JP6338879B2 - レーザ光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種のレーザ加工に用いられるレーザ光源装置に関する。
近年、レーザ光は様々な加工に用いられている。波長が532nmから1064nm付近のレーザ光はエネルギー強度が大きく、金属やガラス等の切断または溶接等の各種の加工に好適に用いられている。また、波長が200nmから350nm付近の深紫外領域のレーザ光は電子材料や複合材料の加工に用いられている。
近赤外領域よりも短い波長のレーザ光を出力するレーザ光源装置は、近赤外領域の波長のレーザ光を出力する種光源と、種光源から出力されるレーザ光を増幅する光増幅器と、光増幅器で増幅されたレーザ光の波長を目的とする波長に変換する非線形光学素子を備えて構成されている。
そして、パルス幅が数百ピコ秒以下で周波数が数百メガヘルツ以下のピークパワーが大きなレーザパルス光を得ることができるように様々な種光源が選択されて、様々な光増幅器等が用いられている。
従来、このような種光源として繰返し周波数が数十メガヘルツのモード同期レーザを用い、当該種光源から出力されたパルス光を分周することにより数キロヘルツのパルス光を得るように構成されたものがあった。
しかし、モード同期レーザの発振周波数は温度や振動等の環境的な要因で変動し、その値を適正に制御することが困難であるため、受光素子等を用いて検出したレーザパルス光の発振周波数に同期して分周する必要があり、そのための回路構成が複雑になるという問題や、モード同期レーザの構成部品である過飽和吸収体が劣化し易く、長期安定駆動が困難であるという問題があった。
そこで、パルス光の発振周波数の制御が可能な半導体レーザを種光源に用いることが考えられるが、このような半導体レーザから出力される近赤外のパルス光のパルスエネルギーは数ピコジュールから数百ピコジュールと非常に小さく、最終的に数十マイクロジュールから数十ミリジュールのパルスエネルギーのパルス光を得るためには、従来の種光源を使用する場合よりも大幅に増幅する必要がある。
そのための光増幅器として、エルビウム・ドープト・ファイバ増幅器やイッテルビウム・ドープト・ファイバ増幅器等のファイバ増幅器や、イットリウム・アルミニウム・ガーネットにネオジウムを添加したNd:YAG、イットリウム・バナデートにネオジウムを添加したNd:YVO4等の固体増幅器が好適に用いられる。
特許文献1,2には、このようなファイバ増幅器と固体増幅器を組み合わせた光増幅器が開示されている。当該特許文献1,2に示されているように、ファイバ増幅器及び固体増幅器の何れも、レーザ活性領域でのポンプ作用で増幅対象となるレーザ光と同じ波長の光を増幅するために、励起用の光源を備える必要がある。そして、通常、このような励起用の光源として半導体レーザが用いられている。
特開2011−192831号公報 WO2008/014331号公報
モード同期レーザの代替として半導体レーザを種光源に用いる場合には、大きなエネルギー強度のレーザパルス光を得るために、単一または複数のファイバ増幅器及び固体増幅器を用いる必要がある。
この場合、前段のファイバ増幅器による増幅の過程で生じる自然放出光ノイズ(以下、「ASEノイズ(Amplified Spontaneous Emission Noise)」と記す。)が種光源からのパルス光に重畳され、さらにチャーピング現象や光ファイバ内の自己位相変調やラマン散乱等によって広帯域化されたパルス光が後段の固体増幅器で増幅されることとなり、増幅のために固体増幅器に注入される励起光のエネルギーの一部がこのようなノイズ成分の増幅に無駄に消費されるという問題があった。
このような状況でパルス光を所定強度に増幅するためには、固体増幅器に過剰な励起エネルギーを注入する必要があり、固体増幅器のエネルギー利用効率が低下するばかりか発熱が大きくなり、冷却のために大型の冷却機構が必要となり、部品コスト等も増大するという問題があった。
パルス光の周波数がメガヘルツの位数より大きければ、ASEノイズは極僅かであるためさほど問題とならないが、パルス光の発振周波数が1メガヘルツよりも低い領域ではASEノイズ等の影響を十分に考慮しなければならなかった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、固体増幅器でパルス光を増幅する際のエネルギー利用効率を向上させるとともに、固体増幅器の発熱ロスを低減して、比較的安価で小型のレーザ光源装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるレーザ光源装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の請求項1に記載した通り、ゲインスイッチング法でパルス光を出力する種光源と、前記種光源から出力されるパルス光を増幅するファイバ増幅器と、前記ファイバ増幅器から出力されるパルス光を増幅する固体増幅器と、前記固体増幅器から出力されるパルス光を波長変換して出力する非線形光学素子と、を備えているレーザ光源装置であって、前記ファイバ増幅器と前記固体増幅器との間に配置され前記ファイバ増幅器から前記固体増幅器への光の伝播を許容または阻止する光スイッチ素子と、前記ファイバ増幅器と前記固体増幅器との間に配置され前記ファイバ増幅器から出力されたパルス光から特定波長範囲の光を回折して前記固体増幅器に導く回折格子と、前記種光源からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、前記種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するように前記光スイッチ素子を制御することにより、前記非線形光学素子からパルス光の出力を許容する出力許容状態を生成するとともに、前記種光源からのパルス光の出力期間に光の伝播を阻止し、前記種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を許容するように前記光スイッチ素子を制御することにより、前記非線形光学素子からのパルス光の出力を阻止する出力停止状態を生成するように構成されている制御部と、を備えている点にある。
上述の構成によれば、ファイバ増幅器で増幅される過程で光ファイバ内の自己位相変調やラマン散乱等によって広帯域化されたパルス光が回折格子に入射すると、回折格子によって各波長に応じた回折光が発生する。その回折光のうち種光源から出力されるパルス光の波長範囲に対応する特定波長範囲の回折光を抽出することによって、非線形光学素子により波長変換可能な許容波長範囲から逸脱する波長成分が除去されるようになる。従って、固体増幅器での励起エネルギーが所望の波長域のパルス光の増幅に効率よく使用されるようになる。つまり、回折格子は周波数領域でASEノイズ等を除去するノイズフィルタとして機能する。
さらに、種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間で光の伝播を阻止するように、制御部によって光スイッチ素子が制御され、その間は固体増幅器へのASEノイズの伝播が阻止されるので、固体増幅器の活性領域のエネルギーが無駄に消費されることが回避されるようになる。
そして、種光源からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容するように、制御部によって光スイッチ素子が制御されると、その間のみファイバ増幅器から固体増幅器へパルス光が伝播する出力許容状態となり、エネルギー効率よくパルス光が増幅されて、非線形光学素子から大きなピークパワーのパルス光が出力されるようになる。つまり、当該光スイッチ素子は時間領域でASEノイズを除去するフィルタとして機能する。
このような構成を備えることによって、固体増幅器の活性領域に過剰なエネルギーを供給する必要がなくなるので大型の冷却機構も不要となり、比較的安価で小型のレーザ光源装置を実現できるようになる。
さらに、種光源からのパルス光の出力期間にファイバ増幅器から固体増幅器へのパルス光の伝播が阻止されるように、制御部によって光スイッチ素子が制御されるので、種光源を停止させなくても非線形光学素子からパルス光の出力を停止させる出力停止状態を実現することができる。
当該出力停止状態で、種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播が許容されるように、制御部によって光スイッチ素子が制御されるので、前段のファイバ増幅器で生じたASEノイズが後段の固体増幅器に伝播して、励起用の光源によって励起状態にある固体増幅器の活性領域のエネルギーが放出されるようになる。
その結果、当該出力停止状態の後に、種光源からのパルス光がファイバ増幅器から固体増幅器へ伝播するように、制御部によって光スイッチ素子が制御され、非線形光学素子からパルス光が出力される場合でも、ジャイアントパルスが発生することがなく固体増幅器や非線形光学素子が破損するようなことはない。
一時的にパルス光の出力を停止した後に出力を再開する場合に、固体レーザ媒体に過剰にエネルギーが蓄積されていると、当該固体レーザ媒体が過剰に発熱して温度上昇を招いてビーム伝播特性が劣化し、レーザパルス光を用いた加工対象の品質に悪影響を与える虞があるが、上述の構成によれば、固体レーザ媒体の過剰な発熱が抑制されるので、出力再開直後のビーム伝播特性が劣化することなく、レーザパルス光を用いた加工対象の品質に悪影響を与えることもない。
尚、種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に固体増幅器に伝播して増幅されたASEノイズが非線形光学素子に入射しても、本来的に強度が低く非線形光学素子の波長変換特性よりも広い波長帯域のASEノイズが大きなピークパワーの光として出力されることはない。また、ファイバ増幅器から出力されるASEノイズはそれほど大きなピークパワーの光にまで増幅されることはないので、光スイッチ素子によって遮断されてもスイッチ素子を含めて周辺の光学部品が破損することはない。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記回折格子がボリューム・ブラッグ・グレーティングで構成されている点にある。
ファイバ増幅器で増幅される過程で広帯域化されたパルス光は、ボリューム・ブラッグ・グレーティング(Volume Bragg Grating)(以下、「VBG」とも記す。)で回折されて固体増幅器に導かれる。VBGによって特定波長範囲に狭帯域化された回折光は、非線形光学素子により波長変換可能な許容波長範囲から逸脱する波長成分が効果的に除去される。VBGは汎用されている回折格子と比べて回折効率に優れ、精度がよいため極めて好適に使用できる。また、例えば反射型のVBGを用いる場合には、所望の波長域の回折光のみが反射されるようになり、所望の波長域の回折光を選択するフィルタ機構が不要になるという利点もある。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第の特徴構成に加えて、前記ファイバ増幅器から出力されたパルス光を前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングに向けて反射し、または前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングで回折された特定波長範囲の光を前記固体増幅器に向けて反射する反射ミラーをさらに備えている点にある。
所望の波長域のパルス光を回折するためにVBGの回折角度の微妙な調整が必要になる。そのような場合でもVBGの前段または後段に反射ミラーを設けることで容易且つ確実に回折光の光軸を目標とする光軸に合わせることができるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前記ファイバ増幅器の後段に前記特定波長範囲を含む波長範囲の光を透過するバンドパスフィルタを備えている点にある。
種光源から出力されるパルス光がファイバ増幅器で増幅される過程で広帯域化され、またパルス光にASEノイズが重畳しても、バンドパスフィルタによって特定波長範囲を含む波長範囲にスペクトル幅が制限されるようになるので、後段の増幅器に与える影響を低減できるようになる。例えば、ファイバ増幅器が複数設けられる場合でも、前段のファイバ増幅器で増幅される過程でパルス光に重畳したASEノイズがある程度除去されて後段のファイバ増幅器に入力されるので、全体としてエネルギー効率がよくなる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前記光スイッチ素子が音響光学素子または電気光学素子を含む動的光学素子で構成されている点にある。
光スイッチ素子として超音波トランデューサのオンまたはオフによって1次回折光をオンまたはオフする音響光学素子、EO変調の強度変調を利用して電界により光をオンオフする電気光学素子等の動的光学素子を用いることが好ましい。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前記種光源がDFBレーザで構成され、前記制御部は前記DFBレーザを数メガヘルツ以下の周波数で、且つ、数百ピコ秒以下のパルス幅で駆動するように構成されている点にある。
種光源としてDFBレーザを用いてゲインスイッチング法を適用することによって、単一縦モードで発振し、定常状態よりも高強度のパルス光が得られる。ゲインスイッチング法によれば、単発のパルス光を含む数メガヘルツ以下の所望の周波数で、数百ピコ秒以下の所望のパルス幅のパルス光を容易に生成することができ、このようなパルス光に上述の光スイッチ素子を用いることによって、高い平均出力で且つ所望の波長のパルス光を効率よく得ることができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、固体増幅器でパルス光を増幅する際のエネルギー利用効率を向上させるとともに、固体増幅器の発熱ロスを低減して、比較的安価で小型のレーザ光源装置を提供することができるようになった。
レーザ光源装置のブロック構成図 (a)は種光源から発振される狭帯域のパルス光の周波数特性と時間軸特性の説明図、(b),(c)はファイバ増幅器の自己位相変調やラマン散乱によって広帯域化したパルス光の周波数特性と時間軸特性の説明図、(d)はVBGによって狭帯域化され、ASEノイズが低減されたパルス光の周波数特性と時間軸特性の説明図、(e)はバンドパスフィルタによって狭帯域化され、ASEノイズが低減されたパルス光の周波数特性の説明図 (a)は種光源から周期的に発振されるパルス光の説明図、(b)は初段のファイバ増幅器でASEノイズが重畳したパルス光の説明図、(c)は後段のファイバ増幅器でさらにASEノイズが重畳したパルス光の説明図、(d)は時間領域で種光源の発振周期と同期して光スイッチ素子を通過するパルス光の説明図、(e)は時間領域で種光源の発振周期の前後に光スイッチ素子を通過するASEノイズの説明図、(f)は時間領域で種光源の発振周期と同期して光スイッチ素子を通過して、固体増幅器で増幅されたパルス光の説明図 光パルスの出力停止状態と出力許容状態に対応して、種光源を駆動するトリガ信号と光スイッチ素子を駆動するゲート信号の出力タイミングを説明するタイミングチャート (a)は光スイッチ素子を用いた場合と、光スイッチ素子を用いない場合とを対比した波長変換後のパルスエネルギー特性の説明図、(b)は光スイッチ素子を用いた場合と、光スイッチ素子を用いない場合とを対比した波長変換後の平均パワー特性の説明図 (a)はファイバ増幅器で増幅された波長1064nmのパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した出力特性の説明図、(b)は同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比したスペクトル特性の説明図、(c)は同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した高調波の変換効率の説明図、(d)は同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した高調波の出力特性の説明図 (a)はVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した波長変換後のパルスエネルギー特性の説明図、(b)はVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した波長変換後の平均パワー特性の説明図 別実施形態を示すレーザ光源装置のブロック構成図 別実施形態を示すレーザ光源装置の光パルスの出力停止状態と出力許容状態に対応して、種光源を駆動するトリガ信号と光スイッチ素子を駆動するゲート信号の出力タイミングを説明するタイミングチャート
以下、本発明によるレーザ光源装置の実施形態を説明する。
図1には、本発明によるレーザ光源装置1の一例となる構成が示されている。レーザ光源装置1は、光源部1Aと、ファイバ増幅部1Bと、固体増幅部1Cと、波長変換部1Dとが光軸Lに沿って配置され、さらに光源部1A等を制御する制御部100を備えて構成されている。
光源部1Aには、種光源10と、種光源用のドライバD1と、光アイソレータISL1等を備えている。ファイバ増幅部1Bには、それぞれレーザダイオードで構成される励起用光源21,31及び合波器22,32を備えた二段のファイバ増幅器20,30と、光アイソレータISL2,ISL3と、光スイッチ素子40と、VBG90と、反射ミラーM1等を備えている。
固体増幅部1Cには、固体増幅器50と、反射ミラーM2,M3と、レンズL1,コリメータCL2等を備えている。波長変換部1Dは、第1波長変換部1E及び第2波長変換部1Fで構成され、それぞれに非線形光学素子60,70を備えている。尚、ファイバ増幅部1Bに備えている光スイッチ素子40、VBG90、反射ミラーM1は、固体増幅部1Cに組み込まれていてもよい。
種光源10から出力された波長1064nmのレーザパルス光(以下、単に「パルス光」とも記す。)が二段のファイバ増幅器20,30で増幅され、さらに一段の固体増幅器50で所望のレベルまで増幅される。固体増幅器50で増幅されたパルス光は非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換されて出力される。
尚、ファイバ増幅器及び固体増幅器の数は特に限定されることはなく、パルス光に対する所望の増幅率を得るために適宜設定されればよい。例えば三つのファイバ増幅器を縦続接続し、その後段に二つの固体増幅器を縦続接続してもよい。
種光源10として単一縦モードのレーザ光を出力する分布帰還型レーザダイオード(以下、「DFBレーザ」と記す。)が用いられ、ゲインスイッチング法を適用する制御部100から出力される制御信号によって、DFBレーザから単発または数メガヘルツ以下の所望の周波数で、数百ピコ秒以下の所望のパルス幅のパルス光が出力される。
種光源10から出力された数ピコジュールから数百ピコジュールのパルスエネルギーのパルス光が、ファイバ増幅器20,30及び固体増幅器50によって最終的に数十マイクロジュールから数十ミリジュールのパルスエネルギーのパルス光に増幅された後に、二段の非線形光学素子60,70に入力されることによって波長266nmの深紫外線に波長変換される。
種光源10から出力されたパルス光は、光アイソレータISL1を介して初段のファイバ増幅器20に入力されて増幅される。ファイバ増幅器20,30として所定波長(例えば975nm)の励起用光源21で励起されるイッテルビウム(Yb)添加ファイバ増幅器等の希土類添加光ファイバが用いられる。このようなファイバ増幅器20の反転分布の寿命はミリ秒の位数であるため、励起用光源21で励起されたエネルギーは1キロヘルツ以上の周波数のパルス光に効率的に転移されるようになる。
初段のファイバ増幅器20で約30デシベル増幅されたパルス光は、光アイソレータISL2を介して後段のファイバ増幅器30に入力されて約25デシベル増幅される。後段のファイバ増幅器30で増幅されたパルス光は、コリメータCL1によってビーム成形され、光アイソレータISL3,ISL4を通過した後に固体増幅器50に導かれて約25デシベル増幅される。
本実施形態では、固体増幅器50で生じる熱レンズ効果に対して効率的に光増幅されるように、ファイバ増幅器30から出力されたパルス光が、当該コリメータCL1によって固体増幅器50の入射面直前にビームウェストが位置するようにビーム成形される。
コリメータCLと固体増幅器50との間には、光アイソレータISL3、音響光学素子が組み込まれ光スイッチ素子40として機能する音響光学変調器AOM(Acousto-Optic Modulator)、回折格子の一例であるVBG90、一対の反射ミラーMR1,MR2が配置され、反射ミラーMR1,MR2間には固体増幅器50で増幅されたパルス光を波長変換装置60に導く光アイソレータISL4が配置されている。
尚、上述の光アイソレータISL1〜ISL4は、何れも磁気光学効果を利用して順方向と逆方向で偏光面を逆方向に回転させることで戻り光を遮断する偏光依存型の光アイソレータであり、光軸に沿って上流側に配置された各光学素子が、高強度の戻り光によって熱破壊されることを回避する等のために設けられている。
固体増幅器50としてNd:YVO4結晶やNd:YAG結晶等の固体レーザ媒体が好適に用いられる。発光波長808nmまたは888nmのレーザダイオードで構成される励起用光源51から出力され、コリメータCL2によってビーム成形された励起光によって固体レーザ媒体が励起されるように構成されている。
光スイッチ素子40を通過したパルス光は、VBG90で回折され、反射ミラーMR1,MR2を経由して固体増幅器50に入射して増幅された後に、さらに反射ミラーMR3で反射されて固体増幅器50に再入射して再度増幅される。つまり、固体増幅器50の往路及び復路でそれぞれ増幅されるように構成されている。尚、レンズL1はビーム整形用である。
固体増幅器50で増幅されたパルス光は反射ミラーMR2、光アイソレータISL4で反射されて波長変換部1Dの非線形光学素子60,70に入射して所望の波長に変換された後に出力される。
第1波長変換部1Eには非線形光学素子60であるLBO結晶(LiB)が組み込まれ、第2波長変換部1Fには非線形光学素子70であるCLBO結晶(CsLiB10)が組み込まれている。種光源10から出力された波長1064nmのパルス光が非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換される。
反射ミラーM4,M8は非線形光学素子60から出力される波長1064nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、反射ミラーM6は非線形光学素子70から出力される波長532nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、分離されたパルス光はそれぞれ光ダンパで減衰される。
第2波長変換部1FにはCLBO結晶(CsLiB10)を光軸と直交する面内で移動させる走査機構であるステージ71が設けられている。紫外線が長時間同一箇所に照射されるとCLBO結晶(CsLiB10)に光学損傷が生じて強度分布の劣化と波長変換出力の低下を招くため、所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためである。
制御部100はFPGA(Field Programmable Gate Array)及び周辺回路等を備えた回路ブロックで構成され、予めFPGA内のメモリに記憶したプログラムに基づいて複数の論理素子を駆動することにより、レーザ光源装置1を構成する各ブロックが例えばシーケンシャルに制御される。尚、制御部100はFPGAで構成される以外に、マイクロコンピュータとメモリ及びIO等の周辺回路で構成されていてもよいし、プログラマル・ロジック・コントローラ(PLC)等で構成されていてもよい。
具体的に、制御部100はゲインスイッチング法を用いて種光源10を発光させるべく、種光源10であるDFBレーザのドライバD1に所定パルス幅のトリガ信号を出力する。当該駆動回路からDFBレーザにトリガ信号に応じたパルス電流が印加されると緩和振動が発生し、緩和振動による発光開始直後の最も発光強度が大きな第1波のみからなり第2波以降のサブパルスを含まないパルス状のレーザ光が出力される。ゲインスイッチング法とは、このような緩和振動を利用した短いパルス幅でピークパワーが大きいパルス光を発生させる方法をいう。
また、制御部100は光スイッチ素子40である音響光学変調器AOMを駆動するRFドライバD2にゲート信号を出力する。RFドライバD2から高周波信号が印加されたトランスジューサ(ピエゾ変換素子)によって音響光学素子を構成する結晶に回折格子が生成され、音響光学素子に入射するパルス光の回折光がVBG90に入射する。RFドライバD2が停止すると音響光学素子に入射したパルス光は回折せずにそのまま通過し、VBG90に入射することはない。尚、RFドライバD2の停止時に音響光学素子を通過した光は光ダンパによって減衰されるように構成されている。
ゲート信号によって光スイッチ素子40がオンすると、回折された光がファイバ増幅器30からVBG90へ入射し、反射ミラーM1,M2を介して固体増幅器50に伝播する。ゲート信号によって光スイッチ素子40がオフすると、ファイバ増幅器30からVBG90を介した固体増幅器50への光の伝播が阻止される。
さらに、制御部100は所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためにステージ71を制御してステップ的に移動させる。例えば、制御部100は、波長変換された紫外線の強度をモニタし、モニタした強度の履歴が所定のパターンに一致するとステージ71を移動させてCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトする。
パルス光の光軸に直交するX−Y平面でステージ71が移動可能となるように、ステージ71は制御部100によりモータドライバD3を介して制御されるX方向移動モータ及び/またはY方向移動モータに駆動連結されている。
図2(a),(b),(c)には、レーザ光源装置1の各部を伝播するパルス光の周波数特性が左側に示され、それらパルス光の時間軸特性が右側に示されている。これらの図で示す符号Sn(nは整数)は、図1に示すレーザ光源装置1の各部の出力ノードの光信号Sn(n=1,2,・・・)に対応する。
制御部100から出力されるトリガ信号によって種光源10であるDFBレーザから中心波長1064nmの狭帯域のレーザパルス光が所定の周期で出力される(図2(a)参照)。種光源10から出力されたパルス光がファイバ増幅器20に導かれて増幅される過程で自己位相変調やラマン散乱等によって不必要にスペクトル幅が広がり、さらにはASEノイズが発生して光パルスのS/N比が低下する(図2(b)参照)。そのようなパルス光が後段のファイバ増幅器30に導かれて増幅される過程でさらに広帯域化され、ASEノイズレベルが増大する(図2(c)参照)。
所望の強度の深紫外のパルス光を得るために、ファイバ増幅器20,30で増幅されたパルス光を後段の固体増幅器50でさらに大きなピークパワーに増幅する必要がある。しかし、波長変換部1Dで波長変換可能な波長範囲が各非線形光学素子60,70の特性によって制限されることから、増幅に要したエネルギーが効率的に波長変換に寄与しない。つまり波長変換効率が低下することになる。
固体増幅器50の励起エネルギーがASEノイズの増幅や広帯域化したパルス光に無駄に消費される結果、エネルギー効率が大きく低下するという問題や、そのために励起エネルギーを大きくすると、発熱による素子の破損を回避するために大掛かりな冷却装置が必要となり、徒にレーザ光源装置1が高価になるという問題がある。パルス光の周波数がメガヘルツの位数より大きければ、ASEノイズは極僅かであるためさほど問題とならないが、パルス光の発振周波数が1メガヘルツよりも低い領域ではASEノイズの影響が顕著になる。
一方、レーザ光源装置1から出力される深紫外域の波長のパルス光を各種のレーザ加工に用いる場合に、一時的に停止させたいときも多くある。そのような場合に種光源10の発振を停止させ、或いは光増幅器20,30,50へのパルス光の伝播を阻止すると、その間も光増幅器20,30,50に備えた励起用のレーザ光源によって各レーザ活性領域が励起され続けて過度な反転分布状態に到る。
その結果、次に種光源を発振させたいとき、或いは光増幅器50へのパルス光の伝播を許容したときにジャイアントパルスが出力されて、固体増幅器50や後段の非線形光学素子等の破損を招くという問題もある。
また、一時的にパルス光の出力を停止した後に出力を再開する場合に、固体増幅器を構成する固体レーザ媒体に過剰にエネルギーが蓄積されていると、当該固体レーザ媒体が過剰に発熱して温度上昇を招き、ビーム伝播特性が劣化するため、レーザパルス光を用いた加工対象の品質に悪影響を与える虞もある。
そこで、本実施形態では、時間領域でASEノイズ等を除去するノイズフィルタとして機能する光スイッチ素子40と、周波数領域でASEノイズ等を除去するノイズフィルタとして機能する反射型のVBG90とを備えている。
先ず光スイッチ素子40について説明する。制御部100は、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するように光スイッチ素子40を制御することにより、非線形光学素子60,70からパルス光の出力を許容する出力許容状態を生成するように構成されている。
さらに、制御部100は、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を阻止し、種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を許容するように光スイッチ素子40を制御することにより、非線形光学素子60,70からのパルス光の出力を停止する出力停止状態を生成するように構成されている。
当該出力許容状態で、制御部100によって種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光スイッチ素子40がオフされると、その間は、後段の固体増幅器50へのASEノイズの伝播が阻止されるようになり、固体増幅器50の活性領域のエネルギーが無駄に消費されることが回避されるようになる(図3(d)の区間Toff参照)。
そして、種光源10からパルス光が出力される期間に制御部100によって光スイッチ素子40がオンされると、ファイバ増幅器30から固体増幅器50へパルス光が伝播するので(図3(d)の区間Ton参照)、エネルギー効率よくパルス光が増幅されて(図3(f)参照)、非線形光学素子から大きなピークパワーのパルス光が出力されるようになる。つまり、当該光スイッチ素子40を時間領域でASEノイズを除去するフィルタとして機能させるのである。
さらに、制御部100によって、種光源10からのパルス光の出力期間に光スイッチ素子40がオフされると、ファイバ増幅器30から固体増幅器50へのパルス光の伝播が阻止され、種光源10を停止させなくても非線形光学素子60,70からパルス光の出力が停止する出力停止状態が容易く実現できる。
当該出力停止状態で、制御部100によって種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光スイッチ素子40がオンされると、前段のファイバ増幅器30で生じたASEノイズが後段の固体増幅器に伝播して(図3(e)参照)、励起用の光源51によって励起状態にある固体増幅器50の活性領域のエネルギーが放出される。
その結果、当該出力停止状態の後に出力許容状態に移行して、制御部100によって種光源10からのパルス光の出力期間に光スイッチ素子40がオンされて波長変換装置60,70からパルス光が出力される場合でも、ジャイアントパルスが発生することがなく固体増幅器50や非線形光学素子60,70が破損するようなことはない。
さらに、固体レーザ媒体の過剰な発熱が抑制されるので、出力再開直後のビーム伝播特性が劣化することなく、レーザパルス光を用いた加工対象の品質に悪影響を与えることもない。
しかも、種光源10からのパルス光の出力期間とは異なる期間に固体増幅器50で増幅されたASEノイズが非線形光学素子60,70に入射しても、本来的に強度が低く非線形光学素子60,70の波長変換特性よりも広い波長帯域のASEノイズが大きなピークパワーの光として出力されることはない。また、ファイバ増幅器30からの出力光は、それほど大きなピークパワーの光にまで増幅されることはないので、光スイッチ素子40によって遮断されても光スイッチ素子40を含めて周辺の光学部品が熱等によって破損することはない。
出力許容状態で、制御部100によって光スイッチ素子40がオン制御される「種光源からのパルス光の出力期間」とは、種光源からパルス光が出力されている全期間のみを意味するのではなく、非線形光学素子により波長変換されたパルス光のピークパワーが適切な値を示す範囲であれば一部期間であってもよく、また種光源からパルス光が出力されている期間の前後の僅かな期間も含まれるような概念である。
出力許容状態で、制御部100によって光スイッチ素子40がオフ制御される「種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間」とは、複数のパルス光の各出力期間の間の全期間、つまりパルス光が存在しない全期間のみを意味するのではなく、励起用光源によって励起された固体増幅器の活性領域のエネルギーがASEノイズで無駄に消費されることが低減できる範囲であれば、その一部期間も含まれるような概念である。
出力停止状態で、制御部100によって光スイッチ素子40がオフ制御される「種光源からのパルス光の出力期間」とは、種光源からパルス光が出力されている全期間のみを意味するのではなく、非線形光学素子により波長変換されたパルス光が微弱であれば一部期間であってもよく、また種光源からパルス光が出力されている期間の前後の僅かな期間も含まれるような概念である。
出力停止状態で、制御部100によって光スイッチ素子40がオン制御される「種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間」とは、複数のパルス光の各出力期間の間の全期間、つまりパルス光が存在しない全期間のみを意味するのではなく、固体増幅器の過度な励起状態がASEノイズで解消される範囲であれば、その一部期間も含まれるような概念であり、複数のパルス光の各出力期間の間の毎期間ではなく、複数回に一回の期間も含まれるような概念である。
図4には、制御部100によって実行される種光源10及び光スイッチ素子40に対する制御タイミングチャートが例示されている。
出力許容状態では、基準とする時刻t0で光スイッチ素子40のRFドライバD2に対してゲート信号を出力し、所定の遅延時間の後、時刻t3で種光源10のドライバD1に対するトリガ信号をオン出力する。時刻t4で緩和振動が発生した後の所定時刻t5でトリガ信号をオフすることによって所定のパルス幅のパルス光S1が得られ、ファイバ増幅器20,30で増幅されたパルス光S3が得られる。このパルス光S3は広帯域化され、さらにASEノイズが重畳されている。
尚、制御部100が時刻t5でトリガ信号をオフしてレーザ発振を停止させるのではなく、緩和振動が発生した種光源10に対してドライバD1が所定時刻t5で種光源10のレーザ発振を停止させるように構成されていてもよい。この場合、トリガ信号のオフタイミングは任意に設定すればよい。
時刻t0でオン出力されたゲート信号によって光スイッチ素子40が時刻t2でオンし、時刻t1でオフされたゲート信号によって光スイッチ素子40が時刻t6でオフする。光スイッチ素子40がオンする時刻t2からt6の間に、ファイバ増幅器30で増幅され光スイッチ素子40を通過した出力光S4がVBG90を介して固体増幅器50に伝播する。
従って、光スイッチ素子40がオンする時刻t2からt6の間に、ファイバ増幅器30で増幅され光スイッチ素子40を通過した出力光S4、つまり種光源10から出力されたパルス光S4が固体増幅器50に伝播する。そして、光スイッチ素子40がオフする時刻t6からt9の間には、ASEノイズの固体増幅器50への伝播が阻止されるので、固体増幅器50の活性領域に蓄積された励起エネルギーが無駄に消費されることが回避されるようになる。
出力停止状態では、基準とする時刻t1で光スイッチ素子40のRFドライバD2に対してゲート信号を出力し、所定の遅延時間の後、時刻t3で種光源10のドライバD1に対するトリガ信号をオン出力する。時刻t4で緩和振動が発生した後の所定時刻t5でトリガ信号をオフすることによって所定のパルス幅のパルス光S1が得られ、ファイバ増幅器20,30で増幅されたパルス光S3が得られる。このパルス光S3は広帯域化され、さらにASEノイズが重畳されている。
時刻t1でオン出力されたゲート信号によって光スイッチ素子40が時刻t6でオンし、時刻t7でオフされたゲート信号によって光スイッチ素子40が時刻t9でオフする。光スイッチ素子40がオンする時刻t6からt9の間に、ファイバ増幅器30で増幅され光スイッチ素子40を通過した出力光S4´が固体増幅器50に伝播する。
このとき固体増幅器50にはパルス光が入力されることはなく、ASEノイズのみが入力される。固体増幅器50の活性領域に蓄積された励起エネルギーがこのASEノイズによって放出されるようになり、次に出力許容状態に移行した際でもジャイアントパルスが発生することが回避されるようになる。
図4で説明した例では、出力許容状態での光スイッチ素子40に対するゲート信号は出力停止状態でのゲート信号と位相が180度反転するため、出力停止状態での光スイッチ素子40のオン状態とオフ状態とは基本的には反転している。
尚、図4では、RF信号が入力されて光スイッチ素子40に回折格子が形成され、回折された光が固体増幅器50へ伝播する状態をオンと表記し、光スイッチ素子40に回折格子が形成されず、光が固体増幅器50へ伝播することなく、零次光がダンパで減衰される状態をオフと表記している。光スイッチ素子40へ出力する制御信号の論理は正論理及び負論理の何れであってもよい。
上述の例では、出力停止状態において、種光源10から繰り返し出力される複数のパルス光の各出力期間の間の期間の全域で光スイッチ素子40がオンされる態様を説明したが、固体増幅器50の活性領域に蓄積された励起エネルギーがASEノイズによって十分に放出されるのであれば、種光源10から繰り返し出力される複数のパルス光の各出力期間の間の期間の一部期間にのみ光スイッチ素子40がオンされる態様であってもよい。
さらに、種光源10から繰り返し出力される複数のパルス光の各出力期間の間の期間に光スイッチ素子40がオンとオフを繰り返すように制御される態様であってもよい。このように制御すれば、光スイッチ素子40を構成するAOMの発熱が低減できるようになる。
できるだけASEノイズを除去できることが望ましいので、出力許容状態での光スイッチ素子40のオン時間は、種光源10で出力されたパルス光のパルス幅の1.5倍から10倍の範囲に設定されていることが好ましく、1.5倍から3倍の範囲に設定されていることがさらに好ましい。例えば、種光源10で出力されたパルス光のパルス幅が50ピコ秒であれば、75ピコ秒から500ピコ秒に設定されていればよい。但し、制御部100の制御周期によってその範囲は制限される場合がある。
出力停止状態での光スイッチ素子40のオフ時間は、種光源10で出力されたパルス光の伝播がほぼ確実に阻止でき、且つパルス周期に比べて十分短いことが好ましい。従って、この時のスイッチ素子40のオフ時間は、当該パルス光のパルス幅の2倍から10倍の範囲に設定されていればよく、2倍から5倍の範囲に設定されていることがさらに好ましい。
つまり、出力停止状態での光スイッチ素子40のオフ時間よりも出力許容状態での光スイッチ素子のオン時間の方が短くなるように設定されていることが好ましい。
図4で説明した例では、制御部100は、光スイッチ素子40に対する制御信号(ゲート信号)を基準に種光源10を制御するトリガ信号を出力するように構成されている。このように構成すれば、種光源10から出力されるパルス光の応答性よりも光スイッチ素子40の応答性が遅い場合であっても、光スイッチ素子40に対する制御信号を基準に種光源10を制御する制御信号を生成することで、適正に光スイッチ素子40を駆動することができるようになる。
尚、種光源10から出力されるパルス光の応答性よりも光スイッチ素子40の応答性が十分に速い場合には、当然のことながら種光源10に対する制御信号を基準に光スイッチ素子40を制御することも可能である。
つまり、上述した制御部100によって、非線形光学素子60,70からのパルス光の出力を停止する場合に、ファイバ増幅器30と固体増幅器50との間に配置された光スイッチ素子40を制御して、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を阻止し、当該出力期間と異なる期間に光の伝播を許容するレーザパルス光生成方法が実行される。
同様に、同様に上述した制御部100によって、非線形光学素子60,70からのパルス光の出力を許容する場合に、光スイッチ素子40を制御して、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、当該出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するレーザパルス光生成方法が実行される。
図5(a)には、励起用の光源21,31,51のパワーを一定に維持した状態で、ASEノイズを除去する光スイッチ素子を用いた場合と、光スイッチ素子を用いない場合の波長変換後のパルスエネルギー特性が示され、図5(b)には、ASEノイズを除去する光スイッチ素子を用いた場合と、光スイッチ素子を用いない場合の波長変換後の平均パワー特性が示されている。両図とも、黒丸でプロットした特性が光スイッチ素子を用いた場合の特性であり、黒四角でプロットした特性が光スイッチ素子を用いない場合の特性である。
図5(a),(b)によれば、光スイッチ素子を用いてASEノイズを除去することにより、数十キロヘルツから数メガヘルツの周波数範囲で効果的にパルスエネルギー及び平均パワーが上昇していることが判る。
次に、VBG90について説明する。ファイバ増幅器20,30により広帯域化されたパルス光が光スイッチ素子40を介してVBG90に入射すると、当該パルス光はVBG90で回折されて特定波長範囲に狭帯域化される。つまり、非線形光学素子60,70により波長変換可能な波長範囲から逸脱する波長成分が除去されるようになる。反射型のVBG90は、所望の波長域の回折光のみが反射されるため、所望の波長域の回折光を選択するフィルタ機構が不要になる。
図2(d)には、ファイバ増幅器で広帯域化されたパルス光のスペクトル(図中、破線で示されている。)と、VBG90で狭帯域化されたパルス光のスペクトル(図中、実線で示されている。)が対比可能に示されている。
パルス光のVBG90への入射角度を調整することにより回折光の中心波長が調整でき、調整後の回折光の光軸が光学ミラーである反射ミラーMR1で調整可能に構成されている。本実施形態では、中心波長1064nm±0.05nmのパルス光のスペクトル幅がファイバ増幅器20,30を通過することにより±0.15nm程度に広がり、VBG90によって±0.10nm程度に狭められる。狭帯域化の程度は非線形光学素子60,70の特性である波長変換可能な許容幅に基づいて設定され、使用するVBG90の特性によって例えば±0.05nm程度にまで狭帯域化することが可能になる。
図1ではVBG90による回折光を固体増幅器50に導くように反射ミラーMR1が配置されているが、VBG90と反射ミラーMR1とが逆に配置されていてもよい。つまりファイバ増幅器30の出力光が反射ミラーMR1で反射されてVBG90に入射し、VBG90の回折光が固体増幅器50に導かれるように構成されていてもよい。
つまり、ファイバ増幅器30と固体増幅器50との間に配置されファイバ増幅器30から出力されたパルス光から特定波長範囲の光を回折するVBG90と、ファイバ増幅器30から出力されたパルス光をVBG90に向けて反射し、またはVBG90で回折された特定波長範囲の光を固体増幅器50に向けて反射する光学ミラーMR1とが備わっていればよい。
VBG90に入射し、回折したパルス光は、ASEノイズが低減されるとともに狭帯域化されて固体増幅器50に伝播し(図2(d)参照)、固体増幅器50によってエネルギー効率よく増幅されて、非線形光学素子60,70から大きなピークパワーのパルス光が出力されるようになる。
図6(a)には、ファイバ増幅器で増幅された波長1064nmのパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した出力特性が示され、図6(b)には同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比したスペクトル特性が示されている。
図6(c)には、同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した高調波の変換効率が示され、図6(d)には、同様のパルス光に対してVBGを使用した場合と使用しない場合とを対比した高調波の出力特性が示されている。両図とも、実線で示された特性がVBGを使用した場合の特性であり、破線で示された特性がVBGを使用しない場合の特性である。
図6(a),(b)によれば、VBGを使用しない場合と比較して、VBGを使用する場合には固体増幅器で増幅された波長1064nm光の出力が若干低下すること、両者のパルス光のスペクトル幅(FWHM)は0.11nmと等しいこと、VBGを使用する場合にはスペクトルの底部領域での立ち上がりが急峻になり、狭帯域化されていることが判る。
図6(c),(d)から判るように、VBGを使用した場合には、VBGを使用しない場合に比べて波長532nmへの波長変換時の変換効率が8パーセント程度高く、得られるパルス光の出力も高くなるという結果が得られ、VBGを使用することにより、ASEノイズの除去効果が得られることが明らかになった。
図7(a)には、励起用の光源21,31,51のパワーを一定に維持した状態でVBGを使用した場合とVBGを使用しない場合の波長変換後のパルスエネルギー特性が示され、図7(b)には、VBGを使用した場合とVBGを使用しない場合の波長変換後の平均パワー特性が示されている。両図とも、実線で示された特性がVBGを使用した場合の特性であり、破線で示された特性がVBGを使用しない場合の特性である。
図7(a),(b)によれば、VBGを用いて狭帯域化し、ASEノイズを低減することにより、数十KHzから数百MHzの周波数範囲で効果的にパルスエネルギー及び平均パワーが上昇していることが判る。
種光源10から出力されるパルス光の周波数が数メガヘルツ以下のとき、特に1メガヘルツ以下のときに光スイッチ素子40及びVBG90によるASEノイズ除去効果が顕著である。尚、パルス光の周波数が数百キロヘルツ以下では、VBG90よりも光スイッチ素子40によるASEノイズ除去効果が顕著になる。
尚、本発明は、DFBレーザを含む半導体レーザに対して、数百MHz以下の周波数で、且つ、数百ピコ秒以下のパルス幅で駆動するように構成された種光源を備えたレーザ光源装置に広く適用可能である。
以下、本発明の別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、反射型のVBG90を採用した例を説明したが、透過型のVBG90を採用することも可能である。さらには、VBG90に代えて光学ガラスの表面に縞状の凹凸が形成された汎用の回折格子が組み込まれていてもよい。
上述した実施形態では、光スイッチ素子40の後段にVBG90を配置した例を説明したが、VBG90の後段に光スイッチ素子40を配置してもよい。
上述した実施形態に加えて、ファイバ増幅器20,30の後段に光ファイバ内の自己位相変調やラマン散乱等によって広帯域化したパルス光を狭帯域化するバンドパスフィルタを設けてもよい。
図2(e)には、ファイバ増幅器で広帯域化されたパルス光のスペクトル(図中、破線で示されている。)と、バンドパスフィルタで狭帯域化されたパルス光のスペクトル(図中、実線で示されている。)が対比可能に示されている。図2(d)に示すVBG90による狭帯域化の程度とは1桁程度異なるが、±数nm程度の狭帯域化が図れる。
図8には、ファイバ増幅器20の後段にバンドパスフィルタBPF1を設けた例が示されている。ファイバ増幅器20で増幅される過程で広帯域化されるとともにASEノイズが重畳されたパルス光が、バンドパスフィルタBPF1でフィルタリングされて、ある程度狭帯域化されるとともにASEノイズが除去されたパルス光になって後段のファイバ増幅器30に入力される。
種光源10と光アイソレータISL1とファイバ増幅器20との間にバンドパスフィルタを設けて、種光源へのASEノイズの反射を回避するように構成してもよい。
上述した実施形態では、光スイッチ素子40として超音波トランデューサのオンまたはオフによって1次回折光をオンまたはオフする音響光学素子を用いた例を説明したが、光スイッチ素子40としてEO変調の強度変調を利用して電界により光をオンオフする電気光学素子を用いることも可能である。
さらに光スイッチ素子40としてマイクロマシーニング技術で製作した微少な搖動ミラー(MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で構成されたミラー)を用いて、ファイバ増幅器30の出力が固体増幅器50に伝播するか否かを微少な搖動ミラーの搖動角度によって切り替えるように構成してもよい。また、偏光状態を動的に切替えて光の透過と遮断を制御可能な偏光デバイスを用いてもよい。つまり、光スイッチ素子が動的光学素子で構成されていればよい。
上述した実施形態では、制御部100によって制御される光スイッチ素子40に対するゲート信号が、出力許容状態と出力停止状態で180度位相が反転するように構成される態様を説明したが、そのような態様に限定されるものではなく、少なくとも非線形光学素子60,70からのパルス光の出力が停止される出力停止状態で、種光源10からのパルス光の出力タイミングで光の伝播が阻止され、当該出力タイミングと異なるタイミングで光の伝播が許容されるようにゲート信号が出力されていればよい。
例えば、図9(a)に示すように、種光源10から繰り返し出力される複数のパルス光の各出力期間Paの間の期間Pbつまりパルス光が存在しない期間に、光の伝播を許容するように光スイッチ素子40を制御する制御信号Csの出力時期Tsを段階的にまたは連続的にずらすことにより、出力停止状態から出力許容状態に移行するように、制御部100が構成されていてもよい。例えば、前回の出力時期を基準に段階的にまたは連続的にずらしてもよいし、数回前の出力時期を基準に段階的にまたは連続的にずらしてもよい。
出力停止状態で、種光源10から出力されるパルス光の出力期間Paとは異なる期間Pbに、光の伝播を許容するように光スイッチ素子40を制御する制御信号Cs(1),Cs(2),Cs(3)・・・の出力時期Ts(1),Ts(2),Ts(3)・・・を早める方向或いは遅らせる方向の何れかに段階的にまたは連続的にずらすと、やがて種光源10から出力されるパルス光の出力期間Paと重畳して出力許容状態に到る。尚、図9では、制御信号Cs(1),Cs(2),Cs(3)は、出力時期Ts(1),Ts(2),Ts(3)に伴なって変化が目視しやすいように、ピッチの粗い破線、ピッチの密な破線、実線で示されている。
図9(b)に示すように、出力停止状態から出力許容状態に移行する過渡状態では、種光源10から出力されるパルス光の出力期間Paが当該光スイッチ素子40のオン状態への移行のための過渡的な時期と重畳し、その後適正なオン状態に移行する。従って、例えば音響光学変調器AOMを光スイッチ素子40として使用する場合、光スイッチ素子40を介して固体増幅器50に伝播するパルス光のエネルギーは、回折効率が低い初期には非常に小さく、その後回折効率が上昇すると次第に大きくなるので、仮に固体増幅器50の活性領域が過度な反転分布状態であったとしても、活性領域のエネルギーが初期の非常に小さいエネルギーのパルス光の増幅で消費され、ジャイアントパルスが発生するようなことがなくなる。
尚、図9(b)では、光スイッチ素子40にオン信号が入力された後に次第に回折効率が上昇して一定に飽和するまでの立上がりと、その後光スイッチ素子40にオフ信号が入力された後に次第に回折効率が低下する立下りの過渡状態を考慮して台形形状で表している。つまり、初期にパルス光の出力期間Paが当該光スイッチ素子40の立上がり時と重畳しても(図9(b)中、Cs(2)に対応)、当該光スイッチ素子40の回折効率が低く、固体増幅器50に入射するパルス光のエネルギーは限られるが、次のパルス光に対して光スイッチ素子40へのオン信号の入力時期が早まり、当該光スイッチ素子40の飽和時と重畳すると(図9(b)中、Cs(3)に対応)、当該光スイッチ素子40の回折効率が高い値で安定しており、固体増幅器50に入射するパルス光のエネルギーが大きく減衰するようなことが無い。
また、光スイッチ素子40の応答速度が十分に速い場合には、光スイッチ素子40を介して固体増幅器50に伝播する光パルスのパルス幅は、初期には非常に短く、その後次第に長くなるので、仮に固体増幅器50の活性領域が過度な反転分布状態であったとしても、活性領域のエネルギーが初期の非常に短いパルス幅の光パルスの増幅で消費され、ジャイアントパルスが発生するようなことがなくなる。
上述した実施形態では、各光増幅器20,30,50の励起用光源を常時駆動する例を説明したが、制御部100によって、少なくとも種光源10から出力されるパルス光の入力前にファイバ増幅器20,30及び/または固体増幅器50の反転分布状態が得られるように、ファイバ増幅器20,30及び/または固体増幅器50の励起用光源21,31,51を周期的または間歇的に制御するように構成してもよい。
励起用光源21,31,51をこのように制御すれば、種光源10から出力されるパルス光が入力される前にファイバ増幅器20,30及び/または固体増幅器50が反転分布状態になるように励起光が周期的または間歇的に駆動されるので、パルス光の増幅に寄与しない無駄なエネルギー消費や発熱を低減することができるようになる。
例えば、種光源10から出力されるパルス光の入力タイミングで光増幅器が反転分布状態になるように周期的にオン/オフ制御したり強度変調制御したりすればよい。種光源10を駆動するトリガ信号から光増幅器の蛍光寿命時間τの0.5から3倍だけ遡ったタイミングで励起用光源21,31,51が駆動されるのが好ましい。さらには、この間に励起用光源を間歇的に駆動することによって光増幅器を反転分布状態にしてもよい。
上述した実施形態では、非線形光学素子からのパルス光の出力を許容する場合に、種光源10からのパルス光の出力タイミングで光の伝播を許容し、当該出力タイミングと異なるタイミングで光の伝播を阻止するように光スイッチ素子10を制御する制御部100を備えた例を説明したが、本発明によるレーザ光源装置の制御部100は、少なくとも、非線形光学素子からのパルス光の出力を停止する場合に、種光源10からのパルス光の出力タイミングで光の伝播を阻止し、当該出力タイミングと異なるタイミングで光の伝播を許容するように光スイッチ素子10を制御するように構成されていればよい。
上述した実施形態では、種光源としてDFBレーザを用いて、DFBレーザにゲインスイッチング法を適用することによって、単一縦モードで定常状態よりも高強度のパルス光を生成する例を説明したが、本発明は種光源として半導体レーザを用いるものであればよく、DFBレーザ以外の一般的なファブリペロー型の半導体レーザを用いることも可能である。
また、本発明は、発振波長が1064nmとなる種光源に限定されるものでもなく、例えば、1030nm、1550nm、976nm等、用途によって適宜異なる波長の種光源を選択することが可能である。さらに、非線形光学素子を介してこれらの波長を基本波とする高調波、和周波、差周波を発生させることも可能である。非線形光学素子として、上述以外の非線形光学素子を用いることも可能である。例えば、CLBO結晶に代えて、BBO結晶、KBBF結晶、SBBO結晶、KABO結晶、BABO結晶等を用いることができる。
上述した複数の実施形態は、何れも本発明の一実施態様の説明であり、該記載により本発明の範囲が限定されるものではない。また、各部の具体的な回路構成や回路に使用する光学素子は、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜選択し、或いは変更設計可能であることはいうまでもない。
1:レーザ光源装置
10:種光源
20,30:ファイバ増幅器
40:光スイッチ素子
50:固体増幅器
60,70:非線形光学素子
90:回折格子(VBG)

Claims (6)

  1. ゲインスイッチング法でパルス光を出力する種光源と、前記種光源から出力されるパルス光を増幅するファイバ増幅器と、前記ファイバ増幅器から出力されるパルス光を増幅する固体増幅器と、前記固体増幅器から出力されるパルス光を波長変換して出力する非線形光学素子と、を備えているレーザ光源装置であって、
    前記ファイバ増幅器と前記固体増幅器との間に配置され前記ファイバ増幅器から前記固体増幅器への光の伝播を許容または阻止する光スイッチ素子と、
    前記ファイバ増幅器と前記固体増幅器との間に配置され前記ファイバ増幅器から出力されたパルス光から特定波長範囲の光を回折して前記固体増幅器に導く回折格子と、
    前記種光源からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、前記種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するように前記光スイッチ素子を制御することにより、前記非線形光学素子からパルス光の出力を許容する出力許容状態を生成するとともに、前記種光源からのパルス光の出力期間に光の伝播を阻止し、前記種光源からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を許容するように前記光スイッチ素子を制御することにより、前記非線形光学素子からのパルス光の出力を阻止する出力停止状態を生成するように構成されている制御部と、
    を備えているレーザ光源装置。
  2. 前記回折格子がボリューム・ブラッグ・グレーティングで構成されている請求項記載のレーザ光源装置。
  3. 前記ファイバ増幅器から出力されたパルス光を前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングに向けて反射し、または前記ボリューム・ブラッグ・グレーティングで回折された特定波長範囲の光を前記固体増幅器に向けて反射する反射ミラーをさらに備えている請求項記載のレーザ光源装置。
  4. 前記ファイバ増幅器の後段に前記特定波長範囲を含む波長範囲の光を透過するバンドパスフィルタを備えている請求項1からの何れかに記載のレーザ光源装置。
  5. 前記光スイッチ素子が音響光学素子または電気光学素子を含む動的光学素子で構成されている請求項1からの何れかに記載のレーザ光源装置。
  6. 前記種光源がDFBレーザで構成され、前記制御部は前記DFBレーザを数メガヘルツ以下の周波数で、且つ、数百ピコ秒以下のパルス幅で駆動するように構成されている請求項1からの何れかに記載のレーザ光源装置。
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