供給する作用時間の継続を制御しても良い。また、例えば、コントローラ140は、決定された最適化された充電電圧に基づいて、作用期間の間に、作用電極136を充電するように電源130により供給されるDCパワーの電圧を制御しても良い。また、例えば、コントローラ140は、決定された最適化された放電時間に基づいて、放電期間の間に、作用電極136を放電するように電源130がDCパワーを供給する再生時間の継続を制御しても良い。また、例えば、コントローラ140は、決定された最適化された放電電圧に基づいて、再生期間の間に、作用電極136を放電するように電源130により供給されるDCパワーの電圧を制御しても良い。
本願で説明されるように、作用期間の間では、作用電極136は充電状態にある一方、対電極138は所望のpH変化に必要なイオンを生成している。例えば、水のpHを減少させるためにUpAが適用される場合に、対電極138は、作用期間の間に必要なH+イオンを生成する。一方、水のpHを増加させるためにUpAが適用される場合に、対電極138は、作用期間の間に必要なOH-イオンを生成する。再生期間の間では、作用電極136は放電状態にある一方、対電極138は所望のpH変化には望まれないイオンを生成している。例えば、水のpHを減少させるためにUpAが適用される場合に、対電極138は、再生期間の間に、望まれないOH-イオンを生成する。一方、水のpHを増加させるためにUpAが適用される場合に、対電極138は、再生期間の間に、望まれないH+イオンを生成する。
コントローラ140は、パラメータ最適化モジュール142及び制御モジュール144を含む。概して、パラメータ最適化モジュール142は、UpAセル132の動作に関連する様々なコンポーネントの状態を示す複数の測定された又は既知のパラメータを識別し、その値に基づいて、UpAセルへの入力に関連する1つ以上のパラメータを決定する。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、電圧計126、電流計128及び/又は流量計124から測定された値を取得し、及び、作用電極136の時定数及び/又は作用電極136のキャパシタのキャパシタンス等のような追加的なパラメータを選択的に取得する。追加的なパラメータは、例えば、製造工程における入力、及び/又は、1つ以上のユーザー・インターフェース要素を介した消費者からの入力に基づいて、コントローラ140に関連するメモリに保存されていても良い。パラメータ最適化モジュール142は最適化されたパラメータを決定するために決定された又は既知のパラメータを利用し、最適化されたパラメータは:UpAセル132に対する水の流速、UpAセル132に関する再生期間、UpAセル132に関する作用期間、UpAセル132に関する再生期間中に提供される電圧、及び/又は、UpAセル132に関する作用期間中に提供される電圧に関するものである。
実施形態では、パラメータ最適化モジュール142は、トータルの所望及び/又は非所望のイオン生成レート及び/又はUpAセル132のエネルギ効率を、測定された又は既知のパラメータの観点から最適化することに基づいて、UpAセル132に対する入力に関連するパラメータを決定しても良い。これらの実施形態において、パラメータ最適化モジュール142は、1つ以上の数式に基づくパラメータ及び/又はこれらのパラメータを示すテーブル値が、UpAセル132における所望のイオンの再生レートを(数式及び/又はテーブル値に従って)最適化し、及び/又は、測定された又は既知のパラメータの観点からUpAセル132のエネルギ効率を(数式及び/又はテーブル値に従って)最適化することを判定する。実施形態では、再生レート及び/又は他の値の最適化は、それが絶対的に最適であることを必ずしも意味しておらず、そうではなく、適用される数式及び/又はテーブル値の観点から、及び、適用される数式及び/又はテーブル値に使用される測定される及び/又は他の既知のパラメータの観点から最も最適であることを意味する。
一例として、以下のパラメータを仮定する:作用期間の間に電源130により供給される印加電圧(ε)、再生期間の間に電源130により供給される印加電圧(ε’)、作用電極136の充電時定数(τ)、作用電極136の放電時定数(τ’)、作用電極136のキャパシタンス(C)、及び、UpAセル132に供給される水の流速(F)。これらの値は、例えば、電圧計126及び/又は電流計128から受信される信号に基づいて「既知」であっても良いし、不揮発性メモリに保存された値であっても良いし、及び/又は、ユーザー・インターフェースにより1人以上のユーザーにより入力された値であっても良い。更に、VAC0は、作用電極136の充電を開始する瞬間の時点(即ち、作用期間の開始)における作用電極136の電圧降下を表現し、及び、VACEは、作用電極136の放電を開始する瞬間の時点(即ち、放電期間の開始)における作用電極136の電圧降下を表現するものとする。パラメータ最適化モジュール142は、
r1=C*(VACE-VAC0)/(F*τ)/ln[(ε-VAC0)/(ε−VACE)]
という目的関数を最化し、かつ、
r2=C*(VACE-VAC0)/(F*τ’)/ln[(ε’-VACE)/(ε’−VAC0)]
という目的関数を最化するVAC0及びVACEの値を決定する。パラメータ最適化モジュール142は、以下の数式に基づいて、最適化された作用持続期間及び最適化された充電持続期間を決定するために、VAC0及びVACEに関して決定された値を使用する:
作用持続期間=τ*ln[(ε-VAC0)/(ε−VACE)]
再生持続期間=τ’*ln[(VACE+ ε’)/VAC0+ε’)]
一般に、制御モジュール144は、UpAセル132に関連する1つ以上の入力を制御するために、パラメータ最適化モジュール142により決定される1つ以上の最適化されたパラメータを使用する。例えば、制御モジュール144は、決定される最適化されたパラメータをもたらすために、いつ及び/又はどのように、電力が電源130により供給されるかを制御しても良い。例えば、最適化されるパラメータは作用持続期間及び再生持続期間を含み、制御モジュール144は、作用持続期間の間に第1極性の第1電圧を供給し、再生持続期間の間に第2極性の第2電圧を供給するように、電源130を指図しても良い。また、例えば、最適化されるパラメータは作用期間における電源130の電圧及び再生期間における電源130の電圧を含み、制御モジュール144は、各自の期間の間に各自の電圧を供給するように、電源130を指図しても良い。また、例えば、最適化されるパラメータが、作用期間及び/又は再生期間における水の流速を含む場合に、制御モジュール144は、そのような流速を達成するようにポンプ122の速度を調整しても良い(選択的に、流量計124からのフィードバックを考慮しても良い)。
測定された又は既知のパラメータに基づいてUpAセル132に対する入力の最適パラメータを決定する一例が、数式(1)ないし(9)を参照しながら以下に示される。作用電極136における電圧降下は、作用電極136の充電開始時点(即ち、作用期間の開始時)ではVAC0であり、作用電極136の放電開始時点(即ち、再生期間の開始時)ではVACEであると仮定する。即ち、作用電極136における電圧降下がVACEまで増えると、作用電極136の充電は止まり(即ち、作用期間の終了)、放電が開始され(即ち、再生期間の開始)、そして、作用電極136における電圧降下がVAC0まで減ると、放電が止まる(即ち、再生期間の終了)。制御モジュール144は、電源130へ適切な信号を送ることにより、作用期間及び再生期間を開始及び/又は終了させ、例えば、適切な極性のDC電圧を電源が供給することを引き起こす。或る実施形態において、制御モジュール144は、以前に決定された作用及び再生持続期間に基づいて、作用及び再生持続期間をいつ開始及び/又は終了するかを決定しても良い。例えば、制御モジュール144は、作用期間を実行させ、その後に再生期間を続け、その後に別の作用期間、別の再生期間を続ける等々を行っても良い。或る実施形態では、制御モジュール144は、作用及び再生期間をいつ開始及び/又は終了するか、例えば、いつコントローラ140がリセットされ及び/又は最初にインストールされるを決定するために、デフォルト設定を利用しても良い。
作用期間中の作用電極136における過渡的な電圧降下(Vw)は:作用期間中に電源130により供給される印加電圧(ε)、作用期間/充電時間の持続期間(tw)、作用電極136の充電時定数(τ)、及び、作用期間開始時における作用電極136の電圧降下の関数により表現されることが可能である。作用電極136の充電時定数(τ)は、作用電極136の抵抗を介して、作用電極136のキャパシタを、初期値及び最終値間の電位差の約63.2パーセントまで充電するのに必要な時間である。
作用期間中の作用電極の過渡的な電圧降下(Vw)は、数学的には次のように表現されることが可能である:
(1) VW=f(ε,τ,VAC0)
作用期間中の時間(t)における所望イオンの生成レート(rw)(所望イオンは、実施形態に応じてH+又はOH-である)は、時間t及び電流Iwにより決定され、数学的には次のように表現されることが可能である:
(2) rw=f(t,Iw)
電流Iwは数学的には次のように表現されることが可能である:
(3) Iw=C*(dVw/dt),ここで、Cは作用電極136のキャパシタンスである。
再生期間の間、通常、逆の電源が使用される。例えば、電源130の極性が反転され(及び選択的に電圧が切り替えられ)、及び/又は、電源130は、作用期間で使用する第1電源及び再生期間で使用する第2電源を含んでも良い。再生期間中に、作用電極136における過渡的な電圧降下(VR)は、再生期間の間に供給されるトータルの逆電圧(ε’)、再生期間/放電時間の持続期間(tR)、作用電極136の放電時定数(τ’)、及び、再生期間の開始時における作用電極136の電圧降下(VACE)の関数である。
再生期間中の作用電極136における過渡的な電圧降下(VW)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
(4) VR= f(ε’,t,τ’,VACE)
再生期間中の時間(t)における所望イオンの生成レート(rR)(所望イオンは、実施形態に応じてH+又はOH-である)は、時間t及び電流IRにより決定され、数学的には次のように表現されることが可能である:
(5) rR=f(t,IR)
電流IRは数学的には次のように表現されることが可能である:
(6) IR=C*(dVR/dt),ここで、Cは作用電極136のキャパシタンスである。
UpAセル132の生成効率及び/又は全体的な生成レートの最適化に基づいて、UpAセル132の制御に関連する1つ以上の変数の状態を、コントローラ140が決定する実施形態では、パラメータ最適化モジュール142は、所望イオンの全体的な生成を最大化し且つ不所望イオンの全体的な生成を最小化し及び/又はエネルギ効率を最大化する、再生持続期間及び/又は再生持続期間を決定しようとしても良い。
所望イオンの作用期間(tw)にわたる平均生成レート(r1)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
Figure 0006343104
不所望イオンの再生期間(tR)にわたる平均生成レート(r2)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
Figure 0006343104
エネルギ効率(Eff)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
Figure 0006343104
ここで:
ΔH=所望イオン1モルに対する生成に必要な反応熱[J/mol];
R=作用期間中の回路の全体的な電気抵抗[Ω];
R’=再生期間中の回路の全体的な電気抵抗[Ω]。
パラメータ最適化モジュール142は、上記の数式(7),(8)及び/又は(9)に基づいて、作用及び再生期間について、最適化されたパラメータを決定しても良い。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、r1及びr2の値をそれぞれ最大化及び最小化し及び/又はEffの値を最大化する、作用期間の作用の持続及び再生期間の再生の持続を決定することが可能である。制御モジュール144は、電源130及び/又は他のコンポーネントを制御するように決定された最適化されたパラメータを使用しても良い。
測定による又は他の既知のパラメータに基づいてUpAセル132に対する入力の最適化パラメータを決定する別の具体例が、以下、数式(10)ないし(20)を参照しながら説明される。
作用期間中の作用電極136における過渡的な電圧降下(Vw)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
(10) Vw=(ε-VAC0)*(1-exp(-t/τ))+VACO
作用期間中の電流(Iw)は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
(11) Iw=C*(dVw/dt) 又は Iw=C*(ε-VAC0)/τ*exp(-t/τ)
作用期間中の時間(t)における所望イオンの過渡的な生成レート(rw)(所望イオンは、実施形態に応じてH+又はOH-である)は、数学的には次のように表現されることが可能である:
(12) rw=Iw/T
ここで、FはUpAセルに供給される水の流速である(例えば、水流計124により示される)。
作用電極136における電圧降下がVACEに到達するために必要な時間は、数式(10)に基づいて計算されることが可能であり、数学的には次式のように表現されることが可能である:
(13) tw=τ*ln[(ε-VAC0)/(ε−VACE)]
再生期間において、全体的な逆電圧はε’であり、作用電極136の初期電圧降下はVACEであり、再生期間中の作用電極136における過渡的な電圧降下はVRである。これらの値の間の関係は、数学的には次式のように表現されることが可能である:
Figure 0006343104
ここで、R’は再生期間中の回路の抵抗であり、Cは作用電極136のキャパシタンスである。
数式(14)の積分は、次式をもたらす:
(15) VR=(VACE+ε’)*exp(-t/τ’)-ε’
再生期間中に作用電極136における電圧降下がVAC0に減るまでに必要な時間(tR/再生持続期間)は、数学的には次式で表現されることが可能である:
(16) tR=τ’*ln[(VACE+ε’)/(VAC0+ε’)]
再生期間中の電流(IR)は、数学的には次式で表現されることが可能である:
(17) IR=-C*(dVR/dt)=C*(ε’+VACE)/τ’*exp(-t/τ’)
再生期間中の時間(t)における不所望イオンの過渡的な生成レート(rR)(不所望イオンは、実施形態に応じてH+又はOH-である)は、数学的には次のように表現されることが可能である:
(18) rR=IR/F
ここで、FはUpAセルへの水の流速に等しい(例えば、水流計124により測定される)。
数式(7)及び(8)から、作用期間中及び再生期間中の所望イオン(r1)及び不所望イオン(r2)の平均生成レートは、数学的には次のように表現されることが可能である:
(19) r1=C*(VACE-VAC0)/(F*τ)/ln[(ε-VAC0)/(ε−VACE)]
(20) r2=C*(VACE-VAC0)/(F*τ’)/ln[(ε’+VACE)/(ε’+VAC0)]
パラメータ最適化モジュール142は、上記の数式(19)及び(20)に基づいて作用及び再生期間に対する最適化されたパラメータを決定して良い。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、r1及びr2のそれぞれの値を最大化及び最小化するVAC0及びVACEの値を決定することが可能である。最適プロセス及び/又は他の検討事項(例えば、作用電極136の既知の制限に対処すること等)に関し、VAC0及びVACEの有意の範囲が設定されても良い。パラメータ最適化モジュール142は、数式(13)及び(16)に基づいて、最適化された作用持続期間及び最適化された再生期間を決定するために、VAC0及びVACEに対して決定された値を使用しても良い。制御モジュール144は、電源130及び/又は他のコンポーネントを制御するために、決定された最適化されたパラメータを使用して良い。
図3及び図4は、ε=2V、ε’=0.7V、C=10F、τ=30s及びτ’=25sというパラメータに対する作用及び再生持続期間の別の組の下でのr1(図3)及びr2(図4)の値を示す。仮定されるVACEの範囲は0.5-1.3Vであり、仮定されるVAC0の範囲は0.1-0.4Vである。各図のtw軸は作用持続期間(秒)を表現し、各図のtR軸は再生持続期間(秒)を表現する。各図のz軸は生成レート(毎秒当たりのモル数)を表現する。数式(19)及び(20)に基づいて、パラメータ最適化モジュール142は、VAC0及びVACEの値が対応する有意の範囲内で最小値になり、作用及び再生期間の対応する持続期間がそれぞれ7.1s及び10.1sである場合に、r1の最大値及びr2の最小値の双方が達成されることを判定する。更なるパラメータが、同様なアプローチで最適化されることが可能である。例えば、全体的な逆電圧(ε’)が0.7Vから2.7Vまで変化する場合に、再生のための対応する最適化された持続期間は、10.1sではなく3.3sとなる。
例示の環境100の実施形態では、1つ以上のコンポーネントがUpA装置の一部分として一緒に包含されていても良い。例えば、或る実施形態では、UpAセル132、コントローラ140、ポンプ122、流量計124、電源130、電圧計126及び電流計128が共通のハウジング内にパッケージングされても良いし、電気的及び/又は機械的に互いに結合される複数のハウジングにパッケージングされていても良い。UpA装置は、例えば、UpA装置の入力を水102Aにつなぎ、選択的に、(pH調整済みの水102Bを出力する)UpA装置の出力を1つ以上の下流のコンポーネントへつなぐコネクションを含んでいても良い。これらの実施形態において、コネクションは管継手(pipe coupling)であっても良い。
図2は、UpAセル132の作用期間及び再生期間を制御する例、及び/又は、UpAセル132に供給される水の流速を制御する例を示す。パラメータ最適化モジュール142は、UpAセル132の動作に関連する様々なコンポーネントの状態を示す複数の測定された又は他の既知のパラメータを識別する。例えば、1つ以上の値は、流量計124、電圧計126及び電流計128のうちの1のうちの1つ以上からパラメータ最適化モジュール142により受信される測定値であっても良い。また、例えば、作用電極136の時定数、及び/又は、作用電極136のキャパシタのキャパシタンス等のような1つ以上の値は、パラメータ最適化モジュール142に関連する不揮発性メモリから取り出されても良いし、或いは、パラメータ最適化モジュール142でプログラムされていても良い。
パラメータ最適化モジュール142は、測定された又は既知のパラメータを利用して、UpAセルに対する入力に関する最適化されたパラメータを決定し、そのパラメータは例えば:UpAセル132に対する水の流速、UpAセル132に対する再生持続期間、UpAセル132に対する作用持続期間、UpAセル132の再生期間中に提供される電圧、及び/又は、UpAセル132の作用期間中に提供される電圧のうちの1つ以上であって良い。或る実施形態において、パラメータ最適化モジュール142は、測定された又は既知のパラメータの観点から、UpAセル132のエネルギ効率及び/又は全体的な所望及び/又は不所望イオン生成率を最適化することに基づいて、最適化されたパラメータを決定しても良い。これらの実施形態において、パラメータ最適化モジュール142は、1つ上の数式に基づくパラメータ及び/又はこれらのパラメータを示すテーブル値が、測定された又は既知のパラメータの観点から、UpAセル132のエネルギ効率及び/又は所望イオン生成率を最適化することを判定しても良い。
パラメータ最適化モジュール142により決定された最適化されたパラメータは制御モジュール144に提供される。一般に、制御モジュール144は、1つ以上の最適化されたパラメータを利用して、UpAセル132に関連する1つ以上の入力を制御する。例えば、図2に示されるように、制御モジュール144は、いつ及び/又はどのように電力が電源130によりUpAセル132に提供されるかを制御する信号を電源130に供給することにより、最適化されたパラメータに基づいてUpAセルの作用期間及び再生期間を制御する。電源130は、制御モジュール144から受信した制御信号に基づいてUpAセル132へ電力を供給する。例えば、最適化されるパラメータが作用持続期間及び再生持続期間を含む場合、制御モジュール144は、作用持続期間に対して第1極性の第1電圧を供給し、再生持続期間に対して第2極性の第2電圧を供給するように、電源130を指図しても良い。また、例えば、最適化されるパラメータが作用期間に対する電源130の電圧及び/又は再生期間に対する電源130の電圧を含む場合、制御モジュール144は、それぞれの期間中にそれぞれの電圧を供給するように、電源130を指図しても良い。
別の例として、最適化されるパラメータが作用期間及び再生期間中の水の流速を含む場合、図2に示されるように、制御モジュール144は、ポンプ122からの水のその流速を達成するように、ポンプ122へ信号を提供しても良い。ポンプ122は、制御モジュール144から受信される制御信号に基づいてUpAセル132へ水を提供する。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、r1及びr2の値のそれぞれを最大化及び最小化する上記の数式(19)及び(20)における「F」の値を(Fの有意の範囲内で)決定することに基づいて、流速に対する最適化されたパラメータを決定していても良い(ただし、選択的に、VACE、VAC0、ε、ε’のような調整可能な他の値の観点からそれらの値を最大化/最小化しても良い)。制御モジュール144はFの値を利用してポンプ122を制御しても良い。
所望のイオンの生成レート及び/又はエネルギ効率を最適化することに基づいて決定される制御パラメータに基づいて、UpAセルに対する1つ以上の入力を制御する方法の具体例は、次のように説明できる。
第1ステップにおいて、UpAセルに関連する複数のパラメータが識別される。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、流量計124、電圧計126及び電流計128のうちの1つ以上から、1つ以上の測定された値を受け取っても良い。また、例えば、1つ以上の値は、パラメータ最適化モジュール142に関連する不揮発性メモリから取り出されても良いし、パラメータ最適化モジュール142にプログラムされていても良いし、及び/又は、ユーザー・インターフェース要素におけるユーザー入力から受け取っても良い。
第2ステップにおいて、UpAセルの1つ以上の制御パラメータは、そのパラメータの観点から、所望のイオンの生成レート及び/又はエネルギ効率を最適化することに基づいて決定される。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、測定された又は既知のパラメータの観点から、UpAセル132のエネルギ効率及び/又は全体的な所望及び/又は不所望イオン生成レートを最適化することに基づいて、最適化されたパラメータを決定しても良い。これらの実施形態において、パラメータ最適化モジュール142は、1つ以上の数式に基づくパラメータ及び/又はそれらのパラメータを示すテーブル値が、測定された又は既知のパラメータの観点から、UpAセル132における所望イオンの生成レートを最適化し、及び/又は、UpAセル132のエネルギ効率を最適化することを判定しても良い。例えば、パラメータ最適化モジュール142は、数式(7)、(8)、(9)、(19)及び(20)のうちの1つ以上を利用しても良い。
第3ステップにおいて、UpAセルに対する1つ以上の入力は、決定された制御パラメータに基づいて制御される。例えば、制御モジュール144は、最適化されたパラメータの1つ以上を利用して、UpAセル132に関する1つ以上の入力を制御する。例えば、制御モジュール144は、いつ及び/又はどのように電力が電源130によりUpAセル132に与えられるかを制御する信号を電源130に提供することにより、最適化されたパラメータに基づいて、UpAセル132の作用期間及び再生期間を制御しても良い。また、例えば、最適化されたパラメータが作用期間及び/又は再生期間中の水の流速を含む場合、制御モジュール144は、ポンプ122からの水のその流速を達成するようにポンプ122に信号を提供しても良い。
UpAセルに対する1つ以上の入力は制御され続けても良い。或る実施形態において、新たな制御パラメータと、新たな制御パラメータに基づいて制御されるUpAセルに対する1つ以上の入力とを決定するために、第1及び第2ステップが反復されても良い。例えば、制御パラメータ140は、3つのステップ全部を周期的又は継続的に実行しても良い。また、例えば、流量計124、電圧計126及び/又は電流計128から受けた信号により示される変化のような1つ以上の測定された値の変化の検出時に、制御パラメータ140が第1及び第2ステップを実行しても良い。
上記の実施形態は本発明を説明するものであって限定するものではないこと、及び、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱すること無く多くの代替的な実施形態を設計することが可能であることに、留意すべきである。特許請求の範囲において、括弧内に位置する何らかの参照符合が存在する場合、その参照符合は特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。「有する(comprising)」という言葉は、請求項に掲げられているもの以外の要素又はステップの存在を排除していない。或る(“a” or “an”)という要素に先行する言葉は、そのような要素が複数個存在することを排除していない。本発明は、幾つもの個別的な要素を有するハードウェアを利用することにより、及び/又は、適切にプログラムされたプロセッサを利用することにより実現されても良い。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、それらの手段のうち幾つかは、ハードウェアの1つの同じアイテムにより具現化されても良い。所定の複数の事項が相互に異なる従属請求項で引用されているという単なるそれだけの事実は、それらの事項の組み合わせが有利に活用できないことを示してはいない。

Claims (6)

  1. 水の一方向pH調整に相応しい一方向pH調整セルにおける電極の再生を制御する方法であって、前記一方向pH調整セルは作用電極及び対電極を含み、当該方法は:
    用期間の開始時における前記作用電極の作用電圧降下と再生期間の開始時における前記作用電極の再生電圧降下とを定する決定ステップであって、第1目的関数及び第2目的関数は、前記作用期間の開始時における前記作用電極の作用電圧降下と、前記再生期間の開始時における前記作用電極の再生電圧降下と、前記一方向pH調整セルに提供される水の流速とに依存し、前記決定ステップで決定された作用電圧降下及び再生電圧降下は、前記一方向pH調整セルの充電中における所望イオンの平均生成レートを示す第1目的関数を最大化し、前記一方向pH調整セルの放電中における不所望イオンの平均生成レートを示す第2目的関数を最小化するものである、ステップ;
    前記作用期間の開始時における前記作用電極の前記決定された作用電圧降下と、前記再生期間の開始時における前記作用電極の前記決定された再生電圧降下とに基づいて、再生持続期間及び作用持続期間を決定するステップ;
    前記決定された作用持続期間の間に前記一方向pH調整セルを充電するステップであって、前記一方向pH調整セルに第1極性の第1電圧を提供することを含む、ステップ;及び
    前記決定された再生持続期間の間に前記一方向pH調整セルを放電するステップであって、前記一方向pH調整セルに第1極性の第1電圧を提供しないことを含む、ステップ;
    を有する方法。
  2. 前記一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することに基づいて、前記作用期間中に電源により印加される前記第1電圧を定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一方向pH調整セルにおける所望イオンの生成レートを最適化することに基づいて、前記一方向pH調整セルに供給される水の流速を決定するステップ;及び
    前記流速に基づいて、前記一方向pH調整セルに水を供給するポンプの速度を調整するステップ;
    を更に有する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記決定された再生持続期間の間に前記一方向pH調整セルを放電するステップが、前記一方向pH調整セルに第2極性の第2電圧を提供することを含む、請求項1ないし3のうちの何れか一項に記載の方法。
  5. 前記再生持続期間及び前記作用持続期間を決定することが、1つ以上の目的関数、及び、最適化された生成レートを表す1つ以上のテーブル値のうち少なくとも何れかを適用することを含む、請求項1ないし4のうちの何れか一項に記載の方法。
  6. 一方向pH調整装置であって:
    水を受ける入力と、前記水のpH値を一方向に調整するために前記水に電圧を供給する作用電極及び対電極と、調整されたpH値を有する水を送り出す出力とを有する一方向pH調整セル;
    前記作用電極の作用期間中に前記作用電極に第1極性の第1電圧を供給する電源;及び
    請求項1ないし5のうち何れか一項に記載の方法を実行するように構成されるコントローラ;
    を有する一方向pH調整装置。
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