JP6342585B2 - 4−フルオロ−チオ含有app2阻害剤、その組成物、および使用方法 - Google Patents

4−フルオロ−チオ含有app2阻害剤、その組成物、および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、その天然基質がブラジキニンである酵素、膜結合型アミノペプチダーゼP2(APP2)を特異的に阻害することができるフルオロ−チオ含有化合物に関する。本化合物は、ブラジキニンの分解を阻害することにより、冠動脈の拡張、心筋虚血/再灌流障害時の心保護作用の提供、新しい血管形成の刺激、慢性心疾患および腎疾患時の臓器機能の改善、および耐糖能およびインスリン感受性の改善を含め、前記化合物が内因性ブラジキニンに体内で有益な作用を発揮させることができるため、医薬品として有用である。また、本発明は、本発明の前記APP2阻害薬を有する医薬組成物、および哺乳類患者、特にヒト患者におけるブラジキニン分解を阻害する方法に関する。
米国では、毎年100万人以上が心筋梗塞(心臓発作)を発症し、500,000例を超える死亡に至っている。「急性心筋梗塞(MI)の効果的な治療は、心筋の虚血領域への血液の灌流を促す処置、すなわち再灌流療法に基づいている。」Ferdinandy et al.,"Interaction of Risk Factors,Comorbidities,and Comedications with Ischemic/Reperfusion Injury and Cardioprotection by Preconditioning,Postconditioning,and Remote Conditioning,"Pharmacol.Rev.66:1142−1174 at 1144(October 2014).「しかし、再灌流では不可逆的な心筋細胞死に至ることがあり、これは致死的な心筋再灌流障害と呼ばれる。」同文献。「現在、市場には虚血/再灌流障害の併発に対して有効な治療はなく、ルーチンな医薬品は虚血/再灌流心筋を回復させない。」同文献。「したがって、虚血/再灌流障害による梗塞組織の範囲を限定する心保護薬の開発は、臨床的に大きな重要性を持つ。」同文献。Sivaraman,et al.,"Pharmacologic Therapy That Simulates Conditioning for Cardiac Ischemic/Reperfusion Injury," J.Cardiovascular Pharm.and Therap.,19(1)83−96(2014)も参照。
急性心筋梗塞後に虚血/再灌流心筋を治療する1つの選択肢は、心臓が再灌流するとき、すなわち、心臓動脈の血餅が機械的に外れるまたは溶解するときに、ナノペプチドホルモンであるブラジキニンの心臓内濃度を上昇させることである。心臓への血流が回復することで心障害が軽減するが、血流の急速な増加自体が「再灌流障害」と呼ばれる別の種類の障害を引き起こすため、その軽減はそれほど効果的ではない。ブラジキニンはこの種の障害を予防することが知られている。しかし、ブラジキニン自体は患者に投与すると血圧を重篤に低下させる可能性があるため、よい薬とは言えない。ブラジキニンは虚血および再灌流時に心臓自体で産生されるが、効果が出るほど十分な量に増加することはない。これは、ブラジキニンが、血管内皮細胞に存在する膜結合型アミノペプチダーゼP2(APP2)とアンギオテンシン変換酵素(ACE)の2つの酵素によって急速に分解されるためである。APP2を阻害するとブラジキニンが増加し、これが再灌流障害を予防する。再灌流障害を引き起こす生化学的機序とこれを阻害する機序は、ほとんどの臓器に存在すると考えられる。したがって、APP2の阻害は、血流が一定期間停止し(虚血)、再開する(再灌流)ほとんどの状況で保護作用を示すはずである。これには、これに制限するものではないが、腎臓、脳(脳卒中)、肝臓、肺、および四肢の虚血/再灌流(I/R)、心肺バイパス手術後、および急速輸液後の心停止および出血性ショックなどの全身I/Rを含む。現在、再灌流障害を予防する既承認薬はない。
プロトタイプであるアミノペプチダーゼP阻害薬のアプスタチン(化学式I)は、摘出した灌流ラット心臓および肺でブラジキニンの分解を軽減することが示された。アプスタチンは静脈内投与されたブラジキニンの血圧低下作用を向上させた。重度高血圧のラットモデルでは、
Figure 0006342585
それ自体は効果がないアプスタチンがACE阻害薬と相乗的に作用し、血圧を正常値にまで低下させた[Kitamura et al."Effects of aminopeptidase P inhibition on kinin−mediated vasodepressor responses," Am.J.Physiol.,276,H1664−H1671(1999)]。アプスタチンによるAPP2阻害でも心保護作用がみられ、摘出した灌流心臓を用いた心臓発作モデルでは、アプスタチンが心障害を74%減少させた[Ersahin et al.,"Cardioprotective effects of the aminopeptidase P inhibitor apstatin:studies on ischemia/reperfusion injury in the isolated rat heart," J.Cardiovasc.Pharmacol.,34,604−611(1999)]。アプスタチンは、同量で再灌流誘導心室細動を抑制した。他の研究室で実施されたその後の研究では、アプスタチン投与によるAPP2の阻害が、局所的な心虚血を引き起こした未処置ラットの心筋梗塞サイズを実質的に減少させることが示された。[Wolfrum et al.,"Apstatin,a selective inhibitor of aminopeptidase P,reduces myocardial infarct size by a kinin−dependent pathway," Br.J.Pharmacol.,134,370−374(2001);Veeravalli et al.,"Infarct size limiting effect of apstatin alone and in combination with enalapril,lisinopril and ramiprilat in rats with experimental myocardial infarction," Pharmacol.Res.,48,557−563(2003)]後の研究では、アプスタチンは虚血時、ただし、再灌流開始直前に投与しても有効であった。これは、アプスタチンは再灌流が開始したときにのみ虚血心臓組織に到達するため、アプスタチンが再灌流障害を特異的に予防していることを示している。
アプスタチンは優れた薬学的特性を有し、妥当な作用強度(マイクロモル)、特異性、および代謝安定性を示す。ただし、その化学的特性は、経口投与で有効な薬物としての有用性を制限する。アプスタチンおよび関連化合物は注射用薬物としての可能性があり、その作用強度および予測される腸吸収速度は、おそらく遅すぎて経口投与後に有効性を発揮することができない。経口生物学的利用能は、前記薬物が、高血圧または慢性心疾患または腎疾患の補助治療など、長期的に使用される場合は重要な性質となる。したがって、アプスタチンよりも作用強度が高い(すなわちIC50が低い)APP2阻害薬を発見し、注射用薬物として低用量で投与することができる、および/またはその作用強度および化学的特性のため、経口で許容される形態で投与可能となるようにすることが本発明の目的である。
ブラジキニン値を上昇させる新規化合物は、α−ヒドロキシ、β−アミノトリペプチド〜デカペプチド類似体であり、「Aminopeptidase P inhibitors and Uses Thereof」と題したWilliam H.Simmonsの米国特許第5,656,603号明細書に開示されている。
ブラジキニン値を上昇させる別の新規化合物は、2008年6月24日にWilliam Simmonsに交付された「Thio−Containing Inhibitors Of Aminopeptidase P,And Compositions Thereof」と題する米国特許第7,390,789号明細書に開示され、APP2(そこではmAPP)およびACE阻害薬に関連したその開示の参照により本明細書に組み込まれる。前記第7,390,789号明細書では、10〜3400nMの濃度範囲で、基質としてArg−Pro−Pro(0.5mM)を用い、精製ラット膜アミノペプチダーゼPを50%阻害する、様々なチオ含有トリペプチド類似体を開示している。しかし、これらの化合物の膜安定性および望みの薬物動態特性を最適化した場合、標的特異性の消失を示した。また、これらの化合物は、持続的で完全にAPP2を阻害するために必要な血中濃度に近い濃度でACEを阻害した。
現在の急性心筋梗塞の治療ガイドラインでは、ACE阻害薬は主にアンギオテンシンIIの形成を阻害することで、血圧を急速に低下させる作用があるため、ACE阻害薬を再灌流時に患者に投与すべきではないと述べている。一方、特異的APP2阻害薬は、それ自体は血圧を低下させない。したがって、APP2を阻害するが、ACEを阻害しない化合物は、内因性ブラジキニンの心保護作用を向上させるため、再灌流時に使用する場合により安全なはずである。そのため、本発明の目的は、APP2を大きく阻害するが、ACEの阻害は最小限である化合物を見つけることである。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第4,507,312号明細書
(特許文献2) 米国特許第4,549,992号明細書
(特許文献3) 米国特許第4,684,660号明細書
(特許文献4) 米国特許第5,508,272号明細書
(特許文献5) 米国特許第5,656,603号明細書
(特許文献6) 米国特許第6,777,443号明細書
(特許文献7) 米国特許第7,390,789号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) Conformation of cis−and trans−4−Fluoro−L−proline in Aqueous Solution,J.T.Gerig and R.S.McLeod,JACS,95:17,5725−5729,Aug.22,1973.
(非特許文献2) Ferdinandy et al.,"Interaction of Risk Factors,Cpmorbities,and Comedications with Ischemia/Reperfusion Injury and Cardi,"Pharmacol.Rev.66:1142−1174,Oct.2014.
(非特許文献3) Sivaraman et al.,"Pharmacologic Therapy That Stimulates Conditioning for Cardiac Ischemic/Reperfusion Injury,"J.Cardvasc.Pharmacol Ther.,2014 19(1):83−96.
(非特許文献4) Mock et al.,"Specificity and pH dependence of Proline Cleavage by Prolidase,"J.Biological Chem.,265(32),15,pp 19600−19605(1990).
本出願人は、APP2を選択的に阻害するが、ACEは阻害しないトリペプチド類似体である、新規4(S)−フルオロ−チオ−化合物を発見した。これは、APP2およびACEはいずれも同じ基質であるブラジキニンを分解するが、ACEの阻害は望ましくない血圧の低下とも関連しているため、哺乳類患者の再灌流障害治療に望ましい特徴である。したがって、最初の態様では、本発明は化学式IIの化合物に関し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルであり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHであり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
最も好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHであり、RはHである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。本化合物は、本明細書においてST−115と言及され、また、以下に示す化学式IIIの化合物である。
Figure 0006342585
その第2の態様では、本発明は、治療有効量の化学式IIの化合物を含む薬学的に許容される担体を有する医薬組成物に関し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。より好ましい組成物は、本明細書の詳細な説明で説明される。
第3の態様では、本発明は哺乳類患者におけるブラジキニン分解を阻害する方法に関し、ブラジキニン分解の阻害が必要な哺乳類患者に、治療有効量の化学式IIの化合物を含む、薬学的に許容される担体を有する医薬組成物を投与する工程を有し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。さらに好適な組成物を用いた本発明の追加の方法が、本明細書の詳細な説明に開示される。
図1は、ベースライン、および虚血性エピソード時(25分間)、ただし、再灌流を発生させる5分前に生理食塩水、アプスタチン、またはST−115(化学式IIIの化合物)投与後、マウスの血中尿素窒素(BUN)濃度(y軸)をmg/dLであらわした棒グラフである。
最初の態様では、本発明は化学式IIの化合物に関し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
「薬学的に許容される塩」の用語は、本明細書に用いるとおり、これに限定されるものではないが、鎮痛薬、治療薬、その他の物質などを含む組成物の、比較的非毒性の無機および有機塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩の例には、アンモニア、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの過水酸化物、炭酸塩、および重炭酸塩などの無機塩基に由来する塩を含む。塩は、非毒性でそのような塩を形成する十分な強さのものを含む適切な有機塩基により形成される。説明の目的で、そのような有機塩基のクラスには、メチルアミン、ジメチルアミン、およびトリエチルアミンなどのモノー、ジー、およびトリアルキルアミン;モノー、ジー、およびトリエタノールアミンなどのモノー、ジー、またはトリヒドロキシアルキルアミン;アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸;グアニジン;N−メチルグルコサミン;N−メチルグルカミン;L−グルタミン;N−メチルピペラジン;モルホリン;エチレンジアミン;N−ベンジルフェネチルアミン;(トリヒドロキシメチル)アミノエタンなどを含む。例えば、J.Pharm.Sci.,66:1−19(1977)を参照。
「1〜6炭素原子を有するアルキル」の用語では、直鎖または分岐鎖炭素原子を含むことを意味する。典型的な分岐鎖アルキルは3〜6炭素原子を有し、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、イソへキシル、sec−へキシル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンタ−3−イル、シクロへキシルなどを含む。
化学式IIの化合物では、RがR(CO)−の場合、前記硫黄はアシル化され、チオエステル型(−S−(CO)−R)となる。エステルとして、化学式IIの化合物はプロドラックの形態をとる。化学式IIまたは化学式IIIの化合物が阻害する酵素APP2の活性部位で金属イオンと結合するためには、遊離チオール(−SH)が存在することが必要である。前記チオエステルのプロドラッグは、患者に投与されるまでAPP2阻害活性を持たず、患者に投与されると、投与を受けた患者の血中または組織中のエステラーゼによりアシル基が開裂する。本発明の化合物をプロドラッグとして注射または注入により投与すると、注射または注入部位の活性薬物濃度は高くならないことが保証される。このように投与したプロドラッグは、活性化する前に希釈され、体内に分布する。化学式IIの種類にエステルの選択肢がいくつかある理由の1つは、前記エステラーゼにより急速(アセチル)またはゆっくりと開裂するエステルを選択することで、プロドラッグの活性化率をコントロールできるためである。また、化学式IIの化合物のS−アシル化プロドラッグ型は保存する場合も化学的に安定であり、遊離スルフヒドリル基(−SH)が酸化を受け、ジスルフィドホモダイマー(これ自体は不活性)を形成する可能性がある。
さらに、−SHとC末端カルボキシル基のアクリル化により化学式IIのジエステルプロドラッグが生成し、これは十分疎水性であるため、薬物動態予測アルゴリズムに基づき、GI管から経口吸収される。そのため、前記ジエステルは丸薬またはシロップの形態で患者に投与することができる。代わりに、前記ジエステルを注射または注入により患者に投与した場合、患者の血中または組織中のエステラーゼが両方のエステルを加水分解し、前記チオエステルをその活性型であるスルフヒドリル(−SH)型に、また前記カルボキシエステルを遊離カルボキシル型に変換する。この化学式IIのチオールカルボキシル型は本発明の活性成分であり、すなわち、APP2の強力で選択性の高い阻害剤である。
化学式IIまたは化学式IIIのチオエステルの1つの例はアセチル化チオエステルであり、これは本明細書の化学式IVの化合物である。前記化学式IVの化合物は、本明細書の実施例1Dによって作成され、
好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルであり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHであり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
最も好ましくは、本発明は化学式IIの化合物に関し、
式中、RはHであり、RはHである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。本化合物は、本明細書において以下に示す化学式IIIの化合物として言及される。
Figure 0006342585
さらに別の実施形態では、本発明が化学式IIの化合物に関し、式中、RはR(CO)−であり、Rはメチルであり、RはHである化合物、またはその薬学的に許容される塩である。この化合物は実施例に示され、本明細書では化学式IVの化合物と言及される。
Figure 0006342585
ヒトモデルの試験では、最新の先行研究である米国特許第7,390,789号(Simmons)の非フルオロペプチド類似体(化学式V、VI、およびVIIの化合物)と比較し、本発明の化学式IIIのフルオロ類似体はヒトAPP2酵素を選択的に抑制するが、ヒトACE酵素は抑制しないことが分かったため、本発明の化合物はブラジキニンの抑制に有用である。化学式V、VI、およびVIIの化合物の不斉炭素原子は、他に記載のない限り、S配置である。ペプチド類似体のAPP2およびACE阻害活性を決定する方法は、本明細書の実施例2および3に説明する。比較データは、本明細書の表1に報告する。具体的には、表1では各被験化合物の化学構造、APP2のIC50(nmol/L)、ACEのIC50、次にACE/APP2に対する本化合物のIC50比を比較している。表1では、ACE/APP2のIC50比で計算した選択性の低下をもとに、前記化合物を降順に配列した。
Figure 0006342585
表1に開示したとおり、本発明の化学式IIIの化合物は4(S)−フルオロを有し、ヒトAPP2を阻害する優れた能力(IC50は3.7nM/L)およびヒトACEを阻害しない優れた能力(IC5068,000nM/L)を示した。これは、ACE/APP2に対する本化合物のIC50比が18,000であることに反映されている。4(S)−フルオロがない比較化合物の次に最適な比率は、先行技術の化学式Vの化合物によって示され、IC50比が1,900であった。化学式VIおよびVIIの比較化合物は、実質的にACE/APP2に対するIC50比が小さく、それぞれ1,200および160であった。化学式IIIの化合物のAPP2に対する親和性は、予想外にACEよりも18,000倍高かったため、ACEに対する阻害作用がなく、APP2を完全に阻害する治療用量のST−115を投与することが可能である。したがって、この化学式IIIの化合物の特性は、再灌流障害を予防するため、再灌流時に心筋梗塞患者に投与される医薬品に理想的である。
化学式IIIの化合物は、(i)APP2を阻害するため、低濃度でAPP2のブラジキニン分解を阻害するが、(ii)非常に高濃度でもACEを選択的に阻害しないという特性が組み合わさっており、検討された4(S)−フルオロ化合物よりも優れ、予想外であった。
先行研究では、プロトタイプであるAPP2阻害剤のアプスタチンが心臓の虚血/再灌流障害を大幅に軽減できることが示された。図1は、アプスタチンおよびST−115(式IIIの化合物)も腎臓の虚血/再灌流障害を軽減できることを示している。この研究では、マウスの両腎臓への血流が25分間遮断され、虚血となった。その後、血流は回復した(再灌流)。この腎障害モデルでAPP2の阻害作用を決定するため、アプスタチン、ST−115、または生理食塩水(対照)を再灌流前に5分間静脈内投与した。再灌流の2日後、血中尿素窒素(BUN、腎機能障害のマーカー)を測定した。図1では、データを平均±平均の標準誤差として示している。ウェルチの補正を用いた対応のないt−検定により、各薬物を個別に対照と比較した。**アプスタチン対生理食塩水、p<0.01、***ST−115対生理食塩水、p<0.001。
図1は、生理食塩水投与マウスのBUN値がマウスのベースライン値と比較して非常に高いことを示しており、重大な腎障害を示している。生理食塩水と比較し、アパスタチンはBUNを49%低下させたが、ST−115はこれを56%低下させた。さらに、生理食塩水投与対照マウスの29%が事前に定義した2日間のBUN測定点の前に死亡したが、アパスタチンまたはST−115投与マウスで早期死亡は認められなかった。アパスタチンおよびST−115が再灌流直前に投与すると保護効果を示すという事実は、このモデルでは、アパスタチンとST−115が虚血障害ではなく再灌流障害を特異的に遮断していることを示している。したがって、化学式IIIの4(S)−フルオロ化合物、および化学式IIの関連4(S)−フルオロ化合物は、哺乳類患者の組織の再灌流障害を遮断する方法において、医薬品として有用と考えられる。より好適な実施形態では、これらは、哺乳類患者の心臓または腎臓への再灌流障害を遮断する方法において、哺乳類患者に投与する医薬品として有用と考えられる。
アパスタチンおよび化学式IIIの化合物は、いずれもAPP2を阻害する、構造的に異なる分子である。いずれも同様の保護作用を示すという事実は、これらの作用機序が同様であり、すなわち、内因性APP2を阻害することを示している。この2つの化合物の機能的な違いは、化学式IIIの化合物がアパスタチンよりも180倍低い用量で効果を示すことであり、これは、in vitroでAPP2を阻害するIC50値の違いが大きいことと一致している。APP2の阻害が心臓および腎臓の再灌流障害をいずれも軽減することができるという事実は、再灌流障害を形成および遮断する機序がいずれも、すべてではないとしても全身の多くの他の組織に重複して存在することを示している。したがって、化学式IIIの4(S)−フルオロ化合物、および化学式IIの関連4(S)−フルオロ化合物は、多くのタイプの虚血/再灌流障害を遮断するために有用であるはずである。
その第2の態様では、本発明は、治療有効量の化学式IIの化合物を含む薬学的に許容される担体を有する医薬組成物に関し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
本明細書で用いる「治療有効量」の用語は、その量の薬物または医薬品が、研究者または臨床医が求める組織、系、または動物の生物学的または医学的反応を誘発することを意味する。前記化合物の有効であるが、毒性のない量が治療に用いられる。本発明の化合物により症状を予防または治療する投与法は、前記哺乳類の種類、年齢、体重、性別、および医学的状態、前記症状の重症度、利用する特定化合物の投与経路を含む様々な因子により選択される。当業者の医師または獣医師は、前記状態の進行を予防または停止する薬物の投与経路に基づき、有効量を容易に決定および処方するだろう。そのような進行では、前記医師または獣医師は最初に比較的低用量を利用し、その後、最大反応が得られるまで増量する。
ラットでは、アプスタチンによるブラジキニンの保護は、1時間かけて0.08〜0.8mg/kgを静脈内投与した場合に認められた。本発明のより強力な阻害剤は、10〜180倍低い用量で有効であるはずである。例えば、表1を参照。作用強度の低い阻害剤では、同じ治療結果を得るためにより多くの用量が必要である。本発明の化合物の典型的な治療有効量は、静脈内投与した場合に約0.0003mg/kg〜0.8mg/kgである。
選択した投与経路にかかわらず、毒性はないが、治療有効量である本発明の1若しくはそれ以上の化合物が治療に利用される。本発明の化合物により高血圧症状を予防または治療する、または心筋梗塞/再灌流障害を治療するため、前記患者のタイプ、年齢、体重、性別、および医学的状態、前記症状の重症度、投与経路、および治療に利用する特定化合物により用量を選択する。当業者の医師または獣医師は、前記状態の進行を予防または停止するために必要な薬物の有効量を容易に決定および処方することができる。そのような進行では、前記医師または獣医師は最初に比較的低用量を利用し、その後、最大反応が得られるまで増量することができる。本発明の化合物の1日量は、本発明の化合物のIC50によって異なる。しかし、経口用量は、約0.1mg/kgから約200mg/kgの範囲が通常である(好ましくは約2.0〜84.0mg/kgの範囲(経口))。
本明細書に用いるとおり、「薬学的に許容される担体」の用語は、望みの特定の投与形態に適した分散または懸濁補助剤、界面活性剤、pH調製剤、等張剤、増粘または乳化剤、保存料、固体結合剤、潤滑剤などの薬学的に許容される材料、組成物、または溶媒を意味する。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000では、薬学的に許容される組成物の製剤化に使用される様々な担体およびその調整において既知の技術について開示している。また、Strickley,Pharmaceutical Research,21(2)201−230(2004)では、経口または非経口投与用に化合物を可溶化する市販製剤に使用される、薬学的に許容される賦形剤についてレビューしている。望ましくない生物学的作用を生じる、またそれ以外では、薬学的に許容される組成物の他の成分と有害な相互作用を生じるなどにより、従来の担体媒体が本発明の化合物と適合しない範囲を除き、その使用は本発明の範囲内であると考えられる。薬学的に許容される担体として機能することができる材料の例は、これに限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レクチン、ヒト血清アルブミンなどの血清蛋白質、リン酸塩、炭酸塩、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムなどの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、発熱性物質を含まない水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、フタル酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩などの塩または電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂;ラクトース、グルコース、スクロース、およびマンニトールなどの糖;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン、セルロースおよびカルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、エチルセルロース、およびセルロース・アセテートなどのその誘導体、粉末トラガカント;モルツ、ゼラチン、タルク;カカオ脂および坐薬ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、セサミ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などのオイル;プロピレングレコールおよびポリエチレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天、アルギン酸、等張食塩水、リンガー液、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、およびグリセロールなどのアルコール;ヒドロキシプロピルp−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルなどのシクロデキストリン;β−シクロデキストリン;ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;鉱油および石油などの石油炭化水素を含む。さらに、製剤化の担当者の判断で、着色料、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味料および香料、保存料、および抗酸化剤が前記組成物に存在することもできる。
本発明の医薬組成物は、とりわけ従来の顆粒化、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセスなどの当該分野で周知の方法により製造される。組成物は、顆粒、沈殿物、または粒子状物質、凍結乾燥、回転乾燥、または噴霧乾燥粉末を含む粉末、アモルファス粉末、錠剤、カプセル、シロップ、坐薬、エマルジョン、エリキシル剤、懸濁液、または溶液を含む様々な形態で製造することができる。
薬学的に許容される担体と併用すると、本発明の化合物は、薬学分野で既知の以下に説明する液体担体を用いた経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、または局所投与に適したものとなる。代わりに、本発明の医薬組成物を坐薬またはブージー剤などの形態で経直腸または経膣投与することができる。前記医薬組成物の好適な形態は、経口または静脈内投与用、より典型的には経口投与用に製剤化される。
本発明の経口投与医薬組成物および方法については、本明細書に記載の前述の活性化合物が、典型的には、意図する投与様式および形態、つまり、経口錠剤、カプセル、ソフトカプセル、エリキシル、シロップ、ドロップなどについて適切に選択され、周知の薬学的慣行と一致した、適切な薬学的希釈液、賦形剤、または担体(本明細書では、集合的に「担体」材料と言及する)と混合して提供される。
例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与では、治療有効量の本発明の1若しくはそれ以上の化合物を、ラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウムマンニトールなどの薬学的に許容される経口非毒性不活性担体、またはその様々な組み合わせと併用する。ソフトカプセル、エリキシル、シロップ、ドロップなどの液剤での経口投与では、治療有効量の活性薬物成分を、水、生理食塩水、エタノール、ポリエチレン、グリコール、プロピレングリコール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、様々な緩衝液などの薬学的に許容される経口非毒性不活性担体、またはその組み合わせと併用する。望ましいまたは必要な場合、適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、および着色料を前記混合物に組み込むことができる。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖、トウモロコシ甘味料、アカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、およびワックスなどの天然および合成ゴム、またはその組み合わせを含む。これらの剤形で使用できる潤滑剤には、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなど、またはその組み合わせを含む。崩壊剤には、制限はないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、グァーガムなど、またはその組み合わせを含む。適切な場合、甘味料および香味料および保存料を含めることができる。
血管内、腹腔内、皮下、または筋肉内投与では、本発明の1若しくはそれ以上の化合物を、水、等張食塩水、水性デキストロースなどの適切な担体と併用する。局所投与では、本発明の1若しくはそれ以上の化合物を、薬学的に許容されるクリーム、オイル、ワックス、ゲルなどと併用することができる。選択した投与経路にかかわらず、本発明の化合物は、当業者に既知の従来の方法で薬学的に許容される形態に製剤化する。前記化合物は、薬学的に許容される塩基付加塩を用いて製剤化することもできる。さらに、前記化合物またはその塩は、適切な水和型で使用することができる。
APP2拮抗薬としての活性のおかげで、化学式IIの化合物はブラジキニン(Bk)の分解を阻害する上で有用であり、これは同様に、(本明細書で既に議論した腎および冠動脈などの)動脈拡張、心虚血/再灌流障害の軽減、新しい血管の形成刺激、および腎灌流および機能の上昇といった有益な作用を有する。結果として、本発明の化合物は、哺乳類患者、好ましくはヒト患者のブラジキニン分解阻害、高血圧の治療、心筋虚血/再灌流障害の治療、または腎機能向上を目的とした活性薬物として有用である。当業者の医師または獣医師は、患者が高血圧、心筋虚血、または腎機能低下を示しているか否かを容易に決定することができる。好適な効果は、哺乳類患者の虚血/再灌流障害軽減と関連する。
本明細書で用いるとおり、「哺乳類患者」はラット、マウス、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、または霊長類など、治療を必要とする哺乳類を意味する。好ましくは、哺乳類患者は霊長類である。より好ましくは、前記霊長類はヒトである。
好ましくは、本発明の医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルであり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに好ましくは、本発明の医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHであり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
最も好ましくは、本発明の医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHであり、RはHである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。本化合物は、本明細書においてST−115と呼ばれ、また、化学式IIIの化合物である。
第3の態様では、本発明は哺乳類患者におけるブラジキニン分解を阻害する方法に関し、ブラジキニン分解の阻害が必要な哺乳類患者に、薬学的に許容される担体を有する医薬組成物、および治療有効量の化学式IIの化合物を投与する工程を有し、
Figure 0006342585
式中、RはHまたは
Figure 0006342585
であり、
はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または
4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
aは0または1〜6の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
好ましくは、本発明の方法において、前記医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルであり、
は1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに好ましくは、本発明の方法において、前記医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHであり、
はH、または1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
最も好ましくは、本発明の方法において、前記医薬組成物は化学式IIの化合物であり、
式中、RはHであり、RはHである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。本化合物は、本明細書においてST−115と言及され、また、化学式IIIの化合物である。
別の実施形態では、哺乳類患者におけるブラジキニン分解の阻害方法が、虚血エピソード後の哺乳類患者における再灌流障害の予防または改善と関連している。典型的には、上記の方法において、虚血エピソード後に再灌流障害を受ける哺乳類患者の組織が、腎臓、肺、肝臓、心筋、脳、四肢、または心停止後の全身である。好ましくは、前記組織が前記腎臓または前記心筋である。さらに好ましくは、前記組織が前記心筋である。
実施例1
[(S)−2−メルカプト−4−メチルペンタノイル]−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−OHの調製
上記の化学式IIIのタイトル化合物[(S)−2−メルカプト−4−メチルペンタノイル]−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−OHは、CPC Scientific Inc.(米国カリフォルニア州Sunnyvale)が契約合成業者として商業的に調製した。合成方法を以下に説明する。
B.(R)−2−ブロモ−4−メチルペンタン酸の調製
(R)−2−アミノ−4−メチルペンタン酸(H−D−Leu−OH、4g、30.5mmol)をHBr 48%(9.6mL、84mmol)とHO(30mL)の混合物に溶解した。0℃で、NaNO(2.62g、38mmol)のHO(15mL)溶液を60分かけて追加した。前記反応液を0℃で1.5時間、室温で1.5時間攪拌した。前記反応混合物は真空で脱気し、酢酸エチル(EtOAc)(3x50mL)で抽出した。前記抽出物を水(50mL)、乾燥(NaSO)、ろ過、留去し、油状物質として4.52gの粗生成物が得られた。前記油状物質は高真空で蒸留し、油状物質として3.56gの(R)−2−ブロモ−4−メチルペンタン酸が得られた。
C.(S)−2−アセチルチオ−4−メチルペンタン酸の調製
(R)−2−ブロモ−4−メチルペンタン酸(3.56g、18.3mmol)を60mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、CHCOSK(3.13g、27.4mmol)のDMF(30mL)溶液を窒素雰囲気下0℃で追加した。前記反応混合物を2時間攪拌し、留去した。前記残渣をEtOAc(100mL)に再溶解し、5%硫酸水素カリウム(45mL)および水(45mL)および1N HCl(45mL)および生理食塩水(45mL)で洗浄、乾燥(NaSO)、留去し、3.2gの(S)−2−アセチルチオ−4−メチルペンタン酸を淡黄色の油状物質として得た。
D.[(S)−2−アセチルチオ−4−メチルペンタノイル]−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−OH(化学式IVの化合物)の調製
DMF(45mL)を加えたH−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−CTC−樹脂(2mmol、CPC Scientific Inc.(米国Sunnyvale)から入手)入り反応容器に、(S)−2−アセチルチオ−4−メチルペンタン酸(1.15g、6mmol)、DIC(940μL、6mmol)、HOBt(810mg、6mmol)、およびDIEA(1.04mL、6mmol)を加えた。一晩室温で振盪後、ニンヒドリン試験によりカップリングが終了したことが示された。前記樹脂をDMF(3x30mL)およびジクロロメタン(3x30mL)で洗浄し、続いて、室温で1時間1%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(TFA/DCM)(150mL)で開裂した。前記樹脂を減圧下ろ過により取り除き、1%TFA/DCM(50mL)で洗浄した。前記ろ液を合わせ、30℃未満でロータリーエバポレーターのガラス状膜に濃縮した。冷ジエチルエーテル(30mL)を沈殿物であるペプチドに加えた。前記ペプチドをろ取し、冷エーテル(2×5mL)で洗浄した。乾燥後、タイトルの粗ペプチド(670mg)が得られた。
E.[(S)−2−メルカプト−4−メチルペンタノイル]−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−OH(化学式IIIの化合物)の調製
粗N−[(S)−2−アセチルチオ−4−メチルペンタノイル]−4(S)−フルオロ−Pro−Pro−[(3R)−β−Pro]−OH(670mg)を脱気したテトラヒドロフラン(THF)(50mL)に溶解し、1N NaOH(10mL)をN雰囲気下、0℃で追加した。前記反応混合物を室温で4時間攪拌した。2N HClでpH4に酸性化後、前記溶媒を留去した。前記残渣(580mg)をC−18カラムと調製用逆相HPLCを用いて精製し、水(0.1% TFAを含む)−アセトニトリル勾配で溶出した。前記カラム分画を分析用HPLCで分析し、生成物を含む分画(純度97%超)をプールし、凍結乾燥後、タイトルペプチド(化学式IIIの化合物)185mgが得られた。このペプチドの質量スペクトル分析では、457.6でMSのピーク、479.3でM+Naのピークが明らかとなった。
実施例2
A.腎臓の高度精製ヒトアミノペプチダーゼP2の調製
Cooperative Human Tissue Networkから得られたヒト腎組織を本明細書で用いる精製ヒトAPP2源とした。以下の実施例2Bに説明するとおり、APP2酵素活性を測定した。膜結合型APP2を以下の手順によりヒト腎臓組織から精製した。1)腎組織を30倍の容積のTriton X−100界面活性剤を含む緩衝液にホモジナイズ、遠心分離し、2)前記ペレットをオクチル−β−D−グルコピラノシド界面活性剤を含む緩衝液で洗浄、懸濁、遠心分離し、3)前記上清に10単位のホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(Invitrogen(米国ジョージア州、Eugene)を処理し、APP2のグリコシル−ホスファチジルイノシトール脂質膜アンカーの疎水性部分を除き、透析し、4)前記透析物質をオクチル―セファロースクロマトグラフィーを通過させ、5)前記溶出物を遠心分離し、Amicon Ultra−15 Ultracel−10kフィルター(Millipore Corp、米国マサチューセッツ州、Billerica)で限外濾過により濃縮し、6)前記滞留物を透析し、HiTrap Q−Sepharose XLイオン交換クロマトグラフィーカラムにかけた。線形KCl塩勾配によりヒトAPP2酵素活性を溶出した。
B.ヒトAPP2活性の決定
内部クエンチした蛍光基質を用い、ヒトアミノペプチダーゼP2(APP2)の酵素活性を決定した。H−Lys(2−アミノベンゾイル)−Pro−Pro−p−ニトロアニリド(Bachem、米国カリフォルニア州、Torrance)は阻害剤の研究では1μM(=K)、酵素精製試験では5μMとした。前記試験緩衝液は0.1M HEPES、pH7.4であり、前記試験温度は30℃であった。前記酵素による前記基質の開裂により、H−Lys(2−アミノベンゾイル)が放出されるため、蛍光が増加する。励起波長320nmおよび放射波長405nmを用いて、酵素速度をFmax蛍光プレートリーダー(Molecular Devices、米国カリフォルニア州、Sunnyvale)で決定した。阻害剤の結合親和性を推定し、IC50値として表した(活性を50%阻害する濃度)。
実施例3
ヒトACE活性の決定
ヒト組み換えアンジオテンシン変換酵素(hrACE)はR&Dシステム(米国ミネソタ州、Minneapolis)から得た。内部クエンチした蛍光基質ES005:(7−メトキシクマリン−4−イル)アセチル−Arg−Pro−Pro−Gly−Phe−Ser−Ala−Phe−(2,4−ジニトロフェニル)−Lys(R&D Systems、米国ミネソタ州、Minneapolis)を用い、その酵素活性を決定した。前記試験緩衝液は0.1M HEPES、pH7.4であり、温度は30℃とした。基質濃度はK未満であった(≦40μM)。励起波長320nmおよび放射波長405nmを用いて、酵素速度をFmax蛍光プレートリーダー(Molecular Devices、米国カリフォルニア州、Sunnyvale)で決定した。阻害剤の結合親和性を推定し、IC50値として表した(活性を50%阻害する濃度)。
実施例4
両側性腎虚血/再灌流プロトコール:
Harlan Laboratories(米国インディアナ州、Indianapolis)の雄CD−1(ICR)マウス(36〜47g)を使用した。50mg/kgのペントバルビタールナトリウム(Akorn Inc、米国イリノイ州、Lake Forest)で皮下注射することで各マウスを麻酔し、37℃の加温器に入れた。手術のため腹部を剪毛し、マウスを加温プレートに移動して、フィードバックによる温度コントロールを行った(TCAT−2DF、Harvard Apparatus Holliston、米国マサチューセッツ州)。処置中、前記マウスの体温を36.9±0.1℃に維持した。前記腹部の皮膚をアルコールで洗い、正中切開を行って腎臓を曝露させた。腎茎の脂肪組織を切除後、毛細血管瘤クランプを各椎弓根に配置し、25分間両腎臓に出入りする血流を遮断した(虚血期と呼ぶ)。20分の時点で、生理食塩水または薬物(アプスタチンまたはST−115)を含む生理食塩水0.15mlを大腿静脈から静脈内投与した。前記用量はアプスタチンで1.8mg/kg、ST−115で10μg/kgとした。薬物注入の5分後、前記クランプを椎弓根から外し、両腎臓に出入りする血流を回復させた(再灌流期)。再灌流を確認後、水分補給用に大腿上方に生理食塩水を皮下注射し、切開部を縫合して閉じた。再灌流の最初0.5時間以上温度コントロールを維持した。前記マウスを37℃の加温器に入れ、麻酔から回復させた後ホームケージに移動した。再灌流2日後、前記マウスを失血により殺処分した。血液を凝固させた後、遠心分離させ、血清を得た。Stanbio(Boerne、米国テキサス州)のキットを用い、血清の腎障害マーカーである尿素(血中尿素窒素−BUN)濃度を試験した。明らかに感染している、または腎臓が完全に再灌流できなかった場合はそのマウスを分析から除外した(n=2)。対応のないt検定とウェルチの補正(Graphpad Prism statistical package、米国カリフォルニア州、La Jolla)を用い、各薬物と生理食塩水対照の値を比較してBUNのデータポイント(20)を分析した。虚血/再灌流プロトコールを行わなかったマウスのBUN値を求め、尿素の「ベースライン」濃度を示した。

Claims (20)

  1. 下記式の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 0006342585
    式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
    はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH)a−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    aは0または1〜6の整数である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 請求項1記載の化合物において、RはHである化合物。
  3. 請求項2記載の化合物において、RはHまたは1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物。
  4. 請求項3記載の化合物において、RはHである化合物。
  5. 請求項3記載の化合物において、Rは1〜4炭素原子を有するアルキルである化合物。
  6. 請求項1記載の化合物において、RはR−(CO)−である化合物。
  7. 請求項6記載の化合物において、Rは1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物。
  8. 請求項7記載の化合物において、Rは1〜6炭素原子を有するアルキルである化合物。
  9. 薬学的に許容される担体および治療有効量の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を有する医薬組成物であって、
    Figure 0006342585
    式中、RはHまたはR−(CO)−であり、
    はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    aは0または1〜6の整数である、医薬組成物。
  10. 請求項9記載の医薬組成物において、RはHである医薬組成物。
  11. 請求項10記載の医薬組成物において、RはHまたは1〜6炭素原子を有するアルキルである医薬組成物。
  12. 請求項11記載の医薬組成物において、RはHである医薬組成物。
  13. 請求項11記載の医薬組成物において、Rは1〜4炭素原子を有するアルキルである医薬組成物。
  14. 請求項9記載の医薬組成物において、RはR−(CO)−である医薬組成物。
  15. 請求項14記載の医薬組成物において、Rは1〜6炭素原子を有するアルキルである医薬組成物。
  16. 請求項15記載の医薬組成物において、Rは1〜6炭素原子を有するアルキルである医薬組成物。
  17. 哺乳類患者におけるブラジキニン分解を阻害するために使用される医薬製剤であって、薬学的に許容される担体および治療有効量の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を有し、
    Figure 0006342585
    式中、RはHまたは
    Figure 0006342585
    であり、
    はH、1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    は1〜6炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキル、または4〜12炭素原子を有するシクロアルキル−(CH−−、アリール−(CH−−、置換アリール−(CH−−、またはヘテロアリール−(CH−−であり、
    aは0または1〜6の整数である、医薬製剤
  18. 請求項17記載の医薬製剤において、哺乳類患者における前記ブラジキニン分解の阻害は、前記哺乳類患者における再灌流障害の予防または改善と関連する医薬製剤
  19. 請求項18記載の医薬製剤において、RはHまたは1〜6炭素原子を有するアルキルである医薬製剤
  20. 請求項19記載の医薬製剤において、RはHである医薬製剤
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